JP2004519278A - 接着面を備えた媒体を用いて皮膚の凹凸を評価する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、皮膚の凹凸を評価する方法であって、接着面（２）を備えた媒体（１）を皮膚の検査域（Ｔ）に貼付する段階と、媒体を取り外す段階と、媒体（１）の接着面（２）上に形成された像を評価する段階とから成り、像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変に起因して得られ、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触しないことを特徴とする方法に関する。
Description
【０００１】
本発明は、特に老化に起因する皮膚の凹凸を評価する方法に関する。
皮膚の老化の徴候を視覚化するため、例えば“Ｓｉｌｆｌｏｗ ”という商品名で市販されている可鍛シリコーンマトリックスにより皮膚の跡を取ることが知られている。かかる方法は、実施するのが極めて困難であって且つ費用が高くつく。というのは、これには、比較的複雑な測定機器を用いることが必要であり、かくして、跡を取るのに従事する特別に訓練を受けた人の存在が必要である。この方法は、例えば消費者自身が行うには不適当であり、或いは店頭を訪れた場合でも不適当である。
【０００２】
例えば米国特許第５，０８８，５０２号明細書に記載され、供給業者であるクデルム・コーポレイション（Ｃｕｄｅｒｍ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）により登録商標“Ｄ−Ｓｑｕａｍｅ”で市販されている接着媒体により角質層から角質細胞を取ることにより皮膚の乾燥度を求めることが知られている。
【０００３】
簡単且つ安価な方法であるが、それにもかかわらず十分に正確な方法で皮膚の凹凸、特にその老化の状態を評価することが要望されている。
本発明は、皮膚の凹凸を評価する方法であって、接着面を備えた媒体を皮膚の検査域に貼付する段階と、媒体を取り外す段階と、媒体の接着面上に形成された像を評価する段階とから成り、前記像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変に起因して得られ、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触しないことを特徴とする新規な方法を提供することによりこの要望に応える。
【０００４】
本出願人は驚くべきことに、例えば米国特許第５，０８８，５０２号明細書に記載されているような接着面を備えた媒体を用いることにより、皮膚の表面の２次元の跡を取って、凹凸、特に老化の徴候、特に皮膚の表面上に存在する種々のしわ及び細い線状しわを視覚化できることを発見した。接着性媒体は、皮膚上の「目じりの小じわ」にのみくっつくことにより、インキ塗りパッドのように働き、表面の状態をネガとして再現できる。接着面の外観の変化は、皮膚から引き取られた粒子、例えば死んだ細胞又は他の不純物がその接着面上に存在することによって生じる場合があり、また接着面が皮膚にくっついた場所で接着剤の粒子が皮膚上に堆積することによって生じる場合もある。
【０００５】
接着性媒体は、透明であるのがよい。媒体を暗色の背景手段の前に配置することにより検査するのがよい。接着性媒体は好ましくは、暗色の背景手段上に、これにくっつけられることなく配置される。
媒体は有利には、取扱い目的のために接着面の少なくとも一方の側から突出した舌部を有している。
検査域は、以下の領域、即ち、目じりの小じわ、額及び口のコーナー部から選択されるが、これらには限定されない。
【０００６】
本発明の実施にあたり、接着面上に形成された像を皮膚の老化の様々な度合いに対応した基準像と比較する。その目的は、検査を受けている人の皮膚の老化の度合いを推測することにある。
これら基準像は、印刷されたものであるのがよい。変形例として、基準像は、コンピュータのスクリーン上に表示されるものであってもよい。
接着面上に形成された像と基準像を裸眼によってと比較するのがよい。変形例として、又はこれに加えて、接着面上に形成された像を自動化された手法で基準像と比較してもよい。
【０００７】
接着面上に形成された像を遠隔地で分析することができる。特に、接着面上に形成された像を遠隔地での分析に先立ってディジタル化して、これを例えはファイルの形態で送ることができるようにする。
検査域の特徴を示すパラメータを決定するために接着面上に形成された像を処理することが可能である。かかる一処理法では、しわ又は細い線状しわの数を数え、これらの寸法を測定し、そしてこれらの向きを計測する。
