JP2004518268A - 分子スケール電子装置 - Google Patents

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Abstract

分子スケール電子装置を開示する。このような装置は、少なくとも2つの導電接点と、接点同士を橋絡させる導電経路とを含む。導電経路は、高導電率でも低導電率でもよい電圧パルスにより、初期状態に対する摂動状態として書き込むことができる。導電経路は、少なくとも1つの電子吸引基を含む有機分子を備える。この装置は室温負微分抵抗を有する。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子装置および電子装置を製造する方法に関し、特にこのような装置および導電有機材料を利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学的に集合した電子装置は、従来の回路および装置を拡張したものとして働くことができる。このような化学的に集合した装置は、ナノスケールまたは分子スケールの電子構成要素を含む。分子スケール・システムは、構造の一様性と、場合によっては製造コストの削減において明確な利点をもたらすことができる。また、これらの分子構成要素は、容易に合成することができ、かつ容易な化学的変換によって様々な構造を作製することができるという利点をもたらすことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分子スケール電子装置の製造と、このような装置の、有用な回路および構成要素への取込みとに基づく発明である。このような分子スケール電子装置は、室温NDRを含む大きな負微分抵抗(NDR)、大きなピーク・バリー比、および切換え可能な導電状態を装置が有するうえで重要な要素として働く活性還元−酸化中心を含む。分子スケール電子装置は、高導電率状態または低導電率状態を記憶することによってメモリ装置として動作することができる。このような装置は書込み、読取り、および消去が可能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一態様では、少なくとも2つの接点と、これらの接点間に導電経路を形成する導電有機材料の単分子層とを含む電子装置を提供する。導電経路は、少なくとも1つの電子吸引基、たとえば、シアノ、イソシアノ、ニトロ、スルフォニル、β−カルボキシビニル、スルフィニル、β,β−ジシアノビニル、ハロゲン化アルキル、ホルミル、カルボキシル、カルボニル、アルキルオキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニル、1−テトラゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、カルバモイル、またはスルファモイル、好ましくはシアノ、イソシアノ、およびニトロを含む。この装置は、高導電率状態および低導電率状態を有することができ、高導電率状態と低導電率状態の間で繰り返し切換え可能にすることができる。低導電率状態は、約100pA未満または約1pA未満の電流であってよい。
【0005】
高導電率状態は、低導電率状態よりも少なくとも約200倍大きく、好ましくは低導電率状態よりも少なくとも約500倍大きく、より好ましくは低導電率状態よりも少なくとも約1000倍大きな電流を有することができる。電子吸引基は、導電経路内でフェニル環に結合することができる。導電経路内に少なくとも1つの電子供与基も存在することができる。
【0006】
導電経路は、少なくとも70%がsp−混成原子−またはsp−混成成原子である原子を含むことができ、交互に配置されたエチニル基とアリル基、またはフェニル−エチニル結合を含み、少なくとも1つのフェニル基を電子吸引基で置換することができる。導電経路は、導電経路を接点に結合する結合基、たとえば硫黄原子、酸素原子、シアノ、カルボキシ、ジアゾニウム塩、ハロゲン化物、イソシアノ、ホスフィン、またはテルル原子およびセレン原子をさらに含むことができる。導電経路はビフェニル基またはエテニル基を含むことができる。
【0007】
本発明は、他の態様では、少なくとも一方の接点がパラジウム接点である2つの接点と、接点間にフェニル−エチニル−置換されるフェニル−エチニル−フェニル結合を含む導電有機分子の自己集合単分子層とを含み、置換されるフェニルが、少なくとも1つのニトロ基を含み、有機分子が、フェニル−エチニル結合の末端フェニル上の少なくとも1つのイソシアノ基によってパラジウム接点に結合されている電子装置を提供する。
【0008】
本発明は、他の態様では、入力と、出力と、1つの接点が入力と出力を橋絡させており、他の接点が低電位または大地電位である上述の分子電子装置と、やはり入力と出力を橋絡させており、基準電圧と電気的に連絡している比較器とを含むメモリ回路を含む。アドレス指定可能なアレイ状に配置された複数のこれらのメモリ回路を含むメモリ・アレイを作ることができる。
【0009】
本発明は、他の態様では、上述のような第1および第2の分子電子装置を含み、第1の装置の1つの接点が基準電圧に接続されており、他の接点がノードに接続されており、他方の装置の1つの接点が低電位または大地電位に接続されており、他の接点がノードに接続されており、ノードがさらに、低電位または大地電位に接続されており、かつ利得構成要素を含むこともできるスタティック・ランダム・アクセス・メモリ・セルを提供する。
【0010】
本発明は、自己集合ナノスケール分子装置として電荷を蓄積する有機分子または有機金属分子を含む。分子装置は、電子的にプログラム可能で消去可能なメモリ・ビットを形成する。このようなビットは、従来のしきい値レベルと互換性を有する。該メモリ・ビットは、ランダム・アクセス・メモリ装置に適用できるメモリ・セルとして構成することができる。このようなメモリ・セル内の分子装置はビット保持時間が長い(10分)。
【0011】
本明細書では、「共役」または「共役基」は、sp−混成原子またはsp−混成原子上にπ電子を重ならせる拡張系をさす。この結果、各sp−混成原子および/またはsp−混成原子内だけでなく、sp−混成原子および/またはsp−混成原子間でも重なりπ電子密度が得られる。
【0012】
特に定義しないかぎり、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書で説明する方法および材料と同様または同等な方法および材料を本発明の実施時たは試験時に使用できるが、適切な方法および材料については以下に説明する。本明細書で述べるすべての文献、特許出願、特許、およびその他の引用は、引用によって全体的に組み入れられる。本発明と矛盾する場合は、定義を含め本明細書が優先される。また、材料、方法、および実施例は、例示的なものに過ぎず、制限のためのものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになろう。
【0014】
分子スケール電子装置は、金属接点と、これらの接点間に導電経路を形成する導電有機材料の単分子層とを含む。図1は、基板3、絶縁材料5、およびキャビティ7を含む分子スケール電子装置の特定の実施形態を示している。キャビティ7は図7に詳しく示されており、上部接点材料9および下部接点材料11と、導電経路孔13とを含んでいる。導電経路孔13は図3に詳しく示されており、上部接点材料9および下部接点材料11と、特定の導電経路分子15とを含んでいる。
【0015】
このような装置の特定の態様は、1999年9月30日に出願された米国暫定出願第60/157149号、および1999年9月20日に出願された米国暫定出願第60/154716号で論じられており、これらの出願それぞれ、引用によって全体的に本明細書に組み入れられている。
【0016】
導電経路
金属接点間に導電経路を形成できる導電有機材料を実質的な共役π電子系で製造することができる。導電経路は通常、各々が異なる接点に接触する2つの「末端」を有するように製造される。このような導電経路の長さは約5Åから約75Å、好ましくは約10Åから約75Å、より好ましくは約10Åから約50Åの範囲であってよい。
【0017】
このようなπ電子系は、互いに隣接しているか、あるいは1つのsp−混成炭素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくは酸素原子、または2つの連続的な該原子、またはそれほど好ましくはないが3つの連続的な該原子によって分離された、いくつかのsp−および/またはsp−混成炭素原子、窒素原子、硫黄原子、または酸素原子を含む分子を使用して製造することができる。たとえば、導電経路は、大多数、または好ましくは少なくとも約70%がsp−またはsp−混成原子である約4個から20個の原子で形成することができる。たとえば、導電経路は、フェニル、ナフチル、インジル、アズリル、ペンタリル、ヘプタリル、ビフェニレニル、インダセニル、アセナフチル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、ペンタセニル、ヘキサセニルなどの全炭素芳香基、エテニルや1,3−ブタジエニルなどの基を含む二重結合、およびエチニルや1,3−ビタジイニルなどの基を含む三重結合を含むことができる。導電経路は、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、ベンゾチエニル、ナフトチエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、ピリミジニル、ピリダジニ、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、フタラジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、ピロリニル、イミダゾリニル、インドリニルなどのヘテロ原子含有基を含むこともできる。同様に、導電経路は、ビフェニル、エチニル−ビフェニル−エチニル、エテニル−フェニル−エテニル、ピリジニル−エテニル−フェニル、フェニル−エチニル−フェニル、エチニル−フェニル−エチニル、フェニル−エチニル−フェニル−エチニル、フェニル−エチニル−フェニル−エチニル−フェニル、フェニル−エテニル−フェニル−エテニル−フェニル、フェニル−エテニル−ビフェニル−エテニル−フェニル、ビフェニル−エテニル−ビフェニル、フェニル−エチニル−ビフェニル−エチニル−フェニル、および対称的でも非対称的でもよく、規則的に交互に配置しても不規則に交互に配置してもよい他の多数の可能な組合せなど、上記の基の組合せを含むことができる。このような基は、導電経路を形成するように分岐集合または非分岐集合として配置することができる。導電経路は、クロム−アレン基などの有機金属基を含むこともできる。
