JP2004519491A - 医薬活性成分のための中間体としてのビス(トリフルオロメチル)ヒダントイン - Google Patents

医薬活性成分のための中間体としてのビス(トリフルオロメチル)ヒダントイン Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)
【化1】
Figure 2004519491

(式中、Rは、形式的にはアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体からNH2基を除去することによって得られるアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体の残基である)のヒダントイン、その製造及び特に医薬活性成分を製造するための中間体としてのその使用に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】
Figure 2004519491
(式中、Rは、形式的にはアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体からNH2基を除去することによって得られるアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体の残基である)のヒダントイン、その製造、及び特に医薬上活性な成分を製造するための中間体としてその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの特許文書、例えばEP-A-903353、EP-A-905139、EP-A-918059及びWO-A-99/60015は、医薬上活性な置換されたヒダントインを記載しており、これは白血球の接着及び移動のインヒビターであり、及び/又は接着受容体VLA−4のアンタゴニストであり、これはインテグリン群に属し、そして例えば慢性関節リウマチ、喘息、アレルギー、多発性硬化症又はアテローム性動脈硬化症といった病気の治療に適している。前記文書は、異なる出発化合物から出発してさまざまな中間体を経て進行するヒダントインを合成するための種々の方法を開示している。これらの方法では、例えば最初に環窒素原子が修飾されてないヒダントイン中間体を構成することができる。その場合、ヒダントイン中間体を構成する時に、置換基を出発化合物の窒素原子に結合させて、この置換基がヒダントイン中間体に生じるようにすることができる。医薬活性成分を製造するための中間体としてある種のヒダントインが、WO-A-96/33976に記載されている。ここで、特に4位の炭素原子上に置換基として2個のトリフルオロメチル基を有し、そして特に望ましい性質のプロフィールを特徴とするある種の医薬活性なヒダントイン(=2,5−ジオキソイミダゾリジンの一群を製造するためには、以前には中間体として記載されてなかった式Iのヒダントインを使用することが有益であることがわかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の主題は、式I
【化2】
Figure 2004519491
(Rは、形式的にはアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体からNH2基を除去することによって得られるアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体の残基である)のヒダントイン及びその塩である。したがって、式Iの化合物は、残基R中に、少なくとも一つのカルボン酸基COOH又はその誘導体又はそれらの塩を含む。
【課題を解決するための手段】
【0004】
アミノカルボン酸誘導体は、形式的には適切なアミノカルボン酸から、一つ又はそれ以上のカルボン酸基を、カルボン酸基と直接関連する別の基、例えばエステル基、アミド基、ニトリル基、アルデヒド基又はヒドロキシメチル基、特にエステル基に転化することによって得られた化合物のことである。エステル基の例は、(C1−C6)−アルキルエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、例えばn−プロピルエステル及びイソプロピルエステル、ブチルエステル、例えばn−ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル及びtert−ブチルエステル、ペンチルエステル及びヘキシルエステル又はフェニル−(C1−C4)−アルキルエステル、例えばベンジルエステルである。アミド基の例は、非置換アミド(CONH2)、N−(C1−C4)−アルキルアミド及びN,N−ジ−((C1−C4)−アルキル)アミド、例えばN−メチルアミド及びN,N−ジメチルアミド、N−メトキシ−N−メチルアミド及びN−ベンジルアミドである。
【0005】
式I中の残基Rが誘導される式H2N−Rのアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体は、天然もしくは非天然のアミノカルボン酸又は天然もしくは非天然のアミノカルボン酸の誘導体であることができる。残基R又は残基Rが誘導されるアミノカルボン酸もしくはアミノカルボン酸誘導体は、一つ又はそれ以上のカルボン酸基又はカルボン酸基の誘導体、例えばエステル基、アミド基、ニトリル基、アルデヒド基又はヒドロキシメチル基の他に、一つ又はそれ以上の他の官能基を含むことができる。全ての官能基並びにカルボン酸基及びカルボン酸基の誘導体は、保護された形態で存在することができる。適切な保護基、例えばウレタン保護基、カルボン酸保護基及び側鎖保護基は、Hubbuch, Kontakte (Merck) 1979, 第3号, 第14〜23頁, 及びBuellesbach, Kontakte (Merck) 1980, 第1号, 第23〜35頁に記載されている。例として、以下:Aloc、Pyoc、Fmoc、Tcboc、Z、Boc、Ddz、Bpoc、Adoc、Msc、Moc、Z(NO2)、Z(Haln)、Bobz、Iboc、Adpoc、Mboc、Acm、tert−ブチル、OBzI、ONbzl、OMbzl、Bzl、MOb、Pic、Trt及びアルデヒド基及びケト基の保護基としてのアセタール基及びケタール基、例えばジェミナルメトキシ基もしくはジェミナルエトキシ基又はエチレン−1,2−ジオキシ基を記載することができる。カルボン酸基の誘導体の他に残基R中に存在することができる官能基の例は、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、((C1−C4)−アルキル)カルボニルオキシ、ベンジルオキシ、オキソ、アミノ、((C1−C4)−アルキル)カルボニルアミノ、例えばアセチルアミノ又はイソブチリルアミノ、((C1−C4)−アルコキシ)カルボニルアミノ、例えばtert−ブトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ、メルカプト、(C1−C4)−アルキルメルカプト、アミジノ、グアニジノ等及びこれらの基の保護された形態である。
【0006】
