JP2004507646A - 渦流円板及び渦流円板を備えた燃料噴射弁 - Google Patents
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- F02M61/186—Multi-layered orifice plates
Abstract
本発明は、少なくとも1つの流入領域(65)と少なくとも1つの流出口(69)とを有し、この少なくとも1つの流出口(69)は下方の底面層(62)内に設けられている渦流円板に関する。前記の渦流円板(30)はさらに少なくとも2つの渦流通路(66)を有し、この少なくとも2つの渦流通路(66)は渦流室(68)内に開口し、この場合、渦流室(68)は渦流形成層(61)内に設けられている。前記の渦流通路(66)は、流体の貫流の際に、少なくとも2つの逆向きの渦流を隣り合って形成し、前記の少なくとも2つの逆向きの渦流がそれぞれ固有の噴射分流(70)を形成するように配置及び配向されている。前記の渦流円板(30)は燃料噴射弁、特に混合圧縮され、外部点火される内燃機関の燃焼室内へ燃料を直噴するための高圧噴射弁に使用するために特に適している。
Description
【0001】
従来の技術
本発明は、請求項1の前提部に記載された渦流円板並びに請求項8の前提部に記載された渦流円板を備えた燃料噴射弁に関する。
【0002】
ドイツ国特許出願公開(DE−OS)第19637103号明細書から、弁座の下流側に渦流形成手段を備えた電磁操作可能な燃料噴射弁は公知である。この渦流形成手段は、燃料の少なくとも2つの流れを形成させることができ、この流れは相互に半径方向にずらされて相互に包み込むかもしくは包囲し合うように延び、相互に逸れた方向を有するように設計されている。多様な方向を有する内側の流れ及び外側の流れから構成される噴射流を発生させる装置は、孔付円板上のガイド部材として用いられる流動ブレードもしくは多層の渦流取付部材によってまさに複雑で、その製造においても比較的費用がかかる。渦流を発生させる手段は、燃料噴射弁から渦流を有する中実の円錐状の噴流又は渦流を有する中空の円錐状の噴流を発生させるように設計されている。
【0003】
ドイツ国特許出願公開(DE−OS)第19607288号明細書には、すでに、燃料噴射弁に使用するのに適している孔付円板の製造のための前記した多層電気メッキ技術が詳細に記載されている。異なる構造を相互に積層させて複数回の電気メッキにより金属析出させて、一体式の円板を提供する円板製造のこの製造原則は、明確に本願発明の公開内容に含められる。複数のレベルもしくは層の形での微細電気メッキによる金属析出は本発明による渦流円板の製造のためにも用いることができる。
【0004】
本発明の利点
本発明による請求項1の特徴部に記載された渦流円板は、特に簡単な方法で廉価に製造可能であるという利点を有する。特別な利点は、この渦流円板を再現可能な方法で極端に精密にきわめて高い生産個数で同時に製造できる点である(高いバッチ数)。本発明による一体式の渦流円板を用いて、それぞれ他の付加的な取付部材なしで又はその他の渦流形成補助手段なしで、噴射装置の、特に燃料噴射弁の渦流を有する2方向噴射を形成させることができる。
【0005】
引用形式請求項に記載された手段により、請求項1に記載された渦流円板の有利な発展及び改良が可能である。
【0006】
この渦流円板をいわゆる多層電気メッキ(Multilayergalvanik)を用いて製造するのが特に有利である。その金属構造に基づき、このような渦流円板はきわめて壊れにくくかつ各種の流体の噴射弁又は他の噴射ノズルに良好に取付可能である。この多層電気メッキの適用は、渦流円板における開口領域(流入領域、渦流通路、渦流室、流出口)の輪郭を自由に選択可能であるため、造形の自由度が極端に高い。結晶軸に基づき達成可能な輪郭(角錐台)は厳しく規定されているシリコン円板と比較して、この柔軟な形状付与性は極めて有利である。
【0007】
この金属析出は、特にシリコン円板の製造と比較して、極めて多くの金属の多様性の利点を有する。異なる磁性特性及び高度を有する多様な金属を渦流円板の製造のために使用される微細電気メッキにおいて用いることができる。
【0008】
金属析出のために2又は3つの電気メッキ工程を行うことにより3層からなる渦流円板を構築するのが特に有利である。この場合、上流側の層はカバー層であり、このカバー層が中央の渦流形成層の渦流室を完全にカバーする。この渦流形成層は複数の材料領域から形成され、この材料領域はその輪郭付与及びその形状の層に基づいて相互に渦流室及び渦流通路の輪郭を設定する。電気メッキプロセスにより、個々の層は分割箇所又は接合箇所なしに、十分に均質な材料となるように積み重なって構築されている。この場合、「層」とは仮想的な補助手段であると解釈される。
【0009】
有利に、この渦流円板内には少なくとも2つの、又は4つ又は6つの渦流通路が設けられており、この渦流通路を用いて燃料中に少なくとも2つの異なる渦流方向を作成する。この材料領域は渦流円板の所望の輪郭付与に応じて極めて多様な形状を有することができる。
【0010】
