JP2004521109A - 核酸輸送用製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
発明の背景
本発明は、核酸を細胞に輸送するための方法および組成物に関する。特に本発明は、遺伝子発現を誘導するように構造的および機能的に設計された生物吸収性ポリマーネットワークからの遺伝子発現を目的とした、核酸の輸送に関する。
【背景技術】
【0002】
外因性DNA分子の発現法は、遺伝性疾患(例えば嚢胞性線維症)の治療に非常に有望である。この手法は、宿主細胞中に天然に存在しない遺伝子の産物、例えば、癌細胞内における発現を意図した細胞障害性タンパク質をコードする遺伝子の産物の発現が望ましい場合に使用することもできる。ある応用では、特定の治療に必要な期間(例えば数日間、数週間、1か月間、または数か月間)、治療用ポリペプチドを発現可能な外因性DNAを用いて個体を治療することができる。DNAワクチンは、このような製剤に含めて輸送することができる。
【0003】
哺乳類細胞に遺伝子を輸送する方法の出現は、ヒトの疾患を治療するための遺伝子ベースの技術を開発する上で大きな関心を呼んできた。従来の遺伝子発現法は主に、効率の高い形質導入、および高レベルの遺伝子発現をインビボでもたらすウイルスベクターの使用に焦点を当ててきた。研究の進んでいるベクターの多くはアデノウイルスベクターであり、特に複製欠損型のアデノウイルスベクターである。このようなベクターは、非分裂細胞を効率よく形質導入可能であり、一般に宿主細胞のゲノム中に組み込まれず、また高レベルの一過的遺伝子発現が可能である。しかし、ウイルスベクターの使用には、例えばウイルスに対する宿主の反応、ならびに発癌作用および炎症作用に関連する安全性の問題がある。
【0004】
使用されているウイルスを使用しない他の遺伝子輸送法には、遺伝子銃による輸送法、「裸の」DNAを注射する方法(米国特許第5,580,859号)、陽イオンリポソームによる輸送法(米国特許第5,264,618号)、微粒子による輸送法(米国特許第5,783,567号)、リポフェクション/リポソーム融合産物による輸送法(Proc. Nat'l. Acad. Sci.、第84巻、pp. 7413-7417 (1993))、および核酸を溶液中に混合して筋組織に輸送可能なポリマーを使用する方法(米国特許第6,040,295号)などがある。
【0005】
これらの方法の大きな欠点は、通常、一過的な遺伝子発現しか実現できない点と、遺伝子発現を継続させたい場合に反復投与が必要となる点である。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明は、注射可能で核酸適合性のあるポリマーの組成物および製剤が、遺伝子発現をインビボで、例えば、製剤の成分によって形成されるネットワークの生分解性および架橋密度の調節を介して核酸の生物学的利用能を制御することによって調節するように構造的に設計可能であるという発見に基づく。ポリマーネットワークは核酸を包み、DNAの放出を制御するだけでなく、分解を防ぐ役割も果たす。本明細書に記載された発明は、遺伝子発現が、互いに反応可能な少なくとも2種の水溶性成分の組み合わせによって形成されるポリマーネットワークの調節により調節可能である点で、従来の遺伝子輸送法より優れている。対象となる核酸は、ネットワーク中に取り込まれて、持続的に放出され、必要な発現のレベルおよび期間に達する。
【0007】
一般に本発明は、以下を含む、注射可能な水溶性製剤を特徴とする:(a)核酸;(b)第1の非核酸の水溶性成分;および(c)第2の非核酸の水溶性成分(第1の成分および第2の成分は、2個もしくはそれ以上の反応基をそれぞれ含み、第1の成分の反応基は第2の成分の反応基と反応する)。
【0008】
製剤の第1の成分および第2の成分は、互いに反応して、分枝状または架橋状ポリマーネットワークを形成することができる。第1および/または第2の成分は、1種もしくは複数のスクシンイミジル基、クロロギ酸基、アクリレート基、アミノ基、アルコール基、チオール基、エポキシド基、スルフヒドリル基、またはヒドラジジル基を含みうる。ある例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方は、官能基が導入された多分岐のポリ(アルキレンオキシド)(すなわち分枝状のポリ(アルキレンオキシド)、またはポリ(ポリエチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)-co-ポリ(プロピレンオキシド)-co-ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)-co-ポリ(エチレンオキシド)-co-ポリ(プロピレンオキシド)などの複数の分岐を有するポリ(アルキレンオキシド)(例えば中央から広がる8本または16本の分岐を有する分子)である。別の例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方はポリエチレングリコールテトラアミンである。別の例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方はポリエチレングリコールテトラスクシンイミジルグルタレートである。別の例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方はポリエチレングリコールテトラ-スルフヒドリルである。別の例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方は、少なくとも2個の反応性官能基(例えばエポキシド、アルデヒド、ピロリン酸、または他の任意の官能基)を有する、官能基が導入されたポリ(アルキレンオキシド)である。別の例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、もしくは20個、またはそれ以上(例えば4〜8個、または10〜15個)の反応性官能基(例えばアミノ基)を有するポリアミドアミンである。別の例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方はポリエチルイミンまたはポリリシンの誘導体である。別の例では、第1の成分および第2の成分の少なくとも一方は、少なくとも2個の反応性官能基を有する、官能基が導入されたキトサン、シクロデキストリン、またはポリ(ビニルアルコール)である。別の例では、第1の成分および第2の成分の一方または両方は、3個またはそれ以上の反応基を含み、第1の成分の反応基は、第2の成分の反応基と反応する。
【0009】
ある態様では、本発明の製剤は、第3の非核酸の水溶性成分をさらに含んでもよい。第3の成分は、任意選択で少なくとも1個の反応基を含みうる。場合によっては、第3の成分の反応基は、第1の成分または第2の成分の少なくとも1個の反応基と、第1の成分および第2の成分の両方と、第1と第2の成分との反応によって形成される産物と反応する場合があるほか、第1の成分と第2の成分のいずれとも反応しない場合がある。ある例では、第3の成分はメトキシ-ポリエチレングリコール-ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(PEG-DSPE)である。
【0010】
ある態様では、本発明の製剤は賦形剤をさらに含んでもよい。ある例では、賦形剤は、中性、陰イオン性、または陽イオン性の脂質である。別の例では、賦形剤は糖類(例えばショ糖、デキストロース、またはトレハロース)、ポリエチレングリコール、キトサン、ヒアルロン酸、硫酸コンドロイチン、ヘパラン硫酸、ホスファチジルイノシトール、グルコサミン、ポリビニルアルコール、Pluronics(登録商標)(BASF社、Mount Olive、North Carolina、U.S.A.)、誘導体化されたPluronics(登録商標)、または誘導体化されたポリエチレングリコールである。
【0011】
ある例では、賦形剤は浸透促進剤を含む。「浸透促進剤」の例には、Pluronics(例えばポロキサマー)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールベースの分子、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビタミンEおよびビタミンE-酢酸トコフェロール(例えばビタミンE-TPGS(登録商標)、Eastman Kodak社、Kingsport、Tennessee、U.S.A.)、ラウロイルおよびオレオイルマクロゴールグリセリド(例えばGattefosse、Westwood、New Jersey、U.S.A.から入手可能なLabrafils(登録商標)およびGattefosse(登録商標))、脂質、グリセロール、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、Tween(登録商標) 20および80、Span(登録商標) 80、脂肪酸、脂肪酸エステル、胆汁酸塩(例えばタウロコール酸およびグリココール酸)、Brij(登録商標)、ヒアルロン酸ナトリウム(Genzyme社、Framingham、MA、USA)、bolaphiles、ならびにオレイン酸ソルビタン(Sigma社)などがある。
【0012】
別の例では、賦形剤は生物学的利用能促進剤を含む。「生物学的利用能促進剤」の例には、プロピレングリコールおよびマクロゴールベースの促進剤(例えばGelucire(登録商標)(Gattefosse)、Labrafil(登録商標)(Gattefosse)、Capryol(登録商標)(Gattefosse)、Labrasol(登録商標)(Gattefosse)、Plurol(登録商標)(Gattefosse))、Bioperine(登録商標)(Sabinsa社、New Jersey、U.S.A.)、ビタミンE(Sigma社)、およびビタミンE-TPGS(登録商標)(Eastman Kodak)、Pluronics(登録商標)(BASF社)などのポロキサマー、ならびにポリエチレングリコール(Sigma社)などがある。
【0013】
別の例では、賦形剤はタンパク質(例えばサイトカインを含むタンパク質)である。
【0014】
別の例では、賦形剤は低分子薬剤(例えば抗腫瘍剤、抗悪性腫瘍剤、抗炎症剤、または抗生物質)を含む。
【0015】
別の例では、賦形剤はアジュバント(例えばCpGオリゴヌクレオチド、油類、脂質、モノホスホロ脂質(monophosphorolipid)(MPL;Sigma社)、リポ多糖(LPS;Sigma社)、または炭水化物)である。
【0016】
別の例では、賦形剤は架橋状ポリマーネットワークまたは分枝状ポリマー(例えばメトキシ-PEG-モノアミン、ジステアロイルエタノールアミン、ステアリルアミン、スペルミン、スペルミジン、ラウリルアミン、尿素、ジオレイルエタノールアミン、またはアミノカプロン酸)と化学的に結合された状態にある。これらの賦形剤はいずれもネットワークと反応して共有結合を形成する。別の例では、賦形剤は、核酸を安定化させる成分(例えば炭酸水素のナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、またはマグネシウム塩)を含む。
【0017】
反応性賦形剤の例には、ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタレート(P4-SG)と反応可能なホスファチジルエタノールアミンがある。反応性賦形剤の別の例には、主鎖に複数のシステインを含むポリ(アミノ酸)である(例えばポリ(システイン)、またはポリ(arg-lys-cys-グアニン-arg-cys-cys-lys-cys)などのペプチド)。システインの遊離の-SHは、P4-SGと容易に反応可能である。別の例はポリ(リシン)であり、その側鎖アミノ基は、P4-SGと容易に反応可能である。P4-SGおよび/またはポリ(エチレングリコール)-テトラアミン(P4-AM)は、新規の製剤の成分である。単にシステインまたはリシンを賦形剤として使用することもできる。
【0018】
別の局面では、本発明は、以下を含む注射可能な水溶性製剤を特徴とする:(a)核酸;(b)第1の非核酸の水溶性成分;(c)第2の非核酸の水溶性成分、および(d)第3の非核酸の水溶性成分(第1、第2、および第3の成分は、2個もしくはそれ以上の反応基をそれぞれ含み、第3の成分の反応基は第1の成分または第2の成分の反応基と反応する)。
【0019】
製剤は、複数種の核酸、例えば2種もしくはそれ以上の核酸(各核酸は、さまざまなポリペプチドをコードする)のほか、ポリペプチドおよびオリゴヌクレオチドをコードする核酸を含んでもよい。また核酸はオリゴヌクレオチドでありうる(例えばホスホジエステルまたはホスホロチオエートの主鎖を有する)。ある例では、核酸は治療用タンパク質、または免疫応答を誘導するタンパク質をコードする。本明細書で用いる「治療用タンパク質」という表現は、個体に投与されて治療的恩典をもたらすタンパク質である。「免疫応答を誘導するタンパク質」は、病原性タンパク質(例えばウイルスもしくは細菌のタンパク質)もしくはこれらの一部、腫瘍関連抗原もしくはこれらの一部、または疾患(例えば神経変性疾患(例えばアルツハイマー病)、心疾患、免疫疾患、自己免疫疾患、または老年医学的疾患)に関連する別のタンパク質を意味する。
【0020】
本明細書に記載された製剤の核酸は、例えば溶液、分散液、粉末、沈殿物、凝縮物、微粉、または乳濁液などの任意の形状をとる。核酸は、任意選択で生分解性ポリマーの微粒子に包まれたり、または結合してもよい。有用な微粒子の例は、内容全体が参照として組み入れられる米国特許第5,783,567号、米国特許出願第09/909,460号(米国特許出願第09/321,346号の係属)、および米国特許出願第09/872,836号に記載されている。ある例では、核酸は、分枝状または架橋状のポリマーネットワークから、生分解または単純拡散によって放出される。
【0021】
ある態様では、本明細書に記載された製剤は、製剤を調製してから約20分以内に約20℃〜約40℃の温度でヒドロゲルを形成する。他の態様では、本明細書に記載された製剤は、製剤を調製してから約19分、18分、17分、16分、15分、14分、13分、12分、11分、10分、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分、1分、または1分未満の時間で約25℃〜約40℃、約30℃〜約40℃、約35℃〜約40℃、または約37℃〜約40℃の温度でヒドロゲルを形成する。ある例では、本明細書に記載された製剤は、製剤を調製してから少なくとも15秒間、例えば少なくとも15秒間、30秒間、45秒間、60秒間、90秒間、120秒間、180秒間、240秒間、300秒間、もしくは600秒間、または15分間もしくは20分間、注射可能な状態を保つ。
