JP2004509433A - 超電導ケーブル - Google Patents

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シンハ、 ウダイ ケイ.
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Abstract

テープ状超電導線(15)は、安定化金属の被覆を含み、可撓性フォーマ(13)に巻き付ける。前記超電導線は、曲げひずみが0.2%を越えないように前記フォーマ(13)に配置する。前記線(15)は、並列配置して第1層を形成する。所定数のテープ状超電導線を前記第1層上に並列配置することにより、第2層を形成する。前記フォーマは、金属、プラスチック、強化プラスチック、重合体、または複合体から製造でき、ケーブルに可撓性を付与する。
【選択図】図1

Description

【0001】
技術分野
本発明は、可撓酸化物超電導体を使用する超電導ケーブルに関する。特に超電導ケーブルの形成に関する。さらに本発明は、広く積層フィルムの溶剤結合および延伸フィルムの超臨界溶剤結合に関する。
【0002】
背景技術
超電導物質は、臨界温度以下において電気抵抗がゼロ(1uv/cm)に近づく物質である。この臨界温度は、物質に依存する。超電導は、臨界表面内で定義する。すなわち温度、電流、および磁界を軸とするグラフまたは図において定義する。所定の使用温度に対して臨界電流曲線を定義できる。臨界電流は、超電導体が発生するあるいは超電導体に印加する磁界の関数である。
【0003】
最も良く知られている超電導物質は、NbTiおよびNbSnである。しかしながらこれら物質の使用温度は、わずかに4.2Kである。この温度は、液体ヘリウムの沸騰温度である。これが大きな制限となり、これら超電導物質を大規模に応用できない。従ってこれら超電導体は、ほとんど磁石巻線に使用されている。線(NbTiおよびNbSn)またはテープ(NbSn)から巻線を製造すると、高い臨界電流密度(NbTiでは3500A/mm5テスラ)を提供する。この巻線を用いた小型磁石は、大容量磁界(18テスラまで)を作り出す。
【0004】
このような超電導体磁石は、核磁気共鳴(MRI)による医療用画像の形成や、同じ原理(NMR)による物質分析に使用する。例えば鉱石分離用磁石、高磁界研究用磁石などがある。また大型粒子加速器(SSC、HERA、KEK等)などに使用する。
【0005】
1986年、より高い臨界温度を有する酸化物超電導体が発見された。これらは、金属間化合物(合金)であり、金属酸化物および希土類を含み、ペロブスカイト(マイカ)結晶構造を有する。これら物質の臨界温度は、30Kから室温に近い値まで様々であり、それらの臨界磁界は60テスラ以上である。従ってこれら物質は、有望視され、磁石製造においてNbTiおよびNbSnに置き換わると考えられ、液体ヘリウムでは実現できない例えば送電のような分野への応用が期待されている。このような物質は、これまで線、ケーブル、フィルム、テープ、シートとしては利用できなかった。
【0006】
酸化物超電導体は、液体窒素温度において超電導状態になるため、冷却媒質として液体窒素を利用する超電導ケーブルへの応用に有利と思われる。このような分野において、酸化物超電導体は、液体ヘリウムを必要とする超電導ケーブルに比べ、断熱システムの簡素化および冷却コストの削減を同時に実現できる。
【0007】
超電導ケーブルは、小型導体において高い電流を低いエネルギ損失で送電できなければならない。一般に送電は、交流で行う。交流で使用する超電導体は、一般に交流損失と呼ぶエネルギ損失を避けられない。交流損失は、ヒステリシス損失、結合損失、渦電流損失等であり、超電導体の臨界電流密度、フィラメントサイズ、導体構造等に依存する。
【0008】
金属超電導体を用いて様々なタイプの超電導ケーブルが試作され、交流損失を減らすための構造が研究されてきた。例えば、通常の導体の外周に複合マルチフィラメント超電導体を螺旋状に巻き付けた超電導体が試作された。これは、複合マルチフィラメント超電導体の層を時計方向および反時計方向に巻き付け、交互に重ね合わせて形成する。導体の巻き方向は、各層ごとに異ならせ、導体内に発生する磁界を減少させ、インピーダンスを減らし、電流搬送能力を増加させる。この導体は、各層間に高抵抗層または絶縁層を有する。
【0009】
酸化物超電導体を用いてケーブル導体を作成する場合、金属超電導体の技術は使えない。酸化物超電導体すなわちセラミック超電導体は、金属超電導体に比べ、機械的ひずみにもろく、弱いからである。例えば一従来例の開示によれば、通常導体に超電導体を螺旋状に巻き付け、巻きピッチを各超電導体の直径に等しくする。しかしながら銀シースで被覆した酸化物超電導体からなる超電導線をそのように短いピッチで巻き付けると、酸化物超電導体が破損し、電流を遮断する可能性が高い。酸化物超電導線を極端に曲げると、臨界電流が極めて低くなる。
【0010】
ケーブル導体は、取り扱い易くするため、ある程度可撓性がなければならない。固くもろい酸化物超電導体から可撓ケーブル導体を製造することは難しい。
【0011】
ポリオレフィンは、世界において現在最も広く使用されている重合体である。ポリオレフィンが普及している理由は、その物理的および機械的特性が有用であると共に、製造費が安いからである。ポリオレフィンが安価であることから、その物理的および機械的特性を向上し、その用途を広げようとする試みが多く行われてきた。この目的において最も広く実践された技術は、延伸であろう。良く知られている通り、延伸を行うと、その延伸方向において弾性率、破壊強さ、引裂抵抗、貫入抵抗が全て向上する。エー・アッジ、エヌ・レグロス、エムエム・デュムーランによる「高性能材料」1998,5,117〜136参照。残念ながらこれら特性の全ては、横方向において同時に低下する。2軸延伸はある程度の成功をおさめたものの、材質の向上はそれほど顕著ではなかった。延伸の利点を最大限利用するためには、横方向における好ましくない材質低下を抑制する方法を見つけねばならない。これを実現する1つの方法は、延伸したポリオレフィンの準等方性合成物を生成することである。接着剤を付加せずにこれを実現できれば好都合である。なぜなら接着剤自体が系の材質を変化させてしまうからである。
【0012】
過去30年間、重合体分野においては、重合体の結合が注目を集めてきた。重合体結合技術の目的は、2つの重合体(同種または異種)間を接着し、結合後において結合界面に欠陥を残さず、高い構造的一体化を実現することである。理想的には、結合部が一体重合体に近い機械的および物理的特性を有することである。研究者によって多くの重合体結合方法が開発されており、そのいずれもが実用において様々な成功をおさめてきた。
【0013】
最も古くそして最も有効な重合体結合方法は、溶融圧着であろう。この方法は、まず2つの重合体基板を、半結晶質重合体については融点以上、非晶質重合体については軟化温度まで加熱する。次に基板に初期垂直力を印加し、両者を密着し、相互拡散させる。多くの場合、良好な機械的および物理的特性を有する結合接続が得られる。一般にこの技術は簡単であり、これまで最も広く使用されており、有効な方法である。多くの研究者がこの簡単な方法を、より発展させようとしてきた。アール・エス・ポーターおよびダブリュー・ティー・ミードは、「応用重合体科学」1978,22,3249〜3265において、この簡単な方法に基づき、単一重合体合成物(単一タイプの重合体からなる合成物)を生成した。ポーター等は、高密度ポリエチレン(HDPE)繊維(約139℃)と従来のHDPE(約132℃)または低密度ポリエチレン(LDPE)(約110℃)との間の融点差を利用し、繊維の緩和を最小に押さえながらHDPE繊維をHDPEまたはLDPE基材に埋め込むことに成功した。繊維の配向性が極めて高いことにより、緩和後においても十分な強さを保持した。同様にブイ・トーマス、ジェイ・ティー・ティールキング、エイ・ウオルフェンデン、エム・エイ・サイードは、ANTEC年次会議録1996,3,3234〜3238において、ブイ・トーマスおよびエム・エイ・サイードは、ANTEC年次会議録1997,2,2362〜2366において、重合体フィラメントを薄い重合体フィルムキャリアに押し出すことにより不織布を生成した。これら両件の接着は、いずれも溶融状態およびエピタキシャル粒間結晶状態における重合体相互拡散によるものである。これは極めて有用で柔軟な技術であるが、重合体を必ず流動点まで溶融あるいは軟化しなければならない。一般に、結合前の重合体基板に結晶構造および配向を維持することは、非常に困難である。
