JP2004509288A - 密閉型圧縮機のバルブ組立体 - Google Patents
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Abstract
Description
<技術分野>
本発明は密閉型圧縮機に関し、特に冷媒ガスのシリンダーへの流入および流出を調節する吸入バルブ及び吐出バルブの構造を単純化すると共に、死体積を最小化することのできる密閉型圧縮機のバルブ組立体に関する。
【0002】
<背景技術>
一般に、圧縮機は作動流体を吸入、圧縮、吐出する機器であって、冷蔵庫または空気調和器の冷凍空調装置において、蒸発器を経た冷媒ガスを高温、高圧に圧縮する。このような圧縮機のうち、駆動力を発生する電動機構部が圧縮機構部と共に一体化されているものを特に密閉型圧縮機と称する。密閉型圧縮機は、圧縮機構部の形態によって回転式圧縮機、往復動式圧縮機、スクロール圧縮機などに更に区別される。そのうち密閉型往復動式圧縮機の構造を添付図面に基づいて以下に詳細に説明する。図1は、一般的な密閉型往復動式圧縮機の構造を示す断面図である。
【0003】
図1を参照すると、従来技術による密閉型往復動式圧縮機は、電流の供給を受けて回転力を発生する電動機構部と、該電動機構部の回転力により冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部とが、所定の密閉空間を形成する密閉容器1内に配設される。前記電動機構部は、密閉容器1の底面にスプリングにより支持される固定子3と、該固定子に挿入される回転子とを有している。前記圧縮機構部は、固定子3の上部に位置し、一側に冷媒ガスを圧縮するシリンダー5および挿入孔6を有するシリンダーブロックBと、前記挿入孔を通じて回転子4に押入され、上端に偏芯部7aが備えられるクランクシャフト7と、前記シリンダーの内部を直線往復運動するピストン8と、該ピストンとクランクシャフトとの偏芯部とを連結して、クランクシャフトの回転運動を前記ピストンに直線往復運動に伝達するコネクティングロッド9とを有している。前記圧縮機構部は、シリンダー5の端部に結合され冷媒ガスの流入および流出を調節するバルブ組立体Vと、そのバルブ組立体を開放し、バルブ組立体から吐出された冷媒ガスの流路のプレナム(plenum)を形成するヘッドカバー10とを更に具備している。騒音を低減すると共に、前記シリンダーに冷媒ガスの吸入を案内する消音器11が、シリンダー5の内部と連通するようにヘッドカバー10の一側部に備えられている。冷媒ガスを導入する吸入管12が密閉容器1の一側において、その端部が消音器11の入口側に位置するように結合され、冷媒ガスを吐出する吐出管(図示せず)が前記密閉容器の他方の側部に結合される。密閉容器1の底面に各種の機械部品の摩耗を防止するために所定量の冷凍機油が満たされている。
【0004】
このように構成された密閉型往復動式圧縮機は、電源が供給されると固定子3と回転子4との相互作用によって回転子が回転し、その回転子の回転によってクランクシャフト7が回転する。クランクシャフト7の回転時に偏芯部7aに結合されたコネクティングロッド9が回転運動を直線往復運動に転換させ、ピストン8をシリンダー5の内部で運動させる。その際、吸入管12を介して流入された冷媒ガスは、ピストン8の運動とバルブ組立体Vの作動によって消音器11を介してシリンダー5の内部に吸入され、その後、高温高圧で圧縮されて吐出管を通じて吐出される。図2は従来のバルブ組立体の構造を示す分解斜視図である。
【0005】
