JP2004521532A - 中間周波数(if)無しのトランシーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】中間周波数無しのトランシーバ
【解決手段】トランシーバ内に、受信帯域における干渉を除去する中間周波数(IF)無しの、送信機および受信機が提供される。周波数ソースを生成する同調可能な高い発振器の出力は、所望の送信LO周波数の整数倍である。周波数ソースは振幅リミッタおよび周波数分割器に結合される。周波数分割器の出力はIFステージの必要なしに所望の出力周波数に直接アップコンバートするベースバンド信号に対する送信LOとして使用される。IFステージ無しのベースバンド送信信号の直接のアップコンバージョンは、受信帯域において生成されるスプリアス周波数生成物を除去する。
【選択図】図3
【解決手段】トランシーバ内に、受信帯域における干渉を除去する中間周波数(IF)無しの、送信機および受信機が提供される。周波数ソースを生成する同調可能な高い発振器の出力は、所望の送信LO周波数の整数倍である。周波数ソースは振幅リミッタおよび周波数分割器に結合される。周波数分割器の出力はIFステージの必要なしに所望の出力周波数に直接アップコンバートするベースバンド信号に対する送信LOとして使用される。IFステージ無しのベースバンド送信信号の直接のアップコンバージョンは、受信帯域において生成されるスプリアス周波数生成物を除去する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線通信に関する。特に、本発明は新しいそして進歩した、中間周波数無しのトランシーバ(zero IF transceiver)に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信は、部分的には無線装置の容量の向上に基づき、すざまじい成長を経てきた。電線に基づくシステムの物理的な拘束なしに遠隔通信を提供するために無線装置は無線波を利用する。情報は所定の周波数帯域において送信される無線波を使用する装置に提供される。利用可能な周波数範囲の割当ては、非常に多くのユーザに対して過度の干渉がないようにして、通信のためのアクセスを可能にするように規制されている。
【0003】
情報源から送信される情報はまれに無線送信のために準備されたフォーマットを有する。一般的には、送信機は入力信号を受取り、それを所定の周波数帯域において送信するためにフォーマットする。入力信号は搬送波を所望の周波数帯域において変調するために使用される。入力信号はまたベースバンド信号として参照される。例えば、可聴周波数の入力信号を受信した無線送信機は入力信号を搬送波周波数に変調する。
【0004】
送信機と同じ搬送波周波数に同調する対応する遠隔地の受信機は、送信された信号を受信し変調することを要求される。遠隔地の受信機は変調された搬送波からベースバンド信号を回復する。ベースバンド信号は直接ユーザに提供することができるが、ユーザに提供する前にさらに処理することもできる。消費者使用のために設計された大多数の無線装置は単独の受信機である。受信機の例としてラジオ、テレビジョン、そしてポケットベル(pager)を含む。
【0005】
ある種の無線装置は単一の容器に送信機と受信機を統合する。これらの統合された装置は通常トランシーバとして知られ、2方向通信をほぼ同時に可能にするために使用される。消費者使用のために設計されたトランシーバの例としては2方向ラジオ、ウォーキー−トーキー(walkie−talkie)、2方向ポケットベル、および無線電話がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
トランシーバに関する問題は送信機と受信機間の接近に起因する干渉である。送信機と受信機の物理的接近は、区域の1つで発生した信号が他の区域と結合する可能性を増加させる。加えて、送信機と受信機の動作周波数帯域が接近すると受信機が受信帯域において送信機によって発生した干渉を受け易くなる。受信帯域と送信帯域が接近すると、受信帯域におけるいかなるエネルギとも結合しないように送信機信号をフィルタすることがより困難となる。送信機信号をフィルタすることが不可能なことは、多重チャネル動作のために必要とされる同調可能な発振器の使用により、さらに悪化させられる。
【0007】
干渉に起因する実行上の低下を潜在的に許容するトランシーバを統合した無線装置の例は無線電話である。無線電話はTelecommunications Industry Association (TIA:電気通信工業会) / Electronics Industries Association (EIA:電子工業界) IS−95−B,MOBILE STATION−BASE STATION COMPATIBILITY STANDARD FOR DUAL−MODE SPREAD SPECTRUM SYSTEMS(デュアルモードスペクトル拡散システムに関する移動局−基地局適合標準)およびAmerican National Standards Institute (ANSI:アメリカ規格協会) J−STD−008, PERSONAL STATION−BASE STATION COMPATIBILITY REQUIREMENTS FOR 1.8 TO 2.0 GHZ CODE DIVISION MULTIPLE ACCESS (CDMA) PERSONAL COMMUNICATIONS SYSTEMS(1.8〜2.0GHZ符号分割多元接続(CDMA)個人通信システムに関する個人局−基地局の適合要件)に規定されているような無線通信システムの一部として形成することができる。2つの前記システムにおいて使用される無線電話は、それぞれ、TIA/EIA IS−98−B, RECOMMENDED MINIMUM PERFORMANCE STANDARDS FOR DUAL−MODE SPREAD SPECTRUM CELLULAR MOBILE STATIONS(デュアルモードスペクトル拡散セルラー移動局に関して推奨される最小動作標準)およびANSI J−STD 018,RECOMMENDED MINIMUM PERFORMANCE REQUIREMENTS FOR 1.8 TO 2.0 GHZ CODE DIVISION MULTIPLE ACCESS (CDMA) PERSONAL COMMUNICATIONS (1.8〜2.0GHZ符号分割多元接続(CDMA)個人局に関して推奨される最小動作要件)標準に従わなければならない。
【0008】
上記通信システムにおける動作を可能にする無線電話は9立方インチ(147cm3)より小さい物理的設計によりしばしば実施される。これらの無線電話内の送信機はしばしば受信機から1インチ(2.5cm)よりもさらに小さい間隔をおいて配置される。このように送信機と受信機との物理的接近が一方から他方に干渉する信号の結合の原因となりがちである。また、これらの通信システムにおける送信および受信帯域は互いに間近に接近した範囲内にある。TIA/EIA IS−98−Bに従って動作する無線電話は周波数帯域824〜849MHzで送信し、周波数帯域869〜894MHzで受信する。加えて、帯域内の何れか特定のチャネル上で動作する無線電話に関する送信および受信周波数はわずか45MHzにより分離されている。送信周波数と受信周波数の間のこの間隔は重複周波数(duplex frequency)として知られている。このように、送信および受信周波数はこのチャネルに関して搬送波周波数のわずか約5%で分離されている。同様に、PCS電話に関しては、送信周波数帯域は1850〜1910MHzであり、そして受信周波数帯域は1930〜1990MHzである。送信周波数は受信周波数から80MHzで分離されている。それ故に、重複周波数は搬送波周波数の約4%である。
【0009】
携帯用の無線通信装置において送信機と受信機が物理的にそしてスペクトル的に近接していることにより受信帯域における送信機による干渉を最小化することを困難にする。無線電話内の送信機は一般的に+27dBmの出力パワーを提供することが可能であり、一方受信機は同時に−104dBmのパワーレベルまたはそれより低い信号を検出することが可能である。その上、受信機の性能を最大限に活用するためには干渉を最小にしなければならない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
開示された具体例は新しい進歩した中間周波数無しのトランシーバを示す。このトランシーバはベースバンド信号を中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に変換する第1の変換をせずに所望のRF出力周波数にアップコンバート(upconvert)する。第1の具体例において、この中間周波数無しのトランシーバは所望の受信周波数の少なくとも2倍の周波数である周波数を出力する第1局部発振器(LO:Local Oscillator)を備える。第1LOの出力は周波数分割を提供する分割器(divider)に結合される。この分割器にはリミッタ(limiter)と周波数分割器の双方を組込むことができる。送信機はミクサ(mixer)を使用し、その第1の入力はベースバンド信号と結合し、その第2の入力は分割器の出力と結合される。ミクサは中間周波数(IF)ステージ(stage)を必要とせずにベースバンド信号を所望の出力信号にアップコンバートする。送信機が受信機と共に動作する場合、それは受信機のLOを生成するために第1のLOを使用することができる。受信機は受信チャネルを直接ダウンコンバート(downconvert)するために第1のLOの出力を使用する。
【0011】
トランシーバの他の具体例において、送信機LOはオフセット周波数およびLOミクサを生成する第2LOと接続する第1LOを使用して作成される。この第2LOはLOミクサの第1入力に接続され、そして第1LOはLOミクサの第2入力に接続される。このLOミクサは高側波帯(high side band)SSBミクサまたは低側波帯(low side band)SSBミクサとして形成されたSSBミクサとすることができる。結果として生じたミクサ出力は分割器に結合される。オフセット分割器もまた第2LOとLOミクサの間に使用することができる。オフセット分割器を使用した場合、第2LOの周波数は、一具体例において、送信周波数帯域の2倍より大きい。それに替えて、他の具体例においては、第2LO周波数はデュープレックス周波数(duplex frequency)の2倍より大きい。
【0012】
他の具体例において、第2LOの出力周波数は送信周波数帯域の8倍より大きい。さらに他の具体例において、第2LOの出力周波数はデュープレックス周波数の8倍より大きい。この具体例において、オフセット分割器は8により分割するために形成され、そして第2LOの出力周波数は1280MHzまたは1440MHzに設定することができる。そのうえ、第1LOはそれぞれ3476MHz〜3576MHzおよび3860MHz〜3980MHzの周波数帯域で動作するように設定することができる。
【0013】
他の具体例において、無線通信システムにおいて通信することを可能とする無線通信装置は送信機と受信機からなる。送信機は前に記載したような中間周波数無しの送信機として形成することができる。代わりの具体例において、送信機および受信機は多数の通信システムにわたって動作することが可能である。送信機が多数の通信システムにおいて動作するように形成されている場合、送信機は複数の送信周波数帯域において動作することが可能である。同様に、受信機が多数の通信システムにおいて動作するように形成されている場合、受信機は複数の周波数帯域において動作することが可能である。
【0014】
送信機は中間周波数無しの送信機として動作することが可能であり、そして第1通信システムにおける送信周波数帯域において動作するように形成された第1増幅器チェイン(first amplifier chain)および第2通信システムの送信周波数帯域において動作するように形成された第2増幅器チェイン(second amplifier chain)を組込むことができ、る。2つの増幅器チェインが使用される場合、その具体例は、第1増幅器チェインの出力に結合された第1の入力および第2増幅器チェインの出力に結合された第2のダイプレクサ(diplexer)入力を有するダイプレクサを組込むことができる。
【0015】
開示された具体例の特徴、目的、および利点は、図面と組み合わせる場合、以下に述べる詳細な記載からより明らかになるであろう。ここで同様の参照符号は全体として一致するように同一視する。
