JP2004514168A - 導波路にブラッググレーティングを書き込む方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
ブラッググレーティングを導波路に書き込む方法であって、1つの軸に沿って実質的に伸張するように書き込み位置に導波路を設ける工程と、UV放射ビームを生成する工程と、ビームにより導波路に沿ってフェイズマスクを通して第1及び第2走査を実施して所定の態様にて導波路に沿った屈折率変化を可能にする干渉縞を生成する工程と、第1及び第2走査のいずれか1つの間中、平衡位置の内の1つのまわりにおいてかつ導波路軸に対して90°未満の角度での動作方向に沿った振動動作によりフェイズマスクを移動する工程と、からなることを特徴とする方法であって、この走査によって実質的に屈折率のエンベロープがゼロとなるように製作し、走査速度の制御等により第1及び第2走査の間においては導波路に沿って制御された方法により紫外線放射エネルギ強度を変化させるものである。
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、導波路にブラッググレーティングを書き込む装置及び方法、特にアポダイズドブラッググレーティングに関する。
【0002】
【背景技術】
本発明の記述では、光ファイバーを引用しているが、この引用は制限する為でなく一例として提供されているものと理解すべきである。なぜならば、記述した技術は光集積システムの導波路においても同等に適用できるからである。
【0003】
一般的に通信に用いられる光ファイバーはゲルマニウムでドープされ、これによりUV放射に対して感光性の特性をもたらす。光ファイバーにブラッググレーティングを書き込むためにこの特性を用いてUV照明によって局所的に屈折率を変化させる。
知られているように、ファイバー内ブラッグ回折グレーティングとは、本質的にはコア内で屈折率が縦方向に周期的に変調するようなファイバー片のことである。この構造は波長帯域の光がブラッグ波長に集中するように再帰反射する特徴を有する。ブラッグ波長は知られている通り(例えば、1999年にアンドレアス・オソノスとキリアコス・カリイ(Andreas Othonos and Kyriacos Kalli)共著の「ファイバーブラッググレーティング(“Fiber Bragg Grating”)」と題するアーテックハウス(Artech House),ボストン/ロンドンの刊行物のレポート3.3)、以下のように表すことができる:
【0004】
【数1】
ここで、neffは等価屈折率で、Λは回折グレーティングの空間的周期である。
更に、知られている通り(例えば、「ファイバーブラッググレーティング(”Fiber Bragg Grating”)」と題する上述の刊行物のレポート3.4)、最も一般的な場合においてファイバーコアのz軸に沿った屈折率nの変化は以下の関係で表すことができる(これは変数zの考えうる全ての依存関係を示してる):
【0005】
【数2】
ここで、n0(z)は屈折率の平均局所(ローカル)値でありΔn(z)は屈折率の局所(ローカル)エンベロープである。ファイバーの基本モードの制限(一般的にはΓで示される)を定義する項により関係式(1)の等価屈折率neffは関係式(2)の平均屈折率n0(z)に比例する。
【0006】
ユニフォームグレーティング、「チャープド」として知られているグレーティング、及びアポダイズドグレーティングが知られており、屈折率の変化により分類することができる。
ユニフォームグレーティングにおいては、n0(z)、Δn(z)、そしてΛ(z)項は定数であり、図1aにz座標(任意の単位で表される)に関する屈折率n(1に正規化されたもの)の一般的な変化を示す。さらに図1bにて示されるように、ユニフォームグレーティングの反射スペクトルは一般的にブラッグ波長において中央にピークと複数の2次ローブとを有する。これらの2次ローブは用途によっては欠点となりうる。例えば、多重チャネル光伝送システムにおいてブラッググレーティングがチャネルの濾波に用いられた場合(対応する波長において)である。なぜならばこの場合において、反射スペクトルの2次ローブが望まれない減衰を濾波されるチャネルに隣接した伝送チャネルに持ちこむからである。
【0007】
アポダイズドグレーティングにおいては、Δn(z)項は変数であり、屈折率n(z)は図2aに定性的に示すように型の変化を有している(ここで、nは1に正規化されており、zは任意の単位で表されている)。従って屈折率は所定の曲線に対応するエンベロープを示す。アポダイズドグレーティングの反射スペクトルの一般的な変化を図2bに示す。Δn(z)項の適切な変調が主な反射ピークの近傍における2次ローブの減少を可能にすることは明確である。従ってこの型のグレーティングは多重チャネルシステムにおけるチャネル濾波に有利に利用可能であり、これにより上述の濾波されるチャネルに隣接したチャネルでの減衰問題を低減する。
【0008】
チャープドグレーティングにおいては、n0(z)及びΛ(z)項の1つ若しくは残りの1つは変数である。この変化性により、そして上に述べた理由のようにブラッグ波長はn0(z)とΛとの積に比例するので、これらのグレーティングの反射帯域はユニフォームグレーティングのものに比べて広い。図3a、3b、3cは各々、n0(z)項が変調された場合の屈折率の定性的変化と、Λ(z)項が変調された場合の同パラメータの変化(例えば、約500nmから約502nmまでの連続変化)と、そしてチャープドグレーティングの一般的な反射スペクトルとを示したものである。図3cに示すスペクトルからわかる通り、反射ピークは相当に広げられている。この型のグレーティングは従って広帯域反射フィルター或いはさらに一般的にはクロマチック分散補償デバイスに使用できる。もしΔn(z)もまた変調されるのであれば、該グレーティングはチャープドアポダイズドグレーティングとなる。
【0009】
アポダイズドブラッググレーティングを書き込む技術は種々のものが知られている。これらの技術においては、対応する屈折率の変化、特に局所エンベロープΔn(z)、を作るためにファイバーは適切な形態のUV干渉縞に露光される。
知られている技術は本質的には2つの範疇に分類される。すなわち、インターフェロミック技術及びフェイズマスク技術である。
【0010】
インターフェロミック技術は本質的にはUVビームを2成分に分割しそれらを所定の相対角度でファイバーに当てることにあり、これにより望ましい屈折率の変化をもたらす干渉縞を生じる。2成分間の相対角度を変更することによりグレーティングパラメータ、特に周期、の変更が可能なので、これらの技術は非常に用途が広い。
【0011】
しかしながら、書き込むための段取り「セットアップ」が外部要因(温度、振動など)に著しく過敏で部品の頻繁な再装着を要するため、インターフェロミック技術は連続生産には不適である。従って、これらの技術は本質的には研究分野の利用に限られている。
フェイズマスク技術は、高度な再現性、外部要因の低感受性、及びUVビームがより小さいコヒーレント長でよいという事実により、一般的に大量生産により適していると考えられている。
【0012】
フェイズマスクは石英基板であり、その表面上に矩形の互いに平行に主方向に1列に並んだ突起物があり、断面に必須の正方形波型の輪郭を形成している。これらの突起物は一般的には均一なマスクにおいて均等な間隔と均等な高さを有し、チャープドマスクの場合は変化した間隔を有し、そしてアポダイズドマスクの場合は変化した高さを有する。
【0013】
グレーティングを書き込むためにはフェイズマスクは通常は関係するファイバーの一部分に向合うように設置され、その主方向(上述の定義の通り)がファイバー軸に平行となるように向けられる。UV放射がその中を通過するとき、フェイズマスクは出力において本質的に正弦波形の変化及びマスクの突起物の周期Λmの半分に等しい周期Λを伴った干渉縞を生じる。十分に詳細にいえば、フェイズマスクからの電磁放射は関係式
【0014】
【数3】
に従って対応する伝搬角度Θmに関連した異なる次元mにさらに分けることができる。
上述の縞は次数+1と−1(mが+1と−1の値)で生じ、他の次数、特にゼロ次数、は縞の可視度vを減少する傾向があるので求められていない。可視度vは第1近似で次の関係式で定義される:
【0015】
【数4】
ここで、Imax、Iminは各々縞のピーク強度及びバレー強度である。
一般的に、フェイズマスクは伝搬されたゼロ次数が減少(一般的には約1%から3%)するように、そして次数+1と−1との光量が最大(一般的には約30%から40%の増加)となるように設計される。
【0016】
J.ヒュブナー、M.スヴァルガアド、L.G.ニールセン、M.クリステンセン(J.Hubner、M.Svalgaard、L.G.Nielsen、M.Kristensen)共著の「珪酸塩ゲルマニウムファイバーにおいて紫外線によるブラッググレーティングの形成の現象論モデル(“Phenomenological Model of UV−induced Bragg Grating Growth in Germanosilicate Fiber”)」と題するSPIEの論文の第2998巻(Vol.2998)にフェイズマスク技術を採用した場合における珪酸塩ゲルマニウムファイバーのブラッググレーティングの形成のふるまいのモデルが記載されている。この論文の著者はファイバーをエキシマレーザー(ArFまたはKrF型)または2重周波数アルゴンレーザー(FRED)により照射する実験を実施した。エキシマレーザーの場合は、断面が書き込まれるグレーティングの長さと同等の大きさを有するようにレーザービームは2つの円筒形レンズにより形づくられ、該ファイバーはビームに対して中心に設置され、フェイズマスクはファイバーに接触するように設置される。FREDレーザーの場合は、ビームはファイバー軸に平行な直線上の1つの円筒形レンズにより形づくられ、フェイズマスクはファイバーから約100μmの位置に設置される。
【0017】
フェイズマスクを用いてアポダイズドグレーティングを書き込むいくつかの知られている技術を以下に記述する。
第1の技術はアポダイズドフェイズマスクを使用することにある。アポダイズドフェイズマスクは回折効率を変えることが可能なマスクである。通常の状況と対照してみると、この技術では希望するアポダイズド輪郭に従ってファイバー軸に沿った縞の可視度を変調するために次数+1と−1とのビーム強度の変動を使用する。アルバート(Albert)らの共著による「回折効率の変えられるフェイズマスクを使用したファイバーブラッググレーティングのスペクトル応答のアポダイゼーション(“Apodisation of the spectral response of fibre Bragg gratings using a phase mask with variable diffraction efficiency”)」と題するエレクトロニクスレター(Electronics Letters)の文献の1995年版第31巻第3番頁222及び223(vol.31, no.3, 1995, pp.222, 223)にこの技術によるアポダイズドグレーティングの製造が記載されている。特に、この文献は突起物の深さが可変なアポダイズドマスクの製造を提案している。
【0018】
この技術は比較的高い再現性と比較的簡易な製造プロセスとを有するが、フェイズマスクの特定の形状に固定されてしまうため、得ることのできるアポダイズド輪郭に関して順応性を大いに欠くと出願者は考えている。出願者はまたアポダイズドフェイズマスクが他の型のマスクに比べて非常に高価で損傷を被りやすいことに着目している。
【0019】
マロ(Malo)氏らの共著による「フェイズマスクを用いて光学プリントされたアポダイズドファイバー内ブラッググレーティング反射器(“Apodised in−fibre Bragg grating reflectors photoimprinted using a phase mask”)」と題するエレクトロニクスレター(Electronics Letters)の文献の1995年版第31巻第3番頁223〜225(vol.31, no.3, pp.223−225, 1995)に記載されている第2の技術はアポダイズドグレーティングを本質的に一定の屈折率平均値を得ることが可能となる2重露光により製造することにある。第1の露光は主軸に沿った透過率が希望するアポダイズド輪郭に従って可変である振幅マスクを使用して行われ、その次の露光はその透過率が第1の露光に相補的な第2の振幅マスクを使用して行われる。
