JP2004513467A - 傾斜可能なレンズ系を含む光走査デバイス - Google Patents
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Abstract
本発明は、光軸（４１）をもつ対物レンズ（４５）を含む光走査デバイス（１５）に関する。走査デバイスは、アクチュエーター（５７）を含み、それによって対物レンズを、光軸と平行な第一の方向（Ｘ１）において、及び半径方向（Ｙ）と平行な第二の方向（Ｘ２）において、変位させることができる。アクチュエーターは、第二の方向においてローレンツ力（Ｆ２、Ｆ３）を発生するための第一の方向に平行に向けられる導線部分（８７、８９）を有する少なくとも二つの電気コイル（７９、８１）を含む。本発明によって、コイル（７９）の第一のものにおけるローレンツ力（Ｆ２）の作用点及びコイル（８１）の第二のものにおけるローレンツ力（Ｆ３）の作用点は、第一の方向に平行な方向に見ると、互いに関しての異なる位置にある。結果として、機械式トルク（Ｍ）は、第一及び第二の方向に垂直な第三の方向（Ｘ３）に平行に向けられたチルト軸（１１７）まわりの前記ローレンツ力によって発生する。結果として、対物レンズは、第二の方向で変位させられるだけでなく、また前記チルト軸まわりに傾けられる。
前記傾斜可能性は、走査されるＣＤ又はＤＶＤのような情報担体（９）の情報面（１３）に垂直な位置に走査デバイス（１５）の放射ビーム（５１）を維持するために、使用される。好適な実施例において、アクチュエーター（５７）は、対物レンズ（４５）の第一の側面（７１）に近い第一の組みのコイル（７９、８１）、及び前記第一の側面と向かい合う対物レンズ（４５）の第二の側面（７５）に近い第二の組みのコイル（８３、８５）を含む。第一の組みのコイルの中心は、第一の方向（Ｘ１）に平行な方向で見ると、アクチュエーターの可動部分の重心（１１５）から等しい距離（ａ）で、及びその両側で、位置決めされる。第二の組みのコイルの中心は、第一の方向に平行な方向で見ると、前記重心からの等しい距離（ａ）で、及びその両側に、同様に、位置決めされる。結果として、光軸（４１）まわりのローレンツ力の望ましくない機械式トルクが予防される。
前記傾斜可能性は、走査されるＣＤ又はＤＶＤのような情報担体（９）の情報面（１３）に垂直な位置に走査デバイス（１５）の放射ビーム（５１）を維持するために、使用される。好適な実施例において、アクチュエーター（５７）は、対物レンズ（４５）の第一の側面（７１）に近い第一の組みのコイル（７９、８１）、及び前記第一の側面と向かい合う対物レンズ（４５）の第二の側面（７５）に近い第二の組みのコイル（８３、８５）を含む。第一の組みのコイルの中心は、第一の方向（Ｘ１）に平行な方向で見ると、アクチュエーターの可動部分の重心（１１５）から等しい距離（ａ）で、及びその両側で、位置決めされる。第二の組みのコイルの中心は、第一の方向に平行な方向で見ると、前記重心からの等しい距離（ａ）で、及びその両側に、同様に、位置決めされる。結果として、光軸（４１）まわりのローレンツ力の望ましくない機械式トルクが予防される。
Description
【０００１】
本発明は、光学的に走査可能な情報担体の情報層の走査するための光走査デバイスに関し、その走査デバイスには、放射源、動作中に情報層上の走査スポットへ放射源によって供給される放射ビームを集束するための光軸をもつ光学レンズ系、及び、それによってレンズ系を光軸に平行な第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向で走査デバイスの静止部分に関して変位させることができる、電気コイル系及び磁気系を含むアクチュエーターが提供され、コイル系には、第二の方向に平行に向く力を発生させるために、第一の方向に平行に向く導線部分を含む少なくとも一つの第一及び第二の電気コイルが提供される。
【０００２】
本発明は、さらに、光学的に走査可能な情報担体の情報層を走査するための光走査デバイスを含む光学式再生装置に関し、前記 走査デバイスには、放射源、動作中に情報層上の走査スポットへ放射源によって供給される放射ビームを集束するための光軸をもつ光学レンズ系、及び、それによってレンズ系を光軸に平行な第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向で走査デバイスの静止部分に関して変位させることができる、電気コイル系及び磁気系を含むアクチュエーターが提供され、コイル系には、第二の方向に平行に向く力を発生させるために、第一の方向に平行に向く導線部分を有する少なくとも一つの第一及び第二の電気コイルが提供され、前記光学式再生装置は、情報担体を置くことができると共に回転軸まわりに回転させることができるテーブル、及び、それによって走査デバイスの少なくともレンズ系を、主として半径方向で回転軸に関して変位させることができる変位デバイスがさらに提供される。
【０００３】
開始の段落で述べたこの種の光走査デバイス及び光学式再生装置は、ＵＳ−Ａ−５，３０１，１７５に開示されている。そこで用いられる既知の光学式再生装置及び既知の光走査デバイスは、例えば、ＣＤ又はＤＶＤを読み取るために適切に使用することができる。走査デバイスのレンズ系を、前記第一の方向で、即ち光軸に平行にアクチュエーターによって変位させることができると、
レンズ系と情報層との間に存在する距離を、できるだけ一定に保つことができ、放射ビームを、最良の可能な方法で情報層に集束させることができる。レンズ系を、光軸に対して直角の前記第二の方向で、即ち、半径方向で、アクチュエーターによって変位させることができると、放射ビームの走査スポットを、最良の可能な方法で情報層に存在する情報トラックで維持することができる。
またアクチュエーターは、既知の走査デバイスのレンズ系を、第二の方向に平行に向く第一のチルト軸まわりに、並びに第一の方向に垂直に及び第二の方向に垂直に向く第三の方向に平行に延びる第二のチルト軸まわりに、小さな角度だけ傾けることを可能とする。それの長所によって、放射ビームを、最良の可能な方法で情報層に向けることができる。走査デバイスの静止部分に関する情報層の配向が、傾斜した位置又は情報担体のそりの結果として、動作中に変動してもよいので、これは必要である。レンズ系が前記チルト軸に関して傾くことを可能にするために、既知の走査デバイスのアクチュエーターのコイル系は、第二の方向に平行に向く力を発生させるための二つの電気コイルに加えて、第三の方向に平行な方向で見ると、レンズ系及び第一のチルト軸の片側に配置される二つのコイルの組みを含む。各コイルの組みの二つの電気コイルは、第二のチルト軸の片側に配置されると共に導線部分が提供され、第一の方向に平行に向く力を発生させるために、第二の方向に平行に向けられる。四つの電気コイルは、走査デバイスの制御ユニットによって個々に制御されるので、四つのコイルによって、力を発生させることができ、第一の方向に平行に向け、光軸に平行な方向でレンズ系を変位させるために、第一のチルト軸まわりに向く機械式トルクは、第一のチルト軸まわりにレンズ系を傾けるために発生させることができ、第二のチルト軸まわりに向く機械式トルクを、第二のチルト軸まわりにレンズ系を傾けるために発生させることができる。
【０００４】
既知の走査デバイスが、第一の方向に平行に向く力を発生させるための四つの電気コイルを含むと、既知の走査デバイスの構造は複雑である。既知の走査デバイスは、そのレンズ系を傾けることはできないが、慣習的に単一の集束コイルのみを含み、その導線部分は、レンズ系のまわりに巻きつけられる。ＵＳ−Ａ−５，３０１，１７５に開示される走査デバイスのように、このような走査デバイスは、慣習的に第二の方向に平行に向く力を発生させるために二つのコイルを含む。
【０００５】
本発明の目的は、開始の段落で述べたタイプの光走査デバイス及び光学式再生装置を提供することであり、またそのレンズ系をアクチュエーターによって適切に傾けることができるが、アクチュエーターのコイル系は、より少数の電気コイルを含む。
【０００６】
この目的を達成するために、光走査デバイスは、本発明に従って、第一のコイルの前記導線部分における力の作用点は、その力は第二の方向に平行に向くが、及び第二のコイルの前記導線部分における力の作用点は、その力は第二の方向に平行に向くが、第一の方向に平行な方向で見ると、動作中に、互いに関して異なる位置に位置することを特徴とする。
【０００７】
この目的を達成するために、本発明に従う光学式再生装置は、そこで使用される光走査デバイスは、本発明に従う光走査デバイスであることを特徴とする。
【０００８】
第一の方向に平行な方向で見て、第一のコイル及び第二のコイルで第二の方向に平行に向く力の作用点を互いに関して異なる位置に位置させると、第二の方向に平行な方向でレンズ系を変位させるために、第二の方向に平行に向く力を第一のコイル及び第二のコイルによって発生させるだけでなく、チルト軸まわりに機械式トルクを、第一のコイル及び第二のコイルによって発生させることができ、そのチルト軸は、第一の方向に垂直及び第二の方向に垂直に向く第三の方向に平行に延びる。両方のコイル中の電流を別々に制御することによって、第二の方向に平行な方向におけるレンズ系の変位、及び前記チルト軸まわりのレンズ系の傾きを、独立して制御することができる。第三の方向に平行に向く前記チルト軸のみのまわりにレンズ系を傾ける可能性は、レンズ系の傾斜によって傾斜した位置又は情報担体のそりを適切に補償するのに、おおよそ十分であることを発見してきた。前記第一及び前記第二のコイルとは別に、
