JP2004508071A - シースを展開可能かつシースによる再被覆可能な管腔内装置用のニチノール合金設計 - Google Patents

シースを展開可能かつシースによる再被覆可能な管腔内装置用のニチノール合金設計 Download PDF

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Abstract

侵襲的処置に使用される小さい輪郭の供給システムを有する超弾性合金製の自ら展開する支柱組立体を備えた塞栓防止装置が開示される。侵襲的処置部の下流側であって遠位方向にある展開位置まで供給されるように、展開可能な支柱組立体はフィルタ要素で覆われ、両者は圧縮されて拘束シース内で拘束される。所望の位置に配置されると、拘束シースが引かれ塞栓防止装置が展開し、装置は侵襲的処置の間に生成された浮遊塞栓を捕捉する。展開可能な支柱組立体はニッケルチタンあるいはニチノールのような超弾性合金から作製されるとともに、超弾性材料の応力ヒステリシスを最小にするように第3元素を含む。応力ヒステリシスは、超弾性材料の負荷側プラトー応力と除荷側プラトー応力との差により規定される。拘束シースを有するこのような供給システムは、小さい輪郭と薄い壁とを有している。

Description

【0001】
[発明の背景]
本発明は全般的に、血管が狭窄し若しくは閉塞した領域において侵襲的な処置を行うときに用いることができる、処置の間に生成されて血流中に放出され得る塞栓材料を捉えるためのフィルタ装置およびシステムに関する。特に正確に言えば、本発明は、フィルタ装置の性能を最大にすることができる所望のヒステリシスカーブを得ることができるように第3元素を合金してなる超弾性金属を含むフィルタ装置に関する。
【0002】
本発明の塞栓フィルタ装置およびシステムは、非常に重要な血管、特に頸動脈のような血流中への塞栓細片の放出が脳またはその他の生命維持に必要な器官に対する酸素を含んだ血液の流れを閉塞して患者に甚大な被害をもたらすところにおいて、バルーン血管形成術、ステント留置術処置、レーザ血管形成術またはアテレクトミーを実施するときに特に有用である。本発明の塞栓予防装置およびシステムは特に頸動脈における処置に有用であるが、本発明は塞栓のリスクを伴うあるゆる血管における侵襲的な処置と共に用いることができる。
【0003】
血管壁上へのプラーク若しくはその他の物質の蓄積によって狭窄し若しくは閉塞した患者の血管を広げるための、様々な非外科手術的な侵襲的処置が長年にわたって開発されてきた。そのような処置は通常、動脈内腔への侵襲的な装置、通常はカテーテルの経皮的な導入を伴う。典型的な頸動脈の経皮的血管形成術(PTA)処置においては、ガイドカテーテル若しくはシースが大腿動脈を通して患者の心臓血管系に経皮的に導入されるとともに、ガイドカテーテルの遠位端が総頸動脈に至るまで血管系を通して進められる。ガイドワイヤおよび遠位端上にバルーンを備えた膨張カテーテルは、ガイドワイヤが膨張カテーテルの内部をスライドしつつガイドカテーテルによって導入される。ガイドワイヤが、最初にガイドカテーテルから患者の頸動脈血管系内に進出して、動脈の病変を横切るように導かれる。その後、膨張カテーテルは、膨張バルーンが動脈の病変を横切るように適切に配置されるまで、予め前進していたガイドワイヤ上を前進する。病変を横切る位置に達すると、膨張バルーンは比較的高い圧力のX線不透過性の液体によって予め定められた寸法に膨らまされて病変部のアテローム動脈硬化症のプラークを動脈壁の内側に対して半径方向に圧縮し、それによって動脈の内腔を広げる。それから、膨張カテーテルを患者の血管系から回収し広げられた動脈を介した血流を取り戻すように、バルーンを小さな輪郭に収縮させる。当業者によって理解されるべきことは、上述した処置は典型的なものではあるが、血管形成術に用いる唯一の方法ではないということである。
【0004】
他の方法は、堆積したプラークをレーザを用いて過熱処理し蒸発させることにより狭窄を除去するレーザ血管形成術である。アテレクトミーは狭窄した血管を処理するためのさらに他の方法であるが、この方法においては堆積したプラークを動脈の壁から削るために切断カッタを回転させる。この方法を用いる間には、通常、削り取ったプラーク若しくは血栓を血流から捉えるために負圧カテーテルを用いる。
【0005】
上述した種類の方法においては、急激な再閉鎖が生じたり時間を経るにしたがって動脈の再狭窄が進行することがあるため、他の血管形成術、外科手術上のバイパス手術、またはその領域を修復し若しくは強化するためのいくつかのその他の方法を必要とする。急激な再閉鎖の発生の可能性を減少させるとともにその領域を強化するべく、医師は、血管の開通性を保つために一般的にステントとして知られている人工挿入物を動脈内部の病変を横切る部分の内部に挿入することができる。ステントは、カテーテルのバルーン部分の上にきつくかしめられるとともに、供給するときの直径において患者の血管系を通して搬送される。展開する部位において、ステントは、多くの場合にカテーテルのバルーン部分を膨らませることによって大きな直径に展開される。
【0006】
従来のステントは典型的に、2つの一般的な構造範囲に分類される。第1のタイプのステントは上述したように膨張カテーテルのバルーン部分の膨張によって制御された力が負荷されると膨張可能であり、かつ膨張カテーテルは、バルーン若しくはその他の拡大手段が膨張すると、目標部位の動脈内の所定位置にステントを留置するために圧縮されているステントをより大きな直径に展開させる。
【0007】
第2のタイプのステントは、例えば形状記憶金属若しくは超弾性ニッケルチタン(NiTi)合金から形成された自ら展開するステントであり、供給カテーテルの遠位端から身体管腔内に進出すると折り畳まれた状態から自動的に展開する。展開可能な熱感受性材料から製造されたそのようなステントは、その材料の相変態を生じさせることができ、その結果としてステントの膨張および収縮が生じる。
【0008】
上述した非外科手術的な侵襲的な処置は、成功したときには大きな外科手術の必要性を回避できる。しかしながら、これらの非外科手術的な処置の全てに関連して発生し得る一つの共通の問題がある。すなわち、遠位側の血管系を閉塞するとともに患者に重大な健康問題を生じさせ得る血流内への塞栓細片の放出である。例えば、ステントが展開する間にステントの金属製の支柱が狭窄部分に切り込んでプラーク片を剪断し、それが塞栓細片となって下流側に移動し患者の脈管系内のどこかに引っかかることがあり得る。また例えば、プラーク材料の断片は、バルーン血管形成術の間に時々狭窄部分から外れて血流中に放出されうる。さらに例えば、レーザ血管形成術の間におけるプラークの完全な蒸発が意図する目標ではあるが、非常に多くの場合に小片が完全には蒸発せず、したがって血流中に入り込む。同様に、アテレクトミーの間に生成される塞栓の全てが負圧カテーテルに吸引される訳ではなく、その結果として同じように血流に入り込む。
【0009】
