JP2004508394A - 化粧品組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、
(a)約0.0001%〜約1%のプロテアーゼ酵素と、
(b)連続相中の20%多価アルコールと、
(c)50%未満の油相と、
を含み、前記プロテアーゼ酵素が5.5を超えるpHで活性を示し、外部相の水分活性が0.85を超える水中油型エマルションに関する。
好ましい一実施形態では、本組成物は、2つ以上のチャンバを含む包装内に包装され、その第1チャンバが、
(a)約0.0001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%のプロテアーゼ酵素と、
(b)約20重量%〜約99重量%、好ましくは約50重量%〜約99重量%、より好ましくは約60重量%〜約98重量%の多価アルコールと、
(c)約20重量%未満、好ましくは約10重量%未満の水分と、
を含む水性組成物を含み、その第2チャンバが、プラセボ組成物を水中油型エマルションとして含み、2つのチャンバからの組成物が、好ましくは単一ノズルを通じて分配システムから分配される。
本発明の組成物は、皮膚または毛髪を処理し、優れた落屑/皮膚剥離作用ならびに肌触り利益を提供するのに有用である。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、プロテアーゼ酵素と、連続相中の20%未満の多価アルコールと、50%未満の油相とを含む、局所用水中油型エマルション組成物に関する。より詳細には、本発明は、製品を使用すると皮膚の状態が著しく改善されるように高レベルの落屑/皮膚剥離作用を提供するのに適切で、老化の徴候を有意に遅らせ、後退させることさえできる、水中油型エマルションに関する。さらに、本発明は、複数チャンバ分配包装を用いた、このような水中油型エマルション組成物中のプロテアーゼ酵素活性の安定化に関する。本発明の組成物は、皮膚及び/又は毛髪の処理用の残油型製品として特に有用である。
【0002】
(発明の背景)
皮膚は、その構造の骨格を形成するケラチンおよびコラーゲン繊維蛋白質を覆い、保護する、細胞のいくつかの層から成る。これらの層の最外層は、角質層と呼ばれ、8nmの厚さの層に囲まれた25nmの蛋白質の束から構成されていることが知られている。陰イオン性界面活性剤および有機溶媒は、通常、角質層の膜に浸透し、脱脂(すなわち、角質層からの脂質の除去)によって角質層の完全性を破壊する。この皮膚表面の微細構成の破壊は、ざらざらした感触を引き起こし、最終的には界面活性剤または溶媒がケラチンと相互作用して炎症を起こすことがある。
乾燥し、痒みのある、または薄く剥がれる皮膚はまた、角質層を横切る水分勾配が適切に維持されないために引き起こされることもある。時には角質層の可塑剤と考えられる、水分勾配を維持するために必要な水分の大部分は、体内由来のものである。寒冷な気候など、湿度が低すぎると、角質層の外層内に保持される水分が組織を適切に可塑性にするのに不十分になり、皮膚が薄片となって剥げ落ち始め、痒みを生じる。
【0003】
近年、多くの分野にわたり、広範囲の様々なタイプの消費者製品において、成分としての生物学的活性酵素の使用が増加してきている。この増加は、特に化粧品分野、具体的には皮膚または毛髪用の残油型局所用組成物で突出しており、これらの生物学的活性酵素は、その他のより伝統的な成分と比べて効果が高いという利益を有する。さらに、ある場合には、生物学的活性酵素の使用は、特定の化粧品利益を得るための唯一の方法であり、等価の伝統的な成分が存在しない。
【0004】
様々な異なる酵素が、化粧品組成物中の重要な生物学的活性物質として、現在特に関心をもたれている。そのような酵素の例としては、皮膚のピーリング剤調製時にαヒドロキシ酸を支持または置換できるプロテアーゼ(JP−A−04027388)、または乾燥し、痒みがあり、または薄く剥がれる皮膚の処理に対して落屑作用を提供できるプロテアーゼ(EP−A−0710478);毛髪のカールのセットの際に使用できるグルタチオンスルフヒドリルオキシダーゼ(JP−A−4005220);皮膚の落屑プロセスを向上させることのできるグリコシダーゼ(WO93/19731)、ならびに、皮膚、毛髪、および爪上に保護層を形成するのを助けることのできるトランスグルタミナーゼ(WO94/18945、JP−A−02204407)が挙げられる。
【0005】
化粧品組成物、特に水中油型エマルション中での、酵素、特にプロテアーゼ酵素の使用に関するこれまでの重要な問題の1つは、最終組成物中の酵素自体の安定性が不十分なことであった。プロテアーゼ酵素の場合、酵素の低安定性を主に促進するのは、酵素の自己分解を引き起こす、組成物中の水分の有用性である。その結果、製品中の酵素の活性が低下し、したがって最終製品が所望の利益を放出することができないことがある。加えて、化粧品組成物中での酵素の使用に関するその他の重要な問題は、消費者が過度に高用量の酵素材料に暴露した場合に、アレルギー反応や感作などの副作用が発生する可能性があることである。したがって、所望の最終利益を送り届ける最小限の濃度の酵素を含むように、組成物を含む酵素を配合することによって、危険性を最小限に抑えることが重要である。組成物を低い酵素濃度で配合でき、それでも使用時に所望の利益を送り届けるように、配合内の酵素の最終的な優れた安定性がさらに重要となる。
【0006】
従来技術は、これらの組成物中での酵素の使用の潜在的な安全性課題の対処を明確に取り扱っていないが、酵素の最終組成物中での安定性を確実に維持するために、いくつかの革新的な手法が実施されてきた。当該技術分野で開示されている手法としては、化粧品組成物に含める前の酵素のカプセル化(GB1,255,284およびJP10−251122);酵素を使用時まで非活性に保持するような化粧品組成物のバッファリング(WO97/47238);ならびに、酵素を安定化するための組成物中での前駆体またはその他の活性物質の使用(EP0710478およびSU1690764)が挙げられる。しかし、化粧品組成物中のプロテアーゼ酵素の安定化に関する当該技術分野の好ましい手法とは、酵素が自己分解しないように、組成物中の水分の有用性を劇的に低下させるものである。組成物中の水分の有用性は、水分活性として測定することができる。一般に、組成物の水分活性は、非常に高濃度の、グリセリンなどの多価アルコールを任意の組成物の水性相に配合することによって低下し、それについてはJP1283213、JP3294211に開示されている。残念なことに、このような系は、化粧品製品には美観的に許容可能ではない。これは、これまで、油中水型エマルションへの水性相の配合によって(US5,932,234およびUS5,830,449)、または3重の水中油中水型エマルションへの水性相の配合によって(EP0779071)克服されてきた。その他の解決策は、単一包装中に2相系として生成物を保管するものであり、2つの相が分配・混合されるときに、最終水溶性組成物が許容可能な美観を有するように、その第1相が高濃度の多価アルコール中に安定化した酵素を含み、第2相が水溶性化粧品組成物を含む(WO97/27841)。
【0007】
一般に、最も一般的なタイプの化粧品組成物、特に残油型組成物は、水中油型エマルション系である。このような組成物を調製する際に、皮膚上の適用または乾燥が速く、非付着性/非粘着性で肌触りの良い、消費者の美観的にきわめて好ましい、高濃度の皮膚軟化剤および他の保湿活性物質をバランスすることのできる配合を含めて、当業者には広範囲な配合が思い付くであろう。したがって、消費者に良い落屑/剥離作用利益を届けられ、同時に消費者の感作の危険を最小限に抑えるように酵素を可能な限り低濃度に維持した、プロテアーゼ酵素を含む安定な水中油型エマルションを開発できることが有用である。しかも、さらなる保湿/皮膚水和利益を提供することによって、製品シャーシが酵素の落屑/剥離作用利益を支持するように、さらに湿潤剤、皮膚軟化剤、およびその他の保湿活性剤を含む水中油型エマルション系を開発できることが有用である。最後に、きわめて好ましい非付着性/非粘着性の消費者美観的特性を有し、乾燥が速く、したがって適用が迅速な系を開発できることが有用である。従来技術は、単相および油中水型化粧品組成物中の、酵素、特にプロテアーゼ酵素の安定化において有用な進展を果たしたが、水中油型エマルション組成物中のプロテアーゼ酵素の安定化方法については十分に教示していない。
【0008】
約0.0001%〜約1%のプロテアーゼ酵素を、20%未満の多価アルコールと50%未満の油相とを含む水中油型エマルションに組み込むと、並外れた皮膚柔軟性利益を届けられ、消費者の感作の危険性を最小限に抑え、許容可能な製品の美観を有する化粧品組成物が得られることが期せずしてわかった。プロテアーゼ酵素の安定性を高めるために、複数チャンバ分配システム内に生成物を保管することによって、本発明をさらに向上させることができる。このような系では、第1チャンバが高濃度の多価アルコール中で安定化したプロテアーゼ酵素を含み、第2チャンバがシャーシ水中油型エマルションの形で組成物の残りを含み、最終水中油型エマルション組成物を得るために、組成物が、好ましくは単一ノズルを通じて、第1チャンバと第2チャンバから同時に分配される。
【0009】
本発明の目的は、皮膚または毛髪を処理するために使用でき、優れた落屑/剥離作用および肌触り利益を提供する、低濃度のプロテアーゼ酵素を含む安定な水中油型エマルション化粧品組成物を開発することである。本発明の他の目的は、副作用の危険を最小限に抑えるように、消費者のプロテアーゼ酵素への暴露を最小限に抑えた組成物を開発することである。さらに、本発明は、水中油型エマルションに酵素を含ませることによって、組成物に含まれるプロテアーゼ酵素の配合可能性を向上させることを目的とする。最後に、本発明は、肌触りや製品の乾燥など、消費者美観が改善された組成物を提供することを目的とする。
本発明の、前述およびその他の目的については、以下の開示を考慮すれば明らかになろう。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、
(a)約0.0001%〜約1%のプロテアーゼ酵素と、
(b)連続相中の20%多価アルコールと、
(c)50%未満の油相と、
を含み、前記プロテアーゼ酵素が5.5を超えるpHにおける活性を示し、外部相の水分活性が0.85を超える水中油型エマルションに関する。
【0011】
(詳細な説明)
指示のない限り、本明細書で使用するすべてのパーセンテージおよび比率は全組成物の重量によるものとし、すべての測定は25℃で実施する。指示のない限り、本明細書で述べるすべてのパーセンテージ、比率、および成分濃度は成分の実際量に基づくものとし、市販製品中の成分と組み合わせることのある、溶媒、充填剤、またはその他の物質を含まない。鎖長およびエトキシル化度も、重量平均を基準に指定する。
指示がない限り、本明細書で述べるすべての刊行物は、その全体を参照することにより本明細書に組み込むものとする。
本明細書で使用するとき、「酵素」という用語は、野生型または変異型の、酵素自体、あるいはポリマー部分の結合によって化学修飾した酵素を意味する。
本明細書で使用するとき、「プロテアーゼ酵素」という用語は、その基質が蛋白質である酵素を指す。
本明細書で使用するとき、「野生型」という用語は、突然変異を起こしていない宿主によって産生される酵素を指す。
【0012】
本明細書で使用するとき、「変異型」という用語は、その酵素を産生する宿主の遺伝的突然変異のために、野生型酵素のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する酵素を意味する。
本明細書で使用するとき、「酵素活性」という用語は、20μlの酵素溶液(50ppm)を、室温で30分を超えて直径1cmの適切な蛋白性基質円板の表面と反応させたときの活性を指す。酵素緩衝溶液のpHを調節することによって、pHが酵素活性に及ぼす影響を比較することができる。本発明で使用する酵素の場合、適切な活性は、30分以内に、反応の20%より多く、好ましくは50%より多く、より好ましくは75%より多くが完了するものとして定義される。この基準を用いると、pH5.5未満の酵素緩衝液は、この酵素と併せた使用に適していない。
【0013】
本明細書で使用するとき、「プラセボ」という用語は、生物学的活性酵素を本質的に含まない、化粧品組成物を含めた組成物を指す。ここで、「含まない」とは、生物学的活性酵素が存在しないか、あるいは所望の最終利益を送り届けさせない低い濃度であることを意味する。このような低濃度の一例は、最終組成物が0.0001重量%未満の生物学的活性酵素を含むことである。しかし、本明細書で定義するプラセボ組成物は、ビタミン複合体、湿潤剤、皮膚コンディショニング剤、日焼け止め剤などのスキンケア活性物質を含め、当業者に公知のものを含めた、皮膚及び/又は毛髪上で使用するのに適切な多数の活性物質を含むことがある。最終的なプラセボ組成物が、処理サイクルの第2相全体にわたって生物学的活性酵素の利益を維持するために設計されるように配合できることが好ましい。
