JP2004512158A - 蒸気と液体とを向流的に接触させるカラム - Google Patents
蒸気と液体とを向流的に接触させるカラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004512158A JP2004512158A JP2002537398A JP2002537398A JP2004512158A JP 2004512158 A JP2004512158 A JP 2004512158A JP 2002537398 A JP2002537398 A JP 2002537398A JP 2002537398 A JP2002537398 A JP 2002537398A JP 2004512158 A JP2004512158 A JP 2004512158A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- vapor
- contact
- tray
- column
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D3/00—Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
- B01D3/14—Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column
- B01D3/16—Fractionating columns in which vapour bubbles through liquid
- B01D3/18—Fractionating columns in which vapour bubbles through liquid with horizontal bubble plates
- B01D3/20—Bubble caps; Risers for vapour; Discharge pipes for liquid
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
- Drying Of Gases (AREA)
- Gas Separation By Absorption (AREA)
Abstract
Description
本発明は蒸気と液体とを向流的に接触させるカラムに関する。本発明のカラムは、カラム内で軸方向に間隔を設けて配列された複数の水平接触トレーを含み、接触トレーの各々が、気液接触エリアと、液体受容エリアと、液体下降エリアと、液体下降エリアと接触エリアとの間のオーバーフロー堰とを備えており、カラムが更に、複数の水平分離トレーを備えており、分離トレーの各々が空間的に接触トレーの上方に配列されており、該分離トレーが、上昇する蒸気から飛沫同伴液体を分離する手段と、このように分離した液体を下方の接触トレーに戻す手段とを有している。
【0002】
このようなトレーは国際特許公開WO−A−9525571から公知である。該特許は、気液接触エリアがふるいトレー型であり、分離トレーが、蒸気と液体粒子との混合物から液体粒子を除去する手段となる複数の渦流管から構成された上述のようなカラムを記載している。既存のカラムの改造形態では、容量を改善するために接触トレーがしばしば上述の接触トレーと分離トレーとによって置換されている。
【0003】
WO−A−9525571に記載のカラムの正常稼働中には、蒸気が接触トレーのふるいトレーの開口を通って上昇し、液体は1段上の接触トレーの液体下降管を通って接触トレーに供給される。接触トレーに集められた液体は接触トレー上に層を形成し、この層で上記と液体との接触が生じ、いわゆる泡(froth)が形成される。泡は、液体を連続相とし、蒸気の気泡を不連続相とする混合物である。この泡から蒸気と飛沫同伴された液体粒子とが上方の分離トレーに放出される。分離トレー上で、これらの液体粒子が分離されて下方の接触トレーに戻される。
【0004】
上述のカラムの欠点は、低い流動パラメーターでは効率が比較的低いことである。低い流動パラメーターでは、同じカラムに供給された蒸気の容量に比べて液体の容量が比較的少ない。液体が、液体受容エリアからふるいトレー型気液接触エリアに低い液体負荷(load)及び高い蒸気負荷で供給されるとき、液体はトレーから直ちに吹き飛ばされるであろう。この結果として、接触トレー全体のいわゆる液体流路の一部分だけしか有効に使用されないことになる。このような液体の分布不良はトレーの効率に不利になる。
【0005】
DD−A−109804は、分離トレーと接触トレーとを備えており、接触トレーがアトマイザー手段を備えており、該アトマイザー手段において液体が接触トレーから蒸気流に引き込まれ、蒸気と液体粒子との上昇する分散液を形成するようなカラムが記載されている。本出願人らは開示されたカラムが始動できないことを知見した。予測されたような望ましい気液接触効果は生じない。
【0006】
流動パラメーターは(L/G)*(ρl/ρg)1/2と定義され、式中の、Lは液体の流速をm3/秒で表し、Gは蒸気の流速をm3/秒で表し、ρlは液体密度をkg/m3で表し、ρgは蒸気密度をkg/m3で表す。低い流動パラメーターという表現は特に0.1よりも小さい値の流動パラメーターを意味する。