【0016】
【発明の実施の形態】
多くの無線装置は受信機および送信機に関しデュアルコンバージョンアーキテクチャ(dual conversion architecture)構造を使用する。図1は前に記載した通信システムの1つにおいて動作可能な無線電話において使用することのできる無線トランシーバのブロック図を示す。
【0017】
到来する無線波に対して無線装置100を接続するためにアンテナ10が使用される。アンテナ10はまた送信機からの信号を放送するために使用される。アンテナ10において無線装置100と結合される到来する無線波は、送受切換器(duplexer)20と結合される。送受切換器20は到来する受信帯域信号をフィルタするが、より重要なことは、送信電力を受信経路から電気的に分離するために使用され、そして送信機と受信機が同一アンテナを使用することを可能にすることである。送受切換器20は受信経路内の信号を低ノイズ増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)22に接続し、同時に一方で受信帯域外の信号を拒否する。理想的には、送信帯域内の信号が受信帯域信号と干渉しないように、送受切換器20は送信帯域内の全ての信号を拒否する。しかしながら、送受切換器20の実際的な動作においては、送信帯域内の信号に関し限定された拒否のみが準備される。
【0018】
受信信号を増幅するために送受切換器20に続くLNA22が使用される。このLNA22もまた受信機の雑音指数(noise figure)に対して主要な貢献をする。LNA22の雑音指数は受信機の雑音指数に直接加わる一方、その後のステージの雑音指数はLNA22の利得に比例して減少する。このように、LNA22は、後のステージにおける雑音指数の寄与を最小化するために、受信帯域内において最小の雑音指数を提供する一方で、十分な利得によって受信信号を増幅するために選択される。DC電力の要求および装置の3次のインターセプト ポイント(third order intercept point)のような、競合する設計上の要求が存在するため、LNA22の利得の選択を困難にしている。LNA22において増幅された信号はRFフィルタ24と結合される。RFフィルタ24は受信帯域外の信号に対しさらなる排除を行うために使用される。送受切換器20は受信帯域外の信号に対する十分な排除を提供することができないため、RFフィルタ24が前のフィルタリングを補充する。受信機の雑音指数に対するその寄与を低減するために、RFフィルタ24が第1のLNA22ステージの後に使用される。RFフィルタ24の出力は第2LNA26に結合される。第2LNA26が受信したRF信号をさらに増幅するために使用される。第2LNA26ステージは、単一のLNAステージでは十分な利得を得ることができず、一方3次のインターセプト制約(third order intercept constraint)を満足させる場合に使用される。第2LNA26からの出力信号はRFミクサ30の入力に結合される。
【0019】
RFミクサ30は増幅された受信信号を中間周波数(IF)にダウンコンバートするため局部的に生成された周波数信号とミキシングする。RFミクサ30のIF出力は信号レベルを増加させるために使用されるIF増幅器32に結合される。IF増幅器32は限定された周波数応答を有し、RFミクサ30からの出力であるアップコンバートされた信号は増幅しない。IF増幅器32の出力はIFフィルタ34に結合される。
【0020】
IFフィルタ34は信号受信チャネルからのIFのみをフィルタするために使用される。IFフィルタ34はRFフィルタ24が有するよりもより狭い周波数応答を有する。RFチャネルの周波数に無関係に、RFミクサ30は所望のRFチャネルを同じIFにダウンコンバートするため、IFフィルタ32はより狭い帯域幅を有することが可能である。これに対し、RFフィルタ24は受信帯域内のいかなるチャネルも通信リンクに割当てることを可能にするため、全ての受信帯域を通過させなければならない。IFフィルタ34の出力は受信自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)増幅器36に結合される。AGC増幅器36は後のステージのために受信信号について一定の振幅を維持するために使用される。AGC増幅器36の利得は増幅器の出力の振幅を検出する制御ループ(示されていない)を使用して変化させられる。AGC増幅器36からの出力はIFミクサ40に結合される。
【0021】
IFミクサ40はIF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする。IFミクサ40に接続されて使用される局部発振器(LO:Local Oscillator)は第1のLO150から分離されておりそして種類が異なる。IFミクサ40のベースバンド出力はベースバンドプロセッサ(baseband processor)102に結合される。ベースバンドプロセッサ102のブロックはベースバンド信号について成される全てのその後の処理を実行する。後の処理の例として、逆拡散(despreding)、デインタリーブ(deinterleaving)、エラー訂正、フィルタリング、および増幅を含むが、これに限定されるものではない。受信された情報は続いて適切な宛先に一定手順に従って発送される。この情報は無線装置において使用することができ、または表示装置、ラウドスピーカ、またはデータポートのようなユーザインタフェースに一定手順に従って発送することができる。
【0022】
また同じベースバンドプロセッサ102を相補的送信機(complementary transmitter)内で使用することができる。送信されるべき情報がベースバンドプロセッサ102に入力され、ここでこの情報は例えばインタリーブされ、拡散され、そして符号化される。処理された信号は送信IFミクサ110に結合され、ここでベースバンドは送信IFにアップコンバートされる。送信IFミクサ110と接続されて使用される送信LO112は第1のLO150および受信IF LOとは独立して形成される。
【0023】
IFミクサ110からのアップコンバートされた送信IF信号出力は、送信AGC増幅器114に結合される。送信AGC増幅器114は送信IF信号の振幅を制御するために使用される。IF信号の振幅制御は、信号が全ての後続する増幅ステージの線形領域内に維持されることを確実にするために必要とされ、または、IS−95およびJ−STD−008通信システムの中で使用される無線受話器のために必要とされる場合において送信電力の制御のために使用することができる。AGC増幅器114の出力は、ミクサおよび増幅器の望ましくない生成物を拒否するために使用される送信IFフィルタ116に結合される。フィルタされた出力は送信RFミクサ120に結合される。送信RFミクサ120は送信IFを適切な送信RF周波数にアップコンバートするために使用される。
【0024】
送信RFミクサ120からのアップコンバートされたRF出力は第1の送信RFフィルタ122に結合される。第1の送信RFフィルタ122は望ましくないミクサ生成物(mixer products)を拒否するために使用される。第1の送信RFフィルタ122の出力はドライバー増幅器(driver amplifier)124に結合される。ドライバー増幅器124は信号を後続する電力増幅器128によって必要とされるレベルに増幅する。信号が電力増幅器128に加えられる前に、信号は第2の送信RFフィルタ126によってフィルタされる。第2の送信RFフィルタ126はさらにミクサ生成物を拒否するために使用され、そしてまたドライバー増幅器124によって生成された帯域外生成物を拒否するために使用される。ドライバー増幅器124によって生成された帯域外生成物は、非線形動作領域への増幅器の駆動によって生成された高調波生成物かもしれない。第2の送信RFフィルタ126からの出力は大電力増幅器128に結合される。大電力増幅器128は送信信号を受取人への通信リンクを確実にするのに十分な電力レベルに増幅するために使用される。大電力増幅器128の出力はアイソレータ(isolator)130に結合される。
【0025】
アイソレータ130は大電力増幅器128の出力を保護するために使用される。
大電力増幅器128の信号は最小の損失でアイソレータ130を通過することが可能であるが、アイソレータ130の出力において生じ易い信号はアイソレータ130への入力において大きく減衰させられる。このように、アイソレータ130は大電力増幅器128の出力に対し好適なインピーダンスマッチを提供し、そして後続するステージにおけるインピーダンスミスマッチに起因する反射信号から増幅器を保護する。アイソレータ130からの出力は、受信経路からの送信信号を拒否すると同時に、送信信号を信号アンテナ10に結合するために使用される送受切換器20に結合される。
【0026】
図2はIFなしの受信機(zero IF receiver)としての受信機を提供するトランシーバ200のブロック図である。IFなしの受信機としての受信機の提供は、受信機における部品の数を少なくすることにより、受信機の複雑さを低減する。このことはまた受信機のコストを低減する。RF、高周波、受信機および送信機における双方の経路は、図1に示されているトランシーバについてのものと同じである。従って、図2におけるRF要素のための参照番号は図11のものと対応する。
【0027】
図2の受信機はIFなしの受信機なので、図2の受信機における周波数変換ステージは図1のものとは異なる。受信RFミクサ230はRF信号を直接ベースバンド信号に変換する。このベースバンドへの直接の変換を達成するために、RF LO 250は正確に所望の受信周波数において動作する。受信RFミクサ230の出力は、ベースバンドプロセッサ202と結合される前にベースバンドフィルタ234に結合される。ベースバンドフィルタ234はベースバンドプロセッサ202に対し外付けとすることができるが、またはベースバンドプロセッサ202の内部に組込むことができる。
【0028】
送信機に関し送信機周波数プラン(transmitter frequency plan)に対して重要度の小さい変更をした同じRF LO 250を使用することができる。送信機IFはデュプレックス周波数(duplex frequency)と等しくなければならない。ベースバンドプロセッサ202はベースバンド送信信号をIFミクサ210に結合させる。IF LO 212はデュプレックス周波数において動作するために形成される。その結果、IFミクサ210の出力はデュプレックス周波数にアップコンバートされたベースバンド信号の複製である。送信IF信号は続いてAGC増幅器214およびIFフィルタ216に結合される。IFフィルタ216の出力は送信RFミクサ220の入力に結合される。この送信RFミクサ220は受信機のために使用されたのと同じRF LO 250を使用する。送信IFはこのようにして所望のRF送信周波数にアップコンバートされる。
【0029】
図2のトランシーバの具体例における問題点は、アップコンバートされた送信信号におけるRF LO周波数の存在である。送信RFミクサ220にLO周波数を拒否する能力がないため、LO周波数の周波数成分が送信RFミクサ220の出力において生ずる。LO周波数成分は送信RF経路において増幅されるが、送受切換器20と同様に、送信RFフィルタ126においても拒否される。しかしながら、LO周波数の周波数成分は受信機の閾値(receiver threshold)よりも大きく残存する。このことは、LO周波数が所望の受信周波数に同調するために干渉の問題を生じさせる。この結果は所望の受信周波数における受信機の感度低下となる。
【0030】
図2に示されるトランシーバの構成はまた受信機に直接結合するLOより生成されるスプリアス生成物(spurious product)に関連する問題を有するかもしれない。LOが受信機に密に物理的に近接していることは、LO信号が受信RF経路に結合することを許容する。受信機におけるスプリアス生成物の影響は受信機の感度低下である。受信機はスプリアス生成物の存在のため受信閾値(receive threshold)近傍にある信号を正確に受信することが不可能となる。
【0031】
他のトランシーバ300の具体例のブロック図が図3に示される。トランシーバはいまだIF無しの受信機として動作し、そして受信信号経路は図2に示されたものから変更されずに留まる。受信機に対する変更はLOを生成する方法のみである。
【0032】
送信機はここではIF無しの送信機として動作し、デュープレックス周波数におけるIFステージを削除する。送信IF部分は図2に示されたものと同じに留まるが、ベースバンドおよびアップコンバージョンの構成要素は変わる。さらに、LOを生成する方法が変えられる。
