JP2004508703A - インダクタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
エアーギャップの大きさを含むインダクタのコアの物理的なパラメータを定義し、コアの複数の分岐を画定し、コア材が第1及び第2の値の磁界強度にそれぞれ曝されたときのコア材に存在する磁束密度の第1及び第2の既知値を内挿することによってコア材の相対透磁率の近似値を求め、コアの各々の分岐に存在する磁束密度の各々の第1及び第2の既知値に対するインダクタを流れる境界電流を算出し、算出された各々の境界電流におけるインダクタのインダクタンスを確定し、インダクタを製造するというステップにより製造される、コアからなるインダクタ。
Description
【0001】
本発明は、インダクタを製造する方法に関し、特に、段のあるエアギャップを有するコアを有する受動的力率補正インダクタ(passive power factor correc−tion inductor)を最適に設計する方法に関する。
【0002】
多くの機械は、必要に応じて機械内の電気回路によって、(例えば本線から)流れてくる交流電圧を低電圧直流に変えるための電源を必要とする。これを達成する方法の1つに、リニア電源の使用がある。これらは比較的単純で、低直流電圧を安定させるために、メイントランス、整流器、平滑コンデンサ、電力半導体パス素子及び小さな能動/受動フィードバック素子を用いる。リニア電源の主な欠点は、それらが重くて嵩ばり、エネルギー効率がわずか約40%であり、競争力に欠けることである。
【0003】
別の方法に、スイッチモード電源装置(SMPS)の使用がある。SMPSは、前方へ付勢したダイオードブリッジにより、電気が流れてくる交流電源を負荷(すなわち、電力が供給される機械)に接続し、負荷と並列に接続された大容量コンデンサからなるものである。基本的なSMPSの整流器段階の電気回路の概略図は、添付図面の図1に示される。
【0004】
SMPSは、一般にリニア電源より効率がよく、全定格負荷の70〜80%のエネルギー効率は容易に達成できる。本線からの入力電力と比較して開閉頻繁度が高いので、エネルギー貯蔵素子のサイズもずっと小さくできる。これらの利点により、SMPSは有望な選択肢とされている。SMPSは、現在世界で製造される電源の約60%を占めている。
【0005】
SMPS及びリニア電源両方の欠点の1つは、これらの装置が交流電源から内在する非正弦波電流を導入してしまうことである。これはSMPSの場合、大容量コンデンサ及び電源が前方へ付勢されたダイオードブリッジによって、お互いに接続されているので、電源の電圧がコンデンサ全体の電圧を上回るときだけ、電流が電源から大容量コンデンサと負荷に流れるという事実によるものである。他の時は、電流は電源から流れない。明らかに、これにより電源の各ACサイクルのピーク近くの電流の周期が短くなる。この影響により、電源に、望ましくない高調波(harmonics)が導入されてしまう。
【0006】
高調波の導入により、所定の負荷のシステム配線における増加する不偏分散のルート値の電流(すなわち、加熱電流)を含む、配電システムへのいくつかの望ましくない影響が出る。これは、交流電源から引き入れられる電流の力率の減少につながり、より低い電力レベルにおいて保護装置が外れてしまうこともあり得る。
【0007】
この明細書を作成している時に、上記に述べた電流の歪みに関連する高調波に制限を課す新しい規制が導入されようとしている。電源から伝導される高調波のレベルが、規制の詳細によって課せられる限度の範囲内であることが、すぐに義務となるであろう。これらの規則に従ってSMPSを用いることの方法の1つは、電源からより平滑化した電流を引くために、殆ど又は全く付属の電気回路を用いずに、インダクタを用いて受動的力率補正をすることである。
【0008】
受動的力率補正は必要とする素子が比較的少なく、最も単純な形では、コンデンサの前にあり、整流回路の中の任意の位置に配置されるインダクタからなる。下記に説明される理由のために、インダクタは、多くの場合、前方へ付勢されたダイオードブリッジと大容量コンデンサの間に配置される。特に、パーソナルコンピュータの電源(SMPSが適している。)の市場の競争が、コストを最小にする大きな圧力を生み出している。このような理由で、受動的力率補正によりもたらされる設計の単純性は魅力的な特徴である。しかし、電源に導入されるインダクタのサイズ及び重量は、重要な問題である。
【0009】
現在の高調波電流の法律に従うため、50Wを超える入力電力を引き入れるいかなる装置も、電源に伝導される電流高調波を、引き入れられる電力を基準にして指定されるレベルの範囲内に制限しなければならない。50Wより大きい入力電力を引き入れることが可能な装置は、装置が50Wから全入力電力の間の入力電力を引き入れるときに、導入された電流高調波を指定レベルより低く維持するインダクタを設ける必要がある。高調波規制に従わなければならない電力範囲が大きい場合、インダクタのサイズ及び重量を最低に保つために、インダクタンスが流れる電流によって変わるインダクタが必要不可欠となる。
【0010】
インダクタの設計において、最近は、インダクタのコアの磁束と関連するエネルギーを最大にして、インダクタのサイズを小さくするために、小さいエアギャップを、インダクタを構成する磁気回路に導入するのが一般的である。これは、特定の種類のコアにおいて、エアギャップの正しい大きさを維持するために、必要な厚みの絶縁体の薄片を磁気回路に導入することにより達成することができる。コアが飽和すると、コアの相対透磁率は統一され、エアギャップの透磁率に等しくなる。このようなエアギャップが存在することで、インダクタは流れる電流によってインダクタンスが変化するようになる。輪郭(profile) のあるエアギャップ(すなわち、幅が一様でないエアギャップ。)を有するコアを設けることによって、電流によるインダクタンスの変化を制御することが可能となる。この現象は、上記に述べたような、受動的力率補正のための効率的なインダクタを生み出すのに利用することができる。
【0011】
しかし、このようなインダクタの動作はモデル化するのが極めて困難である。この技術の欠点は、実際に製造することなしに段付きギャップ(stepped−gap)イ ンダクタのインダクタンスと電流の関係を予測することが非常に難しいということである。
【0012】
受動的力率補正インダクタの改良された製造方法を提供することが、本発明の目的である。
【0013】
従って、本発明の1つの態様は、幅が一様でないエアギャップを有するコアを具えたインダクタの製造方法であって、前記エアギャップの大きさを含む前記インダクタのコアの物理的パラメータを定義し、前記コアの複数の分岐を画定し、コア材が第1及び第2の値の磁界強度にそれぞれ曝されたときの前記コア材に存在する磁束密度の第1及び第2の既知値の間を内挿することによって前記コア材の相対透磁率の近似値を求め、前記コアの各々の分岐に存在する磁束密度の各々の第1及び第2の既知値に対する前記インダクタを流れる境界電流を算出し、各々の算出された前記境界電流におけるインダクタのインダクタンスを確定するというステップによりインダクタを設計し、かくして、インダクタを製造することからなる、インダクタの製造方法である。
【0014】
前記方法が、さらに、インダクタの連続的なインダクタンスと電流の近似の関係を求めるため、各々の算出された境界電流におけるインダクタのインダクタンスを内挿するステップを含むと有利である。
【0015】
