JP2004513766A - 遠心エッジ摩耗ユニット - Google Patents

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Abstract

遠心ミル(12)のための遠心エッジ摩耗ユニット(10)が、組み付けられた状態で半径方向外側に露出している少なくとも1つの硬質鋳造領域(30)と、遠心ミル(12)に固定するために形成された少なくとも1つの軟質鋳造領域(28)とを備えた複合鋳造エレメント(26)を有している。さらに前記遠心エッジ摩耗ユニットは、複合鋳造エレメント(26)とは別個に製造された少なくとも1つの摩耗エレメント(34)を有しており、この摩耗エレメント(34)が、複合鋳造エレメント(26)に設けられた切欠(32)に収容されている。

Description

【0001】
本発明は、遠心ミルのための遠心エッジ摩耗ユニットに関する。
【0002】
このような形式の摩耗ユニットは、例えばパンフレット「BHSローターミューレン(Rotormuehlen)」により公知である。このような形式の遠心ミルでは、破砕物が、ほぼ鉛直な軸線を中心として回転可能なロータの中央に投入される。このロータでは、遠心力に基づき、粉砕物が、それぞれ粉砕ブレードによって区切られている複数の遠心室に分配される。ロータの回転方向で見て、遠心ブレードの遠心壁の手前には、破砕物から成る材料床が形成されている。この材料床はブレード壁を摩耗から保護している。この材料床の表面に沿って、破砕物粒子が半径方向外側へと加速され、遠心エッジに沿ってロータから流出し、短い自由飛散後に反発壁に当接する。この反発壁では、破砕物の主破砕が行われる。反発壁は、耐摩耗性の複数の反発プレートまたは粉砕された破砕物から成る材料床から形成することができる。
【0003】
ブレード壁の半径方向外側の端部を形成する遠心エッジは、遠心ミルロータにおける物理的な経過の前記説明により容易に理解されるように、摩擦による著しい摩耗にさらされている。何故ならば破砕物は摩耗エッジに沿って、摩耗エッジを形成するエレメントの表面に対してほぼ接線方向に動かされるからである。しかし摩耗エッジを形成するエレメントはさらに、反発壁によって跳ね返された破砕物による負荷にもさらされている。しかしながら、この跳ね返された破砕物粒子の運動は、遠心エッジエレメントの、この粒子によって負荷される表面に対して直交方向に向いた強い成分を有している。これは衝撃負荷である。
【0004】
前述した負荷に抵抗するために、従来の遠心エッジ摩耗ユニットは、遠心エッジを形成し、かつ反発摩耗保護のために働く硬質合金部分を有している。この硬質合金部分は、硬化されていない金属部分にろう接されるか接着されていて、ロータの各遠心ブレードの破砕壁に摩耗ユニットを固定するために働く。硬質合金部分は摩耗保護としては有効であるが、その脆性に基づき、跳ね返り保護としては殆ど適しておらず、比較的早期に摩耗する。
【0005】
これに対して本発明の課題は、運転中に生じる負荷のもとで摩耗に対して良好に保護するような遠心エッジ摩耗ユニットを提供することである。
【0006】
この課題は、本発明によれば、組み付けられた状態で半径方向外側に露出している少なくとも1つの硬質鋳造領域と、遠心ミルに固定するために形成された少なくとも1つの軟質鋳造領域とを備えた複合鋳造エレメントを有しており、複合鋳造エレメントとは別個に製造された少なくとも1つの摩耗エレメントを有しており、この摩耗エレメントが、複合鋳造エレメントに設けられた切欠に収容されていることを特徴とするようにした。
【0007】
複合鋳造エレメントの軟質鋳造領域には、簡単に、例えば穿孔によって、貫通開口を設けることができ、この貫通開口によって、遠心エッジ摩耗ユニットは例えば、ねじによって摩耗ブレードに固定することができる。所望とあらば、このように軟質鋳造領域に設けられた開口もしくは孔に、雌ねじ山を設けることもできる。しかしながらねじボルト端部と協動するナットを使用することもできる。
【0008】
複合鋳造エレメントの、組み付け状態で半径方向外側に露出する硬質鋳造領域は、遠心ミルの運転中に、反発壁から半径方向内側に戻された材料物に対する有効な跳ね返り保護装置を成している。硬質鋳造領域が、その硬さにも関わらず弾性的であって、従来の反発保護装置として使用される、硬質合金から成るエレメントほど脆性ではないという事実に基づき、跳ね返された破砕物による打撃負荷に良好に抗することができる。
【0009】
さらに、本発明による遠心エッジ摩耗ユニットは、複合鋳造エレメントとは別個に製造された摩耗エレメントを有しており、該摩耗エレメントが、摩耗ユニットの実際の遠心エッジを有している。この摩耗エレメントは例えば、硬質合金部分であってよく、これにより、本発明による摩耗エレメントが、従来の遠心エッジ摩耗ユニットを使用した場合に得られるのと同じ耐摩耗性を有していることが保証されている。
【0010】
