JP2004515780A - 組織標本を撮像するための装置および方法 - Google Patents
組織標本を撮像するための装置および方法 Download PDFInfo
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Abstract
組織標本を撮像する方法であって、750nmの波長の電磁放射を用いて標本の自発蛍光を刺激するステップを含む方法が提供される。自発蛍光の検出はCCDカメラによって行なわれ、これは典型的にカメラと標本との間に配置された510nmの励起フィルタを伴う。自発蛍光からの弱い信号は、カメラにより入手されたデータの操作によって強化される。自発蛍光は標本の上面から検出され、次に標本の上面が取除かれ、標本の次の面が撮像される。これらステップを繰返し、標本全体にわたる自発蛍光についての情報を入手する。この方法により、事実上どの厚みの切片についても特徴の検出が可能となり、具体的には切片は50μmから1μmの範囲であり得るが、一般にこの方法は5〜1μmの厚みの切片を分析するのに用いられる。さらに、上記方法で使用するための組織標本を準備する方法と、組織標本の自発蛍光を撮像するための装置(10)とが提供される。
Description
【0001】
【発明の分野】
この発明は組織標本を撮像するための方法と、関連の装置と、これに関連する、組織標本を準備する方法とに関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、組織標本の撮像は標本の部分または切片に対して行なわれ、これらはスライドグラスに載せられて、次に各標本切片における特徴を明らかにするように染色される。しかしながら、たとえば切片が縮むなどで切片に歪みが生じ、このため連続した切片間で或る程度の調整不良が起こり、標本内の特徴の分析が困難となる。
【0003】
標本に対し、これを切り出す前に基準となる印を入れ、歪みを補償可能にすることが行なわれてきた。しかし標本の準備およびこの後の画像分析は極めて時間がかかり、自動化が困難である。
【0004】
標本の組織構造を明らかにするには、視野に対する明るい照明および表面の染色を用いた反射投影機撮像方法が用いられており、ここでは連続する部分を順に切って除去しながら標本の最上面を撮像する。薄い切片を除去して標本の次の表面をあらわにする前に標本の最上面を約100分の1秒間だけ撮像することにより、異なる画像間における歪み効果が回避される。しかしながら、標本組織内の特徴の解像度は染色液の浸透により制限されてしまい、それは、染色液の浸透の深さが標本をどれだけ薄く切ることができるかを制限するからである。
【0005】
この発明の目的は、標本内の特徴の解像度を改良することができる、組織標本を撮像するための方法およびこれに関する装置を提供することである。
【0006】
【発明の概要】
この発明の一局面に従うと、組織標本の撮像方法であって、標本内の自発蛍光を刺激するステップと、標本内の自発蛍光を検出するステップとを含む方法が提供され、これにより標本内の特徴を撮像する。自発蛍光とは標本に固有の蛍光のことであり、適当な条件下で刺激を受けると、弱い強度の電磁放射を生成できる標本に固有の特性である。適当な電磁放射源および検出器を用いることで、この弱い背景放射を観察し、これを用いて標本構造についての情報を判定することが可能である。
【0007】
自発蛍光の刺激は、400〜750nmの範囲、好ましくは470nmの波長の電磁放射で標本の表面を照明することにより達成できる。これは、広帯域の電磁放射源に組合せられた470nm波長の励起フィルタを用いて達成され得る。
【0008】
この方法はさらに、或る期間にわたり自発蛍光によって生成された電磁放射を検出するステップを含む。ここで、自発蛍光の検出は一般にCCDカメラによって行なわれ、これは典型的にカメラと標本との間に配置された510nmの励起フィルタを伴い、こうしてカメラは該期間にわたる多数のデータセットを記録し、標本の表面での自発蛍光放射に関する大量のデータを入手する。次に自発蛍光からの弱い信号は、カメラで得たデータを操作することで強化され得る。
【0009】
この方法はさらに、標本内の自発蛍光に関するデータを記録するステップを含み、このステップは、この後の分析および操作によって標本内の特徴についての情報を得るために行なわれる。
【0010】
このデータはいくつかのやり方で分析および操作され得るが、これにはたとえばフィルタ処理、コントラスト強調、グレイスケールイメージへの変換などがある。連続する画像についての動画生成もまた可能であり、これは一連のビューを順に走らせるためのQuick Time、Movie Maker、Pics to Movieなどの簡単なプログラムを用いて行なわれる。3次元分析および3次元再構成もまた行なうことができる。
【0011】
この方法はさらに標本を染色するステップを含むこともあり、これによって、自発蛍光の検出による組織構造全体の画像の入手との関連で、標本内の特定の細胞または組織における固有の染色パターンを検出することができる。