一つ又はそれ以上の塩基性基、例えばアミノ基、グアニジノ基又は塩基性窒素ヘテロ環を含む式Iの化合物は、酸付加塩の形態、例えば無機酸、例えば塩化水素、臭化水素、硫酸又はリン酸との塩並びに有機カルボン酸及びスルホン酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸との塩であることができる。酸性基、例えば一つ又はそれ以上のカルボン酸基を含む式Iの化合物は、例えば金属塩の形態、例えばアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩もしくはカルシウム塩、又はアンモニウム塩の形態、例えば第四級アンモニウムイオンとの塩並びにアンモニア及び有機アミン、例えばエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリス(2−ヒドロキシエチル)アミン、α,α,α−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン又はアミノ酸との酸付加塩であることができる。また、酸性基及び塩基性基の両方を含む式Iの化合物は、分子内塩又はベタイン(両性イオン)の形態であることができ、それらは同様に本発明に包含される。塩は、式Iの化合物から当業者に知られている慣用の方法によって、例えば溶媒もしくは希釈剤中で有機もしくは無機の酸もしくは塩基と配合することによって、又は他の塩から陰イオン交換もしくは陽イオン交換によって得ることができる。
【0007】
本発明は、全てのそれらの互変異性体の形態にある式Iの化合物を包含する。さらに、本発明は、式Iの化合物の溶媒和物、例えば水和物及びアルコール付加物を包含する。
【0008】
本発明は、全ての立体異性体の形態、例えば鏡像異性体及びジアステレオマー、並びに2つ又はそれ以上の立体異性体形態の混合物、例えば全ての比率における鏡像異性体及び/又はジアステレオマーの混合物にある式Iの化合物を包含する。式Iの化合物が一つ又はそれ以上の不斉中心を含む場合、これらは互いに独立してS配置又はR配置を有することができる。したがって、本発明は、左旋性及び右旋性の両対掌体として鏡像的に純粋な形態、ラセミ体の形態、及び全ての比率における2つの鏡像異性体の混合物の形態にある鏡像異性体に関する。同様に、本発明は、ジアステレオ的に純粋な形態、及び全ての比率における2つ又はそれ以上のジアステレオマー混合物の形態にあるジアステレオマーに関する。式Iの化合物でシス−トランス異性が可能な場合、例えば二重結合又は置換されたシクロアルキル残基がある場合、本発明は、シス形及びトランス形、すなわちZ形及びE形、並びに全ての比率におけるこれらの形態の混合物に関する。これらの説明は、残基Rが誘導される式H2N−Rのアミノカルボン酸及びアミノカルボン酸誘導体に同様に適用され、これらは全ての立体化学的形態、例えばD形、L形又はDL形で存在することができる。それぞれの立体異性体は、合成において立体化学的に純粋な出発物質を用いることによって、立体選択的合成によって又は慣用の方法、例えばクロマトグラフィ又は結晶化、鏡像異性体の場合、例えばキラル相上のクロマトグラフィによって混合物を分離することによって製造することができる。誘導体化は、立体異性体の分離前に必要に応じて実施することができる。立体異性体混合物の分離は、式Iの化合物の段階で又は合成中に出発物質もしくは中間体の段階で実施することができる。
【0009】
次のAad、Abu、yAbu、ABz、2ABz、εAca、Ach、Acp、Adpd、Ahb、Aib、βAib、Ala、βAla、ΔAla、Alg、All、Ama、Amt、Ape、Apm、Apr、Arg、Asn、Asp、Asu、Bph、Can、Cit、Cys、Daad、Dab、Dadd、Dap、Dapm、Dasu、Dpa、Fel、Gln、Glu、Gly、hAla、hArg、hCys、hGln、hGlu、His、hlle、hLeu、hLys、hMet、hPhe、hSer、hThr、hTrp、hTyr、Hyl、Ile、Ise、Iva、Kyn、Lant、Lcn、Leu、Lys、βLys、ΔLys、Met、nArg、Nld、Nva、Oly、Orn、Pan、Pen、Phe、Phg、Pse、Pya、Pza、Ros、Sec、Sem、Ser、Thi、βThi、Thr、Thy、Thx、Tle、Tly、Trp、Trta、Tyr、Val、tert−ブチルグリシン(Tbg)、ネオペンチルグリシン(Npg)、シクロヘキシルグリシン(Chg)、シクロヘキシルアラニン(Cha)、2−チエニルアラニン(Thia)、2,2−ジフェニルアミノ酢酸、2−(p−トリル)−2−フェニルアミノ酢酸、2−(p−クロロフェニル)アミノ酢酸、3−アミノ安息香酸は、残基Rを誘導することができるアミノカルボン酸の例として記載することができる(Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, 第15/1巻及び第15/2巻, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1974参照)。
【0010】
式I中の残基Rは、α−アミノカルボン酸又はα−アミノカルボン酸誘導体又はそれらの塩から、β−アミノカルボン酸又はβ−アミノカルボン酸誘導体又はそれらの塩から、γ−アミノカルボン酸又はγ−アミノカルボン酸誘導体又はそれらの塩から、又は芳香族アミノカルボン酸又は芳香族カルボン酸誘導体又はそれらの塩から誘導するのが好ましい。式Iの残基Rは、α−アミノカルボン酸又はα−アミノカルボン酸誘導体又はそれらの塩、又はβ−アミノカルボン酸又はβ−アミノカルボン酸誘導体又はそれらの塩から誘導するのが特に好ましい。式Iの残基Rは、α−アミノカルボン酸又はα−アミノカルボン酸誘導体又はそれらの塩から誘導するのが特に好ましい。α−アミノカルボン酸は、一つのアミノ基及び一つのカルボン酸基が互いに一つの炭素原子によって隔てられている、少なくとも一つのアミノ基及び少なくとも一つのカルボン酸基を含む化合物のことである。β−アミノカルボン酸は、一つのアミノ基及び一つのカルボン酸基が互いに炭素原子2個の鎖によって隔てられている、少なくとも一つのアミノ基及び少なくとも一つのカルボン酸基を含む化合物のことである。γ−アミノカルボン酸は、一つのアミノ基及び一つのカルボン酸基が互いに炭素原子3個の鎖によって隔てられている、少なくとも一つのアミノ基及び少なくとも一つのカルボン酸基を含む化合物のことである。芳香族アミノカルボン酸は、炭素環式又は複素環式芳香族環系に結合した少なくとも一つのアミノ基及び少なくとも一つのカルボン酸基を含む化合物のことである。
【0011】
したがって、好ましい実施態様において、本発明は、式Iaの化合物又は誘導体又はそれらの塩、又は式Ibの化合物又は誘導体又はそれらの塩、又は式Icの化合物又は誘導体又はそれらの塩、又は式Idの化合物又は誘導体又はそれらの塩、特に好ましくは式Iaの化合物又は誘導体又はそれらの塩、又は式Ibの化合物又は誘導体又はそれらの塩、極めて特に好ましくは、式Iaの化合物又は誘導体又はそれらの塩を提供する。式Iaの化合物等に存在する環窒素原子に結合した残基C(R1)(R2)COOH等は、式Iの化合物中に存在する残基Rの下位の実施態様である。
【0012】
【化3】
Figure 2004519491
【0013】
式Ia、Ib及びIcの化合物において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに
独立して水素、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、(C6−C12)−アリール、(C6−C12)−アリール−(C1−C4)−アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール−(C1−C4)−アルキルである。また、R1及びR2はこれらの基を担持している炭素原子と共に、又はR3及びR4はこれらの基を担持している炭素原子と共に、又はR5及びR6はこれらの基を担持している炭素原子と共に、(C3−C7)−シクロアルカン環を形成することができるか、又は例えばR1及びR3はこれらの基を担持している炭素原子と共に、又はR3及びR5はこれらの基を担持している炭素原子と共に、(C3−C7)−シクロアルカン環を形成することができる。R1、R2、R3、R4、R5及びR6を表す基は、非置換であるか又は一つもしくはそれ以上の同じかもしくは異なる置換基によって置換されていてもよい。式Idの化合物の二価残基Arは、単環式又は多環式芳香族環系の二価残基、例えば窒素、酸素及び硫黄の群からの1、2、3又は4個の同じか又は異なる環ヘテロ原子を含むことができる5〜15個の環員、例えば5、6、8、9、10、11、12、13、14及び15個の環員を有する単環式、二環式又は三環式芳香族環系である。Arを表す基は、非置換であるか又は一つもしくはそれ以上の同じかもしくは異なる置換基によって置換されていてもよい。
【0014】
式Ia、Ib、Ic及びIdの化合物の誘導体は、式Ia、Ib、Ic及びIdに記載されたカルボン酸基及び/又は分子中に存在する別のカルボン酸基が、他の官能基、例えばエステル基、アミド基、ニトリル基、アルデヒド基又はヒドロキシメチル基、特にエステル基に転化された、式Iの化合物について上記説明された化合物である。
【0015】
アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基は、直鎖又は分枝状であることができる。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル(=1−メチルエチル)、n−ブチル、sec−ブチル(=1−メチルプロピル)、イソブチル(=2−メチルプロピル)、tert−ブチル(=2,2−ジメチルプロピル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル又はイソヘキシルであり、そしてアルケニル及びアルキニルの例は、ビニル、プロパ−2−エニル(アリル)、プロパ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、3−メチルブタ−2−エニル、ペンタ−2,4−ジエニル、エチニル、プロパ−2−イニル(プロパルギル)、プロパ−1−イニル、ブタ−2−イニル及びブタ−3−イニルである。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。シクロアルキルアルキル残基の例は、シクロプロピルメチル、1−シクロプロピルエチル、2−シクロプロピルエチル、3−シクロプロピルプロピル、4−シクロプロピルブチル、シクロブチルメチル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、1−シクロペンチルエチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、1−シクロヘキシルエチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチル、2−シクロヘプチルエチルである。
【0016】
アリール基の例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル及び4−ビフェニリル、特にフェニルである。ヘテロアリール基は、窒素、酸素及び硫黄の群からの1、2又は3個の同じか又は異なるヘテロ原子を含む単環式5員もしくは6員芳香族環系又は二環式9員もしくは10員芳香族環系、特に単環式5員又は6員芳香族環系から誘導するのが好ましい。
【0017】
ヘテロアリールの例は、特に、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル、1,3−チアゾリル、1,2−チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、1,3−ベンゾオキサゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル等である。ヘテロアリール残基は、いずれかの適切な位置に結合させることができる。例えば、チエニル残基は、2−チエニル残基又は3−チエニル残基の形態をとることができ、フリル残基は、2−フリル残基又は3−フリル残基の形態をとることができ、ピリジル残基は、2−ピリジル残基、3−ピリジル残基又は4−ピリジル残基の形態をとることができる。1,3−チアゾール又はイミダゾールから誘導される残基は、2位、4位又は5位に結合することができ、キノリンから誘導される残基は、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位置に結合することができる。アリールアルキル残基の例は、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチル、1−(1−ナフチル)エチル、1−(2−ナフチル)エチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチル、(2−ビフェニリル)メチル、(3−ビフェニリル)メチル、(4−ビフェニリル)メチルである。ヘテロアリールアルキル残基の例は、(2−ピリジル)メチル、(3−ピリジル)メチル、(4−ピリジル)メチル、2−(2−ピリジル)エチル、2−(3−ピリジル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、(2−チエニル)メチル、(3−チエニル)メチル、2−(2−チエニル)エチル、2−(3−チエニル)エチル、(4−イミダゾリル)メチル、(3−インドリル)メチルである。
【0018】
アリール基及びヘテロアリール基における上記説明は、炭素環式又は複素環式芳香族環系から誘導された式Idの化合物中の二価基Arにも同様に適用される。残基Arは、例えば先に記載された芳香族残基から誘導することができる。二価残基Arの例は、フェニレン、ビフェニリレン(ビフェニルジイル)、ナフチレン(ナフタレンジイル)、フルオレニレン(フルオレンジイル)、アントラセンジイル、チオフェンジイル、フランジイル、ピロールジイル、ピラゾールジイル、イミダゾールジイル、チアゾールジイル、ピリジンジイル、ピリダジンジイル、ピリミジンジイル、ピラジンジイル、インドールジイル、ベンゾチオフェンジイル、キノリンジイル、イソキノリンジイル、カルバゾールジイル、フェノチアジンジイルである。残基Arは、芳香族環系のいずれか適切な位置に結合させることができる。例えば、フェニレン残基は、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレン残基であることができ、ナフタレンジイル残基は、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、1,8−、2,3−、2,6−又は2,7−ナフタレンジイル残基であることができ、チオフェンジイル残基は、2,3−、2,4−、2,5又は3,4−チオフェンジイル残基であることができ、ピリジンジイル残基は、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4又は3,5−ピリジンジイル残基であることができる。
【0019】
