JP2004516260A - 歯科用不活性ガラス - Google Patents
歯科用不活性ガラス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004516260A JP2004516260A JP2002550925A JP2002550925A JP2004516260A JP 2004516260 A JP2004516260 A JP 2004516260A JP 2002550925 A JP2002550925 A JP 2002550925A JP 2002550925 A JP2002550925 A JP 2002550925A JP 2004516260 A JP2004516260 A JP 2004516260A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dental
- glass
- cement
- ions
- oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/80—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
- A61K6/884—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
- A61K6/887—Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- A61K6/889—Polycarboxylate cements; Glass ionomer cements
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
- C03C3/064—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
- C03C3/068—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing rare earths
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/095—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
- Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Public Health (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Dental Preparations (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Abstract
本発明は、セメント、好ましくは高分子電解質セメント中で、ポリ酸に対してイオンを結合させるような、弱塩基性酸化物のイオンの使用に関する。適切なイオンは、スカンジウム系列の元素(例えばSc3+、Y3+、La3+、Ce4+)、および続く3価および4価のランタノイドのすべて、およびイオンMg2+、Zn2+、Ga2+、In2+を含んでなる。前記イオンの利用によって、ガラス粉末の表面処理を施すことなく、セメント反応の制御が可能になる。
Description
【0001】
本発明は、歯科用材料、特に歯科用セメント、好ましくは高分子電解質セメントにおける、ガラス粉末表面の前処理を施さずに使用できる不活性ガラスの使用に関する。
【0002】
歯科分野では、特に充填材料と、歯冠、ブリッジ、インレー用の固定セメントおよびコンポジットにガラスを用いる。
【0003】
反応性ガラス、つまり化学反応に関与するガラスを、高分子電解質セメント、特にガラスイオノマーセメントとして公知であるセメントに用いる。
【0004】
このタイプの高分子電解質セメントは、一般的に、三成分、即ちポリ酸(特に炭酸を含有する物質)、好ましくは液状で、ガラス粉末、および水を含んでなる。三成分を一緒にして相互に混合すると、時間の経過で硬化する固体を生成するために反応が起こる(セメント反応)。
【0005】
特にガラスイオノマーセメントに用いるガラスの製造には、様々な原料を用いる。これらの原料は、まず、SiO2、Al2O3、CaOなどの酸化物、CaF2、SrF2、氷晶石などのフッ化物、Al(OH)3などの水酸化物、AlPO4、P2O5、またはリン酸カルシウムなどのリン酸塩である。一方、ムライトのようなケイ酸塩、Na2CO3、CaCO3などの炭酸塩、または他の天然の鉱物原料も用いることができる。原理上は、結晶水を含有する形態で使用される全ての原料を用いることが可能である。
【0006】
歯科用ガラスでは、かなりの割合の酸素が、フッ素で置換されることが多い。これは、ガラス系の記述にフッ素の元素記号Fを加えて示される。
【0007】
従って、ガラスイオノマーセメント用のガラスを、通常、以下の系の一つに割り当てることが可能であり、以下の系に、P2O5とNa2Oが少量だけ存在する場合、もしくは全然存在しない場合もある。
SiO2−Al2O3−CaO−(P2O5)−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−SrO−(P2O5)−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−SrO−La2O3−(P2O5)−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−CaO−La2O3−(P2O5)−(Na2O)−F
【0008】
歯科用セメントに用いるガラスは、通常、フルオロアルミノケイ酸塩のガラスである。酸の中でのガラスの可溶性は、ガラスを高分子電解質セメントの成分として用いるための前提条件である。ケイ素が部分的にアルミニウムで置換されると、酸に可溶なガラス構造が形成される。しかしながら、塩基性酸化物が存在するならば、4価のケイ素イオンの位置に3価のアルミニウムイオンのために電荷当量を生じるように、ケイ素をアルミニウムで置換するしかない。
【0009】
ポリ酸および水を添加すると、ガラス構造は壊されて、架橋イオンとして公知であるイオンとして、特に網目修飾特性を有するイオンを少なくとも部分的に遊離する。
【0010】
時間の経過と共に増進するセメントの硬化において、架橋が現れる。全ての少なくとも2価の塩基性イオンだけでなく、Al3+も、上記タイプの高分子構造を形成することが可能である。
【0011】
作業時間(つまり、歯科医がなおペースト状のセメント材料を加工するのが依然として可能である時間)と、硬化時間(つまり歯科用器具を用いての再加工が可能である時間を過ぎる時間)とには、通常、顕著な違いがある。
【0012】
従来型のガラスは、架橋イオンとして、例えば、Ca2+やAl3+を含有し、未処理状態で非常に反応しやすく、溶解度が極度に大きいので、ポリ酸と非常にすばやく凝結するので、生成する歯科用セメントを適切に加工することが不可能であることがわかっている。
【0013】
ガラス中のカルシウム含有量を減少させて、溶解工程を遅くすることは可能であるが、可溶性であるCaOまたはSrOなどの塩基性酸化物の濃度が非常に低いならば、イオンの有効性が不十分になるので、セメントの強度は劣化することがわかっている。これは、歯科医が充填材料を混合して当て嵌めるのに非常に短い加工時間しかないことを意味する。同時に、歯科医は、セメントの再加工を開始できるまでに長時間待たなければならない欠点を受け入れざるを得ない。これは、歯科医が歯科用セメントに強いる要望とは反対となる。
【0014】
歯科医は通常、1〜4分の加工時間、5〜8分の硬化時間を必要とする。通常、ISO 9917(第1版)7.3部に基づいて、硬化時間を決定する。EP 0 023 013 Aに記載の通り、粘度計を用いて、加工時間および硬化時間を定めることができる。
【0015】
セメントの所望の加工性を達成するために、即ち十分な加工時間および完全に硬化するのに出来る限り短い時間を有するように、例えば、「臨床材料(Clinical Materials)」12、113−115頁(1993年)、またはDE 29 29 121 A(EP 0 230 113 A)に記載の通り、粉砕工程後、ガラス粉末に表面処理を施すことは通例である。この場合、ガラス表面で反応性イオン濃度を小さくして、その組成のため非常にすばやく反応するガラスを所望レベルの反応速度に調整する。
【0016】
EP 0 023 013 Aは、ガラスの特性に悪影響を及ぼさないならば、さらに酸化物を添加してもよいガラスイオノマーセメント用のカルシウムアルミニウムフルオロケイ酸塩のガラス粉末の使用を記載する。その記載によると、歯科用セメントに用いることが可能であるガラスを得るために、ガラス表面を不活性にしなければならない。不活性化は、表面処理によってガラス粉末と酸との反応速度が遅くなる手順に相当し、この方法で、セメントの所望の加工時間が生じる。
【0017】
ポリマーを例にすると、表面のコーティングなどの別の比較的複雑な表面処理を用いて、表面の不活性化をまた効果的にすることが可能である。
【0018】
EP 0 023 013Aにおいて、ガラス粉末の表面を化学処理することにより、不活性化が達成される。その結果、材料の変わらず好適な機械的性質のデータをさらに組み合わせた好適な加工時間を有するセメントが生じた。
【0019】
しかしながら、このガラス表面処理は、複雑な工程段階の典型である。
【0020】
さらに、洗浄或いはコンディショニング工程中に、粉末の凝塊形成が起こり、セメントの特性に悪影響を有す可能性がある。
【0021】
DE 38 06 448Aは、Si、Al、Ca、Sr、F、Na、およびP元素を含有し、La2O3の添加によって、X線に見える骨セメント用のガラスを開示する。添加剤の量で特性が悪影響を受けてはならないことが強調されている。
【0022】
