JP2004524275A - インドロカルバゾール化合物の無水糖誘導体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、インドロカルバゾール化合物の新しい糖誘導体と、該誘導体のトポイソメラーゼ−I活性を示し、かつ腫瘍細胞の増殖を抑制するのに有用な医薬製剤に関する。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、トポイソメラーゼ(topoisomerase)−I活性を示しかつ腫瘍細胞の増殖を抑制するのに有用な、インドロカルバゾール化合物(indolocarbazoles)の糖誘導体に関する。
【0002】
(背景技術)
トポイソメラーゼは、生体核酵素であって、DNAにおけるトポロジーのジレンマ、たとえば、標準的に複製、転写およびことによると他のDNAプロセス中に起こる、オーバーウィンディング(overwinding)、アンダーウィンディング(underwinding)および連鎖を解決するように機能する。これらの酵素は、DNAを弛緩させるが、これは、他のDNAストランドの通過用の一時的ゲートまたはピボットポイントとして作用する、酵素−ブリッジド(bridged)・ストランド破断の形成による。トポイソメラーゼ−標的薬物は、このDNAトポイソメラーゼの破損−再結合反応を干渉すると思われる。
【0003】
トポイソメラーゼ−活性作用物質の存在下、“開裂性錯体”と呼ばれる頓挫反応中間体が蓄積して複製/転写を阻止し、これは結局、細胞死に導く。従って、トポイソメラーゼI−活性作用物質の開発は、癌処置のためクリニックで一般に用いられる多様な統制的療法に対し、新しいアプローチを付与する。
「Cancer Chemother.Pharmacol」(34(増刊)、S41−S45、1994年)に、トポイソメラーゼI−活性化合物が論じられ、これらの化合物は有効な臨床的抗腫瘍剤であることが認められている。これらの臨床的候補化合物は構造上、アルカロイド・カンプトセシン(camptothecin)と関係がある。
【0004】
インドロ[2,3−a]カルバゾール・アルカロイド化合物、たとえばレベッカマイシン(rebeccamycin)(U.S.特許No.4487925および4552842)およびその水溶性の臨床的活性類縁体の、6−(2−ジエチルアミノエチル)レベッカマイシン(U.S.特許No.4785085)は、DNAを標的にする有用な抗腫瘍剤である。さらに、フルオロインドロカルバゾール化合物がWO98/07433において、トポイソメラーゼI抑制活性を持つ抗腫瘍性作用物質として作用することが開示されている。
【0005】
レベッカマイシン種に関係するインドロ[2,3−a]カルバゾール誘導体が開示され[EP出願No.0545195B1および0602597A2;「Cancer Research」(53、490−494、1993年);「ibid」(55、1310−1315、1995年)]、かつクレームで抗腫瘍活性を示すことが記載されているが、これら誘導体の作用の主なメカニズムは、トポイソメラーゼI毒薬として作用するカンプトセシンと同じとは思われない。上記に関連する他のインドロカルバゾール化合物も開示され(WO95/30682)、かつクレームで抗腫瘍活性を示すことが記載されている。
【0006】
Hudkinsらは、一連の縮合ピロロカルバゾール化合物を開示し(WO96/11933およびU.S.特許No.5475110)、幾つかの化合物に対して、インビトロ生物学的活性、たとえばニューロン・コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)の抑制およびたん白キナーゼC(PKC)抑制を報告している。U.S.特許No.5468849に、有用な抗腫瘍剤としての特定フルオロレベッカマイシン類縁体、並びにサッカロスリックス・アエロコロニジーンズ(Saccharothrix aerocolonigenes)、好ましくはサッカロスリックス・アエロコロニジーンズC38383−RK2(ATCC39243)のレベッカマイシン(rebeccamycin)−産生菌株のフルオロトリプトファン類縁体栄養補給による、上記類縁体の製造法が開示されている。
【0007】
Glicksmanらは、本発明の化合物とは構造が異なるインドロカルバゾール・アルカロイド化合物を開示(U.S.特許No.5468872)している。Kojiriらは、無水糖インドロカルバゾール化合物に関係しないジサッカライド置換基を有するインドロピロロカルバゾール化合物を開示する(WO96/04293)。Weinrebら(Heterocycles,21、309、1984年)およびKleinschrothら(U.S.特許No.5043335)は、ブリッジするフラン成分をもつインドロピロロカルバゾール誘導体を開示し、McCombieら(Bioorg.Med.Chem.Lett.,3、1537、1993年)は、より官能性の高いブリッジ・フランを報告している。同様に、Woodらは(+)−K252a(J.Am.Chem.Soc.,117、10413、1995年),関連した天然産生インドロカルバゾール・アルカロイドの総合成を報告し、PKC抑制活性を証明した。
【0008】
Danishefskyらは、彼らのスタウロスポリン(staurosporine)の最初の総合成の過程中(J.Am.Chem.Soc.,118、2825、1996年)、中間体N12,N13−ブリッジ・インドロピロロカルバゾールの合成を記載する。三原子ブリッジにより結合した窒素を持つインドロカルバゾール誘導体は、効力あるPKCインヒビターであることが報告されている[S.F.Viceらの「Bioorg.Med.Chem.Lett.」(4、1333、1994年)]。C1’,C5’−ブリッジまたはC1’,C3’−ブリッジ・グリコシドを持つ単純インドロカルバゾール誘導体の合成が、文献に報告されている[それぞれ、B.M.Stolz、J.L.Woodの「Tetrahedron Lett.」(36、8543、1995年);B.B.Shankar、S.W.McCombieの「Tetrahedron Lett.」(35、3005、1994年)]。
【0009】
Prudhommeらは、レベッカマイシンから誘導され、炭水化物の2つのインドール窒素への結合を示す一連の抗腫瘍インドロカルバゾール化合物を開示し、その細胞毒性とそのトポイソメラーゼIおよびPKC抑制活性がミリモル〜ミクロモル範囲にあることを報告した(Bioorg.Med.Chem.,6、1597、1998年)。しかして、トポイソメラーゼI活性の抑制に有用な、新規で効力ある細胞毒化合物の必要性がある。
【0010】
(発明の概要)
すなわち、本発明の第1側面の最初の具体例によれば、トポイソメラーゼIおよび腫瘍細胞の増殖の抑制に有用な、下記式(I)で示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩および溶媒化合物が提供される。
【化3】
【0011】
上記式中、Rは水素、OH、OC1−7アルキル、NH2、N(C1−3アルキル)2またはC1−7アルキル、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく;
QはO、S、CH2またはNR5a;
【0012】
R5およびR5aはそれぞれ独立して、水素、
【化4】
の式(A),(B),(C)および(D)からなる群から選ばれ、
【0013】
但し、QがNR5aであれば、R5またはR5aのいずれかは水素でなければならず;
R1,R2,R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロゲン、アジド、NR9R10、NHC(O)NR9R10、NHC(O)OR9、C(O)OR9、SR9およびOR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9、SR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく、または
R1とR2は共に合して、=N−OH、=Oまたは−NR9R10を形成、もしくは
R3とR4は共に合して、=N−OH、=Oまたは−NR9R10を形成;
【0014】
Wは水素、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロゲン、アジド、NR9R10、NHC(O)NR9R10、NHC(O)OR9、N−OH、OおよびOR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく;
R7およびR8はそれぞれ独立して、OHもしくはHであるか、または共に合して=Oを形成;
【0015】
R9およびR10はそれぞれ独立して、水素、C1−7アルキルおよびC3−7シクロアルキルからなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OH、OC1−7アルキル、NH2およびN(C1−3アルキル)2からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく、または
R9とR10は、それらが結合する窒素原子と共に合して、O、NおよびSからなる群から選ばれる同一もしくは異なるヘテロ原子の1もしくは2個を含有する非芳香族5〜8員複素環を形成;および
【0016】
X1,X1’,X2およびX2’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、OR9、−CF3、アルキルカルボニル、C1−7アルキル、ニトロ、NR9R10、SR9およびC(O)OR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9、SR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよい。
【0017】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aがHでない式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aが式(C)または(A)である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(A)である式(I)の化合物が提供される。
【0018】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(B)である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(C)である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(D)である式(I)の化合物が提供される。
【0019】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、QがNR5aおよR5aがH;またはQがSである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、RがH、OHまたはNH2である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、RがHである式(I)の化合物が提供される。
【0020】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R7およびR8が共に合して=Oである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’およびX2がそれぞれF、およびX1およびX1’がそれぞれHである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2がF、およびX2’、X1およびX1’がそれぞれHである式(I)の化合物が提供される。
【0021】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’がF、およびX2、X1およびX1’がそれぞれHである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’,X2,X1およびX1’がそれぞれFである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’およびX2がそれぞれH、およびX1およびX1’がそれぞれFである式(I)の化合物が提供される。
【0022】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R1,R2,R3およびR4がそれぞれ独立して、H、FおよびOR9(ここで、R9はH)からなる群から選ばれる式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、Wがフッ素である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が水素でないとき、R5をNに付ける結合がβ表示にある式(I)の化合物が提供される。
【0023】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aが水素でないとき、R5aをNに付ける結合がβ表示にある式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が水素でないとき、R5をNに付ける結合がα表示にある式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aが水素でないとき、R5aをNに付ける結合がα表示にある式(I)の化合物が提供される。
【0024】
本発明の第1側面の他の具体例は、上記第1側面の具体例の2つ以上を適当に組合せてなる式(I)の化合物を提供する。
本発明の第2側面の具体例は、哺乳動物宿主の腫瘍成長を抑制する方法を提供し、該抑制法は、本明細書で規定される本発明化合物の、腫瘍成長抑制量を上記宿主に投与することから成る。
【0025】
本発明の第3側面の具体例は、哺乳動物宿主、特にヒト宿主の腫瘍成長を抑制する方法を提供し、該抑制法は、本明細書で規定される本発明化合物の医薬配合物(製剤)の、腫瘍成長抑制量を上記宿主に投与することから成る。
本発明の他の具体例および側面については、以下に記載の説明に従って明らかであろう。
【0026】
発明の詳細
ここで、本発明の説明については、化学結合の法則や原理と一致させて解釈すべきである。別の具体例または側面から従属する1つの具体例または側面には、それが従属する具体例または側面とは異なる数値および条件を持つ変記号(variable)のみを記載するだろう。すなわち、たとえば、“WがCである、本発明の第n側面による式(I)の化合物”と解される具体例は、第n側面に規定の数値を持つ残りの全ての変記号を含むと解釈すべきであり、さらに他の特別な指示がない限り、第n側面における変記号のどれもこれもに関係する全ての条件を含むと解釈すべきである:変記号がゼロの数値を有すると規定されている場合、該変記号に付く結合は除去すべきことが理解される。たとえば、n=0およびR−X−Vn(nは0または1となりうる)の場合、記載の構造はR−XでR−X−でないことが理解される。
【0027】
記号“C”の後の下付きの数字は、個々の基が含有できる炭素原子の数を規定する。たとえば、“C1−7アルキル”は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭素鎖を意味し、たとえば、これらに制限されるものでなく、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチルが挙げられる。語句“ハロゲン”としては、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが挙げられる。
【0028】
なお、本発明は、他の特別な記載が明記されていない限り、可能性のある立体異性体、幾何異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、アノマーおよび光学異性体のいずれかおよび全てを包含することを理解すべきである。
本発明の化合物は、医薬的に許容しうる塩の形状で存在しうる。かかる塩としては、たとえば、塩酸および硫酸などの無機酸や、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酒石酸およびマレイン酸などの有機酸との付加塩が挙げられる。
【0029】
さらに、本発明化合物が酸性の基を含有する場合、該酸性基はたとえば、カリウム塩およびナトリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩およびカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;およびトリエチルアンモニウム塩およびアルギニン塩などの有機塩基との塩の形状で存在しうる。本発明化合物は、水和されてあるいはそうでなくてもよい。
【0030】
本発明化合物は、錠剤、カプセル剤(これらは、それぞれ持続放出性(徐放性)もしくは時限放出性の配合を含む)、丸剤、粉剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液、シロップおよびエマルジョンといった経口投与剤形で投与することができる。また本発明化合物は、医薬分野の当業者にとって周知の投与剤形を用い、静脈内、腹腔内、皮下または筋肉内に投与されてもよい。
【0031】
本発明化合物は単独投与できるが、一般には、選択投与方法や標準医薬実務に基づいて選ばれる医薬用担体と一緒に投与される。また本発明化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所使用による鼻腔内剤形で、または経皮パッチを用いる経皮ルートで投与することもできる。本発明化合物を経皮投与すると、投与生活規制を通じて投与量が連続するだろう。
【0032】
本発明の1つの側面は、腫瘍を移植したあるいは癌形成を受けやすい哺乳動物に対する、本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒化合物の投与を必然的に伴なう。一般にかかる化合物は、約0.01mg/kg〜MTD(最大許容量)の用量範囲で投与される。本発明化合物の投与量並びに投与生活規制およびスケジュールについては、各ケースにおいて、信頼できる専門医師の判断を利用し、かつ受容者の年令、体重および状態、投与方法並びに癌疾患状態の種類および程度を考慮して、注意深く調整しなければならない。
【0033】
本明細書で用いる語句“全身投与”とは、口腔舌下、バッカル、経鼻腔、経皮、直腸、筋肉内、静脈内、心室内、鞘内、および皮下経路を指称する。適正な臨床実務にしたがって、有害もしくは厄介な副作用のいずれも起こさずに、有効で有益な効きめをもたらす濃度レベルで本化合物を投与することが好ましい。
