JP2004507203A - Rnaポリメラーゼプロモーターからのインビトロ転写を伴う核酸標的配列の検出方法 - Google Patents

Rnaポリメラーゼプロモーターからのインビトロ転写を伴う核酸標的配列の検出方法 Download PDF

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Abstract

ハイブリダイゼーション反応によって形成される、4つの核酸分子からなる複合体を開示する。本複合体は標的核酸分子ならびに第1、第2および第3核酸プローブ分子からなる。上記第1プローブは、標的の第1部分に相補的であってその部分にハイブリダイズされるフット領域と、標的には実質的に非相補的であるアーム領域とを含む。上記第2プローブは標的の第2部分に相補的なフット領域を含み、第2プローブのフット領域は第1プローブのフット領域に隣接してまたは実質的に隣接して標的にハイブリダイズされるようになっている。また上記第2プローブは、標的には実質的に非相補的であるが、第1プローブのアーム領域には相補的であって第1プローブのアーム領域にハイブリダイズされるアーム領域も含む。上記第3プローブは、第1プローブのアーム領域の一部分に少なくとも部分的に相補的であって、第3プローブは第2プローブに隣接してまたは実質的に隣接して第1プローブのアーム領域にハイブリダイズされるようになっている。そして上記複合体の形成により、第1プローブが一方の鎖を提供し第2プローブと第3プローブとが共同して他方の鎖を提供してなる機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターが生成する。また、興味ある標的核酸配列を検出する方法であって、上記複合体の形成を伴う方法も開示する。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は機能的RNAポリメラーゼプロモーターを含む核酸複合体に関する。また本発明は興味ある標的核酸配列の検出方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
RNAポリメラーゼは分子生物学分野および分子診断キット分野の当業者には周知の酵素分子である。RNAポリメラーゼはDNA鋳型鎖からRNA分子を合成する。
【0003】
RNAポリメラーゼ、特にバクテリオファージRNAポリメラーゼについては、多くの研究が行われてきた。
【0004】
具体的に述べると、バクテリオファージT7由来のRNAポリメラーゼは、T7 DNAと無関係なDNAでは稀にしか出会わない特殊なプロモーターに極めて選択的であることが示されている(Chamberlinら,1970 Nature 228,227、DunnおよびStudier 1983 J. Mol. Biol. 166,477)。T7 RNAポリメラーゼはT7プロモーターの制御下に置かれたほとんど全てのDNAの完全な転写物を作ることができる。T7 RNAポリメラーゼは大腸菌RNAポリメラーゼより約5倍速く転写を行なう著しく活性な酵素である(Studierら,1990 Methods Enzymol. 185,60)。T7 RNAポリメラーゼを用いた小さいRNAの合成が記述されているが、それによると、RNAポリメラーゼプロモーター配列周辺の配列は、生成するRNAの収量を再現性よく向上させるのに重要であることがわかる(MilliganおよびUhlenbeck,1989 Methods Enzymol. 180,51、Milliganら,1987 Nucl. Acids Res. 15,8783−8798)。T7 RNAポリメラーゼと類似する性質を持つ他のRNAポリメラーゼにはバクテリオファージT3およびSP6に由来するものがあり、その遺伝子はいずれもクローン化され、対応する酵素が市販されている。T7、T3およびSP6ポリメラーゼについては最適なプロモーター配列が知られており、それらは基本的に17ヌクレオチド長である。
【0005】
RNAポリメラーゼを利用して、興味ある特定の核酸配列(「標的」)が存在することの結果としてRNAを直接的または間接的に合成する方法は、数多く知られている。このようにして(直接的または間接的に検出される)RNAの存在は、興味ある配列の存在を示すのに役立ち、アッセイ法および/または診断法もしくは診断キットの基礎として利用することができる。WO93/06240、WO94/29481、EP0851033およびEP0552931の開示は、その例である。
【0006】
特にWO93/06240には、2つのプローブの間で起こるハイブリダイゼーションが興味ある配列の存在を示すことになるように、興味ある標的核酸配列が存在する場合にのみ一緒にハイブリダイズする2つのプローブの使用が開示されている。
【0007】
本明細書で言及する刊行物は全て、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0008】
