JP2004512011A - 非哺乳類GnRH類似体および腫瘍細胞成長調節および癌治療におけるその使用 - Google Patents

非哺乳類GnRH類似体および腫瘍細胞成長調節および癌治療におけるその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】腫瘍組織酵素、ポスト−プロリン・ペプチダーゼ、エンドペプチダーゼによる劣化に対し抵抗を示すよう図られた非哺乳類GnRH類似体を提供する。
【解決手段】このGnRH類似体は、チキンIIGnRH、サケGnRH又はニシンGnRHの類似体として定義されるが、同様のアミノ酸構造を有する非哺乳類GnRH類似体も含まれる。これらの非哺乳類GnRH類似体は、D−アルギニン、D−ロイシン−D−t−Bu−セリン又はD−Trp又は他の同様のアミノ酸を6位に有し、エチレンアミド又はaza−Gly−アミン又は同様のアミドを10位に有する。これらの類似体は腫瘍細胞GnRHレセプターに対し優先的に結合し、これは腫瘍細胞GnRHレセプターに対する哺乳類類似体の結合性よりも大きい。これらの非哺乳類GnRH類似体は薬剤として使用され、特に抗腫瘍剤、抗増殖剤、抗転移剤および/又は細胞自滅剤として使用される。この非哺乳類GnRH類似体は非常に低い投与量で拍動的に投与された場合、腫瘍退化のため臨床的に使用される調剤に含めて提供することができる。

Description

【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、腫瘍成長調節に関する。より具体的には、非哺乳類ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の特異な非哺乳類ペプチドホルモン類似体、および細胞成長、特に癌細胞成長の調節におけるこれら類似体の使用方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は視床下部で生産され、下垂体に対し結合親和性を有することが知られている。視床下部GnRHが下垂体に結合すると、下垂体からゴナドトロピン(すなわち、生殖腺刺激ホルモン)、黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)が放出される。これらの下垂体ホルモンのそれぞれはヒトの性に依存して異なる作用を奏する。1つの重要な作用は、性的に成熟した女性の場合は生殖腺ステロイド・エストロゲンおよびプロゲストロゲンの生産および分泌であり、男性の場合はテストステロンの生産および分泌である。
【0003】
哺乳類GnRHの化学的特徴が知られる以前に、視床下部物質が下垂体LHおよびFSHの生産を調節すること(参照文献1)およびゴナドトロピンが生殖腺ステロイド合成を調節することが知られていた。哺乳類GnRHの輪郭が判明することにより、本出願人はこのデカペプチドを合成し、ヒトに対し全身的に投与することができるようになった(参照文献2)。その結果、この哺乳類GnRHの長期持続性作動薬が下垂体ゴナドトロピンを突発的に放出させ、その後、抑制されることが判明した(参照文献3)。この抑制は下垂体GnRHレセプターの調節低下によりなされ、これは生殖腺ステロイド、エストロゲン、プロゲステロンおよび/又はテストステロンの抑制の後に生じた。これは化学的去勢の形式である。
【0004】
或る種の乳癌(参照文献4)および前立腺癌(参照文献5)のような腫瘍の或る種のタイプのものは、生殖腺ステロイドに依存することが現在知られているため、哺乳類GnRH類似体がその化学的去勢活性を介して生殖腺ステロイドを抑制するのに使用されてきた(参照文献3)。すなわち、哺乳類GnRH類似体の使用は、或る種の癌の治療に可能性を有することを我々は知っている。
【0005】
GnRHおよびGnRH様分子についての高感度、かつ特異的放射免疫検定法の発達により始めて驚くべき知見が報告されている。この知見は本発明者により最初に報告された。すなわち、GnRH様分子が、内分泌系として機能しホルモンを全身的に分配する視床下部―下垂体軸に存在し、機能するだけでなく、GnRH様分子は視床下部外組織にも存在し(参照文献6−9)、パラクリン(paracrine)作用、すなわち局所的信号分泌を提供することが本発明者により報告されている。更に、GnRH様物質のパラクリン作用は、胎盤、生殖腺、乳房、前立腺などで機能する(参照文献10−13)と共に、多くの癌性腫瘍でも機能することが見出されている(参照文献14−31)。このような周知の事実にも拘らず、特に腫瘍組織に対し直接作用させるための哺乳類GnRH類似体の有効な使用は得られていない。本発明の1つの目的は、癌治療で従来考えられなかった新規な形態のGnRHであって、腫瘍性GnRH様レセプターに対し哺乳類GnRH又はその作動薬の活性の50ないし1000倍の活性を以って結合すると共に、腫瘍細胞成長を抑制する強力な対生物活性を有するGnRHを利用することである。
【0006】
腫瘍組織およびヒトの胎盤におけるGnRH活性についての最初の研究では、ヒトがGnRHの唯一のイソ型を符号化するという認識に従って哺乳類GnRHおよびその類似体を利用するものであった(参照文献32、33)。ヒトの胎盤についての本出願人の研究において、妊娠の期間を通してヒトの胎盤により生産されたGnRHの濃度に注目し、定量化した(参照文献34、35)。更に本出願人はGnRH様分子を合成し、ヒト・コリオゴナドトロピン(hCG)(絨毛生生線刺激ホルモン)およびステロイド生産の調節におけるGnRH様分子の活性(参照文献36−38)並びにGnRH様分子の母体循環系へのGnRH様分子の放出を実証した(参照文献34)。本出願人は更に、哺乳類GnRHの高投与が特定のレセプター媒介時においてhCGおよびプロスタノイド生産を刺激し、更に、ヒトの胎盤におけるGnRH様分子の生産および活動が、エストロゲンおよびプロゲステロン生産のフィードバック相互作用により調節されるということを実証した(参照文献39−41)。このように、本出願人は、ヒト又は哺乳類生理機能における第1のパラクリンシステムを確立した(参照文献42−45)。これに付随して、Duboisら(参照文献12)は、すい臓におけるソマトスタチンの存在から第2のパラクリンシステムについて記述している。その後、本出願人並びに他の研究者により哺乳類GnRHの胎盤機能に対する作用が報告され、アクチビン、インヒビチン、フォィスタチン、神経伝達物質、プロスタグラジンおよびステロイドのフィードバック相互作用が認識されるようになった(参照文献46−63)。
【0007】
現場局部限定を利用することにより、哺乳類GnRHに対するメッセージ(伝達暗号)が、シンシチオ−および細胞栄養芽層並びに胎盤の基質で特定することができた(参照文献64−66)。哺乳類GnRHについての遺伝子、すなわち視床下部GnRHのものとは第1のイントロンおよび非常に長い第1のエクソンを含むことにより異なるものが報告されている(参照文献67−69)。多重転写部位が胎盤および他の生殖組織においてGnRH遺伝子について同定されている(参照文献70−72)。ステロイド調節部位もプロモーターについて同定されている(参照文献73、74)。プロモーターの相関性が、GnRHについてのmRNAがステロイドにより調節できるという実証により支持されている(参照文献75−78)。
【0008】
胎盤GnRHレセプター活性およびGnRH mRNAも同定されている(参照文献79、80)。レセプター数は妊娠初期において最も高く、12−20週までに低下するよう調節されるが、胎盤の期間においても依然として検出できるが、哺乳類GnRHについてのmRNAは検出することができない(参照文献79、80)。このレセプター活性のパターンは絨毛膜GnRH様活性のものと近似し(参照文献6,34)、哺乳類GnRHおよびその類似体が下垂体レベルでレセプターを低下調節するのと同様に、絨毛膜GnRHがそのレセプターを低下調節するという仮設を裏づけるものである。Szilagyiらの研究(参照文献81)およびCurrieらの研究(参照文献82)によれば、絨毛膜レセプターは哺乳類GnRH類似体により低下調節される。更に、エストラジオールは胎盤GnRHレセプターを増加調節させることが知られている。このように、視床下部外組織に機能的、かつ、調節されたGnRHレセプターが存在するという実証的データが存在する。
【0009】
総合的に見て、これらの研究から視床下部外組織における視床下部−下垂体−生殖腺軸の存在が強く裏づけられている。現在、他の多くの視床下部様活性、例えばコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)によるもの、が胎盤および他の組織にも現在、明確にされている。このようなパラクリン軸の存在はすい臓、甲状腺、腸、骨、脳、卵巣、子宮内膜、眼などにおいても知られている。
【0010】
本発明にとって特に興味深いことは、多くの癌組織およびその細胞ラインにおけるGnRH様物質およびレセプターの存在についての先の報告(参照文献15,17,20,23,25,26,30,31,83,84)である。GnRH様活性およびそのレセプターが胸部、気管支、卵巣、子宮内膜、前立腺、胃腸の各腫瘍に同定されている。これら腫瘍組織におけるGnRH様物質およびそのレセプターの機能が、哺乳類GnRHがヒトおよび動物の腫瘍からのhCGを刺激し、in vitroでの細胞成長を抑制し得るという実証により確かめられている。これらの知見に基づき、GnRHレセプターの発現、細胞信号伝達、アポプトシスおよび腫瘍細胞ラインの全体的成長に対する哺乳類GnRH類似体の作用についての多くの研究がなされたきた(参照文献14,16,18,19,21,22,29,85−89)。in vivoでの腫瘍成長も、哺乳類GnRHの類似体に対し応答を示した患者の個々のケースについて研究がなされている(参照文献24,27,28,90−92)。
【0011】
しかし、胎盤および腫瘍組織の双方における先の研究からの幾つかの非常に問題のある知見の結果、双方の組織における哺乳類GnRH類似体の真の役割について疑問が浮び上がっている。胎盤および腫瘍組織の双方におけるGnRHに対するGnRHレセプター親和性は10−5ないし10−6Mのオーダーである(参照文献84,93,94)。このような弱い親和性の生物学的意義は、内因性GnRH様活性のより低いレベルに照らして疑問視されなければならない。更に、本出願人はヒトの妊娠の研究(in vitroおよびin vivoの双方)において、哺乳類GnRHは腫瘍GnRHの真の作動薬としてでなく、部分的作動薬として働くことを観察した(参照文献38,95)。レセプターが利用可能な場合は、哺乳類GnRHは腫瘍GnRHの真の作動薬として働くが、腫瘍レセプターが低レベル又は塞がれているときは、哺乳類GnRHはより有効な腫瘍GnRHと競合し、部分的作動薬作用を奏するに過ぎない。更に、本出願人および他の研究者によって、哺乳類GnRHについての或る種の抗体は、異なる親和性を有する絨毛膜GnRHと反応することが観察されている(参照文献96−99)。これらの知見にもとづき、本出願人は視床下部外GnRHも、又そのレセプターも哺乳類GnRHおよびその下垂体レセプターと同一でないことを提案することに至った(参照文献100,101)。
【0012】
本出願人は視床下部外GnRHにおける他の相違点、すなわち、代謝を明確にした。ホルモンの代謝はそのホルモンの生物学的活性濃度を維持するために、ホルモンの合成と放出を刺激するものと同程度に重要である。妊娠していないヒトの下垂体および循環系におけるGnRHに関しては、多くの酵素的分解はエンドペプチダーゼの触媒作用による5−6ペプチドに向けられている。すなわち、哺乳類GnRHの類似体で存在するものは、夫々6位にD−アミノ酸が置換されている。しかし、本出願人は胎盤においてGnRHを劣化させる優勢酵素を分離、特徴づけし、それがポスト・プロリン・ペプチダーゼであり、プロリン‐グリシン・ペプチド結合を9−10位で劈開するよう作用する(参照文献102、103)。本出願人は最近、胸部腫瘍細胞におけるGnRHの代謝についての似たようなデータを得た。すなわち、胎盤および胸部腫瘍細胞においてGnRHの細胞特異的代謝があるように思われ、それは血液および下垂体におけるものと異なっている。
【0013】
胎盤および胸部腫瘍細胞において働くGnRHの異なる形のものがあるかのように思われたため、GnRHの種々のイソ型について調査がなされた。GnRHの様々なイソ型が魚類、鳥類のような非哺乳類種において特定された。これらのGnRHの特異的配列は公知である。チキンI、チキンII、サケ、ナマズ、サメ、ヤツメウナギのGnRH、より最近ではニシンのGnRHについても報告されている(参照文献33,106)。低級の脊椎動物において、多くのGnRHイソ型を同一の種において表すことができる(参照文献32,33,76,78,105,107−116)。殆どの場合、各デカペプチドはGnRH分子中に、最初の4つ、6番目および全ての場合、最後に2つのアミノ酸を維持しているが、5番目、7番目および/又は8番目の位置に異なるアミノ酸を有している。これらの変形はこの分子を特異なものとさせ、哺乳類下垂体レセプターに対し弱い親和性を示すに過ぎない。しかし、逆に哺乳類GnRHは多くの低級脊椎動物において活動的である。
【0014】
上述のように、或る種の低級脊椎動物において、多くのGnRHイソ型が同一の種において発現されている。両生類において、チキンIIGnRHレセプターおよび哺乳類GnRHレセプターが報告されている。しかし、それは1994年以前には知られていなかったもので、その年にDellovadeら(参照文献117)およびKingら(参照文献118)によりジャコウネズミ、モグラおよびコウモリの脳におけるチキンIIGnRHが記述され、哺乳類におけるGnRHの多重イソ型の存在が認識されたものである。その時でさえ、依然として、近代の有胎盤哺乳類は哺乳類GnRH以外のものを符号化したり、発現したりすることはないと思われていた。しかし、最近では、チキンIIGnRHがツバイ(参照文献119)、モルモット、霊長類の脳において特徴づけられており(参照文献120)、それらの別々の遺伝子が記述されている(参照文献121,122)。その年において初めて、チキンIIGnRHレセプターのコードがヒトの組織に同定された。
【0015】
これとは対照的に、本出願人は、GnRHの非哺乳類イソ型およびその特異的レセプターが視床下部外組織に発現され、非哺乳類GnRH分子がこれらのレセプターに対する真のリガンドであるという仮説を提案すると共に、それを支持する実質的なデータを得ている(参照文献123,124)。本出願人は更に、これらのGnRH分子が細胞成長および細胞死滅を調節する上で特異な役割を果たしており、GnRH応答性腫瘍に対し直接的レセプター媒介作用を及ぼすことによりこれら腫瘍細胞の成長を調節する上で要をなすことを提案している。
【0016】
本発明の非哺乳類GnRHイソ型およびその類似体は、腫瘍組織でスーパーアゴニスト(作動薬)として作用し、組織レセプターの減少調節をもたらすか、あるいは腫瘍組織において腫瘍組織レセプターを介してGnRHの内因性イソ型の純粋なアンタゴニスト(拮抗薬)として作用するものと信じられている。GnRHレセプターの減少調節又はGnRHの内因性イソ型の拮抗作用は、細胞増殖の減少させたり、アポプトシス(細胞自滅)を誘起させる。非哺乳類GnRH類似体の特異的作用は、腫瘍細胞GnRHレセプターのところで完了し、GnRHの内因性イソ型は拮抗作用を奏し、若しくはレセプターのスーパー作動的減少調節をもたらし、それにより細胞の死滅および腫瘍の退化、転移の抑制をもたらす。すなわち、この薬剤は腫瘍の成長を減少させるのに使用することができる。今日まで、そのような安定性および腫瘍組織特異性を有するよう図られた非哺乳類GnRH類似体は存在していなかった。
【0017】
今日まで、腫瘍組織に対する非哺乳類GnRH活性についてのデータの報告は殆ど存在していない。チキンIGnRHおよびヤツメウナギGnRH(参照文献18,86,125,126)について研究がなされ、その限られた活動が見出されている。本出願人はこれらGnRHのイソ型について研究し、結合活性が絨毛性組織に殆ど見られないか、全く見られないことを見出した。他方、本出願人は哺乳類GnRH又はその類似体と比較して、チキンIIGnRHおよびサケGnRHの乳癌細胞および胎盤組織における極めて高い結合性および生物学的活性を確認している。すなわち、本出願人は、或る種の非哺乳類GnRH類似体が腫瘍細胞に対し、高いレセプターおよび生物学的活性を有するという仮説を支持するデータを得ており、この知見を、細胞の特定部位におけるGnRHイソ型の特異的代謝についての理解と組合せたことが本発明のベースとなっている。すなわち、非哺乳類GnRHイソ型の安定で細胞活性を有する類似体を、腫瘍細胞成長の調節並びに癌の治療に利用しようとするものである。更に、本出願人は、類似するアミノ酸構造なるが故に、ニシンGnRH、サメGnRH、ナマズGnRH並びに他のGnRHイソ型および類似体であって似たアミノ酸構造を有するものも同一又は同様の結合および生物学的活性を示すものと想定している。
【0018】
(発明の概要)
すなわち、本発明の目的は、非哺乳類GnRHイソ型およびその類似体であって、腫瘍組織に対し発現する下垂体外GnRHレセプターに結合するように特異的に図られたものを提供することである。
本発明の他の目的は、新規なGnRH類似体であって、ポスト−プロリン・ペプチダーゼ、特に腫瘍組織の周りに存在が知られているものによる劣化に対し抵抗を示すものを提供することである。
本発明の更に他の目的は、新規なGnRH類似体であって、血液中に循環することが知られているエンドペプチダーゼに対し抵抗を示すものを提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、新規なGnRH類似体であって、腫瘍組織でスーパーアゴニストとして作用し、組織レセプターを減少調節するものを提供することである。
更に、本発明の他の目的は、新規なGnRH類似体であって、腫瘍組織において腫瘍組織レセプターを介してGnRHの内因性イソ型の純粋なアンタゴニスト(拮抗薬)として作用するものを提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、腫瘍細胞増殖を減少させる新規なGnRH類似体を提供することである。
本発明の他の目的は、アポプトシスを誘起させる新規なGnRH類似体を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、腫瘍細胞転移を減少させる新規なGnRH類似体を提供することである。
本発明の他の目的は、抗腫瘍剤として使用することができる新規なGnRH類似体を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、腫瘍細胞の成長を減少させるために使用し得る新規なGnRH類似体を提供することである。
本発明の更に他の目的は、循環系において安定な新規なGnRH類似体を提供することである。
【0023】
本発明の更に他の目的は、腫瘍組織特異性を示す新規なGnRH類似体を提供することである。
更に、本発明の他の目的は、腫瘍退化を誘起させるのに使用することができる新規なGnRH類似体を提供することである。
【0024】
更に、本発明の他の目的は、腫瘍組織において高い活性を示す非哺乳類GnRHイソ型の類似体の新規な合成方法を提供することである。
本発明の他の目的は、腫瘍成長を抑制し、それにより腫瘍細胞増殖、腫瘍の大きさ、転移を減少させることができる、すなわち、アポプトシスおよび腫瘍退化を生じさせる新規な方法を提供することである。
本発明の他の目的は、抗腫瘍剤又は抗転移剤として腫瘍に直接、非哺乳類GnRH類似体を適用する新規な方法を提供することである。
【0025】
本発明の他の目的は、サケGnRH類似体、チキンIIGnRH類似体又はニシンのGnRH類似体であって、C−末端で変性され、哺乳類GnRHよりも腫瘍レセプターに対する親和性が大きいものからなる新規な非哺乳類GnRH類似体を提供することである。
本発明の他の目的は、10位でaza−Gly−NH置換を有し、それにより腫瘍組織および血液において配列をより安定化させ、ポスト−プロリン・ペプチダーゼによる分解を抑制させる新規な非哺乳類GnRH類似体を提供することである。
【0026】
本発明の他の目的は、6位で好ましくはD−Arg(なお、D−Leu,D−Trp,D−Bu−Serなどの他のアミノ酸であってもよい)で置換されたものからなる新規な非哺乳類GnRH類似体配列を提供することである。
本発明の他の目的は、腫瘍レセプターに対し高い結合親和性と代謝安定性を有する新規な非哺乳類GnRH類似体を提供することである。
【0027】
更に、本発明の他の目的は、長期間の治療の後でも毒性を示さない新規な非哺乳類GnRH類似体を提供することである。
本発明の他の目的は、腫瘍組織GnRHレセプターと高い親和性を以って結合させ、内因性GnRH様活性を排除、阻止するのに使用することができる新規で、有効な非哺乳類GnRH類似体を提供することである。
【0028】
本発明の他の目的は、Gly(10)−NHをエチルアミドで置換したものを有し、それによりポスト−プロリン・ペプチダーゼによる分解を抑制させる新規な非哺乳類GnRH類似体を提供することである。
本発明の更に他の目的は、哺乳類下垂体GnRHレセプターに対し作用を殆ど及ぼさない新規な非哺乳類GnRH類似体を提供することである。
【0029】
これら並びに関連する目的を達成するため、本発明は非哺乳類GnRHの特異な非哺乳類ペプチドホルモン類似体を提供すると共に、細胞の成長、特に腫瘍細胞の成長を調節するためこれらの類似体を利用する方法を提供するものである。本発明によれば、癌腫瘍を有する患者を、腫瘍細胞に存在するGnRHレセプターに対し高い結合親和性を有する非哺乳類GnRH類似体で治療することを可能にし、それにより腫瘍の大きさおよび増殖を減少させることができる。
【0030】
(発明の具体的説明)
従来の特許法の慣行から、本明細書に単数形で記載されていても、それは1又はそれ以上を意味するものである。
更に、以下に示す技術は本発明の実施において良好に機能するものと本発明者により発見されたものを表したものであり、好ましい態様を示すものとして当業者に理解されるべきものである。しかし、当業者にとって、本発明の精神および範囲を逸脱することなく多くの変形が可能であり、その場合も同様の結果が得られることを理解されるであろう。
【0031】
非哺乳類GnRH類似体の設計および合成:
本発明の好ましい態様は、有効な腫瘍レセプター結合活性、腫瘍組織安定性および生物学的活性を示すことにより、腫瘍組織細胞における顕著な活性を有するような非哺乳類GnRH類似体を設計することである。
【0032】
現存する哺乳類GnRH類似体は、下垂体GnRHレセプターでの活性と、非妊娠の個人の循環系での長期安定性、すなわち、エンドペプチダーゼによる分解から保護するよう図られている。しかし、現在のデータによれば、腫瘍GnRHレセプターは、下垂体におけるものと異なることを示している。従って、従来公知の下垂体哺乳類GnRH類似体は腫瘍組織において直接使用するようには図られておらず、有効な非哺乳類GnRH類似体は癌細胞の成長を調節するために使用するように図られていない。本発明は腫瘍細胞の成長および増殖に対し直接的に作用する有効な非哺乳類GnRH類似体を提供するものである。
【0033】
GnRHの非哺乳類類似体が本出願人により確立された一般的ガイドラインに従って図られた。第1に、これら類似体は、母体循環系および腫瘍組織の双方においてエンドペプチダーゼおよびポスト−プロリン・ペプチダーゼによる分解に対し特異的に抵抗を示すよう図られている。これにより、投与されたとき、類似体が十分な濃度を維持した状態で母体システムを介して癌組織へ到達することが可能となる。第2に、これら類似体は腫瘍細胞レセプターの特別な特異性に従って高い親和性を以ってGnRHレセプターを拘束し、内因性GnRHの活性を好ましく排除し、その作用を阻止する。この腫瘍GnRH拘束特異性は腫瘍GnRHレセプターの減少調節させ、若しくは真のアンタゴニストとして作用させ、アポプトシスを誘起することにより腫瘍の成長、増殖および転移を抑制させ、更に腫瘍機能を直接的に抑制することにより腫瘍を退化させる。
【0034】
下垂体GnRHレセプターに対するよりも、腫瘍GnRHレセプターに対し、より大きい親和性を示すサケおよびチキンIIGnRH配列の類似体(analogs)は、aza−Gly(10)−NH類似体に変性され、ポスト−プロリン・ペプチダーゼによる分解に対し抵抗を示すよう図られている(図1、類似体2,4,6参照)。エチルアミド又は他の同様のアミドを10位で使用することができる。次に、チキンIIGnRH配列およびサケGnRH配列が、D−Arg,D−Leu,D−tBu−Ser,D−Trp又は他の同様のアミノ酸を用いて6位で変性され、その類似体を血液においてエンドペプチダーゼによる分解に対し抵抗を示すようにさせ、好ましくはaza−Gly(10)−NHを用いて10位で変性させ、母体血液および腫瘍組織において安定となるようにさせる(図1、類似体2,4,6参照)。再び、エチルアミド又は他の同様のアミドを10位で使用することができる。これらの類似体は腫瘍レセプターに対し高い結合性を有するだけでなく、高い代謝安定性を有することが予想される。アミノ酸構造の類似性のため、これら手法は、ニシンGnRH、サメGnRH、ナマズGnRH並びに似たアミノ酸構造を有する他のデカペプチドを用いて繰り返すことができる。これらの非哺乳類GnRH類似体の製造および化学的操作は任意の標準プロトコルを用いて行うことができる。
【0035】
GnRHイソ型および類似体の腫瘍レセプター結合性:
本発明の異なる非哺乳類GnRH類似体の腫瘍レセプター結合活性の比較が行われた。従来の哺乳類GnRH類似体は、下垂体GnRHレセプターでの活性の向上と、非妊娠の個人の循環系での安定性の向上が図られていた。しかし、これら類似体は、下垂体レセプターにおけるもののような有効な結合活性を腫瘍レセプターでは示さない。上述のように、これとは対照的に、本発明の非哺乳類GnRH類似体は腫瘍レセプターで下垂体レセプターよりも優先的に相互作用するよう図られている。
【0036】
MCF−7乳癌の細胞におけるGnRHレセプターの作用が研究された。これら細胞を96ウェル上で培養し、塩基培基(M3D:胎児ウシ血清[9:1])中で密集成長に至るまで成長させた。この実験の前に、細胞をM3D:胎児ウシ血清[99:1]にダウンシフトし、次いで無血清培基にダウンシフトさせた。哺乳類GnRH、Buserilin,Leuprolide,チキンIIGnRHおよびD−Arg(6)チキンII−aza−Gly(10)−アミドを用い、細胞を室温で24時間培養させた。ついで、細胞を収集し、D−Arg(6)チキンII−aza−Gly(10)−アミドを用いてレセプター結合性およびレセプター数について研究した。内因性ポスト−プロリン・ペプチダーゼおよび他のペプチダーゼの酵素インヒビターの添加を用いると共に、レセプター安定化剤の添加も用いた。レセプター結合ラベルは遠心分離により分離した。非哺乳類GnRH類似体の結合性並びに腫瘍細胞GnRHレセプターを調節する能力を比較した。
図4は、外因性GnRHなし、GnRHの競合イソ型又はGnRHの類似体で培養の24時間後におけるI125−D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドのMCF7乳癌細胞への結合性を示している。D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドはMCF−7乳癌細胞と特異的に結合した。この結合性はD−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドが最も高い能力を以って競合的に表れた。次に高いものはBuserilinであった。哺乳類GnRHは最も弱い競合物であった。チキンIIGnRHは、6位又は10位で分解に対する保護がなされていないにも拘らず高い能力を示した。これは腫瘍GnRHレセプターに対するこのGnRHイソ型の高い固有親和性を示唆するものである。本出願人は、チキンIIGnRHと類似するアミノ酸構造を有する他の非哺乳類GnRHイソ型又は類似体、例えばサケGnRH、ニシンGnRH、サメGnRH、ナマズGnRHなどを用いても同一又は同様の結果が得られるものと確信する。
【0037】
GnRHイソ型又は類似体に対する腫瘍組織安定性の研究:
前述のように、哺乳類GnRHおよびその類似体は、弱い親和性を以って或る種の腫瘍組織の腫瘍細胞レセプターと結合するが、非哺乳類GnRH類似体はこれらレセプターに対し強い親和性を示す。この強力な親和性に鑑み、非哺乳類GnRH類似体を安定性について検査する必要性が生じる。本発明の非哺乳類GnRH類似体はその安定性について検査されたことはなかった。しかし、これらの非哺乳類GnRH類似体の高い安定性はその生物学的活性を実質的に増大させるものと思われる。すなわち、エンドペプチダーゼおよびポスト−プロリン・ペプチダーゼに関連する安定性がこれら非哺乳類GnRH類似体について行われた。
【0038】
エンドペプチダーゼ安定性の研究:
ヒトの下垂体および血液には酵素活性が存在し、9位よりは、むしろ5−6位でGnRHを分解させるため、本発明の非哺乳類GnRH類似体はこの酵素活性を抑制するよう図られ、分子の5−6位で置換基を有する。従って、これら置換基を有する非哺乳類GnRH類似体は非妊娠個人の下垂体又は血液での分解に対し抵抗を示す。しかし、これら置換基のみではポスト−プロリン・ペプチダーゼを有する腫瘍組織での分解からこの非哺乳類GnRH類似体を守ることができない。Gly(10)−NHをエチルアミド、すなわち、より有能なaza−Gly(10)−NHで置換することによりポスト−プロリン・ペプチダーゼによる分解を抑制することができる。現存する多くの哺乳類GnRH類似体もGly(10)−NHの置換を有する。
【0039】
ポスト プロリン・ペプチダーゼ安定性の研究:
先に述べたように、ポスト−プロリン・ペプチダーゼは、プロリン残渣を有するペプチドを活力的に分解する上で重要である。GnRHはそのようなペプチドの例である。最初に、腫瘍細胞の酵素活性が研究された。腫瘍組織細胞およびそれらの使い尽くされた媒体が酵素活性について研究された。特に、試験が、特定のポスト−プロリンおよびエンドペプチダーゼ活性インヒビターを伴って又は伴うことなくGnRHの分解について行われ、腫瘍酵素活性の特異性が判定された。これらの研究の結果、腫瘍組織による極めた高いポスト−プロリン・ペプチダーゼ活性が実証された。
【0040】
非哺乳類GnRH類似体の酵素分解を酵素活性検定を用いMCF−7乳癌細胞中で検査し、精製した絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼについてのものと比較した。絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼはプロリン‐グリシン結合でGnRHの分解に対し高い特異性を有するペプチダーゼであるが、この結合を有する他のGnRH種も分解することができる。
【0041】
非妊娠個人において、ポスト−プロリン・ペプチダーゼ活性は血液又は下垂体において極めて小さい。すなわち、現在入手可能な哺乳類GnRH類似体は、このような活性による分解に対し抵抗性を有するようには図られていない。しかし、腫瘍組織に存在する高いポスト−プロリン・ペプチダーゼ活性のため、ここに記載された癌治療のための非哺乳類GnRH類似体はこの種の分解に対し抵抗を示すよう図られている。ポスト−プロリン・ホモジェネートの存在下でのこれらの非哺乳類GnRH類似体の安定性について検査が行われ、それを従来の哺乳類GnRH類似体のものと比較した。更に、絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼを用いたGnRHの分解を競合的に抑制するこの類似体の能力について検査を行った。
【0042】
腫瘍組織細胞、使用済媒体又は腫瘍組織細胞ホモジェネートの存在下での最も有効なレセプター活性非哺乳類GnRH類似体の安定性が確認された。絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼ活性のために開発された培養システムを用い、GnRHの分解がテストされた。これら類似体の夫々について、前述の酵素活性検定(参照文献103)を用いた場合の絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼ活性に対し、GnRHの競合的インヒビターとして作用するそれらの能力について最初に試験した。この検定において、新たに合成された非哺乳類GnRH類似体の選ばれたものを用いて又は用いずに酵素および哺乳類GnRHの培養について検査を行った。この反応は85℃で10分間加熱することにより停止した。残った哺乳類GnRH基板を放射免疫検定法により定量した。形成された生産物、すなわち、GnRHのN−末端ノナペプチドを減法により計算し、その逆数を当初の培養基濃度に対してプロットし、競合のKs値を決定した。Ki値は使用されたインヒビターに対し形成された生産物の逆数をプロットすることにより決定した。アンチド(Antide)、Im−btl−D−His(6)−哺乳類GnRH−エチルアミド、D−Trp(6)−GnRH−エチルアミド、ブセリリン(Buserilin)、ロイプロリド、OH−Pro(9)−哺乳類GnRH、哺乳類GnRH−エチルアミド、チキンIIGnRH、チキンII−エチルアミド、D−Arg(6)−チキンII−エチルアミド、D−Arg(6)−チキンII−aza−Gly(10)−アミド、チキンIGnRH、サケGnRH、D−Arg(6)−サケGnRH−aza−Gly(10)−アミド、およびヤツメウナギGnRHの阻害活性を検査した。
【0043】
哺乳類GnRHを絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼにより活性的に劣化させた。Gly(10)−NHをエチルアミドで置換することにより、哺乳類GnRH類似体の夫々を哺乳類GnRH単独よりも劣化に対する抵抗を増大させることができたが、これら哺乳類GnRHの或るものは依然としてポスト−プロリン・ペプチダーゼにより劣化された。試験した4個の哺乳類GnRHエチルアミド、すなわち、des−Gly(10)−GnRHエチルアミド,des−Gly(10),D−Trp(6)−GnRHエチルアミド,des−Gly(10)−D−Leu(6)−GnRHエチルアミド、およびブセリリンは、それぞれ哺乳類GnRHの劣化を競合的に抑制した。すなわち、これらはポスト−プロリン・ペプチダーゼにより劣化(分解)された。ポスト−プロリン・ペプチダーゼによる哺乳類GnRHの劣化に対するdes−Gly(10)−GnRHの効果が図2に示されている。類似体がポスト−プロリン・ペプチダーゼに対しGnRHとの競合性が小さければ小さいほど、その類似体はポスト−プロリン・ペプチダーゼによる劣化に対し、より大きい抵抗を示止、腫瘍組織および/又は血液中でより安定となる。すなわち、薬剤に一般的に使用されている従来の哺乳類GnRH類似体は腫瘍組織中で劣化(分解)される。
【0044】
このポスト−プロリン・ペプチダーゼの活性はOH−Pro(9)−GnRH、ヤツメウナギGnRH、チキンIGnRH、アンチド、チキンIIGnRH、およびサケGnRHにより抑制され、GnRHについてのものと比較した場合、それらの相対的能力は、1.5,1.5,0.6,0.6,0.2および0.2であった。このデータに鑑み、OH−Pro(9)−GnRHおよびヤツメウナギGnRHがポスト−プロリン・ペプチダーゼによるGnRH分解に対する最良の競合体であることが判明した(図6のGnRHの類似体についてのインヒビター定数を参照のこと)。これらは哺乳類GnRHと同様、あるいはそれよりも有効である。アンチドおよびチキンIGnRHはGnRHよりもその効果が1/3程度、小さいが、サケGnRH又はチキンIIGnRHよりもその効果が2倍程度大きい。哺乳類GnRHに対しエチルアミドを添加した場合、D−Trp(6)−又はD−Phe(6)置換を有する場合又は有しない場合でも、絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼ分解についての哺乳類GnRHとの競合性は減少したが、Im−btl−D−His(6)又はチキンIIGnRH類似体の場合ほど顕著ではなかった。D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドおよびIm−btl−D−His(6)−GnRH−エチルアミドの双方は、基本的に不活性であった、すなわち、GnRHについての阻害活性は<0.005であった。基本的に、これら後者の2つのGnRHはポスト−プロリン・ペプチダーゼによるGnRH劣化の抑制において200分の1以上小さかった。従って、これらの類似体はポスト−プロリン・ペプチダーゼ活性の存在下で非常に安定であると思われるが、Im−btl−His(6)類似体はレセプター効能が小さい。D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドの安定性はGnRHよりも200倍以上大きいだけでなく、レセプター効能も大きい。絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼによる哺乳類GnRHの劣化に対するD−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドの作用が図3に示されている。本出願人は同一又は同様の結果が、例えばニシンGnRH、サメGnRH又はナマズGnRHのようなチキンIIGnRHのものと同様のアミノ酸構造を有する非哺乳類GnRHイソ型又は類似体を用いても得られると確信するものである。
【0045】
絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼが、プロリンーグリシン・ペプチド結合でのGnRHの劣化に対し高い特異性を有するペプチダーゼであるので、同様の結合を有する他のGnRH種も劣化させることができる。アンチドなどの合成哺乳類GnRH類似体は活性の減少を伴って劣化するが、D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドのような他の類似体はこの内因性絨毛性酵素による劣化に対し抵抗を示す。このような抵抗性類似体は腫瘍組織GnRH活性の調節において有用である。
【0046】
腫瘍組織細胞による哺乳類GnRHの劣化は、一晩の培養で実質的に100%となる。ポスト−プロリン・ペプチダーゼの特異的インヒビターを用いて腫瘍細胞抽出物における活性を実証した。哺乳類GnRHの劣化はバシトラシンにより抑制されたが、EDTAでは抑制されず、その酵素の絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼとの類似性を実証するものであった。この実験から、チキンIIGnRHおよびサケGnRHのaza−Gly(10)−アミド誘導体が哺乳類GnRHと比較して劣化を示さないことが見出された。各チキンIIおよびその類似体は、分析した哺乳類GnRH類似体よりも安定であった。本出願人は同一又は同様の結果が、例えばニシンGnRH、サメGnRH又はナマズGnRHのようなチキンIIGnRHのものと同様のアミノ酸構造を有する非哺乳類GnRHイソ型又は類似体を用いても得られると確信するものである。
【0047】
酵素競合システムは既に開発されているが、新規に合成された非哺乳類GnRH類似体はこのシステムで利用されたことはなかった。本出願人により得られた先のデータから、抗血清が哺乳類GnRHに対し特異的であることが実証され、これらの研究で使用された検定において非哺乳類GnRHイソ型又は類似体の交差反応についての潜在性を減少させるものであった。
【0048】
生物学的活性の研究:
非哺乳類GnRH類似体の活性を抑制する腫瘍成長について研究を行った。これらのデータを使って、腫瘍細胞の成長、腫瘍増殖および腫瘍退化の調節を含む生物学的活性を判定することができる。生物学的能力は細胞の死滅および腫瘍の退化を判定することにより研究が行われた。すなわち、興味のある主たるパラメータは、研究された外因性GnRH活性により調節された腫瘍細胞において細胞の生活能力が示唆されたことである。
【0049】
新規に合成された非哺乳類GnRH類似体の生物学的活性が、in vitroヒト腫瘍細胞培養システムを用いて研究された。このシステムによれば、反復された長期の活性の研究が可能となる。哺乳類GnRHの腫瘍組織細胞に対する作用がこれと同様のシステムを用いて研究された。本出願人は複製培基を研究し、各非哺乳類GnRH類似体の異なる投与を哺乳類GnRHのものと比較した。これらの研究において、腫瘍細胞の生存能力に対する、最も安定でレセプター活性の非哺乳類GnRH類似体の作用を判定した。
【0050】
生物学的能力の研究は、MCF−7乳癌細胞培養システムを用いて行われ、生存の尺度として、細胞の生活能をアラマー・ブルー(Alamar Blue)検定を用いて評価した。処置したものおよび処置しない対照において、570nmおよび600nmでのアラマー・ブルー光学濃度(OD)の読みにおける%の差異を判定した。これらの研究は、哺乳類GnRH、チキンIIGnRH、Buserilin、Leuprolide、D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミド類似体およびD−Leu(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミド類似体を用いて行われた。4複製培基を用い、投与‐応答試験を行った。細胞生活能を、活性剤を用いた培養、24時間および48時間後において評価した。これらの腫瘍細胞培養セットの24時間後におけるデータ分析が図5に示されている。より具体的には、図5は、培養、24時間後におけるD−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドの抗増殖、腫瘍退化活性を対照およびGnRHの他のイソ型および類似体と比較して記載している。この図5において、A1は培地199(ベヒクル無し);A2は培地199(ベヒクルを用いた);B1−B3 はロイプロリド;C1−C3 は哺乳類GnRH;D1−D3 はチキンIIGnRH;E1−E3 はD−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミド;G1−G3 はブセレリンである。
【0051】
培養24時間後において、細胞増殖の抑制がチキンIIGnRHおよびその類似体に観察され、哺乳類GnRH類似体、ロイプロリドおよびブセレリンでは最も高い投与量でも全体的に不活性であった(図5参照)。試験されたチキンIIの最も低い投与量(10−8)でも哺乳類GnRH(10−5)よりもより効果的であった。D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドでは、ポジティブな投与関連活性が認められ、これは10−5で非常に活性的であった。培養48時間後においても、この類似体は24時間後のものと同様の効果を示したが、その天然のイソ型は劣化のためその能力が喪失した。哺乳類GnRHおよびその類似体は、48時間後においてMCF−7乳癌細胞増殖の抑制に対し全体的に効果がなかった。これらのデータから、D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミド類似体はヒトMCF−7乳癌細胞における腫瘍細胞成長の調節に関して、非常に安定で、かつ、生物学的に活性な分子であることが実証された。本出願人は同一又は同様の結果が、例えばサケGnRH、ニシンGnRH、サメGnRH又はナマズGnRHのようなチキンIIGnRHのものと同様のアミノ酸構造を有する非哺乳類GnRHイソ型又は類似体を用いても得られると確信するものである。
【0052】
生物作用能を明確にするためにin vitroシステムを使用することは、in vivo活性を予測させるものと期待される。腫瘍細胞作用に加えて、これらの新規に合成された非哺乳類GnRH類似体が胎盤に直接的に作用し、ステロイド合成を抑制することが知られているので、これらの類似体は卵巣レベルでも活性的であってステロイド合成を抑制するものと予想される。このことは、癌治療にとって更に利益となる。
【0053】
In Vivoでの腫瘍細胞成長および増殖を調節するための方法:
本発明の非哺乳類GnRH類似体を利用したin vivo試験を行うことにより、腫瘍細胞成長および増殖を抑制し、それにより哺乳類における癌細胞の退化を誘起させることができる。この哺乳類には癌を伴ったヒトが含まれる。提案する投与養生法として、100ないし250ポンドのヒトの場合、チキンIIGnRH類似体、サケGnRH類似体又は同様のアミノ酸構造を有する他の非哺乳類GnRH類似体を約10ナノグラムないし1.0g投与することができると予想される。この投与により哺乳類において腫瘍の成長又は転移を抑制するのに有効であると予測される。
【0054】
これらの非哺乳類GnRH類似体は、鼻腔、口腔、経筋肉、経皮又は経膣を介して投与することができると考えられる。しかし、本発明の実施において、多の任意の投与法を採用することが可能である。これらの類似体での処置は、活性的な非哺乳類GnRH類似体を短期間、繰返し投与することにより、又は腫瘍退化が生じるまで長期間連続的に治療することを要するかも知れない。投与の繰り返しは、必要に応じて行うことができる。
【0055】
多くのin vitro培養(fertilization)(IVF)プロトコルは哺乳類GnRH類似体を、現在、排卵時期に日常的に使用しており、投与の数週間後でも毒性が認められていない。哺乳類GnRH類似体を用いた長期治療が、子宮ガン、前立腺ガンおよび他の癌の治療のために使用されているが、投与の数ヶ月後においても毒性が全く認められていない。哺乳類GnRH類似体を用いた長期治療はハイポエストロゲン状態と関係し、これは或る種の癌治療にとってしばしば望ましい状態である。上記非哺乳類GnRH類似体の場合および短期治療の場合、下垂体GnRHレセプターに対する作用は僅かであると予想される。すなわち、これら類似体の特異的レセプター活性により、正常な生理機能を妨害することは殆どなくなる。
【0056】
幾つかの試験においては、投与養生法が24時間に亘る拍動性投与からなるものであってもよく、その場合、一日の投与量は24分の1の等しい区分に分けて投与される。例えば、一日の投与量が約2.4マイクログラムの場合、1時間当たり0.1マイクログラムの割合で24時間かけて患者に対し投与が行われる。このような日毎の拍動性投与は、腫瘍細胞成長および増殖を抑制し、腫瘍細胞の退化を誘起させるのに十分な程度にホルモンの発展を患者の体に生じさせるであろう。薬剤分野に精通した当業者であれば、このような特定の調剤を容易に行うことができよう。その目的のため、参照として、特にRemington‘s Pharmaceutical Sciences Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19“版、Vol.102m,A.R.Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.Eastonm,PA.(1995)を挙げることができる。
【0057】
非哺乳類GnRHに対し特異的な抗体:
本発明の他の態様は、非哺乳類GnRH類似体を利用して、非哺乳類GnRHペプチド配列と優先的に結合する抗体、又は腫瘍組織又は他の非下垂体GnRHペプチド又はタンパクと結合する抗体を作成することである。これらの非哺乳類GnRH抗体は種々のスクリーニング検定に使用することができる。例えば、これらの抗体は、表示分子としてのサンプルに存在するGnRHのレベルを判定するのに使用することができる。このGnRHのレベルは、患者の腫瘍活性又は成長をモニターしたり、追跡したり、或いは腫瘍の存在のインジケータとして使用することができる。非哺乳類GnRHの抗体はモノクローン又はポリクローン抗体であってもよい。
【0058】
ポリクローン抗体は標準免疫法により作成することができ、その場合、使用される免疫原は、非哺乳類チキンIIGnRH、サケGnRH、ニシンGnRH、或いはここに記載した任意のものの自然に発生するデカペプチド、又は、同様のアミノ酸構造を有する任意の他の非哺乳類GnRH類似体であってもよい。これらのペプチドは単独又は薬理学的に許容し得る佐剤と共に使用することができる。動物、例えばラビットにこのデカペプチドを数回投与し、動物中の抗体血液レベルを、満足な抗体レベル(力価)が達成されるまでモニターする。
【0059】
モノクローン抗体の作成は、再びデカペプチド非哺乳類GnRHペプチド又は類似体を使用し、動物の免疫のための標準的方法に従って行われる。動物中に十分に高い抗体が達せられたとき(力価)、動物の脾臓を採取し、インモータライズされた細胞ライン、例えばガン細胞ラインと融合させ、ハイブリドーマ細胞の集合を作成する。この細胞のハイブリドーマ集合を、非哺乳類GnRH類似体デカペプチドと特異的に結合する抗体の最も大きい量を生じさせる細胞についてスクリーンにかける。このようなハイブリドーマ細胞が選択され、ついで培養される。非哺乳類GnRHに対する抗体が当業者に公知の方法に従って細胞培養基から収集される。
【0060】
ポリクローン又はモノクローン抗体の作成の目的のため、参照として、特に、文献、Sambrookら(1989);Molecular Cloning,A Laboratory Manual,@d Ed.,Cold Springs Harbor Laboratory,Cold Springs Harbor,N.Y.を挙げることができる。ここに記載した実施例に加えて、開示された非哺乳類GnRHイソ型および/又は類似体並びに他の任意の遺伝子レギュレータを使用し、腫瘍細胞における非哺乳類GnRHの遺伝子発現又はそのレセプターの発現を調節し得るものと本出願人は確信する。更に、ここに開示した非哺乳類GnRH類似体を使用して、腫瘍細胞上のGnRHレセプターに対し特異的に結合し、その細胞を死滅させる安定で、毒素共役抗体又はリガンドを発生させることができると本出願人は確信する。
【0061】
本文に記載し、請求の範囲に記載した組成および方法の全てが、その開示内容に照らして、過度の実験を必要とすることなく実行し得るであろう。本発明の組成および方法は好ましい具体例として記載したが、その組成、方法並びに工程、工程の順序を本発明の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、種々変更し得ることができるであろう。特に、化学的並びに生理学的に関係する或る種の薬剤を、ここに記載したものと置換しても同一又は同様の結果を達成することができよう。このような当業者に明らかな類似の置換および変更は、請求の範囲に記載した本発明の精神、趣旨および範囲に全て包含されるものである。
【表】
Figure 2004512011
【参照文献】
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【図面の簡単な説明】
【図1】
GnRHの公知のイソ型の配列を示すチャート図。
【図2】
絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼによる非哺乳類GnRHの分解に対するdes−Gly(10)−哺乳類GnRH−エチルアミドの作用を示す図。
◇GnRH 0.00313M, ▽GNRH 0.0625M,●GNRH 0.0125M。
【図3】
絨毛性ポスト−プロリン・ペプチダーゼによる非哺乳類GnRHの分解に対するD−Arg−チキンII−aza−Gly−NHの作用を示す図。
◇GnRH 0.00313M, ▽GNRH 0.0625M,●GNRH 0.0125M, 0GNRH 0.0250M。
【図4】
外因性GnRHなし、GnRHの競合イソ型又はGnRHの類似体で培養の24時間後におけるI125−D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドのMCF7乳癌細胞への結合を示す図。
【図5】
対照、GnRHの他のイソ型および類似体と比較した場合の24時間後におけるD−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドの抗増殖活性、腫瘍退化活性を示す図。
【図6】
GnRHの類似体のインヒビター定数を示す図。

Claims (21)

  1. 腫瘍GnRH活性を調節するのに使用される非哺乳類GnRH類似体を含む組成物であって;
    該類似体が哺乳類GnRHよりも大きい親和性を以って腫瘍GnRHに結合することができ、かつ、ポスト−プロリン・ペプチダーゼ又はエンドペプチダーゼの存在下で活性であることを特徴とする組成物。
  2. 該非哺乳類GnRH類似体が、6位でD−アミノ酸置換を有し、10位でポスト−プロリン・ペプチダーゼ・インヒビターを有する請求項1記載の組成物。
  3. 該ポスト−プロリン・ペプチダーゼ・インヒビターが、aza−Gly−アミドおよびエチルアミドからなる群から選択させるものである請求項2記載の組成物。
  4. 該非哺乳類GnRH類似体が抗腫瘍剤として定義されるものである請求項2記載の組成物。
  5. 該非哺乳類GnRH類似体が抗増殖剤として定義されるものである請求項2記載の組成物。
  6. 該非哺乳類GnRH類似体が抗転移剤として定義されるものである請求項5記載の組成物。
  7. 該非哺乳類GnRH類似体が細胞自滅剤として定義されるものである請求項6記載の組成物。
  8. 該非哺乳類GnRH類似体が、チキンIIGnRH類似体、サケGnRH類似体およびニシンGnRH類似体から選択されるものである請求項2記載の組成物。
  9. 該チキンIIGnRH類似体がD−Arg(6)−チキンIIGnRH−エチルアミドおよびD−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドから選択されるものである請求項8記載の組成物。
  10. 該サケGnRH類似体がD−Arg(6)−サケGnRH−エチルアミドおよびD−Arg(6)−サケGnRH−aza−Gly(10)−アミドから選択されるものである請求項8記載の組成物。
  11. 該D−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドが、別表記載のSEQ ID No.2に定義されている配列(チキンIIGnRH類似体;p−Glu−His−Trp−Ser−His−D−Arg−Trp−Tyr−Pro−aza−Gly−NH)を有するものである請求項9記載の組成物。
  12. 該チキンIIGnRHが別表記載のSEQ ID No.1のcDNA配列(チキンII,cDNA;CAG CAC TGG TCT CAT GGC TGG TAT CCT GGA)を有するものである請求項8記載の組成物。
  13. 該D−Arg(6)−サケGnRH−aza−Gly(10)−アミドが別表記載のSEQ ID No.4に定義されている配列(サケGnRH類似体;p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Arg−Trp−Leu−Pro−aza−Gly−NH)を有するものである請求項10記載の組成物。
  14. 該サケGnRHが別表記載のSEQ ID No.3のcDNA配列(サケGnRH,cDNA;CAG CAC TGG TCT TAT GGC TGG CTG CCT GGA)を有するものである請求項8記載の組成物。
  15. 該ニシンGnRH類似体が別表記載のSEQ ID No.6に定義されている配列(ニシンGnRH類似体;p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Arg−Leu−Ser−Pro−aza−Gly−NH)を有するものである請求項8記載の組成物。
  16. 該ニシンGnRHが別表記載のSEQ ID No.5のcDNA配列(ニシンGnRH類似体,cDNA;CAG CAC TGG TCT TAT GGC TGG CTG CCT GGA)を有するものである請求項8記載の組成物。
  17. 6位で置換された該D−アミノ酸が、D−Arg、D−Leu、D−tBu−SerおよびD−Trpからなる群から選択されるものである請求項2記載の組成物。
  18. 非哺乳類GnRH類似体を用いて腫瘍活性を調節する方法であって、類似体からなる薬剤調剤を哺乳類に投与する工程を具備してなり、該類似体が哺乳類GnRHよりも大きい親和性を以って腫瘍GnRHに結合することができ、かつ、6位でD−アミノ酸置換を有し、10位でポスト−プロリン・ペプチダーゼ・インヒビターを有するがために、ポスト−プロリン・ペプチダーゼ又はエンドペプチダーゼの存在下で活性であることを特徴とする方法。
  19. 該非哺乳類GnRH類似体が、チキンIIGnRH類似体、サケGnRH類似体およびニシンGnRH類似体から選択されるものである請求項18記載の方法。
  20. 該チキンIIGnRH類似体がD−Arg(6)−チキンIIGnRH−エチルアミドおよびD−Arg(6)−チキンIIGnRH−aza−Gly(10)−アミドから選択されるものである請求項19記載の方法。
  21. 該サケGnRH類似体がD−Arg(6)−サケGnRH−エチルアミドおよびD−Arg(6)−サケGnRH−aza−Gly(10)−アミドから選択されるものである請求項19記載の方法。
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