【0014】
超音波結合は、高周波(10〜40kHz)低振幅(1〜25μm)機械的振動を使用して重合体内に周期的変形を生じさせる技術である。この変形は、分子間摩擦を引き起こし、機械的エネルギを熱に変える。十分な熱が供給されて軟化温度を超えると、相互拡散が起きて結合する。エス・ジェイ・リン、ダブリュー・エフ・リン、ビー・シー・チャン、ジー・エム・ウー、エス・ダブリュー・ハンによる「高度重合体技術」1999,18,125〜135参照。超音波結合は、工業において重要な処理である。その理由は、迅速で経済的だからである。しかしながらこの技術は、低軟化温度を有する重合体に最適であり、結晶重合体あるいは低剛性重合体には不適である。さらに超音波結合は、熱が引き起こす流れに全て依存する。すなわちこの技術は、従来の溶融圧着の欠点のほとんどを受け継いでいる。重合体接着に広く使用されている他の技術は、溶剤結合である。この技術は、溶剤または軟化剤を重合体表面に適用し、力を加えて2面を接着する。この場合の接着は、2つの重合体の界面における溶けたあるいは軟化した材料の拡散による。シー・ワイ・ユエおよびビー・ダブリュー・チェリーによる「接着」(バーキング、英国)1986,147〜177は、溶剤結合ジョイントの構造および強さを評価している。ユエによれば、入念な乾燥手順および非常に長い乾燥時間(数日から数週間)の後でも、ある種の溶剤は重合体内に常に残っている。この溶剤は、接着近辺に残り、その箇所における材料強さに悪影響を及ぼす。ユエは、この溶剤影響領域の大きさが接着強さに直接関係していることを発見した。その後、エフ・ボメイおよびエフ・ブラウンは、接着ジャーナル1993,43,91〜100において、ポリアミド11の溶剤結合を研究した。彼らもまた、接着強さは溶剤影響領域によって左右されることを発見した。そして、溶剤を完全に除去することはできないため、初期材料強さが得られないことを発見した。この残留溶剤の機械的影響に加え、前記技術はハロゲン化溶剤をしばしば使用することも考慮しなければならない。ハロゲン化溶剤は、規制が厳しく、有害ゴミとして扱わねばならない。残留溶剤があるために、溶剤結合重合体そのものがしばしば有害ゴミとして扱われる。従来ほとんどの溶剤結合は、非晶質重合体に限定されていた。そして結晶質あるいは半結晶質重合
体での使用はほとんど無かった。
【0015】
ここ数年、超臨界二酸化炭素(SCCO)が、その独特の溶剤特性により、重合体業界で注目を集めている。この分野の展望は、アンドリュー・アイ・クーパーの最近の評価報告書「材料化学ジャーナル」2000,10,207〜234に記述がある。超臨界COは、ほとんどの重合体に対して非溶剤であるが、ほとんどの重合体を極めて効率的に可塑化する。イー・カング、エイ・ジェイ・レッサー、ティー・ジェイ・マッカーシーは、「高分子」1998,31,4160〜4169において、膨張した重合体の増加した自由体積は、重合体内における化学反応を可能にすることを示した。この自由体積の増加は、粘性低下すなわち分子鎖の移動度を高める。ティー・ホッブスおよびエイ・ジェイ・レッサーは、「重合体科学パートB」1999,37,1881〜1891において、この効果を繊維延伸に利用し、周囲条件下で得られる以上の高い延伸率を実現した。留意すべき重要なことは、二酸化炭素が浸透するのは非晶質領域だけであり、結晶構造はそのまま残すため、半結晶質重合体は処理中および処理後においてもその結合性を保持することである。COは周囲条件において気体に戻るため、この溶剤は容易にそして完全に処理後に除去される。これによりSCCOは、可逆性可塑化剤として作用する。
【0016】
発明の開示
本発明の目的は、可撓性を有し優れた超電導性を示し、特に高い臨界電流と高い臨界電流密度とを示す酸化物超電導体からなる超電導ケーブルを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、交流損失が少ない超電導ケーブルを提供することである。
【0018】
本発明に基づく超電導ケーブルは、酸化物超電導体を使用する。このケーブルは、可撓心材と、当該心材に巻いた複数のテープ状酸化物超電導線とを備える。前記超電導線間あるいは前記心材と前記超電導線との間には、電気絶縁層を介在させない。本発明において、前記酸化物超電導線の各々は、基本的に酸化物超電導体とそれを被覆する安定化金属とから形成する。前記心材上に配置した前記複数のテープ状超電導線は、複数の層を形成する。各層は、複数の前記テープ状超電導線を並列配置して形成する。これら複数の層は、前記心材上に連続して積み重ねる。前記心材は、本発明の超電導ケーブルに可撓性を付与する。本発明に基づく超電導ケーブルは、液体窒素温度において超電導状態を維持する。
【0019】
さらに本発明に基づく導体は、交流損失の少ない交流導体を提供する。
【0020】
さらに本発明は、溶剤結合半結晶性重合体に関する新規な技術を含む。この技術は、超臨界二酸化炭素を可塑化剤として使用する。この技術を用いて、高度に配向したLLDPEフィルムから準等方性積層フィルムを形成する。この積層の各層間の界面接着は、従来技術よりも良好であり、しかも当該積層の物理的および機械的特性を損なわない。
【0021】
本発明の前記およびその他目的、特徴、態様、利点は、添付図面を参照しながら以下において詳細に説明する。
【0022】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、遮蔽構造あるいは非遮蔽構造において使用する高温超電導ケーブルに関する。遮蔽ケーブルおよび非遮蔽ケーブルの用途は広い。
【0023】
本実施例の変更形態は、前記ケーブルの高温超電導テープを誘電体で絶縁し、その誘電体の上に他の高温超電導層を設ける。そしてケーブル全体をクライオスタット(クライオスタット)に入れるか、ケーブルを覆うようにクライオスタットを構築する。このような同軸構造は、高温超電導テープの内層と外層との間に磁界を閉じこめる。従って高温超電導テープの外側には、実質的に磁界は存在せず、金属外装に渦電流は流れない。この構造により、ケーブル内のテープ数に応じて大容量電流を搬送できる。このケーブルデザインにおける制限は、誘電体を極低温に維持するので、極低温で物理的および機械的に劣化しない材料を使わねばならないことである。本発明の一実施例に基づく重合誘電体は、液体窒素温度以下において良好な物理的および機械的特性を有する。この材料は、高い絶縁耐力と高い降伏電圧とを有する。
【0024】
本発明ケーブルは、可撓ステンレス鋼波形管を用いることが好ましい。この波形管は、編組ワイヤあるいは網ワイヤで被覆しても良い。前記波形管には穴を開けることが好ましい。この穴のサイズおよびパターンは、液体窒素を流せるようなものとし、その液体窒素が高温超電導テープの突合せ隙間に入り、前記誘電体を浸すようにする。高温超電導テープは、特別の方法で配置し、2層構造を構成し、ケーブルに流れる電流を最大にする。
【0025】
