JP2004523577A - 新規組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は(a)1または2種以上のNO−放出NSAID;(b)1または2種以上の界面活性剤;および(c)水相からなる脂質小球体の形態の新規医薬組成物、ならびにこのような組成物の製造方法、および痛みおよび炎症の治療におけるこのような組成物の使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)1または2種以上のNO−放出NSAID;(b)1または2種以上の界面活性剤;および(c)水相;からなる脂質小球体の形態である新規医薬組成物、ならびにこのような組成物の製造方法に関する。クレームされた組成物はヒトおよび動物への経口、局所、経直腸、経鼻および非経口投与を意図するものである。本発明はまた新規な組成物の痛みおよび炎症の治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一酸化窒素放出非ステロイド性抗炎症薬(以下、NO−放出NSAIDまたはより簡略にNO-NSAIDという)は、痛みおよび炎症の処置に使用されるよく知られた薬物、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)に比較して副作用が改善された特徴を有することが、最近明らかになった(たとえばWO 94/04484、WO 94/12463、WO 95/09831およびWO 95/30641参照)。長期間にわたるNSAID治療を受けている患者は胃腸の副作用の問題を経験することが多い。
【0003】
NO-NSAIDは一般的に脂質親和性化合物であり、水への溶解度は貧弱である。NO-NSAIDは実質的に水には不溶性である。NO-NSAIDに固有のこの性質が処方者に多くの問題を提起している。経口投与の場合、胃腸管(GIT)からのNO-NSAIDの吸収は胃腸液中への貧弱な溶解度による溶出速度によって制限され、これが一方では貧弱な生物学的利用性を招くことになる。非経口投与とくに静脈内投与の場合に、治療血漿レベルに到達するのに十分なNO-NSAID化合物の溶解度をもたらす水性ベースの処方が要請されている。
【0004】
界面活性剤は貧弱な水溶性を示す化合物の溶解度を上昇させることが知られた化合物である。ミセル溶液、ベシクルシステム(vesicular system)たとえばリポソーム、および乳化液のような様々なタイプの界面活性剤に基づく薬物送達システム(drug delivery system)が知られている。
【0005】
ミセル溶液は、水性媒体中に界面活性凝集体たとえば球状ミセルに可溶化された薬物からなる。通常これらの凝集体の直径は界面活性剤分子の2分子分の長さ、すなわち約10〜100オングストロームである。Gibbsの相律によれば、ミセル溶液は単相システムである。ミセルシステムの欠点は、界面活性剤による溶解度の上昇は通常弱いか、または十分な溶解度を得るためには高い界面活性剤対薬物比が要求されることである。多量の界面活性剤は毒性の点から望ましくない。ミセルシステムを投与した場合、ミセルシステムが胃腸液中または血液中で希釈されるときに薬物が沈殿する危険性がある。経口投与の場合、沈殿は生物学的利用性の低下を招来する可能性がある。静脈内投与の場合、薬物の沈殿は注射時の痛み、静脈組織の刺激および塞栓を生じる可能性がある。
【0006】
ベシクルは、水性スペースが1つの(単層)または2以上(オリゴもしくは多重層)の界面活性剤二重層によって囲まれた二重層システムである。リポソーム中では、これらの二重層はリン脂質から構成される。親水性薬物は内部の水相に導入され、一方、脂質親和性薬物は界面活性剤の二重層に分配されることが可能である。ベシクル分散液は2相のシステムである。通常、ベシクルの直径は二重層の数に応じて、ナノメーターないしマイクロメーターの範囲である。薬物が二重層構造を妨げて、不安定化するので、界面活性剤二重層に導入できる脂質親和性薬物の量は、通常低い。
【0007】
エマルション(emulsion)は、ある液体が、通常は乳化剤として作用する界面活性剤の助力によって他の混和しない液体中に分散している状態である。基本的な2種のタイプ、水中油型(o/w)および油中水型(w/o)に区別される。水中油型エマルションは油の小滴が分散されている水性の連続相からなる。w/o型エマルションにおいては、水相が油性の連続媒体中に分散している。静脈注射の投与のためには、油滴のサイズが毛細血管を閉塞しないように十分小さいことを条件にo/w型エマルションのみが使用できる。サブミクロンのサイズのo/wエマルションが非経口的栄養のために長い間使用されてきた。水に貧弱な溶解度しか示さない薬物の送達システムとしてのエマルションは、少なくとも4種の成分、(a)薬物、(b)脂質相、(c)乳化剤、および(d)水相から構成される。水に貧弱な溶解度しか示さない薬物は通常、脂質相に溶解される。したがって、この場合の脂質相は薬物を可溶化するために用いられるが、界面活性剤は油相の分散補助剤および安定化剤として働く。ミセルおよびベシクルシステムについては、o/wエマルションの可溶化能力は小さい。それは油相における薬物の溶解度により決定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は驚くべきことに、上述したような問題が、界面活性剤ベースの新しいタイプのNO-NSAID送達システムにより、脂質小球体の形態の医薬組成物として解決できることを見出したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の成分すなわち、(a)1または2種以上のNO-放出NSAID;(b)1または2種以上の界面活性剤;および(c)水相からなり、NO-放出NSAIDは1または2種以上の界面活性剤の層により囲まれた脂質親和性コアであり、NO-放出NSAIDおよび界面活性剤は水相中に分散されて構成されている脂質小球体の形態での医薬組成物が開示される。
【0010】
NO-放出NSAID化合物は所望により、たとえば、水相と油相の間の密度差を調整するために1または2種以上の脂質親和性、水非混和性溶媒と混合することができる。NO-NSAIDの密度は通常、水より大きく、密度の調整はNO-NSAID脂質小球体の沈殿を防止するために有利である。密度の調整は、たとえば水相に糖、糖アルコールまたは塩を添加することにより水相の密度を増大させても得られる。
溶解度に応じて、界面活性剤は水相または脂質親和性相のいずれかに溶解させることができる。
【0011】