前記方法が、さらに、第1及び第2の既知値の磁束密度がコアの前記分岐に存在するとき、コアの各々の分岐の磁路の長さを算出するステップをさらに含むと好適である。
【0016】
エアギャップの大きさを定める前記ステップが、エアギャップの異なる幅を有する複数の段の大きさを定めるステップを含むと好都合である。
【0017】
エアギャップの複数の段の大きさを定める前記ステップが、エアギャップの3つの段の大きさを定めるステップを含むと有利である。
【0018】
コアの複数の分岐を画定する前記ステップが、各々がエアギャップの段を含むコアの複数の分岐を画定するステップを含むと好適である。
【0019】
エアギャップの大きさを定める前記ステップが、連続的に変化するエアギャップの幅を定めるステップを含むと好都合である。
【0020】
各々の既知値の磁束密度がコアの前記分岐に存在するときのコアの各々の分岐の磁路の長さを算出する前記ステップが、式
D=DG+DB+DM
を解くステップを含み、ここで、Dは問題のコアの分岐の磁路の長さであり、DGはコアの前記分岐のエアギャップの磁路の長さであり、DBはコアに存在する全ての突合せギャップの磁路の長さであり、DMはコアの前記分岐のコア材の磁路の長さであると有利である。
【0021】
コアの各々の分岐に存在する磁束密度の各々の既知値に対する、インダクタの中を流れる境界電流を算出する前記ステップが、式
Bn=μnNIn/D
を解くステップを含み、ここで、Bnは磁束密度の第n番目の既知値であり、μnは第n番目の値の磁束密度がコア材に存在するときのコア材の相対透磁率であり、Nはインダクタの巻線の巻数であり、Inは問題のコアの分岐に存在する第n番目の磁束密度に対するインダクタを流れる境界電流であると好適である。
【0022】
前記方法が、さらに、インダクタのコアの各々の分岐の相対透磁率の値を、各々の算出された境界電流に設定するステップを含むと好都合である。
【0023】
各々の算出された境界電流のインダクタのインダクタンスを確立する前記ステップが、式
を解くステップを含み、ここで、Lは選択された境界電流のインダクタのインダクタンスであり、Amは磁束の方向に直角な磁路の断面積であり、yはコアの分岐の総数であり、αiはコアの第i番目の分岐に占めるAmの割合であり、μiは問題の境界電流がインダクタの中を流れるときのコアの第i番目の分岐に設定される相対透磁率であり、nはコアの分岐の総数であると有利である。
【0024】
本発明がより容易に理解されるように、添付の図面を参照して、本発明の実施形態が、例示として説明される。
【0025】
まず、図1において、入力交流電源2に接続されている基本的なSMPS1の整流器段階の電気回路は、前方へ付勢された(foward−biased)ダイオードブリッジ4によって電源2に接続されている大容量コンデンサ3を有する。ダイオードブリッジ4は、電流が電源2から大容量コンデンサ3に流れるだけで、反対方向には流れないように機能する。大容量コンデンサ3は、SMPSが一部をなす機械(例えば、パーソナルコンピュータ)にSMPSにより送られた電力を示す負荷5と並列に接続される。
【0026】
上記に述べた通り、電流は、交流電源2の使用率の何分の一かの間、電源2から大容量コンデンサ3及び負荷5に流れるだけである。図2は、入力電圧波形6及び入力電流波形7が時間とともに変化するグラフを示し、ここでその効果がはっきりと分かる。
【0027】
図3は、受動的力率補正インダクタ8を取り入れた、ダイオードブリッジ4と大容量コンデンサ3の間に位置するSMPS1を示す。このようなインダクタ8があることで、電源2からより平滑な電流が引き入れられ、電源2に導入される高調波のレベルが下がる。
【0028】
図4に、標準整流モード(例えば、ヨーロッパにおいて用いられているような230ボルト)と、倍電圧モード(例えば、日本において用いられているような100ボルト)の両方で用いることが可能な、図3の回路のバリエーションの1つを示す。回路は、1つの大容量コンデンサの替わりにお互いに直列に接続された2つのコンデンサ3を有し、2つの巻線9a、9bが同じコアに巻き付けられたインダクタ9を有する。(通常機械式の)切換スイッチ10が、2つのコンデンサ3の間のポイントから、電源2とダイオードブリッジ4の間のポイントまで接続される。切換スイッチ10は、標準整流モードと倍電圧モードの切替えをするのに用いることができる。一対の巻線9a、9bは、標準の整流器運転において直列に、倍電圧運転において準並列(一対の巻線9a、9bの一方が、それぞれの全使用率の半分の間導通している。)に接続している。インダクタ9は、ダイオードブリッジ4と大容量コンデンサ3の間に位置することによって、両方の運転モードで、電源に導入される電流高調波を制限することができる。このようなSMPSの運転における柔軟性は、商業的に有用である。
【0029】
図5は、本発明のインダクタを製造するのに用いられる積層鉄心11を示す。コア11は、実質的にお互いに同じ形状をしているいくつかの積層12からなる。各々の積層12は2つの部分からなり、第1部分13はE形、第2部分14はI形をしている。I形部分14は、E形部分13の3つの肢15の自由端上に配置されるように、第1及び第2部分13,14は、互いに隣合って配置される。2つの部分13、14がそのように配置される場合、積層12は長方形で、E形部分14の中心肢15によって、長手方向に二分される。コア11は、積層12を整列してお互いの上に積み重ねていくことにより製造され、このコアの設計はEI型コアとして知られている。
【0030】
図6は、本発明のインダクタを製造するのに用られる巻型(コイル・フォーマ)16を示す。巻型16は、断面が長方形の中心柱17を有し、中心柱17の各々の端は開いていて、外側に突出している長方形のフランジ18が端をなしている。中心柱17の内部の形状は、コア11のE形部分13の中心肢15にスライド可能に密着して配置できるようになっている。
【0031】
図7は、巻型16がE形部分13の中心肢15に配置されるコア11を有するインダクタ19を示す。巻型16は、電流通過巻線20が巻回され、電気的接続のために1つのフランジ18から延びるリード線21が飛び出している。
【0032】
小さなエアギャップ22が、コア11の各々の積層12のE及びI形部分13,14の間に存在する。上記の通り、コアの磁束と関連づけられるエネルギーを最大にして、インダクタのサイズを小さくするために、エアギャップはインダクタのコアの中に、通常設けられる。実際は、上記のように、ギャップ22は絶縁体の薄片を有してもよい(添付図面には図示せず)。
【0033】
図8は、E形部分13とI形部分14の間の積層12中のエアギャップ22の領域における、一部のコア11の断面図を示す。各々の積層12のエアギャップ22からなる結合されたエアギャップ23は、段となっており、コア11の積層12中のエアギャップ22の幅がコア11の一方の面(コア11の積層12のうちの1つとの平行)とコア11の反対側の面の間で変わっている。本発明の実施態において、結合したエアギャップ23は、3つの段24a,24b,24cからなる。
【0034】
上記の通り、インダクタのコアに段のあるエアギャップを設けることによって、インダクタの中を流れている電流によるインダクタのインダクタンスの変化の仕方を制御することができる。段のあるエアギャップを有するインダクタを設計するときに、所定の輪郭(profile)のエアギャップを有するインダクタにとって、これらの2つの量がどのようにお互いに変わるかを、或る程度、正確に知っていることは重要である。
