JP2004524920A - フラッシュオーバーを減少させる電気外科用器具 - Google Patents
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- A61B2018/1425—Needle
- A61B2018/1432—Needle curved
Abstract
Description
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、1999年9月1日出願の米国出願番号09/387,883(これは、1997年11月12日出願の米国出願番号08/968,496の継続出願である)(これらの内容は、その全体が本明細書中で参考として援用される)の一部継続である。
【0002】
(背景)
本開示は、開放外科手順および内視鏡外科手順のために使用される電気外科用器具に関する。より具体的には、本開示は、血管および脈管組織をシールするための双極鉗子に関し、この鉗子は、フラッシュオーバーの発生率を減少させるように設計された電極アセンブリを有する。
【0003】
(技術分野)
止血鉗子または鉗子は、簡単なプライヤー様ツールであり、これは、そのジョー間での機械的な動作を使用して組織を締め付け、一般に、組織を握り、解剖し、そして/またはクランプするために、開放外科的手順において使用されている。電気外科鉗子は、組織および血管を加熱して組織を凝固、焼灼および/またはシールすることにより止血をもたらすために、機械的クランプ動作および電気的エネルギーの両方を利用する。
【0004】
電気外科鉗子を使用して、外科医は、組織に適用される電気外科エネルギーの強度、頻度および持続期間を制御することによって、組織を焼灼、凝固/乾燥させ得るか、そして/または出血を単純に減少させ得るかもしくは遅延させ得る。一般に、電気外科鉗子の電気的構成は、以下の2つの分類に分けられ得る:1)単極電気外科鉗子;および2)双極電気外科鉗子。
【0005】
単極鉗子は、クランピングエンドエフェクタを伴う1つの活性電極および患者に外部から装着される遠隔患者リターン電極またはパッドを利用する。電気外科エネルギーが適用される場合、このエネルギーは、活性電極から外科的部位に、そして患者を通ってリターン電極へと伝わる。
【0006】
双極電気外科鉗子は、2つの一般に反対の電極を利用し、これらの電極は、一般に、エンドエフェクタの内部外装または反対の表面上に配置され、このエンドエフェクタは、次に、電気外科ジェネレータへと電気的に連結される。各電極は、異なる電位に荷電している。組織は、電気的エネルギーのコンダクタであるので、エンドエフェクタが、その間の組織をクランプするかまたは握るために使用される場合、この電気的エネルギーは、組織を通って選択的に伝達され得る。
【0007】
過去数十年にわたって、内視鏡および内視鏡器具(これらは、小さい穿刺様切開部を通って、器官にアクセスする)を使って、生命の維持に重要な器官および体腔にアクセスする伝統的な開放方法を称賛する外科医が増えている。内視鏡器具は、カニューレまたはポート(これは、トロカールと共に作製されている)を通って患者に挿入される。カニューレの典型的な大きさは、3ミリメートルから12ミリメートルの範囲である。通常、より小さいカニューレが好ましいが、理解され得るように、これにより、最終的には、カニューレを通って適合する外科器具を製造するための方法を見出さなければならない器具製造業者に対して、設計上の難題を示す。
【0008】
特定の内視鏡外科手順では、血管または血管組織をシールすることが必要である。しかしながら、空間的に制限されているので、外科医は、血管を縫合することまたは出血を抑える他の伝統的な方法(例えば、横に切開した血管のクランプおよび/または縛り)を実行するのが困難となり得る。血管は、直径2ミリメートル未満の範囲では、しばしば、標準的な電気外科技術を使用して閉じられ得る。より大きい血管が切断される場合、外科医は、内視鏡手順を開放外科手順に切り替えて、それにより、腹腔鏡検査の利点を捨てる必要があり得る。
【0009】
小血管を凝固するプロセスは、血管シールとは原理的に異なることが公知である。本明細書中の目的のために、用語「凝固」は、その組織細胞が破裂し乾いた組織を乾燥するプロセスとして定義される。用語「血管シール」とは、組織が架橋し、そして融合した塊に再形成するように、組織内のコラーゲンを液化するプロセスとして定義される。それゆえ、小血管の凝固は、それらを閉じるのに十分であるが、より大きい血管は、永久的な閉鎖を確実にするために、シールされる必要がある。
【0010】
いくつかの学術論文には、電気外科を使用して小血管をシールする方法が開示されている。表題Studies on Coagulation and the Development of an Automatic Computerized Bipolar Coaqulator(J.Neurosurg.,第75巻、1991年7月)の論文は、小血管をシールするのに使用される双極凝固装置を記述している。この論文は、2〜2.5mmより大きい直径を有する動脈を安全に凝固できないことを述べている。第二の論文は、表題Automatically Controlled Bipolar Electrocoagulation−「COA−COMP」(Neurosurg.Rev.(1984),pp.187〜190)であるが、血管壁の焦げを回避し得るように、血管に電気外科的力を伝達する方法を記述している。
【0011】
大きい血管の適切なシールをもたらすために、2つの主な機械的パラメータ(血管に適用される圧力および電極間の間隙距離(これらの両方は、シールした血管の厚さに影響を与える))を正確に制御しなければならない。より具体的には、圧力を正確に適用することは、以下のいくつかの理由のために重要である:1)血管の壁を対向させるため;2)十分な電気外科エネルギーを組織に通すのに十分に低い値まで組織インピーダンスを低くするため;3)組織加熱中の膨張力に打ち勝つため;そして4)良好なシールの指標である最終組織厚に寄与するため。いくつかの例において、融合した血管壁は、0.001インチと0.006インチとの間が最適である。この範囲より低いと、そのシールは、ちぎれるかまたは引き裂かれ得、そしてこの範囲より高いと、管腔は、適切にも効果的にもシールされないかもしれない。
【0012】