NO-NSAIDのユニークな特徴の一つは、これらの脂質親和性化合物の多くが、実質的に水に不溶性の油状物または熱軟化性の半固体であることである。したがって、それらはそのままo/wエマルションの油相として働くことができる。これらの化合物は、NO-NSAID化合物が1または2種以上の界面活性剤層により囲まれたコアとして構成され、水性媒体中に分散する脂質小球体を提供することによって、水相中に乳化させることができる。界面活性剤層は、凝集および融合に対して脂質小球体を安定化する。熱軟化性NO-NSAIDは均質化(homogenisation)を容易にするため、乳化に先立ってそれらの融点以上に加熱するか、または液体NO-NSAIDもしくは他の脂質親和性、水非混和性溶媒に溶解することもできる。
【0012】
本発明による好ましいNO-放出NSAIDは、式I
【化1】
(式中、Xはスペーサー、すなわち一酸化窒素供与基とNSAIDの間にブリッジを形成する化合物であり;
Mは
【化2】
のいずれかから選択される。
【0013】
本発明の好ましい実施態様においては、スペーサーXは -(CH2)n-(nは2〜10の整数である);-(CH2)m-O-(CH2)p−(mおよびpは2〜10の整数である);および-CH2-pC6H4-CH2- の直鎖状、分岐状または環状アルキレン基から選択される。
【0014】
本発明の一実施態様においては、本発明の組成物の活性化合物として意図されるNO-NSAIDはWO94/04484、WO94/12463、WO95/09831およびWO95/30641に開示され、クレームされている化合物である。これらは引用により本明細書に導入される。
【0015】
本発明に有用な特定のNO-放出物質は
【化3】
【化4】
【化5】
である。
【0016】
本発明に有用な最も好ましいNO-NSAIDは式IaおよびIgの化合物である。
適当な界面活性剤には、それらに限定されるものではないが、リン脂質、たとえば天然に存在するリン脂質たとえば卵および大豆レシチン;合成もしくは半合成リン脂質たとえばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセラール、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジル酸;エトキシ化リン脂質たとえばポリオキシエチレン−ホスファチジルエタノールアミン;ガラクトリピドおよび他のグリコリピド;胆汁酸たとえばコール酸、タウロコール酸およびグリココール酸ならびにそれらの塩;ステロールたとえばコレステロール、シトスラロール、シトスタノールおよびそれらのエステル;エトキシ化ステロールたとえばポリオキシエチレンシトステロール、脂肪酸およびそれらの塩;脂肪酸のモノおよびジグリセライドエステル、たとえばモノオレートおよびモノステアレートエステル;脂肪酸エステルおよびアルコール;エトキシ化脂肪酸、エーテルおよびエステル;エトキシ化ヒマシ油たとえばクレモフォール(cremophor)EL;エトキシ化ソルビタンエステルたとえばポリソルベート(polysorbate)たとえばポリソルベート80(Tween 80);ポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー、たとえばポロキサマー(poloxamer)たとえばポロキサマー188およびポロキサマー407およびポロキサミン(poloxamine)たとえばテトロニック(Tetronic)908;またはこれらの界面活性剤2種またはそれ以上の混合物が包含される。
【0017】
界面活性剤は、好ましくは天然に存在するリン脂質、合成もしくは半合成リン脂質;ポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー;エトキシ化ソルビタンエステル;またはこれらの界面活性剤2種またはそれ以上の混合物である。
さらに好ましい界面活性剤は天然に存在する大豆からのリン脂質とポロキサマー、好ましくはポロキサマー407;またはポリソルベート80の配合物である。
【0018】
本発明の組成物中には広範囲の脂質親和性、水非混和性溶媒を使用することができる。通常、水非混和性溶媒は植物油、たとえば大豆油、落花生油、ヒマシ油、トーモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ベニバナ油、またはヒマワリ油である。適当な溶媒にはまた、分別油たとえば分別ヤシ油が包含される。水非混和性溶媒はまた、海洋生物油、たとえば鱈肝油または他の魚油、ω-3-ポリ不飽和油としても知られる油が包含される。また、水非混和性溶媒は中鎖または長鎖脂肪酸のエステル、たとえばモノ−、 ジ−もしくはトリグリセライド、または化学的に修飾もしくは製造された物質たとえば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、グリセロールエステルまたはポリオキシ水添ヒマシ油がある。本発明の組成物はNO-NSAIDと1または2種以上の上記水非混和性溶媒の混合物からなる。
【0019】
水相は水と、意図された投与方法に応じて、任意に緩衝剤および塩;pH調整剤たとえば水酸化ナトリウムおよび塩酸;浸透圧調節剤たとえばグリセロール、キシリトール、ソルビトール、マンニトールおよびグルコース;水混和性溶媒たとえばグリセロール、エタノール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール;密度調節剤たとえばポリオール、糖、糖アルコールおよび塩;粘度調節剤たとえば増粘剤およびゲル化剤;防腐剤たとえばクロルヘキシジン、メチル、エチル、プロピルまたはブチルパラベン、およびチメロサール;抗酸化剤たとえばアスコルビン酸およびトコフェロール誘導体;ならびに味覚調節剤たとえば糖、甘味剤および香味剤から構成される。
【0020】
本発明の組成物は通常、1もしくは2種以上のNO-NSAIDまたは1もしくは2種以上のNO-NSAIDおよび1もしくは2種以上の水非混和性溶媒の混合物から構成され、その量は、組成物の重量に対して30%まで、好ましくは0.5〜20%である。界面活性剤または界面活性剤の混合物は、組成物の重量に対して20%まで、好ましくは0.1〜10%存在させる。
【0021】
本発明の脂質小球体処方の製造に使用される分散技術は、高剪断力混合(high shear stirring)、ウルトラツラックスボルテックス(ultraturrax vortexing)、超音波処理(sonication)、高圧均質化処理(high pressure homogenisation)、および微小流動化(microfluidisation)のような慣用の分散技術とすることができる。好ましくは、高圧均質化処理または微小流動化が使用される。小球体のサイズは組成および分散パラメーターの関数である。一般的に、小球体のサイズは界面活性剤量の上昇、または油相量の低下とともに低下する。小球体のサイズはまた分散時のエネルギーの入力上昇とともに、それが横ばいになるまで低下する。さらにエネルギーの入力は、過剰乳化として知られているような効果により、小球体サイズの上昇を招くことがある。
