JP2004513064A - 癌の処置のためのアロマターゼインヒビターとしての、パクリタキセルおよびステロイド誘導体の使用 - Google Patents
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Abstract
腫瘍壊死因子α(TNFα)によって刺激されるアロマターゼ活性の阻害のための医薬品の製造のための、(i)微小管安定剤;(ii)微小管崩壊因子;(iii)式A−Bの化合物(ここで、Aはオキシヒドロカルビル基であり、そしてBは環式基である);および(iv)式C−Dの化合物(ここで、Cはスルファメート基であり、そしてDは環式基である)から選択される材料の使用が提供される。乳房組織に由来する培養された線維芽細胞中のTNFαによって刺激される活性と拮抗する、パクリタキセルおよび2−meOE2の能力を試験した。
Description
【0001】
本発明は、腫瘍壊死因子αによって刺激されるアロマターゼ活性の阻害に関する。
【0002】
(序章)
アロマターゼ酵素複合体によるアンドロステンジオンからのエストロンの合成は、ホルモン依存性の腫瘍の増殖を支持するために利用可能なエストロンの重要な供給源である(1)。サイトカイン(例えば、インターロイキン6(IL−6)および腫瘍壊死因子α(TNFα)およびプロスタグランジンE2(PGE2))は全て、アロマターゼ活性を刺激し得る(2〜4)。多くの乳房の腫瘍は、マクロファージおよびリンパ球によって浸潤され、そしてこれらの細胞がアロマターゼ活性を刺激し得る因子の重要な供給源であり得るという証拠が存在する(5〜6)。
【0003】
免疫系が癌の発症において有する役割は、議論の余地がある(7)。しかし、長期間の免疫抑制治療を受けている女性においては、乳癌の発生率は低下する(8)。このことは、免疫系が乳癌の発症において免疫刺激の役割を有し得ることを示唆する。このような役割についての支持(おそらく、エストロゲン合成のサイトカイン刺激を通じて作用する)が、アロマターゼを刺激するために、免疫抑制された被験体または乳癌を有している女性の白血球細胞から回収した馴化培地(CM)の能力を比較することによって、得られた(9)。この酵素の活性の刺激は、免疫抑制された被験体の細胞から回収したCMによって大きく減少した。さらに、TNFαの濃度は、乳癌を有している女性の細胞に由来するCM中に存在する高いレベルとは対照的に、免疫抑制された被験体の細胞に由来するCMにおいて、かろうじて検出可能であった。従って、おそらく、TNFαは、アロマターゼ活性を調節することにおいて重要な役割を有する。
【0004】
TNFαは、他のサイトカインと同様に、細胞表面レセプターと相互作用することによって作用する(10)。ヒトのマクロファージを使用して、パクリタキセル(微小管を安定化させる化合物)は、TNFαレセプターを迅速に下方制御させることが見出された(11)。内因性のエストロゲン代謝物である、2−メトキシエストラジオール(2−meOE2)は、微小管の安定化に対してパクリタキセルと同様の効果を有することが最近示された(12、13)。
【0005】
本発明の局面は、添付の特許請求の範囲において規定される。
【0006】
本発明の第1の局面においては、腫瘍壊死因子α(TNFα)によって刺激されるアロマターゼ活性の阻害のための医薬品の製造のための、(i)微小管安定剤;(ii)微小管崩壊因子(好ましくは、パクリタキセル);(iii)式A−Bの化合物(ここでは、Aはオキシヒドロカルビル基であり、そしてBは環式基である)、好ましくは、2−meOE2;および(iv)式C−Dの化合物(ここでは、Cはスルファメート基であり、そしてDは環式基である)、好ましくは、MeOEMATEから選択される材料の使用を提供する。
【0007】
以下の考察において、および本発明の記載を通じて、以下のことが当業者によって理解される:
・2−meOE2が好ましく、そしてこれは、Aがオキシヒドロカルビル基であり、そしてBが環式基である、式A−Bの化合物の例である、
・2−MeOEMATEが好ましく、そしてこれは、Cがスルファメート基であり、そしてDが環式基である、式C−Dの化合物の例である。好ましくは、2−MeOEMATEが、式C−D−Eの化合物の例である。ここでは、Cがスルファメート基であり、Dが環式基であり、そしてEがオキシヒドロカルビル基である、
・パクリタキセルが好ましく、そしてこれは微小管崩壊因子の例である。
【0008】
本研究においては、本発明者らは、乳房組織に由来する培養された線維芽細胞中のTNFαによって刺激される活性と拮抗する、パクリタキセルおよび2−meOE2の能力を試験した。
【0009】
アロマターゼ酵素(これは、アンドロステンジオンをエストロゲンに転換する)は、ホルモンに依存する乳房の腫瘍の増殖を支持する、エストロゲンの能力を調節する。生物学的応答の改変因子(サイトカイン(例えば、インターロイキン6(IL−6)および腫瘍壊死因子α(TNFα)またはプロスタグランジンE2(PGE2))を含む)は、アロマターゼ活性を刺激し得る。これらの因子は、乳房の腫瘍に浸潤する免疫系の細胞に起源し得る。パクリタキセル(これは、乳癌の処置において使用される)は、微小管を安定化させ、そしてヒトのマクロファージ上のTNF−レセプターを迅速に下方制御させることが以前に示されている。内因性のエストロゲン代謝物である2−メトキシエストラジオール(2−meOE2)もまた、微小管を安定化させるように作用する。この研究においては、本発明者らは、パクリタキセル、2−meOE2、および2−メトキシエストロン−3−O−スルファメート(2−meOEMATE)の、正常なまたは悪性の乳房組織に由来する間質の線維芽細胞中の、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性と拮抗する能力を試験した。パクリタキセルは、基底のおよびTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を、それぞれ88%および91%にまで阻害した。2−MeOEMATE2もまた、基底のおよびTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を、それぞれ46%および56%にまで減少させた。2−MeOEMATEはまた、基底のおよびTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を減少させた。パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEもまた、IL−6+その可溶性のレセプター、ならびにPGE2によるアロマターゼ活性の刺激を阻害した。
【0010】
2−meOE2、2−メトキシエストリオール(2−meOE3)の16α−ヒドロキシル化誘導体(これは、微小管には結合しない)は、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害することにおいてあまり有効ではなかった。エストロゲンの増大した2−ヒドロキシル化、および続くそれらの2−メトキシ誘導体の形成は、乳癌の減少した危険性に関連し得る。エストロゲンの代謝の経路が、サイトカインの刺激に応答する間質の細胞の能力に影響を与え得る。
【0011】
環式基は、単環であり得るか、または多環式環の構造である。ここでは、用語「多環式」は、縮合環、および縮合していない環構造(その組合せを含む)を含む。
【0012】
1つの局面においては、環式基は、C、H、O、N、P、ハロゲン(Cl、Br、およびIを含む)、S、およびPのうちのいずれか1つ以上を含み得る。
【0013】
環式基の少なくとも1つは、複素環式基(複素環)または非複素環式基であり得る。
【0014】
環式基の少なくとも1つは、飽和した環構造であり得るか、または不飽和の環構造(例えば、アリール基)であり得る。
【0015】
好ましくは、環式基の少なくとも1つはアリール環である。
【0016】
好ましくは、基Aおよび/または基Cおよび/または基Eが、アリール環に連結するかまたは付着する。
【0017】
環式基が多環式である場合には、化合物の環成分のいくつかまたは全てが互いに縮合され得るか、または1つ以上の適切なスペーサー基を通じて連結し得る。
【0018】
多環式化合物は、多数の縮合された環を含み得る。この局面においては、縮合環は、異なる大きさの環の任意の組合せ(例えば、3個の6員環(6,6,6)、ならびに1つの6員環、1つの7員環、および1つの6員環(6,7,6)、ならびに1つの6員環および2つの8員環(6,8,8)など)を含み得る。
【0019】
1つの局面においては、環式基が多環式である場合は、基Aおよび/または基Cおよび/または基Eは、多環式化合物の同じ環に付着する。
【0020】
従って、本発明の1つの局面に従うと、好ましくは、化合物は多環式化合物である。
【0021】
好ましくは、多環式化合物は、約50個を超えない炭素原子、より通常は、約30個から40個を超えない炭素原子の、全てを含んだ置換基を含む。
【0022】
多環式化合物は、少なくとも2つの環成分、または少なくとも3個の環成分、または少なくとも4個の環成分を含み得る。
【0023】
好ましくは、多環式化合物は、4個の環成分を含む。
【0024】
好ましい多環式化合物は、ステロイド環成分−すなわち、シクロペンタノフェナンスレン骨格またはそのバイオアイソスターを含む。
【0025】
当該分野で周知であるように、古典的なステロイド環構造は、以下の一般式を有する:
【0026】
【化2】
上記の式においては、環は、従来の様式で標識されている。
【0027】
バイオアイソスターの一例は、環A、B、C、およびDの任意の1つ以上が複素環式環である場合、ならびに/または環A、B、C、およびDの任意の1つ以上が置換されている場合、ならびに/または任意の1つ以上の環A、B、C、およびDが修飾されている場合である;しかし、ここでは、スルファメート基が存在していないバイオアイソスターがステロイド特性を有する。
【0028】
