JP2004519526A - 油井近くの構造の飽和率を制御する方法および装置 - Google Patents

油井近くの構造の飽和率を制御する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、多孔性で浸透性の構造を貫通し、水ベースの油井用の液体が油井の中で循環する、油井における掘削または改修のための方法および液体を提供する。
【解決手段】本発明方法では、油井用の液体の従来の成分に追加して、脂肪または油、およびアルコールから得られた組成を重さで3%以下だけ油井用の液に添加する。酸とアルコール部分の鎖長は、このように得られたエステルが水に十分に分散し、従来の成分と融和し、埋蔵油とエマルジョンを形成せず、多孔性の構造に十分に吸収されるように選択される。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は掘削の分野に関し、より一般的には、掘削された油井の中で液体を多孔性で浸透性の岩壁と接触させて流通(circulation)させることが必要な作業分野に関する。こういった作業の間、液体に添加される、濾液を低減する添加剤の効率によって、流通液が壁の厚さに浸透する程度が大きくなるかまたは小さくなる。「濾液」(岩盤を貫通する(penetrate)液体)は油井の壁をさまざまな程度で塞ぐ可能性があることが知られている。油井が炭化水素産出領域を通過する場合、生産性が大きく損なわれる可能性がある。本発明は、油井を掘削するための、または、炭化水素の流れを油井に導きながら炭化水素産出構造の作成を開始するための排水孔で修理を行うための液体および方法を提案する。
【0002】
油井を掘削する時に使用される液体は、地層構造の圧力に対して過圧な状態で構造に沿って流通する。これによって流入現象を制限し、油井の壁の安定性を制御することが可能になる。濾過現象が発生し、濾過ケーキが形成される。流通の条件に応じて(油井内に泥水が流通しているかいないか)、外部のケーキと内部のケーキ、または内部のケーキだけが「噴出」期間と呼ばれる期間の間に形成される。この非常に浸透率の低いケーキは、構造、特に貯留岩に掘削泥水の成分が侵入しないようにする。しかし、最近の研究では、(1999年、ハーグのSPE構造の破損に提示された「構造の破損に関するポリマーの役割」SPE54767、A.オーディバート、J−F.アーギリエ、H.ラドバ、ウェイ P. ホーブ)は、内部ケーキを超えて泥水の成分の一部が侵入した帯域が形成されることを示している。特に、泥水で油層を掘削する場合、泥水に含まれるポリマーの一部が内部ケーキを超えて貯留岩に侵入することが観察される。ケーキの背後に保持されないこれらの親水性のポリマーは岩の孔に吸着され、岩の油浸透率を低減する。この現象は油井の近辺ではより顕著であり、油井近くの水の飽和率が高まる原因となる。
【0003】
本発明は、より一般的には「掘削用の液体」として知られる、貯留岩を横断するために提案される、水を含む泥水の配合に好都合に適用される(たとえば、1994年12月のワールドオイルの、ハリデイ W.S.による「掘削液による構造破損の制御」と題する文献に記述されている)。
【0004】
油井用の液体は複雑な液体で、主な機能は特に掘削の間または掘削の後に油井を洗浄する(仕上げ液)ことに関与し、十分な水圧をかけて油井を安全にし、油井の壁を安定させ、ケーシングストリングまたはドリルストリングの潤滑剤の役割を果たし、または、機材を底面に設置するかまたは産出方法を実行できるようにすることである(仕上げ液)。これらの機能を実行するために、ベースとなる液体に(この場合は水である)特定の製品を添加して、たとえば、流動性、密度、清掃能力、濾液の制御などを調節する。液体と接触する岩の飽和率に直接影響を与える油井用の液体の添加剤は知られていない。
【0005】
【従来の技術】
特許文献1は、ポリアルキレングリコールと、ポリオールと脂肪酸との部分エステルであってもよいエステルとを含む、水ベースの掘削液を開示している。この開示は、液体は粘土質の頁岩と粘土の地層構造に使用することが目的であり、この液体は高い潤滑性と高い頁岩抑制力を組み合わせていると主張している。その実施例では、次の部分エステルが開示されている。
【0006】
グリセリルモノオレエート
テトラエチレングリコールモノオレエート
グリセリルモノリシノレエート
【0007】
しかし、実施例7は、混合液を重さで3%未満(ポリアルキレングリコールを重さで2.25%と、グリセリンモノオレエートを重さで0.75%)添加しても、高い潤滑特性が得られないことをはっきりと示している。
【0008】
