JP2004521541A - サウンドシステム及びサウンド再生方法 - Google Patents

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アール. フィンチャム,ローレンス
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    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
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Abstract

サウンド再生システムは、近接配置された左右のスピーカーと、このスピーカー対にサウンド信号を供給するサウンドプロセッサーとを備える。サウンドプロセッサーは、望ましくは、左右のチャンネルの差からキャンセル信号を得る。得られた差信号は、増減され、(必要なら)遅延させられ、そして左チャンネルに加えられかつ逆極性で右チャネルに加えらる前に、スペクトル変調される。差チャンネルへのスペクトル変調は、差を求める処理の後に正確な音質バランスを取り戻す為に、望ましくは、指定された周波数範囲の低周波増大の形を取る。スペクトル変調回路によって与えられたいくらかの余分な位相シフトを補正するために、付加的な位相補償全パス回路が差チャンネルに挿入されてよい。この技術は、サラウンドサウンドシステムあるいは自動車サウンドシステムに利用できる。自動車内では、スピーカー対は、それらスピーカーのコーンの基部の近くに一つの細いスロットを有する共通の囲いの中に一緒に配置されてよい。囲いのスロットからサウンドが広がるように、スピーカーは、ダッシュボードに関して垂直に向けられる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、サウンド再生に関し、特に、スピーカの配置構成及びサウンドシステムに用いられる関連したサウンド処理に関する。
【背景技術】
【0002】
サラウンドサウンドシステムあるいは多チャンネルサウンドシステムにおいて、最大可聴エリア全域で、最良のサウンド品質を得るために、かなりの取り組みが行われている。特定のサウンドシステムが、1又は恐らく2の音声フォーマットについて合理的に許容されるサウンドを持ち、さらに、他の複数の音声フォーマットについて準最良のサウンドを持つように、広範囲の異なるサラウンドサウンド及び多チャンネルオーディオフォーマットとスピーカー配置とが存在する、という事実から、このようなシステムにおいて最良のサウンド品質を得る際には、いくつかの困難を生じる。それゆえ、消費者が、例えば、様々なフォーマットで録音されたサウンドを再生するために単一のサウンドシステムを使用することを望む場合には、異なる音質レベル、それらのうちいくつかは品質が劣り又は悪化している、が経験されるようである。利用者が、音質を改善しようと、スピーカーの配置又は相対的バランスを調整することができる一方で、そのようの技術は、著しい人力による努力又は不都合を伴い、確実に再現することが困難で、また、リスニングエリアの比較的狭い部分において一人又は恐らく数人のリスナーに恩恵を与える。
【0003】
現在のサラウンドサウンド録音フォーマットは、5.1、6.1、及び7.1と呼ばれるものを含む。5.1サラウンドフォーマットは、五つのチャンネル、通常、そのチャネル情報の対象となるスピーカーの位置にちなんで名付けられた、左、中央、右、サラウンド左及びサラウンド右、からなる圧縮データストリームからなる。低周波効果チャネルが、その5チャンネルの組合せによって形成され、サブウーハーに供給されてよい。6.1サラウンドフォーマットは、5.1サラウンドフォーマットと同一の5チャンネルを含み、サラウンドサウンドシステムの1以上のバックスピーカーへ送られるサラウンドバックチャネルを加える。7.1サラウンドフォーマットは、6.1サラウンドフォーマットと同様であるが、合計7チャンネルとなるように、単一のバックチャンネルではなくて、2つのサラウンドバックチャンネル(サラウンドバック左及びサラウンドバック右)を有している。この様に、5.1チャンネルサラウンドフォーマットは2つのサラウンドチャンネル(サラウンド左及び右)を持ち、6.1チャンネルサラウンドフォーマットは3つのサラウンドチャンネル(サラウンド左、右及びバック)を持ち、7.1チャンネルサラウンドフォーマットは4つのサラウンドチャンネル(サラウンド左及び右と、サラウンドバック左及び右)を持つ。
【0004】
基本的なサラウンドシステムのスピーカ配置構成は、再生しようとするサラウンドフォーマットの形式に応じて、通常、従来の確立された配置で配置された6〜8個のスピーカーを含む。6スピーカーサラウンドシステムは、通常、左、右、及び中央のスピーカー(右と左のスピーカーは遠く離されて置かれている)、サブウーハー、及びサラウンド左及び右のスピーカー(これらは、現実にはモノポーラ(一方向指向性)又はダイポーラ(二方向指向性)でよい。)を含む。7スピーカーサラウンドシステムは、通常、6スピーカーサラウンドシステムと同じ配列を含み、バックサラウンドスピーカを加える。8スピーカーシステムは、通常、6スピーカーサラウンドシステムと同じ配列を含み、バック左サラウンドスピーカーとバック右サラウンドスピーカーを加える。
【0005】
サラウンドサウンドシステムのリスナーによって体験される楽しみは、そのシステムで再生される音声トラックの特定のフォーマットだけでなく、リスナーのスピーカーに対する物理的位置を含むいくつかの要素に影響される。例えば、5.1サラウンドフォーマットのサウンドトラックが8スピーカー(7.1)サラウンドシステムで再生されると、ある異常が発生するかもしれない。その一例として、5.1チャンネルサラウンド左及びサラウンド右のサウンド信号がモノラルのとき、左右のサラウンド効果がなくなり、後方の単一中央の“ファントム”音像に置き換えられる。他の現象として、リスナーがサラウンド左とサラウンド右のスピーカの中央に位置しているとき、彼又は彼女は、主にリスナーの位置で交差する音波の(リフト効果として知られている)付加的な効果のために、サラウンド左と右の音が(もしモノラルならば)、そうであろう音量よりも大きいと感じるかもしれない。サウンドが一方の側から他方の側へ(例えば、左から右へ)移動するときは、サウンド出力レベルが一定に保たれているときでさえ、同じくリフト効果のせいで、左右のバランスが得られるにつれてサウンドの音量の増加が生じ、それからサウンドの移動が続くにつれて減少が生じる。リスナーが中央位置から移動したとき、サウンドが一方の側から他方の側へぴゅっと移動するように感じられ得る、という意味において、音質は、また、不安定に感じられるかもしれない。
【0006】
これらの効果のいくつかは、5.1サラウンドサウンドシステムにおいて、改善された包むようなサラウンド効果を提供するために、サラウンド左と右の信号がモノラルのときに2つの実質的に無相関にされた信号を得るサラウンド左と右のスピーカーに関する適用無相関の使用により軽減される。
【0007】
6.1チャンネルサラウンドフォーマットのサウンドトラックが8スピーカー(7.1)サラウンドシステムで再生されるとき、ある別の異常が経験されるかもしれない。2つのリアサラウンドスピーカー(左及び右)には、同一のモノラル信号(即ち、同一のサラウンドバック信号)が供給されるので、リスナーがそれらのスピーカーからほぼ等距離に位置するとき、中央に位置する“ファントム“イメージが結果として生じ得る。報告されたこの配列のサイド効果は、ファントムイメージ(例えば、不自然に感じられるサウンド)に関連する“調子”、聴取者が中心から離れるときの音像の安定性の欠如による狭い“スイートスポット”、及びくし型フィルター効果(換言すると、音波打消し効果により生じる不存在)、を含んでいる。
【0008】
サラウンドシステム以外に、いろいろな多チャンネル録音再生システムがまた存在する。いくつかの共通の多チャンネルサウンドシステムの例として、各々固有のディジタル符号化フォーマットを持つドルビーAC−3、DTS、及びDVD−Audioがある。映画サウンドとは異なり、通常、スピーカーのタイプ(例えば、フルレンジ、サテライトプラスサブウーハー、ダイポーラ、モノポーラ)、及び、ほとんどの多チャンネル音声フォーマット用のスピーカー配置のいずれにも、採用された単一の標準は存在しない。それゆえ、多チャンネルサウンドトラック及び/又はサラウンドフォーマット(5.1,6.1及び7.1)のいずれかを聞こうとするユーザーはみな、特定の音声フォーマット用に最適化された一つのスピーカー配置を受け入れ、他のすべてについて妥協した性能を経験すること、あるいは、特定のサウンドトラック用のサウンドフォーマットに合わせて種々のスピーカーを再接続すること、が求められる。
【0009】
サラウンドサウンド環境に限らず、他のサウンドシステムもまた、知覚されるエリアとステレオ音像の安定性が最大となる“スイートスポット”を適度に広くするという同様の問題に直面している。最も伝統的なサウンドシステムでは、人の耳が、それによって対象である音声の豊さをより知覚できるという理論の下、左右のスピーカーを物理的に遠く離して置くという慣習がある。しかしながら、多くの左/右スピーカー配置構成の下では、軸外の聴取位置におけるサウンドは準最適である。任意の軸外の聴取位置におけるサウンドの品質は、左右のスピーカーとの距離の差によって生じる左右の音量の違いのみならず、聴覚情報がリスナーに届くまでの僅かな時間差によっても影響される。
【0010】
従って、前述の問題又は欠点を一つ以上克服した、改良されたサウンドシステムを提供することが好都合であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題および手段】
【0011】
本発明は、概して、スピーカー構成及び/又は配置を含む改良されたサウンド再生システム及び方法、及び感知エリアの拡大と右及び左のソース信号から生成されたサウンドイメージの安定性のための関連するサウンド処理に向けられている。
【0012】
一つの特徴において、サウンド再生システムは、近接配置された一対の(左右の)スピーカーと、当該一対のスピーカーにオーディオ信号を供給するサウンドプロセッサーとを備える。好ましい実施例によれば、サウンドプロセッサーは、2つの近接配置されたスピーカーによって生成された音像を、クロスキャンセル技術を採用することによって“広げる”ために機能する。ここで、キャンセル信号は、例えば、左と右のチャンネルの差から得られる。得られた差信号は増減され、(必要なら)遅延させられ、左チャンネル加えられまた極性を逆にして右チャンネルに加えられる前にスペクトル変調される。差チャンネルへのスペクトル変調は、各チャンネルにおける低周波数信号が同じときに生じる低音の消失を引き起こす差処理のあと、正しい音質バランスを復元するために、望ましくは、指定された周波数範囲への低周波ブーストの形を取る。キャンセリング信号とダイレクト信号との間の正しい位相関係が望まれる周波数範囲で維持されるように、付加的な位相補償全パス回路が、通常最小位相シフトスペクトル変調回路によって与えられるいくらかの余計な位相シフトを正すために、差チャンネルに挿入される。
【0013】
もう1つの方法として、線形位相回路が、差チャンネルへのスペクトル変調を行うために採用される。この場合において、補償は、適切かつ実質上同一の、周波数に依存しない遅延を左右のチャンネルに適用することによって与えることができる。
【0014】
本明細書で述べられるような、様々なスピーカー配置構成及びサウンドプロセッシングの実施例は、改良されたサウンド再生を実現するため、サラウンドシステムと共に採用されてよい。サラウンドサウンドステレオシステムのためのサウンド再生システムは、近接配置された一対のサラウンドバックスピーカーを含む一組のスピーカー(例えば、前、左、中央、サラウンド左、及びサラウンド右)と、サウンドプロセッサーとを備えてよい。サウンドプロセッサーは、左右のサラウンドチャンネル信号(横あるいは後のサラウンド信号)を受け、それらから差信号を生成する。得られた差信号は、上述したように処理されてよい。即ち、増減され、(必要なら)遅延させられ、さらに左チャンネルに加えられまた右チャンネルに極性を逆にして加えられる前にスペクトル変調される。付加的な位相補償全パス回路が、前述の容易に、キャンセル信号とダイレクト信号との間の正しい位相関係が所望の周波数範囲で維持されるように、通常最小位相シフトスペクトル変調回路によってもたらされる余計な位相シフトを修正するために、差チャンネルに挿入されてよい。
【0015】
自動車又は車両の場合においては、自動車のフロントコンソール又はダッシュボードに挿入あるいは一体化され、中央分割間仕切りを有する共通の囲いの中に、一対の中央スピーカーが配置されてよい。いくつかの実施例において、中央スピーカー対は、実質的に全サウンドエネルギーが、囲いの細いスロットを介して、聴取者の方へ向かって前方へ向かうように、それらの振動板が下を向き、かつ硬い反射面に近接して配置されてよい。結果としての放射システムは、空間が常に貴重となる場所でより少ないダッシュボードエリアを占め、かつ、放射されるサウンドの波長とは関係なく非常に小さく作れる寸法のスロットのせいで非常に広い方向特性を備えるという、二重の利益を提供する。
【0016】
さらなる実施例、変形および増進が、また、本明細書に開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書に開示されるような様々な実施例によれば、好ましい音響再生システムは、一形態において、一対の近接配置されたスピーカーと、この一対のスピーカーにオーディオ信号を供給するサウンドプロセッサーとを備えている。サウンドプロセッサーは、望ましくは、クロスキャンセル技術を用いることにより、2つの近接配置されたスピーカーによって作られる音像を“広げる”ように作用する。ここで、クロスキャンセル技術において、キャンセル信号は、例えば、左と右のチャンネルの差から得られる。得られた差信号は、増減され、(もし必要なら)遅延させられ、さらに、左チャンネルに加えられまた極性を逆にして右チャンネルに加えられる前にスペクトル変調され、それによって、感知エリアとステレオ音像の安定性を増大させる。好ましい音響処理技術のさらなる詳細が、本明細書において後述される。