【0035】
この関係を決めるために、コア11が製造される材料の磁気特性を知る必要がある。空気の磁気回路では、H(磁界強度)とB(磁束密度)のグラフは、原点からの単なる直線であり、すなわち、2つの量はお互いに正比例する。この場合、BとHは、式
B=μ0H (1)によって関係付けられる。
空気の透磁率(絶対透磁率)μ0は、非常に低い。
【0036】
しかし、典型的なコア材では、BとHの関係はより複雑である。両者はコア材の透磁率によって関係付けられるが、このパラメータはコア材の中に存在する磁束密度Bによって異なる。典型的なコア材では、磁界強度Hが高い値のとき、飽和として知られる磁束密度Bが横ばいになる現象が現れる。典型的なコア材のB−Hの関係は図9に示される。図9は、最初の磁化(参照番号25によって示される。)の間と、その後の磁化と消磁の間のコア材のB−Hの関係を表す曲線を示している。コア11を製造するのに適した材料の一例は、珪素鋼材である。この材料は、比較的安く、小さな体積で大量のエネルギーを蓄えることができる。積層の構造形態では渦電流パスの抵抗が増加し、コアの渦電流による電力ロスが減少するので、コア11は積層から形成される。
【0037】
3段の結合されたエアギャップ23を有するインダクタコア11の挙動を検討するため、異なる幅を有する結合されたエアギャップ23の3つの段24a,24b,24cを設けたコア11により形成される磁気回路の、3つの並列な分岐(branch)を考える。コア11を通る典型的な磁路は、図5の参照番号26により示される。電流通過巻線20を流れている電流Iと磁路の所定の分岐の磁束密度Bの関係は、式
NI=BD/μ (2)で与えられる。
ここで、Nはインダクタの巻線の数であり、Dは分岐の磁路の長さであり、μは特定の値の磁束密度Bのコアの合成パス(コアの3つの並列分岐24a,24b,24cを有する。)の実効透磁率である。磁気回路の分岐のインダクタンスは、式
L=N2/R (3)で与えられる。
ここで、Lは、単位をヘンリーとして測定されるインダクタンスであり、Rは回路のリラクタンスである。(3)式のリラクタンスの式を置き換えると、式
L=N2μAm/D (4)となる。
ここで、Am(図5に示される。)は、磁束の方向に直角な磁路の断面積であ る(すなわち、コア11の積み重ね高さにコア11の各々の積層12を通る磁路の幅を掛けたもの)。
【0038】
磁気回路の各々の分岐の磁束は、式
Φ=BAmαi (5)で定められる。
ここで、αiは、第i番目のギャップに占める磁路の断面積Amの割合である。段のある結合されたエアギャップ23に対して、インダクタ19のコア11の各々の分岐の磁気回路の式を得る必要がある。これを達成するためには、使用されるコア材のB−H曲線の正確なモデルをもつことが重要である。単純な関数でB−H曲線全体を記載するのは、必要な式を得るのに複雑な曲線に適合させる作業が伴うので、極めて冗長で面倒な作業となる。替わりに、本発明の本実施例においては、B−H曲線は5つのセグメントに分割される。
【0039】
これを達成するため、磁束密度B(製造業者の仕様書から分かる。)の5つの値におけるコア材の透磁率が、コア材のB−H曲線の5つのポイントを決めるのに用いられる。近似B−H曲線が5つの値の間を内挿することにより得られる。コア材の非線形B−H関係が効果的に線形セグメントに分割され、各々のセグメントのコア材の相対透磁率が、実効値Bの両側にある2つの既知値Bの間の内挿された関係における勾配によって近似される。グラフにプロットされる磁束密度Bの最も高い値は、コア11が磁界強度Hのより高い値で飽和の状態にあるとみなすことができるように、選択される。
【0040】
図10に、上記のようにして得た、完全に処理された変圧器用鋼の内挿されたB−H曲線を示す。B−H曲線の第1セグメントは、磁界強度Bがゼロと磁界強度Bの第1のプロットされた値の間の領域とされる。第2セグメントは、第1及び第2のプロットされた値の間の領域等とされる。磁界強度H及び磁束密度Bの第1から第5のプロットされた値を、以後、それぞれ、HA,HB,・・・等、及びBA,BB,・・・等と表わし、図10にはそのように表示されている。
【0041】
この近似B−H曲線の第1セグメントを考慮して、式(2)を整理すれば、
BA=μANIA/D (6)が得られる。
ここで、IAは、コア11の磁束密度が第1のプロットされた値BAのときのインダクタ19を流れている電流であり、μAは、磁束密度BAにおける磁路の実効透磁率である。
【0042】
これから、第1セグメントの磁束密度BAの最大値が、磁束が流れている磁路(すなわち、コアの3つの分岐のうちの1つ。)の透磁率μA、コイルの巻数N、コイルに流れる電流IA及び磁路の長さDに依存することが分かる。例えば、結合されたエアギャップ23の第1の段24aからなるコア11の分岐の磁路の長さDが、結合されたエアギャップ23の第1の段24aの磁路の長さDGと、コア材の磁路の長さDMと、コアの突合せ継目における小さい不可避(inherent) のエアギャップに起因して存在する突合せ(butt)ギャップの磁路の長さDBから なることに留意する必要がある。従って、電流IAがインダクタ19に流れると きのインダクタ19のコア11の第i番目の分岐の磁気経路の長さの式は、以下のとおりである。
D=DG+DG β+DM (7)
【0043】
エアギャップ及びあらゆる突合せギャップの相対透磁率は1に等しいので、式(6)は以下のように書き替えることができる。
BA=μ0NI/(DG+DB+DM/μA) (8)
【0044】
B−H曲線を5つのセグメントに分割する方法と整合するように、全てのセグメントのための式が必要である。例えば、図9に示される曲線の第3セグメントの関係は、以下のようにインクリメンタルに表示できる。
BC−BB=μ0N(IC−IB)/(DG+DB+DM/μCB) (9) ここでIB及びICは、第2、第3のプロットされた磁束密度BB,BCの値における、コイルを流れる電流である。μCBは、曲線の第3セグメントのコア材に対して設定(assign)される相対透磁率(すなわち、第3セグメントの内挿されたB−H曲線の勾配)である。
【0045】
本実施例のように、異なるギャップ領域で磁束密度が異なり、結合されたエアギャップ23に3つの段24a,24b,24cがある場合、式は3つ全ての分岐に必要である。5つのセグメントに分割されるB−H曲線のトリギャップ(trigap)インダクタに対して、15の連立方程式が得られる。式に合計15の電流値がある。しかし、電流のうちの3つは、電源が作動するところの異なる電力定格と関連付けられる電流であり、既に既知であろう。15の連立方程式では、15の未知数を算出できることは明らかである。これらの未知数がインダクタ19の磁気回路の3つの分岐の磁路の長さを含むことが好ましい。
【0046】
コア11の3つの並列分岐と関連付けられる磁気回路は、或る共通した特性を有し、他は異なる点に注意することが重要である。磁気回路の全ての3つの分岐は、B−H特性を共有する同じコア及びエアギャップ材を有する。3つ全ての分岐の磁束は同じ巻線20により駆動されるので、N(巻線の数)は一定である。コアの全ての分岐の磁路の長さと同様、突合せ長さは一定としてよい(しばしばゼロに設定される)。
【0047】
