JP2004522803A - インターフェロン製剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、インターフェロン組成物、例えば医薬インターフェロン組成物、およびそれらの調製方法に関する。特にそれは、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含む安定化組成物に関する。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、インターフェロン組成物、例えば医薬インターフェロン組成物、およびそれらの調製方法に関する。特にそれは、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含む安定化組成物に関する。
【0002】
発明の背景
インターフェロンは、抗ウィルス、抗増殖、および免疫調節活性を特徴とする重要なサイトカインである。これらの活性は、肝炎、種々の癌および多発性硬化症を含む多数の疾患においてみられる臨床上の有用性の基盤となる。インターフェロンはタイプIおよびタイプIIクラスに分けられる。タイプIインターフェロンにはインターフェロンα、ベータ、τ、およびωが含まれ、他方インターフェロンγは別個のタイプIIクラスの唯一の既知のメンバーである。インターフェロンは、AggarwallおよびGuttermanより、Human Cytokines, Vol I, Blackwell Science, Inc. 1996において概説される。
インターフェロンベータおよび変異体およびその結合体は、WO 01/15736およびPCT/DK02/00128に開示され、それらの内容は引用により本明細書に含まれる。
【0003】
インターフェロンガンマはTリンパ球およびナチュラルキラー細胞より産生され、二つの非共有結合ポリペプチドサブユニットのホモ二量体として存在する。各単量体の成熟形態は143アミノ酸残基を含み(配列番号:2に記載)、シグナル配列を含むそれらの前駆体型は166アミノ酸残基を含む(配列番号:3に記載)。
各サブユニットは、25位および97位に二つのN-グリコシル化可能部位を有する(Aggarwal et al., Human Cytokines, Blackwell Scientific Publications, 1992)。グリコシル化の程度に依存して、二量体型のインターフェロンガンマの分子量は34-50kDaである(Farrar et al., Ann. Rev. Immunol, 1993, 11:571-611)。
野生型ヒトインターフェロンの一次配列は、Gray et al. (Nature 298:859-863, 1982)、Taya et al. (EMBO J. 1:953-958, 1982)、Devos et al. (Nucleic Acids Res. 10:2487-2501, 1982)およびRinderknecht et al. (J. Biol. Chem. 259:6790-6797, 1984)により、並びにEP 77 670、EP 89 676およびEP 110 044において報告された。
インターフェロンガンマ変異体およびその結合体はWO 01/36001に記載され、その内容は引用により本明細書に含まれる。
【0004】
X線結晶学により測定された野生型ヒトインターフェロンガンマの実験的三次元構造は、Ealickら(Science 252:698-702 (1991))により報告されており、彼らはインターフェロンガンマホモ二量体のC-アルファトレースについて報告した。Walterらは(Nature 376:230-235 (1995))、可溶性インターフェロンガンマ受容体二分子と複合体を形成しているインターフェロンガンマホモ二量体の構造を示した。しかしながらこの構造の座標は公にされていない。Thielらは(Structure 8:927-936 (2000))、可溶性インターフェロンガンマ受容体二分子と複合体を形成し、インターフェロンガンマホモ二量体と相互作用しない構造で第三の受容体分子を有するインターフェロンガンマホモ二量体の構造を示した。
【0005】
医薬化合物として、組換えヒトインターフェロンガンマは、とりわけいくつかのウィルス感染および腫瘍に対してある程度成功して使用されている。組換えヒトインターフェロンガンマは、通常非経口により、好ましくは皮下注射により適用可能である。
インターフェロンの医薬製品への製剤化に関して認識されている問題の一つは、インターフェロンポリペプチドの凝集である。この問題は、例えばWO 98/28007、WO 99/15193およびWO 01/24814に記載されるような様々な安定剤を使用することにより解決することが試みられている。市販のインターフェロンベータ製品は、ヒト血清アルブミンにより安定化されている。
【0006】
発明の簡単な説明
本発明に従い、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を安定化剤として含有する医薬組成物を含む新規なインターフェロンが提供される。
すなわち、第一の局面として、本発明はインターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する安定化医薬組成物に関する。
「インターフェロンポリペプチド」なる用語は、例えばAggarwel and Gutterman(前掲)により規定されるようなインターフェロン活性を示すポリペプチドを意味する。
インターフェロンポリペプチドは、典型的にはインターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンオメガ、インターフェロンタウ、インターフェロンイプシロン、およびインターフェロンガンマより選択される。
【0007】
更なる局面において本発明は、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有するプライマリープロダクト容器に関する。
更なる局面において本発明は、医薬組成物に製剤化されたインターフェロンポリペプチドの安定性を上昇させるための方法に関し、該方法は該組成物にスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体および任意で緩衝化剤を組み込むことを含む。
更なる局面において本発明は、哺乳類にインターフェロン治療を受けさせる方法に関し、この方法はインターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する組成物を治療上有効な量投与することを含む。
更なる局面において本発明は、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する医薬組成物に関する。
更なる局面において本発明は、疾患または障害を処置するための医薬を製造するためのインターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する組成物の使用に関する。
【0008】
インターフェロンポリペプチドがインターフェロンアルファもしくはインターフェロンベータ、またはその変異体もしくは結合体の場合、本発明は、いずれかの適した動物、好ましくは哺乳類、特にヒトにおける、ほとんどのタイプのウィルス感染、癌または腫瘍もしくは腫瘍血管新生、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギランバレー症候群、神経膠腫、特発性肺繊維症、細胞増殖異常を処置するための、または免疫調節のための組成物および方法を提供する。例えば、本発明の組成物は、骨肉腫、基底細胞癌、卵巣癌、子宮頚部異形成、子宮癌、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、黒色腫、乳癌、非小細胞肺癌、悪性黒色腫(免疫賦活、後期、および予防的)、カルチノイド腫瘍、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、濾胞リンパ腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、再発性表在性膀胱癌、直腸癌、有毛細胞白血病、およびパピローマウィルス、ウィルス性肝炎、陰部ヘルペス、帯状疱疹、疱疹性角膜炎、単純疱疹、ウィルス性脳炎、サイトメガロウィルス肺炎、ライノウィルス慢性持続性肝炎、慢性活動性HCV(タイプI)、慢性活動性HCV(タイプII)並びに慢性B型肝炎のようなウィルス感染の処置に使用することができる。特に本発明のポリペプチドまたは組成物は、多発性硬化症(MS)、例えば通常認識される4つのタイプのMSのいずれか (良性、再発寛解型MS(RRMS)、一次進行型MS(PPMS)および二次進行型MS (SPMS)、および単一症候性MS)、癌または腫瘍、肝炎、例えばB型肝炎およびC型肝炎、またはヘルペス感染に使用できる(後者の処置は任意にIL-10処置と組み合わせることができる)。
【0009】
インターフェロンポリペプチドがインターフェロンガンマまたはその変異体もしくは結合体の場合、本発明の組成物は、WO 01/36001に記載される医学的適応のいずれか、特に間質性肺疾患、とりわけ特発性肺繊維症の処置に使用できる。インターフェロンガンマは間質性肺炎(IPF)の処置に提案されており、本目的ではインターフェロンガンマはプレドニゾロンと組み合わせて使用できる。IPFに加えて、肉芽腫性疾患、ある種の舞妓場クリア感染、腎臓癌、骨石化症、強皮症、B型肝炎、C型肝炎、敗血性ショック、および慢性関節リウマチが、インターフェロンガンマによって処置できる。
【0010】
更なる局面において本発明は、本発明に係る組成物を含むキットに関する。
【0011】
発明の詳細な説明
「安定化」なる用語は、組成物の保存安定性がスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有しない組成物と比較して上昇していることを意味する。例えば、保存安定性の上昇は、そのまま保存されるか、または凍結状態で保存され使用前に解凍される液体製剤、後に使用前に液体形態へと再構成するための乾燥形態、例えば凍結乾燥、噴霧乾燥、または空気乾燥形態、例えば肺または鼻送達を意図した固体形態、および/または他の形態、例えば特別な薬物送達系のために作られたもの(例えばマイクロスフィア等)において観察される。保存安定性の上昇は、典型的には同じ保存状態に置いた場合に参照組成物と比較したときの生物活性の上昇の観点から測定する。上昇した保存安定性は、物理的および/または化学的安定性を含むことを意味する。
【0012】
「生物活性」なる用語は、適したアッセイで決定したインビトロまたはインビボ生物活性を意味する。例えば、生物活性は、抗ウィルス活性、抗増殖活性、免疫調節活性、受容体結合/活性化活性などの観点から、対象のインターフェロンポリペプチドに適切な当業界に知られた方法に従い測定できる。
スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体が、保存中に凝集体を形成するインターフェロンポリペプチドに対して著しい安定化活性を有することが知られている。それゆえ本発明は、そのようなインターフェロンポリペプチドの安定化のための具体的用途を見出す。また、他の理由で、例えば保存中の化学的または他の物理的分解の結果として、保存中に活性を失うインターフェロンポリペプチドを、本発明に従い従い安定化できる。
【0013】
「凝集体形成」なる用語は、結果としてオリゴマーを形成するインターフェロンポリペプチド間の物理的相互作用を意味する。凝集体形成は、生物活性の減少または失活までも、さらに/あるいは免疫原性の増加をもたらすので、ほとんどの場合望ましくない。本発明の組成物が液体組成物の場合、凝集体は可溶性のままであるか、または溶液から沈殿する大きな可視的凝集体の形態であり得る。組成物が乾燥形態の場合、凝集体はその調製中に形成され、最終的に粗悪な製剤となり得る。このような凝集体形成は、目視検査によって測定可能か、またはいずれかの適した分光光度装置で測定可能である。
【0014】
インターフェロンポリペプチド
本発明は、天然資源(例えばヒトリンパ球または繊維芽細胞)から単離されるインターフェロン、組換え手法により製造された天然または変異体インターフェロン、および化学的合成インターフェロンを含むすべてのタイプのインターフェロンに一般的に適用可能である。例えば、インターフェロンポリペプチドは、例えばインターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンオメガ、インターフェロンタウ、インターフェロンイプシロン、およびインターフェロンガンマよりなる群から選択されるタイプIインターフェロンまたはタイプIIインターフェロンであってよいが、これらに限定されるものではない。
インターフェロンポリペプチドは、自然界に見られるもの(野生型インターフェロン)のアミノ酸配列を有していてもよく、またはそのような野生型インターフェロンの変異体であってもよい。
【0015】
より具体的には、インターフェロンポリペプチドは、一つまたはそれ以上のアミノ酸修飾、例えば、欠失、挿入、または置換を含み、かつインターフェロン活性を示す、野生型インターフェロンの変異体であってよい。このような修飾は、部位特異的に(例えば部位指定突然変異導入を用いることにより)、またはランダムまたはややランダムに(例えばWO 01/04287に記載されるようにランダムまたは局所的ランダム突然変異導入を用いて、または例えばStemmer, Bio/Technology 13:549-553 (1995)、US 5,605,793、US 5,830,721、US 5,811,238などに記載されるように定向進化技術(directed evolution technology)を使用して)作ることができる。通常、変異体は最大15のアミノ酸修飾、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 または15の修飾を含む。最も好ましくは、インターフェロンポリペプチドは、(天然ヒトインターフェロンのアミノ酸配列を有する)ヒトインターフェロンまたはその変異体である。
【0016】
「結合体」(あるいは互換的に「結合型ポリペプチド」)なる用語は、ひとつまたはそれ以上の非ポリペプチド部分に対する一つまたはそれ以上のインターフェロンポリペプチドの共有結合的連結により形成される、(合成の、またはキメラの、という意味において)異種性の分子を意味する。共有結合的連結とは、インターフェロンポリペプチドと非ポリペプチド部分が直接にお互い共有結合するか、でなければ一つまたは複数の介在部分、例えば架橋、スペーサー、または結合部分を介して、間接的にお互い共有結合することを意味する。結合型インターフェロンポリペプチドは、適当な濃度および条件で可溶性、即ち血液のような生理液に可溶性であることが好ましい。結合型インターフェロンポリペプチドの例としては、グリコシル化および/またはPEG化インターフェロンポリペプチドが含まれる。「非結合型ポリペプチド」なる用語は、結合型インターフェロンポリペプチドのポリペプチド部分について使用される場合がある。
【0017】
「一つの相違」または「〜と相違する」とは、具体的な修飾と関連して使用されるとき、その具体的なアミノ酸の相違とは別の、更なる相違の存在を許容することを意味する。従って、本明細書に開示される具体的な修飾の導入に加えて、インターフェロンポリペプチドは、望むならば他の修飾を含むことができる。例えばN-末端における一つまたはそれ以上の追加残基の付加、例えばN-末へのMet残基の付加、および/または一つまたはそれ以上のC末端残基の切断、および「保守的酸置換」、すなわち似た特性を有するアミノ酸、例えば小アミノ酸、酸性アミノ酸、極性アミノ酸、塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸および芳香族アミノ酸の群内で行う置換、がこれらに含まれ得る。保守的アミノ酸置換の例は、特に以下の表にあげられる群から選択することができる。
【表1】
Figure 2004522803
【0018】
「ランダム突然変異導入」なる用語は、対象核酸内の変異の部位に関してランダムであり、かつ導入される変異に関してランダムである突然変異誘発手法であり、例えば化学突然変異導入、UVまたはγ照射、修復欠損細胞での継代などである。「局所的突然変異導入」なる用語は、突然変異誘発工程が、好ましくは対象核酸の所定の部分またはサブシークエンスにおいて起こることを意味するのに用いられる。本発明に関しては、「部位指定突然変異導入」は、通常コードされるアミノ酸配列の一つまたはそれ以上のアミノ酸残基を変更することを目的とした、一つまたは複数の所定のヌクレオチド部分における変更を意味する。部位指定突然変異導入は、通常修飾しようとするポリペプチドの一次または三次(例えばモデル)構造の解析に基づいて設計される。
【0019】
「連結基」なる用語は、ポリマー分子または糖部分のような適当な非ポリペプチド部分に結合可能なポリペプチドのアミノ酸残基の基を意味する。有用な連結基およびそれらの適合する非ポリペプチド部分は、以下の表より明らかである。
【表2】
Figure 2004522803
【0020】
インビボN-グリコシル化において、「連結基」なる用語は、N-グリコシル化部位を構成する複数のアミノ酸残基を示すという特別な意味で用いられる(このN-グリコシル化部位はN-X’-S/T/C−X''の配列を持ち、式中X’はプロリン以外のアミノ酸残基であり、X''はX’と同一であっても同一でなくてもよく、かつ好ましくはプロリンと異なるいずれかのアミノ酸残基であり、かつNはアスパラギンであり、S/T/Cはセリン、スレオニンまたはシステインのいずれかであり、好ましくはセリンまたはスレオニン、最も好ましくはスレオニンである)。N-グリコシル化部位のアスパラギン残基はグリコシル化において糖部分が連結する部分であるが、そのような連結はN-グリコシル化部位のその他のアミノ酸残基が存在しなければ起こり得ない。つまり、非ポリペプチド部分が糖部分であり結合がN-グリコシル化によってなされる場合、親ポリペプチドのアミノ酸配列の変化に関連して使用される「非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基」なる用語は、機能的N-グリコシル化部位がそのアミノ酸配列に導入されるか、または該アミノ酸配列から除去されるかのいずれかで変化を受ける、N-グリコシル化部位を構成する一つ、二つまたはすべてのアミノ酸残基と解されるべきである。
【0021】
明らかなように、非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基の除去および/または導入は、そもそもインターフェロンポリペプチドが一つまたはそれ以上の連結した非ポリペプチド部分を有する結合体の形態である場合に対象となる。非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基を除去および/または導入することにより、インターフェロンポリペプチドに結合した非ポリペプチド部分の数および分布を最適化することができ(例えば、インターフェロンポリペプチドの表面において非ポリペプチド部分の最適な分布を確実なものとし、それにより例えばその機能を著しく障害することなく効果的にエピトープおよびポリペプチドの他の表面部分を遮蔽するため)、それはWO 01/15736およびPCT/DK02/00128においてさらに詳説されている。例えば、連結基を導入することにより、インターフェロンポリペプチドは適当な非ポリペプチド部分が結合する特定のアミノ酸残基の量が増やされ、さもなければ変化を受け、それによってより効率がよく、特異的で、かつ/または多数の結合が達成される。一つまたはそれ以上の連結基を除去することにより、結合が不利であるポリペプチドの部分における、例えばポリペプチドの機能的部位に位置する、または近接するアミノ酸残基に対する、非ポリペプチド部分の結合を回避することができる(なぜならそのような部位における結合は受容体による認識を損なうので、得られる結合体の不活性化またはインターフェロン活性の減少をもたらす場合があるため)。さらに、別の連結基に近接する連結基を除去すると、そのような基に対する異種性の結合が回避されるため、好都合である。
【0022】
非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基は、それは除去されるかまたは導入されるかいずれかであるが、非ポリペプチド部分の性質、およびほとんどの場合、使用される結合方法に基づいて選択される。例えば、非ポリペプチド部分がポリエチレングリコールまたはポリアルキレンオキサイド由来分子のようなポリマー分子であるときは、連結基として機能し得るアミノ酸残基は、リジン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびアルギニンよりなる群から選択できる。非ポリペプチド部分が糖部分であるときは、連結基はインビボグリコシル化部位であり、N-グリコシル化部位であることが好ましい。
【0023】
導入または除去されるアミノ酸残基は、通常インターフェロンポリペプチドの表面露出位置に位置し、25%を越える側鎖が溶媒に露出しているアミノ酸残基によって占められている位置、好ましくは50%を越える側鎖が溶媒に露出している位置におけることが好ましい。さらに、受容体結合部位に位置するインターフェロンポリペプチド中の位置を占める連結基を除去することが適当な場合がある。また、インターフェロンポリペプチドのエピトープの中またはそこに位置する位置に連結基を導入することが適当な場合がある。このような位置は、インターフェロンポリペプチドの3D構造の解析、または例えばWO 01/15736に記載されるような(例としてインターフェロンベータが使用されている)他の適した方法に基づいて同定できる。
【0024】
インターフェロンベータポリペプチドの表面に露出し、かつ25%を超える側鎖が表面に露出しているアミノ酸残基に占められている位置における、さらなるN-グリコシル化部位の導入をもたらす置換には以下のものが含まれる:
S2N+N4S/T、L6S/T、L5N+G7S/T、F8N+Q10S/T、L9N+R11S/T、R11N、R11N+S13T、S12N+N14S/T、F15N+C17S/T、Q16N+Q18S/T、Q18N+L20S/T、K19N+L21S/T、W22N+L24S/T、Q23N+H25S/T、G26N+L28S/T、R27N+E29S/T、L28S+Y30S/T、Y30N+L32S/T、L32N+D34S/T、K33N+R35S/T、R35N+N37S/T、M36N+F38S/T、D39S/T、D39N+P41S/T、E42N+I44S/T、Q43N+K45S/T、K45N+L47S/T、Q46N+Q48S/T、L47N+Q49T/S、Q48N+F50S/T、Q49N+Q51S/T、Q51N+E53S/T、K52N+D54S/T、L57N+I59S/T、Q64N+I66S/T、A68N+F70S/T、R71N+D73S/T、Q72N、Q72N+S74T、D73N、D73N+S75T、S75N+T77S、S75N、S76N+G78S/T、E81N+I83S/T、T82N+V84S/T、 E85N+L87S/T、L88S/T、A89N+V91S/T、Y92S/T、Y92N+Q94S/T、H93N+I95S/T、L98S/T、H97N+K99S/T、K99N+V101S/T、T100N+L102S/T、E103N+K105S/T、E104N+L106S/T、K105N+E107S/T、E107N+E109S/T、K108N+D110S/T、E109N+F111S/T、D110N+T112S、D110N、F111N+R113S/T、R113N+K115S/T、G114N+L116S/T、K115N+M117S/T、L116N、L116N+S118T、S119N+H212S/T、L120N+L122S/T、H121N+K123S/T、K123N+Y125S/T、R124N+Y126S/T、G127N+I129S/T、R128N+L130S/T、L130N+Y132S/T、 H131N+L133S/T、K134N+K136S/T、A135N+E137S/T、K136N+Y138S/T、E137N、Y138N+H140S/T、H140N+A142S/T、V148N+I150S/T、R152N+F154S/T、Y155N+I157S/T、L160S/T、R159N+T161S、R159N、G162N+L164S/T、およびY163N+R165S/T(置換は配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示されている)。
【0025】
インターフェロンベータポリペプチドの表面に露出し、50%を超える側鎖が表面に露出している位置における、さらなるN-グリコシル化部位の導入をもたらす置換には以下のものが含まれる:
L6S/T、L5N+G7S/T、F8N+Q10S/T、L9N+R11S/T、S12N+N14S/T、F15N+C17S/T、Q16N+Q18S/T、K19N+L21S/T、W22N+L24S/T、Q23N+H25S/T、G26N+L28S/T、R27N+E29S/T、Y30N+L32S/T、K33N+R35S/T、R35N+N37S/T、M36N+F38S/T、D39S/T、D39N+P41S/T、E42N+I44S/T、Q46N+Q48S/T、Q48N+F50S/T、Q49N+Q51S/T、Q51N+E53S/T、K52N+D54S/T、L57N+I59S/T、R71N+D73S/T、D73N、D73N+S75T、S75N+T77S、S75N、S76N+G78S/T、E81N+I83S/T、T82N+V84S/T、E85N+L87S/T、A89N+V91S/T、Y92S/T、Y92N+Q94S/T、H93N+I95S/T、T100N+L102S/T、E103N+K105S/T、E104N+L106S/T、E107N+E109S/T、K108N+D110S/T、D110N+T112S、D110N、F111N+R113S/T、R113N+K115S/T、L116N、L116N+S118T、K123N+Y125S/T、R124N+Y126S/T、G127N+I129S/T、H131N+L133S/T、K134N+K136S/T、A135N+E137S/T、E137N、V148N+I150S/T、およびY155N+I157S/T(置換は配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示されている)。
【0026】
上記一覧に示された置換のうち、N末141アミノ酸残基の中に、特にN末116アミノ酸残基の中にN残基が導入されるものが好ましい。唯一つのアミノ酸置換によってNグリコシル化部位の導入をもたらす置換には以下のものが含まれる:L6S/T、R11N、D39S/T、Q72N、D73N、S75N、L88S/T、Y92S/T、L98S/T、D110N、L116N、E137N、R159NおよびL160S/T(置換は配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示されている)。これらのうち、L6S/T、R11N、D39S/T、Q72N、D73N、S75N、L88S/T、Y92S/T、L98S/T、D110N およびL116Nより成る群から選択される置換が好ましく、より好ましくはL6S/T、D39S/T、D73N、S75N、L88S/T、D110N、L116N およびE137Nより成る群からであり、最も好ましくはL6S/T、D39S/T、D73N、S75N、L88S/T、D110N およびL116Nよりなる群からである。
好ましくは、非ポリペプチド部分に対する連結基を含む導入されたアミノ酸残基は新規なN-グリコシル化部位または新規なPEG化部位を創り出す。
【0027】
さらに、インターフェロンポリペプチドがグリコシル化部位を含む場合、そのような部位の利用を最適化することができる。これは、該グリコシル化部位に近接するアミノ酸残基の修飾であって、最終的にグリコシル化を増大させる型のものによって達成できる。
【0028】
本明細書
において「グリコシル化の増大」なる用語は、連結している炭水化物分子のレベルの増大を意味し、通常、グリコシル化部位をより多く(もしくはより適切に)利用することで得られる。グリコシル化の増大は、連結した炭水化物構造を解析するのに適した当業界にて既知の方法によって測定できる。
【0029】
本明細書において、「インビボN-グリコシル化の増大度合」または「N-グリコシル化の増大度合」なる用語は、連結した炭水化物分子の増大のレベルを意味し、通常より多くの(またはより適切な)N-グリコシル化部位の利用の結果として得られる。インターフェロンガンマの場合、野生型ヒトインターフェロンガンマをCHO細胞で発現させると、約50%のインターフェロンガンマポリペプチドしか両グリコシル化部位を利用せず、約40%が一つのグリコシル化部位を利用し(1N)、かつ約10%はグリコシル化されない(0N)ことがよく知られている(Hooker et al., 1998, J. Interferon and Cytokine Res. 18, 287-295 and Sarenva et al., 1995, Biochem J., 308, 9-14)。インビボN-グリコシル化の増大度合は、当業界にて既知の適した方法、例えばSDS-PAGEにより測定できる。
【0030】