(発明の概要)
第1の側面として本発明は、ハイブリダイゼーション反応によって形成される、4つの核酸分子からなる複合体を提供する。本複合体は標的核酸分子ならびに第1、第2および第3核酸プローブ分子からなる。上記第1プローブは、標的の第1部分に相補的であってその部分にハイブリダイズされるフット領域と、標的には実質的に非相補的であるアーム領域とを含む。上記第2プローブは標的の第2部分に相補的なフット領域を含み、第2プローブのフット領域は第1プローブのフット領域に隣接してまたは実質的に隣接して標的にハイブリダイズされるようになっている。また上記第2プローブは、標的には実質的に非相補的であるが、第1プローブのアーム領域には相補的であって第1プローブのアーム領域にハイブリダイズされるアーム領域も含む。上記第3プローブは、第1プローブのアーム領域の一部分に少なくとも部分的に相補的であって、第3プローブは第2プローブに隣接してまたは実質的に隣接して第1プローブのアーム領域にハイブリダイズされるようになっている。そして上記複合体の形成により、第1プローブが一方の鎖を提供し第2プローブと第3プローブとが共同して他方の鎖を提供してなる機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターが生成する。
【0009】
プローブの配列およびハイブリダイゼーション反応条件は、RNAポリメラーゼプロモーターの形成が標的依存的に起こるように、標的が存在しない場合には第1プローブと第2プローブとがハイブリダイズした状態になることができないように選択することが好ましい。
【0010】
第2の側面として本発明は、試料中の標的核酸分子の存在を検出する方法を提供する。本方法は、標的を含む試料を、標的のそれぞれ第1および第2部分(この第1部分と第2部分とは隣接しているか、または実質的に隣接している)に相補的なフット領域を含む第1および第2核酸プローブと接触させる工程(ここに、第1および第2プローブはそれぞれ、標的とは実質的に非相補的であるアーム領域をさらに含み、第1プローブのアーム領域の少なくとも一部分は、第2プローブのアーム領域の少なくとも一部分に相補的であって、第1および第2プローブの各フット領域が標的にハイブリダイズすると、第1および第2プローブのアーム領域の相補部分のハイブリダイゼーションが可能になるようになっている);第1プローブのアーム領域の一部分に相補的な第3核酸プローブ分子を、第3プローブが第2プローブのアーム領域に隣接してまたは実質的に隣接して第1プローブにハイブリダイズするように存在させ、よって、第1プローブが一方の鎖を提供し第2プローブと第3プローブとが共同して他方の鎖を提供してなる機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを生成させる工程;前記RNAプロモーターからRNAを合成させる工程;およびそのように合成されたRNAを直接的または間接的に検出する工程を含む。
【0011】
したがって、本発明の第2の側面である方法は、第1の側面である複合体の形成をもたらす。
【0012】
第1および第2プローブは、標的配列にハイブリダイズした時に、互いに隣接するかまたは実質的に隣接することが、本発明の本質的特徴である。「隣接する」という用語の使用は、本明細書では、プローブの相補的配列と塩基対を形成する標的配列の部分間に、塩基対を形成せずに残っている標的配列のヌクレオチドがないことを意味するものとする。このプローブ間の近接性はプローブの相補的アーム部分のアニーリングを可能にする。当業者にはすぐにわかるだろうが、標的配列からより離れた位置で互いにアニーリングできるようにプローブを設計することにより、標的ヌクレオチド配列においてプローブがハイブリダイズする位置の間に、ギャップを導入してもよい。この場合、プローブは「本質的に隣接する」という。なぜなら、プローブの相補的配列と塩基対を形成する標的配列の部分間に、標的ヌクレオチド配列のいくつかのヌクレオチドが、塩基対を形成せずに残っていてもよいからである。標的配列上で塩基対を形成せずに介在しているヌクレオチドの数がプローブの設計によって変化しうることは明らかである。したがって、第1プローブと第2プローブとは隣接するようにハイブリダイズすることが好ましいものの、プローブは5ヌクレオチドまでの標的配列で分離されていてもよく、「実質的に隣接する」という用語は、このような状況を指すものとする。
【0013】
また、第2および第3プローブは、第2プローブと第3プローブとが「隣接する」か実質的に隣接する(これらの用語は上記の定義と同じ意味を持つものとする)ような形で、第1プローブのアーム領域にハイブリダイズしなければならないことも、上記の説明からわかるだろう。しかし、第2および第3プローブは共同してプロモーターの一方の鎖を構成するので、第2および第3プローブは最適なプロモーター活性が得られるように隣接した形でハイブリダイズすることが極めて望ましい。本発明者らは、第2プローブと第3プローブの間に1ヌクレオチドのギャップがあるだけでも、プロモーター活性は著しく低下することを見出している。