【0033】
送信機はIF無しの送信機として動作する。ベースバンドプロセッサ302からの信号は、送信ミクサ320に結合される前に、ベースバンドフィルタ304に結合される。ベースバンドフィルタ304は一般的に信号帯域幅の外側のいかなる高周波成分も阻止するために使用されるローパスフィルタである。ベースバンドフィルタ304はベースバンドプロセッサ302の外側で動作させることができ、またはベースバンドプロセッサ302内で動作するフィルタを選択して動作させることができる。
【0034】
ベースバンドフィルタ304の出力は送信ミクサ320の第1の入力に結合される。所望の送信RF周波数における局部発振器信号は送信ミクサ320の第2の入力に結合される。送信ミクサ320からのアップコンバートされた出力は帯域外のミクサ生成物を拒否するためにRFフィルタ122に結合される。RFフィルタ122の出力はRF増幅器324に結合される。RF増幅器324は送信経路のRF利得が変化可能なようにAGC増幅器として動作する。RF増幅器324の出力は第2RFフィルタ126に結合される。送信経路の残りは前に論じた送信機と同じである。
【0035】
ベースバンド信号をアップコンバートするために使用される局部発振器(LO)は2つの独立の発振器および一連の分割器を使用して形成される。第1LO350は所望の受信RF周波数の少なくとも2倍の第1周波数を生成する。IS−95またはJ−STD−008に規定された周波数帯域において動作するように設計された無線電話において使用される典型的なトランシーバの第1発振器350としてはUHF発振器が使用される。
【0036】
第1発振器350の出力は送信LOリミッタ356と同様に受信LOリミッタ352に結合される。第1発振器350の信号出力は2つのリミッタ352および356の入力に直接結合することができるが、または信号スプリッタ(signal splitter)、ハイブリッド(hybrid)、またはRF設計における通常の熟練を有するものに知られている何らかの他の手段を使用して結合することができる。
【0037】
受信LOリミッタ352からの出力を受信LO分割器354に結合することにより受信LO信号が生成される。受信LO分割器354は第1発振器350の振幅が制限された周波数出力を適切な係数により比率に応じてスケール(scale)する。図3に示される典型的な具体例において、第1発振器350は所望の受信周波数の2倍で動作するように同調させられ、そして受信LO分割器354は周波数を係数2による比率に応じて定めるために動作する。受信LO分割器354の比率に応じて定められた出力は所望の受信周波数であり、そして受信LO信号として使用される。
【0038】
送信LOは、デュープレックス周波数に関して補償するためのオフセット周波数発振器360を必要とすることを除き、同様の方法により生成される。第1発振器350の出力は信号が振幅制限される送信LOリミッタ356に結合される。送信LOリミッタ356の出力は送信LO分割器358に結合される。送信LO分割器358は、受信LO分割器354において使用されたのと同じ係数により、周波数を比率に応じて定める。
【0039】
送信LO分割器358の出力はLOオフセットミクサ370の第1入力に結合される。オフセット周波数発振器360の出力はLOオフセットミクサ370の第2入力に結合される。ブロック図からオフセット周波数発振器360の周波数はデュープレックス周波数に等しいことを知ることができる。LOオフセットミクサ370は1つの主たるミクサ生成物のみを出力する単一側波帯(SSB:Single Side Band)ミクサである。SSBミクサは2つの入力周波数の和または2つの入力周波数の差のうちのいずれかの周波数出力を提供する。SSBミクサはLOオフセットミクサ370の出力において望ましくないミクサ生成物を最小化するために使用される。一具体例は2つの入力周波数の差を出力するSSBミクサを使用する。LOオフセットミクサ370の出力は所望の送信周波数にあり、そして送信ベースバンド信号をRF周波数に直接アップコンバートするために送信ミクサ320への入力として使用される。
【0040】
図3に示す具体例は、受信周波数成分の大部分が送信経路と結合することを排除する。受信LO分割器354が受信ミクサ230に物理的に近接していることは、信号の送信経路へのいかなる結合も最小化する。送信LOの生成におけるLOオフセットミクサ370の使用は、送信LO信号中の受信周波数成分の振幅を最小化する。しかしながら、受信周波数を完全に除去することはできない。受信周波数成分のいくらかはLOオフセットミクサ370を通って洩れるであろう。LOオフセットミクサ370によって提供される阻止の量はRFリジェクション(RF rejection)として指定され、そして不定ではない。送信LO中に多少の受信周波数成分を有する結果として、送信出力における望ましくない信号が受信周波数に関して生ずるであろう。
【0041】
図4はIF無しの送信機およびこれと組合わされたIF無しの受信機とを使用するトランシーバ400の具体例のブロック図である。送信機および受信機の構成要素は参照番号に反映されているように図3において詳細に述べたものと同じである。
【0042】
送信および受信信号経路の構成要素は図3において示されているブロック図と同じ構成で配置されている。唯一の差は送信LOを生成する方法である。
【0043】
第1の発振器350は受信周波数の整数倍である信号を生成するためにまだ使用されている。第1の発振器350の出力はバッファ増幅器(buffer amplifier)452に結合される。バッファ増幅器452は種々の目的に供される。増幅器452は第1LO350に対し安定なインピーダンスを提供し、干渉およびLO出力の負荷の変化を最小化するためにLOの出力をバッファーする。バッファ増幅器452は実用上含む必要はなく、この場合第1LO350は十分な出力電力を有し、そして出力負荷変動および干渉に敏感ではない。実際に、応用上第1LO350の出力電力は後続するステージのために要求されるよりも大きく、バッファ増幅器452に代えて減衰器を使用することができる。
【0044】
しかしながら、バッファ増幅器452を使用する具体例において、この増幅器の出力はLOミクサ470の第1入力に結合される。LOミクサ470の第2入力は第2LO460によって生成された信号を受信する。第2LO460は送信機帯域幅の少なくとも2倍の周波数で発振するように形成される。さらに、第2LO460の動作周波数は出力周波数の整数倍が受信帯域における生成物を生成しないように選択される。第2LO460の出力はオフセットLO分割器462に結合される。オフセットLO分割器462は入力周波数を整数で割った出力周波数を生成する。最初の具体例において、オフセットLO分割器462は8による分割(division)を行なう。オフセットLO分割器462は単一のIC、複数のIC、個別部品、または個別部品とICの組合わせとして形成することができる。オフセットLO分割器462はこの技術分野において通常の熟練を有する者が利用可能ないずれかの手段により形成することができ、その形成はIF無しの送信機に限定されない。LO分割器462の出力はデュプレックス周波数の倍数である。LO分割器462の出力はLOミクサ470の第2入力に結合される。LOミクサ470の出力はリミッタ456に結合される。
【0045】
リミッタ456は信号の振幅が比較的安定になるように信号を振幅制限する。
リミッタ456はIC、増幅器、または個別部品とすることができ、またはリミッタ456は信号経路の隣接するステージに組み込むことができる。リミッタ456の出力はLO分割器458に結合される。LO分割器458は入力信号を整数値によって分割することによって所望のLO信号を生成する。一具体例において、分割値は2である。他の具体例において分割値は4である。LO分割器458およびリミッタ456は単一の装置に組み込むことができる。入力信号を限定するように本来動作する分割器458は別個のリミッタ456の除去を可能にするであろう。分割された出力はベースバンド信号を所望の送信周波数にアップコンバートするための所望のLO信号として使用される。
【0046】
図4のトランシーバがIS−95によって規定されたシステムにおいて通信するために形成される場合、送信帯域は824〜849MHzでありそして受信帯域は869〜984MHzである。第1発振器350は3476〜3576MHzにより動作するように形成される。第2発振器460は固定された周波数1440MHzにおいて動作するように形成される。オフセットLO分割器462は第2LO460を係数8により分割するように形成される。オフセットLO分割器462の出力は180MHzにおける信号である。オフセットLO信号は続いてSSBミクサ470の第1発振器にミクスされる。SSBミクサ470はこの具体例において低側波帯のみを有するものである。望む場合には、発振器周波数は高側波帯を有するように調整することができる。この場合、高側波帯SSBミクサが必要とされる。SSBミクサ470の出力はリミッタ456および分割器458に結合される。分割器458は結果として生じた送信LO信号を係数8により分割するように形成される。分割器の出力は824〜849MHzの周波数帯域内にあり、そしてこのようにして送信ベースバンド信号をRF周波数帯域に直接アップコンバージョンすることを可能にする。
【0047】
図5はトランシーバに使用するためのIF無しの受信機500の具体例のブロック図を示す。アンテナ510はLNA522と結合される。ブロック図は直接の接続を示すが、トランシーバにおいてアンテナ510は送受切換器を介してLNA522に接続されることを理解すべきである。LNA522の出力は続いてフィルタ524および増幅器526に結合される。増幅器526の出力は2つの受信ミクサ530および532に結合される。受信ミクサ530および532のそれぞれにはLO信号が供給される。2つのミクサ530および532へのLO信号は90°位相が異なる。ミクサ530および532のそれぞれはベースバンド信号を出力する。これらベースバンド信号はLO信号の位相関係において直角位相(quadrature)にある。これらベースバンド信号は続いてフィルタされ、そしてベースバンドプロセッサ502に結合される。LO信号は直角位相にある2つのLO信号を生成するために直角位相スプリッタ556が使用されることを除き図4のトランシーバにおけるように生成される。
【0048】
図6はIS−95およびJ−STD−008の双方に規定されるシステムにおいて通信を可能にする無線電話において使用されるIF無しの送信機600の具体例のブロック図である。図6の送信機600は通信のためにフォーマットされた信号を提供するためにベースバンドユニット602を使用する。しかしながら、前の具体例におけるベースバンドプロセッサとは異なり、図6のベースバンドプロセッサ602は一対の出力信号を提供し、各出力信号は平衡するまたは差動する対(balanced or differential pair)として動作する。ベースバンドプロセッサ602からの2つの出力は同じであり、そして次のステージにおいて信号の直角位相変調を可能とするように別個の信号経路として提供される。
【0049】
第1のベースバンド出力はベースバンド信号を所望のRF周波数に直接アップコンバートする第1のRFミクサ612に結合される。第2のベースバンド出力は第2ベースバンド出力を第1RFミクサ612の出力におけるものと同じRF周波数に直接アップコンバートする第2のRFミクサ610に結合される。これらミクサ出力間の差はベースバンド信号をアップコンバートするために使用されるLO信号の相対的位相差に寄与する。第1および第2のRFミクサ612および610を駆動しているLO信号の位相は90°差がある。LO信号における90°の位相差はアップコンバートされた信号が90°の位相差を有する結果をもたらす。90°位相差を有する信号は直角位相に有ると云われる。
【0050】
直角位相RF信号は続いて、2つのRF信号を共に加算することにより、2つの直角位相信号を単一の信号に組合わせる信号加算器(signal summer)620に結合される。信号加算器620の入力はRFミクサ610および620のそれぞれからの平衡化された出力(balanced output)に従って平衡が保たれている。信号加算器620の出力もまた共通モード(common mode)ノイズソースからの信号干渉を最小化するために平衡化された信号である。
【0051】
