JP2004507719A - 回折微細構造の光学的測定のためのデータベース補間方法 - Google Patents
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Abstract
データベース補間法を用い、リアルタイム光学測定プロセスの一部として、回折微細構造(501)の予測される光学的応答特徴を迅速に計算する。補間された光学的応答(602)は、連続的かつ(好ましい実施例では)(801)滑らかな、測定パラメータ(X)の関数であり、データベースに記憶された補間点(701,702)における、理論的に計算された光学的応答に一致する。
Description
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2000年8月10日に出願の米国仮出願番号第60/224,451号「下部構造の上に形成された回折構造のパラメータを測定する方法」(“Method of Measuring Parameters of a Diffractive Structure Formed over a Substructure”)および2001年2月22日に出願の第60/270,956号「データベース補間」(“Database Interpolation”)から、米国特許法第119条(e)により優先権を主張し、その開示が引用により援用される。
【0002】
【技術分野】
この発明は、回折構造を有するサンプルに対する、関心のあるパラメータの光学的測定に関し、特に、サンプルからの測定された光学的信号特徴のリアルタイム解析によりそのサンプルのパラメータ値を定めることにおける改良に関する。
【0003】
【背景技術】
(この明細書は以前に発行された文献を時折参照する。これらの文献の番号付きリストが、この部分の最後に「参照文献」と副題を付けて見出され得る。)
集積回路製造においては、半導体ウェハ上にパターニングされる微細構造の正確な測定が非常に望ましい。典型的に、光学的測定法が用いられるのは、そのような構造の高速かつ非破壊的測定においてである。そのような方法を用いると、測定サンプル上の小さな区域が1つ以上の波長を含む光放射で照射され、サンプルによって反射または回折された放射の特徴(たとえば、反射強度、偏波状態または角分布)を測定することにより、照射区域の上のサンプル特性が定められる。
【0004】
この開示は、基板の上または中に形成される回折構造を含み、その構造中の横方向の材料不均質性が光回折効果を生じさせるサンプルの測定に関する。横方向不均質性が周期的でありかつその周期が照射波長よりもかなり小さい場合、ゼロ次(zeroth order)以外の回折次数(diffracted order)はすべてエバネッセントであり、直接に観察できないか、または、検出器具の視野の外側に散乱し得る。しかし、それにも拘らず、横方向構造外形がゼロ次反射率に大きく影響を及ぼす可能性があり、これにより、照射波長よりも遥かに小さい構造特徴を測定できるようになる。
【0005】
回折構造に適用可能なさまざまな測定方法が先行技術で公知である。参照文献7は、多数のこれらの方法を検討している。最も直接的な方策は、マクスウェル方程式に基づいて厳格な理論モデルを用い、サンプル測定パラメータ(たとえば膜厚、線幅など)の関数として、サンプルの予測される光学的信号特徴(たとえば反射率)を計算し、モデルの測定パラメータを調節して、理論的光学信号と測定光学信号との間の不一致を最小化することである(参照文献10,14)。(注:この文脈で、単数形の「特徴」という用語は、ベクトルまたは行列などの複合体を表わし得る。特徴の成分は、たとえば、異なる波長または集光角度での反射率を表わし得る。)測定プロセスは以下のステップを含む。まず、測定パラメータの試行値のセットを選択する。次に、これらの値に基づいて、(光学的材料および外形を含む)測定サンプル構造のコンピュータ表示可能モデルを構築する。サンプル構造と照射放射との間の電磁的相互作用を数値でシミュレーションし、予測される光学的信号特徴を計算する。これが測定された信号特徴と比較される。自動適合最適化アルゴリズム(fitting optimization algorithm)は試行パラメータ値を反復して調節し、上記プロセスを繰返して、測定された信号特徴と予測される信号特徴との間の不一致を最小化する。(最適化アルゴリズムは、典型的に、信号特徴成分の平均二乗誤差を最小化し得る)。
【0006】
上記プロセスは非常に正確な測定能力を与えることができるが、構造の外形をコンピュータ処理する、および、測定最適化ループ内で電磁的シミュレーションを適用するというコンピュータ処理の負担のために、多くのリアルタイム測定適用例にとってこの方法が実際的でなくなっている。コンピュータ処理のネックを回避するため、さまざまな代替的方策が開発されたが、通常は、測定性能を損なうという犠牲を払っていた。
【0007】
1つの代替的方策は、正確な理論モデルを、ある限定されたパラメータ範囲上の測定パラメータの線形関数として光学的信号特徴を表わす近似モデルと置換えることである。この方策のいくつかの変形が存在し、それには、逆最小二乗(ILS)、主成分回帰(PCR)および部分最小二乗(PLS)が含まれる(参照文献1−5,7,11,15)。近似モデルの線形係数は、「較正」データセット中の正確なデータ点と近似データ点との間の平均二乗誤差を最小化する多変量解析技術によって定められる。(経験的測定または正確な理論モデリングシミュレーションのいずれかから較正データを生成し得る。これは測定の前に行なわれるため、較正プロセスが測定時間に影響を与えることはない。)さまざまな線形モデル(ILS,PCR,PLS)は、用いられる統計解析法のタイプにおいて異なる。
【0008】
線形モデルには2つの基本的な限定が存在する。第1に、線形近似は、限られた範囲の測定パラメータ値に対してしか適用できない。第2に、この範囲内では、近似モデルは一般的に較正データ点への正確な適合を与えない。(較正データが経験的に定められている場合、モデルが正確にデータに適合することが望まれないことがある。その理由は、実験ノイズによってエラーが持ち込まれている可能性があるからである。しかし、データが理論モデルから定められている場合、較正データ点に少なくとも適合する近似モデルを用いることが好ましい。)これらの不足は、非線形(たとえば二次)関数近似を用いることによって部分的に補うことができる(参照文献7)。この方策は線形モデルの限定を緩和するものの、これを排除するわけではない。
【0009】
関数(線形または非線形)近似モデルのパラメータ範囲限定は、パラメータ範囲全体を多数の部分領域に分割し、各部分領域毎に異なる近似モデルを用いる(参照文献7)「範囲分割」法で拡張可能である。この方法は図1に概念的に図示され(参照文献7の図2参照)、この図は、線幅パラメータなどの測定パラメータxと特定の集光角および波長でのゼロ次サンプル反射率などの光学的信号特徴yとの間の関係を表わす。(実際には、線幅、膜厚などの複数の測定パラメータと、異なる波長または集光角での反射率などの複数の信号成分との間の関係をモデリングすることに関心がある。しかしながら、図1に図示する概念は、より一般的な例にも等しく当てはまる。)較正データ点(たとえば点101)のセットは、経験的にまたは理論モデリングによって生成される。xパラメータ範囲は2つ(またはそれ以上)の部分領域102および103に分割され、較正点のセットは、各々の点がどの部分領域にあるかに依存して、対応のサブセット104および105に分けられる。統計解析技術を各サブセットに適用し、部分領域102には線形モデル106および部分領域103にはモデル107など、各部分領域毎に別個の近似モデル(たとえば線形モデル)を生成する。
【0010】
関数近似モデルに固有の限定だけでなく、範囲分割法はさらなる欠点を有する。関数近似は各部分領域内で連続的でありかつ滑らかであるが、部分領域間に不連続部(図1の不連続部108など)を呈することがある。これらの不連続部は、光学信号データから測定パラメータを推測する最適化アルゴリズムにおいて数値的な不安定を生じ得る。不連続部はプロセス監視および制御にとっても問題であり得る。なぜなら、プロセス条件の小さな変化により測定値が大きく不連続に飛躍してしまう可能性があるからである。
【0011】
範囲分割モデルの別の欠点は、多数の較正点が必要になることおよびモデルの中に記憶すべきデータが大量であることである。図1の図示では、各部分領域は以下の形態の単純な線形近似モデルを用いる。
【0012】
【数1】
【0013】
ここでaおよびbは較正係数である。aおよびbを定めるには、部分領域当り少なくとも2つの較正点が必要であり(一般的に、各部分領域にわたり良好な統計サンプリングを行なうには3つ以上を用いる)、各部分領域毎に2つの係数(aおよびb)を記憶しなければならない。部分領域がM個存在する場合、較正点の総数は少なくとも2M個でなければならず、較正係数の数は2Mである。N個の測定パラメータx1,x2,…xNが存在するより一般的状況を考察すると、線形近似は以下の形態をとる。
【0014】
【数2】
【0015】
各パラメータ範囲がM個の部分領域に分割される場合、パラメータ部分領域のすべての組合せをカバーするのに必要な別個の線形近似モデルの数はMN個であり、組合せ当りの較正パラメータの数(a1,a2,…aN,b)はN+1である。したがって、較正係数の総数(および較正データ点の最小限必要な数)は(N+1)MNである。たとえば、図2は、2つのパラメータx1およびx2がとるパラメータ空間を図示する。x1の範囲は3つの部分領域201、202および203に分割され、x2の部分領域は3つの部分領域204、205および206に分割される。この場合、N=2、M=3であり、x1およびx2の部分領域の組合せ207…215の数は32=9であり、線形較正係数の数は(2+1)32=27である。さらに一般化すると、光学信号特徴(y)が(たとえば異なる波長について)複数の信号成分を含む場合、較正係数の数は成分の数に比例して増加する。さらに、非線形(たとえば二次)部分領域モデルを用いる場合、較正点および係数の数は莫大になる。
【0016】
別の測定方策、すなわち最小平均二乗誤差解析(MMSE、参照文献2−9,11,13,15)は、上述の範囲分割法の単純な代替案を提供する。この方策を用いると、多様な測定構造を表わす予めコンピュータ処理された理論的光学信号特徴のデータベースを探索し、サンプルの測定光信号と比較し、(平均二乗誤差適合基準の観点で)最適比較によって測定結果を定める。(上記参照文献は主として、スキャッタメータ測定法および分光分析に関するものであるが、MMSE型の技術は偏光解析法の文脈にも適用された。参照文献12および16を参照。)MMSE法は光信号中の強い非線形性をモデリングすることができる。しかし、この方法は、範囲分割のように、データベースの離散的パラメータサンプリングにより、問題となる、測定結果の不連続部を呈する可能性がある。
【0017】
これら先行技術の方法はすべて測定分解能と精度との間の妥協を伴なう。MMSE方策は、仮定される、光学信号のいかなる関数形態によっても限定されるものではないため、良好な精度を有し得る。しかし、測定分解能は基本的にパラメータサンプリング密度によって限定される。これに対し、関数近似モデルは、モデリングされた信号が較正範囲にわたって測定パラメータの連続的かつ滑らかな関数であるという意味において、較正データ点間の「補間」を行なうことができ、したがって、そのようなモデルは本質的に限定されない測定分解能を有し得る。しかしながら、「補間」という用語はこの文脈では誤った呼び方である。なぜなら、関数モデルは較正データ点を正確に適合するわけではなく、それらの精度は不適合によって限定されるからである。(たとえば、参照文献11が線幅および厚みパラメータについて5−10nmの適合精度を報告している)。
【0018】
[参照文献]
1. R.H. Krukar et al, 「半導体臨界寸法計測および較正のための散乱光モデリングの使用」(“Using Scattered Light Modeling for Semiconductor Critical Dimension Metrology and Calibration“)、SPIE 1926, pp.60−71 (1993)。
【0019】
2. C.J. Raymond et al, 「リソグラフィのためのスキャッタメータ計測センサ」(“A scatterometric sensor for lithography“)、SPIE Proc. 2336, pp.37−49 (1994)。
【0020】
3. C.J. Raymond et al, 「光学スキャッタメータ計測を用いたサブ波長フォトレジスト格子の計測」(“Metrology of subwavelength photoresist gratings using optical scatterometry“)、J. Vac. Sci. Technol. B, Vol.13(4), pp.1484−1495 (1995)。
【0021】
4. M.R. Murname et al, 「0.24um−0.70um現像フォトレジスト計測のためのスキャッタメータ計測」(“Scatterometry for 0.24um−0.70um developed photoresist metrology“)、SPIE Proc. 2439, pp.427−436 (1995)。
【0022】
5. M.R. Murname et al, 「スキャッタメータ計測を用いたサブ波長フォトレジスト格子計測」(“Subwavelength photoresist grating metrology using scatterometry“)、SPIE Proc. 2532, pp.251−261 (1995)。
【0023】
6. C.J. Raymond et al, 「スキャッタメータ計測を用いた複数パラメータプロセス計測」(“Multi−parameter process metrology using scatterometry“)、SPIE Proc. 2638, pp.84−93 (1995)。
【0024】
7. J. Bischoff et al, 「光散乱に基づくフォトレジスト計測」(“Photoresist metrology based on light scattering“)、SPIE Proc. 2725, pp.678−689 (1996)。
【0025】
8. C.J. Raymond et al, 「スキャッタメータ計測を用いた複数パラメータCD測定」(“Multi−parameter CD measurements using scatterometry“)、SPIE Proc. 2725, pp.698−709 (1996)。
【0026】
9. C.J. Raymond et al, 「エッチングされた構造のCD測定のためのスキャッタメータ計測」(“Scatterometry for CD measurements of etched structures“)、SPIE Proc. 2725, pp.720−728 (1996)。
【0027】
10. B.K. Minhas et al, 「スキャッタメータ計測を用いた、サブ0.1umに向けてのCD測定」(“Towards sub−0.1um CD measurements using scatterometry“)、SPIE Proc. 2725, pp.729−739 (1996)。
【0028】
11. J. Bischoff et al, 「光散乱に基づくマイクロ計測」(“Light scattering based micrometrology“)、SPIE Proc. 2775, pp.251−259 (1996)。
【0029】
12. Xinhui Niu, 「DUVリソグラフィにおける鏡面分光スキャッタメータ計測」(“Specular Spectroscopic Scatterometry in DUV Lithography“)、SPIE 3677, pp.159−168 (1999)。
【0030】
13. J. Allgair et al, 「プロセスモニタのためのスキャッタメータ計測実現のための製造上の考慮」(“Manufacturing Considerations for Implementation of Scatterometry for Process Monitoring“)、Proc. SPIE 3998, pp.125−134 (2000)。
【0031】
14. Conrad, 米国特許第5,963,329号。
15. McNeil, 米国特許第5,867,276号。
【0032】
16. Xu, WO99/45340。
17. 光学ハンドブック第2版第2巻(Handbook of Optics, Second Edition, Volume 2)、米国光学学会 (1995)。
【0033】