多数の双極電気外科用器具が、種々の開放外科手順および内視鏡外科手順のために、過去提案されてきた。しかし、これらの設計のいくつかは、血管に対して均一に再現性のある圧力を提供しないかもしれず、そして非効果的または不均一なシールを生じ得る。例えば、Willisの米国特許第2,176,479号、Hiltebrandtの米国特許第4,005,714号および第4,031,898号、Boebelらの米国特許第5,827,274号、第5,290,287号および第5,312,433号、Lottickの米国特許第4,370,980号、第4,552,143号、第5,026,370号および第5,116,332号、Sternらの米国特許第5,443,463号、Eggersらの米国特許第5,484,436号およびRichardsonらの米国特許第5,951,549号は、全て、血管または組織を凝固、シールおよび/または切断するための電気外科用器具に関する。
【0013】
これらの器具の多くは、ブレード部材または剪断部材を備え、これらは、単に、機械的および/または電気機械的な様式で組織を切断し、血管シールの目的については比較的非効果的である。他の器具は、一般に、適切なシール厚を獲得するのにクランプ圧だけに頼っており、そしてしばしば、間隙公差および/または平行度ならびに平面度の要件(これらは、適切に制御される場合、一貫した有効な組織シールを保証し得るパラメータである)を考慮して設計されていない。例えば、以下の2つの理由のいずれかのために、クランプ圧だけを制御することによって、生じるシールした組織の厚さを適切に制御することは困難であることが知られている:1)適用される力が大きすぎる場合、2つの極が触れて、組織を通ってエネルギーが移動されず、無効なシールを生じるおそれがある;または2)適用される力が低すぎる場合、より厚くて信頼性の低いシールが作製される。
【0014】
多数の先行技術の双極器具を洗浄および滅菌することは、しばしば、電極および/または絶縁体が損傷され得るので、非現実的であることもまた見出されている。より具体的には、電気的に絶縁性の材料(例えば、プラスチック)が、繰り返される滅菌サイクル(これは、シールの品質および一貫性を最終的にもたらし得、そしていわゆる「フラッシュオーバー」を引き起こし得る)によって損傷または損なわれ得ることが公知である。本明細書中で使用する場合、フラッシュオーバーは、器具が手術の間に繰り返し使用される場合に生じ得る絶縁体もしくは絶縁コーティングの表面上の一貫しない電流トラッキング、および/または起動不規則性の結果として発生する可視的な異常に関する。フラッシュオーバーは、絶縁体の表面を黒焦げにする傾向があるが、シール品質をもたらさない。しかし、器具および/または電極アセンブリの寿命をもたらし得る。フラッシュオーバーに関する効果および産業的標準は、Annual Book of ASTM Standards、Vol.10.02、記号:D495−84;D618;D2303およびD3638において詳細に考察される。
【0015】
いくつかの製造業者が、種々の電気外科用器具を導入しており、これらは、異なる大きさの血管をシール、切断、焼灼および/または凝固することに関する上記の問題の多くを解決することが知られている。これらの器具のいくつかは、1998年10月23日出願の同時継続中の米国特許出願番号09/178,027、表題OPEN VESSEL SEALING FORCEPS WITH DISPOSABLE ELECTRODES;1999年10月22日出願の同時係属中の米国特許出願番号09/425,696、表題OPEN VESSEL SEALING FORCEPS WITH DISPOSABLE ELECTRODES;1998年10月23日出願の同時継続中の米国特許出願番号09/177,950、表題ENDOSCOPIC BIPOLAR ELECTROSURGICAL FORCEPS;および2000年7月21日出願の同時継続中の米国特許出願番号09/621,029、表題ENDOSCOPIC BIPOLAR ELECTROSURGICAL FORCEPS(これら全ての全内容は、本明細書中で参考として援用される)に記載される。
【0016】
しかし、多くの電気外科用器具が引き続く作業の間に再使用されるように設計されているので、滅菌後に電気外科用器具を繰り返し使用することによって、フラッシュオーバーを引き起こし得る絶縁体表面上の一貫しない電流トラッキングおよび/または起動不規則性を生じ得る。起動不規則性はまた、器具が、作業過程の間に推奨された回数の起動サイクルを超えて使用される場合、使い捨て可能器具および/または部分的に使い捨て可能な器具の絶縁体表面上または表面付近で生じ得る。
【0017】
従って、血管および組織を一貫してかつ効果的にシールし得、かつフラッシュオーバーの発生率を効果的に低下させる、電気外科用器具を開発する必要性が存在している。
【0018】
(要旨)
本開示は、一般に、開放および/または内視鏡電気外科用器具に関し、これは、取り外し可能な電極アセンブリを備え、この電極アセンブリは、独特の絶縁性基材によってならびに/または独特に設計された絶縁性基材および導電性表面によって、この器具の残部から電気的および熱的に分離された電極を有する。(導電性表面の幾何学的形状に対する)この絶縁性基材の幾何学的形状および/または使用される絶縁材料の型の両方が、フラッシュオーバーの発生率の全体的な低下に寄与することが想定される。
【0019】
より詳細には、本開示は、電気外科用器具と併用するための電極アセンブリに関し、これは、対向するエンドエフェクタおよび互いに対してこのエンドエフェクタを移動させるためのハンドルを備える。このアセンブリは、ハウジングを備え、このハウジングは、電気外科用器具の少なくとも一部分(例えば、ハンドル、エンドエフェクタ、旋回軸、シャフトなど)に取り外し可能に係合可能な少なくとも一部分、および1対の電極を有する。各電極は、好ましくは、導電性シーリング表面および絶縁性基材を備え、かつエンドエフェクタと選択的に係合可能であるように寸法決めされ、その結果、電極は、互いに対して対向する関係に位置する。
【0020】
1つの実施形態において、この絶縁性基材の寸法は、フラッシュオーバーの発生率を効果的に低下させる導電性シーリング表面の寸法とは異なる。
【0021】
別の実施形態において、各々の電極の絶縁性基材は、電気外科用器具の対応するエンドエフェクタ上に配置された相補(complimentary)機械的インターフェースに係合するように機械的インターフェースを備える。例えば、この基材の機械的インターフェースは、移動止めを備え得、対応するエンドエフェクタの機械的インターフェースは、この移動止めを収容するような、相補ソケットを備え得る。
【0022】