【０００８】
本発明の実施にあたり、検査域に次々と貼付された互いに異なる媒体上に形成された像を記録する。次に、例えば処置の効果又は処置の必要性をはっきりさせるためにこれら記憶された像を互いに比較するのがよい。
記憶した像は、人が処置の効果を視認し、又は処置の必要性を認識することができるようにするために同時に表示することができる。
【０００９】
本発明は又、コンピュータシステム、特にインターネットサーバであって、
ａ）像をディジタル形式で受け取るよう構成され、像は各々、皮膚に貼付された接着面の外観の改変に相当しており、かかる改変は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところで生じ、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触せず、
ｂ）像を分析するよう構成されていることを特徴とするコンピュータシステムを提供する。
【００１０】
コンピュータシステムは有利には、像の分析後、対応関係にある皮膚の老化の度合いを判定するよう構成されている。
かかるコンピュータシステムは、
ａ）各像の分析に照らして診断を行うよう構成され、
ｂ）かかる診断に基づいて、所定範囲の製品から適当なケア製品を選択するよう構成されている。
コンピュータシステムは又、像を伝送した人のアドレスにメールを送るよう構成されたものであるのがよく、メールは、その人に分析の結果を知らせ、任意的にケア製品を推奨する。
【００１１】
本発明は又、美容的処置方法であって、
ａ）接着面を備えた媒体を皮膚の検査域に貼付する段階を有し、
ｂ）媒体を取り外す段階を有し、
ｃ）媒体の接着面上に形成された像を評価する段階を有し、像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変の結果であり、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触せず、
ｄ）分析に照らしてケア製品を推奨する段階を有し、
ｅ）推奨した製品を皮膚に塗布する段階を有することを特徴とする方法を提供する。
【００１２】
本発明は又、美容製品又はケア製品、特に抗しわ化粧品の有効性を判定する方法であって、
ａ）接着面を備えた媒体を皮膚の検査域に貼付する段階を有し、
ｂ）媒体を取り外す段階を有し、
ｃ）しわに作用する製品を検査域に塗布する段階を有し、
ｄ）接着面を備えた新しい媒体を検査域に貼付し、この媒体を取り外す段階を有し、
ｅ）製品の塗布の前後において媒体上に形成された像を互いに比較してこれから製品の有効性に関する有益な情報を引き出す段階を有し、像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変の結果であり、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触しないことを特徴とする方法を提供する。
【００１３】
本発明は又、皮膚の凹凸、特に老化の度合いを評価するアトラスであって、各々が、皮膚の検査域に貼付された接着面を備える媒体上に形成された像を表す複数の基準像を有し、像は、パターン、特にしわ、細い線状しわ又は毛穴の存在を表し、そして例えば皮膚の老化の種々の度合いに相当する線又は点を呈していることを特徴とするアトラスを提供する。
【００１４】
本発明は又、皮膚を処置する製品、特に抗しわ化粧品と、皮膚の検査域に貼付される接着面を備えた少なくとも１つの媒体と、媒体の接着面上に形成された像との比較により皮膚の凹凸、特にその老化の度合いを評価できるようにするアトラスとから成ることを特徴とするキットを提供する。
【００１５】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を読むと共に添付の図面を参照すると明らかになろう。
図１は、例えば供給業者であるクデルム・コーポレイションにより登録商標“Ｄ−Ｓｑｕａｍｅ”で市販されているそれ自体公知の接着性媒体１を示している。
この媒体は、接着面２及び指を接着面２に接触させないで接着性媒体１を保持できるようにする非接着性舌部３を有している。接着面２を構成する接着剤は例えば、固形接着剤であり、これは実質的に一様な厚さの固化層の形態で延びるのがよい。
【００１６】
図示の例では、媒体１は、透明である。
媒体は、使用前には、接着面２を覆っている着脱自在な保護フィルム（図示せず）によって被覆されている。
媒体１は、図示のように例えば目じりの小じわ領域内に位置する検査域Ｔに過度の圧力を及ぼさないで皮膚に貼付されるようになっている。検査域Ｔは、予めメーキャップが除去され、きれいになっていることが必要である。