「インターフェロンガンマ活性を示す」なる用語は、インターフェロンガンマポリペプチドが、未変性ヒトインターフェロンガンマまたは組換えヒトインターフェロンガンマの機能の一つまたはそれ以上を有することを意味し、それにはインビトロまたはインビボで測定したときのインターフェロンガンマ受容体への結合能、およびヒトインターフェロンガンマがその受容体に結合した後に伝えられるシグナルの伝達を引き起こす能力(即ちインビトロまたはインビボ生物活性)が含まれる。インターフェロンガンマ受容体は、Aguet ら(Cell 55:273-280, 1988)およびCalderon et al. (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:4837-4841, 1988)により説明されている。インターフェロンガンマ活性を試験するのに適したアッセイは、本明細書に開示される「一次アッセイ」と題されるアッセイである。
【0031】
「インターフェロンガンマポリペプチド」はインターフェロンガンマ活性を示すポリペプチドであり、本明細書中では場合により単量体または二量体型のインターフェロンガンマポリペプチドについて使用される。例えば、具体的な置換が示されるときは、これらはインターフェロンガンマポリペプチド単量体に対して示される。「インターフェロンガンマポリペプチド」なる用語は、C末切断および変異体形態の野生型インターフェロンガンマポリペプチドをも包含する。このような変異体の具体例には、S99T、E38N+S40Tのような修飾を有する変異体およびそのC末切断形態が含まれる。適した修飾の更なる例は以下に示される。
【0032】
通常、インターフェロンガンマポリペプチドの変異体形態は、ヒトインターフェロンガンマと比較して(またはその切断形態が望ましい場合は対応する切断ヒトインターフェロンガンマと比較して)、1-15 アミノ酸残基(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15 アミノ酸残基)において、例えば1-10 アミノ酸残基、1-5 アミノ酸残基または1-3 アミノ酸残基において相違する。
上記のように、1-15アミノ酸残基はポリペプチドのインターフェロンガンマ活性を消滅させることなくC末から欠失させることができることが知られている。従って、「インターフェロンガンマポリペプチド」なる用語は、(ヒト野生型配列またはその変異体を有する)インターフェロンガンマポリペプチドであって、1-15アミノ酸残基がC末端で切断されている1-15インターフェロンガンマポリペプチドをも包含する。具体例の一つには、3アミノ酸残基がC末端で切断されているインターフェロンガンマポリペプチドが含まれる。
【0033】
「ヒトインターフェロンガンマ」なる用語は、配列番号:2に示されるアミノ配列を有する野生型ヒトインターフェロンガンマの成熟形態を意味する。
「組換えヒトインターフェロンガンマ」なる用語は、配列番号:2に示されるアミノ酸配列を有する、組換え手法により産生された野生型ヒトインターフェロンガンマの成熟形態に及ぶ意味である。
「Actimmune(登録商標)」なる用語が本明細書中で用いられるときは、遺伝子組換え大腸菌の発酵により得られる、インターフェロンガンマ(配列番号:4に開示)の140アミノ酸形態を意味する。Actimmune(登録商標)についてのさらなる情報は、www.actimmune.comにおいて利用可能である。
【0034】
グリコシル化部位に「近接する」アミノ酸残基は、大抵グリコシル化部位中の炭水化物の連結したアミノ酸残基に対して4、-3、-2、-1、+1、+2、+3、または+4の位置に存在する。このような位置は特に、-1、+1、または+3の位置から選択され、特に+1または+3の位置における。従って、(配列N-X’-S/T/C-X’’を有する)N-グリコシル化部位に近接するアミノ酸残基は、そのN-残基に対して4、-3、-2、-1の位置、X’またはX’’の位置(その場合導入されるアミノ酸はプロリンとは異なることが望ましい)、またはX’’残基に対して+1の位置であってよい。アミノ酸修飾は通常置換であり、それは非修飾ポリペプチドと比較してインターフェロンポリペプチドのグリコシル化を増大させるような、他のいずれかのアミノ酸残基との置換である。そのような他のアミノ酸残基は試行錯誤的な実験によって(すなわち適当な位置のアミノ酸残基を他のいずれかのアミノ酸残基に置換し、得られた変異体の最終的グリコシル化を測定することによって)決めることができる。
【0035】
N-残基に対して+2の位置が修飾されるとき、インビボN-グリコシル化部位を維持/導入するため該位置のアミノ酸残基はSer、ThrまたはCysのいずれかでなければならないので、限られた数の修飾しか可能でないことは理解されるであろう。本発明の特に好ましい具体例においては、インビボN-グリコシル化部位に対して+2の位置のアミノ酸残基の修飾は、問題のアミノ酸残基をThr残基と置きかえる置換である。一方、該アミノ酸残基が既にThr残基ならば、通常その位置において置換を行うことは好ましくないか、または必要でない。X’が修飾されるとき、X’はProであるべきでなく、かつTrp、Asp、GluおよびLeuでないことが好ましい。X’が修飾されるならば、導入されるアミノ酸残基は、Phe、Asn、Gln、Tyr、Val、Ala、Met、Ile、Lys、Gly、Arg、Thr、His、CysおよびSer、より好ましくはAla、Met、Ile、Lys、Gly、Arg、Thr、His、CysおよびSer、特にAlaまたはSerより成る群から選択されることが好ましい。N-残基に対して+3の位置が修飾されるとき、導入されるアミノ酸残基はHis、Asp、Ala、Met、Asn、Thr、Arg、SerおよびCys、より好ましくはThr、Arg、SerおよびCysより成る群から選択されることが好ましい。このような修飾はX’残基がSer残基である場合に特に適当である。
【0036】
また、インターフェロンポリペプチドの遊離システイン(即ちシステイン架橋の一部を形成していないシステイン残基)を、例えばUS 4,959,314 またはEP 192 811に記載されるように、別のアミノ酸残基、例えばGly、Val、Ala、Leu、Ile、Tyr、Phe、His、Trp、Ser、Thr またはMet、好ましくはSer またはThrのような天然アミノ酸残基に置換することによって除去できる。
【0037】
インターフェロンポリペプチドは、非ポリペプチド部分、例えばポリエチレングリコールようなポリマー分子または糖部分(インターフェロンポリペプチドがグリコシル化される場合)によって誘導体化することができる。
「非ポリペプチド部分」なる用語は、本発明のポリペプチドの連結基に結合可能な分子を意味する。そのような分子の適当な例として、ポリマー分子、糖部分、親油性化合物または有機誘導化剤が含まれる。本発明の結合体に関して使用される場合、非ポリペプチド部分は、結合体のポリペプチドの連結基を介してそのポリペプチド部分に結合すると解されるであろう。
【0038】
「ポリマー分子」なる用語は、二つまたはそれ以上の単量体の共有結合によって形成される分子と規定され、ここで、ポリマーがヒトアルブミンまたは血漿中に豊富に存在する別のタンパク質である場合を除き、いずれの単量体もアミノ酸残基ではない。「ポリマー」は「ポリマー分子」と互換的に使われ得る。この用語はインビトログリコシル化、すなわち、通常ポリペプチドの連結基に対して炭水化物分子を共有結合させることを伴い、選択的に架橋剤が使用されるインビトロで行われる人工的グリコシル化、によって結合された炭水化物分子を包含するものである。N-またはO-グリコシル化(後にさらに説明)のようなインビボグリコシル化によって連結した炭水化物分子は、本明細書では「糖部分」と称する。結合体中の非ポリペプチド部分、例えばポリマー分子または糖部分、の数が表現上示されている場合を除き、本発明で使用される結合体または他のものの中に含まれる「非ポリペプチド部分」の引用は常に、結合体中の一つまたはそれ以上の非ポリペプチド部分、例えばポリマー分子または糖部分、を意味する。
インターフェロンポリペプチドに非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基が導入されている場合、非ポリペプチド部分はこのようなアミノ酸残基に連結していることが好ましい。
【0039】
第一の局面において本発明は、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する安定化組成物に関する。
第二の局面において本発明は、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する安定化医薬組成物に関する。
ある態様においては、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は1mg/mlから150mg/ml、例えば5mg/mlから100mg/mlの濃度で存在する。
ある態様においては、インターフェロンポリペプチドは、非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基が少なくとも一つ導入され、かつ/または少なくとも一つ除去されている。更なる態様においてインターフェロンポリペプチドは、非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基が少なくとも一つ導入され、かつ少なくとも一つ除去されている。更なる態様においてインターフェロンポリペプチドは、非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基が少なくとも一つ導入されている。更なる態様においてインターフェロンポリペプチドは、非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基が少なくとも一つ除去されている。
【0040】
更なる態様においては、非ポリペプチド部分にポリエチレングリコールのようなポリマー分子または糖部分が含まれる。ある具体的態様においては、ポリマー分子はポリエチレングリコールを含む。別の具体的態様においては、非ポリペプチド部分は糖部分、特に哺乳類細胞、好ましくはCHO細胞においてインターフェロンポリペプチドを発現させて得られる糖部分、を含む。
更なる態様においてインターフェロンポリペプチドは、少なくとも一つの導入グリコシル化部位および導入グリコシル化部位に連結する少なくとも一つの糖部分を含む。さらなる態様においてインターフェロンポリペプチドは、少なくとも一つの導入グリコシル化部位、および導入グリコシル化部位に連結する少なくとも一つの糖部分、およびポリエチレングリコールのようなポリマー分子を含む。特に好ましい態様においては、インターフェロンポリペプチドはN-グリコシル化部位に各々連結した3つの糖部分を含む。
【0041】
好ましい態様において、インターフェロンポリペプチドはグリコシル化、および/またはPEG化されている。更なる態様においては、インターフェロンポリペプチドはグリコシル化およびPEG化されている。更なる態様においては、インターフェロンポリペプチドはグリコシル化されている。更なる態様においては、インターフェロンポリペプチドはPEG化されている。インターフェロンポリペプチドがグリコシル化される場合Nグリコシル化が好ましい。インターフェロンポリペプチドがグリコシル化される場合、通常1-5の糖部分、例えば1-3の糖部分を含む。更なる態様においては、インターフェロンポリペプチドはN-グリコシル化されており、かつ1-5の糖部分、例えば1-3の糖部分を含む。インターフェロンポリペプチドがPEG化される場合、通常1-5のポリエチレングリコール(PEG)分子を含む。更なる態様においては、インターフェロンポリペプチドは1-5のPEG分子、例えば1、2または3のPEG分子を有する。更なる態様においては、各PEG分子の分子量が約10kDa(キロダルトン)から100kDaである。更なる態様においては、各PEG分子の分子量が約10kDaから40kDaである。更なる態様においては、各PEG分子の分子量が約12kDaである。更なる態様においては、各PEG分子の分子量が約20kDaである。好ましくは、インターフェロンポリペプチドは、各々の分子量が約12kDaである1−3のPEG分子か、または分子量約20kDaであるPEG分子を1つを含む。適したPEG分子は、Shearwater Polymers, Inc. およびEnzon, Inc. より入手可能であり、SS-PEG、NPC-PEG、アルデヒド-PEG、mPEG-SPA、mPEG-SCM、mPEG-BTC、SC-PEG、トレシル化 mPEG (US 5,880,255)、またはオキシカルボニル-オキシ-N-ジカルボキシミド-PEG (US 5,122,614)から選択することができる。
【0042】
ある好ましい態様においては、インターフェロンポリペプチドはインターフェロンベータポリペプチド、例えば野生型ヒトインターフェロンベータまたはその変異体であり、任意で非ポリペプチド部分に結合することある。
例えば、インターフェロンベータポリペプチドは野生型ヒトインターフェロンベータの変異体であってよく、それは17位のシステイン残基が欠失しているかまたは別のアミノ酸残基、例えば上記の中性アミノ酸残基と置換されている。例えば、インターフェロンベータポリペプチドはC17S突然変異を含む(その置換は配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示されている)。
好ましい態様においては、インターフェロンベータポリペプチドはWO 01/15736に記載されるそれらのいずれかである。別の好ましい態様においてはインターフェロンベータポリペプチドはPCT/DK02/00128に記載されるそれらのいずれかである。好ましい変異体には、グリコシル化部位が少なくとも一つ、例えばS2、Q49、Q51またはF111位に導入された変異体、およびPEG化部位が少なくとも一つ、例えばK19、K33、K45またはK123位において除去された変異体が含まれる。
【0043】
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、インターフェロンβポリペプチドに共有結合的に連結した第一の非ポリペプチド部分を少なくとも一つ含み、そのアミノ酸配列が、前述の第一の非ポリペプチド部分のための連結基を含有するアミノ酸残基が少なくとも一つ導入され、かつ少なくとも一つ除去されている点で野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する結合体である。
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、インターフェロンβポリペプチドの少なくとも一つのリジン残基に結合した第一の非ポリペプチド部分を少なくとも一つ含み、そのアミノ酸配列が、リジン残基が少なくとも一つ導入および/または少なくとも一つ除去されている点で野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する結合体である。
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、インターフェロンβポリペプチドの少なくとも一つのシステイン残基に結合した第一の非ポリペプチド部分を少なくとも一つ含み、そのアミノ酸配列が、少なくとも一つのシステイン残基が野生型ヒトインターフェロンβにおいては表面露出アミノ酸残基によって占められている位置に導入されている点で野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する結合体である。
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、連結基として酸性基を有する第一の非ポリペプチド部分を少なくとも一つ含み、その部分がインターフェロンβポリペプチドの少なくとも一つのアスパラギン酸またはグルタミン酸残基に結合しており、そのアミノ酸配列が、アスパラギン酸またはグルタミン酸残基が少なくとも一つ導入および/または少なくとも一つ除去されている点で野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する結合体である。
【0044】
更なる態様において、第一の非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコールのようなポリマーまたは糖部分を含む。
更なる態様においてインターフェロンベータポリペプチドは、インターフェロンβポリペプチドに共有結合的に連結したポリマー分子を少なくとも一つ、およびそのような糖部分を少なくとも一つ含み、そのアミノ酸配列は、ポリマー分子に対する連結基がシステイン残基であり糖部分がN結合糖部分である場合、Nグリコシル化部位を崩壊しないようにシステイン残基が挿入されることを条件として、
a)ポリマー分子に対する連結基を含むアミノ酸残基が少なくとも一つ導入および/または少なくとも一つ除去されており、
b)糖部分に対する連結基を含むアミノ酸残基が少なくとも一つ導入および/または少なくとも一つ除去されている点で、野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する結合体である。
【0045】
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、グリコシル化部位が少なくとも一つ導入されている点でそのアミノ酸配列が野生型ヒトインターフェロンβのものと相違するインターフェロンβポリペプチドを含み、その結合体がさらに、導入されているグリコシル化部位に連結した非PEG化糖部分を少なくとも一つ含む結合体である。
更なる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、グリコシル化部位が少なくとも一つ導入されている点でそのアミノ酸配列が野生型ヒトインターフェロンβのものと相違するインターフェロンβポリペプチドを含み、さらに、導入グリコシル化部位に連結した糖部分を少なくとも一つ含む結合体である。
つまり、特定の局面において本発明は、以下を含有する安定化組成物に関する:
a)グリコシル化部位が少なくとも一つ導入されている点でそのアミノ酸配列が野生型ヒトインターフェロンβのものと相違するインターフェロンβポリペプチドを含み、さらに、導入されているグリコシル化部位に連結する糖部分を少なくとも一つ含む結合体、および、
b)スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体。
【0046】
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、野生型ヒトインターフェロンβでは表面露出アミノ酸残基によって占められている位置に、グリコシル化部位の一部を構成するアミノ酸残基を導入または除去することによってグリコシル化部位が導入されているかまたは除去されている点で、そのアミノ酸配列が野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する、インターフェロンβポリペプチドを含む結合体である。
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、野生型ヒトインターフェロンβでは表面露出アミノ酸残基によって占められている位置に、グリコシル化部位の一部を構成するアミノ酸残基を導入することによってグリコシル化部位が導入されている点で、そのアミノ酸配列が野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する、インターフェロンβポリペプチドを含む結合体である。
【0047】
なお更なる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、インターフェロンβポリペプチドに共有結合的に連結した糖部分を含み、グリコシル化部位が少なくとも一つ除去されている点でそのアミノ酸配列が野生型ヒトインターフェロンβのものと相違する結合体である。
なお更なる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、親インターフェロンβポリペプチドのグリコシル化変異体であって、少なくとも一つのインビボグリコシル化部位を含み、親インターフェロンβポリペプチドのグリコシル化と比較してグリコシル化が増大している変異体ポリペプチドを得るように、該グリコシル化部位に近接する該親ポリペプチドのアミノ酸残基が改変されているものである。
【0048】
さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは、以下よりなる群から選択されるアミノ酸置換を含む:
K19R+K45R+K123R; K19Q+K45R+K123R; K19R+K45Q+K123R; K19R+K45R+K123Q; K19Q+K45Q+K123R; K19R+K45Q+K123Q;K19Q+K45R+K123Q; K19Q+K45Q+K123Q; K45R+K123R; K45Q+K123R; K45Q+K123Q; K45R+K123Q; K19R+K123R; K19Q+K123R; K19R+K123Q; K19Q+K123Q; K19R+K45R; K19Q+K45R; K19R+K45Q; K19Q+K45Q; K52R+K134R; K99R+K136R; K33R+K105R+K136R; K52R+K108R+K134R; K99R+K115R+K136R; K19R+K33R+K45R+K123R; K19R+K45R+K52R+K123R; K19R+K33R+K45R+K52R+K123R; K19R+K45R+K52R+K99R+K123R; K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R; K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T; K19R+K45R+Q49N+Q51T+ K123R ; S2N+N4T/S; L9N+R11T/S; R11N; S12N+N14T/S; F15N+C17S/T; Q16N+Q18T/S; K19N+L21T/S; Q23N+H25T/S; G26N+L28T/S; R27N+E29T/S; L28N+Y30T/S; D39T/S; K45N+L47T/S; Q46N+Q48T/S; Q48N+F50T/S; Q49N+Q51T/S; Q51N+E53T/S; R71N+D73T/S; Q72N; D73N; S75N; S76N+G78T/S; L88T/S; Y92T/S; N93N+I95T/S; L98T/S; E103N+K105T/S; E104N+L106T/S; E107N+E109T/S; K108N+D110T/S; D110N; F111N+R113T/S; L116N; S2N+N4T; L9N+R11T; 49N+Q51T; F111N+R113T; R71N+D73T; 49N+Q51T; F111N+R113T; R71N+D73T;Q49N+Q51T+F111N+R113T; Q49N+Q51T+R71N+D73T+ F111N+ R113T ; S2N+N4T+ F111N+R113T; S2N+N4T+Q49N+Q51T; S2N+N4T+Q49N+Q51T+F111N+R113T ; S2N+N4T+L9N+R11T+Q49N+Q51T ;S2N+N4T+L9N+R11T+F111N+R113T ; S2N+N4T+L9N+R11T+Q49N+Q51T+F111N+R113T ; L9N+R11T+Q49N+Q51T; L9N+R11T+Q49N+Q51T+F111N+R113T; L9N+R11T+F111N+R113T ; R27K+R159K; R27K+K45R+R159K; R27K+Q49K+E85K+A89K; R27K+K45R+Q49K+E85K+A89K; R27K+D39K+Q49K+E85K+A89K; R27K+D39K+K45R+Q49K+E85K+A89K; N4K+R27K+D39K+Q49K+E85K+A89K; N4K+R27K+D39K+K45R+Q49K+E85K+A89K; R27K+K123R+R159K; R27K+K45R+K123R+R159K; R27K+Q49K+E85K+A89K+K123R; R27K+K45R+Q49K+E85K+A89K+K123R; R27K+D39K+Q49K+E85K+A89K+K123R; R27K+D39K+K45R+Q49K+E85K+A89K+K123R; N4K+R27K+D39K+Q49K+E85K+A89K+K123R; N4K+R27K+D39K+K45R+Q49K+E85K+A89K+K123R; K19R+K45R+F111K+K123R; K19R+K45R+Q49K+F111K+K123R; K19R+K45R+Q49K+K123R; K19R+K45R+ F111K; K19R+K45R+Q49K+F111K; K19R+Q49K+K123R; K19R+Q49K+F111K+K123R; K45Q+F111K+K123Q; K45R+Q49K+K123R; またはK45R+Q49K+F111K+K123R(置換は、配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示されている)。各具体的変異体は、インターフェロンベータ変異体の一具体例と見なす。
【0049】
本発明の対象となる具体的インターフェロンベータ変異体は、以下より成る群から選択されるアミノ酸置換を含む:
Q49N+Q51T;
Q49N+Q51T+F111N+R113T;
F111N+R113T;
C17S+Q49N+Q51T+L98P+F111N+R113T;
S2N+N4T+C17S+Q51N+E53T;
S2N+N4T+C17S+Q51N+E53T+F111N+R113T;
C17S+Q49N+Q51T+F111N+R113T;
C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T;
C17S+Q48F+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T;
C17S+Q48Y+Q49N+Q51T+D110Y+F111N+R113T;
K19R+K45R+K123R;
K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
C17S+K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
C17S+K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
C17S+K19R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
C17S+K19R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
C17S+K19R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
S2N+N4T+C17S+K19R+K45R+Q51N+E53T+K123R;
C17S+K19R+K45R+Q48F+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
S2N+N4T+C17S+K19R+K45R+Q51N+E53T+D110F+F111N+R113T+K123R;
C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T;
C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+ F111N+R113T;および
C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R; (置換は、配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示されている)。各具体的変異体は、インターフェロンベータ変異体の一具体例と見なす。例えば、ある具体例は C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113Tであり、別の具体例はC17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113Tである。上記の具体的変異体の特に好ましい態様は、示された置換が配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータに対して唯一の置換であるようなものである。
【0050】
これらの変異体は、さらに一つまたはそれ以上の非ポリペプチド部分を含む結合体形態であってもよい。例えば、変異体はグリコシル化および/またはPEG化されている。インターフェロンベータポリペプチドがグリコシル化される場合、それはN-グリコシル化が好ましい。インターフェロンベータポリペプチドがグリコシル化される場合、通常1−5の糖部分、例えば1−3の糖部分を含む。さらなる態様においては、インターフェロンベータポリペプチドはN-グリコシル化されており、かつ1−5の糖部分、例えば1−3の糖部分を含む。
インターフェロンベータポリペプチドにグリコシル化部位が少なくとも一つ導入されている場合、該ポリペプチドはさらに、導入されているグリコシル化部位に連結した糖部分を少なくとも一つ含むことが好ましい。特に、インターフェロンベータポリペプチドは、2−5の糖部分、例えば2−3の糖部分を含む。さらなる態様においては、インターフェロンベータポリペプチドはN-グリコシル化されており、2−5の糖部分、例えば2−3の糖部分を含む。特に好ましい態様においては、インターフェロンベータポリペプチドは、各々N-グリコシル化部位に連結した3つの糖部分を含む。