本発明による請求項8の特徴を有する燃料噴射弁は、噴射すべき燃料の極めて高い噴霧品質並びに所定の取付箇所及び燃焼室形状に対して所望の2方向噴流の形状を簡単な方法で達成するという利点を有する。本発明による燃料噴射弁を用いて、渦流を有する2方向噴射を達成可能であり、この場合、逆向きの渦流方向を有するこの2つの噴射分流は2つの渦を形成する。結果として、内燃機関の噴射弁では特に内燃機関の排気エミッションを減少させることができ、同様に燃料消費量の現象を達成することができる。
【0011】
この渦流円板に関して記載された利点から、燃料噴射弁に関する使用のための相応する利点も論理的に導き出すことができる、それというのも簡素化されかつ極めて良好に再現可能な渦流円板の製造方法により、燃料噴射弁用の流体、この場合燃料中での渦流形成の高い機能性と関連して、高い品質、均質な微細な噴射、噴射形状の高いバリエーション及びコストの低減の利点を有する。
【0012】
図面
本発明の実施例を図面で簡単に図示し、かつ次の記載において詳細に説明する。図1は渦流円板を装備可能な燃料噴射弁の断面図を示し、図2は本発明による渦流円板の平面図を示し、図3は図2でのIII−III線に沿った断面図を示す。
【0013】
実施例の記載
混合圧縮され、外部点火される内燃機関の燃料噴射装置用の噴射弁の形の図1において図示された電磁的に操作可能な弁は、マグネットコイル1によって少なくとも部分的に取り囲まれた、磁気回路の内部磁極として用いる、環状の、十分に中空シリンダ状のコア2を有する。この燃料噴射弁は内燃機関の燃焼室内へ燃料を直接噴射する高圧噴射弁として特に適している。本発明による、後に詳述する渦流円板の使用のために、噴射弁(例えば、ガソリンの使用またはディーゼルの使用のため、直噴又は吸気管内噴射のため)は一つの重要な適用分野であるにすぎない。この渦流円板はインクジェット印刷において、各種の液体の噴射のためのノズルに、又は吸入装置において使用することもできる。渦流成分を有する微細なスプレーの作成のために、本発明による渦流円板は広く普遍的に用いられている。
【0014】
例えばプラスチックからなる段階的なコイル体3はマグネットコイル1の巻付物を収容し、かつコア2と、マグネットコイル1により部分的に取り囲まれた、リング状の非磁性の中間部材4との関係で、マグネットコイル1の領域内での噴射弁の特にコンパクトで短い構造を可能にする。
【0015】
コア2内には、弁の縦軸8に沿って延在している貫通する長孔7が設けられている。磁気回路のコア2は燃料供給管としても用いられ、この場合、長孔7は燃料供給路である。外側金属(例えばフェライト製)ケーシング部14がマグネットコイル1の上方のコア2と強固に結合しており、このケーシング部14は外部磁極もしくは外側導体素子として電磁開路を閉じ、かつマグネットコイル1を少なくとも円周方向で完全に取り囲んでいる。コア2の長孔7内には供給側に燃料フィルタ15が設けられており、この燃料フィルタ15は、そのサイズに基づき噴射弁内で閉塞又は損傷の原因となりかねないような燃料成分を濾別する。
【0016】
上方のケーシング部14には下方の環状ケーシング部18が緊密にかつ強固に結合し、この環状ケーシング部18は、例えばアンカー19及びロッド状の弁ニードル20からなる軸方向に可動のバルブ部分もしくは長く延びる弁座支持体21を取り囲むかもしくは収容する。2つのケーシング部14及び18は例えば取り囲む溶接ビードにより相互に強固に結合されている。ケーシング部18と弁座支持体21との間のシールは、例えばシールリング22を用いて行う。
【0017】
全体の燃料噴射弁の流動方向に向かって下流側の終端部でもあるその下方端部25で、弁座支持体21は貫通開口部24内にはめ込まれた、流動方向に向かって下流側の円錐台形にテーパーになった弁座面を有する円板状の弁座部材26を取り囲む。貫通開口部24内には弁ニードル20が配置されており、この弁ニードル20はその流動方向に向かって下流側の端部に弁閉鎖部28を有している。この例えば円錐状にテーパになった弁閉鎖部28は、公知のように弁座面27と協動する。弁座面27の下流側に、弁座部材26に続いて本発明による渦流円板30があり、この渦流円板30は例えば多層メッキ技術を用いて製造されており、かつ3つの相互に積層して堆積された金属層を有する。
【0018】
噴射弁の作動は公知のように例えば電磁的に行う。弁ニードルの軸方向の運動のため、つまりはコア2の長孔7内に配置されたリターンスプリング33のばね張力に対抗して開放するために、もしくは噴射弁を閉鎖するために、マグネットコイル1、コア2、ケーシング部14及び18並びにアンカー19を備えた電磁開路が用いられる。弁の縦軸8に沿ってアンカー19と一緒に軸方向へ運動する間の弁ニードル20のガイドのために、一方で弁座支持体21内のアンカー19に向かう端部にあるガイド開口部34が用いられ、かつ他方で弁座部材26の流動方向に向かって上流側に配置された円板状のガイド部材35が用いられる。
【0019】
電磁開路に代わって、他の作動可能なアクチュエータ、例えば圧電積層体を、同様の燃料噴射弁内に使用することができるか、もしくは軸方向に運動するバルブ部分の作動は油圧又はサーボプレッシャによって行うこともできる。
【0020】
コア2の長孔7内に差し込まれたか、押し込まれたか又はねじ込まれた調節スリーブ38は、リターンスプリング33のばねプレロードの調節のために用いられ、前記のリターンスプリング33はその上流側でセンタリング部材39を介して調節スリーブ38に当接し、その反対側でアンカー19に支持される。アンカー19内には1個又は数個の穿孔状の流動通路40が設けられており、その流動通路40を通して燃料はコア2内の長孔7から、弁座支持体21内のガイド開口部34付近の、流動通路40の下流側に構成された接続通路41を介して貫通開口部24内へまで達することができる。
