JP2004513905A - 抗真菌爪用組成物および使用方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ヒトの爪真菌症を処置するための組成物であって、この組成物は、ヒトの爪組織への局所適用に安全である抗真菌有効量の少なくとも1つの銅塩(例えば、硫酸銅)および受容可能なキャリアを含む。真菌に感染したヒト爪組織に本発明の組成物を適用すると、感染した爪に埋まっている真菌体は、抗真菌有効量の銅塩と接触する。本発明の1つの実施形態では、本発明の組成物を、長期間経過後にヒトの爪組織に再度適用することが有利である。別の実施形態では、本発明の組成物は、長期間にわたって爪と接触したままである。
Description
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、真菌感染したヒトの爪を処置するための組成物に関する。
【0002】
(背景)
爪の真菌感染(爪甲真菌症、爪白癬、または爪甲白癬としても公知;本明細書中以下、「爪甲真菌症」という)は、種々の真菌(Trychophyton sp.、Microsporum sp.、Epidermaphyton sp.、Candida sp.、Trichosporon sp.、Geotrichum sp.、Scopulariopsis sp.、Aspergillus sp.、Acremonium sp.、Fusarium sp.、Phyllosticta sp.、Hendersonula sp.およびCheatomium sp.による、手の爪(fingernail)または足の爪のケラチン構造の真菌侵入によって引き起こされる。真菌感染した爪は、代表的に、爪の一端で始まり、そしてキューティクルに向かって広がる、黄色がかった色を有する。時間がたつと、感染した爪は、厚くなり、光沢のない、変色した爪として存在し、しばしば、先端の下に角質の細片が蓄積する。未処置のままにすると、感染した爪板は、しばしば、脆くなるか、剥離するか、ぼろぼろになるか、砕けやすくなるか、筋がつくか、変形するか、分離するか、または完全に破壊される。爪甲真菌症は、一般に、痛くないが、感染した爪の見苦しい外観は、ほとんどの患者の困惑の元であり得る。糖尿病患者または免疫抑制された患者について、未処置のままの感染した爪は、深刻な感染を生じ得る。
【0003】
種々の全身的調製物および局所的調製物が、爪甲真菌症を処置するために使用されてきた。一般に、処置過程は、長期にわたり、そして高い再発率を伴う。イトラコナゾール(これは、真菌細胞膜の不可欠な成分であるエロステロール(erosterol)の、チトクロムP−450依存性の合成を阻害する)が、経口投与のために利用可能である。感染した足の爪についてイトラコナゾールを用いる、推奨される処置過程は、12週間である。感染した手の爪について、3週間の間隔を開けた、経口投与されるイトラコナゾールの1週間のパルス2回が推奨される。グリセオフルビンは、新たに形成されたケラチンに結合し、こうして、新たな爪組織を真菌感染に耐性にする、経口調製物である。推奨される処置は、爪が成長するにつれて、感染した爪を切り離す工程を包含し、そして感染した手の爪については少なくとも4ヶ月、および感染した足の爪については少なくとも6ヶ月を必要とする。グリセオフルビンは、Penicilliumに由来するので、ペニシリンとの交差感受性の可能性が存在し、その使用は、ペニシリンに対してアレルギーではない個体に限定される。塩酸テルビナフィンは、スクアレンエポキシダーゼを阻害し、そして真菌細胞膜の合成をブロックすることによって、真菌の増殖を予防する経口調製物である。塩酸テルビナフィンの推奨される処置は、感染した手の爪については6週間、および感染した足の爪については12週間である。局所的抗真菌剤としては、イミダゾールまたはトリアゾール(例えば、クロトリマゾールおよびケトコナゾール)、シクロピロックス、アンホテリシンB、ゲンチアナバイオレット、レゾルシノールおよびヨウ素が挙げられる。爪甲真菌症を処置するための抗真菌剤が、現在利用可能であるにもかかわらず、最小の再発率を有する、投与するのにあまり高価でない新規組成物が所望される。
【0004】
種々の銅塩の抗真菌用途は、農業および養殖漁業の分野では周知である。例えば、硫酸銅、炭酸銅、オキシ塩化銅、銅アンモニウム錯体、酸化銅、水酸化銅、ナフテン酸銅およびキノリン酸銅は全て、有効な抗真菌剤として報告されている。硫酸銅溶液の抗真菌特性は、230年以上にわたって知られており、コムギのなまぐさ黒穂病(Tilletia sp.)およびジャガイモの疫病(アイルランドのジャガイモ飢餓の原因)を排除するために使用された。Phytophthora infestans(ジャガイモの疫病の原因)の増殖を予防するための最も古い処置は、ボルドー液およびバーガンディー混合物として公知である。両方の溶液は、真菌の生活環に同調した厳密なスケジュールに従って、ジャガイモ植物に噴霧して、疫病を予防するために調製される。2%のボルドー液は、ジャガイモについて最も一般的に使用され、そして水100ガロン中、硫酸銅と消石灰との2:1の混合物からなる。1%のバーガンディー混合物は、水40ガロン中、硫酸銅と重炭酸ナトリウムとの4:5の混合物からなる。ジャガイモの疫病を予防するための合成抗真菌剤が利用可能であるにも関わらず、有機農家はなお、ボルドー液およびバーガンディー混合物を利用する。なぜなら、これらは、安全で安価で、かつ使用が容易であるからである。
【0005】
米国特許第4,822,595号(1989年4月18日発行)において、Corlissらは、分散剤としてアマニ油、保湿剤としてラノリン、乾燥剤としてテレピン、防腐剤としてヨウ素、増粘剤として松根タール、抗菌剤として過酸化水素および抗真菌剤として硫酸銅を含有する、ひづめ(hoof)ローションを開示する。硫酸銅は、ひづめローションの0.53重量%である。Corlissらは、特許請求されたひづめローションの、真菌増殖を殺傷および予防し、そしてひび割れ、脆弱な表面およびひづめの乾燥を治癒する際の有用性を開示する。
【0006】
ウンデシレン酸ならびにその銅、カルシウム、および亜鉛の塩、ならびにこれらの組み合わせは、汗疱状白癬(足部白癬)の処置における使用のための抗真菌剤として報告されている。しかし、ウンデシレン酸を含有する足のクリーム、スプレーおよび装飾は、皮膚の真菌感染の処置に限定されており、特に、爪の真菌感染の処置は放棄されてきた。
【0007】
ヒトの爪甲真菌症を処置するための方法が現在見出され、この方法は、真菌感染したヒトの爪を、銅塩、好ましくは硫酸銅に接触させる工程を包含する。
【0008】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、ヒトの爪組織に真菌が侵入するのを停止させるのに有効な、抗真菌有効量の銅塩を含有する爪組成物である。本発明の組成物において有用な例示的な銅塩としては、酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅が挙げられる。好ましくは、この銅塩は、硫酸銅(II)である。この組成物は、1%(重量/重量)〜32%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)、より好ましくは10%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む。好ましくは、この組成物は、マニキュア液、アクリル爪製品、ゲル爪製品、キューティクル軟化溶液、爪コンディショニング処方物、人工爪製品および爪装飾製品からなる群より選択される。1つの実施形態において、この組成物は、マニキュア液である。別の実施形態において、この組成物は、定着液をさらに含有する。別の実施形態において、この爪組成物は、接着剤をさらに含有する。1つの実施形態において、この組成物は、キューティクル軟化溶液である。この組成物はまた、徐放性処方物を使用して、長期にわたって銅塩を放出し得る。
【0009】
1つの局面において、本発明は、ヒトの爪組織での真菌の増殖を停止させるに有効な銅塩の抗真菌有効量を含有する爪組成物である。本発明の組成物において有用な例示的な銅塩としては、酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅が挙げられる。好ましくは、この銅塩は、硫酸銅(II)である。この組成物は、好ましくは、1%(重量/重量)〜32%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)、より好ましくは10%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む。好ましくは、この組成物は、マニキュア液、アクリル爪製品、ゲル爪製品、キューティクル軟化溶液、爪コンディショニング処方物、人工爪製品および爪装飾製品からなる群より選択される。1つの実施形態において、この組成物は、マニキュア液である。別の実施形態において、この組成物は、定着液をさらに含有する。別の実施形態において、この爪組成物は、接着剤をさらに含有する。1つの実施形態において、この組成物は、キューティクル軟化溶液または爪コンディショニング溶液である。この組成物はまた、徐放性処方物を使用して、長期にわたって銅塩を放出し得る。
【0010】
別の局面では、本発明は、抗真菌性爪薬の製造における銅塩の使用であって、この抗菌性爪薬は、ヒトの爪組織における真菌の侵入を阻止するために有効な抗真菌有効量のこの銅塩を含む。