【0007】
本発明の目的は、接触トレーと分離トレーとを有しており、低い流動パラメーターでより高い物質移動効率及びより大きい容量を有しているカラムを提供することである。
【0008】
この目的は以下のカラムによって達成される。カラムは蒸気と液体とを向流的に接触させるカラムであり、カラムが、カラム内に軸方向に間隔を設けて配列された複数の水平接触トレーを含み、接触トレーの各々が、気液接触エリアと、液体受容エリアと、液体下降エリアと、液体下降エリアと接触エリアとの間のオーバーフロー堰とを備えており、カラムが更に、複数の水平分離トレーを備えており、分離トレーの各々が空間的に接触トレーの上方に配列されており、該分離トレーは、上昇する蒸気から飛沫同伴液体を分離する手段と、このように分離した液体を下方の接触トレーに戻す手段とを有しており、気液接触エリアがアトマイザー手段を備えており、液体はアトマイザー手段において連続液相から蒸気流に引き込まれて蒸気と液体粒子との分散液を形成する。
【0009】
気液接触エリアがWO−A−9525571のカラムのようなふるいトレー開口の代わりにアトマイザーを備えているので、高低双方の流動パラメーターで接触トレーの表面に澄んだ液体層が存在するであろう。この液体層は最大でオーバーフロー堰と同じ高さを有するであろう。この液体層は、液体が気液接触エリアに存在するアトマイザー内で上昇する蒸気に接触する前に、低い流動パラメーターであっても液体がトレー全体により十分に分布することを確保する。
【0010】
出願人らは更に、DD−A−109804の接触トレーは液体下降管を備えていないが、本発明のカラム内の接触トレーは液体下降管を備えているので、始動の問題が生じないこと、その結果として予測通りの気液接触が生じることを知見した。稼働を始められるカラムを得るためにはこれらの液体下降管が必須であることが知見された。稼働中にはこれらの液体下降管の機能はあまり重要ではなくなる。このような理由で液体下降管を小さい寸法にしておける。
【0011】
使用中には上昇する蒸気と液体粒子との分散液がアトマイザー手段内で形成されるであろう。この分散液は全体的にまたは部分的に当該接触トレーのすぐ上の分離トレーに向かって共流的に移動する。その結果として、接触トレーの液体下降管を経由して接触トレーを離れる液体は極めて少量にすぎない。
【0012】
分離トレー及び接触トレーの双方に澄んだ液体層が存在するので、液体下降管の入口で高い液体流入速度が得られる。これらの液体速度が高いほど、液体下降エリアの所要面積が小さい。
【0013】
気液接触エリアでアトマイザー手段を使用することによって得られる別の利点は、例えばふるいプレート開口に比べて、接触トレーにおける圧力降下を有意に少なくできることである。これは、アトマイザーでは浸出を避けるための最小速度がふるいプレート型開口の最小速度の1/3−1/4でよいという事実の結果である。浸出とは、液体が液体層からふるいトレー型開口またはアトマイザーの開口を通って接触トレーに移行する現象を意味する。このように最小速度を低減できるので、より大きい開口面積のアトマイザーを使用でき、その結果として接触トレーにおける圧力降下が少なくなる。
【0014】
アトマイザー手段は、蒸気流と連続液相とを接触させることによって蒸気と液体粒子との分散液を形成し得る公知のいかなる手段でもよい。好ましくはアトマイザー手段が、気液接触エリアの表面の開口によって形成され、開口の鉛直上方に蒸気の上昇通路が存在し、この蒸気通路は蒸気通路を連続液相から隔てる側壁によって形成されている。側壁は更に、気液接触エリアの表面に存在する連続液体層から蒸気通路に液体を移行させる1つまたは複数の開口を備えている。側壁はオーバーフロー堰の上方の位置まで伸びているのが好適である。その結果として側壁の開口は、連続液体層に浸漬するようにオーバーフロー堰の上端よりも低い位置に存在する。連続液体層という表現は蒸気の気泡を実質的に含まない液体を意味すると理解されたい。
【0015】
側壁の開口の総面積はカラムが稼働するときの流動パラメーターに依存するであろう。流動パラメーターが低いほど、総面積が小さい。開口の総面積は、側壁毎の大きい単一開口の使用に相当するような複数の小さい開口を使用することによって適宜変更する。
【0016】
側壁の開口は、液体層と蒸気通路とを流体的に接続する傾斜管を備えていてもよい。このような管は上向きで蒸気流の方向を指している。より好ましくは蒸気通路が側壁の開口よりも低い位置または該開口に配置された狭窄部を備えている。使用中にはこの狭窄部が蒸気通路内で局部的低圧を創出し、この局部的低圧がトレー表面から側壁の開口を経由して蒸気通路に達する液体の流れを確保する。好ましくは狭窄部が、側壁の下部の形状によって形成される。好ましくは狭窄部が側壁の開口の下端に局部的に形成される。適当な狭窄部の一例は、該側壁の例えば円形の開口の下半部に取り付けられた側壁の半カップ状延長部である。別の適当な狭窄部は、側壁のもっと細長い開口の水平下端から蒸気の上昇通路内に伸びる傾斜リップの形状を有している。傾斜リップが水平トレー表面と形成する角度は好ましくは10−80°である。