特許文献2は、「オイルインウォータ」(O/W)エマルジョンタイプの掘削液の油相の主な成分として、モノファンクショナルアルコールまたはポリファンクショナルアルコールとC36までの飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸とのエステルを使用することを開示している。
【0009】
特許文献3は、次の均質固溶体からなる、微細に分かれた固形微粒子を含む仕上げ液と改修液を開示している。
【0010】
ワックス
グリセリンまたはソルビタンと高級飽和脂肪酸(C12−C20)との部分エステルであって、油溶性であり、界面活性剤の性質を有するもの
ポリエチレングリコールと高級飽和脂肪酸(C12−C20)とのモノエステルであって、水に分散し、界面活性剤の性質を有するもの
エチレンビニルアセテートコポリマー
脂肪族アルコール
【0011】
特許文献4は、均質固溶体の掘削液粒子に加えて次の成分を含む、浸透性のある地層構造の浸透率を低減する方法を開示している。
【0012】
ワックス
ポリヒドロキシル化合物と高級脂肪酸(C12−C20)との部分エステルであって、油溶性で界面活性剤の性質を有するもの
ポリエチレングリコールと高級脂肪酸(C12−C20)とのモノエステルであってよい水溶性界面活性剤。
【0013】
特許文献5は、ブライン、C7−C23脂肪酸トリグリセリド、アルコール、乳化剤、および硫黄含有化合物を含む「オイルインウォータ」(O/W)エマルジョンを開示している。
【0014】
【特許文献1】
英国特許出願公開A−2,283,036号明細書。
【0015】
【特許文献2】
米国特許A−5,318,956号明細書(欧州特許出願公開A 0,398,113号明細書に対応)。
【0016】
【特許文献3】
米国特許A−3,882,029号明細書。
【0017】
【特許文献4】
米国特許A−3,979,304号明細書。
【0018】
【特許文献5】
国際公開WO−A−96/40,835号明細書。
【0019】
【発明の開示】
本発明の目的は、貯留岩の破損を低減するか防ぐことができる添加剤を含む、水ベースの液体を使用する掘削方法または改修(workover)方法を提供することである。本発明の別の目的は、水ベースの液体が、直接濾液中を通過して貯留岩に十分に吸着される添加剤を含む方法を提供することである。さらに別の目的は、この液体を提供することである。
【0020】
したがって、本発明は、炭水化物の貯留岩の中に掘削された油井で液体(fluid)を流通させる掘削方法または改修方法に関する。また、本発明は、その液体と、その液体を本発明の方法で使用することに関する。液体は水ベースであり、当業界で「オイルインウォータ」(O/W)エマルジョンとして知られている液体ではない。実際、エマルジョンは孔を塞ぎ、添加剤がケーキの中を通過できないようにする効果を有する場合があり、これは本発明の目的のうちの1つに反するためである。該液体は掘削液および/または改修液の機能に必要なすべての添加剤を含み、C6−C22脂肪酸との部分ポリオールエステルからなるグループから選択される1つまたは複数の化合物を十分な量、重さで3%以下、好ましくは重さで0.1%未満含む。具体的には、部分エステルは好ましくは部分エステルベースの濃縮された組成物の形態で添加され、部分エステルが液体の中で1g/lの濃度であるように添加される。
【0021】
驚くべきことに、このような添加剤を掘削液中および/または改修液中に使用すると、炭水化物の貯留岩に掘削された油井を掘削するおよび/または改修する段階(プライマリと呼ばれる発見段階までで、発見段階自体も含む)で貯留岩の破損を低減および防止することができる。もちろん、これらの添加剤の性質は、本発明による添加剤が適合性を有する(compatible)(すなわち、本発明による添加剤が油井用の液体の他の添加剤または成分の機能を妨げない)他の添加剤を含む、水ベースの油井用液体の特定の性質に従って決定される。
【0022】
さらに、その引火点(ASTM D92標準法に従って測定)は好ましくは少なくとも100℃であり、より好ましくは少なくとも150℃である。
【0023】
本発明で使用する部分エステルを形成するポリオールは、ジオール、トリオール、ポリオール、混合ポリアルコキシド、ポリオールの混合物を含む。
【0024】
特に言及されるのは次の化合物である。
【0025】
グリセリン:HOCH−CHOH−CHOH
ジグリセリン:HOCH−CHOH−CH−O−CH−CHOH−CHOH
ポリグリセリン:HOCH−CHOH−CH−(OCH−CHOH−CH−OCH−CHOH−CHOH
上式でnは1と8の間であり、好ましくは1と4の間である。
【0026】
トリメチロールプロパン:HOCHCH−CHCHOH−CHCHOH
ペンタエリスリトール:C(CHOH)
エチレングリコール:HOCHCHOH