18. 「積層回折格子をモデリングするための2つの再帰的行列アルゴリズムの公式化および比較」(“Formulation and comparison of two recursive matrix algorithms for modeling layered diffraction gratings”)、Journal of the Optical Society of America, Vol.A13, No.5, May 1996。
【0034】
【発明の開示】
この発明は、回折構造を含むサンプルの、関心のあるパラメータを測定するための方法であり、この方法は、補間と組合せてデータベース探索技術を用いて測定分解能と精度との間のトレードオフを回避する。この方法のステップの概要は以下のとおりであり、個々にはより詳細に後述される。(ステップ間の依存性によって順序が制約されるのを除き、ここに示されるとおりの順序でステップを行なう必要はない)。
【0035】
まず、理論モデルを与え、ここから、測定パラメータに対応する1つ以上の「補間パラメータ」のセットの関数として、回折構造の理論的光学応答特徴を計算することができる。理論モデルは2つの主な要素を含む。すなわち、補間パラメータ値のいずれの試行セットも(光学的材料および外形を含む)回折構造のコンピュータ表示可能モデルに変換するための方法と、回折構造内で電磁的相互作用を数値でシミュレーションして理論的応答特徴を計算するための方法とである。
【0036】
次に、「補間点」および対応の光学応答特徴のデータベースを生成する。各補間点は、特定の補間パラメータ値からなる特定の補間パラメータセットで規定される。理論モデルを各補間点に適用して、その対応の理論的光学応答特徴を計算し、これをデータベースに記憶する。
【0037】
「補間モデル」がデータベースを用い、補間パラメータセットの関数として補間光学応答特徴を計算する。補間モデルは理論モデルへの近似を与えるが、計算上のオーバヘッドはない。規定されたパラメータドメイン内の任意の試行補間パラメータセットを与えられると、補間モデルは、データベース上での補間(または恐らくは外挿)により、対応の近似光学応答特徴をコンピュータ処理する。(パラメータドメインは典型的にデータベースによって限定されるが、時には外挿を用いてデータベース限界の外側にドメインを拡張することができる。本明細書中では、「補間」という用語を、外挿を含むように広く解釈することができる。)回折構造の内部形状をモデリングする必要はなく、構造内の電磁相互作用を補間モデルでシミュレーションする必要はない。したがって、回折構造の直接理論モデリングの計算上のオーバヘッドが回避される。補間モデルは、補間パラメータセットを光学応答特徴にマッピングする、実質的に連続した関数を表わす。すなわち、これは、範囲分割およびMMSEなどの先行技術の方法の不連続部または打切りを呈しない。さらに、補間は近似であるが、補間された光学応答特徴は、データベース中に表わされる補間点での理論的光学応答特徴に正確に一致する。したがって、それには先行技術の関数近似法の精度限定がない。(「補間」という用語は、補間点に適合する適合関数を広く含意する。適合関数の一部を実際に外挿し得るため、この文脈では、「補間」と「外挿」との区別は重要ではない)。
【0038】
補間モデルは、サンプルの測定光学信号特徴に基づいてサンプルの測定パラメータを定める適合最適化アルゴリズムによって用いられる。補間モデルによって近似される理論的光学応答特徴は、必ずしも光学信号特徴または測定可能な量に直接に対応するとは限らない。しかしながら、予測される光学信号特徴は、補間のように、回折構造の内部形状をモデリングすることまたは構造内の電磁相互作用をシミュレーションすることを必要としない、コンピュータ処理上効率的なアルゴリズムを用いて、光学応答特徴から計算可能である。最適化アルゴリズムは連続した試行補間パラメータセットを自動的に選択し、補間モデルを適用して対応の補間光学応答特徴を計算し、これらから、対応の予測光学信号特徴を計算する。これらが測定光学信号特徴と比較される。アルゴリズムは、比較誤差最小化法に基づいて試行パラメータセットを選択し、規定された終了基準が満たされるまで、規定された比較誤差計量(metric)を反復して減じる。
【0039】
測定された光学信号特徴は、サンプルから回折された放射を検出する光センサシステムを含む測定器具によって獲得される。この器具は、適合最適化アルゴリズムを測定された信号データに適用して測定結果を生成するコンピュータ処理ハードウェアをさらに含む。結果生成の後、器具は、回折構造の外形のコンピュータ処理的またはグラフィック表示も生成し得る。しかしながら、この表示は、対応の予測光学応答または信号特徴を計算するのに必ずしも必要なわけではなく、データベース中の特定のパラメータセットに対応する必要はない。
【0040】
【この発明を実行するための最良モード】
測定器具
測定器具は、放射源と、放射を測定サンプルに伝えるための照射光学系と、サンプルから反射または回折された放射を光センサシステムに伝えるための集光光学系と、器具を制御しかつセンサシステムからの光信号データを測定結果に変換するコンピュータ処理ハードウェアとを含む。典型的に、器具は、波長、照射および集光方向(各方向はサンプルに対する極角および方位角を特徴とする)、照射偏波状態ならびに集光光学系の偏波特徴などの1つ以上の制御変数の関数として信号データを集める。器具は制御変数を走査してもよくまたは、変数の複数の値を同時にサンプリングする複数のセンサチャネルを有してもよい。(たとえば、照射波長を走査してもよくまたは、システムは分光検出器と共に広帯域照射を用いて複数の波長信号を同時に感知してもよい。)典型的に、各センサチャネルは、波長、角度および偏波状態のゼロでない範囲を含む放射に応答するが、予測される信号特徴と測定された信号特徴との間の良好な適合を得るためには、適合最適化アルゴリズムはこのことを考慮する必要があろう。
【0041】
上記説明は、異なる測定タイプ(スキャッタメータ測定、分光分析、偏光解析法およびハイブリッドタイプ)と関連のさまざまな器具に及ぶ。異なる「信号」特徴は、これらさまざまな適用例(たとえば、スキャッタメータ測定については反射率対入射角、分光分析については反射率対波長、ならびに、偏光解析法についてはプサイおよびデルタなどの偏光解析パラメータまたはストークスベクトル係数など)と関連付けられる。しかし基本レベルでは、これらすべての測定タイプは、センサ信号データを測定結果に変換することとなり、この発明の一般的データベース補間法は、これらすべての測定タイプに等しく十分に適用する。
【0042】
測定サンプル
典型的な適用例では、測定サンプルは、その外形が特定の方向への平行移動に対して不変である周期的線空間格子(line−space grating)構造である。たとえば、図3Aは、平坦な基板上に形成される格子線を含む線空間構造を図示する。この構造は、Z方向に平行移動的に不変であり、X方向に周期性次元(periodicity dimension)Λを有する。構造の外形はX−Y平面の二次元断面を特徴とする。
【0043】
図3Bは、基板の中の孔の二次元アレイを含む別のタイプの測定サンプルを図示する。この外形は、X−Z平面で周期的に繰返される「格子セル」の観点で記載することができ、2つの基本的な期間Λ1およびΛ2の観点を特徴とする。
【0044】
図3Aおよび図3Bに図示されるものなどの周期的構造は、放射のナロービームで照射されると、後方散乱放射がナロービームまたは「回折次数」の離散セットを含むという特性を有する。これらの次数は、散乱放射の鏡面反射(ゼロ次)成分を含む。一般的に、周期がより小さい構造はより少ない次数を生じ、周期性が十分に細かい場合、ゼロ次以外の次数は構造から伝播しない。測定器具は、特定の回折された次数または複数の次数を選択的に排除するかまたは受入れるように構成され得る。典型的な適用例では、ゼロ次のみを用いる。
【0045】
この発明の方法は、図3Aおよび図3Bに図示されるものなどの厳密に周期的な構造に限定されるものではない。準周期的なまたは非周期的なサンプルタイプにも適用可能である。たとえば、図4は、2つの反射ゾーン、すなわち、回折線空間構造を含む第1のゾーン401と、横方向に均質な隣接する第2のゾーン402とを含むサンプルの平面図を図示する。照射放射は両ゾーンにまたがる測定スポット403に及ぶ。
【0046】
測定サンプルは、図5Aまたは図5Bに断面で図示されるものなどの積層構造であるのが典型的である。図5Aは、非回折下部構造501と非回折上部構造503との間に挟まれた回折構造501を含むサンプルを図示する。非回折構造は各々複数の層を含み得る。これらは均質であってもよくまたは、屈折率勾配を有してもよいが、典型的には横方向に均質である(すなわち、屈折率は基板に対して垂直な方向にしか変化しない)。これとは逆に、図5Bは、下部構造502が第2の回折層を含むサンプルタイプを図示する。
【0047】
この発明の方法をどのように適用するかに依存して、この方法の主題の「回折構造」を、サンプル全体として(またはより特定的には、測定スポット近傍のサンプルの一部として)またはサンプルの構成要素として解釈してもよい。たとえば、主題の回折構造は、図4の回折ゾーン401であるかまたは、図5Aもしくは図5Bの回折層501であり得る。
【0048】
理論モデル
理論モデルには基本構成要素が2つある。すなわち、(光学的材料および外形を含む)回折構造のモデルと、サンプルの回折光学特性を定める、回折サンプル内の電磁相互作用のモデルとである。この発明の方法の主題の理論モデルは必ずしもサンプル全体を特徴付けるわけではなく、サンプルの多数の構成要素のうち1つにしか過ぎないであろう、主題の回折構造を特徴付ける。主題の理論モデルは、それ自体が、サンプル全体を特徴付けるより広い理論モデルの構成要素であり得る。
【0049】
測定サンプル構造は典型的に、1つ以上の「サンプルパラメータ」(たとえば、線幅、層の厚み、材料パラメータ)の関数としてコンピュータ処理的に表わされる。サンプルパラメータのいくつかは予めわかっており、いくつかは測定で定められる。後者の「測定パラメータ」のうち、いくつかまたはすべてが主題の回折構造と関連する。本明細書中ではこれらを「補間パラメータ」と称する。理論モデルは、補間パラメータ値の順序集合(各補間パラメータ毎に1つの値)と対応の回折構造構成(材料および外形)とを関連付ける関数マッピングを含む。任意の特定の補間パラメータセットを与えられると、理論モデルは回折構造のコンピュータ処理的表示を生成し、回折構造の内部を通る放射の電磁的伝播の、数値によるシミュレーションを行なう。電磁的シミュレーションに基づき、理論モデルは回折構造の理論的光学応答特徴を計算する。いくつかの適用例では、この応答特徴を、サンプルの他の構成要素(たとえば、図4の非回折構造402または、図5Aもしくは図5Bの下部構造502もしくは上部構造503)の光学的応答特徴と組合せてサンプル全体を特徴付ける必要があろう。この組合せプロセスは、構成要素間のインターフェイスでの電磁相互作用をモデリングするステップ(すなわち、境界条件を適用するステップ)を含み得る。しかしながら、他の構成要素の応答特徴を生成し、それらを主題の回折構造の応答特徴と組合せるプロセスは、回折構造の内部形状(たとえばプロファイル形状)をモデリングすることまたは回折構造内の電磁的伝播をシミュレーションすることを必要としない。
【0050】
光学応答特徴は、反射率などの測定可能な量を含み得る。しかしながら、好ましい実施例では、応答特徴は、直接に測定不可能な複素反射率係数(または、後述される複素反射率係数の一般化)を含む。(測定可能な反射率は、複素反射率係数から計算可能な実数値の量である。)この方策の利点は、(必要な場合はリアルタイム測定プロセスの間に)単純に組合せて、サンプルの予測光学信号特徴を計算することができる別個の応答特徴で、主題の回折構造などのサンプルの個々の構成要素を表すことが可能なことである。(補間精度に関する別の利点も存在するが、これは後述される)。
【0051】
「信号特徴」とは、測定器具の光センサシステムが生成する信号から入手可能または計算可能な測定可能量である。信号特徴はサンプルおよび器具の光学的特徴に依存する。たとえば、予測される信号を計算する際、照射放射または集光光学系の偏波特徴を考慮する必要があろう。偏波などの、器具の光学的特徴は、データ獲得の間に制御し、器具ごとに異なり得る器具較正量によって表わし得る。典型的に、測定可能信号特徴はサンプル構造全体および器具特徴に依存し、一般的には、個々のサンプル構成要素または器具と関連の構成要素に分けることはできない。一方で、複素反射率タイプの量の場合は、しばしばそのような分け方をすることができる(かなりの偏波特性を呈する反射サンプルは、複素反射率係数の一般化である「反射率ジョーンズ行列」という観点で特徴付けることができる。ジョーンズ行列の説明については、参照文献17のセクション27.7を参照)。
【0052】
この発明の可能な使用を、同時係属中の特許出願「ウェハ上の中規模構造を測定する方法」(“Method of Measuring Meso−Scale Structures on Wafers”)(2000年12月11日出願、出願番号第09/735,286号)を参照して図示することができ、その開示が引用により本明細書中に援用される。この方法は、測定スポットが異なる反射率特性を有する複数の反射ゾーンにまたがり、サンプルの予測信号特徴が個々のゾーンの反射率の部分的にコヒーレントな混合として計算される測定に適用する。部分コヒーレンス混合モデルは、個々のゾーンの複素反射率係数r1,r2,…を必要とする。第09/735,286号出願に記載の混合モデルの実施例を以下に式3として再現する。
【0053】
【数3】
【0054】
この式のA,BおよびC項は、サンプルパラメータの関数またはサンプルパラメータであり得る「混合係数」である。(それらは器具の光学的特性の関数でもあり得る。)r項(複素反射率係数)は、反射ゾーンの光学応答特徴である。混合モデルは、サンプルの測定可能な信号特徴に対応する有効反射率Rを計算する。
【0055】
この発明の文脈では、混合モデルの反射ゾーンのうち1つは、この発明の主題の回折構造に対応する。たとえば、図4は、回折ゾーン401および非回折ゾーン402を含む2ゾーンサンプルを図示する。回折構造の複素反射率係数をr1で表わすと、この発明の主題の理論モデルは、補間パラメータの関数としてr1を計算する。この理論モデルは、式3に従って他の隣接するゾーンまたは複数のゾーンの光学応答特徴とr1とを組合せることにより、サンプルの信号特徴Rをコンピュータ処理する、より広い理論モデル、すなわち混合モデル、の構成要素である。
【0056】
図5Aおよび図5Bに図示されるものなどの多層構造は、各々がそれ自身の光学応答特徴で表わされる別個の構成要素(この場合は層)に同様に区分可能である。これらのタイプの構造の理論モデルは典型的に、平面波拡張として照射および回折放射を表わす。平面波は、空間的および時間的範囲で無限の単純化算術的抽象化(simplifying mathematical abstraction)である。各平面波は特定の伝播方向、波長および偏波状態を有する。周期的構造が平面波で照射されると、それは照射を散乱して、平面波の離散セットまたは、伝送および反射された次数の両者を含み得る「回折次数」をもたらす。偏位されない伝送次数(transmitted order)は「ゼロ次伝送次数」と称され、鏡面反射された反射次数は「ゼロ次反射次数」と称される。回折次数の複素振幅対入射平面波の複素振幅の比は「複素散乱係数」と称される。(これらは、反射次数に対する反射率散乱係数と、伝送次数に対する透過率散乱係数とを含む。)各次数は、次数の2つの構成成分偏波成分(たとえば直交線形偏波成分)に対応する2つのスカラ散乱係数を特徴とする。さらに、これらの係数の各々は入射照射の偏波状態に依存するため、2つの独立した入射偏波状態を考慮すると、各次数は、実際には、任意の特定の波長および入射方向に対応する4つの関連のスカラ散乱係数を有する。
【0057】
サンプルの理論的光学モデルは、入射平面波の方向、波長および偏波状態の関数として、1つ以上の回折次数の複素散乱係数を計算する。サンプル構造全体がこの発明の主題の回折構造とみなされる場合、個々の複素散乱係数のセットが構造の光学的応答特徴を構成し得る。主題の回折構造が図5Aまたは図5Bの要素501などの積層構造中の個々の層構成要素である場合、光学的応答特徴は、回折層の2つの境界面504および505での電磁界成分の複素振幅間の線形関係を表わす「散乱行列」を含み得る。同様に、サンプル中の他の層を散乱行列で表わし得る。異なる層の複数の散乱行列を組合せて、サンプル全体の複合散乱行列を形成してもよく、そこから散乱係数を容易に入手する。たとえば、隣接する層の散乱行列(S行列)を組合せるためのアルゴリズムが参照文献18に記載されている(特に式15Aを参照)。この刊行物に記載のS行列またはR行列定式のいずれかを用いて、回折層の光学的応答特徴を規定することができる。光学的応答特徴(S行列またはR行列のいずれか)を組合せるプロセスは、(少なくとも回折層については)層の応答特徴自体のコンピュータ処理よりも遥かに単純かつ迅速であり、リアルタイム測定プロセスの間に潜在的に行なわれ得る。