【0018】
本明細書に開示される種々の実施例のいくつかの利点が、従来のサラウンド/マルチチャンネル音響システムとの比較対照により、正当に評価される。例えば、図1は、5.1サラウンドシステム100における、サラウンド符号化されたサウンドトラックの再生を説明するための図である。図1に示されるように、5.1サラウンドシステム100は、フロント左スピーカー104、フロント右スピーカー105、センタースピーカー102、サブウーハー109、サラウンド左スピーカー114、及びサラウンド右スピーカー115を含む。図1に示される例において、サラウンド左及び右スピーカー114,115は、共に、音響を多方向(通常反対方向)へ分配し、それによって改良された周囲音響を提供するダイポーラスピーカーである。サラウンド左及び右スピーカー114,115は、通常、部屋(別のリスニングスペース)の両側に広く離して、望ましいリスニング位置の僅かに後方で、かつ上方に配置される。
【0019】
5.1サラウンドシステム100のスピーカー102,104,105,109,114及び115は、通常、スピーカー配置のほぼ中央に位置するリスナーに、最適な音響を提供するように配置される。しかしながら、5.1サラウンドシステムは、中間左及び右へ向かい、リスナー107の後方へ向かう、効果的な指向性の構成要素を欠いている。それゆえ、リアスピーカーをいすれも有している6.1又は7.1サラウンドシステムは、通常、ある状況下において、より優れた音響音声効果を提供することができる。6.1サラウンドシステムは、既に示したように、単一のリアサラウンドスピーカーを加え、一方7.1サラウンドシステムは、通常互いに比較的離れて配置される2つのサラウンドスピーカーを加える。
【0020】
図2は、7.1サラウンドシステム200の図であって、5.1サラウンド符号化されたサウンドトラックの再生を説明するための図である。図2に示されるように、7.1サラウンドシステム200は、フロント左及び右スピーカー204,205、センタースピーカー202、サブウーハー209、サラウンド左スピーカー214、サラウンド右スピーカー215、サラウンドバック左スピーカー224、及びサラウンドバック右スピーカー225を含む。図2の特別な例では、図1と同様に、サラウンド左及び右スピーカー214,215は、現実には、ダイポーラスピーカーである。サラウンドバック左及び右スピーカー214,215は、通常、リスナー207の後方で、比較的遠く離して配置される。5.1符号化されたサウンドトラックが、図2に示されるような7.1サラウンドシステム200において再生されたとき、サラウンド左及び右スピーカー214,215は左及び右のサラウンドチャンネル情報を受け、サラウンドバック左及び右スピーカー224,225は、利用者がシステム200をいかにプログラムしたかに応じて、左及び右のサラウンドチャンネル情報を受けることができ、また受けないことができる。いずれの場合にも、ある不調和が発生し得る。例えば、左右のサラウンドチャンネルがモノラルならば、左/右のサラウンド効果は、消滅したように思え、リスナー207の後方に単一の中央“ファントム“音像230に置き換えられる。この効果は、改良された包みこむようなサラウンド効果を提供するために、単一のモノラルチャンネルから2つの実質的に無相関にされた信号を導出することを含む適応無相関の使用により軽減することができる。
【0021】
図3は、7.1サラウンドシステムにおける6.1サラウンドフォーマットの再生を説明するための図である。図3において、3xxの符号が付されたスピーカーは、図2の2xxと符号が付された同一のスピーカーに対応する。6.1サラウンドフォーマットのサウンドトラックが、図3に示されるような7.1サラウンドシステム300にて再生されるとき、サラウンドバックスピーカー324,325には、同一のモノラル信号(6.1符号化フォーマットにおける単一のサラウンドバックチャンネルから導出される)が供給される。これら同一のモノラル信号は、最適の聴取位置からの等しくない距離の影響を補償するために互いに関して遅延させられ又は遅延させられないかもしれいない。図3に示されるように、サラウンドバックスピーカ324,325を通して再生される同一のモノラル信号は、リスナーがそれらからほぼ等距離に位置するとき、中央の“ファントム”音像330を生成する。報告された側方効果は、ファントム音像330と結びつけられた“調子”を含む。この調子は、リスナーに、混乱又は不自然なサウンドと、サラウンドバックスピーカー324.325から等距離にある軸から中心でない位置へリスナーが移動するとき(図5参照)に音像の安定性を欠くことになる狭いスイートスポット(図4参照)と、音波が互いに干渉するようなくし型フィルター効果によって引き起こされる打消し(即ち、非存在“null”)によるある周波数範囲の抑制と、をもたらす。結局、7.1サラウンドシステム300において再生されたときの6.1サラウンドフォーマットサウンドトラックの音質は、特に最適な聴取位置にいないリスナーにとって、著しく損なわれ得る。
【0022】
本明細書の背景の欄で既に指摘したように、他の多チャンネルフォーマットの(ドルビーAC−3、DTSあるいはDVD−オーディオのような)サウンドトラックの再生もまた、異なる左/右及びバックサラウンドスピーカーへ供給される信号の本質に依存して、同様の効果に悩む。
【0023】
図6は、本明細書で述べられる好ましい実施例に基づくサラウンドサウンドシステム600用のスピーカ配置構成を示す図である。図6のサラウンドシステム600は、図2及び図3にそれぞれ示されるシステム200及び300と同様に、フロント左及び右のスピーカー604,605、フロント中央スピーカー602、サブウーハー609、サラウンド左スピーカー614、及びサラウンド右スピーカー615を含む。サラウンドシステム600は、さらに、望ましくは互いに極めて接近し、できるだけ同一のスピーカー囲いの中に配置される、サラウンドバック左スピーカー624及びサラウンドバック右スピーカー625を含む。サラウンドバック左及び右スピーカー624,625は、望ましくは同一で、図6にはモノポーラとして示されているが、実際はダイポーラ又はモノポーラのいずれかであってよい。好ましいサウンドプロセッシング技術と組み合わされた図6に示されるサラウンドシステム600のスピーカー配置構成は、例えばサラウンドサウンド又は多チャンネルフォーマットのいずれかに記録されたオーディオトラックを再生するとき、改良された音質を提供することができる。
【0024】
図6のサウンドシステム600が7.1サラウンドフォーマットで記録されたサウンドトラックを再生するために使用されるとき、典型的な7.1サラウンドスピーカ配置構成で通常行われるように、異なる左、右、中央、及びサラウンド左/右チャンネルオーディオ信号が、適切な個々のスピーカーに供給される。しかしながら、サラウンドバック左及び右スピーカー624,625は、望ましくは、本明細書において後により詳細に述べられるようなサウンド処理の後、サラウンドバック右チャンネルオーディオ信号及びサラウンドバック左チャンネルオーディオ信号を受ける。
【0025】
一方、図6のサウンドシステム600が6.1サラウンドフォーマットで記録されたサウンドトラックを再生するために用いられるとき、異なる左、右、中央、及びサラウンド左/右チャンネルオーディオ信号が、典型的な7.1サラウンドスピーカー構成において通常行われるように、また適当な個々のスピーカーに供給される。通常、サラウンドEX再生が適切に選択された(例えば、サラウンドEXフラグが立つ)と仮定すれば、サラウンドバック左及び右スピーカー624,625はともにサラウンドリアチャンネルオーディオ信号を受けて、直に応答する。接近配置されたサラウンドバック左及び右スピーカー624,625によって、モノラル信号(即ち、サラウンドリアチャンネルオーディオ信号)から生成された中央リア音像は、広く広げられたサラウンドバック左及び右スピーカーの場合に比べ、非常に広いエリアにわたって安定しており、そのような広く広げられたリアサラウンドスピーカーによって生成されたオーディオサウンドよりも、“調子”又は不自然さが著しく少ない。
【0026】
いくつかの例、例えば、6.1サラウンドサウンドトラックがマトリックス符号化されたような場合、あるいは、なんらかの理由によりサラウンドEX処理が引き起こされない場合、などにおいて、多少異なるタイプの再生が経験されるかもしれない。そのような場合、サウンドシステムは、効果的に、5.1サウンドトラックのようなサウンドトラックを扱い、(もし、サウンドトラックがマトリックス符号化されているなら)モノラルチャンネル情報の少なくともいくらかの部分と混合されるかもしれないサラウンド左及び右チャンネルオーディオ信号を、サラウンドバック左及び右スピーカー624,625に送ることができる。ここに述べたような好ましいサウンドシステムによれば、サラウンドバック左及び右スピーカー624,625はともに、サラウンドチャンネルオーディオ信号を受け直ちに反応し、もしそのような情報が存在するならば、本明細書でさらに述べられるように、適切なサウンド処理のあと、サラウンド左/右チャンネルオーディオ信号を受けて直ちに反応する。図7は、そのような状況での、図6のサウンドシステム600による6.1サラウンド符号化されたサウンドトラックの再生を示している。図7に示されるように、広いモノラル音像が、サラウンドバック左及び右スピーカー624,625から投影される。サラウンド左及び右チャンネルオーディオ信号は、サラウンド左及び右スピーカー614,615の両方に供給され、本明細書に後述されるようにサウンド処理された後、サラウンドバック左及び右スピーカー624,625に供給される。
【0027】
図6のサウンドシステム600が5.1サラウンドフォーマットで記録されたサウンドトラックの再生に使用されるとき、異なる左、右、中央、チャンネルオーディオ信号が、典型的な7.1サラウンドスピーカー配置構成で通常行われるように、適切なスピーカーに個々に供給される。サラウンド左及び右スピーカー614,615及びサラウンドバック左及び右スピーカー624,625に関する望ましい動作は、サラウンド左/右チャンネルオーディオシグナルの特性にある程度依存する。サラウンド左/右チャンネルオーディオ信号が、現実にはモノラルのとき、サウンドシステム600は、無相関信号を横サラウンドスピーカー614,615へ供給するために、望ましくは適用無相関を使用し、高品質なリア中央像を生成するために、サラウンド後左及び右スピーカー624,625へ直接供給を行う。しかしながら、サラウンド左/右チャンネルオーディオ信号が、現実にはステレオであるとき、サラウンド左/右チャンネルオーディを信号は、適用無相関なしに、サラウンド左及び右スピーカー614,615へ直接送られ、必要に応じて、本明細書においてさらに述べられるような適切なサウンド処理の後、サラウンドバック左及び右スピーカー624,625へ送られる。サラウンド左及び右チャンネルオーディオ信号は、はっきりしたリア音像のサイズが増加し、その安定性が軸外の聴取位置において改善されるように処理される。適切に割り当てられて足し合わされた2つの横サラウンドスピーカー614,615及び2つのサラウンドバックスピーカー624,625の出力は、ほぼ連続的な後ろ半分の音場を作り出し、それによって、広いエリアにわたってリスナーのサウンド体験を改善する。
【0028】
図12は、図6のサウンドシステム600がサラウンド左及び右チャンネルオーディオ信号1211,1212をリアサラウンドスピーカー1224,1225に供給するように構成されているときの、サラウンドシステム600における5.1サラウンドフォーマットサウンドトラックの再生を概念的に示す略図である。図12に示されるように、サラウンド左及び右チャンネルオーディオ信号1211,1212がモノラルのとき、(ブロック1271及び1272よって表される)適用無相関処理が行われ、それらが現実にステレオであるとき、リアサラウンドスピーカー1224,1225用の(ブロック1201で表される)適用サウンド処理が行われる。
【0029】
もっと一般的には、ここで述べられる技術は、近接配置された2つのスピーカーを含むスピーカー配置構成に関連して、ステレオ信号用の改善されたサウンドを潜在的に作り出すことができる。あらゆる符号化されたプログラム(例えば、サラウンドサウンド又は多チャンネルサウンドトラック)、あるいはオーディオ製品又はオーディオ源からのステレオ信号が、適切な右及び左スピーカー(例えば、左及び右サラウンドスピーカー)に直接送られ、本明細書にさらに述べられるように適当なサウンド処理の後、近接配置された一対のスピーカー(例えば、サラウンド後スピーカー対)へ供給される。接近配置された一対のスピーカーは、それによって、より広いエリアに改善された安定性及び音質の音像を作り出すことができ、そして、最適な聴取エリアを広げ、リスナーによりすばらしい満足を提供する。
【0030】
