JP2004509132A - グルココルチコイド過剰の治療のための21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21oh−6op)の硫黄アナログ - Google Patents
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Abstract
本発明は、新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログ、グルココルチコイド過剰に関連した疾患の予防及び/又は治療のための抗グルココルチコイド物質としてのそれらの使用に関する。特に、本発明は、クッシング症候群、医原性高コルチゾール症、又はうつ病の治療のための、式(I){式中、Xは、S、SO、又はSO2であり、そしてRは、H又はOHのいずれかである。}で表される新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログの使用に関する。また、本発明は、新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログの製造方法に関する。
Description
【0001】
本発明の分野:
本発明は、新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログ、グルココルチコイド過剰に関連した疾患の予防及び/又は治療のための抗グルココルチコイド物質としてのそれらの使用に関する。特に、本発明は、クッシング症候群、医原性高コルチゾール症、又はうつ病の治療のための新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログの使用に関する。また、本発明は、新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログの製造方法に関する。
【0002】
本発明の背景:
コルチコステロイドは、構造上コレステロールに関連するステロイドホルモンである。これらのホルモンは、副腎皮質で合成され、グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)、電解質コルチコイド(例えば、アルドステロン)、並びにわずかなアンドロゲン及びエストロゲンを含んでいる。甲状腺のそれのような副腎の機能は、視床下部(HPT)及び脳下垂体(PIT)の制御下にある。コルチゾール(天然のグルココルチコイド)のレベルがセットポイント以下に下がった時、視床下部は、脳下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)放出を刺激するCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)を放出する。ACTHは、以下の
・コルチゾールの合成及び分泌(それは、アルドステロンの合成/分泌に対して最小限の影響しか与えない)、そして
・副腎の成長、
を刺激する刺激ホルモンである。コルチゾールがレベルが上昇した時、これは、CRH及びACTHの分泌を止める(図1を参照のこと)。
【0003】
コルチゾールは、生合成及びグルコースの代謝に関連するその性質、並びに非特異的並びに特異的免疫性に関連する性質により特徴づけられる。グルコース代謝へのそれらの効果のために、コルチゾール並びに天然又は合成のそれらのアナログが、通常グルココルチコイドと名付けられる。それらは、グルココルチコイド・レセプター(GR)に結合する。
【0004】
グルココルチコイド・レセプターは、リガンド活性化転写因子として機能する細胞内レセプターに密接に関連するタンパク質スーパーファミリーのメンバーである。このスーパーファミリーの他のメンバーは、電解質コルチコイド・レセプター(MR)及びプロゲステロン・レセプター(PR)である。MRとGRは高いホモロジーを示し、それ故に、天然及び合成ステロイドでさえ、これらのレセプターの間に交差反応を示した。PRに関して、その天然のリガンドであるプロゲステロンが同様にMR及びGRと交差反応する。
【0005】
クッシング症候群は、コルチゾールの副腎皮質からの分泌の増加の結果として生じる不調である。副腎皮質の機能亢進は、ACTHに依存しているかもしれないし、又はACTH調節に非依存、例えば副腎皮質腺腫又は悪性腫瘍によるコルチゾールの産生であるかもしれない。外因性のコルチゾール又は関連する合成アナログの超生理学的な量の投与は、副腎皮質の機能を抑圧して、そしてACTH非依存性グルココルチコイド機能亢進に似た症状を呈する。副腎皮質のACTH依存性機能亢進は、脳下垂体によるACTHの分泌過多、肺の小細胞癌(異所性ACTH症候群)のような非脳下垂体腫瘍によるACTHの分泌、又は外因性ACTHの投与によるかもしれない。「クッシング症候群」という用語は、原因にかかわらず起こるコルチゾール過剰によりもたらされる臨床像に適用される一方、脳下垂体のACTH過剰から起こっている副腎皮質の機能亢進は、しばしばクッシング病と呼ばれ、特定の生理学的な異常を示す。クッシング病の患者は、脳下垂体の好塩基性腺腫か色素嫌性腺腫を持っているかもしれない。微小腺腫は、通常CTか、好ましくはガドリニウムにより増強させられた高解像度技術を用いたMRIスキャンにより可視化されることができる。いくつかの微小腺腫は、これらの手法によってでさえ可視化することが困難である。いくつかの症例で、ACTH過剰産生の明らかな証拠にもかかわらず、脳下垂体で組織学的異常は見つからなかった。
【0006】
原因にかかわらず(同様に医原性かもしれない)コルチゾール過剰から起こっている臨床像を意味するように本明細書中で意図されているクッシング症候群への言及は、ACTHの注射薬又はコルチゾール、あるいはアレルギー性、喘息性、炎症性、又は免疫学的を含む様々なタイプの疾患で広く使用されるプレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、又はその他のもののような合成アナログの直接的な投与によるいずれかの医原性のものでもありうる。クッシング症候群は、副腎腫瘍のコルチコイドの分泌に加え、異所性ACTH産生、及びクッシング病を含んでいる。
【0007】
臨床徴候は、膨れ上がった外観を持つ丸みのある「満月様」顔貌を含んでいる。目立った鎖骨上の及び背中の頸部の脂肪体(「バッファロー瘤」)を有する体幹性肥満症である;末梢の手足及び指は通常、非常にほっそりしている。筋肉消耗性であり、そして脱力感がある。皮膚は、薄く、そして創傷治癒に乏しく及び傷つきやすい萎縮性である。紫色の線条が、腹部に現われる。高血圧、腎臓結石、骨粗鬆症、グルコース不耐性、感染耐性の低下、及び精神障害であることが珍しくない。直線的な成長の停止が子供に独特である。女性は、通常月経不順を有する。コルチゾールに加えて、アンドロゲンの産生増加は、多毛症、側頭部のはげ、及び女性における他の男性化の徴候をもたらすかもしれない。
【0008】
エストロゲン及びアンドロゲン・レセプターに関連する抗ホルモン薬剤の開発がうまくいっているが、選択的な抗コルチコイドの捜索は、より制限されている。
様々なレベルでステロイドホルモンの合成を抑制する既知の薬剤(すなわち、ステロイドホルモンの合成の様々な段階を触媒する酵素の阻害剤)がJ. Steroid Biochem., vol.5, p.501 (1974)中で検討され、そして以下を含む:
a) ジフェニルメタンの誘導体、例えば アンフェノンB (amphenon B)(11−ベータ−、17−及び21−のヒドロキシラーゼの段階でのステロイドホルモンの合成を抑制する);
b) ピリジンの誘導体(SU−cシリーズ)、例えばメチラポン(metirapon)(11−ベータのヒドロキシラーゼの段階での合成を抑制する);
c) 置換されたアルファ、アルファ−グルタルアミド、例えばアミノグルテチミド(aminoglutetimide)(20−アルファ−ヒドロキシラーゼとC20、C22−リアーゼの抑制によりコレステロールからプレグネノロンの合成を妨げる);
d) ステロイド物質、例えばトリロスタン(3ベータ−置換されたステロイド−3ベータ−ヒドロキシ−5−アンドロステン−17−オン)、3ベータ−デソキシステロイドヒドロゲナーゼ−5.4−イソメラーゼを抑制する(Steroids, vol.32, p.257)。
【0009】
e) 素速く解離する抗電解質コルチコイドとして使用されるスピロノラクトン・ファミリーのステロイド(PNAS USA 71(4) p.1431−1435 (1974))。
f) 腎臓(Z. Naturforsch., 45b, p.711−715 (1990)、及び海馬I型 MR(Life Science, 59, p.511−21 (1996))について特異的な結合特性を示し、II型GRについては示さない抗電解質コルチコイドと説明される合成ステロイド、ZK91587。従って、両方のレセプター・システムを含んでいてる組織におけるMRの機能の調査の道具として都合よく役に立つかもしれない。
【0010】
グルココルチコイドホルモンとホルモン・レセプターの相互作用を特異的に抑制する物質は以下のとおりである:
a) ミフェプリストン(11β,17β)−11−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−17−ヒドロキシ−17−(1−プロピニル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン、グルココルチコイドホルモンのレセプターに働きかけ、グルココルチコイド効果をもたらす機構を開始できない複合体を形成する(Annals of New−York Academy of Science, vol. 761, p.5−28 (1995))上記化合物は、コントラゲスチブ剤(contragestive agent)(RU38486又はRU486)としても知られる。
【0011】
b) 非ステロイド系の物質(J. Steroid Biochem., Vol.31, p.481−492 (1988)、例えば塩酸ドロタベリーナ(drotaverina hydrochloride)(イソキノリン−1−(3.4−ジエトキシベンジリデン)−6.7−ジエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドリゾキノリンの誘導体)、又はアセチルサリチル酸(Moskovskaya Meditsina, 1990, ”Receptor mechanisms of the glucocorticoid effect” by V.P.Golikov).
今まで、臨床条件で試みられた、抗グルココルチコイド物質に関する唯一の治療のための適用(例えば、ミフェプリストン)は、非脳下垂体性クッシング症候群の手術不可能な症例の治療である。ミフェプリストン (抗プロゲステロン物質及び抗グルココルチコイド物質の両方)の場合に、高い服用量(1日につき800 mgまで)が必要とされる。
【0012】
活性を増加させ、そして交差感受性と好ましくない副作用を減少させるための戦略の系統的な適用の利用により、特に抗エストロゲン及び抗アンドロゲンの分野でより大きな効力及び選択性を有する新しい抗ホルモン物質の開発における目覚しい進展が報告された。
さらなる抗グルココルチコイド物質がEP−903’146に開示されており、それは以下の式(I):
【化12】
【0013】
で表される21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)を示す合成ステロイドに関する。21OH−6OPは、実質的に子宮PR又は腎臓MRと交差反応しない選択的な抗グルココルチコイド物質であるとして開示されている。
【0014】
本発明の説明:
新しい抗グルココルチコイド化合物を提供することが本発明の目的である。グルココルチコイド過剰に関係する疾患の新しい治療方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
第1の側面において、本発明は、以下の式(II):
【化13】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHである。}
で表される化合物を提供する。
【0015】
第2の側面において、本発明は、薬剤として使用するための以下の式(II):
【化14】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHのいずれかである。}
で表される化合物を提供する。
【0016】
第3の側面において、本発明は、グルココルチコイド過剰に関連した疾患の治療又は予防のための薬剤の製造における以下の式(II):
【化15】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHのいずれかである。}
で表される化合物の使用を提供する。
第4の側面において、本発明は、少なくとも1の21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン・アナログ、及び1以上のそれらの好適な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0017】
第5の側面において、本発明は、本発明の化合物の製造方法を提供する。
新しく見つかった化合物は、式(I)の21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン内のある6,19−酸素架橋の代わりに、6,19−スルファニル−、6,19−スルホキシド−、及び6,19−スルホン架橋を有する。よって、それらは、以下の:
【化16】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHのいずれかである。}
で表される、21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(I)の硫黄アナログ(II)に、そしてより特に、以下の式(IIa):
【化17】
{式中、
Xは、SO又はSO2である。}
で表される硫黄アナログに相当する。
【0018】
より具体的には、本発明は、以下の3つの21−デオキシ−、及び3つの21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン・アナログに関する:
【化18】
本発明の化合物のさらなる利点は、それらの好都合な合成である。特に、酸化によるスルホキシド(4)及び(7)、及びスルホン(5)及び(8)への化合物(3)及び(6)のスルファニル架橋の変換は、実施されるのに非常に好都合である。さらに、スルホキシド及びスルホン架橋は、化合物の水への可溶性及び安定性を改善する。
【0019】
本発明の抗グルココルチコイド物質は、グルココルチコイド過剰に関係している疾患の治療に好適である。特に、本発明の抗グルココルチコイド物質は、特に哺乳動物の体内のグルココルチコイド過剰に関係するクッシング症候群、医原性高コルチゾール症、及びうつ病の治療に役立つ。同様に、それらは、免疫応答の調節を要する不調の治療に有用である。
【0020】
よって、本発明は、薬剤としての使用のために、式(II)の21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル、及びスルホキシ−、及びスルホニル−プロゲステロンを提供する。
グルココルチコイド過剰に関係する疾患の治療又は予防のための薬剤の製造における、式(II)の21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル、及びスルホキシ−、及びスルホニル−プロゲステロンの使用は、本発明のさらなるさらなる目的である。より好ましくは、式(II)の化合物を、クッシング症候群、医原性高コルチゾール症、うつ病、又は免疫応答の調節の治療のための薬剤において使用する。
【0021】
式(I)の化合物は、1以上のそれらの好適な担体を伴い、通常のステロイド製剤に従って処方される。
本発明のさらなる側面は、式(II)の新規21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル、スルホキシ−、及びスルホニル−プロゲステロン(すなわち、化合物(3)〜(8))の合成方法である。
【0022】
基本的に、式(3)による化合物の製造方法は、以下のステップ:
a) 式(16)の19−チオアセチルステロイドを用意し(スキーム3を参照のこと);
b) その3−ケト基を、好ましくはエチレングリコール基により保護し;
c) 19−チオアセチル基をチオール基に変換し;そして
d) ステップc)の化合物の加水分解を実施する、
を含む(スキーム3を参照のこと)。
【0023】