【0058】
この発明の主題の理論モデルは、理論的光学モデルの階層の構成要素であり得る。たとえば、主題の理論モデルは、図5Aまたは図5Bの多層構造中の回折層501を特徴付ける光学的応答特徴(たとえばS行列)を計算し得る。このモデルは、多層構造全体の光学的応答特徴を計算する第2段の理論モデルの構成要素であろう。この構造は、図4のゾーン401など、複数の反射ゾーンのうちのただ1つしか表わさないことがあり、構造の対応の第2段の理論モデルは、複数ゾーン測定サンプル全体の回折応答特徴を計算する(たとえば混合モデルなどの)第3段の理論モデルの構成要素であり得る。
【0059】
補間データベース
理論モデルは複数の「補間点」の各々に適用され、各点は、特定の補間パラメータ値からなる特定の補間パラメータセットによって規定される。各補間点毎に、回折構造の対応の光学的応答特徴が計算され、データベースに記憶される。典型的に、記憶される各光学的応答特徴は、異なる照射波長、入射方向および偏波状態と関連するが、すべてが同じ回折構造構成(材料および外形)と関連する散乱行列または複数の複素反射率係数を含む。関連の構造外形(たとえばプロファイル形状)のコンピュータ処理的表示はその後の測定プロセスには必要なく、データベースに記憶する必要はない。
【0060】
補間モデル
補間モデルはデータベースを用いて、データベースに必ずしも表示されない補間パラメータセットの光学応答特徴を推測する。補間モデルは、いずれの試行補間セットも対応の光学的応答特徴に関連させる連続関数を規定し、好ましい実施例では、応答関数は滑らかでもある(すなわち連続して微分可能である)。当然ながら、連続性および滑らかさはデータ打切りなどの実際的限定によって限定されることがあるが、関数は、データベースにおけるデータ打切りと比較して、いかなる実際の不連続部も重要でないという意味では「実質的に連続」である。さらに、補間関数は、測定性能の観点からするといかなる僅かな不整合も重要でないという意味では、データベース補間点における理論的光学応答特徴に実質的に一致する。
【0061】
補間関数は、データベース補間点を典型的にカバーするパラメータドメインにわたって規定される。パラメータドメインは、場合によっては、外挿によって拡張されてもよい。外挿の精度は通常は非常に不十分であり、いくつかの場合、特定の補間パラメータに対する光学的応答特徴の関数依存性はほぼ線形であり得る。この場合、確実にそのパラメータに外挿を適用し得る。
【0062】
補間関数は、補間点に対応しない補間パラメータセットにおいて精度誤差を呈するが、これらの誤差は、信号関連の応答特徴よりもむしろ、(複素値の)電磁界振幅に関する、複素反射率などの光学応答特徴での補間によって緩和することができる。この原則を図6Aおよび図6Bに図示する。図6Aは、測定パラメータx(たとえば線幅)の関数として、(いくつかの特定の波長、入射方向および偏波状態について)測定サンプルの複素反射係数rのプロットを図示する。図示の目的のため、r対xの理論的プロット601を実数値として図示するが、一般的に、これは複素値である。4つの補間点間のr対xの一次補間は、区分的線形プロット602として図示される。図6Bは、反射率信号R=r2をプロット603として図示し、一次補間された信号をプロット604として図示する。ゼロ交差605の近傍では、信号プロット603は非常に非線形であり、その結果、補間適合は不十分である。一方、複素反射係数での補間適合はゼロ交差近くで非常に正確である。(信号補間の精度は、非線形補間関数を用いることによって改善可能である。しかしながら、どの補間法を用いるかに拘らず、複素反射係数に適用されると、補間適合は一般的により良好となる)。
【0063】
補間の最も単純な形態は、図7に図示する区分的一次補間である。この例では、単一のスカラ値光学応答特徴yが単一のスカラ値測定パラメータx1の上で補間される。パラメータは、均一に間隔を空けたパラメータ値x1[0],x1[1],…x1[M]でデータベース中でサンプリングされ(ここでMはサンプリング間隔の数である)、yはデータベース値間で一次補間される。データベース中に表わされる[x1,y]の対が「補間点」であり、その2つを701および702で図面に示す。任意の補間パラメータ値X1を与えられると、Yを表わす対応の補間y値が以下の手順で計算される。まず、X1がサンプリング範囲内にある(x1[0]≦X1<x1[M])と仮定して、X1を含む補間間隔を求める。
【0064】
x1[j]≦X1<x1[j+1] (0≦j<M) 式4
(X1がサンプリング範囲内にない場合、式4を満たすことができないが、X1に最も近い補間間隔からYを外挿可能である。以下の数学的形式は外挿に等しくよく当てはまる。)補間(または外挿)間隔を選択したので、量C0[0]およびC0[1]を間隔のx1限界に初期化する。
【0065】
C0[0]=x1[j] C0[1]=x1[j+1] 式5
次に、補間分数tならびに補間係数C1[0]およびC1[1]を計算し、
【0066】
【数4】
【0067】
これらの係数をデータベースデータに適用してYを得る。
Y=C1[0]y(x1[j])+C1[1]y(x1[j+1]) 式8
(y(x1[j])およびy(x1[j+1])はデータベースから得られる。)
N次元補間の一般的例の場合、独立変数xはベクトル値である。
【0068】
x=[x1,x2,…xN] 式9
(このベクトルは「補間パラメータセット」である。)また、光学的応答特徴yは、ベクトルまたは行列などの複合体であり得る。(yの成分は、たとえば、異なる散乱行列係数ならびに、波長、入射方向および偏波の異なる組合せに対応し得る。)xの各成分xiは、均一に間隔を空けた値xi[0],xi[1],…xi[Mi]でデータベースにおいてサンプリングされる(ここでMiはxiについてのサンプリング間隔の数である。)データベースパラメータ範囲は、「サンプリンググリッドセル」の多次元アレイを含み、各セルは、各々のi番目の次元において2つの連続パラメータ値xi[ji]およびxi[ji+1]によって境界付けられる。補間アルゴリズムは、各グリッドセルにおいてxの多重線形関数としてyに近似する。任意の補間パラメータセットX=[X1,X2,…XN]を与えられると、Yを表わす対応の補間y値は以下の手順で計算される。まず、Xを含むグリッドセルを求める。
【0069】
xi[ji]≦Xi<xi[ji+1] 式10
(各々のi毎に、1≦i≦Nであり、いくつかのjiについては、0≦ji<Mi)。
(一次元の例のように、Xがパラメータサンプリング範囲の外側にある場合、Xに最も近いグリッドセルからYを外挿可能である。)次に、ベクトル量C0[k1,k2,…kN]を対応のグリッドセル限界に初期化する。
【0070】
C0[k1,k2,…kN]=[x1[j1+k1],x2[j2+k2],…] 式11
(各々のki=0または1毎に、1≦i≦N)
これは、ステップiで、C1[k1,k2,…kN]が、パラメータ値xi+1,…xNのグリッドセル限界で空間的にサンプリングされる、パラメータ値x1,…xiに対するyの一次補間係数を表わす反復を初期化する。各々のi=1…N毎に、i番目のパラメータ次元(xi)に一次元補間法を適用することにより、Ci−1[k1,k2,…kN]からCi[k1,k2,…kN]を生成する。
【0071】
【数5】
【0072】
これらの係数をデータベースデータに適用してYを得る。
【0073】
【数6】
【0074】
Xiに対する補間量Yの導関数は、上記形式を用いて容易に計算することができる。後でわかるように、導関数情報を用いて適合最適化アルゴリズムのランタイム性能を大幅に高めることができる。
【0075】
多重線形ではなくマルチキュービック(multi−cubic)補間関数を各グリッドセルで用いることにより、改良された補間精度を得ることができる。これに代えて、あるパラメータには一次補間を用い、他のものには三次補間を用いるハイブリッド方策を用いてもよい。
【0076】
図7を参照して、一次元三次補間の例を図示することができる。補間間隔x1[j]≦Xi<x1[j+1]の中で、補間値Yは、X1の三次関数として近似される。三次関数の係数は、補間間隔境界において、補間がx1に対するyの有限差分導関数とデータベースのyの値との両者を適合するように選ばれる。点x1[j]での導関数y′(x1[j])は以下のように推測される。
【0077】
【数7】
【0078】
これは、点jが内点である、すなわち、0<j<Mであると仮定している。境界点(j=0またはj=M)ではこの方法で導関数を推測できないため、境界間隔内では三次補間を適用しない。代わりに、境界間隔では三点二次補間を適用し得る。
【0079】
一次元三次補間アルゴリズムは以下のように進行する。まず、X1は内側サンプリング間隔内にあると仮定される。
【0080】
x1[j]≦X1<x1[j+1] 1≦j<M−1 式16
x1の以下のデータベースサンプリング値が定義される。
【0081】
C0[−1]=x1[j−1], C0[0]=x1[j]
C0[1]=x1[j+1], C0[2]=x1[j+2] 式17
次に、以下の量を計算し、
【0082】
【数8】
【0083】
補間されたY値を得る。
Y=C1[−1]y(x1[j−1])+C1[0]y(x1[j])+C1[1]y(x1[j+1])+C1[2]y(x1[j+2]) 式23
前述のN次元補間アルゴリズムを変形して、以下のように、特定のパラメータxi(またはパラメータの任意の組合せ)に対する三次補間を受入れることができる。まず、式10に表われるji指数は、1≦ji<Mi−1の範囲内になければならない。(これは、xiに対応する特定の下付き文字iのためである。)式11および14に表われる対応の指数kiは、ki=−1,0,1または2の値をとる。式12は変更しなくても当てはまるが、式13は変形され、式19−22を一般化することにより、4つの量Ci[…ki−1,−1,ki+1,…],Ci[…ki−1,0,ki+1,…],Ci[…ki−1,1,ki+1,…]およびCi[…ki−1,2,ki+1,…]を規定する(すなわち、それぞれの左側項については、これらの4つの式を式19−22に代入し、かつ、tの代わりにtiを代入する)。
【0084】
上記のように、三次補間法は境界間隔(ji=0またはji=Mi−1)においては当てはまらない。3つ以上の点でxiをサンプリングすると仮定すると(Mi≧2)、境界間隔では三点二次適合を適用し得る。たとえば、一次元の例の場合、j=0ならば、式23の項y(x1[j−1])は未定義である(すなわちデータベースにない)のでC1[−1]項が省略され、X1がx1[0],x1[1]またはx1[2]に等しい場合に補間Y値がデータベースに一致するように二次係数を選択するならば、C1[0],C1[1]およびC1[2]はtの二次関数である。この適合関数は、間隔x1[0]≦X1<x1[1]において用いられる。(一次補間の例のように、X1<x1[0]の値については二次適合関数を外挿することができる。)隣接する間隔(x1[1]≦X1<x1[2])で三次補間を適用すると、補間Y値は、X1=x1[1]においてX1に対して、連続的でありかつ連続して微分可能(滑らか)である。(この理由は、式15がX1=x1[1]での三次適合関数の導関数を規定し、これがたまたまいずれの二次関数に対しても正確な単位元でもあるからである)。
【0085】
補間係数CN[k1,k2,…]は好ましくは予めコンピュータ処理されないが、測定プロセスの間にリアルタイムで生成されるため、補間はデータベースに記憶される光学的応答特徴にしか依らない。さらに、Xに対するYの導関数もリアルタイムでコンピュータ処理可能である。補間方法は、補間係数または導関数などのいずれの外部データをデータベースに記憶することも必要としない。(そのような情報をデータベースに記憶して測定ランタイム効率を向上させることができるが、その向上は最小限であるのが典型的であり、データベースのサイズおよび生成時間の増大によって相殺されてしまう。)先行技術の説明で考察された例に戻って、各パラメータx1,…xNの範囲がM個のサンプル間隔(すなわちパラメータ当たりM+1個のサンプル点)に分割されると、先行技術の例(範囲分割)で必要な(N+1)MN個の較正点と比較して、データベース中の補間点の総数は(M+1)Nである。大きなMおよびNのためには、この発明の方法は、データベースサイズにおいて、先行技術の方法よりも約N倍有利である。
【0086】
上記補間方法は、この発明の好ましい実施例を表わす。たとえば、三角形もしくはシンプレックス形状のサンプリンググリッド上で、一次もしくは二次補間または多次元スプライン補間などの、他の補間法も用いることができる。上記方法は、パラメータ空間の矩形領域にわたって均一な間隔でパラメータをすべてサンプリングするため、制約があるように見受けられるかもしれない。しかしながら、アルゴリズム設計者は、補間パラメータをどのように定義するかという点に大きな自由度を有するので、この限定は大いに相殺される。たとえば、プロファイル線幅を補間パラメータとして識別するのではなく、小さな線幅が大きな線幅よりもより細かくサンプリングされるように関数マッピングを選ぶのであれば、均一にサンプリングされる補間パラメータの非線形関数として線幅を表わすことができる。多くの変形の補間方策が可能である。この変形の範囲内での、補間方法の主な区別的特徴とは、それが、補間点を含むパラメータドメインにわたる補間パラメータの実質的に連続した関数を規定することと、補間された光学応答特徴が補間点における理論的光学応答特徴に実質的に一致することとである。
【0087】
適合最適化アルゴリズム
適合最適化アルゴリズムは、測定サンプルの測定光学信号特徴と、対応の補間光学応答特徴から定められる複数の予測光学信号特徴とを反復して比較して、サンプルの測定パラメータを規定する最適なパラメータセットを見出す。
【0088】
予測光学信号特徴は、補間モデルから得られる補間光学応答特徴から定められる。いくつかの適用例では、「信号」および「応答」特徴は同一のものであり得、この判定にさらなる計算は必要ない。より一般的に、光学応答特徴は、複素反射率係数などの量または量の合成であり、これから、信号特徴がリアルタイムで(すなわち測定信号を獲得した後で)計算される。この計算はいくつかのステップを含む。まず、補間データベースで表わされる光学応答特徴が(図4の回折反射ゾーン401または、図5Aもしくは図5Bの回折層501などの)サンプルの構成要素を特徴付けるにすぎない場合、補間される特徴を他のサンプル構成要素の光学応答特徴と組合せて、サンプル全体としての組合せ光学応答特徴を入手する必要がある。他の構成要素の応答特徴は、それら自身の補間モデルから同様に得られ得るかまたは、リアルタイムで理論から直接に入手され得る。(たとえば、非回折層の光学的応答特徴は、非常に容易にかつ迅速に理論からコンピュータ処理可能である)。
【0089】
サンプルの光学的応答特徴を定めたので、これを器具関連の特徴と組合せて、測定サンプルおよび光学器具を含む光学系の光学的応答特徴を入手する必要があろう。たとえば、器具の照射および集光光学系の偏波特性を、ジョーンズ行列(またはこれに代えてミュラー行列)によって別個に表わしてもよく、これをサンプルの応答特徴と組合せて、光学系全体(照射光学系、サンプルおよび集光光学系)のジョーンズ(またはミュラー)行列を計算する。測定信号を獲得するにつれて器具の偏波または他の特徴が変化する場合、多数の器具構成の各々毎にこの計算を繰返してもよい。(たとえば、楕円偏光計は典型的に偏波変調素子を有し、その測定信号特徴は典型的に、変調素子のさまざまな状態と関連の信号の合成である。)光学系の応答特徴を用いて、光センサ素子上での電磁界強度を効果的にシミュレーションすることにより予測信号特徴を計算する。各センサ素子は、波長範囲を含むかまたはサンプルでの入射もしくは集光方向の範囲に対応する放射に応答し得るため、この計算は波長または方向の合計を含み得る。(器具の光学的コヒーレンス特性に依存して、方向の合計は、異なる入射または集光方向に対応する光学応答成分の、コヒーレントな、コヒーレントでない、または、部分的にコヒーレントな重ね合わせを表わし得る)。
【0090】
予測信号計算に入る器具関連データは、時間とともに器具の間で変化する光学的較正および照射源強度などのファクタを含み得る。しかしながら、予測信号特徴にこれらのファクタのすべてを組入れるよりもむしろ、これらのファクタのうち少なくともいくつかを逆の態様でセンサ信号データに適用して、最小限の器具依存性を有しかつ主にサンプルのみの関数である、「有効」反射率またはストークスベクトルなどの測定信号特徴を得るのがより典型的である。(理想的には、器具依存性を有しない測定信号特徴を入手したい。しかし、常にこれが可能であるとは限らず、適合最適化アルゴリズムが信号特徴の器具依存性を無視する場合、測定精度が悪影響を受け得る)。
