JP2004524370A - 経口投与固形製剤としてのエマルジョン - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、エマルジョン組成物の分野並びに医薬製剤およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の薬物は、便宜的な経口投与様式および必要なバイオアベイラビリティに対する要求を平衡させる際に重大な問題を提示する。一部の薬物を用いると、経口投与された用量の吸収は30%以下のように少なくなる。このように吸収が不良な薬物は、しばしばバイオアベイラビリティにおける大きな被験者間変動性および被験者内変動性を示す。例えばAungst,B.J.,J.Pharm.Sci.,82:979−987,1993を参照されたい。このような薬物の特別の例には、バイオアベイラビリティの範囲が8%〜62%(25%)のメチルドパ;および6%〜40%(約17%)のナルブフィン(括弧内の数値はバイオアベイラビリティの平均値)が含まれる。
【0003】
大多数の薬物の吸収率は、(1)生体液中の薬物の溶解、および(2)吸収プロセス、つまりそれにより溶液中の薬物が吸収部位で細胞内に入り、最終的には大循環内に入っていくプロセス自体の2つの因子に左右される。多くの薬物は受動拡散、つまり高濃度領域から低濃度領域への薬物分子の自然な移動によって吸収される。その他の薬物は、身体によるエネルギー消費を含む能動輸送によって吸収される。一部の薬物は、固形粒子の飲み込みおよびこのような粒子の細胞内容物への取り込みを含むピノサイトーシス(飲作用)もしくはエンドサイトーシス(飲食作用)のプロセスによって吸収される。だがこれらの少数の例外を除いて、能動的または受動的に吸収される経口固形製剤については、薬物溶解が吸収プロセスにおける第1ステップである。
【0004】
多数の薬物が示す不良な吸収を補償するために、医薬調製物は投与された薬物が吸収される速度および/または程度を増加させるために1つ以上のメカニズムを利用または活用することができる。夥しい数のこのようなメカニズムがあり、それらは次の幅広いカテゴリーに分類することができる。(1)溶解の速度もしくは程度を強化することによる吸収率を増加させる技術;(2)自然に発生したであろう吸収プロセスを促進することにより吸収率を上昇させる技術;および(3)自然には発生しなかったであろう、またはあらゆる特殊な吸収増強メカニズムの不在下で有意ではない程度に発生するであろう吸収メカニズムを誘発することによって吸収率を上昇させる技術。緩徐に溶解する薬物の溶解速度を上昇させるための界面活性剤の組み込みは第1メカニズムを活用する技術の例であり、通常は傍細胞経路を通して緩徐に吸収されるであろう薬物の吸収率を上昇させるために密着結合を開かせる化学物質の組み込みは第2技術の使用例である。他方、薬物の吸収(さもなければこれが発生していなかった場所)においてリンパ系を使用するための油滴内への薬物の組み込みは、第3のメカニズムを使用した第3技術の例である。
【0005】
エマルジョンもまた、薬物を送達するために使用されてきた。エマルジョンは一般に軟質もしくは硬質ゼラチンカプセルの形状でのみ、または患者の口腔内へ直接に投与される液剤として送達される。しかし、ゼラチンカプセル殻は油中水(「W/O」)型エマルジョン内に移動し得る水を含有している。これはエマルジョンの相違する相の相対比率を変化させる、および/またはゼラチン殻が乾燥してクラックし易くなることを引き起こす可能性がある。あるいはまた、W/O型エマルジョンはゼラチン殻から水分を消失させて、再び相違するエマルジョン相の比率を変化させる、または殻が膨潤して軟質になることを引き起こす可能性がある。後者の作用は患者または介護者がカプセルを取り扱うのを困難にさせる。さらに、しばしば乳化剤として使用されるエマルジョン内の界面活性剤および共界面活性剤はカプセル殻と反応する可能性がある。O/W型エマルジョンは、外相内の水がカプセル殻を溶解させるので、一般にこのようなカプセル内に組み込むことはできない。さらに、液体を含有するゼラチンカプセルは、患者および製造業者の両方に取扱いに関する問題を提示する。カプセルの漏れは一般的問題であり、このような漏れを監視するためにはときどき高機能の検出システムが使用される。患者による物理的取扱いにしたがって、カプセルはさらに軟化したり漏れたりすることがある。製薬工場内の環境ほど綿密に制御されていない温度および湿度レベルでの保存期間が長くなると、カプセルはさらに膨潤したり、収縮したり、あるいは漏れたりする可能性がある。
【0006】
より近年に、水に不溶性の薬物を送達するための技術として粉末溶液テクノロジーが提案されてきた。例えばSpireasら、「Powdered Solution Technology:Principles and Mechanisms(粉末溶液テクノロジー:原理およびメカニズム)」,Pharm.Research,Vol.9,No.10(1992)およびSheth A.and Jarowski C.I.,「Use of Powdered Solutions to improve the Dissolution Rate of Polythiazide Tablets(ポリチアジド錠剤の溶解速度を改良するための粉末溶液の使用)」,Drug Development and Industrial Pharmacy,16(5),769−777(1990)を参照。粉末溶液の概念には、液状薬物または薬物溶液に選択した担体を混合することによって薬物溶液または液状薬物を乾燥した非接着性で自由流動性の圧縮可能な粉末へ転換することが含まれている。製剤は固形であるが、薬物は溶解した液状状態で保持されるので、これが細胞内への直接的拡散を強化する。あるいはまた、これは薬物の湿潤特性を改良するので、このため分解が強化される。
【0007】
残念なことに、粉末溶液テクノロジーの適用は限定されてきた。このテクノロジーにより薬物送達性能の強化に関してある程度の見込みはあるが、実際には、結果として生じる混合粉末は一般に例えば不良かつ不安定な流動性や圧縮性のような望ましくない特性を有している。同一出願人による同時係属出願の米国特許出願明細書および公開番号WO第 号を付けて公表された対応する国際特許出願PCT/US第 号の開示は、これにより参照してここに組み込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの態様は、薬物含有エマルジョンと固形粒子状吸着剤の混合物を含有する自由流動性の圧縮可能な粉末の形状にあるエマルジョン組成物を提供するが、このときエマルジョンは固形粒子状吸着剤上に吸着されていて自由流動性の圧縮可能な粉末を形成している。薬物含有エマルジョンは組成物で安定性のままである。好ましくは、薬物含有エマルジョンは1cps〜400,000cps、好ましくは400cps〜200,000cps、およびより好ましくは5,000cps〜150,000cpsの粘度を有している。薬物含有エマルジョンは2%〜50%、好ましくは5%〜40%、およびより好ましくは10%〜30%の有効成分を含有することができる。
【0009】
本発明のこの態様によるエマルジョン組成物は、製剤の型を限定せず、いずれかの医薬上許容される用量で被験者に投与することができる。例えば、エマルジョン組成物は多用量容器に包装されているか個別用量のいずれかでの錠剤;顆粒剤;ペレット剤もしくはその他の多粒子剤;ミニ錠剤、ビーズもしくは粉末の形状で薬物を含有できるカプセル剤;坐剤;またはエマルジョン組成物自体の散剤、のような製剤として投与できる。
【0010】
また別の態様では、本発明はさらにまた自由流動性の圧縮可能な粉末の形状のエマルジョン組成物を提供する。エマルジョン組成物は、薬物含有自己乳化性薬物送達システムと固形粒子状吸着と剤の混合物である。薬物含有自己乳化性薬物送達システムは油、乳化剤および有効成分の混合物であり、この混合剤は吸着剤と混合されたときに固形粒子状吸着剤上に吸着される。本発明のこの態様による組成物は上記の製剤と同様の製剤に製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のエマルジョン組成物は、粉末形のエマルジョン組成物を提供できるように薬物含有エマルジョンを粒子状固形物質上に吸着させることによって調製できる。この粉末はその後、従来型加工処理法を使用して追加の賦形剤と組み合わせることによって他の固形製剤にすることができる。このエマルジョン組成物の製剤は、さらにまたそれ以上の加工処理を行わずに直接に包装して投与することもできる。
【発明の効果】
【0012】
上記の製剤での薬物の投与は、これまでに利用できる投与方法より優れた重大な長所を提供する。
【0013】
本発明の一定の好ましい実施形態では、薬物の吸収は薬物含有エマルジョン組成物の投与によって促進される。本発明は何の動作理論によっても限定されないが、本発明のエマルジョン組成物を含有する製剤が分解すると、エマルジョン液滴は大量の消化管液を通して分布すると考えられる。これは局所領域で個々のエマルジョン液滴が大きな塊を形成するのを防止する。液滴が体腔の表面組織と接触すると、この広範囲に及ぶ分布は大きな表面積に渡る薬物の吸収に役立つ。
【0014】
本発明のまた別の態様では、エマルジョン組成物およびそれらを含有する製剤を使用すると、油溶性である吸収が不良な薬物のバイオアベイラビリティを強化できる。これは、これらの薬物をO/W型エマルジョンとして投与することによって遂行される。油溶性薬物は油性溶液の液滴として分布させられ、その後これを使用して水が連続相であるエマルジョンが調製される。エマルジョンは粉末上に吸着され、1つの製剤に調製される。摂取されると、組織はこの油滴を組み込まれた薬物と一緒に吸収することができる。油滴は、さらにまたこのような油滴内の薬物が細胞膜内に拡散できるように、吸収する表面に隣接して配置することもできる。さらに、上記のように多数の液滴があるという事実のために、液滴がそれに接触する吸収する組織の表面積が大きいので、したがって吸収が促進される。さらにインビボ凝集が遅延させられるので、吸収を促進できる。