【0012】
この方法はさらに、標本の上面から自発蛍光を検出するステップと、標本の上層を除去して標本の次の面を撮像するステップと、これらステップを繰返すステップとを含み、こうして標本全体にわたる自発蛍光についての情報が入手される。この方法により、事実上どの厚みの切片についての特徴の検出も可能となり、具体的に切片は50μmから1μmの範囲であり得るが、一般にこの方法は5〜1μmの厚みの切片を分析するのに用いられる。
【0013】
この発明の別の局面に従うと、上記方法で用いるための組織標本を準備する方法もまた提供され、標本を準備する方法は、約3重量%のステアリン酸を有する蝋媒体に標本を包埋するステップを含み、蝋媒体は、標本の上面の下からの自発蛍光を抑制するための色素を組込む。用いるステアリン酸のパーセンテージを増大させ、蝋のほとんどをVybarに置換えることにより、選ばれる蝋媒体は蝋に包埋される組織標本について普通であるよりも硬く、このため約1〜2μmの薄い部分への薄切りが可能である。この発明に従う蝋媒体の組成の一例は、73%Vybar、24%パラフィン蝋、および3%ステアリン酸を含む蝋媒体であり、0.1%赤色アニリン蝋色素を含むが、これはたとえばロンドンのキャンドルメーカーズ・サプライズ(Candlemakers Supplies London)から供給されている。
【0014】
ここで用いる特定の色素によって、約470/510nmの良好な表面自発蛍光を得ることができる。しかしながら、自発蛍光の誘起に他の波長を用いる場合には、自発蛍光を抑制するために代替的な色素を選ぶこともできる。
【0015】
この発明の別の局面は、組織標本の自発蛍光を撮像するのに用いる装置に存し、この装置は、標本の自発蛍光を刺激するように適合された電磁放射源と、標本から放出された自発蛍光電磁放射を受取るための受光手段とを含み、これにより標本の自発蛍光を刺激および検出する。
【0016】
好ましくは、電磁放射源は約470nmの波長を有する放射を生成する。この光源は、光ファイバケーブルの入力端に結合された1対の顕微鏡ランプと、470nmの波長を生成するように励起フィルタが上に置かれた光ファイバケーブルの出力端とによって提供され得る。
【0017】
受光手段は、発光フィルタが組合せられたCCDカメラを含むことができ、発光フィルタはCCDカメラの入力面上にわたって置かれる。典型的に発光フィルタは、510nm以外の波長を遮るように選ばれる。
【0018】
CCDカメラを従来のソフトウェアパッケージおよびデータ処理技術とともに用いて、組織標本に関するデジタルデータを取込み分析することができる。
【0019】
この装置はさらに、標本を上に取付けるための標本取付手段と、標本を薄く切るための切削手段とを含み得る。これによって、標本の上面を調べてから上面を切取って次の下の面を撮像のためにあらわにすることが可能となる。このように標本全体にわたって薄切りすることで、標本全体にわたる自発蛍光のプロファイルを入手することができる。
【0020】
好ましくは、この装置を構成する要素は互いに電気的に通信し、これによりこの装置の自動化が可能となる。こうして標本全体を調べることが自動化され得る。
【0021】
以下、添付の図面を参照してこの発明を例で説明する。
【0022】
【説明】
図1は、組織標本内の自発蛍光を刺激および分析するのに用いる装置10を示し、これはCCDカメラによる反射投影機照明および撮像を用いて標本の表面を観察する。滑動ブレード式手動ミクロトーム14の取付ステージ12には、蝋混合物に包埋された標本16が載せられ、標本の上面は、2個の顕微鏡ランプ20、典型的にScott KL2500ランプにより放出される400〜750nmの範囲の波長のモノクローム電磁放射で照明される。ランプの放射出力は広い光ファイバケーブル22に沿って方向付けられ、その出力端には焦点調節レンズ24があり、470nmの励起フィルタ26がレンズ24と標本16との間に置かれる。こうして、標本16の自発蛍光を刺激するのに十分な強度の放射を生成するように、視野に対する明るい光源が適合され、放射は調節可能な光ファイバケーブル22を用いて標本に対して容易に方向付けられ得る。
【0023】
プリンストン・インストゥルメンツの「クールスナップ」(Princeton Instruments “CoolSnap”)カメラなどのCCDカメラ30が、標本の上面32のすぐ上に位置付けられ、モノズーム(Monozoom)顕微鏡34がカメラと標本の表面との間に配置される。モノズーム顕微鏡は極めて大きな作動距離を有し、鮮明に焦点が合った標本面の像をカメラ入力で観察されるように調節される。510nmの発光フィルタ36がカメラ入力と顕微鏡との間に置かれ、こうしてカメラ30は、標本の自発蛍光の結果として放出される放射の支配的な波長での、フィルタ処理された放射を受取る。ミクロトームに取付けられたブレード40が標本16に近接して置かれ、これにより撮像後に連続的な標本層を薄切りして除去できる。
【0024】