【0022】
別の態様では、本明細書に記載された製剤のネットワークは、粘性のある液体を形成する。
【0023】
別の態様では、核酸は、ネットワークに取り込まれることで血清ヌクレアーゼから保護される。ある例では、核酸は、ネットワークの(例えば筋肉内への)注射後に発現される。別の例では、ネットワーク/核酸製剤の注射後に、核酸がコードする抗原に対して免疫応答が生じる。別の例では、注射後の核酸の放出はネットワークの架橋密度で制御される。別の例では、注射後の核酸の発現はネットワークの架橋密度で制御される。
【0024】
製剤の第1および/または第2の成分は、例えば加水分解機構またはタンパク質分解機構による生分解性を有する場合がある。製剤のネットワークは、例えば加水分解機構またはタンパク質分解機構による生分解性を有する場合がある。
【0025】
組成物の分枝状または架橋状(例えば全体的または部分的に架橋された状態)のポリマーネットワークは、エステル結合、炭酸塩結合、イミノ結合、ヒドラゾン結合、アセタール結合、オルトエステル結合、ペプチド結合、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合、アミノ結合、オリゴヌクレオチド結合、およびスルホンアミジル結合からなる群より選択される結合を含んでもよい。本明細書で用いる「部分的」という表現は、成分の化学量論的関係が調節可能であり、そのため官能基の一部が未反応のままであること、例えば緩やかなネットワークとなることを意味する。本明細書で用いる「全体的」という表現は、成分の化学量論的関係が等モルであること、例えば本質的に利用可能なすべての官能基がネットワーク中で反応している状態を意味する。
【0026】
製剤の第1および/または第2の成分は、1個もしくは複数のスルフヒドリル基、アミン基、エポキシド基、ホスホロアミデート基、クロロギ酸基、アクリレート基、カルボン酸基、アルデヒド基、スクシンイミドエステル基、スクシンイミド炭酸塩基、マレイミド基、ヨードアセチル基、炭水化物基、イソシアネート基、および/またはイソチオシアネート基を含んでもよい。
【0027】
本明細書に記載された製剤の第1の成分および第2の成分の少なくとも一方は、乳酸塩、カプロン酸塩、メチレン炭酸塩、グリコール酸塩、エステル-アミド、エステル-炭酸塩、またはそれらの組み合わせなどの生分解性の結合を含んでもよい。
【0028】
別の態様では、本明細書に記載された製剤は、微粒子(例えば微粒子、ナノ粒子、マイクロスフェア、またはナノスフェア)の形状をとる。このような微粒子は本質的に「固体」でありうる。これは、第1と第2の非核酸成分の反応によって形成される架橋ポリマー(例えばヒドロゲル)が、個々の微粒子中に均一または不均一に分布し、核酸がポリマーの3次元構造内に分布可能であることを意味する。あるいは微粒子は、架橋ポリマーから構成される外殻を有する場合があり、核酸は、ポリマー構造内部に存在する場合、または微粒子のコア内に存在する場合がある。本発明は、このような微粒子を作製する方法も特徴とする。この方法は、本明細書に記載された任意の製剤の核酸、ならびに第1および第2の非核酸成分を、乳化槽(例えばホモジナイザーもしくはブレンダー、または混合物を乳化可能な他の装置)中に個別に、または混合後に投入した後に、結果として得られた混合物を乳化槽内で(例えばホモジナイズまたはブレンドすることで)、第1および第2の非核酸の水溶性成分が互いに反応する、少なくともある時間乳化する段階を含む。成分の濃度、比、乳化速度、および性質を調節することで、微粒子の大きさ、構造、および他の物理的性質を制御することができる。例えば、約500ミクロン、250ミクロン、100ミクロン、50ミクロン、20ミクロン、15ミクロン、10ミクロン、5ミクロン、2ミクロン、1ミクロン未満の、またはさらに小さい微粒子を調製することができる。一般に、均一化率が高いほど小さな微粒子が得られる。
【0029】
別の局面では、本発明は、本明細書に記載された製剤を細胞に適用することでポリペプチドを作製する方法を含む。製剤に含まれる核酸はポリペプチドの発現をコードする場合がある。ある例では、製剤は動物の細胞に適用される(例えば注射、押し出し(extrusion)、または噴霧によって動物に投与される)。
【0030】
別の態様では、本発明は、動物(例えばマウス、ラット、ブタ、非ヒト霊長類、またはヒト)に、本明細書に記載された製剤を注射することでポリペプチドを作製する方法を含む。製剤に含まれる核酸は、ポリペプチドの発現をコードする場合がある。ある例では、製剤を腫瘍内、腫瘍上、または腫瘍周辺部に注射する。別の例では、製剤を筋肉内、皮下、または関節内に注射する。製剤は、動物に1回または複数回注射することができる。製剤は例えばエアロゾライザーまたはネブライザーを用いて投与することができる。あるいは製剤は、皮膚に塗布したり、パッチ中に含めたり、または創傷上に配置することができる。製剤は、針を使用しない装置による輸送にも適している。製剤は、これらの任意の機構で輸送した後に電気パルスを加えることができる。電気パルスは、米国特許第5,993,434号に記載されているように、注射後に巨大分子の取り込みを促すことが知られている。このような製剤は、注射前に混合しておくことができる。
【0031】
別の局面では、本発明は、以下の段階を含むポリペプチドを作製する方法を含む:(a)細胞培養に適した表面を提供する段階;(b)本発明の製剤を表面に添加する段階;ならびに(c)細胞を製剤上に配置する段階。この方法では、核酸はポリペプチドの発現をコードし、細胞をインビトロで培養することでポリペプチドが産生される。
【0032】
別の局面では、本発明は、以下の段階による、乾燥状態の核酸製剤を作製する方法を特徴とする:(a)水溶液中に(i)核酸、(ii)第1の非核酸の水溶性成分、(iii)第2の非核酸の水溶性成分、および(iv)第3の非核酸の水溶性成分(第1の成分および第2の成分は、2個もしくはそれ以上の反応基をそれぞれ含み、第1の成分の反応基は7.0より大きいpHで第2の成分の反応基と反応する)を混合して混合物を調製する段階(任意選択で、第3の成分は、第1の成分、第2の成分、第1の成分および第2の成分の両方、第1と第2の成分の反応によって形成される産物の少なくとも1個の反応基と7.0より大きいpHで反応するか、または第1の成分とも第2の成分とも反応しない少なくとも1個の反応基を含む場合がある。また、同水溶液は、第1の成分および第2の成分が反応して架橋状ネットワークを形成することを妨げるpHおよび/または温度(すなわち7.0未満のpH)を有する):ならびに(b)混合物を乾燥させることで乾燥状態の製剤を得る段階(例えば、実験用乾燥機を用いて真空下で、または凍結乾燥機内で乾燥させる)。この方法では、1つの容器内に非反応成分を含む製剤の調製が可能となり、例えば、この方法では成分を架橋反応の開始直前まで別の容器内に入れておく必要がない。この混合段階は約7.0未満のpH(例えば約6.0未満)で実施することができる。ある例では、混合段階は約5.5のpHで実施される。混合段階は、約4℃または約4℃以下(例えば0℃〜4℃)で実施することができる。ある例では、混合物は乾燥状態である。別の例では混合物は凍結乾燥状態である。
【0033】
別の態様では、両成分は個々に乾燥状態の場合があり(任意選択で、一方または両方の成分中に核酸および/または賦形剤を含む)、後に緩衝液を添加して、製剤を再構成する。
【0034】
ある態様では、第1の非核酸の水溶性成分はポリエチレングリコールアミンである。別の態様では、第2の非核酸の水溶性成分はポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレートである。別の態様では、第1の非核酸の水溶性成分はポリエチレングリコールスルフヒドリルである。別の態様では、第3の非核酸の水溶性成分はメトキシ-ポリエチレングリコール-ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(PEG-DSPE)である。
【0035】
本発明は、ゲル形成核酸製剤を調製する方法も特徴とする。この方法では、pHが7.0より大きい緩衝液を、本発明の乾燥状態の核酸製剤に添加する必要がある。緩衝液を添加することで、第1の成分と第2の成分との間に架橋状ネットワークが形成される。例えば緩衝液はpHが約7.5のリン酸緩衝液である。緩衝液は核酸および/または賦形剤(例えばショ糖、Tris、EDTA)を含んでもよい。添加段階は、約20℃または約20℃以上、例えば約37℃で実施することができる。
【0036】
別の局面では、本発明は以下を含む乾燥状態の核酸製剤を特徴とする:(a)核酸;(b)第1の非核酸の水溶性成分;(c)第2の非核酸の水溶性成分;および(d)第3の非核酸の水溶性成分。第1の2つの成分、および任意選択で第3の成分も、それぞれ2個もしくはそれ以上の反応基を含む(第1の成分の反応基は、第2の成分の反応基、もしくは第3の成分の反応基、またはこれら両方と反応し、および/あるいは第3の成分は、第1の成分の少なくとも1個の反応基と、第2の成分の少なくとも1個の反応基と、第1の成分および第2の成分のそれぞれの少なくとも1個の反応基と、第1の成分と第2の成分の反応によって形成される産物の反応基と反応するか、または第1の成分とも第2の成分とも反応しない少なくとも1個の反応基も含む)。乾燥状態の製剤では、3つの成分はそれぞれ非反応状態であり、また核酸および3つの成分は溶液中に存在しない。この製剤は凍結乾燥状態でありうる。ある態様では、第1の非核酸の水溶性成分はポリエチレングリコールアミンである。ある態様では、第1の非核酸の水溶性成分はポリエチレングリコールスルフヒドリルである。さらに別の例では、第2の非核酸の水溶性成分はポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレートである。別の態様では、第3の非核酸の水溶性成分はメトキシ-ポリエチレングリコール-ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(PEG-DSPE)である。
【0037】
本発明は、本明細書に記載された乾燥状態の製剤;およびpHが少なくとも7.0の緩衝液を含むキットも特徴とする。
【0038】
本発明は、以下の段階による、核酸を個体に投与する方法も含む:pHが少なくとも7.0の緩衝液を本明細書に記載された乾燥状態の製剤に添加することで混合物を調製する段階;混合物をインキュベートして架橋状ネットワークを形成させる段階;ならびに混合物を個体に投与する段階。
【0039】
本明細書で用いる「核酸」とは、例えばcDNA、ゲノムDNA、オリゴヌクレオチド、mRNA、ウイルスDNA、細菌DNA、プラスミドDNA、3重鎖核酸、ペプチド-核酸(PNA)製剤、または凝縮DNAを含む、RNAもしくはDNAのいずれかの場合がある。好ましい態様では、核酸はプラスミドDNAである。別の態様では、核酸はオリゴヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは、塩基または主鎖(例えばホスホロチオエート主鎖)の修飾などの、安定化をもたらす性質を含んでもよい。オリゴヌクレオチドは、さまざまな疾患の治療に使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチドでありうる。ある例では、オリゴヌクレオチドは抗腫瘍活性を有する場合がある。さらに別の例では、オリゴヌクレオチドは例えば欧州特許第01005368号および国際公開公報第99/61056号に記載されているようなアジュバントとして使用することができる。
【0040】
「核酸の生物学的利用能」という表現は、輸送用製剤が核酸の利用能を大きくすることを意味する。ポリマー製剤を改変することで、ポリマーネットワークからの核酸放出速度を増加または減少させて、活性または発現のレベルに影響を及ぼすことができる。いくつかの態様では、ポリマーネットワークは生分解性である(すなわち身体から容易に除去される成分に分解する)。
【0041】
「ポリマーネットワークの調節」という表現は例えば、加水分解を受けやすい結合が、ネットワークの分解時間に影響する長さおよび種類について変動可能であることを意味する。速やかに分解するポリマーネットワークであれば、緩やかに分解するネットワークと比較して、標的細胞に対して核酸の高い生物学的利用能を提供する可能性がある。あるいは賦形剤を添加してネットワークの分解を促すことができる。例えば、プロピオン酸スクシンイミジル、カプロン酸スクシンイミジル、または炭酸スクシンイミジルをPEG成分中のスクシンイミジルグルタレートと置換して、ネットワークの加水分解速度を低下させることができる。逆にスルフヒドリルをPEG成分中のアミンと置換すると、ネットワークの加水分解速度が増加する。
【0042】
ポリマーネットワークの調節の別の例では、ゲルを形成する成分の濃度は変動して、ネットワークの性質を変化させる場合がある。したがって例えば、このような成分の濃度が高いと分解時間は長くなり、また分枝および/または架橋の規模が増し、標的細胞による核酸の利用能が低下し、最終的には発現レベルが低下し、治療用核酸の濃度が低下する。
【0043】
ポリマーネットワークの調節のさらに別の例では、ゲルを形成する成分の分子量は、ネットワークの性質(特に架橋間の分子量)を変化させるように選択することができる。密なネットワークは、低分子量の成分を使用して、対象部位にDNAを大量に保持して、最終的に長時間をかけて持続的に放出することで得てもよい。「持続的な放出」という表現は、核酸の投与が例えば、対象部位からDNAが速やかに散逸する場合がある塩溶液中で達成される場合と比較して、核酸が標的細胞に長時間かけて取り込まれることを意味する。
【0044】
