JP2004512801A - ヒトレセプタータンパク質;関連試薬および方法 - Google Patents
ヒトレセプタータンパク質;関連試薬および方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004512801A JP2004512801A JP2000516032A JP2000516032A JP2004512801A JP 2004512801 A JP2004512801 A JP 2004512801A JP 2000516032 A JP2000516032 A JP 2000516032A JP 2000516032 A JP2000516032 A JP 2000516032A JP 2004512801 A JP2004512801 A JP 2004512801A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polypeptide
- sequence
- primate
- seq
- protein
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
- C07K14/715—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons
- C07K14/7155—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons for interleukins [IL]
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/02—Immunomodulators
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2319/00—Fusion polypeptide
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Public Health (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
哺乳動物の精製されたレセプタータンパク質(例えば、ヒトレセプター)およびそのフラグメントをコードする核酸。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の両方がまた提供される。診断用途および治療用途の両方のための組成物の使用方法が提供される。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、例えば、形態形成または免疫系機能を含む哺乳動物の生理学に影響を及ぼす組成物および方法に関する。特に、本発明は、関連する試薬および方法とともに、例えば、発生および/または免疫系を調節する核酸、タンパク質、および抗体を提供する。これらの物質の診断および治療での使用もまた、開示される。
【0002】
(発明の背景)
組換えDNA技術は、一般に、宿主への導入を介するような、あとに続くプロセシングのための、ドナー供給源からの遺伝情報をベクター中へ組込む技術(これにより、移行された遺伝情報は、コピーされ、そして/または新たな環境で発現される)をいう。一般的に、遺伝情報は、所望のポリペプチド産物をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)由来の相補的DNA(cDNA)の形態で存在する。キャリアはしばしば、宿主での後の複製および/または発現のためにcDNAを組込み、いくつかの場合には実際にcDNAの発現を制御し、それにより宿主においてコードされる産物の合成を指向する能力を有するプラスミドである。
【0003】
かねてから、哺乳動物免疫応答は、一連の複雑な細胞性の相互作用(「免疫ネットワーク」と呼ばれる)に基づくことが知られている。近年の研究は、このネットワークの内部の仕組みについて、新たな洞察を提供した。実際に、免疫応答の多くがリンパ球、マクロファージ、顆粒球、および他の細胞のネットワーク様の相互作用に向けられていることが、明らかなままであるが、免疫学者は、現在、一般的に、リンホカイン、サイトカイン、またはモノカインとして知られる可溶性タンパク質が、これらの細胞性の相互作用の制御において重要な役割を果たすという見解を有している。従って、かなりの興味が、細胞調節性因子の単離、特徴づけ、および作用機構について存在し、この理解は、多くの医学的な異常(例えば、免疫系障害)の診断および治療において、顕著な利点をもたらす。
【0004】
リンホカインは、明らかに種々の方法で、細胞の活性を媒介する。多能性の造血幹細胞が、非常に多くの前駆体(複雑な免疫系を構成する多様な細胞系統を含む)への増殖、発達、および/または分化を補助することが、示されている。細胞構成成分間の、適切かつバランスのとれた相互作用は、健常な免疫応答のために必要である。異なる細胞系統は、リンホカインが他の薬剤とともに投与される場合、しばしば異なる様式で応答する。
【0005】
細胞系統は、2つのクラスのリンパ球を含む免疫応答にとって特に重要である:免疫グロブリン(外来物質を認識し、そしてそれと結合する能力を有し、外来物質の除去を行う能力を有するタンパク質)を産生および分泌し得るB細胞、ならびにリンホカインを分泌し、そしてB細胞および種々の他の細胞(他のT細胞を含む)を誘導または抑制し、免疫ネットワークを構成する、種々のサブセットのT細胞。これらのリンパ球は、多くの他の細胞型と相互作用する。
【0006】
別の重要な細胞系統は、肥満細胞(これは、すべての哺乳動物種において、陽性であるとして同定されてはいない)であり、これは顆粒含有性の結合組織細胞であり、全身にわたり毛細血管の近位に位置する。これらの細胞は、肺、皮膚、ならびに胃腸管および尿生殖路において、特に高濃度で見出される。肥満細胞は、アレルギー関連障害、特に以下のようなアナフィラキシーにおいて、中心的役割を果たす:選択された抗原が肥満細胞の表面のレセプターに結合した1つのクラスの免疫グロブリンを架橋する場合、肥満細胞は、脱顆粒し、メディエータ(例えば、ヒスタミン、セトロニン、へパリン、およびプロスタグランジン)を放出し、これらがアレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)を起こす。
【0007】
種々の免疫障害をより良く理解し、そして処置するための研究は、一般的にインビトロで免疫系の細胞を維持するのが不可能なために、妨げられてきた。免疫学者は、多くのこれらの細胞の培養は、T細胞および他の細胞の上清(多くのリンホカインを含む種々の増殖因子を含む)を用いることにより達成され得ることを見出した。
【0008】
タンパク質のインターロイキン−1ファミリーは、IL−1α、IL−1β、IL−1RAを含みそして近年IL−1γを含む(インターフェロンγ誘導因子、IGIFとも、命名される)。遺伝子のこの関連するファミリーは、広範囲の生物学的機能と結びつけられてきた。Dinarello(1994) FASEB J.8:1314−1325:Dinarello (1991) Blood 77:1627−1652;およびOkamuraら、(1995) Nature 378:88−91を参照のこと。
【0009】
前述より、新規の可溶性タンパク質およびそのレセプター(リンホカインに類似のものを含む)の発見および開発が、新規治療法に寄与するのが当然であることは、明らかである。多くの変性状態または異常状態は、(例えば、免疫系および/または造血細胞の)発生、分化または機能に直接的または間接的に関与する。具体的には、他のリンホカインの有益な活性を亢進または増強するリンホカイン様分子についての新規レセプターの発見および理解が、高度に有利である。本発明は、インターロイキン−1様組成物に対する類似性を示すリガンドについての新規レセプター、および関連する化合物、ならびにこれらの使用方法を提供する。
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、IL−1レセプターに関連する新規の哺乳動物レセプターおよびその生物学的活性に関する。これらのレセプター、例えば、霊長類または齧歯類のレセプターは、IL−1レセプター様分子構造、IL−1 レセプターDNAX名称8(IL−1RD8)、IL−1レセプターDNAX名称9(IL−1RD9)およびIL−1レセプターDNAX名称10(IL−1RD10)と称される。本発明は、ポリペプチド自体をコードする核酸ならびにそれらの生成方法および使用方法を含む。本発明の核酸は、部分的に、本明細書に含まれるクローン化された相補的DNA(cDNA)配列に対するその相同性によって特徴付けられる。
【0011】
特定の実施態様において、本発明は、下記の群より選択される物質の組成物を提供する:配列番号2または4の少なくとも12の連続するアミノ酸のセグメントを含む、単離されたまたは組換えIL−1RD8ポリペプチド;配列番号2または4を含む天然配列IL−1RD8ポリペプチド;IL−1RD8配列を含む融合タンパク質;配列番号6,8,10,12,14または16の少なくとも12の連続するアミノ酸を含む、単離されたまたは組換えIL−1RD9ポリペプチド;配列番号6,8,10,12,14または16を含む天然配列IL−1RD9;IL−1RD9配列を含む融合タンパク質;配列番号18または20の少なくとも12の連続するアミノ酸を含む、単離されたまたは組換えIL−1RD10ポリペプチド;配列番号18または20を含む天然配列IL−1RD10;およびIL−1RD10配列を含む融合タンパク質。種々の実施態様において、組換えまたは単離されたポリペプチドは、記載されるようなIL−1RD8の対応する部分と同一のセグメントを含み、ここで、連続するアミノ酸残基数は、少なくとも17アミノ酸;少なくとも21アミノ酸;もしくは少なくとも25アミノ酸であるか;または記載されるようなIL−1RD9の対応する部分と同一のセグメントを含み、ここで、連続するアミノ酸残基と同一の数は、少なくとも17アミノ酸;少なくとも21アミノ酸;もしくは少なくとも25アミノ酸であるか;または記載されるようなIL−1RD10のセグメントを含み、ここで、連続するアミノ酸残基と同一の数は、少なくとも17アミノ酸;少なくとも21アミノ酸;もしくは少なくとも25アミノ酸である。
【0012】
ポリペプチド実施態様において、本発明は、組成物を提供し、ここでIL−1RD8は、配列番号2または4に示す成熟配列を含み;配列番号6,8,10,12,14または16に示す成熟配列を含むIL−1RD9;配列番号18または20に示す成熟配列を含むIL−1RD10;あるいはIL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10ポリペプチドは、温血動物(例えば、ヒトのような霊長類)由来であり;配列番号2,4、6,8,10,12,14、16、18または20の少なくとも1つのポリペプチドセグメントを含み;特定の配列同定因子に同一セグメントを有する複数の部分を示し;霊長類IL−1RD8の天然対立遺伝子改変体であり;霊長類または齧歯類IL−1RD9;または霊長類IL−1RD10は;少なくとも約30アミノ酸の長さを有し;霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9または霊長類IL−1RD10に特異的である少なくとも2つの重複しないエピトープを示し;霊長類IL−1RD8、霊長類もしくは齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10に対して、少なくとも20アミノ酸の長さにわたって配列同一性を示し;天然のグリコシル化を伴う、少なくとも100kDの分子量を有し;合成ポリペプチドであり;固体基材に結合しており;別の化学部分と結合体化しており;天然の配列からの5倍以下の置換であり;あるいは天然の配列からの欠失または挿入改変体である。特定の好ましい実施態様は、以下の組成物を含む:滅菌IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10のポリペプチドを含み;またはIL−1RD8、IL−1RD9もしくはIL−1RD10ポリペプチドおよびキャリアを含む、ここでこのキャリアは、水性化合物(水、生理食塩水および/または緩衝液を含む)であり;ならびに/あるいは経口、直腸、経鼻、局所、または非経口投与のために処方され;滅菌IL−1RD8、IL−1RD9もしくはIL−1RD10ポリペプチド;または記載されるようなIL−1RD8、IL−1RD9もしくはIL−1RD10ポリペプチドおよびキャリア、ここでこのキャリアは、水性化合物(水、生理食塩水および/または緩衝液を含む)であり;ならびに/あるいは経口、直腸、経鼻、局所、または非経口投与のために処方される。
【0013】
例えば、以下を含む特定の融合タンパク質が提供される:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、または20に示す成熟ポリペプチド配列;FLAG、His6、またはIg配列を含む検出タグまたは精製タグ;あるいは、別のレセプタータンパク質の配列。キット実施態様は、このようなポリペプチド、および;このポリペプチドを含む区画;および/または、キット中の試薬の使用または廃棄のための取扱説明書を含むキットを包含する。
【0014】
結合化合物の実施態様において、本発明は、抗体からの抗原結合部位を含む結合化合物を提供し、これは、天然のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10ポリペプチドに特異的に結合し、ここで、このポリペプチドは、霊長類タンパク質または齧歯類タンパク質であり;この結合化合物は、Fv、FabまたはFab2フラグメントであり;この結合化合物は、別の化学部分と結合体化されており;あるいは、この抗体は:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す配列を含む成熟ポリペプチドのポリペプチド配列に対して惹起され;成熟霊長類または齧歯類IL−1RD8に対して惹起され;精製されたヒトIL−1RD8に対して惹起され;精製されたマウスIL−1RD9に対して惹起され;免疫選択され;ポリクローナル抗体であり;変性IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10に結合し;少なくとも30μMの抗原に対するKdを示し;ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体支持体に付着しており;滅菌組成物において存在し;あるいは検出可能に標識されており(放射標識または蛍光標識を含む);IL−1RD9タンパク質、ここで:このポリペプチドは、霊長類タンパク質または齧歯類タンパク質であり;この結合化合物は、Fv、FabまたはFab2フラグメントであり;この結合化合物は、別の化学部分と結合体化されており;あるいは、この抗体は:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す配列を含む成熟ポリペプチドのポリペプチド配列に対して惹起され;霊長類成熟IL−1RD9に対して惹起され;精製されたヒトIL−1RD9に対して惹起され;免疫選択され;ポリクローナル抗体であり;変性IL−1RD9に結合し;少なくとも30μMの抗原に対するKdを示し;ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体支持体に付着しており;滅菌組成物において存在し;あるいは、検出可能に標識されており(放射標識または蛍光標識を含む);IL−1RD10タンパク質、ここで:このポリペプチドは、霊長類タンパク質または齧歯類タンパク質であり;この結合化合物は、Fv、FabまたはFab2フラグメントであり;この結合化合物は、別の化学部分と結合体化されており;あるいは、この抗体は:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す配列を含む成熟ポリペプチドのポリペプチド配列に対して惹起され;霊長類成熟IL−1RD10に対して惹起され;精製されたヒトIL−1RD10に対して惹起され;免疫選択され;ポリクローナル抗体であり;変性IL−1RD10に結合し;少なくとも30μMの抗原に対するKdを示し;ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体支持体に付着しており;滅菌組成物において存在し;あるいは、検出可能に標識されている(放射標識または蛍光標識を含む)。キットが提供される(例えば、結合化合物、および:結合化合物を含む区画;および/またはキットにおける試薬の使用または廃棄のための指示書を含むキット)。好ましくは、このキットは、定量的または定性的な分析を行い得る。
【0015】
他の実施態様は、以下を含む組成物を含む:滅菌結合化合物;または結合化合物およびキャリア、ここでこのキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方されている。
【0016】
核酸の実施態様は、ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする単離核酸または組換え核酸を含み、ここで、IL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10は、哺乳動物由来であり;この核酸は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す抗原性ポリペプチド配列をコードし;配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す複数の抗原性ポリペプチド配列をコードし;そのセグメントをコードする少なくとも約30ヌクレオチドから天然のcDNAまでを示し;発現ベクターであり;複製起点をさらに含み;天然供給源由来であり;検出標識を含み;合成ヌクレオチド配列を含み;6kb未満、好ましくは3kb未満であり;霊長類を含む哺乳動物由来であり;天然の全長コード配列を含み;上記のIL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10をコードする遺伝子についてのハイブリダイゼーションプローブであり;配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19に示す、少なくとも15、18、21または25ヌクレオチドの重複しない複数のセグメントを含み;あるいはPCRプライマー、PCR産物または変異原性プライマーである。本発明は、そのような組換え核酸を含む、細胞をさらに提供し、例えば、この細胞は:原核生物細胞;真核生物細胞;細菌細胞;酵母細胞;昆虫細胞;哺乳動物細胞;マウス細胞;霊長類細胞;またはヒト細胞である。特定のキット実施態様は、この核酸および:この核酸を含む区画を含むキットを包含し;区画はさらに霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10ポリペプチド;および/またはキット中の試薬の使用または廃棄のための取扱説明書を含む。好ましくは、このキットは、定性的または定量的分析を行い得る。
【0017】
他の核酸の実施態様において、この核酸は、以下の核酸である:40℃および2M未満の塩の洗浄条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17または19のいずれかに対してハイブリダイズし;あるいは霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10に対して少なくとも約30ヌクレオチドの範囲にわたって同一性を示す。種々の好ましい実施態様において、洗浄条件は、45℃および/または500mM塩である;55℃および/または150mM塩であるか;あるいはこの範囲は少なくとも55ヌクレオチド;または少なくとも75ヌクレオチドである。
【0018】
細胞または組織培養細胞の生理または発生を調節する方法が提供され、これは、例えば、霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10のアゴニストまたはアンタゴニストとその細胞を接触させる工程を包含する。好ましくは、この細胞は、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10のいずれかをコードする核酸、および別のIL−1Rで形質転換される。
【0019】
(発明の詳細な説明)
I.概説
本発明は、哺乳動物、ここでは例えば、霊長類および齧歯類のIL−1レセプター様分子であって、構造的および生物学的の両方の特定の規定された特性を有する、これらの分子IL−1レセプターDNAX名称8(IL−1RD8)、IL−1レセプターDNAX名称9(IL−1RD9)およびIL−1レセプターDNAX名称10(IL−1RD10)のアミノ酸配列およびDNA配列を提供する。これらの実施態様は、ヒトIL−1レセプター様ファミリーのメンバーの数を7から少なくとも10にまで増加させる。これらのレセプターは、内部的にDNAX名称D1、D2、D3、D4、D5、D6、ならびに今回D8、D9およびD10と番号付けされ、そしてIL−1RD1からD10までとして言及される。これらの分子をコードする種々のcDNAは、霊長類(例えば、ヒト)、または齧歯類(例えば、マウス)、cDNA配列ライブラリーから入手された。他の霊長類、齧歯類、または他の哺乳動物対応物もまた、所望される。
【0020】
適用可能ないくつかの標準的な方法が、例えば、Maniatisら(1982) Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Press; Sambrookら(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, (第2版)、第1〜3巻、CSH Press, NY; Ausubelら、Biology, Greene Publishing Associates, Brooklyn, NY; またはAusubelら(1987および定期的補遺)Current Protocols in Molecular Biology, Greene/Wiley, New York;に記載されるか、または参照され、これらの各々は、本明細書中で参考として援用される。
【0021】
ヒトIL−1RD8をコードするセグメントの部分ヌクレオチドおよび対応するアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1および2に示される。補充的なヒトIL−1RD8ヌクレオチドおよび対応する配列は、それぞれ、配列番号3および4に提供される。
【0022】
霊長類IL−1RD9についても同様に、霊長類IL−1RD9コードセグメントの部分ヌクレオチド配列(配列番号5)および対応するアミノ酸配列(配列番号6)が提供される。補充的な霊長類IL−1RD9は、配列番号7、8、9および10に提供される。IL−1RD9の齧歯類実施態様は、配列番号11、12に提供され、そして補充的IL−1RD9齧歯類配列は、配列番号13、14、15および16に提供される。
【0023】
ヒトIL−1RD10の実施態様について、部分ヌクレオチド配列および対応する部分アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号17および18に提供され、そして補充的なヒトIL−1RD10ヌクレオチドおよび対応する部分アミノ酸配列は、それぞれは配列番号19および20に提供される。
【0024】
提供されるいくつかの配列は、表1〜4に示される配列の整列によって示唆されるように、これらのレセプターのいくつかの部分を欠損する。IL−1RD110と、IL−1RD8およびD3との整列に注目すること。これらは、α型のレセプターサブユニットである。表4は、霊長類および齧歯類のIL−1RD9の整列を示す。
【0025】
本発明は、本明細書において特に具体化された、特定の方法、組成物およびレセプターに限定されず、そのような方法、組成物およびレセプターは当然ながら変動することが理解されるべきである。本明細書において使用された用語は、特定の実施態様を記載するための目的のためであり、そして本発明の範囲を限定することを意図しないこともまた理解される。本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【0026】
他に規定しない限り、本明細書において使用される、全ての技術および科学の用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと類似または等価な方法および材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料は以下に記載される。本明細書において言及した刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、全ての図、グラフ、および図面を含むそれらの全体が参考として援用される。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
他のIL−1Rと比較した、霊長類IL−1RD10配列(配列番号18および20)の構造分析は、本明細書中に記載されるIL−1RD10の実施態様で保存される特有の特徴が存在することを示す。例えば、特徴的なIgドメイン、およびその中のサブドメインが存在する。IL−1RD10(配列番号18および20)の対応する領域は、ほぼ以下の通りである:gly7までのf2;val10〜thr23のg2;leu30〜met33のa3;thr38〜gln40のa3’;ala48〜ala54のb3;pro64〜lys70のc3;glu72〜phe74のc3’;val83〜lys92のd3;gln98〜val106のe3;およびtyr117〜trp126のf3。
【0031】
他のIL−1Rと比較した、げっ歯類のIL−1RD9配列(配列12、14、および16)の構造分析は、特有の特徴が存在することを示す(表を参照のこと)。例えば、特徴的なIgドメイン、およびその中のサブドメインが存在する。IL−1RD9(配列番号12、14、および16)の対応する領域は、ほぼ以下の通りである:おそらくcys105がcys52(またはおそらくcys48)に連結した、gly18〜pro127のIg1ドメイン;おそらくcys153がcys199に連結した、gly128〜pro229のIg2ドメイン;およびおそらくcys251がcys315に連結した、glu230〜lys333のIg3ドメイン;val336〜tyr360までの膜貫通セグメント;gly381〜val539までのTHDドメイン;おそらく残基64、169、および267に対応する保存されたtrp残基。IL−1ED9の実施態様のアラインメントを、表4に示す。IL−1RD10について上記に記載したように、特徴的なβ鎖部分、およびαへリックス構造が存在する。ヒトIL−1RD9配列(配列番号6、8、および10)の対応するセグメントはほぼ以下の通りである:gly3〜val13のβB;pro15〜lys28のα2;ser30〜ser46のβc;ile47〜gln61のα3;lys64〜glu75のβD;glu77〜leu87のα4;val93からleu98のβE;およびarg106〜val117のα5。マウスIL−1RD9配列(配列番号12、14、および16)の対応するセグメントはほぼ以下の通りである:gln10までのα3;lys13〜glu24のβD;glu26〜leu36のα4;val42〜leu47のβE;およびarg55〜val66のα5。
【0032】
本明細書中で使用される用語IL−1様レセプターD8(IL−1RD8)、IL−1様レセプターD9(IL−1RD9)、またはIL−1様レセプターD10(IL−1RD10)は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列を有するかまたは共有するセグメントを含むポリペプチドまたはその実質的なフラグメントを記載するために使用される。本発明はまた、その配列が提供されるそれぞれのIL−1RD8、IL−1RD9、IL−1RD10対立遺伝子のポリペプチド改変体、例えば、ムテインまたは可溶性細胞外構築物もしくは細胞内構築物を含む。代表的には、このようなアゴニストまたはアンタゴニストは、約10%未満の配列の相違を示し、従って、しばしば1重と11重との間の置換、例えば、2、3、5、7重などの置換を有する。これはまた、記載されたポリペプチドの対立遺伝子および他の改変体(例えば、天然の多型)もまた含む。代表的には、これは、高親和性(例えば、少なくとも約100nM、通常は約30nMよりも良好で、好ましくは約10nMよりも良好で、そしてより好ましくは約3nMよりも良好)で、その対応する生物学的リガンドに、おそらくαレセプターサブユニットを有する二量体化状態で結合する。この用語はまた、関連する天然に存在する形態(例えば、哺乳動物タンパク質の対立遺伝子、多型改変体、および代謝改変体)をいうために本明細書中で使用される。
【0033】
本発明はまた、好ましくは、配列番号4、10、または20のセグメントに同一な連続するアミノ酸残基のセグメントを有する、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列と実質的なアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを包含する。これは、比較的少数(例えば、代表的には約25未満、通常は約15未満、好ましくは、約3〜5未満)の置換を有する配列改変体を含む。他の実施態様は、αサブユニットと会合した形態、例えば、IL−1RD4、IL−1RD5、またはIL−1RD6を包含する。
【0034】
実質的なポリペプチド「フラグメント」または「セグメント」は、少なくとも約8個の連続するアミノ酸のアミノ酸残基のストレッチ、一般的に少なくとも10個の連続するアミノ酸、より一般的には少なくとも12個の連続するアミノ酸、しばしば少なくとも14個の連続するアミノ酸、よりしばしば少なくとも16個の連続するアミノ酸、代表的には少なくとも18個の連続するアミノ酸、より代表的には少なくとも20個の連続するアミノ酸、通常少なくとも22個の連続するアミノ酸、より通常には少なくとも24個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも26個の連続するアミノ酸、より好ましくは少なくとも28個の連続するアミノ酸、そして特に好ましい実施態様において、少なくとも約30以上の連続するアミノ酸、通常は40、50、70、90、110個などのアミノ酸残基のストレッチである。異なるポリペプチドのセグメントの配列は、適切な長さのストレッチにわたって互いに比較され得る。多くの場合には、適合は、特定の長さの複数の異なる(例えば、重複しない)セグメントを含む。代表的には、複数は、少なくとも2、より通常は少なくとも3、そして好ましくは5、7、またはそれより多くである。長さの最小値が提供されているが、種々のサイズのより長い長さ(例えば、長さ7が1つ、および長さ12が2つ)が適切であり得る。類似の特徴が核酸のセグメントに適用される。
【0035】
アミノ酸配列相同性または配列同一性は、残基の適合を最適化することによって、必要な場合には、ギャップを必要なだけ導入することによって決定される。例えば、Needlehamら(1970)J.Mol.Biol.48:443−453;Sankoffら、(1983)Time Warps,String Edits,and Macromolecules:The Theory and Practice of Sequence Comparisonの第1章,Addison−Wesley,Reading,MA;ならびにIntelliGenetics,Mountain View,CA;およびUniversity of Wisconsin Genetics Computer Group(GCG),Madison,WIのソフトウェアパッケージ(これらの各々は、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。これは、保存的置換を適合として考慮する場合に変化する。保存的置換は、代表的には、以下のグループ内での置換を含む:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アルパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;ならびにフェニルアラニン、チロシン。相同なアミノ酸配列は、天然の対立遺伝子および種間のバリエーションを、サイトカイン配列中に含むことが意図される。代表的な相同ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列セグメントと、50〜100%の相同性(ギャップが導入され得る場合)から、60〜100%の相同性(保存的置換が含まれる場合)までを有する。相同性の尺度は、少なくとも約70%、一般に少なくとも76%、より一般には少なくとも81%、しばしば少なくとも85%、よりしばしば少なくとも88%、代表的には少なくとも90%、より代表的には少なくとも92%、通常少なくとも94%、より通常には少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、そしてより好ましくは少なくとも97%、ならびに特に好ましい実施態様において、少なくとも98%以上である。相同性の程度は、比較するセグメントの長さにより変化する。対立遺伝子改変体のような相同なポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に記載される実施態様と、最大の生物学的活性を共有する。
【0036】
本明細書中で使用される用語「生物学的活性」は、限定することなしに、それぞれのリガンドによる炎症性応答、先天免疫、および/または形態学的発達(morphogenic development)に対する効果を記載するために使用される。例えば、これらのレセプターは、IL−1レセプターと同様に、ホスファターゼまたはホスホリラーゼ活性を媒介し、この活性は、標準的な手順によって容易に測定される。例えば、Hardieら(1995、編)The Protein Kinase FactBook、第I巻および第II巻、Academic Press, San Diego,CA;Hanksら(1991)Meth.Enzymol.200:38−62;Hunterら(1992) Cell 70:375−388;Lewin(1990)Cell 61:743−752;Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.56:449−463;およびParkerら(1993)Nature 363:736−738を参照のこと。他の活性は、抗原性機能または免疫原性機能を含む。レセプターは、リガンド結合によって調節される調節可能な酵素に良く似た生物学的活性を示す。しかし、酵素の代謝回転数は、レセプター複合体よりも酵素に近い。さらに、このような酵素活性を誘導するのに必要な占有されるレセプターの数は、ほとんどのレセプター系よりも少なく、そして1細胞あたり数千の数で誘発するほとんどのレセプターとは対照的に、細胞あたり数ダース近くの数であり得る。レセプターまたはその部分は、一般的なまたは特定の基質を標識するためのホスフェート標識酵素として有用であり得る。
【0037】
用語(例えば、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の)リガンド、アゴニスト、アンタゴニスト、およびアナログは、IL−1リガンドタンパク質に対する特徴的な細胞応答を調節する分子、ならびに、例えば、レセプターが天然のレセプターまたは抗体である場合には、リガンド−レセプター相互作用のより標準的な構造的結合競合特徴を保有する分子を含む。細胞応答は、種々のIL−1リガンドの、I型またはII型IL−1レセプターに関連するが、おそらくは異なる細胞性レセプターへの結合を介して媒介されるようである。例えば、BelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev.Cell Dev.Biol.12:393−416;MorisatoおよびAnderson(1995)Ann.Rev.Genetics 29:371−3991およびHultmark(1994)Nature 367:116−117を参照のこと。
【0038】
また、リガンドは、それに上記のレセプターもしくはそのアナログのいずれかが結合する天然のリガンドとして作用する分子であるか、または天然のリガンドの機能的なアナログである分子である。機能的なアナログは、構造的な改変を有するリガンドであり得るか、または適切なリガンド結合決定基と相互作用する分子形状を有する、全体的に関連していない分子であり得る。リガンドは、アゴニストまたはアンタゴニストとして作用し得る。例えば、Goodmanら(1990、編)Goodman & Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics,Pergamon Press,New Yorkを参照のこと。
【0039】
合理的な薬物設計もまた、レセプターまたは抗体および他のエフェクターまたはリガンドの分子形状の構造的な研究に基づき得る。エフェクターは、リガンド結合に応答して他の機能を媒介する他のタンパク質、または通常レセプターと相互作用する他のタンパク質であり得る。どの部位が特定の他のタンパク質と相互作用するかを決定するための1つの手段は、物理的な構造決定(例えば、X線結晶学または二次元NMR技術)である。これらは、どのアミノ酸残基が分子接触領域を形成するかに関する指針を提供する。タンパク質構造決定の詳細な説明については、例えば、BlundellおよびJohnson(1976)Protein Crystallography,Academic Press,New York(これは、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0040】
(II.活性)
IL−1レセプター様ポリペプチドは、特定の基質、代表的にはタンパク質に添加されるかまたはそこから除去される、例えば、ホスフェート代謝において多くの異なる生物学的活性を有する。このようなものは、一般に、炎症機能の調節、他の先天免疫応答、または形態学的効果を生じる。例えば、ヒトIL−1RD9遺伝子コード配列は、おそらくマウスIL−1RD9のヌクレオチドコード配列と約60〜80%の同一性を有する。アミノ酸レベルで、合理的な同一性も存在するようである。
【0041】
レセプターはまた、例えば、選択的免疫応答を排除し得ることにおいて、免疫学的活性を示す。そこから生じる抗血清または抗体は、結合の選択性および親和性の両方を示す。ポリペプチドはまた、天然の状態または変性状態において、それに対して惹起される抗体の結合に抗原性である。
【0042】
IL−1RDの生物学的活性は、代表的には特異的な様式で、しかし時折は非特異的な様式で、基質に対するホスフェート部分の付加または除去に一般に関連する。基質が同定され得るか、または酵素活性についての条件が標準的な方法(例えば、Hardieら(1995、編)The Protein Kinase FactBook 第I巻および第II巻,Academic Press,San Diego,CA;Hanksら(1991)Meth.Enzymol.200:38−62;Hunterら(1992)Cell 70:375−388;Lewin(1990)Cell 61:743−752;Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.56:449−463;およびParkerら(1993)Nature 363:736−738に記載される通り)によってアッセイされ得る。
【0043】
(III.核酸)
本発明は、例えば、これらのタンパク質もしくは密接に関連するタンパク質またはそのフラグメントをコードする単離された核酸またはフラグメントの、例えば、対応するポリぺプチド、好ましくは生物学的に活性であるポリぺプチドをコードするための使用を意図する。さらに、本発明は、このようなポリペプチドまたはそれぞれのIL−1RDの特徴的配列を個々にもしくは群として有するポリぺプチドをコードする、単離されたDNAまたは組換えDNAを包含する。代表的には、核酸は、適切な条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、または19に示される核酸コード配列セグメントとハイブリダイズし得るが、好ましくは他のレセプターの対応するセグメントとはハイブリダイズしない。上記の生物学的に活性なポリペプチドは、全長ポリペプチドまたはフラグメントであり得、そして代表的には、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列に高度に相同なアミノ酸配列のセグメントを有する。さらに、本発明は、IL−1RD9タンパク質に等価なフラグメントを有するポリペプチドをコードする、単離された核酸もしくは組換え核酸またはそのフラグメントの使用を包含する。単離された核酸は、例えば、天然の遺伝子からのプロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナルなどのそれぞれの調節配列を5’側および3’側において有し得る。
【0044】
「単離された」核酸は、例えば、元々の種からのリボゾーム、ポリメラーゼ、および隣接するゲノム配列のようなネイティブな配列にもともと付随する他の成分から分離された、実質的に純粋である核酸(例えば、RNA、DNA、または混合ポリマー)である。この用語は、その天然に存在する環境から取り出されている核酸配列を包含し、そしてそれによって天然に存在する組成物から区別され得る、組換えもしくはクローン化DNA単離体、および化学的に合成されたアナログ、または異種系によって生物学的に合成されたアナログを包含する。実質的に純粋な分子には、完全に純粋または実質的に純粋のいずれかの、単離された形態の分子が含まれる。
【0045】
単離された核酸は、一般に、分子の均一な組成物であるが、いくつかの実施態様においては、不均一性(好ましくは少量)を含む。この不均一性は、代表的には、所望の生物学的な機能または活性に対して重要でないポリマー末端または部分で見出される。
【0046】
「組換え」核酸は、代表的には、その産生方法またはその構造のいずれかによって規定される。その産生(例えば、プロセスによって生成される産物)の方法に関して、このプロセスは、組換え核酸技術(例えば、ヌクレオチド配列におけるヒトの介入を含む)の使用である。代表的には、この介入には、インビトロ操作を含むが、特定の状況下では、それはより古典的な動物育種技術を含み得る。あるいは、それは天然では互いに連続しない2つのフラグメントの融合物を含む配列を生成することによって作製される核酸であり得るが、天然の産物(例えば、それらの天然の状態で見出されるような天然に存在する変異体)は除外することを意味する。従って、例えば、天然に存在しないベクターで細胞を形質転換することによって作製される産物は、任意の合成オリゴヌクレオチドプロセスを使用して誘導される配列を含む核酸と同様に含まれる。このようなプロセスは、しばしば、代表的には制限酵素の配列認識部位を導入または除去しながら、同一または保存的アミノ酸をコードする冗長なコドンでコドンを置換するためになされる。あるいは、このプロセスは、所望の機能の核酸セグメントを一緒に結合して、例えば、融合タンパク質をコードする、一般に入手可能な天然の形態においては見出されない機能の所望の組み合わせを含む単一の遺伝子実体を生成するために行われる。制限酵素認識部位は、しばしば、このような人為的な操作の標的であるが、他の部位特異的な標的(例えば、プロモーター、DNA複製部位、調節配列、制御配列、または他の有用な特徴)は、設計によって取り込まれ得る。類似の概念が、組換えポリペプチド(例えば、融合ポリぺプチド)について意図される。これには、二量体反復物が含まれる。具体的に包含されるものは、遺伝コードの冗長性によって、IL−1RD9のフラグメント、および種々の異なる関連分子(例えば、他のIL−1レセプターファミリーのメンバー)由来の配列の融合物に等価なポリぺプチドをコードする合成核酸である。
