JP2004522421A - ヒトg−タンパク質共役受容体およびそれらの使用 - Google Patents

ヒトg−タンパク質共役受容体およびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、IGS43G−タンパク質共役受容体ファミリー、および該IGS43タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関する。また本発明はそのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作用を阻害または活性化すること、該ポリヌクレオチドを含むベクター、そのようなベクターを含む宿主細胞、およびIGS43−遺伝子が過剰発現されるか、誤発現されるか、不十分に発現されるか、または抑制される(ノックアウト−動物)非−ヒトトランスジェニック動物に関する。本発明はさらに、該G−タンパク質共役受容体ファミリーIGS43のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる化合物をスクリーニングする方法、およびIGS43ポリペプチドおよびポリヌクレオチドおよびIGS43受容体ファミリーに対するアゴニストまたはアンタゴニストの広範囲の障害の処置およびそのような状態の診断アッセイにおける使用に関する。本発明は特に、G−タンパク質共役受容体ファミリーIGS43のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる化合物のスクリーニング法、およびIGS43ポリペプチドおよびポリヌクレオチドおよびIGS43受容体ファミリーに対するアゴニストまたはアンタゴニストの子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患の処置おける使用、およびそのような状態の診断アッセイに関する。

Description

【0001】
(技術分野)
説明
本発明は新規に同定されたポリヌクレオチド、それらによりコードされるポリペプチド、およびそのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用、およびそれらの生産に関する。より詳細には、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドはG−タンパク質共役受容体(GPCR)(今後、IGS43と呼ぶ)に関する。また本発明はそのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作用を阻害または活性化する方法、該ポリヌクレオチドを含有するベクター、そのようなベクターを含有する宿主細胞、およびIGS43−遺伝子が過剰発現する、誤発現する、不十分に発現する(underexpressed)、および/または抑制される(ノックアウト動物)トランスジェニック動物に関する。本発明はさらに、該G−タンパク質共役受容体IGS43のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる化合物のスクリーニング法に関する。
発明の背景
多くの医学的に重要な生物学的プロセスは、G−タンパク質および/または第2メッセンジャーが関与するシグナル伝達経路に参加するタンパク質により媒介されることは十分に確立されている:例えばcAMP(Lefkowitz,Nature,1991,351:353−354)。本明細書ではこれらのタンパク質をG−タンパク質の経路に関与するタンパク質と称する。これらのタンパク質の幾つかの例には、アドレナリン作動薬およびドーパミンのようなGPC受容体(Kobilka,B.K.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1987,84:46−50;Kobilka,B.K.,et al.,Science,1987,238:650−656;Bunzow,J.R.,et al.,Nature,1988,336:783−787)、G−タンパク質自体、エフェクタータンパク質、例えばホスホリパーゼC、アデニル酸シクラーゼおよびホスホジエステラーゼ、およびアクチュエーター(actuator)タンパク質、例えばプロテインキナーゼAおよびプロテインキナーゼC(Simon,M.I.,et al.,Science,1991,252:802−8)を含む。
【0002】
例えばシグナル伝達の1形態では、ホルモンがGPCRに結合すると、受容体がヘテロ三量体G−タンパク質と相互作用し、そしてグアニンヌクレオチド−結合部位からGDPの解離を誘導する。正常な細胞濃度のグアニンヌクレオチドで、GTPはこの部位を即座に満たす。GTPのG−タンパク質のαサブユニットへの結合により、受容体からG−タンパク質の解離およびG−タンパク質のαおよびβγサブユニット内の解離を引き起こす。次いでGTPを持つ形態は活性化アデニル酸シクラーゼに結合する。G−タンパク質自体により触媒されるGTPのGDPへの加水分解は(αサブユニットが本来のGTPase活性を保有する)、G−タンパク質を元の不活性な形態に戻す。αサブユニットのGTPase活性は、本質的にはオン/オフスイッチを制御する内部クロックである。αサブユニットのGDP結合形態はβγに高い親和性を有し、そして続くαGDPとβγとの再会合により系は元の状態に戻る。このようにG−タンパク質は、受容体からエフェクターへのシグナルを渡す中間体として(この例ではアデニル酸シクラーゼ)、およびシグナルの期間を制御するクロックとしての2役をこなす。
【0003】
G−タンパク質共役受容体の膜結合スーパーファミリーは、7つの推定上の膜貫通ドメインを有すると特徴づけられた。このドメインは細胞外または細胞質ループにより連結される膜貫通α−ヘリックスを表すと考えられている。G−タンパク質共役受容体には、ホルモン、ウイルス、増殖因子および神経受容体のような広い範囲の生物学的に活性な受容体を含む。
【0004】
G−タンパク質共役受容体ファミリーには、CNS障害を処置するために使用する神経弛緩薬に結合するドーパミン受容体を含む。このファミリーの他の員の例には限定するわけではないが、カルシトニン、アドレナリン作動性物質、神経ペプチドY、ソマトスタチン、ニューロテンシン、ニューロキニン、カプサイシン、VIP、CGRP、CRF、CCK、ブラジキニン、ガラニン、モチリン、ノシセプチン、エンドセリン、cAMP、アデノシン、ムスカリン作動性物質、アセチルコリン、セロトニン、ヒスタミン、トロンビン、キニン、濾胞刺激ホルモン、オプシン、内皮分化遺伝子−1、ロドプシン、臭気物質およびサイトメガロウイルス受容体を含む。
【0005】
ほとんどのG−タンパク質共役受容体は、機能的なタンパク質構造を安定化すると考えられているジスルフィド結合を形成する最初の2つの各細胞外ループ内に、1つの保存されたシステイン残基を有する。7回膜貫通領域は、TM1、TM2、TM3、TM4、TM5、TM6およびTM7と命名されている。TM5およびTM6をつなぐ細胞質ループは、G−タンパク質結合領域の主要な成分となり得る。
【0006】
ほとんどのG−タンパク質共役受容体は、第3細胞質ループおよび/またはカルボキシ末端内に可能なリン酸化部位を含む。β−アドレナリン受容体のように幾つかのG−タンパク質共役受容体については、プロテインキナーゼAおよび/または特異的な受容体キナーゼによるリン酸化が受容体の脱感作を媒介する。
【0007】
最近、カルシトニン−受容体様受容体のような特定のGPCRが、受容体活性修飾タンパク質(receptor activity modifying proteins:RAMP’s)と呼ばれる小さいシグナル通過膜タンパク質と相互作用するかもしれないことが見いだされた。このGPCRと特定のRAMPとの相互作用は、どの天然のリガンドがGPCR−RAMPの組み合わせに関連する親和性を有し、そして複合体の機能的シグナル発信活性を調節するかを決定している(McLathine,L.M.et al.,Nature(1998)393:333−339)。
【0008】
幾つかの受容体に関しては、G−タンパク質共役受容体のリガンド結合部位は幾つかのG−タンパク質受容体膜貫通ドメインにより形成される親水性ソケットを含んで成ると考えられ、該ソケットはG−タンパク質共役受容体の疎水性残基により囲まれている。各G−タンパク質共役受容体の膜貫通ヘリックスの親水性側が内側に面し、そして極性のリガンド−結合部位を形成すると仮定されている。TM3は、TM3アスパラギン酸残基のようなリガンド−結合部位を有するので、幾つかのG−タンパク質共役受容体に深く関与してきた。TM5のセリン、TM6のアスパラギンおよびTM6またはTM7のフェニルアラニンまたはチロシンもリガンド結合に深く関与している。
【0009】
G−タンパク質共役受容体は、ヘテロ三量体G−タンパク質により種々の細胞内酵素、イオンチャンネルおよびトランスポーターへ細胞内で共役することができる(Johnson et al.,Endoc.Rev.,1989,10:317−331)。異なるG−タンパク質α−サブユニットが優先的に特定のエフェクターを刺激して、細胞内で種々の生物学的機能をモジュレートする。G−タンパク質共役受容体の細胞質残基のリン酸化は、幾つかのG−タンパク質共役受容体のG−タンパク質共役の調節に重要なメカニズムとして同定された。G−タンパク質共役受容体は、哺乳動物宿主内の多数の部位に見いだされる。
【0010】
受容体−主にGPCRクラスは、現在知られている薬剤の半分以上を導いた(Drews,Nature Biotechnology,1996,14:1516)。これはこれらの受容体が治療の標的として確立された明白な歴史を有することを示す。本発明の新規IGS43 GPCRは明らかに、これから一般に「疾患」と呼ぶ機能不全、障害または疾患の診断、防止、改善または修正に役割を果たすことができるさらなる受容体の同定および特性決定のために、従来技術における必要性を満たす。疾患には限定するわけではないが、統合失調症、強迫性障害(OCD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、恐怖症およびパニックのようなエピソード性の発作的不安(episodic paroxysmal anxiety:EPA)障害、大鬱病性障害、双極性障害、パーキンソン病、全般性不安障害、自閉症、せん妄、多発性硬化症、アルツハイマー病/痴呆および他の神経変性疾患、重度の精神遅滞、ジスキネジー、ハンチントン病、ツレット症候群、チック、振せん、失調症、痙攣、食欲不振、過食症、発作、嗜癖/依存症/渇望、睡眠障害、癲癇、偏頭痛、注意欠陥/過活動性障害(ADHD)を含む精神的およびCNS障害;心不全、狭心症、不整脈、心筋梗塞、心肥大、低血圧症、高血圧−例えば本態性高血圧症、腎性高血圧症または肺高血圧症、血栓症、動脈硬化のような心血管疾患、大脳血管痙攣、クモ膜下出血、大脳虚血、大脳梗塞、末梢血管疾患、レーノー病、腎臓疾患−例えば腎不全;高脂血症;肥満;嘔吐;過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸症候群(IBD)、食道逆流疾患(GERD)、術後または糖尿病の胃不全麻痺のような胃排出遅延の運動障害および状態、および糖尿病、潰瘍−例えば胃潰瘍を含む胃腸障害;下痢;骨粗鬆症を含む他の疾患;炎症;細菌、真菌、原生生物およびウイルス感染のような感染、特にHIV−1またはHIV−2により引き起こされる感染;疼痛;癌;化学療法が誘導する損傷;腫瘍の浸潤;免疫障害;尿停留;喘息;アレルギー;関節炎;良性の前立腺肥大;内毒素ショック;敗血症;糖尿病の合併症;および婦人科の障害を含む。
【0011】
特に本発明で記載する新規IGS43 GPCRは、子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患の診断、防止、改善または修正に重要な役割を果たすことができるさらなる受容体の同定および特性決定のために、従来技術における必要性を満たす。
発明の要約
1つの観点では、本発明はIGS43ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび組換え材料およびそれらの生産法に関する。本発明の別の観点は、そのようなIGS43ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび組換え材料の使用法に関する。そのような使用には、限定するわけではないが治療的標的として、および上記に挙げたような疾患の1つの処置のための使用を含む。特に使用には子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患の処置を含む。
【0012】
さらに別の観点では、本発明は本発明により提供される材料を使用してアゴニストおよびアンタゴニストを同定し、そしてIGS43不均衡に関連する状態を同定した化合物を用いて処置する方法に関する。さらに本発明の別の観点は、不適切なIGS43活性またはレベルに関連する疾患を検出するための診断アッセイに関する。本発明のさらに別の観点は、IGS43の異所性の発現または活性から生じる疾患に関するモデルとして機能する動物に基づく系に関する。
発明の説明
配列およびモチーフの内容における構造的および化学的類似性が、本発明のIGS43 GPCRおよび他のヒトGPCR間に存在する。さらにIGS43は子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄で発現する。したがってIGS43は上に挙げた疾患において他の疾患よりも役割を果たすことを意味している。特にIGS43は子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患に役割を果たすことを意味する。
【0013】
特に定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術の当業者により通常に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載する方法および材料と同様か、または均等な任意の方法および材料を本発明の実践または教示に使用することができるが、好適な方法、デバイスおよび材料をこれから記載する。本明細書中に引用するすべての各刊行物は、各刊行物が本明細書で完全に説明されているかのように引用により本明細書に具体的かつ個別に包含されることを示すことにより引用により本明細書に編入する。
定義
以下の定義は本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を助けるために提供する。
【0014】
「IGS43」とはとりわけ、配列番号2で説明されるアミノ酸配列から成るポリペプチド、またはそれらの変異体を称する。
【0015】
「受容体活性」または「受容体の生物学的活性」とは、類似する活性または改善された活性または望ましくない副作用が低下したこれらの活性を含む該IGS43の代謝的または生理学的機能を称する。または該IGS43の抗原性および免疫原性活性を含む。
【0016】
「IGS43−遺伝子」は、配列番号1で説明するヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチドまたは各変異体、例えばそれらの対立遺伝子変異体および/またはそれらの相補体を称する。
【0017】
本明細書で使用する「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、キメラ、単鎖抗体およびヒト化抗体、ならびにFabまたは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの産物を含むFabフラグメントを含む。
