JP2004512891A - 煙排出システム - Google Patents

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ドローグ, ジェフェリー ケイ.
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ジェイエルジェイ メディカル デバイシーズ インターナショナル, リミテッド ライアビリティ カンパニー
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Abstract

外科手術手順の気体副生成物および化学物質からの有害な蒸気を除去するための改善された煙排出システムおよび方法が提供される。煙および蒸気排出システムは、外科手術部位に位置付けられ得るか、または作業スペースに組み込まれる減圧ヘッドを備える。減圧ヘッドは、プレナム、および減圧または低圧がプレナム内に確立された場合にプレナムがつぶれるのを防ぐためのプレナム支持体を備え、種々の外科手術部位または商業的作業スペースにおける種々の外科手術または商業的手順において、このシステムの使用を容易にするように適合される。

Description

【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国非仮特許出願番号09/710,288号(2000年11月10日に出願された)に対して優先権を主張し、この出願は、米国特許出願番号09/673,406号(2000年10月17日に出願された)の一部継続出願であり、この出願は、国際出願番号PCT/US99/08207(1999年4月15日に出願された)に基づく米国特許法271条出願であり、この出願は、米国仮特許出願番号60/082,125号(1998年4月17日に出願された)の優先権を主張する。
【0002】
(背景)
本発明は、気体物質および/または実質的に気体状の物質の除去のための装置、システムおよび方法に関する。このような物質としては、外科手術手順および切断、加熱または燃焼(例えば、化学物質からの臭気、超音波蒸気、およびイオンダスト粒子)を含む任意の手順のエアロゾルおよび粒子副生成物が挙げられるが、これらに限定されない。より詳細には、本発明は、外科手術部位における、化学物質によって放出されるか、あるいはレーザー、音波切断、および/もしくは焼灼、または他の外科手術技術もしくは器具の使用によって生成される、煙、蒸気、またはプルームを効果的に除去する、排出システムのための排出器または減圧ヘッドに関する。
【0003】
外科手術手順の間の組織の加熱および/または燃焼は、普通になっている。しかし、このような加熱および/または燃焼の望ましくない副生成物は、それらによって作製される煙である。煙プルームは、外科医の視界を覆い隠し得、生成される臭気は、外科チーム全体および患者(覚醒している場合)を不快にし、注意をそらせる。さらに、煙プルームは、手術室のヒトに危険を与え、そして手術エリア内に長引く汚染を残し得る、感染性因子を含み得る。化学蒸気(例えば、コンピュータ部品の洗浄によって生成されるもの)は、同様に、それを吸引するヒトの気道を刺激し、そして発癌性であり得る。
【0004】
煙排出および濾過システムは、外科手術部位からの煙プルームおよび作業環境からの化学蒸気を除去するために開発されている。このようなシステムは、代表的には、減圧源または減圧発生器に接続されたホース、およびこのホースに接続された(すなわち、エアロゾルを生成する部位に配置された)吸引棒(suction wand)を備える。臭気および感染性因子を除くために、種々の濾過システムが、このような減圧発生器とともに使用されている。代表的には、公知の排出および濾過システムの棒およびホースは、この棒またはホースのノズルを外科手術部位に保持するために、付き添い人の不断の注意または活動を必要としている。別の問題は、ホースノズルおよび吸引モーターを通る空気の流れが、手術室またはワークステーションにおける過剰な望ましくない騒音の源であることである。
【0005】
より最近では、棒についての問題を少なくとも一部取り組むために、煙排出システムは、看護士または他の付き添い人の不断の注意なしに、外科手術部位で適所で維持され得る端部エフェクタを備え得る。このような少なくとも1つの排出システムおよび端部エフェクタは、米国特許第4,921,492号(Schultzら)(この特許の開示が本明細書中で参考として援用される)に開示される。Schultzらは、外科手術部位からレーザー外科手術の気体副生成物を除くための端部エフェクタを開示する。端部エフェクタは、可撓性ホース、および外科手術部位の周りに実質的に気密な関係で接着的に取り付け可能な柔軟な減圧ヘッドを備える。減圧ヘッドは、約360°の弧から、外科手術部位から離れるプルームを引き出すための、ほぼ環状のプレナムを備える。多孔性プレナム支持体は、可撓性プレナムが減圧の存在下でつぶれることを防ぎ、そしてプレナムの周辺部全体の周りの減圧を拡散する。
【0006】
米国特許第5,015,243号(Schifano)は、煙が生成されるとき、手術部位の周の周りから、煙および空気を引き出すための、手術部位を取り囲むための可撓性吸引ヘッドを備える別の煙排出器を開示する。1つの実施形態において、吸引ヘッドは、手術部位に面する管状部材の内面上に複数の半径方向開口を備えるドーナツ型管状部材である。Schifanoは、管状環部材が環状または楕円であり得、そして空気が周辺の様式で実質的に引き出される限り、手術部位を完全に囲う必要はないことを教示する。
【0007】
手術の間に直面する別の問題は、外科手術部位の感染である。外科手術部位の感染は、多数の院内感染の原因である。これらの型の感染は、手術エリアからの細菌が、外科手術部位に入るときに起こる。外科手術部位の感染は、死の可能性を増加し得、そして患者の病院滞在および費用を増加させ得る。American Journal of Infection Control、1999年5月、97〜118頁(Mangram、Alicia J.ら)に公開される、「Guideline For Prevention of Surgical Site Infection、1999」と題された論文(この論文の開示は、本明細書中において、参考として援用される)は、これらの型の感染を防ぐための忠告を提供する。この論文は、外科手術部位の感染を制御するための1つの方法は、手術室の換気を改善することであることを提案している。この論文は、無菌手術部位上を約0.3〜0.5mm/秒の速度で、粒子を含まない空気(「超清浄(ultraclean)空気」などとして公知であり得る)を動かすために設計された層状気流が、その経路から粒子を効果的に掃き出し、そして手術に続く外科手術部位の感染を、50%を越えて減少させることを開示する。外科手術部位上の超清浄空気の層状気流と、煙排出システムとの組み合わせは、手術室のスタッフおよび患者の安全性および快適性を増加し得る。
【0008】
