JP2004515798A - 再構成可能光スイッチ - Google Patents
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Abstract
光スイッチは、複数の波長成分を含むWDM光信号が入射される少なくとも1つの入射ポートと、少なくとも3つの出射ポートと、それぞれ複数の波長成分から1つの波長成分を選択する複数の波長成分選択素子とを備える。更に、光スイッチは、各波長成分選択素子に対応する光学素子を備える。各光学素子は、対応する波長成分選択素子によって選択された波長成分を少なくとも3つの出射ポートのうちの1つの出射ポートに、他の波長成分とは独立して向ける。この出射ポートは、全ての出射ポートのうちから任意に選択することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに関し、詳しくは、波長選択可能に光を柔軟にルーティングする光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に波長分割多重(Wavelength Division Multiplexed:以下、WDMという。)システムと呼ばれる多波長通信システム(multi−wavelength communication systems)が注目されている。これらのシステムは、情報の異なるストリームを搬送する異なる波長成分からなるWDM光信号を使用する。WDMシステムは、当初は、2点間において1本のファイバで伝送することができる情報容量を増加させるために開発されたものであるが、近年の光フィルタの技術の発展により、特にスイッチング素子が進歩したことにより、波長毎に異なる経路を有する複雑なネットワークが構築できるようになった。更に、所定の波長を所定の経路にルーティングする波長依存型のスイッチング素子に加えて、再構成可能光素子(reconfigurable optical elements)も実現されている。再構成可能光素子は、所定の波長がルーティングされる経路を動的に変化させることができ、これにより、ネットワークのトポロジを必要に応じて効率的に変化させ、要求される帯域幅の変化に対応し、又はネットワーク障害時時にサービスを復旧することができるようになった。
【0003】
再構成可能光素子としては、光挿入/分岐多重装置(Optical Add/Drop Multiplexers:以下、OADMという。)及び光クロスコネクト装置(Optical Cross−Connects:以下、OXCという。)等がある。OADMは、WDM信号から1つ以上の波長成分を分離(separate)又は分岐(drop)し、この成分を別の経路にルーティングするために使用されるものである。分岐された波長成分は、共通のファイバ経路にルーティングされることもあり、分岐された各波長成分がそれぞれの別のファイバ経路にルーティングされることもある。OXCは、OADMより柔軟性が高いデバイスであり、仮想的には、任意の構成の複数の入力WDM信号の成分を任意の数の出力経路に再分配することができる。
【0004】
上述した再構成可能光素子の機能は、様々な異なるデバイスによって実現することができる。例えば、一対の合分波器(demultiplexers/multiplexers)間に任意の数の異なる広波長域スイッチング機構を挿入するという手法が広く採用されている。OADM素子の例は、米国特許第5504827号、第5612805号、第5959749号に開示されており、一般的なOXCスイッチングアーキテクチャは、ティー・コーチ(T.Koch)及びアイ・カミノウ(I.Kaminow)編、イー・マーフィ(E.Murphy)著、光ファイバ通信IIIB(Optical Fiber Telecommunications IIIB)第10章に開示されている。これらの文献に開示されている手法は、波長を順次分離し、必要な切換を行った後に波長を多重化するものであり、ここで、従来のOXCは、スイッチング機構として比較的複雑なM×Mデバイスを用いているため、OXCは、与えられた波長を如何なる出力端子にルーティングすることもできるが、OADMは、2×2のアレーの光スイッチを用いているため柔軟性に乏しく、波長を2つの出力端子のうちの何れか1つにルーティングすることしかできない。OADMを用いた代替的な2つの手法では、デバイス間に効果的に挿入され、波長分離及び多重を同時に実行するスイッチング可能なミラーを採用している。第1の手法(例えば、米国特許第5974207号)では、波長の2倍の厚さの薄膜誘電体合分波器(thin film dielectric demultiplexer/multiplexer)を使用し、第2の手法(米国特許第5960133号)では、バルク回析グレーティング(bulk diffraction grating)からの分散(dispersion)を利用して、波長チャンネルを分波(分離)した後、波長チャンネルを傾斜ミラーアレー(array of tiltable mirror)に反射させる。OADM技術の他の手法では、再構成可能な方式で多波長を単一のファイバ出力端子に分離する4ポートデバイスを採用し、このため、受信機においてチャンネルを広波長域光電子変換する必要がある場合、分波器を追加する必要がある。このような動作を実現する第1の手法では、上述した2ポートの回析グレーティング分波器及び傾斜ミラーアレーに光ファイバサーキュレータを追加する(IEEEレーザ及びエレクトロオプティックソサイエティ(IEEE Lasers and Electro−Optics Society)フォード(Ford)他著、ポストデッドラインペーパーLEOS’97(Postdeadline papers LEOS’97))。第2の手法では、熱光学移相器(termo−optical phase shifter)を用いた集積シリカ導波路技術(integrated silica waveguide technology)(例:Doerr, IEEE Phot. Tech. Lett’98)により、各波長毎に挿入状態及び分岐状態を切り換える。この他の4ポートOADMでは、光ファイバサーキュレータ及びオプションとして調整可能なファイバグレーティングリフレクタを用いて、分岐されたチャンネルをルーティングする(例:C.R.Giles, IOOC’95, JDS 2000 catalog)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、従来の全ての光スイッチング技術が有する問題について述べる。これらのデバイスは、短所の観点から2つのクラスに分類できる。すなわち、柔軟性が高いが、コストが高く光損失が大きいデバイスと、安価で光損失が小さいが柔軟性が低いデバイスの2つである。最も柔軟性が高いOXCデバイスは、多数の波長の経路をそれぞれのファイバ(例えば、スイッチを有する合分波器)に切り換えるようにプログラミングできるが、これらのデバイスの挿入損失は、最大で20dBもあり、したがって、挿入損失を補償するための光増幅器を設ける必要がある。このため、それ自体高価なデバイスに加えて、コストが実質的に高くなってしまう。これらのデバイスは、高コストであるため、例えばファイバグレーティング及び薄膜フィルタ等の柔軟性が低いデバイスが代用される場合が多い。これらのデバイスは、安価で挿入損失も小さい(2〜5dB/ノード)が、これらのデバイスは、通常、再構成不可能な波長固定のOADMとして実現されるため、柔軟性に乏しい。更に、これらのデバイスによってより多くの波長を分岐させようとすると、これらのデバイスの損失、コスト、サイズ及び/又は複雑性が増大し、より柔軟なOXCデバイスを用いた方が有利となってしまうという点でも、これらのデバイスの柔軟性は低い。近年、米国特許第5479082号に開示されているように、これらの低コストのOADMデバイスに柔軟性を付加し、OADMデバイスによって、設計段階で固定された波長の所定のサブセット(subset)を選択的に分岐又は通過させることができるようになった。また、上述の再構成可能なOADMデバイスでは、柔軟性がある程度高められているが、この代償として、(分波/切換のための)挿入損失が大きくなり、(バルクグレーティングに対して)波長解像度が制限され、及び/又は4ポートデバイスに接続して使用する合分波器を追加しなければならず、コストが高くなってしまう。
【0006】