スルホキシ−及びスルホニル化合物(4)及び/又は(5)は、以下のステップ:
a) 式(3)の化合物を用意し(スキーム4を参照のこと);
b) 好ましくは、酸化剤、例えばオゾン又は一過硫酸カリウム(例えば、Oxone(登録商標))を用いた酸化に上記化合物を晒す、
により一般に得られる。
【0024】
低温(例えば、0℃)での一過硫酸カリウムを用いた処理が、スルホキシドを生じる一方、室温での処理は、スルホンを生じる。
式(6)による化合物の製造は、以下のステップ:
a) 式(11)の19−ヒドロキシプロゲステロンを用意し(スキーム1を参照のこと);
b) 19−ヒドロキシ基をチオアセトキシ基に変換し;
c) その3−ケト基を、好ましくはエチレングリコール基により保護し;
d) 19−チオアセトキシ基をチオール基に変換し;そして
e) ステップd)の化合物の加水分解を実施する、
を含む(スキーム1を参照のこと)。
【0025】
スルホキシ−及びスルホニル化合物(7)及び/又は(8)は、以下のステップ:
a) 式(6)の化合物を用意し;
b) 好ましくは、酸化剤、例えば一過硫酸カリウム(例えば、Oxone(登録商標))を用いた酸化に上記化合物を晒す、
により一般に得られる。
【0026】
以下に、21−デオキシ・アナログ(6)、(7)、及び(8)の好ましい製造方法を説明する。
以下はのものは、使用した略語の一覧である:
− NBA : N−ブロモアセトアミド、
− THF : テトラヒドロフラン、
− VFC : 蒸気流クロマトグラフィー
− PTSA: パラトルエンスルホン酸
− RT : 室温
【化19】
【0027】
ステップ
a) 1. NBA−HClO4/THF−Et2O 30分、RT; 2.ジアセトキシヨードベンゼン、I2、CH2C12、300 Wタングステン・ランプ、2時間、RT; 3、NaOH、MeOH、30分、RT; 4. PCC、4Åモレキュラーシーブ、BaCO3、CH2Cl2、RT。
b) Zn、AcOH、i−PrOH、3時間、70℃ (その後VFC);
c) 1. トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ピリジン、1時間、RT; 2. KSAc、アセトン(無水)、N2、一晩、RT、(その後VFC)。
d) 1. エチレングリコール、オルソギ酸エチル、PTSA、2時間、60℃、N2; 2. K2CO3、MeOH、1時間、RT、N2。
e) I2、Et3N、CH2Cl2、2時間、RT (その後VFC)。
酢酸プレグネノロン(9)から始まり、ブロモエーテル(10)を得、それをイソプロパノール中、Zn/AcOHを用いて還元的に開裂させて19−ヒドロキシプロゲステロン(11)を得る。その19−ヒドロキシ基をトリフレートに変換し、そしてチオ酢酸カリウムにより置き換えて(12)を得る。6,19架橋を形成するために、4,5二重結合を、3−エチレンケタールの形成により5,6位に移動させる。前記チオ酢酸を、好適な塩基を用いて加水分解して遊離の19−チオール(13)を得、この遊離の19−チオール(13)は、ジクロロメタン中、ヨウ素及びトリエチルアミンを用いて直ちに処理される。これは、中間体の分離なしに最終産物6,19−スルファニル−プロゲステロン(6)に向かうカスケード反応を生じる(スキーム2を参照のこと)。酸化された誘導体(7)及び(8)の形成は、好ましくはメタノール水溶液中、一過硫酸カリウム、例えばOxone(登録商標)(DuPont de Nemoursより提供)を用いた酸化により達成される。短い反応時間及び低温(0℃)がスルホキシド(7)(単一の立体異性体)を与える一方、室温での長い反応時間がスルホン(8)を与える。
【0028】
X線構造解析(図1を参照のこと)が、化合物(6)及び酸素により架橋されたアナログ(式(I)の21−デオキシ化合物)の両者のX線結晶構造の重ね合わせを示す。
スキーム2は、3−保護された19−スルファニル−ステロイドの「1つの容器での」ヨード環化/脱保護/脱ハロゲン化水素反応、並びに可能性のある副作用を示す。所望の化合物(18)を、クロマトグラフィー又は再結晶化により分離しうる。
【化20】
以下に、21−ヒドロキシ・アナログ(3)、(4)、及び(5)の好ましい製造方法を説明する。
【0029】
(I)に対応する硫黄アナログ、すなわち21−ヒドロキシ−6,19−スルファニルプロゲステロン((3);21OH−6SP)は、酸化された誘導体(4)及び(5)と一緒に合成される。前記合成手順は、ブロモケトン(14)から始まる(スキーム3を参照のこと)。化合物(14)は、わずかな除去産物を含むが、化合物(14)とその除去産物の両者が同じ反応条件下で19−ヒドロキシ−デオキシコルチコステロンに変換されるのでこれは収率には影響しない。便宜上、ブロモケトン(14)から始まっている開発した好ましい合成手順を示す。
【化21】
【0030】
ステップ
a) Zn−AcOH/iPrOH、70℃ (VFQ);
b) 1. (F3CSO2)2O /py; 2. KSAc /アセトン;
c) エチレングリコール(EtO)3CH /PTSA、(その後VFC)。
d) KOH/MeOH。
e) I2、Et3N、CH2Cl2 (その後VFC)。
スキーム3のチオ酢酸の加水分解は、メタノール中、KOH(炭酸カリウムに代えて)を用いた、21−ヒドロキシ−20−ケト−ステロイドに組み込まれているC−21の脱アセチル化と同時に実行されるからである。一過硫酸カリウム、例えば:Oxone(登録商標)を用いた直接的な(3)の酸化は、側鎖に影響することなく反応条件に依存してスルホキシド化合物(4)及びスルホン化合物(5)を生じる(スキーム4)。
【化22】
本発明を、以下の実施例を用いてここでさらに説明する:
【0031】
実施例
材料及び方法
試薬:
概要.融点をフィッシャー−ジョン装置で測り、矯正していない。IRスペクトルを、Nicolet Magna IR 550 FT−IRスペクトロメーターによりKBrディスクを用いて薄膜に記録した。1H及び13C NMRスペクトルを、(内部標準としてTMSを用いて)重水素クロロホルム中、Bruker AC−200又はAM−500 NMRスペクトロメーターにより計測する。J値をHzで与える。スペクトルを、DEPT、COSY45、及びHETCOSYスペクトルの解析とプロゲステロンのそれとの比較により割り当てた。
【0032】
電子衝撃質量スペクトル(EI)を、直接導入により70 eVでVG Trio 2質量分析計で計測した。FAB質量スペクトル及び電子衝撃高解像度質量スペクトル(HRMS)を、VG ZAB BEQQ質量分析計で得る。使用した全ての溶媒が試薬等級である。溶媒を、真空下、約45℃で留去する。亜鉛紛末を、1MのHCl中への懸濁し、水、無水エタノール、及びジエチルエーテルにより洗浄し、そして120℃で2時間乾燥させることにより活性化する。全ての化合物の均一性を、薄層クロマトグラフィーにより確認する。
【0033】
以下の実施例1〜4において、化合物(14a)は出発化合物であり、そして化合物(14b)、(14c)、及び(14d)は、化合物(14)(5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−3,20−ジオン)の合成をもたらす中間化合物である。
実施例 1
3β−ホルミルオキシ−21−aアセチルオキシ−5−プレグネン−20−オン(14a)
無水酢酸(13.4 ml)を、0℃でギ酸(6.6 ml)に滴下にて添加し、この溶液を50℃で15分間加温し、そして0℃に急冷した。得られたアセトギ酸無水物溶液を、0℃で、ピリジン(20.8 ml)中、21−アセトキシプレグネノロン(市販品、8.0 g)の撹拌された懸濁液に滴下にて添加し、撹拌をその温度で2時間続ける。前記反応液を、冷却した飽和重炭酸ナトリウム水性溶液に注ぎ、ろ過し、そしてその固体を飽和重炭酸ナトリウム水性溶液、水、及び1N HClにより(中和するまで)洗浄し、ホルメートである表題の化合物を得た(8.0 g);1H NMR (200.13 MHz) δSH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 1.02 (3H, s, 10−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.53 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 4.50 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21b−H), 5.32 (1H, m, 3−H), 5.38 (1H, d, J= 3.0 Hz, 6−H), 8.02 (1H, s, HCOO)。
【0034】
実施例 2
3β−ホルミルオキシ−5α−ブロモ−6β−ヒドロキシ−21−アセチルオキシプレグナン−20−オン(14b)
ホルメート(14a)(8.0 g)を、ジエチルエーテル(100 ml)及びTHF(37.2 ml)中に溶解し、10℃に冷却する。10〜15℃で撹拌している−遮光された−溶液に、7.5%の過塩素酸(11.88 ml)を添加し、続いて8つの部分で25分間にわたりN−ブロモアセトアミド(4.75 g)を添加する。撹拌を、25℃で45分間続け、そして完全に脱色するまで10%のチオ硫酸ナトリウム水性溶液を添加することにより反応を止める。次に、反応混合物を、ジクロロメタン/メタノール10:1で抽出し、そして有機層を、水により洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させて、そして溶媒を留去して、ブロモヒドリン(14b)(10.4 g、1H NMRにより測定されるとおり20%の5α−ヒドロキシ−6β−ブロモ異性体を含んでいる)を得る。
【0035】
実施例 3
3β−ホルミルオキシ−5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−20−オン(14c)
25℃の循環する水による外部冷却ジャケット及び撹拌機を備えた1リットルのガラス容器に含まれた新たに蒸留したジクロロメタン(723 ml)中、ブロモヒドリン化合物(14b)(10.4 g、20%の5α−ヒドロキシ−6β−ブロモ異性体を含んでいる)の溶液を通して窒素を5分間バブリングする。ジアセトキシヨードベンゼン(スアレス試薬、7.66 g)及びヨウ素(5.46 g)を、撹拌しながら連続して添加する。容器を2つの300ワット・タングステンランプ(各5000 lm)に晒し、激しい撹拌を25℃で1時間続ける。照射を止め、そして完全に脱色するまでチオ硫酸ナトリウムの飽和水性溶液を添加する。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させて、溶媒を留去する。得られた固体をジクロロメタン(8 ml)で溶解し、ヘキサンで前もってフラッシュしたシリカゲル G−60カラム(12 cmの直径×8 cmの高さ)に適用する;ヘキサン−酢酸エチル9:1(1100 ml)、8:2 (700 ml)、7:3 (700 ml)、及び6:4 (600 ml)により(真空を出口に適用して)連続して溶出し、31×100 mlの画分を得る。画分をTLCにより分析し、そしてブロモエーテル(14c)を含んでいるそれらをプールし、乾燥するまで留去して(14c)(6.8 g)を得る。1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.52 (1H, t, J= 8.8 Hz, 17−H), 3.73 (1H, d, J= 8.4 Hz, 19a−H), 3.94 (1H, d, J = 8.4 Hz, 19b−H), 4.08 (1H, d, J= 4.2 Hz, 6−H), 4.50 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21a−H), 4.71 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21b−H), 5.34 (1H, m, 3−H), 8.02 (1H, s, HCOO)。
【0036】
実施例 4
3β−ヒドロキシ−5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−20−オン(14d)
先に得られたブロモエーテル(14c)(6.8 g)の撹拌した溶液を、ジクロロメタン(45.7 ml)とメタノール(154.7 ml)中に溶解し、そして氷浴中で0℃に冷却し、そして水(10.9 ml)、さらに濃HC1 (23.0 ml)を添加する。0℃での激しい撹拌の約30分後(TLCにより出発材料の消失が観察される)、この反応混合物を20%の水酸化ナトリウム水性溶液により中和し、そしてジクロロメタンで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、そして溶媒を留去し、アルコール化合物(14d)(6.5 g)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.69 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.52 (1H, t, J= 8.5 Hz, 17−H), 3.62 (1H, d, J= 8.5 Hz, 19a−H), 3.92 (1H, d, J = 8.5 Hz, 19b−H), 4.07 (1H, d, J= 4.0 Hz, 6−H), 4.15 (1H, m, 3−H), 4.51 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21b−H)。
【0037】
実施例 5
5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−3,20−ジオン(14)
無水ジクロロメタン (480 ml)中、塩化クロム酸ピリジウム(12.1 g)、炭酸バリウム(5.0 g)、及び3Åモレキュラーシーブ(9.60 g)の懸濁液を、窒素下で約10分間撹拌する。得られたオレンジ色のスラリーに、無水ジクロロメタン(324 ml)中の先に得られたブロモエーテル(14d)(6.5 g)の溶液を添加し、そして出発材料(TLC)が消えるまで、約90分間撹拌を続ける。反応混合物を短いシリカゲルG 60カラム(12 cmの直径×8 cmの高さ)に透過させ、ジエチルエーテル(2×150 ml)及びヘキサン−酢酸エチル1:2(3×150 ml)により洗浄した。産物を含んでいる画分をプールし、乾燥するまで留去して、5.5 gのケトン(14)を得る(約10 %のΔ4−3−ケトンを含む);1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.51 (1H, t, J= 8.5 Hz, 17−H), 2.85 (1H, d, J= 16.0 Hz, 4a−H), 3.40 (1H, d, J= 16.0 Hz, 4b−H), 3.90 (1H, d, J= 9.0 Hz, 19a−H), 4.07 (1H, d, J= 4.0 Hz, 6−H), 4.15 (1H, d, J = 9.0 Hz, 19b−H), 4.50 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21a−H), 4.71 (1H, d, J=17.0Hz,21b−H)。
【0038】
実施例1〜5の合成手順に続いて、実施例1の出発化合物である21−アセトキシプレグネノロンの代わりに酢酸プレグネノロンを使用することにより、(14) 及び(14a〜d)に対応の21−デオキシ誘導体を得る。
実施例 6
19−ヒドロキシ−21−アセチルオキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(15)
70℃で実施例5の5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−3,20−ジオン(14)(2.5 gr、5.4 mmol)を、プロパン−2−オール(257 ml)中に懸濁する。酢酸(19.3 ml)及び活性化した亜鉛紛末(6.4 g、mmol)を添加する。この懸濁液を、撹拌して、70〜75℃で4 時間加熱し、冷却し、ろ過し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。