【0047】
核酸の状況における「フラグメント」は、少なくとも約17個の連続するヌクレオチド、一般には少なくとも21個の連続するヌクレオチド、より一般的には少なくとも25個の連続するヌクレオチド、通常少なくとも30個の連続するヌクレオチド、より通常には少なくとも35個の連続するヌクレオチド、しばしば少なくとも39個の連続するヌクレオチド、よりしばしば少なくとも45個の連続するヌクレオチド、代表的には少なくとも50個の連続するヌクレオチド、より代表的には少なくとも55個の連続するヌクレオチド、通常少なくとも60個の連続するヌクレオチド、より通常には少なくとも66個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも72個の連続するヌクレオチド、より好ましくは少なくとも79個の連続するヌクレオチドの連続するセグメントであり、そして特に好ましい実施態様において、少なくとも85個以上(例えば、100、120、140など)の連続するヌクレオチドである。代表的には、異なる遺伝配列のフラグメントは、適切な長さのストレッチにわたって互いに、特に以下に記載するドメインのような規定されたセグメントと比較され得る。
【0048】
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10をコードする核酸は、それ自体または密接に関連するタンパク質をコードする遺伝子、mRNA、およびcDNA種、ならびに多型の、対立遺伝子の、または他の遺伝的改変体(例えば、異なる個体または関連する種由来の)をコードするDNAを同定するために特に有用である。このようなスクリーニングにとって好ましいプローブは、異なる多型改変体間で保存されるかまたは特異性を欠失するヌクレオチドを含有するインターロイキンの領域であり、そして好ましくは全長であるかまたはそれに近い。他の状況では、多型改変体特異的配列がより有用である。
【0049】
本発明は、本明細書中に示される単離されたDNAに同一または高度に相同な核酸配列を有する、組換え核酸分子およびフラグメントをさらに包含する。特に、この配列はしばしば、転写、翻訳、およびDNA複製を制御するDNAセグメントに作動可能に連結されている。これらのさらなるセグメントは、代表的には、所望の核酸セグメントの発現を補助する。
【0050】
相同な、または高度に同一の核酸配列は、互いに、例えば、IL−1RD9配列と比較された場合、有意な類似性を示す。核酸における相同性の標準は、配列比較のために当該分野で一般に使用されるかまたはハイブリダイゼーション条件に基づくかのいずれかの相同性の尺度である。比較ハイブリダイゼーション条件は、以下でより詳細に記載される。
【0051】
核酸配列比較の状況における実質的な同一性とは、セグメントまたはその相補鎖のいずれかが、比較される場合、適切なヌクレオチド挿入または欠失と最適に整列された場合、ヌクレオチドの少なくとも約60%、一般的には少なくとも66%、通常少なくとも71%、頻繁には少なくとも76%、より頻繁には少なくとも80%、通常少なくとも84%、より通常には少なくとも88%、代表的には少なくとも91%、より代表的には少なくとも約93%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約96%〜98%以上において、そして特定の実施態様では、ヌクレオチドの約99%以上の高さにおいて、同一であることを意味し、例えば、以下に記載されるセグメントのような構造的ドメインをコードするセグメントを包含する。あるいは、実質的な同一性は、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で、鎖またはその相補鎖に、代表的には配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17または19に由来する配列を使用して、ハイブリダイズする場合に存在する。代表的には、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約14ヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約55%の相同性、より代表的には少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、そしてより好ましくは少なくとも約90%の相同性が存在する場合に生じる。Kanehisa(1984)Nuc. Acids Res. 12:203−213(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。相同性の比較の長さは、記載されるように、より長いストレッチにわたり得、そして特定の実施態様においては、少なくとも約17ヌクレオチド、一般的には少なくとも約20ヌクレオチド、通常少なくとも約24ヌクレオチド、通常少なくとも約28ヌクレオチド、代表的には少なくとも約32ヌクレオチド、より代表的には少なくとも約40ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドのストレッチにわたり、そしてより好ましくは少なくとも約75〜100以上のヌクレオチドにわたる。
【0052】
ストリンジェントな条件は、ハイブリダイゼーションの状況において相同性をいう場合、ハイブリダイゼーション反応において代表的に制御される塩、温度、有機溶媒、および他のパラメーターを組み合わせたストリンジェントな条件である。ストリンジェントな温度条件は、通常、約30℃を超える温度、より通常には約37℃を超える温度、代表的には約45℃を超える温度、より代表的には約55℃を超える温度、好ましくは約65℃を超える温度、そしてより好ましくは約70℃を超える温度を含む。ストリンジェントな塩条件は、通常、約500mM未満、通常、約400mM未満、より通常には、約300mM未満、代表的には、約200mM未満、好ましくは、約100mM未満、そしてより好ましくは約80mM未満、さらに約20mM未満にまでさえ下がる。しかし、パラメーターの組み合わせは、任意の単一のパラメーターの尺度よりもさらに重要である。例えば、WetmurおよびDavidson(1968) J. Mol. Biol. 31:349−370(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。このシグナルは、少なくともバックグラウンドの2倍、一般には、少なくともバックグラウンドの5〜10倍、そして好ましくはさらにより大きいべきである。
【0053】
配列比較について、代表的には、1つの配列は、それに対して試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリムを使用する場合、試験および参照配列は、コンピューターに入力され、必要な場合には後の座標が指定され、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列についてのパーセント配列同一性を計算する。
【0054】
比較のための配列の最適な(optical)アラインメントは、例えば、SmithおよびWaterman(1981) Adv. Appl. Math. 2:482の局所的相同性アルゴリズムによって、NeedlemanおよびWunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443の相同性アラインメントアルゴリズムによって、PearsonおよびLipman (1988) Proc. Nat’l Acad. Sci. US 85:2444の類似性方法の検索によって、これらのアルゴリズムをコンピューター処理されるインプリメンテーションによって(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または視覚的な検査によって(一般には、Ausubelら、前出を参照のこと)行われ得る。
【0055】
有用なアルゴリズムの1つの例は、PILEUPである。PILEUPは、進行的な対のアラインメントを使用して、関連性およびパーセント配列同一性を示すために、関連する配列の群から複数の配列のアラインメントを作製する。また、アラインメントを作製するために使用される集積した関連性を示すツリーまたは樹形図をプロットする。PILEUPは、FengおよびDoolittle (1987) J. Mol. Evol. 35:351−360の進行的なアラインメント方法の単純化を使用する。使用される方法は、HigginsおよびSharp(1989) CABIOS 5:151−153によって記載される方法に類似する。プログラムは、300個の配列までを整列し得、各々最大長5,000ヌクレオチドまたはアミノ酸であり得る。複数アラインメント手順は、2つの整列した配列のクラスターを生成する2つの最も類似する配列の対のアラインメントで開始する。次いで、このクラスターは、整列された配列の次に最も関連する配列またはクラスターに整列される。配列の2つのクラスターは、2つの個々の配列の対のアラインメントの単純な伸長によって整列される。最終的なアラインメントは、一連の進行的な対のアラインメントによって達成される。プログラムは、配列比較の領域についての特定の配列およびそれらのアミノ酸またはヌクレオチド座標を指定することによって、およびプログラムパラメーターを指定することによって作動される。例えば、参照配列は、以下のパラメーター:デフォルトギャップ重み(3.00)、デフォルトギャップ長重み(0.10)、および重み付き末端ギャップを使用して、パーセント配列同一性関係を決定するために、他の試験配列に比較され得る。
【0056】
パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために適切であるアルゴリズムの別の例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschulら、(1990) J. Mol. Biol. 215: 403−410によって記載される。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information (http:www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公共的に利用可能である。このアルゴリズムは、最初に照合配列における長さWの短いワード(これは、データベース配列における同じ長さのワードと整列される場合、ある正の値の閾値スコアTにマッチするか、それらを満たすかのいずれかである)を同定することによって、高スコア配列ペア(HSP)を同定する工程を包含する。Tは、隣接ワードスコア閾値という(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見出すための検索を開始するための元として作用する。次いで、ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加され得る限り、各配列に沿って両方向に伸長される。各方向におけるワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアが、その最大が達成された値から量Xで減少する場合;1つ以上の負のスコアの残基アラインメントの蓄積に起因して、累積スコアが0以下になる場合;またはいずれかの配列の末端が到達される場合。BLASTアルゴリズム変数W、T、およびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11のワード長(W)、50のBLOSUM62スコアリングマトリクス(HenikoffおよびHenikoff (1989) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 89: 10915を参照のこと)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、および両方の鎖の比較を使用する。
【0057】
パーセント配列同一性を算定することに加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計的分析を実施する(例えば、KarlinおよびAltschul (1993) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 90: 5873−5787を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの基準は、最も小さい合計確率(sum probability)であり(P(N))、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のマッチが偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸の参照核酸との比較における最も小さい合計確率が約0.1より小さい、より好ましくは約0.01より小さい、そして最も好ましくは約0.001より小さい場合、参照配列に類似であると考えられる。
【0058】
ポリペプチドの2つの核酸配列が実質的に同一であるというさらなる指標は、第1の核酸によってコードされるポリペプチドが、以下に記載されるように、第2の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交叉反応性であることである。従って、ポリペプチドは、代表的には、例えば2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合、第2のポリペプチドに実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、以下に記載されるように、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0059】
単離されたDNAは、ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入、およびヌクレオチドストレッチの反転によって容易に改変され得る。これらの改変は、このポリペプチドまたはその誘導体をコードする新規なDNA配列を生じる。これらの改変された配列は、変異体タンパク質(ムテイン)を生成するために、または改変種の発現を増強するために使用され得る。増強された発現は、遺伝子増幅、増加された転写、増加された翻訳、および他の機構を含み得る。このような変異体IL−1RD9様誘導体は、ポリペプチドまたはそのフラグメントの予め決定された変異または部位特異的な変異を包含し、遺伝コード縮重を使用するサイレント変異を含む。本明細書中で使用される場合「変異体IL−1RD9」は、上述に記載されるようなIL−1R9の相同性の定義の中にあるポリぺプチドを含むが、欠失、置換、または挿入のいずれかの手段によって、天然において見出されるような他のIL−1RD様ポリペプチドのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する。特に、「部位特異的変異体IL−1RD9」は、配列番号6、8、10、12、14、または14のポリペプチドと実質的な相同性を有するポリペプチドを含み、および代表的に、本明細書中で開示される形態の生物学的活性または効果の大部分を共有する。
【0060】
部位特異的変異部位は、予め決定されるが、変異は部位特異的である必要はない。哺乳動物IL−1RD9変異誘発は、発現と関連して、遺伝子においてアミノ酸挿入または欠失を作製することによって達成され得る。置換、欠失、挿入、または任意の組合わせが、最終的な構築物に到達するために作製され得る。挿入は、アミノ末端またはカルボキシ末端の融合を含む。ランダムな変異誘発は、標的コドンで行われ得、次いで、発現される哺乳動物IL−1RD9変異体は、所望の活性についてスクリーニングされ得、構造−活性関係のいくつかの局面を提供する。既知の配列を有するDNAにおいて予め決定された部位で置換変異を作製するための方法は、当該分野において周知であり、例えば、M13プライマー変異誘発による。Sambrookら(1989)およびAusubelら(1987および定期的な補遺)をまた参照のこと。
【0061】
DNAにおける変異は、通常、リーディングフレームの外側にコード配列を置くべきではなく、好ましくは、ループまたはヘアピンのようなmRNAの2次構造を生成するハイブリダイズし得る相補的な領域を作製しない。
【0062】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts. 22:1859−1862によって記載されるホスホロアミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。2本鎖フラグメントは、しばしば、相補的な鎖を合成し、そして適切な条件下で、鎖を共にアニーリングすることによって、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを使用して、相補的な鎖を付加することによってのいずれかで、得られる。
【0063】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、しばしば、変異誘発において適用され得る。あるいは、変異誘発プライマーは、予め決定された部位で規定された変異を作製するために一般に使用される方法である。例えば、Innisら(編、1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications Academic Press、San Diego、CA;ならびにDieffenbachおよびDveksler(1995;編)PCR Primer:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Press、CSH、NYを参照のこと。適切な長さのプライマー(例えば、15、20、25、またはより長い)は、提供された配列を用いて作製され得る。
【0064】
(IV.タンパク質、ペプチド)
上記のように、本発明は、霊長類IL−1RD8、霊長類またはげっ歯類IL−1RD9、および霊長類IL−1RD10を含み、例えば、その配列は、例えば表1〜3に開示され、そして本明細書中に記載される。IL−1RD9の特徴の描写は、ほとんどの場合に、適切な改変で、またIL−1RD8および/またはIL−1RD10に対して、適用可能である。対立遺伝子および他の改変体がまた意図され、これは例えば、他の配列(エピトープタグおよび機能的ドメインを含む)とこのような配列の部分とを組み合わせる融合タンパク質を含む。特に興味深い構築物は、インタクトな細胞外または細胞内ドメインである。
【0065】
本発明はまた、組換えポリペプチド(例えば、これらのげっ歯類タンパク質からのセグメントを使用する異種融合タンパク質)を提供する。異種融合タンパク質は、天然では同じ様式において通常融合されないタンパク質またはセグメントの融合である。従って、融合産物、例えば、IL−1RD9と別のIL−1レセプターとの融合産物は、代表的なポリペプチド結合において融合される配列を有する連続的なタンパク質分子であり、代表的には単一の翻訳産物として作製され、そして各供給源ペプチドに由来する特性(例えば、配列または抗原性)を示す。同様の概念が、異種核酸配列に適用される。
【0066】
さらに、新規な構築物は、他の関連のタンパク質(例えば、種の改変体を含むIL−1レセプターまたはToll様レセプター)からの類似の機能的または構造ドメインを組合わせることから作製され得る。例えば、リガンド結合セグメントまたは他のセグメントは、異なる新規な融合ポリぺプチドまたはフラグメント間で「交換され」得る。例えば、Cunninghamら(1989)Science 243:1330−1336;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem. 263:15985−15992(これらのそれぞれは本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。従って、特異性の新規な組合わせを示す新規なキメラポリぺプチドは、レセプター結合特異性の機能的な結合から生じる。例えば、他の関連のレセプター分子からのリガンド結合ドメインは、付加され得るか、または本発明のタンパク質または関連のタンパク質の他のドメインと置換され得る。得られるタンパク質は、しばしば、ハイブリッド機能および特性を有する。例えば、融合タンパク質は、特定の細胞下オルガネラへの、融合タンパク質の隔離を提供するように作用し得る、標的化ドメインを含み得る。
【0067】
候補融合パートナーおよび配列は、種々の配列データベース(例えば、GenBank、c/o NCBI、およびBCG、University of Wisconsin Biotechnology Computing Group、Madison、WI(これらは、各々本明細書中に参考として援用される)、から選択され得る。
【0068】
本発明は特に、IL−1様リガンドに結合し、そして/またはシグナル伝達において影響されるムテインを提供する。IL−1Rファミリーの他のメンバーと、ヒトIL−1RD9との構造アラインメントは、保存された特徴/残基を示す。表1〜4を参照のこと。IL−1Rファミリーの他のメンバーとのヒトIL−1RD9配列のアラインメントは、種々の構造的および機能的に共有された特徴を示す。Bazanら、(1996) Nature 379: 591; Lodiら、(1994) Science 263: 1762−1766; SayleおよびMilner−White (1995) TIBS 20: 374−376; ならびにGronenbergら (1991) Protein Engineering 4: 263−269もまた参照のこと。
【0069】
IL−1αおよびIL−1βリガンドは、一次レセプターとしてIL−1レセプターI型(IL−1RD1)を結合し、次いで、この複合体は、IL−1レセプターIII型(IL−1RD3)と高い親和性のレセプター複合体を形成する。このようなレセプターサブユニットは、おそらく、新規なIL−1リガンドファミリーメンバーについてのレセプターと共有される。例えば、USSN 60/044,165およびUSSN 60/055,111を参照のこと。IL−1γリガンドが、IL−1RD9(α成分)とIL−1RD5(β成分)の会合を含むレセプターを介してシグナル伝達するという可能性がある。IL−1δおよびIL−1εリガンドはそれぞれ、IL−1RD4、IL−1RD6またはIL−1RD9の1つ(α成分)とIL−1RD3、IL−1RD5、IL−1RD7、IL−1RD8またはIL−1RD10の1つ(β成分)との会合を含むレセプターを介して、おそらくシグナル伝達をする。
【0070】
対応する領域における、IL−1R配列の他の種の対応物における類似の改変(例えば、D1−D6、D8、D9またはD10レセプター)は、リガンドまたは基質と類似の相互作用を提供するべきである。げっ歯類または霊長類のいずれかでの置換(例えば、マウス配列またはヒト配列)が特に好ましい。逆に、リガンド結合相互作用領域から離れた保存的置換は、おそらく、大部分のシグナル伝達活性を保存し;そして細胞内ドメインから離れた保存的置換は、おそらく、大部分のリガンド結合特性を保存する。
【0071】
霊長類またはマウスのIL−1RD9の「誘導体」は、アミノ酸配列変異体、グリコシル化改変体、代謝誘導体、および他の化学部分との共有結合体または凝集結合体を含む。共有結合誘導体は、例えば、当該分野において周知である手段によって、IL−1RD9アミノ酸側鎖において、またはNもしくはC末端で見い出される基への、官能基の連結によって調製され得る。これらの誘導体としては、カルボキシル末端、またはカルボキシル側鎖を含む残基の脂肪族エステルまたはアミド、ヒドロキシル基を含有する残基のO−アシル誘導体、およびアミノ末端アミノ酸もしくはアミノ基を含有する残基(例えば、リジンまたはアルギニン)のN−アシル誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。アシル基は、C3〜C18の通常のアルキルを含むアルキル部分の群から選択され、それによってアルカノイルアロイル種を形成する。
【0072】
特に、グリコシル化改変が含まれ、例えば、その合成およびプロセシングの間に、またはさらなるプロセシング工程において、ポリぺプチドのグリコシル化パターンを改変することによって作製される。これを達成するための特に好ましい手段は、このようなプロセシングを通常提供する細胞に由来するグリコシル化酵素(例えば、哺乳動物グリコシル化酵素)に、ポリぺプチドを曝露することによる。脱グリコシル化酵素もまた、意図される。リン酸化アミノ酸残基(例えば、ホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホスレオニン)を含む、他のマイナーな改変を有する同じ一次アミノ酸配列のバージョンがまた、包含される。
【0073】
誘導体の主要な群は、他のポリペプチドと、レセプターまたはそのフラグメントとの共有結合体である。これらの誘導体は、反応性の側鎖を介するタンパク質の架橋におけるそれらの有用性について、NまたはC末端融合のような組換え培養において、または当該分野において公知の薬剤の使用によって、合成され得る。架橋剤での好ましい誘導体化部位は、遊離のアミノ基、炭水化物部分、およびシステイン残基である。
【0074】
レセプターと、他の同種タンパク質または異種タンパク質との間の融合ポリぺプチドもまた、提供される。同種ポリぺプチドは、異なるレセプター間の融合物であり得、例えば、複数の異なるIL−1リガンドに結合特異性を示すハイブリッドタンパク質、または基質効果の広げられた特異性または弱められた特異性を有し得るレセプターを生じ得る。同様に、異種融合物が構築され得、これは誘導体タンパク質の特性または活性の組合せを示す。代表的な例は、レポーターポリぺプチド(例えば、ルシフェラーゼ)と、レセプターのセグメントまたはドメイン(例えば、リガンド結合セグメント)との融合物であり、それによって、所望のリガンドの存在または位置が、容易に決定され得る。例えば、Dullら、米国特許第4,859,609号(これは、それによって本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。他の遺伝子融合パートナーとしては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、細菌のβガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、β−ラクタマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、および酵母α接合因子が挙げられる。例えば、Godowskiら(1988)Science 241:812−816を参照のこと。
【0075】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts. 22:1859−1862によって記載されるホスホロアミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。2本鎖フラグメントは、しばしば、相補的な鎖を合成し、そして適切な条件下で、鎖を共にアニーリングすることによって、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを使用して、相補的な鎖を付加することによってのいずれかで、得られる。
【0076】
このようなポリぺプチドはまた、リン酸化、スルホン化、ビオチン化、または他の部分(特に、リン酸基に類似の分子形状を有する部分)の付加もしくは除去によって化学的に改変されたアミノ酸残基を有し得る。いくつかの実施態様において、改変は、有用な標識化試薬であるか、または精製標的(例えば、親和性リガンド)として役立つ。
【0077】
融合タンパク質は、代表的に、組換え核酸法によってまたは合成ポリぺプチド法によってのいずれかで作製される。核酸操作および発現についての技術は、例えば、Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、およびAusubelら(編)(1987および定期的な補遺)Current Protocols in Molecular Biology、Greene/Wiley、New York(これらはそれぞれ、本明細書中に参考として援用される)において、一般に記載される。ポリぺプチドの合成についての技術は、例えば、Merrifield(1963)J. Amer. Chem.Soc. 85:2149−2156;Merrifield(1986)Science 232:341−347;およびAthertonら(1989)Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach、IRL Press、Oxford;(これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される)において記載される。より長いポリぺプチドを作製するための方法について、Dawsonら(1994)Science 266:776−779もまた参照のこと。
【0078】
本発明はまた、アミノ酸配列またはグリコシル化における改変以外のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の誘導体の使用を意図する。このような誘導体は、化学部分との共有結合的なまたは凝集的な会合を含み得る。これらの誘導体は、一般に、3つのクラスに分類される:(1)塩、(2)側鎖および末端残基の共有結合的な改変、ならびに(3)例えば、細胞膜との、吸着複合体。このような共有結合誘導体または凝集誘導体は、免疫原として、イムノアッセイにおける試薬として、またはレセプターまたは他の結合分子(例えば、抗体)のアフィニティー精製のためのような精製方法において、有用である。例えば、IL−1リガンドは、IL−1レセプター、抗体、または他の類似の分子のアッセイまたは精製における使用のために、当該分野において周知である方法により、臭化シアン活性化Sepharoseのような固体支持体へ共有結合によって固定化され得るか、または、グルタルアルデヒド架橋を用いるかまたは用いないで、ポリオレフィン表面上に吸着され得る。リガンドはまた、検出可能な基で標識され得、例えばクロラミンT手順によって放射性ヨウ素化(radioiodinated)され得るか、希土類キレートに共有結合され得るか、または診断アッセイにおける使用のために、別の蛍光部分に結合され得る。
【0079】
本発明のIL−1RD8、IL−1RD9、もしくはIL−1RD10は、IL−1RD8、IL−1RD9、もしくはIL−1RD10またはその種々のフラグメントに特異的な(例えば、他のIL−1レセプターファミリーメンバーの間を区別し得る)、抗血清または抗体の生成のための免疫原として使用され得る。精製されたIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10は、モノクローナル抗体、またはタンパク質を含有する不純な調製物の種々の形態での免疫によって調製されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントをスクリーニングするために使用され得る。特に、用語「抗体」はまた、天然の抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fab、Fab2、Fvなど)を包含する。精製されたIL−1RD9はまた、上昇したレベルの発現の存在に応答して産生された抗体、または内因性レセプターに対する抗体産生を導く免疫障害を検出するための試薬として使用され得る。さらに、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10フラグメントはまた、すぐ下に記載されるように、本発明の抗体を産生するための免疫原として役立ち得る。例えば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18および20において示されるアミノ酸配列、そのフラグメント、または種々の相同なペプチドに対して結合親和性を有する、またはそれに対して惹起される抗体を意図する。特に、本発明は、ネイティブなIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の外部ポリペプチド表面で曝露されることが予測されるか、または実際に曝露される、特異的なフラグメントに対し、結合親和性を有するかまたはそれに対して惹起された抗体を意図する。結合における所望の選択性の種々の調製物は、適切な架橋吸着などによって調製され得る。
【0080】
レセプターリガンドに応答する生理学的応答のブロックは、おそらく競合的阻害を介する、レセプターに対するリガンドの結合の阻害から生じ得る。従って、本発明のインビトロアッセイにおいて、抗体、またはこれらの抗体の抗原結合セグメント、または固相基体に付着されるフラグメントを、しばしば使用する。これらのアッセイはまた、リガンド結合領域の変異および改変、または他の変異および改変(例えば、これは、シグナル伝達または酵素機能に影響する)のいずれかの効果の診断的な決定を許容する。
【0081】
本発明はまた、競合的な薬物スクリーニングアッセイの使用を意図し、ここで、例えば、レセプターまたはフラグメントに対する中和抗体は、リガンドまたは他の抗体への結合について、試験化合物と競合する。この様式において、中和抗体またはフラグメントは、レセプターに対する1つ以上の結合部位を共有するポリぺプチドの存在を検出するために使用され得、そして別にリガンドを結合し得る、レセプターにおける結合部位を占有するためにまた使用され得る。
【0082】
(V.核酸およびタンパク質の作製)
ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするDNAは、化学合成、cDNAライブラリーのスクリーニングによって、または広範な種々の細胞株もしくは組識サンプルから調製されたゲノムライブラリーのスクリーニングによって入手され得る。天然の配列は、標準的な方法、および本明細書中(例えば、表1〜3)に提供される配列を使用して、単離され得る。他の種対応物は、ハイブリダイゼーション技術によって、または様々なPCR技術によって、配列データベース(例えば、GenBank)における検索と組合わせて、またはこの検索によって、同定され得る。
【0083】
このDNAは、完全長のレセプターまたはフラグメントの合成のために、広範な種々の宿主細胞において発現され得、次いで完全長のレセプターまたはフラグメントは、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を生成するために;結合研究のために;改変されたリガンド結合またはキナーゼ/ホスファターゼドメインの構築および発現のために;および構造/機能研究のために、使用され得る。改変体またはそのフラグメントは、適切な発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞において発現され得る。これらの分子は、組換え宿主に由来する分子以外のタンパク質または細胞性の夾雑物を実質的に含有しないかもしれず、それゆえ、薬学的に受容可能なキャリアおよび/または希釈剤と組合わされる場合、薬学的組成物において特に有用である。タンパク質、またはその部分は、他のタンパク質との融合物として発現され得る。
【0084】
発現ベクターは、代表的には、所望のレセプター遺伝子またはそのフラグメント(通常、適切な宿主細胞において認識される適切な遺伝子制御エレメントに作動可能に連結される)を含有する自己複製するDNAまたはRNA構築物である。これらの制御エレメントは、適切な宿主内における発現をもたらし得る。発現をもたらすために必要な制御エレメントの特定の型は、結果として使用される宿主細胞に依存する。一般に、遺伝子制御エレメントは、原核生物プロモーター系または真核生物プロモーター発現制御系を含み得、そして代表的に、転写プロモーター、必要に応じて、転写の開始を制御するオペレーター、mRNAの発現のレベルを上昇する転写エンハンサー、適切なリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳を終結する配列を含み得る。発現ベクターはまた、通常、ベクターが宿主細胞から独立して複製することを許容する、複製の起点を含む。
【0085】
本発明のベクターとしては、記載されるようなタンパク質をコードするDNA、または生物学的に活性が等価なポリぺプチドをコードするそのフラグメントを含むベクターが挙げられる。DNAは、ウイルスプロモーターの制御下にあり得、そして選択マーカーをコードし得る。本発明はさらに、原核生物宿主または真核生物宿主において、このようなポリペプチドをコードする真核生物cDNAを発現し得る、このような発現ベクターの使用を意図し、ここでベクターは、宿主と適合性であり、およびここでレセプターをコードする真核生物cDNAはベクターに挿入され、それによってベクターを含む宿主の増殖は、問題のcDNAを発現する。通常、発現ベクターは、それらの宿主細胞における安定な複製のために、または細胞あたりの所望の遺伝子の総コピー数を非常に増加する増幅のために、設計される。発現ベクターが、宿主細胞において複製することが、いつも必要であるわけではなく、例えば、宿主細胞によって認識される複製起点を含まないベクターを使用して、種々の宿主において、ポリペプチドまたはそのフラグメントの一過性の発現をもたらすことが可能である。組換えによる、宿主DNAへの、ポリペプチドをコードする部分またはそのフラグメントの組込みを引き起こすベクターの使用はまた、可能である。
【0086】
本明細書中で使用される場合、ベクターは、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組込み可能なDNAフラグメント、および宿主のゲノムへのDNAフラグメントの組込みを可能にする他のビヒクルを含む。発現ベクターは、作動可能に連結された遺伝子の発現をもたらす遺伝子制御エレメントを含む特殊化されたベクターである。プラスミドは、ベクターの最も一般に使用される形態であるが、等価な機能を提供し、および当該分野において公知であるか、または公知になる、全ての他の形態は、本明細書における使用に適切である。例えば、Pouwelsら(1985および補遺)Cloning Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier、N.Y.、およびRodriquezら(編)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、1988(これらは本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0087】
形質転換された細胞は、組換えDNA技術を使用して構築されたレセプターベクターで形質転換されたまたはトランスフェクトされた細胞、好ましくは哺乳動物細胞である。形質転換された宿主細胞は、通常、所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを発現するが、そのDNAのクローニング、増幅、および操作の目的のために、本発明のタンパク質を発現する必要はない。本発明はさらに、栄養培地において、形質転換された細胞を培養することを意図し、従って、レセプターが、細胞膜中に蓄積することを許容する。このポリペプチドは、培養物または特定の場合において培養培地のいずれかから、回収され得る。
【0088】
本発明の目的のために、核酸配列は、互いに機能的に関連する場合、作動可能に連結される。例えば、プレ配列または分泌リーダーのDNAは、DNAがプレタンパク質として発現されるか、またはポリぺプチドの細胞膜への方向付けに関与するか、もしくはポリぺプチドの分泌に関与する場合、ポリぺプチドに作動可能に連結される。プロモーターは、これがポリぺプチドの転写を制御する場合、コード配列に作動可能に連結され;リボソーム結合部位は、これが翻訳を許容するように配置される場合、コード配列に作動可能に連結される。通常、作動可能に連結されるというのは、連続なこと、およびリーディングフレーム内を意味するが、特定の遺伝的エレメント(例えば、リプレッサー遺伝子)は、連続して連結されないが、次いで発現を制御するオペレーター配列になお結合する。
【0089】
適切な宿主細胞は、原核生物、下等真核生物、および高等真核生物を含む。原核生物は、グラム陰性生物およびグラム陽性生物(例えば、E.coliおよびB.subtilis)の両方を含む。下等真核生物は、酵母(例えば、S.cerevisiaeおよびPichia)、およびDictyostelium属の種を含む。高等真核生物は、非哺乳動物起源(例えば、昆虫細胞、およびトリ)、ならびに哺乳動物起源(例えば、ヒト、霊長類、および齧歯類)の両方の、動物細胞から樹立された組織培養細胞株を含む。
【0090】
原核生物宿主−ベクター系は、多くの異なる種についての広範な種々のベクターを含む。本明細書中で使用されるように、E.coliおよびそのベクターは一般に使用され、他の原核生物において使用される等価なベクターを含む。DNAを増幅するための代表的なベクターは、pBR322または多くのその誘導体である。レセプターまたはそのフラグメントを発現するために使用され得るベクターとしては、lacプロモーター(pUCシリーズ);trpプロモーター(pBR322−trp);Ippプロモーター(pINシリーズ);λpPまたはpRプロモーター(pOTS);またはptacのようなハイブリッドプロモーター(pDR540)を含むベクターが挙げられるが、これらに限定されない。Brosiusら(1988)「Expression Vectors Employing Lambda−, trp−, lac−, and Ipp−derived Promoters」、Vactors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、(RodriguezおよびDenhardt編)、Buttersworth、Boston、第10章、205−236頁(これは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0091】
下等真核生物(例えば、酵母およびDictyostelium)は、IL−1RD9配列を含有するベクターで形質転換され得る。本発明の目的のために、最も一般的な下等真核生物宿主は、パン酵母、Saccharomyces cerevisiaeである。これは下等真核生物を一般的に代表するために使用されるが、多くの他の株および種もまた利用可能である。代表的に、酵母ベクターは、複製起点(組込み型でない限り)、選択遺伝子、プロモーター、レセプターまたはそのフラグメントをコードするDNA、ならびに翻訳終結、ポリアデニル化、および転写終結の配列からなる。酵母に対する適切な発現ベクターとしては、3−ホスホグリセリン酸キナーゼおよび種々の他の解糖酵素遺伝子のプロモーターのような構成性プロモーター、またはアルコールデヒドロゲナーゼ2プロモーターまたはメタロチオネインプロモーターのような誘導性のプロモーターを含む。適切なベクターは、以下の型の誘導体を含む:自己複製低コピー数型(例えば、YRpシリーズ)、自己複製高コピー数型(例えば、YEpシリーズ);組込み型(例えば、YIpシリーズ)またはミニ染色体(例えば、YCpシリーズ)。
