JP2004521540A - 電力増幅器のための電流ミラー補償システム - Google Patents
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Abstract
無線周波数(RF)増幅器に結合されたミラーバイアス回路内の2つの補償抵抗は、コレクタ電圧Vccが、変化すれば、トランジスタのベース−エミッタ間電圧が、調節され、それによって、RFトランジスタの零入力電流を安定化するように構成される。例えば、機器の使用中に、バッテリー電力が、消費されると、Vccは、減少する。Vccが、減少すれば、より少ない電流が、補償抵抗に引き込まれ、それによって、補償抵抗による電圧降下を減少させ、かつ、ミラーバイアス回路及び無線周波数(RF)増幅器内のトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる。したがって、Vccが減少したときにRFトランジスタの零入力電流が減少しようとする傾向は、相殺される。なぜなら、補償抵抗は、RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させ、それによって、零入力電流を増加させるからである。一実施形態においては、第1の補償抵抗の値は、ミラートランジスタの電流定格に対するバッファートランジスタの電流定格の比を第2の補償抵抗の値に乗算した値に等しい。
【選択図】図4
【選択図】図4
Description
【技術分野】
【0001】
背景技術
1.発明の分野
本発明は、一般的には、トランジスタ零入力電流の制御に関し、より詳細には、電力増幅器の電源電圧における変動を補償し、それによって、動作条件の変化に対して電力増幅器の零入力電流を安定化するためのシステムに関する。
【0002】
2.関連技術
トランジスタによって引き込まれる零入力電流は、一般的には、ベース−エミッタ間電圧及びコレクタ電圧(Vcc)が一定であれば、一定の値で近似される。そのようなトランジスタは、無線周波数(RF)送信器のための電力増幅器のような回路に使用されて所定の動作をなす場合、様々に変化する動作条件において、零入力電流をほぼ一定に維持することが重要である。
【0003】
様々に変化する動作条件において、送信器のほぼ安定したベース−エミッタ間電圧を維持するという従来技術による方法を利用することができる。1つのそのような例は、ミラーバイアス回路である。ミラーバイアス回路は、ベース−エミッタ間電圧をほぼ一定に維持するために、基準電圧(Vref)または基準電流(Iref)を使用する。しかしながら、コレクタ電圧(Vcc)を一定に維持するのが、より難しい場合がある。移動通信機器または携帯電話のように、コレクタ電圧が、バッテリー電源によって提供される場合、バッテリーは、機器を使用することによって、初期の最大限に充電した状態から放電するので、コレクタ電圧は、変化する。例えば、ある種類の移動通信機器においては、バッテリー電圧は、最大限に充電した5ボルトから開始し、低いバッテリー電源状態のために機器がシャットダウンする前に、2.8ボルトにまで降下することがある。
【0004】
コレクタ電圧の変動を最小限に抑制するために、いくつかの従来技術が、開発されてきた。1つの技術は、使用していないときに、機器が電力を消費しないようにすることである。しかしながら、そのような技術は、余計なコストがかかり、かつ、バッテリーの放電は、避けられない。別の方法には、変動するバッテリー電圧から一定のコレクタ電圧を提供する回路を使用するものがある。しかしながら、そのような回路は、機器のコストを増加させ、かつ、余計に電力を消費することになる。
【0005】
このように、この産業界においては、コストのかかる付加的な部品を使用せずに、あるいは、電力効率を付加的な制御回路によって犠牲にすることなく、所定の範囲の動作条件(コレクタ電圧の変動範囲)において、きわめて安定したトランジスタ零入力電流を提供するという課題に取り組むことがもとめられている。
【0006】
概要
本発明は、トランジスタにおける零入力電流を安定化するシステムを提供する。簡単に説明すれば、1つの実施形態は、無線周波数(RF)電力増幅器回路に結合されたミラーバイアス回路において、コレクタ電圧Vccが、変化すれば、トランジスタのベース−エミッタ間電圧が、調節され、それによって、RFトランジスタに流れ込む零入力電流が、安定化されるように構成された2つの補償抵抗を用いることによって実施されてもよい。この実施形態においては、コレクタ電圧Vccは、限定はしないが、携帯電話のような移動通信機器のバッテリー電源に対応する。第1の補償抵抗は、ミラートランジスタのベースに接続され、それによって、第1の補償抵抗、ミラートランジスタ、及び、基準トランジスタを有する直列回路を形成する。第2の補償抵抗が、バッファートランジスタのベースに接続され、それによって、第2の補償抵抗、バッファートランジスタ、及び、RFトランジスタを有する直列回路を形成する。
【0007】
コレクタ電圧Vccが、減少すると、これは、通信機器を使用中に、バッテリー電力が消費されたときに発生することがあるが、上述した2つの直列回路には、より少ない電流しか引き込まれない。第1の補償抵抗による電圧降下は、減少するので、ミラートランジスタ及び基準トランジスタのベース−エミッタ間電圧は、増加しようとする。これらの増加したベース−エミッタ間電圧は、RF電力増幅器回路に反映され、バッファートランジスタ及びRFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる。RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧が、増加するので、RFトランジスタによって引き込まれるコレクタ電流は、増加しようとする。したがって、コレクタ電圧Vccが、減少するにつれて、RFトランジスタにおいて、零入力電流としても知られているコレクタ電流を減少させようとする傾向は、RFトランジスタの増加したベース−エミッタ間電圧によるコレクタ電流を増加させようとする傾向によって相殺される。
【0008】
異なる実施形態は、第1の補償抵抗をミラートランジスタのエミッタと基準トランジスタのベースとの間に位置を換えて配置することを含む。この場合、第1の補償抵抗の値は、ミラートランジスタの増幅率(β(Mirror Transistor))倍だけ小さくなる。もう1つの実施形態は、第2の補償抵抗をバッファートランジスタのエミッタとRFトランジスタのベースとの間に位置を換えて配置する。同様に、第2の補償抵抗の値は、バッファートランジスタの増幅率(β(Buffer Transistor))倍だけ小さくなる。さらなる実施形態は、第1の補償抵抗及び第2の補償抵抗の両方を上述したように新しい位置に配置する。別の実施形態は、必要とされる補償をトランジスタのベース−エミッタ間電圧に提供する抵抗のような特性を有する電気的デバイスを使用する。
【0009】
一実施形態においては、第1の補償抵抗の値は、第2の補償抵抗の値に、ミラートランジスタの電流定格に対するバッファートランジスタの電流定格の比を乗算した値に等しい。別の実施形態においては、補償抵抗の相対的な値は、変更されてもよく、それによって、RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧に加えられる補償の量を増減させることができる。
【0010】
添付の図面及び以下の詳細な説明を吟味することによって、この分野に精通する者は、本発明のその他のシステム、方法、特徴、及び、利点を理解することができ、あるいは、それらが明らかとなる。そのようなさらなるシステム、方法、特徴、及び、利点のすべては、以下の説明の範囲に含まれ、本発明の範囲に含まれ、かつ、添付の特許請求の範囲によって保護されると解釈されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
1.RF電力増幅器回路に結合された電流ミラー回路
零入力電流を制御する際の1つの重要な要素は、機器に課されるかもしれない予測される範囲の動作条件において、ベース−エミッタ間電圧をほぼ一定に維持できることである。図1は、無線周波数(RF)電力増幅器回路124に結合された電流ミラーバイアス回路122を示すブロック図である。
【0012】
ミラーバイアス回路122は、2つのトランジスタ、すなわち、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128を含む。また、RF電力増幅器回路124は、2つのトランジスタ、すなわち、バッファートランジスタ130及び無線周波数(RF)トランジスタ132を含む。ミラートランジスタ126及びバッファートランジスタ130の両方は、エミッタフォロワトランジスタとして構成される。これらの2つのエミッタフォロワトランジスタは、それぞれ、基準トランジスタ128及びRFトランジスタ132のベースによって負荷をかけられる。それぞれのトランジスタにおいて、ベース−エミッタ間電圧降下は、比較的に一定の値であり、約1.2〜1.3ボルトである。ミラーバイアス回路122及びRF電力増幅器回路124の構成によれば、図1に示されるように、ミラートランジスタ126、バッファートランジスタ130、及び、RFトランジスタ132のコレクタは、同じ電圧すなわちVccに接続される。ここでは、Vccは、トランジスタの電源を表現し、一般的には、コレクタ電圧と呼ばれる。いくつかの移動通信機器においては、Vccは、バッテリー電源電圧に対応する。
【0013】
基準トランジスタ128のコレクタ電圧は、ノード134における電圧である。ここでは、ミラーバイアス回路122の設計構造のために、ノード134における電圧は、ほぼ一定である。さらに、ノード134における電圧は、以下で説明するように、予め定められた値に自動的に調節される。図1に示されるように、ノード134における電圧は、ミラートランジスタ126と基準トランジスタ128とによるベース−エミッタ間電圧降下によって、及び、Rrefによる電圧降下によって、決定される。ノード134の電圧は、ミラートランジスタ126と基準トランジスタ128とによる電圧降下の和に等しく、典型的には、2.4ボルト〜2.6ボルトである。また、ノード134の電圧は、ノード136における基準電圧(Vref)から基準抵抗138(Rref)による電圧降下を引いた値に等しい。ミラーバイアス回路122を備えた特定の機器を考えると、設計エンジニアは、安定した基準電圧(Vref)または安定した基準電流(Iref)をノード136に印加し、かつ、ミラーバイアス回路122の適切な安定化作用が得られるように基準抵抗138の値を決定するであろう。
【0014】
この分野に精通する者には、ミラーバイアス回路122の動作が設定されてしまえば、基準抵抗138、ミラートランジスタ126、及び、基準トランジスタ128からなる直列回路は、それぞれの回路構成要素による安定した電圧降下を有することがわかる。以下の式(1)は、上述した直列回路の特性電圧を表現する。
【0015】
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+(Vb/e)mirror+(Vb/e)ref 式(1)
上の式(1)において、「(Vb/e)mirror」は、ミラートランジスタ126のベース−エミッタ間電圧であり、「(Vb/e)ref」は、基準トランジスタ128のベース−エミッタ間電圧であり、「(Iref)」は、基準抵抗138を流れる電流であり、そして、「(Rref)」は、基準抵抗138の抵抗値である。また、ノード134からミラートランジスタ126のベースへ直接に接続されるために、ノード134における電圧は、ミラートランジスタ126に印加されるベース電圧であることに注意されたい。
【0016】
機器の動作中、システムの動作条件は、変化することがあり、それによって、ミラーバイアス回路122の電圧の平衡が、乱されることがある。例えば、トランジスタ126及び/または128の温度条件の変化は、様々なトランジスタ接続点間における電圧降下をわずかに変動させることがある。より顕著には、機器を使用するにつれて、バッテリーが、放電するので、コレクタ電圧が、変動することがある。この分野に精通する者には、システムのこれらの動作条件が、ノード134における電圧を変動させ始めると、ミラートランジスタ126と基準トランジスタ128との間にある閉ループフィードバック回路によって、ミラーバイアス回路122は、ノード134における電圧を自動的に調節し、適切な動作点に戻すことが容易に理解できる。
【0017】
電流Irefは、ノード134において、3つの方向へ分流される。ミラートランジスタ126及びバッファートランジスタ130のベースは、基準トランジスタ128のコレクタに比較すれば、大きな直流(DC)インピーダンスを有する。そのために、電流Irefのほとんど(>95%)は、基準トランジスタ128に流れる。基準トランジスタ128のコレクタ−ベース接合及びミラートランジスタ126のベース−エミッタ接合は、フィードバックループとして構成されるので、変化する動作条件下において、ミラートランジスタ126は、動作点を維持し、それによって、基準トランジスタ128は、コレクタ電流をほぼ一定に維持する。したがって、温度及びVccなどの動作条件の変化は、図1に示されるようなフィードバックループによって補償される。
【0018】
さらに、図1に示されるように、ノード134は、バッファートランジスタ130のベースに接続される。バッファートランジスタ130のエミッタは、RFトランジスタ132のベースに接続されるので、以下の式(2)からわかるように、ノード134における電圧は、また、バッファートランジスタ130のベース−エミッタ間電圧降下にRFトランジスタ132のベース−エミッタ間電圧降下を加えた値にも等しい。
【0019】
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+(Vb/e)buffer+(Vb/e)RF 式(2)
4つのトランジスタ126、128、130、及び、132のベース−エミッタ間電圧降下は、すべて、ほぼ同じなので、また、基準抵抗138、バッファートランジスタ130、及び、RFトランジスタ132からなる直列回路は、基準抵抗138、ミラートランジスタ126、及び、基準トランジスタ128からなる直列回路と同じように構成されるので、ミラーバイアス回路122内の様々な点における電圧は、RF電力増幅器回路124に鏡映され、かつ、実質的に等しい。例えば、ノード140において測定される基準トランジスタ128のベース電圧は、ノード142において測定されるRFトランジスタ132のベース電圧とほぼ同じである。
