JP2004515459A - ポリケチド誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規ポリケチド、新規化合物を産生する宿主細胞、およびそれらの使用のための方法に関する。本発明の化合物は、環式ポリケチド(「マクロリド」または「マクロラクトン」とも呼ばれる)であり、これは、それらの構造の一部として、式(I)を含み、そしてFK結合タンパク質に結合し、ここで、RおよびRが、各々、水素、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択されるが、但し、RおよびRの少なくとも1つは水素、メチル、またはエチルである。本明細書中に詳細に説明されるが、本発明の化合物は、薬物としてのこれらの化合物の使用に望ましい、好ましいP450酵素活性プロフィールのような特性を有する。

Description

【0001】
(政府の補助)
本発明は、全部または一部が、SBIR助成金番号1R43AI46206−01−A1の下で、国立のアレルギーおよび免疫疾患研究所(National Institute of Allergy and Infectious Disease)からの政府の補助によりなされた。従って、政府が、本発明の特定の権利を有し得る。
【0002】
(背景)
ポリケチドは、多くの生物学的に活性な分子(例えば、テトラサイクリン、エリスロマイシン、エポチロン、ナルボマイシン、ピクロマイシン、ラパマイシン、スピノシン、およびチロシン)の供給源である多様なクラスの化合物である。他の重要な例としては、天然に存在する免疫抑制剤FK−506(これはまた、タクロリムスとしても公知である)およびFK−520(これはまた、アスコマイシンとしても公知である)が挙げられる。
【0003】
【化27】
Figure 2004515459
C−21にある単一の置換基(R)の違いにより、FK−506は、アルキル基を有する一方で、FK−520は、この位置にエチル基を有する。この2種のうち、FK−506は、特に十分に研究されており、そして免疫抑制剤として現在使用されている。
【0004】
FK−506およびFK−520は、FKBP(FK−506結合タンパク質)として公知のタンパク質(例えば、FKBP−12およびFKBP−52)との中間複合体の初期形成を介して、生物学的な効果を及ぼす。これらのタンパク質は、サイトゾルタンパク質のクラスであり、このタンパク質は、FK−506、FK−520、およびラパマイシンのような分子と複合体を形成し、次いで、シグナル伝達に関与する他の細胞標的のためのリガンドとして役立つ。FK−506、FK−520、およびラパマイシンのFKBPへの結合は、「FKBP結合ドメイン」として公知のポリケチド分子の構造的に類似のセグメント(一般的に公知であるが、以下の構造の点描領域により正確には示されない)を介して生じる。
【0005】
【化28】
Figure 2004515459
次いで、FK−506−FKBP複合体はカルシニューリンと結合する一方で、ラパマイシン−FKBP複合体は、RAFT−1として公知のタンパク質と結合する。このFKBP−ポリケチド複合体のこれらの第二のタンパク質への結合は、「エフェクター」ドメインとして公知の、薬剤の異なる領域を介して生じる。
【0006】
この3成分のFKBP−ポリケチド−エフェクター複合体は、FK−506、FK−520、およびラパマイシンの、シグナル伝達および続く免疫抑制活性に必要とされる。エフェクタータンパク質(カルシニューリンまたはRAFT)との結合を破壊するが、影響を受けないFKBP結合を残す、FK−506、FK−520、およびラパマイシンのエフェクタードメインの改変は、免疫抑制活性の欠損に導く。さらに、このようなアナログは、親のポリケチドの免疫抑制効果を拮抗する。なぜならば、このアナログは、FKBPと競合するからである。このような非免疫抑制アナログはまた、減少した毒性を示し(Dumontら、1992、Journal of Experimental Medicine 176,751−760を参照のこと)、これらの薬物の毒性の多くは、FKBP結合により媒介されない機構を介してであることが示される。
【0007】
免疫抑制活性に加えて、FK−506、FK−520、およびラパマイシンは、神経栄養活性を有する。中枢神経系および末梢神経において、対応する標的タンパク質は、神経タンパク質として言及される。神経−FKBPは、中枢神経系および末梢神経において顕著に富化される。神経−FKBP(例えば、FK−506およびFK−520)と結合する分子は、神経増殖を刺激する顕著な効果を有する。インビトロにおいて、これらの分子は、ニューロトロフィンとして作用する。より詳細には、これらの分子は、NGF処理PC12細胞および感覚神経培養中で軸索の増殖を促進し、そしてこれらの分子は、インタクトな動物の脳における、損傷した顔面神経および坐骨神経の再増殖、ならびに損傷したセロトニンニューロンおよびドーパミンニューロンの修復を促進する。Goldら、Jun.1999,J.Pharm.Exp.Ther.289(3):1202−1210;Lyonsら,1994,Proc.National Academy of Science 91:3191−3195;Goldら,1995,Journal of Neuroscience 15:7509−7516;Steinerら,1997,Proc.National Academy of Science 94:2019−2024;および米国特許第5,968,921号および同第6,210,974号を参照のこと。さらに、この修復された中枢神経および末梢神経は、機能しているようである。
【0008】
タンパク質神経栄養分子(例えば、BNDF、NGFなど)と比較して、小分子のニューロトロフィン(例えば、FK−506、FK−520およびラパマイシン)は、異なる特性およびしばしば有利な特性を有する。第1に、タンパク質ニューロトロフィンは、作用が意図される部位に送達するのが困難であり、そして頭蓋内注入を必要とし得るが、小分子ニューロトロフィンは優れた生体適合性を示し;皮下および経口投与された場合、この小分子ニューロトロフィンは活性である。第2に、タンパク質ニューロトロフィンは、かなり特異的な効果を示すが、小分子ニューロトロフィンは、かなり広範な効果を示す。最後に、タンパク質ニューロトロフィンは、しばしば、正常な感覚神経での影響を示すが、小分子ニューロトロフィンは、正常なニューロン突起の異常な発生を誘導せず、そして特に損傷した神経に影響を与えるようである。神経−FKBPリガンドは、神経変性を含む種々の障害(例えば、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、外傷性脊髄障害および外傷性脳障害、ならびに末梢神経障害)での治療的な有用性を有する。
【0009】
FK−506の代謝および薬物動態学が広範に研究されており、そしてFK−520は、これらの観点において類似していると考えられる。胃腸管からのFK−506の吸収は、迅速であり、可変性であり、そして不完全である(Harrison’s Principles of Internal Medicine,第14版,1998,McGraw Hill,14,20,21,64−67)。経口投与形態の平均的なバイオアベイラビリティーは、27%(5%〜65%の範囲)である。血漿に基づく分布容積(VolD)は、体重1kg当たり5L〜65Lであり(L/kg)、そして全血濃度に基づくVolDよりもかなり高く、この違いは、FK−506の赤血球に対する結合に影響を与える。全血濃度は、血漿濃度の12〜67倍であり得る。タンパク質の結合は、主に、アルブミンおよびα1−酸糖タンパク質よりも高い(75〜99%)。分布の半減期は、0.9時間であり;排泄は、2相性および可変性であり:最終は、11.3時間(3.5〜40.5時間の範囲)である。ピーク濃度までの時間は、経口投与後の0.5〜4時間である。
【0010】
FK−506は、肝臓および小腸中のシトクロムP450 3A酵素によって主に代謝される。この薬物は、広範に代謝されており、尿素中に1%未満が変化されずに排出される。肝不全は、FK−506のクリアランスを減少するので、肝不全は、主に移植片の機能不全において、特に子供において、実質的に軽減されなければならない。さらに、FK−506のバイオアベイラビリティーは、P450 3A酵素の活性を調節する薬物によって影響される。シトクロムP450 3A酵素を減少する薬物は、FK−506レベルを誘導するが、これらのP450を阻害する薬物は、FK−506レベルを増加させる。例えば、FK−506バイオアベイラビリティーは、ケトコナゾール(P450 3Aを阻害する薬物)の同時投与で2倍になる。Vincentら、1992、Arch.Biochem.Biophys.294:454−460;Iwasakiら,1993,Drug Metabolism & Disposition 21:971−977;Shiragaら,1994,Biochem.Pharmacol.47:727−735;およびIwasakiら,1995,Drug Metabolism & Disposition 23:28−34を参照のこと。
【0011】
図1は、肝臓ミクロソーム(microscome)を用いたFK−506のインキュベーションから形成される8つの単離された代謝産物を示す。示され得るように、FK−506の4つの代謝物は、炭素13、15、および31上のメトキシ基の脱メチル化、ならびに炭素12のヒドロキシル化を含む。13−脱メチル化(ヒドロキシ)化合物は、13−ヒドロキシと炭素10で環化され、M−I、M−VIおよびM−VIIが得られ、そして12−ヒドロキシ代謝物と炭素10で環化され、M−Iが得られた。上記の4つの代謝物の酸化により形成された別の4つの代謝物を、デキサメタゾン処理したラット由来の肝臓ミクロソームにより単離した。これらの3種は、炭素15と31(M−V)上のメトキシ基、炭素13と31(M−VI)上のメトキシ基、および炭素13と15(M−VII)上のメトキシ基が二重に脱メチル化された代謝物である。この4番目のM−VIIIは、炭素31−メトキシ基の脱メチル化に続いて、さらなる酸化による縮合環系の形成後に生成された代謝物であった。8つの代謝物の中で、M−IIは、FK−506に匹敵する免疫抑制活性を有するが、他の代謝物は、弱いか、またはごくわずかな活性を示す。重要なことに、ヒト、イヌ、およびラットの肝臓ミクロソームの主な代謝物(10分間のインキュベーション後にほぼ約90%の代謝産物を示す)は、13−脱メチル化され、かつ環化されたFK−506(M−I)である。
【0012】
FK−506およびFK−520を薬物として使用する不利な点としては、投与の予測不能性である。患者の代謝における有意な可変性に起因して、適切な投与レジメンを、個々の患者に対して確認することは、困難である。FK−506およびFK−520の別の不利な点は、免疫抑制剤および神経栄養剤としての二重の薬理学的な効果である。一般に、単一の特異性を有する化合物が所望される。例えば、免疫抑制活性を有さず神経栄養活性のみを有する化合物またはその逆の化合物のようなFK−506が、他のバイオアベイラビリティーの副作用を有さない意図された症状を処置するために使用され得る。
【0013】
結果として、FK−506およびFK−520の特性を改善する誘導体が、必要とされ、かつ所望される。しかし、FK−506およびFK−520は、複合体構造であり、この複合体構造は、新規の化学合成または容易な誘導のいずれでも一般的に導かれず、この必要性は、実現されないままである。
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、新規なポリケチド、この新規な化合物を産生する宿主細胞、およびそれらの使用方法に関する。本発明の化合物は、それらの構造の一部として、以下:
【0015】
【化29】
Figure 2004515459
を含み、そしてFK結合タンパク質に結合する、環状ポリケチド(これらはまた、「マクロライド」または「マクロラクトン」とも呼ばれている)であり、ここで、RおよびRは、それぞれ、水素、メチル、エチル、およびメトキシからなる群から選択され、ただし、RおよびRの少なくとも1方は、水素、メチル、またはエチルである。以下により詳細に説明されるように、本発明の化合物は、薬物としてこれらの化合物の使用のために所望される、有利なP450酵素活性プロフィールのような特性を有する。
【0016】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、FK−506およびFK−520に構造的に関連する新規なポリケチド、ならびにそれらを作製および使用するための方法に関する。
【0017】
(定義)
以下の一般的な記述および用語は、本発明の化合物を記載するために使用される。
【0018】
本発明の化合物の全ての立体異性体は、純粋な化合物およびそれらの混合物として、本発明の範囲内に含まれる。個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物は、本発明によって全て含まれる。さらに、この化合物の結晶形態のいくらかは、多型として存在し得、そしてこのような多型として、本発明に含まれる。さらに、この化合物のいくらかは、水を含む溶媒和物(すなわち、水和物)または一般的な有機溶媒を含む溶媒和物を形成し得、そしてこのような溶媒和物はまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0019】
本発明の化合物の保護形態は、本発明の範囲内に含まれる。種々の保護基は、例えば、T.H.GreeneおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons,New York(1999)(これは、本発明においてその全体が参考として援用される)に開示されている。例えば、本発明の化合物のヒドロキシ保護形態は、ヒドロキシル基の少なくとも1個がヒドロキシ保護基によって保護される場合の形態である。例示的なヒドロキシル保護基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:テトラヒドロピラニル;ベンジル;メチルチオメチル;エチルチオメチル;ピバロイル;フェニルスルホニル;トリフェニルメチル;三置換シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、トリ−イソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリ−t−ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなど);アシルおよびアロイル(例えば、アセチル、ピバロイルベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、4−ニトロベンゾイルおよび脂肪族アシルアリールなど)。本発明の化合物のケト基は、同様に保護され得る。
【0020】
本発明は、その範囲内に、本発明の化合物のプロドラックを含む。一般に、このようなプロドラックは、必要とされる化合物中にインビボで容易に転換可能である化合物の機能的誘導体である。従って、本発明の処理方法において、用語「投与」は、具体的に開示された化合物または具体的には開示されていない化合物を用いる、記載される種々の障害の処置を包含するが、この化合物は、これを必要とする被験体への投与後にインビボで特定の化合物に変換される。適切なプロドラック誘導体の選択および調製のための慣用的な手順は、例えば、「Design of Prodrugs」,H.Bundgaard編、Elsevier、1985に記載されている。
【0021】
本明細書に記載されるように、用語「脂肪族」とは、必要に応じて、1以上の位置で置換され得る、飽和および不飽和の、直鎖の、分枝鎖の、環式または多環式炭化水素をいう。例示的な脂肪族基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分が挙げられる。用語「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖の、飽和炭化水素置換基をいう。「アルケニル」とは、直鎖または分枝鎖の、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する炭化水素置換基をいう。「アルキニル」とは、直鎖または分枝鎖の、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する炭化水素置換基をいう。