DE 38 04 469 Aに記載のガラス粉末は、15〜40重量%の量を用いるストロンチウムを除いて、アルカリ金属のイオンおよびアルカリ土類金属のイオンを実質的に含まない。
【0023】
DE 20 65 824 B2は、医療用セメントを自己硬化するフルオロアルミノケイ酸塩のガラス粉末を記載している。
【0024】
本発明の目的のひとつは、歯科用セメント用のガラス、特に高分子電解質セメント用の製造するのが容易である反応性ガラスを提供することである。
【0025】
さらなる目的は、表面処理、酸洗浄、コーティングおよび/またはコンディショニングなどの複雑な工程を経ることなく、粉砕工程後直ちにガラスを直接使用する点にあると考えられる。反応性およびその結果の加工時間と硬化時間は、ガラスの組成および結晶粒サイズの分布にのみ依存し、容易に再現性よく生じる。
【0026】
この目的は、請求項に記載のガラスを含有する歯科用材料によって、およびガラス中の架橋イオンとしてのある種のイオンを使用することによって、達成される。
【0027】
本発明はまた、硬化可能な材料、特にセメントに関し、特に上記ガラスを含有する高分子電解質セメントに関する。
【0028】
本発明の関連において、用語架橋は、高分子の網目構造の形成を導く、キレート形成反応において、好ましくは酸塩基型反応において、ポリ酸および少なくとも2価のイオンが互いに相互作用する反応を意味すると理解する。
【0029】
本発明の関連において、記載の充填材料および固定材料は、実質的にセメント、特に高分子電解質セメントを意味すると理解する。従って、記載するガラスは、従来型の充填材よりむしろ反応成分であるのが好ましく、純然たる充填材で反応に関与しないコンポジット部分に使用するガラスとは異なる。
【0030】
セメント用ガラスは、一般的に、Li+、Na+、K+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+などの強塩基性イオンを含有する。強塩基性イオンを、Sc3+、Y3+、La3+など、Ce3+/4+、或いはランタン系列の他の2価、3価、または4価のイオン、および/または Ga2+またはIn2+などの弱塩基性イオンと完全にまたは部分的に置換することによって、ポリ酸でさらにかなり緩慢に凝結するガラスを獲得することが現在わかっている。
【0031】
意外なことに、このようなガラスを用いて、ガラス粉末の従来型表面処理を実質的に施さず、歯科医が所望する凝結性を有する歯科用セメントを製造することが可能である。さらに、ガラス組成によって、広範囲内で凝結時間を調整することが可能であることがわかっている。
【0032】
これに関連して、本発明は以下の利点を有する:
Ca2+、Sr2+のような強塩基性イオンが、Sc3+、Y3+、La3+、Ce4+/3+およびランタン系列の他の2価、3価、または4価のイオンなどの弱塩基性イオンと、歯科用セメントに用いるガラス中で、置換される結果として、セメントに用いる前に、表面処理(例えば、酸洗浄および/またはコンディショニング)をガラスに施さなくとも、歯科用セメント、特にガラスイオノマーセメントの制御された凝結反応を達成することが可能である。合理化された生産に加えて、その利点は、加工時間および硬化時間の改良された再現性にもある。これらの時間は、表面処理によって調整されないが、所望の凝結プロフィール、即ち、セメントをまだ加工できる状態から、硬化が始まり有用な加工がもはや不可能である状態までの比較的迅速な遷移が驚くことに達成される。
【0033】
上記記載のガラスを用いた歯科用材料または歯科用セメントは、酸洗浄でその反応性が減少したガラスを用いたセメントと比べて同一もしくは僅かに改良された機械的特性を有することを発見したことは驚くべきことである。
【0034】
さらに、本発明に係るセメントは、水に関して、加水分解安定性を備える。
【0035】
これらの特性は、特に、AlおよびSiに加えて、Yおよび/またはLaだけを含有するか、或いはCa2+またはSr2+、Ba2+、Li+、Na+、K+などの比較的に強塩基性で反応するイオンを比較的少量のみ含有するガラスに確認される。
【0036】
さらに、フッ素で置換可能である酸素もあり、一方ではガラスの溶解性を改善し、他方ではセメントの凝結性を改良し、補助的な虫歯予防処置のためにフッ化物イオンの遊離を可能にする。
【0037】
従って、以下の系を加えて、前に示したセメント系を拡大する。
SiO2−Al2O3−(SrO)−LnxOy−P2O5−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−(CaO)−LnxOy−P2O5−(Na2O)−F
【0038】
LnxOyは、元素Sc、Y、La、Luまでの酸化物を表す。上式において、xとyは1、2または3の値を取ってもよい。括弧内の酸化物は反応を促進する可能性があるので、その酸化物を少量用いるかもしくは全く使用しない。例えば、DE 20 65 824 Aは、約12重量%のNa2O含有量を有する以下の系
SiO2−Al2O3−La2O3−P2O5−Na2O−F
に属するガラスを記載している。
【0039】
試験から、ポリ酸での上記ガラス粉末の凝結速度が、400℃で数時間コンディショニング後、処理可能な範囲になることがわかる(比較例4参照)。これは、おそらく高濃度の強塩基性酸化物(この場合Na2O)によるものと考える。高含有量のNa2Oのさらなる欠点は、結果として生じるセメントの水に対する溶解度が増加することである。
【0040】
さらに、記載のガラスは、組成の広範囲内で、いかなる相分離も結晶化の影響もほぼ伴わないことがわかった。
【0041】
ガラスの相組成は冷却速度に左右されないので、上記ガラスを含有するセメントの凝結速度の再現性は、偏析したガラス即ち不透明ガラスと比べて、透明ガラスで改善されることが望まれている。
【0042】
標準成分SiO2、Al2O3、P2O5、およびNa2O以外に、ガラスは、主に、弱塩基性イオンおよび/または両性に反応するイオンを含有するのが好ましく、それらのイオンはセメント反応中に架橋イオンとして働く。
【0043】
弱塩基性の3価および4価のイオンが好ましく、イオンSc3+、Y3+、La3+、Ce4+/3+および次に続くランタン系列のすべての3価および4価のイオンが特に好ましい。
【0044】
最新の教示では、Al3+もまた弱塩基性イオンまたは両性に反応するイオンに属するとされる。しかしながら、アルミニウムイオンはガラス中で特別な働きをする。アルミニウムは主として酸の中のガラス構造を溶解する原因となり、架橋イオンとして補助的な機能のみを有する。歯科用セメントに適するガラスにおいて、アルミニウムは、網目修飾体として作用する上記記載の3価および4価のイオンと異なって、網目形成体として働く。
【0045】
一般的に用いるガラスは、1〜15m2/g、好ましくは2〜8m2/gのBET表面積を有する。
【0046】
さらに、上記ガラスは、0.01〜20μm、好ましくは1〜5μmの平均結晶粒サイズ(d50)を有する。
【0047】
使用するガラス中の0〜25重量%の酸素がフッ素で置換されるのが好ましく、8〜18重量%が置換されるが特に好ましい。
【0048】
定義塩基性度を定めるのに、通常pKB値を用いる。弱塩基性と強塩基性の範囲として、塩基性度のpKB値を捉えることができる。例えば、Mg(OH)2のpKBには、R. C. Weast:「化学と物理学のCRCハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)」の値を定めるが、一方Ca(OH)2は、数値を定めないで、強塩基に分類される。
【0049】
本発明に関連して、水溶液中で比較的に僅かだけ解離する酸化物または水酸化物を弱塩基性であるとみなす。
【0050】
塩基性度に関連して以下の記述をすることができる:
ScからYを経てLaの順に塩基性度が増す。Laは、Sr、BaまたはNa、およびKと比較すると弱塩基性に分類される。同時に、LaからLuの順に塩基性度は再び減少し、結果として、ルテチウムの塩基性度は、イットリウムの塩基性度にほぼ匹敵する(ランタニド収縮)。
【0051】
したがって、本発明に基づいて、スカンジウム系列の酸化物および水酸化物はすべて、弱塩基性と考えられる。
【0052】
本発明に基づいて、LiからCsまでの第一属の元素と、MgからBaまでの第二属の元素を、弱塩基性の反応をする元素として分類できない。
【0053】
既に記載したが、塩基性度以外に、上記イオンのさらに強い磁界強度もまた、ある種の役割を担うと考えられている。記載のイオンは、ガラス構造内にさらに強力に定着され、従ってガラス構造からゆっくりと溶解されることを意味する。
【0054】
本発明に関連して、用語ポリ酸は、イオン性解離基を有するポリマーを包含する高分子電解質を意味すると理解され、イオン性解離基は、ポリマー鎖の置換基になることができ、その数は非常に多いので、ポリマーは、少なくともその一部が解離した状態で、少なくとも部分的に水溶性である。例えば、−COOH、−OH、−PO(OH)2、−OPO(OH)2、−SO2(OH)などの置換基は、特にこの目的に適する。アクリル酸、メタクリル酸 (EP 0 024 056 A)、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、ビニルホスホン酸(EP 0 340 016 A;GB 22 91 060 A)などのポリマーやコポリマーのような有機ポリ酸(DE 20 61 513 A)が特に好ましい。さらに、多種の高分子電解質が存在するならば、水に不溶性の高分子電解質もまた高分子電解質セメント中に存在しうる。少なくとも1種の高分子電解質が、少なくとも部分的に水溶性であることが、唯一の条件である。
【0055】
高分子電解質は、キレート形成反応および/または酸塩基反応/中和反応の反応の一部として、ガラス成分と反応可能であるはずである。
【0056】