CCDカメラ30は、コンピュータ42が実行する簡単なデータ取込ソフトウェアパッケージ(RS Image)を用いた一般的なやり方でデータを得ることで、標本の表面のデジタル画像を得る。ここで用いるカメラは比較的安価な高解像度カラーCCD装置(1392×1040画素)であり、カメラデータは12ビットカラー画像としてクールスナップ・グラフィックスPCIカードによって取込まれる。デジタル画像の解像度は約2μm2/画素であるが、これを増やすこともできる。
【0025】
標本は組織標本について既に公知である態様で準備されるが、準備プロセスでは新規の包埋媒体が用いられる。標本の包埋の際には、標本組織内の水分を蝋と置換する必要がある。最初に標本をアルコールにさらすが、アルコールのパーセンテージは、すべての水分が段階的に100%アルコールと置換されるまで増加させられる。ここで典型的に標本は70%エタノール、次に90%エタノール、そして最後に100%エタノールの中に入れられる。次にアルコールは、アルコールおよび蝋と混和性のトルオール(Toluol)またはヒストクリア(Histoclear)などの有機科学物質と段階的に置換される。この段階の後にこの化学物質を溶けた蝋と置換し、こうして、組織内の元の水分すべてが蝋と置換された標本が得られる。最後に標本を型に入れて蝋をさらに加え、これにより、標本組織が蝋で浸潤され、かつ標本が蝋内に保持された標本16が得られる。
【0026】
この発明での使用に選ばれる特定の包埋蝋媒体は、Vybar(40〜80%)、パラフィン蝋(16〜57%)、およびステアリン酸(3〜4%)を含む混合物からなり、赤色アニリン蝋色素(0.1〜0.35%)を含むが、これはたとえばロンドンのキャンドルメーカーズ・サプライズから供給されている。組成についてのこの範囲によって通常よりもはるかに硬い包埋蝋が得られ、包埋された標本を約1〜2μmの厚みで薄く切ることが可能となり、これと比べて通常の蝋による準備で包埋される標本では、薄切りの厚みは6〜10μmである。赤色アニリン蝋色素は、標本の最上面の下からの自発蛍光を抑制する流体の色素である。
【0027】
使用については、包埋された標本の上面は470nmの波長の放射で照明され、これは1μm未満の厚みの標本の最上層内の自発蛍光を刺激する。標本の表面は自発蛍光の結果として放射を放出し、この放出された放射信号はCCDカメラにより検出され、このCCDカメラは標本の表面上にわたる放射のデジタル画像を形成する。標本が放出する放射は組織構造に依存して表面にわたってばらつくが、こうして標本の最上面32の自発蛍光を刺激することによって、約2μmの薄い上層内における特徴の画像がCCDカメラ30により入手される。このように標本に固有の特性を用いて、標本を染色する必要なしに標本についての情報が入手される。
【0028】
自発蛍光は極めて弱い信号であるが、刺激波長と、CCDカメラが受取る波長とを注意深く選択することで、標本内の特徴の極めて鮮明な画像が得られる。CCDカメラが標本面に対して露出されるのが長ければ長いほど、入手できるデジタル画像は多くなり、こうして画像の明瞭度はより大きくなる。数秒間、典型的に4〜6秒の或る長い期間にわたり標本面にカメラを露出させ、かつCCDカメラを用い極めて大きなデータセットを取ることにより、標本の表面について高解像度の極めて鮮明な表現が自発蛍光を用いて入手される。典型的に1時間につき300〜400のデジタル画像が生成される。あらゆるデータセットの必要なサイズは観察する標本に依存し、標本の厚みおよび切取られる切片の厚みに直接関係する。マウスの胚について、16日目の胚の心臓全体を視覚化するためには、2μmの部分に薄切りする場合、約3時間で得られる1000画像のデータセットで十分である。同じ段階での胚全体を画像化するには、データセットは6000画像にもなることがある。したがってデジタル画像のサイズがおよそ5メガバイトの場合、胚の心臓についての完全なデータセットのサイズは約5ギガバイトである。CCDカメラによる自発蛍光の検出を用いて得られる解像度の程度は、カメラからの生データを標本の画像として使用できるようなものにされる。しかし所望であれば強調およびフィルタ処理のステップを実行することもでき、適当であれば標本の3次元モデルを生成することもできる。
【0029】
こうしてこの撮像形態では、どの標本にも存在する自発蛍光の固有の背景特性を用いて、標本内の特徴すべてを観察する。これは、或る特徴を強調するために或るやり方で蛍光性の印を標本に加える公知の蛍光撮像とは異なる。
【0030】
十分な期間、典型的に1秒から7秒の間、CCDカメラが標本の上面に対して一旦露出されると、ブレード40を動かして選択された深さ(通常は2μm)で標本を薄切りし、同じ厚みの標本の切片を除去する。次にカメラは標本の次の面の画像データを得る。このプロセスを、標本すべてが一連の層として画像化されるまで切片ごとに繰返す。ここで、標本について高い程度の解像度の3次元再構成が可能である。
【0031】
