JP2004517378A - 出荷および輸送を最適化するシステムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
要約書なし。
Description
【0001】
[関連出願]
本願は、2000年7月13日付で出願された米国特許仮出願第60/218,640号の優先権を請求するものであり、参照によってこの仮出願の開示全体を本明細書に援用する。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、サプライチェーン管理システムおよびサプライチェーン内のプロセスに見込まれる利潤および費用に基づいてサプライチェーン決定の最適な費用最小化集合を求める方法に関する。
【0003】
[発明の背景]
今日のビジネス環境では、新規ビジネスを拡張する機会ならびに既存のビジネスを最適化する機会が開かれている。同時に、ビジネスは下がる一方の価格および減益も同時に経験している。利益最大化および費用最小化のために製品、顧客、製品寿命サイクル、およびロケーションによる経時にわたる世界的な取引網を設計し最適化する良好に管理されたサプライチェーンが極めて重要である。この目標に向けて、ビジネスは大量の管理資源を費やして、サプライチェーンコストを最小化し、かつ利益を最大化する、最適なビジネスネットワーク設計およびポリシー決定を求めている。
【0004】
しかし、近代経済の複雑かつ変化し続ける性質により、ビジネスがサプライチェーンをモデリングし最適に管理することが難しいことが多い。限られた資源、世界的な供給者、多段階ネットワーク、および国際取引要件の平衡をとるネットワーク設計およびポリシーを作成する能力を欠くことは、数多くの非効率性をもたらす。これら非効率性としては、不良な資産活用、不必要な関税料金および遅延、ならびにキャッシュフローの低下が挙げられる。
【0005】
企業のサプライチェーン管理を支援するため、企業は、供給者および原料の調達についての情報を自動的に得ることができる。例えば、Electronic Sourcing SystemについてJohnson他に発行された米国特許第6,023,683号および第6,055,516号は、ベンダー製品カタログから入手可能なカタログ品目に関連する製品情報(製品識別コードおよび記述的な情報等)を含むデータのカタログデータベースを維持するコンピュータと、少なくとも1つの要請された品目を含む要請書を構築(生成)する手段と、を提供する。要請が望まれる品目を少なくとも部分的に識別する情報は、ユーザによって入力され、情報に整合するカタログ品目を求めてデータベースを探索し、探索の結果見つかった少なくとも1つのカタログ品目を選択する手段によって利用される。カタログ品目を説明するテキストおよび品目の画像を見ることができる。選択されたカタログ品目を識別するデータは要請構築手段に伝達され、要請構築手段は、選択されたカタログ品目に対応する品目のエントリを含む要請書を生成する。システムは、1箇所または複数箇所の在庫ロケーションでの対応する所望のカタログ品目の可用性をチェックし、品目を格納している在庫ロケーションから所望の品目の1つまたは複数の購入注文書を生成する。
【0006】
サプライチェーンの管理をさらに支援するために、ビジネスは既知のソフトウェアを使用して、顧客/小売店への製品の配送を自動的に管理することができる。例えば、System And Method For Allocating Manufactured Products To SellersについてKennedy他に発行された米国特許第6,176,380号は、顧客要求の遂行を管理するソフトウェアシステムを提供する。ソフトウェアシステムは、異なる一般製品をそれぞれ表す複数の一般製品モデルを含む。各一般製品モデルは、複数の可能な構成要素のうちの一構成要素を指定する。複数の特定の製品モデルはそれぞれ特定の製品を表し、特定の製品のすべての構成要素をそれぞれ指定する。各特定製品モデルによって指定される各構成要素は、一般製品モデルの1つによって指定されるため、各特定製品モデルは、一般製品モデルの部分集合に関連する。次いで、特定の製品の利用可能な在庫により、または関連する一般製品の利用可能な在庫により、特定の製品に整合する顧客要求を満たすことができる。加えて、販売業者階層中の組織が、製品を獲得し、先着順サービス製品を指定することができる。組織はまた、予測された製品が実際にいつ入出可能かを指定する時間枠ホライズンを定義することも可能である。さらに、組織は、自動割り当てポリシーを使用してメンバに割り当てることができ、またいくつかの予測エントリを利用可能な在庫がないものと指定することができる。
【0007】
ビジネスのサプライチェーン管理をさらに支援するために、技術的現状では、サプライチェーンの特定の要素または限られた側面を電子的にモデリングすることがさらに知られている。例えば、Method and Apparatus For Collaboratively Managing Supply ChainsについてBhaskaran他に発行された米国特許第6,157,915号は、情報および決定サポートツールを送り、サプライチェーンプロセス内のコミュニティのロールプレイヤーに協働的動的意思決定能力を提示するオープンアーキテクチャフレームワークでの能動的な協働技術を提供する。総合的な協働動的意思決定能力は、ビジネスプロセス、ロールプレイヤーの編成、および関連ビジネス応用の統合を通して可能になる。このようにして、サプライチェーン内で動作するいくつかのビジネスの動作を統合することができる。
【0008】
同様に、System And Method For Extended Enterprise Planning Across A Supply ChainについてBellini他に発行された米国特許第5,974,395号は、サプライチェーンにわたって拡張された企業プランニングシステムを提供する。システムは、需要企業および供給企業に取引実行システムレイヤを含む。第1および第2の連合電子プラニング相互交換レイヤが、取引実行システムレイヤにデータ仕様フォーマットおよび外部通信インタフェースを提供する。サプライチェーンのプラニングを実行するように動作可能なサプライチェーンプラニングエンジンは、データ仕様フォーマットおよびお外部通信インタフェースをサプライチェーンプラニングエンジンに提供する第3の連合電子プラニング相互交換レイヤと通信する。データアクセス/転送レイヤが、第1、第2、および第3の電子連合プラニング相互交換レイヤの間を相互に接続し、情報を転送できるようにする。よって、サプライチェーンプラニングエンジン、第1の取引実行システム、および第2の取引実行システムは、サプライチェーンプラニングエンジンがサプライチェーンにわたって拡張され、制約に基づいた企業プラニングを提供するために使用することのできるデータをやりとりすることが可能である。
【0009】
また、Methodology And Computer−Based Tools For Re−Engineering A Custom−Engineered Product LineについてNickに発行された米国特許第6,009,406号に記載のように、注文の内の特定の割合の予定通りの配送を保証する等、サプライチェーンを顧客のニーズをよりよく満たすように設計する方法論も知られている。この方法では、顧客インタビューを含む製品ラインの深く掘り下げた検討を行い、顧客のニーズよりも複雑な顧客の仕様を識別する。顧客のニーズは数量化され、実際の顧客ニーズに基づく顧客注文のうちのある割合を、標準製品構成クラスで満たすことができ、残りの注文をカスタム設計で満たすことができるように、標準製品構成クラスという縮小した集合が選択される。標準製品の主要な構成要素自体が標準化される。標準製品の製造は、1日製造サイクルについて最適化され、カスタム設計製品の製造から切り離される。販売オフィスおよび製造工場のロールアウトスケジュールは、コンピュータベースの表計算ツールで実施され管理される。製品構成コンピュータプログラムモジュールが、製品セレクタおよび材料管理(MRP)システムとの間でインタフェースされ、注文入力、標準製品指定、パーツの注文、および標準製品アセンブリのスケジューリングのプロセスを自動化する。
【0010】
サプライチェーンを特定の状況についてモデリングすることも当分野において知られている。例えば、Computer−Implemented Product Development Planning MethodについてCherneff他に発行された米国特許第6,243,493号は、開発中の新製品についてサプライチェーンをプラニングするコンピュータ実施システムを提供する。より具体的には、システムは、提案された製品および該製品の開発に用いられるタスクおよび資源に関してビジネス企業をモデリングする。このシステムでは、遺伝的アルゴリズムおよび制約エンジンから構成される最適化エンジンがモデルに対して動作して、候補製品ポートフォリオおよびスケジュールを構築する。各スケジュールが評価され、各スケジュールを使用して、遺伝的処理に従って改良された候補ポートフォリオが生成される。このプロセスが続けられて、利益最大化等目的基準に関して測定された製品優先順位付けおよびパイプラインスケジュールを改良する。
【0011】
それでも、より理想的なサプライチェーン管理システムおよび方法論がなお必要とされている。特に、より理想的な供給管理ソリューションは、正確な時間位相図を提供して、最適な設計およびポリシー決定の実行をサポートする。より理想的なサプライ管理ソリューションは、利益性の高いビジネス戦略を求めるために取引網含意をモデリングすべきである。具体的には、理想的なサプライチェーン最適化ツールは、所与のサプライチェーンを評価して、このサプライチェーンに最適な構成を求めるべきである。既知のサプライチェーン管理ツールは、代わりに、サプライチェーンの最適な作成についての問題に対処し、既存のサプライチェーンの日々のオペレーションを支援することはできない。サプライチェーンまたはネットワークに最適なビジネス戦略を求める際、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、最適な在庫レベル、ネットワークにわたる適切な製品混合、最適な製造、格納および流通ロケーション、最適な調達プランとレーン量、適切な季節プレビルド、および顧客サービスレベルを含む多くの要因を調べるべきである。
【0012】
ビジネス戦略形成の際、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、これら多くかつ複雑なビジネス要因を鑑みて、洗練された最適化技法を使用すべきである。特に、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、上記または他の既知のネットワーク最適化ツールとは異なり、多次元の時間、ロケーション、製品、顧客、コスト、および利益に対処すべきである。より理想的なサプライチェーン管理ツールは、利益、時間位相化された需要および供給、固定費用、変動費用、変化する輸送および製造のリードタイム、ならびに関税および付加価値税等の世界的な制約の平衡を同時にとる洗練された最適化技法を使用すべきである。
【0013】
加えて、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、柔軟な測定単位および複数の通貨の能力に備えるだけではなく、ポリシーおよび決定推奨が国際的な取引規定および局所的な内容物コンプライアンスを考慮しなければならいことを認識する取引網の世界的な図を提供すべきである。したがって、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、グローバルネットワーク設計およびネットワークポリシーを最適化するとともに、世界的な顧客、供給者、契約相手、およびサイトを統合することによって、より利益性の高い時間位相化されたサプライチェーン戦略を求めるべきである。これら機能を実行する際、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、世界的な取引コストを低減するために、国際取引ロジスティックスを考慮すべきである。
【0014】
全体的に、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、正確なネットワーク表現およびソリューションを保証するために、詳細なモデリング能力を含むべきである。より理想的なサプライチェーン管理ツールはさらに、サプライチェーンの地理的変更による、またはサプライチェーン内の商品および資源の置換によるコストおよび利益の変化を計算すべきである。より理想的なサプライチェーン管理ツールは、複数の代替を比較することによって資産の活用も向上すべきでもある。同様に、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、製品混合および季節的なプレビルドをシミュレートして、適切な顧客サービスレベルを提供すべきである。
【0015】
[発明の概要]
これらおよび他の必要性に応えて、本発明は、最適なサプライチェーン構成を求めるのに有用な供給管理システムおよび方法を提供する。本発明の方法内で、ユーザはサプライチェーンモデルをセットアップし、最適のための条件を指定し、サプライチェーンモデルを最適化し、最適なサプライチェーンを解析し、サプライチェーンモデルを微調整する。
【0016】
ユーザは、様々な情報を提供することによってサプライチェーンモデルを確立する。例えば、ユーザは、工場、流通センタ(DC)、供給者、および顧客等のサプライチェーンにおけるロケーションについての情報を指定することができる。同様に、ユーザは、ロケーションを結ぶ輸送網を定義するレーンを指定することもできる。ユーザはさらに、原材料、仕掛品(WIP)すなわち未完成品、および完成品等のサプライチェーンにおける品目を識別することができるとともに、異なるロケーションにおける品目を識別するために使用される在庫商品識別番号(SKU)を定義することができる。ユーザは、サプライチェーンにおけるロケーションおよびレーンで発生する様々な購入、ソース、および製造のプロセスを定義することができる。ユーザはまた、労働力、機械、製造、在庫、インハンドリング、アウトハンドリング、輸送、および特別輸送等サプライチェーンのプロセスにおいて使用される資源を指定することができる。これら資源を定義する際、ユーザはさらに、積層値付けを指定する、または各ロケーションに最大ソース数を指定することができる。ユーザはまた、プロセスおよび資源にハード制約およびソフト制約を定義することもできる。税金および国際的なロケーションに関連する情報もまた指定しうる。
【0017】
サプライチェーンモデルを確立した後、ユーザはさらに、ユーザがサプライチェーンモデルを変更し、次いでこの変更の影響を評価するシナリオを定義することができる。次いでユーザは、サプライチェーンモデルに対する最適な解を見つけるための最適化条件を定義する。通常、これら目標は、費用の最小化または利益の最大化である。
【0018】
次いで、サプライチェーンが積層値付けまたはロケーションの最大ソース数を含まない場合、線形計画法を用いてサプライチェーンが最適化される。サプライチェーンが積層値付けを含む場合、ネットワークは混合整数計画法およびヒューリスティックを使用して最適化される。より具体的には、ヒューリスティックが逐次線形計画法を採用して、可能な最適な解を見つけ、局所探索して様々な可能な最適解を評価する。ユーザがロケーションに資源を提供する最大ソース数を指定した場合にも、同様の技法を採用しうる。
【0019】
別の実施の形態では、本発明は、このサプライチェーン最適化方法を実施するシステムをさらに含む。
【0020】
本発明のこれらおよび他の利点は、全体を通して同じ参照符号が対応する部分を表す添付の図面および付随するテキストにおいてより完全に説明される。
【0021】
[好ましい実施の形態の詳細な説明]
概して図1および図10〜図11に示すように、本発明は、サプライチェーン管理方法100および関連するサプライチェーン管理システム1000を提供して、ユーザが戦略および戦術レベルで全体的なサプライチェーンを管理するのを助ける。本発明は、戦略的および戦術的双方のプラニングの質問に答えを出すことができる。戦略的レベルでは、本発明は、ユーザが新しい設備についての代替をまたは資本支出についてのプランをシミュレートするのを助けることができる。戦術レベルでは、本発明は、とりわけ、ユーザが供給者、工場、および流通センタの最適なネットワークを決定し、最小コストあるいは最大利益に基づいて工場生産能力、クリティカルな材料、および労働力を管理する最良の戦略を求め、ネットワークを通しての在庫移動について最良の戦略を求め、顧客配送時間要件を満たすためにはどのような変更が必要かを判断する。
【0022】
これら質問に対処するために、本発明は、サプライチェーンの変更の長期影響(すなわち、先の12〜18ヶ月)を予測することによって、いくつかの将来についてのクリティカルな決定を行う際にユーザを助ける。例えば、本発明は、ユーザの製品に対する需要の増大を予測することにより、新規製造工場を開く影響をユーザが予測できるようにする。同様に、本発明は、ユーザが不良であり過去ほど大量に取り扱っていない流通センタの閉鎖等、サプライチェーンの要素除去の結果を予測することを助ける。このようなサプライチェーンの変更は、サプライチェーンの他の要素に影響を及ぼし、サプライチェーンへの他の変更を必要としうるため、非常に複雑である。例えば、1つのロケーションを閉鎖すると、流通および輸送を再度ルーティングする必要がありうる。
【0023】
本発明はまた、ユーザがサプライチェーンへの変更の短期(この先3〜12ヶ月等)の影響を見ることを助け、よってユーザがユーザサプライチェーン内のより新しい戦術的なアクティビティについてよりよい決定を行うことができる。例えば、ユーザが新規製造工場を開いた場合、本発明は、近い将来の製造数量、新規工場と流通センタとの間の出荷数量、その工場におくべき在庫、最小コストまたは最大の利益性の顧客サービスポリシー等を求める際にユーザを助けることができる。
【0024】
さらに将来に後述するように、図1に示すサプライチェーン管理方法100は、ネットワーク最適化および設計の重要な役割を果たす。サプライチェーン管理方法100は、サプライチェーンの最も費用効率的または利益最大化する構造につながる長期供給者関係、工場および流通センタロケーション、輸送レーン、顧客への配送時間、および在庫戦略の正しい組み合わせをユーザが見つけることを助ける。したがって、サプライチェーン管理方法100は、原材料購入、製品製造、および完成品のユーザ顧客への配送等、ユーザがサプライチェーンをより効率的に計画することを助ける。サプライチェーン管理方法100は通常、コストを最小化する、または利益を最大化するサプライチェーンを設計し実施するに当たりユーザを助ける。
【0025】
図1に戻り、ユーザは、サプライチェーンモデルをセットアップするステップ(ステップ200)、最適化のための条件をセットアップするステップ(ステップ300)、このサプライチェーンモデルを最適化するステップ(ステップ400)、および最適なサプライチェーンを解析し、サプライチェーンモデルを微調整するステップ(ステップ500)を実行することにより、サプライチェーン管理方法100を実施する。
【0026】
ステップ200において定義されるサプライチェーンは、ユーザによって提供される各種情報を使用してモデリングされる。より具体的には、図2Aに示すように、ユーザが多くのタイプの情報を、ユーザのサプライチェーンのモデルをセットアップするステップ(ステップ200)中に供給する。例えば、ユーザは、工場、流通センタ(DC)、供給者、および顧客等サプライチェーンにおける要素の地理的ロケーションを指定することができる(ステップ210)。同様に、ユーザは、ロケーションを結ぶ輸送網を定義するレーンを指定することができる(ステップ220)。ステップ230において、ユーザは、原材料、仕掛品(WIP)すなわち未完成品、および完成品等サプライチェーンにおける品目をさらに識別するとともに、異なるロケーションにおける品目を識別するために使用される在庫商品識別番号(SKU)を定義することができる(ステップ240)。ユーザは、サプライチェーンで発生する様々な購入、ソース、および製造のプロセスをさらに定義することができる(ステップ250)。これらプロセスについてさらに将来に以下に述べる。ユーザはさらに、労働力、機械、製造、在庫、インハンドリング、アウトハンドリング、輸送、および特別輸送等サプライチェーンにおいて使用される資源を指定することができる(ステップ260)。サプライチェーンの定義に使用される情報の上記リストは、非網羅的であり、単に可能なデータの例示的なサンプリングと意味されることを理解されたい。したがって、多くの他の事柄および情報を本発明内のサプライチェーンの定義に含めることができる。ステップ200においてユーザによって提供されるデータは、電子データベースまたは他の情報記憶媒体に格納することができる。次に、ステップ200におけるサプライチェーンモデルを定義する個々のステップについて、さらに詳細に以下に述べる。
【0027】
したがって、サプライチェーンモデルのセットアップは、ユーザのサプライチェーンネットワーク − ユーザの供給者、工場、流通センタ、および顧客のロケーションならびにそれらを結ぶレーン(ならびに関連するプロセスおよびSKU)の構造およびアクティビティを再現すること(ステップ210)を含む。サプライチェーンモデルは、2つのロケーションがあり、その間にレーンがあり、品目を一箇所から別の場所に輸送し、輸送に用いられる資源に関連するコストがあるといった単純な場合もある。あるいは、サプライチェーンモデルは、数十ものロケーションがあり、レーンがロケーションを結び、数千のSKUが各ロケーションにあり、各ロケーション、レーン、およびSKUにペナルティ、制約およびコストが関連付けられたもの等かなり複雑な場合もある。ステップ200を通して定義するようにサンプルサプライチェーンモデル299を図2Iに模式的に示す。
【0028】
上述のように、サプライチェーンモデルを作成するプロセス200は、サプライチェーンネットワークまたはサプライチェーンの構造内のロケーションを定義すること(ステップ210)で始まる。ステップ210において、ユーザが、理想的には、サプライチェーンの定義に必要な数量の、ロケーションについて可能な情報を提供すべきである。通常、ユーザは、図2Bに示すようにロケーションを定義する。具体的には、ユーザはまず、ユーザがユーザ製品の製造または移動に使用する主要な製造工場、供給者、およびDC等、サプライチェーンにおいてメインロケーションを識別する(ステップ212)。供給者はユーザ製品の製造に必要な原材料を提供し、工場はユーザ製品を製造し、DCはユーザのWIPおよび完成品を格納し配送する。ユーザはさらに、ステップ212において定義したロケーションが2つ以上の機能を提供すると指定することができる。例えば、工場がDCとして機能する場合もある。オプションとして、ユーザは、顧客ロケーションをさらに指定することができる(ステップ214)。顧客は、製品がユーザの主な企業運営の主な結果であるかまたはその運営の副産物であるか、ユーザの製品を購入する。顧客ロケーションを定義する際、ユーザはロケーションに物理的な場所を指定することができる。ロケーションおよびロケーションでの単位で行われるアクティビティは、後述するように後のステップで定義される。ロケーション定義の一環として、ユーザは、ロケーションに関連するあらゆる固定費用をさらに指定しうる(ステップ216)。例えば、ユーザは、賃貸費用、機器減価償却、管理費用、税金、保険等を識別することができる。
【0029】
ステップ210においてロケーションが識別された後、ステップ220において、ユーザはこれらロケーションを結ぶレーンを指定する。レーンは、品目をロケーション間で移動するために必要である。通常、ユーザはまた、輸送資源(後述)も追加して、ロケーション間のレーンにわたって品目を移動させる。図2Cを参照すると、本発明の一実施の形態では、レーンは各ロケーションの間に自動的に定義される(ステップ222)。好ましい実施では、レーンは、同様の品目またはSKUを有するロケーション間に自動的に定義される(ステップ224)。ユーザは、複数のレーンを同じロケーション間に指定してもよい(ステップ226)。この特徴により、ユーザはレーン当たり2つ以上の輸送オプション(例えば、鉄道対飛行機)をモデリングすることができる。しかし、ユーザは、デフォルトレーンとして1つのみのレーンを指定する(ステップ228)。デフォルトレーンの資源は、デフォルトレーンによって接続された同じ2つのロケーション間の特定のレーンに関連しない任意のプロセスによって自動的に使用される。
【0030】
次いで、ユーザはサプライチェーンにおいて販売、購入、または製造された品目を指定する(ステップ230)。具体的には、ステップ230において定義される品目は、ユーザの原材料、WIP、または完成品である。例えば、ユーザがチキンライススープを製造する場合、ユーザの原材料品目は、10オンス缶、ラベル、および各スープ原材料を含み、WIPはラベルの付いた缶および混ぜられたスープを含み、完成品は10オンスのチキンライススープ1ケースを含むであろう。
【0031】
図2Dを参照すると、ユーザは、ステップ232において、各品目を定義する各品目の特徴を指定し、ユーザは通常、品目が格納可能かどうかもさらに指定することになる(ステップ244)。例えば、品目は腐敗しやすい原材料または格納可能なWIPでありうる。ユーザは、任意のプレビルド時間限度を各品目にさらに指定する(ステップ246)。プレビルド時間限度は、どの程度前もって品目を製造することが可能かを制限する。
【0032】
品目およびロケーションが定義されると、SKUを作成することができる(ステップ240)。SKUは在庫商品識別番号であり、ロケーションにおける品目を具体的に識別する。同じ品目を第1のロケーションで製造し、中間製品として第2のロケーションに格納し、第3のロケーションにおいて他の品目を製造するのに使用する場合がある。例えば、ユーザは、供給者または工場に小麦粉を有し、工場にクッキー、流通センタにクッキー、または顧客にクッキーがある場合がある。SKUは、サプライチェーンモデルセットアップにおいて重要は役割を果たす。SKUはプロセスに投入される原材料、工場における各種完了段階にあるWIP、工場で製造された完成品、または特定の時間枠内で顧客に配送する必要のある製品である。図2Eを参照すると、ユーザは、SKUが原材料であるか、WIPであるか、それとも完成品であるかを指定する(ステップ241)。ユーザは同様に、ユーザロケーションの1つにおいてSKUが製造されたか、購入したか、それとも販売されたかを指定する(ステップ242)。さらに、ユーザは、顧客サービスレベルの考察において以下に述べるように、顧客SKUに配送時間要件があるかどうかを指定することができる。好ましい実施では、ユーザはまた、異なるロケーションの異なるプロセスにおける同じ品目が同じ参照指定を有するように、参照一貫性を保つ(ステップ249)。ユーザはまた、品目をロケーションに関連付ける(ステップ243)。具体的には、ステップ210において指定された各ロケーションごとに、ユーザがそのロケーションにある品目を指定し(ステップ244)、そのロケーションにおける品目に関連付けるべきプロセスを指定する(ステップ245)。例えば、供給者のロケーションにおいて、ユーザは、品目の供給者または品目の形成に必要なプレビルドをさらに指定する(ステップ246)。同様に、顧客サイトの場合も、ユーザは品目の配送要件を指定する(ステップ247)。