【0018】
「単離された」とは、自然な状態から「人の手により」改変された、および/または自然な環境から分離されたことを意味する。すなわち「単離された」組成物または自然に存在する物質が「単離された」ならば、それはその元の環境から変えられたか、または取り出され、あるいは両方である。例えば生きている動物中で自然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離されて」いないが、その自然な状態で同時に存在する材料から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書で使用する用語のように「単離されて」いる。
【0019】
「ポリヌクレオチド」は一般に、非修飾RNAもしくはDNAまたは修飾RNAもしくはDNAであり得る任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを称する。「ポリヌクレオチド」には限定するわけではないが、単−および二本−鎖−DNA、単−および二本−鎖領域の混合であるDNA、単−および二本−鎖−RNA、単−および二本−鎖領域の混合であるRNA、単鎖であり得るDNAおよびRNAを含んで成るハイブリッド分子、またはより典型的には二本−鎖または単−および二本−鎖領域の混合を含む。さらに「ポリヌクレオチド」は、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびDNAの両方を含んで成る三本−鎖領域を含んでもよい。用語ポリヌクレオチドはまた、安定性もしくは他の理由から1以上の修飾塩基を含むDNAもしくはRNAおよび修飾された骨格を持つDNAもしくはRNAを含む。「修飾された」塩基には、例えばトリチル化された塩基およびイノシンのような通常ではない塩基を含む。種々の修飾をDNAおよびRNAに作成することができる:すなわち「ポリヌクレオチド」は、典型的に自然に見いだされるようなポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド」は、比較的短いポリヌクレオチド、しばしばオリゴヌクレオチドと呼ぶものも包含する。
【0020】
「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合、すなわちペプチド等配電子体により互いに連結された2以上のアミノ酸を含んで成る任意のペプチドまたはタンパク質を称する。「ポリペプチド」は短鎖を称し、通例はペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと呼ばれ、より長い鎖は一般にタンパク質と、および/またはそれらの組み合わせと称する。ポリペプチドは20個の遺伝子にコードされたアミノ酸以外のアミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチド」には翻訳後プロセッシングのような自然なプロセスにより、または当該技術分野で周知である化学的修飾法によるいずれかで修飾されたアミノ酸配列を含む。そのような修飾は基本的な教科書およびより詳細な技術論文、ならびに詳細で長文な研究論文に十分に記載されている。修飾はポリペプチドのいかなる場所でも起こることができ、それらにはペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含む。同じ種類の修飾が上記のポリペプチド中の幾つかの部位で同じか、または変動する程度で存在し得ると考えられるだろう。また上記のポリペプチドは多くの種類の修飾を含むこともできる。ポリペプチドはまたユビキチン化の結果として分枝してもよく、そしてポリペプチドは分枝を含むか、または含まない環式でもよい。環式、分枝および分枝した環式ポリペプチドは、翻訳後の自然なプロセスから生じるか、または合成法により作ることができる。修飾にはアセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合;架橋結合、環化、ジスルフィド結合の形成、ジメチル化、共有架橋結合の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のような転移−RNAが媒介するアミノ酸のタンパク質への付加およびユビキチン化を含む。例えば、タンパク質−構造および分子的性質(PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES)、第2版、T.E.Creighton,W.H.フリーマン アンド カンパニー(Freeman and Company)、ニューヨーク、1993およびWold,F.,翻訳後タンパク質修飾:展望および考察(Posttranslational Protein Modifications;Perspective and Prospects)、タンパク質の翻訳後の共有修飾(POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEIN)の第1〜12頁、B.C.Johnson編集、アカデミック出版(Academic Press)、ニューヨーク、1983;Seifter et al.,「タンパク質修飾および非タンパク質コファクターの分析(Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors)」、Meth.Enzymol.(1990)182:626−646およびRattan et al.,「タンパク質合成:翻訳後修飾および加齢(Posttranslational Modification and Aging)」、Ann.NY Acad.Sci.(1992)663:48−62を参照にされたい。
【0021】
本明細書で使用する用語「変異体」は、参照とするポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるが、本質的な生物学的、構造的、調節的または生物化学的特性のような本質的特性を保持するそれぞれポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの典型的な変異体は、別の参照とするポリヌクレオチドとヌクレオチド配列が異なる。変異体のヌクレオチド配列中の変化は、参照ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変えても変えなくてもよい。ヌクレオチド変化は、以下に記載するように参照配列によりコードされるポリペプチド中にアミノ酸置換、付加、欠失、融合および短縮化を生じ得る。ポリペプチドの典型的な変異体は、別の参照とするポリペプチドとアミノ酸配列が異なる。一般に参照ポリペプチドの配列および変異体が全体的に極めて類似し、多くの領域で同一であるように差異が限定されている。変異体および参照ポリペプチドは、1以上の置換、付加および欠失を任意に組み合わせることによりアミノ酸配列を変えることができる。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝子暗号によりコードされてもされなくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、対立遺伝子変異体のように自然に発生するものであることができ、あるいは自然に生じるとは知られていない変異体でもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの自然には存在しない変異体は、突然変異誘発法により、または直接合成により作ることができる。
【0022】
「同一性」とは、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の同一性の尺度である。一般に配列は最高の順序の対合が得られるように並べられる。「同一性」自体は当該技術分野で認識されている意味を有し、そして公開されている技法を使用して計算することができる。例えば:(コンピューターの使用による分子生物学(COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY)、Lesk,A.M.編集、オックスフォード大学出版、ニューヨーク、1988;バイオコンピューティング:情報科学および遺伝子プロジェクト(BIOCOMPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROJECTS)、Smith,D.W.編集;アカデミック出版、ニューヨーク、1993;配列データのコンピューター分析(COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA)、第1部、Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.編集、ヒューマナ(Humana)出版、ニュージャージー、1994;分子生物学における配列分析(SEQUENCE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY)、von Heinje,G.、アカデミック出版、1987;および配列分析プライマー(SEQUENCE ANALYSIS PRIMER)、Gribskov,M.and Devereux,J.編集、M ストックトン(Stockton)出版、ニューヨーク、1991)を参照にされたい。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列間の同一性を測定するための多数の方法が存在するが、用語「同一性」は当業者に周知である(Carillo,H.,and Lipton,D.,SIAM J.Applied Math.(1988)48:1073)。2つの配列間の同一性または類似性を決定するために通常使用される方法は、限定するわけではないが大型コンピューターの指針(Guide to Huge Computers)、Martin J.Bishop、編集、アカデミック出版、サンディエゴ、1994およびCarillo,H.,and Lipton,D.,SIAM J.Applied Math.(1988)48:1073に記載されているものを含む。同一性および類似性を決定するための方法は、コンピュータープログラムにコード化される。2つの配列間の同一性および類似性を決定するための好適なコンピュータープログラム法には限定するわけではないが、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Research(1984)12(1):387)、BLASTP、BLASTIN、FASTA(Atschul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.(1990)215:403)を含む。用語「相同性」は用語「同一性」に置き換えることができる。
【0023】
具体的説明として、例えば配列番号1の参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の「同一性」を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチド配列が配列番号1の参照ヌクレオチド配列の100ヌクレオチドあたり最高5個のヌクレオチドの差異を含んでもよいということを除き、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であることを意図している。換言すると、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列中の最高5%のヌクレオチドが削除されるか、別のヌクレオチドと置換されるか、または全ヌクレオチドの任意の5%までのヌクレオチド数を参照配列に挿入することができ、あるいは参照配列中の全ヌクレオチドの5%までのヌクレオチド数に、欠失、挿入および置換の組み合わせがあってよい。これらの差異は参照ヌクレオチド配列の5’または3’末端位置で、またはこれらの末端位置間の任意の場所で、参照配列中のヌクレオチド間で個々に、または参照配列内の1以上の連続する群に散在して生じてもよい。
【0024】
同様に、例えば配列番号2の参照アミノ酸配列に対して少なくとも95%の「同一性」を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ポリペプチド配列が配列番号2の参照アミノ酸の100アミノ酸あたり最高5個のアミノ酸の改変を含んでもよいということを除き、ポリペプチドのアミノ酸配列が参照配列と同一であることを意図している。換言すると、参照のアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列中、最高5%のアミノ酸残基が削除されるか、別のアミノ酸と置換されるか、または参照配列中、全アミノ酸残基の任意の5%までのアミノ酸数を参照配列に挿入することができる。これらの参照配列の改変は参照アミノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端位置で、またはこれらの末端位置間の任意の場所で、参照配列中の残基間で個々に、または参照配列内の1以上の連続する群に散在して生じてもよい。
本発明のポリペプチド
1つの観点では、本発明はIGS43ポリペプチド(IGS43タンパク質を含む)に関する。IGS43ポリペプチドには配列番号2のポリペプチドおよびユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャー(Centraalbureau voor Schimmelcultures)に2001年8月30日に寄託された寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド、およびユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーに2001年8月30日に寄託された寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、および配列番号2の配列および/またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドの配列とその全長にわたり少なくとも80%の同一性、そしてより一層好ましくは該アミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性、そしてさらに一層好ましくは少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドを含む。さらに少なくとも97%、特に少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが高度に好ましい。またIGS43ポリペプチドに含まれるのは、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドにその全長にわたり少なくとも80%同一性、そしてより好ましくは配列番号2に対して少なくとも90%の同一性、そしてさらに一層好ましくは少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドである。さらに少なくとも97%、特に少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが高度に好適である。好ましくはIGS43ポリペプチドは受容体の少なくとも1つの生物学的活性を現す。
【0025】
特に好適であるのは、配列番号2のアミノ酸配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714で寄託されたDNA挿入物によりコードされるポリペプチドに対して、その全長にわたり少なくとも95.5%の同一であるアミノ酸配列から成る単離されたIGS43ポリペプチドである。