前記誘電体は、半導電テープ、アルミニウム蒸着遮蔽テープ、および重合誘電体テープで構成することが好ましい。図3は、遮蔽ケーブルの代表的構造を示す。非遮蔽ケーブルは、高温超電導テープの外層を省略することにより形成できる。そのようなケーブル構造を図2に示す。本発明は、遮蔽高温超電導ケーブルおよび非遮蔽高温超電導ケーブルの両方を含む。本発明の非遮蔽ケーブル構造は、断熱クライオスタットの上に誘電体を押し出す場合、既知のケーブル構造とはデザインが異なる。遮蔽高温超電導ケーブルについては、その形成方法を開示した従来例は無い。
【0026】
図1は、本発明に基づく超電導ケーブル10を示す。超電導ケーブル10は、可撓真空二重壁外管11を有する。液体窒素12は、外管11を通り、冷却器へ流れる。接地電位超電導遮蔽材17は、誘電体遮蔽層16を取り巻く。遮蔽層16は、電流搬送超電導体15を取り巻く。超電導体15は、可撓多孔壁内管13を取り巻く。内管13は、中心の管状部であり、前記冷却器からの液体窒素を搬送する。一実施例において、内管13は、編組表面を有し、この編組表面が超電導体15に接触する。
【0027】
図2は、非遮蔽ケーブルの一実施例を示す。フォーマ21を取り巻いて半導電下地テープ22を配置する。その上に超電導テープ23を配置する。超電導テープ23の上に他の半導電下地テープ24を巻く。下地テープ24の上に遮蔽層25を巻く。遮蔽層25の上に誘電層26を巻く。誘電層26の上に遮蔽層27を巻く。遮蔽層27の上に半導電下地層28を巻く。下地層28の上に固着テープ29を巻く。固着テープ29の上に調心リング30を巻く。調心リング30の上に、被覆クライオスタット31を巻く。
【0028】
図3は、遮蔽ケーブルの一実施例を示す。外装クライオスタット53は、調心リング52を取り巻く。調心リング52は、固着テープ51を取り巻く。固着テープ51は、半導電テープ50を取り巻く。半導電テープ50は、超電導テープ49を取り巻く。超電導テープ49は、半導電下地テープ48を取り巻く。下地テープ48は、遮蔽層47を取り巻く。誘電体46は、遮蔽層45を取り巻く。遮蔽層45は、半導電テープ44を取り巻く。超電導テープ43は、半導電下地テープ42を取り巻く。下地テープ42は、フォーマ41を取り巻く。
【0029】
本発明は、酸化物超電導体を用いたケーブルに関する。このケーブルは、可撓心材と、2kgf/mmを越えない引張力および約0.2%を越えない曲げひずみによって前記心材上に配置した複数のテープ状酸化物超電導線とを備える。前記テープ状超電導線の各々は、基本的に酸化物超電導体とそれを被覆する安定化金属とからなる。前記複数のテープ状超電導線を並列配置して層を形成し、かかる層を複数形成する。前記複数の層は、前記複数の層と前記心材との間に絶縁層を入れずに、前記心材に連続して積み重ねる。前記心材は、前記超電導ケーブルに可撓性を付与する。前記超電導ケーブルは、液体窒素温度において超電導状態を維持できる。前記線は、実質的に均一な超電導相を前記線の長手方向に有する。前記超電導相のc軸は、実質的に前記線の厚さ方向に平行である。前記超電導線は、平行に整列して前記線の長手方向に延びた結晶粒によって形成する。前記結晶粒は、前記線の厚さ方向に積み重なっている。
【0030】
前記超電導ケーブルは、ケーブル直径の約50倍までの曲げにおいて超電導性を実質的に劣化しないような可撓性を有することが好ましい。前記心材は、基本的に金属、プラスチック、強化プラスチック、重合体、複合体からなるグループから選択することが好ましい。一実施例において、前記超電導ケーブルの心材は、前記テープ状超電導線用外面に螺旋溝面、網状面、編組面、マット状面から選択した表面を有する管である。本発明の超電導ケーブルは、前記テープ状超電導線の複数の層間に絶縁層を持たない。前記テープ状超電導線は、前記心材上に前記複数のテープ状超電導線層を各層の表面上に順次配置することが好ましい。他の実施例において、前記線は、前記テープ状安定化金属被覆内において撚り合わせる。前記超電導ケーブル内において、前記テープ状超電導線は、約90度の角度、好ましくは約10度から約60度の角度、より好ましくは約20度から約40度の角度で配置する。本発明の一実施例は、少なくとも2つの別個のテープ状超電導線層グループを備える超電導ケーブルを提供する。前記テープ状超電導線層の配置角度は、連続する層間において配置方向またはピッチが交替するように設定することが好ましい。連続する前記テープ状超電導線層の各々は少なくとも2本のテープ状超電導線からなることが好ましい。誘電体層により前記少なくとも2つの独立したテープ状超電導線層グループを分離することが好ましい。誘電体層により前記心材から前記心材に最も近いテープ状超電導線層を分離することが好ましい。前記誘電体は、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリブチレンからなるグループから選択することが好ましい。本発明の一実施例において、前記少なくとも2つの別個のテープ状超電導線層グループは、前記ケーブル内においてほぼ等しい量の電流を搬送する。前記心材から最も遠いテープ状超電導線層グループは、それ以外の層を流れる電流の遮蔽を提供して前記ケーブル内の磁界あるいは渦電流を減少させることが好ましい。前記安定化金属は、銀、銀合金、ニッケル、およびニッケル合金からなるグループから選択することが好ましく、緩衝層を設けても良い。
【0031】
本発明の一実施例において、各テープ状マルチフィラメント酸化物超電導線は、多数のフィラメントからなる構造である。これらは基本的に、銀、銀合金、ニッケル、およびニッケル合金の安定化金属内に酸化物超電導体を含んだ構造である。前記酸化物超電導体は、ビスマス、ストロンチウム、カルシウム等の酸化物および銅酸化物から作成できる。
【0032】
前記複数層の各々は、少なくとも2本のテープ状銀外装超電導線を含むことが好ましい。前記複数層の各々は、少なくとも4本のテープ状線を含むことが好ましい。本発明の一実施例において、前記複数層の第2層と第3層との間に絶縁層を介在させることが好ましい。前記複数層が4層以上である場合、第2層と第3層との間毎に絶縁層を介在させることが好ましい。
【0033】
本発明ケーブルにおいて、前記心材は、一般にフォーマと呼び、所定範囲の曲げひずみにおいて前記テープ状超電導線を保持する。このフォーマは、前記超電導ケーブル導体が必要とする長さを有し、前記超電導ケーブル導体の中心に配置する。前記フォーマは、実質的に円筒形または螺旋形であり、その上にテープ状線を配置し、全長に渡ってほぼ一定の直径を有する。前記フォーマは、基本的にステンレス鋼、銅、アルミニウム等の金属、プラスチック、強化プラスチック、およびセラミックからなるグループから選択した少なくとも1つの材料から製造できる。
【0034】
本発明において、前記フォーマは可撓性を有する管状部材であることが好ましい。螺旋溝を有するパイプ(以下では螺旋管と呼ぶ)を十分な強度および可撓性を有するフォーマとして使用することもできる。ベローズを有するベローズ管をフォーマとして使用しても良い。またフォーマは、螺旋鋼帯のような螺旋状に巻いた部材から形成しても良い。これら各形状は、フォーマに十分な可撓性を提供するために採用する。可撓性フォーマは、本発明の導体に可撓性を付与する。本発明の可撓導体は、ドラムに巻き付けることができる。
【0035】
本発明の実施において、数本のテープ状マルチフィラメント超電導線をフォーマに配置することあるいは巻き付けることが可能である。テープ状線を2層以上に配置し、その表面をフォーマに向けるようにしても良い。各層は、任意数のテープ状線で形成できる。数本のテープ状線を互いに平行にフォーマに配置し、フォーマ表面をテープ状線で覆い、さらに別のテープ状線をその上に巻き付けることもできる。第1層のテープ状線の上に十分な数のテープ状線を第2層として巻き付け、第3層のテープ状線をその上に巻き付ける。各隣接層間には絶縁層を配置しない。
【0036】