【0014】
核酸複合体を形成させる際のプローブの添加順序が重要でないことは当業者には明らかだろう。例えば第3プローブは、第2プローブおよび試料を添加する前に、第1プローブにハイブリダイズさせることができる。あるいは、例えば3つのプローブの全てを同時に、標的分子を含有する試料と混合してもよい。
【0015】
また、RNAポリメラーゼプロモーターの一方の鎖を共同して提供する第2および第3プローブは共有結合しているわけではなく、したがってプロモーター配列は一方の鎖のリン酸ジエステル主鎖に「ニック」を含んでいることも、当業者には明らかだろう。説明が不明瞭にならないように述べておくが、本明細書では、上記第1、第2および第3プローブをそれぞれ「鋳型」、「相補体」および「分割相補体」という場合もある。
【0016】
本発明で使用される好ましいプロモーターは、バクテリオファージポリメラーゼによって認識されるもの、特にT3、T7またはSP6ポリメラーゼの一つによって認識されるプロモーターである。これらのプロモーターは一般に最低17〜18塩基からなり、基本的に二本鎖であるだろう。二本鎖T3 RNAポリメラーゼプロモーターの配列(先行技術に記載)は、
【0017】
【化1】
Figure 2004507203
【0018】
または
【0019】
【化2】
Figure 2004507203
【0020】
である。
i)=配列番号1
ii)=配列番号2
(例えば非鋳型鎖[上記の配列で上側の鎖]の最初の3塩基がAATではなく5’TTA3’であるものなど、いくつかの変異型T3プロモーター配列が知られている。)
T7 RNAポリメラーゼプロモーターの配列(先行技術に記載)は、
【0021】
【化3】
Figure 2004507203
【0022】
である。
SP6 RNAポリメラーゼプロモーターの配列(先行技術に記載)は、
【0023】
【化4】
Figure 2004507203
【0024】
である。
プロモーターの一方の鎖は第1プローブによって提供される。これは、典型的には、ポリメラーゼによって転写される「センス」(+)鎖になるだろう。したがって第1プローブは、一般的には、転写されるべき一続きの「鋳型」核酸を含むだろう。鋳型は、望ましくは、生成するRNA転写物の捕捉(例えばハイブリダイゼーション)および/または検出を容易にする配列を含むだろう。さらに第1プローブは、プロモーターの活性を増大させるのに役立つ配列(例えば「+12配列」)をプロモーター配列に隣接して含有することが望ましいかもしれない。そのような配列の具体例を下記実施例に開示する。「+12配列」は、プロモーターのすぐ下流(すなわち+1〜+12の位置)にある12塩基から構成されるのでこのような名前で呼ばれる配列であり、転写レベルの増大を引き起こす。
【0025】
本発明者らは、T7ポリメラーゼについて、+12領域の最適な配列を解明した(以下に、より詳しく論じる)。これらが、例えばT3ポリメラーゼやSP6ポリメラーゼにも最適であるかどうかは、現時点ではわかっていない。SP6ポリメラーゼやT3ポリメラーゼは異なる最適+12領域を持つことも考えられるが、その場合、本発明の開示を利用して試行錯誤により適切な配列を同定することは、当業者にとっては簡単なことだろう。
【0026】
第1プローブの鋳型部分への組み込みに関して好ましい+12領域の配列(T7プロモーターの場合)を下記の表1に示す。最も活性な+12領域(最大の転写を与えるもの)は一番上の配列であり、下に行くほど優位度は低下する。
【0027】
表1 T7ポリメラーゼ用の鋳型+1〜+12配列の選択肢(下へ行くほど転写効率が低下)(それぞれ配列番号5〜14)
【0028】
【化5】
Figure 2004507203
【0029】
(5’塩基には+1(プロモーター配列の末端から下流に向かって1番目の塩基)が割り当てられ、3’塩基には+12が割り当てられる)。
【0030】
さらにもう一つの態様として、複合体の鋳型部分(一般的には第1プローブ上にある)は、新規合成されたRNA転写物を単離、同定、検出、定量または増幅するために使用することができる配列を含有してもよい(例えばWO93/06240、US5,554,516を参照されたい。あるいは、例えばTyagiおよびKramer 1996 Nature Biotech 14,303−308に開示されているような分子ビーコン配列を用いる)。これらの配列は(上記の)+12領域に隣接させてその下流に配置するとよく、例えばユニークな「分子ビーコン」配列、捕捉配列、検出プローブ相補配列など(ただしこれらに限るわけではない)の1または複数からなることがでできる。