【0018】
導電経路は、少なくとも1つであって、任意選択でいくつかの電子吸引基を含むこともできる。このような基は、導電経路を構成する有機分子の基アニオン状態を安定させる。このような電子吸引基には、シアノ、イソシアノ、ニトロ、アンモニウム、スルフォニル(たとえば、オクチルスルフォニル、フェニルスルフォニル、トリフルオロメチルスルフォニル、ペンタフルオロフェニルスルフィニルなど)、β−カルボキシビニル、スルフィニル(たとえば、t−ブチルスルフィニル、トリスルフィニル、トリフルオロメチルスルフィニル、ペンタフルオロフェニルスルフィニルなど)、β,β−ジシアノビニル、ハロゲン化アルキル(たとえば、トリフルオロメチル、ペルフルオロオクチル、ω−ハイドロペルフルオロドデシルなど)、ホルミル、カルボキシル、カルボニル(たとえば、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、トリフルオロアセチルなど)、アルキル−およびアリルオキシカルボニル(たとえば、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニルなど)、1−テトラゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、カルバモイル(たとえば、ドデシカルバモイル、フェニルカルバモイルなど)、スルファモイル(たとえば、トリフルオロメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、エチルスルファモイルなど)が含まれる。好ましい基には、ニトロ基、ニトリル基、およびイソシアノ基が含まれる。
【0019】
このような電子吸引基は、導電経路内の原子または導電経路の共役原子に結合されるか、または該原子と電子的に連絡する。たとえば、電子吸引基をフェニル、エテニル、ナフチル、アントラシル、インドリルなどに直接結合するか、またはフェニル、ナフチル、アントラシル、インドリル、エテニルなどに結合されるエテニル基やエチニル基などの基に結合することができる。このような電子吸引基のレギオ化学的性質は電子特性に影響を与えることができる。たとえば、芳香環系上のニトロ基の可変レギオ化学的性質は、レギオ異性体間の導電特性の差をもたらすことができる。単一の電子吸引基またはいくつかの電子吸引基をフェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基など単一の基に結合することができる。
【0020】
任意選択で、電子供与基は、導電経路内の原子または導電経路の共役原子に結合しても、あるいは該原子と電子的に連絡してもよい。たとえば、電子供与基は、フェニル、ナフチル、アントラシル、インドリル、エテニルなどに直接結合しても、あるいはフェニル、ナフチル、アントラシル、インドリル、エテニルなどに結合されるエテニル基やエチニル基などの基に結合してもよい。このような電子供与基のレギオ化学的性質は電子特性に影響を与えることができる。たとえば、芳香環系上のアミン基の可変レギオ化学的性質は、レギオ異性体間の導電特性の差をもたらすことができる。
【0021】
適当な電子供与基には、アミン基、水酸基、チオール基及びチオエーテル基が含まれる。アルコキシ基には、酸素を含んでおり1個以上の2重結合又は3重結合を含み得る炭素鎖を1〜6個有するものが含まれており、これらアルコキシ基は直鎖又は枝分かれしており、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。アルコキシという言葉には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ヘキシロキシ、ヘプトキシなどが含まれる。アミン基には、アルキル基により置換された第1級、第2級及び第3級アミンが含まれる。アルキル基には、1個以上の2重結合又は3重結合を含み得る炭素鎖を1〜6個有するものが含まれており、これらアルキル基は直鎖又は枝分かれしており、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。アルキルという言葉には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、cis−2ブチル、trans−2ブチル、ヘキシル、ヘプチルなどが含まれる。
【0022】
導電経路は任意選択で、メチレン(−CH−)基やエチレン(−CH−CH−)基酸素原子、硫黄原子、アミン(−NR−)基(Rは水素、アルキル、または置換されるアルキルである)、アゾミチン(−N=CR−)基(Rは水素、アルキル、または置換されるアルキルである)、イミン(−C(=NR)−)基(Rは水素、アルキル、または置換されるアルキルである)、アゾ(−N=N−)基、アゾキシ(−NO−)基、ヒドラジン(−NH−NH−)基およびそのアルキル置換誘導体、アミジン(−C(=NH)−NH−)基、カルボジイミド(−N=C=N−)基、グアニジン(−NH−C(NH−)=N−)基、ウレア(−NH−C(=0)−NH−)基またはイソウレア(−N=C(OH)−NH−)基、同様な基などのバリア基を含むことができる。これらのバリア基は、導電経路を形成する上述のsp−および/またはsp−混成原子または基の間に直接介在させることができる。このようなバリア基は、導電経路に結合してもよく、あるいは導電経路と電気的に連絡し、同時にそれ自体は導電経路の一部を形成しないようにしてもよい。このようなバリア基は、経路の導電率を不当に制限しないように導電経路への取込みを制限されることが好ましい。一方、このような非sp−またはsp−混成バリア基の選択的な取込みを使用して経路の導電率を微調整することができる。電子吸引基および/または電子供与基は、バリア基のいずれかの側に含めても、あるいは両方の側に含めてもよい。
【0023】
特定の例では、適切な導電経路は、以下の一般的な構造1のようなフェニレンエチニレンで表される有機化合物を含むことができる。
【0024】
【式1】
Figure 2004518268
上式で、XおよびXは独立に選択され、チオアセチル、イソシアノ、シアノ、カルボキシ、ジアゾニウム塩、ホスフィン、ハロゲン化物、水素原子や、テルル、セレン、その他のカルコゲンなどのVIb族原子のような、チオールまたはその他の硫黄含有基であってよく、nは1から5の整数であり、nがゼロである場合、導電経路は置換されるフェニル環および結合基を含む。n1が1より大きい場合、EWGが任意選択で存在する。導電経路内にEWGとEWGの少なくとも一方が存在する。EWGは、nが1より大きい場合、n内の様々なフェニル環ごとに異なるものであってよい。EWGとEWGは互いに独立に選択され、シアノ、イソシアノ、ニトロ、スルフォニル(たとえば、オクチルスルフォニル、フェニルスルフォニル、トリフルオロメチルスルフォニル、ペンタフルオロフェニルスルフィニルなど)、β−カルボキシビニル、スルフィニル(たとえば、t−ブチルスルフィニル、トリスルフィニル、トリフルオロメチルスルフィニル、ペンタフルオロフェニルスルフィニルなど)、β,β−ジシアノビニル、ハロゲン化アルキル(たとえば、トリフルオロメチル、ペルフルオロオクチル、ω−ハイドロペルフルオロドデシルなど)、ホルミル、カルボキシル、カルボニル(たとえば、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、トリフルオロアセチルなど)、アルキル−およびアリルオキシカルボニル(たとえば、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニルなど)、1−テトラゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、カルバモイル(たとえば、ドデシカルバモイル、フェニルカルバモイルなど)、スルファモイル(たとえば、トリフルオロメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、エチルスルファモイルなど)であってよい。
【0025】
一般的な構造1の適切な例は構造2によって示され、この場合、EWGはEWGまたはEWGについて上記のように表される。
【0026】
【式2】
Figure 2004518268
