JP2004522837A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

高分子量分散剤と結合芳香族オリゴマーを含むすす分散剤の組み合わせを含む、優れたすす分散特性を与える潤滑油組成物。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明はクランクケース潤滑油組成物に関する。更に詳しくは、本発明は添加剤窒素の低減されたレベルとともに、潤滑油組成物を工業規格T8試験に合格させるのに充分なすす分散特性を示す潤滑油組成物に関する。
【0002】
(背景技術)
潤滑油組成物は多量のベースオイル及び性能を改良し、潤滑剤の有効寿命を増大する添加剤を含む。窒素含有分散剤が普通に使用される潤滑剤添加剤である。分散剤の作用は油の使用中に酸化及びその他のメカニズムにより生成された不溶性物質を油中の懸濁状態に維持し、スラッジ凝集及び不溶性物質の沈殿を防止することである。分散剤の別の作用はすす粒子の凝集を減少し、こうして使用後の潤滑油の粘度の増大を低下することである。改良されたすす分散性を含む、改良された性能を与えるクランクケース潤滑剤が、絶えず要求されていた。
すす分散性を改良するために、その工業は高分子量物質(これらは低分子量物質と較べて優れた分散性特性を有する)を使用し、またその高分子量分散剤を更に増加する量で使用することに移行していた。しかしながら、分散剤は高価である。更に、高分子量の、窒素含有分散剤を生成するための普通の方法は残留塩素を残し、これが分散剤とともに潤滑剤に導入される。塩素の存在は使用した潤滑剤の廃棄による問題をもたらし、低減された量の塩素を含む潤滑剤が要求されていた。また、一層大きいレベルの高分子量分散剤はまた過塩基化(overbased)洗剤を含む潤滑剤中で良くブレンドしない。更に、分散剤からの高レベルの塩基性アミンは使用中のエンジン内のシールの劣化に寄与する。それ故、低減された量の高分子量の、窒素含有分散剤を使用する適当なすす分散性特性を有する潤滑剤を提供することは有利であろう。
【0003】
Davisらの米国特許第1,815,022号(1931年)はナフタレンのフリーデルクラフトアルキル化により生成されたナフタレンと実質的に線状の塩素化ワックスの縮合物を開示している。このような化合物はワックス結晶改質剤又は潤滑油流動性改良剤(LOFI)添加剤と同様に作用すると記載され、油に添加されてその低温流動特性を改良した。これらの化合物は長年にわたって使用されておらず、また高塩素含量のために、これらの化合物は最新の乗用車、又は重負荷ディーゼルモーターオイル配合物中の使用に不適と考えられるであろう。最新の配合物では、これらの化合物はフマレート/酢酸ビニルコポリマー又はポリメタクリレートをベースとするLOFIにより取って代わられていた。
Davisの米国特許第4,708,809号は式:
(R)−Ar−(OH)
(式中、Rは10個以上の脂肪族炭素原子を有する飽和炭化水素基であり、a及びbは夫々独立にAr中に存在する芳香族核の数の1〜3倍であり、かつArは必要により置換されていてもよい単一の、縮合又は結合された多核環基である)
のフェノール化合物を含む潤滑油組成物を記載している。燃料と混合される潤滑剤組成物への少量のこのような化合物の添加は2サイクルエンジン中でピストンリング粘着の低減をもたらすであろうと主張されている。
【0004】
(発明の開示)
本発明は、短く要約すると、多量の潤滑粘度の油、少量の高分子量の、窒素含有分散剤、及び潤滑組成物に改良されたすす分散特性を与えるのに充分な量の油溶性、又は油分散性の芳香族ヒドロカルビルオリゴマーを含むことを特徴とするクランクケース潤滑油に関する。
【0005】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の潤滑油組成物は多量の潤滑粘度の油を含む。本発明に関して有益な潤滑粘度の油は天然潤滑油、合成潤滑油及びこれらの混合物から選ばれてもよい。潤滑油は軽質蒸留物鉱油から重質潤滑油、例えば、ガソリンエンジンオイル、鉱物潤滑油及び重負荷ディーゼルオイルまでの粘度の範囲であってもよい。一般に、油の粘度は100℃で測定して、約2センチストークから約40センチストークまで、特に約4センチストークから約20センチストークまでの範囲である。
天然油として、動物油及び植物油(例えば、ヒマシ油、ラード油);液体石油並びにパラフィン型、ナフテン型及び混合パラフィン−ナフテン型のハイドロリファイニングされ、溶剤処理され、又は酸処理された鉱油が挙げられる。
合成潤滑油として、炭化水素油及びハロ置換炭化水素油、例えば、重合オレフィン及び共重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン−イソブチレンコポリマー、塩素化ポリブチレン、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン);アルキルベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、ターフェニル、アルキル化ポリフェノール);並びにアルキル化ジフェニルエーテル及びアルキル化ジフェニルスルフィド並びにこれらの誘導体、類似体及び同族体が挙げられる。
【0006】
アルキレンオキサイドポリマー並びにこれらの共重合体及び誘導体(その場合、末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化等により変性されていた)が既知の合成潤滑油の別のクラスを構成する。これらはエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド、並びにポリオキシアルキレンポリマーのアルキルエーテル及びアリールエーテル(例えば、1000の分子量を有するメチル−ポリイソ−プロピレングリコールエーテル又は1000−1500の分子量を有するポリ−エチレングリコールのジフェニルエーテル)の重合により調製されたポリオキシアルキレンポリマー;及びこれらのモノカルボン酸エステル及びポリカルボン酸エステル、例えば、テトラエチレングリコールの酢酸エステル、混合C3−C8脂肪酸エステル及びC13オキソ酸ジエステルにより例示される。
合成潤滑油の別の好適なクラスとして、種々のアルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール)とのジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸)のエステルが挙げられる。このようなエステルの特別な例として、ジブチルアジピート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−n−ヘキシルフマレート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソデシルアゼレート、ジオクチルフタレート、ジデシルフタレート、ジエイコシルセバケート、リノール酸二量体の2−エチルヘキシルジエステル、及び1モルのセバチン酸を2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2−エチルヘキサン酸と反応させることにより生成された複雑なエステルが挙げられる。
【0007】
また、合成油として有益なエステルとして、C−C12モノカルボン酸及びポリオール並びにポリオールエステル、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールからつくられたエステルが挙げられる。
シリコンをベースとする油、例えば、ポリアルキルシリコーン油、ポリアリールシリコーン油、ポリアルコキシシリコーン油又はポリアリールオキシシリコーン油及びシリケート油が合成潤滑剤の別の有益なクラスを構成する。このような油として、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(p−tert−ブチル−フェニル)シリケート、ヘキサ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサン及びポリ(メチルフェニル)シロキサンが挙げられる。その他の合成潤滑油として、リン含有酸の液体エステル(例えば、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、デシルホスホン酸のジエチルエステル)及びポリマーテトラヒドロフランが挙げられる。
【0008】
未精製油、精製油及び再精製油が本発明の潤滑剤中に使用し得る。未精製油は更なる精製処理をしないで天然源又は合成源から直接得られたものである。例えば、レトルト操作から直接得られたシェール油;蒸留から直接得られた石油;又はエステル化から直接得られ、更に処理しないで使用されるエステル油が未精製油であろう。精製油はその油が一つ以上の性質を改良するために一つ以上の精製工程で更に処理される以外は未精製油と同様である。多くのこのような精製技術、例えば、蒸留、溶剤抽出、酸又は塩基抽出、濾過及びパーコレーションが当業者に知られている。再精製油は精製油を得るのに使用されたのと同様の方法により得られるが、既にサービスで使用された油で開始する方法により得られる。このような再精製油はまた再生油又は再処理油として知られており、しばしば使用済み添加剤及び油分解生成物を除去するための技術を使用する付加的な加工にかけられる。