【0034】
合成
本発明化合物の製造手順を、下記反応式I〜IVに例示する。
反応式I
例1;
【化5】
【0035】
例2;
【化6】
【0036】
例3;
【化7】
【0037】
例4;
【化8】
【0038】
反応式II
【化9】
【0039】
反応式III
例1:
【化10】
例2:
【化11】
【0040】
反応式IV
【化12】
本発明化合物およびその製造法については、以下に示す非制限的実施例によってより具体的に説明する。
【0041】
中間体の合成
最終生成物の本発明化合物の製造に用いる、幾つかの中間体化合物、並びに他の通常の出発物質は一般に、文献公知であるか(WO9807433)、または商業上入手可能である。それにも拘らず、これら幾つかの化合物の代表的な合成法を以下に記載する。
【0042】
上記反応式に記載の変記号は、式(I)の記載と同じ数値を有し、但し、○に等しい上記反応式のV、および式(I)に係るR7およびR8に等しい上記反応式のWの場合を除く。ベンジル(Bn)保護基は、ヒドロキシル官能基を“保護する”特定の成分として例示しているが、ベンジル等の代わりに、当業者にとって周知の他の適当な保護基も使用しうる。かかる適当な保護基は、Greenの「Protecting Groups in Organic Synthesis」(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク)に十分記載されている。
【0043】
反応式I、IIIおよびIVの出発物質は、グリコシル化インドロピロロカルバゾール化合物であり、その製法はWO9807433に記載されている。6’位の選択的誘導化は、式15(R1=H、R2=OH)の化合物から直接達成しうるが、ここで、全ての糖ヒドロキシル基は未保護である。このような6’−ヒドロキシル基の適正な脱離可能基、たとえばメシレートまたはハライドへの化学選択的活性化は、たとえば当業者が使用するようなメタンスルホニルクロリド等などの適正な脱離可能基へのヒドロキシル基の活性化のための試薬を用い、トリエチルアミンやピリジンのような塩基の存在下で行なう。より特別な条件は、0℃におけるピリジンおよびメタンスルホニルクロリドである。
【0044】
6’−メシレート、または3’−ヒドロキシル成分によるような他の脱離可能基の分子内求核置換は、トリエチルアミンまたはHunig塩基のような塩基によって触媒されるが、より特別にはフッ素イオン(たとえばテトラブチルアンモニウム・フルオライド)による。この反応の代表的な溶媒は、これらに限定されないが、0〜150℃、より特別には85℃の温度のDMSO、NMP、THF、N,N−ジメチルイミダゾリジノンまたはDMFである。求核性3’−ヒドロキシル基による6’−脱離可能基の分子内置換の生成物は、式(I)のインドロピロロカルバゾールの3’,6’−無水糖誘導体である。
【0045】
式15の化合物から式(I)の3’,6’−無水糖類縁体の合成の他の方法として、ミツノブ反応の典型的条件を採用するが、ここで、3’−ヒドロキシル基により分子内置換に対し6’−ヒドロキシル基を活性化するのに、トリフェニルホスフィン(TPP)とジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)の組合せを用いる。この反応の代表的な溶媒は、これらに限定されないが、−15〜+80℃の温度、より特別には室温のベンゼン、トルエン、ジオキサン、より特別にはTHFまたはピリジンである。
【0046】
また他の試薬および/またはTPPとDIADに類する組合せも使用でき、たとえばジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)とTPP、またはトリ(O)−トリルホスフィン、並びにTMADとトリブチルホスフィンおよびひADDPとトリメチルホスフィン、並びにこれらの組合せが挙げられる。また収率の改善やこの反応の速度促進に、4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)やイミダゾールなどの添加成分も使用しうる。たとえば、より特別には、THFなどの溶媒中、4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)をTPPやDIADと組合せて使用する。
【0047】
添加成分4−DMAPの使用が好ましく、この変性(改質)の好ましい基質は、式20(R1=R2=H)のグリコシル化インドロピロロカルバゾールであり、2’位のヒドロキシル成分は好ましくはベンジルエーテルとして保護される。このような基質において、6’−ヒドロキシル成分は、存在する唯一の他のヒドロキシル成分の、遊離3’−ヒドロキシル成分により分子内求核置換に対し活性化される。
【0048】
式(I)の3’,6’−無水糖類縁体の合成の他の方法に、基質として式16Aまたは16Bの6’−フルオロ糖類縁体を採用する。適当な条件、還流したエタノール中ヒドラジンまたは酢酸アンモニウムの条件下、6’−フッ素は3’−ヒドロキシル成分により分子内求核置換に対し脱離可能基として役立ちうるが、これにより式(I)の生成物が得られる。フッ素が脱離可能基として役立つ、これらの例は概して、当業者によって予期されないだろう。
【0049】
イミド窒素をその遊離NH形状(その保護先駆物質から)またはそのN−O−ベンジル形状(同上から)に変換するのに代表的に用いられるような条件下の、3’,6’−無水糖成分の転位反応は、新しい転位を誘発するのにも役立って、式17で示されるビシクロ[3.3.0]類縁体などのグリコシル化類縁体を生成することができる。溶媒としてエタノールが使用でき、反応温度として、これに限定されないが、溶媒の還流によって達する温度が含まれる。
【0050】
式18〜19の3’,4’および2’,3’無水糖類縁体の合成は、その対応する3’,4’および2’,3’トランス−ジオール糖類縁体から進行する。式18〜19の化合物の脱水経由の合成法は、式(I)の3’,6’−無水糖類縁体の合成に採用する同様な条件(上記参照)を利用する。式18および19の化合物の合成の特別な方法は、TPPおよびDIAD/THFを用いるミツノブ反応であるが、式(I)の化合物の合成で上述した他の試薬組合せや溶媒も使用しうる。式18〜19の3’,4’−および2’,3’−無水糖類縁体の合成の特別な温度は、室温〜50℃である。
【0051】
無水反応の全ては、商業上入手しうる乾燥溶媒または新たに蒸留した溶媒を用い、窒素またはアルゴンの雰囲気下で行なう。融点は、Thomas−Hoover融点測定装置を用い、開毛管中で測定し、修正せず。カラムクロマトグラフィーはEM Science シリカゲル60(230〜400メッシュ)を用い、溶離剤として指定の溶剤系を用いて行なう。薄層クロマトグラフィーは、E.Merck シリカゲル60F254プレート(0.5mm)にて行なう。
【0052】
HPLC純度測定は、SPD−10AV UV−Vis検出器と、YMC Combiscreen ODS−A(4.6×50mm)またはHP Zorbax SB−C18(4.6×750mm)カラムの1つを持つShimadzu LC−10AS;またはダイオード・アレイ検出器とWaters Nova−Pak C18カラム(3.9×150mm)を持つHP1090DR5を用いて行なう。赤外スペクトルは、薄手フィルムまたはKBrペレットとしてNicolet Protege 460FTIRに記録する。
【0053】
1H−NMRスペクトルは、Bruker AMX−400またはBruker ARX−500 NMR分光計で記録し、化学シフトは内部標準として溶剤を用い、ppm(またはδ)で表示する。カップリング定数はヘルツ(Hz)で示し、多重線は以下の通りである:一重線(s)、二重線(d)、三重線(t)、四重線(q)、多重線(m)、およびブロード(br)。低分解(low resolution)質量スペクトルは、陰イオンモードで作動するFinnigan Matt TSQ−7000トリプル・ステージ四極子分光計(陽/陰ESI)で測定する。
下記実施例の出発物質は、WO9807433の実施例1〜106に開示の方法で合成しうる。
【0054】
実施例1:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化13】
【0055】
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[6−O−(メチルスルホニル)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(8.0mg、0.013ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムフルオライド・トリ水和物(30mg、0.095ミリモル)の混合物に、無水DMF(1mL)を加える。得られる溶液を、活性化4Åシーブス粉末で処理し、N2下室温で45分間磁気攪拌し、次いで85℃で18h加熱する。
【0056】
反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(75mL×4)および塩水(75mL)で洗い、乾燥する(Na2SO4)。減圧蒸発を行った後、シリカゲルにて2〜3%メタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して、4.8mg(69%)の純標記化合物を得る。
【0057】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.86(d、1H、J=9.6、2.7Hz)、8.75(dd、1H、J=9.7、2.6Hz)、7.76(dd、1H、J=9.1、4.4Hz)、7.72(dd、1H、J=8.9、4.5Hz)、7.48(ddd、1H、J=9.1、9.0、2.7Hz)、7.44(ddd、1H、J=9.0、8.9、2.8Hz)、7.00(d、1H、J=7.7Hz、1’H)、4.58−4.55(m、2H、3’,6’H)、4.45(d、1H、J=7.7Hz、2’H)、4.16(d、1H、J=5.2Hz、6”H)、4.10(d、1H、J=9.9Hz、5’H)、4.01−3.99(d、1H、4’H)
FAB質量スペクトル,m/e506(M+)
【0058】
実施例2:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−α−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化14】
【0059】
無水エタノール(150mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(6−フルオロ)−α−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオンの攪拌溶液に、4.45M−KOH(55mL)を加える。得られる赤血色溶液を、全てのエタノールが煮沸除去する加熱還流し、赤色固体がゴム状で析出する。反応液を室温まで冷却し、1N−HCl(25mL)で処理し、酢酸アンモニア固体(100g)を加える。
【0060】
得られる懸濁液を18h加熱還流し、容量を約3分の2に濃縮する。得られる懸濁液を、酢酸エチルと濃HCl間に分配する。有機層を水、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗い、乾燥する(Na2SO4)。減圧蒸発後、シリカゲルにてアセトン/塩化メチレン勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、標記化合物を得る。
【0061】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.86(d、1H、J=9.6、2.7Hz)、8.75(dd、1H、J=9.7、2.6Hz)、7.76(dd、1H、J=9.1、4.4Hz)、7.72(dd、1H、J=8.9、4.5Hz)、7.48(ddd、1H、J=9.1、9.0、2.7Hz)、7.44(ddd、1H、J=9.0、8.9、2.8Hz)、7.00(d、1H、J=7.7Hz、1’H)、4.58−4.55(m、2H、3’,6’H)、4.45(d、1H、J=7.7Hz、2’H)、4.16(d、1H、J=5.2Hz、6”H)、4.10(d、1H、J=9.9Hz、5’H)、4.01−3.99(d、1H、4’H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e504(M−H)−
【0062】
実施例3:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−ヒドロキシル)−ジオン
【化15】
【0063】
メタノール中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−O−ベンジル)−ジオン(10mg)の溶液に、酸化プラチナ(IV)を加える。得られる懸濁液をパール(Parr)振とう機にて、70PSIにて水素で18h処理する。触媒をセライト(celite)の小パッドで濾去し、溶媒を減圧除去する。Sephadex LH−20にてメタノール溶離で精製して、7.1mgの標記化合物を得る。
300MHz 1H−NMR(d6−アセトン):δ8.90−8.70(m、2H)、7.95−7.20(m、4H)、6.62(d、1H、J=7.5Hz)、5.20−4.05(m、6H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e520(M−H)−
【0064】
実施例4:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−アミノ)−ジオン
【化16】
【0065】
無水エタノール(250mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(6−フルオロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオン(150mg)の攪拌溶液に、4.45M−KOH(50mL)を加える。得られる赤血色溶液を、全てのエタノールが煮沸除去するまで加熱還流し、赤色固体がゴム状で析出する。反応液を室温まで冷却し、濃HCl(51mL)で処理する。
【0066】
ヒドラジン(75g)および追加のエタノール(250mL)を加え、反応液を5日間還流せしめる。反応液の容量を約2/3容量に濃縮し、室温まで冷却し、酢酸エチルと水間に分配する。有機層を水、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗い、乾燥する(Na2SO4)。回転蒸発後、Sephadex LH−20にてメタノール中のクロマトグラフィーで精製して、標記化合物を得る。
【0067】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.90(dd、1H)、8.79(dd、1H)、8.05(dd、1H)、7.81(dd、1H)、7.53−7.43(m、2H)、6.69(d、1H、J=7.9Hz、1’H)、5.01(s、OH)、5.01−4.93(dd、1H、4’H)、4.60(br s、1H、5’H)、4.50(br s、1H、3’H)、4.17(br s、1H、2’H)、3.99−3.95(m、2H、6’H、6”H)
FAB質量スペクトル,m/e520(M+)
【0068】
実施例5:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2,6−ジヒドロキシ)−(4,8−ジオキサ)−ビシクロ[3.3.0]オクト−3−イル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−O−ベンジル)−ジオン
【化17】
【0069】
無水エタノール(28mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオン(22.5mg)の攪拌溶液に、4.45M−KOH(7mL)を加える。得られる赤血色溶液を、全てのエタノールが煮沸除去するまで加熱還流し、赤色固体がゴム状で析出する。反応液を室温まで冷却し、濃HCl(3mL)で処理する。O−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(10g)および別途エタノール(20mL)を加え、反応液を一夜還流せしめる。
【0070】
反応容量を約1/2容量に濃縮し、室温まで冷却し、酢酸エチルと水間に分配する。有機層を水および塩水で洗い、乾燥する(Na2SO4)。回転蒸発後、シリカゲルにて塩化メチレン/酢酸エチル勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して、8.7mgの標記化合物をオレンジ色固体で得る。
【0071】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.81(dd、1H、J=2.6、9.5Hz、H−8)、8.72(dd、1H、J=2.6、9.7Hz、4H)、8.06(dd、1H、J=4.3、9.3Hz、11H)、7.82(dd、1H、J=4.6、9.0Hz、1H)、7.64−7.35(m、7H)、6.72(d、1H、J=4.0Hz、5’OH)、6.65(d、1H、J=8.0Hz、1’H)、5.67(d、1H、J=5.6Hz、2’OH)、5.32(s、2H、O−CH2−Ph)、4.98(t、1H、J3 ’ ,4 ’=6.2Hz、J4 ’ ,5 ’=6.2Hz、4’H)、4.62(ddd、1H、J4 ’ ,5 ’=6.2Hz、J5 ’ ,6 ’=4.6Hz、J5 ’ ,OH=4.0Hz、5’H)、4.50(dd、1H、J2 ’ ,3 ’=3.8Hz、J3 ’ ,4 ’=6.2Hz、3’H)、4.13(ddd、1H、J1 ’ ,2 ’=8.0Hz、J2 ’ ,3 ’=3.8Hz、J2 ’ ,OH=5.6Hz、2’H)、3.98(d、2H、J5 ’ ,6 ’=4.6Hz、J5 ’ ,6 ”=0Hz、6’H、6”H)
FAB質量スペクトル,m/e611(M+)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e610(M−H)−
【0072】
実施例6:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2,6−ジヒドロキシ)−(4,8−ジオキサ)−ビシクロ[3.3.0]オクト−3−イル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−ヒドロキシル)−ジオン
【化18】
【0073】
メタノール/酢酸エチル(1:1、3.5mL)中の実施例5の生成物(6.4mg)の溶液に、20%水酸化パラジウム/Cと10%パラジウム/Cを加える。得られる懸濁液をパール振とう機にて、75PSIの水素で18h処理する。触媒を小パッドのセライトで濾去し、溶媒を減圧除去する。Sephadex LH−20にてメタノール溶離で精製して、3.6mgの標記化合物を得る。