【0033】
図2Eに戻ると、別の構成では、ユーザはサプライチェーンモデルに在庫目標を指定することができる(ステップ240)。在庫資源については、プロセスの定義およびモデリングを助ける入力としてステップ260において上述したが、在庫はサプライチェーンにおけるプロセスの結果として定義することもできる。具体的には、今日の在庫は、以前の購入および製造プロセスから生じるものである。同様に、将来に望ましい在庫レベルは、予想される将来の需要によって形作られる。したがって、ユーザは、計画期間中のサプライチェーンの動作が与えられる場合、1つまたは複数の計画期間後に達成される目標在庫レベルを指定しうる。目標在庫は、サプライチェーンを定義する際にユーザが指定しなければ、任意の最小または最大在庫レベルの間にあるべきである。サプライチェーンの最適化中、計画期間後のSKUの在庫は、SKUの元々の在庫を計画期間中のあらゆる購入または製造プロセスでの正味変化を合算することによって見つけられる。このようにして、在庫レベルに対するサプライチェーンの影響を求めることができる。ステップ240の一環として、ユーザはまた、目標在庫レベルに見合わなかった場合のペナルティも定義する(ステップ248)。ユーザは、目標在庫がハード制約かそれともソフト制約かをさらに指定することができる。
【0034】
この時点において、ユーザは、各ロケーションで行われるビジネスプロセスを識別することができる(ステップ250)。ビジネスプロセスは、品目の購入、製造、移動、または販売等、各ロケーションでのオペレーションを定義する。図2Fに示すように、ユーザは、まずプロセスのタイプを指定することによってビジネスプロセスを定義する(ステップ252)。ユーザは、3つの基本的なビジネスオペレーションタイプの1つとしてプロセスを指定することができる。より具体的には、ユーザは、供給者からの原材料、部分的に完成した品または完成品を供給者から購入するかあるいは顧客へ販売するかに概して関連する購入プロセスを定義しうる。あるいは、ユーザは、原材料からの完成品の製造に関連する製造プロセスを定義しうる。ユーザはまた、ネットワークを通して原材料、WIP、または完成品の物理的な転送に関連する移動プロセスを定義しうる。別のタイプのプロセスであるソースプロセスは、工場とDCロケーションとの間の商品の転送に厳密に関係する。ユーザは、ビジネスの日々のオペレーションを特にモデリングするために必要な、これらのプロセスの各種組み合せを使用して、SKUがユーザのネットワークを通してどのように移動するかを記述するなど、サプライチェーンの側面を記述することができる。
【0035】
図2Fに戻ると、ユーザは、プロセスに関わるロケーションおよび品目を指定することによってプロセスをさらに定義する(ステップ253)。次いで、ユーザは、サプライチェーンモデル中のプロセスの記述に必要な他の情報を提供しうる(ステップ254)。
【0036】
購入プロセスは、指定した原材料供給者を使用するかまたは製品を顧客に販売する全体的なコストを計算する。購入プロセスを定義するプロセスは、ユーザが供給者から購入する品目およびそのロケーションまたは顧客に販売する品目を決定することで始まる。次いで、ユーザは、供給者からの品目を購入する価格、または品目を顧客に販売する価格を指定する。
【0037】
製造プロセスは、完成品を製造する、または原材料を中間材料または完成品に変える全体的なコストを計算する。製造プロセスを作成するために、ユーザは、製造プロセスに関わる品目およびロケーションを決定する。具体的には、ユーザは、製造プロセスで使用する品目および製造プロセスで製造される品目を指定すべきである。ユーザは、製造プロセスのコストをさらに指定すべきである。製造プロセスのコスト求める一環として、ユーザは、労働力等製造プロセスで使用される資源を識別すべきである。
【0038】
ステップ250において移動または調達プロセスを作成するプロセスは、移動に関わる品目およびレーンを定義すること、およびレーンで品目を移動するコストを定義することを含む。この情報が与えられると、移動プロセスは、原材料、中間材料、または完成品をサプライチェーンネットワークを通して移動するコストを計算する。プロセスを効率的にモデリングするために、ユーザは、適切な輸送レーン、輸送資源、およびこれら資源のコストおよび容量を構成すべきである。移動または調達プロセスを定義する際、ユーザは、各レーンで移動し得る輸送の種類も考慮に入れるべきである。ユーザは、輸送資源の容量を測定する方法、ならびに移動プロセスに関わる品目の数量を測定する方法をさらに指定する。ステップにおいて移動プロセスのコストを求める際、ユーザは、受け取りおよび出荷に関連するコスト明細を明らかにするためにインハンドリングおよびアウトハンドリング資源を含めるべきかどうかをさらに考慮すべきである。
【0039】
ステップ252において定義されるプロセスは、概して、ステップ210において定義される単一ロケーションあるいはステップ220において定義されるレーンに関連する。例えば、ビジネスが完成品を工場からDCに移す場合、ユーザは移動プロセスを2つのロケーション間のレーンに追加すべきである。
【0040】
多くのビジネスの場合、正しい製品を正しい場所に正しい時間に配送することの優先度は、サプライチェーンオペレーションにおいてますます重要になってきている。図2Fに戻ると、ユーザは、SKUまたはロケーションを定義している間、SKUまたはロケーションの1つまたは複数のサービスレベルを指定しうる(ステップ255)。サービスレベルまたはサービスレベルのセットは、製品をどの程度迅速に顧客に配送するかを定義するために用いられる。具体的には、ユーザは、特定の時間期間内に出荷しなければならない製品の割合を設定する。この割合は、特定の収益が特定時間期間内に顧客にもたらされる場合には製品の収益の割合、あるいは特定数量の製品が特定の時間期間内に顧客にもたらされる場合には製品数量の割合とすることができる。次いで、サプライチェーンモデルの最適化が、選択されたサービスレベル指定に見合いながら、コスト最小化または利益最大化する実行可能な解を提供する。本質的に、ステップ267にさらに詳細に後述するように、サービスレベルはハード制約として機能する。
【0041】
サービスレベルがユーザのサプライチェーンに恩恵をもたらしうるいくつかの状況がある。大半の状況では、ユーザは、個々の顧客SKUにまたはロケーションにおけるすべてのSKUを含む個々の顧客ロケーションにサービスレベルを指定する。例えば、ユーザは、出荷を保証したい優先顧客がいる製品を製造する場合がある。ユーザは、これと同じ製品を要求する他の顧客を有しうるが、これら他の顧客は配送要件において要求が厳しくない。サービスレベルを設定することによって、ユーザは、要求のあまり厳しくない顧客をなお満足させながら、優先顧客の需要をまず満たす(たとえそうすることでより費用がかかるとしても)解を探す。あるいは、一人の顧客が、特定数量の製品を速く出荷することに対してより多く支払う意思がある場合がある。サービスレベルの設定により、ユーザは、この顧客に所望の割合の製品を短い時間枠内で出荷しながら、残りの割合をより長い時間枠内で出荷するサプライチェーンの解を探すことができる。
【0042】
次に、ステップ255におけるサービスレベルの定式化について述べる。各カレンダ期間tごとにサービスレベル要件を定義するにあたり、ユーザはまず、サービス割合P(0δPδ1)およびリードタイム要件Dτ0を定義する。例えば、P=0.95(95%を表す)かつD=2日間と設定すると、総利益(数量)の95%を2日間以内で配送する必要がある。
【0043】
SKU数量によるサービスレベルの場合、Atが、出力としてSKUxを有し、リードタイムδDである販売プロセスにより期間tに到達する総利益(数量)である。そうすると、Btは、出力としてxを有し、リードタイムが>Dである販売プロセスにより期間tに到達する総利益(数量)である。すると、制約は以下になる。
At/(At+Bt)τP
または
(1−P)At−PBtτ0 式1
【0044】
xを供給する販売プロセスsの場合、サービスレベルが数量単位の場合には、Zt(s)を1に等しくし、サービスレベルが利益単位の場合には、Zt(s)を、sを介してのxの販売価格に等しくする。販売プロセスは出力SKUの販売価格を変更する(override)ことが可能なため、Zt(s)はxの販売価格であっても、また変更価格(overriden price)であってもよい。利益によるサービスレベルは積層価格とは相容れないため、sが積層価格(ステップ265において後述する)を有する場合、Zt(s)はsのローカル価格である。
【0045】
AtおよびBtの上記定義により、
At=6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)かつ
s□N(x,D) 式2
Bt=6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)かつ
s□F(x,D) 式3
【0046】
となる。式中、
N(x,D)はxを出力SKUとして有し、リードタイムL(s)δDを有するすべての販売プロセスsの集合であり、
F(x,D)はxを出力SKUとして有し、リードタイムL(s)>Dを有するすべての販売プロセスsの集合であり、
Rt(s)はカレンダー期間tでのsについてのxの要件量であり、
Zt(s)はsを介してのxの販売価格であり、
Xt(s)はカレンダー期間tでのプロセスsの実行数であり、
P=P(s,t)はリードタイムL(s)に包含される期間tからの期間数である。
したがって、期間tに開始される販売プロセスsの実行結果は、期間t+pの冒頭でxのロケーションで到達することになる。
【0047】
式2および式3を式1と組み合わせると、制約は以下になる。
(1−P)6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)−P6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)τ0
s□N(x,D) s□F(x,D) 式4
【0048】
xを供給する販売プロセスsの実行の係数として見ると、式4は以下のように書き換えることができる。
6 6KΩ(s)XΩ(s)τ0
s Ω+p(s,Ω)=t 式5
【0049】
式中、
L(s)δDの場合、KΩ(s)=(1−P)Zt(s)RΩ(s)
L(s)>Dの場合、KΩ(s)=−PZt(s)RΩ(s)
0δΩδt=Ω+p(s,Ω)δT−1、かつ
Tは計画カレンダー期間の数である。
【0050】
ロケーションによるサービスレベルの設定も、Atが、出力として顧客ロケーションCにおける任意のSKUを有し、D未満のリードタイムを有する販売プロセスによって移動する総利益(数量)として再定義されることを除き、同様である。同様に、Btは、出力として顧客ロケーションCにおける任意のSKUを有し、Dを上回るリードタイムを有する販売プロセスによって移動する総利益(数量)である。したがって、AtおよびBtは数学的に以下のように書き換えることができる。
At=6(6Rt−p(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s))
x@C s□N(x,D) 式6
Bt=6(6Rt−p(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s))
x@C s□F(x,D) 式7
【0051】
式中、
6((1−P)6Rt−P(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s)−P6Rt−P(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s))τ0
s□N(x,D) s□F(x,D) 式8
【0052】
数量単位のサービスレベルの場合、Rt(s)のすべての係数を、共通の測定単位に変換しておかなければならない。サービスレベルが利益単位の場合、Rt(s)の測定単位は、Zt(s)の測定の分母の単位と同じでなければならず、すべての販売価格Zt(s)の測定の分子の単位はすべてのtおよびsで同じでなければならない。
【0053】
CにおいてSKUを供給する販売プロセスsの実行の係数として見ると、式8を以下のように書き換えることができる。
6 6KΩ(s)XΩ(s)τ0,
s Ω+p(s,Ω)=t 式9
【0054】
式中、
L(s)δDの場合、KΩ(s)=(1−P)Zt(s)RΩ(s)
L(s)>Dの場合、KΩ(s)=−PZt(s)RΩ(s)
0δΩδt=Ω+p(s,Ω)δT−1かつ
Tは計画カレンダ期間の数である。
【0055】
図2Fに戻ると、ユーザは、解におけるSKUの最大ソース数をさらに指定しうる(ステップ256)。この“最大調達先”ステップ後、SKUは指定されたロケーション数以下からのみ調達することができる。すべての場合において、最大調達先はSKUを受け取るロケーションの観点から見られる。最大調達先は、工場、DC、工場DCの組み合わせ、および顧客に存在するSKUにのみ適用可能である。任意の制約(以下のステップ268参照)と同様に、最大調達先はモデルに制約を課し、最大調達先なしで生成されたものよりも費用が少ないまたはより利益のある解を生成することは決してない。
【0056】
最大調達先は、ロケーションまたはSKUによって定義することができる。ロケーション最大調達先では、宛先ロケーションで受け取るすべてのSKUが、指定された数のロケーション以下から発せられたものである必要がある。例えば、ニューヨーク工場と呼ばれるロケーションが50SKUを有し、かつユーザが2つのみのロケーションからの調達を望む場合、ニューヨーク工場へのすべてのSKUは同じ1つまたは2つのロケーションから発せられたものでなければならない。
【0057】
反対に、SKU最大調達先では、選択された各SKUが指定された数のソース未満から発せられたものである必要があるが、その他のSKUと必ずしも同じソースである必要はない。選択されたSKUは、いくつかの指定された調達先から調達されるが、同じ調達先を共有する必要はない。例えば、ユーザが品目Aおよび品目Bに1つのソースを指定する場合、ニューヨークロケーションにおける品目Aはシカゴから調達されるが、ニューヨークロケーションにおける品目Bはアトランタから調達される場合がある。ユーザが一箇所ですべてのSKUを選択する必要はないことを理解されたい。例えば、ユーザは、高価なすなわちクリティカルな構成要素のソースを最大化したいが、他の構成要素を任意の利用可能なソースから調達したい場合がある。ユーザはさらに、いくつかを同じ第1の共通ロケーションから調達し、他を別のロケーションから調達できるように、SKUをグループ化しうる。
【0058】
ユーザはさらに、一モデルにおいて、ロケーションおよびSKU最大調達先を混合しうる。例えば、ニューオリンズDCをロケーションからの最大ソースとして指定し、カンザスシティDCをSKUベースとすることができる。しかし、ユーザがロケーションおよびSKU最大調達先を同時に実施しようとする場合、ロケーション最大調達先がそのロケーションでのSKU最大調達先よりも優先される。
【0059】
通常、ユーザは、調達先−宛先の対での任意の調達先ロケーションにソースを定義する。ロケーションがSKU(製造プロセスを介して)を製造する場合、調達先は宛先でもある。したがって、混合調達先評価で考えるために、宛先はソースでありうる。例えば、単一のロケーションでSKUを製造するまたは単一ロケーションから調達するという製造−購入決定は、最大ソース数を1に指定することによって行うことができる。最大ソース数が1に指定された場合、宛先(品目が製造される)あるいは別のロケーションを選択する。
【0060】
次に、最大調達先の単純な例を提供する。本例では、ある製品(Widget)の名称で呼ばれる品目をニューヨークロケーションで使用する(Widget@NewYorkに対応するSKUになる)。さらに、部品はニューヨークで製造するか、またはシカゴもしくはボストンロケーションから購入することができる。ユーザがWidget@NewYorkに1つのソースを指定する場合、2つの解決方法がある。ユーザは、製造プロセスを介してニューヨークをそれ自体に可能なソースとして含みうる。本実施では、モデルがソースをニューヨーク、シカゴ、またはボストンになるように選択する。ニューヨークが最適化において選択される場合、Widget@NewYorkと呼ばれるすべてのSKUがニューヨークで製造されるべきである。その他のロケーションの1つが最適化において選択された場合、Widget@NewYorkはそのロケーションから調達されるべきであり、SKUはニューヨークで製造されない。このようにして、本実施は、宛先を可能なソースとして含む。1つのみのソースが指定される本例では、最適な解は、自動的な製造/購入決定能力を与える。ユーザが2つのソースを指定する場合、モデルは3つのうちどの2つが最良かを評価し、調達先をその2つのロケーションに限定する。
【0061】
一方、ユーザは、宛先における製造プロセスが最大調達先制約から独立するように、最大ソースステップを実施しうる。上記の場合、最大ソース最適化は、Widget@NewYorkの製造プロセスを考慮せず、この製造プロセスは最大調達先決定の対象とされない。したがって、SKU、Widget@NewYorkはシカゴあるいはボストンから調達される。この場合、SKUはそのロケーションで製造しうるが、他の1つのロケーションからしか調達されない。
【0062】
ロケーションおよびSKU最大調達先の双方について、調達先ロケーションの数が正しい限り、それらロケーションに複数のプロセスまたはレーンがありうる。最大調達先は、プロセスの数または調達先もしくは宛先を結ぶレーンに関係なく適用される。この特徴はまた製造プロセスにも適用されるため、SKUを宛先ロケーションで製造可能である、または別のロケーションから調達することが可能な場合、1つのソースの選択がロケーションの1つのみを選択する。例えば、いくつかの異なる製造プロセスを使用して品目Xをニューヨークで製造可能な場合、またシカゴから複数の購入プロセスを介して購入可能な場合、最大ソース数はなお1である。最大調達先限度は、ニューヨークまたはシカゴを選択するが、最適な解は、指定されたロケーションでの適用可能なプロセスの任意のプロセスを使用しうる。
【0063】
ユーザはさらに、サプライチェーンの最大ソース最適化にタイミングを決定すべきである。具体的には、ユーザは、最大調達先をタイムホライズン(time horizon)全体あるいはタイムホライズン内の限られた時間期間に実施するか選択しうる。計画ホライズン全体にわたる最大調達先の場合、ソースは計画カレンダ全体にわたり同じままである。限られた時間期間に実施される最大ソース限度の場合、ソースは各時間期間で変更可能である。
【0064】
最大調達先の追加は、サプライチェーンの最適化を行うことが不可能な実現不可能な問題の可能性を増大させる。例えば、ロケーションが最大1ロケーションで最大調達すべき場合、すべての品目が少なくとも1箇所から入出可能でなければならない。同様に、制限がX箇所のロケーションの場合、すべての品目はX箇所のロケーションの少なくとも1つから入手可能でなければならない。事前処理中、あらゆるSKUを指定された数のロケーションのグループ内の少なくとも1つのサイトから入出可能ではない場合、最適な解をもたらすことができない。実現不可能なサプライチェーン最適化の問題は、ステップ500において以下対処する。
【0065】
図2Fに続き、解決すべき問題の定義付けの一環として、ユーザは、サプライチェーン最適化に時間枠または計画ホライズンをさらに指定しうる(ステップ330)。ステップ330において、ユーザは、どの程度先まで計画するか決定する。時間枠選択のこの決定は、概して、ユーザが解決しようとしているビジネス問題に基づく。概して、短い時間枠ほど良好で正確な予測が提供されるが、問題に対する洞察は少ない。反対に、長い予測は、概して不正確であるが、価値のある傾向情報およびサプライチェーンの変更からの大まかな結果を提供しうる。本発明の実施の形態では、ユーザは、3ヶ月と短い計画ホライズンからその先24ヶ月まで指定しうる。
【0066】
計画ホライズンを定義する一環として、ユーザは1つまたは複数のリードタイムも指定しうる(ステップ258)。リードタイムは、製品がビジネスプロセスを流れるためにかかる時間量を指定する5日間または2週間等の時間持続期間である。リードタイムは、ステップ250において定義される任意のプロセスに組み込むことができる。リードタイムをサプライチェーンモデルに導入する利点は、現実世界の条件およびニーズをより良好にシミュレートする最適なサプライチェーンソリューションを達成することである。例えば、ユーザは、2週間遅延を製造プロセスにモデリングして、製品を完成品としてサプライチェーンに出す前に製品を保持することができ、それによって製品をプロセス内で製造するために必要な時間をシミュレートする。リードタイムの概念をサプライチェーンモデルに導入することにより、モデルの最適化は、最適な最小費用または最大利益解を求める際に費用、生産能力、およびリードタイムの間のトレードオフを考えることができる。例えば、製造プロセスが完成品の製造に2週間必要な場合、製造プロセスにおける原材料の需要は、独立した完成品の需要前の2週間に現れる。同様に、ステップ255の上記サービスレベルにおいて指定される配送締め切り等、特定の時間枠以内での製品の配送が求められる場合がある。
【0067】
決定にリードタイムを使用することにより、全体的に単純な方法論および設計を保ちながらこの複雑な機能性を生み出すことが助けられる。特に、サプライチェーンは概して、所与の時間期間にプロセスに入る製品量はその時間期間の冒頭において入るという仮定でモデリングされる。次いで、プロセスリードタイムが追加されて、サプライチェーンモデルの所与の時間期間に関係なく、製品をいつサプライチェーンの残りに出すべきか(流出日)を計算する。
【0068】
一実施では、流出日が時間期間の前半(50%以下)内にある場合、製品はその時間期間で出される。その他の場合、製品は次の時間期間に出される。例えば、調達プロセスのリードタイムが6日間であり、一対の時間期間がそれぞれ1週間(7日間)続く場合、最初の時間期間中にプロセスに入った製品は、流出日が最初の時間期間の後半にあるため、2番目の続く時間期間まで出されない。反対に、時間期間が1ヶ月(30日間)である場合、ある時間期間にプロセスに入る製品は、リードタイムが時間期間の半分未満であるため、その時間期間に出されることになる。本例の後半からわかるように、リードタイムが計画カレンダ中の最も短い時間期間の50%以下の場合、製品はある時間期間から別の時間期間には決して遅れないため、リードタイムは影響を持たない。この理由により、ユーザは、サプライチェーンが、計画カレンダ中の時間期間の長さの半分よりも長いリードタイムを有する場合、最も有益なリードタイムを見つける。
【0069】
遅れにつながるリードタイムを有するプロセスの場合、最適化は時間期間に実行開始されたプロセスの数およびその時間期間に実行完了したプロセスの数を計算する。リードタイムが遅れにつながらない場合、すべての実行は同じ期間に行われる。
【0070】
ユーザは、ステップ258の一環として、リードタイムオフセットおよび持続期間値を資源に割り当てる。オフセットは、再使用可能な資源をいつプロセスに供給するかを指定し、持続期間は、リードタイムを通して資源をプロセスに供給する長さを規定する。次いで、資源オフセットおよび資源の持続期間値の和を用いて、プロセスのリードタイムを求めることができる。プロセスに2つ以上の資源がある場合、プロセスのリードタイムは、プロセスに供給されている資源の最長リードタイム(オフセット+持続期間)に等しい。
【0071】
したがって、プロセスに第1のリードタイムを持たせ、プロセスで使用される資源に第2のリードタイムを持たせることが可能である。この状況は、完了にいくらかの時間かかり、獲得にいくらか時間のかかる入力を使用する製造プロセスに類似する。この場合、最適化は、第1または第2のリードタイムのうち長いほうを使用する。例えば、プロセスのリードタイムが2週間であり、プロセスで使用される資源のオフセットが1週間であり、持続期間が4週間の場合、サプライチェーンは5週間のリードタイム(オフセットに持続期間を足したもの)を使用して最適化される。反対に、プロセスのリードタイムが元々6週間に設定されていた場合、6週間は製造プロセスに必要な最大週数であるため、最適化は6週間を最終的なプロセスリードタイムとして使用する。
【0072】
資源要件のリードタイムオフセットを使用することにより、ユーザは、単一のプロセスから段階が付くとともに延びて重複した再使用可能な資源のドロー(draw)をモデリングしうる。例えば、ユーザは、資源を順次使用する必要がある3段階の製造プロセスをモデリングすることができる。この例では、資源のリードタイムは、プロセスが別の資源の使用を完了するのを待つことを表す。その他の場合、資源のオフセットおよび持続期間を使用せずにこのサプライチェーンをモデリングするには、ユーザが2つの余分の製造プロセス、2つの中間品目、および2つの中間SKUを指定する必要がある。
【0073】
資源がプロセスを開始すると、資源のドロー量がプロセス実行当たりの資源のドローに関して指定される。プロセスにリードタイムがない場合、資源のドローはプロセスの実行と同じ時間期間に発生する。プロセスにリードタイムがある場合、資源のドローはリードタイム値および計画期間長に依存する。オフセットおよび持続期間が資源に設定されていない場合、サプライチェーンは、リードタイム全体を通して資源がプロセスに供給されるという仮定を用いて最適化される。例えば、週単位の計画カレンダおよび3週間のリードタイムおよび労働資源を有する製造プロセスの場合、ユーザがオフセットおよび持続期間を指定しない場合、資源はプロセスに3週間供給される。一方、オフセットおよび持続期間が双方とも1週間の場合、資源はプロセスにリードタイムの2番目の週のみ供給されることになる。
【0074】