SchultzらおよびSchifano型の煙排出システムおよび端部エフェクタが、それらの意図された目的によく適するものの、改良の余地がある。例えば、端部エフェクタは、それらが取り付けられる表面に一致するために柔軟であるかまたは可撓性であるが、いずれも、一致した形状の維持を補助するための骨格を堅くする構造またはフレームを開示しない。このような骨格またはフレームは、煙排出のための端部エフェクタまたは減圧ヘッドを、不規則な物理的特徴(例えば、耳、鼻、口、または関節の領域)上またはその近くでの使用のために適合させるのに役立つ。このような端部エフェクタのほぼ中心の部位アクセス開口が、切開の異なるサイズおよび異なる手順に適応するようにサイズを選択的に変化され得る場合、および端部エフェクタが種々の位置で取り込み開口を用いて利用可能にされ得、その結果、特定の端部エフェクタが実行される手順に依存して選択され得る場合もまた、有益である。端部エフェクタが使用者によって選択された構造に屈曲可能なほぼ細長の管状形状で利用可能であり、そしてその形状のエフェクタまたは湾曲エフェクタが、選択された構成で維持される傾向がある場合、有益である。送風ステーションおよび減圧ステーションを設定し、そしてその端部エフェクタに接続して、外科手術部位にわたる超清浄空気の層状気流を作製および/または供給および排出し得、そして/あるいは、濾過とともにこのようにし得る場合、有益である。端部エフェクタまたは減圧ヘッドが、幅広く使用される慣習的な外科手術ドレープまたはドレープ材料と一体化され得るか、または有害な化学フュームを含むワークステーションの一部に組み込まれ得る場合も、有益である。
【0009】
(要旨)
本発明は、煙、化学蒸気、エアロゾル、気体物質またはほぼ気体状の物質および流体(飛沫同伴された粒子または他の物質を伴う流体を含む)を除去または排出するためによく適した排出器を提供する。これは、外科手術部位、ワークステーションおよび製造アセンブリまたは処理部位から、このような物質を除去する際の使用によく適する。
【0010】
上に概説された要件は、大部分、本発明に従う、煙排出システムおよび方法(排出器を含む)によって解決される。本明細書中に記載される実施形態は、外科手術の間に生成される煙またはバイオエアロゾルを含む、煙または他のエアロゾルを効果的かつ静かに除去するために設計され、そして外科医または付き添い人による不断の注意または操作なしに、外科手術部位で使用され得る。これらはまた、作業部位から蒸気を除く。
【0011】
外科手術手順または商業的な手順の気体副生成物を除去するための改善された、煙排出システムおよび方法が、本発明によって提供される。煙排出システムは、外科手術部位または他の作業部位で位置付け可能な減圧ヘッドを備える。減圧ヘッドは、プレナム、および減圧または低圧がそのプレナム内に確立された場合にプレナムがつぶれるのを防ぐためのプレナム支持体を備え、そして種々の外科手術部位における種々の外科手術手順におけるシステムの使用を容易にするように適合される。
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、外科手術部位または商業的な部位から、ほぼ気体状の副生成物(煙、微細粒子、空気などを含む)を引き出すために、減圧源に接続するための減圧煙排出器ヘッドを備える。煙排出器ヘッドは、実質的に、ほぼ柔軟であるかまたは可撓性の材料から作製され、そしてプレナムを規定する。プレナム支持体は、支持をプレナムに提供し、そして減圧または比較的低い圧力の領域がプレナム内に確立された場合に、プレナムがつぶれるのを防ぐようにプレナム内に保持される。煙排出器ヘッドは、開口取り込み外装(facing)および/または取り込み開口を備え、そして外科手術部位に隣接してまたは外科手術部位に配置され得る。接着剤が、外科手術部位に対して、選択された位置または配置にヘッドを維持するために、ヘッドによって保持され得る。
【0013】
1つの実施形態において、煙排出器ヘッドは、選択的にサイズを拡張され得る、少なくとも1つのアクセス開口を備える。代表的には、アクセス開口は、減圧ヘッド内でほぼ中心に配置され、そして開口の実質的に周りに伸長する1つ以上の除去可能なほぼ同心性の周辺部分を選択的に除くことによって、ほぼ同心状に外向きに移動され得る最初の周辺縁部を有する。また、代表的には、開口(最初のサイズまたは拡大サイズの1つのいずれか)が、除去可能なフィルムによって、使用の前に被覆またはシールされ得る。
【0014】
別の実施形態において、煙排出器減圧ヘッドは、骨格を堅くする部材または位置付けるフレームを備え、これによって、ヘッドは、選択された構成に構成され、その構成を維持する傾向があり得る。骨格構造は、曲げられ得るかまたはねじられ得るが、選択された曲げまたはねじれを維持するのに十分な剛性を有する、適切な材料で形成された単一の可撓性細長部材を備え得る。骨格構造は、内部または外部であり得、そして単一の細長部材、単一の環状部材、複数の軸方向に整列された部材、多数の平行および/または分枝した部材、またはこれらの組み合わせを備え得る。この実施形態は、関節、耳、鼻または口のようなかなり不規則な表面を有する身体の領域での使用によく適し得る。
【0015】
別の実施形態において、煙排出器は、2つの端部を有するほぼ管状の本体を備え得、このうちの1つは、別の煙排出器減圧ヘッドまたは管状本体を減圧源に作動可能に連結するためのカップリング(例えば、ホース)に、接続されるように適合される。他端は、自由であり得る。この本体は、減圧または低圧がこの本体内で確立された場合に、煙などを入れるための開口または開口外装(open facing)を備える1つ以上の領域を有し得る。この実施形態において、この本体は、この本体が、異なる状況における使用のための特定の形状に容易に曲げられ、そして維持され得るように、堅い要素または骨格構造を有し得る。減圧ヘッドのこの実施形態は、外科手術手順の間、深い切開または損傷において、補助物としてまたは単独で使用するためによく適し得る。
【0016】
なお別の実施形態において、煙排出器減圧ヘッドは、煙またはエアロゾル生成部位にほぼ隣接して位置付けられるように、実質的に開口した外装部分を含むプレナムを形成する。1つの実施形態において、プレナムが頂部で外向きの外装壁を有し、ほぼ環状であり、そしてほぼ中心のアクセス開口を備え、開口の周辺が、内壁によって形成される場合、開口外装が、内壁(例えば、傾斜および/または頂壁の一部を含む)におよび/または内壁に隣接して形成され得る。この実施形態は、皮膚または組織の弁(flap)または隆起(ridge)が、例えば、切開の周りにまたは切開の結果として形成され得る外科手術手順における使用のためによく適する。このような手順は、例えば、プレナムに誘導される減圧が、皮膚弁または組織をプレナムに引き込む傾向がある場合、特に、皮膚弁または組織が真っ直ぐ上に維持される場合の、形成外科手術手順および乳房切除を含む。
【0017】
別の実施形態において、本発明の排出システムは、減圧発生器または減圧源を取り外し可能に接続するための排出ホースおよび手術部位をほぼ取り囲む減圧ヘッドを備える。減圧ヘッドは、一般的に柔軟性材料または可撓性材料で実質的に作製され、ほぼ中心の開口を有するプレナムを規定する。多孔性のプレナム支持材料は、プレナム内に保有され、プレナムに、ある程度の剛性を提供し、減圧または比較的低圧の領域がプレナム内に確立される場合、プレナムがつぶれるのを防ぐ。プレナムは、中心開口に隣接する開口外装領域を備える。接着剤は、手術部位での適所において、減圧ヘッドを維持するために、減圧ヘッドの壁に接触する皮膚によって保有され得る。
【0018】