溶出液としてヘキサン−酢酸エチルを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで、19−ヒドロキシ−21−アセトキシプロゲステロン(15)(1.1 g、53%)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO) 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.89 (1H, d, J= 10.8 Hz, 19a−H), 4.05 (1H, d, J = 10.8 Hz, 19b−H), 4.50 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21b−H), 5.95 (1H, s, 4−H)。
【0039】
実施例 7
3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−21−アセチルオキシ−5−プレグネン−20−オン(l7)
冷ピリジン(6.4 ml)中、19−ヒドロキシ−21−アセトキシプロゲステロン(15) (620 mg、1.60 mmol)溶液を、冷ピリジン(3.6 ml)中、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.7 ml、4.16 mmol)の撹拌している溶液に窒素下、滴下にて添加する。この溶液を、室温まで暖め、1時間後に冷ジクロロメタン(98.0 ml)を添加する。この反応混合物を、1M冷硫酸、5%の重炭酸ナトリウム水性溶液、及び水により洗浄し、乾燥させ、乾くまで留去して、未精製の19−トリフリルプロゲステロン−21−アセテートを得る。次に、これ(780 mg、1.60 mmol)を、アセトン(40.0 ml)中、チオ酢酸カリウム(780 mg、6.83 mmol)と混合し、そして窒素下、室温で20時間撹拌する。この反応混合物を、ジクロロメタンにより希釈し、ろ過し、そして乾燥するまで留去して、未精製の19−アセチルスルファニルステロイド(16) (712 mg、100 %)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.74 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.32 (3H, s, 19−CH3COS), 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.18 (1H, d, J= 13.7 Hz, 19a−H), 3.47 (1H, d, J = 13.7 Hz, 19b−H), 4.50 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21b−H), 5.87 (1H, s, 4−H)。
【0040】
エチレングリコール(0.55 ml、9.9 mmol)中、化合物(16) (460 mg、1.03 mmol)の溶液に、オルトギ酸エチル(0.80 ml、4.8 mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(39.0 mg、0.205 mmol)を添加する。この混合物を窒素下、室温で2時間撹拌し、飽和NaHCO3水性溶液に注ぎ、そしてジクロロメタンにより抽出する。溶出液として酢酸エチル−ヘキサンを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで化合物(17) (220 mg、46%)を得る;1H NMR δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.31 (3H, s, 19−CH3COS), 2.50 (1H, t, J= 8.4 Hz, 17−H), 3.03 (1H, d, J= 14.0 Hz, 19a−H), 3.36 (1H, d, J= 14.0 Hz, 1H), 3.94 (4H, m, ケタール), 4.50 (1H, d, J= 16.7 Hz, 21a−H), 4.70. (1H, d, J =16.7 Hz、21b−H), 5.53(1H, brd, J =2.7 Hz、6−H)。
【0041】
実施例 8
21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル−4−プレグネン−3,20−ジオン(3)
チオアセテート(17) (88.0 mg、0.19 mmol)を、無水メタノール(2.5 ml)中に溶解し、そしてこの混合物を、15分間の無水窒素のバブリングにより酸素除去した。メタノール(0.14 ml)中、KOH(20 mg、0.38 mmol)の溶液を、添加し、そして前記混合物を、室温で15分間撹拌する。この反応混合物を、水で希釈した1N HClにより中和し、濃縮し、ジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去して、19−スルファニル誘導体(18) (55.0 mg、77%)を得た。
【0042】
0℃に冷却した無水ジクロロメタン(40 ml)中、トリエチルアミン(0.022 ml、0.16 mmol)とヨウ素(78.6 mg、0.31 mmol)の溶液に、チオール(18) (55 mg、0.15 mmol)の溶液を添加し、そしてこの混合物を0℃で30分間撹拌し、そして室温で2時間撹拌する。無色透明な混合物が得られるまで飽和チオ硫酸ナトリウム水性溶液を添加し、そしてこの反応混合物をジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去し、続いて溶出液として酢酸エチルを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにより21−ヒドロキシ−6,19スルファニル−4−プレグネン−3,20−ジオン(3.23 mg、44%)νmax(KBr)/cm−1 3465, 2938, 1712, 1676, 1070, 735;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.76 (3H, s, 13−CH3), 2.46 (1H, t, J= 9.3 Hz, 17−H), 2.57 (1H, d, J= 10.7,19a−H), 3.04 (1H, d, J= 10.7,19b−H), 3.90 (1H, dd, J = 1.0 及び 1.5 Hz, H−6), 4.16 (1H, d, J= 11.0 Hz, 21a−H), 4.22 (1H, d, J= 11.0 Hz, 21b−H), 5.79 (1H, s, H−4);13C NMR表9を参照のこと;EIMS m/z 360(32) [M]+, 344(16), 329(34), 301(100), 153(54), 91(43), 43(99)。
【0043】
実施例 9
21−ヒドロキシ−6,19−スルホキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(4)
0℃でメタノール(4.3 ml)中、未精製化合物(3) (47.5 mg、0.13 mmol)の溶液に、水(2.8 ml)中、Oxone(登録商標) (127.4 mg、0.40 mmol)の溶液を添加する。室温で30分間撹拌した後に、この混合物を、飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。予備TLC(CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、スルホキシド(4) (24.0 mg、48%)を得る;νmax(KBr)/cm−1 3458, 2938, 1719, 1667, 1077, 1041;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.68 (3H, s, 13−CH3), 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.72 (1H, d, J= 20.0 Hz, 19a−H), 3.88 (1H, d, J= 20.0 Hz, 19b−H), 3.83 (1H, bt, 6−H), 4.18 (2H, bs, 21−H), 6.08 (1H, s, 4−H);13C NMRは表9を参照のこと;EIMS m/z 376(12) [M]+, 359(38), 345(6), 313(62), 159(38), 91(55), 55(100), 41(99)。
【0044】
実施例 10
21−ヒドロキシ−6,19−スルホン−4−プレグネン−3,20−ジオン(5)
0℃でメタノール(4.3 ml)中、未精製化合物(3) (47.5 mg、0.13 mmol)の溶液に、水(4.3 ml)中、Oxone(登録商標) (190.4 mg、0.60 mmol)の溶液を添加する。室温で24時間撹拌した後、この混合物を飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。予備TLC (CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、スルホン(5) (26.0 mg、50 %)を得る;νmax(KBr)/cm−1 3465, 2945, 1712, 1676, 1305, 7420;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.75 (3H, s, 13−CH3), 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.45 (1H, d, J= 13.5 Hz, 19a−H), 3.98 (1H, d, J= 13.5 Hz, 19b−H), 3.82 (1H, br s, 6−H), 4.19 (2H, bs, 21−H), 6.09 (1H, s, 4−H); EIMS m/z 392(1) [M]+, 361(29), 333(11), 267(23), 253(15), 91(43), 55(77), 43(100)。
【0045】
実施例 11
19−ヒドロキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(11)
実施例1〜5により得られる21−アセトキシ−6,19−ブロモエーテル(14)に相当する21−デオキシ−6,19−ブロモエーテル(10) (2.09 g、4.9 mmol)を、プロパン−2−オール(175 ml)中に懸濁し、そして酢酸(15.6 ml)及び活性化亜鉛紛末(5.2 g)を添加する。この懸濁液を、撹拌し、70〜75℃で4時間加熱し、冷却し、ろ過し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。溶出液としてヘキサン−酢酸エチルを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで、19−ヒドロキシプロゲステロン(11) (0.92 g、53 %)を得る、m.p. 165〜168℃ (メタノールから); 1H NMRは正式な標準と一致。
【0046】
実施例 12
3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−5−プレグネン−20−オン
冷ピリジン(5.2 ml)中、19−ヒドロキシプロゲステロン(11) (522 mg、1.58 mmol)の溶液を、冷ピリジン(3.6 ml)中、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.7 ml、4.16 mmol)の撹拌された溶液に窒素下、滴下にて添加する。この溶液を室温まで暖め、1時間後に冷ジクロロメタン(95.0 ml)を添加する。この反応混合物を、1Mの冷硫酸、5%の重炭酸ナトリウム水性溶液、及び水で洗浄し、乾燥させて、乾くまで留去して、オレンジの固体として未精製のトリフル酸(680 mg、100 %)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.68 (3H, s, 13−CH3), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, H−17), 4.68 (2H, qAB, J = 10.0 Hz, 19−H), 5.00(1H, s, H−4)。
【0047】
アセトン(35.0 ml)中、未精製の19−トリフリルプロゲステロン (680 mg、1.58 mmol)及びチオ酢酸カリウム(680 mg、6.0 mmol)の混合物を、窒素下、室温で20時間撹拌する。この反応混合物を、ジクロロメタンにより希釈し、ろ過し、そして乾燥するまで留去して、未精製の19−アセチルスルファニルステロイド(12) (614 mg、100 %)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.32 (3H, s, 19−CH3COS), 2.55 (1H, t, J= 8.7 Hz, H−17), 3.19 (1H, d, J= 13.6 Hz, 19a−H), 3.49 (1H, d, J= 13.6 Hz, 19b−H), 5.88 (1H, s, 4−H);
エチレングリコール(0.85 ml、15.4 mmol)中、19−アセチルスルファニルステロイド化合物(12) (614mg、1.58 mmol)の溶液に、オルトギ酸エチル(1.26 ml、7.2 mmol)及びp−トルエンスルホン酸(52.0 mg、mmol)を添加する。混合物を窒素下、室温で2時間撹拌し、飽和NaHCO3水性溶液に注ぎ、そしてジクロロメタンにより抽出する。溶出液として酢酸エチル−ヘキサンを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで、3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−5−プレグネン−20−オン(256 mg、63%);m.p. 151〜153℃ (EtAcO−ヘキサンから)。(実測:C 69.1, H 8.4%;C25H36O4Sは、C 69.41, H 8.39%を要求する);νmax(KBr)/cm−1;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.65 (3H, s, 13−CH3), 1.62 (1H, m, 7a−H), 2.11 (3H, s, 20−CH3), 2.31 (3H, s, 19−CH3COS), 2.10 (1H, m, 7a−H), 2.53 (1H, t, J= 8.8 Hz, H−17), 3.03 (1H, d, J = 14.4 Hz, 19a−H), 3.37 (1H, d, J= 14.4 Hz, 19b−H), 3.94 (4H, m, ケタール), 5.53 (1H, brd, J = 5.0 Hz, 6−H)。
【0048】
実施例 13
6,19−スルファニル−4−プレグネン−20−オン(6)
実施例12の3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−5−プレグネン−20−オン(64 mg、0.16 mmol)を、メタノール(1.8 ml)中に溶解し、そしてこの混合物を、15分間無水窒素をバブリングしてそれに通すことにより酸素除去する。メタノール(0.10 ml)中、KOH(14.5 mg、0.28 mmol)の溶液を添加し、そしてこの混合物を室温で15分間撹拌する。次に、この反応混合物を、水により希釈した1N HClによって中和し、濃縮して、ジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去して、19−スルファニル誘導体(13) (45 mg、77%)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 1.25 (1H, dd, J = 4.7 及び 8.5 Hz, 19−HS), 1.63 (1H, m, 7α−H), 2.12 (1H, m, 7β−H), 2.77 (1H, t, J = 8.5 Hz, 17−H), 2.56 (1H, dd, J = 11.1 及び 8.5,19a−H), 3.07 (1H, dd, J = 11.1 及び 4.7,19b−H), 3.94 (4H, m, ケタール), 5.66 (1H, brd, J = 5.0 Hz, H−6);