高分子電解質セメントは、固体に状態変化されうる、少なくとも部分的に水溶性の高分子電解質を0.5〜30重量%含有するのが好ましく、2〜25重量%が特に好ましく、5〜20重量%がさらに特に好ましい。
【0057】
高分子電解質セメントの場合において、適切な凝結性を確立するためのキレート剤の添加は、特に重要である(DE 23 19 715 A)。この目的に適切である化合物、特に、キレート剤を生成するヒドロキシル基またはカルボキシル基、或いは両方の基を含む化合物は非常に多くある。特に良好な結果が、酒石酸またはクエン酸で、特に5重量%の量で、達成される。金属キレートの生成において、上記の物質を添加することによって、所望の効果を有する。
【0058】
高分子電解質セメントは、上記タイプの化合物を、好ましくは酒石酸を、0〜10、好ましくは0〜5重量%含有する。
【0059】
さらに、高分子電解質セメントは、染料、顔料、X線造影剤、流動性向上剤、揺変剤(チキソトロピー剤)、ポリマー増粘剤または安定剤などの助剤を含有してもよい。
【0060】
歯科用材料用の標準充填材の例には、ガラスおよび石英粉末、プラスチック粉末、発熱性の高分散性シリカ、およびこれらの成分の混合物が挙げられる。
【0061】
上記の他の添加剤は、通常、本発明に係る高分子電解質セメント中に、0〜60重量%の量で存在する。
【0062】
オルガノシランまたは有機シロキサンで表面処理することよって、或いはヒドロキシル基をエーテル化してアルコキシ基を生成することによって、上記記載の充填材をまた疎水性にしてもよい。
【0063】
原則的には、記載したガラス組成物は、モノマー改質セメントの使用にも適する。
【0064】
20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%の弱塩基性酸化物を含有するガラスが好ましいことが立証されている。
【0065】
本発明に係るセメントは、適切ならば、量において、0〜25重量%の範囲で、好ましくは0〜10重量%の範囲で、強塩基性酸化物を含有してもよい。
【0066】
本発明に係るセメントは、ISO 4049に基づいて測定された、少なくとも25MPa〜35MPaの範囲の曲げ強さを有するのが好ましく、45MPaを上回るのが特に好ましい。
【0067】
セメントの加工時間は、粘度計を用いて決定されて、1〜4分であり、2〜3分が特に好ましい。硬化時間は、3〜10分であり、4〜8分が特に好ましい。
【0068】
好適なガラス組成を以下に記載する。
【0069】
上記記載のスカンジウム系列の弱塩基性酸化物以外に、ガラスはまたIV属およびV属の遷移金属の酸化物を含有してもよい。さらに、酸化アルミニウムを、部分的にまたは完全に、酸化ホウ素または酸化ガリウムで置換してもよい。第一属の酸化物、リン酸塩、および/または第二属の塩基性酸化物またはZnOの添加によって溶解状態は好ましい影響を受けうる。
【0070】
表の「+」で互いに分離している酸化物は、本発明に基づいて、個々でも存在しうる。決定的な要因は、グループがガラス中で構成する対応重量比率である。
【0071】
【表3】
【0072】
「Y2O3+La2O3+その他のランタニド酸化物」の代わりに、Sc2O3が、20〜50重量%、好ましくは20〜30重量%の量で存在することも可能である。上記成分に加えて、Sc2O3が比較的少量で存在するガラス組成物も包含される。
【0073】
いくつかの実施例を引用して、本発明をさらに詳細に以下で説明する。
【0074】
実施例に記載するいずれのガラスも、ポリ酸と反応させる前に、ガラス表面の反応性イオンの数の減少を導く有機酸での処理(酸洗浄)を、施していない。
【0075】
ガラスの製造
以下の酸化物の組成(重量%において)のガラスを1300〜1600℃の範囲の温度で、30分〜5時間にわたって溶解した。比較例4を除いて、開始バッチ内のフッ素含有量は、12〜14重量%であった。
【0076】
比較例4において、DE 20 65 824 A1に従って、以下の組成(SiO29.5g、Al2O310.0g、Na3AlF67.6g、LaF39.4g、AlPO47.3g)を用いて、ガラスを溶解した。これらの実施例で用いた酸化物の組成を表に示す。
【0077】
【表4】
【0078】
粉砕
獲得したガラス小球60〜80gを、振動アゲートミル(vibratory agate mill)(Siebtechnik製、粉砕槽100ml、910rpm)で40〜50分乾式粉砕した。獲得したガラス粉末は、比表面積1.8〜2.5m2/gで、3〜6μmの範囲の平均結晶粒サイズを有した。
【0079】
実施例6
実施例6のガラスをさらに攪拌ボールミルを用いて湿式粉砕した。酸化アルミニウム槽(500ml)をガラス粉末50g、H2O200ml、ジルコニア球(D=0.8mm)100gで満たし、穴あきジルコニアディスクを用いて6時間粉砕した。その結果、平均結晶粒サイズは1.5μmで、比表面積は10.5m2であった。
【0080】
セメント
ポリ酸と混合して獲得したガラス粉末の結果としてセメントを生成した。この段階において、およそ45%濃度のポリアクリル酸(分子量20,000〜30,000)、およそ45%濃度のポリアクリロマレイン酸(分子量約40,000〜60,000)、およそ55%濃度のポリビニルホスホン酸(分子量約20,000)を用いた。
【0081】
第一に、ISO 9917に基づいて、第二に、EP 0 023 013 A1に記載される粘度計を用いて、凝結を決定した。すべての場合において、試験アセンブリが、試験品の温度を28℃に制御することを裏付ける。ISO 4049に従って2x2x25mmのセメント試験品での三点曲げ試験を用いて、曲げ強さを決定した。
【0082】
結果
セメント1
ガラス1をポリアクリル酸とポリアクリロマレイン酸の両方と3:1のP:Fで、混合した。
【0083】
【表5】
【0084】
セメント6
ガラス6をポリアクリル酸(45%濃度)と2.0:1のP:Fで、反応させた。
【0085】
【表6】
【0086】
ガラスC6
未処理の場合のガラスと、空気循環炉(Heraeus社製)で、400℃で、6時間コンディショニング後の場合のガラスを、ポリアクリル酸と反応させた。
【0087】
【表7】
【0088】
さらに他のセメントの実施例
実施例1〜9で獲得したセメントで測定した硬化時間は、唯一乾式粉砕であったガラス6を除いて、すべて好適な範囲内であった。
【0089】
【表8】
【0090】
比較例1に基づいたセメントは、おそらく高含有量のCaのために、すばやく凝結する。比較例2および3に基づいたセメントに関して、凝結が非常にすばやく起こるために、測定はもはや不可能であった。
【0091】
粘度計を用いる測定に関して、一番目の時間は、加工時間に相当し、二番目の時間は硬化時間に相当する。時間を分で示す。P対F比を、重量比として、示す。
【0092】
本発明に係るセメントは、通常容器に詰められて市場に出される。このことに関して、セメントの個々の成分は、セメントがその用途に達する前に、望ましくない反応が起こらない形態であることを確証すべきである。その容器は、通常、互いに分離されている少なくとも2つのチャンバを有する。適切な容器の例は、WO 00/30953 AまたはEP 0 783 872 Aに記載されている。
【0093】
適切な容器は、カプセルとねじ蓋式瓶のような密閉可能な箱型中空体とを組み合わせている。特定の用途に応じて、セメントをカプセルに詰めてもよい。
本発明は、歯科用材料、特に歯科用セメント、好ましくは高分子電解質セメントにおける、ガラス粉末表面の前処理を施さずに使用できる不活性ガラスの使用に関する。
【0002】
歯科分野では、特に充填材料と、歯冠、ブリッジ、インレー用の固定セメントおよびコンポジットにガラスを用いる。
【0003】
反応性ガラス、つまり化学反応に関与するガラスを、高分子電解質セメント、特にガラスイオノマーセメントとして公知であるセメントに用いる。
【0004】
このタイプの高分子電解質セメントは、一般的に、三成分、即ちポリ酸(特に炭酸を含有する物質)、好ましくは液状で、ガラス粉末、および水を含んでなる。三成分を一緒にして相互に混合すると、時間の経過で硬化する固体を生成するために反応が起こる(セメント反応)。
【0005】
特にガラスイオノマーセメントに用いるガラスの製造には、様々な原料を用いる。これらの原料は、まず、SiO2、Al2O3、CaOなどの酸化物、CaF2、SrF2、氷晶石などのフッ化物、Al(OH)3などの水酸化物、AlPO4、P2O5、またはリン酸カルシウムなどのリン酸塩である。一方、ムライトのようなケイ酸塩、Na2CO3、CaCO3などの炭酸塩、または他の天然の鉱物原料も用いることができる。原理上は、結晶水を含有する形態で使用される全ての原料を用いることが可能である。
【0006】
歯科用ガラスでは、かなりの割合の酸素が、フッ素で置換されることが多い。これは、ガラス系の記述にフッ素の元素記号Fを加えて示される。
【0007】
従って、ガラスイオノマーセメント用のガラスを、通常、以下の系の一つに割り当てることが可能であり、以下の系に、P2O5とNa2Oが少量だけ存在する場合、もしくは全然存在しない場合もある。
SiO2−Al2O3−CaO−(P2O5)−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−SrO−(P2O5)−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−SrO−La2O3−(P2O5)−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−CaO−La2O3−(P2O5)−(Na2O)−F
【0008】
歯科用セメントに用いるガラスは、通常、フルオロアルミノケイ酸塩のガラスである。酸の中でのガラスの可溶性は、ガラスを高分子電解質セメントの成分として用いるための前提条件である。ケイ素が部分的にアルミニウムで置換されると、酸に可溶なガラス構造が形成される。しかしながら、塩基性酸化物が存在するならば、4価のケイ素イオンの位置に3価のアルミニウムイオンのために電荷当量を生じるように、ケイ素をアルミニウムで置換するしかない。