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.77(dd、1H)、8.59(dd、1H)、7.99(dd、1H)、7.72(dd、1H)、7.45−7.25(m、2H)、6.87(br s、1H)、4.93−4.84(m、1H)、4.58−4.43(m、2H)、4.34(br s、1H)、4.08−3.88(m、2H)
FAB質量スペクトル,m/e521(M+)
【0074】
実施例7:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2,3−アンヒドロ)−(4,6−ジフルオロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化19】
【0075】
無水THF(1.0mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(4,6−ジフルオロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(23.7mg、0.045ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(36.6mg、0.140ミリモル)の攪拌溶液に、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(27μL、0.137ミリモル)を加える。反応液を室温で1h攪拌せしめ、次いで50℃に3h加温する。
【0076】
別途トリフェニルホスフィン(39mg、0.149ミリモル)およびジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(29μL、0.148ミリモル)を加え、得られる赤色溶液を50℃で一夜攪拌する。反応を水(1滴)で抑え、溶媒を減圧除去する。Sephadex LH−20にて精製を行って、2.0mgの標記化合物を得る。
【0077】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.88(dd、4H)、8.77(dd、1H)、8.16−8.05(m、1H)、7.81−7.69(m、1H)、7.43(br s、1H、1’H)、5.11(dd、2H、4’H、4”H)、4.76(s、1H、6”H)、4.67(s、1H、6’H)、4.52−4.36(m、1H、5’H)、4.06−3.91(m、2H、3’H、2’H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e508(M−H)−
【0078】
実施例8:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,4−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化20】
【0079】
無水THF(10mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(240mg、0.495ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(263mg、1.00ミリモル)の攪拌溶液に、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(200μL、1.01ミリモル)を加える。
【0080】
得られる赤色溶液を室温で2h攪拌せしめた後、水(5滴)で反応を抑え、減圧下で蒸発乾固する。シリカゲルにてアセトン/ヘキサン勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに付した後、メタノール中のSephadex LH−20精製を行って、43.4mg(23%)の標記化合物を得る。
【0081】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ11.22(br s、1H)、8.85(dd、1H)、8.76(dd、1H)、7.97(br s、1H)、7.65(br s、1H)、7.58−7.39(m、2H)、6.21(d、1H、1’H)、5.88(d、1H、2’OH)、5.40(br s、1H、6’OH)、4.71(br s、1H、5’H)、4.12(br s、1H、2’H)、4.01−3.82(m、2H、6’H、6”H)、3.74(br s、1H、4’H)、3.44(d、1H、3’H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e504(M−H)−
【0082】
実施例9:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2−O−ベンジル)−(4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化21】
【0083】
無水酢酸/酢酸(2:1、48mL)中の塩化亜鉛(6.5g、47.7ミリモル)の溶液を、無水酢酸/酢酸(2:1、120mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[2,3,6−(O−ベンジル)−(4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオン(5.0g、5.41ミリモル)の懸濁液に加える。反応混合物を65℃に22h加熱し、室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈する。
【0084】
有機層を水(200mL×3)、重炭酸ナトリウム(200mL×3)、水(200mL×2)および塩水(200mL×2)で洗い、乾燥する(Na2SO4)。減圧蒸発して粗生成物を得、WO9807433に記載の手順に従って脱ブロックを行って、1.38g(43%)の標記化合物を得る。
【0085】
300MHz 1H−NMR(d6−DMSO):δ11.75(br s、1H)、11.25(br s、1H)、8.85(dd、1H、J=9.6、3.1Hz)、8.77(dd、1H、J=9.8、2.8Hz)、8.00(dd、1H、J=9.6、4.4Hz)、7.70(dd、1H、J8.8、4.6Hz)、7.53−7.43(m、2H)、6.90(t、1H、J=7.7Hz)、6.77(dd、2H、J=7.7、7.1Hz)、6.37(d、1H、9.1Hz)、6.14(t、1H)、6.08(d、2H、J=7.1Hz)、5.28(d、1H、J=5.8Hz)、4.18−3.64(m、5H)、3.21−3.17(m、2H)、2.42−2.28(m、1H)、2.07−1.98(m、1H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e596(M−H)−
【0086】
実施例10:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−(2−O−ベンジル)−(4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化22】
【0087】
無水THF(95mL)中の実施例9の生成物(1.03g、1.72ミリモル)、トリフェニルホスフィン(1.82g、6.93ミリモル)および4−ジメチルアミノピリジン(539mg、4.41ミリモル)の5〜10℃溶液に、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(1.37mL、6.96ミリモル)を加える。得られる赤色溶液を室温で90分間攪拌し、0℃に冷却し、水(3.5mL)で反応を抑え、溶媒を減圧除去する。
【0088】
得られる残渣を無水エタノール(100mL)より蒸発し、THFと塩化メチレンの混合物に再溶解し、これを塩化メチレンに詰込んだフラッシュカラムに加える。カラムを、塩化メチレンから5%酢酸エチル/塩化メチレンの勾配で溶離して、693mg(69%)の標記化合物を得る。
【0089】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ12.0(br s、1H)、11.27(s、1H)、8.92−8.84(m、2H)、7.84−7.72(m、2H)、7.55−7.50(ddd、1H)、7.45−7.37(ddd、1H)、6.86(t、1H)、6.62(t、2H)、6.44(d、1H、J=7.35Hz、1’H)、6.34(d、2H)、5.00(br s、1H、5’H)、4.65(d、1H、J=5.7Hz、3’H)、4.33(d、1H、J=12.4Hz、2’−CH2Ph)、4.21(d、1H、J=9.2Hz、6’H)、4.10−4.00(m、2H、2’Hおよび2’−CH2Ph)、3.81(d、1H、J=9.2Hz、6”H)、3.35−3.25(m、1H、4’H)、2.08−1.99(m、1H、4”H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e578(M−H)−
【0090】
実施例11:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ−4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化23】
【0091】
メタノール/THF(3:1、400mL)中の実施例10の生成物(733mg、1.26ミリモル)の溶液に、30%パラジウム/炭素(510mg)と20%水酸化パラジウム/炭素(1.25g)を加える。得られる懸濁液を窒素、次いで水素でフラッシし、水素雰囲気下一夜攪拌する。反応液を小パッドのセイラトで濾過し、触媒をTHFおよびメタノールで洗い、濾液を減圧蒸発する。
【0092】
得られる残渣をシリカゲルにて蒸発し、これを10%アセトン/塩化メチレンに詰込んだフラッシュカラムに加え、カラムを10%アセトン/塩化メチレンから80%アセトン/塩化メチレンの勾配で溶離する。さらにアセトン中、Sephadex LH−20にて精製を行い、299mg(49%)の標記化合物を得る。
【0093】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ11.99(br s、1H)、11.26(s、1H)、9.00−8.96(dd、1H)、8.90−8.85(dd、1H)、7.95−7.82(m、2H)、7.62−7.47(m、2H)、6.33(d、1H、J=7.20Hz、1’H)、5.76(d、1H、J=5.10Hz、2’OH)、4.99(br s、1H、5’H)、4.40(d、1H、J=5.80、3’H)、4.36−4.32(m、1H、2’H)、4.22(d、1H、J=8.9Hz、6’H)、3.83(d、1H、J=8.9Hz、6”H)、3.27(d、1H、J=9.65Hz、4’H)、2.06−1.99(m、1H、4”H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e488(M−H)−
【0094】
実施例12:
2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[(3,4−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化24】
【0095】
2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(0.15g、0.29ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(83mg、0.32ミリモル)の冷(0℃)溶液に窒素下、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(64μL、0.32ミリモル)を滴下する。混合物を室温まで徐々に加温し、16h攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液および塩水で洗う。
【0096】
乾燥および溶媒濃縮を行った後、残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルムで溶離)を行って精製し、2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12,13−[1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(8.7mg、12%)を黄色固体で、また標記化合物(75.7mg、52%)も黄色固体(m.p.>300℃)で得る。
【0097】
1H−NMR(500MHz DMSO−d6):δ11.28(s、1H)、11.20(s、1H)、9.12(dd、J=8.5、6.0Hz、1H)、9.04(dd、J=7.2、5.8Hz、1H)、7.83(d、J=9.2Hz、1H)、7.37(d、J=8.9Hz、1H)、7.29−7.21(m、2H)、6.18(d、J=8.2Hz、1H)、5.90(d、J=6.4Hz、1H)、5.48(br s、1H)、4.71−4.69(m、1H)、4.08(m、1H)、3.96(m、1H)、3.89−3.88(m、1H)、3.73(s、1H)、3.42(d、J=3.8Hz、1H)
IR(KBr、cm−1):3458、3368、2929、1747、1698,1624、1578、1452、1406、1385、1330、1232、1171、1115、1061、919、836、762
MS(−ESI、M−H−),m/z504
【0098】
実施例13:
3,9−ジフルオロ−13−(3,6−アンヒドロ−α−D−グルコピラノシル)−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化25】
【0099】
3,9−ジフルオロ−6−メチル−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(2.0g、5.10ミリモル)、トリフェニルホスフィン(2.94g、11.21ミリモル)および6−フルオロ−2,3,4−トリベンジル−D−グルコピラノース(3.46g、7.64ミリモル)の冷(0℃)懸濁液に窒素下、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(2.2mL、11.21ミリモル)を滴下する。混合物を室温まで徐々に加温し、ここで2h攪拌してから、0℃に冷却し、さらに6−フルオロ−2,3,4−トリベンジル−D−グルコピラノース(1.73g、3.82ミリモル)、トリフェニルホスフィン(1.47g、5.61ミリモル)およびDIAD(1.1mL、5.61ミリモル)で処理する。
【0100】
さらに室温で1h攪拌後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗う。乾燥および溶媒濃縮を行った後、残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン、次いで15%、最後に酢酸エチル/テトラヒドロフラン/ヘキサン(15:5:80)による勾配溶離)で精製して、カップリングした生成物を黄色泡状物で得、これをそのまま用いる。
【0101】
基質を95%エタノール(50mL)に溶かし、20%水酸化パラジウム/炭素(1.5g)とシクロヘキセン(40mL)を用い、トランスファー水素添加に付す。混合物を7h還流してから、別途触媒(1.5g)、シクロヘキセン(40mL)およびエタノール(50mL)を加える。さらに16hの還流後、混合物をセライトで温濾過し、THFおよびメタノールで洗う。濾液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルムで溶離)で精製して、脱ベンジル化生成物を黄色固体で得、さらに用いる。
【0102】
無水エタノール(2mL)中の上記脱ベンジル化生成物の攪拌懸濁液に室温で、水酸化カリウム(5M、10mL)を加える。混合物を室温で2h攪拌してから、50℃に加熱し、エタノールのほとんどを除去するため、空気でスパージする。0℃で15分間冷却後、濃塩酸を、沈殿物が形成して残存するまで、少量づつ加える(pH=1)。この懸濁液を室温で24h攪拌してから、酢酸エチルおよびテトラヒドロフランで希釈し、1N−HCl、塩水で洗い、乾燥し、濃縮する。
【0103】
残渣に酢酸アンモニウム固体(10g)を加え、混合物を120℃で2h溶融してから、室温まで冷却し、酢酸エチルおよびTHFで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、pH=9になるまで洗う。酢酸のほとんどの反応を抑えるため、最初に炭酸ナトリウム固体を用いる。次いで有機層を分離し、塩水で洗い、乾燥し、濃縮する。
【0104】
残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム、次いで15%、最後に20%メタノール/クロロホルムによる勾配溶離)で精製して、分離できない三成分混合物を得、これをさらにLH−20クロマトグラフィー(メタノール、0.3mL/分、36h)で精製して、3,9−ジフルオロ−13−(6−フルオロ−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(226.1mg、8.2%、4ステップ)、3,9−ジフルオロ−6−メチル−13−(6−フルオロ−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(20.1mg、0.7%、4ステップ)、および標記化合物(10.1mg、0.4%、4ステップ)を黄色固体(m.p.>305℃)で得る。
【0105】
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ11.50(br s、0.7H)、9.54(d、J=11.4Hz、1H)、8.75(dd、J=9.7、2.5Hz、1H)、8.46(dd、J=9.2、4.8Hz、1H)、8.11(dd、J=8.7、5.3Hz、1H)、7.40−7.32(m、2H)、7.00(d、J=3.1Hz、1H)、4.63(s、1H)、4.42−4.39(m、2H)、4.31−4.29(m、1H)、4.31−4.29(m、1H)、4.20(d、J=9.0Hz、1H)、4.11(s、1H)、−0.08(br s、2H)
IR(KBr、cm−1):3341、3184、2961、1756、1699、1620、1604、1573、1476、1457、1424、1328、1259、1200、1165、1115、1101、1081、1062、1019、920、878、810、762
MS(−ESI、M−H−),m/z521,(+ESI、M+H+),m/z523
【0106】