【0026】
本発明のさらなる態様では、IGS43ポリペプチドは融合タンパク質のようなより大きなタンパク質の部分でもよい。分泌またはリーダー配列、プロ−配列、多ヒスチジン残基のような精製の助けとなる配列、抗原性ペプチドタグ(ヘムアグルチニン(HA)タグのような)検出の助けとなる配列、または組換え生産中の安定性のためのさらなる配列を含むさらなるアミノ酸配列を包含することが有利となることが多い。
【0027】
IGS43ポリペプチドのフラグメントも本発明に含まれる。フラグメントは前述のIGS43ポリペプチドのアミノ酸配列の一部と同じであるがすべてではないアミノ酸配列を有するポリペプチドである。IGS43ポリペプチドのように、フラグメントは独立している(free−standing)か、または一部または領域を形成する大きなポリペプチド内に含まれてもよく、最も好ましくは1つの連続する領域である。本発明のポリペプチドフラグメントの代表例には、例えばIGS43ポリペプチドのおよそのアミノ酸数1〜20;21〜40、41〜60、61〜80、81〜100;および101から末端であるフラグメントを含む。この内容において「およそ」にはいずれかの末端または両末端の数個、5、4、3、2または1個のアミノ酸によるより大きいまたは小さい特に列挙した範囲を含む。
【0028】
好適なフラグメントには、IGS43ポリペプチドのアミノ酸配列を有する例えば短縮化ポリペプチドを含むが、アミノ末端を含む一連の残基の欠失、またはカルボキシル末端を含む一連の残基の欠失、または1つがアミノ末端を含み、もう1つがカルボキシル末端を含む2つの一連の残基の欠失は除く。また好適であるのは、アルファ−ヘリックスおよびアルファ−ヘリックス形成領域、ベータ−シートおよびベータ−シート形成領域、回転および回転形成領域:コイルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、アルファ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、柔軟領域、表面形成領域、基質結合領域および高抗原性指数領域を含んで成るフラグメントのような構造的または機能的性質を特徴とするフラグメントである。他の好適なフラグメントは生物学的に活性なフラグメントである。生物学的に活性なフラグメントは受容体活性を媒介するものであり、類似活性または改善された活性を持つもの、または望ましくない活性が低下しているものを含む。また動物、特にヒト内で抗原性または免疫原性であるフラグメントも含む。
【0029】
このように本発明のポリペプチドは、配列番号2の配列および/またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドいずれかと少なくとも80%の同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチド、または対応するフラグメントに少なくとも80%の同一性を有するそれらのフラグメントを含む。好ましくはこれらポリペプチドフラグメントのすべては、抗原的活性を含む受容体の生物学的活性を保持している。定めた配列およびフラグメントの変異体も本発明の一部を構成する。好適な変異体は、保存的アミノ酸置換により参照(referents)から変化するものであり、すなわち同様な特性の別の残基への置換である。典型的なそのような置換は、Ala、Val、LeuおよびIle間:SerおよびThr間;酸性残基AspおよびGlu間;AsnおよびGln間;塩基性残基LysおよびArg間;または芳香族残基PheおよびTyr間である。特に好適であるのは、数個、5〜10個、1〜5個または1〜2個のアミノ酸置換、欠失または付加の任意の組み合わせの変異体である。
【0030】
本発明のIGS43ポリペプチドは、任意の適当な様式で調製することができる。そのようなポリペプチドには、単離された自然に存在するポリペプチド、組換え的に生産されたポリペプチド、合成的に生産されたポリペプチドまたはこれらの方法の組み合わせにより生産されたポリペプチドを含む。そのようなポリペプチドの調製法は、当該技術分野では周知である。
本発明のポリヌクレオチド
本発明のさらなる観点は、IGS43ポリヌクレオチドに関する。IGS43ポリヌクレオチドには、IGS43ポリペプチドおよびフラグメントをコードする単離されたポリヌクレオチド、およびそれらに緊密に関連しているポリヌクレオチドを含む。より具体的には、本発明のIGS43ポリヌクレオチドは配列番号2のIGS43ポリペプチドをコードすることができるような配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド、配列番号1の特定の配列を有するポリヌクレオチドおよびユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714で寄託されたDNA挿入物に本質的に対応するポリヌクレオチドを含む。
【0031】
IGS43ポリヌクレオチドはさらに、配列番号2のIGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にその全長にわたり少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド、配列番号1のヌクレオチド配列にその全長にわたり少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド、およびユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714で寄託されたDNA挿入物に本質的に対応するポリヌクレオチドを含む。
【0032】
これに関して、少なくとも90%の同一性のポリヌクレオチドが特に好適であり、そして少なくとも95%の同一性のポリヌクレオチドが特別に好適である。さらに少なくとも97%の同一性を持つポリヌクレオチドは高度に好適であり、そして少なくとも98〜99%のの同一性を持つポリヌクレオチドが最も高度に好適であり少なくとも99%が最高に好適である。またIGS43ポリヌクレオチドに含まれるのは、増幅に使用可能なまたはプローブまたはマーカーとして使用するための条件下でハイブリダイズするために、配列番号1に含まれるヌクレオチド配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714で寄託されたDNA挿入物に十分な同一性を有するヌクレオチド配列である。本発明はそのようなIGS43ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドも提供する。
【0033】
特に好適であるのは:
1.配列番号2によるIGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
2.ユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714で寄託されたDNA挿入物によりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、特に配列番号1に対応するヌクレオチド配列;
3.その全長にわたり、(a)または(b)のヌクレオチド配列に対して少なくとも95.5%(好ましくは少なくとも96%)の配列同一性を有するヌクレオチド配列;
4.(a)または(b)または(c)のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、
から成る群から選択される単離されたIGS43ポリヌクレオチドである。
【0034】
本発明のIGS43は、公のデータベースのBLAST調査の結果により示されるG−タンパク質共役受容体ファミリーの他のタンパク質に構造的に関連する。表2のアミノ酸配列(配列番号2)は、ラットのGPCR RTAと最も類似していた(327の並べた残基にわたり85%の同一性;Swissprot 受け入れ番号P23749)。特許明細書では、欧州特許出願公開第1067182号のSeq Id 322が恐らくG−タンパク質共役受容体に関するタンパク質を与えている。このタンパク質は16アミノ酸長いが、他はIGS43タンパク質と同一である。すなわち本発明のIGS43ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、中でもとりわけそれらの相同的なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様な生物学的機能/特性を有すると期待され、それらの用途は当業者には明らかである。
【0035】
本発明のポリヌクレオチドは、ゲノムDNAのような自然の供給源から得ることができる。特に特定のGPCR遺伝子サブファミリー内の保存領域をコードする縮重PCRプライマーを設計することができる。縮重PCRプライマーを使用したゲノムDNAまたはcDNAに関するPCR増幅反応により、検討中の遺伝子ファミリーの幾つかの員(既知および新規の両方)の増幅がもたらされるだろう(ゲノムの鋳型を使用する時、縮重プライマーは同じエキソン内に位置しなければならない)。(Libert et al.,Science,1989,244:569−572)。本発明のポリヌクレオチドは、周知の、そして市販されている技法を使用して合成することもできる(例えばF.M.Ausbel et al.,2000、分子生物学の現在の手法(Current Protocol in Molecular Bioligy))。
【0036】
配列番号2のIGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に含まれるポリペプチドをコードする配列(ヌクレオチド番号32〜1012)に同一であることができ、あるいはそれは異なるヌクレオチド配列でもよく、これは遺伝子暗号の重複(縮重)の結果として、配列番号1に含まれるポリペプチドをコードする配列に比べて改変を示すかもしれないが、配列番号2のポリペプチドをコードする。
【0037】
本発明のポリヌクレオチドがIGS43ポリペプチドの組換え生産に使用される時、ポリヌクレオチドは、成熟ポリペプチドまたはそれらのフラグメントに関するコード配列をそれ自体により;成熟ポリペプチドまたはフラグメントに関するコード配列を、リーダーまたは分泌配列、プレ−もしくはプロ−もしくはプレプロ−タンパク質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするような他のコード配列を持つリーディングフレイム中に含むことができる。例えば融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列をコードすることができる。本発明の観点の特定の好適な態様では、マーカー配列はpQEベクター(キアジェン(Qiagen)社)により提供され、そしてGentz et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:821−824に記載されているヘキサ−ヒスチジンペプチド、またはHAタグである。ポリヌクレオチドは、転写された非翻訳配列、スプライシングおよびポリアデニレーションシグナル、リボソーム結合部位およびmRNAを安定化する配列のような非コード5’および3’配列を含むこともできる。
【0038】
さらに好適な態様は、数個の、5〜10個の、1〜5個の、1〜3個の、1〜2個のまたは1個のアミノ酸残基が任意の組み合わせで置換、欠失、または付加された配列番号2のIGS43ポリペプチドのアミノ酸配列を含んで成るIGS43変異体をコードするポリヌクレオチドである。
【0039】
本発明のポリヌクレオチドは、限定するわけではないがクローニング、プロセッシングおよび/または遺伝子産物の発現の修飾を含む様々な目的にIGS43コード配列を改変するために、当該技術分野で一般的に知られている方法を使用して工作することができる。無作為な断片化によるDNAシャッフリング(shuffling)および遺伝子フラグメントのPCRによる再集成および合成オリゴヌクレオチドを使用して、ヌクレオチド配列を工作することができる。例えばオリゴヌクレオチドが媒介する部位特異的突然変異誘発法を使用して、アミノ酸置換を生じる突然変異を誘導し、新たな制限部位を作り、修飾(例えばグリコシル化またはリン酸化)パターンを改変し、コドンの優先を変え、スプライス変異体等を生じることができる。
【0040】
本発明はさらに、本明細書の上記の配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。これに関して、本発明は特にストリンジェントな条件で上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書で使用するように用語「ストリンジェントな条件」とは、配列間に少なくとも80%、そして好ましくは少なくとも90%、そしてより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも97%、特に少なくとも99%の同一性が存在すれば起こるハイブリダイゼーションを意味する。
【0041】
配列番号1に含まれるヌクレオチド配列またはそれらのフラグメントと同一、または十分に同一である本発明のポリヌクレオチドは、cDNAおよびゲノムDNAのハイブリダイゼーションプローブとして使用して、IGS43をコードする完全長のcDNAおよびゲノムクローンを単離し、およびIGS43遺伝子に高い配列類似性を有する他の遺伝子(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログをコードする遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノムクローンを単離することができる。当業者はそのようなハイブリダイゼーション法を十分に知っている。典型的にはこれらのヌクレオチド配列は参照と80%同一、好ましくは90%同一、より好ましくは95%同一である。プローブは一般に少なくとも5個のヌクレオチド、そして好ましくは少なくとも8個のヌクレオチド、そしてより好ましくは少なくとも10個のヌクレオチド、さらにより好ましくは少なくとも12個のヌクレオチド、特に少なくとも15個のヌクレオチドを含んで成るだろう。最も好ましくはそのようなプローブは少なくとも30個のヌクレオチドを有し、そして少なくとも50個のヌクレオチドを有するだろう。特に好適なプローブは、30から50ヌクレオチドの間の範囲であろう。
【0042】
ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログを含むIGS43ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを得るための1つの態様は、適当なライブラリーを配列番号1またはそれらのフラグメントを有する標識したプローブを用いてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でスクリーニングし、そして該ポリヌクレオチド配列を含む完全長cDNAおよびゲノムクローンを単離する工程を含んで成る。そのようなハイブリダイゼーション法は当業者には周知である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は上記定義の通りであるか、または50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハーツ溶液、10%硫酸デキストラン(重量/容量)、および20マイクログラム/ml変性、剪断サケ精子DNAを含んで成る溶液中で42℃で一晩インキューベーションし、続いてフィルターを約65℃で0.1×SSC中で洗浄する条件である。