【0022】
用語「アリール」とは、必要に応じて、1個以上のヘテロ原子を含み、そして好ましくは、3〜14個の炭素原子を含む、少なくとも1個の芳香族環構造を有する単環式基または多環式基をいう。アリール置換基は、必要に応じて、1個以上の位置において置換され得る。例示的なアリール基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:フラニル、イミダゾリル、インダニル、インデニル、インドリル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、ナフチル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フェニル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリロリル、ピラゾリル、キノリル、キノキサリル、テトラヒドロナフチル(tetrahydronaphththyl)、テトラゾリル、チアゾリル、チエニルなど。
【0023】
用語「ヘテロアリール」は、1以上の、O、NおよびSのようなヘテロ原子を含む、アリールである。
【0024】
この脂肪族(すなわち、アルキル、アルケニルなど)およびアリール部分は、必要に応じて、1個以上の置換基、好ましくは、1〜5個の置換基、より好ましくは、1〜3個の置換基、そして最も好ましくは、1〜2個の置換基で置換され得る。分子の特定の位置での任意の置換基または可変性の定義は、その分子の他の定義と独立である。本発明の化合物の置換基および置換パターンは、化学的に安定であり、そして当該分野で公知の技術および本明細書中に記載される方法によって容易に合成され得る化合物を提供するために、当業者によって選択され得ることが理解される。適切な置換基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ヒドロキシ;アルコキシ;シクロアルコキシ;ヘテロシクロオキシ;オキソ;アルカノイル(−C(=O)−アルキル(これはまた、「アシル」とも呼ばれる));アリールオキシ;アルカノイルオキシ;アミノ;アルキルアミノ;アリールアミノ;アラルキルアミノ;シクロアルキルアミノ;ヘテロシクロアミノ;二置換アミン(ここで、この2個のアミノ置換基は、アルキル、アリール、またはアラルキルから選択される);アルカノイルアミノ;アロイルアミノ;アラルカノイルアミノ;置換アルカノイルアミノ;置換アリールアミノ;置換アラルカノイルアミノ;チオール;アルキルチオ;アリールチオ;アラルキルチオ;シクロアルキルチオ;ヘテロシクロチオ;アルキルチオノ;アリールチオノ;アラルキルチオノ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;アラルキルスルホニル;スルホンアミド(例えば、SONH);置換スルホンアミド;ニトロ;シアノ;カルボキシ;カルバミル(例えば、CONH);置換カルバミル(例えば、−C(=O)NRR’(ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキルなどである));アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、グアニジノ、および複素環(例えば、インドリル(indoyl)、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジルなど)。適用可能な場合、この置換基は、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、ハロゲン、ヒドロキシなどの置換基でさらに置換され得る。
【0025】
用語「アルキルアリール」または「アリールアルキル」とは、脂肪族基を介して、化合物に結合される脂肪族置換基を有するアリール基をいう。アルキルアリール基またはアリールアルキル基の例示的な例としては、ベンジル、メチル基を介して、化合物に結合されるメチル基を有するフェニル(−CHPh(ここで、Phは、フェニルである))がある。
【0026】
用語「アルコキシ」とは、−ORをいい、ここで、Oは、酸素であり、そしてRは、脂肪族基である。
【0027】
用語「ヒドロキシアルキル」とは、−ROHをいい、ここで、Rは、脂肪族部分である。
【0028】
上記での基の明確な置換に加えて、本発明の化合物は、適用可能な場合、他の置換を含み得る。例えば、ラクトン骨格または骨格置換基は、1個以上の置換基(例えば、C〜C脂肪族基、C〜Cアルコキシ基、アリール基、または官能基)を用いて(例えば、水素の一つを置換することによって、または水素ではない基を誘導体化することによって)さらに置換され得る。適切な官能基の例示的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アセタール、アルコール、アルデヒド、アミド、アミン、ボロネート、カルバメート、カルボアルコキシ、カルボネート、カルボジイミド、カルボン酸、シアノヒドリン、ジスルフィド、エナミン、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドラジド、ヒドラゾン、イミド(imide)、イミド(imido)、イミン、イソシアネート、ケタール、ケトン、ニトロ、オキシム、ホスフィン、ホスホネート、ホスホン酸、4級アンモニウム、スルフェニル、スルフィド、スルホン、スルホン酸、チオールなど。
【0029】
用語「FKBP」とは、インビトロアッセイにおいて、約1μMにほぼ等しいか、またはそれより低いK(平衡結合定数)で、FK−506と結合するタンパク質(90%の純度より高い)をいう。FKBPの例示的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:FKBP−12(米国特許第5,109,112号)、FKBP−12.6(米国特許第5,457,182号)、FKBP−13(米国特許第5,498,597号)、FKBP−14.6(米国特許第5,354,845号)、FKBP−52(米国特許第5,763,590号)、FKBP−56およびFKBP−80(これらの特許は、本明細書中において参考として援用される)。
【0030】
本発明の化合物を言及するために本明細書中で使用される用語「単離する(された)」とは、天然状態からヒトの介入により改変されたことを意味する。例えば、化合物が天然に存在する場合、本来の環境から変化されるか、もしくは除去されるか、あるいはその両方である。言い換えれば、生存する生物において天然に存在する化合物は、「単離」されていないが、その天然状態で共に存在する物質から分離された同一の化合物は、「単離」されている。しかし、天然において見出された化合物に関して、この化合物が、天然状態で化合物が会合する物質を実質的に含まない場合、この化合物は、単離されている。
【0031】
用語「精製する(された)」とは、化合物を言及する場合に、不純物または所望でない物質を実質的に含まない調製物中に化合物が存在することを意味する。この用語「精製する(された)」はまた、化合物が、調製物中の成分の重量の、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%以上を構成するような、調製物の主成分を形成することを意味し得る。
【0032】
用語「被験体」とは、本明細書中で使用される場合、動物、好ましくは、処置、観測または実験の目的である哺乳動物、そして最も好ましくは、処置および/または観測の目的であるヒトをいう。
【0033】
用語「治療学的有効量」とは、本明細書中で使用される場合、組織系、動物またはヒトにおいて、生物学的な応答または医療学的な応答を惹起する、活性化合物または薬学的試薬の量を意味し、これは、研究者、獣医士、医者または他の臨床医によって探求され、処置される疾患または障害の症状の緩和を含む。
【0034】
用語「組成物」は、特定の量中に特定の成分を含む生成物、および特定の量中の特定の成分の組み合わせから、直接的または間接的に得られる任意の生成物を含むことを意図する。
【0035】
用語「薬学的に受容可能な塩」は、本発明の1以上の化合物の塩である。この化合物の適切な薬学的に受容可能な塩は、酸付加塩を含み、これは、例えば、この化合物の溶液と以下のような薬学的に受容可能な酸の溶液とを混合することによって形成され得る:塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、カルボン酸またはリン酸。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に受容可能な塩としては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩);アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩);および適切な有機リガンドで形成される塩(例えば、アンモニウム、4級アンモニウム、ならびにハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネートのような対アニオンを使用して形成されるアミンカチオン)が挙げられ得る。薬学的に受容可能な塩の例示的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カンシラート、炭酸塩、クロリド、クエン酸塩、クラブラネート(clavulanate)、シクロペンタンプロピオン酸塩、重グルコン酸塩、ジヒドロクロリド、ドデシル硫酸塩、エデト酸塩、エディシレート(edisylate)、エストレート(estolate)、エシレート(esylate)、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコへプトネート(glucoheptonate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロホスホン酸塩、グルコリルアルサニル酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシルレスコシン酸塩、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフト酸塩、ヨージド、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオネート(lactobionate)、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ムケート(mucate)、2−ナフタレンスルホン酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモエート(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ペクチネート、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩/ニリン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート、ポリガラクツロネート、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、スクシン酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシレート(tosylate)、トリエチオダイト(triethiodide)、ウンデカン酸塩、吉草酸塩など。
【0036】
用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、本発明の化合物の所望の投薬形態を調製するために使用される媒体である。薬学的に受容可能なキャリアとしては、溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル;分散補助剤または懸濁補助剤;界面活性剤;等張剤;濃厚剤または乳化剤、保存剤;固体結合剤;潤滑剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,第15版,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1975)およびHandbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、A.H.Kibbe編(Amer.Pharmaceutical Assoc.2000)(これらの両方は、その全体が、本明細書中で参考として援用されている)は、薬学的組成物を処方するのに使用される種々のキャリアおよびその調製のための公知の技術を開示する。
【0037】
用語「薬学的に受容可能なエステル」は、本発明の化合物またはその塩にインビボで加水分解するエステルである。適切なエステル基の例示的な例は、例えば、薬学的に受容可能な脂肪族カルボン酸(例えば、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレート、およびエチルスクシネート)から誘導されるエステル基を含む。
【0038】
(本発明の化合物)
一般に、本発明の化合物は、それらの構造の一部として、以下:
【0039】
【化30】
Figure 2004515459
を含み、そしてFKBPに結合する、環状ポリケチド(これらはまた、「マクロライド」または「マクロラクトン」とも呼ばれている)であり、ここで、RおよびRは、それぞれ、水素、メチル、エチル、およびメトキシからなる群から選択され、ただし、RおよびRの少なくとも1方は、水素、メチル、またはエチルである。より好ましい実施形態において、FKBPは、FKBP−12またはFKBP−52である。より好ましい実施形態において、FKBPは、FKBP−12であり、そして約100nMにほぼ等しいか、またはそれより低いKで、FKBP−12と結合する化合物である。低いナノメートル範囲(例えば、50nM、25nM、10nM、5nM、1nM、および0.1nM)のKでFKBP−12と結合する本発明の化合物は、さらにより好ましい。
【0040】
本発明の1つの局面において、以下の式を有する化合物が提供される:
【0041】
【化31】
Figure 2004515459
ここで、
Rは、ヒドロキシルであり;
は、水素、メチル、プロピル、エチルおよびアリルからなる群から選択され;
およびRは、各々独立して、水素またはヒドロキシルであり;
およびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され、ただし、RおよびRのうち少なくとも一方は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、以下からなる群から選択され:
【0042】
【化32】
Figure 2004515459
ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され、Rは、水素、ヒドロキシル、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルおよびアリールアルコキシからなる群から選択され;そして
二重結合は、炭素19と炭素20との間に存在するか、または二重結合は、炭素18と炭素19との間に存在し、そしてRおよびRは共に酸素であり、ラクトン環を形成する。
【0043】
一実施形態において、これらの化合物は、式IおよびIIの化合物(ここで、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義した通りである)であるが、ただし、FK−506、FK−520、13−デスメトキシ−FK−520、および13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520、18−ヒドロキシ−FK−520、ならびに18−ヒドロキシ−FK−506は、除かれる。