頸動脈若しくは動脈内において上述した処置のいずれを実行するときでも、循環器系への塞栓の放出は極めて危険であり、時には患者にとって致命的である。血流によって脳の遠位端の血管に運ばれた細片は大脳の血管の閉塞を生じさせ、脳卒中、若しくはいくらかのケースにおいては死亡に至らしめる。したがって、大脳の経皮経管血管形成術が過去に実行されているものの、塞栓細片が血流中に入り込んで生命維持に必要な下流側の血液流路を遮断すると塞栓による脳卒中を生じさせるというもっともな心配により、実行された処置の数は限られている。
【0010】
上述した方法のいずれかを用いて血管を治療した後に細片若しくは断片が循環器系に入った時に生じる問題を処理するために、医療装置が開発されてきた。試みられてきた一つのアプローチは、患者の血管系の大きな血管において閉塞する可能性をほとんど起こさない微細な寸法にあらゆる細片を切断することである。ある程度限定された成功例ではあるが、一つのアプローチはフィルタあるいはトラップを治療部位の下流側に設置して、塞栓細片が下流側の細い血管に到達する前に、それらを捉えることである。しかしやはり、このようなフィルタシステムには、特に体内血管内におけるフィルタの展開及び折り畳みの際に伴う問題がある。フィルタ装置がフィルタを閉鎖する適切な機構を有していない場合、フィルタシステムが折り畳まれて患者から取り除かれるときに、捉えた塞栓細片がフィルタの入口開口を通って逆流し血流中に入り込んでしまう可能性がある。逆流はフィルタ装置を折り畳む行為により引き起こされ、次いで捉えた塞栓物質は押しつぶされてフィルタの開口を通って血流中に戻ってしまう。
【0011】
血管内で展開することができる従来のフィルタの多くは、ガイドワイヤ若しくはガイドワイヤに似た管材料の遠位端に取り付けられる。ガイドワイヤ若しくはガイドワイヤに似た管材料は、ガイドワイヤが所定位置に操作されたときにフィルタ装置を患者の血管系内に配置できるようにする。ガイドワイヤが血管系内の適切な位置に達すると、塞栓フィルタは塞栓細片を捉えるために血管内で展開される。次いで、バルーン血管形成術膨張カテーテル若しくはステントのような侵襲的な装置を治療領域に供給するためにガイドワイヤが医師によって用いられる。
【0012】
必要とされてきたものは、下流側の位置における血管の封鎖を生じさせ得る塞栓細片が血流中に放出されたときに関連するリスクを防止するための、血管内の狭窄を治療するときに用いる信頼できるフィルタ装置およびシステムである。その装置は、治療の間に血流中に放出され得るあらゆる塞栓細片を濾過するとともに、フィルタ装置が折り畳まれて患者の血管系から取り除かれるまで細片を安全に収納する能力を持つべきである。その装置は、医師にとってその使用が比較的容易であるとともに、あらゆる塞栓細片を捉えて血流中から取り除くフェイルセーフなフィルタ装置を提供するべきである。さらに、そのような装置は、展開および患者の血管系からの取り除きが比較的容易であるべきである。上述のような重要な用途のために、塞栓材フィルタ装置の設計者は、装置の設計において、超弾性若しくは形状記憶合金を使用して材料の特性を生かすようにしている。
【0013】
塞栓防止装置に係るものではないが、ステントに適用される形状記憶合金の一例が、例えば、欧州特許公開公報EP0873734A2に、「形状記憶合金ステント」という名称で開示されている。この公報は、高い弾性特性を示すように処理された形状記憶合金から形成された略管状の本体を有する、人間あるいは動物の体内の管腔に使用されるステントを示唆している。特に、形状記憶合金材料の負荷および除荷を示す応力−ひずみ曲線において、その出願人は、負荷曲線と除荷曲線との間に多大な差を生じる(ワイドヒステリシスとして知られている)組成物の使用を示唆している。
【0014】
ワイドヒステリシスとは、ステントが管腔の所定位置に配置されたとき、ステントを横断方向に収縮させるのに必要とされる内向きの力が比較的強いものである一方、ステントがその変形されていない最初の構成に戻ろうとするときに管腔に与える外向きの力が比較的弱いということを意味する。このことは管腔が外部から負荷される力により押しつぶされないように抵抗できることを意味し得るが、このことは大腿部や頸部における動脈のような表面に近い管腔に対して問題となる可能性がある。この公報は更に、特定の第3元素をニッケルチタン合金に使用して、負荷及び除荷サイクルにおける応力−ひずみ曲線において、よりワイドなヒステリシスを示すステントを得ることを示唆している。
【0015】
特有の材料特性を得るために、超弾性及び形状記憶合金製の装置はニッケル及びチタンと組み合わせて第3元素を使用するように発展した。塞栓防止装置に対して、超弾性ステントに第3元素を使用することは、例えば、Zadno−Aziziらに付与された米国特許第5,907,893号に示されている。一般的な提案として、ニッケルチタン合金に第3元素を追加する試みは、例えば、Mitoseらに付与された米国特許第5,885,381号に開示されている。
【0016】
ステント用の超弾性材料に第3元素を用いる従来の努力においては、ステントの負荷及び除荷サイクルにおける応力−ひずみ挙動において、よりワイドなヒステリシスのみが注目されてきた。残念なことに、負荷及び除荷の応力プラトー間の差が多大であればあるほど、ステントのあらゆる任意のレベルの性能に対応するように供給システムは頑丈でなくてはならない。典型的に、より頑丈な供給システムは、より大型で嵩張るものになってしまう。このことは、人体構造内の隔離した位置に屈曲した血管を介してステントを供給しなければならない場合、従来の超弾性ステント及び供給システムにおける重大な欠点となる。
【0017】
これまで必要とされつつ、従来技術において得られていないものは、ヒステリシスを最小にするべく第3元素を超弾性合金に加えた、超弾性で除去可能なフィルタ装置及び供給システムである。このヒステリシスは、応力−ひずみ曲線上にプロットされた、材料の負荷側プラトー応力と除荷側プラトー応力との差により規定される。
【0018】
[発明の要約]
本発明は、バルーン血管形成術若しくはステント留置術のような治療的侵襲的処置を実行する間に生成された血管内の塞栓細片を捉えて、処置を施した部位より下流の血管を塞栓細片が遮断することを防止するための多数のフィルタ装置およびシステムを提供する。本発明の装置およびシステムは、脳に至る主要な血管を含む生命維持に必要なその下流側の血管が塞栓細片によって容易に遮断され得る頸動脈のような危険な動脈に侵襲的な処置を実行する際に特に有用である。頸動脈の処置内に用いられるときに、本発明は処置の間に脳卒中が発生する可能性を最小にする。その結果、本発明は、侵襲的な処置の間に塞栓細片を適切に集めて患者の血管系から取り除くことができるという高度な確信を医師に与える。
【0019】