本明細書で使用するとき、「皮膚コンディショニング剤」という用語は、生物学的活性物質として定義される材料を排除し、保湿、湿潤(すなわち、皮膚内に水分または湿分を保持または蓄える能力)、皮膚の軟化、皮膚表面の外観の改善、肌触りの改善など、皮膚に美容的なコンディショニング利益を与える能力のある材料を意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「皮膚の水和」という用語は、コルネオメータ(corneometer)等の使用などの技術的手段によって、あるいは専門的な視覚的測定、例えばフィッツパトリック(Fitzpatrick)皮膚乾燥度計測器、または消費者自身による評価によって決定することのできる、皮膚の湿分含量の改善を指す。
水含有媒質の「水分活性a」とは、同じ温度における、製品の水蒸気圧「PH2O製品」の、純水の蒸気圧「PH2O純水」に対する比率である。それはまた、水の分子数「NH2O」の、総分子数:
「NH2O+N溶質」に対する比率としても表すことができ、これは溶質の分子数「N溶質」を考慮したものである。
それは、次式によって与えられる。
【0015】
【数1】
Figure 2004508394
【0016】
水分活性の測定には、様々な方法を用いることができる。最も一般的なのは、蒸気圧を直接的に測定するマノメトリー法である。
本明細書で使用するとき、「皮膚化学的に許容可能」という用語は、組成物またはその構成成分が、過度の毒性、不適合性、非安定性、アレルギー反応などがなく、ヒトの皮膚と接触させて使用するのに適していることを意味する。
本明細書で使用するとき、「安全かつ有効な量」という用語は、本明細書に開示した利益を独立に含めて、プラスの利益、好ましくはプラスの皮膚外観または肌触りの利益を有意に生じさせるのに十分であるが、信頼できる医学的判定の範囲内で、重い副作用を回避するように十分に低い、すなわち合理的な利益対危険比を与える、化合物、構成成分、または組成物の量を意味する。
【0017】
本発明で有用な活性成分および他の成分は、その美容的及び/又は治療的利益、あるいはその要求される作用様式によって、本明細書で分類または記載することができる。しかし、本発明で有用な活性成分および他の成分が、場合によっては2つ以上の美容的及び/又は治療的利益を提供し、あるいは2つ以上の作用様式を介して作用できることを理解されたい。したがって、本明細書での分類は、便宜上のものであって、特に述べたまたは列記した用途に成分を制限しようとするものではない。
これらの組成物の要素について、以下でより詳細に説明する。
【0018】
必須構成成分
本発明の組成物は、親水性相、特に水性相と、疎水性相、例えば脂質、油、または油性材料とを含む、水中油型エマルションを含む。当業者には周知のように、疎水性相は親水性相に分散して、エマルションを形成する。エマルション技術では、「分散相」という用語は、当業者には周知であり、相が、連続相中に懸濁したまたは連続相に囲まれた小粒子または液滴として存在することを意味する。分散相は、内部相または不連続相としても知られている。エマルションは、(例えば、3重相または他の多相エマルション中に)するまたは含むことができる。エマルションはまた、G.M.エクルストン(Eccleston)、移動性・半固体水中油型エマルションへのエマルション安定性理論の適用(Application of Emulsion Stability Theories to Mobile and Semisolid O/W Emulsions)、コスメティクス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics & Toiletries)、第101巻、1996年11月、73〜92ページに記載のものなどのゲル網状組織を含むこともできる。なお、この文献を参照することにより本明細書に組み込む。
【0019】
水中油型エマルションは、通常、約50%未満(好ましくは約1%〜約30%)の分散疎水性相と、約1%〜約99%(好ましくは約40%〜約90%)の連続親水性相とを含む。本発明での使用に適切なエマルションは、50重量%未満の油を含み、好ましくは40重量%未満、より好ましくは約5重量%〜約25重量%、最も好ましくは約8重量%〜約15重量%の、油、または疎水性相を含む。本明細書の組成物の油相構成成分が、皮膚軟化剤材料またはその混合物、ポリオールカルボン酸エステルおよびシリコーン油、あるいはこれらの混合物を含むことが好ましい。好ましい実施形態では、油相は、好ましくは、鉱物油、植物油、動物油、脂肪、ワックス、およびこれらの混合物から選択される、天然油または合成油などの追加の油性構成成分を含む。これらの油性構成成分は、組成物の約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の量で存在する。本発明での使用に好ましいのは、例えば、鉱物油やペトロラタムなどの炭化水素である。本発明での使用に適切な他の例が、PCT国際公開特許WO98/22085に開示されている。
【0020】
加えて、本発明での使用に適切な組成物の連続相が、0.85を超える、好ましくは0.90を超える、より好ましくは0.95を超える水分活性を有することが不可欠である。さらに、最終組成物のpHの範囲が、約6.1〜約10.0、好ましくは約7.0〜約9.0、より好ましくは約8.0〜約9.0、さらに好ましくは約8.0〜約8.6であることが好ましい。最終組成物のpHが、必要に応じて、酸性塩、塩基性塩、または緩衝性塩によって調節されることが好ましい。
【0021】
プロテアーゼ酵素
本発明で使用するための組成物は、約0.0001重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.00重量1%〜約0.5重量%、さらに好ましくは約0.005重量%〜約0.1重量%のプロテアーゼ酵素を含む。本発明での使用に適切なプロテアーゼ酵素は、約5.5を超える、好ましくは約6.1〜約10.0、より好ましくは約7.0〜約9.0、さらに好ましくは約8.0〜約9.0、最も好ましくは約8.0〜約8.6のpHにおける活性を示す。
プロテアーゼ酵素は、国際生化学分子生物学会(IUBMB)の勧告(1992年)に従って、酵素分類番号(Enzyme Classification number)E.C.3.4(カルボン酸エステル加水分解酵素)として分類されている。有用なプロテアーゼについては、また、PCT公報:1995年11月9日公開、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)のPCT国際公開特許WO95/30010;1995年11月9日公開、プロクター・アンド・ギャンブル社のPCT国際公開特許WO95/30011;1995年11月9日公開、プロクター・アンド・ギャンブル社のPCT国際公開特許WO95/29979にも記載されている。本発明での使用に好ましいプロテアーゼ酵素は、サブチリシン、キモトリプシン、およびエラスターゼ型プロテアーゼ酵素である。
【0022】
本発明での使用に特に好ましいのは、サブチリシン型プロテアーゼ酵素である。サブチリシン酵素は、微生物、バチルス・アルカロフィリウス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・アミロサッカリクス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・レンタス、およびバチルス・サブチリスから天然に産生される。
特に好ましいサブチリシン型酵素は、細菌性セリンプロテアーゼ酵素およびその変異型であり、市販の、ノボ・インダストリーズ(Novo Industries)A/Sアルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、サビナーゼ(Savinase)(登録商標)(デンマーク、コペンハーゲン)、ギストブロカデス(Gist−brocades)のマキサターゼ(Maxatase)(登録商標)、マキサカル(Maxacal)(登録商標)、およびマキサペム(Maxapem)15(登録商標)(蛋白質組換えしたマキサカル(Maxacal)(登録商標))(オランダ、デルフト)、ならびにサブチリシンBPNおよびBPN’を含めて、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、及び/又はバチルス・サブチリスから得られる。
【0023】
特に好ましいのは、バチルス・アミロリケファシエンスから得られるプロテアーゼ酵素およびその変異型である。既知の酵素の1つがBPN’である。バチルス・アミロリケファシエンス由来の野生型BPN’は、以下のアミノ酸配列を特徴とする。
【0024】
【表1】
Figure 2004508394
【0025】
BPN’の変異型については、以後は「プロテアーゼA」と呼ぶが、米国特許第5,030,378号(ベネガス(Venegas)、1991年7月9日発行)に開示されており、以下の突然変異を伴うBPN’アミノ酸配列を特徴とする。
a)Gly166位置のGlyがAsn、Ser、Lys、Arg、His、Gln、Ala、またはGluで置換;Gly169位置のGlyがSerで置換;Met222位置のMetがGln、Phe、Cys、His、Asn、Glu、Ala、またはThrで置換;あるいは、
b)Gly166位置のGlyがLysで置換し、Met222位置のMetがCysで置換;あるいは、
c)Gly160位置のGlyがAlaで置換し、Met222位置のMetがAlaで置換。
【0026】
BPN’のその他の変異型は、これまで「プロテアーゼB」と呼んでいたが、ジェネンコア・インターナショナル・インコーポレーテッド(Genencor International,Inc.)(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)の欧州特許EP−B−251,446(1994年12月28日許可、1988年1月7日公開)に開示されており、以下のアミノ酸:Tyr21、Thr22、Ser24、Asp36、Ala45、Ala48、Ser49、Met50、His67、Ser87、Lys94、Val95、Gly97、Ser101、Gly102、Gly103、Ile107、Gly110、Met124、Gly127、Gly128、Pro129、Leu135、Lys170、Tyr171、Pro172、Asp197、Met199、Ser204、Lys213、Tyr214、Gly215、およびSer221の1つ以上;あるいは、前述のアミノ酸およびAsp32、Ser33、Tyr104、Ala152、Asn155、Glu156、Gly166、Gly169、Phe189、Tyr217、Met222のアミノ酸の2つ以上が突然変異を起こした、野生型BPN’アミノ酸として特徴付けられる。ここで、両方の突然変異が、Asp32、Ser33、Tyr104、Ala152、Asn155、Glu156、Gly166、Gly169、Phe189、Tyr217、およびMet222のアミノ酸上で起こることはあり得ない。
【0027】
その他の好ましいBPN’変異型プロテアーゼは、以後は「プロテアーゼD」と呼ぶが、ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)のWO95/10615(1995年4月20日公開)に記載されており、Asp99、Ser101、Gln103、Tyr104、Ser105、Ile107、Asn109、Asn123、Leu126、Gly127、Gly128、Leu135、Glu156、Gly166、Glu195、Asp197、Ser204、Gln206、Pro210、Ala216、Tyr217、Asn218、Met222、Ser260、Lys265、及び/又はAla274から成る群から選択される、1つ以上のその他のアミノ酸位置の突然変異と組み合わせて、Asn76の位置で突然変異を起こした野生型BPN’アミノ酸として特徴付けられる。
【0028】
その他の好ましいBPN’変異型プロテアーゼは、以後「プロテアーゼF」と呼ぶが、米国特許第4,760,025号(エステル(Estell)他、1988年7月26日発行)に記載されており、Asp32、Ser33、His64、Tyr104、Asn155、Glu156、Gly166、Gly169、Phe189、Tyr217、およびMet222から成る群から選択される1つ以上のアミノ酸位置で突然変異を起こした野生型BPN’アミノ酸として特徴付けられる。