【0009】
高分子量分散剤
本発明に関して有益な高分子量分散剤として、潤滑油に添加された場合に、ガソリン及びディーゼルエンジン中の使用後の付着物の形成を減少するのに有効であると知られている高分子量範囲の無灰(金属を含まない)分散剤が挙げられる。本発明の組成物に有益な無灰の、高分子量分散剤は分散すべき粒子と会合することができる官能基を有する油溶性ポリマー長鎖主鎖を含む。典型的には、このような分散剤は、しばしばブリッジ基を介して、ポリマー主鎖に結合されたアミン極性部分、アルコール極性部分、アミド極性部分又はエステル極性部分を含む。無灰の、高分子量分散剤は、例えば、長鎖炭化水素置換モノカルボン酸及びポリカルボン酸又はこれらの酸無水物の油溶性塩、エステル、アミノ−エステル、アミド、イミド及びオキサゾリン;長鎖炭化水素のチオカルボキシレート誘導体;直接結合されたポリアミン部分を有する長鎖脂肪族炭化水素;並びに長鎖置換フェノールをホルムアルデヒド及びポリアルキレンポリアミンと縮合することにより生成されたマンニッヒ縮合生成物から選ばれてもよい。
【0010】
“高分子量”分散剤は4,000以上、例えば、4,000〜20,000の数平均分子量を有するものである。正確な分子量範囲は分散剤を生成するのに使用されるポリマーの型、存在する官能基の数、及び使用される極性官能基の型に依存するであろう。例えば、ポリイソブチレン誘導体化分散剤について、高分子量分散剤は約1680〜約5600の数平均分子量を有するポリマー主鎖で形成されたものである。典型的な市販のポリイソブチレンをベースとする分散剤は無水マレイン酸(MW=98)で官能化され、約100〜約350の分子量を有するポリアミンで誘導体化された、約900から約2300までの範囲の数平均分子量を有するポリイソブチレンポリマーを含む。また、低分子量のポリマーが多くのポリマー鎖を分散剤に入れることにより高分子量分散剤を生成するのに使用されてもよく、これは当業界で知られている方法を使用して行ない得る。
ポリマー分子量、特にMは、種々の既知の技術により測定し得る。一つの便利な方法はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)であり、これは分子量分布情報を更に与える(W.W. Yau、J.J. Kirkland及びD.D. Bly, “最新サイズ排除液体クロマトグラフィー”, John Wiley and Sons, New York, 1979を参照のこと)。アミン含有分散剤(例えば、PIBSAポリアミン又はPIBSA−PAM)の分子量が測定されている場合、アミンの存在は分散剤をカラムにより吸着させ、不正確な分子量測定をもたらすかもしれない。GPC装置の操作を良く知っている者はこの問題が混合溶媒系、例えば、純粋なTHFとは反対に少量のピリジンと混合されたテトラヒドロフラン(THF)を使用することにより排除し得ることを理解している。また、その問題はアミンを無水酢酸でキャップし、キャッピング基の数に基づいて分子量を修正することにより取り組まれてもよい。特に低分子量ポリマーについて、分子量を測定するための別の有益な方法は、蒸気圧浸透圧法(例えば、ASTM D3592を参照のこと)である。
ポリマーの重合度D
【0011】
【数1】
Figure 2004522837
【0012】
本発明に使用されるポリマー主鎖の重合度は少なくとも30であることが好ましく、典型的には30〜165であり、35〜100であることが更に好ましい。
本発明に使用される好ましい炭化水素又はポリマーとして、ホモポリマー、共重合体又は低分子量炭化水素が挙げられる。有益なポリマーの一つのファミリーとして、エチレン及び/又は式HC=CHR(式中、Rは1〜26個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基である)を有する少なくとも一種のC−C28α−オレフィンのポリマーが挙げられ、そのポリマーは炭素−炭素不飽和、好ましくは高度の末端エテニリデン不飽和を含む。本発明に使用されるこのようなポリマーの一つの好ましいクラスとして、エチレンと上記式(式中、Rは1〜18個の炭素原子のアルキル、更に好ましくは1〜8個の炭素原子のアルキル、更に好ましくは1〜2個の炭素原子のアルキルである)の少なくとも一種のα−オレフィンの共重合体が挙げられる。それ故、有益なα−オレフィンモノマー及びコモノマーとして、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、デセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、及びこれらの混合物(例えば、プロピレンとブテン−1の混合物、等)が挙げられる。
【0013】
このようなポリマーの例はプロピレンホモポリマー、ブテン−1ホモポリマー、プロピレン−ブテンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−1コポリマー等であり、そのポリマーは少なくとも幾つかの末端及び/又は内部の不飽和を含む。好ましいポリマーはエチレンとプロピレンの不飽和コポリマー及びエチレンとブテン−1の不飽和コポリマーである。本発明の共重合体は少量、例えば、0.5〜5モル%のC−C18非共役ジオレフィンコモノマーを含んでもよい。しかしながら、本発明のポリマーはα−オレフィンホモポリマー、α−オレフィンコモノマーの共重合体及びエチレンとα−オレフィンコモノマーの共重合体のみを含むことが好ましい。本発明に使用されるポリマーのモルエチレン含量は20〜80%、更に好ましくは30〜70%の範囲であることが好ましい。プロピレン及び/又はブテン−1がエチレンとの一種以上のコモノマーとして使用される場合、このようなポリマーのエチレン含量は45〜65%であることが最も好ましいが、それより高い又は低いエチレン含量が存在してもよい。
【0014】
これらのポリマーは少なくとも一種のメタロセン(例えば、シクロペンタジエニル−遷移金属化合物)及びアルモキサン化合物を含む触媒系の存在下で、α−オレフィンモノマー、もしくはα−オレフィンモノマーの混合物、又はエチレンと少なくとも一種のC−C28α−オレフィンモノマーの混合物を重合することにより調製し得る。この方法を使用して、ポリマー鎖の95%以上が末端エテニリデン型不飽和を有するポリマーが得られる。末端エテニリデン不飽和を示すポリマー鎖の%はFTIR分光分析、滴定、又はC13 NMRにより測定し得る。この後者の型の共重合体は式POLY−C(R)=CH(式中、RはC−C26アルキル、好ましくはC−C18アルキル、更に好ましくはC−Cアルキル、最も好ましくはC−Cアルキル(例えば、メチル又はエチル)であり、POLYはポリマー鎖を表す)を特徴とし得る。Rアルキル基の鎖長は重合中の使用に選ばれた一種以上のコモノマーに応じて変化するであろう。少量のポリマー鎖は末端エテニル、即ち、ビニル、不飽和、即ち、POLY−CH=CHを含むことができ、またポリマーの一部が内部モノ不飽和、例えば、POLY−CH=CH(R)(式中、Rは先に定義されたとおりである)を含むことができる。これらの末端不飽和共重合体は既知のメタロセン化学により調製されてもよく、また米国特許第5,498,809号、同第5,663,130号、同第5,705,577号、同第5,814,715号、同第6,022,929号及び同第6,030,930号に記載されたようにして調製されてもよい。
【0015】
ポリマーの別の有益なクラスはイソブテン、スチレン、等のカチオン重合により調製されたポリマーである。このクラスからの普通のポリマーとして、ルイス酸触媒、例えば、三塩化アルミニウム又は三フッ化ホウ素の存在下の約35重量%〜約75重量%までのブテン含量、及び約30重量%〜約60重量%のイソブテン含量を有するC4精油所流の重合により得られたポリイソブテンが挙げられる。ポリ−n−ブテンを製造するのに好ましいモノマーの源はラフィネートIIの如き石油供給原料である。これらの供給原料は米国特許第4,952,739号の如き技術に開示されている。ポリイソブチレンが本発明の最も好ましい主鎖である。何とならば、それはブテン流からカチオン重合(例えば、AlCl又はBF触媒を使用する)により容易に得られるからである。このようなポリイソブチレンは一般に鎖に沿って配置された、ポリマー鎖当り約1個のエチレン性二重結合の量の残留不飽和を含む。
上記のように、使用されるポリイソブチレンポリマーは一般に約900〜2,300の炭化水素鎖をベースとする。ポリイソブチレンの製造方法は知られている。ポリイソブチレンはハロゲン化(例えば、塩素化)、熱“エン”反応、又は以下に記載されるような触媒(例えば、過酸化物)を使用する遊離基グラフト化により官能化し得る。
【0016】