【0022】
本発明の脂質小球体の球形サイズは通常、ナノメーターからマイクロメーターの範囲であり、さらに、とくに50 nm〜50μm 、好ましくは200 nm〜5μmである。小球体サイズの調整は非経口投与とくに静脈内投与製剤の場合に重要である。静脈内投与の場合、平均小球体サイズは1μm未満でなければならない。好ましくは200〜500 nmであり、基本的には5μm以上の小球体が存在しないことが必要である。
【0023】
本発明による脂質小球体の形態の医薬組成物は、NO-NSAIDの経口、非経口、局所、経鼻および経直腸投与に適している。この製剤を非経口投与に使用する場合は滅菌しなければならない。滅菌は好ましくはオートクレーブによって行われる。非経口投与用製剤中の成分は注射用等級とし、このような投与に是認されたものでなければならない。局所投与製剤は、それらがパッチに含まれていない場合には粘稠かつ展延性であることが好ましい。
【0024】
本発明の組成物中に使用されるNO-NSAIDの総量は1単位用量につき50〜1500 mgの範囲とすることが好ましい。なおさらに好ましい実施態様においては、組成物中に用いられるNO-NSAIDの量は1単位用量につき125〜500 mgである。
【0025】
本発明の脂質小球体医薬組成物は、とくに痛みおよび炎症の治療に有用である。「痛み」の語は、それらに限定されるものではないが、侵害受容性および神経障害性疼痛またはこれらの合併;急性、亜急性および慢性の疼痛;癌の痛み;偏頭痛および類似の起源の頭痛を包含する意図である。「炎症」の語は、それらに限定されるものではないが、慢性関節リウマチ;骨関節炎;および若年性リウマチを包含する意図である。
【0026】
製造方法
本発明の組成物は以下の方法の一つによって製造される。すなわち、
i)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に1または2種以上のNO-放出NSAIDを分散させるか、
ii)1または2種以上のNO-放出NSAIDを1または2種以上の界面活性剤と混合し、この混合物を高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
iii)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2種以上のNO-放出NSAIDを1または2種以上の脂質親和性水非混和性溶媒に混合し、NO-放出NSAIDと脂質親和性水非混和性溶媒の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
iv)1または2種以上のNO-放出NSAIDを1または2種以上の界面活性剤および1または2種以上の脂質親和性水非混和性溶媒と混合し、この混合物を高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
v)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2種以上の界面活性剤を1または2種以上のNO-放出NSAIDと混合し、NO-放出NSAIDと界面活性剤の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、または
vi)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2種以上の界面活性剤ならびに1または2種以上の脂質親和性水非混和性溶媒を1または2種以上のNO-放出NSAIDと混合し、NO-放出NSAID、界面活性剤、および脂質親和性水非混和性溶媒の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させることによる。
【0027】
熱軟化性NO-NSAIDは均質化処理を容易にするため乳化前にそれらの融点以上に加熱するか、または液体のNO-NSAIDもしくは他の脂質親和性、水非混和性溶媒に溶解することができる。
【0028】
次に、本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、これらは本発明の限定を意図するものではない。
【実施例1】
【0029】
【表1】
【0030】
製法:
1.水相:分別大豆リン脂質〔ホスホリポン(phospholipon)80〕およびポロキサマー407(Lutrol F127)を超音波ロッド(ultra sonic rod)または高剪断力ミキサー(high shear mixer)により水中に分散した。
2.油相:式Iaの化合物およびヤシ油を手動攪拌で混合し、この間、最高60℃に加熱した。
3.水相と油相を一緒に注いだ。エマルションは、小滴の平均サイズがMalvern PCS 4700による光子相関スペクトルで測定して<300 nmになるまで、超音波ロッドによる超音波処理、または最初高剪断力ミキサーによる混合ついで高圧ホモゲナイザー(high pressure homogeniser)による均質化処理によって形成させた。
【0031】
所望により、エマルションは、微生物の増殖を防止するためにオートクレーブ処理し(121℃で15分間)、ついで少なくとも6ヶ月間室温で保存した。
実施例1.1の脂質小球体中における式Iaの化合物の経口生物学的利用性は、その代謝物、ナプロキセンの相対生物学的利用性として測定し(式Iaの化合物の与えられた用量について分析したナプロキセン血漿レベル)、ラット(4 mL/kg)において88%であった。
【実施例2】
【0032】
【表2】
【0033】
製法:
1. 油相:式Iaの化合物およびヤシ油を手動攪拌で混合し、この間、最高60℃に加熱した。
2. ポリソルベートを油相に添加し、ついで混合物を60℃に加熱し、高剪断力ミキサーで1分間攪拌した。
3. 60℃に加熱した水を少量ずつ、高剪断力ミキサーで攪拌しながら添加した。水の総量は工程1における油相の約2倍とした。
4. 混合物を高剪断力ミキサーにより、60℃で2分間攪拌した。
5. 高剪断力ミキサーにより2分間攪拌し、この間、室温に冷却した。
6. エマルションの量が2倍になるように十分な水を加え、ついで均一になるまで混合した。
7. 水中1.5%の中等度に粘稠なナトリウム−カルボキシメチルセルロース懸濁液を加えた。磁気攪拌機で10分間攪拌した。
【0034】
小滴の平均サイズは<2μmで、90%の小滴は<5μm(Coulter LS230でレーザー回折により測定)である。
実施例2.1における式Iaの化合物の経口生物学的利用性は、その代謝物、ナプロキセンの相対生物学的利用性として測定し(式Iaの化合物の与えられた用量について分析したナプロキセン血漿レベル)、ラット(4 mL/kg)において95%であった。
【実施例3】
【0035】
