JP2004519467A - 水溶性粉末および錠剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、水中における改良された戻し特性(reconstitution properties)を有する水溶性または水分散性の炭水化物に基づく粉末および錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
非晶性炭水化物マトリックスに基づく水溶性粉末および錠剤は多くの分野で使用されている。例えばヒトの消費に適した形態のそのような粉末または錠剤は食品、飲み物、栄養剤、菓子および医薬品分野で使用されている。その他、粉末または錠剤は、使用前に水中に溶解または分散されることを意図した、洗剤のような物質を含んでもよい。多くの場合、粉末または錠剤は、水と接触すると急速に溶解または分散することが望ましく、例えば錠剤の低溶解性は多くの薬のバイオアベイラビリティーの問題の原因になることが知られている。粉末または錠剤は化学的溶解助剤を含んでもよく、そのような助剤は一般に、固体形態で安定であるが、水と接触するとガスを発生する化学物質の組み合わせ、例えば酸と炭酸塩または重炭酸塩の組み合わせである。ある場合には、ガスを発生する化学物質の添加量は、発泡性の粉末または錠剤を提供するような量である。
【0003】
水溶性炭水化物粉末の1つの特別な型は、液体を加えるとクリーム状の泡を生じることができる可溶性のフォーマー(foamer)粉末およびクリーマー(creamer)粉末であり、そのような粉末には多くの用途がある。例えば、それらはミルクセーキまたはカプチーノ型の飲み物を提供するために使用でき、またはデザート、スープおよびソースのような食品用途がある。カプチーノ型の飲み物を作る可溶性のコーヒー飲料製品は特によく知られており、これらは通常可溶性のコーヒー粉末と可溶性の飲料クリーマーとの乾燥混合物である。粉末が溶解する時に、泡を生じるガスのポケットを含み、水またはミルク(通常熱い)を加えた時に、少なくともある程度伝統的なイタリアのカプチーノに似た、表面に泡のある白いコーヒー飲料が作られるこの型の製品が知られている。ガス化された可溶性飲料クリーマーの例はEP−A−0154192、EP−A−0450310およびEP−A−0885566に記載されている。化学的発泡を含む可溶性の飲み物のクリーマーもまた周知である。泡の形成は一般にカゼインのような泡を安定化できる成分を含む粉末に依存する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの分野において、ガスを発生する化学物質の存在は、例えばそれらのフレーバーに対する影響のために好ましくないか、または禁止さえされている。化学的溶解助剤を使用する必要がなく、水中の戻し性が改善された水溶性または水分散性の炭水化物に基づいた粉末および錠剤を提供するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態によれば、本発明は炭水化物マトリックスに基づく粉末または錠剤の溶解性または分散性を、該粉末または錠剤またはその前駆体を該粉末または錠剤中にガスが捕捉されるようにガスによる処理に付すことにより向上する方法であって、水と接触した時に、その中に捕捉されたガスが溶解または分散を促進するように、該粉末または錠剤に十分な閉鎖気孔率を与えることを含む方法を提供する。
【0006】
他の実施形態によれば、本発明は非発泡性の水溶性または水分散性の炭水化物マトリックスに基づく粉末であって、該粉末が、水と接触した時に該粉末の溶解または分散を促進するような量の捕捉されたガスを含む粉末を提供する。
【0007】
他の実施形態によれば、本発明は捕捉されたガスを含み、水と接触した時に該錠剤の溶解または分散を促進する量の捕捉されたガスの保持を可能にする十分な閉鎖気孔率を有する炭水化物マトリックスに基づく水溶性または水分散性の錠剤を提供する。
【0008】