【0043】
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、研究試薬ならびに動物およびヒトの疾患に対する処置および診断を見いだすための材料として使用することができる。
ベクター、宿主細胞、発現
また本発明は本発明のポリヌクレオチド(1つまたは複数)を含んで成るベクター、および本発明のベクターにより遺伝的に工作された宿主細胞および組換え法による本発明のポリペプチドの生産に関する。無細胞翻訳系を使用して、本発明のDNA構築物に由来するRNAを用いてそのようなタンパク質を生産することもできる。
【0044】
組換え生産に関して、宿主細胞を遺伝的に工作して本発明のポリヌクレオチドに関する発現系またはそれらの部分を包含することができる。ポリヌクレオチドの宿主細胞への導入は、Davis et al.,分子生物学の基本的方法(BASIC METHOD S IN MOLECULAR BIOLOGY)(1986)およびSambrook et al.,モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL)、第2版、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、(1989)のような多くの標準的な研究用マニュアルに記載されているリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、切屑(scrape)付加、衝撃導入または感染のような方法により行うことができる。
【0045】
適当な宿主の代表例には、連鎖球菌(Streptococci)、ブドウ球菌(staphylococci)、大腸菌(E.coli)、ストレプトミセス(Streptomyces)および枯草菌(Bacillus subtilis)の細胞ような細菌細胞;酵母細胞およびアスペルギルス(Aspergillus)細胞のような真菌細胞;ショウショウバエS2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞のような昆虫細胞;CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293およびBowesのメラノーマ細胞のような動物細胞;および植物細胞を含む。
【0046】
多種の発現ベクター系を使用することができる。中でもそのような系には、染色体、エピソームおよびウイルスに由来する系、例えば細菌のプラスミド、バクテリオファージ、トランスポゾン、酵母エピソーム、挿入要素、酵母染色体要素、バキュロウイルス、SV40のようなパホーウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鳥類ポックス ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルスのようなウイルスに由来するベクター、およびコスミドおよびファジェミドのようなプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝子材料に由来するそれらの組み合わせから派生するベクターを含む。発現系は発現を調節ならびに発生する制御領域を含むことができる。一般に宿主中でポリペプチドを生産するためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、または発現するために適する任意の系またはベクターを使用することができる。適当なヌクレオチド配列を、例えばSambrook et al.,モレキュラークローニング、ア ラボラトリーマニュアル(MOLECULAR COLONING,A LABORATORY MANUAL)(同上)に説明されているような様々な周知かつ日常的な技法により発現系に挿入することができる。
【0047】
翻訳されたタンパク質の小胞体内腔への、細胞周辺腔への、または細胞外環境への分泌には、適当な分泌シグナルを所望のポリペプチドに包含させることができる。これらのシグナルはポリペプチドに対して内因性であるか、またはヘテロロガスなシグナル、すなわち異なる種に由来することができる。
【0048】
IGS43ポリペプチドをスクリーニングアッセイで使用するために発現させる場合、一般にポリペプチドを細胞の表面に生産させることが好ましい。この場合、細胞をスクリーニングアッセイで使用する前に回収することができる。IGS43ポリペプチドの親和性または機能的活性が受容体活性修飾タンパク質(receptor activity modifying proteins:RAMP)により修飾される場合、最も有望には細胞表面での関連するRAMPの同時発現(coexpression)が好適であり、そしてしばしば必要である。またこの場合、スクリーニングアッセイに使用する前にIGS43ポリペプチドおよび関連するRAMPを発現している細胞を回収することが必要である。IGS43ポリペプチドが培地に分泌される場合、培地はポリペプチドを回収し、そして精製するために回収することができる:細胞内に生産される場合、細胞はポリペプチドを回収する前に最初に溶解されなければならない。IGS43ポリペプチドを発現している膜は当業者に周知な方法に回収することができる。一般にそのような方法には、IGS43ポリペプチドを発現している細胞を回収し、そして限定するわけではないがポッタリングのような方法により細胞を均一化することを含む。膜は1または数回、懸濁液を洗浄することにより回収することができる。
【0049】
IGS43ポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知方法により組換え細胞カルチャーから回収し、そして精製することができる。最も好ましくは高性能液体クロマトグラフィーを精製に使用する。ポリペプチドが単離または精製中の変性した時に、タンパク質のリフォールディングに関する周知の技法を使用して活性な立体配座に再生することができる。
診断アッセイ
また本発明は診断用試薬として使用するためのIGS43ポリヌクレオチドの使用に関する。機能不全に関係するIGS43遺伝子の突然変異した形態の検出は、IGS43の不十分な発現、過剰発現または改変した発現をもたらす疾患または疾患に対する罹病性の診断を加え、または定めることができる診断用ツールを提供する。またこの場合、関連する受容体活性修飾タンパク質の同時発現が所望する診断アッセイの質を得るために要求され得る。IGS43遺伝子に突然変異を持つ個体を、種々の技法によりDNAレベルで検出することができる。
【0050】
診断用の核酸は、血液、尿、唾液、組織生検または倍検材料のような個体の細胞から得ることができる。ゲノムDNAは検出に直接使用してもよく、または分析前にPCRまたは他の増殖法を使用することにより酵素的に増幅してもよい。RNAまたはcDNAも類似様式で使用することができる。欠失および挿入は、正常な遺伝子型と比較して増幅産物のサイズの変化により検出することができる。点突然変異は、増幅したDNAを標識したIGS43ヌクレオチド配列にハイブリダイズさせることにより同定することができる。完全に対合する配列は、RNase消化により、または融解温度の差異により誤対合した二本鎖から識別することができる。DNA配列の差異は、変性剤を含むかまたは含まないゲル中でのDNA配列の電気泳動の移動度の変化により、または直接的なDNAシークエンシングにより検出することもできる。例えばMyers et al.,Science(1985)230:1242を参照にされたい。特別な位置での配列の変化も、RNaseおよびS1保護のようなヌクレアーゼ保護アッセイまたは化学的開裂法により明らかにすることができる。Cotton et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)85:4397−4401を参照にされたい。別の態様では、IGS43ヌクレオチド配列またはそれらのフラグメントを含んで成るオリゴヌクレオチドプローブの列を構築して、例えば遺伝子突然変異の効率的スクリーニングを行うことができる。整列技法(array technology methods)は周知であり、そして一般的な応用性を有し、そして遺伝子発現、遺伝子連結および遺伝子変動性を含む分子遺伝学における種々の問題に取り組むことができる。(例えばM.Chee et al.,Science,vol 274,pp610−613(1996))。
【0051】
診断アッセイはしばしば、記載した方法によりIGS43遺伝子における突然変異の検出を通して、とりわけ上に挙げた疾患に対する罹病性を診断または決定するためのプロセスを提供する。特に診断アッセイは、記載した方法によりIGS43遺伝子における突然変異の検出を通して、子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患に対する罹病性を診断または決定するためのプロセスを提供する。
【0052】
さらに中でも上記の疾患は、IGS43ポリペプチドまたはIGS43 mRNAレベルが異常に低下または上昇した個体に由来するサンプルを測定することを含んで成る方法により診断することができる。特に子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患は、IGS43ポリペプチドまたはIGS43 mRNAのレベルが異常に低下または上昇した個体に由来するサンプルからの測定を含んで成る方法により診断することができる。
【0053】
低下または上昇した発現は、例えばPCR、RT−PCR、RNase保護、ノーザンブロッティングおよび他のハイブリダイゼーション法のようなポリヌクレオチドの定量に関して当該技術分野で周知な方法を使用してRNAレベルで測定することができる。宿主に由来するサンプル中のIGS43のようなタンパク質のレベルを決定するために使用できるアッセイ技法は、当業者には周知である。そのようなアッセイ法には、ラジオイムノアッセイ、競合的−結合アッセイ、ウエスタンブロット分析およびELISAアッセイを含む。
【0054】
別の観点では、本発明はとりわけ上に挙げた疾患の1つに対する疾患または罹病性に関する診断キットに関する。特に本発明は子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患に関する診断キットに関する。
【0055】
キットは:
(a)IGS43ポリヌクレオチド、好ましくは配列番号1のヌクレオチド配列、またはそれらのフラグメント;および/または
(b)(a)の配列に相補的なヌクレオチド配列;および/または
(c)IGS43ポリペプチド、好ましくは配列番号2のポリペプチド、またはそれらのフラグメント;および/または
(d)IGS43ポリペプチド、好ましくは配列番号2のポリペプチドに対する抗体;および/または
(e)IGS43ポリペプチドの関連する生物学的または抗原的特性に必要なRAMPポリペプチド、
を含んで成ることができる。
【0056】
そのようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)、(d)または(e)は実質的な成分を含んで成ることができると考える。
染色体アッセイ
本発明のヌクレオチド配列は染色体の同定にも価値がある。この配列は個々のヒト染色体上の特定の位置を特異的に標的とし、そしてハイブリダイズすることができる。本発明による染色体に対する関連配列のマッピングは、これらの配列を遺伝子が関連する疾患と関連づける重要な第1工程である。いったん配列が正確な染色体位置にマップされれば、染色体上の配列の物理的な位置を遺伝子マップのデータと相関させることができる。そのようなデータは例えば、V.McKusickのヒトにおけるメンデルの遺伝(Mendelian Inheritance in Man)(ジョンズ ホプキンス大学ウェルチメデカルライブラリーを通してオンラインで入手可能)に見い出される。次に同じ染色体領域上にマップされた遺伝子と疾患との間の関係は、系統分析を通して同定される(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝(coinheritance))。
【0057】
影響を受けた、および影響を受けていない個体間のcDNAまたはゲノム配列における差異も決定することができる。突然変異が影響を受けた個体の幾つかまたはすべてで観察されるが、正常な個体では観察されないならば、この突然変異はおそらく疾患の原因であろう。
抗体
本発明のポリペプチドまたはそれらのフラグメントまたはそれらの同族体またはそれらを発現する細胞は、必要ならば関連するRAMPと一緒に免疫原として使用して、IGS43ポリペプチドに免疫的に特異的な抗体を生成することもできる。「免疫特異的な」という用語は、抗体が従来技術における他の関連するポリペプチドに対する親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実質的により大きな親和性を有することを意味する。
【0058】
IGS43ポリペプチドに対して生成した抗体は、ポリペプチドまたはエピトープを持つフラグメント、同族体または細胞を動物、好ましくは非ヒトに日常的なプロトコールを使用して投与することにより得ることができる。モノクローナル抗体の調製には、連続する細胞系の培養により生産される抗体を提供する任意の技術を使用することができる。例にはハイブリドーマ法(Kozbor,G.and Milstein,C.,Nature(1975)256:495−497)、トリオーマ法、ヒトB−細胞ハイブリドーマ法(Kohler et al.,Immunology Today (1983)4:72)およびEBV−ハイブリドーマ法(Cole et al.,モノクローナル抗体および癌治療(MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY)、第77−96頁、Alan R.Liss社、1985)を含む。
【0059】
上記抗体はポリペプチドを発現しているクローンを単離または同定するために、あるいはアフィニティクロマトグラフィーによりポリペプチドを精製するために使用することができる。
【0060】
IGS43ポリペプチド自体に対する、またはIGS43ポリペプチド−RAMP複合体に対する抗体もとりわけ上記の疾患を処置するために使用することができる。特にIGS43ポリペプチド自体に対する、またはIGS43ポリペプチド−RAMP複合体に対する抗体は、子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患を処置するために使用することができる。
動物
本発明の別の観点は、IGS43の異常型(aberrant)の発現または活性から生じる障害のモデルとして機能する非ヒト動物に基づく系に関する。非ヒト動物に基づくモデル系は、さらにIGS43遺伝子の活性を特徴付けるためにも使用することができる。そのような系はとりわけ上記の疾患のようなIGS43に基づく障害を処置することができる化合物を同定するために計画されたスクリーニング法の一部として利用することができる。特にこの系は子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係するIGS43に基づく機能不全、障害または疾患を処置することができる化合物を同定するために計画されたスクリーニング法の一部として利用することができる。
【0061】
このように動物に基づくモデルは、IGS43の異常型の発現または活性の障害を処置するために効果的となり得る医薬化合物、治療および介入を同定するために使用することができる。加えてそのような動物モデルは、動物個体のLD50およびED50を決定するためにも使用することができる。これらのデータを使用して有望なIGS43障害の処置のインビボ効力を決定することができる。異常型のIGS43発現または活性に基づくIGS43に基づく障害の動物に基づくモデル系には、非組換え動物ならびに組換え的に工作されたトランスジェニック動物の両方を含む。