したがって、好ましい蛋白質分解酵素は、アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、BPN’、プロテアーゼA、プロテアーゼB、プロテアーゼD、プロテアーゼF、およびこれらの混合物から成る群から選択される。プロテアーゼFが最も好ましい。
【0029】
多価アルコール
本発明での使用に適切な水中油型エマルションの連続相は、多価アルコールまたはその混合物を、20重量%未満、好ましくは約0.5重量%〜約18重量%、より好ましくは約2重量%〜約15重量%、特には約5重量%〜約12重量%の濃度で、少なくとも1つの多価アルコールを含む。
本発明の目的では、多価アルコールは、2つ以上のアルコール官能またはそのアルコキシル化誘導体を含む、任意の有機化合物と考えられる。
加えて、組成物が水中油型エマルションの形をとる場合、多価アルコールが連続相中に存在することが好ましい。
【0030】
本発明での使用に適切な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、エリスリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、グルシトール、マンニトール、へキシレングリコール、ブチレングリコール(例えば、1,3−ブチレングリコール)、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール)、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エトキシル化グリセリン、プロパン−1,3ジオール、プロポキシル化グリセリン、およびこれらの混合物を含めて、ポリアルキレングリコールならびにより好ましくはアルキレンポリオールおよびその誘導体が挙げられる。前述の多価アルコールのいずれかのアルコキシル化誘導体も、本発明での使用に適している。
【0031】
本発明の好ましい多価アルコールは、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリンおよびプロポキシル化グリセリン、およびこれらの混合物から選択される。本発明での使用に最も好ましい多価アルコールは、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物である。
【0032】
任意成分
本発明の化粧品組成物は、多種多様な周知の任意成分を含むことができる。
【0033】
キャリア
本発明の組成物は、皮膚化学的に許容可能で皮膚または毛髪への局所適用に適切な、安全かつ有効な量のキャリアを含み、キャリア中には必須材料および任意のその他の材料が組み込まれており、必須材料および任意構成成分を適切な濃度で皮膚または毛髪に送り届けることができる。したがってキャリアは、選択した標的に適切な濃度で確実に適用かつ分配できる、必須構成成分のための、希釈液、分散剤、溶媒などとして作用することができる。
【0034】
キャリアは、水中油型エマルションに含めるのに適切であれば、固体、半固体、または液体にすることができる。きわめて好ましいキャリアは、クリーム、ローション、ジェルなど、液体または半固体である。好ましくは、キャリアが、ローション、クリーム、またはジェルの形であり、より好ましくは、粒子の沈降を防ぐために、十分な厚さまたは降伏点を備える。キャリアは、それ自体不活性にでき、あるいはそれ自体の皮膚化学的利益を有することができる。キャリアはまた、本明細書に記載の必須構成成分と物理的・化学的に適合性があるものにすべきで、本発明の組成物に関連した安定性、有効性、またはその他の使用利益を過度に損なうものにすべきではない。本発明で利用するキャリアのタイプは、組成物に望まれる製品形態のタイプによって異なる。本発明の局所適用組成物は、当該技術分野で公知のものなど、多種多様な製品形態に製造することができる。これには、ローション、クリーム、ジェル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、およびムースが挙げられるが、これらに限るものではない。これらの製品形態は、溶液、エマルション、およびジェルを含めていくつかのタイプのキャリアを含むことができるが、これに限るものではない。
【0035】
好ましいキャリアは、皮膚化学的に許容可能な親水性の希釈液を含有する。適切な親水性希釈液としては、水、C〜Cの一価アルコール類などの有機親水性希釈液、ならびに、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、分子量200〜600)、ポリプロピレングリコール(例えば、分子量425〜2025)、グリセロール、ブチレングリコール、ブタン−1,2,4−トリオール、ヘキサン−1,2,6−トリオール、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールエステル、エトキシル化エーテル、プロポキシル化エーテル、およびこれらの組み合わせを含めた、低分子量グリコール類およびポリオール類が挙げられる。希釈液は、好ましくは液体である。水は、特に好ましい希釈液である。組成物は、好ましくは少なくとも約20%の親水性希釈液を含む。
【0036】
スキンケア活性物質
本発明の組成物の好ましい成分は、スキンケア活性物質を約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、より好ましくは約2重量%〜約8重量%のレベルで含む。
本発明で使用するスキンケア活性物質は、ビタミンB構成成分、パンテノール、ビタミンE、ビタミンEアセテート、レチノール、レチニルプロピオネート、レチニルパルミテート、レチノイン酸、ビタミンC、テオブロミン、α−ヒドロキシ酸、ファルネソール、フィタントリオール、サリチル酸、およびこれらの混合物から選択される。
皮膚水和の改善の観点から、本発明での使用に好ましいスキンケア活性物質は、ビタミンB構成成分である。
【0037】
ビタミンB 構成成分
本発明の組成物は、好ましくは約0.01%〜約20%、より好ましくは約0.1%〜約15%、さらに好ましくは約0.5%〜約10%、なお好ましくは約1%〜約8%、最も好ましくは約1.5%〜約6%のビタミンB化合物を含む。
本明細書で使用するとき、「ビタミンB化合物」とは以下の構造式を有する化合物を意味する:
【0038】
【化1】
Figure 2004508394
【0039】
式中、Rは、−CONH(すなわち、ニコチン酸アミド)、−COOH(すなわち、ニコチン酸)、または−CHOH(すなわち、ニコチニルアルコール);これらの誘導体;および上記いずれかの塩である。前述のビタミンB化合物の代表的な誘導体としては、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド、およびニコチン酸アミドN−オキシドを含めた、ニコチン酸エステルが挙げられる。
【0040】
適切なニコチン酸のエステルとしては、C〜C22、好ましくはC〜C16、より好ましくはC〜Cアルコールの、ニコチン酸エステルが挙げられる。これらのアルコールは、適切には、直鎖または分岐鎖、環式または非環式、飽和または不飽和(芳香族を含む)、および置換型または非置換型である。エステルは、好ましくは非血管拡張性である。本明細書で使用するとき、「非血管拡張性」とは、本組成物を皮膚に適用しても、エステルが通常目に見える紅潮反応を起こさないことを意味する(このような化合物が裸眼では認識できない血管拡張を起こす可能性があるが、一般母集団の大多数は目に見える紅潮反応を経験しない)。非血管拡張性のニコチン酸のエステルとしては、ニコチン酸トコフェロールおよびヘキサニコチン酸イノシトールが挙げられるが、ニコチン酸トコフェロールが好ましい。ビタミンB化合物のより詳細な説明は、PCT国際公開特許WO98/22085に記載されている。
【0041】
前述のビタミンB化合物の例は、当該技術分野で周知であり、いくつかの供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(米国ミズーリ州セントルイス)、ICNバイオケミカルズ・インコーポレーテッド(ICN Bio medicals,Inc.)(米国カリフォルニア州アービン)、およびアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から市販されている。1つ以上のビタミンB化合物を、本発明で使用してもよい。好ましいビタミンB化合物は、ニコチン酸アミドおよびニコチン酸トコフェロールである。ニコチン酸アミドがより好ましい。
【0042】
レチノイド
その他の適切なスキンケア活性物質は、レチノイドである。本発明で使用するとき、「レチノイド」には、皮膚内でビタミンAの生物学的活性を有する、ビタミンAまたはレチノール様化合物のすべての天然及び/又は合成類縁体、ならびにこれらの化合物の幾何異性体および立体異性体が含まれる。
【0043】
レチノイドは、好ましくはレチノール、レチノールエステル(例えば、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチニルプロプリオネートを含めたレチノールのC〜C22アルキルエステル)、レチナール、及び/又はレチノイン酸(すべてのトランス−レチノイン酸及び/又は13−シス−レチノイン酸を含む)であり、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は、当該技術分野で周知であり、いくつかの供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(米国ミズーリ州セントルイス)およびベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)(米国インディアナ州インディアナポリス)から市販されている。好ましいレチノイドは、レチノール、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチニルプロプリオネート、レチナール、レチノイン酸、およびこれらの組み合わせである。レチノール、レチノイン酸プロピオネート、レチノイン酸、およびレチニルパルミテートがより好ましい。レチノイドは、実質的に純材料として、あるいは適切な物理的及び/又は化学的単離によって天然(例えば、植物)資源から得られた抽出物として含むことができる。
【0044】
組成物は、好ましくは約0.005%〜約2%、より好ましくは0.01〜約2%のレチノイドを含有する。レチノールを約0.01%〜約0.15%の量で使用することが最も好ましく、レチノールエステルを約0.01〜約2%(例えば、約1%)の量で使用することが最も好ましい。
本発明での使用に適切な水中油型組成物が、約1重量%〜約5重量%のビタミンB化合物またはその誘導体から成るビタミン複合体と、約0.1重量%〜約1重量%のパンテノールまたはその誘導体と併せた、約0.1重量%〜約1重量%のレチノール化合物またはその誘導体とを含むことがきわめて好ましい。
【0045】
追加湿潤剤
本発明の組成物は、追加湿潤剤を、好ましくは約0.01%〜約20%、より好ましくは約0.1%〜約15%、特には約0.5%〜約10%の濃度で含んでもよい。
好ましい湿潤剤としては、これに限るものではないが、尿素、DパンテノールまたはDLパンテノール、パントテン酸カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、ピリドキシン、パントイルラクトースビタミンB複合体、ヘキサン−1,2,6,−トリオール、グアニジン、またはその誘導体から選択される化合物が挙げられる。きわめて好ましい湿潤剤は、尿素、パンテノール、およびこれらの混合物である。上記化合物は、単独でまたは組み合わせて組み込むことができる。
【0046】
本発明で有用な適切な追加湿潤剤は、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム(NaPCA)、グアニジン;グリコール酸およびグリコール酸塩(例えばアンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム);乳酸および乳酸塩(例えばアンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム);その様々な形態のいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラのゲル);ヒアルロン酸およびそれらの誘導体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなどの塩誘導体);ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;尿素;パンテノールおよびそれらの誘導体;およびそれらの混合物である。