信号加算器620の出力は2つの増幅器チェインに同時に結合する。第1増幅器チェイン660は、J−STD−008において規定されているような、PCS送信帯域において動作するように形成される。第2増幅器チェイン670は、IS−95において規定されているような、セルラー送信帯域において動作するように形成される。いかなる時点においても、1つの増幅器チェインのみが動作する。送信機600が特定の周波数帯域において送信するように形成されている場合、その周波数帯域を維持する増幅器チェインのみが動作する。使用されない増幅器チェインは電力を節約するために制御回路(示されていない)によって電力が低下させられる。
【0052】
PCS周波数帯域において送信されるように形成されたアップコンバートされた直角位相信号は第1増幅器チェイン660に結合される。第1増幅器チェイン660における第1の構成要素は第1送信AGC増幅器662である。送信信号に関して利得制御を提供するのに加え、第1送信AGC増幅器662はさらに平衡化された入力信号を単一の最終の信号に変換する。第1送信AGC増幅器662の出力は第1送信フィルタ664に結合される。第1送信フィルタ664は所望のRF周波数帯域の外側のいずれの信号も拒否する。第1送信フィルタ664の出力は、増幅されたRF信号が第1アイソレータ668に結合されている第1電力増幅器666に結合される。第1アイソレータ668の出力は第1増幅器チェイン660の出力である。第1増幅器チェイン660の出力はダイプレクサ680の第1入力に結合される。ダイプレクサ680は2つの別個の周波数帯域からの信号を単一の信号に結合するために使用される一方で1つの入力信号経路からの信号と他のものとの分離を提供する。ダイプレクサ680は前に示した信号アンテナと送信機および受信機とを結合している送受切換器とは相違する。ここで、ダイプレクサ680は2つの相違する送信信号経路を単一のアンテナ610に結合する。送受切換器は送信および受信信号をアンテナに結合するために使用され、ここで送信機600は共通のアンテナを有するトランシーバ内で受信機と共に動作する。
【0053】
同様に、セルラー周波数帯域において送信されように形成されたアップコンバートされた直角位相信号は第2増幅器チェイン670に結合される。第2増幅器チェイン670の入力ステージは第2送信AGC増幅器672である。第2送信AGC増幅器672は平衡化された入力(balanced input)を使用し、単一の最終出力を提供する。第2送信AGC増幅器672の出力は第2送信フィルタ674に結合される。第2送信フィルタ674はセルラー周波数帯域の外側の信号を拒否する。第2送信フィルタ674の出力は第2電力増幅器676に結合する。第2電力増幅器676の出力は第2増幅器チェイン670の最終ステージである第2アイソレータ678と結合する。第2増幅器チェイン670の出力はダイプレクサ680の第2入力に結合する。前に述べたように、ダイプレクサ680はアンテナ610の第2入力に結合する。
【0054】
ミクサを駆動するために使用されるLOは2つの異なる発振器から生成される。第1LO550は所望のRF受信周波数の2倍の最小値よりも大きい周波数において動作する。送信機600がPCS帯域において動作するように形成された場合、第1LOは3860〜3980MHzの周波数範囲で動作する。送信機600がセルラー帯域において動作するように形成された場合、第1LOは3476〜3576MHzの周波数帯域で動作する。第1LO550の出力は、第1LO550の振幅を増幅し、そして第1LO550の出力に対して安定した終点インピーダンスを提供するバッファ増幅器632に結合する。バッファ増幅器632は、共通モードノイズの影響を最小化するために、単一の最終入力(ended input)および平衡化出力(balanced output)の構成を備える。バッファ増幅器632の出力はSSBミクサ650に結合される。SSBミクサ650は低側波帯を出力し、そして高側波帯を減衰させる。
【0055】
送信機がセルラー帯域において動作するように形成されている場合には第2LO640は1440MHzの周波数において動作し、そして送信機がPCS帯域において動作するように形成されている場合には1280MHzの周波数において動作する。第2LO640の出力は平衡化された信号である。平衡化された出力はオフセット周波数分割器(offset frequency divider)642に結合される。オフセット周波数分割器642は第2LO信号を係数8により分割するように構成される。送信機600がセルラー帯域において動作するように構成されている場合には分割された出力は180MHzの周波数ソースであり、そして送信機600がPCS帯域において動作するように構成されている場合には160MHzである。分割された出力はSSBミクサ650の第2入力に結合される。
【0056】
SSBミクサ650の出力は続いてリミッタ652およびLO分割器656に結合される。LO分割器656は送信機600がPCS帯域において動作するように構成されている場合には入力された信号を係数2により分割するために形成され、そして送信機600がセルラー帯域において動作するように構成されている場合には入力信号を係数4により分割する。LO分割器656の出力は90°スプリッタ658に結合される。90°スプリッタ658はLO信号を、一方の出力が他方のスプリッタ出力と比較して90°位相がシフトしている、2つの等しい振幅の信号に分割する。2つの出力は直角位相にあると云われ、送信経路において直角位相でアップコンバートされた信号を生成するために使用される。
【0057】
図6に示される送信機600はセルラーおよびPCS周波数帯域の双方において動作することが可能である。受信機の動作と干渉する送信機スプリアス生成物無しに、セルラーおよびPCS帯域において動作するトランシーバを作成するために、送信機600は対応する受信機と共に集積化することが可能である。
【0058】
図7はRF信号に関するリミッタおよび分割器の効果を示す周波数スペクトル図である。図7Aは非常に小さい隣接する周波数成分を有する支配的な信号の周波数スペクトルを示す。図7Bは狭帯域AM信号の周波数スペクトルを示し、変調周波数は図7Aの隣接する信号の周波数オフセットに対応する。図7Cは狭帯域PM信号の周波数スペクトルを示し変調周波数は図7Aの隣接する信号の周波数オフセットに対応する。図7Cにおいて中心周波数の左側における反転した周波数成分は低側波帯の反転した位相を示すために使用される。
【0059】
図7A〜7Cを考察することにより、単一側波帯を有する支配的な信号は図7BのAM信号と対応する図7CのPM信号を加算することにより生成できることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
信号にAMおよびPM成分の双方を有する効果は送信機においてLO信号の生成に使用される。図7Dはf1に位置する主要な周波数そしてf1+f2に位置するより小さい周波数成分の周波数スペクトルを示す。図7Eは信号がリミッタ702を通過した後、結果として生じた周波数スペクトルを示す。リミッタ702の効果は信号中のAM成分の全てを拒否することである。残存する周波数成分はPM信号である。低側波帯の位相反転は図7Eには図示されていない。図7Fは分割器704を通過した後の信号の周波数スペクトルを示す。この例においてf1における元の周波数成分は係数2により下方に分割され、その結果として周波数成分が(f1)/2に生ずる。しかしながら、この信号のPM変調による側波帯は中心周波数に関するそれらの間隔を維持することに注目されたい。上側の側波帯は(f1)/2+f2であり、そして下側の側波帯は(f1)/2−f2である。周波数間隔のこの維持は図3および図6のブロック図における送信LO信号の生成における利点として使用されることが分かる。
【0061】
好ましい具体例についての前の記載は、この技術に関し熟練するいずれの者も本発明を製作し使用することが可能にするために提供される。これらの具体例に対する種々の変更がこの技術に関し熟練するものにとって容易であることは明らかであり、そしてここに規定されている一般的な原理は他の具体例に関しても発明能力を用いることなく適用可能である。このように、本発明はここに示される具体例に限定することを意図するものではなく、ここに開示された原理および新規な特長から成る最も広い範囲に一致すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1はトランシーバのブロック図である。
【図2】
図2は第1のトランシーバの具体例のブロック図である。
【図3】
図3は中間周波数無しのトランシーバの具体例のブロック図である。
【図4】
図4は第2の中間周波数無しのトランシーバの具体例のブロック図である。
【図5】
図5は中間周波数無しの受信機の具体例のブロック図である。
【図6】
図6は中間周波数無しの送信機の具体例のブロック図である。
【図7】
図7は狭帯域変調信号のスペクトル図である。
【符号の説明】
10 … アンテナ、 20 … 送受切換器、 22 … 低ノイズ増幅器(LNA)、 24 … RFフィルタ、 26 … LNA、 30 … RFミクサ、 32 … IF増幅器、 34 … IFフィルタ、 36 … AGC増幅器、 40 … IFミクサ、 100 … 無線装置、 102 … ベースバンドプロセッサ、 110 … IFミクサ、 112 … LO、 120 … RFミクサ、 122 … RFフィルタ、 124 … ドライバー増幅器、 126 … RFフィルタ、 128 … 第1電力増幅器、 130 … アイソレータ、 200 … トランシーバ、 202 … ベースバンドプロセッサ、 210 … IFミクサ、 212 … IF LO、 214 … AGC増幅器、 216 … IFフィルタ、 220 … RFミクサ、 230 … RFミクサ、 234 … ベースバンドフィルタ、 250 … RF LO、 300 … トランシーバ、 302 … ベースバンドプロセッサ、 304 … ベースバンドフィルタ、 320 … 送信ミクサ、 324 … RF増幅器、 350 … 第1LO、 352 … 受信LOリミッタ、 354 … 受信LO分割器、 356 … 送信LOリミッタ、 358 … 送信LO分割器、 360 … オフセット周波数発振器、 370 … LOオフセットミクサ、 400 … トランシーバ、 452 … バッファ増幅器、 456 … リミッタ、 458 … LO分割器、 460 … 第2LO、 462 … オフセットLO分割器、 470 … LOミクサ、 500 … IF無しの受信機、 502 … ベースバンドプロセッサ、 510 … アンテナ、 522 … LNA、 524 … フィルタ、 526 … 増幅器、 530 … 受信ミクサ、 532 … 受信ミクサ、 550 … LO、 556 … 直角位相スプリッタ、 600 … IF無しの送信機、 602 … ベースバンドユニット、 610、612 … RFミクサ、 620 … 加算器、 632 … バッファ増幅器、 642 … オフセット周波数分割器、 650 … SSBミクサ、 652 … リミッタ、 656 … LO分割器、 658 … 90°スプリッタ、 660 … 第1増幅器チェイン、 662 … 第1AGC増幅器、 664 … 第1送信フィルタ、 666 … 第1電力増幅器、 668 … 第1アイソレータ、 670 … 第2増幅器チェイン、 672 … 第2送信AGC増幅器、 674 … 第2送信フィルタ、 676 … 第2電力増幅器、 678 … 第2アイソレータ、 680 … ダイプレクサ、 702 … リミッタ、 704 … 分割器
【発明の属する技術分野】
本発明は無線通信に関する。特に、本発明は新しいそして進歩した、中間周波数無しのトランシーバ(zero IF transceiver)に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信は、部分的には無線装置の容量の向上に基づき、すざまじい成長を経てきた。電線に基づくシステムの物理的な拘束なしに遠隔通信を提供するために無線装置は無線波を利用する。情報は所定の周波数帯域において送信される無線波を使用する装置に提供される。利用可能な周波数範囲の割当ては、非常に多くのユーザに対して過度の干渉がないようにして、通信のためのアクセスを可能にするように規制されている。
【0003】