別の実施の形態では、ユーザは、プレビルド(上記ステップ232において紹介した)の使用およびステップ240において指定したリードタイムを調整することができる。品目にプレビルドを使用すると、ユーザが需要を満たすためにどれくらい初期に製造または購入するかを制限することができる。プレビルド時間枠により、品目が顧客ロケーションに到達する前に、または製造プロセスで消費される前に、品目がサプライチェーンに残ることのできる計画期間数を制限する。動作にあたり、時間枠は任意のリードタイムと併せて動作する。例えば、サプライチェーンを通して品目に続く場合、時間が経過するパスに見られる任意のリードタイムがプレビルド制限に対してカウントされる。
【0075】
図2Fに戻り、ユーザはさらに、各プロセスに関連する固定費用を定義することができる(ステップ259)。例えば、ユーザは、購入プロセスに結ばれた役務契約または製造プロセスに関連する諸経費を識別しうる。
【0076】
再び図2Aを参照すると、ステップ250において定義される各プロセスについて、ユーザはまた、特定のプロセスに必要な資源を定義しうる(ステップ260)。資源は、ユーザサプライチェーン中のビジネスプロセスによって消費、使用、または製造されるエンティティである。図2Gに示すように、ユーザは、概して、資源のタイプを指定し(ステップ262)、定義された各資源を1つまたは複数のロケーションに関連付ける(ステップ263)。別のタイプの資源としては、格納、労働力、機械、製造、材料変換、インハンドリング(商品の受け取りに関連)、およびアウトハンドリング(商品の出荷に関連)に関連する資源があげられる。例えば、特定のロケーションに定義される典型的な製造プロセスは労働力資源を使用し、完成品のための格納資源を必要としながら格納資源を消費する。輸送資源を定義する際、ユーザは、これら資源をステップ220において定義されるレーンに関連付けることができる。ユーザは、測定単位および各資源の価格等、資源を定義する他の特徴をさらに指定しうる(ステップ264)。
【0077】
本発明の好ましい一実施の形態では、ユーザは、資源の1つまたは複数に積層値付けを定義しうる(ステップ265)。積層値付けは、資源が購入または販売される量の変化に伴って資源の価格または費用が変化することを指す。積層値付けを使用して、工場を開閉決定および負荷平準化等現実世界の特徴をモデリングすることができる。ユーザはまた、規模の経済を増大してモデリングすることもできる。例えば、以下の表1は、購入数量の増大に伴って単位価格が下がる資源を示す。
【0078】
【表1】
【0079】
積層値付け表の場合、資源の総費用/価格を計算する2つの方法がある。以下の表2に例示するように、ユーザが階段関数費用構造を使用して単位費用を表す場合、費用計算は直接求められる。表2中の積層値付け/費用の定義により、図5のグラフ500に示すような構造を有する総費用曲線がもたらされる。グラフ500は、資源の量の変化に伴って価格または費用の段階またはジャンプの存在によって区別される。本例では、資源の任意の単位の費用は、資源量が変化するにつれて変化する。図5からわかるように、多量の資源を購入するほど、費用を少なくすることができる。
【0080】
【表2】
【0081】
反対に、ユーザは、以下の表3のように、累積ベースで費用/価格構造を設計して総費用を計算することもできる。この状況では、資源の追加ユニットの費用は、量の増大にともなって変化する。
【0082】
【表3】
【0083】
このタイプの費用計算は、累積費用計算と呼ばれる。図6のグラフ600に示すように、累積費用曲線の総費用曲線はジャンプまたは階段を持たず、代わりに、追加ユニットの費用が変化するキーポイントで傾きが変化する。
【0084】
別のタイプの積層値付け構造では、一定費用が“単位当たり”費用に追加される。各層において、総費用または価格を求める式は、以下になる。
Y=UX+B (式10)
【0085】
式中、Yは総費用であり、Uは単位当たりの費用であり、Xは資源の量であり、Bは一定費用である。一定費用は、費用計算の直接手法または累積手法のいずれかに追加することができる。Bすなわち一括費用は、資源の獲得/製造の追加費用を表す。例えば、機械を500時間使用するごとに$1000の維持費がかかる場合、これは、単位当たりの費用の図のみでは説明することができないある量の範囲(500時間毎)にわたる平坦な変化である。積層機能性の一環として、このタイプの費用を考慮に入れるために、一括費用は変数式に追加される。
【0086】
一定費用を追加して直接手法を使用する費用計算を表4に示す。図4の積層値付け構造は、図7におけるグラフ700に示すような構造を有する価格総費用曲線をもたらす。図7は、図5と同様の総価格曲線を示すが、垂直にシフトされている。
【0087】
【表4】
【0088】
同様に、同じ一定費用を使用する累積値付け手法による一定費用の例を表5に与える。表5の積層値付け構造は、図8に示すグラフ800に示す価格総費用曲線をもたらす。
【0089】
【表5】
【0090】
したがって、ユーザは、複数の単位当たり費用/価格、この単位費用が適用される数量レベル、一括費用、および直接法それとも累積法を使用して積層値付けが求められるかの指示を指定することによって積層値付け構造を作成する。積層値付けのサプライチェーンでの最適な解の計算について、ステップ400の考察においてさらに詳細に後述する。
【0091】
図2Gに戻り、ユーザはさらなる制約をサプライチェーンモデルに追加しうる(ステップ267)。これら制約は、資源の有限容量およびSKUに対する各種数量制限をモデリングするために、サプライチェーンネットワークに追加される。ユーザは、違反不可能なハード制約およびサプライチェーンの最適な構成を達成するために必要であれば、費用を伴って違反可能なソフト制約を実施しうる。サプライチェーンモデルで実施しうるハードおよびソフト制約の例としては、最小再使用可能資源容量、最大再使用可能資源容量、最小SKU流入量、最大SKU流入量、SKU安全在庫、ロケーションで所持する最大SKU、最小SKU流出量、最大SKU流出量、独立したSKUの需要、最大SKU需要、最小再使用可能レーン容量、最大再使用可能レーン容量、および供給割合制約が挙げられる。
【0092】
ユーザは、ハード制約を実施して、制約に違反してはならない状況をモデリングしうる。例えば、ユーザは、費用に関係なく、工場で増やすことができない最大生産能力を有する機械資源をモデリングしたい場合がある。ユーザが最大制約をハードに設定する場合、サプライチェーンへの最適な解はこれら制約に違反することはできない。
【0093】
上述したように、ソフト制約は、サプライチェーンモデルにおいて実現可能であり最適なプランを達成するために違反しうる制約である。可能な場合、サプライチェーンはいずれのソフト制約も違反することなく最適化すべきである。ソフト制約を定義する際、ユーザは関連するペナルティコストを割り当てる。ペナルティコストは、制約に違反した場合、単位当たり増分費用を追加する。ユーザが過度に大きなペナルティコストを指定する場合であっても、ソフト制約はなお、サプライチェーンモデルに対して実現可能であり最適な解を達成するために違反しうるという点において、ハードは制約とは異なる。例えば、再使用可能資源の最大容量制約が50時間であり、ペナルティコストが$1000/時である場合、資源を75時間使用するサプライチェーン構成は、合計ペナルティ$25000(75時間−50時間)*$1000/時を有する。
【0094】
最適なサプライチェーン構成を生成するために2つ以上のソフト制約に違反する場合、一般に、最小のペナルティコストのソフト制約にまず違反する。したがって、ペナルティコストは、サプライチェーンネットワークにおけるソフト制約の重要度をランク付ける手段である。
【0095】
ユーザがハード制約およびソフト制約の双方を資源またはSKUに定義する場合、総合的な制約はハードであると仮定される。例えば、ユーザの唯一の工場ロケーションが、SKUの出力に対してソフトな最小または最大制約を有し、かつ顧客ロケーションが、受け取るSKUのハードな最小制約を有する場合、その工場は、顧客ロケーションにおいて必要な量未満を出力することができない。
【0096】
ステップ267において制約を定義する場合、ユーザは、結合して実現不可能問題を生じさせるハード制約の組み合わせを作成しないように注意すべきである。例えば、ユーザが、工場における製造プロセスに求められる生産が少なくとも50kg/月であるハードな最小制約のある製造資源と、その工場から別のロケーションに製品を20kg/月出荷するハードは最大制約のある輸送資源とを作成する場合、これら双方の要件を満たすサプライチェーン構成はない。特に、最小生産が最大輸送容量よりも大きいため、実現可能な解は存在しない。制約のうちの一方がソフトであったならば、実現可能な解を達成することができる。したがって、実現不可能な解になる状況では、ユーザは、ハード制約の1つまたは複数を再定義して、どれを緩和してソフトに設定するかを判断すべきである。
【0097】
しかし、ハード制約の使用は、モデリングおよび計算が容易であるという点において、重要な計算的利点を有する。さらに詳細に後述するように、サプライチェーンネットワークにおける制約は一次式に変換される。制約がソフトである場合、提案された解がソフト制約に違反することの価値量を保持するため、余分なペナルティ変数が作成される。ネットワーク中のソフト制約の数が増えるにつれ、ペナルティ変数の数も増える。ハード制約はペナルティ変数を必要としないため、ハード制約を使用すると、余分な制約および変数の生成するメモリ要件を通して、処理オーバヘッドが低減する。
【0098】
図2Gに戻り、本発明の別の実施では、ユーザは、資源の次元数を定義しうる(ステップ268)。一次元の資源は、単一測定単位で消費される。これらのタイプの資源としては、インハンドリング、労働力、機械、材料変換、アウトハンドリング、製造、および輸送資源が挙げられる。これら資源の測定単位は、時間、ポンド、フィート、キログラム等であることができる。例えば、労働力資源は時間に関して値付けされ消費され、利用は時間で表現される。そして、労働力資源の費用は、1時間単位の労働力費用を消費された時間数で乗算することによって求められる。
【0099】
例えば、製造プロセスに、SKUを20kg製造するために10時間の労働力資源が必要であると想定する。すると、労働力資源の利用は、SKU要件に労働力資源要件を乗算したものでSKUの需要を除算したものに等しい。したがって、サプライチェーンにおいてSKUが100kg必要な場合、50時間(100/20*5時間)の労働力資源がサプライチェーンにおいて必要である。労働力が1時間当たり$5かかる場合、SKUを100kg製造するために必要な労働力資源は$250($5/時間*50時間)である。サプライチェーンは、任意の資源の最大限度をさらに有することが可能であり、高い資源費用でもってのみ限度を越えることが可能である。容量の概念は、ステップ267に付随する説明においてかなり詳細に上述した。総ペナルティコストは、実際に利用された労働力資源から最大容量を差し引いたものに、資源ペナルティコストを乗算したものに等しい。例えば、上記サプライチェーンにおける労働力資源の最大量が10時間であり、追加時間の費用が時間当たり追加$10の場合、労働力資源の費用は、$250+追加$500(50時間−10時間)*$10)であり、すなわち総計で$750になる。
【0100】
対照的に、二次元資源は、第2の要素を資源の計算に付加する。通常、これら二次元資源は、測定単位および時間の持続期間に関して消費される。例えば、在庫資源は二次元と説明することができる。在庫資源の場合、パレット、ポンド、または平方フィート等の量が、数日、数周、または数ヶ月等の時間期間にわたって消費される。在庫資源は、SKUの在庫維持費を求めるために、または製造プロセスによってドローされている資源として使用することができる。特定のSKUの在庫維持費の場合、ユーザは、各計画期間の最終在庫を、指定された在庫資源の1日当たりの費用および計画期間の日数で乗算する。二次元の在庫資源を組み込むため、サプライチェーンモデルは、時間測定を考慮するために持続期間値をさらに含むべきである。特に、SKUの在庫資源利用は、在庫資源要件と製造プロセスにおける在庫資源持続期間との積に、SKUの総所要量および製造プロセスにおいて製造されるSKUの量の比を乗算したものとして定義することができる。
【0101】
前の例に戻り、SKUの総所要量は100kgであり、製造プロセスにおいて製造されるSKUの量は20kgであるため、SKUの需要を満たすためには5サイクルの製造プロセスが必要である。製造プロセスの在庫資源要件がサイクル当たり10kgであり、在庫資源持続期間がサイクル当たり7日間の場合、在庫資源の総所要量は10kg*7日間*(100kg/20kg)すなわち240kg−日である。サプライチェーンモデルの計画期間が30日間である場合、必要な格納資源の平均量は240kg−日/30日すなわち11.7kgである。同様に、格納資源の費用が$20/kg−日である場合、本例での格納資源の総費用は240kg−日すなわち$7000である。
【0102】
ユーザによって提供されるサプライチャンネルモデルにいくかの異なるプロセスがある場合、各ロケーションにおける在庫資源使用は、各プロセスからの在庫資源使用を合計することによって見つけることができる。
【0103】
在庫資源をモデリングする場合、ユーザは、ステップ267において定義される、在庫資源の最大利用可能量を表す最大在庫容量をさらに考慮すべきである。概して、在庫容量は計画期間全体を通して一定であり、在庫消費は、時間期間の終わりにおいて容量を超えることはできない。同時に、品目がロケーションから移されると、スペースの空きを表すように在庫資源は自動的に更新される。この在庫資源の特徴は、消費されるとすぐに枯渇し、ある他のオペレーション(購入プロセス等)なしでは補充することができないその他のタイプの資源とは異なる。在庫容量を超えると、望ましくない結果になる、またはサプライチェーンの最適な解を求める際に考慮すべき費用を有することになりうる。在庫容量をサプライチェーンモデルに導入し実行するために、ユーザは、ステップ267の一環として在庫ペナルティコストを指定しうる。在庫ペナルティコストは、さらなる在庫スペースの取得等、在庫容量を超過することの費用を表す。総ペナルティコストは、在庫の過度の使用(すなわち、平均在庫利用から在庫を引いたもの)を計画期間の持続期間および日々のペナルティコストを乗算することによって見つけることができる。例えば、前の例での容量が10kg−日であり、在庫ペナルティが$10/kg−日である場合、総ペナルティコストは(11.7kg−日−10kg−日)*30日間*$10/kg−日、すなわち$510である。
【0104】
この在庫ペナルティは、チャート900を有する図9に模式的に示される。チャート900では、縦軸は在庫資源量を表し、横軸は計画期間の日数を表す。チャート900はさらに、11.7kg/日の在庫資源使用のうち10kg/日の容量の超過部分を表す影の付いた領域910を含む。そうすると、計画期間(本例では30日間)での在庫使用超過の総量は、影を付けた領域の面積である。したがって、超過在庫の総ペナルティは、影の付いた領域の面積を、在庫容量を越えることの単位当たりの費用を乗算したものに等しい。
【0105】
図2Gに戻ると、ユーザは、各資源に関連する固定費用をさらに定義しうる(ステップ269)。例えば、ユーザは、特定の機械の減価償却、労働力を監督するための料金、製造資源の維持費等を識別することができる。これらのタイプの費用は、サプライチェーン動作の構成に関係なく生じる。
【0106】
図2Aに戻ると、本発明の別の実施の形態では、ユーザが税金および関税情報を指定することが可能である(ステップ270)。ユーザは、この情報を供給してもよく、またこの情報を第三者から得てもよい。次いで、サプライチェーンの最適化中、税金および完全情報を使用して、普通ならステップ200において定義される費用価値を変更することができる。この機能性により、ユーザは、国際的なロケーションが関わる最適な供給構成を見つけることができる。具体的には、ユーザは、普通ならサプライチェーンモデルに組み込まれないロケーションに関連する関税および税金を指定することができる。税金/関税値は一般に、あるロケーションに/からユニットを移動させる費用を表す。税金/関税データは、まずステップ250におけるロケーションでのプロセスを定義付ける一環として指定しうるが、税金および関税を別個に定義する能力により、ユーザは、サプライチェーンの解析中にこれら費用を切り離すことができる。さらに、税金および関税を別個に定義する能力により、ユーザは、比率およびロケーションの変更に合わせて調整する必要に応じて、これら値を容易に変更することができる。
【0107】
図2Hに示すように、ステップ210〜260においてサプライチェーンモデルを定義するために使用されるデータは、ユーザによって作成されても(ステップ201)、またデータベース等外部データ記憶ロケーションからインポートしても(ステップ202)よい。あるいは、ユーザは前に定義されたサプライチェーンからデータをインポートしても(ステップ203)、またデフォルトの予め定義された値を使用しても(204)よい、また、ユーザは、ロケーション、プロセス、資源、またはスキュー等サプライチェーンの一部を先に定義した後に、サプライチェーンの先に定義された部分から情報をコピーし、この情報を変更することによって(ステップ205)サプライチェーンの新しい部分を指定してもよい。例えば、ユーザは、第1の、先に定義されたロケーションのデータをコピーし、第2のロケーションのために地理的情報を変更することによって、第2のロケーションを定義することもできる。この方法では、ユーザは第1のロケーションと同じSKU、プロセス、および資源を有する第2のロケーションを容易に作成することが可能である。
【0108】
図1にもどると、ユーザは、ステップ200においてサプライチェーンモデルを定義した後、最適化条件を定義する(ステップ300)。図3に示すように、ユーザはまず、サプライチェーンモデルの最適化目標を定義しながら、シナリオを作成することができる(ステップ310)。1つのシナリオでは、ユーザがサプライチェーンモデルの1つまたは複数の要素を変更し、次いでサプライチェーンへのこれら変更の結果を計算する。この方法では、ユーザは、品目、ロケーション、レーン、またはプロセスの追加等、サプライチェーンへの任意の変更の結果を予測することができる。
【0109】
ステップ310において定義したシナリオには多くの潜在的な使用方法がある。例えば、ユーザは、数人の顧客がSKUを購入するピーク期間中のSKUの需要をモデリングするサプライチェーンネットワークを作成しうる。この需要をモデリングするために、ユーザは、顧客ロケーションを作成し、購入プロセスによってDCにリンクすることができる。ユーザのサプライチェーンモデルの全体的な目的は、SKUを顧客に供給する費用を最小化することでありうるが、ユーザは供給を変更して、より良好なサービスが顧客に提供されるシナリオを作成することが可能である。例えば、ユーザは、ピーク期間中にかなりのSKUの供給が必要な大量の顧客を持っている場合がある。そうすると、ユーザは、ユーザがSKUの量をプレビルドし格納する必要があり、それによって相当なプレビルドおよび格納費用がかかる場合であっても、大規模な顧客が常に適切なSKUの共有を受けるシナリオを作成することができる。ユーザはさらに、他の顧客への配送要件を満たすことが不可能になる場合もある。このシナリオを作成するため、ユーザは、大規模な顧客の需要を満たせない場合により高いペナルティコストを、かつ他の顧客の需要を満たせない場合にはより低いペナルティコストを作成または設定することにより、サプライチェーンモデルを変更する。
【0110】
図3に戻ると、ユーザは、サプライチェーンの最適化目標を指定する(ステップ320)。例えば、ユーザは、費用最小化、利益最大化、または販売量最大化を選択することができる。あるいは、ユーザは、輸送費および在庫費を下げるようにサプライチェーンネットワークを最適化するなど、解決するビジネス問題を定義することができる。ユーザは、配送時間の改良または販売量の拡大等サプライチェーンの最適化に他の目標も指定しうるが、多くの可能な最適化目標の列挙は本開示の範囲を越えるものであることを理解されたい。
【0111】
図1に戻ると、サプライチェーンモデルを定義し(ステップ200)、最適化条件を指定した(ステップ300)後、ユーザはサプライチェーンを最適化する(ステップ400)。図4Aに示すように、ステップ200からのデータが、ステップ300、ステップ410において定義される制約を鑑みて、任意の既知のオペレーションリサーチ、統計学、データ処理、またはヒューリスティック技法を使用して解析される。好ましい実施の形態では、サプライチェーンモデルは、既知の線形計画法(LP)および混合整数計画法技法の既知の組み合わせを用いて最適化される。
【0112】
一実施では、ステップ200およびステップ300においてユーザによって提供されるデータを組み合わせて、製造、購入、または調達プロセスの計画実行に作成された変数を定義する。具体的には、各計画実行の費用が、再使用可能資源要件と再使用可能資源費用との積、ならびにSKU要件とSKU購入価格との積を和として計算される。最大利益シナリオでは、収益が販売から得られる。購入プロセスの各実行ごとに得られる収益は、SKUの単位価格にSKU要求量で乗算したものである。
【0113】
ステップ310の目標、ステップ320のシナリオ、ステップ330の時間制約、ステップ258のリードタイム、およびステップ240において確立される在庫要件によって最適化を制限することができるように、プロセスのオペレーションは、ステップ300の入力によって制限または変更される。
【0114】
図4Aに戻ると、ステップ265において、ユーザが1つまたは複数の資源に積層値付け(または原価計算)構造を指定した場合、サプライチェーンの最適化は、わずかに変更されたプロセスを使用して行われる(ステップ420)。この変更された計算プロセス420は図4Bに説明される。例えば、積層値付けは、さらなる式および変数の使用を通してモデリングすることができる(ステップ422)。例えば、各再使用可能資源のResourceUtilization変数および資源平準化式を最適化中に作成することが可能である。ResourceUtilization変数は、資源を使用する各プロセスの計画された実行カレンダの和を資源要求量で乗算したものであり、ResourceUtilization変数の目的係数は再使用可能な資源の費用である。
【0115】
同様に、各在庫資源にInventoryResourceUtilization変数および在庫資源平準化式を、最適化中に作成することができる。InventoryResourceUtilizationは、在庫資源を使用する利用可能な手元にある在庫に在庫資源要件量およびに数を乗算したものの和と、在庫資源を使用する各プロセスの計画された実行に資源要件量および日数を乗算したものの和とに等しい。InventoryResourceUtilization変数の目的係数は、在庫再使用可能資源の費用である。また、最適化中には、積層単位価格を有する各供給者SKUにSupplyUtilization変数および供給平準化式も作成される。SupplyUtilization変数は、SKU要件量で乗算した購入プロセス流入実行(それぞれの価格を有する購入プロセスは除外)の和と定義される。SupplyUtilization変数の目的係数は、供給者のSKU単位価格である。最適化はさらに、積層単位価格を有する各顧客SKUについてDemandUtilization変数および需要平準化式を作成することができ、SKUの購入プロセスのいくつかはそれぞれの価格を有する。DemandUtilization変数は、SKU要件量で乗算した購入プロセス流出実行(それぞれの価格を有する購入プロセスは除外)の和であり、DemandUtilization変数の目的係数は、顧客SKU単位価格である。これらさらなる変数および式を使用して、製造プロセスおよび調達プロセスの計画実行変数は、目的関数においてもはや費用係数を持たない。購入プロセスの計画実行変数は、購入プロセスに単位価格が設定されている場合、または顧客SKU単位価格が設定されていない場合、目的関数中に費用係数を有する。
【0116】
図5〜図8の値付け関数を見ると、積層値付け問題の目的関数が線形ではないことは明らかである。この問題は、目的関数において区分的な線形関数を有し、そのため、結果問題は標準的な線形計画技法を使用して解くことができない。LPのみを使用して積層値付け問題を解くことに伴う問題は、製造および輸送の量がわかるまで、各アクティビティのコストが変数であることである。このため、最適化は最も安い費用から開始し、この費用を使用してLPを解くことによって解がもたらされ、次いで費用がLP解に基づいて再計算される。プロセスは解が収束するまで、または繰り返しの数が所定の限度に達するまで続けられる。サプライチェーンネットワークの複雑性により、解は変動する可能性があり、収束は保証されない。解が収束する場合であっても、最適な解ではない場合がある。
【0117】
図4Bに戻ると、混合整数計画法(MIP)およびヒューリスティック技法を使用して、積層値付けを有するサプライチェーンを最適化することができる。MIPは、いくつかの変数が整数値に制限されるよう変更された線形計画技法である。この方法では、サプライチェーンモデルは、分岐限定アルゴリズムを使用して解かれる。いくつかの整数変数を使用して可変価格セグメントを表すことで、積層値付けを有するサプライチェーンの最適化をMIP問題として定式化することができる(ステップ430)。この手法は最適な解を提供するが、一般に、大規模な問題には抑制となる比較的大量の計算を必要とする。一方、LPベースのヒューリスティックを使用して、積層値付けを有するサプライチェーンを最適化するために最適な解を求めることができる(ステップ440)。ステップ440に使用されるヒューリスティック技法は、処理しやすい比較的少ない数の計算を使用して許容可能な解を形成する。
【0118】
ステップ430におけるMIPプロセスは、目的関数へのxの寄与を示すz(x)関数を使用する。値q1(但し、0<q1<q2< ・・・ <qr−1<φ)は、r枚の層があるように、z(x)が傾きを変更するポイントである。間隔qi−1≦x≦qiでは、傾きはciであり、i=1〜rであり、q0=0、qr=φである。換言すれば、ciはi番目の層の費用/ユニットである。さらに、biはi番目の層のバッチまたは一定費用を表し、i=1〜rである。次いで、負ではない変数x1は、xが0よりも大きいがq1以下の場合、xの値に対応する。同様に、xがq1よりも大きいがq2以下の場合、xはx2に等しく、xがq2よりも大きいがq3以下の場合、xはx3に等しく、以下同様である。ブール変数w1は、xが0〜q1の間隔内にある場合には1に等しく、その他の場合は1に等しい。同様に、q1≦x≦q2の場合にはw2=1、その他の場合にはw2=0であり、q2≦x≦q3の場合にはw3=1、その他の場合にはw3=0であり、以下同様である。この方法では、二値変数wiはi番目の層が使用されるかどうかを示す。