ポリマー炭化水素を不飽和カルボン酸、その酸無水物又はエステルと反応させる方法及びこのような化合物からの誘導体の調製が米国特許第3,087,936号、同第3,172,892号、同第3,215,707号、同第3,231,587号、同第3,272,746号、同第3,275,554号、同第3,381,022号、同第3,442,808号、同第3,565,804号、同第3,912,764号、同第4,110,349号、同第4,234,435号、及びGB−A−1,440,219に開示されている。そのポリマー又は炭化水素は、例えば、ハロゲン補助官能化(例えば、塩素化)方法又は熱“エン”反応を使用して主として炭素−炭素不飽和(またエチレン性不飽和又はオレフィン性不飽和と称される)の部位におけるポリマー鎖又は炭化水素鎖への官能性部分又は薬剤、即ち、酸、酸無水物、エステル部分等の付加を生じる条件下でポリマー又は炭化水素を反応させることによりカルボン酸を生じる部分(好ましくは酸又は酸無水物)で官能化されてもよい。
触媒(例えば、過酸化物)を使用する遊離基グラフト化方法を使用する場合、官能化はポリマー鎖に沿ってランダムに行なわれる。選択的官能化は塩素又は臭素を60〜250℃、好ましくは110〜160℃、例えば、120〜140℃の温度で約0.5〜10時間、好ましくは1〜7時間にわたってポリマーに通すことにより、不飽和α−オレフィンポリマーをポリマー又は炭化水素の重量に基づいて約1〜8重量%、好ましくは3〜7重量%の塩素、又は臭素までハロゲン化、例えば、塩素化又は臭素化することにより行ない得る。次いでハロゲン化ポリマー又は炭化水素(以下主鎖と称する)が100〜250℃、通常約180℃〜235℃で、約0.5〜10時間、例えば、3〜8時間にわたって、官能性部分を主鎖に付加することができる充分なモノ不飽和反応体、例えば、モノ不飽和カルボン酸反応体と反応させられ、その結果、得られる生成物はハロゲン化主鎖1モル当り所望のモル数のモノ不飽和カルボン酸反応体を含むであろう。また、主鎖及びモノ不飽和カルボン酸反応体が混合され、塩素をその熱い物質に添加する間に加熱し得る。
【0017】
炭化水素又はポリマー主鎖は、例えば、上記の三つの方法、又はあらゆる順序の、これらの組み合わせを使用してポリマーもしくは炭化水素鎖の炭素−炭素不飽和の部位で選択的に、又は鎖に沿ってランダムにカルボン酸を生じる部分(好ましくは酸部分又は酸無水物部分)で官能化し得る。
主鎖を官能化するのに使用される好ましいモノ不飽和反応体として、(i)モノ不飽和C−C10ジカルボン酸((a)そのカルボキシル基は近接であり(即ち、隣接炭素原子に配置され)、かつ(b)前記隣接炭素原子の少なくとも一つ、好ましくは両方が前記モノ不飽和の一部である);(ii)(i)の誘導体、例えば、(i)の酸無水物又はC−Cアルコール誘導モノエステルもしくはジエステル;(iii)モノ不飽和C−C10モノカルボン酸(その炭素−炭素二重結合はカルボキシ基と共役され、即ち、構造−C=C−CO−のものである);及び(iv)(iii)の誘導体、例えば、(iii)のC−Cアルコール誘導モノエステル又はジエステルを含む、モノカルボン酸物質及びジカルボン酸物質、即ち、酸、酸無水物、又は酸エステル物質が挙げられる。また、モノカルボン酸物質(i)−(iv)の混合物が使用されてもよい。主鎖との反応後に、モノ不飽和カルボン酸反応体のモノ不飽和が飽和されるようになる。こうして、例えば、無水マレイン酸が主鎖置換無水コハク酸になり、アクリル酸が主鎖置換プロピオン酸になる。このようなモノ不飽和カルボン酸反応体の例はフマル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロロマレイン酸、クロロ無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、及び以上の物質の低級アルキル(例えば、C−Cアルキル)酸エステル、例えば、マレイン酸メチル、フマル酸エチル、及びフマル酸メチルである。モノ不飽和カルボン酸反応体、好ましくは無水マレイン酸は、典型的にはポリマー又は炭化水素の重量を基準として、約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲の量で使用されるであろう。
【0018】
塩素化は通常モノ不飽和官能化反応体との出発オレフィンポリマーの反応性を増大することを助けるが、それは本発明における使用に意図されるポリマー又は炭化水素、特に高い末端結合含量及び反応性を有するこれらの好ましいポリマー又は炭化水素では必要ではない。それ故、主鎖及びモノ不飽和官能性反応体、例えば、カルボン酸反応体が高温で接触されて初期の熱“エン”反応を生じさせることが好ましい。エン反応は知られている。
炭化水素又はポリマー主鎖は種々の方法によりポリマー鎖に沿った官能部分のランダム結合により官能化し得る。例えば、溶液中又は固体形態の、ポリマーが遊離基開始剤の存在下で、上記のように、モノ不飽和カルボン酸反応体でグラフト化し得る。溶液中で行なわれる場合、グラフト化は約100〜260℃、好ましくは120〜240℃の範囲の高温で起こる。遊離基開始グラフト化は、初期の全油溶液を基準として、例えば、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%のポリマーを含む潤滑鉱油溶液中で行なわれることが好ましい。
【0019】
使用し得る遊離基開始剤は過酸化物、ヒドロペルオキシド、及びアゾ化合物、好ましくは約100℃より高い沸点を有し、グラフト温度範囲内で熱分解して遊離基を与えるものである。これらの遊離基開始剤の代表はアゾブチロニトリル、2,5−ジメチルヘキサ−3−エン−2,5−ビス−ターシャリー−ブチルペルオキシド及びジクメンペルオキシドである。開始剤は、使用される場合、典型的には反応混合物溶液の重量を基準として0.005重量%〜1重量%の量で使用される。典型的には、上記モノ不飽和カルボン酸反応体物質及び遊離基開始剤は約1.0:1から30:1まで、好ましくは3:1から6:1までの重量比範囲で使用される。グラフト化は不活性雰囲気中、例えば、窒素シール下で行なわれることが好ましい。得られるグラフトポリマーはポリマー鎖に沿ってランダムに結合されたカルボン酸(又はエステルもしくは酸無水物)部分を有することを特徴とする。勿論、ポリマー鎖の一部はグラフトされずに残ることが理解される。上記遊離基グラフト化は本発明のその他のポリマー及び炭化水素に使用し得る。
【0020】
次いで官能化された油溶性ポリマー炭化水素主鎖は更に求核性反応体、例えば、アミン、アミノ−アルコール、アルコール、金属化合物、又はこれらの混合物で誘導体化されて相当する誘導体を生成し得る。官能化ポリマーを誘導体化するのに有益なアミン化合物は少なくとも一種のアミンを含み、一つ以上の付加的なアミン又はその他の反応性基もしくは極性基を含み得る。これらのアミンはヒドロカルビルアミンであってもよく、又は主としてヒドロカルビル基がその他の基、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、ニトリル、イミダゾリン基等を含むヒドロカルビルアミンであってもよい。特に有益なアミン化合物として、モノアミン及びポリアミン、例えば、分子当り約1〜12個、例えば、3〜12個、好ましくは3〜9個の窒素原子を有する約2〜60個、例えば、2〜40個(例えば、3〜20個)の合計炭素原子のポリアルケンポリアミン及びポリオキシアルキレンポリアミンが挙げられる。アミン化合物の混合物、例えば、アルキレンジハライドとアンモニアの反応により調製されたものが有利に使用し得る。好ましいアミンは、例えば、1,2−ジアミノエタン;1,3−ジアミノプロパン;1,4−ジアミノブタン;1,6−ジアミノヘキサン;ジエチレントリアミンの如きポリエチレンアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;及び1,2−プロピレンジアミンの如きポリプロピレンアミン;並びにジ−(1,2−プロピレン)トリアミンを含む、脂肪族飽和アミンである。
【0021】
その他の有益なアミン化合物として、脂環式ジアミン、例えば、1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン及び複素環窒素化合物、例えば、イミダゾリンが挙げられる。アミンの別の有益なクラスは米国特許第4,857,217号、同第4,956,107号、同第4,963,275号、及び同第5,229,022号に開示されたようなポリアミドアミン及び関連アミドアミンである。また、米国特許第4,102,798号、同第4,113,639号、同第4,116,876号、及び英国特許第989,409号に記載されたようなトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TAM)が使用可能である。デンドリマー、星状アミン、コーム構造のアミンがまた使用されてもよい。同様に、米国特許第5,053,152号に記載されたような縮合アミンを使用してもよい。官能化ポリマーは、例えば、米国特許第4,234,435号及び同第5,229,022号、並びにEP−A−208,560に記載されたような通常の技術を使用してアミン化合物と反応させられる。
【0022】