図2を参照すると、従来のバルブ組立体Vは、シリンダー5の端部とヘッドカバー10との間に備えられたヘッド20と、前記シリンダーの端部とヘッドとの間に備えられた吸入バルブ30と、前記ヘッドとヘッドカバーとの間に備えられた吐出手段(図示せず)とで構成されている。ヘッド20は、一定の厚さや面積を有する胴板21からなり、前記胴板の一側に吸入口22と吐出口23がそれぞれ形成される。吸入バルブ30は、ヘッド胴板21の面積と相応する面積を有する薄板31に前記ヘッドの吸入口11と対応する位置に形成された切開溝32と、その切開溝を開閉することで、吸入口22を開閉する開閉部33と、その開閉部の測部にヘッドの吐出口23と対応する位置に形成された吐出口34とで構成されている。図面には示していないが、前記吐出手段は、ヘッドの吐出口を開閉する吐出バルブと、その吐出バルブの剛性を補強するバルブスプリングと、前記吐出バルブ及びバルブスプリングの動きを限定するリテーナーとで構成されている。このように構成されたバルブ組立体Vは、シリンダー5の端部に吸入バルブ30、ヘッド20、吐出手段及びヘッドカバー10が順次に位置した状態で多数の締結ボルト13により結合される。
【0006】
上述したバルブ組立体の作用を説明する。
まず、ピストン8がシリンダー5の上死点から下死点に移動すると、前記シリンダーの内部の吸入力によって吸入バルブ30の開閉部33が撓みながらヘッド20の吸入口22が開放される。この際、吸入管3及び消音器11を順次に通った冷媒ガスがシリンダーの内部に吸入される。次に、ピストン8が下死点から上死点に移動すると、前記吸入バルブの開閉部33が元の状態に取り戻されつつヘッドの吸入口22と塞がる。これと同時に、シリンダー5の内部の冷媒ガスが次第に圧縮され、設定された圧力状態に至ると、吐出バルブが圧縮力により開放される。この際、シリンダーの圧縮された冷媒ガスが吸入バルブ30の吐出口34、及びヘッドの吐出口23を順次に通ってヘッドカバー10のプレナムを介して外部に吐出される。
【0007】
然しながら、上述したようなバルブ組立体は以下のような短所がある。
第一に、吸入バルブ30は、ヘッド胴板21の大きさと対応する大きさを有する薄板31で作られており、これは、ヘッドの吸入口22を開閉するだけの吸入バルブ30の機能に比べて相対的に大きいサイズを有することになるので、結局、製造単価を上昇させる要因となった。また、このような理由から、薄板31はヘッドの吸入口22と対応する位置に切開溝32が形成され、前記ヘッドの吐出口23と対応する位置にも別途の吐出口34が形成されなければならない。このため、吸入バルブ30の構造が複雑となり、且つ製作工程数、及び組立工程数が増加し、結局、生産性が低下した。一方、かかる問題点は単に吸入バルブだけでなく、吐出手段の場合にも同様に現れた。
【0008】
第二に、前記吸入バルブの開閉部33のために形成される切開溝32は、シリンダーの内部に死体積が生じ、このような死体積は冷媒ガスの圧縮効率を低下させる主要な原因となる。
【0009】
<発明の開示>
そこで、本発明は、上記したような従来技術の問題を解決した密閉型圧縮機のバルブ組立体を提供する。
本発明の目的は、冷媒ガスのシリンダーへの流入および流出を調節する吸入バルブ及び吐出バルブの構造を単純化して、生産性を向上させ得る密閉型圧縮機のバルブ組立体を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、冷媒ガスを圧縮する過程で発生する死体積を最小化して圧縮効率を向上させ得る密閉型圧縮機のバルブ組立体を提供することにある。
