JP2004508274A - 薬物中毒の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、μ−オピオイドレセプターアンタゴニストと、長期作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーとを配合して投与する薬物中毒の治療方法に関し、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピン、フェロジピンから選ばれる前記カルシウムチャンネルブロッカー、ならびにこのために有用な組合せおよび組成物に関する。

Description

【0001】
本発明は、大体において、治療の方法およびそれに適した配合と組成物に関する。特に、本発明は、アルコールおよびアヘンの中毒を含めて薬物乱用の治療ための方法に関する。
【0002】
薬物中毒は、アルコール、ヘロイン、モルヒネ、メサドン、ニコチン、アンフェタミン、コカインまたはマリファナなどの特定の薬物に対する圧倒的で抑制できない、身体的または精神的欲求に関連するもので、薬物常用者および共同社会双方に対して重大な社会的および財政的損失を負わせることがある。多くの場合、補助的な治療、すなわち薬理学的あるいは精神治療的な治療をすることなく、薬物の使用を中止することは、急性の身体的および精神的な病気を引き起こしうる。精神療法、行動矯正またはある他の薬物といった方法によって薬物中毒を治療する試みは、慢性的な使用を再発する多くの中毒を伴い、限られた成功のみを有している。
【0003】
強力で長期間作用性の拮抗的かつ特異的なCNS μ,δ,κ−オピオイドレセプターアンタゴニストであるナルトレクソン(naltrexone)が迅速なアヘン解毒に使用されることはよく知られているが、その方法は害がないわけではない。エタノールの慢性的な中毒作用も、直接的にはCNSオピオイドレセプターで、あるいは間接的には内因性アヘンの遊離によって実体上媒介されるように思われるため、長期にわたる日常的なナルトレクソン治療も解毒されたアヘン常用者およびエタノール常用者の両方で欲求および再発を防ぐためにうまく使用されている。しかし、単独で与えられた場合には、ナルトレクソンはこれらの状況に対して有効な長期治療を与えるものでなく、慢性的なアヘンまたはエタノールへの欲求および依存症の再発が3〜12ヶ月以内に頻繁に再発する。
【0004】
現在、μ−オピオイドレセプターアンタゴニスト(μORA)および長期間作用性または持続性放出型で表されるカルシウムチャンネルブロッカー(CCB)を用いた配合治療が薬物乱用の治療に有効であるかもしれないし、アヘン、エタノール(アルコール)および他の中毒性薬物などの薬物への慢性的な依存の長期間の緩解または治療、あるいはその低減、それに対する欲求またはその再発を提供するかもしれないことが分かっている。
【0005】
第一の面からは、本発明は、
(i)  μ−オピオイドレセプターアンタゴニストと、
(ii) 長期間作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーとを配合して患者に投与することからなる方法であり、
前記カルシウムチャンネルブロッカーが、ベラパミル(verapamil)、ニフェジピン(nifedipine)、アムロジピン(amlodipine)およびフェロジピン(felodipine)からなる群より選ばれることを特徴とする薬物常用者の治療方法を提供する。
【0006】
本発明を理論によって限定しようとしなければ、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンから選択されるCCBと、ナルトレクソンなどのμORAとの配合の利点が以下のようであることが信じられている。
中脳辺縁系は、一般的に人が乱用し依存性のある、下記タイプの主要薬物それぞれの中毒潜在性に第一に関係する脳の快感領域であるようである。例えば、
1. ヘロイン、コデインおよびモルヒネなどのアヘン、ならびにペチジンおよびメサドンなどの誘導体。メサドンは、非常に長い半減期のために、ヘロインなどの違法なアヘンの使用を減少または防止するために制御された有用な代替品として合法的に頻繁に処方もされている。
【0007】
2. 鎮静性の睡眠剤であるエタノール、バルビツール酸塩類のペントバルビトンおよびキナールバルビトン、ならびにベンゾジアゼピン類のテマゼパム、ジアゼパムおよびフルニトラゼパム。
3. 覚醒剤のアンフェタミンおよびコカイン、および
4. 化学的に区別された薬物のニコチン、マリファナおよびフェニクリデン。
【0008】
これらの薬物それぞれは、中脳辺縁系の側坐核(NAC)での作用のために中脳の腹側被蓋野(VTA)から興奮性のCNS神経伝達物質ドーパミン(DA)の遊離を促進することによって、人に中毒性の報償性多幸感を引き起こすようである。中脳辺縁系の興奮性のドーパミン作用性神経伝達物質系は、遠心性ドーパミン−分泌神経終末を機能的に関連したNACに投影するVTAに由来する。
【0009】
乱用した上記薬物の中毒作用が、まずVTAおよびNACで起こる以下の現象から生じることが考えられる。
一例としてモルヒネを使用した場合、これらの現象は、VTAにそれぞれ存在する4つの一次CNS神経伝達物質系(シナプス前性の抑制的GABA作用性、シナプス前性の抑制的オピオイド作用性、カルシウム依存性の興奮性ドーパミン作用性およびカルシウム依存性のグルタミン酸作用性)の機能的に統合した作用と以下のように関係する。