【0009】
ポリ酸および水を添加すると、ガラス構造は壊されて、架橋イオンとして公知であるイオンとして、特に網目修飾特性を有するイオンを少なくとも部分的に遊離する。
【0010】
時間の経過と共に増進するセメントの硬化において、架橋が現れる。全ての少なくとも2価の塩基性イオンだけでなく、Al3+も、上記タイプの高分子構造を形成することが可能である。
【0011】
作業時間(つまり、歯科医がなおペースト状のセメント材料を加工するのが依然として可能である時間)と、硬化時間(つまり歯科用器具を用いての再加工が可能である時間を過ぎる時間)とには、通常、顕著な違いがある。
【0012】
従来型のガラスは、架橋イオンとして、例えば、Ca2+やAl3+を含有し、未処理状態で非常に反応しやすく、溶解度が極度に大きいので、ポリ酸と非常にすばやく凝結するので、生成する歯科用セメントを適切に加工することが不可能であることがわかっている。
【0013】
ガラス中のカルシウム含有量を減少させて、溶解工程を遅くすることは可能であるが、可溶性であるCaOまたはSrOなどの塩基性酸化物の濃度が非常に低いならば、イオンの有効性が不十分になるので、セメントの強度は劣化することがわかっている。これは、歯科医が充填材料を混合して当て嵌めるのに非常に短い加工時間しかないことを意味する。同時に、歯科医は、セメントの再加工を開始できるまでに長時間待たなければならない欠点を受け入れざるを得ない。これは、歯科医が歯科用セメントに強いる要望とは反対となる。
【0014】
歯科医は通常、1〜4分の加工時間、5〜8分の硬化時間を必要とする。通常、ISO 9917(第1版)7.3部に基づいて、硬化時間を決定する。EP 0 023 013 Aに記載の通り、粘度計を用いて、加工時間および硬化時間を定めることができる。
【0015】
セメントの所望の加工性を達成するために、即ち十分な加工時間および完全に硬化するのに出来る限り短い時間を有するように、例えば、「臨床材料(Clinical Materials)」12、113−115頁(1993年)、またはDE 29 29 121 A(EP 0 230 113 A)に記載の通り、粉砕工程後、ガラス粉末に表面処理を施すことは通例である。この場合、ガラス表面で反応性イオン濃度を小さくして、その組成のため非常にすばやく反応するガラスを所望レベルの反応速度に調整する。
【0016】
EP 0 023 013 Aは、ガラスの特性に悪影響を及ぼさないならば、さらに酸化物を添加してもよいガラスイオノマーセメント用のカルシウムアルミニウムフルオロケイ酸塩のガラス粉末の使用を記載する。その記載によると、歯科用セメントに用いることが可能であるガラスを得るために、ガラス表面を不活性にしなければならない。不活性化は、表面処理によってガラス粉末と酸との反応速度が遅くなる手順に相当し、この方法で、セメントの所望の加工時間が生じる。
【0017】
ポリマーを例にすると、表面のコーティングなどの別の比較的複雑な表面処理を用いて、表面の不活性化をまた効果的にすることが可能である。
【0018】
EP 0 023 013Aにおいて、ガラス粉末の表面を化学処理することにより、不活性化が達成される。その結果、材料の変わらず好適な機械的性質のデータをさらに組み合わせた好適な加工時間を有するセメントが生じた。
【0019】
しかしながら、このガラス表面処理は、複雑な工程段階の典型である。
【0020】
さらに、洗浄或いはコンディショニング工程中に、粉末の凝塊形成が起こり、セメントの特性に悪影響を有す可能性がある。
【0021】
DE 38 06 448Aは、Si、Al、Ca、Sr、F、Na、およびP元素を含有し、La2O3の添加によって、X線に見える骨セメント用のガラスを開示する。添加剤の量で特性が悪影響を受けてはならないことが強調されている。
【0022】
DE 38 04 469 Aに記載のガラス粉末は、15〜40重量%の量を用いるストロンチウムを除いて、アルカリ金属のイオンおよびアルカリ土類金属のイオンを実質的に含まない。
【0023】
DE 20 65 824 B2は、医療用セメントを自己硬化するフルオロアルミノケイ酸塩のガラス粉末を記載している。
【0024】
本発明の目的のひとつは、歯科用セメント用のガラス、特に高分子電解質セメント用の製造するのが容易である反応性ガラスを提供することである。
【0025】
さらなる目的は、表面処理、酸洗浄、コーティングおよび/またはコンディショニングなどの複雑な工程を経ることなく、粉砕工程後直ちにガラスを直接使用する点にあると考えられる。反応性およびその結果の加工時間と硬化時間は、ガラスの組成および結晶粒サイズの分布にのみ依存し、容易に再現性よく生じる。
【0026】
この目的は、請求項に記載のガラスを含有する歯科用材料によって、およびガラス中の架橋イオンとしてのある種のイオンを使用することによって、達成される。
【0027】
本発明はまた、硬化可能な材料、特にセメントに関し、特に上記ガラスを含有する高分子電解質セメントに関する。
【0028】
本発明の関連において、用語架橋は、高分子の網目構造の形成を導く、キレート形成反応において、好ましくは酸塩基型反応において、ポリ酸および少なくとも2価のイオンが互いに相互作用する反応を意味すると理解する。
【0029】
本発明の関連において、記載の充填材料および固定材料は、実質的にセメント、特に高分子電解質セメントを意味すると理解する。従って、記載するガラスは、従来型の充填材よりむしろ反応成分であるのが好ましく、純然たる充填材で反応に関与しないコンポジット部分に使用するガラスとは異なる。
【0030】
セメント用ガラスは、一般的に、Li+、Na+、K+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+などの強塩基性イオンを含有する。強塩基性イオンを、Sc3+、Y3+、La3+など、Ce3+/4+、或いはランタン系列の他の2価、3価、または4価のイオン、および/または Ga2+またはIn2+などの弱塩基性イオンと完全にまたは部分的に置換することによって、ポリ酸でさらにかなり緩慢に凝結するガラスを獲得することが現在わかっている。
【0031】
意外なことに、このようなガラスを用いて、ガラス粉末の従来型表面処理を実質的に施さず、歯科医が所望する凝結性を有する歯科用セメントを製造することが可能である。さらに、ガラス組成によって、広範囲内で凝結時間を調整することが可能であることがわかっている。
【0032】
これに関連して、本発明は以下の利点を有する:
Ca2+、Sr2+のような強塩基性イオンが、Sc3+、Y3+、La3+、Ce4+/3+およびランタン系列の他の2価、3価、または4価のイオンなどの弱塩基性イオンと、歯科用セメントに用いるガラス中で、置換される結果として、セメントに用いる前に、表面処理(例えば、酸洗浄および/またはコンディショニング)をガラスに施さなくとも、歯科用セメント、特にガラスイオノマーセメントの制御された凝結反応を達成することが可能である。合理化された生産に加えて、その利点は、加工時間および硬化時間の改良された再現性にもある。これらの時間は、表面処理によって調整されないが、所望の凝結プロフィール、即ち、セメントをまだ加工できる状態から、硬化が始まり有用な加工がもはや不可能である状態までの比較的迅速な遷移が驚くことに達成される。
【0033】
上記記載のガラスを用いた歯科用材料または歯科用セメントは、酸洗浄でその反応性が減少したガラスを用いたセメントと比べて同一もしくは僅かに改良された機械的特性を有することを発見したことは驚くべきことである。
【0034】
さらに、本発明に係るセメントは、水に関して、加水分解安定性を備える。
【0035】
これらの特性は、特に、AlおよびSiに加えて、Yおよび/またはLaだけを含有するか、或いはCa2+またはSr2+、Ba2+、Li+、Na+、K+などの比較的に強塩基性で反応するイオンを比較的少量のみ含有するガラスに確認される。
【0036】
さらに、フッ素で置換可能である酸素もあり、一方ではガラスの溶解性を改善し、他方ではセメントの凝結性を改良し、補助的な虫歯予防処置のためにフッ化物イオンの遊離を可能にする。
【0037】
従って、以下の系を加えて、前に示したセメント系を拡大する。
SiO2−Al2O3−(SrO)−LnxOy−P2O5−(Na2O)−F
SiO2−Al2O3−(CaO)−LnxOy−P2O5−(Na2O)−F
【0038】
LnxOyは、元素Sc、Y、La、Luまでの酸化物を表す。上式において、xとyは1、2または3の値を取ってもよい。括弧内の酸化物は反応を促進する可能性があるので、その酸化物を少量用いるかもしくは全く使用しない。例えば、DE 20 65 824 Aは、約12重量%のNa2O含有量を有する以下の系
SiO2−Al2O3−La2O3−P2O5−Na2O−F
に属するガラスを記載している。
【0039】
試験から、ポリ酸での上記ガラス粉末の凝結速度が、400℃で数時間コンディショニング後、処理可能な範囲になることがわかる(比較例4参照)。これは、おそらく高濃度の強塩基性酸化物(この場合Na2O)によるものと考える。高含有量のNa2Oのさらなる欠点は、結果として生じるセメントの水に対する溶解度が増加することである。
【0040】
さらに、記載のガラスは、組成の広範囲内で、いかなる相分離も結晶化の影響もほぼ伴わないことがわかった。
【0041】
ガラスの相組成は冷却速度に左右されないので、上記ガラスを含有するセメントの凝結速度の再現性は、偏析したガラス即ち不透明ガラスと比べて、透明ガラスで改善されることが望まれている。
【0042】
標準成分SiO2、Al2O3、P2O5、およびNa2O以外に、ガラスは、主に、弱塩基性イオンおよび/または両性に反応するイオンを含有するのが好ましく、それらのイオンはセメント反応中に架橋イオンとして働く。