本発明方法において、各テープ状マルチフィラメント酸化物超電導線は、所定範囲の曲げひずみあるいは曲率と所定範囲のピッチとにおいて、所定直径を有するフォーマに配置あるいは巻き付ける。このテープ状線には、長さ方向に沿って比較的ゆるい曲げを適用する。フォーマに巻き付けたテープ状線は、0.4%好ましくは0.3%を越えない曲げひずみにおいて曲げる。このような範囲の曲げひずみにおける曲げの場合、テープ状線の超電導性は、直線状態と比較してほとんど減少しない。
【0037】
本発明は、フォーマのピッチおよび直径を調整し、超電導線の曲げひずみが0.2%を越えないようにすることが好ましい。各テープ状マルチフィラメント酸化物超電導体をフォーマに巻き付ける場合、引張力は2kgf/mm−2を越えないようにし、0.5から2kgf/mm−2の範囲とすることが好ましい。
【0038】
前記心材(フォーマ)は、電気絶縁材料または電気導体で作ることができる。交流損失を減らすことを考慮した場合、電気絶縁材料が好ましい。強度を考慮した場合は、導体である金属が好ましい。螺旋溝を有する金属パイプまたは金属ベローズ管を心材として使用すれば、導体に可撓性を付与すると同時に一定強度を維持できる。金属心材を使用すれば、偶然に異常電流が発生した場合に安全である。この場合、導体の交流損失および心材に対する異常電流を考慮して、心材の最適抵抗を設定できる。
【0039】
任意に螺旋溝を持つことができる金属パイプ、あるいは金属ベローズ管を心材として使用する場合、その心材の上に金属テープ導体を配置あるいは巻き付ける。そしてその金属テープの外表面に誘電体テープを配置する。前記金属テープは、心材の全ての溝を覆ってなめらかな表面を形成できるため、超電導テープは座屈しない。心材の可撓性を維持しながら金属テープで溝を覆うことは可能である。
【0040】
本発明は、撚り合わせフィラメントを有するテープ状マルチフィラメント線を使用しても良い。超電導マルチフィラメントテープを形成するフィラメントは、所定ピッチで撚り合わせる。フィラメントを撚り合わせることにより、安定化金属とフィラメントとの間を流れる誘導電流は、撚り合わせピッチ毎に小ループに分離し、電流値を制限する。これは、非撚り合わせフィラメントを有する超電導線に比べ、安定化金属におけるジュール熱の発生を抑制し、交流損失を低減する。
【0041】
本発明に基づく超電導ケーブル導体は、可撓性を有しているため、ケーブル直径の50倍まで曲げても、その超電導性は劣化しない。この導体はドラムに巻き付け、貯蔵および/または輸送できる。
【0042】
本発明は、可撓性と優れた超電導性とを持つ長尺酸化物超電導ケーブル導体を提供できる。本発明の一実施例において、超電導テープ間を流れるあるいは横断する渦電流および結合電流は、管状超電導線層の第2層あるいはそれ以降の層が抑制する。本発明は、実用的な交流超電導ケーブル導体を提供する。
【0043】
超電導材料は、セラミック結晶粒を銀管に挿入し、それを約1〜2mmに延伸したものである。ケーブルの最終的必要容量に応じた多数の前記延伸管を銀管に挿入し、必要使用サイズに延伸する。あるいは、それら管をまず小区間に切断し、それを第2の銀管に加え、延伸しても良い。このようにして形成した銀製平坦テープ状材料は、その重量において約80〜60パーセントが銀、約20〜40パーセントがセラミックである。好ましくは、約65パーセントが銀、約35パーセントがセラミックである。
【0044】
さらに本発明は、極低温動作の超電導電力ケーブル用として好適な重合テープを製造する新規な処理あるいは方法、およびそのようにして製造したテープに関する。この処理は、約3.0の最大誘電率を有するポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレンフィルムを2軸延伸し、無作為パターンをそのフィルムにエンボス加工する。この低誘電率2軸延伸エンボス加工フィルムとしての重合体材料は、もろさ、ひび割れ、極端な縮みの問題を克服する。既知の処理方法で製造した重合体材料は、これら問題を有しているため、極低温動作電力ケーブルシステムには使用できない。フィルムにエンボス加工を施すと、誘電流体がケーブル内を比較的自由に流れることができる。
【0045】
ポリオレフィンシート素材は、本発明のケーブルに使用する前、2軸延伸する。これは、前記シートを約5:1から約10:1の延伸率で長さ方向に延伸し、同時に横方向にも延伸することを含む。
【0046】
このようにしてポリオレフィン素材から適切な延伸率で処理したシートまたはそのシートから作ったテープは、ケーブル製造において多くの優れた品質を有する。テープの微小繊維化を防止するため、および1つの裂け目が全長に広がることを防止するため、さらなる処理が必要である。この処理は、シート横方向における2軸延伸を含む。これは、シートを横方向に約50%までの率で延伸し、テープを形成する。このテープは、十分に2軸延伸しており、微小繊維化を十分に抑制する。
【0047】
前記処理により製造するポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンテープは、所定条件の下で特定パターンをエンボス加工し、適切な含浸と熱伝達とを確保する。前記エンボス加工パターンは、無作為なあるいは不規則な溝からなり、横方向を向く。延伸シートを切断しあるいはテープ状にし、単層、複数層、または積層の形態で使用する。
【0048】
前記パターンは、長手方向および横方向に含浸物の流れを可能にすると共に、テープを横断する流れ、および突合せ隙間間の流れを可能にする。このような流れは、層から層への含浸を助け、対流による熱伝達を促進する。ケーブル自体は、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、またはポリプロピレンからなるテープの複数層で構成する。ケーブルを曲げやすくするため、各層において異なる幅のポリオレフィンテープを使用しても良い。このテープ幅は、ケーブル導体からの距離が大きくなるに従って大きくしても良い。
【0049】
本発明に基づくポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレンフィルムは、約3.0を越えない誘電率を有する。この好適最大値は、約2.3である。第1の処理ステップは2軸延伸または引き抜きであり、好ましくは長手方向において約5:1から約6:1の比率で行い、横方向において約2:1までの比率で行う。次に延伸したテープを約80℃から約140℃の温度でエンボス加工し、前記テープに、基本的に横方向を向いた不規則なあるいは無作為の溝パターンを形成する。
【0050】
前記した新規処理ステップを行わない重合テープは、いくつかの固有な問題を有するため、極低温動作超電導電力ケーブルシステムに使用できない。例えば、77°Kの液体窒素環境において、ほとんどの重合テープはガラス状に固くなる。このためテープは、固有伸び率を越える熱縮小による引張破壊や、単純な崩壊を起こす。他の問題は、液体窒素中におけるひび割れである。液体窒素は、77°Kの沸点を有し、重合体にとっては強力なひび割れ剤であることが知られている。ひび割れは応力破断を引き起こし、最終的にテープを破砕する。前記2軸延伸処理は、これら脆性、極端な縮小、およびひび割れ問題を克服する。
【0051】
多くの重合体は、2つの顕著な降伏モードを呈する。降伏モードの1つは、印加剪断応力によるものである。ただし降伏現象自体は、降伏面に作用する垂直応力成分による。もう1つの降伏モードは、最大主応力によるものである。このタイプの降伏は、ひび割れあるいは垂直応力降伏である。ひび割れは、応力、あるいは応力と溶解作用との組合せで発生しうる。ひび割れは、それを発生する全ての重合体において、同様の特徴を呈する。ひび割れは、微細な網状ひびであり、ほとんど常に最大主応力の直角方向に進行する。一般にひび割れは、表面の局所応力集中点において発生する。静的テストにおいては、ひび割れは、応力またはひずみが臨界値に達すると発生する。しかしながらひび割れは、長期負荷の場合、比較的低い応力レベルでも発生する。