0℃に冷却した無水ジクロロメタン(32 ml)中、トリエチルアミン(0.018 ml、0.13 mmol)及びヨウ素(63 mg、0.25 mmol)の溶液に、チオール(13) (45 mg、0.12 mmol)の溶液を添加し、そして0℃で30分間、次に室温で2時間撹拌する。無色透明の混合物が得られるまで、飽和チオ硫酸ナトリウム水性溶液を添加し、そしてこの反応混合物をジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去し、続いて溶出液として酢酸エチルを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで6,19−スルファニル−4−プレグネン−20−オン(6) (19 mg、46%)を得る;m.p. (EtAcO−ヘキサンから)183〜185℃;(実測:C 73.2、H 8.4、S 9.4%;C21H28O2Sは、C 73.21、H 8.19、S 9.31を要求する);νmax(KBr)/cm−1 2945, 1712, 1667, 1362, 1191, 742;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.74 (3H, s, 13−CH3), 1.62 (1H, m, 7α−H), 1.99 (1H, m, 7β−H), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, 17−H), 2.57 (1H, d, J = 10.5Hz, 19a−H), 3.05 (1H, d, J = 10.5 Hz, 19b−H), 3.89 (1H, dd, J = 2.2 及び 3.6, 6−H), 5.80 (1H, s, 4−H);EIMS m/z 344(3) [M]+, 254(5), 149(5), 84(50), 49(100)。
【0049】
実施例 14
6,19−スルホキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(7)
メタノール(1.9 ml)中、未精製の化合物(6) (20.0 mg、0.06 mmol)の溶液に、0℃で、水(1.26 ml)中、Oxone(登録商標)(56.9 mg、0.18 mmol)の溶液を添加する。室温で30分間撹拌した後、この混合物を飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮して、ジクロロメタンにより抽出する。予備TLC (CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、6,19−スルホキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(7、9.5 mg、45%)を得る;νmax(KBr)/cm−1 2938, 1705, 1669, 1362, 1177, 1035, 735;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, IS−CH3), 2.11 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, 17−H), 3.75 (1H, d, J = 24 Hz, 19a−H), 3.98 (1H, d, J = 24 Hz, 19b−H), 3.83 (1H, bt, J = 2.2 及び 3.6, 6−H), 6.07 (1H, s, 4−H); EIMS m/z 360 [M]+(1.3), 345(1), 344(3), 312(1), 297(6), 255(5), 43(100)。
【0050】
実施例 15
6,19−スルホン−4−プレグネン−3,20−ジオン(8)
メタノール(1.9 ml)中、未精製の化合物(6) (20.0 mg、0.06 mmol)の溶液に、0℃で、水(3.0 ml)中、Oxone(登録商標) (87.9 mg、0.27 mmol)の溶液を添加する。室温で24時間撹拌した後、この混合物を、飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮して、ジクロロメタンにより抽出する。予備TLC (CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、6,19−スルホン−4−プレグネン−3,20−ジオン(8、10.0 mg、44 %)を得る;νmax(KBr/cm−1) 2945, 1697, 1312, 1134, 735;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.73 (3H, s, 13−CH3), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, 17−H), 2.98 (1H, d, J = 13.3Hz, 19a−H), 3.46 (1H, d, J= 13.3 Hz, 19b−H), 3.83 (1H, t, J= 2.6, 6−H), 6.09 (1H, s, 4−H);EIMS m/z 376 [M]+(4), 358(1), 343(1), 344(1), 329(1), 312(13), 279(1.5)。
【0051】
生物学的アッセイ
I.抗免疫抑制活性
細胞アッセイ:ラット胸腺細胞のアポトーシス
a) 根拠:
細胞死の解析(インビトロ):
グルココルチコイドは、胸腺細胞のアポトーシスを誘発することが示されている(J.Exp.Med. 184 (5) p.1631−8,1996 Nov 1)。これに基づき、本発明の化合物の抗グルココルチコイド特性を、所定の試験化合物による処理後のラット胸腺細胞のアポトーシスの減少/増加を試験することにより決定する。従って、スルファニル・アナログ(3)、スルホキシ・アナログ(4)、及びスルホン・アナログ(5)のアポトーシスを妨げる能力を評価するために実験を実行し、21OH−6OP (I)の活性と比較した。実験は、試験したアナログが10−4Mで同等に有効であるか、又は21OH−6OP (I)より活性であることを示した。
【0052】
アポトーシスの調節を、フローサイトメトリーにより分析した。この方法は、サンプル中のアポトーシス細胞を蛍光定量的に定量することから成る。正常な生菌において、ホスファチジルセリン(PS)は、細胞膜の細胞質表面に存在する。アポトーシスの誘導により、ほとんどの細胞タイプのリン脂質の組成の急速な変化が生じ、細胞表面へのPSの露見を生じる。外面化したPSのインビトロにおける検出を、抗凝血性アネキシンVとの相互作用を通して実現する。カルシウムの存在により、PSへのアネキシンVの迅速で高い親和性の結合が生じる。細胞表面へのPSの転移は、核の崩壊、DNA断片化、及び大部分のアポトーシス関連分子の出現に先行し、アネキシンVの初期アポトーシス・マーカーの結合をもたらす。
【0053】
使用したアッセイにおいて、アネキシンVのフルオレセイン・イソチオシアネート(FITC)抱合体を使用し、フローサイトメトリーによるアポトーシスの検出を可能にする。膜が透過性になることは、ネクローシスにおいても観察されるので、同様にネクローシス細胞もアネキシンV−FITCを結合する。ヨウ化プロピジウムを生細胞及び初期アポトーシス細胞を区別するために使用し、その結果、後者はFITCのみに標識される一方、後期アポトーシス細胞はFITC及びヨウ化プロピジウムにより標識される。
【0054】
b) 方法論:
Oncogen Reserch products(cat. No.PF032)製のアネキシンV−FITCアポトーシス検出キットを、製造業者により推薦されたRAPIDプロトコールに従い使用した。手短に言えば、様々な化合物(以下を参照のこと)によるインキュベーションの後、細胞を2000 rpmで5分間遠心分離し、その培地を回収し、そして細胞ペレットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)により洗浄した:細胞を結合バッファー中に1×106細胞/mlの密度で再懸濁した。結合試薬(10 μl)及びアネキシンV/FITC (1.25 μl)を添加し、そして細胞を遮光した状態で室温で15分間インキュベートした。細胞を、遠心分離し、そしてペレットに結合バッファー(0.5 ml)及びヨウ化プロピジウム(10 μl)を添加した。サンプルを、Cytoron Absolute cytometer (Orfho Diagnostic Systems)のフローサイトメトリーにより分析した。データをWimdi 2.7により解析した。
【0055】
c) 結果:
前述のプロトコールを、デキサメタゾン(アポトーシスを誘発する)10−8Mのみ、及び前記試験化合物の存在下でインキュベートした胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを分析するために使用した。10−6MでのRU−486(11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−17−ヒドロキシ−13−メチル−17−プロプ−1−イニル−1,2,6,7,8,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン)を、正の対照(基準物質)として使用した;試験化合物を、10−5Mで試験した。デキサメタゾン、及び対応の試験化合物(3)、(5)、及び(8)の存在下、37℃で4時間、胸腺細胞をインキュベートし、そして先に示したとおり処理した。
【0056】
得られたサイトグラムを、図3a〜3fに示す、ここでGR−FLは、FITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLは、ヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味する。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の象限/右に現われる。PSを晒しているが完全な細胞膜有する初期アポトーシス細胞は、下の左の象限に現れる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞は、上の右の象限に現われる。わずかなパーセンテージの正常な細胞死が生じもするが、この場合は何も観察されない。
以下の表1において、観察された全アポトーシス(初期アポトーシス+後期アポトーシス)のパーセンテージを、各々の化合物について報告する。
【表1】
【0057】
II.リポーター遺伝子の発現:(リポーター遺伝子アッセイ):
Cos−1系におけるpMMTV (マウス乳癌ウイルス)Luc(ルシフェラーゼ)発現
リポーター遺伝子アッセイの概要は、Biotechniques vol.7 No.10 (1989)で見られる。このアッセイは、試験化合物のグルコ/抗グルコ、及びプロゲスチン/抗プロゲスチン効果の間を区別するかもしれない。37℃で5%のCO2雰囲気中、10%の牛胎仔血清(Bioser)、3.7 g/lの炭酸ナトリウム、及び100 IUのペニシリン G、1OO μg/mlのストレプトマイシン、0,25 μgのアンホテリシンBを補った、8mlのD−MEM (ダルベッコ変法イーグル培地Gibco BRL)により細胞を100 mmプレート上に培養した。細胞を、0.25%のトリプシン、1 mM EDTAにより処理し、そして60 mmプレートに5×105細胞/プレートの密度で蒔いた。Cos−1細胞を、グルココルチコイド・レセプターをコードする構築物、及びMMTVプロモーター下のルシフェラーゼ遺伝子を含む構築物により形質移入した。それぞれルシフェラーゼ及びグルココルチコイド・レセプターをコードしているpMMTV−Luc及びpRSV−GRベクターを3 pmoles含んでいる溶液に、25 μlの2M CaCl2溶液を添加する、リン酸カルシウムによる沈殿により細胞を形質移入した。マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーターは、グルココルチコイド・レセプター(GR)を介してグルココルチコイド・ホルモンにより誘発される(EMBO Jun 1 20(11) p.2802−11 (2001))。PRSV−lacZベクターを、形質移入の対照として使用した。
【0058】
形質移入混合物を、等量の、ホスフェート含有形質移入バッファー2× BBSに滴下にて添加した。500 μlの混合物全体を、各々のプレートに添加し、そして16時間インキュベートした。細胞を洗浄し、そして10%の無ステロイド血清を含む培地中、デキサメタゾンにより36時間処理した。インキュベート後に、細胞をTBSにより2度洗浄した。300 μlの溶解バッファーを、各々のプレートに添加し、そして室温で15分間インキュベートした。上清からルシフェラーゼ活性を測定した。ベータ−ガラクトシダーゼ活性を内部標準として使用した。一部の不明なものにおいてPromegaキットを利用してルシフェラーゼ発現を、アッセイし、Junior照度計(EG&G Berthold, Germany)を用いて計測した。
【0059】
βガラクトシダーゼを、フェニルガラクトシドの加水分解により測定した。図4で示されるように、10−6Mの濃度での試験化合物(4) (すなわち、21OH−6,19 SP)の使用は、ルシフェラーゼ/βガラクトシダーゼ比の約65%の削減を与える。RU486を正の対照として使用した。この実験は、グルココルチコイド・レセプターにおいてのスルホキシド21OH−SOP(4)の抑制活性を確認する。デキサメタゾンの不存在下で使用されるとき、試験したステロイドのどれもが効果自体をを示さなかった、すなわち、それらは、前記実験条件下ではグルココルチコイド・レセプターのアゴニストでない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
内因性コルチゾール産生に関連している経路を説明する。
【図2】
6,19−オキシドプロゲステロン(I)(6OP)及び6,19−スルファニル−プロゲステロン(6)のX線構造の最小二乗オーバーレイを示す。
【図3a】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)のみにより胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3b】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6OP(10−5 M)(化合物(I))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3c】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6SOP(10−5 M)(化合物(4))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3d】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+RU−486(10−6 M)により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3e】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6SP(10−5 M)(化合物(3))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3f】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6SO2P(10−5 M)(化合物(5))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図4】
以下に記載のリポーター遺伝子アッセイの関し、基準物資(RU 486)に対する、終濃度10−6 Mで使用した試験化合物(1)、(3)、(4)、及び(5)の活性を表わす。Dexaは、デキサメタゾンを意味し、そしてRU−486(11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−17−ヒドロキシ−13−メチル−17−プロプ−1−イニル−1,2,6,7,8,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン)を正の対照として用いた。縦座標がルシフェラーゼ単位/β−ガラクトシダーゼ単位に相当する。
本発明の分野:
本発明は、新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログ、グルココルチコイド過剰に関連した疾患の予防及び/又は治療のための抗グルココルチコイド物質としてのそれらの使用に関する。特に、本発明は、クッシング症候群、医原性高コルチゾール症、又はうつ病の治療のための新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログの使用に関する。また、本発明は、新規21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)アナログの製造方法に関する。