ポリマーネットワークの調節のさらに別の例では、相互に浸透性のネットワーク、または半相互浸透性のネットワークのいずれかを形成させるための製剤化する前の成分の1つへの第3のポリマーの付加により、ネットワークの性質を変えて、対象部位におけるDNAの放出を制御し、発現のレベルおよび期間を制御することができる。適切な「第3のポリマー」の例には、メトキシポリエチレンオキシド-モノアミン、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、およびメトキシポリエチレンオキシド-ジステアロイルエタノールアミン、ならびに8本、16本、および32本の分岐を有する、誘導体化されたポリエチレンオキシド、および誘導体化されていないポリエチレンオキシドなどがある。別の態様では、本発明は、粒子を個体に輸送する方法を特徴とする。この方法は、以下を含む製剤を個体に投与する段階を含む:(1)粒子;(2)第1の非核酸の水溶性成分;および(3)第2の非核酸の水溶性成分。第1の成分および第2の成分は、2個もしくはそれ以上の反応基をそれぞれ含む(第1の成分の反応基は第2の成分の反応基と反応する)。粒子は例えば、ウイルスもしくはウイルス粒子、またはウイルス様粒子(VLP)(例えばアビアデノウイルスもしくはマストアデノウイルスなどのアデノウイルス、またはペントン、ヘキソン、カプシド、もしくはこれらの他の断片、または肝炎ウイルスのVLP、またはパピローマウイルス成分)であってもよい。
【0045】
「賦形剤」という表現は、DNAの取り込み、活性、または発現を促進もしくは持続させる目的で、またはDNAの安定性をさらに促すために、またはDNAの放出もしくはネットワークの分解を調節するために添加される分子を意味する。ある態様では、賦形剤は生物学的利用能促進剤である。「生物学的利用能促進剤」という表現は、細胞部位で保持されることによって、標的細胞によるDNAの生物学的利用能を改善または促進する賦形剤を意味する。
【0046】
本発明にはいくつかの利点がある。例えば新規の方法および製剤は(例えば遺伝子を骨格筋に輸送することによる)持続的な全身性のタンパク質発現を可能とする、注射可能なポリマーベースの徐放システムを特徴とする。このようなシステムは、生物活性のあるタンパク質およびペプチドの治療レベルを維持するために複数回の投与が必要な「慢性」疾患の治療に用いられる。持続的な遺伝子輸送により、長期のタンパク質の発現が可能となる場合がある。本明細書に記載されたインビトロ放出実験では、プラスミドDNAが、架橋状ネットワーク製剤から時間をかけて緩やかに放出される(高密度で架橋されたヒドロゲルはDNAを緩やかに放出する)。製剤化されたプラスミドDNAは、免疫不全状態の動物、および補体を欠く動物の両方において、製剤化されていない「裸の」DNAと比較して、長期のタンパク質発現を生じる。
【0047】
新規の製剤は、トラップされたDNAを保護する役割を果たす場合もある。プラスミドの安定性と組み合わせることで、新規の製剤は、DNAの単回投与後のタンパク質の発現期間を有意に延長させる場合がある。遺伝的アプローチは、より長期に及ぶタンパク質発現を生じる場合がある。これは、プラスミドDNAの細胞内半減期が一般に、組換えタンパク質の血清中の半減期と比べて有意に長いためである。発現動態は、プラスミドの放出を時間的に遅らせてさらに延長することが可能であり、タンパク質の供給源の生物利用能は数週間となる。
【0048】
本発明の新規の製剤の別の利点は注射可能な点である。ポリエチレングリコールは、生物模倣性があることから、生体適合性が高いとみなされている。ポリエチレングリコールは、わずかな炎症反応および免疫応答を生じることも報告されている。また新規の製剤は、再構成後に注射可能であり、外科的移植処置を必要としない。
【0049】
また、本発明の架橋状ネットワークは例えば、P4-SG成分上に加水分解性のエステル結合が存在するために生物的に容易に分解される。ネットワーク成分は約10,000ダルトン級の分子量を有する場合があり、分解されることで成分を身体から極めて容易に除去することができる。
【0050】
特に明記しない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解する用語と同じ意味を有する。本明細書に記載された方法および材料に類似した、またはそれに等価な方法および材料を、本発明の実施または検討に使用することができるが、好ましい方法および材料について後述する。本明細書で言及された、すべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照として全体が本明細書に組み入れられる。矛盾が生じた場合は、定義を含む本明細書を優先するものとする。また、材料、方法、および実施例は説明目的のみで提示し、制限する意図はない。
【0051】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになると思われる。
【0052】
発明の詳細な説明
本発明は、核酸を細胞に輸送するための方法および組成物に関する。この方法および組成物は、細胞の活性化の誘導、遺伝子発現の調節、または遺伝子発現の誘導を含むがこれらに限定されない、さまざまな機能に使用することができる。核酸は、放出される核酸の活性または発現のレベルおよび期間を促進して最適化するように構造的および機能的に設計された生物吸収性ポリマーネットワークから放出される。
【0053】
輸送システムの組成物は、1種もしくは複数の核酸、および1種もしくは複数の賦形剤を含む、少なくとも2種の注射可能な非核酸ポリマー成分の化学的な組み合わせによって形成されるポリマーネットワークを含む。
【0054】
成分(1、2、および任意選択で3)は水溶性であり、互いに反応可能な官能基を末端に有するように修飾されたポリマーの主鎖を含む。成分1の反応性官能基は例えば、同じ分子中における、クロロギ酸、アクリレート、アミン、アルコール、テトラスルフヒドリル、エポキシド、スルフヒドリル、ヒドラジド、またはそれらの組み合わせでありうる。成分2の反応性官能基は例えば、クロロギ酸、アクリレート、カルボン酸、アルデヒド、マレイミド、ヨードアセチル、炭水化物、イソシアネート、またはイソチオシアネートでありうる。ポリマーネットワークは、エステル、炭酸塩、イミン、ヒドラゾン、アセタール、オルトエステル、ペプチド、アミド、ウレタン、尿素、アミン、オリゴヌクレオチド、またはスルホンアミドなどの結合を含む場合がある。このような成分は、乳酸塩、カプロン酸塩、メチレン炭酸塩、グリコール酸塩、エステル-アミド、エステル-炭酸塩、またはそれらの組み合わせなどの生分解性結合を含むように修飾することができる。
【0055】
以下に本発明の実施例を示す。実施例は、遺伝子発現のレベルおよび期間を最適化するための製剤化、特性解析、および調節用のさまざまなポリマーネットワークの例を示す。これらは、本発明の範囲を、いかなる形態であれ制限する意図はない。
【0056】
実施例
実施例1:インサイチューにおける、アミド結合の形成を介したポリエチレンオキシド-ポリエチレンオキシドネットワークの形成
反応重合体
成分1:ポリエチレンオキシド-テトラアミン(P4-AM)、(SunBio Systems, Korea)
成分2:ポリ(エチレンオキシド3350)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)、(SunBio Systems)
【0057】
重合体の特徴付け
テトラアームのポリエチレンオキシド骨格におけるアミンの置換の程度(d.s.)は、1H-NMRにより3.91であると見積もられ;スクシンイミジルグルタラートのd.s.も、1H-NMRにより3.85であった。
【0058】
製剤の調製
全ての製剤は、2つの溶液を混合することによって調製し、一方は、0.1Mのリン酸カリウム緩衝液、pH 8.0に溶解された予め計量した量のP4-AMを含み、他方は、核酸(たとえば、プラスミドまたはオリゴヌクレオチド)を含む冷却脱イオン水に溶解されたP4-SGを等モル量含む。全ての製剤は、核酸の1mg/mlを含んだ。図1は、ネットワーク成分(P4-AM/P4-SG)の化学構造およびアミド結合の形成による架橋反応の概略図を示す。ネットワークは、成分(P4-SG)の1つにエステル結合が存在することにより、生分解性になる。
【0059】
2%〜15%の重合体ネットワークの製剤
ゲル形成成分の溶液を調製した(2%、3%、4%、5%、8%、10%、および15%w/v)。たとえば、5%のP4-AMは、1mlのカリウム・モノ-ジリン酸緩衝液(pH 8.0)に50mgのP4-AMを溶解することによって調製した。5%w/vのP4-SGは、50mgのミリQ脱イオン水にP4-SGを溶解することによって調製した。この溶液は、使用するまで氷上で貯蔵した。ネットワークは、P4-SGと共にP4-AM溶液を添加した後に作製した。たとえば、製剤Aは、2%w/vの固体を含んだ。製剤Aは、粘稠性の枝分れ重合体中に架橋された。製剤B-Gは、製剤Aと同じ成分の等モル量を含むが、高濃度である(B、総重合体の3%w/v;C、4%;D、5%;E、8%;F、10%、およびG、15%)。架橋された製剤B〜Gは、筋肉に注射する前にインサイチューで組織適合ヒドロゲル中に架橋した。
【0060】
ネットワークへのプラスミドDNAの取込みおよびゲル化時間に対する効果
DNAを、P4-SGを含む溶液に添加した。11.1μlの9mg/ml核酸(たとえば、プラスミドDNAまたはオリゴヌクレオチド)の貯蔵液を、38.8μlの6.4%P4-SGの溶液に添加し、100μlに100μgの核酸を含む5%のP4-SG溶液を得た。次いで、50μlのこのP4-SG/DNA溶液を、50μlの5%w/vのP4-AMに添加して、所望の終濃度のゲル(5%の総PEG)を製造した。この製剤のゲル化時間は、核酸を含まない製剤とほぼ同じ(25℃で5〜6分)であった。
【0061】
第三の非核酸重合試薬の取込み、およびゲル化時間に対する効果
第三の非反応性の、非核酸重合体成分を製剤に添加した。重合体の賦形剤としてメトキシ-PEG2K-ジステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(mPEG-DSPE, Genzyme)を選択し、P4-SGの溶液に添加した。100μlのゲル中に100μgの核酸含有製剤中において、PEG-DSPEに対するDNAの質量比が10:1を得るために、1μlの10mg/ml mPEG-DSPE溶液(ミリQ脱イオン水溶液)を、38.7μlの6.5% P4-SGおよび11.1μlの9mg/ml核酸溶液に、P4-AMの添加前に添加した。ゲルの終濃度は、5%w/vの反応重合体(P4-AM+P4-SG)であった。ゲル形成は、溶液の混合後に確認した。製剤にmPEG-DSPEを添加しても、25℃におけるゲル化時間を変化させなかった。
【0062】
ゲル浸透クロマトグラフィーによるネットワークの特徴付け
分子量〜1,000,000の高分子量の分岐した分子の形成を示すために、製剤A(2%w/vのP4-SH/P4-AM)のゲル浸透クロマトグラフィーを行って、反応していない成分の大きさをネットワークのものと比較した。図2Aは、ネットワーク製剤A(2%のPEG)および個々のPEG成分(P4-SGおよびP4-AM)のゲル浸透クロマトグラムを示す。
【0063】
ネットワーク特徴づけ:分岐およびゲル化の速度の決定
最大平衡枝分れまたはゲル形成に達する混合後の時間は、DV-II ブルックフィールド(Brookefield)粘度計によって測定したずれ粘性の変化によって測定した。製剤B〜Dのヒドロゲル形成の速度を測定した。溶液粘度の迅速な増加によって特徴づけられる「ゲル化の開始」は、ゲル化時間を示した。図2Bに示したデータは、粘度法によって測定された製剤A(2%w/vのP4-AM/P4-SG)、B(3%w/vのP4-AM/P4-SG)、C(4%w/vのP4-AM/P4-SG)およびD(5%w/vのP4-AM/P4-SG)のゲル化速度を示す。図2Cに示すように、より高濃度の反応重合体を有するゲルが、より低濃度の反応重合体のゲルよりも、より速く重合体をゲル化したことは明らかである。図3に示すように、架橋反応は、より高温度のP4-AM/P4-SG製剤で加速された。
【0064】
ネットワーク特徴付け:ゲルの硬さまたは柔らかさ
ゲル化後、マイクロ遠心チューブからゲルを除去して、肌目および物理的性状を検討した。解析化学用語法において、ネットワークの圧縮モジュラスσ(応力σ/ひずみ)(dynes/cm2)を決定し、架橋密度または「メッシュサイズ」を特徴づけた。図6の表に示したように、高濃度から形成された密接に架橋されたヒドロゲルは、より低濃度で成分を混合するときに形成されるゆるく連結されたネットワークより、高い圧縮モジュラスを有し、したがって、「より硬い」と特徴づけられた(たとえば、5%w/vのP4-AM/P4-SGゲルは「硬い」ことが見出されたが、3%w/vのP4-AM/P4-SGゲルは「柔らかい」ことが見出された)。架橋密度は、ネットワークを介した分子の拡散する分子の機能を制御することができる。
【0065】
ゲル形成成分を有するプラスミドDNAの適合性
適合性実験は、予め混合する成分1および2がプラスミドDNAの統合性を減少(たとえば、スーパーコイル形成)させないことを保証するために行った。プラスミドDNA(pDNA)(10μl/ml)を反応重合体(2%w/vのP4-AMまたはP4-SG、5%w/vのP4-AMまたはP4-SG)のいずれかと混合して、室温で30分間インキュベートした。図4は、アガロースゲル電気泳動によって決定した後の、pDNAのスーパーコイル形成%を示す。DNAスーパーコイル形成は、いずれの非ゲル化成分によっても影響を受けないことが見出された。もう一つの実験において、プラスミドのスーパーコイル形成が架橋反応により障害を生じるかどうかを試験するために、プラスミドDNAを2%w/vおよび3%w/vのヒドロゲルに組み込んで、次いでリン酸緩衝食塩水に抽出した。ネットワークから抽出されたDNAのスーパーコイル形成を、ネットワークに組み込まれなかった対照DNAと比較した。ネットワークにプラスミドが取込まれることにより、DNAスーパーコイル形成の損失は観察されなかった。図5Aおよび図5Bに示すように、データは、架橋された製剤の存在下でもDNA統合性が維持されたことを示す。
【0066】
ネットワーク特徴付け:インビトロにおける平衡膨潤
平衡膨潤は、ヒドロゲルを特徴づけるために使用することができる。この方法は、解析の方法として開発される場合、効果的に製剤の再現性を決定するために利用することができる。プラスミドDNA(mPEG-DSPEを伴う、伴わない)を含むネットワークは、96ウェルプレートにおいて混合を行ったことを除いて、上記の通りに調製した。試料は、完全にゲル化させるために37℃で1時間インキュベートした。ゲルをウェルから除去してシンチレーションバイアル内においた。バイアルを計量して、5mlのダルベッコのリン酸塩緩衝食塩水(PBS)を添加した。バイアルをゆっくりと振盪して、37℃において一晩インキュベートした。次いで、緩衝液をバイアルから吸い込み、ゲルを再び計量した。平衡膨潤は、以下の式を使用してゲル重量の割合(%)増加として算出した:膨潤%=((ゲルの最終重量)37 ℃ ,24 時間-(ゲルの最初の重量)37 ℃ ,24 時間)÷(ゲルの最初の重量)37 ℃ ,24 時間)×100。