走査デバイスは、光軸に平行に向く力を発生させるために、ただ第一の方向に垂直に向く導線部分さらなるコイルを含まなければならず、従って、レンズ系が十分に傾斜可能であることを確認するのに必要である、本発明に従う走査デバイスのコイル系におけるコイルの数は、比較的小さい。
【０００９】
本発明に従う光走査デバイスの特定の実施例は、第一のコイルにおける前記作用点及び第二のコイルにおける前記作用点は、第一の方向に平行な方向で見ると、レンズ系及びアクチュエーターの可動部分によって形成される質量の重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置することを特徴とする。この特定の実施例で、第二の方向と平行な方向におけるレンズ系の変位は、第一及び第二のコイルで二つの等しい大きい及び等しく向く電流によって達成され、前記チルト軸まわりのレンズ系の傾斜は、第一の及び第二のコイルにおける二つの等しく大きい反対向きの電流によって達成される。この様式では、二つのコイルにおける電流の制御が単純化される。
【００１０】
本発明に従う光走査デバイスのさらなる実施例は、第一及び第二のコイルの前記導線部分は、動作中に、磁気系の磁場中に完全に位置し、第一のコイルの中心及び第二のコイルの中心は、第一の方向に平行な方向で見ると、互いに関しての異なる位置に位置することを特徴とする。導線部分が完全に磁気系の磁場中に位置すると、前記導線部分は、第二の方向に平行に向く力を発生させるために十分に使用され、その結果としてアクチュエーターは、高い効率を有する。
二つのコイルの中心が、第一の方向に平行な方向で見て、互いに関して異なる位置に位置すると、二つのコイルにおける第二の方向に平行に向く力の作用点が、第一の方向に平行な方向で見ると、互いに関して異なる位置に位置することが単純な様式で達成される。
【００１１】
本発明に従う光走査デバイスのまた別の実施例は、第一のコイルの中心及び第二のコイルの中心が、第一の方向に平行な方向で見ると、レンズ系及びアクチュエーターの可動部分から形成される質量の重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置することを特徴とする。この実施例では、第二の方向に平行な方向におけるレンズ系の変位は、第一及び第二のコイルにおいて二つの等しい向きの等しく大きい電流によって達成され、前記チルト軸まわりのレンズ系の傾斜は、第一及び第二のコイルにおける二つの等しく大きい反対向きの電流によって達成される。この様式では、二つのコイルにおける電流の制御が単純化される。
【００１２】
本発明に従う光走査デバイスの特定の実施例は、第二の方向に平行に向く力を発生させるためのコイル系には、第一の方向に垂直及び第二の方向に垂直に向く第三の方向に平行な方向で見ると、前記重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置する二つのコイルの組みが提供され、各コイルの組みの二つのコイルの中心は、第一の方向に平行な方向で見ると、重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置することを特徴とする。二つのコイルの組みが、第三の方向に平行な方向で見て、重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置すると、前記チルト軸まわりの所望のトルクとは別に、コイルが、また、光軸まわりに望まれないトルクを発生することを排除する。
【００１３】
本発明に従う光走査デバイス及び光学式再生装置の実施例を、以下で、図面を参照して説明する。
【００１４】
図１は、回転軸３のまわりに回転させることができると共に、フレーム７上に固定される電気モーター５によって駆動させることができるテーブル１を含む本発明に従う光学式再生装置を図に示す。ＣＤ又はＤＶＤのような光学的に走査可能な情報担体９をテーブル１に置くことができ、前記情報担体９には、円盤状の基板１１が提供され、その上に螺旋形状の情報トラックを有する情報層１３が存在する。情報層１３は、透明な保護層１４で覆われる。光学式再生装置は、さらに、情報担体９の情報層１３に存在する情報トラックを光学的に走査するための本発明に従う光走査デバイス１５を含む。走査デバイス１５を、光学式再生装置の変位デバイス１７によって、主として二つの向かい合う半径方向Ｙ及びＹ’において回転軸３に関して変位させることができる。この目的のために、走査デバイス１５は、変位デバイス１７のスライド１９に固定され、変位デバイス１７には、さらにストレートガイド２１が提供され、その上にはスライド１９が変位可能にガイドされ、そのストレートガイドは、フレーム７上に提供されると共にＹ方向に平行に延び、変位デバイスには、さらに電気モーター２３が提供され、それによってスライド１９をガイド２１上で変位させることができる。動作中に、図１に示してないが、光学式再生装置の電気制御ユニットによるモーター５及び２３の制御、結果として、回転軸まわりの情報担体９の回転、及び同時にＹ方向に対する平行な方向における走査デバイス１５の変位を、情報担体９の情報層１３に存在する螺旋形状の情報トラックが走査デバイス１５によって走査されるように、実行する。走査中に、情報トラックに存在する情報を、走査デバイス１５によって読み取ることができるか、又は情報を、走査デバイス１５によって情報トラック上に書き込むことができる。
【００１５】
本発明に従う光学式再生装置で用いられる本発明に従う光走査デバイス１５を図２に図で示す。走査デバイス１５には、光軸２７をもつ半導体レーザーのような放射源２５が提供される。走査デバイス１５は、放射源２５の光軸２７に関して４５°の角度で配置されると共に放射源２５に面する反射面３３が提供される透明板３１を含む、放射ビームスプリッター２９をさらに含む。走査デバイス１５は、さらに、光軸３７をもつコリメーターレンズユニット３５及び光軸４１をもつ光学レンズ系３９を含み、コリメーターレンズユニット３５は、放射ビームスプリッター２９とレンズ系３９との間に配置される。示した例において、レンズ系３９が単一の対物レンズ４５を含むと同時に、コリメーターレンズユニット３５は、単一のコリメーターレンズ４３を含む。示した例において、コリメーターレンズユニット３５の光軸３７及びレンズ系３９の光軸４１は、一致すると共に、放射源２５の光軸２７と９０°の角度を含む。走査デバイス１５は、さらに、周知の通常使用されるタイプであると共に放射ビームスプリッター２９の後側にコリメーターレンズユニット３５に関して配置される、光検出器４９を含む。動作中に、放射源２５は、放射ビームスプリッター２９の反射面３３によって反射されると共にレンズ系３９によって情報担体９の情報層１３上の走査スポット５３に集束される放射ビーム５１を発生させる。放射ビーム５１は、情報層１３によって反射され、レンズ系３９、コリメーターレンズユニット３５、及び放射ビームスプリッター２９を介して光検出器４９に集束される、反射された放射ビーム５５を形成する。情報担体９に存在する情報を読み取るために、放射源２５は、連続的な放射ビーム５１を発生させ、光検出器４９は、情報担体９の情報トラックにおける一連の基本情報特徴に相当する検出信号を供給し、その基本情報特徴は、走査スポット５３に連続的に存在する。情報担体９に情報を書き込むために、放射源２５は、書き込まれる情報に対応する放射ビーム５１を発生させ、一連の連続的な基本情報特徴は、情報担体９の情報トラックにおける走査スポット５３に発生する。本発明はまた光走査デバイスを含むことを注意しなければならず、ここで放射源２５、コリメーターレンズユニット３５、及びレンズ系３９は、互いに関して異なって配置される。例えば、本発明は、コリメーターレンズユニット３５の光軸３７及びレンズ系３９の光軸４１が、相互に９０°の角度を含み、追加の鏡がコリメーターレンズユニット３５とレンズ系３９との間に配置される、実施例を含む。これらの実施例では、光走査デバイスが、レンズ系３９の光軸４１に平行な方向で見ると、寸法を減少させてきた。また本発明は、例えば、放射源２５及びコリメーターレンズユニット３５がスライド１９ではなくフレーム７に関する固定位置に配置され、コリメーターレンズユニット３５の光軸３７が、半径方向Ｙ、Ｙ’と平行に延びるように向けられる、実施例を含む。これらの実施例では、レンズ系３９及び追加の鏡のみがスライド１９に提供されるので、スライドの変位可能な質量を減少させる。
【００１６】