【0031】
原則的に、第2プローブと第3プローブとが共同して全プロモーター配列の一方の鎖を与える限り、プロモーター配列の17塩基は、第2プローブと第3プローブにどのような形で分割してもよい。実際面では、一般に、第2プローブがプロモーター配列の5’末端の2〜4(好ましくは3)塩基を与え、プロモーターの残り(15〜13塩基)が第3プローブによってもたらされる場合に最適な結果が得られることを、本発明者らは見出した。さらに本発明者らは、第3プローブの3’末端にいくつかの追加塩基(通例、1〜3塩基またはそれ以上)を組み入れることによって(例えば鋳型鎖上の+12配列に相補的な少なくとも数個の塩基を与えて、+12配列が少なくとも部分的には二本鎖になるようにすることによって)、プロモーター活性を増大させうることも見出した。
【0032】
第1、第2または第3プローブはいずれもDNA、ペプチド核酸(PNA)、LNA(ロックト核酸(locked nucleic acid))、(それほど好ましくはないがRNA)、またはそれらの任意の組み合わせからなってよい。ただし一般的には、プローブのうちプロモーターを構成する部分については、適切なポリメラーゼによって確実に認識されるように、通常のDNAからなることが望ましいだろう。したがって「核酸複合体」「核酸分子」および「核酸プローブ」という用語は、それぞれ通常の核酸だけから構成される複合体、分子またはプローブに限られると解釈すべきではなく、非通常型の核酸(PNAやLNAなど)または非核酸部分を含む複合体、分子またはプローブも包含する。
【0033】
PNAは、糖/リン酸エステル主鎖がペプチド連結鎖(通例、N−(2−アミノエチル)グリシン単位が繰返されてなる鎖)で置き換えられ、そこにメチレンカルボニル結合によって塩基が結合されている合成核酸類似体である。PNA/DNAハイブリッドは二本鎖DNA分子と比較して高いTm値を持つ。というのも、DNAでは著しく負に帯電したリン酸エステル主鎖が各鎖間の静電反発を引き起こすのに対して、PNAの主鎖は帯電していないからである。PNAのもう一つの特徴は、一塩基ミスマッチの不安定化効果が、ヘテロ二本鎖DNA中の一塩基ミスマッチよりも相対的に言って強いことである。したがって、本発明で使用されるプローブにPNAを組み入れることは、得られるプローブがDNAだけから構成されるプローブよりも高い特異性を持つので、有用である。PNAの合成および使用法は、例えばOrumら(1993 Nucl. Acids Res. 21,5332)、Egholmら(1992 J. Am. Chem. Soc. 114,1895)およびEgholmら(1993 Nature 365,566)などに開示されている。
【0034】
LNAは「内部架橋型」ヌクレオシド類似体を組み込んだ合成核酸類似体である。LNAの合成とその諸性質は多くの著者によって記述されている:Nielsenら(1997 J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1,3423)、Koshkinら(1998 Tetrahedron Letters 39,4381)、SinghおよびWengel (1998 Chem. Commun. 1247)、Singhら(1998 Chem. Commun. 455)。PNAの場合と同様に、LNAはDNAと組み合わせると、通常のDNA/DNAヘテロ二本鎖よりも高い熱安定性を示す。しかしLNAは従来の核酸合成装置で合成することができるのに対し、PNAは従来の核酸合成装置では合成できない。
【0035】
非通常型の核酸(LNA、PNAまたは塩基類似体を含有する核酸)の他に、本発明で使用される1または複数のプローブは、1または複数の不安定化部分を含んでもよい。
【0036】
不安定化部分は、核酸の相補鎖がハイブリダイズした状態になる時に通常起こるような正常な形では塩基対形成および水素結合を起こすことが一般にできない化学物質である。
【0037】
どのような種類の分子でも不安定化部分としての使用に適しうるが、以下に述べるように一部の化合物は特に好ましい。本明細書を利用すれば、当業者は、他の化合物を試験して、興味ある標的核酸が存在しない場合にはプローブのハイブリダイゼーションが起こらないように適当な不安定化度を与える化合物を、容易に選択することができるだろう。従来の自動固相核酸合成装置による合成オリゴヌクレオチドへの組み込みが容易な形で(例えばホスホロアミダイトとして)市販されている化合物は、便宜上、特に好ましい。
【0038】