本発明が関係する粉末と錠剤は、適切な炭水化物または炭水化物の混合物に基づくことができる。一般に、該粉末と錠剤は非晶性炭水化物マトリックスを含み、それはまた粉末または錠剤の目的とする用途に応じて他の成分を含む。錠剤は炭水化物マトリックスから構成されてもよく、あるいはより一般には炭水化物マトリックスを含むとともに、1つまたはそれ以上の他の成分を含む。適切な炭水化物の例にはラクトース、デキストロース、フルクトース、スクロース、マルトデキストリン、シクロデキストリンおよびコーンシロップ、澱粉および修飾澱粉のような糖類が含まれる。錠剤または粉末が食品グレードでない場合は、他の任意の種類の水溶性および水分散性澱粉を使用できる。一般に炭水化物はマトリックスの少なくとも50重量%を構成し、好ましくはマトリックスの少なくとも75重量%を構成し、さらに好ましくはマトリックスの少なくとも90重量%を構成する。
【0009】
マトリックスの性質は可塑剤、逆可塑剤、充填剤、物質中で微結晶または配向領域の形成に影響する化合物、架橋剤、乳化剤、泡安定剤、着色剤および結合剤の添加によって影響され、特に最適化され得る。そのような添加剤はマトリックスの25重量%より多くないことが好ましく、10重量%より多くないことがより好ましい。錠剤および粉末は蛋白質、親水コロイドおよび脂肪のような物質を含んでもよい。特に錠剤は錠剤の使用目的に応じた特性を持った1つまたはそれ以上の活性成分を含むことができる。錠剤および粉末は7重量%より多くない、更に好ましくは5重量%より多くない、最も好ましくは3重量%より多くない水を含むことが好ましい。
【0010】
粉末または錠剤が非発泡性である場合は、その組成は泡の形成を可能にする蛋白質のような泡安定化成分の含有量が不十分か(またはそのような成分が全く存在しないか)、または泡不安定化剤を含んでいるかのいずれかである。泡不安定化剤の例にはイソプロパノール、脂肪、脂質、スクロース、モノエステル、モノ/ジエステル混合物およびモノステアリン酸プロピレングリコールが含まれる。これに関して、粉末または錠剤は非発泡性であることが好ましい(僅かな泡の形成)
【0011】
本発明の粉末または錠剤はその中に捕捉されたガスを含む。このガスは粉末または錠剤の他の成分に悪影響しない任意の適切なガスであってよい。粉末または錠剤が食べ物、飲料、栄養剤または医薬品としてヒトでの消費を目的とする場合は、ガスは食品グレードでなければならない。適切なガスの例には窒素、二酸化炭素、空気、酸素、ヘリウム、水素、アルゴン、ネオン、メタン、エタン、クリプトン、塩素、クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物が含まれる。粉末または錠剤に導入されるガスの量は少なくとも3ml(STP)/gが好ましく、5ml(STP)/gが更に好ましく、7ml(STP)/gが最も好ましい。
【0012】
ガスは適切な任意の方法で粉末または錠剤またはその前駆体に導入し得る。粉末を発泡させる1つの適切な技術にはマトリックスを膨張した粒子の形で提供し、ついでガスをその粒子中に捕捉することが含まれる。一般に、その方法は、マトリックスが軟化する、マトリックスのガラス転移点(Tg)より高くてもよい温度で、ガスの加圧下に粉末を加熱することを含む。ガスは粒子に入り、粒子にガスが充填され、粒子は冷却によって固化され、粒子中にガスが保持される。ガスを含む粒子は製品の最終の形態であってもよく、又は最終の粉末製品を形成するために、更に粉末状成分と混合できる。
【0013】