【００１７】
皮膚の表面上に存在し、「目じりの小じわ」上に位置する粒子、例えば死んだ細胞は、接着面２に付着し、これに対し目じりの小じわ相互間にしわ又は細い線状しわにより形成された凹部内に位置する粒子は、接着面２には有効には接触せず、その結果、媒体１を取り外したとき、検査域Ｔ内に存在するしわ又は細い線状しわを示すネガの像が接着面２上に得られる。接着剤の粒子は又、「目じりの小じわ」上の皮膚の上に残存したままの場合があり、それにより、接着面の外観改変の一因にもなっている。
このように接着面２上に形成された像をはっきりさせるため、媒体１を不透明で暗色の、例えば黒色の背景手段４の前に置くのがよい。
【００１８】
媒体１を用いる種々の段階が、図３のブロック図に概略的に記載されている。
まず最初に、媒体１を皮膚に貼付するが、これは図３の段階１０に相当している。
しかる後、段階１１において、媒体１を取り外し、段階１２において、これを目視検査する。
この検査は有利には、媒体上に形成された像を図４に示す種類のアトラス２０又は比較チャート中の基準像と比較する段階１３を有する。
【００１９】
像２１は、皮膚の種々の度合いの老化に相当している。
かくして、最上部に位置する像２１は例えば、若い皮膚を持つ人の目じりの小じわに媒体１を貼付することにより媒体１上に得られた像に相当している。他の像２１は、媒体１を老化の度合いがかなり進んだ皮膚に貼付して得られた像に相当している。好ましくは、図示のように、アトラスは、選択された像２１を識別できるように各像２１と関連した英数字の識別子を有し、文字Ａは、図示の例では顕著な老化の徴候がないことを示し、文字Ｄは、老化の度合いの最も顕著な状態を示し、文字Ａ，Ｃで示された像２１は、中程度を示している。
【００２０】
例えば媒体を印刷することによりアトラス２０を作ることができる。
変形例として、像を図５に示すようにコンピュータのスクリーンＥ上に表示してもよい。
アトラス２０は有利には、暗色域２３を有し、媒体１を皮膚に貼付した後これをこの暗色域の前に配置し、それにより接着面２の外観に対する改変状態をはっきりさせるようにする。スクリーンＥを用いる場合、像２１を暗色域２３と同時に表示するのがよく、媒体１をこの暗色域の前に配置する。
【００２１】
変形例として、媒体１をスクリーン上の所定の場所２４のところに配置してもよく、種々の像は、その位置で連続して表示され、それにより観察者は媒体１を通るスクリーンを観察して皮膚の老化の度合いを判定することができるようになる。
【００２２】
図６は、処置の有効性を判定する方法の種々の段階を概略的に示している。
この方法では、初期段階３０は、例えば図３を参照して説明した方法を用いて皮膚の１回目の評価を行うことから成る。
しかる後、段階３１では、媒体１を貼付した検査域中に存在するしわ又は細い線状しわに作用する製品、例えば抗しわ化粧品を塗布する。
製品の１以上の塗布後、本発明の方法は、段階３２に進み、ここで検査域を再評価する。
【００２３】
この新規な評価は、新しい媒体１を用い、例えば図３の方法を利用して１回目の評価と同一の仕方で行う。
しかる後、段階３３では、種々の評価の結果を比較して段階３４において処置の有効性を判定する。
図６の方法を消費者により、或いは例えばスペシャリストセンター又は店頭の専門家によって実施できる。
【００２４】
媒体上に形成された像を例えば図７に示す方法で遠隔地で分析することができる。
この方法では、最初の段階４０において接着性媒体１を検査域に貼付し、段階４１において接着性媒体を診断センターに送り、この診断センターは、段階４２において遠隔地で診断を行う。検査対象の人は、段階４３において例えば抗しわ化粧品についての処方と一緒に分析結果を受け取ることができる。
媒体１を皮膚への貼付後に物理的に診断センターに送ってもよい。
【００２５】
また、図８に示すように、段階５０で開始することもでき、この段階５０では、媒体１上に形成された像をカメラ又はスキャナによって入手し、その後この像を段階５１においてファイルの形態で、例えばインターネットサイトに接続することにより診断センターに送る。段階５２において、診断を例えば形状認識エンジンにより像との自動比較により自動的に行うことができ、次に、段階５３において、評価結果を従来のメールで又はＥメールで検査を行っている人に送る。
【００２６】
像が送られたインターネットサーバは、受け取った像の全てを順番に記憶し、次いで例えば、これらの像を同時に又は連続して表示し、これらを比較し、そして例えば処置の有効性を判定し、又はその処置が必要であるかどうかを決定するよう構成されたものであるのがよい。