以下に説明するように、これらの分子のうちのどれでも置換することができる。メチレン、エチレン、プロピレン、およびその他の非sp−またはsp−混成原子を含め、任意のフェニル環間、または任意の末端フェニル環上に追加の結合を導入することができる。分子装置の電子特性を妨害するために、たとえば、アルキル基などの導電バリアを導電経路内に配置することができる。たとえば、このような変更された電子特性を使用して共鳴トンネル化ダイオードを製造することができる。バリアを有さないか、あるいは1つまたは複数のバリアを有するか、あるいは2つの接点またはそれより多くの接点を有するか、あるいはこのようなフィーチャの任意の組合せを有する導電経路を合成してもよい。
【0027】
上記の構造1に示す末端基(すなわち、XおよびX)は、上述の接点材料への付着を可能にする結合基である。結合基は、チオアセチル、イソシアノ、シアノ、カルボキシ、ジアゾニウム塩、ホスフィン、ハロゲン化物、水素などの原子や、テルル、セレン、その他のカルコゲンなどのVIb族原子のような、チオールまたはその他の硫黄含有基であってよい。好ましくは、このような結合基のすべてが水素原子とは限らない。場合によっては、導電経路単分子層を形成する際にX基またはX基が排除されることが考えられる。たとえば、ジアゾニウム塩含有経路を使用する場合、導電経路単分子層を形成する際に窒素ガスが放出される可能性がある。ハロゲン化物含有導電経路使用する場合、導電経路単分子層を形成する際にハロゲン元素が除外される可能性がある。
【0028】
結合基は、最低空軌道(LUMO)または導電経路分子と接点材料のフェルミ・レベルとの重なりを最適化するように調整することができる。導電経路と接点との間に共有相互作用、イオン相互作用、またはその他の非共有相互作用を含めることができる。このような場合、水素原子などの基は、接点に最も近い導電経路原子になる。いくつかの実施形態には、ラングミュア・ブロジェット膜の形の導電経路を含めることができ、したがって、このような実施形態は、導電経路のいずれかの末端を接点に共有結合する基を必要としない。
【0029】
このような導電経路の合成には、結合基をマスクする基の合成を含めることができる。たとえば、チオアセチルは、導電経路の接点表面との結合部位として働く保護されたチオールを表す。このような例では、水性テトラヒドロフランに溶かした水酸化ナトリウムを用いてアセチル保護基の除去し、高速に混合することによって、チオール基を生成することができる。あるいはかつ好ましくは、水酸化アンモニウムをその場(in situ)で与えてアセチル基を除去することができる。
【0030】
いくつかの好ましい実施形態では、1つまたは2つのこのような結合基を導電経路内に取り込むことができる。導電経路が一端に1つのこのような結合基を含むことも可能である。
【0031】
単分子層は、分子の集合として配置され、接点の表面を占有することが望ましい。この集合は、数十万個ないし数個の分子から、限界である単一の分子までの範囲であってよい。このような集合によって覆われる接点表面積はナノスケール・サイズ範囲である。すなわち、直径が約1nmから約200nmの範囲である。このような集合は、直径が約1nmから約50nmの接点表面を覆うことが好ましい。多分子集合によって覆われる接点表面積は通常、概ね円形または楕円形である。ただし、正方形や、辺の長さがほぼ等しいか、あるいはかなり異なる矩形のような他の構成も可能である。各集合は、接点表面上に規則的な配列で存在しても、あるいは不規則な配列で存在してもよい。単分子層集合の配列は、ランダム・アクセス・メモリ装置のような典型的な用途に適するようにほぼ規則的であることが好ましい。たとえば、各集合は、数百ナノメートルおき、または数ミクロンおき、最大で数ミリメートルおきに配置することができる。接点または基板表面上の空間を最大限に使用できるように各集合間の空間をできるだけ小さくすることが好ましい。
【0032】
接点
本発明の装置は少なくとも2つの接点を含んでいる。上述の導電経路の各末端に、共有結合、イオン結合、または導電経路との貫通空間相互作用によって接点が形成される。
【0033】
各接点は、導電率の高い材料、または薄い(約10オングストローム未満)絶縁層、すなわち酸化層を有する導電材料で作られている。金属接点を使用することができ、あらゆる金属、特に銅、金、パラジウム、チタン、銀のような、電子機器で一般に使用されている金属が適している。この金属は、適度に平滑であることが好ましいが、そうでない場合には、何らかの有用な形状または表面形状を有する金属でよい。接点は純粋な金属である必要はない。たとえば、接点は、導電率が低い材料の少なくとも一部を横切る方向に付着させた導電率の高い材料の表面であってよい。このような接点を製造する際、電気接点を用意に備えることのできる金属接点を、任意の適切な従来の方法を使用して形成することができる。たとえば、熱蒸着、スパッタリング、レーザ援用付着技術、化学付着技術などの方法によって、シリコン・ウェハなどの基板上に金属を付着させることができる。通常、次いで、当技術分野で公知の方法によって、金属表面上に窒化シリコンや酸化ケイ素などの絶縁層が付着させられる。次いで、分子スケール電子装置を確立することが望ましい位置で絶縁層を選択的に除去することができる。絶縁層の除去は、たとえばフォトリソグラフィやその他の公知の方法によって行うことができる。次いで、このように作製された接点に対して、自己集合単分子層形成、ラングミュア・ブロジェット膜形成、または導電材料の単分子層を確立する他の方法を実行することができる。このような方法の特定の例について以下に説明する。
【0034】
導電経路は、規則正しい単分子層の形で接点上に付着させられる。単分子層の密度は比較的高いことが好ましい。すなわち、導電経路分子を結合するのに利用できる可能な数の部位が接点上に与えられた場合、このような分子によってできるだけ多くのこのような部位が占有される。このような規則正しい単分子層を設ける1つの方法として自己集合単分子層(SAM)法がある。明確に定義された安定で再現可能な金属接点を、自己集合した導電経路単分子層に設けるこのような方法は、たとえば、ZhouらのAppl. Phys. Lett. 71, (1997) 611〜613に示されている。この文献は、引用によって全体的に本明細書に組み入れられる。
【0035】
導電経路の単分子層を設ける他の方法として、ラングミュア・ブロジェット(L−B)膜が形成される。このような膜は、液体表面上に浮遊している導電経路の単分子層を固体基板に移すことによって形成することができる。このような膜では、膜の厚さおよび分子配列を分子レベルで制御することができる。このような膜は、親水性および疎水性の末端を有する導電経路を必要とする。たとえば、カルボキシル酸などの親水基、およびC−C15アルキル基などの疎水基を有する分子を合成することができる。
【0036】
SAMまたはL−B膜を付着させた後、SAM上に接点材料の層が付着させられる。Zhouらの方法は、金属原子の付着物がSAM表面には蓄積するが、有機層を貫通することはないように構成されている。SAM上の接点層を構成する材料は、SAMが付着する材料と同じでも、あるいは異なるものでもよい。
【0037】
各接点は任意の好都合な形状であってよい。用途によっては、金属が被覆されたシリコンのウェハを使用することができる。金属接点は、互いにほぼ平行な表面であってよい。
【0038】
導電経路の合成
一般的な構造1で表される種類の導電経路は、以下のような一般的な合成手順に従って合成することができる。電子吸引基または任意選択で追加される電子供与基でさらに置換することのできるジハロベンゼンを開始材料として使用することができる。たとえば、開始材料は、p−ブロモイオドベンゼンや2−ブロモ−5−イオド−ニトロベンゼンなどの分子であってよい。この材料はSonagashura結合手順などの方法を使用してトリアリル−またはトリアルキルシリルアセチレンに単分子結合することができる。次いで、同じ結合試薬をより高温で使用して、この反応の生成物を、電子吸引基または電子供与基で置換されるかまたは該基による置換を解除されるフェニルアセチレンに結合することができる。炭酸カリウムのような典型的な試薬を用いて末端シリル保護を除去し、生成物を、マスクまたはマスク解除された結合基を含むハロアリルと反応させることができる。このハロアリル基は電子吸引基および電子供与基を含むこともできる。たとえば、このハロアリル基は、p−イオドチオアセチルベンゼンなどのハロチオアセチルベンゼンであってよい。
【0039】
ビフェニル基を含む導電経路は同様に、置換または置換解除されるビフェニル基を二ハロゲン化、たとえば4,4’−二臭素化することによって形成することができる。たとえば、2,2’−ジニトロ−または2,2’−ジシアノビフェニルを開始材料として使用することができる。このような材料をビフェニル環の4−位置および4’−位置でトリアルキルシリルアセチレンに結合することができる。本明細書で説明する一般的な方法によって末端アセチレンを露出させハロアリル基に結合することができる。ハロアリル基は、マスクまたはマスク解除された結合基をさらに含むことができる。
【0040】
このような合成方式は、ヘテロ芳香構造を含む様々なアリル基に適用することができる。たとえば、電子吸引基で置換されるビフェニル基を、ニトロ−ハロ−ピリジン対を銅試薬に結合することによって開始材料として使用することができる。結果として得られた二量体をハロゲン化することにより、上述の結合手順で使用できる生成物が得られる。