本発明の更なる特徴、利点は、以下の説明に記載され、また発明の詳細な説明から、或いは、本発明を実施することにより明らかとなる。本発明の目的および他の利点は、以下の説明および特許請求の範囲に記載され明らかとなる。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一形態による密閉型圧縮機のバルブ組立体は、冷媒ガスが圧縮されるシリンダーと、圧縮された冷媒ガスの吐出流路を形成するヘッドカバーとの間に位置し、前記シリンダーに冷媒ガスを導入する吸入口が形成されたヘッドと、前記ヘッドの吸入口を開閉する吸入バルブとを備えた密閉型圧縮機のバルブ組立体において、前記シリンダーと対面するヘッドの一側面に前記吸入口を含む所定形状の面積や深さを有するバルブ挿入溝が形成され、前記吸入バルブはバルブ挿入溝に挿入され、シリンダーの内部の吸入力及び圧縮力によって吸入口を開閉する挿入型の吸入バルブからなる。
【0012】
本発明の他の形態による密閉型圧縮機のバルブ組立体は、冷媒ガスが圧縮されるシリンダーと、圧縮された冷媒ガスの吐出流路を形成するヘッドカバーとの間に位置し、前記シリンダーから圧縮された冷媒ガスが吐出する吐出口が形成されたヘッドと、前記ヘッドの吐出口を開閉する吐出バルブとを備えた密閉型圧縮機のバルブ組立体において、前記ヘッドカバーと対面するヘッドの一側面に前記吐出口を含む所定形状の面積や深さを有するバルブ挿入溝が形成され、前記吐出バルブはバルブ挿入溝に挿入され、シリンダーの内部の圧縮力及び吸入力によって吐出口を開閉する挿入型吐出バルブからなる。
【0013】
本発明の更に他の特徴による密閉型圧縮機のバルブ組立体は、冷媒ガスが圧縮されるシリンダーと、圧縮された冷媒ガスの吐出流路を形成するヘッドカバーとの間に位置し、前記シリンダーの内部に冷媒ガスを導入する吸入口、及びシリンダーから冷媒ガスを吐出する吐出口が形成されたヘッドと、前記ヘッドの吸入口を開閉する吸入バルブ、及び吐出口を開閉する吐出バルブを備えた密閉型圧縮機のバルブ組立体において、前記シリンダーと対面するヘッドの一側面に前記吸入口を含む所定形状の面積や深さを有する第1バルブ挿入溝が形成され、前記ヘッドカバーと対面するヘッドの他方側面に前記吐出口を含む所定形状の面積や深さを有する第2バルブ挿入溝が形成され、前記吸入バルブはシリンダーの内部の力によって吸入口を開閉可能であるように前記第1バルブ挿入溝に挿入され結合される挿入型吸入バルブであり、前記吐出バルブはシリンダーの内部の力によって吐出口を開閉可能であるように前記第2バルブ挿入溝に挿入され結合される挿入型吐出バルブである。
【0014】
<発明を実施するための最良の形態>
以下、添付図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
先ず、図1に示すに、本発明による密閉型圧縮機は駆動力を発生する電動機構部と、前記電動機構部から発生する駆動力を伝えられて冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部からなる。前記圧縮機構部は電動機構部の上部に位置し、一側に冷媒ガスが圧縮されるシリンダー5と挿入孔6が備えられるシリンダーブロックBと、前記挿入孔を介して電動機構部の回転子4に圧入され、上端に偏芯部7aが備えられるクランクシャフト7と、前記シリンダー内部を直線往復運動するピストン8と、前記ピストンとクランクシャフトの偏芯部とを連結してクランクシャフト7の回転運動を前記ピストンに直線往復運動で伝達するコネクティングロッド9とを具備する。前記圧縮機構部はシリンダー5の端部に結合されて冷媒ガスの流入および流出を調節するバルブ組立体Vと、前記バルブ組立体を開放してバルブ組立体から吐出される冷媒ガスの流路のプレナムを形成するヘッドカバー10とを更に含めてなる。図3は本発明の一実施例による密閉型圧縮機のバルブ組立体の構造を示した分解斜視図である。