実施例14:
12−(3,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノシル)−2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化26】
【0107】
窒素下室温にて、2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(1.0g、1.91ミリモル)を乾燥ピリジンに溶解し、火炎乾燥した4Åモレキュラーシーブス粉(0.60g)で処理する。混合物を−20℃に15分間冷却してから、メタンスルホニルクロリド(0.26mL、3.34ミリモル、1.75当量)を加える。フラスコを密封し、減圧濃縮前に0℃で6h貯蔵する。
【0108】
残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(テトラヒドロフラン/ジクロロメタン/メタノール=68:30:2で溶離)で精製して、標記化合物並びに少量の密に間隔の(closely−spaced)他の副生物を含有する豊富な画分(280mg、24%)を得、これをそのまま用いる。無水ジメチルホルムアミド(10mL)中の2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[6−O−(メチルスルホニル)−β−D−グルコピラシノル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(200mg、0.33ミリモル)の攪拌溶液に、フタルイミド・カリウム(0.45g、2.43ミリモル)を一度に加えてから、混合物を130℃に3h加熱し、周囲温度まで冷却し、一夜減圧濃縮する。
【0109】
次いで残渣を酢酸エチル(いくらかのテトラヒドロフランを添加)に溶かし、0.1N塩酸および塩水で洗う。乾燥および溶媒濃縮を行った後、残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(7%メタノール/クロロホルムで溶離)で精製して、2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[6−デオキシ−6−(フタルイミド)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(46mg、21%)を黄色固体で、また標記化合物(22mg、13%、2ステップ)も黄色固体で得る。
【0110】
標記化合物の場合:m.p.>300℃
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ11.21(s、1H)、11.10(br s、1H)、9.15(dd、J=8.7、5.9Hz、1H)、9.05(dd、J=9.0、5.8Hz、1H)、7.47(d、J=9.4Hz、1H)、7.42(d、J=10.2Hz、1H)、7.31(dt、J=9.0、2.2Hz、1H)、7.24(dt、J=9.2、2.2Hz、1H)、6.97(d、J=7.7Hz、1H)、6.39(br s、1H)、5.87(br s、1H)、4.60(s、2H)、4.44(d、J=7.2Hz、1H)、4.17(m、1H)、4.07−4.02(m、2H)
IR(KBr、cm−1):3414、1747、1700、1623、1580、1452、1386、1327、1230、1167、1114、1055、1021、760
HRMS(−ESI、M−H−)(C26H16F2N3O6として):計算値505.1086、実測値504.1029
【0111】
実施例15:
2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(2−O−ベンジル−3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン
【化27】
【0112】
0.5mLの乾燥ピリジン中の2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(2−O−ベンジル−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(0.018g、0.028ミリモル)の溶液に、0.1mLの乾燥ピリジン中のトリフェニルホスフィン(0.022mg、0.084ミリモル)の溶液を加え、次いでAr下室温にて、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(DIAD)(0.017mL、0.084ミリモル)を滴下する。
【0113】
得られる赤血色混合物をAr下室温にて16h攪拌し、次いで水(0.1mL)を加えた後メタノール(0.1mL)を加えて反応を抑える。この混合物を減圧蒸発し、残渣を分取tlc(4×20×20cmプレート、0.5mm SiO2、CH2CH2/MeCN=9:1)で精製して、標記化合物(0.007g、41%)を明黄色固体で得る。
【0114】
1H−NMR(THF−d8、400MHz):δ10.83(br s、1H)、10.08(br s、1H)、9.12(dd、J=11.0,8.6Hz、1H)、9.02(dd、J=11.0、8.4Hz、1H)、7.72(m、1H)、7.36(m、1H)、6.83(t、J=7.4Hz、1H)、6.70(t、J=7.6Hz、2H)、6.59(d、J=7.6Hz、2H)、6.23(d、J=7.4Hz、1H)、4.93(s、1H)、4.76(d、J=6.0Hz、1H)、4.41(d、J=11.7Hz、1H)、4.31(d、J=8.9Hz、1H)、4.29(d、J=10.2Hz、1H)、4.13(d、J=11.7Hz、1H)、3.87(d、J=9.2Hz、1H)、3.10(d、J=13.4Hz、1H)、2.10(dd、J=13.4、6.0Hz)
MS(ESI−),m/e614(M−H)−
【0115】
実施例16
2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン
【化28】
【0116】
5mLの新蒸留THF中の2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(2−O−ベンジル−3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(0.034g、0.055ミリモル)および20%Pd(OH)2/C(0.048g)の混合物を、室温にて5日間水素添加する(バルーン圧)。得られる混合物をセライトパッドで濾過し、ケーキをTHF、次いでメタノールで洗う。濾液を蒸発し、残渣をクロマトグラフィー(Sephadex LH−20/メタノール)に付して、標記化合物(0.017g、59%)を黄色固体で得る。
【0117】
1H−NMR(THF−d8、400MHz):δ11.15(br s、1H)、10.17(br s、1H)、9.19(dd、J=11.1、8.5Hz、1H)、9.09(dd、J=11.2、8.3Hz、1H)、7.81(dd、J=11.6、6.7Hz、1H)、7.51(dd、J=10.5、6.7Hz、1H)、6.21(d、J=7.3Hz、1H)、5.37(br s、1H)、4.89(s、1H)、4.57(m、2H)、4.27(d、J=9.7Hz、1H)、3.85(d、J=9.1Hz、1H)、3.09(d、J=13.4Hz、1H)、2.09(dd、J=13.1、6.0Hz、1H)
MS(ESI−),m/e524(M−H)−
HPLC:99.0%(270nm)
【0118】
実施例17:
2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−4,4−ジフルオロ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン
【化29】
【0119】
4mLの乾燥THF中の2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(4−デオキシ−4,4−ジフルオロ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(0.035g、0.060ミリモル)の溶液に、アルゴン下室温にて、トリフェニルホスフィン(0.048g、0.18ミリモル)およびDIAD(0.035mL、0.18ミリモル)を加える。
【0120】
得られる赤味がかったオレンジ色溶液を室温で18h攪拌し、次いでこれを酢酸エチルと水間に分配する。有機相を分離し、洗浄し(塩水)、乾燥し(Na2SO4)、蒸発して黄色ゴム状物を得る。この残渣を分取tlc(20×20cm×0.5mm SiO2、THF/ヘキサン=1:1)で精製し、主画分を分取hplcで再精製して、標記化合物(0.009g、29%)を黄色固体で得る。
【0121】
1H−NMR(アセトン−d6、400MHz):δ10.67(s、1H)、9.83(s、1H)、8.88(m、1H)、8.73(m、1H)、7.56(m、2H)、6.44(m、1H)、4.91(m、2H)、4.47(d、J=10.0Hz、1H)、4.41(d、J=11.0Hz、1H)、4.27(m、1H)
MS(ESI−),m/e560(M−H)−
HPLC:91.1%(320nm)
【0122】
実施例18:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−ガラクトピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化30】
【0123】
50mLの無水CH2Cl2中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−(4−t−ブチル)ベンジル)−ジオン(1.01g、1.51ミリモル)の攪拌懸濁液に−50℃にて、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオライド(1.02mL、7.72ミリモル)を加え、反応混合物を3.5時間攪拌し、その間に温度が+15℃に上昇する。混合物を−78℃に冷却し、5mLのCH3OHを加えて反応を抑え、1N−HClに注ぐ。粗生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和NaHCO3水溶液および塩水で洗い、Na2SO4上で乾燥し、減圧濃縮する。
【0124】
得られる粗生成物を100mLのエタノールに溶解し、10mLの3.83M−水性KOHを加える。混合物をアルゴン下室温で17時間攪拌した後、10mLの濃水性HClを加え、さらに攪拌を30分間続ける。これに150gのNH4OAcと別途200mLのエタノールを加え、混合物を3日間加熱還流する。反応液を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水および塩水で洗い、Na2SO4上で乾燥し、減圧濃縮する。
【0125】
シリカゲルにて100%クロロホルムから4%メタノール/クロロホルムの勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに付した後、メタノール中Sephadex LH−20精製を行って、22.0mgの標記化合物を得る。
500MHz 1H−NMR(d6−DMSO):δ12.76(bs、1H)、11.15(bs、1H)、8.90(dd、J=2.6、9.6Hz、1H)、8.75(dd、J=2.6、9.8Hz、1H)、7.95(m、1H)、7.67(m、1H)、7.44(m、2H)、6.32(d、J=8.3Hz、1H)、5.35(d、J=4.6Hz、1H)、4.68(s、1H)、4.60(m、1H)、4.58(m、2H)、4.41(d、J=8Hz、1H)、4.28(d、J=5.6Hz、1H)、4.16(d、J=9.3Hz、1H)
IR(KBr,cm−1):3616、3444、3246、2995、1747、1698、1619、1587、1481、1395、1328、1290、1246、1189
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e504(M−H−)
HRMS(FAB,M+H+),m/z(実測値)=506.11676、m/z(計算値)=506.116748
標記化合物は、上記反応系から単離した主要関連生成物の1つに相当する。
【0126】
生物学的活性
本発明化合物は、抗腫瘍特性を持つ有用な薬理学的作用物質である。トポイソメラーゼI活性特性を持つ化合物は、抗腫瘍剤として使用することができる。近年、多数の報告が文献に見かけられ、トポイソメラーゼI標的薬物の役割は、共有結合DNA−トポイソメラーゼI複合体を安定させて、酵素−連鎖DNA単一ストランド破断を生成することが示唆されている。
【0127】
薬理学的見地から、トポイソメラーゼIを標的にする利点が存在し;第1に、増殖する細胞および静態の細胞両方における比較的高レベルのその出現は、その機能が細胞の成長速度と無関係であることを示唆し、そして第2に、トポイソメラーゼI活性作用物質は、ゆっくり増殖する腫瘍並びに急速に増殖する腫瘍に有効となりうる。結腸腫瘍からの細胞は、正常な粘膜細胞より高い細胞内レベルのトポイソメラーゼIを含有することが認められており、このことは、選択的な細胞毒利点の可能性を示唆する。
【0128】
すなわち、本発明化合物による腫瘍細胞の増殖抑制は最初に、ヒト・トポイソメラーゼIの有効な抑制によって証明した。また本発明の特定化合物、通常トポイソメラーゼIアッセイで10μM以下のEC50値を有する化合物について、ヒト/マウス腫瘍細胞増殖アッセイの抑制を試験した。
【0129】
トポイソメラーゼI活性(インビトロ)
トポイソメラーゼI活性を、下記の手順で測定する。DNAにおいて化合物−誘発の、トポイソメラーゼI−仲介単一ストランド破断を検定する手順は、本質的にHsiangらの「J.Biol.Chem.」(260、14873−14878、1985年)に記載されている。100%DMSOに10μMまたは10mg/ml溶液で溶解したサンプルは、他に特別な記載がない限り、Tris−EDTA緩衝剤で希釈する。
【0130】
またマリン(marine)バクテリオファージPM2DNA(Boehringer Mannheim)は、Tris−EDTA緩衝剤で0.02μg/μl濃度に希釈する。希釈の異なる被評価化合物を、希釈DNAと混合し、該混合物を、2倍の反応緩衝剤中の精製したヒト・トポイソメラーゼI(Topogen)の1000ユニット(1ユニットの酵素活性は、100ngのスーパーコイル化DNAを37℃で約30分内で弛緩しうる量として規定する)のアリコートに加え、反応を開始する。
【0131】
化合物−DNA−酵素混合物を、37℃で30分間培養してから、ドデシル硫酸ナトリウムおよびプロティナーゼK(Sigma)を含有する温ストップ緩衝剤で反応を停止する。これらの混合物をさらに37℃で10分間培養させ、この時、混合物をウォーターバスから取出し、クロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)混合物で抽出する。
【0132】
遠心分離を行ってから、水性相のアリコートを、0.5μg/mlのエチジウムブロマイド含有のTris−ボレート緩衝剤中の0.9%アガロース(SeaKem)ゲルのウェルに入れ、15時間電気永動に付して、異なるトポロジー異性体とニックおよび破断したDNAsを分離する。水中でゲルのよごれを除いた後、ゲルをUV照射にさらすことによって、エチジウムブロマイド染色DNA反応産物を可視化する。
【0133】
照射したゲルの写真のネガを、濃度計でスキャンし、各サンプルの単一ストランドDNA破断形成のパーセントを得るために、ピーク下の面積を計算する。得られる用量−効果曲線のポイント間の補間によって、各化合物の中間有効濃度(EC50)を得るが、これは、DNAにおいてトポイソメラーゼI−仲介単一ストランド破断を誘発する、化合物の効果の潜在力を規定する。
【0134】
本発明の選択化合物のトポイソメラーゼI活性を、下記表Iに示す。
表I:
【表1】
【0135】
細胞に基づく細胞毒活性(インビトロ)
ネズミP388細胞系に対する増殖抑制活性を、以下の手順で測定する。
Scudiero D.A.、Shoemaker R.H.、Paull K.D.、Monks A.、Tierney S.、Nofziger T.H.、Currens M.J.、Seniff D.およびBoyd M.R.の文献に記載のXTT[2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラゾリウム・ヒドロキシド]アッセイによって、細胞毒性をHCT116ヒト結腸癌腫細胞で検定する。
【0136】
ヒトおよび他の腫瘍細胞系を用い、「Cancer Res.」(48、4827−4833、1988年)に記載の手順に従って、細胞成長および培養中の薬物感受性の可溶性テトラゾリウム/ホルマザン・アッセイの評価を行なう。細胞を96ウェル・マイクロタイター平板にて、4000細胞/ウェルで培養し、24h後に薬物を加え、連続して希釈する。細胞を37℃で72h培養し、この時、メト硫酸フェナジン含有のテトラゾリウム染料,XTTを加える。
【0137】
生きている細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素でXTTを還元して、450nmで光を吸収する形状とし、これを分光光度計で定量分析することができる。吸光度が増大すればするほど、生存細胞の数が増大する。結果をIC50で表示するが、これは、細胞増殖(すなわち、450nmでの吸光度)を、未処理対照細胞のそれの50%に抑制するのに必要な薬物濃度である。
【0138】
本発明の選択化合物の結果を下記表IIに示す。
表II:
【表2】
(技術分野)
本発明は、トポイソメラーゼ(topoisomerase)−I活性を示しかつ腫瘍細胞の増殖を抑制するのに有用な、インドロカルバゾール化合物(indolocarbazoles)の糖誘導体に関する。
【0002】
(背景技術)
トポイソメラーゼは、生体核酵素であって、DNAにおけるトポロジーのジレンマ、たとえば、標準的に複製、転写およびことによると他のDNAプロセス中に起こる、オーバーウィンディング(overwinding)、アンダーウィンディング(underwinding)および連鎖を解決するように機能する。これらの酵素は、DNAを弛緩させるが、これは、他のDNAストランドの通過用の一時的ゲートまたはピボットポイントとして作用する、酵素−ブリッジド(bridged)・ストランド破断の形成による。トポイソメラーゼ−標的薬物は、このDNAトポイソメラーゼの破損−再結合反応を干渉すると思われる。
【0003】
トポイソメラーゼ−活性作用物質の存在下、“開裂性錯体”と呼ばれる頓挫反応中間体が蓄積して複製/転写を阻止し、これは結局、細胞死に導く。従って、トポイソメラーゼI−活性作用物質の開発は、癌処置のためクリニックで一般に用いられる多様な統制的療法に対し、新しいアプローチを付与する。