以前の反射投影機撮像手順では、標本内の特徴を明らかにするために染色が必須であった。しかし、染色液の浸透深さを約6μm未満に制限することは不可能であり、したがって標本内の構造はこの制限までしか解像され得ない。これに対し、この発明におけるように自発蛍光画像を用いれば2μmおよび1μmの厚みの部分が分析可能となるが、それは自発蛍光放射がこの深さからのみ放出されるからである。したがって自発蛍光を用いることで、各切片で観察可能なディテールが多くなり、標本内の特徴の解像度がはるかに向上される。
【0032】
自発蛍光信号のレベルと標本内の組織密度との相関が認められており、組織密度が高ければ高いほど、得られる信号の強度は高くなる。
【0033】
自発蛍光の検出を標本の表面染色と組合せることもでき、こうすれば標本について異なった種類の情報が得られる。たとえば標本の特定の領域を染色することによって、β−ガラクトシダーゼ酵素(細菌酵素であって遺伝子導入でマウスのゲノム内に導入されたものであり、マウスの組織のごく一部において発現する)の活動があるかどうかを検出できる。自発蛍光を刺激および検出することにより、マウスの組織すべてについて高解像度の画像が得られ、ここで染色によって、同じデータセットから特異なβ−ガラクトシダーゼの活動が検出可能となる。こうして、組織構造全体の画像に加え、特定の細胞または組織についての固有の染色パターンもまた得られる。
【0034】
図1に示した、モノズームレンズ34と組合せた滑動ブレード式手動ミクロトーム14を用いる装置の構成は、特に自動化に適したものではない。図2は、撮像プロセスおよび分析が自動化される、この発明のさらなる実施例を示す。この自動化機構では、固定された回転ブレードミクロトーム54の可動取付ステージ52上に標本ブロック50が置かれ、こうして標本を切出すために固定回転ブレード56へ動かすことができる。標本50は光源60によって照明され、光源60は顕微鏡62の光学経路を通じてブロック表面に対して方向付けられ、顕微鏡62はスタンド64に支持され、かつフィルタホイール66を有し、フィルタホイール66は、顕微鏡62と標本50との間に配置された対応する励起フィルタおよび発光フィルタのフィルタセットを含む。図1と同様、CCDカメラ70が顕微鏡62の最端部に置かれ、カメラ、フィルタホイールおよびミクロトームへのコンピュータ接続72,74,76が設けられる。一旦標本がステージに取付けられ、顕微鏡が調整され、関連のフィルタセットが選択され、露出時間などのパラメータがコンピュータ80で特定されると、コンピュータはミクロトーム54に取付けられたブロック50の動きと、標本の切出しと、カメラ70による各標本面の画像取込とを連携させる。
【0035】
CCDカメラにより入手されたデータは、CCDカメラを用いて入手されるほとんどの画像に共通のやり方で分析される。図3は組織標本から画像を入手するのに用いる種々のステップを示し、図4は切出しおよび画像取込をどのように行なうかを例示する流れ図を示し、図5は、Adobe Photoshop(バッチ機能)を用いて画像処理をどのように行なうかを例示する流れ図を示す。
【0036】
図6は、標本の自発蛍光についての画像を入手するための、図2の自動化された装置の制御を例示する流れ図を示す。
【0037】
ここに開示した方法および装置は、組織、器官または胚の形態の正確な分析に特に好適であり、遺伝子を組換えた胚、胎児、新生児の表現型を機械的に高速で篩い分けるのに用いられ得る。この方法によってさらに、胚または組織の標本内にある空間的に独特な染色パターンの検出が可能となり、これによりたとえば、全体を封入した染色標本を分析することで遺伝子発現またはたんぱく質発現のパターンを明らかにすることができる。組織標本の機械的な病理学的分析もまた可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う一実施例の装置を示す概略図である。
【図2】自動化されたシステムを含む、さらなる実施例を示す概略図である。
【図3】組織標本を撮像する際に行なわれる手順上のステップであって、切出し、画像取込および画像処理を含むものを示す流れ図である。
【図4】切出しおよび画像取込の際に行なわれるステップを示す流れ図である。
【図5】画像処理の際に行なわれるステップを示す流れ図である。
【図6】自動化されたシステムを用いた、撮像の際に行なわれるステップを示す流れ図である。
【発明の分野】
この発明は組織標本を撮像するための方法と、関連の装置と、これに関連する、組織標本を準備する方法とに関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、組織標本の撮像は標本の部分または切片に対して行なわれ、これらはスライドグラスに載せられて、次に各標本切片における特徴を明らかにするように染色される。しかしながら、たとえば切片が縮むなどで切片に歪みが生じ、このため連続した切片間で或る程度の調整不良が起こり、標本内の特徴の分析が困難となる。
【0003】
標本に対し、これを切り出す前に基準となる印を入れ、歪みを補償可能にすることが行なわれてきた。しかし標本の準備およびこの後の画像分析は極めて時間がかかり、自動化が困難である。