【0020】
2.トランジスタのベース電流及びベース−エミッタ間電圧
図2は、トランジスタの典型的なベース−エミッタ間電圧−ベース電流特性を示す。ベース−エミッタ間電圧がわかれば、トランジスタのベース電流を決定することができる。例えば、コレクタ電圧Vccが、3.0ボルトであり、かつ、ベース−エミッタ間電圧が、1.300ボルトであれば、そのトランジスタのベース電流は、約0.25ミリアンペア(mA)である(符号202を参照)。
【0021】
ミラーバイアス回路122及びRF電力増幅器回路124(図1)の動作条件が、トランジスタが1.300ボルト(または、それ以下)のベース−エミッタ間電圧において動作するようなものであれば、図2は、コレクタ電圧(Vcc)の変動は、トランジスタのベース電流にそれほど大きな影響を与えないことを示している。ここでは、図2は、Vccが、5.0ボルトに変化すれば、それによって、ベース電流は、約0.6mA(符号204を参照)までしか増加しないことを示している。したがって、ベース−エミッタ間電圧が、1.300ボルトに等しいとき、Vccが、3.0ボルトから5.0ボルトまで変化すれば、トランジスタに流れるベース電流は、0.25mAから0.60mAまでしか変化しない。しかしながら、トランジスタのベース−エミッタ間電圧が、わずかにより大きければ、トランジスタに流れるベース電流の変化は、Vccが変化するにつれて劇的に変わる。例えば、Vccが、5.0ボルトであり、かつ、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルトであれば、ベース電流は、約2.25mA(符号206を参照)である。Vccが、3.0ボルトまで減少すると、ベース電流は、約0.6mA(符号208を参照)まで降下する。この1.65mAの変化は、ベース−エミッタ間電圧がわずかにより小さい1.300ボルトであるときの0.35mAの変化よりもかなり大きい。
【0022】
それどころか、コレクタ電流の変化は、コレクタ電圧Vccの変化に対する上述したベース電流の変化よりも劇的である。この技術分野において良く知られているように、コレクタ電流は、ベース電流の増幅率β倍に等しい。例えば、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルトであり、かつ、β=10であれば、コレクタ電流は、Vccが3.0ボルトまで減少するにつれて、Vccが5.0ボルトであるときの22.5mAから6mAになるまで変化する。コレクタ電流のこの16.5mAの変化は、上述した特性及び動作条件を備えたトランジスタを有する機器の動作に悪影響を及ぼす。
【0023】
図1において、RFトランジスタ132のコレクタは、Vccに接続される。さらに、RFトランジスタ132のコレクタ電流(Ic)は、これは零入力電流としても知られているが、Vccが変化すれば、大きく変化する。ミラー回路122は、様々な動作条件に対して、トランジスタ126、128、130、及び、132のベース−エミッタ間電圧を一定に保持しようとするが、ベース−エミッタ間電圧だけを制御することは、RFトランジスタ132に流れるコレクタ電流(零入力電流)をほぼ一定に維持するには不十分である。
【0024】
上述したように、ミラーバイアス回路122及びRF電力増幅器回路124の安定した動作は、ミラーバイアス回路とRF電力増幅器回路との間ですべてのノード電圧が同じであることに依存している。基準トランジスタ128のコレクタ電圧は、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128のベース−エミッタ接合の電圧降下(Vbe)のために、ほぼ一定に保持され、それらの電圧降下は、ほぼ等しい。すなわち、ノード134から接地電位までの総電圧降下は、Vbeの2倍(2×Vbe)にほぼ等しい。この2×Vbeの電圧降下は、ほぼ一定であり、かつ、Vccに依存しない。しかしながら、RFトランジスタ132のコレクタ電圧は、Vccに完全に依存する。そのために、Vccが、変化すれば、RFトランジスタ132によって引き込まれるコレクタ電流Icすなわち零入力電流は、変化する。
【0025】
3.電流ミラー補償システムの概論
図3は、電流ミラー補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路を示すブロック図である。2つの補償抵抗Rcomp1(符号306を参照)及びRcomp2(符号308を参照)をミラーバイアス回路302に挿入したことが示される。ミラーバイアス回路302は、RF電力増幅器回路304に結合される。わかりやすいように、図1における構成要素と類似する図3における構成要素は、同じ符号を有する。図1及び図3において同じ符号を有するそのような構成要素は、類似するものであると考えてもよいが、これらの同じ符号を有する構成要素は、既存部分を含むミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304を用いた本発明の動作に付随して存在するので、この技術分野に精通する者には、図1及び図3における構成要素は同じものでなくてもよいことがわかるはずである。したがって、同じ符号を有する類似する構成要素の動作及び機能については、本発明の動作及び機能を理解するのに必要な程度以上には、再度、詳細に説明することはしない。
【0026】
ミラーバイアス回路122(図1)と同様に、ミラーバイアス回路122が、電圧を調節し、かつ、その調節された電圧をRF電力増幅器回路124(図1)に鏡映するのと同じようにして、補償抵抗306及び308を有するミラーバイアス回路302は、ミラーバイアス回路302における電圧を調節し、かつ、それらの調節された電圧をRF電力増幅器回路304に鏡映する。しかしながら、コレクタ電圧Vccが、変化するとき、RFトランジスタ132のコレクタ電流〔(Ic)RF〕(零入力電流)が、ほぼ一定の値に維持されるように、補償抵抗306及び308は、トランジスタ126、128、130、及び、132のベース−エミッタ間電圧を強制的に小さな変動にしようとする。すなわち、移動通信機器が使用されると、移動通信機器のバッテリーが放電するので、バッテリー電源電圧に対応するコレクタ電圧Vccは、減少する。バッテリー電圧が減少したとき、ミラーバイアス回路302に存在する補償抵抗306及び308の作用によって、RFトランジスタ132を流れるほぼ一定の零入力電流を得ることができる。
【0027】
4.電流ミラー補償システムの実施形態
図4は、電力増幅器に接続された本発明による補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路の実施形態を示すブロック図である。図示されるように、ミラーバイアス回路402は、RF電力増幅器回路404に結合される。ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408が、ミラーバイアス回路402内に存在する。バッファートランジスタ410及びRFトランジスタ412が、RF電力増幅器回路404内に存在する。
【0028】
ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408は、それぞれのトランジスタに付された「N=1」によって示されるように、同じ電流定格を備えた同じ種類のトランジスタである。バッファートランジスタ410に付された「N=24」によって示されるように、バッファートランジスタ410は、ミラートランジスタ406の約24倍の大きさのトランジスタ電流定格を有する。同様に、RFトランジスタ412に付された「N=24」によって示されるように、RFトランジスタ412は、バッファートランジスタ410の約24倍の電流定格を有する。
【0029】
抵抗414(R1)が、RF電力増幅器回路404に存在し、ノード416と接地電位との間に接続される。抵抗414は、500オーム(Ω)の値を有し、そのために、バッファートランジスタ410によって提供されるRFトランジスタ412のベース電流〔(Ib)RF〕は、RFトランジスタ412のベース電流に定められた要求動作パラメータの範囲内にある。抵抗418(R2)が、ミラーバイアス回路402に存在する。図4に示されるように、抵抗418は、ノード420と接地電位との間に接続される。抵抗418は、12キロオーム(kΩ)の値を有し、そのために、ミラーバイアス回路402のノード420における電圧は、ノード416においてRF電力増幅器回路404に反映される。すなわち、ミラーバイアス回路402のノード420における電圧は、RF電力増幅器回路404のノード416における電圧に等しい。バッファートランジスタ410は、ミラートランジスタ406の24倍の大きさの電流定格があるので、抵抗418は、抵抗414の24倍の値である〔(R1)×24=R2〕。
【0030】
ミラーバイアス回路402のこの実施形態においては、5Ωの値を有するベース抵抗422が、ノード420と基準トランジスタ408のベースとの間に接続される。ベース抵抗422は、バイアス回路ノード416とRFトランジスタ412との間のあらゆるRF絶縁成分(図示しない)に存在する実際の損失を補償する。ベース抵抗422の5Ωという値は、十分に小さく、そのために、基準トランジスタ408に流れ込む電流は、ほとんど影響を受けない。また、ベース抵抗422の小さな値及び基準トランジスタ408の小さなベース電流のために、ノード420からベース抵抗422及び基準トランジスタ408までの電圧降下は、実質的に、基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧降下だけである。
【0031】
330Ωの基準抵抗424(Rref)が、ノード426とノード428との間に接続される。基準抵抗424は、ミラートランジスタ406に分配されるベース電流〔(Ib)MIR〕及びバッファートランジスタ410に分配されるベース電流〔(Ib)BUF〕が、ミラートランジスタ406及びバッファートランジスタ410の規格範囲内にあるような値を有する。
【0032】
図4に示されるように、第1の補償抵抗430(Rcomp1)は、ノード428とミラートランジスタ406のベースとの間に配置される。第2の補償抵抗432(Rcomp2)は、ノード428とバッファートランジスタ410のベースとの間に配置される。この実施形態においては、第1の補償抵抗430は、3kΩの値を有する。第2の補償抵抗432は、125Ωの値を有する。第1の補償抵抗430は、第2の補償抵抗432の24倍の値である〔(Rcomp2)×24=Rcomp1〕。第1の補償抵抗の値と第2の補償抵抗の値との比が、維持されさえすれば、別の実施形態においては、異なる値が、使用されてもよく、より大きなまたはより小さな補償のために、それぞれ、上述した実施形態の値より大きいかまたはより小さい値であってもよい。
【0033】
式(3)は、ミラーバイアス回路402に存在する基準抵抗424、補償抵抗430、ミラートランジスタ406、及び、基準トランジスタ408からなる直列回路の特性を表現する(ベース抵抗422は小さな値であるために、ベース抵抗による電圧降下は無視し、したがって、式(3)からは省かれる)。式(4)は、基準抵抗424、補償抵抗432、バッファートランジスタ410、及び、RFトランジスタ412からなる直列回路の特性を表現する。
【0034】
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+〔((IB)mir)×(Rcomp1)〕+(Vb/e)mirror+(Vb/e)ref 式(3)
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+〔((IB)buf)×(Rcomp2)〕+(Vb/e)buffer+(Vb/e)RF 式(4)
上述した式(3)及び式(4)において、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧が、ほぼ等しいと仮定すれば、かつ、補償抵抗430の値と補償抵抗432の値との比が24であると仮定すれば、ミラーバイアス回路402のノード436及び420における電圧は、それぞれ、ノード438及び416においてRF電力増幅器回路404に反映される。すなわち、ノード420における電圧は、ノード416に反映され、そのために、ノード416における電圧は、ノード420における電圧にほぼ等しい。しかしながら、以下で説明するように、第1の補償抵抗430及び第2の補償抵抗432の付加は、ノード428における可変電圧を提供する。ノード428におけるこの可変電圧は、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧を補償し、それによって、コレクタ電圧Vccの変動を補償することができ、その結果として、RFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、これはRF電力増幅器回路404の零入力電流としても知られているが、ほぼ一定の値に維持される。
【0035】
5.ミラー回路バイアス補償の動作及び機能
ミラーバイアス回路402に存在する補償抵抗430及び432(図4)の作用は、コレクタ電圧Vccが高い場合には、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧をわずかに減少させ、コレクタ電圧Vccがより低い場合には、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧をわずかに増加させることである。図2に示されるように、コレクタ電圧Vccが、3.0ボルトに等しいとき、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルトに設定されていれば、符号208によって示されるように、約0.6mAのベース電流をトランジスタに引き込むことができる。コレクタ電圧Vccが、5.0ボルトに等しいとき、トランジスタによって引き込まれるベース電流は、2.25mAである(符号206)。しかしながら、コレクタ電圧Vccが、5.0ボルトに等しいとき、ベース−エミッタ間電圧を1.300ボルトにまで減少させると、トランジスタによって引き込まれるベース電流は、約0.6mAとなる(符号204)。したがって、ベース−エミッタ間電圧を1.315ボルト(Vccが3.0ボルトに等しいとき)から1.300ボルト(コレクタ電圧Vccが5.0ボルトに等しいとき)にまで減少させることによって、コレクタ電圧が、それぞれ、3.0ボルトまたは5.0ボルトに等しいときの動作条件に対して、ほぼ一定のベース電流が、トランジスタによって引き込まれることになる。さらに、Vccが、3.0ボルトから5.0ボルトまで増加するにつれて、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルト(Vccが3.0ボルトに等しいとき)から1.300ボルト(Vccが5.0ボルトに等しいとき)にまで線形に減少することができれば、トランジスタによって引き込まれるベース電流は、約0.6mAにおいてほぼ一定のままである。このほぼ一定の動作範囲が、破線210によって図2に示される。