【0119】
直接手法の式では、ステップ265の考察において上述したように、費用曲線は階段関数である。したがって、直接手法の式は以下のように表すことができる。
z(x)=c1x1+b1w1+c2x2+b2w2+c3x3+b3w3+・・・ 式11
【0120】
式中
1)x=x1+x2+x3+・・・
2)x1δq1w1
3)2δjδr−1の場合、qj−1wjδxjδqjwj
4)Mが非常に大きな定数の場合、qr−1wrδxrδMwr
5)w1+・・・+wrδ1
【0121】
例2
MIPモデルを使用して、以下の表6(前の表4と同一)の直接手法費用構造を表すことができる。
【0122】
【表6】
【0123】
上記直接手法の式を使用すると、
総費用=10x1+100w1+9x2+110w2+8x3+120w3
総量=x1+x2+x3
式中、
1)x1δ100w1
2)100w2δx2δ150w2
3)150w3δx3δMw3(Mは大きな定数)
4)x1+x2+x3δ1
5)x1,x2,x3τ0
6)x1δ100
7)x2δ150
8)x1,x2,x3=0または1
【0124】
直接手法とは対照的に、ステップ430におけるMIP手法における累積手法の式は、以下のように表すことができる。
【0125】
式中
1)x=x1+x2+x3+・・・
2)x1δq1w1
3)2δjδr−1の場合、qj−1wjδxjδqjwj
4)Mが非常に大きな定数の場合、qr−1wrδxrδMwr
5)w1+・・・+wrδ1
【0126】
例3
MIPモデルを使用して、表7(前の表5と同一)の累積手法費用構造を表す。
【0127】
【表7】
【0128】
上記累積手法の式を使用すると、
式中、
1)x1δ100w1
2)100w2δx2δ150w2
3)150w3δx3δMw3(Mは大きな定数)
4)w1+w2+w3δ1
5)x1,x2,x3τ0
6)x1δ100
7)x2δ150
8)x1,x2,x3=0または1
【0129】
したがって、積層値付けを有するサプライチェーンは、一連の一次式としてMIPを使用してモデリングすることができる。一連の一次式は、ステップ410において、LP等既知の最適化技法に組み込むことが可能である。例1および例2から見て取ることができるように、MIP問題のサイズは急速に成長する。
【0130】
図4Bに戻ると、積層値付けを有するサプライチェーンは、ヒューリスティックを使用して最適化問題を解決することができる(ステップ440)。より具体的には、図4Cに示すように、積層値付け問題は、2つのヒューリスティック技法:逐次線形計画法(ステップ450)および局所探索(ステップ460)の組み合わせを通して解決することができる。
【0131】
図4Cに示すように、ステップ450における逐次線形計画法(SLP)を使用して、良好な初期解を見つける。通常、最適化は、積層費用中の最低費用から開始される。最低費用を使用して、サプライチェーンはLPを使用して最適化され、第1の解を得る。ステップ452。次いで、費用が、最低価格レベルを使用して第1の解においてもたらされる数量レベルに対応する層に変更され、LPに新しい費用レベルを使用してシステムを再最適化して、第2の解を得る(ステップ253)。前の解からの数量に関連する費用を使用するこのプロセスが何回か繰り返されて、初期解を得る(ステップ456)。
【0132】
引き続き図4Cを用い、初期解がステップ458において求められると、局所探索ヒューリスティックがステップ460において行われ、任意の数量割引を利用することによって解を改良する。局所探索は、解空間を探索する反復改良技法である。探索は、問題の解を逐次改良することによって進められ、対応する決定の1つまたはいくつかを変更することによって各ステップごとに現在の解から、より良好な目標近傍に近づく。積層値付けサプライチェーンでは、資源の使用またはSKU購入数量をより良好な割引レベルに増大することにより、初期解を改良することができる。いくつかの資源使用を強制的に増大させることにより、LPの解が異なるアクティビティを統合して、より良好な解につながりうるより良好な割引レベルを利用するようになる。したがって、局所探索では、資源使用が増分的に次の連続して高い割引レベルに達するように増大される(ステップ462)。資源またはSKUが使用されない場合、現在価格は、最も安い層(資源またはSKU購入の場合)の単位価格または最も高価な層(SKU販売の場合)の単位価格に設定される。次いで、サプライチェーンは、この増分解を使用して評価される(ステップ464)。増分により最適化目的である解がもたらされる場合、新しい解が用いられる(ステップ466)。サプライチェーン解の増分が繰り返され、新しい解が評価される。増分により、解が実現不可能であるか、または目標値を悪化させる場合、変更を破棄する(ステップ468)。
【0133】
2つ以上のユニットが積層値付けである場合、すべての積層費用/価格が考慮されるまで、ステップ440のヒューリスティックプロセスが他の資源に対して繰り返される。
【0134】
次に、積層価格/費用を有するサプライチェーンでの最適化の例を提供する。
【0135】
例3
サプライチェーンは、1箇所の流通センタ、1人の顧客、およびDCと顧客の間の2つの輸送リンクを有する。双方の輸送リンクは積層費用を有する。輸送資源Aは表8に定義する費用を有し、輸送資源Bは表9に定義する費用を有する。
【0136】
【表8】
【0137】
【表9】
【0138】
このサプライチェーンでは、顧客の需要は180ユニットの品目であり、DCは在庫に十分な品目の供給を有する。サプライチェーンは、2つの購入プロセスを使用して定義され、第1のプロセスは輸送資源Aを利用するものであり、第2のプロセスは輸送資源Bを使用するものである。1ユニットの品目を出荷するには、1ユニットの輸送資源Aまたは1ユニットの輸送資源Bが必要である。最適化の目標は輸送コストの最小化であるため、この最適化の目的関数は、
最小化(Cost_A*Ship_A)+(Cost_B*Ship_B)
である。最小化は、以下の制約を鑑みて行われる。
1)Met_Demand=180
2)Ship_A+Ship_B=Met_Demand)
【0139】
積層費用が直接費用を用いて計算される場合、SLPヒューリスティックは以下の繰り返しのようになる。
【0140】
第1の繰り返しでは、輸送費として最後の費用を使用する。具体的には、資源Aの単位費用を$5に設定し、資源Bの単位費用を$7に設定する。そうすると、繰り返し1の目的関数は、
最小化(5*Ship_A+7*Ship_B)
となる。
【0141】
LPを使用する目的の解およびこの問題の解は、輸送資源Bの代わりに輸送資源Bを使用するほうが有利なポイントがないため、
Ship_A=180かつ
Ship_B=0である。
この解は、5*180+7*0*すなわち$900の値を目的関数にもたらす。
【0142】
しかし、表8によれば、輸送資源Aを180ユニット使用すると、資源Aの単位費用が10になる。目的関数は、輸送資源Aの単位当たりのこの費用$10を反映するように変更される。この構成(輸送資源aを180ユニット使用する)の実際の費用は$1800である。
【0143】
SLPの第2の繰り返しは、輸送資源Aの更新された単位当たりの費用を使用して実行される。資源Aの単位費用は$10に設定され、資源Bの単位費用は$7に設定される。繰り返し2の目的関数は、
最小化(10*Ship_A)+(7*Ship_B)
である。LPを通して、この目的関数の最適な解は、
Ship_A=0かつ
Ship_B=180
に位置する。この解は、$1260の値を目的関数にもたらす。運送資源Bを180ユニット使用するため、表9に定義されるように、輸送資源Bの単位費用は$9に更新される。したがって、この構成の実際の費用は$1620である。
【0144】
SLPの第3の繰り返しは、輸送資源Bの新しい単位当たりの費用を使用して行うことができる。この第3の繰り返しでは、資源Aの単位費用は$10のままであり、資源Bの単位費用は$9に設定され、この目的関数になる。
最小化(10*Ship_A)+(9*Ship_B)
LPを解くと、解の結果は、
Ship_A=0かつ
Ship_B=180
になる。この解の目的値は$1620である。輸送資源Bを180ユニット使用し、資源Bの費用は出荷量を正確に反映した$9であるため、SLPアルゴリズムが停止する。そして、この構成の総費用は$1620である。
【0145】
局所探索ヒューリスティックに続き、この解が最適であると結論付けられる。特に、輸送資源Aおよび輸送資源Bをより低い値付け層にすることは達成不可能であるため、この解を変更してより最適な解をもたらすことはできない。
【0146】
反対に、積層費用が累積費用を用いて計算される場合、SLPヒューリスティックは以下の繰り返しになる。
【0147】
第1の繰り返しでは、最も安い平均費用を輸送費と仮定する。資源Aの単位費用は$5に設定され、資源Bの単位費用は$7に設定される。したがって、第1の繰り返しの目的は、
5*Ship_A)+7*Ship_B
である。この目的をLPを使用して解くと、この問題の解、
Ship_A=180かつ
Ship_B=0
がもたらされ、全体の目的値は900である。輸送資源Aが180ユニット使用されるため、資源Aの平均単位費用は$10であり、資源Aの実際の累積費用は$10*180=$1800である。
【0148】
資源Aの単位費用を$10に設定すると、第2の繰り返しの目的は、
10*Ship_A+7*Ship_B
になる。LPを解くことにより、この問題の解が、
Ship_A=0かつ
Ship_B=180
においてもたらされ、目的値は1260である。輸送資源Bが180ユニット使用されるため、表9による資源Bの累積費用は$12*150+$9*30、すなわち$2070である。資源Bの平均単位費用は$11.5(2070/180)であるため、資源Bの単位費用は$11.5に設定される。
【0149】
第3の繰り返し(資源Bに新しい単位費用を使用)では、繰り返し2の目的は、
10*Ship_A+11.5*Ship_B
である。LPを解くことにより、
Ship_A=180かつ
Ship_B=0
において解がもたらされ、目的値は1800である。輸送資源Aを180ユニット使用するため、資源Aの累積費用は$10*180すなわち$1800である。資源Aの平均単位費用はなお$10であり、資源Aの単位当たりの現在の設定価格に等しい。資源の単位費用は変化しないため、SLPアルゴリズムがこの時点で停止する。
【0150】
ここでも、局所探索ヒューリスティックに続き、この解が最適であると結論付けられる。特に、非最適な解での輸送資源Aのより低い値付け層および資源Bのより低い値付け層への到達は、最適化費用を増大させる。したがって、解を変更してより最適な解をもたらすことはできない。
【0151】
ステップ256において上述したように、上記MIPおよびヒューリスティック技法を同様に実行して、最大調達先限度を有するサプライチェーンを最適化することができる。具体的には、最大調達先限度は、プロセスの費用/価格が品目のソース変化に従って「ジャンプ」しうる非線形問題をもたらすため、ステップ420のMIPおよびヒューリスティック技法が使用される。
【0152】
図1に戻ると、ステップ400における最適化を完了した後、ユーザは、示唆されたサプライチェーンの最適な構成を評価する(ステップ500)。ユーザは、示唆された構成の実現可能性を判断することができる。ユーザは、指定されたすべてのサプライチェーン要件が示唆された解において満たされていることをさらに確認することができる。ユーザはさらに、最適な解から予想される費用/利益を検討して、サプライチェーンの条件/要件の望ましさを評価することも可能である。
【0153】
ユーザは、最適なサプライチェーン構成に予測される総計の最終結果を検討しうる。あるいは、一実施の形態では、ユーザは複数の計画期間それぞれにおける最適なサプライチェーン構成のパフォーマンスを見ることができる。この時間位相化されたビューにより、ユーザはより最適な構成をもたらしうる必要な変更を示唆するサプライチェーンでの傾向を見ることができる。例えば、示唆におけるプロセスが最初は利益をもたらすが、急速に損失を生む場合、サプライのより最適な構成は、初期計画期間後にプロセスを停止しうる。
【0154】
最適化に可能な解が存在しない場合、ユーザは、ハード制約に立ち返って、いずれを緩和(ソフトに設定)するかを判断する必要がありうる。同様に、ユーザは、計算されたプロセスのリードタイムが全体の計画カレンダよりも長くならないように、計画期間を拡張しうる。さもなくば、プロセスは最適化内で無視されることになる。
【0155】
ユーザは同様に、シナリオの変更または最適化目標の変更等、ステップ300において確立した最適化条件の変更を選択することができる。次いで、ユーザは、サプライチェーンモデルまたは最適化条件を変更した後、ステップ400においてサプライチェーンの最適化を繰り返すことができる。
【0156】
図10および図11を参照すると、最適化方法100はサプライチェーン最適化システム1000を使用して実施することができる。図10および図11に示すように、システム1000は入力装置1010を備える。入力装置は、計算装置により使用可能な、ユーザが情報をデジタルフォーマットで情報を提供可能な任意のタイプの既知の手段である。典型的な入力装置としては、キーボード、およびマウス等のポインティングデバイスが挙げられる。
【0157】
図10および図11に戻り、システム1000は、入力装置1010からのユーザの入力を受け入れ格納する記憶装置1020をさらに備える。同様に、記憶装置は、ステップ201〜205において上述したように、外部ソースからのサプライチェーン情報を受け入れて格納することができる。より具体的には、本発明では、ユーザが、対象物およびプロセスを使用してサプライチェーンをモデリングすることができ、これら対象物およびプロセスは他の対象物またはプロセスとの関係によって定義される。この機能性を達成するために、記憶装置1020は、ステップ200において定義されるロケーション、品目、資源、およびプロセスの間の関係を最適に格納する。通常、関係は、記憶容量要件を最小化しながら異なるデータタイプ(すなわち、ロケーション、品目、資源、およびプロセス)を相互に結び付けることが可能なあるタイプの既知の関係データベースを使用して格納される。
【0158】
ステップ240からSKUを格納する際、記憶装置1020は最適に参照一貫性を保つ。参照一貫性は、異なるロケーションにおける同じ品目に一貫した名称を使用することを指す。SKUは、特定のロケーションにおける品目を指す。品目またはロケーションが存在しない場合、存在しない品目またはロケーションを参照するSKUは意味を持たない。この状況がデータベース中のデータに発生する場合、SKUは存在しない他のデータを参照するため、データベースは一貫性を欠く。換言すれば、このデータベースは参照一貫性を欠く。
【0159】
本発明は、事前対応かつ事後対応の双方で参照一貫性を保証するように設計される。多くの状況では、本発明は、事前対応的に、一貫性の保持を保証する選択肢をユーザに提示する。SKUの作成はよい例である。ユーザは、SKU作成のために、現在定義されている品目およびロケーションのリストから選択しなければならない。しかし、システムが試みられた変更に事後対応するように設計される状況がある。例えば、SKUを含むロケーションまたは製造プロセスを削除しようとすると、システムは、ユーザに警告することなくロケーションを削除するのではなく、メッセージを表示することによって対応する。ユーザがロケーションの削除を選択する場合、そのロケーションを参照する対象物またはプロセスもまた削除される。
【0160】
記憶装置は、ステップ300において定義された最適化条件もさらに格納する。具体的には、記憶装置は、変数の値/制約を含むことができる。記憶装置は、システム1000の動作を指示するためにユーザによって指定されるブール変数をさらに含むことが可能である。ユーザがシナリオを定義する場合、記憶装置は、ユーザが双方のサプライチェーンから導出された解を比較し、対比することができるように、元のまたは変更されたサプライチェーンのコピーを格納する。
【0161】
図10に戻ると、システム1000はオプティマイザ1030をさらに備える。オプティマイザ1030は、記憶措置1020に格納されている情報にアクセス可能なように記憶装置1020に電子的に接続される計算装置である。この情報を使用して、1030はステップ400のサプライチェーン最適化を実行することができる。具体的には、オプティマイザは、記憶装置1020に含まれるサプライチェーン問題に基づいて最適な解を求める線形計画法を実行する。
【0162】
オプティマイザ1030は、線形プログラマ1040または他のあるタイプのデータ解析ツールを備えうる。これらタイプのソフトウェアは、容易に入手可能であるか、または最適化問題のニーズにしたがって既知のプログラミング方法を使用してカスタムにプログラムすることができる。
【0163】
図10では最適化が記憶装置1020および入力装置1010の付近に示されているが、図11は、記憶装置1020および入力装置1010がユーザコンピュータ1050に電子的に接続されたシステム1000’の代替構成を示す。この場合、オプティマイザ1030は、電子通信回線1060を介してユーザコンピュータ1050に接続される。この構成では、通信はかなりの相違をもって行われうる。例えば、ユーザコンピュータ1050およびオプティマイザ1030は、クローズネットワークまたはインターネット等オープンネットワークを通して接続されうる。
【0164】
システム1000および1000’の構成は双方とも、ユーザが最適なサプライチェーン構成を受け取ることのできる出力装置1070をさらに備える。出力装置1070は、オプティマイザからのデジタル情報を隠し、またこの情報を理解可能なフォーマットに変換する任意の装置である。出力装置1070は通常、ビデオディスプレイまたはプリンタである。出力装置1070は、ステップ200に指定するように、サプライチェーンモデルについてさらなる情報を提示しうる。例えば、表示装置はロケーションおよびレーンを図で提示することができる。図12A〜図12Bは、サプライチェーンの代表を示す2つの例示的な出力を表示する。図12Aは、サプライチェーン中のロケーションのテキストでの説明1200を示し、図12bは同じロケーションの図で表示1250を示す。
【0165】
サプライチェーンがステップ400において最適化された後、ステップ500において、結果が表示装置1070にユーザに対して表示される。具体的には、最適なサプライチェーン構成についての詳細は、この構成から予想されるコスト/利益等、この最適な解についての詳細とともにユーザに提示される。ユーザは、各ロケーションからのアクティビティ、コスト、および利益等より具体的な情報をさらに見ることができる。
【0166】
表示装置1070は、サプライチェーン中のロケーション、資源、およびプロセスの固定費用をさらに表示しうる。オプティマイザ1030は、サプライチェーンの最適な構成を求める際に固定費用を考慮しないが、ユーザは、サプライチェーンの実現可能性を求めるためにこの固定費用を見たい場合がある。サプライチェーンが、最適な構成であっても、固定費用を鑑みて利益を出すことができない場合、ユーザはサプライチェーンの変更を考慮する必要がある。
【0167】
本発明の好ましい実施の形態の上記説明は、例示および説明目的のために提示されたものである。網羅的、すなわち本発明の開示した厳密な形態に限定する意図はない。上記教示に照らして、多くの変更および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されず、むしろ本明細書に併記の特許請求の範囲によって限定されるよう意図される。上記明細書、例、およびデータは、本発明の製造および構造の使用についての十分な説明を提供する。本発明の精神および趣旨から逸脱せずに本発明の多くの実施の形態を行いうるため、本発明は併記の特許請求の範囲に帰する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるサプライチェーン管理方法を示すフローチャートである。
【図2A】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2B】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2C】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2D】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2E】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2F】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2G】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2H】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2I】本発明の実施の形態による図2A〜図2Hに示すステップを通して生成される例示的なサプライチェーンモデルである。
【図3】本発明の各種実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図4A】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図4B】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図4C】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される1つの値付け曲線を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態によるサプライチェーン管理システムの模式図である。
【図11】本発明の実施の形態によるサプライチェーン管理システムの模式図である。
【図12A】図10のサプライチェーン管理システムからの出力される考えられるディスプレイの図である。
【図12B】図11のサプライチェーン管理システムからの出力される考えられるディスプレイの図である。
[関連出願]
本願は、2000年7月13日付で出願された米国特許仮出願第60/218,640号の優先権を請求するものであり、参照によってこの仮出願の開示全体を本明細書に援用する。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、サプライチェーン管理システムおよびサプライチェーン内のプロセスに見込まれる利潤および費用に基づいてサプライチェーン決定の最適な費用最小化集合を求める方法に関する。
【0003】
[発明の背景]
今日のビジネス環境では、新規ビジネスを拡張する機会ならびに既存のビジネスを最適化する機会が開かれている。同時に、ビジネスは下がる一方の価格および減益も同時に経験している。利益最大化および費用最小化のために製品、顧客、製品寿命サイクル、およびロケーションによる経時にわたる世界的な取引網を設計し最適化する良好に管理されたサプライチェーンが極めて重要である。この目標に向けて、ビジネスは大量の管理資源を費やして、サプライチェーンコストを最小化し、かつ利益を最大化する、最適なビジネスネットワーク設計およびポリシー決定を求めている。
【0004】
しかし、近代経済の複雑かつ変化し続ける性質により、ビジネスがサプライチェーンをモデリングし最適に管理することが難しいことが多い。限られた資源、世界的な供給者、多段階ネットワーク、および国際取引要件の平衡をとるネットワーク設計およびポリシーを作成する能力を欠くことは、数多くの非効率性をもたらす。これら非効率性としては、不良な資産活用、不必要な関税料金および遅延、ならびにキャッシュフローの低下が挙げられる。
【0005】
企業のサプライチェーン管理を支援するため、企業は、供給者および原料の調達についての情報を自動的に得ることができる。例えば、Electronic Sourcing SystemについてJohnson他に発行された米国特許第6,023,683号および第6,055,516号は、ベンダー製品カタログから入手可能なカタログ品目に関連する製品情報(製品識別コードおよび記述的な情報等)を含むデータのカタログデータベースを維持するコンピュータと、少なくとも1つの要請された品目を含む要請書を構築(生成)する手段と、を提供する。要請が望まれる品目を少なくとも部分的に識別する情報は、ユーザによって入力され、情報に整合するカタログ品目を求めてデータベースを探索し、探索の結果見つかった少なくとも1つのカタログ品目を選択する手段によって利用される。カタログ品目を説明するテキストおよび品目の画像を見ることができる。選択されたカタログ品目を識別するデータは要請構築手段に伝達され、要請構築手段は、選択されたカタログ品目に対応する品目のエントリを含む要請書を生成する。システムは、1箇所または複数箇所の在庫ロケーションでの対応する所望のカタログ品目の可用性をチェックし、品目を格納している在庫ロケーションから所望の品目の1つまたは複数の購入注文書を生成する。
【0006】
サプライチェーンの管理をさらに支援するために、ビジネスは既知のソフトウェアを使用して、顧客/小売店への製品の配送を自動的に管理することができる。例えば、System And Method For Allocating Manufactured Products To SellersについてKennedy他に発行された米国特許第6,176,380号は、顧客要求の遂行を管理するソフトウェアシステムを提供する。ソフトウェアシステムは、異なる一般製品をそれぞれ表す複数の一般製品モデルを含む。各一般製品モデルは、複数の可能な構成要素のうちの一構成要素を指定する。複数の特定の製品モデルはそれぞれ特定の製品を表し、特定の製品のすべての構成要素をそれぞれ指定する。各特定製品モデルによって指定される各構成要素は、一般製品モデルの1つによって指定されるため、各特定製品モデルは、一般製品モデルの部分集合に関連する。次いで、特定の製品の利用可能な在庫により、または関連する一般製品の利用可能な在庫により、特定の製品に整合する顧客要求を満たすことができる。加えて、販売業者階層中の組織が、製品を獲得し、先着順サービス製品を指定することができる。組織はまた、予測された製品が実際にいつ入出可能かを指定する時間枠ホライズンを定義することも可能である。さらに、組織は、自動割り当てポリシーを使用してメンバに割り当てることができ、またいくつかの予測エントリを利用可能な在庫がないものと指定することができる。