情報源から送信される情報はまれに無線送信のために準備されたフォーマットを有する。一般的には、送信機は入力信号を受取り、それを所定の周波数帯域において送信するためにフォーマットする。入力信号は搬送波を所望の周波数帯域において変調するために使用される。入力信号はまたベースバンド信号として参照される。例えば、可聴周波数の入力信号を受信した無線送信機は入力信号を搬送波周波数に変調する。
【0004】
送信機と同じ搬送波周波数に同調する対応する遠隔地の受信機は、送信された信号を受信し変調することを要求される。遠隔地の受信機は変調された搬送波からベースバンド信号を回復する。ベースバンド信号は直接ユーザに提供することができるが、ユーザに提供する前にさらに処理することもできる。消費者使用のために設計された大多数の無線装置は単独の受信機である。受信機の例としてラジオ、テレビジョン、そしてポケットベル(pager)を含む。
【0005】
ある種の無線装置は単一の容器に送信機と受信機を統合する。これらの統合された装置は通常トランシーバとして知られ、2方向通信をほぼ同時に可能にするために使用される。消費者使用のために設計されたトランシーバの例としては2方向ラジオ、ウォーキー−トーキー(walkie−talkie)、2方向ポケットベル、および無線電話がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
トランシーバに関する問題は送信機と受信機間の接近に起因する干渉である。送信機と受信機の物理的接近は、区域の1つで発生した信号が他の区域と結合する可能性を増加させる。加えて、送信機と受信機の動作周波数帯域が接近すると受信機が受信帯域において送信機によって発生した干渉を受け易くなる。受信帯域と送信帯域が接近すると、受信帯域におけるいかなるエネルギとも結合しないように送信機信号をフィルタすることがより困難となる。送信機信号をフィルタすることが不可能なことは、多重チャネル動作のために必要とされる同調可能な発振器の使用により、さらに悪化させられる。
【0007】
干渉に起因する実行上の低下を潜在的に許容するトランシーバを統合した無線装置の例は無線電話である。無線電話はTelecommunications Industry Association (TIA:電気通信工業会) / Electronics Industries Association (EIA:電子工業界) IS−95−B,MOBILE STATION−BASE STATION COMPATIBILITY STANDARD FOR DUAL−MODE SPREAD SPECTRUM SYSTEMS(デュアルモードスペクトル拡散システムに関する移動局−基地局適合標準)およびAmerican National Standards Institute (ANSI:アメリカ規格協会) J−STD−008, PERSONAL STATION−BASE STATION COMPATIBILITY REQUIREMENTS FOR 1.8 TO 2.0 GHZ CODE DIVISION MULTIPLE ACCESS (CDMA) PERSONAL COMMUNICATIONS SYSTEMS(1.8〜2.0GHZ符号分割多元接続(CDMA)個人通信システムに関する個人局−基地局の適合要件)に規定されているような無線通信システムの一部として形成することができる。2つの前記システムにおいて使用される無線電話は、それぞれ、TIA/EIA IS−98−B, RECOMMENDED MINIMUM PERFORMANCE STANDARDS FOR DUAL−MODE SPREAD SPECTRUM CELLULAR MOBILE STATIONS(デュアルモードスペクトル拡散セルラー移動局に関して推奨される最小動作標準)およびANSI J−STD 018,RECOMMENDED MINIMUM PERFORMANCE REQUIREMENTS FOR 1.8 TO 2.0 GHZ CODE DIVISION MULTIPLE ACCESS (CDMA) PERSONAL COMMUNICATIONS (1.8〜2.0GHZ符号分割多元接続(CDMA)個人局に関して推奨される最小動作要件)標準に従わなければならない。
【0008】
上記通信システムにおける動作を可能にする無線電話は9立方インチ(147cm3)より小さい物理的設計によりしばしば実施される。これらの無線電話内の送信機はしばしば受信機から1インチ(2.5cm)よりもさらに小さい間隔をおいて配置される。このように送信機と受信機との物理的接近が一方から他方に干渉する信号の結合の原因となりがちである。また、これらの通信システムにおける送信および受信帯域は互いに間近に接近した範囲内にある。TIA/EIA IS−98−Bに従って動作する無線電話は周波数帯域824〜849MHzで送信し、周波数帯域869〜894MHzで受信する。加えて、帯域内の何れか特定のチャネル上で動作する無線電話に関する送信および受信周波数はわずか45MHzにより分離されている。送信周波数と受信周波数の間のこの間隔は重複周波数(duplex frequency)として知られている。このように、送信および受信周波数はこのチャネルに関して搬送波周波数のわずか約5%で分離されている。同様に、PCS電話に関しては、送信周波数帯域は1850〜1910MHzであり、そして受信周波数帯域は1930〜1990MHzである。送信周波数は受信周波数から80MHzで分離されている。それ故に、重複周波数は搬送波周波数の約4%である。
【0009】
携帯用の無線通信装置において送信機と受信機が物理的にそしてスペクトル的に近接していることにより受信帯域における送信機による干渉を最小化することを困難にする。無線電話内の送信機は一般的に+27dBmの出力パワーを提供することが可能であり、一方受信機は同時に−104dBmのパワーレベルまたはそれより低い信号を検出することが可能である。その上、受信機の性能を最大限に活用するためには干渉を最小にしなければならない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
開示された具体例は新しい進歩した中間周波数無しのトランシーバを示す。このトランシーバはベースバンド信号を中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に変換する第1の変換をせずに所望のRF出力周波数にアップコンバート(upconvert)する。第1の具体例において、この中間周波数無しのトランシーバは所望の受信周波数の少なくとも2倍の周波数である周波数を出力する第1局部発振器(LO:Local Oscillator)を備える。第1LOの出力は周波数分割を提供する分割器(divider)に結合される。この分割器にはリミッタ(limiter)と周波数分割器の双方を組込むことができる。送信機はミクサ(mixer)を使用し、その第1の入力はベースバンド信号と結合し、その第2の入力は分割器の出力と結合される。ミクサは中間周波数(IF)ステージ(stage)を必要とせずにベースバンド信号を所望の出力信号にアップコンバートする。送信機が受信機と共に動作する場合、それは受信機のLOを生成するために第1のLOを使用することができる。受信機は受信チャネルを直接ダウンコンバート(downconvert)するために第1のLOの出力を使用する。
【0011】
トランシーバの他の具体例において、送信機LOはオフセット周波数およびLOミクサを生成する第2LOと接続する第1LOを使用して作成される。この第2LOはLOミクサの第1入力に接続され、そして第1LOはLOミクサの第2入力に接続される。このLOミクサは高側波帯(high side band)SSBミクサまたは低側波帯(low side band)SSBミクサとして形成されたSSBミクサとすることができる。結果として生じたミクサ出力は分割器に結合される。オフセット分割器もまた第2LOとLOミクサの間に使用することができる。オフセット分割器を使用した場合、第2LOの周波数は、一具体例において、送信周波数帯域の2倍より大きい。それに替えて、他の具体例においては、第2LO周波数はデュープレックス周波数(duplex frequency)の2倍より大きい。
【0012】
他の具体例において、第2LOの出力周波数は送信周波数帯域の8倍より大きい。さらに他の具体例において、第2LOの出力周波数はデュープレックス周波数の8倍より大きい。この具体例において、オフセット分割器は8により分割するために形成され、そして第2LOの出力周波数は1280MHzまたは1440MHzに設定することができる。そのうえ、第1LOはそれぞれ3476MHz〜3576MHzおよび3860MHz〜3980MHzの周波数帯域で動作するように設定することができる。
【0013】
他の具体例において、無線通信システムにおいて通信することを可能とする無線通信装置は送信機と受信機からなる。送信機は前に記載したような中間周波数無しの送信機として形成することができる。代わりの具体例において、送信機および受信機は多数の通信システムにわたって動作することが可能である。送信機が多数の通信システムにおいて動作するように形成されている場合、送信機は複数の送信周波数帯域において動作することが可能である。同様に、受信機が多数の通信システムにおいて動作するように形成されている場合、受信機は複数の周波数帯域において動作することが可能である。
【0014】
送信機は中間周波数無しの送信機として動作することが可能であり、そして第1通信システムにおける送信周波数帯域において動作するように形成された第1増幅器チェイン(first amplifier chain)および第2通信システムの送信周波数帯域において動作するように形成された第2増幅器チェイン(second amplifier chain)を組込むことができ、る。2つの増幅器チェインが使用される場合、その具体例は、第1増幅器チェインの出力に結合された第1の入力および第2増幅器チェインの出力に結合された第2のダイプレクサ(diplexer)入力を有するダイプレクサを組込むことができる。
【0015】
開示された具体例の特徴、目的、および利点は、図面と組み合わせる場合、以下に述べる詳細な記載からより明らかになるであろう。ここで同様の参照符号は全体として一致するように同一視する。
【0016】
【発明の実施の形態】
多くの無線装置は受信機および送信機に関しデュアルコンバージョンアーキテクチャ(dual conversion architecture)構造を使用する。図1は前に記載した通信システムの1つにおいて動作可能な無線電話において使用することのできる無線トランシーバのブロック図を示す。
【0017】
到来する無線波に対して無線装置100を接続するためにアンテナ10が使用される。アンテナ10はまた送信機からの信号を放送するために使用される。アンテナ10において無線装置100と結合される到来する無線波は、送受切換器(duplexer)20と結合される。送受切換器20は到来する受信帯域信号をフィルタするが、より重要なことは、送信電力を受信経路から電気的に分離するために使用され、そして送信機と受信機が同一アンテナを使用することを可能にすることである。送受切換器20は受信経路内の信号を低ノイズ増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)22に接続し、同時に一方で受信帯域外の信号を拒否する。理想的には、送信帯域内の信号が受信帯域信号と干渉しないように、送受切換器20は送信帯域内の全ての信号を拒否する。しかしながら、送受切換器20の実際的な動作においては、送信帯域内の信号に関し限定された拒否のみが準備される。
【0018】
受信信号を増幅するために送受切換器20に続くLNA22が使用される。このLNA22もまた受信機の雑音指数(noise figure)に対して主要な貢献をする。LNA22の雑音指数は受信機の雑音指数に直接加わる一方、その後のステージの雑音指数はLNA22の利得に比例して減少する。このように、LNA22は、後のステージにおける雑音指数の寄与を最小化するために、受信帯域内において最小の雑音指数を提供する一方で、十分な利得によって受信信号を増幅するために選択される。DC電力の要求および装置の3次のインターセプト ポイント(third order intercept point)のような、競合する設計上の要求が存在するため、LNA22の利得の選択を困難にしている。LNA22において増幅された信号はRFフィルタ24と結合される。RFフィルタ24は受信帯域外の信号に対しさらなる排除を行うために使用される。送受切換器20は受信帯域外の信号に対する十分な排除を提供することができないため、RFフィルタ24が前のフィルタリングを補充する。受信機の雑音指数に対するその寄与を低減するために、RFフィルタ24が第1のLNA22ステージの後に使用される。RFフィルタ24の出力は第2LNA26に結合される。第2LNA26が受信したRF信号をさらに増幅するために使用される。第2LNA26ステージは、単一のLNAステージでは十分な利得を得ることができず、一方3次のインターセプト制約(third order intercept constraint)を満足させる場合に使用される。第2LNA26からの出力信号はRFミクサ30の入力に結合される。