【0036】
機器におけるすべての構成要素が、安定した動作条件下にあるとき、ミラーバイアス回路402内の様々なノードにおける電圧は、RF電力増幅器回路404に反映される。ミラーバイアス回路402内のフィードバックループのために、機器の動作中、ノード428における電圧は、ほぼ一定の値に保持される。しかしながら、ミラーバイアス回路122(図1)と比較すれば、補償抵抗430の付加は、上述した式(3)によって示されるように、ノード428からミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408までの直列回路を変える。いま、この直列回路は、補償抵抗430を含む。この直列回路(Rcomp1、ミラートランジスタ406、及び、基準トランジスタ408)による電圧降下は、いま、ミラートランジスタ406によって引き込まれるベース電流の関数として変化する。ノード436における電圧は、ノード428における電圧から補償抵抗430(Rcomp1)による電圧降下を引いた値に等しい。ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧は、ほぼ等しいので、トランジスタ406及び408のベース−エミッタ間電圧は、ノード436における電圧の1/2に等しい。(ここで、ベース抵抗422による電圧降下は、この説明においては無視する。なぜなら、基準トランジスタ408によって引き込まれるベース電流及びそれに対応する5Ωのベース抵抗422による電圧降下は、補償抵抗430による電圧降下及びトランジスタ406及び408のベース−エミッタ間電圧に対してきわめて小さいからである。)
機器を使用することによってバッテリーは放電するので、コレクタ電圧Vccは、減少する。Vccが、減少し始めると、ミラートランジスタ406は、より少ないコレクタ電流しか引き込まない。そして、ミラートランジスタ406は、それに対応した少ない量のベース電流を引き込む。ミラートランジスタ406のベース電流が、減少すると、第1の補償抵抗430(Rcomp1)による電圧降下は、減少する。ノード428における電圧は、ほぼ一定の値に保持されるので、ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧は、それぞれ、第1の補償抵抗430において発生した電圧の減少量の約1/2だけ増加する。補償抵抗430及び432の値を適切に選択することによって(それぞれ、3kΩ及び125Ω)、図2に示される破線210に基づいて、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧を補償することができる。
【0037】
要するに、第2の補償抵抗432(Rcomp2)は、第1の補償抵抗430(Rcomp1)よりも24倍だけ小さいので、ミラーバイアス回路402のノード436における電圧は、ノード438における電圧がノード436における電圧にほぼ等しくなるようにRF電力増幅器回路404に反映される。同様に、ミラーバイアス回路402のノード420における電圧は、ノード416において、RF電力増幅器回路404に反映される。したがって、コレクタ電圧Vccが、変動すれば、バッファートランジスタ410及びRFトランジスタ412のベース−エミッタ間電圧は、ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧と同じようにして、強制的に変更される。
【0038】
6.ミラーバイアス回路補償を取り入れたRF電力増幅器回路における零入力電流
図5は、電流ミラー補償を取り入れた場合(Rcomp=0Ω)の2つのコレクタ電圧に対する図1のRFトランジスタにおけるコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。図6は、電流ミラー補償を取り入れた場合の図4に示される2つのコレクタ電圧に対する図1のRFトランジスタにおけるコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。
【0039】
図5及び図6は、実験室における試験条件下での実施形態の特性を示す。図5及び図6は、ノード426(図4)に流れ込む様々な基準電流に対するRFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流の関係をグラフで表現している。それぞれのグラフは、コレクタ電圧Vccが5.1ボルト及び3.4ボルトの場合に、基準電流に対するコレクタ電流をプロットしたものである。ここで、RFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、RF電力増幅器回路404(図4)の零入力電流としても知られている。
【0040】
図5は、補償抵抗430及び432(図4)が0Ωに設定されている場合のRF電力増幅器回路404の特性を示す。すなわち、ミラーバイアス回路402(図4)において、補償が、取り入れられず、そのために、このミラーバイアス回路は、従来技術によるミラーバイアス回路122(図1)に格下げされたものである。図5のグラフは、基準電流が小さい値に設定されている場合、RFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流は、大きく変動しないことを示している。例えば、基準電流が、2.0mAに等しい場合、コレクタ電流は、Vccが5.1ボルトに等しい場合の66mA(符号502を参照)から、Vccが3.4ボルトに等しい場合の61mA(符号504を参照)にまで減少する。
【0041】
しかしながら、基準電流(IREF)が、6.0mAに設定されていれば、コレクタ電流は、Vccが5.1ボルトに等しい場合の286mA(符号506を参照)から、Vccが3.4ボルトに等しい場合の816mA(符号508を参照)にまで減少する。したがって、図5のグラフは、基準電流(IREF)が、比較的に大きな値である場合、コレクタ電圧Vccが、変化すれば、零入力電流としても知られているRFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流は、劇的に変化することを示す。
【0042】
基準電圧源かまたは基準電流源のいずれかが、図3及び図4のミラーバイアス回路302及び/または402のそれぞれに使用されてもよいので、図5及び図6の基準電流(IREF)は、図3及び図4の基準電圧(VREF)に対応する。したがって、比較的に大きな基準電流(IREF)は、ミラーバイアス回路402(図4)のノード426における比較的に大きな基準電圧(VREF)に対応する。比較的に大きな基準電流(IREF)及び/または比較的に大きな基準電圧(VREF)は、トランジスタ406、408、410、及び、412(図4)のベース−エミッタ間電圧が、図2に示されるように、比較的に大きなベース−エミッタ間電圧に対応するような動作条件に対応する。
【0043】
さらに、図5は、基準電流(IREF)が、比較的に小さな値である場合、コレクタ電圧Vccが、変化しても、RFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流は、あまり変化しないことを示す。比較的に小さな基準電流(IREF)は、ミラーバイアス回路402(図4)のノード426に印加される比較的に小さな基準電圧(VREF)に対応する。比較的に小さな基準電流(IREF)及び/または比較的に小さな基準電圧(VREF)は、トランジスタ406、408、410、及び、412(図4)のベース−エミッタ間電圧が、図2に示されるように、比較的に小さなベース−エミッタ間電圧において動作する動作条件に対応する。上述したように、トランジスタが、図2に示されるように、比較的に小さなベース−エミッタ間電圧で動作している場合、ベース電流すなわちコレクタ電流は、あまり変化しない。
【0044】
図6は、補償抵抗430及び432がミラーバイアス回路402(図4)に提供された場合のRF電力増幅器回路404の特性を示す。ここで、第1の補償抵抗430(Rcomp1)は、3kΩに設定される。第2の補償抵抗432(Rcomp2)は、500Ωに設定される。図6のグラフは、基準電流が、比較的に小さな値であれば、コレクタ電圧Vccが、変化しても、零入力電流としても知られているRFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、あまり変化しないことを示している。基準電流(IREF)が、2.0mAに等しい場合、コレクタ電圧Vccが5.1ボルトから3.4ボルトまで降下すれば、コレクタ電流は、63mA(符号602を参照)から60mA(符号604を参照)にまで減少する。比較的に小さなコレクタ電流(IREF)においては、ミラーバイアス回路補償のあるRF電力増幅器回路404の特性は、ミラーバイアス回路補償のないRF電力増幅器回路404の特性にほぼ等しい。
【0045】
しかしながら、比較的に大きな基準電流(IREF)においても、ミラー回路補償は、コレクタ電流の変動を相当に減少させる。例えば、基準電流(IREF)が、6.0mAである場合、コレクタ電圧Vccが、5.1ボルトから3.4ボルトまで降下すれば、コレクタ電流は、205mA(符号606を参照)から182mA(符号608を参照)まで降下する。ミラーバイアス回路補償のあるRFトランジスタ412におけるコレクタ電流の図6に示されるようなこの23mAの変化は、図5に示されるように基準電流(IREF)が6.0mAに等しい場合のミラーバイアス回路補償のない92mAの変化よりも相当に小さい。
【0046】
図4に示される選択された基準電圧(VREF)及び/または選択された基準電流(IREF)を含むミラーバイアス回路402及びRF電力増幅器回路404の実際の動作条件は、ミラーバイアス回路402及びRF電力増幅器回路404が提供された特定の機器の要求動作パラメータを定めるその他の要因によって決まる。ミラーバイアス回路402及びRF電力増幅器回路404が用いられた特定の動作特性が、比較的に大きな基準電圧(VREF)及び/または比較的に大きな基準電流(IREF)を必要とするのであれば、ミラーバイアス回路402において補償抵抗430及び432を使用することは、零入力電流としても知られているRFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕を相当に安定させるシステムを提供する。
【0047】
7.異なる実施形態
A.エミッタ側に配置された1つかまたは複数の補償抵抗
補償を取り入れたミラーバイアス回路の異なる実施形態は、補償抵抗の位置を換えることによってなされ、その結果として、補償抵抗は、ミラートランジスタ及び/またはバッファートランジスタのエミッタに結合される。3つのそのような異なる実施形態が、図7〜図9に示される。
【0048】
図7は、ミラーバイアス回路702及びRF電力増幅器回路704の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ706及び基準トランジスタ708が、ミラーバイアス回路702内に存在する。バッファートランジスタ710及びRFトランジスタ712が、RF電力増幅器回路704内に存在する。ミラーバイアス回路702及びRF電力増幅器回路704は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の第1の補償抵抗306(Rcomp1)が、新しい位置に配置されている。第1の補償抵抗は、元々は、ノード714とミラートランジスタ706のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗716は、ミラートランジスタ706のエミッタとノード718との間に結合される。また、補償抵抗716の値は、補償抵抗306(図3)の値よりもβMT倍だけ小さく、ここで、βMTは、ミラートランジスタ706の直流電流利得に等しい。
【0049】
図7Aに示されるようなミラーバイアス回路702の構成によれば、基準ノード718における電圧は、ノード722に反映され(そのために、ノード722における電圧は、ノード718における電圧にほぼ等しい)、補償抵抗716及び720の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ132(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0050】
図8は、ミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ706及び基準トランジスタ708が、ミラーバイアス回路802内に存在する。バッファートランジスタ710及びRFトランジスタ712が、RF電力増幅器回路804内に存在する。ミラーバイアス回路702及びRF電力増幅器回路704は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の第2の補償抵抗308(Rcomp2)が、新しい位置に配置されている。第2の補償抵抗は、元々は、ノード714とバッファートランジスタ710のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗806は、バッファートランジスタ710のエミッタとノード720との間に結合される。また、補償抵抗806の値は、補償抵抗308(図3)の値よりもβBT倍だけ小さく、ここで、βBTは、バッファートランジスタ710の直流電流利得に等しい。