【0011】
別の局面では、本発明は、抗真菌性爪薬の製造における銅塩の使用であって、この抗菌性爪薬は、ヒトの爪組織での真菌の増殖を阻止するために有効な抗真菌有効量のこの銅塩を含む。
【0012】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪における真菌の感染を検出するための薬の製造における銅塩の使用であって、この薬は、真菌に感染したヒトの爪組織を染色するための抗真菌有効量のこの銅塩を含む。
【0013】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪における真菌感染を予防するための薬の製造における銅塩の使用であって、この薬は、抗真菌有効量の上記銅塩を含む。
【0014】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪での真菌の増殖を予防するための薬の製造における銅塩の使用であって、この薬は、抗真菌有効量の上記銅塩を含む。
【0015】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪の真菌感染を処置するための方法であって、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、この有効量は、爪組織への真菌の侵入を抑止する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物のうちの1以上を利用する。
【0016】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪での真菌の増殖を処置するための方法であり、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、この有効量は、真菌増殖を抑止する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物のうちの1以上を利用する。
【0017】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪の真菌感染の持続的処置のための方法であり、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、爪組織への真菌の侵入を抑止し得る有効量は、適切な溶媒で爪を繰り返し洗浄した後で、真菌に感染した爪組織に存続する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0018】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪における真菌感染を検出する方法であって、この方法は、銅塩を含む有効量の組成物を、感染した爪に局所的に適用する工程であって、ここで、この組成物が、真菌に感染したあらゆる爪組織を視覚的に染色する、工程;感染した爪を適切な溶媒で洗浄して未感染の爪組織から染料を除去する工程;および持続して染色された爪組織を、真菌に感染した爪組織とみなす工程を包含する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0019】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪における真菌感染をモニタリングする方法であって、この方法は、最初の時点で、銅塩を含む有効量の組成物を、感染した爪に局所的に適用する工程であって、ここで、この組成物が、真菌に感染したあらゆる爪組織を視覚的に染色する、工程;この爪を適切な溶媒で洗浄して未感染の爪組織から染料を除去する工程;持続して染色された爪組織を、真菌に感染した爪組織とみなす工程;持続して染色された爪組織の面積を、非染色爪組織の面積と比較する工程;第二の時点で、銅塩を含む有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程であって、ここで、この組成物が、真菌に感染したあらゆる爪組織を染色する、工程;この爪を適切な溶媒で洗浄して未感染の爪組織から染料を除去する工程;持続して染色された爪組織を、真菌に感染した爪組織とみなす工程;持続して染色された爪組織の面積を、非染色爪組織の面積と比較する工程を包含し、ここで、第一の時点での非染色爪組織の、持続して染色された爪組織についての面積比に対する、第二の時点での、非染色爪組織の、持続して染色された爪組織についての面積比の増加は、真菌感染の減少を示す。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0020】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪における真菌感染を予防する方法であって、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程であって、ここでこの組成物は、この爪を適切な溶媒で繰り返し洗浄した後、健常な爪に存続する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0021】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪での真菌増殖を予防する方法であり、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物をこの爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、この組成物は、この爪を適切な溶媒で繰り返し洗浄した後、健常な爪上に存続する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0022】
(詳細な説明)
1つの局面では、本発明は、ヒトの爪真菌症を処置するための組成物であって、この組成物は、ヒトの爪組織への局所適用に安全である抗真菌有効量の少なくとも1つの銅塩(例えば、硫酸銅)および受容可能なキャリアを含む。真菌に感染したヒト爪組織に本発明の組成物を適用すると、感染した爪に埋まっている真菌体は、抗真菌有効量の銅塩と接触する。本発明の1つの実施形態では、本発明の組成物を、長期間経過後にヒトの爪組織に再度適用することが有利である。別の実施形態では、本発明の組成物は、長期間にわたって爪と接触したままである。
【0023】
用いられ得る例示的な銅塩としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅。好ましくは、銅塩は、硫酸銅(copper sulfate)であり、硫酸銅は、硫酸銅(copper sulfate)、硫酸銅(cupric sulfate)、硫酸銅(II)(copper(II)sulfate)、Roman礬(Roman vitriol)、フェーリング溶液A、ザルツブルク礬(salzburg vitriol)、硫酸銅(sulfuric acid copper)(2+)塩、硫酸銅(blue copper)、一硫化銅、CuSO4、硫酸銅(2+)(copper(2+)sulfate)、硫酸銅無水物(cupric sulfate anhydrous)、インクラサイド(incracide)E51、青石、ハイケル(hi−chel)、胆礬、自然胆礬および他の名称としても当該分野で公知である。本発明において利用される最も好ましい形態の硫酸銅は、硫酸銅(II)五水和物である。本発明において有用な銅塩は、一般的な化学物質供給業者(例えば、Sigma Chemical Company(St.Louis,MO)、Aldrich(Milwaukee,WI)およびMallinckrodt Laboratory Chemicals(Phillipsburg,NJ))から市販される。本発明は、工業等級、技術等級または試薬等級を含むがこれらに限定されない、広範囲の純度を有する銅塩を利用し得る(但し、銅塩中に存在する任意の不純物は、局所適用の際にヒトに対して有害でない)ことが理解される。
【0024】
大部分の用途に関しては、本発明の組成物は好ましくは、室温で1〜32%(重量/重量)の硫酸銅(II)の水性組成物に見出される銅の量に等しい量の1以上の銅塩を含む。しかし、実用濃度は、適用頻度、適用の型、用いられるキャリアの型ならびに本明細書中に開示されるような銅塩の毒性および/または本明細書中に開示されるような銅塩に対する患者の過敏症に依存して、痕跡量から約100%(重量/重量)の銅塩(例えば、硫酸銅)のペーストまで変動し得る。本発明において有用な銅塩の好ましい濃度は、適用の型に依存して変動し得、ここで、真菌感染の処置のための組成物中での銅塩の濃度は好ましくは、マニキュア液または爪接着剤において用いられる銅塩濃度よりも高い。さらに、真菌感染の処置のために本発明において有用な銅塩の好ましい濃度は、好ましい処置レジメンに依存して変動し得る。例えば、より濃い濃度の銅塩は、たまにしか適用されない組成物において好ましい;しかし、銅塩に対する過敏症を有する患者については、より頻繁に適用される、より低い濃度の銅塩を有する組成物が好ましい。真菌感染の処置について、本発明の好ましい組成物は、室温で約1%〜32%(重量/重量);好ましくは、7%〜20%(重量/重量);最も好ましくは、10%(重量/重量)の最終濃度の硫酸銅(II)を含む。