【0043】
弱塩基性の3価および4価のイオンが好ましく、イオンSc3+、Y3+、La3+、Ce4+/3+および次に続くランタン系列のすべての3価および4価のイオンが特に好ましい。
【0044】
最新の教示では、Al3+もまた弱塩基性イオンまたは両性に反応するイオンに属するとされる。しかしながら、アルミニウムイオンはガラス中で特別な働きをする。アルミニウムは主として酸の中のガラス構造を溶解する原因となり、架橋イオンとして補助的な機能のみを有する。歯科用セメントに適するガラスにおいて、アルミニウムは、網目修飾体として作用する上記記載の3価および4価のイオンと異なって、網目形成体として働く。
【0045】
一般的に用いるガラスは、1〜15m2/g、好ましくは2〜8m2/gのBET表面積を有する。
【0046】
さらに、上記ガラスは、0.01〜20μm、好ましくは1〜5μmの平均結晶粒サイズ(d50)を有する。
【0047】
使用するガラス中の0〜25重量%の酸素がフッ素で置換されるのが好ましく、8〜18重量%が置換されるが特に好ましい。
【0048】
定義塩基性度を定めるのに、通常pKB値を用いる。弱塩基性と強塩基性の範囲として、塩基性度のpKB値を捉えることができる。例えば、Mg(OH)2のpKBには、R. C. Weast:「化学と物理学のCRCハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)」の値を定めるが、一方Ca(OH)2は、数値を定めないで、強塩基に分類される。
【0049】
本発明に関連して、水溶液中で比較的に僅かだけ解離する酸化物または水酸化物を弱塩基性であるとみなす。
【0050】
塩基性度に関連して以下の記述をすることができる:
ScからYを経てLaの順に塩基性度が増す。Laは、Sr、BaまたはNa、およびKと比較すると弱塩基性に分類される。同時に、LaからLuの順に塩基性度は再び減少し、結果として、ルテチウムの塩基性度は、イットリウムの塩基性度にほぼ匹敵する(ランタニド収縮)。
【0051】
したがって、本発明に基づいて、スカンジウム系列の酸化物および水酸化物はすべて、弱塩基性と考えられる。
【0052】
本発明に基づいて、LiからCsまでの第一属の元素と、MgからBaまでの第二属の元素を、弱塩基性の反応をする元素として分類できない。
【0053】
既に記載したが、塩基性度以外に、上記イオンのさらに強い磁界強度もまた、ある種の役割を担うと考えられている。記載のイオンは、ガラス構造内にさらに強力に定着され、従ってガラス構造からゆっくりと溶解されることを意味する。
【0054】
本発明に関連して、用語ポリ酸は、イオン性解離基を有するポリマーを包含する高分子電解質を意味すると理解され、イオン性解離基は、ポリマー鎖の置換基になることができ、その数は非常に多いので、ポリマーは、少なくともその一部が解離した状態で、少なくとも部分的に水溶性である。例えば、−COOH、−OH、−PO(OH)2、−OPO(OH)2、−SO2(OH)などの置換基は、特にこの目的に適する。アクリル酸、メタクリル酸 (EP 0 024 056 A)、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、ビニルホスホン酸(EP 0 340 016 A;GB 22 91 060 A)などのポリマーやコポリマーのような有機ポリ酸(DE 20 61 513 A)が特に好ましい。さらに、多種の高分子電解質が存在するならば、水に不溶性の高分子電解質もまた高分子電解質セメント中に存在しうる。少なくとも1種の高分子電解質が、少なくとも部分的に水溶性であることが、唯一の条件である。
【0055】
高分子電解質は、キレート形成反応および/または酸塩基反応/中和反応の反応の一部として、ガラス成分と反応可能であるはずである。
【0056】
高分子電解質セメントは、固体に状態変化されうる、少なくとも部分的に水溶性の高分子電解質を0.5〜30重量%含有するのが好ましく、2〜25重量%が特に好ましく、5〜20重量%がさらに特に好ましい。
【0057】
高分子電解質セメントの場合において、適切な凝結性を確立するためのキレート剤の添加は、特に重要である(DE 23 19 715 A)。この目的に適切である化合物、特に、キレート剤を生成するヒドロキシル基またはカルボキシル基、或いは両方の基を含む化合物は非常に多くある。特に良好な結果が、酒石酸またはクエン酸で、特に5重量%の量で、達成される。金属キレートの生成において、上記の物質を添加することによって、所望の効果を有する。
【0058】
高分子電解質セメントは、上記タイプの化合物を、好ましくは酒石酸を、0〜10、好ましくは0〜5重量%含有する。
【0059】
さらに、高分子電解質セメントは、染料、顔料、X線造影剤、流動性向上剤、揺変剤(チキソトロピー剤)、ポリマー増粘剤または安定剤などの助剤を含有してもよい。
【0060】
歯科用材料用の標準充填材の例には、ガラスおよび石英粉末、プラスチック粉末、発熱性の高分散性シリカ、およびこれらの成分の混合物が挙げられる。
【0061】
上記の他の添加剤は、通常、本発明に係る高分子電解質セメント中に、0〜60重量%の量で存在する。
【0062】
オルガノシランまたは有機シロキサンで表面処理することよって、或いはヒドロキシル基をエーテル化してアルコキシ基を生成することによって、上記記載の充填材をまた疎水性にしてもよい。
【0063】
原則的には、記載したガラス組成物は、モノマー改質セメントの使用にも適する。
【0064】
20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%の弱塩基性酸化物を含有するガラスが好ましいことが立証されている。
【0065】
本発明に係るセメントは、適切ならば、量において、0〜25重量%の範囲で、好ましくは0〜10重量%の範囲で、強塩基性酸化物を含有してもよい。
【0066】
本発明に係るセメントは、ISO 4049に基づいて測定された、少なくとも25MPa〜35MPaの範囲の曲げ強さを有するのが好ましく、45MPaを上回るのが特に好ましい。
【0067】
セメントの加工時間は、粘度計を用いて決定されて、1〜4分であり、2〜3分が特に好ましい。硬化時間は、3〜10分であり、4〜8分が特に好ましい。
【0068】
好適なガラス組成を以下に記載する。
【0069】
上記記載のスカンジウム系列の弱塩基性酸化物以外に、ガラスはまたIV属およびV属の遷移金属の酸化物を含有してもよい。さらに、酸化アルミニウムを、部分的にまたは完全に、酸化ホウ素または酸化ガリウムで置換してもよい。第一属の酸化物、リン酸塩、および/または第二属の塩基性酸化物またはZnOの添加によって溶解状態は好ましい影響を受けうる。
【0070】
表の「+」で互いに分離している酸化物は、本発明に基づいて、個々でも存在しうる。決定的な要因は、グループがガラス中で構成する対応重量比率である。
【0071】
【表3】
【0072】
「Y2O3+La2O3+その他のランタニド酸化物」の代わりに、Sc2O3が、20〜50重量%、好ましくは20〜30重量%の量で存在することも可能である。上記成分に加えて、Sc2O3が比較的少量で存在するガラス組成物も包含される。
【0073】
いくつかの実施例を引用して、本発明をさらに詳細に以下で説明する。
【0074】
実施例に記載するいずれのガラスも、ポリ酸と反応させる前に、ガラス表面の反応性イオンの数の減少を導く有機酸での処理(酸洗浄)を、施していない。
【0075】
ガラスの製造
以下の酸化物の組成(重量%において)のガラスを1300〜1600℃の範囲の温度で、30分〜5時間にわたって溶解した。比較例4を除いて、開始バッチ内のフッ素含有量は、12〜14重量%であった。
【0076】
比較例4において、DE 20 65 824 A1に従って、以下の組成(SiO29.5g、Al2O310.0g、Na3AlF67.6g、LaF39.4g、AlPO47.3g)を用いて、ガラスを溶解した。これらの実施例で用いた酸化物の組成を表に示す。
【0077】
【表4】
【0078】
粉砕
獲得したガラス小球60〜80gを、振動アゲートミル(vibratory agate mill)(Siebtechnik製、粉砕槽100ml、910rpm)で40〜50分乾式粉砕した。獲得したガラス粉末は、比表面積1.8〜2.5m2/gで、3〜6μmの範囲の平均結晶粒サイズを有した。
【0079】
実施例6
実施例6のガラスをさらに攪拌ボールミルを用いて湿式粉砕した。酸化アルミニウム槽(500ml)をガラス粉末50g、H2O200ml、ジルコニア球(D=0.8mm)100gで満たし、穴あきジルコニアディスクを用いて6時間粉砕した。その結果、平均結晶粒サイズは1.5μmで、比表面積は10.5m2であった。
【0080】
セメント
ポリ酸と混合して獲得したガラス粉末の結果としてセメントを生成した。この段階において、およそ45%濃度のポリアクリル酸(分子量20,000〜30,000)、およそ45%濃度のポリアクリロマレイン酸(分子量約40,000〜60,000)、およそ55%濃度のポリビニルホスホン酸(分子量約20,000)を用いた。
【0081】
第一に、ISO 9917に基づいて、第二に、EP 0 023 013 A1に記載される粘度計を用いて、凝結を決定した。すべての場合において、試験アセンブリが、試験品の温度を28℃に制御することを裏付ける。ISO 4049に従って2x2x25mmのセメント試験品での三点曲げ試験を用いて、曲げ強さを決定した。
【0082】
結果
セメント1
ガラス1をポリアクリル酸とポリアクリロマレイン酸の両方と3:1のP:Fで、混合した。
【0083】
【表5】
【0084】
セメント6
ガラス6をポリアクリル酸(45%濃度)と2.0:1のP:Fで、反応させた。
【0085】
【表6】
【0086】
ガラスC6