【0017】
気液接触エリアの好ましいアトマイザーの開口の形状は、平面図で見ると任意の形状、例えば、円形、楕円形、正方形または長方形のいずれでもよい。円形アトマイザーの例は、SU−B−902784に記載されている。より好ましくはこれらの開口は細長い長方形開口である。このような開口とそれらと協働する側壁とが製造し易いからである。このような長方形開口は好ましくは平行な開口群として間隔を設けて気液接触エリアに配列される。液体が液体受容エリアから液体下降エリアに自由に流れるように選択された特定の配列が好ましい。長方形開口は例えば、それらの長辺がオーバーフロー堰に垂直に配列され、ここから液体受容エリアに向かって伸びるように配列され得る。
【0018】
蒸気通路となる気液接触エリアの開口の総面積は好ましくはカラムの横断面の全面積の5−40%である。
【0019】
側壁の開口は任意の寸法及び形状でよく、例えば、円形、楕円形、スリット状または長方形である。例えば長方形アトマイザー開口の側壁が一列の円形開口またはより適当には1つまたは複数の長方形開口を側壁の長さに沿って備えていてもよい。側壁のこのような長方形開口には開口の下端によって形成された線に沿って側壁の壁材料部分を折り曲げることによって長方形リップを容易に配備し得る。
【0020】
図1−4を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0021】
(図面の簡単な説明)
図1は、蒸気と液体とを向流的に接触させる本発明のカラムの一部を示す概略部分断面図である。
【0022】
図2は、図1のAA′線に沿った横断面図である。
【0023】
図3は、図1のBB′線に沿った横断面図である。
【0024】
図4は、図1のCC′線に沿った断面図である。
【0025】
図5は、実施例1の結果と比較実験の結果とを示す。
【0026】
図1は、蒸気と液体とを向流的に接触させるカラム(1)を示す。カラム(1)は、カラム(1)内に軸方向に間隔を設けて配列された複数の水平接触トレー(2,3,4,5)を含む。接触トレーの各々が、オーバーフロー堰(6)と、細長い長方形の形状のアトマイザー手段(12)とを備えている。カラム(1)は更に、複数の水平分離トレー(7,8,9,10)を備えている。分離トレーの各々は、上昇する蒸気から飛沫同伴液体を分離する手段として複数の渦流管(11)を有している。更に、例えば分離トレー(7)上でこのようにして分離された液体を下方の接触トレー(4)に戻すために鉛直管(15)が存在する。
【0027】
図1はまた、接触トレー(3)の接触トレー表面の直ぐ上に伸びる液体下降壁(18)によって形成された液体下降管(17)を示す。図1で、オーバーフロー堰(6)の高さは液体下降壁(18)の下端よりも高い位置にあるので、液体下降管の下端は接触トレー(3)に存在する液体層(19)に浸漬している。この実施態様は液体シールを有している液体下降管と呼ばれることもある。また、液体シールのない液体下降管を本発明に組合せて使用することもできる。
【0028】
図2は図1のAA′線に沿った横断面図である。図2は、気液接触エリア(13)と液体受容エリア(14)と液体下降エリア(16)とを備えた接触トレー(8)の平面図を示す。液体下降エリア(16)は液体下降管(17)の液体流入用開口(19)を形成している。図2はまた、閉口に配列された長方形の形状のアトマイザー群(12)を示す。この実施態様では液体が液体受容エリア(14)から液体下降エリア(16)に自由に流動できることが明らかである。
【0029】
図3は、図1のBB′線に沿った横断面図である。図3は、渦流管(11)と管(15)の液体流入用開口とを備えた分離トレー(8)の平面図である。渦流管(11)は渦流発生手段としてベーン(20)を備えている。この断面図は、上方に位置する接触トレー及び分離トレーから液体を搬送する液体下降管(17)と管(15)との部分を示している。
【0030】
図4は、接触トレー(3)の長方形アトマイザー(12)とトレー表面(21)の一部との断面図を示す。アトマイザー(12)はトレー表面(21)の開口(22)によって形成され、開口(22)は側壁(23)を備えている。側壁(23)は開口(25)を備えている。開口(22)と側壁(23)とがボックス形の蒸気通路(24)を形成している。この通路(24)を通って蒸気は矢印(26)に沿って接触トレー(3)の上方に移行する。蒸気通路(24)内に、開口(22)の下端に取り付けられた2個の傾斜リップ(27)によって形成された狭窄部が存在する。使用中には、上昇する蒸気が液体層(19)から開口(25)を経由して蒸気通路(24)に液体粒子を引き込み、矢印(28)に沿って上昇する蒸気と液体粒子との混合物を形成する。
【0031】