ポリエチレングリコール:H(OCHCHOH
上式でnは2と30の間であり、好ましくは2と12の間である。
【0027】
プロピレングリコール:CH−CHOH−CHOH
ポリプロピレングリコール:H(OCH(CH)CHOH
上式でnは2と30の間であり、好ましくは2と12の間である。
【0028】
ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール混合物。
【0029】
本発明に使用される部分エステルを形成する脂肪酸は、C6とC22の間、好ましくはC6とC12の間、またはより好ましくはC8とC10の間の鎖長を有する。これらの鎖は線形である場合も分岐している場合もあり、飽和の場合も不飽和の場合もあり、天然の場合も合成の場合もある。好ましくは天然で、本質的にこれらの限定の間の範囲の鎖長を有する脂肪酸の混合物が一般に使用される。
【0030】
本発明で使用されるエステルは部分エステルである。これらは少なくとも1つの遊離ヒドロキシル基と、脂肪酸によってエステル化された少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む。遊離ヒドロキシル基の数と脂肪酸によってエステル化されたヒドロキシル基の数のモル比は、好ましくは少なくとも1:1であり、好ましい比は少なくとも2:1、より好ましい比は少なくとも3:1である。
【0031】
本発明で使用される部分エステルは、グリセリン分解(glycerolysis)によって、脂肪(または油)とアルコールからの直接エステル化によって、または、エステル交換によって得ることができる。脂肪が本質的に、C6からC22の間、好ましくはC6とC12の間、さらに好ましくはC8とC10の間の鎖長を有する限り、すべての植物性脂肪と動物性脂肪が適している。脂肪(または油)と呼ばれるものには、トリグリセリド、脂肪酸、およびメチルエステルがある。また、同等のリシン(ricin)範囲も完全に含まれる。
【0032】
本発明による添加剤の組成物は、特に岩の浸潤性(wettability)の変化に関して最高の効率のために要求される種々の性質を組み合わせる。
【0033】
言い換えれば、添加剤の組成物は次に詳述される特徴を有する。
【0034】
油井用の液体が水によく分散する、すなわち完全に水溶性ではなくてもよいが十分に水溶性である。
【0035】
水ベースの液体と非常によく適合すること(compatibility)、すなわち、他の化合物または添加剤が提供する、該液体が必要とする性質を妨げない。
【0036】
濾液中を直接通過する(pass)ための吸着容量(capacity)、すなわち、油井の壁に形成されている可能性のあるケーキに抑制されないかまたは妨げられない容量。
【0037】
水性の濾液の中にあるとき、水性の濾液と貯留油の間にエマルジョンを形成しない。
【0038】
岩に十分に吸着される。
【0039】
本発明の意味においては、十分な分散とは、部分エステルが水の中に分散するかまたはおそらくは溶解し、従って、液体の中では部分エステルは溶質または分散質の形態で存在しなければならない性質のこととして理解されたい(後者の場合、部分エステルはそのままの形で分散し、他の化合物または添加剤との混合物の形態ではない)。
【0040】
発明者らは、本発明で使用される部分エステルは、他の化合物または添加剤が提供する液体の性質を妨げないことを観察した。
【0041】
発明者らは、本発明で使用される部分エステルは、濾液中を直接通過し、かつ貯留岩に吸着される容量を有することを観察した。理論に縛られることを望まないが、発明者らは次の実施例に見られるように、この吸着作用があるため、本発明による液体、および本発明の方法でこの液体を使用することによって貯留岩の破損が低減され防止されるのであろうと考えている。
【0042】
濾液に直接通過するための容量を保持するために、水ベースの液体は、小滴がケーキの孔を塞ぐ可能性のある「O/W」エマルジョンタイプの液体であってはならない。
【0043】
同じ理由で、部分エステルは水性の濾液中に存在する時は、濾液と貯留油の間でエマルジョンを形成してはならない。この性質は次に記述される、好ましくはこの領域で典型的な貯留油で行われるボトル試験で容易に決定される。
【0044】
本発明による添加剤は濃縮された形態で使用してもよいし(上記のように約1g/lの濃度で添加することができる)、または溶剤の油(上記のように植物油または動物油、または鉱物油)中に希釈してもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の他の特徴と利点は、添付する図面が示す、限定的ではない実施例に関する次の説明を読むと明らかになろう。