【0067】
測定は、2つの反応重合体であるP4-AMおよびP4-SGを、貯蔵液を調製した後に、種々の間隔で、種々の濃度で調製した製剤において行った。図5Bのグラフは、膨潤割合(%)が、溶液を調製した後に種々の間隔で調製したゲルの影響を受けなかったことを示す。図5Bのデータは、膨潤が重合体濃度の増加によることが明らかであることを示す。膨潤割合(%)は、核酸(たとえば、終濃度1mg/mlのプラスミドDNA)の添加によって、またはmPEG-DSPEなどの成分の添加によって影響を受けない。したがって、これらの成分は、どちらもゲル成分と反応しない。
【0068】
ネットワーク特徴付け:ゲルのインビトロにおけるP4-AM/P4-SGからのプラスミドDNAの放出
インビトロにおけるヒドロゲルB〜DからのDNAの放出は、リン酸緩衝食塩水中でプラスミド含有ゲルを37℃においてインキュベーションすることによって測定した(シンチレーションバイアルに200μgのプラスミドを含む200μlのヒドロゲルを、2mlのPBS中でインキュベートした)。定義した時点において、上澄みを除去して新たなチューブに移した。次いで、さらに2mlのPBSをそれぞれのバイアルに添加して、試料をインキュベーターに戻した。
【0069】
ヒドロゲルからのDNA放出割合(%)は、勾配溶出(HPLC法:緩衝液A:0.56Mの塩化ナトリウムの50mMトリス(pH 9.0)溶液;緩衝液B:1.2Mの塩化ナトリウムの50mMトリス(pH 9.0)溶液;15分間の勾配溶出において、0〜30%の緩衝液B)を使用したDNA-NPR(登録商標)(Tosoh-Biosep Inc.)陰イオン交換カラムを使用して定量した。標準曲線は、種々の濃度でPBSに希釈した対照非製剤化DNAによって構築し、HPLCによって解析した。弛緩プラスミドおよびスーパーコイルプラスミドのピークは、標準の保持時間と比較して同定した。図7Aおよび図7Bは、インビボにおける放出データを示す。図7Aは、製剤C(4%w/vのP4-AM/P4-SG)から放出されたDNA由来の代表的なHPLCトレースを示し;ピークの3組のセットにおける第2のピークは、スーパーコイルDNAである。図7Bは、製剤B(3%w/vのP4-AM/P4-SG)、C(4%w/vのP4-AM/P4-SG)およびD(5%w/vのP4-AM/P4-SG)に由来する累積的な放出データを示す。データは、プラスミドがゲルから放出されることができ、その放出がより低い割合(%)のP4-AMおよびP4-SGを含むゲルではより速いことを示す。
【0070】
ネットワーク性状:PEG-PEGネットワークは、血清エンドヌクレアーゼからプラスミドDNAを保護する
30μgのβ-gal DNAを含む架橋された製剤(A=2%w/v P4-SG/P4-AM、B=3%w/v P4-SG/P4-AM)の100μlを、1:40〜1:80の希釈率の100μlの新鮮なBALB/cマウス血清を含む溶液中において37℃で30分間インキュベートした。対照は、無血清緩衝液中でインキュベートした。
【0071】
非製剤化DNAおよびネットワーク製剤中のDNAのエンドヌクレアーゼに基づいた消化は、アガロースゲルでのプラスミド解析によって比較した。
【0072】
図8は、両方のネットワーク製剤が血清エンドヌクレアーゼ(レーン5〜6、8〜9)からプラスミドDNAを保護したが、非製剤化DNAでは、両方の血清希釈において30分間インキュベーションした後にスーパーコイル形成の損失を示した(レーン4および7)ことを示す。
【0073】
ネットワーク特徴付け:注入可能性
製剤の注入可能性を以下の方法で決定した:
P4-AMおよびP4-SGを0.3mlの別々の注射器に挿入し、次いでこれを注射器接続器を介して結合した。溶液の成分を迅速に混合し、次いで単一の注射器に回収した。混合した製剤を混合後の種々の時点において26gの針で押し出した。製剤が注射することができる時間を分で記録した。図6は、より高濃度の製剤がより速くゲル化し、注射をすることができる時間的間隔が短くなることを示す。
【0074】
ネットワーク性状:筋組織におけるインビボ、インサイチューのゲル形成
ネットワーク製剤を動物の筋肉に注射することができ、インサイチュー、インビボでネットワークを形成するかどうかを決定するために、エバンスブルー色素を、2%、3%、4%、5%、8%または10%w/vの総PEG(P4-AM/P4-SG)に作製した製剤に添加した。製剤をマウスの筋組織に注射した。
【0075】
注射の60分後にマウスを屠殺して、注射した筋肉を除去して認識可能なゲルについて検討した。
【0076】
全ての製剤は、注射可能であった。3%、4%、5%、8%、および10%w/vの総PEG(P4-AM+P4-SG)を含む製剤は、それぞれ、筋組織に透明な認識可能なゲルを形成した。2%w/vのPEG製剤は、筋組織の全体に粘性液として拡散した。
【0077】
ネットワーク特徴付け:インビボにおける生分解
ネットワークの生分解を調べるために、100μlの製剤B(3%のP4-SG/P4-AM)を、マウスにつき、前頸骨筋につき50μlで、2匹のマウス/群に注射した。ネットワーク含有筋組織を予め定められた時点で切除して、以下に記載した組織消化法を使用して筋肉を消化した。
【0078】
酵素消化法の材料
システイン-HCl(99.9%精製、Sigma)
EDTA(Sigma)
50%パパイン溶液、99.9%精製(Sigma)
コラゲナーゼ(98%精製、Sigma)
塩化カルシウム、10%w/wの脱イオン水溶液。
【0079】
酵素消化法
0.0606gのシステイン-HClおよび2.915gのEDTAを計量して、100mlのメスフラスコに添加し、次いで100mlのマークまで満たした。溶液のpHを6.25に合わせた。アルゴンなどの不活性ガスで溶液を泡立てて、酸素を除去し、次いで使用するまで-20℃で貯蔵した。
【0080】
5mlの50%パパイン溶液(Sigma)を、10mlのメスフラスコにピペットで取り、次いで、10mlのマークまでシステイン/EDTA緩衝液で10mlに満たした。溶液は、使用するまで-20℃で貯蔵した。
【0081】
コラゲナーゼ(1.5mg/ml)は、1.5mgのコラゲナーゼを計量して、1mlのシステイン/EDTA緩衝液に再懸濁することによって調製した。
【0082】
1125μlのパパイン溶液を組織外植体(外植体の重量は、30〜600mgの間であるべきである)を含む15mlの遠心管に添加した。1125μlのコラゲナーゼ溶液および750μlの10%塩化カルシウムを遠心管に添加して混合した。外植体を含む遠心管および消化反応混液を37℃で維持した水槽中で8〜12時間平衡化した。この工程では、組織の消化を生じた。消化後、消化された分散液のpHを、30μlの50%NaOHで11.5に調整し、次いで、チューブを37℃の槽にさらに8〜12時間置いた。この工程では、架橋ネットワークの、対応する四量体PEG成分への消化を生じた。次いで、溶液のpHをHCl水で9に調整して戻した。組織片を0.5時間遠心分離し、次いで0.22μmフィルターで濾過して、これをPEGのGPC解析のために調製した。
【0083】
全時間にわたって組織部位に残っているPEGの割合(%)を、ゲル浸透クロマトグラフィーによって解析した(Tosoh-Biosep TSK G3000PWXLカラム;移動相:20mMの第1リン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.4)。
【0084】
これらのポリエチレングリコール-ベースのネットワークのインビボにおける生理吸収速度は、全時間にわたって注射された筋肉部位に残存する総PEGを定量することによって決定した。結果は、製剤Bについて注射された総PEGの〜40%が、注射後33日の部位から除去され、注射された総PEG重合体の60〜80%が、注射後約90日になくなったことを示す。本研究により、ネットワーク送達系がインビボにおける適用に使用することができることが示された。
【0085】
実施例2:アミド結合の形成を経たポリ(エチレンオキシド)-ポリ(アミドアミン)ネットワーク
材料
ポリ(アミドアミン)、(PAMAM)、産生0(G0)、4アミン基(Dendritech)
ポリ(アミドアミン)、(PAMAM)、産生1(G1)、8アミン基(Dendritech)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
【0086】
製剤
10%のP4-SG(1mlに100mg)をミリQ水中に調製して、氷上で貯蔵した。等モル濃度のポリ(アミドアミン)G0(10mMまたは0.5%)およびG1(10mMまたは0.5%)溶液は、それぞれの貯蔵液をリン酸緩衝液(pH 8.0)に希釈して調製した。P4-SG溶液は、G0またはG1溶液のいずれかと同体積で混合したときに、透明な軟らかいゲルを形成した。種々の架橋密度を有するゲルは、P4-SGおよびポリ(アミドアミン)G0またはGlの濃度を変化させることによって形成することができる。また、PEG-DSPEおよび核酸を含む種々の組成物(2%、5%、10%)を処方して、全てが注射可能であることが見出された。
【0087】
ネットワーク特徴付け:インビトロ平衡膨潤の決定
PAMAM/P4-SGヒドロゲルを特徴づけるために、平衡膨張の研究を行った。図9は、膨潤の量がPEGヒドロゲルについてよりもこれらのゲルについて、より低いこと、および脂質の添加が膨潤を減少させることを見出したことを示す。
【0088】
実施例3:アミド結合の形成を経たポリ(エチレンオキシド)-ポリ(エチレンイミン)ネットワーク
材料
ポリエチレンアミン(PEI)、25kD(Aldrich, Milwaukee, WI, USA)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
【0089】
処方方法
インサイチュー架橋ゲルは、ポリ(エチレンアミン)およびP4-SGを使用して処方する。10%w/vのP4-SG溶液は、ミリQ水中に調製した。100mMのPEI(0.15%w/v)は、リン酸緩衝液pH8.0に調製した。この溶液の100μl(10倍モル過剰)をP4-SG溶液に添加して、迅速なゲル化が観察された(<1分)。
【0090】
ゲル化時間は、PEIもしくはP4-SG濃度および/または個々の重合体を再懸濁する溶液のpHを変えることによって制御することができる。たとえば、pH8.0に再構成された0.075%w/vのPEIおよび10%w/vのP4-SGを含む製剤は、25℃において6分のゲル化時間を有する。
【0091】
実施例4:チオエステル結合の形成を経たポリ(エチレンオキシド)-ポリ(エチレンオキシド)ネットワーク(P4-SG/P4-SH)
材料
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
ポリエチレンオキシドテトラスルフィドリル(P4-SH)(SunBio Systems)
【0092】
方法
100μlのP4-SG(3%w/v)のミリQ水溶液を100μlの3%w/v P4-SHのリン酸緩衝液溶液、pH 8.0の溶液と、1.5mlの遠心チューブ内で混合し、37℃でインキュベートして3%w/vのヒドロゲルを形成した。
【0093】
同様に、2つのネットワーク重合体の等モル溶液の同体積を混合することにより、4%、10%、20%および30%w/vのゲルも形成した。30分後、ゲルを回収して、それらの性状を検討した。
【0094】
3%w/vゲルは、軟らかいことが見出されたが、4〜30% w/vゲルは、「硬く」、しっかりと架橋された。3%、4%、および10%w/vのP4-SG/P4-SH製剤のゲル化時間をブルックフィールド粘度計で、25℃および37℃の温度で測定した。図10に示すように、重合体濃度の増加に伴って、ゲル化時間が加速した。
【0095】
実施例5:ネットワーク密度の調整を経たマウス筋肉における遺伝子発現の調整
分泌タンパク質をコードするプラスミドの使用は、動物を犠牲にすることなく発現タンパク質の血清試料採集および解析を可能にする。たとえば、分泌型胎生期アルカリホスファターゼ遺伝子、ファクターVIII、ファクターIX、エリスロポエチン(EPO)、エンドスタチン、種々のサイトカイン、インスリン、および骨形態形成タンパク質(BMP)をコードするプラスミドは、この目的のために使用されてきた。ヒトの分泌型胎生期アルカリホスファターゼ遺伝子(pgWiz(商標)SEAP、以後「SEAP」と呼ぶ)をコードするプラスミドを、全身的な発現をモニターするために使用した。SEAP(膜結合胎盤アルカリホスファターゼの分泌型)は、血清中で数分〜数日の半減期を有する。短い半減期を有するタンパク質は、確実に発現速度を決定するために特に有用である。
【0096】
材料
pgWiz-SEAP(Gene Therapy Systems Inc., San Diego, California, USA)
ポリエチレンオキシド-テトラアミン(P4-AM)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
mPEG-DSPE(Genzyme)。
5〜6週齢の雌C57Bl6マウス(Jackson Laboratories, Bar Harbor, Maine, USA)
5〜6週齢のDBA/2およびRag2マウス(Taconic, Germantown, NY, USA)
【0097】
製剤
DNAは、キアゲンエンドフリー(Qiagen Endo-free)(商標)キット(Qiagen Inc., Valencia, California, USA)を使用して増幅および精製するか、またはアルデブロン(Aldevron)LLC(Fargo, North Dakota, USA)から購入した。
【0098】
全ての製剤は、2つの溶液を混合することによって調製し、一方は、0.1Mのリン酸カリウム緩衝液、pH 8.0に溶解されたP4-AMの予め計量した量を含み、他方は、SEAPプラスミドDNA(100μg/100μlの最終体積の製剤)およびmPEG-DSPE(10μg/100μl最終体積の製剤)を含む冷却脱イオン水に溶解されたP4-SGの等モル量を含む。
【0099】
製剤Aは、粘稠性の枝分れ重合体に架橋された2%w/vのP4-SG/P4-AMを含んだ。
【0100】
製剤B〜D(それぞれ、3、4、および5%w/vのP4-SG/P4-AM)は、Aと同じ成分の等モル量含むが、高濃度であった。これらの製剤は、筋肉に注射後にインサイチューで組織適合ヒドロゲル内に架橋された。
【0101】