従って、3つの磁気回路間の主な違いは、結合されたエアギャップ23の3つの領域と関連付けられる磁路の長さ及び結合されたエアギャップ23の総面積と比例関係にある3つの段24a,24b,24cの幅である。材料が同じものであるので、他のいくらかの要因は異なるものでなければならず、この場合、巻線20の電流は、どの特定の磁路においても全ての他の条件を満たすものでなければならない。それ故に、各々の分岐のB−H曲線のセグメント境界線を画定する電流の値が、見出されなければならない。上記の通り、これらは15の公式化された連立方程式から決まる。これらの電流は、以後、IXYによって表され、Xは境界電流(boundary current)が関係するB−H曲線(すなわち、1〜5)のセグメントを表し、Yはインダクタ(すなわち、1〜3)の分岐を表す。例えば、I22はインダクタ19のコア11の第2の分岐24bのB−H曲線の第2セグメントの境界電流を表す。
【0048】
図11a〜11cは、境界電流I11がインダクタ19を流れるときの、コア11の3つの分岐の近似コア透磁率の設定を表しているグラフを示す。これらの図から、I12<I11<I13であることが分かる。電流I11がコア11を流れるときに、結合されたエアギャップ23の第1の段24aを含む磁気回路の分岐は、(ちょうど)第1セグメントにある。第2の段24bを含む磁気回路の分岐は、第2セグメントにある。第3の段24cを含む分岐は第1セグメントにある。それ故に、μの適当な値は、磁気回路の各々の分岐のインダクタンスを算出するために用いることができる。μAは、第1及び第3の段24a、24cを含む分岐に設定される。そして、μBA(すなわち、B−H曲線の第2セグメントのコア材の透磁率の近似値)は、第2の段24bを含む分岐に設定される。
【0049】
トリギャップインダクタに対して、更に合計14の定義済みの電流があるので、コア11の各々の分岐の適当な相対透磁率を全ての定義済みの電流に設定するために、この手順を更に14回繰返さなければならない。
【0050】
また、結合されたエアギャップ23の3つの段24a,24b,24cの面積の合計が、磁路の断面積Am100%と等しくなければならないという事実に基づいて、さらなる連立方程式を導いてもよい。
α1+α2+α3=1 (10)
【0051】
一旦、これらの計算の各々が実行されると、セグメントで定まった各々の電流により、インダクタ19のインダクタンスの最終的な計算をすることができる。例えば、電流I11に対して、インダクタンスL11は、以下の式によって、与えられる。
L11=μ0N2Am{α1/(DG+DB+DM/μA)+α2/(DG+DB+DM/μBA )+α3/(DG+DB+DM/μA)} (11)
【0052】
15全ての定義済み境界電流に対するインダクタ19のインダクタンスを、この方法を用いて算出すれば、結果をプロットし内挿することにより、インダクタ19のインダクタンスLとそこに流れる電流の関係が得られる。
【0053】
インダクタ19の算出されたインダクタンスと電流の関係に対し、なされなければならない修正の1つは、フリンジング(fringing)として知られる効果に起因するものである。磁束がエアギャップを流れる磁気回路のポイントにおいては、ギャップに亘るまっすぐなパスだけでなく、エアースペース近くを通る直通でないパスも流れる。図12に、磁気回路のエアギャップ周辺での磁束線の概略図を示す。磁気回路のインダクタンスが磁気回路のリラクタンスに反比例することは、式(3)から分かる。従って、全リラクタンスが、ギャップリラクタンスと並列するフリンジングリラクタンスの存在により減少する場合、全インダクタンスは増加する。
RTOTAL=RCORE+RGAP/(RGAP/RFRINGING+1) (12)
【0054】
実際、フリンジングはインダクタのインダクタンスに相当な影響を及ぼすこと分かる。受動的力率補正インダクタに適したエアギャップの幅によって、上記に考慮した基本設計式から予想されるものより、実際のインダクタンスは約30%高くなる。フリンジングは、従って、受動的力率補正インダクタの最適な設計を追求するときに考慮される有益な効果となり得る。
【0055】
インダクタが使われる状況又は要求される精度のレベルによって、上記の分析を用いて得られた結果に対して、さらなる修正をなすことができる。これらの修正は当業者の知識の範囲内である。
【0056】
上記の方法が、段のあるエアギャップを有するコアからなる受動的力率補正インダクタのインダクタンス/電流特性を算出する為の強力なツールとなり、電源に伝導される高調波を抑制する所定の規則を満たすインダクタを製作するのに必要な時間と労力を大幅に減らすのに用いることが出来ることは、当業者に直ちに認められる。
【0057】
本発明の上記実施例において、インダクタ19のコア11は、3つの段を有する。しかし、本発明がこのようなコアに限られていないことや、上記の方法が、3つより多い、又は少ない段を有するギャップを含むコアのインダクタに直ちに適用することができることは、通常の当業者にとって全く明らかである。この方法が、幅が連続的に変化するエアギャップを有するコアのインダクタに適用することができることも考えられる。
【0058】
上記実施例はSMPSに関して述べてきたが、本発明がSPMSの使用に限らず、交流電源から引き入れられる電力が整流器及びコンデンサを使用して平滑化した直流形式に変換される状況においても使うことができることは、当業者にとって明らかである。
【0059】
特定の形式で、開示された機能を果たす手段や開示された結果を得る方法に関して表現された、前述の説明又は請求項又は添付図面に開示された特徴は、多様な形式で本発明を実現するために、適切に別々に又はいくつかの特徴を組合せて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本的なSMPSの整流回路の概略図。
【図2】図1のSMPSの時間と入力電圧及び電流の波形のグラフ。
【図3】受動的力率補正インダクタを取り入れたSMPSの整流回路の概略図。
【図4】一対の受動的力率補正インダクタを取り入れた、さらなるSMPSの整流回路の概略図。
【図5】受動的力率補正インダクタを製造するのに用いられるコアの図。
【図6】受動的力率補正インダクタを製造するのに用いられる巻型の図。
【図7】図5のコア及び図6の巻型からなる受動的力率補正インダクタの図。
【図8】図5のコアの部分断面図。
【図9】典型的なインダクタコア材の磁束密度と磁界強度の関係を示すグラフ。
【図10】処理された鋼のコアの磁束密度と磁界強度の内挿された関係を示すグラフ。
【図11】図10の変形例のグラフ。
【図12】磁気回路のエアギャップの周りの磁束線の概略図。
本発明は、インダクタを製造する方法に関し、特に、段のあるエアギャップを有するコアを有する受動的力率補正インダクタ(passive power factor correc−tion inductor)を最適に設計する方法に関する。
【0002】
多くの機械は、必要に応じて機械内の電気回路によって、(例えば本線から)流れてくる交流電圧を低電圧直流に変えるための電源を必要とする。これを達成する方法の1つに、リニア電源の使用がある。これらは比較的単純で、低直流電圧を安定させるために、メイントランス、整流器、平滑コンデンサ、電力半導体パス素子及び小さな能動/受動フィードバック素子を用いる。リニア電源の主な欠点は、それらが重くて嵩ばり、エネルギー効率がわずか約40%であり、競争力に欠けることである。
【0003】
別の方法に、スイッチモード電源装置(SMPS)の使用がある。SMPSは、前方へ付勢したダイオードブリッジにより、電気が流れてくる交流電源を負荷(すなわち、電力が供給される機械)に接続し、負荷と並列に接続された大容量コンデンサからなるものである。基本的なSMPSの整流器段階の電気回路の概略図は、添付図面の図1に示される。