【0047】
少なくとも追加湿潤剤の一部分(組成物の約5重量%まで)は、微粒子状の架橋疎水性アクリレートまたはメタクリレートコポリマーに混和させた形で組み込むことができ、それ自体が好ましくは約0.1%〜約10%の量で存在し、水相または分散相のいずれかに添加することができる。このコポリマーは、光沢を減らし油分を調整するのに特に価値があり、一方で有効な保湿利益を提供するのに役立つものである。これについてはPCT国際公開特許WO96/03964にさらに詳細に記載されており、これを参照により本明細書に組み込む。
前述の化合物は、単独または組み合わせて組み込むことができる。好ましい追加湿潤剤は、尿素、パンテノール、およびそれらの混合物から選択される。
【0048】
皮膚軟化剤
本発明の水中油型エマルションは、一般に、約1%〜約20%、好ましくは約1.5%〜約15%、より好ましくは約0.1%〜約8%、特には約0.5%〜約5%の皮膚化学的に許容可能な皮膚軟化剤を含む。
皮膚軟化剤は、皮膚を滑らかにし、皮膚の平滑度および柔軟性を高め、皮膚の乾燥を予防または軽減し、かつ/または皮膚を保護する傾向がある。皮膚軟化剤は、通常、水に非混和性の、油性またはロウ状材料であり、高分子量の皮膚軟化剤は、局所適用組成物に粘着性を与えることができる。多種多様な適切な皮膚軟化剤が知られており、本明細書で使用することができる。サガリン(Sagarin)の化粧品科学と技術(Cosmetics,Science and Technology)、第2版、第1巻、32〜43ページ(1972年)には、皮膚軟化剤として適切な材料の多数の例が記載されている。PCT国際特許出願WO00/24372に記載のすべての皮膚軟化剤は、本発明での使用に適切と考えるべきであるが、好ましい例を以下にさらに詳細に略述する。
【0049】
i)ドデカン、スクワラン、コレステロール、水素添加ポリイソブチレン、イソヘキサデカン、イソエイコサン、イソオクタヘキサコンタン、イソヘキサペンタコンタヘクタン、C〜C40イソパラフィン、すなわちC〜C40の分岐鎖炭化水素など、約7〜約40個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖炭化水素。本発明での使用に適切な分子鎖炭化水素は、イソペンタコンタオクタクタン、ペトロラタム、およびこれらの混合物から選択される。本発明での使用に適切な分岐鎖脂肪族炭化水素は、パーメチル(Permethyl)(登録商標)という商品名で、プレスパース・インコーポレーテッド(Presperse Inc.)(米国ニュージャージー州07080、サウスプレーンフィールド私書箱735)から市販されている。
【0050】
ii)C〜C30カルボン酸、C12〜C15アルキルベンゾエート、およびC〜C30ジカルボン酸の、C〜C30アルコールエステル、例えば、イソノニルイソノナノエート、イソステアリルネオペンタノエート、イソデシルオクタノエート、イソデシルイソノナノエート、トリデシルイソノナノエート、ミリスチルオクタノエート、オクチルペルアルゴネート、オクチルイソノナノエート、ミリスチルミリステート、ミリスチルネオペンタノエート、ミリスチルオクタノエート、イソプロピルミリステート、ミリスチルプロピオネート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、メチルイソステアレート、ベヘニルベヘネート、ジオクチルマレエート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルジリノレエート、およびこれらの混合物。
【0051】
iii)糖類および関連材料の、C〜C30モノエステルおよびポリエステル。これらのエステルは、糖またはポリオール部分、ならびに1以上のカルボン酸部分から得られる。構成要素である酸および糖によっては、これらのエステルは、室温で液体または固体形態をとることができる。例としては、グルコーステトラオレエート、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、ソルビトールテトラオレエート、スクローステトラオレエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオレエート、スクロースヘプタオレエート、スクロースオクタオレエート、カルボン酸エステル部分が1:2のモル比のパルミトオレエートおよびアラキデートであるソルビトールヘキサエステル、ならびにエステル化カルボン酸部分が1:3:4のモル比のラウレート、リノレート、およびベヘネートであるスクロースのオクタエステルが挙げられる。その他の材料としては、スクロースの綿実油または大豆油の脂肪酸エステルが挙げられる。このような材料のその他の例がPCT国際公開特許WO96/16636に記載されており、これを参照により本明細書に組み込む。特に好ましい材料は、INCI名スクロースポリコットンシーデートとして知られている。
【0052】
iv)植物油および水素添加植物油。植物油および水素添加植物油としては、ベニバナ油、ココヤシ油、綿実油、メンハーデン油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、米糠油、松根油、ゴマ油、ヒマワリ種子油、前述の資源由来の部分および完全水素添加油、およびこれらの混合物が挙げられる。
v)可溶性またはコロイド可溶性保湿剤。例としては、ヒアルロン酸、およびデンプングラフト化ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられ、例えば、セラニーズ・スーパーアドソーベント・マテリアルズ(Celanese Superabsorbent Materials)(米国バージニア州ポートスミス)から市販のサンウェット(Sanwet)(登録商標)IM−1000、IM−1500、およびIM−2500などであり、米国特許第4,076,663号に記載されている。
【0053】
本発明での使用に好ましい皮膚軟化剤は、イソヘキサデカン、イソオクタコンタン、ペトロラタム、イソノニルイソノナノエート、イソデシルオクタノエート、イソデシルイソノナノエート、トリデシルイソノナノエート、ミリスチルオクタノエート、オクチルイソノナノエート、ミリスチルミリステート、メチルイソステアレート、イソプロピルイソステアレート、C12〜15のアルキル安息香酸、およびこれらの混合物である。本発明での使用に特に好ましい皮膚軟化剤は、イソヘキサデカン、イソノニルイソノナノエート、メチルイソステアレート、イソプロピルイソステアレート、ペトロラタム、またはこれらの混合物である。肌触り特性が乏しいので、ヒマシ油は、本発明で使用する皮膚軟化剤としては好ましくない。
【0054】
乳化剤/界面活性剤
本発明の組成物は、一般に連続水性相中に分散相を分散・懸濁させるのを助けるために、好ましくは乳化剤及び/又は界面活性剤を含有する。また、界面活性剤は、製品が皮膚の洗浄を目的とする場合にも有用なことがある。便宜のため、以後は乳化剤を「界面活性剤」という用語で表すものとし、したがって「界面活性剤」は、乳化剤として、あるいは皮膚洗浄などのその他の界面活性目的で使用される表面活性物質を表すために用いる。選択した薬剤が組成物中の必須構成成分と化学的・物理的に適合性があり、所望の特徴を与えるものであれば、公知のまたは従来の界面活性剤を本組成物中で使用することができる。適切な界面活性剤としては、非シリコーン由来材料、およびこれらの混合物が挙げられる。PCT国際公開特許WO00/24372に記載のすべての界面活性剤は、本発明での使用に適切と考えるべきである。
本発明の組成物は、好ましくは、約0.05%〜約15%の界面活性剤または界面活性剤の混合物を含む。選択される正確な界面活性剤または界面活性剤混合物は、組成物のpHおよび他の併存構成成分によって異なる。
【0055】
好ましい界面活性剤は、非イオン性である。非イオン性界面活性剤の中で本発明で有用なものは、長鎖アルコール、例えばC30アルコールと糖類またはデンプンポリマーとの縮合生成物、すなわちグリコシドとして広く定義できるものである。その他の有用な非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(すなわち、脂肪酸のアルキレンオキシドエステル)が挙げられる。これらの材料は、一般式RCO(X)OHを有し、式中、RはC1030のアルキル基、Xは−OCHCH(すなわちエチレングリコールまたはオキシド由来)、または−OCHCHCH−(すなわちプロピレングリコールまたはオキシド由来)で、nは約6〜約200の整数である。その他の非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシドと2モルの脂肪酸との縮合生成物(すなわち、脂肪酸のアルキレンオキシドジエステル)である。これらの材料は、一般式RCO(X)OOCRを有し、式中、RはC1030アルキル基、Xは−OCHCH(すなわちエチレングリコールまたはオキシド由来)、または−OCHCHCH(すなわちプロピレングリコールまたはオキシド由来)で、nは約6〜約100の整数である。本発明で使用する乳化剤は、最も好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステルおよびスクロース脂肪酸エステルの混合物ベースの脂肪酸エステルブレンド、特にソルビタンステアレートとスクロースココエートのブレンドである。これは、ICIから商品名アーラトン(Arlatone)2121として市販されている。さらに適切な例としては、セピック(Seppic)から商品名モンタノフ(Montanov)68として、ヘンケル(Henkel)から商品名エマルゲード(Emulgade)PL68/50として入手可能なものなど、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシドの混合物が挙げられる。
【0056】
本発明で有用な親水性界面活性剤は、代替的または追加的に、当該技術分野で既知のものなど、多種多様な陽イオン性、陰イオン性、双性イオン性、および両性イオン性界面活性剤を含むことができる。例えば、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤と乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」北アメリカ版(1986年)、アルレッド出版社(Allured Publishing Corporation)出版;米国特許第5,011,681号(チョッティ(Ciotti)他、1991年4月30日発行)、米国特許第4,421,769号(ディクソン(Dixon)他、1983年12月20日発行)、および米国特許第3,755,560号(ディッカート(Dickert)他、1973年8月28日発行)を参照されたい。多種多様な陰イオン性界面活性剤も、本発明に有用である。例えば、米国特許第3,929,678号(ローリン(Laughlin)他、1975年12月30日発行)を参照されたい。
【0057】
多種多様な陰イオン性界面活性剤も、本発明に有用である。例えば、米国特許第3,929,678号(ローリン(Laughlin)他、1975年12月30日発行)を参照されたい。代表的な陰イオン性界面活性剤としては、アルコイルイセチオネート(例えば、C12〜C30)、アルキルおよびアルキルエーテルサルフェートおよびそれらの塩、アルキルおよびアルキルエーテルホスフェートおよびそれらの塩、アルキルメチルタウレート(例えば、C12〜C30)、ならびに脂肪酸の石鹸(例えば、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)が挙げられる。
【0058】
両性および双性イオン性界面活性剤も、本発明で有用である。本発明の組成物で使用できる両性および双性イオン性界面活性剤の例は、脂肪族第2級または第3級アミンの誘導体として広く記載されているものであり、ここで、脂肪族ラジカルは直鎖または分岐鎖とすることができ、脂肪族置換基の1つが約8〜約22個の炭素原子(好ましくはC〜C18)を含有し、1つが陰イオン性の水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートなどの基を含有している。その例が、アルキルイミノアセテート、ならびにイミノジアルカノエートおよびアミノアルカノエート、イミダゾリニウムおよびアンモニウム誘導体である。その他の適切な両性および双性イオン性界面活性剤は、ベタイン、スルタイン、ヒドロキシスルタイン、分岐鎖および非分岐鎖アルカノイルサルコシネート、ならにこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0059】