【0021】
弁ニードル20のストロークは弁座部材26の取付状態によって設定される。弁ニードル20の一方の終端位置は、励磁していないマグネットコイル1の状態で、弁閉鎖部28が弁座面27に当接することによって決まり、弁ニードル20の他方の終端位置は、励磁しているマグネットコイル1の状態で、アンカー19がコアの下流側端面に当接するにより生じる。
【0022】
マグネットコイル1の電気的接触及びそれによるマグネットコイルの励磁は、コンタクト部材43を介して行われ、このコンタクト部材43はコイル体3の外側にプラスチック押出被覆部44を備えており、さらに接続ケーブル45として延びている。このプラスチック押出被覆部44は、燃料噴射弁の他の部材(例えばケーシング部14及び18)を覆うように延びていてもよい。
【0023】
貫通開口部24内の第1の段部49は、例えばコイル状の圧縮ばね50用の当接面として用いられる。第2の段部51によって、3つの円板状の部材35、26及び30のための拡張された取付部が形成されている。弁ニードル20を取り囲む圧縮ばね50は、弁座支持体21内のガイド部材35にストレスをかけている、それというのもこの圧縮ばね50が段部49と反対側でガイド部材35に対して押圧するためである。弁座面27の下流側に弁座部材26内にインジョクションホール53が設けられており、このインジョクションホール53を通して弁の開放時に弁座面27に沿って流れる燃料が貫流し、続いて渦流円板内に流入する。この渦流円板30は例えば円板状のホルダ部材55の凹所54内に存在し、この場合、ホルダ部材55は弁座支持体21と、例えば溶接、接着又は狭着により結合されている。ホルダ部材55には中央の排出口56が形成されており、この排出口56を通して渦流を有する燃料が燃料噴射弁から2方向の噴射で出てくる。
【0024】
図2は本発明による渦流円板30の平面図を示し、図3は図2中の線III−IIIに沿った断面図を示す。
【0025】
渦流円板30は3つの電気メッキにより相互に積む重ねて堆積された平面もしくは層から形成され、従って前記の平面もしくは層は組み立てられた状態で軸方向に相互に積み重なっている。渦流円板30の3つの層は、その機能に応じて以後、カバー層60、渦流形成層61及び底面層62と称する。上側のカバー層60は渦流形成層61よりも小さな外径を有し、またこの渦流形成層61は底面層62よりも小さな外径を有する。
【0026】
このように、燃料はカバー層60に沿って外部へ流れ去り、例えば4つの渦流通路66の入り口領域65で中央の渦流形成層61内へ妨げなく進入できることが保証される。図2中の矢印は流動経路を示しており、この場合、渦流通路66の特別な配置によって、燃料の渦流を逆向きに形成されることが確認される。
【0027】
上方のカバー層60は閉じた金属層であり、この層は貫流のための開口領域を有していないが、環状に周囲を流れることができる。渦流形成層61内では、それに対して複雑な開口構造体が設けられており、この開口構造体はこの層61の軸方向の全体の厚さにわたり延びている。この中間層61の開口構造体は、内側の渦流室68及びこの渦流室68内に開口する多数の(例えば2、4、6又は8の)渦流通路66により形成されている。図示した実施例の場合に、渦流円板30は4つの渦流通路66を有する。2つの隣り合う渦流通路66aは、渦流室68に向かって平行に延びており、2つの他の渦流室66bは渦流室66aに対して90゜だけ回転して延びておりかつ相互に直接向かい合って渦流室68内に接線方向で開口している。渦流円板30の仮想の対称軸64のそれぞれの側で渦流通路66a及び渦流通路66bを介して流入する燃料は、この場合、1つの流動成分を形成するため、渦流室68内で2つの逆向きの流れが生じる。2つの渦流通路66bは、流出口69へ流れを導くために、例えばブレード状の突起部67が設けられている。
【0028】
渦流室68はカバー層60により完全にカバーされ、渦流通路66は部分的だけ覆われている、それというのも渦流室68と反対側の外側端部は上側に向かって開口する流入領域65を形成するためである。燃料にかかる回転インパルスは下側の底面層62の中央の流出口69内でも維持される。この場合、2つの逆向きの流れも維持され、この流れは2つの噴射分流70を作り出す。この2つの流れは渦流室68内で流出口69の直前で又は流出口69内で相互に出会う。直接の接触箇所では、2つの流れは同じ方向に向かって旋回するため、その次に相互に直接衝突し、望ましい2方向の噴射が強化される。
【0029】
例えば8の字形の流出口69の幅は、そのすぐ上に存在する渦流室68の開口幅よりも明らかに狭い。それにより渦流室68内に生じた渦流強度は強化される。1つの流出口69の代わりに、2つの密着して隣り合った流出口69が設けられていてもよく、この流出口69は1つのウェブにより相互に隔てられている。各流出口69から流れ(噴射分流70)が噴射され、この分流はそれぞれ他方の流れに対して逆向きの渦流方向を有する。2つの流出口69の相互の間隔でもって噴射形状を調整できる。
【0030】