これに関して、好ましい多環式化合物の構造は、以下のように示され得る:
【0029】
【化3】
ここで、各環A’、B’、C’、およびD’は独立して、複素環式環または非複素環式環を示し、これらの環は、独立して置換されても置換されなくてもよく、飽和されても飽和されなくてもよい。
【0030】
一例として、環A’、B’、C’、およびD’の任意の1つ以上が、適切な基−例えば、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロ基、ヒドロカルビル基、オキシヒドロカルビル基などで、独立して置換され得る。
【0031】
D’の一例は、少なくとも1つの置換基を有している5員環または6員環の非複素環式環である。
【0032】
1つの好ましい実施形態においては、環D’は、エチニル基で置換される。
【0033】
環A’、B’、C’、およびD’の任意の1つが複素環式環である場合は、好ましくは、この複素環式環は、C原子と少なくとも1つのN原子および/または少なくとも1つのO原子の組合せを含む。他の複素環原子が、環内に存在し得る。
【0034】
本発明の適切な化合物の好ましいステロイド核環A’〜D’の例として、デヒドロエピアンドロステロンおよびエストロゲン(エストロンを含む)の環A〜Dを含む。
【0035】
本発明の化合物の好ましいステロイド核環A’〜D’は、以下の環A〜Dを含む:
エストロンおよび置換されたエストロン、すなわち:
エストロン
4−OH−エストロン
6α−OH−エストロン
7α―OH−エストロン
16α−OH−エストロン
16β−OH−エストロン
17−デオキシエストロン
エストロン。
エストラジオールおよび置換されたエストラジオール、すなわち:
4−OH−17β−エストラジオール
6α−OH−17β−エストラジオール
7α−OH−17β−エストラジオール
4−OH−17α−エストラジオール
6α−OH−17α−エストラジオール
7α−OH−17α−エストラジオール
16α−OH−17α−エストラジオール
16α−OH−17β−エストラジオール
16β−OH−17α−エストラジオール
16β−OH−17β−エストラジオール
17α−エストラジオール
17β−エストラジオール
17α−エチニル−17β−エストラジオール
17β−エチニル−17α−エストラジオール
17−デオキシエストラジオール。
エストリオールおよび置換されたエストリオール、すなわち:
エストリオール
4−OH−エストリオール
6α−OH−エストリオール
7α−OH−エストリオール
17−デオキシエストリオール。
デヒドロエピアンドロステロンおよび置換されたデヒドロエピアンドロステロン、すなわち:
デヒドロエピアンドロステロン
6α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
7α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
16α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
16β−OH−デヒドロエピアンドロステロン。
【0036】
一般的な意味においては、環系A’B’C’D’は、種々の妨害しない置換基を含み得る。詳細には、環系A’B’C’D’は、以下の1つ以上を含み得る:
ヒドロキシ、アルキル(特に、低級(C1〜C6)アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、および他のペンチル異性体、ならびにn−ヘキシルおよび他のヘキシル異性体)、アルコキシ(特に、低級(C1〜C6)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど))、アルキニル(例えば、エチニル)、またはハロゲン(例えば、フルオロ)置換基。
【0037】
代替の実施形態においては、多環式化合物は、ステロイド核を含まない場合があるか、またはステロイド核に基づかない場合がある。これに関して、多環式化合物は、非ステロイド環系−例えば、ジエチルスチルベストロール、スチルベストロール、クマリン、フラボノイド、コンブレスタチン(combrestatin)、および他の環系を含み得るか、またはそれらに基づき得る。本発明における使用のため、または本発明の組成物として適切な他の非ステロイド化合物が、第US−A−5567831号に見出され得る。
【0038】
好ましくは、基Aもしくは基Cおよび/または基Eが、互いにオルト位で、本発明の環式化合物の同じ環に付着する。
【0039】
好ましくは、多環式化合物は、ステロイド構造を有し、そして基Aまたは基EはA環に付着する。
【0040】
好ましくは、基Aまたは基Eが、ステロイド構造のA環の2位に付着する。
【0041】
好ましくは、多環式化合物はステロイド構造を有し、そして基CがA環に付着する。
【0042】
好ましくは、基Cが、ステロイド構造のA環の3位に付着する。
【0043】
基Aは、オキシヒドロカルビル基である。
【0044】
用語「オキシヒドロカルビル基」は、本明細書中で使用される場合は、少なくともC、H、およびOを含有している基を意味し、そして必要に応じて、1つ以上の他の適切な置換基を含み得る。このような置換基の例としては、ハロ−、アルコキシ−、ニトロ−、アルキル基、環式基などが挙げられ得る。置換基が環式基である可能性に加えて、置換基の組合せが、環式基を形成し得る。オキシヒドロカルビル基が1つより多いCを含む場合は、これらの炭素は、必ずしも互いに連結する必要はない。例えば、炭素の少なくとも2つが、適切な元素または基を通じて連結し得る。従って、オキシヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含み得る。適切なヘテロ原子が当業者に明らかであり、そして例えば、イオウおよび窒素が挙げられる。
【0045】
本発明の1つの好ましい実施形態においては、オキシヒドロカルビル基は、オキシ炭化水素基である。
【0046】
ここでは、用語「オキシ炭化水素」は、アルコキシ基、オキシアルケニル基、オキシアルキニル基の任意の1つを意味する。この基は、直鎖状、分枝、もしくは環式、またはオキシアリール基であり得る。しかし、用語オキシヒドロ炭素はまた、それらが必要に応じて置換されているものを含む。オキシヒドロキシ炭素がその上に置換基(単数または複数)を有している分枝した構造である場合には、置換基は、炭化水素骨格上であり得るか、または分枝であり得るかのいずれかである;あるいは、置換基は、炭化水素骨格上にあり得、そして分枝であり得る。
【0047】
好ましくは、オキシヒドロカルビル基は、式C1−6O(例えば、C1−3O)である。
【0048】
化合物がステロイド核を含む場合は、好ましくは、A環はオキシヒドロカルビル基を2位に有する。
【0049】
より好ましくは、基C1−6Oは、ステロイド核のA環の2位に付着している。
【0050】
好ましくは、オキシヒドロカルビル基はアルコキシである。
【0051】
アルコキシ置換基のアルキル基は、好ましくは、1から5個の炭素原子を含有している低級アルキル基である。すなわち、メチル、エチル、プロピルなどである。好ましくは、アルキル基はメチルである。
【0052】
従って、好ましい実施形態においては、化合物がステロイド核を含む場合は、A環は2位にメトキシ置換基を有する。
【0053】
本発明の好ましい化合物は以下の式を有する:
【0054】
【化4】
ここで、環A、B、C、およびDは、独立に必要に応じて置換される。
【0055】
好ましくは、基Aまたは基Eは2位にある。
【0056】
好ましくは、基Cは3位にある。
【0057】
基Cは、「スルファメート基」である。「スルファメート基」は、以下の式の基である:
【0058】
【化5】
ここで、R1およびR2のそれぞれは、Hまたはヒドロカルビル基から独立して選択される。
【0059】
用語「ヒドロカルビル基」は、本明細書中で使用される場合は、少なくともCおよびHを含有している基を意味し、そして必要に応じて、1つ以上の他の適切な置換基を含み得る。このような置換基の例として、ハロ−、アルコキシ−、ニトロ−、炭化水素基、N−アシル基、環式基などが挙げられ得る。置換基が環式基である可能性に加えて、置換基の組合せが、環式基を形成し得る。ヒドロカルビル基が1つより多いCを含む場合は、これらの炭素は、必ずしも互いに連結する必要はない。例えば、炭素の少なくとも2つが、適切な元素または基を通じて連結し得る。従って、ヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含み得る。適切なヘテロ原子が当業者に明らかであり、そして例えば、イオウ、窒素、および酸素が挙げられる。
【0060】
好ましくは、R1およびR2は、Hまたはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、またはアリールから独立して選択されるか、あるいはともにアルキレンを示す。ここで、あるいはそれぞれがアルキルもしくはシクロアルキルもしくはアルケニルであり、または必要に応じて1つ以上のヘテロ原子もしくは基を含む。
【0061】
置換される場合は、N−置換されたスルファメート化合物は、1つまたは2つのN−アルキル、N−アルケニル、N−シクロアルキル、N−アシル、またはN−アリール置換基を含み得、好ましくは、最大10個の炭素原子を含有しているかまたはそれぞれが含有している。R1および/またはR2がアルキルである場合は、好ましい値は、R1およびR2がそれぞれ、1から5個の炭素原子を含有している低級アルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピルなど)から独立して選択されるものである。好ましくは、R1およびR2は、両方ともがメチルである。R1および/またはR2がアリールである場合には、代表的な値はフェニルおよびトリル(−PhCH3;o−、m−、またはp−)である。R1およびR2がシクロアルキルを示す場合は、代表的な値は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R1およびR2が互いに連結する場合は、代表的には、4から6個の炭素原子の鎖を提供するアルキレン基を示し、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子または基(例えば、−O−または−NH−)が介在して、5−、6−、または7−員環の複素環(例えば、モルホリノ、ピロリジノ、またはピペラジノ)を提供する。