「Cancer Chemother.Pharmacol」(34(増刊)、S41−S45、1994年)に、トポイソメラーゼI−活性化合物が論じられ、これらの化合物は有効な臨床的抗腫瘍剤であることが認められている。これらの臨床的候補化合物は構造上、アルカロイド・カンプトセシン(camptothecin)と関係がある。
【0004】
インドロ[2,3−a]カルバゾール・アルカロイド化合物、たとえばレベッカマイシン(rebeccamycin)(U.S.特許No.4487925および4552842)およびその水溶性の臨床的活性類縁体の、6−(2−ジエチルアミノエチル)レベッカマイシン(U.S.特許No.4785085)は、DNAを標的にする有用な抗腫瘍剤である。さらに、フルオロインドロカルバゾール化合物がWO98/07433において、トポイソメラーゼI抑制活性を持つ抗腫瘍性作用物質として作用することが開示されている。
【0005】
レベッカマイシン種に関係するインドロ[2,3−a]カルバゾール誘導体が開示され[EP出願No.0545195B1および0602597A2;「Cancer Research」(53、490−494、1993年);「ibid」(55、1310−1315、1995年)]、かつクレームで抗腫瘍活性を示すことが記載されているが、これら誘導体の作用の主なメカニズムは、トポイソメラーゼI毒薬として作用するカンプトセシンと同じとは思われない。上記に関連する他のインドロカルバゾール化合物も開示され(WO95/30682)、かつクレームで抗腫瘍活性を示すことが記載されている。
【0006】
Hudkinsらは、一連の縮合ピロロカルバゾール化合物を開示し(WO96/11933およびU.S.特許No.5475110)、幾つかの化合物に対して、インビトロ生物学的活性、たとえばニューロン・コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)の抑制およびたん白キナーゼC(PKC)抑制を報告している。U.S.特許No.5468849に、有用な抗腫瘍剤としての特定フルオロレベッカマイシン類縁体、並びにサッカロスリックス・アエロコロニジーンズ(Saccharothrix aerocolonigenes)、好ましくはサッカロスリックス・アエロコロニジーンズC38383−RK2(ATCC39243)のレベッカマイシン(rebeccamycin)−産生菌株のフルオロトリプトファン類縁体栄養補給による、上記類縁体の製造法が開示されている。
【0007】
Glicksmanらは、本発明の化合物とは構造が異なるインドロカルバゾール・アルカロイド化合物を開示(U.S.特許No.5468872)している。Kojiriらは、無水糖インドロカルバゾール化合物に関係しないジサッカライド置換基を有するインドロピロロカルバゾール化合物を開示する(WO96/04293)。Weinrebら(Heterocycles,21、309、1984年)およびKleinschrothら(U.S.特許No.5043335)は、ブリッジするフラン成分をもつインドロピロロカルバゾール誘導体を開示し、McCombieら(Bioorg.Med.Chem.Lett.,3、1537、1993年)は、より官能性の高いブリッジ・フランを報告している。同様に、Woodらは(+)−K252a(J.Am.Chem.Soc.,117、10413、1995年),関連した天然産生インドロカルバゾール・アルカロイドの総合成を報告し、PKC抑制活性を証明した。
【0008】
Danishefskyらは、彼らのスタウロスポリン(staurosporine)の最初の総合成の過程中(J.Am.Chem.Soc.,118、2825、1996年)、中間体N12,N13−ブリッジ・インドロピロロカルバゾールの合成を記載する。三原子ブリッジにより結合した窒素を持つインドロカルバゾール誘導体は、効力あるPKCインヒビターであることが報告されている[S.F.Viceらの「Bioorg.Med.Chem.Lett.」(4、1333、1994年)]。C1’,C5’−ブリッジまたはC1’,C3’−ブリッジ・グリコシドを持つ単純インドロカルバゾール誘導体の合成が、文献に報告されている[それぞれ、B.M.Stolz、J.L.Woodの「Tetrahedron Lett.」(36、8543、1995年);B.B.Shankar、S.W.McCombieの「Tetrahedron Lett.」(35、3005、1994年)]。
【0009】
Prudhommeらは、レベッカマイシンから誘導され、炭水化物の2つのインドール窒素への結合を示す一連の抗腫瘍インドロカルバゾール化合物を開示し、その細胞毒性とそのトポイソメラーゼIおよびPKC抑制活性がミリモル〜ミクロモル範囲にあることを報告した(Bioorg.Med.Chem.,6、1597、1998年)。しかして、トポイソメラーゼI活性の抑制に有用な、新規で効力ある細胞毒化合物の必要性がある。
【0010】
(発明の概要)
すなわち、本発明の第1側面の最初の具体例によれば、トポイソメラーゼIおよび腫瘍細胞の増殖の抑制に有用な、下記式(I)で示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩および溶媒化合物が提供される。
【化3】
【0011】
上記式中、Rは水素、OH、OC1−7アルキル、NH2、N(C1−3アルキル)2またはC1−7アルキル、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく;
QはO、S、CH2またはNR5a;
【0012】
R5およびR5aはそれぞれ独立して、水素、
【化4】
の式(A),(B),(C)および(D)からなる群から選ばれ、
【0013】
但し、QがNR5aであれば、R5またはR5aのいずれかは水素でなければならず;
R1,R2,R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロゲン、アジド、NR9R10、NHC(O)NR9R10、NHC(O)OR9、C(O)OR9、SR9およびOR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9、SR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく、または
R1とR2は共に合して、=N−OH、=Oまたは−NR9R10を形成、もしくは
R3とR4は共に合して、=N−OH、=Oまたは−NR9R10を形成;
【0014】
Wは水素、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロゲン、アジド、NR9R10、NHC(O)NR9R10、NHC(O)OR9、N−OH、OおよびOR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく;
R7およびR8はそれぞれ独立して、OHもしくはHであるか、または共に合して=Oを形成;
【0015】
R9およびR10はそれぞれ独立して、水素、C1−7アルキルおよびC3−7シクロアルキルからなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OH、OC1−7アルキル、NH2およびN(C1−3アルキル)2からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく、または
R9とR10は、それらが結合する窒素原子と共に合して、O、NおよびSからなる群から選ばれる同一もしくは異なるヘテロ原子の1もしくは2個を含有する非芳香族5〜8員複素環を形成;および
【0016】
X1,X1’,X2およびX2’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、OR9、−CF3、アルキルカルボニル、C1−7アルキル、ニトロ、NR9R10、SR9およびC(O)OR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9、SR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよい。
【0017】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aがHでない式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aが式(C)または(A)である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(A)である式(I)の化合物が提供される。
【0018】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(B)である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(C)である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が式(D)である式(I)の化合物が提供される。
【0019】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、QがNR5aおよR5aがH;またはQがSである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、RがH、OHまたはNH2である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、RがHである式(I)の化合物が提供される。
【0020】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R7およびR8が共に合して=Oである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’およびX2がそれぞれF、およびX1およびX1’がそれぞれHである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2がF、およびX2’、X1およびX1’がそれぞれHである式(I)の化合物が提供される。
【0021】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’がF、およびX2、X1およびX1’がそれぞれHである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’,X2,X1およびX1’がそれぞれFである式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、X2’およびX2がそれぞれH、およびX1およびX1’がそれぞれFである式(I)の化合物が提供される。
【0022】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R1,R2,R3およびR4がそれぞれ独立して、H、FおよびOR9(ここで、R9はH)からなる群から選ばれる式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、Wがフッ素である式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が水素でないとき、R5をNに付ける結合がβ表示にある式(I)の化合物が提供される。
【0023】
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aが水素でないとき、R5aをNに付ける結合がβ表示にある式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5が水素でないとき、R5をNに付ける結合がα表示にある式(I)の化合物が提供される。
本発明の第1側面の他の具体例によれば、R5aが水素でないとき、R5aをNに付ける結合がα表示にある式(I)の化合物が提供される。
【0024】
本発明の第1側面の他の具体例は、上記第1側面の具体例の2つ以上を適当に組合せてなる式(I)の化合物を提供する。
本発明の第2側面の具体例は、哺乳動物宿主の腫瘍成長を抑制する方法を提供し、該抑制法は、本明細書で規定される本発明化合物の、腫瘍成長抑制量を上記宿主に投与することから成る。
【0025】
本発明の第3側面の具体例は、哺乳動物宿主、特にヒト宿主の腫瘍成長を抑制する方法を提供し、該抑制法は、本明細書で規定される本発明化合物の医薬配合物(製剤)の、腫瘍成長抑制量を上記宿主に投与することから成る。
本発明の他の具体例および側面については、以下に記載の説明に従って明らかであろう。
【0026】
発明の詳細
ここで、本発明の説明については、化学結合の法則や原理と一致させて解釈すべきである。別の具体例または側面から従属する1つの具体例または側面には、それが従属する具体例または側面とは異なる数値および条件を持つ変記号(variable)のみを記載するだろう。すなわち、たとえば、“WがCである、本発明の第n側面による式(I)の化合物”と解される具体例は、第n側面に規定の数値を持つ残りの全ての変記号を含むと解釈すべきであり、さらに他の特別な指示がない限り、第n側面における変記号のどれもこれもに関係する全ての条件を含むと解釈すべきである:変記号がゼロの数値を有すると規定されている場合、該変記号に付く結合は除去すべきことが理解される。たとえば、n=0およびR−X−Vn(nは0または1となりうる)の場合、記載の構造はR−XでR−X−でないことが理解される。
【0027】
記号“C”の後の下付きの数字は、個々の基が含有できる炭素原子の数を規定する。たとえば、“C1−7アルキル”は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭素鎖を意味し、たとえば、これらに制限されるものでなく、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチルが挙げられる。語句“ハロゲン”としては、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが挙げられる。
【0028】
なお、本発明は、他の特別な記載が明記されていない限り、可能性のある立体異性体、幾何異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、アノマーおよび光学異性体のいずれかおよび全てを包含することを理解すべきである。
本発明の化合物は、医薬的に許容しうる塩の形状で存在しうる。かかる塩としては、たとえば、塩酸および硫酸などの無機酸や、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酒石酸およびマレイン酸などの有機酸との付加塩が挙げられる。
【0029】
さらに、本発明化合物が酸性の基を含有する場合、該酸性基はたとえば、カリウム塩およびナトリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩およびカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;およびトリエチルアンモニウム塩およびアルギニン塩などの有機塩基との塩の形状で存在しうる。本発明化合物は、水和されてあるいはそうでなくてもよい。
【0030】
本発明化合物は、錠剤、カプセル剤(これらは、それぞれ持続放出性(徐放性)もしくは時限放出性の配合を含む)、丸剤、粉剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液、シロップおよびエマルジョンといった経口投与剤形で投与することができる。また本発明化合物は、医薬分野の当業者にとって周知の投与剤形を用い、静脈内、腹腔内、皮下または筋肉内に投与されてもよい。
【0031】
本発明化合物は単独投与できるが、一般には、選択投与方法や標準医薬実務に基づいて選ばれる医薬用担体と一緒に投与される。また本発明化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所使用による鼻腔内剤形で、または経皮パッチを用いる経皮ルートで投与することもできる。本発明化合物を経皮投与すると、投与生活規制を通じて投与量が連続するだろう。
【0032】
本発明の1つの側面は、腫瘍を移植したあるいは癌形成を受けやすい哺乳動物に対する、本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒化合物の投与を必然的に伴なう。一般にかかる化合物は、約0.01mg/kg〜MTD(最大許容量)の用量範囲で投与される。本発明化合物の投与量並びに投与生活規制およびスケジュールについては、各ケースにおいて、信頼できる専門医師の判断を利用し、かつ受容者の年令、体重および状態、投与方法並びに癌疾患状態の種類および程度を考慮して、注意深く調整しなければならない。
【0033】
本明細書で用いる語句“全身投与”とは、口腔舌下、バッカル、経鼻腔、経皮、直腸、筋肉内、静脈内、心室内、鞘内、および皮下経路を指称する。適正な臨床実務にしたがって、有害もしくは厄介な副作用のいずれも起こさずに、有効で有益な効きめをもたらす濃度レベルで本化合物を投与することが好ましい。
【0034】
合成
本発明化合物の製造手順を、下記反応式I〜IVに例示する。
反応式I
例1;
【化5】
【0035】
例2;
【化6】
【0036】
例3;
【化7】
【0037】
例4;
【化8】
【0038】
反応式II
【化9】
【0039】
反応式III
例1:
【化10】
例2:
【化11】
【0040】
反応式IV
【化12】
本発明化合物およびその製造法については、以下に示す非制限的実施例によってより具体的に説明する。
【0041】
中間体の合成
最終生成物の本発明化合物の製造に用いる、幾つかの中間体化合物、並びに他の通常の出発物質は一般に、文献公知であるか(WO9807433)、または商業上入手可能である。それにも拘らず、これら幾つかの化合物の代表的な合成法を以下に記載する。
【0042】
上記反応式に記載の変記号は、式(I)の記載と同じ数値を有し、但し、○に等しい上記反応式のV、および式(I)に係るR7およびR8に等しい上記反応式のWの場合を除く。ベンジル(Bn)保護基は、ヒドロキシル官能基を“保護する”特定の成分として例示しているが、ベンジル等の代わりに、当業者にとって周知の他の適当な保護基も使用しうる。かかる適当な保護基は、Greenの「Protecting Groups in Organic Synthesis」(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク)に十分記載されている。
【0043】