(図6のリアサラウンドスピーカー624,625のような)近接配置されたスピーカー用の好ましいサウンド処理について、さらなる詳細がここで述べられる。図8は、例えば、図6に示されるスピーカー配置構成と関連して使用される得る、もっと一般的には、ステレオ源信号を提供するために多重オーディオチャンネルを使用するあらゆるサウンドシステムにおいて使用されるような、本明細書で述べられる実施例に基づくサウンドプロセッシングシステム800の一般化されたブロック図である。図8に示されるように、左オーディオ信号811と右オーディオ信号812は、サウンドプロセッサー810に供給され、それから近接配置された一対のスピーカー824,825へ供給される。左オーディオ信号811と右オーディオ信号812は、また、図8に示されていない、左及び右側の(サラウンド又は非サラウンド)スピーカーに供給されてもよい。好ましい実施例において、サウンドプロセッサー810は、近接配置された2つのスピーカーによって作られた音像を、クロスキャンセル技術を使って“広げる”ように作用する。クロスキャンセル技術において、キャンセル信号は、例えば、左と右のオーディオ信号811,812の差から導き出される。得られる差信号は、増減され、(もし必要なら)遅延され、そして左チャンネルに加えられまた極性を逆にして右チャンネルに加えられる前にスペクトル変調される。差チャンネルへのスペクトル変調は、望ましくは、各チャンネルの低周波数信号が同じであるときに低音の消失を起こす差処理の後、正しい音質バランスを回復するために、指定された周波数範囲における低周波ブーストの形を取る。サウンドプロセッサー810の効果は、感知エリア及びスピーカー324,325によって生成された音像の安定性を拡大し、スピーカー324,325の近接配置に関係のないステレオサウンドの効果を提供することである。
【0031】
図9−1は、例えば図6に示されるサウンドシステム600に関連して使用され、より一般的には、ステレオ源信号を供給するために多重オーディオチャンネルを使うあらゆるサウンドシステムに使用される、本明細書で述べられるような様々な原理に基づくサウンドプロセッシングシステム900のより詳細な図である。図9−1のサウンドプロセッシングシステム900において、左オーディオ信号911と右オーディオ信号912は、オーディオ源から供給され、さらに他のスピーカー(図9−1には示されていない)へ供給される。左オーディオ信号911と右オーディオ信号912の差が、例えば、減算器940によって得られ、差信号941が、当該差信号941へスペクトル重み付け(及び、おそらく利得係数)を適用するスペクトル重み付けフィルター942へ送られる。スペクトル重み付けフィルター942の特性は、望ましい聴覚効果、スピーカー924,925の互いの距離、リスナーの嗜好などを含む要素の数に依存して変えてよい。スペクトル重み付けフィルター942の出力は、(非線形の)スペクトル重み付けフィルター942によって引き起こされる位相シフトを補償する位相等化器945へ供給されてよい。
【0032】
図9−1において、位相等化器945の出力は、クロスキャンセル回路947へ供給される。クロスキャンセル回路947はまた、位相補償回路955及び956によってそれぞれ調整された左オーディオ信号911及び右オーディオ信号912を受ける。例えば全パスフィルターとして具体化される位相補償回路955,956は、中央チャンネルの位相特性が、所定の周波数帯にわたって、左及び右チャンネルの位相特性と実質上180°ずれるように、望ましくは、それらの入力信号(即ち、左及び右オーディオ信号911,912)の位相を、(スペクトル重み付けフィルター942によって引き起こされる位相歪と組合せて)位相等化器945によって実行される位相シフトを補完するような方法で、それぞれシフトさせる。一対(各チャンネルに1つ)の加算回路を含んでよいクロスキャンセル回路947は、それから、スペクトル重み付けされ、位相等化された差信号を、適切な極性調整の後、位相補償された左オーディオ信号911及び右オーディオ信号912のそれぞれと混合する。一対のスピーカー924,925によって作られた音場の感知される幅は、差信号の経路の利得を変えることにより、及び/又はスペクトル重み付けフィルター942の形態を変更することにより調整できる。
【0033】
図9−2は、図9−1に示される原理と配置に概略従うサウンドプロセッシングシステム900’の図であり、ある処理ブロック用のあり得る伝達関数特性の典型的な例をさらに示す。図9−1と同様に、サウンドプロセッシングシステム900’において、左オーディオ信号911’と右オーディオ信号912’は、オーディオ源(図示せず)から供給され、差信号941’が、左オーディオ信号911’と右オーディオ信号912’との差から得られる。差信号941’は、本実施例においてその差信号941’に対しスペクトル重み付けを行う、スペクトル重み付けフィルター942’ヘ送られる。その特性は、図9−2にグラフとして示されている。本例のスペクトル重み付けフィルター942’の伝達関数特性(利得と位相の両方)のより詳細なグラフが、図15−1に示される。そこに示されているように、スペクトル重み付けフィルター942’は、低周波で利得が0dBで、かつ約200Hz〜2000Hzで遷移周波数を持つ一次シェルフフィルターとして具体化される。必要なら、利得/増幅ブロック946’によって与えられる利得は、スペクトル重み付けフィルター942’に統合でき、あるいは、図9−2に示されるように下流において適用できる。いずれにしても、前述したように、遷移周波数、利得の量、勾配、及びその他の伝達関数特性が、望まれる利用及び/又は全体のシステム特性に依存して変更されてよい。
【0034】
所定の周波数帯にわたって、中央チャンネルと右及び左チャンネルとの間に望ましい位相関係が維持されることを確実にするために、位相等化器945’が中央処理チャンネルに設けられ、付加的な位相補償回路955’及び956’が右及び左チャンネルに加えられる。図9−2にグラフとして示され、かつ図15−1により詳細に示されるように、本例のスペクトル重み付けフィルター942’は、少なくとも200Hz〜2000Hz範囲にわたって位相歪を引き起こす。位相等化器945’は、利得は与えないが、中央チャンネルの周波数特性全体を修正する。位相補償回路955’及び956’は同様に、左及び右チャンネルの位相特性をそれぞれ修正する。この位相補償は、望ましくは、本例において、所定の周波数帯にわたり(本例では、200Hz〜2000Hzの周波数帯にわたり)、中央チャンネルの位相特性(即ち、スペクトル重み付けフィルター942’と位相等化器945’の組合せ位相効果)が、左及び右チャンネルの位相特性と、約180°の位相ずれとなるように、選択される。また、左及び右チャンネルを通じて再生される、特にモノラル信号が、両チャンネル上で理想の位相処理を受けるように(及び、適切なサウンド特性を得るように)、左及び右チャンネルの位相特性はできれば同一のままである。それゆえ、位相補償回路955’及び956’は、できれば、左及び右チャンネルに同一の位相処理を適用するように構成される。
【0035】
利得と位相伝達関数のより詳細なグラフの例(この場合、その構成要素が全パスフィルターとして具体化されたとき、利得が0である)が、中央チャンネル位相等化器945’のために図15−2に示され、左及び右チャンネル位相補償回路955’,956’のために図15−3に示される。これらの例において、位相等化器945’は、2次の全パスフィルター(F=125Hz,Q=0.12)として具体化され、位相補償回路955’956’はそれぞれ2次の全パスフィルター(F=3200Hz,Q=0.12)として具体化される。位相減少の急勾配をより急にし、低周波において中央チャンネルと左及び右チャンネルとの位相のずれの大きさを減少させるため(そして、スピーカー924’、925’に加えられる負荷を最小にするため)に、より高いQ値が使用されてよい。
【0036】
図11は、図9−1に示されるサウンドシステム900の別の実施を示す図である。ここで、位相等化及び/又は補償を行うために、全パスフィルター1157,1158が位相補償ブロック1155及び1156においてそれぞれ用いられている。図11において、参照符号“11xx”が付された構成要素は、図9−1の“9xx”が付されたものにほぼ対応する。
【0037】
図10は、図3及び9に関して明らかにされた一般原則に従うサウンドプロセッシングシステム1000の別の図であって、本明細書で述べられるような模範的な実施例による代表的な伝達関数を示している。図10に示されるサウンドプロセッシングシステム1000において、入力オーディ信号X1,X2(例えば、左及び右オーディオ信号)が、2つの並列な経路に沿って処理され、その結果が個々に互いに足し合わされ、それぞれ出力信号Y1及びY2として出力される(一対のスピーカ、例えば、接近配置された左及び右スピーカへ送られてよい)。入力オーディオ信号X1とX2との差が、減算器1040から得られ、減算器は、得られた差信号1041を伝達関数−Bを有する処理ブロック1060へ供給する。第1の入力オーディオ信号X1はまた、伝達関数Aを持つ処理ブロック1055ヘ送られ、処理ブロック1055の出力が処理ブロック1060の出力に加えられて第1の出力信号Y1として出力される。同様に、第2の入力オーディオ信号X2が伝達関数−A(即ち、処理ブロック1055の伝達関数Aの逆)を持つ処理ブロック1056に送られ、処理ブロック1056の出力が反転され処理ブロック1060の反転された出力に加えられ、それから第2の出力信号Y2として出力される。図10のサウンドプロセッシングシステム1000の入力と出力との間の全体的な関係は、
【数1】
Figure 2004521541
の様に表現することができる。望ましい実施例において、処理ブロック1060の伝達関数−Bは、図4のサウンドプロセッシングシステム400における差経路によって示されるように、望ましい特性のスペクトル重み付けフィルターと位相等化器の組み合わされた伝達関数を表す。また、望ましい実施例において、処理ブロック1055及び1056の伝達関数A及び−Aは、それぞれ、処理ブロック1060によって引き起こされる位相効果を補償するために、相補的な位相シフトを行う位相補償回路の伝達関数を表す。図10における極性は、適切なクロスキャンセルが成されるように選択される。
【0038】
望ましい実施例において、入力信号X1及びX2は、左及び右オーディオチャンネル入力のZ変換を表し、Y1及びY2は、接近配置された一対のスピーカー(例えば、左右のスピーカー)ヘ送られる左及び右チャンネル出力の対応するZ変換を表す。伝達関数A,−A及びBは用語zで表されてよく、ディジタル領域での処理に結びつけるサンプリング周波数Fsによってある程度きまる。特定の実施例によれば、ブロック1055及び1056は、各々、f=3200Hz及びQ=0.12の2次の全パスフィルターであり、一例において、サンプリング周波数Fsの代表的な例に基づき以下の伝達係数特性を有している。
【0039】
Fs=48KHzに対し、
【数2】
Figure 2004521541
Fs=44.1KHzに対し、
【数3】
Figure 2004521541
Fs=32KHzに対し、
【数4】
Figure 2004521541
この特定の実施例において、ブロック1060は、f=125Hz、Q=0.12の2次の全パスフィルターに縦続続される、低周波数での利得が0dBで、200Hzと2KHzの遷移周波数をもつ一次のシェルフでよく、一例において、サンプリング周波数Fsの代表的な例に基づき以下の伝達係数特性を有している。
【0040】
Fs=48KHzに対し、
【数5】
Figure 2004521541
Fs=44.1KHzに対し、
【数6】
Figure 2004521541
Fs=32KHzに対し、
【数7】
Figure 2004521541
利得係数がまた、ブロック1060に含まれてよく、あるいは、異なるブロックあるいは構成要素として同一の経路に備えられてもよい。利得は、特定の適用のために実験によって決定されてよいが、通常は、10−15dBの範囲で最も望ましくなると思われる。一実施例において、例えば、利得係数は12dBである。
【0041】
図13及び14は、特定のスペクトル重み付け、等化及び位相補償特性を持つ図10に従うサウンドプロセッシングシステムの周波数応答と位相伝達関数の例を示すグラフである。図13は、差チャンネルの伝達関数(−B)と+12dBの利得が加えられた第1の入力チャンネル(X1)を表す−B/Aのための、周波数応答伝達関数1302と位相伝達関数1305とを表す。図13に示されるように、周波数応答伝達関数1302は、低音周波数(本例では、最大で約200Hz)の第1の領域1320において比較的均一な利得を示し、中間周波数(本例では、約200Hzから約2KHz)の第2の領域1321において減少する利得を示し、そして、高周波数(本例では、2KHz以上)の第3の領域1322において再び比較的均一な利得を示す。位相応答伝達関数1305は、中間周波数(即ち約200Hzと2KHzの間)の第2の領域1321において、出力信号が実質上同位相のままであることを示す。
【0042】
図14は、差チャンネル(−B)と+12dBの利得が加えられた第1の入力チャンネル(X2)の伝達関数を表す−B/−Aのための周波数応答伝達関数1402と位相伝達関数1405を示す。図14において、図13と同様に、周波数応答伝達関数1402は、低音周波数(本例では、最大で約200Hz)の第1の領域1420において比較的均一な利得を示し、中間周波数(本例では、約200Hzから約2KHz)の第2の領域1421において減少する利得を示し、そして、高周波数(本例では、2KHz以上)の第3の領域1422において再び比較的均一な利得を示す。位相応答伝達関数1405は、中間周波数(即ち約200Hzと2KHzの間)の第2の領域1421において、出力信号は実質上位相に関して反転されている(即ち、180°である)。
【0043】
上述のように、出力信号Y1,Y2は、望ましくは、近接配置された一対のスピーカーに供給される。伝達関数A,−A及びBは、スピーカーが実質上互いに接して配置された状況のために選択された例である。しかしながら、図10のシステムにおいて、あるいは一対のスピーカーが直に接してはいないけれども互いに接近している、本明細書で述べられる他の実施例において、利益が得られる。