膨張した粒子は、一般に約30重量%を超す、噴霧乾燥に適した固体含量を有する水性マトリックス濃縮物中にガスを注入して製造してもよい。ガスは水性マトリックス濃縮物中に約500kPaから約5MPaの圧力で注入してもよいが、ガスが注入される圧力は一般に重要ではない。ガス化した水溶液マトリックスは、ついで粉末へと噴霧乾燥される。粒子はついで高圧で、非晶性炭水化物マトリックスではマトリックスのTgと同じか、またはTgと類似しているマトリックスの軟化点を超す温度で、不活性ガス雰囲気に曝される。圧力は約100kPaゲージから約20MPaゲージであってよい。要求される温度は、粒子の組成に依存し、これは粒子の組成がTgに影響するためであるが、任意の粒子型および組成に対して容易に決定できる。粒子のTgを約50°C超す温度は不必要で、避けるのが最善である。時間が長いほどガスの捕捉が増加するので、粒子を圧力と温度に望むだけ長時間曝らしてもよいが、一般に約10秒から約30分の時間で十分である。ついで粒子はガスの捕捉を確実にするために急速冷却または硬化に付される。粒子を冷却するために適切な冷却方法を使用できる。
【0014】
粒子の中にガスを導入するための他の適切な技術には、例えば押し出機の中で、水分が殆どないか、水分を含まない粒子のマトリックスの溶融塊中にガスを注入することが含まれる。ガスは約100kPaゲージから約20MPaゲージの圧力で注入できる。要求される温度は、マトリックスの組成に依存し、これはマトリックスの組成が溶融温度に影響するためであるが、任意のマトリックス型および組成に対して容易に決定できる。一般に約150°Cを超す温度は避けるべきである。ついで溶融塊は小さな穴を通して押し出され、粉末へと粉砕される。マトリックスの固化の急速さに応じて、マトリックスからガスが逸散するのを防ぐために、粉末が形成される前にマトリックスを硬化または冷却する必要がある場合がある。硬化または冷却は急速に行うのが好ましく、その時間は例えば約10秒から約90分の間で変化してもよい。
【0015】
最終製品が粉末の場合は、粉末は上に記載した方法でそれが製造された形で使用でき、または粉末の形状の他の成分と混合できる。この場合、ガスを含む粉末は全体の粉末の溶解助剤として働く。ガス充填の前に粉末に任意の活性成分を組み入れることが好ましい。
【0016】
最終製品が錠剤の場合は、錠剤は従来の方法で作ることができ、ついでガスが充填される。微粒子固体が加圧によって錠剤に変形される製法は、強化と結合形成の2つの段階に分けることができ、粉末の錠剤形成能は粉末粒子の塑性変形性と脆性破壊性のバランスに依存する。錠剤は粉末の直接圧縮で作ることができ、ある場合は、粉末の固結を改善するためにステアリン酸マグネシウムのような滑剤が使用される。更に、通常結合剤が使用される。本発明の実施形態内で、これらの結合剤は、例えば炭水化物、天然または加工形態の澱粉、脂質、ワックスおよび脂肪であるが、これらに限定されない。組成、粒子サイズ、水分含量、固結速度と圧力、粉末が調製された方法(ローラー乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥)、粉末の流動性および粉末の脆性等の多くのパラメーターが粉末の固結に影響する。錠剤形成に関する詳細な情報はPharmaceutical Powder Compaction Technology(1996)Ed Alderborn,G and Nystrom,C,Marcel Dekker,New Yorkのような標準的参考資料に見られる。
【0017】
1つの実施形態によると、押し出し、噴霧乾燥または凍結乾燥で調製され、高いレベルの閉鎖気孔率を有する発泡食品粉末のような発泡粉末が、上に記載したように錠剤に固結され、ついで粉末の製造のために、上に記載した同じ一般的な方法で、ガスが充填される。例えばTgより高温での加圧時間は重要な役割を果たし、充填時間と捕捉されるガスの体積は充填条件とマトリックスの組成に依存する。
【0018】
高い閉鎖気孔率を有し、高い体積の捕捉ガスを含む加圧粉末を、任意に他の成分とともに錠剤へと直接形成することも可能である。錠剤のプレミックスの固結は、閉鎖気孔率のかなりの割合が残るような仕方で行わなければならない。比較的低い固結圧を使用することによって、大部分のガスは錠剤中に保持され(閉鎖孔)、また開放気孔率を最適化することが可能で、それによって錠剤の溶解性が改善する。例えば温度を上げて、粉末が軟化した場合、粒子は目立ったクラックなしに固結でき、それによって固結中のガスの損失を最小化できる。錠剤を作るために、ガスを含む粉末が他の粉末状の成分と固結される場合、ガスを含む成分は全体として錠剤の溶解助剤として作用できる。