【0062】
IGS43障害に関する動物モデルには、例えば遺伝子モデルを含むことができる。IGS43に基づく障害様の症状を現す動物モデルは、例えば当業者に周知なトランスジェニック動物を作出する技法に関連して上記に記載したようなIGS43配列を利用することにより工作することができる。例えばIGS43配列は目的の動物のゲノム中に導入し、そして過剰発現および/または誤発現させるか、あるいは内因性のIGS43配列が存在するならば、それらを過剰発現、誤発現させるか、またそうではなくIGS43遺伝子発現を不十分に発現させるかまた不活性化するために破壊することができる。
【0063】
IGS43遺伝子配列を過剰発現または誤発現するために、IGS43遺伝子配列のコード部分を高レベルの遺伝子発現、または遺伝子が目的の動物種中で通常は発現されない細胞型中での発現を駆動できる調節配列に連結することができる。そのような調節領域は当業者には周知であり、そして過度な実験を行わずに利用することができる。
【0064】
内因性のIGS43遺伝子配列の不十分な発現には、目的の動物のゲノムに再導入した時に内因性のIGS43遺伝子の対立遺伝子が不活性化または「ノックアウト」されるように、そのような配列を単離し、そして工作することができる。好ましくは工作されたIGS43遺伝子配列は、内因性のIGS43配列が工作されたIGS43遺伝子配列の動物ゲノムへの組み込みで破壊されるように、遺伝子ターゲッティングを介して導入される。
【0065】
限定するわけではないがマウス、ラット、ウサギ、リス、モルモット、ブタ、ミニ−ブタ、ヤギおよび非ヒト霊長類、例えばヒヒ、サルおよびチンパンジーを含む任意の種の動物を使用して、IGS43関連障害の動物モデルを作出することができる。
【0066】
当該技術分野で既知の技術を使用してIGS43導入遺伝子を動物に導入して、トランスジェニック動物の創始系(founder line)を作出する。そのような技法には限定するわけではないが前核マイクロインジェクション(Hoppe,P.C.,and Wagner,T.E.,1989,1989、米国特許第4,873,191号明細書);レトロウイルスが媒介する遺伝子の生殖細胞系への転移(van der Putten et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:6148−6152,1985);胚性幹細胞への遺伝子ターゲッティング(Thompson et al.,Cell 56:313−321,1989);胚のエレクトロポレーション(Lo,Mol.Cell.Biol.3:1803−1B14,1983);および精子が媒介する遺伝子転移(Lavitrano et al.,Cell57;717−723,1989)等を含む。そのような技法の総説は、Gordon、トランスジェニック動物(Transgenic Animals)、Intl.Rev.Cytol.115:171−229,1989を参照にされたい。
【0067】
本発明は、すべてのそれらの細胞中にIGS43導入遺伝子を持つトランスジェニック動物、ならびにそれらすべての細胞ではないが幾つかの細胞中に導入遺伝子を持つ動物、すなわちモザイク動物を提供する。(例えばJakobovitsにより記載された技法、Curr.Biol.4:761−763,1994を参照にされたい)導入遺伝子は1つの導入遺伝子またはコンカテマー、例えば頭から頭の直列(tandem)または頭から尾への直列として組み込むことができる。導入遺伝子は例えばLasko et al.の教示に従い、特定の細胞型中に選択的に導入され、そして活性化され得る(Lasko,M.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232−6236,1992)。
【0068】
そのような細胞型に特異的な活性化に必要な調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、そして当業者には明らかであろう。
【0069】
IGS43導入遺伝子が内因性IGS43遺伝子の染色体部位に組み込まれることが望まれる時、遺伝子ターゲッティングが好適である。簡単に説明すると、そのような技術が利用される時、目的の内因性IGS43遺伝子に相同的な幾つかのヌクレオチド配列を含むベクター(例えばマウスIGS43遺伝子のヌクレオチド配列)を、内因性IGS43遺伝子または遺伝子の対立遺伝子のヌクレオチド配列に染色体配列との相同的組換えを介して組み込み、そしてその機能を破壊するように計画する。導入遺伝子は選択的に特定の細胞型に導入することもでき、これにより例えばGu et al.(Gu,H.et al.−Science 265:103−106,1994)の教示に従いその細胞型のみの目的の内因性遺伝子を不活性化する。そのような細胞型に特異的な不活性化に必要な調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、そして当業者には明らかであろう。
【0070】
いったんトランスジェニック動物が作出されれば、組換えIGS43遺伝子の発現およびタンパク質は標準的な技法を使用してアッセイすることができる。初期のスクリーニングはサザンブロット分析またはPCR法により行い、導入遺伝子の組み込みが起こったかどうかについてアッセイするために動物組織を分析する。トランスジェニック動物の組織中のIGS43導入遺伝子のmRNA発現のレベルも、限定するわけではないが動物から得た組織サンプルのノーザンブロット分析、in situハイブリダイゼーション分析およびRT−PCRを含む技法を使用して評価することができる。標的の遺伝子を発現しているサンプルは、目的の標的遺伝子導入遺伝子産物に特異的な抗体を使用して免疫細胞化学的に評価することもできる。容易に検出可能なレベルでIGS43遺伝子mRNAまたはIGS43導入遺伝子ペプチドを発現するIGS43トランスジェニック動物(標的遺伝子産物エピトープに対する抗体を使用して免疫細胞化学的に検出される)は、次にさらに特徴的なIGS43に基づく障害の症状を現す動物を同定するために評価することができる。
【0071】
いったんIGS43トランスジェニック創始動物が作出されれば(すなわち、目的の細胞または組織中でIGS43タンパク質を発現し、そして好ましくはIGS43に基づく障害の症状を現す動物)、それらを育種し、同系交配し、異系交配し、または交雑して特定の動物コロニーを作成する。そのような育種法には限定するわけではないが;別の系統を樹立するために1以上の組み込み部位を持つ創始動物を異系交配すること;各IGS43導入遺伝子の付加的な発現の効果により、より高レベルで目的とするIGS43導入遺伝子を発現する混合IGS43トランスジェニックを作出するために別の系統を同系交配すること;発現を増し、そしてDNA分析による可能な動物のスクリーニングの必要性を排除する両方のために、ヘテロ接合性トランスジェニック動物を交配して、所定の組み込み部位に関してホモ接合性の動物を作出すること;別のホモ接合系を交配して混合ヘテロ接合およびホモ接合系統を作出すること;IGS43導入遺伝子の発現およびIGS43−様症状の発症に対する対立遺伝子の修飾効果を調査するために、動物を異なる同系交配遺伝的バックグラウンドに育種することを含む。1つのそのような取り組みは、上記のようなIGS43に関連する障害様の症状を現すF1世代を作出するために、IGS43トランスジェニック創始動物と野生型の種とを交配する。次いでホモ接合性の標的遺伝子トランスジェニック動物が生存可能であると判明すれば、ホモ接合系を作出するためにF1世代を同系交配することができる。
ワクチン
本発明の別の観点は哺乳動物中で免疫学的応答を誘導するための方法に関し、この方法はとりわけ上記の疾患の1つから該動物を保護するために、抗体および/またT細胞免疫応答を生じるために十分な能力のあるIGS43ポリペプチド、またはそれらのフラグメントを必要ならばRAMPポリペプチドと一緒に哺乳動物に(例えば接種により)投与することを含んで成る。特に本発明は哺乳動物中で免疫学的応答を誘導するための方法に関し、この方法は子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患から該動物を保護するために、抗体および/またT細胞免疫応答を生じるために十分な能力のあるIGS43ポリペプチド、またはそれらのフラグメントを必要ならばRAMPポリペプチドと一緒に哺乳動物に(例えば接種により)投与することを含んで成る。
【0072】
さらに本発明の別の観点は、哺乳動物に免疫学的応答を誘導する方法に関し、この方法はそのような免疫学的応答を誘導し、疾患から該動物を保護するための抗体を生じるために、IGS43ポリペプチドの発現を支配するベクターを介してIGS43ポリペプチドを送達することを含んで成る。
【0073】
本発明のさらなる観点は、哺乳動物宿主に導入した時に、該哺乳動物にIGS43ポリペプチドに対する免疫学的応答を誘導する免疫学的/ワクチン製剤(組成物)に関し、ここで組成物はIGS43ポリペプチドまたはIGS43遺伝子を含んで成る。そのような免疫学的/ワクチン製剤(組成物)は、治療用の免疫学的/ワクチン製剤または予防用の免疫学的/ワクチン製剤のいずれかでよい。ワクチン製剤はさらに適当なキャリアーを含んで成ることができる。IGS43ポリペプチドは胃内で分解され得るので、非経口的(皮下、筋肉内、静脈内、皮内等の注射を含む)に投与することが好ましい。非経口投与に適する製剤には、酸化防止剤、バッファー、静菌剤および製剤を受容体の血液と等張性にする溶質を含むことができる水性および非水性滅菌注射溶液;および沈殿防止剤または粘性付与剤を含むことができる水性および非水性懸濁液を含む。製剤は単位用量または多用量容器、例えば密閉したアンプルおよびバイアル中に与えることができ、そして使用直前に滅菌液体キャリアーの添加のみを必要とする凍結乾燥条件で保存することができる。ワクチン製剤は、水中油系および当該技術分野で既知の他の系のような製剤の免疫原性を強化するアジュバント系も含むことができる。投薬容量はワクチンの比活性に依存し、そして日常的な実験により容易に決定することができる。
スクリーニングアッセイ
本発明のIGS43ポリペプチドは、受容体に結合し、そして本発明の受容体ポリペプチドを活性化するか(アゴニスト)または活性化を阻害する(アンタゴニスト)化合物のスクリーニングプロセスに使用することができる。すなわち本発明のポリペプチドは、例えば細胞、無細胞調製物、化学的ライブラリーおよび天然産物の混合物中の低分子物質およびリガンドの結合を評価するために使用することができる。これらの物質およびリガンドは自然な物質およびリガンドでよく、または構造的もしくは機能的模造物でもよい。
【0074】
IGS43ポリペプチドは病理を含む生物学的機能の原因である。したがって一方ではIGS43を刺激し、そしてもう一方ではIGS43の機能を阻害することができる化合物および薬剤を見いだすことが望ましい。一般にアゴニストは、とりわけ上記の疾患のような状態の治療および予防目的に使用される。特にアゴニストは、子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患の治療および予防目的に使用される。
【0075】
アンタゴニストは、とりわけ上記の疾患のような状態の種々の治療および予防目的に使用され得る。特にアンタゴニストは、子宮、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺、精巣、中枢神経系、小脳および脊髄に関係する機能不全、障害または疾患の種々の治療および予防目的に使用され得る。
【0076】
一般にそのようなスクリーニング手順には、本発明の受容体ポリペプチドをそれらの表面に発現し、そしてもし必須ならばそれらの表面にRAMPを同時発現する適切な細胞を生産することが関与する。そのような細胞には哺乳動物、酵母、ショウジョウバエおよび大腸菌(E.coli)に由来する細胞を含む。受容体を発現している細胞(または発現した受容体を含む細胞膜)を次いで試験化合物と接触させて結合、または機能的応答の刺激もしくは阻害を観察する。
【0077】
1つのスクリーニング技法には、受容体の活性化により引き起こされる細胞外pH、細胞内pHまたは細胞内カルシウムの変化を測定する系で本発明の受容体を発現する細胞の使用を含む(例えばトランスフェクトしたCHO細胞)。この技法では、化合物は本発明の受容体ポリペプチドを発現している細胞と接触させることができる。次いで第2メッセンジャー応答、例えばシグナル伝達、pH変化またはカルシウムレベルの変化を測定して、有望な化合物が受容体を活性化または阻害するかどうかを決定する。
【0078】
別の方法には、cAMP蓄積および/またはアデニル酸シクラーゼ活性のような受容体が媒介するシグナルのモジュレーションを決定することにより受容体インヒビターをスクリーニングすることが関与する。そのような方法には真核細胞を本発明の受容体でトランスフェクトして、細胞表面上に受容体を発現させることが関与する。次いで細胞を本発明の受容体のアゴニストに、有望なアンタゴニストの存在下で暴露する。有望なアンタゴニストが受容体に結合し、そしてこれが受容体の結合を阻害すれば、アゴニストが媒介するシグナルがモジュレートされるだろう。
【0079】
本発明の受容体のアゴニストまたはアンタゴニストを検出する別の方法は、米国特許第5,482,835号明細書に記載されている酵母に基づく技術である。
【0080】
このアッセイは候補化合物の結合を簡単に試験することができ、ここで受容体を持つ細胞への接着が候補化合物に直接または間接的に結合する標識の手段により、あるいは標識した競合物との競合が関与するアッセイで検出される。さらにこれらのアッセイは、候補化合物が表面に受容体を持つ細胞に対して適当な検出系を使用して、受容体の活性化により生成されるシグナルを生じるかどうかを試験することができる。活性化のインヒビターは一般に既知のアゴニストの存在下でアッセイされ、そして候補化合物の存在によるアゴニストによる活性化に及ぼす効果が観察される。
【0081】
さらにアッセイは候補化合物をIGS43ポリペプチドを含有する溶液と混合して混合物を形成し、混合物中のIGS43活性を測定し、そして混合物のIGS43活性を標準と比較する工程を単に含んで成るものでよい。
【0082】
IGS43 cDNA、タンパク質およびタンパク質に対する抗体を使用して、細胞中のIGS43 mRNAおよびタンパク質の生産に及ぼす加えた化合物の効果を検出するアッセイを形成することもできる。例えばELISAは、分泌したか、または細胞に付随するIGS43タンパク質レベルをモノクローナルおよびポリクローナル抗体を使用して当該技術分野で標準的な方法により測定するために構築することができ、そしてこれを使用して適当に操作された細胞または組織からIGS43の生産を阻害または強化することができる作用物質(それぞれアンタゴニストまたはアゴニストとも呼ばれる)を見いだすことができる。スクリーニングアッセイを行うための標準的方法は、当該技術分野で周知である。
【0083】
有望なIGS43アンタゴニストの例には、抗体、または場合によりIGS43のリガンドに極めて近いオリゴヌクレオチドまたはタンパク質、例えばリガンドのフラグメント、または受容体に結合するが応答は誘導しないような、受容体の活性が防止される低分子を含む。
【0084】