【0092】
高等真核生物組織培養細胞は、通常、機能的に活性なインターロイキンタンパク質の発現のための、好ましい宿主細胞である。原則として、無脊椎動物供給源由来であろうと、または脊椎動物供給源由来であろうと、多くの高等真核生物組織培養細胞株(例えば、昆虫バキュロウイルス発現系)が、実行可能である。しかし、哺乳動物細胞が好ましい。このような細胞の形質転換またはトランスフェクション、および増殖は、慣用的な手順となっている。有用な細胞株の例としては、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、ベビーラット腎臓(BRK)細胞株、昆虫細胞株、トリ細胞株、およびサル(COS)細胞株が挙げられる。このような細胞株についての発現ベクターは、通常、複製起点、プロモーター、翻訳開始部位、RNAスプライス部位(ゲノムDNAが使用される場合)、ポリアデニル化部位、および転写終結部位を含む。これらのベクターはまた、通常、選択遺伝子または増幅遺伝子を含む。適切な発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、またはレトロウイルス(例えば、アデノウイルス、SV40、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、またはサイトメガロウイルスのような、供給源に由来する、プロモーターを保有する)であり得る。適切な発現ベクターの代表的な例としては、pCDNA1;pCD(Okayamaら(1985)Mol. Cell Biol. 5:1136−1142を参照のこと);pMC1neo ポリA(Thomasら(1987)Cell 51:503−512を参照のこと);およびpAC373またはpAC610のようなバキュロウイルスベクターが挙げられる。
【0093】
分泌されるタンパク質について、オープンリーディングフレームは、通常、そのN末端で、シグナルペプチドに共有結合される、成熟産物または分泌産物からなるポリぺプチドをコードする。シグナルペプチドは、成熟な、または活性な、ポリぺプチドの分泌の前に切断される。切断部位は、経験則から非常に高い程度の正確さで予測され得(例えば、von−Heijne(1986)Nucleic Acids Research 14:4683−4690およびNielsenら(1997)Protein Eng. 10:1−12)、そしてシグナルペプチドの正確なアミノ酸組成は、しばしば、その機能に重要でないようである(例えば、Randallら(1989)Science 243:1156−1159;Kaiserら(1987)Science 235:312−317)。
【0094】
特定のまたは規定されたグリコシル化パターンを提供する系において、これらのポリぺプチドを発現することが、しばしば所望される。この場合において、通常のパターンは、発現系によって天然に提供されるパターンである。しかし、このパターンは、ポリぺプチド(例えば、非グリコシル化形態)を、異種発現系に導入された適切なグリコシル化するタンパク質に曝露することによって、改変可能である。例えば、レセプター遺伝子は、哺乳動物または他のグリコシル化酵素をコードする1つ以上の遺伝子と同時トランスフェクトされ得る。このアプローチを使用して、特定の哺乳動物のグリコシル化パターンが、原核生物または他の細胞において達成される。
【0095】
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の供給源は、上記のような、組換えIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10を発現する真核生物宿主または原核生物宿主であり得る。供給源はまた、マウス Swiss 3T3線維芽細胞のような細胞株であり得るが、他の哺乳動物細胞株もまた、本発明によって意図され、好ましい細胞株は、ヒト種由来である。
【0096】
現在、配列が公知であるので、霊長類IL−1R、そのフラグメントまたは誘導体は、ペプチド合成のための従来のプロセスによって調製され得る。これらとしては、StewartおよびYoung(1984)Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.、Rockford、IL;BodanszkyおよびBodanszky(1984)The Practice of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、New York;ならびにBodanszky(1984)The Principles of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、New York;(これら全ての各々は、本明細書中に参考として援用される)、に記載されるプロセスを含む。例えば、アジ化物プロセス、酸塩化物プロセス、および酸無水物プロセス、混合無水物プロセス、活性エステルプロセス(例えば、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、またはシアノメチルエステル)、カルボジイミダゾールプロセス、酸化−還元プロセス、またはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)/付加プロセスが、使用され得る。固相および液相合成は両方とも、上述のプロセスに共に適応可能である。類似の技術が、IL−1RD9部分配列とともに使用され得る。
【0097】
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10タンパク質、ポリペプチド、フラグメント、または誘導体は、一般的に、配列中に1つずつ、末端アミノ酸にアミノ酸を縮合する工程を包含するいわゆる段階プロセスによって、または末端のアミノ酸にペプチドフラグメントを結合することによってのいずれかで、ペプチド合成において代表的に用いられる上述のプロセスに従って、適切に調製される。カップリング反応において使用されないアミノ基は、代表的に、不正確な位置でのカップリングを防ぐために、保護されなくてはならない。
【0098】
固相合成が採用される場合、C末端アミノ酸は、不溶性のキャリアまたは支持体に、そのカルボキシル基を介して結合される。不溶性のキャリアは、反応性のカルボキシル基に対する結合能力を有する限り、特に制限されない。このような不溶性のキャリアの例としては、ハロメチル樹脂(例えば、クロロメチル樹脂またはブロモメチル樹脂)、ヒドロキシメチル樹脂、フェノール樹脂、tert−アルキルオキシカルボニルヒドラジド化(tert−alkyloxycarbonylhydrazidated)樹脂などが挙げられる。
【0099】
アミノ基が保護されたアミノ酸は、以前に形成されたペプチドまたは鎖の、その活性化されたカルボキシル基および反応性アミノ基の縮合を介して、配列中に結合され、着実にペプチドを合成する。完全な配列を合成した後、ペプチドは不溶性のキャリアから分離され、ペプチドを生成する。この固相アプローチは、一般に、Merrifieldら(1963)J. Am. Chem. Soc. 85:2149−2156(これは、本明細書中に参考として援用される)によって記載される。
【0100】
調製されたタンパク質およびそのフラグメントは、ペプチド分離の手段によって(例えば、抽出、沈殿、電気泳動、種々の形態のクロマトグラフィー、などによって)、反応混合物から単離および精製され得る。本発明のレセプターは、その所望の使用に依存する、種々の程度の純度において得られ得る。精製は、本明細書中に開示されるタンパク質精製技術を使用することによって(以下を参照のこと)、または免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーの方法において、本明細書中に記載される抗体の使用によって、達成され得る。この免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーは、先ず、抗体を固相支持体に連結し、次いで連結された抗体と、適切な細胞の可溶化された溶解物、レセプターを発現する他の細胞の溶解物、またはDNA技術の結果としてポリペプチドを生成する細胞の溶解物もしくは上清とを、接触することによって行われる(以下を参照のこと)。
【0101】
一般に、精製されたタンパク質は、少なくとも約40%純粋であり、通常少なくとも約50%純粋であり、通常少なくとも約60%純粋であり、代表的に少なくとも約70%純粋であり、より代表的には少なくとも約80%純粋であり、好ましくは少なくとも約90%純粋であり、より好ましくは少なくとも約95%純粋であり、および特定の実施態様において、97%〜99%以上純粋である。純度は、通常、重量基準であるが、またモル基準でもあり得る。異なるアッセイが、適切な場合、適用される。類似のコンセプトが、ポリヌクレオチドおよび抗体に当てはまる。
【0102】
(VI.抗体)
抗体は、本明細書中に記載の種々の哺乳動物のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10(例えば、霊長類IL−1RD9ポリペプチド)ならびにそのフラグメント(天然に存在するネイティブな形態においておよびそれらの組換え形態においての両方)に対して、惹起され得、その差異は、活性なレセプターに対する抗体が、ネイティブな立体構造においてのみ存在するエピトープを、より認識するようであるということである。変性された抗原の検出はまた、例えば、ウエスタン分析において、有用であり得る。抗イディオタイプ抗体がまた、意図され、これは、天然のレセプターまたは抗体のアゴニストまたはアンタゴニストとして有用である。
【0103】
ポリペプチドの予め決定されたフラグメントに対する、抗体(結合フラグメントおよび単鎖バージョンを含む)は、免疫原性タンパク質とフラグメントとの結合体での、動物の免疫化によって惹起され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。これらの抗体は、正常なタンパク質もしくは不完全なタンパク質への結合についてスクリーニングされ得るか、またはアゴニスト活性もしくはアンタゴニスト活性についてスクリーニングされ得る。これらのモノクローナル抗体は通常、少なくとも約1mM、より通常には少なくとも約300μM、代表的には少なくとも約100μM、より代表的には少なくとも約30μM、好ましくは少なくとも約10μM、およびより好ましくは少なくとも約3μMまたはそれよりも良好なKDで結合する。
【0104】
本発明の抗体(抗原結合フラグメントを含む)は、有意な診断的または治療学的な価値を有し得る。それらは、レセプターに結合し、そしてリガンドへの結合を阻害するか、または、例えば、その基質に作用して、生物学的応答を誘発するレセプターの能力を阻害する、強力なアンタゴニストであり得る。それらはまた、非中和抗体として有用であり得、そしてトキシンまたは放射性核種に結合されて、産生細胞、またはインターロイキンの供給源に局在化される細胞と結合し得る。さらに、これらの抗体は、薬物または他の治療学的薬剤に、直接的に、またはリンカーの手段によって間接的にのいずれかで、結合され得る。
【0105】
本発明の抗体はまた、診断的適用において有用であり得る。捕獲抗体または非中和抗体として、これらは、リガンド結合または基質結合を阻害することなくレセプターに結合し得る。中和抗体として、これらは、競合結合アッセイにおいて有用であり得る。これらはまた、リガンドを検出、または定量するのに有用である。これらは、ウエスタンブロット分析のための、またはそれぞれのタンパク質の免疫沈降もしくは免疫精製のための、試薬として使用され得る。
【0106】
タンパク質フラグメントは、免疫原として使用される融合または共有結合的に結合されたポリぺプチドのように、他の物質(特にポリぺプチド)に結合され得る。哺乳動物IL−1Rおよびそのフラグメントは、種々の免疫原(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、破傷風トキソイドなど)に融合されるか、または共有結合的に連結され得る。ポリクローナル抗血清を調製する方法の記載については、Microbiology、Hoeber Medical Division、Harper and Row、1969;Landsteiner(1962)Specificity of Serological Reactions、Dover Publications、New York;およびWilliamsら(1967)Methods in Immunology and Immunochemistry、第1巻 Academic Press、New York;(これらは各々、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。代表的な方法は、抗原での動物の過剰免疫化を含む。次いで、動物の血液は、反復された免疫化のすぐ後に回収され、そしてγグロブリンが、単離される。
【0107】
いくつかの例において、種々の哺乳動物宿主(例えば、マウス、齧歯類、霊長類、ヒトなど)からモノクローナル抗体を調製することが望ましい。このようなモノクローナル抗体を調製するための技術の記載は、例えば、Stitesら(編)Basic and Clinical Immunology(第4版)、Lange Medical Publications、Los Altos、CAおよびそこに引用される参考文献;HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual、CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版)Academic Press、New York;および特に、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497(これは、モノクローナル抗体を作製する1つの方法を議論する)において、見出され得る。これらの参考文献のそれぞれは、本明細書中に参考として援用される。簡潔にまとめると、この方法は、免疫原を動物に注射する工程を包含する。次いで、動物は屠殺され、そして細胞はその脾臓から採取され、次いで、細胞は骨髄腫細胞と融合される。結果は、ハイブリッド細胞すなわち「ハイブリドーマ」であり、これはインビトロで増殖させる(reproducing)ことが可能である。次いで、ハイブリドーマの集団は、個々のクローンを単離するためにスクリーニングされ、そのそれぞれが、免疫原に対する単一の抗体種を分泌する。この様式において、得られる個々の抗体種は、免疫原性物質において認識される特異的な部位に応答して作製される、免疫動物からの、不死化およびクローン化された単一のB細胞の産物である。
【0108】
他の適切な技術としては、抗原性ポリぺプチドへの、あるいはファージまたは同様のベクターにおける抗体のライブラリーの選択への、インビトロでのリンパ球の曝露を含む。Huseら(1989)「Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda」、Science 246:1275−1281;およびWardら(1989)Nature 341:544−546(これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。本発明のポリぺプチドおよび抗体は、改変を伴うか、または伴わないで使用され得、これにはキメラ抗体またはヒト化抗体を含む。しばしば、ポリぺプチドおよび抗体は、共有結合的にまたは非共有結合的にのいずれかで、検出可能なシグナルを提供する物質を結合することによって標識される。広範な種々の標識および結合技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において、広範に報告される。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンまたはキメラ免疫グロブリンが生成され得るか(Cabilly、米国特許第4,816,567号を参照のこと);またはトランスジェニックマウスにおいて作製され得る(Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146−156を参照のこと)。これらの参考文献は、本明細書中に参考として援用される。
【0109】
本発明の抗体はまた、IL−1Rの単離において、アフィニティークロマトグラフィーについて使用され得る。カラムが調製され得、抗体は固体支持体(例えば、アガロース、Sephadexなどのような粒子)に連結され、細胞溶解物は、カラムを介して通過され得、カラムは洗浄され、続いて、漸増濃度の軽度の変性剤で洗浄され、これにより、精製されたタンパク質は放出される。タンパク質は、抗体を精製するために使用され得る。
【0110】
抗体はまた、特定の発現産物について、発現ライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。通常、このような手順において使用される抗体は、抗体の結合によって抗原の存在の容易な検出を可能にする部分で標識される。
【0111】
IL−1Rに対して惹起される抗体はまた、抗イディオタイプ抗体を惹起するために使用される。これらは、タンパク質の発現、またはそのタンパク質を発現する細胞に関連する、種々の免疫学的状態を検出または診断するのに有用である。これらはまた、リガンドのアゴニストまたはアンタゴニストとして有用であり、天然に存在するリガンドについての、競合的なインヒビターまたは置換体であり得る。
【0112】
例えば、配列番号4、10、または20のアミノ酸配列から成る免疫原のような、規定された免疫原に対して生成された抗体と特異的に結合する、または特異的に免疫反応性であるIL−1Rポリペプチドは、代表的にイムノアッセイにおいて測定される。イムノアッセイは、代表的には、例えば、配列番号4、10、または20のポリペプチドに対して惹起されたポリクローナル抗血清を使用する。この抗血清は、他のIL−1Rファミリーメンバー、例えば、IL−1RのD1からD8(好ましくは同じ種由来)に対して低い交差反応性を有するように選択され、そしてこのような交差反応性はいずれも、イムノアッセイで使用する前に、免疫吸着法により除去される。
【0113】
イムノアッセイで使用する抗血清を生成するため、例えば、配列番号4、10、または20のポリペプチドを本明細書に記載されるように単離する。例えば、組換えポリペプチドを哺乳動物細胞株で生成し得る。適切な宿主、例えば、Balb/cのようなマウスの近交系を、代表的にはフロイントアジュバントなどの標準的アジュバント、および標準的マウス免疫プロトコル(HarlowおよびLane、前述を参照のこと)を使用して、選択されたタンパク質で免疫する。あるいは、本明細書中に開示された配列に由来し、そしてキャリアポリペプチドに結合させた合成ペプチドを免疫原に使用し得る。ポリクローナル血清を収集し、イムノアッセイ(例えば、固体支持体上に固定化した免疫原による固相イムノアッセイ)で免疫原タンパク質に対して力価測定する。力価が104以上のポリクローナル抗血清が選択され、他のIL−1Rファミリーメンバー、例えば、IL−1RD1からIL−1RD6に対する交差反応性について、HarlowおよびLane、前述、570−573頁に記載されるような競合結合イムノアッセイを使用して試験される。好ましくは、少なくとも二つのIL−1Rファミリーメンバーが、この測定において使用される。これらのIL−1Rファミリーメンバーは組換えポリペプチドとして生成され得、そして本明細書に記載される標準的分子生物学およびタンパク質化学技術を使用して単離され得る。
【0114】
競合結合フォーマットにおけるイムノアッセイを交差反応性測定に使用され得る。例えば、配列番号4、10、または20のポリペプチドを固体支持体に固定化し得る。このアッセイに添加されるポリペプチドは、固定化された抗原に対する抗血清の結合と競合する。固定化されたポリペプチドに対する抗血清の結合と競合する上記ポリペプチドの能力をIL−1RD1からIL−1RD6のポリペプチドと比較する。上記ポリペプチドに対するパーセント交差反応性を、標準的算出法を使用して算出する。上記に列挙した各ポリペプチドとの交差反応性が10%より低い抗血清を選択およびプールする。次いで、上記に列挙したタンパク質との免疫吸着法により、交差反応抗体をプール抗血清から除去する。
【0115】
次に、免疫吸着およびプールした抗血清は、上記のように、競合結合イムノアッセイで使用され、第二のポリペプチドを免疫原ポリペプチド(例えば、配列番号4、10、または20のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10様ポリペプチド)と比較する。この比較を行うため、二つのポリペプチドを広範囲の濃度でそれぞれアッセイし、そして固定化されたポリペプチドへの抗血清の結合を50%阻害するのに必要な各ポリペプチド量を測定する。必要とされる第二のポリペプチド量が、選択されたポリペプチドまたは必要とされるポリペプチドのポリペプチド量の二倍より少ない場合、第二のポリペプチドは、免疫原に対して生成した抗体と特異的に結合すると言われる。
【0116】
これらのIL−1Rポリペプチドは、これまで同定された少なくとも7個の遺伝子を含む相同性ポリペプチドのファミリーのメンバーであることが理解される。例えば、IL−1RD9のような特定の遺伝子生成物に対して、この用語は、本明細書に開示したアミノ酸配列だけではなく、対立遺伝子、非対立遺伝子または種改変体である他のポリペプチドをもいう。また、この用語は、単一の部位変異のような従来の組換え技術を使用する意図的な変異により、または各タンパク質をコードするDNAの短い切片を切除することにより、または新規アミノ酸の置換により、または新規アミノ酸の付加により導入された非天然の変異を含むことが理解される。このようなマイナーな改変は、代表的には、本来の分子の免疫学的同一性および/またはその生物学的活性を実質的に維持する。従って、これらの改変には、示された天然に存在するIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10タンパク質と特異的に免疫反応性であるポリペプチドが含まれる。ポリペプチドを適切な細胞株で発現させ、そして,例えば、トランスフェクトされたリンパ球における、適切な作用を測定することにより、改変ポリペプチドの生物学的特性が決定され得る。マイナーと考えられる特定のポリペプチドの改変には、IL−1Rファミリーについて、上で総括して記載したように、類似した化学特性を有するアミノ酸の保存的置換が含まれる。ポリペプチドをIL−1Rのポリペプチドと最適にアラインメントさせることにより、および本明細書に記載した従来のイムノアッセイを使用して免疫学的同一性を測定することにより、本発明のポリペプチド組成物を決定し得る。
【0117】
(VII.キットおよび定量)
本発明のIL−1R様分子の天然に存在する形態および組換え形態は共に、キットおよびアッセイ法において特に有用である。例えば、これらの方法もまた、結合活性(例えば、これらのタンパク質のリガンド)についてのスクリーニングに適用される。近年、いくつかの自動化アッセイ法が開発されており、1年当たり何万もの化合物のスクリーニングを可能にしている。例えば、BIOMEK自動化ワークステーション、Beckman Instruments,Palo Alto,California、およびFodorら、(1991)Science 251:767−773(これは、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。後者は、固体基質上に合成された複数の規定されたポリマーによる結合を試験する手段を記載している。リガンドまたはアゴニスト/アンタゴニスト相同性ポリペプチドのスクリーニングに適したアッセイの開発は、本発明により提供されるように、大量の精製可溶性IL−1Rが活性状態で入手可能なことにより、非常に容易にされ得る。
【0118】
前述のリガンドスクリーニング技術での使用のために、精製IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10はプレート上に直接コートされ得る。しかし、これらのポリペプチドに対する非中和抗体は、例えば、診断的な使用において、有用な固相上に各レセプターを固定化する捕獲抗体として使用され得る。
【0119】
本発明は、様々な診断用キットにおける、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10、そのフラグメント、ペプチド、およびそれらの融合産物の使用、ならびにタンパク質またはそのリガンドの存在を検出する方法もまた意図される。あるいは、またはさらに、この分子に対する抗体が、キットおよび方法に組み込まれ得る。代表的には、キットは、例えば、IL−1RD9ペプチドまたは遺伝子セグメント、あるいは一方もしくは他方を認識する試薬のいずれかを含む区画を有する。代表的には、ペプチドの場合、認識試薬はリガンドまたは抗体であり、あるいは遺伝子セグメントの場合には、通常、ハイブリダイゼーションプローブである。
【0120】
サンプル中のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の濃度の測定に好ましいキットは、代表的には、IL−1RD9に対する公知の結合親和性を有する標識化化合物(例えば、リガンドまたは抗体)、ポジティブコントロールとしてIL−1RD9の供給源(天然に存在する、または組換え体)、および遊離の標識化化合物から結合を分離する手段(例えば、試験サンプル中のIL−1RD9を固定化するための固相)を含む。試薬を含む区画、および説明書もまた、通常提供される。
【0121】
哺乳動物IL−1RD8またはペプチドフラグメントに特異的な抗体(抗原結合フラグメントを含む)、あるいはレセプターフラグメントは、上昇したレベルのリガンドおよび/またはそのフラグメントの存在を検出するための診断的な適用に有用である。診断アッセイは、均質性(遊離試薬と抗体−抗原複合体との間の分離工程を含まない)または異質性(分離工程を含む)であり得る。種々の市販のアッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素増幅イムノアッセイ技術(EMIT)、基質−標識化蛍光イムノアッセイ(SLFIA)など)が存在する。例えば、標識され、かつIL−1Rに対するまたはその特定のフラグメントに対する抗体を認識する二次抗体を使用することにより、非標識化抗体が使用され得る。これらのアッセイもまた、文献で広範囲に議論されている。例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,CSH.、ならびにColigan(編)(1991)および定期的な補遺、Current Protocols In Immunology Greene/Wiley,New Yorkを参照のこと。
【0122】
抗イディオタイプの抗体は、IL−1Rのアゴニストまたはアンタゴニストとして役立つ類似の使用法を有し得る。これらは、適切な状況下で治療用試薬として有用である。
【0123】
しばしば、診断アッセイのための試薬は、アッセイの感受性を最適化するために、キットに補充される。本発明について、アッセイの性質、プロトコル、および標識に依存して、標識化または非標識化抗体あるいは標識化リガンドのいずれかが提供される。これは、通常、緩衝剤、安定化剤、酵素の基質などのようなシグナルの産生に必要な材料などの他の添加物と組み合わされる。好ましくは、キットはまた、適切な使用および使用後の含有物の廃棄についての説明書もまた包含する。代表的には、キットは、有用な各試薬の区画を有し、そして適切な使用および試薬の廃棄についての説明書を含む。望ましくは、試薬は乾燥した凍結乾燥粉末として提供され、試薬は、アッセイを行うのに適した濃度を有する水性媒体中で再構成され得る。
【0124】
診断アッセイの上記の構成成分は、改変を行うことなく使用され得るか、または種々の方法において改変され得る。例えば、標識は、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分を共有結合または非共有結合することによって達成され得る。これらのアッセイのいずれにおいても、試験化合物であるIL−1Rまたはそれに対する抗体は、直接または間接のいずれかで標識され得る。直接標識についての可能性は、標識基:放射標識(例えば、125I)、酵素(米国特許第3,645,090号)(例えば、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼ、ならびに蛍光標識(米国特許第3,940,475号)(これは、蛍光強度における変化、波長シフト、または蛍光局在化をモニターし得る)を含む。これらの特許の両方を、本明細書において参考として援用する。間接標識についての可能性は、1つの構成成分のビオチン化、続いて上記の標識基の一つに結合したアビジンへの結合を含む。
【0125】
遊離のリガンドから結合したもの、あるいは遊離の試験化合物から結合したものを分離する多くの方法もまた存在する。IL−1Rは、種々のマトリクスに固定され得、続いて洗浄され得る。適切なマトリクスは、ELISAプレート、フィルター、およびビーズのようなプラスチックを含む。レセプターをマトリクスに固定する方法は、限定されることなく、プラスチックへの直接接着、捕捉抗体の使用、化学結合、およびビオチン−アビジンを含む。このアプローチの最後の工程は、いくつかの方法(これは、例えばポリエチレングリコールのような有機溶媒または硫酸アンモニウムのような塩を利用する方法を含む)のいずれかによる抗体/抗原複合体の沈殿を含む。他の適切な分離技術は、Rattleら(1984)Clin.Chem.30(9)1457−1461に記載される蛍光抗体磁性化粒子方法、および米国特許第4,659,678号に記載されるような二重抗体磁性粒子分離を含むが、これに限定されない。これらの各々は、本明細書において参考として援用される。
【0126】
種々の標識へ、タンパク質またはフラグメントを連結するための方法は、文献において広範に報告されており、そしてここでは詳細な議論を必要としない。これらの技術の多くは,ペプチド結合を形成するためのカルボジイミドまたは活性エステルの使用のいずれかを介した活性化カルボキシル基の使用、連結のために、活性化ハロゲン(例えば、クロロアセチル)または活性化オレフィン(例えば、マレイミド)を用いたメルカプト基の反応によるチオエーテルの形成などを含む。融合タンパク質もまた、これらの適用において使用が見出される。
【0127】
本発明の別の診断的局面は、IL−1Rの配列から採取したオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列の使用を含む。これらの配列は、免疫障害を有すると疑われる患者におけるそれぞれのIL−1Rのレベルを検出するためのプローブとして使用され得る。RNAおよびDNAヌクレオチド配列の両方の調製、配列の標識、および好ましいサイズの配列は、文献において、充分な記載および議論がなされている(receive)。通常、オリゴヌクレオチドプローブは、少なくとも約14ヌクレオチド、通常少なくとも約18ヌクレオチドを有するべきであり、そしてポリヌクレオチドプローブは数キロベースにまで及び得る。種々の標識、最も一般的には、放射性核種、特に32Pが使用され得る。しかし、他の技術もまた、使用され得る。例えば、ポリヌクレオチドへの導入のためのビオチン改変ヌクレオチドの使用である。次いで、ビオチンは、アビジンまたは抗体への結合のための部位として作用し、これは、広範で種々の標識(例えば、放射性核種、蛍光、酵素など)で標識され得る。あるいは、特定の二重鎖(DNA二重鎖、RNA二重鎖、DNA−RNAハイブリッド二重鎖、またはDNA−タンパク質二重鎖を含む)を認識し得る抗体が使用され得る。次いで抗体は、標識され得、そして二重鎖が表面に結合し、その結果、表面上の二重鎖の形成に際して二重鎖に結合した抗体の存在が検出され得るアッセイが、行われる。新規のアンチセンスRNAに対するプローブの使用は、任意の従来の技術(例えば、核酸ハイブリダイゼーション、プラスおよびマイナススクリーニング、組換えプロービング、ハイブリッド遊離翻訳(HRT)、およびハイブリッド拘束翻訳(HART))において行われ得る。これはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅技術を含む。
【0128】
他のマーカーの定性的存在または定量的存在についてもまた試験する診断キットもまた、意図される。診断または予後は、マーカーとして使用される多重指標の組合せに依存し得る。従って、キットはマーカーの組み合わせについて試験し得る。例えば、Vialletら、(1989)Progress in Growth Factor Res.1;89−97を参照のこと。
【0129】
(VIII.治療的有用性)
本発明は、有意な治療的価値を有する試薬を提供する。IL−1R(天然に存在するかまたは組換え)、そのフラグメント、ムテインレセプター、および抗体は、このレセプターまたは抗体に対する結合親和性を有するとして同定された化合物とともに、それらのリガンドのレセプターの異常な発現を示す条件の処理において有用であり得るはずである。このような異常性は、代表的には、免疫障害によって認められる。さらに、本発明は、リガンドへの応答の異常な発現または異常な誘発と関連する、種々の疾患または障害において治療的価値を提供するはずである。IL−1リガンドは、形態発生(例えば、背腹極性決定および免疫応答、特に初期の生得性応答)に関与することが示唆されている。例えば、Sunら(1991)Eur.J.Biochem.196:247−254;Hultmark(1994)Nature 367:116−117を参照のこと。
【0130】
組換えIL−1R、ムテイン、アゴニスト、またはアンタゴニスト、それらに対する抗体、あるいは抗体は精製され、次いで患者に投与され得る。これらの試薬は、さらなる活性成分とともに治療的使用のために、例えば、従来の薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤中で、生理的に無害な安定剤および賦形剤とともに合わされ得る。これらの組み合わせは、例えば、濾過により滅菌され得、そして投薬バイアル中における凍結乾燥によるような投薬形態または安定化した水性調製物中における保存物へと配置される。本発明はまた、相補的結合ではない抗体またはその結合フラグメントの使用を意図する。
【0131】
IL−1Rまたはそのフラグメントを用いたリガンドスクリーニングを行って、レセプターに対する結合親和性を有する分子を同定し得る。次いで、続く生物学的アッセイを利用して推定リガンドが競合的な結合(これは、内因性の刺激活性をブロックし得る)を提供し得るか否かを決定し得る。レセプターフラグメントは、これがリガンドの活性をブロックするという点で、ブロッカーまたはアンタゴニストとして使用され得る。同様に、内因性刺激活性を有する化合物は、レセプターを活性化し得、従って、それがリガンドの活性を刺激(例えば、シグナル伝達の誘発)するという点で、アゴニストである。本発明はさらに、IL−1Rに対する抗体のアンタゴニストとしての治療的使用を意図する。
【0132】
有効な治療に必要な試薬の量は、多くの異なる因子に依存し、これには、投与手段、標的部位、試薬の生理的寿命、薬学的寿命、患者の生理的状態、および投与される他の医薬が含まれる。従って、処置用量を、力価測定して、安全性および効力を最適化するべきである。代表的には、インビトロで使用される投薬量によって、これらの試薬のインサイチュでの投与のために有用な量における有用なガイダンスを提供し得る。特定の障害の処置についての有効用量の動物試験は、ヒトの投薬量の予測的な指標をさらに提供する。種々の考慮事項が以下に記載されている。例えば、Gilmanら(編)(1990)GoodmanおよびGilman:The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(1990)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennを参照のこと。これらは、各々が本明細書において参考として援用される。投与のための方法は、そこに議論されており、そして以下、例えば、経口、静脈内、腹腔内、または筋肉内投与、経皮拡散などである。薬学的に受容可能なキャリアには、水、生理食塩水、緩衝液および、例えば、Merck Index,Merck & Co.,Rahway,New Jerseyに記載された他の化合物などが挙げられる。推定リガンドとそのレセプターとの間の予想される高親和性結合またはターンオーバー数のために、まず、低用量のこれらの試薬が、初期的に有効であることが予想される。そして、シグナル伝達経路により、極めて少量のリガンドが効果を有し得ることが示唆される。従って、投薬量範囲は、通常、1mM濃度よりも低い量であり、代表的には、約10μM濃度より低く、通常、約100nMより低く、好ましくは約10pM(ピコモル濃度)より低く、そして最も好ましくは約1fM(フェムトモル濃度)より低い量で、適切なキャリアと共に存在することが予想される。徐放性処方物または徐放性装置が、しばしば、連続投与に利用される。
【0133】
IL−1R、そのフラグメント、および抗体またはそのフラグメント、アンタゴニストおよびアゴニストが、処置される宿主に直接投与され得るか、または化合物のサイズに依存して、オボアルブミンまたは血清アルブミンなどのキャリアタンパク質にそれらを結合させた後、投与されるのが望ましくあり得る。治療用処方物を、多くの従来の投薬量処方において投与し得る。有効成分を単独投与することは可能であるが、薬学的処方物として有効成分を提示させるのが好ましい。処方物は、上記に規定したような少なくとも一種の有効成分を、一種以上のその受容可能なキャリアと共に含む。各キャリアは、他の成分と適合性があり、患者にとって有害ではないという意味で、薬学的および生理学的の両方で受容可能でなければならない。処方物は、経口、直腸内、鼻腔内または非経口的(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与に適したものを含む。処方物は、都合良く、単位投薬量形態で存在し得、そして薬学分野において周知の方法により調製され得る。例えば、Gilman,ら(編)(1990年)Goodman and Gilman:The Pharmacological Bases of Therapeutics,第8版,Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences,第17版(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Penn.;Avisら(編、1993年)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker,NY;Liebermanら(編、1990年)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker,NY;およびLiebermanら(編、1990年)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker,NYを参照のこと。本発明の治療は、他の治療的薬剤(特に、他のIL−1ファミリーメンバーのアゴニストまたはアンタゴニスト)と組み合わせられ得るか、またはそれらに付随して使用され得る。
【0134】
(IX.リガンド)
本明細書におけるIL−1レセプターの説明は、上記のように、リガンドを同定する手段を提供する。このようなリガンドは、適度に高い親和性を有するそれぞれのレセプターと特異的に結合するはずである。代表的なリガンドレセプター結合定数は、少なくとも約30mM、例えば、一般に少なくとも約3mM、より一般には少なくとも約300μM、代表的には少なくとも約30μM、3μM、300nM、30nMなどである。種々の構築物が、利用可能となり、これによっていずれのレセプターの標識方法によってもそのリガンドを検出し得る。例えば、
IL−1Rの直接標識、すなわち二次標識のためのマーカー(例えば、FLAGまたは他のエピトープタグ等)を融合させることにより、レセプターの検出を可能にする。これは、生化学的精製のための親和性方法、または発現クローニングアプローチでの標識化もしくは選択のように、組織学的であり得る。2ハイブリッド選択系もまた、利用可能なIL−1R配列を有する適切な構築物の作製に応用され得る。例えば、FieldsおよびSong(1989)Nature 340:245−246を参照のこと。
【0135】
一般的に、IL−1Rの説明は、IL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10の試薬および組成物に関するそれぞれ特定の実施態様に同様に適用される。
【0136】
本発明の広い範囲は、以下の実施例を参照することにより最も良く理解されるが、これらは発明を特定の実施態様に限定することを意図するものではない。
【0137】
(実施例)
(I.一般的方法)
いくつかの標準的な方法は、例えば、Maniatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press;Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(第二版),第1−3巻、CSH Press,NY;Ausubelら,Biology,Greene Publishing Associates,Brooklyn,NY;またはAusubelら(1987および補遺)Current Protocols in Molecular Biology,Greene/Wiley,New Yorkに記載され、これらにおいて参照される。タンパク質の精製のための方法には、硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化等の方法が挙げられる。例えば、Ausubelら(1987および定期補遺);Coliganら(編、1996)および定期補遺、Current Protocols In Protein Science Greene/Wiley、New York;Deutscher(1990)「Guide to Protein Purification」Methods in Enzymology,第182巻およびこのシリーズの他の巻;およびタンパク質精製製品の使用に関する製造業者の文献(例えば、Pharmacia,Piscataway,N.J.またはBio−Rad,Richmond,CA)を参照のこと。組換え技術を併用する組換えにより、適切なセグメント(例えば、プロテアーゼ除去(protease−removable)配列を介して融合され得るFLAG配列または等価物)への融合を可能にする。例えば、Hochuli(1989)Chemische Industrie 12:69−70;Hochuli(1990)「Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent」Setlow(編)Genetic Engineering,Principle and Methods 12:87−98,Plenum Press,N.Y.;およびCroweら(1992)QIAexpress:The High Level Expression & Protein Purification System QUIAGEN,Inc.,Chatsworth,CAを参照のこと。