本発明の好ましいエマルションとしては、シリコーン含有乳化剤または界面活性剤が挙げられる。多種多様なシリコーン乳化剤が、本発明で有用である。これらのシリコーン乳化剤は、通常、有機的に修飾したオルガノポリシロキサンであり、当該技術分野ではシリコーン界面活性剤としても知られている。有用なシリコーン乳化剤としては、ジメチコーンコポリオールが挙げられる。これらの材料は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの両方に由来する部分を含有する、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの混合物、およびポリエーテル鎖など、ポリエーテル側鎖を含むように修飾されたポリジメチルシロキサンである。その他の例としては、アルキル修飾ジメチコーンコポリオール、すなわちC〜C30のペンダント側鎖を含有する化合物が挙げられる。さらに他の有用なジメチコーンコポリオールとしては、様々な陽イオン性、陰イオン性、両性、および双性イオン性のペンダント部分を有する材料が挙げられる。
【0060】
ポリマーの増粘剤成分
本発明の組成物は、少なくとも1つのポリマーの増粘剤を含むことができる。
本発明で有用なポリマーの増粘剤は、好ましくはその数平均分子量が20,000より大きく、より好ましくは50,000より大きく、特に好ましくは100,000より大きい。
一般に本発明の組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約8重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約5重量%のポリマーの増粘剤またはそれらの混合物を含むことができる。
【0061】
本発明での使用に好ましいポリマーの増粘剤としては、非イオン性増粘剤、および陰イオン性増粘剤、またはこれらの混合物が挙げられる。適切な非イオン性増粘剤成分としては、ポリアクリルアミドポリマー、架橋ポリ(N−ビニルピロリドン)、多糖類、天然または合成ゴム、ポリビニルピロリドン、およびポリビニルアルコールが挙げられる。適切な陰イオン性増粘剤成分としては、アクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、カルボキシビニルポリマーおよび、アルキルビニルエーテルと無水マレイン酸の架橋コポリマーが挙げられる。本発明での使用に特に好ましい増粘剤成分は、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ポリアクリルアミドポリマー、イソパラフィン、商品名セピゲル(Sepigel)305としてセピック・コーポレーション(Seppic Corporation)から入手可能なラウレス−7、アクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、およびカルボポール樹脂という商品名でB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)から販売されているカルボキシビニルポリマー、またはそれらの混合物である。適切なカルボポール樹脂は、疎水変性させることができ、その他の適切な樹脂についてはPCT国際公開特許WO98/22085に記載されており、またはこれらの混合物にしてもよい。
【0062】
シリコーン油
本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも1つのシリコーン油相を含む。シリコーン油相は、一般に、組成物の約0.1%〜約20%、好ましくは約0.5%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約5%である。その、または各シリコーン油相は、好ましくは1つ以上のシリコーン構成成分を含む。
【0063】
シリコーン構成成分は、直鎖、分岐鎖、および環式シリコーンを含めて、液体にすることができる。本発明に有用な適切なシリコーン液としては、ポリアルキルシロキサン液、ポリアリールシロキサン液、環式および線状ポリアルキルシロキサンを含めたシリコーン、ポリアルコキシル化シリコーン、アミノおよび第四級アンモニウム修飾シリコーン、ポリアルキルアリールシロキサンまたはポリエーテルシロキサンコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。シリコーン液は、揮発性または非揮発性にすることができる。シリコーン液の重量平均分子量は、一般に約200,000未満である。適切なシリコーン液の分子量は、約100,000以下、好ましくは約50,000以下、最も好ましくは約10,000以下である。シリコーン液が、重量平均分子量が約100〜約50,000、好ましくは約200〜約40,000の範囲のシリコーン液から選択されることが好ましい。通常、シリコーン液の粘度は、25℃で、約0.65〜約600,000mm.s−1、好ましくは約0.65〜約10,000mm.s−1の範囲である。粘度は、ダウ・コーニング・コーポレート試験方法(Dow Corning Corporate Test Method)CTM0004(1970年7月29日)に記載のガラスキャピラリー粘度計によって測定することができる。本発明で使用できる適切なポリジメチルシロキサンとしては、例えば、ジェネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からSFおよびビスカシル(Viscasil)(登録商標)シリーズとして、ならびにダウ・コーニング(Dow Corning)からダウ・コーニング200シリーズとして入手可能なものが挙げられる。本質的に非揮発性ポリアルキルアリールシロキサン、例えば、粘度が25℃で約0.65〜30、000mm.s−1であるポリメチルフェニルシロキサンも有用である。これらのシロキサンは、例えばゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からSF1075メチルフェニル液として、またはダウ・コーニング(Dow Corning)から556コスメチック・グレード液(Cosmetic Grade Fluid)として入手可能である。本発明での使用に適切な環式ポリジメチルシロキサンは、約3〜約7個の(CHSiO部分を組み込んだ環構造を有する。
【0064】
好ましい実施形態では、シリコーン液は、ジメチコーン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フェニルメチコーン、およびそれらの混合物から選択される。
【0065】
シリコーンゴムも、本発明で使用することができる。本明細書では、「シリコーンゴム」という用語は、重量平均分子量が約200,000を越える、好ましくは約200,000〜約4,000,000の高分子量シリコーンを意味する。非揮発性ポリアルキルおよびポリアリールシロキサンゴムが含まれる。好ましい実施形態では、シリコーン油相は、シリコーンゴム、あるいはシリコーンゴムを含めたシリコーンの混合物を含む。通常、シリコーンゴムは、25℃において約1,000,000mm−1を超える粘度を有する。シリコーンゴムとしては、ペトラーチ(Petrarch)、ならびに米国特許第4,152,416号(スピッツァー(Spitzer)他、1979年5月1日発行)、およびノル(Noll)、ウォルター(Walter)著、「シリコーンの化学と技術」(Chemistryand Technology of Silicones)、ニューヨーク、アカデミック・プレス(Academic Press)(1968年)を含めたその他の文献に記載のジメチコーンが含まれる。シリコーンゴムについては、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)シリコーンゴム製品データシートSE30、SE33、SE54およびSE76にも記載されている。シリコーンゴムの具体例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明での使用に好ましいシリコーンゴムは、ジメチコノール、ジメチコーン、およびこれらの混合物から選択される、分子量が約200,000〜約4,000,000のシリコーンゴムである。
【0066】
本発明のシリコーン相は、好ましくはシリコーンゴム液ブレンドの一部として組成物に組み込まれたシリコーンゴムを含む。シリコーンゴムがシリコーンゴム液ブレンドの一部として組み込まれているときには、シリコーンゴムは、好ましくはシリコーンゴム液ブレンドの約5重量%〜約40重量%、特には約10重量%〜20重量%を構成する。本発明に適切なシリコーンゴム液ブレンドは、本質的に、
(i)ジメチコノール、フルオロシリコーン、ジメチコーン、およびこれらの混合物から選択される、分子量が約200,000〜約4,000,000のシリコーンと、
(ii)粘度が約0.65mm.s−1〜約100mm.s−1の、シリコーン液であるキャリアとから成り、
ここで、i)とii)の比率が約10:90〜約20:80であり、前記シリコーンゴムベースの構成成分の最終的な粘度が約100mm.s−1〜約100,000mm.s−1、好ましくは500mm.s−1〜約10,000mm.s−1である。
【0067】
本発明の組成物中で使用する、特に好ましいシリコーンゴム液ブレンドベースの構成成分は、分子量が約200,000〜約4,000,000であるジメチコノールゴム、ならびに粘度が約0.65〜100mm.s−1のシリコーン液キャリアである。このシリコーン構成成分の例が、ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能な、ダウ・コーニングQ2−1403(85%の5mm.s−1ジメチコーン液/15%ジメチコノール)、およびダウ・コーニングQ2−1401である。
【0068】
本発明のシリコーン油相での使用に適切なその他のシリコーン構成成分は、任意で流体キャリア中に分散させた、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーである。一般に、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーが存在するときには、そのキャリア(存在する場合)とともに、組成物の0.1〜約20%、好ましくは約0.5〜約10%、より好ましくは約0.5〜約5%で含まれる。このようなポリマーは、架橋剤によって架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーを含む。適切な架橋剤は、WO98/22085に開示されている。本発明での使用に適切なポリオルガノシロキサンポリマーの例としては、メチルビニルジメチコーン、メチルビニルジフェニルジメチコーン、およびメチルビニルフェニルメチルジフェニルジメチコーンが挙げられる。
【0069】
本発明で使用するための具体的な市販の架橋ポリオルガノシロキサンポリマーは、信越化学(Shinetsu Chemical Co.)から商品名KSGとして販売されるシリコーンビニルクロスポリマー混合物、例えばKSG−15、KSG−16、KSG−17、KSG−18である。これらの材料は、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーとシリコーン液の組み合わせを含有する。特に有機両親媒性乳化剤材料と組み合わせて本発明で使用するのに特に好ましいのは、KSG−18である。KSG−15、KSG−16、KSG−17およびKSG−18に割り当てられたINCI名は、それぞれ、シクロメチコンジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、ジメチコーンジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、シクロメチコンジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマーおよびフェニルトリメチコーンジメチコーン/フェニルビニルジメチコーンクロスポリマーである。
【0070】
本発明のシリコーン油相での使用に適切なその他の分類のシリコーン構成成分としては、少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンセグメントと少なくとも1つのポリオキシアルキレンセグメントとを含有する、ポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーが挙げられる。適切なポリジオルガノシロキサンセグメントおよびそのコポリマーは、PCT国際公開特許WO98/22085に開示されている。適切なポリジオルガノシロキサン−ポリアルキレンコポリマーは、ワッカー・ケミ株式会社(Wacker−Chemie GmbH)(ドイツ、ミュンヘン22、郵便私書箱D−8000、ゲシャフツベレイヒ(Geschaftsbereich)S)から市販の商品名ベルシル(Belsil)(登録商標)、ゴールドシュミット・リミテッド(Th.Goldschmidt Ltd.)(英国、HA4OYL、ミドルセックス、ルイスリップ、ビクトリアロード、テゴ・ハウス)から市販のエービル(Abil)(登録商標)、例えば、ベルシル(Belsil)(登録商標)6031およびエービル(Abil)(登録商標)B88183である。本発明での使用に特に好ましいコポリマー液ブレンドとしては、CTFA表記ジメチコーン/ジメチコーンコポリオールを有するダウ・コーニング(Dow Corning)DC3225Cが挙げられる。