【0051】
図8に示されるようなミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の構成によれば、基準ノード718における電圧は、ノード720に反映され(そのために、ノード720における電圧は、ノード718における電圧にほぼ等しい)、補償抵抗808及び806の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ132(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0052】
図9は、ミラーバイアス回路902及びRF電力増幅器回路904の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ706及び基準トランジスタ708が、ミラーバイアス回路902内に存在する。バッファートランジスタ710及びRFトランジスタ712が、RF電力増幅器回路904内に存在する。ミラーバイアス回路902及びRF電力増幅器回路904は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の第1の補償抵抗306(Rcomp1)及び第2の補償抵抗308(Rcomp2)が、新しい位置に配置されている。
【0053】
第1の補償抵抗は、元々は、ノード714とミラートランジスタ706のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗906は、ミラートランジスタ706のエミッタとノード718との間に結合される。また、補償抵抗906の値は、補償抵抗306(図3)の値よりもβMT倍だけ小さく、ここで、βMTは、ミラートランジスタ706の直流電流利得に等しい。
【0054】
第2の補償抵抗は、元々は、ノード714とバッファートランジスタ710のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗908は、バッファートランジスタ710のエミッタとノード720との間に結合される。また、補償抵抗906の値は、補償抵抗308(図3)の値よりもβBT倍だけ小さく、ここで、βBTは、バッファートランジスタ710の直流電流利得に等しい。
【0055】
図9に示されるようなミラーバイアス回路702の構成によれば、基準ノード718における電圧は、ノード720に反映され(そのために、ノード720における電圧は、ノード718における電圧にほぼ等しい)、補償抵抗906及び908の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ132(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0056】
B.抵抗性の機器
補償を取り入れたミラーバイアス回路の異なる実施形態は、抵抗のような特性を有するインピーダンス素子及び/またはデバイスを使用してもよい。図10は、1つのそのような異なる実施形態を示す。
【0057】
図10は、ミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ806及び基準トランジスタ808が、ミラーバイアス回路802内に存在する。バッファートランジスタ810及びRFトランジスタ812が、RF電力増幅器回路804内に存在する。ミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の補償抵抗306及び308が、デバイス814及び816に置き換えられている。デバイス814及び816のパラメータは、デバイス814及び816の抵抗特性が、それぞれ、補償抵抗306及び308(図3)の抵抗にほぼ等しくなるように定められる。
【0058】
図10に示されるようなミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の構成によれば、基準ノード818における電圧は、ノード820に反映され(そのために、ノード820における電圧は、ノード818における電圧に等しい)、デバイス814及び816の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ812のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ812のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ32(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0059】
さらに、デバイス814及び/または816の位置は、デバイス814及び/または816が、それぞれ、ミラートランジスタ806及び/またはバッファートランジスタ810のエミッタに追従するように変更されてもよい。デバイス814及び/または816のパラメータは、上述したシステムに基づいて定められる。
【0060】
C.非公称補償抵抗比
補償を取り入れたミラーバイアス回路の異なる実施形態は、非公称値を有する補償抵抗を使用してもよい。図4を参照して説明した補償を取り入れたミラーバイアス回路の実施形態においては、第1の補償抵抗430の第2の補償抵抗432に対する比は、N(バッファートランジスタ410のミラートランジスタ406に対する比)に等しかった。図4に示される例としての実施形態においては、この比Nは、24であった。
【0061】
図3を参照して、非公称比を用いた補償を取り入れたミラーバイアス回路の動作及び機能を説明する。非公称比は、第1の補償抵抗306の値を、第2の補償抵抗308の値によって除算し、それに続いて、上述した比Nによって除算した値に等しいと定義される。すなわち、非公称比は、補償抵抗306と308との比を比Nによって正規化した単位値に等しい。
【0062】
非公称比が、1よりも大きければ、補償抵抗308の値によって除算された補償抵抗306の値は、Nよりも大きい。非公称比が、1よりも大きい場合、バッファートランジスタ130及びRFトランジスタ132のベース−エミッタ間電圧は、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128のベース−エミッタ間電圧よりもわずかに大きい。これは、補償抵抗308による電圧降下が補償抵抗306による電圧降下よりも小さいために発生する。ベース−エミッタ間電圧のこのわずかな差は、RFトランジスタ132に流れる零入力電流を増加させる作用を有する。
【0063】
逆に、非公称比は、1.0よりも小さいかもしれない。すなわち、補償抵抗306の抵抗値を補償抵抗308の抵抗値によって除算した値は、比Nよりも小さい。ここで、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128は、バッファートランジスタ130及びRFトランジスタ132よりもわずかに大きなベース−エミッタ間電圧を有する。ベース−エミッタ間電圧のこの差は、補償抵抗308による電圧降下が補償抵抗306による電圧降下よりも大きいために発生する。これは、RFトランジスタ132に流れる零入力電流を減少させる作用を有する。
【0064】
D.その他の異なる実施形態
本発明の様々な実施形態を説明したが、この技術分野に通常の知識を有する者には、本発明の範囲において、さらに多くの実施形態及び実施手段を考え出すことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の原理を説明することに重点を置いたものである。図面において、類似する符号は、図面を通して、対応する構成要素を示す。
【図1】電流ミラー補償を付加する以前のトランジスタに接続された従来技術による電流ミラーバイアス回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるトランジスタのベース−エミッタ間電圧−ベース電流特性を示すグラフである。
【図3】図1に示される電力増幅器に接続された電流ミラー補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路を示すブロック図である。
【図4】図1に基づいて構成された電力増幅器に接続された本発明の補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路の実施形態を示すブロック図である。
【図5】電流ミラー補償を取り入れない場合(Rcomp=0Ω)の2つのコレクタ電圧に対する図1に示されるRFトランジスタのコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。
【図6】電流ミラー補償を取り入れた場合の図4に示される2つのコレクタ電圧に対する図1に示されるRFトランジスタのコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。
【図7】第1の補償抵抗がミラートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置された電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
【図8】第2の補償抵抗がバッファートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置された電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
【図9】第1の補償抵抗がミラートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置され、かつ、第2の補償抵抗がバッファートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置された電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
【図10】抵抗のような特性を有するデバイスを用いた電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
【0001】
背景技術
1.発明の分野
本発明は、一般的には、トランジスタ零入力電流の制御に関し、より詳細には、電力増幅器の電源電圧における変動を補償し、それによって、動作条件の変化に対して電力増幅器の零入力電流を安定化するためのシステムに関する。
【0002】
2.関連技術
トランジスタによって引き込まれる零入力電流は、一般的には、ベース−エミッタ間電圧及びコレクタ電圧(Vcc)が一定であれば、一定の値で近似される。そのようなトランジスタは、無線周波数(RF)送信器のための電力増幅器のような回路に使用されて所定の動作をなす場合、様々に変化する動作条件において、零入力電流をほぼ一定に維持することが重要である。
【0003】
様々に変化する動作条件において、送信器のほぼ安定したベース−エミッタ間電圧を維持するという従来技術による方法を利用することができる。1つのそのような例は、ミラーバイアス回路である。ミラーバイアス回路は、ベース−エミッタ間電圧をほぼ一定に維持するために、基準電圧(Vref)または基準電流(Iref)を使用する。しかしながら、コレクタ電圧(Vcc)を一定に維持するのが、より難しい場合がある。移動通信機器または携帯電話のように、コレクタ電圧が、バッテリー電源によって提供される場合、バッテリーは、機器を使用することによって、初期の最大限に充電した状態から放電するので、コレクタ電圧は、変化する。例えば、ある種類の移動通信機器においては、バッテリー電圧は、最大限に充電した5ボルトから開始し、低いバッテリー電源状態のために機器がシャットダウンする前に、2.8ボルトにまで降下することがある。
【0004】
コレクタ電圧の変動を最小限に抑制するために、いくつかの従来技術が、開発されてきた。1つの技術は、使用していないときに、機器が電力を消費しないようにすることである。しかしながら、そのような技術は、余計なコストがかかり、かつ、バッテリーの放電は、避けられない。別の方法には、変動するバッテリー電圧から一定のコレクタ電圧を提供する回路を使用するものがある。しかしながら、そのような回路は、機器のコストを増加させ、かつ、余計に電力を消費することになる。
【0005】
このように、この産業界においては、コストのかかる付加的な部品を使用せずに、あるいは、電力効率を付加的な制御回路によって犠牲にすることなく、所定の範囲の動作条件(コレクタ電圧の変動範囲)において、きわめて安定したトランジスタ零入力電流を提供するという課題に取り組むことがもとめられている。
【0006】
概要
本発明は、トランジスタにおける零入力電流を安定化するシステムを提供する。簡単に説明すれば、1つの実施形態は、無線周波数(RF)電力増幅器回路に結合されたミラーバイアス回路において、コレクタ電圧Vccが、変化すれば、トランジスタのベース−エミッタ間電圧が、調節され、それによって、RFトランジスタに流れ込む零入力電流が、安定化されるように構成された2つの補償抵抗を用いることによって実施されてもよい。この実施形態においては、コレクタ電圧Vccは、限定はしないが、携帯電話のような移動通信機器のバッテリー電源に対応する。第1の補償抵抗は、ミラートランジスタのベースに接続され、それによって、第1の補償抵抗、ミラートランジスタ、及び、基準トランジスタを有する直列回路を形成する。第2の補償抵抗が、バッファートランジスタのベースに接続され、それによって、第2の補償抵抗、バッファートランジスタ、及び、RFトランジスタを有する直列回路を形成する。
【0007】
コレクタ電圧Vccが、減少すると、これは、通信機器を使用中に、バッテリー電力が消費されたときに発生することがあるが、上述した2つの直列回路には、より少ない電流しか引き込まれない。第1の補償抵抗による電圧降下は、減少するので、ミラートランジスタ及び基準トランジスタのベース−エミッタ間電圧は、増加しようとする。これらの増加したベース−エミッタ間電圧は、RF電力増幅器回路に反映され、バッファートランジスタ及びRFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる。RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧が、増加するので、RFトランジスタによって引き込まれるコレクタ電流は、増加しようとする。したがって、コレクタ電圧Vccが、減少するにつれて、RFトランジスタにおいて、零入力電流としても知られているコレクタ電流を減少させようとする傾向は、RFトランジスタの増加したベース−エミッタ間電圧によるコレクタ電流を増加させようとする傾向によって相殺される。