(i) 通常の状況下で、オピオイド作用系およびドーパミン作用系は生理的活性のみを示し、前者は内因性オピオイド神経伝達物質、β−エンドルフィンの制御下ではμオピオイドレセプターに作用し、後者は系の持続的な抑制制御の下で作用する。GABA作用性アンタゴニストのピクロトキシン(picrotoxin)およびビククリン(bicucculine)のVTAへの注入は、ドーパミン作用性神経細胞の活性を増加させる。
(ii) VTAドーパミン作用性神経細胞はオピオイドレセプターを含まず、直接アヘンには応答しない。
(iii) モルヒネは、持続的に抑制性のGABA作用性制御作用を抑制する(脱抑制する)抑制性オピオイド作用系を活性化する。結果的にモルヒネにより誘発されたGABA作用性の脱抑制は、報償性の多幸感の感覚として人に現れ、NACにおいてDAの増大した遊離および作用に起因する興奮性ドーパミン作用系を活性化させる。そのような増大したDAの遊離および作用は、VTA/NACへの、オピオイドレセプターアンタゴニストであるナルトレクソンの灌流によって遮断され、このことは、オピオイド作用系の第一の重要性を示す。
(iv) 前述の他の主要中毒性薬物は、これらへの、ならびにおそらくある場合には、脳の他の部分からVTAにも中継される関連の神経伝達物質系(例えば、グルタミン酸作用性、コリン作用性、セロトニン作用性、ニューロペプチド作用性)への一次的作用によって類似方法により満足感のある効果を引き起こすようである。
【0010】
一方では、長期間作用性の非特異的なμ,δ,κ−オピオイドレセプターアンタゴニストのナルトレクソンが、他方でCCB類のベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンが、この一次的な機能的に統合しているVTA神経伝達物質系の異なる神経伝達物質成分に対して、異なった機構によって作用する。ナルトレクソンは強力にVTAのμオピオイドレセプターを遮断し、それによって抑制性オピオイド作用系のモルヒネ活性化を防ぐ。かくして、ナルトレクソンはNACにおいてDAの遊離および作用へのGABA作動性の抑制を回復させ、それによってモルヒネ誘発性の報償的な多幸感の維持を終結させる。それに加えて、ナルトレクソンは、アヘン退薬症候群を迅速に誘発し、このことはNACでのDAの遊離および作用の著しい抑制にも導き、さらに齧歯類のNACではDAの遊離および作用も抑制するκ−オピオイドリガンドによって引き起こされる急性の有害効果に類似した、精神不安および心配を人では伴なう。ナルトレクソンは関連するCNS δおよびκオピオイドレセプターの強力なブロッカーであることから、同様に、アヘン、エタノールおよび関連する中毒過程にも寄与するδおよびκオピオイドレセプターにより調節される事象を遮断するだろう。
【0011】
一方、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンは、VTA−およびNAC−応答性の電位−作動性であるシナプス前性およびシナプス後性のL型カルシウムチャンネルを遮断することによって、アヘン、エタノールおよび他の中毒性薬物による報償的作用を防ぐようである。そのような遮断は、モルヒネにより誘発されるカルシウム依存性シナプス前性の、VTAからのDA遊離ならびにNACで遊離されたDA作用によるシナプス後性の報償的作用を抑制する。
【0012】
薬物によりもたらされる快感または強化に対する欲求は、アヘン、エタノールまたは関連する中毒性薬物への慢性的な依存性からの解毒によって誘発される。欲求は、そのような薬物の退薬中または退薬後に起こるかもしれないし、少なくとも部分的には、生理的レベルに戻るまでNACにおいて一時的かつ最適に近いDAの遊離および作用を示すかもしれない。
【0013】
すなわち、欲求として、
1. アヘン、エタノールおよび関連する中毒性薬物によって誘導されるNACでのDAの遊離および作用の、乱用薬物の退薬により誘発される抑制。
2. NACにおいてダイノルフィン(dynorphin)により調節される局所的な抑制性κオピオイドレセプターの、乱用薬物の退薬により誘発される活性化。これは、NACでのDAの遊離および作用を減少させ、精神不安および嫌悪も引き起こすであろう。このことは欲求を促進する傾向がある。
【0014】
3. VTA/NACにおいて制御性および興奮性のドーパミン作用性伝達物質系と機能的に統合されると考えられる、グルタミン酸作用性、GABA作用性、セロトニン作用性、ドーパミン作用的自己抑制性、ならびにオピオイド作用性およびオピオイド非作用性のニューロペプチド神経伝達物質系での関連する乱用薬物の関与。
【0015】
4. VTA、NACおよび扁桃体、海馬および内側前頭前野皮質などの脳の快感系の機能的に関連する成分における、乱用薬物応答性のカルシウム依存の機構。これはアヘン、エタノール、アンフェタミン、テマゼパンあるいはマリファナ依存性の慢性的な中毒者の選ばれたCCB−誘発性解毒に関係する最近の臨床患者についての試験的な研究の結果からありうるようである。
が挙げられる。
【0016】
ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンのみならず、ナルトレクソンもまた、同じ鍵となる機能的に統合されたVTA/NAC多神経伝達物質系に作用するようである。その系は、一般的に乱用される主要な中毒性薬物の報償的で有害な影響を媒介することに主として関わっている。もっとも一方ではナルトレクソンが、他方ではCCB類のベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンがこの同じ系の異なった構成要素を含む別の機構によって作用する。
【0017】