さらに図２に示すように、光走査デバイス１５は、以下でより詳細に議論することになるアクチュエーター５７を含み、それによってレンズ系３９を、光軸４１と平行な第一の方向Ｘ１において比較的小さな距離以上に、及び第一の方向Ｘ１に垂直に及びＹ−方向に平行に延びる、第二の方向Ｘ２における比較的小さな距離以上に、スライド１９に固定された走査デバイス１５の静止部分５９に関して、変位させることができる。アクチュエーター５７によって第一の方向Ｘ１においてレンズ系３９を変位させることによって、走査スポット５３は、情報担体９の情報層１３に所望の確度で集束する。アクチュエーター５７によって第二の方向Ｘ２においてレンズ系３９を変位させることによって、走査スポットは、追跡される情報トラックに所望の確度で維持される。このために、アクチュエーター５７は、光検出器４９からの集束誤差信号及びトラッキング誤差信号の両方を受け取る光学式再生装置の前記制御ユニットによって、制御される。
【００１７】
レンズ系３９及びアクチュエーター５７の組み立て品は、図３に示される。図４ｂは、走査デバイス１５の静止部分５９に固定される、アクチュエーター５７の磁気系６１を示す。図４ａは、レンズ系３９に固定されると共にアクチュエーター５７の可動部分の部分を形成する、アクチュエーター５７の電気コイル系６３を示す。四つの弾性的に変形可能な金属棒６５によって、レンズ系３９及びコイル系６３は、静止部分５９に固定される固定部材６７から掛けられる。コイル系６３は、レンズ系３９のまわりに巻きつけられる第一の電気コイル６９を含む。レンズ系３９の第一の側面７１付近に、第一のコイル６９には、第二の方向Ｘ２に平行に延びる導線部分７３が提供され、レンズ系３９の第二の側面７５付近に、第一のコイル６９には、また第二の方向Ｘ２に平行に延びる導線部分７７が提供され、第一の側面７１及び第二の側面７５は、第一の方向Ｘ１に垂直及び第二の方向Ｘ２に垂直な第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、レンズ系３９の片側に位置する。コイル系６３は、さらに、第二の電気コイル７９及び第三の電気コイル８１、並びに前記第二の電気コイルと同一である、第四の電気コイル８３及び第五の電気コイル８５を含む。第二のコイル７９及び第三のコイル８１は、レンズ系３９の第一の側面７１の近くに位置すると共に、各々、第一の方向Ｘ１に平行に延びる導線部分８７及び８９が提供される。第四のコイル８３及び第五のコイル８５は、レンズ系３９の第二の側面付近に位置すると共に、各々、また第一の方向Ｘ１と平行に延びる導線部分９１及び９３が提供される。図３と図４ｂに示すように、磁気系６１は、レンズ系３９の第一の側面７１付近に配置される第一の部分９５及びレンズ系３９の第二の側面７５付近に配置される第二の部分９７を含む。磁気系６１の第一の部分９５は、永久磁石９９、並びに磁石９９が固定される第一の脚部１０１及び第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、磁石９９の反対側に配置される第二の脚部１０３を有する磁化可能な材料の密閉ヨークを含む。第一のコイル６９の前記導線部分７３、並びに第二のコイル７９及び第三のコイル８１の前記導線部分８７及び８９に適応する空気間隔１０５は、それぞれ、磁石９９と第二の脚部１０３との間に位置する。磁気系６１の第二の部分９７は、永久磁石１０７、並びに磁石１０７が固定される第一の脚部１０９及び第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると磁石１０７の反対側に配置される第二の脚部１１１を有する磁化可能な材料の密閉ヨークを含む。第一のコイル６９の前記導線部分７７、並びに第四のコイル８３及び第五のコイル８５の前記導線部分９１及び９３に適応する空気間隔１１３は、それぞれ、磁石１０７と第二の脚部１１１との間に位置する。磁石９９及び１０７は、それぞれ、第三の方向Ｘ３に平行に及び第三の方向Ｘ３に反対に磁化されるので、それぞれ。実質的に第三の方向Ｘ３に平行に延びる磁場Ｂ１、及び実質的に第三の方向Ｘ３に反対に延びる磁場Ｂ２は、空気間隔１０５と１１３に存在する。
【００１８】
図５において、互いに関する第二のコイル７９、第三のコイル８１、第四のコイル８３、及び第五のコイル８５の位置は、レンズ系３９の第一の側面７１付近に置かれたコイル系６３の図により正確に描かれている。また図５は、レンズ系３９及びアクチュエーター５７の変位可能な部分によって形成される質量の重心１１５を示し、その重心は、実質的にレンズ系３９の光軸４１に位置する。図５は、さらに、実質的に空気間隔１０５及び１１３における磁場Ｂ１及びＢ２の周囲に対応する、磁石９９及び１０７の周囲を示す。図５に示すように、それぞれ、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第二のコイル７９及び第三のコイル８１の導線部分８７及び８９は、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第二のコイル７９及び第三のコイル８１の他の導線部分が磁場Ｂ１の外側に位置すると同時に、完全に磁場Ｂ１中に位置する。また、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第四のコイル８３及び第五のコイル８５の導線部分９１及び９３は、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第四のコイル８３及び第五のコイル８５の他の導線部分が磁場Ｂ２の外側に位置すると同時に、完全に磁場Ｂ２中に位置する。さらに、第二の方向Ｘ２と平行に延びる第一のコイル６９の導線部分７３及び７７は、それぞれ、磁場Ｂ１及び磁場Ｂ２中に完全に位置する。第一のコイル６９における電流ｉ１との磁場Ｂ１、Ｂ２の相互作用によって、レンズ系３９が光軸４１に平行な方向に変位すると共にそれによって棒６５を弾性的に変形する影響の下で、第一のコイルの導線部分７３及び７７は、第一の方向Ｘ１と平行に延びる実質的に等しいローレンツ力Ｆ１を受ける。第一の方向Ｘ１に平行及び第二の方向Ｘ２に平行な方向で見ると、ローレンツ力Ｆ１の作用点は、実質的に重心１１５に位置することは注意しなければならない。図５において、前記作用点は、図面技術の理由のために相互に変位する位置に示す。
【００１９】
第二のコイル７９、第三のコイル８１、第四のコイル８３及び第五のコイル８５の導線部分８７、８９、９１及び９３は、以下の様式でローレンツ力を受ける。図５に示すように、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第三のコイル８１の中心Ｃ３が、重心１１５より下の等しい距離に位置すると同時に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第二のコイル７９の中心Ｃ２は、重心１１５より上の距離に位置する。同様に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第五のコイル８５の中心Ｃ５が、重心１１５より上の等しい距離に位置すると同時に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第四のコイル８３の中心Ｃ４は、重心１１５より下の等しい距離に位置する。両方とも重心１１５より上に位置する、第一のコイル７９及び第五のコイル８５は、等しく大きい電流ｉ２及びｉ’２が導線部分８７及び９３を通じて反対方向に流れるような様式で、相互に直列に配置される。両方とも重心１１５より下に位置する、第三のコイル８１及び第四のコイル８３は、等しく大きい電流ｉ３及びｉ’３が導線部分８９及び９１を通じて反対方向に流れるように、相互に直列に配置される。それぞれ磁場Ｂ１及びＢ２と電流ｉ３及びｉ’３との間の相互作用によって、第二の方向Ｘ２に平行に延びる実質的に等しいローレンツ力Ｆ３及びＦ’３が、導線部分８９及び９１に及ぼされると同時に、それぞれ磁場Ｂ１及びＢ２と電流ｉ２及びｉ’２との間の相互作用によって、第二の方向Ｘ２に平行に延びる実質的に等しいローレンツ力Ｆ２及びＦ’２は、導線部分８７及び９３に及ぼされる。第一の方向Ｘ１に平行な方向で見て、前記中心Ｃ２、Ｃ５及び前記中心Ｃ３、Ｃ４が、重心１１５の片側及びそれから実質的に等距離に位置すると共に導線部分８７、８９、９１及び９３が、それぞれ磁場Ｂ１及びＢ２に完全に位置すると、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２の作用点及びローレンツ力Ｆ３及びＦ’３の作用点もまた、重心１１５の片側及びそれから実質的に等距離に位置する。結果として、電流ｉ２及びｉ’２が電流ｉ３及びｉ’３と等しくないとすれば、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、第三の方向Ｘ３に実質的に平行に延びる力を導くだけでなく、その影響の下でレンズ系３９がＹ−方向に平行な方向で変位すると共にそれによって棒６５を弾性的に変形するが、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、第三の方向Ｘ３に平行に向くチルト軸１１７まわりの機械式トルクＭもまた導き、そのトルクの影響の下で、レンズ系３９は、このチルト軸１１７まわりに傾けられると共にそれによって棒６５を弾性的に変形する。電流ｉ２、ｉ’２、ｉ３及びｉ’３が等しいとすれば、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３もまた実質的に等しいので、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、チルト軸１１７のまわりの機械式トルクを導かないと共に、もっぱらＹ方向に平行な方向におけるレンズ系３９の変位を実質的に導く。