本発明の実施形態及び特徴は、手術用ドレープを組み込むかまたは一体化された、選択可能な断面積を有するフォームで支持されたチャネルの概念であり、ここで、このチャネルは、煙および/または他のエアロゾル小片を手術部位から運ぶために使用され得る。
【0019】
本明細書中に記載される煙排出システムまたは減圧ヘッドの任意の実施形態は、滅菌形態および手術室環境において容認可能な色で提供され得る。
【0020】
1つの実施形態において、本発明の煙排出システムは、減圧ヘッド端部エフェクタを備え、このエフェクタは、ほぼ連続した、同軸面積または領域を備え、これは、楕円状であり得、ほぼ同軸穿孔によって形成または分離され、それによって、この領域は、切開または手順領域の所望の長さに対応して、選択可能に取り外され得る。
【0021】
1つの実施形態において、本発明に従う端部エフェクタは、あらかじめ提供されたほぼ中心でそして特定の所定の寸法の楕円形切り抜きを有し、この目的は、一次的なまたは最初の作業領域を形成することであり、外科医または付き添い人が、周囲の周辺楕円形セクションを取り除いて、元の開口を広げることをさらに容易にし得ることである。
【0022】
1つの実施形態において、減圧ヘッドの各々の取り外し可能なセクションは、セクションの1つの表面にわたって裏当ての紙のある接着材を備え得る。一旦、場所または作業領域の大きさが決定されると、裏当て紙は取り外され、それによって、減圧ヘッドおよび/またはドレープの残りの部分が、患者の準備された皮膚または手術の意図された部位を覆う医療ドレープに接着され得る。
【0023】
1つの実施形態において、端部エフェクタは、適切なコネクタ、ノズルアダプタ、および/または接続特徴(例えば、選択された流体または気体(例えば、超清浄空気)の供給源と低圧または減圧の供給源との両方を同時に結合し得る)を備え得る。この実施形態において、端部エフェクタは、作業部位のまわりに、一方向性の、層状気流を提供する。端部エフェクタは、中心開口を備えるプレナム、気流または減圧または低圧がプレナム内で確立された場合、プレナムがつぶれるのを防ぐためのプレナム支持体を備え、ヘッドのほぼ中心の開口を通って、例えば、超清浄空気を運ぶのを容易にするために適応される。
【0024】
いくつかの実施形態において、1つ以上のマニホルド様接続ハンドルまたはチューブは、フォームで充填されたチャネルまたは減圧ヘッドから延び、気流を運び、そして/または操作部位からの煙および蒸気の混合物を、導管へと、次いで、捕集デバイス、濾過デバイスおよび/または脱臭デバイスに運び、ここで、この混合物は、処理され得、空気は部屋へと戻され得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、ドレープの外皮は、端部エフェクタに覆われ得、マニホルドおよびドレープは、連続している。これらおよび他の実施形態において、マニホルドは、まっすぐ(すなわち、平行)、および/または湾曲した伸長リップまたは壁のいずれかを備えるように提供され得、このリップまたは壁は、プレナムの外壁を支持するプレナム支持体の側面または排出減圧ヘッドの側面のいずれか内にまたはその上へと伸長する。これらのリップまたは壁の目的は、可能なキンク、狭まり、またはプレナム支持体/マニホルド界面または接合部でドレープの外皮を覆うことによる他の閉塞形態を防ぎ得る。この閉塞は、手術室の床に通常は引きずるかまたは落ちる取り付けられたチューブによる、マニホルド上に加えられる下向きの力によって引き起こされる。いくつかの場合において、吸引または減圧が、適所でリップの伸長なく適用される場合、外皮は、マニホルドの入口オリフィスに陥入して、覆い得る。
【0026】
別の実施形態は、マニホルドまたは接続ノズルの出口部位に向かって、フォームで満たされたチャネルまたはプレナムを離れるように、排出された煙のためのチャンバまたは集合部位を備える。チャンバは、一方の端で、リップ伸長部または壁(前の段落で記載された)に接続され、他方の端において出口ポートを形成するかまたは出口ポートに接続される。チャンバおよび/または出口ポートは、減少した断面積の領域を含むことによって、流速を増加させるように適応され得る。煙混合物が煙排出器を出る出口ポートは、代表的な導管またはホースに接続され得る。
【0027】
本明細書中で開示される実施形態のいずれかは、外科手術ドレープの材料と同じ材料で作製され得る壁または外皮によって形成され得る。外皮は、難燃性または耐火性であってもなくてもよく、そして実施形態のいずれかは、好ましくは、生体適合性の材料で構成され得、このような材料が代表的に処理されるように、処理することができる。
【0028】
本発明の実施形態のいずれかの特徴は、種々の状況および手術手段のために煙排出器減圧ヘッドに適合するように選択的に組合され得ることが理解されるべきである。
【0029】
煙排出デバイスおよび本発明の方法の他の特徴及び利点は、以下の記載および添付の図面および特許請求の範囲を参照して、より完全に明らかになり、理解される。
【0030】
(詳細な説明)
添付の図およびこの記載は、煙排出システムの実施形態および本発明の方法を図示および記載し、これは、煙排出器減圧ヘッド、およびそれらの特徴および構成要素を含む。本明細書中で使用される場合、用語「排出器(evacuator)」、「煙排出器」、「端部エフェクタ」、「減圧ヘッド」などの用語は、構造が低圧または減圧の供給源に作動可能に結合される場合、気体物質またはほぼ気体状の物質または粒子物質(例えば、エアロゾル、煙または蒸気)が、導入されるかまたは引き出され得る構造を含むことが意図される。このような構造は、気体物質またはほぼ気体状の物質を生成する部位にほぼ隣接して配置され得る。本明細書中で使用される場合、手術場所との用語は、切開が皮膚において作製される場所または他の手術操作もしくは手術手順が行われる場所かまたは行われるべき場所を含むように意図される。本発明の構成要素を固定、取り付け、連結または接続して、全体としてデバイスおよびシステムを形成する事に関して、他に特に記載されなければ、従来の固定具(例えば、小ネジ、ナットおよびボルトコネクタ、機械ネジコネクタ、スナップリング、ホースクランプ(例えば、ネジクランプなど)、リベット、ナットおよびボルト、トグル、ピンなど)を含むことが意図される。構成要素はまた、適切な場合、接着剤、のり、熱シーリング、スナップフィッティング、溶接、超音波溶接、および摩擦フィッティングまたは変形によって接続され得る。他に特別に開示または教示されなければ、本発明の構成要素を作製するための材料は、適切な材料(例えば、金属、金属アロイ、天然繊維および人工線維、ビニル、プラスチックなど)から選択され得、そして鋳造、押し出し成型、成型および機械加工を含む、適切な製造法または生成法が使用され得る。
【0031】
前後、左右、上下および高低に対する任意の参照は、記載の簡便性のために意図され、本発明またはその構成要素を、任意の位置的配置または空間的配置に限定するものではない。
【0032】