また、官能化された、油溶性ポリマー炭化水素主鎖はヒドロキシ化合物、例えば、1価アルコール及び多価アルコール、又は芳香族化合物、例えば、フェノール及びナフトールで誘導体化されてもよい。好ましい多価アルコールとして、アルキレン基が2〜8個の炭素原子を含むアルキレングリコールが挙げられる。その他の有益な多価アルコールとして、グリセロール、グリセロールのモノ−オレエート、グリセロールのモノステアレート、グリセロールのモノメチルエーテル、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、エステル分散剤は不飽和アルコール、例えば、アリルアルコール、シンナミルアルコール、プロパルギルアルコール、1−シクロヘキサン−3−オール、及びオレイルアルコールから誘導されてもよい。無灰分散剤を生じることができるアルコールの更に別のクラスはオキシ−アルキレン及びオキシ−アリーレンを含むエーテル−アルコールを含む。このようなエーテル−アルコールは150までのオキシ−アルキレン基を有するエーテル−アルコール(そのアルキレン基は1〜8個の炭素原子を含む)により例示される。エステル分散剤はコハク酸のジ−エステル又は酸−エステル、即ち、部分エステル化コハク酸、並びに部分エステル化多価アルコール又はフェノール、即ち、遊離アルコール又はフェノールヒドロキシ基を有するエステルであってもよい。エステル分散剤は、例えば、米国特許第3,381,022号に記載されたような幾つかの既知の方法のいずれか一つにより調製し得る。
【0023】
分散剤の好ましいグループとして、ポリアミン誘導体化ポリα−オレフィン分散剤、特にエチレン/ブテンα−オレフィン分散剤及びポリイソブチレンをベースとする分散剤が挙げられる。無水コハク酸基で置換されたポリイソブチレンから誘導され、ポリエチレンアミン、例えば、ポリエチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン;又はポリオキシアルキレンポリアミン、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン、トリメチロールアミノメタン;ヒドロキシ化合物、例えば、ペンタエリスリトール;及びこれらの組み合わせと反応させられた無灰分散剤が特に好ましい。一つの特に好ましい分散剤組み合わせは(A)1モル当り約0.3〜約2モルの(B)、(C)及び/又は(D)を使用して(B)ヒドロキシ化合物、例えば、ペンタエリスリトール;(C)ポリオキシアルキレンポリアミン、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン、又は(D)ポリアルキレンジアミン、例えば、ポリエチレンジアミン及びテトラエチレンペンタミンと反応させられた(A)無水コハク酸基で置換されたポリイソブチレンの組み合わせである。別の好ましい分散剤組み合わせは(A)ポリイソブテニル無水コハク酸と(B)ポリアルキレンポリアミン、例えば、テトラエチレンペンタミン、及び(C)米国特許第3,632,511号に記載されたような多価アルコール又はポリヒドロキシ置換脂肪族一級アミン、例えば、ペンタエリスリトール又はトリスメチロールアミノメタンとの組み合わせを含む。
【0024】
無灰分散剤の別のクラスとして、マンニッヒ塩基縮合生成物が挙げられる。一般に、これらの生成物は、例えば、米国特許第3,442,808号に開示されたように、約1モルのアルキル置換モノヒドロキシベンゼン又はポリヒドロキシベンゼンを約1〜2.5モルの一種以上のカルボニル化合物(例えば、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒド)及び約0.5〜2モルのポリアルキレンポリアミンと縮合することにより調製される。このようなマンニッヒ塩基縮合生成物はベンゼン基の置換基としてメタロセン触媒重合のポリマー生成物を含んでもよく、又は米国特許第3,442,808号に記載された様式と同様の様式で無水コハク酸で置換されたこのようなポリマーを含む化合物と反応させられてもよい。メタロセン触媒系を使用して合成された官能化され、かつ/又は誘導体化されたオレフィンポリマーの例が上記刊行物に記載されている。
【0025】
分散剤は種々の通常の後処理、例えば、一般に米国特許第3,087,936号及び同第3,254,025号に教示されたような、ボレーションにより更に後処理し得る。分散剤のボレーションはアシル窒素含有分散剤をアシル化窒素組成物1モルについて約0.1〜約20原子比のホウ素を与えるのに充分な量の、ホウ素化合物、例えば、ホウ素酸化物、ホウ素ハライドホウ素酸、及びホウ素酸のエステルで処理することにより容易に行なわれる。有益な分散剤は約0.05重量%〜約2.0重量%、例えば、約0.05重量%〜約0.7重量%のホウ素を含む。ホウ素(これは脱水ホウ酸ポリマー(主として(HBO)として生成物中に現れる)はアミン塩、例えば、ジイミドのメタホウ酸塩として分散剤イミド及びジイミドに結合すると考えられる。ボレーションは約0.5重量%〜4重量%、例えば、約1重量%〜約3重量%(アシル窒素化合物の重量を基準として)のホウ素化合物、好ましくはホウ酸を通常スラリーとしてアシル窒素化合物に添加し、撹拌しながら約135℃〜約190℃、例えば、140℃〜170℃で約1時間〜約5時間加熱し、続いて窒素ストリッピングすることにより行ない得る。また、ホウ素処理は水を除去しながらホウ酸をジカルボン酸物質とアミンの熱い反応混合物に添加することにより行ない得る。当業界で普通に知られているその他の後反応方法がまた適用し得る。
本発明の組成物の第三の必須成分は下記の式:
【0026】
【化3】
Figure 2004522837
【0027】
の置換芳香族ヒドロカルビルオリゴマーである。
式I中、夫々の部分Arは必要により置換されていてもよい芳香族基を表し、夫々のLは炭素−炭素単結合又は結合基である結合部分であり、nは約2〜約1000の数であり、かつ夫々のTは末端基である。芳香族基(Ar)の少なくとも25%が少なくとも2個の結合部分(L)に連結される。置換芳香族ヒドロカルビルオリゴマー中の脂肪族炭素原子の合計数対芳香族環原子の比は約0.10:1から約40:1までである。
式Iの芳香族基Arは多核炭素環基又は単核もしくは多核の複素環基であってもよい。多核炭素環基は2個以上の縮合環を含んでもよく、夫々の環が4〜10個の炭素原子を有する(例えば、ナフタレン)。好適な炭素環多核基はまた結合された単核芳香族基、例えば、ビフェニルであってもよく、又は結合された、縮合環(例えば、ビナフチル)を含んでもよい。好適な多核炭素環芳香族基の例として、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、シクロペンテノフェナントレン、ベンズアントラセン、ジベンズアントラセン、クリセン、ピレン、ベンズピレン及びコロネン並びにこれらの二量体、三量体及び高級ポリマーが挙げられる。複素環基Arとして、N、O及びSから選ばれた1個以上のヘテロ原子を含む、4〜10個の原子を夫々含む1個以上の環を含む複素環が挙げられる。好適な単環式複素環芳香族基の例として、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン及びプリンが挙げられる。好適な多核複素環基Arとして、例えば、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジピリジル、シノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン及びフェナントロリンが挙げられる。夫々の芳香族基(Ar)は全ての基(Ar)が同じであり、又は異なるように独立に選ばれてもよい。好ましい多核炭素環芳香族基はナフタレンである。多環式複素環が単環式複素環よりも好ましい。好ましい複素環芳香族基はキノリンである。
【0028】
夫々の芳香族基Arは独立に置換されていなくてもよく、又はH、−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−(L−(Ar)−T)、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R〔式中、wは0〜3であり、夫々のZは独立にO、−N(R又はSであり、x及びyは独立に0又は1であり、夫々のRは独立にH又は必要により−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R(式中、w、x、y及びZは先に定義されたとおりであり、Rは1〜約200個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)から選ばれた一つ以上の基で一置換又は多置換されていてもよい、1〜約200個の炭素原子を有する線状又は分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、かつTは末端基である〕から選ばれた1〜6個の基により置換されていてもよい。芳香族基(Ar)の少なくとも60%がH以外の前記置換基の少なくとも一つで置換されていることが好ましい。オリゴマーは置換されて約0.10:1から約40:1まで、好ましくは約0.10:1から約15:1まで、最も好ましくは約4:1から約7:1までである脂肪族炭素の合計数対芳香族環原子の合計数の比を与える必要がある。