【0002】
本発明の背景:
コルチコステロイドは、構造上コレステロールに関連するステロイドホルモンである。これらのホルモンは、副腎皮質で合成され、グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)、電解質コルチコイド(例えば、アルドステロン)、並びにわずかなアンドロゲン及びエストロゲンを含んでいる。甲状腺のそれのような副腎の機能は、視床下部(HPT)及び脳下垂体(PIT)の制御下にある。コルチゾール(天然のグルココルチコイド)のレベルがセットポイント以下に下がった時、視床下部は、脳下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)放出を刺激するCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)を放出する。ACTHは、以下の
・コルチゾールの合成及び分泌(それは、アルドステロンの合成/分泌に対して最小限の影響しか与えない)、そして
・副腎の成長、
を刺激する刺激ホルモンである。コルチゾールがレベルが上昇した時、これは、CRH及びACTHの分泌を止める(図1を参照のこと)。
【0003】
コルチゾールは、生合成及びグルコースの代謝に関連するその性質、並びに非特異的並びに特異的免疫性に関連する性質により特徴づけられる。グルコース代謝へのそれらの効果のために、コルチゾール並びに天然又は合成のそれらのアナログが、通常グルココルチコイドと名付けられる。それらは、グルココルチコイド・レセプター(GR)に結合する。
【0004】
グルココルチコイド・レセプターは、リガンド活性化転写因子として機能する細胞内レセプターに密接に関連するタンパク質スーパーファミリーのメンバーである。このスーパーファミリーの他のメンバーは、電解質コルチコイド・レセプター(MR)及びプロゲステロン・レセプター(PR)である。MRとGRは高いホモロジーを示し、それ故に、天然及び合成ステロイドでさえ、これらのレセプターの間に交差反応を示した。PRに関して、その天然のリガンドであるプロゲステロンが同様にMR及びGRと交差反応する。
【0005】
クッシング症候群は、コルチゾールの副腎皮質からの分泌の増加の結果として生じる不調である。副腎皮質の機能亢進は、ACTHに依存しているかもしれないし、又はACTH調節に非依存、例えば副腎皮質腺腫又は悪性腫瘍によるコルチゾールの産生であるかもしれない。外因性のコルチゾール又は関連する合成アナログの超生理学的な量の投与は、副腎皮質の機能を抑圧して、そしてACTH非依存性グルココルチコイド機能亢進に似た症状を呈する。副腎皮質のACTH依存性機能亢進は、脳下垂体によるACTHの分泌過多、肺の小細胞癌(異所性ACTH症候群)のような非脳下垂体腫瘍によるACTHの分泌、又は外因性ACTHの投与によるかもしれない。「クッシング症候群」という用語は、原因にかかわらず起こるコルチゾール過剰によりもたらされる臨床像に適用される一方、脳下垂体のACTH過剰から起こっている副腎皮質の機能亢進は、しばしばクッシング病と呼ばれ、特定の生理学的な異常を示す。クッシング病の患者は、脳下垂体の好塩基性腺腫か色素嫌性腺腫を持っているかもしれない。微小腺腫は、通常CTか、好ましくはガドリニウムにより増強させられた高解像度技術を用いたMRIスキャンにより可視化されることができる。いくつかの微小腺腫は、これらの手法によってでさえ可視化することが困難である。いくつかの症例で、ACTH過剰産生の明らかな証拠にもかかわらず、脳下垂体で組織学的異常は見つからなかった。
【0006】
原因にかかわらず(同様に医原性かもしれない)コルチゾール過剰から起こっている臨床像を意味するように本明細書中で意図されているクッシング症候群への言及は、ACTHの注射薬又はコルチゾール、あるいはアレルギー性、喘息性、炎症性、又は免疫学的を含む様々なタイプの疾患で広く使用されるプレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、又はその他のもののような合成アナログの直接的な投与によるいずれかの医原性のものでもありうる。クッシング症候群は、副腎腫瘍のコルチコイドの分泌に加え、異所性ACTH産生、及びクッシング病を含んでいる。
【0007】
臨床徴候は、膨れ上がった外観を持つ丸みのある「満月様」顔貌を含んでいる。目立った鎖骨上の及び背中の頸部の脂肪体(「バッファロー瘤」)を有する体幹性肥満症である;末梢の手足及び指は通常、非常にほっそりしている。筋肉消耗性であり、そして脱力感がある。皮膚は、薄く、そして創傷治癒に乏しく及び傷つきやすい萎縮性である。紫色の線条が、腹部に現われる。高血圧、腎臓結石、骨粗鬆症、グルコース不耐性、感染耐性の低下、及び精神障害であることが珍しくない。直線的な成長の停止が子供に独特である。女性は、通常月経不順を有する。コルチゾールに加えて、アンドロゲンの産生増加は、多毛症、側頭部のはげ、及び女性における他の男性化の徴候をもたらすかもしれない。
【0008】
エストロゲン及びアンドロゲン・レセプターに関連する抗ホルモン薬剤の開発がうまくいっているが、選択的な抗コルチコイドの捜索は、より制限されている。
様々なレベルでステロイドホルモンの合成を抑制する既知の薬剤(すなわち、ステロイドホルモンの合成の様々な段階を触媒する酵素の阻害剤)がJ. Steroid Biochem., vol.5, p.501 (1974)中で検討され、そして以下を含む:
a) ジフェニルメタンの誘導体、例えば アンフェノンB (amphenon B)(11−ベータ−、17−及び21−のヒドロキシラーゼの段階でのステロイドホルモンの合成を抑制する);
b) ピリジンの誘導体(SU−cシリーズ)、例えばメチラポン(metirapon)(11−ベータのヒドロキシラーゼの段階での合成を抑制する);
c) 置換されたアルファ、アルファ−グルタルアミド、例えばアミノグルテチミド(aminoglutetimide)(20−アルファ−ヒドロキシラーゼとC20、C22−リアーゼの抑制によりコレステロールからプレグネノロンの合成を妨げる);
d) ステロイド物質、例えばトリロスタン(3ベータ−置換されたステロイド−3ベータ−ヒドロキシ−5−アンドロステン−17−オン)、3ベータ−デソキシステロイドヒドロゲナーゼ−5.4−イソメラーゼを抑制する(Steroids, vol.32, p.257)。
【0009】
e) 素速く解離する抗電解質コルチコイドとして使用されるスピロノラクトン・ファミリーのステロイド(PNAS USA 71(4) p.1431−1435 (1974))。
f) 腎臓(Z. Naturforsch., 45b, p.711−715 (1990)、及び海馬I型 MR(Life Science, 59, p.511−21 (1996))について特異的な結合特性を示し、II型GRについては示さない抗電解質コルチコイドと説明される合成ステロイド、ZK91587。従って、両方のレセプター・システムを含んでいてる組織におけるMRの機能の調査の道具として都合よく役に立つかもしれない。
【0010】
グルココルチコイドホルモンとホルモン・レセプターの相互作用を特異的に抑制する物質は以下のとおりである:
a) ミフェプリストン(11β,17β)−11−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−17−ヒドロキシ−17−(1−プロピニル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン、グルココルチコイドホルモンのレセプターに働きかけ、グルココルチコイド効果をもたらす機構を開始できない複合体を形成する(Annals of New−York Academy of Science, vol. 761, p.5−28 (1995))上記化合物は、コントラゲスチブ剤(contragestive agent)(RU38486又はRU486)としても知られる。
【0011】
b) 非ステロイド系の物質(J. Steroid Biochem., Vol.31, p.481−492 (1988)、例えば塩酸ドロタベリーナ(drotaverina hydrochloride)(イソキノリン−1−(3.4−ジエトキシベンジリデン)−6.7−ジエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドリゾキノリンの誘導体)、又はアセチルサリチル酸(Moskovskaya Meditsina, 1990, ”Receptor mechanisms of the glucocorticoid effect” by V.P.Golikov).
今まで、臨床条件で試みられた、抗グルココルチコイド物質に関する唯一の治療のための適用(例えば、ミフェプリストン)は、非脳下垂体性クッシング症候群の手術不可能な症例の治療である。ミフェプリストン (抗プロゲステロン物質及び抗グルココルチコイド物質の両方)の場合に、高い服用量(1日につき800 mgまで)が必要とされる。
【0012】
活性を増加させ、そして交差感受性と好ましくない副作用を減少させるための戦略の系統的な適用の利用により、特に抗エストロゲン及び抗アンドロゲンの分野でより大きな効力及び選択性を有する新しい抗ホルモン物質の開発における目覚しい進展が報告された。
さらなる抗グルココルチコイド物質がEP−903’146に開示されており、それは以下の式(I):
【化12】
【0013】
で表される21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(21OH−6OP)を示す合成ステロイドに関する。21OH−6OPは、実質的に子宮PR又は腎臓MRと交差反応しない選択的な抗グルココルチコイド物質であるとして開示されている。
【0014】
本発明の説明:
新しい抗グルココルチコイド化合物を提供することが本発明の目的である。グルココルチコイド過剰に関係する疾患の新しい治療方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
第1の側面において、本発明は、以下の式(II):
【化13】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHである。}
で表される化合物を提供する。
【0015】
第2の側面において、本発明は、薬剤として使用するための以下の式(II):
【化14】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHのいずれかである。}
で表される化合物を提供する。
【0016】
第3の側面において、本発明は、グルココルチコイド過剰に関連した疾患の治療又は予防のための薬剤の製造における以下の式(II):
【化15】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHのいずれかである。}
で表される化合物の使用を提供する。
第4の側面において、本発明は、少なくとも1の21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン・アナログ、及び1以上のそれらの好適な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0017】
第5の側面において、本発明は、本発明の化合物の製造方法を提供する。
新しく見つかった化合物は、式(I)の21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン内のある6,19−酸素架橋の代わりに、6,19−スルファニル−、6,19−スルホキシド−、及び6,19−スルホン架橋を有する。よって、それらは、以下の:
【化16】
{式中、
Xは、S、SO、又はSO2であり、そして
Rは、H又はOHのいずれかである。}
で表される、21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン(I)の硫黄アナログ(II)に、そしてより特に、以下の式(IIa):
【化17】
{式中、
Xは、SO又はSO2である。}
で表される硫黄アナログに相当する。
【0018】
より具体的には、本発明は、以下の3つの21−デオキシ−、及び3つの21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン・アナログに関する:
【化18】
本発明の化合物のさらなる利点は、それらの好都合な合成である。特に、酸化によるスルホキシド(4)及び(7)、及びスルホン(5)及び(8)への化合物(3)及び(6)のスルファニル架橋の変換は、実施されるのに非常に好都合である。さらに、スルホキシド及びスルホン架橋は、化合物の水への可溶性及び安定性を改善する。
【0019】
本発明の抗グルココルチコイド物質は、グルココルチコイド過剰に関係している疾患の治療に好適である。特に、本発明の抗グルココルチコイド物質は、特に哺乳動物の体内のグルココルチコイド過剰に関係するクッシング症候群、医原性高コルチゾール症、及びうつ病の治療に役立つ。同様に、それらは、免疫応答の調節を要する不調の治療に有用である。
【0020】
よって、本発明は、薬剤としての使用のために、式(II)の21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル、及びスルホキシ−、及びスルホニル−プロゲステロンを提供する。
グルココルチコイド過剰に関係する疾患の治療又は予防のための薬剤の製造における、式(II)の21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル、及びスルホキシ−、及びスルホニル−プロゲステロンの使用は、本発明のさらなるさらなる目的である。より好ましくは、式(II)の化合物を、クッシング症候群、医原性高コルチゾール症、うつ病、又は免疫応答の調節の治療のための薬剤において使用する。
【0021】
式(I)の化合物は、1以上のそれらの好適な担体を伴い、通常のステロイド製剤に従って処方される。
本発明のさらなる側面は、式(II)の新規21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル、スルホキシ−、及びスルホニル−プロゲステロン(すなわち、化合物(3)〜(8))の合成方法である。
【0022】
基本的に、式(3)による化合物の製造方法は、以下のステップ:
a) 式(16)の19−チオアセチルステロイドを用意し(スキーム3を参照のこと);
b) その3−ケト基を、好ましくはエチレングリコール基により保護し;
c) 19−チオアセチル基をチオール基に変換し;そして
d) ステップc)の化合物の加水分解を実施する、
を含む(スキーム3を参照のこと)。
【0023】
スルホキシ−及びスルホニル化合物(4)及び/又は(5)は、以下のステップ:
a) 式(3)の化合物を用意し(スキーム4を参照のこと);
b) 好ましくは、酸化剤、例えばオゾン又は一過硫酸カリウム(例えば、Oxone(登録商標))を用いた酸化に上記化合物を晒す、
により一般に得られる。
【0024】
低温(例えば、0℃)での一過硫酸カリウムを用いた処理が、スルホキシドを生じる一方、室温での処理は、スルホンを生じる。
式(6)による化合物の製造は、以下のステップ:
a) 式(11)の19−ヒドロキシプロゲステロンを用意し(スキーム1を参照のこと);
b) 19−ヒドロキシ基をチオアセトキシ基に変換し;
c) その3−ケト基を、好ましくはエチレングリコール基により保護し;
d) 19−チオアセトキシ基をチオール基に変換し;そして
e) ステップd)の化合物の加水分解を実施する、
を含む(スキーム1を参照のこと)。
【0025】
スルホキシ−及びスルホニル化合物(7)及び/又は(8)は、以下のステップ:
a) 式(6)の化合物を用意し;
b) 好ましくは、酸化剤、例えば一過硫酸カリウム(例えば、Oxone(登録商標))を用いた酸化に上記化合物を晒す、
により一般に得られる。
【0026】
以下に、21−デオキシ・アナログ(6)、(7)、及び(8)の好ましい製造方法を説明する。
以下はのものは、使用した略語の一覧である:
− NBA : N−ブロモアセトアミド、
− THF : テトラヒドロフラン、
− VFC : 蒸気流クロマトグラフィー
− PTSA: パラトルエンスルホン酸
− RT : 室温
【化19】
【0027】
ステップ