【0046】
次の実施例に使用されるポリグリセリンは次の組成を有する。
【0047】
グリセリン:約27%(24%と30%の間)
ジグリセリン:約31%(28%と34%の間)
トリグリセリン:約23%(20%と26%の間)
テトラグリセリン:約12%(9%と15%の間)
ペンタグリセリン:約7%(4%と10%の間)
すなわち、これは2と3の間程度、実際には約2.4の重合度と、平均で約4.4個のヒドロキシル基を有する。
【0048】
ついで、ポリグリセリンをC8−C10の脂肪酸でモル/モル化学量論量でエステル化して、次のようにPG8/10と呼ばれるモノ−C8−C10ポリグリセリンの主要分布に達し、遊離OHとエステル化されたOHとのモル比は、約3.4:1である。「C8−C10脂肪酸」は、本質的にはC8酸またはC10酸からなる工業用の酸であるが、天然かまたは製造工程の結果として得られるより重い酸またはより軽い酸を少量含む可能性もあると理解されたい。
【0049】
多孔性の媒体における試験
多孔性の媒体を使用した試験または実験の目的は、貯留岩を経る濾液の通過をシミュレーションし、岩に入った時の飽和率に関する液体の相互作用を調べることである。次の2種類の実験が行われる。
【0050】
(i)再構成した(reconstituted)濾液を岩に通過させるシミュレーション
(ii)水ベースの泥水を岩を経て完全に濾過するシミュレーション
どちらの場合も、岩に残った水の飽和率は、油の浸透率が濾過の方向とは反対の方向になるように、変化することが観察される(逆流)。
【0051】
実験装置は図1に図式的に示されている。
【0052】
多孔性の媒体2をハスラー・セル1に入れる。圧迫キャップ3を使用して2MPaの封圧を媒体にかける。ブライン、油、またはシミュレーションされた濾液を多孔性の媒体の中を流通させることができる。ファーマシアタイプのピストンポンプ4で注入溶液の流量を制御する。差圧センサ5をセルの入口と出口の間に置く。この装置をコンピュータ6に接続し、コンピュータ6により特に、注入液体に対する岩の浸透率を計算することができる。
【0053】
コアサンプル2は、実験(i)に関してはクラシャック砂岩から成り、実験(ii)に関してはボージュ砂岩から成る。コアサンプル2は、長さ60mm、断面32.7mm、細孔容積Vp約8.5cm、気孔率約17%という大きさを有する。
【0054】
作業の方法は次の通りである。
【0055】
(i)再構成された濾液を岩に通過させるシミュレーション
3段階が必要である。
【0056】
1)初期の状態の設定
多孔性の媒体は、貯留岩の状態と同様な状態でなければならない。すなわち、コアサンプルにブラインを飽和させ、ついで油を飽和させなければならない。
【0057】
(a)岩にブラインを飽和させる。コアサンプルを減圧ドライヤ内で飽和し、2MPaの封圧をかけ、ブライン(40g/lの塩化ナトリウム、5g/lの塩化カリウム)を、10バールの間隙圧で48時間に渡って10cm/hで通過させる。
【0058】
(b)ブラインの浸透率を測定する。異なる流量(Q:300cm/h、200cm/h、100cm/h)でコアサンプルにブラインを通過させ、多孔性の媒体の端と端の間の圧力差(ΔP)を測定する。線Q=f(ΔP)の傾斜によって、ブラインに対する岩の浸透率Kw(単位はミリダーシー)が計算できる。
【0059】
(c)油の浸透率を測定する。SOLTROL130(登録商標)油(フィリップスケミカル社が販売する精製鉱物油で、80℃で0.7mPa.sの粘度を有する)を24時間に渡って10cm/hで注入し、ついで、流量を100cm/hから500cm/hにしだいに増加させる。回収された水の量によって、油の浸透率(So)と水の浸透率(Sw)が計算できる。
【0060】
ついで油を異なる流量(300cm/h、200cm/h、100cm/h)でコアサンプルに通過させ、差圧ΔPを測定する。線Q=f(ΔP)の傾斜により、油に対する岩の浸透率Ko(単位はミリダーシー)が計算できる。
【0061】
2)濾液侵入の段階
濾液(ブラインまたはブラインと添加剤、ブラインとポリマー、ブラインとポリマーと添加剤)をシミュレーションした溶液を10cm/hで注入する。回収された油の量によって新しい水と油の浸透率が計算できる。
【0062】
3)油井注入シミュレーション段階
10cm/hで油を逆(すなわち濾液を注入した方向とは反対方向)に注入することによって産出の開始をシミュレーションする。回収された水の量によって新しい水の浸透率Swと油の浸透率Soが計算できる。ついで種々の流量(300cm/h、200cm/h、100cm/h)で油をコアサンプルに通過させ、差圧ΔPを測定する。線Q=f(ΔP)の傾斜により、油に対する岩の浸透率Ko(単位はmD)が計算できる。