アヘンまたはエタノールに、あるいはここで記述された他の中毒性薬物(それぞれが同様のカルシウムが関係するCNS過程を含むようである)に慢性的に依存する解毒された中毒患者の欲求および/または後退の予防的管理において、本発明による配合物が有益で付加的または相乗的な効果を示すことができることが今や提案される。
【0018】
脳のμ−オピオイドレセプターを長期間遮断できる化合物は、どれも本発明に役立つかもしれない。適切なμORAとしてナルトレクソンおよびナルメフィン(nalmefine)が挙げられる。μORAは、脳のμ−オピオイドレセプターと結合して遮断できなければならないが、それはまた、δ−およびκ−オピオイドレセプターなど、他のオピオイドレセプターとも結合して遮断できることが理解されるだろう。本発明で用いられる好ましいμORAは、CNSでμ、δおよびκ−オピオイドレセプターを非特異的に遮断するナルトレクソンである。
【0019】
ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンあるいはフェロジピンから選ばれるCCBは、長期間作用性(アムロジピン)であるか、あるいは持続性放出の製剤として処方される剤形で投与される。「長期間作用性」とは、30から50時間の半減期を持ち、血漿濃度がプラトーに達するまで約5から10日かかるアムロジピンをいう。「持続性放出」の製剤とは、一旦投与された体内で、その活性成分が徐々に放出され、最小の期間をかけて所望の薬物濃度を維持する製剤である。ベラパミル、ニフェジピンあるいはフェロジピンの持続性放出製剤は、好ましくは、約24時間かけて活性成分を放出し、動悸、めまいおよび顔面潮紅として現れる急性の反射的な心機能亢進を避け、または最小にするようなプラトー濃度を維持する。そのようなプラトー濃度は、通常、患者の健康、年齢および体重に依存するかもしれないし、当業者または担当医師が容易に決定することができる。好ましくは、ベラパミル、ニフェジピンあるいはフェロジピンの持続性放出製剤は、少なくとも18時間、好ましくは24時間かけて、少なくともこの期間、所望の安定濃度の維持で活性であり、そのために患者へ一日に一度だけ投与が求められる。
【0020】
活性成分は、配合された投与量として、または個別の投与量として投与してもよい。活性成分を単独で投与してもよいが、調合組成物としてそれを患者に与えることが好ましい。CCBは本来的には長期間作用性ではない点で(例えば、ベラパミル、ニフェジピンおよびフェロジピン)、持続性放出の剤形で投与される。持続性放出の剤形製剤は、当業者によく知られており、Remington’s Pharmaceutical Science, 91章, P.1976−93, 第18版, MACK出版社といった文献に記載されている。剤形は経口、非経口、経皮の形あるいは移植(インプラント)を含んでもよい。持続性放出の剤形は有害な影響を避け、あるいは最小にするような速さで活性成分を放出するが、それにもかかわらず本発明の有用な臨床効果を提供する速さで活性成分が放出されることが理解されるだろう。
【0021】
経口での持続性放出型の剤形としては、小粒の周囲を適切に被覆したもの、錠剤、カプセルなど、または徐々に活性薬剤を放出する重合体のマトリックス中に活性薬剤が懸濁または分散されたものを挙げることができる。
非経口での持続性放出型の剤形としては、乳化物、溶解物および懸濁物を挙げることができる。
【0022】
経皮からの持続性放出型の剤形としては、活性成分が徐々に放出される微粒子あるいはリポソームとして懸濁された、軟膏、ローション剤、ゼリー剤などが挙げられる。あるいは、セルロース硝酸/アセテート、プロピレンおよびポリカーボネートのような適切な材料から作られた、微小孔膜からなるパッチを使用することもできる。そのパッチは、適切な皮膚粘着性および支持性の素材をも有していてもよい。
【0023】
インプラント、たとえば皮下インプラントなどとしては、重合体が生体適合性かつ非毒性であり、薬剤を含有する重合体デバイスを挙げることができる。適切な重合体としては、ヒドロゲル、シリコーン、ポリエチレンおよび生分解性の重合体を挙げることができる。
活性成分を含有する組成物は、適切な担体、希釈剤または賦形剤を包含することができる。それらには従来の溶剤全般、分散媒、フィラー類、固体担体、被覆剤、抗カビ剤および抗菌剤、界面活性剤、等張および吸着剤などが挙げられる。本発明の組成物は、その他の適切な生理活性物質をもまた包含することができると解される。
【0024】
上記担体、希釈剤および賦形剤は、組成物の他の成分と適合し、患者に悪影響を与えないという意味で、製薬的に“許容される”ものでなくてはならない。好ましくは、その組成物は経口投与に適しているのが望ましい。その組成物は、都合よい単位投与の形態で提供されてもよく、薬学技術分野で知られているどのような方法によって調製されてもよい。そのような方法は、活性成分と、一つまたはそれ以上の補助的成分から構成される担体とを結合する工程を含む。一般に、その組成物は、活性成分と、液状担体または微小に細分された固体担体あるいはその両方とを、均一かつ緊密に結合させ、次いで必要ならばその製品を成形することにより調製される。
【0025】
経口投与に適した本発明の組成物は、それぞれあらかじめ定めた量の活性成分を含有するカプセル、小包または錠剤などの個別の単位として、粉末または顆粒状物として、水性もしくは非水性の液体中の溶解物または懸濁物として、または水中油エマルジョンまたは油中水エマルジョンとして提供されうる。その活性成分は、巨丸薬またはペーストとしてもまた提供されてもよい。
【0026】