【0051】
インターフェロンベータポリペプチドがPEG化されている場合、それは通常1−5のポリエチレングリコール(PEG)分子を含む。さらなる態様において、インターフェロンベータポリペプチドは1−5のPEG分子、例えば1、2、または3のPEG分子を含む。更なる態様においては、各PEG分子の分子量は約5kDa(キロダルトン)から100kDaである。さらなる態様においては、各PEG分子の分子量は約10kDaから40kDaである。さらなる態様においては、各PEG分子の分子量は約12kDaである。さらなる態様においては、各PEG分子の分子量は約20kDaである。好ましくは、インターフェロンベータポリペプチドは、分子量が各々約12kDaである1から3のPEG分子か、または、分子量約20kDaの1のPEG分子を一つ含む。より好ましくは、インターフェロンベータポリペプチドは、導入グリコシル化部位に連結した糖部分を少なくとも一つ、および分子量約20kDaのPEG分子を一つ含む。最も好ましくは、インターフェロンベータポリペプチドは、3つのN-グリコシル化部位に連結した3つの糖部分および分子量約20kDaのPEG分子を一つ含む。
【0052】
インターフェロンポリペプチドは当業界にて既知の方法に従い生産できる。好ましくは、インターフェロンポリペプチドは、グリコシル化可能宿主細胞から組換え手法により発現させることで生産される(WO 01/15736、PCT/DK02/00128、およびWO 01/36001に詳説)。発現宿主細胞は、真菌(糸状菌または酵母)、昆虫、哺乳動物細胞から、遺伝子組換え植物細胞から、または遺伝子組換え動物から選択することができる。さらにグリコシル化は、本発明の結合体のポリペプチド部分または本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を遺伝子治療において使用する場合、ヒトの体内においてなされ得る。ある態様においては、宿主細胞はCHO細胞、BHKまたはHEK細胞、例えばHEK293細胞、のような哺乳類細胞、またはSF9細胞のような昆虫細胞、または酵母細胞、例えばSaccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、または他の適したグリコシル化可能宿主、である。適した哺乳類宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣 (CHO) 細胞株(例えば CHO-K1; ATCC CCL-61)、ミドリザル細胞株 (COS) (例えば COS 1 (ATCC CRL-1650)、COS 7 (ATCC CRL-1651)); マウス細胞 (例えば NS/O)、仔ハムスター腎臓 (BHK) 細胞株 (例えば ATCC CRL-1632 またはATCC CCL-10)、およびヒト細胞 (例えば HEK 293 (ATCC CRL-1573))、ならびに組織培養におけるプラント細胞が含まれる。任意で、インビボグリコシル化によりポリペプチドに連結した糖部分は、グリコシルトランスフェラーゼを使用して、例えばNeose, Horsham, PA, USAにより市販されるglycoAdvanceTM 技術を使用して、さらに修飾される。それにより例えば、CHO細胞による発現およびインビボグリコシル化に続き、グリコシル化ポリペプチドのシアリル化を増大することができる。
【0053】
インターフェロンポリペプチドは、薬物として有用であるのに十分な純度のインターフェロン調製物を得るため、当業界にて既知の方法に従い精製される。典型的には、このような精製法には、超ろ過、ダイアフィルトレーション、陽イオン交換クロマトグラフィー(例えばPharmaciaのS-セファロース)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、および/またはSephacrylカラム上での分離、が含まれる。
別の態様において、インターフェロンポリペプチドは、インターフェロンガンマポリペプチド、例えば野生型ヒトインターフェロンガンマまたはその変異体であって、任意で、例えばWO 01/36001に記載される変異体または結合体のいずれかのように、非ポリペプチド部分と結合していることがある。
本発明のさらなる態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドは、インターフェロンガンマ変異体、例えば以下の「インターフェロンガンマ変異体」の節に開示されるそれらのうちのいずれか一つ、から選択される。
【0054】
インターフェロンガンマ変異体
N- グリコシル化部位が最適化されたインターフェロンガンマ変異体
ヒトインターフェロンガンマの97位に位置する天然N-グリコシル化部位のグリコシル化は増大できる、すなわち、ヒトインターフェロンガンマの99位に位置するセリン残基をスレオニン残基と置換することにより、完全にまたは実質的に完全にグリコシル化されたインターフェロンガンマポリペプチドの画分が増加して得られることがわかっている。例えば、置換S99Tを行うことにより回収培地中に存在するインターフェロンガンマポリペプチドの約90%が両N-グリコシル化部位を利用したのに対し、回収培地中に存在する組換え手法により産生されたヒトインターフェロンガンマポリペプチドは約60%しか完全にグリコシル化されていないことがわかる。
すなわち、非常に興味深い態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドは置換S99Tを含む。
【0055】
97位におけるインビボN-グリコシル化部位の最適化に必要な上記S99T突然変異に加えて、その配列に導入されていることがある他のインビボグリコシル化部位(「非ポリペプチド部分が糖部分であるインターフェロンガンマ変異体」の節参照)が最適化できる。通常、インビボグリコシル化部位はN-グリコシル化部位であるが、O-グリコシル化部位もまた適当と考えられる。この最適化は、修飾、好ましくは置換を、グリコシル化部位、特にインビボN-グリコシル化部位に近接する位置で行うことにより成すことができる。インビボN-グリコシル化部位を導入するのに適した位置の具体例は、WO 01/36001に開示される。
【0056】
従って、天然に存在するインビボN-グリコシル化に関しては、97位におけるN-グリコシル化部位は、修飾、例えば置換を、E93、K94、L95、T96、Y98、V100 およびT101 (すなわちN97に対して 4、-3、-2、-1、+1、+3 または +4 の位置)より成る群から選択される位置において行うことにより、さらに最適化できると考えられる。98位で行う置換の具体例は、Y98F、Y98N、Y98Q、Y98V、Y98A、Y98M、Y98I、Y98K、Y98G、Y98R、Y98T、Y98H、Y98C および Y98S、好ましくは Y98A、Y98M、Y98I、Y98K、Y98G、Y98R、Y98T、Y98H、Y98C および Y98S、特に Y98Sを含む。100位で行う置換の具体例は、V100H、V100D、V100A、V100M、V100N、V100T、V100R、V100S、または V100C、特に V100T、V100R、V100S または V100Cを含む。
【0057】
同様に、25位のインビボN-グリコシル化部位に関しては、修飾、例えば置換を、D21、V22、A23、D24、G26、L28 および F29 (即ちN25に対して 4、-3、-2、-1、+1、+3 または +4 の位置)より成る群から選択される位置において行うことにより、この部位をさらに最適化できると考えられる。26位において行う置換の具体例は、G26F、G26N、G26Y、G26Q、G26V、G26A、G26M、G26I、G26K、G26R、G26T、G26H、G26C および G26S、好ましくは G26A、G26M、G26I、G26K、G26R、G26T、G26H、G26C および G26S、より好ましくは G26A および G26S、特に G26Aを含む。28位において行う置換の具体例は、G28H、G28D、G28A、G28M、G28N、G28T、G28R、G28S、または G28S、特に G28A、G28T、G28R、G28S または G28Cを含む。
97位のグリコシル化の最適化に関して示される修飾はいずれも、25位のグリコシル化の最適化に関して示される上記のいずれとでも組み合わせることができるのは明らかである。
【0058】
非ポリペプチド部分に対する連結基を含むインターフェロンガンマ変異体
導入し得る修飾の興味深い別のクラスは、皮下投与された場合にAUCを、かつ/または静脈内投与された場合に血清半減期を増加するのに役立つ修飾を含む。
興味深い態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドは、非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基が少なくとも一つ導入および/または除去されている。
インターフェロンガンマポリペプチドの構造および機能の過剰な崩壊を避けるため、本態様に従い修飾されるアミノ酸残基の総数は典型的には15を超えない。通常そのアミノ酸配列は、配列番号:2(またはそのC末切断形態)と比較して1-5のように1-10、例えば1-3の修飾を含む。修飾は置換であることが好ましい。
【0059】
このようなアミノ酸残基の除去および/または導入に加えて、ポリペプチドは他の修飾、例えば、非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基の導入および/または除去に関係しない置換を含むことができる。このような修飾の例には、保守的アミノ酸置換および/またはN-末端におけるCys-Tyr-CysまたはMetの導入が含まれる。
二量体形態のインターフェロンガンマポリペプチド変異体に存在し、結合に利用可能な連結基の正確な数は、結合によって達成されることが所望される効果に依存する。得られる効果は、例えば結合の性質および程度(例えば、非ポリペプチド部分自身、ポリペプチドに結合していることが望ましい、または結合可能な非ポリペプチド部分の数、それらが結合されるべき場所、または結合が回避されるべき場所など)に依存する。
【0060】
非ポリペプチド部分に対する連結基を含むアミノ酸残基は、それは除去されるかまたは導入されるかいずれかであるが、適した非ポリペプチド部分の性質に基づいて、およびほとんどの場合使用される結合方法に基づいて選択されることは理解されるであろう。例えば、非ポリペプチド部分がポリエチレングリコールまたはポリアルキレンオキサイド由来分子のようなポリマー分子である場合、連結基として機能し得るアミノ酸残基は、システイン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびアルギニンよりなる群のうちから選択できる。特にシステインが好ましい。非ポリペプチド部分が糖部分である場合、連結基は例えばインビボグリコシル化部位であり、N-グリコシル化部位であることが好ましい。
【0061】
非ポリペプチド部分に対する連結基をインターフェロンガンマポリペプチドに導入するときであろうと、またはそこから除去するときであろうと、修飾するポリペプチドの位置は適宜以下のように選択する:
その位置はインターフェロンガンマポリペプチドの表面に位置することが好ましく、より好ましくは、二量体形態のインターフェロンガンマの三次元構造またはモデルに基づき測定した場合25%を越えるその側鎖が溶媒にさらされている、好ましくは50%を越えるその側鎖が溶媒にさらされているアミノ酸残基により占められており、その構造またはモデルは任意でさらに一つまたは二つのインターフェロンガンマ受容体分子を含むことがある。そのような位置は本明細書の実施例Aにあげられている。
【0062】
加えて、インターフェロンガンマのループ領域に位置するアミノ酸残基を一つまたはそれ以上修飾することも興味深いであろうが、これはなぜなら、これらのループ領域内のほとんどのアミノ酸残基が表面に露出し、かつ機能的部位から十分に離れて位置するので、ポリペプチドの機能を損なうことなく非ポリペプチド部分、例えばポリマー分子、特にPEG分子、および/またはN-グリコシル化部位を導入できるからである。このようなループ領域は、ヒトインターフェロンガンマ(任意でその受容体と複合体を形成していてもよい)の三次元構造の検討により同定できる。該ループ領域を構成するアミノ酸残基は、残基N16-K37 (「A-B ループ」)、F60-S65 (「B-C ループ」)、N83-S84 (「C-D ループ」)およびY98-L103 (「D-E ループ」)である。
さらに、インターフェロンガンマポリペプチドにおいて、インターフェロンガンマの受容体結合部位に位置する連結基は、好ましくはそのような基を含むアミノ酸残基の置換により除去されていることが好ましい。インターフェロンガンマ受容体結合部位を構成するアミノ酸残基は、Q1、D2、Y4、V5、E9、K12、G18、H19、S20、D21、V22、A23、D24、N25、G26、T27、L30、K34、K37、K108、H111、E112、I114、Q115、A118、E119 である(本明細書の実施例Bも参照)。
【0063】
連結基の最適な分布を決定するため、インターフェロンガンマポリペプチドの表面に位置するアミノ酸残基間の距離を、インターフェロンガンマ二量体ポリペプチドの三次元構造に基づいて計算する。詳細には、そのような連結基を含むアミノ酸残基のCB間の距離、または、あるアミノ酸残基の官能基(リジンについてNZ、アスパラギン酸についてCG、グルタミン酸についてCD、システインについてSG)と、連結基を含む別のアミノ酸残基のCBの間の距離を測定する。グリシンの場合、CBの代わりにCAが用いられる。インターフェロンガンマポリペプチド部分において、該距離のいずれかが8Å以上、特に異種性結合を避けるため、または減らすため、10Å以上であることが好ましい。
【0064】
上記のように、生理的条件下においてはインターフェロンガンマは二量体ポリペプチドとして存在する。ポリペプチドは通常ホモ二量体形態である(例えば本明細書に記載されるように調製されたインターフェロンガンマポリペプチドポリペプチド二つの会合により調製される)。しかしながら、望ましいならばインターフェロンガンマポリペプチドを一本鎖形態で準備してもよく、この場合二つのインターフェロンガンマポリペプチド単量体はペプチド結合またはペプチドリンカーを解して結合する。インターフェロンガンマポリペプチドを一本鎖形態で準備すると二つの構成インターフェロンガンマポリペプチドが異なってもよいという利点があり、これは例えばそれらのポリペプチドの非対称性突然変異形成を可能にするのに好都合であり得る。例えば、単量体の一つから受容体結合部位のPEG化部位を除去し、一方他方においては保持しておくことができる。それにより、PEG化後一つの単量体は無傷の受容体結合部位を有し、一方他方は完全にPEG化できる(従って分子量が有意に増加する)。
【0065】
非ポリペプチド部分が糖部分であるインターフェロンガンマ変異体
本発明のある好ましい態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドは、グリコシル化部位が少なくとも一つ導入され、かつ/またはグリコシル化部位が少なくとも一つ除去されていて、つまり非ポリペプチド部分が糖部分である。好ましくは、グリコシル化部位はインビボ-グリコシル化部位であり、即ち非ポリペプチド部分は糖部分、例えばO-結合またはN-結合糖部分、好ましくはN-結合糖部分である。
特に好ましい態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドはグリコシル化部位が少なくとも一つ導入され、特にそれはインビボN-グリコシル化部位である。グリコシル化部位の導入は置換により行われることが好ましい。
例えば、インビボN-グリコシル化部位は、インターフェロンガンマポリペプチドの表面に露出するアミノ酸残基を含む位置に導入できる。該表面露出アミノ酸残基は、少なくともその側鎖の25%、特に少なくともその側鎖の50%が表面に露出していることが好ましい。このような位置の決定についての詳細は本明細書の実施例Aにみられる。
【0066】
N-グリコシル化部位は、該部位のN-残基が該位置に位置するように導入される。同様に、O-グリコシル化はそのような部位を作り出すSまたはTが該位置に位置するように導入される。「その側鎖の少なくとも25%(または50%)が表面に露出」なる用語がインビボN-グリコシル化部位の導入と関連して用いられるときは、この用語は糖部分が実際に連結する位置におけるアミノ酸側鎖の表面接近性について述べている。多くの場合、糖部分が実際に結合するアスパラギン残基に対し+2の位置にセリンまたはスレオニン残基を導入する必要があろうし、セリンまたはスレオニン残基が導入されるこれらの位置は覆い隠されてもよい(即ち25%(または50%)に満たない側鎖しか分子表面に露出しなくてもよい)。
【0067】
さらに、確実に有効にグリコシル化するため、インビボグリコシル化部位、特にN-グリコシル化部位のN残基またはO-グリコシル化部位のSまたはT残基は、インターフェロンガンマポリペプチドの118N-末アミノ酸残基中に位置することが好ましく、より好ましくは97N-末アミノ酸残基中である。より一層好ましくは、インビボグリコシル化部位は、その部位を創るのに一つの突然変異しか必要でない位置(すなわち機能的グリコシル化部位を創るのに必要とされる他のアミノ酸残基がすでにそのポリペプチドに存在している位置)に導入される。
【0068】
例えば、(受容体分子と形成する構造で)インターフェロンガンマポリペプチドの表面に露出し、かつ少なくとも25%の側鎖が表面に露出しているアミノ酸残基に占められている位置におけるさらなるN-グリコシル化部位の導入をもたらす置換は以下のものを含む:Q1N + P3S/T、P3N+V5S/T、K6N+A8S/T、E9N+L11S/T、K12S/T、K13N+F15S/T、Y14N+N16S/T、G18S/T、G18N、G18N+S20T、H19N+D21S/T、D21N+A23S/T、G26N+L28S/T、G31N+L33S/T、K34N+W36S/T、K37S/T、K37N+E39S/T、E38N、E38N+S40T、E39N+D41S/T、S40N+R42S/T、K55N+F57S/T、K58N+F60S/T、K61S/T、K61N+D63S/T、D62N+Q64S/T、D63N、D63N+S65T、Q64N+I66S/T、S65N+Q67S/T、Q67N、Q67N+S69T、K68N+V70S/T、E71N+I73S/T、T72N+K74S/T、K74N+D76S/T、E75N+M77S/T、K80S/T、V79N+F81S/T、K80N+F82S/T、N85S/T、S84N+K86S/T、K87S/T、K86N+K88S/T、K87N+R89S/T、D90N+F92S/T、E93N+L95S/T、K94N、K94N+T96S、T101N+L103S/T、D102N+N104S/T、L103N+V105S/T、Q106S/T、E119N、E119N+S121T、P122N+A124S/T、A123N+K125S/T、A124N、A124N+T126S、K125N+G127S/T、T126N+K128S/T、G127N+R129S/T、K128N+K130S/T、R129N+R131S/T および K130N。S/Tは、セリンまたはスレオニン残基、好ましくはスレオニン残基への置換を意味する。
【0069】
(受容体分子と形成する構造で)インターフェロンガンマポリペプチドの表面に露出し、かつ側鎖の少なくとも50%の側鎖が表面に露出している位置におけるさらなるN-グリコシル化部位の導入をもたらす置換は以下のものを含む:P3N+V5S/T、K6N+A8S/T、K12S/T、K13N+F15S/T、G18S/T、D21N+A23S/T、G26N+L28S/T、G31N+L33S/T、K34N+W36S/T、K37N+E39S/T、E38N、E38N+S40S/T、E39N+D41S/T、K55N+F57S/T、K58N+F60S/T、K61S/T、D62N+Q64S/T、Q64N+I66S/T、S65N+Q67S/T、K68N+V70S/T、E71N+I73S/T、E75N+M77S/T、N85S/T、S84N+K86S/T、K86N+K88S/T、K87N+R89S/T、K94N、K94N+T96S、T101N+L103S/T、D102N+N104S/T、L103N+V105S/T、Q106S/T、P122N+A124S/T、A123N+K125S/T、A124N、A124N+T126S、K125N+G127S/T、T126N+K128S/T、G127N+R129S/T、K128N+K130S/T、R129N+R131S/T、K130N および K130N+S132T。 S/Tは、セリンまたはスレオニン残基、好ましくはスレオニン残基への置換を意味する。
【0070】
ただ一つのアミノ酸置換によってN-グリコシル化部位を導入する置換は以下のものを含む:K12S/T、G18S/T、G18N、K37S/T、E38N、M45N、I49N、K61S/T、D63N、Q67N、V70N、K80S/T、F82N、N85S/T、K87S/T、K94N、Q106S/T、E119N、A124N、K130N および R140N、特に K12S/T、G18N、G18S/T、K37S/T、E38N、K61S/T、D63N、Q67N、K80S/T、N85S/T、K94N、Q106S/T、A124N および K130N (受容体分子を含まない構造で25%を越える側鎖が表面に露出している位置)、またはより好ましくはG18N、E38N、D63N、Q67N、K94N、S99N、A124N、およびK130N(受容体分子を含まない構造で50%を越える側鎖が表面に露出している位置)。
【0071】
通常、受容体結合部位を構成する領域にN-グリコシル化部位を導入することは好ましくない(特別な場合を除く(「受容体親和性の減少したインターフェロンガンマ変異体」と題される節参照))。従って、受容体親和性の減少が望まれるのでなければ、変異Q1N+P3S/T、E9N+L11S/T、G18N、G18N+S20T、H19N+D21S/T、D21N+A23S/T、G26N+L28S/T、K34N+W36S/T、K37N+E39S/T、E119N および E119N+S121Tは、通常行うべきでない。
【0072】
特に好ましいインターフェロンガンマポリペプチドには、K12S、K12T、G18S、G18T、E38N、E38N+S40T、K61S、K61T、N85S、N85T、K94N、Q106SおよびQ106Tより成る群から選択される置換、より好ましくはK12T、G18T、E38N+S40T、K61T、N85T、K94NおよびQ106Tより成る群から選択される置換、より一層好ましくはK12T、G18T、E38N+S40T、K61TおよびN85T、特にE38N+S40Tから選択される置換を少なくとも一つ含む。
【0073】
上記の置換はS99T突然変異と組み合わせることが好ましいことは理解されるであろう。従って、特に好ましいインターフェロンガンマポリペプチドは、K12S+S99T、K12T+S99T、G18S+S99T、G18T+S99T、E38N+S99T、E38N+S40T+S99T、K61S+S99T、K61T+S99T、N85S+S99T、N85T+S99T、K94N+S99T、S99T+Q106S および S99T+Q106Tよりなる群から選択される置換、より好ましくはK12T+S99T、G18T+S99T、E38N+S40T+S99T、K61T+S99T、N85T+S99T、K94N+S99T および S99T+Q106Tよりなる群から選択される置換、一層好ましくはK12T+S99T、G18T+S99T、E38N+S40T+S99T、K61T+S99T および N85T+S99Tより成る群から選択される置換、特にE38N+S40T+S99T、を含む。
【0074】
上記修飾はいずれも、「N-グリコシル化部位が最適化されたインターフェロンガンマ変異体」と題される節に開示される修飾のいずれか、特にS99T置換、および「非ポリペプチド部分がシステインを連結基として有するインターフェロンガンマ変異体」と題される節に開示される修飾のいずれかと組み合わせることができることは理解されるであろう。
【0075】
非ポリペプチド部分がシステインを連結基として有するインターフェロンガンマ変異体
本発明の別の好ましい態様において、インターフェロンガンマポリペプチドは、システイン残基が少なくとも一つ導入されている。システイン残基は置換により導入されていることが好ましい。
例えば、システイン残基は、インターフェロンガンマポリペプチドの表面に露出したアミノ酸残基を含む位置に導入できる。該表面露出アミノ酸残基は、その側鎖の少なくとも25%、特にその側鎖の少なくとも50%が表面に露出していることが好ましい。このような位置の決定についての詳細は本明細書の実施例Aにみられる。
【0076】
例えば、(受容体分子と形成する構造で)インターフェロンガンマポリペプチドの表面に露出し、少なくとも25%の側鎖が表面に露出しているアミノ酸に占められている位置におけるシステイン残基の導入をもたらす置換は以下のものを含む:Q1C、D2C、P3C、K6C、E9C、N10C、K13C、Y14C、N16C、G18C、H19C、D21C、N25C、G26C、G31C、K34C、N35C、K37C、E38C、E39C、S40C、K55C、K58C、N59C、K61C、D62C、D63C、Q64C、S65C、Q67C、K68C、E71C、T72C、K74C、E75C、N78C、V79C、K80C、N83C、S84C、N85C、K86C、K87C、D90C、E93C、K94C、T101C、D102C、L103C、N104C および E119C。
(受容体分子と形成する構造で)インターフェロンガンマポリペプチドの表面に露出し、少なくとも50%の側鎖が表面に露出しているアミノ酸残基に占められている位置におけるシステイン残基の導入をもたらす置換は以下のものを含む:P3C、K6C、N10C、K13C、N16C、D21C、N25C、G26C、G31C、K34C、K37C、E38C、E39C、K55C、K58C、N59C、D62C、Q64C、S65C、K68C、E71C、E75C、N83C、S84C、K86C、K87C、K94C、T101C、D102C、L103C および N104C。
【0077】
通常、受容体結合部位を構成する領域にシステイン残基を導入すること(そして続いてそのシステイン残基を非ポリペプチド部分と連結すること)は好ましくない(特別な場合を除く(「受容体親和性の減少したインターフェロンガンマ変異体」と題される節参照))。つまり、受容体親和性の減少が望まれるのでなければ、変異Q1C、E9C、G18C、H19C、D21C、G26C、K34C、K37CおよびE119Cは、通常行うべきでない。
より好ましくは、該システイン残基は、N10C、N16C、E38C、N59C、N83C、K94C、N104CおよびA124Cより成る群から選択される置換により導入される。
好ましくは、上記の修飾インターフェロンガンマポリペプチドはさらに置換S99Tを含む。上記置換の中で、以下の置換が特に好ましい:N10C+S99T、N16C+S99T、E38C+S99T、N59C+S99T、N83C+S99T、K94C+S99T、N104C+S99T および A124C+S99T。
【0078】
導入されたシステイン残基は、PEGまたはより好ましくはmPEGのような非ポリペプチド部分と結合可能であることが好ましい。インターフェロンガンマ変異体と活性化ポリマー分子の結合はいずれの常套的方法によっても行うことができ、それは例えば以下の引用に記載される(これらにはポリマー分子の活性化に適した方法もまた記載される):Harris and Zalipsky, eds., Poly(ethylene glycol) Chemistry and Biological Applications, AZC, Washington; R.F. Taylor, (1991), ”Protein immobilisation. Fundamental and applications”, Marcel Dekker, N.Y.; S.S. Wong, (1992), ”Chemistry of Protein Conjugation and Crosslinking”, CRC Press, Boca Raton; G.T. Hermanson et al., (1993), ”Immobilized Affinity Ligand Techniques”, Academic Press, N.Y.)。
【0079】
システイン残基との結合に特に好ましい活性化PEGポリマーの具体例には、以下の直鎖PEGが含まれる: ビニルスルフォン-PEG (VS-PEG)、好ましくはビニルスルフォン-mPEG (VS-mPEG); マレイミド-PEG (MAL-PEG)、好ましくはマレイミド-mPEG (MAL-mPEG)およびオルソピリジル-ジスルフィド-PEG (OPSS-PEG)、好ましくはオルソピリジル-ジスルフィド-mPEG (OPSS-mPEG)。典型的には、このようなPEGまたはmPEGポリマーの大きさは、約5 kDa、約10 kD、約12 kDaまたは約20 kDaである。システイン残基へのPEG化のため、通常PEG化の前にインターフェロンガンマポリペプチドにジチオスレイトース(DDT)のような還元剤を処置する。その後脱塩のような常套的方法により還元剤を除去する。PEGのシステイン残基への結合は、典型的にはpH 6-9の適した緩衝液中4℃から25℃の様々な温度で16時間までにおこる。