光切換を行う前に入力信号を分波する従来のOXC及びOADM法における顕著な制約は、各出射ポートには、特定の固定された波長のみしか分岐できず、この波長は変更できないという点にある。この構成では、各スイッチには、分波器から予め選択された波長成分のみが入射され、したがって特定の波長のみしか出射することができない。また、これらのデバイスでは、後段で光切換を行わない限り、必要に応じて所定の波長をある出射ポートから他の出射ポートに変え(redirect)、又は複数の波長を1つの出射ポートに変えることができないため、これらのデバイスの柔軟性は制限されている。このような問題は、WDMスイッチのみではなく、例えば米国特許5621829に開示されている1×M広波長域スイッチを含む広波長域スイッチについても同様に生じる。上述のような動作は、ネットワーク内のある要素が特定のポートによってのみアクセス可能であり、(a)そのポートに向けられた波長チャンネルを変更し、又は(b)そのポートを介してアクセスされる特定のファイバに、新たな波長を向けることが望ましい場合に必要とされる。このような動作が必要となる状況としては、代替的な波長を用いてリンクを復旧する必要がある場合、又は同一のファイバに新たなWDM波長を追加することによって特定のポートに向けられた情報容量を増加させる必要がある場合の2つの状況がある。
【0007】
光切換の柔軟性の重要性及び光通信ネットワークの価値に鑑み、上述したような従来のデバイスの問題点を克服したスイッチング素子の実現が望まれている。
【0008】
更に、安価で、光信号に対する損失が少なく、全ての各波長成分を任意の入射ポートから任意の出射ポートに互いに独立して自由にルーティングできる光スイッチング素子の実現が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光スイッチは、複数の波長成分を含むWDM光信号が入射される少なくとも1つの入射ポートと、少なくとも3つの出射ポートと、それぞれ複数の波長成分から1つの波長成分を選択する複数の波長成分選択素子とを備える。更に、本発明に係る光スイッチは、各波長成分選択素子に対応する光学素子を備える。各光学素子は、対応する波長成分選択素子によって選択された波長成分を少なくとも3つの出射ポートのうちの1つの出射ポートに、他の波長成分とは独立して向ける。この出射ポートは、全ての出射ポートのうちから任意に選択することができる。
【0010】
本発明の一具体例においては、光スイッチは、入射ポートと波長成分選択素子との間に配設された自由空間領域を備える。
【0011】
本発明の一具体例においては、波長成分選択素子は、それぞれ複数の波長成分のうちの異なる1つの波長成分を透過させ、残りの波長成分を反射する薄膜フィルタである。
【0012】
また、本発明の一具体例においては、光学素子は、複数の位置に亘って傾斜可能な傾斜ミラーであり、各位置は、入射した波長成分を少なくとも3つの出射ポートのうち異なる1つの出射ポートに反射する。傾斜ミラーは、例えばマイクロエレクトロメカニカル(micro−electromechanical:MEM)システム又は圧電システムによって駆動してもよい。
【0013】
また、本発明に係る波長成分ルーティング方法は、複数の波長成分を含むWDM光信号の少なくとも第1及び第2の波長成分を入射ポートから複数の出射ポートのうちの選択された出射ポートにルーティングする。この波長成分ルーティング方法では、先ず、WDM光信号から第1の波長成分を分波する。次に、第1の波長成分は、任意の出射ポートに向けられる。更に、WDM光信号から第2の波長成分が分波され、第2の波長成分は、任意の出射ポートとは独立して選択された1つの出射ポートに向けられる。
【0014】
本発明の一具体例においては、第2の波長成分を分波し、方向付けるステップは、第1の波長成分を分波し、方向付けるステップの後に実行される。
【0015】
また、本発明の一具体例においては、第1及び第2の波長成分を方向付けるステップは、第1及び第2の波長成分を自由空間領域を介して方向付けるステップを有する。
【0016】
更に、本発明の一具体例においては、第1の波長成分は、第1の波長成分に対応する通過波長域を有する薄膜フィルタによって分波される。
【0017】
更に、本発明の一具体例においては、第1の波長成分は、傾斜ミラーによって自由空間領域を介して方向付けられる。
【0018】
本発明の一具体例においては、分波及び方向付けは、複数の狭波長域自由空間スイッチによって実行される。或いは、これに代えて、分波及び方向付けは、複数の調整可能な波長選択カプラによって実行してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に基づいて構成された光スイッチング機構(optical switching fabric)により実現される機能を示している。入射ポート10には、波長分割多重(wavelength division multiplexed:以下、WDMという。)信号が入射される。更に、この他のWDM信号を入射するための追加的な入射ポートを設けてもよい。光スイッチング機構12は、WDM信号の個々の波長成分の出射ポートとして、出射ポート141,142,・・・,14nのうちの1つを選択するよう設計されている。すなわち、光スイッチング機構12によれば、任意の波長成分を他の波長成分のルーティングとは独立して、任意の入射ポートから任意の出射ポートに選択的にルーティングすることができる。
【0020】
なお、光スイッチング機構12は、対称的(symmetric manner)に動作し、どの出射ポートに向けられた如何なる波長成分も、代わりに任意の入射ポートに向けることができる。したがって、当業者に理解されるように、切換経路は、相対的であり、ここで使用する入射又は出射という用語は、スイッチング機構に対して単一の方向にWDM信号又は波長成分を伝搬する要素に限定されるものではない。換言すれば、いわゆる出射ポートからデバイスに光が入射した場合、この出射ポートは入射ポートとして機能し、同様に、いわゆる入射ポートは、出射ポートとしても機能することができる。
【0021】
後述するように、本発明によれば、図1に示す機能を様々な異なる手法で実現することができる。本発明に基づく様々な構成は、大きく2つのカテゴリに分類される。第1のカテゴリでは、透過及び反射波長域が固定されたフィルタを使用し、波長成分を異なる光経路に個別にルーティングするものである。一方、第2のカテゴリでは、調整可能なフィルタを使用し、波長成分を固定経路にルーティングする。
【0022】
図2は、本発明に基づく光スイッチング素子の第1の実施の形態を示している。図2に示す光スイッチング素子300は、光透過性を有する基板308と、複数の誘電体薄膜フィルタ301,302,303,304と、複数のコリメートレンズ対3211・3212,3221・3222,3231・3232,3241・3242と、複数の傾斜ミラー(tiltable mirror)315,316,317,318と、複数の出射ポート3401,3402,・・・,340nとを備える。基板308は、互いに平行平坦な表面309,310を有し、表面309,310上には、それぞれ第1のフィルタアレーと第2のフィルタアレーが形成されている。第1のフィルタアレーは、薄膜フィルタ301,303から構成され、第2のフィルタアレーは、薄膜フィルタ302,304から構成されている。コリメートレンズ対321〜324及び傾斜ミラー315〜318は、それぞれ各薄膜フィルタ301〜304に対応している。後述するように、各薄膜フィルタ301〜304と、対応するコリメートレンズ対321〜324及び傾斜ミラー315〜318は、狭波長域自由空間スイッチ(narrow band free space)、すなわち個々の波長成分を異なる経路にルーティングするスイッチを構成する。光スイッチング素子300の物理的寸法は、WDM信号のビームの直径に基づいて決定される。
【0023】
薄膜フィルタ301〜304は、誘電体多層膜構造(dielectric multilayer configuration)を有する周知の部品である(例えば、米国特許5583683号に記載されている)。薄膜フィルタ301〜304は、波長に依存する特性を有し、すなわち薄膜フィルタ301〜304の反射率及び透過率は、光の波長に依存している。詳しくは、薄膜フィルタ3101は、薄膜フィルタ301に入射されたWDM光信号の波長成分のうちの波長λ1を有する成分のみを透過する。薄膜フィルタ301は、この他の全ての波長成分を反射する。同様に、薄膜フィルタ302は、波長λ2を有する成分のみを透過し、他の全ての波長成分を反射する。一方、薄膜フィルタ303,304は、それぞれ波長λ3,λ4を有する成分のみを透過し、他の全ての波長成分を反射する。このようにして、本発明に基づく光スイッチング素子300は、異なる通過波長域を有する複数の薄膜フィルタ301〜304で波長を分離する。
【0024】
傾斜ミラー315〜318は、2つの軸を中心に精密に傾斜可能なミラーであり、例えば小型で信頼性が高いミラーである。傾斜ミラー315〜318は、例えばマイクロエレクトロメカニカルシステム(microelectromechanical system:MEMS)を採用した1つ以上の屈曲アーム(flexure arm)によって支持されている。屈曲アームを駆動することにより傾斜ミラー315〜318の表面が傾斜し、これにより入射光ビームの伝搬の方向が変えられる。超小型電気機械ミラーの具体例については、米国特許第6028689号及びその参考文献に開示されている。勿論、例えば圧電素子アクチュエータ等の他の機構を用いてミラーの位置を制御してもよい。
【0025】