反応式I、IIIおよびIVの出発物質は、グリコシル化インドロピロロカルバゾール化合物であり、その製法はWO9807433に記載されている。6’位の選択的誘導化は、式15(R1=H、R2=OH)の化合物から直接達成しうるが、ここで、全ての糖ヒドロキシル基は未保護である。このような6’−ヒドロキシル基の適正な脱離可能基、たとえばメシレートまたはハライドへの化学選択的活性化は、たとえば当業者が使用するようなメタンスルホニルクロリド等などの適正な脱離可能基へのヒドロキシル基の活性化のための試薬を用い、トリエチルアミンやピリジンのような塩基の存在下で行なう。より特別な条件は、0℃におけるピリジンおよびメタンスルホニルクロリドである。
【0044】
6’−メシレート、または3’−ヒドロキシル成分によるような他の脱離可能基の分子内求核置換は、トリエチルアミンまたはHunig塩基のような塩基によって触媒されるが、より特別にはフッ素イオン(たとえばテトラブチルアンモニウム・フルオライド)による。この反応の代表的な溶媒は、これらに限定されないが、0〜150℃、より特別には85℃の温度のDMSO、NMP、THF、N,N−ジメチルイミダゾリジノンまたはDMFである。求核性3’−ヒドロキシル基による6’−脱離可能基の分子内置換の生成物は、式(I)のインドロピロロカルバゾールの3’,6’−無水糖誘導体である。
【0045】
式15の化合物から式(I)の3’,6’−無水糖類縁体の合成の他の方法として、ミツノブ反応の典型的条件を採用するが、ここで、3’−ヒドロキシル基により分子内置換に対し6’−ヒドロキシル基を活性化するのに、トリフェニルホスフィン(TPP)とジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)の組合せを用いる。この反応の代表的な溶媒は、これらに限定されないが、−15〜+80℃の温度、より特別には室温のベンゼン、トルエン、ジオキサン、より特別にはTHFまたはピリジンである。
【0046】
また他の試薬および/またはTPPとDIADに類する組合せも使用でき、たとえばジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)とTPP、またはトリ(O)−トリルホスフィン、並びにTMADとトリブチルホスフィンおよびひADDPとトリメチルホスフィン、並びにこれらの組合せが挙げられる。また収率の改善やこの反応の速度促進に、4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)やイミダゾールなどの添加成分も使用しうる。たとえば、より特別には、THFなどの溶媒中、4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)をTPPやDIADと組合せて使用する。
【0047】
添加成分4−DMAPの使用が好ましく、この変性(改質)の好ましい基質は、式20(R1=R2=H)のグリコシル化インドロピロロカルバゾールであり、2’位のヒドロキシル成分は好ましくはベンジルエーテルとして保護される。このような基質において、6’−ヒドロキシル成分は、存在する唯一の他のヒドロキシル成分の、遊離3’−ヒドロキシル成分により分子内求核置換に対し活性化される。
【0048】
式(I)の3’,6’−無水糖類縁体の合成の他の方法に、基質として式16Aまたは16Bの6’−フルオロ糖類縁体を採用する。適当な条件、還流したエタノール中ヒドラジンまたは酢酸アンモニウムの条件下、6’−フッ素は3’−ヒドロキシル成分により分子内求核置換に対し脱離可能基として役立ちうるが、これにより式(I)の生成物が得られる。フッ素が脱離可能基として役立つ、これらの例は概して、当業者によって予期されないだろう。
【0049】
イミド窒素をその遊離NH形状(その保護先駆物質から)またはそのN−O−ベンジル形状(同上から)に変換するのに代表的に用いられるような条件下の、3’,6’−無水糖成分の転位反応は、新しい転位を誘発するのにも役立って、式17で示されるビシクロ[3.3.0]類縁体などのグリコシル化類縁体を生成することができる。溶媒としてエタノールが使用でき、反応温度として、これに限定されないが、溶媒の還流によって達する温度が含まれる。
【0050】
式18〜19の3’,4’および2’,3’無水糖類縁体の合成は、その対応する3’,4’および2’,3’トランス−ジオール糖類縁体から進行する。式18〜19の化合物の脱水経由の合成法は、式(I)の3’,6’−無水糖類縁体の合成に採用する同様な条件(上記参照)を利用する。式18および19の化合物の合成の特別な方法は、TPPおよびDIAD/THFを用いるミツノブ反応であるが、式(I)の化合物の合成で上述した他の試薬組合せや溶媒も使用しうる。式18〜19の3’,4’−および2’,3’−無水糖類縁体の合成の特別な温度は、室温〜50℃である。
【0051】
無水反応の全ては、商業上入手しうる乾燥溶媒または新たに蒸留した溶媒を用い、窒素またはアルゴンの雰囲気下で行なう。融点は、Thomas−Hoover融点測定装置を用い、開毛管中で測定し、修正せず。カラムクロマトグラフィーはEM Science シリカゲル60(230〜400メッシュ)を用い、溶離剤として指定の溶剤系を用いて行なう。薄層クロマトグラフィーは、E.Merck シリカゲル60F254プレート(0.5mm)にて行なう。
【0052】
HPLC純度測定は、SPD−10AV UV−Vis検出器と、YMC Combiscreen ODS−A(4.6×50mm)またはHP Zorbax SB−C18(4.6×750mm)カラムの1つを持つShimadzu LC−10AS;またはダイオード・アレイ検出器とWaters Nova−Pak C18カラム(3.9×150mm)を持つHP1090DR5を用いて行なう。赤外スペクトルは、薄手フィルムまたはKBrペレットとしてNicolet Protege 460FTIRに記録する。
【0053】
1H−NMRスペクトルは、Bruker AMX−400またはBruker ARX−500 NMR分光計で記録し、化学シフトは内部標準として溶剤を用い、ppm(またはδ)で表示する。カップリング定数はヘルツ(Hz)で示し、多重線は以下の通りである:一重線(s)、二重線(d)、三重線(t)、四重線(q)、多重線(m)、およびブロード(br)。低分解(low resolution)質量スペクトルは、陰イオンモードで作動するFinnigan Matt TSQ−7000トリプル・ステージ四極子分光計(陽/陰ESI)で測定する。
下記実施例の出発物質は、WO9807433の実施例1〜106に開示の方法で合成しうる。
【0054】
実施例1:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化13】
【0055】
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[6−O−(メチルスルホニル)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(8.0mg、0.013ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムフルオライド・トリ水和物(30mg、0.095ミリモル)の混合物に、無水DMF(1mL)を加える。得られる溶液を、活性化4Åシーブス粉末で処理し、N2下室温で45分間磁気攪拌し、次いで85℃で18h加熱する。
【0056】
反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(75mL×4)および塩水(75mL)で洗い、乾燥する(Na2SO4)。減圧蒸発を行った後、シリカゲルにて2〜3%メタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して、4.8mg(69%)の純標記化合物を得る。
【0057】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.86(d、1H、J=9.6、2.7Hz)、8.75(dd、1H、J=9.7、2.6Hz)、7.76(dd、1H、J=9.1、4.4Hz)、7.72(dd、1H、J=8.9、4.5Hz)、7.48(ddd、1H、J=9.1、9.0、2.7Hz)、7.44(ddd、1H、J=9.0、8.9、2.8Hz)、7.00(d、1H、J=7.7Hz、1’H)、4.58−4.55(m、2H、3’,6’H)、4.45(d、1H、J=7.7Hz、2’H)、4.16(d、1H、J=5.2Hz、6”H)、4.10(d、1H、J=9.9Hz、5’H)、4.01−3.99(d、1H、4’H)
FAB質量スペクトル,m/e506(M+)
【0058】
実施例2:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−α−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化14】
【0059】
無水エタノール(150mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(6−フルオロ)−α−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオンの攪拌溶液に、4.45M−KOH(55mL)を加える。得られる赤血色溶液を、全てのエタノールが煮沸除去する加熱還流し、赤色固体がゴム状で析出する。反応液を室温まで冷却し、1N−HCl(25mL)で処理し、酢酸アンモニア固体(100g)を加える。
【0060】
得られる懸濁液を18h加熱還流し、容量を約3分の2に濃縮する。得られる懸濁液を、酢酸エチルと濃HCl間に分配する。有機層を水、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗い、乾燥する(Na2SO4)。減圧蒸発後、シリカゲルにてアセトン/塩化メチレン勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、標記化合物を得る。
【0061】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.86(d、1H、J=9.6、2.7Hz)、8.75(dd、1H、J=9.7、2.6Hz)、7.76(dd、1H、J=9.1、4.4Hz)、7.72(dd、1H、J=8.9、4.5Hz)、7.48(ddd、1H、J=9.1、9.0、2.7Hz)、7.44(ddd、1H、J=9.0、8.9、2.8Hz)、7.00(d、1H、J=7.7Hz、1’H)、4.58−4.55(m、2H、3’,6’H)、4.45(d、1H、J=7.7Hz、2’H)、4.16(d、1H、J=5.2Hz、6”H)、4.10(d、1H、J=9.9Hz、5’H)、4.01−3.99(d、1H、4’H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e504(M−H)−
【0062】
実施例3:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−ヒドロキシル)−ジオン
【化15】
【0063】
メタノール中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−O−ベンジル)−ジオン(10mg)の溶液に、酸化プラチナ(IV)を加える。得られる懸濁液をパール(Parr)振とう機にて、70PSIにて水素で18h処理する。触媒をセライト(celite)の小パッドで濾去し、溶媒を減圧除去する。Sephadex LH−20にてメタノール溶離で精製して、7.1mgの標記化合物を得る。
300MHz 1H−NMR(d6−アセトン):δ8.90−8.70(m、2H)、7.95−7.20(m、4H)、6.62(d、1H、J=7.5Hz)、5.20−4.05(m、6H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e520(M−H)−
【0064】
実施例4:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−アミノ)−ジオン
【化16】
【0065】
無水エタノール(250mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(6−フルオロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオン(150mg)の攪拌溶液に、4.45M−KOH(50mL)を加える。得られる赤血色溶液を、全てのエタノールが煮沸除去するまで加熱還流し、赤色固体がゴム状で析出する。反応液を室温まで冷却し、濃HCl(51mL)で処理する。
【0066】
ヒドラジン(75g)および追加のエタノール(250mL)を加え、反応液を5日間還流せしめる。反応液の容量を約2/3容量に濃縮し、室温まで冷却し、酢酸エチルと水間に分配する。有機層を水、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗い、乾燥する(Na2SO4)。回転蒸発後、Sephadex LH−20にてメタノール中のクロマトグラフィーで精製して、標記化合物を得る。
【0067】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.90(dd、1H)、8.79(dd、1H)、8.05(dd、1H)、7.81(dd、1H)、7.53−7.43(m、2H)、6.69(d、1H、J=7.9Hz、1’H)、5.01(s、OH)、5.01−4.93(dd、1H、4’H)、4.60(br s、1H、5’H)、4.50(br s、1H、3’H)、4.17(br s、1H、2’H)、3.99−3.95(m、2H、6’H、6”H)
FAB質量スペクトル,m/e520(M+)
【0068】
実施例5:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2,6−ジヒドロキシ)−(4,8−ジオキサ)−ビシクロ[3.3.0]オクト−3−イル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−O−ベンジル)−ジオン
【化17】
【0069】
無水エタノール(28mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオン(22.5mg)の攪拌溶液に、4.45M−KOH(7mL)を加える。得られる赤血色溶液を、全てのエタノールが煮沸除去するまで加熱還流し、赤色固体がゴム状で析出する。反応液を室温まで冷却し、濃HCl(3mL)で処理する。O−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(10g)および別途エタノール(20mL)を加え、反応液を一夜還流せしめる。
【0070】
反応容量を約1/2容量に濃縮し、室温まで冷却し、酢酸エチルと水間に分配する。有機層を水および塩水で洗い、乾燥する(Na2SO4)。回転蒸発後、シリカゲルにて塩化メチレン/酢酸エチル勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して、8.7mgの標記化合物をオレンジ色固体で得る。
【0071】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.81(dd、1H、J=2.6、9.5Hz、H−8)、8.72(dd、1H、J=2.6、9.7Hz、4H)、8.06(dd、1H、J=4.3、9.3Hz、11H)、7.82(dd、1H、J=4.6、9.0Hz、1H)、7.64−7.35(m、7H)、6.72(d、1H、J=4.0Hz、5’OH)、6.65(d、1H、J=8.0Hz、1’H)、5.67(d、1H、J=5.6Hz、2’OH)、5.32(s、2H、O−CH2−Ph)、4.98(t、1H、J3 ’ ,4 ’=6.2Hz、J4 ’ ,5 ’=6.2Hz、4’H)、4.62(ddd、1H、J4 ’ ,5 ’=6.2Hz、J5 ’ ,6 ’=4.6Hz、J5 ’ ,OH=4.0Hz、5’H)、4.50(dd、1H、J2 ’ ,3 ’=3.8Hz、J3 ’ ,4 ’=6.2Hz、3’H)、4.13(ddd、1H、J1 ’ ,2 ’=8.0Hz、J2 ’ ,3 ’=3.8Hz、J2 ’ ,OH=5.6Hz、2’H)、3.98(d、2H、J5 ’ ,6 ’=4.6Hz、J5 ’ ,6 ”=0Hz、6’H、6”H)
FAB質量スペクトル,m/e611(M+)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e610(M−H)−
【0072】
実施例6:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2,6−ジヒドロキシ)−(4,8−ジオキサ)−ビシクロ[3.3.0]オクト−3−イル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−ヒドロキシル)−ジオン
【化18】
【0073】
メタノール/酢酸エチル(1:1、3.5mL)中の実施例5の生成物(6.4mg)の溶液に、20%水酸化パラジウム/Cと10%パラジウム/Cを加える。得られる懸濁液をパール振とう機にて、75PSIの水素で18h処理する。触媒を小パッドのセライトで濾去し、溶媒を減圧除去する。Sephadex LH−20にてメタノール溶離で精製して、3.6mgの標記化合物を得る。
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.77(dd、1H)、8.59(dd、1H)、7.99(dd、1H)、7.72(dd、1H)、7.45−7.25(m、2H)、6.87(br s、1H)、4.93−4.84(m、1H)、4.58−4.43(m、2H)、4.34(br s、1H)、4.08−3.88(m、2H)
FAB質量スペクトル,m/e521(M+)
【0074】
実施例7:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2,3−アンヒドロ)−(4,6−ジフルオロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化19】
【0075】
無水THF(1.0mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(4,6−ジフルオロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(23.7mg、0.045ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(36.6mg、0.140ミリモル)の攪拌溶液に、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(27μL、0.137ミリモル)を加える。反応液を室温で1h攪拌せしめ、次いで50℃に3h加温する。