【0138】
コンピューター配列分析を、例えば、利用可能なソフトウエアプログラム(GCG(U.Wisconsin)およびGenBank供給源からのプログラムを含む)を使用して行う。例えば、GenBank、NCBI、SWISSPROTなどの公の配列データベースもまた使用した。
【0139】
IL−10レセプターに適用可能な多くの技術を、例えば、USSN 08/110,683(IL−10レセプター)に記載のように、IL−1Rに適用し得る。これは、あらゆる目的のため、本明細書中に参照として援用される。また。記載された多くの技術はIL−1RD9試薬に関するが、代表的には、対応する方法が、IL−1RD8、およびIL−1RD10試薬とともに利用可能である。1997年11月17日に出願されたUSSN 60/065,776、および1998年3月12日に出願されたUSSN 60/078,008(両方とも本明細書に参考として援用される)もまた参照のこと。
【0140】
(II.コンピューターを利用した分析)
IL−1Rに関するヒト配列を、例えば、BLASTサーバー(Altschulら(1994) Nature Genet.6:119−129)を用いる種々のESTデータベースから同定した。より高感度のパターンおよびプロファイルを基礎にした方法(BorkおよびGibson(1996) Meth.Enzymol.266:162−184)を用いて、IL−1Rに対して特定の相同性を示した遺伝子のフラグメントを同定した。
【0141】
(III.完全長ヒトIL−1R cDNAのクローニング)
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10配列由来のPCRプライマーを用いて(Nomuraら(1994)DNA Res.1:27−35)、適切なヒトcDNAライブラリーをプローブし、完全長IL−1RD9またはIL−1RD10 cDNA配列を得るか、またはヒト赤白血病TF−1細胞株由来のcDNAライブラリー(Kitamuraら、(1989) Blood 73:375−380)をプローブし、IL−1R8 cDNA配列を得る。ヒトIL−1RD9に対する完全長cDNAを、例えば、λgt10ファージのDNAハイブリダイゼーションスクリーニングによりクローン化する。PCR反応は、適切な条件下で、T.aquaticus Taqplus DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いて行った。
【0142】
(IV.IL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10 mRNAの局在化)
レーンあたり約2μgのポリ(A)+RNAを含む、ヒト複数組織(カタログ番号1、2)および癌細胞株ブロット(カタログ番号7757−1)をClontech(Palo Alto、CA)から購入する。プローブを、[α−32P]dATPで、例えば、Amersham Rediprimeランダムプライマー標識キット(RPN1633)を用いて放射能標識する。プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを、65#Cで0.5M Na2HPO4、7%SDS、0.5M EDTA(pH8.0)中で実施する。高ストリンジェンシー洗浄を、例えば、65#Cで、2×SSC、0.1%SDS中、40分間の2回の初期洗浄、次の0.1×SSC、0.1%SDS中、20分間の続く洗浄を用いて行う。次いでメンブレンを、増強スクリーンの存在下、−70#CでX線フィルム(Kodak)に感光させる。cDNAライブラリーサザンによるより詳細な研究を、選択されたヒトIL−1RD9クローンを用いて実施し、造血またはその他の細胞サブセットにおけるそれらの発現を調べる。
【0143】
複数の整列された配列における保存および変動のパターンを利用する2つの予測アルゴリズムPHD(RostおよびSander(1994) Proteins 19:55−72)およびDSC(KingおよびSternberg(1996) Protein Sci.5:2298−2310)を用いる。
【0144】
あるいは、2つの適切なプライマーを、表1、2または3から選択する。RT−PCRを、cDNAを産生するためのメッセージの存在について選択された適切なmRNA試料(例えば、遺伝子を発現する試料)に対して用いる。
【0145】
完全長クローンは、PCRシグナルにより、予備選択された適切な組織由来のcDNAライブラリーのハイブリダイゼーションにより単離され得る。ノーザンブロットが実施され得る。
【0146】
例えば、IL−1RD9をコードする遺伝子に対するメッセージは、適切な技術、例えば、PCR、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーション、またはその他によりアッセイされる。例えば、Clontech、Mountain View、CAから、組織および器官cDNA調製物が利用可能である。記載のように、天然発現の供給源の同定が有用である。そして機能的レセプターサブユニットペアリングの同定は、どの細胞が、IL−1リガンドの各々に対し生理学的応答性を生じるレセプターサブユニットの組み合わせを発現するかの予測を可能にする。
【0147】
IL−1RD9に対するメッセージは、それが利用可能な配列データベース中にある程度の頻度で見出されないように、極めて稀である。このことは、例えば、非常に稀なメッセージ、または高度に限定された分布を示唆する。IL−1R9は、T細胞、NK細胞、単球、および樹状細胞上に優勢に発現される。
【0148】
cDNAライブラリーに対するサザン分析が実施され得る:一次増幅されたcDNAライブラリーからのDNA(5μg)を、適切な制限酵素で消化して挿入片を放出し、1%アガロースゲル上で泳動し、そしてナイロンメンブレン(SchleicherおよびSchuell、Keene、NH)に移す。
【0149】
ヒトmRNA単離のための試料は、例えば以下を含み得る:末梢血単核細胞(単球、T細胞、NK細胞、顆粒球、B細胞)、休止(T100);2、6、12時間抗CD3で活性化されプールされた末梢血単核細胞(T101);T細胞、TH0クローンMot72、休止(T102);3、6、12時間抗CD28および抗CD3で活性化されプールされたT細胞、TH0クローンMot72(T103);2、7、12時間特異的ペプチドでアネルギー処理されプールされたT細胞、TH0クローンMot72(T104);T細胞、TH1クローンHY06、休止(T107);3、6、12時間抗CD28および抗CD3で活性化されプールされたT細胞、TH1クローンHY06(T108);2、6、12時間特異的ペプチドでアネルギー処理されプールされたT細胞、TH1クローンHY06(T109);T細胞、TH2クローンHY935、休止(T110);2、7、12時間抗CD28および抗CD3で活性化されプールされたT細胞、TH2クローンHY935(T111);T細胞CD4+CD45RO(抗CD28、IL−4、および抗IFN−γ中で27日極性化したT細胞)、抗CD3および抗CD28で4時間極性化し活性化したTH2(T116);T細胞腫瘍株JurkatおよびHut78、休止(T117);T細胞クローン、プールされたAD130.2、Tc783.12、Tc783.13、Tc783.58、Tc782.69、休止(T118);T細胞ランダムγδT細胞クローン、休止(T119);脾細胞、休止(B100);抗CD40およびIL−4で活性化された脾細胞(B101);プールされたB細胞EBV株WT49、RSB、JY、CVIR、721.221、RM3、HSY、休止(B102);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされたB細胞株JY;プールされたNK20クローン、休止(K100);6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされたNK20クローン(K101);IL−2処理された、LGL白血病患者の末梢血由来のNKLクローン(K106);NK細胞傷害性クローン640−A30−1、休止(K107);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされた造血前駆体株TF1(C100);U937前単球株、休止(M100);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性されプールされたU937前単球株(M101);1、2、6、12、24時間LPS、IFNγ、抗IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M102);1、2、6、12、24時間LPS、IFNγ、IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M103);4、16時間LPS、IFNγ、抗IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M106);4、16時間LPS、IFNγ、IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M107);1時間LPSで活性化された溶出単球(M108);6時間LPSで活性化された溶出単球(M109);CD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 70% CD1a+、休止(D101);1時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 70% CD1a+(D102);6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 70% CD1a+(D103);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされ、FACSソートされたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 95% CD1a+(D104);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされ、FACSソートされたexCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 95% CD14+(D105);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされ、FACSソートされたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC CD1a+ CD86+(D106);単球GM−CSFからのDC、IL−4 5日、休止(D107);単球GM−CSFからのDC、IL−4 5日、休止(D108);4、16時間LPSで活性化されプールされた単球GM−CSF、IL−4 5日からのDC、休止(D109);4、16時間TNFα、単球上清(supe)で活性化されプールされた単球GM−CSF、IL−4 5日からのDC(D110);平滑筋腫L11良性腫瘍(X101);正常子宮筋層M5(O115);悪性平滑筋肉腫GS1(X103);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされた肺線維芽細胞株MRC5(C101);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされた腎臓上皮癌腫細胞株CHA(C102);胎児腎臓28週雄(O100);胎児肺28週雄(O101);胎児肝臓28週雄(O102);胎児心臓28週雄(O103);胎児脳28週雄(O104);胎児胆嚢28週雄(O106);胎児小腸28週雄(O107);胎児脂肪組織28週雄(O108);胎児卵巣25週雌(O109);胎児子宮25週雌(O110);胎児精巣組織28週雄(O111);胎児脾臓組織28週雄(O112);成人胎盤28週(O113);および12才からの炎症扁桃(×100);乾癬ヒト皮膚試料;正常ヒト皮膚試料;慢性関節リウマチヒトのプール;橋本甲状腺炎;正常ヒト甲状腺;潰瘍性大腸炎ヒト結腸;正常ヒト結腸;正常重量サル結腸;ニューモシスティス肺炎肺;アレルギー肺;ヘビースモーカーヒト肺の3つのプール;正常ヒト肺の2つのプール;回虫属抗原投与サル肺、24時間;回虫属抗原投与サル肺、4時間;正常重量サル肺。
【0150】
IL−1RD8メッセージを、以下の表5に記載する。組織の発生段階とメッセージのレベルとの間に相関があるようである:ここでメッセージレベルは、胎児および形質転換された組織は、高いレベルで発現するが、正常および成体組織は、低レベルで発現する(骨格筋を除外して)。この現象内のさらなる見識は、さらなる実験を必要とする。
【0151】
IL−1RD8をコードしている遺伝子についてのメッセージを、適切な技術(例えば、PCR、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーションなど)によりアッセイする。組織および器官のcDNA調製物は、例えば、Clontech,Mountain View,CAから入手可能である。天然の発現の起源の同定は、記載したように有用である。そして、機能的レセプターサブユニット対合の同定は、各IL−1リガンドに生理的な応答性を生じるレセプターサブユニットの組み合わせをどの細胞が発現するかの予測を可能にする。
【0152】
【表5】
(V.IL−1RDの種相対物のクローニング)
種々の戦略を用いて、IL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10の種相対物を、好ましくは他の霊長類から得る。方法の一つは、密接に関連した種のDNAプローブを使用するクロスハイブリダイゼーションによる。中間段階として、進化的に類似した種を検討するのは有用であり得る。別の方法は、遺伝子間の類似性または相異性のブロック(例えば、高度に保存されたポリペプチド配列またはヌクレオチド配列の領域、あるいは保存されていないポリペプチド配列またはヌクレオチド配列の領域)の同定に基いた特異的PCRプライマーを用いることによる。さらに、遺伝子配列データベースを、別の種由来の関連した配列についてスクリーニングし得る。
【0153】
(VI.哺乳動物IL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10タンパク質の生成)
適切な(例えば、GST)融合構築物を、例えば、E.coliで発現させるために操作する。例えば、マウスIGIF pGexプラスミドを構築し、そしてE.coliに形質転換する。新たに形質転換した細胞を、例えば、50μg/mlアンピシリン含有LB培地で増殖させ、そしてIPTG(Sigma,St.Louis,MO)で誘導する。一晩の誘導後、細菌を収集し、そして例えば、IL−1RD8ポリペプチドを含むペレットを単離する。ペレットを、例えば、TE緩衝液(50mM Tris塩基(pH8.0)、10mM EDTAおよび2mMペファブロック(pefabloc))2リットル中でホモジナイズする。この物質を微量流動化装置(microfluidizer)(Microfluidics,Newton,MA)を三回通過させる。流動化上清を、Sorvall GS−3ローターにより13,000rpmで1時間スピンダウンさせる。得られたIL−1Rポリペプチド含有上清を濾過し、そして50mM Tris塩基(pH8.0)で平衡化したグルタチオン−SEPHAROSEカラムに通す。IL−1RD9−GST融合タンパク質を含む画分をプールし、そして例えば、トロンビン(Enzyme Research Laboratories,Inc., South Bend,IN)で切断する。次に、切断したプールを、50mM Tris塩基で平衡化したQ−SEPHAROSEカラムに通す。IL−1RD9を含む画分をプールし、そして冷却した蒸留H2Oで希釈して伝導率を低下させ、そして新鮮なQ−Sepharoseカラムのみに、または続いて免疫アフィニティー抗体カラムに戻して通した。IL−1RD9ポリペプチドを含む画分をプールし、アリコートにし、そして−70℃の冷凍庫で保存する。
【0154】
IL−1RポリペプチドとのCDスペクトルの比較により、タンパク質が正確に折り畳まれていることが示唆され得る。Hazudaら(1969)J.Biol.Chem.264:1689〜1693を参照。
【0155】
(VII.レセプターの生理学的形態の決定)
IL−1αおよびIL−1βリガンドは、一次レセプターとしてIL−1RD1に結合し、次に、この複合体は、IL−1RD3と高親和性レセプター複合体を形成する。そのようなレセプターサブユニットは、おそらく新規のIL−1リガンドファミリーのメンバーに関するレセプターにより共有される。例えば、USSN60/044,165およびUSSN60/055,111を参照のこと。IL−1RD9(αサブユニット型、配列分析に基く)の結合は、IL−1RD5(βサブユニット型、配列分析に基く)と結合してヘテロ2量体レセプターを形成する。IL−1δリガンドおよびIL−1εリガンドは、各々おそらく、IL−1RD3、IL−1RD8、またはIL−1RD10(β成分)と、IL−1RD4、IL−1RD6、またはIL−1RD9(α成分)との会合を含むレセプターを介して信号伝達する。
【0156】
これらの定義されたサブユニットの組み合わせを、ここで、提供された試薬を用いて試験し得る。特に、適切な構築物を、細胞へのサブユニットの形質転換またはトランスフェクションのために作製し得る。α鎖に関する構築物(例えば、IL−1RD1、IL−1RD4、IL−1RD6、およびIL−1RD9型を作製し得る。同様に、βサブユニットに関しては、IL−1RD3、IL−1RD5、IL−1RD7、およびIL−1RD8である。構造的に、IL−1RD10は、IL−1RD8と最も類似し、このことは、IL−1RD10が、βレセプターサブユニットでもあり得ることを示唆する。形質転換と組み合わせたトランスフェクションは、各IL−1リガンドへの応答に関して試験され得る規定されたサブユニットを発現する細胞を作製し得る。適切な細胞型(例えば、293T細胞、Jurkat細胞)は、例えば、核κB(NFκb)制御ルシフェラーゼレポーター構築物(例えば、Otienoら(1997)Am J Physiol 273〜XXX)に記載しているとともに使用され得る。
【0157】
このような種々のIL−1リガンドとレセプターとの組み合わせを、NFκb制御ルシフェラーゼレポーター構築物が、機能的信号伝達複合体の形成(+)を示す、または機能的信号伝達複合体を形成できない(−)ことを示すことを用いて、機能的な信号伝達複合体が形成されたかどうかを決定するために試験した。結果を、以下に示す:
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD3=+;
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD5=+;
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD8=+;
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD10(おそらく)=+/?。
この結果は、IL−1RD3、IL−1RD5、IL−1RD8、およびIL−1RD10が、IL−1α+IL−1β+IL−1RD1と組み合わせた場合、互いに他と機能的に置換され得ることを示唆する。
【0158】
他の組み合わせ(以下)は、機能的置換ができないことを示し;置換に対する前後関係上の依存性の重要性を示唆する(例えば、IL−1RD3およびIL−1RD8は、IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD5の組み合わせではIL−1RD5を機能的に置換され得ない)。
IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD5=+;
IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD3=−;
IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD8=−;
さらなるシリーズの実験では、マウス(m)およびヒト(h)のホモログが互いに機能的に置換する能力を試験した。結果を、以下に示す:
mIL−1γ+mIL−1RD5+mIL−1RD9=+;
mIL−1γ+mIL−1RD5+hIL−1RD9=−;
mIL−1γ+hIL−1RD5+hIL−1RD9=−;
mIL−1γ+hIL−1RD5+mIL−1RD9=−;
hIL−1γ+mIL−1RD5+mIL−1RD9=−;
hIL−1γ+mIL−1RD5+hIL−1RD9=−;
hIL−1γ+hIL−1RD5+mIL−1RD9=−;
hIL−1γ+hIL−1RD5+hIL−1RD9=+;
この結果は、種の同質性が、リガンドおよびレセプター単位のこの特定の型における機能的複合体を形成するために必要とされることを示唆する。
【0159】
一般的に生物学的アッセイは、タンパク質のリガンド結合の特徴、またはレセプターのキナーゼ/ホスファターゼ活性に関する。ホスファターゼまたはホスホリラーゼ活性を媒介する多数の他の酵素の作用と同様に、活性は、代表的に可逆であり、その活性は、標準の手順により容易に測定される。例えば、Hardieら編(1995)The Protein Kinase Factbook、I巻およびII巻、Academic Press、San Diego、CA;Hanksら(1991)Meth.Enzymol.200:38〜62;Hunterら(1992)Cell 70:375〜388;Lewin(1990)Cell 61:743〜752;Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp.Ouant.Biol.56:449〜463;およびParkerら(1993)Nature 363:736〜738を参照のこと。
【0160】
インターロイキン1ファミリーは、分子を含み、その分子のそれぞれは、炎症性疾患の重要なメディエーターである。包括的な総説に関して、Dinarello(1996)「Biologic basis for interleukin−1 in disease」Blood 87:2095〜2147を参照のこと。種々のIL−1リガンドが、疾患、特に、炎症性応答の開始において重要な役割を果たし得ることの示唆がある。IL−1ファミリーに関連した新規のポリペプチドの知見は、疾患の開始の分子的基礎を提供し、そして範囲および効力が増加した治療の戦略の開始を可能にする、分子の同定を進める。
【0161】
(VIII.IL−1Rに特異的な抗体の調製)
近交系Balb/cマウスに、組換え形態のポリペプチド(例えば、精製したIL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10または安定にトランスフェクトしたNIH−3T3細胞を腹腔内免疫する。動物を、適切な時点で、タンパク質(付加的なアジュバントを含むか、または含まない)で追加免疫し、抗体の産生をさらに刺激する。血清を収集するか、またはハイブリドーマを、収集した脾臓で生成する。
【0162】
あるいは、Balb/cマウスを、遺伝子もしくはそのフラグメントで形質転換した細胞(内因性または外因性細胞のいずれか)で免疫するか、または抗原の発現を富化した単離された膜で免疫する。血清を適切な時点で、代表的には多くのさらなる投与後に収集する。種々の遺伝子治療技術は、例えば、免疫応答を生じるためのインサイチュでのタンパク質産生において有用であり得る。
【0163】
モノクローナル抗体を作製し得る。例えば、脾細胞を、適切な融合パートナーと融合し、そしてハイブリドーマを標準手順により増殖培地で選択する。ハイブリドーマの上清を、所望のIL−1Rに結合する抗体の存在について、例えば、ELISAまたは他のアッセイによりスクリーニングする。特定のIL−1Rの実施態様を選択的に認識する抗体もまた、選択または調製され得る。
【0164】
別の方法において、合成ペプチドまたは精製タンパク質を免疫系に提示し、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を生成する。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Immunology, Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。適切な状況において、結合試薬を上記のように(例えば、蛍光または他の方法で)標識するか、またはパンニング法のための基質に固定化するかのいずれかである。核酸はまた、動物の細胞に導入されて抗原(これは、免疫応答を誘発するのに役立つ)を産生し得る。例えば、Wangら(1993)Proc.Nat’l.Acad.Sci.90:4156〜4160;Barryら(1994)BioTechniques 16:616〜619;およびXiangら(1995)Immunity 2:129〜135を参照のこと。
【0165】
さらに、機能的βサブユニットとIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10との組み合わせを決定するために有用であり得る抗体を産生し得る。従って、例えば、特定の機能的α/βの組み合わせに特有のエピトープを、適切な抗体を用いて同定し得る。
【0166】
(IX.IL−1Rを有する融合タンパク質の生成)
様々な融合構築物を、IL−1Rを用いて作製する。適切な遺伝子の一部を、エピトープタグ(例えば、FLAGタグ)、またはツーハイブリッドシステム構築物に融合する。例えば、FieldsおよびSong(1989)Nature 340:245〜246を参照。
【0167】
エピトープタグを、結合パートナー(例えば、それぞれのIL−1Rについてのリガンド)を検出する抗FLAG抗体での検出を用いる発現クローニング手順に使用し得る。ツーハイブリッドシステムはまた、例えば、IL−1RD9に特異的に結合するタンパク質を単離するために使用され得る。
【0168】
(X.構造と活性との関係)
特定の残基の重要性に関する情報を、標準的手順および分析を使用して決定する。標準的変異誘発分析を、例えば、所定の位置(上記で同定した位置で)多くの異なる改変体を生成することにより、および改変体の生物学的活性を評価することにより行う。これを、活性を改変する位置を決定する程度まで、または生物学的活性を保持、ブロック、もしくは調節のいずれかをするために置換され得る残基を決定するために特定の位置に焦点をあてるまで実施し得る。
【0169】
あるいは、天然の改変体の分析は、どの位置が天然の変異に寛容かを示し得る。これは、個体間、または株間もしくは種間の変化の集団分析から生じ得る。選択した個体からの試料を、例えば、PCR分析および配列決定により分析する。これにより、集団多型の評価が可能になる。
【0170】
(XI.IL−1Rについてのリガンドの単離)
IL−1Rを、特異的結合試薬として使用し、抗体が使用されるのとほぼ同様に、その結合特異性を利用することにより、その結合パートナーを同定し得る。代表的に、結合レセプターは、レセプターサブユニットのヘテロ二量体である。結合試薬は、上記のように(例えば、蛍光または他の方法で)標識するか、またはパンニング方法のための基質に固定化するかのいずれかである。
【0171】
結合組成物を使用して、結合パートナー(すなわち、好ましくは膜と会合した、リガンド)を発現する細胞株から作製した発現ライブラリーのスクリーニングを行う。標準的染色技術を使用して、表面に発現されるリガンドを検出または選別するか、あるいは表面に発現する形質転換細胞をパンニングによりスクリーニングする。細胞内発現のスクリーニングを、種々の染色または免疫蛍光手順により行う。McMahanら(1991)EMBO J.10:2821〜2832もまた参照のこと。
【0172】
例えば、0日目に、2チャンバーパーマノックス(permanox)スライドを、チャンバーあたり1mlのフィブロネクチン(PBS中10ng/ml)で、室温にて30分間、予め被覆する。PBSで1回リンスする。次に、COS細胞を、1.5mlの増殖培地中、2〜3×105細胞/チャンバーでプレーティングする。37℃で一晩インキュベートする。
【0173】
各試料について、1日目に、無血清DME中の66μg/ml DEAE−デキストラン、66μMクロロキン、および4μg DNAの溶液0.5mlを調製する。各セットについて、例えば、1および1/200希釈のIL−1R−FLAG cDNAの陽性コントロール、ならびに陰性モックを調製する。細胞を無血清DMEでリンスする。DNA溶液を添加し、そして37℃で5時間インキュベートする。培地を除去し、そしてDME中の10%DMSOの0.5mlを2.5分間添加する。これを除去し、DMEで一度洗浄する。1.5mlの増殖培地を添加し、そして一晩インキュベートする。
【0174】
2日目、培地を交換する。3または4日目、細胞を固定し、そして染色する。細胞をHank緩衝化生理食塩水溶液(Hank’s Buffered Saline Solution)(HBSS)で二回リンスし、そして4%パラホルムアルデヒド(PFA)/グルコースで5分間固定する。HBSSで3回洗浄する。すべての液体を除去した後、スライドを−80℃で保存し得る。各チャンバーについて、0.5mlインキュベーションを以下のように行う。32μl/mlの1M NaN3を含むHBSS/サポニン(0.1%)を、20分間添加する。次に、細胞をHBSS/サポニンで1回洗浄する。適切なIL−1RまたはIL−1R/抗体複合体を細胞に添加し、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSS/サポニンで二回洗浄する。適切な場合、第1の抗体を30分間添加する。第2の抗体、例えば、ベクター抗マウス抗体を1/200希釈で添加し、そして30分間インキュベートする。ELISA溶液(例えば、Vector Elite ABC西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液)を調製し、そして30分間プレインキュベートする。例えば、HBSS/サポニン2.5ml当たり、溶液A(アビジン)1滴および溶液B(ビオチン)1滴を使用する。細胞をHBSS/サポニンで二回洗浄する。ABC HRP溶液を添加し、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSSで二回洗浄し、二回目の洗浄を2分間行い、これは細胞を閉鎖する。次いで、Vectorジアミノ安息香酸(DAB)を5〜10分間添加する。ガラス蒸留水5ml当たり、緩衝液2滴に加えてDAB 4滴およびH2O2 2滴を使用する。チャンバーを注意深く除去し、そしてスライドを水中でリンスする。数分間、風乾し、次いでCrystal Mount1滴を添加し、そしてカバースリップを加える。85〜90℃で5分間焼く。
【0175】
プールの陽性染色を評価し、そして結合の原因となる単一遺伝子を単離するまで漸次サブクローニングする。
【0176】
あるいは、IL−1R試薬を使用し、推定リガンドを発現する細胞をアフィニティー精製するか、または選別する。例えば、Sambrookら、またはAusubelらを参照のこと。
【0177】
別の戦略は、パンニングにより膜結合型レセプターについてスクリーニングすることである。レセプターcDNAを、上記のように構築する。リガンドを、固定化し、使用して、発現細胞を固定化し得る。固定化は、例えば、IL−1R融合構築物のFLAG配列を認識する適切な抗体を使用するか、または第1の抗体に対して惹起された抗体を使用することにより達成され得る。選択および増幅を反復して繰り返すことにより、適切なクローンが富化され、最終的に、レセプターを発現するクローンが単離される。
【0178】
ファージ発現ライブラリーを、哺乳動物IL−1Rによりスクリーニングし得る。適切な標識技術、例えば、抗FLAG抗体は、適切なクローンの特異的な標識を可能にする。
【0179】
当業者にとって明白なように、本発明の多くの改変および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行なわれ得る。本明細書中に記載される特定の実施態様は、例示として提供するだけであり、そして本発明は、このような特許請求の範囲が権利を付与される等価物の全範囲を伴う添付の特許請求の範囲の用語により制限される;そして本発明は本明細書に実施例として提示した特定の実施態様により制限されない。
(発明の分野)
本発明は、例えば、形態形成または免疫系機能を含む哺乳動物の生理学に影響を及ぼす組成物および方法に関する。特に、本発明は、関連する試薬および方法とともに、例えば、発生および/または免疫系を調節する核酸、タンパク質、および抗体を提供する。これらの物質の診断および治療での使用もまた、開示される。
【0002】
(発明の背景)
組換えDNA技術は、一般に、宿主への導入を介するような、あとに続くプロセシングのための、ドナー供給源からの遺伝情報をベクター中へ組込む技術(これにより、移行された遺伝情報は、コピーされ、そして/または新たな環境で発現される)をいう。一般的に、遺伝情報は、所望のポリペプチド産物をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)由来の相補的DNA(cDNA)の形態で存在する。キャリアはしばしば、宿主での後の複製および/または発現のためにcDNAを組込み、いくつかの場合には実際にcDNAの発現を制御し、それにより宿主においてコードされる産物の合成を指向する能力を有するプラスミドである。
【0003】
かねてから、哺乳動物免疫応答は、一連の複雑な細胞性の相互作用(「免疫ネットワーク」と呼ばれる)に基づくことが知られている。近年の研究は、このネットワークの内部の仕組みについて、新たな洞察を提供した。実際に、免疫応答の多くがリンパ球、マクロファージ、顆粒球、および他の細胞のネットワーク様の相互作用に向けられていることが、明らかなままであるが、免疫学者は、現在、一般的に、リンホカイン、サイトカイン、またはモノカインとして知られる可溶性タンパク質が、これらの細胞性の相互作用の制御において重要な役割を果たすという見解を有している。従って、かなりの興味が、細胞調節性因子の単離、特徴づけ、および作用機構について存在し、この理解は、多くの医学的な異常(例えば、免疫系障害)の診断および治療において、顕著な利点をもたらす。
【0004】
リンホカインは、明らかに種々の方法で、細胞の活性を媒介する。多能性の造血幹細胞が、非常に多くの前駆体(複雑な免疫系を構成する多様な細胞系統を含む)への増殖、発達、および/または分化を補助することが、示されている。細胞構成成分間の、適切かつバランスのとれた相互作用は、健常な免疫応答のために必要である。異なる細胞系統は、リンホカインが他の薬剤とともに投与される場合、しばしば異なる様式で応答する。
【0005】
細胞系統は、2つのクラスのリンパ球を含む免疫応答にとって特に重要である:免疫グロブリン(外来物質を認識し、そしてそれと結合する能力を有し、外来物質の除去を行う能力を有するタンパク質)を産生および分泌し得るB細胞、ならびにリンホカインを分泌し、そしてB細胞および種々の他の細胞(他のT細胞を含む)を誘導または抑制し、免疫ネットワークを構成する、種々のサブセットのT細胞。これらのリンパ球は、多くの他の細胞型と相互作用する。
【0006】
別の重要な細胞系統は、肥満細胞(これは、すべての哺乳動物種において、陽性であるとして同定されてはいない)であり、これは顆粒含有性の結合組織細胞であり、全身にわたり毛細血管の近位に位置する。これらの細胞は、肺、皮膚、ならびに胃腸管および尿生殖路において、特に高濃度で見出される。肥満細胞は、アレルギー関連障害、特に以下のようなアナフィラキシーにおいて、中心的役割を果たす:選択された抗原が肥満細胞の表面のレセプターに結合した1つのクラスの免疫グロブリンを架橋する場合、肥満細胞は、脱顆粒し、メディエータ(例えば、ヒスタミン、セトロニン、へパリン、およびプロスタグランジン)を放出し、これらがアレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)を起こす。
【0007】
種々の免疫障害をより良く理解し、そして処置するための研究は、一般的にインビトロで免疫系の細胞を維持するのが不可能なために、妨げられてきた。免疫学者は、多くのこれらの細胞の培養は、T細胞および他の細胞の上清(多くのリンホカインを含む種々の増殖因子を含む)を用いることにより達成され得ることを見出した。
【0008】
タンパク質のインターロイキン−1ファミリーは、IL−1α、IL−1β、IL−1RAを含みそして近年IL−1γを含む(インターフェロンγ誘導因子、IGIFとも、命名される)。遺伝子のこの関連するファミリーは、広範囲の生物学的機能と結びつけられてきた。Dinarello(1994) FASEB J.8:1314−1325:Dinarello (1991) Blood 77:1627−1652;およびOkamuraら、(1995) Nature 378:88−91を参照のこと。
【0009】
前述より、新規の可溶性タンパク質およびそのレセプター(リンホカインに類似のものを含む)の発見および開発が、新規治療法に寄与するのが当然であることは、明らかである。多くの変性状態または異常状態は、(例えば、免疫系および/または造血細胞の)発生、分化または機能に直接的または間接的に関与する。具体的には、他のリンホカインの有益な活性を亢進または増強するリンホカイン様分子についての新規レセプターの発見および理解が、高度に有利である。本発明は、インターロイキン−1様組成物に対する類似性を示すリガンドについての新規レセプター、および関連する化合物、ならびにこれらの使用方法を提供する。
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、IL−1レセプターに関連する新規の哺乳動物レセプターおよびその生物学的活性に関する。これらのレセプター、例えば、霊長類または齧歯類のレセプターは、IL−1レセプター様分子構造、IL−1 レセプターDNAX名称8(IL−1RD8)、IL−1レセプターDNAX名称9(IL−1RD9)およびIL−1レセプターDNAX名称10(IL−1RD10)と称される。本発明は、ポリペプチド自体をコードする核酸ならびにそれらの生成方法および使用方法を含む。本発明の核酸は、部分的に、本明細書に含まれるクローン化された相補的DNA(cDNA)配列に対するその相同性によって特徴付けられる。
【0011】
特定の実施態様において、本発明は、下記の群より選択される物質の組成物を提供する:配列番号2または4の少なくとも12の連続するアミノ酸のセグメントを含む、単離されたまたは組換えIL−1RD8ポリペプチド;配列番号2または4を含む天然配列IL−1RD8ポリペプチド;IL−1RD8配列を含む融合タンパク質;配列番号6,8,10,12,14または16の少なくとも12の連続するアミノ酸を含む、単離されたまたは組換えIL−1RD9ポリペプチド;配列番号6,8,10,12,14または16を含む天然配列IL−1RD9;IL−1RD9配列を含む融合タンパク質;配列番号18または20の少なくとも12の連続するアミノ酸を含む、単離されたまたは組換えIL−1RD10ポリペプチド;配列番号18または20を含む天然配列IL−1RD10;およびIL−1RD10配列を含む融合タンパク質。種々の実施態様において、組換えまたは単離されたポリペプチドは、記載されるようなIL−1RD8の対応する部分と同一のセグメントを含み、ここで、連続するアミノ酸残基数は、少なくとも17アミノ酸;少なくとも21アミノ酸;もしくは少なくとも25アミノ酸であるか;または記載されるようなIL−1RD9の対応する部分と同一のセグメントを含み、ここで、連続するアミノ酸残基と同一の数は、少なくとも17アミノ酸;少なくとも21アミノ酸;もしくは少なくとも25アミノ酸であるか;または記載されるようなIL−1RD10のセグメントを含み、ここで、連続するアミノ酸残基と同一の数は、少なくとも17アミノ酸;少なくとも21アミノ酸;もしくは少なくとも25アミノ酸である。
【0012】
ポリペプチド実施態様において、本発明は、組成物を提供し、ここでIL−1RD8は、配列番号2または4に示す成熟配列を含み;配列番号6,8,10,12,14または16に示す成熟配列を含むIL−1RD9;配列番号18または20に示す成熟配列を含むIL−1RD10;あるいはIL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10ポリペプチドは、温血動物(例えば、ヒトのような霊長類)由来であり;配列番号2,4、6,8,10,12,14、16、18または20の少なくとも1つのポリペプチドセグメントを含み;特定の配列同定因子に同一セグメントを有する複数の部分を示し;霊長類IL−1RD8の天然対立遺伝子改変体であり;霊長類または齧歯類IL−1RD9;または霊長類IL−1RD10は;少なくとも約30アミノ酸の長さを有し;霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9または霊長類IL−1RD10に特異的である少なくとも2つの重複しないエピトープを示し;霊長類IL−1RD8、霊長類もしくは齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10に対して、少なくとも20アミノ酸の長さにわたって配列同一性を示し;天然のグリコシル化を伴う、少なくとも100kDの分子量を有し;合成ポリペプチドであり;固体基材に結合しており;別の化学部分と結合体化しており;天然の配列からの5倍以下の置換であり;あるいは天然の配列からの欠失または挿入改変体である。特定の好ましい実施態様は、以下の組成物を含む:滅菌IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10のポリペプチドを含み;またはIL−1RD8、IL−1RD9もしくはIL−1RD10ポリペプチドおよびキャリアを含む、ここでこのキャリアは、水性化合物(水、生理食塩水および/または緩衝液を含む)であり;ならびに/あるいは経口、直腸、経鼻、局所、または非経口投与のために処方され;滅菌IL−1RD8、IL−1RD9もしくはIL−1RD10ポリペプチド;または記載されるようなIL−1RD8、IL−1RD9もしくはIL−1RD10ポリペプチドおよびキャリア、ここでこのキャリアは、水性化合物(水、生理食塩水および/または緩衝液を含む)であり;ならびに/あるいは経口、直腸、経鼻、局所、または非経口投与のために処方される。
【0013】
例えば、以下を含む特定の融合タンパク質が提供される:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、または20に示す成熟ポリペプチド配列;FLAG、His6、またはIg配列を含む検出タグまたは精製タグ;あるいは、別のレセプタータンパク質の配列。キット実施態様は、このようなポリペプチド、および;このポリペプチドを含む区画;および/または、キット中の試薬の使用または廃棄のための取扱説明書を含むキットを包含する。
【0014】