動作時には、異なる波長成分λ1,λ2,λ3,λ4を含むWDM信号が光入射ポート312からコリメートレンズ314に向けて入射される。WDM信号は、基板308を透過して薄膜フィルタ301に入射される。ここで、薄膜フィルタ301の特性により、波長成分λ1は薄膜フィルタ301を透過し、他の波長成分は、薄膜フィルタ301で反射され、基板308を介して薄膜フィルタ302に向けられる。薄膜フィルタ301を透過した波長λ1の成分は、コリメートレンズ3211によって、傾斜ミラー315に集束される。傾斜ミラー315は、適切に傾斜されており、波長成分λ1を反射し、反射された波長成分λ1は、それぞれ波長成分λ1を反射する薄膜フィルタ302〜304を介して出射ポート3401〜340nのうちの選択された1つの出射ポートに入射される。波長成分λ1が入射される特定の出射ポートは、傾斜ミラー315の向きによって選択される。
【0026】
上述のように、残りの波長成分λ2,λ3,λ4は、薄膜フィルタ301で反射され、コリメートレンズ3212を介して基板308に戻され、薄膜フィルタ302に向けられる。波長成分λ2は、薄膜フィルタ302及びコリメートレンズ3221を透過し、傾斜ミラー316により、波長成分λ2を反射する薄膜フィルタ303,304を介して、選択された出射ポートに入射される方向に向けられる。同様に、他の全ての波長成分は、薄膜フィルタ303,304によって順次分離され、傾斜ミラー317,318によって、選択された出射ポートに向けられる。このように、傾斜ミラー315〜318を適切に駆動することにより、各波長成分は、他の全ての波長成分から独立して、選択された出射ポートに向けられる。どの傾斜ミラーによっても方向付けされなかった波長は、光バイパスポート、すなわちファイバ343に入射される。なお、図2では、4つの波長を選択的に切り換える実施の形態を示しているが、本発明は、適切な数の狭波長域自由空間スイッチを設けることにより、如何なる数の波長をも選択的に切り換えることができる。
【0027】
図2に示す本発明の実施の形態は、多くの重要な利点を有する。例えば、自由空間切換を採用することにより、光接続(optical connection)の数が最小に維持され、デバイスの挿入損失、複雑性及びコストが抑制される。この利点は、図2に示す実施の形態に必要な光接続の数と、後述する図4に示す本発明の実施の形態に必要な光接続の数とを比較することにより、より明瞭となる。
【0028】
以下では、図2に示す実施の形態の特定の具体例について、例示的に説明する。この具体例では、基板308は、厚さ10mm、幅50mm、長さ90mmの直方体シリカブロックとして形成されている。入力ファイバに光を向ける単一のコリメートレンズは、ブロックに対し、ブロックの垂直線に対し5.7°の角度を形成する位置に固定されている。このコリメートレンズの焦点距離は、コーニングSMF−28(Coming SMF−28:商標)ファイバから出射され、レンズを通過した光が1mmの幅にコリメートされた光ビームとなるように選択される。出射側には、コリメートレンズのアレーが設けられ、これらのうちの各コリメートレンズは、出力アレー内のそれぞれ対応する1つのファイバに光を入射する。ファイバ端は、平坦に研磨され、無反射コーティングされている。また、入力ファイバに入射された後、どの薄膜フィルタも透過しなかった波長成分を集める新たなバイパスポート又はファイバを設けてもよい。バイパスファイバは、元のデバイスでは共振しない(not resonant)更なる波長を使用する将来のアップグレード用の出力端子として設けられる。これに代えて、コスト又は損失の制約に鑑みて適切であれば、このポートを用いて入力波長全体のサブセットを切り換え、残りの(切り換えられていない)波長がスイッチング機構をバイパスするようにしてもよい。狭波長域自由空間スイッチの第1及び第2のアレーは、それぞれ8個の薄膜フィルタを備える。薄膜フィルタは、それぞれ表面寸法が10mm×10mmの3空洞共振薄膜フィルタ(three−cavity resonant thin film filter)である。第1のアレーにおいて、基板の端部から10mmの位置に配設されている第1の薄膜フィルタは、光学的に優れた屈折率整合エポキシ(optical−quality, index matching epoxy)によって基板に接着されており、中心波長が194.0THz(1545.32nm)の通過波長域を有する。光学的通過波長域は、通常、ピークから−0.5dB下がったレベルにおいて0.4nmの幅を有し、中心波長から100GHz離れた波長において減衰率が−22dBよりも良い波長域である。薄膜フィルタには、焦点距離が5mmのコリメートレンズが取り付けられている。このコリメートレンズの焦点には、市販されているマイクロエレクトロメカニカル(microelectromechanical:MEM)傾斜ミラーが設けられている。傾斜ミラーに電圧を印加することにより、2つの軸を中心として、傾斜ミラーの傾斜角を変更することができる。傾斜ミラーの調整角度は、通常、30°を超えることはない。
【0029】
更に、第1のアレーは、第2の狭波長域自由空間スイッチを含み、第2の狭波長域自由空間スイッチは、第1の自由空間スイッチから10mm離れた位置に設けられている。この第2の狭波長域自由空間スイッチにおいて採用されている薄膜フィルタは、193.8THz(1546.92nm)の中心光波長を有する。更に、基板に沿って、6個の狭波長域自由空間スイッチが設けられており、それぞれの中心波長は、1548.52nm、1550.12nm、1551.72nm、1553.32nm、1554.92nm、1556.52nmである。隣接する各狭波長域自由空間スイッチの中心から中心までの距離は、10mmである。
【0030】
狭波長域自由空間スイッチの第2のアレーは、狭波長域自由空間スイッチの第1のアレーが設けられている基板表面とは反対側の基板表面に設けられている。第2のスイッチのアレーの各スイッチは、それぞれが第1のスイッチのアレーのスイッチの中間となる位置に対応するように、横方向に半分シフトされ、互いに10mm離間して設けられている。第2のスイッチのアレーは、それぞれ1544.52nm、1546.12nm、1547.72nm、1549.32nm、1550.92nm、1552.52nm、1554.12nm、1555.72nmの中心通過波長域波長を有する8つの薄膜フィルタによって構成されている。
【0031】
各傾斜ミラーは、ミラーを駆動するための電圧が印加される電子回路を備える。傾斜ミラーによって特定の出力ファイバに向けて波長成分を反射させるように傾斜ミラーを駆動するために必要な電圧は、傾斜ミラー毎に異なる。傾斜ミラーを駆動するための駆動電圧(−20〜+20ボルトの範囲)は、出力ファイバに入射される光パワーが最大となるように選択される。
【0032】
図2に示す各狭波長域自由空間スイッチは、必ずしも2つのレンズと1つのミラーを用いるものであるとは限らないということは、当業者にとって明かである。すなわち、波長成分を適切に方向付けるために、この他の光学素子を組み合わせて使用してもよい。例えば、レンズを用いることなく、2つの傾斜ミラーを用いても所望の機能を実現することができる。また、これに代えて、2つの軸を中心とする傾斜に加えて空間的に移動できる単一のミラーを用いてもよい。
【0033】
図2に示す狭波長域自由空間スイッチによって受光される個々の波長成分の有無及び強度をモニタすることが重要である場合が多い。特に、WDM信号が多数の波長成分を含んでいる場合、従来のファイバモニタリングタップ(fiber monitoring tap)を用いてこのようなモニタを行うことは困難である。一方、本発明では、各傾斜ミラーには単一の波長成分のみが入射されるため、この問題が容易に克服される。すなわち、各波長成分は、ミラーの背後に設けられ、ミラーを通過した波長成分のパワーの極一部を検出する検出器によってモニタすることができる。この情報と従来のタップモニタリングタップによる情報とを組み合わせることにより、狭波長域自由空間スイッチを介してルーティングされる光の実体(picture)をより完全にモニタしてネットワーク制御及び管理を行うことができる。
【0034】
更に、様々な角度の傾斜ミラーと、入力及び出力ファイバとの間の位置関係を精密に維持することにより、出力ファイバに傾斜ミラーから入射されるパワーを最適化することも重要である。この制御は、従来のファイバモニタリングタップを用いて、ファイバに入射されるパワーをモニタしながら傾斜ミラーを低速で調整することにより行うことができる。しかしながら、この手法は、ファイバ上に多くの他の波長が存在すると複雑となり、この場合、傾斜ミラーの位置を調整する際に、固有のRF周波数による微小な振幅変調により各波長成分をエンコード(encode)することによって、各出力ファイバにおいて検出される各波長成分の検出精度を向上させることが望ましい。このRF変調(RF tone)は、送信機において、各波長成分に対して固有の変調によりエンコードしてもよく、これに代えて、RF振幅変調は、ミラー調整中にミラーの傾きを僅かに振動させ、ファイバへのカップリング効率を僅かに変化させることによって、一時的に行ってもよい。ミラーを振動させる手法は、エンコードされた変調を測定する際、ネットワーク全体をトラック(track)する必要がなく、更に、調整する必要がある場合にのみ、変調をエンコードすればよいという点で優れている。