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル基を表すR1、R2、R3、R4、R5及びR6は、非置換であるか又は一つ又はそれ以上の、例えば1、2、3又は4個の同じか又は異なる置換基を、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル及びヘテロアリールアルキル基の場合、特に環式部分に有することができる。R1、R2、R3、R4、R5及びR6中に存在しうる可能な置換基は、カルボン酸基(ヒドロキシカルボニル基、カルボキシル基、COOH基)及びカルボン酸基の誘導体、例えばエステル基、例えば((C1−C6)−アルコキシ)カルボニル基、アミド基、例えばCONH2基、ニトリル基(シアノ基)、アルデヒド基(CH(=O)基)又はヒドロキシメチル基(CH2OH基)の他に、例えばハロゲン、例えばフッ素及び塩素、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、ベンジルオキシ、オキソ、ニトロ、アミノ、((C1−C4)−アルキル)カルボニルアミノ、((C1−C4)−アルコキシ)カルボニルアミノ、9−フルオレニルメンチルオキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、メルカプト、(C1−C4)−アルキルメルカプト、アミジノ、グアニジノ等であり、置換基は保護された形態でも存在することができる。また、シクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、置換基として(C1−C4)−アルキル残基、例えばメチル残基を担持することができる。置換された残基中の置換基は、得られた化合物が安定であり所望の目的に適切である限りいずれか適切な位置に存在することができる。単置換フェニル残基中の置換基は、2位、3位又は4位に存在することができる。二置換フェニル残基中の置換基は、2,3位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位又は3,5位に存在することができる。上記説明は、同様に残基Arに存在することができる置換基に適用される。Arは、例えばCOOH、エステル基、例えば((C1−C6)−アルコキシ)カルボニル、アミド基、例えばCONH2、シアノ、CH(=O)、CH2OH、(C1−C4)−アルキル、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、ベンジルオキシ、ニトロ、アミノ、((C1−C4)−アルキル)カルボニルアミノ、((C1−C4)−アルコキシ)カルボニルアミノ、(C1−C4)−アルキルメルカプトの群からの1、2、3又は4個の同じか又は異なる置換基によって置換されることができ、置換基は、保護された形態で存在することもできる。
【0020】
式Iaの化合物中のR2基は、好ましくは水素又はメチルである。式Ibの化合物において、好ましくはR2及び/又はR3及び/又はR4基は、互いに独立して水素又はメチルであるか、又はR1及び/又はR2及び/又はR4基は、互いに独立して水素又はメチルである。式Icの化合物において、好ましくはR2及び/又はR3及び/又はR4及び/又はR5及び/又はR6基は、互いに独立して水素又はメチルであるか、又はR1及び/又はR2及び/又はR4及び/又はR5及び/又はR6基は、互いに独立して水素又はメチルであるか、又はR1及び/又はR2及び/又はR3及び/又はR4及び/又はR6基は、互いに独立して水素又はメチルである。式Idの化合物中のAr基は、好ましくは窒素、酸素及び硫黄の群からの1又は2個の同じか又は異なる環ヘテロ原子を含むことができる5員もしくは6員単環式芳香族環系又は9員もしくは10員二環式芳香族環系の二価残基である。
【0021】
式Iaの化合物中のR2基は、特に好ましくは水素である。式Ibの化合物において、特に好ましくは、R2、R3及びR4基は水素であるか、又はR1、R2及びR4基は水素である。式Icの化合物において、特に好ましくは、R2、R3、R4、R5及びR6基は水素であるか、又はR1、R2、R4、R5及びR6基は水素であるか、又はR1、R2、R3、R4及びR6基は水素である。式Idの化合物中のAr基は、特に好ましくは窒素、酸素及び硫黄の系列から1又は2個の同じか又は異なる環ヘテロ原子を含むことができる5員又は6員単環式芳香族環系の二価残基、例えばフェニレン残基又はチオフェンジイル残基である。
【0022】
本発明の極めて特に好ましい実施態様は、式Ie
【化4】
Figure 2004519491
の化合物又は誘導体又はそれらの塩を提供する。
【0023】
式Ieの化合物中のR1は、上記の意味を有し、そして上記のように置換されていてもよい。式Ieの化合物の誘導体は、上記説明されたように、式Ie中に記載されたカルボン酸基及び/又は分子中に存在する他のカルボン酸基が別の官能基、例えばエステル基、アミド基、ニトリル基、アルデヒド基又はヒドロキシメチル基、特にエステル基に転化された化合物のことである。
【0024】
式Ieの化合物中の残基−CHR1COOHは、構造的には式H2N−CHR1COOHのα−アミノカルボン酸からH2N基を除去することによって誘導される。式Ieの化合物中及び式H2N−CHR1−COOHのアミノカルボン酸中のR1残基を通常どおり考察すれば、R1は、α−アミノカルボン酸の側鎖に相当する。このような側鎖の例及び式Ie中のR1残基の例は、アルキル残基、例えばアラニン、バリン又はロイシンに存在するメチル、イソプロピル及びイソブチル側鎖、β−シクロプロピルアラニン中に存在するシクロプロピルメチル側鎖、フェニルアラニン中に存在するベンジル側鎖、フェニルグリシン中に存在するフェニル側鎖、リシン中に存在する4−アミノブチル側鎖又はアスパラギン酸中に存在するヒドロキシカルボニルメチル側鎖である。上記説明したように、式Ieの化合物中の−CHR1−COOH残基を誘導することができるα−アミノカルボン酸の側鎖中の官能基は、保護された形態で存在することができる。
【0025】
式Ia、Ib、Ic及びIeの化合物中のR1は、好ましくは水素、(C1−C6)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル又は(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、特に好ましくは(C1−C6)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、極めて特に好ましくは(C1−C6)−アルキル又は(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキル、特に(C3−C5)アルキル又は(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキルである。特に式Ieの化合物中のR1の特に好ましい意味の例は、イソプロピル((CH3)2CH−)、イソブチル((CH3)2CH−CH2−)、ネオペンチル((CH3)3C−CH2−)、シクロプロピルメチル(シクロC35−CH2−)、シクロブチルメチル(シクロC47−CH2−)及びシクロペンチルメチル(シクロC59−CH2−)、特にイソブチル及びシクロプロピルメチルである。式Ieの化合物中でR1基が結合した不斉炭素原子は、S配置を有するのが好ましい。
【0026】
本発明の式Iの化合物は、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させることによって製造することができる。
【0027】
【化5】
Figure 2004519491
【0028】