【表3】
【0036】
製法:
1. 油相:式Iaの化合物およびポリソルベートを最高温度60℃で高剪断力ミキサーにより混合した。
2. 60℃に加熱した水を少量ずつ、高剪断力ミキサーで攪拌しながら添加した。水の総量は工程1における油相の約2倍とした。
3. 混合物を高剪断力ミキサーにより、60℃で2分間攪拌した。
4. 高剪断力ミキサーにより2分間攪拌し、この間、室温に冷却した。
5. 残りの水を加え、磁気攪拌機で均質分散になるまで混合した。小滴の平均サイズ
は<2μmで、90%の小滴は<5μm(LSで測定)である。
【実施例4】
【0037】
【表4】
【0038】
製法:
1.水相:分別大豆リン脂質(ホスホリポン80)およびポロキサマー407(Lutrol F127)を適当な混合装置で水中に分散した。
2.油相:式Igの化合物およびヤシ油を穏やかに攪拌しながら混合した。
3.攪拌しながら水相をゆっくりと油相に添加した。エマルションは、大きな小滴が存在する危険を避けるために、たとえば超音波ロッドまたはホモゲナイザーによって均質化処理した。
形成された小滴の90%もしくはそれ以上は0.2μmより小さい粒子サイズを示した。
【実施例5】
【0039】
【表5】
【0040】
製法:
1. 油相:式Ig、IL、IcおよびIfのNO-放出化合物をそれぞれ、攪拌によりヤシ油と混合した。必要に応じて最高40℃に加熱した。
2. 水相:ポロキサマー407を高剪断力ミキサーにより水中に分散した。
3. 水相と油相を一緒に混合した。最初に高剪断力ミキサーにより、ついで高圧ホモゲナイザーによって均質化処理してエマルションを形成させた。
【0041】
小滴の平均サイズは0.13〜0.15μmであり、99%の小滴は0.23〜0.25μm(Coulter LS230でレーザー回折により測定)である。
脂質小球体中における式Igおよび式ILの化合物の経口生物学的利用性は、ジクロフェナック(その活性代謝物)の静脈内投与による全身暴露に対するジクロフェナックへの全身暴露として表し、ミニブタ(5 mL/kg)においてそれぞれ85%および104%であった。
脂質小球体中における式Icおよび式Ifの化合物の経口生物学的利用性は、ケトプロフェン(その活性代謝物)の静脈内投与による全身暴露に対するケトプロフェンへの全身暴露として表し、ミニブタ(5 mL/kg)においてそれぞれ82%および80%であった。
【実施例6】
【0042】
【表6】
【0043】
製法:
1. 水相:ポロキサマー407を一夜冷水に溶解した。
2. 油相:エタノール中に溶解した式Iaの化合物および式Iaの3H-標識化合物にさらにエタノールを加えて混合する。ついでエタノールを蒸発させた。
3. 水相と油相を一緒に混合した。エマルションは、超音波ロッドによる超音波処理に
より形成させた。
【0044】
ヒト皮膚を用いたインビトロにおける透過試験では、0.20〜0.72μg/cm2/hの定常状態フラックス(flux)が達成された。
【実施例7】
【0045】
【表7】
【0046】
製法:
1. 油相:NO-放出化合物を攪拌によりヤシ油と混合した。最高60℃に加熱した。ポロキサマー407はこの油混合物中に溶解し、この間、最高60℃に加熱した。
2. 水相と油相を一緒に注いだ。最初に高剪断力ミキサーにより、ついで高圧ホモゲナイザーによって均質化処理してエマルションを形成させた。
【0047】
所望により、エマルションは、微生物の増殖を防止するために熱処理した(121℃で≦15分間)。
小滴の平均サイズは<0.5μmで、99%の小滴は<2μm(Coulter LS230によるレーザー回折で測定)であった。
【0001】
本発明は、(a)1または2種以上のNO−放出NSAID;(b)1または2種以上の界面活性剤;および(c)水相;からなる脂質小球体の形態である新規医薬組成物、ならびにこのような組成物の製造方法に関する。クレームされた組成物はヒトおよび動物への経口、局所、経直腸、経鼻および非経口投与を意図するものである。本発明はまた新規な組成物の痛みおよび炎症の治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一酸化窒素放出非ステロイド性抗炎症薬(以下、NO−放出NSAIDまたはより簡略にNO-NSAIDという)は、痛みおよび炎症の処置に使用されるよく知られた薬物、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)に比較して副作用が改善された特徴を有することが、最近明らかになった(たとえばWO 94/04484、WO 94/12463、WO 95/09831およびWO 95/30641参照)。長期間にわたるNSAID治療を受けている患者は胃腸の副作用の問題を経験することが多い。
【0003】
NO-NSAIDは一般的に脂質親和性化合物であり、水への溶解度は貧弱である。NO-NSAIDは実質的に水には不溶性である。NO-NSAIDに固有のこの性質が処方者に多くの問題を提起している。経口投与の場合、胃腸管(GIT)からのNO-NSAIDの吸収は胃腸液中への貧弱な溶解度による溶出速度によって制限され、これが一方では貧弱な生物学的利用性を招くことになる。非経口投与とくに静脈内投与の場合に、治療血漿レベルに到達するのに十分なNO-NSAID化合物の溶解度をもたらす水性ベースの処方が要請されている。
【0004】
界面活性剤は貧弱な水溶性を示す化合物の溶解度を上昇させることが知られた化合物である。ミセル溶液、ベシクルシステム(vesicular system)たとえばリポソーム、および乳化液のような様々なタイプの界面活性剤に基づく薬物送達システム(drug delivery system)が知られている。
【0005】
ミセル溶液は、水性媒体中に界面活性凝集体たとえば球状ミセルに可溶化された薬物からなる。通常これらの凝集体の直径は界面活性剤分子の2分子分の長さ、すなわち約10〜100オングストロームである。Gibbsの相律によれば、ミセル溶液は単相システムである。ミセルシステムの欠点は、界面活性剤による溶解度の上昇は通常弱いか、または十分な溶解度を得るためには高い界面活性剤対薬物比が要求されることである。多量の界面活性剤は毒性の点から望ましくない。ミセルシステムを投与した場合、ミセルシステムが胃腸液中または血液中で希釈されるときに薬物が沈殿する危険性がある。経口投与の場合、沈殿は生物学的利用性の低下を招来する可能性がある。静脈内投与の場合、薬物の沈殿は注射時の痛み、静脈組織の刺激および塞栓を生じる可能性がある。
【0006】