【0035】
図3は、波長に依存する音響ヌルカプラ(acoustic null coupler)を用いて、調整可能な波長フィルタリングを実現する本発明の第2の実施の形態を示している。このようなカプラは、カップリング領域に適切な音響振動を印加することによって、第1の光ファイバから第2の光ファイバに選択された波長成分のみをクロスカップルする。適切な音響振動が印加されない場合、選択された波長は、第1の光ファイバを伝搬し続ける。音響ヌルカプラの具体例については、1997年ディー・オー・カルバハウス(D.O.Culverhouse)他著「Opt.Lett.22,96」及び米国特許第5915050に開示されている。
【0036】
図3に示すように、WDM信号が入射される入力ファイバ50は、第1のヌルカプラ521の入射ポートに接続されている。第1のヌルカプラ521の一方の出射ポートは、出力ファイバ541に接続されており、出力ファイバ541には、1つ以上の個々の波長成分がルーティングされる。第1のヌルカプラ521の他方の出射ポートは、第2のヌルカプラ522の入射ポートに接続されている。第2のヌルカプラ522の出射ポートは、第1のヌルカプラ521の場合と同様に、一方が第2の出力ファイバ542に接続され、他方が第3のヌルカプラ523の入射ポートに接続されている。図3に示すように、上述のようにして更なるヌルカプラをカスケード接続することにより、選択された波長成分がルーティングされる出射ポートを増やすことができる。
【0037】
動作時には、入力ファイバ50に入射された1つ以上の波長成分は、選択された出射ポート541,542,・・・,54Mの前段のヌルカプラ521,522,・・・,52Mに所望の波長成分に対応する適切な音波を印加することにより、任意の出射ポート541,542,・・・,54Mにルーティングすることができる。例えば、所定のn個の波長成分の何れかを出射ポート543にルーティングする場合は、ヌルカプラ523に音波を印加する。本発明のこの実施の形態では、波長成分は、ヌルカプラをシリアル形式で通過する必要があるが、各ヌルカプラの挿入損失は極めて小さい(0.5dB以下)ため、生じる挿入損失は、許容できる範囲内にある。図4を用いて説明する本発明に基づくシリアルで調整可能なフィルタリング処理によっても、上述の4ポート調整可能OADMデバイス技術を用いることにより、本発明のスイッチング機能を実現することができる。
【0038】
図4は、従来の合分波器及び従来の1×mスイッチを用いた、本発明の更なる実施の形態を示し、ここでmは、スイッチの出射ポートの数を表している。合分波器としては、例えば、薄膜フィルタを用いてもよく、導波路グレーティングを用いてもよい。図4に示すように、n(ここで、nはmと同数である必要はない。)個の波長成分を含むWDM信号を入射する入力ファイバ60は、分波器61の入射ポートに接続されている。分波器61は、n個の出射ポート631,632,・・・,63nを備え、各出射ポート631,632,・・・,63nは、それぞれ1×mスイッチ651,652,・・・,65nの入射ポートに接続されている。第1のスイッチ651のm個の出射ポートは、それぞれ合波器671,672,・・・,67mの第1の入射ポートに接続されている。同様に、第2のスイッチ652のm個の出射ポートは、それぞれ合波器671,672,・・・,67mの第2の入射ポートに接続されている。この他のスイッチも同様に合波器に接続され、最後に、第nのスイッチの出射ポートが合波器671,672,・・・,67mの第nの入射ポートに接続されている。
【0039】
図4に示す実施の形態では、比較的多くのスイッチ及び合分波器が必要となり、したがって、比較的多くの光接続が必要となるという問題がある。特に、この実施の形態においては、波長成分の数及び出射ポートの数に応じて乗算的に増加する。例えば、10個の出射ポートを有し、16個の波長成分に対応する光学スイッチを構成する場合、図2に示す実施の形態では、光接続の数は11であるが、図4に示す実施の形態では、光接続の数は363となる。光接続の数は、デバイスのコスト及び複雑性に直接関係するため、この観点からは、図2に示すような構造のスイッチがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に基づく光スイッチング機構により実現される機能を示す図である。
【図2】
本発明に基づく光スイッチング素子の構成を示す図である。
【図3】
波長に依存する音響ヌルカプラを用いた本発明の変形例を示す図である。
【図4】
合分波器を用いた本発明の他の変形例を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに関し、詳しくは、波長選択可能に光を柔軟にルーティングする光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に波長分割多重(Wavelength Division Multiplexed:以下、WDMという。)システムと呼ばれる多波長通信システム(multi−wavelength communication systems)が注目されている。これらのシステムは、情報の異なるストリームを搬送する異なる波長成分からなるWDM光信号を使用する。WDMシステムは、当初は、2点間において1本のファイバで伝送することができる情報容量を増加させるために開発されたものであるが、近年の光フィルタの技術の発展により、特にスイッチング素子が進歩したことにより、波長毎に異なる経路を有する複雑なネットワークが構築できるようになった。更に、所定の波長を所定の経路にルーティングする波長依存型のスイッチング素子に加えて、再構成可能光素子(reconfigurable optical elements)も実現されている。再構成可能光素子は、所定の波長がルーティングされる経路を動的に変化させることができ、これにより、ネットワークのトポロジを必要に応じて効率的に変化させ、要求される帯域幅の変化に対応し、又はネットワーク障害時時にサービスを復旧することができるようになった。
【0003】
再構成可能光素子としては、光挿入/分岐多重装置(Optical Add/Drop Multiplexers:以下、OADMという。)及び光クロスコネクト装置(Optical Cross−Connects:以下、OXCという。)等がある。OADMは、WDM信号から1つ以上の波長成分を分離(separate)又は分岐(drop)し、この成分を別の経路にルーティングするために使用されるものである。分岐された波長成分は、共通のファイバ経路にルーティングされることもあり、分岐された各波長成分がそれぞれの別のファイバ経路にルーティングされることもある。OXCは、OADMより柔軟性が高いデバイスであり、仮想的には、任意の構成の複数の入力WDM信号の成分を任意の数の出力経路に再分配することができる。
【0004】
上述した再構成可能光素子の機能は、様々な異なるデバイスによって実現することができる。例えば、一対の合分波器(demultiplexers/multiplexers)間に任意の数の異なる広波長域スイッチング機構を挿入するという手法が広く採用されている。OADM素子の例は、米国特許第5504827号、第5612805号、第5959749号に開示されており、一般的なOXCスイッチングアーキテクチャは、ティー・コーチ(T.Koch)及びアイ・カミノウ(I.Kaminow)編、イー・マーフィ(E.Murphy)著、光ファイバ通信IIIB(Optical Fiber Telecommunications IIIB)第10章に開示されている。これらの文献に開示されている手法は、波長を順次分離し、必要な切換を行った後に波長を多重化するものであり、ここで、従来のOXCは、スイッチング機構として比較的複雑なM×Mデバイスを用いているため、OXCは、与えられた波長を如何なる出力端子にルーティングすることもできるが、OADMは、2×2のアレーの光スイッチを用いているため柔軟性に乏しく、波長を2つの出力端子のうちの何れか1つにルーティングすることしかできない。OADMを用いた代替的な2つの手法では、デバイス間に効果的に挿入され、波長分離及び多重を同時に実行するスイッチング可能なミラーを採用している。第1の手法(例えば、米国特許第5974207号)では、波長の2倍の厚さの薄膜誘電体合分波器(thin film dielectric demultiplexer/multiplexer)を使用し、第2の手法(米国特許第5960133号)では、バルク回析グレーティング(bulk diffraction grating)からの分散(dispersion)を利用して、波長チャンネルを分波(分離)した後、波長チャンネルを傾斜ミラーアレー(array of tiltable mirror)に反射させる。