溶液を新たに調製して、全ての製剤成分を混合した直後にマウス筋肉に注射した。
【0102】
動物実験
マウスには、イソフルランを使用して穏やかに麻酔をかけて、種々の架橋ネットワーク製剤または非製剤化プラスミドDNA(塩溶液)を両側の前頸骨筋に注射した。全ての動物は、100μgのプラスミドDNAを筋肉あたり50μlの注射体積で注射した。
【0103】
注射後の種々の時点で、マウスに麻酔をかけて、血液を後眼窩(retro-orbitally)で回収した。血清は、遠心によって赤血球から分離して、アッセイが行われるまで-80℃で貯蔵した。
【0104】
SEAPアッセイ法
マウス血清中の酵素的に活性なSEAPのレベルは、トロピクス・ホスファ-ライト(Tropix Phospha-Light)(登録商標) ルミノメトリックアッセイキット(Applied Biosystems, Foster City, California, USA)を使用して測定した。アッセイ法は、標準曲線の試料を1:4に希釈した正常マウス血清(Stellar Biosystems, Columbia, Maryland, USA)中に調製したことを除いて、製造業者のプロトコールにしたがって行った。
【0105】
また、全ての実験の血清試料は、製造業者から供給された希釈緩衝液に1:4で希釈した。
【0106】
ルミネセンス測定は、反応緩衝液中で40分間インキュベーションした後、トップカウント(Topcount)(登録商標)プレートリーダー(Packard Instruments, Illinois)を使用して行った。各時点における血清SEAPレベルは、アッセイキットにより供給された陽性対照(精製されたヒト胎盤のアルカリホスファターゼ)から作製した標準曲線を使用してナノグラム/mlで表した。データは、WheelerおよびGanjiの「Introduction to Engineering Experimentation」、Prentice Hall, pp. 142-145 (1996) にて説明したように、トンプソン-タウアウトライアー解析(Thompson-Tau outlier analysis)を使用してさらに解析し、平均値および標準偏差としてプロットした。
【0107】
結果
各ネットワーク製剤の投与により、期間が延長されて血清SEAPの検出可能なレベルを生じる結果となった。図11Aは、より高い架橋密度(すなわち、製剤CおよびD)の全てのネットワークでは、軽い架橋ネットワーク(すなわち、製剤AおよびB)と比較して、有意な血清レベルのSEAP発現を生じることを示す。ネットワーク製剤から放出されるDNAの長期発現を評価するために、陽性の動物%(300pg/mlより高い血清SEAPを発現している動物によって測定されるので、塩溶液を注射したマウスの背景血清SEAPレベルより2〜3倍高いレベル)を、各製剤についてプロットした。図11Bは、ネットワークからのDNA送達が血清中のコードされたタンパク質の長期発現を生じるが、非製剤化DNAを注射した動物のタンパク質レベルは、3〜4週以後に急激に下落したことを示す。
【0108】
プラスミドを筋肉内に投与後のタンパク質の一過的発現についての1つの仮定には、抗体に向けられた補体を媒介した細胞毒性(antibody-directed complement-mediated cytotoxicity:ADCC)がある。免疫担当動物において観察される持続したタンパク質発現速度が、ADCCを実装できない補体欠損マウスにおいて見られるどうかを評価するために、補体の成分を欠損したDBA/2Jマウスに、非製剤化DNAまたはネットワーク製剤中のDNAを注射した。図12Aは、ネットワークの注射が、非製剤化DNAによって生じた発現と比較して、補体欠損動物においてより持続されたSEAPの発現を生じたことを示す。
【0109】
免疫欠損動物における長期タンパク質発現の効果をさらに評価するために、V(D)J組換えができず、したがって成熟BおよびT細胞を欠如するRAG2ノックアウトマウスには、pSEAPプラスミドを非製剤化DNAとしてまたはネットワーク製剤中にして投与した。図12Bは、ネットワークに結合したDNAを注射された動物に由来する血清SEAPレベルが、非製剤化DNAを注射された群に由来するものより長く維持されたことを示す。
【0110】
実施例6:P4-AM/P4-SGネットワーク中の核酸を送達した後のエレクトロポレーションは、遺伝子発現を増大する
材料
ポリエチレンオキシド-テトラアミン(P4-AM)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
mPEG-DSPE(Genzyme)
SEAPプラスミドDNA(Gene Therapy Systems)
5〜6週齢雌C57Bl6マウス(Jackson Laboratories)
【0111】
製剤
3%w/vのP4-AM/P4-SGを、mPEG-DSPE(10μg/100μl)および(100μg/100μl)のSEAP DNAと共に処方した。ゲルは、GT20ゲルとして同定された。GT20は、25℃において粘度法によって測定すると、pH8において緩衝液で再構成した20分後のゲル化時間を示す。
【0112】
方法
マウスには、イソフルランを使用して穏やかに麻酔をかけて、種々の架橋ネットワーク製剤を、または非製剤化プラスミドDNA(塩溶液において)を、両側の前頸骨筋に注射した。全ての動物には、筋肉あたり50μlの注射体積で100μgのプラスミドDNAを注射した。
【0113】
マウス筋肉には、製剤の注射後、直ちに200V/cm、8パルス、1秒間に20msパルス幅の間隔でエレクトロポレーションした(Genetronics electroporator, ECM 830; BTX Inc., San Diego, California, USA)。
【0114】
血清収集、SEAPアッセイ法、およびトンプソン-タウアウトライアー解析を使用したデータ解析は、実施例5のとおりに行った。
【0115】
図13に示したデータは、エレクトロポレーションによる、ネットワーク製剤におけるSEAP発現の増進を示す。
【0116】
実施例7:P4-AM/P4-SGへの賦形剤の添加は、遺伝子発現を増進する
材料
ポリエチレンオキシド-テトラアミン(P4-AM)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
mPEG-DSPE(Genzyme)
SEAPプラスミドDNA(Gene Therapy Systems)
5〜6週齢雌C57Bl6マウス(Jackson Laboratories)
【0117】
製剤
3%w/vのP4-AM/P4-SGをmPEG-DSPE(10μg/100μl)および(100μg/100μl)のSEAP DNAと共に製剤化した。ゲルは、GT20ゲルとして同定された。種々の賦形剤は、P4-AM溶液と混合する前にDNA含有P4-SG溶液に添加した。製剤におけるこれらの賦形剤の終濃度は、以下の通りであった:ラウリル硫酸ナトリウム(SDS、0.1%w/v)(Sigma)、プルロニックL62(0.1%w/v)(BASF)マゲイニンI(0.025%w/v)(Sigma)、およびポリ(アミドアミン)(PAMAM;Dentritech)G0(0.15%w/v)。より詳細には、ラウリル硫酸ナトリウムは、陰イオン性脂質として、プルロニックL62は、非イオン性活性剤として、マゲイニンIは、陽イオン性ペプチドとして、およびPAMAM G0は、陽イオン性4-アームの重合体として分類される。
【0118】
方法
マウスには、イソフルランを使用して穏やかに麻酔をかけて、種々の架橋ネットワーク製剤を、または非製剤化プラスミドDNA(塩溶液において)を、両側の前頸骨筋に注射した。全ての動物には、筋肉あたり50μlの注射体積で100μgのプラスミドDNAを注射した(群あたりn=8)。
【0119】
後眼窩(retro-orbital)出血による血清収集、SEAPアッセイ法、およびトンプソン-タウアウトライアー解析を使用したデータ解析は、実施例5に記載のとおりに行った。
【0120】
図14Aおよび図14Bは、これらの賦形剤をネットワーク製剤に添加することにより、SEAP発現が増強されることが見出されたことを示す。
【0121】
実施例8:P4-SG/P4-SHネットワークによって誘導されるマウス筋肉における遺伝子発現
材料
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスルフィドリル(P4-SH)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
mPEG-DSPE(Genzyme)
SEAPプラスミドDNA(Gene Therapy Systems)
5〜6週齢雌C57Bl6マウス(Jackson Laboratories)
【0122】
製剤
DNAは、キアゲンエンドフリー(登録商標)キット(Qiagen Inc., Valencia, California)を使用して増幅および精製するか、またはアルデブロン(Aldevron)LLC(Fargo, ND)から購入した。
【0123】
全ての製剤は、2つの溶液を混合することによって調製し、一方は、0.1Mのリン酸カリウム緩衝液、pH 8.0に溶解されたP4-AMの予め計量した量を含み、他方は、SEAPプラスミドDNA(100μg/100μlの最終体積の製剤)およびmPEG-DSPE(10μg/100μlの最終体積の製剤)を含む冷却脱イオン水に溶解されたP4-SGの等モル量を含む。
【0124】
2つの製剤を試験した:製剤A:3.5%w/vの各P4-SH/P4-SGは、25℃において20分後にゲル化され;および製剤B:5%w/vの各P4-SH/P4-SGは、25℃において10分後にゲル化された。溶液を新たに調製して、全ての製剤成分を混合した後、直ちにマウス筋肉に注射した。
【0125】
動物実験
マウスには、イソフルランを使用して穏やかに麻酔をかけて、種々の架橋ネットワーク製剤または非製剤化プラスミドDNA(塩溶液)を、両側の前頸骨筋に注射した。全ての動物は、100μgのプラスミドDNAを筋肉あたり50μlの注射体積で注射した。群あたり8匹の動物であった。
【0126】
注射後7日において、マウスには麻酔をかけて血液を回収し、血清を調製して実施例5に記載のとおりに解析した。図15に示すように、製剤Aおよび製剤Bは、両方ともマウスにおける高レベルの遺伝子発現を誘導した。
【0127】
実施例9:マウス粘膜におけるネットワークを媒介した(P4AM-P4-SG)遺伝子の発現
材料
pgWiz-SEAP、(Gene Therapy Systems Inc., San Diego, California)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラアミン(P4-AM)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
mPEG-DSPE(Genzyme)
5〜6週齢雌C57Bl6マウス(Jackson Laboratories)
【0128】
方法
DNAは、キアゲンエンドフリー(登録商標)キット(Qiagen Inc., Valencia, California, USA)を使用して増幅および精製するか、またはアルデブロン(Aldevron)LLC(Fargo, ND, USA)から購入した。
【0129】
全ての製剤は、2つの溶液を混合することによって調製し、一方は、0.1Mのリン酸カリウム緩衝液、pH 8.0に溶解されたP4-AMの予め計量した量を含み、他方は、SEAPプラスミドDNA(100μg/100μlの最終体積の製剤)およびmPEG-DSPE(10μg/100μl最終体積の製剤)を含む冷却脱イオン水に溶解されたP4-SGの等モル量を含む。
【0130】
GT5:5%w/vのP4-AMおよびP4-SGは、それぞれ25℃において5分後にゲル化された。溶液は、新たに調製して全ての製剤成分を混合後、直ちにマウス直腸に注射した。
【0131】
動物実験
マウスには、イソフルランを使用して穏やかに麻酔をかけて種々の架橋ネットワーク製剤を、または非製剤化プラスミドDNA(塩溶液において)を肛門から直腸へ3.5cmの注射をした。全ての動物には、50μlの注射体積の100μgのプラスミドDNAを注射した。群あたり5匹の動物であった。
【0132】
注射後8日において、マウスには麻酔をかけて血液を回収し、血清を調製して実施例5に記載のとおりに解析した。非製剤化DNAを受けた動物は、SEAP発現を示さなかった。GT5製剤は、5匹のマウスのうちの3匹において、有意なレベルの遺伝子発現を誘導した。
【0133】
実施例10:P4-AM/P4-SGネットワーク中のプラスミドをIM注射した後の、抗原をコードするDNAに対する免疫応答を表す
材料
ポリ(エチレンオキシド)-テトラアミン(P4-AM)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
mPEG-DSPE(Genzyme)
【0134】
β-galのアミノ酸876-884にわたった天然に処理されたH-2Ld制限T細胞エピトープを示す合成ペプチドのTPHPARIGL、およびB型肝炎表面Ag(HBsAg)の残基S28〜39に対応するH-2Ldエピトープを示すIPQSLDSWWTSLは、多重ペプチドシステム(Multiple Peptide Systems)(San Diego, CA)によって合成し、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって評価して純度>90%にした。それぞれのペプチドの同一性は、マススペクトル解析によって確認した。
【0135】
ヒトCMV中間体の初期プロモータによって駆動される大腸菌(Escherichia coli)β-galをコードするpCMV/β-galは、全ての免疫化のためのレポーター遺伝子として使用した。
【0136】
BALB/cマウス、6〜10週齢
【0137】
CT26.WTおよびCT26.CL25細胞株。CT26.WTは、BALB/c(H-2d)の未分化大腸腺癌CT26クローンである。CT26.CL25は、lacZ遺伝子が安定してトランスフェクトされたCT26.WTクローンである。細胞株は、RPMI 1640,10%の熱非動化したウシ胎児血清(FCS;Life Technologies, Grand Island, NY)、2mMのL-グルタミン、100μg/mlのストレプトマイシン、および100U/mlのペニシリン(Life Technologies, Grand Island, NY)中で維持した。CT26.CL25は、400μg/mlのG418硫酸(Life Technologies, Grand Island, NY)の存在下で維持した。