【0044】
図16は、本明細書で述べられるような、線形スペクトル重み付けフィルターを使用する、代わりの実施例のサウンドプロセッシングシステム1600の図である。図16のサウンドプロセッシングシステム1600において、左オーディオ信号1611と右オーディオ信号1612とは、一対の近接配置されたスピーカー1624,1625(例えば、左右のスピーカー)へ供給される一対の処理されたオーディオ信号1648,1649を導き出すために処理される。左右のオーディオ信号1611,1612は、この左右のオーディオ信号1611,1612間の差を表す差信号1641を出力する減算器1640によって処理される。差信号1641は、線形位相特性を有するスペクトル重み付けフィルター1642へ送られる。スペクトル重み付けフィルター1642は、例えば図7A又は図7Bに示される伝達関数にほぼ従う周波数応答特性を有している。スペクトル重み付けフィルター1642が線形位相特性を有しているので、位相等化及び補償は不用である。それゆえ、スペクトル重み付けフィルター1642の出力は、クロスキャンセル回路1646へ直接供給される。クロスキャンセル回路は、左右のオーディオチャンネルをスピーカー1624及び1625へ供給する前に、これらの各々にスペクトル重み付けされた信号を混合する。スペクトル重み付けフィルター1642によって引き起こされる遅延を補償するために、遅延構成要素1655及び1656が、それぞれ左右のチャンネル経路に加えられる。遅延構成要素1655、1656は、望ましくは、線形スペクトル重み付けフィルター1642の待ち時間に等しい遅延特性を有している。
【0045】
様々な実施例におけるサウンド処理によるクロスキャンセルの量は、通常、音像の“広がり”の量を決定する。非常に多くのクロスキャンセルが適用されたならば、得られるサウンドは、ガチャガチャし又は反響するようになり得る。一方、非常に少ないクロスキャンセルが適用されたならば、音像は十分に広げられておらずあるいは安定化されていないかもしれない。
【0046】
サウンド処理された情報を受ける一対のスピーカー(例えば、図8のスピーカー824及び825又は本明細書で述べられる他の実施例における近接配置されたスピーカー)は、望ましくは、互いに直に接して配置されるが、拡大された音像、増加させた安定性など、の利益を提供する限りにおいて、物理的には分離されてもよい。一般に、一対のスピーカーの最大許容分離距離は、実験によって決めることができるが、性能は、スピーカーが互いに離されるに従い徐々に低下するかもしれない。望ましくは、2つのスピーカーは、そのスピーカーによって放射されることを意図している最高周波数の波長に匹敵する距離よりも近くに配置される。最高周波数が2kHzのとき、この分離距離は、2つのスピーカーの間の中心から中心までの距離で約6インチに対応する。しかしながら、2つのスピーカーは、本明細書に述べらられるサウンドプロセッシング技術から最大利益を得るために、理想的には、互いに直に接して配置される。
【0047】
本発明の一部の実施例は、ホームシアター又はサラウンドサウンドシステム以外の様々な状況における適用を見出すことができる。例えば、本発明の実施が、いくつかの環境において、(例えば、オーディオトラック、マルチメディアプレゼンテーション、あるいは3次元又は多チャンネルサウンドのビデオゲームを再生するために構成された)パーソナルコンピューターシステム、自動車又は車両用オーディオシステム、ポータブルステレオ、テレビ、ラジオ、及びその他のサウンド再生が望まれる状況に、適用可能である。一部の実施例は、可能なスピーカー配置が制限され、かつ/又は左右のスピーカーの最大間隔が厳しく制限されるけれども、2つの隣接又は近接配置されたスピーカーが得られる、という状況において、特別な有用性を見出すことができる。例えば、一対の近接配置された左右のスピーカーは、一体化されたポータブルステレオユニットの一部であってよく、さもなければコンピューターのモニターの上又は下に配置されてよい。
【0048】
自動車又は車両オーディオシステムは、特に、本明細書で述べられた発明の概念の適用から恩恵を受け得る。オーディオシステムは、自動車及び他の車両において一般的である。このようなシステムは、通常、単純なラジオから、多重等化器、プリアンプ、パワーアンプなどともにCD及びカセットプレーヤーを備えた比較的複雑なステレオまたはマルチチャンネルシステムにまでわたる、プログラムソースを利用する。
【0049】
従来の自動車用オーディオシステムの配置構成及び構成要素には、多種多様なものがある一方で、それらの多くは、最高のサウンドクオリティーを提供することに関し、変化の度合いへの、いくつかの永続的な問題に悩む。これらの問題は、部分的に、優良なリスニングルームと比較したときの自動車に固有のサウンド環境に起因する。不都合な点は、
・残響時間を減少させる非常に小さな内容積と、空間の不足と一様でない低音反響とを招く低い周波数におけるより低いモード密度である。
【0050】
・室内装飾品又は乗員の被服などのより高い吸収領域への、より高い反射面(例えば、窓)の接近が、周波数と、リスナーに到達する直間サウンドの頭位置とに関して大きな変化性をもたらす。その結果、水平方向の僅かな頭又は座席位置の移動が、音楽の音質に重大かつ望ましくない変化をもたらす。
【0051】
・リスニングポジションは、必然的に、予め定められた座席位置(通常4又は5個)に制限され、これらすべてがスピーカーの位置に関してかなり非対称に配置されている。車内では、空間が常に重んじられており、その結果、スピーカーはしばしば物理的に都合のよい位置、例えば、足元や前後サイドドアの下方に、音響上の観点からは非常に悪いにもかかわらず、配置される。その結果、リスナーの頭は常に、1/rの法則のために大きなチャンネル間時間差及び異なるサウンドレベルを直に導く、左又は右のいずれかのスピーカーにとても近くなる。
【0052】
・さらに、リスナーの耳から左右スピーカーの対称軸への軸の間の角度が、各乗員毎に全く異なる。知覚されるスペクトルバランスは、駆動ユニットの方向特性のため、各チャンネル毎に異なる。乗員の衣服や脚によって1以上のスピーカーが覆われることが、しばしば、中間周波数及び高周波数を10dBほど弱める結果となり得る。
【0053】
上述のすべてが、理論上以下の特性を持つ高質のステレオ再生を行う能力に不利な影響を与える。
【0054】
・リスナーが左右のチャンネルを再生するスピーカーからほぼ等距離に位置している結果としての、信用できかつ安定した像又はサウンドステージ、及びリスナーの耳における直間サウンドの十分に高い比。
【0055】
・全てのリスニングポジションでの快い音質バランス。
【0056】
・均一な音場による雰囲気感。
【0057】
前述の問題を部分的に緩和することができる自動車用オーディオシステムは、いくつかの特徴を備えている。例えば、左又は右のスピーカーへの比例音量を増加させるために、乗員が手動でサウンドバランスを調整することができる。いくつかの自動車用オーディオシステムは、運転手にとって最適なサウンドを作り出す“ドライバーモード”ボタンを有している。しかしながら、左右の乗員のリスニング軸は異なるので、自動車の一方の側の乗員(例えば運転手)を満足させるバランスの調整は、通常、自動車の他方の側に座る乗員のサウンドを悪化させるだろう。さらに、バランス調整は、乗員の一人による手動調整を必要とし、自動車内では、通常、利用者の介在を最小限にすることが望ましい。
【0058】
ある自動車用オーディオシステムのための別の調節モードは、中央音像を作り出す意図を持ち、双方が同一のモノラル信号を再生している左又は右のスピーカーのどちらかにリスナーがより近いときに起こる像の不安定性を減少させる、中央スピーカーを提供することにある。前述の自動車のサウンド問題を軽減する試みに考慮されてよい別の可能性ある提案は、より多くの種類の位置(例えば、シート最上部)へのより多くのスピーカーの追加を含む。このような技術は、ときどき、より心地よい効果を提供できる一方で、上述した非対象に関連する問題が依然残っているので、安定した結像を提供することができない。このような設計提案による多額の追加コストは、通常、高いコスト意識と自由競争の自動車産業においては望ましくない。また、前述したように、通常、自動車内ではスペースが重要であり、最適なスピーカー位置は限られている。
【0059】
上述した問題点、欠点、あるいは不都合の1つ以上を克服するように設計された、本明細書で述べられるような1以上の実施例によれば、望ましい自動車用サウンド再生システムは、互いに近接配置され、かつ車両の対称の中央軸の上(又は、できるだけその近く)にそれらの幾何学的中心をもつキャビネット又はダッシュボードの前に配置された一対のスピーカを備えている。サウンド再生システムはさらに、望ましくは、一対のスピーカーへオーディオ信号を供給するサウンドプロセッサーを備えている。左右中央スピーカー対が効果的に互いに隣接しているので、サウンド情報の到着時間の差は、最小になり、両スピーカーの相対的音量レベルは、ほとんど同じままである。さらに、左右の両乗員は、中央のスピーカー対からほぼ同じ音量レベルを経験し、直接−間接サウンド比は最小化される。
【0060】
望ましい実施例によれば、サウンドプロセッサーは、2つの近接配置されたスピーカによって生み出された音像を、例えば、キャンセル信号が左右チャンネルの差から生み出されるような、クロスキャンセル技術を用いて、“広げる”よう動作する。得られた差信号は、増減され、(もし必要なら)遅延させられて、左チャンネルに加えられまた極性を逆にして右チャンネルに加えられる前にスペクトル変調される。差チャンネルへのスペクトル変調は、各チャンネルの低周波数信号が類似しているときに低音の消失を引き起こす差処理のあと、正しい音質バランスを修復するために、望ましくは、指定された周波数範囲にわたる低周波増大の形を取る。付加的な位相補償全パス回路が、キャンセル信号とダイレクト信号との間の正しい位相関係が、所望の周波数範囲にわたって維持されるように、通常の最小位相シフトスペクトル変調回路によってもたらされる特別な位相シフトを正すため、差チャンネルに挿入される。
【0061】
あるいは、左右両チャンネルへの適切かつ実質上同一の周波数独立の遅延の適用によって補償が提供され得る場合に、差チャンネルにスペクトル変調を施すために、線形位相回路が用いられてよい。
【0062】
種々の実施例において、一対の中央スピーカーが、自動車のフロントコンソール又はダッシュボードに挿入されあるいは一体化された、中央分割隔壁を有する共通の囲い内に配置されてよい。ある実施例において、中央スピーカー対は、実質的には、サウンドエネルギーの全てが、囲いの狭いスロットを介して前方へ、リスナーの方へ向けられるように、それらの振動板を下方へ向け、硬い反射面に近接して配置されてよい。得られる放射システムは、放射されるサウンドの波長の割には非常に小さく作ることができる寸法を有するスロットのため、常に空間が重要であるダッシュボード領域の占有量が少なく、非常に広い方向特性を持つという、二重の利益を提供する。
【0063】
改良された音質を提供するためのサウンドプロセシングと共同する一対の中央スピーカーの使用は、前述の概念をさらに広げるために、自動車内の一つの配置より多くに用いられてよい。したがって、別々に符号化された又はシミュレートされた多チャンネルサラウンドサウンドのプログラムの再生に使用するために、たとえば、同様のサウンドプロセッシングを伴う一対のリア中央スピーカーが、車両の後方、例えば後部背もたれの上部に加えられてもよい。同様に、より大きな車両(例えばリムジン)のために、一対のフロント中央スピーカーが、運転手区画と乗客区画の両方に使用されてもよい。乗客区画は、多チャンネルサラウンドサウンドを含む映画又は音楽ビデオの後部座席ビデオ上映のための応用を有している。
【0064】
図17は、本明細書で述べられるような1以上の実施例に基づく望ましい自動車用サウンドシステム1700の図である。図17において、2つのスピーカー1714,1715は、互いに近接配置され、サウンドプロセッサー1708からのオーディオ信号1732及び1733をそれぞれ受けて反応する。スピーカー1714,1715は、望ましくは、左右のスピーカーであり、(必要ではないが)名目上同一でよく、本明細書でさらに述べられるように互いに距離Δdだけ互いに離されてよく、さらに使用可能な自動車の区画又は他のスペースの大きさの制約にそれらが適合するように用意された適切なサイズとタイプを持ってよい。さらに、スピーカー1714,1715は、例えば、中央コンソールの中、又はダッシュボードの中央上部、あるいは、運転席と助手席の間の中央島状物の中のように、自動車の室内の中央軸に沿って又は近くに配置されてよい。
【0065】
サウンドプロセッサー1708は、適切なオーディオ信号源1705からの、さらに含まれているかもしれないあらゆる典型的な自動車用オーディオ構成要素(たとえば、CDプレーヤー、カセットプレーヤー、ラジオなど)からの、オーディオ入力信号1702及び1703を受ける。オーディオ入力信号1702,1703は、(カセット、CD又はDVDのような)予め録音された媒体、あらゆるディジタルオーディオファイル、あるいはこのオーディオシステムにより受信されるあらゆる無線放送(例えばラジオ)を含む、あらゆるオーディオ生成物から得てよい。サウンドプロセッサ1708は、望ましくは、本明細書にさらに詳細に述べられる技術にしたがってステレオサウンド信号1702,1703を処理し、処理された信号1732,1733を(あらゆる望ましい増幅又はレベルシフトのあと)一対の近接配置されたスピーカー1714,1715へ供給する。ステレオ信号1702,1703は、また、直接又は(もしも特定の追加又は補足のサウンド処理が望まれるなら)サウンドプロセッサー1708を介して、もし存在するなら図17に示される左のスピーカー1724及び右のスピーカー1725のような、追加のスピーカーへ随意送られる。