【0025】
本発明の組成物において有用な受容可能なキャリアは、銅塩を安定に可溶化し、かつヒト組織に対して耐性である任意の溶媒系である。受容可能なキャリアは、銅塩を可溶化し、かつ銅塩が時間を経て、後に再結晶化するのを防止しなければならない。本発明の活性成分に適した任意のキャリアは、本明細書中において、本出願の重要な部分であると考えられる。化粧品分野は、ヒトの皮膚および爪に塗布するのに適した化学薬品に富んでいる。以下の化合物は、単に例であり、いかなる様式においても制限されることは意図されない。銅塩と共に使用され得るキャリアとしては、ジメチコンシリコーン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン、オレイン酸、パンテノール(panthenal)、およびステアリン酸のような保湿剤が挙げられる。ラウレス硫酸ナトリウムのような界面活性剤または洗浄剤が本発明の銅塩組成物に塗布されて、この溶液に形成特性、洗浄特性、湿潤特性、乳化特性、可溶化特性、および分散特性を与える。銅塩組成物において使用され得る防腐剤としては、トコフェロールおよびEDTAが挙げられる。さらに、パラベン、クオタニウム−15、メチルイソチアゾリノン(methylisothiazolinone)、DMDM、ヒダントイン、およびフェノキシエタノールのような抗菌剤もまた、銅塩処方物において使用され得る。銅塩組成物中に、濃厚剤(微結晶性ワックスのような)、ポリエチレン濃縮剤、およびカルボマー濃縮剤を含むことが、有益であり得る。銅塩処方物に含まれ得る溶媒としては、水、水とグリセロールとの組み合わせ、および水と揮発性有機溶媒(ブチレングリコールおよびプロピレングリコール、シクロメチコン、ならびにグリセリンが挙げられるがこれらに限定されない)との組み合わせが挙げられる。モノスレアリン酸グリセリル、ラウラミンDEA、およびポリソルベートのような乳化剤が、銅塩組成物に添加するのに有益であり得る。銅塩組成物の、真菌感染した爪への浸透を増大させるために、浸透剤が、必要に応じて添加され得る。当業者の誰もが、所望ならば、適切な界面活性剤、浸透剤、保湿剤、抗菌剤、および乳化剤を選択して銅塩組成物を改変し得ることは、十分に理解されており、これらの全てが、本発明によって考慮されている。
【0026】
真菌感染を処置するために、抗真菌有効量の銅塩もまた、既存のマニキュア製品(例えば、市販のマニキュア液(例えば、REVLON,New York,New York;L’Oreal USA,Inc.,New York,New York,and CoverGirl,Procter & Gamble,Cincinnati,Ohio))、アクリル製マニキュア製品、ゲル状マニキュア製品、角質軟化液、爪コンディショニング調製剤(nail conditioning preparation)、または人工爪もしくは装飾用爪に付随して使用される種々の製品に添加され得る。定着液を添加することによって、銅塩組成物は、マニキュア液、人工爪または装飾用爪に塗布する前に半透性膜として爪に塗布され得る。マニキュア液、人工爪または装飾用爪を塗布する前に、マニキュア液において、または爪に塗布するフィルムとして本発明の組成物を塗布することによって、拡大した期間にわたって銅塩含有製品が爪と接触したままであるという利点が提供される。また、マニキュア液は、銅塩によって引き起こされる爪組織の染色の出現を最小にすることが有益である場合、必要に応じて、色素を含有し得る。1つの製品または抗真菌有効量で銅塩を含有する製品の組み合わせが使用され得ることは、考慮される。
【0027】
本発明は、ヒトにおける爪真菌症を処置するための方法であり、この方法は、銅塩組成物を、好ましくは、吸収性スワブ、フェルト、ガーゼ、点眼器またはブラシを用いて、真菌感染した爪に塗布する工程を包含する。好ましくは、銅塩組成物は、約30分間塗布されて、空気乾燥される。乾燥する際に、銅塩の粉末コーティング剤が、処置される皮膚および爪を覆う。水または他の適切な溶媒で洗浄する際に、爪の多孔性(感染した)部分は、銅塩により永久的に染色され得るが、正常な爪組織および皮膚は、一時的に染色され、そして正常な色に戻る。洗浄するのに適した溶媒は、爪組織または周囲の皮膚に損傷を与えることなく銅塩を可溶化し得る任意の溶媒である。銅塩組成物における洗浄溶媒およびキャリアは、同じであっても異なっていてもよい。硫酸銅(II)については、水が、洗浄用の好ましい溶媒である。一般に、手または足を長期間にわたって繰返し洗浄することによって、感染した爪への銅塩のさらなる移入が生じる。従って、通常の洗浄は、処置プロセスを妨害せず、各洗浄の後に銅塩溶液を繰返し塗布することが必要である。処置した爪が成長するにつれて、赤みを帯びたピンク色を有する狭いバンドが、青色に染色された感染した爪の部分のすぐ後ろに出現し得る。新しい健康な爪組織が出現するにつれて、この爪の染色された感染部分は、爪床を超えて成長し、そして切り落とされる。銅塩組成物の塗布は、染色が薄くなった際に、より好ましくは、感染の徴候がなくなるまで、少なくとも1ヶ月に1回繰り返される。
【0028】
本発明の銅塩処置に加えて、ヒトにおける爪真菌症を処置するための方法は、爪の健康維持のほぼ一部であるプロセスを包含し得、このプロセスは、爪をトリミングして研磨する工程、爪を乾燥させておく工程、および患部を化学薬品で処置して、銅塩の吸収を増強し、そして/または長期間に爪から銅塩が浸出するのを防ぐ工程を包含する。例えば、無色または着色されたマニキュア液が、銅塩で処置される爪に塗布され得る。同様に、染色された処置した爪は、着色されたマニキュア液を塗布することによって、表面的に隠され得る。
【0029】
銅塩組成物を使用してヒトの爪真菌症を処置する方法の別の局面は、爪真菌症の症候が表れる前に爪を処置することを包含する。例えば、1つの爪先に爪真菌症の症候が示される場合、症候がまだ見られない場合でさえ、全ての爪先が処置され得る。さらに、銅塩組成物は、真菌侵襲を示す爪の一部のみを染色するので、1つの爪の内部での真菌感染の進行がモニタリングされ得るか、または他の爪への起こり得る伝播が検出され得る。例えば、染色銅塩(好ましくは、硫酸銅)は、マニキュアを塗るかまたはペディキュアを施す前に、当該分野において使用される通常の浸漬溶液に添加され得る。
【0030】
本発明の銅塩組成物をまた使用して、爪真菌症およびヒトの爪の表面上に存在する非侵襲性真菌(例えば、人工爪または装飾用爪の使用に付随して通常見られる真菌)の増殖を防止し得る。1つの局面において、銅塩は、マニキュア液処方物、アクリル製マニキュア製品、ゲル状マニキュア製品、角質軟化液、マニキュアコンディショニング調製剤、または人工爪もしくは装飾用爪に付随して使用される種々の製品に添加されて、爪に存在する真菌の増殖を効果的に予防し得る。定着液を添加することによって、銅塩組成物は、マニキュア液、人工爪または装飾用爪に塗布する前に半透性膜として爪に塗布され得る。好ましくは、銅塩は、時間放出処方物(time−release formulation)中で塗布され得る。1つの製品または銅塩を含有する製品の組み合わせが、爪真菌症または表在性真菌増殖を予防する際に使用され得ることが、考慮される。
【0031】
本発明の銅塩組成物の潜在的な染色特性に起因して、輸送および保存中、ならびに感染した爪への塗布の際に銅塩組成物を閉じ込めることが、好ましい。1つの好ましい方法は、銅塩組成物で浸された吸収性スワブまたはフェルトまたはガーゼパッドを含む、防水紙、プラスチックまたはホイルのパッケージであり、これによって、このパッケージの一部を引き剥がすことによって、銅塩組成物で浸されたスワブの吸収性先端部、または銅塩組成物で浸されたフェルトもしくはガーゼパッドの一部が曝露され、これによって、感染した爪に直接塗布することができる。別の好ましい方法において、銅塩組成物は、破損しやすいアンプルにカプセル化されており、この破損しやすいアンプルは、張り合わせた(plyable)容器に密閉される。この容器は、破損の際にアンプルを閉じ込め得、吸収性材料でパッケージングされた1つの密閉端および1つの開口端を有し得、デバイス全体は、防水紙、プラスチックまたはホイルのパッケージ内に密閉されている。使用の際に、銅塩組成物を放出するためにアンプルが破壊され、吸収性材料が銅塩組成物で浸され、パッケージの一部が引き剥がされて、銅塩組成物で浸された吸収性材料が曝され、これによって、感染した爪に直接塗布することができる。
【0032】
(実施例1:足指の爪の処置)
真菌に感染した足指の爪を有すると診断された男性患者を、硫酸銅を染み込ませたガーゼパッドを使用して、この感染した足指の爪に、10%(w/v)の硫酸銅(II)5水和物水溶液を適用することによって処置し始めた。この硫酸銅溶液を、約30分かけて、この感染した足指の爪に適用し、次いで、空気乾燥させた。過剰の硫酸銅粉末を、水で2回洗浄することによって取り除いた。患者の爪の感染した部分は、青みを帯びた色を有していた。処置した爪が成長するにつれて、健康な爪の組織が、爪床の基部に現われ、一方、この爪の感染した部分は、この爪床に押し付けられ、そして定期的に切り取られた。時間が経過しても、この真菌の感染は、健康な爪の組織に広がらず、そしてこの爪の染色した処置部分は、取り除かれた。
【0033】
(実施例2:足指の爪の処置)