図1および図2を参照すると、上述のSchultzらの特許に従う煙排出システム10が図示される。このシステムは、適切な減圧発生器に取り外し式に接続された端部エフェクタ12および濾過アセンブリ14を備える。1つの実施形態において、端部エフェクタ12は、ほぼ管状マニホルド様ハンドル20によって減圧ヘッド18に結合された可撓性ホース16を備え得る。1つの実施形態において、減圧ヘッド18は、ほぼ平坦な本体22を備え、本体22は、頂壁24と、底壁26と、頂壁24と底壁26との間に延びる外側壁27とを備える。本体22は、好ましくは、非多孔性の、柔軟な合成樹脂から形成され、その結果、外科手術部位の周囲の表面に適合する。頂壁24、底壁26、および側壁27はともに、ほぼ環状の、内部プレナム28を実質的に規定する。これらの壁は、プレナム28の外側外皮を形成し、医療用グレードの、柔軟な、実質的に非多孔性材料で構成され得る。選択される材料は、合成材料であり得るか、または天然材料(例えば、繊維状材料(例えば、セルロースまたは綿繊維ベースの材料)、例えば、手術ドレープおよび/またはタオルにおいて現在使用される材料)であり得る。選択される材料は、難燃性を有しても有さなくてもよい。好ましい合成材料は、連続気泡フォーム、ウレタンフィルム、紡がれたレース(spun lace)のポリエステル、不織ポリウレタンテープなどから選択され得る。
【0033】
頂壁24は、アクセス開口部32を備え、そして底壁26は、アクセス開口部34を備え、これは、代表的には、必ずではないが、頂壁のアクセス開口部32と整列および/または実質的に合同である。好ましくは、層または接着剤36は、頂壁24によって保有され、そして、クリアフィルム38は、接着剤36によって頂部のアクセス開口部32の上の適所に取り外し可能に保有される。好ましくは、底壁26は、第1の接着層40と、クリアフィルム42を備え、クリアフィルム42は、第1の接着層40によって取り外し可能に保有される。第2の接着層44(これは、その中に包埋された防腐剤を有し得る)は、底壁のクリアフィルム42によって保有される。滅菌剥離(peel−off)シールド46は、防腐接着剤層44によって取り外し可能に保有される。
【0034】
本体22に対する減圧の適用の際に、頂壁24および底壁26は、ともに進められ、それによってプレナム28の体積を減少させることが理解される。それゆえに、図1および図2に図示される端部エフェクタ18において、そして本明細書中に記載される本発明の実施形態において、多孔性材料(例えば、フォームウレタン、または別の適切な網目状の、連続気泡フォーム材料、支持マトリックスなど)から形成される内部コアプレナム支持体48は、プレナム28内に保有され得、減圧ヘッド18の可撓性を実質的に悪化させることなくいくらかの剛性を有する本体22を提供する。内部コア48は、内部プレナム支持構造48を備え、空気および煙がプレナム28へと流れ得る一方、より大きな物質(例えば、組織または手術材料)の移入をブロックする。好ましくは、内部コア支持体48は、疎水性の合成材料または天然材料で作製されるべきであり、その結果、しばしば手術場所に存在する流体の吸収を防ぐ。5〜25ポア/インチ(ppi)のサイズの網目状の連続気泡フォームが、内部コアのためによりよく適する。別の実施形態において、プレナム支持体コア48は、成型され、そして/または外側外皮と連続して形成され得、気流シャフトまたはチャネルの複数またはマトリックスとともに提供され得る。
【0035】
減圧ヘッド18の形状がほぼ環状であるか否か、ほぼ楕円形または異なる形状であるか否かは、いくつかの実施形態において、プレナム28が、ほぼ気体状の物質を実質的に完全に360°にわたって排出するために提供されることに注目すべきである。
【0036】
図3および図4は、本発明の煙排出器18の実施形態を図示し、ここで、中心のアクセス開口部32は、本来提供されるアクセス開口部32の周りから排出器減圧ヘッド18の周辺部分52を取り外すことによって、拡張可能であり、より大きなサイズの開口部(aperture)または開口(opening)50を形成する。頂壁24および底壁26およびプレナム支持体材料48は、脆弱なライン56を備え、刻み目をつけられ、取り外し可能な部分52を規定するように切られるかまたは部分的に切られ、その除去を容易にし得る。選択された数のほぼ同心または成型された取り外し可能な部分が提供され得る。脆弱なライン、刻み目、切断および穿孔56は、実質的に同心であり、最初のアクセス開口部32に対して合同であるか、または最初のアクセス開口部を選択した方向または選択した形状へと広げるように適用され得る。例えば、アクセス開口の周辺の縁の最初と最後に1つ以上の脆弱な弓型またはラインを含み得る。(例えば、図6に示される脆弱なラインaおよびbを参照のこと)。(本実施形態および他の実施形態の記載において、図1および図2に図示される端部エフェクタと共通の特徴、ならびに本発明の他の実施形態において共通の形状は、共通に参照される)。
【0037】
図5、6および12は、本発明の煙排出器減圧ヘッド18の別の実施形態を図示し、ここで、減圧ヘッド18は、サイズ変更可能なアクセス開口部を有して提供され、比較的大きな、可撓性の、ほぼ布様のシート材料を備える手術ドレープ60と一体化される。このようなドレープは、広く使用され、手術場所を確立または目立たせ(set off)、これは、一般的に透明であってもなくてもよく、そしてポリプロピレン材料など(例えば、PVCまたはポリプロピレンおよびセルロースの組み合わせ)によって形成され得る。それらは、患者の皮膚に対する接続のために1つの表面に接着剤を保有し得、代表的には、周辺を規定するために接着剤の4つの小片を保有し得る。ドレープの1つの表面は、減圧ヘッド端部エフェクタ18の取り付けのためにその上に接着剤を有し得る。本発明の減圧ヘッド端部エフェクタ18の組み込みは、開口にドレープまたはドレープ材料の小片を提供し、開口の上に端部エフェクタ18を配置し、そしてドレープに対して端部エフェクタ18の縁を接続またはシールすることによって達成され得る(図6を参照のこと)。端部エフェクタ18の底壁が取り除かれ得、この場合において、頂壁または外側壁24は、ドレープに連結され得、それによって、ドレープが底壁を形成し、プレナム28を完成させ、そしてプレナム支持体48を形成する網目状の連続気泡フォームを取り囲む。使用において、一体化されたドレープおよび端部エフェクタ18は、この部位と整列されるアクセス開口とともに意図された切開部位の上に配置され得る。タブ64がつかまれ、部位にアクセスし得るように引っ張られ得る。より大きな切開部位開口が最初に必要である場合、または切開部位が拡張または伸長する必要がある場合、別のタブ66がつかまれ、周辺部分52を取り除くために引っ張られ得、それによって開口を拡大し、特に、伸長させる。図12に図示されるように、予め切断したアクセス開口カバーは、つかんで、そして端部エフェクタ18からの覆いの取り外しを容易にするために便利なように多くのタブを備える。タブの1つを引っ張ると、予め穿孔されたカバー外皮が放され、予め切断されたフォーム48が取り外され得る。
【0038】
図7(およびその他、図13〜16を含む)は、本発明の別の実施形態を図示し、ここで、ワイヤ様骨格部材70が提供される。骨格部材70は、操作され得る程度まで可撓性および屈曲可能であり、所望の形状まで屈曲またはねじられ、なおその屈曲形状またはねじられた形状を保持するのに十分な非可撓性または剛性を有する。これは、示されるようにプレナム28中に配置され得るか、または端部エフェクタ18の外側に適切に固定され得る。
【0039】