【0066】
望ましい実施例において、サウンドプロセッサー1708は、大雑把に言って、2つのオーディオチャンネル1702,1703間の差を求め、中間差信号をスペクトル変調し、それから、増減した後、それを適切な極性で左右のチャンネルに加えることによって、サウンドイメージを効果的に“広げる”ために作用する。スピーカー1714,1715が、互いに隣接して並べて配置されているとき、得られる現象は、スピーカー1714,1715が近接配置されているという事実にもかかわらず、ステレオ音像の明らかな拡張を引き起こす。
【0067】
サウンドプロセッサー1708によって実行される低音リフトあるいはスペクトル重み付けは、位相等化を利用することにより補償され得る位相シフトを引き起こす。左右オーディオチャンネル1702,1703が、実質上、スペクトル変調された差信号と同位相であるように、混合(即ち、クロスキャンセル)の前に、相補的な位相補償が、オーディオチャンネル1702,1703のそれぞれに供給され得る。低音リフト又はスペクトル重み付けが、線形位相フィルタリングを使って成し遂げられる場合には、差チャンネルの線形位相等化器によって生成される付加的な遅延を補償するために、望ましくは等しい遅延が左右両方のオーティオチャンネル経路へ加えられるが、位相等化は不用であるか又は望ましくない。スピーカー1714,1715の主目的は、従来の中央に配置されたスピーカーと同様、(モノラル情報はスピーカー1714,1715へ送られるけれども、)必ずしもモノラル情報のみを提供するためではなく、むしろ、適切な中間−高周波数処理及び(サウンドプロセッサー1708を介した)混合と組み合せたときに、リスニング軸に関係なく左右両方の乗員へよりよいステレオ提示を行う、ステレオ情報の左右対象の広がり生成することにある。
【0068】
2つの中央スピーカー1714,1715は、互いに接近しているので、サウンド情報の所定のリスナーへの到着時間の差は最小となり、所定のリスナーによって感知される両スピーカーの相対的音量レベルは、ほぼ同一である。また、左右両方の乗員は、通常、中央スピーカー対1714,1715からほぼ同じ音量レベルを経験する。近接配置されたスピーカーが、クロスキャンセル処理により生じる大きく位相が異なる低周波数成分を潜在的に放射できない場合、非常に低い周波数は、ローパスフィルターにより分離され、別のサブウーハーへ向かわせることができる一方、対応するハイパスフィルターは、ハイレベルの低周波数信号がより小さいスピーカーへの過負荷となるのを防止するために利用できる。比較的小さな中央スピーカー1714,1715にとって対応が困難なあらゆる低音オーディオ成分のために、左右のオーディオチャンネル1702,1703が、可能ならサウンドプロセッサー1708又は他の適切な手段により提供されるような中間/高周波数の減衰及び/又は低/低音周波数の増大とともに、左右のバススピーカー1724,1725へそれぞれ供給される。中間/高周波数が近接配置された中央のスピーカー対によって出力され、低周波数が左右のドアに取りつけられたスピーカーによって出力される実施例においては、より高い音量レベルを得るために、概して、少ないパワーですむので、優れた増幅効果が得ることができる。
【0069】
スピーカー1714,1715が、フロントコンソール又はダッシュボードに設置されるか、あるいは、自動車の中央軸上又は近くに設置されたとき、それらは、リスナーの耳への比較的妨げる物のない経路を持つように、十分に高い所に(必要ではないが)設置されてよく、それにより、座席や乗員の体のような障害物による音の消失や減衰を避ける。このような実施例において、スピーカー1714,1715は、遮られること及び反射されることがより少なく、より大きなスペースにサウンドが広がることを許す、理想の又は少なくとも望ましい音響位置、に配置される。
【0070】
サウンド処理された情報を受けるスピーカー対(例えば、図17のスピーカー1714及び1715)は、望ましくは、互いに接して配置されるが、それらは、広げられた音像、増加した安定性等の利益を提供する限り、いくらかの距離ΔDだけ離されてもよい。通常、スピーカー1714,1715間の最も遠い距離は、実験によって決めることができるが、スピーカー1714,1715が互いに離れる方向に動くに従い、性能は徐々に低下する。望ましくは、一対のスピーカー1714,1715は、これらスピーカー1714,1715によって放射されようとする最も高い周波の波長に匹敵する程度の距離よりも近くに配置される。最大周波数2kHzのとき、スピーカー1714及び1715間は、中心から中心までの距離で約6インチに相当するであろう。しかしながら、本明細書で述べられるようなサウンドプロセッシング技術から最大の利益を得るために、スピーカー1714,1715は、理想的には、直に接して配置される。
【0071】
一対のスピーカー1714,1715が接して配置されているとき、それらは、例えば自動車のフロントコンソール又はダッシュボードに挿入又は一体化されるか、あるいは、自動車の中央軸の近くのどこかに配置される共通の囲いの中に、(望ましくは気密の)中央分離仕切りとともに置かれる。図20−1,20−2及び20−3は、本明細書に述べられる様々な技術のとおりに左右のオーディオチャンネルからサウンド処理された信号を受けて応答する一対のスピーカー2014,2015を収容する、特にスペースが限られている場合に適している、囲い2001の一例をしめす。図20−1は、スピーカー対2014,2015を収容する典型的なスピーカー囲い2001の前部切取図、図20−2は、図20−1に示されるスピーカー囲い2001の水平断面図、及び図20−3は、図20−1及び図20−2に示されるスピーカー囲い2001の斜め正面図である。恐らく図20−3に最もよく示されているように、この例のスピーカー囲い2001は、望ましくは実質上長方形で、望ましくは自動車の前部コンソールの“ダイン”規格のスロット(約8インチ×2.5インチ)にするりと入れられるかさもなければぴったり合うような寸法で設計される。スピーカー囲い2001は、前部パネル2032、一対のサイドパネル2030、上部パネル2035、底部パネル2038、及びできれば後部パネル2031を含んでよい。2つのスピーカー2014,2015を分離するために、図20−1及び20−2に示されるような内部壁2016が、スピーカー2014,2015の間に配置し、それによりスピーカー2014,2015を各々収容する2つの分離スピーカー室を作ってよい。
【0072】
スピーカー対2014,2015は、真正面へ向けられてよいが、本例においては、スピーカー2014,2015は、図20−1に示されるように下方に向けられる。そのように向けられたとき、スピーカー2014,2015からのサウンドが、自動車内のリスナーの方へ向けて、外側へ放射されるように、スロット2019はスピーカー囲い2001の下部に設けられてよい。そして、スピーカー2014,2015は、事実上、スロット2019のサイズに一致する大きさの表面スペースを占めるだけである。自動車環境において、前部コンソール/ダッシュボードのスペースは、一般的に十分ではないので、非常に貴重であり、したがって、費やされる表面スペースの大きさを小さくして、前部コンソール/ダッシュボードに2つのスピーカー2014,2015を配置することができることは、非常に好都合である。オーディオシステムコントロール/ディスプレイ又はその他の従来のコンソール装備(コントロール、LCD又は他の表示器、空気孔など)は、スピーカー囲い2001の前部パネル2032に取りつけあるいは一体化することができ、それにより前部パネル2032の利用可能な表面スペースは、有益に利用される。
【0073】
また、そのように向けられたとき、スピーカー2014,2015は、(コンソールスペースが限られていると仮定して)大きくできる可能性がある。例えば、スピーカーが前方に向けられたならば、ダインスペースに適合するためには、通常2.5インチ以下でなければならないのに対して、各スピーカーは、8インチのダインスペースにぴったり合う、約4インチ(合計で差し渡し8インチ)にすることができる。中央スピーカーユニットにより大きなスピーカーを配置できることは、より良い低音再生を可能にし、それにより、左右チャンネルの低音情報を伝えるサイドの(例えば、ドアに配設された)バススピーカーの必要性を減少させ、あるいはもしかすると不要にする。
【0074】
スピーカー2014,2015を下方へ向けることの効果は、図20−4に概念的に示されており、それは、平面2091に向け下向きに向けられた一般的なスピーカー2090を示している。スピーカー2090からのサウンド出力は、平面2091に沿って中央点から外側へと、原則的に全方向(即ち、全周360°)に放射される。したがって、スピーカー2014,2015からのサウンドが、自動車内でリスナーの方へ向かって外側へ放射されるように、スロット2019は、図20−1及び図20−3に示されるように、望ましくは、スピーカー囲い2001の下部に配される。サウンドがスピーカー囲いの(もしあれば)背面パネル2031で反射されないように、スピーカー2014,2015の外部容器にできれば一致する分離層2012(例えば、発泡体)が、図20−2に示されるように、スピーカー囲い2001内側に配置される。得られるスピーカー囲いの配置構成において、スピーカー2014,2015からのサウンドの広がりは、スロット2019を通して自動車内のリスナーへきれいに放射される。
【0075】
代わりとなる実施例において、同様の効果を得るために、スピーカー2014.2015が、下方の代わりに上方に向けられ、スロット2019がスピーカー囲い2001の最上部に設けられてよい。また、スロット2019と同様の、水平ではなく垂直方向の一対のスロット(各スピーカー2014,2015に一つ)とともに、スピーカー2014,2015が互いに離れる方向に向けて横向きに配置されてもよい。そのような実施例においては、スピーカー囲いの寸法は、高くて狭い。
【0076】
ある状況下では、図20−1から図20−3に示されるスピーカー囲い配置構成において、(2kHzを超えるような)高い周波数が、失われ、あるいは低減される。それゆえ、1以上の小さい付加的なスピーカー2017(例えば、ツイーター)が、高周波を放射するために、スピーカー囲い2001の前部パネル2032内の、スピーカー2014,2015の“ベル”の上方に、都合よく配置される。
【0077】
図20−1乃至図20−3に示されるスピーカー囲い2001が、自動車のダイン規格のスペースへの配置に確かに都合がよい一方で、近接配置されたスピーカー1714,1715は、スピーカー囲い2001に収容されているかいないかに拘らず、前部ダッシュボードの頂上、後部背もたれの上方、或いは前部座席間または前後座席間に置かれた中央コンソール内または島状部内のような、自動車の別のエリアに配置かれてよいことが理解されるべきである。望ましくは、近接配置されたスピーカー1714,1715は、最良の音質を両側の乗員へ均等に提供するように、自動車の中央軸の上又は近くに配置される。
【0078】
自動車内のスペースの制約のため、中央に配置されるスピーカー(例えば、図17のスピーカー1714,1715)のサイズは、制限されるかもしれない。しかしながら、より小型のスピーカーは、低い周波数の喪失が問題となりがちである。中央スピーカー対が小型の場合の低周波成分の喪失を補償するために、左右のバススピーカー(例えば、スピーカー1724,1725)が、例えば、自動車のドアに組み込まれるなどして、適切な位置に備えられる。左右のドアスピーカーに供給された左右のオーディオチャンネルは、中間/高周波数を弱め、及び/又は、低音オーディオ成分を強めるために処理される。約100Hzよりも低い周波数が、リスナーによって一箇所に集中させられることが通常はないということがよく知られているので、ドアスピーカーを通じて低音周波数を提供することが、中央スピーカー対によって提供される中間/高周波数のステレオ効果を壊すことはないだろう。
【0079】
さらに、前述したように、非常に低い周波数の低音オーディオ成分をさらに増大させるために、サブウーハーが自動車内の適切な位置に加えられてよい。サブウーハーは、例えば、車の後部コンソールの中、後部背もたれの上方、或いは、その他の適切な位置に配置されてよい。
【0080】
ある状況において、自動車の後部座席の乗員は、ステレオ源(即ち、中央前部スピーカー)からより遠いので、実際には、前部乗員よりもより一層良い音質を経験できる。前部乗員に、より一層改善された音質を提供するために、さらに種々の変更がなされてよい。例えば、前部コンソール又はエリアに配置された近接配置されたスピーカー対と同様のスピーカー対が、また、自動車の後部、例えば、後部背もたれの頂上、又は、後部区画棚の中に配置できる。近接配置されたフロントスピーカー対ヘ送られるのと同一の信号が、リアスピーカー対へ送られために利用できる。必要なら、図20A−20Cに示されるような、近接配置されたスピーカー対を収容しているスピーカー囲い2001が、これらのリアスピーカー対を収容するために、車両の後部に配置されてよい。
【0081】