【0041】
本明細書で説明する分子装置は有用な電子特性を有している。たとえば、この分子装置は負微分抵抗を有することができ、この特性は少なくとも300Kまでの温度で観測することができる。この分子装置の電流と電圧の関係I(V)を示す曲線は非線形挙動を示すことができる。本明細書で説明する分子装置は、高導電率状態または低導電率状態を記憶することができ、したがって、スタティック・ランダム・アクセス・メモリまたはダイナミック・ランダム・アクセス・メモリとして機能することができる。
【0042】
本明細書で説明する分子装置はメモリ効果を有することができる。この電子装置は、高導電率状態または低導電率状態を記憶することによってメモリ装置として働く。電圧パルスが印加されると、初期状態が摂動状態に書き直される。摂動状態は、やはり電圧パルスである連続する読取りビットによって変更されることのない記憶ビットとして持続する。電子吸引基を有する化合物は、導電経路の近位に結合されると導電率状態を変更する。電子供与基を含む導電経路内または該導電経路に近接する位置に置換基を設けることができる。
【0043】
初期状態は高導電率状態でもあるいは低導電率状態でもよい。たとえばニトロなどの電子吸引基と、たとえばアセトアミドやアミノなどの電子供与基の両方を有する導電経路を含む分子装置は、初期状態が低導電率状態になる。電圧パルスを印加すると、この初期状態が高導電率状態に変換され、この高導電率状態は持続し、装置の状態を読み取るように働くことのできる同じ極性の以後の電圧パルスの影響を受けない。他の例として、ニトロなどの電子吸引基が存在し電子供与基が存在しない導電経路を含む分子装置を作製することができる。何らかの特定の動作理論に制限されることは望まないが、このような装置は、低電位が印加されたときに見掛け上比較的容易に還元され、見掛けの初期状態は高導電率状態になる。標準電圧パルスを印加すると、この見掛けの初期状態が、長期間にわたって持続する低導電率状態に変換される。
【0044】
電流密度が50A/cmである装置の場合、低導電率状態のピーク電流は約50pAから約1pA未満であってよい。同じ種類の装置の場合、高導電率状態のピーク電流は約1nAから約100nAであってよい。したがって、このような装置の導電率のオン−オ比は約200から約1000である。この値は温度に依存し、260Kで約1000程度であってよい。
【0045】
分子スケール装置を使用する電子装置
この分子装置は、本明細書で説明するようにメモリ回路、SRAM回路などの電子装置に取り込むことができる。
【0046】
プログラム可能な分子スケール装置を使用するメモリ回路を図4に示す。この図は、入力23、出力25、およびグランド27を含むメモリ回路21を示している。メモリ素子29は、本明細書で説明するような分子スケール電子装置であり、接点35および37にそれぞれリード線31および33が接続されている。スイッチ39、41、43、および44はたとえば、図を簡単にするためにトグルとして示された、アドレス復号回路によって制御される電解効果トランジスタであってよい。増幅器45および47は、メモリ素子29の抵抗に応じて任意選択である。メモリ素子の抵抗が大きい場合、増幅が必要であると判定することができる。比較器49は、Vref51を有するようにも示されている。
【0047】
メモリにデータを書き込む場合、スイッチ39および41が閉じられ、それによってメモリ素子29が増幅器45を通して入力データに接続される。次いで、各スイッチが開かれる。メモリからデータを読み取る場合は、出力スイッチ43が閉じられ、メモリ素子29が、記憶されている状態が基準電圧51より低いかそれとも高いかを「判定する」比較器49に接続される。比較器49の出力は、この結果に応じて論理「0」または論理「1」である。メモリ状態をリセットする場合は、スイッチ41および44が閉じられる。
【0048】
この回路は、当業者に公知の方法およびアーキテクチャに従ってメモリ・アレイ内で使用することができる。たとえば、入力と出力を別々にチップ表面に接続し格子系を形成することができる。したがって、各メモリ回路のアドレスは一意である。
【0049】
分子スケール装置は、本明細書で接続するようにスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)に含めることもできる。図5は、分子スケール装置で作ることのできるSRAM回路を示している。SRAMセル60は、各々が本明細書で説明する分子スケール装置である負微分抵抗装置61および63を含んでいる。RTDは同じ組成でも、あるいは異なる組成でもよい。2つのNDR装置は、正の供給電圧Vrefとグランドとの間に互いに背面合わせの関係で接続されている。これによって双安定動作を有する回路が形成される。2つのNDR装置のそれぞれのI−V特性が図5にプロットされており、この図において、点線の曲線はNDR1を示し、(Vref,0)で終わる実線の曲線はNDR2を示している。図5に示すように、このように接続された2つの装置は、2つの安定動作点、すなわち、2本の曲線が交差する2つの点、すなわち、NDR領域の上方の点とNDR領域の下方の点とを有する。ノードSNに過度の漏れ電流Ileakageが存在する場合、図のように一方の曲線が上向きに変位される。
【0050】
一方の安定点から他方の安定点への切換えは、ノードSNに負または正の電流を供給することによって行われる。ノードSNから引き出された電流が十分に大きい場合、回路はVSNhighからVSNlowに切り換わる(VSNhigh>VSNlow)。逆に、ノードSNに供給される電流が十分に大きい場合、回路はVSNlowからVSNhighに切り換わる。
【0051】
図6の回路は、書込みFET70によって切換え電流が供給される基本SRAMセルの実施形態を示している。ワード線72線上の信号によって、書込みFET70はビット線74上の信号を双安定回路に書き込み、それによってノードSNの電圧を設定する。ノードSNの電圧によって読取りFET76のゲートが駆動される。負荷として働く他のFET78を有する読取りFET76は、ノードSNの電圧に応じてオンまたはオフになる。オンのとき、Voutの電圧はハイであり、オフのとき、Voutの電圧はローである。
【0052】
図7の回路は、図6の読出し回路が簡単なコンデンサで置き換えられたより簡単なSRAMセルを示している。
【0053】
本発明について以下の実施例で詳しく説明する。これらの実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を制限するものではない。
【0054】
実施例
以下の実施例は、分子装置および該分子装置を製造する方法の特定の実施形態のある利点および特性を示している。まず、ある一般的な手順について説明し、次に特定の実施例について説明する。
【0055】
実施例1:一般的な条件
すべての反応は、特に明示しないかぎり、窒素の雰囲気の下で行った。アルキルリチウム試薬はFMC Corporation(イリノイ州シカゴ)から入手した。ピリジン、ヨウ化メチル、トリエチルアミン、およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を水素化カルシウムで蒸留し、4Åモレキュラー・シーブを介して蓄積した。トルエンおよびベンゼンをCaで蒸留した。塩化メチレンおよびヘキサンを蒸留した。エチルエーテルおよびテトラヒドロフラン(THF)をバンゾフェノンケチルナトリウムから蒸留した。トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンを水素化カルシウムで蒸留した。炉乾燥3Åモレキュラー・シーブを介してメタノール(MeOH)を乾燥させた。HNMRスペクトルをBruker AM−300分光計、WH−400分光計、およびAM−500分光計によってそれぞれ300MHz、400MHz、または500MHzで記録するか、あるいはVarian Mercury 400分光計およびINOVA500分光計によってそれぞれ400MHzおよび500MHzで記録した。13CNMRスペクトルをBruker AM−300分光計、WH−400分光計、およびAM−500分光計によってそれぞれ75MHz、100MHz、または150MHzで記録するか、あるいはVarian Mercury 400分光計およびINOVA500分光計によってそれぞれ100MHzおよび125MHzで記録した。テトラメチルシラン(TMS)からのppmダウンフィールドでプロトン化学シフト(δ)を記録し、77.0−ppm CDCl共鳴を内部基準として使用して(特に明記しないかぎり)13C共鳴を記録した。この共鳴はTMSからのppmダウンフィールドで記録されている。赤外線(IR)スペクトルをPerkin Elmer 1600 Series FTIRによって記録した。25m x 0.25mmD x 0.2mmのAlltechカラム(cat#932525、通し番号9059)を備えたHewlett−Packard GCモデル5890Aによってガス・クロマトグラフィ実験を行った。EM Science社から市販されている230−400メッシュ・シリカ・ゲルを使用して重力カラム・クロマトグラフィ、シリカ・ゲル・プラグ、およびフラッシュ・クロマトグラフィを行った。EM Science社から購入した層厚が0.25mmのシリカ・ゲル60F254がプリコートされたガラス・プレートを使用して薄層クロマトグラフィを行った。Atlantic Microlab, Inc.(P. O. Box 2288, Norcross, GA 30091)に燃焼分析を依頼した。