錠剤は、任意に一種またはそれ以上の補助的成分とともに、圧縮またはモールド成形により製造されうる。圧縮錠剤は、粉末、顆粒などの流動自由な形態の活性成分を、任意にバインダー(たとえば、不活性希釈剤、防腐殺菌剤(たとえば、ナトリウムスターチグリコール酸、架橋ポリビニルピロリドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)、界面活性剤または分散剤など)と混合されて、適切な機器中で圧縮することにより調製される。モールド成形錠剤は、不活性な希釈液で湿潤させた、粉状化合物の混合物を、適切な機器中でモールド成形することにより製造される。これらの錠剤は、任意に被覆してもよく、または刻み目をつけてもよく、あるいは内部にある活性成分を徐々にまたは制御された放出をするように、たとえば、所望の放出プロフィルを与えるように、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの割合を変えながら形成してもよい。錠剤は胃ではなく腸部分で放出されるように、任意に腸溶コーティングをして供給されてもよい。
【0027】
適切なら、活性成分はその塩またはプロドラッグとして投与されてもよい。
「塩」および「プロドラッグ」との用語は、受容者にμORAまたはCCBを(直接または間接に)供給できるよう投与する際に、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和化合物、水和物、またはその他の化合物のいずれをも包含する。「プロドラッグ」の用語は、その最も広い意味で使用され、本発明で用いられる活性成分に生体内で変換されるその誘導体をも包含して用いられる。そのような誘導体はその分野の当業者には容易に得られる。
【0028】
適切な製薬的に容認される塩としては、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、臭化水素酸といった製薬的に許容される無機酸の塩、あるいは酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、乳酸、ムチン酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸および吉草酸といった製薬的に許容される有機酸の塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
塩基の塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびアルキルアンモニウムなどの、製薬的に許容されるカチオンと形成されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塩基性窒素の含有基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物などの低級アルキルハライド、ジメチルおよびジエチル硫酸塩などのジアルキル硫酸塩、その他などの薬剤により四級化されてもよい。
【0030】
本発明の好ましい態様では、μORAとCCBの配合物は、12〜24週間程度、患者に投与される。より好ましい態様では、12〜24週間程度の配合物の投与に続いて、ナルトレクソンの有益な効果がもはや維持されなければ、その治療は、安全かつ有益な活性の持続があるかぎり、CCB単独の投与が引き続いてもよい。このことは担当医師により決定される。
【0031】
常用性の実体に応じて患者は、適切に解毒された患者であってもよく、好ましくは少なくとも5−7日間解毒されているのが望ましい。長期のアルコールまたはアヘン依存患者は、本発明の新しい配合治療を受ける前に一般に症状的には解毒されている。解毒の方法は当業者によく知られている。
本発明の配合物により治療されるアヘン依存患者は解毒されている。解毒の方法はその分野で知られている。アヘン常用者には、解毒は、ナルトレクゾンの急性の投薬およびその後の対症療法を含むものであってもよい。解毒から約6−7日後、禁断症状の程度はナロキソンが投与されるナーカン試験(Narcan test)により特定しうる。モルヒネ中毒の症状はそれから観察される。
【0032】
アルコール依存症の患者は任意に解毒されてもよい。また、解毒方法はその分野で知られている。アルコール常用者には、アカンプロセート(acamprosate)が投与されてもよく、引き続きその患者は5−6日間症状的に治療される。アルコール依存症の前兆(たとえば、識別および運動能力の減退)がもはや現れないか、ごく僅かだけしか現れない場合には、患者は解毒されたとみなされる。
【0033】
μORAとCCBとは、同時に、あるいは順番に、他方をもう一方の直後に、または、適当な間隔を置いて別々に投与できることが認識される。μORAとCCBとが同時に投与される場合、それらは分離した投与形態と、たとえばμORAとCCBの両方を含有する組成物などといった結合した形態との、どちらで投与されてもよい。
【0034】
かくして、さらなる見地では、本発明は、μORAと、長期間作用型もしくは持続性放出型のCCBとを含有し、該CCBがベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれる組成物をも提供する。
別の見地では、本発明は、μORAと、長期間作用性型または持続性放出型のCCBとを含有し、該CCBがベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれるキットであって、該キットがμORAとCCBの同時投与または連続的投与に適合する、区分された形態であるキットを提供する。
【0035】