図19−1は、自動車1900の簡略化された上面図であって、自動車1900の前部(例えば、前部コンソール又は前部ダッシュボード)への(スピーカー囲い内か否かに拘らず)近接配置された一対のスピーカー1905の配置の一例を、例えば追加された低音又は低い周波数のオーディオ成分を提供するための、2つのドアに取り付けられたスピーカー1907,1908の追加とともに示す。図19−2は、自動車1920の後部に(スピーカー囲いの内か否かに拘らず)近接配置されたスピーカー対1930が加えられた、図19−1と同様の一例を示す。図19−3は、運転手区画と乗員区画とが分離しているリムジンのように大きな車両におけるスピーカー配置の一例を示す。運転手区画1941において、その配置は図19−1と同様であり、車両1940の前部エリア(例えば、コンソール、ダッシュボードなど)の一対の近接配置されたスピーカー1945と、一対のドアに取り付けられた左右スピーカー1947,1948とを備えている。乗員区画1942において、その配置は図19−2と同様であり、一方が乗員区画1942の前部に他方が後部に配された2対の近接配置されたスピーカー1955,1960と、一対の左右のドアに取り付けられたスピーカー1957,1958とを備えている。もちろん、これらの例のいずれにも、個々の必要性及び性能、車両の空間の制限やコストなどの制約に基づいて、いくつかの付加的なスピーカー及びオーディオ部品が加えられてよい。
【0082】
ある応用においては、本明細書で既に述べた近接配置されたスピーカーの配置構成とともに、自動車用システムにサラウンドサウンド又は他の多チャンネル能力を備えることが望ましい。例えば、バンやその他の大きな車両は、潜在的に車両用オーディオシステムを通じて再生されるサウンドとともに、ディジタルオーディオ・ビジュアル媒体を車両の乗員に提示することを許すDVDシステムを有してよい。他の場合には、記録媒体上の左右のサラウンドチャンネルの存在によって、または、単に左右チャンネルの相対的音量における極端で意図的な不一致の存在によって生じる、極端な左右方向の指向性を持つサウンドを考慮することが望ましい。
【0083】
一対の近接配置された中央スピーカー2114,2115とともに、改善された極端な左/右サウンドを潜在的に提供するための自動車用サウンドシステム2100の一例を示すブロック図が、図21に示されている。そこに示されているシステム2100は、車両の乗員のために拡大されたステレオ音像のファントムを生成する近接配置された中央スピーカー2114,2115に関して、図17のサウンドシステム1700に関して述べたように動作する。さらに、サウンドシステム2100は、左右のオーディオ信号2102,2102が、低音トーンを強めるために、任意に、低音を強めるローパスフィルター2181、2182をそれぞれ介して、左右のドアに取りつけられたスピーカー2124,2125へ供給されることを示す。近接配置されたスピーカー2114,2115にとって困難かもしれない、極端な左/右サウンドを生成するために、左右のオーディオチャンネル2102,2103の差の(利得係数kによって決定される)ある部分が、左右のドアに取りつけられたスピーカー2124,2125へ供給される信号にそれぞれに混合される。左右のオーディオチャンネル2101,2102の振幅(及び周波数)が近いとき、ドアに取り付けられたスピーカー2124,2125へ供給される左右のチャンネルに混合された信号は、無視できる。しかしながら、左右のオーディオチャンネル2102,2103の差が大きくなるにつれて、(どちらのチャンネルが大きいかに依存して)左又は右のチャンネルへ供給される信号が比例して(線形又は比線形の形式で、性能に依存して)大きくなる。左右のオーディオチャンネル2102,2103の大きな差は、図21のサウンドシステム2100において、左又は右のドアに取り付けられたスピーカー2124,2125にてうまく生成できる極端な左又は右のサウンドを表す。
【0084】
車両内で利用されてい、サラウンド又は多チャンネルサウンドシステム1800を対象とする別の実施例が、図18にブロック形式で示されている。そこに示されているように、サウンドシステム1800は、オーディオ信号源1805を含んでよい。オーディオ信号源は、サウンドプロセッサー1808へ供給される左右のオーディオチャンネル1802,1803のためのソースを提供する。サウンドプロセッサーは、図17に示されるサウンドプロセッサー1708又は近接配置された左/右中央スピーカーに関して本明細書で述べられる種々のサウンドプロセッサー実施例と同様の方法で機能する。左右のオーディオ信号1802,1803は、本実施例では、サラウンドサウンドフォーマット媒体のフロント左及びフロント右のオーディオ信号から構成されてよい。サラウンドサウンドフォーマット媒体の中央オーディオ信号は、近接配置されたスピーカー1814,1815に供給される信号1832,1833に混合されてよく、また、もし備えられているなら、付加的な中央スピーカー対1817(例えば、ツイーター)へ供給されてよい。近接配置されたスピーカー1814,1815及び付加的スピーカー1817は、例えば、図20A−20Cに示されるスピーカー囲い及び配置の形で、具体化され配置されてよい。サラウンド左及びサラウンド右のオーディオチャンネル1871,1872は、現実にはダイポーラ又はモノポーラであるサラウンド左右スピーカー1824,1825へ供給されてよい。サラウンド左右スピーカー1824,1825は、通常、周囲を取り巻くサウンドを提供するために用いられよい。サラウンド左右のオーディオチャンネル1871,1872が、現実にはモノラルであるとき、技術的に理解されるように、信号キャンセル又は同様のサウンド悪化を防ぐために、適用無相関が採用されてよい。
【0085】
左右のスピーカー1834,1835、これは、例えばドアに取り付けられたスピーカーであってよいが、は、左右のオーディオチャンネル1802,1803が直接供給されてよく、あるいは、図21のサウンドシステムに関して前述したように、低音/低周波数音声のみが、もしかすると極端な右又は左のサウンド成分と混合されて、供給されてよい。
【0086】
さらに、図18のサウンドシステムは、車両の後部に配置された、付加的な一対の近接配置されたスピーカー(図示せず)をさらに備えてもよい。もしもオーディオ製品が7.1サラウンド又は同様の多チャンネルフォーマットに符号化されているならば、付加的な一対の近接配置されたスピーカーは、前部の近接配置されたスピーカー1814,1815へ供給されるのと同一の処理がされた左右のオーディオチャンネル信号1832,1833が供給されてよく、あるいは、サラウンド左右のオーディオチャンネル信号1871,1872或いはそれに代えてサラウンドバック左及びサラウンドバック右のオーディオチャンネル信号(図示せず)から生成され同様に処理された信号が供給されてよい。
【0087】
図23は、図18のサウンドシステム1800と類維したサラウンド又は多チャンネルサウンドシステム2300の図であるが、一対(左と右)の近接配置されたサラウンドバックスピーカー2394,2395の存在を示している。図23に示される実施例において、リアサラウンドプロセッサー2398は入力として、オーディオ信号源2305から供給される2つのサラウンドバックチャンネル2392,2393を受ける。リアサラウンドプロセッサー2398は、望ましくは、近接配置されたりアサラウンドスピーカー2394,2395のために、本明細書に述べられる近接配置されたスピーカーのためのサウンド処理技術のいずれかを用いて、近接配置されたフロント右/左スピーカー2314,2315のためのと同様の方法で、2つのサラウンドバックチャンネル2392,2393にサウンド処理を施す。サラウンドバックスピーカー2394,2395のためのサウンド処理は、近接配置された前部右/左スピーカー2314,2315と全く同一である必要はなく、サラウンドバックスピーカー2314,2315が、フロント右/左スピーカー2314,1315といくらか異なる役割を果たすように、スペクトル重み付け、利得などの項目は異なってよい。
【0088】
サラウンドバックチャンネル2392,2393の内容は、符号化されたオーディオ製品のフォーマットに依存してよい。例えば、5.1サラウンドフォーマットでは、サラウンドバックチャンネル2392,2393は、右及び左のサラウンドチャンネル2371,2372と同一であってよい。6.1サラウンドフォーマットでは、サラウンドバックチャンネル2392,2393は、単一のサラウンドバックチャンネルが加えられ又は混合された、右及び左のサラウンドチャンネル2371,2372と同一であってよい。7.1サラウンドフォーマットでは、サラウンドバックチャンネル2392,2393は、望ましくは、オーディオ製品に符号化された独立の左右のサラウンドバックチャンネルである。
【0089】
本明細書に述べられたような種々の実施例において、改良された音質が、例えば、同じようなサウンド処理なしに離れて配置されたスピーカーで経験されるよりも広いエリアにわたって安定性を有するステレオ音像から得られる。したがって、オーディオ製品(例えば、サウンドトラック)が、より広いエリアにわたる最上の又は改良されたサウンドで、スピーカー配置の中央以外の場所に位置するときでさえ改良された音質を経験できるより多くのリスナーによって楽しまれる。こうして、例えば、ホームシアターサラウンドシステム又は自動車用サウンドシステムが、良質のサウンドをより多くのリスナーに提供することができる可能性があり、全ての人が特定のオーディオ製品の再生を楽しむためにスピーカー配置の中央に位置しなければならないとは限らない。
【0090】
前述の実施例のいずれにおいても、様々なオーディオ源信号が引き出されるオーディオ製品は、種々のスピーカー又はその他のシステム構成要素へ供給される前に、ミュージカル曲、オーディオビジュアル作品(DVD又はその他のデジタル記録媒体)へのサウンドトラック、あるいはその他のオーディオ成分を有するソース又は内容物などのように、あらゆる種類のあらゆる作品を構成してよい。オーディオ製品は、DVD、カセット、コンパクトディスク、CD−ROM、又はその他の記録媒体から読まれてよく、また、あらゆる利用可能なフォーマットでの放送又はポイント・ツー・ポイント伝送による無線により受信されてよい。オーディオ製品は、望ましくは、少なくとも左チャンネルと右チャンネルの(符号化された又はされていない)情報を有するが、また、付加的なチャンネルを含んでよく、さらに、例えば、ドルビーAC3、DTS、DVDオーディオなどの、サラウンドサウンド又は他の多チャンネルフォーマットに符号化されてもよい。オーディオ製品は、また、例えば、MP3フォーマットやディジタルマルチメディアフォーマットのようなオーディオ再生に使用されるあらゆるフォーマットで、一時的に又は永続的に保存されたディジタルファイルから構成されてよい。
【0091】
本明細書で述べられた種々の実施例は、ディジタル又はアナログ技術のいずれか、又はそれらのあらゆる組み合せを使って実施できる。本明細書で使用される用語“回路”は、概して、アナログ構成要素、別個のディジタル構成要素、マイクロプロセッサーによる処理又はディジタル信号処理(DSP)、又はそれらのあらゆる組み合せ、を含む意味である。本発明は、種々のサウンド処理実施例の動作が実行される特定の方法によって限定されてはならない。
【0092】
ある望ましい又は模範的なフィルター特性、伝達関数などの例が本明細書に提供されたが、システム構成要素のいずれかの特定の特性が、特定の手段、スピーカ形式、相対的スピーカー間の距離、周囲の状況、及びその他の要素に依存して、変えられてよいということが理解されるだろう。それゆえ、本明細書に提供されるあらゆる特定の特性は、例示であって限定するものではないことを意味している。また、種々の実施例に関して本明細書で述べられるスペクトル重み付けフィルターのような、ある構成要素は、個人のサウンド嗜好に合わせて調節できるようにプログラム制御できるようにしてもよい。
【0093】
本明細書に述べられる種々の実施例におけるスペクトル重み付けフィルターは、200Hzから2kHzより狭い又は広い帯域にわたるスペクトル重み付けを行ってもよい。スペクトル重み付けのために選択された周波数帯が広すぎる場合は、飽和が起こるか切り取りが生じ、その一方、選択された周波数帯が狭すぎる場合は、広げる効果が不十分になる。また、ある実施例において説明されたスペクトル重み付けフィルター内でのように、高い周波数でのクロスキャンセルが緩和されない場合は、ある周波数でゼロとなるくし型フィルター効果が生じるかもしれない。それゆえ、スペクトル重み付け周波数帯、及び特定のスペクトル重み付け形態は、望ましくは、スピーカー出力の全体的な質と効果だけでなく、スピーカー及び電子部品の物理的制限をも考慮して選択される。
【0094】
あるシステム構成要素は、互いに“接続されている”と述べられているが、そのような文言が、それらの構成要素が実際に物理的に互いに接続されているか否か、あるいは、介在する要素があるか否かにかかわらず、データ通信又は移動のあらゆる形式を含んでいることが理解されなければならない。
【0095】
いくつかの実施例において、左右の信号のクロスミキシングが、スピーカー対が位相のずれた音波を再生することを余儀なくするので、近接配置されたスピーカー対がクロスキャンセルなしの場合より激しく動作することを強いられるかもしれない。この効果を補償するために、例えば、いくつかの実施例において、オーディオ信号を近接配置されたスピーカー対へ供給する増幅器のサイズを増加させることが望ましいかもしれない。本明細書に述べられる実施例のいくつかにおいて、自動車用サウンドシステムに使用されるスピーカーは、現実には、受動的又は能動的(即ち、組み込み又は搭載への適用性能を有する)であってよい。種々のオーディオチャンネルは、個々に増幅され、レベルシフトされ、増大され、あるいは、個々のスピーカー又はスピーカー対のために適切に調整されてよい。
【0096】
本発明の望ましい実施例が本明細書に既に述べられたが、本発明の概念及び適用範囲内で多数の変形が可能である。そのような変形が、本明細書と図面の検討のあとで、当業者に明らかになるだろう。それゆえ本発明は、全ての添付された請求項の趣旨及び範囲内を除いて限定されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】5.1サラウンドシステムにおけるサウンドトラックの再生を説明するための図である。