【0056】
実施例2:末端アルキンをアリルハロゲン化物に結合する一般的な手順
末端アルキンをアリルハロゲン化物に結合する一般的な手順では、Catro−Stephens/Sonogashira Protocol(Sonogashira, K; Tohda.; Y.; Hagihara, N. Tet. Lett. (1975), 4467. Stephens, R. D.; Castro, C. E. J. Prg. Chem. (1963), 28, 3313. Suffert, J.; Ziessel, R. Tetrahedron Lett. (1991), 32, 757. Blum, J.; Baidossi, W.; Badreih, Y.; Hoffmann, R. E.; Shumann, H. J. Org. Chem. (1965), 60, 4738)として知られているパラジウム−銅交差結合プロトコルを利用する。
【0057】
磁気攪拌棒を有する水冷式West凝縮器またはねじ込み口金付き圧力管を備えた炉乾燥丸底フラスコに、アリルハロゲン化物、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(ハロゲン化物当たり3〜5モル%)およびヨウ化銅(I)(ハロゲン化物当たり6〜10モル%)を添加した。いくつかの反応では、パラジウムを溶解状態にするためにトリフェニルホスフィンを使用した。次いで、N雰囲気の下で容器をゴム隔膜で密封した。この時点で、アリルハロゲン化物の可溶性に応じてTHF、ベンゼン、または塩化メチレンの助溶剤系を添加した。次いで、塩基、すなわちトリエチルアミンとN,N−ジイソプロピルエチルアミンのいずれかを添加し、最後に末端アルキン(ハロゲン化物当たり1〜1.5モル%)を添加し、反応が完了するまで加熱した。反応が完了した後、反応混合物を水、NHClの飽和溶液、または食塩水で急冷した。有機層を塩化メチレンまたはEtOで蒸留し、水、NHClの飽和溶液、または食塩水(3x)で洗浄した。結合された水性層を塩化メチレンまたはEtO(2x)で抽出した。結合された有機層をMgSOを介して乾燥させ、真空内で溶剤を除去し、カラム・クロマトグラフィで浄化された粗生成物を得た(シリカ・ゲル)。溶離剤およびその他のわずかな修正については以下に各材料ごとに説明する。
【0058】
実施例3:トリアルキルシリルで保護されているアルキンを脱保護する一般的な手順
トリアルキルシリルで保護されているアルキンを脱保護するために2つの一般的な方法を実施した。第1の方法によれば、シリル化されたアルキンをメタノールに溶かし、炭酸カリウムを添加した。混合物を一晩中攪拌し、その後水中に注ぎ込んだ。酢酸エーテルまたは酢酸エチルによって溶液を抽出し、食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムを介して乾燥させた後、真空内で溶剤を蒸発させ、純粋な生成物を得た。第2の方法によれば、シリル化されたアルキンをプラスチック容器内のピリジンに溶かした。49%のフッ化水素酸とTHFに溶かした1.0Mのフッ化テトラブチルアンモニウムとの混合溶液を室温で添加した。溶液を15分間攪拌し、シリカ・ゲルによって急冷した。混合物を水中に注ぎ込みエーテルを用いて抽出した。抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを介して乾燥させた。濾過後、真空内で溶剤を蒸発させた。粗生成物をシリカ・ゲル上でのフラッシュ・クロマトグラフィによって浄化した。溶離剤およびその他のわずかな修正については以下に各材料ごとに説明する。
【0059】
実施例4:アリルハロゲン化物をアリルチオアセテートに変換する一般的な手順
−78度でエーテル(5mL)に溶かしたt−BuLi(ハロゲン化物当たり2モル%相当)に、アリルハロゲン化物をTHFに溶かした溶液を添加した。このスラリを40分間攪拌し、硫黄粉末(0.26g、8.0mmol)をTHF(10mL)に溶かしたスラリをカニューラを介して添加した。得られた緑色のスラリを1時間攪拌した後、0℃まで暖めた。混合物を再び−78℃に冷却し、塩化アセチルを加えた。結果として得られた黄色い溶液を室温に戻し、1時間攪拌し、その後水で急冷した。混合物をエーテル(3x)を用いて抽出した。結合された有機画分を水(2x)で洗浄し、硫酸マグネシウムを介して乾燥させた。真空内で溶剤を除去し、その後フラッシュ・クロマトグラフィを行って所望の材料を得た。溶離剤およびその他のわずかな修正については以下に各材料ごとに説明する。
【0060】
実施例5: アミノ −4,4 ジフェニルエチニル −5 ニトロ −1− チオアセチルベンゼンの合成
分子スケール装置を作製するうえで有用な機能化された導電経路の合成について以下に説明する。一般的な合成手順は以下の式で表される。
【0061】
【式3】
Figure 2004518268
開始材料、すなわち2,5−ジブロモアセタニリドを合成するために、磁気攪拌棒およびWest凝縮器を備えた500mLの丸底フラスコに、2,5−ジブロモアニリン(1.38g、55.0mmol)、無水酢酸(50mL)、および水(50mL)を添加した。反応混合物を加熱して12時間還流させた。結果として得られた混合物を周囲温度まで冷却し、水中(500mL)に注ぎ込んだ。濾過によって沈殿物を収集し、さらに水によって洗浄した。この反応によって14.25g(収量88%)の2.5−ジブロモアセトアニリドが得られた。
【0062】
2,5−ジブロモ−4−ニトロアセトアニリドを合成するために、磁気攪拌棒を備えた炉乾燥500mL丸底フラスコに、硫酸(50mL)および硝酸(50mL)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。この化合物を合成する際には、環に対して複数のニトロ化が行われ、爆発性の多ニトロ化化合物が生成されることのないように注意しなければならない。2,5−ジブロモアセトアニリド(14.25g、48.65mmol)を添加し、反応混合物を2.5時間にわたって攪拌させた。攪拌が完了した後、反応混合物に氷(300g)を徐々に添加した。反応混合物を濾過し、固形物を収集した。シリカ・ゲルを固定相として使用し塩化メチレンを溶離剤として使用してフラッシュ液体クロマトグラフィによって所望の材料を浄化した。この反応によって、11.27g(収量69%)の2,5−ジブロモ−4−ニトロアセトアニリドが得られた。
【0063】
2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アセトアニリドを合成するために、Pd/Cu−触媒結合反応の一般的な手順を使用した。West凝縮器および磁気攪拌棒を備えた炉乾燥丸底フラスコ中のヨウ化銅(I)(0.17g、0.89mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.25g、0.44mmol)、トリフェニルホスフィン(0.47g、1.78mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.18mL、35.52mmol)、およびTHF(25mL)を使用して、上述のように2,5−ジブロモ−4−ニトロアセトアニリド(3.0g、8.88mmol)をフェニルアセチレン(0.98mL、8.88mmol)に結合した。反応混合物を室温で1時間反応させ、次いで50℃で12時間加熱した。結果として得られた混合物を上述のように水処理した。シリカ・ゲルを固定相として使用し塩化メチレンを溶離剤として使用して重力液体クロマトグラフィによって2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アセトアニリドを浄化した。この反応によって、1.79g(収量56%、第1のクロップ)の所望の生成物を得た。
【0064】
2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アニリンを合成するために、トリメチルシリルで保護されているアルキンを脱保護する一般的な手順を使用した。磁気攪拌棒を備えた100mL丸底フラスコに2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アセトアニリド(0.33g、0.92mmol)、炭酸カリウム(0.64g、4.6mmol)、メタノール(15mL)、および塩化メチレン(15mL)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌させた。反応混合物を水で急冷し、塩化メチレン(3x)を用いて抽出した。各有機層を結合させ、炭酸マグネシウムを介して乾燥させた。真空内で溶剤を除去した。さらなる浄化は必要とされなかった。この反応によって、0.29g(収量100%)の2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アニリンが黄色い固形物として得られた。
【0065】