【0007】
ビジネスのサプライチェーン管理をさらに支援するために、技術的現状では、サプライチェーンの特定の要素または限られた側面を電子的にモデリングすることがさらに知られている。例えば、Method and Apparatus For Collaboratively Managing Supply ChainsについてBhaskaran他に発行された米国特許第6,157,915号は、情報および決定サポートツールを送り、サプライチェーンプロセス内のコミュニティのロールプレイヤーに協働的動的意思決定能力を提示するオープンアーキテクチャフレームワークでの能動的な協働技術を提供する。総合的な協働動的意思決定能力は、ビジネスプロセス、ロールプレイヤーの編成、および関連ビジネス応用の統合を通して可能になる。このようにして、サプライチェーン内で動作するいくつかのビジネスの動作を統合することができる。
【0008】
同様に、System And Method For Extended Enterprise Planning Across A Supply ChainについてBellini他に発行された米国特許第5,974,395号は、サプライチェーンにわたって拡張された企業プランニングシステムを提供する。システムは、需要企業および供給企業に取引実行システムレイヤを含む。第1および第2の連合電子プラニング相互交換レイヤが、取引実行システムレイヤにデータ仕様フォーマットおよび外部通信インタフェースを提供する。サプライチェーンのプラニングを実行するように動作可能なサプライチェーンプラニングエンジンは、データ仕様フォーマットおよびお外部通信インタフェースをサプライチェーンプラニングエンジンに提供する第3の連合電子プラニング相互交換レイヤと通信する。データアクセス/転送レイヤが、第1、第2、および第3の電子連合プラニング相互交換レイヤの間を相互に接続し、情報を転送できるようにする。よって、サプライチェーンプラニングエンジン、第1の取引実行システム、および第2の取引実行システムは、サプライチェーンプラニングエンジンがサプライチェーンにわたって拡張され、制約に基づいた企業プラニングを提供するために使用することのできるデータをやりとりすることが可能である。
【0009】
また、Methodology And Computer−Based Tools For Re−Engineering A Custom−Engineered Product LineについてNickに発行された米国特許第6,009,406号に記載のように、注文の内の特定の割合の予定通りの配送を保証する等、サプライチェーンを顧客のニーズをよりよく満たすように設計する方法論も知られている。この方法では、顧客インタビューを含む製品ラインの深く掘り下げた検討を行い、顧客のニーズよりも複雑な顧客の仕様を識別する。顧客のニーズは数量化され、実際の顧客ニーズに基づく顧客注文のうちのある割合を、標準製品構成クラスで満たすことができ、残りの注文をカスタム設計で満たすことができるように、標準製品構成クラスという縮小した集合が選択される。標準製品の主要な構成要素自体が標準化される。標準製品の製造は、1日製造サイクルについて最適化され、カスタム設計製品の製造から切り離される。販売オフィスおよび製造工場のロールアウトスケジュールは、コンピュータベースの表計算ツールで実施され管理される。製品構成コンピュータプログラムモジュールが、製品セレクタおよび材料管理(MRP)システムとの間でインタフェースされ、注文入力、標準製品指定、パーツの注文、および標準製品アセンブリのスケジューリングのプロセスを自動化する。
【0010】
サプライチェーンを特定の状況についてモデリングすることも当分野において知られている。例えば、Computer−Implemented Product Development Planning MethodについてCherneff他に発行された米国特許第6,243,493号は、開発中の新製品についてサプライチェーンをプラニングするコンピュータ実施システムを提供する。より具体的には、システムは、提案された製品および該製品の開発に用いられるタスクおよび資源に関してビジネス企業をモデリングする。このシステムでは、遺伝的アルゴリズムおよび制約エンジンから構成される最適化エンジンがモデルに対して動作して、候補製品ポートフォリオおよびスケジュールを構築する。各スケジュールが評価され、各スケジュールを使用して、遺伝的処理に従って改良された候補ポートフォリオが生成される。このプロセスが続けられて、利益最大化等目的基準に関して測定された製品優先順位付けおよびパイプラインスケジュールを改良する。
【0011】
それでも、より理想的なサプライチェーン管理システムおよび方法論がなお必要とされている。特に、より理想的な供給管理ソリューションは、正確な時間位相図を提供して、最適な設計およびポリシー決定の実行をサポートする。より理想的なサプライ管理ソリューションは、利益性の高いビジネス戦略を求めるために取引網含意をモデリングすべきである。具体的には、理想的なサプライチェーン最適化ツールは、所与のサプライチェーンを評価して、このサプライチェーンに最適な構成を求めるべきである。既知のサプライチェーン管理ツールは、代わりに、サプライチェーンの最適な作成についての問題に対処し、既存のサプライチェーンの日々のオペレーションを支援することはできない。サプライチェーンまたはネットワークに最適なビジネス戦略を求める際、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、最適な在庫レベル、ネットワークにわたる適切な製品混合、最適な製造、格納および流通ロケーション、最適な調達プランとレーン量、適切な季節プレビルド、および顧客サービスレベルを含む多くの要因を調べるべきである。
【0012】
ビジネス戦略形成の際、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、これら多くかつ複雑なビジネス要因を鑑みて、洗練された最適化技法を使用すべきである。特に、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、上記または他の既知のネットワーク最適化ツールとは異なり、多次元の時間、ロケーション、製品、顧客、コスト、および利益に対処すべきである。より理想的なサプライチェーン管理ツールは、利益、時間位相化された需要および供給、固定費用、変動費用、変化する輸送および製造のリードタイム、ならびに関税および付加価値税等の世界的な制約の平衡を同時にとる洗練された最適化技法を使用すべきである。
【0013】
加えて、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、柔軟な測定単位および複数の通貨の能力に備えるだけではなく、ポリシーおよび決定推奨が国際的な取引規定および局所的な内容物コンプライアンスを考慮しなければならいことを認識する取引網の世界的な図を提供すべきである。したがって、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、グローバルネットワーク設計およびネットワークポリシーを最適化するとともに、世界的な顧客、供給者、契約相手、およびサイトを統合することによって、より利益性の高い時間位相化されたサプライチェーン戦略を求めるべきである。これら機能を実行する際、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、世界的な取引コストを低減するために、国際取引ロジスティックスを考慮すべきである。
【0014】
全体的に、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、正確なネットワーク表現およびソリューションを保証するために、詳細なモデリング能力を含むべきである。より理想的なサプライチェーン管理ツールはさらに、サプライチェーンの地理的変更による、またはサプライチェーン内の商品および資源の置換によるコストおよび利益の変化を計算すべきである。より理想的なサプライチェーン管理ツールは、複数の代替を比較することによって資産の活用も向上すべきでもある。同様に、より理想的なサプライチェーン管理ツールは、製品混合および季節的なプレビルドをシミュレートして、適切な顧客サービスレベルを提供すべきである。
【0015】
[発明の概要]
これらおよび他の必要性に応えて、本発明は、最適なサプライチェーン構成を求めるのに有用な供給管理システムおよび方法を提供する。本発明の方法内で、ユーザはサプライチェーンモデルをセットアップし、最適のための条件を指定し、サプライチェーンモデルを最適化し、最適なサプライチェーンを解析し、サプライチェーンモデルを微調整する。
【0016】
ユーザは、様々な情報を提供することによってサプライチェーンモデルを確立する。例えば、ユーザは、工場、流通センタ(DC)、供給者、および顧客等のサプライチェーンにおけるロケーションについての情報を指定することができる。同様に、ユーザは、ロケーションを結ぶ輸送網を定義するレーンを指定することもできる。ユーザはさらに、原材料、仕掛品(WIP)すなわち未完成品、および完成品等のサプライチェーンにおける品目を識別することができるとともに、異なるロケーションにおける品目を識別するために使用される在庫商品識別番号(SKU)を定義することができる。ユーザは、サプライチェーンにおけるロケーションおよびレーンで発生する様々な購入、ソース、および製造のプロセスを定義することができる。ユーザはまた、労働力、機械、製造、在庫、インハンドリング、アウトハンドリング、輸送、および特別輸送等サプライチェーンのプロセスにおいて使用される資源を指定することができる。これら資源を定義する際、ユーザはさらに、積層値付けを指定する、または各ロケーションに最大ソース数を指定することができる。ユーザはまた、プロセスおよび資源にハード制約およびソフト制約を定義することもできる。税金および国際的なロケーションに関連する情報もまた指定しうる。
【0017】
サプライチェーンモデルを確立した後、ユーザはさらに、ユーザがサプライチェーンモデルを変更し、次いでこの変更の影響を評価するシナリオを定義することができる。次いでユーザは、サプライチェーンモデルに対する最適な解を見つけるための最適化条件を定義する。通常、これら目標は、費用の最小化または利益の最大化である。
【0018】
次いで、サプライチェーンが積層値付けまたはロケーションの最大ソース数を含まない場合、線形計画法を用いてサプライチェーンが最適化される。サプライチェーンが積層値付けを含む場合、ネットワークは混合整数計画法およびヒューリスティックを使用して最適化される。より具体的には、ヒューリスティックが逐次線形計画法を採用して、可能な最適な解を見つけ、局所探索して様々な可能な最適解を評価する。ユーザがロケーションに資源を提供する最大ソース数を指定した場合にも、同様の技法を採用しうる。
【0019】
別の実施の形態では、本発明は、このサプライチェーン最適化方法を実施するシステムをさらに含む。
【0020】
本発明のこれらおよび他の利点は、全体を通して同じ参照符号が対応する部分を表す添付の図面および付随するテキストにおいてより完全に説明される。
【0021】
[好ましい実施の形態の詳細な説明]
概して図1および図10〜図11に示すように、本発明は、サプライチェーン管理方法100および関連するサプライチェーン管理システム1000を提供して、ユーザが戦略および戦術レベルで全体的なサプライチェーンを管理するのを助ける。本発明は、戦略的および戦術的双方のプラニングの質問に答えを出すことができる。戦略的レベルでは、本発明は、ユーザが新しい設備についての代替をまたは資本支出についてのプランをシミュレートするのを助けることができる。戦術レベルでは、本発明は、とりわけ、ユーザが供給者、工場、および流通センタの最適なネットワークを決定し、最小コストあるいは最大利益に基づいて工場生産能力、クリティカルな材料、および労働力を管理する最良の戦略を求め、ネットワークを通しての在庫移動について最良の戦略を求め、顧客配送時間要件を満たすためにはどのような変更が必要かを判断する。
【0022】
これら質問に対処するために、本発明は、サプライチェーンの変更の長期影響(すなわち、先の12〜18ヶ月)を予測することによって、いくつかの将来についてのクリティカルな決定を行う際にユーザを助ける。例えば、本発明は、ユーザの製品に対する需要の増大を予測することにより、新規製造工場を開く影響をユーザが予測できるようにする。同様に、本発明は、ユーザが不良であり過去ほど大量に取り扱っていない流通センタの閉鎖等、サプライチェーンの要素除去の結果を予測することを助ける。このようなサプライチェーンの変更は、サプライチェーンの他の要素に影響を及ぼし、サプライチェーンへの他の変更を必要としうるため、非常に複雑である。例えば、1つのロケーションを閉鎖すると、流通および輸送を再度ルーティングする必要がありうる。
【0023】
本発明はまた、ユーザがサプライチェーンへの変更の短期(この先3〜12ヶ月等)の影響を見ることを助け、よってユーザがユーザサプライチェーン内のより新しい戦術的なアクティビティについてよりよい決定を行うことができる。例えば、ユーザが新規製造工場を開いた場合、本発明は、近い将来の製造数量、新規工場と流通センタとの間の出荷数量、その工場におくべき在庫、最小コストまたは最大の利益性の顧客サービスポリシー等を求める際にユーザを助けることができる。
【0024】
さらに将来に後述するように、図1に示すサプライチェーン管理方法100は、ネットワーク最適化および設計の重要な役割を果たす。サプライチェーン管理方法100は、サプライチェーンの最も費用効率的または利益最大化する構造につながる長期供給者関係、工場および流通センタロケーション、輸送レーン、顧客への配送時間、および在庫戦略の正しい組み合わせをユーザが見つけることを助ける。したがって、サプライチェーン管理方法100は、原材料購入、製品製造、および完成品のユーザ顧客への配送等、ユーザがサプライチェーンをより効率的に計画することを助ける。サプライチェーン管理方法100は通常、コストを最小化する、または利益を最大化するサプライチェーンを設計し実施するに当たりユーザを助ける。
【0025】
図1に戻り、ユーザは、サプライチェーンモデルをセットアップするステップ(ステップ200)、最適化のための条件をセットアップするステップ(ステップ300)、このサプライチェーンモデルを最適化するステップ(ステップ400)、および最適なサプライチェーンを解析し、サプライチェーンモデルを微調整するステップ(ステップ500)を実行することにより、サプライチェーン管理方法100を実施する。
【0026】
ステップ200において定義されるサプライチェーンは、ユーザによって提供される各種情報を使用してモデリングされる。より具体的には、図2Aに示すように、ユーザが多くのタイプの情報を、ユーザのサプライチェーンのモデルをセットアップするステップ(ステップ200)中に供給する。例えば、ユーザは、工場、流通センタ(DC)、供給者、および顧客等サプライチェーンにおける要素の地理的ロケーションを指定することができる(ステップ210)。同様に、ユーザは、ロケーションを結ぶ輸送網を定義するレーンを指定することができる(ステップ220)。ステップ230において、ユーザは、原材料、仕掛品(WIP)すなわち未完成品、および完成品等サプライチェーンにおける品目をさらに識別するとともに、異なるロケーションにおける品目を識別するために使用される在庫商品識別番号(SKU)を定義することができる(ステップ240)。ユーザは、サプライチェーンで発生する様々な購入、ソース、および製造のプロセスをさらに定義することができる(ステップ250)。これらプロセスについてさらに将来に以下に述べる。ユーザはさらに、労働力、機械、製造、在庫、インハンドリング、アウトハンドリング、輸送、および特別輸送等サプライチェーンにおいて使用される資源を指定することができる(ステップ260)。サプライチェーンの定義に使用される情報の上記リストは、非網羅的であり、単に可能なデータの例示的なサンプリングと意味されることを理解されたい。したがって、多くの他の事柄および情報を本発明内のサプライチェーンの定義に含めることができる。ステップ200においてユーザによって提供されるデータは、電子データベースまたは他の情報記憶媒体に格納することができる。次に、ステップ200におけるサプライチェーンモデルを定義する個々のステップについて、さらに詳細に以下に述べる。
【0027】
したがって、サプライチェーンモデルのセットアップは、ユーザのサプライチェーンネットワーク − ユーザの供給者、工場、流通センタ、および顧客のロケーションならびにそれらを結ぶレーン(ならびに関連するプロセスおよびSKU)の構造およびアクティビティを再現すること(ステップ210)を含む。サプライチェーンモデルは、2つのロケーションがあり、その間にレーンがあり、品目を一箇所から別の場所に輸送し、輸送に用いられる資源に関連するコストがあるといった単純な場合もある。あるいは、サプライチェーンモデルは、数十ものロケーションがあり、レーンがロケーションを結び、数千のSKUが各ロケーションにあり、各ロケーション、レーン、およびSKUにペナルティ、制約およびコストが関連付けられたもの等かなり複雑な場合もある。ステップ200を通して定義するようにサンプルサプライチェーンモデル299を図2Iに模式的に示す。
【0028】
上述のように、サプライチェーンモデルを作成するプロセス200は、サプライチェーンネットワークまたはサプライチェーンの構造内のロケーションを定義すること(ステップ210)で始まる。ステップ210において、ユーザが、理想的には、サプライチェーンの定義に必要な数量の、ロケーションについて可能な情報を提供すべきである。通常、ユーザは、図2Bに示すようにロケーションを定義する。具体的には、ユーザはまず、ユーザがユーザ製品の製造または移動に使用する主要な製造工場、供給者、およびDC等、サプライチェーンにおいてメインロケーションを識別する(ステップ212)。供給者はユーザ製品の製造に必要な原材料を提供し、工場はユーザ製品を製造し、DCはユーザのWIPおよび完成品を格納し配送する。ユーザはさらに、ステップ212において定義したロケーションが2つ以上の機能を提供すると指定することができる。例えば、工場がDCとして機能する場合もある。オプションとして、ユーザは、顧客ロケーションをさらに指定することができる(ステップ214)。顧客は、製品がユーザの主な企業運営の主な結果であるかまたはその運営の副産物であるか、ユーザの製品を購入する。顧客ロケーションを定義する際、ユーザはロケーションに物理的な場所を指定することができる。ロケーションおよびロケーションでの単位で行われるアクティビティは、後述するように後のステップで定義される。ロケーション定義の一環として、ユーザは、ロケーションに関連するあらゆる固定費用をさらに指定しうる(ステップ216)。例えば、ユーザは、賃貸費用、機器減価償却、管理費用、税金、保険等を識別することができる。
【0029】
ステップ210においてロケーションが識別された後、ステップ220において、ユーザはこれらロケーションを結ぶレーンを指定する。レーンは、品目をロケーション間で移動するために必要である。通常、ユーザはまた、輸送資源(後述)も追加して、ロケーション間のレーンにわたって品目を移動させる。図2Cを参照すると、本発明の一実施の形態では、レーンは各ロケーションの間に自動的に定義される(ステップ222)。好ましい実施では、レーンは、同様の品目またはSKUを有するロケーション間に自動的に定義される(ステップ224)。ユーザは、複数のレーンを同じロケーション間に指定してもよい(ステップ226)。この特徴により、ユーザはレーン当たり2つ以上の輸送オプション(例えば、鉄道対飛行機)をモデリングすることができる。しかし、ユーザは、デフォルトレーンとして1つのみのレーンを指定する(ステップ228)。デフォルトレーンの資源は、デフォルトレーンによって接続された同じ2つのロケーション間の特定のレーンに関連しない任意のプロセスによって自動的に使用される。
【0030】
次いで、ユーザはサプライチェーンにおいて販売、購入、または製造された品目を指定する(ステップ230)。具体的には、ステップ230において定義される品目は、ユーザの原材料、WIP、または完成品である。例えば、ユーザがチキンライススープを製造する場合、ユーザの原材料品目は、10オンス缶、ラベル、および各スープ原材料を含み、WIPはラベルの付いた缶および混ぜられたスープを含み、完成品は10オンスのチキンライススープ1ケースを含むであろう。
【0031】
図2Dを参照すると、ユーザは、ステップ232において、各品目を定義する各品目の特徴を指定し、ユーザは通常、品目が格納可能かどうかもさらに指定することになる(ステップ244)。例えば、品目は腐敗しやすい原材料または格納可能なWIPでありうる。ユーザは、任意のプレビルド時間限度を各品目にさらに指定する(ステップ246)。プレビルド時間限度は、どの程度前もって品目を製造することが可能かを制限する。
【0032】
品目およびロケーションが定義されると、SKUを作成することができる(ステップ240)。SKUは在庫商品識別番号であり、ロケーションにおける品目を具体的に識別する。同じ品目を第1のロケーションで製造し、中間製品として第2のロケーションに格納し、第3のロケーションにおいて他の品目を製造するのに使用する場合がある。例えば、ユーザは、供給者または工場に小麦粉を有し、工場にクッキー、流通センタにクッキー、または顧客にクッキーがある場合がある。SKUは、サプライチェーンモデルセットアップにおいて重要は役割を果たす。SKUはプロセスに投入される原材料、工場における各種完了段階にあるWIP、工場で製造された完成品、または特定の時間枠内で顧客に配送する必要のある製品である。図2Eを参照すると、ユーザは、SKUが原材料であるか、WIPであるか、それとも完成品であるかを指定する(ステップ241)。ユーザは同様に、ユーザロケーションの1つにおいてSKUが製造されたか、購入したか、それとも販売されたかを指定する(ステップ242)。さらに、ユーザは、顧客サービスレベルの考察において以下に述べるように、顧客SKUに配送時間要件があるかどうかを指定することができる。好ましい実施では、ユーザはまた、異なるロケーションの異なるプロセスにおける同じ品目が同じ参照指定を有するように、参照一貫性を保つ(ステップ249)。ユーザはまた、品目をロケーションに関連付ける(ステップ243)。具体的には、ステップ210において指定された各ロケーションごとに、ユーザがそのロケーションにある品目を指定し(ステップ244)、そのロケーションにおける品目に関連付けるべきプロセスを指定する(ステップ245)。例えば、供給者のロケーションにおいて、ユーザは、品目の供給者または品目の形成に必要なプレビルドをさらに指定する(ステップ246)。同様に、顧客サイトの場合も、ユーザは品目の配送要件を指定する(ステップ247)。
【0033】
図2Eに戻ると、別の構成では、ユーザはサプライチェーンモデルに在庫目標を指定することができる(ステップ240)。在庫資源については、プロセスの定義およびモデリングを助ける入力としてステップ260において上述したが、在庫はサプライチェーンにおけるプロセスの結果として定義することもできる。具体的には、今日の在庫は、以前の購入および製造プロセスから生じるものである。同様に、将来に望ましい在庫レベルは、予想される将来の需要によって形作られる。したがって、ユーザは、計画期間中のサプライチェーンの動作が与えられる場合、1つまたは複数の計画期間後に達成される目標在庫レベルを指定しうる。目標在庫は、サプライチェーンを定義する際にユーザが指定しなければ、任意の最小または最大在庫レベルの間にあるべきである。サプライチェーンの最適化中、計画期間後のSKUの在庫は、SKUの元々の在庫を計画期間中のあらゆる購入または製造プロセスでの正味変化を合算することによって見つけられる。このようにして、在庫レベルに対するサプライチェーンの影響を求めることができる。ステップ240の一環として、ユーザはまた、目標在庫レベルに見合わなかった場合のペナルティも定義する(ステップ248)。ユーザは、目標在庫がハード制約かそれともソフト制約かをさらに指定することができる。
【0034】
この時点において、ユーザは、各ロケーションで行われるビジネスプロセスを識別することができる(ステップ250)。ビジネスプロセスは、品目の購入、製造、移動、または販売等、各ロケーションでのオペレーションを定義する。図2Fに示すように、ユーザは、まずプロセスのタイプを指定することによってビジネスプロセスを定義する(ステップ252)。ユーザは、3つの基本的なビジネスオペレーションタイプの1つとしてプロセスを指定することができる。より具体的には、ユーザは、供給者からの原材料、部分的に完成した品または完成品を供給者から購入するかあるいは顧客へ販売するかに概して関連する購入プロセスを定義しうる。あるいは、ユーザは、原材料からの完成品の製造に関連する製造プロセスを定義しうる。ユーザはまた、ネットワークを通して原材料、WIP、または完成品の物理的な転送に関連する移動プロセスを定義しうる。別のタイプのプロセスであるソースプロセスは、工場とDCロケーションとの間の商品の転送に厳密に関係する。ユーザは、ビジネスの日々のオペレーションを特にモデリングするために必要な、これらのプロセスの各種組み合せを使用して、SKUがユーザのネットワークを通してどのように移動するかを記述するなど、サプライチェーンの側面を記述することができる。
【0035】
図2Fに戻ると、ユーザは、プロセスに関わるロケーションおよび品目を指定することによってプロセスをさらに定義する(ステップ253)。次いで、ユーザは、サプライチェーンモデル中のプロセスの記述に必要な他の情報を提供しうる(ステップ254)。
【0036】
購入プロセスは、指定した原材料供給者を使用するかまたは製品を顧客に販売する全体的なコストを計算する。購入プロセスを定義するプロセスは、ユーザが供給者から購入する品目およびそのロケーションまたは顧客に販売する品目を決定することで始まる。次いで、ユーザは、供給者からの品目を購入する価格、または品目を顧客に販売する価格を指定する。
【0037】
製造プロセスは、完成品を製造する、または原材料を中間材料または完成品に変える全体的なコストを計算する。製造プロセスを作成するために、ユーザは、製造プロセスに関わる品目およびロケーションを決定する。具体的には、ユーザは、製造プロセスで使用する品目および製造プロセスで製造される品目を指定すべきである。ユーザは、製造プロセスのコストをさらに指定すべきである。製造プロセスのコスト求める一環として、ユーザは、労働力等製造プロセスで使用される資源を識別すべきである。