図4はまた、低い流動パラメーターでもトレー表面に液体層が存在できる理由を示す。液体は、蒸気通路(24)の局部的低圧、及び、開口(25)における液体の局部圧力によって開口(25)に引き込まれる。この後者の局部圧力は、開口の上方の透明液体柱(dl)に依存する。接触トレー(3)の表面に供給される液体が少なくなると最初にこの液体柱の高さが低くなる。その結果として、開口(25)の処で液体層と蒸気通路との間の圧力差が小さくなり、次の結果として液体流が減少する。液体流のこの減少は接触トレーに供給された液体の減少に完全に釣り合う。開口(25)の適正な面積を選択し、十分に高い側壁(23)を選択することによって流動パラメーターが高低いずれの値であっても液体層が存在し得ることは上記の説明から明らかであろう。
【0032】
分離トレー(7,8,9,10)は、上昇する蒸気から飛沫同伴された液体を分離するための分離手段を備えている。このような分離手段はこのような分離を果たすことが当業者に公知のいかなる手段でもよい。このような手段の例としては、編成メッシュ生地、米国特許US−A−6059934に記載されたような鉛直方向で平行に配列された波形プレート、米国特許US−A−4361469及びUS−A−5695548に記載されたような傾斜した上向きのU形チャネルがある。液体粒子を分離する手段としては高い分離効率をもつという理由で渦流管を使用するのが好ましい。図1及び図3は渦流管を備えた分離トレーを示している。渦流管を備えた適当な分離トレーの一例は例えば国際特許公開WO−A−9525571に記載されている。
【0033】
渦流管(11)は、円形の円筒状パイプ(30)であり、その内部に渦流発生手段(29)が配列されている。正常稼働中は、液体を飛沫同伴した気体が渦流管を流れ、渦流発生手段(29)が気体を回転させる。飛沫同伴された液体が遠心力の作用下で渦流管(11)の中心から遠ざかり、円形の円筒状パイプ(30)の内面に集まり、ここに液体の薄膜が形成される。パイプの上端で液体の薄膜が破れ、液体粒子がパイプ(39)から離れる。これらの液体粒子は分離トレーに落下する。
【0034】
好ましくは渦流管が、渦流管(11)の上端全面に配置された環状のUターンデフレクタを備えている。このデフレクタは、液体を分離トレーの表面に強制的に送り込むことを確保する。渦流管の内部で液体による蒸気の飛沫同伴は、正常稼働中に分離トレー(9)に存在する液体(32)によってUターンデフレクタの開口をシールすることによって防止される。このシールは、Uターンデフレクタ(31)の外壁が下方の接触トレーに液体を戻す手段の入口(19)の下方まで伸びていることによって好適に得られる。
【0035】
飛沫同伴された液体を分離する手段となる渦流管を上述のような円形のアトマイザー手段と組合せるとき、これらの2つのデバイスが1つの鉛直線内に配置されないように配慮しなければならない。そのような配置では、渦流運動がアトマイザー手段の蒸気通路内でも継続し、これは液体層から蒸気通路に流れる液体の実効流には不利になるからである。このような渦流効果を更に抑制するために、蒸気通路の下部に渦流防止バフルを配置してもよい。上述のような好ましい長方形アトマイザー手段を使用するとこのような不利な効果が存在しない。
【0036】
分離トレー(8)は更に、分離手段で分離後に得られた液体を下方の接触トレーに戻す手段を備えている。トレー効率を改善する必要があるときは、液体を分離トレー(8)の下方の第一接触トレー(4)に戻すのが好適である。液体処理容量を改善する必要があるときは、液体を分離トレー(8)の下方の第二接触トレー(5)に戻すのが好ましい。カラムの下方部分に液体を戻すこのような手段としては鉛直管(15)が適当である。液体が分離トレー(8)から該分離トレー(8)の下方の第二接触トレー(5)に供給される場合には、液体戻し管(15)が分離トレー(8)から該分離トレー(8)の下方の第一接触トレー(4)の液体下降管(17)内に伸びるのが適当である。
【0037】
接触トレー(2)の液体下降エリア(16)は鉛直方向に伸びる液体下降管(17)の開放上端である。このような液体下降管は液体下降壁(18)を有しており、カラム(1)の壁がその壁の1つを形成し得る。液体下降管の下端は直ぐ下に続く接触トレー(3)の液体受容エリア(14)の上方に位置する。
【0038】
接触トレーの配置設計は簡単な1パストレー設計でもよい。この配置設計では、液体がカラムの一端の液体受容エリアからカラムの対向端に配置された液体下降エリアに流れる。特にもっと大きい直径のカラムでは、2パストレー設計または平行に配列された2個以上の長方形液体下降エリアをもつ接触トレーのようなより複雑な配置設計を使用できる。
【0039】
接触トレーと上方の分離トレーとの間の距離は所望のトレー効率に依存し、好ましくは0.1−0.8mである。分離トレーと接触トレーとの間の距離はあまり厳密ではなく、できるだけ小さい値に維持される。
【0040】
本発明のカラムは好ましくは、例えば、蒸留カラム、ストリッピングカラムまたは吸収カラムのような気液接触装置として使用される。吸収カラムにおいては、下降する液体が上昇する気体と接触する。蒸留カラムにおいては、1つまたは複数の成分が供給材料から典型的に分離される。典型的には蒸留カラムの供給材料がカラムの中間位置に供給され、トレーは該入口の上下の位置に存在する。このようなカラムは更に、再沸手段、凝縮手段及び還流手段を備えている。
【0041】