2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−チオアセチルベンゼンを合成するために、Pd/Cu−触媒結合反応の一般的な手順を使用した。磁気攪拌棒を備えた炉乾燥丸形ねじ込み口金付き圧力管中のヨウ化銅(I)(0.01g、0.03mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.01g、0.02mmol)、トリフェニルホスフィン(0.02g、0.06mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.24mL、1.40mmol)、およびTHF(10mL)を使用して、上述のように2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アニリン(0.10g、0.30mmol)を1−チオアセチル−4−エチニルベンゼン(0.10g、0.56mmol)に結合した。反応混合物を80℃で3日間反応させた。結果として得られた混合物を上述のように水処理した。シリカ・ゲルを固定相として使用し3:1の塩化メチレン/ヘキサンを溶離剤として使用して重力液体クロマトグラフィによって2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−チオアセチルベンゼンを浄化した。さらなるヘキサン洗浄によって、2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−チオアセチルベンゼン0.80g(収量67%)の純粋な黄色い結晶を得た。
【0066】
実施例6: アミノ −4,4 ジフェニルエチニル −5 ニトロベンゼンイソニトリルの合成
イソニトリル付着部分を有する分子スケール装置を、以下に示す式に従って合成した。実施例5に示すように開始材料を作製した。中間体69(2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アセトアニリド)に溶かしたアミン部分を炭酸カリウムおよびメタノールを用いてマスク解除し、その後ホルムアミド支持化合物84とのPd/Cu−触媒結合によって、化合物85(2’−アミノ−4’4−ジフェニルエチニル−1−ホルムアミド−5’−ニトロベンゼン)を得た。この中間体は、大部分の溶剤系に溶けないことが判明し、したがって、次の反応で直接使用した。
【0067】
【式4】
Figure 2004518268
三塩化炭素、トリフェニルホスフィン、トリエチルアミン、および塩化メチレンの存在下でホルムアミドを脱水し、分子スケール装置2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロベンゼンイソニトリルを得た。詳細な合成手順は以下のとおりである。
【0068】
中間体69(2−ブロモ−4−ニトロ−5−(フェニルエチニル)アセトアニリド)を実施例5と同様に合成した。2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−1−ホルムアミド−5’−ニトロベンゼンを合成するために、Pd/Cu−触媒結合反応の一般的な手順を使用した。磁気攪拌棒を備えた炉乾燥丸形ねじ込み口金付き圧力管中のヨウ化銅(I)(0.02g、0.08mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.03g、0.04mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.58mL、3.32mmol)、およびTHF(25mL)を使用して、上述のように2−ブロモ−4−エチニルフェニル−5−ニトロアニリン(69)(0.26g、0.83mmol)を1−エチニル−4−ホルムアミドベンゼン(85)(0.15g、1.006mmol)に結合した。反応混合物を70℃で3日間反応させた。結果として得られた混合物を上述のように水と混合した。シリカ・ゲルを固定相として使用し酢酸エチル/ヘキサンの1:1混合物を溶離剤として使用して重力液体クロマトグラフィによって2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−1−ホルムアミド−5’−ニトロベンゼンを浄化した。シリカ・ゲルを固定相として使用し酢酸エチルの混合物を溶離剤として使用した重力液体クロマトグラフィによってさらなる浄化を行った。この反応によって、不純生成物が0.23g得られた。粗反応生成物を次の合成ステップに回した。
【0069】
2’−アミノ−4’4−ジフェニルエチニル−5’−ニトロベンゼンイソニトリル(86)を合成するために、攪拌棒およびWest凝縮器を備えた炉乾燥100mL丸底フラスコに、2’−アミノ−4’4−ジフェニルエチニル−1−ホルムアミド−5’−ニトロベンゼン(85)(0.04、0.10mmol)、トリフェニルホスフィン(0.09g、0.33mmol)、トリエチルアミン(0.04gmL、0.39mmol)、三塩化炭素(0.03mL、0.31mmol)、および塩化メチレン(10mL)を添加した。反応物を60℃で5時間加熱した。反応混合物を冷却し水で急冷し、塩化メチレン(3x)によって抽出した。各有機層を結合し、MGSOを介して乾燥させた。真空内で揮発分を除去した。シリカ・ゲルを固定相として使用し酢酸エチルを溶離剤として使用した重力液体クロマトグラフィによって粗反応混合物を浄化した。シリカ・ゲルを固定相として使用し塩化メチレン/へキサンの1:1混合物を溶離剤として使用した重力液体クロマトグラフィによってさらなる浄化を行った。この反応によって0.03g(収量83%、2ステップ)の2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロベンゼンイソニトリルが得られた。
【0070】
実施例7: 4− (フェニルエチニル) −2 ニトロ −1 (エチニル)フェニル) −1− (チオアセチル)ベンゼンの合成
このような化合物の電気的性質に対する電子吸引部分の効果を判定するために、ニトロ部分のみを有する材料を合成した。
【0071】
【式5】
Figure 2004518268
その後、2,5−ジブロモニトロベンゼンにトリメチルシリルアセチレンを用いてPd/Cu触媒作用を施し、2,5−ジブロモニトロベンゼンを、ニトロ部分に対してオルト位で反応性の高い臭化物に結合し、次いでフェニルアセチレンに結合して中間体(77)を得た。末端アセチレンを脱保護し、その後1−イオド−4−チオアセチルベンゼン(3)に結合して分子スケール装置(78)を得た。詳細な合成手順は以下のとおりである。
【0072】
1−ブロモ−3−ニトロ−4−(トリメチルシリルエチニル)ベンゼンを合成するために、Pd/Cu触媒結合反応の一般的な手順を使用した。2,5−ジブロモ−ニトロベンゼン(1.37g、4.89mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.17g、0.25mmol)、ヨウ化銅(I)(0.09g、0.49mmol)、および攪拌棒を炉乾燥大形ねじ口金管に付加した。空気を除去し窒素を裏込めした(3x)。次いで、THF(30mL)、Hunigの塩基(3.41mL、19.56mmol)、およびトリメチルシリルアセチレン(0.69mL、4.9mmol)を窒素の下でシリンジを介して添加した。管に口金を取り付け、油浴で70℃に加熱した。18時間後、この反応フラスコを室温まで冷却し、NHCl溶液を用いて急冷した。NHCl溶液および塩化メチレンを使用して有機生成物を抽出した。生成物を分離するのが困難であるため、完全な分離は行わず、結果として得られた混合物を次の反応ステップに回した。
【0073】
1−ニトロ−2−(トリメチルシリルエチニル)−5−(フェニルエチニル)ベンゼンを合成するために、Pd/Cu触媒結合反応の一般的な手順を使用した。塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.14g、0.20mmol)、ヨウ化銅(I)(0.07g、0.40mmol)、および攪拌棒を炉乾燥大形ねじ口金管に付加した。前の反応から得られた反応混合物を小形フラスコ内に配置し、空気を除去し窒素を裏込めした(3x)。蒸留したTHFを使用して窒素の下でフラスコ内の混合物を溶解させ、結果として得られた溶液をシリンジを介してねじ口金管に移した。Hunigの塩基(2.79mL、16.0mmol)およびフェニルアセチレン(0.57mL、5.2mmol)をシリンジを介してねじ口金管に添加した。管に口金を取り付け、油浴で70℃に加熱した。3日後、この反応フラスコを室温まで冷却し、NHCl溶液を用いて急冷し、塩化メチレンを用いて抽出し、濃厚な赤茶色の油を得た。カラム・クロマトグラフィ(シリカ・ゲルを使用し、2:1のヘキサン/塩化メチレンを溶離剤として使用する)によって所望の生成物(0.172g、収量26%)が得られた。
【0074】
1−ニトロ−2−(エチニル)−5−(フェニルエチニル)ベンゼンを合成するために、トリメチルシリルで保護されているアルキンを脱保護する一般的な手順を使用した。炭酸カリウム(0.36g、2.6mmol)、メタノール(10mL)、および塩化メチレン(10mL)を使用し上述の手順を介して、1−ニトロ−2−(トリメチルシリルエチニル)−5−(フェニルエチニル)ベンゼン(0.17g、0.53mmol)によって保護されている末端アルキンを脱保護した。丸底フラスコ内の混合物を室温で2時間攪拌した。生成物を抽出し、その後前述の手順を行って、0.128gの所望の生成物を得た。この生成物は直ちに次のステップで反応させた。
【0075】