【0015】
本発明のエマルジョン組成物は、さらにまたパイエル板のM細胞を通しての吸収を促進するためにも使用できる。これらのM細胞は、10マイクロメーターの大きさの極めて小さな固形粒子の吸収に関係する。本開示で記述する個々の固体支持体粒子は哺乳動物への本製剤の投与後にエマルジョン液滴を部分的にしか放出しないので、吸収部位には自由エマルジョン液滴並びに固形粒子に付着したエマルジョン液滴が存在する。ある好ましい実施形態では、液滴−固体支持体複合体はM細胞により吸収されるのに十分小さい。
【0016】
本発明のエマルジョン組成物のエマルジョン小球は、さらにまたリンパ系を通しての吸収を促進できる。このような吸収は、特に自由な(分離した)エマルジョン液滴に関連するが、さらにまた担体支持体上に吸着された、および吸着されたままの液滴にも関連する。リンパ系を通して吸収された薬物は、リンパ系から直接に全身血液循環内に通過するので、初回通過効果が回避される。
【0017】
さらに、本発明によるエマルジョン組成物は例えばペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチドおよびその他の生体分子のような消化管内で代謝分解される、または分解される薬物の投与を促進することができる。このような薬物は、例えばO/W型エマルジョン中の油滴内に保護することができる。ここで使用する用語「保護」とは、インビボでの薬物分子分解の速度および/または程度を低下させる保護作用を意味する。本発明のエマルジョン成分は、それらが油および/または乳化剤中に包まれているときには酵素およびその他の化学物質がこのような薬物分子と反応するのを困難にさせる。
【0018】
本発明のエマルジョンは、固形粒子の形状で投与されるが、さらに固形製剤に調製されてもよい。薬物含有エマルジョンは固形粒子(すなわち、粉末)上に吸着されている。この薬物は固形であるが、エマルジョンとして、または自己乳化性薬物送達システム(「SEDDS」)の場合はインビボでエマルジョンに容易に転換される状態で維持されている。好ましくは、これらの調製物は水溶液中への分解および/または身体内への吸収を強化する。本発明は何の動作理論によっても限定されないが、SEDDSは油小球の形状または塗膜形で吸着剤粒子上に吸着されると考えられる。これらのSEDDS含有吸着剤粒子が投与されて体液と接触すると、それらはエマルジョン組成物を形成する。
【0019】
SEDDSは、水を除くエマルジョンの全成分から構成される、すなわち油相、乳化剤、酸化防止剤、防腐剤およびその他の任意の賦形剤から構成される。胃の内容物と混合されると、エマルジョンが形成される。SEDDSは、1相システムであって第2液を通して分布される1種の液体の液滴を有していないという点でエマルジョンとは区別できる。SEDDSは、油は乳化剤を含有していない上に一般に胃の内容物と混合されてもエマルジョンを形成しないという事実によって油(固体支持体上に吸着され得る)から区別できる。
【0020】
医薬物質の飽和濃度(飽和溶解性)を増強することに加えて、本発明の医薬組成物および固形製剤はさらにまた薬物含有エマルジョンの物質表面積を増加させる。吸着剤粒子は、消化管液および/または吸収部位との相互作用に利用できる面積を増加させ、それによって薬物の吸収を促進する。
【0021】
本発明のまた別の好ましい態様では、エマルジョン組成物は便宜的かつ容易に取り扱える固形製剤の形状にある。固形製剤とは、頑丈な安定性の剤形を表す。さらに、固形製剤は患者がより容認でき、したがって患者のより良好な服薬の可能性を提供する。カプセル剤を摂取することを好まない患者は多数存在するので、彼らのためには例えば錠剤のような代替製剤が好ましい。さらに、本発明は一般に患者にとって不愉快な注射によって投与されるペプチドを経口投与するための製剤も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のある実施形態によるエマルジョン組成物は、薬物含有エマルジョンおよび固形粒子状吸着剤の混合物を含む、自由流動性の圧縮可能な粉末の形状で提供される。このエマルジョンは、固形粒子状吸着物上に吸着されており、好ましくは自由流動性の圧縮可能な粉末を形成するが、このとき薬物含有エマルジョンはエマルジョン組成物中で安定性である。
【0023】
ここで言及するエマルジョンは、2つの不混和性液相からなるシステムである。2相のうちの1相(内相)は第2相(外相もしくは連続相)全体に液滴/小球として分布している。ここで使用するエマルジョンには、一般には油と呼ばれる低極性液が内相にあるO/W型エマルジョン、および水溶液もしくはその他の比較的に極性の液体が内相にあるW/O型エマルジョンが含まれる。本発明は、さらにまた水を除くO/W型エマルジョンの全成分(油、乳化剤、酸化防止剤、防腐剤等)から構成される自己乳化性薬物送達システム(SEEDS)の使用を含む。一般に、SEDDSを含有するエマルジョン組成物はSEDDSを吸着剤粉末へ吸着させることによって調製できる。SEDDSを含有するエマルジョン組成物を投与すると、SEDDSは体液と混合してインビボでエマルジョンを形成する。一般に、エマルジョンはさらに径5μm未満の小球を含む微細エマルジョンおよび径5μmを超える小球を含む粗エマルジョンとに分類できる。
【0024】
エマルジョン中の油相は、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド、脂肪酸およびそのエステル、プロピレングリコールまたはその他のポリオール類のエーテルおよびエステルを含むがそれらに限定されない非毒性の油であってよい。脂肪酸およびエステル(それ自体で使用する、またはそれらがグリセリドの一部を形成する場合)は短鎖、中鎖または長鎖であってよい。ここで使用する中鎖はC8〜C12の炭化水素鎖を表してお
り、短鎖はC8未満の炭化水素鎖、および長鎖はC12を超える炭化水素鎖を意味している。
【0025】
エマルジョン中の水相は、水、水溶液、アルコール、アルコール溶液等であってよい。
【0026】
油相は、植物起源または動物起源であってよい。油相はさらにまた、合成もしくは半合成であっても、または被験者にとって非毒性である物質もしくはエマルジョン中の油であってよい。油には、例えば綿実油、大豆油、ヒマワリ油、菜種油のような天然油;CAPTEX(登録商標)(例えばプロピレングリコールジデカノエートのような様々な等級のプロピレングリコールエステル、およびグリセリルトリカプリレート/カプレートのようなグリセロールエステル);MIGLYOL(登録商標)(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、またはカプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、またはカプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、またはカプリル酸/カプリン酸のプロピレングリコールジエステルおよび他の薬剤との混合物);CAPMUL(登録商標)(例えばCapmul MCMのように様々な等級で入手できる。これは、例えばグリセリルモノオレエートおよびプロピレングリコールモノカプリレートのような主としてグリセロール、およびプロピレングリコールのモノエステルおよびジエステルである。別の等級は、ポリエチレングリコールグリセリルモノステアレートから構成される。);およびMYVACET(登録商標)(蒸留アセチル化モノグリセリド乳化剤)が含まれるが、それらに限定されない。
【0027】
エマルジョンを形成するには、さらにまた乳化剤を必要とする。ここで使用するように、本発明のエマルジョンにはあらゆる非毒性乳化剤を使用できる。これには次のARLACEL(登録商標)(主としてソルビタンエステル);TWEEN(登録商標)(ポリオキシエチレンソルビタンエステル);CENTROPHASE(登録商標)(液状レシチン);CREMOPHOR(登録商標)(ポリオキシルヒマシ油誘導体;またはマクロゴールエーテル;またはマクロゴールエステル);LABRAFAC(登録商標)(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド);LABRAFIL(登録商標)(ポリオキシエチル化グリコシル化グリセリド);LABRASOL(登録商標)(モノグリセリド、ジルリセリドおよびトリグリセリドとポリエチレングリコールのモノ脂肪酸およびジ脂肪酸エステルの混合物。おもな脂肪酸はC8〜C10カプリル酸/カプリン酸である);MYVEROL(登録商標);およびTAGAT(登録商標)(ポリエチレングリコール水素化ヒマシ油;もしくはポリエチレングリコールグリセロールエステル);レシチン;コレステロールおよび例えばカゼインのようなタンパク質のような様々な等級の市販製品が含まれるが、それらに限定されない。多数の乳化剤を使用すると、外相全体に小球として分布した内相を維持し、大きな液滴内への小球の融合を遅延させることができる。この方法では、2つの相を相当に長期間に渡って相対的安定性で維持することができる。
【0028】
本発明で使用する医薬エマルジョンでは、一方もしくは両方の相は1種の薬物または1種以上の薬物の溶液である。実際に、水相および油相の片方または両方が同時に薬物を含有していてもよく、それらの薬物は同一であっても相違していてもよい。非毒性でそれらが適用される哺乳動物の身体の一部と適合性であるあらゆる2種の不混和性液体を使用できる。