【0008】
異なる実施形態は、第1の補償抵抗をミラートランジスタのエミッタと基準トランジスタのベースとの間に位置を換えて配置することを含む。この場合、第1の補償抵抗の値は、ミラートランジスタの増幅率(β(Mirror Transistor))倍だけ小さくなる。もう1つの実施形態は、第2の補償抵抗をバッファートランジスタのエミッタとRFトランジスタのベースとの間に位置を換えて配置する。同様に、第2の補償抵抗の値は、バッファートランジスタの増幅率(β(Buffer Transistor))倍だけ小さくなる。さらなる実施形態は、第1の補償抵抗及び第2の補償抵抗の両方を上述したように新しい位置に配置する。別の実施形態は、必要とされる補償をトランジスタのベース−エミッタ間電圧に提供する抵抗のような特性を有する電気的デバイスを使用する。
【0009】
一実施形態においては、第1の補償抵抗の値は、第2の補償抵抗の値に、ミラートランジスタの電流定格に対するバッファートランジスタの電流定格の比を乗算した値に等しい。別の実施形態においては、補償抵抗の相対的な値は、変更されてもよく、それによって、RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧に加えられる補償の量を増減させることができる。
【0010】
添付の図面及び以下の詳細な説明を吟味することによって、この分野に精通する者は、本発明のその他のシステム、方法、特徴、及び、利点を理解することができ、あるいは、それらが明らかとなる。そのようなさらなるシステム、方法、特徴、及び、利点のすべては、以下の説明の範囲に含まれ、本発明の範囲に含まれ、かつ、添付の特許請求の範囲によって保護されると解釈されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
1.RF電力増幅器回路に結合された電流ミラー回路
零入力電流を制御する際の1つの重要な要素は、機器に課されるかもしれない予測される範囲の動作条件において、ベース−エミッタ間電圧をほぼ一定に維持できることである。図1は、無線周波数(RF)電力増幅器回路124に結合された電流ミラーバイアス回路122を示すブロック図である。
【0012】
ミラーバイアス回路122は、2つのトランジスタ、すなわち、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128を含む。また、RF電力増幅器回路124は、2つのトランジスタ、すなわち、バッファートランジスタ130及び無線周波数(RF)トランジスタ132を含む。ミラートランジスタ126及びバッファートランジスタ130の両方は、エミッタフォロワトランジスタとして構成される。これらの2つのエミッタフォロワトランジスタは、それぞれ、基準トランジスタ128及びRFトランジスタ132のベースによって負荷をかけられる。それぞれのトランジスタにおいて、ベース−エミッタ間電圧降下は、比較的に一定の値であり、約1.2〜1.3ボルトである。ミラーバイアス回路122及びRF電力増幅器回路124の構成によれば、図1に示されるように、ミラートランジスタ126、バッファートランジスタ130、及び、RFトランジスタ132のコレクタは、同じ電圧すなわちVccに接続される。ここでは、Vccは、トランジスタの電源を表現し、一般的には、コレクタ電圧と呼ばれる。いくつかの移動通信機器においては、Vccは、バッテリー電源電圧に対応する。
【0013】
基準トランジスタ128のコレクタ電圧は、ノード134における電圧である。ここでは、ミラーバイアス回路122の設計構造のために、ノード134における電圧は、ほぼ一定である。さらに、ノード134における電圧は、以下で説明するように、予め定められた値に自動的に調節される。図1に示されるように、ノード134における電圧は、ミラートランジスタ126と基準トランジスタ128とによるベース−エミッタ間電圧降下によって、及び、Rrefによる電圧降下によって、決定される。ノード134の電圧は、ミラートランジスタ126と基準トランジスタ128とによる電圧降下の和に等しく、典型的には、2.4ボルト〜2.6ボルトである。また、ノード134の電圧は、ノード136における基準電圧(Vref)から基準抵抗138(Rref)による電圧降下を引いた値に等しい。ミラーバイアス回路122を備えた特定の機器を考えると、設計エンジニアは、安定した基準電圧(Vref)または安定した基準電流(Iref)をノード136に印加し、かつ、ミラーバイアス回路122の適切な安定化作用が得られるように基準抵抗138の値を決定するであろう。
【0014】
この分野に精通する者には、ミラーバイアス回路122の動作が設定されてしまえば、基準抵抗138、ミラートランジスタ126、及び、基準トランジスタ128からなる直列回路は、それぞれの回路構成要素による安定した電圧降下を有することがわかる。以下の式(1)は、上述した直列回路の特性電圧を表現する。
【0015】
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+(Vb/e)mirror+(Vb/e)ref 式(1)
上の式(1)において、「(Vb/e)mirror」は、ミラートランジスタ126のベース−エミッタ間電圧であり、「(Vb/e)ref」は、基準トランジスタ128のベース−エミッタ間電圧であり、「(Iref)」は、基準抵抗138を流れる電流であり、そして、「(Rref)」は、基準抵抗138の抵抗値である。また、ノード134からミラートランジスタ126のベースへ直接に接続されるために、ノード134における電圧は、ミラートランジスタ126に印加されるベース電圧であることに注意されたい。
【0016】
機器の動作中、システムの動作条件は、変化することがあり、それによって、ミラーバイアス回路122の電圧の平衡が、乱されることがある。例えば、トランジスタ126及び/または128の温度条件の変化は、様々なトランジスタ接続点間における電圧降下をわずかに変動させることがある。より顕著には、機器を使用するにつれて、バッテリーが、放電するので、コレクタ電圧が、変動することがある。この分野に精通する者には、システムのこれらの動作条件が、ノード134における電圧を変動させ始めると、ミラートランジスタ126と基準トランジスタ128との間にある閉ループフィードバック回路によって、ミラーバイアス回路122は、ノード134における電圧を自動的に調節し、適切な動作点に戻すことが容易に理解できる。
【0017】
電流Irefは、ノード134において、3つの方向へ分流される。ミラートランジスタ126及びバッファートランジスタ130のベースは、基準トランジスタ128のコレクタに比較すれば、大きな直流(DC)インピーダンスを有する。そのために、電流Irefのほとんど(>95%)は、基準トランジスタ128に流れる。基準トランジスタ128のコレクタ−ベース接合及びミラートランジスタ126のベース−エミッタ接合は、フィードバックループとして構成されるので、変化する動作条件下において、ミラートランジスタ126は、動作点を維持し、それによって、基準トランジスタ128は、コレクタ電流をほぼ一定に維持する。したがって、温度及びVccなどの動作条件の変化は、図1に示されるようなフィードバックループによって補償される。
【0018】
さらに、図1に示されるように、ノード134は、バッファートランジスタ130のベースに接続される。バッファートランジスタ130のエミッタは、RFトランジスタ132のベースに接続されるので、以下の式(2)からわかるように、ノード134における電圧は、また、バッファートランジスタ130のベース−エミッタ間電圧降下にRFトランジスタ132のベース−エミッタ間電圧降下を加えた値にも等しい。
【0019】
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+(Vb/e)buffer+(Vb/e)RF 式(2)
4つのトランジスタ126、128、130、及び、132のベース−エミッタ間電圧降下は、すべて、ほぼ同じなので、また、基準抵抗138、バッファートランジスタ130、及び、RFトランジスタ132からなる直列回路は、基準抵抗138、ミラートランジスタ126、及び、基準トランジスタ128からなる直列回路と同じように構成されるので、ミラーバイアス回路122内の様々な点における電圧は、RF電力増幅器回路124に鏡映され、かつ、実質的に等しい。例えば、ノード140において測定される基準トランジスタ128のベース電圧は、ノード142において測定されるRFトランジスタ132のベース電圧とほぼ同じである。
【0020】
2.トランジスタのベース電流及びベース−エミッタ間電圧
図2は、トランジスタの典型的なベース−エミッタ間電圧−ベース電流特性を示す。ベース−エミッタ間電圧がわかれば、トランジスタのベース電流を決定することができる。例えば、コレクタ電圧Vccが、3.0ボルトであり、かつ、ベース−エミッタ間電圧が、1.300ボルトであれば、そのトランジスタのベース電流は、約0.25ミリアンペア(mA)である(符号202を参照)。
【0021】
ミラーバイアス回路122及びRF電力増幅器回路124(図1)の動作条件が、トランジスタが1.300ボルト(または、それ以下)のベース−エミッタ間電圧において動作するようなものであれば、図2は、コレクタ電圧(Vcc)の変動は、トランジスタのベース電流にそれほど大きな影響を与えないことを示している。ここでは、図2は、Vccが、5.0ボルトに変化すれば、それによって、ベース電流は、約0.6mA(符号204を参照)までしか増加しないことを示している。したがって、ベース−エミッタ間電圧が、1.300ボルトに等しいとき、Vccが、3.0ボルトから5.0ボルトまで変化すれば、トランジスタに流れるベース電流は、0.25mAから0.60mAまでしか変化しない。しかしながら、トランジスタのベース−エミッタ間電圧が、わずかにより大きければ、トランジスタに流れるベース電流の変化は、Vccが変化するにつれて劇的に変わる。例えば、Vccが、5.0ボルトであり、かつ、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルトであれば、ベース電流は、約2.25mA(符号206を参照)である。Vccが、3.0ボルトまで減少すると、ベース電流は、約0.6mA(符号208を参照)まで降下する。この1.65mAの変化は、ベース−エミッタ間電圧がわずかにより小さい1.300ボルトであるときの0.35mAの変化よりもかなり大きい。
【0022】
それどころか、コレクタ電流の変化は、コレクタ電圧Vccの変化に対する上述したベース電流の変化よりも劇的である。この技術分野において良く知られているように、コレクタ電流は、ベース電流の増幅率β倍に等しい。例えば、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルトであり、かつ、β=10であれば、コレクタ電流は、Vccが3.0ボルトまで減少するにつれて、Vccが5.0ボルトであるときの22.5mAから6mAになるまで変化する。コレクタ電流のこの16.5mAの変化は、上述した特性及び動作条件を備えたトランジスタを有する機器の動作に悪影響を及ぼす。
【0023】
図1において、RFトランジスタ132のコレクタは、Vccに接続される。さらに、RFトランジスタ132のコレクタ電流(Ic)は、これは零入力電流としても知られているが、Vccが変化すれば、大きく変化する。ミラー回路122は、様々な動作条件に対して、トランジスタ126、128、130、及び、132のベース−エミッタ間電圧を一定に保持しようとするが、ベース−エミッタ間電圧だけを制御することは、RFトランジスタ132に流れるコレクタ電流(零入力電流)をほぼ一定に維持するには不十分である。
【0024】
上述したように、ミラーバイアス回路122及びRF電力増幅器回路124の安定した動作は、ミラーバイアス回路とRF電力増幅器回路との間ですべてのノード電圧が同じであることに依存している。基準トランジスタ128のコレクタ電圧は、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128のベース−エミッタ接合の電圧降下(Vbe)のために、ほぼ一定に保持され、それらの電圧降下は、ほぼ等しい。すなわち、ノード134から接地電位までの総電圧降下は、Vbeの2倍(2×Vbe)にほぼ等しい。この2×Vbeの電圧降下は、ほぼ一定であり、かつ、Vccに依存しない。しかしながら、RFトランジスタ132のコレクタ電圧は、Vccに完全に依存する。そのために、Vccが、変化すれば、RFトランジスタ132によって引き込まれるコレクタ電流Icすなわち零入力電流は、変化する。
【0025】
3.電流ミラー補償システムの概論
図3は、電流ミラー補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路を示すブロック図である。2つの補償抵抗Rcomp1(符号306を参照)及びRcomp2(符号308を参照)をミラーバイアス回路302に挿入したことが示される。ミラーバイアス回路302は、RF電力増幅器回路304に結合される。わかりやすいように、図1における構成要素と類似する図3における構成要素は、同じ符号を有する。図1及び図3において同じ符号を有するそのような構成要素は、類似するものであると考えてもよいが、これらの同じ符号を有する構成要素は、既存部分を含むミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304を用いた本発明の動作に付随して存在するので、この技術分野に精通する者には、図1及び図3における構成要素は同じものでなくてもよいことがわかるはずである。したがって、同じ符号を有する類似する構成要素の動作及び機能については、本発明の動作及び機能を理解するのに必要な程度以上には、再度、詳細に説明することはしない。
【0026】