【0020】
この場合においても、各アポダイゼーションの型毎及び各グレーティング長さ毎の特定の振幅マスクが必要となるので出願者は提案されている技術はほとんど順応性がないと考えている。
ピレリー・カビ・エ・システミ・ソチナタ・ペル・アツィオーニ(Pirelli Cavi e Sistemi S.p.A.)の名義の国際特許出願第WO98/08120号に「連続ファイバーグレーティング技術(Continuous Fiber Grating Technique)」と題する技術が記載されており、ここにおいては、周期的に変調されたUV放射にマスクを通してある時間露光されたファイバーは、連続的な露光が重ね合わされた縞をつくるように連続的にその軸に沿って(干渉計システムにより制御されたスライドによって)移動される。この技術はファイバー上の書き込む位置に振動を生じさせることでアポダイズドグレーティングがつくられることを可能にする。
【0021】
この技術は得ることのできるアポダイズド輪郭に関して高い順応性を有するが、高価な機器を必要とする。
コール(Cole)らの共著による「ユニフォームフェイズマスクを用いたファイバーグレーティング製造における順応性を高めるためのファイバー/フェイスマスク走査ビームの作動技術(“Moving fibre/phase mask−scanning beam technique for enhanced flexibility in producing fibre gratings with uniform phase mask”)」と題するエレクトロニクスレター(Electronics Letters)の文献の1995年版第31巻第17番頁1488〜1489(vol.31, no.17, pp.1488−1489, 1995)にアポダイズドグレーティングを書き込む技術が記載されており、これはファイバー軸及びファイバーに面したフェイズマスクを通過する通路に平行にレーザービーム走査することを有し、またファイバーとファイバー軸に平行なマスク間の相対的な運動を有する。ファイバーのマスクに対する相対運動速度はレーザービーム走査速度に比べて非常に遅い。この相対運動を制御することで、チャープドでアポダイズドでフェイズステップであるグレーティングの製作が可能となる。
【0022】
米国出願第5, 912, 999号には比較的長いグレーティングを書き込む方法が記載されている。この技術ではファイバーはマスクに対して制御された相対速度で長さ方向に動かされ、照射するレーザービームはアポダイズドグレーティングを作るために振幅変調される。
この技術に関しては、出願者はエネルギの変調が平均屈折率n0(z)の変調をひき起こし結果的に中心波長に比べて波長の短い望まないローブを増大させると考えている。
【0023】
EP0684491号にはブラッググレーティングを書き込む方法が記載されており、ここにおいて回折要素がファイバー軸に対して所定の角度(一般的に右の角度)で傾けられるように向けられたフェイズマスクを通した電磁放射の通過により生じた干渉縞でファイバーは照射される。書き込まれている間中、フェイズマスクとファイバーとの間隔はピエゾ電気デバイスを使用してランプ変動により段々に変えられる。何十μmオーダーのこの相対的な運動はグレーティングの書き込みのフェイズマスクとファイバーとの間の距離に対する感度を低減するのに供する。
【0024】
出願人はこの方法がグレーティングのいかなるアポダイゼーションをも供していない点に着目している。出願者はまたこの技術が有する運動、換言すれば最大50μmまでの運動、が縞の可視度を有意に変更するには十分でない点に着目している。従って、この運動は干渉縞の平均的な作用にのみ認められる。
国際特許出願第WO00/02068号に光電性コアを有する光導波路に形成されたグレーティングの記載がある。適切に形づくられ濾波された化学放射ビームが2つの互いに傾けられそして光電性コアにおいて互いに干渉する光学ビームを生じるために使用され、このためにはビームスプリッタと、ミラーと、そしてレンズとからなる光学システムが使われるか又はレンズとフェイズマスクとが使われる。平均屈折率の平滑化によるグレーティングのスペクトル応答側部ローブを減少するため、干渉ビームのピーク強度は導波路の光学軸に沿って離間される。ビーム間の干渉効果を伴わない2つのビームでの第2の露光は、屈折率の更なる平滑化を生じる。
【0025】
出願人はこの書き込みプロセスにより得ることが可能な屈折率の変調は生じた光学ビームの形状と書き込む装置の特徴とにかなり依存するのでこの技術は順応性に限界があると考えている。特に、出願者はこの技術は異なる長さ若しくは異なるアポダイゼーション輪郭を有するグレーティングの製造のためにはグレーティングの書き込み装置における設備の修正が必要となるであろうと考えている。更に、レーザー源から生じた化学放射ビームの実質的な全てがこのプロセスに使われるので、ビームの不均一性や非対称性が結果的にグレーティングに影響しうることになる。
【0026】
出願人はプロセスに対する高い順応性と高い再現性を有し、かつ高度に厳密な調節若しくは高価な機器を要しないで要求するスペクトル特性(換言すれば所定の屈折率の変化を有するグレーティング)を生じることが可能なグレーティングを用いて導波路におけるブラッググレーティング、特にアポダイズドブラッググレーティング、を書き込む技術を提供する問題に取り組んできた。
【0027】
出願人は上記の要望を満足する技術を見出した。この技術では、2つの連続した紫外線放射ビームの走査がフェイズマスクを通して導波路の光電部分に沿って行われる。2つの走査の内の1つ(例えば第1走査)の間中、振動コンポーネントを導波路に対して平行に保ったままフェイズマスクはその平衡位置のまわりで振動され、これにより屈折率がこの走査の結果ゼロエンベロープとなるように干渉縞は互いに対し変位する。従ってこの走査が屈折率の局所平均の制御を可能にし、他の走査(マスクを固定して実施する)が屈折率の希望するエンベロープをそして結果的にはグレーティングの希望するアポダイゼーションを得るために用いられる。
【0028】
2つの走査の各々の間中、局部的にファイバーに当てる紫外線放射エネルギの強度を制御することにより2つの走査は行われ、これは走査速度を制御すること若しくは紫外線放射ビームの強度を制御することにより達成される。従って2つの走査の間中、可変で異なる速度または可変で異なるビーム強度が可能となる。
可変速度の場合は、他の走査に関連した屈折率の局所平均値の変化を予め補償する(或いはもし問題としている走査が第2の走査であれば補償する)ように振動するマスク走査の速度変量が選ばれ、これにより2重走査の後において屈折率の局所平均値の所定の変化が生じる(例えば、図2aに示すアポダイズド輪郭の場合のような一定値)。固定マスク走査の間中、マスクによる屈折率の正弦波変調が希望するアポダイゼーションに等しいエンベロープを有するように走査速度が選ばれる。固定マスク走査により作られる屈折率の局所平均値の変化は希望するアポダイゼーションに依存する。
【0029】
可変ビーム強度の場合は、2つの走査の間中の強度の変化則の選択基準は実質的には速度に関するものと同じである。レーザービームの強度は例えばビームの減衰量を変えることにより制御可能である。
従って、2つの走査の間中におけるフェイズマスクの振動運動によって或いはファイバー内紫外線放射エネルギ強度の制御によって屈折率の望ましい変化を得ることが可能となり、これらは走査速度を制御することにより或いはレーザービームの減衰を制御することにより達成される。
【0030】
【発明の開示】
本発明の第1の態様においては、ブラッググレーティングを導波路に書き込む方法であって、
1つの軸に沿って実質的に伸張するように書き込み位置に感光性導波路を設ける工程と、
UV放射ビームを生成する工程と、
前記ビームにより前記感光性導波路に沿ってフェイズマスクを通して第1及び第2走査を実施して所定の態様にて前記導波路に沿った屈折率変化を可能にする干渉縞を生成する工程と、
前記第1及び第2走査のいずれか1つの間中、平衡位置の内の1つのまわりにおいてかつ前記軸に対して90°未満の角度での動作方向に沿った振動動作により前記フェイズマスクを移動する工程と、からなることを特徴とする方法である。
【0031】
前記方法は、前記UV放射のエネルギが前記第1及び第2走査の少なくとも1つの間中前記感光性導波路の一部に沿って変化せしめられることが好ましい。
前記感光性導波路の一部に沿って前記UV放射のエネルギを変える前記工程は前記ビームの走査速度を変化させることであっても良いし、或いは代案として前記ビームのエネルギ強度を変化させることであっても良く、前記ビームの減衰の変化の適用によるのが好ましい。
【0032】
前記移動方向が前記軸に対して0°より大きい角度にあり、前記方法が少なくとも1つの前記第1及び第2走査の前に前記フェイズマスクを前記動作方向に沿って移動して前記フェイズマスクを前記ファイバーから所定の距離に位置決めする工程からなることが好ましい。
前記干渉縞は本質的に互いにランダムフェイズとなるように前記振動動作の振幅及び周波数が有利に選ばれる。
【0033】
前記方法はまた前記ビームを所定の大きさを有するスリットを介して放射する工程からなることが好ましい。
前記ビームにより前記第1及び第2走査を行う前記工程が前記ビームをミラーにより偏向せしめる工程と前記ミラーを感光性導波路の前記一部に対して平行に移動する工程とからなることであっても良い。
【0034】
前記第1走査の方向とは反対の方向で前記第2走査が行われることが好ましい。
本発明の更なる態様としては、導波路にブラッググレーティングを書き込む装置であって、
紫外線放射ビームのエミッタと、
感光性導波路の一部を実質的に所定の軸と前記ビームの光路とに沿った書き込み位置に設置する前記導波路の支持要素と、
感光性導波路の前記一部が書き込み位置に設置された場合に感光性導波路の前記一部に面するような位置であって前記光路上に設置されたフェイズマスクと、
感光性導波路の前記一部に沿って前記フェイズマスクを通してビームにより走査する装置と、からなる装置であって、
前記フェイズマスクを担持し、前記軸に対して90°未満の角度の方向に前記フェイズマスクを振動運動により動かすことを可能にする作動装置からなることを特徴とする装置である。
【0035】
前記フェイズマスクを前記ファイバーから所定の距離に位置決めするために前記作動装置は前記方向に移動自在であることをが有利である。
更に、前記作動装置は電動化した第1スライドからなることが好ましい。
前記装置はまた前記フェイズマスクの前の前記光路上に設けられスリットを有するスクリーンからなり、前記スリットが前記ビームの断面より小さな大きさを有することが好ましい。
【0036】
前記走査装置は前記スクリーンを担持し前記ビームに対して直交の運動方向を有する電動化した第2スライドからなり、これにより前記ビームの断面の異なる位置に前記スライドが位置決めされることを可能とするのが好ましい。
前記装置はビームでの走査の間中ビーム強度を変化させることが可能なビーム強度制御装置からなることが有利である。
【0037】
前記ビーム強度制御装置は前記エミッタからのビームを受けることが可能な光学減衰器であっても良い。
前記装置はまた前記電動化した第2スライドにより担持されるミラーからなり、これにより前記ビームを前記感光性導波路の一部に向けて偏向せしめることが有利である。
【0038】
前記装置は前記ビームの焦点を前記感光性導波路の一部に合わせるための少なくとも1つの光学要素からなることが好ましい。
【0039】
【発明を実施するための最良の形態】
図4において、番号1は全体としての導波路内ブラッググレーティングを書き込む装置を示し、特にこの場合においては光ファイバーFが光学ベンチ14上に備えつけられている。