【0019】
炭水化物に基づく錠剤または粉末が、溶解助剤としてガスを含んだ成分を含む時、この成分は全組成の0.5重量%から70重量%を構成してもよい。最終の製剤において、ガスを含んだ成分は一般に、少なくとも35°C、より好ましくは少なくとも45°C、最も好ましくは少なくとも55°Cの軟化点および/またはTgを有する。マトリックスが非晶性炭水化物に基づく場合、軟化点はTgであってもよいがこれに限定されない。
【0020】
ガスが充填された粒子および錠剤の製造には、粒子および錠剤を形成するマトリックス中にガスが輸送され、マトリックスに捕捉される必要があり、ガスの輸送と捕捉の機構はマトリックスの組成と、特にマトリックスの閉鎖気孔率に関係することが見出されている。ガスは、マトリックス粘度の低下とマトリックスの易動性の増加の結果として、Tgを超す温度でマトリックスに入る。ガスがマトリックスに入る最適温度範囲はマトリックスの組成に依存するが、すべての特定の場合において容易に決定できる。マトリックスのTgより低温では、ガスの捕捉率は非常に低く、また温度がTgよりあまりに上昇した場合は、マトリックスは崩壊しがちで、ガスの捕捉は減る。最適温度範囲内で、捕捉されたガスの量は、充填圧力および保持時間が増加するにつれて、マトリックス内外の圧力が平衡に達するまで増加する。
【0021】
マトリックス中の閉鎖孔は加圧下で長時間に亘ってガスを保持することが可能で、マトリックス中にクラックがなければ、放出はガラス状マトリックスを通しての拡散に限られる。従って、良好なガスの保持には、ガス充填後の適切な閉鎖孔の体積が必要であり、マトリックスは周囲の薄膜のクラックに抵抗性でなければならない。
【0022】
非発泡性炭水化物粉末または錠剤は一般に蛋白質を含まないか、少量の蛋白質を含むだけであるが、必要ならば少量の泡安定剤を加えて最初の閉じた孔を有する粉末を得ることができる。適切な泡安定剤は、一般にカゼインまたはホエーのような蛋白質であり、例えば5%または10%までの量を加えることができるが、正確な濃度は重要ではない。粉末は脂肪および塩のような任意の所望の非発泡性成分を含んでもよく、組成物の使用目的に応じて活性成分が適切に含まれる。ホエー蛋白またはカゼインのナトリウム塩以外の界面活性剤を使用して、粉末中に最初の閉鎖孔をつくることができ、そのような成分の例には、例えばサポニン、界面活性脂質およびリゾチームのような他の蛋白質が含まれる。気孔率はガス化された粉末または錠剤の急速冷却、軟化した状態における上昇した外部圧の急速な解放、または高圧および/または高温で、例えばイソブタンまたはハロゲン化クロロフルオロカーボンのような発泡剤を使用して形成してもよい。
【0023】
本発明の1つの実施形態において、錠剤または粉末は、例えばコーヒー、ココア、モルトまたは紅茶のような飲料のベースを含む。特に可溶性コーヒーを含む錠剤は容易に溶解し、分散することが見出されている。例えば錠剤は可溶性コーヒー、発泡化粉末、砂糖およびクリーマーを含んでよい。
【0024】
粉末または錠剤を戻す(reconstitution)と、捕捉されたガスを含む粒子にクラックがはいり、壊れ又は崩壊し、それによって粉末または錠剤の比表面積が増加し、それが粉末または錠剤の分散と、それに続く溶解を促進する。
【0025】
本発明の更なる利点は、粒子に不活性ガスが捕捉された場合、その包含によって、粉末または錠剤が不活性ガスで飽和され、粉末または錠剤中に存在する敏感な活性成分が、大気ガスとの相互作用から保護されることである。貯蔵中、敏感な活性成分の直接の環境からの不活性ガスの損失は、捕捉マトリックスからのガスの非常に遅い放出によって部分的に補償される。実際においては、敏感な活性成分はしばしば酸化を受けやすく、従って、保護するための適切な不活性ガスは窒素であるが、他の不活性ガスもまた有益に使用される。
【0026】