【0138】
製剤
全ての製剤は、2つの溶液を混合することによって調製し、一方は、0.1Mのリン酸カリウム緩衝液、pH 8.0に溶解されたP4-AMの予め計量した量を含み、他方は、β-gal DNA(100μg/100μlの製剤)およびmPEG-DSPE(10μg/100μlの製剤)を含む冷却脱イオン水に溶解されたP4-SGの等モル量を含む。製剤Aは、2%w/vのP4-AM/P4-SGを含み、成分混合後に粘稠性の枝分れ重合体ネットワークを形成した。製剤Bは、3%w/vのP4-AM/P4-SGを含み、混合後にヒドロゲルを形成した。溶液は、室温で新たに調製し、混合して直ちに注射した。
【0139】
製剤の物理化学的特徴付け
製剤Aの分子量および粒度分布プロフィールは、移動相として0.02Mリン酸緩衝液、pH 7.5と、TSKゲル混合ベッドカラム(Gel Mixed Bed column)を使用した水系ゲル浸透クロマトグラフィーにより、1,000,000であると決定された。ネットワークは、ブルックフィールドレオメトリによって測定して、〜5cpの液粘性を有した。製剤Bのゲル化点は、ブルックフィールドレオメトリによって測定して、37℃において〜11分であった。
【0140】
免疫化
マウスには、イソフルランを使用して穏やかに麻酔をかけて、種々の架橋ネットワーク製剤または塩溶液を両方の前頸骨筋に注射した。全ての動物は、筋肉あたり50μlの注射体積で30μgのプラスミドDNAを一回注射した。別々の実験において、製剤Bの注射の約1時間後における筋肉部位の解体では、組織に適合したヒドロゲルが存在することを示した。製剤Aの注射の1時間後の筋肉部位の検査では、厚く、粘稠性のゲル状物質の形成を示した。
【0141】
ELISAアッセイ法
血清は、免疫後12週においてマウスから後眼窩出血によって回収した。12週におけるβ-gal特異抗体の力価を標準ELISAプロトコールによって測定した。β-gal力価は、その稀釈の非免疫性血清のものの二倍の吸光度(OD 405)値を生じる最も高い血清希釈として定義した。図16は、両方の製剤に由来するネットワーク中のDNAの投与が、注射後12週に測定したβ-gal抗体反応を強く刺激したことを示す。同様の結果は、同一の製剤群による2つの別々の実験において得られた。
【0142】
増殖性T細胞応答
免疫されたか、または天然のマウスのプールされた(n=4)脾細胞由来のT細胞は、免疫後12週において、製造業者の説明書に従って(R & D Systems, Minneapolis, MN)T細胞濃縮カラムを使用して精製した。T細胞増殖アッセイ法は、精製したT細胞および同系の照射を受けた脾細胞(各2×105)を、30μl/mlのβ-galまたはニワトリオバルブミンタンパク質の存在下において、37℃で72時間インキュベートすることによって行った。培養液には、1μCiのトリチウム化したチアミジン(3H-TdR)をパルスして、20時間インキュベートした。次いで、細胞を回収して、放射活性をβ計数器で測定した。図17は、両方のネットワーク製剤中のDNAの送達が、β-gal特異的な増殖性T細胞の応答を誘導することを示す。このタイプの応答は、通常Tヘルパー制限T細胞群に関連している。同様の結果は、同一の製剤群によって2つの別々の実験において得られた。
【0143】
ガンマ-インターフェロンELISpot
免疫されたか、または天然のマウスのプールされた(n=4)脾細胞由来のT細胞は、免疫後12週において、製造業者の説明書に従って(R & D Systems, Minneapolis, MN)T細胞濃縮カラムを使用して精製した。精製したT細胞(2×105)を、2×105の照射を受けたβ-galまたはHBVペプチドでパルスした同系の脾細胞で、24時間刺激した。これらの製剤によって誘発されたMHCクラスI制限T細胞応答は、製造業者(R & D Systems, Cat# EL485, Minneapolis, MN, USA)の説明書にしたがって、ガンマ-インターフェロン(γ-IFN)酵素結合免疫スポット(ELISpot)アッセイで測定した。スポットは、電子的に計数した。図18は、応答が両方とも12週の時点で検出され、製剤Bを受けたマウスのものと比較して、製剤Aを与えられたマウスにおいてより高かったことを示す。
【0144】
腫瘍保護研究
マウスには、処方されたDNAまたは塩溶液対照で免疫化後、静脈内に5×105 CT26.WTまたはCT25.CL25細胞を曝露した。13日目にマウスを屠殺して、肺を単離して0.25%のグルタルアルデヒド/0.01%ホルマリンのPBS溶液で固定した後、0.2%のX-gal溶液で染色した。次いで、腫瘍小瘤を視覚化して計数することができる。この腫瘍に対する保護性の応答は、クラスI制限T細胞応答に依存する。腫瘍接種後13日目に回収した肺の検査では、CT26.WT細胞株を曝露した全てのマウスにおいて多数の肺転移が存在することを示した。DNAを取り込んだネットワークを免疫し、腫瘍(CT26.CL25)を発現しているCT26β-galに曝されたマウスは、転移から保護されていた。図19の表のデータによって示したように、一匹を除く全てのマウスでは、完全に透明な肺を有した。
【0145】
実施例11:凍結乾燥した製剤の調製
脂質、無反応型PEG-アミン、無反応型PEGスクシンイミジルグルタラート、および核酸などの賦形剤を含む「1バイアル」の凍結乾燥された製品を処方するための方法の図解が、図20に提供される。7.0より大きいpHにおいて、2つのPEG成分は、互いに反応して架橋ネットワークを形成する。したがって、2つのPEG成分を含む溶液のpHは、この閾値の下で維持した(たとえば、pHは、脱イオン水に成分を溶解することにより、5.5で維持される)。
【0146】
この実施例では、2つのPEG成分の反応性はまた、温度によっても制御された。37℃では、ゲル形成反応は、4℃における反応よりも速い速度で進行した。したがって、本実施例における反応は、約0〜4℃(氷水スラリー)に維持した。
【0147】
図21は、より低温度でのゲルの特徴付けのための概略図を示す。成分を混合後、DNAを含むバイアルを溶液で満たし、次いで凍結乾燥した。凍結乾燥で得られたものは、リン酸緩衝食塩水、pH 8.0で再構成し、ゲル化時間(ゲル化の開始期)を測定した。3%w/vのゲルでは、25℃において約25分で形成し、凍結乾燥していない製剤のゲル化時間と異ならなかった。
【0148】
また、凍結乾燥は、反応重合体(たとえば、P4-SGおよびP4-SH)の溶液を混合し、pH7より低く維持して、核酸の非存在下で凍結乾燥することによっても行った。この例では、核酸を再構成の際に製剤に添加した。図21に示すように、このような方法で調製された製剤のゲル化時間は、凍結乾燥手順によって変化しなかった。
【0149】
再構成されたバイアルから調製した溶液は、実施例10に記載したとおりの同じDNA用量、免疫化、およびアッセイプロトコールを使用して、再構成後5〜7分以内にマウス筋肉に注射した。注射した製剤は、2%w/vのP4-SG/P4-AMおよび3%w/vのP4-SG/P4-AMであった。これらの製剤によって誘発されるMHCクラスI制限T細胞応答は、製造業者(R & D Systems, Minneapolis, MN)の説明書にしたがって、ガンマ-インターフェロン(γ-IFN)ELISPOTアッセイ法で測定した。スポットは、電子的に計数した。図22は、免疫後12週における解析した両方の製剤に対する応答を示す。結果が統計学的に同等であったことから、凍結乾燥は、インビボにおいて機能するための製剤の機能に対して有害な影響を及ぼさないことが示される。
【0150】
実施例12:オリゴヌクレオチドを含むネットワーク(P4-AM/P4-SG)の作製
材料
ポリエチレンオキシド-テトラアミン(P4-AM)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
ホスホロチオ酸またはリン酸ジエステル骨格を有するオリゴヌクレオチド(Oligos, etc., Wilsonville, Oregon, USA)
【0151】
方法
100μlのP4-SG溶液(5%w/vのミリQ水溶液)(100μg)を100μlの5%w/v P4-AMおよびオリゴホスホロチオ酸溶液(1μg/μl)(リン酸緩衝液、pH 8.0の溶液)と混合して、37℃でインキュベートした。ゲル化の開始期は、ブルックフィールドレオメトリにより、37℃において約8分であることが決定され、軟らかいゲルの形成が確認された。
【0152】
また、オリゴヌクレオチドを含むか、または含まない5%w/vおよび10%w/vのPEG(P4-AMおよびP4-SG)濃度の製剤を調製して、全ての場合においてゲルの形成を確認した。
【0153】
インビトロにおけるオリゴヌクレオチドの放出
100μlのP4-SGのミリQ水溶液を100μlのP4-AM溶液および1μg/μlのオリゴホスホロチオ酸溶液(リン酸緩衝液、pH 8.0の溶液)と1.5mlの遠心管において混合し、37℃においてインキュベートした。1時間後、ゲルを回収して新たな遠心チューブに1mlのリン酸緩衝食塩水、pH 7.4とともに置いた。ゲルを37℃でインキュベートした。各時点において、800μlの上澄みを回収して新たなチューブに移した。ゲルを含むチューブに、800μlの新しい緩衝液を添加した。上澄みでは、陰イオン交換クロマトグラフィーによってオリゴホスホロチオ酸内容物を解析した。
【0154】
図23Aおよび図23Bは、1μg/mlのオリゴを含む5%および10%のヒドロゲルで行ったインビトロにおける放出アッセイの結果を示す。
【0155】
実施例13:オリゴヌクレオチドを含むP4-SH/P4-SGネットワーク
材料
ポリエチレンオキシドテトラスルフィドリル(P4-SH)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド3350)テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
ホスホロチオ酸またはリン酸ジエステル骨格を有するオリゴヌクレオチド(Oligos、etc.)
【0156】
製剤
50μlのP4-SG溶液(5%w/vのミリQ水溶液)およびオリゴホスホロチオ酸(100μg)を50μlの5%w/v P4-AM(リン酸緩衝液、pH 8.0の溶液)溶液と混合して、37℃でインキュベートした。また、オリゴホスホロチオ酸を含有する3%、4%、10%、20%、および30%w/vの総PEGのさらなる製剤を作製し、それぞれの場合においてゲルの形成を確認した。
【0157】
ヒドロゲル(3%、4%、10%、20%、30%)の架橋速度は、25℃においてブルックフィールドレオメトリによって測定した。これらの製剤のそれぞれについて、「ゲル」形成の開始期は、臨界ゲル点Gcとマークしたずれ粘性の迅速な増加によって特徴づけられた。20%w/vおよび30%w/vゲルのゲル化時間は、25℃および37℃では2分未満であった。図24Aは、37℃においてゲル化速度がより速いことを示す。図24Bは、より高いpHでのゲル化時間がより速いことを示し、したがって、ゲル化時間は、温度およびpHの変形物によって調整することができる。
【0158】
インビトロにおけるオリゴヌクレオチドの放出
100μlのP4-SGのミリQ水溶液を100μlのP4-SH溶液および1μg/mlのオリゴホスホロチオ酸溶液(リン酸緩衝液、pH 8.0の溶液)と1.5mlの遠心管において混合し、37℃でインキュベートした。1時間後、ゲルを回収して新たな遠心チューブに1mlのリン酸緩衝食塩水、pH 7.4とともに置いた。ゲルを37℃でインキュベートした。各時点において、800μlの上澄みを回収して新たなチューブに移した。ゲルを含むチューブに、800μlの新しい緩衝液を添加した。上澄みでは、陰イオン交換クロマトグラフィーによってオリゴホスホロチオ酸内容物を解析した。放出アッセイ法は、1μg/mlのオリゴを含む10、20、および30%のヒドロゲルについて行った。図25Aおよび図25Bは、14日目において、総ODN放出%が、10%ゲルについて〜98%、20%ゲルについて〜85%、および30%ゲルについて〜78%であったことを示す。
【0159】
実施例14:オリゴヌクレオチドを含むPAMAM/P4-SGネットワーク
材料
ポリ(アミドアミン)、産生0(GO)、4アミン基(Dendritech)
ポリ(エチレンオキシド3350)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
ホスホロチオ酸またはリン酸ジエステル骨格を有するオリゴヌクレオチド(Oligos、etc.)
【0160】
ネットワーク製剤
50μlのP4-SG溶液(10%w/vミリQ水溶液)およびオリゴホスホロチオ酸(100μg)を50μlの0.1%w/v PAMAM、産生0(リン酸緩衝液、pH 8.0の溶液)溶液と混合して、37℃でインキュベートした。ゲル化時間は、25℃において4分であった。
【0161】
インビトロにおけるオリゴヌクレオチドの放出
100μlの10%w/vのP4-SGのミリQ水溶液を0.5%w/v PAMAMおよび1μg/mlのオリゴホスホロチオ酸溶液(リン酸緩衝液、pH 8.0の溶液)と1.5mlの遠心管において混合し、37℃においてインキュベートした。1時間後、ゲルを回収して新たな遠心チューブに1mlのリン酸緩衝食塩水、pH 7.4とともに置いた。ゲルを37℃でインキュベートした。各時点において、800μlの上澄みを回収して新たなチューブに移した。ゲルを含むチューブに、800μlの新しい緩衝液を添加した。上澄みは、陰イオン交換クロマトグラフィーによってオリゴホスホロチオ酸内容物を解析した。図26は、オリゴホスホロチオ酸の約18%が1日以内で放出され、98.5%は5日以内で放出されたことを示す。
【0162】
実施例15:P4-AM/P4-SGネットワークにおける微粒化リン酸カルシウム
材料
CaCl2:0.1Mの脱イオン水溶液(ナトリウムおよびカリウムを含まない塩化カルシウムを使用しなければならない)(Sigma)
ポリエチレンオキシドテトラスルフィドリル(P4-SH)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド3350)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
ホスホロチオ酸またはリン酸ジエステル骨格を有するオリゴヌクレオチド(Oligos, etc.)