OADM技術の他の手法では、再構成可能な方式で多波長を単一のファイバ出力端子に分離する4ポートデバイスを採用し、このため、受信機においてチャンネルを広波長域光電子変換する必要がある場合、分波器を追加する必要がある。このような動作を実現する第1の手法では、上述した2ポートの回析グレーティング分波器及び傾斜ミラーアレーに光ファイバサーキュレータを追加する(IEEEレーザ及びエレクトロオプティックソサイエティ(IEEE Lasers and Electro−Optics Society)フォード(Ford)他著、ポストデッドラインペーパーLEOS’97(Postdeadline papers LEOS’97))。第2の手法では、熱光学移相器(termo−optical phase shifter)を用いた集積シリカ導波路技術(integrated silica waveguide technology)(例:Doerr, IEEE Phot. Tech. Lett’98)により、各波長毎に挿入状態及び分岐状態を切り換える。この他の4ポートOADMでは、光ファイバサーキュレータ及びオプションとして調整可能なファイバグレーティングリフレクタを用いて、分岐されたチャンネルをルーティングする(例:C.R.Giles, IOOC’95, JDS 2000 catalog)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、従来の全ての光スイッチング技術が有する問題について述べる。これらのデバイスは、短所の観点から2つのクラスに分類できる。すなわち、柔軟性が高いが、コストが高く光損失が大きいデバイスと、安価で光損失が小さいが柔軟性が低いデバイスの2つである。最も柔軟性が高いOXCデバイスは、多数の波長の経路をそれぞれのファイバ(例えば、スイッチを有する合分波器)に切り換えるようにプログラミングできるが、これらのデバイスの挿入損失は、最大で20dBもあり、したがって、挿入損失を補償するための光増幅器を設ける必要がある。このため、それ自体高価なデバイスに加えて、コストが実質的に高くなってしまう。これらのデバイスは、高コストであるため、例えばファイバグレーティング及び薄膜フィルタ等の柔軟性が低いデバイスが代用される場合が多い。これらのデバイスは、安価で挿入損失も小さい(2〜5dB/ノード)が、これらのデバイスは、通常、再構成不可能な波長固定のOADMとして実現されるため、柔軟性に乏しい。更に、これらのデバイスによってより多くの波長を分岐させようとすると、これらのデバイスの損失、コスト、サイズ及び/又は複雑性が増大し、より柔軟なOXCデバイスを用いた方が有利となってしまうという点でも、これらのデバイスの柔軟性は低い。近年、米国特許第5479082号に開示されているように、これらの低コストのOADMデバイスに柔軟性を付加し、OADMデバイスによって、設計段階で固定された波長の所定のサブセット(subset)を選択的に分岐又は通過させることができるようになった。また、上述の再構成可能なOADMデバイスでは、柔軟性がある程度高められているが、この代償として、(分波/切換のための)挿入損失が大きくなり、(バルクグレーティングに対して)波長解像度が制限され、及び/又は4ポートデバイスに接続して使用する合分波器を追加しなければならず、コストが高くなってしまう。
【0006】
光切換を行う前に入力信号を分波する従来のOXC及びOADM法における顕著な制約は、各出射ポートには、特定の固定された波長のみしか分岐できず、この波長は変更できないという点にある。この構成では、各スイッチには、分波器から予め選択された波長成分のみが入射され、したがって特定の波長のみしか出射することができない。また、これらのデバイスでは、後段で光切換を行わない限り、必要に応じて所定の波長をある出射ポートから他の出射ポートに変え(redirect)、又は複数の波長を1つの出射ポートに変えることができないため、これらのデバイスの柔軟性は制限されている。このような問題は、WDMスイッチのみではなく、例えば米国特許5621829に開示されている1×M広波長域スイッチを含む広波長域スイッチについても同様に生じる。上述のような動作は、ネットワーク内のある要素が特定のポートによってのみアクセス可能であり、(a)そのポートに向けられた波長チャンネルを変更し、又は(b)そのポートを介してアクセスされる特定のファイバに、新たな波長を向けることが望ましい場合に必要とされる。このような動作が必要となる状況としては、代替的な波長を用いてリンクを復旧する必要がある場合、又は同一のファイバに新たなWDM波長を追加することによって特定のポートに向けられた情報容量を増加させる必要がある場合の2つの状況がある。
【0007】
光切換の柔軟性の重要性及び光通信ネットワークの価値に鑑み、上述したような従来のデバイスの問題点を克服したスイッチング素子の実現が望まれている。
【0008】
更に、安価で、光信号に対する損失が少なく、全ての各波長成分を任意の入射ポートから任意の出射ポートに互いに独立して自由にルーティングできる光スイッチング素子の実現が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光スイッチは、複数の波長成分を含むWDM光信号が入射される少なくとも1つの入射ポートと、少なくとも3つの出射ポートと、それぞれ複数の波長成分から1つの波長成分を選択する複数の波長成分選択素子とを備える。更に、本発明に係る光スイッチは、各波長成分選択素子に対応する光学素子を備える。各光学素子は、対応する波長成分選択素子によって選択された波長成分を少なくとも3つの出射ポートのうちの1つの出射ポートに、他の波長成分とは独立して向ける。この出射ポートは、全ての出射ポートのうちから任意に選択することができる。
【0010】
本発明の一具体例においては、光スイッチは、入射ポートと波長成分選択素子との間に配設された自由空間領域を備える。
【0011】
本発明の一具体例においては、波長成分選択素子は、それぞれ複数の波長成分のうちの異なる1つの波長成分を透過させ、残りの波長成分を反射する薄膜フィルタである。
【0012】
また、本発明の一具体例においては、光学素子は、複数の位置に亘って傾斜可能な傾斜ミラーであり、各位置は、入射した波長成分を少なくとも3つの出射ポートのうち異なる1つの出射ポートに反射する。傾斜ミラーは、例えばマイクロエレクトロメカニカル(micro−electromechanical:MEM)システム又は圧電システムによって駆動してもよい。
【0013】
また、本発明に係る波長成分ルーティング方法は、複数の波長成分を含むWDM光信号の少なくとも第1及び第2の波長成分を入射ポートから複数の出射ポートのうちの選択された出射ポートにルーティングする。この波長成分ルーティング方法では、先ず、WDM光信号から第1の波長成分を分波する。次に、第1の波長成分は、任意の出射ポートに向けられる。更に、WDM光信号から第2の波長成分が分波され、第2の波長成分は、任意の出射ポートとは独立して選択された1つの出射ポートに向けられる。
【0014】
本発明の一具体例においては、第2の波長成分を分波し、方向付けるステップは、第1の波長成分を分波し、方向付けるステップの後に実行される。
【0015】
また、本発明の一具体例においては、第1及び第2の波長成分を方向付けるステップは、第1及び第2の波長成分を自由空間領域を介して方向付けるステップを有する。
【0016】
更に、本発明の一具体例においては、第1の波長成分は、第1の波長成分に対応する通過波長域を有する薄膜フィルタによって分波される。
【0017】
更に、本発明の一具体例においては、第1の波長成分は、傾斜ミラーによって自由空間領域を介して方向付けられる。
【0018】
本発明の一具体例においては、分波及び方向付けは、複数の狭波長域自由空間スイッチによって実行される。或いは、これに代えて、分波及び方向付けは、複数の調整可能な波長選択カプラによって実行してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に基づいて構成された光スイッチング機構(optical switching fabric)により実現される機能を示している。入射ポート10には、波長分割多重(wavelength division multiplexed:以下、WDMという。)信号が入射される。更に、この他のWDM信号を入射するための追加的な入射ポートを設けてもよい。光スイッチング機構12は、WDM信号の個々の波長成分の出射ポートとして、出射ポート141,142,・・・,14nのうちの1つを選択するよう設計されている。すなわち、光スイッチング機構12によれば、任意の波長成分を他の波長成分のルーティングとは独立して、任意の入射ポートから任意の出射ポートに選択的にルーティングすることができる。
【0020】