【0019】
RFミクサ30は増幅された受信信号を中間周波数(IF)にダウンコンバートするため局部的に生成された周波数信号とミキシングする。RFミクサ30のIF出力は信号レベルを増加させるために使用されるIF増幅器32に結合される。IF増幅器32は限定された周波数応答を有し、RFミクサ30からの出力であるアップコンバートされた信号は増幅しない。IF増幅器32の出力はIFフィルタ34に結合される。
【0020】
IFフィルタ34は信号受信チャネルからのIFのみをフィルタするために使用される。IFフィルタ34はRFフィルタ24が有するよりもより狭い周波数応答を有する。RFチャネルの周波数に無関係に、RFミクサ30は所望のRFチャネルを同じIFにダウンコンバートするため、IFフィルタ32はより狭い帯域幅を有することが可能である。これに対し、RFフィルタ24は受信帯域内のいかなるチャネルも通信リンクに割当てることを可能にするため、全ての受信帯域を通過させなければならない。IFフィルタ34の出力は受信自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)増幅器36に結合される。AGC増幅器36は後のステージのために受信信号について一定の振幅を維持するために使用される。AGC増幅器36の利得は増幅器の出力の振幅を検出する制御ループ(示されていない)を使用して変化させられる。AGC増幅器36からの出力はIFミクサ40に結合される。
【0021】
IFミクサ40はIF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする。IFミクサ40に接続されて使用される局部発振器(LO:Local Oscillator)は第1のLO150から分離されておりそして種類が異なる。IFミクサ40のベースバンド出力はベースバンドプロセッサ(baseband processor)102に結合される。ベースバンドプロセッサ102のブロックはベースバンド信号について成される全てのその後の処理を実行する。後の処理の例として、逆拡散(despreding)、デインタリーブ(deinterleaving)、エラー訂正、フィルタリング、および増幅を含むが、これに限定されるものではない。受信された情報は続いて適切な宛先に一定手順に従って発送される。この情報は無線装置において使用することができ、または表示装置、ラウドスピーカ、またはデータポートのようなユーザインタフェースに一定手順に従って発送することができる。
【0022】
また同じベースバンドプロセッサ102を相補的送信機(complementary transmitter)内で使用することができる。送信されるべき情報がベースバンドプロセッサ102に入力され、ここでこの情報は例えばインタリーブされ、拡散され、そして符号化される。処理された信号は送信IFミクサ110に結合され、ここでベースバンドは送信IFにアップコンバートされる。送信IFミクサ110と接続されて使用される送信LO112は第1のLO150および受信IF LOとは独立して形成される。
【0023】
IFミクサ110からのアップコンバートされた送信IF信号出力は、送信AGC増幅器114に結合される。送信AGC増幅器114は送信IF信号の振幅を制御するために使用される。IF信号の振幅制御は、信号が全ての後続する増幅ステージの線形領域内に維持されることを確実にするために必要とされ、または、IS−95およびJ−STD−008通信システムの中で使用される無線受話器のために必要とされる場合において送信電力の制御のために使用することができる。AGC増幅器114の出力は、ミクサおよび増幅器の望ましくない生成物を拒否するために使用される送信IFフィルタ116に結合される。フィルタされた出力は送信RFミクサ120に結合される。送信RFミクサ120は送信IFを適切な送信RF周波数にアップコンバートするために使用される。
【0024】
送信RFミクサ120からのアップコンバートされたRF出力は第1の送信RFフィルタ122に結合される。第1の送信RFフィルタ122は望ましくないミクサ生成物(mixer products)を拒否するために使用される。第1の送信RFフィルタ122の出力はドライバー増幅器(driver amplifier)124に結合される。ドライバー増幅器124は信号を後続する電力増幅器128によって必要とされるレベルに増幅する。信号が電力増幅器128に加えられる前に、信号は第2の送信RFフィルタ126によってフィルタされる。第2の送信RFフィルタ126はさらにミクサ生成物を拒否するために使用され、そしてまたドライバー増幅器124によって生成された帯域外生成物を拒否するために使用される。ドライバー増幅器124によって生成された帯域外生成物は、非線形動作領域への増幅器の駆動によって生成された高調波生成物かもしれない。第2の送信RFフィルタ126からの出力は大電力増幅器128に結合される。大電力増幅器128は送信信号を受取人への通信リンクを確実にするのに十分な電力レベルに増幅するために使用される。大電力増幅器128の出力はアイソレータ(isolator)130に結合される。
【0025】
アイソレータ130は大電力増幅器128の出力を保護するために使用される。
大電力増幅器128の信号は最小の損失でアイソレータ130を通過することが可能であるが、アイソレータ130の出力において生じ易い信号はアイソレータ130への入力において大きく減衰させられる。このように、アイソレータ130は大電力増幅器128の出力に対し好適なインピーダンスマッチを提供し、そして後続するステージにおけるインピーダンスミスマッチに起因する反射信号から増幅器を保護する。アイソレータ130からの出力は、受信経路からの送信信号を拒否すると同時に、送信信号を信号アンテナ10に結合するために使用される送受切換器20に結合される。
【0026】
図2はIFなしの受信機(zero IF receiver)としての受信機を提供するトランシーバ200のブロック図である。IFなしの受信機としての受信機の提供は、受信機における部品の数を少なくすることにより、受信機の複雑さを低減する。このことはまた受信機のコストを低減する。RF、高周波、受信機および送信機における双方の経路は、図1に示されているトランシーバについてのものと同じである。従って、図2におけるRF要素のための参照番号は図11のものと対応する。
【0027】
図2の受信機はIFなしの受信機なので、図2の受信機における周波数変換ステージは図1のものとは異なる。受信RFミクサ230はRF信号を直接ベースバンド信号に変換する。このベースバンドへの直接の変換を達成するために、RF LO 250は正確に所望の受信周波数において動作する。受信RFミクサ230の出力は、ベースバンドプロセッサ202と結合される前にベースバンドフィルタ234に結合される。ベースバンドフィルタ234はベースバンドプロセッサ202に対し外付けとすることができるが、またはベースバンドプロセッサ202の内部に組込むことができる。
【0028】
送信機に関し送信機周波数プラン(transmitter frequency plan)に対して重要度の小さい変更をした同じRF LO 250を使用することができる。送信機IFはデュプレックス周波数(duplex frequency)と等しくなければならない。ベースバンドプロセッサ202はベースバンド送信信号をIFミクサ210に結合させる。IF LO 212はデュプレックス周波数において動作するために形成される。その結果、IFミクサ210の出力はデュプレックス周波数にアップコンバートされたベースバンド信号の複製である。送信IF信号は続いてAGC増幅器214およびIFフィルタ216に結合される。IFフィルタ216の出力は送信RFミクサ220の入力に結合される。この送信RFミクサ220は受信機のために使用されたのと同じRF LO 250を使用する。送信IFはこのようにして所望のRF送信周波数にアップコンバートされる。
【0029】
図2のトランシーバの具体例における問題点は、アップコンバートされた送信信号におけるRF LO周波数の存在である。送信RFミクサ220にLO周波数を拒否する能力がないため、LO周波数の周波数成分が送信RFミクサ220の出力において生ずる。LO周波数成分は送信RF経路において増幅されるが、送受切換器20と同様に、送信RFフィルタ126においても拒否される。しかしながら、LO周波数の周波数成分は受信機の閾値(receiver threshold)よりも大きく残存する。このことは、LO周波数が所望の受信周波数に同調するために干渉の問題を生じさせる。この結果は所望の受信周波数における受信機の感度低下となる。
【0030】
図2に示されるトランシーバの構成はまた受信機に直接結合するLOより生成されるスプリアス生成物(spurious product)に関連する問題を有するかもしれない。LOが受信機に密に物理的に近接していることは、LO信号が受信RF経路に結合することを許容する。受信機におけるスプリアス生成物の影響は受信機の感度低下である。受信機はスプリアス生成物の存在のため受信閾値(receive threshold)近傍にある信号を正確に受信することが不可能となる。
【0031】
他のトランシーバ300の具体例のブロック図が図3に示される。トランシーバはいまだIF無しの受信機として動作し、そして受信信号経路は図2に示されたものから変更されずに留まる。受信機に対する変更はLOを生成する方法のみである。
【0032】
送信機はここではIF無しの送信機として動作し、デュープレックス周波数におけるIFステージを削除する。送信IF部分は図2に示されたものと同じに留まるが、ベースバンドおよびアップコンバージョンの構成要素は変わる。さらに、LOを生成する方法が変えられる。
【0033】
送信機はIF無しの送信機として動作する。ベースバンドプロセッサ302からの信号は、送信ミクサ320に結合される前に、ベースバンドフィルタ304に結合される。ベースバンドフィルタ304は一般的に信号帯域幅の外側のいかなる高周波成分も阻止するために使用されるローパスフィルタである。ベースバンドフィルタ304はベースバンドプロセッサ302の外側で動作させることができ、またはベースバンドプロセッサ302内で動作するフィルタを選択して動作させることができる。
【0034】
ベースバンドフィルタ304の出力は送信ミクサ320の第1の入力に結合される。所望の送信RF周波数における局部発振器信号は送信ミクサ320の第2の入力に結合される。送信ミクサ320からのアップコンバートされた出力は帯域外のミクサ生成物を拒否するためにRFフィルタ122に結合される。RFフィルタ122の出力はRF増幅器324に結合される。RF増幅器324は送信経路のRF利得が変化可能なようにAGC増幅器として動作する。RF増幅器324の出力は第2RFフィルタ126に結合される。送信経路の残りは前に論じた送信機と同じである。
【0035】
ベースバンド信号をアップコンバートするために使用される局部発振器(LO)は2つの独立の発振器および一連の分割器を使用して形成される。第1LO350は所望の受信RF周波数の少なくとも2倍の第1周波数を生成する。IS−95またはJ−STD−008に規定された周波数帯域において動作するように設計された無線電話において使用される典型的なトランシーバの第1発振器350としてはUHF発振器が使用される。
【0036】
第1発振器350の出力は送信LOリミッタ356と同様に受信LOリミッタ352に結合される。第1発振器350の信号出力は2つのリミッタ352および356の入力に直接結合することができるが、または信号スプリッタ(signal splitter)、ハイブリッド(hybrid)、またはRF設計における通常の熟練を有するものに知られている何らかの他の手段を使用して結合することができる。
【0037】