【0038】
ステップ250において移動または調達プロセスを作成するプロセスは、移動に関わる品目およびレーンを定義すること、およびレーンで品目を移動するコストを定義することを含む。この情報が与えられると、移動プロセスは、原材料、中間材料、または完成品をサプライチェーンネットワークを通して移動するコストを計算する。プロセスを効率的にモデリングするために、ユーザは、適切な輸送レーン、輸送資源、およびこれら資源のコストおよび容量を構成すべきである。移動または調達プロセスを定義する際、ユーザは、各レーンで移動し得る輸送の種類も考慮に入れるべきである。ユーザは、輸送資源の容量を測定する方法、ならびに移動プロセスに関わる品目の数量を測定する方法をさらに指定する。ステップにおいて移動プロセスのコストを求める際、ユーザは、受け取りおよび出荷に関連するコスト明細を明らかにするためにインハンドリングおよびアウトハンドリング資源を含めるべきかどうかをさらに考慮すべきである。
【0039】
ステップ252において定義されるプロセスは、概して、ステップ210において定義される単一ロケーションあるいはステップ220において定義されるレーンに関連する。例えば、ビジネスが完成品を工場からDCに移す場合、ユーザは移動プロセスを2つのロケーション間のレーンに追加すべきである。
【0040】
多くのビジネスの場合、正しい製品を正しい場所に正しい時間に配送することの優先度は、サプライチェーンオペレーションにおいてますます重要になってきている。図2Fに戻ると、ユーザは、SKUまたはロケーションを定義している間、SKUまたはロケーションの1つまたは複数のサービスレベルを指定しうる(ステップ255)。サービスレベルまたはサービスレベルのセットは、製品をどの程度迅速に顧客に配送するかを定義するために用いられる。具体的には、ユーザは、特定の時間期間内に出荷しなければならない製品の割合を設定する。この割合は、特定の収益が特定時間期間内に顧客にもたらされる場合には製品の収益の割合、あるいは特定数量の製品が特定の時間期間内に顧客にもたらされる場合には製品数量の割合とすることができる。次いで、サプライチェーンモデルの最適化が、選択されたサービスレベル指定に見合いながら、コスト最小化または利益最大化する実行可能な解を提供する。本質的に、ステップ267にさらに詳細に後述するように、サービスレベルはハード制約として機能する。
【0041】
サービスレベルがユーザのサプライチェーンに恩恵をもたらしうるいくつかの状況がある。大半の状況では、ユーザは、個々の顧客SKUにまたはロケーションにおけるすべてのSKUを含む個々の顧客ロケーションにサービスレベルを指定する。例えば、ユーザは、出荷を保証したい優先顧客がいる製品を製造する場合がある。ユーザは、これと同じ製品を要求する他の顧客を有しうるが、これら他の顧客は配送要件において要求が厳しくない。サービスレベルを設定することによって、ユーザは、要求のあまり厳しくない顧客をなお満足させながら、優先顧客の需要をまず満たす(たとえそうすることでより費用がかかるとしても)解を探す。あるいは、一人の顧客が、特定数量の製品を速く出荷することに対してより多く支払う意思がある場合がある。サービスレベルの設定により、ユーザは、この顧客に所望の割合の製品を短い時間枠内で出荷しながら、残りの割合をより長い時間枠内で出荷するサプライチェーンの解を探すことができる。
【0042】
次に、ステップ255におけるサービスレベルの定式化について述べる。各カレンダ期間tごとにサービスレベル要件を定義するにあたり、ユーザはまず、サービス割合P(0δPδ1)およびリードタイム要件Dτ0を定義する。例えば、P=0.95(95%を表す)かつD=2日間と設定すると、総利益(数量)の95%を2日間以内で配送する必要がある。
【0043】
SKU数量によるサービスレベルの場合、Atが、出力としてSKUxを有し、リードタイムδDである販売プロセスにより期間tに到達する総利益(数量)である。そうすると、Btは、出力としてxを有し、リードタイムが>Dである販売プロセスにより期間tに到達する総利益(数量)である。すると、制約は以下になる。
At/(At+Bt)τP
または
(1−P)At−PBtτ0 式1
【0044】
xを供給する販売プロセスsの場合、サービスレベルが数量単位の場合には、Zt(s)を1に等しくし、サービスレベルが利益単位の場合には、Zt(s)を、sを介してのxの販売価格に等しくする。販売プロセスは出力SKUの販売価格を変更する(override)ことが可能なため、Zt(s)はxの販売価格であっても、また変更価格(overriden price)であってもよい。利益によるサービスレベルは積層価格とは相容れないため、sが積層価格(ステップ265において後述する)を有する場合、Zt(s)はsのローカル価格である。
【0045】
AtおよびBtの上記定義により、
At=6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)かつ
s□N(x,D) 式2
Bt=6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)かつ
s□F(x,D) 式3
【0046】
となる。式中、
N(x,D)はxを出力SKUとして有し、リードタイムL(s)δDを有するすべての販売プロセスsの集合であり、
F(x,D)はxを出力SKUとして有し、リードタイムL(s)>Dを有するすべての販売プロセスsの集合であり、
Rt(s)はカレンダー期間tでのsについてのxの要件量であり、
Zt(s)はsを介してのxの販売価格であり、
Xt(s)はカレンダー期間tでのプロセスsの実行数であり、
P=P(s,t)はリードタイムL(s)に包含される期間tからの期間数である。
したがって、期間tに開始される販売プロセスsの実行結果は、期間t+pの冒頭でxのロケーションで到達することになる。
【0047】
式2および式3を式1と組み合わせると、制約は以下になる。
(1−P)6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)−P6Rt−P(s)Zt(s)Xt−P(s)τ0
s□N(x,D) s□F(x,D) 式4
【0048】
xを供給する販売プロセスsの実行の係数として見ると、式4は以下のように書き換えることができる。
6 6KΩ(s)XΩ(s)τ0
s Ω+p(s,Ω)=t 式5
【0049】
式中、
L(s)δDの場合、KΩ(s)=(1−P)Zt(s)RΩ(s)
L(s)>Dの場合、KΩ(s)=−PZt(s)RΩ(s)
0δΩδt=Ω+p(s,Ω)δT−1、かつ
Tは計画カレンダー期間の数である。
【0050】
ロケーションによるサービスレベルの設定も、Atが、出力として顧客ロケーションCにおける任意のSKUを有し、D未満のリードタイムを有する販売プロセスによって移動する総利益(数量)として再定義されることを除き、同様である。同様に、Btは、出力として顧客ロケーションCにおける任意のSKUを有し、Dを上回るリードタイムを有する販売プロセスによって移動する総利益(数量)である。したがって、AtおよびBtは数学的に以下のように書き換えることができる。
At=6(6Rt−p(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s))
x@C s□N(x,D) 式6
Bt=6(6Rt−p(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s))
x@C s□F(x,D) 式7
【0051】
式中、
6((1−P)6Rt−P(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s)−P6Rt−P(s)(s)Zt(s)Xt−P(s)(s))τ0
s□N(x,D) s□F(x,D) 式8
【0052】
数量単位のサービスレベルの場合、Rt(s)のすべての係数を、共通の測定単位に変換しておかなければならない。サービスレベルが利益単位の場合、Rt(s)の測定単位は、Zt(s)の測定の分母の単位と同じでなければならず、すべての販売価格Zt(s)の測定の分子の単位はすべてのtおよびsで同じでなければならない。
【0053】
CにおいてSKUを供給する販売プロセスsの実行の係数として見ると、式8を以下のように書き換えることができる。
6 6KΩ(s)XΩ(s)τ0,
s Ω+p(s,Ω)=t 式9
【0054】
式中、
L(s)δDの場合、KΩ(s)=(1−P)Zt(s)RΩ(s)
L(s)>Dの場合、KΩ(s)=−PZt(s)RΩ(s)
0δΩδt=Ω+p(s,Ω)δT−1かつ
Tは計画カレンダ期間の数である。
【0055】
図2Fに戻ると、ユーザは、解におけるSKUの最大ソース数をさらに指定しうる(ステップ256)。この“最大調達先”ステップ後、SKUは指定されたロケーション数以下からのみ調達することができる。すべての場合において、最大調達先はSKUを受け取るロケーションの観点から見られる。最大調達先は、工場、DC、工場DCの組み合わせ、および顧客に存在するSKUにのみ適用可能である。任意の制約(以下のステップ268参照)と同様に、最大調達先はモデルに制約を課し、最大調達先なしで生成されたものよりも費用が少ないまたはより利益のある解を生成することは決してない。
【0056】
最大調達先は、ロケーションまたはSKUによって定義することができる。ロケーション最大調達先では、宛先ロケーションで受け取るすべてのSKUが、指定された数のロケーション以下から発せられたものである必要がある。例えば、ニューヨーク工場と呼ばれるロケーションが50SKUを有し、かつユーザが2つのみのロケーションからの調達を望む場合、ニューヨーク工場へのすべてのSKUは同じ1つまたは2つのロケーションから発せられたものでなければならない。
【0057】
反対に、SKU最大調達先では、選択された各SKUが指定された数のソース未満から発せられたものである必要があるが、その他のSKUと必ずしも同じソースである必要はない。選択されたSKUは、いくつかの指定された調達先から調達されるが、同じ調達先を共有する必要はない。例えば、ユーザが品目Aおよび品目Bに1つのソースを指定する場合、ニューヨークロケーションにおける品目Aはシカゴから調達されるが、ニューヨークロケーションにおける品目Bはアトランタから調達される場合がある。ユーザが一箇所ですべてのSKUを選択する必要はないことを理解されたい。例えば、ユーザは、高価なすなわちクリティカルな構成要素のソースを最大化したいが、他の構成要素を任意の利用可能なソースから調達したい場合がある。ユーザはさらに、いくつかを同じ第1の共通ロケーションから調達し、他を別のロケーションから調達できるように、SKUをグループ化しうる。
【0058】
ユーザはさらに、一モデルにおいて、ロケーションおよびSKU最大調達先を混合しうる。例えば、ニューオリンズDCをロケーションからの最大ソースとして指定し、カンザスシティDCをSKUベースとすることができる。しかし、ユーザがロケーションおよびSKU最大調達先を同時に実施しようとする場合、ロケーション最大調達先がそのロケーションでのSKU最大調達先よりも優先される。
【0059】
通常、ユーザは、調達先−宛先の対での任意の調達先ロケーションにソースを定義する。ロケーションがSKU(製造プロセスを介して)を製造する場合、調達先は宛先でもある。したがって、混合調達先評価で考えるために、宛先はソースでありうる。例えば、単一のロケーションでSKUを製造するまたは単一ロケーションから調達するという製造−購入決定は、最大ソース数を1に指定することによって行うことができる。最大ソース数が1に指定された場合、宛先(品目が製造される)あるいは別のロケーションを選択する。
【0060】
次に、最大調達先の単純な例を提供する。本例では、ある製品(Widget)の名称で呼ばれる品目をニューヨークロケーションで使用する(Widget@NewYorkに対応するSKUになる)。さらに、部品はニューヨークで製造するか、またはシカゴもしくはボストンロケーションから購入することができる。ユーザがWidget@NewYorkに1つのソースを指定する場合、2つの解決方法がある。ユーザは、製造プロセスを介してニューヨークをそれ自体に可能なソースとして含みうる。本実施では、モデルがソースをニューヨーク、シカゴ、またはボストンになるように選択する。ニューヨークが最適化において選択される場合、Widget@NewYorkと呼ばれるすべてのSKUがニューヨークで製造されるべきである。その他のロケーションの1つが最適化において選択された場合、Widget@NewYorkはそのロケーションから調達されるべきであり、SKUはニューヨークで製造されない。このようにして、本実施は、宛先を可能なソースとして含む。1つのみのソースが指定される本例では、最適な解は、自動的な製造/購入決定能力を与える。ユーザが2つのソースを指定する場合、モデルは3つのうちどの2つが最良かを評価し、調達先をその2つのロケーションに限定する。
【0061】
一方、ユーザは、宛先における製造プロセスが最大調達先制約から独立するように、最大ソースステップを実施しうる。上記の場合、最大ソース最適化は、Widget@NewYorkの製造プロセスを考慮せず、この製造プロセスは最大調達先決定の対象とされない。したがって、SKU、Widget@NewYorkはシカゴあるいはボストンから調達される。この場合、SKUはそのロケーションで製造しうるが、他の1つのロケーションからしか調達されない。
【0062】
ロケーションおよびSKU最大調達先の双方について、調達先ロケーションの数が正しい限り、それらロケーションに複数のプロセスまたはレーンがありうる。最大調達先は、プロセスの数または調達先もしくは宛先を結ぶレーンに関係なく適用される。この特徴はまた製造プロセスにも適用されるため、SKUを宛先ロケーションで製造可能である、または別のロケーションから調達することが可能な場合、1つのソースの選択がロケーションの1つのみを選択する。例えば、いくつかの異なる製造プロセスを使用して品目Xをニューヨークで製造可能な場合、またシカゴから複数の購入プロセスを介して購入可能な場合、最大ソース数はなお1である。最大調達先限度は、ニューヨークまたはシカゴを選択するが、最適な解は、指定されたロケーションでの適用可能なプロセスの任意のプロセスを使用しうる。
【0063】
ユーザはさらに、サプライチェーンの最大ソース最適化にタイミングを決定すべきである。具体的には、ユーザは、最大調達先をタイムホライズン(time horizon)全体あるいはタイムホライズン内の限られた時間期間に実施するか選択しうる。計画ホライズン全体にわたる最大調達先の場合、ソースは計画カレンダ全体にわたり同じままである。限られた時間期間に実施される最大ソース限度の場合、ソースは各時間期間で変更可能である。
【0064】
最大調達先の追加は、サプライチェーンの最適化を行うことが不可能な実現不可能な問題の可能性を増大させる。例えば、ロケーションが最大1ロケーションで最大調達すべき場合、すべての品目が少なくとも1箇所から入出可能でなければならない。同様に、制限がX箇所のロケーションの場合、すべての品目はX箇所のロケーションの少なくとも1つから入手可能でなければならない。事前処理中、あらゆるSKUを指定された数のロケーションのグループ内の少なくとも1つのサイトから入出可能ではない場合、最適な解をもたらすことができない。実現不可能なサプライチェーン最適化の問題は、ステップ500において以下対処する。
【0065】
図2Fに続き、解決すべき問題の定義付けの一環として、ユーザは、サプライチェーン最適化に時間枠または計画ホライズンをさらに指定しうる(ステップ330)。ステップ330において、ユーザは、どの程度先まで計画するか決定する。時間枠選択のこの決定は、概して、ユーザが解決しようとしているビジネス問題に基づく。概して、短い時間枠ほど良好で正確な予測が提供されるが、問題に対する洞察は少ない。反対に、長い予測は、概して不正確であるが、価値のある傾向情報およびサプライチェーンの変更からの大まかな結果を提供しうる。本発明の実施の形態では、ユーザは、3ヶ月と短い計画ホライズンからその先24ヶ月まで指定しうる。
【0066】
計画ホライズンを定義する一環として、ユーザは1つまたは複数のリードタイムも指定しうる(ステップ258)。リードタイムは、製品がビジネスプロセスを流れるためにかかる時間量を指定する5日間または2週間等の時間持続期間である。リードタイムは、ステップ250において定義される任意のプロセスに組み込むことができる。リードタイムをサプライチェーンモデルに導入する利点は、現実世界の条件およびニーズをより良好にシミュレートする最適なサプライチェーンソリューションを達成することである。例えば、ユーザは、2週間遅延を製造プロセスにモデリングして、製品を完成品としてサプライチェーンに出す前に製品を保持することができ、それによって製品をプロセス内で製造するために必要な時間をシミュレートする。リードタイムの概念をサプライチェーンモデルに導入することにより、モデルの最適化は、最適な最小費用または最大利益解を求める際に費用、生産能力、およびリードタイムの間のトレードオフを考えることができる。例えば、製造プロセスが完成品の製造に2週間必要な場合、製造プロセスにおける原材料の需要は、独立した完成品の需要前の2週間に現れる。同様に、ステップ255の上記サービスレベルにおいて指定される配送締め切り等、特定の時間枠以内での製品の配送が求められる場合がある。
【0067】
決定にリードタイムを使用することにより、全体的に単純な方法論および設計を保ちながらこの複雑な機能性を生み出すことが助けられる。特に、サプライチェーンは概して、所与の時間期間にプロセスに入る製品量はその時間期間の冒頭において入るという仮定でモデリングされる。次いで、プロセスリードタイムが追加されて、サプライチェーンモデルの所与の時間期間に関係なく、製品をいつサプライチェーンの残りに出すべきか(流出日)を計算する。
【0068】
一実施では、流出日が時間期間の前半(50%以下)内にある場合、製品はその時間期間で出される。その他の場合、製品は次の時間期間に出される。例えば、調達プロセスのリードタイムが6日間であり、一対の時間期間がそれぞれ1週間(7日間)続く場合、最初の時間期間中にプロセスに入った製品は、流出日が最初の時間期間の後半にあるため、2番目の続く時間期間まで出されない。反対に、時間期間が1ヶ月(30日間)である場合、ある時間期間にプロセスに入る製品は、リードタイムが時間期間の半分未満であるため、その時間期間に出されることになる。本例の後半からわかるように、リードタイムが計画カレンダ中の最も短い時間期間の50%以下の場合、製品はある時間期間から別の時間期間には決して遅れないため、リードタイムは影響を持たない。この理由により、ユーザは、サプライチェーンが、計画カレンダ中の時間期間の長さの半分よりも長いリードタイムを有する場合、最も有益なリードタイムを見つける。
【0069】
遅れにつながるリードタイムを有するプロセスの場合、最適化は時間期間に実行開始されたプロセスの数およびその時間期間に実行完了したプロセスの数を計算する。リードタイムが遅れにつながらない場合、すべての実行は同じ期間に行われる。
【0070】
ユーザは、ステップ258の一環として、リードタイムオフセットおよび持続期間値を資源に割り当てる。オフセットは、再使用可能な資源をいつプロセスに供給するかを指定し、持続期間は、リードタイムを通して資源をプロセスに供給する長さを規定する。次いで、資源オフセットおよび資源の持続期間値の和を用いて、プロセスのリードタイムを求めることができる。プロセスに2つ以上の資源がある場合、プロセスのリードタイムは、プロセスに供給されている資源の最長リードタイム(オフセット+持続期間)に等しい。
【0071】
したがって、プロセスに第1のリードタイムを持たせ、プロセスで使用される資源に第2のリードタイムを持たせることが可能である。この状況は、完了にいくらかの時間かかり、獲得にいくらか時間のかかる入力を使用する製造プロセスに類似する。この場合、最適化は、第1または第2のリードタイムのうち長いほうを使用する。例えば、プロセスのリードタイムが2週間であり、プロセスで使用される資源のオフセットが1週間であり、持続期間が4週間の場合、サプライチェーンは5週間のリードタイム(オフセットに持続期間を足したもの)を使用して最適化される。反対に、プロセスのリードタイムが元々6週間に設定されていた場合、6週間は製造プロセスに必要な最大週数であるため、最適化は6週間を最終的なプロセスリードタイムとして使用する。
【0072】
資源要件のリードタイムオフセットを使用することにより、ユーザは、単一のプロセスから段階が付くとともに延びて重複した再使用可能な資源のドロー(draw)をモデリングしうる。例えば、ユーザは、資源を順次使用する必要がある3段階の製造プロセスをモデリングすることができる。この例では、資源のリードタイムは、プロセスが別の資源の使用を完了するのを待つことを表す。その他の場合、資源のオフセットおよび持続期間を使用せずにこのサプライチェーンをモデリングするには、ユーザが2つの余分の製造プロセス、2つの中間品目、および2つの中間SKUを指定する必要がある。
【0073】
資源がプロセスを開始すると、資源のドロー量がプロセス実行当たりの資源のドローに関して指定される。プロセスにリードタイムがない場合、資源のドローはプロセスの実行と同じ時間期間に発生する。プロセスにリードタイムがある場合、資源のドローはリードタイム値および計画期間長に依存する。オフセットおよび持続期間が資源に設定されていない場合、サプライチェーンは、リードタイム全体を通して資源がプロセスに供給されるという仮定を用いて最適化される。例えば、週単位の計画カレンダおよび3週間のリードタイムおよび労働資源を有する製造プロセスの場合、ユーザがオフセットおよび持続期間を指定しない場合、資源はプロセスに3週間供給される。一方、オフセットおよび持続期間が双方とも1週間の場合、資源はプロセスにリードタイムの2番目の週のみ供給されることになる。
【0074】
別の実施の形態では、ユーザは、プレビルド(上記ステップ232において紹介した)の使用およびステップ240において指定したリードタイムを調整することができる。品目にプレビルドを使用すると、ユーザが需要を満たすためにどれくらい初期に製造または購入するかを制限することができる。プレビルド時間枠により、品目が顧客ロケーションに到達する前に、または製造プロセスで消費される前に、品目がサプライチェーンに残ることのできる計画期間数を制限する。動作にあたり、時間枠は任意のリードタイムと併せて動作する。例えば、サプライチェーンを通して品目に続く場合、時間が経過するパスに見られる任意のリードタイムがプレビルド制限に対してカウントされる。
【0075】
図2Fに戻り、ユーザはさらに、各プロセスに関連する固定費用を定義することができる(ステップ259)。例えば、ユーザは、購入プロセスに結ばれた役務契約または製造プロセスに関連する諸経費を識別しうる。
【0076】
再び図2Aを参照すると、ステップ250において定義される各プロセスについて、ユーザはまた、特定のプロセスに必要な資源を定義しうる(ステップ260)。資源は、ユーザサプライチェーン中のビジネスプロセスによって消費、使用、または製造されるエンティティである。図2Gに示すように、ユーザは、概して、資源のタイプを指定し(ステップ262)、定義された各資源を1つまたは複数のロケーションに関連付ける(ステップ263)。別のタイプの資源としては、格納、労働力、機械、製造、材料変換、インハンドリング(商品の受け取りに関連)、およびアウトハンドリング(商品の出荷に関連)に関連する資源があげられる。例えば、特定のロケーションに定義される典型的な製造プロセスは労働力資源を使用し、完成品のための格納資源を必要としながら格納資源を消費する。輸送資源を定義する際、ユーザは、これら資源をステップ220において定義されるレーンに関連付けることができる。ユーザは、測定単位および各資源の価格等、資源を定義する他の特徴をさらに指定しうる(ステップ264)。
【0077】
本発明の好ましい一実施の形態では、ユーザは、資源の1つまたは複数に積層値付けを定義しうる(ステップ265)。積層値付けは、資源が購入または販売される量の変化に伴って資源の価格または費用が変化することを指す。積層値付けを使用して、工場を開閉決定および負荷平準化等現実世界の特徴をモデリングすることができる。ユーザはまた、規模の経済を増大してモデリングすることもできる。例えば、以下の表1は、購入数量の増大に伴って単位価格が下がる資源を示す。
【0078】
【表1】
【0079】
積層値付け表の場合、資源の総費用/価格を計算する2つの方法がある。以下の表2に例示するように、ユーザが階段関数費用構造を使用して単位費用を表す場合、費用計算は直接求められる。表2中の積層値付け/費用の定義により、図5のグラフ500に示すような構造を有する総費用曲線がもたらされる。グラフ500は、資源の量の変化に伴って価格または費用の段階またはジャンプの存在によって区別される。本例では、資源の任意の単位の費用は、資源量が変化するにつれて変化する。図5からわかるように、多量の資源を購入するほど、費用を少なくすることができる。
【0080】
【表2】
【0081】
反対に、ユーザは、以下の表3のように、累積ベースで費用/価格構造を設計して総費用を計算することもできる。この状況では、資源の追加ユニットの費用は、量の増大にともなって変化する。
【0082】
【表3】
【0083】
このタイプの費用計算は、累積費用計算と呼ばれる。図6のグラフ600に示すように、累積費用曲線の総費用曲線はジャンプまたは階段を持たず、代わりに、追加ユニットの費用が変化するキーポイントで傾きが変化する。
【0084】
別のタイプの積層値付け構造では、一定費用が“単位当たり”費用に追加される。各層において、総費用または価格を求める式は、以下になる。
Y=UX+B (式10)
【0085】
式中、Yは総費用であり、Uは単位当たりの費用であり、Xは資源の量であり、Bは一定費用である。一定費用は、費用計算の直接手法または累積手法のいずれかに追加することができる。Bすなわち一括費用は、資源の獲得/製造の追加費用を表す。例えば、機械を500時間使用するごとに$1000の維持費がかかる場合、これは、単位当たりの費用の図のみでは説明することができないある量の範囲(500時間毎)にわたる平坦な変化である。積層機能性の一環として、このタイプの費用を考慮に入れるために、一括費用は変数式に追加される。
【0086】
一定費用を追加して直接手法を使用する費用計算を表4に示す。図4の積層値付け構造は、図7におけるグラフ700に示すような構造を有する価格総費用曲線をもたらす。図7は、図5と同様の総価格曲線を示すが、垂直にシフトされている。
【0087】
【表4】
【0088】