【0163】
製剤
10μlの0.1M CaCl2を100μlのオリゴホスホロチオ酸の脱イオン水溶液(1mg/ml)に滴下して添加し、その一方で、撹拌した。チューブ内に微細な白い沈殿が形成された。
【0164】
白い沈殿は、1.5mlのセントリコンフィルトリオン(Centricon Filtrion)(登録商標)、遠心チューブを使用して、遠心/濾過によって透析した。
【0165】
白い沈殿を、3%w/vのP4-AM溶液に再構成した。
【0166】
50μlのP4-AM/オリゴCaP分散液を50μlの3%w/vのP4-SG溶液に添加して、3%の総PEG製剤を形成した。微粒化したCaP-ODNを有する3%PEGゲルのゲル化時間は、37℃において10分、および25℃において19分であった。
【0167】
ゲルは、「硬い」ゲルであると特徴づけられた。
【0168】
実施例16:ヒドロゲル中に微粒子を含むネットワーク
材料
プラスミドDNAを含むポリ(ラクチド-コ-グリコリド)微小粒子(12,000のダルトン)(Aldveron, LLC)
ポリ(エチレンオキシド3350)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド)-テトラスルフィドリル(P4-SH)(SunBio Systems)
【0169】
製剤
DNA含有微小粒子の10mg、50mg、および100mgのバッチをリン酸緩衝液pH 8.0で作製された50μlの10%w/vのP4-SH溶液(それぞれA、B、C)に添加した。DI水で作製された50μlの10%w/vのP4-SG溶液を、A、B、およびC溶液に添加して、製剤A、B、およびCを作製した。ゲル化時間およびゲルの特徴を決定した。
【0170】
ネットワークの特徴付け
製剤A、B、およびCが、全て室温において2〜3分間でゲル化されたことは、微小粒子の添加によってゲル化が阻害されないことを示す。製剤Cから製造されたヒドロゲルは、硬くてもろいことが見出された。AおよびBに由来するヒドロゲルは、硬いが、しなやかだった。この研究は、薬物送達装置を丸い組織および表面に対して適用するために、ヒドロゲルに微小粒子を組み込むことが可能であることを示す。この場合、ヒドロゲルは、微粒子を「その場所」で保持すると考えられる。
【0171】
実施例17:キトサン/P4-SGネットワーク(CH/P4-SG)
材料
キトサン、グルタメート(Pronova)(CH)、MW〜1,000,000
ポリ(エチレンオキシド3350)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
プラスミド DNA、SEAP(Gene Therapy Systems)
【0172】
製剤
0.05%のキトサングルタメート(CH)を含む溶液は、リン酸緩衝液、pH 8.0に調製した。50μlのこの溶液を5%w/vのP4-SGおよび1μg/μl DNAのDI水溶液(CH/P4-SG)を含む50μlの溶液に添加した。
【0173】
ネットワーク特徴付け:ゲル化時間、固さ/柔らかさ
製剤は、25℃において即座にゲル化して硬いゲルを形成した。この製剤は、蛋白質加水分解によって分解可能なネットワーク(たとえば、リソチームによって分解可能なネットワーク)の可能性を示す。
【0174】
実施例18:ポリ(リジン)/P4-SGネットワーク(PL/P4-SG)
材料
ポリ(リジン)水素酸塩、MW〜150,000(Sigma)
ポリ(エチレンオキシド3350)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
プラスミド DNA、SEAP(Gene Therapy Systems)
【0175】
製剤
1.0%w/vのポリ(リジン)水素酸塩(PL)を含む溶液は、リン酸緩衝液、pH 8.0に調製した。50μlのこの溶液を5%w/vのP4-SGおよび1μg/μlのDNAのDI水溶液を含む50μlの溶液に添加した。
【0176】
ネットワーク特徴付け:ゲル化時間、固さ/柔らかさ
製剤は、2〜3分の間にゲル化して半硬いゲルを形成した。この製剤は、核酸送達のために使用することができるネットワーク製剤のもう一つの変形物である。
【0177】
実施例19:(PEO-PPO-PEO-テトラSH)/P4-SGネットワーク(PEO-PPO-PEO/P4-SG)
材料
ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)-ポリ(エチレンオキシド)-テトラスルフィドリル、MW 10Kダルトン(PEO-PPO-PEO-テトラ-SH)(SunBio Systems)
ポリ(エチレンオキシド3350)-テトラスクシンイミジルグルタラート(P4-SG)(SunBio Systems)
【0178】
製剤
10%w/vのPEO-PPO-PEO-テトラ-SHを含む溶液は、リン酸緩衝液、pH 8.0に調製した。50μlのこの溶液を50μlの10%w/vのP4-SGおよび1μg/μlのDNAのDI水溶液を含む溶液に添加して、10%w/vのゲルを形成した。
【0179】
ネットワーク特徴付け:ゲル化時間、固さ/柔らかさ
製剤は、6〜7分でゲル化して、硬い、油状のゲルを形成した。この製剤は、さらにもう一つのネットワーク製剤の変形物であり、核酸送達のために使用することもできる。
【0180】
その他の態様
本発明は、本明細書の発明の詳細な説明と連動して記載されているが、前述の記載は、例示することを目的とし、添付の特許請求の範囲の範囲を限定しないことが理解されるはずである。他の局面、効果、および改変は、特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】あるネットワーク成分の化学構造および架橋反応の略図である。アミン基とスクシンイミジル基が反応して、ポリマー種間にアミド結合を生じることでネットワーク構造が形成される。P4-SGのエステル結合は加水分解されやすいので、ネットワークは生物によって分解されやすい。
【図2】図2A〜2Cは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)および粘度測定によるネットワークの特性解析を示すグラフである。図2Aは製剤AにおけるGPC解析のグラフを示す。個々のPEG成分(P4-SGおよびP4-AM)を、結果として生じるネットワークとして矢印で示す。図2Bは、粘度測定で解析した製剤A、B、C、およびDのグラフを示す。2種のPEG成分を混合後に、Brookefield Wingather(商標)ソフトウェアを用いてさまざまな間隔でデータを得てプロットした。粘度は37℃(製剤A)、および25℃(製剤B、C、およびD)で測定した。図2Cは、ゲル濃度(x軸)の関数としてプロットしたゲル化時間(y軸)のグラフを示す。
【図3】ネットワーク製剤A(2% w/v P4-AM/P4-SG)、B(3% w/v P4-AM/P4-SG)、C(4% w/v P4-AM/P4-SG)、およびD(5%w/v P4-AM/P4-SG)の物理化学特性を要約した表である(ゲルの外観詳細、25℃および37℃で決定したゲル膨張時間およびゲル化時間を示す)。
【図4】pDNAとネットワーク成分の化学適合性を示すゲルである。レーン1は、分泌型胚アルカリホスファターゼ(SEAP)プラスミドを示す。レーン2は、2% w/v (P4-AM+P4-SG)とインキュベートした1 μg/mlのDNAを示す。レーン3は、5% w/v (P4-AM+P4-SG)とインキュベートした1 μg/mlのDNAを示す。
【図5】図5Aおよび図5Bは、溶液の安定性を調べるために、ストック溶液調製後に、さまざまな間隔で製剤化した5%(灰)、8%(黒)、および10%(白)のPEGヒドロゲルの膨張特性を示す2つのプロットである。一晩の膨張(重量増加率(%))を、リン酸緩衝食塩水(PBS)中で、ブランクのPEG-ヒドロゲル(A)、またはプラスミドとmPEG-DSPE(B)を含むヒドロゲルを対象に37℃で行った。
【図6】P4-AM/P4-SG製剤が注射可能であることを示す表である。再構成後の注射の最大時間(分)を、製剤A(2% w/v P4-AM/P4-SG)、B(3% w/v P4-AM/P4-SG)、C(4% w/v P4-AM/P4-SG)、およびD(5% w/v P4-AM/P4-SG)について示す。
【図7A】HPLC解析で測定した、ネットワーク製剤からのプラスミドのインビトロにおける放出を示すグラフである。製剤Cから放出されたDNAの典型的なHPLCの結果を示す。第1のピークはポリエチレングリコールを示し、第2の一連のピーク(トリプレット)は、プラスミドのさまざまなイソ型を示す(第2のピークがスーパーコイル状プラスミドを示す)。
【図7B】さまざまな間隔(投与後日数)における、製剤B、C、およびDからのDNAの累積放出量を示すグラフである。第1日は白のバーで示し、第3日は黒のバーで示し、第7日は点状のバーで示し、また第14日は灰色のバーで示す。
【図8】ネットワークにトラップされたDNAが、血清による消化から保護されることを示すゲル写真である。レーン1=非製剤化状態のDNA(血清なし);レーン2=製剤A(血清なし);レーン3=製剤B(血清なし);レーン4=非製剤化状態のDNA+1:40の血清;レーン5=製剤A+1:40の血清;レーン6=製剤B+1:40の血清;レーン7=非製剤化状態のDNA+1:80の血清;レーン8=製剤A+1:80の血清;およびレーン9=製剤B+1:80の血清。矢印は、スーパーコイル状のDNAを示す。
【図9】10% w/v P4-SG/0.5% w/v ポリ(アミドアミン)(PAMAM)ヒドロゲルの膨張特性を示すグラフである。膨張はゲルを37℃で一晩インキュベートした後に検討した(n=3)。ゲルは、賦形剤の存在下(w/ mPEG-DSPE)、または非存在下(w/o mPEG-DSPE)で形成させた。
【図10】P4-SG/ポリ(エチレンオキシド)-スルフヒドリル(P4-SH)ネットワークのゲル化時間の解析結果を示すグラフである。粘度は3%、4%、および10%のw/v PEG製剤を対象に25℃で測定した。各ゲル製剤を記号で示す。Y軸は粘度(cp)を示し、x軸は時間(分)を示す。2種のPEG成分を混合後に、Brookefield Wingather(商標)ソフトウェアを用いてさまざまな間隔でデータを得た。
【図11】図11Aおよび図11Bは、SEAP DNAを含むネットワークを注射したマウスにおけるSEAPの発現を示すグラフである。図11Aは、y軸に血清SEAP濃度(ng/ml)を、またx軸に製剤を示す。時間点を、さまざまなバーで示す。図11Bは、第10日(黒いバー)、第33日(点状のバー)、および第92日(白いバー)に300 pg/mlを越える血清SEAP(y軸)を発現した、各群の個体の割合(%)を示す(x軸は各製剤を示す)。
【図12】図12Aおよび図12Bは、補体を欠くDBA/2マウスにおけるSEAPの発現を示すグラフである。図12Aは、SEAPを発現した個体の割合(%)(任意の時点で>300 pg/mlを発現した個体)をy軸に示す。マウスに、SEAP DNAを含む製剤群(x軸に示す)を注射した。対象とした時点を示す(第7日、第35日、第81日)。図12Bは、SEAPプラスミドDNAを含むP4-AM/P4-SGネットワークを注射したRAG2免疫不全マウスにおける血清SEAPの発現を示す。SEAPを発現した個体の割合(%)(任意の時点で>300 pg/mlを発現した個体)をy軸に示す。マウスには、SEAP DNAを含む製剤群(x軸に示す)を注射した。対象とした時点を示す(第7日、第14日、第30日、および第42日)。
【図13】エレクトロポレーションが血清SEAP濃度に及ぼす作用を示すグラフである。マウスにGT20 P4-AM/P4-SG製剤を注射した。半数の個体を対象に、x軸に示すようにエレクトロポレーションによる処置(「+EP」)を行った。血清SEAP濃度をy軸に示す(ng/ml)。血清試料は、マウスの筋肉に投与した7日後に調べた。
【図14】図14Aおよび図14Bは、血清SEAPの発現が、賦形剤を含むネットワークによって受ける影響を示すグラフである。図14Aは、血清SEAP濃度(ng/ml)をy軸に示す。GT20ネットワークで製剤化された賦形剤をx軸に示す。バーは、それぞれGT20ネットワーク製剤化された以下の賦形剤を示す:GT20+0.1% SDS、GT20+0.1% L62、GT20+0.15% PAMAM。図14Bは、GT20+0.025% w/v ストレプトリシン、GT20+250 mg/ml、マガイニンI、GT20(賦形剤なし)を示すグラフである。血清試料は、マウスの筋肉に投与した7日後に調べた。
【図15】SEAP発現に、P4-SH/P4-SGネットワーク中のDNAがどの程度関与するかを示すグラフである。血清SEAPレベル(ng/ml)をy軸に示し、製剤をx軸に示す(3.5% w/v、製剤A;5% w/v、製剤B)。血清試料は、投与後の第7日に調べた。
【図16】β-gal特異的抗体が、ネットワークで製剤化したDNAで免疫化したマウスにおいて誘導される程度を示すグラフである。プールした血清試料(n=4)に由来するβ-gal特異的IgGの力価を、注射の12週後に決定した。各血清に由来する力価をy軸に示し、製剤をx軸に示す。データは、マウス4匹の平均±標準誤差(SE)で表す(実験は2回実施)。*、p=0.014(製剤Aと対照塩溶液);**、p<0.01(製剤Bと塩溶液)、およびp=0.137 製剤Aと製剤B(スチューデントのt検定による)。
【図17】製剤化したDNAで免疫化したマウスにおけるT細胞増殖性β-gal特異的反応を示すグラフである。反応は、接種の12週後における、プールした試料(n=4)に由来する。刺激に使用した抗原を示す(β-gal(黒いバー)、またはニワトリ卵白アルブミン(OVA)(白いバー)のタンパク質)。免疫用製剤をx軸に示し、刺激指数(SI、抗原に対する最大反応のカウント数/分(cpm)の中央値を、抗原の非存在下におけるcpmの中央値で割った値)をy軸に示す。データは、3回行った実験の試料±SEの平均値としてy軸に表す。*、p=0.01(製剤Aと塩溶液);**、p<0.001(製剤Bと塩溶液)、およびp=0.26(両製剤間の比較)。
【図18】ネットワーク製剤化DNAで免疫化したマウスのT細胞におけるインターフェロンガンマのElispot解析を示すグラフである。脾臓T細胞を、接種後の第12週に回収してプールした(n=4)。H-2Ld拘束、β-gal 876〜884ペプチド(黒いバー)、もしくはHBVペプチド(斜線のバー)、または培地(白いバー)に対する反応を示す。IFN-γ+スポットを生じた細胞数/106 T細胞をy軸に示す。関連製剤(AまたはB)、および未処理の対照をx軸に示す。データは、4匹のマウスを対象に3回行った実験の平均±SEで示す。*、p<0.001(対照塩溶液との比較)。p=0.52(製剤Aと製剤B)。
【図19】ネットワーク製剤化DNAで免疫化したマウスが保護されることを示す表である。免疫化した3週後に、BALB/cマウスに、5×106個のCT26.WT、またはβ-galを発現するCT26.CL25腫瘍細胞のいずれかを静脈注射した。腫瘍結節の数を各群について示す。
【図20】使用直前に、1本のバイアル中で再構成可能な凍結乾燥状製剤の調製法を示す略図である。
【図21】凍結乾燥がゲル化時間に影響しないことを示すグラフである。非凍結乾燥状の10% w/v P4-SH/P4-SGネットワーク製剤の粘度と、再構成した凍結乾燥状製剤の粘度の比較である。各製剤の記号を示す。y軸は粘度(cp)を示し、x軸は時間(分)を示す。2種のPEG成分を混合後に、Brookefield Wingather(商標)ソフトウェアを用いてさまざまな間隔でデータを得た。
【図22】凍結乾燥製剤、または非凍結乾燥製剤で免疫化したマウスのT細胞を対象とした、インターフェロンガンマのElispot解析を示すグラフである。製剤は、2% w/v P4-AM/P4-SGを含むものと、3% w/v P4-AM/P4-SGを含むものとした。脾臓T細胞は、免疫後の第12週に回収して個別に解析した(n=4)。H-2Ld拘束、β-gal 876〜884ペプチド(黒いバー)、またはHBVペプチド(斜線のバー)、または培地(白いバー)に対する平均的な反応を示す。IFN-γのスポットを生じる細胞数/106個のT細胞をy軸に示す。再構成した凍結乾燥製剤、または非凍結乾燥製剤、および対照塩溶液として投与した関連製剤をx軸に示す。p<0.001(対照塩溶液との比較);p=0.156(3% 凍結乾燥製剤と非凍結乾燥製剤)、およびp=0.137(2% 凍結乾燥製剤と非凍結乾燥製剤)。