【００２７】
１以上の媒体を抗しわ化粧品５と一緒に包装材６に入れた状態でキットの形態で市販することができる。
適当な場合、包装材６は有利には、接着性媒体１上に形成された像の観察を容易にする暗色域２３と一緒に自己評価のためのアトラスを形成する１組の基準像２１を担持する。
【００２８】
当然のことながら、本発明は上述の例には限定されない。
特に、媒体１を図１０に示すような円形輪郭の接着面を備えた多種多様な形態で作ることができ、媒体は透明であることを要さず、例えば、媒体はこれを暗色域の前に配置する必要性を無くすよう暗色のものであってもよい。
本発明を主として皮膚上の凹凸、例えばしわ又は細い線状しわを評価する用途において上述したが、本発明は、皮膚上の凹凸、例えば毛穴、瘢痕、手のひらの上の線状しわ又は指紋の評価にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
目じりの小じわのところに位置した検査域に媒体を貼付する方法を示す図である。
【図２】
皮膚から剥がされた後、接着面の外観の変化をはっきりさせるためにまさに暗色背景手段の前に配置されようとする状態の媒体を示す図である。
【図３】
本発明の第１の実施形態の方法の種々の段階を示すブロック図である。
【図４】
媒体上に形成された像を基準像と比較できるようにするアトラスを示す図である。
【図５】
媒体上に形成された像を基準としての役目を果たす像と比較できるようにするコンピュータのスクリーン上に表示されたアトラスを示す図である。
【図６】
本発明の一実施形態の方法を示すブロック図である。
【図７】
本発明の別の実施形態の方法を示すブロック図である。
【図８】
本発明の別の実施形態の方法を示すブロック図である。
【図９】
抗しわ化粧品、複数の接着性媒体及びアトラスが印刷された包装材から成るキットを示す図である。
【図１０】
円形の輪郭の接着面を備えた媒体を示す図である。
本発明は、特に老化に起因する皮膚の凹凸を評価する方法に関する。
皮膚の老化の徴候を視覚化するため、例えば“Ｓｉｌｆｌｏｗ ”という商品名で市販されている可鍛シリコーンマトリックスにより皮膚の跡を取ることが知られている。かかる方法は、実施するのが極めて困難であって且つ費用が高くつく。というのは、これには、比較的複雑な測定機器を用いることが必要であり、かくして、跡を取るのに従事する特別に訓練を受けた人の存在が必要である。この方法は、例えば消費者自身が行うには不適当であり、或いは店頭を訪れた場合でも不適当である。
【０００２】
例えば米国特許第５，０８８，５０２号明細書に記載され、供給業者であるクデルム・コーポレイション（Ｃｕｄｅｒｍ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）により登録商標“Ｄ−Ｓｑｕａｍｅ”で市販されている接着媒体により角質層から角質細胞を取ることにより皮膚の乾燥度を求めることが知られている。
【０００３】
簡単且つ安価な方法であるが、それにもかかわらず十分に正確な方法で皮膚の凹凸、特にその老化の状態を評価することが要望されている。
本発明は、皮膚の凹凸を評価する方法であって、接着面を備えた媒体を皮膚の検査域に貼付する段階と、媒体を取り外す段階と、媒体の接着面上に形成された像を評価する段階とから成り、前記像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変に起因して得られ、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触しないことを特徴とする新規な方法を提供することによりこの要望に応える。
【０００４】
本出願人は驚くべきことに、例えば米国特許第５，０８８，５０２号明細書に記載されているような接着面を備えた媒体を用いることにより、皮膚の表面の２次元の跡を取って、凹凸、特に老化の徴候、特に皮膚の表面上に存在する種々のしわ及び細い線状しわを視覚化できることを発見した。接着性媒体は、皮膚上の「目じりの小じわ」にのみくっつくことにより、インキ塗りパッドのように働き、表面の状態をネガとして再現できる。接着面の外観の変化は、皮膚から引き取られた粒子、例えば死んだ細胞又は他の不純物がその接着面上に存在することによって生じる場合があり、また接着面が皮膚にくっついた場所で接着剤の粒子が皮膚上に堆積することによって生じる場合もある。
【０００５】
接着性媒体は、透明であるのがよい。媒体を暗色の背景手段の前に配置することにより検査するのがよい。接着性媒体は好ましくは、暗色の背景手段上に、これにくっつけられることなく配置される。