【0044】
本発明の別の局面において、以下の式を有する化合物が提供される:
【0045】
【化33】
Figure 2004515459
ここで、
Rは、ヒドロキシルであり;
は、水素、メチル、エチルおよびアリルからなる群から選択され;
およびRは、各々独立して、水素またはヒドロキシルであり;
およびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され、ただし、RおよびRのうち少なくとも一方は、水素、メチルまたはエチルであり;
およびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルおよびアリールアルコキシからなる群から選択され;そして
二重結合は、炭素19と炭素20との間に存在するか、または二重結合は、炭素18と炭素19との間に存在し、そしてRおよびRは共に酸素であり、ラクトン環を形成する。
【0046】
一実施形態において、これらの化合物は、式IIIを有し、
ここで、
Rは、ヒドロキシルであり;
は、水素、メチル、エチルおよびアリルからなる群から選択され;
およびRは、各々独立して、水素またはヒドロキシルであり;
およびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され、ただし、RおよびRのうち少なくとも一方は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、C−Cアルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシル、
【0047】
【化34】
Figure 2004515459
からなる群から選択され、
ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、ハライド、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から選択され;そして
二重結合は、炭素19と炭素20との間に存在するか、または二重結合は、炭素18と炭素19との間に存在し、そしてRおよびRは共に酸素であり、ラクトン環を形成する。
【0048】
本発明の別の実施形態において、以下の式の化合物が、提供される:
【0049】
【化35】
Figure 2004515459
ここで、
は、エチルまたはアリルであり;
は、水素またはヒドロキシルであり;
、RおよびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され;そして
は、水素、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、およびヘテロアリールオキシからなる群から選択され、ただし、RおよびRのうち少なくとも一方は、水素、メチルまたはエチルである。
【0050】
一実施形態において、この化合物は式IVを有し、ここで、
は、エチルであり;
は、水素またはヒドロキシルであり;
およびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され;
は、メトキシであり;そして
は、ヒドロキシルである。
【0051】
別の実施形態において、この化合物は、式IVを有し、ここで、
は、エチルであり;
は、水素またはヒドロキシルであり;
は、水素、ヒドロキシル、メチルおよびエチルからなる群から選択され;
は、メトキシであり;
は、メトキシであり;そして
は、ヒドロキシルである。
【0052】
別の実施形態において、この化合物は、式IVを有し、ここで、
は、エチルであり;
は、水素またはヒドロキシルであり;
は、水素、ヒドロキシル、メチルおよびエチルからなる群から選択され;
は、エチルであり;
は、メトキシであり;そして
は、ヒドロキシルである。
【0053】
本発明の別の局面において、以下の式の化合物が提供される:
【0054】
【化36】
Figure 2004515459
ここで、
は、エチルまたはアリルであり;そして
およびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され;ただし、RおよびRのうち少なくとも一方は、水素、メチルまたはエチルである。これらの化合物は、免疫抑制剤として使用するために特に好ましい。式V−AおよびV−Bの化合物の例としては、表1に列挙される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
【表1】
Figure 2004515459
本発明の別の実施形態において、標的特異性を有する化合物が提供される。一実施形態において、以下の式の化合物が提供される:
【0056】
【化37】
Figure 2004515459
ここで、
は、エチルまたはアリルであり;
およびRは、各々独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチルおよびメトキシからなる群から選択され;ただし、RおよびRのうち少なくとも一方は、水素、メチルまたはエチルである。これらの化合物は、神経栄養性活性を有するが、免疫抑制活性もは有さず、従って、神経栄養性因子としての使用のために特に好ましい。式VI−AおよびVI−Bの化合物の例としては、表2に列挙される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
【表2】
Figure 2004515459
本発明の別の局面において、式VI−Aの化合物が提供され、ここで、
は、エチルであり;
は、メトキシであり;そして
は、水素、ヒドロキシル、メチルおよびエチルからなる群から選択される。
【0058】
本発明の別の局面において、式VI−Aの化合物が提供され、ここで、
は、エチルであり;
は、エチルであり;そして
は、水素、ヒドロキシル、メチルおよびエチルからなる群から選択される。
【0059】
上記のFK様化合物は、炭素13および/または炭素15および/または炭素31においてメトキシ基を欠く(これらの化合物は、それぞれ、C−13デスメトキシ、C−15デスメトキシ、およびC−31デスメトキシと称される)ため、FK−506/FK−520が1つ以上のP450酵素に供される最初の脱メチル化反応は起こらず、従って、通常のFK−506/FK−520代謝を調節する。
【0060】
(本発明の化合物の作製方法)
本発明の化合物は、例えば、FK−520またはFK−506産生宿主細胞単独中でFK−520またはFK−506ポリケチドシンターゼ(「PKS」)を遺伝子操作することによってか、またはこの化合物の続く化学修飾と組み合わせて作製され得る。
【0061】
Streptomyces hygroscopicus var.ascomycetiucus(ATCC 14891)由来のFK−520PKS遺伝子のヌクレオチド配列は、GenBankに寄託され、そして登録番号AF235504が割りあてられている。FK−520PKS遺伝子の重複フラグメントを含むコスミド、pKOS034−124(ATCC PTA−729)、pKOS034−120(ATCC PTA−728)pKOS065−M27(ATCC PTA−726)およびpKOS065−M21(ATCC PTA−727)は、American Type Culture Collection(10801 University Blvd.,Manassas VA,20110−2209 USA)(「ATCC」)に、1999年9月20日に寄託された。
【0062】
FK−520誘導体は、一般に、これらおよび改変された構築物を、適切な宿主細胞(例えば、通常はFK−520を産生する細胞)中で発現させることによって作製される。FK−506誘導体は、同様に作製され得る。あるいは、組換えPKS構築物は、米国特許第5,672,491号および同第6,033,883号、ならびにPCT公開番号WO99/02699(これらの各々は本明細書中で参考として援用される)に記載されるような異種宿主細胞中で発現され得る。
【0063】
例示の目的のために、FK−520PKS遺伝子を使用する新規な組換えPKS構築物の作製について、省略した記載が提供される。FK−520PKS酵素は、fkbA、fkbB、fkbCおよびfkbP遺伝子産物からなり、そしてFK−520分子のコア構造を合成する。fkbBオープンリーディングフレームは、PKSのローディングモジュールおよび最初の4個の伸長モジュールをコードする。fkbCオープンリーディングフレームは、PKSの伸長モジュール5および6をコードする。fkbAオープンリーディングフレームは、PKSの伸長モジュール7、8、9および10をコードする。fkbPオープンリーディングフレームは、ピペコリン酸を攻撃し、そして得られるポリケチドを環化するPKSの非リボソームペプチドシンセターゼをコードする。
【0064】
PK−520PKSのポリケチド産物は、いくつかの合成後改変に供されて、FK−520を形成する。C−9におけるケト基は、fkbD遺伝子産物であるP450ヒドロキシラーゼにより媒介されるヒドロキシル化反応、続くfkbO遺伝子産物により媒介される酸化反応により形成される。C−31メトキシ基は、fkbM遺伝子産物であるO−メチルトランスフェラーゼによって媒介されるメチル化反応により形成される。C−13およびC−15のメトキシ基は、fkbG遺伝子によってコードされると考えられるメチルトランスフェラーゼによるメチル化反応によって形成されると考えられる。このメチルトランスフェラーゼは、ポリケチド合成の間に、PKSのATドメインに基質が結合する前に、ヒドロキシマロニルCoA基質に作用すると考えられる。
【0065】
fkbA遺伝子、fkbB遺伝子、fkbC遺伝子、fkbP遺伝子、fkbD遺伝子、fkbG遺伝子、fkbM遺伝子、およびfkbO遺伝子のいずれかは、個別にかまたはまとめてのいずれかで、本発明の実施において改変されて、新規なFK誘導体を作製し得る。この改変は、PKSをコードする遺伝子中、またはテイラリング酵素の1つ以上をコードする遺伝子中に存在し得る。テイラリング酵素における改変の例示は、例えば、C−31においてヒドロキシル基を有する本発明の化合物を生成する、fkbM遺伝子によりコードされるメチルトランスフェラーゼ活性の欠失である。
【0066】
他の改変としては、PKSを含む1つ以上のドメインの特異性および/または活性の変更が挙げられる。例示的な実施形態において、モジュール4のATドメインは、マロニル特異的ATドメインで置換されて、21−デスエチル−FK520PKSを生成するPKSを提供するか、またはメチルマロニル特異的ATドメインで置換されて、21−デスエチル−21−メチル−FK520を生成するPKSを提供する。
【0067】
別の例示的な実施形態において、モジュール5のKRおよびDHコード配列は、別のPKS遺伝子由来のKRドメインのみをコードする配列で置換される。得られるPKS遺伝子は、FK−520のC−19−C−20の二重結合を欠き、そしてC−20ヒドロキシル基を有するKF−520アナログを生成するFK−520の発現をコードする。あるいは、モジュール5のDHドメインは、欠失され得るか、またはそうでなければ不活性にされ得る。
【0068】
別の例において、伸長モジュール6のコード配列は、メチルマロニル特異的ATドメインおよび異種PKS遺伝子由来のKRドメインのみを有する伸長ドメインの配列(例えば、eryAI遺伝子によりコードされる伸長モジュール2のコード配列)で置換される。得られるPKS遺伝子は、C−18ヒドロキシル基を有するFK−520アナログを生成するFK−520PKSの発現をコードする。あるいは、モジュール6のDHドメインおよびERドメインは、欠失され得るか、またはそうでなければ不活性にされ得る。
【0069】
別の例示的な実施形態において、モジュール7のATドメイン(これは、メチルマロニルCoAを特定化し、そしてFK−520のC−15メトキシ基はこのATドメインから誘導される)は、マロニル、メチルマロニルまたはエチルマロニルCoAを特定化するATドメインによって置換される。このような置換ATドメインの例としては、ラパマイシンPKSのモジュール2、3および14由来のATドメイン、エリスロマイシン(DEBS)PKSのモジュール1および2、およびFK−520PKSのモジュール4が挙げられる。モジュール7が伸長モジュール2由来のATドメインまたはラパマイシンPKSの伸長モジュール14由来のATドメインで置換される構築物は、15−デスメトキシFK−520(C−15は水素)を生成するPKSを生成する。ラパマイシンPKS由来の伸長モジュール3由来のATドメインまたはエリストマイシン(DEBS)PKSの伸長モジュール1もしくは2由来のATドメインを有する構築物は、15−デスメトキシ−15−メチル−FK520を生成するPKSを提供する。FK−520PKSの伸長モジュール4由来のATドメインを有する構築物は、15−デスメトキシ−15−エチル−FK−520を生成するPKSを提供する。
【0070】
別の例において、モジュール8のATドメイン(これは、ヒドロキシメチルマロニルCoAを特定し、FK−520のC−13メトキシ基はこのATドメインから誘導される)は、マロニル、メチルマロニルまたはエチルマロニルCoAを特定化するATドメインによって置換される。このような置換ATドメインの例としては、ラパマイシンPKSのモジュール3、12および13由来のATドメイン、ならびにエリスロマイシンPKSのモジュール1および2由来のATドメインが挙げられる。例えば、株KOS60−135は、Streptomyces hygroscopicus(ATCC 14891)由来であり、組換えFK−520PKSを発現し、ここで伸長モジュール8のATドメインは、ラパマイシンPKSの伸長モジュール3のATドメインによって置換されている。KOS60−135は、13−デスメトキシ−13−メチル−FK520を生成する。同様に、株KOS45−170は、Streptomyces hygroscopicus(ATCC 14891)由来であり、組換えFK−520PKSを発現し、ここで、伸長モジュール8のATドメインは、ラパマイシンPKSの伸長モジュール12のATドメインによって置換されている。KOS45−170は、13−デスメトキシ−FK−520を生成する。
【0071】
上記に加えて、特定の2つの炭素単位の所望の立体化学は、そのモジュール(またはこのモジュールの1つ以上のドメイン)を、所望の立体化学を有する別のモジュール(またはこのモジュールの1つ以上のドメイン)で置換することによって、達成され得る。
【0072】
fkbA、fkbBおよびfkbCの個々のモジュールを改変する代わりに、遺伝子全体を別の遺伝子で置換し得る。好ましくは、このようなハイブリッドPKS酵素は、FK−520を生成するが、その官能基が、例えばハイブリッドPKSを作製するラパマイシンPKS遺伝子によって置換される遺伝子を不活性化するように変異された組換えStreptomyces宿主細胞中で産生される。特定の例としては、(i)rapB遺伝子でのそれぞれのfkbC遺伝子の置換;および(ii)rapC遺伝子でのそれぞれのfkbA遺伝子の置換が挙げられる。後者のハイブリッドPKSは、13,15−ジデスメトキシ−FK−520を生成する。
【0073】
本発明の新規の化合物を生成するStreptomyces Hygroscopicus var.ascomycetiucus ATCC 14891の多数の操作した株が、表3にまとめられるように、ATCCまたはAgricultural Research Service Culture Collection(1815 North University Street,Peoria,Illinois 61604 USA)(「NRRL」)に寄託されている。
【0074】
【表3】
Figure 2004515459
これらの株およびこれらの株が生成する化合物は、本発明の実施形態である。
【0075】