受信LOリミッタ352からの出力を受信LO分割器354に結合することにより受信LO信号が生成される。受信LO分割器354は第1発振器350の振幅が制限された周波数出力を適切な係数により比率に応じてスケール(scale)する。図3に示される典型的な具体例において、第1発振器350は所望の受信周波数の2倍で動作するように同調させられ、そして受信LO分割器354は周波数を係数2による比率に応じて定めるために動作する。受信LO分割器354の比率に応じて定められた出力は所望の受信周波数であり、そして受信LO信号として使用される。
【0038】
送信LOは、デュープレックス周波数に関して補償するためのオフセット周波数発振器360を必要とすることを除き、同様の方法により生成される。第1発振器350の出力は信号が振幅制限される送信LOリミッタ356に結合される。送信LOリミッタ356の出力は送信LO分割器358に結合される。送信LO分割器358は、受信LO分割器354において使用されたのと同じ係数により、周波数を比率に応じて定める。
【0039】
送信LO分割器358の出力はLOオフセットミクサ370の第1入力に結合される。オフセット周波数発振器360の出力はLOオフセットミクサ370の第2入力に結合される。ブロック図からオフセット周波数発振器360の周波数はデュープレックス周波数に等しいことを知ることができる。LOオフセットミクサ370は1つの主たるミクサ生成物のみを出力する単一側波帯(SSB:Single Side Band)ミクサである。SSBミクサは2つの入力周波数の和または2つの入力周波数の差のうちのいずれかの周波数出力を提供する。SSBミクサはLOオフセットミクサ370の出力において望ましくないミクサ生成物を最小化するために使用される。一具体例は2つの入力周波数の差を出力するSSBミクサを使用する。LOオフセットミクサ370の出力は所望の送信周波数にあり、そして送信ベースバンド信号をRF周波数に直接アップコンバートするために送信ミクサ320への入力として使用される。
【0040】
図3に示す具体例は、受信周波数成分の大部分が送信経路と結合することを排除する。受信LO分割器354が受信ミクサ230に物理的に近接していることは、信号の送信経路へのいかなる結合も最小化する。送信LOの生成におけるLOオフセットミクサ370の使用は、送信LO信号中の受信周波数成分の振幅を最小化する。しかしながら、受信周波数を完全に除去することはできない。受信周波数成分のいくらかはLOオフセットミクサ370を通って洩れるであろう。LOオフセットミクサ370によって提供される阻止の量はRFリジェクション(RF rejection)として指定され、そして不定ではない。送信LO中に多少の受信周波数成分を有する結果として、送信出力における望ましくない信号が受信周波数に関して生ずるであろう。
【0041】
図4はIF無しの送信機およびこれと組合わされたIF無しの受信機とを使用するトランシーバ400の具体例のブロック図である。送信機および受信機の構成要素は参照番号に反映されているように図3において詳細に述べたものと同じである。
【0042】
送信および受信信号経路の構成要素は図3において示されているブロック図と同じ構成で配置されている。唯一の差は送信LOを生成する方法である。
【0043】
第1の発振器350は受信周波数の整数倍である信号を生成するためにまだ使用されている。第1の発振器350の出力はバッファ増幅器(buffer amplifier)452に結合される。バッファ増幅器452は種々の目的に供される。増幅器452は第1LO350に対し安定なインピーダンスを提供し、干渉およびLO出力の負荷の変化を最小化するためにLOの出力をバッファーする。バッファ増幅器452は実用上含む必要はなく、この場合第1LO350は十分な出力電力を有し、そして出力負荷変動および干渉に敏感ではない。実際に、応用上第1LO350の出力電力は後続するステージのために要求されるよりも大きく、バッファ増幅器452に代えて減衰器を使用することができる。
【0044】
しかしながら、バッファ増幅器452を使用する具体例において、この増幅器の出力はLOミクサ470の第1入力に結合される。LOミクサ470の第2入力は第2LO460によって生成された信号を受信する。第2LO460は送信機帯域幅の少なくとも2倍の周波数で発振するように形成される。さらに、第2LO460の動作周波数は出力周波数の整数倍が受信帯域における生成物を生成しないように選択される。第2LO460の出力はオフセットLO分割器462に結合される。オフセットLO分割器462は入力周波数を整数で割った出力周波数を生成する。最初の具体例において、オフセットLO分割器462は8による分割(division)を行なう。オフセットLO分割器462は単一のIC、複数のIC、個別部品、または個別部品とICの組合わせとして形成することができる。オフセットLO分割器462はこの技術分野において通常の熟練を有する者が利用可能ないずれかの手段により形成することができ、その形成はIF無しの送信機に限定されない。LO分割器462の出力はデュプレックス周波数の倍数である。LO分割器462の出力はLOミクサ470の第2入力に結合される。LOミクサ470の出力はリミッタ456に結合される。
【0045】
リミッタ456は信号の振幅が比較的安定になるように信号を振幅制限する。
リミッタ456はIC、増幅器、または個別部品とすることができ、またはリミッタ456は信号経路の隣接するステージに組み込むことができる。リミッタ456の出力はLO分割器458に結合される。LO分割器458は入力信号を整数値によって分割することによって所望のLO信号を生成する。一具体例において、分割値は2である。他の具体例において分割値は4である。LO分割器458およびリミッタ456は単一の装置に組み込むことができる。入力信号を限定するように本来動作する分割器458は別個のリミッタ456の除去を可能にするであろう。分割された出力はベースバンド信号を所望の送信周波数にアップコンバートするための所望のLO信号として使用される。
【0046】
図4のトランシーバがIS−95によって規定されたシステムにおいて通信するために形成される場合、送信帯域は824〜849MHzでありそして受信帯域は869〜984MHzである。第1発振器350は3476〜3576MHzにより動作するように形成される。第2発振器460は固定された周波数1440MHzにおいて動作するように形成される。オフセットLO分割器462は第2LO460を係数8により分割するように形成される。オフセットLO分割器462の出力は180MHzにおける信号である。オフセットLO信号は続いてSSBミクサ470の第1発振器にミクスされる。SSBミクサ470はこの具体例において低側波帯のみを有するものである。望む場合には、発振器周波数は高側波帯を有するように調整することができる。この場合、高側波帯SSBミクサが必要とされる。SSBミクサ470の出力はリミッタ456および分割器458に結合される。分割器458は結果として生じた送信LO信号を係数8により分割するように形成される。分割器の出力は824〜849MHzの周波数帯域内にあり、そしてこのようにして送信ベースバンド信号をRF周波数帯域に直接アップコンバージョンすることを可能にする。
【0047】
図5はトランシーバに使用するためのIF無しの受信機500の具体例のブロック図を示す。アンテナ510はLNA522と結合される。ブロック図は直接の接続を示すが、トランシーバにおいてアンテナ510は送受切換器を介してLNA522に接続されることを理解すべきである。LNA522の出力は続いてフィルタ524および増幅器526に結合される。増幅器526の出力は2つの受信ミクサ530および532に結合される。受信ミクサ530および532のそれぞれにはLO信号が供給される。2つのミクサ530および532へのLO信号は90°位相が異なる。ミクサ530および532のそれぞれはベースバンド信号を出力する。これらベースバンド信号はLO信号の位相関係において直角位相(quadrature)にある。これらベースバンド信号は続いてフィルタされ、そしてベースバンドプロセッサ502に結合される。LO信号は直角位相にある2つのLO信号を生成するために直角位相スプリッタ556が使用されることを除き図4のトランシーバにおけるように生成される。
【0048】
図6はIS−95およびJ−STD−008の双方に規定されるシステムにおいて通信を可能にする無線電話において使用されるIF無しの送信機600の具体例のブロック図である。図6の送信機600は通信のためにフォーマットされた信号を提供するためにベースバンドユニット602を使用する。しかしながら、前の具体例におけるベースバンドプロセッサとは異なり、図6のベースバンドプロセッサ602は一対の出力信号を提供し、各出力信号は平衡するまたは差動する対(balanced or differential pair)として動作する。ベースバンドプロセッサ602からの2つの出力は同じであり、そして次のステージにおいて信号の直角位相変調を可能とするように別個の信号経路として提供される。
【0049】
第1のベースバンド出力はベースバンド信号を所望のRF周波数に直接アップコンバートする第1のRFミクサ612に結合される。第2のベースバンド出力は第2ベースバンド出力を第1RFミクサ612の出力におけるものと同じRF周波数に直接アップコンバートする第2のRFミクサ610に結合される。これらミクサ出力間の差はベースバンド信号をアップコンバートするために使用されるLO信号の相対的位相差に寄与する。第1および第2のRFミクサ612および610を駆動しているLO信号の位相は90°差がある。LO信号における90°の位相差はアップコンバートされた信号が90°の位相差を有する結果をもたらす。90°位相差を有する信号は直角位相に有ると云われる。
【0050】
直角位相RF信号は続いて、2つのRF信号を共に加算することにより、2つの直角位相信号を単一の信号に組合わせる信号加算器(signal summer)620に結合される。信号加算器620の入力はRFミクサ610および620のそれぞれからの平衡化された出力(balanced output)に従って平衡が保たれている。信号加算器620の出力もまた共通モード(common mode)ノイズソースからの信号干渉を最小化するために平衡化された信号である。
【0051】
信号加算器620の出力は2つの増幅器チェインに同時に結合する。第1増幅器チェイン660は、J−STD−008において規定されているような、PCS送信帯域において動作するように形成される。第2増幅器チェイン670は、IS−95において規定されているような、セルラー送信帯域において動作するように形成される。いかなる時点においても、1つの増幅器チェインのみが動作する。送信機600が特定の周波数帯域において送信するように形成されている場合、その周波数帯域を維持する増幅器チェインのみが動作する。使用されない増幅器チェインは電力を節約するために制御回路(示されていない)によって電力が低下させられる。
【0052】
PCS周波数帯域において送信されるように形成されたアップコンバートされた直角位相信号は第1増幅器チェイン660に結合される。第1増幅器チェイン660における第1の構成要素は第1送信AGC増幅器662である。送信信号に関して利得制御を提供するのに加え、第1送信AGC増幅器662はさらに平衡化された入力信号を単一の最終の信号に変換する。第1送信AGC増幅器662の出力は第1送信フィルタ664に結合される。第1送信フィルタ664は所望のRF周波数帯域の外側のいずれの信号も拒否する。第1送信フィルタ664の出力は、増幅されたRF信号が第1アイソレータ668に結合されている第1電力増幅器666に結合される。第1アイソレータ668の出力は第1増幅器チェイン660の出力である。第1増幅器チェイン660の出力はダイプレクサ680の第1入力に結合される。ダイプレクサ680は2つの別個の周波数帯域からの信号を単一の信号に結合するために使用される一方で1つの入力信号経路からの信号と他のものとの分離を提供する。ダイプレクサ680は前に示した信号アンテナと送信機および受信機とを結合している送受切換器とは相違する。ここで、ダイプレクサ680は2つの相違する送信信号経路を単一のアンテナ610に結合する。送受切換器は送信および受信信号をアンテナに結合するために使用され、ここで送信機600は共通のアンテナを有するトランシーバ内で受信機と共に動作する。
【0053】