【0071】
日焼け止め剤
本発明の組成物は、好ましくは有機日焼け止め剤を含む。適切な日焼け止め剤は、UVA吸収特性、UVB吸収特性、またはこれらの組み合わせを有することができる。日焼け止め剤の正確な量は、所望の太陽光線保護指数、すなわち組成物の「SPF」、ならびに所望のUV防護レベルによって変わる。本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも10、好ましくは少なくとも15のSPFを含む。SPFとは、一般に使用される、紅斑に対する日焼け止め剤の光防護指標である。SPFは、保護した皮膚に同一の最小限の紅斑を生じるのに必要な紫外線エネルギーの、同一人物の保護していない皮膚に最小限の紅斑を生じるのに必要な紫外線エネルギーに対する比率として定義される。米国官報(Federal Register)、43、第166号、38206〜38269ページ(1978年8月25日)を参照のこと。)使用する日焼け止め剤の量は、通常、約2%〜約20%、さらに典型的には約4%〜約14%である。適切な日焼け止め剤としては、これに限るものではないが、CTFA国際化粧品成分辞典およびハンドブック(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第7版、第2巻、1672ページ、ウェニンガー(Wenninger)およびマクエウェン(McEwen)編(化粧品・トイレタリー・フレグランス協会(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.)、米国ワシントンDC、1997年)に見られるものが挙げられる。
【0072】
本発明の組成物は、好ましくは、約320nm〜約400nmの波長を有する紫外線を吸収する、UVA吸収日焼け止め活性物質を含む。適切なUVA吸収日焼け止め活性物質は、ジベンゾイルメタン誘導体類、メチルアントラニレートおよびホモメチル、1−N−アセチルアントラニレートなどのアントラニレート誘導体類、およびこれらの混合物から選択される。ジベンゾイルメタン日焼け止め剤活性物質の例は、デポロ(Depolo)の米国特許第4,387,089号、ならびに日焼け止め剤:開発、評価、および調整態様(Sunscreens:Development,Evaluation,and Regulatory Aspects)」、N.J.ローベ(Lowe)およびN.A.シャース(Shaath)編、マーセル・デッカー・インコーポレーテッド(Marcel Dekker.Inc)(1990年)に記載されている。UVA吸収日焼け止め活性物質は、好ましくは、単独で、あるいは本組成物中に存在する可能性のあるその他の紫外線防護活性物質と組み合わせて、広域スペクトルのUVA防護作用を提供する量で存在する。
【0073】
好ましいUVA日焼け止め活性物質は、ジベンゾイルメタン日焼け止め活性物質およびそれらの誘導体である。それらには、これに限るものではないが、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−第3−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルベンゾイルメタン、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−第3−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,6−ジメチル−4’−第3−ブチル−4’メトキシジベンゾイルメタン、およびそれらの混合物から選択されるものが挙げられる。好ましいジベンゾイル日焼け止め活性物質としては、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、およびそれらの混合物から選択されるものが挙げられる。より好ましい日焼け止め活性物質は、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。
【0074】
日焼け止め活性物質4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンは、ブチルメトキシジベンゾイルメタンまたはアボベンゾン(Avobenzone)としても知られ、ジボーダン・ルーア(Givaudan Roure)(インターナショナル)S.A.(スイス、ベーゼル(Basel))からパーソル(Parsol)(登録商標)1789の商品名で、メルク社(Merck & Co.,Inc)(米国ニュージャージー州、ホワイトハウス・ステーション)からユーソレックス(Eusolex)(登録商標)9020の商品名で市販されている。日焼け止め剤4−イソプロピルジベンゾイルメタンは、イソプロピルジベンゾイルメタンとしても知られ、メルク(Merck)から商品名ユーソレックス(Eusolex)(登録商標)8020として市販されている。
【0075】
本発明の組成物は、好ましくはさらに、約290nm〜約320nmの波長を有する紫外線を吸収するUVB日焼け止め活性物質を含む。本組成物は、単独で、あるいは本組成物中に存在する可能性のあるその他の紫外線防護活性物質と組み合わせてUVB防護を提供する、安全かつ有効な量のUVB日焼け止め活性物質を含む。本組成物は、好ましくは、約0.1重量%〜約16重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約12重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約8重量%のUVB吸収有機日焼け止め剤を含む。
【0076】
多種多様なUVB日焼け止め活性物質類が、本発明での使用に適切である。そのような有機日焼け止め活性物質の非限定的な例が、米国特許第5,087,372号(ハフィー(Haffey)他、1992年2月11日発行)、および米国特許第5,073,371号および第5,073,372号(共にターナー(Turner)他、1991年12月17日発行)、ならびにサガリン(Sagarin)他、化粧品科学と技術(Cosmetics Science and Technology)(第VIII章、189ページ参照)に記載されている。その他の有用な日焼け止め剤は、米国特許第4,937,370号(サバテリ(Sabatelli)、1990年6月26日発行);および米国特許第4,999,186号(サバテリ(Sabatelli)他、1991年3月12日発行)に開示のものである。好ましいUVB日焼け止め活性物質は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−p−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸、オキシベンゾン、ホモメンチルサリチラート、オクチルサリチラート、4,4’−メトキシ−−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸塩やオクチル−p−メトキシケイ皮酸塩などのケイ皮酸塩およびその誘導体、TEAサリチラート、オクチルジメチルPABA、カンファー誘導体およびその誘導体、ならびにこれらの混合物から選択される。好ましい有機日焼け止め活性物質は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、オクチル−p−メトキシケイ皮酸塩、およびこれらの混合物である。酸性日焼け止め剤の塩および酸中和した形態も、本発明で有用である。
【0077】
紫外線の暴露によるUVA日焼け止め剤の光分解を防ぎ、それによってそのUVA防護効果を維持するように、UVA日焼け止め剤を安定化するために、本発明に有用な組成物のいずれかに薬剤を加えてもよい。広範囲の化合物が、これらの安定化特性を提供するものとして記載されているが、全体としてUVA日焼け止め剤および組成物の両方を相補するように選択するべきである。適切な安定化剤としては、これに限るものではないが、米国特許第5,972,316号;第5,968,485号;第5,935,556号;第5,827,508号およびPCT国際公開特許WO00/06110に記載のものが挙げられる。本発明で使用する安定化剤の好ましい例としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−3,3−ビス(4−メトキシフェニル)アクリレート、およびそれらの混合物が挙げられる。2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートが最も好ましい。
【0078】
これらの組成物の皮膚実存性を改善し、特に水での洗い落としまたはこすり落としに対する耐性を高めるために、本発明で有用な組成物のいずれかに薬剤を加えてもよい。このような効力を提供する好ましい薬剤は、エチレンとアクリル酸のコポリマーである。このコポリマーを含む組成物が、1987年5月5日に発行されたブロック(Brock)の米国特許第4,663,157号に開示されている。
【0079】
有機日焼け止め剤に加えて、本発明の組成物は、付加的に無機物理的日焼け防止剤を含むことができる。適切な物理的日焼け防止剤の非限定的な例が、CTFA国際化粧品成分辞典(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第6版(1995年)、1026−28および1103ページ、セア(Sayre).R.M.他、「物理日焼け防止剤(Physical Sunscreens)」、化粧品化学誌(J.Soc.Cosmet.Chem.)、第41巻、No.2、103〜109ページ(1990年)に記載されている。好ましい無機物理的日焼け防止剤は、酸化亜鉛および二酸化チタン、ならびにこれらの混合物である。
【0080】
使用するときには、物理的日焼け防止剤は、本組成物が皮膚上で透明となる(すなわち、白くならない)ような量、好ましくは約5%以下の量で存在する。二酸化チタンを使用するときには、アナターゼ、ルチル、または非晶性の構造を有することができる。物理的日焼け防止剤粒子、例えば、二酸化チタンおよび酸化亜鉛は、コーティングなしにすることができ、あるいは、これに限るものではないが、アミノ酸、アルミナ、アルミニウムステアレート、アルミニウムラウレートなどのアルミニウム化合物、;カルボン酸およびその塩、例えばステアリン酸およびその塩;レシチンなどのリン脂質;有機シリコーン化合物;シリカやシリケートなどの無機シリコーン化合物;ならびにこれらの混合物を含めた様々な材料でコーティングすることができる。好ましい二酸化チタンは、テイカ(Tayca)(日本)から市販され、トリ−Kインダストリーズ(Tri−K Industries)(米国ニュージャージー州エマーソン)からMT微粉イオン化シリーズ(例えば、MT100SAS)として流通している。
【0081】
本発明の組成物は、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約4重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約2.5重量%の無機日焼け止め剤を含む。
中和剤、芳香剤、着色剤など、多種多様な任意成分も本発明の組成物に加えることができる。どの添加成分も、製品の皮膚柔軟性/平滑性利益を高めることが好ましい。加えて、そのようなどの成分も製品の美観的特性にマイナスの影響を及ぼさないことが好ましい。したがって、コラーゲンやエラスチンなど、高レベルの蛋白質は、本発明で有用な組成物中では好ましくない。
本発明の組成物は、また、約0.01〜約10%、好ましくは約0.1〜約5%のパンテノール保湿剤を含むことができる。パンテノール保湿剤は、D−パンテノール([R]−2,4−ジヒドロキシ−N−[3−ヒドロキシプロピル)]−3,3−ジメチルブタマイド)、DL−パンテノール、パントテン酸カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、ピリドキシン、およびパントイルラクトースから選択することができる。