生物操作されたFK−520誘導体およびFK−506誘導体を生成する本発明のこれらおよび他の宿主細胞を作製するための方法はまた、米国特許第09/410,551号(1999年10月1日出願)(発明者:Christopher Reeves、Daniel Chu、Chaitan Khosla、Daniel Santi、およびKai Wu、タイトル:POLYKETIDE SYNTHASE ENZYMES AND RECOMBINANT DNA CONSTRUCTS THEREFOR)(これは本明細書中で参考として援用される)に記載される。
【0076】
宿主細胞は、増殖および発酵され得、そしてこれらの細胞が生成する新規なFK誘導体は、これらの細胞の発酵ブロスから、標準的な手順を使用して単離および精製され得る。実施例2は、KOS45−170(これは13−デスメトキシ−FK−520を生成する)の発酵に関して、トリピック(trypic)大豆ブロスを使用する宿主細胞を増殖するための発酵法を記載する。実施例3は、KOS60−135(これは、13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を生成する)に関して、代替の発酵法を記載する。本発明の他の宿主細胞は、実施例2のKOS45−170または実施例3のKOS60−130を所望の宿主細胞に置き換えることによって、いずれかの方法を使用して増殖され得る。
【0077】
実施例4および5は、KOS45−170の発酵による13−デスメトキシ−FK−520の精製および特徴付けを記載する。実施例6および7は、KOS60−135の発酵物からの13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520の精製を記載する。米国特許第5,194,378号;同第5,116,756号;および同第5,494,820号(これらの各々は本明細書中で参考として援用される)もまた参照のこと。実施例8は、発酵物からの一般的な精製プロトコールを記載し、そして本発明の選択した化合物の13C−NMRデータをまとめる。
【0078】
(任意の化学誘導)
一旦、本発明のFK誘導体が単離されると、これらは合成方法を使用してさらに改変され得る。例えば、Advanced Organic Chemistry 第3版、Jerry March(1985)(これは本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0079】
例えば、C−18においてヒドロキシルを有する化合物は、FK−520PKS遺伝子またはFK−506PKS遺伝子のモジュール6またはfkbCを改変することによって遺伝的に作製され得るが、これらはまた続く化学修飾によっても作製され得る。特に有効な選択的ヒドロキシル化は、UmbreitおよびSharpless、1977,JACS 99(16):1526−28に記載される一般的な二酸化セレンプロトコール(これはFK様化合物と共に使用するために変更されている)を使用することによって、C−18において達成され得る。この手順は一般に、セレン酸とのエン反応、続く[2,3]シグマトロピー転移を含む。簡潔には、約1当量の本発明の化合物を、好ましくは幾分かの水の存在下で、約1.5当量のSeOおよび約7当量のt−BuOOHと反応させて、対応する18−ヒドロキシ−FK誘導体を得る。実施例9は、13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520のC−18ヒドロキシル化に関してより詳細に、直接ヒドロキシル化方法を記載する。18−エン,20オキサ誘導体は、必要に応じて保護された18−ヒドロキシ化合物を酸で処理することによって作製される。実施例10は、18−エン−20−オキサ−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520の合成に関してより詳細に、この方法を記載する。
【0080】
化学修飾はまた、C−32において行われ得る。1つの方法において、ハロゲン化化合物(「ZX」(ここでXはハロゲンである))が、例えば、nBuliと反応する場合、金属ハロゲン交換反応を使用して、対応するリチウム化化合物、ZLiを形成する。このリチウム化ハロゲン化合物(ZLi)は、BiClと反応すると(BiZを生成する)、ビスマスのリガンドとなる。BiZと過酸化ベンゾイルとの反応から得られるビスマス酸塩を、目的の化合物と反応させて、C−32位にZを有する対応するFK誘導体を得る。スキーム1は、この方法の一実施形態の概略図であり、ここでトリス[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)インドール−5−イル]ビスマス酸塩を使用して、32−[1−(2−ヒドロキシエチル)−インドール−5−イル]化合物を作製する。
【0081】
(スキーム1)
【0082】
【化38】
Figure 2004515459
詳細なプロトコールは、これらの実施例において見出される。実施例10は、5−ブロモインドールから1−(2−ヒドロキシエチル)−5−ブロモインドールを作製するため、および対応するビスマス酸塩を作製するための例示的なプトロコールを記載する。実施例11および12は、それぞれ、32−[1−(2−ヒドロキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520および32−[1−(2−ヒドロキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−FK−520を作製するための、トリス[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)インドール−5−イル]ビスマス酸塩の使用を記載する。
【0083】
C−32誘導体を作製するための別の方法は、この位置のヒドロキシル基をより良好な脱離基に変換し、続いてこの基を目的の部分で置換する工程を包含する。スキーム2は、2つの例示的なプロトコールを記載する。
【0084】
(スキーム2)
【0085】
【化39】
Figure 2004515459
スキーム2に示される第1の反応において、本発明の化合物は、塩基の存在下で、無水トリフルオロメタンスルホン酸と選択的に反応して、C−32 O−トリフレート誘導体を生成する。トリフレートのアリール化合物(例えば、1H−テトラゾール)でのSN2置換により、対応するC−32アリール誘導体が得られる。この方法は、目的の部分の求核性が乏しい場合に特に有効である。
【0086】
スキーム2に示される第2の反応において、C−32のヒドロキシルは、優れた求核試薬で置換される。従って、本発明の化合物は、p−ニトロフェニルクロロホルメートと反応して、対応するカルボネートを生成する。p−ニトロフェノールは、続いて、アミノ化合物で置換されて、対応するカルバメート誘導体を生成する。
【0087】
他の化学修飾物は、C−32−O−アラルキルエーテルを含む。これらの化合物は、Gouletら、1998,Bioorg.Med.Chem.Lett.8:2253−2258(これは本明細書中で参考として援用される)に記載される手順に従って作製され得る。C−32に=N−NH(C=O)NH部分を有する誘導体を、米国特許第5,604,294号(これは本明細書中で参考として援用される)の実施例19に記載されるプトロコールを使用して作製し得る。米国特許第4,984,366号;同第5,247,076号;同第5,252,732号;同第5,349,061号;同第5,457,111号;同第5,877,184号および同第6,504,294号は、シクロヘキシル環におけるさらなる修飾の作製を記載し、そしてまた本明細書中で参考として援用される。化学修飾はまた、C−32ヒドロキシルについて記載されたものと同様の、C−31ヒドロキシルを有する化合物のC−31位において行われ得る。シクロヘキシル環が他の部分で置換される修飾は、米国特許第5,612,350号(これは本明細書中で参考として援用される)に記載される。
【0088】
(処方物)
本発明の組成物は一般に、本発明の1つ以上の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本発明の化合物は、遊離形態またはプロドラッグのような薬学的に受容可能な誘導体として適切な形態であってもよいし、本発明の化合物の塩およびエステルであってもよい。
【0089】
本発明の1つ以上の化合物は、疾患プロセスまたは状態に所望の効果を生じるのに十分な量で薬学的組成物中に含まれる。好ましい実施形態において、活性成分の量は、約0.01mg〜50mgの間、そしてより好ましくは約0.1〜10mgの間で変化し得る。さらにより好ましい実施形態において、活性成分の量は、約0.5mg〜約5mgで変化する。簡便な投薬量としては、0.5mg、1mgおよび5mg単位が挙げられる。
【0090】
組成物は、固体、半固体、または液体形態(例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、水溶液、エマルジョン、懸濁液など)のような任意の適切な形態で存在し得る。例えば、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,第5版、Lippicott Williams & Wilkins(1991)(これは、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。一般に、薬学的調製物は、外部適用、腸内適用、非経口適用に適切な有機もしくは無機キャリアまたは賦形剤との混合物中の活性成分として本発明の1つ以上の化合物を含む。活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、膣坐薬、水溶液、エマルジョン、懸濁液、および使用のために適切な任意の他の形態のための、通常の非毒性の薬学的に受容可能なキャリアと配合され得る。使用され得るキャリアとしては、固体、半固体、または液化形態における、水、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンのり、マグネシウムトリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ポテトスターチ、尿素、および調製物を製造する際の使用に適切な他のキャリアが挙げられる。さらに、補助的な安定剤、硬化剤、および着色剤ならびに芳香剤が使用され得る。
【0091】
適用可能な場合、本発明の化合物は、マイクロカプセルおよびナノ粒子として処方され得る。一般的なプロトコールは、例えば、Max Donbrow編、CRC Press(1992)によるMicrocapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacyおよび米国特許第5,510,118号;同第5,534,270号;および同第5,662,883号(これらは全て本明細書中に参考として援用される)によって記載されている。表面積対体積比を増加することによって、これらの処方物は、そうでなければ経口投与に受け入れられない化合物の経口送達を可能にする。
【0092】
本発明の化合物はまた、低溶解性薬物について以前に使用されていた他の方法を使用して処方され得る。例えば、化合物は、PCT公開WO98/30205およびWO00/71163(これらは本明細書中に参考として援用される)によって記載されるように、ビタミンEまたはそのPEG化誘導体と共にエマルジョンを形成し得る。代表的には、本発明の化合物は、エタノールを含む(好ましくは1%w/v未満)水溶液中で懸濁される。ビタミンEまたはPEG化ビタミンEが添加される。次いで、エタノールは、投与の静脈内経路または経口経路について処方され得るプレエマルジョンを形成するために除去される。別のストラテジーは、リポソーム中で本発明の化合物をカプセル化する工程を包含する。
【0093】
なお別の方法は、生体高分子または生体適合性(合成または天然に存在する)ポリマーのようなポリマーを使用して、本発明の化合物を処方する工程を包含する。生体適合性ポリマーは、生分解性ポリマーおよび非生分解性として分類され得る。生分解性ポリマーは、化学組成物、製造方法、および移植構造の機能としてインビボで分解する。合成ポリマーの例示的な例としては、ポリ無水物、ポリ乳酸のような多水酸基酸、ポリグリコール酸およびそれらのコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリオルトエステルおよびいくつかのポリホスファゼンが挙げられる。天然に存在するポリマーの例示的な例としては、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミン、およびゼラチンのようなタンパク質および多糖類が挙げられる。
【0094】
別の方法は、本発明の化合物を、水溶性を増強するポリマーに結合体化する工程を包含する。特定の効果的な方法は、ポリエチレングリコールまたはポリグルタミン酸もしくはポリアスパラギン酸のようなポリアミノ酸を、エステル連結を介して化合物の1つ以上の水酸基(例えば、炭素10、炭素24から、そして適用可能な場合、炭素18からのように)に結合体化する工程を包含する。適切なポリマーの例示的な例としては、ポリエチレングリコール、ポリ−(d−グルタミン酸)、ポリ−(l−グルタミン酸)、ポリ−(l−グルタミン酸)、ポリ−(d−アスパラギン酸)、ポリ−(l−アスパラギン酸)、ポリ−(l−アスパラギン酸)およびそれらのコポリマーが挙げられる。ポリエチレングリコール結合体化化合物はまた、米国特許第5,922,729号(これは、本明細書中に参考として援用される)によって本質的に記載されるように作製される。ポリアミノ酸結合体化化合物(特にポリグルタミン酸結合体化化合物)は、米国特許第5,977,163号(これは、本明細書中に参考として援用される)によって記載されるように調製され得る。
【0095】
別の方法において、本発明の化合物は、モノクローナル抗体に結合体化している。このストラテジーは、本発明の化合物の特定の標的への標的化を可能にする。結合体化抗体の設計および使用についての一般的なプロトコルは、Michael L.Grossbard編(1998)によるMonoclonal Antibody−Based Therapy of Cancer(これは、本明細書中に参考として援用される)において記載される。
【0096】
さらに、FK−506について以前に記載された特定の処方物は、本発明の化合物との使用のために適合され得る。例えば、米国特許5,955,469号およびPCT公開WO99/49863(これらは、本明細書中に参考として援用される)は、経口使用および静脈内使用を含む全ての適用のためのエマルジョンを作製するための方法を提供する。米国特許第5,939,427号および同第5,385,907号ならびにPCT公開96/13249、同99/24036、および同00/32234(これらはまた、本明細書中に参考として援用される)は、ローションおよび軟膏処方物を記載する。
【0097】
米国特許第5,338,684号および同5,260,301号は、静脈内使用および注射のための溶液処方物を記載する。簡単にいうと、水中での本発明の化合物の比較的乏しい可溶性に起因して、本発明の化合物は、HCO(ポリオキシエチル化ヒマシ油)、最も好ましくはHCO−60(登録商標、Nikko Chemicals Co.によって調製される)のようなヒマシ油型界面活性剤と混合され、そして/または有機溶媒、最も好ましくはエタノールと混合される。結果として、処方物は、本発明の化合物ならびにポリオキシエチル化ヒマシ油および/またはエタノールを含み得る。このような処方物の例示的な例は、5mgの無水化合物、200mgのポリオキシル60硬化ヒマシ油(HCO−60)および脱水エタノールUSP、80% v/vを含む。この処方物は、1mL単回用量アンプル中でパッケージングされ得、そして静脈内使用の前に、必要に応じて、0.9%塩化ナトリウムまたは5%デキストロース溶液で希釈され得る。
【0098】
(患者を処置する方法)