切欠は後から、複合鋳造エレメントの軟質鋳造領域に加工成形することができる。このような後からの加工は、例えばフライス加工または浸食により行うことができ、加工過程では、軟質材料を加工するだけでよいので問題は生じない。しかしながら基本的には、切欠を、複合鋳造エレメントの鋳造の際に既にこの複合鋳造エレメントに形成することもできる。この場合には、切欠は少なくとも部分的に、複合鋳造エレメントの硬質鋳造領域にも配置することができる。この変化実施例はさらに、切欠のフライス加工又は侵食加工といった付加的な作業ステップを省くことができるという利点を有している。しかしながら、切欠のフライス加工または侵食加工は、形成を精密に、即ち小さな製造誤差で行えるという利点を有している。
【0011】
摩耗エレメントは切欠に挟み込まれる、及び/又は接着される。摩耗エレメントを挟み込むために、切欠はまず最初に熱的に拡大され、摩耗エレメントを挿入した後再び冷却される。次いで切欠は収縮し、切欠もしくは摩耗エレメントの相応の寸法で、摩耗エレメントを確実に保持する。摩耗エレメントを切欠に挿入し接着する際には、切欠と摩耗エレメントとの間の寸法のずれを簡単に補償することができる。この場合、一方では摩耗エレメントを確実に切欠に保持し、これにより、摩耗負荷に基づき破砕物によって切欠から摩耗エレメントが引き出されないような、他方では、研磨機の運転中に生じる負荷変動の際に破壊されない程度に弾性的な接着剤を使用することだけが注意されればよい。
【0012】
摩耗エレメントの製造を簡単にし、在庫管理を容易にするために、複数の摩耗エレメントを、1つの同じ切欠に挿入することができる。異なる大きさのロータを備えた遠心ミルの遠心エッジ摩耗ユニットはこの場合、簡単に、種々異なる数の摩耗エレメントを装備することにより製造される。
【0013】
本発明のさらなる構成では、複合鋳造エレメントが主要部分を有しており、この主要部分には、少なくとも1つの摩耗エレメントのための切欠と、遠心ミルに固定するために形成されている側方の付加部とが設けられている。この場合、主区分と付加部との間の移行領域に亀裂が形成されるのを防止するために、付加部が軟質鋳造材料から形成されていて、主区分の軟質鋳造領域に結合されていると特に有利である。
【0014】
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
【0015】
図1では本発明による遠心エッジ摩耗ユニット全体が符号10で示されている。遠心ミル12に組み込まれている図1に示した状態では、摩耗ユニット10は、遠心ミル12のロータの遠心ブレード14の半径方向外側端部14に固定されている。回転方向Rで見て遠心ブレード14の手前には、遠心ミル12の運転中に、破砕物から成る材料床16が形成される。この材料床16の表面に沿って、破砕物粒子18は遠心エッジ20に向かって加速される。破砕物粒子18が遠心エッジ20を通過すると、即ち破砕物粒子18が遠心ミル12のロータから流出すると、これらの破砕物粒子18は自由飛散して反発壁(図示せず)へと運動し、この反発壁で主粉砕が行われる。反発壁によって破砕された破砕物断片22の少なくとも一部は、再び半径方向内側に戻り、摩耗ユニット10の、半径方向外側で露出する表面24に当接する。
【0016】
遠心エッジ20の領域における摩擦負荷および表面24の領域における打撃負荷に抗するために、摩耗ユニット10は基体として、軟質鋳造領域28と硬質鋳造領域30とを備えた複合鋳造エレメント26を有している。硬質鋳造領域30は、この場合、複合鋳造エレメント26の、半径方向外側で露出する表面24に隣接する区分に形成されている。硬質鋳造領域30は、跳ね返って衝突する破砕物断片22に対する衝撃ガード部を形成している。
【0017】
軟質鋳造領域28には切欠32が設けられている。この切欠は、軟質鋳造領域28を、例えばフライス加工または腐食によって後から加工することにより、または相応のコアを、複合鋳造エレメント26を製造するための鋳造型に挿入することにより形成される。この切欠32には、硬質合金条片34が挿入され、この条片34には剥離エッジ20が形成されているか、もしくは、切欠32から突出する端部が遠心エッジ20を形成している。既に説明したように、摩耗エレメントとして働く条片34は、硬質合金から形成されていて、従って特に摩擦負荷に対して抵抗力がある。
【0018】
ブレード壁14に摩耗ユニット10を固定するために、比較的容積が大きい、摩耗ユニットの主区分36に、側方の付加部38が一体成形されている。この主区分36には硬質鋳造領域30と、摩耗条片34のための切欠32とが形成されている。付加部38は有利には軟質鋳造材料から製造されていて、複合鋳造エレメント26の軟質鋳造領域28へと移行している。複合鋳造エレメントは、遠心ミル12の運転中に移行領域40において亀裂が形成されるのを防止する。この付加部38には貫通孔42が設けられており、この貫通孔には図示の実施例では雌ねじ山44が設けられている。この雌ねじ山42,44は、ねじボルト46によって摩耗ユニット10をブレード壁14に固定するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による遠心エッジ摩耗ユニットを、遠心ミルに組み込まれた状態で示した図である。