【0080】
上記修飾はいずれも、「N-グリコシル化部位が最適化されたインターフェロンガンマ変異体」と題される節に開示される修飾のいずれか、特に置換S99T、および「非ポリペプチド部分が糖部分であるインターフェロンガンマ変異体」と題される節に開示される修飾のいずれかと組み合わせることができることは理解されるであろう。
【0081】
第一の非ポリペプチド部分が糖部分であり、第二の非ポリペプチド部分がシステイン残基を連結基として有する分子である、インターフェロンガンマ変異体
本発明のさらに好ましい態様において、インターフェロンガンマポリペプチドは、N-グリコシル化部位が少なくとも一つ導入され、かつシステイン残基が少なくとも一つ導入されている。好ましくは、システイン残基および/またはN-グリコシル化部位は置換により導入される。このようなポリペプチドは、N-グリコシル化部位およびシステイン残基の導入に適した位置について述べている二つの前節に記載される残基をそれぞれ選択することにより調製できる。従って、本発明の興味深い態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドは、K12T+N16C、K12T+E38C、K12T+N59C、K12T+N83C、K12T+K94C、K12T+N104C、K12T+A124C、G18T+N10C、G18T+E38C、G18T+N59C、G18T+N83C、G18T+K94C、G18T+N104C、G18T+A124C、E38N+S40T+N10C、E38N+S40T+N16C、E38N+S40T+N59C、E38N+S40T+N83C、E38N+S40T+K94C、E38N+S40T+N104C、E38N+S40T+A124C、K61T+N10C、K61T+N16C、K61T+E38C、K61T+N83C、K61T+K94C、K61T+N104C、K61T+A124C、N85T+N10C、N85T+N16C、N85T+E38C、N85T+N59C、N85T+K94C、N85T+N104C、N85T+A124C、K94N+N10C、K94N+N16C、K94N+E38C、K94N+N59C、K94N+N83C、K94N+N104C、K94N+A124C、Q106T+N10C、Q106T+N16C、Q106T+E38C、Q106T+N59C、Q106T+N83C、Q106T+K94C および Q106T+A124Cより成る群より選択される置換、より好ましくはE38N+S40T+N10C、E38N+S40T+N16C、E38N+S40T+N59C、E38N+S40T+N83C、E38N+S40T+K94C、E38N+S40T+N104C および E38N+S40T+A124Cより成る群より選択される置換を含む。
【0082】
好ましくは、上記の修飾インターフェロンガンマポリペプチドはいずれも置換S99Tをさらに含み、すなわちインターフェロンガンマポリペプチドは以下より成る群から選択される置換を含む:K12T+N16C+S99T、K12T+E38C+S99T、K12T+N59C+S99T、K12T+N83C+S99T、K12T+K94C+S99T、K12T+N104C+S99T、K12T+A124C+S99T、G18T+N10C+S99T、G18T+E38C+S99T、G18T+N59C+S99T、G18T+N83C+S99T、G18T+K94C+S99T、G18T+N104C+S99T、G18T+A124C+S99T、E38N+S40T+N10C+S99T、E38N+S40T+N16C+S99T、E38N+S40T+N59C+S99T、E38N+S40T+N83C+S99T、E38N+S40T+K94C+S99T、E38N+S40T+N104C+S99T、E38N+S40T+A124C+S99T、K61T+N10C+S99T、K61T+N16C+S99T、K61T+E38C+S99T、K61T+N83C+S99T、K61T+K94C+S99T、K61T+N104C+S99T、K61T+A124C+S99T、N85T+N10C+S99T、N85T+N16C+S99T、N85T+E38C+S99T、N85T+N59C+S99T、N85T+K94C+S99T、N85T+N104C+S99T、N85T+A124C+S99T、K94N+N10C+S99T、K94N+N16C+S99T、K94N+E38C+S99T、K94N+N59C+S99T、K94N+N83C+S99T、K94N+N104C+S99T、K94N+A124C+S99T、Q106T+N10C+S99T、Q106T+N16C+S99T、Q106T+E38C+S99T、Q106T+N59C+S99T、Q106T+N83C+S99T、Q106T+K94C+S99T および Q106T+A124C+S99Tより成る群から選択される置換、より好ましくはE38N+S40T+N10C+S99T、E38N+S40T+N16C+S99T、E38N+S40T+N59C+S99T、E38N+S40T+N83C+S99T、E38N+S40T+K94C+S99T、E38N+S40T+N104C+S99T および E38N+S40T+A124C+S99Tより成る群から選択される置換。
【0083】
導入されたシステイン残基は、PEGまたはより好ましくはmPEGのような非ポリペプチド部分と結合可能であることが好ましいは理解されるであろう。システイン含有ポリペプチド変異体とポリマー分子の結合はいずれの適した方法でも、例えば「非ポリペプチド部分がシステインを連結基として有するインターフェロンガンマ変異体」と題される節に記載されるように、達成できる。
さらに、前述の修飾はいずれも、「インビボN-グリコシル化部位が最適化されたインターフェロンガンマ変異体」と題される節に開示される修飾のいずれか、特に置換S99Tと組み合わせることができることは理解されるであろう。
【0084】
受容体親和性の減少したインターフェロンガンマ変異体
インターフェロンガンマポリペプチドの血清半減期を増加する一つの方法は、受容体仲介内部移行を減少させ、それにより受容体仲介クリアランスを減少させるものである。受容体仲介内部移行はインターフェロンガンマ二量体のインターフェロンガンマ受容体複合体に対する親和性に依存し、従ってインターフェロンガンマ受容体複合体に対する親和性の減少したインターフェロンガンマポリペプチドは、内部移行しその後クリアランスされる程度がより低いと期待される。
インターフェロンガンマ二量体のその受容体複合体に対する親和性は、一つまたはそれ以上の修飾、特に置換を、インターフェロンガンマポリペプチドの受容体結合領域において行うことにより減少できる。受容体結合領域を構成するアミノ酸残基は、本明細書の実施例Bに規定される。実行可能な置換のクラスの一つは保守的アミノ酸置換である。別の態様においては、修飾を行うことによりN-グリコシル化部位が導入される。
【0085】
つまり、本発明のさらに興味深い態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドは、(本明細書中で規定される)受容体結合部位における修飾を少なくとも一つ含む。詳細には、インターフェロンガンマポリペプチドは、該受容体結合領域にインビボN-グリコシル化を創る修飾、好ましくは置換を少なくとも一つ含む。例えば、このような置換は、Q1N+P3S/T、D2N+Y4S/T、Y4N+K6S/T、V5N+E7S/T、E9N+L11S/T、K12N+Y14S/T、G18N、G18N+S20T、H19N+D21S/T、S20N+V22S/T、D21N+A23S/T、V22N+D24S/T、D24N+G26S/T、G26N+L28S/T、L30N+I32S/T、K34N+W36S/T、K37N+E39S/T、K108N+I110S/T、H111N+L113S/T、E112N+I114S/T、I114N+V116S/T、Q115N+M117S/T、A118N+L120S/T、E119N および E119N+S121Tから成る群より選択でき、好ましくはQ1N+P3S/T、D2N+Y4S/T、E9N+L11S/T、K12N+Y14S/T、G18N、G18N+S20T、H19N+D21S/T、S20N+V22S/T、D21N+A23S/T、K34N+W36S/T、K37N+E39S/T、H111N+L113S/T、Q115N+M117S/T、A118N+L120S/T、E119N および E119N+S121Tよりなる群(その側鎖の少なくとも25%が表面に露出しているアミノ酸残基を含む位置におけるN-グリコシル化部位の導入)から選択でき、より好ましくはQ1N+P3S/T、D2N+Y4S/T、E9N+L11S/T、G18N、G18N+S20T、H19N+D21S/T、S20N+V22S/T、D21N+A23S/T、K34N+W36S/T、K37N+E39S/T、Q115N+M117S/T、A118N+L120S/T、E119N および E119N+S121Tよりなる群(その側鎖の少なくとも50%が表面に露出しているアミノ酸残基を含む位置におけるN-グリコシル化部位の導入)から選択でき、より一層好ましくはQ1N+P3T、D2N+Y4T、E9N+L11T、G18N+S20T、H19N+D21T、S20N+V22T、D21N+A23T、K34N+W36T、K37N+E39T、Q115N+M117T、A118N+L120T および E119N+S121Tから成る群より選択でき、最も好ましくはG18N+S20T、H19N+D21T、D21N+A23T および E119N+S121T、特にD21N+A23Tから成る群より選択できる。
【0086】
そのような変異体は、ヒトインターフェロンガンマまたはActimmune(登録商標)と比較して受容体親和性が減少していると考えられる。受容体親和性はいずれの適したアッセイでも測定でき、当業者には周知であろう。受容体結合親和性の測定に適したアッセイの一例は、Michiels et al. Int. J. Biochem. Cell Biol. 30:505-516 (1998)に記載されるBIAcore(登録商標)アッセイである 。
典型的には、受容体親和性の減少したそのようなインターフェロンガンマポリペプチドは、例えば本明細書に記載される「一次アッセイ」で試験した場合、インターフェロンガンマ活性が減少しているであろう。例えば、インターフェロンガンマポリペプチドは、Actimmune(登録商標)またはヒトインターフェロンガンマのインターフェロンガンマ活性の1-95%、例えば1-50%のように1-75%を示すことがあり、例えばActimmune(登録商標)またはグリコシル化形態のヒトインターフェロンガンマのインターフェロンガンマ活性の1-20%または1-10%であることがある。
【0087】
受容体結合親和性を減少させる前述の修飾はいずれも、本明細書に開示される他の修飾、特に「N-グリコシル化が最適化されたインターフェロンガンマ変異体」、「非ポリペプチド部分に対する連結基を含むインターフェロンガンマ変異体」、「非ポリペプチド部分が糖部分であるインターフェロンガンマ変異体」、「非ポリペプチド部分がシステインを連結基として有する分子であるインターフェロンガンマ変異体」および「第一の非ポリペプチド部分が糖部分であり、第二の非ポリペプチド部分がシステインを連結基として有する分子であるインターフェロンガンマ変異体」と題される節に示される修飾のいずれか、例えばE38N、S40T、S99Tおよびその組み合わせよりなる群から選択される置換、特にE38N+S40T+S99T、と組み合わせることができることは明らかである。
【0088】
更なる態様においてインターフェロンガンマポリペプチドは、少なくとも一つの導入グリコシル化部位と、導入グリコシル化部位に連結する少なくとも一つの糖部分を含む。更なる態様においてインターフェロンガンマポリペプチドは、少なくとも一つの導入グリコシル化部位と、導入グリコシル化部位に連結する少なくとも一つの糖部分、およびポリエチレングリコールのようなポリマー分子を含む。特に好ましい態様においては、インターフェロンガンマポリペプチドは、各々N−グリコシル化部位に連結した3つの糖部分を含む。
【0089】
インターフェロンガンマポリペプチドの切断の解析
インターフェロンガンマポリペプチドの精製試料のC末切断の測定は、数々の方法によって行うことができる。
インターフェロンガンマポリペプチドのC末切断を明らかにする方法の一つは、正確な質量分析に依存する。あいにく、インターフェロンガンマのグリコシル化は不均一であり、従ってその糖タンパク質について直接正確な質量を測定することは非常に難しくなる。それゆえ、典型的には異なるレベルの酵素的脱グリコシル化を質量分析と組み合わせて使用する。
ある方法では、インターフェロンガンマポリペプチドの全グリカン部分をエンドグリコシダーゼPNGase Fを使用して切断し、その後ESI質量分析またはMALDI-TOF質量分析のいずれかを使用して正確な質量を測定する。実験的質量をインターフェロンガンマの既知のアミノ酸配列と比較することで、C末切断部位を測定することができる。
別の関連した方法では、全グリカン部分のかわりにインターフェロンガンマポリペプチドのグリカン部分のシアリル酸のみを切断除去する。ある場合においては、ESI質量分析またはMALDI-TOF質量分析のいずれかを使用する正確な質量測定に続いてC-末切断部位が推測できるレベルまで、試料の不均一性を減少させるのにこれで十分である。
インターフェロンガンマポリペプチドのC末切断を明らかにするより古典的な方法では、質量分析および化学的アミノ酸シークエンスと組み合わせたペプチドマッピングを用いる。簡単に言うと、インターフェロンガンマポリペプチドを特異性の知られたプロテアーゼ(例えばAsp-N プロテアーゼ)で分解し、その後RP-HPLCを使用してペプチド分離を行う。画分はその後、ESI質量分析を使用してオンラインで、またはMALDI-TOF質量分析を使用してオフラインで、のいずれかで質量解析することができる。ペプチドについて得られた質量をインターフェロンガンマの既知のアミノ酸配列と比較すると、C末切断の起こり得る部位を測定するできる。その後、アミノ酸シークエンスにより確認することができる。
【0090】
スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体
本発明の組成物においてスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は、US 5,874,418、US 5,376,645 および US 5,134,127に記載される誘導体のいずれかであり、その内容は引用により本明細書に含まれる。スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体はまたWO 91/11172にも記載され、その内容は引用により本明細書に含まれる。本発明のある態様においては、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは以下の式(I)で示される化合物である:
式(I):
【化1】
Figure 2004522803
(式中、nは4、5、または6であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、および R9 は各々、独立して、-O- または -O-(C2-C6 アルキレン)-SO3- 基であり、R1 および R2の少なくとも一つは独立して-O-(C2-C6 アルキレン)-SO3- 基であり、かつ
S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、および S9 は各々、独立して、製薬的に許容される陽イオンである。
【0091】
式(I)で示される化合物の更なる態様において、nは5である。
式(I)で示される化合物の更なる態様において、nは6である。
式(I)で示される化合物の更なる態様において、 R1 および R2の少なくとも一つは-O-(CH2)m-SO3-であり、mは 2、3、4、5 または 6である。
式(I)で示される化合物の更なる態様において、 R1 および R2は独立して-OCH2CH2CH2SO3- または -OCH2CH2CH2CH2SO3-から選択される。
式(I)で示される化合物の更なる態様において、R4、R6、および R8の少なくとも一つは、独立して、-O-(C2-C6 アルキレン)-SO3-であり、そしてR5、R7、および R9 はすべて -O-である。
式(I)で示される化合物の更なる態様において、 S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、および S9 は、各々、独立して、H+、アルカリ金属 (例えば Li+、Na+、K+)、アルカリ土類金属 (例えば、Ca+2、Mg+2)、アンモニウムイオン、およびアミン陽イオン、例えば (C1-C6) アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、(C1-C6) アルカノルアミン および (C4-C8)シクロアルカノルアミンの陽イオン、より成る群から選択される、製薬的に許容される陽イオンである。
式(I)で示される化合物の更なる態様において、 S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、および S9 は、独立して、アルカリ金属陽イオン、アルカリ土類金属陽イオン、第4級アンモニウム陽イオン、第三級アンモニウム陽イオン、および第二級アンモニウム陽イオンから選択される。
【0092】
更なる態様においては、R4、R6、および R8の少なくとも一つは、独立して、-O-(C2-C6 アルキレン)-SO3-であり、そして R5、R7、および R9 はすべて -O-である。
本明細書で(例えば-O-(C2-C6-アルキレン)SO3- 基において、またはアルキルアミンにおいて)使用される「アルキレン」および「アルキル」なる用語は、直鎖、環状、および分岐の、飽和および不飽和(すなわち二重結合を一つ含む)二価アルキレン基および一価アルキル基をそれぞれ含む。本明細書中「アルカノル」なる用語は同様に、アルカノル基の直鎖、環状および分岐の、飽和および不飽和アルキル構成部分の両方を含み、ヒドロキシル基はそのアルキル部分のいずれの位置に定めてもよい。「シクロアルカノル」なる用語は、非置換または(例えばメチルまたはエチルによる)置換環状アルコールを含む。
現在のところ好ましいスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は、ベータシクロデキストリンスルホブチルエーテルの塩 (特にそのナトリウム塩、SBE7-β-CDとも呼ばれCaptisol(登録商標)として入手可能)である(Cydex, Overland Park, Kansas 66213, US)。
【0093】
本発明の組成物の他の態様
通常本発明の組成物は、3-8、例えば4-8、5-8、6-8、7-8、4-7、4-6、または4-5の範囲のpHを有する。インターフェロンベータについては、好ましいpH範囲は4-8、好ましくは5-8、あるいは4-7である。更なる態様においてpH範囲は5-6、例えば約5.5である。pHは通常以下に詳説される緩衝化剤を適した量使用することで得られる。
さらに、組成物は血液とおよそ等張であり、それはすなわち約240-360 mOsmol/kg、例えば280-320 mOsmol/kg、特に約 300 mOsmol/kgの浸透圧を有することによる。浸透圧は通常以下に詳説される等張化剤を適した量使用することにより得られる。
【0094】
つまり、広範な局面において本発明は、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する安定化組成物に関する。インターフェロンポリペプチドは、典型的には上記および実施例におけるそれらのうちいずれか一つから選択される。インターフェロンポリペプチドの好ましい具体例は、インターフェロンベータおよびインターフェロンガンマであり、特にインターフェロンベータ変異体およびインターフェロンガンマ変異体、例えばグリコシル化および/またはペグ化変異体であり、詳しくは前述されている。
【0095】
インターフェロンポリペプチドは、典型的には液体調製物において約1-100 MIU/ml、または固体調製物において1-100 MIU/用量の濃度で存在する。このような濃度は、液体調製物において約1-10 MIU/ml、1-20 MIU/ml、1-30 MIU/ml、1-40 MIU/ml、1-50 MIU/ml、1-60 MIU/ml、1-70 MIU/ml、1-80 MIU/ml、1-90 MIU/ml、10-20 MIU/ml、20-30 MIU/ml、30-40 MIU/ml、40-50 MIU/ml、50-60 MIU/ml、60-70 MIU/ml、70-80 MIU/ml、80-90 MIU/ml、90-100 MIU/ml、5-95 MIU/ml、15-85 MIU/ml、25-75 MIU/ml、35-65 MIU/ml、および45-55 MIU/mlから選択できる。さらに、このような濃度は、固体調製物において約1-10 MIU/用量、1-20 MIU/用量、1-30 MIU/用量、1-40 MIU/用量、1-50 MIU/用量、1-60 MIU/用量、1-70 MIU/用量、1-80 MIU/用量、1-90 MIU/用量、10-20 MIU/用量、20-30 MIU/用量、30-40 MIU/用量、40-50 MIU/用量、50-60 MIU/用量、60-70 MIU/用量、70-80 MIU/用量、80-90 MIU/用量、90-100 MIU/用量、5-95 MIU/用量、15-85 MIU/用量、25-75 MIU/用量、35-65 MIU/用量、および 45-55 MIU/用量から選択できる。
【0096】
スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は、典型的には約1-150 mg/mlの濃度で存在する。このような濃度は、約1-10 mg/ml、1-20 mg/ml、1-30 mg/ml、1-40 mg/ml、1-50 mg/ml、1-60 mg/ml、1-70 mg/ml、1-80 mg/ml、1-90 mg/ml、1-100 mg/ml、1-110 mg/ml、1-120 mg/ml、1-130 mg/ml、1-140 mg/ml、10-20 mg/ml、20-30 mg/ml、30-40 mg/ml、40-50 mg/ml、50-60 mg/ml、60-70 mg/ml、70-80 mg/ml、80-90 mg/ml、90-100 mg/ml、100-110 mg/ml、110-120 mg/ml、120-130 mg/ml、130-140 mg/ml、140-150 mg/ml、5-100 mg/ml、5-95 mg/ml、5-90 mg/ml、5-85 mg/ml、5-80 mg/ml、5-75 mg/ml、5-70 mg/ml、5-65 mg/ml、5-60 mg/ml、5-55 mg/ml、5-50 mg/ml、5-45 mg/ml、5-40 mg/ml、5-35 mg/ml、5-30 mg/ml、5-25 mg/ml、5-20 mg/ml、5-15 mg/ml、および 5-10 mg/mlから選択できる。
【0097】
ある態様において本発明の組成物は、4-8の範囲のpH、および約 240-360 mOsmol/kg、例えば280-320 mOsmol/kg、 特に約300 mOsmol/kgの浸透圧を有する。
特定の局面において本発明の組成物は、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する液体溶液剤に関する。
さらに特定の局面において本発明の組成物は、インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する水溶液剤に関する。
スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は、典型的には約1-150 mg/mlの濃度で存在する。しかしながら前述の濃度範囲はいずれも、本発明の一具体例と考えられる。
インターフェロンポリペプチドは、液体溶液剤において典型的には約1-100 MIU/mlの濃度で存在する。しかしながら前述の濃度範囲はいずれも、本発明の一具体例と考えられる。
【0098】
ある態様においては、液体溶液剤または水溶液剤は等張であり、かつ約240-360 mOsmol/kgの浸透圧を有する。さらなる態様においては、液体溶液剤または水溶液剤は等張であり、かつ約 240-360 mOsmol/kgの浸透圧を有し、そして4-8の範囲、例えば5-8、6-8、7-8、4-7、4-6、または 4-5の範囲のpHを有する。なお更なる態様においては、液体溶液剤または水溶液剤はさらに等張化剤約240-360 mOsmol/kgの浸透圧を与える等張化剤を含有する。等張化剤は、いずれの適した等張化剤であってもよく、例えば以下の「非経口医薬品」の節に示されるそれらのいずれかである。なお更なる態様において液体溶液剤または水溶液剤は、さらに最大100mMの濃度で存在する緩衝化剤を含有する。緩衝化剤の濃度は、以下の「非経口医薬品」の節に示されるいずれかの濃度範囲から選択できる。緩衝化剤はいずれの適した緩衝剤であってもよく、例えば以下の「非経口医薬品」の節に示されるぞれらのうちいずれかである。
【0099】
前述のように、インターフェロンポリペプチドは典型的には上記および実施例に示されるそれらのうちいずれか一つから選択される。インターフェロンポリペプチドの好ましい具体例は、インターフェロンベータおよびインターフェロンガンマであり、特にインターフェロンベータ変異体およびインターフェロンガンマ変異体、例えばグリコシル化および/またはペグ化変異体のいずれかであり、詳しくは前述されている。インターフェロンポリペプチドの他の好ましい具体例は、ヒト野生型インターフェロンベータおよびヒト野生型インターフェロンガンマであり、例えばグリコシル化および/またはペグ化分子、例えばポリエチレングリコールを含むポリマーと組み合わさったグリコシル化インターフェロンベータ1a、である。
【0100】
好ましくは本発明の組成物は、(加速安定性試験で測定した場合に)37℃で少なくとも1週間、好ましくは少なくとも2、3、または4週間保存する間、インターフェロンポリペプチドが基本的にその生物活性を保持しているものである。インターフェロンポリペプチドが基本的にその生物活性を保持している場合、それはその生物活性の少なくとも80%、好ましくはその生物活性の少なくとも90%が保持されていることを意味する。
あるいは、本発明の組成物においては、25℃で少なくとも4週間、例えば少なくとも5、6、7、8、9、10、11または12週間保存する間、インターフェロンポリペプチドが基本的にその生物活性を保持していることが好ましい。更なる選択肢として、本発明の組成物は、37℃で少なくとも1週間保存する間、および25℃で少なくとも4週間保存する間、インターフェロンポリペプチドが基本的にその生物活性を保持しているものである。測定する生物活性は例えば抗ウィルス活性である。
【0101】
抗ウィルス活性は、当業界において既知の方法、例えばWO 01/15736 (インターフェロンベータ) および WO 01/36001 (インターフェロンガンマ)に記載されるアッセイを使用して測定する。
WO 01/15736 に示されるアッセイは以下のようである:
A549細胞 (CCL 185, American tissue culture collection)および脳心筋炎(EMC)ウィルス (VR-129B, American tissue culture collection)を用いて抗ウィルス生物アッセイを行う。細胞を96穴組織培養プレートに濃度10,000細胞/ウェルで播種し、5%CO2大気下37℃でインキュベートする。全量約100μlの牛胎児血清および抗生物質含有 DMEM 培地中に、本発明のポリペプチドまたは変異体を約100-0.0001 IU/mL (典型的には 100-0.0001 IU/mL)の範囲の濃度で添加する。24 時間後培地を除去し、EMCウィルスを含む新鮮な培地0.1 mL を各ウェルに添加する。EMCウィルスは、24時間後にインターフェロンベータ不含細胞培養において100%の細胞死を引き起こす濃度で添加する。さらに24時間後、ポリペプチドまたは結合体の抗ウィルス効果をWST-1アッセイを用いて測定する。0.01 mL のWST-1 (WST-1 細胞増殖剤、 Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany) を、0.1 mL の培養に添加し、5%CO2大気下37℃で1/2−2時間インキュベートする。生存細胞におけるミトコンドリアデヒドロゲナーゼによるWST-1テトラゾリウム塩の切断の結果、ホルマザンが形成され、450nmで吸光度を測定することによりそれを定量する。
アウトプットは、同じプレート上に含まれ、同じ条件下で解析された既知の標品と比較して、U/mlで計算する。
【0102】
WO 01/36001に示されるアッセイは以下のようである。
インターフェロンガンマがHeLa細胞上でインターフェロンガンマ受容体と相互作用し、活性化することが以前に報告されている。その結果、インターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)を含むプロモーターにおいて転写が活性化される。従って、Hela細胞に備えられたISRE結合ルシフェラーゼレポーター遺伝子(ISRE-luc)を使用することにより、インターフェロン受容体のアゴニストを選別することが可能となる。
