JP2004514065A - 金属加工用の多材質超硬合金インサート及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

第１の材質の超硬合金インサートが、第２の材質の超硬合金からなる少なくとも一つの切削点を有し、且つそれぞれの超硬合金の間に不規則な遷移領域を備える。超硬合金インサートの製造方法は、第１の材質の粉末で型を充填すること、及びコーナのその頂部に、第２の材質の粉末を配置して、加圧成形及び焼結をすることを含む。

Description

【０００１】
本発明は、多材質の複合超硬合金ボディ及びその製造方法に関する。このボディは、個々に相違する組成及び／または組織を有する超硬合金材質からなり、したがって同一のボディにおいて異なる位置でそれに対応する性質を備える。このボディは、此処では複合ボディとして示す。これらは、ろう付けまたはその他の方法でシャフトに取り付けたドリルのインサートとして作用するときに特に役立ち、或いは穿孔加工、フライス加工または旋削加工において、個々のインサートに使用するときに特に役立つ。
【０００２】
工具の種々の部分でその要求が変わる工具では、複合技術を用いることが提案される。岩石削岩用のドリルビットでは、この要求は、米国特許第５，５４１，００６号で検討されたように、表面（耐摩耗性）と内部（靭性）との間で異なり、このことは岩石穿孔ビットにおいては二つの材質の使用が重要となる。これらの材質は、炭化タングステンとＣｏを含む混じりけの無い二つの材質である。多くの注意がＣｏ移動を制御するための可能性を与え、この場合にはこの制御が険しい境界線を生じさせるために好ましい。この問題は、米国特許第４，７４３，５１５号の２相またはＤＰ技術として知られるこの技術で解決される。摩耗部品、回転するリング、及び裁断／切り込みナイフとしての工具は、区分化する手段を移動させることを含む米国特許第５，５４３，２３５号に記載される方法で製造することができる。
【０００３】
同一のインサートに二つの作用的な材質の使用が、米国特許第３，４８２，２９５号に示される。インサートの頂部層として形成される耐磨耗性の材質は、ほとんど約０．２ｍｍ厚みであり、そして後者の問題を解決するための試みとなり、ＰＶＤ及びＣＶＤ技術によって解決される。
【０００４】
立方晶炭化物を含んでいる超硬合金ドリルを扱う特許は、米国特許第６，０８６，９８０号及び米国特許第４，９７１，４８５号である。前者は、通常の工具加圧成形によって製造されたものでない環状の中実工具を扱う。また、後者は、ＷＣ−Ｃｏ材質が機械の振動による損傷を回避するためにシャフトに使用される環状の工具を記載し、このシャフトは工具の切削部分にろう付けされる。
【０００５】
同一インサートにおける二つ以上の材質は、オーストリア特許第２６９５９８号に記載され、この特許の方法は複数の加圧状態が示され、種々の粉末を充填するために必要な空隙を形成するために、ゴムまたはその他の弾性材料が使用されている。すなわち、オーストリア特許第２６９５９８号は、二つ以上の超硬合金材質から成るインサートが記載されており、この二つ以上の超硬合金材質は、溝（または複数）、凹所（または複数）及び／または降下部（または複数）を備える１材質の未完成品を加圧成形（または予備加圧成形）することによって作られる。これらの未完成品は、他の品位の超硬合金粉末で充填され、その後グリーンボディへと加圧成形されて最後に焼結される。
【０００６】
ドイツ特許第１９６３４３１４号は、異なる材料組成を有する少なくとも二つの構成部品からなる複合構成物を開示する。最終的な焼結工程によって単一の構成物に結合されるこのような部品のすくなことも一つは、硬質合金またはサーメットからなる。これらの構成部品間の結合される面は、でこぼこの面である。
【０００７】