好ましくはカラムを吸収に使用する。この場合、液体の量が処理すべき気体の量に比べて極めて少ない。重要な用途は天然ガスの乾燥であり、天然ガスをグリコールのような水蒸気の溶媒に向流的に接触させる。このようなデバイスは典型的には、0.01よりも低い適正値の極めて低い流動パラメーターで稼働する。例えばUS−A−5683629に記載されているような公知デバイスはグリコールを天然ガスに接触させることが知られている。本発明のトレーは接触効率の改善が得られるのでこの公知デバイスの改良である。
【0042】
本発明のカラムは既存カラムを改造することによって、即ち、上述のカラムが得られるように既存のトレーまたはパッキンを接触トレー及び分離トレーで置換することによって得られる。
【0043】
本発明の目的はまた、カラム内に軸方向に間隔を設けて配列された複数の水平接触トレーを備え、更に、複数の水平分離トレーを備え、分離トレーの各々が空間的に接触トレーの上方に配列され、液体の本流が下降流であり、蒸気の本流が上昇流であるカラムにおいて蒸気と液体とを接触させる方法であって、方法が、(a)接触トレーに液体を供給して澄んだ液体層を形成させる段階と、(b)上昇する蒸気によって液体層から液体粒子を引き込んで共流的に移動する蒸気と液体粒子との懸濁液を形成する段階と、(c)分離トレーにおいて懸濁液から液体粒子を除去する段階と、(d)除去した液体を下方の接触トレーに供給する段階と、(e)液体粒子が除去された蒸気を上方の接触トレーに供給する段階とから成り、段階(a)−(e)がカラムに存在する全部の分離トレー及び接触トレーで行われることを特徴とする方法を提供することである。
【0044】
好ましくは、本文中に記載の方法が上述のカラムにおいて実行される。
【0045】
本発明を以下の実施例によって説明する。
【0046】
実施例1
0.45mの内径を有しているPerspexカラムに図1に示すような多数のトレーを配備した。2つの接触トレー間の距離で表されるトレー間隔は600mmであった。このカラムに底部から頂部に流れるように空気を供給し、頂部から底部に流れるように水を供給した。(L/G)*(ρl/ρg)1/2として定義されるいわゆる流動パラメーターは、m3/秒で表される液体の流速(L)、及び、m3/秒で表される蒸気の流速(G)を変更することによって変更した。この式で、液体密度ρlは998kg/m3の水であり、気体密度ρgは1.185kg/m3の空気である。ある1つの流動パラメーターについて、Ug*(ρg/(ρl−ρg))1/2として定義される最大負荷係数を測定した。所与の流動パラメーターの場合に、この所与の流動パラメーターでこのようなカラムが高容量であることを示す高い負荷係数に達するのが好ましい。
【0047】
種々の流動パラメーターの場合の負荷係数を図5に四角記号で示す。測定した流動パラメーターよりも低い流動パラメーターの負荷係数は約0.2m/秒であると予測される。
【0048】
比較実験A
実施例1で使用したカラムと同じカラムに従来の液体下降トレーを同じトレー間隔で配備して負荷係数を測定した。図5の太線はこのカラムの結果を示した。
【0049】
比較実験B
実施例1で使用したカラムと同じカラムにベルギー特許第584426号に記載されたCalmingセクショントレーを同じトレー間隔で配備して負荷係数を測定した。図5の細線はこのカラムの結果を示した。
【0050】
比較実験C
実施例1で使用したカラムと同じカラムにMellapack 250 Y型(MellapackはSulzer Chemtech AGの商標である)のパッキンを完全に充填して負荷係数を測定した。図5の点線はこのカラムの結果を示した。
【0051】
図5から観察されるように、本発明のカラムは従来技術のカラムの状態に比較すると、低い流動パラメーターの範囲で最大の負荷係数を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】
蒸気と液体とを向流的に接触させる本発明のカラムの一部を示す概略部分断面図である。
【図2】
図1のAA′線に沿った横断面図である。
【図3】
図1のBB′線に沿った横断面図である。
【図4】
図1のCC′線に沿った断面図である。
【図5】
実施例1の結果と比較実験の結果とを示す。
Claims (11)
- カラム内に軸方向に間隔を設けて配列された複数の水平接触トレーを含み、前記接触トレーの各々が、気液接触エリアと、液体受容エリアと、液体下降エリアと、液体下降エリアと接触エリアとの間のオーバーフロー堰とを備えており、カラムが更に、複数の水平分離トレーを備えており、分離トレーの各々が空間的に前記接触トレーの上方に配列されており、前記分離トレーが、上昇する蒸気から飛沫同伴液体を分離する手段と、このように分離した液体を下方の接触トレーに戻す手段とを有しているカラムであって、気液接触エリアがアトマイザー手段を備えており、液体は前記アトマイザー手段において連続液相から蒸気流に引き込まれて蒸気と液体粒子との分散液を形成することを特徴とする、蒸気と液体とを向流的に接触させるカラム。