本発明に基づいて作られる塞栓予防装置およびシステムは、ガイドワイヤのような管状軸部材の遠位端に取り付けられる展開可能なフィルタ組立体を備える。このフィルタ組立体は、好ましくはニッケルチタン(NiTi)合金若しくはばね鋼のような自己展開材料から作られる展開可能な支柱組立体と、収縮し若しくは折り畳まれた状態から展開し若しくは広げられた状態へと患者の血管系内において自ら展開する能力を有する、多数の外側に付勢されかつ外側に延びる支柱とを含んでいる。塞栓捕捉媒体から作られたフィルタ要素は、展開可能な支柱組立体に取り付けられる。このフィルタ要素は、傘の動きに似た展開可能な支柱の動きによって、折り畳まれた状態から展開された状態へと開く。
【0020】
特に、フィルタ組立体の展開可能な支柱組立体は、任意的に第3元素を含むとともに実質的に小さい応力ヒステリシスを有する超弾性合金と、遠位端と近位端とを有するシースを含む供給システムとを備え、フィルタ組立体はシースの内側の遠位端に配置されて、シースは小さい輪郭を有している。
【0021】
一つの例示的な実施形態において、超弾性合金は、超弾性を示すとともに独特の応力−ひずみ関係を有する二元ニッケルチタン合金を含んでいる。更に正確には、超弾性カーブは負荷時及び除荷時のほぼ一定の応力(負荷側プラトー応力と除荷側プラトー応力とそれぞれ称する)領域により特徴づけられる。負荷側プラトー応力は、除荷側プラトー応力より常に大きい。負荷側プラトーは、マルテンサイトが元のオーステナイト組織にから応力誘起されている期間を表す。負荷が取り除かれ際には、応力誘起されたマルテンサイトは、除荷側プラトーに沿って、オーステナイトに変態して戻る。
【0022】
本発明のフィルタ組立体の超弾性で自ら展開する支柱組立体は、折り畳まれて(すなわち、負荷されている)、拘束シースのような供給システムの内部に拘束される。供給時に、拘束シースが引かれるとフィルタ組立体は解除され(すなわち、負荷が取り除かれる)、最初の直径と形態に再び戻ることができる。フィルタ組立体は、管腔内で様々な機械的機能を果たすように設計されており、それらは全てより低い除荷側プラトー応力に基づいている。
【0023】
重要なことに、本発明によれば、自ら展開する支柱組立体における超弾性材料の除荷側プラトー応力に対してより低い好適な負荷側プラトー応力は、支柱組立体が供給システムに対して及ぼす機械的抵抗を規定する。本発明の自ら展開する支柱組立体の超弾性材料は更に、小さいヒステリシス及び比較的高い除荷側プラトー応力を示す。負荷側および除荷側の応力プラトーにより規定される小さい応力ヒステリシスは、好ましくは超弾性合金の他に第3元素を使用することにより得られる。
【0024】
結果として、本発明のフィルタ組立体及び供給システムは、フィルタ組立体のあらゆる任意の機械的性能レベルについて、全体として縮小された供給システム輪郭を享受する。更に、任意の性能レベルに関して、より小さいヒステリシス及び除荷側プラトー応力に対するより低い負荷側プラトー応力を有するため、シースを含む供給システムはより薄い壁材料から形成されることができ、結果としてよりよい柔軟性が得られる。
【0025】
更に、より小さいヒステリシス及びより低い負荷側プラトー応力により、容易にフィルタ組立体を折り畳んで供給システムに引き込むことが確実になる。確かに、供給システムの一部として、展開されたフィルタ組立体を折り畳むために使用される復元シースは、より小さい輪郭とより薄い壁を有することができ、これにおいてもシステムの全体的な柔軟性が向上する。
【0026】
従って、本発明はワイドヒステリシス曲線に頼るシステムより優れている。2つのプラトー応力間の差が多大であればあるほど、ヒステリシス曲線はワイドになり、そして自ら展開する支柱のあらゆる任意の性能レベルに対応するように供給システムは頑丈でなくてはならない。より頑丈な供給システムは、より嵩張る大型の輪郭の装置となる。嵩張る性質のために装置は柔軟性に乏しく、結果として隔離した病変部位へのアクセスが困難になる。
【0027】
上述のように、好適な超弾性合金はニッケルチタンあるいはニチノールである。一つの例示的な実施形態において、第3元素は、パラジウム、白金、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムとすることができる。
【0028】
本発明のその他の利点は、添付の例示的な図面を参照しつつなされる以下の発明の詳細な説明から、より明らかとなるであろう。
【0029】
[好適な実施形態の説明]
本発明は全般的に、バルーン血管形成術やステント留置術処置等の治療上の介入性処置の実施の間に血管内で生成される塞栓細片が介入位置の下流側における血管を封鎖しないように、塞栓細片を捉えるためのフィルタ装置及びシステムに関する。好適な実施形態において、本発明のフィルタ装置は、高レベルの負荷側プラトー応力及び除荷側プラトー応力を有する小さいヒステリシス曲線を与える超弾性合金を組み込んでいる。
【0030】
ここで図面を参照すると、図1および図2は本発明の特長を含む塞栓予防装置10を図示している。図1および図2に示されている特定の実施例において、塞栓予防装置10は、展開可能な支柱組立体14およびフィルタ要素16を有したフィルタ組立体12を備えている。フィルタ組立体12は、例えば、ガイドワイヤ18のような細長い管状の軸の遠位端上に回転可能に取り付けられている。
【0031】
側面図および断面図である図1および図2において、塞栓予防装置10は、患者の動脈20若しくは他の血管内に配置された状態で示されている。動脈20のこの部分は、アテローム性動脈硬化症のプラーク24が動脈20の内壁26に堆積した処置領域22を有している。フィルタ組立体12は、図1および図2に示された処置領域22の遠位側であってかつ下流側に配置されている。
【0032】
バルーン血管形成術カテーテル(図示せず)は、通常のセルジンガー法によりガイドカテーテル(図示せず)を介して患者の脈管構造内に導入することができる。ガイドワイヤ18は処置領域22を通して配設されるとともに、バルーン部分が直接的に処置領域に来るまで動脈20内において膨張カテーテルをガイドワイヤ18上を前進させることができる。膨張カテーテルのバルーンが膨張すると、プラーク24を動脈20の内壁26に対して押し広げる。これにより閉塞部位を開き、動脈を拡げ、プラーク24による血管の詰まりを減少させる。
【0033】
膨張カテーテルを患者の脈管構造内から取り除いた後、ステント25(図2に示す)がオーバーザワイヤー法を用いて処置領域22に送り届けられる。ステント25は、処置領域22にとどまり処置領域を維持するとともに処置領域に生じる再狭窄の防止を助ける。
【0034】
介入的な処置の間にプラーク24から分断されたあらゆる塞栓細片27は、血流中に放出される。塞栓細片27は血流(矢印にて示す)にて運ばれ、処置領域22の下流に配置されている展開された、すなわち広げられたフィルタ要素16に捕捉される。処置が完了すると、フィルタ組立体12は折り畳まれ、フィルタ要素16内に捉えた全ての塞栓細片をその内部に取り込んだまま患者の脈管構造から取り出される。
【0035】