式III中のR'残基は、式IにおいてR残基について上で記載した意味を有するが、エステル化された形態、例えば(C1−C6)−アルキルエステル又はベンジルエステルの形態、例えばtert−ブチルエステルの形態にある式IIIの化合物中では、遊離カルボン酸基が存在し、そして他の官能基、例えばアルデヒド基又はヒドロキシメチル基は、すでに式Iの化合物について上記説明したように保護された形態又は前駆体の形態で存在しうる又は存在しなければならない。挙げることができる前駆体の例は、後の工程で還元によりアミノ基に転化することができるニトロ基又は後の工程で還元によりアミノメチル基に又は加水分解によりアミド基又はカルボン酸基に転化することができるニトリル基である。望ましくない反応が起こるのを回避するため、すなわち副反応を防止するためのこのような保護基の技術及び合成戦略は、当業者によく知られている。
【0029】
本発明の主題はまた式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させることからなる式Iの化合物の製造方法である。
【0030】
式II及びIIIの化合物の反応による直接生成物として得られる式Iの化合物において、
後で官能基を修飾することは可能である。例えば、エステル基は、標準的な方法によって、例えば塩酸のような酸を用いた加水分解によって又はtert−ブチルエステルの場合、トリフルオロ酢酸で処理することによってカルボン酸基に転化することができる。また、特定のタイプのエステル基、例えばtert−ブチルエステル、をカルボン酸基に選択的に転化し、そして別のタイプのエステル基、例えばエチルエステルをそのまま残すことも可能である。挙げることができるさらなる例は、保護されたアルデヒド基又はヒドロキシメチル基の遊離化である。意図する使用に応じて、得られた式Iの化合物中のさらなる保護基を標準的な方法によってさらに処理する前に除去し、そして保護された官能基を再び遊離させるか、又は保護基を最初に官能基上に保持しておき、さらに処理した後に除去することは有益である。
【0031】
式II及びIIIの化合物の反応は、不活性溶媒、例えば炭化水素又はエーテル、例えばベンゼン又はトルエン中で一般に約20℃〜約80℃の温度で実施するのが好都合である。例えば、反応体を合わせた後、反応混合物を約40℃〜約80℃の温度、例えば約60℃に加熱する。処理の際、揮発成分は真空下で除去することができ、そして式Iの粗生成物は、標準的な方法、例えばクロマトグラフィによって精製することができる。
【0032】
式IIの2−tert−ブトキシ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサザブタ−1,3−ジエンは、Steglich 等, Chemische Berichte 107 (1974), 1488.によって記載された方法により得ることができる。出発物質は、tert−ブチルカルバメート((CH3)3C−O−CO−NH2)及び無水ヘキサフルオルアセトンであり、これらを最初に、例えば溶媒、例えばジクロロメタン中、室温で反応させて2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを得る。次に、この中間体を、例えばジエチルエーテルのような溶媒中、約0℃〜約10℃の温度で、塩基、例えばキノリンの存在下でトリフルオロ酢酸無水物で処理することによって式IIの化合物に転化し、これは蒸留によって精製することができる。以下、製造の詳細について説明する。
【0033】
式IIIのイソシアニド(イソニトリル)は、当業者に知られている標準的な方法によって式H2N−R'(式中、R'は、式IIIに示した意味を有する)のそれぞれのアミノカルボン酸誘導体から得ることができる。式H2N−R'のアミノカルボン酸誘導体は、最初にギ酸エステル、例えばシアノメチルホルメートとの反応によって、式HC(=O)−NH−R'(式中、R'は、式IIIに示した意味を有する)のN−ホルミルアミノカルボン酸誘導体に転化するのが好都合である。次に、このN−ホルミル化合物を、例えば第三級アミン、例えばトリエチルアミンの存在下で、溶媒、例えばジクロロメタン中約−40℃〜約0℃の温度でホスゲン又はホスゲン同等物、例えばジホスゲン又はトリホスゲンとの反応によって式IIIのイソシアニドに変換する。
【0034】
式Iの化合物は、1位が構造的にはアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体からアミノ基を除去することによって得られる構成要素に結合しており、そして3位が場合により追加の置換基を担持することができる2,5−ジオキソ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)イミダゾリジン環からなる医薬活性化合物を製造するための有益な中間体である。このような医薬活性化合物の例は、例えばEP-A-91 8059 又は WO-A-99/60015に記載されたインテグリンVLA−4のアンタゴニストであり、式IV
【化6】
Figure 2004519491
(式中、二価残基−D−CO−は、アミノカルボン酸の又はアミノカルボン酸誘導体の残基であり、これは構造的にはアミノカルボン酸からNH2基を除去し、カルボン酸基からヒドロキシル基を除去することによって得られ、残基−NH−Eは、アミノ化合物、例えばアミノ酸、アミノ酸エステル、ジペプチド又はアミノアルコールの残基であり、これは構造的にはアミノ基から水素原子を除去して得られ、そしてR10は、例えば場合により置換されたアリールアルキル残基、例えば置換されたベンジル残基である)によって表すことができる。
【0035】
式Iの化合物は、例えば、最初に3位の窒素原子上に置換基を導入することによって、例えば塩基の存在下でハロゲン化合物、例えば置換された塩化ベンジル又は臭化ベンジルを用いてアルキル化することによって、続いて、必要に応じて保護基を除去した後、R残基中に存在する官能基、例えばカルボン酸基又はその誘導体、例えばエステル基、アミド基、ニトリル基、アルデヒド基又はヒドロキシメチル基を、さらなるシントンと反応させることによって医薬活性化合物に変換することができる。式IVの化合物は、Rがカルボン酸基を含む式Iの化合物を用い、これを、標準条件下、アミド結合を生成するためペプチド化学で知られていている縮合試薬、例えばTOTU又はカルボジイミド、例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で、式H2N−Eの化合物、例えばアミノ酸エステル又はアミノアルコールと反応させることによって合成するのが好ましい。以下、医薬活性成分を得るためのこのような反応の例について説明する。
【0036】
また、本発明の主題は、特に、医薬活性成分を製造するための中間体としての式Iの化合物の使用及び1位が構造的にはアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体からアミノ基を除去することによって得られるシントンに結合しており、そして3位が場合により追加の置換基を担持することができる2,5−ジオキソ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)イミダゾリジン環を含む医薬活性成分の製造方法であってこの方法は、式Iの残基R中に存在する又は遊離された官能基、例えば残基R中に存在するカルボン酸基又はその誘導体をさらなるシントンと反応させ、そして場合により3位に追加の置換基を導入することからなる。
【実施例1】
【0037】