- アトマイザー手段が気液接触エリア表面の開口によって形成されており、前記開口の鉛直上方に蒸気を上昇させる通路が存在しており、前記蒸気通路が、蒸気通路を連続液相から隔離する側壁によって形成されているカラムであって、前記側壁が更に、気液接触エリアの表面に存在する連続液体層から蒸気通路に液体を移行させる1つまたは複数の開口を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカラム。
- 蒸気の上昇通路が、使用中に蒸気の上昇通路に局部的低圧を創出するための狭窄部を側壁の開口よりも低い位置または前記開口に備えており、前記局部的低圧は、液体をトレー表面から側壁の開口を経由して前記蒸気の上昇通路に確実に流入させることを特徴とする請求項2に記載のカラム。
- 狭窄部が側壁の開口の下端から蒸気の上昇通路内に伸びる傾斜リップによって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカラム。
- 接触トレー内の開口が、気液接触エリアに平行に配列された細長い長方形開口群であり、前記開口は、液体が液体受容エリアから液体下降エリアに流動できるように配列されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のカラム。
- 側壁の開口が側壁の長さに沿った1つまたは複数の細長い長方形開口であることを特徴とする請求項5に記載のカラム。
- 分離トレーの分離手段が渦流管であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のカラム。
- カラム内に軸方向に間隔を設けて配列された複数の水平接触トレーを備え、更に、複数の水平分離トレーを備え、分離トレーの各々が空間的に前記接触トレーの上方に配列され、液体の本流が下降流であり、蒸気の本流が上昇流であるカラムで蒸気と液体とを接触させる方法であって、方法が、(a)接触トレーに液体を供給して澄んだ液体層を形成させる段階と、(b)上昇する蒸気によって液体層から液体粒子を引き込んで共流的に移動する蒸気と液体粒子との懸濁液を形成する段階と、(c)分離トレーにおいて懸濁液から液体粒子を除去する段階と、(d)除去した液体を下方の接触トレーに供給する段階と、(e)液体粒子が除去された蒸気を上方の接触トレーに供給する段階とから成り、段階(a)−(e)がカラムに存在する全部の分離トレー及び接触トレーで行われることを特徴とする方法。
- 流動パラメーターが0.1よりも低い値を有しており、流動パラメーターが(L/G)*(ρl/ρg)1/2と定義され、Lは液体の流速をm3/秒で表し、Gは蒸気の流速をm3/秒で表し、ρlは液体密度をkg/m3で表し、ρgは蒸気密度をkg/m3で表すことを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 蒸気が水を含む天然気体であり、液体が水蒸気の溶媒、好ましくはグリコールであることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
- 請求項1−7のいずれか一項に記載のカラムで行われる請求項8−10のいずれか一項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP00203680 | 2000-10-23 | ||
PCT/EP2001/010111 WO2002034350A1 (en) | 2000-10-23 | 2001-10-23 | Column for counter-currently contacting vapour and liquid |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004512158A true JP2004512158A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=8172169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002537398A Pending JP2004512158A (ja) | 2000-10-23 | 2001-10-23 | 蒸気と液体とを向流的に接触させるカラム |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6905112B2 (ja) |
EP (1) | EP1330297A1 (ja) |
JP (1) | JP2004512158A (ja) |
AU (1) | AU2002210479A1 (ja) |
WO (1) | WO2002034350A1 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7841585B2 (en) | 2003-02-21 | 2010-11-30 | Shell Oil Company | Separation tray |
US7879920B2 (en) * | 2004-12-22 | 2011-02-01 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Oxygenate to olefin manufacture and recovery process |