【0052】
ひび割れ領域に対する詳細な電子顕微鏡的検査によれば、分子鎖配向がひび割れ領域に発生しており、配向微小繊維がひび割れ表面を横切っている。
【0053】
ケーブルの敷設を支援するため、極めて透明なポリオレフィン絶縁テープに染料を加えることが好ましい。この技術は、非常に有用なケーブルを製造できる。なぜなら作業者は、テープの各螺旋層を区別しなければならないからである。一般的な極めて透明なポリエチレン、ポリブチレン、またはポリプロピレンテープを使用すると、作業者は8層あるいは10層のテープ層において各層毎の突合せ隙間を区別できない。所定量の選択した染料をテープに加えることにより、作業者は容易に各テープ層の縁部や突合せ隙間を層毎に区別できる。なぜなら色の暗さが層毎にはっきりと増加するからである。この染料は、原材料の損失係数の増加を最小にするように選択する。
【0054】
テープ幅を変化させることもできる。導体の近くは幅を狭くし、外側はより広くする。層毎の方向を所定半径方向厚さにおいて反転しても良い。その厚さはテーピング機械の設計によって決めればよい。
【0055】
誘電体テープは、重ね合わせて螺旋状の層に巻き、同一層の螺旋間の各突合せ隙間は、その下の層の突合せ隙間からずらす。この構造は、前記染料含有絶縁テープにより、作りやすくなる。
【0056】
ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンテープは、本発明が要求するように高配向とした場合、透明である。この透明性は、多くの層の突合せ隙間がケーブル表面を介して鮮明に見える場合、欠点となる。作業者は、突合せ隙間が各層においてずれている状態において、各層の突合せ隙間を区別することが困難になる。
【0057】
従って本発明のテープは染料を含む。従ってケーブル内において下の層ほど暗く見える。染料としては有機染料がよい。有機染料は、無機金属塩に比べ、テープの損失係数および誘電率への悪影響が少ない。
【0058】
必要とする色と電気特性への影響とをバランスさせるため、有機染料を百万分率で100から1000の割合で添加する。
【0059】
これは、テープの光透過率を10〜50パーセント低減する結果となる。このテープをケーブルに使用すると、可視性が1〜4層に低減する。これに対し染料を添加しないと、絶縁領域において8〜10層の深さの突合せ隙間まで見える。
【0060】
長手方向の延伸は、シートの引き伸ばしあるいは幅出しにより、5:1〜10:1の厚さ減少率を実現する。
【0061】
この厚さ減少率は、実際にはシートの線形延伸を測定したものであり、重合体の引張特性変化の指標となる。この処理は、約80℃〜140℃の温度で行うことが好ましい。
【0062】
前記シートをさらに横方向に50%までの減少率において延伸処理する。この処理を行わないと、重合体は微小繊維化し、その幅方向に繊維が分離し、テープが長手方向に裂けてしまう。
【0063】
これに対し、前記処理を施したポリオレフィンテープは、長手方向において少なくとも250,000psiの引張り係数を有し、ケーブル製造要件を全て満たす。
【0064】
前記処理を通じて得られるこのテープ引張り強さは、劣化に対する抵抗を示すと共に、ケーブルテーピング機械での使用においては必要条件となる。前記処理を施したテープは、従来のケーブル製造機によって十分堅固にケーブルに巻き付けることができる。
【0065】
最終的にケーブルとして構成する前に、ポリオレフィンテープにエンボス加工を施し、テープ層間に隙間を作り、ケーブル内における含浸物の比較的自由な流れを実現し、熱伝達を促進する。
【0066】
これは、特定のエンボス加工技術によって実現する。テープのエンボス加工は、ローラによって行うことが好ましい。図4は、エンボス加工の代表的パターンを示す上面図であり、テープ60の一部を示す。図において谷61は、パターン中に暗い線として見える。
【0067】
前記エンボス加工パターンの特徴は、不規則であり、含浸物の流れをテープの長手方向に抗して横方向に促進することである。図4に示すように、不規則な谷パターンは基本的にテープ幅を横断するように走り、前記要求を満たす。このパターンは、規則的な溝や通路パターンとは異なり、隣接テープ層をかみ合わせない。従って不均一で不規則なパターンは、各テープ層が短い距離を相互に移動できるようにし、ケーブルの製造および設置に必要な可撓性をもたらす。
【0068】
横方向の流れを提供するパターンは、熱伝達と浸透性とをケーブルに付与する。ポリマーは非浸透性であるが、本発明ケーブルが提供する浸透および熱伝達構造は、材料自体の浸透性に依存しない。
【0069】
前記エンボス加工パターンは、有効テープ厚さを増加する。すなわちそのピークピーク厚さは、元のテープ厚さの2倍になる。テープは、巻き付け中に圧縮される。エンボス加工は、ローラによって行う。これらローラは、テープの一面をくぼませ、他面を突出させる。テープをケーブルに巻き付けると、前記不規則表面は、テープ層を分離する。しかしながらパターンが横方向の流れを促すので、含浸物は、突合せ隙間から最大でテープ幅の二分の一を流れれば、テープ間の次の隙間へ進むことができる。これにより、ケーブル外部から導体までの通路は、比較的短くなる。
【0070】
代表的な2つのエンボス加工パターンは、次の通りである。1つは粗パターンであり、代表的に谷の中間高さ幅0.1mm、隣接ピーク間距離0.2mmを有する。他の1つは細パターンであり、代表的に谷の中間高さ幅0.025mm、隣接ピーク間距離0.05mmを有する。
【0071】
粗パターンから細パターンまでの範囲のエンボス加工パターンを利用可能にすれば、設計者は熱伝達と動作ストレスとの間で妥協点を探し出せる。前記粗パターンは、最良の熱伝達を提供するが、動作電圧ストレスをやや低減する。細パターンは、これと逆の作用をする。
【0072】
本発明の一実施例は、半結晶性重合体を超臨界二酸化炭素を用いて溶剤結合する処理である。この二酸化炭素は、可逆可塑化剤として作用し、重合体の結晶形態あるいは結晶構造に干渉しない。本発明処理は、高度に配向したLLDPEフィルムを準等方性積層フィルムに溶剤結合できる。これらフィルムの機械的特性を、引っ張りテストおよび引裂抵抗技術によって検査したところ、全ての積層は、非配向LLDPEフィルムに比べ、全方向において特性の向上を示した。これら積層は、単一配向フィルムに比べ、積層の引裂抵抗において相乗的向上を示した。
【0073】
本発明は、重合体フィルムから準等方性積層フィルムを形成する方法を含む。この方法による積層フィルムは、非積層フィルムの物理的および機械的特性を実質的に保持することができる。この方法は、積層する少なくとも2枚の重合体フィルムを提供し、前記フィルムの表面に力を印加すると共に前記フィルムに超臨界流体を接触させるようにした装置に前記フィルムを挿入し、各前記フィルムの積層すべき表面を接触させ、前記フィルムに力を印加して前記フィルム表面を互いに押し付け、前記フィルム表面に力を印加した状態で前記フィルムに超臨界流体を接触させ、力を印加した状態の前記フィルムを、前記表面を積層するに十分な温度において、前記超臨界流体中に一定時間とどまらせる各段階を備える。前記重合体は、低密度重合体および高密度重合体からなるグループから選択することが好ましい。前記重合体は、2〜6個の炭素原子を有するポリアルキルからなるグループから選択することがさらに好ましい。また前記重合体は、線状重合体または枝分かれ重合体でも良い。本発明は、同一重合体のフィルムおよび異なる重合体のフィルムを含む。使用する装置は、基本的に密閉型であることが好ましい。本発明のフィルムは、接着を行う前に延伸することが好ましい。前記超臨界流体は、重合体フィルム間に化学反応を引き起こすことが好ましい。前記超臨界流体は、重合体の非晶質領域だけに浸透することが好ましく、その重合体非晶質領域を溶解することがさらに好ましい。最も好適な超臨界流体は、COである。本発明方法において、成果物としての積層フィルムの物理的および機械的特性は、非積層重合体フィルムの物理的および機械的特性を上回る。本発明で使用する最も好適な重合体は、低密度ポリエチレンである。