本発明の化合物は、米国特許第5,955,469号;同第5,542,436号;同第5,365,948号;同第5,348,966号;および同第5,196,437号(本明細書中に参考として援用される)においてFK−506(タクロリムスとしてもまた知られる)について記載されるような疾患状態を処置する際に有用である。1つの実施形態において、本発明の化合物および組成物が、免疫抑制剤として使用される。別の実施形態において、本発明の化合物および組成物は、神経栄養剤として使用される。なお別の実施形態において、本発明の化合物および組成物は、抗炎症性障害、特に、乾癬および皮膚炎のような炎症性皮膚疾患を処置するために、薬剤として使用される。この方法は一般に、治療有効量の本発明の化合物を、それが必要な患者に投与する工程を包含する。
【0099】
本発明の化合物は、必要に応じて投与され、そして1時間、半日、毎日、半週、1週間、半月、または1か月の間隔で連続的または断続的に患者に与えられ得る。一般に、投薬量は、所望な効果を達成するのに必要な最小量の化合物である。
【0100】
化合物が、内部に摂取される場合、適切な投薬量を決定する有用なマーカーは、一般に1mLの全血(1ピコモル/mL)当り0.01ピコモルの薬物から1mlの全血(0.01ピコモル/mL)当り50ピコモルの薬物まで変化するはずの濃度の全血である。好ましい実施形態において、投薬量は、約1ピコモル/mLと約30ピコモル/mLとの間、そしてより好ましくは、約10ピコモル/mLと約20ピコモル/mLとの間の濃度の全血を維持することが必要とされる量である。モルは、化合物の量を表すために使用される。なぜなら、重量は、特定の化合物の分子量に依存しているためである。
【0101】
本発明の化合物が、免疫抑制剤として使用される場合、これらは、FK−506と類似の様式で使用され得る。その目的に対して、多数のパラメーターが、本発明の化合物の代謝安定性に起因して異なることが予測されるが、FK−506についての薬理学的値は、比較のために有用な基準を提供し、そして以下のURL:http://www.fujisawausa.com/medinfo/pi/pi page pg.htm(これは、本明細書中に参考としてその全体が援用される)においてインターネット上で見出され得る。
【0102】
FK−506を使用する利点を超える本発明の化合物を使用する多数の利点が存在する。1つの利点は、本発明の化合物が、より低い投薬量および/または時間当りのより低い数の用量を可能にするFK−506よりも、よりゆっくりと代謝されることである。例えば、本発明の化合物が、連続的な静脈内注入によって投与される場合、FK−506について推奨される0.03〜0.05mg/kg/日に等しい量(モルで)の代わりに、より低い用量が、使用され得る。次いで、本発明の化合物が経口的に投与される場合、12時間毎に約0.05と0.10mg/kgとの間に等しい量の代わりに、より低い投薬量が使用され得る。あるいは、同じ量が使用され得るが、本発明の化合物は、よりゆっくりと代謝されるために、これらは、より頻繁に投与され得ない。例えば、約0.05mg/kgと0.10mg/kgとの間のFK−506の経口用量に等しい量が、12時間毎の代わりに、毎日投与され得る。最終的に、より低い用量およびより頻繁でない投与の組み合わせが使用され得る。
【0103】
別の利点はより少ない薬物相互作用である。なぜなら、本発明の化合物は、P450活性によって有意に影響されないためである。結果として、より多くの薬物が、生じ得る合併症を処置するのに利用可能である。例えば、FK−506を摂取することの一般的な副作用は高血圧である。一般的に使用される抗高血圧剤は、P450活性レベルを調節するカルシウムチャネル遮断薬であり、従って、FK−506の血液レベルを調節するので、FK−506およびカルシウムチャネル遮断薬の両方を用いて患者を処置することは、問題であり得る。対照的に、このような問題は、本発明の化合物について予期されていない。本明細書中に記載される本発明の化合物を用いて処置される患者が、高血圧を発症する場合、その患者は、潜在的な病気を処置するために本発明の化合物を投与する工程および抗高血圧剤を投与する工程を包含する方法を使用して処置され得る。化合物は、P450媒介代謝により耐性であるので、ジルチアゼム、ニカルジピン、ニフェジピン、およびベラパミルのようなカルシウムチャネル遮断薬は、より容易に使用され得る。
【0104】
FK−506レベルを上昇させるが、本発明の化合物とより容易に使用され得る薬物の他の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:抗真菌剤(例えば、クロトリマゾール、フルコナゾール、イトラコナゾールおよびケトコナゾール);マクロライド抗生物質(例えば、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、トロレアンドマイシン);消化管運動促進剤(例えば、シサプリドおよびメトクロプラミド);ならびにブロモクリプチン、シメチジン、シクロスポリン、ダナゾール、メチルプレドニゾロンおよびプロテアーゼインヒビターのような雑多な薬物。FK−506レベルを減少させ、現在本発明の化合物とより容易に使用され得る薬物の例としては、抗痙攣薬(例えば、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン)および抗生物質(例えば、リファブチン(rifabutin)およびリファンピン(rifampin))が挙げられる。
【0105】
神経栄養剤(投薬プロトコルを含む)としての本発明の化合物の使用は、一般に、免疫抑制剤としての使用のために上記に概略されたものと類似している。FK−506およびFK−520のような化合物よりも、より代謝的に安定である本発明の化合物の使用の利点は、上記のものと同一である。
【0106】
上記の理由のために、本発明の実施は、一般により低い薬物濃度に由来する潜在的により少ない副作用および毒性を生じる。さらなる利点としては、患者および保健医療供給業者の両方についての簡便性が挙げられる。特に、本明細書中に記載された化合物の血液レベルは、注意深くかまたは頻繁にモニターされる必要はない。なぜなら、P450活性における個々のバリエーションは、これらの化合物の代謝速度においてより重要ではなく、そしてより少ない薬物−薬物相互作用が予測されるためである。結果として、より一般的に適用可能である、標準的な投薬スケジュールが開発され得る。
【0107】
本発明の詳細な説明が上に提供され、以下の実施例は、本発明の例示の目的のために与えられ、そして本発明および特許請求の範囲の範囲に対する制限として解釈されるべきではない。
【0108】
(実施例1)
(C−13およびC−15位置に変異を有するFK−506およびFK−520化合物のための組換えPKS遺伝子)
この実施例は、組換えFK−520(Streptomyces hygroscopicus(ATCC 14891))およびFK−506(Streptomyces sp.MA6858(ATCC 55098)由来)(米国特許第5,116,756号に記載され、これは、本明細書中に援用される)PKS遺伝子についての構築プロトコルを提供し、ここで、エクステンダーモジュール7および/またはエクステンダーモジュール8ATコード配列は、別のPKSからのATドメインで置換されている。FK−520およびFK−506のエクステンダーモジュール7および8のATドメインは、C−13およびC−15の両方でメトキシ基が誘導されるメトキシマロニルCoAを特定すると考えられる。他のCoAエステル(例えば、マロニルCoA、メチルマロニルCoAおよびエチルマロニルCoA)を特定するATドメインでの、エクステンダーモジュール7および8のATドメインの置換は、C−13およびC−15に、水素、メチル、またはエチルを有する化合物を、生じる。表4は、ATドメイン、それらのCoA特異性およびC−13/C−15位置での得られた基を要約する。
【0109】
【表4】
Figure 2004515459
ファージベクターKC515(広範な宿主ファージΦC31に基づく)は、スワップされるATドメインを含むカセットを送達するために使用される。このカセットは、AT7または8に隣接する配列に同一な2つのDNAの約1.5kbのフラグメントの間に挿入された上記の異種ATドメインのうちの1つを含む。この得られた組換えファージを使用して、FK−520またはFK−506プロデュ−サー株を形質転換する。この形質転換された株を培養して、二重交差相同組換えによって生成された所望の組換え体を選択および同定して、所望の組換え細胞を得る。1999年10月1日に出願された米国出願番号09/410,551の実施例1〜5(これは、参考として本明細書中で援用される)をまた、参照のこと。
【0110】
表5は、C−13および/またはC−15位置に、水素、メチルまたはエチルを有する本発明の化合物を生成する組換え細胞の例示的な列挙を含む。
【0111】
【表5】
Figure 2004515459
それらを生成するこれらの株および化合物は、本発明の実施形態である。
【0112】
(実施例2)
(13−デスメトキシ−FK−520の生成)
KOS−45−120ワーキング細胞バンク(working cell bank)の1mLのバイアルを解凍し、そしてこのバイアルの内容物を、250mLのバッフル付きフラスコ中の50mLのトリピック(trypic)ダイズブロスに添加した。トリピックダイズブロスをDifcoから購入し、そして溶液を、30g/Lの濃度で作製した。滅菌の前に、pHを、6.0に調節し、この溶液を、培地1として使用した。フラスコ中での増殖のために、培地1を、滅菌の前に、21.32g/LのMES緩衝液で補充した。20mL/Lの500g/Lのグルコース(滅菌濾過した)を、滅菌後に添加した。このフラスコを、30±1℃および175±25RPMに維持されたインキュベータ/振盪器に、48±10時間配置した。次いで、この50mLの培養物を、500mLの培地を含む2.8Lのバッフル付きフラスコに添加した。このフラスコを、30±1℃および175±25RPMで、48±10時間、インキュベータ/振盪器でインキュベートした。
【0113】
10Lの発酵槽を、121℃で60分間、10Lの培地1を滅菌することによって、準備した。0.2Lの滅菌濾過された500g/Lのグルコールを、10Lの発酵槽に添加した。インキュベーション後、500mlの培養物を、滅菌接種ボトルに移し、そして10Lの発酵槽に無菌的に添加した。この発酵槽を、30℃に制御し、2.5N HSOおよび2.5N NaOHの添加によってpH6.0に制御し、攪拌速度(600〜900RPM)によって溶解酸素を50%空気飽和以上に制御し、そして空気流速(2〜8LPM)に制御した。フォームを、Antifoam Bの50%溶液の断続的な添加によって制御した。10Lの発酵槽における増殖を、48±10時間継続した。
【0114】
800Lの有効容積を有する1000Lの発酵槽を、121℃で45分間、800Lの培地1を滅菌することによって、準備した。16Lの滅菌濾過した、500g/Lのグルコースを、オートクレイブの後に1000Lの発酵槽に無菌的に添加した。10Lの発酵槽からの培養物を、1000Lの発酵槽に無菌的に移動させた。この発酵槽を、30℃に制御し、2.5〜5.0N HSOおよび2.5〜5.0N NaOHの添加によってpH6.0に制御し、攪拌速度(100〜200RPM)によって溶解酸素を50%空気飽和以上に制御し、そして空気流速(2〜250LPM)に制御し、そして/または背圧制御(0.2〜0.4bar)で制御した。フォームを、Antifoam Bの50%溶液の断続的な添加によって制御した。13−デスメトキシ−FK520の生成を、5日目に中断し、そして発酵槽を回収した。この発酵ブロスを、Alpha Laval AS−26遠心器で、20,500gで遠心分離した。
【0115】
(実施例3)
(13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520の生成)
KOS−60−135ワーキング細胞バンクの1mLのバイアルを解凍し、そしてのこのバイアル内容物を、250mLのバッフル付きフラスコ中の50mLの培地1に添加した。このフラスコを、30±1℃および175±25RPMに維持されたインキュベータ/振盪器に、48±10時間配置した。次いで、この50mLの培養物を、500mLの培地1を含む2.8Lのバッフル付きフラスコに添加した。このフラスコを、30±1℃および175±25RPMで、48±10時間、インキュベータ/振盪器でインキュベートした。この500mLの培養物を、各々500mLの培地1を含む10個の2.8Lのバッフル付きフラスコに等しく分配した。次いで、全てのフラスコを先に記載されたように、インキュベートした。培地1は、実施例2に記載されるトリピックダイズブロスである。
【0116】
150Lの発酵槽を、121℃で45分間、100Lの培地2を滅菌することによって準備した。
【0117】
【表6】
Figure 2004515459
インキュベーション後、全ての10個のフラスコを、5Lの滅菌接種ボトルに合わせ、そして150Lの発酵槽に無菌的に添加した。この発酵槽を、30℃に制御し、2.5N HSOおよび2.5N NaOHの添加によってpH6.0に制御し、攪拌速度(50〜600RPM)によって溶解酸素を50%空気飽和以上に制御し、そして空気流速(10〜50LPM)に制御し、そして/または背圧制御(0.1〜0.3bar)で制御した。フォームを、Antifoam Bの50%溶液の断続的な添加によって制御した。
【0118】
700Lの有効容積を有する1000Lの発酵槽を、121℃で45分間、700Lの培地3を滅菌することによって準備した。
【0119】
【表7】
Figure 2004515459
100L発酵槽からの培養物を、1000Lの発酵槽に無菌的に移した。この発酵槽を、30℃に制御し、2.5〜5.0N HSOおよび2.5〜5.0N NaOHの添加によってpH6.0に制御し、攪拌速度(150〜300RPM)によって溶解酸素を50%空気飽和以上に制御し、そして空気流速(100〜600LPM)に制御し、そして/または背圧制御(0.1〜0.4bar)で制御した。フォームを、Antifoam Bの50%溶液の断続的な添加によって制御した。13−デスメトキシ−13−メチル−FK520の生成を、5日目に中断し、そして発酵槽を回収した。この発酵ブロスを、Alpha Laval AS−26遠心器で、20,500gで遠心分離した。
【0120】
(実施例4)
(13−デスメトキシ−FK−520の精製)
13−デスメトキシ−FK−520の2つの供給源を、精製手順のために使用した。第一の供給源は、遠心分離された発酵ブロス(1800L)であり、この発酵ブロスは、1分あたり2リットルの速度で、Sharples遠心器(15,000rpm)を通過した。さらに、ブロス全体を、4つのフィルターカートリッジ(10μmの孔サイズ)を有するCuno濾過ユニット(モデル番号 16ZPC40F3T10CT)を通して濾過した。第二の供給源は、100%メタノールで抽出した細胞ペーストであった。細胞ペーストを、遠心分離の間に、Sharples遠心器ボールから6個のバッチに得た。メタノール抽出物を、4つのフィルターカートリッジ(10μmの孔サイズ)を有するCuno濾過ユニット(モデル番号 16ZPC40F3T10CT)を通して濾過した。これらの遠心分離されたブロスおよび濾過されたブロスの全体を、HP20カラムに直接充填した。この濾過したメタノール抽出物を、脱イオン水を添加して、50%のメタノールの最終濃度を得ることによって、HP20カラムへの充填のために調製した。合わせた2つの供給源は、7.4gの13−デスメトキシ−FK−520を含んだ。この50%メタノール溶液を、ブロス全体の後に、HP20カラムに充填した。HP20吸収剤を、Amicon P350 Modulineクロマトグラフィーカラム(35cm×20cm)にパッケージングした。このHP20カラムを、4L/分で充填し、そして5psiより低い背圧を有した。
【0121】
充填に続いて、このカラムを、50%メタノールで洗浄し、そして生成物(13−デスメトキシ−FK−520)を、100%のメタノールの5カラム容量(100L)で溶出した。この生成物プールを、Buchiロータリーエバポレータ(R−152)を使用して、エバポレートした。
【0122】