好ましくは、絶縁性基材は、スタンピングにより、オーバーモールディング(overmolding)により、スタンピングしたシーリングプレートをオーバーモールディングすることにより、および/または金属射出成形したシーリングプレートをオーバーモールディングすることにより、導電性シーリング表面に取り付けられる。別の実施形態において、この導電性シーリング表面は、ピンチトリムを備え、そして絶縁性基材は、この導電性シーリング表面の周縁部を越えて延びる。これらの製造技術の全てが、作動中のフラッシュオーバーの発生率を効果的に低下させることを企図している。
【0023】
本開示の別の実施形態において、絶縁性基材は、約300ボルト〜約600ボルトの比較トラッキング指数を有する材料から作製される。好ましくは、この絶縁性基材は、以下を含む材料の群から作製される:ナイロン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド−イミド(PAI)、アクリル(PMMA)、ポリスチレン(PSおよびHIPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、脂肪族ポリケトン、アセタール(POM)コポリマー、ポリウレタン(PUおよびTPU)、ポリフェニレンオキシドを分散させたナイロン、およびアクリロニトリルスチレンアクリレート。
【0024】
本開示の他の実施形態は、ハウジングを備え、このハウジングは、弾力性でかつ可撓性の2つのプロングを形成する分岐遠位端を有し、このプロングは各々、対応するエンドエフェクタと係合するように設計された電極を有する。別の実施形態において、エンドエフェクタは、電気外科用器具のシャフトの遠位端に対して、角度アルファ(α)で配置される。好ましくは、この角度は、約50°〜約70°である。エンドエフェクタ、次いで電極はまた、幅「W」に沿ったテーパを備えるように寸法決めされ得る(図2参照)。
【0025】
本開示はまた、互いに対して1対の対向エンドエフェクタの移動をもたらすハンドルおよび少なくとも1つのシャフトを有する電気外科用器具と併用するための、電極アセンブリに関する。この電極アセンブリは、ハウジングを備え、このハウジングは、シャフトおよび/またはハンドルおよび1対の電極と取り外し可能に係合可能である。各電極は、対応するエンドエフェクタと取り外し可能に係合可能であり、第一の幾何学的形状を有する導電性シーリング表面および第二の幾何学的形状を有する絶縁性基材を備える。好ましくは、この絶縁性基材の第二の幾何学的形状は、シーリング表面の第一の幾何学的形状とは異なり、これは、器具の作動中のフラッシュオーバーの発生率を効果的に低下させる。
【0026】
好ましくは、電極アセンブリは、その意図される作動周期数を越えて使用した後に、取り外し可能で、使い捨て可能でかつ交換可能である。あるいは、電極アセンブリおよび/または電極は、器具のエンドエフェクタと一体となって結合され得、取り外し不可能である。この例において、電気外科用器具(開放または内視鏡)は、単回使用に適用するように設計され得、外科手術が完了した後、この器具全体が完全に使い捨て可能である。
【0027】
(詳細な説明)
電極絶縁材料を変えることによって、外科医が、一貫して高品質のシールを直ちにかつ容易に行うことができ、いわゆる「フラッシュオーバー」の可能性を低下させることできることが見出されている。フラッシュオーバーは、外科手術の間に器具が繰返し使用された場合に生じ得る、絶縁体表面にわたる非一貫性のそして/または不規則な電流トラッキングの結果として、シーリングの間に生じる単なる視角異常である。フラッシュオーバーは、絶縁体表面を黒焦げにする傾向があるが、シールの質に影響を及ぼすことは知られていない。しかしながら、フラッシュオーバーは、器具の寿命に影響を及ぼし得る。
【0028】
フラッシュオーバーの発生率を低下させる1つの方法は、電流が所定の電気経路に沿って移動しなければならない全体の距離を効果的に増加させる導電性シーリング表面に対して、絶縁体の幾何学を変化させることであることが企図される。特定の特性を有する特定の材料から絶縁性基材を製造することが、同様にフラッシュオーバーの発生率を低下させることもまた、企図される。
【0029】
ここで図1〜3を参照すると、例として開放外科手順と併用して使用するための双極鉗子10が示されており、この鉗子は、機械的鉗子20および使い捨て可能な電極アセンブリ21を備える。図面および以下の記載において、用語「近位」は、伝統的に、鉗子10のうち、使用者に近い端部を意味するのに対して、用語「遠位」は、使用者から遠い端部を意味する。さらに、図のほとんど(すなわち、図1〜7Aおよび8A)は、開放外科手順と併用するための、本発明において記載される器具の1つの実施形態(例えば、鉗子20)を示しているが、本明細書中において示され記載されるのと同じ特性もまた、図8Bの例によって示される実施形態のような内視鏡器具100とともにかまたはそれと組み合わせて、使用され得る。
【0030】
図1〜3は、機械的鉗子20を示し、この鉗子は、第一部材9および第二部材11を備え、これらの各々は、それぞれ細長シャフト12および14を有する。シャフト12および14の各々は、近位端13および15、ならびに遠位端17および19をそれぞれ備える。各シャフト部分12、14の各近位端13、15は、それに装着されたハンドル部材16および18を備え、これらハンドル部材により、使用者は、シャフト部分の少なくとも一方(例えば、12)を他方(例えば、14)に対して移動させることができる。各シャフト部分12および14の遠位端17および19から、エンドエフェクタ24および22がそれぞれ延びている。エンドエフェクタ24および22は、ハンドル部材16および18の移動に対し、互いに対して移動可能である。好ましくは、エンドエフェクタ22、24(および、次いで、ジョー部材42および44、ならびに対応する電極110および120)は、遠位端19、17に対して角度アルファ(α)で配置される(図2参照)。この角度アルファ(α)は、遠位端19、17に対して約50°〜約70°の範囲であることが企図される。
【0031】
遠位端19、17に対する角度アルファ(α)におけるエンドエフェクタ22、24の角度付けは、以下の2つの理由から有利であり得ると想定される:1)エンドエフェクタ、ジョー部材および電極の角度が、一定組織厚に対して、平行で、より一定の圧力を加える;および2)電極(例えば、110)の近位部分が(幅「W」に沿ったテーパの結果として)厚くなると、組織150の反力に起因して曲げに抵抗できる。電極110の「W」のテーパ状(図2)は、この電極110の遠位端から近位端までの機械的に有利な変動(mechanical advantage variation)を算出し、そしてそれによってこの電極110の幅を調節することによって決定される。エンドエフェクタ22、24を約50°〜約70°の角度で寸法決めすることは、前立腺切除および膀胱切開に関連した特定の解剖学的構造(例えば、背静脈複合体および側方茎)にアクセスし、この構造をシーリングするのに好ましいことが企図される。