渦流円板30は複数の金属層の形で、例えば電気メッキにより形成される(多層メッキ技術)。ディープリソグラフィー技術、電気メッキ技術による製造に基づいて輪郭付与において特別な特徴が生じ、この特徴に関して次にいくつか短くまとめて記載した。
【0031】
− 円板面にわたり一定の厚さを有する層、
− ディープリソグラフィー技術による構造化による層内への十分に垂直の切り込み部、この切り込み部はそれぞれ貫流する中空室を形成する(製造技術によって最適な垂直壁と比べて約3゜の偏差が生じることがある)、
− 個々に構造化された金属層の多層構造による切り込み部の所望なアンダーカット及びカバー、
− 任意の十分に軸に平行な壁部を有する断面形状を備えた切り込み部、
− 個々の金属析出を直接積み重ねて行うために、渦流円板の一体式での実施。
【0032】
次の段落において、この渦流円板の製造方法を短く説明する。すでに孔付円板の製造のために電気メッキにより金属析出する全体の方法工程は、ドイツ国特許出願公開(DE−OS)第19607288号明細書においてすでに詳細に記載されている。フォトリソグラフィー工程(UV−ディープリソグラフィー)及び引き続く微細電気メッキを漸次に適用する方法のための特徴は、大面積規模でも構造体の高い精密製が保証されるため、高い生産個数(高いバッチ数)の大量生産にとって理想的に使用できる。1つの加工素材又はウェハで多数の渦流円板30を同時に製造することができる。
【0033】
この方法の出発点は、平坦でかつ安定のキャリアプレートであり、このキャリアプレートは金属(チタン、鋼)、シリコン、ガラス又はセラミックからなることができる。このキャリアプレート上に、場合によりまず少なくとも1つの補助層を設ける。この場合、例えば電気メッキ開始層(例えばTiCuTi、CrCuCr、Ni)であり、この層は後の微細電気メッキのために導電性にする必要がある。この補助層の堆積は、例えばスパッタリング又は無電解金属メッキにより行われる。キャリアプレートのこの前処理の後に、補助層上にフォトレジスト(Photolack)全面に塗布、例えばローラコート又はスピンコートする。
【0034】
このフォトレジストの厚さは、この場合、金属層の厚さに一致するのが好ましく、この金属層は後続する電気メッキプロセスにおいて実現される、つまり渦流円板30の下方の底面層62の厚さでもある。このレジスト層は、光構造化可能なシート又は液体レジスト(ポリイミド、フォトレジスト)の1つ又は複数の層からなる。後に作成する塗膜構造体内へ場合により犠牲層を電気メッキする場合、フォトレジストの厚さは犠牲層の厚さだけ拡張しなければならない。実現すべき金属構造体は、フォトリソグラフィーマスクを用いて逆にフォトレジスト内に転写される。フォトレジストを直接マスクを通してUV照射(プリント配線板照射装置又は半導体照射装置)により照射し、引き続き現像することもできる。
【0035】
最終的にフォトレジスト中に生じる、渦流円板30の後の層62に対してネガの構造体は、電気メッキにより金属(たとえばNi、NiCo、NiFe、NiW、Cu)で充填される(金属の堆積)。この金属は電気メッキにより渦流円板30の構造を実現するために、場合による補助層の堆積から、所望の層の数に応じてこの工程を繰り返さなければならないため、3層の渦流円板30の場合、2つ(ラテラルな成長)又は3つの電気メッキ工程が行われる。渦流円板30の層にとって、異なる金属を使用することもできるが、これはそれぞれ新規の電気メッキ工程でのみ使用可能である。
【0036】
上方のカバー層60の堆積後に、残留するフォトレジストを金属構造体から湿式ストリッピングにより溶出させる。平坦な不動態化されたキャリアプレート(基板)の場合、渦流円板30は基板から取り外され、個々に切り離される。渦流円板30と良好に付着するキャリアプレートの場合、犠牲層を基板及び渦流円板30に対して選択的に除去エッチングし、それにより渦流円板30をキャリアプレートから取り外し、個々に切り離すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】渦流円板を装備可能な燃料噴射弁の断面図。
【図2】本発明による渦流円板の平面図。
【図3】図2でのIII−III線に沿った断面図。
従来の技術
本発明は、請求項1の前提部に記載された渦流円板並びに請求項8の前提部に記載された渦流円板を備えた燃料噴射弁に関する。
【0002】
ドイツ国特許出願公開(DE−OS)第19637103号明細書から、弁座の下流側に渦流形成手段を備えた電磁操作可能な燃料噴射弁は公知である。この渦流形成手段は、燃料の少なくとも2つの流れを形成させることができ、この流れは相互に半径方向にずらされて相互に包み込むかもしくは包囲し合うように延び、相互に逸れた方向を有するように設計されている。多様な方向を有する内側の流れ及び外側の流れから構成される噴射流を発生させる装置は、孔付円板上のガイド部材として用いられる流動ブレードもしくは多層の渦流取付部材によってまさに複雑で、その製造においても比較的費用がかかる。渦流を発生させる手段は、燃料噴射弁から渦流を有する中実の円錐状の噴流又は渦流を有する中空の円錐状の噴流を発生させるように設計されている。
【0003】