本発明の炭水化物に基づいた錠剤および粉末の例には以下のものが含まれる。
【0027】
錠剤または粉末に含まれる薬物の、より良好な分散を提供するガスを含む医薬品用の錠剤および粉末。
【0028】
酵素、プロバイオティック細菌およびビタミンのような物質のより良好な分散を示す、ガスを含む食品助剤用の錠剤および粉末。
【0029】
例えばインスタント食品粉末のようなガスを含む食品用の錠剤および粉末。
【0030】
例えば菓子分野用のボンボンの形でガスを含む錠剤、幼児の栄養剤用の錠剤および粉末および固形ブイヨンのような料理分野用の錠剤。
【0031】
コンタクトレンズを洗浄するための薬剤を含む錠剤のような洗浄用の錠剤または粉末。
【0032】
溶解速度が口中のフッ化ナトリウムの取り込みに影響する、口中で濡れ/噛んだ時に歯を洗浄するための錠剤またはチューインガム。
【0033】
ガス、フレーバーおよび例えば、ビタミンまたはプロバイオティック微生物およびその代謝物のような栄養成分を含んだ、例えばペットフードのような動物用の錠剤または粉末。
【0034】
例えば、肥料、殺虫剤又は除草剤のような農薬成分を含んだ錠剤または粉末。
【0035】
例えば、浴用およびシャワー用製剤のような化粧品成分を含んだ錠剤または粉末。
本技術は家庭用品のような他の分野に応用できることが理解されよう。
【0036】
本発明を以下の実施例で説明する。
【実施例1】
【0037】
錠剤および粉末の調製
マルトデキストリンDE12〔Sugro,AG スイス〕と種々の割合のカゼインナトリウム塩(Santis,AG,スイス)(表1)からなる凍結乾燥非晶性粉末(粒子サイズ:0.4から0.9mmの間)から錠剤を調製した。錠剤(直径38mm,高さ2mm)を標準的な作業場のプレス(PRM60PHP,Rassant,フランス)を用いて、推定260MPAの打錠圧で圧縮した。
【実施例2】
【0038】
ガス充填
サンプルに窒素ガスを充填する手順は次の通りである。先ず、サンプルを密閉したバッチ式オートクレーブ(容積 5l,DN2000型,(MeiliS.A,スイス)最高圧力30バール)中、室温で、窒素で加圧する。オートクレーブには温度センサー(PT−100,no.AC1912,Rotronic,スイス)、比湿度センサー(HP 101A−L5−ES1W、Rotronic、スイス)、圧力センサー(ED510/354.461/105,Haenni、スイス)および混合機(UFM1−F,SAIA)が装備されている。次に粉末を加圧下でガラス転移温度を超す温度に加熱する。Tg以上で、ガスは容易にサンプルに取り込まれる。粉末をそのガラス転移温度より低温に冷却した後に、始めて容器中の圧力を下げることによってサンプル中にガスが保持される。吸収されたガスの合計量は充填温度、圧力およびTgを超す温度での時間を変えることによって変えることができる。
【実施例3】
【0039】
錠剤
Aw0.32の粉末サンプル3(実施例1参照)を軽く圧縮(固結圧:約20kPa)し、上に記載した方法に従ってオートクレーブ中に装填する。固結圧は通常錠剤の製造に使用される固結圧よりもはるかに低い。固結圧を下げることによって、より高い閉鎖および開放気孔率の錠剤が得られる。これに関して、錠剤(図1a)と錠剤中の顆粒(図1b)を示す図1aと図1bを参照する。これらの図では、記号は次の通りである。
1=固体マトリックス:開放孔および閉鎖孔の両方を含むマトリックス
2=空隙:粒子間の空間または間隙
3=開放孔:固体の表面と連絡している空洞またはチャンネル
4=ミクロポア:20オングストローム未満の孔
5=閉鎖孔:空洞は表面と連絡していない
6=クラック:固体マトリックスの内側の薄い破損の体積
7=連結孔:他の孔または空隙の体積と連結している孔
充填圧力は50バール、充填時間は60分、充填温度は90°Cであった。ガス充填のための錠剤の密度は1.3532g/cm3で、ガス充填後の錠剤の密度は1.3069g/cm3であった。ガス充填後の閉鎖気孔率は13%、開放気孔率は58%で、錠剤は5.3ml/gのガスを含み、溶解性の改善を示した。