tert−ブチル(S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(2−メチルプロピル)アセテート
【0038】
【化7】
Figure 2004519491
【0039】
1a)2−tert−ブトキシ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサザブタ−1,3−ジエン
化合物は、W. Steglich等, Chem. Ber. 107 (1974), 1488-1498と同様のやり方で製造した。80℃に加熱した濃硫酸にHFA三水和物を滴加することによって無水ヘキサフルオルアセトン(HFA)を製造した。得られた気体を濃硫酸でもう一度洗浄し、次いで反応フラスコの気体空間に通過させた。アセトン/ドライアイスを詰め込んだ還流冷却器をフラスコの気体排出口に備えつけた。
【0040】
上記のように、ジクロロメタン150ml中のtert−ブチルカルバメート20g(170mmol)の溶液を、反応溶液が飽和するまで気体状の無水HFAと反応させた。溶媒を真空下で除去し、得られた粗2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(収率:48.3g,100%)を次の反応に用いた。
【0041】
トリフルオロ酢酸無水物13.6g、続いてキノリン5滴を0℃でジエチルエーテル300ml中の2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン50.05g(176mmol)の溶液に滴加した。0℃で10分間撹拌した後、さらにトリフルオロ酢酸無水物27.2gを滴加した。反応混合物を0℃(外部温度)で30分間で撹拌すると、この間に混合物の内部温度は8〜10℃上昇した。0℃に冷やした後、キノリン50.01g(388mmol)を加えてキノリンのトリフルオロ酢酸塩の結晶化を開始した。0℃で2時間撹拌した後、混合物を濾過した。残留塩を真空下で蒸留して、アセトン/ドライアイスで冷やしたフラスコ容器中に集めることによって濾液から除去した。次に、蒸留物をVigreuxカラムで蒸留した。標題化合物36.2g(77%)を得た。沸点:126〜130℃
1HNMR (CDCl3): 1.82 ppm (s; 0-C(CH3)3)。
19F NMR (CDCl3):-10.86 ppm (br. s, CF3),-7.53 ppm (br. s, CF3)。
【0042】
1b) N−ホルミル−L−ロイシンtert−ブチルエステル
製造は、W. Duczek 等, Synthesis 1996, 37-38と同様のやり方で実施した。ジクロロメタン10ml中のトリエチルアミン4.04g(40mmol)の溶液を、0℃でジクロロメタン60ml中のL−ロイシンtert−ブチルエステル塩酸塩8.94g(40mmol)及びシアノメチルホルメート3.4g(40mmol)の溶液に加えた。反応溶液を室温に加温し、室温で一夜撹拌し、次いで飽和NaCl溶液で2回洗浄した。相を分離し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過した後に残留物を得、真空下で蒸留して溶媒を除去した。収率:7.5g(87%)、沸点:118℃/2.7Pa(0.02トール)
1HNMR (CDCl3): 0.84 (d, 3H, CH3), 0.87 (d, 3H, CH3), 1.36 (s, 9H, C(CH3)3), 1.49 (m, 3H, CH, CH2), 4.51 (m, 1H, N-CH), 6.75 (br. s, 1H, NH), 8.10 ppm (s, 1H, CH(O))。
【0043】
1c)tert−ブチル(S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(2−メチルプロピル)アセテート
ジホスゲン2.4g(12.1mmol)を−30℃で乾燥ジクロロメタン100ml中のN−ホルミル−L−ロイシンtert−ブチルエステル2.5g(11.6mmol)及びトリエチルアミン2.5g(24.7mmol)溶液に加えた。反応溶液を1時間かけて−10℃に加温し、反応が終了するまで、この温度でさらに撹拌した。次に7%濃度の炭酸水素ナトリウム溶液を用いて室温で2回反応溶液を洗浄した。相を分離し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過した後、溶媒を真空下で除去し、残留物を70mlのベンゼン中に取った。この溶液に、室温でベンゼン10ml中の2−tert−ブトキシ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサザブタ−1,3−ジエン3g(11.3mmol)を滴加した。反応溶液を60℃に一夜加熱し、次いでベンゼンを真空下で除去した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィ(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1)にかけて標題化合物3.7g(80%)を得た。融点:105〜106℃、[α]20=−24°(c=1,CHCl3
1H NMR (CDCl3): 0.88 (d, 3H, CH3), 0.92 (d, 3H, CH3), 1.32 (m, 1H, CH), 1.41 (s, 9H, (CH3)3), 1.83 (m, 1H, CH2), 2.16 (m, 1H, CH2), 4.64 (dd, 1H, N-CH), 7.93 ppm (br. s, 1H,NH)。
19F NMR (CDCl3): 4.8 ppm (m)。
13C NMR (CDCl3): 20.95, 23.41, 25.20, 27.99, 36.68, 53.35, 66.39 (sept, C-CF3, JC-F = 32.0 Hz), 83.97, 120.49 q (CF3, JC-F = 286.5 Hz), 156.18, 160.54, 167.52 ppm。
【実施例2】
【0044】
(S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(2−メチルプロピル)酢酸
【0045】
【化8】
Figure 2004519491
【0046】
ジクロロメタン20ml中の実施例1cの化合物7g(17.2mmol)の溶液を、10℃でトリフルオロ酢酸30ml及びジクロロメタン50mlの混合物に加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。トリフルオロ酢酸及びジクロロメタンを真空下で除去して標題化合物6.0g(99%)を得た。融点:154〜156℃、[α]22=−23°(c=2、メタノール)
1H NMR (CD3OD): 0.92 (m, 6H, (CH3)2), 1.41 (m, 1H, CH), 1.84 (m, 1H, CH2), 2.23 (m, 1H, CH2), 4.71ppm (m, 1H, N-CH)。
19F NMR (CDCl3): 3.9 ppm (m)。
【実施例3】
【0047】
tert−ブチル(S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(シクロプロピルメチル)アセテート
【0048】
【化9】
Figure 2004519491
【0049】
3a)(S)−β−シクロプロピルアラニンtert−ブチルエステル