塩基対は形成できないものの、柔軟な折りたたみ構造および/またはヘアピン構造を形成することができる不安定化部分は、特に適切である。そのような好ましい不安定化部分の一つはヘキサエチレングリコール(ここでは「Hex」と略記する)からなり(図5参照)、このヘキサエチレングリコール部分は単独で存在してもよいし、またはn回まで直列に並んで存在してもよい(ここにnは任意の数字であってよいが、最大値は5であるとよい)。特に好ましい一態様では第3プローブが1つのHex分子を含む。この場合、第1プローブのアーム領域においてこの不安定化部分に相対する塩基の数は、3〜4塩基になるはずである。もう一つの好ましい不安定化部分は、複数のアルキレン(特にメチレン)反復からなる。ペンタメチレンまたはヘキサメチレンスペーサーは特に好ましい。
【0039】
あるいは、他のそれほど好ましくない不安定化部分を使用してもよい。これらの不安定化部分としては、例えばイノシン、Virazole(商標)(N[1]−[1−β−D−リボフラノシル]−3−カルボキサミド−1,2,4−トリアゾール)、Nebularin(商標)(N[9]−[1−β−D−リボフラノシル]−プリン)、ニトロピロール、リボース、プロピルまたは上記の組み合わせ、例えばプロピル−Hex−プロピル、プロピル−Hex−Hex−プロピルなどが挙げられる。プロピルは例えばエチル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチルなどで置き換えてもよい。相補プローブのアーム領域においてこの不安定化部分に相対する塩基の数はxになるはずである(xは1または1より大きい整数である)。正確な塩基数はもちろん不安定化部分のサイズおよびnの値に依存するだろう。
【0040】
以下の指針を使用できる。相対するプローブは、不安定化部分中の各Hex分子について、好ましくは3〜4(好ましくは3)塩基を含むべきである(すなわちXは3n〜4n)。また、相対するプローブは、不安定化部分に存在する上述した他の分子または基のそれぞれについて、次の例外を除いて好ましくは1塩基を含むべきである:ブチル−2塩基、ペンチル−2塩基、ヘプチル−3塩基、オクチル−4塩基。
【0041】
不安定化部分として使用される上記の化学物質は全て(例えばGlen Research(米国)などから)市販されている。
【0042】
第1、第2および第3プローブの複合体(つまりは機能的RNAプロモーターの形成)が標的依存的に起こることを保証するために、プローブに関して適切な条件、材料および配列を選択する方法は、当業者には理解されるだろう。基本的に、第1および第2プローブのアーム領域間の相補性の程度は、使用する条件において、標的に対する第1および第2プローブの各フット領域のハイブリダイゼーションによって安定化されない限り、第1および第2プローブのアーム領域がハイブリダイズしないようなものでなければならない。
【0043】
したがって一般に、第1および第2プローブのフット領域は、少なくとも10塩基、好ましくは少なくとも20塩基、より好ましくは少なくとも25塩基からなるだろう。フット領域のサイズに上限はない(フット領域は例えば数キロ塩基からなってもよい)。しかし実際問題としては、通常、プローブはインビトロ合成されたオリゴヌクレオチドであるだろうから、フット領域は約75残基を超えない塩基からなることが好ましいだろう。
【0044】
これに対して、第1および第2プローブのアーム領域間の相補塩基の数は、標的が存在しない場合には(使用するアッセイ条件下で)当該アーム領域が互いにハイブリダイズした状態にならないように、通常は25塩基を超えず、典型的には15塩基未満、最適には5〜13塩基であるだろう。
【0045】
好ましい態様として、本発明は、標的依存的にシグナルを生成させ(すなわち複合体の生成、つまりは機能的プロモーターの形成)、追加酵素(例えばDNAポリメラーゼ)を必要とせずに1種類の酵素(RNAポリメラーゼ)を使用するだけで増幅が起こる系で、前記シグナルの増幅(前記プロモーターの制御下に起こる多数のRNA転写物の生成)を引き起こす方法を提供する。RNAポリメラーゼとDNAポリメラーゼが最適な活性を示す反応条件は一般的には両立しえないので、追加酵素を必要としないという上記の点は重要である。
【0046】
検出方法
本発明の方法に従って生成されたRNAは、所望により増幅を行った後(最も好ましくは、例えばUS5,399,491およびUS5,480,784に開示されているような等温増幅法による増幅後に)、いくつかの方法で検出できるだろう。例えば、新たに合成されるRNAは、合成中に標識塩基の組み込みを行って、または合成中には標識塩基の組み込みを行わずに、従来の方法で(例えばゲル電気泳動によって)検出できるだろう。
【0047】
もう一つの選択肢として、例えば新たに合成されたRNAを固体表面(例えばビーズ上、またはマイクロタイタープレート中)に捕捉し、捕捉された分子を標識核酸プローブ(例えば放射標識プローブ、さらに好ましくは酵素、発色団、蛍光体などで標識したプローブ)とのハイブリダイゼーションによって検出することもできるだろう。好ましい酵素ラベルには西洋ワサビペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼがある。