【0029】
夫々の結合基(X)は同じであってもよく、また異なっていてもよく、隣接部分Arの炭素原子間の炭素−炭素単結合、又は結合基であってもよい。好適な結合基として、アルキレン結合、例えば、−R−、エーテル結合、例えば、−O−、−O(R)−、−O−((R)−O)−及び−((R)−O)−(R)−;−(CO)−、−(CO)−(R)−、−(CO)−((R)−(CO))、−(CO)−((R)−(CO))−(R)−及び−((R)−(CO))−(R)−を含む、アシル結合;エステル結合、例えば、−(CO)−、−(CO)−R)−、−(CO)−((R)−(CO))−、−(CO)−((R)−(CO))−(R)−、−((R)−(CO−(R)−、−(OCO)−(R)−、−(OCO)−((R)−(OCO))−、及び−(OCO)−((R)−(CO))−;−(COCO)−、−(R)−(COCO)−及び−(R)−(COCO)−(R)−を含む、酸無水物結合;エーテル−アシル結合、例えば、−O−(R)−(CO)−、−(R)−O−(R)−(CO)−、−O−(R)−(CO)−(R)−及び−(R)−O−(R)−(CO)−(R)−;エーテル−エステル結合、例えば、−O−(R)−(CO)−、−(R)−O−(R)−(CO)−、−O−(R)−(CO)−(R)−、−(R)−O−(R)−(CO)−(R)−、−O−(R)−(OCO)−、−(R)−O−(R)−(OCO)−、−O−(R)−(OCO)−(R)−、及び−(R)−O−(R)−(OCO)−(R)−;−(CO)−(R)−(CO)−、−(R)−(CO)−(R)−(CO)−、−(CO)−(R)−(CO)−(R)−、−(R)−(CO)−(R)−(CO)−(R)−、−(CO)−(R)−(OCO)−、−(R)−(CO)−(R)−(OCO)−、−(CO)−(R)−(OCO)−(R)−、及び−(R)−(CO)−(R)−(OCO)−(R)−を含む、アシル−エステル結合;アミノ結合、例えば、−N(R)−、−N(R)−(R)−、−N(R)−((R)−N(R))−、及び−((R)−N(R))−(R)−;アミド結合、例えば、−N(R)−(CO)−、−N(R)−(CO)−(R)−(CO)−N(R)−、−(CO)−N(R)−(R)−N(R)−(CO)−、−(CO)−N(R)−(R)−(CO)−N(R)−、−(R)−N(R)−(CO)−(R)−(CO)−N(R)−(R)−、−(R)−(CO)−N(R)−(R)−N(R)−(CO)−(R)−及び−(R)−(CO)−N(R)−(R)−(CO)−N(R)−(R)−;カルバミド結合、例えば、−N(R)−(CO)−N(R)−、−(R)−N(R)−(CO)−N(R)−、−(R)−N(R)−(CO)−N(R)−(R)−;−N(R)−(CO)−、−(R)−N(R)−(CO)−、−N(R)−(CO)−(R)−、及び−(R)−N(R)−(CO)−(R)−を含む、ウレタン結合;
【0030】
並びに硫黄結合、例えば、−S−、−(R)−S−、−(R)−S−(R)−、−SO−、−(R)−SO−、−SO−〔(R)−SO−、−SO−〔(R)−SO−(R)−及び−〔(R)−SO−(R)−が挙げられ、式中、Rは先に定義されたとおりであり、夫々のRは独立に必要によりOR、N(R、F、Cl、Br、I、S(O)、(CZ)−(Z)−R、(Z)−(CZ)−R(式中、w及びZは先に定義されたとおりである)で一置換又は多置換されていてもよい、1個〜約100個の炭素原子、更に好ましくは1個〜約30個の炭素原子、最も好ましくは1個〜約10個の炭素原子を有する線状又は分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、aは約1から約40までであり、bは1又は2であり、cは約1から約8までであり、かつdは約1から約3までである。
好ましい結合基はアルキレン結合、例えば、−CHCHC(CH、又は−C(CH−;ジアシル結合、例えば、−COCO−又は−CO(CHCO−;及び硫黄結合、例えば、−S−又は−S−である。芳香族基(Ar)がOH置換基で置換されている場合、好ましい結合基は−CH−である。結合部分(L)中の脂肪族原子及び芳香族炭素原子の数はオリゴマーについて脂肪族炭素対芳香族炭素の比を計算する場合に含まれる。
夫々の末端基(T)は独立にH、OR、−N(R、F、Cl、Br、I、S(O)、(CZ)−(Z)−R又は−(Z)−(CZ)−R(式中、R、w、x、y及びZは先に定義されたとおりである)から選ばれる。
【0031】
式Iの化合物の生成方法は当業者に明らかであるべきである。芳香族基Arは結合の前又はそれに続いて、例えば、アルキル化により置換されてもよい。式Iのオリゴマーを生成するために、個々の芳香族基Arはポリハロゲン化(好ましくはジハロゲン化)炭化水素(例えば、1,4−ジクロロブタン、2,2−ジクロロプロパン等)、又はジオレフィンもしくはポリオレフィン(例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン等)と反応させられてアルキレン結合基を有する式Iの化合物を生じ得る。芳香族基Arとケトン又はアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アセトン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等)の反応はアルキレン結合化合物を与える。アシル結合化合物は芳香族基Arをジ酸又は酸無水物(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、無水コハク酸等)と反応させることにより生成し得る。スルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルフィニル結合及びスルホニル結合は芳香族基Arを好適な2官能性硫化剤(例えば、一塩化硫黄、二塩化硫黄、塩化チオニル(SOCl)、塩化スルフリル(SOCl)等)と反応させることにより得られる。
【0032】
アルキレンエーテル結合を有する式Iの化合物を得るために、ヒドロキシ置換芳香族基Arがジハライド(例えば、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジヨードプロパン、1,6−ジクロロヘキサン等)と反応させられる。Xが直接炭素−炭素結合である式Iのオリゴマーは、例えば、P. Kovacicら, J. Polymer Science: Polymer Chem. Ed., 21, 457 (1983)により記載されたように、塩化アルミニウムと塩化第一銅の混合物を使用する酸化カップリング重合により生成し得る。また、このようなオリゴマーは、例えば、“セシウム/ナノ多孔質カーボン触媒による接触ベンゼンカップリング”, M.G. Stevens, K.M. Sellers, S. Subramoney及びH.C. Foley, Chemical Communications, 2679−2680 (1988)に記載されたように芳香族基Arとアルカリ金属を反応させることにより生成し得る。式Iの置換芳香族オリゴマーの重合度は2から約1,000まで(1から約998までのnの値に相当する)、好ましくは約5から約200まで、最も好ましくは約10から約50までである。
式Iの新規化合物として、夫々のArが独立に必要によりH、−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−(L−(Ar)−T)、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R〔式中、wは0〜3であり、夫々のZは独立にO、−N(R又はSであり、x及びyは独立に0又は1であり、かつ夫々のRは独立にH、メチル、エチル、プロピル又は必要により−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R(式中、w、x、y、T、R及びZは先に定義されたとおりである)から選ばれた一つ以上の基で一置換又は多置換されていてもよい、3〜200個の炭素原子を有する分岐ヒドロカルビル基である〕から選ばれた1〜4個の置換基により置換されていてもよい芳香族基を表す化合物が挙げられる。
【0033】
すす誘発増粘の適切な調節のために、高分子量分散剤は完成潤滑剤の合計質量を基準として、5〜12質量%の量で通常添加される。これらの分散剤は典型的には約1重量%の窒素含量を有する。こうして、典型的な潤滑剤組成物は分散剤からの約0.10重量%から約0.12重量%までの窒素を含むであろう。対照的に、約0.005〜10重量%(好ましくは約0.1〜約5重量%、更に好ましくは約0.5〜約2重量%)の式Iのオリゴマーを含む完成潤滑剤はわずかに約2.5〜約9.5重量%、好ましくは約2〜3重量%の分散剤で匹敵するすす分散特性を与え、これは潤滑剤組成物にわずかに約0.025〜約0.095重量%、好ましくは約0.02〜約0.03重量%の窒素を添加する。一般に、式Iのオリゴマーの量の夫々0.5重量%の増加は必要とされる分散剤の量の2.5重量%までの減少を可能にし得る。本発明の好ましい潤滑油組成物は約0.008〜約0.32重量%の窒素を与える量の高分子量分散剤、及び潤滑油組成物の合計重量を基準として約0.005〜約10重量%の量の式Iのオリゴマーを含んでもよい。