媒体は有利には、取扱い目的のために接着面の少なくとも一方の側から突出した舌部を有している。
検査域は、以下の領域、即ち、目じりの小じわ、額及び口のコーナー部から選択されるが、これらには限定されない。
【０００６】
本発明の実施にあたり、接着面上に形成された像を皮膚の老化の様々な度合いに対応した基準像と比較する。その目的は、検査を受けている人の皮膚の老化の度合いを推測することにある。
これら基準像は、印刷されたものであるのがよい。変形例として、基準像は、コンピュータのスクリーン上に表示されるものであってもよい。
接着面上に形成された像と基準像を裸眼によってと比較するのがよい。変形例として、又はこれに加えて、接着面上に形成された像を自動化された手法で基準像と比較してもよい。
【０００７】
接着面上に形成された像を遠隔地で分析することができる。特に、接着面上に形成された像を遠隔地での分析に先立ってディジタル化して、これを例えはファイルの形態で送ることができるようにする。
検査域の特徴を示すパラメータを決定するために接着面上に形成された像を処理することが可能である。かかる一処理法では、しわ又は細い線状しわの数を数え、これらの寸法を測定し、そしてこれらの向きを計測する。
【０００８】
本発明の実施にあたり、検査域に次々と貼付された互いに異なる媒体上に形成された像を記録する。次に、例えば処置の効果又は処置の必要性をはっきりさせるためにこれら記憶された像を互いに比較するのがよい。
記憶した像は、人が処置の効果を視認し、又は処置の必要性を認識することができるようにするために同時に表示することができる。
【０００９】
本発明は又、コンピュータシステム、特にインターネットサーバであって、
ａ）像をディジタル形式で受け取るよう構成され、像は各々、皮膚に貼付された接着面の外観の改変に相当しており、かかる改変は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところで生じ、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触せず、
ｂ）像を分析するよう構成されていることを特徴とするコンピュータシステムを提供する。
【００１０】
コンピュータシステムは有利には、像の分析後、対応関係にある皮膚の老化の度合いを判定するよう構成されている。
かかるコンピュータシステムは、
ａ）各像の分析に照らして診断を行うよう構成され、
ｂ）かかる診断に基づいて、所定範囲の製品から適当なケア製品を選択するよう構成されている。
コンピュータシステムは又、像を伝送した人のアドレスにメールを送るよう構成されたものであるのがよく、メールは、その人に分析の結果を知らせ、任意的にケア製品を推奨する。
【００１１】
本発明は又、美容的処置方法であって、
ａ）接着面を備えた媒体を皮膚の検査域に貼付する段階を有し、
ｂ）媒体を取り外す段階を有し、
ｃ）媒体の接着面上に形成された像を評価する段階を有し、像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変の結果であり、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触せず、
ｄ）分析に照らしてケア製品を推奨する段階を有し、
ｅ）推奨した製品を皮膚に塗布する段階を有することを特徴とする方法を提供する。
【００１２】
本発明は又、美容製品又はケア製品、特に抗しわ化粧品の有効性を判定する方法であって、
ａ）接着面を備えた媒体を皮膚の検査域に貼付する段階を有し、
ｂ）媒体を取り外す段階を有し、
ｃ）しわに作用する製品を検査域に塗布する段階を有し、
ｄ）接着面を備えた新しい媒体を検査域に貼付し、この媒体を取り外す段階を有し、
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【００１３】
本発明は又、皮膚の凹凸、特に老化の度合いを評価するアトラスであって、各々が、皮膚の検査域に貼付された接着面を備える媒体上に形成された像を表す複数の基準像を有し、像は、パターン、特にしわ、細い線状しわ又は毛穴の存在を表し、そして例えば皮膚の老化の種々の度合いに相当する線又は点を呈していることを特徴とするアトラスを提供する。
【００１４】
本発明は又、皮膚を処置する製品、特に抗しわ化粧品と、皮膚の検査域に貼付される接着面を備えた少なくとも１つの媒体と、媒体の接着面上に形成された像との比較により皮膚の凹凸、特にその老化の度合いを評価できるようにするアトラスとから成ることを特徴とするキットを提供する。
【００１５】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を読むと共に添付の図面を参照すると明らかになろう。