ドイツ国特許出願公開(DE−OS)第19607288号明細書には、すでに、燃料噴射弁に使用するのに適している孔付円板の製造のための前記した多層電気メッキ技術が詳細に記載されている。異なる構造を相互に積層させて複数回の電気メッキにより金属析出させて、一体式の円板を提供する円板製造のこの製造原則は、明確に本願発明の公開内容に含められる。複数のレベルもしくは層の形での微細電気メッキによる金属析出は本発明による渦流円板の製造のためにも用いることができる。
【0004】
本発明の利点
本発明による請求項1の特徴部に記載された渦流円板は、特に簡単な方法で廉価に製造可能であるという利点を有する。特別な利点は、この渦流円板を再現可能な方法で極端に精密にきわめて高い生産個数で同時に製造できる点である(高いバッチ数)。本発明による一体式の渦流円板を用いて、それぞれ他の付加的な取付部材なしで又はその他の渦流形成補助手段なしで、噴射装置の、特に燃料噴射弁の渦流を有する2方向噴射を形成させることができる。
【0005】
引用形式請求項に記載された手段により、請求項1に記載された渦流円板の有利な発展及び改良が可能である。
【0006】
この渦流円板をいわゆる多層電気メッキ(Multilayergalvanik)を用いて製造するのが特に有利である。その金属構造に基づき、このような渦流円板はきわめて壊れにくくかつ各種の流体の噴射弁又は他の噴射ノズルに良好に取付可能である。この多層電気メッキの適用は、渦流円板における開口領域(流入領域、渦流通路、渦流室、流出口)の輪郭を自由に選択可能であるため、造形の自由度が極端に高い。結晶軸に基づき達成可能な輪郭(角錐台)は厳しく規定されているシリコン円板と比較して、この柔軟な形状付与性は極めて有利である。
【0007】
この金属析出は、特にシリコン円板の製造と比較して、極めて多くの金属の多様性の利点を有する。異なる磁性特性及び高度を有する多様な金属を渦流円板の製造のために使用される微細電気メッキにおいて用いることができる。
【0008】
金属析出のために2又は3つの電気メッキ工程を行うことにより3層からなる渦流円板を構築するのが特に有利である。この場合、上流側の層はカバー層であり、このカバー層が中央の渦流形成層の渦流室を完全にカバーする。この渦流形成層は複数の材料領域から形成され、この材料領域はその輪郭付与及びその形状の層に基づいて相互に渦流室及び渦流通路の輪郭を設定する。電気メッキプロセスにより、個々の層は分割箇所又は接合箇所なしに、十分に均質な材料となるように積み重なって構築されている。この場合、「層」とは仮想的な補助手段であると解釈される。
【0009】
有利に、この渦流円板内には少なくとも2つの、又は4つ又は6つの渦流通路が設けられており、この渦流通路を用いて燃料中に少なくとも2つの異なる渦流方向を作成する。この材料領域は渦流円板の所望の輪郭付与に応じて極めて多様な形状を有することができる。
【0010】
本発明による請求項8の特徴を有する燃料噴射弁は、噴射すべき燃料の極めて高い噴霧品質並びに所定の取付箇所及び燃焼室形状に対して所望の2方向噴流の形状を簡単な方法で達成するという利点を有する。本発明による燃料噴射弁を用いて、渦流を有する2方向噴射を達成可能であり、この場合、逆向きの渦流方向を有するこの2つの噴射分流は2つの渦を形成する。結果として、内燃機関の噴射弁では特に内燃機関の排気エミッションを減少させることができ、同様に燃料消費量の現象を達成することができる。
【0011】
この渦流円板に関して記載された利点から、燃料噴射弁に関する使用のための相応する利点も論理的に導き出すことができる、それというのも簡素化されかつ極めて良好に再現可能な渦流円板の製造方法により、燃料噴射弁用の流体、この場合燃料中での渦流形成の高い機能性と関連して、高い品質、均質な微細な噴射、噴射形状の高いバリエーション及びコストの低減の利点を有する。
【0012】
図面
本発明の実施例を図面で簡単に図示し、かつ次の記載において詳細に説明する。図1は渦流円板を装備可能な燃料噴射弁の断面図を示し、図2は本発明による渦流円板の平面図を示し、図3は図2でのIII−III線に沿った断面図を示す。
【0013】
実施例の記載
混合圧縮され、外部点火される内燃機関の燃料噴射装置用の噴射弁の形の図1において図示された電磁的に操作可能な弁は、マグネットコイル1によって少なくとも部分的に取り囲まれた、磁気回路の内部磁極として用いる、環状の、十分に中空シリンダ状のコア2を有する。この燃料噴射弁は内燃機関の燃焼室内へ燃料を直接噴射する高圧噴射弁として特に適している。本発明による、後に詳述する渦流円板の使用のために、噴射弁(例えば、ガソリンの使用またはディーゼルの使用のため、直噴又は吸気管内噴射のため)は一つの重要な適用分野であるにすぎない。この渦流円板はインクジェット印刷において、各種の液体の噴射のためのノズルに、又は吸入装置において使用することもできる。渦流成分を有する微細なスプレーの作成のために、本発明による渦流円板は広く普遍的に用いられている。
【0014】
例えばプラスチックからなる段階的なコイル体3はマグネットコイル1の巻付物を収容し、かつコア2と、マグネットコイル1により部分的に取り囲まれた、リング状の非磁性の中間部材4との関係で、マグネットコイル1の領域内での噴射弁の特にコンパクトで短い構造を可能にする。
【0015】