【0091】
従来、信号特徴は、器具とは独立してサンプルを特徴付ける、tanΨおよびcosΔなどの偏光解析量(参照文献12,16)または反射率データを含む。しかしながら、実際の検出器信号レベルにより密接に関する量に信号特徴を規定することに対する実際的利点が存在し得る。たとえば、偏光解析法の文脈では、tanΨは特異点を呈する可能性があり、cosΔは、測定アルゴリズムの数値的安定性および精度に影響を及ぼし得る急激な飛躍または不連続部を呈する可能性がある。さらに、tanΨおよびcosΔは一般的に統計的に相関しており、このことは適合最適化アルゴリズムを複雑にする。(アルゴリズムは、tanΨとcosΔとの間の共分散を考慮する必要があろう。)こうした複雑性は、実際のセンサ信号レベルに対応するかまたは密接に関する信号特徴に測定を基づかせることによって回避することができる。この観点から、「ストークスベクトル」および「ミュラー行列」成分(参照文献17,セクション22.14)は好適な信号特徴である。(たとえば、従来の回転偏波偏光解析器のためのミュラー行列は、センサ信号に対する線形依存性を有する2つの独立した無次元ファクタ、すなわち、cos(2Ψ)およびsin(2Ψ)cos(Δ)を含む。)測定器具特徴についての理想的かつ不正確な仮定に訴えずにセンサ信号データから反射率などの量または従来の偏光解析パラメータを計算することが常に可能とは限らず、信号特徴がこのような器具独立形態になってしまう場合に、測定精度がいくらか失われるのは不可避である。しかしながら、いくらかの器具依存性を有するが、それにも拘らず、従来の量に近い類似性を有する、「有効反射率」(たとえば、式3のR)または「有効ストークスベクトル」などの信号特徴を規定することが可能である。(典型的に、「有効」量は、反射ゾーンまたは波長もしくは入射方向の平均または合計である)。
【0092】
予測光学信号特徴および測定光学信号特徴を比較し、典型的には、χ二乗計量(χ2)などの「適合計量」(fit metric)の観点で比較適合誤差を定量化する。これは以下のように定義される。
【0093】
【数9】
【0094】
この定義で、yは、複数の信号成分yj(たとえば、異なるセンサ素子または異なる器具構成からの信号)を含む測定可能な信号特徴を表わし;xは、測定パラメータ(たとえば膜厚、線幅など)のセットを示し;
【0095】
【数10】
【0096】
(以下、yj pred(x)と表記)はxに対する予測信号を表わし;
【0097】
【数11】
【0098】
(以下、yj measと表記)は測定信号特徴を表わし;かつ、wtjは非負の重み付けファクタである。前述のように、yj measの定義は、器具の光学的較正および照射源強度などのファクタとセンサ信号データとを組入れ得る。yj pred(x)の定義も、サンプルパラメータ依存性だけでなく、そのような器具関連ファクタも含み得る。アルゴリズム設計者は、(たとえば、共通の加法的シフトを適用することまたは両方の項から共通のファクタを除算することにより)yj measとyj pred(x)との間の器具関連ファクタを割り振る際のいくらかの自由度を有する。
【0099】
χ2計量の特性は、常に非負であることと、すべてのjについてyj pred(x)とyj measとの間に完璧な一致がある場合におよび完璧な一致がある場合にのみ0であるということである。χ2計量に基づく適合最適化アルゴリズムの目的は、χ2を最小化する測定パラメータセットxを求めることである。式24でwtjを1に設定すれば、χ2は、MMSEアルゴリズムが用いる適合計量と同様である。しかしながら、wtjをyj measの逆分散と定義することによって、測定精度を最適化することができる。
【0100】
【数12】
【0101】
式24および25のχ2の定義は、測定される量yj measが統計的に相関していないと仮定している。これは、有意義な統計的不確定性がyj pred(x)項に導入される少なくとも程度には、yj pred(x)の計算が実験データ(たとえば、照射源強度データ)に依存しないとも仮定している。これらの可能性を含むより一般的なχ2の定義は、以下のとおりである。
【0102】
【数13】
【0103】
この式で、ypred(x)およびymeasは、yj pred(x)およびyj meas要素を含む列行列(column matrices)であり;cov ypred(p)およびcov ymeasは関連の共分散行列であり;Tの上付文字は行列転置を示す。
【0104】
好ましい実施例では、適合最適化アルゴリズムは反復してxを調節してχ2を最小化する。この文脈で、xは「試行測定パラメータセット」である(すなわち、各測定パラメータに1つずつの、数値の順序集合である)。xは「試行補間パラメータセット」を含み、その要素は補間パラメータに対応する。(xは、この発明の主題の回折構造と関連していない他のサンプルパラメータも含み得る。)最小化法は、2つの段階、すなわち、先行「グリッド探索」と、その後の「洗練」とを含む。
【0105】
第1の段階で、試行測定パラメータセットの多次元グリッドを定義し、グリッド上のすべての点xについてχ2を計算する。(この文脈で、「グリッド点」は「試行測定パラメータセット」と同義である。いくつかの実施例では、グリッド点はデータベース補間点に対応し得る。)その後の洗練のため、1つ以上の試行パラメータセットをグリッドから選択する。図8は選択プロセスを概念的に図示する。
【0106】
グリッド探索は、グリッド点を含むパラメータドメインにわたりχ2のグローバル最小値に潜在的に近いものであり得るパラメータセットを求めてグリッド点を走査する。最も低いχ2を有するグリッド点を選択するだけでは不十分である。というのは、図8に図示されるように、この戦略は、グリッド点の限られたサンプリング密度のために誤った結果を生じる可能性があるからである。たとえば、曲線801はスカラパラメータ値xの関数としてχ2を図示する。グリッド点(たとえば点802)は、曲線801上の二乗として表わされる。グリッド上の最も低いχ2は点802であるが、真の最小値(および正しいxの値)は、グリッド点804と805との間にある点803に位置する。
【0107】
グリッド探索がグローバルχ2最小値をミスしないのを確実にするため、まず、グリッド上のすべてのローカル最小値を求める。図8では、グリッドローカル最小値は、点802、805および806である。ローカル最小値探索は、典型的に、点806などの多数の点を見出すが、これらの適合は非常に不十分であり、正しい解に近くないことが明らかである。χ2しきい値基準を適用することによって不良点を取除く。しかしながら、ここでも、データベースの限られたサンプリング密度により、χ2しきい値上のすべての点を単に排除するだけでは不十分である。たとえば、この戦略を適用する場合、図8のしきい値レベル807は、グローバル最小値803に最も近いグリッド点805を排除するが、誤った最小値802を受入れる。この問題は、点に集まった±1/2グリッド間隔内でどれだけχ2が変化し得るかの控えめな推定を表わす、(点806に対する範囲808などの)各々のローカル最小値毎に「不確定性範囲」を定めることと、不確定性範囲全体がしきい値よりも上にある点のみを除去することとによって回避される。各々の不確定性範囲は対応のグリッド点に集められ、その範囲の高さは、ローカル最小値と任意の隣接するグリッド点との間の最大χ2差である。(たとえば、範囲808の高さは、点806と809との間のχ2差に等しい。)図8では、点802と805との不確定性範囲はしきい値807より下に及ぶため、その後の洗練のためにこれらの点を受入れる一方で、点806を拒絶する。ローカル最小値およびχ2しきい値基準をパスするグリッド点が洗練段階に通される。
【0108】
図8に図示されるグリッド探索戦略は、複数の測定パラメータ値が存在しかつ、xが多次元パラメータ探索範囲に及ぶベクトル値エンティティであるより一般的な場合には直接に一般化される。この場合、χ2は多次元グリッド上でサンプリングされる。ローカル最小値が識別され、各点のχ2値と(斜め方向の近接を含む)隣接点の値との比較に基づいて、各最小値毎に不確定性範囲が定められる。さらなる洗練のため、不確定性範囲がχ2しきい値よりも少なくとも部分的に下に及ぶ点を選択する。
【0109】
その後の洗練のため、各々の選択されたグリッド点を「シード」として用いる。洗練は、xを調節してχ2を最小化する自動最小化アルゴリズムによって行なわれる。(このプロセスでは、xは、グリッドまたは補間データベースに表わされる離散点に限定されるものではなく、規定されたパラメータドメイン内で連続して変化することができる。)最小化アルゴリズムは、規定された終了基準が満たされるまで(たとえば、xまたはχ2のインクリメンタルな変化が、あるしきい値よりも下になるまで)シード値から反復する。いくつかのミニマイザ(minimizer)が必要とするのは、パラメータ限界および終了しきい値と共に、χ2関数への抽象的インターフェイスを設けることのみである。しかしながら、以下のように定義される個々の適合誤差εjのベクトルをミニマイザに与えることにより、より良好なランタイム性能を達成することができる。
【0110】
【数14】
【0111】
χ2(式24)は、単に、合計を二乗した適合誤差であることに留意されたい。
【0112】
【数15】
【0113】
好適な最小化アルゴリズムは、MATLABの“lsqnonlin”ルーチンまたはIMSL“BCLSF/DBCLSF”もしくは“BCLSJ/DSCLSJ”ルーチンを含む。εjそのものと共に、x成分(測定パラメータ)に対するεjの一次導関数をミニマイザに与えることにより、ランタイム性能をさらに高めることができる。データベース補間法の有用な特徴は、これらの導関数を容易にコンピュータ処理できることであり、好ましくは、適合最適化アルゴリズムは導関数を利用すべきである。
【0114】
各々の選択されたグリッド点で洗練を行なった後、最小のχ2を有する洗練結果が測定結果として報告される。いくつかの実施例では、(より時間がかかるが)累進的により正確になる計算モデルを用いて、洗練段階をいくつかのサブステージに分けてもよい。たとえば、まず、光学応答特徴について一次補間モデルを用いて洗練を行い、次に(最小化アルゴリズムの初期終了基準が満たされた後)、三次補間を用いて洗練を継続してもよい。また、洗練を開始するときはまず、材料関連パラメータなどのいくつかの測定パラメータを固定して保持し、次に洗練が収束に近づくにつれて、変化させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術の「範囲分割」方法の図である。
【図2】2次元パラメータ空間の図である。
【図3A】回折線空間格子構造を含む測定サンプルの図である。
【図3B】孔の2次元アレイを含む回折構造の図である。
【図4】2つの反射ゾーンを含むサンプルの平面図である。
【図5A】1つの回折層を有する積層構造を含む測定サンプルの図である。
【図5B】2つの回折層を有する積層構造を含む測定サンプルの図である。
【図6A】測定パラメータxの関数としての、測定サンプルの複素反射係数rのプロットを示す図である。
【図6B】図6Aの反射係数に対応する反射率信号R=r2を示す図である。
【図7】光学応答特徴に対する区分的一次補間を示す図である。
【図8】適合最適化アルゴリズムにおける洗練のための試行パラメータセットの選択を示す図である。
[関連出願への相互参照]
この出願は、2000年8月10日に出願の米国仮出願番号第60/224,451号「下部構造の上に形成された回折構造のパラメータを測定する方法」(“Method of Measuring Parameters of a Diffractive Structure Formed over a Substructure”)および2001年2月22日に出願の第60/270,956号「データベース補間」(“Database Interpolation”)から、米国特許法第119条(e)により優先権を主張し、その開示が引用により援用される。
【0002】
【技術分野】
この発明は、回折構造を有するサンプルに対する、関心のあるパラメータの光学的測定に関し、特に、サンプルからの測定された光学的信号特徴のリアルタイム解析によりそのサンプルのパラメータ値を定めることにおける改良に関する。
【0003】
【背景技術】
(この明細書は以前に発行された文献を時折参照する。これらの文献の番号付きリストが、この部分の最後に「参照文献」と副題を付けて見出され得る。)
集積回路製造においては、半導体ウェハ上にパターニングされる微細構造の正確な測定が非常に望ましい。典型的に、光学的測定法が用いられるのは、そのような構造の高速かつ非破壊的測定においてである。そのような方法を用いると、測定サンプル上の小さな区域が1つ以上の波長を含む光放射で照射され、サンプルによって反射または回折された放射の特徴(たとえば、反射強度、偏波状態または角分布)を測定することにより、照射区域の上のサンプル特性が定められる。
【0004】
この開示は、基板の上または中に形成される回折構造を含み、その構造中の横方向の材料不均質性が光回折効果を生じさせるサンプルの測定に関する。横方向不均質性が周期的でありかつその周期が照射波長よりもかなり小さい場合、ゼロ次(zeroth order)以外の回折次数(diffracted order)はすべてエバネッセントであり、直接に観察できないか、または、検出器具の視野の外側に散乱し得る。しかし、それにも拘らず、横方向構造外形がゼロ次反射率に大きく影響を及ぼす可能性があり、これにより、照射波長よりも遥かに小さい構造特徴を測定できるようになる。
【0005】
回折構造に適用可能なさまざまな測定方法が先行技術で公知である。参照文献7は、多数のこれらの方法を検討している。最も直接的な方策は、マクスウェル方程式に基づいて厳格な理論モデルを用い、サンプル測定パラメータ(たとえば膜厚、線幅など)の関数として、サンプルの予測される光学的信号特徴(たとえば反射率)を計算し、モデルの測定パラメータを調節して、理論的光学信号と測定光学信号との間の不一致を最小化することである(参照文献10,14)。(注:この文脈で、単数形の「特徴」という用語は、ベクトルまたは行列などの複合体を表わし得る。特徴の成分は、たとえば、異なる波長または集光角度での反射率を表わし得る。)測定プロセスは以下のステップを含む。まず、測定パラメータの試行値のセットを選択する。次に、これらの値に基づいて、(光学的材料および外形を含む)測定サンプル構造のコンピュータ表示可能モデルを構築する。サンプル構造と照射放射との間の電磁的相互作用を数値でシミュレーションし、予測される光学的信号特徴を計算する。これが測定された信号特徴と比較される。自動適合最適化アルゴリズム(fitting optimization algorithm)は試行パラメータ値を反復して調節し、上記プロセスを繰返して、測定された信号特徴と予測される信号特徴との間の不一致を最小化する。(最適化アルゴリズムは、典型的に、信号特徴成分の平均二乗誤差を最小化し得る)。
【0006】
上記プロセスは非常に正確な測定能力を与えることができるが、構造の外形をコンピュータ処理する、および、測定最適化ループ内で電磁的シミュレーションを適用するというコンピュータ処理の負担のために、多くのリアルタイム測定適用例にとってこの方法が実際的でなくなっている。コンピュータ処理のネックを回避するため、さまざまな代替的方策が開発されたが、通常は、測定性能を損なうという犠牲を払っていた。
【0007】
1つの代替的方策は、正確な理論モデルを、ある限定されたパラメータ範囲上の測定パラメータの線形関数として光学的信号特徴を表わす近似モデルと置換えることである。この方策のいくつかの変形が存在し、それには、逆最小二乗(ILS)、主成分回帰(PCR)および部分最小二乗(PLS)が含まれる(参照文献1−5,7,11,15)。近似モデルの線形係数は、「較正」データセット中の正確なデータ点と近似データ点との間の平均二乗誤差を最小化する多変量解析技術によって定められる。(経験的測定または正確な理論モデリングシミュレーションのいずれかから較正データを生成し得る。これは測定の前に行なわれるため、較正プロセスが測定時間に影響を与えることはない。)さまざまな線形モデル(ILS,PCR,PLS)は、用いられる統計解析法のタイプにおいて異なる。
【0008】
線形モデルには2つの基本的な限定が存在する。第1に、線形近似は、限られた範囲の測定パラメータ値に対してしか適用できない。第2に、この範囲内では、近似モデルは一般的に較正データ点への正確な適合を与えない。(較正データが経験的に定められている場合、モデルが正確にデータに適合することが望まれないことがある。その理由は、実験ノイズによってエラーが持ち込まれている可能性があるからである。しかし、データが理論モデルから定められている場合、較正データ点に少なくとも適合する近似モデルを用いることが好ましい。)これらの不足は、非線形(たとえば二次)関数近似を用いることによって部分的に補うことができる(参照文献7)。この方策は線形モデルの限定を緩和するものの、これを排除するわけではない。