a) 1. NBA−HClO4/THF−Et2O 30分、RT; 2.ジアセトキシヨードベンゼン、I2、CH2C12、300 Wタングステン・ランプ、2時間、RT; 3、NaOH、MeOH、30分、RT; 4. PCC、4Åモレキュラーシーブ、BaCO3、CH2Cl2、RT。
b) Zn、AcOH、i−PrOH、3時間、70℃ (その後VFC);
c) 1. トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ピリジン、1時間、RT; 2. KSAc、アセトン(無水)、N2、一晩、RT、(その後VFC)。
d) 1. エチレングリコール、オルソギ酸エチル、PTSA、2時間、60℃、N2; 2. K2CO3、MeOH、1時間、RT、N2。
e) I2、Et3N、CH2Cl2、2時間、RT (その後VFC)。
酢酸プレグネノロン(9)から始まり、ブロモエーテル(10)を得、それをイソプロパノール中、Zn/AcOHを用いて還元的に開裂させて19−ヒドロキシプロゲステロン(11)を得る。その19−ヒドロキシ基をトリフレートに変換し、そしてチオ酢酸カリウムにより置き換えて(12)を得る。6,19架橋を形成するために、4,5二重結合を、3−エチレンケタールの形成により5,6位に移動させる。前記チオ酢酸を、好適な塩基を用いて加水分解して遊離の19−チオール(13)を得、この遊離の19−チオール(13)は、ジクロロメタン中、ヨウ素及びトリエチルアミンを用いて直ちに処理される。これは、中間体の分離なしに最終産物6,19−スルファニル−プロゲステロン(6)に向かうカスケード反応を生じる(スキーム2を参照のこと)。酸化された誘導体(7)及び(8)の形成は、好ましくはメタノール水溶液中、一過硫酸カリウム、例えばOxone(登録商標)(DuPont de Nemoursより提供)を用いた酸化により達成される。短い反応時間及び低温(0℃)がスルホキシド(7)(単一の立体異性体)を与える一方、室温での長い反応時間がスルホン(8)を与える。
【0028】
X線構造解析(図1を参照のこと)が、化合物(6)及び酸素により架橋されたアナログ(式(I)の21−デオキシ化合物)の両者のX線結晶構造の重ね合わせを示す。
スキーム2は、3−保護された19−スルファニル−ステロイドの「1つの容器での」ヨード環化/脱保護/脱ハロゲン化水素反応、並びに可能性のある副作用を示す。所望の化合物(18)を、クロマトグラフィー又は再結晶化により分離しうる。
【化20】
以下に、21−ヒドロキシ・アナログ(3)、(4)、及び(5)の好ましい製造方法を説明する。
【0029】
(I)に対応する硫黄アナログ、すなわち21−ヒドロキシ−6,19−スルファニルプロゲステロン((3);21OH−6SP)は、酸化された誘導体(4)及び(5)と一緒に合成される。前記合成手順は、ブロモケトン(14)から始まる(スキーム3を参照のこと)。化合物(14)は、わずかな除去産物を含むが、化合物(14)とその除去産物の両者が同じ反応条件下で19−ヒドロキシ−デオキシコルチコステロンに変換されるのでこれは収率には影響しない。便宜上、ブロモケトン(14)から始まっている開発した好ましい合成手順を示す。
【化21】
【0030】
ステップ
a) Zn−AcOH/iPrOH、70℃ (VFQ);
b) 1. (F3CSO2)2O /py; 2. KSAc /アセトン;
c) エチレングリコール(EtO)3CH /PTSA、(その後VFC)。
d) KOH/MeOH。
e) I2、Et3N、CH2Cl2 (その後VFC)。
スキーム3のチオ酢酸の加水分解は、メタノール中、KOH(炭酸カリウムに代えて)を用いた、21−ヒドロキシ−20−ケト−ステロイドに組み込まれているC−21の脱アセチル化と同時に実行されるからである。一過硫酸カリウム、例えば:Oxone(登録商標)を用いた直接的な(3)の酸化は、側鎖に影響することなく反応条件に依存してスルホキシド化合物(4)及びスルホン化合物(5)を生じる(スキーム4)。
【化22】
本発明を、以下の実施例を用いてここでさらに説明する:
【0031】
実施例
材料及び方法
試薬:
概要.融点をフィッシャー−ジョン装置で測り、矯正していない。IRスペクトルを、Nicolet Magna IR 550 FT−IRスペクトロメーターによりKBrディスクを用いて薄膜に記録した。1H及び13C NMRスペクトルを、(内部標準としてTMSを用いて)重水素クロロホルム中、Bruker AC−200又はAM−500 NMRスペクトロメーターにより計測する。J値をHzで与える。スペクトルを、DEPT、COSY45、及びHETCOSYスペクトルの解析とプロゲステロンのそれとの比較により割り当てた。
【0032】
電子衝撃質量スペクトル(EI)を、直接導入により70 eVでVG Trio 2質量分析計で計測した。FAB質量スペクトル及び電子衝撃高解像度質量スペクトル(HRMS)を、VG ZAB BEQQ質量分析計で得る。使用した全ての溶媒が試薬等級である。溶媒を、真空下、約45℃で留去する。亜鉛紛末を、1MのHCl中への懸濁し、水、無水エタノール、及びジエチルエーテルにより洗浄し、そして120℃で2時間乾燥させることにより活性化する。全ての化合物の均一性を、薄層クロマトグラフィーにより確認する。
【0033】
以下の実施例1〜4において、化合物(14a)は出発化合物であり、そして化合物(14b)、(14c)、及び(14d)は、化合物(14)(5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−3,20−ジオン)の合成をもたらす中間化合物である。
実施例 1
3β−ホルミルオキシ−21−aアセチルオキシ−5−プレグネン−20−オン(14a)
無水酢酸(13.4 ml)を、0℃でギ酸(6.6 ml)に滴下にて添加し、この溶液を50℃で15分間加温し、そして0℃に急冷した。得られたアセトギ酸無水物溶液を、0℃で、ピリジン(20.8 ml)中、21−アセトキシプレグネノロン(市販品、8.0 g)の撹拌された懸濁液に滴下にて添加し、撹拌をその温度で2時間続ける。前記反応液を、冷却した飽和重炭酸ナトリウム水性溶液に注ぎ、ろ過し、そしてその固体を飽和重炭酸ナトリウム水性溶液、水、及び1N HClにより(中和するまで)洗浄し、ホルメートである表題の化合物を得た(8.0 g);1H NMR (200.13 MHz) δSH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 1.02 (3H, s, 10−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.53 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 4.50 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21b−H), 5.32 (1H, m, 3−H), 5.38 (1H, d, J= 3.0 Hz, 6−H), 8.02 (1H, s, HCOO)。
【0034】
実施例 2
3β−ホルミルオキシ−5α−ブロモ−6β−ヒドロキシ−21−アセチルオキシプレグナン−20−オン(14b)
ホルメート(14a)(8.0 g)を、ジエチルエーテル(100 ml)及びTHF(37.2 ml)中に溶解し、10℃に冷却する。10〜15℃で撹拌している−遮光された−溶液に、7.5%の過塩素酸(11.88 ml)を添加し、続いて8つの部分で25分間にわたりN−ブロモアセトアミド(4.75 g)を添加する。撹拌を、25℃で45分間続け、そして完全に脱色するまで10%のチオ硫酸ナトリウム水性溶液を添加することにより反応を止める。次に、反応混合物を、ジクロロメタン/メタノール10:1で抽出し、そして有機層を、水により洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させて、そして溶媒を留去して、ブロモヒドリン(14b)(10.4 g、1H NMRにより測定されるとおり20%の5α−ヒドロキシ−6β−ブロモ異性体を含んでいる)を得る。
【0035】
実施例 3
3β−ホルミルオキシ−5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−20−オン(14c)
25℃の循環する水による外部冷却ジャケット及び撹拌機を備えた1リットルのガラス容器に含まれた新たに蒸留したジクロロメタン(723 ml)中、ブロモヒドリン化合物(14b)(10.4 g、20%の5α−ヒドロキシ−6β−ブロモ異性体を含んでいる)の溶液を通して窒素を5分間バブリングする。ジアセトキシヨードベンゼン(スアレス試薬、7.66 g)及びヨウ素(5.46 g)を、撹拌しながら連続して添加する。容器を2つの300ワット・タングステンランプ(各5000 lm)に晒し、激しい撹拌を25℃で1時間続ける。照射を止め、そして完全に脱色するまでチオ硫酸ナトリウムの飽和水性溶液を添加する。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させて、溶媒を留去する。得られた固体をジクロロメタン(8 ml)で溶解し、ヘキサンで前もってフラッシュしたシリカゲル G−60カラム(12 cmの直径×8 cmの高さ)に適用する;ヘキサン−酢酸エチル9:1(1100 ml)、8:2 (700 ml)、7:3 (700 ml)、及び6:4 (600 ml)により(真空を出口に適用して)連続して溶出し、31×100 mlの画分を得る。画分をTLCにより分析し、そしてブロモエーテル(14c)を含んでいるそれらをプールし、乾燥するまで留去して(14c)(6.8 g)を得る。1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.52 (1H, t, J= 8.8 Hz, 17−H), 3.73 (1H, d, J= 8.4 Hz, 19a−H), 3.94 (1H, d, J = 8.4 Hz, 19b−H), 4.08 (1H, d, J= 4.2 Hz, 6−H), 4.50 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21a−H), 4.71 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21b−H), 5.34 (1H, m, 3−H), 8.02 (1H, s, HCOO)。
【0036】
実施例 4
3β−ヒドロキシ−5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−20−オン(14d)
先に得られたブロモエーテル(14c)(6.8 g)の撹拌した溶液を、ジクロロメタン(45.7 ml)とメタノール(154.7 ml)中に溶解し、そして氷浴中で0℃に冷却し、そして水(10.9 ml)、さらに濃HC1 (23.0 ml)を添加する。0℃での激しい撹拌の約30分後(TLCにより出発材料の消失が観察される)、この反応混合物を20%の水酸化ナトリウム水性溶液により中和し、そしてジクロロメタンで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、そして溶媒を留去し、アルコール化合物(14d)(6.5 g)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.69 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.52 (1H, t, J= 8.5 Hz, 17−H), 3.62 (1H, d, J= 8.5 Hz, 19a−H), 3.92 (1H, d, J = 8.5 Hz, 19b−H), 4.07 (1H, d, J= 4.0 Hz, 6−H), 4.15 (1H, m, 3−H), 4.51 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21b−H)。
【0037】
実施例 5
5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−3,20−ジオン(14)
無水ジクロロメタン (480 ml)中、塩化クロム酸ピリジウム(12.1 g)、炭酸バリウム(5.0 g)、及び3Åモレキュラーシーブ(9.60 g)の懸濁液を、窒素下で約10分間撹拌する。得られたオレンジ色のスラリーに、無水ジクロロメタン(324 ml)中の先に得られたブロモエーテル(14d)(6.5 g)の溶液を添加し、そして出発材料(TLC)が消えるまで、約90分間撹拌を続ける。反応混合物を短いシリカゲルG 60カラム(12 cmの直径×8 cmの高さ)に透過させ、ジエチルエーテル(2×150 ml)及びヘキサン−酢酸エチル1:2(3×150 ml)により洗浄した。産物を含んでいる画分をプールし、乾燥するまで留去して、5.5 gのケトン(14)を得る(約10 %のΔ4−3−ケトンを含む);1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.51 (1H, t, J= 8.5 Hz, 17−H), 2.85 (1H, d, J= 16.0 Hz, 4a−H), 3.40 (1H, d, J= 16.0 Hz, 4b−H), 3.90 (1H, d, J= 9.0 Hz, 19a−H), 4.07 (1H, d, J= 4.0 Hz, 6−H), 4.15 (1H, d, J = 9.0 Hz, 19b−H), 4.50 (1H, d, J= 17.0 Hz, 21a−H), 4.71 (1H, d, J=17.0Hz,21b−H)。
【0038】
実施例1〜5の合成手順に続いて、実施例1の出発化合物である21−アセトキシプレグネノロンの代わりに酢酸プレグネノロンを使用することにより、(14) 及び(14a〜d)に対応の21−デオキシ誘導体を得る。
実施例 6
19−ヒドロキシ−21−アセチルオキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(15)
70℃で実施例5の5α−ブロモ−21−アセチルオキシ−6,19−オキシドプレグナン−3,20−ジオン(14)(2.5 gr、5.4 mmol)を、プロパン−2−オール(257 ml)中に懸濁する。酢酸(19.3 ml)及び活性化した亜鉛紛末(6.4 g、mmol)を添加する。この懸濁液を、撹拌して、70〜75℃で4 時間加熱し、冷却し、ろ過し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。
溶出液としてヘキサン−酢酸エチルを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで、19−ヒドロキシ−21−アセトキシプロゲステロン(15)(1.1 g、53%)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO) 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.89 (1H, d, J= 10.8 Hz, 19a−H), 4.05 (1H, d, J = 10.8 Hz, 19b−H), 4.50 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21b−H), 5.95 (1H, s, 4−H)。
【0039】
実施例 7
3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−21−アセチルオキシ−5−プレグネン−20−オン(l7)
冷ピリジン(6.4 ml)中、19−ヒドロキシ−21−アセトキシプロゲステロン(15) (620 mg、1.60 mmol)溶液を、冷ピリジン(3.6 ml)中、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.7 ml、4.16 mmol)の撹拌している溶液に窒素下、滴下にて添加する。この溶液を、室温まで暖め、1時間後に冷ジクロロメタン(98.0 ml)を添加する。この反応混合物を、1M冷硫酸、5%の重炭酸ナトリウム水性溶液、及び水により洗浄し、乾燥させ、乾くまで留去して、未精製の19−トリフリルプロゲステロン−21−アセテートを得る。次に、これ(780 mg、1.60 mmol)を、アセトン(40.0 ml)中、チオ酢酸カリウム(780 mg、6.83 mmol)と混合し、そして窒素下、室温で20時間撹拌する。この反応混合物を、ジクロロメタンにより希釈し、ろ過し、そして乾燥するまで留去して、未精製の19−アセチルスルファニルステロイド(16) (712 mg、100 %)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.74 (3H, s, 13−CH3), 2.16 (3H, s, 21−CH3CO), 2.32 (3H, s, 19−CH3COS), 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.18 (1H, d, J= 13.7 Hz, 19a−H), 3.47 (1H, d, J = 13.7 Hz, 19b−H), 4.50 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21a−H), 4.70 (1H, d, J= 16.8 Hz, 21b−H), 5.87 (1H, s, 4−H)。