【0048】
好ましい一検出方法では、分子ビーコン、または蛍光共鳴エネルギー移動(「FRET」)法、遅延蛍光エネルギー移動(「DEFRET」)法もしくは均一系時間分解蛍光(「HTRF」)法を使用する。分子ビーコンは、当該分子のコンフォメーションに依存して蛍光シグナルを生成したり生成しなかったりする分子である。典型的には、分子の一部分が蛍光体を含み、その分子の別の部分が前記蛍光体から生じる蛍光を消光するための「消光体」を含むだろう。したがって、前記蛍光体と消光体とが近接するようなコンフォメーションを分子がとった場合は、その分子ビーコンは蛍光を発しないが、蛍光体と消光体とが比較的遠く分離されている場合は、その分子は蛍光を発する。分子ビーコンは適当な蛍光体および消光体で標識された核酸分子からなるとよい。
【0049】
分子ビーコンのコンフォメーションを変化させることができる一つの方法は、核酸へのハイブリダイゼーションによって、例えば分子ビーコンの一部のループアウトを誘発する方法である。もう一つの選択肢として、分子ビーコンが最初はヘアピン型構造(自己相補的塩基対形成によって安定化された構造)をとっていて、その構造をハイブリダイゼーションによって、または酵素もしくはリボザイムによる切断によって変化させてもよい。
【0050】
FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)は蛍光供与体分子が無放射双極子−双極子相互作用によって受容体分子にエネルギーを移動させるときに起こる。供与体と受容体の間のR−6距離に依存するエネルギー移動が起こると、供与体の寿命と量子収率は低下し、受容体蛍光は増大または増感する。
【0051】
もう一つの方法(DEFRET、遅延蛍光エネルギー移動)は、励起状態に励起された時に効率のよい長寿命放射(励起波長=337nm、放射波長=620nm)を示すことができるという特定金属イオン(ランタニド、例えばユウロピウム)のユニークな性質を利用している。このような長寿命放射の利点は、放射の測定を初期ポーズ後に始めることによってあらゆるバックグラウンド蛍光および光散乱を散逸させる時間分解(TR)技術を使用できることである。Cy5(Amersham Pharmacia社)(励起波長=620nm、放射波長=665nm)をDEFRETパートナーとして使用することができる。
【0052】
HTRF(WO92/01224およびUS5,534,622を参照されたい)は、供与体(例えばユウロピウム)を保護ケージ(クリプテート)に包接して、オリゴマーの5’末端に取り付けるた場合に起こる。この系のために開発された受容体分子はXL665と呼ばれるタンパク質蛍光体である。この分子を第2のプローブの3’末端に連結する。この系はPackardによって開発されたものである。
【0053】
RNAまたは他の核酸分子の増幅および検出は、本願出願人による先願WO99/37805およびWO99/37806に詳述されている。
【0054】
もう一つの態様では、新たに合成されるRNAによって、増幅前または増幅後に、リボザイムの形成が起こり、このリボザイムは、特定の核酸基質配列の切断(例えば蛍光体/消光体二重標識オリゴヌクレオチドの切断)によって検出することができる。
【0055】
第3の側面として本発明は、3つの核酸分子、すなわち標的核酸配列、第1プローブおよび第2プローブからなる複合体を提供する。この複合体では、前記第1プローブは、5’から3’に向かって、RNAポリメラーゼによって転写されうる鋳型部分、RNAポリメラーゼプロモーターの鋳型鎖、および標的配列の少なくとも3’末端領域にハイブリダイズされる標的相補部分を含み、前記第2プローブは標的配列の3’末端に隣接してまたは実質的に隣接して第1プローブにハイブリダイズされる。また、第2プローブは第1プローブ中に存在するプロモーターの鋳型鎖に相補的な非鋳型鎖の一部分を含み、プロモーター配列の非鋳型鎖の残りの部分は標的配列の3’末端に存在していて、本複合体の形成によって、非鋳型鎖が第2プローブと標的配列との間に不連続点を持つ機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターが生成するような構成になっている。
【0056】
機能的な二本鎖プロモーターを形成させるためには、第2プローブと標的配列の両方が第1プローブにハイブリダイズする必要があることは、当業者には理解されるだろう。したがって第1プローブの鋳型部分のRNA転写物は、標的配列が試料中に存在することを示す。したがって本発明の第3の側面の複合体は、試料中の興味ある核酸配列の存在を検出するためのアッセイの基礎になる。
【0057】