【0074】
本発明は、重合体フィルムから準等方性積層フィルムを形成する方法を含む。この方法による積層フィルムは、非積層フィルムの物理的および機械的特性を実質的に保持することができる。この方法は、積層する少なくとも2枚の重合体フィルムを提供し、フィルム表面に力を印加するための密閉手段を提供し、前記フィルムを前記密閉手段に挿入し、前記各フィルムの積層すべき表面を互いに接触させ、前記フィルムに力を印加して前記フィルム表面を互いに押し付け、前記フィルム表面に力を印加した状態で前記フィルムに超臨界流体を接触させ、力を印加した状態の前記フィルムを、前記表面を積層するに十分な温度において、前記超臨界流体中に一定時間とどまらせる各段階を備える。
【0075】
さらに本発明は、前記方法で製造した積層フィルムを含む。前記本発明方法によって製造する積層フィルムは、2〜16層好ましくは2〜8層の重合体フィルムを有することが好ましい。
【0076】
本発明において、積層フィルムは、図5に示す高圧装置内で処理した。この装置は、制御温度下にあるSCCO中においてサンプルに力を印加すべく特別設計してある。この装置は、316ステンレス鋼から製造し、PHI油圧プレス内に設置した。この装置の入り口へ、ハイドロパック社の高圧二酸化炭素ポンプによってコールマングレードのCOを供給し、活性炭および乾燥剤で濾過した。CO圧力は、コンピュータインタフェースを有するテスコムER3000電子圧力レギュレータで制御した。ER3000は、CO圧力、加圧率、減圧率を正確に制御できる。サーモカップルを装置本体に挿入し、オメガPID温度制御器に接続する。特に明記しない限り、積層フィルムはすべて初期垂直力20,000lbs(〜1600psi)およびCO圧力1500psiで処理した。温度は1時間の間に23℃から95℃まで徐々に加熱し、一晩にわたり非常にゆっくりと減圧しながら23℃まで冷却した。8層準等方性積層フィルムを(0,45,90,−45)2Sの積層順序で結合した。この構成は、対称準等方性積層フィルムを形成する。
【0077】
LLDPE(示差走査熱量測定(DSC)において30%の結晶性)を76μm厚フィルムの形状で入手した。これらはメタロセンフィルムであり、118,400のMおよび2.79の多分散係数(PDI)を有する。これらオリジナルのフィルムは、縦方向において複屈折測定に基づく4.28x10−5の最小ハーマンズ配向関数値と、LLDPEの最大理論複屈折0.06とを有する。入手したフィルムを127mm/分または380mm/分においてそれぞれ2回または5回延伸した。延伸後、複屈折および広角エックス線散乱(WAXS)によってハーマンズ配向関数値を決定した。
【0078】
接着測定は、I00Nロードセルとインストロンモデル1123とにより、90°剥離テスト形態を用いて行った。テストサンプルは2.54cm幅であり、テスト速度は50mm/分であった。積層フィルムの引裂抵抗は、単一サンプルJ1Cを使って評価した。J値は次のように計算した。
【0079】
【数1】
Figure 2004509433
ここでBはフィルム厚さ、aは亀裂長さ、Uはひずみエネルギである。この系のひずみエネルギは、負荷変位曲線から計算した。次にJ1Cを最初に亀裂伝搬が発生する臨界エネルギとして定義した。この値は、Jと亀裂長さとの特性曲線における線形部をゼロ亀裂長さに外挿することによって決定した。
【0080】
単一サンプルJ1Cが望ましいテストである理由は、テスト用サンプル数が限られているからである。単一サンプルJ1Cを複数の重合体薄膜に適用することの妥当性は、準備した単層の結果を、ワイ・ダブリュー・マイ、ビー・コッテレル、アール・ホーリック、ジー・ビグナによる「実質仕事の方法」重合体技術科学1987,27,804〜809およびワイ・ダブリュー・マイ、ピー・ジェイ・パウエルによる「重合体科学パートB」1991,29,785〜793を用いて比較調査した。実質仕事の方法は次のように計算する。
【0081】
【数2】
Figure 2004509433
ここでβは外側可塑領域の形状係数でありサンプルの形状に依存する。lは帯長さ、wは可塑変形エネルギ、wは弾性変形エネルギである。従って、いくつかのサンプルについて比合計断裂仕事と帯長さとをグラフに描けば、材料定数としてwを決定できる。実質仕事の方法は、この種のフィルムに関してより適切な理論的基礎を持つが、その欠点は帯長さの異なる10個までの同一サンプルを準備しなければならないことである。
【0082】
100Nまたは5kNロードセルとインストロンモデル4411とを用い、中央ノッチモードIにおいて2mm/分の速度で引裂特性をテストした。穿刺挙動は、6.3mmタップを取り付けたインストロンダイナタップ衝撃テスト機で測定した。この穿刺テストの衝撃領域は、直径3.8mmの円形領域であった。結晶性は、5mgサンプルを用いるDSCによって加熱速度10℃/分で判定した。複屈折測定は、1〜20λベレック補償板を有するオリンパス偏光顕微鏡で行った。遅延は、U−CTBベレック補償板で測定した。広角エックス線散乱(WAXS)は、GADDS器材で測定した。ハーマンズ配向関数値は、複屈折データについて次のように計算した。
【0083】
【数3】
Figure 2004509433
ここでΔnは測定した複屈折であり、Δnはその材料の理論最大複屈折である。WAXAのハーマンズ配向関数は次のように計算した。
【0084】
【数4】
Figure 2004509433
ここで<cosφ>は鎖とディレクタとの平均角度である。ディレクタは、鎖の配向の平均方向である。ハーマンズ配向関数は1/2〜1の値を持つ。1は完全な配向であり、0は配向がなく、1/2はディレクタに直交する配向である。
【0085】
SCCO結合技術の各種形態を調査した。この調査はSCCOの結晶形態および結晶構造に対する効果を含む。SCCOの温度および圧力の降下は、接着強さに関係する。いくつかの準等方性積層の機械的特性については、ある程度詳細に検討する。
【0086】
適切な溶剤結合条件を特定するため、準備調査を行い、フィルム結晶形態におけるSCCO浸透時間の効果を明確にした。高配向単一フィルム(延伸率2または延伸率5)を高温のSCCOに1.5時間置き、その前後においてハーマンズ配向を複屈折およびWAXSを介して測定した(表1)。表1のデータから明らかな通り、95℃のSCCOによる処理の前後において分子配向に基本的な差は無かった。
【0087】
SCCOは、PET等の半結晶性重合体において晶子のアニーリングを引き起こすことが報告されている。従ってLLDPEの結晶構造に対するSCCOの全ての影響を評価することが必要であった。LLDPEの結晶構造へのあらゆる影響を数量化するため、一連の示差走査熱量測定実験を図6に示すように実行した。表2は、各実験の結晶化度パーセントと融解温度とを示す。
【0088】
表2に示す通り、95℃のSCCOに1.5時間置いた場合、結晶化度パーセントおよび融解温度とも全く影響はなかった。しかしながら、極めて長い暴露時間において、幾分のアニーリング効果が発生する。入手状態でのLLDPEにおける二重融解ピークは、鎖の分離によるものであった。これら鎖は、分子間および分子内における鎖の枝の分布が真にランダムではない。小さい方のピークは延伸後に消失した。これは延伸処理中における晶子の破壊と再形成の証拠である。前記小さいピークは、延伸フィルムを溶解し再分析すると再び現れる。
【0089】