展開可能な支柱組立体14の一つの例示的な実施形態が図1および2に示されている。これらの図から分かるように、展開可能な支柱組立体14は、半径方向に展開可能な複数の支柱28を有しており、これらは図1に示されている圧縮され若しくは折り畳まれた状態から図2に示されている膨張し若しくは展開した状態へと動くことができる。
【0036】
展開可能な支柱組立体14は、支柱28が展開した状態になるような半径方向外方向の付勢力を有するように、好ましくは超弾性材料から形成されている。好適な実施形態において、超弾性材料は第3元素と組み合わされたニッケルチタン合金である。この合金については、以下で詳述される。
【0037】
展開可能な支柱組立体14は、ガイドワイヤ18に回転可能に取り付けられる近位端32を有する。遠位端34は、ガイドワイヤ18に沿って長手方向にスライド自在でその周りに回転可能である。遠位端34は、支柱28が展開した状態と収縮した状態との間で動くときはいつでも、ガイドワイヤに沿って長手方向に動く。近位端32は、減衰部材または減衰要素38として作用するコイルスプリングを有した、短い管状部分若しくはスリーブ36を含んでいる。この減衰要素38の機能は以下に説明されている。好ましくは、管材料30の遠位端34も、ガイドワイヤ18上にスライド自在にかつ回転可能に配設された短い部分すなわちスリーブ40を含んでいる。
【0038】
1つの好適な実施形態において、フィルタ要素16は、図1および図2に示すように、テーパ状若しくはコーン形の部分50を有している。フィルタ要素16は、任意的に、複数の開口53を有しており、血液はこの開口53内を潅流することはできるが、開口53はコーン形部分50の内側に塞栓細片27が捕捉されるに十分に小さい。フィルタ要素16は、コーン形状部分50と一体に設けらるとともに支柱組立体14の支柱28が展開されたときに実質的に円筒形状に展開する、短い近位部分52を有している。コーン形状部分50の短い近位部分52に配置された入口開口51は、塞栓細片27を集め、塞栓細片27をフィルタ要素16内に差し向ける。
【0039】
この短い円筒状部分52はまた、フィルタ要素16を支柱組立体14の各支柱28に対して接着によって若しくは他の方法によって取り付けるために上部構造物として役に立つ。反対側の端部において、フィルタ要素16は、このフィルタの残りの部分と一体であるとともに展開可能な支柱組立体14の遠位端34を形成するスリーブ部分40に取り付けられる、短い遠位円筒状部分54を有している。
【0040】
図1に最も良く示されるように、フィルタ組立体12は、拘束シース46の使用によって、その折り畳まれた若しくは圧縮された状態に維持される。拘束シース46は支柱28の外方向の付勢力に抵抗するように十分な弾性を有していなければならない。所望の弾性を得るひとつの方法は、シース46の適切な寸法及び壁厚を選択することである。他の方法は、シースの内部に保持された支柱28の展開力に抵抗する十分な抵抗を有する適切な弾性材料を使用することである。このようなシース材料及び設計は当該技術分野において周知である。
【0041】
図示されていないが、ガイドワイヤと拘束シース46は、患者の外側に伸びる近位端を有している。このため、その近位端を介して拘束シース46を引いて支柱28を露出させることにより、支柱28を展開した状態に操作することができる。支柱28はもともと自ら展開する性質であるので、拘束シース46を引き下げることにより、支柱28が開きフィルタ要素16が広がって、支柱は動脈20内で展開された状態になる。これは図2に示されている。
【0042】
ガイドワイヤ18は、そこに取り付けられた小さな球体56を、任意的に含む。この球体56は、患者の脈管構造内に塞栓予防装置10を供給する間に有益である。特に、この球体56は、拘束シース46の内径とほぼ同じ大きさであり、かつ、「ノーズコーン」として用いられる。ノーズコーンは、患者の動脈を通って供給されるときの塞栓予防装置の「雪かき」を防止する。
【0043】
塞栓予防装置10が患者の脈管構造から取り除かれるときには、図2に示すように、フィルタ組立体12を折り畳んで復元させるために復元シース48が用いられる。一般的に、復元シース48は、支柱28が今や展開されているので拘束シース46よりもいくらか大きい内径を有する。更に、復元シース48は、展開されて支柱組立体14を折りたたむことができるように、その遠位端47において十分な引張強度および弾性を必要とする。
【0044】
展開可能な支柱組立体14の折り畳みは、ガイドワイヤ18を保持して復元シース48の近位端(図示せず)を前方に動かし、シース48の遠位端47を支柱28上に動かすことによって達成することができる。これに代えて、フィルタ組立体12の全体をシース48内に引き込むためにガイドワイヤの近位端を後方に引っ張る間、復元シース48は静止した状態に保持することができる。フィルタ組立体12が折り畳まれると、侵襲的な処置の間に生じて血流中に入ったあらゆる塞栓細片は、フィルタ要素16の内部で捉えられたままとなり、塞栓予防装置10が患者の脈管構造から取り出されるときに血流から引き上げられる。
【0045】
展開可能な支柱組立体14上に形成される支柱28の数は、フィルタ要素16を適切に展開して所定位置に維持するために動脈内において充分な展開性を与える任意の数とすることができる。図1および図2に示した実施例においては、展開可能な支柱組立体は自ら展開する4つの支柱28を有している。同様に、各支柱28の特定の寸法および形状は、本発明の範囲から逸脱することなく変更することができる。
【0046】
図3および図4は、逆三角形状の第1部分60、実質的にまっすぐな中央部分62、および支柱を完成させる第2の逆三角形状部分64から形成されて支柱パターンを持つ展開可能な支柱組立体14を示している。この特別な支柱パターンは、支柱が破損し若しくは弱くなる傾向にある領域にこの設計がより大きな強度を与えるので好ましい。これらの領域は、より広い基部を有するように設計された各支柱の近位端および遠位端を有している。この特別な設計はまた展開可能な支柱組立体14がより均一に開きかつ閉じるようにする。このことは、患者から取り外すために支柱を折り畳むときに特に有益である。さらに、中央部分62は支柱28がより大きな容積に展開できるようにするが、このことは、必要な場合により大きなフィルタ要素を支柱組立体14上に配置することを可能とする。
【0047】
管材料30に正確なパターンがカットされる(切り込まれる)場合、図3に示すように、近位端32を形成するスリーブ36を任意的に螺旋状コイルに形成することができる。螺旋状コイルは、展開可能な支柱組立体14に対する減衰要素38として機能する。図1および図2に示すように、スリーブ36はガイドワイヤ18上を摺動する。展開可能な支柱組立体14の近位端32は、テーパ状フィッティング42と任意に採用できるX線不透過性マーカーバンド44との間に配設されている。テーパ状端フィッティング42とマーカーバンド44は、近位端32をガイドワイヤ18に取り付けて、フィルタ組立体12が長手方向に動くことを防止しつつ、その回転は許容するようにしている。