装置1はグレーティングが書き込まれるファイバーFの一部を直線位置に支持可能なように光学ベンチ14上に互いに所定の間隔をおいて設置された知られている型の1対のサポート13と、所定の紫外線波長λUVのレーザービーム3を生じることが可能なレーザー源2と、ビーム3の強度を減衰することが可能な可変減衰器4と、ビーム3をファイバーFに向けて偏向せしめるためのミラー5(例えば45°に傾けられている)と、レーザービーム3の所定の部分が通過可能なスリット7と共に設けられたスクリーン6と、からなる。
【0040】
装置はまたミラー5及びスクリーン6をファイバーFに対して平行に移動自在な第1スライド8と、ファイバーFに面するようにそしてレーザービーム3から(更に厳密にいえば、スリット7を介して送られてきたビームの一部から)UV干渉縞を生ずることが可能なように設置されたフェイズマスク9と、ファイバーFで決まる方向から所定の角度αだけ傾けたdの方向にフェイズマスク9が書き込みプロセスの間中並進且つ振動する運動を可能とする第2スライド10と、そして運転を制御するためにレーザー源2と、減衰器4と、スライド8及び10とに接続された制御及び処理ユニット11(以降コンピュータと称する)と、からなる。フェイズマスク9はファイバーFに平行に設置されるのが好ましく、また第2スライド10による並進且つ振動の間中ファイバーFに平行であり続けることが好ましい。
【0041】
円筒形レンズ12(より一般的には1つ或いは複数の光学レンズ)が更に存在し、これはスクリーン6とフェイズマスク9との間に設置されることが好ましく、ファイバーF上にレーザービーム3の焦点を合わせることが可能である。より厳密にいえば、円筒形レンズ12は焦点軸がファイバーFの軸zに直交するように向けられる。
【0042】
レーザー源2は例えば市販の不安定型共振器を伴ったKr−F(クリプトン−フッ素)エキシマレーザーとすることが可能であり、これは中心波長λUV248nmで作動する。この型の源は450mJまでのエネルギを供給することが可能であり、最高反復周波数200pps(パルス毎秒)までパルスモードで動作可能である。
減衰器4はレーザー源2の動作パラメータを一定に保ったままレーザービーム3の強度が制御されることを可能とする。減衰器4はエキシマレーザーにより動作可能な一般的な減衰器とすることでき、例えばベルギー国ホルヌのオプテック・エス・エイ(Optec s.a.)社製のOptec AT4020エネルギ減衰器のようなダブルプレート型減衰器がある。
【0043】
第1スライド8は少なくとも製造されるグレーティング長さに等しい距離をファイバーFに対してミラー5とスクリーン6とが平行に移動自在なようにしなければならない。第1スライド8はコンピュータ11により制御可能でグレーティングの必要な解像度を供するのに適した最小ステップ(移動解像度)を有する動力化されたスライドであることが好ましい。例えば第1スライド8は米国カリフォルニア州アーヴィンのニューポート・カンパニ(Newport company)製のM−UTM−50CC1−HLモデルとすることができ、これは50mmの移動範囲と、20mm/sの最高速度と、1μmの移動解像度とを有する。
【0044】
スリット6はビーム3の大きさに比べて小さい幅を有し、これによりそれらの大きさをフェイズマスク9の寸法よりかなり小さな値に減少させる。例えば、スリット7は1.5mmの幅を有することが可能である。スリット7は回折現象を生じないようにするために十分に大きくなければならず、グレーティングの望ましい解像度を得るために十分に小さくなければならない。
【0045】
第2スライド10はdの方向にフェイズマスク9を移動自在としなければならず、これには書き込みプロセスの開始前の休止位置から動作位置までにおいてと、振動運動によりマスク9を作動位置近傍において第1走査の間中動かすことと、のマスク9の両方の担持がある。ファイバーFのz軸と平行な軸に沿って測られるこの振動振幅は製造されるグレーティングの空間周期に比べて数倍大きいのが好ましく(換言すればフェイズマスク9の周期の半分に比べて数倍大きい)、これにより連続する瞬間に生じる干渉縞の間の空間変位は実質上ランダムなものとなる。可変周期フェイズマスクの場合においては“フェイズマスクの周期”の用語はフェイズマスクの“局所的な”周期を意味する。
【0046】
従って、ビーム3の走査速度に対して振動周波数を適切に選択することによりファイバーFのz軸に沿って本質的に変調の無い屈折率の変化に寄与する連続した干渉縞を生じることが可能となる。換言すれば、この方法により得られる干渉縞は平均して屈折率の変調に本質的に全く寄与しなくさせることとなる。
第2スライド10は例えば米国カリフォルニア州アーヴィンのニューポート・カンパニ(Newport company)社製のM−UTM−25CC.1モデルとすることができ、これは25mmの移動範囲と0.1μmの移動解像度とを有する。方向dのファイバー軸に平行な方向に対する傾き角度αは0°より大きく90°より小さいものであり、例えば75°から85°の範囲にある。この角度はマスク9が休止位置から動作位置まで移動運動しなければならない距離(何十mmのオーダー)及び必要な振動の振幅(何百μのオーダー)を見込んで選ばれなければならない。
【0047】
フェイズマスク9は周期Λmを有する周期的マスクであって周期Λ=Λm/2を有する周期的な干渉縞を生じることが可能なものであることが好ましい。フェイズマスクの有効面積24は異なる幾何学構造を有することができる。例えば、長方形や円形である。フェイズマスク9は例えばカナダ国ケベック州セントローレントのラシリス・カンパニ(Lasiris company)社製のPM−248−1.066−25.4モデルとすることができる。このモデルはKr−Fエキシマレーザーによる使用に適しており、直径15MMの円形状の有効面積を有する。
【0048】
コンピュータ11には以下に記述する方法で使用される計算プログラムがロードされており、それはオペレータによって入力された複数の初期パラメータを処理するために使用されることが可能であり、結果的にレーザー源2と、減衰器4と、スライド8及び10とに複数の制御信号を生じる。詳細にいえば、コンピュータ11にはレーザー源2(従って制御回路を構成する)及び減衰器4に制御信号を送り出す“デジタル入出力”ボードと、スライド8及び10に制御信号を送り出すGPIB(一般目的用インターフェースバス)カードとが備わっている。
【0049】
下記の一覧表は書き込みプロセス開始前にコンピュータ11に入力しなければならない主なパラメータをそのパラメータ値の一般的な範囲と共に示す。
−総書き込み時間: 100〜300s
−グレーティング長さ: 5〜20mm
−スリット7の幅: 0.6〜1.5mm
−第1スライド8の移動距離: 10〜50μm
−第2スライド10の移動距離: 1〜10μm
−望ましいアポダイズド曲線の特徴:例えば、極大値を0に正規化した“スーパーガウス”型変調Δnの場合は、曲線は下記の関数で表現できる:
【0050】
【数5】
ここで、Lはグレーティングの長さでありσは分散(グレーティング長さに関して正規化されたもの)であって、入力されるべきパラメータはσと指数qである。
【0051】
装置1は以下に記述する方法により製造されるファイバー内グレーティングを可能とする。
最初のステップでは、コンピュータ28に所定の特性、例えばアポダイズドグレーティング、を有するブラッググレーティングの製造に適した既述の動作パラメータ値が予め入力される。更に、グレーティングが書き込まれる光ファイバーFの部分が書き込み位置、換言すれば2つのサポート13間の直線位置、に設置され、フェイズマスク9が休止位置からファイバーFに向きあいファイバーFから所定の距離をもった第1動作位置にまで第2スライド10によって動かされる。マスクとファイバーとの距離は例えばマスクが休止位置のときは約12mmそしてマスクが第1動作位置のときは約500μmとすることができる。
【0052】
そしてレーザービーム3を放射するために(所定の強度により)レーザー源2が起動される。このビームは減衰器4を通過し、そこでコンピュータ11により全ての瞬時において制御された減衰をうけ、その後ミラー5に到達し、実質的にはファイバーFに対して直交した方向であるファイバーFの方向に向けられる。そしてビーム3はスリット7に到達し、そこではビームの中央部分のみの通過が許容される。レンズ12はビーム3のスリット7から抜け出た一部分の焦点をファイバーFに向けて合わせ、フェイズマスク9はビーム3の一部分から干渉縞を生じてファイバーFの光学屈折部分に当ててその屈折率を変化させる。
【0053】
更に、ミラー5及びスクリーン6が運動の第1法則(特に速度変化の第1法則)に従ってファイバーFに対して平行移動するように第1スライド8が動かされる。これはコンピュータ11によって予め入力されたパラメータに従って定められ、ビーム3によりファイバーF上の第1走査が実施される。特に屈折率の局所平均n0の所定の変化を与えるように運動の第1法則が選ばれる。第1走査の間中、フェイズマスク9は第2スライド10により方向dに沿って第1動作位置のあたりで振動する動きにより作動される(コンピュータ11から受けた指令に従って)。既に述べた通り、この振動の振幅及び周波数は連続する瞬時に生じる干渉縞が互いに相殺することに寄与するように選ばれる。従って屈折率は実質的には変調ゼロとなる。
図5aはアポダイズドグレーティングを書き込む場合の第1走査により得られた屈折率の定性的変化を示す。振動の結果屈折率の変調はゼロであるため、屈折率nの変化は屈折率の局所平均n0の変化に一致する。従って第1走査は屈折率の第1曲線を得ることを可能にする。
有利なことに第1走査の間中マスクとファイバーとの間の距離は100μmから1000μmの範囲にあり、好ましくは200μmから800μmの範囲に、さらに好ましくは400μmから600μmの範囲にある。例えばフェイズマスク9の振動はファイバーFから500μmの距離にある平衡位置(第1動作位置に一致する)あたりで±100μmの振幅によって起こすことができる。
【0054】
第1走査の終わりにおいて、フェイズマスク9をファイバーFから所定の距離にある第2動作位置にもっていくように第2スライド10が起動され、これにより第2走査の実施が可能になる。この距離は例えば100μmとすることかできる。第2走査は屈折率の局所平均の所定の変化を得るようにコンピュータ11(予め入力されたパラメータに従って)により定められた運動の第2法則に従ってファイバーFに平行にミラー5及びスクリーン6が移動するように第1スライド8を動かすことにより行われ、その際フェイズマスク9は屈折率の望まれる変調を生じるような固定位置に置かれる。図5bはアポダイズドグレーティングを書き込む場合の第2走査により得られた屈折率nの定性的変化を示す。同図はまた屈折率の局所平均n0の変化を示す。
【0055】
第2走査は第1走査の方向と反対の方向に行われることが好ましく、これは第1走査の終わりにおいて第1スライド8が到達する位置から始まる。あるいは第1走査の方向と同じ方向で第2走査を実施するために、第1スライド8を第1走査の開始位置に再度位置させることも可能である。第2走査では屈折率のエンベロープの望まれる変化を得ることが可能である。
【0056】
前記プロセスの終わりに、2つの走査の効果の重ね合せにより製造された屈折率の変化が得られる。アポダイズドグレーティングの場合、図5cに示すような曲線が得られる。
2つの走査の間中2つのスライド8及び10の運動の法則を支配する式は以下の通りであり、ここにおいて実質的に屈折率の変化はファイバーF上のUVエネルギ入射にリニア−に依存するものと仮定している:
第1走査
第1スライド8においては:
【0057】
【数6】
ここで、δt(z)はz座標における時間経過によるもの、a(z)は望まれるアポダイゼーション曲線、n0(z)は屈折率の局所平均値の望まれる変化、Lはグレーティングの長さ、Tは総露光時間、そして他のプロセスパラメータ(レーザーのエネルギ、パルスの反復周波数、減衰器4での減衰、そしてもし適切であれば光屈折率を増加するためにファイバーに添加される重水素の量を含む)に従って工程開始前に入力されるプロセス定数であるβ及びγである。