エバポレーションからの固体は、2kgの重量であった。この固体を、最小量の100%アセトンに溶解し、濾過し、そしてこの濾液を、乾固するまでエバポレートした。これは、3.4重量%の13−デスメトキシ−FK520を含む、357gの固体を生じた。このエバポレートされた固体を、60%メタノールでさらに抽出し、濾過し、そして濾液を、60%メタノールで再度抽出した。この60%メタノール抽出により、147gの固体を得、この固体の4.3重量%は、13−デスメトキシ−FK−520であった。
【0123】
このメタノール抽出からの固体を、20Lの、メタノール次いで水の50%添加に溶解し、HP20SSカラム(8.9cm×30cm)に充填した。このカラムを、55%メタノールの2カラム容量で洗浄した。13−デスメトキシ−FK520を、3カラム容量の60%メタノール、次いで3カラム容量の65%メタノールで溶出した。画分の最もよいプールは、9.2Lの最終容量を有し、そして24gの固体を有した。この中間体についての生成物純度は、23%であった。各画分は、各々0.5カラム容量を含み、そして画分が、HPLCクロマトグラムに基づいて、13−デスメトキシ−FK−520の回収を最大化するようにプールされた。
【0124】
HP20SSクロマトグラフィーからの最も良好なプールを、10.8Lの脱イオン水で希釈し、そして1LのC18カラム(8.9cm×16.5cm)に充填した。このC18カラムを、3カラム容量の50%メタノールおよび6カラム容量の60%メタノールで洗浄した。この13−デスメトキシ−FK−520を、10カラム容量の70%メタノールおよび6カラム容量の80%メタノールで溶出した。C18クロマトグラフィーの後、画分20〜36は、最も良好なプールであることが決定され、そして10.8gの固体を含み、この固体の50%は、13−デスメトキシ−FK−520であった。画分19が、70%メタノール溶出の開始であった。
【0125】
1L C18クロマトグラフィーからの最も良好なプール13−デスメトキシ−FK−520を、Buchiロータリーエバポレータ(R−152)を使用して、乾固するまでエバポレートし、そしてジクロロメタンで抽出した。この抽出物を、濾過し、そして濾液をBuchiエバポレータを使用してエバポレートして、9.9gの固体を得、この固体の48%は、13−デスメトキシ−FK−520であった。
【0126】
ジクロロメタン抽出からの固体を、2.5Lの50%メタノールに溶解し、そして4.8cm×20cmのC18ベイカーボンドカラムに10ml/分で充填した。このカラムを、1カラム容量の50%メタノールで洗浄した。この13−デスメトキシFK−520を、6カラム容量の85%メタノールで溶出した。画分3〜5が、最も良好なプールであることが決定され、ここで、画分1が、85%メタノール溶出の開始であった。このクロマトグラフィーからの最も良好なプールは、4.43gの13−デスメトキシ−FK−520を含んだ。この最も良好なプールを、50%メタノールの2Lの最終容量に再び希釈し、そして同じカラムに充填した。このカラムを、再び、1カラム容量の50%メタノールで洗浄した。この13−デスメトキシ−FK−520を、6カラム容量の80%メタノールで溶出した。画分4〜11を合わせて、2Lのプールを作製した。全収率は、65%以上であった。操作された宿主細胞の発酵から生成された本発明の他の化合物を、類似の様式で精製し得る。
【0127】
(実施例5)
(13−デスメトキシ−FK520の特徴付け)
部分的に精製された13−デスメトキシ−FK520の100mgサンプル(実施例4)を、1000uLのアセトニトリルに溶解し、そして不溶物を、遠心分離によって除去した。上清を、以下の条件を使用して、分取HPLCによって精製した:カラム=22×50mm InertSil ODS−3(MetaChem);流速=8.0mL/分;溶媒A=HO+0.1%酢酸、溶媒B=CHCN+0.1%酢酸;勾配プログラム:時間0=50% B、時間2=15分かけての100% Bへの勾配、時間20=1分かけての90% Bへの勾配。50ulの注入を行い、そして分離を、240nmでのUV吸収によってモニタリングした。2つの主要なピークが溶出され、1つのブロードなピークは、13−デスメトキシ−FK520に対応し(約15分)、そして17分での鋭いピークは、オキセパン(oxepane)再配置生成物に対応する。
【0128】
この2つの主要な画分を、減圧下で、乾固するまでエバポレートした。この残渣を、アセトニトリルから2回エバポレートして、微量の酢酸を除去し、次いで、凍結ベンゼンから凍結乾燥し、減圧下でKOHペレット上で一晩乾燥して、45mgの純粋な13−デスメトキシ−FK520および20mgの純粋なオキセパンを得た。NMR分析は、各化合物が、トランス:シス アミド回転異性体の混合物として存在することを示す。
【0129】
【表8】
Figure 2004515459
(実施例6)
(13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520の精製)
417mgの13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を含む出発物質を、2つの供給源から得た。第1の供給源は、遠心分離され、そして濾過された、醗酵ブロス(900L)であった。Sharples遠心機は、この醗酵ブロスを15,000rpmで回転させた。次いで、この遠心分離されたブロスを、4つの10μmフィルタカートリッジを備えるCunoデプスフィルタ(depth filter)に、2L/分の速度で通した。第2の供給源は、細胞ペーストから生成物を抽出するために使用される、100Lのメタノール由来であった。この細胞ペーストに100Lのメタノールを添加し、次いでこの溶液を3〜4時間撹拌することによって、これらの細胞を抽出した。次いで、この得られた溶液を、細胞固形物を既に含む同じデプスフィルタで濾過した。次いで、同じ100Lのメタノールを、このフィルタ装置を通して60分間再循環させた。次いで、このフィルタ内のメタノールを、空気によって、容器内に2L/分で排出した。このフィルタから得られたメタノールを、水を使用して50%メタノール性溶液に希釈した。
【0130】
遠心分離され、そして濾過された醗酵ブロス(900L)を、Amicon P350SS Moduline 2クロマトグラフィーカラムに充填された18.3LのHP20吸着剤に通過させた。4L/分での充填において、背圧は、5psi未満であることがわかった。充填に続いて、この樹脂を、細胞ペースト抽出物から作製した200Lの50%メタノール性溶液で、4L/分の流速で洗浄した。13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を、60Lの100%メタノールで、1L/分の流速で、溶出した。
【0131】
生成物プールを、Buchiロータリーエバポレーター(R−153)を使用して、エバポレートした。175gの固体を、2Lの100%メタノールに溶解し、濾過し、そしてこの濾液を乾燥するまでエバポレートした。メタノール抽出の後に、417mgの13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を含む145gが残った。この固体を、1Lのヘキサン:アセトンの9:1溶液を使用して、40℃の水浴中の20L丸底フラスコ内で30分間、2回抽出した。次いで、この溶液を濾過し、そしてこの濾液を、乾燥するまでエバポレートした。この得られた固体を粉砕し、次いでビーカー内のヘキサン中20%アセトン溶液中で、A310回転子を備えるLightning Labmasterミキサーを使用して1000rpmで激しく撹拌しながら、30分間抽出した。この得られた溶液を濾過し、そしてこの濾液は、0.7重量%の13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を含む61.5gの固体を含んだ。この濾液を乾燥させ、次いで4.10Lの60%メタノール中に再懸濁させた。
【0132】
次いで、この物質を、洗浄されて平衡化されたC18吸着剤を含む4.8cm×26cmのKontesクロマトグラフィーカラムに、100ml/分の速度で通した。次いで、13−デスメトキシ−13−メチル−FK520を、85%メタノールを用いて、100ml/分の流速で5CVにわたって溶出した。カラム容量の半分の画分を取り、そして同様の画分をプールした。次いで、このプールしたものを、60%メタノールに希釈し、そしてこの手順全体を、合計4回繰り返した。4回目のC18クロマトグラフィー工程の終了時に、49重量%の13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を含む850mgの固体が残った。この工程における全回収は、100%であった。最良のプールをエバポレートし、そして1.36Lの60%メタノールに再溶解した。次いで、この溶液を、275mlの洗浄されそして平衡化されたC18吸着剤を含む2.5cm×56cmのKontesクロマトグラフィーカラムに、25ml/分の流速で装填した。次いで、この物質を、85%メタノールを用いて同じ流速で12カラム容量にわたって溶出した。13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を含む画分をプールし、そしてクロマトグラフィーをもう一度繰り返した。この工程の終了時に、最良のプールは、419mgの13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を、50%を超える純度で含有した。最良のプール(1.84L)を、60%メタノールに希釈し、そして洗浄されそして平衡化されたC18吸着剤を含む4.8cm×25cmのKontesクロマトグラフィーカラムに、100ml/分の流速で装填した。この流れ(run)を、210nmのUVによってモニタリングし、そして主要なピークのハートカット(heart cut)を取った。
【0133】
次いで、乾燥した固体を、ヘキサンで2回(各50ml)、ジクロロメタン、およびメタノールで、この順で抽出した。次いで、得られた各溶液を、乾燥するまでエバポレートした。ヘキサン固形物およびジクロロメタン固形物をプールし、そしてアッセイした。これらの物質を減圧オーブン内で一晩乾燥させた後に、358mgの13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520を含む526mgの固体が残った。13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520は、68重量%純粋であることがわかった。全ての精製にわたる定量を、210nmにおけるUVによって、そして116mg/Lの13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520に基づいて行った。全体の回収率は、86%であった。
【0134】
(実施例7)
(13−デスメトキシ−13−メチル−FK520のHPLC精製)
部分的に精製した13−デスメトキシ−13−メチル−FK520(実施例6)25mgのサンプルを、250μLのアセトニトリルに溶解し、そして不溶物を遠心分離によって除去した。この上清を、以下の条件を使用して、分種HPLCによって精製した:カラム=10×250mm InertSil ODS−3(MetaChem)、流速=5.0mL/分、溶媒=90:10 CHCN/HO+0.1%酢酸。10〜40μLの注入を行い、そして分離を、240nmにおけるUV吸収によってモニタリングした。13−デスメトキシ−13−メチル−FK520に対する主要なピークが、8.7分で溶出した。生成物を含む画分をプールし、そして減圧下で乾燥するまでエバポレートした。その残渣をアセトニトリルからエバポレートして、微量の酢酸を除去し、次いで凍結ベンゼンから凍結乾燥し、そしてKOHペレットで減圧下で一晩乾燥させて、15mgの純粋な13−デスメトキシ−13−メチル−FK520を得た。
【0135】
(実施例8)
(一般的な精製プロトコル)
以下は、宿主細胞の醗酵を介して生成する、本発明の化合物を回収するための、一般的な精製プロトコルである。20Lの醗酵物からのメタノール性抽出物を、200mLの容量まで濃縮し、次いで激しく撹拌される1500mLのエーテルにゆっくりと注ぐ。得られた懸濁液を4℃で一晩貯蔵し、次いで濾過する。この濾液を濃縮し、そして残渣を200mLのエーテルに再溶解し、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、橙色シロップを得る。これを最小容量のCHClに溶解し、そして80:20のヘキサン/アセトンで平衡化したSiO(ISCO)の35gのカラムに装填する。このカラムを、80:20のヘキサン/アセトンで20mL/分の流速で溶出し、約15mL容量の画分を収集する。10分後、溶離液を70:30のヘキサン/アセトンに5分間かけて交換し、そしてさらに30分間、溶出を続ける。画分を薄層クロマトグラフィー(70:30ヘキサン/アセトン;モリブデン酸セリウム染料を使用して染色する)で分析し、そしてFK−520と類似のR値を有する物質を含む画分を、LC/MSによってさらに分析する。生成物含有画分をプールし、そしてエバポレートする。この物質を1mLのアセトニトリルに溶解し、1mLの水で希釈し、そして50:50の水/アセトニトリルで8mL/分の流速で平衡化された、5ミクロンのMetaChem InertSil ODSカラム(20×50mm)を使用する、分取HPLCに供する。5mgの注入を行い、そして50:50の水/アセトニトリルから100%アセトニトリルへの、15分間にわたる線形勾配を、1分後に開始する。溶出を、290nmにおけるUV吸収によってモニタリングする。アナログは、代表的に、2つのピークとして溶出する:第1のピークは、FK−520アナログ(10,14−ヘミアセタール)であり、一方で第2のピークは、オキセパンアナログ(9,14−ヘミアセタール)である。アナログを含む画分をプールし、そして乾燥するまでエバポレートする。
【0136】
表7は、本発明の選択された化合物についての13C−NMRデータを示す。FK−520に対するNMRデータを、比較のために含める。13−H,15−Hとは、13,15−デスメトキシFK520である。13−Me,15−OMeとは、13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520である。13−H,15−OMeとは、13デスメトキシ−FK−520である。13−H,15−Meとは、13−デスメトキシ−15−デスメトキシ−15−メチル−FK−520である。13−H,15−Etとは、13−デスメトキシ−13−メチル−15−デスメトキシ−15−エチル−FK−520である。
【0137】
【表9】
Figure 2004515459
(実施例9)
(13−デスメトキシ−13−メチル−18−ヒドロキシル−FK−520の合成)
13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520(50mg、0.064mmol)の、316μLのCHCl中の混合物に、63μLのCHClおよび6μLのHO中のSeO(11mg、0.10mmol)およびt−BuOOH(84μL、0.46mmol)の溶液を添加し、これを、透明な溶液が得られるまで撹拌した。この反応溶液を、周囲温度で2日間撹拌した。溶媒を除去し、そして残りの残渣をカラムクロマトグラフィー(30:70 Ace−Hex)によって精製して、25mgの生成物を白色固体として、および20mgの出発物質を得た。
【0138】
(実施例10)
(18−エン−20−オキサ−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520の合成)
(24,32−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520)