【0004】
標本の組織構造を明らかにするには、視野に対する明るい照明および表面の染色を用いた反射投影機撮像方法が用いられており、ここでは連続する部分を順に切って除去しながら標本の最上面を撮像する。薄い切片を除去して標本の次の表面をあらわにする前に標本の最上面を約100分の1秒間だけ撮像することにより、異なる画像間における歪み効果が回避される。しかしながら、標本組織内の特徴の解像度は染色液の浸透により制限されてしまい、それは、染色液の浸透の深さが標本をどれだけ薄く切ることができるかを制限するからである。
【0005】
この発明の目的は、標本内の特徴の解像度を改良することができる、組織標本を撮像するための方法およびこれに関する装置を提供することである。
【0006】
【発明の概要】
この発明の一局面に従うと、組織標本の撮像方法であって、標本内の自発蛍光を刺激するステップと、標本内の自発蛍光を検出するステップとを含む方法が提供され、これにより標本内の特徴を撮像する。自発蛍光とは標本に固有の蛍光のことであり、適当な条件下で刺激を受けると、弱い強度の電磁放射を生成できる標本に固有の特性である。適当な電磁放射源および検出器を用いることで、この弱い背景放射を観察し、これを用いて標本構造についての情報を判定することが可能である。
【0007】
自発蛍光の刺激は、400〜750nmの範囲、好ましくは470nmの波長の電磁放射で標本の表面を照明することにより達成できる。これは、広帯域の電磁放射源に組合せられた470nm波長の励起フィルタを用いて達成され得る。
【0008】
この方法はさらに、或る期間にわたり自発蛍光によって生成された電磁放射を検出するステップを含む。ここで、自発蛍光の検出は一般にCCDカメラによって行なわれ、これは典型的にカメラと標本との間に配置された510nmの励起フィルタを伴い、こうしてカメラは該期間にわたる多数のデータセットを記録し、標本の表面での自発蛍光放射に関する大量のデータを入手する。次に自発蛍光からの弱い信号は、カメラで得たデータを操作することで強化され得る。
【0009】
この方法はさらに、標本内の自発蛍光に関するデータを記録するステップを含み、このステップは、この後の分析および操作によって標本内の特徴についての情報を得るために行なわれる。
【0010】
このデータはいくつかのやり方で分析および操作され得るが、これにはたとえばフィルタ処理、コントラスト強調、グレイスケールイメージへの変換などがある。連続する画像についての動画生成もまた可能であり、これは一連のビューを順に走らせるためのQuick Time、Movie Maker、Pics to Movieなどの簡単なプログラムを用いて行なわれる。3次元分析および3次元再構成もまた行なうことができる。
【0011】
この方法はさらに標本を染色するステップを含むこともあり、これによって、自発蛍光の検出による組織構造全体の画像の入手との関連で、標本内の特定の細胞または組織における固有の染色パターンを検出することができる。
【0012】
この方法はさらに、標本の上面から自発蛍光を検出するステップと、標本の上層を除去して標本の次の面を撮像するステップと、これらステップを繰返すステップとを含み、こうして標本全体にわたる自発蛍光についての情報が入手される。この方法により、事実上どの厚みの切片についての特徴の検出も可能となり、具体的に切片は50μmから1μmの範囲であり得るが、一般にこの方法は5〜1μmの厚みの切片を分析するのに用いられる。
【0013】
この発明の別の局面に従うと、上記方法で用いるための組織標本を準備する方法もまた提供され、標本を準備する方法は、約3重量%のステアリン酸を有する蝋媒体に標本を包埋するステップを含み、蝋媒体は、標本の上面の下からの自発蛍光を抑制するための色素を組込む。用いるステアリン酸のパーセンテージを増大させ、蝋のほとんどをVybarに置換えることにより、選ばれる蝋媒体は蝋に包埋される組織標本について普通であるよりも硬く、このため約1〜2μmの薄い部分への薄切りが可能である。この発明に従う蝋媒体の組成の一例は、73%Vybar、24%パラフィン蝋、および3%ステアリン酸を含む蝋媒体であり、0.1%赤色アニリン蝋色素を含むが、これはたとえばロンドンのキャンドルメーカーズ・サプライズ(Candlemakers Supplies London)から供給されている。
【0014】
ここで用いる特定の色素によって、約470/510nmの良好な表面自発蛍光を得ることができる。しかしながら、自発蛍光の誘起に他の波長を用いる場合には、自発蛍光を抑制するために代替的な色素を選ぶこともできる。
【0015】
この発明の別の局面は、組織標本の自発蛍光を撮像するのに用いる装置に存し、この装置は、標本の自発蛍光を刺激するように適合された電磁放射源と、標本から放出された自発蛍光電磁放射を受取るための受光手段とを含み、これにより標本の自発蛍光を刺激および検出する。
【0016】