【0004】
SMPSは、一般にリニア電源より効率がよく、全定格負荷の70〜80%のエネルギー効率は容易に達成できる。本線からの入力電力と比較して開閉頻繁度が高いので、エネルギー貯蔵素子のサイズもずっと小さくできる。これらの利点により、SMPSは有望な選択肢とされている。SMPSは、現在世界で製造される電源の約60%を占めている。
【0005】
SMPS及びリニア電源両方の欠点の1つは、これらの装置が交流電源から内在する非正弦波電流を導入してしまうことである。これはSMPSの場合、大容量コンデンサ及び電源が前方へ付勢されたダイオードブリッジによって、お互いに接続されているので、電源の電圧がコンデンサ全体の電圧を上回るときだけ、電流が電源から大容量コンデンサと負荷に流れるという事実によるものである。他の時は、電流は電源から流れない。明らかに、これにより電源の各ACサイクルのピーク近くの電流の周期が短くなる。この影響により、電源に、望ましくない高調波(harmonics)が導入されてしまう。
【0006】
高調波の導入により、所定の負荷のシステム配線における増加する不偏分散のルート値の電流(すなわち、加熱電流)を含む、配電システムへのいくつかの望ましくない影響が出る。これは、交流電源から引き入れられる電流の力率の減少につながり、より低い電力レベルにおいて保護装置が外れてしまうこともあり得る。
【0007】
この明細書を作成している時に、上記に述べた電流の歪みに関連する高調波に制限を課す新しい規制が導入されようとしている。電源から伝導される高調波のレベルが、規制の詳細によって課せられる限度の範囲内であることが、すぐに義務となるであろう。これらの規則に従ってSMPSを用いることの方法の1つは、電源からより平滑化した電流を引くために、殆ど又は全く付属の電気回路を用いずに、インダクタを用いて受動的力率補正をすることである。
【0008】
受動的力率補正は必要とする素子が比較的少なく、最も単純な形では、コンデンサの前にあり、整流回路の中の任意の位置に配置されるインダクタからなる。下記に説明される理由のために、インダクタは、多くの場合、前方へ付勢されたダイオードブリッジと大容量コンデンサの間に配置される。特に、パーソナルコンピュータの電源(SMPSが適している。)の市場の競争が、コストを最小にする大きな圧力を生み出している。このような理由で、受動的力率補正によりもたらされる設計の単純性は魅力的な特徴である。しかし、電源に導入されるインダクタのサイズ及び重量は、重要な問題である。
【0009】
現在の高調波電流の法律に従うため、50Wを超える入力電力を引き入れるいかなる装置も、電源に伝導される電流高調波を、引き入れられる電力を基準にして指定されるレベルの範囲内に制限しなければならない。50Wより大きい入力電力を引き入れることが可能な装置は、装置が50Wから全入力電力の間の入力電力を引き入れるときに、導入された電流高調波を指定レベルより低く維持するインダクタを設ける必要がある。高調波規制に従わなければならない電力範囲が大きい場合、インダクタのサイズ及び重量を最低に保つために、インダクタンスが流れる電流によって変わるインダクタが必要不可欠となる。
【0010】
インダクタの設計において、最近は、インダクタのコアの磁束と関連するエネルギーを最大にして、インダクタのサイズを小さくするために、小さいエアギャップを、インダクタを構成する磁気回路に導入するのが一般的である。これは、特定の種類のコアにおいて、エアギャップの正しい大きさを維持するために、必要な厚みの絶縁体の薄片を磁気回路に導入することにより達成することができる。コアが飽和すると、コアの相対透磁率は統一され、エアギャップの透磁率に等しくなる。このようなエアギャップが存在することで、インダクタは流れる電流によってインダクタンスが変化するようになる。輪郭(profile) のあるエアギャップ(すなわち、幅が一様でないエアギャップ。)を有するコアを設けることによって、電流によるインダクタンスの変化を制御することが可能となる。この現象は、上記に述べたような、受動的力率補正のための効率的なインダクタを生み出すのに利用することができる。
【0011】
しかし、このようなインダクタの動作はモデル化するのが極めて困難である。この技術の欠点は、実際に製造することなしに段付きギャップ(stepped−gap)イ ンダクタのインダクタンスと電流の関係を予測することが非常に難しいということである。
【0012】
受動的力率補正インダクタの改良された製造方法を提供することが、本発明の目的である。
【0013】
従って、本発明の1つの態様は、幅が一様でないエアギャップを有するコアを具えたインダクタの製造方法であって、前記エアギャップの大きさを含む前記インダクタのコアの物理的パラメータを定義し、前記コアの複数の分岐を画定し、コア材が第1及び第2の値の磁界強度にそれぞれ曝されたときの前記コア材に存在する磁束密度の第1及び第2の既知値の間を内挿することによって前記コア材の相対透磁率の近似値を求め、前記コアの各々の分岐に存在する磁束密度の各々の第1及び第2の既知値に対する前記インダクタを流れる境界電流を算出し、各々の算出された前記境界電流におけるインダクタのインダクタンスを確定するというステップによりインダクタを設計し、かくして、インダクタを製造することからなる、インダクタの製造方法である。
【0014】
前記方法が、さらに、インダクタの連続的なインダクタンスと電流の近似の関係を求めるため、各々の算出された境界電流におけるインダクタのインダクタンスを内挿するステップを含むと有利である。
【0015】
前記方法が、さらに、第1及び第2の既知値の磁束密度がコアの前記分岐に存在するとき、コアの各々の分岐の磁路の長さを算出するステップをさらに含むと好適である。
【0016】
エアギャップの大きさを定める前記ステップが、エアギャップの異なる幅を有する複数の段の大きさを定めるステップを含むと好都合である。
【0017】
エアギャップの複数の段の大きさを定める前記ステップが、エアギャップの3つの段の大きさを定めるステップを含むと有利である。
【0018】
コアの複数の分岐を画定する前記ステップが、各々がエアギャップの段を含むコアの複数の分岐を画定するステップを含むと好適である。
【0019】
エアギャップの大きさを定める前記ステップが、連続的に変化するエアギャップの幅を定めるステップを含むと好都合である。
【0020】
各々の既知値の磁束密度がコアの前記分岐に存在するときのコアの各々の分岐の磁路の長さを算出する前記ステップが、式
D=DG+DB+DM
を解くステップを含み、ここで、Dは問題のコアの分岐の磁路の長さであり、DGはコアの前記分岐のエアギャップの磁路の長さであり、DBはコアに存在する全ての突合せギャップの磁路の長さであり、DMはコアの前記分岐のコア材の磁路の長さであると有利である。
【0021】
コアの各々の分岐に存在する磁束密度の各々の既知値に対する、インダクタの中を流れる境界電流を算出する前記ステップが、式
Bn=μnNIn/D
を解くステップを含み、ここで、Bnは磁束密度の第n番目の既知値であり、μnは第n番目の値の磁束密度がコア材に存在するときのコア材の相対透磁率であり、Nはインダクタの巻線の巻数であり、Inは問題のコアの分岐に存在する第n番目の磁束密度に対するインダクタを流れる境界電流であると好適である。
【0022】
前記方法が、さらに、インダクタのコアの各々の分岐の相対透磁率の値を、各々の算出された境界電流に設定するステップを含むと好都合である。