同様に、セルラー周波数帯域において送信されように形成されたアップコンバートされた直角位相信号は第2増幅器チェイン670に結合される。第2増幅器チェイン670の入力ステージは第2送信AGC増幅器672である。第2送信AGC増幅器672は平衡化された入力(balanced input)を使用し、単一の最終出力を提供する。第2送信AGC増幅器672の出力は第2送信フィルタ674に結合される。第2送信フィルタ674はセルラー周波数帯域の外側の信号を拒否する。第2送信フィルタ674の出力は第2電力増幅器676に結合する。第2電力増幅器676の出力は第2増幅器チェイン670の最終ステージである第2アイソレータ678と結合する。第2増幅器チェイン670の出力はダイプレクサ680の第2入力に結合する。前に述べたように、ダイプレクサ680はアンテナ610の第2入力に結合する。
【0054】
ミクサを駆動するために使用されるLOは2つの異なる発振器から生成される。第1LO550は所望のRF受信周波数の2倍の最小値よりも大きい周波数において動作する。送信機600がPCS帯域において動作するように形成された場合、第1LOは3860〜3980MHzの周波数範囲で動作する。送信機600がセルラー帯域において動作するように形成された場合、第1LOは3476〜3576MHzの周波数帯域で動作する。第1LO550の出力は、第1LO550の振幅を増幅し、そして第1LO550の出力に対して安定した終点インピーダンスを提供するバッファ増幅器632に結合する。バッファ増幅器632は、共通モードノイズの影響を最小化するために、単一の最終入力(ended input)および平衡化出力(balanced output)の構成を備える。バッファ増幅器632の出力はSSBミクサ650に結合される。SSBミクサ650は低側波帯を出力し、そして高側波帯を減衰させる。
【0055】
送信機がセルラー帯域において動作するように形成されている場合には第2LO640は1440MHzの周波数において動作し、そして送信機がPCS帯域において動作するように形成されている場合には1280MHzの周波数において動作する。第2LO640の出力は平衡化された信号である。平衡化された出力はオフセット周波数分割器(offset frequency divider)642に結合される。オフセット周波数分割器642は第2LO信号を係数8により分割するように構成される。送信機600がセルラー帯域において動作するように構成されている場合には分割された出力は180MHzの周波数ソースであり、そして送信機600がPCS帯域において動作するように構成されている場合には160MHzである。分割された出力はSSBミクサ650の第2入力に結合される。
【0056】
SSBミクサ650の出力は続いてリミッタ652およびLO分割器656に結合される。LO分割器656は送信機600がPCS帯域において動作するように構成されている場合には入力された信号を係数2により分割するために形成され、そして送信機600がセルラー帯域において動作するように構成されている場合には入力信号を係数4により分割する。LO分割器656の出力は90°スプリッタ658に結合される。90°スプリッタ658はLO信号を、一方の出力が他方のスプリッタ出力と比較して90°位相がシフトしている、2つの等しい振幅の信号に分割する。2つの出力は直角位相にあると云われ、送信経路において直角位相でアップコンバートされた信号を生成するために使用される。
【0057】
図6に示される送信機600はセルラーおよびPCS周波数帯域の双方において動作することが可能である。受信機の動作と干渉する送信機スプリアス生成物無しに、セルラーおよびPCS帯域において動作するトランシーバを作成するために、送信機600は対応する受信機と共に集積化することが可能である。
【0058】
図7はRF信号に関するリミッタおよび分割器の効果を示す周波数スペクトル図である。図7Aは非常に小さい隣接する周波数成分を有する支配的な信号の周波数スペクトルを示す。図7Bは狭帯域AM信号の周波数スペクトルを示し、変調周波数は図7Aの隣接する信号の周波数オフセットに対応する。図7Cは狭帯域PM信号の周波数スペクトルを示し変調周波数は図7Aの隣接する信号の周波数オフセットに対応する。図7Cにおいて中心周波数の左側における反転した周波数成分は低側波帯の反転した位相を示すために使用される。
【0059】
図7A〜7Cを考察することにより、単一側波帯を有する支配的な信号は図7BのAM信号と対応する図7CのPM信号を加算することにより生成できることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
信号にAMおよびPM成分の双方を有する効果は送信機においてLO信号の生成に使用される。図7Dはf1に位置する主要な周波数そしてf1+f2に位置するより小さい周波数成分の周波数スペクトルを示す。図7Eは信号がリミッタ702を通過した後、結果として生じた周波数スペクトルを示す。リミッタ702の効果は信号中のAM成分の全てを拒否することである。残存する周波数成分はPM信号である。低側波帯の位相反転は図7Eには図示されていない。図7Fは分割器704を通過した後の信号の周波数スペクトルを示す。この例においてf1における元の周波数成分は係数2により下方に分割され、その結果として周波数成分が(f1)/2に生ずる。しかしながら、この信号のPM変調による側波帯は中心周波数に関するそれらの間隔を維持することに注目されたい。上側の側波帯は(f1)/2+f2であり、そして下側の側波帯は(f1)/2−f2である。周波数間隔のこの維持は図3および図6のブロック図における送信LO信号の生成における利点として使用されることが分かる。
【0061】
好ましい具体例についての前の記載は、この技術に関し熟練するいずれの者も本発明を製作し使用することが可能にするために提供される。これらの具体例に対する種々の変更がこの技術に関し熟練するものにとって容易であることは明らかであり、そしてここに規定されている一般的な原理は他の具体例に関しても発明能力を用いることなく適用可能である。このように、本発明はここに示される具体例に限定することを意図するものではなく、ここに開示された原理および新規な特長から成る最も広い範囲に一致すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1はトランシーバのブロック図である。
【図2】
図2は第1のトランシーバの具体例のブロック図である。
【図3】
図3は中間周波数無しのトランシーバの具体例のブロック図である。
【図4】
図4は第2の中間周波数無しのトランシーバの具体例のブロック図である。
【図5】
図5は中間周波数無しの受信機の具体例のブロック図である。
【図6】
図6は中間周波数無しの送信機の具体例のブロック図である。
【図7】
図7は狭帯域変調信号のスペクトル図である。
【符号の説明】
10 … アンテナ、 20 … 送受切換器、 22 … 低ノイズ増幅器(LNA)、 24 … RFフィルタ、 26 … LNA、 30 … RFミクサ、 32 … IF増幅器、 34 … IFフィルタ、 36 … AGC増幅器、 40 … IFミクサ、 100 … 無線装置、 102 … ベースバンドプロセッサ、 110 … IFミクサ、 112 … LO、 120 … RFミクサ、 122 … RFフィルタ、 124 … ドライバー増幅器、 126 … RFフィルタ、 128 … 第1電力増幅器、 130 … アイソレータ、 200 … トランシーバ、 202 … ベースバンドプロセッサ、 210 … IFミクサ、 212 … IF LO、 214 … AGC増幅器、 216 … IFフィルタ、 220 … RFミクサ、 230 … RFミクサ、 234 … ベースバンドフィルタ、 250 … RF LO、 300 … トランシーバ、 302 … ベースバンドプロセッサ、 304 … ベースバンドフィルタ、 320 … 送信ミクサ、 324 … RF増幅器、 350 … 第1LO、 352 … 受信LOリミッタ、 354 … 受信LO分割器、 356 … 送信LOリミッタ、 358 … 送信LO分割器、 360 … オフセット周波数発振器、 370 … LOオフセットミクサ、 400 … トランシーバ、 452 … バッファ増幅器、 456 … リミッタ、 458 … LO分割器、 460 … 第2LO、 462 … オフセットLO分割器、 470 … LOミクサ、 500 … IF無しの受信機、 502 … ベースバンドプロセッサ、 510 … アンテナ、 522 … LNA、 524 … フィルタ、 526 … 増幅器、 530 … 受信ミクサ、 532 … 受信ミクサ、 550 … LO、 556 … 直角位相スプリッタ、 600 … IF無しの送信機、 602 … ベースバンドユニット、 610、612 … RFミクサ、 620 … 加算器、 632 … バッファ増幅器、 642 … オフセット周波数分割器、 650 … SSBミクサ、 652 … リミッタ、 656 … LO分割器、 658 … 90°スプリッタ、 660 … 第1増幅器チェイン、 662 … 第1AGC増幅器、 664 … 第1送信フィルタ、 666 … 第1電力増幅器、 668 … 第1アイソレータ、 670 … 第2増幅器チェイン、 672 … 第2送信AGC増幅器、 674 … 第2送信フィルタ、 676 … 第2電力増幅器、 678 … 第2アイソレータ、 680 … ダイプレクサ、 702 … リミッタ、 704 … 分割器
Claims (16)
- 無線通信装置であって、
無線通信システムの少なくとも1つの所定の送信周波数帯域内において、無線通信装置からRF信号を送信するために形成された送信機と、そして
無線通信システムの少なくとも1つの所定の受信周波数帯域内において、無線通信装置においてRF信号を受信するために形成された受信機とを含み、
送信機は中間周波数(IF)ステージを使用することなくベースバンド信号を所定の送信周波数帯域内の所望のRF出力周波数に直接変換する、
無線通信装置。 - 送信機は、
所望のRF受信周波数の少なくとも2倍の周波数で周波数の出力するために形成された第1局部発振器(LO)と、
入力と、入力信号を分割することにより生成された出力とを有する分割器と、
ベースバンド信号に活動的に結合された第1ミクサ入力と、分割器出力に活動的に結合された第2ミクサ入力とを有するミクサと、
オフセット周波数を出力するために形成された第2LOと、そして
第2LOに活動的に結合された第1入力、第1LOに活動的に結合された第2入力、そして分割器に活動的に結合された出力とを有するLOミクサとを含み、
ここで、LOミクサは第1LO出力周波数からオフセットしている出力周波数を生成し、そしてLOミクサは第1LO出力を分割器に活動的に結合し、そしてミクサの出力は所望のRF出力においてアップコンバートされたベースバンド信号である、
請求項1の無線通信装置。 - 送信機はさらに第2LO出力をLOミクサの第1入力に活動的に結合するオフセット分割器を含む請求項2の無線通信装置。
- 第2LOのオフセット周波数出力はIF無しの送信機の動作周波数帯域よりも少なくとも2倍大きい請求項3の無線通信装置。
- 第2LOのオフセット周波数出力はIF無しの送信機の動作周波数帯域よりも少なくとも8倍大きい請求項3の無線通信装置。
- オフセット分割器は8によって分割するように形成される請求項5の無線通信装置。
- 第2LOのオフセット周波数出力は1280MHzである請求項6の無線通信装置。
- 第1LOは3476MHz〜3576MHzの周波数範囲で動作し、そして分割器は4によって分割するように形成されている請求項6の無線通信装置。
- 第2LOのオフセット周波数出力は1440MHzである請求項6の無線通信装置。
- 第1LOは3860MHz〜3980MHzの周波数範囲で動作し、そして分割器は2によって分割するように形成されている請求項9の無線通信装置。
- LOミクサは単一側波帯(SSB)ミクサである請求項2の無線通信装置。
- SSBミクサは低い側のSSBミクサである請求項11の無線通信装置。
- SSBミクサは高い側のSSBミクサである請求項11の無線通信装置。
- 分割器は、
リミッタと、そして
リミッタ出力に活動的に結合されている周波数分割器とを含む、
請求項2の無線通信装置。 - ミクサ出力に活動的に結合された第1送信周波数帯域において動作するように形成された第1増幅器チェインと、そして
ミクサ出力に活動的に結合された第2周波数帯域において動作するように形成された第2増幅器チェインと、
をさらに含む請求項2の無線通信装置。 - 第1増幅器チェインの出力に活動的に結合された第1の入力および第2増幅器チェインの出力に活動的に結合された第2の入力を有するダイプレクサをさらに含む請求項15の無線通信装置。
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