【0032】
好ましくは、シャフト部分12および14は、旋回軸25の周囲でエンドエフェクタ24および22の近位の点にて、互いに固定され、その結果、ハンドル16、18の一方の移動は、開放位置からエンドエフェクタ24および22を相対的に移動させる。ここでエンドエフェクタ22および24は、クランピング位置または閉鎖位置に対し、互いに対して空間を空けた関係で配置されており、ここで、エンドエフェクタ22および24は、それらの間で管状血管150を把持するように協働する(図8Aおよび8Bを参照のこと)。旋回軸25は広い表面積を有し、作動の間の鉗子10のねじれおよび移動を抑えることが想定される。鉗子10は、ハンドル16および18の一方または両方の移動が、エンドエフェクタの一方(例えば、24)を他方のエンドエフェクタ(例えば、22)に対して移動させるようにのみ、設計され得る。
【0033】
図3を最も参照した場合、エンドエフェクタ24は、上部ジョー部材すなわち第一ジョー部材44を備え、このジョー部材は、内向表面45およびその上に配置された複数の機械的インターフェースを有し、これらのインターフェースは、以下でより詳細に記載される使い捨て可能な電極アセンブリ21の一部に取り外し可能に係合するように寸法決めされている。好ましくは、この機械的インターフェースは、ソケット41を備え、このソケットは、ジョー部材44の内向表面45を少なくとも部分的に通って配置され、そして使い捨て可能な電極アセンブリ21の上部電極120に装着された相補移動止め122を収容するように設計されている。用語「ソケット」が本明細書中で使用されるが、雌性または雄性の機械的インターフェースのいずれかが、ジョー部材44に使用され得、嵌合した機械的インターフェースは、使い捨て可能な電極アセンブリ21上に配置されることが企図される。
【0034】
いくつかの場合において、ジョー部材44の別の面に沿った機械的インターフェース41を製造し、異なる様式で(例えば、その面から)、使い捨て可能な電極アセンブリ21の相補機械的インターフェースを係合するのが、好ましくあり得る。ジョー部材44はまた、エンドエフェクタ24の内向面45を少なくとも部分的に通って配置される開口部67を備え、この開口部は、使い捨て可能な電極アセンブリ21の電極120上に配置された、相補ガイドピン124を収容するように寸法決めされる。
【0035】
エンドエフェクタ22は、第二ジョー部材すなわち低部ジョー部材42を備え、このジョー部材は、内向表面45に対向する内向表面47を有する。好ましくは、ジョー部材42および44は、ほぼ対称的に寸法決めされる。いくつかの場合において、特定の目的に依存する、非対称的な2つのジョー部材42および44を製造することが、好ましくあり得る。ジョー部材44に対して上記とまさに同じ様式において、ジョー部材42はまた、複数の機械的インターフェースまたはその上に配置されたソケット43を備え、これらは、下記のように、使い捨て可能な電極アセンブリ21の電極110上に配置された相補部分と取り外し可能に係合するように寸法決めされる。同様に、ジョー部材42はまた、内向面47を少なくとも部分的に通って配置される開口部65を備え、これは、使い捨て可能な電極アセンブリ21の電極110上に配置された相補ガイドピン127(図4参照)を収容するように寸法決めされる。
【0036】
好ましくは、機械的鉗子20のシャフト部材12および14は、クランプ留めされる場合、それぞれジョー部材22および24の対向する内向表面に、特定の所望な力を伝達するように設計される。特に、シャフト部材12および14は、バネ様様式(すなわち、バネのように振舞う曲がり)で一緒に、効果的に作用するので、シャフト部材12および14の長さ、幅、高さおよび偏向は、対向するジョー部材42および44に付与される全伝達力に直接的に影響を及ぼす。好ましくは、ジョー部材22および24は、シャフト部材12および14よりも剛性であり、かつこのシャフト部材12および14に保存されるひずみエネルギーは、ジョー部材42と44との間に一定の閉鎖力を提供する。
【0037】
各シャフト部材12および14はまた、それぞれ、ラチェット部分32および34を備える。好ましくは、各ラチェット(例えば、32)は、そのそれぞれのシャフト部材12の近位端13からもう一方のラチェット34の方へ、ほぼ垂直に整列した様式で延び、その結果、各ラチェット32および34の内向表面は、エンドエフェクタ22および24が開放位置から閉鎖位置まで移動する際に、互いに接触する。各ラチェット32および34は、それぞれ、複数のフランジ31および33を備え、これは、各ラチェット32および34の内向表面から突出し、その結果、ラチェット32および34は、少なくとも1つの位置でインターロックされ得る。図1に示される実施形態において、ラチェット32および34は、いくつかの異なる位置でインターロックする。好ましくは、各ラチェット位置は、特定の(すなわち、一定の)ひずみエネルギーをシャフト部材12および14内で保持し、これは次いで、特定の力を、エンドエフェクタ22および24、従って電極120および110に伝達する。
【0038】
いくつかの場合において、互いに対してジョー部材42および44の移動を制御および/または制限するための他の機構を備えることが、好ましくあり得る。例えば、ラチェットおよびつめシステムは、別々のユニットへの2つのハンドルの移動を整列するのに使用され得、これは次いで、互いに対してジョー部材42および44を別々に移動させる。
【0039】
好ましくは、シャフト部材の少なくとも1つ(例えば、14)は、突起99を備え、これは、外科手術状態の間に鉗子20の操作を容易にし、かつ以下より詳細に記載されるように、機械的鉗子20への電極アセンブリ21の装着を容易にする。
【0040】
図2、3および5で最もよく示されているように、使い捨て可能電極アセンブリ21は、機械的鉗子20と組み合わせて作動するように設計される。好ましくは、電極アセンブリ21は、近位端部77、遠位端部76およびそれらの間に配置される細長シャフトプレート78を有するハウジング71を備える。ハンドルプレート72は、ハウジング71の近位端77の近くに配置され、そして機械的鉗子20のハンドル18を取り外し可能に係合し、そして/またはハンドル18を取り囲むのに十分な寸法にされる。同様に、シャフト78は、シャフト14およびハウジング71の遠位端76近くに配置される旋回プレート74を取り囲み、そして/または取り外し可能に係合するような寸法にされ、そして機械的鉗子20の旋回軸25および遠位端19の少なくとも一部を取り囲むような寸法である。電極アセンブリ21は、機械的鉗子20の第一部材9または第二部材11、およびそのそれぞれの構成成分部分12、16または14、18のいずれかと係合するように係合するように製造され得る。