このように別の観点では、本発明はIGS43ポリペプチドに関するアゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素等;またはIGS43ポリペプチドの生産を低下し、増加し、かつ/または強化する化合物を同定するためのスクリーニングキットに関し、このキットは:
(a)IGS43ポリペプチド、好ましくは配列番号2のIGS43ポリペプチド;
(b)IGS43ポリペプチド、好ましくは配列番号2のIGS43ポリペプチドを発現している組換え細胞;
(c)IGS43ポリペプチド、好ましくは配列番号2のIGS43ポリペプチドを発現している細胞膜;または
(d)IGS43ポリペプチド、好ましくは配列番号2のIGS43ポリペプチドに対する抗体、
を含んで成る。
【0085】
そのようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)は実質的な成分を含んで成ることができる。
予防および治療法
本発明はIGS43活性の過剰な、および不十分な量の両方に関係する異常な状態を処置する方法を提供する。
【0086】
IGS43の活性が過剰である場合、幾つかの取り組みを利用できる。1つの取り組みは、個体にこれまでに記載したインヒビター化合物(アンタゴニスト)を医薬的に許容できるキャリアーと一緒に、IGS43へのリガンドの結合を遮断することにより、またはRAMPポリペプチドまたは第2シグナルとの相互作用を阻害することにより活性化を阻害するために効果的な量で投与することを含んで成り、それにより異常な状態を緩和する。
【0087】
別の取り組みでは、内因性IGS43と競合してリガンドに結合することができる可溶性状態のIGS43ポリペプチドを投与してもよい。そのような競合物の典型的な態様には、IGS43ポリペプチドのフラグメントを含んで成る。
【0088】
さらに別の取り組みでは、内因性IGS43をコードする遺伝子の発現を発現−遮断法を使用して阻害することができる。既知のそのような技法には、内部で生成された、または別個に投与されたいずれかのアンチセンス配列の使用が関与する。例えばO’Connor,J Neurochem(1991)56:560、遺伝子発現のアンチセンスインヒビターとしてのオリゴデオキシヌクレオチド(Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression)、CRC出版、ボカ ラトン、フロリダ、米国(1988)を参照にされたい。あるいは遺伝子と三重ヘリックスを形成するオリゴヌクレオチドを供給することができる。例えばLee et al.,Nucleic Acids Res(1979)6:3073;Cooney et al.,Science(1988)241:456;Dervan et al.,Science(1991)251:1360を参照にされたい。これらのオリゴマーはそれ自体を投与することができ、あるいは関連するオリゴマーをインビボで発現させることができる。合成アンチセンスまたは三重オリゴヌクレオチドは、修飾塩基または修飾骨格を含んで成ることができる。後者の例にはメチルホスホネート、ホスホロチオエートまたはペプチド核酸骨格を含む。そのような骨格は、ヌクレアーゼによる分解からの保護を提供するためにアンチセンスまたは三重オリゴヌクレオチドに包含され、そして当該技術分野では周知である。これらのまたは他の修飾骨格を用いて合成されたアンチセンスおよび三重分子も、本発明の部分を構成する。
【0089】
さらにIGS43ポリペプチドの発現は、IGS43 mRNA配列に対して特異的なリボザイムを使用することにより防止することができる。リボザイムは天然または合成であり得る触媒的に活性なRNAである(例えばUsman,N, et al.,Curr.Opin. Struct.Biol(1996)6(4),527−33)。合成リボザイムは選択した位置でIGS43 mRNAを特異的に開裂するように設計され、これによりIGS43 mRNAの機能的ポリペプチドへの翻訳を防止する。リボザイムは、RNA分子中に通常見いだされるような天然のリボースリン酸骨格および天然の塩基を用いて合成することができる。あるいはリボザイムは例えば2’−O−メチル RNAのような非天然の骨格を使用して合成してリボヌクレアーゼ分解から保護することができ、そして修飾塩基を含んでもよい。
【0090】
IGS43およびその活性の不十分な発現に関連する異常な状態を処置するために、幾つかの取り組みを利用することができる。1つの取り組みは個体に治療に効果的な量のIGS43を活性化する化合物、すなわち上記のアゴニストを医薬的に許容されるキャリアーと組み合わせて投与し、これにより異常な状態を緩和する。あるいは遺伝子治療を使用して、個体中の関連する細胞によるIGS43の内因性の生産を行ってもよい。例えば本発明のポリヌクレオチドを上記の複製欠損レトロウイルスベクター中での発現用に工作してもよい。次いでレトロウイルス発現構築物を単離し、そして次にパッケージング細胞が目的遺伝子を含む感染性のウイルス粒子を生産するように、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入するパッケージング細胞に導入することができる。これらの生産細胞はインビボで細胞を工作して、インビボでポリペプチドを発現させるために個体に投与することができる。遺伝子治療の概観は、ヒトの分子遺伝学(Human Molecular Genetics)の第20章、遺伝子治療および他の分子遺伝学に基づく治療的取り組み(Gene Therapy and other Molecular Genetics−based Therapeutic Approaches)(およびそこに引用されている参考文献)、Strachan T. and Read A.P.,BIOS サイエンテフィック出版社(1996)を参照にされたい。
【0091】
上記の任意の治療法は、そのような治療が必要な例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サルおよび最も好ましくはヒトを含む任意の個体に適用することができる。
製剤および投与
可溶性状態のIGS43ポリペプチドのようなペプチド、およびアゴニストおよびアンタゴニストペプチドまたは低分子は、適当な医薬的キャリアーと組み合わせて配合することができる。そのような製剤は治療に効果的な量のポリペプチドまたは化合物、および医薬的に許容されるキャリアーまたは賦形剤を含んで成る。製剤は投与様式に適するべきであり、そして当該技術分野では周知である。本発明はさらに本発明の上記組成物の1以上の成分で満たされた1以上の容器を含んで成る医薬用包装物およびキットに関連する。
【0092】
本発明のポリペプチドおよび他の化合物は、単独でまたは治療用化合物のような他の化合物と組み合わせて使用することができる。
【0093】
医薬組成物の全身投与を好適な形態には、注射、典型的には静脈内注射を含む。皮下、筋肉内または腹腔内のような他の注射経路も使用できる。全身投与用の別の手段には、胆汁酸塩またはフシジン酸または他の界面活性剤のような浸透剤を使用する経粘膜および経皮投与を含む。さらに腸溶性またはカプセル化された製剤に適切に配合されれば、経口投与も可能である。
【0094】
必要な投薬用量範囲はペプチドまたは化合物の選択、投与の経路、製剤の性質、個体の状態の性質、および医師の判断に依存する。適当な投薬用量は、0.1〜100μg/kgの個体の範囲である。しかし必要な投薬用量は、利用できる化合物の種類および種々の投与の経路の異なる効力の観点から広い変動が予想される。例えば経口投与は静脈内注射による投与よりも高い投薬用量が予想される。これらの投薬用量レベルにおける変動は、当該技術分野では十分に理解されているように至適化のための標準的な経験的な日常的作業により調整することができる。
【0095】
処置に使用するポリペプチドは、上記のよく「遺伝子治療」と呼ばれる処置のモダリティーにおいて個体中で内因的に生成することもできる。すなわち例えば個体に由来する細胞は、例えばレトロウイルスプラスミドベクターの使用によりポリペプチドをコードするためのDNAまたはRNAのようなポリヌクレオチドを用いてエクスビボで工作することができる。この細胞を個体に導入する。
【0096】
以下の実施例は本発明をより詳細にさらに具体的に説明することのみを意図し、したがってこれらの実施例は本発明の範囲をとのようにも限定するとは見なされない。
【0097】
【実施例】
実施例1 新規Gタンパク質−共役受容体をコードするcDNAのクローニング
未完成の高処理量ゲノムDNA配列(htgs)の公的なドメインのデータバンクで、我々は新規Gタンパク質−共役受容体(GPCR)を有力にコードするゲノム配列(受け入れn゜AC019124)を同定した。我々はこの新規GPCRをIGS43と呼ぶ。このゲノム配列が機能的遺伝子を表すのかどうかを、ヒトの組織からこのcDNAをクローン化することにより調査することに決定した。ヒト精巣のpolyA(+)RNA(クローンテック:Clontech cat#6535−1)を最初にDNAseI(ライフテクノロジーズ(Life Technologies)で処理してゲノムDNAの残る痕跡を破壊し、次いでSuperscript(商標)II逆転写酵素(ライフテクノロジーズ)をこれらの酵素の供給元に推薦されるプロトコールに従い使用して逆転写を介してcDNAに転換した。PCRプライマーは、推定上のIGS43コード配列を増幅するために設計した。第1のPCR反応(50μl容量)は精巣cDNA鋳型(50ngのDNAseIで処理し、そして逆転写したヒトpolyA(+)精巣RNAから生じた)上で、HotStarTaq(商標)DNAポリメラーゼ(キアジェン(Qiagen)#203203)を使用して、前方および逆プライマーであるそれぞれIP14,923(配列番号3)およびIP14,925(配列番号4)を用いてキアジェンにより推薦される条件下で行った。PCR反応に関しては、反応試験管を95℃に15分間加熱し、そして次いで35 サイクルの変性(94℃、30秒)、アニーリング(55℃、30秒)および抽出(72℃、90秒)に供した。最後に72℃で10分間の伸長を行った。2.5μlの第1PCR反応物は、キアジェンのHotStarTaq(商標)DNAポリメラーゼを使用して、ネスティド前方および逆プライマーであるそれぞれIP14,924(配列番号5)およびIP14,926(配列番号6)を用いた第2のPCR反応に鋳型として使用した。クローニング部位をネスティドプライマーに加えて、その後の都合良いサブクローニングを可能とした。ネスティドPCR反応に関する循環条件は第1PCRの条件と同一であったが、30サイクルのみを行った。PCR反応産物はアガロースゲル電気泳動により分析し、そしてエチジウムブロマイドで染色した。第1PCR反応産物は幾つかのバンドのスメアとしてゲル上に現れた。しかしネスティドPCR反応は約1050bpの強い顕著なDNAフラグメントを生成した。mock逆転写(逆転写反応にSuperscript(商標)II酵素を加えなかった)したRNAを使用した時、DNA産物が得られなかったのは、1050bpフラグメントがcDNAから生じたことを示していた。この±1050bpフラグメントをQIAEX(商標)II精製キット(キアジェン)を使用してゲルから精製し、そして供給元(pGEM−T系、プロメガ(Promega))により薦められる手順に従いpGEM−Tベクターに連結した。次いで組換えプラスミドを使用してコンピテントなDH5xF’バクテリアを形質転換した。形質転換した細胞は、アンピシリン(100μg/ml)、IPTG(0.5mM)およびX−gal(50μg/ml)を含有するLB寒天培地にまいた。プラスミドDNAは、BioRobot(商標)9600核酸精製システム(キアジェン)を使用して個々の白色コロニーのミニ−カルチャーから精製し、そしてシークエンシングした。精製したプラスミドDNAについてのDNAシークエンシング反応は、ABI Prism(商標)BigDye(商標)ターミネーターサイクルシークエンシングレディ反応キット(PEアプイドバイオシステムズ(AppliedBiosystems))を用い、挿入フランキングおよび内部(IPTG特異的)プライマーを使用して行った。サイクルシークエンシング反応生成物は、EtOH/NaOAc沈殿を介して精製し、そしてABI 377自動化シークエンサー(PEアプイドバイオシステムズ)に付加した。クローンHB6127が、327アミノ酸のタンパク質をコードする1057bpのDNA配列を含んだ。我々はこのDNA配列およびコードされたタンパク質を、それぞれIGS43DNA(配列番号1)およびIGS43PROT(配列番号2)と称する。IGS43DNA配列は、AC019124ゲノム配列内で最初に同定された範囲に97%同一であった(1057個の並んだヌクレオチド中に24個の誤対合が見いだされた)。これは恐らくAC019124の配列データが単に草案の質であったという事実によるのだろう。IGS43PROT配列に関しては、今日までのタンパク質データバングおよび翻訳されたDNAデータバングの相同性の範囲を、BLASTアルゴリズム(Altschul S.F.et al.[1997],Nucleic Acids Res.25:3389−3402)を使用して実行した。これらの調査により、IGS43PROT配列はラットGPCR RTAに最も類似することが示された(327個の並んだ残基にわたり85%の同一性;スイスポートの受け入れn゜P23749)。欧州特許出願公開第1067182号明細書のSeq Id 322では、可能性のあるG−タンパク質共役受容体のタンパク質を与えている。このタンパク質は16アミノ酸長いが、他はIGS43タンパク質と同一である。
【0098】
【表1】
Figure 2004522421
【0099】
表3:IGS43 cDNAをクローン化するために使用したオリゴヌクレオチドプライマーの全体像。ネスティッドプライマーに加えたクローニング部位(IP14,924についてはBamHI制限部位およびIP14,926についてはHindIII制限部位を意図する)には下線を付す。プライマーIP14,924内のBamHI制限部位の設計における誤りにより[“GGATCC”の代わりに“GGATTC”]、このBamHI制限部位は機能しない。
実施例2 哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(−)hIGS43の構築
ヒトIGS43タンパク質の完全なコード配列を含むプラスミドpGEM−ThsIGS43を持つ大腸菌(E.coli)HB6127株を、LB寒天プレート(100μgのアンピシリン/mlを含む)上に再度まいた後に再クローン化し、そしてインノジェネティクス(Innogenetics)の菌株コレクション(ICCG4555)およびオランダ国、ヒトレヒトのセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャー(受け入れn゜109714)の両方に寄託した。再クローン化した単離物から調製したプラスミドDNAを再度シークエンシングし、そして以前に決定したIGS43DNAコンセンサス配列と同一であることが分かった。
【0100】