好ましくは、電磁放射源は約470nmの波長を有する放射を生成する。この光源は、光ファイバケーブルの入力端に結合された1対の顕微鏡ランプと、470nmの波長を生成するように励起フィルタが上に置かれた光ファイバケーブルの出力端とによって提供され得る。
【0017】
受光手段は、発光フィルタが組合せられたCCDカメラを含むことができ、発光フィルタはCCDカメラの入力面上にわたって置かれる。典型的に発光フィルタは、510nm以外の波長を遮るように選ばれる。
【0018】
CCDカメラを従来のソフトウェアパッケージおよびデータ処理技術とともに用いて、組織標本に関するデジタルデータを取込み分析することができる。
【0019】
この装置はさらに、標本を上に取付けるための標本取付手段と、標本を薄く切るための切削手段とを含み得る。これによって、標本の上面を調べてから上面を切取って次の下の面を撮像のためにあらわにすることが可能となる。このように標本全体にわたって薄切りすることで、標本全体にわたる自発蛍光のプロファイルを入手することができる。
【0020】
好ましくは、この装置を構成する要素は互いに電気的に通信し、これによりこの装置の自動化が可能となる。こうして標本全体を調べることが自動化され得る。
【0021】
以下、添付の図面を参照してこの発明を例で説明する。
【0022】
【説明】
図1は、組織標本内の自発蛍光を刺激および分析するのに用いる装置10を示し、これはCCDカメラによる反射投影機照明および撮像を用いて標本の表面を観察する。滑動ブレード式手動ミクロトーム14の取付ステージ12には、蝋混合物に包埋された標本16が載せられ、標本の上面は、2個の顕微鏡ランプ20、典型的にScott KL2500ランプにより放出される400〜750nmの範囲の波長のモノクローム電磁放射で照明される。ランプの放射出力は広い光ファイバケーブル22に沿って方向付けられ、その出力端には焦点調節レンズ24があり、470nmの励起フィルタ26がレンズ24と標本16との間に置かれる。こうして、標本16の自発蛍光を刺激するのに十分な強度の放射を生成するように、視野に対する明るい光源が適合され、放射は調節可能な光ファイバケーブル22を用いて標本に対して容易に方向付けられ得る。
【0023】
プリンストン・インストゥルメンツの「クールスナップ」(Princeton Instruments “CoolSnap”)カメラなどのCCDカメラ30が、標本の上面32のすぐ上に位置付けられ、モノズーム(Monozoom)顕微鏡34がカメラと標本の表面との間に配置される。モノズーム顕微鏡は極めて大きな作動距離を有し、鮮明に焦点が合った標本面の像をカメラ入力で観察されるように調節される。510nmの発光フィルタ36がカメラ入力と顕微鏡との間に置かれ、こうしてカメラ30は、標本の自発蛍光の結果として放出される放射の支配的な波長での、フィルタ処理された放射を受取る。ミクロトームに取付けられたブレード40が標本16に近接して置かれ、これにより撮像後に連続的な標本層を薄切りして除去できる。
【0024】
CCDカメラ30は、コンピュータ42が実行する簡単なデータ取込ソフトウェアパッケージ(RS Image)を用いた一般的なやり方でデータを得ることで、標本の表面のデジタル画像を得る。ここで用いるカメラは比較的安価な高解像度カラーCCD装置(1392×1040画素)であり、カメラデータは12ビットカラー画像としてクールスナップ・グラフィックスPCIカードによって取込まれる。デジタル画像の解像度は約2μm2/画素であるが、これを増やすこともできる。
【0025】
標本は組織標本について既に公知である態様で準備されるが、準備プロセスでは新規の包埋媒体が用いられる。標本の包埋の際には、標本組織内の水分を蝋と置換する必要がある。最初に標本をアルコールにさらすが、アルコールのパーセンテージは、すべての水分が段階的に100%アルコールと置換されるまで増加させられる。ここで典型的に標本は70%エタノール、次に90%エタノール、そして最後に100%エタノールの中に入れられる。次にアルコールは、アルコールおよび蝋と混和性のトルオール(Toluol)またはヒストクリア(Histoclear)などの有機科学物質と段階的に置換される。この段階の後にこの化学物質を溶けた蝋と置換し、こうして、組織内の元の水分すべてが蝋と置換された標本が得られる。最後に標本を型に入れて蝋をさらに加え、これにより、標本組織が蝋で浸潤され、かつ標本が蝋内に保持された標本16が得られる。
【0026】
この発明での使用に選ばれる特定の包埋蝋媒体は、Vybar(40〜80%)、パラフィン蝋(16〜57%)、およびステアリン酸(3〜4%)を含む混合物からなり、赤色アニリン蝋色素(0.1〜0.35%)を含むが、これはたとえばロンドンのキャンドルメーカーズ・サプライズから供給されている。組成についてのこの範囲によって通常よりもはるかに硬い包埋蝋が得られ、包埋された標本を約1〜2μmの厚みで薄く切ることが可能となり、これと比べて通常の蝋による準備で包埋される標本では、薄切りの厚みは6〜10μmである。赤色アニリン蝋色素は、標本の最上面の下からの自発蛍光を抑制する流体の色素である。
【0027】