【0040】
エチレングリコール(0.55 ml、9.9 mmol)中、化合物(16) (460 mg、1.03 mmol)の溶液に、オルトギ酸エチル(0.80 ml、4.8 mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(39.0 mg、0.205 mmol)を添加する。この混合物を窒素下、室温で2時間撹拌し、飽和NaHCO3水性溶液に注ぎ、そしてジクロロメタンにより抽出する。溶出液として酢酸エチル−ヘキサンを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで化合物(17) (220 mg、46%)を得る;1H NMR δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.31 (3H, s, 19−CH3COS), 2.50 (1H, t, J= 8.4 Hz, 17−H), 3.03 (1H, d, J= 14.0 Hz, 19a−H), 3.36 (1H, d, J= 14.0 Hz, 1H), 3.94 (4H, m, ケタール), 4.50 (1H, d, J= 16.7 Hz, 21a−H), 4.70. (1H, d, J =16.7 Hz、21b−H), 5.53(1H, brd, J =2.7 Hz、6−H)。
【0041】
実施例 8
21−ヒドロキシ−6,19−スルファニル−4−プレグネン−3,20−ジオン(3)
チオアセテート(17) (88.0 mg、0.19 mmol)を、無水メタノール(2.5 ml)中に溶解し、そしてこの混合物を、15分間の無水窒素のバブリングにより酸素除去した。メタノール(0.14 ml)中、KOH(20 mg、0.38 mmol)の溶液を、添加し、そして前記混合物を、室温で15分間撹拌する。この反応混合物を、水で希釈した1N HClにより中和し、濃縮し、ジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去して、19−スルファニル誘導体(18) (55.0 mg、77%)を得た。
【0042】
0℃に冷却した無水ジクロロメタン(40 ml)中、トリエチルアミン(0.022 ml、0.16 mmol)とヨウ素(78.6 mg、0.31 mmol)の溶液に、チオール(18) (55 mg、0.15 mmol)の溶液を添加し、そしてこの混合物を0℃で30分間撹拌し、そして室温で2時間撹拌する。無色透明な混合物が得られるまで飽和チオ硫酸ナトリウム水性溶液を添加し、そしてこの反応混合物をジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去し、続いて溶出液として酢酸エチルを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにより21−ヒドロキシ−6,19スルファニル−4−プレグネン−3,20−ジオン(3.23 mg、44%)νmax(KBr)/cm−1 3465, 2938, 1712, 1676, 1070, 735;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.76 (3H, s, 13−CH3), 2.46 (1H, t, J= 9.3 Hz, 17−H), 2.57 (1H, d, J= 10.7,19a−H), 3.04 (1H, d, J= 10.7,19b−H), 3.90 (1H, dd, J = 1.0 及び 1.5 Hz, H−6), 4.16 (1H, d, J= 11.0 Hz, 21a−H), 4.22 (1H, d, J= 11.0 Hz, 21b−H), 5.79 (1H, s, H−4);13C NMR表9を参照のこと;EIMS m/z 360(32) [M]+, 344(16), 329(34), 301(100), 153(54), 91(43), 43(99)。
【0043】
実施例 9
21−ヒドロキシ−6,19−スルホキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(4)
0℃でメタノール(4.3 ml)中、未精製化合物(3) (47.5 mg、0.13 mmol)の溶液に、水(2.8 ml)中、Oxone(登録商標) (127.4 mg、0.40 mmol)の溶液を添加する。室温で30分間撹拌した後に、この混合物を、飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。予備TLC(CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、スルホキシド(4) (24.0 mg、48%)を得る;νmax(KBr)/cm−1 3458, 2938, 1719, 1667, 1077, 1041;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.68 (3H, s, 13−CH3), 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.72 (1H, d, J= 20.0 Hz, 19a−H), 3.88 (1H, d, J= 20.0 Hz, 19b−H), 3.83 (1H, bt, 6−H), 4.18 (2H, bs, 21−H), 6.08 (1H, s, 4−H);13C NMRは表9を参照のこと;EIMS m/z 376(12) [M]+, 359(38), 345(6), 313(62), 159(38), 91(55), 55(100), 41(99)。
【0044】
実施例 10
21−ヒドロキシ−6,19−スルホン−4−プレグネン−3,20−ジオン(5)
0℃でメタノール(4.3 ml)中、未精製化合物(3) (47.5 mg、0.13 mmol)の溶液に、水(4.3 ml)中、Oxone(登録商標) (190.4 mg、0.60 mmol)の溶液を添加する。室温で24時間撹拌した後、この混合物を飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。予備TLC (CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、スルホン(5) (26.0 mg、50 %)を得る;νmax(KBr)/cm−1 3465, 2945, 1712, 1676, 1305, 7420;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.75 (3H, s, 13−CH3), 2.50 (1H, t, J= 8.0 Hz, 17−H), 3.45 (1H, d, J= 13.5 Hz, 19a−H), 3.98 (1H, d, J= 13.5 Hz, 19b−H), 3.82 (1H, br s, 6−H), 4.19 (2H, bs, 21−H), 6.09 (1H, s, 4−H); EIMS m/z 392(1) [M]+, 361(29), 333(11), 267(23), 253(15), 91(43), 55(77), 43(100)。
【0045】
実施例 11
19−ヒドロキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(11)
実施例1〜5により得られる21−アセトキシ−6,19−ブロモエーテル(14)に相当する21−デオキシ−6,19−ブロモエーテル(10) (2.09 g、4.9 mmol)を、プロパン−2−オール(175 ml)中に懸濁し、そして酢酸(15.6 ml)及び活性化亜鉛紛末(5.2 g)を添加する。この懸濁液を、撹拌し、70〜75℃で4時間加熱し、冷却し、ろ過し、濃縮し、そしてジクロロメタンにより抽出する。溶出液としてヘキサン−酢酸エチルを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで、19−ヒドロキシプロゲステロン(11) (0.92 g、53 %)を得る、m.p. 165〜168℃ (メタノールから); 1H NMRは正式な標準と一致。
【0046】
実施例 12
3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−5−プレグネン−20−オン
冷ピリジン(5.2 ml)中、19−ヒドロキシプロゲステロン(11) (522 mg、1.58 mmol)の溶液を、冷ピリジン(3.6 ml)中、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.7 ml、4.16 mmol)の撹拌された溶液に窒素下、滴下にて添加する。この溶液を室温まで暖め、1時間後に冷ジクロロメタン(95.0 ml)を添加する。この反応混合物を、1Mの冷硫酸、5%の重炭酸ナトリウム水性溶液、及び水で洗浄し、乾燥させて、乾くまで留去して、オレンジの固体として未精製のトリフル酸(680 mg、100 %)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.68 (3H, s, 13−CH3), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, H−17), 4.68 (2H, qAB, J = 10.0 Hz, 19−H), 5.00(1H, s, H−4)。
【0047】
アセトン(35.0 ml)中、未精製の19−トリフリルプロゲステロン (680 mg、1.58 mmol)及びチオ酢酸カリウム(680 mg、6.0 mmol)の混合物を、窒素下、室温で20時間撹拌する。この反応混合物を、ジクロロメタンにより希釈し、ろ過し、そして乾燥するまで留去して、未精製の19−アセチルスルファニルステロイド(12) (614 mg、100 %)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.32 (3H, s, 19−CH3COS), 2.55 (1H, t, J= 8.7 Hz, H−17), 3.19 (1H, d, J= 13.6 Hz, 19a−H), 3.49 (1H, d, J= 13.6 Hz, 19b−H), 5.88 (1H, s, 4−H);
エチレングリコール(0.85 ml、15.4 mmol)中、19−アセチルスルファニルステロイド化合物(12) (614mg、1.58 mmol)の溶液に、オルトギ酸エチル(1.26 ml、7.2 mmol)及びp−トルエンスルホン酸(52.0 mg、mmol)を添加する。混合物を窒素下、室温で2時間撹拌し、飽和NaHCO3水性溶液に注ぎ、そしてジクロロメタンにより抽出する。溶出液として酢酸エチル−ヘキサンを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで、3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−5−プレグネン−20−オン(256 mg、63%);m.p. 151〜153℃ (EtAcO−ヘキサンから)。(実測:C 69.1, H 8.4%;C25H36O4Sは、C 69.41, H 8.39%を要求する);νmax(KBr)/cm−1;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.65 (3H, s, 13−CH3), 1.62 (1H, m, 7a−H), 2.11 (3H, s, 20−CH3), 2.31 (3H, s, 19−CH3COS), 2.10 (1H, m, 7a−H), 2.53 (1H, t, J= 8.8 Hz, H−17), 3.03 (1H, d, J = 14.4 Hz, 19a−H), 3.37 (1H, d, J= 14.4 Hz, 19b−H), 3.94 (4H, m, ケタール), 5.53 (1H, brd, J = 5.0 Hz, 6−H)。
【0048】
実施例 13
6,19−スルファニル−4−プレグネン−20−オン(6)
実施例12の3,3−エチレンジオキシ−19−アセチルスルファニル−5−プレグネン−20−オン(64 mg、0.16 mmol)を、メタノール(1.8 ml)中に溶解し、そしてこの混合物を、15分間無水窒素をバブリングしてそれに通すことにより酸素除去する。メタノール(0.10 ml)中、KOH(14.5 mg、0.28 mmol)の溶液を添加し、そしてこの混合物を室温で15分間撹拌する。次に、この反応混合物を、水により希釈した1N HClによって中和し、濃縮して、ジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去して、19−スルファニル誘導体(13) (45 mg、77%)を得る;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, 13−CH3), 1.25 (1H, dd, J = 4.7 及び 8.5 Hz, 19−HS), 1.63 (1H, m, 7α−H), 2.12 (1H, m, 7β−H), 2.77 (1H, t, J = 8.5 Hz, 17−H), 2.56 (1H, dd, J = 11.1 及び 8.5,19a−H), 3.07 (1H, dd, J = 11.1 及び 4.7,19b−H), 3.94 (4H, m, ケタール), 5.66 (1H, brd, J = 5.0 Hz, H−6);
0℃に冷却した無水ジクロロメタン(32 ml)中、トリエチルアミン(0.018 ml、0.13 mmol)及びヨウ素(63 mg、0.25 mmol)の溶液に、チオール(13) (45 mg、0.12 mmol)の溶液を添加し、そして0℃で30分間、次に室温で2時間撹拌する。無色透明の混合物が得られるまで、飽和チオ硫酸ナトリウム水性溶液を添加し、そしてこの反応混合物をジクロロメタンにより抽出する。溶媒を留去し、続いて溶出液として酢酸エチルを用いたシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで6,19−スルファニル−4−プレグネン−20−オン(6) (19 mg、46%)を得る;m.p. (EtAcO−ヘキサンから)183〜185℃;(実測:C 73.2、H 8.4、S 9.4%;C21H28O2Sは、C 73.21、H 8.19、S 9.31を要求する);νmax(KBr)/cm−1 2945, 1712, 1667, 1362, 1191, 742;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.74 (3H, s, 13−CH3), 1.62 (1H, m, 7α−H), 1.99 (1H, m, 7β−H), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, 17−H), 2.57 (1H, d, J = 10.5Hz, 19a−H), 3.05 (1H, d, J = 10.5 Hz, 19b−H), 3.89 (1H, dd, J = 2.2 及び 3.6, 6−H), 5.80 (1H, s, 4−H);EIMS m/z 344(3) [M]+, 254(5), 149(5), 84(50), 49(100)。
【0049】
実施例 14
6,19−スルホキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(7)