【0048】
図4は、支柱28を形成するために用いられる管材料30を展開した平らなシートの平面図である。特別な設計パターンが各支柱28を形成するために管材料30の壁にカットされる(切り込まれる)。図3に示した実施例においては、そのパターンは、第1の部分60、中央部分62および三角形部分64の形成を助ける、先端を切り取った菱形形状65からなる。レーザ切断、エッチング、打ち抜き、または他の適当な手段により管材料30の一部を選択的に取り除くことにより、特定の支柱28をそれぞれ正確な形状、幅および長さに作ることができる。先端を切り取った菱形パターン68は、図4に示されるように反復的に現れ、その内側に形成される各支柱28に均一な寸法を与える。図1および図2に示すような狭い支柱も、むろん、上述のようにして形成することができる。
【0049】
好適な実施形態において、本発明の展開可能な支柱組立体は、部分的あるいは全体的に、超弾性(SE)特性を有するニチノール(NiTi)等の合金から形成されている。超弾性合金は、好適には、上述のようにフィルタ要素16を展開させるように用いられる弾性挙動を目的として選択される。
【0050】
本発明の例示的に示される展開可能な支柱組立体14は、超弾性材料を含む。更に正確には、「超弾性」という用語は、等温(恒温)変態、すなわち、オーステナイト相からマルテンサイト相を誘起する応力を称するものである。超弾性特性を有する合金は、通常少なくともマルテンサイト相とオーステナイト相の2つの相を有する。マルテンサイト相は、比較的低い引張強度を有し、比較的低温で安定している。オーステナイト相は、比較的高い引張強度を有し、マルテンサイト相より高い温度で安定している。
【0051】
超弾性特性は、自ら展開する支柱28が折り畳まれることにより展開可能な支柱組立体14が変形することを許容し、これによりNiTiをマルテンサイト相に変化させる応力を生成する。展開可能な支柱組立体14は、患者の体内に挿入しやすいように供給あるいは拘束シース46により変形された状態に拘束されているが、この変形が相変態を生じさせる。身体管腔に配置されると、拘束シース46の展開可能な支柱組立体14に対する圧縮力が取り除かれて内部の応力が減少するため、超弾性の展開可能な支柱組立体14はオーステナイト相に戻る変態により最初の変形されていない形状に戻ることができる。
【0052】
フィルタ組立体12が自由に浮遊している塞栓細片27や他の破砕物質を捕捉する機能を果たした後、フィルタ組立体12は患者から引き出される。引き出す前に、復元シース48がフィルタ組立体12上を遠位方向に動かされる。あるいは、これに代えて、フィルタ組立体12が復元シース48内に近位方向に引き寄せられる。いずれの場合においても、展開可能な支柱組立体14の展開した支柱28は、復元シース48の弾性力によって折り畳まれる。この折り畳みの間に、展開した支柱28に負荷された応力が、支柱の組織をオーステナイト相からマルテンサイト相に変化させる。
【0053】
図1は、また、小さい供給輪郭Pを有する供給システムを示す。この縮小された輪郭Pは、本発明によるフィルタ組立体14及び供給システム(拘束シース46および復元シース48)の利点であり、それは超弾性材料の応力−ひずみヒステリシス曲線が最小とされる結果として生じる。この新規なアプローチは以下に詳述される。
【0054】
展開可能な支柱組立体14は、好適にはNiTi等の超弾性材料から形成され、負荷されると等温変態をする。展開可能な支柱組立体14とその支柱28はまず供給直径まで圧縮され、これによりNiTi合金に応力が発生するため、NiTiは比較的低い引張強度を有するマルテンサイト相になる。マルテンサイト相であるままで、フィルタ組立体12は処置領域22に供給されるように拘束シース46に挿入される。NiTi製の展開可能な支柱組立体14は、より大きい直径にスプリングバックしようとし、拘束シース46の内径部を半径方向外側に押す。
【0055】
供給直径Pにおいて、フィルタ組立体12とその拘束シース46との全体の直径は、それらが挿入される動脈20あるいは血管の内径よりも小さい。フィルタ組立体12が動脈20あるいは他の血管に供給された後、拘束シース46を近位方向に引くことにより支柱28により発揮されていた応力が解放されると、支柱28はただちに展開して、より安定したオーステナイト相に変態して戻ることにより最初の変形されていない形状に戻る。
【0056】
マルテンサイト相からオーステナイト相への変態が終了する温度より高い温度で、超弾性特性を示すニチノール等の金属試料に応力を負荷すると、試料は合金がオーステナイト相からマルテンサイト相への応力誘起相変態をする特定の応力レベルに達するまで、弾性的に変形する。相変態が進行するにつれ、合金は著しくひずみが上昇するが、対応する応力はほとんどあるいは全く上昇しない。オーステナイト相からマルテンサイト相への変態が終了するまで、ひずみが上昇する一方で応力はほぼ一定のままである。この後、更なる変形のために更なる応力の上昇が必要である。マルテンサイト金属は、更に応力が負荷されるとまず弾性的降伏をし、次いで永久残留変形を伴う塑性的降伏をする。
【0057】
永久変形が起こる前に試料から負荷を除去すると、マルテンサイト試料は弾性的に回復し、オーステナイト相に変態して戻る。応力の減少は、まずひずみの減少を生じさせる。マルテンサイト相がオーステナイト相に変態して戻るレベルまで応力が減少すると、試料における応力レベルはほぼ一定(ただし、オーステナイト相に戻る変態が終了するまでは、オーステナイト結晶性構造がマルテンサイト結晶性構造に変態する一定の応力レベルより小さい)のままである。すなわち、対応する応力のほんのわずかな減少で、著しいひずみの回復がみられる。オーステナイト相に戻る変態が終了した後、更に応力を減少させると弾性ひずみが減少する。負荷をかけると比較的一定の応力で著しいひずみを受け、負荷を除去すると変形から回復するこの能力は、超弾性と称される。
【0058】
従来技術において、患者の体内に挿入されたりあるいは他の目的で使用されることが意図される医療器具に、超弾性特性を有する合金を使用することが言及されている。例えば、米国特許第4,665,905号(Jervis)や、米国特許第4,925,445号(Sakamotoら)を参照されたい。
【0059】
図5は、引張テスト時に示されるような超弾性特性を有する、展開可能な支柱組立体14等の合金試料の好適な応力−ひずみ関係の一例を示す。x−y軸上に関係がプロットされており、x軸はひずみを表しy軸は応力を表す。説明を簡単にするために、x−y軸には、典型的な擬弾性ニチノールの0ksiから110ksiの応力と、0パーセントから9パーセントのひずみが、それぞれ標示されている。
【0060】
図5のプロットを参照すると、A地点からB地点までのラインは試料の弾性変形を表している。B地点以降、ひずみすなわち変形はもはや負荷される応力に比例せず、B地点とC地点との間の領域において、オーステナイト相からマルテンサイト相への応力誘起変態が起こり始める。合金の組成によって、菱面体相と呼ばれる中間相が存在することもあり得る。