【実施例4】
【0040】
粉末
Aw0.23の粉末サンプル2をオートクレーブ中で、上に記載した方法によって加圧した。圧力は50バール、保持時間は1時間、温度は120°Cであった。粉末は、ガス添加後に閉鎖気孔率52%、密度0.73g/cm3および25mlガス/gを含んでいる。戻すとこの粉末は非常に速く溶解する。
【実施例5】
【0041】
飲料錠剤
錠剤は次の2つのプレミックスから固結された。
1)凍結乾燥可溶性コーヒー粉末
2)発泡化炭水化物粉末(孔製品ベース)
3)結晶性スクロース
4)凍結乾燥クリーマー粉末
錠剤(直径 2cm、厚さ約7mm、重量約4g)は手動の錠剤プレスを用いて低度ないし中程度の固結圧で固結された。サンプルは固結後に窒素を充填した。充填条件は90バールと95°Cであった。充填時間は30分であった。その後、約70°Cの水中で溶解試験を行った。ガスを充填した錠剤はガスを充填しなかった錠剤よりも顕著により速く溶解した。クリーマーを含むサンプルはまた飲料の上に若干の泡を形成した。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の錠剤(図1a)及び錠剤中の顆粒(図1b)を表す。
Claims (47)
- 炭水化物マトリックスに基づく粉末または錠剤の溶解性または分散性を、該粉末または錠剤またはその前駆体を該粉末または錠剤中にガスが捕捉されるようにガスを用いた処理に付すことにより、向上する方法であって、水と接触した時に、その中に捕捉されたガスが溶解または分散を促進するように、該粉末または錠剤に十分な閉鎖気孔率を与えることを含む、上記方法。
- 該粉末または錠剤が非晶性炭水化物マトリックスを有する請求項1の方法。
- 該炭水化物が糖、澱粉または修飾澱粉である請求項1または請求項2の方法。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも50重量%をなす、請求項1から請求項3までのいずれかの方法。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも75重量%をなす、請求項4の方法。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも90重量%をなす、請求項5の方法。
- 該粉末または錠剤が蛋白質、親水性コロイドまたは脂肪をも含む請求項1から請求項6までのいずれかの方法。
- 該ガスが窒素、二酸化炭素、空気、酸素、ヘリウム、水素、アルゴン、ネオン、メタン、エタン、クリプトン、塩素、クロロフルオロカーボンまたはその混合物である請求項1から請求項7までのいずれかの方法。
- 該粉末または錠剤が少なくとも3ml(STP)/gのガスを含む請求項1から請求項8までのいずれかの方法。
- 該粉末または錠剤が少なくとも5ml(STP)/gのガスを含む請求項9の方法。
- 該粉末または錠剤が少なくとも7ml(STP)/gのガスを含む請求項10の方法。
- 粉末の製造のために、ガスが膨張した粒子の形態の炭水化物中に捕捉される、請求項1から請求項11までのいずれかの方法。
- 該粒子を炭水化物の軟化点を超す温度で、加圧下でガスの雰囲気に曝すことによって、ガスを該粒子の中に導入する、請求項12の方法。
- 該炭水化物を含む粒子から錠剤を形成し、該炭水化物中にガスを捕捉することを含む錠剤を製造するための請求項1から請求項11までのいずれかの方法。
- 該錠剤を炭水化物のTgを超す温度で、加圧下でガスの雰囲気に曝すことによって、ガスを該錠剤に導入する請求項14の方法。
- 該粉末または錠剤が医薬品または食品である請求項1から請求項15までのいずれかの方法。
- 炭水化物マトリックスおよび1つまたはそれ以上の活性成分を含む錠剤の溶解性または分散性を向上するための請求項1から請求項15までのいずれかの方法。
- 炭水化物マトリックスに基づく非発泡性の水溶性または水分散性の粉末であって、該粉末が、水と接触した時に、該粉末の溶解または分散を促進するような量の捕捉されたガスを含む粉末。