さらに別の見地では、本発明は、薬物中毒患者治療のための薬剤調製におけるμORAの使用であって、該薬剤が、長期間作用性型または持続性放出型のCCBと配合して患者に投与することに適合しており、該CCBがベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれる使用を提供する。
【0036】
本発明はまた、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれ、長期間作用性型または持続性放出型であるCCBの、薬物中毒患者治療のための薬剤調製における使用であって、該薬剤がμORAと配合して投与することに適合しているCCBの使用を提供する。
さらに本発明は、μORAと、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれるCCBとの、薬物中毒患者治療のための薬剤調製における使用であって、該CCBが長期間作用性であるかまたは持続性放出する剤形に処方されている使用を提供する。
【0037】
このμORAおよびCCBは、治療に効果的な量で投与される。治療に効果的な量は、所望する投薬養生法によって投与された場合、求められる治療上の効果、たとえば緩和、治癒あるいは渇望の軽減(たとえば少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、80%もしくは90%)、または、薬物中毒における慢性的依存への再発への回避あるいは遅延などが得られるような、それぞれの活性成分の量である。これらの活性成分は、付加的にまたは相乗的に有効な量で投与してもよく、好ましくは、該活性成分は、それぞれの量が単独で投与された場合に治療上の効果を与える一成分の量よりも少ない量の配合で投与されるのがよく、すなわち、活性成分が相乗的に効果的な量で投与されるのがよい。好ましい形態では、活性成分の各々は従来勧められる治療での用量割合の約半分の投与である。このように、配合投与形態での各成分について、治療投与量のおおよそ半分の量は、それぞれの所要量を含むように処方されてもよく、あるいは代わりに、たとえば錠剤などの剤形が多くの量を含有しており、具体的に錠剤に刻み目をつけるなど、持続性放出の仕組みに影響することなく簡単に分割できるように形成されていてもよい。
【0038】
適切な投与量および療法は、治療する内科医により決定され得るもので、患者の一般的な健康状態、年齢および体重ばかりでなく治療される個々の薬物中毒による。
たとえば、ナルトレクソンと、ベラパミルまたはニフェジピンとの割合は、1重量部のナルトレクソンに対し1から20重量部、好ましくは3から5重量部のベラパミル;そして、1重量部のナルトレクソンに対し0.1から10重量部(たとえば1から10部)、好ましくは0.5から4重量部のニフェジピン、のような範囲で変化させることができる。好ましい態様としては、投与形態中の組成物もしくは配合物は、12.5から100mg(たとえば25または50mg)のナルトレクソンと、120から480mgの持続性放出型ベラパミルまたは30から120mg(たとえば60mg)の持続性放出型ニフェジピンとを含有する。よってたとえば、治療は、毎日1回50mgのナルトレクソンの投与と、毎日1回120、180もしくは240mgの持続性放出型ベラパミルまたは30もしくは60mgの持続性放出型ニフェジピンの投与に基づくことができる。
【0039】
経口投与に適合し、長期間作用性もしくは持続的放出をする調製物を投与する場合、毎日1回の基準であるのが好ましく、最も好ましくは、患者の応諾を確実にするため、毎日1回が望ましい。配合の例としては:従来の50mg錠剤としてのナルトレクソン;180または240mgの持続的放出型錠剤としてのベラパミル;30または60mgの持続的放出型錠剤としてのニフェジピンである。
【0040】
他の例として、ナルトレクソンと、アムロジピンまたはフェロジピンとの割合は、1重量部のナルトレクソンに対し0.1から20重量部(たとえば0.1−10または1−10)、好ましくは3から5重量部のアムロジピン;そして、1重量部のナルトレクソンに対し0.1から20重量部(たとえば0.1−10)、好ましくは0.5から4重量部のフェロジピンのような範囲で変化させることができる。好ましい態様としては、投与形態中の組成物もしくは配合物は、12.5から100mg、たとえば25または50mgのナルトレクソンと、2.5から10mg、たとえば2.5、5または10mgの長期間作用性型アムロジピンまたは2.5から20mg、たとえば2.5、5、10または20mgの持続性放出型フェロジピンとを含有する。よって、たとえば、治療は、毎日1回50mgのナルトレクソンの投与と、毎日1回2.5mgまたは5mgの長期間作用性型アムロジピン、または2.5−5mgまたは10mgの持続性放出型フェロジピン、または120もしくは180mgの持続性放出型ベラパミルの投与に基づくことができる。
【0041】
患者の応諾を確実にするためには、経口での投与で、長期間作用性型もしくは持続的放出型の調製物で、毎日1回の基準であるのが好ましい。配合の例としては:従来の50mg錠剤としてのナルトレクソン;5mgの半分(2.5mg)、または5もしくは10mgの長期間作用性型錠剤としてのアムロジピン、2.5mgまたは5mgもしくは10mgの持続的放出型錠剤としてのフェロジピンである。
【0042】
本明細書およびその後の特許請求の範囲を通じて、文脈から他の意味に解されない限り、「comprise(からなる)」という言葉および「comprises」「comprising」などの変形は、指定された整数(integer)、工程または整数群を包含することを意味するが、いかなる他の整数、工程または整数群を排除するものではないことが理解される。
【0043】