【図2】7.1サラウンドシステムにおける5.1サラウンドフォーマットサウンドトラックの再生を説明するための図である。
【図3】7.1サラウンドシステムにおける6.1サラウンドフォーマットサウンドトラックの再生を説明するための図である。
【図4】7.1サラウンドシステムにおいて6.1サラウンドフォーマットを再生する状況での“スイートスポット”の概念を説明するための図である。
【図5】リスナーの移動に伴うファントムイメージの移動を説明するための図である。
【図6】本明細書で述べられる好ましい実施例に基づくサラウンドシステム用のスピーカー配置構成の図である。
【図7】図6に示されるサラウンドサウンドシステムにおける6.1サラウンドフォーマットの再生を説明するための図である。
【図8】例えば図6に示されるスピーカー配置構成とともに使用される、本明細書に開示される一以上の実施例に基づくサウンドプロセッシングシステムの簡略化されたブッロク図である。
【図9−1】例えば図6に示されるシステムとともに使用される、サウンドプロセッシングシステムのより詳細な図である。
【図9−2】図9−1に示される配置にほぼ一致するサウンドプロセッシングシステムの図であって、ある処理ブロックのあり得る伝達関数特性の例をさらに示している。
【図10】サウンドプロセッシングシステムの図であって、代表的な伝達関数を示している。
【図11】サラウンドシステムに用いられるような、図8及び図9に示されたシステムの一般原則に基づくサウンドシステムの図である。
【図12】例えば図6または11に示されるような、サラウンドシステムにおいて、5.1サラウンドフォーマットを再生するための処理/動作を説明するための概念図である。
【図13】特定のスペクトルの重み付け及びその他の特性を有するサウンドプロセッシングシステムのための周波数応答及び位相伝達関数の例を説明するためのグラフである。
【図14】特定のスペクトルの重み付け及びその他の特性を有するサウンドプロセッシングシステムのための周波数応答及び位相伝達関数の例を説明するためのグラフである。
【図15−1】図9−2に基づくサウンドプロセッシングシステムのための、利得及び/又は位相伝達関数の例を説明するためのグラフである。
【図15−2】図9−2に基づくサウンドプロセッシングシステムのための、利得及び/又は位相伝達関数の例を説明するためのグラフである。
【図15−3】図9−2に基づくサウンドプロセッシングシステムのための、利得及び/又は位相伝達関数の例を説明するためのグラフである。
【図16】線形スペクトル重み付けフィルターを備えたサウンドプロセッサーの図である。
【図17】本明細書に開示される一以上の実施例に基づく好ましい自動車用サウンドシステムの図である。
【図18】自動車又はその他の車両用のサラウンドサウンドシステムの図である。
【図19−1】一対のセンタースピーカーの可能な配置を示す図である。
【図19−2】一対のセンタースピーカーの可能な配置を示す図である。
【図19−3】一対のセンタースピーカーの可能な配置を示す図である。
【図20−1】一対のステレオスピーカーのための好ましいスピーカー囲いの前部切取図である。
【図20−2】図20−1に示されるスピーカー囲いの横断面上面図である。
【図20−3】図20−1及び図20−2に示されるスピーカー囲いの斜め正面図である。
【図20−4】図20−1乃至図20−3のスピーカー囲い内のスピーカのような、下方に向けられたスピーカからの音響反射を説明するための図である。
【図21】近接配置されたセンタースピーカー対に関して、改良された最高の右/左サウンドを提供する可能性を秘めている、自動車用サウンドシステムの一例を示すブロック図である。
【図22】本明細書に開示されるような様々な実施例におけるスピーカーの分離と、差チャンネル利得との関係を示すグラフである。
【図23】自動車又はその他の車両用のサラウンドシステムの他の実施例の図である。
【図24−1】従来技術と本明細書に開示される様々な実施例との間の、スピーカ配置とサウンドプロセッシングの音響効果を比較する図である。
【図24−2】従来技術と本明細書に開示される様々な実施例との間の、スピーカ配置とサウンドプロセッシングの音響効果を比較する図である。

Claims (67)

  1. 近接して配置された左スピーカー及び右スピーカー、
    左チャンネルオーディオ信号、
    右チャンネルオーディオ信号、及び
    入力として前記左オーディオ信号と前記右オーディオ信号とを受けるサウンドプロセッサーとを備え、該サウンドプロセッサーが、前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号を前記左スピーカー及び前記右スピーカーへそれぞれ供給する前に、スペクトル重み付けされたステレオ差信号を前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号でクロスキャンセルするために構成されている、
    ことを特徴とするサウンドシステム。
  2. 請求項1のサウンドシステムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、前記左チャンネルオーディオ信号と前記右チャンネルオーディオ信号との差を表す差信号を生成し、前記差信号にスペクトル重み付けを行い、それによって前記スペクトル重み付けされた信号を生成するために構成されていることを特徴とするサウンドシステム。
  3. 請求項2のサウンドシステムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、前記差信号を生成するための減算器を備えることを特徴とするサウンドシステム。
  4. 請求項2又は3のサウンドシステムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、前記差信号に前記スペクトル重み付けを行うためのスペクトル重み付けフィルターを備え、該スペクトル重み付けフィルターが、比較的均一の利得の第1のフィルター領域、周波数の増加に伴って概して減少する利得を有する第2のフィルター領域、及び比較的均一の利得の第3の領域によって特徴付けられることを特徴とするサウンドシステム。
  5. 請求項4のサウンドシステムにおいて、前記スペクトル重み付けフィルターが、さらに、ほぼ200Hzでの、前記第1の領域から前記第2の領域へのロールオフによって特徴付けられることを特徴とするサウンドシステム。
  6. 請求項5のサウンドシステムにおいて、前記スペクトル重み付けフィルターが、ほぼ2kHzでの、前記第2のフィルター領域と前記第3のフィルター領域との間の境界によって、さらに特徴付けられることを特徴とするサウンドシステム。
  7. 請求項2,3,4,5または6のサウンドシステムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、前記差信号に前記スペクトル重み付けを行う線形フィルターを備えることを特徴とするサウンドシステム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかのサウンドシステムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、さらに、スペクトル重み付けされた差信号の位相をクロスキャンセルの前に等化するための位相等化器と、所望のクロスキャンセルの周波数帯にわたり前記位相等化器及び前記スペクトル重み付けフィルターに対して相補的な位相特性を有し、クロスキャンセルの前に前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号のそれぞれに沿って直列に置かれる複数の位相補償器と、を備えることを特徴とするサウンドシステム。
  9. 請求項8のサウンドシステムにおいて、前記位相等化器が、第1の伝達関数を集合的に持つ複数の全パスフィルターを備え、かつ前記位相補償器のそれぞれが、所望のクロスキャンセルの周波数帯にわたり、前記位相等化器と前記スペクトル重み付けフィルターとの組み合わせ位相特性に対し相補的な第2の伝達関数を集合的に持つ複数の全パスフィルターを備えることを特徴とするサウンドシステム。
  10. 請求項8のサウンドシステムにおいて、前記位相等化器が、二次フィルターからなることを特徴とするサウンドシステム。
  11. 請求項1乃至10のいずれかのサウンドシステムにおいて、前記左チャンネルオーディオ信号が、サラウンド左スピーカーに連結されたサラウンド左チャンネルオーディオ信号を含み、前記右チャンネルオーディオ信号が、サラウンド右スピーカーに連結されるサラウンド右チャンネルオーディオ信号を含み、前記左スピーカー及び前記右スピーカーが、サラウンドサウンドシステムに用いられるサラウンドバック左スピーカー及びサラウンドバック右スピーカーをそれぞれ構成することを特徴とするサウンドシステム。
  12. 請求項1乃至11のいずれかのサラウンドシステムにおいて、前記サウンドプロセッサーの全部又は一部がデジタル領域で実施されることを特徴とするサウンドシステム。
  13. 請求項1乃至12のいずれかのサウンドシステムにおいて、前記左スピーカー及び右スピーカーは、当該左右のスピーカーによって放射される最も高い周波数の波長に相当する距離以内に配置されることを特徴とするサウンドシステム。
  14. 請求項1乃至13のいずれかのサウンドシステムにおいて、前記左スピーカーと前記右スピーカーとが、直に隣接していることを特徴とするサウンドシステム。
  15. 請求項1のサウンドシステムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、
    入力として前記左チャンネルオーディオ信号と右チャンネルオーディオ信号を受け、前記左チャンネルオーディオ信号と前記右オーディオ信号との差を表す差信号を出力する減算器、
    入力として前記差信号を受け、スペクトル重み付け信号を出力するスペクトル重み付けフィルター、及び
    前記スペクトル重み付けされた信号を前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号と混合し、それによって、前記左スピーカーのための第1のスピーカー信号と前記右スピーカーのための第2のスピーカー信号とを生成するためのクロスキャンセル回路
    を備えることを特徴とするサウンドシステム。
  16. 請求項15のサウンドシステムにおいて、前記スペクトル重み付けフィルターが、比較的均一の利得の第1のフィルター領域、周波数の増加に伴い概して減少する利得を持つ第2のフィルター領域、及び比較的均一の利得の第3のフィルター領域によって特徴付けられることを特徴とするサウンドシステム。
  17. 請求項15又は16のサウンドシステムにおいて、さらに前記スペクトル重み付けフィルターと前記クロスキャンセル回路との間に配された位相等化器を備えていることを特徴とするサウンドシステム。
  18. 請求項17のサウンドシステムにおいて、さらに、前記左チャンネルオーディオ信号と前記クロスキャンセル回路との間に配された第1の位相補償器と、前記右チャンネルオーディオ信号と前記クロスキャンセル回路との間に配された第2の位相補償器とを備え、前記第1の位相補償器が、前記位相等化器と前記スペクトル重み付けフィルターとの組み合せ位相特性に対して相補的な位相特性を有し、前記第2の位相補償器が、前記組み合わせ位相特性に対して相補的な位相特性を有していることを特徴とするサウンドシステム。
  19. 請求項18のサウンドシステムにおいて、前記位相等化器が、複数の全パスフィルターを備え、前記第1の位相補償器及び第2の位相補償器が、各々、実質的に同一の位相伝達関数を有する複数の全パスフィルターを備えていることを特徴とするサウンドシステム。
  20. 請求項17のサウンドシステムにおいて、前記位相等化器が、二次フィルターからなることを特徴とするサウンドシステム。
  21. 請求項1乃至20のいずれかのサウンドシステムにおいて、前記左スピーカー及び前記右スピーカーが、車両内に配置されていることを特徴とするサウンドシステム。
  22. 請求項21のサウンドシステムにおいて、前記左スピーカー及び前記右スピーカーが、車両の実質上中央軸の上又は近くに配置されていることを特徴とするサウンドシステム。
  23. 請求項21又は22のサウンドシステムにおいて、前記左スピーカーと前記右スピーカーが、共通のハウジング内に備えられていることを特徴とするサウンドシステム。
  24. 請求項23のサウンドシステムにおいて、前記右スピーカー及び左スピーカーが、前記共通のハウジングの平らな面に向けて下方又は上方に向けられており、前記共通のハウジングが、前記平らな面の縁の近くに、前記左スピーカー及び前記右スピーカーからのサウンドを妨害なしに前記共通のハウジングの内側から発散させる少なくとも一つのスロットを規定していることを特徴とするサウンドシステム。
  25. 請求項24のサウンドシステムにおいて、さらに、前記共通のハウジング内で前記スロットの反対側に設けられた分離材を備え、当該分離材が通常前記左スピーカー及び右スピーカーの外観に一致していることを特徴とするサウンドシステム。
  26. 請求項23,24又は25のサウンドシステムにおいて、前記共通のハウジングの中又は上に設けられた1以上の付加的なスピーカーをさらに備え、当該1以上の付加的なスピーカーが、車両の室内へ直接向けられていることを特徴とするサウンドシステム。
  27. 請求項21,22,23,24,25又は26のサウンドシステムにおいて、さらに、一対のドアに取り付けられた左右のスピーカーを備えることを特徴とするサウンドシステム。