なお、光スイッチング機構12は、対称的(symmetric manner)に動作し、どの出射ポートに向けられた如何なる波長成分も、代わりに任意の入射ポートに向けることができる。したがって、当業者に理解されるように、切換経路は、相対的であり、ここで使用する入射又は出射という用語は、スイッチング機構に対して単一の方向にWDM信号又は波長成分を伝搬する要素に限定されるものではない。換言すれば、いわゆる出射ポートからデバイスに光が入射した場合、この出射ポートは入射ポートとして機能し、同様に、いわゆる入射ポートは、出射ポートとしても機能することができる。
【0021】
後述するように、本発明によれば、図1に示す機能を様々な異なる手法で実現することができる。本発明に基づく様々な構成は、大きく2つのカテゴリに分類される。第1のカテゴリでは、透過及び反射波長域が固定されたフィルタを使用し、波長成分を異なる光経路に個別にルーティングするものである。一方、第2のカテゴリでは、調整可能なフィルタを使用し、波長成分を固定経路にルーティングする。
【0022】
図2は、本発明に基づく光スイッチング素子の第1の実施の形態を示している。図2に示す光スイッチング素子300は、光透過性を有する基板308と、複数の誘電体薄膜フィルタ301,302,303,304と、複数のコリメートレンズ対3211・3212,3221・3222,3231・3232,3241・3242と、複数の傾斜ミラー(tiltable mirror)315,316,317,318と、複数の出射ポート3401,3402,・・・,340nとを備える。基板308は、互いに平行平坦な表面309,310を有し、表面309,310上には、それぞれ第1のフィルタアレーと第2のフィルタアレーが形成されている。第1のフィルタアレーは、薄膜フィルタ301,303から構成され、第2のフィルタアレーは、薄膜フィルタ302,304から構成されている。コリメートレンズ対321〜324及び傾斜ミラー315〜318は、それぞれ各薄膜フィルタ301〜304に対応している。後述するように、各薄膜フィルタ301〜304と、対応するコリメートレンズ対321〜324及び傾斜ミラー315〜318は、狭波長域自由空間スイッチ(narrow band free space)、すなわち個々の波長成分を異なる経路にルーティングするスイッチを構成する。光スイッチング素子300の物理的寸法は、WDM信号のビームの直径に基づいて決定される。
【0023】
薄膜フィルタ301〜304は、誘電体多層膜構造(dielectric multilayer configuration)を有する周知の部品である(例えば、米国特許5583683号に記載されている)。薄膜フィルタ301〜304は、波長に依存する特性を有し、すなわち薄膜フィルタ301〜304の反射率及び透過率は、光の波長に依存している。詳しくは、薄膜フィルタ3101は、薄膜フィルタ301に入射されたWDM光信号の波長成分のうちの波長λ1を有する成分のみを透過する。薄膜フィルタ301は、この他の全ての波長成分を反射する。同様に、薄膜フィルタ302は、波長λ2を有する成分のみを透過し、他の全ての波長成分を反射する。一方、薄膜フィルタ303,304は、それぞれ波長λ3,λ4を有する成分のみを透過し、他の全ての波長成分を反射する。このようにして、本発明に基づく光スイッチング素子300は、異なる通過波長域を有する複数の薄膜フィルタ301〜304で波長を分離する。
【0024】
傾斜ミラー315〜318は、2つの軸を中心に精密に傾斜可能なミラーであり、例えば小型で信頼性が高いミラーである。傾斜ミラー315〜318は、例えばマイクロエレクトロメカニカルシステム(microelectromechanical system:MEMS)を採用した1つ以上の屈曲アーム(flexure arm)によって支持されている。屈曲アームを駆動することにより傾斜ミラー315〜318の表面が傾斜し、これにより入射光ビームの伝搬の方向が変えられる。超小型電気機械ミラーの具体例については、米国特許第6028689号及びその参考文献に開示されている。勿論、例えば圧電素子アクチュエータ等の他の機構を用いてミラーの位置を制御してもよい。
【0025】
動作時には、異なる波長成分λ1,λ2,λ3,λ4を含むWDM信号が光入射ポート312からコリメートレンズ314に向けて入射される。WDM信号は、基板308を透過して薄膜フィルタ301に入射される。ここで、薄膜フィルタ301の特性により、波長成分λ1は薄膜フィルタ301を透過し、他の波長成分は、薄膜フィルタ301で反射され、基板308を介して薄膜フィルタ302に向けられる。薄膜フィルタ301を透過した波長λ1の成分は、コリメートレンズ3211によって、傾斜ミラー315に集束される。傾斜ミラー315は、適切に傾斜されており、波長成分λ1を反射し、反射された波長成分λ1は、それぞれ波長成分λ1を反射する薄膜フィルタ302〜304を介して出射ポート3401〜340nのうちの選択された1つの出射ポートに入射される。波長成分λ1が入射される特定の出射ポートは、傾斜ミラー315の向きによって選択される。
【0026】
上述のように、残りの波長成分λ2,λ3,λ4は、薄膜フィルタ301で反射され、コリメートレンズ3212を介して基板308に戻され、薄膜フィルタ302に向けられる。波長成分λ2は、薄膜フィルタ302及びコリメートレンズ3221を透過し、傾斜ミラー316により、波長成分λ2を反射する薄膜フィルタ303,304を介して、選択された出射ポートに入射される方向に向けられる。同様に、他の全ての波長成分は、薄膜フィルタ303,304によって順次分離され、傾斜ミラー317,318によって、選択された出射ポートに向けられる。このように、傾斜ミラー315〜318を適切に駆動することにより、各波長成分は、他の全ての波長成分から独立して、選択された出射ポートに向けられる。どの傾斜ミラーによっても方向付けされなかった波長は、光バイパスポート、すなわちファイバ343に入射される。なお、図2では、4つの波長を選択的に切り換える実施の形態を示しているが、本発明は、適切な数の狭波長域自由空間スイッチを設けることにより、如何なる数の波長をも選択的に切り換えることができる。
【0027】
図2に示す本発明の実施の形態は、多くの重要な利点を有する。例えば、自由空間切換を採用することにより、光接続(optical connection)の数が最小に維持され、デバイスの挿入損失、複雑性及びコストが抑制される。この利点は、図2に示す実施の形態に必要な光接続の数と、後述する図4に示す本発明の実施の形態に必要な光接続の数とを比較することにより、より明瞭となる。
【0028】
以下では、図2に示す実施の形態の特定の具体例について、例示的に説明する。この具体例では、基板308は、厚さ10mm、幅50mm、長さ90mmの直方体シリカブロックとして形成されている。入力ファイバに光を向ける単一のコリメートレンズは、ブロックに対し、ブロックの垂直線に対し5.7°の角度を形成する位置に固定されている。このコリメートレンズの焦点距離は、コーニングSMF−28(Coming SMF−28:商標)ファイバから出射され、レンズを通過した光が1mmの幅にコリメートされた光ビームとなるように選択される。出射側には、コリメートレンズのアレーが設けられ、これらのうちの各コリメートレンズは、出力アレー内のそれぞれ対応する1つのファイバに光を入射する。ファイバ端は、平坦に研磨され、無反射コーティングされている。また、入力ファイバに入射された後、どの薄膜フィルタも透過しなかった波長成分を集める新たなバイパスポート又はファイバを設けてもよい。バイパスファイバは、元のデバイスでは共振しない(not resonant)更なる波長を使用する将来のアップグレード用の出力端子として設けられる。これに代えて、コスト又は損失の制約に鑑みて適切であれば、このポートを用いて入力波長全体のサブセットを切り換え、残りの(切り換えられていない)波長がスイッチング機構をバイパスするようにしてもよい。狭波長域自由空間スイッチの第1及び第2のアレーは、それぞれ8個の薄膜フィルタを備える。薄膜フィルタは、それぞれ表面寸法が10mm×10mmの3空洞共振薄膜フィルタ(three−cavity resonant thin film filter)である。第1のアレーにおいて、基板の端部から10mmの位置に配設されている第1の薄膜フィルタは、光学的に優れた屈折率整合エポキシ(optical−quality, index matching epoxy)によって基板に接着されており、中心波長が194.0THz(1545.32nm)の通過波長域を有する。光学的通過波長域は、通常、ピークから−0.5dB下がったレベルにおいて0.4nmの幅を有し、中心波長から100GHz離れた波長において減衰率が−22dBよりも良い波長域である。薄膜フィルタには、焦点距離が5mmのコリメートレンズが取り付けられている。このコリメートレンズの焦点には、市販されているマイクロエレクトロメカニカル(microelectromechanical:MEM)傾斜ミラーが設けられている。傾斜ミラーに電圧を印加することにより、2つの軸を中心として、傾斜ミラーの傾斜角を変更することができる。傾斜ミラーの調整角度は、通常、30°を超えることはない。