【００２０】
本発明に従う走査デバイス１５において、チルト軸１１７のまわりにレンズ系３９を傾ける上述の可能性は、動作中に、最良の可能な方法で情報担体９の情報層１３に垂直に放射ビーム５１を向けるために使用される。特にＤＶＤのような比較的高い情報密度をもつ情報担体の場合には、これは、情報層１３に存在する情報トラックを完全に走査するための必要条件である。傾斜の前記可能性なしで、放射ビーム５１と情報層１３との間の角度は、傾斜した位置又は情報担体９のそりの結果として、動作中に過度に変動するかもしれない。実際には、本発明に従う走査デバイス１５の場合におけるように、もっぱら半径Ｙ方向に垂直に延びるチルト軸のまわりにレンズ系３９を傾ける可能性は、傾斜した位置又は情報担体９のそりを適切に補償するのにおおよそ十分であることを発見してきた。本発明に従う走査デバイス１５において、図５における引用符１１９によって示す走査デバイス１５の前記制御ユニットは、簡単のために図に示してないセンサーから測定信号を受け取り、それは、レンズ系３９に関して、又は測定される静止部分５９に関して、情報層１３の配向を可能とする。例えば、それ自体知られている様式で、このような測定信号を、光検出器４９によって反射された放射ビーム５５から導出することができるが、前記配向を測定するために、代わりに走査デバイス１５に、個別の光センサー又は他のタイプのセンサーを提供することができる。制御ユニット１１９は、前記測定信号に基づいて、レンズ系３９をチルト軸１１７まわりに傾けなければならない必要な角度、及びそれによって前記角度を調節することができる電流ｉ２、ｉ’２、及びｉ３、ｉ’３の値及び方向を決定する。第一の方向Ｘ１に平行な方向で見て、中心Ｃ２及びＣ５から重心１１５までの距離並びに中心Ｃ３及びＣ４から重心１１５までの距離が、等しく大きいと、電流ｉ２及びｉ３が等しく大きいと共に同じ方向に流れるとすれば、レンズ系３９をもっぱら第二の方向Ｘ２で変位させ、また電流ｉ２及びｉ３が反対向きで等しく大きいとすれば、レンズ系３９を単にチルト軸１１７のまわりに傾ける。第二の方向Ｘ２におけるレンズ系３９の所望の変位、及びチルト軸１１７まわりのレンズ系３９の所望の傾斜を同時に得るのに必要である、電流ｉ２、ｉ’２、ｉ３及びｉ’３を、単一の変位及び単一の傾斜に必要な電流を合計することによって、比較的単純な様式で決定することができる。結果として、制御ユニット１１９の構築は、比較的単純である。第二のコイル７９及び第五のコイル８５を直列に配置すると共に第三のコイル８１及び第四のコイル８３もまた直列に配置すると、アクチュエーター５７のコイル系６３への必要な電流供給は、四つの金属棒６５を介して起こり得るが、四つの棒６５の三つは、それぞれ電流ｉ１、ｉ２（ｉ’２）及びｉ３（ｉ’３）を供給することに役立ち、第四の棒６５は、コイル系６３のすべてのコイル６９、７９、８１、８３、８５の共通の接地接続として役立つ。
【００２１】
また、第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、第二のコイル７９、第三のコイル８１、第四のコイル８３及び第五のコイル８５は、重心１１５からの実質的に等しい距離に位置する。加えて、第二のコイル７９及び第三のコイル８１に及ぼされるローレンツ力Ｆ２及びＦ３の合計が、第四のコイル８３及び第五のコイル８５に及ぼされるローレンツ力Ｆ’３及びＦ’２の合計と等しく大きいと共にそれと同じ方向で作用すると、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、光軸３９まわりの望まれない機械式トルクを導かず、その影響の下で光軸４１まわりのレンズ系３９の望まれない回転が起こり得るかもしれない。レンズ系の十分な程度の傾斜可能性もまた本発明に従う走査デバイスの実施例において達成することができ、ここで、アクチュエーターのコイル系は、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第二の方向Ｘ２における力及び第三の方向Ｘ３に平行に向くチルト軸まわりの機械式トルクを発生させるために、互いに関して異なる位置に位置する二つのコイルのみを含むことを注意しなければならない。このような実施例において、レンズ系の光軸まわりのローレンツ力の望まれない物機械式トルクが発達する。しかしながら、前記トルクを、第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、変位可能な質量の重心の片側及びそれから等しい距離に両方のコイルを配置することによって、できるだけ制限することができる。本発明に従う走査デバイスのアクチュエーターのコイル系は、このようにして比較的少数のコイルを含み、その結果として本発明に従う走査デバイスの構築は比較的単純である。
【００２２】
本発明は、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、二つのコイルの組みの二つのコイルが、変位可能な質量の重心からの等しくない距離に配置される実施例も含むことをさらに注意しなければならない。このように、本発明は、一般常識で、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、二つのコイル又は二つのコイルの組みが、互いに関して異なる位置に位置する実施例を含む。好ましくは、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、二つのコイル又は二つのコイルの組みは、前記重心の片側に位置するので、第三の方向Ｘ３に平行に延びるチルト軸まわりの機械式トルクとは別に、また比較的大きな力を第二の方向Ｘ２で発生させることができる。
【００２３】
本発明に従う走査デバイスの上述の実施例において、第一の方向Ｘ１に平行に延びるコイルの導線部分は、磁気系の磁場中に完全に位置し、前記導線部分は、第二の方向Ｘ２における力を発生させるために使用され、チルト軸まわりの機械式トルクは、第三の方向Ｘ３に平行に延びる。その長所によって、前記導線部分は、完全に前記力及び前記トルクを発生させるために使用されるので、走査デバイスのアクチュエーターは、高い効率を有する。本発明は、前記導線部分が必ずしも完全に前記磁場中に位置するとは限らない実施例も含むことに注意しなければならない。このような実施例において、前記チルト軸まわりの機械式トルクを発生させることができるために、二つのコイル又は二つのコイルの組みにおけるローレンツ力の作用点は、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、互いに関して異なる位置に位置しなければならない。これは、例えば、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると等しい位置に位置する二つのコイル又は二つのコイルの組み、及び第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると互いに関して異なる位置に位置する二つの磁石で達成される。この理由のために、一般常識で、本発明は、二つのコイル又はコイルの組みの前記導線部分において第二の方向Ｘ２に平行に延びる力の作用点が、動作中に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると互いに関して異なる位置に位置する実施例を含む。
【００２４】
そこで用いられる本発明に従う上述の光学式再生装置及び光走査デバイスによって、情報担体９の情報層１３を走査する間に、情報層１３に存在する情報を読み取ることができるか、又は情報を情報層１３に書き込むことができる。最後に、本発明はまた、光学式再生装置及び光走査デバイスを含み、それらによって情報担体の情報層に存在する情報のみを読み取ることができるか、又は、それらを情報担体の情報層における情報を書き込むことにのみ使用することができることを注意しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図１】
図式で本発明に従う光学式再生装置を示す図である。
【図２】
図１に従う光学式再生装置で用いられる本発明に従う光走査デバイスを示す図である。
【図３】
図２に従う走査デバイスのレンズ系及びアクチュエーターの平面図である。
【図４ａ】
図３に従うレンズ系及びアクチュエーターの電気コイル系を示す。
【図４ｂ】
図３に従うアクチュエーターの磁気系を示す。
【図５】
図４ａに従うコイル系の側面図である。