LLDPEの融解温度は、示差走査熱量測定によると118℃である。前記処理をフィルムに施すと、通常溶融押圧条件においてもSCCOの存在下においても、85℃以下の温度ではフィルム間に測定可能な接着が起きない。しかしながら温度を85℃以上に上げると、フィルム間の接着強さが上昇する。この温度上昇に伴う接着の強化は、SCCOの存在下において極めて速いため、所定温度において、より高い接着値を得られる。融解温度以下の温度でかかる接着を得る性能は、処理後において元の結晶形態および結晶構造を維持することを可能にする。
【0090】
広角エックス線散乱を積層フィルムおよび単層フィルムに実施した。配向計算結果のいくつかは、すでに述べた通りである。格子面間隔は、LLDPEの標準斜方晶単位セルと一致する。延伸率2のフィルムについては、110および200反射のみが識別できる。積層フィルムのWAXSパターンは、8つ折り対称を示しており、その準等方性を示す(図7)。各延伸フィルムの効果は明らかであり、この処理における結晶形態維持のさらなる証拠である。
【0091】
積層フィルムの引っ張りテストの結果と、延伸単層フィルムの延伸直交方向および延伸平行方向とを比較した(図8aおよび8b)。積層フィルムは、全テスト方向において同様の結果を示し、横方向に等方性であった。これらテスト結果は、表3にまとめた。積層フィルムの初期弾性率は、単層平行よりわずかに高いだけだが、降伏ひずみは極めて高い。降伏における総ひずみエネルギ密度も高く、単層平行のひずみエネルギ密度より56%高い。図8aおよび8bは、延伸率2および延伸率5のフィルムのデータを示す。延伸率5のフィルムは、延伸率2のフィルムに比べ、弾性率が極めて大きくなっている。これは予測通りである。一方で降伏までのひずみエネルギ密度は、減少している。これは、降伏までのひずみが大きく低下したからである。全ケースにおいて、降伏点で積層フィルムの剥離はなかった。
【0092】
複数サンプルによる「実質仕事の方法」は、重合体フィルムの引裂抵抗を計算する上でしっかりした理論的基本である。単一サンプル手法は、サンプルの準備を押さえる上で好ましい。ユウ・ウイン・メイおよびパウエルは、ワイ・ダブリュー・メイ、ビー・コッテレル、アール・ホーリック、ジー・ビグナによる「重合体技術科学」1987,27,804〜809、ワイ・ダブリュー・メイ、ピー・ジェイ・パウエルによる「重合体科学パートB」1991,29,785〜793、およびその他において、「実質仕事の方法」の結果と単一サンプルJ1Cの結果とを比較する研究を行い、良好な一致を得た。「実質仕事の方法」と単一サンプルJ1Cは、高配向LLDPEフィルムに関係しているため、単一サンプルJ1Cを用いて準等方性積層フィルムの特性を明確にすることの実用性を研究した。LLDPE単層フィルムを中央ノッチモードI形状においてテストした。3つのサンプルタイプをテストした。すなわち非配向フィルム、高配向単層の負荷方向に直行する配向とそれに平行な配向である。これらテストは、すべて延伸率2のフィルムで行った。これらテストの結果を表4に示す。この結果から明らかな通り、重合体フィルムの延伸は、引裂抵抗において好ましい効果を有する。負荷方向に平行な配向(延伸に直行する亀裂の成長)を有するフィルムは、極めて高い引裂抵抗を有する。しかしながら負荷を横切る配向(配向に平行な亀裂の成長)を有するフィルムは、亀裂の成長に対してほとんど抵抗を示さない。これら研究から明らかなことは、延伸フィルムにおいて引き裂きに抵抗するには、これら2つの形状を合成し、フィルム全体の特性を向上させることである。
【0093】
ここに示したデータは、単一サンプルJ1Cと「実質仕事の方法」とが単層に関して良好に一致することを示している。従ってJ1C分析は、8層積層フィルムに関して適切である。
【0094】
【表1】
Figure 2004509433
【表2】
Figure 2004509433
【表3】
Figure 2004509433
【表4】
Figure 2004509433
本発明を詳細に説明し図示したが、これらは例示的なものであり、本発明を制限するものではない。本発明の要旨および範囲は、請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に基づく多層構造を示す斜視図である。
【図2】
本発明の一実施例を示す断面図である。
【図3】
本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】
本発明に使用するエンボス加工パターンを示す図である。
【図5】
超臨界CO処理室を示す概略図である。この処理室は、COの存在下で垂直力を基板に印加することを可能にする。
【図6】
LLDPEフィルムの示差走査熱量測定を示す。
【図7】
8層積層フィルムの広角エックス線散乱(WAXS)であり、各層における配向保持を示す8つ折り対称を示す。
【図8a】
引っ張りテストの結果を示し、「−」線は延伸率2の8層積層フィルム、「…」線は比較対象たる単層構成の延伸方向、「−・−」線は比較対象の横方向である。
【図8b】
引っ張りテストの結果を示し、「…」線は延伸率5の8層積層フィルム、「−」線は比較対象たる単層構成の延伸方向である。

Claims (67)

  1. 可撓心材と、
    基本的に酸化物超電導体とそれを被覆する安定化金属とから各々を形成し2kgf/mmを越えない引張力によって前記心材上に配置した複数のテープ状酸化物超電導線とを備え、
    前記複数のテープ状超電導線を並列配置して層を形成し、かかる層を複数配置し、
    前記複数の層は、前記複数の層と前記心材との間に絶縁層を入れずに、前記心材に連続して積み重ね、
    前記心材は、前記超電導ケーブルに可撓性を付与し、
    前記超電導ケーブルは、液体窒素温度において超電導状態を維持し、
    前記線は、実質的に均一な超電導相を前記線の長手方向に有し、
    前記超電導相のc軸は、実質的に前記線の厚さ方向に平行であり、
    前記超電導線は、平行に整列して前記線の長手方向に延びた結晶粒によって形成し、
    前記結晶粒は、前記線の厚さ方向に積み重なる、酸化物超電導体を用いたケーブル。
  2. 前記ケーブルの直径の約50倍までの曲げにおいて前記ケーブルの超電導性が実質的に劣化しないような可撓性を有する、請求項1記載の超電導ケーブル。
  3. 前記心材は、基本的に金属、プラスチック、強化プラスチック、重合体、複合体からなるグループから選択する、請求項1記載の超電導ケーブル。
  4. 前記心材は、前記テープ状超電導線用外面に螺旋溝面、網状面、編組面、マット状面から選択した表面を有する管である、請求項1記載の超電導ケーブル。
  5. 前記複数の層間に絶縁層が存在しない、請求項1記載の超電導ケーブル。
  6. 前記心材上に第1のテープ状超電導線層を配置した後、前記複数のテープ状超電導線層を各層の表面上に配置した、請求項5記載の超電導ケーブル。
  7. 前記線は、前記テープ状安定化金属被覆内において撚り合わせる、請求項1記載の超電導ケーブル。
  8. 前記テープ状超電導線は、約90度までの角度で配置する、請求項1記載の超電導ケーブル。
  9. 前記テープ状超電導線は、約10度から約60度の角度において配置する、請求項8記載の超電導ケーブル。
  10. 前記テープ状超電導線は、約20度から約40度の角度において配置する、請求項9記載の超電導ケーブル。
  11. 少なくとも2つの別個のテープ状超電導線層グループをさらに備える、請求項1記載の超電導ケーブル。
  12. 前記テープ状超電導線層の配置角度は、連続する層間において配置方向またはピッチが交替する、請求項11記載の超電導ケーブル。
  13. 連続する前記テープ状超電導線層の各々は少なくとも2本のテープ状超電導線からなり、4層以上の層を構成する、請求項12記載の超電導ケーブル。
  14. 誘電体層により前記少なくとも2つの独立したテープ状超電導線層グループを分離する、請求項11記載の超電導ケーブル。
  15. 誘電体層により前記心材から前記心材に最も近いテープ状超電導線層を分離する、請求項11記載の超電導ケーブル。