未処理の場合のガラスと、空気循環炉(Heraeus社製)で、400℃で、6時間コンディショニング後の場合のガラスを、ポリアクリル酸と反応させた。
【0087】
【表7】
【0088】
さらに他のセメントの実施例
実施例1〜9で獲得したセメントで測定した硬化時間は、唯一乾式粉砕であったガラス6を除いて、すべて好適な範囲内であった。
【0089】
【表8】
【0090】
比較例1に基づいたセメントは、おそらく高含有量のCaのために、すばやく凝結する。比較例2および3に基づいたセメントに関して、凝結が非常にすばやく起こるために、測定はもはや不可能であった。
【0091】
粘度計を用いる測定に関して、一番目の時間は、加工時間に相当し、二番目の時間は硬化時間に相当する。時間を分で示す。P対F比を、重量比として、示す。
【0092】
本発明に係るセメントは、通常容器に詰められて市場に出される。このことに関して、セメントの個々の成分は、セメントがその用途に達する前に、望ましくない反応が起こらない形態であることを確証すべきである。その容器は、通常、互いに分離されている少なくとも2つのチャンバを有する。適切な容器の例は、WO 00/30953 AまたはEP 0 783 872 Aに記載されている。
【0093】
適切な容器は、カプセルとねじ蓋式瓶のような密閉可能な箱型中空体とを組み合わせている。特定の用途に応じて、セメントをカプセルに詰めてもよい。
Claims (20)
- 前記ガラスが、本質的に三成分系である、請求項1または2に記載の歯科用材料。
- 前記歯科用ガラス中の酸素の0〜25重量%がフッ素で置換されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用材料。
- 前記歯科用ガラスが、1〜15m2/gのBET比表面積を有する粉末状で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用材料。
- 前記歯科用ガラスが、0.01〜10μmの範囲の平均結晶粒サイズを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用材料。
- 前記歯科用ガラスの表面が、硬化時間を調整するために、例えば、酸洗浄、表面コーティングおよび/またはコンディショニングによって、表面処理を施されていない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯科用材料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯科用ガラスを製造する方法であって、a)酸化物の提供工程、b)前記酸化物の混合工程、c)工程b)の混合物の溶解工程、d)固体を形成するための前記溶解した材料の急冷工程、およびe)ガラス粉末をつくるために工程d)の前記固体の粉砕工程からなり、工程d)の前記ガラス粉末が、歯科用セメントに用いられる前に、酸で処理されていない、方法。
- セメント製造のための請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用ガラスの使用であって、前記ガラス表面が、表面処理を施されていない、使用。
- 前記セメントが高分子電解質セメントである、請求項9に記載の使用。
- 歯科用セメントであって、A)50〜90重量%の量の無機質固体、B)5〜50重量%の量の水、およびC)5〜50重量%の量のポリ酸、を含有し、前記無機質固体が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用ガラスを含有する、歯科用セメント。
- 成分A)において、充填材が0〜90重量%の量で存在する、請求項11に記載の歯科用セメント。
- 前記充填材が、石英、ガラス、酸化アルミニウム、長石またはカオリンのような鉱物粉末、および/またはプラスチック粉末から選択される、請求項12に記載の歯科用セメント。
- ISO 4049に基づいて測定された少なくとも25MPaの曲げ強さを有する請求項11〜13のいずれか1項に記載の歯科用セメント。
- 少なくとも2つのチャンバを有し、請求項12〜14のいずれか1項に記載の歯科用セメントを含む槽であって、易流動性成分が固体成分から分離している、槽。
- 混合カプセル形状の請求項15に記載の槽。
- ガラス中の弱塩基性で反応する酸化物のイオンの使用であって、前記イオンが、ポリ酸を架橋するために前記ポリ酸とのセメント反応に加わることが可能である、使用。
- 前記酸化物が少なくとも20重量%の量で用いられる、請求項17に記載の使用。
- 前記酸化物が1より大きいpKB値を有する、請求項17または18に記載の使用。
- 前記酸化物のイオンが、Sc3+、Y3+、La3+、Ce4+、および次に続く3価と4価のランタニドおよびGa2+および/またはIn2+から選択される、請求項17〜19のいずれか1項に記載の使用。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE10063939A DE10063939B4 (de) | 2000-12-20 | 2000-12-20 | Dentalzement enthaltend ein reaktionsträges Dentalglas und Verfahren zu dessen Herstellung |
PCT/EP2001/014721 WO2002049581A1 (de) | 2000-12-20 | 2001-12-13 | Reaktionsträges dentalglas |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004516260A true JP2004516260A (ja) | 2004-06-03 |
Family
ID=7668252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002550925A Pending JP2004516260A (ja) | 2000-12-20 | 2001-12-13 | 歯科用不活性ガラス |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7264665B2 (ja) |
EP (1) | EP1343452B1 (ja) |
JP (1) | JP2004516260A (ja) |
AT (1) | ATE289792T1 (ja) |
AU (1) | AU2002219182A1 (ja) |
DE (2) | DE10063939B4 (ja) |
WO (1) | WO2002049581A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227676A (ja) * | 2008-03-20 | 2009-10-08 | Ivoclar Vivadent Ag | 歯科材料における使用のためのポリマー被覆ガラス充填材 |
JP2010189263A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-09-02 | Schott Ag | バリウム−フリーのx線不透過性ガラス及びその使用 |
Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006501123A (ja) * | 2002-09-27 | 2006-01-12 | ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド | 欠陥密度が低減したフロートガラスを作製する方法 |
EP1570831A1 (de) * | 2004-03-02 | 2005-09-07 | Ernst Mühlbauer GmbH & Co.KG | Gefülltes, polymerisierbares Dentalmaterial und Verfahren zu dessen Herstellung |
DE102004011218B4 (de) | 2004-03-04 | 2006-01-19 | Schott Ag | Röntgenopakes Glas, Verfahren zu seiner Herstellung und seine Verwendung |
US7718739B2 (en) * | 2004-09-09 | 2010-05-18 | Halliburton Energy Services, Inc | Polyalkenoate cement compositions and methods of use in cementing applications |
DE102004048041B4 (de) | 2004-09-29 | 2013-03-07 | Schott Ag | Verwendung eines Glases oder einer Glaskeramik zur Lichtwellenkonversion |
JP5117194B2 (ja) * | 2004-11-12 | 2013-01-09 | デンツプライ デトレイ ゲー.エム.ベー.ハー. | 歯科用ガラス組成物 |
EP2072028A1 (de) * | 2007-12-21 | 2009-06-24 | Ernst Mühlbauer GmbH & Co.KG | Stumpfaufbaumaterial |
JP4772883B2 (ja) * | 2008-03-19 | 2011-09-14 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録液 |
DE102009008951B4 (de) | 2009-02-13 | 2011-01-20 | Schott Ag | Röntgenopakes bariumfreies Glas und dessen Verwendung |