図１は、例えば供給業者であるクデルム・コーポレイションにより登録商標“Ｄ−Ｓｑｕａｍｅ”で市販されているそれ自体公知の接着性媒体１を示している。
この媒体は、接着面２及び指を接着面２に接触させないで接着性媒体１を保持できるようにする非接着性舌部３を有している。接着面２を構成する接着剤は例えば、固形接着剤であり、これは実質的に一様な厚さの固化層の形態で延びるのがよい。
【００１６】
図示の例では、媒体１は、透明である。
媒体は、使用前には、接着面２を覆っている着脱自在な保護フィルム（図示せず）によって被覆されている。
媒体１は、図示のように例えば目じりの小じわ領域内に位置する検査域Ｔに過度の圧力を及ぼさないで皮膚に貼付されるようになっている。検査域Ｔは、予めメーキャップが除去され、きれいになっていることが必要である。
【００１７】
皮膚の表面上に存在し、「目じりの小じわ」上に位置する粒子、例えば死んだ細胞は、接着面２に付着し、これに対し目じりの小じわ相互間にしわ又は細い線状しわにより形成された凹部内に位置する粒子は、接着面２には有効には接触せず、その結果、媒体１を取り外したとき、検査域Ｔ内に存在するしわ又は細い線状しわを示すネガの像が接着面２上に得られる。接着剤の粒子は又、「目じりの小じわ」上の皮膚の上に残存したままの場合があり、それにより、接着面の外観改変の一因にもなっている。
このように接着面２上に形成された像をはっきりさせるため、媒体１を不透明で暗色の、例えば黒色の背景手段４の前に置くのがよい。
【００１８】
媒体１を用いる種々の段階が、図３のブロック図に概略的に記載されている。
まず最初に、媒体１を皮膚に貼付するが、これは図３の段階１０に相当している。
しかる後、段階１１において、媒体１を取り外し、段階１２において、これを目視検査する。
この検査は有利には、媒体上に形成された像を図４に示す種類のアトラス２０又は比較チャート中の基準像と比較する段階１３を有する。
【００１９】
像２１は、皮膚の種々の度合いの老化に相当している。
かくして、最上部に位置する像２１は例えば、若い皮膚を持つ人の目じりの小じわに媒体１を貼付することにより媒体１上に得られた像に相当している。他の像２１は、媒体１を老化の度合いがかなり進んだ皮膚に貼付して得られた像に相当している。好ましくは、図示のように、アトラスは、選択された像２１を識別できるように各像２１と関連した英数字の識別子を有し、文字Ａは、図示の例では顕著な老化の徴候がないことを示し、文字Ｄは、老化の度合いの最も顕著な状態を示し、文字Ａ，Ｃで示された像２１は、中程度を示している。
【００２０】
例えば媒体を印刷することによりアトラス２０を作ることができる。
変形例として、像を図５に示すようにコンピュータのスクリーンＥ上に表示してもよい。
アトラス２０は有利には、暗色域２３を有し、媒体１を皮膚に貼付した後これをこの暗色域の前に配置し、それにより接着面２の外観に対する改変状態をはっきりさせるようにする。スクリーンＥを用いる場合、像２１を暗色域２３と同時に表示するのがよく、媒体１をこの暗色域の前に配置する。
【００２１】
変形例として、媒体１をスクリーン上の所定の場所２４のところに配置してもよく、種々の像は、その位置で連続して表示され、それにより観察者は媒体１を通るスクリーンを観察して皮膚の老化の度合いを判定することができるようになる。
【００２２】
図６は、処置の有効性を判定する方法の種々の段階を概略的に示している。
この方法では、初期段階３０は、例えば図３を参照して説明した方法を用いて皮膚の１回目の評価を行うことから成る。
しかる後、段階３１では、媒体１を貼付した検査域中に存在するしわ又は細い線状しわに作用する製品、例えば抗しわ化粧品を塗布する。
製品の１以上の塗布後、本発明の方法は、段階３２に進み、ここで検査域を再評価する。
【００２３】
この新規な評価は、新しい媒体１を用い、例えば図３の方法を利用して１回目の評価と同一の仕方で行う。
しかる後、段階３３では、種々の評価の結果を比較して段階３４において処置の有効性を判定する。
図６の方法を消費者により、或いは例えばスペシャリストセンター又は店頭の専門家によって実施できる。
【００２４】
媒体上に形成された像を例えば図７に示す方法で遠隔地で分析することができる。
この方法では、最初の段階４０において接着性媒体１を検査域に貼付し、段階４１において接着性媒体を診断センターに送り、この診断センターは、段階４２において遠隔地で診断を行う。検査対象の人は、段階４３において例えば抗しわ化粧品についての処方と一緒に分析結果を受け取ることができる。