【0029】
本発明では、エマルジョンを作製するために油相、水相および乳化剤を広範囲の比率で使用できる。O/W型エマルジョンは、一般に重量で少なくとも25%、好ましくは60%〜98%、およびより好ましくは70%〜90%の水を含有している。O/W型エマルジョンにおける油相は、望ましくはエマルジョンの重量で少なくとも1%、好ましくは5%〜69%、およびより好ましくは8%〜40%である。(有効成分は油相の重量に含まれている。)エマルジョン中の乳化剤は、重量で少なくとも0.5%、好ましくは2%〜25%、およびより好ましくは5%〜10%である。
【0030】
W/O型エマルジョンは、一般にW/O型エマルジョンの重量で少なくとも25%、好ましくは40%〜98%、およびより好ましくは50%〜95%の油相を含有している。W/O型エマルジョンにおける水相は、望ましくは重量でW/O型エマルジョンの少なくとも1%、好ましくは2%〜55%、およびより好ましくは5%〜30%である。(有効成分は水相の重量に含まれている。)W/O型エマルジョン中の乳化剤は、望ましくはW/O型エマルジョンの重量で少なくとも0.5%、好ましくは2%〜20%、およびより好ましくは4%〜10%である。
【0031】
乳化剤もしくは乳化剤の組み合わせは、HLB(親水性−親油性平衡)システムにしたがってO/W型またはW/O型調製物のために使用される。W/O型エマルジョンは低HLB乳化剤(HLB値が約1〜7)、およびO/W型システムは高HLB乳化剤(HLB値が約11〜18)を必要とする。一般に、使用する乳化剤の型および油と水の相対比率は、そのエマルジョンがW/O型エマルジョンであるかO/W型エマルジョンであるかを決定する。これは形成後のエマルジョンに言及する。一部のエマルジョンは、大容積の内相に添加されると転化することがある。したがって、W/O型エマルジョンとして調製されたエマルジョンは、患者が摂取すると患者の胃の中でO/W型エマルジョンに転化することがある。
【0032】
一般に、エマルジョンはプロペラミキサー、タービンミキサーまたは他の高剪断ミキサー内で油相、水相、乳化剤等を混合して、混合物を力強く攪拌することによって調製できる。
【0033】
吸着剤は、例えば遊星形ミキサーのような適切なミキサーのボウル内に入れ、エマルジョンを混合しながら緩徐に添加する。添加速度は湿潤材料の塊、あるいはまた粉末の他の領域よりはるかに湿性である領域を形成するほど高速であってはならない。粉末の塊または粉末の湿潤部分が発生したら、エマルジョン添加速度を低下させなければならない、または好ましくは粉末の湿潤部分が粉末のバルク全体に良好に分布するまで一時的に停止させなければならない。遊星形ミキサーには、容器の側壁から材料を掻き落とす掻き取り棒が装備されているので、この動作に良好に適している。過度の湿潤性材料はしばしば側壁上に蓄積し、掻き取り棒の作用がなければ、原末とは良好に混ざらないであろう。
【0034】
本発明の実践は、明白に遊星形ミキサーには限定されず、粉末と液体との均一な混合を生じさせるあらゆるミキサーであれば十分役立つであろう。デッドスペースがあるミキサーの使用は回避しなければならない。この考察で使用するためのデッドスペースとは、粉末が集まる可能性があるが、そのスペースでは粉末が装置の混合作用を受けないスペースである。一次作用に加えて、二次混合作用を行えるミキサーが好ましい。二次ミキサー作用は、掻き取り具(遊星形ミキサーにおけるように)または強化棒またはその他の高剪断コンポーネントであってよい。一般に、ミキサーの混合作用は粉末が高剪断を経験する強度の混合帯、並びに粉末の全部分を強度の混合帯を通って移動させる追加の混合作用を提供しなければならない、すなわち原末の三次元シャッフリングが行われなければならない。
【0035】
粉末へのエマルジョンの添加は、オペレーターがエマルジョンをビーカーもしくはメスシリンダーからミキサーボウル(粉末を含有している)内に単純に注入することによって、または例えば制御された速度で粉末上に液体を噴霧するようなより洗練された手段によって遂行することができる。液体を制御された速度で添加するためには蠕動ポンプを使用できる。蠕動ポンプと結合して使用するスプレーノズルは、好ましくは微細噴霧を提供しなければならない。流動床コーターと一緒に使用されるスプレーヘッドが理想的である。粉末に大量の噴霧が到達せずにミキシングボウルの外側に消散するほど、噴霧速度が高速であったり、液滴が微細すぎたりしてはならない。このような過剰の噴霧が製品内に組み込まれないので、この損失は最小限に抑えられるはずである。
【0036】
本発明は水溶性の薬物および水に不溶性の薬物のどちらにも適用できる。薬物は、その溶解性およびその他の特徴に依存して油相または水相のどちらと結合されてもよい。1つの相に溶解した薬物はある程度は他の相に分配される可能性があるが、これは一般には薬物のバイオアベイラビリティに影響を及ぼすであろう。
【0037】
エマルジョンにはあらゆる有効成分(薬物)を使用できる。本発明で使用するためには、液状薬物、薬物溶液、小分子薬物、およびビタミンやミネラルのような栄養補助食品が適している。
【0038】
ここで使用する用語の「小分子」には、分子量が3,000ダルトン未満であるあらゆる無機化学分子、有機化学分子が含まれる。
【0039】
好ましくは、薬物は次のカテゴリー/群:人工妊娠中絶薬/抑制薬、ACE阻害薬、α作動薬、β作動薬、α遮断薬、β遮断薬、副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制剤、嫌酒薬、アルドース還元酵素阻害薬、アルドステロン拮抗薬、5−α還元酵素阻害剤、アナボリック、興奮薬、鎮痛薬、アンドロゲン、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、アンギオテンシンII拮抗薬、食欲抑制薬、制酸薬、駆虫薬、座瘡治療薬、抗アレルギー薬、抗脱毛剤、抗アメーバ薬、抗アンドロゲン薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗動脈硬化薬、抗関節炎/抗リウマチ薬、抗喘息薬、抗菌薬、抗菌補助剤、抗生物質、抗癌薬、抗胆石生成薬、抗コレステロール血症薬、抗コリン作動薬、抗凝固薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗下痢薬、抗利尿薬、解毒剤、抗赤痢薬、抗失神薬、抗制吐薬、抗癲癇薬、抗エストロゲン薬、抗線維化薬、整腸剤、抗真菌薬、抗緑内障薬、抗ゴナドトロピン薬、抗痛風薬、抗出血薬、抗ヒスタミン薬、抗高コレステロール血症薬、抗高脂質血症薬、抗高リポタンパク血症薬、抗高リン血症薬、抗高血圧薬、抗甲状腺機能亢進薬、抗低血圧薬、抗甲状腺機能低下薬、抗感染症薬、抗炎症薬、抗ハンセン病薬、抗白血病薬、抗脂血症薬、抗マラリア薬、抗躁病薬、抗メトヘモグロビン血症薬、抗偏頭痛薬、抗カビ薬、制嘔吐剤、抗腫瘍薬、抗腫瘍補助剤、抗好中球減少薬、抗骨粗鬆症薬、抗ページェット病薬、抗パーキンソン病薬、抗蠕動薬、抗褐色細胞腫薬、抗ニューモシスティス薬、抗前立腺肥大薬、抗原虫薬、止痒剤、抗乾癬薬、抗精神病薬、解熱剤、抗リウマチ薬、抗リケッチア薬、抗脂漏薬、防腐剤/消毒剤、鎮痙薬、駆梅薬、抗血小板血症薬、抗血栓薬、抗結核薬、抗腫瘍薬、鎮咳薬、抗潰瘍薬、抗尿結石薬、抗蛇毒素薬、抗めまい薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、アロマターゼ阻害薬、アストリンゼン、ベンゾジアゼピン拮抗薬、β遮断薬、骨吸収阻害薬、徐脈薬、ブラジキニン拮抗薬、気管支拡張薬、カルシウムチャネル遮断薬、カルシウム調整薬、カルシウム補助食品、癌化学療法薬、毛細管保護薬、炭酸脱水酵素阻害薬、心臓抑制薬、強心薬、下剤、CCK拮抗薬、中枢興奮薬、脳血管拡張薬、キレート剤、コレシストキニン拮抗薬、胆石溶解薬、胆汁分泌促進薬、コリン作動薬、コリンエステラーゼ阻害薬、コリンエステラーゼ再活性化薬、CNS刺激薬、認識活性剤、避妊薬、眼内圧制御薬、変換酵素阻害薬、冠血管拡張薬、細胞保護薬、デブリドマン薬、うっ血除去薬、脱色剤、疱疹状皮膚炎抑制薬、診断補助薬、消化剤、利尿薬、ドーパミン作動薬、ドーパミン拮抗薬、外部寄生生物撲滅薬、催吐薬、エンケファリナーゼ阻害薬、酵素、酵素コファクター、酵素誘導物質、エストロゲン、エストロゲン拮抗薬、去痰薬、フィブリノーゲン拮抗薬、胃液および膵液分泌刺激薬、胃プロトンポンプ阻害薬、胃液分泌阻害薬、胃運動改善薬、糖質コルチコイド、αグルコシダーゼ阻害薬、性腺刺激原理、痛風抑制剤、成長ホルモン阻害薬、成長ホルモン放出因子、成長刺激薬、造血薬、造血剤、血液溶解剤、止血薬、ヘパリン拮抗薬、肝臓保護薬、ヒスタミンH1−受容体拮抗薬、ヒスタミンH2−受容体拮抗薬、HIVプロテイナーゼ阻害薬、HMG CoA還元酵素阻害薬、催眠薬、低コレステロール血症薬、低脂質血症薬、低血圧薬、免疫調節薬、免疫抑制薬、強心薬、インスリン増感剤、イオン交換樹脂、角質溶解薬、乳汁分泌刺激薬、緩下剤/便通薬、ロイコトリエン拮抗薬、LH−RH作動薬、抗脂肝薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬、紅斑性狼瘡抑制剤、強トランキライザー、マトリックス金属プロテイナーゼ阻害薬、電解質コルチコイド、弱トランキライザー、縮瞳薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、粘液溶解薬、筋弛緩薬、散瞳薬、麻酔性鎮痛薬、麻酔性拮抗薬、鼻うっ血除去薬、神経弛緩薬、神経筋遮断薬、神経保護薬、向知性薬、NSAID(非ステロイド抗炎症薬)、オピオイド系鎮痛薬、経口避妊薬、卵巣ホルモン、分娩促進薬、副交感神経興奮薬、殺シラミ薬、ペプシン阻害薬、末梢血管拡張薬、蠕動刺激薬、着色剤、血漿増量剤、カリウムチャネルアクチベーター/オープナー、昇圧剤、プロゲストゲン、プロラクチン阻害薬、プロスタグランジン/プロスタグランジンアナログ、プロテアーゼ阻害薬、プロトンポンプ阻害薬、肺胞表面活性剤、5α還元酵素阻害薬、補充液/栄養補助食品、呼吸刺激薬、レトロウイルスプロテアーゼ阻害薬、逆転写酵素阻害薬、殺疥癬虫薬、皮膚硬化薬、鎮静剤/催眠薬、セレニック(serenic)、セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、セロトニン取り込み阻害薬、骨格筋弛緩薬、ソマトスタチン類似体、鎮痙薬、便軟化剤、スクニシルコリン共力剤、交感神経興奮薬、血栓溶解薬、トロンボキサンA2受容体拮抗薬、トロンボキサンA2シンテターゼ阻害薬、甲状腺ホルモン、甲状腺阻害薬、甲状腺刺激ホルモン、子宮収縮抑制薬、局所保護薬、トポイソメラーゼI阻害薬、トポイソメラーゼII阻害薬、トランキライザー、紫外線遮断剤、尿酸排泄剤、血管拡張薬、昇圧薬、血管保護薬、ビタミン/ビタミン源、外傷治療薬、ウィルソン病治療薬、キサンチンオキシダーゼ阻害薬の1つ以上から選択する。