図7および図8〜10は、アクセス開口または開口部を規定するプレナム28の壁が開口外装74であり、そして開口外装74がプレナム28の頂壁24内に延びる、本発明の実施形態を示す。図7および8に示されるように、アクセス開口壁は、ある角度または傾斜76で頂壁内に上方に延びる開口外装74と実質的に相補的である。頂壁へのバイアスまたは角度は、10〜60°であり得、45°が、多くの手順に良好に適する。図9aおよび9bは、2つの傾斜していない実施形態を示し、そして図10は、プレナム28の内壁が実質的に連続的であり、傾斜76のみがプレナム28の開口外装部を備える、実施形態を示す。これらの実施形態は、一般に、頂壁またはその一部が気体物質の取込みを提供するよう適合されない場合に、開口外装を閉塞し得、プレナム28への気体物質の流れを遮断するか、または少なくとも妨害する、組織弁または組織隆起が関与する外科手順における使用に十分に適切である。図10に示される実施形態は、胸部の一部がアクセス開口を通って広がった状態で、プレナム28が胸部に適所で接着またはシールされ得るように、シーリング手段(例えば、接着剤)をプレナム28の内縁または壁29に提供することによって、特定の外科手順(例えば、胸部が関与する手順)にさらに適合され得る。
【0040】
図11は、二重減圧カップリング取り付けハンドルが提供された、本発明のドレープ/煙排出器の実施形態を示す。このような実施形態は、大きな切開を必要とする手順(例えば、脊椎手順、開胸術、大きな腹部切開など)によく適し得る。1つの実施形態において、図11の排出器の実施形態は、図11に示されるようなドレープなしで、独立型デバイスとして使用され得る。
【0041】
図13および14は、プレナム28が実質的に連続的な壁によって形成されており、この壁が単一部品の押し出し材料であり得るか、または接合された頂壁、底壁、および側壁から形成され得る、本発明の煙排出器の別の実施形態を示す。この実施形態において、減圧ヘッド18およびプレナム28は、2つの自由端を有するほぼ管状の、真っ直ぐな、細長い形状を有し、この一端80は閉じており得、そして他端82は、図14に示すように、本発明の端部エフェクタ18の別の実施形態に接続されるよう適合され得る。接続されるよう適合された端部82は、図14に示すように、プレナム28の壁を穿刺するために、鋭利なカニューレ様の部材84を備える。端部82は、平坦であるか、または吸引チュービングまたは上記チャネルに同様に取り付けられるように適合され得る。1つの実施形態(図示せず)において、カニューレ様の部材84は、図13に示すように、鋭利ではない。他の実施形態(図示せず)においては、本発明のこの実施形態は、ホースまたは他の取付具に直接カップリングするよう適合され得るか、あるいはホースまたは他の取付具にカップリングするために、図1に示されるものとほぼ類似のマニホルドまたはハンドル20を備えるかもしくはこれに取り付けられ得る。図14はまた、補強骨格部材70(その2つの可能な位置で示されている)が、比較的深い切開または損傷における、ほぼ管状の煙排出器18の実施形態、またはその一部を構成および位置決めするために使用され得ることを示すことに、注目のこと。
【0042】
図15は、脊髄手術、または比較的長い切開が使用され得る他の手順に適合された、本発明の煙排出器の実施形態を示す。プレナム28は、2つのほぼ平行な管状部材88、90の形状で形成され、各々の部材は、実質的に連続的な頂壁、底壁、外壁および端壁、ならびに開口外装74を備える内壁を有する。本発明の各実施形態は、マニホルドポートまたはハンドル20に隣接した、一般に拡大した内部プレナム空間を含み得る。例えば、図15の排出器において、頂壁24および底壁26は、延びて、マニホルドポートまたはハンドル20に隣接する拡大したプレナム空間100を形成し、その結果、マニホルドまたはハンドル20において発生する吸引力は、プレナムにわたっておよび開口外装74に沿ってを含んで、より等しく分配される。このような特徴は、本明細書中に記載される本発明の実施形態のいずれかに含まれ得る。本明細書中に記載される全ての実施形態におけるように、可鍛性の骨格補強部材70(これは、ニチノールまたは類似の「記憶」材料で形成され得る)が組み込まれて、この実施形態を、例えば想像線で示される構成に再構成することを容易にし得ることに、注目のこと。減圧ヘッド18のこの実施形態は、示されるように、単一の接続マニホルドまたはノズル20を有し得るか、または2つのマニホルドが単一の7/8”減圧ホースの両方に流れることを可能にするための回路アダプタを備えて、2つのマニホルドに適合され得る(例えば、図11を参照のこと)。このような回路アダプタは、呼吸治療および局部麻酔のための標準的なカタログ品目として容易に利用可能である。
【0043】
図16は、歯科手術において使用するためによく適した、煙排出器18の実施形態(例えば、「咬合ブロック」実施形態)を示す。煙排出器18は、口の中または周囲での使用に適した任意の配置で提供され得ること、およびこの実施形態を形成する皮膚または壁の実質的に全体が、好ましくは、非吸着剤であることが、理解されるべきである。
【0044】
図17および18は、ほぼ管状の減圧ヘッド18が、マニホルドポートまたはハンドル20および2つのプレナムアーム90、92に隣接する内部プレナム領域を備える、実施形態を示す。図17および18におけるように2つの自由アームであり得る、2つのプレナムアーム90、92は、外科部位を実質的に囲むように、丸められるかまたは彎曲し得る。この実施形態の利点は、プレナムアーム90、92がその自由端とともに可撓性であり、これによって、ヘッド18がより可撓性にされ、従って、下にある組織の形状をより容易に呈し得、そしてこの形状により容易に従い得ることである。アーム90、92、および従ってヘッド18は、隣接する組織の配置に従って、種々の方向に移動し得る。1つの実施形態において、図17および18の減圧ヘッド18の1つの表面は、ドレープに付着するために、そこに接着剤を有し得るので、頂部から見た場合に端部90、92が1つの方向を向く1つの実施形態、および端部90、92が他の方向を向く別の実施液体を有することが、望ましくあり得る。これらの実施形態は、種々の外科手順(両側性の鏡像対の構造または組織に対する手順が挙げられる)に必要とされる可撓性を提供し得る。
【0045】
図19a〜gは、作業部位を通ってまたは作業部位にわたって、超清浄空気または他の気体もしくは流体の一方向の流れおよび/または層流を生じさせるために使用され得る、煙排出器18の実施形態を示す。本発明のこれらの実施形態は、空気の層流または平衡流れ、ならびに排出および/または濾過システムを提供する。これらの実施形態において、超清浄空気または他の気体の流入速度は、一定速度、可変速度、またはパルス化であり得る。
【0046】
1つの実施形態において、図19aに示されるように、排出器18は、中央開口32を有するプレナム28およびプレナム支持体74を備え、このプレナム支持体74は、プレナム内に流れ、高圧、減圧、または低圧が確立される場合に、プレナムがつぶれるかまたは膨張することを防ぐためのものであり、そして排出器18の中央開口32を通るかまたはこの開口における流体(例えば、超清浄空気)の送達を容易にするよう適合されている。1つの実施形態において、排出器18は、2つの連結取り付けハンドル20および116を用いる。取り付けハンドル20の一方(出口として働く)は、低圧源または減圧源に取り付けられ得る。他の取り付けハンドル116(入口として働く)は、超清浄空気または他の気体の供給源(高圧源を含む)に取り付けられ得るか、または接続され得る。