【0041】
図3に示される実施形態において、ハンドル18、シャフト14、旋回軸25および遠位端19の一部は、全て、ハウジング71内に配置される対応するチャネル内に合うような寸法である。例えば、チャネル139は、ハンドル18を受容するような寸法であり、チャネル137は、シャフト14を受容するような寸法であり、チャネル133は、旋回軸25および遠位端19の一部を受容するような寸法である。
【0042】
電極アセンブリ21はまた、カバープレート80を備え、このカバープレートはまた、ハウジング71に関して記載された様式と類似の様式で、機械的鉗子20を取り囲み、そして/または係合するように設計される。さらに詳細には、カバープレート80は、近位端85、遠位端86およびそれらの間に配置される細長シャフトプレート88を備える。ハンドルプレート82は、近位端85の近くに配置され、好ましくは、機械的鉗子20のハンドル18を取り外し可能に係合し、そして/または取り囲むような寸法である。同様に、シャフトプレート88は、シャフト14を取り囲み、そして/または取り外し可能に係合するための寸法であり、そして遠位端86付近に配置される旋回プレート94は、機械的鉗子20の旋回軸25および遠位端19を取り囲むように設計される。好ましくは、ハンドル18、シャフト14、旋回軸25および遠位端19は、全て、ハウジング71に関して上記される様式と類似の様式で、カバープレート80内に配置される対応するチャネル(図示せず)内に合うような寸法である。
【0043】
図3および4に関して最も良く示されているように、ハウジング71およびカバープレート80は、機械的鉗子20の第一部材(例えば、11)の上に互いに係合するような寸法であり、その結果、第一部材11およびそのそれぞれの構成成分部分(例えば、ハンドル18、シャフト14、遠位端19および旋回軸25)は、それらの間に配置される。好ましくは、ハウジング71およびカバープレート80は、ハウジング71およびカバープレート80の内部に沿って種々の位置に配置されて、互いの機械的係合をもたらす、複数の機械的インターフェースを備える。さらに詳細には、複数のソケット73が、ハウジング71のハンドルプレート72、シャフトプレート78および旋回プレート74の近くに配置され、そしてカバープレート80から伸長する、対応する複数の移動止め(図示せず)を取り外し可能に係合するような寸法である。雄型機械的インターフェースまたは雌型機械的インターフェースのいずれかあるいは機械的インターフェースの組み合せが、カバープレート80上またはカバープレート80内に配置される嵌合機械的インターフェースとともに、ハウジング71内に配置され得ることが想定される。
【0044】
図5〜7Aに関して最も良く示されているように、電極アセンブリ21の遠位端76は、2つのプロング様部材103および105が、その遠位端76から外向きに伸長して電極110および120をそれぞれ支持するように、分岐している。より詳細には、電極120は、プロング105の端部90に付けられて、そして電極110は、プロング103の端部91に付けられる。電極110および120が任意の公知の様式(例えば、摩擦ばめ、スナップフィット係合、圧着など)で、端部91および90に付けられ得る。さらに、電極110および120が、特定の目的に依存して、そして/または電極アセンブリ21の組み立てを容易にするために、端部90および91から選択的に取り外し可能であり得ることが企図される。
【0045】
一対のワイヤ60および62は、図4および5に最もよく示されているように、それぞれ電極120および110に接続される。好ましくは、ワイヤ60および62は、一緒に束にされ、そしてワイヤバンドル28(図4)を形成し、このワイヤバンドルは、端子コネクタ30(図3を参照のこと)から、ハウジング71の近位端77へ、ハウジング71の内部に沿って、遠位端76へと及ぶ。ワイヤバンドル28は、遠位端76の近くでワイヤ60および62に別れ、そしてワイヤ60および62が、それぞれ、各電極120および110に接続される。いくつかの場合において、電極アセンブリ21の内側空洞に沿った種々のピンチ点でワイヤ60および62またはワイヤバンドル28を捕捉し、そしてカバープレート80を装着することによって電極アセンブリ21内でワイヤ60および62を取り囲むことが好ましくあり得る。
【0046】
ワイヤ60および62のこの配置は、双極鉗子10の操作をほとんど妨害しないように、使用者にとって便利であるように設計される。上述のように、ワイヤバンドル28の近位端は、端子コネクタ30に接続されるが、いくつかの場合において、ワイヤ60および62を電気外科用発生器(図示せず)まで伸長させることが好ましくあり得る。
【0047】
図6に最も良く示されているように、電極120は、導電性シール表面126および電気絶縁性基材121を備え、これらは、スナップフィット係合またはいくつかの他の組み立て方法(例えば、スタンピングのオーバーモールディングまたは金属射出成形)によって互いに装着される。好ましくは、基材121は、成型されたプラスチック材料から作製され、そしてエンドエフェクタ24のジョー部材44内に配置される対応するソケット41と機械的に係合するように成形される(図2を参照のこと)。この基材121は、電流を絶縁するだけではなく、電極120を整列させ、これらの両方が、シール品質、一貫性(consistency)およびフラッシュオーバーの減少に寄与する。
【0048】
さらに、上記組み立て技術のうちの1つを使用して伝導性表面126を基材121に装着することによって、電極120の整列および厚み(すなわち、高さ「h2」)が制御され得る。例えば、図7Bおよび7Cを比較して最もよく図示されるように、オーバーモールディング製造技術は、従来の製造技術(「h1」の高さを生じる)(図7B)と比較して、電極120の全体の高さ「h2」(図7C)を減少する。より低い高さ「h2」によって、使用者は、身体内のより小さな領域にアクセスすることができ、そしてより繊細な組織領域の回りでのシーリングを容易にする。さらに、オーバーモールディング技術が、導電性表面の側面に沿ってより絶縁性を提供し、これはまた、フラッシュオーバーの発生を効率的に減少させることが企図される。