【0023】
各々の算出された境界電流のインダクタのインダクタンスを確立する前記ステップが、式
を解くステップを含み、ここで、Lは選択された境界電流のインダクタのインダクタンスであり、Amは磁束の方向に直角な磁路の断面積であり、yはコアの分岐の総数であり、αiはコアの第i番目の分岐に占めるAmの割合であり、μiは問題の境界電流がインダクタの中を流れるときのコアの第i番目の分岐に設定される相対透磁率であり、nはコアの分岐の総数であると有利である。
【0024】
本発明がより容易に理解されるように、添付の図面を参照して、本発明の実施形態が、例示として説明される。
【0025】
まず、図1において、入力交流電源2に接続されている基本的なSMPS1の整流器段階の電気回路は、前方へ付勢された(foward−biased)ダイオードブリッジ4によって電源2に接続されている大容量コンデンサ3を有する。ダイオードブリッジ4は、電流が電源2から大容量コンデンサ3に流れるだけで、反対方向には流れないように機能する。大容量コンデンサ3は、SMPSが一部をなす機械(例えば、パーソナルコンピュータ)にSMPSにより送られた電力を示す負荷5と並列に接続される。
【0026】
上記に述べた通り、電流は、交流電源2の使用率の何分の一かの間、電源2から大容量コンデンサ3及び負荷5に流れるだけである。図2は、入力電圧波形6及び入力電流波形7が時間とともに変化するグラフを示し、ここでその効果がはっきりと分かる。
【0027】
図3は、受動的力率補正インダクタ8を取り入れた、ダイオードブリッジ4と大容量コンデンサ3の間に位置するSMPS1を示す。このようなインダクタ8があることで、電源2からより平滑な電流が引き入れられ、電源2に導入される高調波のレベルが下がる。
【0028】
図4に、標準整流モード(例えば、ヨーロッパにおいて用いられているような230ボルト)と、倍電圧モード(例えば、日本において用いられているような100ボルト)の両方で用いることが可能な、図3の回路のバリエーションの1つを示す。回路は、1つの大容量コンデンサの替わりにお互いに直列に接続された2つのコンデンサ3を有し、2つの巻線9a、9bが同じコアに巻き付けられたインダクタ9を有する。(通常機械式の)切換スイッチ10が、2つのコンデンサ3の間のポイントから、電源2とダイオードブリッジ4の間のポイントまで接続される。切換スイッチ10は、標準整流モードと倍電圧モードの切替えをするのに用いることができる。一対の巻線9a、9bは、標準の整流器運転において直列に、倍電圧運転において準並列(一対の巻線9a、9bの一方が、それぞれの全使用率の半分の間導通している。)に接続している。インダクタ9は、ダイオードブリッジ4と大容量コンデンサ3の間に位置することによって、両方の運転モードで、電源に導入される電流高調波を制限することができる。このようなSMPSの運転における柔軟性は、商業的に有用である。
【0029】
図5は、本発明のインダクタを製造するのに用いられる積層鉄心11を示す。コア11は、実質的にお互いに同じ形状をしているいくつかの積層12からなる。各々の積層12は2つの部分からなり、第1部分13はE形、第2部分14はI形をしている。I形部分14は、E形部分13の3つの肢15の自由端上に配置されるように、第1及び第2部分13,14は、互いに隣合って配置される。2つの部分13、14がそのように配置される場合、積層12は長方形で、E形部分14の中心肢15によって、長手方向に二分される。コア11は、積層12を整列してお互いの上に積み重ねていくことにより製造され、このコアの設計はEI型コアとして知られている。
【0030】
図6は、本発明のインダクタを製造するのに用られる巻型(コイル・フォーマ)16を示す。巻型16は、断面が長方形の中心柱17を有し、中心柱17の各々の端は開いていて、外側に突出している長方形のフランジ18が端をなしている。中心柱17の内部の形状は、コア11のE形部分13の中心肢15にスライド可能に密着して配置できるようになっている。
【0031】
図7は、巻型16がE形部分13の中心肢15に配置されるコア11を有するインダクタ19を示す。巻型16は、電流通過巻線20が巻回され、電気的接続のために1つのフランジ18から延びるリード線21が飛び出している。
【0032】
小さなエアギャップ22が、コア11の各々の積層12のE及びI形部分13,14の間に存在する。上記の通り、コアの磁束と関連づけられるエネルギーを最大にして、インダクタのサイズを小さくするために、エアギャップはインダクタのコアの中に、通常設けられる。実際は、上記のように、ギャップ22は絶縁体の薄片を有してもよい(添付図面には図示せず)。
【0033】
図8は、E形部分13とI形部分14の間の積層12中のエアギャップ22の領域における、一部のコア11の断面図を示す。各々の積層12のエアギャップ22からなる結合されたエアギャップ23は、段となっており、コア11の積層12中のエアギャップ22の幅がコア11の一方の面(コア11の積層12のうちの1つとの平行)とコア11の反対側の面の間で変わっている。本発明の実施態において、結合したエアギャップ23は、3つの段24a,24b,24cからなる。
【0034】
上記の通り、インダクタのコアに段のあるエアギャップを設けることによって、インダクタの中を流れている電流によるインダクタのインダクタンスの変化の仕方を制御することができる。段のあるエアギャップを有するインダクタを設計するときに、所定の輪郭(profile)のエアギャップを有するインダクタにとって、これらの2つの量がどのようにお互いに変わるかを、或る程度、正確に知っていることは重要である。
【0035】
この関係を決めるために、コア11が製造される材料の磁気特性を知る必要がある。空気の磁気回路では、H(磁界強度)とB(磁束密度)のグラフは、原点からの単なる直線であり、すなわち、2つの量はお互いに正比例する。この場合、BとHは、式
B=μ0H (1)によって関係付けられる。
空気の透磁率(絶対透磁率)μ0は、非常に低い。
【0036】
しかし、典型的なコア材では、BとHの関係はより複雑である。両者はコア材の透磁率によって関係付けられるが、このパラメータはコア材の中に存在する磁束密度Bによって異なる。典型的なコア材では、磁界強度Hが高い値のとき、飽和として知られる磁束密度Bが横ばいになる現象が現れる。典型的なコア材のB−Hの関係は図9に示される。図9は、最初の磁化(参照番号25によって示される。)の間と、その後の磁化と消磁の間のコア材のB−Hの関係を表す曲線を示している。コア11を製造するのに適した材料の一例は、珪素鋼材である。この材料は、比較的安く、小さな体積で大量のエネルギーを蓄えることができる。積層の構造形態では渦電流パスの抵抗が増加し、コアの渦電流による電力ロスが減少するので、コア11は積層から形成される。
【0037】
3段の結合されたエアギャップ23を有するインダクタコア11の挙動を検討するため、異なる幅を有する結合されたエアギャップ23の3つの段24a,24b,24cを設けたコア11により形成される磁気回路の、3つの並列な分岐(branch)を考える。コア11を通る典型的な磁路は、図5の参照番号26により示される。電流通過巻線20を流れている電流Iと磁路の所定の分岐の磁束密度Bの関係は、式
NI=BD/μ (2)で与えられる。
ここで、Nはインダクタの巻線の数であり、Dは分岐の磁路の長さであり、μは特定の値の磁束密度Bのコアの合成パス(コアの3つの並列分岐24a,24b,24cを有する。)の実効透磁率である。磁気回路の分岐のインダクタンスは、式