したがって第4の側面として本発明は、試料中の興味ある核酸配列の存在を検出する方法であって、本発明の第3の側面の複合体が形成されるように、上に定義した第1および第2プローブを試料と接触させる工程(この場合、標的配列は興味ある配列であるか、または興味ある配列が試料中に存在することの結果として形成される配列である)、および第1プローブの鋳型部分のRNA転写物を直接的または間接的に検出する工程を含む方法を提供する。
【0058】
標的配列はRNAであってもDNAであってもよく、また興味ある配列であってもよいし、興味ある配列が試料中に存在することの結果として(例えばPCRによって、またはWO93/06240、WO94/29481、EP0851033もしくはEP0552931の一つに開示されている方法の一つによって)形成されるものであってもよい。RNA転写物は、本明細書に項を改めて説明する方法を使って増幅し、検出すると便利である。
【0059】
本発明の第3の側面の複合体および本発明の第4の側面の方法では、プロモーターの非鋳型鎖中の不連続点は原則としてどの位置にあってもよい(すなわちプロモーター配列のうち標的配列の3’末端に由来する塩基の数はいくつでもよい)。実際面では、生成するプロモーターが最適な活性を持つように、プロモーター配列の1〜5塩基(より好ましくは3塩基)が標的配列に由来することが好ましい。また、プロモーターの非鋳型鎖中の不連続点が可能な限り小さくなるように、第2プローブは標的配列に直接隣接して第1プローブにハイブリダイズすることが、極めて好ましい。これによっても、複合体が形成された時にプロモーター活性が最適化される。
【0060】
以下に、説明に役立つ実施例を挙げ、添付の図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0061】
実施例1
この実施例では、T7 RNAポリメラーゼと3つのオリゴヌクレオチドプローブとを使って特定の標的配列を検出できることを実証する。プローブ1(「鋳型」)は、標的配列に相補的な34塩基のフット領域、8塩基のオーバーラップ配列、17塩基のT7プロモーター鋳型鎖、+12配列ならびに検出用の捕捉およびプローブ配列を順に含む。プローブ2(「相補体」)は、標的配列に相補的な31塩基のフット領域、8塩基のオーバーラップ配列およびT7プロモーターの相補鎖(または非鋳型鎖)鎖の最初の3塩基を含む。プローブ3(「分割相補体」)は、17塩基のT7プロモーター配列の相補鎖(または非鋳型鎖)の残りの14塩基を含む。この例を図1に図解する。
【0062】
図1を参照して説明すると、ハイブリダイゼーション反応によって形成される複合体は4つの核酸分子、すなわち120塩基対の標的配列2、第1プローブ4(「鋳型」)、第2プローブ(「相補体」)6および第3プローブ(「分割相補体」)8からなる。4つの分子2、4、6および8の向き(5’→3’)は表示した通りである。
【0063】
第1プローブ/鋳型4は、5’から3’に向かって、RNA転写物の単離および検出を容易にする鋳型部分4a、プロモーター活性を増大させるための+12配列4b、T7プロモーターの17塩基から構成されるプロモーター配列4c、第2プローブ/相補体6の相補部分6bにハイブリダイズさせるためのオーバーラップ領域4d、および標的2の相補部分にハイブリダイズさせるための34塩基からなるフット領域4eを含む。
【0064】
第2プローブ/相補体6は、5’から3’に向かって、標的にハイブリダイズさせるための31塩基のフット領域6a、第1プローブ4の相補部分4dにハイブリダイズさせるための8塩基のオーバーラップ領域6b、およびT7プロモーターの一方の鎖の最初の3塩基(TAA)から構成される部分プロモーター領域6cを含む。
【0065】
第3プローブ8は上記T7プロモーター鎖の残りの14塩基を含む。
標的2ならびにプローブ分子4、6および8が存在すると、第1プローブ4および第2プローブ6の各フット領域が隣接してまたは実質的に隣接して標的にハイブリダイズした複合体が形成され、その結果、相補的オーバーラップ部分4dおよび6bのハイブリダイゼーションが可能になる。したがって、第1プローブのプロモーター配列4cに第3プローブ8がハイブリダイズすることにより、一方の鎖(第2および第3プローブ6および8によって形成される鎖)が不連続な機能的二本鎖T7プロモーターが生成する。
【0066】
1.1 オリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドプローブは全て、Applied Biosystems 380Aシンセサイザーを製造者の説明書に従って使用して、ホスホロアミダイト法によって合成した。オリゴヌクレオチドプローブのビオチン化はビオチンホスホロアミダイトの組み込みによって達成した。アルカリホスファターゼで官能化されたオリゴヌクレオチドは、製造者独自の方法(Oswel)を用いて調製した。オリゴヌクレオチドは全て、標準的な技法により、HPLC精製した。
【0067】
1.2 ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドからのRNAの合成