真菌に感染した足指の爪を有すると診断された男性患者を、この感染した足指の爪および同じ足の全ての爪に、10%(W/V)の硫酸銅(II)5水和物水溶液を、綿棒(cotton swab)を用いて適用することによって処置し始めた。この硫酸銅溶液を、約30分かけて、この患者の足指の爪に適用し、次いで、空気乾燥させた。過剰の硫酸銅粉末を、水で2〜3回洗浄することによって取り除いた。感染が存在する場合、患者の感染した爪は、青みを帯びた色を有していた。他の全ての爪は、正常の色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した足指から同じ足の隣接する足指の爪に広がっていないことを示した。処置した爪が成長するにつれて、健康な爪の組織が、爪床の基部に現われ、一方、この爪の感染した部分は、この爪床に押し付けられ、そして定期的に切り取られた。毎月、この硫酸銅溶液を、上記のように、感染した爪および同じ足の全ての爪に適用した。この患者の爪の感染した部分は、青色を有し続けた。洗浄すると、他の全ての爪は、正常な色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した足指から同じ足の隣接する足指の爪にまだ広がっていないことを示した。時間が経過しても、この真菌の感染は、健康な爪の組織に広がらず、そしてこの爪の染色した処置部分は、取り除かれ、正常で健康な爪が生じた。
【0034】
(実施例3:指の爪の処置)
真菌に感染した指の爪を有すると診断された女性患者を、この感染した爪および同じ手の全ての爪に、10%(w/v)の硫酸銅(II)5水和物水溶液を、綿棒を用いて適用することによって処置し始めた。この硫酸銅溶液を、約30分かけて、この患者の指の爪に適用し、次いで、空気乾燥させた。過剰の硫酸銅粉末を、水で2〜3回洗浄することによって取り除いた。感染が存在する場合、患者の感染した爪は、青みを帯びた色を有していた。他の全ての爪は、正常の色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した指の爪から同じ手の隣接する指の爪に広がっていないことを示した。この患者は、この感染した爪を完全に隠す、不透明な着色されたネイルエナメルで患者の指の爪を慣用的に覆った。処置した爪が成長するにつれて、健康な爪の組織が、爪床の基部に現われ、一方、この爪の感染した部分は、この爪床に押し付けられ、そして定期的に切り取られた。毎月、この硫酸銅溶液を、上記のように、感染した指の爪および同じ手の全ての指の爪に適用した。患者の爪の感染した部分は、青みを帯びた色を有し続けた。洗浄すると、他の全ての指の爪は、正常な色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した指の爪から同じ手の隣接する指の爪にまだ広がっていないことを示した。時間が経過しても、この真菌の感染は、健康な爪の組織に広がらず、そしてこの爪の染色した処置部分は、取り除かれ、正常で健康な爪が生じた。
【0035】
(実施例4:指の爪の処置)
30歳の女性は、右の人差し指に爪真菌症の感染を患ったとして診断された。この爪は、この爪の右側および爪小皮に沿って爪床から剥がれ、この爪は、爪の左側に沿ってのみつながっていた。この患者は、爪が剥がれるのを防ぐために包帯を必要とした。この爪の右側は、この真菌感染に関連して、特徴的な黄色で凸凹で、厚い構造を示した。1日目の第1の処置の前に、全ての指のマニキュアを、市販のマニキュア除去液を使用して、爪から除去した。包帯を、界面活性剤として作用するように添加された微量の洗浄剤を含む、10%の硫酸銅水溶液からなる調製液に浸けた。この包帯を、感染した爪および感染していない爪に適所に適用した。この溶液が爪床および小皮の端沿いの間隙に浸かることを確実にするように注意した。続いて、手を洗浄することにより、さらなる湿り気を提供し、爪床および周りの間隙により多くの硫酸溶液を入れた。この包帯を2日間着用し、次いでこの爪が引っ掛かることを防ぐため、清潔な乾燥した包帯と取り替えた。この処置を31日目およびさらに45日目に繰返し;さらなる処置はしなかった。処置の間、患者に、処置の間に指のマニキュアの使用を再開することを許した。132日目に、この爪を試験した。患者は、もはや、爪を保護するための乾燥包帯を着用していなかった。新しいピンク色の爪の成長が、小皮からこの爪沿いの中間点にまで存在した。この爪の新しい部分は、小皮から中間点までの爪の両側に正常に付着した。この中間点に、この爪を横切る「ケロイド型」縁がわずかに存在した。この古い真菌に感染した爪は、爪の右側の中間点から爪の末端までなお分離されていた。この「ケロイド型」縁のすぐ下にある、この新しい成長は、真菌感染後の爪の再成長に典型的な、凸凹した構造であった。しかし、この小皮から新しく現われた爪は、感染していない爪のように、より滑らかであった。
【0036】
上記の記載は、本発明の好ましい例示的な実施形態であり、そして本発明の例示であることが意図されるが、いずれにしても、本発明の精神を制限すると解釈されるべきではないことが、理解される。改変は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の組成物の特徴においてなされ得る。代替の物質がまた、本発明の範囲から逸脱することなく利用され得ることが、当業者に容易に明らかとなる。
(発明の技術分野)
本発明は、真菌感染したヒトの爪を処置するための組成物に関する。
【0002】
(背景)
爪の真菌感染(爪甲真菌症、爪白癬、または爪甲白癬としても公知;本明細書中以下、「爪甲真菌症」という)は、種々の真菌(Trychophyton sp.、Microsporum sp.、Epidermaphyton sp.、Candida sp.、Trichosporon sp.、Geotrichum sp.、Scopulariopsis sp.、Aspergillus sp.、Acremonium sp.、Fusarium sp.、Phyllosticta sp.、Hendersonula sp.およびCheatomium sp.による、手の爪(fingernail)または足の爪のケラチン構造の真菌侵入によって引き起こされる。真菌感染した爪は、代表的に、爪の一端で始まり、そしてキューティクルに向かって広がる、黄色がかった色を有する。時間がたつと、感染した爪は、厚くなり、光沢のない、変色した爪として存在し、しばしば、先端の下に角質の細片が蓄積する。未処置のままにすると、感染した爪板は、しばしば、脆くなるか、剥離するか、ぼろぼろになるか、砕けやすくなるか、筋がつくか、変形するか、分離するか、または完全に破壊される。爪甲真菌症は、一般に、痛くないが、感染した爪の見苦しい外観は、ほとんどの患者の困惑の元であり得る。糖尿病患者または免疫抑制された患者について、未処置のままの感染した爪は、深刻な感染を生じ得る。
【0003】
種々の全身的調製物および局所的調製物が、爪甲真菌症を処置するために使用されてきた。一般に、処置過程は、長期にわたり、そして高い再発率を伴う。イトラコナゾール(これは、真菌細胞膜の不可欠な成分であるエロステロール(erosterol)の、チトクロムP−450依存性の合成を阻害する)が、経口投与のために利用可能である。感染した足の爪についてイトラコナゾールを用いる、推奨される処置過程は、12週間である。感染した手の爪について、3週間の間隔を開けた、経口投与されるイトラコナゾールの1週間のパルス2回が推奨される。グリセオフルビンは、新たに形成されたケラチンに結合し、こうして、新たな爪組織を真菌感染に耐性にする、経口調製物である。推奨される処置は、爪が成長するにつれて、感染した爪を切り離す工程を包含し、そして感染した手の爪については少なくとも4ヶ月、および感染した足の爪については少なくとも6ヶ月を必要とする。グリセオフルビンは、Penicilliumに由来するので、ペニシリンとの交差感受性の可能性が存在し、その使用は、ペニシリンに対してアレルギーではない個体に限定される。塩酸テルビナフィンは、スクアレンエポキシダーゼを阻害し、そして真菌細胞膜の合成をブロックすることによって、真菌の増殖を予防する経口調製物である。塩酸テルビナフィンの推奨される処置は、感染した手の爪については6週間、および感染した足の爪については12週間である。局所的抗真菌剤としては、イミダゾールまたはトリアゾール(例えば、クロトリマゾールおよびケトコナゾール)、シクロピロックス、アンホテリシンB、ゲンチアナバイオレット、レゾルシノールおよびヨウ素が挙げられる。爪甲真菌症を処置するための抗真菌剤が、現在利用可能であるにもかかわらず、最小の再発率を有する、投与するのにあまり高価でない新規組成物が所望される。
【0004】
種々の銅塩の抗真菌用途は、農業および養殖漁業の分野では周知である。例えば、硫酸銅、炭酸銅、オキシ塩化銅、銅アンモニウム錯体、酸化銅、水酸化銅、ナフテン酸銅およびキノリン酸銅は全て、有効な抗真菌剤として報告されている。硫酸銅溶液の抗真菌特性は、230年以上にわたって知られており、コムギのなまぐさ黒穂病(Tilletia sp.)およびジャガイモの疫病(アイルランドのジャガイモ飢餓の原因)を排除するために使用された。Phytophthora infestans(ジャガイモの疫病の原因)の増殖を予防するための最も古い処置は、ボルドー液およびバーガンディー混合物として公知である。両方の溶液は、真菌の生活環に同調した厳密なスケジュールに従って、ジャガイモ植物に噴霧して、疫病を予防するために調製される。2%のボルドー液は、ジャガイモについて最も一般的に使用され、そして水100ガロン中、硫酸銅と消石灰との2:1の混合物からなる。1%のバーガンディー混合物は、水40ガロン中、硫酸銅と重炭酸ナトリウムとの4:5の混合物からなる。ジャガイモの疫病を予防するための合成抗真菌剤が利用可能であるにも関わらず、有機農家はなお、ボルドー液およびバーガンディー混合物を利用する。なぜなら、これらは、安全で安価で、かつ使用が容易であるからである。