【0058】
第2スライド10においては:
【0059】
【数7】
ここで、ξは方向dに沿った座標であり、t0は振動の時間的周期である。
第2走査
第1スライド8においては:
【0060】
【数8】
第2スライド10においては:
【0061】
【数9】
運動の第1及び第2法則のパラメータは下記にて選ばれる。先ず最初に第2走査の運動の法則は屈折率の望ましい変調が製造されるように選ばれる。そして第2走査に関係した屈折率の局所平均値n0の変化が第1走査の屈折率の変化により予め補償されるように第1走査の運動の法則が選ばれ、これにより望ましい最終の変化n0を得る。図5aから5cに示す場合において、第1走査の運動の法則は一定の最終値n0を得るように選ばれる。
【0062】
上記の方法による2つの走査のための運動の法則を適切に選ぶことにより、ファイバーFに望ましい屈折率プロフィールを得ることが可能となり、従って望ましい特性を有するブラッググレーティングを得ることが可能となる。この理由は上述したようにグレーティングのスペクトル特性がz軸に沿った屈折率nのプロフィールにより定められるからである。2つの走査の屈折率の変化への寄与を示すために、上記関係式(2)を以下の形式で書きなおすことができる:
【0063】
【数10】
ここで、n1(z)の項は第1走査の間中ファイバーに沿って生じる屈折率の局所平均に対する寄与をn2(z)の項は第2走査の間中ファイバーに沿って生じる屈折率の局所平均に対する寄与を示す。第2走査によって作られる変調は以下で定義されるエンベロープΔn(z)を有する:
【0064】
【数11】
ここで、vは関係式(4)で定義される干渉縞の可視度である。
屈折率の特別な変化は作られるグレーティングのタイプに従って選ばれなければならない。例えば、狭帯域のアポダイズドグレーティングはエンベロープΔn(z)を適切に変調し屈折率の局所平均のトータルを一定に保つこと(図2aに示すように)で得ることが可能である。ここでパラメータは以下で定義される:
【0065】
【数12】
他方において、アポダイズドでない“チャープド”グレーティングは値n0を変化させることにより得ることが可能であり、例えばファイバーFの軸に沿ってリニアーに増加させ、Δn(z)(従ってn2(z)もまた)を一定にすることである(図3aに示す通り)。しかしながらアポダイズド“チャープド”グレーティングを得るためには値n0及びΔn(z)を共に変化させなければならない。
【0066】
従って本発明の装置1はパラメータn0及びΔn(z)の分離した局所的な制御が許容され、これにより望ましい特性を有したグレーティングを得ることを可能とする。
図6は本発明の1’で表わされている装置の更なる実施例を示す。ビーム3がファイバーFに向けて直接放射されるようにレーザー源2が向けられている点(ファイバーに対して直交する向き)において装置1’は装置1から主に異なっている。さらに減衰器がビーム3を減衰するようにこの方向に沿って向けられており、ミラー5は存在しない。従って第1スライド8はスクリーン6をファイバーFに対して平行に移動することを可能にし、これにより連続した瞬間においてファイバーFの異なる部分を照射させることが可能となる。表現を簡潔にするために本発明においても存在することが好ましいレンズ12は描かれていない。ミラー5の反射及びミラー5とスクリーン6との同時移動により常にビーム3の同じ部分(ビームの中心部分であることが好ましい)がファイバーFの方向に向けられることを可能とする装置1のプロセスと対照してみると、減衰器4から抜け出たビーム3に対するスリット7の動きのために装置1’ではファイバーFはビーム3の異なっている部分をスリット7から受ける。従って書き込み条件は装置1’はより不均一である。もし必要ならば、この書き込み条件の低い均一性によるエネルギ変化を補償するように減衰器4を制御することが可能である。
実験
出願人は本発明のスペクトル反応での2次ローブを高い度合いで抑制するアポダイズドブラッググレーティングを書き込む装置の有効性を検証するため実験計測を実施した。この実験は図4の構成で実施され、実験前に以下のパラメータをコンピュータ11に入力した:
−総書き込み時間: 300s
−パルス反復周波数: 150pps
−グレーティング長さ: 12mm
−スリット7の幅: 1mm
−第2スライド10の配置方向dとファイバーF軸に平行な方向との間の角度α
: 80°
−平衡位置における第1走査間中のマスクとファイバーとの間の距離:
500μm
−第1走査間中のマスクの振動振幅: ±100μm
−第1走査間中のマスクの振動数: 40(150s内で)
−第2走査間中のマスクとファイバーとの間の距離:100μm
−減衰器4の減衰: 20%
−エンベロープΔnの“スーパーガウス”変化を仮定したアポダイゼーション
パラメータ: 分散σ(グレーティングの長さに正規
化)0.3、指数2.2
カナダ国ケベック州セントローレントのラシリス・カンパニ(Lasiris company)社製のPM−248−1.066−25.4フェイズマスクを周期を1.066μmにしてこの測定に使用した。
【0067】
図7a及び7bは各々これにより製造されたグレーティングの透過スペクトル及び反射スペクトル(dBでの)を示す。反射スペクトルでは2次ローブが特に低く、主ローブに比べて少なくとも18dB低いことを示している。
本発明の装置及び方法がアポダイズドグレーティングを作製するために特に適しているが、これらは構造的或いは概念的な変更を伴わずにアポダイズドでないグレーティングを書き込むことに使用できることは明らかである。例えば、チャープドでアポダイズド或いはアポダイズドでないグレーティングを単に書き込むためには、ファイバーに送られる総エネルギを調整することにより平均屈折率n0のリニア−変化をセットするだけで十分である。あるいは、チャープド型フェイズマスクを使用することでアポダイズドチャープドグレーティング製造することが可能であり、ここにおいてアポダイゼーションは2つの露光により作られる総放射強度を一定に保つ上述の技術により実施される。
【0068】
最後に、本発明の範囲から離脱することなく上述の実施例に他の修正、変更、置換、追加が実施されることありうることは明白である。
例えば、2つの走査の順序を変えることが可能である。すなわち換言すれば固定マスクによる走査を最初に実施し振動マスクによる走査を後で実施することが可能である。
【0069】
さらには図4の構成において、スクリーン6は円筒形レンズ12とフェイズマスク9との間に設置可能であり、第1スライド8と一体化させたサポートにより支えることも可能であろう。この場合、フェイズマスク9に到達するビーム3は特に小さな歪みとすることが可能であろう。
さらなる代案としてスクリーン6を減衰器4とミラー5との間の固定位置に設置することが可能であろう。スクリーンとフェイズマスク9との間の距離の増加はフェイズマスク9に到達するビーム3の歪みを増加させるのでこのスクリーン6の設置位置は好ましくない。
【0070】
もし望むならば減衰器4をなくすことが可能であろう。この場合の作動している間中のビーム3のエネルギはレーザー源2の作動条件を変えることで制御可能となろう。
さらに第1及び第2走査(第1スライド8の速度の制御により達成する)の走査速度の制御の代案として、ファイバーFに到達する電磁波エネルギの強度を制御することが減衰器4の透過率を変調することにより可能となる。この場合は第1及び第2走査どちらの場合においても第1スライド8の速度(従って走査速度)は一定に保たれ、ファイバーFに部分的に到達するUVエネルギの量が屈折率の局所平均に望ましい変化を生じさせるように減衰器4は制御される。
【0071】
適切なスライド(図示しない)を用いフェイズマスク9とサポート13とを伴ってファイバーFを軸に沿って移動させることによってビーム3でファイバーFの走査を行うことからなる代案は好ましくない。
利用されるファイバーに光学屈折効果を及ぼすことが可能であればレーザー源2はいかなる形式のものでも良い。
【0072】
さらにレンズ12のみならず凹状のミラー或いは他の形状の反射する表面を有するものによってもビーム3はファイバーFに焦点を合わせることが可能であり、これはミラー5の代わりになる。
グレーティングが書き込まれる導波路には光ファイバーFの代案として光集積導波路がありうる。
【0073】
最後にコンピュータ11の代わりにマイクロコントローラにすることが可能であろう。
【図面の簡単な説明】
本発明を、次に示す本発明の好ましい実施例である図、制限するものではないが、を特に引用しながら下記に記述する。
【図1a】均一なブラッググレーティングにおける屈折率(その平均値に関するもの)の変化を示す。
【図1b】均一なブラッググレーティングの反射スペクトルを示す。
【図2a】アポダイズドブラッググレーティングにおける屈折率(その平均値に関するもの)の変化を示す。
【図2b】アポダイズドブラッググレーティングの反射スペクトルを示す。
【図3a】平均屈折率変化がある場合のチャープドブラッググレーティングにおける屈折率の変化を示す。
【図3b】空間周期変化がある場合のチャープドブラッググレーティングにおける屈折率の変化を示す。
【図3c】チャープドブラッググレーティングの反射スペクトルを示す。
【図4】本発明のグレーティングを書き込む装置の第1実施例を示す。
【図5a】本発明の方法によるアポダイズドブラッググレーティングの製造の第1段階により得ることのできる屈折率の定性的な変化を示す。
【図5b】本発明の方法によるアポダイズドブラッググレーティングの製造の第2段階により得ることのできる屈折率の定性的な変化を示す。
【図5c】本発明の方法によるアポダイズドブラッググレーティングの製造の全プロセスの最終段階により得ることのできる屈折率の定性的な変化を示す。
【図6】本発明のグレーティングを書き込む装置の第2実施例を示す。
【図7a】実験計測の結果を示す。
【図7b】実験計測の結果を示す。
【技術分野】
本発明は、導波路にブラッググレーティングを書き込む装置及び方法、特にアポダイズドブラッググレーティングに関する。
【0002】
【背景技術】
本発明の記述では、光ファイバーを引用しているが、この引用は制限する為でなく一例として提供されているものと理解すべきである。なぜならば、記述した技術は光集積システムの導波路においても同等に適用できるからである。
【0003】
一般的に通信に用いられる光ファイバーはゲルマニウムでドープされ、これによりUV放射に対して感光性の特性をもたらす。光ファイバーにブラッググレーティングを書き込むためにこの特性を用いてUV照明によって局所的に屈折率を変化させる。
知られているように、ファイバー内ブラッグ回折グレーティングとは、本質的にはコア内で屈折率が縦方向に周期的に変調するようなファイバー片のことである。この構造は波長帯域の光がブラッグ波長に集中するように再帰反射する特徴を有する。ブラッグ波長は知られている通り(例えば、1999年にアンドレアス・オソノスとキリアコス・カリイ(Andreas Othonos and Kyriacos Kalli)共著の「ファイバーブラッググレーティング(“Fiber Bragg Grating”)」と題するアーテックハウス(Artech House),ボストン/ロンドンの刊行物のレポート3.3)、以下のように表すことができる:
【0004】
【数1】
ここで、neffは等価屈折率で、Λは回折グレーティングの空間的周期である。
更に、知られている通り(例えば、「ファイバーブラッググレーティング(”Fiber Bragg Grating”)」と題する上述の刊行物のレポート3.4)、最も一般的な場合においてファイバーコアのz軸に沿った屈折率nの変化は以下の関係で表すことができる(これは変数zの考えうる全ての依存関係を示してる):
【0005】
【数2】
ここで、n0(z)は屈折率の平均局所(ローカル)値でありΔn(z)は屈折率の局所(ローカル)エンベロープである。ファイバーの基本モードの制限(一般的にはΓで示される)を定義する項により関係式(1)の等価屈折率neffは関係式(2)の平均屈折率n0(z)に比例する。
【0006】