本発明は、光学的に走査可能な情報担体の情報層の走査するための光走査デバイスに関し、その走査デバイスには、放射源、動作中に情報層上の走査スポットへ放射源によって供給される放射ビームを集束するための光軸をもつ光学レンズ系、及び、それによってレンズ系を光軸に平行な第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向で走査デバイスの静止部分に関して変位させることができる、電気コイル系及び磁気系を含むアクチュエーターが提供され、コイル系には、第二の方向に平行に向く力を発生させるために、第一の方向に平行に向く導線部分を含む少なくとも一つの第一及び第二の電気コイルが提供される。
【０００２】
本発明は、さらに、光学的に走査可能な情報担体の情報層を走査するための光走査デバイスを含む光学式再生装置に関し、前記 走査デバイスには、放射源、動作中に情報層上の走査スポットへ放射源によって供給される放射ビームを集束するための光軸をもつ光学レンズ系、及び、それによってレンズ系を光軸に平行な第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向で走査デバイスの静止部分に関して変位させることができる、電気コイル系及び磁気系を含むアクチュエーターが提供され、コイル系には、第二の方向に平行に向く力を発生させるために、第一の方向に平行に向く導線部分を有する少なくとも一つの第一及び第二の電気コイルが提供され、前記光学式再生装置は、情報担体を置くことができると共に回転軸まわりに回転させることができるテーブル、及び、それによって走査デバイスの少なくともレンズ系を、主として半径方向で回転軸に関して変位させることができる変位デバイスがさらに提供される。
【０００３】
開始の段落で述べたこの種の光走査デバイス及び光学式再生装置は、ＵＳ−Ａ−５，３０１，１７５に開示されている。そこで用いられる既知の光学式再生装置及び既知の光走査デバイスは、例えば、ＣＤ又はＤＶＤを読み取るために適切に使用することができる。走査デバイスのレンズ系を、前記第一の方向で、即ち光軸に平行にアクチュエーターによって変位させることができると、
レンズ系と情報層との間に存在する距離を、できるだけ一定に保つことができ、放射ビームを、最良の可能な方法で情報層に集束させることができる。レンズ系を、光軸に対して直角の前記第二の方向で、即ち、半径方向で、アクチュエーターによって変位させることができると、放射ビームの走査スポットを、最良の可能な方法で情報層に存在する情報トラックで維持することができる。
またアクチュエーターは、既知の走査デバイスのレンズ系を、第二の方向に平行に向く第一のチルト軸まわりに、並びに第一の方向に垂直に及び第二の方向に垂直に向く第三の方向に平行に延びる第二のチルト軸まわりに、小さな角度だけ傾けることを可能とする。それの長所によって、放射ビームを、最良の可能な方法で情報層に向けることができる。走査デバイスの静止部分に関する情報層の配向が、傾斜した位置又は情報担体のそりの結果として、動作中に変動してもよいので、これは必要である。レンズ系が前記チルト軸に関して傾くことを可能にするために、既知の走査デバイスのアクチュエーターのコイル系は、第二の方向に平行に向く力を発生させるための二つの電気コイルに加えて、第三の方向に平行な方向で見ると、レンズ系及び第一のチルト軸の片側に配置される二つのコイルの組みを含む。各コイルの組みの二つの電気コイルは、第二のチルト軸の片側に配置されると共に導線部分が提供され、第一の方向に平行に向く力を発生させるために、第二の方向に平行に向けられる。四つの電気コイルは、走査デバイスの制御ユニットによって個々に制御されるので、四つのコイルによって、力を発生させることができ、第一の方向に平行に向け、光軸に平行な方向でレンズ系を変位させるために、第一のチルト軸まわりに向く機械式トルクは、第一のチルト軸まわりにレンズ系を傾けるために発生させることができ、第二のチルト軸まわりに向く機械式トルクを、第二のチルト軸まわりにレンズ系を傾けるために発生させることができる。
【０００４】
既知の走査デバイスが、第一の方向に平行に向く力を発生させるための四つの電気コイルを含むと、既知の走査デバイスの構造は複雑である。既知の走査デバイスは、そのレンズ系を傾けることはできないが、慣習的に単一の集束コイルのみを含み、その導線部分は、レンズ系のまわりに巻きつけられる。ＵＳ−Ａ−５，３０１，１７５に開示される走査デバイスのように、このような走査デバイスは、慣習的に第二の方向に平行に向く力を発生させるために二つのコイルを含む。
【０００５】
本発明の目的は、開始の段落で述べたタイプの光走査デバイス及び光学式再生装置を提供することであり、またそのレンズ系をアクチュエーターによって適切に傾けることができるが、アクチュエーターのコイル系は、より少数の電気コイルを含む。
【０００６】
この目的を達成するために、光走査デバイスは、本発明に従って、第一のコイルの前記導線部分における力の作用点は、その力は第二の方向に平行に向くが、及び第二のコイルの前記導線部分における力の作用点は、その力は第二の方向に平行に向くが、第一の方向に平行な方向で見ると、動作中に、互いに関して異なる位置に位置することを特徴とする。
【０００７】
この目的を達成するために、本発明に従う光学式再生装置は、そこで使用される光走査デバイスは、本発明に従う光走査デバイスであることを特徴とする。
【０００８】
第一の方向に平行な方向で見て、第一のコイル及び第二のコイルで第二の方向に平行に向く力の作用点を互いに関して異なる位置に位置させると、第二の方向に平行な方向でレンズ系を変位させるために、第二の方向に平行に向く力を第一のコイル及び第二のコイルによって発生させるだけでなく、チルト軸まわりに機械式トルクを、第一のコイル及び第二のコイルによって発生させることができ、そのチルト軸は、第一の方向に垂直及び第二の方向に垂直に向く第三の方向に平行に延びる。両方のコイル中の電流を別々に制御することによって、第二の方向に平行な方向におけるレンズ系の変位、及び前記チルト軸まわりのレンズ系の傾きを、独立して制御することができる。第三の方向に平行に向く前記チルト軸のみのまわりにレンズ系を傾ける可能性は、レンズ系の傾斜によって傾斜した位置又は情報担体のそりを適切に補償するのに、おおよそ十分であることを発見してきた。前記第一及び前記第二のコイルとは別に、
走査デバイスは、光軸に平行に向く力を発生させるために、ただ第一の方向に垂直に向く導線部分さらなるコイルを含まなければならず、従って、レンズ系が十分に傾斜可能であることを確認するのに必要である、本発明に従う走査デバイスのコイル系におけるコイルの数は、比較的小さい。
【０００９】
本発明に従う光走査デバイスの特定の実施例は、第一のコイルにおける前記作用点及び第二のコイルにおける前記作用点は、第一の方向に平行な方向で見ると、レンズ系及びアクチュエーターの可動部分によって形成される質量の重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置することを特徴とする。この特定の実施例で、第二の方向と平行な方向におけるレンズ系の変位は、第一及び第二のコイルで二つの等しい大きい及び等しく向く電流によって達成され、前記チルト軸まわりのレンズ系の傾斜は、第一の及び第二のコイルにおける二つの等しく大きい反対向きの電流によって達成される。この様式では、二つのコイルにおける電流の制御が単純化される。
【００１０】
本発明に従う光走査デバイスのさらなる実施例は、第一及び第二のコイルの前記導線部分は、動作中に、磁気系の磁場中に完全に位置し、第一のコイルの中心及び第二のコイルの中心は、第一の方向に平行な方向で見ると、互いに関しての異なる位置に位置することを特徴とする。導線部分が完全に磁気系の磁場中に位置すると、前記導線部分は、第二の方向に平行に向く力を発生させるために十分に使用され、その結果としてアクチュエーターは、高い効率を有する。
二つのコイルの中心が、第一の方向に平行な方向で見て、互いに関して異なる位置に位置すると、二つのコイルにおける第二の方向に平行に向く力の作用点が、第一の方向に平行な方向で見ると、互いに関して異なる位置に位置することが単純な様式で達成される。
【００１１】
本発明に従う光走査デバイスのまた別の実施例は、第一のコイルの中心及び第二のコイルの中心が、第一の方向に平行な方向で見ると、レンズ系及びアクチュエーターの可動部分から形成される質量の重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置することを特徴とする。この実施例では、第二の方向に平行な方向におけるレンズ系の変位は、第一及び第二のコイルにおいて二つの等しい向きの等しく大きい電流によって達成され、前記チルト軸まわりのレンズ系の傾斜は、第一及び第二のコイルにおける二つの等しく大きい反対向きの電流によって達成される。この様式では、二つのコイルにおける電流の制御が単純化される。
【００１２】