【0005】
米国特許第4,822,595号(1989年4月18日発行)において、Corlissらは、分散剤としてアマニ油、保湿剤としてラノリン、乾燥剤としてテレピン、防腐剤としてヨウ素、増粘剤として松根タール、抗菌剤として過酸化水素および抗真菌剤として硫酸銅を含有する、ひづめ(hoof)ローションを開示する。硫酸銅は、ひづめローションの0.53重量%である。Corlissらは、特許請求されたひづめローションの、真菌増殖を殺傷および予防し、そしてひび割れ、脆弱な表面およびひづめの乾燥を治癒する際の有用性を開示する。
【0006】
ウンデシレン酸ならびにその銅、カルシウム、および亜鉛の塩、ならびにこれらの組み合わせは、汗疱状白癬(足部白癬)の処置における使用のための抗真菌剤として報告されている。しかし、ウンデシレン酸を含有する足のクリーム、スプレーおよび装飾は、皮膚の真菌感染の処置に限定されており、特に、爪の真菌感染の処置は放棄されてきた。
【0007】
ヒトの爪甲真菌症を処置するための方法が現在見出され、この方法は、真菌感染したヒトの爪を、銅塩、好ましくは硫酸銅に接触させる工程を包含する。
【0008】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、ヒトの爪組織に真菌が侵入するのを停止させるのに有効な、抗真菌有効量の銅塩を含有する爪組成物である。本発明の組成物において有用な例示的な銅塩としては、酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅が挙げられる。好ましくは、この銅塩は、硫酸銅(II)である。この組成物は、1%(重量/重量)〜32%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)、より好ましくは10%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む。好ましくは、この組成物は、マニキュア液、アクリル爪製品、ゲル爪製品、キューティクル軟化溶液、爪コンディショニング処方物、人工爪製品および爪装飾製品からなる群より選択される。1つの実施形態において、この組成物は、マニキュア液である。別の実施形態において、この組成物は、定着液をさらに含有する。別の実施形態において、この爪組成物は、接着剤をさらに含有する。1つの実施形態において、この組成物は、キューティクル軟化溶液である。この組成物はまた、徐放性処方物を使用して、長期にわたって銅塩を放出し得る。
【0009】
1つの局面において、本発明は、ヒトの爪組織での真菌の増殖を停止させるに有効な銅塩の抗真菌有効量を含有する爪組成物である。本発明の組成物において有用な例示的な銅塩としては、酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅が挙げられる。好ましくは、この銅塩は、硫酸銅(II)である。この組成物は、好ましくは、1%(重量/重量)〜32%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)、より好ましくは10%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む。好ましくは、この組成物は、マニキュア液、アクリル爪製品、ゲル爪製品、キューティクル軟化溶液、爪コンディショニング処方物、人工爪製品および爪装飾製品からなる群より選択される。1つの実施形態において、この組成物は、マニキュア液である。別の実施形態において、この組成物は、定着液をさらに含有する。別の実施形態において、この爪組成物は、接着剤をさらに含有する。1つの実施形態において、この組成物は、キューティクル軟化溶液または爪コンディショニング溶液である。この組成物はまた、徐放性処方物を使用して、長期にわたって銅塩を放出し得る。
【0010】
別の局面では、本発明は、抗真菌性爪薬の製造における銅塩の使用であって、この抗菌性爪薬は、ヒトの爪組織における真菌の侵入を阻止するために有効な抗真菌有効量のこの銅塩を含む。
【0011】
別の局面では、本発明は、抗真菌性爪薬の製造における銅塩の使用であって、この抗菌性爪薬は、ヒトの爪組織での真菌の増殖を阻止するために有効な抗真菌有効量のこの銅塩を含む。
【0012】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪における真菌の感染を検出するための薬の製造における銅塩の使用であって、この薬は、真菌に感染したヒトの爪組織を染色するための抗真菌有効量のこの銅塩を含む。
【0013】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪における真菌感染を予防するための薬の製造における銅塩の使用であって、この薬は、抗真菌有効量の上記銅塩を含む。
【0014】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪での真菌の増殖を予防するための薬の製造における銅塩の使用であって、この薬は、抗真菌有効量の上記銅塩を含む。
【0015】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪の真菌感染を処置するための方法であって、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、この有効量は、爪組織への真菌の侵入を抑止する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物のうちの1以上を利用する。
【0016】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪での真菌の増殖を処置するための方法であり、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、この有効量は、真菌増殖を抑止する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物のうちの1以上を利用する。
【0017】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪の真菌感染の持続的処置のための方法であり、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、爪組織への真菌の侵入を抑止し得る有効量は、適切な溶媒で爪を繰り返し洗浄した後で、真菌に感染した爪組織に存続する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0018】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪における真菌感染を検出する方法であって、この方法は、銅塩を含む有効量の組成物を、感染した爪に局所的に適用する工程であって、ここで、この組成物が、真菌に感染したあらゆる爪組織を視覚的に染色する、工程;感染した爪を適切な溶媒で洗浄して未感染の爪組織から染料を除去する工程;および持続して染色された爪組織を、真菌に感染した爪組織とみなす工程を包含する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0019】
別の局面では、本発明は、ヒトの爪における真菌感染をモニタリングする方法であって、この方法は、最初の時点で、銅塩を含む有効量の組成物を、感染した爪に局所的に適用する工程であって、ここで、この組成物が、真菌に感染したあらゆる爪組織を視覚的に染色する、工程;この爪を適切な溶媒で洗浄して未感染の爪組織から染料を除去する工程;持続して染色された爪組織を、真菌に感染した爪組織とみなす工程;持続して染色された爪組織の面積を、非染色爪組織の面積と比較する工程;第二の時点で、銅塩を含む有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程であって、ここで、この組成物が、真菌に感染したあらゆる爪組織を染色する、工程;この爪を適切な溶媒で洗浄して未感染の爪組織から染料を除去する工程;持続して染色された爪組織を、真菌に感染した爪組織とみなす工程;持続して染色された爪組織の面積を、非染色爪組織の面積と比較する工程を包含し、ここで、第一の時点での非染色爪組織の、持続して染色された爪組織についての面積比に対する、第二の時点での、非染色爪組織の、持続して染色された爪組織についての面積比の増加は、真菌感染の減少を示す。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0020】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪における真菌感染を予防する方法であって、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物を爪に局所的に適用する工程であって、ここでこの組成物は、この爪を適切な溶媒で繰り返し洗浄した後、健常な爪に存続する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0021】