【0034】
その他の添加剤成分
付加的な添加剤が本発明の組成物に混入されてそれらを特別な要件を満たすようにし得る。潤滑油組成物に含まれてもよい添加剤の例は洗剤、金属防錆剤、粘度指数改良剤、腐蝕抑制剤、酸化抑制剤、摩擦改質剤、その他の分散剤、消泡剤、耐磨耗剤及び流動点降下剤である。幾つかが以下に更に詳しく説明される。
金属含有洗剤又は灰形成洗剤は付着物を減少又は除去するための洗剤及び酸中和剤又は防錆剤の両方として作用し、それにより磨耗及び腐蝕を軽減し、エンジン寿命を延長する。洗剤は一般に長い疎水性尾部とともに極性ヘッドを含み、その極性ヘッドは酸性有機化合物の金属塩を含む。塩は実質的に化学量論量の金属を含んでもよく、その場合、それらは通常の塩又は中性塩と通常記載され、典型的には0から80までの全アルカリ価即ちTBN(ASTM D2896により測定し得るような)を有するであろう。多量の金属塩基が過剰の金属化合物(例えば、酸化物又は水酸化物)を酸性ガス(例えば、二酸化炭素)と反応させることにより混入し得る。得られる過塩基化洗剤は金属塩基(例えば、炭酸塩)ミセルの外層として中和された洗剤を含む。このような過塩基化洗剤は150以上のTBNを有してもよく、典型的には250から450以上までのTBNを有するであろう。
【0035】
使用し得る洗剤として、金属、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、及びマグネシウムの油溶性の中性及び過塩基化スルホネート、フェネート、硫化フェネート、チオホスホネート、サリチレート、及びナフテネート並びにその他の油溶性カルボキシレートが挙げられる。最も普通に使用される金属はカルシウム及びマグネシウム(これらは両方とも潤滑剤中に使用される洗剤中に存在してもよい)、並びにカルシウム及び/又はマグネシウムとナトリウムの混合物である。特に便利な金属洗剤は20〜450TBNのTBNを有する中性及び過塩基化カルシウムスルホネート、並びに50〜450のTBNを有する中性及び過塩基化カルシウムフェネート及び硫化フェネートである。洗剤(過塩基化もしくは中性又はその両方を問わない)の組み合わせが使用されてもよい。
スルホネートはスルホン酸(これらは典型的にはアルキル置換芳香族炭化水素、例えば、石油の分別から得られ、又は芳香族炭化水素のアルキル化により得られた炭化水素のスルホン化により得られる)から調製し得る。例として、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ジフェニル又はそれらのハロゲン誘導体、例えば、クロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタレンをアルキル化することにより得られたものが挙げられる。そのアルキル化は触媒の存在下で約3個から70個以上までの炭素原子を有するアルキル化剤を用いて行ない得る。アルカリールスルホネートはアルキル置換芳香族基当り約9個から約80個以上までの炭素原子、好ましくは約16個から約60個までの炭素原子を通常含む。
【0036】
油溶性スルホネート又はアルカリールスルホン酸は金属の酸化物、水酸化物、アルコキシド、炭酸塩、カルボキシレート、硫化物、水硫化物、硝酸塩、ホウ酸塩及びエーテルで中和されてもよい。金属化合物の量は最終製品の所望のTBNに関して選ばれるが、典型的には化学量論上必要とされる量の約100〜220重量%(好ましくは少なくとも125重量%)の範囲である。
フェノール及び硫化フェノールの金属塩は適当な金属化合物、例えば、酸化物又は水酸化物との反応により調製され、中性又は過塩基化生成物は当業界で公知の方法により得られてもよい。硫化フェノールはフェノールを硫黄又は硫黄含有化合物、例えば、硫化水素、モノハロゲン化硫黄もしくはジハロゲン化硫黄と反応させて、一般に2以上のフェノールが硫黄含有ブリッジによりブリッジされる化合物の混合物である生成物を生成することにより調製されてもよい。
【0037】
ジヒドロカルビルジチオホスフェート金属塩が耐磨耗剤及び酸化防止剤として頻繁に使用される。金属はアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、又はアルミニウム、鉛、スズ、モリブデン、マンガン、ニッケルもしくは銅であってもよい。亜鉛塩が潤滑油組成物の合計量を基準として、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜2重量%の量で潤滑油中に最も普通に使用される。それらは既知技術に従って最初に通常一種以上のアルコール又はフェノールとPの反応により、ジヒドロカルビルジチオリン酸(DDPA)を生成し、次いで生成されたDDPAを亜鉛化合物で中和することにより調製し得る。例えば、ジチオリン酸は一級アルコールと二級アルコールの混合物を反応させることによりつくられてもよい。また、一方のヒドロカルビル基が完全に二級の特性であり、他方のヒドロカルビル基が完全に一級の特性である場合、多種のジチオリン酸が調製し得る。亜鉛塩をつくるために、あらゆる塩基性又は中性の亜鉛化合物が使用し得るが、酸化物、水酸化物及び炭酸塩が最も一般に使用される。市販の添加剤は中和反応中の過剰の塩基性亜鉛化合物の使用のために過剰の亜鉛を頻繁に含む。
好ましい亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェートはジヒドロカルビルジチオリン酸の油溶性塩であり、下記の式:
【0038】
【化4】
Figure 2004522837
【0039】
(式中、R及びR’は1〜18個、好ましくは2〜12個の炭素原子を含み、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、アルカリール基及び脂環式基の如き基を含む同じ又は異なるヒドロカルビル基であってもよい)
により表し得る。2〜8個の炭素原子のアルキル基がR基及びR’基として特に好ましい。こうして、これらの基は、例えば、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、アミル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、2−エチルヘキシル、フェニル、ブチルフェニル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、プロペニル、ブテニルであってもよい。油溶性を得るために、ジチオリン酸中の炭素原子(即ち、R及びR’)の合計数は一般に約5以上であろう。それ故、亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェートは亜鉛ジアルキルジチオホスフェートを含み得る。本発明は組成物の合計重量を基準として、約0.02〜約0.12重量%、好ましくは約0.03〜約0.10重量%のリンレベルを含む潤滑剤組成物とともに使用される場合に特に有益であり得る。
【0040】
酸化抑制剤又は酸化防止剤は鉱油が使用中に劣化する傾向を軽減する。酸化劣化は潤滑剤中のスラッジ、金属表面上のワニス状の付着物、及び増粘により証明し得る。このような酸化抑制剤として、ヒンダードフェノール、好ましくはC−C12アルキル側鎖を有するアルキルフェノールチオエステルのアルカリ土類金属塩、カルシウムノニルフェノールスルフィド、油溶性フェネート及び硫化フェネート、リン硫化又は硫化炭化水素、リンエステル、金属チオカルバメート、米国特許第4,867,890号に記載された油溶性銅化合物並びにモリブデン含有化合物が挙げられる。
窒素に直接結合された少なくとも二つの芳香族基を有する芳香族アミンが酸化防止に頻繁に使用される化合物の別のクラスを構成する。これらの物質は少量で使用されてもよいが、本発明の好ましい実施態様はこれらの化合物を含まない。それらはわずかに少量、即ち、0.4重量%まで使用されることが好ましく、又は避けられることが更に好ましいが、このような量以外の量が組成物の別の成分からの不純物として生じるかもしれない。
【0041】
一つのアミン窒素に直接結合された少なくとも二つの芳香族基を有する典型的な油溶性芳香族アミンは6〜16個の炭素原子を含む。これらのアミンは二つより多い芳香族基を含んでもよい。二つの芳香族基が共有結合又は原子もしくは基(例えば、酸素原子もしくは硫黄原子、又は−CO−、−SO−もしくはアルキレン基)により結合されており、また二つが一つのアミン窒素に直接結合されている合計少なくとも三つの芳香族基を有する化合物が窒素に直接結合された少なくとも二つの芳香族基を有する芳香族アミンと考えられる。芳香族環は典型的にはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基、及びニトロ基から選ばれた一つ以上の置換基により置換されている。一つのアミン窒素に直接結合された少なくとも二つの芳香族基を有するあらゆるこのような油溶性芳香族アミンの量は活性成分の0.4重量%を超えないことが好ましい。
【0042】