【0061】
C地点からD地点に移動するとき、材料は著しい変形あるいはひずみを受けながら、比較的一定の応力領域に入る。この一定すわわちプラトー領域は、負荷応力として知られる。なぜなら、連続して上昇するひずみを受けている材料の挙動を表しているからである。このプラトー領域CDにおいて、オーステナイトからマルテンサイトへの変態が生じる。
【0062】
D地点において、試料への応力負荷に起因するマルテンサイト相への変態はほぼ終了する。D地点を越えると、マルテンサイト相はまず弾性的に変形し始めるが、E地点を過ぎると変形は塑性あるいは永久性のものとなる。
【0063】
超弾性金属に負荷されている応力が除去されると、材料の動作はE地点からF地点のカーブをたどる。EからFへの領域において、マルテンサイトは、マルテンサイト組織に永久変形がなければ、その最初の形状に回復する。回復工程におけるF地点で、金属は応力誘起された不安定なマルテンサイト相から、元のより安定したオーステナイト相に変態し始める。
【0064】
同じくほぼ一定応力すなわちプラトー応力領域であるG地点からH地点への領域において、マルテンサイトからオーステナイトへ戻る相変態が起きる。この一定すなわちプラトー領域GHは、除荷応力として知られる。I地点から始点であるA地点へのラインは、金属のその最初の形状への弾性回復を表している。
【0065】
超弾性を示す二元ニッケルチタン合金は、前述の図5のカーブにプロットされた独特の応力−ひずみ関係を有する。前記に強調されているように、超弾性カーブは、負荷側プラトー応力CD及び除荷側プラトー応力GHとして先に定義した、負荷されたときのほぼ一定の応力領域により特徴づけられる。勿論、負荷側プラトー応力CDは、除荷側プラトー応力GHより常に大きい。負荷側プラトー応力は、マルテンサイトが最初のオーステナイト結晶性構造に優先して応力誘起されている期間を表している。負荷が除去されると、応力誘起されたマルテンサイトは、カーブの除荷側プラトー応力部分に沿ってオーステナイトに変態して戻る。
【0066】
図5は、ヒステリシスを規定する種々のアプローチを説明するためにも有効である。一つのアプローチにおいて、負荷側プラトー応力CDと除荷側プラトー応力GHとにおける応力値の差は、システムのヒステリシスを規定する。この差は、図5のカーブにおいてΔyとして定義されている。負荷側プラトー応力CDが110ksiであり、除荷側プラトー応力GHが55ksiであれば、カーブのΔyは110と55との差、すなわち55ksiである。このアプローチのもとでは、カーブのΔyは応力プラトー値における「絶対」差として定義される。このΔyを絶対差とする定義は、超弾性材料産業において通常用いられているものである。
【0067】
別のアプローチにおいて、カーブのヒステリシスは、負荷側プラトー応力CDに対する除荷側プラトー応力GHの比率として定義することができる。多くの設計技術者が、このヒステリシスの定義を超弾性合金の研究において採用している。図5を参照すると、例えば、この別の定義のもとでのカーブのヒステリシスは、55ksi対110ksiの比率、すなわち1:2として表されている。更に好適なヒステリシス比率の例として、1:1.1という更に小さいヒステリシス比率を得るように、負荷側プラトー応力CD110ksiに対して除荷側プラトー応力100ksiとしてもよい。従って、カーブのヒステリシスは、負荷側プラトー応力及び除荷側プラトー応力の「相対的」マグニチュードにより定義することができる。
【0068】
上述のカーブのヒステリシスのいずれの定義においても、本発明は展開可能な支柱組立体14の製造に使用される超弾性材料のヒステリシスを最小にすることを目的としている。本発明の塞栓防止装置10の展開可能な支柱組立体14は、好適には除荷側プラトー応力GHに対して低い負荷側プラトー応力を有する超弾性材料から構成される。この点が従来技術の教示に反するものである。
【0069】
より高い負荷側プラトー応力CDは、展開可能な支柱組立体14が供給システム、特に拘束シース46に対して与える機械的抵抗性を確立する。これは、展開可能な支柱組立体14が拘束シース46の内部に装填されたとき、支柱組立体14により発揮される応力を表す。除荷側プラトー応力に対する高い負荷側プラトー応力は、塞栓防止装置10を供給するために必要な拘束シース46が大型で嵩張るものとなるため、好ましくない。
【0070】
図5において、「展開」と標示されたセグメントは、展開可能な支柱組立体14の供給シース46からの解放を表している。矢印に従って、除荷側プラトー応力GHは、展開した展開可能な支柱組立体14が血管壁26に対して与える応力を表している。これは、展開可能な支柱性能のひとつの尺度である、フィルタ要素16を広げるために有効な展開力を表す。装置を復元させるように復元シース48が展開可能な支柱組立体14上に動かされると、応力は図5の「復元」と標示されたセグメントに従い負荷側プラトー応力CDに戻る。
【0071】
従って、2つのプラトーCDとGHとの差(すなわち、相対的あるいは絶対的ヒステリシス)が多大であればあるほど、供給システムは展開可能な支柱組立体のあらゆる性能レベルに対応するように頑丈でなくてはならない。より頑丈な供給システムは必然的により厚くてより堅固な拘束シース46を有する大型で嵩張るものとならざるを得ない。逆に、2つのプラトーCDとGHとの差(すなわち、相対的あるいは絶対的ヒステリシス)を小さくすると、より小さいヒステリシスとなる。ヒステリシスが小さければ小さいほど、供給システムは展開可能な支柱組立体のあらゆる性能レベルに対応するように、より小型で小さい輪郭を有するものでなくてはならない。
【0072】
本発明によれば、図1の断面図に示すように、フィルタ組立体12は小さい供給輪郭Pを有する供給システムしか必要としない。更に、拘束シース46の壁厚は、本発明を採用しない同等の性能の展開可能な支柱組立体14に比較して薄くすることができる。このような小型の供給システムにより、医師は屈曲した動脈及び血管によりよく、且つより柔軟にアクセスすることができる。
【0073】
つまり、本発明は、塞栓防止装置の除荷側応力GHにより規定される機械的性能のあらゆる任意のレベルに対する負荷側応力CDにより規定される供給輪郭全体を小さくする可能性を提供する。本発明において、この可能性は、好適には以下で詳述する第3元素を加えた超弾性ニチノールの特性を実現することにより達成される。
【0074】
本発明の超弾性合金は、好適には、約30パーセントから約52パーセントのチタン及び残部ニッケルと、15パーセントまでの1またはそれ以上の追加の第3合金元素とから実質的になる組成物から形成される。このような第3合金元素は、パラジウム、白金、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムからなる群から選択することができる。特に、第3元素は任意的に、鉄、コバルト、白金、パラジウム及びクロムはそれぞれ3パーセントまで、そして銅及びバナジウムは15パーセントまでとすることができる。本明細書において、百分率組成に対する基準は全て、特記しない限り原子百分率(アトミックパーセント)とする。