US8673246B2 (en) | 2011-03-23 | 2014-03-18 | Uop Llc | Process for contacting one or more fluids and a reactor relating thereto |
US8944418B2 (en) * | 2011-05-16 | 2015-02-03 | Koch-Glitsch, Lp | Use of downcomer beam to support adjacent cross flow trays within a mass transfer column and process involving same |
BR112014014248B1 (pt) * | 2011-12-16 | 2021-08-17 | Shell Internationale Research Maatschappij B.V. | Coluna de contato e de separação, processo para o tratamento de gás com um líquido |
RU2498839C1 (ru) * | 2012-05-02 | 2013-11-20 | Открытое акционерное общество "Научно-исследовательский и проектный институт по переработке газа" (ОАО "НИПИгазпереработка") | Массообменный сепарационный элемент (варианты) и массообменная колонна (варианты) |
US9200528B2 (en) | 2012-09-11 | 2015-12-01 | General Electric Company | Swirl interruption seal teeth for seal assembly |
CN103252106B (zh) * | 2013-05-30 | 2015-12-09 | 南京德邦金属装备工程股份有限公司 | 多边形折边倾斜式凹形受液盘 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE109804C (ja) | ||||
BE584426A (ja) | ||||
DD109804A1 (ja) * | 1973-07-09 | 1974-11-20 | ||
US4132604A (en) * | 1976-08-20 | 1979-01-02 | Exxon Research & Engineering Co. | Reflux return system |
JPS54107472A (en) * | 1978-02-10 | 1979-08-23 | Mitsui Shipbuilding Eng | Horizontal type multistage gas to liquid contact apparatus |
SU902784A1 (ru) * | 1979-02-19 | 1982-02-07 | Саратовский политехнический институт | Контактное устройство дл массообменных аппаратов |
US4361469A (en) * | 1981-02-17 | 1982-11-30 | Trutna William R | Process for using cocurrent contacting distillation columns |
CN1048643C (zh) | 1994-03-24 | 2000-01-26 | 国际壳牌研究有限公司 | 气液逆流接触塔 |
US5683629A (en) * | 1995-06-02 | 1997-11-04 | Shell Oil Company | Horizontal tray and column for contacting gas and liquid |
US5695548A (en) * | 1995-11-13 | 1997-12-09 | Trutna; William R. | Method and apparatus for producing co-current fluid contact |
US6059934A (en) * | 1997-04-07 | 2000-05-09 | Mobil Oil Corporation | Co-current contacting separation tray design and methods for using same |
-
2001
- 2001-10-23 AU AU2002210479A patent/AU2002210479A1/en not_active Abandoned
- 2001-10-23 JP JP2002537398A patent/JP2004512158A/ja active Pending