DE102009008954B4 (de) | 2009-02-13 | 2010-12-23 | Schott Ag | Röntgenopakes bariumfreies Glas und dessen Verwendung |
DE102010007796B3 (de) | 2010-02-12 | 2011-04-14 | Schott Ag | Röntgenopakes bariumfreies Glas und dessen Verwendung |
DE112012004261A5 (de) | 2011-10-14 | 2014-08-28 | Ivoclar Vivadent Ag | Lithiumsilikat-Glaskeramik und -Glas mit einwertigem Metalloxid |
EP2844620B1 (en) * | 2012-05-03 | 2019-10-23 | Covina Biomedical Incorporated | Germanium-based glass polyalkenoate cement |
KR101430748B1 (ko) * | 2013-01-31 | 2014-08-14 | 전남대학교산학협력단 | 생체활성 색조 글라스, 이를 포함하는 치과용 임플란트 및 보철물 |
EP3263089A1 (en) | 2016-06-30 | 2018-01-03 | Dentsply DeTrey GmbH | Dental composition comprising a dental filler containing a structural filler and silanated glass flakes |
EP3300714A1 (en) | 2016-09-30 | 2018-04-04 | DENTSPLY DETREY GmbH | Dental composition |
US10583217B2 (en) * | 2016-09-30 | 2020-03-10 | Nippon Piston Ring Co., Ltd. | Implant and method for producing implant |
EP3336092A1 (en) | 2016-12-14 | 2018-06-20 | DENTSPLY DETREY GmbH | Dental composition |
EP3335689A1 (en) | 2016-12-14 | 2018-06-20 | DENTSPLY DETREY GmbH | Dental composition |
EP3338757A1 (en) | 2016-12-20 | 2018-06-27 | Dentsply DeTrey GmbH | Direct dental filling composition |
AU2018326543B2 (en) | 2017-08-30 | 2022-03-03 | Dentsply Detrey Gmbh | Photoinitiator modified polyacidic polymer |
EP3449895A1 (en) | 2017-08-30 | 2019-03-06 | Dentsply DeTrey GmbH | Photoinitiator modified polyacidic polymer |
EP3449894A1 (en) | 2017-08-31 | 2019-03-06 | Dentsply DeTrey GmbH | Dental composition comprising a particulate carrier supporting a coinitiator |
EP3536303A1 (en) | 2018-03-07 | 2019-09-11 | Dentsply DeTrey GmbH | Dental composition |
DE102018204655A1 (de) | 2018-03-27 | 2019-10-02 | Mühlbauer Technology Gmbh | Wasserhärtender Dentalzement, Verfahren und Kit zum Herstellen eines solchen und dessen Verwendung |
EP3650004A1 (en) | 2018-11-08 | 2020-05-13 | Dentsply DeTrey GmbH | Curable dental two-pack composition |
EP3653194A1 (en) | 2018-11-15 | 2020-05-20 | Dentsply DeTrey GmbH | Bifunctional and polyfunctional coinitiators in dental compositions |
EP3659546B1 (en) | 2018-11-27 | 2022-10-19 | Dentsply DeTrey GmbH | Additive manufacturing process |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6311149A (ja) * | 1986-04-11 | 1988-01-18 | ミシエ−ル テイスブラ | 義歯製造方法及び該方法により形成された義歯 |
JPH05186310A (ja) * | 1991-12-28 | 1993-07-27 | Noritake Co Ltd | 歯科用陶材フレームおよびその製造方法 |
JPH0723986A (ja) * | 1993-06-24 | 1995-01-27 | Dentsply Gmbh | 義 歯 |
Family Cites Families (29)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2805166A (en) * | 1954-01-18 | 1957-09-03 | Loffler Johannes | Glasses containing oxides of rare earth metals |
GB1316129A (en) * | 1969-12-15 | 1973-05-09 | Nat Res Dev | Surgical cement |
GB1422337A (ja) * | 1972-04-18 | 1976-01-28 | ||
AT339523B (de) * | 1973-09-21 | 1977-10-25 | Jenaer Glaswerk Schott & Gen | Glaskeramik fur zahnfullmassen |
US3971754A (en) * | 1973-12-10 | 1976-07-27 | Pennwalt Corporation | X-ray opaque, enamel-matching dental filling composition |
NL7406960A (nl) * | 1974-05-24 | 1975-11-26 | Philips Nv | Werkwijze voor het bereiden van een zeldzaam- -aard-aluminiaat, in het bijzonder een lumines- cerend zeldzaam-aard-aluminaat. |
GB1532954A (en) * | 1974-10-24 | 1978-11-22 | Nat Res Dev | Poly-(carboxylate)cements |
DE2929121A1 (de) * | 1979-07-18 | 1981-02-12 | Espe Pharm Praep | Calciumaluminiumfluorosilikatglas- pulver und seine verwendung |
DE2932823A1 (de) * | 1979-08-13 | 1981-03-12 | Espe Pharm Praep | Anmischkomponente fuer glasionomerzemente |
JPS582235A (ja) | 1981-06-30 | 1983-01-07 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | 希土類酸化物含有アルミノ珪酸塩ガラス |
DE3248357A1 (de) * | 1982-12-28 | 1984-07-05 | ESPE Fabrik pharmazeutischer Präparate GmbH, 8031 Seefeld | Pulverfoermiger dentalwerkstoff, verfahren zu seiner herstellung und seine verwendung |
NL8502025A (nl) * | 1985-07-15 | 1987-02-02 | Philips Nv | Lagedrukkwikdampontladingslamp. |
AU601381B2 (en) | 1985-11-29 | 1990-09-13 | American National Can Company | Blends of polypropylene and sheet structures made from the blends |
NL8602518A (nl) * | 1986-10-08 | 1988-05-02 | Philips Nv | Luminescerend lanthaan en/of gadolinium bevattend aluminosilikaat- en/of aluminoboraatglas en luminescerend scherm voorzien van een dergelijk glas. |
JPH0755882B2 (ja) * | 1987-02-13 | 1995-06-14 | 而至歯科工業株式会社 | 歯科用グラスアイオノマーセメント用ガラス粉末 |