【0040】
より好ましくは、薬物はアシクロビル;オーラノフィン;ブレチリウム;シタラビン;ドキセピン;ドキソルビシン;ヒドララジン;ケタミン;ラベタロール;メルカプトプリン;メチルドパ;ナルブフィン;ナロゾン;ペントキシフィリン;ピリドスチグミン;テルブタリン;ベラパミル;ブセレリン;カルシトニン;シクロスポリン;オキシトシンおよびヘパリンからなる群から選択する。
【0041】
一般に、薬物含有エマルジョンは0.5%〜60%の有効成分を含有している。有効成分は、好ましくは薬物含有エマルジョン(両方の相)の総重量の2%〜50%、より好ましくは5%〜40%、および最も好ましくは5%〜30%の範囲内にある。薬物含有エマルジョンは好ましくは、1cps〜400,000cps、好ましくは400cps〜200,000cps、およびより好ましくは5,000cps〜150,000cpsの粘度を有している。
【0042】
これらのエマルジョンは、さらにまた不良なバイオアベイラビリティ、緩徐な吸収または長いtmaxを示す有効成分を投与するためにも適している。これらには、例えばタンパク質、ペプチドおよびその他の生体分子のような吸収が不良な薬物、消化管系の通過中に分解される薬物が含まれる。詳細には、エマルジョンの内油相内に含有される薬物に提供される保護が、このシステムをタンパク質やペプチドおよびその他の生体分子にとって特に適切なものにしている。ここで使用する用語「生体分子」には、ポリペプチド、DNA分子、RNA分子、多糖類等が含まれるが、それらに限定されない。
【0043】
このエマルジョンはさらにまた、例えば防腐剤、酸化防止剤、着色料、香味料および芳香剤等のような追加の賦形剤を含有することができる。防腐剤の非限定的例には、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸および塩化セチルピリジニウムが含まれる。
【0044】
薬物含有エマルジョンを含むエマルジョンは、例えばマイクロエマルジョンとは相違する特徴を有している。一般に、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンはどちらも例えば1つの相では水の小球、もう1つの相では例えば油の小球から構成されるが、このときエマルジョンの小球はマイクロエマルジョンの小球より大きな径を有している。一般に、エマルジョンは0.1μmもしくは100nmより大きい、詳細には0.16μm〜40μmの範囲内の平均径(エマルジョン中の全小球の平均径)の小球を有しているが、他方マイクロエマルジョンは0.1μm未満の径を有する小球を含む。しかしエマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、必ずしも内相の小球サイズによって区別される訳ではない。その代わりに、それらは次の明確な特性の1つ以上において相違する可能性がある。
【0045】
(a) マイクロエマルジョンはほんのわずかな混合エネルギーしか必要とせず、さらにしばしば加熱せずに容易に形成することができる。マイクロエマルジョンはしばしば自然に形成する、すなわち正確な比率にある成分を容器に入れると自然にマイクロエマルジョンを形成する。他方、エマルジョンは熱力学的に不安定で、高剪断ミキサーを用いての力強い攪拌を必要とし、通例は例えば75℃のような高温への加熱を必要とする。
【0046】
(b) マイクロエマルジョンおよびエマルジョンの物理的外観は相違する。マイクロエマルジョンはマイクロエマルジョン中の小球が光を屈折させるには小さすぎるために水のように透明である。エマルジョンは、通例は白色もしくはクリーム色である。
【0047】
(c) マイクロエマルジョンは室温で熱力学的に安定性である。マイクロエマルジョンが形成されると、密閉容器中では標準保管条件下で何年にも渡り安定性である可能性がある。エマルジョンは、時が経つにつれて内相の個々の小球がどんどん大きな液滴に合体していく(融合して大きくなる)傾向を有する。このため、エマルジョンは、その他の点では同一のマイクロエマルジョンと比較すると、エマルジョンが完全に個別の相を形成するために壊れたりひび割れたりするにつれて、そのまま放置された場合はバルク液中では相当に短い期間中安定性である。S.Indiran Patherら、J.Pharm.& Biomed.Anal.13(1995),1283−1289を参照。エマルジョンが吸着剤上に吸着されると、バルク液中の同一エマルジョンに比較して長期間に渡り安定性のままであると考えられる。何らかの動作理論によって限定されなくても、吸着後には吸着剤上でのエマルジョンの分散は内相の小球相互の合体を遅延させると考えられる。
【0048】
(d) エマルジョンの形成には特定比率の構成要素各々の添加およびそれらの混合順序さえ重要な役割を果たすが、これもまたエマルジョンをマイクロエマルジョンから区別する。エマルジョンの形成についてのこのような知識および上方は当業者には通例知られており、例えばAlfred Martin,Lea and FebigerによるPhysical Pharmacy第4版(1993)のような標準的製薬学的教科書から収集することができる。
【0049】
本発明のある好ましい実施形態では、薬物含有エマルジョンは100nmを超える、好ましくは120nm〜70μm、およびより好ましくは160nm〜10μmの平均径もしくはモード径を有するエマルジョン小球を含む。エマルジョン組成物の薬物含有エマルジョンは、好ましくは閉鎖容器に入れて25℃に放置したときに少なくとも1年間は安定性であり、O/W型エマルジョン、W/O型エマルジョン、またはインビボでエマルジョンに転換する自己乳化性薬物送達システムであってよい。
【0050】
本発明では、薬物含有エマルジョンは吸着剤/吸収剤(これら2つの用語はひとまとめにして「吸着剤(adsorbentもしくはadsorbents)」と言う)上に吸着/吸収されている。吸着剤は非毒性でなければならず、25nm〜50μmの範囲内、好ましくは50nm〜30μmの範囲内、およびより好ましくは100nm〜20μmの範囲内の径を有する微粒子を含んでいなければならない。適切な吸着剤には、カオリン、ベントナイト、ヘクトライトおよびコロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウムのような粘土、二酸化ケイ素(CAB−O−SIL(登録商標)もしくはAEROSIL(登録商標));三ケイ酸マグネシウム;水酸化アルミニウム;水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムまたはタルクが含まれるがそれらに限定されない。より好ましい吸着剤は二酸化ケイ素である。
【0051】
本発明のまた別の態様は、さらに薬物含有自己乳化性薬物送達システムおよび固形粒子状吸着剤を含む自由流動性の圧縮可能な粉末の形状にあるエマルジョン組成物を提供するが、好ましくは、薬物含有自己乳化性薬物送達システムは前記固形粒子状吸着剤上に吸着されて自由流動性の圧縮可能な粉末を形成する。圧縮性を向上させるために、自由流動性の圧縮可能な粉末にはさらに直接圧縮錠剤形成賦形剤もまた添加できる。
【0052】
エマルジョン対固体支持体の比率は、好ましくは約1:20〜約10:1で変動する。より好ましくは、エマルジョン対固体支持体の比率は約1:5〜約2:1である。
【0053】
薬物含有エマルジョン組成物は、薬物含有エマルジョンを吸着剤上に吸着させることによって調製する。一般に、吸着剤をミキサー内に入れ、その後吸着剤に対して事前に決定した比率を有する薬物含有エマルジョンを持続性で攪拌しながらミキサー内に注入して吸着剤へのエマルジョンの一様な吸着を達成する。
【0054】
薬物含有エマルジョンを吸着剤へ吸着させるステップの結果として得られた生成物は、自由流動性の圧縮可能な粉末となるはずである。エマルジョンが固体支持体上に吸着されると、理想的には、粉末は完全に乾燥粉末に似ていなければならず(裸眼による観察で識別できる限りにおいて)、粉末は下記で説明する安息角試験において定義された通りに自由流動性である。これは一部には外相内の水が組み込みプロセス中に部分的に蒸発するという事実のために、O/W型エマルジョンを用いるとより容易に達成される。固体支持体の粒子上に保持される水の平衡量がある。W/O型エマルジョンを吸着させると、粉末がわずかに「湿っている」ように見える傾向が大きい。それでも、W/O型エマルジョンを用いた場合さえ、粉末は粘着性であってはならない。エマルジョン対固体支持体の比率は、粉末が自由流動性かつ乾燥している程度を決定する際の重要な因子である。しかし、上記に言及した固体支持体対エマルジョンの比率を用いると、非粘着性混合物を入手することが可能である。圧縮錠剤を製造するために、この混合物はその後に他の錠剤形成要素と結合されて圧縮可能な混合物が入手される。圧縮可能な混合物は自由流動性であり得る。