- 2001-10-23 WO PCT/EP2001/010111 patent/WO2002034350A1/en not_active Application Discontinuation
- 2001-10-23 US US10/399,993 patent/US6905112B2/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-10-23 EP EP01978331A patent/EP1330297A1/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2002034350A1 (en) | 2002-05-02 |
US20040026801A1 (en) | 2004-02-12 |
US6905112B2 (en) | 2005-06-14 |
EP1330297A1 (en) | 2003-07-30 |
AU2002210479A1 (en) | 2002-05-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3787153B2 (ja) | 気体と液体とを向流接触させる塔 | |
US6224043B1 (en) | Downcomers for vapor-liquid contact trays | |
US3296774A (en) | Gas-liquid contactor with wall obstructions and contacting method | |
JP2012500109A (ja) | 十字流トレーおよびこれを用いる方法 | |
HU215731B (hu) | Eljárás és berendezés gáznemű és folyékony közegek érintkeztetésére | |
US5110325A (en) | Recycle spray gas-liquid contactor | |
KR101386106B1 (ko) | 가스-액체 접촉 장치 | |
US4755198A (en) | Column for treating gases | |
US6076813A (en) | Vapor liquid contact tray with two-stage downcomer | |
US20180318727A1 (en) | Column for heat and/or mass exchange between two fluids comprising a collection tray and fluid separation means | |
JP2004512158A (ja) | 蒸気と液体とを向流的に接触させるカラム | |
US7004988B2 (en) | Gas-liquid separator | |
JP3926563B2 (ja) | 二次羽根を備えた蒸気/液体接触サイクロン | |
US20010015136A1 (en) | Column for counter-currently contacting gas and liquid | |
US5948211A (en) | Distillation column downcomer having liquid permeable wall | |
US2712929A (en) | Steam purifier and steam purification method | |
JPH0616802B2 (ja) | 気液接触塔 | |
WO1999003554A1 (en) | Venturi swirl tube for vapor liquid contact tray | |
JP2007515280A (ja) | 気液接触トレイ | |
JP3877225B2 (ja) | 気体と液体を接触させるカラム | |
US2507325A (en) | Bubble tower construction and method of fractionating vapors | |
US2772748A (en) | Contacting fluids with entrainment and inertia separation | |
US2862697A (en) | Contacting tray with downcomerfeeder | |
US2882030A (en) | Contacting column with spray-catching device | |
JP2023547510A (ja) | デュアルトラフ前分配器を含む分離装置のための多段液体分配器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040820 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070515 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070522 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071211 |