完全なIGS43コード配列を含む±1070bpDNAフラグメントを、pGEM−ThsIGS43プラスミド鋳型からオリゴヌクレオチドプライマーIP15,332(配列番号7)およびIP15,333(配列番号8)を使用してPCR増幅した。5’末端でオリゴヌクレオチドIP15,332(配列番号7)およびIP15,333(配列番号8)は、それぞれKpnIおよびXbaIクローニング部位を含んだ。増幅したPCRフラグメントはKpnI/XbaI消化し、そしてゲルから精製した。pcDNA3.1(+)プラスミド発現ベクター(インビトロゲン)をKpnI/XbaI消化し、そして直線化した5362bpのベクターフラグメントをゲルから精製した。直線化したプラスミドベクターおよびPCRフラグメントを連結し、そしてライゲーション混合物をコンピテントな大腸菌(E.coli)DH5αF’株に熱ショックにより形質転換した。形質転換した細菌をLB寒天培地(100μg/mlのアンピシリンを含む)にまき、そして37℃で一晩インキューベーションした。個々の細菌コロニーを選択し、そして100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地中で一晩培養した。プラスミドDNAを調製し、そしてDNA配列分析を介して分析した。1つのクローンをインノジェネティクスの菌株コレクションにICCG4694として寄託した(プラスミドpcDNA3.1(+)hIGS43を持つ)。
【0101】
ICCG4694株から調製したプラスミドDNAであるpcDNA3.1(+)hIGS43のDNA配列分析では、挿入物がIGS43DNAコンセンサスcDNA配列と完全に同一であることが示された。
実施例3 定量的なPCR(Q−PCR)を介した種々のヒト組織中のIGS43 mRNAの発現分析
ヒトGAPDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ)およびIGS43 mRNAの絶対発現レベルは、リアルタイムの定量的RT−PCRアッセイ(Q−PCR)で、Light Cycler(商標)装置(ロッシュ ダイアグノスティックス(Roche Diagnostics))および遺伝子特異的PCRプライマーおよびヒトRNAサンプルについてTaqMan(商標)プローブを使用して決定した。ハウスキーピング遺伝子GAPDHに関するmRNAレベルはcDNA合成の効率に関する対照として、そして種々のRNAサンプルについてのPCR増幅を測定した。
【0102】
cDNAは種々のヒト組織の全RNA(クローンテックのヒトRNAパネル ca#K4000−1、K4001−1、K4002−1、K4003−1およびK40004−1)から、またはヒト脳の種々のサブ領域に由来するpoly(A)RNA(クローンテックのca#6580.1、6575.1、6543.1、6574.1、6577.1、6578.1および6582.1)のいずれかから逆転写を介して合成した。逆転写の前に、混入している可能性のあるゲノムDNAを破壊するために、供給元により推薦される手順に従いRNAをDNAseI(ライフテクノロジーズ ca#18068−015)で処理した。DNAseI反応はEDTA(最終濃度=2.3mM)を加え、そして65℃で10分間加熱することにより停止した。DNAseIで処理したRNA(5μgの全RNAまたは945ngのpoly(A)RNAのいずれか)を2.5μgのoligo(dT)(ライフテクノロジーズ#18418−012)にアニールし、そしてOmniscript 逆転写酵素(キアジェン:100μlの反応容量;37℃で1時間)を使用して逆転写に供した(=RT−反応)。逆転写酵素は93℃で5分間インキューベーションすることにより不活性化した。DNAse処理したRNAの一部は逆転写にかけず、そして対照として使用して残るゲノムDNAの存在を確認した(RT−反応)。
【0103】
全RNAサンプルのRT−反応におけるゲノムDNAの不存在に関する対照として、ヒトβ−ミクログロブリンDNAに特異的なPCR増幅反応を行った。PCR反応は2.5μlのGeneAmp(商標)10×PCRバッファー(アプライドバイオシステムズ)、200μMの各dNTP、0.5μlのRTcDNA合成反応、各5pmolのPCRプライマーであるIP3,981(配列番号9)およびIP3,982(配列番号10)および1.25UのAmpliTaq Gold(商標)DNAポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ cat#N808−0244)を含む25μlの反応容量で行った。95℃で10分間の最初のインキューベーション後、反応は以下のように30回循環させた:94℃で1分間の変性、55℃で1分間のアニーリングおよび72℃で1分間の伸長。最後に72℃で10分間伸長させた。陽性対照として、50ngのヒトゲノムDNA(クローンテック#6551−1)を使用した。予想される長さのアンプリコンはゲノムDNA鋳型から得たが、陰性対照(HO)からもRTサンプルからも得られなかった(IP3,981/IP3982プライマー対は616bpイントロンに広がるという事実から、予想されるアンプリコンの長さは、cDNAおよびゲノムDNAについてそれぞれ269bpおよび885bpである)。RTpoly(A)RNAサンプルは、0.8μlのRTcDNA合成反応を使用してGAPDH特異的Q−PCRを介してゲノムDNAの存在について分析した(以下を参照にされたい)。GAPDH特異的シグナルは得られなかった。我々は合成したcDNAがゲノムDNAを含まないと結論した。
【0104】
Q−PCR反応は、1×TaqMan(商標)ユニバーサルPCRマスターミックス(アプライドバイオシステムズ cat#4304437)、0.12mg BSA/ml、900nMのGAPDHまたはIGS43特異的な前方および逆プライマー(GAPDHについてはIP15.529(配列番号11)/IP15,531(配列番号12)、そしてIGS43についてはIP17,080(配列番号13)/IP17,081(配列番号14))、250nMの遺伝子特異的TaqManプローブ(それぞれGAPDHについてはIP15,530(配列番号15)、そしてIGS43についてはIP17,082(配列番号16))および1.6μlの全RNA RTまたはpoly(A)RTcDNA合成反応物を含む20μlの反応容量で行った。1×TaqMan(商標)ユニバーサルPCRマスターミックスは、AmpliTaq Gold(商標)DNAポリメラーゼ、AmpErase(商標)ウラシルN−グリコシラーゼ(UNG)、dUTPを含むdNTPs、受動的参照(passive Reference)1および最適化バッファー成分を含んだ。特異的プライマーおよびTaqManプローブは、Primer Express(商標)ソフトウェア(アプライドバイオシステムズ)で設計した。遺伝子特異的な標準曲線は、直線化pGEM−ThuGAPDH(完全長のヒトGAPDH cDNAを含む)またはpcDNA3.1(+)hIGS43プラスミド(ICCG4694)の1/10連続希釈(10〜10コピー/反応)で確立した。PCR反応はLight Cycler(商標)装置中のガラス毛細管キュベット中で行った。50℃で2分間の最初のインキューベーション(AmpErase UNG反応を行う)、続いて95℃で10分間のAmpliTaq Gold(商標)DNAポリメラーゼの活性化を行った後、反応を以下のように50回循環した:95℃で15秒間の変性、そして60℃で60秒間のアニーリング/伸長(GAPDHおよびIGS43の両方について)。サンプルの定量は、Light Cyclerソフトウェアバージョン3.0を使用して行った。
【0105】
【外1】
Figure 2004522421
【0106】
IGS43 mRNAは子宮で最も豊富に発現されることが分かった(±69,000コピー/ng mRNA)(図2)。重要なレベル(約10,000から20,000コピー/ng mRNA)は、腎臓、肺、気管、結腸、小腸、胃、乳腺、前立腺および精巣でも見いだされた。比較的少ないレベルが、小脳および脊髄とは別に中枢神経系で見いだされた。
【0107】
【表2】
Figure 2004522421
【0108】
表4:使用したオリゴヌクレオチドプライマーおよびTaqmanプローブの全体像。実施例4 IGS43トランスフェクト細胞の構築
IGS43のリガンドを同定するために、チャイニーズハムスター卵母(CHO)細胞をIGS43オーファン受容体のcDNAで安定にトランスフェクトする。IGS43受容体のG−タンパク質共役メカニズムは未だに未知であるので、GPCRの「ユニバーサルアダプター」として知られているG−タンパク質Gα16(CHO−K1−Gα16、モレキュラーデバイス(Molecular Device))を発現する特異的なCHO−細胞種を使用する(Milligan G.et al.(1996) Trends Pharmacol.Sci.17:235−7)。この細胞系もミトコンドリアを標的としてアポ−エクオリンを安定に発現する。
【0109】
材料には:IGS43−pcDNA3.1ベクター;SuperFect トランスフェクション試薬(キアジェン);成長培地:10%ウシ胎児血清(FCS、ギブコ BRL)、2mM L−グルタミン、ヒグロマイシンB 400μg/mlを補充したCHO−S−SFM II(ギブコ(Gibco) BRL);選択−培地:10%FCS、2mM L−グルタミン、ヒグロマイシンB 400μg/mlおよびゲネチシン 500μg/mlを補充したCHO−S−SFM II(ギブコ BRL);RNeasy Mini キット(キアジェン)、DNaseI(アンビオン(Ambion)、2U/μl)、SuperSucriptII(ギブコ BRL)、SuperSucriptII200U(ギブコ BRL)を含む。
【0110】
CHO−K1−Gα16/mtAEQ細胞は、SuperFect(キアジェン)を用いて製造元に記載されたようにトランスフェクトする。トランスフェクションは24ウェルプレート中で行う。成長−培地中で24時間後、培地を取り出し、そして選択−培地と交換する。選択−培地中でコンフルエンシーになるまで成長させた後、ポリクローナルを24ウェルプレートに1回通す。
【0111】
ポリクローナルの選択は、Q−PCRにより行う。RNAは、モノクローナル(24ウェルプレートから1つのコンフルエントなウェル)をRNeasy Mini キット(キアジェン)を用いて供給されたプロトコールに従い単離する。RNAをDNase(アンビオン、2U/μl)で、サンプルあたり1Uで処理する。RNAサンプルの半分は、SuperScriptII(ギブコ、BRL)を使用してRT−PCRに使用する。プライマーのアニーリングは、RNAおよびoligo−dT16(0,6μM)を用いて65℃〜15℃で10分間行う。各0,43mMのdNTP、DTT 10mM、20U RNasin(プロメガ、40U/ml)およびSuperScriptII 200U(ギブコ BRL、200U/μl)を含む第1鎖バッファー(ギブコ BRL)を30μlの最終容量になるまで加え、続いて42℃で1時間インキューベーションする。
【0112】
Q−PCRは、Q−PCRプライマーに特異的なIGS43受容体を用いて行う。PCR産物の量は、dsDNAに結合するSybr Greenの蛍光を測定することにより各サイクル後に決定する。IGSの相対的発現レベルは、染色体DNAの4種の希釈の標準曲線と関連づける。相対的な定量をハウスキーピング遺伝子であるベータチューブリンに対して標準化する。
【0113】
2つの最高のポリクローナルを使用して、モノクローナルを得る。細胞は限界希釈にまく。モノクローナルの選択は先に記載したようにQ−PCRにより行う。6個の最高のモノクローナルをT75フラスコ中でコンフルエンシーになるまで成長させ、そして10%DMSOを含有する成長培地中で凍結する。
実施例5 リガンドの探査
特定のG−タンパク質共役受容体を発現しているCHO−K1−Gα16/mtAEQ細胞は実施例4に記載したように成長させ、そして多数の化合物ライブラリーのスクリーニングに使用する。化合物は1または10μMの濃度で試験する。エクオリンのスクリーニングアッセイでは、ATP(10μM)またはジギトニン(50μM)を陽性対照として使用する。スクリーニングは、以下に記載するようにMicroBeta Jet1450(パーキンエルマー(Perkin Elmer))を使用して半自動的に行う。
【0114】
いったん化合物が見い出されれば、シグナル活性を示すことは第2エクオリン実験で確認される。続いてそれらをさらに用量−依存的実験で特性決定する。
【0115】
IGS43受容体およびアポ−エクオリンを発現しているCHO−K1−Gα16細胞を使用してリガンドを見いだすことができなければ、G−タンパク質Gα16無しの対応する細胞を類似様式(実施例4を参照にされたい)で生育し、続いて化合物を試験する。
【表3】
Figure 2004522421
【表4】
Figure 2004522421

【図面の簡単な説明】
【図1】
種々のヒト組織中のGAPDH mRNA発現のQ−PCR分析。報告された値(#コピー/ng mRNA)は、2回のQ−PCRアッセイの平均を表す(独立して調製されたcDNAについての各アッセイ)。mRNAは全RNAの2%を表し、そしてcDNA合成は100%の効率であったと予想された。真の効率は恐らく20〜50%に近いので、実際のコピー数は2〜5倍と低くなるだろう。“*”を記した組織についてはpoly(A)RNAを使用したが、すべての他の組織は全RNAを使用した。
【図2】
種々のヒト組織中のIGS43 mRNA発現のQ−PCR分析。報告された値(#コピー/ng mRNA)は、1回の測定である。mRNAは全RNAの2%を表し、そしてcDNA合成は100%の効率であったと予想された。真の効率は恐らく20〜50%に近いので、実際のコピー数は2〜5倍と低くなるだろう。“*”を記した組織についてはpoly(A)RNAを使用したが、すべての他の組織は全RNAを使用した。
【表5】
Figure 2004522421
【表6】
Figure 2004522421
【表7】
Figure 2004522421

Claims (43)

  1. a)配列番号2によるIGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
    b)ユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、特に配列番号1に対応するヌクレオチド配列;
    c)(a)または(b)のヌクレオチド配列に少なくとも95.5%(好ましくは少なくとも96%)の配列同一性をその全長にわたり有するヌクレオチド配列;
    d)(a)または(b)または(c)のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列、
    から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチド。
  2. a)配列番号2によるIGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
    b)ユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、特に配列番号1に対応するヌクレオチド配列;
    c)(a)または(b)のヌクレオチド配列に少なくとも96%(好ましくは少なくとも97%)の配列同一性をその全長にわたり有するヌクレオチド配列;
    d)(a)または(b)または(c)のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列、
    から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチド。
  3. a)配列番号2によるIGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
    b)ユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、特に配列番号1に対応するヌクレオチド配列;
    c)(a)または(b)のヌクレオチド配列に少なくとも97%(好ましくは少なくとも98%)の配列同一性をその全長にわたり有するヌクレオチド配列;