媒体１を皮膚への貼付後に物理的に診断センターに送ってもよい。
【００２５】
また、図８に示すように、段階５０で開始することもでき、この段階５０では、媒体１上に形成された像をカメラ又はスキャナによって入手し、その後この像を段階５１においてファイルの形態で、例えばインターネットサイトに接続することにより診断センターに送る。段階５２において、診断を例えば形状認識エンジンにより像との自動比較により自動的に行うことができ、次に、段階５３において、評価結果を従来のメールで又はＥメールで検査を行っている人に送る。
【００２６】
像が送られたインターネットサーバは、受け取った像の全てを順番に記憶し、次いで例えば、これらの像を同時に又は連続して表示し、これらを比較し、そして例えば処置の有効性を判定し、又はその処置が必要であるかどうかを決定するよう構成されたものであるのがよい。
【００２７】
１以上の媒体を抗しわ化粧品５と一緒に包装材６に入れた状態でキットの形態で市販することができる。
適当な場合、包装材６は有利には、接着性媒体１上に形成された像の観察を容易にする暗色域２３と一緒に自己評価のためのアトラスを形成する１組の基準像２１を担持する。
【００２８】
当然のことながら、本発明は上述の例には限定されない。
特に、媒体１を図１０に示すような円形輪郭の接着面を備えた多種多様な形態で作ることができ、媒体は透明であることを要さず、例えば、媒体はこれを暗色域の前に配置する必要性を無くすよう暗色のものであってもよい。
本発明を主として皮膚上の凹凸、例えばしわ又は細い線状しわを評価する用途において上述したが、本発明は、皮膚上の凹凸、例えば毛穴、瘢痕、手のひらの上の線状しわ又は指紋の評価にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
目じりの小じわのところに位置した検査域に媒体を貼付する方法を示す図である。
【図２】
皮膚から剥がされた後、接着面の外観の変化をはっきりさせるためにまさに暗色背景手段の前に配置されようとする状態の媒体を示す図である。
【図３】
本発明の第１の実施形態の方法の種々の段階を示すブロック図である。
【図４】
媒体上に形成された像を基準像と比較できるようにするアトラスを示す図である。
【図５】
媒体上に形成された像を基準としての役目を果たす像と比較できるようにするコンピュータのスクリーン上に表示されたアトラスを示す図である。
【図６】
本発明の一実施形態の方法を示すブロック図である。
【図７】
本発明の別の実施形態の方法を示すブロック図である。
【図８】
本発明の別の実施形態の方法を示すブロック図である。
【図９】
抗しわ化粧品、複数の接着性媒体及びアトラスが印刷された包装材から成るキットを示す図である。
【図１０】
円形の輪郭の接着面を備えた媒体を示す図である。
Claims (26)
- 皮膚の凹凸を評価する方法であって、接着面（２）を備えた媒体（１）を皮膚の検査域（Ｔ）に貼付する段階と、媒体を取り外す段階と、媒体（１）の接着面（２）上に形成された像を評価する段階とから成り、前記像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変に起因して得られ、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触しないことを特徴とする方法。
- 皮膚の老化の度合いは、媒体（１）上に形成された像の部位で評価されることを特徴とする請求項１記載の方法。
- 媒体（１）は、透明であることを特徴とする請求項１又は２記載の方法。
- 媒体は、暗色の背景手段（４；２３）の前に配置されることにより検査されることを特徴とする請求項３記載の方法。
- 媒体（１）は、暗色の背景手段（４；２３）上に、これにくっつけられることなく配置されることを特徴とする請求項４記載の方法。
- 媒体（１）は、取扱い目的のために、接着面（２）の少なくとも一方の側から突出した舌部（３）を有していることを特徴とする請求項１〜５のうちいずれか一に記載の方法。
- 前記検査域（Ｔ）は、以下の領域、即ち、目じりの小じわ、額及び口のコーナー部から選択されることを特徴とする請求項１〜６のうちいずれか一に記載の方法。
- 接着面（２）上に形成された像は、皮膚の老化の様々な度合いに対応した基準像（２１）と比較されることを特徴とする請求項１〜７のうちいずれか一に記載の方法。
- 基準像（２１）は、印刷されていることを特徴とする請求項８記載の方法。
- 基準像（２１）は、コンピュータのスクリーン（Ｅ）上に表示されることを特徴とする請求項８記載の方法。
- 接着面（２）上に形成された像は、裸眼によって基準像（２１）と比較されることを特徴とする請求項８〜１０のうちいずれか一に記載の方法。