【0082】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、追加的に、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、ならびにこれらの混合物、好ましくはナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびこれらの混合物から選択される塩を含む。本発明での使用に特に好ましいのは、カルシウム塩およびマグネシウム塩である。本発明の組成物は、好ましくは、金属イオンの量を基準に、約5ppm〜約500ppmの塩を含む。
さらに好ましい実施形態では、本発明の組成物は、リパーゼ、ホスホリパーゼ、グリコシダーゼ、ラクトペロキシダーゼ、セルラーゼ、およびこれらの混合物から選択される追加の酵素を含んでもよい。
本発明で親水性ゲル化剤含有酸性基の中和に使用するのに適切な中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリス緩衝液、およびトリエタノールアミンが挙げられる。
【0083】
その他の任意材料としては、角質溶解剤;ジャーモール(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、およびブチルエステル、ベンジルアルコール、商品名グリダント・プラス(Glydant Plus)としてロンザ(Lonza)から入手可能なDMDMヒダントインヨードプロパニルブチルカルバネート、EDTA、ユーキシル(Euxyl)(登録商標)K400、ブロモポル(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)、フェノキシプロパノールなどの、好ましくは約0.1%〜約5%の濃度の水溶性または可溶性防腐剤;イルガサン(Irgasan)(登録商標)、フェノキシエタノール(好ましくは0.1%〜約5%の濃度で)などの抗菌剤;ヒアルロン酸、セラニーズ・スーパーアブソーベント・マテリアルズ(Celanese Superabsorbent Materials)(米国バージニア州ポートスミス)から入手可能でUSA−A−4,076,663に記載のサンウェット(Sanwet)(登録商標)IM−1000、IM−1500、IM−2500など、デンプン−グラフト化ポリアクリル酸ナトリウムなどの可溶性またはコロイド可溶性保湿剤;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、それらの誘導体などのビタミン類、それらのビルディングブロック、例えばフィタントリオール、ビタミンKなど、およびそれらの構成成分、例えば脂肪アルコールドデカトリエノルなど;α−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸;アロエベラ;スフィンゴシンおよびフィトスフィンゴシン、コレステロール;皮膚美白剤;N−アセチルシステイン;着色剤;TCC/TCSなど、トリクロサンおよびトリクロロカーボンとしても知られる抗菌剤;芳香剤および芳香剤溶解剤が挙げられる。αヒドロキシ酸の例としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、アンモニウムグリコレートと組み合わせたグリコール酸、αヒドロキシエタン酸、αヒドロキシオクタン酸、αヒロドキシカプリル酸、ヒドロキシカプリル酸、混合果物酸、トリαヒドロキシ果物酸、三重果物酸、サトウキビ抽出物、αヒドロキシおよび植物含有l−αヒドロキシ酸、および架橋脂肪酸αニュートリウム(nutrium)中のグリコマーが挙げられる。αヒドロキシ酸の好ましい例は、グリコール酸および乳酸である。αヒドロキシ酸を10%までの濃度で使用することが好ましい。
【0084】
本発明の組成物は、約0.1重量%〜約5重量%のアルミニウムデンプンオクテニルスクシネートを追加的に含むことができる。アルミニウムデンプンオクテニルスクシネートは、オクテニル無水コハク酸とデンプンの反応生成物のアルミニウム塩であり、ドライ・フロー(Dry Flo)の商品名でナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・リミテッド(National Starch & Chemical Ltd.)より市販されている。ドライ・フロー(Dry Flo)は、肌触りおよび適用特性の観点から、本発明で有用である。
本発明の組成物に、安全かつ有効な量の抗炎症剤を、組成物の好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.1%〜約2%加えてもよい。抗炎症剤は本発明の皮膚外観利益を高め、例えばこのような薬剤は、より均一で許容可能な皮膚の色調または色に寄与する。本組成物に使用する抗炎症剤の正確な量は、このような薬剤の効力が広範囲で変化するので、使用する個々の抗炎症剤によって異なる。
【0085】
本発明の組成物は、さらに酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを含むことができる。酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーは、角質層中の鱗屑またはきめの変化の増加を引き起こす紫外線、ならびに皮膚の損傷を起こし得るその他の環境物質からの防護に特に有用である。適切な量は、組成物の約0.1%〜約10%、より好ましくは約1%〜約5%である。アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩などの、酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー。
キレート化剤を含むと、過剰な鱗屑または皮膚のきめの変化を引き起こし得る紫外線、ならびに皮膚の損傷を引き起こし得るその他の環境物質からの防護に特に有用である。適切な量は、組成物の約0.01%〜約1%、より好ましくは約0.05%〜約0.5%である。本発明で有用な代表的なキレート化剤は、米国特許第5,487,884号に開示されており、これを参照により本明細書に組み込む。本発明の組成物で有用な好ましいキレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、フリルジオキシム、およびそれらの誘導体である。
【0086】
本発明の組成物はまた、皮膚ライトニング剤を含むこともできる。使用するときには、組成物は、皮膚ライトニング剤を好ましくは約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.2%〜約5%、さらに好ましくは約0.5%〜約2%含む。適切な皮膚ライトニング剤としては、コウジ酸、アルブチン、アスコルビン酸およびこれらの誘導体類、例えば、マグネシウムアスコルビルホスフォートを含めた、当該技術分野で公知のものが挙げられる。本発明で用いるのに適切なその他の皮膚ライトニング剤としては、PCT国際公開特許WO95/34280およびWO95/23780に記載のものも挙げられ、それぞれ参照により本明細書に組み込む。
【0087】
その他の任意材料としては、好ましくは約0.1%〜約5%の濃度の水溶性または可溶性防腐剤、例えば、ジャーモール(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、およびブチルエステル、ベンジルアルコール、ロンザ(Lonza)から商品名グリダント・プラス(Glydant Plus)として入手可能なDMDMヒダントインヨードプロパニルブチルカルバネート、EDTA、ユーキシル(Euxyl)(登録商標)K400、ブロモポール(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)、フェノキシプロパノールなど;抗菌剤、例えばイルガサン(Irgasan)(登録商標)やフェノキシエタノール(好ましくは0.1%〜約5%の濃度)などが挙げられる。トリクロサンとしても知られるTCC/TCSやトリクロロカーボンなどの抗菌剤も、本発明の組成物中で有用である。
【0088】
本発明のその他の任意材料としては顔料が挙げられ、それが非水溶性の場合、油相成分の合計濃度に寄与し、それに含まれる。本発明の組成物で使用するのに適切な顔料は、有機物及び/又は無機物にすることができる。顔料という用語には、艶消し仕上げ剤などの色や光沢を低く抑える材料および光散乱剤も含まれる。好ましくは、本発明の組成物が、屈折率が約1.3〜約1.7、メジアン粒径が約2〜約30μmの、組成物中に分散された微粒子材料を含む。
好ましくは、本発明で有用な微粒子の分布が比較的狭く、これは、50%を超える粒子が、メジアン値の両側それぞれ3μm以内に入ることを意味する。
また、50%より多く、好ましくは60%より多く、より好ましくは70%より多くの粒子が、それぞれのメジアン値に関して規定されたサイズ範囲内に入ることが好ましい。適切な微粒子材料は、有機またはオルガノシリコーンであり、好ましくはオルガノシリコーンポリマーである。好ましい粒子は、自由流動性の中実材料である。「中実」とは、粒子が中空ではないことを意味する。
【0089】
中空粒子の中央の空隙は、屈折率、したがって皮膚または組成物に粒子の視覚的効果に、有害反応を引き起こす可能性がある。適切な有機微粒子材料としては、前述で参照したポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド、ポリテン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリ(塩化ビニリデン)から製造されるものが挙げられる。前述の材料のモノマー由来のコポリマーも、使用することができる。無機材料としては、シリカおよび窒化ホウ素が挙げられる。本発明で有用な微粒子材料の代表的な市販品の例は、メジアン粒径が約4.5μmのトスパール(Tospearl)(登録商標)145、およびEA−209(登録商標)としてコボ(Kobo)から市販されるメジアン粒径が約10μmのエチレン/アクリル酸コポリマー、商品名オーガソル(Orgasol)2002としてエルフ・アトケム(Elf Atochem)(フランス)から市販されるナイロン−12、またはそれらの混合物である。
【0090】
適切な顔料のその他の例は、二酸化チタン、コボ(Kobo)から市販される事前に分散させた二酸化チタン、例えばコボ(Kobo)GWL75CAP、酸化鉄、アシグルタミン酸酸化鉄、ウルトラマリンブルー、医薬品および化粧品用染料、カルミン、およびそれらの混合物である。通常は、組成物のタイプに応じて、顔料の混合物が使用されることになる。保湿、肌触り、皮膚の外観、およびエマルションの適合性の観点から、本発明での使用に好ましい顔料は、処理顔料である。顔料は、アミノ酸、シリコーン、レシチン、エステル油などの化合物によって処理することができる。
本発明の組成物は、一般にエマルションの形態であり、好ましくは製品の粘度が少なくとも約4,000mPa.s、好ましくは約4,000〜約1,000,000mPa.s、より好ましくは約8,000〜約350,000mPa.s、特には約10,000〜約250,000mPa.s、さらには約10,000〜約150,000mPa.sの範囲になるように配合する(25℃、純、ブルックフィールドRVT(Brookfield RVT)、Tスピンドル、5rpmおよびヘリオパス・スタンド(Heliopath Stand))。
【0091】
包装
本発明の水中油型組成物が2つ以上のチャンバを含む包装内に包装され、その第1チャンバが、
(a)約0.0001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%のプロテアーゼ酵素と、
(b)約20重量%〜約99重量%、好ましくは約50重量%〜約98重量%、より好ましくは約60重量%〜約95重量%の多価アルコールと、
(c)約20重量%未満、好ましくは約12重量%未満の水分とを含む水溶性組成物を含み、その第2チャンバが、プラセボ組成物を水中油型エマルションとして含み、2つのチャンバからの組成物が、好ましくは単一ノズルを通じて分配システムから分配されることがきわめて好ましい。したがって、高濃度の多価アルコールを含むきわめて安定な状態でプロテアーゼ酵素を保管し、同時に最終組成物を水中油型エマルションの形で分配することが可能である。
【0092】
包装の分配比を変更することによって、各用量で分配される酵素の濃度を制御することが可能である。さらに、2つのチャンバの組成物を分配するときには、それらは酵素保管組成物の希釈液になるものを混合し、したがって酵素を再活性化させる水分活性を高める。加えて、保管された酵素組成物のこの希釈液は、最終組成物の多価アルコール濃度が、製品が美観的に許容可能であるように十分に低いことを意味する。複数チャンバ分配システムの第1チャンバと第2チャンバから分配される組成物の重量比が、約1:1〜約1:50、好ましくは約1:5〜約1:30、より好ましくは約1:10〜約1:25、最も好ましくは約1:15〜約1:23の範囲にあることが好ましい。