【0062】
アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシル、およびアリールの範囲内に、本発明者らは、問題の化合物の活性を妨害しない1つ以上の基をその中に置換基として含有している置換された基を含める。例示的な妨害しない置換基として、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキル、およびアリールが挙げられる。ヒドロカルビル基の限定的ではない例はアシル基である。
【0063】
いくつかの好ましい実施形態においては、少なくとも1つのR1およびR2はHである。
【0064】
本発明での使用に適切なスルファメート化合物の例、または本発明での使用に適切なスルファメート化合物に転換され得る適切な化合物の例が、当該分野で見出され得る−例えば、第PCT/GB92/01587号、第PCT/GB97/03352号、第PCT/GB97/00444号、第GB9725749.7号、第GB9725750.5号、第US−A−5567831号、第US−A−5677292号、第US−A−5567831号、第WO−A−96/05216号、および第WO−A−96/05217号。
【0065】
一例として、第PCT/GB92/01587号は、新規のスルファメート化合物、およびエストロン依存性の腫瘍(特に、乳癌)の処置における使用のためにそれらを含有している薬学的組成物を教示する。これらのスルファメート化合物は、スルファメートエステルである。このようなインヒビターの例は、ステロイドのスルファメートエステル誘導体である。
【0066】
本発明での使用に適切な別の化合物は、少なくとも以下の骨格構造を有する:
【0067】
【化6】
R1およびR2の少なくとも1つがHであることが好ましい。
【0068】
本発明での使用に適切な別の化合物は、少なくとも以下の骨格構造を有する:
【0069】
【化7】
ここで、環A、B、C、およびDは、独立して必要に応じて置換される。
【0070】
本発明の好ましい化合物は、以下の式を有する:
【0071】
【化8】
ここで、環A、B、C、およびDは、独立して必要に応じて置換される。
【0072】
好ましくは、基Eは2位にある。
【0073】
好ましくは、基Cは3位にある。
【0074】
本発明については、好ましくはスルファメート化合物は、オキシヒドロカルビルステロイドスルファメート化合物であり、特に、2−メトキシエストロン−3−O−スルファメート、またはそれらのアナログを含むその薬学的に活性な塩である。
【0075】
2−メトキシエストロン−3−O−スルファメートは、エストロン−3−O−スルファメート(一方で、「EMATE」として公知である)のアナログであり、以下の構造を有し:
【0076】
【化9】
そして2−メトキシEMATEと呼ばれ得る。
【0077】
2−メトキシEMATEは、本発明の天然に存在しているエストロゲン代謝物である2−メトキシエストロンのスルファモイル化誘導体である。この化合物は、2−ヒドロキシラーゼによるエストロンのヒドロキシル化、続くカテコールエストロゲンメチルトランスフェラーゼによるメトキシ誘導体への代謝によって肝臓で形成される。
【0078】
2−メトキシEMATEは、以下の式として示される式を有する:
【0079】
【化10】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、エストロン−3−O−スルファメートのオキシヒドロカルビル誘導体である。
【0080】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、エストロン−3−O−スルファメートのC1−6(例えば、C1−3)アルコキシ誘導体である。
【0081】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、エストロン−3−O−スルファメートの2−C1−6(例えば、C1−3)アルコキシ誘導体である。
【0082】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、2−メトキシエストロン−3−O−スルファメートである。
【0083】
(実施例)
(材料および方法)
乳房の脂肪組織または腫瘍組織のサンプルを、患者のインフォームドコンセントを得た後に、縮小乳房形成術またはランペクトミーを受けている女性から得た。
【0084】
線維芽細胞を、以前に記載されているように培養した(2)。簡潔には、線維芽細胞を、Hepes緩衝液(20mmol/l)、10%のウシ胎仔血清(FCS)、およびサプリメントを含有しているイーグル改変最少必須培地中で培養した。細胞を、2〜3回慣例的に継代培養し、その後、複製25cm2フラスコに、線維芽細胞を播種し、そしてコンフルエントに増殖させた。2−MeOEMATEを、付属Iに記載するように調製した。(実験のために、細胞を、2%の裸の(stripped)FCSを含有しているフェノールレッドを含まない培地中で、パクリタキセル、2−meOE2、または2−MeOEMATEの存在下で、TNFα、IL−6+IL−6可溶性レセプター(IL−6sR)、またはPEG2の添加の前に培養し、そしてこの培地中でさらに48時間培養した。TNFα、IL−6+IL−6sR(R&D Systems Ltd,Abingdon,Oxford,UK)またはPEG2(Sigma、Poole,Dorset,UK)を、デキサメタゾン(100nmol/l、Sigma)の存在下で使用した。パクリタキセル、2−meOE2、および他の化学薬品をもまた、Sigmaから入手した。
【0085】
処置期間の終わりにアロマターゼ活性を、3〜20時間の期間にわたって[1β−3H]アンドロステンジオン(15〜30Ci/mmol、NEN−Du Pont,Stevenage,Herts,UK)を使用してインタクトな単層中で測定した(2,3)。細胞の数を、Coulter計数器を使用して細胞の核を計数することによって測定した。実験を3連で行い、そして示す結果は、2〜3の調査を表す。
【0086】
(統計)
スチューデントt検定を、処理した細胞およびコントロールの細胞の平均値における差異の有意性を評価するために使用した。
【0087】
(結果)
TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害するパクリタキセルの能力を、縮小乳房形成術組織に由来する線維芽細胞を使用して最初に試験した(図1)。これらの細胞のTNFαにおいては、デキサメタゾンの存在下では、アロマターゼ活性は375%まで刺激された。パクリタキセルおよび2−meOE2の両方は、基底のアロマターゼ活性をそれぞれ88%および46%にまで阻害した。さらに、TNFαで刺激したアロマターゼ活性もまた、それぞれ91%および56%にまでこれらの化合物によって有意に減少させられた。この能力は、微小管を安定化させる薬剤に対して特異的であるようである。コルヒチン(これは、微小管の重合を阻害する)またはサイトカラシン(Cytocholasin)B(これは、微小繊維に結合する)は影響を有さなかった(データは示さない)。
【0088】
IL−6およびPGE2のような他の因子もまた、細胞表面レセプターとの相互作用を介して作用するので、パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、これらの因子およびTNFαによるアロマターゼの刺激と拮抗する能力もまた、試験した(図2および図4)。TNFα、IL−6+IL−6sR、またはPGE2は全て、腫瘍に由来する線維芽細胞中のアロマターゼ活性を有意に増強した。パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEは、基底のアロマターゼ活性およびTNFαによって刺激される活性を阻害した。しかし、さらに、これらが、IL−6+IL−6sR、またはPGE2によるアロマターゼ活性の刺激ともまた拮抗することを見出した。
【0089】
パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性と拮抗する相対的な能力を、用量応答研究において比較した(図3および図5)。さらに、2−meOE2、2−meOE3の16α−ヒドロキシ誘導体(これは、微小管には結合しないようである(14))が、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害する能力もまた試験した。
【0090】
パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEは、TNFαによって刺激されるアロマターゼを阻害したが、パクリタキセルはより強力なアンタゴニストであることが明らかであった。0.1μMのパクリタキセルは、90%まで刺激を阻害したが、一方、この濃度で2−meOE2は、51%まで刺激をわずかに減少させた。2−MeOE3は、試験した最も高い濃度でいくらかの阻害効果を示したが、5μMではアロマターゼ活性のTNFα刺激を有意には減少させなかった。
【0091】
(考察)
この研究による結果は、微小管の安定性を変更する薬剤を明らかにし、パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、基底のアロマターゼ活性だけではなく、TNFαによって刺激される活性をも大きく減少させることを明らかにした。パクリタキセルは、乳癌の処置において使用されるが、本発明者らが知っている限りでは、これが、基底のアロマターゼ活性およびサイトカインによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害するその能力を実証する最初の報告である。この特性は制限され、微小骨格に対して種々の影響を有する、コルヒチンまたはサイトカラシンBのような微小管安定剤は、TNFαによって刺激されるアアロマターゼ活性を阻害することが不可能であった。