別の局面では、本発明は、健常なヒトの爪での真菌増殖を予防する方法であり、この方法は、銅塩を含む抗真菌有効量の組成物をこの爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで、この組成物は、この爪を適切な溶媒で繰り返し洗浄した後、健常な爪上に存続する。好ましくは、この方法は、本明細書中に開示される爪組成物の1以上を利用する。
【0022】
(詳細な説明)
1つの局面では、本発明は、ヒトの爪真菌症を処置するための組成物であって、この組成物は、ヒトの爪組織への局所適用に安全である抗真菌有効量の少なくとも1つの銅塩(例えば、硫酸銅)および受容可能なキャリアを含む。真菌に感染したヒト爪組織に本発明の組成物を適用すると、感染した爪に埋まっている真菌体は、抗真菌有効量の銅塩と接触する。本発明の1つの実施形態では、本発明の組成物を、長期間経過後にヒトの爪組織に再度適用することが有利である。別の実施形態では、本発明の組成物は、長期間にわたって爪と接触したままである。
【0023】
用いられ得る例示的な銅塩としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅。好ましくは、銅塩は、硫酸銅(copper sulfate)であり、硫酸銅は、硫酸銅(copper sulfate)、硫酸銅(cupric sulfate)、硫酸銅(II)(copper(II)sulfate)、Roman礬(Roman vitriol)、フェーリング溶液A、ザルツブルク礬(salzburg vitriol)、硫酸銅(sulfuric acid copper)(2+)塩、硫酸銅(blue copper)、一硫化銅、CuSO4、硫酸銅(2+)(copper(2+)sulfate)、硫酸銅無水物(cupric sulfate anhydrous)、インクラサイド(incracide)E51、青石、ハイケル(hi−chel)、胆礬、自然胆礬および他の名称としても当該分野で公知である。本発明において利用される最も好ましい形態の硫酸銅は、硫酸銅(II)五水和物である。本発明において有用な銅塩は、一般的な化学物質供給業者(例えば、Sigma Chemical Company(St.Louis,MO)、Aldrich(Milwaukee,WI)およびMallinckrodt Laboratory Chemicals(Phillipsburg,NJ))から市販される。本発明は、工業等級、技術等級または試薬等級を含むがこれらに限定されない、広範囲の純度を有する銅塩を利用し得る(但し、銅塩中に存在する任意の不純物は、局所適用の際にヒトに対して有害でない)ことが理解される。
【0024】
大部分の用途に関しては、本発明の組成物は好ましくは、室温で1〜32%(重量/重量)の硫酸銅(II)の水性組成物に見出される銅の量に等しい量の1以上の銅塩を含む。しかし、実用濃度は、適用頻度、適用の型、用いられるキャリアの型ならびに本明細書中に開示されるような銅塩の毒性および/または本明細書中に開示されるような銅塩に対する患者の過敏症に依存して、痕跡量から約100%(重量/重量)の銅塩(例えば、硫酸銅)のペーストまで変動し得る。本発明において有用な銅塩の好ましい濃度は、適用の型に依存して変動し得、ここで、真菌感染の処置のための組成物中での銅塩の濃度は好ましくは、マニキュア液または爪接着剤において用いられる銅塩濃度よりも高い。さらに、真菌感染の処置のために本発明において有用な銅塩の好ましい濃度は、好ましい処置レジメンに依存して変動し得る。例えば、より濃い濃度の銅塩は、たまにしか適用されない組成物において好ましい;しかし、銅塩に対する過敏症を有する患者については、より頻繁に適用される、より低い濃度の銅塩を有する組成物が好ましい。真菌感染の処置について、本発明の好ましい組成物は、室温で約1%〜32%(重量/重量);好ましくは、7%〜20%(重量/重量);最も好ましくは、10%(重量/重量)の最終濃度の硫酸銅(II)を含む。
【0025】
本発明の組成物において有用な受容可能なキャリアは、銅塩を安定に可溶化し、かつヒト組織に対して耐性である任意の溶媒系である。受容可能なキャリアは、銅塩を可溶化し、かつ銅塩が時間を経て、後に再結晶化するのを防止しなければならない。本発明の活性成分に適した任意のキャリアは、本明細書中において、本出願の重要な部分であると考えられる。化粧品分野は、ヒトの皮膚および爪に塗布するのに適した化学薬品に富んでいる。以下の化合物は、単に例であり、いかなる様式においても制限されることは意図されない。銅塩と共に使用され得るキャリアとしては、ジメチコンシリコーン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン、オレイン酸、パンテノール(panthenal)、およびステアリン酸のような保湿剤が挙げられる。ラウレス硫酸ナトリウムのような界面活性剤または洗浄剤が本発明の銅塩組成物に塗布されて、この溶液に形成特性、洗浄特性、湿潤特性、乳化特性、可溶化特性、および分散特性を与える。銅塩組成物において使用され得る防腐剤としては、トコフェロールおよびEDTAが挙げられる。さらに、パラベン、クオタニウム−15、メチルイソチアゾリノン(methylisothiazolinone)、DMDM、ヒダントイン、およびフェノキシエタノールのような抗菌剤もまた、銅塩処方物において使用され得る。銅塩組成物中に、濃厚剤(微結晶性ワックスのような)、ポリエチレン濃縮剤、およびカルボマー濃縮剤を含むことが、有益であり得る。銅塩処方物に含まれ得る溶媒としては、水、水とグリセロールとの組み合わせ、および水と揮発性有機溶媒(ブチレングリコールおよびプロピレングリコール、シクロメチコン、ならびにグリセリンが挙げられるがこれらに限定されない)との組み合わせが挙げられる。モノスレアリン酸グリセリル、ラウラミンDEA、およびポリソルベートのような乳化剤が、銅塩組成物に添加するのに有益であり得る。銅塩組成物の、真菌感染した爪への浸透を増大させるために、浸透剤が、必要に応じて添加され得る。当業者の誰もが、所望ならば、適切な界面活性剤、浸透剤、保湿剤、抗菌剤、および乳化剤を選択して銅塩組成物を改変し得ることは、十分に理解されており、これらの全てが、本発明によって考慮されている。
【0026】
真菌感染を処置するために、抗真菌有効量の銅塩もまた、既存のマニキュア製品(例えば、市販のマニキュア液(例えば、REVLON,New York,New York;L’Oreal USA,Inc.,New York,New York,and CoverGirl,Procter & Gamble,Cincinnati,Ohio))、アクリル製マニキュア製品、ゲル状マニキュア製品、角質軟化液、爪コンディショニング調製剤(nail conditioning preparation)、または人工爪もしくは装飾用爪に付随して使用される種々の製品に添加され得る。定着液を添加することによって、銅塩組成物は、マニキュア液、人工爪または装飾用爪に塗布する前に半透性膜として爪に塗布され得る。マニキュア液、人工爪または装飾用爪を塗布する前に、マニキュア液において、または爪に塗布するフィルムとして本発明の組成物を塗布することによって、拡大した期間にわたって銅塩含有製品が爪と接触したままであるという利点が提供される。また、マニキュア液は、銅塩によって引き起こされる爪組織の染色の出現を最小にすることが有益である場合、必要に応じて、色素を含有し得る。1つの製品または抗真菌有効量で銅塩を含有する製品の組み合わせが使用され得ることは、考慮される。
【0027】
本発明は、ヒトにおける爪真菌症を処置するための方法であり、この方法は、銅塩組成物を、好ましくは、吸収性スワブ、フェルト、ガーゼ、点眼器またはブラシを用いて、真菌感染した爪に塗布する工程を包含する。好ましくは、銅塩組成物は、約30分間塗布されて、空気乾燥される。乾燥する際に、銅塩の粉末コーティング剤が、処置される皮膚および爪を覆う。水または他の適切な溶媒で洗浄する際に、爪の多孔性(感染した)部分は、銅塩により永久的に染色され得るが、正常な爪組織および皮膚は、一時的に染色され、そして正常な色に戻る。洗浄するのに適した溶媒は、爪組織または周囲の皮膚に損傷を与えることなく銅塩を可溶化し得る任意の溶媒である。銅塩組成物における洗浄溶媒およびキャリアは、同じであっても異なっていてもよい。硫酸銅(II)については、水が、洗浄用の好ましい溶媒である。一般に、手または足を長期間にわたって繰返し洗浄することによって、感染した爪への銅塩のさらなる移入が生じる。従って、通常の洗浄は、処置プロセスを妨害せず、各洗浄の後に銅塩溶液を繰返し塗布することが必要である。処置した爪が成長するにつれて、赤みを帯びたピンク色を有する狭いバンドが、青色に染色された感染した爪の部分のすぐ後ろに出現し得る。新しい健康な爪組織が出現するにつれて、この爪の染色された感染部分は、爪床を超えて成長し、そして切り落とされる。銅塩組成物の塗布は、染色が薄くなった際に、より好ましくは、感染の徴候がなくなるまで、少なくとも1ヶ月に1回繰り返される。
【0028】