ユニフォームグレーティング、「チャープド」として知られているグレーティング、及びアポダイズドグレーティングが知られており、屈折率の変化により分類することができる。
ユニフォームグレーティングにおいては、n0(z)、Δn(z)、そしてΛ(z)項は定数であり、図1aにz座標(任意の単位で表される)に関する屈折率n(1に正規化されたもの)の一般的な変化を示す。さらに図1bにて示されるように、ユニフォームグレーティングの反射スペクトルは一般的にブラッグ波長において中央にピークと複数の2次ローブとを有する。これらの2次ローブは用途によっては欠点となりうる。例えば、多重チャネル光伝送システムにおいてブラッググレーティングがチャネルの濾波に用いられた場合(対応する波長において)である。なぜならばこの場合において、反射スペクトルの2次ローブが望まれない減衰を濾波されるチャネルに隣接した伝送チャネルに持ちこむからである。
【0007】
アポダイズドグレーティングにおいては、Δn(z)項は変数であり、屈折率n(z)は図2aに定性的に示すように型の変化を有している(ここで、nは1に正規化されており、zは任意の単位で表されている)。従って屈折率は所定の曲線に対応するエンベロープを示す。アポダイズドグレーティングの反射スペクトルの一般的な変化を図2bに示す。Δn(z)項の適切な変調が主な反射ピークの近傍における2次ローブの減少を可能にすることは明確である。従ってこの型のグレーティングは多重チャネルシステムにおけるチャネル濾波に有利に利用可能であり、これにより上述の濾波されるチャネルに隣接したチャネルでの減衰問題を低減する。
【0008】
チャープドグレーティングにおいては、n0(z)及びΛ(z)項の1つ若しくは残りの1つは変数である。この変化性により、そして上に述べた理由のようにブラッグ波長はn0(z)とΛとの積に比例するので、これらのグレーティングの反射帯域はユニフォームグレーティングのものに比べて広い。図3a、3b、3cは各々、n0(z)項が変調された場合の屈折率の定性的変化と、Λ(z)項が変調された場合の同パラメータの変化(例えば、約500nmから約502nmまでの連続変化)と、そしてチャープドグレーティングの一般的な反射スペクトルとを示したものである。図3cに示すスペクトルからわかる通り、反射ピークは相当に広げられている。この型のグレーティングは従って広帯域反射フィルター或いはさらに一般的にはクロマチック分散補償デバイスに使用できる。もしΔn(z)もまた変調されるのであれば、該グレーティングはチャープドアポダイズドグレーティングとなる。
【0009】
アポダイズドブラッググレーティングを書き込む技術は種々のものが知られている。これらの技術においては、対応する屈折率の変化、特に局所エンベロープΔn(z)、を作るためにファイバーは適切な形態のUV干渉縞に露光される。
知られている技術は本質的には2つの範疇に分類される。すなわち、インターフェロミック技術及びフェイズマスク技術である。
【0010】
インターフェロミック技術は本質的にはUVビームを2成分に分割しそれらを所定の相対角度でファイバーに当てることにあり、これにより望ましい屈折率の変化をもたらす干渉縞を生じる。2成分間の相対角度を変更することによりグレーティングパラメータ、特に周期、の変更が可能なので、これらの技術は非常に用途が広い。
【0011】
しかしながら、書き込むための段取り「セットアップ」が外部要因(温度、振動など)に著しく過敏で部品の頻繁な再装着を要するため、インターフェロミック技術は連続生産には不適である。従って、これらの技術は本質的には研究分野の利用に限られている。
フェイズマスク技術は、高度な再現性、外部要因の低感受性、及びUVビームがより小さいコヒーレント長でよいという事実により、一般的に大量生産により適していると考えられている。
【0012】
フェイズマスクは石英基板であり、その表面上に矩形の互いに平行に主方向に1列に並んだ突起物があり、断面に必須の正方形波型の輪郭を形成している。これらの突起物は一般的には均一なマスクにおいて均等な間隔と均等な高さを有し、チャープドマスクの場合は変化した間隔を有し、そしてアポダイズドマスクの場合は変化した高さを有する。
【0013】
グレーティングを書き込むためにはフェイズマスクは通常は関係するファイバーの一部分に向合うように設置され、その主方向(上述の定義の通り)がファイバー軸に平行となるように向けられる。UV放射がその中を通過するとき、フェイズマスクは出力において本質的に正弦波形の変化及びマスクの突起物の周期Λmの半分に等しい周期Λを伴った干渉縞を生じる。十分に詳細にいえば、フェイズマスクからの電磁放射は関係式
【0014】
【数3】
に従って対応する伝搬角度Θmに関連した異なる次元mにさらに分けることができる。
上述の縞は次数+1と−1(mが+1と−1の値)で生じ、他の次数、特にゼロ次数、は縞の可視度vを減少する傾向があるので求められていない。可視度vは第1近似で次の関係式で定義される:
【0015】
【数4】
ここで、Imax、Iminは各々縞のピーク強度及びバレー強度である。
一般的に、フェイズマスクは伝搬されたゼロ次数が減少(一般的には約1%から3%)するように、そして次数+1と−1との光量が最大(一般的には約30%から40%の増加)となるように設計される。
【0016】
J.ヒュブナー、M.スヴァルガアド、L.G.ニールセン、M.クリステンセン(J.Hubner、M.Svalgaard、L.G.Nielsen、M.Kristensen)共著の「珪酸塩ゲルマニウムファイバーにおいて紫外線によるブラッググレーティングの形成の現象論モデル(“Phenomenological Model of UV−induced Bragg Grating Growth in Germanosilicate Fiber”)」と題するSPIEの論文の第2998巻(Vol.2998)にフェイズマスク技術を採用した場合における珪酸塩ゲルマニウムファイバーのブラッググレーティングの形成のふるまいのモデルが記載されている。この論文の著者はファイバーをエキシマレーザー(ArFまたはKrF型)または2重周波数アルゴンレーザー(FRED)により照射する実験を実施した。エキシマレーザーの場合は、断面が書き込まれるグレーティングの長さと同等の大きさを有するようにレーザービームは2つの円筒形レンズにより形づくられ、該ファイバーはビームに対して中心に設置され、フェイズマスクはファイバーに接触するように設置される。FREDレーザーの場合は、ビームはファイバー軸に平行な直線上の1つの円筒形レンズにより形づくられ、フェイズマスクはファイバーから約100μmの位置に設置される。
【0017】
フェイズマスクを用いてアポダイズドグレーティングを書き込むいくつかの知られている技術を以下に記述する。
第1の技術はアポダイズドフェイズマスクを使用することにある。アポダイズドフェイズマスクは回折効率を変えることが可能なマスクである。通常の状況と対照してみると、この技術では希望するアポダイズド輪郭に従ってファイバー軸に沿った縞の可視度を変調するために次数+1と−1とのビーム強度の変動を使用する。アルバート(Albert)らの共著による「回折効率の変えられるフェイズマスクを使用したファイバーブラッググレーティングのスペクトル応答のアポダイゼーション(“Apodisation of the spectral response of fibre Bragg gratings using a phase mask with variable diffraction efficiency”)」と題するエレクトロニクスレター(Electronics Letters)の文献の1995年版第31巻第3番頁222及び223(vol.31, no.3, 1995, pp.222, 223)にこの技術によるアポダイズドグレーティングの製造が記載されている。特に、この文献は突起物の深さが可変なアポダイズドマスクの製造を提案している。
【0018】
この技術は比較的高い再現性と比較的簡易な製造プロセスとを有するが、フェイズマスクの特定の形状に固定されてしまうため、得ることのできるアポダイズド輪郭に関して順応性を大いに欠くと出願者は考えている。出願者はまたアポダイズドフェイズマスクが他の型のマスクに比べて非常に高価で損傷を被りやすいことに着目している。
【0019】
マロ(Malo)氏らの共著による「フェイズマスクを用いて光学プリントされたアポダイズドファイバー内ブラッググレーティング反射器(“Apodised in−fibre Bragg grating reflectors photoimprinted using a phase mask”)」と題するエレクトロニクスレター(Electronics Letters)の文献の1995年版第31巻第3番頁223〜225(vol.31, no.3, pp.223−225, 1995)に記載されている第2の技術はアポダイズドグレーティングを本質的に一定の屈折率平均値を得ることが可能となる2重露光により製造することにある。第1の露光は主軸に沿った透過率が希望するアポダイズド輪郭に従って可変である振幅マスクを使用して行われ、その次の露光はその透過率が第1の露光に相補的な第2の振幅マスクを使用して行われる。
【0020】
この場合においても、各アポダイゼーションの型毎及び各グレーティング長さ毎の特定の振幅マスクが必要となるので出願者は提案されている技術はほとんど順応性がないと考えている。
ピレリー・カビ・エ・システミ・ソチナタ・ペル・アツィオーニ(Pirelli Cavi e Sistemi S.p.A.)の名義の国際特許出願第WO98/08120号に「連続ファイバーグレーティング技術(Continuous Fiber Grating Technique)」と題する技術が記載されており、ここにおいては、周期的に変調されたUV放射にマスクを通してある時間露光されたファイバーは、連続的な露光が重ね合わされた縞をつくるように連続的にその軸に沿って(干渉計システムにより制御されたスライドによって)移動される。この技術はファイバー上の書き込む位置に振動を生じさせることでアポダイズドグレーティングがつくられることを可能にする。
【0021】
この技術は得ることのできるアポダイズド輪郭に関して高い順応性を有するが、高価な機器を必要とする。
コール(Cole)らの共著による「ユニフォームフェイズマスクを用いたファイバーグレーティング製造における順応性を高めるためのファイバー/フェイスマスク走査ビームの作動技術(“Moving fibre/phase mask−scanning beam technique for enhanced flexibility in producing fibre gratings with uniform phase mask”)」と題するエレクトロニクスレター(Electronics Letters)の文献の1995年版第31巻第17番頁1488〜1489(vol.31, no.17, pp.1488−1489, 1995)にアポダイズドグレーティングを書き込む技術が記載されており、これはファイバー軸及びファイバーに面したフェイズマスクを通過する通路に平行にレーザービーム走査することを有し、またファイバーとファイバー軸に平行なマスク間の相対的な運動を有する。ファイバーのマスクに対する相対運動速度はレーザービーム走査速度に比べて非常に遅い。この相対運動を制御することで、チャープドでアポダイズドでフェイズステップであるグレーティングの製作が可能となる。
【0022】
米国出願第5, 912, 999号には比較的長いグレーティングを書き込む方法が記載されている。この技術ではファイバーはマスクに対して制御された相対速度で長さ方向に動かされ、照射するレーザービームはアポダイズドグレーティングを作るために振幅変調される。
この技術に関しては、出願者はエネルギの変調が平均屈折率n0(z)の変調をひき起こし結果的に中心波長に比べて波長の短い望まないローブを増大させると考えている。
【0023】