    d)(a)または(b)または(c)のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列、
    から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチド。
  4. a)配列番号2によるIGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
    b)ユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、特に配列番号1に対応するヌクレオチド配列;
    c)(a)または(b)のヌクレオチド配列に少なくとも98%(好ましくは少なくとも99%)の配列同一性をその全長にわたり有するヌクレオチド配列;
    d)(a)または(b)または(c)のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列、
    から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチド。
  5. 上記ポリヌクレオチドが、配列番号2のIGS43ポリペプチドをコードする配列番号1に含まれるヌクレオチド配列から成る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  6. 上記ポリヌクレオチドがその全長にわたり、配列番号1の配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物の配列に少なくとも95.5%同一であるヌクレオチド配列から成る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  7. 上記ポリヌクレオチドがその全長にわたり、配列番号1の配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物の配列に少なくとも96%同一であるヌクレオチド配列から成る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  8. 上記ポリヌクレオチドがその全長にわたり、配列番号1の配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物の配列に少なくとも97%同一であるヌクレオチド配列から成る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  9. 上記ポリヌクレオチドがその全長にわたり、配列番号1の配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物の配列に少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列から成る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  10. 上記ポリヌクレオチドがその全長にわたり、配列番号1の配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物の配列に少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列から成る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  11. 配列番号1のポリヌクレオチド、またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物である、請求項5ないし10のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  12. DNAまたはRNAである、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  13. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドから成るハイブリダイゼーションプローブ。
  14. 発現系がコンパチブルな宿主細胞中に存在する時、配列番号2のポリペプチドまたはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと少なくとも95.5%の同一性を有するアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチドを生産することができる発現系を含んで成るDNAまたはRNA分子。
  15. 発現系がコンパチブルな宿主細胞中に存在する時、配列番号2のポリペプチドまたはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと少なくとも96%の同一性を有するアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチドを生産することができる発現系を含んで成るDNAまたはRNA分子。
  16. 発現系がコンパチブルな宿主細胞中に存在する時、配列番号2のポリペプチドまたはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチドを生産することができる発現系を含んで成るDNAまたはRNA分子。
  17. 発現系がコンパチブルな宿主細胞中に存在する時、配列番号2のポリペプチドまたはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチドを生産することができる発現系を含んで成るDNAまたはRNA分子。
  18. 発現系がコンパチブルな宿主細胞中に存在する時、配列番号2のポリペプチドまたはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチドを生産することができる発現系を含んで成るDNAまたはRNA分子。
  19. 請求項14ないし18のいずれか1項に記載の発現系を含んで成る宿主細胞。
  20. 酵母細胞である、請求項19に記載の宿主細胞。
  21. 動物細胞である、請求項19に記載の宿主細胞。
  22. 請求項19ないし21のいずれか1項に記載の細胞に由来するIGS43受容体膜調製物。
  23. 請求項19ないし21に記載の宿主を、上記ポリヌクレオチドを生産するために十分な条件下で培養し、そして該培養からポリヌクレオチドを回収することを含んで成る、IGS43ポリペプチドの生産法。
  24. 細胞が適切な培養条件下でIGS43ポリペプチドを生産できるように、請求項14ないし18のいずれか1項に記載の発現系で細胞を形質転換またはトランスフェクションすることを含んで成る、それらのIGS43ポリペプチドを生産する細胞の生産法。
  25. 配列番号2のアミノ酸配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと、全長にわたり少なくとも95.5%同一であるアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチド。
  26. 配列番号2のアミノ酸配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと、全長にわたり少なくとも96%同一であるアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチド。
  27. 配列番号2のアミノ酸配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと、全長にわたり少なくとも97%同一であるアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチド。
  28. 配列番号2のアミノ酸配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと、全長にわたり少なくとも98%同一であるアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチド。
  29. 配列番号2のアミノ酸配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリヌクレオチドと、全長にわたり少なくとも99%同一であるアミノ酸配列から成るIGS43ポリペプチド。
  30. 配列番号2のアミノ酸配列またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列から成る、請求項25ないし29のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  31. 請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43ポリペプチドに免疫特異的な抗体。
  32. 請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43ポリペプチド受容体の活性または発現の強化が必要な個体の処置法であって;
    (a)治療に効果的な量の該受容体に対するアゴニストを個体に投与し;かつ/または
    (b)配列番号2のIGS43ポリペプチドまたはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と、全長にわたり少なくとも95.5%の同一性を有するヌクレオチド配列;または該受容体活性をインビボで生産するような状態の該ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチドを個体に提供する、
    ことを含んで成る上記方法。
  33. 請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43ポリペプチド受容体の活性または発現の阻害が必要な個体の処置法であって;
    (a)治療に効果的な量の該受容体に対するアンタゴニストを個体に投与し;かつ/または
    (b) 該受容体をコードするヌクレオチド配列の発現を阻害するポリヌクレオチドを個体に投与し;かつ/または
    (c)該受容体とそのリガンドについて拮抗する、治療に効果的な量のポリペプチドを個体に投与する、
    ことを含んで成る上記方法。
  34. 請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGSポリペプチドの発現または活性に関連する個体の疾患、または疾患に対する罹病性を診断するためのプロセスであって:
    (a)該個体に由来するサンプル中の該個体のゲノム中の該IGS43ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列中に突然変異が存在するか、または存在しないかを決定し;かつ/または
    (b)該個体に由来するサンプル中のIGS43ポリペプチド発現の存在または量を分析する、
    ことを含んで成る上記プロセス。
  35. 請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGSポリペプチドに対するアゴニストを同定する方法であって:
    (a)IGS43ポリペプチドを生産する細胞を試験化合物と接触させ;そして
    (b)試験化合物がIGS43ポリペプチドの活性化によりシグナルを生成するかどうかを決定する、
    ことを含んで成る上記方法。
  36. 請求項35に記載の方法により同定されるアゴニスト。
  37. 請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGSポリペプチドに対するアンタゴニストを同定する方法であって:
    (a)IGS43ポリペプチドを生産する細胞をアゴニストと接触させ;そして
    (b)該アゴニストにより生成されたシグナルが候補化合物の存在下で消失するかどうかを決定する、
    ことを含んで成る上記方法。
  38. 請求項37に記載の方法により同定されるアンタゴニスト。
  39. IGS43ポリペプチドを発現する請求項24に記載の方法により生産される組換え宿主細胞またはその膜。
  40. 遺伝的に改変された非ヒト動物の作出法であって:
    a)アミノ酸配列である配列番号2またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸配列から成るポリヌクレオチドのコード部分を、高レベルの遺伝子発現または通常はその遺伝子が該動物中で発現されない細胞型中での発現を駆動することができる調節配列に連結し;あるいは
    b)アミノ酸配列である配列番号2またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸配列から成るポリヌクレオチドのコード部分を工作し、そしてアミノ酸配列である配列番号2またはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする内因性の遺伝子である対立遺伝子が、完全にまたは部分的に不活性化するように、該配列を該動物のゲノムに再導入する、
    工程を含んで成る上記方法。
  41. 請求項35または37に記載の方法、そして次いで同定された化合物を医薬的に許容されるキャリアーと混合することを含んで成る、医薬組成物の製造方法。
  42. (a)請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43受容体ポリペプチドに対する治療に効果的な量のアゴニスト;および/あるいは
    (b)配列番号2のIGS43ポリペプチドまたはユトレヒト(オランダ国)のセントラアルビュロー ホーア シンメルカルチャーの寄託番号CBS 109714に含まれるDNA挿入物によりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に、少なくとも95.5%の同一性を全長にわたり有するヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド;またはインビボで該受容体活性を生産するような状態の該ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、
    の、請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43ポリペプチドの活性または発現の強化が必要な、IGS43受容体ポリペプチドの発現または活性に関連する疾患に罹患している個体を処置する薬剤を調製するための、使用。
  43. (a)請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43受容体ポリペプチドに対する治療に効果的な量のアンタゴニスト;および/または
    (b)請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43受容体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を阻害する核酸分子;および/または
    (c)請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43受容体ポリペプチドとそのリガンドについて拮抗する、治療に効果的な量のポリペプチド、
    の、請求項25ないし30のいずれか1項に記載のIGS43ポリペプチドの活性または発現の阻害が必要な、IGS43受容体ポリペプチドの発現または活性に関連する疾患に罹患している個体を処置する薬剤を調製するための、使用。
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