US4808228A (en) * | 1987-02-20 | 1989-02-28 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Glass ionomer cement powder |
US5051453A (en) * | 1988-02-08 | 1991-09-24 | Tokuyama Soda Kabushiki Kaisha | Cement composition |
DE3806448A1 (de) * | 1988-02-29 | 1989-09-07 | Espe Stiftung | Verformbares material und daraus erhaeltliche formkoerper |
GB8809998D0 (en) | 1988-04-27 | 1988-06-02 | Wilson A D | Poly-vinylphosphonic acid & metal oxide/cement/glass ionomer cement |
DE3825027A1 (de) * | 1988-07-22 | 1990-01-25 | Espe Stiftung | Pulverfoermiger dentalwerkstoff, verfahren zu seiner herstellung und seine verwendung |
GB8924129D0 (en) * | 1989-10-26 | 1989-12-13 | Ellis John | Polyvinylphosphonic acid glass ionomer cement |
DE4024322A1 (de) * | 1990-07-31 | 1992-02-06 | Thera Ges Fuer Patente | Verformbare masse und deren verwendung als fuellmaterial fuer zahnwurzelkanaele |
JP2951771B2 (ja) * | 1991-09-26 | 1999-09-20 | 守 大森 | 希土類酸化物−アルミナ−シリカ焼結体およびその製造方法 |
GB2291060B (en) | 1994-07-09 | 1998-11-25 | Albright & Wilson Uk Ltd | Cement compositions |
DE4443173C2 (de) * | 1994-12-05 | 1997-04-10 | Schott Glaswerke | Bariumfreies Dentalglas mit guter Röntgenabsorption |
DE29600523U1 (de) * | 1996-01-13 | 1996-03-21 | Voco Gmbh | Misch- und Applikationskapsel für Dentalmaterial |
DE19726103A1 (de) * | 1997-06-19 | 1998-12-24 | Muehlbauer Ernst Kg | Alumofluorosilicatglas |
DE29821193U1 (de) | 1998-11-26 | 2000-03-30 | Espe Dental Ag | Mischkapsel |
DE19914975A1 (de) | 1999-04-01 | 2000-10-05 | Espe Dental Ag | Polyelektrolytzement |
-
2000
- 2000-12-20 DE DE10063939A patent/DE10063939B4/de not_active Expired - Fee Related
-
2001
- 2001-12-13 WO PCT/EP2001/014721 patent/WO2002049581A1/de active IP Right Grant
- 2001-12-13 AT AT01271196T patent/ATE289792T1/de not_active IP Right Cessation
- 2001-12-13 EP EP01271196A patent/EP1343452B1/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-12-13 US US10/451,222 patent/US7264665B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2001-12-13 JP JP2002550925A patent/JP2004516260A/ja active Pending
- 2001-12-13 DE DE50105493T patent/DE50105493D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-12-13 AU AU2002219182A patent/AU2002219182A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6311149A (ja) * | 1986-04-11 | 1988-01-18 | ミシエ−ル テイスブラ | 義歯製造方法及び該方法により形成された義歯 |
JPH05186310A (ja) * | 1991-12-28 | 1993-07-27 | Noritake Co Ltd | 歯科用陶材フレームおよびその製造方法 |
JPH0723986A (ja) * | 1993-06-24 | 1995-01-27 | Dentsply Gmbh | 義 歯 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227676A (ja) * | 2008-03-20 | 2009-10-08 | Ivoclar Vivadent Ag | 歯科材料における使用のためのポリマー被覆ガラス充填材 |
JP2010189263A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-09-02 | Schott Ag | バリウム−フリーのx線不透過性ガラス及びその使用 |
US8268739B2 (en) | 2009-02-13 | 2012-09-18 | Schott Ag | X-ray opaque barium-free glasses and uses thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE10063939B4 (de) | 2005-01-27 |
US7264665B2 (en) | 2007-09-04 |
DE50105493D1 (de) | 2005-04-07 |
ATE289792T1 (de) | 2005-03-15 |
WO2002049581A1 (de) | 2002-06-27 |
DE10063939A1 (de) | 2002-07-18 |
EP1343452B1 (de) | 2005-03-02 |
EP1343452A1 (de) | 2003-09-17 |
US20040079258A1 (en) | 2004-04-29 |
AU2002219182A1 (en) | 2002-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004516260A (ja) | 歯科用不活性ガラス | |
US4900697A (en) | Glass powders for dental glass ionomer cements | |
EP0241277B1 (en) | Method of preparing radioopaque cross-linked poly(carboxylic acid) dental cement | |
US9650284B2 (en) | Dental glass composition | |
Nicholson | Chemistry of glass-ionomer cements: a review | |
EP0225706B1 (en) | Cement-forming compositions | |
RU2114796C1 (ru) | Стеклянная композиция (варианты) | |
EP0431740B1 (en) | Poly(vinylphosphonic acid) glass ionomer cement | |
JP6744399B2 (ja) | 歯科用セメント | |
JPWO2018012352A1 (ja) | 歯科用ガラス、歯科用組成物 | |
US5411584A (en) | Dental cement | |
US20240139076A1 (en) | Calcium silicate-based dental composition leading to improved properties | |
JP2019034891A (ja) | 歯科用セメント | |
JPH0597623A (ja) | グラスアイオノマーセメント用ガラス粉末及びその製造方法 | |
JP3378264B2 (ja) | グラスアイオノマーセメント用ガラス粉末の製造方法 | |
WO1998039263A1 (en) | Introducing fluoride ions into glass particles | |
JPS6071563A (ja) | 水ガラス用硬化剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080522 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081015 |