L=N2/R (3)で与えられる。
ここで、Lは、単位をヘンリーとして測定されるインダクタンスであり、Rは回路のリラクタンスである。(3)式のリラクタンスの式を置き換えると、式
L=N2μAm/D (4)となる。
ここで、Am(図5に示される。)は、磁束の方向に直角な磁路の断面積であ る(すなわち、コア11の積み重ね高さにコア11の各々の積層12を通る磁路の幅を掛けたもの)。
【0038】
磁気回路の各々の分岐の磁束は、式
Φ=BAmαi (5)で定められる。
ここで、αiは、第i番目のギャップに占める磁路の断面積Amの割合である。段のある結合されたエアギャップ23に対して、インダクタ19のコア11の各々の分岐の磁気回路の式を得る必要がある。これを達成するためには、使用されるコア材のB−H曲線の正確なモデルをもつことが重要である。単純な関数でB−H曲線全体を記載するのは、必要な式を得るのに複雑な曲線に適合させる作業が伴うので、極めて冗長で面倒な作業となる。替わりに、本発明の本実施例においては、B−H曲線は5つのセグメントに分割される。
【0039】
これを達成するため、磁束密度B(製造業者の仕様書から分かる。)の5つの値におけるコア材の透磁率が、コア材のB−H曲線の5つのポイントを決めるのに用いられる。近似B−H曲線が5つの値の間を内挿することにより得られる。コア材の非線形B−H関係が効果的に線形セグメントに分割され、各々のセグメントのコア材の相対透磁率が、実効値Bの両側にある2つの既知値Bの間の内挿された関係における勾配によって近似される。グラフにプロットされる磁束密度Bの最も高い値は、コア11が磁界強度Hのより高い値で飽和の状態にあるとみなすことができるように、選択される。
【0040】
図10に、上記のようにして得た、完全に処理された変圧器用鋼の内挿されたB−H曲線を示す。B−H曲線の第1セグメントは、磁界強度Bがゼロと磁界強度Bの第1のプロットされた値の間の領域とされる。第2セグメントは、第1及び第2のプロットされた値の間の領域等とされる。磁界強度H及び磁束密度Bの第1から第5のプロットされた値を、以後、それぞれ、HA,HB,・・・等、及びBA,BB,・・・等と表わし、図10にはそのように表示されている。
【0041】
この近似B−H曲線の第1セグメントを考慮して、式(2)を整理すれば、
BA=μANIA/D (6)が得られる。
ここで、IAは、コア11の磁束密度が第1のプロットされた値BAのときのインダクタ19を流れている電流であり、μAは、磁束密度BAにおける磁路の実効透磁率である。
【0042】
これから、第1セグメントの磁束密度BAの最大値が、磁束が流れている磁路(すなわち、コアの3つの分岐のうちの1つ。)の透磁率μA、コイルの巻数N、コイルに流れる電流IA及び磁路の長さDに依存することが分かる。例えば、結合されたエアギャップ23の第1の段24aからなるコア11の分岐の磁路の長さDが、結合されたエアギャップ23の第1の段24aの磁路の長さDGと、コア材の磁路の長さDMと、コアの突合せ継目における小さい不可避(inherent) のエアギャップに起因して存在する突合せ(butt)ギャップの磁路の長さDBから なることに留意する必要がある。従って、電流IAがインダクタ19に流れると きのインダクタ19のコア11の第i番目の分岐の磁気経路の長さの式は、以下のとおりである。
D=DG+DG β+DM (7)
【0043】
エアギャップ及びあらゆる突合せギャップの相対透磁率は1に等しいので、式(6)は以下のように書き替えることができる。
BA=μ0NI/(DG+DB+DM/μA) (8)
【0044】
B−H曲線を5つのセグメントに分割する方法と整合するように、全てのセグメントのための式が必要である。例えば、図9に示される曲線の第3セグメントの関係は、以下のようにインクリメンタルに表示できる。
BC−BB=μ0N(IC−IB)/(DG+DB+DM/μCB) (9) ここでIB及びICは、第2、第3のプロットされた磁束密度BB,BCの値における、コイルを流れる電流である。μCBは、曲線の第3セグメントのコア材に対して設定(assign)される相対透磁率(すなわち、第3セグメントの内挿されたB−H曲線の勾配)である。
【0045】
本実施例のように、異なるギャップ領域で磁束密度が異なり、結合されたエアギャップ23に3つの段24a,24b,24cがある場合、式は3つ全ての分岐に必要である。5つのセグメントに分割されるB−H曲線のトリギャップ(trigap)インダクタに対して、15の連立方程式が得られる。式に合計15の電流値がある。しかし、電流のうちの3つは、電源が作動するところの異なる電力定格と関連付けられる電流であり、既に既知であろう。15の連立方程式では、15の未知数を算出できることは明らかである。これらの未知数がインダクタ19の磁気回路の3つの分岐の磁路の長さを含むことが好ましい。
【0046】
コア11の3つの並列分岐と関連付けられる磁気回路は、或る共通した特性を有し、他は異なる点に注意することが重要である。磁気回路の全ての3つの分岐は、B−H特性を共有する同じコア及びエアギャップ材を有する。3つ全ての分岐の磁束は同じ巻線20により駆動されるので、N(巻線の数)は一定である。コアの全ての分岐の磁路の長さと同様、突合せ長さは一定としてよい(しばしばゼロに設定される)。
【0047】
従って、3つの磁気回路間の主な違いは、結合されたエアギャップ23の3つの領域と関連付けられる磁路の長さ及び結合されたエアギャップ23の総面積と比例関係にある3つの段24a,24b,24cの幅である。材料が同じものであるので、他のいくらかの要因は異なるものでなければならず、この場合、巻線20の電流は、どの特定の磁路においても全ての他の条件を満たすものでなければならない。それ故に、各々の分岐のB−H曲線のセグメント境界線を画定する電流の値が、見出されなければならない。上記の通り、これらは15の公式化された連立方程式から決まる。これらの電流は、以後、IXYによって表され、Xは境界電流(boundary current)が関係するB−H曲線(すなわち、1〜5)のセグメントを表し、Yはインダクタ(すなわち、1〜3)の分岐を表す。例えば、I22はインダクタ19のコア11の第2の分岐24bのB−H曲線の第2セグメントの境界電流を表す。
【0048】
図11a〜11cは、境界電流I11がインダクタ19を流れるときの、コア11の3つの分岐の近似コア透磁率の設定を表しているグラフを示す。これらの図から、I12<I11<I13であることが分かる。電流I11がコア11を流れるときに、結合されたエアギャップ23の第1の段24aを含む磁気回路の分岐は、(ちょうど)第1セグメントにある。第2の段24bを含む磁気回路の分岐は、第2セグメントにある。第3の段24cを含む分岐は第1セグメントにある。それ故に、μの適当な値は、磁気回路の各々の分岐のインダクタンスを算出するために用いることができる。μAは、第1及び第3の段24a、24cを含む分岐に設定される。そして、μBA(すなわち、B−H曲線の第2セグメントのコア材の透磁率の近似値)は、第2の段24bを含む分岐に設定される。
【0049】
トリギャップインダクタに対して、更に合計14の定義済みの電流があるので、コア11の各々の分岐の適当な相対透磁率を全ての定義済みの電流に設定するために、この手順を更に14回繰返さなければならない。
【0050】
また、結合されたエアギャップ23の3つの段24a,24b,24cの面積の合計が、磁路の断面積Am100%と等しくなければならないという事実に基づいて、さらなる連立方程式を導いてもよい。