使用については、包埋された標本の上面は470nmの波長の放射で照明され、これは1μm未満の厚みの標本の最上層内の自発蛍光を刺激する。標本の表面は自発蛍光の結果として放射を放出し、この放出された放射信号はCCDカメラにより検出され、このCCDカメラは標本の表面上にわたる放射のデジタル画像を形成する。標本が放出する放射は組織構造に依存して表面にわたってばらつくが、こうして標本の最上面32の自発蛍光を刺激することによって、約2μmの薄い上層内における特徴の画像がCCDカメラ30により入手される。このように標本に固有の特性を用いて、標本を染色する必要なしに標本についての情報が入手される。
【0028】
自発蛍光は極めて弱い信号であるが、刺激波長と、CCDカメラが受取る波長とを注意深く選択することで、標本内の特徴の極めて鮮明な画像が得られる。CCDカメラが標本面に対して露出されるのが長ければ長いほど、入手できるデジタル画像は多くなり、こうして画像の明瞭度はより大きくなる。数秒間、典型的に4〜6秒の或る長い期間にわたり標本面にカメラを露出させ、かつCCDカメラを用い極めて大きなデータセットを取ることにより、標本の表面について高解像度の極めて鮮明な表現が自発蛍光を用いて入手される。典型的に1時間につき300〜400のデジタル画像が生成される。あらゆるデータセットの必要なサイズは観察する標本に依存し、標本の厚みおよび切取られる切片の厚みに直接関係する。マウスの胚について、16日目の胚の心臓全体を視覚化するためには、2μmの部分に薄切りする場合、約3時間で得られる1000画像のデータセットで十分である。同じ段階での胚全体を画像化するには、データセットは6000画像にもなることがある。したがってデジタル画像のサイズがおよそ5メガバイトの場合、胚の心臓についての完全なデータセットのサイズは約5ギガバイトである。CCDカメラによる自発蛍光の検出を用いて得られる解像度の程度は、カメラからの生データを標本の画像として使用できるようなものにされる。しかし所望であれば強調およびフィルタ処理のステップを実行することもでき、適当であれば標本の3次元モデルを生成することもできる。
【0029】
こうしてこの撮像形態では、どの標本にも存在する自発蛍光の固有の背景特性を用いて、標本内の特徴すべてを観察する。これは、或る特徴を強調するために或るやり方で蛍光性の印を標本に加える公知の蛍光撮像とは異なる。
【0030】
十分な期間、典型的に1秒から7秒の間、CCDカメラが標本の上面に対して一旦露出されると、ブレード40を動かして選択された深さ(通常は2μm)で標本を薄切りし、同じ厚みの標本の切片を除去する。次にカメラは標本の次の面の画像データを得る。このプロセスを、標本すべてが一連の層として画像化されるまで切片ごとに繰返す。ここで、標本について高い程度の解像度の3次元再構成が可能である。
【0031】
以前の反射投影機撮像手順では、標本内の特徴を明らかにするために染色が必須であった。しかし、染色液の浸透深さを約6μm未満に制限することは不可能であり、したがって標本内の構造はこの制限までしか解像され得ない。これに対し、この発明におけるように自発蛍光画像を用いれば2μmおよび1μmの厚みの部分が分析可能となるが、それは自発蛍光放射がこの深さからのみ放出されるからである。したがって自発蛍光を用いることで、各切片で観察可能なディテールが多くなり、標本内の特徴の解像度がはるかに向上される。
【0032】
自発蛍光信号のレベルと標本内の組織密度との相関が認められており、組織密度が高ければ高いほど、得られる信号の強度は高くなる。
【0033】
自発蛍光の検出を標本の表面染色と組合せることもでき、こうすれば標本について異なった種類の情報が得られる。たとえば標本の特定の領域を染色することによって、β−ガラクトシダーゼ酵素(細菌酵素であって遺伝子導入でマウスのゲノム内に導入されたものであり、マウスの組織のごく一部において発現する)の活動があるかどうかを検出できる。自発蛍光を刺激および検出することにより、マウスの組織すべてについて高解像度の画像が得られ、ここで染色によって、同じデータセットから特異なβ−ガラクトシダーゼの活動が検出可能となる。こうして、組織構造全体の画像に加え、特定の細胞または組織についての固有の染色パターンもまた得られる。
【0034】
図1に示した、モノズームレンズ34と組合せた滑動ブレード式手動ミクロトーム14を用いる装置の構成は、特に自動化に適したものではない。図2は、撮像プロセスおよび分析が自動化される、この発明のさらなる実施例を示す。この自動化機構では、固定された回転ブレードミクロトーム54の可動取付ステージ52上に標本ブロック50が置かれ、こうして標本を切出すために固定回転ブレード56へ動かすことができる。標本50は光源60によって照明され、光源60は顕微鏡62の光学経路を通じてブロック表面に対して方向付けられ、顕微鏡62はスタンド64に支持され、かつフィルタホイール66を有し、フィルタホイール66は、顕微鏡62と標本50との間に配置された対応する励起フィルタおよび発光フィルタのフィルタセットを含む。図1と同様、CCDカメラ70が顕微鏡62の最端部に置かれ、カメラ、フィルタホイールおよびミクロトームへのコンピュータ接続72,74,76が設けられる。一旦標本がステージに取付けられ、顕微鏡が調整され、関連のフィルタセットが選択され、露出時間などのパラメータがコンピュータ80で特定されると、コンピュータはミクロトーム54に取付けられたブロック50の動きと、標本の切出しと、カメラ70による各標本面の画像取込とを連携させる。