  16. 前記誘電体は、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリブチレンからなるグループから選択する、請求項14記載の超電導ケーブル。
  17. 前記少なくとも2つの別個のテープ状超電導線層グループは、前記ケーブル内においてほぼ等しい量の電流を搬送する、請求項11記載の超電導ケーブル。
  18. 前記少なくとも2つの別個のテープ状超電導線層グループのうち第1のものは、前記ケーブルを流れる電流の50パーセント以上を搬送する、請求項11記載の超電導ケーブル。
  19. 前記少なくとも2つの別個のテープ状超電導線層グループのうち第2のものは、前記ケーブルを流れる電流の50パーセント以上を搬送する、請求項11記載の超電導ケーブル。
  20. 前記心材から最も遠いテープ状超電導線層グループは、それ以外の層を流れる電流の遮蔽を提供して前記ケーブル内の磁界あるいは渦電流を減少させる、請求項17記載の超電導ケーブル。
  21. 前記安定化金属は、銀、銀合金、ニッケル、およびニッケル合金からなるグループから選択する、請求項1記載の超電導ケーブル。
  22. 前記複数の層の各々は、少なくとも2本のテープ状線を含む、請求項1記載の超電導ケーブル。
  23. 前記複数の層の各々は、少なくとも4本のテープ状線を含む、請求項1記載の超電導ケーブル。
  24. 前記複数の層のうち第2層と第3層との間に絶縁層を含む、請求項23記載の超電導ケーブル。
  25. 前記複数の層のうち第2層と第3層との間毎に絶縁層を含む、請求項23記載の超電導ケーブル。
  26. 前記誘電体の最大誘電率は約3.0である、請求項14記載の超電導ケーブル。
  27. 前記誘電体の最大誘電率は約2.3である、請求項26記載の超電導ケーブル。
  28. 前記誘電体は、縦方向において約5:1から約10:1の比率で2軸延伸される、請求項14記載の超電導ケーブル。
  29. 前記誘電体は、縦方向において約5:1から約6:1の比率で2軸延伸される、請求項28記載の超電導ケーブル。
  30. 前記誘電体は、横方向において約2:1の比率までさらに2軸延伸される、請求項28記載の超電導ケーブル。
  31. 前記2軸延伸された誘電体をエンボス加工して不規則なおよび/または無作為の溝を形成する、請求項28記載の超電導ケーブル。
  32. 前記誘電体にエンボス加工して作成する溝の深さは、約0.5から約2ミル(ml)である、請求項31記載の超電導ケーブル。
  33. 前記エンボス加工は、ローラにより約80℃から約140℃の温度において行う、請求項31記載の超電導ケーブル。
  34. 前記エンボス加工により前記誘電体テープに形成するパターンは、前記誘電体テープを横断して含浸物が流れるようにする、請求項30記載の超電導ケーブル。
  35. 前記エンボス加工により前記誘電体テープに形成するパターンは、前記誘電体テープの横方向を向いた不規則な山および谷である、請求項31記載の超電導ケーブル。
  36. 前記誘電体テープは、有機染料を百万分率で100から1000の範囲で含む材料から製造する、請求項14記載の超電導ケーブル。
  37. 前記エンボス加工により前記誘電体テープに形成するパターンは、有効テープ厚さを増加させる、請求項31記載の超電導ケーブル。
  38. 前記エンボス加工により前記誘電体テープに形成するパターンは、隣接ピーク間距離が約0.2mmまでである、請求項31記載の超電導ケーブル。
  39. 前記エンボス加工により前記誘電体テープに形成するパターンは、ピーク間距離が約0.05mmまでである、請求項38記載の超電導ケーブル。
  40. 前記誘電体テープの引張り係数は、少なくとも250,000psiである、請求項14記載の超電導ケーブル。
  41. a.積層する少なくとも2枚の重合体フィルムを提供し、
    b.前記フィルムの表面に力を印加すると共に前記フィルムに超臨界流体を接触させるようにした装置に前記フィルムを挿入し、
    c.各前記フィルムの積層すべき表面を接触させ、
    d.前記フィルムに力を印加して前記フィルム表面を互いに押し付け、
    e.前記フィルム表面に力を印加した状態で前記フィルムに超臨界流体を接触させ、
    f.力を印加した状態の前記フィルムを、前記表面を積層するに十分な温度において、前記超臨界流体中に一定時間とどまらせる各段階を備える、非積層フィルムの物理的および機械的特性を実質的に保持することができる準等方性積層フィルムを重合体フィルムから形成する方法。
  42. 前記重合体は、低密度重合体および高密度重合体からなるグループから選択する、請求項41記載の方法。
  43. 前記重合体は、2〜6個の炭素原子を有するポリアルキルからなるグループから選択する、請求項42記載の方法。
  44. 前記重合体は、線状重合体である、請求項42記載の方法。
  45. 前記重合体は、枝分かれ重合体である、請求項42記載の方法。
  46. 前記フィルムは、同一重合体からなる、請求項41記載の方法。
  47. 前記フィルムは、異なる重合体からなる、請求項41記載の方法。
  48. 前記装置は、基本的に密閉型である、請求項41記載の方法。
  49. 前記フィルムは、接触させる前に延伸する、請求項41記載の方法。
  50. 前記超臨界流体は、前記フィルムの重合体間に化学反応を引き起こさせる、請求項41記載の方法。
  51. 前記超臨界流体は、前記重合体の非晶質領域だけに浸透する、請求項50記載の方法。
  52. 前記超臨界流体は、前記重合体の非晶質領域を溶解する、請求項51記載の方法。
  53. 前記超臨界流体は、COである、請求項51記載の方法。
  54. 成果物としての前記積層フィルムは、その物理的および機械的特性が非積層重合体フィルムの物理的および機械的特性を上回る、請求項41記載の方法。
  55. 前記重合体は、低密度ポリエチレンである、請求項43記載の方法。
  56. a.積層する少なくとも2枚の重合体フィルムを提供し、
    b.フィルム表面に力を印加するための密閉手段を提供し、
    c.前記フィルムを前記密閉手段に挿入し、
    d.前記各フィルムの積層すべき表面を互いに接触させ、
    e.前記フィルムに力を印加して前記フィルム表面を互いに押し付け、
    f.前記フィルム表面に力を印加した状態で前記フィルムに超臨界流体を接触させ、
    g.力を印加した状態の前記フィルムを、前記表面を積層するに十分な温度において、前記超臨界流体中に一定時間とどまらせる各段階を備える、非積層フィルムの物理的および機械的特性を実質的に保持する準等方性積層フィルムを重合体フィルムから形成する方法。
  57. 前記フィルムは、同一重合体からなる、請求項56記載の方法。
  58. 前記フィルムは、異なる重合体からなる、請求項56記載の方法。
  59. 前記フィルムは、接触させる前に延伸する、請求項56記載の方法。
  60. 前記超臨界流体は、前記フィルムの重合体間に化学反応を引き起こさせる、請求項56記載の方法。
  61. 前記超臨界流体は、前記重合体の非晶質領域だけに浸透する、請求項60記載の方法。
  62. 前記超臨界流体は、COである、請求項61記載の方法。
  63. 成果物としての前記積層フィルムは、その物理的および機械的特性が非積層重合体フィルムの物理的および機械的特性を上回る、請求項56記載の方法。
  64. 請求項41記載の方法により製造した積層フィルム。
  65. 請求項56記載の方法により製造した積層フィルム。
  66. 請求項41記載の方法により製造し、2層乃至16層の重合体フィルムを有する積層フィルム。
  67. 請求項56記載の方法により製造し、2層乃至16層の重合体フィルムを有する積層フィルム。
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