EP0684491号にはブラッググレーティングを書き込む方法が記載されており、ここにおいて回折要素がファイバー軸に対して所定の角度(一般的に右の角度)で傾けられるように向けられたフェイズマスクを通した電磁放射の通過により生じた干渉縞でファイバーは照射される。書き込まれている間中、フェイズマスクとファイバーとの間隔はピエゾ電気デバイスを使用してランプ変動により段々に変えられる。何十μmオーダーのこの相対的な運動はグレーティングの書き込みのフェイズマスクとファイバーとの間の距離に対する感度を低減するのに供する。
【0024】
出願人はこの方法がグレーティングのいかなるアポダイゼーションをも供していない点に着目している。出願者はまたこの技術が有する運動、換言すれば最大50μmまでの運動、が縞の可視度を有意に変更するには十分でない点に着目している。従って、この運動は干渉縞の平均的な作用にのみ認められる。
国際特許出願第WO00/02068号に光電性コアを有する光導波路に形成されたグレーティングの記載がある。適切に形づくられ濾波された化学放射ビームが2つの互いに傾けられそして光電性コアにおいて互いに干渉する光学ビームを生じるために使用され、このためにはビームスプリッタと、ミラーと、そしてレンズとからなる光学システムが使われるか又はレンズとフェイズマスクとが使われる。平均屈折率の平滑化によるグレーティングのスペクトル応答側部ローブを減少するため、干渉ビームのピーク強度は導波路の光学軸に沿って離間される。ビーム間の干渉効果を伴わない2つのビームでの第2の露光は、屈折率の更なる平滑化を生じる。
【0025】
出願人はこの書き込みプロセスにより得ることが可能な屈折率の変調は生じた光学ビームの形状と書き込む装置の特徴とにかなり依存するのでこの技術は順応性に限界があると考えている。特に、出願者はこの技術は異なる長さ若しくは異なるアポダイゼーション輪郭を有するグレーティングの製造のためにはグレーティングの書き込み装置における設備の修正が必要となるであろうと考えている。更に、レーザー源から生じた化学放射ビームの実質的な全てがこのプロセスに使われるので、ビームの不均一性や非対称性が結果的にグレーティングに影響しうることになる。
【0026】
出願人はプロセスに対する高い順応性と高い再現性を有し、かつ高度に厳密な調節若しくは高価な機器を要しないで要求するスペクトル特性(換言すれば所定の屈折率の変化を有するグレーティング)を生じることが可能なグレーティングを用いて導波路におけるブラッググレーティング、特にアポダイズドブラッググレーティング、を書き込む技術を提供する問題に取り組んできた。
【0027】
出願人は上記の要望を満足する技術を見出した。この技術では、2つの連続した紫外線放射ビームの走査がフェイズマスクを通して導波路の光電部分に沿って行われる。2つの走査の内の1つ(例えば第1走査)の間中、振動コンポーネントを導波路に対して平行に保ったままフェイズマスクはその平衡位置のまわりで振動され、これにより屈折率がこの走査の結果ゼロエンベロープとなるように干渉縞は互いに対し変位する。従ってこの走査が屈折率の局所平均の制御を可能にし、他の走査(マスクを固定して実施する)が屈折率の希望するエンベロープをそして結果的にはグレーティングの希望するアポダイゼーションを得るために用いられる。
【0028】
2つの走査の各々の間中、局部的にファイバーに当てる紫外線放射エネルギの強度を制御することにより2つの走査は行われ、これは走査速度を制御すること若しくは紫外線放射ビームの強度を制御することにより達成される。従って2つの走査の間中、可変で異なる速度または可変で異なるビーム強度が可能となる。
可変速度の場合は、他の走査に関連した屈折率の局所平均値の変化を予め補償する(或いはもし問題としている走査が第2の走査であれば補償する)ように振動するマスク走査の速度変量が選ばれ、これにより2重走査の後において屈折率の局所平均値の所定の変化が生じる(例えば、図2aに示すアポダイズド輪郭の場合のような一定値)。固定マスク走査の間中、マスクによる屈折率の正弦波変調が希望するアポダイゼーションに等しいエンベロープを有するように走査速度が選ばれる。固定マスク走査により作られる屈折率の局所平均値の変化は希望するアポダイゼーションに依存する。
【0029】
可変ビーム強度の場合は、2つの走査の間中の強度の変化則の選択基準は実質的には速度に関するものと同じである。レーザービームの強度は例えばビームの減衰量を変えることにより制御可能である。
従って、2つの走査の間中におけるフェイズマスクの振動運動によって或いはファイバー内紫外線放射エネルギ強度の制御によって屈折率の望ましい変化を得ることが可能となり、これらは走査速度を制御することにより或いはレーザービームの減衰を制御することにより達成される。
【0030】
【発明の開示】
本発明の第1の態様においては、ブラッググレーティングを導波路に書き込む方法であって、
1つの軸に沿って実質的に伸張するように書き込み位置に感光性導波路を設ける工程と、
UV放射ビームを生成する工程と、
前記ビームにより前記感光性導波路に沿ってフェイズマスクを通して第1及び第2走査を実施して所定の態様にて前記導波路に沿った屈折率変化を可能にする干渉縞を生成する工程と、
前記第1及び第2走査のいずれか1つの間中、平衡位置の内の1つのまわりにおいてかつ前記軸に対して90°未満の角度での動作方向に沿った振動動作により前記フェイズマスクを移動する工程と、からなることを特徴とする方法である。
【0031】
前記方法は、前記UV放射のエネルギが前記第1及び第2走査の少なくとも1つの間中前記感光性導波路の一部に沿って変化せしめられることが好ましい。
前記感光性導波路の一部に沿って前記UV放射のエネルギを変える前記工程は前記ビームの走査速度を変化させることであっても良いし、或いは代案として前記ビームのエネルギ強度を変化させることであっても良く、前記ビームの減衰の変化の適用によるのが好ましい。
【0032】
前記移動方向が前記軸に対して0°より大きい角度にあり、前記方法が少なくとも1つの前記第1及び第2走査の前に前記フェイズマスクを前記動作方向に沿って移動して前記フェイズマスクを前記ファイバーから所定の距離に位置決めする工程からなることが好ましい。
前記干渉縞は本質的に互いにランダムフェイズとなるように前記振動動作の振幅及び周波数が有利に選ばれる。
【0033】
前記方法はまた前記ビームを所定の大きさを有するスリットを介して放射する工程からなることが好ましい。
前記ビームにより前記第1及び第2走査を行う前記工程が前記ビームをミラーにより偏向せしめる工程と前記ミラーを感光性導波路の前記一部に対して平行に移動する工程とからなることであっても良い。
【0034】
前記第1走査の方向とは反対の方向で前記第2走査が行われることが好ましい。
本発明の更なる態様としては、導波路にブラッググレーティングを書き込む装置であって、
紫外線放射ビームのエミッタと、
感光性導波路の一部を実質的に所定の軸と前記ビームの光路とに沿った書き込み位置に設置する前記導波路の支持要素と、
感光性導波路の前記一部が書き込み位置に設置された場合に感光性導波路の前記一部に面するような位置であって前記光路上に設置されたフェイズマスクと、
感光性導波路の前記一部に沿って前記フェイズマスクを通してビームにより走査する装置と、からなる装置であって、
前記フェイズマスクを担持し、前記軸に対して90°未満の角度の方向に前記フェイズマスクを振動運動により動かすことを可能にする作動装置からなることを特徴とする装置である。
【0035】
前記フェイズマスクを前記ファイバーから所定の距離に位置決めするために前記作動装置は前記方向に移動自在であることをが有利である。
更に、前記作動装置は電動化した第1スライドからなることが好ましい。
前記装置はまた前記フェイズマスクの前の前記光路上に設けられスリットを有するスクリーンからなり、前記スリットが前記ビームの断面より小さな大きさを有することが好ましい。
【0036】
前記走査装置は前記スクリーンを担持し前記ビームに対して直交の運動方向を有する電動化した第2スライドからなり、これにより前記ビームの断面の異なる位置に前記スライドが位置決めされることを可能とするのが好ましい。
前記装置はビームでの走査の間中ビーム強度を変化させることが可能なビーム強度制御装置からなることが有利である。
【0037】
前記ビーム強度制御装置は前記エミッタからのビームを受けることが可能な光学減衰器であっても良い。
前記装置はまた前記電動化した第2スライドにより担持されるミラーからなり、これにより前記ビームを前記感光性導波路の一部に向けて偏向せしめることが有利である。
【0038】
前記装置は前記ビームの焦点を前記感光性導波路の一部に合わせるための少なくとも1つの光学要素からなることが好ましい。
【0039】
【発明を実施するための最良の形態】
図4において、番号1は全体としての導波路内ブラッググレーティングを書き込む装置を示し、特にこの場合においては光ファイバーFが光学ベンチ14上に備えつけられている。
装置1はグレーティングが書き込まれるファイバーFの一部を直線位置に支持可能なように光学ベンチ14上に互いに所定の間隔をおいて設置された知られている型の1対のサポート13と、所定の紫外線波長λUVのレーザービーム3を生じることが可能なレーザー源2と、ビーム3の強度を減衰することが可能な可変減衰器4と、ビーム3をファイバーFに向けて偏向せしめるためのミラー5(例えば45°に傾けられている)と、レーザービーム3の所定の部分が通過可能なスリット7と共に設けられたスクリーン6と、からなる。
【0040】
装置はまたミラー5及びスクリーン6をファイバーFに対して平行に移動自在な第1スライド8と、ファイバーFに面するようにそしてレーザービーム3から(更に厳密にいえば、スリット7を介して送られてきたビームの一部から)UV干渉縞を生ずることが可能なように設置されたフェイズマスク9と、ファイバーFで決まる方向から所定の角度αだけ傾けたdの方向にフェイズマスク9が書き込みプロセスの間中並進且つ振動する運動を可能とする第2スライド10と、そして運転を制御するためにレーザー源2と、減衰器4と、スライド8及び10とに接続された制御及び処理ユニット11(以降コンピュータと称する)と、からなる。フェイズマスク9はファイバーFに平行に設置されるのが好ましく、また第2スライド10による並進且つ振動の間中ファイバーFに平行であり続けることが好ましい。
【0041】
円筒形レンズ12(より一般的には1つ或いは複数の光学レンズ)が更に存在し、これはスクリーン6とフェイズマスク9との間に設置されることが好ましく、ファイバーF上にレーザービーム3の焦点を合わせることが可能である。より厳密にいえば、円筒形レンズ12は焦点軸がファイバーFの軸zに直交するように向けられる。
【0042】
レーザー源2は例えば市販の不安定型共振器を伴ったKr−F(クリプトン−フッ素)エキシマレーザーとすることが可能であり、これは中心波長λUV248nmで作動する。この型の源は450mJまでのエネルギを供給することが可能であり、最高反復周波数200pps(パルス毎秒)までパルスモードで動作可能である。
減衰器4はレーザー源2の動作パラメータを一定に保ったままレーザービーム3の強度が制御されることを可能とする。減衰器4はエキシマレーザーにより動作可能な一般的な減衰器とすることでき、例えばベルギー国ホルヌのオプテック・エス・エイ(Optec s.a.)社製のOptec AT4020エネルギ減衰器のようなダブルプレート型減衰器がある。
【0043】
第1スライド8は少なくとも製造されるグレーティング長さに等しい距離をファイバーFに対してミラー5とスクリーン6とが平行に移動自在なようにしなければならない。第1スライド8はコンピュータ11により制御可能でグレーティングの必要な解像度を供するのに適した最小ステップ(移動解像度)を有する動力化されたスライドであることが好ましい。例えば第1スライド8は米国カリフォルニア州アーヴィンのニューポート・カンパニ(Newport company)製のM−UTM−50CC1−HLモデルとすることができ、これは50mmの移動範囲と、20mm/sの最高速度と、1μmの移動解像度とを有する。
【0044】