ミラーバイアス回路122(図1)と同様に、ミラーバイアス回路122が、電圧を調節し、かつ、その調節された電圧をRF電力増幅器回路124(図1)に鏡映するのと同じようにして、補償抵抗306及び308を有するミラーバイアス回路302は、ミラーバイアス回路302における電圧を調節し、かつ、それらの調節された電圧をRF電力増幅器回路304に鏡映する。しかしながら、コレクタ電圧Vccが、変化するとき、RFトランジスタ132のコレクタ電流〔(Ic)RF〕(零入力電流)が、ほぼ一定の値に維持されるように、補償抵抗306及び308は、トランジスタ126、128、130、及び、132のベース−エミッタ間電圧を強制的に小さな変動にしようとする。すなわち、移動通信機器が使用されると、移動通信機器のバッテリーが放電するので、バッテリー電源電圧に対応するコレクタ電圧Vccは、減少する。バッテリー電圧が減少したとき、ミラーバイアス回路302に存在する補償抵抗306及び308の作用によって、RFトランジスタ132を流れるほぼ一定の零入力電流を得ることができる。
【0027】
4.電流ミラー補償システムの実施形態
図4は、電力増幅器に接続された本発明による補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路の実施形態を示すブロック図である。図示されるように、ミラーバイアス回路402は、RF電力増幅器回路404に結合される。ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408が、ミラーバイアス回路402内に存在する。バッファートランジスタ410及びRFトランジスタ412が、RF電力増幅器回路404内に存在する。
【0028】
ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408は、それぞれのトランジスタに付された「N=1」によって示されるように、同じ電流定格を備えた同じ種類のトランジスタである。バッファートランジスタ410に付された「N=24」によって示されるように、バッファートランジスタ410は、ミラートランジスタ406の約24倍の大きさのトランジスタ電流定格を有する。同様に、RFトランジスタ412に付された「N=24」によって示されるように、RFトランジスタ412は、バッファートランジスタ410の約24倍の電流定格を有する。
【0029】
抵抗414(R1)が、RF電力増幅器回路404に存在し、ノード416と接地電位との間に接続される。抵抗414は、500オーム(Ω)の値を有し、そのために、バッファートランジスタ410によって提供されるRFトランジスタ412のベース電流〔(Ib)RF〕は、RFトランジスタ412のベース電流に定められた要求動作パラメータの範囲内にある。抵抗418(R2)が、ミラーバイアス回路402に存在する。図4に示されるように、抵抗418は、ノード420と接地電位との間に接続される。抵抗418は、12キロオーム(kΩ)の値を有し、そのために、ミラーバイアス回路402のノード420における電圧は、ノード416においてRF電力増幅器回路404に反映される。すなわち、ミラーバイアス回路402のノード420における電圧は、RF電力増幅器回路404のノード416における電圧に等しい。バッファートランジスタ410は、ミラートランジスタ406の24倍の大きさの電流定格があるので、抵抗418は、抵抗414の24倍の値である〔(R1)×24=R2〕。
【0030】
ミラーバイアス回路402のこの実施形態においては、5Ωの値を有するベース抵抗422が、ノード420と基準トランジスタ408のベースとの間に接続される。ベース抵抗422は、バイアス回路ノード416とRFトランジスタ412との間のあらゆるRF絶縁成分(図示しない)に存在する実際の損失を補償する。ベース抵抗422の5Ωという値は、十分に小さく、そのために、基準トランジスタ408に流れ込む電流は、ほとんど影響を受けない。また、ベース抵抗422の小さな値及び基準トランジスタ408の小さなベース電流のために、ノード420からベース抵抗422及び基準トランジスタ408までの電圧降下は、実質的に、基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧降下だけである。
【0031】
330Ωの基準抵抗424(Rref)が、ノード426とノード428との間に接続される。基準抵抗424は、ミラートランジスタ406に分配されるベース電流〔(Ib)MIR〕及びバッファートランジスタ410に分配されるベース電流〔(Ib)BUF〕が、ミラートランジスタ406及びバッファートランジスタ410の規格範囲内にあるような値を有する。
【0032】
図4に示されるように、第1の補償抵抗430(Rcomp1)は、ノード428とミラートランジスタ406のベースとの間に配置される。第2の補償抵抗432(Rcomp2)は、ノード428とバッファートランジスタ410のベースとの間に配置される。この実施形態においては、第1の補償抵抗430は、3kΩの値を有する。第2の補償抵抗432は、125Ωの値を有する。第1の補償抵抗430は、第2の補償抵抗432の24倍の値である〔(Rcomp2)×24=Rcomp1〕。第1の補償抵抗の値と第2の補償抵抗の値との比が、維持されさえすれば、別の実施形態においては、異なる値が、使用されてもよく、より大きなまたはより小さな補償のために、それぞれ、上述した実施形態の値より大きいかまたはより小さい値であってもよい。
【0033】
式(3)は、ミラーバイアス回路402に存在する基準抵抗424、補償抵抗430、ミラートランジスタ406、及び、基準トランジスタ408からなる直列回路の特性を表現する(ベース抵抗422は小さな値であるために、ベース抵抗による電圧降下は無視し、したがって、式(3)からは省かれる)。式(4)は、基準抵抗424、補償抵抗432、バッファートランジスタ410、及び、RFトランジスタ412からなる直列回路の特性を表現する。
【0034】
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+〔((IB)mir)×(Rcomp1)〕+(Vb/e)mirror+(Vb/e)ref 式(3)
Vref=〔(Iref)×(Rref)〕+〔((IB)buf)×(Rcomp2)〕+(Vb/e)buffer+(Vb/e)RF 式(4)
上述した式(3)及び式(4)において、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧が、ほぼ等しいと仮定すれば、かつ、補償抵抗430の値と補償抵抗432の値との比が24であると仮定すれば、ミラーバイアス回路402のノード436及び420における電圧は、それぞれ、ノード438及び416においてRF電力増幅器回路404に反映される。すなわち、ノード420における電圧は、ノード416に反映され、そのために、ノード416における電圧は、ノード420における電圧にほぼ等しい。しかしながら、以下で説明するように、第1の補償抵抗430及び第2の補償抵抗432の付加は、ノード428における可変電圧を提供する。ノード428におけるこの可変電圧は、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧を補償し、それによって、コレクタ電圧Vccの変動を補償することができ、その結果として、RFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、これはRF電力増幅器回路404の零入力電流としても知られているが、ほぼ一定の値に維持される。
【0035】
5.ミラー回路バイアス補償の動作及び機能
ミラーバイアス回路402に存在する補償抵抗430及び432(図4)の作用は、コレクタ電圧Vccが高い場合には、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧をわずかに減少させ、コレクタ電圧Vccがより低い場合には、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧をわずかに増加させることである。図2に示されるように、コレクタ電圧Vccが、3.0ボルトに等しいとき、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルトに設定されていれば、符号208によって示されるように、約0.6mAのベース電流をトランジスタに引き込むことができる。コレクタ電圧Vccが、5.0ボルトに等しいとき、トランジスタによって引き込まれるベース電流は、2.25mAである(符号206)。しかしながら、コレクタ電圧Vccが、5.0ボルトに等しいとき、ベース−エミッタ間電圧を1.300ボルトにまで減少させると、トランジスタによって引き込まれるベース電流は、約0.6mAとなる(符号204)。したがって、ベース−エミッタ間電圧を1.315ボルト(Vccが3.0ボルトに等しいとき)から1.300ボルト(コレクタ電圧Vccが5.0ボルトに等しいとき)にまで減少させることによって、コレクタ電圧が、それぞれ、3.0ボルトまたは5.0ボルトに等しいときの動作条件に対して、ほぼ一定のベース電流が、トランジスタによって引き込まれることになる。さらに、Vccが、3.0ボルトから5.0ボルトまで増加するにつれて、ベース−エミッタ間電圧が、1.315ボルト(Vccが3.0ボルトに等しいとき)から1.300ボルト(Vccが5.0ボルトに等しいとき)にまで線形に減少することができれば、トランジスタによって引き込まれるベース電流は、約0.6mAにおいてほぼ一定のままである。このほぼ一定の動作範囲が、破線210によって図2に示される。
【0036】
機器におけるすべての構成要素が、安定した動作条件下にあるとき、ミラーバイアス回路402内の様々なノードにおける電圧は、RF電力増幅器回路404に反映される。ミラーバイアス回路402内のフィードバックループのために、機器の動作中、ノード428における電圧は、ほぼ一定の値に保持される。しかしながら、ミラーバイアス回路122(図1)と比較すれば、補償抵抗430の付加は、上述した式(3)によって示されるように、ノード428からミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408までの直列回路を変える。いま、この直列回路は、補償抵抗430を含む。この直列回路(Rcomp1、ミラートランジスタ406、及び、基準トランジスタ408)による電圧降下は、いま、ミラートランジスタ406によって引き込まれるベース電流の関数として変化する。ノード436における電圧は、ノード428における電圧から補償抵抗430(Rcomp1)による電圧降下を引いた値に等しい。ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧は、ほぼ等しいので、トランジスタ406及び408のベース−エミッタ間電圧は、ノード436における電圧の1/2に等しい。(ここで、ベース抵抗422による電圧降下は、この説明においては無視する。なぜなら、基準トランジスタ408によって引き込まれるベース電流及びそれに対応する5Ωのベース抵抗422による電圧降下は、補償抵抗430による電圧降下及びトランジスタ406及び408のベース−エミッタ間電圧に対してきわめて小さいからである。)
機器を使用することによってバッテリーは放電するので、コレクタ電圧Vccは、減少する。Vccが、減少し始めると、ミラートランジスタ406は、より少ないコレクタ電流しか引き込まない。そして、ミラートランジスタ406は、それに対応した少ない量のベース電流を引き込む。ミラートランジスタ406のベース電流が、減少すると、第1の補償抵抗430(Rcomp1)による電圧降下は、減少する。ノード428における電圧は、ほぼ一定の値に保持されるので、ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧は、それぞれ、第1の補償抵抗430において発生した電圧の減少量の約1/2だけ増加する。補償抵抗430及び432の値を適切に選択することによって(それぞれ、3kΩ及び125Ω)、図2に示される破線210に基づいて、トランジスタ406、408、410、及び、412のベース−エミッタ間電圧を補償することができる。
【0037】
要するに、第2の補償抵抗432(Rcomp2)は、第1の補償抵抗430(Rcomp1)よりも24倍だけ小さいので、ミラーバイアス回路402のノード436における電圧は、ノード438における電圧がノード436における電圧にほぼ等しくなるようにRF電力増幅器回路404に反映される。同様に、ミラーバイアス回路402のノード420における電圧は、ノード416において、RF電力増幅器回路404に反映される。したがって、コレクタ電圧Vccが、変動すれば、バッファートランジスタ410及びRFトランジスタ412のベース−エミッタ間電圧は、ミラートランジスタ406及び基準トランジスタ408のベース−エミッタ間電圧と同じようにして、強制的に変更される。
【0038】
6.ミラーバイアス回路補償を取り入れたRF電力増幅器回路における零入力電流
図5は、電流ミラー補償を取り入れた場合(Rcomp=0Ω)の2つのコレクタ電圧に対する図1のRFトランジスタにおけるコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。図6は、電流ミラー補償を取り入れた場合の図4に示される2つのコレクタ電圧に対する図1のRFトランジスタにおけるコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。
【0039】
図5及び図6は、実験室における試験条件下での実施形態の特性を示す。図5及び図6は、ノード426(図4)に流れ込む様々な基準電流に対するRFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流の関係をグラフで表現している。それぞれのグラフは、コレクタ電圧Vccが5.1ボルト及び3.4ボルトの場合に、基準電流に対するコレクタ電流をプロットしたものである。ここで、RFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、RF電力増幅器回路404(図4)の零入力電流としても知られている。
【0040】