α1+α2+α3=1 (10)
【0051】
一旦、これらの計算の各々が実行されると、セグメントで定まった各々の電流により、インダクタ19のインダクタンスの最終的な計算をすることができる。例えば、電流I11に対して、インダクタンスL11は、以下の式によって、与えられる。
L11=μ0N2Am{α1/(DG+DB+DM/μA)+α2/(DG+DB+DM/μBA )+α3/(DG+DB+DM/μA)} (11)
【0052】
15全ての定義済み境界電流に対するインダクタ19のインダクタンスを、この方法を用いて算出すれば、結果をプロットし内挿することにより、インダクタ19のインダクタンスLとそこに流れる電流の関係が得られる。
【0053】
インダクタ19の算出されたインダクタンスと電流の関係に対し、なされなければならない修正の1つは、フリンジング(fringing)として知られる効果に起因するものである。磁束がエアギャップを流れる磁気回路のポイントにおいては、ギャップに亘るまっすぐなパスだけでなく、エアースペース近くを通る直通でないパスも流れる。図12に、磁気回路のエアギャップ周辺での磁束線の概略図を示す。磁気回路のインダクタンスが磁気回路のリラクタンスに反比例することは、式(3)から分かる。従って、全リラクタンスが、ギャップリラクタンスと並列するフリンジングリラクタンスの存在により減少する場合、全インダクタンスは増加する。
RTOTAL=RCORE+RGAP/(RGAP/RFRINGING+1) (12)
【0054】
実際、フリンジングはインダクタのインダクタンスに相当な影響を及ぼすこと分かる。受動的力率補正インダクタに適したエアギャップの幅によって、上記に考慮した基本設計式から予想されるものより、実際のインダクタンスは約30%高くなる。フリンジングは、従って、受動的力率補正インダクタの最適な設計を追求するときに考慮される有益な効果となり得る。
【0055】
インダクタが使われる状況又は要求される精度のレベルによって、上記の分析を用いて得られた結果に対して、さらなる修正をなすことができる。これらの修正は当業者の知識の範囲内である。
【0056】
上記の方法が、段のあるエアギャップを有するコアからなる受動的力率補正インダクタのインダクタンス/電流特性を算出する為の強力なツールとなり、電源に伝導される高調波を抑制する所定の規則を満たすインダクタを製作するのに必要な時間と労力を大幅に減らすのに用いることが出来ることは、当業者に直ちに認められる。
【0057】
本発明の上記実施例において、インダクタ19のコア11は、3つの段を有する。しかし、本発明がこのようなコアに限られていないことや、上記の方法が、3つより多い、又は少ない段を有するギャップを含むコアのインダクタに直ちに適用することができることは、通常の当業者にとって全く明らかである。この方法が、幅が連続的に変化するエアギャップを有するコアのインダクタに適用することができることも考えられる。
【0058】
上記実施例はSMPSに関して述べてきたが、本発明がSPMSの使用に限らず、交流電源から引き入れられる電力が整流器及びコンデンサを使用して平滑化した直流形式に変換される状況においても使うことができることは、当業者にとって明らかである。
【0059】
特定の形式で、開示された機能を果たす手段や開示された結果を得る方法に関して表現された、前述の説明又は請求項又は添付図面に開示された特徴は、多様な形式で本発明を実現するために、適切に別々に又はいくつかの特徴を組合せて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本的なSMPSの整流回路の概略図。
【図2】図1のSMPSの時間と入力電圧及び電流の波形のグラフ。
【図3】受動的力率補正インダクタを取り入れたSMPSの整流回路の概略図。
【図4】一対の受動的力率補正インダクタを取り入れた、さらなるSMPSの整流回路の概略図。
【図5】受動的力率補正インダクタを製造するのに用いられるコアの図。
【図6】受動的力率補正インダクタを製造するのに用いられる巻型の図。
【図7】図5のコア及び図6の巻型からなる受動的力率補正インダクタの図。
【図8】図5のコアの部分断面図。
【図9】典型的なインダクタコア材の磁束密度と磁界強度の関係を示すグラフ。
【図10】処理された鋼のコアの磁束密度と磁界強度の内挿された関係を示すグラフ。
【図11】図10の変形例のグラフ。
【図12】磁気回路のエアギャップの周りの磁束線の概略図。
Claims (11)
- 幅が一様でないエアギャップを有するコアを具えたインダクタの製造方法であって、
前記エアギャップの大きさを含む前記インダクタのコアの物理的パラメータを定義し、
前記コアの複数の分岐を画定し、
コア材が第1及び第2の値の磁界強度にそれぞれ曝されたときの該コア材に存在する磁束密度の第1及び第2の既知値の間を内挿することによって該コア材の相対透磁率の近似値を求め、
前記コアの各々の分岐に存在する磁束密度の各々の第1及び第2の既知値に対する前記インダクタを流れる境界電流を算出し、
各々の算出された前記境界電流におけるインダクタのインダクタンスを確定するステップによりインダクタを設計し、
前記インダクタを製造することからなる、
インダクタの製造方法。 - さらに、インダクタの連続的なインダクタンスと電流の近似の関係を求めるため、各々の算出された境界電流におけるインダクタのインダクタンスを内挿するステップを含む、請求項1の方法。
- さらに、第1及び第2の既知値の磁束密度がコアの前記分岐に存在するとき、コアの各々の分岐の磁路の長さを算出するステップを含む、請求項1又は2の方法。
- エアギャップの大きさを定める前記ステップが、エアギャップの異なる幅を有する複数の段の大きさを定めるステップを含む、請求項1から3のいずれかの方法。
- エアギャップの複数の段の大きさを定める前記ステップが、エアギャップの3つの段の大きさを定めるステップを含む、請求項4の方法。
- コアの複数の分岐を画定する前記ステップが、各々がエアギャップの段を含むコアの複数の分岐を画定するステップを含む、請求項4又は5の方法。
- エアギャップの大きさを定める前記ステップが、連続的に変化するエアギャップの幅を定めるステップを含む、請求項1から6のいずれかの方法。
- 各々の既知値の磁束密度がコアの前記分岐に存在するときのコアの各々の分岐の磁路の長さを算出する前記ステップが、式
D=DG+DB+DM
を解くステップを含み、ここで、Dは問題のコアの分岐の磁路の長さであり、DGはコアの前記分岐のエアギャップの磁路の長さであり、DBはコアに存在する全ての突合せギャップの磁路の長さであり、DMはコアの前記分岐のコア材の磁路の長さである、請求項7の方法。 - コアの各々の分岐に存在する磁束密度の各々の既知値に対する、インダクタの中を流れる境界電流を算出する前記ステップが、式
Bn=μnNIn/D
を解くステップを含み、ここで、Bnは磁束密度の第n番目の既知値であり、μnは第n番目の値の磁束密度がコア材に存在するときのコア材の相対透磁率であり、Nはインダクタの巻線の巻数であり、Inは問題のコアの分岐に存在する第n番目の磁束密度に対するインダクタを流れる境界電流である、請求項8の方法。 - さらに、インダクタのコアの各々の分岐の相対透磁率の値を、各々の算出された境界電流に設定するステップを含む、請求項9の方法。
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