本明細書に記載された発明が、具体的に記載された発明以外の変形や修飾を許容することは当業者に認識される。該発明が、その趣旨および範囲内のすべての変形および修飾をも包含することは理解されるべきである。さらに該発明は、個々にまたは包括的に、本明細書中で言及されまたは示されたすべての工程、特徴、組成物および化合物を含み、前記の工程または特徴のいずれか2以上の組合せのいずれもまたはすべてを含む。
【0044】
これより、下記の実施例によって本発明を説明するが、これらの実施例は説明の目的にのみ意図するものであって、上述した一般性の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0045】
【実施例】
【0046】
【実施例1】
本発明に基づく組合せおよび組成物の特に好適な例は、下記のものを含むものであってよい。
a)1日の用量として、12.5mgのナルトレクソンと、120,180,240,360または480mgの持続性放出ベラパミル。
【0047】
b)1日の用量として、25mgのナルトレクソンと、120,180,240,360または480mgの持続性放出ベラパミル。
c)1日の用量としてとして、50mgのナルトレクソンと、120,180,240,360または480mgの持続性放出ベラパミル。
d)1日の用量としてあるいはナルトレクソンについては1日おきの用量として、100mgのナルトレクソンと、120,180,240,360または480mgの持続性放出ベラパミル。
【0048】
e)1日の用量として、12.5mgのナルトレクソンと、30,60,90または120mgの持続性放出ニフェジピン。
f)1日の用量として、25mgのナルトレクソンと、30,60,90または120mgの持続性放出ニフェジピン。
g)1日の用量としてとして、50mgのナルトレクソンと、30,60,90または120mgの持続性放出ニフェジピン。
【0049】
h)1日の用量としてあるいはナルトレクソンについては1日おきの用量として、100mgのナルトレクソンと、30,60,90または120mgの持続性放出ニフェジピン。
i)1日の用量として、12.5mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mgまたは10mgの長期間作用性アムロジピン。
j)1日の用量として、25mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mgまたは10mgの長期間作用性アムロジピン。
【0050】
k)1日の用量として、50mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mgまたは10mgの長期間作用性アムロジピン。
l)1日の用量としてあるいはナルトレクソンについては1日おきの用量として、100mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mgまたは10mgの長期間作用性アムロジピン。
【0051】
m)1日の用量として、12.5mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mg,10mgまたは20mgの持続性放出フェロジピン。
n)1日の用量として、25mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mg,10mgまたは20mgの持続性放出フェロジピン。
o)1日の用量として、50mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mg,10mgまたは20mgの持続性放出フェロジピン。
【0052】
p)1日の用量としてあるいはナルトレクソンについては1日おきの用量として、100mgのナルトレクソンと、2.5mg,5mg,10mgまたは20mgの持続性放出フェロジピン。
【0053】
【実施例2】
3患者が関係する二重盲検プラシーボ・コントロール試験
3人の解毒されたアヘン依存症患者ら(年齢18,19および32歳)を2週間、二重盲検プラシーボ・コントロールの条件下で治療した。各アヘン依存症患者は毎日1回、経口的にナルトレクソン(25mg)とCCB類のひとつの投与を受けた。試験を受けたすべての患者は解毒されており、解毒後、少なくとも1週間で治療を開始した。
【0054】
患者のうち数人は、CCBに起因した初期の緩やかで典型的な一過性の兆候(たとえば、動悸、潮紅)のみを示し、対症治療も特定の試験的治療の停止も必要としなかった。さらに大多数の患者らは、2週間にわたる試験期間、彼らの薬物乱用に対する欲求の頻度および強度が、自己評価(0−10段階)で30−50%減少したと報告した。さらにある患者、すなわち18歳のアヘン常用者は、この期間中はほとんど完全に欲求が消失したと報告した。
【0055】
アヘン常用者は、次の4つの質問、すなわち特定薬物乱用の欲求の頻度および強度、再発可能性および消耗もしくは禁欲について、自己評価(0−10段階)した。また、彼らは、彼らが経験した治療に起因するかもしくは他によるいずれの副作用およびこれらのでき事の進行に関する答えを提供した。
【0056】
【実施例3】
ナルトレクソンで急速解毒した長期アヘン依存症患者7人に対する開放性臨床治療試験
ナルトレクソンで急速解毒され充分に回復したアヘン常用者らに、引き続き毎日1回50mgの経口予防薬のナルトレクソンを受けさせて、同時に開放性臨床試験を実施した。
【0057】