【0015】
図3に示すように、本発明による一実施例によるバルブ組立体はシリンダー5の端部とヘッドカバー10との間に備えられるヘッド40と、前記シリンダーと対面するヘッドの一側面には挿入する吸入バルブ50と、ヘッドカバー10とヘッドとの間に備えられて冷媒ガスの吐出しを調節する吐出手段(図示せず)とからなる。
【0016】
ヘッド40は、所定の厚さと面積を有する胴板41からなり、前記胴板の片側に吸入口42が形成され、前記吸入口の側部に吐出口43が形成される。また、胴板41の一側面、即ち、シリンダー5と対面する面に吸入口42を含むバルブ挿入溝44が所定形状の面積と深さで凹んでいる。
【0017】
吸入バルブ50は、シリンダー5内部の吸入力及び圧縮力によって吸入口42が開閉できるように前記バルブ挿入溝44に挿入固定する挿入型吸入バルブである。このために、前記挿入型吸入バブ50はヘッドの吸入口42を塞ぐことができる面積の開閉部51と、前記開閉部から延長される固定部52とからなる。このとき前記挿入型吸入バルブ50はバルブ挿入溝44の形状に応ずる薄板からなる。挿入型吸入バルブ50は、開閉部51が吸入口42を塞ぐようにバルブ挿入溝44に挿入され、固定部52が点溶接によってバルブ挿入溝44の片側に結合される。
【0018】
このように構成されたバルブ組立体は、挿入型吸入バルブ50が結合された面がシリンダーの内部に位置するようにヘッド40をシリンダー5の端部に位置させ、前記ヘッドの他側面に冷媒ガスの吐出し流路を形成するプレナムが備えられるヘッドカバー10を位置させ、前記ヘッドとヘッドカバー10との間に吐出手段を位置させた後、多数の締結ボルト13を用いて一括締結することによって組み立てられる。このとき、前記ヘッドの吸入口42は消音器と連通し、吐出口43はヘッドカバー10と連通し、前記ヘッドカバーは吐出し管と連通する。バルブ組立体の作用は詳細に後述する。図4は本発明の他の実施例による密閉型圧縮機のバルブ組立体の構造を示した分解斜視図である。
【0019】
図4に示すように、本発明の他の実施例によるバルブ組立体はシリンダー5の端部とヘッドカバー10との間に備えられるヘッド40と、前記シリンダーとヘッドとの間に備えられて冷媒ガスの吸入を調節する吸入手段と、前記ヘッドカバー10と対面するヘッドの他側面に挿入される吐出バルブ60とからなる。
【0020】
ヘッド40は、所定の厚さと面積を有する胴板41からなり、前記胴板の片側に吸入口42が形成され、前記吸入口の側部に吐出口43が形成される。また、胴板41の一側面、即ち、ヘッドカバー10と対面する面に吐出口43を含むバルブ挿入溝45が所定形状の面積と深さで凹んでいる。
【0021】
吐出バルブ60は、シリンダー5の内部の吸入力及び圧縮力によって吐き出し口43を開閉できるように前記バルブ挿入溝45に挿入固定される挿入型吐出バルブである。このため、挿入型吐出バルブ60はヘッドの吐出口43を塞ぐことができる程度の面積を有する開閉部61と、前記開閉部から延長される固定部62とからなる。この時挿入型吐き出しバルブ60やはりバルブ挿入溝45の形状と相応する薄板からなる。前記挿入型の吐出バルブ60は、開閉部61が吐出口43を塞ぐようにバルブ挿入溝45に挿入し、固定部62が点溶接によってバルブ挿入溝の片側に結合する。挿入型吐出バルブ60の動きを限定するリテーナー70がヘッド40またはヘッドカバー10に備えられ、場合によって前記挿入型吐出バルブとリテーナーとの間に挿入型吐出バルブの剛性を補強するバルブスプリング(図示せず)が備えられる。
【0022】