結合化合物の実施態様において、本発明は、抗体からの抗原結合部位を含む結合化合物を提供し、これは、天然のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10ポリペプチドに特異的に結合し、ここで、このポリペプチドは、霊長類タンパク質または齧歯類タンパク質であり;この結合化合物は、Fv、FabまたはFab2フラグメントであり;この結合化合物は、別の化学部分と結合体化されており;あるいは、この抗体は:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す配列を含む成熟ポリペプチドのポリペプチド配列に対して惹起され;成熟霊長類または齧歯類IL−1RD8に対して惹起され;精製されたヒトIL−1RD8に対して惹起され;精製されたマウスIL−1RD9に対して惹起され;免疫選択され;ポリクローナル抗体であり;変性IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10に結合し;少なくとも30μMの抗原に対するKdを示し;ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体支持体に付着しており;滅菌組成物において存在し;あるいは検出可能に標識されており(放射標識または蛍光標識を含む);IL−1RD9タンパク質、ここで:このポリペプチドは、霊長類タンパク質または齧歯類タンパク質であり;この結合化合物は、Fv、FabまたはFab2フラグメントであり;この結合化合物は、別の化学部分と結合体化されており;あるいは、この抗体は:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す配列を含む成熟ポリペプチドのポリペプチド配列に対して惹起され;霊長類成熟IL−1RD9に対して惹起され;精製されたヒトIL−1RD9に対して惹起され;免疫選択され;ポリクローナル抗体であり;変性IL−1RD9に結合し;少なくとも30μMの抗原に対するKdを示し;ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体支持体に付着しており;滅菌組成物において存在し;あるいは、検出可能に標識されており(放射標識または蛍光標識を含む);IL−1RD10タンパク質、ここで:このポリペプチドは、霊長類タンパク質または齧歯類タンパク質であり;この結合化合物は、Fv、FabまたはFab2フラグメントであり;この結合化合物は、別の化学部分と結合体化されており;あるいは、この抗体は:配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す配列を含む成熟ポリペプチドのポリペプチド配列に対して惹起され;霊長類成熟IL−1RD10に対して惹起され;精製されたヒトIL−1RD10に対して惹起され;免疫選択され;ポリクローナル抗体であり;変性IL−1RD10に結合し;少なくとも30μMの抗原に対するKdを示し;ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体支持体に付着しており;滅菌組成物において存在し;あるいは、検出可能に標識されている(放射標識または蛍光標識を含む)。キットが提供される(例えば、結合化合物、および:結合化合物を含む区画;および/またはキットにおける試薬の使用または廃棄のための指示書を含むキット)。好ましくは、このキットは、定量的または定性的な分析を行い得る。
【0015】
他の実施態様は、以下を含む組成物を含む:滅菌結合化合物;または結合化合物およびキャリア、ここでこのキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方されている。
【0016】
核酸の実施態様は、ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする単離核酸または組換え核酸を含み、ここで、IL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10は、哺乳動物由来であり;この核酸は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す抗原性ポリペプチド配列をコードし;配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18または20に示す複数の抗原性ポリペプチド配列をコードし;そのセグメントをコードする少なくとも約30ヌクレオチドから天然のcDNAまでを示し;発現ベクターであり;複製起点をさらに含み;天然供給源由来であり;検出標識を含み;合成ヌクレオチド配列を含み;6kb未満、好ましくは3kb未満であり;霊長類を含む哺乳動物由来であり;天然の全長コード配列を含み;上記のIL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10をコードする遺伝子についてのハイブリダイゼーションプローブであり;配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19に示す、少なくとも15、18、21または25ヌクレオチドの重複しない複数のセグメントを含み;あるいはPCRプライマー、PCR産物または変異原性プライマーである。本発明は、そのような組換え核酸を含む、細胞をさらに提供し、例えば、この細胞は:原核生物細胞;真核生物細胞;細菌細胞;酵母細胞;昆虫細胞;哺乳動物細胞;マウス細胞;霊長類細胞;またはヒト細胞である。特定のキット実施態様は、この核酸および:この核酸を含む区画を含むキットを包含し;区画はさらに霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10ポリペプチド;および/またはキット中の試薬の使用または廃棄のための取扱説明書を含む。好ましくは、このキットは、定性的または定量的分析を行い得る。
【0017】
他の核酸の実施態様において、この核酸は、以下の核酸である:40℃および2M未満の塩の洗浄条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17または19のいずれかに対してハイブリダイズし;あるいは霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10に対して少なくとも約30ヌクレオチドの範囲にわたって同一性を示す。種々の好ましい実施態様において、洗浄条件は、45℃および/または500mM塩である;55℃および/または150mM塩であるか;あるいはこの範囲は少なくとも55ヌクレオチド;または少なくとも75ヌクレオチドである。
【0018】
細胞または組織培養細胞の生理または発生を調節する方法が提供され、これは、例えば、霊長類IL−1RD8、霊長類または齧歯類IL−1RD9、または霊長類IL−1RD10のアゴニストまたはアンタゴニストとその細胞を接触させる工程を包含する。好ましくは、この細胞は、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10のいずれかをコードする核酸、および別のIL−1Rで形質転換される。
【0019】
(発明の詳細な説明)
I.概説
本発明は、哺乳動物、ここでは例えば、霊長類および齧歯類のIL−1レセプター様分子であって、構造的および生物学的の両方の特定の規定された特性を有する、これらの分子IL−1レセプターDNAX名称8(IL−1RD8)、IL−1レセプターDNAX名称9(IL−1RD9)およびIL−1レセプターDNAX名称10(IL−1RD10)のアミノ酸配列およびDNA配列を提供する。これらの実施態様は、ヒトIL−1レセプター様ファミリーのメンバーの数を7から少なくとも10にまで増加させる。これらのレセプターは、内部的にDNAX名称D1、D2、D3、D4、D5、D6、ならびに今回D8、D9およびD10と番号付けされ、そしてIL−1RD1からD10までとして言及される。これらの分子をコードする種々のcDNAは、霊長類(例えば、ヒト)、または齧歯類(例えば、マウス)、cDNA配列ライブラリーから入手された。他の霊長類、齧歯類、または他の哺乳動物対応物もまた、所望される。
【0020】
適用可能ないくつかの標準的な方法が、例えば、Maniatisら(1982) Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Press; Sambrookら(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, (第2版)、第1〜3巻、CSH Press, NY; Ausubelら、Biology, Greene Publishing Associates, Brooklyn, NY; またはAusubelら(1987および定期的補遺)Current Protocols in Molecular Biology, Greene/Wiley, New York;に記載されるか、または参照され、これらの各々は、本明細書中で参考として援用される。
【0021】
ヒトIL−1RD8をコードするセグメントの部分ヌクレオチドおよび対応するアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1および2に示される。補充的なヒトIL−1RD8ヌクレオチドおよび対応する配列は、それぞれ、配列番号3および4に提供される。
【0022】
霊長類IL−1RD9についても同様に、霊長類IL−1RD9コードセグメントの部分ヌクレオチド配列(配列番号5)および対応するアミノ酸配列(配列番号6)が提供される。補充的な霊長類IL−1RD9は、配列番号7、8、9および10に提供される。IL−1RD9の齧歯類実施態様は、配列番号11、12に提供され、そして補充的IL−1RD9齧歯類配列は、配列番号13、14、15および16に提供される。
【0023】
ヒトIL−1RD10の実施態様について、部分ヌクレオチド配列および対応する部分アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号17および18に提供され、そして補充的なヒトIL−1RD10ヌクレオチドおよび対応する部分アミノ酸配列は、それぞれは配列番号19および20に提供される。
【0024】
提供されるいくつかの配列は、表1〜4に示される配列の整列によって示唆されるように、これらのレセプターのいくつかの部分を欠損する。IL−1RD110と、IL−1RD8およびD3との整列に注目すること。これらは、α型のレセプターサブユニットである。表4は、霊長類および齧歯類のIL−1RD9の整列を示す。
【0025】
本発明は、本明細書において特に具体化された、特定の方法、組成物およびレセプターに限定されず、そのような方法、組成物およびレセプターは当然ながら変動することが理解されるべきである。本明細書において使用された用語は、特定の実施態様を記載するための目的のためであり、そして本発明の範囲を限定することを意図しないこともまた理解される。本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【0026】
他に規定しない限り、本明細書において使用される、全ての技術および科学の用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと類似または等価な方法および材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料は以下に記載される。本明細書において言及した刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、全ての図、グラフ、および図面を含むそれらの全体が参考として援用される。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
他のIL−1Rと比較した、霊長類IL−1RD10配列(配列番号18および20)の構造分析は、本明細書中に記載されるIL−1RD10の実施態様で保存される特有の特徴が存在することを示す。例えば、特徴的なIgドメイン、およびその中のサブドメインが存在する。IL−1RD10(配列番号18および20)の対応する領域は、ほぼ以下の通りである:gly7までのf2;val10〜thr23のg2;leu30〜met33のa3;thr38〜gln40のa3’;ala48〜ala54のb3;pro64〜lys70のc3;glu72〜phe74のc3’;val83〜lys92のd3;gln98〜val106のe3;およびtyr117〜trp126のf3。
【0031】
他のIL−1Rと比較した、げっ歯類のIL−1RD9配列(配列12、14、および16)の構造分析は、特有の特徴が存在することを示す(表を参照のこと)。例えば、特徴的なIgドメイン、およびその中のサブドメインが存在する。IL−1RD9(配列番号12、14、および16)の対応する領域は、ほぼ以下の通りである:おそらくcys105がcys52(またはおそらくcys48)に連結した、gly18〜pro127のIg1ドメイン;おそらくcys153がcys199に連結した、gly128〜pro229のIg2ドメイン;およびおそらくcys251がcys315に連結した、glu230〜lys333のIg3ドメイン;val336〜tyr360までの膜貫通セグメント;gly381〜val539までのTHDドメイン;おそらく残基64、169、および267に対応する保存されたtrp残基。IL−1ED9の実施態様のアラインメントを、表4に示す。IL−1RD10について上記に記載したように、特徴的なβ鎖部分、およびαへリックス構造が存在する。ヒトIL−1RD9配列(配列番号6、8、および10)の対応するセグメントはほぼ以下の通りである:gly3〜val13のβB;pro15〜lys28のα2;ser30〜ser46のβc;ile47〜gln61のα3;lys64〜glu75のβD;glu77〜leu87のα4;val93からleu98のβE;およびarg106〜val117のα5。マウスIL−1RD9配列(配列番号12、14、および16)の対応するセグメントはほぼ以下の通りである:gln10までのα3;lys13〜glu24のβD;glu26〜leu36のα4;val42〜leu47のβE;およびarg55〜val66のα5。
【0032】
本明細書中で使用される用語IL−1様レセプターD8(IL−1RD8)、IL−1様レセプターD9(IL−1RD9)、またはIL−1様レセプターD10(IL−1RD10)は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列を有するかまたは共有するセグメントを含むポリペプチドまたはその実質的なフラグメントを記載するために使用される。本発明はまた、その配列が提供されるそれぞれのIL−1RD8、IL−1RD9、IL−1RD10対立遺伝子のポリペプチド改変体、例えば、ムテインまたは可溶性細胞外構築物もしくは細胞内構築物を含む。代表的には、このようなアゴニストまたはアンタゴニストは、約10%未満の配列の相違を示し、従って、しばしば1重と11重との間の置換、例えば、2、3、5、7重などの置換を有する。これはまた、記載されたポリペプチドの対立遺伝子および他の改変体(例えば、天然の多型)もまた含む。代表的には、これは、高親和性(例えば、少なくとも約100nM、通常は約30nMよりも良好で、好ましくは約10nMよりも良好で、そしてより好ましくは約3nMよりも良好)で、その対応する生物学的リガンドに、おそらくαレセプターサブユニットを有する二量体化状態で結合する。この用語はまた、関連する天然に存在する形態(例えば、哺乳動物タンパク質の対立遺伝子、多型改変体、および代謝改変体)をいうために本明細書中で使用される。
【0033】
本発明はまた、好ましくは、配列番号4、10、または20のセグメントに同一な連続するアミノ酸残基のセグメントを有する、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列と実質的なアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを包含する。これは、比較的少数(例えば、代表的には約25未満、通常は約15未満、好ましくは、約3〜5未満)の置換を有する配列改変体を含む。他の実施態様は、αサブユニットと会合した形態、例えば、IL−1RD4、IL−1RD5、またはIL−1RD6を包含する。
【0034】
実質的なポリペプチド「フラグメント」または「セグメント」は、少なくとも約8個の連続するアミノ酸のアミノ酸残基のストレッチ、一般的に少なくとも10個の連続するアミノ酸、より一般的には少なくとも12個の連続するアミノ酸、しばしば少なくとも14個の連続するアミノ酸、よりしばしば少なくとも16個の連続するアミノ酸、代表的には少なくとも18個の連続するアミノ酸、より代表的には少なくとも20個の連続するアミノ酸、通常少なくとも22個の連続するアミノ酸、より通常には少なくとも24個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも26個の連続するアミノ酸、より好ましくは少なくとも28個の連続するアミノ酸、そして特に好ましい実施態様において、少なくとも約30以上の連続するアミノ酸、通常は40、50、70、90、110個などのアミノ酸残基のストレッチである。異なるポリペプチドのセグメントの配列は、適切な長さのストレッチにわたって互いに比較され得る。多くの場合には、適合は、特定の長さの複数の異なる(例えば、重複しない)セグメントを含む。代表的には、複数は、少なくとも2、より通常は少なくとも3、そして好ましくは5、7、またはそれより多くである。長さの最小値が提供されているが、種々のサイズのより長い長さ(例えば、長さ7が1つ、および長さ12が2つ)が適切であり得る。類似の特徴が核酸のセグメントに適用される。
【0035】
アミノ酸配列相同性または配列同一性は、残基の適合を最適化することによって、必要な場合には、ギャップを必要なだけ導入することによって決定される。例えば、Needlehamら(1970)J.Mol.Biol.48:443−453;Sankoffら、(1983)Time Warps,String Edits,and Macromolecules:The Theory and Practice of Sequence Comparisonの第1章,Addison−Wesley,Reading,MA;ならびにIntelliGenetics,Mountain View,CA;およびUniversity of Wisconsin Genetics Computer Group(GCG),Madison,WIのソフトウェアパッケージ(これらの各々は、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。これは、保存的置換を適合として考慮する場合に変化する。保存的置換は、代表的には、以下のグループ内での置換を含む:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アルパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;ならびにフェニルアラニン、チロシン。相同なアミノ酸配列は、天然の対立遺伝子および種間のバリエーションを、サイトカイン配列中に含むことが意図される。代表的な相同ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列セグメントと、50〜100%の相同性(ギャップが導入され得る場合)から、60〜100%の相同性(保存的置換が含まれる場合)までを有する。相同性の尺度は、少なくとも約70%、一般に少なくとも76%、より一般には少なくとも81%、しばしば少なくとも85%、よりしばしば少なくとも88%、代表的には少なくとも90%、より代表的には少なくとも92%、通常少なくとも94%、より通常には少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、そしてより好ましくは少なくとも97%、ならびに特に好ましい実施態様において、少なくとも98%以上である。相同性の程度は、比較するセグメントの長さにより変化する。対立遺伝子改変体のような相同なポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に記載される実施態様と、最大の生物学的活性を共有する。
【0036】
本明細書中で使用される用語「生物学的活性」は、限定することなしに、それぞれのリガンドによる炎症性応答、先天免疫、および/または形態学的発達(morphogenic development)に対する効果を記載するために使用される。例えば、これらのレセプターは、IL−1レセプターと同様に、ホスファターゼまたはホスホリラーゼ活性を媒介し、この活性は、標準的な手順によって容易に測定される。例えば、Hardieら(1995、編)The Protein Kinase FactBook、第I巻および第II巻、Academic Press, San Diego,CA;Hanksら(1991)Meth.Enzymol.200:38−62;Hunterら(1992) Cell 70:375−388;Lewin(1990)Cell 61:743−752;Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.56:449−463;およびParkerら(1993)Nature 363:736−738を参照のこと。他の活性は、抗原性機能または免疫原性機能を含む。レセプターは、リガンド結合によって調節される調節可能な酵素に良く似た生物学的活性を示す。しかし、酵素の代謝回転数は、レセプター複合体よりも酵素に近い。さらに、このような酵素活性を誘導するのに必要な占有されるレセプターの数は、ほとんどのレセプター系よりも少なく、そして1細胞あたり数千の数で誘発するほとんどのレセプターとは対照的に、細胞あたり数ダース近くの数であり得る。レセプターまたはその部分は、一般的なまたは特定の基質を標識するためのホスフェート標識酵素として有用であり得る。
【0037】
用語(例えば、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の)リガンド、アゴニスト、アンタゴニスト、およびアナログは、IL−1リガンドタンパク質に対する特徴的な細胞応答を調節する分子、ならびに、例えば、レセプターが天然のレセプターまたは抗体である場合には、リガンド−レセプター相互作用のより標準的な構造的結合競合特徴を保有する分子を含む。細胞応答は、種々のIL−1リガンドの、I型またはII型IL−1レセプターに関連するが、おそらくは異なる細胞性レセプターへの結合を介して媒介されるようである。例えば、BelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev.Cell Dev.Biol.12:393−416;MorisatoおよびAnderson(1995)Ann.Rev.Genetics 29:371−3991およびHultmark(1994)Nature 367:116−117を参照のこと。
【0038】
また、リガンドは、それに上記のレセプターもしくはそのアナログのいずれかが結合する天然のリガンドとして作用する分子であるか、または天然のリガンドの機能的なアナログである分子である。機能的なアナログは、構造的な改変を有するリガンドであり得るか、または適切なリガンド結合決定基と相互作用する分子形状を有する、全体的に関連していない分子であり得る。リガンドは、アゴニストまたはアンタゴニストとして作用し得る。例えば、Goodmanら(1990、編)Goodman & Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics,Pergamon Press,New Yorkを参照のこと。
【0039】
合理的な薬物設計もまた、レセプターまたは抗体および他のエフェクターまたはリガンドの分子形状の構造的な研究に基づき得る。エフェクターは、リガンド結合に応答して他の機能を媒介する他のタンパク質、または通常レセプターと相互作用する他のタンパク質であり得る。どの部位が特定の他のタンパク質と相互作用するかを決定するための1つの手段は、物理的な構造決定(例えば、X線結晶学または二次元NMR技術)である。これらは、どのアミノ酸残基が分子接触領域を形成するかに関する指針を提供する。タンパク質構造決定の詳細な説明については、例えば、BlundellおよびJohnson(1976)Protein Crystallography,Academic Press,New York(これは、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0040】
(II.活性)
IL−1レセプター様ポリペプチドは、特定の基質、代表的にはタンパク質に添加されるかまたはそこから除去される、例えば、ホスフェート代謝において多くの異なる生物学的活性を有する。このようなものは、一般に、炎症機能の調節、他の先天免疫応答、または形態学的効果を生じる。例えば、ヒトIL−1RD9遺伝子コード配列は、おそらくマウスIL−1RD9のヌクレオチドコード配列と約60〜80%の同一性を有する。アミノ酸レベルで、合理的な同一性も存在するようである。
【0041】
レセプターはまた、例えば、選択的免疫応答を排除し得ることにおいて、免疫学的活性を示す。そこから生じる抗血清または抗体は、結合の選択性および親和性の両方を示す。ポリペプチドはまた、天然の状態または変性状態において、それに対して惹起される抗体の結合に抗原性である。
【0042】
IL−1RDの生物学的活性は、代表的には特異的な様式で、しかし時折は非特異的な様式で、基質に対するホスフェート部分の付加または除去に一般に関連する。基質が同定され得るか、または酵素活性についての条件が標準的な方法(例えば、Hardieら(1995、編)The Protein Kinase FactBook 第I巻および第II巻,Academic Press,San Diego,CA;Hanksら(1991)Meth.Enzymol.200:38−62;Hunterら(1992)Cell 70:375−388;Lewin(1990)Cell 61:743−752;Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.56:449−463;およびParkerら(1993)Nature 363:736−738に記載される通り)によってアッセイされ得る。
【0043】
(III.核酸)
本発明は、例えば、これらのタンパク質もしくは密接に関連するタンパク質またはそのフラグメントをコードする単離された核酸またはフラグメントの、例えば、対応するポリぺプチド、好ましくは生物学的に活性であるポリぺプチドをコードするための使用を意図する。さらに、本発明は、このようなポリペプチドまたはそれぞれのIL−1RDの特徴的配列を個々にもしくは群として有するポリぺプチドをコードする、単離されたDNAまたは組換えDNAを包含する。代表的には、核酸は、適切な条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、または19に示される核酸コード配列セグメントとハイブリダイズし得るが、好ましくは他のレセプターの対応するセグメントとはハイブリダイズしない。上記の生物学的に活性なポリペプチドは、全長ポリペプチドまたはフラグメントであり得、そして代表的には、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示されるアミノ酸配列に高度に相同なアミノ酸配列のセグメントを有する。さらに、本発明は、IL−1RD9タンパク質に等価なフラグメントを有するポリペプチドをコードする、単離された核酸もしくは組換え核酸またはそのフラグメントの使用を包含する。単離された核酸は、例えば、天然の遺伝子からのプロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナルなどのそれぞれの調節配列を5’側および3’側において有し得る。
【0044】
「単離された」核酸は、例えば、元々の種からのリボゾーム、ポリメラーゼ、および隣接するゲノム配列のようなネイティブな配列にもともと付随する他の成分から分離された、実質的に純粋である核酸(例えば、RNA、DNA、または混合ポリマー)である。この用語は、その天然に存在する環境から取り出されている核酸配列を包含し、そしてそれによって天然に存在する組成物から区別され得る、組換えもしくはクローン化DNA単離体、および化学的に合成されたアナログ、または異種系によって生物学的に合成されたアナログを包含する。実質的に純粋な分子には、完全に純粋または実質的に純粋のいずれかの、単離された形態の分子が含まれる。
【0045】
単離された核酸は、一般に、分子の均一な組成物であるが、いくつかの実施態様においては、不均一性(好ましくは少量)を含む。この不均一性は、代表的には、所望の生物学的な機能または活性に対して重要でないポリマー末端または部分で見出される。
【0046】
「組換え」核酸は、代表的には、その産生方法またはその構造のいずれかによって規定される。その産生(例えば、プロセスによって生成される産物)の方法に関して、このプロセスは、組換え核酸技術(例えば、ヌクレオチド配列におけるヒトの介入を含む)の使用である。代表的には、この介入には、インビトロ操作を含むが、特定の状況下では、それはより古典的な動物育種技術を含み得る。あるいは、それは天然では互いに連続しない2つのフラグメントの融合物を含む配列を生成することによって作製される核酸であり得るが、天然の産物(例えば、それらの天然の状態で見出されるような天然に存在する変異体)は除外することを意味する。従って、例えば、天然に存在しないベクターで細胞を形質転換することによって作製される産物は、任意の合成オリゴヌクレオチドプロセスを使用して誘導される配列を含む核酸と同様に含まれる。このようなプロセスは、しばしば、代表的には制限酵素の配列認識部位を導入または除去しながら、同一または保存的アミノ酸をコードする冗長なコドンでコドンを置換するためになされる。あるいは、このプロセスは、所望の機能の核酸セグメントを一緒に結合して、例えば、融合タンパク質をコードする、一般に入手可能な天然の形態においては見出されない機能の所望の組み合わせを含む単一の遺伝子実体を生成するために行われる。制限酵素認識部位は、しばしば、このような人為的な操作の標的であるが、他の部位特異的な標的(例えば、プロモーター、DNA複製部位、調節配列、制御配列、または他の有用な特徴)は、設計によって取り込まれ得る。類似の概念が、組換えポリペプチド(例えば、融合ポリぺプチド)について意図される。これには、二量体反復物が含まれる。具体的に包含されるものは、遺伝コードの冗長性によって、IL−1RD9のフラグメント、および種々の異なる関連分子(例えば、他のIL−1レセプターファミリーのメンバー)由来の配列の融合物に等価なポリぺプチドをコードする合成核酸である。
【0047】
核酸の状況における「フラグメント」は、少なくとも約17個の連続するヌクレオチド、一般には少なくとも21個の連続するヌクレオチド、より一般的には少なくとも25個の連続するヌクレオチド、通常少なくとも30個の連続するヌクレオチド、より通常には少なくとも35個の連続するヌクレオチド、しばしば少なくとも39個の連続するヌクレオチド、よりしばしば少なくとも45個の連続するヌクレオチド、代表的には少なくとも50個の連続するヌクレオチド、より代表的には少なくとも55個の連続するヌクレオチド、通常少なくとも60個の連続するヌクレオチド、より通常には少なくとも66個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも72個の連続するヌクレオチド、より好ましくは少なくとも79個の連続するヌクレオチドの連続するセグメントであり、そして特に好ましい実施態様において、少なくとも85個以上(例えば、100、120、140など)の連続するヌクレオチドである。代表的には、異なる遺伝配列のフラグメントは、適切な長さのストレッチにわたって互いに、特に以下に記載するドメインのような規定されたセグメントと比較され得る。
【0048】
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10をコードする核酸は、それ自体または密接に関連するタンパク質をコードする遺伝子、mRNA、およびcDNA種、ならびに多型の、対立遺伝子の、または他の遺伝的改変体(例えば、異なる個体または関連する種由来の)をコードするDNAを同定するために特に有用である。このようなスクリーニングにとって好ましいプローブは、異なる多型改変体間で保存されるかまたは特異性を欠失するヌクレオチドを含有するインターロイキンの領域であり、そして好ましくは全長であるかまたはそれに近い。他の状況では、多型改変体特異的配列がより有用である。
【0049】
本発明は、本明細書中に示される単離されたDNAに同一または高度に相同な核酸配列を有する、組換え核酸分子およびフラグメントをさらに包含する。特に、この配列はしばしば、転写、翻訳、およびDNA複製を制御するDNAセグメントに作動可能に連結されている。これらのさらなるセグメントは、代表的には、所望の核酸セグメントの発現を補助する。
【0050】
相同な、または高度に同一の核酸配列は、互いに、例えば、IL−1RD9配列と比較された場合、有意な類似性を示す。核酸における相同性の標準は、配列比較のために当該分野で一般に使用されるかまたはハイブリダイゼーション条件に基づくかのいずれかの相同性の尺度である。比較ハイブリダイゼーション条件は、以下でより詳細に記載される。
【0051】
核酸配列比較の状況における実質的な同一性とは、セグメントまたはその相補鎖のいずれかが、比較される場合、適切なヌクレオチド挿入または欠失と最適に整列された場合、ヌクレオチドの少なくとも約60%、一般的には少なくとも66%、通常少なくとも71%、頻繁には少なくとも76%、より頻繁には少なくとも80%、通常少なくとも84%、より通常には少なくとも88%、代表的には少なくとも91%、より代表的には少なくとも約93%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約96%〜98%以上において、そして特定の実施態様では、ヌクレオチドの約99%以上の高さにおいて、同一であることを意味し、例えば、以下に記載されるセグメントのような構造的ドメインをコードするセグメントを包含する。あるいは、実質的な同一性は、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で、鎖またはその相補鎖に、代表的には配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17または19に由来する配列を使用して、ハイブリダイズする場合に存在する。代表的には、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約14ヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約55%の相同性、より代表的には少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、そしてより好ましくは少なくとも約90%の相同性が存在する場合に生じる。Kanehisa(1984)Nuc. Acids Res. 12:203−213(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。相同性の比較の長さは、記載されるように、より長いストレッチにわたり得、そして特定の実施態様においては、少なくとも約17ヌクレオチド、一般的には少なくとも約20ヌクレオチド、通常少なくとも約24ヌクレオチド、通常少なくとも約28ヌクレオチド、代表的には少なくとも約32ヌクレオチド、より代表的には少なくとも約40ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドのストレッチにわたり、そしてより好ましくは少なくとも約75〜100以上のヌクレオチドにわたる。
【0052】
ストリンジェントな条件は、ハイブリダイゼーションの状況において相同性をいう場合、ハイブリダイゼーション反応において代表的に制御される塩、温度、有機溶媒、および他のパラメーターを組み合わせたストリンジェントな条件である。ストリンジェントな温度条件は、通常、約30℃を超える温度、より通常には約37℃を超える温度、代表的には約45℃を超える温度、より代表的には約55℃を超える温度、好ましくは約65℃を超える温度、そしてより好ましくは約70℃を超える温度を含む。ストリンジェントな塩条件は、通常、約500mM未満、通常、約400mM未満、より通常には、約300mM未満、代表的には、約200mM未満、好ましくは、約100mM未満、そしてより好ましくは約80mM未満、さらに約20mM未満にまでさえ下がる。しかし、パラメーターの組み合わせは、任意の単一のパラメーターの尺度よりもさらに重要である。例えば、WetmurおよびDavidson(1968) J. Mol. Biol. 31:349−370(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。このシグナルは、少なくともバックグラウンドの2倍、一般には、少なくともバックグラウンドの5〜10倍、そして好ましくはさらにより大きいべきである。
【0053】
配列比較について、代表的には、1つの配列は、それに対して試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリムを使用する場合、試験および参照配列は、コンピューターに入力され、必要な場合には後の座標が指定され、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列についてのパーセント配列同一性を計算する。
【0054】
比較のための配列の最適な(optical)アラインメントは、例えば、SmithおよびWaterman(1981) Adv. Appl. Math. 2:482の局所的相同性アルゴリズムによって、NeedlemanおよびWunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443の相同性アラインメントアルゴリズムによって、PearsonおよびLipman (1988) Proc. Nat’l Acad. Sci. US 85:2444の類似性方法の検索によって、これらのアルゴリズムをコンピューター処理されるインプリメンテーションによって(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または視覚的な検査によって(一般には、Ausubelら、前出を参照のこと)行われ得る。
【0055】
有用なアルゴリズムの1つの例は、PILEUPである。PILEUPは、進行的な対のアラインメントを使用して、関連性およびパーセント配列同一性を示すために、関連する配列の群から複数の配列のアラインメントを作製する。また、アラインメントを作製するために使用される集積した関連性を示すツリーまたは樹形図をプロットする。PILEUPは、FengおよびDoolittle (1987) J. Mol. Evol. 35:351−360の進行的なアラインメント方法の単純化を使用する。使用される方法は、HigginsおよびSharp(1989) CABIOS 5:151−153によって記載される方法に類似する。プログラムは、300個の配列までを整列し得、各々最大長5,000ヌクレオチドまたはアミノ酸であり得る。複数アラインメント手順は、2つの整列した配列のクラスターを生成する2つの最も類似する配列の対のアラインメントで開始する。次いで、このクラスターは、整列された配列の次に最も関連する配列またはクラスターに整列される。配列の2つのクラスターは、2つの個々の配列の対のアラインメントの単純な伸長によって整列される。最終的なアラインメントは、一連の進行的な対のアラインメントによって達成される。プログラムは、配列比較の領域についての特定の配列およびそれらのアミノ酸またはヌクレオチド座標を指定することによって、およびプログラムパラメーターを指定することによって作動される。例えば、参照配列は、以下のパラメーター:デフォルトギャップ重み(3.00)、デフォルトギャップ長重み(0.10)、および重み付き末端ギャップを使用して、パーセント配列同一性関係を決定するために、他の試験配列に比較され得る。
【0056】
パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために適切であるアルゴリズムの別の例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschulら、(1990) J. Mol. Biol. 215: 403−410によって記載される。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information (http:www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公共的に利用可能である。このアルゴリズムは、最初に照合配列における長さWの短いワード(これは、データベース配列における同じ長さのワードと整列される場合、ある正の値の閾値スコアTにマッチするか、それらを満たすかのいずれかである)を同定することによって、高スコア配列ペア(HSP)を同定する工程を包含する。Tは、隣接ワードスコア閾値という(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見出すための検索を開始するための元として作用する。次いで、ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加され得る限り、各配列に沿って両方向に伸長される。各方向におけるワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアが、その最大が達成された値から量Xで減少する場合;1つ以上の負のスコアの残基アラインメントの蓄積に起因して、累積スコアが0以下になる場合;またはいずれかの配列の末端が到達される場合。BLASTアルゴリズム変数W、T、およびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11のワード長(W)、50のBLOSUM62スコアリングマトリクス(HenikoffおよびHenikoff (1989) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 89: 10915を参照のこと)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、および両方の鎖の比較を使用する。
【0057】
パーセント配列同一性を算定することに加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計的分析を実施する(例えば、KarlinおよびAltschul (1993) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 90: 5873−5787を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの基準は、最も小さい合計確率(sum probability)であり(P(N))、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のマッチが偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸の参照核酸との比較における最も小さい合計確率が約0.1より小さい、より好ましくは約0.01より小さい、そして最も好ましくは約0.001より小さい場合、参照配列に類似であると考えられる。