【0075】
他の好適な実施形態において、SME(形状記憶効果)を有する塞栓防止装置のNiTi製の展開可能な支柱組立体は、約摂氏500度で熱処理される。展開可能な支柱組立体は、まずフィルタ要素の展開するための最初のより大きい直径及び形態に機械的に変形される。拘束シースを引いて、フィルタ組立体を身体管腔の内部に露出させた後、摂氏45度の熱を加えてフィルタ組立体を完全に展開したより大きい直径に戻すとともに、動脈の動脈壁に接触した状態にさせる。摂氏45度での加熱は、人体における大抵の適用例と適合するが、この温度に限定されるものではなく、より高いあるいは低い温度を本発明の範囲を逸脱せずに考えることができる。摂氏45度という温度は、供給システムに注入された暖かい生理食塩水等の当業界で周知の従来の方法により達成することができる。
【0076】
形状記憶特性によって、装置は変形して身体管腔や空洞に挿入されやすくなり、次いで体内で加熱されて最初の形状に戻ることができる。ここでも同様に、形状記憶特性を有する合金は通常の2つの相を有する。すなわち、比較的低い引張強度を有するとともに比較的低温で安定なマルテンサイト相と、比較的高い引張強度を有するとともにマルテンサイト相より高い温度で安定なオーステナイト相である。
【0077】
形状記憶特性は、マルテンサイト相からオーステナイト相への変態が終了する以上の温度、すなわちオーステナイト相が安定する温度以上の温度に金属を加熱することにより、合金に付与される。この熱処理中の金属の形状は、「記憶された」形状である。熱処理された金属は、マルテンサイト相が安定な温度まで冷却され、これによりオーステナイト相はマルテンサイト相に変態する。マルテンサイト相である金属は、例えば患者の体内への挿入が容易となるように、次に塑性変形される。続いて、変形されたマルテンサイト相を、マルテンサイトからオーステナイト変態が起こる温度以上の温度に加熱すると、変形されたマルテンサイト相はオーステナイト相に変態する。この相変態の間に、金属は最初の形状に戻る。
【0078】
回復ないし転移温度は、金属の組成及び材料の加工方法に多少の変化を与えることにより変えることができる。間違いのない組成物を開発する際、間違いのない転移温度を選択するために生物学的温度適合性を決定する必要がある。つまり、ステントが加熱されるとき、ステントは周囲の体内組織に適合しないほど熱くなってはならない。自動架橋可能な高密度ポリエチレン(HDPEX)のような照射記憶ポリマー等の他の形状記憶材料も利用することができるが、これに限定されるものではない。形状記憶合金は当業界で周知のものであり、例えば『Scientific American』第281巻、74−82頁(1979年11月)の「Shape Memory Alloys」で論じられている。
【0079】
形状記憶合金は、ある一定の温度でオーステナイト状態とマルテンサイト状態との間で転移する。マルテンサイト状態である間に変形されると、形状記憶合金はその状態に保持される限りこの変形を維持するが、転移温度に過熱されると最初の構成に戻り、このときオーステナイト状態に変態する。これらの転移が起こる温度は、合金の性質や材料の状態に影響される。転移温度が体温よりわずかに低いニッケルチタンをベースとした合金(NiTi)が、本発明に好適である。従って、本発明の塞栓防止装置が身体管腔で展開されたとき、マルテンサイト状態からオーステナイト状態への迅速な転移を確実にするために、転移温度を体温よりわずかに低く設定すことが望ましい。
【0080】
本発明を、塞栓防止装置のフィルタ組立体とその供給システムの超弾性合金製の構成部材であって、該超弾性合金が小さいヒステリシスを有するとともに第3元素を含んでなるものについて詳述してきたが、当業者にとって本発明は他の事例でも利用できることが明白である。この他の変更や改良は、本発明の範囲を逸脱せずになされ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
拘束シース内で折り畳まれた状態で血管に配置された展開可能なフィルタ組立体を示す本発明の特徴を具体化した塞栓防止装置の立面図および部分断面図である。
【図2】
展開可能なフィルタ組立体が血管の内部で展開した状態にある図1と同様の塞栓防止装置を示す立面図および部分断面図である。
【図3】
本発明のフィルタ組立体の一部を形成する展開可能な支柱組立体の折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【図4】
特定の支柱パターンを示す図3の展開可能な支柱組立体の平らな部分を示す平面図である。
【図5】
超弾性材料に関する典型的な応力−ひずみ曲線を示す図である。

Claims (23)

  1. 展開可能なフィルタシステムおよび供給システムであって、前記供給システムが前記展開可能なフィルタシステムを身体管腔内で展開するものにおいて、
    超弾性合金を含む展開可能な支柱組立体であって、前記合金は第3元素を含むとともに、前記合金は更に実質的に小さい応力ヒステリシスを有している支柱組立体と、
    前記展開可能な支柱組立体に配置されたフィルタ要素と、を備え、
    前記供給システムは遠位端と近位端とを有するシースを有し、
    前記展開可能な支柱組立体は前記シースの内部の前記遠位端に配置され、
    前記供給システムは小さい輪郭を有する、
    展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  2. 前記超弾性合金はニッケルチタン合金を含むことを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  3. 前記第3元素はパラジウム、白金、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタルまたはジルコニウムからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  4. 前記小さい応力ヒステリシスは、x軸スケールがひずみを表しy軸スケールが応力を表す直交座標にプロットされた曲線により規定される、前記曲線のΔyは小さいことを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  5. 前記小さい応力ヒステリシスが合金の負荷応力と除荷応力との最小差を呈することを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  6. 前記シースは薄い壁を有することを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  7. 前記超弾性合金は人間の体温より低く設定された転移温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  8. 前記供給システムは小さい輪郭の復元シースを有することを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  9. 前記超弾性合金は除荷側プラトー応力に対する低い負荷側プラトー応力を有することを特徴とする、請求項1に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  10. 展開可能なフィルタシステムおよび供給システムであって、前記供給システムが前記展開可能なフィルタシステムを身体管腔内で展開するものにおいて、