コア2内には、弁の縦軸8に沿って延在している貫通する長孔7が設けられている。磁気回路のコア2は燃料供給管としても用いられ、この場合、長孔7は燃料供給路である。外側金属(例えばフェライト製)ケーシング部14がマグネットコイル1の上方のコア2と強固に結合しており、このケーシング部14は外部磁極もしくは外側導体素子として電磁開路を閉じ、かつマグネットコイル1を少なくとも円周方向で完全に取り囲んでいる。コア2の長孔7内には供給側に燃料フィルタ15が設けられており、この燃料フィルタ15は、そのサイズに基づき噴射弁内で閉塞又は損傷の原因となりかねないような燃料成分を濾別する。
【0016】
上方のケーシング部14には下方の環状ケーシング部18が緊密にかつ強固に結合し、この環状ケーシング部18は、例えばアンカー19及びロッド状の弁ニードル20からなる軸方向に可動のバルブ部分もしくは長く延びる弁座支持体21を取り囲むかもしくは収容する。2つのケーシング部14及び18は例えば取り囲む溶接ビードにより相互に強固に結合されている。ケーシング部18と弁座支持体21との間のシールは、例えばシールリング22を用いて行う。
【0017】
全体の燃料噴射弁の流動方向に向かって下流側の終端部でもあるその下方端部25で、弁座支持体21は貫通開口部24内にはめ込まれた、流動方向に向かって下流側の円錐台形にテーパーになった弁座面を有する円板状の弁座部材26を取り囲む。貫通開口部24内には弁ニードル20が配置されており、この弁ニードル20はその流動方向に向かって下流側の端部に弁閉鎖部28を有している。この例えば円錐状にテーパになった弁閉鎖部28は、公知のように弁座面27と協動する。弁座面27の下流側に、弁座部材26に続いて本発明による渦流円板30があり、この渦流円板30は例えば多層メッキ技術を用いて製造されており、かつ3つの相互に積層して堆積された金属層を有する。
【0018】
噴射弁の作動は公知のように例えば電磁的に行う。弁ニードルの軸方向の運動のため、つまりはコア2の長孔7内に配置されたリターンスプリング33のばね張力に対抗して開放するために、もしくは噴射弁を閉鎖するために、マグネットコイル1、コア2、ケーシング部14及び18並びにアンカー19を備えた電磁開路が用いられる。弁の縦軸8に沿ってアンカー19と一緒に軸方向へ運動する間の弁ニードル20のガイドのために、一方で弁座支持体21内のアンカー19に向かう端部にあるガイド開口部34が用いられ、かつ他方で弁座部材26の流動方向に向かって上流側に配置された円板状のガイド部材35が用いられる。
【0019】
電磁開路に代わって、他の作動可能なアクチュエータ、例えば圧電積層体を、同様の燃料噴射弁内に使用することができるか、もしくは軸方向に運動するバルブ部分の作動は油圧又はサーボプレッシャによって行うこともできる。
【0020】
コア2の長孔7内に差し込まれたか、押し込まれたか又はねじ込まれた調節スリーブ38は、リターンスプリング33のばねプレロードの調節のために用いられ、前記のリターンスプリング33はその上流側でセンタリング部材39を介して調節スリーブ38に当接し、その反対側でアンカー19に支持される。アンカー19内には1個又は数個の穿孔状の流動通路40が設けられており、その流動通路40を通して燃料はコア2内の長孔7から、弁座支持体21内のガイド開口部34付近の、流動通路40の下流側に構成された接続通路41を介して貫通開口部24内へまで達することができる。
【0021】
弁ニードル20のストロークは弁座部材26の取付状態によって設定される。弁ニードル20の一方の終端位置は、励磁していないマグネットコイル1の状態で、弁閉鎖部28が弁座面27に当接することによって決まり、弁ニードル20の他方の終端位置は、励磁しているマグネットコイル1の状態で、アンカー19がコアの下流側端面に当接するにより生じる。
【0022】
マグネットコイル1の電気的接触及びそれによるマグネットコイルの励磁は、コンタクト部材43を介して行われ、このコンタクト部材43はコイル体3の外側にプラスチック押出被覆部44を備えており、さらに接続ケーブル45として延びている。このプラスチック押出被覆部44は、燃料噴射弁の他の部材(例えばケーシング部14及び18)を覆うように延びていてもよい。
【0023】
貫通開口部24内の第1の段部49は、例えばコイル状の圧縮ばね50用の当接面として用いられる。第2の段部51によって、3つの円板状の部材35、26及び30のための拡張された取付部が形成されている。弁ニードル20を取り囲む圧縮ばね50は、弁座支持体21内のガイド部材35にストレスをかけている、それというのもこの圧縮ばね50が段部49と反対側でガイド部材35に対して押圧するためである。弁座面27の下流側に弁座部材26内にインジョクションホール53が設けられており、このインジョクションホール53を通して弁の開放時に弁座面27に沿って流れる燃料が貫流し、続いて渦流円板内に流入する。この渦流円板30は例えば円板状のホルダ部材55の凹所54内に存在し、この場合、ホルダ部材55は弁座支持体21と、例えば溶接、接着又は狭着により結合されている。ホルダ部材55には中央の排出口56が形成されており、この排出口56を通して渦流を有する燃料が燃料噴射弁から2方向の噴射で出てくる。
【0024】
図2は本発明による渦流円板30の平面図を示し、図3は図2中の線III−IIIに沿った断面図を示す。
【0025】
渦流円板30は3つの電気メッキにより相互に積む重ねて堆積された平面もしくは層から形成され、従って前記の平面もしくは層は組み立てられた状態で軸方向に相互に積み重なっている。渦流円板30の3つの層は、その機能に応じて以後、カバー層60、渦流形成層61及び底面層62と称する。上側のカバー層60は渦流形成層61よりも小さな外径を有し、またこの渦流形成層61は底面層62よりも小さな外径を有する。