【図23】図23Aおよび図23Bは、P4-SG/P4-AMゲルからのオリゴヌクレオチドの放出を示すグラフである。放出アッセイ法は、5% w/v 製剤(a)および10% w/v 製剤(b)(x軸)に溶解したオリゴヌクレオチドについて実施した。放出は、リン酸緩衝食塩水(pH 7.4)中で37℃で実施した(各時点についてn=3)。各時間枠内で放出されたオリゴの割合(%)をy軸に示す。
【図24】図24Aおよび図24Bは、10% w/v P4-SH/P4-SGネットワーク製剤の粘度が温度およびpHによって変動する程度を示すグラフである。y軸は粘度(cp)を示し、x軸は時間(分)を示す。図24Aでは、粘度測定は図示したように25℃または37℃で行った。図24Bでは、粘度測定は、図示したようにさまざまなpHで行った。2種のPEG成分を混合後に、Brookefield Wingather(商標)ソフトウェアを用いてさまざまな時点でデータを得た。
【図25】図25Aおよび図25Bは、P4-SH/P4-SGゲルからのオリゴヌクレオチド放出を示すグラフである。放出試験は、リン酸緩衝食塩水(pH 7.4)中で37℃で行った(各時点のゲル数;n=3)。図25Aでは、y軸は、放出されたオリゴの割合(%)を示し、x軸は時間枠を示す。図25Bでは、累積オリゴヌクレオチド放出(y軸)を、時間(x軸)に対してプロットした。放出は、図示するように、10%、20%、および30%のゲルを対象に行った。
【図26】10% w/v P4-SG/PAMAM、G0ゲルからのオリゴヌクレオチド放出を示すグラフである。放出試験は、リン酸緩衝食塩水(pH 7.4)中で37℃で行った(各時点のゲル数;n=3)。y軸はオリゴ放出率(%)を示し、x軸は時間枠を示す。
Claims (88)
- 核酸;
第1の非核酸の水溶性成分;および
第2の非核酸の水溶性成分
を含む注射可能な水溶性製剤であって、
該第1の成分および該第2の成分が、2個またはそれ以上の反応基をそれぞれ含み、該第1の成分の反応基が該第2の成分の反応基と反応する、注射可能な水溶性製剤。 - 第1の成分と第2の成分が互いに反応して分枝状または架橋状のポリマーネットワークを形成する、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の少なくとも一方が、スクシンイミジル基、クロロギ酸基、アクリレート基、アミノ基、アルコール基、テトラチオール基、エポキシド基、スルフヒドリル基、およびヒドラジジル基からなる群より選択される1個または複数の反応基を含む、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の少なくとも一方が、官能基が導入された多分岐のポリ(アルキレンオキシド)である、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の一方がポリエチレングリコールテトラアミンである、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の一方がポリエチレングリコールテトラスクシンイミジルグルタレートである、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の少なくとも一方が、少なくとも2個の反応性官能基を有する、官能基が導入されたポリ(アルキレンオキシド)である、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の一方が4〜8個の反応性官能基を有するポリアミドアミンである、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の少なくとも一方がポリエチルイミンまたはポリリシンの誘導体である、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の少なくとも一方が、少なくとも2個の反応性官能基を有する、官能基が導入されたキトサン、シクロデキストリン、またはポリ(ビニルアルコール)である、請求項1記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の一方または両方が3個またはそれ以上の反応基を含み、該第1の成分の反応基が該第2の成分の反応基と反応する、請求項1記載の製剤。
- 第3の非核酸の水溶性成分をさらに含む、請求項1記載の製剤であって、
該第3の成分が、第1の成分の少なくとも1個の反応基、第2の成分の少なくとも1個の反応基、第1の成分および第2の成分のそれぞれの少なくとも1個の反応基、または第1の成分と第2の成分の反応によって形成される産物の少なくとも1個の反応基と反応する少なくとも1個の反応基を含む製剤。 - メトキシ-ポリエチレングリコール-ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(PEG-DSPE)をさらに含む、請求項1記載の製剤。
- 賦形剤をさらに含む、請求項1記載の製剤。
- 製剤が複数種の核酸を含む、請求項1記載の製剤。
- 核酸がオリゴヌクレオチドである、請求項1記載の製剤。
- 核酸が、治療用タンパク質、または免疫応答を誘導するタンパク質をコードする、請求項1記載の製剤。
- 核酸が、溶液、分散液、または乳濁液中に存在する、請求項1記載の製剤。
- 核酸が生分解性ポリマーの微粒子に包まれている、請求項1記載の製剤。
- 核酸が、分枝状または架橋状のポリマーネットワークから、生分解または単純拡散によって放出される、請求項2記載の製剤。
- 製剤が、製剤を調製してから約20分以内に約20℃〜約40℃の温度でヒドロゲルを形成する、請求項1記載の製剤。
- 製剤が、製剤を調製してから少なくとも15秒間、注射可能な状態を保つ、請求項1記載の製剤。
- 製剤が、製剤を調製してから少なくとも15秒間、注射可能な状態を保つ、請求項21記載の製剤。
- ネットワークが粘性のある液体を形成する、請求項2記載の製剤。
- 注入後の核酸の放出がネットワークの架橋密度で制御される、請求項2記載の製剤。
- 注入後の核酸の発現がネットワークの架橋密度で制御される、請求項2記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分が生分解性である、請求項1記載の製剤。
- ネットワークが生分解性である、請求項2記載の製剤。
- 分枝状または架橋状のポリマーネットワークが、エステル結合、炭酸塩結合、イミノ結合、ヒドラゾン結合、アセタール結合、オルトエステル結合、ペプチド結合、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合、アミノ結合、オリゴヌクレオチド結合、およびスルホンアミジル結合からなる群より選択される結合を含む、請求項2記載のポリマーネットワーク。
- 第1の成分および第2の成分が、加水分解機構またはタンパク質分解機構による生分解性を有する、請求項27記載の製剤。
- ネットワークが部分的に架橋された請求項2記載の製剤。
- ネットワークが完全に架橋された請求項2記載の製剤。
- 成分が、スルフヒドリル基、アミン基、エポキシド基、ホスホロアミダイト基、クロロギ酸基、アクリレート基、カルボン酸基、アルデヒド基、スクシンイミドエステル基、スクシンイミド炭酸塩基、マレイミド基、ヨードアセチル基、炭水化物基、イソシアネート基、およびイソチオシアネート基からなる群より選択される1個または複数の官能基を含む、請求項27記載の製剤。
- 第1の成分および第2の成分の少なくとも一方が、乳酸塩、カプロン酸塩、メチレン炭酸塩、グリコール酸塩、エステル-アミド、エステル-炭酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される生分解性結合を含む、請求項1記載の製剤。
- 賦形剤が、中性、陰イオン性、および陽イオン性の脂質からなる群より選択される、請求項14記載の製剤。
- 賦形剤が、ポリエチレングリコール、キトサン、ヒアルロン酸、硫酸コンドロイチン、ヘパラン硫酸、ホスファチジルイノシトール、グルコサミン、ポリビニルアルコール、プルロニクス(pluronics)、誘導体化されたプルロニクス、および誘導体化されたポリエチレングリコールからなる群より選択される、請求項14記載の製剤。
- 賦形剤が浸透促進剤を含む、請求項14記載の製剤。
- 賦形剤が生物学的利用能促進剤を含む、請求項14記載の製剤。
- 賦形剤がサイトカインである、請求項14記載の製剤。
- 賦形剤が低分子薬剤である、請求項14記載の製剤。
- 賦形剤が、架橋状ポリマーネットワークまたは分枝状ポリマーと化学的に結合された、請求項14記載の製剤。
- 請求項1記載の製剤を細胞に適用する段階を含み、核酸がポリペプチドの発現をコードする、ポリペプチドの作製方法。
- 製剤を動物の細胞に適用する、請求項42記載の方法。
- 製剤を注射、押し出し、または噴霧によって動物に投与する、請求項43記載の方法。
- 請求項1記載の製剤を動物に注射する段階を含み、核酸がポリペプチドの発現をコードする、ポリペプチドの作製方法。
- 製剤を腫瘍内、腫瘍上、または腫瘍周辺部に注射する、請求項45記載の方法。
- 製剤を関節内に注射する、請求項45記載の方法。
- 製剤を動物に複数回注射する、請求項45記載の方法。
- 請求項1記載の製剤が注射前に混合される、請求項45記載の方法。
- 動物がヒトである、請求項45記載の方法。
- 細胞培養に適した表面を提供する段階;
請求項1記載の製剤を表面に添加する段階;および
細胞を製剤上に配置する段階
を含む、ポリペプチドの作製方法であって、
核酸がポリペプチドの発現をコードし、細胞のインビトロ培養の後に、細胞がポリペプチドを産生する方法。 - 以下の段階を含む、核酸を含む微粒子調製物の作製方法:
請求項1記載の製剤の核酸ならびに第1および第2の非核酸成分を乳化槽内に投入する段階;ならびに
得られた混合物を、第1および第2の非核酸の水溶性成分が互いに反応する少なくともある時間乳化して、核酸分子を含む微粒子を得る段階。 - 平均直径が約500ミクロン未満の微粒子を得るために攪拌を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約250ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約100ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約50ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約20ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約15ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約10ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約5ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 平均直径が約1ミクロン未満の微粒子を得るために乳化を十分に激しく行う、請求項52記載の方法。
- 投入段階が、第1の成分および第2の成分を乳化槽内の水溶液中に同時に押し出す段階を含む、請求項52記載の方法。
- 微粒子を含む請求項1記載の製剤。
- 以下の段階を含む、乾燥状態の核酸製剤を作製する方法:
(a)水溶液中で
(i)核酸、
(ii)第1の非核酸の水溶性成分、
(iii)第2の非核酸の水溶性成分、および
(iv)第3の非核酸の水溶性成分
を混合することによって混合物を調製する段階であって、
該第1の成分および該第2の成分が、2個またはそれ以上の反応基をそれぞれ含み、該第1の成分の反応基が7.0より大きいpHで該第2の成分の反応基と反応し、且つ
水溶液が、該第1の成分および該第2の成分が反応して架橋状ネットワークを形成することを妨げるpHおよび温度を有する段階;および
(b)混合物を乾燥させることによって乾燥状態の核酸製剤を得る段階。 - 混合段階を約7.0未満のpHで実施する、請求項64記載の方法。
- 混合段階を約6.0未満のpHで実施する、請求項65記載の方法。
- 混合段階を約5.5のpHで実施する、請求項66記載の方法。
- 混合段階を約4℃または約4℃以下で実施する、請求項64記載の方法。
- 混合物が凍結乾燥された請求項64記載の方法。
- 第1の非核酸の水溶性成分がポリエチレングリコールアミンである、請求項64記載の方法。
- 第2の非核酸の水溶性成分がポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレートである、請求項64記載の方法。
- 第3の非核酸の水溶性成分がメトキシ-ポリエチレングリコール-ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(PEG-DSPE)である、請求項64記載の方法。
- pHが7.0より大きい緩衝液を請求項64記載の乾燥状態の核酸製剤に添加する段階を含む、核酸含有製剤の調製方法であって、該緩衝液の添加段階により、第1の成分と第2の成分との間に架橋状ネットワークが形成される方法。
- 緩衝液がリン酸緩衝液であり且つpHが約7.5である、請求項73記載の方法。
- 添加段階を約20℃または約20℃以上で実施する、請求項73記載の方法。
- 添加段階を約37℃または約37℃以上で実施する、請求項75記載の方法。
- 第3の成分が、第1の成分の少なくとも1個の反応基、第2の成分の少なくとも1個の反応基、第1の成分および第2の成分のそれぞれの少なくとも1個の反応基、または第1の成分と第2の成分の反応によって形成される産物の少なくとも1個の反応基と、7.0より大きいpHで反応する少なくとも1個の反応基を含む、請求項64記載の方法。
- (a)核酸;
(b)第1の非核酸の水溶性成分;
(c)第2の非核酸の水溶性成分;および
(d)第3の非核酸の水溶性成分
を含む、乾燥状態の製剤であって、
該第1の成分および該第2の成分が、2個またはそれ以上の反応基をそれぞれ含み、該第1の成分の反応基が該第2の成分の反応基と反応し、且つ
該第1の成分および該第2の成分が未反応状態であり、核酸および3つの成分は溶液中に存在しない製剤。 - 製剤が凍結乾燥された請求項78記載の製剤。
- 第1の非核酸の水溶性成分がポリエチレングリコールアミンである、請求項78記載の製剤。
- 第2の非核酸の水溶性成分がポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレートである、請求項78記載の製剤。
- 第3の非核酸の水溶性成分がメトキシ-ポリエチレングリコール-ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(PEG-DSPE)である、請求項78記載の製剤。
- 請求項78記載の製剤;および
pHが少なくとも7.0の緩衝液
を含むキット。 - 以下の段階を含む、核酸を個体に投与する方法:
pHが少なくとも7.0の緩衝液を請求項78記載の製剤に添加することによって混合物を調製する段階;
混合物をインキュベートして架橋状ネットワークを形成させる段階;および
混合物を個体に投与する段階。 - 第3の成分が、第1の成分の少なくとも1個の反応基、第2の成分の少なくとも1個の反応基、第1の成分および第2の成分のそれぞれの少なくとも1個の反応基、または第1の成分と第2の成分の反応によって形成される産物の少なくとも1個の反応基と、7.0より大きいpHで反応する少なくとも1個の反応基を含む、請求項78記載の製剤。
- 以下の段階を含む、粒子を個体に輸送する方法:
粒子、第1の非核酸の水溶性成分、および第2の非核酸の水溶性成分を含む製剤を個体に投与する段階であって、該第1の成分および該第2の成分が、2個またはそれ以上の反応基をそれぞれ含み、該第1の成分の反応基が該第2の成分の反応基と反応する段階。 - 粒子がウイルスまたはウイルス粒子である、請求項86記載の方法。
- 粒子がアデノウイルスまたはアデノウイルス粒子である、請求項86記載の方法。
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