ベシクルは、水性スペースが1つの(単層)または2以上(オリゴもしくは多重層)の界面活性剤二重層によって囲まれた二重層システムである。リポソーム中では、これらの二重層はリン脂質から構成される。親水性薬物は内部の水相に導入され、一方、脂質親和性薬物は界面活性剤の二重層に分配されることが可能である。ベシクル分散液は2相のシステムである。通常、ベシクルの直径は二重層の数に応じて、ナノメーターないしマイクロメーターの範囲である。薬物が二重層構造を妨げて、不安定化するので、界面活性剤二重層に導入できる脂質親和性薬物の量は、通常低い。
【0007】
エマルション(emulsion)は、ある液体が、通常は乳化剤として作用する界面活性剤の助力によって他の混和しない液体中に分散している状態である。基本的な2種のタイプ、水中油型(o/w)および油中水型(w/o)に区別される。水中油型エマルションは油の小滴が分散されている水性の連続相からなる。w/o型エマルションにおいては、水相が油性の連続媒体中に分散している。静脈注射の投与のためには、油滴のサイズが毛細血管を閉塞しないように十分小さいことを条件にo/w型エマルションのみが使用できる。サブミクロンのサイズのo/wエマルションが非経口的栄養のために長い間使用されてきた。水に貧弱な溶解度しか示さない薬物の送達システムとしてのエマルションは、少なくとも4種の成分、(a)薬物、(b)脂質相、(c)乳化剤、および(d)水相から構成される。水に貧弱な溶解度しか示さない薬物は通常、脂質相に溶解される。したがって、この場合の脂質相は薬物を可溶化するために用いられるが、界面活性剤は油相の分散補助剤および安定化剤として働く。ミセルおよびベシクルシステムについては、o/wエマルションの可溶化能力は小さい。それは油相における薬物の溶解度により決定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は驚くべきことに、上述したような問題が、界面活性剤ベースの新しいタイプのNO-NSAID送達システムにより、脂質小球体の形態の医薬組成物として解決できることを見出したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の成分すなわち、(a)1または2種以上のNO-放出NSAID;(b)1または2種以上の界面活性剤;および(c)水相からなり、NO-放出NSAIDは1または2種以上の界面活性剤の層により囲まれた脂質親和性コアであり、NO-放出NSAIDおよび界面活性剤は水相中に分散されて構成されている脂質小球体の形態での医薬組成物が開示される。
【0010】
NO-放出NSAID化合物は所望により、たとえば、水相と油相の間の密度差を調整するために1または2種以上の脂質親和性、水非混和性溶媒と混合することができる。NO-NSAIDの密度は通常、水より大きく、密度の調整はNO-NSAID脂質小球体の沈殿を防止するために有利である。密度の調整は、たとえば水相に糖、糖アルコールまたは塩を添加することにより水相の密度を増大させても得られる。
溶解度に応じて、界面活性剤は水相または脂質親和性相のいずれかに溶解させることができる。
【0011】
NO-NSAIDのユニークな特徴の一つは、これらの脂質親和性化合物の多くが、実質的に水に不溶性の油状物または熱軟化性の半固体であることである。したがって、それらはそのままo/wエマルションの油相として働くことができる。これらの化合物は、NO-NSAID化合物が1または2種以上の界面活性剤層により囲まれたコアとして構成され、水性媒体中に分散する脂質小球体を提供することによって、水相中に乳化させることができる。界面活性剤層は、凝集および融合に対して脂質小球体を安定化する。熱軟化性NO-NSAIDは均質化(homogenisation)を容易にするため、乳化に先立ってそれらの融点以上に加熱するか、または液体NO-NSAIDもしくは他の脂質親和性、水非混和性溶媒に溶解することもできる。
【0012】
本発明による好ましいNO-放出NSAIDは、式I
【化1】
(式中、Xはスペーサー、すなわち一酸化窒素供与基とNSAIDの間にブリッジを形成する化合物であり;
Mは
【化2】
のいずれかから選択される。
【0013】
本発明の好ましい実施態様においては、スペーサーXは -(CH2)n-(nは2〜10の整数である);-(CH2)m-O-(CH2)p−(mおよびpは2〜10の整数である);および-CH2-pC6H4-CH2- の直鎖状、分岐状または環状アルキレン基から選択される。
【0014】
本発明の一実施態様においては、本発明の組成物の活性化合物として意図されるNO-NSAIDはWO94/04484、WO94/12463、WO95/09831およびWO95/30641に開示され、クレームされている化合物である。これらは引用により本明細書に導入される。
【0015】
本発明に有用な特定のNO-放出物質は
【化3】
【化4】
【化5】
である。
【0016】
本発明に有用な最も好ましいNO-NSAIDは式IaおよびIgの化合物である。
適当な界面活性剤には、それらに限定されるものではないが、リン脂質、たとえば天然に存在するリン脂質たとえば卵および大豆レシチン;合成もしくは半合成リン脂質たとえばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセラール、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジル酸;エトキシ化リン脂質たとえばポリオキシエチレン−ホスファチジルエタノールアミン;ガラクトリピドおよび他のグリコリピド;胆汁酸たとえばコール酸、タウロコール酸およびグリココール酸ならびにそれらの塩;ステロールたとえばコレステロール、シトスラロール、シトスタノールおよびそれらのエステル;エトキシ化ステロールたとえばポリオキシエチレンシトステロール、脂肪酸およびそれらの塩;脂肪酸のモノおよびジグリセライドエステル、たとえばモノオレートおよびモノステアレートエステル;脂肪酸エステルおよびアルコール;エトキシ化脂肪酸、エーテルおよびエステル;エトキシ化ヒマシ油たとえばクレモフォール(cremophor)EL;エトキシ化ソルビタンエステルたとえばポリソルベート(polysorbate)たとえばポリソルベート80(Tween 80);ポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー、たとえばポロキサマー(poloxamer)たとえばポロキサマー188およびポロキサマー407およびポロキサミン(poloxamine)たとえばテトロニック(Tetronic)908;またはこれらの界面活性剤2種またはそれ以上の混合物が包含される。
【0017】
界面活性剤は、好ましくは天然に存在するリン脂質、合成もしくは半合成リン脂質;ポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー;エトキシ化ソルビタンエステル;またはこれらの界面活性剤2種またはそれ以上の混合物である。