好適な粘度改質剤の代表例はポリイソブチレン、エチレンとプロピレンのコポリマー、ポリメチルメタクリレート、メタクリレートコポリマー、不飽和ジカルボン酸とビニル化合物のコポリマー、スチレンとアクリルエステルの共重合体、並びにスチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン、及びイソプレン/ブタジエンの部分水添コポリマーだけでなく、ブタジエンとイソプレンの部分水添ホモポリマーである。
最終油のその他の成分と相溶性である摩擦改質剤及び燃費改良剤がまた含まれてもよい。このような物質の例として、高級脂肪酸のグリセリルモノエステル、例えば、グリセリルモノ−オレエート;ジオールとの長鎖ポリカルボン酸のエステル、例えば、二量体化不飽和脂肪酸のブタンジオールエステル;オキサゾリン化合物;並びにアルコキシル化アルキル置換モノ−アミン、ジアミン及びアルキルエーテルアミン、例えば、エトキシル化牛脂アミン及びエトキシル化牛脂エーテルアミンが挙げられる。
【0043】
粘度指数改良剤分散剤は粘度指数改良剤及び分散剤の両方として作用する。粘度指数改良剤分散剤の例として、アミン、例えば、ポリアミンとヒドロカルビル置換モノカルボン酸又はジカルボン酸(そのヒドロカルビル置換基は粘度指数改良特性を化合物に付与するのに充分な長さの鎖を含む)との反応生成物が挙げられる。一般に、粘度指数改良剤分散剤は、例えば、ビニルアルコールのC−C24不飽和エステルもしくはC−C10不飽和モノカルボン酸又はC−C10ジカルボン酸と4〜20個の炭素原子を有する不飽和窒素含有モノマーのポリマー;C−C20オレフィンとアミン、ヒドロキシアミン又はアルコールで中和された不飽和C−C10モノカルボン酸又はジカルボン酸とのポリマー;又はC−C20不飽和窒素含有モノマーをグラフト化することにより、又は不飽和酸をポリマー主鎖にグラフト化し、次いでグラフト化された酸のカルボン酸基をアミン、ヒドロキシアミン又はアルコールと反応させることにより更に反応させられたエチレンとC−C20オレフィンのポリマーであってもよい。
流動点降下剤(それ以外に潤滑油流動性改良剤(LOFI)として知られている)は流体が流れ、又は注入し得る最低温度を低下する。このような添加剤は公知である。流体の低温流動性を改良する添加剤の典型的なものはC−C18ジアルキルフマレート/酢酸ビニルコポリマー、及びポリメタクリレートである。泡制御はポリシロキサン型の消泡剤、例えば、シリコーンオイル又はポリジメチルシロキサンにより与えられる。
【0044】
上記添加剤の幾つかは複数の効果を与え得る。こうして、例えば、単一添加剤が分散剤−酸化抑制剤として作用し得る。このアプローチは公知であり、本明細書で更に説明される必要はない。
本発明において、ブレンドの粘度の安定性を維持する添加剤を含むことが必要であるかもしれない。こうして、極性基含有添加剤が前ブレンド段階で好適に低い粘度を達成するが、或る組成物が延長期間にわたって貯蔵された場合に粘度を増大することが観察された。この増粘を調節するのに有効である添加剤は先に開示されたような無灰分散剤の調製に使用されるモノカルボン酸もしくはジカルボン酸又は酸無水物との反応により官能化された長鎖炭化水素を含む。
潤滑組成物が一種以上の上記添加剤を含む場合、夫々の添加剤は典型的には添加剤がその所望の作用を与えることを可能にする量でベースオイルにブレンドされる。
添加剤を含む一種以上の添加剤濃厚物(濃厚物は時々添加剤パッケージと称される)を調製することが必須ではないが、望ましいかもしれず、それにより数種の添加剤が油に同時に添加されて潤滑油組成物を生成し得る。
最終の潤滑剤組成物は5〜25質量%、好ましくは5〜18質量%、典型的には10〜15質量%の濃厚物を使用してもよく、残部は潤滑粘度の油である。
潤滑組成物が上記添加剤の一種以上を含む場合、夫々の添加剤は典型的には添加剤がその所望の作用を与えることを可能にする量でベースオイルにブレンドされる。このような添加剤の代表的な有効量が、クランクケース潤滑剤中に使用される場合に、以下にリストされる。リストされる全ての値は活性成分の質量%として記載される。
【0045】
【表1】
Figure 2004522837
【0046】
本明細書に表される全ての重量%(特に示されない限り)は添加剤の活性成分(A.I.)含量、及び/又はあらゆる添加剤パッケージ、もしくは配合物(これは夫々の添加剤のA.I.重量+合計の油又は希釈剤の重量の合計であろう)の合計重量を基準とする。
本発明が以下の実施例を参考として更に理解され、実施例中、全ての部数は特に注意されない限り重量部である。
【0047】
(実施例)
合成実施例A
ナフタレンのアルキル化
約0.4モル(51.2g)のナフタレン、1.0モル(252g)の1−オクタデセン、及びヘプタン200mlを反応フラスコに仕込む。三フッ化ホウ素約2gをその液体に吹き込み、窒素雰囲気下で撹拌した。次いで反応フラスコを40℃に加熱してナフタレンを溶解した。その温度を100℃に上昇し、反応混合物をこの温度で1時間にわたってソーキングした。次いで反応混合物を水酸化アンモニウム溶液で反応停止した。有機層を分離し、乾燥させ、真空下で200℃でストリッピングした。C13 NMR分析はモノアルキル化ナフタレンとジアルキル化ナフタレンの混合物を示した。反応スキームを以下に示す。
【0048】
【化5】
Figure 2004522837
【0049】
合成実施例B
アルキル化ナフタレンの結合
塩化メチレン200ml中のドデシルナフタレン(29.6g、0.10モル)を500mlの丸底フラスコに仕込んだ。そのドデシルナフタレンを合成実施例Aに記載された様式と同様の様式でナフタレン及びドデセンから誘導した。その溶液を撹拌しながら乾燥窒素のシールのもとに5℃に冷却した。無水塩化アルミニウム(14.7g)をその溶液に添加した。塩化メチレン150ml中の塩化アジポイル(15.2g、0.08モル)の溶液を30分間にわたって滴下して添加し、その混合物を5℃で1時間撹拌した。次いでその混合物を2時間にわたって室温に徐々に温めた。続いてその混合物を氷200gに注いだ。有機層を分離ロート中で分離し、水、5%の重炭酸ナトリウム水溶液で連続して洗浄し、ロータリーエバポレーターでストリッピングして生成物22.5g(62%)を得た。生成物の赤外スペクトルは共役芳香族ケトンの特徴の強い吸収を1676cm−1で示した。C13−NMRと対にされた、ゲル透過クロマトグラフィーは生成物が三量体であることを示した。その反応スキームを以下に示す。
【0050】
【化6】
Figure 2004522837
【0051】
合成実施例C
キノリンのアルキル化
約1.0モル(129g)のキノリン及び1.0モル(252g)のオクタデセンを反応フラスコに仕込む。エンゲルハード・ケミカルズから得られた酸性クレーである、F−20X約20gを反応フラスコに添加し、その反応混合物を窒素雰囲気下で撹拌しながら180℃に徐々に加熱する。次いでその反応混合物をこの温度で4時間にわたってソーキングする。その反応混合物をヘプタン中で希釈し、濾過して固体触媒を分離する。次いでそのヘプタン溶液を窒素雰囲気下で100℃で一定重量までストリッピングする。得られた生成物はGC分析により示されるように一置換/二置換の混合物である。二置換生成物を主成分であると所望する場合、過剰のオレフィンを使用し得る。その反応スキームを以下に示す。
【0052】
【化7】
Figure 2004522837
【0053】
合成実施例D
アルキル化キノリンの結合
塩化メチレン200ml中のオクタデシルキノリン約38.1g(0.1モル)を500mlの丸底フラスコに仕込んだ。その溶液を撹拌しながら乾燥窒素のシールのもとに5℃に冷却した。無水塩化アルミニウム(14.7g)をその溶液に添加した。塩化メチレン150ml中の塩化アジポニル(15.2g、0.08モル)の溶液を30分間にわたって滴下して添加し、その混合物を5℃で1時間撹拌した。次いでその混合物を2時間にわたって室温に徐々に温めた。続いてその混合物を氷200gに注いだ。有機層を分離ロート中で分離し、水及び5%の重炭酸ナトリウム水溶液で連続して洗浄し、ロータリーエバポレーターでストリッピングして生成物22.5g(62%)を得た。生成物の赤外スペクトルは共役芳香族ケトンの特徴の強い吸収を1676cm−1で示した。ゲル透過クロマトグラフィーは生成物が鎖当り平均で三つのアルキルキノリン単位を含むことを示した。その反応スキームを以下に示す。
【0054】
【化8】
Figure 2004522837
【0055】
実施例1
すす誘発増粘を調節する組成物の能力、ひいては、すすを懸濁状態に維持する組成物の能力はベンチ試験、例えば、ハークカーボンブラック試験を使用して測定し得る。ハークカーボンブラック試験は配合油を得るのにベースオイルと添加剤成分のブレンドを伴う。次いでカーボンブラック粉末を配合油に添加し、サンプルを一夜ブレンドする。次いでカーボンブラック分散液の粘度を0.1秒−1〜30秒−1のせん断速度の範囲にわたってハークレオメーター中で測定する。典型的には、0.26秒−1及び0.45秒−1のせん断速度における粘度を比較のために使用する。