【0009】
関数(線形または非線形)近似モデルのパラメータ範囲限定は、パラメータ範囲全体を多数の部分領域に分割し、各部分領域毎に異なる近似モデルを用いる(参照文献7)「範囲分割」法で拡張可能である。この方法は図1に概念的に図示され(参照文献7の図2参照)、この図は、線幅パラメータなどの測定パラメータxと特定の集光角および波長でのゼロ次サンプル反射率などの光学的信号特徴yとの間の関係を表わす。(実際には、線幅、膜厚などの複数の測定パラメータと、異なる波長または集光角での反射率などの複数の信号成分との間の関係をモデリングすることに関心がある。しかしながら、図1に図示する概念は、より一般的な例にも等しく当てはまる。)較正データ点(たとえば点101)のセットは、経験的にまたは理論モデリングによって生成される。xパラメータ範囲は2つ(またはそれ以上)の部分領域102および103に分割され、較正点のセットは、各々の点がどの部分領域にあるかに依存して、対応のサブセット104および105に分けられる。統計解析技術を各サブセットに適用し、部分領域102には線形モデル106および部分領域103にはモデル107など、各部分領域毎に別個の近似モデル(たとえば線形モデル)を生成する。
【0010】
関数近似モデルに固有の限定だけでなく、範囲分割法はさらなる欠点を有する。関数近似は各部分領域内で連続的でありかつ滑らかであるが、部分領域間に不連続部(図1の不連続部108など)を呈することがある。これらの不連続部は、光学信号データから測定パラメータを推測する最適化アルゴリズムにおいて数値的な不安定を生じ得る。不連続部はプロセス監視および制御にとっても問題であり得る。なぜなら、プロセス条件の小さな変化により測定値が大きく不連続に飛躍してしまう可能性があるからである。
【0011】
範囲分割モデルの別の欠点は、多数の較正点が必要になることおよびモデルの中に記憶すべきデータが大量であることである。図1の図示では、各部分領域は以下の形態の単純な線形近似モデルを用いる。
【0012】
【数1】
【0013】
ここでaおよびbは較正係数である。aおよびbを定めるには、部分領域当り少なくとも2つの較正点が必要であり(一般的に、各部分領域にわたり良好な統計サンプリングを行なうには3つ以上を用いる)、各部分領域毎に2つの係数(aおよびb)を記憶しなければならない。部分領域がM個存在する場合、較正点の総数は少なくとも2M個でなければならず、較正係数の数は2Mである。N個の測定パラメータx1,x2,…xNが存在するより一般的状況を考察すると、線形近似は以下の形態をとる。
【0014】
【数2】
【0015】
各パラメータ範囲がM個の部分領域に分割される場合、パラメータ部分領域のすべての組合せをカバーするのに必要な別個の線形近似モデルの数はMN個であり、組合せ当りの較正パラメータの数(a1,a2,…aN,b)はN+1である。したがって、較正係数の総数(および較正データ点の最小限必要な数)は(N+1)MNである。たとえば、図2は、2つのパラメータx1およびx2がとるパラメータ空間を図示する。x1の範囲は3つの部分領域201、202および203に分割され、x2の部分領域は3つの部分領域204、205および206に分割される。この場合、N=2、M=3であり、x1およびx2の部分領域の組合せ207…215の数は32=9であり、線形較正係数の数は(2+1)32=27である。さらに一般化すると、光学信号特徴(y)が(たとえば異なる波長について)複数の信号成分を含む場合、較正係数の数は成分の数に比例して増加する。さらに、非線形(たとえば二次)部分領域モデルを用いる場合、較正点および係数の数は莫大になる。
【0016】
別の測定方策、すなわち最小平均二乗誤差解析(MMSE、参照文献2−9,11,13,15)は、上述の範囲分割法の単純な代替案を提供する。この方策を用いると、多様な測定構造を表わす予めコンピュータ処理された理論的光学信号特徴のデータベースを探索し、サンプルの測定光信号と比較し、(平均二乗誤差適合基準の観点で)最適比較によって測定結果を定める。(上記参照文献は主として、スキャッタメータ測定法および分光分析に関するものであるが、MMSE型の技術は偏光解析法の文脈にも適用された。参照文献12および16を参照。)MMSE法は光信号中の強い非線形性をモデリングすることができる。しかし、この方法は、範囲分割のように、データベースの離散的パラメータサンプリングにより、問題となる、測定結果の不連続部を呈する可能性がある。
【0017】
これら先行技術の方法はすべて測定分解能と精度との間の妥協を伴なう。MMSE方策は、仮定される、光学信号のいかなる関数形態によっても限定されるものではないため、良好な精度を有し得る。しかし、測定分解能は基本的にパラメータサンプリング密度によって限定される。これに対し、関数近似モデルは、モデリングされた信号が較正範囲にわたって測定パラメータの連続的かつ滑らかな関数であるという意味において、較正データ点間の「補間」を行なうことができ、したがって、そのようなモデルは本質的に限定されない測定分解能を有し得る。しかしながら、「補間」という用語はこの文脈では誤った呼び方である。なぜなら、関数モデルは較正データ点を正確に適合するわけではなく、それらの精度は不適合によって限定されるからである。(たとえば、参照文献11が線幅および厚みパラメータについて5−10nmの適合精度を報告している)。
【0018】
[参照文献]
1. R.H. Krukar et al, 「半導体臨界寸法計測および較正のための散乱光モデリングの使用」(“Using Scattered Light Modeling for Semiconductor Critical Dimension Metrology and Calibration“)、SPIE 1926, pp.60−71 (1993)。
【0019】
2. C.J. Raymond et al, 「リソグラフィのためのスキャッタメータ計測センサ」(“A scatterometric sensor for lithography“)、SPIE Proc. 2336, pp.37−49 (1994)。
【0020】
3. C.J. Raymond et al, 「光学スキャッタメータ計測を用いたサブ波長フォトレジスト格子の計測」(“Metrology of subwavelength photoresist gratings using optical scatterometry“)、J. Vac. Sci. Technol. B, Vol.13(4), pp.1484−1495 (1995)。
【0021】
4. M.R. Murname et al, 「0.24um−0.70um現像フォトレジスト計測のためのスキャッタメータ計測」(“Scatterometry for 0.24um−0.70um developed photoresist metrology“)、SPIE Proc. 2439, pp.427−436 (1995)。
【0022】
5. M.R. Murname et al, 「スキャッタメータ計測を用いたサブ波長フォトレジスト格子計測」(“Subwavelength photoresist grating metrology using scatterometry“)、SPIE Proc. 2532, pp.251−261 (1995)。
【0023】
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【0024】
7. J. Bischoff et al, 「光散乱に基づくフォトレジスト計測」(“Photoresist metrology based on light scattering“)、SPIE Proc. 2725, pp.678−689 (1996)。
【0025】
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【0026】
9. C.J. Raymond et al, 「エッチングされた構造のCD測定のためのスキャッタメータ計測」(“Scatterometry for CD measurements of etched structures“)、SPIE Proc. 2725, pp.720−728 (1996)。
【0027】
10. B.K. Minhas et al, 「スキャッタメータ計測を用いた、サブ0.1umに向けてのCD測定」(“Towards sub−0.1um CD measurements using scatterometry“)、SPIE Proc. 2725, pp.729−739 (1996)。
【0028】
11. J. Bischoff et al, 「光散乱に基づくマイクロ計測」(“Light scattering based micrometrology“)、SPIE Proc. 2775, pp.251−259 (1996)。
【0029】
12. Xinhui Niu, 「DUVリソグラフィにおける鏡面分光スキャッタメータ計測」(“Specular Spectroscopic Scatterometry in DUV Lithography“)、SPIE 3677, pp.159−168 (1999)。
【0030】
13. J. Allgair et al, 「プロセスモニタのためのスキャッタメータ計測実現のための製造上の考慮」(“Manufacturing Considerations for Implementation of Scatterometry for Process Monitoring“)、Proc. SPIE 3998, pp.125−134 (2000)。
【0031】
14. Conrad, 米国特許第5,963,329号。
15. McNeil, 米国特許第5,867,276号。
【0032】
16. Xu, WO99/45340。
17. 光学ハンドブック第2版第2巻(Handbook of Optics, Second Edition, Volume 2)、米国光学学会 (1995)。
【0033】
18. 「積層回折格子をモデリングするための2つの再帰的行列アルゴリズムの公式化および比較」(“Formulation and comparison of two recursive matrix algorithms for modeling layered diffraction gratings”)、Journal of the Optical Society of America, Vol.A13, No.5, May 1996。
【0034】
【発明の開示】
この発明は、回折構造を含むサンプルの、関心のあるパラメータを測定するための方法であり、この方法は、補間と組合せてデータベース探索技術を用いて測定分解能と精度との間のトレードオフを回避する。この方法のステップの概要は以下のとおりであり、個々にはより詳細に後述される。(ステップ間の依存性によって順序が制約されるのを除き、ここに示されるとおりの順序でステップを行なう必要はない)。
【0035】
まず、理論モデルを与え、ここから、測定パラメータに対応する1つ以上の「補間パラメータ」のセットの関数として、回折構造の理論的光学応答特徴を計算することができる。理論モデルは2つの主な要素を含む。すなわち、補間パラメータ値のいずれの試行セットも(光学的材料および外形を含む)回折構造のコンピュータ表示可能モデルに変換するための方法と、回折構造内で電磁的相互作用を数値でシミュレーションして理論的応答特徴を計算するための方法とである。
【0036】
次に、「補間点」および対応の光学応答特徴のデータベースを生成する。各補間点は、特定の補間パラメータ値からなる特定の補間パラメータセットで規定される。理論モデルを各補間点に適用して、その対応の理論的光学応答特徴を計算し、これをデータベースに記憶する。
【0037】
「補間モデル」がデータベースを用い、補間パラメータセットの関数として補間光学応答特徴を計算する。補間モデルは理論モデルへの近似を与えるが、計算上のオーバヘッドはない。規定されたパラメータドメイン内の任意の試行補間パラメータセットを与えられると、補間モデルは、データベース上での補間(または恐らくは外挿)により、対応の近似光学応答特徴をコンピュータ処理する。(パラメータドメインは典型的にデータベースによって限定されるが、時には外挿を用いてデータベース限界の外側にドメインを拡張することができる。本明細書中では、「補間」という用語を、外挿を含むように広く解釈することができる。)回折構造の内部形状をモデリングする必要はなく、構造内の電磁相互作用を補間モデルでシミュレーションする必要はない。したがって、回折構造の直接理論モデリングの計算上のオーバヘッドが回避される。補間モデルは、補間パラメータセットを光学応答特徴にマッピングする、実質的に連続した関数を表わす。すなわち、これは、範囲分割およびMMSEなどの先行技術の方法の不連続部または打切りを呈しない。さらに、補間は近似であるが、補間された光学応答特徴は、データベース中に表わされる補間点での理論的光学応答特徴に正確に一致する。したがって、それには先行技術の関数近似法の精度限定がない。(「補間」という用語は、補間点に適合する適合関数を広く含意する。適合関数の一部を実際に外挿し得るため、この文脈では、「補間」と「外挿」との区別は重要ではない)。
【0038】
補間モデルは、サンプルの測定光学信号特徴に基づいてサンプルの測定パラメータを定める適合最適化アルゴリズムによって用いられる。補間モデルによって近似される理論的光学応答特徴は、必ずしも光学信号特徴または測定可能な量に直接に対応するとは限らない。しかしながら、予測される光学信号特徴は、補間のように、回折構造の内部形状をモデリングすることまたは構造内の電磁相互作用をシミュレーションすることを必要としない、コンピュータ処理上効率的なアルゴリズムを用いて、光学応答特徴から計算可能である。最適化アルゴリズムは連続した試行補間パラメータセットを自動的に選択し、補間モデルを適用して対応の補間光学応答特徴を計算し、これらから、対応の予測光学信号特徴を計算する。これらが測定光学信号特徴と比較される。アルゴリズムは、比較誤差最小化法に基づいて試行パラメータセットを選択し、規定された終了基準が満たされるまで、規定された比較誤差計量(metric)を反復して減じる。
【0039】
測定された光学信号特徴は、サンプルから回折された放射を検出する光センサシステムを含む測定器具によって獲得される。この器具は、適合最適化アルゴリズムを測定された信号データに適用して測定結果を生成するコンピュータ処理ハードウェアをさらに含む。結果生成の後、器具は、回折構造の外形のコンピュータ処理的またはグラフィック表示も生成し得る。しかしながら、この表示は、対応の予測光学応答または信号特徴を計算するのに必ずしも必要なわけではなく、データベース中の特定のパラメータセットに対応する必要はない。
【0040】
【この発明を実行するための最良モード】
測定器具
測定器具は、放射源と、放射を測定サンプルに伝えるための照射光学系と、サンプルから反射または回折された放射を光センサシステムに伝えるための集光光学系と、器具を制御しかつセンサシステムからの光信号データを測定結果に変換するコンピュータ処理ハードウェアとを含む。典型的に、器具は、波長、照射および集光方向(各方向はサンプルに対する極角および方位角を特徴とする)、照射偏波状態ならびに集光光学系の偏波特徴などの1つ以上の制御変数の関数として信号データを集める。器具は制御変数を走査してもよくまたは、変数の複数の値を同時にサンプリングする複数のセンサチャネルを有してもよい。(たとえば、照射波長を走査してもよくまたは、システムは分光検出器と共に広帯域照射を用いて複数の波長信号を同時に感知してもよい。)典型的に、各センサチャネルは、波長、角度および偏波状態のゼロでない範囲を含む放射に応答するが、予測される信号特徴と測定された信号特徴との間の良好な適合を得るためには、適合最適化アルゴリズムはこのことを考慮する必要があろう。
【0041】
上記説明は、異なる測定タイプ(スキャッタメータ測定、分光分析、偏光解析法およびハイブリッドタイプ)と関連のさまざまな器具に及ぶ。異なる「信号」特徴は、これらさまざまな適用例(たとえば、スキャッタメータ測定については反射率対入射角、分光分析については反射率対波長、ならびに、偏光解析法についてはプサイおよびデルタなどの偏光解析パラメータまたはストークスベクトル係数など)と関連付けられる。しかし基本レベルでは、これらすべての測定タイプは、センサ信号データを測定結果に変換することとなり、この発明の一般的データベース補間法は、これらすべての測定タイプに等しく十分に適用する。
【0042】
測定サンプル
典型的な適用例では、測定サンプルは、その外形が特定の方向への平行移動に対して不変である周期的線空間格子(line−space grating)構造である。たとえば、図3Aは、平坦な基板上に形成される格子線を含む線空間構造を図示する。この構造は、Z方向に平行移動的に不変であり、X方向に周期性次元(periodicity dimension)Λを有する。構造の外形はX−Y平面の二次元断面を特徴とする。