【0063】
(ii)岩を経る水ベースの泥水の濾過
1 初期条件を設定する。操作は上述のように進む。
【0064】
2 圧力(3.5MPa)と温度の下でのダイナミックな濾過(600s−1
コアサンプルを貯留岩の条件下で飽和させたあと、ダイナミック濾過セルの中に入れる。ついで水ベースの掘削泥水を濾過し、濾過の間に外部ケーキと内部ケーキが形成される。この実験では、単純にシミュレーションされた濾液ではなく、実際の水ベースの泥水の濾液がコアサンプルを経て通過されるので、この実験はより実際の条件に近い。
【0065】
3)油井注入
ついでコアサンプルをハスラーセルに移し、ついで、油を逆に注入することにより、上記と同様に水と油の飽和率とリターン浸透率を測定する。
【0066】
実施例1:飽和率の変化(ブライン、ブラインと添加剤)
この試験では、Swi(水の初期飽和率)条件で水と油の存在下にあらかじめ飽和された多孔性の媒体に、本発明による添加剤を加えたブラインまたは加えないブラインを注入する(タイプ(i)の試験)。
【0067】
結果は次の表の通りである。
【0068】
【表1】
Figure 2004519526
【0069】
上の表で、
Swは水の飽和率(細孔容積に含まれる水のパーセンテージ)
Koは油に対するコアサンプルの浸透率であり、単位はミリダーシー
(SI単位系では、換算率は1ダーシー=9.87×10−13)。
【0070】
ブラインの中にPG8/10添加剤が0.1g/l存在すると、結果は次のようになる。
【0071】
【表2】
Figure 2004519526
【0072】
これらの濾過試験によって、PG8/10を0.1g/l添加すると、残った水をほとんど除去できることが分かる。したがって、多孔性の媒体に注入されるブラインに添加剤を添加すると、残った水を置換することによりその飽和率を変化させることができ、油の飽和率を高めることができる。逆流後に油の浸透率も増加することに注目されたい。
【0073】
実施例2:飽和率の変化(さらにポリマーを含むブライン)
0.5g/lのポリマー(ポリアクリルアミドPAM)の存在下に同じ実験を行って、水ベースの泥水濾液の実際の組成物に近似させる。PAMだけが存在する場合、残りの水の飽和率に変化はない。しかし、岩にポリマーが吸着され、堆積したポリマーによって孔が塞がれると、油の浸透率は下がる。次の例から分かるように、PG8/10が加わると残りの水のほとんどが排除される。また、岩の油の浸透率の低下は、PAMだけが存在する時よりも少ないことに注目されたい。
【0074】
【表3】
Figure 2004519526
【0075】
ブラインの中に0.1g/lのPG8/10が存在すると、結果は次の通りになる。
【0076】
【表4】
Figure 2004519526
【0077】
ポリマーが存在しても、PG8/10を添加すると残りの水のほとんどが除去され、油の浸透率の低減が限定されると結論できる。
【0078】
実施例3:飽和率の変化(完全な配合)
実際の状態に近づけるために、ダイナミック濾過を行い、ついで油井産出の再構成をシミュレーションする(タイプ(ii)の試験)。水ベースの泥水の配合物はFLOPROと呼ばれ、MI掘削流体社(米国)が市販している。
【0079】
FLOPROの組成は次の通りである。
【0080】
FLOVIS(登録商標): 6g/l(増粘剤としてキサンタン)
FLOTROL(登録商標): 7g/1(濾液薄め剤(reducer)としてスターチ)
HY−MOD PRIMA(登録商標):28.5g/l(充填用粘土)
塩化ナトリウム:20g/l
塩化カリウム:20g/l
IDCARB 75(登録商標):360g/l(炭酸塩)
pH=8
【0081】
結果は次の通りである。
【0082】
【表5】
Figure 2004519526
【0083】
ブライン内に0.1g/lのPG8/10が存在すると、次のような結果になる。
【0084】
【表6】
Figure 2004519526
【0085】
これらの試験は完全な配合物について行われ、飽和率に関してよい結果が得られることを確認した(1g/lのPG8/10が存在すると、油が逆流した後残りの水の飽和率は29%であったが、これに対して添加剤を加えない場合は53%であった)。
【0086】
実施例4 水滴の広がり
目的は、岩の浸潤率に対する添加剤の効果を示すことである。このために、塩を加えた水溶液であって、本発明による添加剤を含む水溶液と、添加剤を含まない水溶液に浸した岩(クラシャッハ砂岩)の表面に油滴を広げて観察する。
【0087】
実験装置(図2)は、水溶液11(40g/lの塩化ナトリウム、5g/lの塩化カリウム)、岩の支持部12、岩の断片13、および注射器15で付着させる油滴14(Soltrol(登録商標))を含む晶析装置10である。