7人の解毒された患者がこの試験に参加し、毎日、上記の二重盲検臨床試験で投与したのと同一の型および投与量の経口CCBを補助的に受けた。これらの患者ら(男性4名、女性3名、年齢21−44歳)は、ヘロイン(毎日約0.5−1.5mg)を断続的に自己投与しており、そのうち3例は約2−15年間、断続的なメサドン維持治療を受けている。彼らの大多数は、他の一般的な主要な中毒薬物、たとえばアルコール、ベンゾジアゼピン、精神興奮剤、またはマリファナなども控えめな用量で摂取していた。彼らはこの開放性試験に入る前に約2−8週間、急速なナルトレクソン解毒を受け、50mgのナルトレクソンと、長期間作用性のアムロジピン(2.5mg)、ニフェジピンSR(30mg)、フェロジピンSR(2.5mg)またはベラパミルSR(180mg)とを併用する毎日1回の経口投与が、主たるアヘン乱用に対する欲求および再発からの禁欲および寛解についての長さと質を向上するかどうかを決定した。また、彼らは上述のように問われたときに(あまり集中的でないが)、前記パラメーターについて自己評価した(0−10段階で、ここで0は「なし」を示し、10は最大の欲求を示す。)。定められた投与量で、3人の患者はアムロジピンを受け、3人はニフェジピンSRが与えられ、1人はベラパミルSRを受けた。結果は以下のとおりである。
【0058】
1. 2人の患者ら(前もって6または8週間解毒され、毎日経口で50mgのナルトレクソンを受けている)は、中程度の欲求、深刻な吐き気および腹部の痙攣を報告した。彼らはナルトレクソンの使用をやめ、吐き気および痙攣が速やかに止まった。しかしながら、彼らの欲求は実質的に増加し、彼らは試用的にナルトレクソン(50mg)とともにニフェジピンSR(30mg)またはアムロジピン(2.5mg)を併用して毎日経口で受けることに同意した。このような毎日の治療が2週間実施され、両者の場合で、自己評価において欲求の50−70%が減少し、吐き気と腹部の痙攣が完全に消失するという結果になった。
【0059】
2. 2人の患者ら(前もって2または8週間解毒され、毎日経口で50mgのナルトレクソンを受けている)を、毎日1回、経口でナルトレクソン(50mg)およびベラパミルSR(180mg)またはアムロジピン(2.5mg)を併用して治療した。両者とも、治療上の変更を要しないような緩やかで一過性の典型的なCCB副作用を経験した。これらの患者らは禁欲を保持し、このような2週間の配合治療の後、自己評価で欲求の50−70%が減少し、それが継続していることを報告した。
【0060】
3. 2人の患者ら(前もって2または3週間解毒され、毎日経口で50mgのナルトレクソンを受けている)は、両者とも毎日1回、経口でナルトレクソン(50mg)とともにニフェジピンSR(30mg)を2週間受けた。最初の患者については、両足の末梢性浮腫による苦痛が存在するため、CCB治療を4日後にやめた。これは治療をせずに2−3日で回復した。彼女は、毎日50mgのナルトレクソンの経口摂取を続け、他の薬剤によって和らげられる、以前の控えめなレベルの欲求をいまだに示した。2番目の患者は、緩やかで典型的かつ一過性のCCB副作用に速やかに適応し、2週間のナルトレクソン/ニフェジピンSR配合治療の後、自己評価で欲求の強度が約30%減少し、それがいまだに継続していると報告した。
【0061】
4. 最後の患者(前もって3週間解毒され、毎日経口で50mgのナルトレクソンを受けている)は、ナルトレクソン(50mg)とアムロジピン(2.5mg)とを配合した経口治療を毎日受けた。彼女は、副作用に悩まされることなく、約5日でこの治療が彼女の欲求を著しく減少させるようになったと報告した。また、この配合治療の約2週間後には、夫によってストレスをかけられない場合には、彼女の欲求はほとんど完全に消失しており、彼女の自信は彼女が薬物依存性から免れたと感じた段階まで戻り、攻撃的なアルコール中毒の夫によって引き起こされる問題から逃れて彼女の人生を再構築する計画を立てたことを報告した。
治療に使用した薬物の入手源
ナルトレクソン(Revia, Orphan Australia Pty Ltd)−この薬物は、OrphanのためにDu Pont Pharmaseuticals Company USAによって製造された。
【0062】
アムロジピン(Norvasc, Pfizer Australia Ltd)
ニフェジピンSR(Adalat Oros, Bayer Australia Ltd)
フェロジピンER(Plendyl, AstraZeneca Pty Ltd)
ベラパミルSR(Isoptin, Knoll Australia Pty Ltd)

Claims (21)

  1. (i)μ−オピオイドレセプターアンタゴニストと、
    (ii)長期間作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーとを配合して患者に投与することを含む方法であり、
    前記カルシウムチャンネルブロッカーが、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれることを特徴とする薬物中毒患者の治療方法。