【0049】
好ましくは、基材121は、複数の分岐した移動止め122を備え、この移動止めは、ソケット41への挿入の間、圧縮し、そして挿入後に拡張して、ソケット41を取り外し可能に係合するように形成される。電極120およびジョー部材44のスナップフィット係合が、より広い範囲の製造許容度に適応することが想定される。基材121はまた、ジョー部材44の開口67を係合するような寸法である整列またはガイドピン124を備える。スライド−フィット技術はまた、例えば、Tetzlaffらによる、共有に係る同時係属中の米国出願番号203−2348CIP2PCTに関して記載されるスライドフィット技術を企図し、この全体は、本明細書によって、本明細書中で参考として援用される。
【0050】
伝導性シール表面126は、電極アセンブリ21のプロング105の遠位端90を係合するように設計されたワイヤクリンプ145を備え、そして電極アセンブリ内に配置されるワイヤ60に付けられる対応するワイヤコネクタと電気的に係合する。シール表面126はまた、対向する面125を備え、この対向する面は、管状脈管または組織150に対して保持される場合、電気外科用電流をこの管状脈管または組織に伝達するように設計される。
【0051】
電極110は、電気外科用電流を絶縁するため、および電気外科用電流を組織150に伝達するために類似の要素および材料を備える。より詳細には、電極110は、導電性シール表面116および電気絶縁性基材111を備え、これらは、上記組み立て方法のうちの1つによって互いに装着される。基材111は、複数の移動止め112を備え、これらは、ジョー部材42に配置される対応する複数のソケット43および開口部65と係合するような寸法である。伝導性シール表面116は、ワイヤクリンプ119を有する伸長部155を備え、このワイヤクリンプは、プロング103の遠位端91と係合し、ハウジング71内に配置されるワイヤ62に付けられる対応するワイヤコネクタと電気的に係合する。シール表面116はまた、管状脈管または組織150に対して保持される場合、電気外科用電流をこの管状脈管または組織に伝達する、対向する面115を備える。電極110および120が1つの片として形成され得、そしてフラッシュオーバーの発生を減少させる様式で電気エネルギーを絶縁しそして伝導するための類似の構成要素および/または寸法を備えることが企図される。
【0052】
上述のように、フラッシュオーバーが絶縁体および電極の物理的特性または化学的特性を変化させることによって(例えば、絶縁体の外形/形状を変えることによって、絶縁体を製造するために使用される材料の型を変えることによって、そして/または異なる材料を用いて絶縁体をコーティングすることによって)、減少および/または除去され得ることが想定される。絶縁体111および/または伝導性表面116の外形を改変することによって、フラッシュオーバーが生じる前に、絶縁体111の上を進行するために電流のより長い経路が作り出される。例えば、図7B(先行技術)と新たに開示される図7Cおよび7Dとを比較して最も良く示されるように、基材111、121は、幅「W」(図2)とともに伸長するように設計され、その結果、絶縁基材(例えば、111)の幅は、導電性シール表面116の幅を超える。これらの導電性シーリング表面116および絶縁体111の構成を製造することは、種々の製造技術(例えば、スタンピングのオーバーモールディングおよび/または金属射出成形)によって達成され得ることが想定される。スタンピングは、当該分野で公知の実質的に任意のプレス操作を包含するように本明細書中で規定され、これには、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ブランキング、剪断、熱間形成または冷間形成、引き抜き、曲げ加工および圧印加工。
【0053】
図7Dに最も良く示されるように、導電性シーリング表面116は、ピンチトリム131を備え得、このピンチトリムは、組み立てプロセスおよび/または製造プロセスの間、絶縁体と導電性シーリング表面116との確実な一体的係合を容易にする。この様式での電極110および120の製造がフラッシュオーバーの発生を減少することが想定される。他の製造技術もまた、類似の導電性シーリング表面116および絶縁体111構成(これは、フラッシュオーバーの発生を効果的に減少させる)を達成するために使用され得る。
【0054】
導電性シーリング表面116に対する絶縁体111の外形の改変がフラッシュオーバーの発生を減少させることが企図されるが、いくつかの場合において、フラッシュオーバーを減少させるために絶縁体に対して異なる材料を単純に使用することが好ましくあり得る。例えば、全てのプラスチックがフラッシュオーバーに対して異なる耐性(これは、一般的に、比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index)(CTI)を使用して測定される)を有することが公知である。フラッシュオーバーに耐えるために必要とされるCTI値は、代表的に、容器シーリング発生器の最大電圧によって一部示されるが、周波数のような他のパラメータもまた代表的にフラッシュオーバーをもたらす。
【0055】
絶縁体111および/または伝導性表面116の外形を変更する代わりに、約300〜約600ボルトのCTI値を有するプラスチック絶縁体が、使用され得ることが見出された。高いCTI材料の例としては、ナイロンおよびシンジオタクチックポリスチレン(例えば、DOW Chemicalによって製造された、QUESTRA(登録商標))が挙げられる。他の材料もまた、フラッシュオーバーを減少させるために単独でまたは組み合わせてのいずれかで使用され得、例えば、ナイロン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリミド(Polymide)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド−イミド(PAI)、アクリル(PMMA)、ポリスチレン(PSおよびHIPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、脂肪族ポリケトン、アセタール(POM)コポリマー、ポリウレタン(PUおよびTPU)、ポリフェニレンオキシドを分散させたナイロンならびにアクリロニトリルスチレンアクリレートが挙げられる。
【0056】