【0058】
ポリペプチドの2つの核酸配列が実質的に同一であるというさらなる指標は、第1の核酸によってコードされるポリペプチドが、以下に記載されるように、第2の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交叉反応性であることである。従って、ポリペプチドは、代表的には、例えば2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合、第2のポリペプチドに実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、以下に記載されるように、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0059】
単離されたDNAは、ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入、およびヌクレオチドストレッチの反転によって容易に改変され得る。これらの改変は、このポリペプチドまたはその誘導体をコードする新規なDNA配列を生じる。これらの改変された配列は、変異体タンパク質(ムテイン)を生成するために、または改変種の発現を増強するために使用され得る。増強された発現は、遺伝子増幅、増加された転写、増加された翻訳、および他の機構を含み得る。このような変異体IL−1RD9様誘導体は、ポリペプチドまたはそのフラグメントの予め決定された変異または部位特異的な変異を包含し、遺伝コード縮重を使用するサイレント変異を含む。本明細書中で使用される場合「変異体IL−1RD9」は、上述に記載されるようなIL−1R9の相同性の定義の中にあるポリぺプチドを含むが、欠失、置換、または挿入のいずれかの手段によって、天然において見出されるような他のIL−1RD様ポリペプチドのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する。特に、「部位特異的変異体IL−1RD9」は、配列番号6、8、10、12、14、または14のポリペプチドと実質的な相同性を有するポリペプチドを含み、および代表的に、本明細書中で開示される形態の生物学的活性または効果の大部分を共有する。
【0060】
部位特異的変異部位は、予め決定されるが、変異は部位特異的である必要はない。哺乳動物IL−1RD9変異誘発は、発現と関連して、遺伝子においてアミノ酸挿入または欠失を作製することによって達成され得る。置換、欠失、挿入、または任意の組合わせが、最終的な構築物に到達するために作製され得る。挿入は、アミノ末端またはカルボキシ末端の融合を含む。ランダムな変異誘発は、標的コドンで行われ得、次いで、発現される哺乳動物IL−1RD9変異体は、所望の活性についてスクリーニングされ得、構造−活性関係のいくつかの局面を提供する。既知の配列を有するDNAにおいて予め決定された部位で置換変異を作製するための方法は、当該分野において周知であり、例えば、M13プライマー変異誘発による。Sambrookら(1989)およびAusubelら(1987および定期的な補遺)をまた参照のこと。
【0061】
DNAにおける変異は、通常、リーディングフレームの外側にコード配列を置くべきではなく、好ましくは、ループまたはヘアピンのようなmRNAの2次構造を生成するハイブリダイズし得る相補的な領域を作製しない。
【0062】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts. 22:1859−1862によって記載されるホスホロアミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。2本鎖フラグメントは、しばしば、相補的な鎖を合成し、そして適切な条件下で、鎖を共にアニーリングすることによって、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを使用して、相補的な鎖を付加することによってのいずれかで、得られる。
【0063】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、しばしば、変異誘発において適用され得る。あるいは、変異誘発プライマーは、予め決定された部位で規定された変異を作製するために一般に使用される方法である。例えば、Innisら(編、1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications Academic Press、San Diego、CA;ならびにDieffenbachおよびDveksler(1995;編)PCR Primer:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Press、CSH、NYを参照のこと。適切な長さのプライマー(例えば、15、20、25、またはより長い)は、提供された配列を用いて作製され得る。
【0064】
(IV.タンパク質、ペプチド)
上記のように、本発明は、霊長類IL−1RD8、霊長類またはげっ歯類IL−1RD9、および霊長類IL−1RD10を含み、例えば、その配列は、例えば表1〜3に開示され、そして本明細書中に記載される。IL−1RD9の特徴の描写は、ほとんどの場合に、適切な改変で、またIL−1RD8および/またはIL−1RD10に対して、適用可能である。対立遺伝子および他の改変体がまた意図され、これは例えば、他の配列(エピトープタグおよび機能的ドメインを含む)とこのような配列の部分とを組み合わせる融合タンパク質を含む。特に興味深い構築物は、インタクトな細胞外または細胞内ドメインである。
【0065】
本発明はまた、組換えポリペプチド(例えば、これらのげっ歯類タンパク質からのセグメントを使用する異種融合タンパク質)を提供する。異種融合タンパク質は、天然では同じ様式において通常融合されないタンパク質またはセグメントの融合である。従って、融合産物、例えば、IL−1RD9と別のIL−1レセプターとの融合産物は、代表的なポリペプチド結合において融合される配列を有する連続的なタンパク質分子であり、代表的には単一の翻訳産物として作製され、そして各供給源ペプチドに由来する特性(例えば、配列または抗原性)を示す。同様の概念が、異種核酸配列に適用される。
【0066】
さらに、新規な構築物は、他の関連のタンパク質(例えば、種の改変体を含むIL−1レセプターまたはToll様レセプター)からの類似の機能的または構造ドメインを組合わせることから作製され得る。例えば、リガンド結合セグメントまたは他のセグメントは、異なる新規な融合ポリぺプチドまたはフラグメント間で「交換され」得る。例えば、Cunninghamら(1989)Science 243:1330−1336;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem. 263:15985−15992(これらのそれぞれは本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。従って、特異性の新規な組合わせを示す新規なキメラポリぺプチドは、レセプター結合特異性の機能的な結合から生じる。例えば、他の関連のレセプター分子からのリガンド結合ドメインは、付加され得るか、または本発明のタンパク質または関連のタンパク質の他のドメインと置換され得る。得られるタンパク質は、しばしば、ハイブリッド機能および特性を有する。例えば、融合タンパク質は、特定の細胞下オルガネラへの、融合タンパク質の隔離を提供するように作用し得る、標的化ドメインを含み得る。
【0067】
候補融合パートナーおよび配列は、種々の配列データベース(例えば、GenBank、c/o NCBI、およびBCG、University of Wisconsin Biotechnology Computing Group、Madison、WI(これらは、各々本明細書中に参考として援用される)、から選択され得る。
【0068】
本発明は特に、IL−1様リガンドに結合し、そして/またはシグナル伝達において影響されるムテインを提供する。IL−1Rファミリーの他のメンバーと、ヒトIL−1RD9との構造アラインメントは、保存された特徴/残基を示す。表1〜4を参照のこと。IL−1Rファミリーの他のメンバーとのヒトIL−1RD9配列のアラインメントは、種々の構造的および機能的に共有された特徴を示す。Bazanら、(1996) Nature 379: 591; Lodiら、(1994) Science 263: 1762−1766; SayleおよびMilner−White (1995) TIBS 20: 374−376; ならびにGronenbergら (1991) Protein Engineering 4: 263−269もまた参照のこと。
【0069】
IL−1αおよびIL−1βリガンドは、一次レセプターとしてIL−1レセプターI型(IL−1RD1)を結合し、次いで、この複合体は、IL−1レセプターIII型(IL−1RD3)と高い親和性のレセプター複合体を形成する。このようなレセプターサブユニットは、おそらく、新規なIL−1リガンドファミリーメンバーについてのレセプターと共有される。例えば、USSN 60/044,165およびUSSN 60/055,111を参照のこと。IL−1γリガンドが、IL−1RD9(α成分)とIL−1RD5(β成分)の会合を含むレセプターを介してシグナル伝達するという可能性がある。IL−1δおよびIL−1εリガンドはそれぞれ、IL−1RD4、IL−1RD6またはIL−1RD9の1つ(α成分)とIL−1RD3、IL−1RD5、IL−1RD7、IL−1RD8またはIL−1RD10の1つ(β成分)との会合を含むレセプターを介して、おそらくシグナル伝達をする。
【0070】
対応する領域における、IL−1R配列の他の種の対応物における類似の改変(例えば、D1−D6、D8、D9またはD10レセプター)は、リガンドまたは基質と類似の相互作用を提供するべきである。げっ歯類または霊長類のいずれかでの置換(例えば、マウス配列またはヒト配列)が特に好ましい。逆に、リガンド結合相互作用領域から離れた保存的置換は、おそらく、大部分のシグナル伝達活性を保存し;そして細胞内ドメインから離れた保存的置換は、おそらく、大部分のリガンド結合特性を保存する。
【0071】
霊長類またはマウスのIL−1RD9の「誘導体」は、アミノ酸配列変異体、グリコシル化改変体、代謝誘導体、および他の化学部分との共有結合体または凝集結合体を含む。共有結合誘導体は、例えば、当該分野において周知である手段によって、IL−1RD9アミノ酸側鎖において、またはNもしくはC末端で見い出される基への、官能基の連結によって調製され得る。これらの誘導体としては、カルボキシル末端、またはカルボキシル側鎖を含む残基の脂肪族エステルまたはアミド、ヒドロキシル基を含有する残基のO−アシル誘導体、およびアミノ末端アミノ酸もしくはアミノ基を含有する残基(例えば、リジンまたはアルギニン)のN−アシル誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。アシル基は、C3〜C18の通常のアルキルを含むアルキル部分の群から選択され、それによってアルカノイルアロイル種を形成する。
【0072】
特に、グリコシル化改変が含まれ、例えば、その合成およびプロセシングの間に、またはさらなるプロセシング工程において、ポリぺプチドのグリコシル化パターンを改変することによって作製される。これを達成するための特に好ましい手段は、このようなプロセシングを通常提供する細胞に由来するグリコシル化酵素(例えば、哺乳動物グリコシル化酵素)に、ポリぺプチドを曝露することによる。脱グリコシル化酵素もまた、意図される。リン酸化アミノ酸残基(例えば、ホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホスレオニン)を含む、他のマイナーな改変を有する同じ一次アミノ酸配列のバージョンがまた、包含される。
【0073】
誘導体の主要な群は、他のポリペプチドと、レセプターまたはそのフラグメントとの共有結合体である。これらの誘導体は、反応性の側鎖を介するタンパク質の架橋におけるそれらの有用性について、NまたはC末端融合のような組換え培養において、または当該分野において公知の薬剤の使用によって、合成され得る。架橋剤での好ましい誘導体化部位は、遊離のアミノ基、炭水化物部分、およびシステイン残基である。
【0074】
レセプターと、他の同種タンパク質または異種タンパク質との間の融合ポリぺプチドもまた、提供される。同種ポリぺプチドは、異なるレセプター間の融合物であり得、例えば、複数の異なるIL−1リガンドに結合特異性を示すハイブリッドタンパク質、または基質効果の広げられた特異性または弱められた特異性を有し得るレセプターを生じ得る。同様に、異種融合物が構築され得、これは誘導体タンパク質の特性または活性の組合せを示す。代表的な例は、レポーターポリぺプチド(例えば、ルシフェラーゼ)と、レセプターのセグメントまたはドメイン(例えば、リガンド結合セグメント)との融合物であり、それによって、所望のリガンドの存在または位置が、容易に決定され得る。例えば、Dullら、米国特許第4,859,609号(これは、それによって本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。他の遺伝子融合パートナーとしては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、細菌のβガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、β−ラクタマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、および酵母α接合因子が挙げられる。例えば、Godowskiら(1988)Science 241:812−816を参照のこと。
【0075】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts. 22:1859−1862によって記載されるホスホロアミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。2本鎖フラグメントは、しばしば、相補的な鎖を合成し、そして適切な条件下で、鎖を共にアニーリングすることによって、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを使用して、相補的な鎖を付加することによってのいずれかで、得られる。
【0076】
このようなポリぺプチドはまた、リン酸化、スルホン化、ビオチン化、または他の部分(特に、リン酸基に類似の分子形状を有する部分)の付加もしくは除去によって化学的に改変されたアミノ酸残基を有し得る。いくつかの実施態様において、改変は、有用な標識化試薬であるか、または精製標的(例えば、親和性リガンド)として役立つ。
【0077】
融合タンパク質は、代表的に、組換え核酸法によってまたは合成ポリぺプチド法によってのいずれかで作製される。核酸操作および発現についての技術は、例えば、Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、およびAusubelら(編)(1987および定期的な補遺)Current Protocols in Molecular Biology、Greene/Wiley、New York(これらはそれぞれ、本明細書中に参考として援用される)において、一般に記載される。ポリぺプチドの合成についての技術は、例えば、Merrifield(1963)J. Amer. Chem.Soc. 85:2149−2156;Merrifield(1986)Science 232:341−347;およびAthertonら(1989)Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach、IRL Press、Oxford;(これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される)において記載される。より長いポリぺプチドを作製するための方法について、Dawsonら(1994)Science 266:776−779もまた参照のこと。
【0078】
本発明はまた、アミノ酸配列またはグリコシル化における改変以外のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の誘導体の使用を意図する。このような誘導体は、化学部分との共有結合的なまたは凝集的な会合を含み得る。これらの誘導体は、一般に、3つのクラスに分類される:(1)塩、(2)側鎖および末端残基の共有結合的な改変、ならびに(3)例えば、細胞膜との、吸着複合体。このような共有結合誘導体または凝集誘導体は、免疫原として、イムノアッセイにおける試薬として、またはレセプターまたは他の結合分子(例えば、抗体)のアフィニティー精製のためのような精製方法において、有用である。例えば、IL−1リガンドは、IL−1レセプター、抗体、または他の類似の分子のアッセイまたは精製における使用のために、当該分野において周知である方法により、臭化シアン活性化Sepharoseのような固体支持体へ共有結合によって固定化され得るか、または、グルタルアルデヒド架橋を用いるかまたは用いないで、ポリオレフィン表面上に吸着され得る。リガンドはまた、検出可能な基で標識され得、例えばクロラミンT手順によって放射性ヨウ素化(radioiodinated)され得るか、希土類キレートに共有結合され得るか、または診断アッセイにおける使用のために、別の蛍光部分に結合され得る。
【0079】
本発明のIL−1RD8、IL−1RD9、もしくはIL−1RD10は、IL−1RD8、IL−1RD9、もしくはIL−1RD10またはその種々のフラグメントに特異的な(例えば、他のIL−1レセプターファミリーメンバーの間を区別し得る)、抗血清または抗体の生成のための免疫原として使用され得る。精製されたIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10は、モノクローナル抗体、またはタンパク質を含有する不純な調製物の種々の形態での免疫によって調製されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントをスクリーニングするために使用され得る。特に、用語「抗体」はまた、天然の抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fab、Fab2、Fvなど)を包含する。精製されたIL−1RD9はまた、上昇したレベルの発現の存在に応答して産生された抗体、または内因性レセプターに対する抗体産生を導く免疫障害を検出するための試薬として使用され得る。さらに、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10フラグメントはまた、すぐ下に記載されるように、本発明の抗体を産生するための免疫原として役立ち得る。例えば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18および20において示されるアミノ酸配列、そのフラグメント、または種々の相同なペプチドに対して結合親和性を有する、またはそれに対して惹起される抗体を意図する。特に、本発明は、ネイティブなIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の外部ポリペプチド表面で曝露されることが予測されるか、または実際に曝露される、特異的なフラグメントに対し、結合親和性を有するかまたはそれに対して惹起された抗体を意図する。結合における所望の選択性の種々の調製物は、適切な架橋吸着などによって調製され得る。
【0080】
レセプターリガンドに応答する生理学的応答のブロックは、おそらく競合的阻害を介する、レセプターに対するリガンドの結合の阻害から生じ得る。従って、本発明のインビトロアッセイにおいて、抗体、またはこれらの抗体の抗原結合セグメント、または固相基体に付着されるフラグメントを、しばしば使用する。これらのアッセイはまた、リガンド結合領域の変異および改変、または他の変異および改変(例えば、これは、シグナル伝達または酵素機能に影響する)のいずれかの効果の診断的な決定を許容する。
【0081】
本発明はまた、競合的な薬物スクリーニングアッセイの使用を意図し、ここで、例えば、レセプターまたはフラグメントに対する中和抗体は、リガンドまたは他の抗体への結合について、試験化合物と競合する。この様式において、中和抗体またはフラグメントは、レセプターに対する1つ以上の結合部位を共有するポリぺプチドの存在を検出するために使用され得、そして別にリガンドを結合し得る、レセプターにおける結合部位を占有するためにまた使用され得る。
【0082】
(V.核酸およびタンパク質の作製)
ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするDNAは、化学合成、cDNAライブラリーのスクリーニングによって、または広範な種々の細胞株もしくは組識サンプルから調製されたゲノムライブラリーのスクリーニングによって入手され得る。天然の配列は、標準的な方法、および本明細書中(例えば、表1〜3)に提供される配列を使用して、単離され得る。他の種対応物は、ハイブリダイゼーション技術によって、または様々なPCR技術によって、配列データベース(例えば、GenBank)における検索と組合わせて、またはこの検索によって、同定され得る。
【0083】
このDNAは、完全長のレセプターまたはフラグメントの合成のために、広範な種々の宿主細胞において発現され得、次いで完全長のレセプターまたはフラグメントは、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を生成するために;結合研究のために;改変されたリガンド結合またはキナーゼ/ホスファターゼドメインの構築および発現のために;および構造/機能研究のために、使用され得る。改変体またはそのフラグメントは、適切な発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞において発現され得る。これらの分子は、組換え宿主に由来する分子以外のタンパク質または細胞性の夾雑物を実質的に含有しないかもしれず、それゆえ、薬学的に受容可能なキャリアおよび/または希釈剤と組合わされる場合、薬学的組成物において特に有用である。タンパク質、またはその部分は、他のタンパク質との融合物として発現され得る。
【0084】
発現ベクターは、代表的には、所望のレセプター遺伝子またはそのフラグメント(通常、適切な宿主細胞において認識される適切な遺伝子制御エレメントに作動可能に連結される)を含有する自己複製するDNAまたはRNA構築物である。これらの制御エレメントは、適切な宿主内における発現をもたらし得る。発現をもたらすために必要な制御エレメントの特定の型は、結果として使用される宿主細胞に依存する。一般に、遺伝子制御エレメントは、原核生物プロモーター系または真核生物プロモーター発現制御系を含み得、そして代表的に、転写プロモーター、必要に応じて、転写の開始を制御するオペレーター、mRNAの発現のレベルを上昇する転写エンハンサー、適切なリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳を終結する配列を含み得る。発現ベクターはまた、通常、ベクターが宿主細胞から独立して複製することを許容する、複製の起点を含む。
【0085】
本発明のベクターとしては、記載されるようなタンパク質をコードするDNA、または生物学的に活性が等価なポリぺプチドをコードするそのフラグメントを含むベクターが挙げられる。DNAは、ウイルスプロモーターの制御下にあり得、そして選択マーカーをコードし得る。本発明はさらに、原核生物宿主または真核生物宿主において、このようなポリペプチドをコードする真核生物cDNAを発現し得る、このような発現ベクターの使用を意図し、ここでベクターは、宿主と適合性であり、およびここでレセプターをコードする真核生物cDNAはベクターに挿入され、それによってベクターを含む宿主の増殖は、問題のcDNAを発現する。通常、発現ベクターは、それらの宿主細胞における安定な複製のために、または細胞あたりの所望の遺伝子の総コピー数を非常に増加する増幅のために、設計される。発現ベクターが、宿主細胞において複製することが、いつも必要であるわけではなく、例えば、宿主細胞によって認識される複製起点を含まないベクターを使用して、種々の宿主において、ポリペプチドまたはそのフラグメントの一過性の発現をもたらすことが可能である。組換えによる、宿主DNAへの、ポリペプチドをコードする部分またはそのフラグメントの組込みを引き起こすベクターの使用はまた、可能である。
【0086】
本明細書中で使用される場合、ベクターは、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組込み可能なDNAフラグメント、および宿主のゲノムへのDNAフラグメントの組込みを可能にする他のビヒクルを含む。発現ベクターは、作動可能に連結された遺伝子の発現をもたらす遺伝子制御エレメントを含む特殊化されたベクターである。プラスミドは、ベクターの最も一般に使用される形態であるが、等価な機能を提供し、および当該分野において公知であるか、または公知になる、全ての他の形態は、本明細書における使用に適切である。例えば、Pouwelsら(1985および補遺)Cloning Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier、N.Y.、およびRodriquezら(編)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、1988(これらは本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0087】
形質転換された細胞は、組換えDNA技術を使用して構築されたレセプターベクターで形質転換されたまたはトランスフェクトされた細胞、好ましくは哺乳動物細胞である。形質転換された宿主細胞は、通常、所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを発現するが、そのDNAのクローニング、増幅、および操作の目的のために、本発明のタンパク質を発現する必要はない。本発明はさらに、栄養培地において、形質転換された細胞を培養することを意図し、従って、レセプターが、細胞膜中に蓄積することを許容する。このポリペプチドは、培養物または特定の場合において培養培地のいずれかから、回収され得る。
【0088】
本発明の目的のために、核酸配列は、互いに機能的に関連する場合、作動可能に連結される。例えば、プレ配列または分泌リーダーのDNAは、DNAがプレタンパク質として発現されるか、またはポリぺプチドの細胞膜への方向付けに関与するか、もしくはポリぺプチドの分泌に関与する場合、ポリぺプチドに作動可能に連結される。プロモーターは、これがポリぺプチドの転写を制御する場合、コード配列に作動可能に連結され;リボソーム結合部位は、これが翻訳を許容するように配置される場合、コード配列に作動可能に連結される。通常、作動可能に連結されるというのは、連続なこと、およびリーディングフレーム内を意味するが、特定の遺伝的エレメント(例えば、リプレッサー遺伝子)は、連続して連結されないが、次いで発現を制御するオペレーター配列になお結合する。
【0089】
適切な宿主細胞は、原核生物、下等真核生物、および高等真核生物を含む。原核生物は、グラム陰性生物およびグラム陽性生物(例えば、E.coliおよびB.subtilis)の両方を含む。下等真核生物は、酵母(例えば、S.cerevisiaeおよびPichia)、およびDictyostelium属の種を含む。高等真核生物は、非哺乳動物起源(例えば、昆虫細胞、およびトリ)、ならびに哺乳動物起源(例えば、ヒト、霊長類、および齧歯類)の両方の、動物細胞から樹立された組織培養細胞株を含む。
【0090】
原核生物宿主−ベクター系は、多くの異なる種についての広範な種々のベクターを含む。本明細書中で使用されるように、E.coliおよびそのベクターは一般に使用され、他の原核生物において使用される等価なベクターを含む。DNAを増幅するための代表的なベクターは、pBR322または多くのその誘導体である。レセプターまたはそのフラグメントを発現するために使用され得るベクターとしては、lacプロモーター(pUCシリーズ);trpプロモーター(pBR322−trp);Ippプロモーター(pINシリーズ);λpPまたはpRプロモーター(pOTS);またはptacのようなハイブリッドプロモーター(pDR540)を含むベクターが挙げられるが、これらに限定されない。Brosiusら(1988)「Expression Vectors Employing Lambda−, trp−, lac−, and Ipp−derived Promoters」、Vactors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、(RodriguezおよびDenhardt編)、Buttersworth、Boston、第10章、205−236頁(これは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0091】
下等真核生物(例えば、酵母およびDictyostelium)は、IL−1RD9配列を含有するベクターで形質転換され得る。本発明の目的のために、最も一般的な下等真核生物宿主は、パン酵母、Saccharomyces cerevisiaeである。これは下等真核生物を一般的に代表するために使用されるが、多くの他の株および種もまた利用可能である。代表的に、酵母ベクターは、複製起点(組込み型でない限り)、選択遺伝子、プロモーター、レセプターまたはそのフラグメントをコードするDNA、ならびに翻訳終結、ポリアデニル化、および転写終結の配列からなる。酵母に対する適切な発現ベクターとしては、3−ホスホグリセリン酸キナーゼおよび種々の他の解糖酵素遺伝子のプロモーターのような構成性プロモーター、またはアルコールデヒドロゲナーゼ2プロモーターまたはメタロチオネインプロモーターのような誘導性のプロモーターを含む。適切なベクターは、以下の型の誘導体を含む:自己複製低コピー数型(例えば、YRpシリーズ)、自己複製高コピー数型(例えば、YEpシリーズ);組込み型(例えば、YIpシリーズ)またはミニ染色体(例えば、YCpシリーズ)。
【0092】
高等真核生物組織培養細胞は、通常、機能的に活性なインターロイキンタンパク質の発現のための、好ましい宿主細胞である。原則として、無脊椎動物供給源由来であろうと、または脊椎動物供給源由来であろうと、多くの高等真核生物組織培養細胞株(例えば、昆虫バキュロウイルス発現系)が、実行可能である。しかし、哺乳動物細胞が好ましい。このような細胞の形質転換またはトランスフェクション、および増殖は、慣用的な手順となっている。有用な細胞株の例としては、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、ベビーラット腎臓(BRK)細胞株、昆虫細胞株、トリ細胞株、およびサル(COS)細胞株が挙げられる。このような細胞株についての発現ベクターは、通常、複製起点、プロモーター、翻訳開始部位、RNAスプライス部位(ゲノムDNAが使用される場合)、ポリアデニル化部位、および転写終結部位を含む。これらのベクターはまた、通常、選択遺伝子または増幅遺伝子を含む。適切な発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、またはレトロウイルス(例えば、アデノウイルス、SV40、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、またはサイトメガロウイルスのような、供給源に由来する、プロモーターを保有する)であり得る。適切な発現ベクターの代表的な例としては、pCDNA1;pCD(Okayamaら(1985)Mol. Cell Biol. 5:1136−1142を参照のこと);pMC1neo ポリA(Thomasら(1987)Cell 51:503−512を参照のこと);およびpAC373またはpAC610のようなバキュロウイルスベクターが挙げられる。
【0093】
分泌されるタンパク質について、オープンリーディングフレームは、通常、そのN末端で、シグナルペプチドに共有結合される、成熟産物または分泌産物からなるポリぺプチドをコードする。シグナルペプチドは、成熟な、または活性な、ポリぺプチドの分泌の前に切断される。切断部位は、経験則から非常に高い程度の正確さで予測され得(例えば、von−Heijne(1986)Nucleic Acids Research 14:4683−4690およびNielsenら(1997)Protein Eng. 10:1−12)、そしてシグナルペプチドの正確なアミノ酸組成は、しばしば、その機能に重要でないようである(例えば、Randallら(1989)Science 243:1156−1159;Kaiserら(1987)Science 235:312−317)。
【0094】
特定のまたは規定されたグリコシル化パターンを提供する系において、これらのポリぺプチドを発現することが、しばしば所望される。この場合において、通常のパターンは、発現系によって天然に提供されるパターンである。しかし、このパターンは、ポリぺプチド(例えば、非グリコシル化形態)を、異種発現系に導入された適切なグリコシル化するタンパク質に曝露することによって、改変可能である。例えば、レセプター遺伝子は、哺乳動物または他のグリコシル化酵素をコードする1つ以上の遺伝子と同時トランスフェクトされ得る。このアプローチを使用して、特定の哺乳動物のグリコシル化パターンが、原核生物または他の細胞において達成される。
【0095】
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の供給源は、上記のような、組換えIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10を発現する真核生物宿主または原核生物宿主であり得る。供給源はまた、マウス Swiss 3T3線維芽細胞のような細胞株であり得るが、他の哺乳動物細胞株もまた、本発明によって意図され、好ましい細胞株は、ヒト種由来である。
【0096】
現在、配列が公知であるので、霊長類IL−1R、そのフラグメントまたは誘導体は、ペプチド合成のための従来のプロセスによって調製され得る。これらとしては、StewartおよびYoung(1984)Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.、Rockford、IL;BodanszkyおよびBodanszky(1984)The Practice of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、New York;ならびにBodanszky(1984)The Principles of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、New York;(これら全ての各々は、本明細書中に参考として援用される)、に記載されるプロセスを含む。例えば、アジ化物プロセス、酸塩化物プロセス、および酸無水物プロセス、混合無水物プロセス、活性エステルプロセス(例えば、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、またはシアノメチルエステル)、カルボジイミダゾールプロセス、酸化−還元プロセス、またはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)/付加プロセスが、使用され得る。固相および液相合成は両方とも、上述のプロセスに共に適応可能である。類似の技術が、IL−1RD9部分配列とともに使用され得る。
【0097】
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10タンパク質、ポリペプチド、フラグメント、または誘導体は、一般的に、配列中に1つずつ、末端アミノ酸にアミノ酸を縮合する工程を包含するいわゆる段階プロセスによって、または末端のアミノ酸にペプチドフラグメントを結合することによってのいずれかで、ペプチド合成において代表的に用いられる上述のプロセスに従って、適切に調製される。カップリング反応において使用されないアミノ基は、代表的に、不正確な位置でのカップリングを防ぐために、保護されなくてはならない。
【0098】
固相合成が採用される場合、C末端アミノ酸は、不溶性のキャリアまたは支持体に、そのカルボキシル基を介して結合される。不溶性のキャリアは、反応性のカルボキシル基に対する結合能力を有する限り、特に制限されない。このような不溶性のキャリアの例としては、ハロメチル樹脂(例えば、クロロメチル樹脂またはブロモメチル樹脂)、ヒドロキシメチル樹脂、フェノール樹脂、tert−アルキルオキシカルボニルヒドラジド化(tert−alkyloxycarbonylhydrazidated)樹脂などが挙げられる。
【0099】
アミノ基が保護されたアミノ酸は、以前に形成されたペプチドまたは鎖の、その活性化されたカルボキシル基および反応性アミノ基の縮合を介して、配列中に結合され、着実にペプチドを合成する。完全な配列を合成した後、ペプチドは不溶性のキャリアから分離され、ペプチドを生成する。この固相アプローチは、一般に、Merrifieldら(1963)J. Am. Chem. Soc. 85:2149−2156(これは、本明細書中に参考として援用される)によって記載される。
【0100】
調製されたタンパク質およびそのフラグメントは、ペプチド分離の手段によって(例えば、抽出、沈殿、電気泳動、種々の形態のクロマトグラフィー、などによって)、反応混合物から単離および精製され得る。本発明のレセプターは、その所望の使用に依存する、種々の程度の純度において得られ得る。精製は、本明細書中に開示されるタンパク質精製技術を使用することによって(以下を参照のこと)、または免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーの方法において、本明細書中に記載される抗体の使用によって、達成され得る。この免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーは、先ず、抗体を固相支持体に連結し、次いで連結された抗体と、適切な細胞の可溶化された溶解物、レセプターを発現する他の細胞の溶解物、またはDNA技術の結果としてポリペプチドを生成する細胞の溶解物もしくは上清とを、接触することによって行われる(以下を参照のこと)。
【0101】
一般に、精製されたタンパク質は、少なくとも約40%純粋であり、通常少なくとも約50%純粋であり、通常少なくとも約60%純粋であり、代表的に少なくとも約70%純粋であり、より代表的には少なくとも約80%純粋であり、好ましくは少なくとも約90%純粋であり、より好ましくは少なくとも約95%純粋であり、および特定の実施態様において、97%〜99%以上純粋である。純度は、通常、重量基準であるが、またモル基準でもあり得る。異なるアッセイが、適切な場合、適用される。類似のコンセプトが、ポリヌクレオチドおよび抗体に当てはまる。
【0102】
(VI.抗体)
抗体は、本明細書中に記載の種々の哺乳動物のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10(例えば、霊長類IL−1RD9ポリペプチド)ならびにそのフラグメント(天然に存在するネイティブな形態においておよびそれらの組換え形態においての両方)に対して、惹起され得、その差異は、活性なレセプターに対する抗体が、ネイティブな立体構造においてのみ存在するエピトープを、より認識するようであるということである。変性された抗原の検出はまた、例えば、ウエスタン分析において、有用であり得る。抗イディオタイプ抗体がまた、意図され、これは、天然のレセプターまたは抗体のアゴニストまたはアンタゴニストとして有用である。
【0103】
ポリペプチドの予め決定されたフラグメントに対する、抗体(結合フラグメントおよび単鎖バージョンを含む)は、免疫原性タンパク質とフラグメントとの結合体での、動物の免疫化によって惹起され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。これらの抗体は、正常なタンパク質もしくは不完全なタンパク質への結合についてスクリーニングされ得るか、またはアゴニスト活性もしくはアンタゴニスト活性についてスクリーニングされ得る。これらのモノクローナル抗体は通常、少なくとも約1mM、より通常には少なくとも約300μM、代表的には少なくとも約100μM、より代表的には少なくとも約30μM、好ましくは少なくとも約10μM、およびより好ましくは少なくとも約3μMまたはそれよりも良好なKDで結合する。
【0104】
本発明の抗体(抗原結合フラグメントを含む)は、有意な診断的または治療学的な価値を有し得る。それらは、レセプターに結合し、そしてリガンドへの結合を阻害するか、または、例えば、その基質に作用して、生物学的応答を誘発するレセプターの能力を阻害する、強力なアンタゴニストであり得る。それらはまた、非中和抗体として有用であり得、そしてトキシンまたは放射性核種に結合されて、産生細胞、またはインターロイキンの供給源に局在化される細胞と結合し得る。さらに、これらの抗体は、薬物または他の治療学的薬剤に、直接的に、またはリンカーの手段によって間接的にのいずれかで、結合され得る。
【0105】
本発明の抗体はまた、診断的適用において有用であり得る。捕獲抗体または非中和抗体として、これらは、リガンド結合または基質結合を阻害することなくレセプターに結合し得る。中和抗体として、これらは、競合結合アッセイにおいて有用であり得る。これらはまた、リガンドを検出、または定量するのに有用である。これらは、ウエスタンブロット分析のための、またはそれぞれのタンパク質の免疫沈降もしくは免疫精製のための、試薬として使用され得る。
【0106】
タンパク質フラグメントは、免疫原として使用される融合または共有結合的に結合されたポリぺプチドのように、他の物質(特にポリぺプチド)に結合され得る。哺乳動物IL−1Rおよびそのフラグメントは、種々の免疫原(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、破傷風トキソイドなど)に融合されるか、または共有結合的に連結され得る。ポリクローナル抗血清を調製する方法の記載については、Microbiology、Hoeber Medical Division、Harper and Row、1969;Landsteiner(1962)Specificity of Serological Reactions、Dover Publications、New York;およびWilliamsら(1967)Methods in Immunology and Immunochemistry、第1巻 Academic Press、New York;(これらは各々、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。代表的な方法は、抗原での動物の過剰免疫化を含む。次いで、動物の血液は、反復された免疫化のすぐ後に回収され、そしてγグロブリンが、単離される。