本発明の銅塩処置に加えて、ヒトにおける爪真菌症を処置するための方法は、爪の健康維持のほぼ一部であるプロセスを包含し得、このプロセスは、爪をトリミングして研磨する工程、爪を乾燥させておく工程、および患部を化学薬品で処置して、銅塩の吸収を増強し、そして/または長期間に爪から銅塩が浸出するのを防ぐ工程を包含する。例えば、無色または着色されたマニキュア液が、銅塩で処置される爪に塗布され得る。同様に、染色された処置した爪は、着色されたマニキュア液を塗布することによって、表面的に隠され得る。
【0029】
銅塩組成物を使用してヒトの爪真菌症を処置する方法の別の局面は、爪真菌症の症候が表れる前に爪を処置することを包含する。例えば、1つの爪先に爪真菌症の症候が示される場合、症候がまだ見られない場合でさえ、全ての爪先が処置され得る。さらに、銅塩組成物は、真菌侵襲を示す爪の一部のみを染色するので、1つの爪の内部での真菌感染の進行がモニタリングされ得るか、または他の爪への起こり得る伝播が検出され得る。例えば、染色銅塩(好ましくは、硫酸銅)は、マニキュアを塗るかまたはペディキュアを施す前に、当該分野において使用される通常の浸漬溶液に添加され得る。
【0030】
本発明の銅塩組成物をまた使用して、爪真菌症およびヒトの爪の表面上に存在する非侵襲性真菌(例えば、人工爪または装飾用爪の使用に付随して通常見られる真菌)の増殖を防止し得る。1つの局面において、銅塩は、マニキュア液処方物、アクリル製マニキュア製品、ゲル状マニキュア製品、角質軟化液、マニキュアコンディショニング調製剤、または人工爪もしくは装飾用爪に付随して使用される種々の製品に添加されて、爪に存在する真菌の増殖を効果的に予防し得る。定着液を添加することによって、銅塩組成物は、マニキュア液、人工爪または装飾用爪に塗布する前に半透性膜として爪に塗布され得る。好ましくは、銅塩は、時間放出処方物(time−release formulation)中で塗布され得る。1つの製品または銅塩を含有する製品の組み合わせが、爪真菌症または表在性真菌増殖を予防する際に使用され得ることが、考慮される。
【0031】
本発明の銅塩組成物の潜在的な染色特性に起因して、輸送および保存中、ならびに感染した爪への塗布の際に銅塩組成物を閉じ込めることが、好ましい。1つの好ましい方法は、銅塩組成物で浸された吸収性スワブまたはフェルトまたはガーゼパッドを含む、防水紙、プラスチックまたはホイルのパッケージであり、これによって、このパッケージの一部を引き剥がすことによって、銅塩組成物で浸されたスワブの吸収性先端部、または銅塩組成物で浸されたフェルトもしくはガーゼパッドの一部が曝露され、これによって、感染した爪に直接塗布することができる。別の好ましい方法において、銅塩組成物は、破損しやすいアンプルにカプセル化されており、この破損しやすいアンプルは、張り合わせた(plyable)容器に密閉される。この容器は、破損の際にアンプルを閉じ込め得、吸収性材料でパッケージングされた1つの密閉端および1つの開口端を有し得、デバイス全体は、防水紙、プラスチックまたはホイルのパッケージ内に密閉されている。使用の際に、銅塩組成物を放出するためにアンプルが破壊され、吸収性材料が銅塩組成物で浸され、パッケージの一部が引き剥がされて、銅塩組成物で浸された吸収性材料が曝され、これによって、感染した爪に直接塗布することができる。
【0032】
(実施例1:足指の爪の処置)
真菌に感染した足指の爪を有すると診断された男性患者を、硫酸銅を染み込ませたガーゼパッドを使用して、この感染した足指の爪に、10%(w/v)の硫酸銅(II)5水和物水溶液を適用することによって処置し始めた。この硫酸銅溶液を、約30分かけて、この感染した足指の爪に適用し、次いで、空気乾燥させた。過剰の硫酸銅粉末を、水で2回洗浄することによって取り除いた。患者の爪の感染した部分は、青みを帯びた色を有していた。処置した爪が成長するにつれて、健康な爪の組織が、爪床の基部に現われ、一方、この爪の感染した部分は、この爪床に押し付けられ、そして定期的に切り取られた。時間が経過しても、この真菌の感染は、健康な爪の組織に広がらず、そしてこの爪の染色した処置部分は、取り除かれた。
【0033】
(実施例2:足指の爪の処置)
真菌に感染した足指の爪を有すると診断された男性患者を、この感染した足指の爪および同じ足の全ての爪に、10%(W/V)の硫酸銅(II)5水和物水溶液を、綿棒(cotton swab)を用いて適用することによって処置し始めた。この硫酸銅溶液を、約30分かけて、この患者の足指の爪に適用し、次いで、空気乾燥させた。過剰の硫酸銅粉末を、水で2〜3回洗浄することによって取り除いた。感染が存在する場合、患者の感染した爪は、青みを帯びた色を有していた。他の全ての爪は、正常の色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した足指から同じ足の隣接する足指の爪に広がっていないことを示した。処置した爪が成長するにつれて、健康な爪の組織が、爪床の基部に現われ、一方、この爪の感染した部分は、この爪床に押し付けられ、そして定期的に切り取られた。毎月、この硫酸銅溶液を、上記のように、感染した爪および同じ足の全ての爪に適用した。この患者の爪の感染した部分は、青色を有し続けた。洗浄すると、他の全ての爪は、正常な色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した足指から同じ足の隣接する足指の爪にまだ広がっていないことを示した。時間が経過しても、この真菌の感染は、健康な爪の組織に広がらず、そしてこの爪の染色した処置部分は、取り除かれ、正常で健康な爪が生じた。
【0034】
(実施例3:指の爪の処置)
真菌に感染した指の爪を有すると診断された女性患者を、この感染した爪および同じ手の全ての爪に、10%(w/v)の硫酸銅(II)5水和物水溶液を、綿棒を用いて適用することによって処置し始めた。この硫酸銅溶液を、約30分かけて、この患者の指の爪に適用し、次いで、空気乾燥させた。過剰の硫酸銅粉末を、水で2〜3回洗浄することによって取り除いた。感染が存在する場合、患者の感染した爪は、青みを帯びた色を有していた。他の全ての爪は、正常の色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した指の爪から同じ手の隣接する指の爪に広がっていないことを示した。この患者は、この感染した爪を完全に隠す、不透明な着色されたネイルエナメルで患者の指の爪を慣用的に覆った。処置した爪が成長するにつれて、健康な爪の組織が、爪床の基部に現われ、一方、この爪の感染した部分は、この爪床に押し付けられ、そして定期的に切り取られた。毎月、この硫酸銅溶液を、上記のように、感染した指の爪および同じ手の全ての指の爪に適用した。患者の爪の感染した部分は、青みを帯びた色を有し続けた。洗浄すると、他の全ての指の爪は、正常な色に戻り、このことは、この真菌の感染が、この感染した指の爪から同じ手の隣接する指の爪にまだ広がっていないことを示した。時間が経過しても、この真菌の感染は、健康な爪の組織に広がらず、そしてこの爪の染色した処置部分は、取り除かれ、正常で健康な爪が生じた。
【0035】
(実施例4:指の爪の処置)
30歳の女性は、右の人差し指に爪真菌症の感染を患ったとして診断された。この爪は、この爪の右側および爪小皮に沿って爪床から剥がれ、この爪は、爪の左側に沿ってのみつながっていた。この患者は、爪が剥がれるのを防ぐために包帯を必要とした。この爪の右側は、この真菌感染に関連して、特徴的な黄色で凸凹で、厚い構造を示した。1日目の第1の処置の前に、全ての指のマニキュアを、市販のマニキュア除去液を使用して、爪から除去した。包帯を、界面活性剤として作用するように添加された微量の洗浄剤を含む、10%の硫酸銅水溶液からなる調製液に浸けた。この包帯を、感染した爪および感染していない爪に適所に適用した。この溶液が爪床および小皮の端沿いの間隙に浸かることを確実にするように注意した。続いて、手を洗浄することにより、さらなる湿り気を提供し、爪床および周りの間隙により多くの硫酸溶液を入れた。この包帯を2日間着用し、次いでこの爪が引っ掛かることを防ぐため、清潔な乾燥した包帯と取り替えた。この処置を31日目およびさらに45日目に繰返し;さらなる処置はしなかった。処置の間、患者に、処置の間に指のマニキュアの使用を再開することを許した。132日目に、この爪を試験した。患者は、もはや、爪を保護するための乾燥包帯を着用していなかった。新しいピンク色の爪の成長が、小皮からこの爪沿いの中間点にまで存在した。この爪の新しい部分は、小皮から中間点までの爪の両側に正常に付着した。この中間点に、この爪を横切る「ケロイド型」縁がわずかに存在した。この古い真菌に感染した爪は、爪の右側の中間点から爪の末端までなお分離されていた。この「ケロイド型」縁のすぐ下にある、この新しい成長は、真菌感染後の爪の再成長に典型的な、凸凹した構造であった。しかし、この小皮から新しく現われた爪は、感染していない爪のように、より滑らかであった。
【0036】
上記の記載は、本発明の好ましい例示的な実施形態であり、そして本発明の例示であることが意図されるが、いずれにしても、本発明の精神を制限すると解釈されるべきではないことが、理解される。改変は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の組成物の特徴においてなされ得る。代替の物質がまた、本発明の範囲から逸脱することなく利用され得ることが、当業者に容易に明らかとなる。
Claims (46)