図5は、補償抵抗430及び432(図4)が0Ωに設定されている場合のRF電力増幅器回路404の特性を示す。すなわち、ミラーバイアス回路402(図4)において、補償が、取り入れられず、そのために、このミラーバイアス回路は、従来技術によるミラーバイアス回路122(図1)に格下げされたものである。図5のグラフは、基準電流が小さい値に設定されている場合、RFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流は、大きく変動しないことを示している。例えば、基準電流が、2.0mAに等しい場合、コレクタ電流は、Vccが5.1ボルトに等しい場合の66mA(符号502を参照)から、Vccが3.4ボルトに等しい場合の61mA(符号504を参照)にまで減少する。
【0041】
しかしながら、基準電流(IREF)が、6.0mAに設定されていれば、コレクタ電流は、Vccが5.1ボルトに等しい場合の286mA(符号506を参照)から、Vccが3.4ボルトに等しい場合の816mA(符号508を参照)にまで減少する。したがって、図5のグラフは、基準電流(IREF)が、比較的に大きな値である場合、コレクタ電圧Vccが、変化すれば、零入力電流としても知られているRFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流は、劇的に変化することを示す。
【0042】
基準電圧源かまたは基準電流源のいずれかが、図3及び図4のミラーバイアス回路302及び/または402のそれぞれに使用されてもよいので、図5及び図6の基準電流(IREF)は、図3及び図4の基準電圧(VREF)に対応する。したがって、比較的に大きな基準電流(IREF)は、ミラーバイアス回路402(図4)のノード426における比較的に大きな基準電圧(VREF)に対応する。比較的に大きな基準電流(IREF)及び/または比較的に大きな基準電圧(VREF)は、トランジスタ406、408、410、及び、412(図4)のベース−エミッタ間電圧が、図2に示されるように、比較的に大きなベース−エミッタ間電圧に対応するような動作条件に対応する。
【0043】
さらに、図5は、基準電流(IREF)が、比較的に小さな値である場合、コレクタ電圧Vccが、変化しても、RFトランジスタ412(図4)のコレクタ電流は、あまり変化しないことを示す。比較的に小さな基準電流(IREF)は、ミラーバイアス回路402(図4)のノード426に印加される比較的に小さな基準電圧(VREF)に対応する。比較的に小さな基準電流(IREF)及び/または比較的に小さな基準電圧(VREF)は、トランジスタ406、408、410、及び、412(図4)のベース−エミッタ間電圧が、図2に示されるように、比較的に小さなベース−エミッタ間電圧において動作する動作条件に対応する。上述したように、トランジスタが、図2に示されるように、比較的に小さなベース−エミッタ間電圧で動作している場合、ベース電流すなわちコレクタ電流は、あまり変化しない。
【0044】
図6は、補償抵抗430及び432がミラーバイアス回路402(図4)に提供された場合のRF電力増幅器回路404の特性を示す。ここで、第1の補償抵抗430(Rcomp1)は、3kΩに設定される。第2の補償抵抗432(Rcomp2)は、500Ωに設定される。図6のグラフは、基準電流が、比較的に小さな値であれば、コレクタ電圧Vccが、変化しても、零入力電流としても知られているRFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、あまり変化しないことを示している。基準電流(IREF)が、2.0mAに等しい場合、コレクタ電圧Vccが5.1ボルトから3.4ボルトまで降下すれば、コレクタ電流は、63mA(符号602を参照)から60mA(符号604を参照)にまで減少する。比較的に小さなコレクタ電流(IREF)においては、ミラーバイアス回路補償のあるRF電力増幅器回路404の特性は、ミラーバイアス回路補償のないRF電力増幅器回路404の特性にほぼ等しい。
【0045】
しかしながら、比較的に大きな基準電流(IREF)においても、ミラー回路補償は、コレクタ電流の変動を相当に減少させる。例えば、基準電流(IREF)が、6.0mAである場合、コレクタ電圧Vccが、5.1ボルトから3.4ボルトまで降下すれば、コレクタ電流は、205mA(符号606を参照)から182mA(符号608を参照)まで降下する。ミラーバイアス回路補償のあるRFトランジスタ412におけるコレクタ電流の図6に示されるようなこの23mAの変化は、図5に示されるように基準電流(IREF)が6.0mAに等しい場合のミラーバイアス回路補償のない92mAの変化よりも相当に小さい。
【0046】
図4に示される選択された基準電圧(VREF)及び/または選択された基準電流(IREF)を含むミラーバイアス回路402及びRF電力増幅器回路404の実際の動作条件は、ミラーバイアス回路402及びRF電力増幅器回路404が提供された特定の機器の要求動作パラメータを定めるその他の要因によって決まる。ミラーバイアス回路402及びRF電力増幅器回路404が用いられた特定の動作特性が、比較的に大きな基準電圧(VREF)及び/または比較的に大きな基準電流(IREF)を必要とするのであれば、ミラーバイアス回路402において補償抵抗430及び432を使用することは、零入力電流としても知られているRFトランジスタ412のコレクタ電流〔(Ic)RF〕を相当に安定させるシステムを提供する。
【0047】
7.異なる実施形態
A.エミッタ側に配置された1つかまたは複数の補償抵抗
補償を取り入れたミラーバイアス回路の異なる実施形態は、補償抵抗の位置を換えることによってなされ、その結果として、補償抵抗は、ミラートランジスタ及び/またはバッファートランジスタのエミッタに結合される。3つのそのような異なる実施形態が、図7〜図9に示される。
【0048】
図7は、ミラーバイアス回路702及びRF電力増幅器回路704の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ706及び基準トランジスタ708が、ミラーバイアス回路702内に存在する。バッファートランジスタ710及びRFトランジスタ712が、RF電力増幅器回路704内に存在する。ミラーバイアス回路702及びRF電力増幅器回路704は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の第1の補償抵抗306(Rcomp1)が、新しい位置に配置されている。第1の補償抵抗は、元々は、ノード714とミラートランジスタ706のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗716は、ミラートランジスタ706のエミッタとノード718との間に結合される。また、補償抵抗716の値は、補償抵抗306(図3)の値よりもβMT倍だけ小さく、ここで、βMTは、ミラートランジスタ706の直流電流利得に等しい。
【0049】
図7Aに示されるようなミラーバイアス回路702の構成によれば、基準ノード718における電圧は、ノード722に反映され(そのために、ノード722における電圧は、ノード718における電圧にほぼ等しい)、補償抵抗716及び720の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ132(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0050】
図8は、ミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ706及び基準トランジスタ708が、ミラーバイアス回路802内に存在する。バッファートランジスタ710及びRFトランジスタ712が、RF電力増幅器回路804内に存在する。ミラーバイアス回路702及びRF電力増幅器回路704は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の第2の補償抵抗308(Rcomp2)が、新しい位置に配置されている。第2の補償抵抗は、元々は、ノード714とバッファートランジスタ710のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗806は、バッファートランジスタ710のエミッタとノード720との間に結合される。また、補償抵抗806の値は、補償抵抗308(図3)の値よりもβBT倍だけ小さく、ここで、βBTは、バッファートランジスタ710の直流電流利得に等しい。
【0051】
図8に示されるようなミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の構成によれば、基準ノード718における電圧は、ノード720に反映され(そのために、ノード720における電圧は、ノード718における電圧にほぼ等しい)、補償抵抗808及び806の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ132(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0052】
図9は、ミラーバイアス回路902及びRF電力増幅器回路904の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ706及び基準トランジスタ708が、ミラーバイアス回路902内に存在する。バッファートランジスタ710及びRFトランジスタ712が、RF電力増幅器回路904内に存在する。ミラーバイアス回路902及びRF電力増幅器回路904は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の第1の補償抵抗306(Rcomp1)及び第2の補償抵抗308(Rcomp2)が、新しい位置に配置されている。
【0053】
第1の補償抵抗は、元々は、ノード714とミラートランジスタ706のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗906は、ミラートランジスタ706のエミッタとノード718との間に結合される。また、補償抵抗906の値は、補償抵抗306(図3)の値よりもβMT倍だけ小さく、ここで、βMTは、ミラートランジスタ706の直流電流利得に等しい。
【0054】
第2の補償抵抗は、元々は、ノード714とバッファートランジスタ710のベースとの間に結合されていた。ここでは、補償抵抗908は、バッファートランジスタ710のエミッタとノード720との間に結合される。また、補償抵抗906の値は、補償抵抗308(図3)の値よりもβBT倍だけ小さく、ここで、βBTは、バッファートランジスタ710の直流電流利得に等しい。
【0055】
図9に示されるようなミラーバイアス回路702の構成によれば、基準ノード718における電圧は、ノード720に反映され(そのために、ノード720における電圧は、ノード718における電圧にほぼ等しい)、補償抵抗906及び908の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ712のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ132(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0056】
B.抵抗性の機器
補償を取り入れたミラーバイアス回路の異なる実施形態は、抵抗のような特性を有するインピーダンス素子及び/またはデバイスを使用してもよい。図10は、1つのそのような異なる実施形態を示す。
【0057】
図10は、ミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の簡略化された例としてのブロック図である。ミラートランジスタ806及び基準トランジスタ808が、ミラーバイアス回路802内に存在する。バッファートランジスタ810及びRFトランジスタ812が、RF電力増幅器回路804内に存在する。ミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804は、図3のミラーバイアス回路302及びRF電力増幅器回路304と同じように、お互いに結合され、かつ、構成される。しかしながら、図3の補償抵抗306及び308が、デバイス814及び816に置き換えられている。デバイス814及び816のパラメータは、デバイス814及び816の抵抗特性が、それぞれ、補償抵抗306及び308(図3)の抵抗にほぼ等しくなるように定められる。
【0058】
図10に示されるようなミラーバイアス回路802及びRF電力増幅器回路804の構成によれば、基準ノード818における電圧は、ノード820に反映され(そのために、ノード820における電圧は、ノード818における電圧に等しい)、デバイス814及び816の作用によって、かなり安定したRFトランジスタ812のコレクタ電流〔(Ic)RF〕すなわち零入力電流が、得られる。すなわち、RFトランジスタ812のコレクタ電流〔(Ic)RF〕は、コレクタ電圧Vccが変化しても、RFトランジスタ32(図3)のコレクタ電流とまったく同じようにして安定化される。
【0059】
さらに、デバイス814及び/または816の位置は、デバイス814及び/または816が、それぞれ、ミラートランジスタ806及び/またはバッファートランジスタ810のエミッタに追従するように変更されてもよい。デバイス814及び/または816のパラメータは、上述したシステムに基づいて定められる。
【0060】
C.非公称補償抵抗比
補償を取り入れたミラーバイアス回路の異なる実施形態は、非公称値を有する補償抵抗を使用してもよい。図4を参照して説明した補償を取り入れたミラーバイアス回路の実施形態においては、第1の補償抵抗430の第2の補償抵抗432に対する比は、N(バッファートランジスタ410のミラートランジスタ406に対する比)に等しかった。図4に示される例としての実施形態においては、この比Nは、24であった。
【0061】
図3を参照して、非公称比を用いた補償を取り入れたミラーバイアス回路の動作及び機能を説明する。非公称比は、第1の補償抵抗306の値を、第2の補償抵抗308の値によって除算し、それに続いて、上述した比Nによって除算した値に等しいと定義される。すなわち、非公称比は、補償抵抗306と308との比を比Nによって正規化した単位値に等しい。
【0062】