【0055】
粉末混合物が自由流動性である程度は、例えば参照してここに組み込まれるLachman,Lieberman and Kanig(Lea and Febiger,publishers)による「The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(産業製薬の理論および実践)」のような標準的製薬学の教科書に詳述されているように安静角試験を実施することによって推定する。静的安息角試験が好ましい。このような試験を実施したときに、最終粉末混合物は、好ましくは42度未満、および好ましくは40度未満の安息角を有していなければならない。
【0056】
吸着剤およびエマルジョンの混合物から容易に圧縮できる自由流動性粉末を形成するためには、エマルジョン−吸着剤組成物におけるエマルジョンの比率が相当に低く維持される。その結果として、薬物含有エマルジョン中の薬物負荷は安定性でアベイラビリティが高く高薬物負荷組成物を調製する際の重大な因子になる。
【0057】
驚くべきことに、本発明のエマルジョンは広範囲の水、油および乳化剤の重量比から形成することができ、自由流動性の圧縮可能な粉末を形成するために固形粒子状吸着剤上に吸着させることができるので、医薬エマルジョンの安定性を増加させながらこのような自由流動性の圧縮可能な粉末内に広範囲の薬物負荷を組み込めることが発見されている。最終薬物製剤は0.1mg〜1,000mg、好ましくは5mg〜500mg、より好ましくは10mg〜200mgおよび最も好ましくは15mg〜100mgの有効成分/錠剤(例えば、2.4gの)を含有していてよい。
【0058】
さらに、エマルジョン組成物粉末の個別粒子、もしくは凝集粒子、顆粒もしくはこの組成物の多数の粒子を組み込んでいるその他の大きな粒子、または固形製剤もしくは製剤の部分にコーティングを適用することができる。ここで使用する用語の「多粒子」は、多数の粒子の形状にある組成物を意味する。各粒子は粉末組成物の個別粒子であってよい、または凝集粒子、顆粒もしくは粉末組成物の多数の粒子を組み込んでいる、またはそれらから形成された他の大きな粒子であってよい。コーティングは、消化管の特定領域での発泡の発生を引き起こすために発泡剤と結び付けて使用することもできる。本発明に使用されるコーティングの非限定的例には、酢酸フタル酸セルロース(CAP)を含むセルロース誘導体;シェラックおよび登録商標EUDRAGIT(登録商標)を付けて販売される一定の材料が含まれる(様々な特性を備える種々の等級を利用でき、特定の組み合わせで使用できる)。例えばコーティングが胃の酸性環境には抵抗できなければならないが、十二指腸では溶解しなければならない場合の腸溶コーティング剤のためには、pH5で溶解する等級のフタル酸ヒドキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
【0059】
コーティングは、好ましくは流動床コーターまたはコーティングパン内で実施できる。錠剤、粉末および多粒子のいずれのためにもどちらのタイプも使用できるが、多粒子には流動床コーターが好ましく、錠剤にはパンコーターが好ましい。流動床コータープロセスでは、多粒子は最初は容器内に加温空気を吹き込むことによって装置内で予備加温する。有効成分が例えばペプチドのように温度感受性材料である場合は、薬物の効力が影響を受けないように低温を使用する。床に浸透する1時間当たりの流動空気量は、コーティングされる材料が流動化させられて穏やかなパターンで流れるように選択する。さらに、空気を噴霧化する作用についても考慮に入れなければならない。コーティング液は、噴霧ゾーン内でコーティングされる材料を湿潤させ、粒子の周囲を流れる時間を有し、その後装置の乾燥ゾーン内で乾燥させられる速度で噴霧される。液体噴霧速度が緩徐すぎる(または乾燥流入空気の温度が高すぎる、または流入空気が急速すぎる)場合は、粒子に触れる前に液滴が乾燥し、液滴は多粒子への乾燥材料の追加の噴霧を生じさせる。噴霧速度が速すぎる(または流入空気が余りに緩徐に導入される、またはその温度が低すぎる)場合は、液体は十分迅速には乾燥しない。材料は湿潤したままとなり、材料の凝集を惹起する。適正な条件では、コーティング材料は過度に急速に乾燥もしないし、コーティングされる材料の長時間の湿潤も許容しない。これらの操作条件は、当業者であれば適正に選択することができる。
【0060】
本発明は、さらにまた治療的有効量の薬物を投与するための、(1)薬物含有エマルジョンと固形粒子状吸着剤の混合物を含有する自由流動性の圧縮可能な粉末の形状にあるエマルジョン組成物であって、エマルジョンが固形粒子状吸着剤上に吸着されている組成物、および(2)任意で充填剤、結合剤、分解剤剤、粘度調整剤、潤滑剤、着色剤、香味料等を含む賦形剤を含む固形製剤を提供する。
【0061】
本発明のある実施形態では、固形製剤は経口投与用の錠剤、ペレット剤、ミニ錠剤、もしくはカプセル剤、または口腔内投与用の錠剤、あるいは膣投与用の錠剤、膣投与用坐剤、直腸投与用の坐剤である。経口投与用の錠剤は、嚥下を補助するための水もしくは他の液体を摂取して、または摂取せずに放出された成分を嚥下できるように、口腔内で錠剤の成分を放出するのに適するタイプであってよい。粉末はさらにまたそれ自体が製剤であってもよい。固形製剤は、さらにまた生体接着剤を含んでいてもよい。
【0062】
本発明のまた別の実施形態では、固形製剤はさらにまた製剤の上方またはエマルジョン組成物を含む製剤の部分の上方に維持された腸溶コーティングを含む。腸溶コーティングは、この製剤が経口投与後に標的領域に到達する時間まで薬物含有エマルジョンの放出を防止する。これを遂行できるあらゆるコーティングは予測されている。しかし、腸溶コーティングは、好ましくはEUDRAGIT S100(ドイツのローム・ファルマ(Rohm Pharma)社によって製造されたメタクリル酸コポリマー)、糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースもしくはフタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、メタクリル酸コポリマー、シェラック、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、およびそれらの混合物からなる群の材料から選ばれてよい。
【0063】
本発明のまた別の実施形態では、本製剤は部位特異的送達を促進する消化管の特定区域で薬物を放出するのに役立つ材料を含有している。薬物放出のために選ばれた部位は、通常は当該の薬物にとって消化管の最も効率的に吸収する部分、またはいくつかの他の治療上の長所を提供する部分である。添加された材料は様々なメカニズムによる部位特異的送達を促進し、本発明はこのようなメカニズムのいずれか1つに限定されない。例えば、この材料は消化管の特定部分に存在する酵素によって代謝されてよく、したがってその区域に薬物を放出する。部位特異的吸収を促進するために使用される材料は、コーティングおよび/または基質材料として使用することができ、例えば糖類、多糖類、デンプン、ポリマー糖を含む。
【0064】
本固形製剤は、さらに例えば少なくとも1種の発泡剤および/または少なくとも1種の分解剤のような賦形剤を含むことができるが、このとき分解剤は経口投与後の本製剤の迅速な分散および崩壊を惹起する。さらにまた、pH調整剤も使用できる。
【0065】
本発明はさらにまた、薬物含有エマルジョンを調製し、薬物含有エマルジョンを固形粒子状吸着剤と混合することによって薬物含有エマルジョンを自由流動性の圧縮可能な粉末に転換させるステップを含むエマルジョン組成物を調製する方法を提供する。本方法によって調製される安定性エマルジョン組成物もまた予想されている。
【0066】
本発明はさらにまた、治療的有効量の薬物を膣もしくは直腸投与するための固形製剤を調製するための、薬物含有エマルジョンを調製するステップ、前記薬物含有エマルジョンを固形粒子状吸着剤と混合して自由流動性の圧縮可能な粉末を形成するステップ、前記自由流動性の圧縮可能な粉末を錠剤、坐剤または他の固形製剤へ任意の1種以上の賦形剤を添加して組み込むステップを含む方法を提供する。
【0067】
さらにバイオアベイラビリティを増強するために本発明の製剤と組み合わせて、薬物含有エマルジョンの部位特異的送達に役立つ物質、溶解速度を増加させる物質の投与を含む、様々な成分および/または方法を使用できる。これは選択した界面活性剤によって惹起される生体膜への構造の変化および流動性の変化を通して達成されてよい。選択した増強法は、好ましくは薬物吸収経路、すなわち傍細胞経路もしくは経細胞系路に関連する。これらの方法には、追加の化学的浸透増強剤;粘液接着性物質;発泡対;イオン対形成剤もしくは錯化剤の使用;および脂質および/または界面活性薬担体の使用が含まれるが、それらに限定されない。
【0068】
製剤と消化管の最も効率的に吸着する区域の粘膜との接触時間を増加させるために、生体接着性ポリマーを製剤に含めることができる。ここに参照して組み込まれるJonathan D.Eichmanによる「Mechanastic Studies on Effervescent−Induced Permeability Enhancement(発泡剤誘発性透過性増強に冠する機械的試験)」,ウィスコンシンーマディソン大学(1997)を参照されたい。本発明で使用する既知の生体接着剤の非限定的例には、カーボポール(Carbopol)(様々な等級)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリカルボフィル(ノヴェオン(Noveon AA−1))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、およびヒアルロン酸ナトリウムが含まれる。