【0035】
CCDカメラにより入手されたデータは、CCDカメラを用いて入手されるほとんどの画像に共通のやり方で分析される。図3は組織標本から画像を入手するのに用いる種々のステップを示し、図4は切出しおよび画像取込をどのように行なうかを例示する流れ図を示し、図5は、Adobe Photoshop(バッチ機能)を用いて画像処理をどのように行なうかを例示する流れ図を示す。
【0036】
図6は、標本の自発蛍光についての画像を入手するための、図2の自動化された装置の制御を例示する流れ図を示す。
【0037】
ここに開示した方法および装置は、組織、器官または胚の形態の正確な分析に特に好適であり、遺伝子を組換えた胚、胎児、新生児の表現型を機械的に高速で篩い分けるのに用いられ得る。この方法によってさらに、胚または組織の標本内にある空間的に独特な染色パターンの検出が可能となり、これによりたとえば、全体を封入した染色標本を分析することで遺伝子発現またはたんぱく質発現のパターンを明らかにすることができる。組織標本の機械的な病理学的分析もまた可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う一実施例の装置を示す概略図である。
【図2】自動化されたシステムを含む、さらなる実施例を示す概略図である。
【図3】組織標本を撮像する際に行なわれる手順上のステップであって、切出し、画像取込および画像処理を含むものを示す流れ図である。
【図4】切出しおよび画像取込の際に行なわれるステップを示す流れ図である。
【図5】画像処理の際に行なわれるステップを示す流れ図である。
【図6】自動化されたシステムを用いた、撮像の際に行なわれるステップを示す流れ図である。
Claims (12)
- 組織標本を撮像する方法であって、標本内の自発蛍光を刺激するステップと、標本内の自発蛍光を検出するステップとを含み、こうして標本内の特徴を撮像する、方法。
- 400〜750nmの範囲の波長の電磁放射で標本を照明することにより自発蛍光を刺激するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 広帯域の電磁放射源に組合せられた750nmの波長の励起フィルタを用いて電磁放射を生成するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
- 標本内の特徴についての情報をもたらすための、後の分析および操作のために、標本内の自発蛍光に関するデータを記録するステップをさらに含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
- 標本を染色するステップをさらに含み、これにより、自発蛍光を検出することで組織構造全体の画像を入手することと関連して、標本内の特定の細胞または組織についての固有の染色パターンを検出可能にする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
- 標本の上面からの自発蛍光を検出するステップと、標本の上面を除去して標本の次の面を撮像するステップと、標本全体にわたる自発蛍光についての情報を入手するために前記ステップを繰返すステップとを含む、請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
- 組織標本を準備する方法であって、約3重量%のステアリン酸を有する蝋媒体に標本を包埋するステップを含み、前記蝋媒体は、標本の上面の下からの自発蛍光を抑制するための色素を組込む、方法。
- 組織標本の自発蛍光を撮像するのに用いる装置であって、前記装置は、標本内の自発蛍光を刺激するように適合された電磁放射源と、標本から放出された自発蛍光電磁放射を受取るための受光手段とを含み、こうして標本内の自発蛍光を刺激および検出する、装置。
- 電磁放射源は約470nmの波長を有する放射を生成する、請求項8に記載の装置。
- 前記受光手段は、発光フィルタが組合せられたCCDカメラを含み、前記発光フィルタはCCDカメラの入力面にわたって置かれる、請求項8または請求項9に記載の装置。
- 前記装置はさらに、標本を上に取付けるための標本取付手段と、標本を薄く切るための切削手段とを含む、請求項8から請求項10のいずれかに記載の装置。
- 前記装置を構成するすべての要素は、前記装置の自動化を可能にするために互いに電気的に通信する、請求項8から請求項11のいずれかに記載の装置。
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