(S)−β−シクロプロピルアラニン3.5g(27.1mmol)を、室温で、ジオキサン50ml及び濃硫酸5ml混合物(5℃で酸をジオキサンに慎重に滴加して調製した)に加えた。溶液を密封管に移し、−78℃でイソブチレン40mlと縮合させた。次に密封管を振盪機上で室温で24時間振盪した。密封管を(冷やしながら)開放した後、反応混合物を、0℃に冷やしたトリエチルアミン30ml及び水50mlの撹拌混合物に慎重に入れた。過剰イソブチレンを除去した後、生成物をエーテル(2×50ml)で抽出した。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去し、粗生成物(淡黄色油状物)を得、これをさらに精製することなく次の反応に用いた。収率4.2g(84%)
1H NMR (CDCl3): 0.10 (m, 2H, CH2), 0.49 (m, 2H, CH2), 0.81 (m, 1H, CH), 1.25 (br. m, 2H, NH2), 1.50 (s, 9H, (CH3)3), 1.61 (m, 2H, CH2), 3.41 ppm (dd, 1H, N-CH)。
【0050】
3b)(S)−N−ホルミル−β−シクロプロピルアラニンtert−ブチルエステル
ジクロロメタン100ml中の(S)−β−シクロプロピルアラニンtert−ブチルエステル10g(54mmol)及びシアノメチルホルメート4.7g(55.2mmol)の混合物を室温で一夜撹拌した。真空下で溶媒を除去した後、得られた残留物を真空下で蒸留した。収率:8.8g(76%)、沸点120℃/40Pa(0.3トール)
1H NMR (CDCl3): 0.09 (m, 2H, CH2), 0.48 (m, 2H, CH2), 0.65 (m, 1H, CH), 1.47 (s, 9H, (CH3)3), 1.69 (m, 2H, CH2), 4.63 (m, 1H, N-CH), 6.31 (1H, NH), 8.20 ppm (s, 1H, CH(O))。
【0051】
3c)tert−ブチル(S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(シクロプロピルメチル)アセテート
ジホスゲン2.4g(12.1mmol)を、−30℃で乾燥ジクロロメタン100ml中の(S)−N−ホルミル−β−シクロプロピルアラニンtert−ブチルエステル2.5g(11.7mmol)及びトリエチルアミン2.5g(24.7mmol)溶液に加えた。反応溶液を1時間かけて−15℃に加温させ、反応が終了するまでこの温度でさらに撹拌した。次に7%濃度の炭酸水素ナトリウム溶液を用いて室温で2回反応溶液を洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過した後、溶媒を真空下で除去し、残留物を70mlのベンゼン中に取った。この溶液に室温でベンゼン10ml中の2−tert−ブトキシ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサザブタ−1,3−ジエン3.05g(11.5mmol)を滴加した。反応溶液を60℃に一夜加熱し、次いでベンゼンを真空下で除去した。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=8/1)した。収率:3.7g(78%)、融点:76〜77℃、[α]20=−28°(c=1、CHCl3
1H NMR (CDCl3): 0.08 (m, 2H, CH2), 0.42 (m, 2H, CH2), 0.50 (m, 1H, CH), 1.40 (s, 9H, (CH3)3), 2.02 (m, 2H, CH2), 4.67 (dd, 1H, N-CH), 7.73 ppm (s, 1H, NH)。
19F NMR (CDCl3): 4.89 ppm (m)。
13C NMR (CDCl3): 3.46, 5.21, 7.76, 27.99, 32.96, 55.41, 66.48 (sept, C-CF3, JC-F = 32.0 Hz), 83.94, 120.49 (q, CF3, JC-F 286.5 Hz), 156.19, 160.55, 166.96 ppm。
【実施例4】
【0052】
(S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(シクロプロピルメチル)酢酸
【0053】
【化10】
Figure 2004519491
【0054】
ジクロロメタン20ml中の実施例3c)の化合物7g(17.3mmol)の溶液を、10℃でトリフルオロ酢酸30ml及びジクロロメタン50mlの混合物に加え、混合物を室温で16時間撹拌した。真空下でトリフルオロ酢酸及びジクロロメタンを除去した後、標題化合物5.9g(98%)を得た。融点:123〜125℃、[α]22=−26°(c=2、メタノール)
1H NMR (d6-アセトン): 0.40 (m, 2H, CH2), 0.75 (m, 2H, CH2), 0.92 (m, 1H, CH), 2.44 (m, 2H, CH2), 5.15 (dd, 1H, N-CH), 9.85 ppm (s, 1H, CO2H)。
19F NMR (d6-アセトン): 5.17 ppm (m)。
【実施例5】
【0055】
(医薬活性成分を得るための反応)(S)−3−((S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−3−(4−(3−(2−メチルフェニル)ウレイド)−3−メトキシベンジル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(シクロプロピルメチル)アセチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸
【0056】
【化11】
Figure 2004519491
【0057】
5a)4−(3−(2−メチルフェニル)ウレイド)−3−メトキシベンジルアルコール
3−メトキシ−4−ニトロベンジルアルコール15g(81.8mmol)を、氷冷しながらパラジウム/炭素(10%;50%水)1.3gを用いてメチルtert−ブチルエーテル500ml中で水素化した。水素の取込みが終了した後、触媒を濾過し、2−メチルフェニルイソシアネート10.14ml(81.8mmol)を30分かけて撹拌濾液に加えた。反応混合物を一夜放置し、沈殿した固形物を吸引濾過し、メチルtert−ブチルエーテルで洗浄した。収率:20.5g(88%)。
【0058】
5b) 4−(3−(2−メチルフェニル)ウレイド)−3−メトキシベンジルクロリド
塩化チオニル7.65ml(104.8mmol)を、ジクロロメタン300ml中の実施例5aの化合物15g(52.4mmol)の懸濁液に氷冷しながら滴加した。次に反応混合物を室温で3時間撹拌し、一夜放置し、1000mlのヘプタンに注いだ。分離した油状物からヘプタンをデカントし、残留物を再びヘプタン中で懸濁し、ヘプタンをデカントして除いた。この方法をさらに2回繰り返した。次に残留物をジクロロメタンに溶解し、800mlの氷冷ジイソプロピルエーテルに注いだ。次に混合物を氷中で冷やしながら2時間撹拌し、生成物を吸引濾過し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、五酸化リンで乾燥させた。収率:12g(75%)。
【0059】