【0092】
TNFα、IL−6+IL−6sR、およびPGE2は、皮下脂肪または乳房組織に由来する線維芽細胞中のアロマターゼ活性を調節し得る限りは、同定された3つの主要な因子である。微小管は、サイトカインレセプターの合成のため、または血漿膜へのそれらの輸送のために必要とされ得る(15)。従って、おそらく、パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、TNFα、IL−6、またはPGE2がアロマターゼ活性を刺激する能力に関して有する効果もまた、それらのシグナル伝達に関与しているレセプターの合成/輸送に関する効果から、生じ得る。パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEの基底(すなわち、未刺激)のアロマターゼ活性を減少させる能力は、アロマターゼ活性に対する、サイトカインおよびPGE2の自己分泌/パラ分泌作用(これは、これらの線維芽細胞によって産生されることが公知である)をブロックすることによって生じ得る。
【0093】
パクリタキセルは、乳癌の処置のために使用されるが、その毒性が、その長期間の使用を防ぐ。2−meOE2(内因性のエストロゲン代謝物)および2−MeOEMATEがパクリタキセルと同様の特性を有し得るという知見は、それらが、考慮される治療可能性を有し得ることを示唆する(17)。マウスに対する2−meOE2の経口投与は、B16黒色腫とともに接種され、Meth A肉腫またはMDA−MB−435乳癌細胞は、腫瘍の増殖を有意に減少させた(18、19)。
【0094】
この研究による結果はまた、免疫系が免疫刺激の役割を発達し得る可能性のある機構を示唆する。2−meOE2または2−MeOEMATEの適切な産生および/または投与の存在下では、乳房組織中のサイトカインレセプターを下方制御し、そしてそれによってアロマターゼ活性のサイトカインの刺激を阻害した。2−meOE2または2−MeOEMATEの減少した産生および/または投与によって、サイトカインが乳房組織中でのエストロゲンの合成を刺激することを可能にする。Bradlowおよび彼の共同研究者らは、2−ヒドロキシエストロゲンの形成の減少、および16α−ヒドロキシ代謝物の合成の増大が、乳癌の増大した危険性に関連するという説得力のある証拠を得た(20、21)。2−meOE2の16α−ヒドロキシ誘導体がTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を抑制する制限された能力のみを有するという本研究における観察は、Bradlowの知見を支持するようである。
【0095】
脂肪組織から培養した間質の線維芽細胞は、脂肪細胞に分化する能力を有する。TNFαは、線維芽細胞中のアロマターゼ活性を刺激するが、脂肪細胞へのそれらの分化を阻害する。高濃度のエストラジオール(10〜100μM)は、脂肪間質細胞中のTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害し、そしてフィードバックループがこれらの細胞中の過剰なエストロゲンの合成を妨げ得ると仮定されている(22)。ペルオキシソームプロリエレーター(prolierator)によって活性化されるレセプターγ(PPARγ)リガンド(例えば、チオゾリジネジオン(thiozolidinedione))もまた、脂肪細胞の分化を刺激し得、そしてまたTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害する。高濃度のエストラジオールが、ヒトの脂肪間質細胞中のTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害するために必要であるので、エストラジオールが2−meOE2への変換後に作用し得るという推測が試みられている。
【0096】
本発明の種々の改変およびバリエーションが、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明は、特異的な好ましい実施形態と組合せて記載されているが、特許請求の範囲における本発明は、このような特異的な実施形態に過度に限定されるべきではないことが、理解されるはずである。実際、化学、生物学、または関連する分野の当業者に明らかである、本発明を実行するための記載されている様式の種々の改変が、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【0097】
(参考文献)
【0098】
【表1】
(付録I)
(2−メトキシエストロン−3−O−スルファメート(2−メトキシEMATE)の合成)
無水ジメチルホルムアミド中の2メトキシエストロンの溶液を、塩化ナトリウムで0℃で処理することによって、2−メトキシEMATEを合成した。水素を発生させた後に、スルファモイルクロリド(2当量)を添加し、そして反応混合物を、一晩室温で暖めた。化合物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(これは、TLCにおいて単一の純粋なスポットであった)そして十分な分光学的データおよび微量分析データを示した。
【0099】
これに関して、2−メトキシエストロン(75mg、0.250mmol)は、粗生成物(103mg)を生じ、これらをシリカ(50g)で、クロロホルム/アセトン(8:1)を使用して分画し、そして第2の画分のエバポレーションによって青白い白色の残渣(83mg、81%)を得た。これを酢酸エチル/ヘキサン(1:2)中で再結晶して、1を白色の結晶(69mg)として得た。m.p.=177〜180℃、クロロホルム/アセトン8:1および4:1のぞれぞれについてRt=0.29および0.54、そして酢酸エチル/ヘキサン2:1および1:1のぞれぞれについてRt=0.0.46および0.31。
【0100】
【化11】
本発明は、以下に示す図面を参照して、例示のみの目的で、さらに記載される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
乳房組織の線維芽細胞中でのパクリタキセル(Pax)による、基底のアロマターゼ活性およびTNFαによって刺激されるの阻害。パクリタキセルを、2%の裸の(stripped)ウシ胎仔血清中で24時間培養した細胞に対して添加した。TNFαを、デキサメタゾン(100nmol/l)の存在下で添加し、そして細胞を同じ培地中でさらに48時間培養した。コントロールおよびパクリタキセルを伴うがTNFαを伴わない細胞をまた、48時間の間デキサメタゾンの存在下で培養した。アロマターゼ活性を、リン酸緩衝化生理食塩水で細胞を洗浄した後、インタクトな単層中で測定した。(平均±SD、n=3;a、p<0.001の対コントロール;b、p<0.001対TNFαで刺激したアロマターゼ活性)。
【図2】
パクリタキセル(Pax、10μM)または2−メトキシエストラジオール(2−meOE、10μM)による、線維芽細胞における、TNFα(20ng/ml)、IL−6+IL−6sR(50ng+100ng/ml)、またはPEG2(10μM)で刺激したアロマターゼ活性の阻害。(平均±SD、n=3)。使用した実験プロトコールは、図1の説明に記載したものである。TNFα、IL6+IL−6sR、またはPEG2で48時間処理した細胞中のアロマターゼ活性は、コントロールの細胞中よりも有意に高かった(p<0.01〜p<0.001)。全てのインヒビターが、パクリタキセルまたは2−メトキシエストラジオールの非存在下でTNFαで刺激した細胞中のアロマターゼ活性と比較して、有意(p<0.001)であった。
【図3】
線維芽細胞中の、パクリタキセル(Pax)、2−メトキシエストラジオール(2−meOE2)、または2−メトキシエストリオール(2−meOE3)による、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性の阻害についての用量応答(TNFαによって刺激される活性の%として表される)。(平均±SD、n=3)。使用した実験プロトコールは、図1の説明に記載した。2メトキシエストリオールを除いて、全ての化合物が、5μM(NS)で、アロマターゼ活性のTNFα刺激を有意に阻害した(p<0.001)。
【図4】
TNFα、IL−6+IL−6sR、またはPEG2によるアロマターゼ活性の刺激をブロックする化合物の能力。
【図5】
TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性の阻害についての用量応答。
本発明は、腫瘍壊死因子αによって刺激されるアロマターゼ活性の阻害に関する。
【0002】
(序章)
アロマターゼ酵素複合体によるアンドロステンジオンからのエストロンの合成は、ホルモン依存性の腫瘍の増殖を支持するために利用可能なエストロンの重要な供給源である(1)。サイトカイン(例えば、インターロイキン6(IL−6)および腫瘍壊死因子α(TNFα)およびプロスタグランジンE2(PGE2))は全て、アロマターゼ活性を刺激し得る(2〜4)。多くの乳房の腫瘍は、マクロファージおよびリンパ球によって浸潤され、そしてこれらの細胞がアロマターゼ活性を刺激し得る因子の重要な供給源であり得るという証拠が存在する(5〜6)。
【0003】