- 非晶性の炭水化物マトリックスを有する請求項18の粉末。
- 該炭水化物が糖、澱粉または修飾澱粉である請求項18または請求項19の粉末。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも50重量%をなす請求項18から請求項20までのいずれかの粉末。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも75重量%をなす請求項21の粉末。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも90重量%をなす請求項22の粉末。
- 5重量%未満の発泡性蛋白質を含む請求項18から請求項24までのいずれかの粉末。
- 泡不安定化剤を含む請求項18から請求項24までのいずれかの粉末。
- 該ガスが窒素、二酸化炭素、空気、酸素、ヘリウム、水素、アルゴン、ネオン、メタン、エタン、クリプトン、塩素、クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物である請求項18から請求項25までのいずれかの粉末。
- 少なくとも3ml(STP)/gのガスを含む請求項18から請求項26までのいずれかの粉末。
- 少なくとも5ml(STP)/gのガスを含む請求項27の粉末。
- 少なくとも7ml(STP)/gのガスを含む請求項28の粉末。
- 医薬品または食品である請求項18から請求項29までのいずれかの粉末。
- ガスが膨張した粒子の形態の炭水化物中に捕捉される、粉末を製造するための請求項18から請求項30までのいずれかの方法。
- 該粒子を炭水化物の軟化点を超す温度で、加圧下でガスの雰囲気に曝すことによって、ガスを該粒子の中に導入する、請求項31の方法。
- 捕捉されたガスを含み、水と接触した時に該錠剤の溶解または分散を促進する量の捕捉されたガスの保持を可能にする十分な閉鎖気孔率を有する炭水化物マトリックスに基づく水溶性または水分散性の錠剤。
- 非晶性の炭水化物マトリックスを有する請求項33の錠剤。
- 該炭水化物が糖、澱粉または修飾澱粉である請求項33または請求項34の錠剤。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも50重量%である請求項33から請求項35までのいずれかの錠剤。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも75重量%である請求項36の錠剤。
- 該炭水化物が該マトリックスの少なくとも90重量%である請求項37の錠剤。
- 蛋白質、親水性コロイドまたは脂肪を含む請求項33から請求項38までのいずれかの錠剤。
- 該ガスが窒素、二酸化炭素、空気、酸素、ヘリウム、水素、アルゴン、ネオン、メタン、エタン、クリプトン、塩素、クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物である請求項33から請求項39までのいずれかの錠剤。
- 少なくとも3ml(STP)/gのガスを含む請求項33から請求項40までのいずれかの錠剤。
- 少なくとも5ml(STP)/gのガスを含む請求項41の錠剤。
- 少なくとも7ml(STP)/gのガスを含む請求項42の錠剤。
- 医薬品または食品である請求項33から請求項43までのいずれかの錠剤。
- 炭水化物マトリックスおよび少なくとも1つの活性成分を含む請求項33から請求項43までのいずれかの錠剤。
- 該炭水化物を含む粒子から錠剤を形成し、該炭水化物マトリックス中にガスを捕捉することを含む請求項33から請求項45までの錠剤を製造するためのいずれかの方法。
- 該錠剤を炭水化物マトリックスの軟化点を超す温度で、加圧下でガスの雰囲気に曝すことによって、ガスを該錠剤の中に導入する、請求項46の方法。
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