本発明に従う光走査デバイスの特定の実施例は、第二の方向に平行に向く力を発生させるためのコイル系には、第一の方向に垂直及び第二の方向に垂直に向く第三の方向に平行な方向で見ると、前記重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置する二つのコイルの組みが提供され、各コイルの組みの二つのコイルの中心は、第一の方向に平行な方向で見ると、重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置することを特徴とする。二つのコイルの組みが、第三の方向に平行な方向で見て、重心の片側及びそれから実質的に等距離に位置すると、前記チルト軸まわりの所望のトルクとは別に、コイルが、また、光軸まわりに望まれないトルクを発生することを排除する。
【００１３】
本発明に従う光走査デバイス及び光学式再生装置の実施例を、以下で、図面を参照して説明する。
【００１４】
図１は、回転軸３のまわりに回転させることができると共に、フレーム７上に固定される電気モーター５によって駆動させることができるテーブル１を含む本発明に従う光学式再生装置を図に示す。ＣＤ又はＤＶＤのような光学的に走査可能な情報担体９をテーブル１に置くことができ、前記情報担体９には、円盤状の基板１１が提供され、その上に螺旋形状の情報トラックを有する情報層１３が存在する。情報層１３は、透明な保護層１４で覆われる。光学式再生装置は、さらに、情報担体９の情報層１３に存在する情報トラックを光学的に走査するための本発明に従う光走査デバイス１５を含む。走査デバイス１５を、光学式再生装置の変位デバイス１７によって、主として二つの向かい合う半径方向Ｙ及びＹ’において回転軸３に関して変位させることができる。この目的のために、走査デバイス１５は、変位デバイス１７のスライド１９に固定され、変位デバイス１７には、さらにストレートガイド２１が提供され、その上にはスライド１９が変位可能にガイドされ、そのストレートガイドは、フレーム７上に提供されると共にＹ方向に平行に延び、変位デバイスには、さらに電気モーター２３が提供され、それによってスライド１９をガイド２１上で変位させることができる。動作中に、図１に示してないが、光学式再生装置の電気制御ユニットによるモーター５及び２３の制御、結果として、回転軸まわりの情報担体９の回転、及び同時にＹ方向に対する平行な方向における走査デバイス１５の変位を、情報担体９の情報層１３に存在する螺旋形状の情報トラックが走査デバイス１５によって走査されるように、実行する。走査中に、情報トラックに存在する情報を、走査デバイス１５によって読み取ることができるか、又は情報を、走査デバイス１５によって情報トラック上に書き込むことができる。
【００１５】
本発明に従う光学式再生装置で用いられる本発明に従う光走査デバイス１５を図２に図で示す。走査デバイス１５には、光軸２７をもつ半導体レーザーのような放射源２５が提供される。走査デバイス１５は、放射源２５の光軸２７に関して４５°の角度で配置されると共に放射源２５に面する反射面３３が提供される透明板３１を含む、放射ビームスプリッター２９をさらに含む。走査デバイス１５は、さらに、光軸３７をもつコリメーターレンズユニット３５及び光軸４１をもつ光学レンズ系３９を含み、コリメーターレンズユニット３５は、放射ビームスプリッター２９とレンズ系３９との間に配置される。示した例において、レンズ系３９が単一の対物レンズ４５を含むと同時に、コリメーターレンズユニット３５は、単一のコリメーターレンズ４３を含む。示した例において、コリメーターレンズユニット３５の光軸３７及びレンズ系３９の光軸４１は、一致すると共に、放射源２５の光軸２７と９０°の角度を含む。走査デバイス１５は、さらに、周知の通常使用されるタイプであると共に放射ビームスプリッター２９の後側にコリメーターレンズユニット３５に関して配置される、光検出器４９を含む。動作中に、放射源２５は、放射ビームスプリッター２９の反射面３３によって反射されると共にレンズ系３９によって情報担体９の情報層１３上の走査スポット５３に集束される放射ビーム５１を発生させる。放射ビーム５１は、情報層１３によって反射され、レンズ系３９、コリメーターレンズユニット３５、及び放射ビームスプリッター２９を介して光検出器４９に集束される、反射された放射ビーム５５を形成する。情報担体９に存在する情報を読み取るために、放射源２５は、連続的な放射ビーム５１を発生させ、光検出器４９は、情報担体９の情報トラックにおける一連の基本情報特徴に相当する検出信号を供給し、その基本情報特徴は、走査スポット５３に連続的に存在する。情報担体９に情報を書き込むために、放射源２５は、書き込まれる情報に対応する放射ビーム５１を発生させ、一連の連続的な基本情報特徴は、情報担体９の情報トラックにおける走査スポット５３に発生する。本発明はまた光走査デバイスを含むことを注意しなければならず、ここで放射源２５、コリメーターレンズユニット３５、及びレンズ系３９は、互いに関して異なって配置される。例えば、本発明は、コリメーターレンズユニット３５の光軸３７及びレンズ系３９の光軸４１が、相互に９０°の角度を含み、追加の鏡がコリメーターレンズユニット３５とレンズ系３９との間に配置される、実施例を含む。これらの実施例では、光走査デバイスが、レンズ系３９の光軸４１に平行な方向で見ると、寸法を減少させてきた。また本発明は、例えば、放射源２５及びコリメーターレンズユニット３５がスライド１９ではなくフレーム７に関する固定位置に配置され、コリメーターレンズユニット３５の光軸３７が、半径方向Ｙ、Ｙ’と平行に延びるように向けられる、実施例を含む。これらの実施例では、レンズ系３９及び追加の鏡のみがスライド１９に提供されるので、スライドの変位可能な質量を減少させる。
【００１６】
さらに図２に示すように、光走査デバイス１５は、以下でより詳細に議論することになるアクチュエーター５７を含み、それによってレンズ系３９を、光軸４１と平行な第一の方向Ｘ１において比較的小さな距離以上に、及び第一の方向Ｘ１に垂直に及びＹ−方向に平行に延びる、第二の方向Ｘ２における比較的小さな距離以上に、スライド１９に固定された走査デバイス１５の静止部分５９に関して、変位させることができる。アクチュエーター５７によって第一の方向Ｘ１においてレンズ系３９を変位させることによって、走査スポット５３は、情報担体９の情報層１３に所望の確度で集束する。アクチュエーター５７によって第二の方向Ｘ２においてレンズ系３９を変位させることによって、走査スポットは、追跡される情報トラックに所望の確度で維持される。このために、アクチュエーター５７は、光検出器４９からの集束誤差信号及びトラッキング誤差信号の両方を受け取る光学式再生装置の前記制御ユニットによって、制御される。
【００１７】
レンズ系３９及びアクチュエーター５７の組み立て品は、図３に示される。図４ｂは、走査デバイス１５の静止部分５９に固定される、アクチュエーター５７の磁気系６１を示す。図４ａは、レンズ系３９に固定されると共にアクチュエーター５７の可動部分の部分を形成する、アクチュエーター５７の電気コイル系６３を示す。四つの弾性的に変形可能な金属棒６５によって、レンズ系３９及びコイル系６３は、静止部分５９に固定される固定部材６７から掛けられる。コイル系６３は、レンズ系３９のまわりに巻きつけられる第一の電気コイル６９を含む。レンズ系３９の第一の側面７１付近に、第一のコイル６９には、第二の方向Ｘ２に平行に延びる導線部分７３が提供され、レンズ系３９の第二の側面７５付近に、第一のコイル６９には、また第二の方向Ｘ２に平行に延びる導線部分７７が提供され、第一の側面７１及び第二の側面７５は、第一の方向Ｘ１に垂直及び第二の方向Ｘ２に垂直な第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、レンズ系３９の片側に位置する。コイル系６３は、さらに、第二の電気コイル７９及び第三の電気コイル８１、並びに前記第二の電気コイルと同一である、第四の電気コイル８３及び第五の電気コイル８５を含む。第二のコイル７９及び第三のコイル８１は、レンズ系３９の第一の側面７１の近くに位置すると共に、各々、第一の方向Ｘ１に平行に延びる導線部分８７及び８９が提供される。第四のコイル８３及び第五のコイル８５は、レンズ系３９の第二の側面付近に位置すると共に、各々、また第一の方向Ｘ１と平行に延びる導線部分９１及び９３が提供される。図３と図４ｂに示すように、磁気系６１は、レンズ系３９の第一の側面７１付近に配置される第一の部分９５及びレンズ系３９の第二の側面７５付近に配置される第二の部分９７を含む。磁気系６１の第一の部分９５は、永久磁石９９、並びに磁石９９が固定される第一の脚部１０１及び第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、磁石９９の反対側に配置される第二の脚部１０３を有する磁化可能な材料の密閉ヨークを含む。第一のコイル６９の前記導線部分７３、並びに第二のコイル７９及び第三のコイル８１の前記導線部分８７及び８９に適応する空気間隔１０５は、それぞれ、磁石９９と第二の脚部１０３との間に位置する。磁気系６１の第二の部分９７は、永久磁石１０７、並びに磁石１０７が固定される第一の脚部１０９及び第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると磁石１０７の反対側に配置される第二の脚部１１１を有する磁化可能な材料の密閉ヨークを含む。第一のコイル６９の前記導線部分７７、並びに第四のコイル８３及び第五のコイル８５の前記導線部分９１及び９３に適応する空気間隔１１３は、それぞれ、磁石１０７と第二の脚部１１１との間に位置する。磁石９９及び１０７は、それぞれ、第三の方向Ｘ３に平行に及び第三の方向Ｘ３に反対に磁化されるので、それぞれ。実質的に第三の方向Ｘ３に平行に延びる磁場Ｂ１、及び実質的に第三の方向Ｘ３に反対に延びる磁場Ｂ２は、空気間隔１０５と１１３に存在する。