【0047】
超清浄空気は、矢印118によって示されるように、圧力下で、取り付けハンドル116を通って排出器18へと吹き込まれ得る。超清浄空気または他の気体の流入は、一定速度、可変速度、またはパルス化速度であり得る。超清浄空気が一定速度で流れる実施形態において、プレナム支持体74は、空気を均一に分配するよう働き得、その結果、ほぼ均一な、一方向の層流の空気が、矢印122によって示されるように、開口部32を通って手術作業部位にわたって流れる。空気を取り付けハンドル20を通して引く減圧源は、矢印120によって示されるように、超清浄空気を排出器18を通してフィルタ内へと引くよう作用し得る。いくつかの実施形態(特に、中央開口32が小さい実施形態)において、超清浄空気の加圧源は、中央開口32において、そして適切な受動排気システム(米国特許第6,110,259号(その開示は本明細書中に参考として援用される)に開示されるもののような能動濾過システムが挙げられる)内へと、超清浄空気の実質的に層状の流れを生じさせるために十分であり得る。他の実施形態において、「引くこと」を使用して、空気の流れを確立し得る。すなわち、減圧源は、中央開口32内へおよびこの開口を通して、空気を引き込み得る。他の実施形態において、「押し/引き」の配置が使用され得、ここで、流体(例えば、超清浄空気または超清浄空気および他の気体もしくは流体の混合物)は、圧力によって入口116を通して供給され、そして減圧によって出口20を通して引き抜かれる。これらの実施形態において、流出が流入以上であることが好ましい。このことは、本発明が、中央開口32における流入流体の蓄積を防止することによって、効果的な排気デバイスとして働くことを補助する。いずれの実施形態においても、適切な前フィルタまたは後フィルタが使用され得る。他の実施形態において、状況が要求するものに依存して、他の型の気体(例えば、不活性気体、または酸素)が、プレナム28を通して吹き込まれ得る。
【0048】
本実施例は、手術ドレープに自給され得るか、または組み込まれ得る。本実施形態はまた、開口32を完全に横切る、制御された、非直線的な空気流速度を維持するために十分に高い空気圧および/または低い空気圧を有することの要件のみに限定されて、種々の形状および大きさの中央開口部32を有し得る。カップリング取り付けハンドル20、116は、空気圧源に、標準的な手術チュービングまたは他の可撓性形態のチュービングを介して、連結し得る。
【0049】
これらの実施形態の利点は、超清浄空気の層状気流が、特定の手順に対して、手術部位の感染の危険性に対するさらなる手段として働くことが示されたことである。この実施形態は、粒子のない空気(超清浄空気と呼ばれる)を、無菌手術場にわたって、均一な速度で移動させるよう設計される。層状気流は、汚染物(例えば、その経路における細菌および粒子)に対する障壁として働き得、そして汚染物を一掃し得、次いでこれらの粒子は、減圧源を介してフィルタへと吸引され得る。
【0050】
図19bは、図19aの代替の実施形態を示し、ここで、複数の入口および出口が、超清浄空気源および減圧源のために利用可能である。この実施形態において、2つの取り付けハンドル116、116’が、流体(例えば、超清浄空気)源への連結のために、プレナムの片側に提供され、そして2つの取り付けハンドル20、20’が、減圧への連結のために、プレナムの他方の側に提供される。この型のヘッドは、手術部位が、背中の大きな切開のように非常に大きい状況において、有用であり得る。この実施形態はまた、異なる2種の流体の混合物を使用してプレナムに流すためによく適する。取り付けハンドル116、116’は、各流体源に別個に接続するよう適合され得る。
【0051】
図19aおよびbに示される本発明の他のバリエーションが可能であり、例えば、一方の側より他方の側により多くの取り付けハンドルが存在するか、または図19cに示されるように、プレナムの片側が他方の側より厚くあり得る。図19cにおいて、プレナム24’の頂部の片側が、プレナム24”の頂部の他方の側より高いレベルにある。このバリエーションにおいて、入口および出口から、中央開口に入るかまたはこの開口から出る通路が、所望の流体流プロフィールを生じさせるために操作され得る。1つの可能な通路45が、図19cに想像線で示されており、流体流プロフィール47を生じさせる。これは、流体源から出るか、または減圧に入るかのいずれかの空気流のより良好な分布を生じさせ得る。
【0052】
図19aおよび19bの別のバリエーションにおいて、図19dに示されるように、1つより多くの中央開口が存在し得る。別のバリエーションにおいて、プレナム28は、その作業領域および/または空気流の形状により良好に一致するように、異なる形状を有し得る。
【0053】
本発明の1つの実施形態は、図19eに示されるように、空気流を中央開口部32の特定の部分に優先的に方向付けるために、マニホルド130を備え得る。マニホルド130は、プレナムの頂部および底部を接合するよう構成され得、そして堅固であり得るか、または穿孔され得る。マニホルド130は、中央開口部32を通る流れを出口20へと集中させ、そして方向付けることを補助することによって、空気流が、入口116から入る全ての方向に拡散することを防止するように働き得る。1つの実施形態において、入口116から中央開口部32への空気流の優先的な方向は、約5°であるが約180°未満の弧に接するか、またはこの弧を横切る。別の実施形態において、マニホルド130は、空気流が、中央開口部32に曝露された皮膚表面領域の中心の多くて半分を覆うように、空気流を方向付けるよう働き得る。マニホルド130の利点は、空気流をより直接的に、かつより均一に、手術部位にわたって方向付けることを補助することである。マニホルド130がなければ、空気流の一部は、プレナム支持体74に拡散し得、そしてこの支持体を通り得、効果的に、手術部位の周囲を流れる。また、特定の時点で、物体(例えば、医師の手または開創を行う場合の器具)が中央開口部32に存在する。マニホルドがなければ、空気流は、最低抵抗の経路をとり、この経路は、プレナム支持体74に入り得、そして中央開口部32の周囲であり得る。これらの状況において、マニホルド130は、空気流を中央開口部32に押し込み、その結果、空気流は依然として、粒子または煙(plume)を効果的に一掃し得る。
【0054】
別の実施形態において、図19fおよび19gに示されるように、バッフル140が、プレナムにおいて空気の層流が中央開口32にわたって平衡されるように、使用され得る。図19fは、内側の構成を見せるためにプレナムの頂部を除いた上面図からの、実施形態を示す。この実施形態において、1つ以上のバッフル140が、プレナム支持体領域において、入口ポート116と中央開口部32との間に固定され得る。バッフル140は、空気流をレーンまたはチャネルに分離し、そして方向付けることを補助し得、その結果、一貫した空気の速度が、中央開口部32の縁部142全体にわたって達成される。この実施形態において、投入ポート116および排出ポート20は、中央開口部32にわたる平衡した空気流を達成することを補助するために、種々の大きさを有し得る。図19gは、上記の実施形態が使用され得る場合の、この実施形態の斜視図を示す。
【0055】