【0029】
更に、第1のアレーは、第2の狭波長域自由空間スイッチを含み、第2の狭波長域自由空間スイッチは、第1の自由空間スイッチから10mm離れた位置に設けられている。この第2の狭波長域自由空間スイッチにおいて採用されている薄膜フィルタは、193.8THz(1546.92nm)の中心光波長を有する。更に、基板に沿って、6個の狭波長域自由空間スイッチが設けられており、それぞれの中心波長は、1548.52nm、1550.12nm、1551.72nm、1553.32nm、1554.92nm、1556.52nmである。隣接する各狭波長域自由空間スイッチの中心から中心までの距離は、10mmである。
【0030】
狭波長域自由空間スイッチの第2のアレーは、狭波長域自由空間スイッチの第1のアレーが設けられている基板表面とは反対側の基板表面に設けられている。第2のスイッチのアレーの各スイッチは、それぞれが第1のスイッチのアレーのスイッチの中間となる位置に対応するように、横方向に半分シフトされ、互いに10mm離間して設けられている。第2のスイッチのアレーは、それぞれ1544.52nm、1546.12nm、1547.72nm、1549.32nm、1550.92nm、1552.52nm、1554.12nm、1555.72nmの中心通過波長域波長を有する8つの薄膜フィルタによって構成されている。
【0031】
各傾斜ミラーは、ミラーを駆動するための電圧が印加される電子回路を備える。傾斜ミラーによって特定の出力ファイバに向けて波長成分を反射させるように傾斜ミラーを駆動するために必要な電圧は、傾斜ミラー毎に異なる。傾斜ミラーを駆動するための駆動電圧(−20〜+20ボルトの範囲)は、出力ファイバに入射される光パワーが最大となるように選択される。
【0032】
図2に示す各狭波長域自由空間スイッチは、必ずしも2つのレンズと1つのミラーを用いるものであるとは限らないということは、当業者にとって明かである。すなわち、波長成分を適切に方向付けるために、この他の光学素子を組み合わせて使用してもよい。例えば、レンズを用いることなく、2つの傾斜ミラーを用いても所望の機能を実現することができる。また、これに代えて、2つの軸を中心とする傾斜に加えて空間的に移動できる単一のミラーを用いてもよい。
【0033】
図2に示す狭波長域自由空間スイッチによって受光される個々の波長成分の有無及び強度をモニタすることが重要である場合が多い。特に、WDM信号が多数の波長成分を含んでいる場合、従来のファイバモニタリングタップ(fiber monitoring tap)を用いてこのようなモニタを行うことは困難である。一方、本発明では、各傾斜ミラーには単一の波長成分のみが入射されるため、この問題が容易に克服される。すなわち、各波長成分は、ミラーの背後に設けられ、ミラーを通過した波長成分のパワーの極一部を検出する検出器によってモニタすることができる。この情報と従来のタップモニタリングタップによる情報とを組み合わせることにより、狭波長域自由空間スイッチを介してルーティングされる光の実体(picture)をより完全にモニタしてネットワーク制御及び管理を行うことができる。
【0034】
更に、様々な角度の傾斜ミラーと、入力及び出力ファイバとの間の位置関係を精密に維持することにより、出力ファイバに傾斜ミラーから入射されるパワーを最適化することも重要である。この制御は、従来のファイバモニタリングタップを用いて、ファイバに入射されるパワーをモニタしながら傾斜ミラーを低速で調整することにより行うことができる。しかしながら、この手法は、ファイバ上に多くの他の波長が存在すると複雑となり、この場合、傾斜ミラーの位置を調整する際に、固有のRF周波数による微小な振幅変調により各波長成分をエンコード(encode)することによって、各出力ファイバにおいて検出される各波長成分の検出精度を向上させることが望ましい。このRF変調(RF tone)は、送信機において、各波長成分に対して固有の変調によりエンコードしてもよく、これに代えて、RF振幅変調は、ミラー調整中にミラーの傾きを僅かに振動させ、ファイバへのカップリング効率を僅かに変化させることによって、一時的に行ってもよい。ミラーを振動させる手法は、エンコードされた変調を測定する際、ネットワーク全体をトラック(track)する必要がなく、更に、調整する必要がある場合にのみ、変調をエンコードすればよいという点で優れている。
【0035】
図3は、波長に依存する音響ヌルカプラ(acoustic null coupler)を用いて、調整可能な波長フィルタリングを実現する本発明の第2の実施の形態を示している。このようなカプラは、カップリング領域に適切な音響振動を印加することによって、第1の光ファイバから第2の光ファイバに選択された波長成分のみをクロスカップルする。適切な音響振動が印加されない場合、選択された波長は、第1の光ファイバを伝搬し続ける。音響ヌルカプラの具体例については、1997年ディー・オー・カルバハウス(D.O.Culverhouse)他著「Opt.Lett.22,96」及び米国特許第5915050に開示されている。
【0036】
図3に示すように、WDM信号が入射される入力ファイバ50は、第1のヌルカプラ521の入射ポートに接続されている。第1のヌルカプラ521の一方の出射ポートは、出力ファイバ541に接続されており、出力ファイバ541には、1つ以上の個々の波長成分がルーティングされる。第1のヌルカプラ521の他方の出射ポートは、第2のヌルカプラ522の入射ポートに接続されている。第2のヌルカプラ522の出射ポートは、第1のヌルカプラ521の場合と同様に、一方が第2の出力ファイバ542に接続され、他方が第3のヌルカプラ523の入射ポートに接続されている。図3に示すように、上述のようにして更なるヌルカプラをカスケード接続することにより、選択された波長成分がルーティングされる出射ポートを増やすことができる。
【0037】
動作時には、入力ファイバ50に入射された1つ以上の波長成分は、選択された出射ポート541,542,・・・,54Mの前段のヌルカプラ521,522,・・・,52Mに所望の波長成分に対応する適切な音波を印加することにより、任意の出射ポート541,542,・・・,54Mにルーティングすることができる。例えば、所定のn個の波長成分の何れかを出射ポート543にルーティングする場合は、ヌルカプラ523に音波を印加する。本発明のこの実施の形態では、波長成分は、ヌルカプラをシリアル形式で通過する必要があるが、各ヌルカプラの挿入損失は極めて小さい(0.5dB以下)ため、生じる挿入損失は、許容できる範囲内にある。図4を用いて説明する本発明に基づくシリアルで調整可能なフィルタリング処理によっても、上述の4ポート調整可能OADMデバイス技術を用いることにより、本発明のスイッチング機能を実現することができる。
【0038】
図4は、従来の合分波器及び従来の1×mスイッチを用いた、本発明の更なる実施の形態を示し、ここでmは、スイッチの出射ポートの数を表している。合分波器としては、例えば、薄膜フィルタを用いてもよく、導波路グレーティングを用いてもよい。図4に示すように、n(ここで、nはmと同数である必要はない。)個の波長成分を含むWDM信号を入射する入力ファイバ60は、分波器61の入射ポートに接続されている。分波器61は、n個の出射ポート631,632,・・・,63nを備え、各出射ポート631,632,・・・,63nは、それぞれ1×mスイッチ651,652,・・・,65nの入射ポートに接続されている。第1のスイッチ651のm個の出射ポートは、それぞれ合波器671,672,・・・,67mの第1の入射ポートに接続されている。同様に、第2のスイッチ652のm個の出射ポートは、それぞれ合波器671,672,・・・,67mの第2の入射ポートに接続されている。この他のスイッチも同様に合波器に接続され、最後に、第nのスイッチの出射ポートが合波器671,672,・・・,67mの第nの入射ポートに接続されている。
【0039】
図4に示す実施の形態では、比較的多くのスイッチ及び合分波器が必要となり、したがって、比較的多くの光接続が必要となるという問題がある。特に、この実施の形態においては、波長成分の数及び出射ポートの数に応じて乗算的に増加する。例えば、10個の出射ポートを有し、16個の波長成分に対応する光学スイッチを構成する場合、図2に示す実施の形態では、光接続の数は11であるが、図4に示す実施の形態では、光接続の数は363となる。光接続の数は、デバイスのコスト及び複雑性に直接関係するため、この観点からは、図2に示すような構造のスイッチがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に基づく光スイッチング機構により実現される機能を示す図である。
【図2】
本発明に基づく光スイッチング素子の構成を示す図である。
【図3】