    ニッケルチタン合金を含む展開可能な支柱組立体であって、前記ニッケルチタン合金は実質的に小さい応力ヒステリシスを与える第3元素を含んでいる、展開可能な支柱組立体と、
    前記展開可能な支柱組立体に配置されたフィルタ要素と、を備え、
    前記供給システムは遠位端および近位端を有する内側部材を有し、前記展開可能な支柱組立体は前記遠位端に配置され、
    前記供給システムは遠位端および近位端を有するシースを更に有し、前記シースの少なくとも遠位端は前記展開可能な支柱組立体上に摺動可能に配置され、
    前記供給システムは小さい輪郭を有する、
    展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  11. 前記第3元素はパラジウム、白金、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムからなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  12. 前記小さい応力ヒステリシスは、x軸スケールがひずみを表しy軸スケールが応力を表す直交座標にプロットされた曲線により規定され、前記曲線のΔyは小さいことを特徴とする、請求項10に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  13. 前記小さい応力ヒステリシスが合金の負荷応力と除荷応力との最小差を呈することを表すことを特徴とする、請求項12に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  14. 前記カーブのヒステリシスが負荷側プラトー応力に対する除荷側プラトー応力の小さい比率を呈することを特徴とする、請求項12に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  15. 前記シースは薄い壁を有することを特徴とする、請求項10に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  16. 前記合金は原子百分率で15パーセント以下の第3元素を含むことを特徴とする、請求項10に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  17. 展開可能なフィルタシステムと、前記展開可能なフィルタシステムを身体管腔の中で展開するための供給システムとを提供する方法であって、
    ニッケルチタン合金を含む展開可能な支柱組立体であって、前記ニッケルチタン合金は第3元素を有するとともに、前記合金は実質的に小さいヒステリシスを更に有している、展開可能な支柱組立体を準備する工程と、
    フィルタ要素を前記展開可能な支柱組立体に配置する工程と、
    遠位端と近位端とを有する内側部材を有する供給システムであって、小さい輪郭を有する供給システムを準備する工程と、
    前記展開可能な支柱組立体を前記供給システムの遠位端に配置する工程と、
    前記供給システムの1部として、遠位端と近位端を有するシースを準備する工程と、
    前記シースを前記展開可能な支柱組立体上に摺動自在に配置する工程と、
    を備えた、方法。
  18. 前記展開可能な支柱組立体を準備する工程は、第3元素をパラジウム、白金、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムからなる群から選択する工程を有することを特徴とする、請求項17に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システムを提供する方法。
  19. 前記展開可能な支柱組立体を準備する工程は、x軸スケールがひずみを表しy軸スケールが応力を表す直交座標にプロットされた曲線により前記小さい応力ヒステリシスを規定する工程を含み、前記曲線のΔyは小さいことを特徴とする、請求項17に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システムを提供する方法。
  20. 前記カーブのΔyは除荷側プラトー応力値と負荷側プラトー応力値との差を表すことを特徴とする、請求項19に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システムを提供する方法。
  21. 展開可能なフィルタシステムおよび供給システムであって、前記供給システムが前記展開可能なフィルタシステムを身体管腔内で展開するものにおいて、
    実質的に小さい応力ヒステリシスを与える第3元素を含む超弾性合金を含む展開可能な支柱組立体と、
    前記展開可能な支柱組立体に配置されたフィルタ要素と、
    を備え、
    前記供給システムは遠位端と近位端とを有するシースを有し、前記展開可能な支柱組立体は前記シースの内部の遠位端に配置されるとともに、前記供給システムは小さい輪郭を有する、
    展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  22. 前記超弾性合金は原子百分率で少なくとも30パーセントから52パーセントのチタニウムを有するニッケルチタン合金を含むとともに、第3元素はパラジウム、白金、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムからなる群から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
  23. 前記超弾性合金は原子百分率で少なくとも30パーセントから52パーセントのチタンと、原子百分率で少なくとも38パーセントのニッケルと、パラジウム、白金、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムからなる群から選択される原子百分率で15パーセントまでの第3元素とを含むことを特徴とする、請求項21に記載の展開可能なフィルタシステムおよび供給システム。
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