しかし、いくつかの場合において、絶縁体111および/または伝導性表面116の外形を変更し、そして/または約300〜約600ボルトのCTI値を有さないプラスチック絶縁体を使用することが好ましくあり得る。あるいは、特定のコーティングが、フラッシュオーバーを減少させるために、単独でまたは上記製造技術のうちの1つと組み合わせてのいずれかで使用され得る。
【0057】
図8Aは、使用中の双極鉗子10を示し、ここで、ハンドル部材16および18は、互いに近付いて移動されて、管状組織150にクランプ力を付与し、図9および10に示されるように、シール152を生じる。一旦シールされると、管状血管150は、図11に示されるように、シール152に沿って切断されて、組織150を分離し得、そしてそれらの間に間隙154を形成し得る。
【0058】
双極鉗子10が使用された後、または電極アセンブリ21が損傷した場合に、電極アセンブリ21は、容易に取り外され得、そして/または交換され得、そして上で議論したものと同じ様式で、新たな電極アセンブリ21が、鉗子に取り付けられ得る。電極アセンブリ21を使い捨て可能に作製することによって、電極アセンブリ21は、損傷されにくくなることが予測される。なぜなら、この電極アセンブリは単回作動のみを意図され、従って、洗浄または滅菌を必要としないからである。その結果、シーシリング構成要素(例えば、導電性表面126、116および絶縁表面121、111)の機能性および一貫性は、均一な、良質のシールを保証する。あるいは、電気外科用器具全体が使い捨て可能であり得、これは再度、最小のフラッシュオーバー効果で、均一な良質のシールを保証する。
【0059】
図8Bは、使用中の内視鏡双極器具100を示し、ここで、ハンドルアセンブリ128の移動は、管状組織150に対するクランプ力を付与して、図9から11に示されるようなシール152を生じる。示されるように、シャフト109および電極アセンブリ122は、トロカール130およびカニューレ132を通して挿入され、そしてハンドルアセンブリ118は、電極アセンブリ122の対向するジョー部材の間に、管状血管150を把持させるように作動される。より具体的には、可動ハンドル118bは、固定ハンドル118aの方に次第に移動され、この固定ハンドルが次に、間隔を空けた開位置から閉じたシーリング位置へとジョー部材の相対運動を引き起こす。回転部材123は、作動の前に、使用者が、管状組織150の周りの位置で電極アセンブリ122を回転させることを可能にする。
【0060】
ジョー部材が組織150の周りで閉じた後に、使用者は次いで、接続128を介して組織150へと電気外科用エネルギーを印加する。組織150に印加される電気外科用エネルギーの強度、周波数および持続時間を制御することによって、使用者は、シールを焼灼、凝固/乾燥させ得、そして/または出血を単に減少もしくは遅延させ得るかのいずれかである。
【0061】
上述のことから、そして種々の図面を参照して、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対して特定の改変がまたなされ得ることを理解する。例えば、電極110および120が平行に対向して対面し、従って、同一平面上で対面することが好ましいが、いくつかの場合において、電極110および120が、互いに遠位端で対面し、その結果、同一平面内の電極をわずかに偏向させるために、ハンドル16および18に対するさらなる閉鎖力が必要とされることが、好ましくあり得る。このことは、シールの質および一貫性を改善し得ることが予測される。
【0062】
電極アセンブリ21がハウジング71およびカバープレート80を備えて、機械的鉗子20をこれらの間に係合することが好ましいが、いくつかの場合において、電極アセンブリ21が、機械的鉗子20を係合するために、一部品のみ(例えば、ハウジング71)が必要とされるように製造されることが、好ましくあり得る。
【0063】
エンドエフェクタの外側表面が、シーリングの間または後のエンドエフェクタ(またはその構成要素)と周囲の組織との間の接着を減少させるように設計された、ニッケルベースの材料、コーティング、スタンピング、金属射出成形品を備え得ることが予測される。
【0064】
あるいは、特定の上述のコーティングが、全体的な熱拡散の減少を補足するために、単独でまたは上記製造技術のうちの1つと組み合わせてのいずれかで使用され得る。これらの効果は、本願と同時に出願され、係属中の共有に係る出願番号第[203−2898]号(これは、「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WHICH REDUCES COLLATERAL DAMAGE TO ADJACENT TISSUE」の表題であり、Johnsonらによる)に詳細に考察される。
【0065】
本開示の1つの実施形態のみが記述されているものの、本開示は、当該分野が許容するできるだけ広い範囲であり、本明細書も同様に読み取るように解釈されるので、本開示は、それに限定するようには解釈されない。従って、上記記述は、限定としてではなく、ただ好ましい実施形態の例示として解釈されべきである。当業者は、本明細書に添付の請求の範囲の精神および範囲内で、他の変更を想定している。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本開示の1つの実施形態に従う開放双極鉗子の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示される双極鉗子の遠位端の拡大斜視図である。
【図3】図3は、図1に示される鉗子の分解した部品の斜視図である。
【図4】図4は、カバープレートのなしで示された図1の電極アセンブリの拡大側面図である。
【図5】図5は、図4の電極アセンブリの遠位端の拡大斜視図である。
【図6】図6は、図5の電極アセンブリの上部電極の遠位端の斜視図である。
【図7A】図7Aは、図5の電極アセンブリの下部電極の分解した部品の斜視図である。
【図7B】図7Bは、電極が絶縁体の側面にわたって延びる、先行技術電極配置の断面図である。
【図7C】図7Cは、絶縁体が電極の側面を越えて延びる、電極の断面図である。
【図7D】図7Dは、導電性表面から垂れ下がったピンチトリムを捕捉した絶縁体を示す、オーバーモールドスタンピングされた電極配置の断面図である。
【図8A】図8Aは、管状血管のシーリングを行うための鉗子の操作運動を示す、本開示の鉗子の斜視図である。
【図8B】図8Bは、管状血管のシーリングを行うための器具の操作運動を示す、本開示の内視鏡バージョンの斜視図である。
【図9】図9は、管状血管のシーリング部位の拡大した部分的斜視図である。
【図10】図10は、図9の線10−10に沿って取ったシーリング部位の長手方向断面図である。