【００１８】
図５において、互いに関する第二のコイル７９、第三のコイル８１、第四のコイル８３、及び第五のコイル８５の位置は、レンズ系３９の第一の側面７１付近に置かれたコイル系６３の図により正確に描かれている。また図５は、レンズ系３９及びアクチュエーター５７の変位可能な部分によって形成される質量の重心１１５を示し、その重心は、実質的にレンズ系３９の光軸４１に位置する。図５は、さらに、実質的に空気間隔１０５及び１１３における磁場Ｂ１及びＢ２の周囲に対応する、磁石９９及び１０７の周囲を示す。図５に示すように、それぞれ、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第二のコイル７９及び第三のコイル８１の導線部分８７及び８９は、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第二のコイル７９及び第三のコイル８１の他の導線部分が磁場Ｂ１の外側に位置すると同時に、完全に磁場Ｂ１中に位置する。また、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第四のコイル８３及び第五のコイル８５の導線部分９１及び９３は、第一の方向Ｘ１と平行に延びる第四のコイル８３及び第五のコイル８５の他の導線部分が磁場Ｂ２の外側に位置すると同時に、完全に磁場Ｂ２中に位置する。さらに、第二の方向Ｘ２と平行に延びる第一のコイル６９の導線部分７３及び７７は、それぞれ、磁場Ｂ１及び磁場Ｂ２中に完全に位置する。第一のコイル６９における電流ｉ１との磁場Ｂ１、Ｂ２の相互作用によって、レンズ系３９が光軸４１に平行な方向に変位すると共にそれによって棒６５を弾性的に変形する影響の下で、第一のコイルの導線部分７３及び７７は、第一の方向Ｘ１と平行に延びる実質的に等しいローレンツ力Ｆ１を受ける。第一の方向Ｘ１に平行及び第二の方向Ｘ２に平行な方向で見ると、ローレンツ力Ｆ１の作用点は、実質的に重心１１５に位置することは注意しなければならない。図５において、前記作用点は、図面技術の理由のために相互に変位する位置に示す。
【００１９】
第二のコイル７９、第三のコイル８１、第四のコイル８３及び第五のコイル８５の導線部分８７、８９、９１及び９３は、以下の様式でローレンツ力を受ける。図５に示すように、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第三のコイル８１の中心Ｃ３が、重心１１５より下の等しい距離に位置すると同時に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第二のコイル７９の中心Ｃ２は、重心１１５より上の距離に位置する。同様に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第五のコイル８５の中心Ｃ５が、重心１１５より上の等しい距離に位置すると同時に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第四のコイル８３の中心Ｃ４は、重心１１５より下の等しい距離に位置する。両方とも重心１１５より上に位置する、第一のコイル７９及び第五のコイル８５は、等しく大きい電流ｉ２及びｉ’２が導線部分８７及び９３を通じて反対方向に流れるような様式で、相互に直列に配置される。両方とも重心１１５より下に位置する、第三のコイル８１及び第四のコイル８３は、等しく大きい電流ｉ３及びｉ’３が導線部分８９及び９１を通じて反対方向に流れるように、相互に直列に配置される。それぞれ磁場Ｂ１及びＢ２と電流ｉ３及びｉ’３との間の相互作用によって、第二の方向Ｘ２に平行に延びる実質的に等しいローレンツ力Ｆ３及びＦ’３が、導線部分８９及び９１に及ぼされると同時に、それぞれ磁場Ｂ１及びＢ２と電流ｉ２及びｉ’２との間の相互作用によって、第二の方向Ｘ２に平行に延びる実質的に等しいローレンツ力Ｆ２及びＦ’２は、導線部分８７及び９３に及ぼされる。第一の方向Ｘ１に平行な方向で見て、前記中心Ｃ２、Ｃ５及び前記中心Ｃ３、Ｃ４が、重心１１５の片側及びそれから実質的に等距離に位置すると共に導線部分８７、８９、９１及び９３が、それぞれ磁場Ｂ１及びＢ２に完全に位置すると、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２の作用点及びローレンツ力Ｆ３及びＦ’３の作用点もまた、重心１１５の片側及びそれから実質的に等距離に位置する。結果として、電流ｉ２及びｉ’２が電流ｉ３及びｉ’３と等しくないとすれば、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、第三の方向Ｘ３に実質的に平行に延びる力を導くだけでなく、その影響の下でレンズ系３９がＹ−方向に平行な方向で変位すると共にそれによって棒６５を弾性的に変形するが、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、第三の方向Ｘ３に平行に向くチルト軸１１７まわりの機械式トルクＭもまた導き、そのトルクの影響の下で、レンズ系３９は、このチルト軸１１７まわりに傾けられると共にそれによって棒６５を弾性的に変形する。電流ｉ２、ｉ’２、ｉ３及びｉ’３が等しいとすれば、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３もまた実質的に等しいので、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、チルト軸１１７のまわりの機械式トルクを導かないと共に、もっぱらＹ方向に平行な方向におけるレンズ系３９の変位を実質的に導く。
【００２０】
本発明に従う走査デバイス１５において、チルト軸１１７のまわりにレンズ系３９を傾ける上述の可能性は、動作中に、最良の可能な方法で情報担体９の情報層１３に垂直に放射ビーム５１を向けるために使用される。特にＤＶＤのような比較的高い情報密度をもつ情報担体の場合には、これは、情報層１３に存在する情報トラックを完全に走査するための必要条件である。傾斜の前記可能性なしで、放射ビーム５１と情報層１３との間の角度は、傾斜した位置又は情報担体９のそりの結果として、動作中に過度に変動するかもしれない。実際には、本発明に従う走査デバイス１５の場合におけるように、もっぱら半径Ｙ方向に垂直に延びるチルト軸のまわりにレンズ系３９を傾ける可能性は、傾斜した位置又は情報担体９のそりを適切に補償するのにおおよそ十分であることを発見してきた。本発明に従う走査デバイス１５において、図５における引用符１１９によって示す走査デバイス１５の前記制御ユニットは、簡単のために図に示してないセンサーから測定信号を受け取り、それは、レンズ系３９に関して、又は測定される静止部分５９に関して、情報層１３の配向を可能とする。例えば、それ自体知られている様式で、このような測定信号を、光検出器４９によって反射された放射ビーム５５から導出することができるが、前記配向を測定するために、代わりに走査デバイス１５に、個別の光センサー又は他のタイプのセンサーを提供することができる。制御ユニット１１９は、前記測定信号に基づいて、レンズ系３９をチルト軸１１７まわりに傾けなければならない必要な角度、及びそれによって前記角度を調節することができる電流ｉ２、ｉ’２、及びｉ３、ｉ’３の値及び方向を決定する。第一の方向Ｘ１に平行な方向で見て、中心Ｃ２及びＣ５から重心１１５までの距離並びに中心Ｃ３及びＣ４から重心１１５までの距離が、等しく大きいと、電流ｉ２及びｉ３が等しく大きいと共に同じ方向に流れるとすれば、レンズ系３９をもっぱら第二の方向Ｘ２で変位させ、また電流ｉ２及びｉ３が反対向きで等しく大きいとすれば、レンズ系３９を単にチルト軸１１７のまわりに傾ける。第二の方向Ｘ２におけるレンズ系３９の所望の変位、及びチルト軸１１７まわりのレンズ系３９の所望の傾斜を同時に得るのに必要である、電流ｉ２、ｉ’２、ｉ３及びｉ’３を、単一の変位及び単一の傾斜に必要な電流を合計することによって、比較的単純な様式で決定することができる。結果として、制御ユニット１１９の構築は、比較的単純である。第二のコイル７９及び第五のコイル８５を直列に配置すると共に第三のコイル８１及び第四のコイル８３もまた直列に配置すると、アクチュエーター５７のコイル系６３への必要な電流供給は、四つの金属棒６５を介して起こり得るが、四つの棒６５の三つは、それぞれ電流ｉ１、ｉ２（ｉ’２）及びｉ３（ｉ’３）を供給することに役立ち、第四の棒６５は、コイル系６３のすべてのコイル６９、７９、８１、８３、８５の共通の接地接続として役立つ。