- 接着面（２）上に形成された像は、自動化された手法で基準像（２１）と比較されることを特徴とする請求項８〜１０のうちいずれか一に記載の方法。
- 接着面（２）上に形成された像は、遠隔地で分析されることを特徴とする請求項１〜１２のうちいずれか一に記載の方法。
- 接着面（２）上に形成された像は、遠隔地での分析に先立ってディジタル化されることを特徴とする請求項１３記載の方法。
- 接着面（２）上に形成された像は、検査域の特徴を示すパラメータを決定するために処理されることを特徴とする請求項１４記載の方法。
- 検査域（Ｔ）に次々と貼付された互いに異なる媒体（１）上に形成された像を記録することを特徴とする請求項１〜１５のうちいずれか一に記載の方法。
- 前記記憶した像は、特に処置の効果又は処置の必要性をはっきりさせるために互いに比較されることを特徴とする請求項１６記載の方法。
- 前記記憶した像は、人が処置の効果を視認し、又は処置の必要性を認識することができるように同時に表示されることを特徴とする請求項１６又は１７記載方法。
- コンピュータシステム、特にインターネットサーバであって、
ａ）像をディジタル形式で受け取るよう構成され、前記像は各々、皮膚に貼付された接着面（２）の外観の改変に相当しており、かかる改変は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところで生じ、前記接着面（２）は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触せず、
ｂ）前記像を分析するよう構成されていることを特徴とするコンピュータシステム。 - コンピュータシステムは、像の分析後、対応関係にある皮膚の老化の度合いを判定するよう構成されていることを特徴とする請求項１９記載のコンピュータシステム。
- コンピュータシステムは、
ａ）各像の分析に照らして診断を行うよう構成され、
ｂ）前記診断に基づいて、所定範囲の製品から適当なケア製品を選択するよう構成されていることを特徴とする請求項１９又は２０記載のコンピュータシステム。 - コンピュータシステムは、像を伝送した人のアドレスにメールを送るよう構成されており、メールは、その人に分析の結果を知らせ、任意的にケア製品を推奨することを特徴とする請求項１９〜２１のうちいずれか一に記載のコンピュータシステム。
- 美容的処置方法であって、
ａ）接着面（２）を備えた媒体（１）を皮膚の検査域（Ｔ）に貼付する段階を有し、
ｂ）媒体を取り外す段階を有し、
ｃ）媒体（１）の接着面（２）上に形成された像を評価する段階を有し、前記像は、本質的に接着面が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面の外観の改変の結果であり、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触せず、
ｄ）分析に照らしてケア製品を推奨する段階を有し、
ｅ）推奨した製品を皮膚に塗布する段階を有することを特徴とする方法。 - 美容製品又はケア製品、特に抗しわ化粧品の有効性を判定する方法であって、
ａ）接着面（２）を備えた媒体（１）を皮膚の検査域（Ｔ）に貼付する段階を有し、
ｂ）媒体を取り外す段階を有し、
ｃ）しわに作用する製品を検査域（Ｔ）に塗布する段階を有し、
ｄ）接着面（２）を備えた新しい媒体（１）を検査域に貼付し、この媒体を取り外す段階を有し、
ｅ）製品の塗布の前後において媒体上に形成された像を互いに比較してこれから製品の有効性に関する有益な情報を引き出す段階を有し、前記像は、本質的に接着面（２）が皮膚と実際に接触した場所のところにおける接着面（２）の外観の改変の結果であり、接着面は、皮膚の凹み域、例えばしわ又は細い線状しわとそれほど接触しないことを特徴とする方法。 - 皮膚の凹凸、特に老化の度合いを評価するアトラス（２０）であって、各々が、皮膚の検査域に貼付された接着面（２）を備える媒体（１）上に形成された像を表す複数の基準像（２１）を有し、前記像は、パターン、特にしわ、細い線状しわ又は毛穴の存在を表し、そして例えば皮膚の老化の種々の度合いに相当する線又は点を呈していることを特徴とするアトラス。
- 皮膚を処置する製品（５）、特に抗しわ化粧品と、皮膚の検査域（Ｔ）に貼付される接着面（２）を備えた少なくとも１つの媒体（１）と、媒体の接着面（２）上に形成された像との比較により皮膚の凹凸を評価できるようにするアトラスとから成ることを特徴とするキット。
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