【0069】
消化管内への薬物の分散に役立つように分解剤もまた使用できる。分解剤にはあらゆる医薬上許容される発泡剤が含まれる。発泡産生分解剤に加えて、本発明による製剤には適切な非発泡性分解剤を含むことができる。分解剤の非限定的例には、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプンおよび加工デンプンが含まれる。
【0070】
錠剤内の発泡剤とは別に、本製剤の周囲のコーティングには一部の追加の発泡性成分、あるいはまた重炭酸ナトリウム(もしくは他のアルカリ性物質)だけが存在していてもよい。後者の発泡性/アルカリ性物質の目的は、胃内容物内で反応して、より迅速な胃内容排出を促進することである。
【0071】
さらに、薬物の吸収を増加させるために参照してここに組み込まれる米国特許第09/302,105号および第09/327,814号に記載されているようなpH調整剤もまた使用できる。様々な成分は本製剤の層内に存在していてよい、または特殊な形状および幾何学的配置を使用してもよい。本発明による製剤には、エマルジョン含有組成物内に含まれる薬物に加えて薬物を含むことができる。
【0072】
本発明の1つの実施形態による錠剤(図1)は、コア20、順に発泡層24によって被覆されるバリヤーコーティング22を含む。腸溶コーティング26は発泡層24を被覆している。コア20は、本発明のエマルジョン組成物を含む。錠剤が小腸に達すると、腸溶コート26が溶解し、発泡層が露出する。この層が消化管の水溶液と反応すると二酸化炭素が放出される。これは、例えば粘液層の菲薄化、したがって錠剤を吸収表面(粘液)とより密接に接触させることを含む数種の方法で吸収に役立つ。バリヤーコーティング22は、吸着されたエマルジョン内の水が発泡性物質24と反応するのを防止する。一部のW/O型エマルジョンを用いると、錠剤の広範な変質を惹起することなくバリヤーコーティングを省略できるようになる可能性がある。これは、エマルジョンの小さな水滴が油によって完全に取り囲まれており、発泡性成分と容易に反応することができないという事実により発泡性物質が吸着されたエマルジョンの水から保護されるという事実のためである。腸溶コーティング22およびバリヤーコーティング22(使用した場合)が分解すると、錠剤のコアが露出され、コアの分解、吸着剤からのエマルジョン液滴の放出および引き続いてのエマルジョンからの薬物放出が促進される。
【0073】
図2に図示した第2デザインは、それの各々が吸着剤の多数の粒子12の凝集体を含んでおり、図2Aの略図で所見されるエマルジョン13を吸着している凝集体10を含む。これらの凝集体は腸溶物質14によりコーティングされている。被覆された凝集体は、その後充填剤、香味料、甘味料、分解剤およびその他の添加された賦形剤と一緒に一緒に相当に軟質錠剤15へ圧縮される。圧縮錠剤は、充填剤を充填できる幾つかの間隙16を含むことができる。従来型錠剤よりはるかに大きくてもよいこのような錠剤は、口腔内で分解させられる。通常は2分間以内、より好ましくは1分間以内に発生する分解は、嚥下された腸溶コーティング凝集体を放出する。これは口腔から遠位の部位で吸収が発生することを可能にする。吸収は、通常は十二指腸で発生する。しかし製剤は、例えばそれに限定はされないが結腸のような他の部位での吸収を促進する他の成分を含むこともできる。この錠剤は分解および口当たりに役立つための発泡剤を含んでいてよい、または十二指腸もしくはその他の標的部位での吸収を促進する腸溶コーティング発泡性顆粒を含んでいてよい。
【0074】
粒子は顆粒形成(湿式もしくは乾式プロセス)、積層技術、押出成形および球状化またはその他のペレット製造法によって製造できる。乾式顆粒形成は、乾燥粉末の外観を有するパウダーミックス(吸着されたエマルジョンを含む)の充填もしくは焼成を通して達成できる。積層は、流動床装置またはコーティングパン内で実施できる。吸着されたエマルジョンと含む微粉末(乾燥粉末の外観を有する)は出発物質もしくはコア上に積層される。水性もしくは非水性結合剤を使用するとコア上への添加材料の接着に役立つ。結合剤の選択は、一部には特定製剤で利用されるエマルジョンおよび薬物の性質によって決定される。結合剤は薬物安定性に及ぼす作用について試験されなければならない。エマルジョン内の薬物安定性に不都合な影響を及ぼさない結合剤だけを使用する。積層は、好ましくは流動床コーター内で実施する。この装置では、材料の床は極めて短時間しか湿性を維持しないので、したがって一見したところでは不適合性である結合剤を使用することがしばしば可能になる。微粒子吸着エマルジョンに加えて、他の物質を出発物質上に積層することができる。これらには、制限なく薬物もしくは追加量の薬物、浸透増強剤およびその他の賦形剤が含まれる。出発物質もしくはコアの非限定的例はノンパレイユ(スクロース)または微結晶セルロース・シードである。多粒子のサイズは、好ましくは約3mmまでである。製剤または多粒子のコーティングは、流動床コーター内で、または他のコーティング法によって遂行できる。多粒子はカプセル内に充填できる。
【0075】
例えば湿式顆粒形成もしくは押出成形および球状化のような湿式プロセスを使用する場合は、エマルジョンは好ましくは液相または顆粒液として使用される。より好ましくは、湿式プロセスではO/W型エマルジョンを液相として使用するが、それはこのタイプのエマルジョンは水を用いて希釈すると固形成分と一緒に加工するのに適正な粘度を得られるからであり、さらに形成された粒子の部分乾燥は乾燥した外観を有する生成物を生じさせるであろう。例えばイソプロピルアルコールまたはエチルアルコールのような水混和性の非毒性揮発性有機溶媒の外水相内への包含は、形成された粒子からのエマルジョンの外相の部分的蒸発を容易にすることに有益な可能性がある。
【0076】
このデザインの変形は、材料は腸溶コートを含有していないが、薬物が口腔粘膜による吸収のために放出された場合に口腔内に維持されるデザインである。後者のデザインを利用したときに、錠剤は追加の浸透増強剤、粘液接着剤または口腔内での吸収を促進するためのその他の物質を含有することができる。
【0077】
錠剤は、湿式顆粒形成、乾式顆粒形成、直接圧縮またはいずれかその他の錠剤製造技術によって製造できる。経口で分解する錠剤は相当に軟質であってよく、好ましくはこれにより参照してここに組み込まれる米国特許第5,178,878号における開示による直接圧縮によって製造される。ペプチドおよびその他の生体分子のためには、これらの物質が圧縮力に感受性であるために低圧縮力が好ましい。このような化合物を用いると、化合物の立体構造および生物活性は錠剤製造で便宜的に使用される圧縮力が高いほどより大きく変化する可能性がある。
【0078】
錠剤は、様々な組成物の層内の上記の有効成分の層からなる層状錠剤であってよい。あるいはまた、錠剤は一様な組成物の単純な錠剤であってよい。本発明によると、錠剤のサイズは好ましくは約3/4インチまでである。錠剤の固さは、コーティングなしの錠剤については好ましくは約5ニュートン(「N」)〜約50N、およびより好ましくは約15N〜約35Nである。例えば腸溶コートを用いてコーティングされることが意図される錠剤は、好ましくはわずかにより固く、20N〜70N、およびより好ましくは25N〜50Nの固さ値を有している。これらの数値はコーティングなしコアに関連しており、さらに予想される通りに、錠剤の固さ値はコーティング層が添加されるために上昇する。
【0079】
錠剤は膣投与を目的とする錠剤であってよく、その場合には好ましくは充填剤として微粒子粉末および物理的刺激または研磨の可能性を低下させるための他の賦形剤を含む。さらに、錠剤は膣内への挿入を促進するための特殊な形状である。このような形状の非限定的例には、楕円形およびダイアモンド形が含まれる。錠剤の挿入は、この目的のために当分野でよく知られている特殊アプリケーター器具の使用によって促進できる。
【0080】
エマルジョンを含有する錠剤は腸溶材料でコーティングできる。これは、好ましくはコーティングパン内で実施する。多数の現代的な多孔パンはより効率的コーティングに役立つ特徴を有している。1つの例として、ハイコーター(ベクター・コーポレーション(Vector Corporation)製、アイオワ州)を使用できる。パン内の錠剤は予備加熱され、パンは錠剤の穏やかな回転を許容する速度で回転させられる。流動床コーターのために作られた実際のプロセスに関する多数のコメント(例えば、材料を湿潤させる速度)は、パンコーターにも同様に適用される。コーティング液は、発泡材料が製剤内に組み込まれ、発泡剤が好ましくはコーティングによってエマルジョンから分離された場合は、非水性でなければならない。
【0081】
本発明では、プレコーティング材料も使用できる。プレコーティング材料の非限定的例には、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体類もしくはそれらの組合せおよび商標EUDRAGIT(登録商標)を付けて販売される一部材料(結合できる様々な等級)が含まれる。
【0082】
錠剤形成を容易にするために、例えば充填剤のような賦形剤を本発明と結び付けて使用できる。充填剤の非限定的例には、マンニトール、デキストロース、ラクトース、スクロースおよび炭酸カルシウムが含まれる。口腔内で分解することが意図される錠剤のためには、錠剤の質量は好ましくは2.5gを超えてはならない。発泡剤が含まれる場合は、錠剤内の発泡剤濃度は好ましくは最終錠剤の重量に基づいて重量で約5%〜65%である。