さらに好ましい界面活性剤は天然に存在する大豆からのリン脂質とポロキサマー、好ましくはポロキサマー407;またはポリソルベート80の配合物である。
【0018】
本発明の組成物中には広範囲の脂質親和性、水非混和性溶媒を使用することができる。通常、水非混和性溶媒は植物油、たとえば大豆油、落花生油、ヒマシ油、トーモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ベニバナ油、またはヒマワリ油である。適当な溶媒にはまた、分別油たとえば分別ヤシ油が包含される。水非混和性溶媒はまた、海洋生物油、たとえば鱈肝油または他の魚油、ω-3-ポリ不飽和油としても知られる油が包含される。また、水非混和性溶媒は中鎖または長鎖脂肪酸のエステル、たとえばモノ−、 ジ−もしくはトリグリセライド、または化学的に修飾もしくは製造された物質たとえば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、グリセロールエステルまたはポリオキシ水添ヒマシ油がある。本発明の組成物はNO-NSAIDと1または2種以上の上記水非混和性溶媒の混合物からなる。
【0019】
水相は水と、意図された投与方法に応じて、任意に緩衝剤および塩;pH調整剤たとえば水酸化ナトリウムおよび塩酸;浸透圧調節剤たとえばグリセロール、キシリトール、ソルビトール、マンニトールおよびグルコース;水混和性溶媒たとえばグリセロール、エタノール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール;密度調節剤たとえばポリオール、糖、糖アルコールおよび塩;粘度調節剤たとえば増粘剤およびゲル化剤;防腐剤たとえばクロルヘキシジン、メチル、エチル、プロピルまたはブチルパラベン、およびチメロサール;抗酸化剤たとえばアスコルビン酸およびトコフェロール誘導体;ならびに味覚調節剤たとえば糖、甘味剤および香味剤から構成される。
【0020】
本発明の組成物は通常、1もしくは2種以上のNO-NSAIDまたは1もしくは2種以上のNO-NSAIDおよび1もしくは2種以上の水非混和性溶媒の混合物から構成され、その量は、組成物の重量に対して30%まで、好ましくは0.5〜20%である。界面活性剤または界面活性剤の混合物は、組成物の重量に対して20%まで、好ましくは0.1〜10%存在させる。
【0021】
本発明の脂質小球体処方の製造に使用される分散技術は、高剪断力混合(high shear stirring)、ウルトラツラックスボルテックス(ultraturrax vortexing)、超音波処理(sonication)、高圧均質化処理(high pressure homogenisation)、および微小流動化(microfluidisation)のような慣用の分散技術とすることができる。好ましくは、高圧均質化処理または微小流動化が使用される。小球体のサイズは組成および分散パラメーターの関数である。一般的に、小球体のサイズは界面活性剤量の上昇、または油相量の低下とともに低下する。小球体のサイズはまた分散時のエネルギーの入力上昇とともに、それが横ばいになるまで低下する。さらにエネルギーの入力は、過剰乳化として知られているような効果により、小球体サイズの上昇を招くことがある。
【0022】
本発明の脂質小球体の球形サイズは通常、ナノメーターからマイクロメーターの範囲であり、さらに、とくに50 nm〜50μm 、好ましくは200 nm〜5μmである。小球体サイズの調整は非経口投与とくに静脈内投与製剤の場合に重要である。静脈内投与の場合、平均小球体サイズは1μm未満でなければならない。好ましくは200〜500 nmであり、基本的には5μm以上の小球体が存在しないことが必要である。
【0023】
本発明による脂質小球体の形態の医薬組成物は、NO-NSAIDの経口、非経口、局所、経鼻および経直腸投与に適している。この製剤を非経口投与に使用する場合は滅菌しなければならない。滅菌は好ましくはオートクレーブによって行われる。非経口投与用製剤中の成分は注射用等級とし、このような投与に是認されたものでなければならない。局所投与製剤は、それらがパッチに含まれていない場合には粘稠かつ展延性であることが好ましい。
【0024】
本発明の組成物中に使用されるNO-NSAIDの総量は1単位用量につき50〜1500 mgの範囲とすることが好ましい。なおさらに好ましい実施態様においては、組成物中に用いられるNO-NSAIDの量は1単位用量につき125〜500 mgである。
【0025】
本発明の脂質小球体医薬組成物は、とくに痛みおよび炎症の治療に有用である。「痛み」の語は、それらに限定されるものではないが、侵害受容性および神経障害性疼痛またはこれらの合併;急性、亜急性および慢性の疼痛;癌の痛み;偏頭痛および類似の起源の頭痛を包含する意図である。「炎症」の語は、それらに限定されるものではないが、慢性関節リウマチ;骨関節炎;および若年性リウマチを包含する意図である。
【0026】
製造方法
本発明の組成物は以下の方法の一つによって製造される。すなわち、
i)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に1または2種以上のNO-放出NSAIDを分散させるか、
ii)1または2種以上のNO-放出NSAIDを1または2種以上の界面活性剤と混合し、この混合物を高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
iii)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2種以上のNO-放出NSAIDを1または2種以上の脂質親和性水非混和性溶媒に混合し、NO-放出NSAIDと脂質親和性水非混和性溶媒の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
iv)1または2種以上のNO-放出NSAIDを1または2種以上の界面活性剤および1または2種以上の脂質親和性水非混和性溶媒と混合し、この混合物を高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
v)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2種以上の界面活性剤を1または2種以上のNO-放出NSAIDと混合し、NO-放出NSAIDと界面活性剤の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、または
vi)1または2種以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2種以上の界面活性剤ならびに1または2種以上の脂質親和性水非混和性溶媒を1または2種以上のNO-放出NSAIDと混合し、NO-放出NSAID、界面活性剤、および脂質親和性水非混和性溶媒の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させることによる。