しかしながら、複数の材質の選択、最終加圧成形圧力及び焼結条件は、二つの材質の遷移領域において発達する割れを回避するために、非常に注意深く実施する必要がある。この点に関する一つの理由は、同一の収縮をする二つの材質に対する最適加圧成形圧力を達成することは一般的には不可能であることにある。一般的に一つの材質は他のものより多く収縮し、ＲＮＧＮインサートの断面及び情報からのインサートの同一面を示す図１に示されるように、焼結後に破壊したボディがもたらされる。そのため、オーストリア特許第２６９５９８号は、界面での応力を減少させるために焼結後に、熱処理を施す。たとえ割れが発達しなくとも、このボディは切削工具として有効にするために過度の研削加工を必要とする。
【０００８】
そのために、本発明の目的は、二つの材質管の遷移領域において割れが発達することが敏感でない、二つの異なる超硬合金材質を含む超硬合金インサートを製造する方法を提供することである。
【０００９】
さらに、本発明のもう一つの目的は、焼結後研削加工をほとんど必要としない二つの異なる材質からなる超硬合金インサートを製造する方法を提供する。
【００１０】
上記課題が、複合超硬合金インサートを製造するために、特別に設計された圧縮工具用いることによって解決できることが、ここで意外にも明らかになった。この方法は、図２ａ〜図２ｅに図示される。図２ａにおいて、粉末Ｐ１が充填シューＦから型の空隙Ａに充填され、そして粉末Ｐ２が付加空隙Ｂに充填される。図２Ｂにおいて、充填シューは後退し、そして下側パンチＣが、図２ｃ及び図２ｄに示すように粉末Ｐ１の頂部に導入することができる位置まで下げられる。加圧成形及び焼結後に得られたインサートを図３ａ及び図３ｂに示す。代わりに、そのレベルは、粉末Ｐ２が導入の際の粉末Ｐ１を押し込むように幾分高くすることによって、すくい面の上により深い部分が形成される。得られた加圧成形及び焼結したインサートを図３ｃ及び図３ｄに示す。図２ｅの比ｌ_１／ｌ_２は、１／２を超えてはならない。
【００１１】
複数の軸線方向の充填方法は、二つの粉末を同時に加圧成形することを可能にし、そしてより最適な圧縮密度を有する加圧物を達成することができる。焼結したボディは非常に僅かな研削加工ですむ。
【００１２】
また、本発明は、第１の材質の超硬合金に関し、このインサートにおいては、少なくとも一つの切削点が異なる組成及び／または粒径を有する第２の材質の超硬合金からなる。好ましくは、第１の材質がＷＣ−Ｃｏ材質であり、且つ第２の材質がＷＣ−Ｃｏ−ガンマ相材質である。焼結後の第１の材質と第２の材質との間の界面は、図４に示すように、クラックが無くて一様でない。第２の材質のボディ形状は、インサート内及びインサート界面で相違する。
【図面の簡単な説明】
【図１】
図１は、本発明にしたがう複合インサートを示す。
【図２】
図２ａ〜図２ｅは、本発明の方法を図示する。
【図３】
図３ａ〜図３ｄは、本発明のＲＮＧＮインサートの横断面及び上からの図を示す。
【図４】
図４は、２材質間のでこぼこな粒界を約１０００Ｘ倍の光学顕微鏡写真で示す。

Claims (3)

1. 少なくとも一つの切削点が異なる組成及び／または粒径を有する第２の材質の超硬合金からなる第１の材質の超硬合金インサートであって、
   第１の材質と第２の材質との間の遷移領域が不規則であることを特徴とする第１の材質の超硬合金インサート。
2. 第１の材質がＷＣ−Ｃｏ材質であり、且つ第２の材質がＷＣ−Ｃｏ−ガンマ相材質であることを特徴とする請求項１記載の超硬合金。
3. 少なくとも一つの切削点が異なる組成及び／または粒径を有する第２の材質の超硬合金からなる第１の品位の超硬合金インサートを製造する方法であって、
   第１の材質の粉末で型を充填して、その後前記第１の粉末のコーナ頂部に前記第２の材質の粉末を配置し、加圧成形及び焼結することを特徴とする第１の品位の超硬合金インサートを製造する方法。