使用の際に、本明細書中に開示される全ての実施形態の操作は、一般的に類似であり得ることが、理解されるべきである。減圧ヘッド18、または減圧ヘッド18が組み込まれたドレープ60は、滅菌剥離シールド46を剥がし、そして本体22の底壁26に保持される接着層44を皮膚に押し付けることによって、手術部位の周囲の皮膚に取り外し可能に固定される。可撓性の減圧ヘッド18が、底壁26の皮膚または任意の皮膚カバリング(例えば、クリアドレープ)に対する完全な気密シールを可能にすることが、理解される。頂壁24および底壁26にそれぞれ保持されるフィルム28、42は、完全に除去され得る。減圧源14の始動の際に、空気がプレナム28に引き込まれ、そして可撓性ホース16を通して、そして減圧源14のフィルタ(図示せず)へと移送される。プレナム28内に保持される多孔性プレナム支持体48は、プレナム28が減圧の影響下でつぶれることを防止する。プレナム支持体48はまた、プレナム28の周囲またはプレナム28を通る減圧の拡散の影響を増強するよう適合され得、これによって、ハンドル20の近隣よりむしろ、周囲または開口した外装全体の周囲での、空気のプレナム28への引き込みを容易にする。さらに、プレナム28によって提供される、より大きな開口を通して空気を引くことにより、空気が穴16に流入することによって生じる雑音が低減される。手術部位において発生した気体物質またはエアロゾル物質は、これによって、プレナム28に引き込まれ、そして可撓性ホース16を通して排出される。プレナム支持体48はまた、その多孔質の性質に起因して、煙が通過するにつれてフィルタとして働き得、そして/または特定の濾過媒体が、支持体48に一体化され得る。
【0056】
図1に戻って参照すると、手術器具は、透明フィルム38に沿い、そして/またはアクセス開口32を通る引き裂き線Tを通して操作され得る。あるいは、透明フィルム38は、完全に取り除かれ得る。プレナム28によって手術部位に提供される減圧および引き込みの効果は、透明フィルム38を適所に残すことによって増加し得ることが、理解される。
【0057】
本発明の端部エフェクタ18は、単一片の材料から押出され得、例えば、本体22、管状ハンドル20、可撓性ホース16、ならびにいくつかの実施形態において、フィルタおよびコネクタが、単一片の合成樹脂または類似の押し出し可能な材料から形成され得る。本発明の端部エフェクタ18は、汚染された物質を取り扱う必要なしに、一回の使用の後に、好都合に、そして衛生的に処分され得る。
【0058】
本発明の別の使用において、減圧ヘッド18の実施形態は、燃料または煙を除去するために、ワークステーションなどにおいて、または格納容器などの表面または内部において、使用され得る。このようなワークステーションおよび容器は、例えば、コンピュータ産業において構成要素を洗浄するために、または有害なフュームが放出される実験もしくは作業を実施するために、使用され得る。図20は、このような使用を示す。ワークステーション110は、適切なシーリングカラー113または取り付けられた手袋(図示せず)ありまたはなしの、ハンドホール112を有し得、このホールを通して、技術者または使用者は、手袋をはめたかまたははめていない手を入れ得る。減圧ヘッド18は、ワークステーション110の内側か、それに隣接してか、またはその表面に位置し得、例えば、示されるように、ワークステーションを規定する壁の開口に隣接して、ワークステーションのエンクロージャの外側表面に接続され得る。この減圧ヘッドはまた、内側表面に接続され得る。吸引力が減圧ヘッド18に適用される場合、減圧ヘッド18は、このワークステーションの内側から煙またはフュームを受け取る。1つの実施形態において、空気供給源または超清浄空気および/もしくは他の気体の供給源が、ホース114を通してワークステーション110にポンピングされ、蒸気、エアロゾルまたは気体物質を減圧ヘッド18に推進することを補助し得る。このような吸気供給源は、任意の所定の速度で空気を提供し得る;代表的な大きさのワークステーションに対する1つのこのような速度は、1分間当たり30立方フィートであり得る。
【0059】
1つの実施形態は、作業スペースからフュームまたは煙を除去するための方法であり、ここで、いくつかの異なる実施形態において上に記載されたような減圧ヘッドが、使用され得る。ヘッドは、ほぼ中央の開口を規定する内側周囲を有するプレナムを実質的に規定し、そしてこの内側周囲に隣接する、一般に開口した外装を有する。このプレナムは、プレナム内に低圧が確立される場合にプレナムがつぶれることを防止するための、プレナム支持体を有する。使用者は、減圧ヘッドを作業スペースの内部または周囲に配置し、このヘッドを減圧源に接続し、そして減圧源を作動させて、フュームおよび煙に対する排出システムを提供する。必要に応じて、減圧ヘッドはまた、このヘッド内へ、そして中央開口を横切っての流体の流れを生じさせるために、流体源(例えば、超清浄空気、または不活性気体、あるいはこれらの組み合わせ)に作動可能に接続され得る。
【0060】
本発明は、本発明の本質的な意図および特質から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。記載される実施形態は、全ての局面において、限定的ではなく、例示的であるとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、減圧ヘッド端部エフェクタを備える、煙排出システムの部分的な、斜視図である。
【図2】
図2は、図1に示される端部エフェクタの正面立面図であり、明瞭にするため部品を切断してある。
【図3】
図3は、本発明に従う端部エフェクタ減圧ヘッドの実施形態の上面斜視図である。
【図4】
図4は、図3に図示される端部エフェクタ減圧ヘッドの側面図である。
【図5】
図5は、本発明の別の実施形態の分解斜視図である。
【図6】
図6は、図5に図示される実施形態の斜視図である。
【図7】
図7は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図8】
図8は、本発明の別の実施形態の部分斜視図である。
【図9a】
図9aは、本発明の別の実施形態の部分斜視図である。
【図9b】
図9bは、本発明の別の実施形態の部分斜視図である。
【図10】
図10は、本発明の別の実施形態の部分斜視図である。
【図11】
図11は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図12】
図12は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図13】
図13は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図14】
図14は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図15】
図15は、組み合わせて使用される場合の、本発明の2つの実施形態の斜視図である。
【図16】
図16は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図17】
図17は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図18】
図18は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図19a】