【0027】
熱軟化性NO-NSAIDは均質化処理を容易にするため乳化前にそれらの融点以上に加熱するか、または液体のNO-NSAIDもしくは他の脂質親和性、水非混和性溶媒に溶解することができる。
【0028】
次に、本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、これらは本発明の限定を意図するものではない。
【実施例1】
【0029】
【表1】
【0030】
製法:
1.水相:分別大豆リン脂質〔ホスホリポン(phospholipon)80〕およびポロキサマー407(Lutrol F127)を超音波ロッド(ultra sonic rod)または高剪断力ミキサー(high shear mixer)により水中に分散した。
2.油相:式Iaの化合物およびヤシ油を手動攪拌で混合し、この間、最高60℃に加熱した。
3.水相と油相を一緒に注いだ。エマルションは、小滴の平均サイズがMalvern PCS 4700による光子相関スペクトルで測定して<300 nmになるまで、超音波ロッドによる超音波処理、または最初高剪断力ミキサーによる混合ついで高圧ホモゲナイザー(high pressure homogeniser)による均質化処理によって形成させた。
【0031】
所望により、エマルションは、微生物の増殖を防止するためにオートクレーブ処理し(121℃で15分間)、ついで少なくとも6ヶ月間室温で保存した。
実施例1.1の脂質小球体中における式Iaの化合物の経口生物学的利用性は、その代謝物、ナプロキセンの相対生物学的利用性として測定し(式Iaの化合物の与えられた用量について分析したナプロキセン血漿レベル)、ラット(4 mL/kg)において88%であった。
【実施例2】
【0032】
【表2】
【0033】
製法:
1. 油相:式Iaの化合物およびヤシ油を手動攪拌で混合し、この間、最高60℃に加熱した。
2. ポリソルベートを油相に添加し、ついで混合物を60℃に加熱し、高剪断力ミキサーで1分間攪拌した。
3. 60℃に加熱した水を少量ずつ、高剪断力ミキサーで攪拌しながら添加した。水の総量は工程1における油相の約2倍とした。
4. 混合物を高剪断力ミキサーにより、60℃で2分間攪拌した。
5. 高剪断力ミキサーにより2分間攪拌し、この間、室温に冷却した。
6. エマルションの量が2倍になるように十分な水を加え、ついで均一になるまで混合した。
7. 水中1.5%の中等度に粘稠なナトリウム−カルボキシメチルセルロース懸濁液を加えた。磁気攪拌機で10分間攪拌した。
【0034】
小滴の平均サイズは<2μmで、90%の小滴は<5μm(Coulter LS230でレーザー回折により測定)である。
実施例2.1における式Iaの化合物の経口生物学的利用性は、その代謝物、ナプロキセンの相対生物学的利用性として測定し(式Iaの化合物の与えられた用量について分析したナプロキセン血漿レベル)、ラット(4 mL/kg)において95%であった。
【実施例3】
【0035】
【表3】
【0036】
製法:
1. 油相:式Iaの化合物およびポリソルベートを最高温度60℃で高剪断力ミキサーにより混合した。
2. 60℃に加熱した水を少量ずつ、高剪断力ミキサーで攪拌しながら添加した。水の総量は工程1における油相の約2倍とした。
3. 混合物を高剪断力ミキサーにより、60℃で2分間攪拌した。
4. 高剪断力ミキサーにより2分間攪拌し、この間、室温に冷却した。
5. 残りの水を加え、磁気攪拌機で均質分散になるまで混合した。小滴の平均サイズ
は<2μmで、90%の小滴は<5μm(LSで測定)である。
【実施例4】
【0037】
【表4】
【0038】
製法:
1.水相:分別大豆リン脂質(ホスホリポン80)およびポロキサマー407(Lutrol F127)を適当な混合装置で水中に分散した。
2.油相:式Igの化合物およびヤシ油を穏やかに攪拌しながら混合した。
3.攪拌しながら水相をゆっくりと油相に添加した。エマルションは、大きな小滴が存在する危険を避けるために、たとえば超音波ロッドまたはホモゲナイザーによって均質化処理した。
形成された小滴の90%もしくはそれ以上は0.2μmより小さい粒子サイズを示した。
【実施例5】
【0039】
【表5】
【0040】
製法:
1. 油相:式Ig、IL、IcおよびIfのNO-放出化合物をそれぞれ、攪拌によりヤシ油と混合した。必要に応じて最高40℃に加熱した。
2. 水相:ポロキサマー407を高剪断力ミキサーにより水中に分散した。
3. 水相と油相を一緒に混合した。最初に高剪断力ミキサーにより、ついで高圧ホモゲナイザーによって均質化処理してエマルションを形成させた。
【0041】
小滴の平均サイズは0.13〜0.15μmであり、99%の小滴は0.23〜0.25μm(Coulter LS230でレーザー回折により測定)である。
脂質小球体中における式Igおよび式ILの化合物の経口生物学的利用性は、ジクロフェナック(その活性代謝物)の静脈内投与による全身暴露に対するジクロフェナックへの全身暴露として表し、ミニブタ(5 mL/kg)においてそれぞれ85%および104%であった。
脂質小球体中における式Icおよび式Ifの化合物の経口生物学的利用性は、ケトプロフェン(その活性代謝物)の静脈内投与による全身暴露に対するケトプロフェンへの全身暴露として表し、ミニブタ(5 mL/kg)においてそれぞれ82%および80%であった。
【実施例6】
【0042】
【表6】
【0043】
製法:
1. 水相:ポロキサマー407を一夜冷水に溶解した。
2. 油相:エタノール中に溶解した式Iaの化合物および式Iaの3H-標識化合物にさらにエタノールを加えて混合する。ついでエタノールを蒸発させた。
3. 水相と油相を一緒に混合した。エマルションは、超音波ロッドによる超音波処理に
より形成させた。
【0044】
ヒト皮膚を用いたインビトロにおける透過試験では、0.20〜0.72μg/cm2/hの定常状態フラックス(flux)が達成された。
【実施例7】
【0045】
【表7】
【0046】
製法:
1. 油相:NO-放出化合物を攪拌によりヤシ油と混合した。最高60℃に加熱した。ポロキサマー407はこの油混合物中に溶解し、この間、最高60℃に加熱した。
2. 水相と油相を一緒に注いだ。最初に高剪断力ミキサーにより、ついで高圧ホモゲナイザーによって均質化処理してエマルションを形成させた。
【0047】
所望により、エマルションは、微生物の増殖を防止するために熱処理した(121℃で≦15分間)。
小滴の平均サイズは<0.5μmで、99%の小滴は<2μm(Coulter LS230によるレーザー回折で測定)であった。
Claims (26)
- (a)1または2以上のNO−放出NSAID;