【0076】
別途トリフェニルホスフィン(39mg、0.149ミリモル)およびジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(29μL、0.148ミリモル)を加え、得られる赤色溶液を50℃で一夜攪拌する。反応を水(1滴)で抑え、溶媒を減圧除去する。Sephadex LH−20にて精製を行って、2.0mgの標記化合物を得る。
【0077】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ8.88(dd、4H)、8.77(dd、1H)、8.16−8.05(m、1H)、7.81−7.69(m、1H)、7.43(br s、1H、1’H)、5.11(dd、2H、4’H、4”H)、4.76(s、1H、6”H)、4.67(s、1H、6’H)、4.52−4.36(m、1H、5’H)、4.06−3.91(m、2H、3’H、2’H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e508(M−H)−
【0078】
実施例8:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,4−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化20】
【0079】
無水THF(10mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(240mg、0.495ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(263mg、1.00ミリモル)の攪拌溶液に、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(200μL、1.01ミリモル)を加える。
【0080】
得られる赤色溶液を室温で2h攪拌せしめた後、水(5滴)で反応を抑え、減圧下で蒸発乾固する。シリカゲルにてアセトン/ヘキサン勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに付した後、メタノール中のSephadex LH−20精製を行って、43.4mg(23%)の標記化合物を得る。
【0081】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ11.22(br s、1H)、8.85(dd、1H)、8.76(dd、1H)、7.97(br s、1H)、7.65(br s、1H)、7.58−7.39(m、2H)、6.21(d、1H、1’H)、5.88(d、1H、2’OH)、5.40(br s、1H、6’OH)、4.71(br s、1H、5’H)、4.12(br s、1H、2’H)、4.01−3.82(m、2H、6’H、6”H)、3.74(br s、1H、4’H)、3.44(d、1H、3’H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e504(M−H)−
【0082】
実施例9:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(2−O−ベンジル)−(4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化21】
【0083】
無水酢酸/酢酸(2:1、48mL)中の塩化亜鉛(6.5g、47.7ミリモル)の溶液を、無水酢酸/酢酸(2:1、120mL)中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[2,3,6−(O−ベンジル)−(4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−[4−(t−ブチル)ベンジル])−ジオン(5.0g、5.41ミリモル)の懸濁液に加える。反応混合物を65℃に22h加熱し、室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈する。
【0084】
有機層を水(200mL×3)、重炭酸ナトリウム(200mL×3)、水(200mL×2)および塩水(200mL×2)で洗い、乾燥する(Na2SO4)。減圧蒸発して粗生成物を得、WO9807433に記載の手順に従って脱ブロックを行って、1.38g(43%)の標記化合物を得る。
【0085】
300MHz 1H−NMR(d6−DMSO):δ11.75(br s、1H)、11.25(br s、1H)、8.85(dd、1H、J=9.6、3.1Hz)、8.77(dd、1H、J=9.8、2.8Hz)、8.00(dd、1H、J=9.6、4.4Hz)、7.70(dd、1H、J8.8、4.6Hz)、7.53−7.43(m、2H)、6.90(t、1H、J=7.7Hz)、6.77(dd、2H、J=7.7、7.1Hz)、6.37(d、1H、9.1Hz)、6.14(t、1H)、6.08(d、2H、J=7.1Hz)、5.28(d、1H、J=5.8Hz)、4.18−3.64(m、5H)、3.21−3.17(m、2H)、2.42−2.28(m、1H)、2.07−1.98(m、1H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e596(M−H)−
【0086】
実施例10:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−(2−O−ベンジル)−(4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化22】
【0087】
無水THF(95mL)中の実施例9の生成物(1.03g、1.72ミリモル)、トリフェニルホスフィン(1.82g、6.93ミリモル)および4−ジメチルアミノピリジン(539mg、4.41ミリモル)の5〜10℃溶液に、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(1.37mL、6.96ミリモル)を加える。得られる赤色溶液を室温で90分間攪拌し、0℃に冷却し、水(3.5mL)で反応を抑え、溶媒を減圧除去する。
【0088】
得られる残渣を無水エタノール(100mL)より蒸発し、THFと塩化メチレンの混合物に再溶解し、これを塩化メチレンに詰込んだフラッシュカラムに加える。カラムを、塩化メチレンから5%酢酸エチル/塩化メチレンの勾配で溶離して、693mg(69%)の標記化合物を得る。
【0089】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ12.0(br s、1H)、11.27(s、1H)、8.92−8.84(m、2H)、7.84−7.72(m、2H)、7.55−7.50(ddd、1H)、7.45−7.37(ddd、1H)、6.86(t、1H)、6.62(t、2H)、6.44(d、1H、J=7.35Hz、1’H)、6.34(d、2H)、5.00(br s、1H、5’H)、4.65(d、1H、J=5.7Hz、3’H)、4.33(d、1H、J=12.4Hz、2’−CH2Ph)、4.21(d、1H、J=9.2Hz、6’H)、4.10−4.00(m、2H、2’Hおよび2’−CH2Ph)、3.81(d、1H、J=9.2Hz、6”H)、3.35−3.25(m、1H、4’H)、2.08−1.99(m、1H、4”H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e578(M−H)−
【0090】
実施例11:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ−4−デオキシ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化23】
【0091】
メタノール/THF(3:1、400mL)中の実施例10の生成物(733mg、1.26ミリモル)の溶液に、30%パラジウム/炭素(510mg)と20%水酸化パラジウム/炭素(1.25g)を加える。得られる懸濁液を窒素、次いで水素でフラッシし、水素雰囲気下一夜攪拌する。反応液を小パッドのセイラトで濾過し、触媒をTHFおよびメタノールで洗い、濾液を減圧蒸発する。
【0092】
得られる残渣をシリカゲルにて蒸発し、これを10%アセトン/塩化メチレンに詰込んだフラッシュカラムに加え、カラムを10%アセトン/塩化メチレンから80%アセトン/塩化メチレンの勾配で溶離する。さらにアセトン中、Sephadex LH−20にて精製を行い、299mg(49%)の標記化合物を得る。
【0093】
500MHz COSY 1H−NMR(d6−DMSO):δ11.99(br s、1H)、11.26(s、1H)、9.00−8.96(dd、1H)、8.90−8.85(dd、1H)、7.95−7.82(m、2H)、7.62−7.47(m、2H)、6.33(d、1H、J=7.20Hz、1’H)、5.76(d、1H、J=5.10Hz、2’OH)、4.99(br s、1H、5’H)、4.40(d、1H、J=5.80、3’H)、4.36−4.32(m、1H、2’H)、4.22(d、1H、J=8.9Hz、6’H)、3.83(d、1H、J=8.9Hz、6”H)、3.27(d、1H、J=9.65Hz、4’H)、2.06−1.99(m、1H、4”H)
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e488(M−H)−
【0094】
実施例12:
2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[(3,4−アンヒドロ)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化24】
【0095】
2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(0.15g、0.29ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(83mg、0.32ミリモル)の冷(0℃)溶液に窒素下、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(64μL、0.32ミリモル)を滴下する。混合物を室温まで徐々に加温し、16h攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液および塩水で洗う。
【0096】
乾燥および溶媒濃縮を行った後、残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルムで溶離)を行って精製し、2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12,13−[1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(8.7mg、12%)を黄色固体で、また標記化合物(75.7mg、52%)も黄色固体(m.p.>300℃)で得る。
【0097】
1H−NMR(500MHz DMSO−d6):δ11.28(s、1H)、11.20(s、1H)、9.12(dd、J=8.5、6.0Hz、1H)、9.04(dd、J=7.2、5.8Hz、1H)、7.83(d、J=9.2Hz、1H)、7.37(d、J=8.9Hz、1H)、7.29−7.21(m、2H)、6.18(d、J=8.2Hz、1H)、5.90(d、J=6.4Hz、1H)、5.48(br s、1H)、4.71−4.69(m、1H)、4.08(m、1H)、3.96(m、1H)、3.89−3.88(m、1H)、3.73(s、1H)、3.42(d、J=3.8Hz、1H)
IR(KBr、cm−1):3458、3368、2929、1747、1698,1624、1578、1452、1406、1385、1330、1232、1171、1115、1061、919、836、762
MS(−ESI、M−H−),m/z504
【0098】
実施例13:
3,9−ジフルオロ−13−(3,6−アンヒドロ−α−D−グルコピラノシル)−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化25】
【0099】
3,9−ジフルオロ−6−メチル−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(2.0g、5.10ミリモル)、トリフェニルホスフィン(2.94g、11.21ミリモル)および6−フルオロ−2,3,4−トリベンジル−D−グルコピラノース(3.46g、7.64ミリモル)の冷(0℃)懸濁液に窒素下、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(2.2mL、11.21ミリモル)を滴下する。混合物を室温まで徐々に加温し、ここで2h攪拌してから、0℃に冷却し、さらに6−フルオロ−2,3,4−トリベンジル−D−グルコピラノース(1.73g、3.82ミリモル)、トリフェニルホスフィン(1.47g、5.61ミリモル)およびDIAD(1.1mL、5.61ミリモル)で処理する。
【0100】
さらに室温で1h攪拌後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗う。乾燥および溶媒濃縮を行った後、残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン、次いで15%、最後に酢酸エチル/テトラヒドロフラン/ヘキサン(15:5:80)による勾配溶離)で精製して、カップリングした生成物を黄色泡状物で得、これをそのまま用いる。
【0101】
基質を95%エタノール(50mL)に溶かし、20%水酸化パラジウム/炭素(1.5g)とシクロヘキセン(40mL)を用い、トランスファー水素添加に付す。混合物を7h還流してから、別途触媒(1.5g)、シクロヘキセン(40mL)およびエタノール(50mL)を加える。さらに16hの還流後、混合物をセライトで温濾過し、THFおよびメタノールで洗う。濾液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルムで溶離)で精製して、脱ベンジル化生成物を黄色固体で得、さらに用いる。
【0102】
無水エタノール(2mL)中の上記脱ベンジル化生成物の攪拌懸濁液に室温で、水酸化カリウム(5M、10mL)を加える。混合物を室温で2h攪拌してから、50℃に加熱し、エタノールのほとんどを除去するため、空気でスパージする。0℃で15分間冷却後、濃塩酸を、沈殿物が形成して残存するまで、少量づつ加える(pH=1)。この懸濁液を室温で24h攪拌してから、酢酸エチルおよびテトラヒドロフランで希釈し、1N−HCl、塩水で洗い、乾燥し、濃縮する。
【0103】
残渣に酢酸アンモニウム固体(10g)を加え、混合物を120℃で2h溶融してから、室温まで冷却し、酢酸エチルおよびTHFで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、pH=9になるまで洗う。酢酸のほとんどの反応を抑えるため、最初に炭酸ナトリウム固体を用いる。次いで有機層を分離し、塩水で洗い、乾燥し、濃縮する。
【0104】
残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム、次いで15%、最後に20%メタノール/クロロホルムによる勾配溶離)で精製して、分離できない三成分混合物を得、これをさらにLH−20クロマトグラフィー(メタノール、0.3mL/分、36h)で精製して、3,9−ジフルオロ−13−(6−フルオロ−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(226.1mg、8.2%、4ステップ)、3,9−ジフルオロ−6−メチル−13−(6−フルオロ−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−5H,13H−ベンゾ[β]チエニル[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(20.1mg、0.7%、4ステップ)、および標記化合物(10.1mg、0.4%、4ステップ)を黄色固体(m.p.>305℃)で得る。
【0105】
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ11.50(br s、0.7H)、9.54(d、J=11.4Hz、1H)、8.75(dd、J=9.7、2.5Hz、1H)、8.46(dd、J=9.2、4.8Hz、1H)、8.11(dd、J=8.7、5.3Hz、1H)、7.40−7.32(m、2H)、7.00(d、J=3.1Hz、1H)、4.63(s、1H)、4.42−4.39(m、2H)、4.31−4.29(m、1H)、4.31−4.29(m、1H)、4.20(d、J=9.0Hz、1H)、4.11(s、1H)、−0.08(br s、2H)
IR(KBr、cm−1):3341、3184、2961、1756、1699、1620、1604、1573、1476、1457、1424、1328、1259、1200、1165、1115、1101、1081、1062、1019、920、878、810、762
MS(−ESI、M−H−),m/z521,(+ESI、M+H+),m/z523
【0106】
実施例14:
12−(3,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノシル)−2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化26】
【0107】
窒素下室温にて、2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(1.0g、1.91ミリモル)を乾燥ピリジンに溶解し、火炎乾燥した4Åモレキュラーシーブス粉(0.60g)で処理する。混合物を−20℃に15分間冷却してから、メタンスルホニルクロリド(0.26mL、3.34ミリモル、1.75当量)を加える。フラスコを密封し、減圧濃縮前に0℃で6h貯蔵する。
【0108】
残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(テトラヒドロフラン/ジクロロメタン/メタノール=68:30:2で溶離)で精製して、標記化合物並びに少量の密に間隔の(closely−spaced)他の副生物を含有する豊富な画分(280mg、24%)を得、これをそのまま用いる。無水ジメチルホルムアミド(10mL)中の2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[6−O−(メチルスルホニル)−β−D−グルコピラシノル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(200mg、0.33ミリモル)の攪拌溶液に、フタルイミド・カリウム(0.45g、2.43ミリモル)を一度に加えてから、混合物を130℃に3h加熱し、周囲温度まで冷却し、一夜減圧濃縮する。