免疫系が癌の発症において有する役割は、議論の余地がある(7)。しかし、長期間の免疫抑制治療を受けている女性においては、乳癌の発生率は低下する(8)。このことは、免疫系が乳癌の発症において免疫刺激の役割を有し得ることを示唆する。このような役割についての支持(おそらく、エストロゲン合成のサイトカイン刺激を通じて作用する)が、アロマターゼを刺激するために、免疫抑制された被験体または乳癌を有している女性の白血球細胞から回収した馴化培地(CM)の能力を比較することによって、得られた(9)。この酵素の活性の刺激は、免疫抑制された被験体の細胞から回収したCMによって大きく減少した。さらに、TNFαの濃度は、乳癌を有している女性の細胞に由来するCM中に存在する高いレベルとは対照的に、免疫抑制された被験体の細胞に由来するCMにおいて、かろうじて検出可能であった。従って、おそらく、TNFαは、アロマターゼ活性を調節することにおいて重要な役割を有する。
【0004】
TNFαは、他のサイトカインと同様に、細胞表面レセプターと相互作用することによって作用する(10)。ヒトのマクロファージを使用して、パクリタキセル(微小管を安定化させる化合物)は、TNFαレセプターを迅速に下方制御させることが見出された(11)。内因性のエストロゲン代謝物である、2−メトキシエストラジオール(2−meOE2)は、微小管の安定化に対してパクリタキセルと同様の効果を有することが最近示された(12、13)。
【0005】
本発明の局面は、添付の特許請求の範囲において規定される。
【0006】
本発明の第1の局面においては、腫瘍壊死因子α(TNFα)によって刺激されるアロマターゼ活性の阻害のための医薬品の製造のための、(i)微小管安定剤;(ii)微小管崩壊因子(好ましくは、パクリタキセル);(iii)式A−Bの化合物(ここでは、Aはオキシヒドロカルビル基であり、そしてBは環式基である)、好ましくは、2−meOE2;および(iv)式C−Dの化合物(ここでは、Cはスルファメート基であり、そしてDは環式基である)、好ましくは、MeOEMATEから選択される材料の使用を提供する。
【0007】
以下の考察において、および本発明の記載を通じて、以下のことが当業者によって理解される:
・2−meOE2が好ましく、そしてこれは、Aがオキシヒドロカルビル基であり、そしてBが環式基である、式A−Bの化合物の例である、
・2−MeOEMATEが好ましく、そしてこれは、Cがスルファメート基であり、そしてDが環式基である、式C−Dの化合物の例である。好ましくは、2−MeOEMATEが、式C−D−Eの化合物の例である。ここでは、Cがスルファメート基であり、Dが環式基であり、そしてEがオキシヒドロカルビル基である、
・パクリタキセルが好ましく、そしてこれは微小管崩壊因子の例である。
【0008】
本研究においては、本発明者らは、乳房組織に由来する培養された線維芽細胞中のTNFαによって刺激される活性と拮抗する、パクリタキセルおよび2−meOE2の能力を試験した。
【0009】
アロマターゼ酵素(これは、アンドロステンジオンをエストロゲンに転換する)は、ホルモンに依存する乳房の腫瘍の増殖を支持する、エストロゲンの能力を調節する。生物学的応答の改変因子(サイトカイン(例えば、インターロイキン6(IL−6)および腫瘍壊死因子α(TNFα)またはプロスタグランジンE2(PGE2))を含む)は、アロマターゼ活性を刺激し得る。これらの因子は、乳房の腫瘍に浸潤する免疫系の細胞に起源し得る。パクリタキセル(これは、乳癌の処置において使用される)は、微小管を安定化させ、そしてヒトのマクロファージ上のTNF−レセプターを迅速に下方制御させることが以前に示されている。内因性のエストロゲン代謝物である2−メトキシエストラジオール(2−meOE2)もまた、微小管を安定化させるように作用する。この研究においては、本発明者らは、パクリタキセル、2−meOE2、および2−メトキシエストロン−3−O−スルファメート(2−meOEMATE)の、正常なまたは悪性の乳房組織に由来する間質の線維芽細胞中の、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性と拮抗する能力を試験した。パクリタキセルは、基底のおよびTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を、それぞれ88%および91%にまで阻害した。2−MeOEMATE2もまた、基底のおよびTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を、それぞれ46%および56%にまで減少させた。2−MeOEMATEはまた、基底のおよびTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を減少させた。パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEもまた、IL−6+その可溶性のレセプター、ならびにPGE2によるアロマターゼ活性の刺激を阻害した。
【0010】
2−meOE2、2−メトキシエストリオール(2−meOE3)の16α−ヒドロキシル化誘導体(これは、微小管には結合しない)は、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害することにおいてあまり有効ではなかった。エストロゲンの増大した2−ヒドロキシル化、および続くそれらの2−メトキシ誘導体の形成は、乳癌の減少した危険性に関連し得る。エストロゲンの代謝の経路が、サイトカインの刺激に応答する間質の細胞の能力に影響を与え得る。
【0011】
環式基は、単環であり得るか、または多環式環の構造である。ここでは、用語「多環式」は、縮合環、および縮合していない環構造(その組合せを含む)を含む。
【0012】
1つの局面においては、環式基は、C、H、O、N、P、ハロゲン(Cl、Br、およびIを含む)、S、およびPのうちのいずれか1つ以上を含み得る。
【0013】
環式基の少なくとも1つは、複素環式基(複素環)または非複素環式基であり得る。
【0014】
環式基の少なくとも1つは、飽和した環構造であり得るか、または不飽和の環構造(例えば、アリール基)であり得る。
【0015】
好ましくは、環式基の少なくとも1つはアリール環である。
【0016】
好ましくは、基Aおよび/または基Cおよび/または基Eが、アリール環に連結するかまたは付着する。
【0017】
環式基が多環式である場合には、化合物の環成分のいくつかまたは全てが互いに縮合され得るか、または1つ以上の適切なスペーサー基を通じて連結し得る。
【0018】
多環式化合物は、多数の縮合された環を含み得る。この局面においては、縮合環は、異なる大きさの環の任意の組合せ(例えば、3個の6員環(6,6,6)、ならびに1つの6員環、1つの7員環、および1つの6員環(6,7,6)、ならびに1つの6員環および2つの8員環(6,8,8)など)を含み得る。
【0019】
1つの局面においては、環式基が多環式である場合は、基Aおよび/または基Cおよび/または基Eは、多環式化合物の同じ環に付着する。
【0020】
従って、本発明の1つの局面に従うと、好ましくは、化合物は多環式化合物である。
【0021】
好ましくは、多環式化合物は、約50個を超えない炭素原子、より通常は、約30個から40個を超えない炭素原子の、全てを含んだ置換基を含む。
【0022】
多環式化合物は、少なくとも2つの環成分、または少なくとも3個の環成分、または少なくとも4個の環成分を含み得る。
【0023】
好ましくは、多環式化合物は、4個の環成分を含む。
【0024】
好ましい多環式化合物は、ステロイド環成分−すなわち、シクロペンタノフェナンスレン骨格またはそのバイオアイソスターを含む。
【0025】
当該分野で周知であるように、古典的なステロイド環構造は、以下の一般式を有する:
【0026】
【化2】
上記の式においては、環は、従来の様式で標識されている。
【0027】
バイオアイソスターの一例は、環A、B、C、およびDの任意の1つ以上が複素環式環である場合、ならびに/または環A、B、C、およびDの任意の1つ以上が置換されている場合、ならびに/または任意の1つ以上の環A、B、C、およびDが修飾されている場合である;しかし、ここでは、スルファメート基が存在していないバイオアイソスターがステロイド特性を有する。
【0028】
これに関して、好ましい多環式化合物の構造は、以下のように示され得る:
【0029】
【化3】
ここで、各環A’、B’、C’、およびD’は独立して、複素環式環または非複素環式環を示し、これらの環は、独立して置換されても置換されなくてもよく、飽和されても飽和されなくてもよい。
【0030】
一例として、環A’、B’、C’、およびD’の任意の1つ以上が、適切な基−例えば、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロ基、ヒドロカルビル基、オキシヒドロカルビル基などで、独立して置換され得る。
【0031】
D’の一例は、少なくとも1つの置換基を有している5員環または6員環の非複素環式環である。
【0032】
1つの好ましい実施形態においては、環D’は、エチニル基で置換される。
【0033】
環A’、B’、C’、およびD’の任意の1つが複素環式環である場合は、好ましくは、この複素環式環は、C原子と少なくとも1つのN原子および/または少なくとも1つのO原子の組合せを含む。他の複素環原子が、環内に存在し得る。
【0034】
本発明の適切な化合物の好ましいステロイド核環A’〜D’の例として、デヒドロエピアンドロステロンおよびエストロゲン(エストロンを含む)の環A〜Dを含む。
【0035】
本発明の化合物の好ましいステロイド核環A’〜D’は、以下の環A〜Dを含む:
エストロンおよび置換されたエストロン、すなわち:
エストロン
4−OH−エストロン
6α−OH−エストロン
7α―OH−エストロン
16α−OH−エストロン
16β−OH−エストロン
17−デオキシエストロン
エストロン。
エストラジオールおよび置換されたエストラジオール、すなわち:
4−OH−17β−エストラジオール
6α−OH−17β−エストラジオール
7α−OH−17β−エストラジオール
4−OH−17α−エストラジオール
6α−OH−17α−エストラジオール
7α−OH−17α−エストラジオール
16α−OH−17α−エストラジオール
16α−OH−17β−エストラジオール