  2. 前記μ−オピオイドレセプターアンタゴニストが、ナルトレクソンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記カルシウムチャンネルブロッカーが、持続性放出型のベラパミルであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記カルシウムチャンネルブロッカーが、持続性放出型のニフェジピンであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記カルシウムチャンネルブロッカーが、持続性放出型のフェロジピンであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記カルシウムチャンネルブロッカーが、アムロジピンであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記カルシウムチャンネルブロッカーおよび/またはμ−オピオイドレセプターアンタゴニストが、経口投与に適合するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記ナルトレクソンが、毎日1回、25mgまたは50mgの経口投与量で投与されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記ベラパミルが、毎日1回、180mgの経口投与量で投与されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  10. 前記ニフェジピンが、毎日1回、30mgの経口投与量で投与されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  11. 前記フェロジピンが、毎日1回、2.5mgの経口投与量で投与されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  12. 前記アムロジピンが、毎日1回、2.5mgまたは5mgの経口投与量で投与されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  13. 前記μ−オピオイドレセプターアンタゴニストおよびカルシウムチャンネルブロッカーが、μ−オピオイドレセプターアンタゴニストの1部に対して、1〜20部のベラパミル、0.1〜10部のニフェジピン、1〜20部のアムロジピン、または0.1〜10部のフェロジピンの割合で投与されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  14. 前記中毒の薬物が、アヘンまたはアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. μ−オピオイドレセプターアンタゴニストおよび長期間作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーを含有する組成物であり、該カルシウムチャンネルブロッカーが、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれることを特徴とする組成物。
  16. μ−オピオイドレセプターアンタゴニストおよび長期間作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーを含有するキットであり、
    該カルシウムチャンネルブロッカーが、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれ、
    該キットが、前記μ−オピオイドレセプターアンタゴニストおよびカルシウムチャンネルブロッカーの同時投与または連続的投与に適合する、区分された形態であることを特徴とするキット。
  17. 薬物中毒治療のための薬剤製造におけるμ−オピオイドレセプターアンタゴニストの使用であり、
    前記薬剤が、長期間作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーと配合して投与することに適合するものであり、
    前記カルシウムチャンネルブロッカーが、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれることを特徴とする使用。
  18. 薬剤製造におけるベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれるカルシウムチャンネルブロッカーの使用であり、
    前記カルシウムチャンネルブロッカーが、長期間作用性または持続性放出型であり、
    前記薬剤がμ−オピオイドレセプターアンタゴニストと配合して投与することに適合するものであることを特徴とする使用。
  19. μ−オピオイドレセプターアンタゴニストと、長期間作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーとを含有する配合であり、
    前記カルシウムチャンネルブロッカーが、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれることを特徴とする配合物。
  20. μ−オピオイドレセプターアンタゴニストと、長期間作用性または持続性放出型のカルシウムチャンネルブロッカーとを含有する薬剤であり、
    前記カルシウムチャンネルブロッカーが、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれ、
    前記μ−オピオイドレセプターアンタゴニストと前記カルシウムチャンネルブロッカーとは、単独で、または併用した形態で投与するのに適合していることを特徴とする薬物中毒治療のための薬剤。
  21. 薬物中毒治療のための薬剤製造における、μ−オピオイドレセプターアンタゴニストと、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびフェロジピンからなる群より選ばれるカルシウムチャンネルブロッカーとの使用であり、
    前記カルシウムチャンネルブロッカーが長期間作用性であるか、あるいは持続性放出型となるように薬剤に形成されていることを特徴とする使用。
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