【0026】
このように、燃料はカバー層60に沿って外部へ流れ去り、例えば4つの渦流通路66の入り口領域65で中央の渦流形成層61内へ妨げなく進入できることが保証される。図2中の矢印は流動経路を示しており、この場合、渦流通路66の特別な配置によって、燃料の渦流を逆向きに形成されることが確認される。
【0027】
上方のカバー層60は閉じた金属層であり、この層は貫流のための開口領域を有していないが、環状に周囲を流れることができる。渦流形成層61内では、それに対して複雑な開口構造体が設けられており、この開口構造体はこの層61の軸方向の全体の厚さにわたり延びている。この中間層61の開口構造体は、内側の渦流室68及びこの渦流室68内に開口する多数の(例えば2、4、6又は8の)渦流通路66により形成されている。図示した実施例の場合に、渦流円板30は4つの渦流通路66を有する。2つの隣り合う渦流通路66aは、渦流室68に向かって平行に延びており、2つの他の渦流室66bは渦流室66aに対して90゜だけ回転して延びておりかつ相互に直接向かい合って渦流室68内に接線方向で開口している。渦流円板30の仮想の対称軸64のそれぞれの側で渦流通路66a及び渦流通路66bを介して流入する燃料は、この場合、1つの流動成分を形成するため、渦流室68内で2つの逆向きの流れが生じる。2つの渦流通路66bは、流出口69へ流れを導くために、例えばブレード状の突起部67が設けられている。
【0028】
渦流室68はカバー層60により完全にカバーされ、渦流通路66は部分的だけ覆われている、それというのも渦流室68と反対側の外側端部は上側に向かって開口する流入領域65を形成するためである。燃料にかかる回転インパルスは下側の底面層62の中央の流出口69内でも維持される。この場合、2つの逆向きの流れも維持され、この流れは2つの噴射分流70を作り出す。この2つの流れは渦流室68内で流出口69の直前で又は流出口69内で相互に出会う。直接の接触箇所では、2つの流れは同じ方向に向かって旋回するため、その次に相互に直接衝突し、望ましい2方向の噴射が強化される。
【0029】
例えば8の字形の流出口69の幅は、そのすぐ上に存在する渦流室68の開口幅よりも明らかに狭い。それにより渦流室68内に生じた渦流強度は強化される。1つの流出口69の代わりに、2つの密着して隣り合った流出口69が設けられていてもよく、この流出口69は1つのウェブにより相互に隔てられている。各流出口69から流れ(噴射分流70)が噴射され、この分流はそれぞれ他方の流れに対して逆向きの渦流方向を有する。2つの流出口69の相互の間隔でもって噴射形状を調整できる。
【0030】
渦流円板30は複数の金属層の形で、例えば電気メッキにより形成される(多層メッキ技術)。ディープリソグラフィー技術、電気メッキ技術による製造に基づいて輪郭付与において特別な特徴が生じ、この特徴に関して次にいくつか短くまとめて記載した。
【0031】
− 円板面にわたり一定の厚さを有する層、
− ディープリソグラフィー技術による構造化による層内への十分に垂直の切り込み部、この切り込み部はそれぞれ貫流する中空室を形成する(製造技術によって最適な垂直壁と比べて約3゜の偏差が生じることがある)、
− 個々に構造化された金属層の多層構造による切り込み部の所望なアンダーカット及びカバー、
− 任意の十分に軸に平行な壁部を有する断面形状を備えた切り込み部、
− 個々の金属析出を直接積み重ねて行うために、渦流円板の一体式での実施。
【0032】
次の段落において、この渦流円板の製造方法を短く説明する。すでに孔付円板の製造のために電気メッキにより金属析出する全体の方法工程は、ドイツ国特許出願公開(DE−OS)第19607288号明細書においてすでに詳細に記載されている。フォトリソグラフィー工程(UV−ディープリソグラフィー)及び引き続く微細電気メッキを漸次に適用する方法のための特徴は、大面積規模でも構造体の高い精密製が保証されるため、高い生産個数(高いバッチ数)の大量生産にとって理想的に使用できる。1つの加工素材又はウェハで多数の渦流円板30を同時に製造することができる。
【0033】
この方法の出発点は、平坦でかつ安定のキャリアプレートであり、このキャリアプレートは金属(チタン、鋼)、シリコン、ガラス又はセラミックからなることができる。このキャリアプレート上に、場合によりまず少なくとも1つの補助層を設ける。この場合、例えば電気メッキ開始層(例えばTiCuTi、CrCuCr、Ni)であり、この層は後の微細電気メッキのために導電性にする必要がある。この補助層の堆積は、例えばスパッタリング又は無電解金属メッキにより行われる。キャリアプレートのこの前処理の後に、補助層上にフォトレジスト(Photolack)全面に塗布、例えばローラコート又はスピンコートする。
【0034】
このフォトレジストの厚さは、この場合、金属層の厚さに一致するのが好ましく、この金属層は後続する電気メッキプロセスにおいて実現される、つまり渦流円板30の下方の底面層62の厚さでもある。このレジスト層は、光構造化可能なシート又は液体レジスト(ポリイミド、フォトレジスト)の1つ又は複数の層からなる。後に作成する塗膜構造体内へ場合により犠牲層を電気メッキする場合、フォトレジストの厚さは犠牲層の厚さだけ拡張しなければならない。実現すべき金属構造体は、フォトリソグラフィーマスクを用いて逆にフォトレジスト内に転写される。フォトレジストを直接マスクを通してUV照射(プリント配線板照射装置又は半導体照射装置)により照射し、引き続き現像することもできる。