ISRE-Luc および pCDNA 3.1/hygroを共にHeLa 細胞にトランスフェクトし、ハイグロマイシンB含有DMEM培地中でスクリーニングすることによって、フォサイ(細胞クローン)が形成される。インターフェロンガンマ存在または非存在下でのルシフェラーゼ活性について細胞クローンをスクリーニングする。ルシフェラーゼ刺激活性の非刺激活性に対する比率が最も高い細胞クローンを以後のアッセイに使用する。
ムテインをスクリーニングするため、96ウェル培養プレートに15,000細胞/ウエルを播種し、DEME培地にて一晩インキュベートする。その翌日、細胞に種々の濃度のムテインおよび既知標品を加える。プレートを5% CO2大気下に37℃にて6時間インキュベートし、次いでLucLite基質 (Packard Bioscience, Groningen The Netherlands )を各ウエルに加える。プレートをシールし、SPC(単一光子計数)モードにてTopCount照度計(Packard)で蛍光を測定する。個々のプレートは、刺激対照としてインターフェロンガンマとともにインキュベートされるウエル、および非刺激対照として通常培地を含有する他のウエルを含んでいる。刺激および非刺激ルシフェラーゼ活性間の比率は、ムテイン活性および実験間変動の両者についての内部基準として役立つ。
【0103】
本発明の医薬組成物は、液体、ゲル、凍結乾燥、肺分散、または他の適した形態、例えば圧縮固体を含む、様々な形態であってよい。本明細書中で「液体」なる用語は、「水性液体」なる用語を含む意味である。
本発明のさらなる態様において、組成物は乾燥製剤または液体製剤である。本発明の更なる態様においては、組成物は乾燥形態である。本発明の更なる態様においては、組成物は液体形態である。本発明の更なる態様においては、組成物は水溶液剤である。本発明の更なる態様においては、組成物は水性懸濁液剤である。
好ましい形態は処置される具体的適応に依存するであろうし、また当業者には明らかであろう。例えば、溶液からの凍結乾燥は、安定性をさらに上昇させるのに用いることができる。
【0104】
本発明の医薬組成物は、経口、静脈内、脳内、筋肉内、腹腔内、皮内、皮下、鼻腔内、肺、または他の許容される方法、例えばPowderJect または ProLease 技術のような薬物送達系、を使用して投与することができる。好ましい投与様式は、処置される具体的適応に依存するであろうし、また当業者には明らかであろう。
続いて、具体的な製剤タイプに適した組成物を記載する。様々な添加剤が使用される性質および量は、インターフェロンポリペプチド、および製剤タイプならびに投与経路に依存することは理解されるであろう。典型的には、本発明の組成物は、緩衝化剤、等張化剤、保存剤、湿潤化剤、増粘化剤、および/またはスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体に加えて一つまたはそれ以上の安定剤を含む。このような安定剤はスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体の安定化効果に悪影響を与えてはならないことは理解されるであろう。組成物のさらなる構成成分は以下に詳説される。
また本発明の組成物は、組成物の安定化を助け、かつ/または組成物の保存される容器への吸着を最小限に抑える、ヒト血清アルブミンまたは他のヒトタンパク質を含んでも良い。しかしながら、ある具体的態様においては組成物は基本的にヒト血清アルブミンまたは他のヒトタンパク質を含まず、なぜなら調節の観点からそのようなタンパク質の存在が望ましくない場合があるからである。
【0105】
本発明の組成物は、医薬組成物を調製するための常套的方法によって調製できる。例えば、安定化および緩衝化剤ならびに他の添加剤を、インターフェロンポリペプチドを組み込むのに先立って前もって混合することにより組成物を調製する。ある態様においては、水性液体製剤の窒素パージおよび/または部分的に満たされた製品容器の空隙容量の窒素パージを行って組成物を調製する。別の態様においては、そのような窒素パージをせずに組成物を調製する。
組成物中に存在するインターフェロンポリペプチドの量は、インターフェロンポリペプチド、製剤、および投与経路の性質に依存する。例えば、組成物がインターフェロンベータ含有組成物の場合、インターフェロンベータポリペプチドは、1-100 MIU/mlに相当する量、典型的には1-50 MIU/ml、(液体製剤へ製剤化したとき) または 1-100 MIU/用量 (固体製剤へ製剤化したとき)で存在する。
【0106】
非経口医薬品
医薬組成物の一例は非経口投与用に設計した溶液である。多くの場合、医薬溶液製剤は即時使用に適した液体形態で提供されるが、係る非経口製剤は凍結または凍結乾燥形態でも提供できる。前者の場合、使用前にこの組成物を融解せねばならない。凍結乾燥調製物は一般に液体調製物より安定であるという事が当業者に認識されているので、より多岐にわたる貯蔵条件の下で該組成物中に含まれる活性化合物の安定性を増強するため、凍結乾燥形態がしばしば利用される。このような凍結乾燥調製物は、注射用滅菌水または滅菌生理食塩水のような一つまたはそれ以上の適した製薬的に許容される希釈体の添加により、使用前に再構成される。
非経口投与の場合、これらは、所望の純度を持つインターフェロンポリペプチドを、一つまたはそれ以上の当業界で典型的に使用される製薬的に許容される担体、賦形剤または安定剤(これらは全て「賦形剤」と称する)、例えば緩衝化剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、非イオン性界面活性剤、抗酸化剤および/または他の様々な添加剤と適宜混合することにより、凍結乾燥製剤または水溶液剤として保存用に調製される。
【0107】
緩衝化剤は、所望のレベル、例えば生理的条件に近似するレベルのpHを確実に維持する濃度で存在する。緩衝化剤は、各緩衝剤タイプにつき上限100mMの適した濃度を有する。ほとんどの緩衝化剤について、この濃度は通常1-100 mMの範囲、例えば1-90 mM、1-80 mM、1-70 mM、1-60 mM、1-50 mM、1-40 mM、1-30 mM、1-20 mM、1-10 mM、5-15 mM、15-25 mM、25-35 mM、35-45 mM、45-55 mM、55-65 mM、65-75 mM、75-85 mM、85-95 mMである。 適した濃度は当業者によって決定できる。緩衝化剤は、典型的には弱酸、弱塩基、またはそのような酸の陰イオンの塩の溶液である。本発明に使用するのに適した緩衝化剤は、有機および無機酸ならびにその塩、例えばクエン酸塩緩衝剤(例えばクエン酸一ナトリウム-クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸-クエン酸三ナトリウム混合物、クエン酸-クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸塩緩衝剤(例えばコハク酸-コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸-水酸化ナトリウム混合物、コハク酸-コハク酸二ナトリウム混合物など)、酒石酸塩緩衝剤(例えば酒石酸-酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸-酒石酸カリウム混合物、酒石酸-水酸化ナトリウム混合物など)、フマル酸塩緩衝剤(例えばフマル酸-フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸-フマル酸二ナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム-フマル酸二ナトリウム混合物など)、マレイン酸塩緩衝剤(例えばマレイン酸ナトリウム)、グルコン酸塩緩衝剤(例えばグルコン酸-グルコン酸ナトリウム混合物、グルコン酸-水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸-グルコン酸カリウム混合物など)、シュウ酸塩緩衝剤(例えばシュウ酸-シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸-水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸-シュウ酸カリウム混合物など)、乳酸塩緩衝剤(例えば乳酸-乳酸ナトリウム混合物、乳酸-水酸化ナトリウム混合物、乳酸-乳酸カリウム混合物など)および酢酸塩緩衝剤(例えば酢酸-酢酸ナトリウム混合物、酢酸-水酸化ナトリウム混合物など)を包含する。さらなる可能性はリン酸塩緩衝剤、炭酸塩緩衝剤(例えば炭酸ナトリウム)、グルタミン酸塩緩衝剤である。保存剤は微生物の増殖を遅延させるために添加でき、典型的には約0.2%から1%(w/v)の量を添加する。本発明での使用に適した保存剤には、フェノール、ベンジルアルコール、メタ-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ハロゲン化ベンザルコニウム(例えば塩化、臭化またはヨウ化ベンザルコニウム)といったアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、および3-ペンタノール、およびその適切な混合物が含まれる。
【0108】
従って、更なる態様において本発明の組成物は、緩衝剤、例えば上記のいずれかまたはその混合物を含有する。
更なる態様において本発明の組成物は、保存剤および/または増粘化剤をさらに含む。
別の態様において本発明の組成物は、保存剤を含まない。
更なる態様において本発明の組成物は、クエン酸塩緩衝剤、コハク酸塩緩衝剤、酒石酸塩緩衝剤、フマル酸塩緩衝剤、マレイン酸塩緩衝剤、グルコン酸塩緩衝剤、シュウ酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤、グルタミン酸塩緩衝剤、乳酸塩緩衝剤、および酢酸塩緩衝剤を含む。
更なる態様において本発明の組成物は、上限100mMまでの濃度、例えば1 mM から 100 mM、1-90 mM、1-80 mM、1-70 mM、1-60 mM、1-50 mM、1-40 mM、1-30 mM、1-20 mM、1-10 mM、5-15 mM、15-25 mM、25-35 mM、35-45 mM、45-55 mM、55-65 mM、65-75 mM、75-85 mM、または 85-95 mM、で存在する緩衝剤を含む。
【0109】
等張化剤は液体組成物の等張性を確保するために添加でき、多価糖アルコール、好ましくは三価またはそれ以上の糖アルコール、例えばグリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトールおよびマンニトール(マンニトールは典型的には上限50mg/mlの濃度で存在する)、またはNaCl(NaClは典型的には上限9mg/mlの濃度で存在する)を含む。多価アルコールは他の成分の相対量を考慮に入れて0.1%および25%(重量)の間、典型的には1%から5%の量で存在できる。
【0110】
安定剤とは、機能の上で、充填剤から、治療物質を可溶化しまたは変性や容器壁への付着の防止を助ける添加剤までの範囲の広い範疇の賦形剤を指す。典型的な安定剤は、多価糖アルコール(上に列挙);アミノ酸、例えばアルギニン、リジン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L-ロイシン、2-フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニンなど、有機糖または糖アルコール、例えば乳糖、トレハロース、スタキオース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイニシトール、ガラクチトール、グリセロールなど(イノシトールのようなシクリトールを含む);ポリエチレングリコール;アミノ酸ポリマー;硫黄含有還元剤、例えば尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、α-モノチオグリセロールおよびチオ硫酸ナトリウム;低分子量ポリペプチド(即ち<10残基);タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、牛血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;単糖類、例えばキシロース、マンノース、フルクトースおよびグルコース;二糖類、例えば乳糖、マルトースおよび蔗糖;三糖類、例えばラフィノース、ならびに多糖類、例えばデキストランであってよい。安定剤は、典型的には活性タンパク質重量を基準として0.1から10,000重量部の範囲で存在する。
【0111】
非イオン性界面活性剤またはデタージェント(「湿潤化剤」としても知られる)は、治療物質の可溶化を助けるため、そして治療用ポリペプチドを振動誘発凝集から保護するために存在させることができ、さらにこれは、該ポリペプチドの変成をもたらすことなく製剤を剪断表面応力にさらすことを可能にする。適した非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート(20、80など)、ポリオキサマー(184、188など)、Pluronic(登録商標)ポリオール、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(Tween(登録商標)-20(Tween-20は、典型的には上限2mg/mlの濃度で存在する)、Tween(登録商標)-80(Tween-80は、典型的には上限2mg/mlの濃度で存在する)など)を含む。
好ましい態様においては、組成物がインターフェロンベータポリペプチドを含有する場合には、界面活性剤、例えば非イオン界面活性剤を添加しない。
【0112】
さらなるその他の賦形剤は、充填剤または増量剤(例えば澱粉)、キレート化剤(例えばEDTA)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE)および補助溶媒を包む。
【0113】
活性成分はまた、例えばコアセルベート化技術または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えばヒドロキシメチルセルロース、ゼラチンまたはポリ-(メチルメタキレート)マイクロカプセル中に、またはコロイド薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)中に、または持続放出調整物(次節参照)中に捕捉できる。このような技術はRemington's Pharmaceutical Sciences, by E.W.Martin, 18th edition, A. R. Gennaro, Ed., Mack Publishing Company [1990]; Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteinsに開示されている。
インビボ投与に使用する非経口製剤は無菌でなければならない。これは例えば滅菌濾過膜による濾過によって容易に達成できる。
【0114】
持続放出調整物(非経口その他の用途)
持続放出調製物の適当な例は、インターフェロンポリペプチドを含有する疎水性固体ポリマーおよび/または親水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、そのマトリックスはフィルム、ロード、マイクロカプセル、マイクロスフィアのような適した形態を有する。持続放出マトリックスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル(例えばポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸、L-グルタミン酸とエチル-L-グルタミン酸のコポリマー、非分解性エチレンビニルアセタート、デキストラン、スターチ、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えばProLease(登録商標)技術またはLupron Depot(登録商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドより成る注射可能なミクロスフェア)、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸を包含する。エチレン-ビニルアセタートおよび乳酸-グリコール酸といったポリマーは、100日間またはそれ以上の長期間の分子の放出を可能にするが、ある種のヒドロゲルはタンパク質をより短期間放出する。
【0115】
肺または鼻腔内送達製剤
このような製剤は、そのまま使用される液体または固体製剤の形態、または分散形態であってよい。
投与および/または分散生成に適当な装置はすべて、インターフェロンポリペプチドの分散化に適した製剤を使用する必要がある。典型的には、各製剤は用いられる装置のタイプに特異的であり、治療上有用な通常の希釈体、アジュバントおよび/または担体に加えて、適切な推進剤を使用可能である。各製剤はまた典型的には、分散として送達されるインターフェロンポリペプチドに特異的である。また、リポソーム、マイクロカプセル、またはマイクロスフィア、封入複合体、または他の担体タイプの使用が考えられる。本発明を実行するのに最も一般的なタイプの肺分散化装置において使用できるインターフェロンポリペプチド製剤をここに記す。
【0116】
(噴霧インターフェロン製剤)
ジェットまたは超音波のいずれかの噴霧器での使用に適したインターフェロンポリペプチド製剤は、典型的には、例えば溶液1 mLに対しインターフェロンポリペプチドを約0.01-25mg、好ましくは約0.1-10ng/mLの濃度で水に溶解したインターフェロンポリペプチドを含むであろう。その製剤はまた、緩衝剤並びに等張化剤、例えば単糖(例えばタンパク質安定化および浸透圧調節のため)、および/または濃度0.1-10 mg/mlの範囲のヒト血清アルブミンを含む。使用可能な緩衝剤の例は酢酸ナトリウム、クエン酸およびグリシンである。好ましくはその緩衝剤は、溶液のpHを3から9の範囲に調節するのに適した組成およびモル濃度を有する。一般的に、1 mMから50 mMの緩衝剤モル濃度がこの目的に適している。利用可能な糖の例は、乳糖、麦芽糖、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、およびキシロースであり、通常製剤の重量の1%から10%の範囲の量である。
【0117】
エアロゾル形成における溶液の噴霧化により引き起こされる表面誘導タンパク質凝集を減少させるため、または防ぐため、噴霧製剤はまた界面活性剤を含むことができる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル並びにアルコール、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのような、様々な常套的な界面活性剤が使用可能である。量は一般的に製剤の重量の0.001%から4%の間の範囲である。本発明の目的のため特に好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートである。
液体粒子を適切に分散させる具体的な製剤および方法は、引用により本明細書に含まれるWO 9420069、US 5915378、US 5960792、US 5957124、US 5934272、US 5915378、US 5855564、US 5826570 および US 5522385に記載される。
本発明の実施に適した市販の噴霧器の具体例は、Ultravent 噴霧器( Mallinckrodt, Inc., St. Louis, Missouri製造)、 Acorn II 噴霧器(Marquest Medical Products, Englewood, Colorado製造)、および AERx 肺薬物送達計系(Aradigm Corporation, Hayward, California製造)である。
【0118】
(定量吸入器および粉末吸入器のための乾燥製剤)
定量吸入装置で使用するためのインターフェロン製剤は、一般的に適当な形、表面および大きさの微細粉末を含む。この粉末は、固体インターフェロン製剤を凍結乾燥しその後必要ならば製粉することで生産することができ、またヒト血清アルブミン(HSA)のような安定剤を含むことができる。典型的には0.5%(w/w)以上のHSAが添加される。さらに、要すれば一つまたはそれ以上の糖または糖アルコールをその調製物に添加できる。例としては、乳糖、麦芽糖、マンニトール、ソルビトール、ソルビトース、トレハロース、キシリトール、およびキシロースが含まれる。製剤に添加する量は約0.01から100% (w/w)、好ましくはおよそ1から50%の範囲の量である。そのような製剤はその後凍結乾燥され所望の粒子サイズに製粉される。
【0119】
適切なサイズになった粒子はその後、界面活性剤に助けられ推進剤中に懸濁される。推進剤は本目的に用いられる常套的な物質のいずれでもよく、例えば、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、および1,1,1,2-テトラフルオロエタンなどを含むクロロフッ化炭素、ヒドロクロロフッ化炭素、ヒドロフッ化炭素または炭化水素、またはそれらの組み合わせである。適した界面活性剤はソルビタントリオレートおよび大豆レシチンを含む。オレイン酸もまた界面活性剤として有用である。この混合物はその後到送達装置に充填される。本発明における使用に適した市販の定量吸入器の例は、Glaxo Inc., Research Triangle Park, N.C.製造のVentolin 定量吸入器である。
【0120】
このような粉末吸入器のためのインターフェロン製剤は、結合体を含有する微細乾燥粉末を含むであろうし、また、乳糖、ソルビトール、ショ糖またはマンニトールのような充填剤を、装置からの粉末の散布を促進する量で、例えば製剤の重量の50%から90%で、含むことができる。粉末の粒子は、空気力学的性質を肺中で有するであろう。これは典型的には、メジアン直径が10マイクロメーター未満、好ましくは0.5-5マイクロメーターの間、より好ましくは1.5-3.5マイクロメーターの間でかつ密度約1 /cm2の粒子に相当する。
本明細書の教示に従う使用に適した粉末吸入器の一例は、Fisons Corp., Bedford, Mass製造のSpinhaler 粉末吸入器である。
これらの装置のための粉末は、US 5,997,848、US 5,993,783、US 5,985,248、US 5,976574、US 5,922,354、US 5,785,049およびUS 55654007(引用により本明細書に含まれる)に開示される方法により生成でき、かつ/または送達できる。
【0121】
(本発明の分散を投与するための機械的装置)
インターフェロンポリペプチドを含有する医薬組成物は、治療用製品の肺送達のため設計された幅広い機械的装置により投与でき、それには噴霧器、定量吸入器、および粉末吸入器が含まれ(但しこれらに限定されない)、それらはすべて当業者には周知である。
本発明の実施に適した市販の装置の具体例は、Ultravent 噴霧器( Mallinckrodt, Inc., St. Louis, Missouri製造)、 Acorn II 噴霧器(Marquest Medical Products, Englewood, Colorado製造)、Ventolin 定量吸入器(Glaxo Inc., Research Triangle Park, North Carolina製造)、Spinhaler 粉末吸入器(Fisons Corp., Bedford, Massachusetts製造)、 Inhale Therapeutic Systems, Inc., San Carlos, Californiaの「スタンディングクラウド」 装置、AIR 吸入器(Alkermes, Cambridge, Massachusetts製造)および AERx 肺薬物送達系(Aradigm Corporation, Hayward, California製造)である。
【0122】
本発明はまた、本発明の組成物を含むプライマリープロダクト容器を提供する。容器は、問題の組成物に適するいずれのタイプの容器であってもよく、例えばステンレススチールまたはガラスから作られる。容器は注射器、例えば充填済注射器であってよい。
さらに本発明は、本発明に従う液体インターフェロン組成物の非経口投与のためのキットおよびその使用説明を提供する。キットは、インターフェロン組成物を唯一の医薬活性成分をして含んでもよく、または一つまたはそれ以上のさらなる医薬活性成分を、同じ容器または別々の容器のいずれかに含んでもよい。
【0123】
更なる局面において本発明は、医薬組成物へと製剤化されたインターフェロンポリペプチドの安定性を上昇させる方法に関し、該方法は、該組成物にスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体および緩衝化剤を組み込むことを含む。
本方法は、インターフェロンポリペプチドが保存中に凝集体形成を示す場合に特に適当であり、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体はインターフェロンポリペプチドの凝集体形成を減少させるのに十分な量で組み込まれる。インターフェロンポリペプチドは、本明細書に記載されるいずれかのものであることが好ましい。スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は、好ましくはUS 5,376,645、US 5,874,418 または US 5,134,127に記載されるいずれかのもの、特にベータシクロデキストリンスルホブチルエーテルの塩、例えばCaptisol(登録商標)として入手可能なナトリウム塩である。
【0124】
なお更なる局面において本発明は、哺乳類にインターフェロン治療を受けさせる方法に関し、本方法は、本発明に従う組成物を治療上有効量投与することを含む。また、本発明は、疾患を処置するための本発明の組成物使用および疾患を処置するための医薬を製造するための本発明の組成物の使用に関する。本発明の組成物が疾患または障害の処置における薬として用いられるべきときは、それが医薬組成物であることは明らかである。
本発明の医薬組成物は他の治療物質と一緒に投与してもよい。これらの物質は同じ医薬組成物中に組み込まれていてもよいし、インターフェロンポリペプチドとは別個に同時にまたは他の許容される処置計画に従って投与してもよい。さらに、本発明の医薬組成物は、他の治療の補助剤(アドジャンクト)として使用することができる。
【0125】
処置しようとする疾患は、組成物中に存在するインターフェロンポリペプチドのタイプに依存することは理解されるであろう。
インターフェロンポリペプチドがインターフェロンアルファもしくはインターフェロンベータまたはその変異体もしくは結合体の場合、本発明は、ほとんどのタイプのウィルス感染、癌または腫瘍または腫瘍性血管新生、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギランバレー症候群、神経膠腫、特発性肺繊維症、細胞増殖異常、を処置するための、または適した動物、好ましくは哺乳類、特にヒト、における免疫調節のための、組成物および方法を提供する。例えば、本発明の組成物は、骨肉腫、基底細胞癌、卵巣癌、子宮頚部異形成、子宮癌、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、黒色腫、乳癌、非小細胞肺癌、悪性黒色腫(免疫賦活、後期、および予防的)、カルチノイド腫瘍、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、濾胞リンパ腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、再発性表在性膀胱癌、直腸癌、有毛細胞白血病、およびパピローマウィルス、ウィルス性肝炎、陰部ヘルペス、帯状疱疹、疱疹性角膜炎、単純疱疹、ウィルス性脳炎、サイトメガロウィルス肺炎、ライノウィルス慢性持続性肝炎、慢性活動性HCV(タイプI)、慢性活動性HCV(タイプII)並びに慢性B型肝炎のようなウィルス感染、の処置に使用できる。
【0126】
これに関係して組成物は、単剤治療で、またはシラタビンと組み合わせてCMLに、単剤治療で、またはドキソルビシン基盤治療法と組み合わせてB細胞リンパ腫に、CHOP様治療法の補助剤として濾胞リンパ腫治療に、単剤治療で、またはリバビリンと組み合わせてC型肝炎に、単剤治療で、またはVBMCP、BCNU、もしくはVBMCP + HiCyと組み合わせて多発性骨髄腫に、または単剤治療で、またはビンブラスチン、フロクスリジン、5-フルオルウラシルまたはIL-10と組み合わせて腎臓癌に使用できる。
特に、本発明のポリペプチドまたは組成物は、多発性硬化症(MS)、例えば一般的に認識される4つのタイプのMSのいずれか(良性、再発寛解型MS(RRMS)、一次進行型MS(PPMS)および二次進行型MS (SPMS)、および単一症候性MS)、癌または腫瘍、肝炎、例えばB型肝炎およびC型肝炎、またはヘルペス感染の処置に使用できる(後者の処置は任意にIL-10処置と組み合わせることができる)。
【0127】