このように構成されたバルブ組立体は、前記挿入型の吐出バルブ60が結合された面がヘッドカバー10と対面するようにヘッド40をシリンダー5の端部に位置させ、前記ヘッドの他側面に冷媒ガスの吐出し流路を形成するプレナムが備えられたヘッドカバー10を位置し、シリンダー5とヘッド40との間に吸入手段(図示せず)を位置させた後、多数の締結ボルト13を用いて一括締結することにより組み立てられる。このとき、前記プレナムとバルブ挿入溝45は一つの密閉された空間を形成し、その空間内に挿入型吐出バルブ60とリテーナー70とが位置する。また、前記ヘッドカバーのプレナムは吐出し管と連通する。前記バルブ組立体の作用もまた後述する。尚、本発明の他の実施例によるバルブ組立体は前述した挿入型吸入バルブと挿入型吐出バルブがいずれも備えられたもので、図3、4を参照して詳細に説明する。
【0023】
図3及び図4に示すように、バルブ組立体はシリンダー5の端部とヘッドカバー10との間に備えられるヘッド40と、前記シリンダーと対面するヘッドの一側面に挿入する吸入バルブ50と、ヘッドカバー10と対面するヘッドの他側面に挿入する吐出バルブ60とからなる。
【0024】
ヘッド40は所定の厚さと面積を有する胴板41からなり、前記胴板の片側に吸入口42が形成され、前記吸入口の側部に吐出口43が形成される。胴板41の一側面、即ち、シリンダー5と対面する面に吸入口42を含む第1バルブ挿入溝44が形成され、胴板41の他側面に吐出口43を含む第2バルブ挿入溝45が形成される。第1バルブ挿入溝44と第2バルブ挿入溝45とは各々胴板41に所定形状の面積と深さとを以て凹んでいる。
【0025】
吸入バルブ50はシリンダー5の内部の吸入力及び圧縮力によって吸入口42を開閉できるように第1バルブ挿入溝44に挿入固定する挿入型吸入バルブである。このために、挿入型吸入バルブ50はヘッドの吸入口42を塞ぐことができる面積の開閉部51と、前記開閉部から延長される固定部52とからなる。この時、前記挿入型の吸入バルブ50は第1バルブ挿入溝44の形状と相応する形状を有する薄板からなる。挿入型吸入バルブ50は開閉部51が吸入口42を塞ぐように第1バルブ挿入溝44に挿入し固定部52が点溶接によって第1バルブ挿入溝の片側に結合される。
【0026】
吐出バルブ60はシリンダー5の内部の吸入力及び圧縮力によって吐出口43を開閉できるように第2バルブ挿入溝45に挿入固定する挿入型吐出バルブである。このために、挿入型吐出バルブ60やはりヘッドの吐出口43を塞ぐことができる開閉部61と、前記開閉部から延長される固定部62とからなる。この時、挿入型吐出バルブ60やはり第2バルブ挿入溝45の形状と相応ずる形状の薄板からなる。挿入型吐出バルブ60は開閉部61が吐出口43を塞ぐように第2バルブ挿入溝45に挿入され、固定部62が点溶接により第2バルブ挿入溝45の片側に結合される。挿入型吐出バルブ60の動きを限定するリテーナー7がヘッド40またはヘッドカバー10に備えられ、場合によって前記挿入型吐出バルブとリテーナーとの間に挿入型吐出バルブ60の剛性を補強するバルブスプリング(図示せず)が備えられる。
【0027】
このように、構成したバルブ組立体は、挿入型吸入バルブ50が結合された面がシリンダー内部に位置するようにヘッド40をシリンダー5の端部に位置させ、前記ヘッドの他側面に冷媒ガスの吐出し流路を形成するプレナムが備えられるヘッドカバー10を位置させ、ヘッド40またはヘッドカバー10にリテーナーを位置させた後、多数の締結ボルト13を用いて一括締結することにより組み立てられる。このとき、前記プレナムとヘッド40の第2バルブ挿入溝45は一つの密閉された空間を形成し、その空間に挿入型吐出バルブ60が位置する。また、前記ヘッドの吸入口42は消音器と連通し、前記ヘッドの吐出口43はヘッドカバー10のプレナムを介して吐出し管と連通する。このように構成された密閉型圧縮機のバルブ組立体の作動を詳細に説明する。