【0083】
微粒子状吸着剤上に吸着されたエマルジョンは例えば成形によって形成された坐剤に組み込まれてよい。この方法では、自由流動性粉末は融解した坐剤基剤と一緒に混合されて、型内に注入されて、周囲温度へ冷却することによって硬化させられる。適切な坐剤基剤にはカカオバター、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ゼラチン/グリセリン結合剤、エステル化脂肪酸、ポリオキシエチレンソルビタンおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含まれるが、それらに限定されない。様々な成分の混合物を含有していてよい様々な専売基剤もまた利用できる。専売基剤の例は、Imhausen、WitepsolおよびGelucireの商標を付けて販売されている基剤である。特定の適用のためにこれらの各々の種々の等級を利用できる。必要な特性を備えた坐剤を入手するために様々な基剤の混合物も利用できる。
【0084】
本発明の坐剤内には、界面活性剤および例えば中鎖(C8〜C12)脂肪酸およびグリセロールのモノエステル、ジエステルおよびトリエステルを含む脂肪酸エステルのような吸収増強剤を含む様々な添加物を組み込むことができる。低温成形および圧縮法を含む坐剤を形成するための他の成形法もまた使用できる。
【0085】
坐剤基剤の親水性/疎水性の性質がエマルジョンの外相とは相違することが好ましい、すなわちO/W型エマルジョンを使用した場合には、坐剤基剤はカカオバターなどの脂肪(疎水性)基剤でなければいけなく、W/O型エマルジョンの場合は、坐剤基剤は例えばゼラチン/グリセリン基剤のように親水性でなければならない。これはエマルジョンの外相と坐剤基剤との間の混和性混合物の形成を防止することによってエマルジョンの安定性を維持するのに役立つ。
【0086】
本特許出願を通して様々な出版物を引用した。これらの出版物はこれにより参照してここに組み込まれる。
【0087】
以下では、本発明をさらに下記の実施例を参照しながら記述する。これらの実施例は例示のためだけに提供するものであり、他に明記されていない限り限定的であることは意図していない。
【実施例1】
【0088】
[O/W型エマルジョンの調製]
【表1】
*安息香酸溶液は、安息香酸5g、プロピレングリコール75mLおよび100mLまでの水から構成される。エマルジョンは約15.9%の薬物、ロボスタチンを含有している。
【0089】
〈エマルジョンの調製方法〉
薬物は穏やかに加熱かつ撹拌しながら流動パラフィン内に分散させた。水相は次のように別個に調製した。メチルセルロースは100mLの温水中に分散させた。さらにこれに冷水120mLを添加し、均質なゲルを形成するように撹拌した。この安息香酸溶液にクロロホルムを撹拌しながら緩徐に添加し、この混合液を水相に添加して撹拌した。
【0090】
油相を水相へ添加し、プロペラ攪拌機を用いて撹拌した。このエマルジョンが500mLになるまで水を添加した。形成したエマルジョンは、顕微鏡を使用した観察により測定したときに油の小球の径が20μm未満となるまで、ホモジナイザーに数回通過させた。エマルジョン小球のサイズを評価するための技術は、参照してここに組み込まれる例えばS.I.Pather,S.H.Neau and S.Pather,による「A comparison of two quality assessment methods for emulsions(エマルジョンについての2種の品質評価方法の比較)」,Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis 13(1995),1283−1289に記述されている。
【実施例2】
【0091】
[二酸化ケイ素上へのエマルジョンの吸着]
【表2】
【0092】
二酸化ケイ素上へエマルジョンを吸着させる方法:コロイド状二酸化ケイ素粉末を遊星形ミキサーのボウル内に入れ、エマルジョンを連続的に混合しながら緩徐に添加して、乾燥している感触の粉末を入手した。
【実施例3】
【0093】
[O/W型エマルジョンを使用する錠剤のための処方]
【表3】
【0094】
O/W型エマルジョンを使用する錠剤を調製する方法:エマルジョン/二酸化ケイ素、プロソルブ90(ケイ化微結晶セルロース)、噴霧乾燥ラクトース、およびクロスポビドンを計量し、ブレンダー内へ篩い入れ、30分間混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを計量してブレンダーへ添加し、さらに5分間混合した。この混合物を送り出し、1/2インチ穿孔機を使用して錠剤に圧縮した。
【実施例4】
【0095】
[コーティング液の処方]
【表4】
【0096】
方法:コーティング液は、大きなビーカー内に入れたエタノールおよびアセトンにHP55Sを添加し、力強く撹拌することによって調製した。この混合液をHP55Sが完全に溶液内に混じるまで撹拌した。クエン酸トリエチルを添加し、さらに実施例3で製造した錠剤をコーティングするために使用する最終溶液を入手するために撹拌した。コーティングは、破砕性を原因とする錠剤からの物質損失を制限するためにコーティングパン内で実施した。コーティングプロセス中の気流は30CMH(m3/時)で維持し、噴霧速度は9.5g/分であった。パン速度は20rpmで維持した。吸気温度は42〜45℃で維持し、コーティングは15%の増量が得られるまで継続した。各最終錠剤は約10mgのロボスタチンを含有している。
【実施例5】
【0097】
[W/O型エマルジョン調製物の調製]
【表5】
【0098】
実施例5中の水溶性薬物はカルシトニン、または例えば8〜12塩基対を有するようなオリゴヌクレオチドである。
【0099】
油相、すなわちポリエチレングリコールヒマシ油および鉱油とを一緒に混合し、75℃へ加熱する。その後水相成分、すなわち水、水溶性薬物およびプロピレングリコールを一緒に混合し、75℃へ加熱する。水相を調製する際に、水溶性薬物は好ましくはまず最初にプロピレングリコールに溶解させ、その後この薬物−プロピレングリコール溶液を水へ添加する。水相を油相へ添加し、力強く撹拌しながら完全に混合してW/O型エマルジョン調製物を形成する。このW/O型エマルジョン調製物をその後二酸化ケイ素上に吸着させ、エマルジョン調製物/吸着剤を本特許出願で記述した通りに錠剤内に組み込む。
【0100】
このような処理から利益が得られる薬物は水溶性であるが、吸収が不良な薬物である。この方法で調製する場合には、薬物の熱安定性を考慮に入れなければならない。この薬物を温水中に溶解させ、水相を油相と急速に混合して冷却させると、薬物の不当な分解を伴わずにエマルジョンを調製することが可能になる可能性がある。加熱および混合中の消失量に対応するために過多量の薬物を組み込むことができる。
【実施例6】
【0101】
[エマルジョン調製物における高薬物負荷]
適切な乳化剤を用いて100gのビタミンE酢酸エステル(□−トコフェロール酢酸エステル)を乳化させて1,000錠からなる1バッチ当たり約200gのエマルジョン調製物を形成した。このエマルジョン調製物は約50%のビタミンE酢酸エステルを含有している。このエマルジョン調製物を約600gの二酸化ケイ素上に吸着させる。吸着したエマルジョン調製物を含む二酸化ケイ素は、適切な直接圧縮成分を使用して総質量約2,400gの経口分解性錠剤1,000錠内に組み込んだ。このエマルジョンは「油っこく」ない心地よい風味を有している。液体が吸着されているという事実がさらにこの製剤を摂取するヒトの心地よい感覚刺激的経験に寄与する。追加の香味料および甘味料もまた製品内に組み込まれてよい。
【0102】
これらの錠剤は、特にカプセル財を窃取するのを好まない患者のために、摂取するのに便宜的である。さらに、ビタミンE酢酸エステルの乳化液滴は微粒子上に吸着されていて、これはその後消化管の大きな面積全体に分布することができるので、これは患者の身体による吸収増加を提供することができる。吸収のためにより大きな表面積を利用できることにより、より効率的吸収が可能になる。
【実施例7】
【0103】
[中薬物負荷]
【表6】
【0104】
エマルジョンを実施例1に記載した方法と同一方法で調製した。エマルジョン中の最終薬物含量は約40%である。
【実施例8】
【0105】
[低薬物負荷]
【表7】
【0106】
生成物はロボスタチン錠剤(実施例1)と同様の方法で調製するが、各錠剤は0.5mgのデキサメタゾンを含有している。このエマルジョンは約2%の薬物デキサメタゾンを含有している。このエマルジョン500gを同様に約1,500gの二酸化ケイ素上に吸着させる。このエマルジョンは20,000錠のために十分な薬物を含有しているので、1錠当たりたった100mgのエマルジョン/固体支持体混合物を使用すればよい。錠剤の質量は500mgである。錠剤1錠当たりのエマルジョン/固体支持体の低負荷は適切な錠剤を製造するのをより容易にさせる。明らかに吸着ステップにおいて1,500gをわずかに超える二酸化ケイ素を使用すれば、1錠当たりの混合物の量はわずかに多くなるであろう。
【実施例9】
【0107】
[SEDDSの調製]
【表8】
【0108】
ロボスタチンを含有する油相を実施例1と同一方法で調製する。油相をその後油滴または油膜の形状にあるAl203粒子上に吸着させる。
【実施例10】
【0109】
[坐剤]
50mgのエナント酸テストステロンを0.25mL(坐剤1錠当たり)のゴマ油中に溶解させる。適切な乳化剤を使用して、油を約0.5mLのO/W型エマルジョンに転換させる。これを約0.8gの二酸化ケイ素上に吸着させ、これを例えば水素化トリグリセリドのような疎水性坐剤基剤内に組み込む。各々が約2gの坐剤をこの混合物から成形する。投与後、坐剤は融解し、固体支持体上のエマルジョンは直腸液中に分散する。これが吸収に役立ち、他方ではこの投与様式は痛みを伴う注射を排除する。