【0109】
次いで残渣を酢酸エチル(いくらかのテトラヒドロフランを添加)に溶かし、0.1N塩酸および塩水で洗う。乾燥および溶媒濃縮を行った後、残渣をシリカゲルにて、フラッシュクロマトグラフィー(7%メタノール/クロロホルムで溶離)で精製して、2,10−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−12−[6−デオキシ−6−(フタルイミド)−β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン(46mg、21%)を黄色固体で、また標記化合物(22mg、13%、2ステップ)も黄色固体で得る。
【0110】
標記化合物の場合:m.p.>300℃
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ11.21(s、1H)、11.10(br s、1H)、9.15(dd、J=8.7、5.9Hz、1H)、9.05(dd、J=9.0、5.8Hz、1H)、7.47(d、J=9.4Hz、1H)、7.42(d、J=10.2Hz、1H)、7.31(dt、J=9.0、2.2Hz、1H)、7.24(dt、J=9.2、2.2Hz、1H)、6.97(d、J=7.7Hz、1H)、6.39(br s、1H)、5.87(br s、1H)、4.60(s、2H)、4.44(d、J=7.2Hz、1H)、4.17(m、1H)、4.07−4.02(m、2H)
IR(KBr、cm−1):3414、1747、1700、1623、1580、1452、1386、1327、1230、1167、1114、1055、1021、760
HRMS(−ESI、M−H−)(C26H16F2N3O6として):計算値505.1086、実測値504.1029
【0111】
実施例15:
2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(2−O−ベンジル−3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン
【化27】
【0112】
0.5mLの乾燥ピリジン中の2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(2−O−ベンジル−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(0.018g、0.028ミリモル)の溶液に、0.1mLの乾燥ピリジン中のトリフェニルホスフィン(0.022mg、0.084ミリモル)の溶液を加え、次いでAr下室温にて、ジイソプロピル・アゾジカルボキシレート(DIAD)(0.017mL、0.084ミリモル)を滴下する。
【0113】
得られる赤血色混合物をAr下室温にて16h攪拌し、次いで水(0.1mL)を加えた後メタノール(0.1mL)を加えて反応を抑える。この混合物を減圧蒸発し、残渣を分取tlc(4×20×20cmプレート、0.5mm SiO2、CH2CH2/MeCN=9:1)で精製して、標記化合物(0.007g、41%)を明黄色固体で得る。
【0114】
1H−NMR(THF−d8、400MHz):δ10.83(br s、1H)、10.08(br s、1H)、9.12(dd、J=11.0,8.6Hz、1H)、9.02(dd、J=11.0、8.4Hz、1H)、7.72(m、1H)、7.36(m、1H)、6.83(t、J=7.4Hz、1H)、6.70(t、J=7.6Hz、2H)、6.59(d、J=7.6Hz、2H)、6.23(d、J=7.4Hz、1H)、4.93(s、1H)、4.76(d、J=6.0Hz、1H)、4.41(d、J=11.7Hz、1H)、4.31(d、J=8.9Hz、1H)、4.29(d、J=10.2Hz、1H)、4.13(d、J=11.7Hz、1H)、3.87(d、J=9.2Hz、1H)、3.10(d、J=13.4Hz、1H)、2.10(dd、J=13.4、6.0Hz)
MS(ESI−),m/e614(M−H)−
【0115】
実施例16
2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン
【化28】
【0116】
5mLの新蒸留THF中の2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(2−O−ベンジル−3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(0.034g、0.055ミリモル)および20%Pd(OH)2/C(0.048g)の混合物を、室温にて5日間水素添加する(バルーン圧)。得られる混合物をセライトパッドで濾過し、ケーキをTHF、次いでメタノールで洗う。濾液を蒸発し、残渣をクロマトグラフィー(Sephadex LH−20/メタノール)に付して、標記化合物(0.017g、59%)を黄色固体で得る。
【0117】
1H−NMR(THF−d8、400MHz):δ11.15(br s、1H)、10.17(br s、1H)、9.19(dd、J=11.1、8.5Hz、1H)、9.09(dd、J=11.2、8.3Hz、1H)、7.81(dd、J=11.6、6.7Hz、1H)、7.51(dd、J=10.5、6.7Hz、1H)、6.21(d、J=7.3Hz、1H)、5.37(br s、1H)、4.89(s、1H)、4.57(m、2H)、4.27(d、J=9.7Hz、1H)、3.85(d、J=9.1Hz、1H)、3.09(d、J=13.4Hz、1H)、2.09(dd、J=13.1、6.0Hz、1H)
MS(ESI−),m/e524(M−H)−
HPLC:99.0%(270nm)
【0118】
実施例17:
2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(3,6−アンヒドロ−4−デオキシ−4,4−ジフルオロ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン
【化29】
【0119】
4mLの乾燥THF中の2,3,9,10−テトラフルオロ−12−(4−デオキシ−4,4−ジフルオロ−β−D−グルコピラノシル)−6,7,12,13−テトラヒドロ(5H)インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7−ジオン(0.035g、0.060ミリモル)の溶液に、アルゴン下室温にて、トリフェニルホスフィン(0.048g、0.18ミリモル)およびDIAD(0.035mL、0.18ミリモル)を加える。
【0120】
得られる赤味がかったオレンジ色溶液を室温で18h攪拌し、次いでこれを酢酸エチルと水間に分配する。有機相を分離し、洗浄し(塩水)、乾燥し(Na2SO4)、蒸発して黄色ゴム状物を得る。この残渣を分取tlc(20×20cm×0.5mm SiO2、THF/ヘキサン=1:1)で精製し、主画分を分取hplcで再精製して、標記化合物(0.009g、29%)を黄色固体で得る。
【0121】
1H−NMR(アセトン−d6、400MHz):δ10.67(s、1H)、9.83(s、1H)、8.88(m、1H)、8.73(m、1H)、7.56(m、2H)、6.44(m、1H)、4.91(m、2H)、4.47(d、J=10.0Hz、1H)、4.41(d、J=11.0Hz、1H)、4.27(m、1H)
MS(ESI−),m/e560(M−H)−
HPLC:91.1%(320nm)
【0122】
実施例18:
3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[(3,6−アンヒドロ)−β−D−ガラクトピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン
【化30】
【0123】
50mLの無水CH2Cl2中の3,9−ジフルオロ−12,13−ジヒドロ−13−[β−D−グルコピラノシル]−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6−N−(4−t−ブチル)ベンジル)−ジオン(1.01g、1.51ミリモル)の攪拌懸濁液に−50℃にて、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオライド(1.02mL、7.72ミリモル)を加え、反応混合物を3.5時間攪拌し、その間に温度が+15℃に上昇する。混合物を−78℃に冷却し、5mLのCH3OHを加えて反応を抑え、1N−HClに注ぐ。粗生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和NaHCO3水溶液および塩水で洗い、Na2SO4上で乾燥し、減圧濃縮する。
【0124】
得られる粗生成物を100mLのエタノールに溶解し、10mLの3.83M−水性KOHを加える。混合物をアルゴン下室温で17時間攪拌した後、10mLの濃水性HClを加え、さらに攪拌を30分間続ける。これに150gのNH4OAcと別途200mLのエタノールを加え、混合物を3日間加熱還流する。反応液を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水および塩水で洗い、Na2SO4上で乾燥し、減圧濃縮する。
【0125】
シリカゲルにて100%クロロホルムから4%メタノール/クロロホルムの勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに付した後、メタノール中Sephadex LH−20精製を行って、22.0mgの標記化合物を得る。
500MHz 1H−NMR(d6−DMSO):δ12.76(bs、1H)、11.15(bs、1H)、8.90(dd、J=2.6、9.6Hz、1H)、8.75(dd、J=2.6、9.8Hz、1H)、7.95(m、1H)、7.67(m、1H)、7.44(m、2H)、6.32(d、J=8.3Hz、1H)、5.35(d、J=4.6Hz、1H)、4.68(s、1H)、4.60(m、1H)、4.58(m、2H)、4.41(d、J=8Hz、1H)、4.28(d、J=5.6Hz、1H)、4.16(d、J=9.3Hz、1H)
IR(KBr,cm−1):3616、3444、3246、2995、1747、1698、1619、1587、1481、1395、1328、1290、1246、1189
ESI(NEG)質量スペクトル,m/e504(M−H−)
HRMS(FAB,M+H+),m/z(実測値)=506.11676、m/z(計算値)=506.116748
標記化合物は、上記反応系から単離した主要関連生成物の1つに相当する。
【0126】
生物学的活性
本発明化合物は、抗腫瘍特性を持つ有用な薬理学的作用物質である。トポイソメラーゼI活性特性を持つ化合物は、抗腫瘍剤として使用することができる。近年、多数の報告が文献に見かけられ、トポイソメラーゼI標的薬物の役割は、共有結合DNA−トポイソメラーゼI複合体を安定させて、酵素−連鎖DNA単一ストランド破断を生成することが示唆されている。
【0127】
薬理学的見地から、トポイソメラーゼIを標的にする利点が存在し;第1に、増殖する細胞および静態の細胞両方における比較的高レベルのその出現は、その機能が細胞の成長速度と無関係であることを示唆し、そして第2に、トポイソメラーゼI活性作用物質は、ゆっくり増殖する腫瘍並びに急速に増殖する腫瘍に有効となりうる。結腸腫瘍からの細胞は、正常な粘膜細胞より高い細胞内レベルのトポイソメラーゼIを含有することが認められており、このことは、選択的な細胞毒利点の可能性を示唆する。
【0128】
すなわち、本発明化合物による腫瘍細胞の増殖抑制は最初に、ヒト・トポイソメラーゼIの有効な抑制によって証明した。また本発明の特定化合物、通常トポイソメラーゼIアッセイで10μM以下のEC50値を有する化合物について、ヒト/マウス腫瘍細胞増殖アッセイの抑制を試験した。
【0129】
トポイソメラーゼI活性(インビトロ)
トポイソメラーゼI活性を、下記の手順で測定する。DNAにおいて化合物−誘発の、トポイソメラーゼI−仲介単一ストランド破断を検定する手順は、本質的にHsiangらの「J.Biol.Chem.」(260、14873−14878、1985年)に記載されている。100%DMSOに10μMまたは10mg/ml溶液で溶解したサンプルは、他に特別な記載がない限り、Tris−EDTA緩衝剤で希釈する。
【0130】
またマリン(marine)バクテリオファージPM2DNA(Boehringer Mannheim)は、Tris−EDTA緩衝剤で0.02μg/μl濃度に希釈する。希釈の異なる被評価化合物を、希釈DNAと混合し、該混合物を、2倍の反応緩衝剤中の精製したヒト・トポイソメラーゼI(Topogen)の1000ユニット(1ユニットの酵素活性は、100ngのスーパーコイル化DNAを37℃で約30分内で弛緩しうる量として規定する)のアリコートに加え、反応を開始する。
【0131】
化合物−DNA−酵素混合物を、37℃で30分間培養してから、ドデシル硫酸ナトリウムおよびプロティナーゼK(Sigma)を含有する温ストップ緩衝剤で反応を停止する。これらの混合物をさらに37℃で10分間培養させ、この時、混合物をウォーターバスから取出し、クロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)混合物で抽出する。
【0132】
遠心分離を行ってから、水性相のアリコートを、0.5μg/mlのエチジウムブロマイド含有のTris−ボレート緩衝剤中の0.9%アガロース(SeaKem)ゲルのウェルに入れ、15時間電気永動に付して、異なるトポロジー異性体とニックおよび破断したDNAsを分離する。水中でゲルのよごれを除いた後、ゲルをUV照射にさらすことによって、エチジウムブロマイド染色DNA反応産物を可視化する。
【0133】
照射したゲルの写真のネガを、濃度計でスキャンし、各サンプルの単一ストランドDNA破断形成のパーセントを得るために、ピーク下の面積を計算する。得られる用量−効果曲線のポイント間の補間によって、各化合物の中間有効濃度(EC50)を得るが、これは、DNAにおいてトポイソメラーゼI−仲介単一ストランド破断を誘発する、化合物の効果の潜在力を規定する。
【0134】
本発明の選択化合物のトポイソメラーゼI活性を、下記表Iに示す。
表I:
【表1】
【0135】
細胞に基づく細胞毒活性(インビトロ)
ネズミP388細胞系に対する増殖抑制活性を、以下の手順で測定する。
Scudiero D.A.、Shoemaker R.H.、Paull K.D.、Monks A.、Tierney S.、Nofziger T.H.、Currens M.J.、Seniff D.およびBoyd M.R.の文献に記載のXTT[2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラゾリウム・ヒドロキシド]アッセイによって、細胞毒性をHCT116ヒト結腸癌腫細胞で検定する。
【0136】
ヒトおよび他の腫瘍細胞系を用い、「Cancer Res.」(48、4827−4833、1988年)に記載の手順に従って、細胞成長および培養中の薬物感受性の可溶性テトラゾリウム/ホルマザン・アッセイの評価を行なう。細胞を96ウェル・マイクロタイター平板にて、4000細胞/ウェルで培養し、24h後に薬物を加え、連続して希釈する。細胞を37℃で72h培養し、この時、メト硫酸フェナジン含有のテトラゾリウム染料,XTTを加える。
【0137】
生きている細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素でXTTを還元して、450nmで光を吸収する形状とし、これを分光光度計で定量分析することができる。吸光度が増大すればするほど、生存細胞の数が増大する。結果をIC50で表示するが、これは、細胞増殖(すなわち、450nmでの吸光度)を、未処理対照細胞のそれの50%に抑制するのに必要な薬物濃度である。
【0138】
本発明の選択化合物の結果を下記表IIに示す。
表II:
【表2】
Claims (1)
- トポイソメラーゼIおよび腫瘍細胞の増殖の抑制に用いる、式:
QはO、S、CH2またはNR5a;
R5およびR5aはそれぞれ独立して、水素、
R1,R2,R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロゲン、アジド、NR9R10、NHC(O)NR9R10、NHC(O)OR9、C(O)OR9、SR9およびOR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9、SR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく、または
R1とR2は共に合して、=N−OH、=Oまたは−NR9R10を形成、もしくは
R3とR4は共に合して、=N−OH、=Oまたは−NR9R10を形成;
Wは水素、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロゲン、アジド、NR9R10、NHC(O)NR9R10、NHC(O)OR9、N−OH、OおよびOR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく;
R7およびR8はそれぞれ独立して、OHもしくはHであるか、または共に合して=Oを形成;
R9およびR10はそれぞれ独立して、水素、C1−7アルキルおよびC3−7シクロアルキルからなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OH、OC1−7アルキル、NH2およびN(C1−3アルキル)2からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよく、または
R9とR10は、それらが結合する窒素原子と共に合して、O、NおよびSからなる群から選ばれる同一もしくは異なるヘテロ原子の1もしくは2個を含有する非芳香族5〜8員複素環を形成;および
X1,X1’,X2およびX2’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、OR9、−CF3、アルキルカルボニル、C1−7アルキル、ニトロ、NR9R10、SR9およびC(O)OR9からなる群から選ばれ、ここで、上記C1−7アルキルは必要に応じて、ハロゲン、CN、OR9、SR9およびNR9R10からなる群から選ばれる置換基の1つ以上で置換されてよい]
で示される化合物、またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒化合物。
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