洗剤、酸化防止剤、耐磨耗剤及び4重量%(2%AI)の高分子量PIBSA−PAM分散剤を含む配合油を使用して、分散剤ブースターとしての本発明の結合芳香族オリゴマーの性能をハークレオメーター中で試験した。高分子量PIBSA−PAM分散剤を約2200の分子量、及び約1.1のコハク酸化比を有するPIBSAから誘導した。配合油を4.76%のカーボンブラックレベルで試験した。1重量%及び2重量%の結合芳香族オリゴマー添加剤を含む配合油による結果を夫々図1及び図2に示す。結合芳香族オリゴマー添加剤は合成実施例Bに記載されたC12アルキル化ナフタレンと塩化アジポニルのフリーデルクラフト反応の反応生成物であった。比較のために、同様の未結合アルキル化ナフタレンを1重量%及び2重量%で含む配合物、並びに4重量%(2%AI)の高分子量分散剤を含む配合物をまた試験した。図1及び図2に示された結果は、(A)4重量%(2%AI)の高分子量分散剤及び1又は2重量%のアルキル化ナフタレンを含む配合物並びに(B)4重量%(2%AI)の高分子量分散剤のみを含む配合物と比較した場合に、本発明の4重量%(2%AI)の高分子量分散剤及び少量(1又は2重量%)の結合芳香族オリゴマーを含む配合物におけるすす誘発増粘の優れた調節(少なくとも70%の粘度の低下)を明らかに実証する。
【0056】
本明細書に記載された全ての特許、物品及びその他の物質の開示は参考としてこの明細書にそのまま含まれる。本発明の原理、好ましい実施態様及び操作の様式が以上の明細書に記載された。しかしながら、本件出願人が提示するのはそれらの発明であるが、開示された特別な実施態様に限定されると見なされるべきではない。何とならば、開示された実施態様は限定ではなく例示と見なされるからである。変化が本発明の精神から逸脱しないで当業者によりなされるかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
高分子量分散剤を含む配合潤滑油;高分子量分散剤と本発明の1重量%のアルキル化、結合芳香族オリゴマーの組み合わせを含む配合潤滑油;及び高分子量分散剤と1重量%の比較の未結合アルキル化芳香族化合物の組み合わせを含む配合潤滑油における、ハークカーボンブラック試験を使用して測定された、すす誘発増粘をグラフで比較する。
【図2】
高分子量分散剤を含む配合潤滑油;高分子量分散剤と本発明の2重量%のアルキル化、結合芳香族オリゴマーの組み合わせを含む配合潤滑油;及び高分子量分散剤と1重量%の比較の未結合アルキル化芳香族化合物の組み合わせを含む配合潤滑油における、ハークカーボンブラック試験を使用して測定された、すす誘発増粘をグラフで比較する。

Claims (15)

  1. 多量の潤滑粘度の油、少量の高分子量の、窒素含有分散剤、及び少量の式:
    Figure 2004522837
    のオリゴマーを含むことを特徴とする潤滑油組成物。
    〔式中、
    夫々のArは独立に多核炭素環基、単核複素環基及び多核複素環基から選ばれた芳香族基を表し、前記芳香族基は必要によりH、−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−(L−(Ar)−T)、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R〔式中、wは0〜3であり、夫々のZは独立にO、−N(R又はSであり、x及びyは独立に0又は1であり、かつ夫々のRは独立にH又は必要により−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R(式中、w、x、y及びZは先に定義されたとおりであり、かつRは1〜約200個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)から選ばれた一つ以上の基で一置換又は多置換されていてもよい、1〜約200個の炭素原子を有する線状又は分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基である〕から選ばれた1〜6個の置換基により置換されていてもよく、
    夫々のLは独立に炭素−炭素単結合又は結合基を含む結合部分であり、
    夫々のTは独立にH、OR、N(R、F、Cl、Br、I、−S(O)、(CZ)−(Z)−R又は(Z)−(CZ)−R(式中、R、w、x、y及びZは先に定義されたとおりである)であり、かつ
    nは2〜約1000であり、
    芳香族基(Ar)の少なくとも25%が少なくとも2個の結合部分(L)に連結され、かつオリゴマー中の脂肪族炭素原子の合計数対芳香族基(Ar)中の芳香族環原子の合計数の比は約0.10:1から約40:1までである〕
  2. オリゴマー中の脂肪族炭素原子の合計数対芳香族基(Ar)中の芳香族環原子の合計数の前記比が約4:1から約7:1までである請求項1記載の潤滑油組成物。
  3. 芳香族基(Ar)の少なくとも60%が置換されている請求項1記載の潤滑油組成物。
  4. ヒドロカルビル基R及びRが1個から約30個までの炭素原子を有する請求項1記載の潤滑油組成物。
  5. 前記結合部分(L)の夫々が独立にアルキレン結合、エーテル結合、エステル結合、酸無水物結合、エーテル−アシル結合、エーテルエステル結合、アシル−エステル結合、アミノ結合、アミド結合、カルバミド結合、ウレタン結合及び硫黄結合から選ばれ、結合基の夫々が必要によりOR、N(R、F、Cl、Br、I、S(O)、(CZ)−(Z)−R又は(Z)−(CZ)−R(式中、w、Z及びRは請求項1に定義されたとおりである)で一置換又は多置換されていてもよい請求項1記載の潤滑油組成物。
  6. 前記結合部分がアルキレン結合−CHCHC(CH−及び−C(CH−、ジアシル結合−COCO−及び−CO(CHCO−、並びに硫黄結合−S−及び−S−から選ばれる請求項5記載の潤滑油組成物。
  7. 芳香族基(Ar)がナフタレン及びキノリンから選ばれる請求項1記載の潤滑油組成物。
  8. 前記高分子量分散剤が約0.008重量%から約0.32重量%までの窒素を与える量で存在し、かつ前記オリゴマーが潤滑油組成物の合計重量に基づいて約0.005重量%から約10重量%までの量で存在する請求項1記載の潤滑油組成物。
  9. 下記式で表されるのオリゴマー。
    Figure 2004522837
    〔式中、
    夫々のArは独立に多核炭素環基、単核複素環基及び多核複素環基から選ばれた芳香族基を表し、前記芳香族基は必要によりH、−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−(L−(Ar)−T)、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R〔式中、wは0〜3であり、夫々のZは独立にO、−N(R又はSであり、x及びyは独立に0又は1であり、かつ夫々のRは独立にH、メチル、エチル、プロピル又は必要により−OR、−N(R、F、Cl、Br、I、−S(O)、−(CZ)−(Z)−R及び−(Z)−(CZ)−R(式中、w、x、y及びZは先に定義されたとおりである)から選ばれた一つ以上の基で一置換又は多置換されていてもよい、3〜200個の炭素原子を有する分岐ヒドロカルビル基である〕から選ばれた1〜6個の置換基により置換されていてもよく、
    夫々のLは独立に炭素−炭素単結合又は結合基を含む結合部分であり、
    夫々のTは独立にH、OR、N(R、F、Cl、Br、I、S(O)、(CZ)−(Z)−R又は(Z)−(CZ)−R(式中、R、w、x、y及びZは先に定義されたとおりである)であり、かつ
    nは2〜約1000であり、
    芳香族基(Ar)の少なくとも25%が少なくとも2個の結合部分(L)に連結され、かつオリゴマー中の脂肪族炭素原子の合計数対芳香族基(Ar)中の芳香族環原子の合計数の比は約0.10:1から約40:1までである〕
  10. オリゴマー中の脂肪族炭素原子の合計数対芳香族基(Ar)中の芳香族環原子の合計数の前記比が約4:1から約7:1までである請求項9記載のオリゴマー。
  11. 芳香族基(Ar)の少なくとも60%が置換されている請求項9記載のオリゴマー。
  12. ヒドロカルビル基R及びRが1個から約30個までの炭素原子を有する請求項9記載のオリゴマー。
  13. 前記結合部分(L)の夫々が独立にアルキレン結合、エーテル結合、エステル結合、酸無水物結合、エーテル−アシル結合、エーテルエステル結合、アシル−エステル結合、アミノ結合、アミド結合、カルバミド結合、ウレタン結合及び硫黄結合から選ばれ、結合基の夫々が必要によりOR、N(R、F、Cl、Br、I、S(O)、(CZ)−(Z)−R又は(Z)−(CZ)−R(式中、w、Z及びRは請求項1に定義されたとおりである)で一置換又は多置換されていてもよい請求項9記載のオリゴマー。
  14. 前記結合部分がアルキレン結合−CHCHC(CH−及び−C(CH−、ジアシル結合−COCO−及び−CO(CHCO−、並びに硫黄結合−S−及び−S−から選ばれる請求項13記載のオリゴマー。
  15. 芳香族基(Ar)がナフタレン及びキノリンから選ばれる請求項9記載のオリゴマー。
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