  28. 感知されるエリアとステレオ音像の安定性とを増大させるような方法で、サウンドを適用的に再生する方法であって、
    左スピーカーと右スピーカーとを近接配置し、
    左チャンネルオーディオ信号を受け、
    右チャンネルオーディオ信号を受け、及び
    前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号を前記左スピーカー及び前記右スピーカーへそれぞれ供給する前に、スペクトル重み付けされたステレオ差信号を前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号でクロスキャンセルするステップを含み、前記スペクトル重み付け差信号が前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号に由来するものであることを特徴とする方法。
  29. 請求項29の方法において、前記スペクトル重み付けされた差信号が、前記左チャンネルオーディオ信号と前記右チャンネルオーディオ信号との差を表す差信号を得て、該差信号がスペクトル重み付けフィルターへ供給されることにによって生成されることを特徴とする方法。
  30. 請求項29の方法において、前記スペクトル重み付けフィルターが、比較的均一な利得の第1のフィルター領域、周波数の増加に伴って概して減少する利得を有する第2のフィルター領域、及び比較的均一な利得の第3の領域によって特徴付けられることを特徴とする方法。
  31. 請求項30の方法において、前記スペクトル重み付けフィルターが、さらに、ほぼ200Hzでの、前記第1の領域から前記第2の領域へのロールオフによって特徴付けられることを特徴とする方法。
  32. 請求項31の方法において、前記スペクトル重み付けフィルターが、ほぼ2kHzでの、前記第2のフィルター領域と前記第3のフィルター領域との間の境界によって、さらに特徴付けられることを特徴とする方法。
  33. 請求項29,30,31又は32の方法において、さらに、前記低音増大ステレオ差信号を前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号でクロスキャンセルするステップの前に、前記スペクトル重み付けフィルターの出力の位相等化を行うステップを含むことを特徴とする方法。
  34. 請求項33の方法において、さらに、前記スペクトル重み付けフィルターの出力の位相等化を実行するするステップを補償するために、前記左チャンネルオーディオ信号及び右チャンネルオーディオ信号の各々の位相補償を実行するステップを含むことを特徴とする方法。
  35. 請求項34の方法において、前記スペクトル重み付けフィルターの出力の位相等化を実行するステップが、第1の複数の全パスフィルターを用いて行われ、前記左チャンネルオーディオ信号及び右チャンネルオーディオ信号の各々の位相補償を実行するステップが、第2及び第3の全パスフィルターを用いて行われることを特徴とする方法。
  36. 請求項34の方法において、前記位相等化を実行するステップが、2次フィルターを用いて実行されることを特徴とする方法。
  37. 請求項29の方法において、前記スペクトルフィルターが線形フィルターから構成されることを特徴とする方法。
  38. 前述の請求項28から37のいずれかの方法において、前記左チャンネルオーディオ信号が、サラウンド左スピーカーに連結されたサラウンド左チャンネルオーディオ信号を含み、前記右チャンネルオーディオ信号が、サラウンド右スピーカーヘ供給されるサラウンド右チャンネルオーディオ信号を含み、前記左スピーカー及び前記右スピーカーが、サラウンドサウンドシステムに用いられるサラウンドバック左スピーカー及びサラウンドバック右スピーカーをそれぞれ構成することを特徴とする方法。
  39. 前述の請求項28から38のいずれかの方法において、前記左スピーカーと前記右スピーカーを近接配置するステップが、当該左右のスピーカーによって放射される最も高い周波数の波長に相当する距離以内に、前記左スピーカ及び前記右スピーカーを配置するステップで構成されることを特徴とする方法。
  40. 前述の請求項28から39のいずれかの方法において、前記左スピーカーと前記右スピーカーとが直に隣接していることを特徴とする方法。
  41. 請求項28の方法において、前記スペクトル重み付けステレオ差信号を前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号をでクロスキャンセルするステップが、
    前記左チャンネルオーディオ信号と前記右チャンネルオーディオ信号との差を表す差信号を生成し、
    前記差信号にスペクトル重み付けを行い、それによってスペクトル重み付けされた信号を生成し、及び
    前記スペクトル重み付けされた信号と前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号とをクロスキャンセルし、それによって前記左スピーカー用の第1のスピーカー信号と前記右スピーカー用の第2のスピーカー信号とを生成する、
    ことを特徴とする方法。
  42. 請求項41の方法において、前記差信号を生成するステップが、減算器を用いて実行されることを特徴とする方法。
  43. 請求項41又は42の方法において、前記差信号にスペクトル重み付けを行うステップが、スペクトル重み付けフィルターを用いて実行され、前記スペクトル重み付けフィルターが、比較的均一の利得の第1のフィルター領域、周波数の増加に伴って概して減少する利得を有する第2のフィルター領域、及び比較的均一の利得の第3の領域によって特徴付けられることを特徴とする方法。
  44. 請求項41,42又は43の方法において、さらに、
    スペクトル重み付けされた信号を前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号でクロスキャンセルするステップの前に、前記差信号の位相等化を実行し、及び
    前記差信号へのスペクトル重み付けと位相等化を補償するために、前記左チャンネルオーディオ信号と前記右チャンネルオーディオ信号のそれぞれに位相補償を実行する、
    ステップを備えることを特徴とする方法。
  45. 請求項44の方法おいて、前記差信号の位相等化を実行するステップが、集合的に第1の位相伝達関数を有する第1の複数の全パスフィルターを用いて実行され、前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号のそれぞれに位相補償を実行するステップが、第2及び第3の複数の全パスフィルターを用いて実行され、前記第2の複数の全パスフィルターと前記第3の複数の全パスフィルターとが、それぞれ、前記第1の位相伝達関数と、前記差信号へスペクトル重み付けを行うステップに関連するスペクトル重み付け位相伝達関数と、の組み合せ移動伝達関数に対して相補的な集合的位相伝達関数を有していることを特徴とする方法。
  46. 請求項44の方法において、位相等化を実行するステップが、2次フィルターを用いて実行されることを特徴とする方法。
  47. 請求項41から46のいずれかの方法において、前記差信号にスペクトル重み付けを行うステップが、線形フィルターを用いて行われることを特徴とする方法。
  48. 請求項41から46のいずれかの方法において、前記差信号を生成するステップ、前記差信号にスペクトル重み付けを行うステップ、及び前記スペクトル重み付けされた信号を前記左チャンネルオーディオ信号と前記右チャンネルオーディオ信号でクロスキャンセルするステップのうち、一以上のステップの全部又は一部がデジタル領域で実行されることを特徴とする方法。
  49. 請求項28から48のいずれかの方法において、さらに、前記左スピーカー及び前記右スピーカーを車両内に配置するステップを備えることを特徴とする方法。
  50. 請求項49の方法において、さらに、前記左スピーカー及び前記右スピーカーが前記車両の中央軸の実質的に上又は近くに配置されるステップを備えることを特徴とする方法。
  51. 請求項49又は50の方法において、さらに、前記左スピーカー及び前記右スピーカーが共通のハウジング内に取り付けられるステップを備えることを特徴とする方法。
  52. 請求項51の方法において、前記右スピーカー及び左スピーカーが、前記共通のハウジングの平らな面に向けて下方又は上方に向けられており、前記共通のハウジングが、前記平らな面の縁の近くに、前記左スピーカー及び前記右スピーカーからのサウンドを妨害なしに前記共通のハウジングの内側から発散させる少なくとも一つのスロットを規定することを特徴とする方法。
  53. 請求項52の方法において、分離材が前記共通のハウジング内で前記スロットの反対側に存在し、当該分離材は通常前記左スピーカー及び右スピーカーの外観に一致することを特徴とする方法。
  54. 請求項51,52または53の方法において、前記共通のハウジングの中又は上に設けられた1以上の付加的なスピーカーを設けるステップをさらに備え、当該1以上の付加的なスピーカーは、車両の室内へ直接向けられていることを特徴とする方法。
  55. 請求項50,51,52,53又は54の方法において、一対のドアに取り付けられた左右のスピーカーをさらに備えることを特徴とする方法。
  56. サラウンド左スピーカー、
    サラウンド右スピーカー
    近接配置された一対のサラウンドバックスピーカー、
    前記サラウンド左スピーカーに電気的に接続されるサラウンド左チャンネルオーディオ信号、
    前記サラウンド右スピーカーに電気的に接続されるサラウンド右チャンネルオーディオ信号、及び
    入力として前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号を受けるサウンドプロセッサーを備え、該サウンドプロセッサーが、前記サラウンド左チャンネルオーディオ信号と前記サラウンド右チャンネルオーディオ信号との差を表す差信号を生成するために構成され、前記差信号にスペクトル重み付けを施し、それによってスペクトル重み付けされた信号を生成し、さらに、前記スペクトル重み付けされた信号を前記サラウンド左チャンネルオーディオ信号及び前記サラウンド右チャンネルオーディオ信号でクロスキャンセルし、それによって前記サラウンドバックスピーカー対への第1のスピーカー信号と第2のスピーカー信号とを生成することを特徴とする、サラウンドサウンド立体音響システムのためのサウンド再生システム。
  57. 請求項56のサウンド再生システムにおいて、前記サラウンドバックスピーカー対が、サラウンド左バックスピーカーとサラウンド右バックスピーカーとからなることを特徴とするサウンド再生システム。
  58. 請求項56のサウンド再生システムにおいて、前記サラウンドバックスピーカー対が、単一のスピーカー囲いの中に配置されていることを特徴とするサウンド再生システム。
  59. 請求項56のサウンド再生システムにおいて,さらに、左スピーカー、右スピーカー及び中央スピーカーを備えることを特徴とするサウンド再生システム。
  60. 請求項56のサウンド再生システムにおいて、さらに、前記サラウンド左チャンネルオーディオ信号と前記サラウンド左スピーカーとの間に配された第1の適用無相関回路と、前記サラウンド右チャンネルオーディオ信号と前記サラウンド右スピーカーとの間に配された第2の適用無相関回路と、をさらに備えることを特徴とするサウンド再生システム。
  61. 請求項56のサウンド再生システムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、前記差信号へスペクトル重み付けを行うスペクトル重み付けフィルターを備え、該スペクトル重み付けフィルターが、比較的均一な利得の第1のフィルター領域、周波数の増加に伴って概して減少する利得を有する第2のフィルター領域、及び比較的均一な利得の第3の領域によって特徴付けられることを特徴とするサウンド再生システム。
  62. 請求項61のサウンド再生システムにおいて、前記スペクトル重み付けフィルターが、さらに、ほぼ200Hzでの、前記第1の領域から前記第2の領域へのロールオフによって特徴付けられることを特徴とするサウンド再生システム。
  63. 請求項62のサウンド再生システムにおいて、前記スペクトル重み付けフィルターが、ほぼ2kHzでの、前記第2のフィルター領域と前記第3のフィルター領域との間の境界によって、さらに特徴付けられることを特徴とするサウンド再生システム。
  64. 請求項56のサウンド再生システムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、さらに、クロスキャンセルの前に、前記差信号の位相を等化するための位相等化器と、前記位相等化器と前記スペクトル重み付けフィルターとの組み合せ位相特性に対して相補的な複数の位相補償器とをさらに備え、前記位相補償器が、クロスキャンセルの前に、前記左チャンネルオーディオ信号及び前記右チャンネルオーディオ信号のそれぞれに沿って直列に置かれていることを特徴とするサウンド再生システム。
  65. 請求項64のサウンド再生システムにおいて、前記位相等化器が、複数の全パスフィルターを備え、前記位相補償器の各々が複数の全パスフィルターを備えていることを特徴とするサウンド再生システム。
  66. 請求項56のサウンド再生システムにおいて、前記サウンドプロセッサーが、前記差信号へスペクトル重み付けを行うための線形フィルターを備えていることを特徴とするサウンド再生システム。
  67. 請求項56のサウンド再生システムにおいて、前記サラウンド左スピーカーと前記サラウンド右スピーカーがそれぞれダイポーラスピーカーであることを特徴とするサウンド再生システム。
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