波長に依存する音響ヌルカプラを用いた本発明の変形例を示す図である。
【図4】
合分波器を用いた本発明の他の変形例を示す図である。
Claims (40)
- 複数の波長成分を含むWDM光信号が入射される少なくとも1つの入射ポートと、
少なくとも3つの出射ポートと、
それぞれ上記複数の波長成分から1つの波長成分を選択する複数の波長成分選択素子と、
上記波長成分選択素子に対応し、上記波長成分選択素子によって選択された波長成分を、上記少なくとも3つの出射ポートのうちの任意に選択可能な1つの出射ポートに、他の波長成分とは独立して向ける複数の光学素子とを備える光スイッチ。 - 上記入射ポートと波長成分選択素子との間に配設された自由空間領域を備える請求項1記載の光スイッチ。
- 上記波長成分選択素子は、それぞれ上記複数の波長成分のうちの異なる1つの波長成分を透過させ、残りの波長成分を反射する薄膜フィルタであることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
- 上記光学素子は、マイクロエレクトロメカニカル光学素子であることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
- 上記マイクロエレクトロメカニカル光学素子は、マイクロエレクトロメカニカルミラーであることを特徴とする請求項4記載の光スイッチ。
- 上記マイクロエレクトロメカニカルミラーは、複数の位置に亘って傾斜可能であり、該マイクロエレクトロメカニカルミラーの各位置は、入射した波長成分を上記少なくとも3つの出射ポートのうち異なる1つの出射ポートに反射することを特徴とする請求項5記載の光スイッチ。
- 上記光学素子は、複数の位置に亘って選択的に傾斜可能なミラーであり、該各位置において、該ミラーは、入射した波長成分を上記少なくとも3つの出射ポートのうち異なる1つの出射ポートに反射することを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
- 上記ミラーは、それぞれ圧電アクチュエータを備えることを特徴とする請求項7記載の光スイッチ。
- 上記自由空間領域は、互いに平行な第1及び第2の面を有する光透過性の基板であり、上記複数の波長成分選択素子は、互いに平行な第1及び第2の面にそれぞれ配列された第1及び第2のアレーとして形成されていることを特徴とする請求項2記載の光スイッチ。
- 上記第1及び第2のアレーは、配列方向に沿って相対的に位置をずらして配設されていることを特徴とする請求項9記載の光スイッチ。
- 上記光学素子は、複数の位置に亘って傾斜可能なマイクロエレクトロメカニカルミラーであり、該マイクロエレクトロメカニカルミラーの各位置は、入射した波長成分を上記少なくとも3つの出射ポートのうち異なる1つの出射ポートに反射することを特徴とする請求項9記載の光スイッチ。
- 上記第1のアレー内に配設された各波長成分選択素子は、選択した波長成分を上記第2のアレー内に配設された波長成分選択素子に向けることを特徴とする請求項11記載の光スイッチ。
- 上記各波長成分選択素子と、該各波長成分選択素子に対応する光学素子との間に配設された一対のコリメートレンズを備え、上記各光学素子は、対応するコリメートレンズの対の各レンズの焦点位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
- 上記各光学素子は、複数のコリメートレンズ及び1つの傾斜ミラーを備えることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
- 上記各光学素子は、一対のミラーを備えることを特徴とする請求項7記載の光スイッチ。
- 上記各光学素子は、空間的に移動可能な1つの傾斜ミラーを備えることを特徴とする請求項7記載の光スイッチ。
- 複数の波長成分を含むWDM光信号の少なくとも第1及び第2の波長成分を入射ポートから複数の出射ポートのうちの選択された出射ポートにルーティングする波長成分ルーティング方法において、
(a)上記WDM光信号から第1の波長成分を分波するステップと、
(b)上記第1の波長成分を任意の出射ポートに向けるステップと、
(c)上記WDM光信号から第2の波長成分を分波し、該第2の波長成分を上記任意の出射ポートとは独立して選択された1つの出射ポートに向けるステップとを有する波長成分ルーティング方法。 - 上記ステップ(c)は、ステップ(a)及びステップ(b)に続いて実行されることを特徴とする請求項17記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記第1及び第2の波長成分を方向付けるステップは、該第1及び第2の波長成分を自由空間領域を介して方向付けるステップを有することを特徴とする請求項18記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記第1の波長成分は、該第1の波長成分に対応する通過波長域を有する薄膜フィルタによって分波されることを特徴とする請求項17記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記第1の波長成分は、傾斜ミラーによって自由空間領域を介して方向付けられることを特徴とする請求項19記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記傾斜ミラーは、マイクロエレクトロメカニカルミラーであることを特徴とする請求項21記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記傾斜ミラーは、一対の傾斜ミラーを備えることを特徴とする請求項21記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記第1の波長成分は、空間的に移動可能なミラーによって方向付けられることを特徴とする請求項19記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記傾斜ミラーは、圧電アクチュエータを備えることを特徴とする請求項21記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記第1の波長を上記傾斜ミラーにコリメートするステップを有する請求項21記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記分波及び方向付けは、複数の狭波長域自由空間スイッチによって実行されることを特徴とする請求項17記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記分波及び方向付けは、複数の調整可能な波長選択カプラによって実行されることを特徴とする請求項17記載の波長成分ルーティング方法。
- 上記複数の出射ポートは、N個の出射ポートを含み、上記分波及び方向付けは、分波器と、N個の合波器と、M>1として、該分波器を該N個の合波器に接続する複数の1×Mスイッチとによって実行されることを特徴とする請求項17記載の波長成分ルーティング方法。
- 複数の波長成分を含むWDM光信号が入射される少なくとも1つの入射ポートと、
複数の出射ポートと、
上記複数の波長成分から少なくとも1つの波長成分を選択し、該選択された波長成分を上記複数の出射ポートのうちの任意に選択可能な1つの出射ポートに、他の波長成分とは独立して向ける波長成分選択/方向付け手段とを備える光スイッチ。 - 上記波長成分選択/方向付け手段は、複数の狭波長域自由空間スイッチを備えることを特徴とする請求項30記載の光スイッチ。
- 上記狭波長域自由空間スイッチは、薄膜フィルタと、傾斜光学素子とを備えることを特徴とする請求項31記載の光スイッチ。
- 上記狭波長域自由空間スイッチは、薄膜フィルタと、一対の傾斜ミラーとを備えることを特徴とする請求項31記載の光スイッチ。
- 上記狭波長域自由空間スイッチは、薄膜フィルタと、空間的に移動可能な傾斜ミラーとを備えることを特徴とする請求項31記載の光スイッチ。
- 上記選択/方向付け手段は、複数の調整可能な波長選択カプラを備えることを特徴とする請求項30記載の光スイッチ。
- 上記調整可能な波長選択カプラは、音波ヌルカプラであることを特徴とする請求項35記載の光スイッチ。
- 複数の出射ポートは、N個の出射ポートを備え、上記選択/方向付け手段は、分波器と、N個の合波器と、M>1として、該分波器を該N個の合波器に接続する複数の1×Mスイッチとを備えることを特徴とする請求項30記載の光スイッチ。
- 上記各波長成分選択素子に対応し、該各波長成分選択素子を通過する波長成分をモニタする検出手段を備える請求項3記載の光スイッチ。
- 上記各狭波長域自由空間スイッチに対応する検出手段を備える請求項31記載の光スイッチ。
- 上記分波を行うステップの後、上記第1の波長成分をモニタするステップを有する請求項17記載の波長成分ルーティング方法。
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