【0043】
図3Bは、基板の中の孔の二次元アレイを含む別のタイプの測定サンプルを図示する。この外形は、X−Z平面で周期的に繰返される「格子セル」の観点で記載することができ、2つの基本的な期間Λ1およびΛ2の観点を特徴とする。
【0044】
図3Aおよび図3Bに図示されるものなどの周期的構造は、放射のナロービームで照射されると、後方散乱放射がナロービームまたは「回折次数」の離散セットを含むという特性を有する。これらの次数は、散乱放射の鏡面反射(ゼロ次)成分を含む。一般的に、周期がより小さい構造はより少ない次数を生じ、周期性が十分に細かい場合、ゼロ次以外の次数は構造から伝播しない。測定器具は、特定の回折された次数または複数の次数を選択的に排除するかまたは受入れるように構成され得る。典型的な適用例では、ゼロ次のみを用いる。
【0045】
この発明の方法は、図3Aおよび図3Bに図示されるものなどの厳密に周期的な構造に限定されるものではない。準周期的なまたは非周期的なサンプルタイプにも適用可能である。たとえば、図4は、2つの反射ゾーン、すなわち、回折線空間構造を含む第1のゾーン401と、横方向に均質な隣接する第2のゾーン402とを含むサンプルの平面図を図示する。照射放射は両ゾーンにまたがる測定スポット403に及ぶ。
【0046】
測定サンプルは、図5Aまたは図5Bに断面で図示されるものなどの積層構造であるのが典型的である。図5Aは、非回折下部構造501と非回折上部構造503との間に挟まれた回折構造501を含むサンプルを図示する。非回折構造は各々複数の層を含み得る。これらは均質であってもよくまたは、屈折率勾配を有してもよいが、典型的には横方向に均質である(すなわち、屈折率は基板に対して垂直な方向にしか変化しない)。これとは逆に、図5Bは、下部構造502が第2の回折層を含むサンプルタイプを図示する。
【0047】
この発明の方法をどのように適用するかに依存して、この方法の主題の「回折構造」を、サンプル全体として(またはより特定的には、測定スポット近傍のサンプルの一部として)またはサンプルの構成要素として解釈してもよい。たとえば、主題の回折構造は、図4の回折ゾーン401であるかまたは、図5Aもしくは図5Bの回折層501であり得る。
【0048】
理論モデル
理論モデルには基本構成要素が2つある。すなわち、(光学的材料および外形を含む)回折構造のモデルと、サンプルの回折光学特性を定める、回折サンプル内の電磁相互作用のモデルとである。この発明の方法の主題の理論モデルは必ずしもサンプル全体を特徴付けるわけではなく、サンプルの多数の構成要素のうち1つにしか過ぎないであろう、主題の回折構造を特徴付ける。主題の理論モデルは、それ自体が、サンプル全体を特徴付けるより広い理論モデルの構成要素であり得る。
【0049】
測定サンプル構造は典型的に、1つ以上の「サンプルパラメータ」(たとえば、線幅、層の厚み、材料パラメータ)の関数としてコンピュータ処理的に表わされる。サンプルパラメータのいくつかは予めわかっており、いくつかは測定で定められる。後者の「測定パラメータ」のうち、いくつかまたはすべてが主題の回折構造と関連する。本明細書中ではこれらを「補間パラメータ」と称する。理論モデルは、補間パラメータ値の順序集合(各補間パラメータ毎に1つの値)と対応の回折構造構成(材料および外形)とを関連付ける関数マッピングを含む。任意の特定の補間パラメータセットを与えられると、理論モデルは回折構造のコンピュータ処理的表示を生成し、回折構造の内部を通る放射の電磁的伝播の、数値によるシミュレーションを行なう。電磁的シミュレーションに基づき、理論モデルは回折構造の理論的光学応答特徴を計算する。いくつかの適用例では、この応答特徴を、サンプルの他の構成要素(たとえば、図4の非回折構造402または、図5Aもしくは図5Bの下部構造502もしくは上部構造503)の光学的応答特徴と組合せてサンプル全体を特徴付ける必要があろう。この組合せプロセスは、構成要素間のインターフェイスでの電磁相互作用をモデリングするステップ(すなわち、境界条件を適用するステップ)を含み得る。しかしながら、他の構成要素の応答特徴を生成し、それらを主題の回折構造の応答特徴と組合せるプロセスは、回折構造の内部形状(たとえばプロファイル形状)をモデリングすることまたは回折構造内の電磁的伝播をシミュレーションすることを必要としない。
【0050】
光学応答特徴は、反射率などの測定可能な量を含み得る。しかしながら、好ましい実施例では、応答特徴は、直接に測定不可能な複素反射率係数(または、後述される複素反射率係数の一般化)を含む。(測定可能な反射率は、複素反射率係数から計算可能な実数値の量である。)この方策の利点は、(必要な場合はリアルタイム測定プロセスの間に)単純に組合せて、サンプルの予測光学信号特徴を計算することができる別個の応答特徴で、主題の回折構造などのサンプルの個々の構成要素を表すことが可能なことである。(補間精度に関する別の利点も存在するが、これは後述される)。
【0051】
「信号特徴」とは、測定器具の光センサシステムが生成する信号から入手可能または計算可能な測定可能量である。信号特徴はサンプルおよび器具の光学的特徴に依存する。たとえば、予測される信号を計算する際、照射放射または集光光学系の偏波特徴を考慮する必要があろう。偏波などの、器具の光学的特徴は、データ獲得の間に制御し、器具ごとに異なり得る器具較正量によって表わし得る。典型的に、測定可能信号特徴はサンプル構造全体および器具特徴に依存し、一般的には、個々のサンプル構成要素または器具と関連の構成要素に分けることはできない。一方で、複素反射率タイプの量の場合は、しばしばそのような分け方をすることができる(かなりの偏波特性を呈する反射サンプルは、複素反射率係数の一般化である「反射率ジョーンズ行列」という観点で特徴付けることができる。ジョーンズ行列の説明については、参照文献17のセクション27.7を参照)。
【0052】
この発明の可能な使用を、同時係属中の特許出願「ウェハ上の中規模構造を測定する方法」(“Method of Measuring Meso−Scale Structures on Wafers”)(2000年12月11日出願、出願番号第09/735,286号)を参照して図示することができ、その開示が引用により本明細書中に援用される。この方法は、測定スポットが異なる反射率特性を有する複数の反射ゾーンにまたがり、サンプルの予測信号特徴が個々のゾーンの反射率の部分的にコヒーレントな混合として計算される測定に適用する。部分コヒーレンス混合モデルは、個々のゾーンの複素反射率係数r1,r2,…を必要とする。第09/735,286号出願に記載の混合モデルの実施例を以下に式3として再現する。
【0053】
【数3】
【0054】
この式のA,BおよびC項は、サンプルパラメータの関数またはサンプルパラメータであり得る「混合係数」である。(それらは器具の光学的特性の関数でもあり得る。)r項(複素反射率係数)は、反射ゾーンの光学応答特徴である。混合モデルは、サンプルの測定可能な信号特徴に対応する有効反射率Rを計算する。
【0055】
この発明の文脈では、混合モデルの反射ゾーンのうち1つは、この発明の主題の回折構造に対応する。たとえば、図4は、回折ゾーン401および非回折ゾーン402を含む2ゾーンサンプルを図示する。回折構造の複素反射率係数をr1で表わすと、この発明の主題の理論モデルは、補間パラメータの関数としてr1を計算する。この理論モデルは、式3に従って他の隣接するゾーンまたは複数のゾーンの光学応答特徴とr1とを組合せることにより、サンプルの信号特徴Rをコンピュータ処理する、より広い理論モデル、すなわち混合モデル、の構成要素である。
【0056】
図5Aおよび図5Bに図示されるものなどの多層構造は、各々がそれ自身の光学応答特徴で表わされる別個の構成要素(この場合は層)に同様に区分可能である。これらのタイプの構造の理論モデルは典型的に、平面波拡張として照射および回折放射を表わす。平面波は、空間的および時間的範囲で無限の単純化算術的抽象化(simplifying mathematical abstraction)である。各平面波は特定の伝播方向、波長および偏波状態を有する。周期的構造が平面波で照射されると、それは照射を散乱して、平面波の離散セットまたは、伝送および反射された次数の両者を含み得る「回折次数」をもたらす。偏位されない伝送次数(transmitted order)は「ゼロ次伝送次数」と称され、鏡面反射された反射次数は「ゼロ次反射次数」と称される。回折次数の複素振幅対入射平面波の複素振幅の比は「複素散乱係数」と称される。(これらは、反射次数に対する反射率散乱係数と、伝送次数に対する透過率散乱係数とを含む。)各次数は、次数の2つの構成成分偏波成分(たとえば直交線形偏波成分)に対応する2つのスカラ散乱係数を特徴とする。さらに、これらの係数の各々は入射照射の偏波状態に依存するため、2つの独立した入射偏波状態を考慮すると、各次数は、実際には、任意の特定の波長および入射方向に対応する4つの関連のスカラ散乱係数を有する。
【0057】
サンプルの理論的光学モデルは、入射平面波の方向、波長および偏波状態の関数として、1つ以上の回折次数の複素散乱係数を計算する。サンプル構造全体がこの発明の主題の回折構造とみなされる場合、個々の複素散乱係数のセットが構造の光学的応答特徴を構成し得る。主題の回折構造が図5Aまたは図5Bの要素501などの積層構造中の個々の層構成要素である場合、光学的応答特徴は、回折層の2つの境界面504および505での電磁界成分の複素振幅間の線形関係を表わす「散乱行列」を含み得る。同様に、サンプル中の他の層を散乱行列で表わし得る。異なる層の複数の散乱行列を組合せて、サンプル全体の複合散乱行列を形成してもよく、そこから散乱係数を容易に入手する。たとえば、隣接する層の散乱行列(S行列)を組合せるためのアルゴリズムが参照文献18に記載されている(特に式15Aを参照)。この刊行物に記載のS行列またはR行列定式のいずれかを用いて、回折層の光学的応答特徴を規定することができる。光学的応答特徴(S行列またはR行列のいずれか)を組合せるプロセスは、(少なくとも回折層については)層の応答特徴自体のコンピュータ処理よりも遥かに単純かつ迅速であり、リアルタイム測定プロセスの間に潜在的に行なわれ得る。
【0058】
この発明の主題の理論モデルは、理論的光学モデルの階層の構成要素であり得る。たとえば、主題の理論モデルは、図5Aまたは図5Bの多層構造中の回折層501を特徴付ける光学的応答特徴(たとえばS行列)を計算し得る。このモデルは、多層構造全体の光学的応答特徴を計算する第2段の理論モデルの構成要素であろう。この構造は、図4のゾーン401など、複数の反射ゾーンのうちのただ1つしか表わさないことがあり、構造の対応の第2段の理論モデルは、複数ゾーン測定サンプル全体の回折応答特徴を計算する(たとえば混合モデルなどの)第3段の理論モデルの構成要素であり得る。
【0059】
補間データベース
理論モデルは複数の「補間点」の各々に適用され、各点は、特定の補間パラメータ値からなる特定の補間パラメータセットによって規定される。各補間点毎に、回折構造の対応の光学的応答特徴が計算され、データベースに記憶される。典型的に、記憶される各光学的応答特徴は、異なる照射波長、入射方向および偏波状態と関連するが、すべてが同じ回折構造構成(材料および外形)と関連する散乱行列または複数の複素反射率係数を含む。関連の構造外形(たとえばプロファイル形状)のコンピュータ処理的表示はその後の測定プロセスには必要なく、データベースに記憶する必要はない。
【0060】
補間モデル
補間モデルはデータベースを用いて、データベースに必ずしも表示されない補間パラメータセットの光学応答特徴を推測する。補間モデルは、いずれの試行補間セットも対応の光学的応答特徴に関連させる連続関数を規定し、好ましい実施例では、応答関数は滑らかでもある(すなわち連続して微分可能である)。当然ながら、連続性および滑らかさはデータ打切りなどの実際的限定によって限定されることがあるが、関数は、データベースにおけるデータ打切りと比較して、いかなる実際の不連続部も重要でないという意味では「実質的に連続」である。さらに、補間関数は、測定性能の観点からするといかなる僅かな不整合も重要でないという意味では、データベース補間点における理論的光学応答特徴に実質的に一致する。
【0061】
補間関数は、データベース補間点を典型的にカバーするパラメータドメインにわたって規定される。パラメータドメインは、場合によっては、外挿によって拡張されてもよい。外挿の精度は通常は非常に不十分であり、いくつかの場合、特定の補間パラメータに対する光学的応答特徴の関数依存性はほぼ線形であり得る。この場合、確実にそのパラメータに外挿を適用し得る。
【0062】
補間関数は、補間点に対応しない補間パラメータセットにおいて精度誤差を呈するが、これらの誤差は、信号関連の応答特徴よりもむしろ、(複素値の)電磁界振幅に関する、複素反射率などの光学応答特徴での補間によって緩和することができる。この原則を図6Aおよび図6Bに図示する。図6Aは、測定パラメータx(たとえば線幅)の関数として、(いくつかの特定の波長、入射方向および偏波状態について)測定サンプルの複素反射係数rのプロットを図示する。図示の目的のため、r対xの理論的プロット601を実数値として図示するが、一般的に、これは複素値である。4つの補間点間のr対xの一次補間は、区分的線形プロット602として図示される。図6Bは、反射率信号R=r2をプロット603として図示し、一次補間された信号をプロット604として図示する。ゼロ交差605の近傍では、信号プロット603は非常に非線形であり、その結果、補間適合は不十分である。一方、複素反射係数での補間適合はゼロ交差近くで非常に正確である。(信号補間の精度は、非線形補間関数を用いることによって改善可能である。しかしながら、どの補間法を用いるかに拘らず、複素反射係数に適用されると、補間適合は一般的により良好となる)。
【0063】
補間の最も単純な形態は、図7に図示する区分的一次補間である。この例では、単一のスカラ値光学応答特徴yが単一のスカラ値測定パラメータx1の上で補間される。パラメータは、均一に間隔を空けたパラメータ値x1[0],x1[1],…x1[M]でデータベース中でサンプリングされ(ここでMはサンプリング間隔の数である)、yはデータベース値間で一次補間される。データベース中に表わされる[x1,y]の対が「補間点」であり、その2つを701および702で図面に示す。任意の補間パラメータ値X1を与えられると、Yを表わす対応の補間y値が以下の手順で計算される。まず、X1がサンプリング範囲内にある(x1[0]≦X1<x1[M])と仮定して、X1を含む補間間隔を求める。
【0064】
x1[j]≦X1<x1[j+1] (0≦j<M) 式4
(X1がサンプリング範囲内にない場合、式4を満たすことができないが、X1に最も近い補間間隔からYを外挿可能である。以下の数学的形式は外挿に等しくよく当てはまる。)補間(または外挿)間隔を選択したので、量C0[0]およびC0[1]を間隔のx1限界に初期化する。
【0065】
C0[0]=x1[j] C0[1]=x1[j+1] 式5
次に、補間分数tならびに補間係数C1[0]およびC1[1]を計算し、
【0066】
【数4】
【0067】
これらの係数をデータベースデータに適用してYを得る。
Y=C1[0]y(x1[j])+C1[1]y(x1[j+1]) 式8
(y(x1[j])およびy(x1[j+1])はデータベースから得られる。)
N次元補間の一般的例の場合、独立変数xはベクトル値である。
【0068】
x=[x1,x2,…xN] 式9
(このベクトルは「補間パラメータセット」である。)また、光学的応答特徴yは、ベクトルまたは行列などの複合体であり得る。(yの成分は、たとえば、異なる散乱行列係数ならびに、波長、入射方向および偏波の異なる組合せに対応し得る。)xの各成分xiは、均一に間隔を空けた値xi[0],xi[1],…xi[Mi]でデータベースにおいてサンプリングされる(ここでMiはxiについてのサンプリング間隔の数である。)データベースパラメータ範囲は、「サンプリンググリッドセル」の多次元アレイを含み、各セルは、各々のi番目の次元において2つの連続パラメータ値xi[ji]およびxi[ji+1]によって境界付けられる。補間アルゴリズムは、各グリッドセルにおいてxの多重線形関数としてyに近似する。任意の補間パラメータセットX=[X1,X2,…XN]を与えられると、Yを表わす対応の補間y値は以下の手順で計算される。まず、Xを含むグリッドセルを求める。
【0069】
xi[ji]≦Xi<xi[ji+1] 式10
(各々のi毎に、1≦i≦Nであり、いくつかのjiについては、0≦ji<Mi)。
(一次元の例のように、Xがパラメータサンプリング範囲の外側にある場合、Xに最も近いグリッドセルからYを外挿可能である。)次に、ベクトル量C0[k1,k2,…kN]を対応のグリッドセル限界に初期化する。