【0035】
最終的にフォトレジスト中に生じる、渦流円板30の後の層62に対してネガの構造体は、電気メッキにより金属(たとえばNi、NiCo、NiFe、NiW、Cu)で充填される(金属の堆積)。この金属は電気メッキにより渦流円板30の構造を実現するために、場合による補助層の堆積から、所望の層の数に応じてこの工程を繰り返さなければならないため、3層の渦流円板30の場合、2つ(ラテラルな成長)又は3つの電気メッキ工程が行われる。渦流円板30の層にとって、異なる金属を使用することもできるが、これはそれぞれ新規の電気メッキ工程でのみ使用可能である。
【0036】
上方のカバー層60の堆積後に、残留するフォトレジストを金属構造体から湿式ストリッピングにより溶出させる。平坦な不動態化されたキャリアプレート(基板)の場合、渦流円板30は基板から取り外され、個々に切り離される。渦流円板30と良好に付着するキャリアプレートの場合、犠牲層を基板及び渦流円板30に対して選択的に除去エッチングし、それにより渦流円板30をキャリアプレートから取り外し、個々に切り離すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】渦流円板を装備可能な燃料噴射弁の断面図。
【図2】本発明による渦流円板の平面図。
【図3】図2でのIII−III線に沿った断面図。
Claims (11)
- 少なくとも1つの流入領域(65)と、少なくとも1つの流出口(69)と、少なくとも2つの渦流通路(66)とを有する流体用の完全な通路を備えた特に噴射弁用の渦流円板であって、前記の少なくとも1つの流出口(69)は下方の底面層(62)内に設けられており、前記の少なくとも2つの渦流通路(66)は渦流室(68)内に開口し、この渦流室(68)は渦流発生層(61)内に設けられている形式のものにおいて、流体の貫流の際に、少なくとも2つの逆向きの渦流を隣り合って形成し、これらの渦流がそれぞれ固有の噴射分流(70)を形成するように前記の渦流通路(66)が配置されかつ配向されていることを特徴とする、渦流円板。
- 少なくとも2つの渦流通路(66,66b)が相互に対向するように配向されている、請求項1記載の渦流円板。
- 4つの渦流通路(66)が設けられており、その中の2つの渦流通路(66a)は相互に平行に延在しており、他の2つの渦流通路(66b)は、前記の渦流通路(66a)に対して旋回して延在しておりかつ渦流室(68)内へ相互に向かい合って接線方向に開口している、請求項1又は2記載の渦流円板。
- 2つの渦流通路(66,66b)はブレード状に丸味を付けられた突起部(67)を有する、請求項2又は3記載の渦流円板。
- 流出口(69)が8の字形に構成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の渦流円板。
- 上方のカバー層(60)がその下にある渦流形成層(61)及び下方の底面層(62)に比べて小さな外径を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の渦流円板。
- 渦流円板(30)の層を電気メッキによる金属析出法を用いて相互に付着強固に直接形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の渦流円板。
- 弁の縦軸(8)、アクチュエータ(1,2,14,18,19)、可動の弁部材(20)及び弁座(27)の下流側に配置された渦流円板(30)を備えた内燃機関の燃料噴射装置用の、特に内燃機関の燃焼室内へ燃料を直噴するための燃料噴射弁であって、前記の可動の弁部材(20)は、弁の開放又は閉鎖のために、弁座部材(26)に接して構成されている固定の弁座(27)と協働し、前記の渦流円板(30)は多層構造を有しかつ少なくとも1つの流入領域(65)と、下方の底面層(62)内に設けられている少なくとも1つの流出口(69)と、1つの渦流室(68)と、渦流室(68)内に開口しかつ流出口(69)の上流側にある少なくとも2つの渦流通路(66)とを有する形式のものにおいて、前記の渦流通路(66)が、流体の貫流の際に、少なくとも2つの逆向きの渦流を相互に隣り合って形成し、この少なくとも2つの渦流がそれぞれ固有の噴射分流を形成するように配置されかつ配向されていることを特徴とする、燃料噴射弁。
- 渦流円板(30)の少なくとも2つの渦流通路(66,66b)が相互に対向するように配向されている、請求項8記載の燃料噴射弁。
- 流出口(69)が8の字形に構成されている、請求項8又は9記載の燃料噴射弁。
- 渦流円板(30)を貫流する燃料中に渦流を有する2方向噴流を形成させるように渦流円板(30)が構成されており、渦流円板(30)内で形成された2つの渦流から2つの噴射分流(70)が生じる、請求項8から10までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
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