【0093】
包装のその他の例が、PCT国際公開特許WO97/27841に開示されており、これを参照により本明細書に組み込む。きわめて好ましい包装は、エアスプレー・インターナショナル(Airspray International)から入手可能なシンバイオ・パック(Symbio pack)である。
本発明の組成物をこのような複数チャンバ包装中で保管するときには、酵素を含む第1チャンバの組成物がまた、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびこれらの混合物から成る群から選択される、約50〜約400ppmの金属塩を含むことが好ましい。金属塩が、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0094】
使用方法
本発明の組成物は、優れた落屑/皮膚剥離作用を提供し、したがって皮膚柔軟化利益を改善するのに有用である。しかし、前述のように、消費者がプロテアーゼ酵素に過剰暴露され、または製品を誤使用すると、感作が起こる危険がある。したがって、酵素暴露濃度を最小限に抑える責任がある。これは、酵素を低い濃度で含むように最終組成物を配合することだけでなく、使用計画の導入により暴露を制限することによって達成される。
【0095】
本発明の組成物の使用に関し、繰返しサイクルにわたり、局所用化粧品組成物の1つ以上の単位用量の日常順序の投与を含む、皮膚及び/又は毛髪を処理する美容方法が推奨されることがきわめて好ましい。サイクルの好ましい投薬順序は、
(a)第1相として、プロテアーゼ酵素を含む化粧品組成物を、1〜365日、好ましくは1〜50日、より好ましくは1〜10日、さらに好ましくは1〜7日、最も好ましくは3〜7日間投与するステップと、その後、
(b)第2相として、プラセボ、または保全組成物を、1〜365日、好ましくは1〜100日、より好ましくは1〜50日、さらに好ましくは10〜40日、最も好ましくは20〜30日間投与するステップとを含む。
【0096】
処理の美容方法は、さらに、単一処理期間中に投薬サイクルが約1〜1000回、好ましくは約1〜100回、より好ましくは約1〜12回、さらに好ましくは約1〜6回、最も好ましくは約1〜3回繰り返すことを特徴とする。
さらに、計画サイクルの各日常投薬順序が、1以上の単位用量を含むことができる。したがってこの美容方法では、所与の日内で、生物学的活性化合物を含む化粧品組成物、あるいは処理サイクルの相によっては必要に応じてプラセボ組成物を、1日中を通して1回または数回の機会で投与してもよい。さらに処理機会ごとに、適切な組成物の1以上の定量または非定量容量を投与するように、ユーザに勧告してもよい。
【0097】
本発明のさらにきわめて好ましい一実施形態では、複数チャンバ包装を使用して、その包装が、処理計画の第1相全体にわたって、高濃度の多価アルコールによって安定化したプロテアーゼ酵素を含む組成物と、皮膚軟化剤およびスキンケア活性ビタミンB複合体を含むシャーシ水中油型エマルションとを分配し、また処理計画の第2相中に、包装がシャーシ水中油型エマルションを単独で分配する。
【0098】
組成物の調製
本発明の水中油型エマルションは、当業者に周知の標準的な技術によって調製する。一般に水相及び/又は油相は、分割された同様の相の材料を任意の順序で添加して、別個に調製される。次いで、2つの相を激しく攪拌して混ぜて、エマルションを形成する。高い揮発性を有する、あるいは高温で加水分解するように感度の高い、配合中のどの成分も、乳化後に穏やかに攪拌して添加することができる。
【0099】
(実施例)
以下の実施例により、本発明の範囲内の好ましい実施形態をさらに説明する。これらの実施例は、単に説明を目的とするもので、本発明を制限するものと解釈すべきではなく、本発明の精神および範囲を逸脱することなく本発明の多くの変形形態が可能である。指示がない限り、成分はすべて活性成分の重量パーセントで表す。
【0100】
【表2】
Figure 2004508394
【0101】
1.セピック(Seppic)(フランス、パリ、クァイ・ドルセイ75(Quai D’Orsay))から販売
2.ダウ・コーニング(Dow Corning)(英国、RG1 4EX、バークシャー州、レディング、キングズロード185、キングズコート(Kings Court,185 Kinds Rd,Reading,Berks,RG1 4EX))から販売
3.ICI(英国、クレーブランド、ミドルズバラ、ウィルトンセンター、郵便私書箱90(PO Box 90, Wilton Centre,Middlesborough,Cleveland,England)から販売TS6 8JE
4.ヘンケル(Henkel)(ドイツ、デュッセルドルフ)から販売
5.ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)(米国カリフォルニア州パロ・アルト)
【0102】
ローション/スキンクリームの製造
穏やかな攪拌を用いて併せた、水、グリセリン、ソルビタンステアレート/スクロースココエート(適用可能な場合)、およびEDTAの混合物を加熱する
同時に、以下の材料:ビタミンEアセテート、イソヘキサデカン、イソプロピルイソステアレート、セチルアルコール、ペトロラタム、イソプロピルパルミテート、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、エチルパラベン、プロピルパラベン、PEG100ステアレート、ステアリン酸、およびセテアリルグルコシド/セテアリルアルコール(適用可能な場合)を混合し加熱する。
2つの混合物が75〜80℃のときに、混合物を併せて添加し、高剪断下で混合してエマルションを形成する。
混合物を冷却し、ニコチン酸アミド、パンテノール、水酸化ナトリウムポリアクリルアミド、およびC13〜14イソパラフィンおよびラウレス7を冷却サイクル中に添加する。
仕上げ時点で、バッチをジメチコーンおよびジメチコノールに添加し、高剪断によって短時間混合する。混合物を室温まで冷却する。
【0103】
酵素溶液
酵素を、最終希釈液を得るのに必要な量で、材料を溶解するのに適切な溶媒と混合する。
【0104】
最終包装(シンバイオ・パック( Symbio pack ))の使用
供給元の説明書に従って包装を組み立て、使用前に系が両方の構成成分を確実に分配するようにする。
組成物は、優れた皮膚水和性、皮膚柔軟性、および皮膚平滑性利益を提示する。
6.エアスプレー・インターナショナル(Airspray International)(オランダ、アルクマール(Alkmaer))

Claims (18)

  1. 水中油型エマルションであって、
    (a)約0.0001%〜約1%のプロテアーゼ酵素と、
    (b)連続相中の20%未満の多価アルコールと、
    (c)50%未満の油相と、
    を含み、前記プロテアーゼ酵素が、約5.5を超えるpHで活性を示し、外部相の水分活性が0.85を超える水中油型エマルション。
  2. 約0.001重量%〜約0.5重量%、最も好ましくは,
    約0.005重量%〜約0.1重量%のプロテアーゼ酵素を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記酵素が、サブチリシン、キモトリプシン、及びエラスターゼ型プロテアーゼ酵素から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記酵素が、アルカラーゼ(登録商標)、エスペラーゼ(登録商標)、サビナーゼ(登録商標)、マキサターゼ(登録商標)、マキサカル(登録商標)、及びマキサペム15(登録商標)(蛋白質組換えマキサカル(登録商標))、及びサブチリシンBPN及びBPN’を含めて、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、及び/又はバチルス・サブチリスから得られる、細菌性セリンプロテアーゼ酵素及びその変異型から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記酵素が、アルカラーゼ(登録商標)、BPN’、プロテアーゼA、プロテアーゼB、プロテアーゼD、プロテアーゼF、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくはプロテアーゼFである、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記連続相が、約0.5重量%〜約18重量%、好ましくは約2重量%〜約15重量%、より好ましくは約5重量%〜約12重量%の多価アルコールを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記多価アルコールが、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリン、及びこれらの混合物から選択される、請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記多価アルコールが、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物から選択される、請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 40重量%未満、好ましくは約5重量%〜約25重量%、より好ましくは約8重量%〜約15重量%の内部油相を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びこれらの混合物から選択される塩を、金属イオンを基準に約5ppm〜約500ppmの量で含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記塩が、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びこれらの混合物から選択される、請求項10に記載の組成物。
  12. 約1重量%〜約50重量%、好ましくは約1.5重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約8重量%、特に約0.5重量%〜約5重量%の皮膚化学的に許容可能な皮膚軟化剤を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%、さらに好ましくは約2重量%〜約重量8%のスキンケア活性複合体を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記スキンケア活性物質が、ビタミンB化合物又はその誘導体を含むビタミン複合体;レチノール化合物又はその誘導体;パンテノール又はその誘導体;及びこれらの混合物を含む、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記プロテアーゼ酵素が、pH約6.1〜約10.0、好ましくはpH約7.0〜約9.0、より好ましくはpH約8.0〜約9.0、さらに好ましくはpH約8.0〜約8.6でその活性を示す、請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記外部相が、0.90を超える、好ましくは0.95を超える水分活性を有する、請求項1から13のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 2つ以上のチャンバを含む包装内に包装された請求項1から16のいずれか1項に記載の組成物であって、該第1チャンバが、
    (a)約0.0001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%のプロテアーゼ酵素と、
    (b)約20重量%〜約99重量%、好ましくは約50重量%〜約98重量%、より好ましくは約60〜約95重量%の多価アルコールと、
    (c)約20重量%未満、好ましくは約12重量%未満の水分と、
    を含む水性組成物を含み、該第2チャンバが、プラセボ組成物を水中油型エマルションとして含み、前記2つのチャンバからの組成物が、好ましくは単一ノズルを通じて、分配システムから同時に分配される組成物。
  18. 複数チャンバ分配システムの第1チャンバおよび複数チャンバ分配システムの第2チャンバから分配される組成物の重量比が、約1:1〜約1:50、好ましくは約1:5〜約1:30、より好ましくは約1:10〜約1:25、最も好ましくは約1:15〜約1:23の範囲にある、請求項17に記載の組成物。
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