メタノール(1.9 ml)中、未精製の化合物(6) (20.0 mg、0.06 mmol)の溶液に、0℃で、水(1.26 ml)中、Oxone(登録商標)(56.9 mg、0.18 mmol)の溶液を添加する。室温で30分間撹拌した後、この混合物を飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮して、ジクロロメタンにより抽出する。予備TLC (CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、6,19−スルホキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン(7、9.5 mg、45%)を得る;νmax(KBr)/cm−1 2938, 1705, 1669, 1362, 1177, 1035, 735;1H NMR (200.13 MHz) δH 0.70 (3H, s, IS−CH3), 2.11 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, 17−H), 3.75 (1H, d, J = 24 Hz, 19a−H), 3.98 (1H, d, J = 24 Hz, 19b−H), 3.83 (1H, bt, J = 2.2 及び 3.6, 6−H), 6.07 (1H, s, 4−H); EIMS m/z 360 [M]+(1.3), 345(1), 344(3), 312(1), 297(6), 255(5), 43(100)。
【0050】
実施例 15
6,19−スルホン−4−プレグネン−3,20−ジオン(8)
メタノール(1.9 ml)中、未精製の化合物(6) (20.0 mg、0.06 mmol)の溶液に、0℃で、水(3.0 ml)中、Oxone(登録商標) (87.9 mg、0.27 mmol)の溶液を添加する。室温で24時間撹拌した後、この混合物を、飽和重亜硫酸ナトリウム水性溶液により希釈し、濃縮して、ジクロロメタンにより抽出する。予備TLC (CH2Cl2−MeOH 20:1)により精製して、6,19−スルホン−4−プレグネン−3,20−ジオン(8、10.0 mg、44 %)を得る;νmax(KBr/cm−1) 2945, 1697, 1312, 1134, 735;1H NMR (500.13 MHz) δH 0.73 (3H, s, 13−CH3), 2.12 (3H, s, 20−CH3), 2.50 (1H, t, J = 8.0 Hz, 17−H), 2.98 (1H, d, J = 13.3Hz, 19a−H), 3.46 (1H, d, J= 13.3 Hz, 19b−H), 3.83 (1H, t, J= 2.6, 6−H), 6.09 (1H, s, 4−H);EIMS m/z 376 [M]+(4), 358(1), 343(1), 344(1), 329(1), 312(13), 279(1.5)。
【0051】
生物学的アッセイ
I.抗免疫抑制活性
細胞アッセイ:ラット胸腺細胞のアポトーシス
a) 根拠:
細胞死の解析(インビトロ):
グルココルチコイドは、胸腺細胞のアポトーシスを誘発することが示されている(J.Exp.Med. 184 (5) p.1631−8,1996 Nov 1)。これに基づき、本発明の化合物の抗グルココルチコイド特性を、所定の試験化合物による処理後のラット胸腺細胞のアポトーシスの減少/増加を試験することにより決定する。従って、スルファニル・アナログ(3)、スルホキシ・アナログ(4)、及びスルホン・アナログ(5)のアポトーシスを妨げる能力を評価するために実験を実行し、21OH−6OP (I)の活性と比較した。実験は、試験したアナログが10−4Mで同等に有効であるか、又は21OH−6OP (I)より活性であることを示した。
【0052】
アポトーシスの調節を、フローサイトメトリーにより分析した。この方法は、サンプル中のアポトーシス細胞を蛍光定量的に定量することから成る。正常な生菌において、ホスファチジルセリン(PS)は、細胞膜の細胞質表面に存在する。アポトーシスの誘導により、ほとんどの細胞タイプのリン脂質の組成の急速な変化が生じ、細胞表面へのPSの露見を生じる。外面化したPSのインビトロにおける検出を、抗凝血性アネキシンVとの相互作用を通して実現する。カルシウムの存在により、PSへのアネキシンVの迅速で高い親和性の結合が生じる。細胞表面へのPSの転移は、核の崩壊、DNA断片化、及び大部分のアポトーシス関連分子の出現に先行し、アネキシンVの初期アポトーシス・マーカーの結合をもたらす。
【0053】
使用したアッセイにおいて、アネキシンVのフルオレセイン・イソチオシアネート(FITC)抱合体を使用し、フローサイトメトリーによるアポトーシスの検出を可能にする。膜が透過性になることは、ネクローシスにおいても観察されるので、同様にネクローシス細胞もアネキシンV−FITCを結合する。ヨウ化プロピジウムを生細胞及び初期アポトーシス細胞を区別するために使用し、その結果、後者はFITCのみに標識される一方、後期アポトーシス細胞はFITC及びヨウ化プロピジウムにより標識される。
【0054】
b) 方法論:
Oncogen Reserch products(cat. No.PF032)製のアネキシンV−FITCアポトーシス検出キットを、製造業者により推薦されたRAPIDプロトコールに従い使用した。手短に言えば、様々な化合物(以下を参照のこと)によるインキュベーションの後、細胞を2000 rpmで5分間遠心分離し、その培地を回収し、そして細胞ペレットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)により洗浄した:細胞を結合バッファー中に1×106細胞/mlの密度で再懸濁した。結合試薬(10 μl)及びアネキシンV/FITC (1.25 μl)を添加し、そして細胞を遮光した状態で室温で15分間インキュベートした。細胞を、遠心分離し、そしてペレットに結合バッファー(0.5 ml)及びヨウ化プロピジウム(10 μl)を添加した。サンプルを、Cytoron Absolute cytometer (Orfho Diagnostic Systems)のフローサイトメトリーにより分析した。データをWimdi 2.7により解析した。
【0055】
c) 結果:
前述のプロトコールを、デキサメタゾン(アポトーシスを誘発する)10−8Mのみ、及び前記試験化合物の存在下でインキュベートした胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを分析するために使用した。10−6MでのRU−486(11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−17−ヒドロキシ−13−メチル−17−プロプ−1−イニル−1,2,6,7,8,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン)を、正の対照(基準物質)として使用した;試験化合物を、10−5Mで試験した。デキサメタゾン、及び対応の試験化合物(3)、(5)、及び(8)の存在下、37℃で4時間、胸腺細胞をインキュベートし、そして先に示したとおり処理した。
【0056】
得られたサイトグラムを、図3a〜3fに示す、ここでGR−FLは、FITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLは、ヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味する。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の象限/右に現われる。PSを晒しているが完全な細胞膜有する初期アポトーシス細胞は、下の左の象限に現れる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞は、上の右の象限に現われる。わずかなパーセンテージの正常な細胞死が生じもするが、この場合は何も観察されない。
以下の表1において、観察された全アポトーシス(初期アポトーシス+後期アポトーシス)のパーセンテージを、各々の化合物について報告する。
【表1】
【0057】
II.リポーター遺伝子の発現:(リポーター遺伝子アッセイ):
Cos−1系におけるpMMTV (マウス乳癌ウイルス)Luc(ルシフェラーゼ)発現
リポーター遺伝子アッセイの概要は、Biotechniques vol.7 No.10 (1989)で見られる。このアッセイは、試験化合物のグルコ/抗グルコ、及びプロゲスチン/抗プロゲスチン効果の間を区別するかもしれない。37℃で5%のCO2雰囲気中、10%の牛胎仔血清(Bioser)、3.7 g/lの炭酸ナトリウム、及び100 IUのペニシリン G、1OO μg/mlのストレプトマイシン、0,25 μgのアンホテリシンBを補った、8mlのD−MEM (ダルベッコ変法イーグル培地Gibco BRL)により細胞を100 mmプレート上に培養した。細胞を、0.25%のトリプシン、1 mM EDTAにより処理し、そして60 mmプレートに5×105細胞/プレートの密度で蒔いた。Cos−1細胞を、グルココルチコイド・レセプターをコードする構築物、及びMMTVプロモーター下のルシフェラーゼ遺伝子を含む構築物により形質移入した。それぞれルシフェラーゼ及びグルココルチコイド・レセプターをコードしているpMMTV−Luc及びpRSV−GRベクターを3 pmoles含んでいる溶液に、25 μlの2M CaCl2溶液を添加する、リン酸カルシウムによる沈殿により細胞を形質移入した。マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーターは、グルココルチコイド・レセプター(GR)を介してグルココルチコイド・ホルモンにより誘発される(EMBO Jun 1 20(11) p.2802−11 (2001))。PRSV−lacZベクターを、形質移入の対照として使用した。
【0058】
形質移入混合物を、等量の、ホスフェート含有形質移入バッファー2× BBSに滴下にて添加した。500 μlの混合物全体を、各々のプレートに添加し、そして16時間インキュベートした。細胞を洗浄し、そして10%の無ステロイド血清を含む培地中、デキサメタゾンにより36時間処理した。インキュベート後に、細胞をTBSにより2度洗浄した。300 μlの溶解バッファーを、各々のプレートに添加し、そして室温で15分間インキュベートした。上清からルシフェラーゼ活性を測定した。ベータ−ガラクトシダーゼ活性を内部標準として使用した。一部の不明なものにおいてPromegaキットを利用してルシフェラーゼ発現を、アッセイし、Junior照度計(EG&G Berthold, Germany)を用いて計測した。
【0059】
βガラクトシダーゼを、フェニルガラクトシドの加水分解により測定した。図4で示されるように、10−6Mの濃度での試験化合物(4) (すなわち、21OH−6,19 SP)の使用は、ルシフェラーゼ/βガラクトシダーゼ比の約65%の削減を与える。RU486を正の対照として使用した。この実験は、グルココルチコイド・レセプターにおいてのスルホキシド21OH−SOP(4)の抑制活性を確認する。デキサメタゾンの不存在下で使用されるとき、試験したステロイドのどれもが効果自体をを示さなかった、すなわち、それらは、前記実験条件下ではグルココルチコイド・レセプターのアゴニストでない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
内因性コルチゾール産生に関連している経路を説明する。
【図2】
6,19−オキシドプロゲステロン(I)(6OP)及び6,19−スルファニル−プロゲステロン(6)のX線構造の最小二乗オーバーレイを示す。
【図3a】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)のみにより胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3b】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6OP(10−5 M)(化合物(I))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3c】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6SOP(10−5 M)(化合物(4))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3d】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+RU−486(10−6 M)により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3e】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6SP(10−5 M)(化合物(3))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図3f】
GR−FLがFITCからの蛍光を意味し、そしてRD−FLがとヨウ化プロピジウムからの蛍光を意味するサイトグラムを示す(データは、以下に記載の胸腺細胞アポトーシス・アッセイから得た)。アネキシン−FITCもヨウ化プロピジウムも結合してない生細胞は、下の右の象限に現われる。ネクローシス又は後期アポトーシス細胞が上の右の象限に現われる。
デキサメタゾン(10−8 M)+21OH−6SO2P(10−5 M)(化合物(5))により胸腺細胞において誘発された細胞アポトーシスを説明する。
【図4】
以下に記載のリポーター遺伝子アッセイの関し、基準物資(RU 486)に対する、終濃度10−6 Mで使用した試験化合物(1)、(3)、(4)、及び(5)の活性を表わす。Dexaは、デキサメタゾンを意味し、そしてRU−486(11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−17−ヒドロキシ−13−メチル−17−プロプ−1−イニル−1,2,6,7,8,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン)を正の対照として用いた。縦座標がルシフェラーゼ単位/β−ガラクトシダーゼ単位に相当する。
Claims (22)
- 前記疾患が、クッシング症候群である、請求項10又は11に記載の使用。
- 前記疾患が、医原性高コルチゾール症である、請求項10又は11に記載の使用。
- 前記疾患が、うつ病である、請求項10又は11に記載の使用。
- 免疫応答を調節するための薬剤の製造のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
- 免疫応答の抑制を必要とする疾患症状の治療のための、請求項15に記載の使用。
- 正の免疫応答の増強を必要とする疾患症状の治療のための、請求項15に記載の使用。
- 少なくとも1の式(II)で表される21−ヒドロキシ−6,19−オキシドプロゲステロン・アナログ、及び1種類以上のその好適な担体を含む医薬組成物。
- 請求項3に記載の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
a) 式(16)の19−アセチルスルファニルステロイドを用意し;
b) その3−ケト基を、好ましくはエチレングリコール基により保護し;
c) 19−アセチル基をチオール(チオエーテル)基に変換し;そして
e) ステップc)の化合物の加水分解を実施する、
を含む上記製造方法。 - 請求項4又は5に記載の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
a) 請求項3に記載の化合物を用意し;
b) 上記化合物を酸化、好ましくは一過硫酸カリウムによる酸化に供する、
を含む上記製造方法。 - 請求項6に記載の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
a) 17−アセチル−10−ヒドロキシメチル−13−メチル−1,2,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オンを用意し;
b) 19−ヒドロキシ基をチオアセトキシ基に変換し;
c) その3−ケト基を、好ましくはエチレングリコール基により保護し;
d) 19−チオアセトキシ基をチオール基に変換し;そして
f) ステップd)の化合物の加水分解を実施する、
を含む上記製造方法。 - 請求項7又は8に記載の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
a) 請求項6に記載の化合物を用意し;
b) 上記化合物を酸化、好ましくは一過硫酸カリウムによる酸化に供する、
を含む上記製造方法。
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