【図11】図11は、管状血管の分離後の、図9のシーリング部位の長手方向断面図である。
Claims (18)
- 電気外科用器具とともに使用するための電極アセンブリであって、該電気外科用器具は、対向するエンドエフェクタ、および該エンドエフェクタの互いに対する移動を生じるためのハンドルを備え、該電極アセンブリは、以下:
該器具の少なくとも一部と取り外し可能に係合可能である少なくとも1つの部分を有する、ハウジング;
一対の電極であって、該電極の各々が、導電性シーリング表面および絶縁基材を備え、該電極は、互いに対して対向する関係にあるように、該器具の該エンドエフェクタと取り外し可能に係合可能である、電極、
を備え、ここで、該絶縁基材が、フラッシュオーバーの発生率を減少させるために、約300ボルト〜約600ボルトの比較トラッキング指数を有する材料から作製される、電極アセンブリ。 - 前記絶縁基材が、ナイロン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリフタルアミド、ポリミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド−イミド、アクリル、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、脂肪族ポリケトン、アセタールコポリマー、ポリウレタン、ポリフェニレンオキシドを分散させたナイロン、およびアクリロニトリルスチレンアクリレートからなる群より選択される、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- フラッシュオーバーの発生率を減少させるために、前記絶縁基材の寸法が、前記導電性シーリング表面の寸法とは異なる、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 前記絶縁基材が、スタンピングされたシールプレートをオーバーモールディングすることによって、前記導電性シーリング表面に取り付けられている、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 前記絶縁基材が、金属射出成形されたシールプレートをオーバーモールディングすることによって、前記導電性シーリング表面に取り付けられている、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 使い捨て可能である、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 前記電極の各々の前記絶縁基材が、前記器具の対応する前記エンドエフェクタに配置された相補機械的インターフェースを係合するための、少なくとも1つの機械的インターフェースを備える、請求項6に記載の電極アセンブリ。
- 少なくとも1つの前記基材の前記機械的インターフェースが、少なくとも1つの移動止めを備え、そして前記対応するエンドエフェクタの前記機械的インターフェースが、該移動止めを受容するための少なくとも1つの相補ソケットを備える、請求項7に記載の電極アセンブリ。
- 前記ハウジングが、分岐した遠位端を備え、該遠位端が2つのプロングを形成し、そして各電極が、該プロングの1つに取り外し可能に装着されている、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 少なくとも1つのラチェットをさらに備え、該ラチェットが、対向する電極間の所望の閉鎖力を維持するために、相補機械インターフェースを係合する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 前記対向するエンドエフェクタおよび対向する電極のうちの少なくとも1つが、テーパ状である、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 前記エンドエフェクタが、前記電気外科用器具のシャフトに対してある角度で配置されている、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 前記角度が、約60°〜約70°である、請求項11に記載の電極アセンブリ。
- 少なくとも1つの電極の前記導電性シーリング表面が、ピンチトリムを備え、そして前記絶縁基材が、該導電性シーリング表面の周囲を越えて延びている、請求項1に記載の電極アセンブリ。
- 電気外科用器具とともに使用するための電極アセンブリであって、該電気外科用器具は、対向する一対のエンドエフェクタの互いに対する移動をもたらすためのハンドルおよび少なくとも1つのシャフトを有し、該電極アセンブリは、以下:
該ハンドルおよび該シャフトのうちの少なくとも1つと取り外し可能に係合可能である少なくとも1つの部分を有する、ハウジング;ならびに
一対の電極であって、該電極の各々が、第一の幾何学的形状を有する導電性シーリング表面および第二の幾何学的形状を有する絶縁基材を有し、該電極は、互いに対して対向する関係にあるように、該器具の該エンドエフェクタと取り外し可能に係合可能である、電極、
を備え、ここで、該絶縁基材の該第二の幾何学的形状は、フラッシュオーバーの発生率を減少させるために、該シーリング表面の該第一の幾何学的形状とは異なる、電極アセンブリ。 - 少なくとも1つの電極の前記導電性シーリング表面が、ピンチトリムを備え、そして前記絶縁基材が、該導電性シーリング表面の周囲を越えて延びている、請求項15に記載の電極アセンブリ。
- 該絶縁基材が、約300ボルト〜約600ボルトの比較トラッキング指数を有する材料から作製されている、請求項16に記載の電極アセンブリ。
- 使い捨て可能電気外科用器具とともに使用するための電極アセンブリであって、該使い捨て可能電気外科用器具は、対向する一対のエンドエフェクタの互いに対する移動をもたらすためのハンドルおよび少なくとも1つのシャフトを有し、該電極アセンブリは、以下:
ハウジング;
一対の電極であって、該電極の各々が、第一の幾何学的形状を有する導電性シーリング表面および第二の幾何学的形状を有する絶縁基材を備え、該電極は、該電極が互いに対して対向する関係にあるように、該器具の該エンドエフェクタと一体的に結合されている、電極、
を備え、ここで、該絶縁基材の該第二の幾何学的形状は、フラッシュオーバーの発生率を減少させるために、該導電性シーリング表面の該第一の幾何学的形状とは異なり、そして
ここで、該絶縁基材は、約300ボルト〜約600ボルトの比較トラッキング指数を有する、電極アセンブリ。
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