【0070】
C0[k1,k2,…kN]=[x1[j1+k1],x2[j2+k2],…] 式11
(各々のki=0または1毎に、1≦i≦N)
これは、ステップiで、C1[k1,k2,…kN]が、パラメータ値xi+1,…xNのグリッドセル限界で空間的にサンプリングされる、パラメータ値x1,…xiに対するyの一次補間係数を表わす反復を初期化する。各々のi=1…N毎に、i番目のパラメータ次元(xi)に一次元補間法を適用することにより、Ci−1[k1,k2,…kN]からCi[k1,k2,…kN]を生成する。
【0071】
【数5】
【0072】
これらの係数をデータベースデータに適用してYを得る。
【0073】
【数6】
【0074】
Xiに対する補間量Yの導関数は、上記形式を用いて容易に計算することができる。後でわかるように、導関数情報を用いて適合最適化アルゴリズムのランタイム性能を大幅に高めることができる。
【0075】
多重線形ではなくマルチキュービック(multi−cubic)補間関数を各グリッドセルで用いることにより、改良された補間精度を得ることができる。これに代えて、あるパラメータには一次補間を用い、他のものには三次補間を用いるハイブリッド方策を用いてもよい。
【0076】
図7を参照して、一次元三次補間の例を図示することができる。補間間隔x1[j]≦Xi<x1[j+1]の中で、補間値Yは、X1の三次関数として近似される。三次関数の係数は、補間間隔境界において、補間がx1に対するyの有限差分導関数とデータベースのyの値との両者を適合するように選ばれる。点x1[j]での導関数y′(x1[j])は以下のように推測される。
【0077】
【数7】
【0078】
これは、点jが内点である、すなわち、0<j<Mであると仮定している。境界点(j=0またはj=M)ではこの方法で導関数を推測できないため、境界間隔内では三次補間を適用しない。代わりに、境界間隔では三点二次補間を適用し得る。
【0079】
一次元三次補間アルゴリズムは以下のように進行する。まず、X1は内側サンプリング間隔内にあると仮定される。
【0080】
x1[j]≦X1<x1[j+1] 1≦j<M−1 式16
x1の以下のデータベースサンプリング値が定義される。
【0081】
C0[−1]=x1[j−1], C0[0]=x1[j]
C0[1]=x1[j+1], C0[2]=x1[j+2] 式17
次に、以下の量を計算し、
【0082】
【数8】
【0083】
補間されたY値を得る。
Y=C1[−1]y(x1[j−1])+C1[0]y(x1[j])+C1[1]y(x1[j+1])+C1[2]y(x1[j+2]) 式23
前述のN次元補間アルゴリズムを変形して、以下のように、特定のパラメータxi(またはパラメータの任意の組合せ)に対する三次補間を受入れることができる。まず、式10に表われるji指数は、1≦ji<Mi−1の範囲内になければならない。(これは、xiに対応する特定の下付き文字iのためである。)式11および14に表われる対応の指数kiは、ki=−1,0,1または2の値をとる。式12は変更しなくても当てはまるが、式13は変形され、式19−22を一般化することにより、4つの量Ci[…ki−1,−1,ki+1,…],Ci[…ki−1,0,ki+1,…],Ci[…ki−1,1,ki+1,…]およびCi[…ki−1,2,ki+1,…]を規定する(すなわち、それぞれの左側項については、これらの4つの式を式19−22に代入し、かつ、tの代わりにtiを代入する)。
【0084】
上記のように、三次補間法は境界間隔(ji=0またはji=Mi−1)においては当てはまらない。3つ以上の点でxiをサンプリングすると仮定すると(Mi≧2)、境界間隔では三点二次適合を適用し得る。たとえば、一次元の例の場合、j=0ならば、式23の項y(x1[j−1])は未定義である(すなわちデータベースにない)のでC1[−1]項が省略され、X1がx1[0],x1[1]またはx1[2]に等しい場合に補間Y値がデータベースに一致するように二次係数を選択するならば、C1[0],C1[1]およびC1[2]はtの二次関数である。この適合関数は、間隔x1[0]≦X1<x1[1]において用いられる。(一次補間の例のように、X1<x1[0]の値については二次適合関数を外挿することができる。)隣接する間隔(x1[1]≦X1<x1[2])で三次補間を適用すると、補間Y値は、X1=x1[1]においてX1に対して、連続的でありかつ連続して微分可能(滑らか)である。(この理由は、式15がX1=x1[1]での三次適合関数の導関数を規定し、これがたまたまいずれの二次関数に対しても正確な単位元でもあるからである)。
【0085】
補間係数CN[k1,k2,…]は好ましくは予めコンピュータ処理されないが、測定プロセスの間にリアルタイムで生成されるため、補間はデータベースに記憶される光学的応答特徴にしか依らない。さらに、Xに対するYの導関数もリアルタイムでコンピュータ処理可能である。補間方法は、補間係数または導関数などのいずれの外部データをデータベースに記憶することも必要としない。(そのような情報をデータベースに記憶して測定ランタイム効率を向上させることができるが、その向上は最小限であるのが典型的であり、データベースのサイズおよび生成時間の増大によって相殺されてしまう。)先行技術の説明で考察された例に戻って、各パラメータx1,…xNの範囲がM個のサンプル間隔(すなわちパラメータ当たりM+1個のサンプル点)に分割されると、先行技術の例(範囲分割)で必要な(N+1)MN個の較正点と比較して、データベース中の補間点の総数は(M+1)Nである。大きなMおよびNのためには、この発明の方法は、データベースサイズにおいて、先行技術の方法よりも約N倍有利である。
【0086】
上記補間方法は、この発明の好ましい実施例を表わす。たとえば、三角形もしくはシンプレックス形状のサンプリンググリッド上で、一次もしくは二次補間または多次元スプライン補間などの、他の補間法も用いることができる。上記方法は、パラメータ空間の矩形領域にわたって均一な間隔でパラメータをすべてサンプリングするため、制約があるように見受けられるかもしれない。しかしながら、アルゴリズム設計者は、補間パラメータをどのように定義するかという点に大きな自由度を有するので、この限定は大いに相殺される。たとえば、プロファイル線幅を補間パラメータとして識別するのではなく、小さな線幅が大きな線幅よりもより細かくサンプリングされるように関数マッピングを選ぶのであれば、均一にサンプリングされる補間パラメータの非線形関数として線幅を表わすことができる。多くの変形の補間方策が可能である。この変形の範囲内での、補間方法の主な区別的特徴とは、それが、補間点を含むパラメータドメインにわたる補間パラメータの実質的に連続した関数を規定することと、補間された光学応答特徴が補間点における理論的光学応答特徴に実質的に一致することとである。
【0087】
適合最適化アルゴリズム
適合最適化アルゴリズムは、測定サンプルの測定光学信号特徴と、対応の補間光学応答特徴から定められる複数の予測光学信号特徴とを反復して比較して、サンプルの測定パラメータを規定する最適なパラメータセットを見出す。
【0088】
予測光学信号特徴は、補間モデルから得られる補間光学応答特徴から定められる。いくつかの適用例では、「信号」および「応答」特徴は同一のものであり得、この判定にさらなる計算は必要ない。より一般的に、光学応答特徴は、複素反射率係数などの量または量の合成であり、これから、信号特徴がリアルタイムで(すなわち測定信号を獲得した後で)計算される。この計算はいくつかのステップを含む。まず、補間データベースで表わされる光学応答特徴が(図4の回折反射ゾーン401または、図5Aもしくは図5Bの回折層501などの)サンプルの構成要素を特徴付けるにすぎない場合、補間される特徴を他のサンプル構成要素の光学応答特徴と組合せて、サンプル全体としての組合せ光学応答特徴を入手する必要がある。他の構成要素の応答特徴は、それら自身の補間モデルから同様に得られ得るかまたは、リアルタイムで理論から直接に入手され得る。(たとえば、非回折層の光学的応答特徴は、非常に容易にかつ迅速に理論からコンピュータ処理可能である)。
【0089】
サンプルの光学的応答特徴を定めたので、これを器具関連の特徴と組合せて、測定サンプルおよび光学器具を含む光学系の光学的応答特徴を入手する必要があろう。たとえば、器具の照射および集光光学系の偏波特性を、ジョーンズ行列(またはこれに代えてミュラー行列)によって別個に表わしてもよく、これをサンプルの応答特徴と組合せて、光学系全体(照射光学系、サンプルおよび集光光学系)のジョーンズ(またはミュラー)行列を計算する。測定信号を獲得するにつれて器具の偏波または他の特徴が変化する場合、多数の器具構成の各々毎にこの計算を繰返してもよい。(たとえば、楕円偏光計は典型的に偏波変調素子を有し、その測定信号特徴は典型的に、変調素子のさまざまな状態と関連の信号の合成である。)光学系の応答特徴を用いて、光センサ素子上での電磁界強度を効果的にシミュレーションすることにより予測信号特徴を計算する。各センサ素子は、波長範囲を含むかまたはサンプルでの入射もしくは集光方向の範囲に対応する放射に応答し得るため、この計算は波長または方向の合計を含み得る。(器具の光学的コヒーレンス特性に依存して、方向の合計は、異なる入射または集光方向に対応する光学応答成分の、コヒーレントな、コヒーレントでない、または、部分的にコヒーレントな重ね合わせを表わし得る)。
【0090】
予測信号計算に入る器具関連データは、時間とともに器具の間で変化する光学的較正および照射源強度などのファクタを含み得る。しかしながら、予測信号特徴にこれらのファクタのすべてを組入れるよりもむしろ、これらのファクタのうち少なくともいくつかを逆の態様でセンサ信号データに適用して、最小限の器具依存性を有しかつ主にサンプルのみの関数である、「有効」反射率またはストークスベクトルなどの測定信号特徴を得るのがより典型的である。(理想的には、器具依存性を有しない測定信号特徴を入手したい。しかし、常にこれが可能であるとは限らず、適合最適化アルゴリズムが信号特徴の器具依存性を無視する場合、測定精度が悪影響を受け得る)。
【0091】
従来、信号特徴は、器具とは独立してサンプルを特徴付ける、tanΨおよびcosΔなどの偏光解析量(参照文献12,16)または反射率データを含む。しかしながら、実際の検出器信号レベルにより密接に関する量に信号特徴を規定することに対する実際的利点が存在し得る。たとえば、偏光解析法の文脈では、tanΨは特異点を呈する可能性があり、cosΔは、測定アルゴリズムの数値的安定性および精度に影響を及ぼし得る急激な飛躍または不連続部を呈する可能性がある。さらに、tanΨおよびcosΔは一般的に統計的に相関しており、このことは適合最適化アルゴリズムを複雑にする。(アルゴリズムは、tanΨとcosΔとの間の共分散を考慮する必要があろう。)こうした複雑性は、実際のセンサ信号レベルに対応するかまたは密接に関する信号特徴に測定を基づかせることによって回避することができる。この観点から、「ストークスベクトル」および「ミュラー行列」成分(参照文献17,セクション22.14)は好適な信号特徴である。(たとえば、従来の回転偏波偏光解析器のためのミュラー行列は、センサ信号に対する線形依存性を有する2つの独立した無次元ファクタ、すなわち、cos(2Ψ)およびsin(2Ψ)cos(Δ)を含む。)測定器具特徴についての理想的かつ不正確な仮定に訴えずにセンサ信号データから反射率などの量または従来の偏光解析パラメータを計算することが常に可能とは限らず、信号特徴がこのような器具独立形態になってしまう場合に、測定精度がいくらか失われるのは不可避である。しかしながら、いくらかの器具依存性を有するが、それにも拘らず、従来の量に近い類似性を有する、「有効反射率」(たとえば、式3のR)または「有効ストークスベクトル」などの信号特徴を規定することが可能である。(典型的に、「有効」量は、反射ゾーンまたは波長もしくは入射方向の平均または合計である)。
【0092】
予測光学信号特徴および測定光学信号特徴を比較し、典型的には、χ二乗計量(χ2)などの「適合計量」(fit metric)の観点で比較適合誤差を定量化する。これは以下のように定義される。
【0093】
【数9】
【0094】
この定義で、yは、複数の信号成分yj(たとえば、異なるセンサ素子または異なる器具構成からの信号)を含む測定可能な信号特徴を表わし;xは、測定パラメータ(たとえば膜厚、線幅など)のセットを示し;
【0095】
【数10】
【0096】
(以下、yj pred(x)と表記)はxに対する予測信号を表わし;
【0097】
【数11】
【0098】
(以下、yj measと表記)は測定信号特徴を表わし;かつ、wtjは非負の重み付けファクタである。前述のように、yj measの定義は、器具の光学的較正および照射源強度などのファクタとセンサ信号データとを組入れ得る。yj pred(x)の定義も、サンプルパラメータ依存性だけでなく、そのような器具関連ファクタも含み得る。アルゴリズム設計者は、(たとえば、共通の加法的シフトを適用することまたは両方の項から共通のファクタを除算することにより)yj measとyj pred(x)との間の器具関連ファクタを割り振る際のいくらかの自由度を有する。
【0099】
χ2計量の特性は、常に非負であることと、すべてのjについてyj pred(x)とyj measとの間に完璧な一致がある場合におよび完璧な一致がある場合にのみ0であるということである。χ2計量に基づく適合最適化アルゴリズムの目的は、χ2を最小化する測定パラメータセットxを求めることである。式24でwtjを1に設定すれば、χ2は、MMSEアルゴリズムが用いる適合計量と同様である。しかしながら、wtjをyj measの逆分散と定義することによって、測定精度を最適化することができる。
【0100】
【数12】
【0101】
式24および25のχ2の定義は、測定される量yj measが統計的に相関していないと仮定している。これは、有意義な統計的不確定性がyj pred(x)項に導入される少なくとも程度には、yj pred(x)の計算が実験データ(たとえば、照射源強度データ)に依存しないとも仮定している。これらの可能性を含むより一般的なχ2の定義は、以下のとおりである。
【0102】
【数13】
【0103】
この式で、ypred(x)およびymeasは、yj pred(x)およびyj meas要素を含む列行列(column matrices)であり;cov ypred(p)およびcov ymeasは関連の共分散行列であり;Tの上付文字は行列転置を示す。
【0104】
好ましい実施例では、適合最適化アルゴリズムは反復してxを調節してχ2を最小化する。この文脈で、xは「試行測定パラメータセット」である(すなわち、各測定パラメータに1つずつの、数値の順序集合である)。xは「試行補間パラメータセット」を含み、その要素は補間パラメータに対応する。(xは、この発明の主題の回折構造と関連していない他のサンプルパラメータも含み得る。)最小化法は、2つの段階、すなわち、先行「グリッド探索」と、その後の「洗練」とを含む。
【0105】
第1の段階で、試行測定パラメータセットの多次元グリッドを定義し、グリッド上のすべての点xについてχ2を計算する。(この文脈で、「グリッド点」は「試行測定パラメータセット」と同義である。いくつかの実施例では、グリッド点はデータベース補間点に対応し得る。)その後の洗練のため、1つ以上の試行パラメータセットをグリッドから選択する。図8は選択プロセスを概念的に図示する。
【0106】
グリッド探索は、グリッド点を含むパラメータドメインにわたりχ2のグローバル最小値に潜在的に近いものであり得るパラメータセットを求めてグリッド点を走査する。最も低いχ2を有するグリッド点を選択するだけでは不十分である。というのは、図8に図示されるように、この戦略は、グリッド点の限られたサンプリング密度のために誤った結果を生じる可能性があるからである。たとえば、曲線801はスカラパラメータ値xの関数としてχ2を図示する。グリッド点(たとえば点802)は、曲線801上の二乗として表わされる。グリッド上の最も低いχ2は点802であるが、真の最小値(および正しいxの値)は、グリッド点804と805との間にある点803に位置する。
【0107】