16β−OH−17α−エストラジオール
16β−OH−17β−エストラジオール
17α−エストラジオール
17β−エストラジオール
17α−エチニル−17β−エストラジオール
17β−エチニル−17α−エストラジオール
17−デオキシエストラジオール。
エストリオールおよび置換されたエストリオール、すなわち:
エストリオール
4−OH−エストリオール
6α−OH−エストリオール
7α−OH−エストリオール
17−デオキシエストリオール。
デヒドロエピアンドロステロンおよび置換されたデヒドロエピアンドロステロン、すなわち:
デヒドロエピアンドロステロン
6α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
7α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
16α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
16β−OH−デヒドロエピアンドロステロン。
【0036】
一般的な意味においては、環系A’B’C’D’は、種々の妨害しない置換基を含み得る。詳細には、環系A’B’C’D’は、以下の1つ以上を含み得る:
ヒドロキシ、アルキル(特に、低級(C1〜C6)アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、および他のペンチル異性体、ならびにn−ヘキシルおよび他のヘキシル異性体)、アルコキシ(特に、低級(C1〜C6)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど))、アルキニル(例えば、エチニル)、またはハロゲン(例えば、フルオロ)置換基。
【0037】
代替の実施形態においては、多環式化合物は、ステロイド核を含まない場合があるか、またはステロイド核に基づかない場合がある。これに関して、多環式化合物は、非ステロイド環系−例えば、ジエチルスチルベストロール、スチルベストロール、クマリン、フラボノイド、コンブレスタチン(combrestatin)、および他の環系を含み得るか、またはそれらに基づき得る。本発明における使用のため、または本発明の組成物として適切な他の非ステロイド化合物が、第US−A−5567831号に見出され得る。
【0038】
好ましくは、基Aもしくは基Cおよび/または基Eが、互いにオルト位で、本発明の環式化合物の同じ環に付着する。
【0039】
好ましくは、多環式化合物は、ステロイド構造を有し、そして基Aまたは基EはA環に付着する。
【0040】
好ましくは、基Aまたは基Eが、ステロイド構造のA環の2位に付着する。
【0041】
好ましくは、多環式化合物はステロイド構造を有し、そして基CがA環に付着する。
【0042】
好ましくは、基Cが、ステロイド構造のA環の3位に付着する。
【0043】
基Aは、オキシヒドロカルビル基である。
【0044】
用語「オキシヒドロカルビル基」は、本明細書中で使用される場合は、少なくともC、H、およびOを含有している基を意味し、そして必要に応じて、1つ以上の他の適切な置換基を含み得る。このような置換基の例としては、ハロ−、アルコキシ−、ニトロ−、アルキル基、環式基などが挙げられ得る。置換基が環式基である可能性に加えて、置換基の組合せが、環式基を形成し得る。オキシヒドロカルビル基が1つより多いCを含む場合は、これらの炭素は、必ずしも互いに連結する必要はない。例えば、炭素の少なくとも2つが、適切な元素または基を通じて連結し得る。従って、オキシヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含み得る。適切なヘテロ原子が当業者に明らかであり、そして例えば、イオウおよび窒素が挙げられる。
【0045】
本発明の1つの好ましい実施形態においては、オキシヒドロカルビル基は、オキシ炭化水素基である。
【0046】
ここでは、用語「オキシ炭化水素」は、アルコキシ基、オキシアルケニル基、オキシアルキニル基の任意の1つを意味する。この基は、直鎖状、分枝、もしくは環式、またはオキシアリール基であり得る。しかし、用語オキシヒドロ炭素はまた、それらが必要に応じて置換されているものを含む。オキシヒドロキシ炭素がその上に置換基(単数または複数)を有している分枝した構造である場合には、置換基は、炭化水素骨格上であり得るか、または分枝であり得るかのいずれかである;あるいは、置換基は、炭化水素骨格上にあり得、そして分枝であり得る。
【0047】
好ましくは、オキシヒドロカルビル基は、式C1−6O(例えば、C1−3O)である。
【0048】
化合物がステロイド核を含む場合は、好ましくは、A環はオキシヒドロカルビル基を2位に有する。
【0049】
より好ましくは、基C1−6Oは、ステロイド核のA環の2位に付着している。
【0050】
好ましくは、オキシヒドロカルビル基はアルコキシである。
【0051】
アルコキシ置換基のアルキル基は、好ましくは、1から5個の炭素原子を含有している低級アルキル基である。すなわち、メチル、エチル、プロピルなどである。好ましくは、アルキル基はメチルである。
【0052】
従って、好ましい実施形態においては、化合物がステロイド核を含む場合は、A環は2位にメトキシ置換基を有する。
【0053】
本発明の好ましい化合物は以下の式を有する:
【0054】
【化4】
ここで、環A、B、C、およびDは、独立に必要に応じて置換される。
【0055】
好ましくは、基Aまたは基Eは2位にある。
【0056】
好ましくは、基Cは3位にある。
【0057】
基Cは、「スルファメート基」である。「スルファメート基」は、以下の式の基である:
【0058】
【化5】
ここで、R1およびR2のそれぞれは、Hまたはヒドロカルビル基から独立して選択される。
【0059】
用語「ヒドロカルビル基」は、本明細書中で使用される場合は、少なくともCおよびHを含有している基を意味し、そして必要に応じて、1つ以上の他の適切な置換基を含み得る。このような置換基の例として、ハロ−、アルコキシ−、ニトロ−、炭化水素基、N−アシル基、環式基などが挙げられ得る。置換基が環式基である可能性に加えて、置換基の組合せが、環式基を形成し得る。ヒドロカルビル基が1つより多いCを含む場合は、これらの炭素は、必ずしも互いに連結する必要はない。例えば、炭素の少なくとも2つが、適切な元素または基を通じて連結し得る。従って、ヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含み得る。適切なヘテロ原子が当業者に明らかであり、そして例えば、イオウ、窒素、および酸素が挙げられる。
【0060】
好ましくは、R1およびR2は、Hまたはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、またはアリールから独立して選択されるか、あるいはともにアルキレンを示す。ここで、あるいはそれぞれがアルキルもしくはシクロアルキルもしくはアルケニルであり、または必要に応じて1つ以上のヘテロ原子もしくは基を含む。
【0061】
置換される場合は、N−置換されたスルファメート化合物は、1つまたは2つのN−アルキル、N−アルケニル、N−シクロアルキル、N−アシル、またはN−アリール置換基を含み得、好ましくは、最大10個の炭素原子を含有しているかまたはそれぞれが含有している。R1および/またはR2がアルキルである場合は、好ましい値は、R1およびR2がそれぞれ、1から5個の炭素原子を含有している低級アルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピルなど)から独立して選択されるものである。好ましくは、R1およびR2は、両方ともがメチルである。R1および/またはR2がアリールである場合には、代表的な値はフェニルおよびトリル(−PhCH3;o−、m−、またはp−)である。R1およびR2がシクロアルキルを示す場合は、代表的な値は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R1およびR2が互いに連結する場合は、代表的には、4から6個の炭素原子の鎖を提供するアルキレン基を示し、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子または基(例えば、−O−または−NH−)が介在して、5−、6−、または7−員環の複素環(例えば、モルホリノ、ピロリジノ、またはピペラジノ)を提供する。
【0062】
アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシル、およびアリールの範囲内に、本発明者らは、問題の化合物の活性を妨害しない1つ以上の基をその中に置換基として含有している置換された基を含める。例示的な妨害しない置換基として、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキル、およびアリールが挙げられる。ヒドロカルビル基の限定的ではない例はアシル基である。
【0063】
いくつかの好ましい実施形態においては、少なくとも1つのR1およびR2はHである。
【0064】
本発明での使用に適切なスルファメート化合物の例、または本発明での使用に適切なスルファメート化合物に転換され得る適切な化合物の例が、当該分野で見出され得る−例えば、第PCT/GB92/01587号、第PCT/GB97/03352号、第PCT/GB97/00444号、第GB9725749.7号、第GB9725750.5号、第US−A−5567831号、第US−A−5677292号、第US−A−5567831号、第WO−A−96/05216号、および第WO−A−96/05217号。
【0065】
一例として、第PCT/GB92/01587号は、新規のスルファメート化合物、およびエストロン依存性の腫瘍(特に、乳癌)の処置における使用のためにそれらを含有している薬学的組成物を教示する。これらのスルファメート化合物は、スルファメートエステルである。このようなインヒビターの例は、ステロイドのスルファメートエステル誘導体である。