非公称比が、1よりも大きければ、補償抵抗308の値によって除算された補償抵抗306の値は、Nよりも大きい。非公称比が、1よりも大きい場合、バッファートランジスタ130及びRFトランジスタ132のベース−エミッタ間電圧は、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128のベース−エミッタ間電圧よりもわずかに大きい。これは、補償抵抗308による電圧降下が補償抵抗306による電圧降下よりも小さいために発生する。ベース−エミッタ間電圧のこのわずかな差は、RFトランジスタ132に流れる零入力電流を増加させる作用を有する。
【0063】
逆に、非公称比は、1.0よりも小さいかもしれない。すなわち、補償抵抗306の抵抗値を補償抵抗308の抵抗値によって除算した値は、比Nよりも小さい。ここで、ミラートランジスタ126及び基準トランジスタ128は、バッファートランジスタ130及びRFトランジスタ132よりもわずかに大きなベース−エミッタ間電圧を有する。ベース−エミッタ間電圧のこの差は、補償抵抗308による電圧降下が補償抵抗306による電圧降下よりも大きいために発生する。これは、RFトランジスタ132に流れる零入力電流を減少させる作用を有する。
【0064】
D.その他の異なる実施形態
本発明の様々な実施形態を説明したが、この技術分野に通常の知識を有する者には、本発明の範囲において、さらに多くの実施形態及び実施手段を考え出すことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の原理を説明することに重点を置いたものである。図面において、類似する符号は、図面を通して、対応する構成要素を示す。
【図1】電流ミラー補償を付加する以前のトランジスタに接続された従来技術による電流ミラーバイアス回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるトランジスタのベース−エミッタ間電圧−ベース電流特性を示すグラフである。
【図3】図1に示される電力増幅器に接続された電流ミラー補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路を示すブロック図である。
【図4】図1に基づいて構成された電力増幅器に接続された本発明の補償を取り入れた電流ミラーバイアス回路の実施形態を示すブロック図である。
【図5】電流ミラー補償を取り入れない場合(Rcomp=0Ω)の2つのコレクタ電圧に対する図1に示されるRFトランジスタのコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。
【図6】電流ミラー補償を取り入れた場合の図4に示される2つのコレクタ電圧に対する図1に示されるRFトランジスタのコレクタ電流(Ic)を基準電流(Iref)の関数として示すグラフである。
【図7】第1の補償抵抗がミラートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置された電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
【図8】第2の補償抵抗がバッファートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置された電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
【図9】第1の補償抵抗がミラートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置され、かつ、第2の補償抵抗がバッファートランジスタのエミッタに追従するように新しい位置に配置された電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
【図10】抵抗のような特性を有するデバイスを用いた電流ミラーバイアス回路の異なる実施形態を示すブロック図である。
Claims (25)
- 無線周波数(RF)トランジスタにおける零入力電流を安定化するシステムであって、
ベース及び電流定格を有するミラートランジスタと、
ベース、零入力電流、及び、電源に結合されたコレクタを有するRFトランジスタと、
ベース、前記RFトランジスタのベースに結合されたエミッタ、及び、電流定格を有するバッファートランジスタと、
抵抗値を有し、かつ、前記ミラートランジスタのベースに結合された第1の補償インピーダンス要素と、
抵抗値を有し、かつ、バッファートランジスタのベースに結合された第2の補償インピーダンス要素と、
を備え、
前記第1の補償インピーダンス要素の抵抗値が、前記第2の補償インピーダンス要素の抵抗値に係数を乗算した値に等しく、前記係数が、前記バッファートランジスタの電流定格の前記ミラートランジスタの電流定格に対する比に等しく、電源が変動しても、前記零入力電流がほぼ一定に維持されること
を特徴とするシステム。 - 基準電源と、
前記基準電源に結合された基準インピーダンス要素と、
前記基準電源、前記第1の補償インピーダンス要素、及び、前記第2の補償インピーダンス要素に結合された基準ノードと、
をさらに備える請求項1に記載のシステム。 - 前記基準電源が、電流源である請求項2に記載のシステム。
- 前記基準電源が、電圧源である請求項2に記載のシステム。
- 前記第1の補償インピーダンス要素が、抵抗である請求項1に記載のシステム。
- 前記第2の補償インピーダンス要素が、抵抗である請求項1に記載のシステム。
- 前記係数が、非公称比をさらに乗算された請求項1に記載のシステム。
- 前記非公称比が、1よりも大きい請求項7に記載のシステム。
- 前記非公称比が、1よりも小さい請求項8に記載のシステム。
- 無線周波数(RF)トランジスタにおける零入力電流を安定化するシステムであって、
ベース、エミッタ、電流定格、及び、直流(DC)電流利得(βMT)を有するミラートランジスタと、
ベースを有する基準トランジスタと、
ベース、零入力電流、及び、電源に結合されたコレクタを有するRFトランジスタと、
ベース、前記RFトランジスタのベースに結合されたエミッタ、及び、前記電流定格を有するバッファートランジスタと、
抵抗値を有し、かつ、前記ミラートランジスタのエミッタ及び前記基準トランジスタのベースに結合された前記第1の補償インピーダンス要素と、
抵抗値を有し、かつ、前記バッファートランジスタのベースに結合された第2の補償インピーダンス要素と、
を備え、
前記第1の補償インピーダンス要素の抵抗値が、前記第2の補償インピーダンス要素の抵抗値に係数を乗算した値に等しく、前記係数が、直流(DC)電流利得(βMT)によって除算した比に等しく、前記比が、バッファートランジスタの電流定格をミラートランジスタの電流定格によって除算した値に等しく、電源が変動しても、前記零入力電流がほぼ一定となること
を特徴とするシステム。 - 無線周波数(RF)トランジスタにおける零入力電流を安定化するシステムであって、
ベース及び前記電流定格を有するミラートランジスタと、
ベース、零入力電流、及び、電源に結合されたコレクタを有するRFトランジスタと、
エミッタ、前記電流定格、及び、前記直流(DC)電流利得(βBT)を有するバッファートランジスタと、
抵抗値を有し、かつ、前記ミラートランジスタのベースに結合された第1の補償インピーダンス要素と、
抵抗値を有し、かつ、前記バッファートランジスタのエミッタ及び前記RFトランジスタのベースに結合された第2の補償インピーダンス要素と、
を備え、
前記第1の補償インピーダンス要素の抵抗値が、前記第2の補償インピーダンス要素の抵抗値に係数を乗算した値に等しく、前記係数が、直流(DC)電流利得(βBT)によって除算した比に等しく、前記比が、前記バッファートランジスタの電流定格を前記ミラートランジスタの電流定格によって除算した値に等しく、電源が変動しても前記零入力電流が、ほぼ一定となること
を特徴とするシステム。 - トランジスタにおける零入力電流を安定化する方法であって、
第1の補償インピーダンス要素及び第2の補償インピーダンス要素に基準電源を提供するステップと、
ベース−エミッタ間電圧及び零入力電流を有する無線周波数(RF)トランジスタのコレクタに電源を提供するステップと、
前記電源の電圧が減少したことに応答して、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素によって降下する電圧を減少させるステップと、
それと同時に、前記電源の電圧が減少したことに応答して、前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させ、それによって、前記電源の電圧が、減少しても、零入力電流が、ほぼ一定となるステップと、
を備える方法。 - 前記基準電源を提供するステップが、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素に結合された基準インピーダンス要素に印加される基準電圧源を提供するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
- 前記基準電源を提供するステップが、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素に結合された基準インピーダンス要素に流れ込む基準電流源を提供するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
- 前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させるステップと同時に、ミラートランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させるステップをさらに備える請求項12に記載の方法。
- 前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させるステップと同時に、基準トランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させるステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
- 前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させるステップと同時に、バッファートランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させるステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
- 前記電源の電圧が増加したことに応答して、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素によって降下する電圧を増加させるステップと、
それと同時に、前記電源の電圧が増加したことに応答して、前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を減少させ、それによって、前記電源の電圧が、増加しても、零入力電流が、ほぼ一定となるステップと、
をさらに備える請求項13に記載の方法。 - トランジスタにおける零入力電流を安定化するシステムであって、
第1の補償インピーダンス要素及び第2の補償インピーダンス要素に基準電源を提供する手段と、
ベース−エミッタ間電圧及び零入力電流を有する無線周波数(RF)トランジスタのコレクタに電源を提供する手段と、
電源の電圧が減少したことに応答して、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素によって降下する電圧を減少させる手段と、
それと同時に、前記電源の電圧が減少したことに応答して、RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる手段と、
を備え、
前記電源の電圧が減少しても、零入力電流がほぼ一定となること
を特徴とするシステム。 - 前記基準電源を提供する手段が、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素に結合された基準インピーダンス要素に印加される基準電圧源を提供する手段をさらに含む請求項19に記載のシステム。
- 前記基準電源を提供する手段が、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素に結合された基準インピーダンス要素に流れ込む基準電流源を提供する手段をさらに含む請求項19に記載のシステム。
- ミラートランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる手段をさらに備え、ミラートランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる前記手段は、前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる手段と同時に動作する請求項19に記載のシステム。
- 基準トランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる手段をさらに備え、基準トランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる前記手段は、前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる手段と同時に動作する請求項22に記載のシステム。
- バッファートランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる手段をさらに備え、前記バッファートランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる前記手段は、前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を増加させる手段と同時に動作する請求項22に記載のシステム。
- 前記電源の電圧が増加したことに応答して、前記第1の補償インピーダンス要素及び前記第2の補償インピーダンス要素によって降下する電圧を増加させる手段と、
それと同時に、前記電源の電圧が増加したことに応答して、前記RFトランジスタのベース−エミッタ間電圧を減少させる手段と、
をさらに備え、
電源の電圧が増加しても、零入力電流がほぼ一定となること
を特徴とする請求項19に記載のシステム。
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