【００２１】
また、第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、第二のコイル７９、第三のコイル８１、第四のコイル８３及び第五のコイル８５は、重心１１５からの実質的に等しい距離に位置する。加えて、第二のコイル７９及び第三のコイル８１に及ぼされるローレンツ力Ｆ２及びＦ３の合計が、第四のコイル８３及び第五のコイル８５に及ぼされるローレンツ力Ｆ’３及びＦ’２の合計と等しく大きいと共にそれと同じ方向で作用すると、ローレンツ力Ｆ２、Ｆ’２、Ｆ３及びＦ’３は、光軸３９まわりの望まれない機械式トルクを導かず、その影響の下で光軸４１まわりのレンズ系３９の望まれない回転が起こり得るかもしれない。レンズ系の十分な程度の傾斜可能性もまた本発明に従う走査デバイスの実施例において達成することができ、ここで、アクチュエーターのコイル系は、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、第二の方向Ｘ２における力及び第三の方向Ｘ３に平行に向くチルト軸まわりの機械式トルクを発生させるために、互いに関して異なる位置に位置する二つのコイルのみを含むことを注意しなければならない。このような実施例において、レンズ系の光軸まわりのローレンツ力の望まれない物機械式トルクが発達する。しかしながら、前記トルクを、第三の方向Ｘ３に平行な方向で見ると、変位可能な質量の重心の片側及びそれから等しい距離に両方のコイルを配置することによって、できるだけ制限することができる。本発明に従う走査デバイスのアクチュエーターのコイル系は、このようにして比較的少数のコイルを含み、その結果として本発明に従う走査デバイスの構築は比較的単純である。
【００２２】
本発明は、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、二つのコイルの組みの二つのコイルが、変位可能な質量の重心からの等しくない距離に配置される実施例も含むことをさらに注意しなければならない。このように、本発明は、一般常識で、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、二つのコイル又は二つのコイルの組みが、互いに関して異なる位置に位置する実施例を含む。好ましくは、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、二つのコイル又は二つのコイルの組みは、前記重心の片側に位置するので、第三の方向Ｘ３に平行に延びるチルト軸まわりの機械式トルクとは別に、また比較的大きな力を第二の方向Ｘ２で発生させることができる。
【００２３】
本発明に従う走査デバイスの上述の実施例において、第一の方向Ｘ１に平行に延びるコイルの導線部分は、磁気系の磁場中に完全に位置し、前記導線部分は、第二の方向Ｘ２における力を発生させるために使用され、チルト軸まわりの機械式トルクは、第三の方向Ｘ３に平行に延びる。その長所によって、前記導線部分は、完全に前記力及び前記トルクを発生させるために使用されるので、走査デバイスのアクチュエーターは、高い効率を有する。本発明は、前記導線部分が必ずしも完全に前記磁場中に位置するとは限らない実施例も含むことに注意しなければならない。このような実施例において、前記チルト軸まわりの機械式トルクを発生させることができるために、二つのコイル又は二つのコイルの組みにおけるローレンツ力の作用点は、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると、互いに関して異なる位置に位置しなければならない。これは、例えば、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると等しい位置に位置する二つのコイル又は二つのコイルの組み、及び第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると互いに関して異なる位置に位置する二つの磁石で達成される。この理由のために、一般常識で、本発明は、二つのコイル又はコイルの組みの前記導線部分において第二の方向Ｘ２に平行に延びる力の作用点が、動作中に、第一の方向Ｘ１に平行な方向で見ると互いに関して異なる位置に位置する実施例を含む。
【００２４】
そこで用いられる本発明に従う上述の光学式再生装置及び光走査デバイスによって、情報担体９の情報層１３を走査する間に、情報層１３に存在する情報を読み取ることができるか、又は情報を情報層１３に書き込むことができる。最後に、本発明はまた、光学式再生装置及び光走査デバイスを含み、それらによって情報担体の情報層に存在する情報のみを読み取ることができるか、又は、それらを情報担体の情報層における情報を書き込むことにのみ使用することができることを注意しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図１】
図式で本発明に従う光学式再生装置を示す図である。
【図２】
図１に従う光学式再生装置で用いられる本発明に従う光走査デバイスを示す図である。
【図３】
図２に従う走査デバイスのレンズ系及びアクチュエーターの平面図である。
【図４ａ】
図３に従うレンズ系及びアクチュエーターの電気コイル系を示す。
【図４ｂ】
図３に従うアクチュエーターの磁気系を示す。
【図５】
図４ａに従うコイル系の側面図である。
Claims (6)
- 光学的に走査可能な情報担体の情報層を走査する光走査デバイスであって、
該走査デバイスは、放射源、動作中に前記放射源によって供給される放射ビームを前記情報層における走査スポットへ集束させる、光軸を有する光学レンズ系、及び、電気コイル系及び磁気系を含むアクチュエーター、が提供され、
前記アクチュエーターによって、前記レンズ系を、前記光軸に平行な第一の方向において、及び前記第一の方向に垂直な第二の方向において、前記走査デバイスの静止部分に関して変位させることができ、
前記第二の方向に平行に向く力を発生させる前記コイル系は、前記第一の方向に平行に向く導線部分を含む少なくとも一つの第一及び一つの第二の電気コイルが提供され、
前記第二の方向に平行に向く前記第一のコイルの前記導線部分における力の作用点、及び前記第二の方向に平行に向く前記第二のコイルの前記導線部分における力の作用点は、動作中に、前記第一の方向に平行な方向で見ると互いに関して異なる位置に位置することを特徴とする光走査デバイス。 - 前記第一のコイルにおける前記作用点及び前記第二のコイルにおける前記作用点は、前記第一の方向に平行な方向で見ると、前記レンズ系及び前記アクチュエーターの可動部分によって形成される質量の重心の片側に、及び該重心から実質的に等距離に、位置することを特徴とする請求項１記載の光走査デバイス。
- 前記第一及び前記第二のコイルの前記導線部分は、動作中に、前記磁気系の磁場中に完全に位置し、
前記第一のコイルの中心及び前記第二のコイルの中心は、前記第一の方向に平行な方向で見ると、互いに関して異なる位置に位置することを特徴とする請求項１記載の光走査デバイス。 - 前記第一のコイルの前記中心及び前記第二のコイルの前記中心は、前記第一の方向に平行な方向で見ると、前記レンズ系及び前記アクチュエーターの可動部分によって形成される質量の重心の片側に、及び該重心から実質的に等距離に、位置することを特徴とする請求項３記載の光走査デバイス。
- 前記第二の方向に平行に向く力を発生させる前記コイル系は、前記第一の方向に垂直及び前記第二の方向に垂直に向く第三の方向に平行な方向で見ると、前記重心の片側及び該重心から実質的に等距離に位置する、二つのコイルの組みが提供され、
各コイルの組みの前記二つのコイルの前記中心は、前記第一の方向に平行な方向で見ると、前記重心の片側及び該重心から実質的に等距離に位置することを特徴とする請求項４記載の光走査デバイス。 - 光学的に走査可能な情報担体の情報層を走査する光走査デバイスを含む光学式再生装置であって、
前記走査デバイスは、放射源、動作中に前記放射源によって供給される放射ビームを前記情報層における走査スポットへ集束させる、光軸を有する光学レンズ系、及び、電気コイル系及び磁気系を含むアクチュエーター、が提供され、
前記アクチュエーターによって、前記レンズ系を、前記光軸に平行な第一の方向において、及び前記第一の方向に垂直な第二の方向において、前記走査デバイスの静止部分に関して変位させることができ、
前記第二の方向に平行に向く力を発生させる前記コイル系は、前記第一の方向に平行に向く導線部分を含む少なくとも一つの第一及び一つの第二の電気コイルが提供され、
前記光学式再生装置は、回転軸まわりに回転することができると共に前記情報担体を置くことができるテーブル、及び変位デバイスをさらに含み、
前記変位デバイスによって、前記走査デバイスの少なくとも前記レンズ系を、主として半径方向に、前記回転軸に関して変位させることができ、
前記光走査デバイスは、請求項１、２、３、４又は５記載の光走査デバイスであることを特徴とする光学式再生装置。
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