【0088】
作業の方法は次の通りである。クラシャッハ砂岩タイプの岩の断片を、添加剤を含む塩水溶液の中と、添加剤を含まない塩水溶液の中につるす。約40秒浸した後、スーダンブルーで着色したSoltrol(登録商標)の油滴を針で岩の表面に導入する。ついで油滴の形状を、本発明による添加剤が溶液に含まれる場合と含まれない場合で観察する。
【0089】
塩水だけの場合、油滴は丸く、広がらない(図2)。したがって、岩は選択的に水に濡れている。ブライン中のPG8/10の濃度が0.3g/lになると油滴が岩の上で広がることが観察され、有効な製品濃度が2g/lになると浸透する。ここには示さないが、これらの試験によりPG8/10が岩の油浸潤性を増加させることが確認される。
【0090】
表面張力(ブライン/空気)と界面張力(ブライン/Soltrol)を25℃で測定した。使用したブラインは40g/lの塩化ナトリウムと5g/lの塩化カリウムを含む。添加剤がないと、ブライン/空気の表面張力は72mN/mである。100ppmの添加剤がある場合、表面張力は25mN/mまで下がる。添加剤がない場合、ブライン/Soltrolの界面張力は38mN/mである。添加剤が10ppmあると界面張力は19mN/mに下がり、15ppmでは14mN/mに達する。この結果は、PG8/10が低濃度(約100ppmであるPG8/10のCMC(臨界ミセル濃度)より低い)の場合は、水の表面張力を25mN/mに低下させることができるため、PG8/10が明確な界面活性を有することを示している。
【0091】
実施例5:長いコアサンプルに関する試験
本発明の効率を、40cmの長い岩のサンプルについて行われた貯留岩破損シミュレーションによって示す。この実験の詳細は次の文献に見られる。1999年 SPE 掘削と完成、14 第4号、266ページから273ページの、アーギリエ J−F、オーディバート A、ロンゲロン Dによる、「新しい水ベースの掘削配合の性能評価と構造破損の可能性」。使用する岩は次の組成を有するクラシャッハ砂岩である。94.7%の石英、2.6%のカリ長石、0.5%のクロライト、および0.7%のイライト(雲母を含む)。サンプルに加える条件は、排気率、ブラインでの飽和率、ついでSoltrol130(登録商標)油の注入率(約10細孔容積)による、非減少水浸透率(Swi)として知られる。ついでサンプルの油浸透率を測定する(SwiにおけるKo)。岩のサンプルを、次の条件でサンプルの前面に沿って流通する掘削液および/または改修液と接触させる。2分ごとに0.5MPaの段階で0.35から2MPaの過圧力、ついで2MPaで固定し、泥水を5l/minの速度で流通させる。濾過の間、サンプルの端部で油が産出し、泥水の濾液がコアサンプルに浸入することに対応する。この試験は濾液が貫流した時、すなわち、濾液の最初の液滴がコアサンプルの端部に出てきた時に停止する。
【0092】
ここで使用される泥水は、MI掘削流体(米国)が市販する配合物であり、6g/lのFlovis(登録商標)(キサンタン)、7g/lのFlotrol(登録商標)(スターチ)、20g/lの塩化ナトリウム、20g/lの塩化カリウム、および360g/lの炭酸カルシウムを含み(試験1)、それに試験2では0.1g/l のPG8/10が添加される。
【0093】
比較のために、これらの2つの試験の結果を次の表に示す。
【0094】
【表7】
Figure 2004519526
【0095】
PG8/10を泥水に加えた場合、特にコアサンプルの最初の数センチメートルにおいて、リターン(return)浸透率(逆流後)に有意の差を観察した。これは、泥水に添加剤を加えた場合、逆流(backflow)の間多孔性の媒体は再び油で飽和しやすくなることを示している。従って、濾液に同伴(entrain)された添加剤が選択的に吸着部位を塞ぎ、泥水中に含まれかつ濾液に同伴されて多孔性の媒体中に入ったポリマーの吸収/保持を制限する。これによって、ポリマーが孔をふさいだり縮めたりすることが限定され、油の浸透率が向上する。
【0096】
実施例6 ケーキを経ての添加剤の通過
添加剤は掘削液または油井用の液に加えられるので、添加剤が浸透性の岩の地層構造を貫通できることが必要である。掘削液の場合、分子がケーキを経て濾液に通過できることが必要である。そこで、ケーキを経る分子の通過を調べた。次に示される試験が、GREEN BOND(SBF社が市販するベントナイトであるGREEN BOND(登録商標)を70g/l、陰イオンの低粘度のセルロースポリマーであるPAC LVを1g/l、塩化ナトリウムを1g/l)、とFLOPRO泥水について行われた(実施例3)。
【0097】