つまり本発明はまた、ウィルス感染、癌または腫瘍または腫瘍性血管新生、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギランバレー症候群、神経膠腫、特発性肺繊維症、細胞増殖異常、を処置するための、または適した動物、好ましくは哺乳類、特にヒト、における免疫調節のための医薬を製造するための、インターフェロンベータポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する組成物の使用にもまた関する。より具体的には、インターフェロンベータポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する本発明の組成物は、骨肉腫、基底細胞癌、卵巣癌、子宮頚部異形成、子宮癌、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、黒色腫、乳癌、非小細胞肺癌、悪性黒色腫(免疫賦活、後期、および予防的)、カルチノイド腫瘍、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、濾胞リンパ腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、再発性表在性膀胱癌、直腸癌、有毛細胞白血病、およびパピローマウィルス、ウィルス性肝炎、陰部ヘルペス、帯状疱疹、疱疹性角膜炎、単純疱疹、ウィルス性脳炎、サイトメガロウィルス肺炎、ライノウィルス慢性持続性肝炎、慢性活動性HCV(タイプI)、慢性活動性HCV(タイプII)、慢性B型肝炎、慢性および急性C型肝炎またはヘルペス感染のようなウィルス感染、多発性硬化症(MS)、例えば一般的に認識される4つのタイプのMSのいずれか(良性、再発寛解型MS(RRMS)、一次進行型MS(PPMS)および二次進行型MS (SPMS)、および単一症候性MS)の処置に使用できる。
【0128】
特定の局面において本発明は、インターフェロンベータポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する組成物であって、インターフェロンベータポリペプチドが、配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータに対して置換C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113Tを含み、かつ3つのN-グリコシル化部位に連結した3つの糖部分と分子量約20kDaのPEG分子1つを有する(そのようなインターフェロンベータポリペプチドの具体例は、例えば20kDa-PEGでペグ化された実施例3のインターフェロンベータ変異体である)ものの、以下のいずれかから選択される癌を処置する医薬を製造するための使用に関する:骨肉腫、基底細胞癌、卵巣癌、子宮頚部異形成、子宮癌、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、黒色腫、乳癌、非小細胞肺癌、悪性黒色腫(免疫賦活、後期、および予防的)、カルチノイド腫瘍、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、濾胞リンパ腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、再発性表在性膀胱癌、直腸癌、および有毛細胞白血病。上記癌の各々は、本発明の具体例と見なされる。好ましい具体例においては、癌は黒色腫である。別の好ましい具体例においては、癌は乳癌である。さらに好ましい具体例においては、癌は非小細胞肺癌である。さらなる具体例においては、癌は悪性黒色腫である。
【0129】
本発明はまた、ほとんどのタイプのウィルス感染、癌または腫瘍または腫瘍性血管新生、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギランバレー症候群、神経膠腫、特発性肺繊維症、細胞増殖異常、を処置するための、または適した動物、好ましくは哺乳類、特にヒト、における免疫調節のための、インターフェロンアルファポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する組成物の使用に関する。より具体的には、インターフェロンアルファポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する本発明の組成物は、骨肉腫、基底細胞癌、卵巣癌、子宮頚部異形成、子宮癌、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、黒色腫、乳癌、非小細胞肺癌、悪性黒色腫(免疫賦活、後期、および予防的)、カルチノイド腫瘍、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、濾胞リンパ腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、再発性表在性膀胱癌、直腸癌、および有毛細胞白血病、およびパピローマウィルス、ウィルス性肝炎、陰部ヘルペス、帯状疱疹、疱疹性角膜炎、単純疱疹、ウィルス性脳炎、サイトメガロウィルス肺炎、ライノウィルス慢性持続性肝炎、慢性活動性HCV(タイプI)、慢性活動性HCV(タイプII)、慢性B型肝炎、慢性または急性C型肝炎、またはヘルペス感染のようなウィルス感染、多発性硬化症(MS)、例えば一般的に認識される4つのタイプのMSのいずれか(良性、再発寛解型MS(RRMS)、一次進行型MS(PPMS)および二次進行型MS (SPMS)、および単一症候性MS)の処置に使用できる。
【0130】
また、組成物がインターフェロンベータポリペプチドを含有する場合、本発明は例えばAvonexTMまたはRebif(登録商標)のようなインターフェロンベータ1aまたはBetaseron(登録商標)のような1bに対する循環抗体を有する哺乳類を処置する方法に関し、その方法は、該抗体との反応が減少しているかまたは反応しないインターフェロンベータポリペプチドを含有する本発明の組成物を投与することを含む。化合物は効果的な量を投与する。哺乳類は好ましくはヒトである。処置される哺乳類は、インターフェロンβが有用な処置である上記疾患のいずれを患っていてもよい。特に、本発明のこの局面は、多発性硬化症(上記のいずれかのタイプ)、肝炎、または癌の処置に重要である。「循環抗体」なる用語は、抗体、特に市販のインターフェロンベータ調製物のいずれか(Rebif、Betaseron、Avonex)を処置されたことに反応して哺乳類中で生成する中和抗体、を意味する。
【0131】
インターフェロンポリペプチドがインターフェロンガンマまたはその変異体もしくは結合体の場合、本発明の組成物は、WO 01/36001に記載されるいずれかの医学的適応、特に間質性肺疾患、最も好ましくは特発性肺繊維症を処置するために使用することができる。インターフェロンガンマは、間質性肺炎(間質性肺繊維症(IPF)としてもまた知られる(Ziesche et al. (N. Engl. J. Med. 341:1264-1269, 1999 および Chest 110:Suppl:25S, 1996) および EP 795332)の処置に提案されており、本目的のためインターフェロンガンマはプレドニゾロンと組み合わせて使用可能である。IPFに加えて、肉芽腫性疾患 (Bolinger et al, Clinical Pharmacy, 1992, 11:834-850)、ある種の微生物感染(N. Engl. J. Med. 330:1348-1355, 1994)、腎臓癌 (J. Urol. 152:841-845, 1994)、骨石化症(N. Engl. J. Med. 332:1594-1599, 1995)、強皮症(J. Rheumatol. 23:654-658, 1996)、B型肝炎 (Hepatogastroenterology 45:2282-2294, 1998)、C型肝炎 (Int. Hepatol. Communic. 6:264-273, 1997)、敗血性ショック(Nature Medicine 3:678-681, 1997)、および慢性関節リウマチが、インターフェロンガンマを用いて処置可能である。
【0132】
従って、本発明はまた、間質性肺疾患、最も具体的には、特発性肺繊維症、間質性肺炎(間質性肺繊維症(IPF)としてもまた知られる)、肉芽腫性疾患、微生物感染、腎臓癌、骨石化症、強皮症、B型肝炎、C型肝炎、敗血性ショック、および慢性関節リウマチを処置する医薬を製造するための、インターフェロンガンマポリペプチドおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含有する組成物の使用に関する。
【実施例】
【0133】
インターフェロンガンマ調製のための材料および方法
材料
CHO-K1 細胞 (American Type Culture Collection より入手可能(ATCC #CCL-61))。
HeLa 細胞 (American Type Culture Collection より入手可能(ATCC #CCL-2))。
ISRE-Luc (Stratagene, La Jolla USAより入手)。
pCDNA 3.1/hygro (Invitrogen, Carlsbad USAより入手)。
制限酵素およびポリメラーゼ( New England Biolabs Inc., Beverly, USAより入手)。
DMEM 培地:Dulbecco's 改変 イーグル培地(DMEM)、 10% 牛胎児結成、および Hygromycin B ( Life Technologies A/S, Copenhagen, Denmarkより入手)。
LucLite 基質 ( Packard Bioscience, Groningen, The Netherlandsより入手)。
TopCount 照度計 ( Packard Bioscience, Groningen, The Netherlandsより入手)。
ビオチン化ポリクローナル抗ヒトインターフェロンガンマ抗体, BAF285(R&D Systems Inc., Minneapolis, USAより入手)。
西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン P0397( DAKO, Copenhagen, Denmarkより入手)。
TMB ブロッティング試薬 ( KEM-EN-TEC, Copenhagen, Denmarkより入手)。
【0134】
方法
インターフェロンアッセイ概要
インターフェロンガンマがHela細胞上のインターフェロンガンマ受容体と相互作用し、活性化することが以前に報告されている。その結果、インターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)を含むプロモーターにおいて転写が活性化される。従って、Hela細胞に備えられたISRE結合ルシフェラーゼレポーター遺伝子(ISRE-luc)を使用することにより、インターフェロン受容体のアゴニストをスクリーニングすることが可能となる。
【0135】
一次アッセイ
HeLa細胞をISRE-LucおよびpCDNA 3.1/hygroで同時トランスフェクトし、ハイグロマイシンBを含有するDMEM培地にて選択することでフォサイ(細胞クローン)が作成される。インターフェロンガンマの存在または不存在下に細胞クローンをルシフェラーゼ活性についてスクリーニングする。ルシフェラーゼ刺激活性の非刺激活性に対する比率が最も高い細胞クローンを以後のアッセイに使用する。
ポリペプチドをスクリーニングするため、96ウエル培養プレートに15,000細胞/ウエルを播種し、DEME培地にて一晩インキュベートする。その翌日、細胞に種々の濃度のポリペプチドおよび既知標品を加える。プレートを5% CO2大気下に37℃にて6時間インキュベートし、次いでLucLite基質 (Packard Bioscience, Groningen The Netherlands )を各ウエルに加える。プレートをシールし、SPC(単一光子計数)モードにてTopCount照度計(Packard)で蛍光を測定する。
個々のプレートには、刺激対照としてインターフェロンガンマとともにインキュベートされるウエル、および非刺激対照として通常培地を含有する他のウエルが含まれる。刺激および非刺激ルシフェラーゼ活性間の比率は、インターフェロンガンマ活性および実験間変動の両者についての内部基準として役立つ。
【0136】
表面露出アミノ酸残基の同定
構造
X線結晶学により測定されたヒトインターフェロンガンマの実験的三次元構造は、以下により報告されている:Ealickら、Science 252:698-702 (1991)(インターフェロンガンマホモ二量体のC-アルファトレースについて報告)、Walterら、 Nature 376:230-235 (1995)(可溶性インターフェロンガンマ受容体二分子と複合体を形成しているインターフェロンガンマホモ二量体の構造について報告)。この構造の座標は公にされていない。Thielら、 Structure 8:927-936 (2000)(可溶性インターフェロンガンマ受容体二分子と複合体を形成し、インターフェロンガンマホモ二量体と相互作用しない構造で第三の受容体分子を有するインターフェロンガンマホモ二量体の構造について報告)。
【0137】
接触可能表面積(ASA)
コンピューター・プログラム・アクセス(B. Lee and F.M.Richards, J. Mol.Biol. 55: 379-400 (1971))バージョン2(Copyright (c) 1983 Yale University)を使用し、構造体内の個々の原子の接触可能表面積(ASA)が計算される。この方法は通常、プローブサイズ1.4Å(オングストローム)を使用し、接触可能表面積(ASA)をプローブ中心から形成される領域として規定する。この計算の前に、この座標の組からすべての水分子、水素原子、およびタンパク質に直接関連していない他の原子を除去する。
【0138】
側鎖の分画ASA
側鎖原子の分画ASAは、側鎖内原子のASAの総和を、伸張ALA-x-ALAトリペプチドにおける残基タイプの側鎖原子のASA値で割ることにより計算される。Hubbard, Campbell & Thornton (1991) J.Mol.Biol.220,507-530を参照。この例としては、CA原子はグリシン残基の側鎖の一部と見なされるが、残りの残基についてはそうではない。次の表は、側鎖の標準100%ASAとして使用される。
【0139】
【表3】
Figure 2004522803
該構造体において決定されない残基は、それらが自由自在な領域に存在すると考えられるので、100%露出していると定義する。
【0140】
原子間距離の測定
原子間の距離は、分子グラフィックスソフト、例えばInsightII v. 98.0, MSI INCにより測定できる。
【0141】
受容体結合部位の決定
受容体結合部位には、受容体結合後その接触可能表面積が変化するすべての残基が含まれると定義する。これは、ASA計算を少なくとも二つ行うことにより決定できる;一つはリガンド/受容体複合体において単離されたリガンドについてであり、もう一つは完全リガンド/受容体複合体についてである。
【0142】
実施例A−表面露出アミノ酸の決定
用いられたX線構造体は、Thiel ら、 Structure 8:927-936 (2000)により報告される、可溶性インターフェロンガンマ受容体二分子と複合体を形成し、インターフェロンガンマホモ二量体と相互作用しない構造で第三の受容体分子有するインターフェロンガンマホモ二量体のものである。この構造体は、二つの分子がAおよびBと呼ばれるインターフェロンガンマホモ二量体より成る。構造体を構成するため、インターフェロンガンマ配列の前にM0と呼ばれるメチオニンがさらに付加されており、かつこの配列はC末で10残基が切断されている(Q133がこの構造ポリペプチドの最後の残基である)。M0は、本実施例のすべての計算において該構造体から除かれる。二つのインターフェロンガンマ単量体の構造体は、残基120より後方は電子密度が非常に低く、T126残基までしかモデル化できなかった。それゆえ、残基S121からT126は本実施例の計算の前にこの構造体から除いた。CおよびDと呼ばれる二つの受容体断片はインターフェロンガンマホモ二量体と直接相互作用し、Eと呼ばれる第三の受容体分子はインターフェロンガンマホモ二量体と接触しないが、これらの計算には含まれていない。
【0143】
表面露出
分子AおよびBのホモ二量体で、両分子からM0およびS121からT126を除いたものについて分画ASA計算を行ったところ、両単量体の少なくとも一方において、以下の残基で25%を超える側鎖が表面に露出していることがわかった:Q1、D2、P3、K6、E9、N10、K12、K13、Y14、N16、G18、H19、S20、D21、A23、D24、N25、G26、T27、G31、K34、N35、K37、E38、E39、S40、K55、K58、N59、K61、D62、D63、Q64、S65、Q67、K68、E71、T72、K74、E75、N78、V79、K80、N83、S84、N85、K86、K87、D90、E93、K94、N97、S99、T101、D102、L103、N104、H111、Q115、A118 および E119。
以下の残基は、両単量体の少なくとも一方において50%を超える側鎖が表面に露出していた:Q1、D2、P3、K6、E9、N10、K13、N16、G18、H19、S20、D21、A23、D24、N25、G26、T27、G31、K34、K37、E38、E39、K55、K58、N59、D62、Q64、S65、K68、E71、E75、N83、S84、K86、K87、K94、N97、S99、T101、D102、L103、N104、Q115、A118、E119。
【0144】
分子AおよびBのホモ二量体で、両分子からM0およびS121からT126が除かれ、かつ受容体分子CおよびDを含むものについて分画ASA計算を行ったところ、両単量体の少なくとも一方において、以下の残基で25%を超える側鎖が表面に露出していることがわかった:Q1、D2、P3、K6、E9、N10、K13、Y14、N16、G18、H19、D21、N25、G26、G31、K34、N35、K37、E38、E39、S40、K55、K58、N59、K61、D62、D63、Q64、S65、Q67、K68、E71、T72、K74、E75、N78、V79、K80、N83、S84、N85、K86、K87、D90、E93、K94、N97、S99、T101、D102、L103、N104、E119。
以下の残基は、両単量体の少なくとも一方において50%を超える側鎖が表面に露出していた:P3、K6、N10、K13、N16、D21、N25、G26、G31、K34、K37、E38、E39、K55、K58、N59、D62、Q64、S65、K68、E71、E75、N83、S84、K86、K87、K94、N97、S99、T101、D102、L103 および N104。
【0145】
二つのリストを比較すると、受容体結合後K12、S20、A23、D24、T27、H111、Q115およびA118が25%を超える側鎖のASAリストから除かれ、かつ、Q1、D2、E9、G18、H19、S20、A23、D24、T27、Q115、A118およびE119が受容体結合後に50%を超える側鎖のASAリストから除かれる。
構造体中において決定されない残基は完全に表面に露出しているものとして扱い、それはすなわち残基S121、P122、A123、A124、K125、T126、G127、K128、R129、K130、R131、S132、Q133、M134、L135、F136、R137、G138、R139、R140、A141、S142、Q143である。これらの残基はまた、連結基を導入するための別個の対象を構成する(または、表面露出アミノ酸残基、例えば25%または50%を超える側鎖が露出しているもの、の群に所属するとみなすことができる)。
【0146】
実施例B−受容体結合部位の決定
上記のようにASA計算を行ったところ、インターフェロンガンマポリペプチドの以下の残基のASAが、複合体中の両単量体の少なくとも一方において二量体単独における計算と比較して減少していることがわかる:Q1、D2、Y4、V5、E9、K12、G18、H19、S20、D21、V22、A23、D24、N25、G26、T27、L30、K34、K37、K108、H111、E112、I114、Q115、A118、E119。
【0147】
実施例C−CHO細胞に最適化したコドンを使用したインターフェロンガンマ発現のための発現カセットの設計
成熟ヒトインターフェロンガンマおよびその天然シグナルペプチドをコードする完全長cDNAを含むDNA配列(GenBankアクセッション番号X13274)を、CHO細胞における高発現を容易にするよう改変した。ヒトインターフェロンガンマヌクレオチド配列のコドンは、その使用コドンをヒトで頻繁に用いられるコドンに近づけるよう改変した。その後、DNA制限酵素の認識部位を導入するため、配列中の一定のヌクレオチドを他のものと置換した。プライマーは、該遺伝子を合成できるよう設計した。
プラチナ Pfx-ポリメラーゼキット(Life Technologies)を使用するワンステップPCRおよび標準的な三工程PCRサイクリングパラメーターにより、プライマーを組合せて合成遺伝子とした。同じ条件のPCRにより組立てた遺伝子を増幅したが、それは配列番号:5に示される配列を有する。合成遺伝子をpcDNA3.1/Hygro (Invitrogen)のBamHI部位(5’末端)とXbaI部位(3’末端)との間にクローニングし、pIGY-22を得た。
【0148】
実施例D−部位指定突然変異導入
グリコシル化変異体の作成
インターフェロンガンマに変異を導入するため、古典的二段階PCRにより発現プラスミド(pIGY−22)にPCR導入改変を導入できるようオリゴヌクレオチドを設計した。
二つのベクタープライマーを特定の変異プライマーと共に使用した:ADJ013: 5’-GATGGCTGGCAACTAGAAG-3’(配列番号:6)(アンチセンス下流ベクタープライマー)およびADJ014: 5’-TGTACGGTGGGAGGTCTAT-3’ (配列番号:7) (センス上流ベクタープライマー)。
【0149】
ADJ013およびADJ014をベクタープライマーとして、ADJ093 (5’-GTTCAGGTCTGTCACGGTGTAATTGGTCAGCTT-3’) (配列番号:8)および ADJ094 (5’-AAGCTGACCAATTACACCGTGACAGACCTGAAC-3’) (配列番号:9)を変異プライマーとして、かつpIGY-22を鋳型として使用して、古典的二段階PCRによりS99T変異体を作成した。BamHIおよびXbaIを用いて447塩基対PCR産物をpcDNA3.1/Hygro (InVitrogen)にサブクローンし、プラスミドpIGY-48とした。
Lipofectaim2000 (Life Technologies)をトランスフェクション試薬として用いて、CHO K1細胞にpIGY-48をトランスフェクトした。24時間後培養培地を回収し、インターフェロンガンマ活性をアッセイした。本明細書に記載される一次アッセイを用いたところ、以下の活性が得られた。:5.1 x 106 AU/ml。
【0150】
ADJ013およびADJ014をベクタープライマーとして、ADJ091(5’-CATGATCTTCCGATCGGTCTCGTTCTTCCAATT-3’) (配列番号:10)および ADJ092 (5’-AATTGGAAGAACGAGACCGATCGGAAGATCATG-3’) (配列番号:11)を変異プライマーとして、かつpIGY-48を鋳型として使用して、古典的二段階PCRによりE38N+S40T+S99T変異体を作成した。BamHIおよびXbaIを用いて447塩基対PCR産物をpcDNA3.1/Hygro (InVitrogen)にサブクローンし、プラスミドpIGY-54とした。
Lipofectaim2000 (Life Technologies)をトランスフェクション試薬として用いて、CHO K1細胞にpIGY-54をトランスフェクトした。24時間後培養培地を回収し、インターフェロンガンマ活性をアッセイした。本明細書に記載される一次アッセイを用いたところ、活性は1.3 x 107 AU/mlであった。
上記と同様の標準的技術を用いて、多数の完全長インターフェロンガンマグリコシル化変異体を調製した。
【0151】
C末切断インターフェロンガンマ変異体の作成
pIGY-22、pIGY-48およびpIGY-54を鋳型として、Leu135のコドンの直下に停止コドンを含むC末切断インターフェロンガンマ変異体を一段階PCRにより作成し、そのPCR産物をBamHIおよびXbaIを用いてpcDNA3.1/Hygro (InVitrogen)にサブクローニングした。これら変異体の構築に使用したプライマーは以下である:ADJ014 (上記参照、上流)および: 5’-GAGTCTAGATTACAGCATCTGGCTTCTCTT-3’ (下流)。得られたプラスミドは、pIGY-72 (Leu135以降が切断された野生型インターフェロンガンマ)、pIGY-73 (Leu135以降が切断されたS99T変異体)およびpIGY-74 (Leu135以降が切断されたE38N+S40T+S99T)と名づけた。
【0152】
システイン含有インターフェロンガンマ変異体の作成
Stratagene's QuikChangeTMXL 部位指定突然変異導入キットを使用し製造元の説明に従って、システイン残基を含むインターフェロンガンマ変異体を作成した。pIGY-48を鋳型として、各々システインが一つ導入されている七つのインターフェロンガンマ変異体を作成した: N10C+S99T、N16C+S99T、E38C+S99T、N59C+S99T、N83C+S99T、K94C+S99TおよびS99T+N104C。同様に、pIGY-54を鋳型として、各々システインが一つ導入されている六つのインターフェロンガンマ変異体を作成した: N10C+E38N+S40T+S99T、N16C+E38N+S40T+S99T、E38N+S40T+ N59C+S99T、E38N+S40T+ N83C+S99T、E38N+S40T+ K94C+S99TおよびE38N+S40T+S99T+N104C。
【0153】
実施例E−システイン含有変異体のPEG化
すべての緩衝液を使用前に脱酸素した。タンパク質濃度はA280を測定して評価した。
【0154】
OPSS結合化学を用いたPEG化
7.2 mlのインターフェロンガンマ変異体N16C+S99T(完全長)(1.3 mg/ml、5 mMコハク酸ナトリウム、4%マンニトール、0.01% Tween 20、pH 6.0)を、室温で30分間0.5 M DTT(300μl)とインキュベートして還元した。緩衝液A(50 mMリン酸ナトリウム、1 mM EDTA、pH 8.1)中、インターフェロンガンマ変異体をNAP25ゲルろ過カラム(Pharmacia)に2.5mlづつ三等分して通し脱塩した。
各回ごとに3.5mlで溶出した。
mPEG-OPSS (10 KDa)を緩衝液Aに濃度2 mg/mlになるよう溶解し、還元および脱塩済インターフェロンガンマ変異体に等量加え、さらに室温で60分間穏やかに振盪しながらインキュベートした。
反応混合物11 mlをVivaspin20カラム(VivaScience)を用いて1-6 mlまで濃縮し、緩衝液Aで平衡化したSephacryl S-100カラム(Pharmacia)を用いたゲルろ過により、残存するmPEGを除去した。
Vivaspin 6 カラム(VivaScience)を用いて、5 mM コハク酸ナトリウム、4%マンニトール、pH 6.0へPEG化インターフェロンガンマ変異体をろ過透析し、Tween 20を0.01%まで加えた。本明細書記載の一次アッセイで測定すると、精製PEG化インターフェロンガンマ変異体の特異的活性は1.3 x 106 AU/mgであった(これは対応する非PEG化インターフェロンガンマ変異体の特異的活性の15%にあたる)。
【0155】
MAL結合化学を用いたPEG化
1.6 ml のインターフェロンガンマ変異体N59C+S99T(完全長)(1.5 mg/ml、5 mMコハク酸ナトリウム、4% マンニトール、0.01% Tween 20、pH 6.0を、0.5MDTT(64μl)と室温で30分間インキュベートして還元した。緩衝液A(50 mMリン酸ナトリウム、1 mM EDTA、pH 8.1)中、インターフェロンガンマ変異体をNAP25ゲルろ過カラム(Pharmacia)上で脱塩した。インターフェロンガンマ変異体を3.5mlで溶出した。
mPEG-MAL (5 KDa)を緩衝液Aに濃度0.5mg/mlになるよう溶解し、還元および脱塩済インターフェロンガンマ変異体に等量加え、さらに室温で120分間穏やかに振盪しながらインキュベートした。
硫酸アンムニウムを濃度0.9Mまで添加し、緩衝液 B (20 mM リン酸ナトリウム、0.9 M 硫酸アンモニウム, pH 6.6)で平衡化したResource(登録商標)フェニルカラム(Pharmacia) 1 ml上に、PEG化インターフェロンガンマ 変異体を加えた。カラムを5カラム容量の緩衝液Bで洗浄し、30カラム容量以上の0-50%比例勾配緩衝液C(20 mMリン酸ナトリウム、pH 6.6)で結合PEG化インターフェロンガンマ 変異体を溶出した。PEG化インターフェロンガンマ 変異体は約0.6Mの硫酸アンモニウムで溶出した。
PEG化インターフェロンガンマ変異体を含む画分を貯蔵し、Vivaspin 6 カラム(VivaScience)を用いて5 mM コハク酸ナトリウム、4% マンニトール、pH 6.0へ再フィルタ処理し、0.01%までTween20を加えた。本明細書記載の一次アッセイで測定すると、精製PEG化インターフェロンガンマ変異体の特異的活性は2.4 x 106 AU/mgであった(これは対応する非PEG化インターフェロンガンマ変異体の特異的活性の15%にあたる)。