- ヒト爪組織中の真菌の増殖を阻止するために有効な、抗真菌量の銅塩を含む、爪用組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記銅塩が、酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅からなる群から選択される、組成物。
- 前記銅塩が、硫酸銅(II)である、請求項1に記載の組成物。
- 前記組成物が、1%(重量/重量)〜32%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む、請求項3に記載の組成物。
- 前記組成物が、10%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む、請求項3に記載の組成物。
- 請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物が、マニキュア液、アクリル爪製品、ゲル爪製品、キューティクル軟化溶液、爪コンディショニング処方物、人工爪製品および爪装飾製品からなる群から選択される、組成物。
- 前記組成物が、爪磨きである、請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物が、キューティクル軟化溶液である、請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の組成物
- 前記組成物が、定着液をさらに含む、請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物が、接着剤をさらに含む、請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出組成物を使用して徐々に放出される、請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項6に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項7に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項8に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項9に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項10に記載の組成物。
- ヒト爪組織上の真菌の増殖を阻止するために有効な、抗真菌量の銅塩を含む、爪用組成物。
- 請求項17に記載の組成物であって、前記銅塩が、酢酸銅、銅アンモニウム錯体、炭酸銅、過塩素酸銅、ハロゲン化銅、グルコン酸銅、オキシハロゲン化銅、乳酸銅、ナフテン酸銅、酸化銅、キノリン酸銅、サリチル酸銅、セレン酸銅、硫酸銅および酒石酸銅からなる群から選択される、組成物。
- 前記銅塩が、硫酸銅(II)である、請求項17に記載の組成物。
- 前記組成物が、1%(重量/重量)〜32%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む、請求項19に記載の組成物。
- 前記組成物が、10%(重量/重量)の水性硫酸銅(II)を含む、請求項19に記載の組成物。
- 請求項17、18、19、20または21のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物が、爪磨き、アクリル爪製品、ゲル爪製品、キューティクル軟化溶液、爪コンディショニング処方物、人工爪製品および爪装飾製品からなる群から選択される、組成物。
- 前記組成物が、爪磨きである、請求項17、18、19、20または21のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物が、キューティクル軟化溶液である、請求項17、18、19、20または21のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物が、定着液をさらに含む、請求項17、18、19、20または21のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物が、接着剤をさらに含む、請求項17、18、19、20または21のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出組成物を使用して徐々に放出される、請求項17、18、19、20または21のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項22に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項23に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項24に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項25に記載の組成物。
- 前記銅塩が、制御放出処方物を使用して徐々に放出される、請求項26に記載の組成物。
- 抗真菌爪用医薬の製造における銅塩の使用であって、該医薬は、ヒト爪組織中の真菌の増殖を阻止するために有効な、有効抗真菌量の該銅塩を含む、使用。
- 抗真菌爪用医薬の製造における銅塩の使用であって、該医薬は、ヒト爪組織上の真菌の増殖を阻止するために有効な、有効抗真菌量の該銅塩を含む、使用。
- ヒト爪中の真菌感染を検出するための医薬の製造における銅塩の使用であって、該医薬は、真菌感染したヒト爪組織を染色するのに有効量の該銅塩を含む、使用。
- 健康なヒト爪中の真菌感染を予防するための医薬の製造における銅塩の使用であって、該医薬は、有効抗真菌量の該銅塩を含む、使用。
- 健康なヒト爪上の真菌増殖を予防するための医薬の製造における銅塩の使用であって、該医薬は、有効抗真菌量の該銅塩を含む、使用。
- 前記組成物が、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32のいずれか1項に記載の組成物である、請求項33、34、35、36または37のいずれか1項に記載の使用。
- ヒト爪組織中の真菌感染を処置するための方法であって、該方法は、銅塩を含む有効真菌量の組成物を該爪組織に局所的に適用する工程を包含し、ここで該有効量は、該爪組織中の真菌の侵入を阻止する、方法。
- ヒト爪上の真菌増殖を処置するための方法であって、該方法は、銅塩を含む有効真菌量の組成物を該爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで該有効量は、真菌増殖を阻止する、方法。
- ヒト爪組織の真菌感染を持続的に処置するための方法であって、該方法は、銅塩を含む有効抗真菌量の組成物を該爪組織に局所的に適用する工程を包含し、ここで該有効量は、該爪組織を適切な溶媒で繰返し洗浄した後に、該真菌感染した爪組織上に残る該爪組織の真菌の侵入を阻止し得る、方法。
- ヒト爪中の真菌感染を検出するための方法であって、該方法は、以下:
a.銅塩を含む有効量の組成物を該爪に局所的に適用する工程であって、ここで該組成物は、すべての真菌感染した爪組織を可視的に染色する、工程;
b.該爪を適切な溶媒で洗浄して、感染していない爪組織から染色を除去する工程;および
c.染色が残った爪組織と真菌感染した爪組織とを同一視する工程、
を包含する、方法。 - ヒト爪中の真菌感染をモニタリングする方法であって、該方法は、以下:
a.第1の時点で、銅塩を含む有効量の組成物を該爪に局所的に適用する工程であって、ここで該組成物は、すべての真菌感染した爪組織を可視的に染色する、工程;
b.該爪を適切な溶媒で洗浄して、感染していない爪組織から染色を除去する工程;
c.染色が残った爪組織と真菌感染した爪組織とを同一視する工程;
d.染色が残った爪組織の面積と染色されていない爪組織の面積とを比較する工程;
e.第2の時点で、銅塩を含む有効量の組成物を該爪に局所的に適用する工程であって、ここで該組成物は、すべての真菌感染した爪組織を染色する、工程;
f.該爪を適切な溶媒で洗浄して、感染していない爪組織から染色を除去する工程;
g.染色が残った爪組織と真菌感染した爪組織とを同一視する工程;
h.染色が残った爪組織の面積と染色されていない爪組織を比較する工程、
を包含し、
ここで、第1の時点における染色が残った爪組織に対する染色されていない爪組織の面積比に対する、第2の時点における染色が残った爪組織に対する染色されていない爪組織の面積比における増加は、真菌感染の減少を示す、
方法。 - 健康なヒト爪中の真菌感染を予防する方法であって、該方法は、銅塩を含む有効真菌量の組成物を該爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで該組成物は、該爪を適切な溶媒で繰返し洗浄した後に、該健康な爪上に残る、方法。
- 健康なヒト爪上の真菌増殖を予防する方法であって、該方法は、銅塩を含む有効真菌量の組成物を該爪に局所的に適用する工程を包含し、ここで該組成物は、該爪を適切な溶媒で繰返し洗浄した後に、該健康な爪上に残る、方法。
- 前記組成物が、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32のいずれか1項に記載の組成物である、請求項39、40、41、42、43、44または45のいずれか1項に記載の方法。
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