【0066】
本発明での使用に適切な別の化合物は、少なくとも以下の骨格構造を有する:
【0067】
【化6】
R1およびR2の少なくとも1つがHであることが好ましい。
【0068】
本発明での使用に適切な別の化合物は、少なくとも以下の骨格構造を有する:
【0069】
【化7】
ここで、環A、B、C、およびDは、独立して必要に応じて置換される。
【0070】
本発明の好ましい化合物は、以下の式を有する:
【0071】
【化8】
ここで、環A、B、C、およびDは、独立して必要に応じて置換される。
【0072】
好ましくは、基Eは2位にある。
【0073】
好ましくは、基Cは3位にある。
【0074】
本発明については、好ましくはスルファメート化合物は、オキシヒドロカルビルステロイドスルファメート化合物であり、特に、2−メトキシエストロン−3−O−スルファメート、またはそれらのアナログを含むその薬学的に活性な塩である。
【0075】
2−メトキシエストロン−3−O−スルファメートは、エストロン−3−O−スルファメート(一方で、「EMATE」として公知である)のアナログであり、以下の構造を有し:
【0076】
【化9】
そして2−メトキシEMATEと呼ばれ得る。
【0077】
2−メトキシEMATEは、本発明の天然に存在しているエストロゲン代謝物である2−メトキシエストロンのスルファモイル化誘導体である。この化合物は、2−ヒドロキシラーゼによるエストロンのヒドロキシル化、続くカテコールエストロゲンメチルトランスフェラーゼによるメトキシ誘導体への代謝によって肝臓で形成される。
【0078】
2−メトキシEMATEは、以下の式として示される式を有する:
【0079】
【化10】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、エストロン−3−O−スルファメートのオキシヒドロカルビル誘導体である。
【0080】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、エストロン−3−O−スルファメートのC1−6(例えば、C1−3)アルコキシ誘導体である。
【0081】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、エストロン−3−O−スルファメートの2−C1−6(例えば、C1−3)アルコキシ誘導体である。
【0082】
1つの実施形態においては、好ましくは、スルファメート化合物は、2−メトキシエストロン−3−O−スルファメートである。
【0083】
(実施例)
(材料および方法)
乳房の脂肪組織または腫瘍組織のサンプルを、患者のインフォームドコンセントを得た後に、縮小乳房形成術またはランペクトミーを受けている女性から得た。
【0084】
線維芽細胞を、以前に記載されているように培養した(2)。簡潔には、線維芽細胞を、Hepes緩衝液(20mmol/l)、10%のウシ胎仔血清(FCS)、およびサプリメントを含有しているイーグル改変最少必須培地中で培養した。細胞を、2〜3回慣例的に継代培養し、その後、複製25cm2フラスコに、線維芽細胞を播種し、そしてコンフルエントに増殖させた。2−MeOEMATEを、付属Iに記載するように調製した。(実験のために、細胞を、2%の裸の(stripped)FCSを含有しているフェノールレッドを含まない培地中で、パクリタキセル、2−meOE2、または2−MeOEMATEの存在下で、TNFα、IL−6+IL−6可溶性レセプター(IL−6sR)、またはPEG2の添加の前に培養し、そしてこの培地中でさらに48時間培養した。TNFα、IL−6+IL−6sR(R&D Systems Ltd,Abingdon,Oxford,UK)またはPEG2(Sigma、Poole,Dorset,UK)を、デキサメタゾン(100nmol/l、Sigma)の存在下で使用した。パクリタキセル、2−meOE2、および他の化学薬品をもまた、Sigmaから入手した。
【0085】
処置期間の終わりにアロマターゼ活性を、3〜20時間の期間にわたって[1β−3H]アンドロステンジオン(15〜30Ci/mmol、NEN−Du Pont,Stevenage,Herts,UK)を使用してインタクトな単層中で測定した(2,3)。細胞の数を、Coulter計数器を使用して細胞の核を計数することによって測定した。実験を3連で行い、そして示す結果は、2〜3の調査を表す。
【0086】
(統計)
スチューデントt検定を、処理した細胞およびコントロールの細胞の平均値における差異の有意性を評価するために使用した。
【0087】
(結果)
TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害するパクリタキセルの能力を、縮小乳房形成術組織に由来する線維芽細胞を使用して最初に試験した(図1)。これらの細胞のTNFαにおいては、デキサメタゾンの存在下では、アロマターゼ活性は375%まで刺激された。パクリタキセルおよび2−meOE2の両方は、基底のアロマターゼ活性をそれぞれ88%および46%にまで阻害した。さらに、TNFαで刺激したアロマターゼ活性もまた、それぞれ91%および56%にまでこれらの化合物によって有意に減少させられた。この能力は、微小管を安定化させる薬剤に対して特異的であるようである。コルヒチン(これは、微小管の重合を阻害する)またはサイトカラシン(Cytocholasin)B(これは、微小繊維に結合する)は影響を有さなかった(データは示さない)。
【0088】
IL−6およびPGE2のような他の因子もまた、細胞表面レセプターとの相互作用を介して作用するので、パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、これらの因子およびTNFαによるアロマターゼの刺激と拮抗する能力もまた、試験した(図2および図4)。TNFα、IL−6+IL−6sR、またはPGE2は全て、腫瘍に由来する線維芽細胞中のアロマターゼ活性を有意に増強した。パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEは、基底のアロマターゼ活性およびTNFαによって刺激される活性を阻害した。しかし、さらに、これらが、IL−6+IL−6sR、またはPGE2によるアロマターゼ活性の刺激ともまた拮抗することを見出した。
【0089】
パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性と拮抗する相対的な能力を、用量応答研究において比較した(図3および図5)。さらに、2−meOE2、2−meOE3の16α−ヒドロキシ誘導体(これは、微小管には結合しないようである(14))が、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害する能力もまた試験した。
【0090】
パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEは、TNFαによって刺激されるアロマターゼを阻害したが、パクリタキセルはより強力なアンタゴニストであることが明らかであった。0.1μMのパクリタキセルは、90%まで刺激を阻害したが、一方、この濃度で2−meOE2は、51%まで刺激をわずかに減少させた。2−MeOE3は、試験した最も高い濃度でいくらかの阻害効果を示したが、5μMではアロマターゼ活性のTNFα刺激を有意には減少させなかった。
【0091】
(考察)
この研究による結果は、微小管の安定性を変更する薬剤を明らかにし、パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、基底のアロマターゼ活性だけではなく、TNFαによって刺激される活性をも大きく減少させることを明らかにした。パクリタキセルは、乳癌の処置において使用されるが、本発明者らが知っている限りでは、これが、基底のアロマターゼ活性およびサイトカインによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害するその能力を実証する最初の報告である。この特性は制限され、微小骨格に対して種々の影響を有する、コルヒチンまたはサイトカラシンBのような微小管安定剤は、TNFαによって刺激されるアアロマターゼ活性を阻害することが不可能であった。
【0092】
TNFα、IL−6+IL−6sR、およびPGE2は、皮下脂肪または乳房組織に由来する線維芽細胞中のアロマターゼ活性を調節し得る限りは、同定された3つの主要な因子である。微小管は、サイトカインレセプターの合成のため、または血漿膜へのそれらの輸送のために必要とされ得る(15)。従って、おそらく、パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEが、TNFα、IL−6、またはPGE2がアロマターゼ活性を刺激する能力に関して有する効果もまた、それらのシグナル伝達に関与しているレセプターの合成/輸送に関する効果から、生じ得る。パクリタキセル、2−meOE2、および2−MeOEMATEの基底(すなわち、未刺激)のアロマターゼ活性を減少させる能力は、アロマターゼ活性に対する、サイトカインおよびPGE2の自己分泌/パラ分泌作用(これは、これらの線維芽細胞によって産生されることが公知である)をブロックすることによって生じ得る。
【0093】
パクリタキセルは、乳癌の処置のために使用されるが、その毒性が、その長期間の使用を防ぐ。2−meOE2(内因性のエストロゲン代謝物)および2−MeOEMATEがパクリタキセルと同様の特性を有し得るという知見は、それらが、考慮される治療可能性を有し得ることを示唆する(17)。マウスに対する2−meOE2の経口投与は、B16黒色腫とともに接種され、Meth A肉腫またはMDA−MB−435乳癌細胞は、腫瘍の増殖を有意に減少させた(18、19)。
【0094】