スリット6はビーム3の大きさに比べて小さい幅を有し、これによりそれらの大きさをフェイズマスク9の寸法よりかなり小さな値に減少させる。例えば、スリット7は1.5mmの幅を有することが可能である。スリット7は回折現象を生じないようにするために十分に大きくなければならず、グレーティングの望ましい解像度を得るために十分に小さくなければならない。
【0045】
第2スライド10はdの方向にフェイズマスク9を移動自在としなければならず、これには書き込みプロセスの開始前の休止位置から動作位置までにおいてと、振動運動によりマスク9を作動位置近傍において第1走査の間中動かすことと、のマスク9の両方の担持がある。ファイバーFのz軸と平行な軸に沿って測られるこの振動振幅は製造されるグレーティングの空間周期に比べて数倍大きいのが好ましく(換言すればフェイズマスク9の周期の半分に比べて数倍大きい)、これにより連続する瞬間に生じる干渉縞の間の空間変位は実質上ランダムなものとなる。可変周期フェイズマスクの場合においては“フェイズマスクの周期”の用語はフェイズマスクの“局所的な”周期を意味する。
【0046】
従って、ビーム3の走査速度に対して振動周波数を適切に選択することによりファイバーFのz軸に沿って本質的に変調の無い屈折率の変化に寄与する連続した干渉縞を生じることが可能となる。換言すれば、この方法により得られる干渉縞は平均して屈折率の変調に本質的に全く寄与しなくさせることとなる。
第2スライド10は例えば米国カリフォルニア州アーヴィンのニューポート・カンパニ(Newport company)社製のM−UTM−25CC.1モデルとすることができ、これは25mmの移動範囲と0.1μmの移動解像度とを有する。方向dのファイバー軸に平行な方向に対する傾き角度αは0°より大きく90°より小さいものであり、例えば75°から85°の範囲にある。この角度はマスク9が休止位置から動作位置まで移動運動しなければならない距離(何十mmのオーダー)及び必要な振動の振幅(何百μのオーダー)を見込んで選ばれなければならない。
【0047】
フェイズマスク9は周期Λmを有する周期的マスクであって周期Λ=Λm/2を有する周期的な干渉縞を生じることが可能なものであることが好ましい。フェイズマスクの有効面積24は異なる幾何学構造を有することができる。例えば、長方形や円形である。フェイズマスク9は例えばカナダ国ケベック州セントローレントのラシリス・カンパニ(Lasiris company)社製のPM−248−1.066−25.4モデルとすることができる。このモデルはKr−Fエキシマレーザーによる使用に適しており、直径15MMの円形状の有効面積を有する。
【0048】
コンピュータ11には以下に記述する方法で使用される計算プログラムがロードされており、それはオペレータによって入力された複数の初期パラメータを処理するために使用されることが可能であり、結果的にレーザー源2と、減衰器4と、スライド8及び10とに複数の制御信号を生じる。詳細にいえば、コンピュータ11にはレーザー源2(従って制御回路を構成する)及び減衰器4に制御信号を送り出す“デジタル入出力”ボードと、スライド8及び10に制御信号を送り出すGPIB(一般目的用インターフェースバス)カードとが備わっている。
【0049】
下記の一覧表は書き込みプロセス開始前にコンピュータ11に入力しなければならない主なパラメータをそのパラメータ値の一般的な範囲と共に示す。
−総書き込み時間: 100〜300s
−グレーティング長さ: 5〜20mm
−スリット7の幅: 0.6〜1.5mm
−第1スライド8の移動距離: 10〜50μm
−第2スライド10の移動距離: 1〜10μm
−望ましいアポダイズド曲線の特徴:例えば、極大値を0に正規化した“スーパーガウス”型変調Δnの場合は、曲線は下記の関数で表現できる:
【0050】
【数5】
ここで、Lはグレーティングの長さでありσは分散(グレーティング長さに関して正規化されたもの)であって、入力されるべきパラメータはσと指数qである。
【0051】
装置1は以下に記述する方法により製造されるファイバー内グレーティングを可能とする。
最初のステップでは、コンピュータ28に所定の特性、例えばアポダイズドグレーティング、を有するブラッググレーティングの製造に適した既述の動作パラメータ値が予め入力される。更に、グレーティングが書き込まれる光ファイバーFの部分が書き込み位置、換言すれば2つのサポート13間の直線位置、に設置され、フェイズマスク9が休止位置からファイバーFに向きあいファイバーFから所定の距離をもった第1動作位置にまで第2スライド10によって動かされる。マスクとファイバーとの距離は例えばマスクが休止位置のときは約12mmそしてマスクが第1動作位置のときは約500μmとすることができる。
【0052】
そしてレーザービーム3を放射するために(所定の強度により)レーザー源2が起動される。このビームは減衰器4を通過し、そこでコンピュータ11により全ての瞬時において制御された減衰をうけ、その後ミラー5に到達し、実質的にはファイバーFに対して直交した方向であるファイバーFの方向に向けられる。そしてビーム3はスリット7に到達し、そこではビームの中央部分のみの通過が許容される。レンズ12はビーム3のスリット7から抜け出た一部分の焦点をファイバーFに向けて合わせ、フェイズマスク9はビーム3の一部分から干渉縞を生じてファイバーFの光学屈折部分に当ててその屈折率を変化させる。
【0053】
更に、ミラー5及びスクリーン6が運動の第1法則(特に速度変化の第1法則)に従ってファイバーFに対して平行移動するように第1スライド8が動かされる。これはコンピュータ11によって予め入力されたパラメータに従って定められ、ビーム3によりファイバーF上の第1走査が実施される。特に屈折率の局所平均n0の所定の変化を与えるように運動の第1法則が選ばれる。第1走査の間中、フェイズマスク9は第2スライド10により方向dに沿って第1動作位置のあたりで振動する動きにより作動される(コンピュータ11から受けた指令に従って)。既に述べた通り、この振動の振幅及び周波数は連続する瞬時に生じる干渉縞が互いに相殺することに寄与するように選ばれる。従って屈折率は実質的には変調ゼロとなる。
図5aはアポダイズドグレーティングを書き込む場合の第1走査により得られた屈折率の定性的変化を示す。振動の結果屈折率の変調はゼロであるため、屈折率nの変化は屈折率の局所平均n0の変化に一致する。従って第1走査は屈折率の第1曲線を得ることを可能にする。
有利なことに第1走査の間中マスクとファイバーとの間の距離は100μmから1000μmの範囲にあり、好ましくは200μmから800μmの範囲に、さらに好ましくは400μmから600μmの範囲にある。例えばフェイズマスク9の振動はファイバーFから500μmの距離にある平衡位置(第1動作位置に一致する)あたりで±100μmの振幅によって起こすことができる。
【0054】
第1走査の終わりにおいて、フェイズマスク9をファイバーFから所定の距離にある第2動作位置にもっていくように第2スライド10が起動され、これにより第2走査の実施が可能になる。この距離は例えば100μmとすることかできる。第2走査は屈折率の局所平均の所定の変化を得るようにコンピュータ11(予め入力されたパラメータに従って)により定められた運動の第2法則に従ってファイバーFに平行にミラー5及びスクリーン6が移動するように第1スライド8を動かすことにより行われ、その際フェイズマスク9は屈折率の望まれる変調を生じるような固定位置に置かれる。図5bはアポダイズドグレーティングを書き込む場合の第2走査により得られた屈折率nの定性的変化を示す。同図はまた屈折率の局所平均n0の変化を示す。
【0055】
第2走査は第1走査の方向と反対の方向に行われることが好ましく、これは第1走査の終わりにおいて第1スライド8が到達する位置から始まる。あるいは第1走査の方向と同じ方向で第2走査を実施するために、第1スライド8を第1走査の開始位置に再度位置させることも可能である。第2走査では屈折率のエンベロープの望まれる変化を得ることが可能である。
【0056】
前記プロセスの終わりに、2つの走査の効果の重ね合せにより製造された屈折率の変化が得られる。アポダイズドグレーティングの場合、図5cに示すような曲線が得られる。
2つの走査の間中2つのスライド8及び10の運動の法則を支配する式は以下の通りであり、ここにおいて実質的に屈折率の変化はファイバーF上のUVエネルギ入射にリニア−に依存するものと仮定している:
第1走査
第1スライド8においては:
【0057】
【数6】
ここで、δt(z)はz座標における時間経過によるもの、a(z)は望まれるアポダイゼーション曲線、n0(z)は屈折率の局所平均値の望まれる変化、Lはグレーティングの長さ、Tは総露光時間、そして他のプロセスパラメータ(レーザーのエネルギ、パルスの反復周波数、減衰器4での減衰、そしてもし適切であれば光屈折率を増加するためにファイバーに添加される重水素の量を含む)に従って工程開始前に入力されるプロセス定数であるβ及びγである。
【0058】
第2スライド10においては:
【0059】
【数7】
ここで、ξは方向dに沿った座標であり、t0は振動の時間的周期である。
第2走査
第1スライド8においては:
【0060】
【数8】
第2スライド10においては:
【0061】
【数9】
運動の第1及び第2法則のパラメータは下記にて選ばれる。先ず最初に第2走査の運動の法則は屈折率の望ましい変調が製造されるように選ばれる。そして第2走査に関係した屈折率の局所平均値n0の変化が第1走査の屈折率の変化により予め補償されるように第1走査の運動の法則が選ばれ、これにより望ましい最終の変化n0を得る。図5aから5cに示す場合において、第1走査の運動の法則は一定の最終値n0を得るように選ばれる。
【0062】
上記の方法による2つの走査のための運動の法則を適切に選ぶことにより、ファイバーFに望ましい屈折率プロフィールを得ることが可能となり、従って望ましい特性を有するブラッググレーティングを得ることが可能となる。この理由は上述したようにグレーティングのスペクトル特性がz軸に沿った屈折率nのプロフィールにより定められるからである。2つの走査の屈折率の変化への寄与を示すために、上記関係式(2)を以下の形式で書きなおすことができる:
【0063】
【数10】
ここで、n1(z)の項は第1走査の間中ファイバーに沿って生じる屈折率の局所平均に対する寄与をn2(z)の項は第2走査の間中ファイバーに沿って生じる屈折率の局所平均に対する寄与を示す。第2走査によって作られる変調は以下で定義されるエンベロープΔn(z)を有する:
【0064】
【数11】
ここで、vは関係式(4)で定義される干渉縞の可視度である。
屈折率の特別な変化は作られるグレーティングのタイプに従って選ばれなければならない。例えば、狭帯域のアポダイズドグレーティングはエンベロープΔn(z)を適切に変調し屈折率の局所平均のトータルを一定に保つこと(図2aに示すように)で得ることが可能である。ここでパラメータは以下で定義される:
【0065】
【数12】
他方において、アポダイズドでない“チャープド”グレーティングは値n0を変化させることにより得ることが可能であり、例えばファイバーFの軸に沿ってリニアーに増加させ、Δn(z)(従ってn2(z)もまた)を一定にすることである(図3aに示す通り)。しかしながらアポダイズド“チャープド”グレーティングを得るためには値n0及びΔn(z)を共に変化させなければならない。
【0066】
従って本発明の装置1はパラメータn0及びΔn(z)の分離した局所的な制御が許容され、これにより望ましい特性を有したグレーティングを得ることを可能とする。
図6は本発明の1’で表わされている装置の更なる実施例を示す。ビーム3がファイバーFに向けて直接放射されるようにレーザー源2が向けられている点(ファイバーに対して直交する向き)において装置1’は装置1から主に異なっている。さらに減衰器がビーム3を減衰するようにこの方向に沿って向けられており、ミラー5は存在しない。従って第1スライド8はスクリーン6をファイバーFに対して平行に移動することを可能にし、これにより連続した瞬間においてファイバーFの異なる部分を照射させることが可能となる。表現を簡潔にするために本発明においても存在することが好ましいレンズ12は描かれていない。ミラー5の反射及びミラー5とスクリーン6との同時移動により常にビーム3の同じ部分(ビームの中心部分であることが好ましい)がファイバーFの方向に向けられることを可能とする装置1のプロセスと対照してみると、減衰器4から抜け出たビーム3に対するスリット7の動きのために装置1’ではファイバーFはビーム3の異なっている部分をスリット7から受ける。従って書き込み条件は装置1’はより不均一である。もし必要ならば、この書き込み条件の低い均一性によるエネルギ変化を補償するように減衰器4を制御することが可能である。