【0107】
いくつかの例において、種々の哺乳動物宿主(例えば、マウス、齧歯類、霊長類、ヒトなど)からモノクローナル抗体を調製することが望ましい。このようなモノクローナル抗体を調製するための技術の記載は、例えば、Stitesら(編)Basic and Clinical Immunology(第4版)、Lange Medical Publications、Los Altos、CAおよびそこに引用される参考文献;HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual、CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版)Academic Press、New York;および特に、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497(これは、モノクローナル抗体を作製する1つの方法を議論する)において、見出され得る。これらの参考文献のそれぞれは、本明細書中に参考として援用される。簡潔にまとめると、この方法は、免疫原を動物に注射する工程を包含する。次いで、動物は屠殺され、そして細胞はその脾臓から採取され、次いで、細胞は骨髄腫細胞と融合される。結果は、ハイブリッド細胞すなわち「ハイブリドーマ」であり、これはインビトロで増殖させる(reproducing)ことが可能である。次いで、ハイブリドーマの集団は、個々のクローンを単離するためにスクリーニングされ、そのそれぞれが、免疫原に対する単一の抗体種を分泌する。この様式において、得られる個々の抗体種は、免疫原性物質において認識される特異的な部位に応答して作製される、免疫動物からの、不死化およびクローン化された単一のB細胞の産物である。
【0108】
他の適切な技術としては、抗原性ポリぺプチドへの、あるいはファージまたは同様のベクターにおける抗体のライブラリーの選択への、インビトロでのリンパ球の曝露を含む。Huseら(1989)「Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda」、Science 246:1275−1281;およびWardら(1989)Nature 341:544−546(これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。本発明のポリぺプチドおよび抗体は、改変を伴うか、または伴わないで使用され得、これにはキメラ抗体またはヒト化抗体を含む。しばしば、ポリぺプチドおよび抗体は、共有結合的にまたは非共有結合的にのいずれかで、検出可能なシグナルを提供する物質を結合することによって標識される。広範な種々の標識および結合技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において、広範に報告される。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンまたはキメラ免疫グロブリンが生成され得るか(Cabilly、米国特許第4,816,567号を参照のこと);またはトランスジェニックマウスにおいて作製され得る(Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146−156を参照のこと)。これらの参考文献は、本明細書中に参考として援用される。
【0109】
本発明の抗体はまた、IL−1Rの単離において、アフィニティークロマトグラフィーについて使用され得る。カラムが調製され得、抗体は固体支持体(例えば、アガロース、Sephadexなどのような粒子)に連結され、細胞溶解物は、カラムを介して通過され得、カラムは洗浄され、続いて、漸増濃度の軽度の変性剤で洗浄され、これにより、精製されたタンパク質は放出される。タンパク質は、抗体を精製するために使用され得る。
【0110】
抗体はまた、特定の発現産物について、発現ライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。通常、このような手順において使用される抗体は、抗体の結合によって抗原の存在の容易な検出を可能にする部分で標識される。
【0111】
IL−1Rに対して惹起される抗体はまた、抗イディオタイプ抗体を惹起するために使用される。これらは、タンパク質の発現、またはそのタンパク質を発現する細胞に関連する、種々の免疫学的状態を検出または診断するのに有用である。これらはまた、リガンドのアゴニストまたはアンタゴニストとして有用であり、天然に存在するリガンドについての、競合的なインヒビターまたは置換体であり得る。
【0112】
例えば、配列番号4、10、または20のアミノ酸配列から成る免疫原のような、規定された免疫原に対して生成された抗体と特異的に結合する、または特異的に免疫反応性であるIL−1Rポリペプチドは、代表的にイムノアッセイにおいて測定される。イムノアッセイは、代表的には、例えば、配列番号4、10、または20のポリペプチドに対して惹起されたポリクローナル抗血清を使用する。この抗血清は、他のIL−1Rファミリーメンバー、例えば、IL−1RのD1からD8(好ましくは同じ種由来)に対して低い交差反応性を有するように選択され、そしてこのような交差反応性はいずれも、イムノアッセイで使用する前に、免疫吸着法により除去される。
【0113】
イムノアッセイで使用する抗血清を生成するため、例えば、配列番号4、10、または20のポリペプチドを本明細書に記載されるように単離する。例えば、組換えポリペプチドを哺乳動物細胞株で生成し得る。適切な宿主、例えば、Balb/cのようなマウスの近交系を、代表的にはフロイントアジュバントなどの標準的アジュバント、および標準的マウス免疫プロトコル(HarlowおよびLane、前述を参照のこと)を使用して、選択されたタンパク質で免疫する。あるいは、本明細書中に開示された配列に由来し、そしてキャリアポリペプチドに結合させた合成ペプチドを免疫原に使用し得る。ポリクローナル血清を収集し、イムノアッセイ(例えば、固体支持体上に固定化した免疫原による固相イムノアッセイ)で免疫原タンパク質に対して力価測定する。力価が104以上のポリクローナル抗血清が選択され、他のIL−1Rファミリーメンバー、例えば、IL−1RD1からIL−1RD6に対する交差反応性について、HarlowおよびLane、前述、570−573頁に記載されるような競合結合イムノアッセイを使用して試験される。好ましくは、少なくとも二つのIL−1Rファミリーメンバーが、この測定において使用される。これらのIL−1Rファミリーメンバーは組換えポリペプチドとして生成され得、そして本明細書に記載される標準的分子生物学およびタンパク質化学技術を使用して単離され得る。
【0114】
競合結合フォーマットにおけるイムノアッセイを交差反応性測定に使用され得る。例えば、配列番号4、10、または20のポリペプチドを固体支持体に固定化し得る。このアッセイに添加されるポリペプチドは、固定化された抗原に対する抗血清の結合と競合する。固定化されたポリペプチドに対する抗血清の結合と競合する上記ポリペプチドの能力をIL−1RD1からIL−1RD6のポリペプチドと比較する。上記ポリペプチドに対するパーセント交差反応性を、標準的算出法を使用して算出する。上記に列挙した各ポリペプチドとの交差反応性が10%より低い抗血清を選択およびプールする。次いで、上記に列挙したタンパク質との免疫吸着法により、交差反応抗体をプール抗血清から除去する。
【0115】
次に、免疫吸着およびプールした抗血清は、上記のように、競合結合イムノアッセイで使用され、第二のポリペプチドを免疫原ポリペプチド(例えば、配列番号4、10、または20のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10様ポリペプチド)と比較する。この比較を行うため、二つのポリペプチドを広範囲の濃度でそれぞれアッセイし、そして固定化されたポリペプチドへの抗血清の結合を50%阻害するのに必要な各ポリペプチド量を測定する。必要とされる第二のポリペプチド量が、選択されたポリペプチドまたは必要とされるポリペプチドのポリペプチド量の二倍より少ない場合、第二のポリペプチドは、免疫原に対して生成した抗体と特異的に結合すると言われる。
【0116】
これらのIL−1Rポリペプチドは、これまで同定された少なくとも7個の遺伝子を含む相同性ポリペプチドのファミリーのメンバーであることが理解される。例えば、IL−1RD9のような特定の遺伝子生成物に対して、この用語は、本明細書に開示したアミノ酸配列だけではなく、対立遺伝子、非対立遺伝子または種改変体である他のポリペプチドをもいう。また、この用語は、単一の部位変異のような従来の組換え技術を使用する意図的な変異により、または各タンパク質をコードするDNAの短い切片を切除することにより、または新規アミノ酸の置換により、または新規アミノ酸の付加により導入された非天然の変異を含むことが理解される。このようなマイナーな改変は、代表的には、本来の分子の免疫学的同一性および/またはその生物学的活性を実質的に維持する。従って、これらの改変には、示された天然に存在するIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10タンパク質と特異的に免疫反応性であるポリペプチドが含まれる。ポリペプチドを適切な細胞株で発現させ、そして,例えば、トランスフェクトされたリンパ球における、適切な作用を測定することにより、改変ポリペプチドの生物学的特性が決定され得る。マイナーと考えられる特定のポリペプチドの改変には、IL−1Rファミリーについて、上で総括して記載したように、類似した化学特性を有するアミノ酸の保存的置換が含まれる。ポリペプチドをIL−1Rのポリペプチドと最適にアラインメントさせることにより、および本明細書に記載した従来のイムノアッセイを使用して免疫学的同一性を測定することにより、本発明のポリペプチド組成物を決定し得る。
【0117】
(VII.キットおよび定量)
本発明のIL−1R様分子の天然に存在する形態および組換え形態は共に、キットおよびアッセイ法において特に有用である。例えば、これらの方法もまた、結合活性(例えば、これらのタンパク質のリガンド)についてのスクリーニングに適用される。近年、いくつかの自動化アッセイ法が開発されており、1年当たり何万もの化合物のスクリーニングを可能にしている。例えば、BIOMEK自動化ワークステーション、Beckman Instruments,Palo Alto,California、およびFodorら、(1991)Science 251:767−773(これは、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。後者は、固体基質上に合成された複数の規定されたポリマーによる結合を試験する手段を記載している。リガンドまたはアゴニスト/アンタゴニスト相同性ポリペプチドのスクリーニングに適したアッセイの開発は、本発明により提供されるように、大量の精製可溶性IL−1Rが活性状態で入手可能なことにより、非常に容易にされ得る。
【0118】
前述のリガンドスクリーニング技術での使用のために、精製IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10はプレート上に直接コートされ得る。しかし、これらのポリペプチドに対する非中和抗体は、例えば、診断的な使用において、有用な固相上に各レセプターを固定化する捕獲抗体として使用され得る。
【0119】
本発明は、様々な診断用キットにおける、IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10、そのフラグメント、ペプチド、およびそれらの融合産物の使用、ならびにタンパク質またはそのリガンドの存在を検出する方法もまた意図される。あるいは、またはさらに、この分子に対する抗体が、キットおよび方法に組み込まれ得る。代表的には、キットは、例えば、IL−1RD9ペプチドまたは遺伝子セグメント、あるいは一方もしくは他方を認識する試薬のいずれかを含む区画を有する。代表的には、ペプチドの場合、認識試薬はリガンドまたは抗体であり、あるいは遺伝子セグメントの場合には、通常、ハイブリダイゼーションプローブである。
【0120】
サンプル中のIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10の濃度の測定に好ましいキットは、代表的には、IL−1RD9に対する公知の結合親和性を有する標識化化合物(例えば、リガンドまたは抗体)、ポジティブコントロールとしてIL−1RD9の供給源(天然に存在する、または組換え体)、および遊離の標識化化合物から結合を分離する手段(例えば、試験サンプル中のIL−1RD9を固定化するための固相)を含む。試薬を含む区画、および説明書もまた、通常提供される。
【0121】
哺乳動物IL−1RD8またはペプチドフラグメントに特異的な抗体(抗原結合フラグメントを含む)、あるいはレセプターフラグメントは、上昇したレベルのリガンドおよび/またはそのフラグメントの存在を検出するための診断的な適用に有用である。診断アッセイは、均質性(遊離試薬と抗体−抗原複合体との間の分離工程を含まない)または異質性(分離工程を含む)であり得る。種々の市販のアッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素増幅イムノアッセイ技術(EMIT)、基質−標識化蛍光イムノアッセイ(SLFIA)など)が存在する。例えば、標識され、かつIL−1Rに対するまたはその特定のフラグメントに対する抗体を認識する二次抗体を使用することにより、非標識化抗体が使用され得る。これらのアッセイもまた、文献で広範囲に議論されている。例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,CSH.、ならびにColigan(編)(1991)および定期的な補遺、Current Protocols In Immunology Greene/Wiley,New Yorkを参照のこと。
【0122】
抗イディオタイプの抗体は、IL−1Rのアゴニストまたはアンタゴニストとして役立つ類似の使用法を有し得る。これらは、適切な状況下で治療用試薬として有用である。
【0123】
しばしば、診断アッセイのための試薬は、アッセイの感受性を最適化するために、キットに補充される。本発明について、アッセイの性質、プロトコル、および標識に依存して、標識化または非標識化抗体あるいは標識化リガンドのいずれかが提供される。これは、通常、緩衝剤、安定化剤、酵素の基質などのようなシグナルの産生に必要な材料などの他の添加物と組み合わされる。好ましくは、キットはまた、適切な使用および使用後の含有物の廃棄についての説明書もまた包含する。代表的には、キットは、有用な各試薬の区画を有し、そして適切な使用および試薬の廃棄についての説明書を含む。望ましくは、試薬は乾燥した凍結乾燥粉末として提供され、試薬は、アッセイを行うのに適した濃度を有する水性媒体中で再構成され得る。
【0124】
診断アッセイの上記の構成成分は、改変を行うことなく使用され得るか、または種々の方法において改変され得る。例えば、標識は、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分を共有結合または非共有結合することによって達成され得る。これらのアッセイのいずれにおいても、試験化合物であるIL−1Rまたはそれに対する抗体は、直接または間接のいずれかで標識され得る。直接標識についての可能性は、標識基:放射標識(例えば、125I)、酵素(米国特許第3,645,090号)(例えば、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼ、ならびに蛍光標識(米国特許第3,940,475号)(これは、蛍光強度における変化、波長シフト、または蛍光局在化をモニターし得る)を含む。これらの特許の両方を、本明細書において参考として援用する。間接標識についての可能性は、1つの構成成分のビオチン化、続いて上記の標識基の一つに結合したアビジンへの結合を含む。
【0125】
遊離のリガンドから結合したもの、あるいは遊離の試験化合物から結合したものを分離する多くの方法もまた存在する。IL−1Rは、種々のマトリクスに固定され得、続いて洗浄され得る。適切なマトリクスは、ELISAプレート、フィルター、およびビーズのようなプラスチックを含む。レセプターをマトリクスに固定する方法は、限定されることなく、プラスチックへの直接接着、捕捉抗体の使用、化学結合、およびビオチン−アビジンを含む。このアプローチの最後の工程は、いくつかの方法(これは、例えばポリエチレングリコールのような有機溶媒または硫酸アンモニウムのような塩を利用する方法を含む)のいずれかによる抗体/抗原複合体の沈殿を含む。他の適切な分離技術は、Rattleら(1984)Clin.Chem.30(9)1457−1461に記載される蛍光抗体磁性化粒子方法、および米国特許第4,659,678号に記載されるような二重抗体磁性粒子分離を含むが、これに限定されない。これらの各々は、本明細書において参考として援用される。
【0126】
種々の標識へ、タンパク質またはフラグメントを連結するための方法は、文献において広範に報告されており、そしてここでは詳細な議論を必要としない。これらの技術の多くは,ペプチド結合を形成するためのカルボジイミドまたは活性エステルの使用のいずれかを介した活性化カルボキシル基の使用、連結のために、活性化ハロゲン(例えば、クロロアセチル)または活性化オレフィン(例えば、マレイミド)を用いたメルカプト基の反応によるチオエーテルの形成などを含む。融合タンパク質もまた、これらの適用において使用が見出される。
【0127】
本発明の別の診断的局面は、IL−1Rの配列から採取したオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列の使用を含む。これらの配列は、免疫障害を有すると疑われる患者におけるそれぞれのIL−1Rのレベルを検出するためのプローブとして使用され得る。RNAおよびDNAヌクレオチド配列の両方の調製、配列の標識、および好ましいサイズの配列は、文献において、充分な記載および議論がなされている(receive)。通常、オリゴヌクレオチドプローブは、少なくとも約14ヌクレオチド、通常少なくとも約18ヌクレオチドを有するべきであり、そしてポリヌクレオチドプローブは数キロベースにまで及び得る。種々の標識、最も一般的には、放射性核種、特に32Pが使用され得る。しかし、他の技術もまた、使用され得る。例えば、ポリヌクレオチドへの導入のためのビオチン改変ヌクレオチドの使用である。次いで、ビオチンは、アビジンまたは抗体への結合のための部位として作用し、これは、広範で種々の標識(例えば、放射性核種、蛍光、酵素など)で標識され得る。あるいは、特定の二重鎖(DNA二重鎖、RNA二重鎖、DNA−RNAハイブリッド二重鎖、またはDNA−タンパク質二重鎖を含む)を認識し得る抗体が使用され得る。次いで抗体は、標識され得、そして二重鎖が表面に結合し、その結果、表面上の二重鎖の形成に際して二重鎖に結合した抗体の存在が検出され得るアッセイが、行われる。新規のアンチセンスRNAに対するプローブの使用は、任意の従来の技術(例えば、核酸ハイブリダイゼーション、プラスおよびマイナススクリーニング、組換えプロービング、ハイブリッド遊離翻訳(HRT)、およびハイブリッド拘束翻訳(HART))において行われ得る。これはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅技術を含む。
【0128】
他のマーカーの定性的存在または定量的存在についてもまた試験する診断キットもまた、意図される。診断または予後は、マーカーとして使用される多重指標の組合せに依存し得る。従って、キットはマーカーの組み合わせについて試験し得る。例えば、Vialletら、(1989)Progress in Growth Factor Res.1;89−97を参照のこと。
【0129】
(VIII.治療的有用性)
本発明は、有意な治療的価値を有する試薬を提供する。IL−1R(天然に存在するかまたは組換え)、そのフラグメント、ムテインレセプター、および抗体は、このレセプターまたは抗体に対する結合親和性を有するとして同定された化合物とともに、それらのリガンドのレセプターの異常な発現を示す条件の処理において有用であり得るはずである。このような異常性は、代表的には、免疫障害によって認められる。さらに、本発明は、リガンドへの応答の異常な発現または異常な誘発と関連する、種々の疾患または障害において治療的価値を提供するはずである。IL−1リガンドは、形態発生(例えば、背腹極性決定および免疫応答、特に初期の生得性応答)に関与することが示唆されている。例えば、Sunら(1991)Eur.J.Biochem.196:247−254;Hultmark(1994)Nature 367:116−117を参照のこと。
【0130】
組換えIL−1R、ムテイン、アゴニスト、またはアンタゴニスト、それらに対する抗体、あるいは抗体は精製され、次いで患者に投与され得る。これらの試薬は、さらなる活性成分とともに治療的使用のために、例えば、従来の薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤中で、生理的に無害な安定剤および賦形剤とともに合わされ得る。これらの組み合わせは、例えば、濾過により滅菌され得、そして投薬バイアル中における凍結乾燥によるような投薬形態または安定化した水性調製物中における保存物へと配置される。本発明はまた、相補的結合ではない抗体またはその結合フラグメントの使用を意図する。
【0131】
IL−1Rまたはそのフラグメントを用いたリガンドスクリーニングを行って、レセプターに対する結合親和性を有する分子を同定し得る。次いで、続く生物学的アッセイを利用して推定リガンドが競合的な結合(これは、内因性の刺激活性をブロックし得る)を提供し得るか否かを決定し得る。レセプターフラグメントは、これがリガンドの活性をブロックするという点で、ブロッカーまたはアンタゴニストとして使用され得る。同様に、内因性刺激活性を有する化合物は、レセプターを活性化し得、従って、それがリガンドの活性を刺激(例えば、シグナル伝達の誘発)するという点で、アゴニストである。本発明はさらに、IL−1Rに対する抗体のアンタゴニストとしての治療的使用を意図する。
【0132】
有効な治療に必要な試薬の量は、多くの異なる因子に依存し、これには、投与手段、標的部位、試薬の生理的寿命、薬学的寿命、患者の生理的状態、および投与される他の医薬が含まれる。従って、処置用量を、力価測定して、安全性および効力を最適化するべきである。代表的には、インビトロで使用される投薬量によって、これらの試薬のインサイチュでの投与のために有用な量における有用なガイダンスを提供し得る。特定の障害の処置についての有効用量の動物試験は、ヒトの投薬量の予測的な指標をさらに提供する。種々の考慮事項が以下に記載されている。例えば、Gilmanら(編)(1990)GoodmanおよびGilman:The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(1990)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennを参照のこと。これらは、各々が本明細書において参考として援用される。投与のための方法は、そこに議論されており、そして以下、例えば、経口、静脈内、腹腔内、または筋肉内投与、経皮拡散などである。薬学的に受容可能なキャリアには、水、生理食塩水、緩衝液および、例えば、Merck Index,Merck & Co.,Rahway,New Jerseyに記載された他の化合物などが挙げられる。推定リガンドとそのレセプターとの間の予想される高親和性結合またはターンオーバー数のために、まず、低用量のこれらの試薬が、初期的に有効であることが予想される。そして、シグナル伝達経路により、極めて少量のリガンドが効果を有し得ることが示唆される。従って、投薬量範囲は、通常、1mM濃度よりも低い量であり、代表的には、約10μM濃度より低く、通常、約100nMより低く、好ましくは約10pM(ピコモル濃度)より低く、そして最も好ましくは約1fM(フェムトモル濃度)より低い量で、適切なキャリアと共に存在することが予想される。徐放性処方物または徐放性装置が、しばしば、連続投与に利用される。
【0133】
IL−1R、そのフラグメント、および抗体またはそのフラグメント、アンタゴニストおよびアゴニストが、処置される宿主に直接投与され得るか、または化合物のサイズに依存して、オボアルブミンまたは血清アルブミンなどのキャリアタンパク質にそれらを結合させた後、投与されるのが望ましくあり得る。治療用処方物を、多くの従来の投薬量処方において投与し得る。有効成分を単独投与することは可能であるが、薬学的処方物として有効成分を提示させるのが好ましい。処方物は、上記に規定したような少なくとも一種の有効成分を、一種以上のその受容可能なキャリアと共に含む。各キャリアは、他の成分と適合性があり、患者にとって有害ではないという意味で、薬学的および生理学的の両方で受容可能でなければならない。処方物は、経口、直腸内、鼻腔内または非経口的(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与に適したものを含む。処方物は、都合良く、単位投薬量形態で存在し得、そして薬学分野において周知の方法により調製され得る。例えば、Gilman,ら(編)(1990年)Goodman and Gilman:The Pharmacological Bases of Therapeutics,第8版,Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences,第17版(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Penn.;Avisら(編、1993年)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker,NY;Liebermanら(編、1990年)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker,NY;およびLiebermanら(編、1990年)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker,NYを参照のこと。本発明の治療は、他の治療的薬剤(特に、他のIL−1ファミリーメンバーのアゴニストまたはアンタゴニスト)と組み合わせられ得るか、またはそれらに付随して使用され得る。
【0134】
(IX.リガンド)
本明細書におけるIL−1レセプターの説明は、上記のように、リガンドを同定する手段を提供する。このようなリガンドは、適度に高い親和性を有するそれぞれのレセプターと特異的に結合するはずである。代表的なリガンドレセプター結合定数は、少なくとも約30mM、例えば、一般に少なくとも約3mM、より一般には少なくとも約300μM、代表的には少なくとも約30μM、3μM、300nM、30nMなどである。種々の構築物が、利用可能となり、これによっていずれのレセプターの標識方法によってもそのリガンドを検出し得る。例えば、
IL−1Rの直接標識、すなわち二次標識のためのマーカー(例えば、FLAGまたは他のエピトープタグ等)を融合させることにより、レセプターの検出を可能にする。これは、生化学的精製のための親和性方法、または発現クローニングアプローチでの標識化もしくは選択のように、組織学的であり得る。2ハイブリッド選択系もまた、利用可能なIL−1R配列を有する適切な構築物の作製に応用され得る。例えば、FieldsおよびSong(1989)Nature 340:245−246を参照のこと。
【0135】
一般的に、IL−1Rの説明は、IL−1RD8、IL−1RD9またはIL−1RD10の試薬および組成物に関するそれぞれ特定の実施態様に同様に適用される。
【0136】
本発明の広い範囲は、以下の実施例を参照することにより最も良く理解されるが、これらは発明を特定の実施態様に限定することを意図するものではない。
【0137】
(実施例)
(I.一般的方法)
いくつかの標準的な方法は、例えば、Maniatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press;Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(第二版),第1−3巻、CSH Press,NY;Ausubelら,Biology,Greene Publishing Associates,Brooklyn,NY;またはAusubelら(1987および補遺)Current Protocols in Molecular Biology,Greene/Wiley,New Yorkに記載され、これらにおいて参照される。タンパク質の精製のための方法には、硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化等の方法が挙げられる。例えば、Ausubelら(1987および定期補遺);Coliganら(編、1996)および定期補遺、Current Protocols In Protein Science Greene/Wiley、New York;Deutscher(1990)「Guide to Protein Purification」Methods in Enzymology,第182巻およびこのシリーズの他の巻;およびタンパク質精製製品の使用に関する製造業者の文献(例えば、Pharmacia,Piscataway,N.J.またはBio−Rad,Richmond,CA)を参照のこと。組換え技術を併用する組換えにより、適切なセグメント(例えば、プロテアーゼ除去(protease−removable)配列を介して融合され得るFLAG配列または等価物)への融合を可能にする。例えば、Hochuli(1989)Chemische Industrie 12:69−70;Hochuli(1990)「Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent」Setlow(編)Genetic Engineering,Principle and Methods 12:87−98,Plenum Press,N.Y.;およびCroweら(1992)QIAexpress:The High Level Expression & Protein Purification System QUIAGEN,Inc.,Chatsworth,CAを参照のこと。
【0138】
コンピューター配列分析を、例えば、利用可能なソフトウエアプログラム(GCG(U.Wisconsin)およびGenBank供給源からのプログラムを含む)を使用して行う。例えば、GenBank、NCBI、SWISSPROTなどの公の配列データベースもまた使用した。
【0139】
IL−10レセプターに適用可能な多くの技術を、例えば、USSN 08/110,683(IL−10レセプター)に記載のように、IL−1Rに適用し得る。これは、あらゆる目的のため、本明細書中に参照として援用される。また。記載された多くの技術はIL−1RD9試薬に関するが、代表的には、対応する方法が、IL−1RD8、およびIL−1RD10試薬とともに利用可能である。1997年11月17日に出願されたUSSN 60/065,776、および1998年3月12日に出願されたUSSN 60/078,008(両方とも本明細書に参考として援用される)もまた参照のこと。
【0140】
(II.コンピューターを利用した分析)
IL−1Rに関するヒト配列を、例えば、BLASTサーバー(Altschulら(1994) Nature Genet.6:119−129)を用いる種々のESTデータベースから同定した。より高感度のパターンおよびプロファイルを基礎にした方法(BorkおよびGibson(1996) Meth.Enzymol.266:162−184)を用いて、IL−1Rに対して特定の相同性を示した遺伝子のフラグメントを同定した。
【0141】
(III.完全長ヒトIL−1R cDNAのクローニング)
IL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10配列由来のPCRプライマーを用いて(Nomuraら(1994)DNA Res.1:27−35)、適切なヒトcDNAライブラリーをプローブし、完全長IL−1RD9またはIL−1RD10 cDNA配列を得るか、またはヒト赤白血病TF−1細胞株由来のcDNAライブラリー(Kitamuraら、(1989) Blood 73:375−380)をプローブし、IL−1R8 cDNA配列を得る。ヒトIL−1RD9に対する完全長cDNAを、例えば、λgt10ファージのDNAハイブリダイゼーションスクリーニングによりクローン化する。PCR反応は、適切な条件下で、T.aquaticus Taqplus DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いて行った。
【0142】
(IV.IL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10 mRNAの局在化)
レーンあたり約2μgのポリ(A)+RNAを含む、ヒト複数組織(カタログ番号1、2)および癌細胞株ブロット(カタログ番号7757−1)をClontech(Palo Alto、CA)から購入する。プローブを、[α−32P]dATPで、例えば、Amersham Rediprimeランダムプライマー標識キット(RPN1633)を用いて放射能標識する。プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを、65#Cで0.5M Na2HPO4、7%SDS、0.5M EDTA(pH8.0)中で実施する。高ストリンジェンシー洗浄を、例えば、65#Cで、2×SSC、0.1%SDS中、40分間の2回の初期洗浄、次の0.1×SSC、0.1%SDS中、20分間の続く洗浄を用いて行う。次いでメンブレンを、増強スクリーンの存在下、−70#CでX線フィルム(Kodak)に感光させる。cDNAライブラリーサザンによるより詳細な研究を、選択されたヒトIL−1RD9クローンを用いて実施し、造血またはその他の細胞サブセットにおけるそれらの発現を調べる。
【0143】
複数の整列された配列における保存および変動のパターンを利用する2つの予測アルゴリズムPHD(RostおよびSander(1994) Proteins 19:55−72)およびDSC(KingおよびSternberg(1996) Protein Sci.5:2298−2310)を用いる。
【0144】
あるいは、2つの適切なプライマーを、表1、2または3から選択する。RT−PCRを、cDNAを産生するためのメッセージの存在について選択された適切なmRNA試料(例えば、遺伝子を発現する試料)に対して用いる。
【0145】
完全長クローンは、PCRシグナルにより、予備選択された適切な組織由来のcDNAライブラリーのハイブリダイゼーションにより単離され得る。ノーザンブロットが実施され得る。
【0146】
例えば、IL−1RD9をコードする遺伝子に対するメッセージは、適切な技術、例えば、PCR、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーション、またはその他によりアッセイされる。例えば、Clontech、Mountain View、CAから、組織および器官cDNA調製物が利用可能である。記載のように、天然発現の供給源の同定が有用である。そして機能的レセプターサブユニットペアリングの同定は、どの細胞が、IL−1リガンドの各々に対し生理学的応答性を生じるレセプターサブユニットの組み合わせを発現するかの予測を可能にする。
【0147】
IL−1RD9に対するメッセージは、それが利用可能な配列データベース中にある程度の頻度で見出されないように、極めて稀である。このことは、例えば、非常に稀なメッセージ、または高度に限定された分布を示唆する。IL−1R9は、T細胞、NK細胞、単球、および樹状細胞上に優勢に発現される。
【0148】
cDNAライブラリーに対するサザン分析が実施され得る:一次増幅されたcDNAライブラリーからのDNA(5μg)を、適切な制限酵素で消化して挿入片を放出し、1%アガロースゲル上で泳動し、そしてナイロンメンブレン(SchleicherおよびSchuell、Keene、NH)に移す。
【0149】
ヒトmRNA単離のための試料は、例えば以下を含み得る:末梢血単核細胞(単球、T細胞、NK細胞、顆粒球、B細胞)、休止(T100);2、6、12時間抗CD3で活性化されプールされた末梢血単核細胞(T101);T細胞、TH0クローンMot72、休止(T102);3、6、12時間抗CD28および抗CD3で活性化されプールされたT細胞、TH0クローンMot72(T103);2、7、12時間特異的ペプチドでアネルギー処理されプールされたT細胞、TH0クローンMot72(T104);T細胞、TH1クローンHY06、休止(T107);3、6、12時間抗CD28および抗CD3で活性化されプールされたT細胞、TH1クローンHY06(T108);2、6、12時間特異的ペプチドでアネルギー処理されプールされたT細胞、TH1クローンHY06(T109);T細胞、TH2クローンHY935、休止(T110);2、7、12時間抗CD28および抗CD3で活性化されプールされたT細胞、TH2クローンHY935(T111);T細胞CD4+CD45RO(抗CD28、IL−4、および抗IFN−γ中で27日極性化したT細胞)、抗CD3および抗CD28で4時間極性化し活性化したTH2(T116);T細胞腫瘍株JurkatおよびHut78、休止(T117);T細胞クローン、プールされたAD130.2、Tc783.12、Tc783.13、Tc783.58、Tc782.69、休止(T118);T細胞ランダムγδT細胞クローン、休止(T119);脾細胞、休止(B100);抗CD40およびIL−4で活性化された脾細胞(B101);プールされたB細胞EBV株WT49、RSB、JY、CVIR、721.221、RM3、HSY、休止(B102);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされたB細胞株JY;プールされたNK20クローン、休止(K100);6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされたNK20クローン(K101);IL−2処理された、LGL白血病患者の末梢血由来のNKLクローン(K106);NK細胞傷害性クローン640−A30−1、休止(K107);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされた造血前駆体株TF1(C100);U937前単球株、休止(M100);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性されプールされたU937前単球株(M101);1、2、6、12、24時間LPS、IFNγ、抗IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M102);1、2、6、12、24時間LPS、IFNγ、IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M103);4、16時間LPS、IFNγ、抗IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M106);4、16時間LPS、IFNγ、IL−10で活性化されプールされた溶出単球(M107);1時間LPSで活性化された溶出単球(M108);6時間LPSで活性化された溶出単球(M109);CD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 70% CD1a+、休止(D101);1時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 70% CD1a+(D102);6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 70% CD1a+(D103);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされ、FACSソートされたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 95% CD1a+(D104);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされ、FACSソートされたexCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC 95% CD14+(D105);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされ、FACSソートされたCD34+ GM−CSF、TNFα12日からのDC CD1a+ CD86+(D106);単球GM−CSFからのDC、IL−4 5日、休止(D107);単球GM−CSFからのDC、IL−4 5日、休止(D108);4、16時間LPSで活性化されプールされた単球GM−CSF、IL−4 5日からのDC、休止(D109);4、16時間TNFα、単球上清(supe)で活性化されプールされた単球GM−CSF、IL−4 5日からのDC(D110);平滑筋腫L11良性腫瘍(X101);正常子宮筋層M5(O115);悪性平滑筋肉腫GS1(X103);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされた肺線維芽細胞株MRC5(C101);1、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化されプールされた腎臓上皮癌腫細胞株CHA(C102);胎児腎臓28週雄(O100);胎児肺28週雄(O101);胎児肝臓28週雄(O102);胎児心臓28週雄(O103);胎児脳28週雄(O104);胎児胆嚢28週雄(O106);胎児小腸28週雄(O107);胎児脂肪組織28週雄(O108);胎児卵巣25週雌(O109);胎児子宮25週雌(O110);胎児精巣組織28週雄(O111);胎児脾臓組織28週雄(O112);成人胎盤28週(O113);および12才からの炎症扁桃(×100);乾癬ヒト皮膚試料;正常ヒト皮膚試料;慢性関節リウマチヒトのプール;橋本甲状腺炎;正常ヒト甲状腺;潰瘍性大腸炎ヒト結腸;正常ヒト結腸;正常重量サル結腸;ニューモシスティス肺炎肺;アレルギー肺;ヘビースモーカーヒト肺の3つのプール;正常ヒト肺の2つのプール;回虫属抗原投与サル肺、24時間;回虫属抗原投与サル肺、4時間;正常重量サル肺。
【0150】
IL−1RD8メッセージを、以下の表5に記載する。組織の発生段階とメッセージのレベルとの間に相関があるようである:ここでメッセージレベルは、胎児および形質転換された組織は、高いレベルで発現するが、正常および成体組織は、低レベルで発現する(骨格筋を除外して)。この現象内のさらなる見識は、さらなる実験を必要とする。
【0151】