【0028】
先ず、電源が供給されて電動機後部から発生する回転力はクランクシャフト7に伝えられる。次にクランクシャフト7の偏芯部7aに結合されたコネクティングロッド9が前記回転力を直線往復運動に変換してピストン8に伝える。続いて、前記ピストンがシリンダー5の内部から直線往復運動しながら冷媒ガスを吸入し圧縮して吐出す。
【0029】
以下、ピストン8がシリンダーの内部で運動しながら、冷媒ガスを吸入して最終的に吐出す過程は添付図面を参照してより詳細に説明する。図5、6は本発明による密閉型圧縮機のバルブ組立体の作動状態を各々示す断面図である。
【0030】
図5に示すように、先ず、ピストン8がシリンダー5の上死点aから下死点bに移動すると、前記シリンダーの内部に生成された吸入力によって挿入型吐出バルブ60は吐出口43を塞ぐことになり、挿入型吸入バルブ50は開閉部51が撓まれてヘッド40の吸入口42を開放することになる。この時吸入管及び消音器11を次第に経由した冷媒ガスがシリンダー5の内部に吸入される。
【0031】
図6に示すように、ピストン8が下死点bから上死点aに移動しながら、挿入型吸入バルブ50は自体の剛性と圧力との差により元の状態に戻されてヘッドの吸入口42を塞ぐことになる。これと同時に、シリンダー5の内部の冷媒ガスが次第に圧縮されて設定の圧力状態に至ることになり、この時生成された圧縮力によって挿入型吐出バルブ60の開閉部61が撓んでヘッドの吐出口43を開放する。以降、吐出口43を介して吐出された冷媒ガスはヘッドカバー10のプレナムを経て吐出し管に吐出される。
【0032】
従って、本発明による密閉型圧縮機のバルブ組立体は次のような長所を有している。
先ず、ヘッド40に吸入バルブ50及び吐出バルブが挿入可能なバルブ挿入溝44、45が形成され、前記バルブ挿入溝に挿入型吸入バルブ50及び挿入型吐出バルブ60が挿入固定される。従って、前記バルブのサイズは小さく、簡易に製作することができ、製作コストを低減し、製作工程を単純化できる。また、ヘッド40に挿入型バルブ50、60が結合された状態にシリンダー5及びヘッドカバー10に結合されることによって組立工程を単純化できる。従って、本発明は歩留りを改善される。
【0033】
次に、挿入型吸入バルブ50が、ヘッドに形成されたバルブ挿入溝44に挿入固定されているので、冷媒ガスが圧縮される圧縮空間、即ち、シリンダー5の内部とピストン8及びヘッド40により形成される空間の死体積を最小化できる。従って、本発明は冷媒ガスの圧縮効率を改善する。
【0034】
以上本発明の好適な一実施態様について説明したが、前記実施態様に限定されず、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。
<産業上の利用可能性>
本発明による密閉型圧縮機のバルブ組立体によれば、冷媒ガスの吸入口及び吐出口を開閉するバルブの大きさを小さく単純に製作することができ、製作単価を低減し、製作工程を単純化できる。
【0035】
また、前記バルブがヘッドに結合された状態にシリンダー及びヘッドカバーに結合されることによって組立て工程を単純化でき、つまり、生産性を向上させる効果を奏する。
【0036】
また、本発明による密閉型圧縮機のバルブ組立体は挿入型吸入バルブがヘッドに形成された挿入溝に挿入固定された形態であるので、冷媒ガスが圧縮される圧縮空間の死体積を最小化でき、従って、冷媒ガスの圧縮効率を向上させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