グリッド探索がグローバルχ2最小値をミスしないのを確実にするため、まず、グリッド上のすべてのローカル最小値を求める。図8では、グリッドローカル最小値は、点802、805および806である。ローカル最小値探索は、典型的に、点806などの多数の点を見出すが、これらの適合は非常に不十分であり、正しい解に近くないことが明らかである。χ2しきい値基準を適用することによって不良点を取除く。しかしながら、ここでも、データベースの限られたサンプリング密度により、χ2しきい値上のすべての点を単に排除するだけでは不十分である。たとえば、この戦略を適用する場合、図8のしきい値レベル807は、グローバル最小値803に最も近いグリッド点805を排除するが、誤った最小値802を受入れる。この問題は、点に集まった±1/2グリッド間隔内でどれだけχ2が変化し得るかの控えめな推定を表わす、(点806に対する範囲808などの)各々のローカル最小値毎に「不確定性範囲」を定めることと、不確定性範囲全体がしきい値よりも上にある点のみを除去することとによって回避される。各々の不確定性範囲は対応のグリッド点に集められ、その範囲の高さは、ローカル最小値と任意の隣接するグリッド点との間の最大χ2差である。(たとえば、範囲808の高さは、点806と809との間のχ2差に等しい。)図8では、点802と805との不確定性範囲はしきい値807より下に及ぶため、その後の洗練のためにこれらの点を受入れる一方で、点806を拒絶する。ローカル最小値およびχ2しきい値基準をパスするグリッド点が洗練段階に通される。
【0108】
図8に図示されるグリッド探索戦略は、複数の測定パラメータ値が存在しかつ、xが多次元パラメータ探索範囲に及ぶベクトル値エンティティであるより一般的な場合には直接に一般化される。この場合、χ2は多次元グリッド上でサンプリングされる。ローカル最小値が識別され、各点のχ2値と(斜め方向の近接を含む)隣接点の値との比較に基づいて、各最小値毎に不確定性範囲が定められる。さらなる洗練のため、不確定性範囲がχ2しきい値よりも少なくとも部分的に下に及ぶ点を選択する。
【0109】
その後の洗練のため、各々の選択されたグリッド点を「シード」として用いる。洗練は、xを調節してχ2を最小化する自動最小化アルゴリズムによって行なわれる。(このプロセスでは、xは、グリッドまたは補間データベースに表わされる離散点に限定されるものではなく、規定されたパラメータドメイン内で連続して変化することができる。)最小化アルゴリズムは、規定された終了基準が満たされるまで(たとえば、xまたはχ2のインクリメンタルな変化が、あるしきい値よりも下になるまで)シード値から反復する。いくつかのミニマイザ(minimizer)が必要とするのは、パラメータ限界および終了しきい値と共に、χ2関数への抽象的インターフェイスを設けることのみである。しかしながら、以下のように定義される個々の適合誤差εjのベクトルをミニマイザに与えることにより、より良好なランタイム性能を達成することができる。
【0110】
【数14】
【0111】
χ2(式24)は、単に、合計を二乗した適合誤差であることに留意されたい。
【0112】
【数15】
【0113】
好適な最小化アルゴリズムは、MATLABの“lsqnonlin”ルーチンまたはIMSL“BCLSF/DBCLSF”もしくは“BCLSJ/DSCLSJ”ルーチンを含む。εjそのものと共に、x成分(測定パラメータ)に対するεjの一次導関数をミニマイザに与えることにより、ランタイム性能をさらに高めることができる。データベース補間法の有用な特徴は、これらの導関数を容易にコンピュータ処理できることであり、好ましくは、適合最適化アルゴリズムは導関数を利用すべきである。
【0114】
各々の選択されたグリッド点で洗練を行なった後、最小のχ2を有する洗練結果が測定結果として報告される。いくつかの実施例では、(より時間がかかるが)累進的により正確になる計算モデルを用いて、洗練段階をいくつかのサブステージに分けてもよい。たとえば、まず、光学応答特徴について一次補間モデルを用いて洗練を行い、次に(最小化アルゴリズムの初期終了基準が満たされた後)、三次補間を用いて洗練を継続してもよい。また、洗練を開始するときはまず、材料関連パラメータなどのいくつかの測定パラメータを固定して保持し、次に洗練が収束に近づくにつれて、変化させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術の「範囲分割」方法の図である。
【図2】2次元パラメータ空間の図である。
【図3A】回折線空間格子構造を含む測定サンプルの図である。
【図3B】孔の2次元アレイを含む回折構造の図である。
【図4】2つの反射ゾーンを含むサンプルの平面図である。
【図5A】1つの回折層を有する積層構造を含む測定サンプルの図である。
【図5B】2つの回折層を有する積層構造を含む測定サンプルの図である。
【図6A】測定パラメータxの関数としての、測定サンプルの複素反射係数rのプロットを示す図である。
【図6B】図6Aの反射係数に対応する反射率信号R=r2を示す図である。
【図7】光学応答特徴に対する区分的一次補間を示す図である。
【図8】適合最適化アルゴリズムにおける洗練のための試行パラメータセットの選択を示す図である。
Claims (46)
- 回折構造を含むサンプルの、関心のあるパラメータを測定するための光学測定方法であって、
理論モデルを与えるステップを含み、その理論モデルから、測定パラメータに対応する1つ以上の補間パラメータのセットの関数として、回折構造の理論光学応答特徴を計算可能であり、さらに
理論モデルを複数の離散補間点の各々に適用して各補間点ごとに対応の理論光学応答特徴を計算し、理論光学応答特徴を補間点のデータベースに記憶するステップとを含み、なお各点は1つ以上の補間パラメータの特定の値からなる特定の補間パラメータセットによって規定されるものであり、さらに
補間モデルを与えるステップとを含み、その補間モデルから、1つ以上の補間パラメータのセットの関数として、回折構造の補間光学応答特徴をデータベースから計算可能であり、補間モデルは、パラメータドメイン内のいずれの試行補間パラメータセットも対応の補間光学応答特徴に関連させる、実質的に連続した関数を規定し、パラメータドメインは補間点を含むがそれに限られるものではなく、補間光学応答特徴は、補間点において、データベース中の理論補間応答特徴に実質的に一致し、さらに
試行補間パラメータセット選択、比較誤差最小化方法および終了規準を特定するための適合最適化アルゴリズムを与えるステップと、
光学放射でサンプル上の測定スポットを照射し、サンプルから回折されかつ光センサシステムが検出する放射から測定光学信号特徴を入手するステップと、
最適なパラメータセットがサンプルの測定パラメータ値として識別されるまで、補間モデルおよび適合最適化アルゴリズムを適用して、サンプルの測定光学信号特徴と、選択された試行補間パラメータセットの連続について、対応の補間光学応答特徴から定められる複数の予測光学信号特徴とを反復して比較するステップとを含む、方法。 - サンプルを照射するステップ、測定光学信号特徴を入手するステップならびに補間モデルおよび適合最適化アルゴリズムを適用するステップは測定器具によって行なわれ、測定器具は、(1)放射源と、(2)照射放射をサンプルに伝えるための照射光学系と、(3)回折放射を光センサシステムに伝えるための集光光学系と、(4)光センサシステムと、(5)器具を制御しかつ、センサシステムからの光信号データを、請求項1に記載の方法に従って測定結果に変換するコンピュータ処理ハードウェアとを含む、請求項1に記載の方法。
- 測定光学信号特徴は、異なる時間にまたは別個の光センサ素子から獲得される複数の信号成分を含み、信号成分は、以下の制御変数、すなわち、波長、サンプルが照射される方向、回折放射が集光される方向、照射放射の偏波状態および集光光学系の偏波特徴のうち1つ以上の異なる値に対応する、請求項2に記載の方法。
- 理論光学応答特徴および補間光学応答特徴ならびに予測光学信号特徴は、以下の制御変数、すなわち、波長、サンプルが照射される方向、回折放射が集光される方向、照射放射の偏波状態および集光光学系の偏波特徴のうち1つ以上の複数の値についてコンピュータ処理される、請求項3に記載の方法。
- センサシステムは1つ以上のセンサ素子を含み、各センサ素子は、波長範囲を含むかまたは、サンプルでの入射もしくは集光方向範囲に対応するかまたは、複数の偏波を含む放射に応答し得る、請求項2に記載の方法。
- 予測光学信号特徴は、異なる波長またはサンプルでの異なる入射もしくは集光方向または異なる偏波に対して規定される補間光学応答特徴の重ね合せから計算される、請求項5に記載の方法。
- サンプルは線空間格子構造を含む、請求項1に記載の方法。
- サンプルは2次元に周期的な回折構造を含む、請求項1に記載の方法。
- サンプルは積層構造を含み、そのうち1層は回折構造を含む、請求項1に記載の方法。
- 測定スポットは回折構造またはその一部である、請求項1に記載の方法。
- 光学応答特徴は、すべて補間パラメータに対応する測定パラメータおよび測定スポットを特徴付ける、請求項10に記載の方法。
- 測定スポットは複数の反射ゾーンを含み、その1つは回折構造を含む、請求項1に記載の方法。
- 測定スポットは回折構造を含む複数の構成要素を含み、光学応答特徴は、他の構成要素とは独立して回折構造を特徴付け、測定パラメータは必ずしもすべて補間パラメータに対応しているとは限らない、請求項12に記載の方法。
- 反射ゾーンの1つは積層構造を含み、その1層は回折構造を含む、請求項12に記載の方法。
- 理論光学応答特徴は測定可能な量に対応し、予測光学信号特徴は、選択された試行補間パラメータセットに対する、対応の補間光学応答特徴である、請求項1に記載の方法。
- 理論光学応答特徴は直接に測定可能な量ではないが、予測光学信号特徴は、適合最適化アルゴリズムの適用の間、選択された試行補間パラメータセットに対する、対応の補間光学応答特徴から計算される、請求項1に記載の方法。
- 各反射ゾーンは複素反射率係数を特徴とし、理論モデルは、回折構造を含む反射ゾーンの反射率係数を計算するのに用いられ、反射率係数は混合モデルによって用いられ、サンプルの測定可能信号特徴に対応する有効反射率を計算する、請求項12に記載の方法。
- 各層は散乱行列を特徴とし、回折構造の光学応答特徴はその散乱行列である、請求項9または14に記載の方法。
- 補間モデルは補間パラメータの連続区分多重線形関数を規定する、請求項1に記載の方法。
- 補間モデルは、補間パラメータの連続しかつ滑らかな区分マルチキュービック関数を規定する、請求項1に記載の方法。
- 補間モデルは補間パラメータの多次元スプライン関数を規定する、請求項1に記載の方法。
- 測定光学信号特徴はサンプルおよび測定器具の特徴に依存し、この器具依存性は予測光学信号特徴を定める際に考慮される、請求項2に記載の方法。
- 測定光学信号特徴および予測光学信号特徴は反射率スペクトルを含む、請求項1に記載の方法。
- 測定光学信号特徴および予測光学信号特徴は偏光解析量を含む、請求項1に記載の方法。
- 適合最適化アルゴリズムは、比較誤差最小化法のため、カイ二乗計量を特定する、請求項1に記載の方法。
- 適合最適化アルゴリズムは、補間パラメータを含むが必ずしもそれに限られない測定パラメータを同時に定め、試行補間パラメータセットは対応の試行測定パラメータセットに含まれる、請求項25に記載の方法。
- 適合最適化アルゴリズムは先行グリッド探索フェーズを含み、その後に洗練段階が続き、グリッド探索は、多次元グリッド上に分散される試行測定パラメータセットをまず選択し、これらから、その後の洗練のためにより少数のシードパラメータセットを補間モデルを用いて選択する、請求項26に記載の方法。
- グリッド探索は、データベースに含まれる補間点に対応する試行測定セットを選択し、シードパラメータセットを選択するプロセスは補間を必要としない、請求項27に記載の方法。
- 回折構造を含むサンプルの、関心のあるパラメータを測定するための装置であって、
(1)放射源、(2)照射波長をサンプル上の測定スポットに伝えるための照射光学系、(3)測定スポットからの回折放射を光センサシステムに伝えるための集光光学系および(4)光センサシステムを含む光学測定器具と、
センサシステムから受けた光学信号データを処理して、サンプルの測定光学信号特徴を入手し、そこから関心のある前記パラメータの値を定めるためのコンピュータ処理ハードウェアとを含み、前記コンピュータ処理ハードウェアは、(1)複数の離散補間点について、回折構造の理論光学応答特徴を記憶するデータベースを含み、各補間点は、測定パラメータに対応の1つ以上の補間パラメータの特定の値のセットで規定され、データベース中の記憶された理論光学応答特徴は、理論モデルを補間点の各々に適用することによって計算され、さらに前記コンピュータ処理ハードウェアは(2)データ処理部を含み、データ処理部は、最適パラメータセットがサンプルの測定パラメータ値として識別されるまで、データベースにアクセスし、データベースからの記憶された値に補間モデルを適用しかつ、測定光学信号特徴と、試行パラメータセットの連続に対応する複数の予測光学信号特徴とを比較することを含む適合最適化アルゴリズムを実行するようにプログラムされ、前記適合最適化アルゴリズムは、試行パラメータセット選択、比較誤差最小化法および終了基準を特定し、さらに装置は、
パラメータドメイン内のいずれの試行補間パラメータセットも対応の補間光学応答特徴に関連させる実質的に連続した関数を規定する補間モデルを含み、パラメータドメインはデータベース中の補間点を含むがそれに限られるものではなく、補間光学応答特徴は、補間点において、データベース中の理論光学応答特徴に実質的に一致する、装置。 - 光学器具は、以下の制御変数、すなわち、波長、サンプルが照射される方向、回折放射が集光される方向、照射放射の偏波状態および集光光学系の偏波特徴のうち1つ以上の異なる値に対応する複数の信号成分を獲得するように適合され、理論光学応答特徴および補間光学応答特徴ならびに予測光学信号特徴は、前記制御変数のうち1つ以上の複数の値についてコンピュータ処理される、請求項29に記載の装置。
- 光学器具の光センサシステムは1つ以上のセンサ素子を含み、各センサ素子は、特定の波長範囲、サンプルでの特定の入射方向範囲、サンプルでの特定の集光方向範囲および偏波状態の特定の範囲のうちいずれにも対応する放射に応答し、予測光学信号特徴は、異なる波長、サンプルでの異なる入射方向、サンプルでの異なる集光方向および異なる偏波のうち1つ以上に対して規定される補間光学応答特徴の重ね合せから計算される、請求項29に記載の装置。
- データベースは、線空間格子構造、2次元に周期的な回折構造および回折構造を含む1つの層を備える積層構造のいずれかを特徴とするサンプルに対応する光学応答特徴を記憶し、データ処理部はそれを処理するようにプログラムされる、請求項29に記載の装置。
- 理論光学応答特徴は測定可能な量に対応し、予測光学信号特徴は、選択された試行補間パラメータセットに対する、対応の補間光学応答特徴である、請求項29に記載の装置。
- 理論光学応答特徴は直接に測定可能な量ではないが、予測光学信号特徴は、適合最適化アルゴリズムの適用の間、選択された試行補間パラメータセットに対する、対応の補間光学応答特徴から計算される、請求項29に記載の装置。
- サンプルは、回折構造を含む層の1つを備える積層構造を特徴とし、各層は散乱行列を特徴とし、回折構造の光学応答特徴はその散乱行列である、請求項29に記載の装置。
- 補間モデルは補間パラメータの連続区分多重線形関数を規定する、請求項29に記載の装置。
- 補間モデルは、補間パラメータの連続しかつ滑らかな区分マルチキュービック関数を規定する、請求項29に記載の装置。
- 補間モデルは補間パラメータの多次元スプライン関数を規定する、請求項29に記載の装置。
- 照射光学系は、サンプルの複数の反射ゾーンを含む測定スポットを照射し、1つの照射ゾーンは回折構造を含み、各反射ゾーンは複素反射率係数を特徴とし、データベースを形成するのに用いられる理論モデルは、回折構造を含む1つの反射ゾーンの反射率係数を計算し、予測光学信号特徴を導出するのに用いられる補間モデルは、有効反射率を計算するための混合モデルを含む、請求項29に記載の装置。
- 測定光学信号特徴はサンプルおよび測定器具の特徴に依存し、器具依存性は予測光学信号特徴を定める際に考慮される、請求項29に記載の装置。
- 測定光学信号特徴および予測光学信号特徴は反射率スペクトルを含む、請求項29に記載の装置。
- 測定光学信号特徴および予測光学信号特徴は偏光解析量を含む、請求項29に記載の装置。
- データ処理部が実行する適合最適化アルゴリズムは、比較誤差最小化法に対してカイ二乗計量を特定する、請求項29に記載の装置。
- 適合最適化アルゴリズムは、補間パラメータを含むが必ずしもそれに限られない測定パラメータを同時に定め、試行補間パラメータセットは対応の試行測定パラメータセットに含まれる、請求項43に記載の装置。
- 適合最適化アルゴリズムは先行グリッド探索フェーズを含み、その後に洗練段階が続き、グリッド探索は、多次元グリッド上に分散される試行測定パラメータセットをまず選択し、これらから、その後の洗練のため、より少数のシードパラメータセットを補間モデルを用いて選択する、請求項44に記載の装置。
- グリッド探索は、データベースに含まれる補間点に対応する試行測定セットを選択し、シードパラメータセットを選択するプロセスは補間を必要としない、請求項45に記載の装置。
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