Claims (8)

  1. 遠心ミル(12)のための遠心エッジ摩耗ユニット(10)において、
    組み付けられた状態で半径方向外側に露出している少なくとも1つの硬質鋳造領域(30)と、遠心ミル(12)に固定するために形成された少なくとも1つの軟質鋳造領域(28)とを備えた複合鋳造エレメント(26)を有しており、複合鋳造エレメント(26)とは別個に製造された少なくとも1つの摩耗エレメント(34)を有しており、この摩耗エレメント(34)が、複合鋳造エレメント(26)に設けられた切欠(32)に収容されていることを特徴とする、遠心ミル(12)のための遠心エッジ摩耗ユニット(10)。
  2. 切欠(32)が、複合鋳造エレメント(26)の軟質領域(28)に後から加工成形されている、請求項1記載の摩耗ユニット。
  3. 切欠(32)が、複合鋳造エレメント(26)を鋳造する際に、この複合鋳造エレメント(26)に形成されている、請求項1記載の摩耗ユニット。
  4. 摩耗エレメント(34)が切欠(32)に挟み込まれている、請求項1から3までのいずれか1項記載の摩耗ユニット。
  5. 摩耗ユニット(34)が切欠(32)に挿入されて接着されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の摩耗ユニット。
  6. 複数の摩耗エレメント(34)が、1つの同じ切欠(32)に挿入されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の摩耗ユニット。
  7. 複合鋳造エレメント(26)が、少なくとも1つの摩耗エレメント(34)のための切欠が設けられた主区分(36)と、遠心ミル(12)に固定するために形成された側方の付加部(38)とを有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の摩耗ユニット。
  8. 付加部(38)が、軟質鋳造材料から製造されていて、主区分(36)の軟質鋳造領域(28)に結合されている、請求項7記載の摩耗ユニット。
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