4−(4’−(フェニルエチニル)−2’−ニトロ−1’−(エチニル)フェニル)−1−(チオアセチル)ベンゼンを合成するために、Pd/Cu触媒結合反応の一般的な手順を使用した。窒素の下で炉乾燥ねじ口金管内の塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.19g、0.026mmol)、ヨウ化銅(I)(0.01g、0.05mmol)、THF(30mL)、およびHunigの塩基(0.367mL、2.10mmol)を使用し前述のPd/Cu交差結合方法によって、1−ニトロ−2−(エチニル)−5−(フェニルエチニル)ベンゼン(0.13g)を4−チオアセチル−イオドベンゼン(0.19g、0.68mmol)に結合した。管を60℃の油浴内で23時間攪拌した。次いで、管を室温まで冷却し、前述のように急冷し抽出した。カラム・クロマトグラフィ(シリカ・ゲルを使用し、1:1のヘキサン/塩化メチレンを溶離剤として使用する)によって所望の生成物(0.040g、2つのステップによる収量18.8%)が得られた。
【0076】
実施例7:分子電子装置の I(V) 特性
本明細書で説明する特定の分子について負微分抵抗(NDR)を調査した。
【0077】
装置製造用の開始基板は、低圧化学蒸着(LPCVD)によって50nmの低応力Siを付着させた、厚さが250μmの両面研磨シリコン(100)ウェハであった。裏面において、光学リソグラフィおよび反応性イオン・エッチング(RIE)によって400μm x 400μm四方の部分の窒化物を除去した。露出されたシリコンを配向依存異方性エッチング液(85℃の35%KOH溶液)で上面までエッチングし、浮遊する40μm x 40μmの窒化ケイ素膜を残した。電子ビーム・リソグラフィおよびRIEによって、大きさが30nm〜50nmの単一の穴を膜に形成した。歪んだ形状のために、RIE速度が大幅に低下し、したがって、遠い側の開口部が実際にパターン化されたよりもずっと小さくなり、それによって断面が皿状になった。厚さが200nmの金の接点を膜の上面に蒸着させ、該孔を金で満たした。次いで、このサンプルを直ちに2’−アミノ−4−エチニルフェニル−4’−エチニルフェニル−5’−ニトロ−1−(チオアセチル)ベンゼン(0.5mM、THFに溶かしてある)および水酸化アンモニウム(1−(チオアセチル)ベンゼン1mg当たり5μL含有)の溶液中に移し、アルゴンの不活性雰囲気の下で48時間にわたって自己集合を起こさせた。次いで、サンプルをすすぎ、迅速に真空室に入れ、底部金電子蒸着用の液体窒素冷却段上に取り付け、77Kで毎秒1Åの速度で200nmの金を蒸着させた。次いで、各装置を個々のチップにダイシングし、パッケージング・ソケット上に結合し、可変温度低温槽(Janis)に入れ、HP4145半導体パラメータ分析器を用いて測定した。
【0078】
孔を含まない窒化ケイ素膜、および孔を含むが導電経路を含まない膜を使用して、SAM内の、アルカネチオルから誘導された導電経路に対して、一連の対照実験を行った。金−アルカネチオレート−金と金−窒化ケイ素膜−金は共に、室温と低温(60K)の両方で両方のバイアス極性について装置の雑音限界の電流レベル(1pA未満)を示した。ニトロ官能性もアミン官能性も有さない導電経路のSAMを含む装置は、同様な実験条件の下で不微分抵抗挙動を示さなかった。
【0079】
図8は、金−(2’−アミノ−4−エチニルフェニル−4’−エチニルフェニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンエチオール)−金分子電子装置のI(V)特性のプロットである。測定は60Kで行った。バイアス掃引方向を変化させると、電流と電圧の関係を示すプロットは完全に逆になった。正バイアスは、導電経路のチオール末端への正孔注入、蒸着された接点末端からの電子放出に対応する。ピーク・バリー比(PVR)は10を超える。この性能は、典型的な固体量子井戸共鳴トンネル化ヘテロ構造で観察される性能よりも優れている。このような装置の固有PVRは、窒化ケイ素中の典型的な漏れ電流のために、ここで報告されたPVRよりも高くなる可能性がある。
【0080】
図9は、Au−(2’−アミノ−4−エチニルフェニル−4’−エチニルフェニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレート)−Au装置のI(V,T)特性を示している。この装置は、図9に示す、温度に対するピーク電圧位置および電流の大きさのシフトを示した。
【0081】
実施例8:分子電子装置における高導電率メモリ効果の観察
化合物2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートを、金と接触するナノ孔に、実施例7で説明したように取り込んだ。最初は低導電率状態であったが、電圧パルスを印加すると高導電率状態に書き直された。
【0082】
図10は、初期(「0」として定義されている)と書込みパルスの後(「1」として定義されている)の、200KでのAu−(2’−アミノ−4’4−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレート)−AuのI(V)特性と、2つの状態間の差(「1」−「0」として定義されている)とを示している。これらの特性を低バイアス・高温度条件の下で測定した。正のバイアスは、チオール−金接点からの正孔放出に対応する。最初に正の電圧によって調べると、装置は低導電率状態を示す。その後の正の掃引によって、高導電率状態を示し、I(V)特性は前の値(「1」)と同一になる。装置のバイアスを逆バイアス方向に掃引すると、IVは同様に、最初の(この場合は「0」)I(V)特性にリセットされる。この特性は高精度に繰り返し可能であり、装置の劣化は観察されない。
【0083】
図11は、時間の関数としての、この系(Au−(2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレート)の差特性(「1」−[0])を示している。ピーク電流差は、調査した範囲にわたって温度の上昇に対して概ね線形に減少する。
【0084】
実施例9:ビット保持時間
実施例7のAu−(2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレート)−Au装置をプログラムした後、記憶されている高導電率状態を様々な時間間隔で測定することによって、固有ビット保持時間を得た。図12に示すように、最初の書込みビット掃引の後、記憶されている状態「1」のピーク電流は、260Kで790秒の時定数(τ)による指数関数形崩壊を示す。様々な温度でビット保持時間を測定すると、図13に示す活性化挙動を示す、1/Tの指数関数的依存性が得られる。この挙動はτ=τ(Ea/kT)によって表される。このバイアス方式による活性化エネルギーは、この系の場合約76±7meVであることが分かった。
【0085】
実施例 10 :分子電子装置における低導電率メモリ効果の観察
化合物4,4’−ジフェニルエチニル−2’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートを、金と接触するナノ孔に、実施例7で説明したように取り込んだ。最初は高導電率状態であったが、電圧パルスを印加すると低導電率状態に書き直された。
【0086】
図14は、60Kでのシステムにおけるこの状態の記憶を示している。図15は、300Kでのこの記憶を示している。「0」状態と「1」状態が一定量の約150pAだけ異なる窓は約5Vであり、十分に分離されたしきい値が得られる。前述のように、その後の読取りパルスおよびリセット・パルスによって、同様にI(V)特性が回復された。300Kでは、熱活性化がある非零「0」電流に寄与する。ただし、各しきい値は依然として十分に分離されている(200pAから500pAの間)。図の設定値(「0」の場合の約1.5Vおよび約500pAと、「1」の場合の約1.5Vおよび約100pA)は、以下に実施例11で説明する回路の動作点である。
【0087】
実施例 11 :分子論理図
図16は、分子スケール電子装置を使用して周囲温度で動作するランダム・アクセス・メモリ(RAM)セルを示す測定論理図である。化合物4,4’−ジフェニルエチニル−2’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートを、金と接触するナノ孔に、実施例7で説明したように取り込んだ。記憶されている導電率を標準電圧規約に変換するために、装置の出力を抵抗器の両端で低下させ、比較器(図15に示す値に設定されている)に送り、反転させ、読取りパルスによってゲートさせた。図16に示す上部トレースは、装置に加えられた入力波形であり、下部トレースはRAMセルの出力である。第1の正のパルスは、ビットを書き込むことによってセルの状態を構成し、第2および第3の正のパルスはセルを読み取る。第3のパルス(およびその後に続く読取りパルス(図示せず))は、RAMセルがロバストであり、この温度でビット保持時間の限界まで状態を保持し続けることを示す。負のパルスはビットを消去し、セルをリセットする。第2の1組の4つのパルスはこのパターンを繰り返し、性能が劣化することなしに、何時間もの連続的な動作が観察された。
【0088】
実施例 12 :室温 NDR の観察
図17は、300Kでの金−(−4−エチニルフェニル−4’−エチニルフェニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレート)−金分子電子装置のI(V)特性のプロットである。ピーク・バリー比(PVR)は、実施例7に示す化合物のPVRよりも低いが、NDR挙動は低温から持続した。
【0089】