まず、PG8/10がある場合とない場合で泥水を遠心分離機にかけ、粘土のPG8/10とポリマーの吸着率を測定する。また、泥水を0.7MPaで、室温で30分濾過する。得られたすべての溶液をTOC分析にかけて、炭素の物質収支を確立しppmで表す。分子のppmと炭素のppmの間の関連性を見つけるために、PG8/10のカリブレーションカーブが得られた。
【0098】
Green Bond(登録商標)泥水に関する結果は、GP8/10の35%が粘土に吸着され、残り65%、84%がケーキを通過したことを示す。
【0099】
Flopro(登録商標)泥水に関しては、濾液中で測定される炭素の値に寄与するポリマーが存在するため、物質収支はより複雑である。それでもPG8/10を使用すると、主に濾液中にPG8/10が存在するため、濾液内の炭素が急激に増加する。
【0100】
これらの試験は、PG8/10分子の一部はケーキを通過するので、石油の地層構造における飽和率を調節するために使用できることを示す。
【0101】
実施例7:掘削泥水の成分との適合性
この製品と泥水の種々の成分との適合性を試験した。この目的のために、添加剤を含む泥水の性質をレオロジーと濾過作用の観点で調べた。
【0102】
PG8/10がある場合とない場合、老化(aging)前(A−V)と老化後(P−V)の、Green Bond(登録商標)泥水とFlopro(登録商標)泥水に関するこの研究の結果を次の表にまとめる。
【0103】
【表8】
Figure 2004519526
【0104】
AV:見かけ粘度。単位はセンチポアズ
PV:プラスチック粘度。単位はセンチポアズ(1センチポアズ=0.001Pa.s)
YV:歩留まり値。単位は1b/100ft
1g/lのPG8/10を添加しても、試験した泥水の濾過特性またはレオロジーには有意の影響はなく、これは本発明が定義する添加剤が、掘削液および/または改修液の従来の成分と適合性があることを示す。
【0105】
実施例8:ボトル試験
油井孔におけるさらなる破損を避けるために、貯留液(ブライン、油)と泥水の濾液の間にその場所で(in situ)エマルジョンが発生するかどうかを評価することが必要である。
【0106】
従って、条件のうち1つは、水ベースの泥水濾液が貯留液と適合性であることである。
【0107】
各相の比率を変え、三成分の図をプロットする。次に説明するように、エマルジョンの形成と安定性をいわゆる「ボトル試験」で決定する。
【0108】
有機相のブライン(塩化ナトリウム20g/l)、すなわち、貯留液を構成する貯留油層を、本発明の添加剤を含む泥水濾液と接触させる。濾液は水、塩、ポリマー(キサンタン0.5g/l、スターチ0.5g/l)からなる。貯留油80mlと水相の20mlからなる混合液Aと、貯留油60mlと水相40mlからなる混合液Bとを調製する。
【0109】
水相はブライン(貯留液)とここに説明した添加剤を1g/l含む泥水濾液からなり、比率は量でそれぞれ25/75、50/50、75/25である。貯留油に関しては電磁攪拌機(一滴ずつ加える間に低速で攪拌し、ついで15分間高速で攪拌する)、モデル油に関してはハミルトンビーチ(一滴ずつ加える間に低速で攪拌し、ついで15分間同じ速度で攪拌する)で攪拌が行われる。エマルジョンをフラスコに移し、エマルジョンが破壊されたかされなかったかを観察する。
【0110】
1g/lの濃度で次の添加剤を使用して結果を得る。
【0111】
1 ポリグリセリンモノオレエート(C18)
2 ポリグリセリンモノミリステート(C14)
3 ポリグリセリンモノラウレート(C12)
4 ポリグリセリンモノC8−C10
5 ポリグリセリンモノヘキサン酸(C6)
貯留油は実際の油で、次の性質を有する
濃度(20℃):850kg/m
粘度(20℃):8.3cP
組成(SARA法)
飽和分:56%
芳香族分:38%
レジン:6%
アスファルテン:0.26%
いくつかの試験は、天然の界面活性剤を含まないモデル油(Soltrol 130(登録商標))について行われた。
【0112】
エマルジョンのリスクは次の表で示される(特段の記載のない限り、観察は16時間後に行われたものである)。
【0113】
【表9】
Figure 2004519526
【0114】
すべての場合で、濾液中に添加剤が存在するとエマルジョンの破壊が誘発される。アルキル鎖が長いと、破壊もそれだけ速くなる。
【0115】
モデル油SOLROL 130(登録商標)に関して行われた追加の試験の結果を次の表にまとめる。
【0116】
【表10】
Figure 2004519526
【0117】
これらの結果は以前の結果を確認するものである。すなわち、添加剤は油と水相の間のエマルジョンの形成を誘導しない。
【0118】