5c)(S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−3−(4−(3−(2−メチルフェニル)ウレイド)−3−メトキシベンジル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(シクロプロピルメチル)酢酸
n−ブチルリチウム溶液3.2ml(ヘキサン中2.5M)をアルゴン下、−40℃で無水テトラヒドロフラン(THF)40ml中の実施例4の化合物1.39g(4mmol)の溶液に加えた。反応混合物を撹拌しながら0℃に加温させて、無水THF20ml中の4−(3−(2−メチルフェニル)ウレイド)−3−メトキシベンジルクロリド2.43g(8mmol)の溶液に加え、そして反応混合物を室温で3時間撹拌した。1N塩酸20mlを加え、THFを真空下で除去した。水性相をメチルtert−ブチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製した。生成物画分を濃縮し、凍結乾燥させて標題化合物1.41g(57%)を得た。
【0060】
5d)エチル(S)−3−((S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−3−(4−(3−(2−メチルフェニル)ウレイド)−3−メトキシベンジル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(シクロプロピルメチル)アセチルアミノ)−3−フェニルプロピオネート
TOTU(O−((シアノ(エトキシカルボニル)メチレン)アミノ)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロポレート)748mg(2.28mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン368μlを0℃で無水ジメチルホルムアミド(DMF)20ml中の実施例5cの化合物1.41g(2.28mmol)及びエチル(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオネート442mg(2.28mmol)の溶液に加えた。室温で1時間撹拌した後、DMFを真空下で除去し、残留物を酢酸エチル中に取り、そして酢酸エチル溶液を水性KHSO4/K2SO4溶液、飽和NaHCO3溶液及び水で連続して洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過した。次に溶媒を真空下で除去し、残留物をシリカゲル上でヘプタン/酢酸エチル(3/2)を用いてクロマトグラフィー処理した。生成物画分を濃縮して標題化合物1.48g(82%)を得た。
【0061】
5e)(S)−3−((S)−2−(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−3−(4−(3−(2−メチルフェニル)ウレイド)−3−メトキシ−ベンジル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(シクロプロピルメチル)アセチルアミノ)−3−フェニルプロピオネートN−メチル−2−ピロリドン40ml及び6N塩酸20ml中の実施例5dの化合物1.46g(1.84mmol)の溶液を60℃で6時間加熱した。室温に冷ました後、反応混合物を300mlの水へ注ぎ、沈澱を吸引濾過し、水で洗浄し、五酸化リンで乾燥させた。粗生成物をシリカゲル上で2回クロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/酢酸/水=95/5/0.5/0.5)処理した。生成物画分を濃縮した後、残留物をジクロロメタン中に取り、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、真空下で溶媒を除去し、凍結乾燥させて標題化合物1.19g(85%)を得た。ES(+)−MS:764.2(M+H)+

Claims (10)

  1. 式I
    Figure 2004519491
    (式中、Rは、形式的にはアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体からNH2基を除去することによって得られるアミノカルボン酸又はアミノカルボン酸誘導体の残基である)のヒダントイン及びその塩。
  2. Rが、α−アミノカルボン酸の残基、α−アミノカルボン酸誘導体の残基、β−アミノカルボン酸の残基、β−アミノカルボン酸誘導体の残基、γ−アミノカルボン酸の残基、γ−アミノカルボン酸誘導体の残基、芳香族アミノカルボン酸の残基又は芳香族アミノカルボン酸の誘導体の残基である、請求項1記載の式Iのヒダントイン及びその塩。
  3. 式Ie
    Figure 2004519491
    (式中、R1が、水素、又は非置換であるかもしくは(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、(C6−C12)−アリール、(C6−C12)−アリール−(C1−C4)−アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール−(C1−C4)−アルキルの群からの置換された残基である)の化合物又は式Ie中のカルボン酸基及び/又は他のカルボン酸基がカルボン酸誘導体に転化された化合物である、請求項1又は2記載の式Iのヒダントイン及びその塩。
  4. 式Ie
    Figure 2004519491
    (式中、R1は、(C1−C6)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル又は(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキルである)の化合物又は式Ie中のカルボン酸基がカルボン酸誘導体に転化された化合物である、請求項1〜3のいずれか一項記載の式Iのヒダントイン及びその塩。
  5. 式Ie
    Figure 2004519491
    (式中、R1は、イソブチル又はシクロプロピルメチルである)の化合物又は式Ie中のカルボン酸基がカルボン酸誘導体に転化された化合物である、請求項1〜4のいずれか一項記載の式Iのヒダントイン及びその塩。
  6. 1残基を担持している炭素原子がS配置を有する請求項4又は5記載の式Iのヒダントイン。
  7. カルボン酸誘導体が(C1−C6)−アルキルカルボキシレートである請求項1〜6のいずれか一項記載の式Iのヒダントイン。
  8. 式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させる
    Figure 2004519491
    (式中、式III中の残基R'は、式Iの残基Rについて請求項1〜7に記載された意味を有するが、エステル化された形態の式IIIの化合物中には遊離カルボン酸基が存在する)ことからなる請求項1〜7のいずれか一項記載の式Iのヒダントインの製造方法。
  9. 医薬活性成分の製造における中間体としての請求項1〜7のいずれか一項記載のヒダントインの使用。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項記載の式Iの化合物を残基R中の官能基のところで別のシントンと反応させることからなる、2,5−ジオキソ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)イミダゾリジン環を含む医薬活性成分の製造方法。
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