一般的な密閉型往復動式圧縮機の構造を示す断面図である。
【図2】
従来のバルブ組立体の構造を示す分解斜視図である。
【図3】
本発明の一形態による密閉型圧縮機のバルブ組立体の構造を示す分解斜視図である。
【図4】
本発明の他の形態による密閉型圧縮機のバルブ組立体の構造を示す分解斜視図である。
【図5】
本発明による密閉型圧縮機のバルブ組立体の作動状態をそれぞれ示す断面図である。
【図6】
本発明による密閉型圧縮機のバルブ組立体の作動状態をそれぞれ示す断面図である。
Claims (8)
- 冷媒ガスが圧縮されるシリンダーと、圧縮された冷媒ガスの吐出流路を形成するヘッドカバーとの間に位置し、前記シリンダーに冷媒ガスを導入する吸入口が形成されたヘッドと、前記ヘッドの吸入口を開閉する吸入バルブとを備えた密閉型圧縮機のバルブ組立体において、
前記シリンダーと対面するヘッドの一側面に前記吸入口を含む所定形状の面積や深さを有するバルブ挿入溝が形成され、前記吸入バルブはバルブ挿入溝に挿入され、シリンダーの内部の吸入力及び圧縮力によって吸入口を開閉する挿入型の吸入バルブからなる密閉型圧縮機のバルブ組立体。 - 前記挿入型吸入バルブは、バルブ挿入溝の形状と相応する形状を有する請求項1に記載の密閉型圧縮機のバルブ組立体。
- 前記挿入型吸入バルブは、その一側部が点溶接によってバルブ挿入溝に結合される請求項1に記載の密閉型圧縮機のバルブ組立体。
- 冷媒ガスが圧縮されるシリンダーと、圧縮された冷媒ガスの吐出流路を形成するヘッドカバーとの間に位置し、前記シリンダーから圧縮された冷媒ガスが吐出する吐出口が形成されたヘッドと、前記ヘッドの吐出口を開閉する吐出バルブとを備えた密閉型圧縮機のバルブ組立体において、
前記ヘッドカバーと対面するヘッドの一側面に前記吐出口を含む所定形状の面積や深さを有するバルブ挿入溝が形成され、前記吐出バルブはバルブ挿入溝に挿入され、シリンダーの内部の圧縮力及び吸入力によって吐出口を開閉する挿入型吐出バルブからなる密閉型圧縮機のバルブ組立体。 - 前記ヘッド又はヘッドカバーに吐出バルブの動きを限定するリテーナーが備えられる請求項4に記載の密閉型圧縮機のバルブ組立体。
- 前記挿入型吐出バルブはバルブ挿入溝の形状と相応する形状を有する請求項4に記載の密閉型圧縮機のバルブ組立体。
- 前記挿入型吐出バルブはその一側部が点溶接によってバルブ挿入溝に結合される請求項4に記載の密閉型圧縮機のバルブ組立体。
- 冷媒ガスが圧縮されるシリンダーと、圧縮された冷媒ガスの吐出流路を形成するヘッドカバーとの間に位置し、前記シリンダーの内部に冷媒ガスを導入する吸入口、及びシリンダーから冷媒ガスを吐出する吐出口が形成されたヘッドと、前記ヘッドの吸入口を開閉する吸入バルブ、及び吐出口を開閉する吐出バルブを備えた密閉型圧縮機のバルブ組立体において、
前記シリンダーと対面するヘッドの一側面に、前記吸入口を含む所定形状の面積や深さを有する第1バルブ挿入溝が形成され、前記ヘッドカバーと対面するヘッドの他方側面に前記吐出口を含む所定形状の面積や深さを有する第2バルブ挿入溝が形成され、前記吸入バルブはシリンダーの内部の力によって吸入口を開閉可能であるように前記第1バルブ挿入溝に挿入され結合される挿入型吸入バルブであり、前記吐出バルブはシリンダーの内部の力によって吐出口を開閉可能であるように前記第2バルブ挿入溝に挿入され結合される挿入型吐出バルブである密閉型圧縮機のバルブ組立体。
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