(b)1または2以上の界面活性剤;および
(c)水相
からなり、NO−放出NSAIDは1または2以上の界面活性剤の層によって囲まれた脂質親和性コアであり、NO−放出NSAIDおよび界面活性剤は水相中に分散されている脂質小球体の形態である医薬組成物。 - NO−放出NSAIDのスペーサーXは−(CH2)n−(nは2〜10の整数である);−(CH2)m−O−(CH2)p−(mおよびpは2〜10の整数である);および−CH2−pC6H4−CH2−の直鎖状、分岐状または環状アルキレン基から選択される請求項2記載の医薬組成物。
- NO−放出NSAIDは式Iaの化合物である請求項4記載の医薬組成物。
- NO−放出NSAIDは式Ic、If、IgまたはILの化合物である請求項4記載の医薬組成物。
- 界面活性剤はリン脂質たとえば天然に存在するリン脂質;合成もしくは半合成リン脂質:エトキシ化リン脂質;ガラクトリピドおよび他のグリコリピド;胆汁酸およびそれらの塩;ステロールおよびそれらのエステル;エトキシ化ステロール:脂肪酸およびそれらの塩;脂肪酸のモノおよびジグリセリドエステル;脂肪酸エステルおよびアルコール;エトキシ化脂肪酸、エーテルおよびエステル;エトキシ化ヒマシ油;エトキシ化ソルビタンエステル;ポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマーたとえばポロキサマーおよびポロキサミン;またはこれらの界面活性剤2もしくはそれ以上の混合物から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 界面活性剤は天然に存在するリン脂質、合成もしくは半合成リン脂質;ポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー;エトキシ化ソルビタンエステル;またはこれらの界面活性剤2もしくはそれ以上の混合物である請求項7記載の医薬組成物。
- 界面活性剤は大豆からの天然に存在するリン脂質とポロキサマーの配合物である請求項7記載の医薬組成物。
- 界面活性剤はポリソルベート80である請求項7記載の医薬組成物。
- NO−放出NSAID脂質親和性コアはさらに1または2以上の脂質親和性水非混和性溶媒を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 脂質親和性水非混和性溶媒は植物油;分別油;海洋生物油;中鎖もしくは長鎖脂肪酸の
エステル;化学的に修飾もしくは製造された物質;または上記水非混和性溶媒の2もしくはそれ以上の混合物である請求項11記載の医薬組成物。 - 脂質親和性、水非混和性溶媒は分別ヤシ油である請求項11記載の医薬組成物。
- 水相は水および1または2以上の緩衝剤;塩;pH調整剤;浸透圧調節剤;水混和性溶媒;密度調節剤;粘度調節剤;防腐剤;抗酸化剤;ならびに味覚調節剤を含有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- NO−放出NSAIDまたはNO−放出NSAIDおよび水非混和性溶媒の混合物の量は、組成物の重量に対して30%までである請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- NO−放出NSAIDまたはNO−放出NSAIDおよび水非混和性溶媒の混合物の量は、組成物の重量に対して0.5〜20%である請求項15記載の医薬組成物。
- 界面活性剤の量は、組成物の重量に対して20%までである請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 界面活性剤の量は組成物の重量に対して0.1〜10%である請求項17記載の医薬組成物。
- ヒトまたは動物への経口、経直腸、非経口、経鼻または局所投与のための請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物の治療における使用。
- 痛みの治療のための請求項20記載の使用。
- 炎症の治療のための請求項20記載の使用。
- 痛みの治療方法において、上記状態を患っている対象に請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することからなる方法。
- 炎症の処置方法において、上記状態を患っている対象に請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することからなる方法。
- 請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物の製造方法において、
i)1または2以上の界面活性剤を水相に添加し、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に1または2以上のNO−放出NSAIDを分散させるか、
ii)1または2以上のNO−放出NSAIDを1または2以上の界面活性剤と混合し、この混合物を高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
iii)1または2以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2以上のNO−放出NSAIDを1または2以上の脂質親和性水非混和性溶媒に混合し、NO−放出NSAIDと脂質親和性、水非混和性溶媒の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
iv)1または2以上のNO−放出NSAIDを1または2以上の界面活性剤および1または2以上の脂質親和性水非混和性溶媒と混合し、この混合物を高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、
v)1または2以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2以上の界面活性剤を1または2以上のNO−放出NSAIDと混合し、NO−放出NSAIDと界面活性剤の混合物を高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させるか、または
vi)1または2以上の界面活性剤を水相に添加し、1または2以上の界面活性剤ならびに1または2以上の脂質親和性水非混和性溶媒を1または2以上のNO−放出NSAIDと混合し、NO−放出NSAID、界面活性剤および脂質親和性水非混和性溶媒の混合物を、高剪断力混合、超音波処理または高圧均質化処理のような慣用の分散技術により水相中に分散させることによる方法。 - NO−放出NSAIDは水相中に分散する前にその融点以上に加熱する請求項25記載の方法。
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