【0156】
実施例F−哺乳動物細胞におけるインターフェロンガンマポリペプチドの発現
インターフェロンガンマの一過性発現のため、培地(Dulbecco's MEM/Nut.-mix F-12 (Ham) L-グルタミン、15 mM Hepes、ピリドキシン-HCl (Life Technologies Cat # 31330-038)、1:10ウシ胎児血清(BioWhittaker Cat # 02-701F)および1:100ペニシリン・ストレプトマイシン (BioWhittaker Cat # 17-602E)含有)中で、細胞密度95%まで細胞を成長させた。Lipofectamine 2000 (Life Technologies)を用いて製造元の説明に従い、インターフェロンガンマコードプラスミドを細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後、培養培地を回収し、インターフェロンガンマ活性についてアッセイした。さらに、利用されたグリコシル化部位の相対数を計るため、回収した培養培地を用いてウエスタンブロッティングを行った。
CHO K1細胞にインターフェロンガンマコードプラスミドをトランスフェクションし、その後0.36mg/mlハイグロマイシン含有培地で細胞をインキュベートして、インターフェロンガンマを発現する安定クローンを作成した。安定トランスフェクト細胞を単離し、限界希釈によりサブクローニングした。高レベルなインターフェロンガンマを産生するクローンは、ELISAにより同定した。
【0157】
実施例G−大規模生産
インターフェロンガンマまたは変異体を発現する安定セルラインを、1700cm2 回転ボトル(Corning, # 431200)で、Dulbecco's MEM/Nut.-mix F-12 (Ham) L-グルタミン、15 mM Hepes、ピリドキシン-HCl (Life Technologies Cat # 31330-038)、1:10ウシ胎児血清(BioWhittaker Cat # 02-701F)および1:100ペニシリン・ストレプトマイシン (BioWhittaker Cat # 17-602E)中で密度100%まで成長させた。その後、培地をL-グルタミン含有UltraCHO(BioWhittaker Cat # 12-724Q)(1:500 EX-CYTE VLE (Serological Proteins Inc. # 81-129)および1:100 ペニシリン・ストレプトマイシン(BioWhittaker Cat # 17-602E)添加)300mlに交換した。48時間成長させた後、培地を同じ添加物を含む新鮮なUltraCHOと交換した。さらに48時間成長させた後、培地を、Dulbecco's MEM/Nut.-mix F-12 (Ham) L-グルタミン、ピリドキシン-HCl (Life Technologies Cat # 21041-025)(1:100 ITS-A (Gibco/BRL # 51300-044)、1:500 EX-CYTE VLE (Serological Proteins Inc. # 81-129)および1:100 ペニシリン・ストレプトマイシン(BioWhittaker Cat # 17-602E)添加)と交換した。その後、24時間ごとに培養培地を回収し、同じ添加物を含む新鮮な無血清培地300mlと交換した。細胞を除去するため、回収培地を0.22μmフィルターを通してろ過した。
【0158】
実施例H−精製
ろ過液を精密ろ過(0.22μm)し、その後Millipore TFF システムを用いて約1/15量まで限界ろ過した。同じ系で、10 mM Tris、pH7.6を使用して濃縮物をろ過透析した。濃度1.7Mまで硫酸アンモニウムを添加し攪拌後、Sorvall遠心分離機(GS3 ローター使用)で8000rpmで25分間遠心分離し沈殿物を除去した。
事前に10mM Tris、1.7M硫酸アンモニウム、pH7.6で平衡化した25ml Phenyl High Performance (Pharmacia)カラムに上清をアプライした。アプライ後、カラムを3カラム容量の10mM Tris、1.7M硫酸アンモニウム、pH7.6で洗浄し、その後100%10 mM Tris, pH 7.6までの比例勾配で10カラム容量以上で結合インターフェロンガンマ変異体を溶出した。溶出インターフェロンガンマ変異体とフロースルーを分画した。インターフェロンガンマ変異体に富む画分を貯蔵し、分子量カットオフ値10,000 DaのVivaflow200 システム(VivaScience)によりろ過透析して、10 mM Tris、pH 9.0に緩衝液を交換した。
【0159】
その後、事前に10 mM Tris、pH 9.0に平衡化した18 ml Q-sepharose Fast Flow (Pharmacia)カラムにインターフェロンガンマ変異体をアプライした。アプライ後、カラムを3カラム容量の10 mM Tris、pH 9.0で洗浄し、結合インターフェロンガンマ変異体を0-100% 10 mM Tris、0.5 M NaCl、pH 9.0の勾配で15カラム容量以上で溶出した。溶出インターフェロンガンマ変異体とフロースルーを分画した。インターフェロンガンマ変異体に富む画分を貯蔵し、分子量カットオフ値10,000 DaのVivaspin20 カラム(VivaScience)によりろ過透析して、10 mM リン酸ナトリウム、pH 7.0に緩衝液を交換した。
その後、事前に10 mMリン酸ナトリウム、pH7.0に平衡化した8 ml CHT セラミックヒドロキシアパタイトカラム(Biorad)に、インターフェロンガンマ変異体をアプライした。アプライ後、カラムを5カラム容量の10 mMリン酸ナトリウム、pH 7.0で洗浄し、結合インターフェロンガンマ変異体を0-60% 500 mM リン酸ナトリウム、pH 7.0の勾配で30カラム容量以上で溶出した。溶出インターフェロンガンマ変異体とフロースルーを分画した。インターフェロンガンマ変異体を含む画分を貯蔵し、Vivaspin20 カラム(VivaScience)により緩衝液を5 mM コハク酸ナトリウム、4% マンニトール、pH 6.0に交換し、その後Tween 20を濃度0.01%まで添加した。インターフェロンガンマ変異体はろ過滅菌し、-80℃で保存した。
【0160】
あるいは、インターフェロンガンマ変異体は以下の精製手順に従い精製できる。
ろ過液を精密ろ過(0.22μm)し、その後Millipore TFF システムを用いて約1/15量まで限界ろ過する。同じ系で、10 mM Tris、pH7.6を使用して濃縮物をろ過透析し、その後pHを9.0に調節し、精密ろ過により沈殿物を除去する。
事前に10 mM Tris、pH 9.0に平衡化したQ-sepharose Fast Flow (Pharmacia)カラムに試料をアプライする。アプライ後、カラムを3カラム容量の10 mM Tris、pH 9.0で洗浄し、結合インターフェロンガンマ変異体を0-100% 10 mM Tris、0.5 M NaCl、pH 9.0の勾配で15カラム容量以上で溶出する。溶出インターフェロンガンマ変異体とフロースルーを分画する。インターフェロンガンマ変異体に富む画分を貯蔵し、pHを7.6に調節する。硫酸アンモニウムを1.5Mまで添加し攪拌した後、遠心分離して沈殿物を除去する。
【0161】
その後、事前に10mM Tris、1.5M硫酸アンモニウム、pH7.6で平衡化したPhenyl Sepharose High Performance (Pharmacia)にインターフェロンガンマ変異体をアプライする。
アプライ後、カラムを3カラム容量の10mM Tris、1.5M硫酸アンモニウム、pH7.6で洗浄し、その後100% 10 mM Tris, pH 7.6までの比例勾配で10カラム容量以上で結合インターフェロンガンマ変異体を溶出する。溶出インターフェロンガンマ変異体とフロースルーを分画する。インターフェロンガンマ変異体に富む画分を貯蔵し、硫酸アンモニウムを1.7Mに調節する。
その後、事前に10 mM リン酸ナトリウム、1.7 M 硫酸アンモニウム、pH 7.6で平衡化したButyl Sepharose カラムにインターフェロンガンマ変異体をアプライする。アプライ後、10 mM リン酸ナトリウム、1.7 M 硫酸アンモニウム、pH 7.6でカラムを洗浄し、10 mM リン酸ナトリウム、pH 6.5を用いて一段階で結合インターフェロンガンマ変異体を溶出する。溶出インターフェロンガンマ変異体とフロースルーを分画する。
【0162】
その後、インターフェロンガンマ変異体に富む画分を貯蔵し、事前に10 mMリン酸ナトリウム、pH6.5に平衡化したヒドロキシアパタイトカラムにアプライする。アプライ後、カラムを5カラム容量の10 mMリン酸ナトリウム、pH 6.5で洗浄し、結合インターフェロンガンマ変異体を0-100% 500 mM リン酸ナトリウム、pH 6.5の比例勾配で30カラム容量以上で溶出する。溶出インターフェロンガンマ変異体とフロースルーを分画する。
インターフェロンガンマ変異体を含む画分を貯蔵し、緩衝液を5 mM コハク酸ナトリウム、4% マンニトール、H 6.0に交換する。その後Tween 20を濃度0.01%まで添加する。インターフェロンガンマ変異体はろ過滅菌し、-80℃で保存する。
【0163】
インターフェロンポリペプチド製剤
実施例1
インターフェロンベータ(IFN−β)変異体Q49N+Q51T+F111N+R113T製剤
WO 01/15736の実施例7および8に記載されるように変異体を構築し発現させ、以下の二段階手法により精製した:
回転容器から回収した培地を遠心し、0.22umフィルター(PVDF)で濾過した。濾過した培地を、カットオフ10000のポリエーテルスルフォン(PES)膜を備えたVivaflow 200システムでろ過透析し、50 mM酢酸ナトリウム、50 mM塩化ナトリウム、pH 5.5で平衡化したS-セファロースカラム (Pharmacia)にアプライした。カラムに結合したインターフェロン変異体を50 mM酢酸ナトリウム、0.5 M塩化ナトリウム、pH 5.5で溶出した。S-セファロースカラムから溶出した溶出液中の塩化ナトリウムの濃度を1.0 Mに調節し、得られた試料を、50 mM酢酸ナトリウム、1.0 M塩化ナトリウム、pH 5.5で平衡化したフェニル-セファロースHigh Performanceカラム(Pharmacia)にアプライした。アプライ後、カラムをMilli Q水で洗浄した。30カラム容量にて、Milli Q水から60% エチレングリコール、50 mM 酢酸ナトリウム、pH 5.5の勾配溶液でIFNB変異体を溶出した。完全にグリコシル化されたインターフェロンβ変異体を含む画分を回収した。カットオフ10000のPES膜を備えたVivaspin 20 ml 濃縮器において、調製物における緩衝液を50 mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.0に変更した。
【0164】
精製IFN-β変異体を、50 mMリン酸ナトリウム緩衝液中に初期濃度10 MIU/mlで変異体を含み(最終的にpH7.0に調製)、かつマンニトール(35 mg/ml)およびTween 80(2 mg/ml)を保持している組成物に製剤化した。一方の組成物(組成物A)は、Captisol(登録商標) (CyDex Inc.より入手可能)を添加しなかった。他方の組成物 (組成物B)はof Captisol(登録商標)を10 mg/mlで含有した。
組成物を(窒素またはアルゴンパージのいずれも行わずに)0.5mlエッペンドルフチューブに50μlずつ等分し、それぞれ−80℃および35℃で18日間保存した。
抗ウィルス活性をWO 01/15736に記載される抗ウィルスアッセイを用いて測定した。
結果は「35℃で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として示した。
【表4】
Figure 2004522803
【0165】
実施例2
IFN-β変異体Q49N+Q51T+F111N+R113T含有製剤の示差走査熱量測定
タンパク質のアンフォールディング(または変性)について研究し、特に各ランで該タンパク質のアンフォールディング温度(Tm)を測定するため、実施例1のタンパク質試料を示差走査熱量測定(DSC)を用いて解析した。
DSC解析のための出発物質は、50mM酢酸ナトリウム緩衝液タンパク質溶液(最終的にpH5.5に調製)であった。最終タンパク質濃度0.4mg/mlと成るよう添加された様々な賦形剤を用いて一連の溶液を調製した。焦点はTm値におけるシフトを測定することのみなので、注射用水をDSCのブランクとして機能するよう使用した。DSC解析にかける前に、MicroCal Incに記載されるようにバキュームを用いてすべての溶液を十分な時間脱ガスした。
MicroCal Inc (モデル VP-DSC)のDSC装置を使用してタンパク質の挙動を評価した。問題の溶液の温度を周囲温度(25℃)から約120℃まで、毎分1.5℃の速度で徐々に上昇させた。温度が上昇した時二つの事象が発生した。第一の事象は、アンフォールディング反応(吸熱性)であり、走査において上向きのピークとして観察された。第二の事象は沈殿(放熱性)であり、走査の下向きのピークとして観察された。
初めの溶液にTween80(2.4 mg/ml)、塩化ナトリウム(5 mg/ml)またはCaptisol(登録商標)(40 mg/ml)を添加すると、Tm値において各々ΔTm: -0.7、+1.2 または +7.2℃のシフトが起こった。ここでΔTmは以下のように規定する:
ΔTm = ( Tm2 - Tm1)
(式中「Tm1」は、更なる賦形剤を添加していない初めの溶液のDSC 走査 であり、「Tm2」は、Tween80(2.4 mg/ml)、塩化ナトリウム(5 mg/ml)またはCaptisol(登録商標)(40 mg/ml)のいずれかを添加している溶液の各DSC走査 である)。
これらのデータはCaptisol(登録商標)の添加が溶液中に存在するタンパク質を安定化することをはっきりと示しており、これにより実施例1における知見を支持している。
【0166】
実施例3
[C17S+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体の産生、精製およびPEG化
10% FBS およびペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を添加したDMEM/F-12 培地 (LifeTechnologies; Cat. # 31330) 200 ml中、1700 cm2 の拡大表面をそれぞれ有する6個の回転容器(Corning, USA)に、[C17S+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体を産生するCHO K1サブクローン(5/G-10)を播種した。2日後、培地を交換した。さらに2日後、2つの回転容器を細胞密度100%近くとし、培地を、1/500 EX-CYTE (Serologicals Proteins; Cat. # 81129N) および P/Sを添加した血清不含UltraCHO 培地 (BioWhittaker; Cat. # 12-724) 300 mlに変換した。この培地で細胞を発育させると、血清を含有する培地での発育で得られるものより高度な細胞塊が促進される。2日後、培地を新しくした。さらに2日後、培地を変更し、1/100 ITSA (Life Technologies; Cat. # 51300-044) [ITSAは接着培養のためのインスリン (1.0 g/L) トランスフェリン (0.55 g/L) セレニウム (0.67 mg/L)補助剤を意味する]、1/500 EC-CYTE およびP/Sが添加された産生培地:DMEM/F-12培地(Life Technologies; Cat. # 21041)とした。回転容器から回収した培地をプールし、IFNβ活性の測定の際に培地試料を取り出した。21日間毎日、培地1.8l を収獲し、-80℃にて凍結した。
回転容器から収獲した培地を遠心し、0.22 μm フィルター (PVDF)で濾過した。濾過培地を、カットオフ10000のポリエーテルスルフォン膜を備えたVivaflow 200システムでろ過透析し、これをS-セファロースカラム(Pharmacia)にアプライした。
【0167】
S-セファロースカラムを、50 mM酢酸ナトリウム、50 mM塩化ナトリウム, pH 5.5で平衡化し、インターフェロン変異体を50 mM酢酸ナトリウム、0.5 M塩化ナトリウム, pH 5.5により溶出した。溶出液中の塩化ナトリウム濃度を1.0M に調節した。
S-セファロースカラムからの溶出液を、50 mM酢酸ナトリウム, 1.0 M塩化ナトリウム, pH 5.5で平衡化したフェニル-セファロースHigh Performance カラム (Pharmacia)にアプライした。アプライ後、カラムを、50 mM酢酸ナトリウム、50 M塩化ナトリウム、pH 5.5で洗浄した。IFNβ変異体を、50 mM酢酸ナトリウム、50 mM塩化ナトリウム、pH 5.5から、50 mM酢酸ナトリウム中60%エチレングリコール、pH 5.5の勾配溶液30カラム容量で溶出した。完全にグリコシル化されたIFNβ変異体を含有する画分を集め、プールした。
フェニル-セファロースからの溶出液を、50 mM酢酸ナトリウム、50 M塩化ナトリウム、pH 5.5で平衡化したS-セファロースカラムに通し、溶出液中のエチレングリコールを除去した。エチレングリコールは流出中に存在し、他方インターフェロン変異体はカラムに結合した。アプライ後、カラムを20 mM酢酸ナトリウム、pH 5.5で洗浄し、インターフェロン変異体を100mMリン酸ナトリウム、pH 7.5で溶出した。
溶出液中のリン酸濃度を15 mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.2に調節し、これを、15 mM リン酸ナトリウム, pH 7.2で平衡化したヒドロキシアパタイトカラム(CHT I , Ceramic hydroxyapatite, Type I, Biorad)にアプライした。完全グリコシル化形態はこのカラムを通過し、他方、余分な部位を有するグリコシル化不充分な形態はカラムに結合し、これは、20カラム容量の、15 mM から200 mMの直線リン酸ナトリウム勾配溶液、pH6.8で溶出された。
完全グリコシル化変異型[C17S+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T] IFNβは、SDS-PAGEに基づき95%以上の純度であると判定された。
【0168】
精製した後、変異体をPEG化した。各実験の前に、10 mg/ml SCM-PEG (Shearwater, Alabamaのカルボキシメチル化PEGのスクシニミジルエステル、12 K または 20 K)の新鮮なストック溶液を96%エタノール中にて調製した。
20 mMリン酸ナトリウム、pH 7.0中、0.1 mg/ml タンパク質溶液を、PEG化可能な部位、即ちリジンおよびN-末端に対して0.75倍モル濃度過剰のPEGであるSCM-PEG、20KでPEG化した。室温にて30分間インキュベートした後、20 mM グリシン、pH 8.0の過剰量を添加して反応を停止させた。得られた反応混合物はモノ-、ジ-および非PEG化物質の混合物を含有していた。サイズ排除クロマトグラフィーまたは陽イオン交換クロマトグラフィーのいずれか、またはこれらの組合わせにより、モノ-PEG化物質を他の種から分離した。PEG化溶液のpHを pH 2.7に調節し、試料を、20 mMクエン酸ナトリウム, pH 2.7で平衡化したSP-セファロース HR (Pharmacia)カラムにアプライした。PEG化タンパク質を1 M塩化ナトリウムを含有する50 mM酢酸ナトリウムでカラムから溶出させ、これを、100 mM酢酸ナトリウム、200 mM塩化ナトリウム、pH 5.5で平衡化したサイズ排除カラムのセファクリルS-100, ((16/60) Pharmacia)に適用した。モノ-PEG化物質を含有する画分をプールし、さらに特性化した。
別の実験において、20 mMリン酸ナトリウム、pH 7.0中、0.16 mg/ml タンパク質溶液を、PEG化可能な部位、即ちリジンおよびN-末端に対して2倍モル濃度過剰のPEGであるSCM-PEG, 12KでPEG化した。室温にて30分間インキュベートした後、20 mM グリシン、pH 8.0の過剰量を添加して反応を停止させた。得られた反応混合物はモノ-、ジ-、トリ-PEG化物質の混合物とともに非誘導化物質を含有していた。サイズ排除クロマトグラフィーまたは陽イオン交換クロマトグラフィーのいずれか、または両者の組合わせにより、PEG化物質を非修飾タンパク質から分離した。PEG化溶液のpHを pH 2.7に調節し、試料を、20 mMクエン酸ナトリウム、pH 2.7で平衡化したSP-セファロース HR (Pharmacia)カラムにアプライした。PEG化タンパク質を1 M塩化ナトリウムを含有する50 mM酢酸ナトリウムによってカラムから溶出させ、これを、100 mM酢酸ナトリウム、200 mM塩化ナトリウム、pH 5.5で平衡化したサイズ排除カラムのセファクリルS-100, ((16/60) Pharmacia)にアプライした。モノ-、ジーおよびトリ-PEG化タンパク質の混合物を含有する画分をプールし、さらに特性化した。
【0169】
実施例4
[C17S+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T] IFN-βグリコシル化変異体含有製剤の示差走査熱量測定
タンパク質のアンフォールディング(または変性)について研究し、特に各ランで該タンパク質のアンフォールディング温度(Tm)を測定するため、IFNβグリコシル化変異体(実施例3に従って調製)の試料を示差走査熱量測定(DSC)を用いて解析した。
DSC解析のための出発物質は、20mM酢酸ナトリウム緩衝液タンパク質溶液(最終的にpH7.1に調製)であった。最終タンパク質濃度0.4mg/mlと成るよう添加された様々な賦形剤を用いて一連の溶液を調製した。焦点はTm値におけるシフトを測定することのみなので、注射用水をDSCのブランクとして機能するよう使用した。DSC解析にかける前に、MicroCal Incに記載されるようにバキュームを用いてすべての溶液を十分な時間脱ガスした。
MicroCal Inc (モデル VP-DSC)のDSC装置を使用してタンパク質の挙動を評価した。問題の溶液の温度を周囲温度(25℃)から約120℃まで、毎分1.5℃の速度で徐々に上昇させた。温度が上昇した時、アンフォールディング反応(吸熱性)が走査において上向きのピークとして観察された。
溶液のDSCランを、「0.2 M マンニトール」または「0.2 M マンニトール+35 mg/ml Captisol(登録商標)」のいずれかと比較すると、Captisol(登録商標)を含有する試料について約 6.4℃のTm値の上昇が見られた。これらのデータはCaptisol(登録商標)の添加が溶液中に存在するタンパク質を安定化することをはっきりと示している。
【0170】
実施例5
12kDaPEG化[C17S+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体を含有する製剤
精製した12kDaPEG化IFNβグリコシル化変異体(実施例3に従い調製)を、以下の緩衝液中に初期濃度約5MIU/mlで変異体を含有する以下のような組成物に製剤化した:10 mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 5.5に調節)、45 mg/ml マンニトールおよび2 mg/ml Tween 80 含有(〜緩衝液 I)、または 50 mM リン酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 7.0に調製)、 30 mg/ml マンニトールおよび 2 mg/ml Tween 80 含有(〜緩衝液 II)。緩衝液系Iについては、一方の組成物 (組成物 A) は、Captisol(登録商標)を添加しなかった。他方の組成物 (組成物 B)は、Captisol(登録商標)10 mg/mlを含有した。緩衝液系IIについては、一方の組成物 (組成物 C) は、Captisol(登録商標)を添加しなかった。他方の組成物 (組成物 D)は、Captisol(登録商標)10 mg/mlを含有した。
組成物を(窒素またはアルゴンパージのいずれも行わずに)0.5mlエッペンドルフチューブに50μlずつ等分し、それぞれ−80℃で様々な期間保存した。少なくとも0.4mlの試料を、シリコン化ガラスバイアル(タイプIガラス)中で、5、25および35℃で保存した(密閉前に窒素パージ)。
抗ウィルス活性をWO 01/15736に記載される抗ウィルスアッセイを用いて測定した。
抗ウィルス活性アッセイの結果は、「所定の温度で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として以下の表に示した:
【表5】
Figure 2004522803
NB. 組成物試料を所定の時間点で解析しなかった場合には、「−」として示す。
これらのデータは、Captisol(登録商標)を製薬的に許容される緩衝液系に添加することにより、あるpH値での生物活性の失活を遅らせるか、または防ぐことさえできることをはっきりと示している。
さらに、バイアル中で保存した様々な組成物の目視検査により、Captisol(登録商標)を含有する組成物はペグ化IFNβ変異体の沈殿を防ぐか、または遅らせることができることがわかった。例えば、35℃で34日間保存した組成物AおよびBは、それぞれ「高度に混濁している」および「透明溶液である」ことが調べられた。
【0171】
実施例6
20kDaPEG化[C17S+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体を含有する製剤
精製した20kDaPEG化IFNβ変異体(実施例3に従い調製)を、以下の緩衝液中に初期濃度約11−14MIU/mlで変異体を含有する以下のような組成物に製剤化した:10 mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 5.5に調節)、45 mg/ml マンニトールおよび2 mg/ml Tween 80 ならびに 6.7 mg/ml Captisol(登録商標)含有(〜組成物 A)、または 50 mM リン酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 7.0に調製)、 30 mg/ml マンニトールおよび 2 mg/ml Tween 80 ならびに10 mg/ml Captisol(登録商標)含有(〜組成物 B)。
組成物を(窒素またはアルゴンパージのいずれも行わずに)0.5mlエッペンドルフチューブに50μlずつ等分し、それぞれ−80℃で様々な期間保存した。少なくとも0.4mlの試料を、シリコン化ガラスバイアル(タイプIガラス)中で、5、25および35℃で保存した(密閉前に窒素パージ)。
抗ウィルス活性をWO 01/15736に記載される抗ウィルスアッセイを用いて測定した。
抗ウィルス活性アッセイの結果は、「所定の温度で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として以下の表に示す:
【表6】
Figure 2004522803
NB. 組成物試料を所定の時間点で解析しなかった場合には、「−」として示す。
これらのデータは、Captisol(登録商標)を製薬的に許容される緩衝液系に添加することにより、あるpH値での生物活性の失活を遅らせるか、または防ぐことさえできることが示されている実施例5の知見を明確に支持している。
【0172】
実施例7
C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体の産生、精製およびPEG化
実施例3記載のようにして6つの回転容器において、[C17S+K19R+ K33R+K45R+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体を産生するCHO K1サブクローン(5/G-10)を調製し、次いで実施例3にて使用したプロトコールにより精製した。完全グリコシル化変異型[C17S+K19R+ K33R+K45R+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T] IFNβは、SDS-PAGEに基づき95%以上の純度であると判定された。
精製した後、変異体をPEG化した。各実験の前に、SCM-PEG (Shearwater, Alabamaのカルボキシメチル化PEGのスクシンイミジルエステル、12 kD または 20 kD)の新鮮なストック溶液をエタノール中にて調製した。
0.1 mg/mlタンパク質溶液(20 mMリン酸ナトリウム、pH 7.0)を、PEG化可能な部位、即ちリジンおよびN-末端に対して3倍モル濃度過剰のPEGであるSCM-PEG、20KでPEG化した。室温にて30分間インキュベートした後、20 mM グリシン、pH 8.0の過剰量を添加して反応を停止させた。得られた反応混合物はモノ-、ジ-および非PEG化物質の混合物を含有していた。サイズ排除クロマトグラフィーまたは陽イオン交換クロマトグラフィーのいずれか、または両者の組合わせにより、モノ-PEG化物質を他の種から分離した。PEG化溶液のpHを pH 2.7に調節し、試料を、20 mMクエン酸ナトリウム、pH 2.7で平衡化したSP-セファロース HR (Pharmacia)カラムにアプライした。PEG化タンパク質を1 M塩化ナトリウムを含有する50 mM酢酸ナトリウムによってカラムから溶出させ、これを、100 mM酢酸ナトリウム、200 mM塩化ナトリウム、 pH 5.5で平衡化したサイズ排除カラムのセファクリルS-100, ((16/60) Pharmacia)にアプライした。モノ-PEG化物質を含有する画分をプールし、さらに特性化した。