さらに、攪拌なしの場合、より長い酸鎖に対応する添加剤は、軽量の白い沈殿物を形成する傾向を有し、これは溶解度の限界に近づいたことを示す。このような現象により、泥水のほかの成分との相互作用が引き起こされる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
多孔性の岩のサンプルに関する試験手段を示す図である。
【図2】
水滴の拡散を示すことのできるデバイスの断面図である。

Claims (13)

  1. 油井用の水ベースの液体(fluid)が油井の中を流通している、多孔性で浸透性の地層構造(formation)を通過する油井を掘削または改修する方法であって、
    前記水ベースの液体が「O/W」エマルジョンではないことと、
    前記液体の従来の成分に加えて、C6−C22脂肪酸との部分ポリオールエステルからなるグループから選択された1つまたは複数の化合物が重さで3%以下、前記液体に添加されていることと、
    酸とアルコール部分の鎖長は、前記のように得られたエステルが水に十分に分散し、前記成分と適合し(compatible)、貯留油(reservoir oil)とエマルジョンを形成せず、前記多孔性の構造に十分に吸着されるように、選択されることとを特徴とする方法。
  2. 前記脂肪酸の鎖長はC6とC12の間の範囲であり、好ましくはC8とC10の間の範囲である請求項1に記載の方法。
  3. 前記部分エステルにおいて、遊離ヒドロキシル基の数と脂肪酸によってエステル化されたヒドロキシル基の数のモル比は少なくとも1:1であり、好ましくは少なくとも2:1であり、より好ましくは少なくとも3:1である請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記組成物はC8−C10脂肪酸とポリグリセリンエステルである請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ポリグリセリンは
    24%と30%の間で、好ましくは27%のグリセリンと、
    28%と34%の間で、好ましくは31%のジグリセリンと、
    20%と26%の間で、好ましくは23%のトリグリセリンと、
    9%と15%の間で、好ましくは12%のテトラグリセリンと、
    4%と10%の間で、好ましくは7%のペンタグリセリンとの組成物を有する請求項4に記載の方法。
  6. 前記油井用の液体は1g/l以下の前記組成物を含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 濾液薄め液、増粘剤、増量剤などの従来の成分を含む油井用の水ベースの液体であって、
    前記水ベースの液体が「O/W」エマルジョンではないことと、
    前記液体の従来の成分に加えて、C6−C22脂肪酸との部分ポリオールエステルからなるグループから選択された1つまたは複数の化合物が重さで3%以下、前記液体に添加されていることと、
    酸とアルコール部分の鎖長は、前記のように得られたエステルが水に十分に分散し、前記成分と適合し(compatible)、貯留油(reservoir oil)とエマルジョンを形成せず、前記多孔性の構造に十分に吸着されるように、選択されることとを特徴とする方法。
  8. 前記脂肪酸の鎖長はC6とC12の間の範囲であり、好ましくはC8とC10の間の範囲である請求項7に記載の液体。
  9. 前記部分エステルにおいて、遊離ヒドロキシル基の数と脂肪酸によってエステル化されたヒドロキシル基の数のモル比は少なくとも1:1であり、好ましくは少なくとも2:1であり、より好ましくは少なくとも3:1である請求項7または8のいずれか一項に記載の液体。
  10. 前記組成物はC8−C10脂肪酸とポリグリセリンエステルである請求項7から9のいずれか一項に記載の液体。
  11. 前記ポリグリセリンは、
    24%と30%の間で、好ましくは27%のグリセリンと、
    28%と34%の間で、好ましくは31%のジグリセリンと、
    20%と26%の間で、好ましくは23%のトリグリセリンと、
    9%と15%の間で、好ましくは12%のテトラグリセリンと、
    4%と10%の間で、好ましくは7%のペンタグリセリンとの組成物を有する請求項10に記載の液体。
  12. 前記油井用の液体は1g/l以下の前記組成物を含む請求項7から11のいずれか一項に記載の液体。
  13. 多孔性で浸透性の地層構造を通過する油井を掘削または改修するのに、貯留岩の破損を低減または防ぐために請求項7から12のいずれか一項に記載の油井用の水ベースの液体を使用する方法。
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