実験
出願人は本発明のスペクトル反応での2次ローブを高い度合いで抑制するアポダイズドブラッググレーティングを書き込む装置の有効性を検証するため実験計測を実施した。この実験は図4の構成で実施され、実験前に以下のパラメータをコンピュータ11に入力した:
−総書き込み時間: 300s
−パルス反復周波数: 150pps
−グレーティング長さ: 12mm
−スリット7の幅: 1mm
−第2スライド10の配置方向dとファイバーF軸に平行な方向との間の角度α
: 80°
−平衡位置における第1走査間中のマスクとファイバーとの間の距離:
500μm
−第1走査間中のマスクの振動振幅: ±100μm
−第1走査間中のマスクの振動数: 40(150s内で)
−第2走査間中のマスクとファイバーとの間の距離:100μm
−減衰器4の減衰: 20%
−エンベロープΔnの“スーパーガウス”変化を仮定したアポダイゼーション
パラメータ: 分散σ(グレーティングの長さに正規
化)0.3、指数2.2
カナダ国ケベック州セントローレントのラシリス・カンパニ(Lasiris company)社製のPM−248−1.066−25.4フェイズマスクを周期を1.066μmにしてこの測定に使用した。
【0067】
図7a及び7bは各々これにより製造されたグレーティングの透過スペクトル及び反射スペクトル(dBでの)を示す。反射スペクトルでは2次ローブが特に低く、主ローブに比べて少なくとも18dB低いことを示している。
本発明の装置及び方法がアポダイズドグレーティングを作製するために特に適しているが、これらは構造的或いは概念的な変更を伴わずにアポダイズドでないグレーティングを書き込むことに使用できることは明らかである。例えば、チャープドでアポダイズド或いはアポダイズドでないグレーティングを単に書き込むためには、ファイバーに送られる総エネルギを調整することにより平均屈折率n0のリニア−変化をセットするだけで十分である。あるいは、チャープド型フェイズマスクを使用することでアポダイズドチャープドグレーティング製造することが可能であり、ここにおいてアポダイゼーションは2つの露光により作られる総放射強度を一定に保つ上述の技術により実施される。
【0068】
最後に、本発明の範囲から離脱することなく上述の実施例に他の修正、変更、置換、追加が実施されることありうることは明白である。
例えば、2つの走査の順序を変えることが可能である。すなわち換言すれば固定マスクによる走査を最初に実施し振動マスクによる走査を後で実施することが可能である。
【0069】
さらには図4の構成において、スクリーン6は円筒形レンズ12とフェイズマスク9との間に設置可能であり、第1スライド8と一体化させたサポートにより支えることも可能であろう。この場合、フェイズマスク9に到達するビーム3は特に小さな歪みとすることが可能であろう。
さらなる代案としてスクリーン6を減衰器4とミラー5との間の固定位置に設置することが可能であろう。スクリーンとフェイズマスク9との間の距離の増加はフェイズマスク9に到達するビーム3の歪みを増加させるのでこのスクリーン6の設置位置は好ましくない。
【0070】
もし望むならば減衰器4をなくすことが可能であろう。この場合の作動している間中のビーム3のエネルギはレーザー源2の作動条件を変えることで制御可能となろう。
さらに第1及び第2走査(第1スライド8の速度の制御により達成する)の走査速度の制御の代案として、ファイバーFに到達する電磁波エネルギの強度を制御することが減衰器4の透過率を変調することにより可能となる。この場合は第1及び第2走査どちらの場合においても第1スライド8の速度(従って走査速度)は一定に保たれ、ファイバーFに部分的に到達するUVエネルギの量が屈折率の局所平均に望ましい変化を生じさせるように減衰器4は制御される。
【0071】
適切なスライド(図示しない)を用いフェイズマスク9とサポート13とを伴ってファイバーFを軸に沿って移動させることによってビーム3でファイバーFの走査を行うことからなる代案は好ましくない。
利用されるファイバーに光学屈折効果を及ぼすことが可能であればレーザー源2はいかなる形式のものでも良い。
【0072】
さらにレンズ12のみならず凹状のミラー或いは他の形状の反射する表面を有するものによってもビーム3はファイバーFに焦点を合わせることが可能であり、これはミラー5の代わりになる。
グレーティングが書き込まれる導波路には光ファイバーFの代案として光集積導波路がありうる。
【0073】
最後にコンピュータ11の代わりにマイクロコントローラにすることが可能であろう。
【図面の簡単な説明】
本発明を、次に示す本発明の好ましい実施例である図、制限するものではないが、を特に引用しながら下記に記述する。
【図1a】均一なブラッググレーティングにおける屈折率(その平均値に関するもの)の変化を示す。
【図1b】均一なブラッググレーティングの反射スペクトルを示す。
【図2a】アポダイズドブラッググレーティングにおける屈折率(その平均値に関するもの)の変化を示す。
【図2b】アポダイズドブラッググレーティングの反射スペクトルを示す。
【図3a】平均屈折率変化がある場合のチャープドブラッググレーティングにおける屈折率の変化を示す。
【図3b】空間周期変化がある場合のチャープドブラッググレーティングにおける屈折率の変化を示す。
【図3c】チャープドブラッググレーティングの反射スペクトルを示す。
【図4】本発明のグレーティングを書き込む装置の第1実施例を示す。
【図5a】本発明の方法によるアポダイズドブラッググレーティングの製造の第1段階により得ることのできる屈折率の定性的な変化を示す。
【図5b】本発明の方法によるアポダイズドブラッググレーティングの製造の第2段階により得ることのできる屈折率の定性的な変化を示す。
【図5c】本発明の方法によるアポダイズドブラッググレーティングの製造の全プロセスの最終段階により得ることのできる屈折率の定性的な変化を示す。
【図6】本発明のグレーティングを書き込む装置の第2実施例を示す。
【図7a】実験計測の結果を示す。
【図7b】実験計測の結果を示す。
Claims (20)
- ブラッググレーティングを導波路に書き込む方法であって、
1つの軸に沿って実質的に伸張するように書き込み位置に感光性導波路を設ける工程と、
UV放射のビームを生成する工程と、
前記ビームにより前記感光性導波路に沿ってフェイズマスクを通して第1及び第2走査を実施して所定の態様にて前記導波路に沿った屈折率変化を可能にする干渉縞を生成する工程と、
前記第1及び第2走査のいずれか1つの間中、平衡位置の内の1つのまわりにおいてかつ前記軸に対して90°未満の角度での動作方向に沿った振動動作により前記フェイズマスクを移動する工程と、からなることを特徴とする方法。 - 前記UV放射のエネルギが前記第1及び第2走査の少なくとも1つの間中前記感光性導波路の一部に沿って変化せしめられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記感光性導波路の一部に沿って前記UV放射のエネルギを変える前記工程が前記ビームの走査速度を変化させることからなることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記感光性導波路の一部に沿って前記UV放射のエネルギを変える前記工程が前記ビームの強度を変化させることからなることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記ビームのエネルギ強度を変える前記工程は前記ビームの減衰の変化を適用することからなることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記動作方向が前記軸に対して0°より大きい角度にあり、少なくとも1つの前記第1及び第2走査の前に前記フェイズマスクを前記動作方向に沿って移動して前記フェイズマスクを前記ファイバーから所定の距離に位置決めする工程からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記干渉縞が本質的に互いにランダムフェイズとなるように前記振動動作の振幅及び周波数が有利に選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ビームを所定の大きさを有するスリットを介して放射する工程からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ビームにより前記第1及び第2走査を行う前記工程が前記ビームをミラーにより偏向せしめる工程と前記ミラーを感光性導波路の前記一部に対して平行に移動する工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記第1走査の方向とは反対の方向で前記第2走査が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 紫外線放射ビーム(3)のエミッタ(2)と、
感光性導波路(F’)の一部を実質的に所定の軸(z)と前記ビーム(3)の光路とに沿った書き込み位置に設置する前記導波路(F)の支持要素(13)と、
感光性導波路の前記一部が書き込み位置に設置された場合に感光性導波路(F’)の前記一部に面するような位置であって前記光路上に設置されたフェイズマスク(9)と、
感光性導波路(F’)の前記一部に沿って前記フェイズマスク(9)を通してビーム(3)により走査する装置(5〜8;6〜8)と、からなる導波路(F)にブラッググレーティングを書き込む装置(1;1’)であって、
前記フェイズマスクを担持し、前記軸に対して90°未満の角度の方向に前記フェイズマスクを振動運動により動かすことを可能にする作動装置(10)からなることを特徴とする装置。 - 前記フェイズマスクを前記ファイバーから所定の距離に位置決めするために前記作動装置(10)は前記方向に移動自在であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
- 前記作動装置(10)が電動化した第1スライドであることを特徴とする請求項11に記載の装置。
- 前記フェイズマスク(9)の前の前記光路上に設けられスリット(7)を有するスクリーン(6)からなり、前記スリット(7)が前記ビーム(3)の断面より小さな大きさを有することを特徴とする請求項13に記載の装置。
- 前記走査装置(6〜8)は前記スクリーン(6)を担持し前記ビーム(3)に対して直交の運動方向を有する電動化した第2スライドからなり、これにより前記ビーム(3)の断面の異なる位置に前記スライド(7)が位置決めされることを可能とすることを特徴とする請求項14に記載の装置。
- ビーム(3)での走査の間中ビーム強度を変化させることが可能なビーム強度制御装置(4)からなることを特徴とする請求項11に記載の装置。
- 前記ビーム強度制御装置(4)は前記エミッタ(2)からのビーム(3)を受けることが可能な光学減衰器であることを特徴とする請求項16に記載の装置。
- 前記電動化した第2スライド(8)により担持されるミラー(5)からなり、これにより前記ビーム(3)を前記感光性導波路(F)の一部に向けて偏向せしめることを特徴とする請求項15に記載の装置。
- 前記ビーム(3)の焦点を前記感光性導波路(F’)の一部に合わせるための少なくとも1つの光学要素(12;5)からなることを特徴とする請求項11に記載の装置。
- 前記フェイズマスク(9)が周期マスクであることを特徴とする請求項11に記載の装置。
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