13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520(110mg、0.142mmol)を、1.77mLのCHCl中に、N雰囲気下で懸濁させた。2,6−ルチジン(83mL、0.709mmol)およびTBSOTf(131mL、0.568mmol)を添加し、そして得られた溶液を15分間撹拌した。この時点で、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)は、出発物質の完全な消費を示した。この反応混合物を、NaHCO(50mL)の添加によって後処理し、そして生成物をCHCl(3×、40mL)で抽出した。生成物をカラムクロマトグラフィー(75:25 ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、125mg(87%)の所望の生成物を、白色泡状物として得た。1H NMRは、TBS基の存在を示した。
【0139】
(24,32−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−18−ヒドロキシ−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520)
24,32−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−13−デスメトキシ−13−メチル−FK520(125mg、0.124mmol)の、191mLのCHClおよび41mLのEtOH中の混合物を、SeO(14mg、0.124mmol)およびt−BuOOH(181mL、0.992mmol)と共に、室温で撹拌した。1.5日後、さらなるSeO(14mg、0.124mmol)およびt−BuOOH(100mL、0.550mmol)を、この反応混合物に添加した。この溶液をさらに2日間撹拌し、そして後処理した。溶媒を除去し、そして粗製混合物を、カラムクロマトグラフィー(90:10 ヘキサン/酢酸エチル−75:25 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、44mg(35%)の生成物を白色泡状物として得た。質量分析は、1003、871、853を示した。
【0140】
(18−エン−20−オキサ−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520)
24,32−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−18−ヒドロキシ−13−デスメトキシ−13メチル−FK−520(37mg、0.036mmol)の、1.5mLのアセトニトリル中の混合物を、0.5mLの2%水性HF/アセトニトリルで、2.5時間、または出発物質がTLCによって検出されなくなるまで、処理した。この反応混合物を、酢酸エチルおよび水性飽和NaHCOの添加によって、後処理した。生成物を、酢酸エチル(4×40mL)で抽出し、そしてカラムクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサン〜60:40 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題化合物を得た。その構造を、NMR分光法によって決定した。
【0141】
(実施例11)
(トリス[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)インドール−5−イル]ビスムタン)
(1−(2−ヒドロキシエチル)−5−ブロモインドール)
雰囲気下で、2−ブロモエタノール(17.6g、141mmol)および2−メトキシプロペン(10.1g、141mmol)を、71mLのTHF中0℃で30分間撹拌した。得られた溶液を、5−ブロモインドール(22.83g、116mmol)および60%NaH(4.62g、193mmol)の、40mLのDMFおよび60mLのTHF中の撹拌混合物に添加した。この溶液を、周囲温度で4時間撹拌した。この反応混合物を、水を含む過剰のNaHでクエンチし、そして水層を除去することによって、後処理した。層が分離した場合に、有機層を、200mLの2%水性リン酸と共に5時間、激しく撹拌した。この有機層を水(2×200mL)で洗浄し、そして溶媒を除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(30:70 EtOAc−Hex)によって精製して、17gの1−(2−ヒドロキシルエチル)−5−ブロモインドールを得た。
【0142】
(トリス[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)インドール−5−イル]ビスムタン)
1−(2−ヒドロキシルエチル)−5−ブロモインドール(2.08g、8.68mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロリド(1.44g、9.55mmol)、ジメチルアミノピリジン(11mg、0.087mmol)およびトリエチルアミン(1.34mL、9.63mmol)を、20.7mLのTHFに、N下で溶解した。得られた溶液を周囲温度で3日間撹拌した。この混合物を冷却し、そしてN下で濾過した。この溶液に、n−BuLi(5.46mL、8.73mmol)を添加し、そしてこの溶液を、−78℃で0.5時間撹拌した。BiCl(958mg、3.04mmol)のTHF(5.0mL)の溶液を、この反応混合物に添加し、そしてこの溶液を、−78℃でさらに1時間撹拌した。この反応混合物を、5mLのTHFおよび0.65mLの水に懸濁した1gのセルロースの添加によって、後処理した。この上清をデカンテーションし、そして乾燥した。この生成物を、カラムクロマトグラフィー(5:95 EtOAc−Hex)によって精製して、生成物を白色固体として得た。Mp:119〜121℃。
【0143】
(実施例12)
(32−[1−(2−ヒドロキシエチル−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520の合成)
(32−[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520)
トリス[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)インドール−5−イル]ビスムタン(80mg、0.077mmol)、過酸化ベンゾイル(17mg、0.071mmol)、および2−ブタノン(0.965mL)の溶液を、周囲温度で1日間撹拌した。この溶液に、13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520(38mg、0.049mmol)およびCu(OAc)(1mg、0.008mmol)を添加し、そしてこの混合物を1日間撹拌した。その残渣を乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィー(10:90 EtOAc−Hex)によって精製して、43mgの生成物を白色泡状物として得た。
【0144】
(32−[1−(2−ヒドロキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520(13−デスメトキシ−13−メチル−32−ヒドロキシエチルインドリル−FK−520ともまた称される))
32−[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520(42mg、0.040mmol)の、1.0mLのMeOHおよび40μLの1N HCl中の溶液を、室温で約3時間撹拌した。この反応を、溶媒の除去および引き続くカラムクロマトグラフィー(25:75 EtOAc−Hex)によって後処理して、23mgの生成物を白色固体として得た。
【0145】
(実施例13)
(32−[1−(2−ヒドロキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−FK−520の合成)
(32−[I−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−FK−520)
トリス[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)インドール−5−イル]ビスムタン(81mg、0.079mmol)、過酸化ベンゾイル(18mg、0.07mmol)および2−ブタノン(0.875mL)の溶液を、周囲温度で1日間撹拌した。この溶液に、13−デスメトキシ−FK−520(40mg、0.051mmol)およびCu(OAc)(1.6mg、0.0088mmol)を添加し、そしてこの混合物を1日間撹拌した。その残渣を乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィー(10:90 EtOAc−Hex)によって精製して、23mgの生成物を白色泡状物として得た。
【0146】
(32−[1−(2−ヒドロキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−FK−520)
32−[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−インドール−5−イル]−13−デスメトキシ−FK−520(23mg、0.022mmol)の、0.89mLのMeOHおよび22μLの1N HCl中の溶液を、室温で約3時間撹拌した。この反応混合物をNaHCOで希釈し、そしてCHCL(3×、50mL)で抽出した。有機層を除去し、そしてその残渣をカラムクロマトグラフィー(25:75 EtOAc−Hex)によって精製して、生成物を白色固体として得た。
【0147】
(実施例14)
(FKBP−12結合アッセイ)
カルシニューリン(「SDS/PAGEにより95%より高純度」)を、Calbiochemから入手した。Neutravidin(登録商標)で被覆したストリッププレート(SuperBlock(登録商標)で予めブロックした)を、Pierceから入手した。アリル基の飽和によって標識した[H]FK506(87Ci/mmol)を、New England Nuclearから入手した。合成RIIペプチド(N−D−L−D−V−P−I−P−G−R−F−D−R−R−V−S−V−A−A−E−CO )を、Peptides International(Louisville,KY;www.pepnet.com)から入手した。[γ−32P]ATP(6000Ci/mmol)を、Pharmaciaから入手した。ATP、cAMP、プロテインキナーゼAの触媒性サブユニット、ウシ脳カルモジュリンおよびヒトFKBP(E.coliにおいて発現した)を、Sigmaから入手した。
【0148】
Neutravidin(登録商標)で被覆したストリッププレートのウェルを、100μLの1μMビオチン化FKBP−12(100pmol)で、20mMリン酸ナトリウム(pH7.4)中で、2〜4時間、室温で被覆した。ウェルを、0.2% Tween 20(PBS−tween)を含む3×200μLのPBSでリンスし、次いで100μLのPBS−tween含有0.5μM[H]FK−506(4〜5000dpm/pmol、150〜200,000dpm/アッセイ)および0〜10μMの競合リガンド(標識されていないFK−506、FK−520、または13−メチル−13−デスメトキシ−FK−520)で満たした。この混合物を、0℃で2時間インキュベートし、この溶液を、ウェルから吸引し、そして各ウェルを、300μLの氷冷PBS−tweenで素早く洗浄した。ウェルを壊し、10mLのScintiverse BDを含むシンチレーションバイアルに入れ、そして結合した放射性を、シンチレーション計数によって定量した。データを、競合結合式
【0149】
【数1】
Figure 2004515459
に当てはめて、Kを算出した(このとき、[H]FK−506のKを、0.4nMと仮定した)。
【0150】
(実施例15)
(カルシニューリン結合アッセイ)
ウシII型cAMP依存性プロテインキナーゼの調節サブユニットの残基81〜99に対応するペプチド(「RIIペプチド」)は、カルシニューリンの最適な最小の基質であることが示された。プロテインキナーゼAの触媒性サブユニットを使用して、標識されたリン酸を、[γ−32P]ATPからRIIペプチドのセリン−15へと移入した。ATPを、キナーゼ緩衝液(40mM MES(pH6.5)、0.4mM EGTA、0.8mM EDTA、4mM MgCl、0.1mM CaCl、0.1mg/mL BSA)に新たに溶解し、分光測光法(ε259=15.4mM−1cm−1)によって定量し、そしてこれを使用して、[γ−32P]ATPの特異的活性を約5000dpm/pmol希釈した。リン酸化反応(200μL)をキナーゼ緩衝液(162uM[γ−32P]ATP、150μM RIIペプチド、0.2μM cAMP、25μg/mL(160単位)のプロテインキナーゼA触媒性ユニットを含む)中で実施した。反応混合物を、30℃で3.5時間インキュベートし、次いで、3mL(200mg)のBakerbond C18カートリッジを用いる固相抽出によって精製した。このカートリッジを、3mLの30%アセトニトリル/0.1%TFAで、続いて5mLの0.1%TFAで平衡化し、この反応混合物をカラムに装填し、20mLの0.1%TFAで洗浄し、そして生成物を4×1mLの30%アセトニトリル/0.1%TFAで溶出した。画分を収集し、そしてシンチレーション計数によってモニタリングした。リンペプチド含有画分をプールし、そして減圧遠心によって、乾燥するまでエバポレートした。このリンペプチド生成物を、250×4.6mm Intertsil C18カラム(Metachem)を使用する、1mL/分で、HPOを含むHO(pH3)から50%アセトニトリルの45分間にわたる勾配のHPLCによって、分析した。RIIペプチドとリンペプチドとの間の分離を、225nmにおいてモニタリングした。水から50%アセトニトリルへの45分間にわたる勾配で0.1%TFAを使用する逆相HPLCは、出発ペプチドをリンペプチド生成物から分解しなかった;しかし、HPOを含むHO(pH3.0)から50%アセトニトリルの45分間にわたる勾配を使用する同じカラムは、これらの化合物を分離した(RIIペプチドは、17.4分において溶出し、リン−RIIペプチドは、19分において溶出した)。このシステムを使用して、カルシニューリンアッセイにおいて使用されるリンペプチドは、1%未満の非ホスホリル化ペプチドを含み、そして95%を超える放射化学的純度を有することを示した。
【0151】
初期速度アッセイに対する反応パラメータを決定するために、0〜60nmのカルシニューリンおよび80nmのカルモジュリンを、カルシニューリンアッセイ緩衝液(40mM Tris(pH7.5)、6mM MgCl、0.1mM CaCl、0.1% BSAおよび0.5mM DTT)中に含む反応混合物(75μL)を、1μMのリンペプチドの添加によって、開始した。この反応物を30℃でインキュベートし、そして10〜25μLのアリコートを、3分、12分、23分、47分、100分および250分に除去し、そして0.5mLの100mM KPO/5%トリクロロ酢酸(「TCA」)でクエンチした。32POを、未反応リンペプチドから、専用の0.5mL(総容量(bed volume))のDowex AG50 X8を各サンプルに対して使用して単離した。これらのカラムを、沈降した樹脂の各容量の上に1容量の水が存在するように、水中に樹脂を再懸濁させることによって、調製した。次いで、スラリー(1mL)を各カラムにピペットで入れ、続いて10mLの水を入れた。総容量を確認し、次いで、各カラムを、1mLの1N NaOH、2mLの1N HC1、および4mLの水で洗浄した。クエンチした反応混合物をこのカラムに適用し、750μLの水で洗浄し、そして溶出物をシンチレーションバイアル中に直接収集した。Scintiverse BD(15mL)を各バイアルに添加し、そして32POを、シンチレーション計数によって定量した。
【0152】
カルシニューリンホスファターゼ活性に対するK値を、40mM Tris(pH7.5)、6mM MgCl、0.1mM CaCl、0.1% BSAおよび0.5mM DTT、15nMカルシニューリンおよび30nMカルモジュリンを含む反応混合物中で決定した。FK−506およびFK−520による阻害のために、これらの分子を約6μMで含め、そしてFKBP−12濃度を、0.01μMから2.5μMで変化させた。30分間の予備インキュベーションに続いて、ホスホ−RIIペプチド基質を1μMまで添加することによって開始させ、そして30℃でインキュベートした。アリコートを、3分および35分に除去し、クエンチし、そしてPO放出を上記のように測定した。結合データを、カルシニューリン結合によるFKBP・化合物複合体の消耗を補正する等式に当てはめた:
【0153】
【数2】
Figure 2004515459
ここで、Vは、観察された速度であり、[S]は、FKBP・化合物複合体の全濃度であり、[E]は、使用されたカルシニューリンの総量であり、Kは、阻害定数であり、そしてVは、阻害の非存在下での速度である。
【0154】
カルシニューリンホスファターゼアッセイの例示的なセットにおける、リン酸の加水分解の速度は、試験した範囲(0〜60nM)において、カルシニューリン濃度に対して直線であった。15nMのカルシニューリンが使用された場合には、この反応は、約10%の基質を使用して、45分間直線であった。
【0155】
(実施例16)
(13−デスメトキシ−13−メチル−32−(2−ヒドロキシエチルインドリル)−FK−520の代謝)
FK種およびNADPH再生系を含む混合物を、37℃で10分間予備インキュベートし、その後、この反応を、P−450スーパーソーム(supersome)の添加によって開始させた。成分の最終濃度は、以下であった:100mMリン酸カリウム、pH7.4;3.3mM MgCl;3.3mMグルコース−6−リン酸;1.3mM NADP;0.4U/mLグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ;200pmole P−450/mL;および20μM FK種。コントロール反応は、3A4 P−450活性を有さない「偽(mock)」スーパーソームを含んだ。ヒト3A4 P−450およびレダクターゼスーパーソーム(カタログ番号P207)および3A4P−450を有さないベクターコントロール「偽」スーパーソーム(カタログ番号P201)を、Gentest Corporation(Woburn,MA)から入手した。
【0156】
スーパーソームまたは偽スーパーソームの添加に続いて、反応を、0分(P−450の添加の直後)および30分において、0.1%の酢酸を含むアセトニトリルを20%の最終アセトニトリル濃度まで添加し、続いて氷上で即座に凍結させることによって、終結させた。13−デスメトキシ−13−メチル−32−(2−ヒドロキシエチルインドリル)−FKアナログを含む反応については、アセトニトリルの添加に続いて等容量のMeOHを添加し、そしてこれらのサンプルを、ドライアイスで即座に凍結させた。これらのサンプルを、13,000rpmで5分間の4℃での、ミクロ遠心分離機での遠心分離によって清澄にし、その後、HPLC分析を行った。
【0157】
以下のHPLCプログラムを使用した:カラム=MetaChem 0.46×15cm intersil C18カラム(5μm);溶媒A=水中0.1%HOAc;溶媒B=アセトニトリル中0.1%HOAc。検出=UV(210nm)およびELSD。勾配:20%Bでの平衡化;注入(1mlまで)、20%Bで5分間保持;5分間の50%Bへの直線勾配;20分間の100%Bへの直線勾配;1分間の20%B;10分間から平衡への20%Bの保持。
【0158】
FKアナログを偽スーパーソームとインキュベートした30分間後に、ピーク面積における変化が見られなかった。従って、本発明の化合物の時間依存性の損失は、存在しなかった。これは、次のことに起因する:(a)スーパーソーム調製物におけるタンパク質およびメンバーへの吸収、または(b)スーパーソーム調製物における非−3A4 P−450活性。
【0159】
(実施例17)
(本発明の免疫抑制因子の生物学的活性)
表8は、FK−520および選択数の本発明の化合物に関する、FKBP結合アッセイ、カルシニューリン阻害アッセイおよびP450安定性アッセイの結果を要約する。これらのアッセイについてのプロトコルは、実施例14〜16に記載されている。
【0160】
【表10】
Figure 2004515459
(実施例18)
(本発明の神経栄養因子の生物学的活性)
表9は、Goldら,Exp Neuro,147(2):269−87(1997)(これは、本明細書中に参考として援用される)に従って、SH−SY5Yヒト神経芽細胞種細胞を使用した場合、の神経増殖の結果を要約する。このアッセイは、平均軸索長をμMで測定し、これは、0.1nMおよび10nMの目的の化合物において、96時間後または168時間後に誘導された。
【0161】
【表11】
Figure 2004515459
18−ヒドロキシ−13−デスメトキシ−13−メチル−FK−520は、神経栄養因子の理想的な候補である。なぜなら、これもまた免疫抑制活性を有さないからである。この化合物は、約1.0nMのKでFKBPを結合するが、これは、カルシニューリン阻害アッセイにおいて、約14,000nMより大きなKを有する。
【0162】
本明細書中で参照される全ての科学刊行物および特許刊行物は、本明細書中に参考として援用される。本発明を、ここで記載された説明および実施例によって記載したが、当業者は、本発明が、種々の実施形態で実施され得ること、上記説明および実施例が例示の目的であって添付の特許請求の範囲の限定ではないことを理解する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、FK−506代謝物についての提案された分解経路を示す。

Claims (31)

  1. ラクトンであって、FKBP結合アッセイにおいて、約1μM以下のKを有し、そしてその構造の一部として、フラグメント
    Figure 2004515459
    を含み、ここで、RおよびRは、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択されるが、但し、RおよびRの少なくとも1つは水素、メチル、またはエチルである、ラクトン。

  2. Figure 2004515459
    の請求項1に記載のラクトンであって、
    ここで:
    Rが、ヒドロキシルであり;
    が、水素、メチル、プロピル、エチルおよびアリルからなる群より選択され;
    およびRが、各々、独立して、水素またはヒドロキシルであり;
    およびRは、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択されるが、但し、RおよびRの少なくとも1つは水素、メチル、またはエチルであり;
    が、
    Figure 2004515459
    からなる群より選択され、
    ここで、Rが、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択され、そしてRが、水素、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、およびアリールアルコキシからなる群より選択され;そして
    二重結合が炭素−19と炭素−20との間に存在するか、または
    二重結合が、炭素−18と炭素−19との間に存在し、そしてRおよびRが、一緒にラクトン環を形成する酸素である、ラクトン。

  3. Figure 2004515459
    の請求項1に記載のラクトンであって、
    ここで:
    Rが、ヒドロキシルであり;
    が、水素、メチル、エチル、およびアリルからなる群より選択され;
    およびRが、各々、独立して、水素またはヒドロキシルであり;
    およびRは、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択されるが、但し、RおよびRの少なくとも1つは水素、メチル、またはエチルであり;
    およびRは、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、およびアリールアルコキシからなる群より選択され;そして
    二重結合が炭素−19と炭素−20との間に存在するか、または
    二重結合が、炭素−18と炭素−19との間に存在し、そしてRおよびRが、一緒にラクトン環を形成する酸素である、ラクトン。
  4. 請求項3に記載のラクトンであって、ここで、
    Rが、ヒドロキシルであり;
    が、水素、メチル、エチル、およびアリルからなる群より選択され;
    およびRが、各々、独立して、水素またはヒドロキシルであり;
    およびRは、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択されるが、但し、RおよびRの少なくとも1つは水素、メチル、またはエチルであり;
    が、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、C〜Cアルコキシおよびアリールオキシからなる群より選択され;
    が、水素、ヒドロキシル、
    Figure 2004515459
    からなる群より選択され、
    ここで、Rが、水素、ヒドロキシル、ハライド、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、およびC〜Cアルコキシからなる群より選択され;そして、必要に応じて、
    二重結合が炭素−19と炭素−20との間に存在するか、または
    二重結合が、炭素−18と炭素−19との間に存在し、そしてRおよびRが、一緒にラクトン環を形成する酸素である、ラクトン。

  5. Figure 2004515459
    の化合物であって、
    ここで、
    が、エチルまたはアリルであり;
    が、水素またはヒドロキシルであり;
    、RおよびRが、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択され;そして
    が、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシおよびヘテロアリールオキシからなる群より選択されるが、但し、RおよびRの少なくとも1つは水素、メチル、またはエチルである、化合物。
  6. 請求項5に記載の化合物であって、ここで、
    が、エチルまたはアリルであり;
    が、水素またはヒドロキシルであり;
    およびRが、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択され;
    が、メトキシであり;そして
    が、ヒドロキシルまたは
    Figure 2004515459
    であり、ここで、Rが、水素、ヒドロキシル、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチルからなる群より選択される、化合物。

  7. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物であって、
    ここで、
    が、エチルまたはアリルであり;そして
    およびRが、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択される、化合物。
  8. 請求項7に記載の化合物であって、ここで、
    がエチルであり;
    がメトキシであり;そして
    が、水素、ヒドロキシル、メチル、およびエチルからなる群より選択される、化合物。
  9. 請求項7に記載の化合物であって、ここで、
    が、エチルであり;
    が、エチルであり;そして
    が、水素、ヒドロキシル、メチル、およびエチルからなる群より選択される、化合物。

  10. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物であって、
    ここで、
    が、エチルまたはアリルであり;そして
    およびRが、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択される、化合物。

  11. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物であって、
    ここで、
    が、エチルまたはアリルであり;そして
    およびRが、各々、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より選択される、化合物。
  12. 請求項11に記載の化合物であって、ここで、
    がエチルであり;
    がメトキシであり;そして
    が、水素、ヒドロキシル、メチル、およびエチルからなる群より選択される、化合物。
  13. 請求項11に記載の化合物であって、ここで、
    が、エチルであり;
    が、エチルであり;そして
    が、水素、ヒドロキシル、メチル、およびエチルからなる群より選択される、化合物

  14. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  15. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  16. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  17. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  18. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  19. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  20. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  21. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  22. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  23. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  24. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  25. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  26. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。

  27. Figure 2004515459
    の請求項6に記載の化合物。
  28. 組換え宿主細胞であって、KOS−45−170(PTA−1811);KOS−60−135(PTA−1810);KOS−132−188;KOS132−191;KOS156−25;KOS156−9A;KOS156−9B;KOS156−26;KOS156−33A;KOS156−33B;およびKOS156−33Cからなる群より選択される、組換え宿主細胞。
  29. 化合物であって、KOS−45−170(PTA−1811);KOS−60−135(PTA−1810);KOS−132−188;KOS132−191;KOS156−25;KOS156−9A;KOS156−9B;KOS156−26;KOS156−33A;KOS156−33B;およびKOS156−33Cからなる群より選択される組換え宿主細胞によって産生される、化合物。
  30. KOS45−170によって産生された、式
    Figure 2004515459
    の、請求項29に記載の化合物。
  31. KOS60−135によって産生された、式
    Figure 2004515459
    の、請求項29に記載の化合物。
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