【0110】
ここで使用する坐剤には下記が含まれるが、それらに限定されない。
【0111】
【表9】
【0112】
[マイクロエマルジョンと比較したエマルジョンの汎用性]
上記の実施例7〜8は、マイクロエマルジョンと比較して薬物を送達する際のエマルジョンの汎用性を例示している。低用量薬のために適切な薬物を調製するために、薬剤処方者は高用量(相当に多量の薬物を分散させるために高容量の油を必要とした)のためにエマルジョンを取り上げ、それを低用量薬のために容易に修飾することができる。低用量薬では必要な油が少ないので、相当の小量の乳化剤が添加される。これらのすなわち高用量薬から低用量薬の変化は、エマルジョンの粘度を低下させ、薬剤処方者にとって取扱いをより容易にさせる。当業者であればエマルジョンを使用するとこの高用量薬と低用量薬の処方間の互換性を容易に利用できる。実際に、エマルジョン処方は「自由自在に」もっと多く変化させることができる。
【0113】
これとは対照的に、マイクロエマルジョンは一定の調製物を有するので、したがって狭い範囲内でしか変化させられない。通常は、内相(この例では油)の用量を大きく変動させることはできない。マイクロエマルジョン処方をマイクロエマルジョンであり続けながらどの程度変動させることができるのかを知るためには、薬物処方者は数種の調製物を調製してマイクロエマルジョンが存在するゾーンを入手するために三角相図をプロットしなければならない。三角相図は各特定システムについて決定されなければならず、これは時間を消費する作業である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の1つの実施形態による錠剤の拡大平面図である。
【図2A】本発明のまた別の実施形態による錠剤の横断面図である。
【図2B】軟質錠剤の調製についての略図である。
Claims (38)
- 自由流動性の圧縮可能な粉末の形状にあるエマルジョン組成物であって、薬物含有エマルジョンおよび固形粒子状吸着剤の混合物を含み、前記エマルジョンが前記固形粒子状吸着物上に吸着されているエマルジョン組成物。
- 薬物含有エマルジョンが1cps〜400,000cpsの間の粘度を有する請求項1のエマルジョン組成物。
- 薬物含有エマルジョンが400cps〜200,000cpsの間の粘度を有する請求項2のエマルジョン組成物。
- 薬物含有エマルジョンが2%〜50%の薬物を含む請求項1のエマルジョン組成物。
- 薬物含有エマルジョンが100nmより大きい径を有するエマルジョン小球を含む請求項1のエマルジョン組成物。
- エマルジョン小球が120nm〜70μmの間の径を有する請求項3のエマルジョン組成物。
- 薬物含有エマルジョンが少なくとも1年間安定性である請求項1のエマルジョン組成物。
- 前記薬物含有エマルジョンがO/W(水中油)型エマルジョンである請求項1のエマルジョン組成物。
- 前記薬物含有エマルジョンがW/O(油中水)型エマルジョンである請求項1のエマルジョン組成物。
- 前記薬物含有エマルジョンがインビボでエマルジョンへ転換する自己乳化性薬物送達システムである請求項1のエマルジョン組成物。
- 前記固形粒子状吸着物がカオリン、ベントナイト、ヘクトライト、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムおよびタルクから選択される請求項1のエマルジョン組成物。
- 自由流動性の圧縮可能な粉末の圧縮性が直接圧縮錠剤形成賦形剤の添加によってさらに改良されている請求項1のエマルジョン組成物。
- エマルジョン中に含まれる薬物が、前記薬物が何の浸透増強剤も薬物吸収を増強する他のメカニズムも含んでいない従来型製剤で投与されたときに哺乳動物の消化管内で不良なバイオアベイラビリティを示す薬物である請求項1のエマルジョン組成物。
- 前記薬物含有エマルジョンがペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチドおよびその他の生体分子からなる群から選択される薬物を含む請求項1のエマルジョン組成物。
- 前記薬物含有エマルジョンが栄養補助食品を含む請求項1のエマルジョン組成物。
- 前記薬物含有エマルジョンがアシクロビル;オーラノフィン;ブレチリウム;シタラビン;ドキセピン;ドキソルビシン;ヒドララジン;ケタミン;ラベタロール;メルカプトプリン;メチルドパ;ナルブフィン;ナロゾン;ペントキシフィリン;ピリドスチグミン;テルブタリン;ベラパミル;ブセレリン;カルシトニン;シクロスポリン;ヘパリン;およびオキシトシンからなる群から選択される薬物を含む請求項1のエマルジョン組成物。
- 自由流動性の圧縮可能な粉末の形状にあるエマルジョン組成物であって、薬物含有自己乳化性薬物送達システムおよび固形粒子状吸着剤の混合物を含んでおり、このとき前記薬物含有自己乳化性薬物送達システムが前記固形粒子状吸着剤上に吸着されていて自由流動性の圧縮可能な粉末を形成しているエマルジョン組成物。
- 治療有効量の薬物を投与するための固形製剤であって、請求項1のエマルジョン組成物および任意で充填剤を含む固形製剤。
- 前記固形製剤が経口投与用の錠剤である請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤が複数の粒子を含む錠剤であり、このとき前記粒子の少なくとも一部が前記エマルジョン組成物を含有している請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤が経口投与用のカプセル剤である請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤が口腔内投与用の錠剤であり、このとき前記錠剤が哺乳動物の口腔内で分解させられ、このとき錠剤の成分が水または嚥下を補助する他の液体を摂取せずに嚥下され得る請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤がさらに生体接着剤を含む請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤が膣投与用の錠剤である請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤が膣投与用の坐剤である請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤が直腸投与用の坐剤である請求項18の固形製剤。
- 前記固形製剤がさらにまた前記製剤上方に維持された腸溶コーティングを含んでおり、このとき前記腸溶コーティングが、前記製剤が経口投与後に標的領域に到達する時点まで前記薬物含有エマルジョンの放出を防止する請求項18の固形製剤。
- 腸溶コーティングがメタクリル酸コポリマー、糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースもしくはフタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、メタクリル酸コポリマー、シェラック、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、およびそれらの混合物からなる群の材料から選択される請求項29の固形製剤。
- 前記固形製剤がさらに少なくとも1種の発泡剤を含む請求項18の固形製剤。
- さらに少なくとも1種の分解剤を含んでおり、このとき前記分解剤が前記薬物含有エマルジョンの経口投与後における標的領域への迅速な分散を惹起する請求項18の固形製剤。
- さらにpH調整剤を含む請求項18の固形製剤。
- エマルジョン組成物を調製するための方法であって、薬物含有エマルジョンを調製するステップ、および前記薬物含有エマルジョンと固形粒子状吸着剤とを混合することによって前記薬物含有エマルジョンを自由流動性の圧縮可能な粉末に転換させるステップを含む方法。
- 治療有効量の薬物を経口投与するための固形製剤を調製するための方法であって、薬物含有エマルジョンを調製するステップ;前記薬物含有エマルジョンと固形粒子状吸着剤とを混合することによって前記薬物含有エマルジョンを粉末に転換させるステップ、および任意で賦形剤を添加して前記粉末を固形製剤へ圧縮するステップを含む方法。
- 治療有効量の直腸投与もしくは膣投与するための固形製剤を調製するための方法であって、薬物含有エマルジョンを調製するステップ;前記薬物含有エマルジョンと固形粒子状吸着剤とを混合することによって前記薬物含有エマルジョンを粉末に転換させるステップ、および前記粉末を坐剤内に組み込むステップを含む方法。
- 治療有効量の膣投与用の固形製剤を調製するための方法であって、薬物含有エマルジョンを調製するステップ;前記薬物含有エマルジョンと固形粒子状吸着剤とを混合することによって前記薬物含有エマルジョンを粉末に転換させるステップ、および前記粉末を坐剤内に組み込むステップを含む方法。
- 薬物含有エマルジョンを調製するステップ;前記薬物含有エマルジョンと固形粒子状吸着剤とを混合することによって前記薬物含有エマルジョンを粉末に転換させるステップからなるプロセスの生成物である安定性エマルジョン組成物。
- 請求項1のエマルジョン組成物を哺乳動物へ投与する方法であって、エマルジョン組成物を調製するステップおよびエマルジョン組成物を前記哺乳動物へ投与するステップを含む方法。
- さらに前記エマルジョン組成物を固形製剤内に組み込むステップを含んでおり、前記エマルジョン組成物を前記哺乳動物へ投与する前記ステップが固形製剤を哺乳動物へ投与するステップを含む請求項37に記載の方法。
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