IL−1RD8をコードしている遺伝子についてのメッセージを、適切な技術(例えば、PCR、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーションなど)によりアッセイする。組織および器官のcDNA調製物は、例えば、Clontech,Mountain View,CAから入手可能である。天然の発現の起源の同定は、記載したように有用である。そして、機能的レセプターサブユニット対合の同定は、各IL−1リガンドに生理的な応答性を生じるレセプターサブユニットの組み合わせをどの細胞が発現するかの予測を可能にする。
【0152】
【表5】
(V.IL−1RDの種相対物のクローニング)
種々の戦略を用いて、IL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10の種相対物を、好ましくは他の霊長類から得る。方法の一つは、密接に関連した種のDNAプローブを使用するクロスハイブリダイゼーションによる。中間段階として、進化的に類似した種を検討するのは有用であり得る。別の方法は、遺伝子間の類似性または相異性のブロック(例えば、高度に保存されたポリペプチド配列またはヌクレオチド配列の領域、あるいは保存されていないポリペプチド配列またはヌクレオチド配列の領域)の同定に基いた特異的PCRプライマーを用いることによる。さらに、遺伝子配列データベースを、別の種由来の関連した配列についてスクリーニングし得る。
【0153】
(VI.哺乳動物IL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10タンパク質の生成)
適切な(例えば、GST)融合構築物を、例えば、E.coliで発現させるために操作する。例えば、マウスIGIF pGexプラスミドを構築し、そしてE.coliに形質転換する。新たに形質転換した細胞を、例えば、50μg/mlアンピシリン含有LB培地で増殖させ、そしてIPTG(Sigma,St.Louis,MO)で誘導する。一晩の誘導後、細菌を収集し、そして例えば、IL−1RD8ポリペプチドを含むペレットを単離する。ペレットを、例えば、TE緩衝液(50mM Tris塩基(pH8.0)、10mM EDTAおよび2mMペファブロック(pefabloc))2リットル中でホモジナイズする。この物質を微量流動化装置(microfluidizer)(Microfluidics,Newton,MA)を三回通過させる。流動化上清を、Sorvall GS−3ローターにより13,000rpmで1時間スピンダウンさせる。得られたIL−1Rポリペプチド含有上清を濾過し、そして50mM Tris塩基(pH8.0)で平衡化したグルタチオン−SEPHAROSEカラムに通す。IL−1RD9−GST融合タンパク質を含む画分をプールし、そして例えば、トロンビン(Enzyme Research Laboratories,Inc., South Bend,IN)で切断する。次に、切断したプールを、50mM Tris塩基で平衡化したQ−SEPHAROSEカラムに通す。IL−1RD9を含む画分をプールし、そして冷却した蒸留H2Oで希釈して伝導率を低下させ、そして新鮮なQ−Sepharoseカラムのみに、または続いて免疫アフィニティー抗体カラムに戻して通した。IL−1RD9ポリペプチドを含む画分をプールし、アリコートにし、そして−70℃の冷凍庫で保存する。
【0154】
IL−1RポリペプチドとのCDスペクトルの比較により、タンパク質が正確に折り畳まれていることが示唆され得る。Hazudaら(1969)J.Biol.Chem.264:1689〜1693を参照。
【0155】
(VII.レセプターの生理学的形態の決定)
IL−1αおよびIL−1βリガンドは、一次レセプターとしてIL−1RD1に結合し、次に、この複合体は、IL−1RD3と高親和性レセプター複合体を形成する。そのようなレセプターサブユニットは、おそらく新規のIL−1リガンドファミリーのメンバーに関するレセプターにより共有される。例えば、USSN60/044,165およびUSSN60/055,111を参照のこと。IL−1RD9(αサブユニット型、配列分析に基く)の結合は、IL−1RD5(βサブユニット型、配列分析に基く)と結合してヘテロ2量体レセプターを形成する。IL−1δリガンドおよびIL−1εリガンドは、各々おそらく、IL−1RD3、IL−1RD8、またはIL−1RD10(β成分)と、IL−1RD4、IL−1RD6、またはIL−1RD9(α成分)との会合を含むレセプターを介して信号伝達する。
【0156】
これらの定義されたサブユニットの組み合わせを、ここで、提供された試薬を用いて試験し得る。特に、適切な構築物を、細胞へのサブユニットの形質転換またはトランスフェクションのために作製し得る。α鎖に関する構築物(例えば、IL−1RD1、IL−1RD4、IL−1RD6、およびIL−1RD9型を作製し得る。同様に、βサブユニットに関しては、IL−1RD3、IL−1RD5、IL−1RD7、およびIL−1RD8である。構造的に、IL−1RD10は、IL−1RD8と最も類似し、このことは、IL−1RD10が、βレセプターサブユニットでもあり得ることを示唆する。形質転換と組み合わせたトランスフェクションは、各IL−1リガンドへの応答に関して試験され得る規定されたサブユニットを発現する細胞を作製し得る。適切な細胞型(例えば、293T細胞、Jurkat細胞)は、例えば、核κB(NFκb)制御ルシフェラーゼレポーター構築物(例えば、Otienoら(1997)Am J Physiol 273〜XXX)に記載しているとともに使用され得る。
【0157】
このような種々のIL−1リガンドとレセプターとの組み合わせを、NFκb制御ルシフェラーゼレポーター構築物が、機能的信号伝達複合体の形成(+)を示す、または機能的信号伝達複合体を形成できない(−)ことを示すことを用いて、機能的な信号伝達複合体が形成されたかどうかを決定するために試験した。結果を、以下に示す:
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD3=+;
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD5=+;
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD8=+;
IL−1α+IL−1β+IL−1RD1+IL−1RD10(おそらく)=+/?。
この結果は、IL−1RD3、IL−1RD5、IL−1RD8、およびIL−1RD10が、IL−1α+IL−1β+IL−1RD1と組み合わせた場合、互いに他と機能的に置換され得ることを示唆する。
【0158】
他の組み合わせ(以下)は、機能的置換ができないことを示し;置換に対する前後関係上の依存性の重要性を示唆する(例えば、IL−1RD3およびIL−1RD8は、IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD5の組み合わせではIL−1RD5を機能的に置換され得ない)。
IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD5=+;
IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD3=−;
IL−1γ+IL−1RD9+IL−1RD8=−;
さらなるシリーズの実験では、マウス(m)およびヒト(h)のホモログが互いに機能的に置換する能力を試験した。結果を、以下に示す:
mIL−1γ+mIL−1RD5+mIL−1RD9=+;
mIL−1γ+mIL−1RD5+hIL−1RD9=−;
mIL−1γ+hIL−1RD5+hIL−1RD9=−;
mIL−1γ+hIL−1RD5+mIL−1RD9=−;
hIL−1γ+mIL−1RD5+mIL−1RD9=−;
hIL−1γ+mIL−1RD5+hIL−1RD9=−;
hIL−1γ+hIL−1RD5+mIL−1RD9=−;
hIL−1γ+hIL−1RD5+hIL−1RD9=+;
この結果は、種の同質性が、リガンドおよびレセプター単位のこの特定の型における機能的複合体を形成するために必要とされることを示唆する。
【0159】
一般的に生物学的アッセイは、タンパク質のリガンド結合の特徴、またはレセプターのキナーゼ/ホスファターゼ活性に関する。ホスファターゼまたはホスホリラーゼ活性を媒介する多数の他の酵素の作用と同様に、活性は、代表的に可逆であり、その活性は、標準の手順により容易に測定される。例えば、Hardieら編(1995)The Protein Kinase Factbook、I巻およびII巻、Academic Press、San Diego、CA;Hanksら(1991)Meth.Enzymol.200:38〜62;Hunterら(1992)Cell 70:375〜388;Lewin(1990)Cell 61:743〜752;Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp.Ouant.Biol.56:449〜463;およびParkerら(1993)Nature 363:736〜738を参照のこと。
【0160】
インターロイキン1ファミリーは、分子を含み、その分子のそれぞれは、炎症性疾患の重要なメディエーターである。包括的な総説に関して、Dinarello(1996)「Biologic basis for interleukin−1 in disease」Blood 87:2095〜2147を参照のこと。種々のIL−1リガンドが、疾患、特に、炎症性応答の開始において重要な役割を果たし得ることの示唆がある。IL−1ファミリーに関連した新規のポリペプチドの知見は、疾患の開始の分子的基礎を提供し、そして範囲および効力が増加した治療の戦略の開始を可能にする、分子の同定を進める。
【0161】
(VIII.IL−1Rに特異的な抗体の調製)
近交系Balb/cマウスに、組換え形態のポリペプチド(例えば、精製したIL−1RD8、IL−1RD9、およびIL−1RD10または安定にトランスフェクトしたNIH−3T3細胞を腹腔内免疫する。動物を、適切な時点で、タンパク質(付加的なアジュバントを含むか、または含まない)で追加免疫し、抗体の産生をさらに刺激する。血清を収集するか、またはハイブリドーマを、収集した脾臓で生成する。
【0162】
あるいは、Balb/cマウスを、遺伝子もしくはそのフラグメントで形質転換した細胞(内因性または外因性細胞のいずれか)で免疫するか、または抗原の発現を富化した単離された膜で免疫する。血清を適切な時点で、代表的には多くのさらなる投与後に収集する。種々の遺伝子治療技術は、例えば、免疫応答を生じるためのインサイチュでのタンパク質産生において有用であり得る。
【0163】
モノクローナル抗体を作製し得る。例えば、脾細胞を、適切な融合パートナーと融合し、そしてハイブリドーマを標準手順により増殖培地で選択する。ハイブリドーマの上清を、所望のIL−1Rに結合する抗体の存在について、例えば、ELISAまたは他のアッセイによりスクリーニングする。特定のIL−1Rの実施態様を選択的に認識する抗体もまた、選択または調製され得る。
【0164】
別の方法において、合成ペプチドまたは精製タンパク質を免疫系に提示し、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を生成する。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Immunology, Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。適切な状況において、結合試薬を上記のように(例えば、蛍光または他の方法で)標識するか、またはパンニング法のための基質に固定化するかのいずれかである。核酸はまた、動物の細胞に導入されて抗原(これは、免疫応答を誘発するのに役立つ)を産生し得る。例えば、Wangら(1993)Proc.Nat’l.Acad.Sci.90:4156〜4160;Barryら(1994)BioTechniques 16:616〜619;およびXiangら(1995)Immunity 2:129〜135を参照のこと。
【0165】
さらに、機能的βサブユニットとIL−1RD8、IL−1RD9、またはIL−1RD10との組み合わせを決定するために有用であり得る抗体を産生し得る。従って、例えば、特定の機能的α/βの組み合わせに特有のエピトープを、適切な抗体を用いて同定し得る。
【0166】
(IX.IL−1Rを有する融合タンパク質の生成)
様々な融合構築物を、IL−1Rを用いて作製する。適切な遺伝子の一部を、エピトープタグ(例えば、FLAGタグ)、またはツーハイブリッドシステム構築物に融合する。例えば、FieldsおよびSong(1989)Nature 340:245〜246を参照。
【0167】
エピトープタグを、結合パートナー(例えば、それぞれのIL−1Rについてのリガンド)を検出する抗FLAG抗体での検出を用いる発現クローニング手順に使用し得る。ツーハイブリッドシステムはまた、例えば、IL−1RD9に特異的に結合するタンパク質を単離するために使用され得る。
【0168】
(X.構造と活性との関係)
特定の残基の重要性に関する情報を、標準的手順および分析を使用して決定する。標準的変異誘発分析を、例えば、所定の位置(上記で同定した位置で)多くの異なる改変体を生成することにより、および改変体の生物学的活性を評価することにより行う。これを、活性を改変する位置を決定する程度まで、または生物学的活性を保持、ブロック、もしくは調節のいずれかをするために置換され得る残基を決定するために特定の位置に焦点をあてるまで実施し得る。
【0169】
あるいは、天然の改変体の分析は、どの位置が天然の変異に寛容かを示し得る。これは、個体間、または株間もしくは種間の変化の集団分析から生じ得る。選択した個体からの試料を、例えば、PCR分析および配列決定により分析する。これにより、集団多型の評価が可能になる。
【0170】
(XI.IL−1Rについてのリガンドの単離)
IL−1Rを、特異的結合試薬として使用し、抗体が使用されるのとほぼ同様に、その結合特異性を利用することにより、その結合パートナーを同定し得る。代表的に、結合レセプターは、レセプターサブユニットのヘテロ二量体である。結合試薬は、上記のように(例えば、蛍光または他の方法で)標識するか、またはパンニング方法のための基質に固定化するかのいずれかである。
【0171】
結合組成物を使用して、結合パートナー(すなわち、好ましくは膜と会合した、リガンド)を発現する細胞株から作製した発現ライブラリーのスクリーニングを行う。標準的染色技術を使用して、表面に発現されるリガンドを検出または選別するか、あるいは表面に発現する形質転換細胞をパンニングによりスクリーニングする。細胞内発現のスクリーニングを、種々の染色または免疫蛍光手順により行う。McMahanら(1991)EMBO J.10:2821〜2832もまた参照のこと。
【0172】
例えば、0日目に、2チャンバーパーマノックス(permanox)スライドを、チャンバーあたり1mlのフィブロネクチン(PBS中10ng/ml)で、室温にて30分間、予め被覆する。PBSで1回リンスする。次に、COS細胞を、1.5mlの増殖培地中、2〜3×105細胞/チャンバーでプレーティングする。37℃で一晩インキュベートする。
【0173】
各試料について、1日目に、無血清DME中の66μg/ml DEAE−デキストラン、66μMクロロキン、および4μg DNAの溶液0.5mlを調製する。各セットについて、例えば、1および1/200希釈のIL−1R−FLAG cDNAの陽性コントロール、ならびに陰性モックを調製する。細胞を無血清DMEでリンスする。DNA溶液を添加し、そして37℃で5時間インキュベートする。培地を除去し、そしてDME中の10%DMSOの0.5mlを2.5分間添加する。これを除去し、DMEで一度洗浄する。1.5mlの増殖培地を添加し、そして一晩インキュベートする。
【0174】
2日目、培地を交換する。3または4日目、細胞を固定し、そして染色する。細胞をHank緩衝化生理食塩水溶液(Hank’s Buffered Saline Solution)(HBSS)で二回リンスし、そして4%パラホルムアルデヒド(PFA)/グルコースで5分間固定する。HBSSで3回洗浄する。すべての液体を除去した後、スライドを−80℃で保存し得る。各チャンバーについて、0.5mlインキュベーションを以下のように行う。32μl/mlの1M NaN3を含むHBSS/サポニン(0.1%)を、20分間添加する。次に、細胞をHBSS/サポニンで1回洗浄する。適切なIL−1RまたはIL−1R/抗体複合体を細胞に添加し、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSS/サポニンで二回洗浄する。適切な場合、第1の抗体を30分間添加する。第2の抗体、例えば、ベクター抗マウス抗体を1/200希釈で添加し、そして30分間インキュベートする。ELISA溶液(例えば、Vector Elite ABC西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液)を調製し、そして30分間プレインキュベートする。例えば、HBSS/サポニン2.5ml当たり、溶液A(アビジン)1滴および溶液B(ビオチン)1滴を使用する。細胞をHBSS/サポニンで二回洗浄する。ABC HRP溶液を添加し、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSSで二回洗浄し、二回目の洗浄を2分間行い、これは細胞を閉鎖する。次いで、Vectorジアミノ安息香酸(DAB)を5〜10分間添加する。ガラス蒸留水5ml当たり、緩衝液2滴に加えてDAB 4滴およびH2O2 2滴を使用する。チャンバーを注意深く除去し、そしてスライドを水中でリンスする。数分間、風乾し、次いでCrystal Mount1滴を添加し、そしてカバースリップを加える。85〜90℃で5分間焼く。
【0175】
プールの陽性染色を評価し、そして結合の原因となる単一遺伝子を単離するまで漸次サブクローニングする。
【0176】
あるいは、IL−1R試薬を使用し、推定リガンドを発現する細胞をアフィニティー精製するか、または選別する。例えば、Sambrookら、またはAusubelらを参照のこと。
【0177】
別の戦略は、パンニングにより膜結合型レセプターについてスクリーニングすることである。レセプターcDNAを、上記のように構築する。リガンドを、固定化し、使用して、発現細胞を固定化し得る。固定化は、例えば、IL−1R融合構築物のFLAG配列を認識する適切な抗体を使用するか、または第1の抗体に対して惹起された抗体を使用することにより達成され得る。選択および増幅を反復して繰り返すことにより、適切なクローンが富化され、最終的に、レセプターを発現するクローンが単離される。
【0178】
ファージ発現ライブラリーを、哺乳動物IL−1Rによりスクリーニングし得る。適切な標識技術、例えば、抗FLAG抗体は、適切なクローンの特異的な標識を可能にする。
【0179】
当業者にとって明白なように、本発明の多くの改変および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行なわれ得る。本明細書中に記載される特定の実施態様は、例示として提供するだけであり、そして本発明は、このような特許請求の範囲が権利を付与される等価物の全範囲を伴う添付の特許請求の範囲の用語により制限される;そして本発明は本明細書に実施例として提示した特定の実施態様により制限されない。
Claims (37)
- 単離されたIL−1RD9ポリペプチドまたは組換えIL−1RD9ポリペプチドであって:
a)配列番号6、8、10、12、14、または16からなるか:
b)配列番号5、7、9、11、13、または15のオープンリーディングフレームを含むポリヌクレオチドによってコードされるか;または
c)配列番号5、7、9、11、13、または15のオープンリーディングフレームを含むポリヌクレオチドの天然に存在する対立遺伝子改変体によってコードされる、
ポリペプチド。 - 配列番号5、7、9、11、13、または15のオープンリーディングフレームを含むポリヌクレオチドの天然に存在する対立遺伝子改変体によってコードされる、請求項1に記載のポリペプチド。
- 単離されたIL−1RD9ポリペプチドまたは組換えIL−1RD9ポリペプチドであって:
a)SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決定された見かけの分子量68.3kDを有し;
b)推定pI 9.04を有し;そして
c)T細胞上に見出され;そして
ここで、該ポリペプチドは、少なくとも1つの以下の特性:
i)へテロダイマーであるか;
ii)IL−1αサブユニット型であるか;または
iii)IL−1RD5およびIL−1αと十分な時間にわたって接触させた場合、NFκβ転写因子レポーター構築物を活性化する機能的な高親和性レセプター複合体を形成する、
特性を有する、ポリペプチド。 - a)請求項2に記載のポリペプチドの15の連続したアミノ酸残基;
b)請求項2に記載のポリペプチドの20の連続したアミノ酸残基;
c)請求項2に記載のポリペプチドの25の連続したアミノ酸残基;
d)請求項2に記載のポリペプチドの30の連続したアミノ酸残基;
e)請求項2に記載のポリペプチドの35の連続したアミノ酸残基;または
f)請求項2に記載のポリペプチドの40の連続したアミノ酸残基、
から選択される連続するアミノ酸残基のセグメントを含む、単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。 - 免疫原性である、請求項1に記載のポリペプチド。
- 請求項3に記載のポリペプチドの免疫原性ペプチドを含む、単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド
- 請求項4に記載の免疫原性ポリペプチドを含む、単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
- 請求項4に記載のポリペプチドおよび以下を含む、融合タンパク質であって:
a)FLAG、His6、およびイムノグロブリンペプチドからなる群より選択される検出タグまたは精製タグ;
b)キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、および破傷風トキソイドからなる群より選択されるキャリアタンパク質;または
c)ルシフェラーゼ、細菌β−ガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、β−ラクタマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、および酵母α接合因子からなる群より選択される別のペプチド、
を含む、融合タンパク質。 - 請求項5に記載のポリペプチドおよび以下を含む、融合タンパク質であって:
a)FLAG、His6、およびイムノグロブリンペプチドからなる群より選択される検出タグまたは精製タグ;
b)キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、および破傷風トキソイドからなる群より選択されるキャリアタンパク質;または
c)ルシフェラーゼ、細菌β−ガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、β−ラクタマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、および酵母α接合因子からなる群より選択される別のペプチド、
を含む、融合タンパク質。 - 請求項1に記載のポリペプチドを含む組成物であって、すなわち、
a)薬学的に受容可能なキャリア中;
b)滅菌組成物中;
c)緩衝化溶液中;または
d)水性懸濁物中、
に該ポリペプチドを含む、組成物。 - 請求項4に記載のポリペプチドを含む組成物であって、すなわち、
a)薬学的に受容可能なキャリア中;
b)滅菌組成物中;
c)緩衝化溶液中;または
d)水性懸濁物中、
に該ポリペプチドを含む、組成物。 - 請求項4に記載のポリペプチドであって、すなわち、
a)変性された;
b)免疫精製された;
c)固体基板に結合された;
d)検出可能に標識された;または
e)化学的に合成された、
ポリペプチド。 - 請求項5に記載のポリペプチドであって、すなわち、
a)変性された;
b)免疫精製された;
c)固体基板に結合された;
d)検出可能に標識された;または
e)化学的に合成された、
ポリペプチド。 - 請求項1に記載のポリペプチド、ならびに以下:
a)該タンパク質を含むコンパートメント;または
b)該キット中の試薬の使用または処分についての説明書、
を含む、キット。 - 請求項4に記載のポリペプチド、ならびに以下:
a)該タンパク質を含むコンパートメント;または
b)該キット中の試薬の使用または処分についての説明書、
を含む、キット。 - 抗体を惹起するための方法であって、請求項5に記載のポリペプチドで動物を免疫する工程を包含する、方法。
- 抗体:抗原複合体を生成する方法であって、請求項5に記載のポリペプチドと該ポリペプチドに特異的に結合する抗体とを接触させ、これによって、該複合体を形成する工程、を包含する、方法。
- a)少なくとも12アミノ酸の長さにわたって、配列番号4に対して同一性を示す、実質的に純粋なIL−1RD8ポリペプチドまたは組換えIL−1RD8ポリペプチド;
b)配列番号4を含む天然のIL−1RD8ポリペプチド配列;
c)IL−1RD8ポリペプチド配列を含む、融合ポリペプチド;
d)少なくとも12アミノ酸の長さにわたって、配列番号20に対して同一性を示す、実質的に純粋なIL−1RD10ポリペプチドまたは組換えIL−1RD10ポリペプチド;
e)配列番号20を含む天然のIL−1RD10ポリペプチド配列;および
f)IL−1RD10ポリペプチド配列を含む融合タンパク質、
からなる群より選択される組成物。 - 以下の対応する部分に対して配列同一性を示すセグメントを含む、実質的に純粋なポリペプチドまたは単離されたポリペプチドであって、
a)請求項18に記載のIL−1RD8であって、ここで、
i)該ポリペプチドはさらに、9アミノ酸の異なるセグメントに対して同一性を示す;
ii)該同一性の長さは、少なくとも17アミノ酸である;
iii)該同一性の長さは、少なくとも約25アミノ酸である;
または
b)請求項18に記載のIL−1RD10であって、ここで
i)該ポリペプチドはさらに、9アミノ酸の異なるセグメントに対して同一性を示す;
ii)該同一性の長さは、少なくとも17アミノ酸である;
iii)該同一性の長さは、少なくとも約25アミノ酸である、
ポリペプチド。 - 請求項18に記載の組成物であって、ここで、該組成物が、
a)IL−1RD8が、配列番号2または4に記載の成熟配列を含む;
b)IL−1RD10が、配列番号18または20に記載の成熟配列を含む;または、
c)以下のポリペプチド:
i)ヒトのような霊長類から選択される温血動物に由来する;
ii)配列番号4または20に記載の少なくとも1つのポリペプチドセグメントを含む;
iii)前記同一性を示す複数の部分を示す;
iv)霊長類もしくは齧歯類IL−1RD8または霊長類IL−1RD10の天然の対立遺伝子改変体である;
v)少なくとも約30アミノ酸長を有する;
vi)少なくとも2つの、霊長類もしくは齧歯類IL−1RD8または霊長類IL−1RD10に特異的である非重複エピトープを示す;
vii)少なくとも20アミノ酸の長さにわたって、霊長類IL−1RD8または霊長類IL−1RD10に対して少なくとも約90%の配列同一性を示す;
viii)天然のグリコシル化で少なくとも100kDの分子量を有する;
ix)合成ポリペプチドである;
x)固体基板に結合されている;
xi)別の化学部分に結合体化されている;
xii)天然配列の5倍以下の置換である;または
xiii)天然配列の欠失または挿入改変体である、
ポリペプチド、
である、組成物。 - 以下を含む、組成物であって、
a)請求項18に記載の滅菌IL−1RD8ポリペプチド;
b)請求項18に記載のIL−1RD8タンパク質もしくはペプチドおよびキャリア、
であって、ここで該キャリアは、
i)水、生理食塩水、および/もしくは緩衝液を含む水性化合物;
ならびに/または
ii)経口、直腸、経鼻、局所、または非経口投与のために処方されている、
キャリアであって、
c)請求項18に記載の滅菌IL−1RD10ポリペプチド;または
d)請求項18に記載のIL−1RD10ポリペプチドおよびキャリア、
であって、ここで該キャリアは、
i)水、生理食塩水、および/もしくは緩衝液を含む水性化合物;
ならびに/または
ii)経口、直腸、経鼻、局所、または非経口投与のために処方されている、
キャリア、
を含む、組成物。 - a)配列番号2、4、18、または20に記載の成熟タンパク質配列;
b)FLAG、His6、またはIg配列を含む、検出タグもしくは精製タグ;または
c)別のレセプタータンパク質の配列、
を含む、請求項18に記載の融合タンパク質。 - 請求項18に記載のポリペプチドおよび以下:
a)該ポリペプチドを含むコンパートメント;および/または
b)該キット中の試薬の使用または処分についての説明書、
を含む、キット。 - 抗体由来の抗原結合部位を含む結合化合物であって、該抗体は、以下の天然の、
A)請求項18に記載のIL−1RD8タンパク質、
であって、ここで、
a)該タンパク質は、霊長類または齧歯類タンパク質である;
b)該結合化合物は、Fv、Fab、もしくはFab2フラグメントである;
c)該結合化合物は、別の化学部分に結合体化されている;または
d)該抗体は、
i)配列番号2または4に記載の成熟ポリペプチドのペプチド配列に対して惹起されている;
ii)成熟霊長類IL−1RD8または齧歯類IL−1RD8に対して惹起されている;
iii)精製されたヒトIL−1RD8に対して惹起されている;
iv)精製されたマウスIL−1RD8に対して惹起されている;
v)免疫選択されている;
vi)ポリクローナル抗体である;
vii)変性されたIL−1RD8に結合する;
viii)少なくとも30μMの、抗原に対するKdを示す;
ix)ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体基板に結合されている;
x)滅菌組成物中にある;または
xi)放射活性標識または蛍光標識を含む、検出可能に標識されている、
抗体、である、タンパク質;あるいは、
B)請求項18に記載のIL−1RD10ポリペプチド、
であって、ここで、
a)該ポリペプチドは霊長類ポリペプチドである;
b)該結合化合物は、Fv、Fab、もしくはFab2フラグメントである;
c)該結合化合物は、別の化学部分に結合体化されている;または
d)該抗体は、
i)配列番号18または20に記載の成熟ポリペプチドのペプチド配列に対して惹起されている;
ii)成熟霊長類IL−1RD10に対して惹起されている;
iii)精製されたヒトIL−1RD10に対して惹起されている;
iv)免疫選択されている;
v)ポリクローナル抗体である;
vi)変性されたIL−1RD10に結合する;
vii)少なくとも30μMの、抗原に対するKdを示す;
viii)ビーズまたはプラスチックメンブレンを含む固体基板に結合されている;
ix)滅菌組成物中にある;または
x)放射活性標識または蛍光標識を含む、検出可能に標識されている、
抗体、であるポリペプチド、
に特異的に結合する、
結合化合物。 - 請求項24に記載の結合化合物ならびに以下:
a)該結合化合物を含むコンパートメント;および/または
b)該キット中の試薬の使用もしくは処理についての説明書、
を含む、キット。 - 以下の工程を包含する方法であって、
A)請求項23に記載の抗体を作製する工程であって、該工程は、
a)霊長類IL−1RD8ポリペプチド;
b)霊長類IL−1RD10ポリペプチド、
の免疫原性量で免疫系を免疫する工程、もしくはそれによって該抗体を産生させる工程、を包含する工程;または
B)抗原:抗体複合体を生成する工程であって、該工程は、
a)霊長類IL−1RD8ポリペプチドと請求項24Aに記載の抗体;もしくは、
b)霊長類IL−1RD10ポリペプチドと請求項24Bに記載の抗体
とを接触させ、それによって該複合体を形成させる工程、
を包含する、方法。 - 以下を含む組成物であって、
a)請求項24に記載の滅菌結合化合物、または
b)請求項24に記載の結合化合物およびキャリア、
を含み、ここで該キャリアは、
i)水、生理食塩水、および/もしくは緩衝液を含む水性化合物;
ならびに/または
ii)経口、直腸、経鼻、局所、または非経口投与のために処方されている、
キャリア、
を含む、組成物。 - 請求項18に記載のタンパク質もしくはポリペプチド、または融合タンパク質をコードする単離された核酸または組換え核酸であって、
a)前記IL−1RD8または前記IL−1RD10は哺乳動物由来である;または
b)該核酸は、
i)配列番号2、4、18、または20に記載の抗原性ポリペプチド配列をコードするか;
ii)配列番号2、4、18、または20に記載の、複数の抗原性ポリペプチド配列をコードするか;
iii)前記セグメントをコードする天然のcDNAに対する同一性を示すか;
iv)発現ベクターであるか;
v)複製起点をさらに含むか;
vi)天然の供給源由来であるか;
vii)検出可能な標識を含むか;
viii)合成ヌクレオチド配列を含むか;
ix)6kb未満、好ましくは、3kb未満であるか;
x)例えば、ヒトのような霊長類を含む哺乳動物に由来するか;
xi)天然の全長コード配列を含むか;
xii)該IL−1RD8または該IL−1RD10をコードする遺伝子についてのハイブリダイゼーションプローブであるか;
xiii)配列番号1、3、17、もしくは19からの少なくとも15ヌクレオチドの、複数の非重複セグメントを含むか、または
xiv)PCRプライマー、PCR産物、もしくは変異誘発プライマーである、核酸、
である、単離された核酸または組換え核酸。 - 請求項28に記載の組換え核酸でトランスフェクトした細胞、またはそれで形質転換した細胞。
- 請求項29に記載の細胞であって、該細胞は、
a)原核生物細胞;
b)真核生物細胞;
c)細菌細胞;
d)酵母細胞;
e)昆虫細胞;
f)哺乳動物細胞;
g)マウス細胞;
h)霊長類細胞;または
i)ヒト細胞、
である、細胞。 - 請求項28に記載の核酸ならびに以下:
a)該核酸を含むコンパートメント;
b)霊長類IL−1RD8もしくは齧歯類IL−1RD8ポリペプチドまたは霊長類IL−1RD10ポリペプチドをさらに含むコンパートメント;
および/または
c)該キット中の試薬の使用または処理についての説明書、
を含む、キット。 - A)ポリペプチドを作製する工程であって、該工程が、請求項28に記載の核酸を発現し、これによって該ポリペプチドを産生する工程、を包含する、工程;
または、
B)二重鎖核酸を作製する工程であって、該工程が、請求項28に記載の核酸と、ハイブリダイズする核酸とを接触させ、これによって該二重鎖を形成させる工程を包含する、工程、
を包含する、方法。 - a)40℃および2M未満の塩の洗浄条件下で、配列番号3もしくは19にハイブリダイズするか;または
b)少なくとも約30ヌクレオチドのストレッチにわたって、霊長類IL−1RD8もしくはIL−1RD10に対する同一性を示す、
核酸。 - 請求項33に記載の核酸であって、
a)前記洗浄条件が、55℃および/もしくは500mMの塩であるか;または
b)前記ストレッチが、少なくとも55ヌクレオチドである、
核酸。 - 請求項34に記載の核酸であって、
a)前記洗浄条件が、65℃および/もしくは150mMの塩であるか;または
b)前記ストレッチが、少なくとも75ヌクレオチドである、
核酸。 - 細胞または組織培養細胞の生理または発生を調節する方法であって、該細胞を霊長類IL−1RD8またはIL−1RD10のアゴニストまたはアンタゴニストと接触させる工程を包含する、方法。
- 請求項36に記載の方法であって、該細胞は、IL−1RD8またはIL−1RD10のいずれか、および別のIL−1Rをコードする核酸で形質転換されている、方法。
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US95182997A | 1997-10-15 | 1997-10-15 | |
US97163597A | 1997-11-17 | 1997-11-17 | |
US7800898P | 1998-03-12 | 1998-03-12 | |
US4071498A | 1998-03-18 | 1998-03-18 | |
US8188398P | 1998-04-15 | 1998-04-15 | |
US9598798P | 1998-08-10 | 1998-08-10 | |
PCT/US1998/020939 WO1999019480A2 (en) | 1997-10-15 | 1998-10-14 | Human receptor proteins; related reagents and methods |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004512801A true JP2004512801A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=27556387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000516032A Withdrawn JP2004512801A (ja) | 1997-10-15 | 1998-10-14 | ヒトレセプタータンパク質;関連試薬および方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1029043A1 (ja) |
JP (1) | JP2004512801A (ja) |
AR (1) | AR017518A1 (ja) |
AU (1) | AU9786498A (ja) |
CA (1) | CA2306455A1 (ja) |
WO (1) | WO1999019480A2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001526893A (ja) * | 1997-12-23 | 2001-12-25 | イミュネックス・コーポレーション | Tigirrdnaおよびポリペプチド |
JP4409763B2 (ja) | 1998-01-23 | 2010-02-03 | イミュネックス・コーポレーション | Acpldnaおよびポリペプチド |
US20020155526A1 (en) | 1998-09-30 | 2002-10-24 | Busfield Samantha J. | Novel secreted immunomodulatory proteins and uses thereof |
WO2020018503A2 (en) | 2018-07-16 | 2020-01-23 | Regeneron Pharmaceuticals, Inc. | Anti-il36r antibodies |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996007739A2 (en) * | 1994-09-09 | 1996-03-14 | Neurocrine Biosciences, Incorporated | Interleukin-1 type 3 receptors |
-
1998
- 1998-10-14 EP EP98952080A patent/EP1029043A1/en not_active Withdrawn
- 1998-10-14 WO PCT/US1998/020939 patent/WO1999019480A2/en not_active Application Discontinuation
- 1998-10-14 JP JP2000516032A patent/JP2004512801A/ja not_active Withdrawn
- 1998-10-14 CA CA002306455A patent/CA2306455A1/en not_active Abandoned
- 1998-10-14 AR ARP980105111A patent/AR017518A1/es unknown
- 1998-10-14 AU AU97864/98A patent/AU9786498A/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU9786498A (en) | 1999-05-03 |
WO1999019480A3 (en) | 1999-06-24 |
EP1029043A1 (en) | 2000-08-23 |
CA2306455A1 (en) | 1999-04-22 |
WO1999019480A2 (en) | 1999-04-22 |
AR017518A1 (es) | 2001-09-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
ES2307618T3 (es) | Proteinas subunidades de receptores de cotocinas de mamiferos, reactivos y metodos relacionados. | |
US8197812B2 (en) | IL-1-like cytokine antibodies | |
WO1998047921A1 (en) | Mammalian cytokines; related reagents and methods | |
JP2015007129A (ja) | 哺乳動物レセプタータンパク質;関連する試薬および方法 | |
JP2003534013A (ja) | 哺乳動物レセプタータンパク質;関連試薬および方法 | |
JP2003523179A (ja) | 哺乳動物レセプタータンパク質;関連する試薬および方法 | |
JP2002505879A (ja) | ヒトレセプタータンパク質;関連する試薬および方法 | |
US6326472B1 (en) | Human receptor proteins; related reagents and methods | |
US20030082734A1 (en) | Mammalian receptor proteins; related reagents and methods | |
JP2004512801A (ja) | ヒトレセプタータンパク質;関連試薬および方法 | |
WO2000017363A2 (en) | Interleukin-1 like molecule: interleukin-1-zeta; nucleic acids, polypeptides, antibodies, their uses | |
US7205381B2 (en) | Mammalian cytokines; related reagents and methods | |
MXPA00003774A (en) | Human receptor proteins;related reagents and methods | |
US20020042122A1 (en) | Mammalian proteins; related reagents and methods | |
MXPA99009646A (en) | Mammalian cytokines;related reagents and methods | |
MXPA00008848A (en) | Human receptor proteins;related reagents and methods |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |