JP2004510821A - 同種移植片に対する免疫寛容の誘導および/または白血病処置のための、幹細胞およびcd6枯渇幹細胞の使用 - Google Patents

同種移植片に対する免疫寛容の誘導および/または白血病処置のための、幹細胞およびcd6枯渇幹細胞の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、同種移植片に対する免疫寛容の誘導のための、ならびに/あるいは血液性、免疫性および/または癌性疾患の処置のための、幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を含有する時間差投与用の組合わせの使用であって、まず幹細胞を投与し、次いでCD6枯渇幹細胞を投与することによる使用に関する。さらに本発明は、幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を含有する併用製剤に関する。

Description

【0001】
本発明は、同種移植片に対する免疫寛容の誘導のための、ならびに/あるいは血液性、免疫性および/または癌性疾患の処置のための、幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を含有する時間差投与用の組合わせ(Zusammensetzung)の使用であって、まず幹細胞を投与し、次いでCD6枯渇幹細胞を投与することによる使用に関する。さらに本発明は、幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を含有する併用製剤(Kombinationspraparat)に関する。
【0002】
発明の背景
造血幹細胞および骨髄の移植は従来技術に属する。その際、まず幹細胞および免疫適格細胞を含めたドナー細胞の増殖に十分な程度にまで化学療法または放射線療法などの手段で前処理することにより、レシピエントの免疫適格細胞を破壊する。一般に幹細胞移植は、骨髄の機能喪失を伴う疾患に、たとえば急性白血病療法の範囲で用いられるが、他の血液性および免疫性疾患ならびに癌性疾患にも用いられる。処置される疾患のこのスペクトルは、すべての場合、造血の異常に基づく疾患が問題となっているという事実による。したがって幹細胞は、良性血液性疾患(たとえば重症再生不良性貧血(SAA)、再生不良性貧血、鎌状赤血球性貧血、地中海貧血)、免疫系疾患(多発硬化症(MS)、リウマチ性疾患(CP)、強皮症)、および悪性血液性疾患(骨髄性およびリンパ性の急性および慢性白血病)に使用できる。この目的で、通常は幹細胞を含有する調製物、たとえば骨髄および血液白血球がドナーから採取され、レシピエントに静脈内投与される。このような幹細胞移植は、心臓、肺などの臓器、および幹細胞ドナーの血液幹細胞に対する免疫寛容を誘導することができる(1)。しかしこのような幹細胞移植の欠点は、一方では患者の移植片が拒絶される可能性があること、他方では移植片のT細胞がレシピエントの細胞を非自己と認識する移植片対宿主(GVH)疾患の形で、移植片の免疫適格細胞がレシピエントの細胞を攻撃して損傷を与える可能性があることである。固形臓器の移植と違って幹細胞移植の場合は、拒絶またはGVH反応が起きなければ免疫抑制処置を数カ月または数年後に中止できる。相互免疫寛容に由来するものと思われる。
【0003】
移植片対宿主反応を予防または低下させるために、しばしば移植片から免疫適格細胞、特にTリンパ球を除去する。しかしこれは移植片拒絶を生じる場合がかなり多く(2)、白血病の処置の場合は疾病再発が増加する。白血病処置の場合の再発および移植片拒絶は、レシピエントの前処置後に残存するT細胞を排除できるドナーT細胞が移植片中に欠如することに原因があると思われる(3)。そのような合併症のリスクは、ドナーとレシピエントのHLA一致(組織特徴の一致)の場合にすらかなり高く、HLA不一致については極めて高い。
【0004】
移植片に対する免疫寛容の誘導または免疫寛容の維持のための幹細胞移植は、最初は、患者の免疫系が移植臓器を攻撃しない幹細胞ドナーの免疫系で置き換えられるであろうという考えに基づいて行われた。したがって生物が外来幹細胞を受け入れると直ちにこの生物は他の臓器も受け入れるであろう(4)。しかしHLA不一致を越えた幹細胞移植はきわめてリスクが高いので、現在この方法は移植臓器に対する免疫寛容を誘導するためには用いられていない。
【0005】
イヌにおいて特殊なドナー−レシピエントの組合わせで骨髄のT細胞枯渇によって強い移植片対宿主反応を避けうることが証明された。DLAホモ接合ドナーとDLAヘテロ接合レシピエントの組合わせでは、宿主対移植片指向性の反応は移植片対宿主指向性より弱く、DLAハプロタイプの相異を越えて持続性免疫寛容を伴う完全なキメリズムが得られる(5)。しかしヘテロ接合ドナーのDLA不一致が強い場合はほぼ常に拒絶が起き、両方向免疫寛容は生じない。
【0006】
ヒトにおいてHLA不一致に基づく拒絶を予防または低下させるための種々の試みが既になされ、その可能性がある。
【0007】
たとえば、多量のCD34陽性血液幹細胞を用いると成人(6)および小児(7)において免疫寛容を誘導しうることが知られている。親から子への移植に際してみられるように体格の大きなドナーと小さなレシピエントの場合、十分な量の血液幹細胞を得ることができる。体格の関係がこれより不都合な場合、十分な量の血液幹細胞を得るには問題が多いであろう。
【0008】
HLA不一致を越えた免疫寛容を誘導するための他の方法として、シクロホスファミド、胸腺照射および抗胸腺細胞グロブリン(ATG)の組合わせと併用した骨髄移植が示唆されている(8)。この方法は悪性度の高いリンパ腫の患者については成功したが、これらの患者はその疾患と先に施された化学療法のため既に免疫抑制されている。しかし、このタイプの処置はそれ以前の免疫抑制がより弱い患者には不十分であろうと推定できる。さらにこの方法の欠点は、すべての単なる非特異的免疫抑制薬の場合と同様に、その生物の感染症に対する感受性が高まることである。
【0009】
他の方法は、B7.1共刺激分子のリガンドであるCTLA4の使用である。CTLA4は、特に抗原刺激に対するT細胞の活性化を制限するという特性をもつ。抗原提示細胞における共刺激分子B7.1の発現は、T細胞の活性化に必要である。上記の方法では、CTLA4−IgG融合タンパク質を移植前に骨髄に添加してB7.1共刺激分子をブロックし、これによりレシピエントのT細胞は活性化に重要な第2シグナルを失う。T細胞は反応できず(’アネルギー’)、急性移植片対宿主反応を生じる能力が低下する(9)。この方法を12人の患者において試験した。そのうち4人はリスク良好群であり、8人は高リスク群であった。”リスク良好”とは、若い患者、治療を受けたことがほとんどない者、白血病細胞量が少ない者、および疾患の発症がはるか以前でない者を表わし、一方、これらの状況は”高リスク”の症例には当てはまらない。しかしこの方法では、レシピエントの照射血球を36時間のインキュベーション期間にわたって処理しなければならない。感染のリスクが高まるほか、レシピエントの白血病細胞に対する免疫寛容誘導のリスクが高まると予想できる。
【0010】
本発明の目的は、一方では適合するHLA同一ドナーのいない患者についても幹細胞移植を確実にするために(現在のところ可能ではあるがわずかに成功したにすぎず、前記の欠点を伴う)、他方ではほとんどの場合HLA不一致のドナーに由来する移植臓器に対する免疫寛容を誘導するために、HLA不一致をも越えた幹細胞移植を可能にすることである。他の目的は、このための製剤を提供することである。
【0011】
この目的は、請求項1に記載の幹細胞およびCD6枯渇幹細胞の使用、および請求項13に記載の併用製剤により達成される。本発明の好ましい態様は、従属請求項から明らかである。
【0012】
表の説明
表1は、HLAハプロ同一移植における幹細胞の増殖挙動、および本発明による幹細胞移植と従来技術による幹細胞移植における種々のHLA不一致に関する移植片対宿主疾患を示す。
【0013】
表2および3は、本発明により処置した患者の患者データおよび処置結果を示す。
【0014】
表4は、種々の細胞調製物のCD6枯渇後のPBSCの表現型および組成を示す。
【0015】
表5は、種々の細胞調製物によるMLRの抑制を示す。
【0016】
表6は、種々の細胞調製物によるMLRのサプレッサー活性を示す。
【0017】
発明の詳細な記載
本発明によれば、幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を含有する時間差投与用の組合わせを、同種移植片に対する免疫寛容の誘導のために、ならびに/あるいは白血病、血液性、免疫性および/または癌性疾患の処置のために使用し、その際まず幹細胞を投与し、次いでCD6枯渇幹細胞を投与する。好ましくは、CD6枯渇幹細胞を幹細胞移植の4〜8日後、大部分の場合6日後に投与する。幹細胞とCD6枯渇幹細胞の併用は特に、2回投与によって大量の幹細胞の移植が可能になるという利点をもつ。
【0018】
本発明によれば、幹細胞は骨髄、末梢血または臍帯血に由来する。本発明によれば、これら種々のタイプの幹細胞を同じまたは異なるタイプのCD6枯渇幹細胞と組み合わせることができる。たとえばまず骨髄幹細胞を投与し、次いでCD6枯渇骨髄幹細胞、CD6枯渇末梢血幹細胞および/またはCD6枯渇臍帯血幹細胞を投与できる。本発明によれば、同様に他のすべての併用も考慮される。下記の併用が好ましい:骨髄幹細胞−CD6枯渇骨髄幹細胞、骨髄幹細胞−CD6枯渇末梢血幹細胞、末梢血幹細胞−CD6枯渇末梢血幹細胞、末梢血幹細胞−CD6枯渇骨髄幹細胞、または臍帯血幹細胞−CD6枯渇臍帯血幹細胞。
【0019】
本発明によれば、異なる供給源に由来する幹細胞が移植片内に存在してもよい。すなわち、たとえば骨髄幹細胞と末梢血幹細胞の混合物を投与し、次いでCD6枯渇骨髄幹細胞とCD6枯渇末梢血幹細胞の混合物を投与できる。この場合も、すべての併用が本発明に含まれる。
【0020】
本発明によれば、幹細胞という用語は、幹細胞調製物、または幹細胞を富化した調製物、または幹細胞に富む調製物を表わすのに用いられる。たとえば骨髄は”幹細胞に富む調製物”である。本発明によれば、骨髄という用語は骨髄幹細胞と同義に使用できる。ただし本発明によれば、移植前に赤血球を除去するように骨髄を前処理してもよい。
【0021】
本発明によれば、末梢血幹細胞は、末梢に存在する幹細胞を表わす。少なくとも1種類の細胞増殖因子(たとえばG−CSF、すなわち顆粒球コロニー刺激因子、またはGM−CSF)を投与することにより、幹細胞を骨髄から血液中へ移動させることができる。これは、重篤な感染症および失血に際して自然でもみられる挙動である。
【0022】
本発明によれば、臍帯血幹細胞は、新生児の臍帯を切断した後に臍帯静脈から穿刺により得られる幹細胞を表わす。
【0023】
幹細胞数が多いほど同種移植の成功率が向上することは知られている(10〜13)。本発明においては、他の幹細胞移植に際して同様に一般に用いられる量の幹細胞の投与を2回実施するので、本発明方法の効果はプラスの影響を受ける。
【0024】
本発明により幹細胞の投与後にCD6陽性T細胞枯渇を示す幹細胞を投与する時間差投与によれば、幹細胞調製物はまず増殖することができる。増殖(growth)とは、静脈内投与した幹細胞が骨髄内でそれらのホーミング受容体と結合し、分裂し、そして細胞の産生を開始することと解釈される。
【0025】
一般に、幹細胞移植後の数日間は、免疫応答の開始に基づく移植片拒絶は起きない。この免疫応答の抑制および/または予防のために、本発明に従ってCD6枯渇幹細胞を投与する。これらは免疫調節効果をもつ。ドナーとレシピエントの間でHLA不一致である場合、最初の6日間で既に活性化リンパ球が生成し、拒絶またはGVH反応が生じる可能性がある。本発明によりCD6枯渇幹細胞を投与すると、そのような活性化細胞をその時点までに認識して排除することができ、ドナーの幹細胞に有害作用を与えることはない。
【0026】
本発明の範囲において、CD6陽性T細胞を枯渇させた幹細胞調製物は活性化リンパ球をそれらの量/増殖に関係なく排除する作用をもつことが見出された。現在のところ、CD6抗原の生物学的意義についてはほとんど分かっていない。それは、AL−CAM(活性化リンパ球接着分子)に対する、すなわち活性化リンパ球のマーカーに対するリガンドである。CD6陽性T細胞の枯渇により、ほとんどすべてのCD4陽性T細胞(たとえばヘルパーT細胞)および大部分のCD8陽性T細胞(たとえば細胞傷害性T細胞)は排除されるが、ナチュラルキラー(NK)細胞はなお存在する。
【0027】
CD6陽性T細胞の枯渇法は、GVH疾患の予防用として各センターで以前から確立しており、これによりHLA一致移植(14、15)およびHLA不一致移植(16)双方においてGVH疾患の発症は低下した。これらの方法では、前記のCD6枯渇に際して移植片から大部分のT細胞を除去する目的でCD6枯渇させた幹細胞のみを移植した。T細胞を含まない移植の欠点は冒頭に述べた。これに対し本発明は、CD6枯渇させた細胞、すなわちCD6枯渇後に残存する細胞の活性を抑制することに関する。
【0028】
本発明により、CD6陰性幹細胞は培養に際して細胞傷害性T細胞の生成を抑制することが証明された(図1参照)。図1は、培養試料においてCD6陰性幹細胞により細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が抑制されることを示す。種々の末梢血幹細胞(PBSC)調製物に関連する種々の培養試料について、細胞傷害性Tリンパ球の相対活性(CTL活性)を表わす。混合リンパ球培養に際し、ドナーリンパ球(A)に照射したドナーの刺激細胞(B)(=末梢血幹細胞(PBSC)を含まない)を添加した。この細胞懸濁液に、ドナーの非枯渇PBSC、CD6枯渇PBSC、CD6枯渇後に残存する細胞であるCD8陽性細胞、またはCD6とCD8の両方を枯渇させたPBSC(C)を添加した。7および14日後、培養細胞のCTL活性をアッセイした。このために、放射性クロム標識した刺激細胞の芽細胞(B)をCTLにエフェクター:ターゲット比40:1、20:1、10:1、5:1、および2:1で添加した。エフェクターの芽細胞(A)およびPBSCドナーの芽細胞(C)を対照として用いた。(A)および(C)に対してCTL活性はそれぞれ5%未満であった。幹細胞を添加しないCTL活性を100%とする。枯渇していないPBSCを添加すると、相対CTL活性は約63%に低下する。CD6枯渇PBSCを添加すると、相対CTL活性は約45%に低下する。CD6とCD8を枯渇させた場合はCTL活性が約110%に上昇し、一方、CD6枯渇後に残存する細胞であるCD8陽性細胞ではCTL活性はさらに約30%に低下する。NK細胞の枯渇では抑制活性は低下しない。CD6枯渇画分中に同様にみられる富化したCD34陽性幹細胞だけでは、抑制効果を示さなかった。CD6枯渇した骨髄および血液幹細胞調製物は、in vitroでの同種細胞に対する免疫反応、ならびに混合リンパ球培養におけるH−チミジン取込みおよび細胞傷害性T細胞の生成を非特異的に抑制することが本発明により示された。この抑制効果は主に、CD6枯渇後に移植片中に残存するCD8陽性細胞により仲介される。
【0029】
CD6枯渇幹細胞調製物の抑制効果のほか、時間経過も重要である。CD6枯渇幹細胞画分を幹細胞投与の4〜8日後、好ましくは約6日後に投与する。ドナーと患者の間にHLA不一致があれば、この時点までに患者においてレシピエントおよびドナーのリンパ球が既に活性化されている。培養においてCD6陰性幹細胞調製物は抑制作用を示し、これはHLAタイプに関係なく、ドナー、患者および第三者の細胞に対して同様に起きる。幹細胞調製物が活性化T細胞に非特異的に作用することは、HLA抗原のような個々の特徴がターゲット構造として不適切であることを示す。むしろ活性化リンパ球のトランスフォーメーションに共通に存在する構造があると思われる。
【0030】
本発明により、HLA不一致すら越えた幹細胞および所望によりさらに臓器の移植が可能になった。患者の親および子は遺伝によりHLAハプロ同一性である;すなわち1つの染色体片により遺伝したHLA抗原の半数が同一である。2つ目のHLAハプロタイプの抗原(通常はHLA−A、−Bおよび−DRに対する抗原と定義される;拡大した定義が可能であるが、ただし関連が解明されていない目標に関してである)同一性は、非近親の場合のように偶発的である。統計的平均では兄弟姉妹の半数もHLAハプロ同一性であり、四分の一が親とHLA同一または完全不一致である。したがって本発明は、実際上、白血病その他の重篤な血液性疾患に罹患している患者はそれぞれ自分の家族にドナーを見出しうることを意味する。臓器移植についても、ドナーの3種類のHLA抗原が患者と一致すると確率が著しく高まる。本質的な身体固有の構造はそれらが固有のHLAにより提示された場合に初めて認識されるので、多数のHLA抗原が適合するほど有利である。本発明によれば、HLA不一致は3より多くてもよく、理論的には既知の6種類の抗原のうち6つに及んでもよい。
【0031】
本発明による幹細胞およびCD6枯渇幹細胞調製物の使用に際して、移植レシピエントは全身照射、化学療法および抗体により予め免疫抑制処置を受ける。これによりレシピエントの造血細胞および免疫防御システムをほぼ完全に破壊され、さらに処置前にドナー白血球を移入することによりシクロホスファミドの免疫抑制効果を特異的に増強できる。
【0032】
本発明による骨髄幹細胞の調製および血液幹細胞の調製は、従来技術に従って行われる。血液型不適合の場合、血球溶解(溶血)を防ぐために赤血球を除去する。可能ならば調製幹細胞は移植直前に(最高48時間)に採取すべきである。これが不可能な場合、より早い時点で幹細胞を採取し、凍結保護剤(たとえばDMSO)を添加して最高−196℃で(液相または気相窒素中に)移植まで保存してもよい。
【0033】
本発明によれば、血液幹細胞の調製は、まずドナーに細胞増殖因子(たとえばG−CSF)を4〜6日間投与し、CD34陽性幹細胞数が高い状態で(約>10個/μl血液)ドナーから血球分離により血液を採取することによって実施される。
【0034】
CD6エピトープを指向する抗体を用いて、CD6陽性T細胞を幹細胞調製物から除去する。得られた血球分離物を抗CD6抗体と共にインキュベートし、過剰の抗体を洗浄除去した後、CD6抗体にのみ結合する磁性粒子(たとえば鉄粒子)または高密度粒子(たとえばニッケル粒子)を添加する。この細胞−抗体懸濁液を磁石上に導くと、抗体−粒子結合体をもつ細胞はすべて結合する。高密度粒子を負荷したCD6陽性細胞は沈降により分離される。両方法ともCD6陰性細胞の回収率は100%に達する。可能ならば、CD6枯渇幹細胞を移植直前に(最高48時間)に採取すべきである。これが不可能な場合、より早い時点で幹細胞を採取し、分離した後、凍結保護剤(たとえばDMSO)を添加して最高−196℃で(液相または気相窒素中に)移植まで保存してもよい。
【0035】
本発明により投与する幹細胞の量は、CD6枯渇していない幹細胞については体重1kg当たりほぼ単核細胞1〜4×10、好ましくは2〜4×10個であるが、可能な限り多い方がよい。CD6枯渇幹細胞の場合、投与量は体重1kg当たりほぼCD34陽性細胞0.4〜2.0×10、好ましくは0.8〜2.0×10個である。この場合も、細胞数は可能な限り多い方がよい。
【0036】
骨髄幹細胞および血液幹細胞は両方とも患者に静脈内投与される。
【0037】
臓器移植の場合、本発明を利用できる可能性が幾つかある。生存ドナー(腎臓)の場合、幹細胞ドナーの場合と同様に予め免疫抑制処置を計画できる。臓器提供後、ドナーを増殖因子で刺激し、幹細胞移植の場合のように約6カ月後に血球分離する。あるいは骨髄を採取してもよい。これらの調製物をそのまま移入するか、または採取後に凍結保存することもできる。死亡ドナーの場合、移植の時点で初めて免疫抑制を開始すればよいが、骨髄の採取は臓器の採取と同時に実施しなければならない。骨髄をCD6分離後に凍結保存する。
【0038】
初期の拒絶反応およびGVH反応の抑制後、キメリズム、すなわち患者における外来造血の存続により、免疫寛容を維持する。本発明によればCD6枯渇調製物と臓器移植片または幹細胞移植片の間にHLA同一性は必要ないので、本発明によれば血液および骨髄の幹細胞調製物を併用製剤とすることができる。本発明による免疫寛容の範囲のHLA不一致があれば、必要な場合は併用製剤を使用できる。1以上のドナーの調製物を用いる場合、枯渇処理していない調製物がキメリズムに寄与する。
【0039】
本発明には、同種移植片に対する免疫寛容の誘導のほか、造血機能異常が原因である血液性、免疫性および癌性疾患、たとえば良性血液性疾患(たとえば重症再生不良性貧血(SAA)、再生不良性貧血、鎌状赤血球性貧血、または地中海貧血)、免疫系疾患(たとえば多発硬化症(MS)、リウマチ性疾患(CP)、強皮症)、および悪性血液性疾患(たとえば骨髄性およびリンパ性の急性および慢性白血病)の処置が含まれる。
【0040】
以下に実施例により本発明を説明するが、これらは本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0041】
実施例
本発明の試験においては、他の治療法で難治性の白血病患者21人に、治癒を目的として本発明による骨髄細胞または血液細胞とCD6枯渇血液幹細胞の併用製剤を移植した。これらの患者は高リスク患者であった。比較として、同じ病期の白血病患者であって、ただし従来技術による処置を受けた患者を採用した。合計5つの患者群を調べた。結果を表1に示す。
【0042】
1.骨髄幹細胞の調製
ドナーが提供に適性であるかを十分に検査し、担当医がこれを確認した後、計画した骨髄調製の約3週間前に、ドナーの骨髄1ml当たりの細胞数および患者の体重に応じて約1000〜1500mlの骨髄を全身麻酔下で各ドナーの両方の腸骨稜から採取し、ヘパリンまたはヘパリンとクエン酸溶液(ACD)を含有する適切な培地(たとえばRPMI 1640)に懸濁した。血液型適合の場合、この骨髄をそれ以上処理せずに用いた。不適合の場合、沈降促進剤を添加して沈降または遠心分離により赤血球枯渇処理を行った。
【0043】
2.血液幹細胞の調製
ドナーが提供に適性であるかを十分に検査し、担当医がこれを確認した後、計画した幹細胞調製の前5日目から開始して5〜12.5μg/kg(体重)の量の増殖因子G−CSFをドナーに皮下投与する。同4日目からドナー血液のCD34陽性細胞含量を実験室で検査する。10個/μlを超えるCD34陽性細胞が検出可能になると直ちに、細胞分離装置により白血球搬出を実施する。白血球搬出中、ヘパリンおよびACDを用いて血液がドナーの体外で凝固しないようにする。組織培養培地(たとえばRPMI 1640)が入った別個の血液バッグに幹細胞に富む白血球調製物を入れ、残りの血液をドナーに戻す。こうして得た細胞数が移植に不十分な場合、ドナーの身体状態が許せば翌日再び血球搬出を実施する。
【0044】
3.臍帯血幹細胞の調製
新生児が誕生して臍帯を切断した後もなお臍帯および胎盤中に残存する著しく幹細胞に富む臍帯血は、臍帯静脈の穿刺により得られる。こうして得た臍帯血を沈降により大部分の赤血球から分離し、次いで遠心により血漿の一部を除去する。こうして処理した臍帯血を少なくとも2つの血液バッグに分け、凍結保護剤を添加した後、使用するまで−196℃に保存する。
【0045】
4.幹細胞のCD6枯渇
調製した幹細胞を、遠心分離による血小板の洗浄除去後、約1×10個/mlの濃度で過飽和濃度(約1mg/50×10個)の抗CD6抗体(たとえばP.Rieber/G.RietmuellerによるMT404;他の抗CD6抗体でもよい)と共に室温で30分間インキュベートする。結合していない過剰の抗体を2回の洗浄媒質(たとえばRPMI)添加および遠心分離により洗浄除去する。CD6陽性細胞の分離は、いわゆる免疫磁性粒子、すなわち第1抗体に対する抗体(たとえば、第1抗体がマウス由来ものである場合はヒツジ抗マウス抗体)で被覆した鉄粒子を用いて行われる。これにより鉄粒子はCD6陽性細胞の表面に付着し、細胞を磁石によりバッグ内に保持することができる。磁性粒子(たとえばDynabeads(登録商標))を用いる場合、血液バッグを4℃で30分間インキュベートした後、磁石に乗せる。CD6陰性のバッグ内容物を(蠕動)ポンプによりチューブおよび第2の磁石を介して新しい血液バッグへ移す。この操作を1回繰り返す。
【0046】
高密度微粒子(たとえばニッケル粒子)を用いて分離する場合、CD6陽性細胞を磁石ではなく沈降により分離する。
【0047】
分離後、こうして得た細胞懸濁液の細胞数、ならびにCD34陽性、CD8陽性、CD4陽性およびCD6陽性細胞の割合を調べる。
【0048】
5.患者の前処置
前処置により全体として造血を著しく抑制しかつ免疫防御を低下させ、これにより白血病細胞を可能な限り排除し、外来移植片に対する拒絶反応を可能な限り完全に抑制する。
【0049】
まずすべての群の患者に1日4Gyで連続3日間、全身照射を施した。
【0050】
グループ1には、さらにシクロホスファミド(CY)処置のみを施した。このために1日0.50mg/kg(体重)のCYを連続4日間、患者に静脈内投与した。
【0051】
グループ2の患者には、グループ1と同様にCY処置を施し、ただし放射線療法の最終日または初回CY処置の前日にドナー白血球(DBC)移入を行った。その際、ドナーから約2時間の白血球搬出で得られた全量の白血球を患者に投与した。これらの白血球は、ドナーの組織適合性抗原を認識する患者のリンパ球を刺激して増殖させる。分裂中のリンパ球は、翌日実施するCY処置に特に感受性である。
【0052】
グループ3にはドナー白血球を投与せず、CY処置当日の朝、20mg/kgのウサギ抗ヒト胸腺細胞グロブリン(ATG Fresenius(登録商標))を投与した。
【0053】
グループ4にはグループ3と同じ前処置を施し、ただしさらに初回ATG/CY処置の前日にドナー白血球移入を行った。
【0054】
グループ5は本発明による処置を行うグループである。このグループにはグループ4と同じ前処置を施し、ただしさらにCD6枯渇血液幹細胞を幹細胞移植の6日後に投与した。
【0055】
6.幹細胞移植
それぞれの前処置の終了当日、それぞれ単核細胞1〜4×10個/kg(体重)を患者に静脈内投与した。
【0056】
7.CD6枯渇幹細胞の移植
グループ5の患者に、CD6枯渇CD34陽性幹細胞0.4〜2×10個/kg(体重)を幹細胞移植の4〜8日後に静脈内投与した。
【0057】
8.GVH予防
従来技術に従って、すべての患者にサイクロスポリンAにより移植後−1日目から、メトトレキセートにより1、3および6または7日目に、予防のための免疫抑制処置を施す(静脈内)。
【0058】
実験系列に関して、数種類のHLA抗原がそのドナーと異なる患者を本発明方法に従って処置した。ドナーが患者にとって外来であるHLA抗原をもつ場合、この状態を宿主対移植片指向性すなわち移植拒絶指向性の不一致であるという。患者がドナーにとって外来であるHLA抗原をもつ場合、移植片対宿主指向性の不一致であるという。従来、血清学的に定めた1抗原の相異を不一致とみなす。現在DNA検査により評価可能である遺伝子レベルでの相異は考慮されない。
【0059】
例:共通HLAハプロタイプ(イタリック)
HVG指向性の不一致:A1およびB5
GVH指向性の不一致:B8およびDR1
ドナー:           HLA患者:
A = 2   A = 1      A = 2  A = 2
B = 27  B = 5      B = 8  B = 27
DR = 3  DR = 3     DR = 1  DR = 3
結果を表1に示す。ハプロ同一幹細胞移植に際して、種々の移植モデルに多様なコンディショニングを行った。すべてに同じことは幹細胞(骨髄幹細胞または末梢血幹細胞)を前処置終了日に注入することである。グループII、IVおよびVでは、TBI(全身照射)後、患者にDBC(ドナー白血球投与)を施す。グループVの患者には、移植後4〜8日目にさらにCD6枯渇幹細胞を投与する。
【0060】
1欄には種々の処置群を記載し、グループI〜IVはグループV(本発明による移植)に対する比較群である。第2欄には各群で移植した患者数を示す。3欄には、a)不適合(HLA不一致)数、b)X不適合で移植した患者数、およびc)HVG指向性不適合に関連するHLA遺伝子座、すなわちレシピエントがドナーにおいて外来と認識した特徴を示す。”生着(Anwachsen)”の欄には、移植片の増殖が確認された患者数を示す。第5欄は3欄に対応し、ただしこの場合は移植片側からみたもの、すなわち移植片がレシピエントにおいて外来と認識したHLA特徴の数である。最終欄には、レシピエントに対する移植片の反応がみられた患者数を示す。グレードII以上のこれらの反応を追加療法により処置できる。グレードIVは、大部分が死亡する最も重篤なGVHグレードである。
【0061】
本発明により処置したグループでは、HLA不一致がきわめて大きいにもかかわらず、GVHグレードがII以上の患者比は少なくとも従来技術により処置した患者の比に匹敵する。さらに、白血病がより進行しており、HLA不一致がより大きく、小児の割合がより低いにもかかわらず、本発明による処置に際して生存率は低下しないことが認められた。さらに、処置後に長期間の併用免疫抑制を行う必要がない症例数がより多かった。
【0062】
表2および3には、表1のグループ5に挙げた患者、およびさらに処置した他の数人の患者に関して、より詳細な情報を示す。
【0063】
表2および3で用いた略号は下記のものである:
AML:   急性骨髄性白血病
NHL:   非ホジキンリンパ腫
ALL:   急性リンパ性白血病
CLL:   慢性リンパ性白血病
CML:   慢性骨髄性白血病
T−ALL:  T細胞性急性リンパ性白血病
sAML:   続発性AML
OMF:   骨骨髄線維症
MDS:   脊髄形成異常症候群
RA:    難治性貧血
UPN:   患者数不明
Take:   生着(Anwachsen)
たとえば患者NO.1138に関する”−”は、約8日後には増殖が起きず、その後起きたことを意味する。
他の実施例:
本発明は、移植片対宿主反応だけでなく拒絶反応をも抑制するTサプレッサー細胞または”促進細胞”の使用に関する。これらのサプレッサー細胞はCD6陰性であり、すなわちCD6陽性細胞の存在下では活性でない。CD6枯渇に伴ってCD4陽性T細胞がほぼ完全に枯渇すること、およびCD8陽性T細胞は著しく枯渇するがそのうち約4〜5%は残存することが見出された(表4)。CD34陽性幹細胞およびCD16陽性CD56陽性のいわゆるナチュラルキラー細胞は残存する。このCD6枯渇細胞調製物の免疫抑制効果を混合リンパ球培養において試験した(”混合リンパ球反応”−MLR)。この試験で2人のHLA不一致者の白血球を培養皿に導入すると、異なるHLA−D決定因子を認識して分裂が開始する。反応の指向性を調べるために、1人の細胞の分裂を照射により阻害する。骨髄またはいわゆる血液幹細胞をMLRに添加すると、反応はわずかに抑制される(表5)。CD6枯渇した骨髄またはいわゆる血液幹細胞の調製物を添加すると、反応は著しく抑制される。ポジティブ選択したCD34陽性細胞はわずかに反応を抑制したにすぎないので(表5)、反応の抑制はCD34陽性幹細胞によるものではないと思われる。CD6陽性細胞のほかにCD8陽性細胞を除去すると、MLRの抑制は大幅に低下する。CD6陰性であるCD8陽性細胞が抑制に関与するという推測は、CD6陰性調製物からCD8陽性細胞をポジティブ選択することにより確認される(表6)。CD6陰性細胞のCD8陰性亜集団はほとんど抑制しないが、CD8陽性亜集団の抑制は著しい。表5および6において下記のものを意味する:
cpm −細胞へのH−チミジン取込みにより測定した1分当たりのカウント
SI − 刺激指数(係数)
ARI − 平均相対指数
I、II: 異なる実験
【0064】
【表1】
Figure 2004510821
【0065】
【表2】
Figure 2004510821
【0066】
本発明の機序、時間計画および利点:
HLA不一致細胞および臓器に対する免疫反応の抑制機序はこれまで解明されていない。分かっているすべては、この抑制が特異的でないこと、すなわちCD6陰性、CD8陽性幹細胞調製物は自己の臓器に対する外来リンパ球の反応(移植片対宿主反応という意味のもの)ならびに外来細胞および臓器に対する自己のリンパ球の反応(宿主対移植片反応、すなわち拒絶反応という意味のもの)だけでなく、第3者との間の反応をも抑制することである。したがって、たとえばあらゆる由来の活性化リンパ球に対するHLA非依存性反応だけが考慮の対象になる。CD8陽性サプレッサー細胞は、マウスについてReich−Zeliger et al.(17)およびGandy et al.(18)により報告されている。しかし両研究者グループとも、CD6枯渇が目的を達成するとは記載していない。図2に、CD6陰性、CD8陽性細胞が同種反応を抑制する様式のモデルを示す。細胞表面のCD6抗原に対するリガンドはALCAM(活性化白血球接着分子)である。CD8陽性細胞は細胞傷害性細胞である。これは、CD6陽性細胞の不存在下では、免疫反応に関するターゲット細胞が活性化マーカーを発現していないとき特異的T細胞受容体なしで細胞傷害性でありうると思われる。そのような細胞の細胞傷害性は、FAS−Lが細胞傷害のメディエーターであると定めたReisnerらにより証明された。活性化は抗原刺激の数日後に初めて起きるので、CD6枯渇細胞の時間差投与(移植後6日目)が指示される(移植の時間計画については図3を参照)。
【0067】
図3で用いた略号:
TBI − 全身照射
DBC − ドナー白血球
CSA − サイクロスポリンA
MTX − メトトレキセート
BMT − 骨髄移植
ATG − 抗血小板グロブリン
CY − シクロホスファミド
移植の結果から機序を証明することはできず、効果を確認できたにすぎない。その際、本発明における患者は1種類より多いHLA抗原がそのドナーと異なるという点が本質的に重要である。Champlinらの報文(19)では、非近親HLA同一ドナー、および表現型がHLA同一であるかまたは1つのHLA抗原のみが異なる近親ドナーをもつ患者が大多数である。さらにこの報文は、移植片のT細胞枯渇、全T細胞の枯渇と一部のT細胞のみの枯渇との比較、および未処理調製物の移植という問題を扱っている。それは、サプレッサー細胞を含有する血液幹細胞調製物の時間差移植には関係がない。(20)のCraddock et al.,Blood 2000;96:86−90は、他の目標に関する。この報文では、白血病再発の時点で白血病抑制のためにドナーリンパ球を移入している。CD6+T細胞枯渇骨髄の移植も既にDana Faber Instituteにより報告され、この場合は同様にHLA非同一ドナーが採用されている(16)。しかしこの研究でも、骨髄移植に対して時間差様式でCD6枯渇幹細胞移植を投与してはいない。患者のコンディショニングのための高い照射線量(7.5〜10.5Gyの全リンパ照射および14Gyの全身照射)にもかかわらず、27人中3人の患者は安定な増殖を示さなかった。疾病初期の患者の場合は2年生存率が69%、より進行した病期の場合は20%であった。これと比較して、より低い照射でさらに進行した病期の治癒試験に関して本発明者らが得た結果は著しかった。本発明による照射は好ましくは約4Gyで、好ましくは連続3日間行われる。
【0068】
本発明によれば、CD6枯渇血液幹細胞の使用は、骨髄幹細胞および血液幹細胞のHLA不一致移植ならびに生存ドナーからの腎臓および肝葉などの臓器の移植の両方において実用性があり、かつ理解できるものと考えられる。両方の場合とも、移植の時点は異なるHLA抗原と最初に遭遇する時点でもある。これにより、CD6枯渇血液幹細胞の時間差投与のための時間枠が決まる。
【0069】
【表3】
Figure 2004510821
【0070】
【表4】
Figure 2004510821
【0071】
【表5】
Figure 2004510821
【0072】
【表6】
Figure 2004510821
【表7】
Figure 2004510821
【表8】
Figure 2004510821

【図面の簡単な説明】
【図1】
培養試料におけるCD6陰性幹細胞による細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の抑制を示す。
【図2】
CD6陰性、CD8陽性細胞によるアロ反応の抑制のためのモデルを示す。
【図3】
本発明による移植のための好ましいスケジュールの時間ダイヤグラムである。

Claims (16)

  1. 同種移植片に対する免疫寛容の誘導のための、ならびに/あるいは血液性、免疫性および/または癌性疾患の処置のための、幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を含有する時間差投与用の組合わせの使用であって、まず幹細胞を投与し、次いでCD6枯渇幹細胞を投与することによる使用。
  2. 幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞および/または臍帯血幹細胞であり、CD6枯渇幹細胞がこれとは独立して骨髄幹細胞、末梢血幹細胞および/または臍帯血幹細胞に由来することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. CD6枯渇幹細胞を幹細胞投与の4〜8日後、好ましくは6日後に投与することを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
  4. CD6枯渇幹細胞が、幹細胞から、または幹細胞に富む調製物から、CD6エピトープを指向する抗体を用いてCD6陽性T細胞を除去することにより得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 抗体に磁性粒子を結合させ、CD6陽性T細胞を磁石により除去することを特徴とする、請求項4に記載の使用。
  6. 抗体に高密度粒子を結合させ、CD6陽性T細胞を沈降により除去することを特徴とする、請求項4に記載の使用。
  7. 幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を静脈内投与することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. ドナーとレシピエントが最高6種類のHLA抗原、好ましくは0〜3種類のHLA抗原において互いに異なることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
  9. 幹細胞を体重1kg当たり単核細胞1〜4×10、好ましくは2〜4×10個の量、CD6枯渇幹細胞を体重1kg当たりCD34陽性幹細胞0.4〜2×10、好ましくは0.8〜2×10個の量で投与することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 下記の組合わせの幹細胞とCD6枯渇幹細胞:
    骨髄幹細胞−CD6枯渇骨髄幹細胞、
    骨髄幹細胞−CD6枯渇末梢血幹細胞、
    末梢血幹細胞−CD6枯渇末梢血幹細胞、
    末梢血幹細胞−CD6枯渇骨髄幹細胞、または
    臍帯血幹細胞−CD6枯渇臍帯血幹細胞
    を使用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
  11. 幹細胞のドナーとCD6枯渇幹細胞のドナーが異なる個体であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
  12. 白血病の処置のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
  13. 同種移植片に対する免疫寛容の誘導のための、ならびに/あるいは血液性、免疫性および/または癌性疾患の処置のための、幹細胞およびCD6枯渇幹細胞を含有する時間差投与用の併用製剤。
  14. 幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞および/または臍帯血幹細胞であり、CD6枯渇幹細胞がこれとは独立して骨髄幹細胞、末梢血幹細胞および/または臍帯血幹細胞に由来することを特徴とする、請求項13に記載の併用製剤。
  15. CD6枯渇幹細胞を幹細胞投与の4〜8日後、好ましくは6日後に投与することを特徴とする、請求項13または14に記載の併用製剤。
  16. 白血病の処置のための、請求項13〜15のいずれか1項に記載の併用製剤。
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