この研究による結果はまた、免疫系が免疫刺激の役割を発達し得る可能性のある機構を示唆する。2−meOE2または2−MeOEMATEの適切な産生および/または投与の存在下では、乳房組織中のサイトカインレセプターを下方制御し、そしてそれによってアロマターゼ活性のサイトカインの刺激を阻害した。2−meOE2または2−MeOEMATEの減少した産生および/または投与によって、サイトカインが乳房組織中でのエストロゲンの合成を刺激することを可能にする。Bradlowおよび彼の共同研究者らは、2−ヒドロキシエストロゲンの形成の減少、および16α−ヒドロキシ代謝物の合成の増大が、乳癌の増大した危険性に関連するという説得力のある証拠を得た(20、21)。2−meOE2の16α−ヒドロキシ誘導体がTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を抑制する制限された能力のみを有するという本研究における観察は、Bradlowの知見を支持するようである。
【0095】
脂肪組織から培養した間質の線維芽細胞は、脂肪細胞に分化する能力を有する。TNFαは、線維芽細胞中のアロマターゼ活性を刺激するが、脂肪細胞へのそれらの分化を阻害する。高濃度のエストラジオール(10〜100μM)は、脂肪間質細胞中のTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害し、そしてフィードバックループがこれらの細胞中の過剰なエストロゲンの合成を妨げ得ると仮定されている(22)。ペルオキシソームプロリエレーター(prolierator)によって活性化されるレセプターγ(PPARγ)リガンド(例えば、チオゾリジネジオン(thiozolidinedione))もまた、脂肪細胞の分化を刺激し得、そしてまたTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害する。高濃度のエストラジオールが、ヒトの脂肪間質細胞中のTNFαによって刺激されるアロマターゼ活性を阻害するために必要であるので、エストラジオールが2−meOE2への変換後に作用し得るという推測が試みられている。
【0096】
本発明の種々の改変およびバリエーションが、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明は、特異的な好ましい実施形態と組合せて記載されているが、特許請求の範囲における本発明は、このような特異的な実施形態に過度に限定されるべきではないことが、理解されるはずである。実際、化学、生物学、または関連する分野の当業者に明らかである、本発明を実行するための記載されている様式の種々の改変が、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【0097】
(参考文献)
【0098】
【表1】
(付録I)
(2−メトキシエストロン−3−O−スルファメート(2−メトキシEMATE)の合成)
無水ジメチルホルムアミド中の2メトキシエストロンの溶液を、塩化ナトリウムで0℃で処理することによって、2−メトキシEMATEを合成した。水素を発生させた後に、スルファモイルクロリド(2当量)を添加し、そして反応混合物を、一晩室温で暖めた。化合物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(これは、TLCにおいて単一の純粋なスポットであった)そして十分な分光学的データおよび微量分析データを示した。
【0099】
これに関して、2−メトキシエストロン(75mg、0.250mmol)は、粗生成物(103mg)を生じ、これらをシリカ(50g)で、クロロホルム/アセトン(8:1)を使用して分画し、そして第2の画分のエバポレーションによって青白い白色の残渣(83mg、81%)を得た。これを酢酸エチル/ヘキサン(1:2)中で再結晶して、1を白色の結晶(69mg)として得た。m.p.=177〜180℃、クロロホルム/アセトン8:1および4:1のぞれぞれについてRt=0.29および0.54、そして酢酸エチル/ヘキサン2:1および1:1のぞれぞれについてRt=0.0.46および0.31。
【0100】
【化11】
本発明は、以下に示す図面を参照して、例示のみの目的で、さらに記載される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
乳房組織の線維芽細胞中でのパクリタキセル(Pax)による、基底のアロマターゼ活性およびTNFαによって刺激されるの阻害。パクリタキセルを、2%の裸の(stripped)ウシ胎仔血清中で24時間培養した細胞に対して添加した。TNFαを、デキサメタゾン(100nmol/l)の存在下で添加し、そして細胞を同じ培地中でさらに48時間培養した。コントロールおよびパクリタキセルを伴うがTNFαを伴わない細胞をまた、48時間の間デキサメタゾンの存在下で培養した。アロマターゼ活性を、リン酸緩衝化生理食塩水で細胞を洗浄した後、インタクトな単層中で測定した。(平均±SD、n=3;a、p<0.001の対コントロール;b、p<0.001対TNFαで刺激したアロマターゼ活性)。
【図2】
パクリタキセル(Pax、10μM)または2−メトキシエストラジオール(2−meOE、10μM)による、線維芽細胞における、TNFα(20ng/ml)、IL−6+IL−6sR(50ng+100ng/ml)、またはPEG2(10μM)で刺激したアロマターゼ活性の阻害。(平均±SD、n=3)。使用した実験プロトコールは、図1の説明に記載したものである。TNFα、IL6+IL−6sR、またはPEG2で48時間処理した細胞中のアロマターゼ活性は、コントロールの細胞中よりも有意に高かった(p<0.01〜p<0.001)。全てのインヒビターが、パクリタキセルまたは2−メトキシエストラジオールの非存在下でTNFαで刺激した細胞中のアロマターゼ活性と比較して、有意(p<0.001)であった。
【図3】
線維芽細胞中の、パクリタキセル(Pax)、2−メトキシエストラジオール(2−meOE2)、または2−メトキシエストリオール(2−meOE3)による、TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性の阻害についての用量応答(TNFαによって刺激される活性の%として表される)。(平均±SD、n=3)。使用した実験プロトコールは、図1の説明に記載した。2メトキシエストリオールを除いて、全ての化合物が、5μM(NS)で、アロマターゼ活性のTNFα刺激を有意に阻害した(p<0.001)。
【図4】
TNFα、IL−6+IL−6sR、またはPEG2によるアロマターゼ活性の刺激をブロックする化合物の能力。
【図5】
TNFαによって刺激されるアロマターゼ活性の阻害についての用量応答。
Claims (20)
- 腫瘍壊死因子α(TNFα)によって刺激されるアロマターゼ活性の阻害のための医薬品の製造のための、以下:
(i)微小管安定剤;
(ii)微小管崩壊因子;
(iii)式A−Bの化合物であって、ここで、Aがオキシヒドロカルビル基であり、そしてBが環式基である、化合物;および
(iv)式C−Dの化合物であって、ここで、Cがスルファメート基であり、そしてDが環式基である、化合物、
からなる群より選択される材料の、使用。 - 前記(iii)が式C−D−Eの化合物である、請求項1に記載の使用であって、ここで、Cがスルファメート基であり、Dが環式基であり、そしてEがオキシヒドロカルビル基である、使用。
- 前記環式基が多環式環構造を有する、請求項1または2に記載の使用。
- 前記基Aおよび/または基Cおよび/または基Eが前記環に連結しているかまたは該環に付着している、請求項2または3に記載の使用。
- 前記多環式環構造が3個の6員環を含む、請求項3または4の記載の使用。
- 前記基Aおよび/または基Cおよび/または基Eが、前記多環式環構造の同じ環に付着している、請求項3、4、または5に記載の使用。
- 前記多環式環構造がステロイド環構造である、請求項3から6のいずれか1項に記載の使用。
- 前記基Aもしくは基Cおよび/または基Eが、互いにオルト位で本発明の環式化合物の同じ環に付着している、請求項2から7のいずれか1項に記載の使用。
- 前記基Aまたは基Eが、ステロイド構造のA環の2位に付着している、請求項7または8に記載の使用。
- 前記基Cが、ステロイド構造のA環の3位に付着している、請求項7から9のいずれか1項に記載の使用。
- 前記基Aが式C1−6O(例えば、C1−3O)である、請求項1から10のいずれか1項に記載の使用。
- 前記基Aがアルコキシである、請求項1から11のいずれか1項に記載の使用。
- 前記基Aが、ステロイド環構造の2位のメトキシ置換基である、請求項7から12のいずれか1項に記載の使用。
- 前記R1およびR2が、Hまたはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアリールから独立して選択されるか、あるいはともにアルキレンを示し、ここで、あるいは、それぞれのアルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルが、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子または基を含む、請求項14に記載の使用。
- 前記R1およびR2の少なくとも1つがHである、請求項14または15に記載の使用。
- 前記(iv)が、エストロン−3−O−スルファメートのC1−6(例えば、C1−3)アルコキシ誘導体、好ましくは、エストロン−3−O−スルファメートの2−C1−6アルコキシ誘導体である、請求項1から16のいずれか1項に記載の使用。
- 前記(iv)が2−メトキシエストロン−3−O−スルファメートである、請求項1から17のいずれか1項に記載の使用。
- 前記(ii)がパクリタキセルである、請求項1から18のいずれか1項に記載の使用。
- 前記(iii)が2−メトキシエストラジオールである、請求項1から19のいずれか1項に記載の使用。
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