同様に、同じ一定費用を使用する累積値付け手法による一定費用の例を表5に与える。表5の積層値付け構造は、図8に示すグラフ800に示す価格総費用曲線をもたらす。
【0089】
【表5】
【0090】
したがって、ユーザは、複数の単位当たり費用/価格、この単位費用が適用される数量レベル、一括費用、および直接法それとも累積法を使用して積層値付けが求められるかの指示を指定することによって積層値付け構造を作成する。積層値付けのサプライチェーンでの最適な解の計算について、ステップ400の考察においてさらに詳細に後述する。
【0091】
図2Gに戻り、ユーザはさらなる制約をサプライチェーンモデルに追加しうる(ステップ267)。これら制約は、資源の有限容量およびSKUに対する各種数量制限をモデリングするために、サプライチェーンネットワークに追加される。ユーザは、違反不可能なハード制約およびサプライチェーンの最適な構成を達成するために必要であれば、費用を伴って違反可能なソフト制約を実施しうる。サプライチェーンモデルで実施しうるハードおよびソフト制約の例としては、最小再使用可能資源容量、最大再使用可能資源容量、最小SKU流入量、最大SKU流入量、SKU安全在庫、ロケーションで所持する最大SKU、最小SKU流出量、最大SKU流出量、独立したSKUの需要、最大SKU需要、最小再使用可能レーン容量、最大再使用可能レーン容量、および供給割合制約が挙げられる。
【0092】
ユーザは、ハード制約を実施して、制約に違反してはならない状況をモデリングしうる。例えば、ユーザは、費用に関係なく、工場で増やすことができない最大生産能力を有する機械資源をモデリングしたい場合がある。ユーザが最大制約をハードに設定する場合、サプライチェーンへの最適な解はこれら制約に違反することはできない。
【0093】
上述したように、ソフト制約は、サプライチェーンモデルにおいて実現可能であり最適なプランを達成するために違反しうる制約である。可能な場合、サプライチェーンはいずれのソフト制約も違反することなく最適化すべきである。ソフト制約を定義する際、ユーザは関連するペナルティコストを割り当てる。ペナルティコストは、制約に違反した場合、単位当たり増分費用を追加する。ユーザが過度に大きなペナルティコストを指定する場合であっても、ソフト制約はなお、サプライチェーンモデルに対して実現可能であり最適な解を達成するために違反しうるという点において、ハードは制約とは異なる。例えば、再使用可能資源の最大容量制約が50時間であり、ペナルティコストが$1000/時である場合、資源を75時間使用するサプライチェーン構成は、合計ペナルティ$25000(75時間−50時間)*$1000/時を有する。
【0094】
最適なサプライチェーン構成を生成するために2つ以上のソフト制約に違反する場合、一般に、最小のペナルティコストのソフト制約にまず違反する。したがって、ペナルティコストは、サプライチェーンネットワークにおけるソフト制約の重要度をランク付ける手段である。
【0095】
ユーザがハード制約およびソフト制約の双方を資源またはSKUに定義する場合、総合的な制約はハードであると仮定される。例えば、ユーザの唯一の工場ロケーションが、SKUの出力に対してソフトな最小または最大制約を有し、かつ顧客ロケーションが、受け取るSKUのハードな最小制約を有する場合、その工場は、顧客ロケーションにおいて必要な量未満を出力することができない。
【0096】
ステップ267において制約を定義する場合、ユーザは、結合して実現不可能問題を生じさせるハード制約の組み合わせを作成しないように注意すべきである。例えば、ユーザが、工場における製造プロセスに求められる生産が少なくとも50kg/月であるハードな最小制約のある製造資源と、その工場から別のロケーションに製品を20kg/月出荷するハードは最大制約のある輸送資源とを作成する場合、これら双方の要件を満たすサプライチェーン構成はない。特に、最小生産が最大輸送容量よりも大きいため、実現可能な解は存在しない。制約のうちの一方がソフトであったならば、実現可能な解を達成することができる。したがって、実現不可能な解になる状況では、ユーザは、ハード制約の1つまたは複数を再定義して、どれを緩和してソフトに設定するかを判断すべきである。
【0097】
しかし、ハード制約の使用は、モデリングおよび計算が容易であるという点において、重要な計算的利点を有する。さらに詳細に後述するように、サプライチェーンネットワークにおける制約は一次式に変換される。制約がソフトである場合、提案された解がソフト制約に違反することの価値量を保持するため、余分なペナルティ変数が作成される。ネットワーク中のソフト制約の数が増えるにつれ、ペナルティ変数の数も増える。ハード制約はペナルティ変数を必要としないため、ハード制約を使用すると、余分な制約および変数の生成するメモリ要件を通して、処理オーバヘッドが低減する。
【0098】
図2Gに戻り、本発明の別の実施では、ユーザは、資源の次元数を定義しうる(ステップ268)。一次元の資源は、単一測定単位で消費される。これらのタイプの資源としては、インハンドリング、労働力、機械、材料変換、アウトハンドリング、製造、および輸送資源が挙げられる。これら資源の測定単位は、時間、ポンド、フィート、キログラム等であることができる。例えば、労働力資源は時間に関して値付けされ消費され、利用は時間で表現される。そして、労働力資源の費用は、1時間単位の労働力費用を消費された時間数で乗算することによって求められる。
【0099】
例えば、製造プロセスに、SKUを20kg製造するために10時間の労働力資源が必要であると想定する。すると、労働力資源の利用は、SKU要件に労働力資源要件を乗算したものでSKUの需要を除算したものに等しい。したがって、サプライチェーンにおいてSKUが100kg必要な場合、50時間(100/20*5時間)の労働力資源がサプライチェーンにおいて必要である。労働力が1時間当たり$5かかる場合、SKUを100kg製造するために必要な労働力資源は$250($5/時間*50時間)である。サプライチェーンは、任意の資源の最大限度をさらに有することが可能であり、高い資源費用でもってのみ限度を越えることが可能である。容量の概念は、ステップ267に付随する説明においてかなり詳細に上述した。総ペナルティコストは、実際に利用された労働力資源から最大容量を差し引いたものに、資源ペナルティコストを乗算したものに等しい。例えば、上記サプライチェーンにおける労働力資源の最大量が10時間であり、追加時間の費用が時間当たり追加$10の場合、労働力資源の費用は、$250+追加$500(50時間−10時間)*$10)であり、すなわち総計で$750になる。
【0100】
対照的に、二次元資源は、第2の要素を資源の計算に付加する。通常、これら二次元資源は、測定単位および時間の持続期間に関して消費される。例えば、在庫資源は二次元と説明することができる。在庫資源の場合、パレット、ポンド、または平方フィート等の量が、数日、数周、または数ヶ月等の時間期間にわたって消費される。在庫資源は、SKUの在庫維持費を求めるために、または製造プロセスによってドローされている資源として使用することができる。特定のSKUの在庫維持費の場合、ユーザは、各計画期間の最終在庫を、指定された在庫資源の1日当たりの費用および計画期間の日数で乗算する。二次元の在庫資源を組み込むため、サプライチェーンモデルは、時間測定を考慮するために持続期間値をさらに含むべきである。特に、SKUの在庫資源利用は、在庫資源要件と製造プロセスにおける在庫資源持続期間との積に、SKUの総所要量および製造プロセスにおいて製造されるSKUの量の比を乗算したものとして定義することができる。
【0101】
前の例に戻り、SKUの総所要量は100kgであり、製造プロセスにおいて製造されるSKUの量は20kgであるため、SKUの需要を満たすためには5サイクルの製造プロセスが必要である。製造プロセスの在庫資源要件がサイクル当たり10kgであり、在庫資源持続期間がサイクル当たり7日間の場合、在庫資源の総所要量は10kg*7日間*(100kg/20kg)すなわち240kg−日である。サプライチェーンモデルの計画期間が30日間である場合、必要な格納資源の平均量は240kg−日/30日すなわち11.7kgである。同様に、格納資源の費用が$20/kg−日である場合、本例での格納資源の総費用は240kg−日すなわち$7000である。
【0102】
ユーザによって提供されるサプライチャンネルモデルにいくかの異なるプロセスがある場合、各ロケーションにおける在庫資源使用は、各プロセスからの在庫資源使用を合計することによって見つけることができる。
【0103】
在庫資源をモデリングする場合、ユーザは、ステップ267において定義される、在庫資源の最大利用可能量を表す最大在庫容量をさらに考慮すべきである。概して、在庫容量は計画期間全体を通して一定であり、在庫消費は、時間期間の終わりにおいて容量を超えることはできない。同時に、品目がロケーションから移されると、スペースの空きを表すように在庫資源は自動的に更新される。この在庫資源の特徴は、消費されるとすぐに枯渇し、ある他のオペレーション(購入プロセス等)なしでは補充することができないその他のタイプの資源とは異なる。在庫容量を超えると、望ましくない結果になる、またはサプライチェーンの最適な解を求める際に考慮すべき費用を有することになりうる。在庫容量をサプライチェーンモデルに導入し実行するために、ユーザは、ステップ267の一環として在庫ペナルティコストを指定しうる。在庫ペナルティコストは、さらなる在庫スペースの取得等、在庫容量を超過することの費用を表す。総ペナルティコストは、在庫の過度の使用(すなわち、平均在庫利用から在庫を引いたもの)を計画期間の持続期間および日々のペナルティコストを乗算することによって見つけることができる。例えば、前の例での容量が10kg−日であり、在庫ペナルティが$10/kg−日である場合、総ペナルティコストは(11.7kg−日−10kg−日)*30日間*$10/kg−日、すなわち$510である。
【0104】
この在庫ペナルティは、チャート900を有する図9に模式的に示される。チャート900では、縦軸は在庫資源量を表し、横軸は計画期間の日数を表す。チャート900はさらに、11.7kg/日の在庫資源使用のうち10kg/日の容量の超過部分を表す影の付いた領域910を含む。そうすると、計画期間(本例では30日間)での在庫使用超過の総量は、影を付けた領域の面積である。したがって、超過在庫の総ペナルティは、影の付いた領域の面積を、在庫容量を越えることの単位当たりの費用を乗算したものに等しい。
【0105】
図2Gに戻ると、ユーザは、各資源に関連する固定費用をさらに定義しうる(ステップ269)。例えば、ユーザは、特定の機械の減価償却、労働力を監督するための料金、製造資源の維持費等を識別することができる。これらのタイプの費用は、サプライチェーン動作の構成に関係なく生じる。
【0106】
図2Aに戻ると、本発明の別の実施の形態では、ユーザが税金および関税情報を指定することが可能である(ステップ270)。ユーザは、この情報を供給してもよく、またこの情報を第三者から得てもよい。次いで、サプライチェーンの最適化中、税金および完全情報を使用して、普通ならステップ200において定義される費用価値を変更することができる。この機能性により、ユーザは、国際的なロケーションが関わる最適な供給構成を見つけることができる。具体的には、ユーザは、普通ならサプライチェーンモデルに組み込まれないロケーションに関連する関税および税金を指定することができる。税金/関税値は一般に、あるロケーションに/からユニットを移動させる費用を表す。税金/関税データは、まずステップ250におけるロケーションでのプロセスを定義付ける一環として指定しうるが、税金および関税を別個に定義する能力により、ユーザは、サプライチェーンの解析中にこれら費用を切り離すことができる。さらに、税金および関税を別個に定義する能力により、ユーザは、比率およびロケーションの変更に合わせて調整する必要に応じて、これら値を容易に変更することができる。
【0107】
図2Hに示すように、ステップ210〜260においてサプライチェーンモデルを定義するために使用されるデータは、ユーザによって作成されても(ステップ201)、またデータベース等外部データ記憶ロケーションからインポートしても(ステップ202)よい。あるいは、ユーザは前に定義されたサプライチェーンからデータをインポートしても(ステップ203)、またデフォルトの予め定義された値を使用しても(204)よい、また、ユーザは、ロケーション、プロセス、資源、またはスキュー等サプライチェーンの一部を先に定義した後に、サプライチェーンの先に定義された部分から情報をコピーし、この情報を変更することによって(ステップ205)サプライチェーンの新しい部分を指定してもよい。例えば、ユーザは、第1の、先に定義されたロケーションのデータをコピーし、第2のロケーションのために地理的情報を変更することによって、第2のロケーションを定義することもできる。この方法では、ユーザは第1のロケーションと同じSKU、プロセス、および資源を有する第2のロケーションを容易に作成することが可能である。
【0108】
図1にもどると、ユーザは、ステップ200においてサプライチェーンモデルを定義した後、最適化条件を定義する(ステップ300)。図3に示すように、ユーザはまず、サプライチェーンモデルの最適化目標を定義しながら、シナリオを作成することができる(ステップ310)。1つのシナリオでは、ユーザがサプライチェーンモデルの1つまたは複数の要素を変更し、次いでサプライチェーンへのこれら変更の結果を計算する。この方法では、ユーザは、品目、ロケーション、レーン、またはプロセスの追加等、サプライチェーンへの任意の変更の結果を予測することができる。
【0109】
ステップ310において定義したシナリオには多くの潜在的な使用方法がある。例えば、ユーザは、数人の顧客がSKUを購入するピーク期間中のSKUの需要をモデリングするサプライチェーンネットワークを作成しうる。この需要をモデリングするために、ユーザは、顧客ロケーションを作成し、購入プロセスによってDCにリンクすることができる。ユーザのサプライチェーンモデルの全体的な目的は、SKUを顧客に供給する費用を最小化することでありうるが、ユーザは供給を変更して、より良好なサービスが顧客に提供されるシナリオを作成することが可能である。例えば、ユーザは、ピーク期間中にかなりのSKUの供給が必要な大量の顧客を持っている場合がある。そうすると、ユーザは、ユーザがSKUの量をプレビルドし格納する必要があり、それによって相当なプレビルドおよび格納費用がかかる場合であっても、大規模な顧客が常に適切なSKUの共有を受けるシナリオを作成することができる。ユーザはさらに、他の顧客への配送要件を満たすことが不可能になる場合もある。このシナリオを作成するため、ユーザは、大規模な顧客の需要を満たせない場合により高いペナルティコストを、かつ他の顧客の需要を満たせない場合にはより低いペナルティコストを作成または設定することにより、サプライチェーンモデルを変更する。
【0110】
図3に戻ると、ユーザは、サプライチェーンの最適化目標を指定する(ステップ320)。例えば、ユーザは、費用最小化、利益最大化、または販売量最大化を選択することができる。あるいは、ユーザは、輸送費および在庫費を下げるようにサプライチェーンネットワークを最適化するなど、解決するビジネス問題を定義することができる。ユーザは、配送時間の改良または販売量の拡大等サプライチェーンの最適化に他の目標も指定しうるが、多くの可能な最適化目標の列挙は本開示の範囲を越えるものであることを理解されたい。
【0111】
図1に戻ると、サプライチェーンモデルを定義し(ステップ200)、最適化条件を指定した(ステップ300)後、ユーザはサプライチェーンを最適化する(ステップ400)。図4Aに示すように、ステップ200からのデータが、ステップ300、ステップ410において定義される制約を鑑みて、任意の既知のオペレーションリサーチ、統計学、データ処理、またはヒューリスティック技法を使用して解析される。好ましい実施の形態では、サプライチェーンモデルは、既知の線形計画法(LP)および混合整数計画法技法の既知の組み合わせを用いて最適化される。
【0112】
一実施では、ステップ200およびステップ300においてユーザによって提供されるデータを組み合わせて、製造、購入、または調達プロセスの計画実行に作成された変数を定義する。具体的には、各計画実行の費用が、再使用可能資源要件と再使用可能資源費用との積、ならびにSKU要件とSKU購入価格との積を和として計算される。最大利益シナリオでは、収益が販売から得られる。購入プロセスの各実行ごとに得られる収益は、SKUの単位価格にSKU要求量で乗算したものである。
【0113】
ステップ310の目標、ステップ320のシナリオ、ステップ330の時間制約、ステップ258のリードタイム、およびステップ240において確立される在庫要件によって最適化を制限することができるように、プロセスのオペレーションは、ステップ300の入力によって制限または変更される。
【0114】
図4Aに戻ると、ステップ265において、ユーザが1つまたは複数の資源に積層値付け(または原価計算)構造を指定した場合、サプライチェーンの最適化は、わずかに変更されたプロセスを使用して行われる(ステップ420)。この変更された計算プロセス420は図4Bに説明される。例えば、積層値付けは、さらなる式および変数の使用を通してモデリングすることができる(ステップ422)。例えば、各再使用可能資源のResourceUtilization変数および資源平準化式を最適化中に作成することが可能である。ResourceUtilization変数は、資源を使用する各プロセスの計画された実行カレンダの和を資源要求量で乗算したものであり、ResourceUtilization変数の目的係数は再使用可能な資源の費用である。
【0115】
同様に、各在庫資源にInventoryResourceUtilization変数および在庫資源平準化式を、最適化中に作成することができる。InventoryResourceUtilizationは、在庫資源を使用する利用可能な手元にある在庫に在庫資源要件量およびに数を乗算したものの和と、在庫資源を使用する各プロセスの計画された実行に資源要件量および日数を乗算したものの和とに等しい。InventoryResourceUtilization変数の目的係数は、在庫再使用可能資源の費用である。また、最適化中には、積層単位価格を有する各供給者SKUにSupplyUtilization変数および供給平準化式も作成される。SupplyUtilization変数は、SKU要件量で乗算した購入プロセス流入実行(それぞれの価格を有する購入プロセスは除外)の和と定義される。SupplyUtilization変数の目的係数は、供給者のSKU単位価格である。最適化はさらに、積層単位価格を有する各顧客SKUについてDemandUtilization変数および需要平準化式を作成することができ、SKUの購入プロセスのいくつかはそれぞれの価格を有する。DemandUtilization変数は、SKU要件量で乗算した購入プロセス流出実行(それぞれの価格を有する購入プロセスは除外)の和であり、DemandUtilization変数の目的係数は、顧客SKU単位価格である。これらさらなる変数および式を使用して、製造プロセスおよび調達プロセスの計画実行変数は、目的関数においてもはや費用係数を持たない。購入プロセスの計画実行変数は、購入プロセスに単位価格が設定されている場合、または顧客SKU単位価格が設定されていない場合、目的関数中に費用係数を有する。
【0116】
図5〜図8の値付け関数を見ると、積層値付け問題の目的関数が線形ではないことは明らかである。この問題は、目的関数において区分的な線形関数を有し、そのため、結果問題は標準的な線形計画技法を使用して解くことができない。LPのみを使用して積層値付け問題を解くことに伴う問題は、製造および輸送の量がわかるまで、各アクティビティのコストが変数であることである。このため、最適化は最も安い費用から開始し、この費用を使用してLPを解くことによって解がもたらされ、次いで費用がLP解に基づいて再計算される。プロセスは解が収束するまで、または繰り返しの数が所定の限度に達するまで続けられる。サプライチェーンネットワークの複雑性により、解は変動する可能性があり、収束は保証されない。解が収束する場合であっても、最適な解ではない場合がある。
【0117】
図4Bに戻ると、混合整数計画法(MIP)およびヒューリスティック技法を使用して、積層値付けを有するサプライチェーンを最適化することができる。MIPは、いくつかの変数が整数値に制限されるよう変更された線形計画技法である。この方法では、サプライチェーンモデルは、分岐限定アルゴリズムを使用して解かれる。いくつかの整数変数を使用して可変価格セグメントを表すことで、積層値付けを有するサプライチェーンの最適化をMIP問題として定式化することができる(ステップ430)。この手法は最適な解を提供するが、一般に、大規模な問題には抑制となる比較的大量の計算を必要とする。一方、LPベースのヒューリスティックを使用して、積層値付けを有するサプライチェーンを最適化するために最適な解を求めることができる(ステップ440)。ステップ440に使用されるヒューリスティック技法は、処理しやすい比較的少ない数の計算を使用して許容可能な解を形成する。
【0118】
ステップ430におけるMIPプロセスは、目的関数へのxの寄与を示すz(x)関数を使用する。値q1(但し、0<q1<q2< ・・・ <qr−1<φ)は、r枚の層があるように、z(x)が傾きを変更するポイントである。間隔qi−1≦x≦qiでは、傾きはciであり、i=1〜rであり、q0=0、qr=φである。換言すれば、ciはi番目の層の費用/ユニットである。さらに、biはi番目の層のバッチまたは一定費用を表し、i=1〜rである。次いで、負ではない変数x1は、xが0よりも大きいがq1以下の場合、xの値に対応する。同様に、xがq1よりも大きいがq2以下の場合、xはx2に等しく、xがq2よりも大きいがq3以下の場合、xはx3に等しく、以下同様である。ブール変数w1は、xが0〜q1の間隔内にある場合には1に等しく、その他の場合は1に等しい。同様に、q1≦x≦q2の場合にはw2=1、その他の場合にはw2=0であり、q2≦x≦q3の場合にはw3=1、その他の場合にはw3=0であり、以下同様である。この方法では、二値変数wiはi番目の層が使用されるかどうかを示す。
【0119】
直接手法の式では、ステップ265の考察において上述したように、費用曲線は階段関数である。したがって、直接手法の式は以下のように表すことができる。
z(x)=c1x1+b1w1+c2x2+b2w2+c3x3+b3w3+・・・ 式11
【0120】
式中
1)x=x1+x2+x3+・・・
2)x1δq1w1
3)2δjδr−1の場合、qj−1wjδxjδqjwj
4)Mが非常に大きな定数の場合、qr−1wrδxrδMwr
5)w1+・・・+wrδ1
【0121】
例2
MIPモデルを使用して、以下の表6(前の表4と同一)の直接手法費用構造を表すことができる。
【0122】
【表6】
【0123】
上記直接手法の式を使用すると、
総費用=10x1+100w1+9x2+110w2+8x3+120w3
総量=x1+x2+x3
式中、
1)x1δ100w1
2)100w2δx2δ150w2
3)150w3δx3δMw3(Mは大きな定数)
4)x1+x2+x3δ1
5)x1,x2,x3τ0
6)x1δ100
7)x2δ150
8)x1,x2,x3=0または1
【0124】
直接手法とは対照的に、ステップ430におけるMIP手法における累積手法の式は、以下のように表すことができる。
【0125】
式中
1)x=x1+x2+x3+・・・
2)x1δq1w1
3)2δjδr−1の場合、qj−1wjδxjδqjwj
4)Mが非常に大きな定数の場合、qr−1wrδxrδMwr
5)w1+・・・+wrδ1
【0126】
例3
MIPモデルを使用して、表7(前の表5と同一)の累積手法費用構造を表す。
【0127】
【表7】
【0128】
上記累積手法の式を使用すると、
式中、
1)x1δ100w1
2)100w2δx2δ150w2
3)150w3δx3δMw3(Mは大きな定数)
4)w1+w2+w3δ1
5)x1,x2,x3τ0
6)x1δ100
7)x2δ150
8)x1,x2,x3=0または1
【0129】
したがって、積層値付けを有するサプライチェーンは、一連の一次式としてMIPを使用してモデリングすることができる。一連の一次式は、ステップ410において、LP等既知の最適化技法に組み込むことが可能である。例1および例2から見て取ることができるように、MIP問題のサイズは急速に成長する。
【0130】
図4Bに戻ると、積層値付けを有するサプライチェーンは、ヒューリスティックを使用して最適化問題を解決することができる(ステップ440)。より具体的には、図4Cに示すように、積層値付け問題は、2つのヒューリスティック技法:逐次線形計画法(ステップ450)および局所探索(ステップ460)の組み合わせを通して解決することができる。
【0131】
図4Cに示すように、ステップ450における逐次線形計画法(SLP)を使用して、良好な初期解を見つける。通常、最適化は、積層費用中の最低費用から開始される。最低費用を使用して、サプライチェーンはLPを使用して最適化され、第1の解を得る。ステップ452。次いで、費用が、最低価格レベルを使用して第1の解においてもたらされる数量レベルに対応する層に変更され、LPに新しい費用レベルを使用してシステムを再最適化して、第2の解を得る(ステップ253)。前の解からの数量に関連する費用を使用するこのプロセスが何回か繰り返されて、初期解を得る(ステップ456)。
【0132】
引き続き図4Cを用い、初期解がステップ458において求められると、局所探索ヒューリスティックがステップ460において行われ、任意の数量割引を利用することによって解を改良する。局所探索は、解空間を探索する反復改良技法である。探索は、問題の解を逐次改良することによって進められ、対応する決定の1つまたはいくつかを変更することによって各ステップごとに現在の解から、より良好な目標近傍に近づく。積層値付けサプライチェーンでは、資源の使用またはSKU購入数量をより良好な割引レベルに増大することにより、初期解を改良することができる。いくつかの資源使用を強制的に増大させることにより、LPの解が異なるアクティビティを統合して、より良好な解につながりうるより良好な割引レベルを利用するようになる。したがって、局所探索では、資源使用が増分的に次の連続して高い割引レベルに達するように増大される(ステップ462)。資源またはSKUが使用されない場合、現在価格は、最も安い層(資源またはSKU購入の場合)の単位価格または最も高価な層(SKU販売の場合)の単位価格に設定される。次いで、サプライチェーンは、この増分解を使用して評価される(ステップ464)。増分により最適化目的である解がもたらされる場合、新しい解が用いられる(ステップ466)。サプライチェーン解の増分が繰り返され、新しい解が評価される。増分により、解が実現不可能であるか、または目標値を悪化させる場合、変更を破棄する(ステップ468)。