図19aは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図19b】
図19bは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図19c】
図19cは、本発明の別の実施形態の側面図である。
【図19d】
図19dは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図19e】
図19eは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図19f】
図19fは、プレナムの頂部材料が取り外された、本発明の別の実施形態の平面図である。
【図19g】
図19gは、図19fに示される本発明の実施形態の斜視図である。
【図20】
図20は、ワークステーションにおいて使用される本発明の実施形態の斜視図である。

Claims (27)

  1. 気体副生成物または有害な蒸気を除去するための排出装置であって、以下:
    減圧源および流体源に作動可能に接続されたヘッドであって、該ヘッドが実質的にプレナムを規定し、該プレナムがほぼ中心の開口を規定する内部周辺を有し、該プレナムが、該内部周辺に隣接する一般的に開口した外装を有する、ヘッド;および
    低圧が該プレナム内に確立された場合、該プレナムがつぶれるのを防ぐための、プレナム支持体、
    を備える、排出装置。
  2. 請求項1に記載の排出装置であって、ここで、前記ヘッドが、少なくとも1つのノズルを有する前記流体源に作動可能に接続され、そして少なくとも1つのノズルを有する前記減圧に作動可能に接続され、ここで、該流体源に作動可能に接続された少なくとも1つのノズルおよび該減圧に作動可能に接続された少なくとも1つのノズルが、ほぼ対向している、排出装置。
  3. 請求項2に記載の排出装置であって、前記プレナムによって保持された、少なくとも複数のマニホルドをさらに備え、ここで、該マニホルドが、前記流体源に作動可能に接続された前記1つのノズルに隣接する前記内部周辺の一部を覆う、排出装置。
  4. 請求項3に記載の排出装置であって、ここで、前記マニホルドが、堅固である、排出装置。
  5. 請求項3に記載の排出装置であって、ここで、前記マニホルドが、穿孔されている、排出装置。
  6. 請求項2に記載の排出装置であって、前記流体源に作動可能に接続されたノズルと前記中心開口との間で前記プレナムに配置された少なくとも1つのバッフルをさらに備える、排出装置。
  7. 請求項1に記載の排出装置であって、ここで、前記流体源が、ほぼ粒子を含まない空気を前記ヘッドに供給する、排出装置。
  8. 請求項1に記載の排出装置であって、ここで、ほぼ一方向性の層状気流が、前記減圧の一般的方向で、前記中心開口を通って流れる、排出装置。
  9. 請求項1に記載の排出装置であって、一片の織編物様シート材料をさらに備え、該装置が、該一片の材料に作動可能に接続される、排出装置。
  10. 請求項1に記載の排出装置であって、ここで、前記プレナムが、底壁を有し、ここで、該プレナムの底壁が、手術部位の周りでの前記ヘッドの接着的取り付けのための接着層を備える、排出装置。
  11. 請求項1に記載の排出装置であって、ここで、前記プレナムが、ほぼ非多孔性材料から構成される、排出装置。
  12. 請求項1に記載の排出装置であって、ここで、前記プレナム支持体が、ほぼ多孔性材料から構成される、排出装置。
  13. 請求項1に記載の排出装置であって、ここで、前記流体源が、前記ヘッドを通して不活性気体を供給する、排出装置。
  14. 医療用器具であって、手術部位に隣接して位置付けられ、そして減圧源および清浄空気源に作動可能に接続されるための作業ヘッドを備え、該作業ヘッドが、該清浄空気源に接続可能な少なくとも1つの入口および減圧源に接続される少なくとも1つの出口を備え、これによって、少なくとも減圧源の作動が、該手術部位に隣接した清浄空気の気流を生成する、医療用器具。
  15. 請求項14に記載の医療用器具であって、ここで、前記気流が、層状である、医療用器具。
  16. 請求項14に記載の医療用器具であって、ここで、前記作業ヘッドがプレナムを規定し、前記プレナムが少なくとも1つの中心開口を有し、ここで、該プレナムが、該プレナムの少なくとも1つの中心開口の内部周辺に隣接する一般的に開口した外装を有する、医療用器具。
  17. 請求項16に記載の医療用器具であって、前記プレナムに保持される複数のマニホルドをさらに備え、ここで、該マニホルドが、前記少なくとも1つの入口に隣接する該内側周辺の一部を覆う、医療用器具。
  18. 請求項16に記載の医療用器具であって、前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの中心開口との間で前記プレナムに配置される、少なくとも1つのバッフルをさらに備える、医療用器具。
  19. 請求項14に記載の医療用器具であって、ここで、前記減圧源の作動が行われている場合、前記作業ヘッドが、実質的に気流を含む、医療用器具。
  20. 請求項14に記載の医療用器具であって、ここで、前記少なくとも1つの入口および前記少なくとも1つの出口が、前記作業ヘッドのほぼ対向する側面にある、医療用器具。
  21. 作業スペースからフュームを除去するための方法であって、以下:
    作業スペースを提供する工程;
    ヘッドを提供する工程であって、該ヘッドがプレナムを実質的に規定し、該プレナムがほぼ中心の開口を規定する内部周辺を有し、該プレナムが該内部周辺に隣接する一般的に開口した外装を有し、該プレナムが、低圧が該プレナム内に確立された場合に、該プレナムがつぶれることを防ぐためのプレナム支持体を有する、工程;
    減圧源を提供する工程;
    該ヘッドおよび該減圧源を接続する工程;および
    該減圧源を作動させる工程であって、これによって、フュームが該作業スペースから除去される工程、
    を包含する、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、流体源を提供する工程、および前記ヘッドおよび該流体源を流体源接続点で作動可能に接続する工程をさらに包含する、方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、流体の流れを前記ヘッドに提供するために、前記流体源を作動させる工程をさらに包含する、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、前記ヘッドが、前記プレナムによって保持される複数のマニホルドをさらに備え、ここで、該マニホルドが、前記流体源接続点に隣接する前記内部周辺の一部を覆う、方法。
  25. 請求項23に記載の方法であって、前記ヘッドが、前記流体源接続点と前記中心開口との間で前記プレナムに配置される少なくとも1つのバッフルをさらに備える、方法。
  26. 請求項23に記載の方法であって、ここで、前記流体の少なくとも一部が、不活性気体を含む、方法。
  27. 請求項23に記載の方法であって、ここで、前記流体が超清浄空気である、方法。
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