この装置のピーク電流密度は16A/cmよりも高く、NDRは−144mΩcm未満であり、PVRは〜1.5:1である。図18は、190Kでの同じ装置のI(V)特性を示している。NDRピークはより鋭く、PVRは約4:1である。この系の還元電位差は、I(V)ピークの幅にも概ね等しい。
【0090】
実施例 13 :分子スケール装置の循環ボルタンメトリー
Ag/AgNO基準電極、およびジメチルホルミドとIM n−テトラブチルアンモニウムフロラボレートの溶剤系と、100mV/sec.の走査速度を使用するBAS CV−50W電圧電流分析器によって室温で4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートの循環ボルメントリー測定を行った。図19は、化合物4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートの第1および第2の還元電位がそれぞれ、1.68Vおよび2.33Vである循環ボルタンメトリー還元曲線を示している。
【0091】
図20は、還元電位のピーク値がそれぞれ、1.4Vおよび2.2Vである2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−ベンゼンチオレートの電圧電流曲線を示している。還元電位差はI(V)ピークの幅と概ね一致する。2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−ベンゼンチオレートが4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートよりも容易に還元される(2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−ベンゼンチオレートの還元電位は4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートよりも0.3V低い)ため、2’−アミノ−4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−ベンゼンチオレートでは室温NDRが観察されるが4,4’−ジフェニルエチニル−5’−ニトロ−1−ベンゼンチオレートでは観察されない。
【0092】
他の実施形態
本発明をその詳細な説明によって説明したが、上記の説明が例示のためのものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、および修正も添付の特許請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
特定の分子装置の概略図である。
【図2】
基板に形成された孔および接点材料を示す、図1の分子装置の拡大図である。
【図3】
分子が接点間に導電経路を構成している状態を示す、図1および図2の分子装置の別の拡大図である。
【図4】
特定の分子装置を使用するメモリ回路の概略図である。
【図5】
背面合わせ負微分抵抗装置を使用するSRAMセルの概略図である。
【図6】
利得を含む背面合わせ負微分抵抗装置を使用する基本SRAM回路の概略図である。
【図7】
利得を含まない背面合わせ負微分抵抗装置を使用する基本SRAM回路の概略図である。
【図8】
特定の分子装置の電流と電圧の関係を示すプロットである。
【図9】
特定の分子装置の電流と電圧の関係を示すプロットである。
【図10】
初期状態および書込み状態を含め、特定の分子装置の電流と電圧の関係を示すプロットである。
【図11】
図10で接続する、初期状態と書込み状態との差のプロットである。
【図12】
ビット保持時定数(τ)を示す、電流と時間の関係として測定されたビット保持のプロットである。
【図13】
活性化エネルギーを示すτの温度依存性のプロットである。
【図14】
60Kでの特定の分子装置の記憶状態および初期/消去状態の電流と電圧の関係を示すプロットである。
【図15】
300Kでの特定の分子装置の記憶状態および初期/消去状態の電流と電圧の関係を示すプロットである。
【図16】
特定の分子装置のメモリ特性を示す測定論理図である。
【図17】
300Kでの特定の分子装置の電流と電圧の関係を示すプロットである。
【図18】
190Kでの特定の分子装置の電流と電圧の関係を示すプロットである。
【図19】
特定の分子装置の循環電流電位曲線である。
【図20】
特定の分子装置の循環電流電位曲線である。

Claims (26)

  1. 電子装置であって、
    少なくとも2つの接点と、
    前記接点の間に導電経路を形成する導電有機材料の単分子層とを備え、前記導電経路が、少なくとも1つの電子吸引基を含む電子装置。
  2. 前記装置が、高導電率状態および低導電率状態を有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記装置が、前記高導電率状態と前記低導電率状態との間で繰り返し切換え可能である、請求項2に記載の装置。
  4. 前記低導電率状態の電流が約100pA未満である、請求項2に記載の装置。
  5. 前記低導電率状態の電流が約1pA未満である、請求項4に記載の装置。
  6. 前記高導電率状態の電流が前記低導電率状態より少なくとも約200倍大きい、請求項2に記載の装置。
  7. 前記高導電率状態の電流が前記低導電率状態より少なくとも約500倍大きい、請求項6に記載の装置。
  8. 前記高導電率状態の電流が前記低導電率状態より少なくとも約1000倍大きい、請求項6に記載の装置。
  9. 前記電子吸引基が、シアノ、イソシアノ、ニトロ、スルフォニル、β−カルボキシビニル、スルフィニル、β,β−ジシアノビニル、ハロゲン化アルキル、ホルミル、カルボキシル、カルボニル、アルキルオキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニル、1−テトラゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、カルバモイル、およびスルファモイルから成る群から選択される、請求項1に記載の装置。
  10. 前記電子吸引基が、シアノ、イソシアノ、およびニトロから成る群から選択される、請求項9に記載の装置。
  11. 前記電子吸引基が、導電経路内でフェニル環に結合される、請求項1に記載の装置。
  12. 少なくとも1つの電子供与基をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  13. 前記導電経路が原子を備え、前記原子の少なくとも70%がsp−またはsp−混成原子である、請求項1に記載の装置。
  14. 前記導電経路が、交互に配置されたエチニル基およびアリル基を備える、請求項1に記載の装置。
  15. 前記導電経路が少なくとも1つのフェニル−エチニル結合を備える、請求項14に記載の装置。
  16. 少なくとも1つの前記フェニル基が電子吸引基で置換される、請求項15に記載の装置。
  17. 前記導電経路が、前記導電経路を前記接点に結合する結合基をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  18. 前記結合基が、硫黄原子、酸素原子、シアノ、カルボキシ、ジアゾニウム塩、ハロゲン化物、イソシアノ、ホスフィン、ならびにテルル原子およびセレン原子から成る群から選択される、請求項17に記載の装置。
  19. 前記導電経路がビフェニル基を備える、請求項1に記載の装置。
  20. 前記導電経路がエテニル基を備える、請求項1に記載の装置。
  21. 電子装置であって、
    少なくとも一方の接点がパラジウム接点である2つの接点と、
    フェニル−エチニルで置換されるフェニル−エチニル−フェニル結合を前記接点間に備える導電有機分子の自己集合単分子層とを備え、前記置換されるフェニルが少なくとも1つのニトロ基を含み、前記有機分子が、前記結合の末端フェニル上で少なくとも1つのイソシアノ基によって前記パラジウム接点に結合される電子装置。
  22. メモリ回路であって、
    a)入力と、
    b)出力と、
    c)分子電子装置とを備え、前記装置が、少なくとも1つの接点と、
    前記接点間に導電経路を形成する導電有機材料の単分子層とを備え、前記導電経路が、少なくとも1つの電子吸引基を含み、1つの接点が前記入力と前記出力を橋絡させており、他の接点が接地されており、前記メモリ回路が、
    d)前記入力と前記出力を橋絡させており、基準電圧と電気的に連絡している比較器をさらに備えるメモリ回路。
  23. 請求項22に記載の複数のメモリ回路を備え、前記メモリ回路が、アドレス指定可能なアレイ状に配置されているメモリ・アレイ。
  24. スタティック・ランダム・アクセス・メモリ・セルであって、少なくとも第1および第2の分子電子装置を備え、前記装置がそれぞれ、少なくとも2つの接点と、前記接点間に導電経路を形成する導電有機材料の単分子層とを備え,前記導電経路が少なくとも1つの電子吸引基を含み、前記第1の装置が、基準電圧に接続された接点と、ノードに接続された他の接点とを有し、前記第2の装置が、グランドに接続された1つの接点と、前記ノードに接続された他の接点とを有し、前記ノードがさらにグランドに接続されているスタティック・ランダム・アクセス・メモリ・セル。
  25. 前記セルが利得構成要素をさらに備える、請求項24に記載のメモリ・セル。
  26. 室温で負微分抵抗を有する、請求項1に記載の装置。
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