【0133】
2つ以上のユニットが積層値付けである場合、すべての積層費用/価格が考慮されるまで、ステップ440のヒューリスティックプロセスが他の資源に対して繰り返される。
【0134】
次に、積層価格/費用を有するサプライチェーンでの最適化の例を提供する。
【0135】
例3
サプライチェーンは、1箇所の流通センタ、1人の顧客、およびDCと顧客の間の2つの輸送リンクを有する。双方の輸送リンクは積層費用を有する。輸送資源Aは表8に定義する費用を有し、輸送資源Bは表9に定義する費用を有する。
【0136】
【表8】
【0137】
【表9】
【0138】
このサプライチェーンでは、顧客の需要は180ユニットの品目であり、DCは在庫に十分な品目の供給を有する。サプライチェーンは、2つの購入プロセスを使用して定義され、第1のプロセスは輸送資源Aを利用するものであり、第2のプロセスは輸送資源Bを使用するものである。1ユニットの品目を出荷するには、1ユニットの輸送資源Aまたは1ユニットの輸送資源Bが必要である。最適化の目標は輸送コストの最小化であるため、この最適化の目的関数は、
最小化(Cost_A*Ship_A)+(Cost_B*Ship_B)
である。最小化は、以下の制約を鑑みて行われる。
1)Met_Demand=180
2)Ship_A+Ship_B=Met_Demand)
【0139】
積層費用が直接費用を用いて計算される場合、SLPヒューリスティックは以下の繰り返しのようになる。
【0140】
第1の繰り返しでは、輸送費として最後の費用を使用する。具体的には、資源Aの単位費用を$5に設定し、資源Bの単位費用を$7に設定する。そうすると、繰り返し1の目的関数は、
最小化(5*Ship_A+7*Ship_B)
となる。
【0141】
LPを使用する目的の解およびこの問題の解は、輸送資源Bの代わりに輸送資源Bを使用するほうが有利なポイントがないため、
Ship_A=180かつ
Ship_B=0である。
この解は、5*180+7*0*すなわち$900の値を目的関数にもたらす。
【0142】
しかし、表8によれば、輸送資源Aを180ユニット使用すると、資源Aの単位費用が10になる。目的関数は、輸送資源Aの単位当たりのこの費用$10を反映するように変更される。この構成(輸送資源aを180ユニット使用する)の実際の費用は$1800である。
【0143】
SLPの第2の繰り返しは、輸送資源Aの更新された単位当たりの費用を使用して実行される。資源Aの単位費用は$10に設定され、資源Bの単位費用は$7に設定される。繰り返し2の目的関数は、
最小化(10*Ship_A)+(7*Ship_B)
である。LPを通して、この目的関数の最適な解は、
Ship_A=0かつ
Ship_B=180
に位置する。この解は、$1260の値を目的関数にもたらす。運送資源Bを180ユニット使用するため、表9に定義されるように、輸送資源Bの単位費用は$9に更新される。したがって、この構成の実際の費用は$1620である。
【0144】
SLPの第3の繰り返しは、輸送資源Bの新しい単位当たりの費用を使用して行うことができる。この第3の繰り返しでは、資源Aの単位費用は$10のままであり、資源Bの単位費用は$9に設定され、この目的関数になる。
最小化(10*Ship_A)+(9*Ship_B)
LPを解くと、解の結果は、
Ship_A=0かつ
Ship_B=180
になる。この解の目的値は$1620である。輸送資源Bを180ユニット使用し、資源Bの費用は出荷量を正確に反映した$9であるため、SLPアルゴリズムが停止する。そして、この構成の総費用は$1620である。
【0145】
局所探索ヒューリスティックに続き、この解が最適であると結論付けられる。特に、輸送資源Aおよび輸送資源Bをより低い値付け層にすることは達成不可能であるため、この解を変更してより最適な解をもたらすことはできない。
【0146】
反対に、積層費用が累積費用を用いて計算される場合、SLPヒューリスティックは以下の繰り返しになる。
【0147】
第1の繰り返しでは、最も安い平均費用を輸送費と仮定する。資源Aの単位費用は$5に設定され、資源Bの単位費用は$7に設定される。したがって、第1の繰り返しの目的は、
5*Ship_A)+7*Ship_B
である。この目的をLPを使用して解くと、この問題の解、
Ship_A=180かつ
Ship_B=0
がもたらされ、全体の目的値は900である。輸送資源Aが180ユニット使用されるため、資源Aの平均単位費用は$10であり、資源Aの実際の累積費用は$10*180=$1800である。
【0148】
資源Aの単位費用を$10に設定すると、第2の繰り返しの目的は、
10*Ship_A+7*Ship_B
になる。LPを解くことにより、この問題の解が、
Ship_A=0かつ
Ship_B=180
においてもたらされ、目的値は1260である。輸送資源Bが180ユニット使用されるため、表9による資源Bの累積費用は$12*150+$9*30、すなわち$2070である。資源Bの平均単位費用は$11.5(2070/180)であるため、資源Bの単位費用は$11.5に設定される。
【0149】
第3の繰り返し(資源Bに新しい単位費用を使用)では、繰り返し2の目的は、
10*Ship_A+11.5*Ship_B
である。LPを解くことにより、
Ship_A=180かつ
Ship_B=0
において解がもたらされ、目的値は1800である。輸送資源Aを180ユニット使用するため、資源Aの累積費用は$10*180すなわち$1800である。資源Aの平均単位費用はなお$10であり、資源Aの単位当たりの現在の設定価格に等しい。資源の単位費用は変化しないため、SLPアルゴリズムがこの時点で停止する。
【0150】
ここでも、局所探索ヒューリスティックに続き、この解が最適であると結論付けられる。特に、非最適な解での輸送資源Aのより低い値付け層および資源Bのより低い値付け層への到達は、最適化費用を増大させる。したがって、解を変更してより最適な解をもたらすことはできない。
【0151】
ステップ256において上述したように、上記MIPおよびヒューリスティック技法を同様に実行して、最大調達先限度を有するサプライチェーンを最適化することができる。具体的には、最大調達先限度は、プロセスの費用/価格が品目のソース変化に従って「ジャンプ」しうる非線形問題をもたらすため、ステップ420のMIPおよびヒューリスティック技法が使用される。
【0152】
図1に戻ると、ステップ400における最適化を完了した後、ユーザは、示唆されたサプライチェーンの最適な構成を評価する(ステップ500)。ユーザは、示唆された構成の実現可能性を判断することができる。ユーザは、指定されたすべてのサプライチェーン要件が示唆された解において満たされていることをさらに確認することができる。ユーザはさらに、最適な解から予想される費用/利益を検討して、サプライチェーンの条件/要件の望ましさを評価することも可能である。
【0153】
ユーザは、最適なサプライチェーン構成に予測される総計の最終結果を検討しうる。あるいは、一実施の形態では、ユーザは複数の計画期間それぞれにおける最適なサプライチェーン構成のパフォーマンスを見ることができる。この時間位相化されたビューにより、ユーザはより最適な構成をもたらしうる必要な変更を示唆するサプライチェーンでの傾向を見ることができる。例えば、示唆におけるプロセスが最初は利益をもたらすが、急速に損失を生む場合、サプライのより最適な構成は、初期計画期間後にプロセスを停止しうる。
【0154】
最適化に可能な解が存在しない場合、ユーザは、ハード制約に立ち返って、いずれを緩和(ソフトに設定)するかを判断する必要がありうる。同様に、ユーザは、計算されたプロセスのリードタイムが全体の計画カレンダよりも長くならないように、計画期間を拡張しうる。さもなくば、プロセスは最適化内で無視されることになる。
【0155】
ユーザは同様に、シナリオの変更または最適化目標の変更等、ステップ300において確立した最適化条件の変更を選択することができる。次いで、ユーザは、サプライチェーンモデルまたは最適化条件を変更した後、ステップ400においてサプライチェーンの最適化を繰り返すことができる。
【0156】
図10および図11を参照すると、最適化方法100はサプライチェーン最適化システム1000を使用して実施することができる。図10および図11に示すように、システム1000は入力装置1010を備える。入力装置は、計算装置により使用可能な、ユーザが情報をデジタルフォーマットで情報を提供可能な任意のタイプの既知の手段である。典型的な入力装置としては、キーボード、およびマウス等のポインティングデバイスが挙げられる。
【0157】
図10および図11に戻り、システム1000は、入力装置1010からのユーザの入力を受け入れ格納する記憶装置1020をさらに備える。同様に、記憶装置は、ステップ201〜205において上述したように、外部ソースからのサプライチェーン情報を受け入れて格納することができる。より具体的には、本発明では、ユーザが、対象物およびプロセスを使用してサプライチェーンをモデリングすることができ、これら対象物およびプロセスは他の対象物またはプロセスとの関係によって定義される。この機能性を達成するために、記憶装置1020は、ステップ200において定義されるロケーション、品目、資源、およびプロセスの間の関係を最適に格納する。通常、関係は、記憶容量要件を最小化しながら異なるデータタイプ(すなわち、ロケーション、品目、資源、およびプロセス)を相互に結び付けることが可能なあるタイプの既知の関係データベースを使用して格納される。
【0158】
ステップ240からSKUを格納する際、記憶装置1020は最適に参照一貫性を保つ。参照一貫性は、異なるロケーションにおける同じ品目に一貫した名称を使用することを指す。SKUは、特定のロケーションにおける品目を指す。品目またはロケーションが存在しない場合、存在しない品目またはロケーションを参照するSKUは意味を持たない。この状況がデータベース中のデータに発生する場合、SKUは存在しない他のデータを参照するため、データベースは一貫性を欠く。換言すれば、このデータベースは参照一貫性を欠く。
【0159】
本発明は、事前対応かつ事後対応の双方で参照一貫性を保証するように設計される。多くの状況では、本発明は、事前対応的に、一貫性の保持を保証する選択肢をユーザに提示する。SKUの作成はよい例である。ユーザは、SKU作成のために、現在定義されている品目およびロケーションのリストから選択しなければならない。しかし、システムが試みられた変更に事後対応するように設計される状況がある。例えば、SKUを含むロケーションまたは製造プロセスを削除しようとすると、システムは、ユーザに警告することなくロケーションを削除するのではなく、メッセージを表示することによって対応する。ユーザがロケーションの削除を選択する場合、そのロケーションを参照する対象物またはプロセスもまた削除される。
【0160】
記憶装置は、ステップ300において定義された最適化条件もさらに格納する。具体的には、記憶装置は、変数の値/制約を含むことができる。記憶装置は、システム1000の動作を指示するためにユーザによって指定されるブール変数をさらに含むことが可能である。ユーザがシナリオを定義する場合、記憶装置は、ユーザが双方のサプライチェーンから導出された解を比較し、対比することができるように、元のまたは変更されたサプライチェーンのコピーを格納する。
【0161】
図10に戻ると、システム1000はオプティマイザ1030をさらに備える。オプティマイザ1030は、記憶措置1020に格納されている情報にアクセス可能なように記憶装置1020に電子的に接続される計算装置である。この情報を使用して、1030はステップ400のサプライチェーン最適化を実行することができる。具体的には、オプティマイザは、記憶装置1020に含まれるサプライチェーン問題に基づいて最適な解を求める線形計画法を実行する。
【0162】
オプティマイザ1030は、線形プログラマ1040または他のあるタイプのデータ解析ツールを備えうる。これらタイプのソフトウェアは、容易に入手可能であるか、または最適化問題のニーズにしたがって既知のプログラミング方法を使用してカスタムにプログラムすることができる。
【0163】
図10では最適化が記憶装置1020および入力装置1010の付近に示されているが、図11は、記憶装置1020および入力装置1010がユーザコンピュータ1050に電子的に接続されたシステム1000’の代替構成を示す。この場合、オプティマイザ1030は、電子通信回線1060を介してユーザコンピュータ1050に接続される。この構成では、通信はかなりの相違をもって行われうる。例えば、ユーザコンピュータ1050およびオプティマイザ1030は、クローズネットワークまたはインターネット等オープンネットワークを通して接続されうる。
【0164】
システム1000および1000’の構成は双方とも、ユーザが最適なサプライチェーン構成を受け取ることのできる出力装置1070をさらに備える。出力装置1070は、オプティマイザからのデジタル情報を隠し、またこの情報を理解可能なフォーマットに変換する任意の装置である。出力装置1070は通常、ビデオディスプレイまたはプリンタである。出力装置1070は、ステップ200に指定するように、サプライチェーンモデルについてさらなる情報を提示しうる。例えば、表示装置はロケーションおよびレーンを図で提示することができる。図12A〜図12Bは、サプライチェーンの代表を示す2つの例示的な出力を表示する。図12Aは、サプライチェーン中のロケーションのテキストでの説明1200を示し、図12bは同じロケーションの図で表示1250を示す。
【0165】
サプライチェーンがステップ400において最適化された後、ステップ500において、結果が表示装置1070にユーザに対して表示される。具体的には、最適なサプライチェーン構成についての詳細は、この構成から予想されるコスト/利益等、この最適な解についての詳細とともにユーザに提示される。ユーザは、各ロケーションからのアクティビティ、コスト、および利益等より具体的な情報をさらに見ることができる。
【0166】
表示装置1070は、サプライチェーン中のロケーション、資源、およびプロセスの固定費用をさらに表示しうる。オプティマイザ1030は、サプライチェーンの最適な構成を求める際に固定費用を考慮しないが、ユーザは、サプライチェーンの実現可能性を求めるためにこの固定費用を見たい場合がある。サプライチェーンが、最適な構成であっても、固定費用を鑑みて利益を出すことができない場合、ユーザはサプライチェーンの変更を考慮する必要がある。
【0167】
本発明の好ましい実施の形態の上記説明は、例示および説明目的のために提示されたものである。網羅的、すなわち本発明の開示した厳密な形態に限定する意図はない。上記教示に照らして、多くの変更および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されず、むしろ本明細書に併記の特許請求の範囲によって限定されるよう意図される。上記明細書、例、およびデータは、本発明の製造および構造の使用についての十分な説明を提供する。本発明の精神および趣旨から逸脱せずに本発明の多くの実施の形態を行いうるため、本発明は併記の特許請求の範囲に帰する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるサプライチェーン管理方法を示すフローチャートである。
【図2A】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2B】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2C】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2D】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2E】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2F】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2G】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2H】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図2I】本発明の実施の形態による図2A〜図2Hに示すステップを通して生成される例示的なサプライチェーンモデルである。
【図3】本発明の各種実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図4A】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図4B】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図4C】本発明の実施の形態による図1のサプライチェーン管理方法におけるステップを例示するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される1つの値付け曲線を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態による積層値付けを通して形成される別の値付け曲線を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態によるサプライチェーン管理システムの模式図である。
【図11】本発明の実施の形態によるサプライチェーン管理システムの模式図である。
【図12A】図10のサプライチェーン管理システムからの出力される考えられるディスプレイの図である。
【図12B】図11のサプライチェーン管理システムからの出力される考えられるディスプレイの図である。
Claims (54)
- サプライチェーンに最適な構成を生成する方法であって、
前記サプライチェーンを代表するサプライチェーンモデルを作成するステップであって、前記モデルは前記サプライチェーン内のアクティビティを表す1つまたは複数のプロセスを定義するステップと、
前記サプライチェーンモデルに最適な条件を定義するステップと、
前記最適な条件を鑑みて、前記サプライチェーンモデル中の前記プロセスに最適な構成を求めるステップと、
を含む方法。 - 前記サプライチェーンに最適な構成を解析するステップと、
前記サプライモデルを望むように再構成するステップと、
前記サプライチェーンモデルを再最適化するステップと、
をさらに含む請求項1記載の方法。 - 前記プロセスはそれぞれ、作成プロセス、移動プロセス、購入プロセスまたは調達プロセスである請求項1記載の方法。
- 前記サプライチェーンモデルを作成するステップは、前記プロセスそれぞれにおいて使用または製造される1つまたは複数の資源を指定することを含み、前記プロセスは、前記資源の使用または製造を表す式で表される請求項1記載の方法。
- 前記最適な構成を求めるステップは、前記式を使用して線形計画法を実行することを含む請求項4記載の方法。
- 前記最適な構成を求めるステップは、混合整数計画法を実行することを含む請求項4記載の方法。
- 前記最適な構成を求めるステップは、ヒューリスティックを実行することを含む請求項4記載の方法。
- 前記最適な構成を求めるステップは、逐次整数計画法(successive integer programming)を実行することを含む請求項5記載の方法。
- 前記最適な構成を求めるステップは、局所探索ヒューリスティック(local searching heuristics)を実行することを含む請求項5記載の方法。
- 前記資源をロケーションに関連付けるステップをさらに含む請求項4記載の方法。
- 前記資源の1つに積層値付けを定義するステップをさらに含む請求項4記載の方法。
- 前記積層値付けは直接求められる請求項4記載の方法。
- 前記積層値付けは累積的に求められる請求項4記載の方法。
- 前記資源の制約を指定するステップをさらに含み、前記制約は、前記最適な構成における前記資源に可能な値の範囲を制限する請求項4記載の方法。
- 前記制約はハードであり、前記最適な構成において前記制約を破ることはできない請求項14記載の方法。
- 前記制約はソフトであり、前記最適な構成においてペナルティコストを払って前記制約を破ることができる請求項14記載の方法。
- 前記資源それぞれに1つまたは複数の測定単位を指定するステップをさらに含む請求項4記載の方法。
- 前記資源の次元数を定義することをさらに含む請求項4記載の方法。
- 前記プロセスの1つにサービスレベルを指定するステップをさらに含み、前記サービスレベルはあるロケーションでの前記プロセスでのアクティビティの最小レベルを記述する請求項1記載の方法。
- 前記サービスレベルは、前記資源の1つのコストによって測定されるアクティビティの最小割合を指定する請求項19記載の方法。
- 前記サービスレベルは、前記資源の1つの容積によって測定されるアクティビティの最小割合を指定する請求項19記載の方法。
- 前記サプライチェーンにおけるあるロケーションでの前記資源の1つに最大ソース数を指定するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
- 前記サプライチェーンにおけるあるロケーションでの前記資源に最大ソース数を指定するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
- 前記プロセスの1つの開始に必要なリードタイムを指定するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
- 前記プロセスの1つの固定費用を指定するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
- 前記サプライチェーンモデルを作成するステップは、
前記サプライチェーンでのロケーションを定義することと、
前記サプライチェーンにおける品目を定義することと、
前記品目のいずれが前記ロケーションそれぞれに見られるかを指定することと、
を含む請求項1記載の方法。 - 前記サプライチェーンモデルを作成するステップは、前記ロケーションの間にレーンを定義するステップをさらに含む請求項26記載の方法。
- 少なくとも1つのレーンが各ロケーションの間に作成される請求項27記載の方法。
- 前記レーンの1つを各ロケーション間のデフォルトレーンとして指定するステップをさらに含む請求項28記載の方法。
- 同一のSKUを有するいくつかのロケーションの間にレーンが作成される請求項27記載の方法。
- 前記サプライチェーンにおける1つまたは複数の製造工場、流通センタ、および格納設備を識別するステップをさらに含む請求項27記載の方法。
- 前記サプライチェーンにおける1つまたは複数の顧客ロケーションを識別するステップをさらに含む請求項31記載の方法。
- 前記品目の1つにプレビルド時間を指定するステップをさらに含み、前記プレビルド時間は、前記品目をプロセスで使用するために獲得するために必要な時間量を記述する請求項26記載の方法。
- 各ロケーションにおける各品目はSKUを定義する請求項24記載の方法。
- 前記SKUの供給者を指定するステップをさらに含む請求項34記載の方法。
- 前記SKUに特別配送要件を指定するステップをさらに含む請求項34記載の方法。
- 前記SKUの目標在庫を指定するステップをさらに含む請求項34記載の方法。
- 前記ロケーションのいくつかにおける品目に、これらロケーションにおけるSKUを使用することによって参照一貫性を保持するステップをさらに含む請求項34記載の方法。
- 前記SKUを未加工品、完成品、または仕掛品として指定するステップをさらに含む請求項34記載の方法。
- 前記サプライチェーンモデルの作成に使用される情報は、外部データソースからインポートされる請求項1記載の方法。
- 前記サプライチェーンモデルの作成に使用される情報は、前に作成されたサプライチェーンモデルからインポートされる請求項1記載の方法。
- 前記サプライチェーンモデルの第1の部分の作成に使用される情報は、前記サプライチェーンモデルの第2の部分にコピーされ変更される請求項1記載の方法。
- 予め定義されるデータを使用して、前記サプライチェーンモデルの一部を作成する請求項1記載の方法。
- 税金および関税の情報を明細に記すステップをさらに含む請求項1記載の方法。
- サプライチェーンを最適化するシステムであって、
サプライチェーンモデルを定義する入力装置と、
前記サプライチェーンモデルを格納する格納装置と、
前記サプライチェーンモデルに最適な構成を形成するオプティマイザと、
を備えるシステム。 - 前記最適化されたサプライチェーンモデルを表示する表示装置をさらに備える請求項45記載のシステム。
- サプライチェーンモデルは前記サプライチェーンにおけるプロセスを記述する請求項45記載のシステム。
- 前記サプライチェーンモデルは、前記プロセスそれぞれの資源、品目、ロケーション、およびレーンを記述する請求項47記載のシステム。
- 前記オプティマイザは線形プログラマ(linear programmer)を備える請求項45記載のシステム。
- 前記線形プログラマは、前記サプライチェーンモデルにおけるプロセスが非線形である場合、ヒューリスティックを実行する請求項45記載のシステム。
- 前記入力装置はネットワーク接続を通して前記オプティマイザに接続される請求項45記載のシステム。
- 前記ネットワーク接続はインターネットである請求項51記載のシステム。
- サプライチェーンを最適化する方法ステップを実行させるマシン実行可能なプログラム命令を有形に具現するマシン読み取り可能プログラム記憶装置であって、前記サプライチェーンモデルは前記サプライチェーンにおけるロケーション、品目、およびプロセスを有し、前記方法ステップは、
前記サプライチェーンにおける前記ロケーション、品目、およびプロセスを表すサプライチェーンモデルを形成することと、
前記サプライチェーンモデルに最適な状況を定義することと、
前記最適化条件を鑑みて前記サプライチェーンモデルにおける前記プロセスに最適な構成を求めることと、
を含むプログラム記憶装置。 - 前記サプライチェーンに最適な構成を解析する方法ステップと、
前記サプライモデルを望むように再構成する方法ステップと、
前記サプライチェーンモデルを再最適化する方法ステップと、
をさらに含む請求項53記載のプログラム記憶装置。
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