【0173】
別の実験において、0.1 mg/ml タンパク質溶液(20 mMリン酸ナトリウム、pH 7.0)を、PEG化可能な部位、即ちリジンおよびN-末端に対して5倍モル濃度過剰のPEGであるSCM-PEG、12K(10 mg/ml)でPEG化した。室温にて30分間インキュベートした後、20 mM グリシン, pH 8.0の過剰量を添加して反応を停止させた。得られた反応混合物はモノ-、ジ-、トリ-PEG化物質の混合物とともに非誘導化物質を含有していた。サイズ排除クロマトグラフィーまたは陽イオン交換クロマトグラフィーのいずれか、またはこれらの組合わせにより、PEG化物質を非修飾タンパク質から分離した。PEG化溶液のpHを pH 2.7に調節し、試料を、20 mMクエン酸ナトリウム, pH 2.7で平衡化したSP-セファロース HR (Pharmacia)カラムにアプライした。PEG化タンパク質を1 M塩化ナトリウムを含有する50 mM酢酸ナトリウムによってカラムから溶出させ、これを、100 mM酢酸ナトリウム、200 mM塩化ナトリウム, pH 5.5で平衡化したサイズ排除カラムのセファクリルS-100, ((16/60) Pharmacia)にアプライした。モノ-、ジーおよびトリ-PEG化タンパク質の混合物を含有する画分をプールし、さらに特性化した。
【0174】
実施例8
20kDa PEG化[C17S+ K19R+K33R+K45R+ Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体を含有する製剤
精製した20kDaPEG化IFNβ変異体(実施例7に従い調製)を、以下の緩衝液中に初期濃度約5−10MIU/mlで変異体を含有する以下のような組成物に製剤化した:10 mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 5.0に調節、〜緩衝液A)、10 mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 5.5に調節、〜緩衝液B)、10 mM コハク酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 5.5に調節、〜緩衝液C)、10 mM コハク酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 6.0に調節、〜緩衝液D)、10 mM クエン酸ナトリウム緩衝液 (最終的に pH 6.0に調節、〜緩衝液E)。以下の三つの賦形剤 Tween 80 (なし、0.2 および 2.0 mg/ml)、Captisol(登録商標) (10 および 50 mg/ml) およびマンニトール (17 および 39 mg/ml) の様々な組み合わせを、示した5つの各緩衝液系に添加した。さらに、緩衝液系 C おおよび E については、Tween 80 または Captisol(登録商標)を含まずマンニトールのみを添加したもの (それぞれ34 および 32 mg/ml) も調べた。
マンニトールの量は、非経口投与に適した等張化溶液を確実なものとするよう調節した。
組成物を(窒素またはアルゴンパージのいずれも行わずに)0.5mlエッペンドルフチューブに25μlずつ等分し、それぞれ−80℃および5℃で様々な期間保存した。少なくとも0.4mlの試料を、シリコン化ガラスバイアル(タイプIガラス)中で、25で保存した(密閉前に窒素パージ)。
抗ウィルス活性をWO 01/15736に記載される抗ウィルスアッセイを用いて測定した。
【0175】
抗ウィルス活性アッセイの結果は、「所定の温度で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として以下の表に示す。
7つの異なる製剤(すべて10 mM コハク酸ナトリウム緩衝液およびマンニトール含有(最終的にpH 5.5に調製、〜 緩衝液 C)は、抗ウィルス解析まで−80および25℃で保存した。Tween 80 および Captisol(登録商標)を含まない製剤は、他の製剤より20日遅れて静置した。
【表7】
Figure 2004522803
25℃で94−95日間保存した緩衝液C組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
*) 25℃で74日間保存した本緩衝液C組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
【表8】
Figure 2004522803
25℃で160日間保存した緩衝液C組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
*) 25℃で140日間保存した本緩衝液C組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
【0176】
7つの異なる製剤(すべて10 mM クエン酸ナトリウム緩衝液およびマンニトール含有(最終的にpH 6.0に調製、〜 緩衝液 E)は、抗ウィルス解析まで−80および25℃で保存した。Tween 80 および Captisol(登録商標)を含まない製剤は、他の製剤より20日遅れて静置した。
【表9】
Figure 2004522803
25℃で94−95日間保存した緩衝液E組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
*) 25℃で75日間保存した本緩衝液E組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
【表10】
Figure 2004522803
25℃で164日間保存した緩衝液E組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
*) 25℃で144日間保存した本緩衝液E組成物試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
Captisol(登録商標)を含有しない組成物は残りの組成物より保存した期間が非常に短いことを考慮すると、このデータは、Captisol(登録商標)を製薬的に許容される緩衝液系に添加することにより、期間を延長し温度を上げて保存した場合でも、あるpH値での生物活性の失活を遅らせか、または防ぐことさえ可能であることをはっきりと示している。
【0177】
実施例9
選択した精製IFNβ変異体の安定性(実施例1−8の具体的変異体を含む)を以下のパラメーターの組み合わせにおいて調べた:
a) 1 50 MIU/mlから選択される「変異体濃度」。
b)酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびその混合物から選択される緩衝液タイプ(各緩衝液タイプにつき上限100 mMで至適濃度が存在)。
c) pH 4.0-7.0から選択されるpH範囲。
d) 5-100 mg/ml から選択されるCaptisol(登録商標)濃度。
e) Tween 20 (2 mg/mlまで) 、Tween 80 (2 mg/mlまで)、マンニトール (50 mg/mlまで)、塩化ナトリウム(9 mg/mlまで)から選択される、他の適当な賦形剤のタイプおよび量。
f) 非経口投与によって与えられる製品に適したプライマリー容器 。
【0178】
実施例10
20kDa PEG化[C17S+Q49N+ Q51T+D110F+ F111N+ R113T]IFNβグリコシル化変異体を含有する製剤
製剤化の前に、精製した20kDa PEG化IFNβ変異体(実施例3に従い調製)を、25 mg/ml マンニトールを含む10 mM 酢酸ナトリウム緩衝液より成る溶液(最終的にpH 5.5に調製)で平衡化した。この原料を、以下の緩衝液中に初期濃度100μg/mlで該変異体を含有する以下のような組成物に製剤化した:以下の組み合わせにおける10 mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (最終的にpH 5.5に調製)(マンニトール、塩化ナトリウム (NaCl)、Tween 80 および Captisol(登録商標)含有)。
【表11】
Figure 2004522803
【0179】
組成物をろ過滅菌し、無菌条件下で滅菌容器に充填し、様々な長さの期間保存した。0.5mlエッペンドルフチューブに20μlずつ等分したものを充填し、-80℃で保存した。少なくとも0.3mlずつ等分したものをシリコン化ガラスバイアル(タイプIガラス)に充填し、5、25、35℃で保存した。
抗ウィルス活性をWO 01/15736に記載される抗ウィルスアッセイを用いて測定した。
約1ヶ月保存した後の抗ウィルス活性アッセイの結果は、「所定の温度で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として以下の表に示す。
【表12】
Figure 2004522803
25℃で保存した製剤組成物M01からM012の試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
【表13】
Figure 2004522803
35℃で保存した製剤組成物M01からM012の試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
これらのデータは、Captisol(登録商標)を製薬的に許容される緩衝液系に添加することにより、あるpH値での生物活性の失活を遅らせか、または防ぐことさえ可能であることを示す実施例5の知見をはっきりと支持している。
実施例6と比較すると本実施例では使用されているTween 80が非常に少なく、このことがより高い温度で問題のポリペプチドの安定性の改善が観察されたことを説明するかもしれない。
【0180】
実施例11
野生型IFNβ(IFNβ)を含有する製剤
実施例3に示される変異体(最終段階がSuperdex 75カラムを通すゲルろ過より成っていたという点で相違)として、IFNβバルク調製物を精製した。その後本物質を、0.1 M 塩化ナトリウムおよび0.2 M マンニトールの両方を含む50 mM 酢酸ナトリウムより成る溶液(pH 5.5に調節)で平衡化した。この原料を、以下の緩衝液中に初期濃度約5MIU/mlで該IFNβを含有する以下のような組成物に製剤化した:50 mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (最終的にpH 5.5に調製)、28 mg/mlマンニトール、1.3 mg/ml塩化ナトリウム (NaCl)、および2 mg/ml Tween 80含有、さらにCaptisol(登録商標)なし(製剤A)または10 mg/ml Captisol(登録商標)含有(製剤B)。
組成物をエッペンドルフチューブに50μlずつ等分して充填し、-80℃、-20℃、および5℃で様々な長さの期間保存した。
抗ウィルス活性をWO 01/15736に記載される抗ウィルスアッセイを用いて測定した。
354日間保存した後の抗ウィルス活性アッセイの結果は、「所定の温度で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として以下の表に示す:
【表14】
Figure 2004522803
-20℃および-5℃で354日間保存した製剤組成物AおよびBの試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
【0181】
実施例12
野生型IFNガンマ(IFNガンマ)を含有する製剤
「インターフェロンガンマ調製のための材料および方法」の節中の実施例Hに記載されるようにIFNガンマバルク調製物を調製した。本調製物を、以下の緩衝液中に初期濃度0.5mg/mlで該IFNガンマを含有する以下のような組成物に製剤化した:5mM コハク酸ナトリウム緩衝液 (最終的にpH 6.0に調製)、40mg/mlマンニトールおよび0.01% Tween 20含有、さらにCaptisol(登録商標)なし(製剤A)または50 mg/ml Captisol(登録商標)含有(製剤B)。
組成物をろ過滅菌し、無菌条件下で滅菌容器に充填し、様々な長さの期間保存した。0.5mlエッペンドルフチューブに20μlずつ等分したものを充填し、-80℃で保存した。少なくとも0.15mlずつ等分したものをシリコン化ガラスバイアル(タイプIガラス)に充填し、5、25、35および40℃で保存した。
「インターフェロンガンマ調製のための材料および方法」の節に記載されるルシフェラーゼアッセイを使用して活性を測定した。
8日間保存した後のルシフェラーゼアッセイの結果は、「所定の温度で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として以下の表に示す:
【表15】
Figure 2004522803
25、35および40℃で8日間保存した製剤組成物AおよびBの試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。
【0182】
実施例13
[E38N+S40T+S99T]IFNガンマグリコシル化変異体を含有する製剤
「インターフェロンガンマ調製のための材料および方法」の節中の実施例Dに記載されるようにIFNガンマ変異体を調製した。本物質を、「インターフェロンガンマ調製のための材料および方法」の節に記載される実施例Hに示されるように精製した。精製したこの物質を、以下の緩衝液中に初期濃度0.5mg/mlで該変異体を含有する以下のような組成物に製剤化した:5mM コハク酸ナトリウム緩衝液 (最終的にpH 6.0に調製)、40mg/mlマンニトールおよび0.01% Tween 20含有;さらに Captisol(登録商標)なし(製剤A)または50 mg/ml Captisol(登録商標)含有(製剤B)。
組成物をろ過滅菌し、無菌条件下で滅菌容器に充填し、様々な長さの期間保存した。0.5mlエッペンドルフチューブに20μlずつ等分したものを充填し、-80℃で保存した。少なくとも0.15mlずつ等分したものをシリコン化ガラスバイアル(タイプIガラス)に充填し、5および25で保存した。
「インターフェロンガンマ調製のための材料および方法」の節に記載されるルシフェラーゼアッセイを使用して活性を測定した。
ルシフェラーゼ活性アッセイの結果は、「所定の温度で保存した試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))」として以下の表に示す:
【表16】
Figure 2004522803
5および25℃で保存した製剤組成物AおよびBの試料の平均パーセント活性(対−80℃で保存した試料の活性(同日に解析))。

Claims (49)

  1. インターフェロンポリペプチドおよびスルホアルキル
    エーテルシクロデキストリン誘導体を含有する安定化組成物。
  2. インターフェロンポリペプチドが、保存中に凝集体形成および/または生物活性の失活を示すものである、請求項1記載の組成物。
  3. インターフェロンポリペプチドがヒト野生型インターフェロンポリペプチドまたはその変異体である、請求項1または2記載の組成物。
  4. インターフェロンポリペプチドが、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンオメガ、インターフェロンタウ、インターフェロンイプシロン、およびインターフェロンガンマ、またはその変異体から選択されるヒト野生型インターフェロンポリペプチドである、請求項3記載の組成物。
  5. インターフェロンポリペプチドが非ポリペプチド部分によって誘導体化されている、請求項1から4のいずれか記載の組成物。
  6. インターフェロンポリペプチドがグリコシル化および/またはPEG化されている、請求項5記載の組成物。
  7. インターフェロンポリペプチドが野生型ヒトインターフェロンベータである、請求項1から6のいずれか記載の組成物。
  8. インターフェロンポリペプチドが、グリコシル化部位が少なくとも一つ導入されている点でアミノ酸配列が野生型ヒトインターフェロンβのものと相違するインターフェロンβポリペプチドを含み、さらに導入されているグリコシル化部位に連結した糖部分を少なくとも一つ含む結合体である、請求項5から6のいずれか記載の組成物。
  9. 導入グリコシル化部位の少なくとも一つが以下より選択される位置におけるN-グリコシル化部位である、請求項8記載の組成物:
    S2N+N4S/T、L6S/T、L5N+G7S/T、F8N+Q10S/T、L9N+R11S/T、R11N、R11N+S13T、S12N+N14S/T、F15N+C17S/T、Q16N+Q18S/T、Q18N+L20S/T、K19N+L21S/T、W22N+L24S/T、Q23N+H25S/T、G26N+L28S/T、R27N+E29S/T、L28S+Y30S/T、Y30N+L32S/T、L32N+D34S/T、K33N+R35S/T、R35N+N37S/T、M36N+F38S/T、D39S/T、D39N+P41S/T、E42N+I44S/T、Q43N+K45S/T、K45N+L47S/T、Q46N+Q48S/T、L47N+Q49T/S、Q48N+F50S/T、Q49N+Q51S/T、Q51N+E53S/T、K52N+D54S/T、L57N+I59S/T、Q64N+I66S/T、A68N+F70S/T、R71N+D73S/T、Q72N、Q72N+S74T、D73N、D73N+S75T、S75N+T77S、S75N、S76N+G78S/T、E81N+I83S/T、T82N+V84S/T、 E85N+L87S/T、L88S/T、A89N+V91S/T、Y92S/T、Y92N+Q94S/T、H93N+I95S/T、L98S/T、H97N+K99S/T、K99N+V101S/T、T100N+L102S/T、E103N+K105S/T、E104N+L106S/T、K105N+E107S/T、E107N+E109S/T、K108N+D110S/T、E109N+F111S/T、D110N+T112S、D110N、F111N+R113S/T、R113N+K115S/T、G114N+L116S/T、K115N+M117S/T、L116N、L116N+S118T、S119N+H212S/T、L120N+L122S/T、H121N+K123S/T、K123N+Y125S/T、R124N+Y126S/T、G127N+I129S/T、R128N+L130S/T、L130N+Y132S/T、 H131N+L133S/T、K134N+K136S/T、A135N+E137S/T、K136N+Y138S/T、E137N、Y138N+H140S/T、H140N+A142S/T、V148N+I150S/T、R152N+F154S/T、Y155N+I157S/T、L160S/T、R159N+T161S、R159N、G162N+L164S/T、および Y163N+R165S/T(ここに、置換は配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示す)。
  10. インターフェロンポリペプチドが、配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示された置換、C17S突然変異をさらに含有するインターフェロンベータポリペプチドである、請求項1から9のいずれか記載の組成物。
  11. インターフェロンベータポリペプチドが以下より選択される、請求項1から3、5、6、8から9のいずれか記載の組成物:
    Q49N+Q51T;
    F111N+R113T;
    Q49N+Q51T+F111N+R113T;
    C17S+Q49N+Q51T+L98P+F111N+R113T;
    S2N+N4T+C17S+Q51N+E53T;
    S2N+N4T+C17S+Q51N+E53T+F111N+R113T;
    C17S+Q49N+Q51T+F111N+R113T;
    C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T;
    C17S+Q48F+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T;
    C17S+Q48Y+Q49N+Q51T+D110Y+F111N+R113T;
    K19R+K45R+K123R;
    K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
    C17S+K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
    C17S+K19R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
    C17S+K19R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;
    C17S+K19R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
    C17S+K19R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
    S2N+N4T+C17S+K19R+K45R+Q51N+E53T+K123R;
    C17S+K19R+K45R+Q48F+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
    S2N+N4T+C17S+K19R+K45R+Q51N+E53T+D110F+F111N+R113T+K123R;
    C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T;
    C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K123R;
    C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+ F111N+R113T; および
    C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+F111N+R113T+K123R;(ここに、 置換は配列番号:1に示される野生型ヒトインターフェロンベータのアミノ酸配列に対して示す)。
  12. インターフェロンポリペプチドがインターフェロンガンマポリペプチドである、請求項1から6のいずれか記載の組成物。
  13. インターフェロンガンマポリペプチドが野生型ヒトインターフェロンガンマまたはその変異体である、請求項12記載の組成物。
  14. インターフェロンガンマポリペプチドが、配列番号:2に示される野生型ヒトインターフェロンガンマのアミノ酸配列に対して示された置換、S99Tを含むヒト野生型インターフェロンガンマの変異体である、請求項13記載の組成物。
  15. 変異体が、配列番号:2に示される野生型ヒトインターフェロンガンマのアミノ酸配列に対して示された置換、E38N+S40Tをさらに含む、請求項14記載の組成物。
  16. インターフェロンガンマポリペプチドが、1から15アミノ酸残基がC末で切断されている、請求項12から15のいずれか記載の組成物。
  17. スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体が、以下の式Iで示される化合物である、請求項1から16のいずれか記載の組成物:
    式I:
    Figure 2004522803
    (式中n は 4, 5 または 6であり、
    R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、および R9 は各々、独立して、-O- または -O-(C2-C6 アルキレン)-SO3- 基であり、R1 および R2の少なくとも一つは独立して-O-(C2-C6 アルキレン)-SO3- 基であり、および、
    S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、および S9 は各々、独立して製薬的に許容される陽イオンである)。
  18. スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが、ベータシクロデキストリンスルホブチルエーテル、例えばナトリウム塩のようなその塩形態、好ましくはCaptisol(登録商標)である、請求項17記載の組成物。
  19. 該スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体が1 mg/ml から 150 mg/mlの濃度で存在する、請求項1から18のいずれか記載の組成物。
  20. 該インターフェロンポリペプチドが、液体製剤で1-100 MIU/ml、例えば1-50 MIU/ml、または固体製剤で1-100 MIU/用量、例えば1-50 MIU/用量に相当する量で存在する、請求項1から19のいずれか記載の組成物。
  21. 該組成物のpHが4から8の範囲、好ましくはpH5から8、または4から7である、請求項1から20のいずれか記載の組成物。
  22. さらに緩衝化剤を含有する、請求項1から21のいずれか記載の組成物。
  23. 該緩衝化剤が最大100mMの濃度で存在する、請求項22記載の組成物。
  24. 該組成物が液体および等張溶液であり、かつ約240-360 mOsmol/kgの浸透圧を有する、請求項1から23のいずれか記載の組成物。
  25. さらに等張化剤を含有する、請求項1から24のいずれか記載の組成物。
  26. 乾燥製剤、または水溶液剤または水性懸濁液剤のような液体製剤、の形態である、請求項1から23のいずれか記載の組成物。
  27. 液体溶液剤、例えば水溶液剤である、請求項1から26のいずれか記載の組成物。
  28. 凍結液体製剤、噴霧乾燥または凍結乾燥製剤の形態である、請求項26記載の組成物。
  29. 非経口、鼻腔内または肺投与に適した、前述の請求項いずれかに記載の組成物。
  30. 静脈内、筋肉内、または皮下投与に適した、請求項29記載の組成物。
  31. さらに賦形剤を含有する、請求項1から30のいずれか記載の組成物。
  32. インターフェロンポリペプチドの凝集および/または化学的分解を減少可能な第二の安定化剤をさらに含有する、請求項1から31のいずれか記載の組成物。
  33. 保存剤および/または増粘化剤をさらに含有する、請求項1から32のいずれか記載の組成物。
  34. 保存剤を含有しない、請求項1から32のいずれか記載の組成物。
  35. さらにHSAを含有する、請求項1から34のいずれか記載の組成物。
  36. HSAを含有しない、請求項1から34のいずれか記載の組成物。
  37. 界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤をさらに含有する、請求項1から36のいずれか記載の組成物。
  38. 界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤を含有しない、請求項1から36のいずれか記載の組成物。
  39. インターフェロンポリペプチドが、
    a) 温度37℃で少なくとも1週間保存、および/または
    b) 温度25℃で少なくとも4週間保存する間、
    本質的にその抗ウィルス活性を保持している、請求項1から38のいずれか記載の組成物。
  40. インターフェロンポリペプチドがポリマー分子、例えばポリエチレングリコールをさらに含有する、請求項7から39のいずれか記載の組成物。
  41. ポリマー分子がPEG分子一つであることを含む、請求項40記載の組成物。
  42. 請求項1から41のいずれか記載の組成物を含むプライマリープロダクト容器。
  43. 充填済注射器である、請求項42記載の容器。
  44. 医薬組成物に製剤化されたインターフェロンポリペプチドの安定性を上昇させる方法であって、該組成物にスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体および任意で緩衝化剤を含有させることを含む方法。
  45. インターフェロンポリペプチドが保存中に凝集体形成を示すものであり、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を、該インターフェロンポリペプチドの凝集体形成を減少させるのに十分な量含有させる、請求項44記載の方法。
  46. 組成物が請求項1から41のいずれかに記載の組成物である、請求項44または45記載の方法。
  47. 請求項1から41のいずれかに記載の組成物を治療上有効な量投与することを含む、哺乳類にインターフェロン治療をする方法。
  48. 医薬品として使用するための、請求項1から41のいずれかに記載の組成物。
  49. 疾患または障害を処置する医薬を製造するための、請求項1から41のいずれかに記載の組成物の使用。
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