ハイブリダイゼーションは、10fmolのプローブ1、50fmolのプローブ2、25fmolのプローブ3および1fmolのプローブ4(CFTR遺伝子用の標的)を、T7 RNAポリメラーゼ緩衝液(Promega)(Promega;40mM Tris−HCl(pH7.9)、6mM MgCl、2mMスペルミジン、10mM NaCl(最終濃度))と共に含むアッセイ混合物で行った。(後で酵素とNTP類を添加できるように)RNaseフリーの蒸留水で反応液量を20μlにした。対照反応液には標的(プローブ4)なしでプローブ1、2および3を含めた。その混合物を90℃に3分間加熱して核酸を変性させた後、(0.1℃/秒の降温速度で)37℃に冷却した。T7 RNAポリメラーゼ(25単位)と2μlのAmersham Pharmacia Biotech製rNTPミックス(各20mMのrNTP、すなわちアデノシン5’−三リン酸(ATP)、グアノシン5’−三リン酸(GTP)、シチジン5’−リン酸(CTP)、ウリジン5’−三リン酸(UTP))を加え、その混合物を37℃で3時間インキュベートした。
【0068】
1.3 合成されたRNAの捕捉および検出
ストレプトアビジン被覆ウェルで、0.9pmolのビオチン化捕捉オリゴヌクレオチド(検出すべきRNAに特異的なもの)と6pmolの特異的アルカリホスファターゼオリゴヌクレオチドとを含む145μlのハイブリダイゼーション緩衝液(50mM Tris−HCl(pH8.0)、1M NaCl、20mM EDTAおよび0.1%BSA)に、20μlのアッセイ試料を加えた。インキュベーション(300rpmで振とうしながら室温で60分)により、ビオチン化捕捉抗体を介してRNAをウェルに固定化し、検出プローブにアニールさせた。TBS/0.1%Tween−20で4回洗浄し、次にアルカリホスファターゼ基質緩衝液(Boehringer Mannheim)で1回洗浄することによって、未結合の物質をウェルから除去した。最後に、4−ニトロフェニルリン酸(5mg/ml)を含有するアルカリホスファターゼ基質緩衝液を各ウェルに加えた。そのプレートをLabsystems EIAプレートリーダーにて37℃でインキュベートし、2分毎に405nmで測定値を読み取った。結果を図2に示す。図2は、二重試料について、1fmolの標的の存在下(+)または不在下(−)で生成したRNAの量(単位:フェムトモル)を示すグラフである。
【0069】
1.4 オリゴヌクレオチドの一覧
プローブ1(鋳型)配列番号15
【0070】
【化6】
Figure 2004507203
【0071】
プローブ2(相補体)配列番号16
【0072】
【化7】
Figure 2004507203
【0073】
プローブ3(分割相補体)配列番号17
【0074】
【化8】
Figure 2004507203
【0075】
プローブ4(標的)配列番号18
【0076】
【化9】
Figure 2004507203
【0077】
転写されたRNAの配列 配列番号19
【0078】
【化10】
Figure 2004507203
【0079】
捕捉プローブ 配列番号20
【0080】
【化11】
Figure 2004507203
【0081】
検出プローブ 配列番号21
【0082】
【化12】
Figure 2004507203
【0083】
実施例2
この実施例では、プローブ3(すなわち分割相補体プローブ)の3’末端から3塩基の位置に置いたヘキサエチレングリコールリンカー(Hex)が、生成するシグナルの量を増加させることを実証する。この例を図3に図解する。図1で採用した符号と同じ符号を使っている。Hは分割相補体プローブに組み込まれたヘキサエチレン残基のおよその位置を示している。
【0084】
2.1 オリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドプローブは全て、実施例1.1に記述したように調製し、官能化した。Hexの組み込みは、伸長中の鎖を18−ジメトキシトリチルヘキサエチレングリコール,1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]ホスホロアミダイトと反応させることによって達成した。オリゴヌクレオチドは全て、標準的な技術を使ってHPLC精製した。使用したオリゴヌクレオチドは、(5’末端から数えて)11番目の塩基と12番目の塩基の間にHexを含有している変異型プローブ3(分割相補体)オリゴ(以下「プローブ5」という)を除けば、実施例1と同じである。
【0085】
2.2 ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドからのRNAの合成
ハイブリダイゼーションは、10fmolのプローブ1、50fmolのプローブ2、50fmolのプローブ3またはプローブ5(プローブ3のHex含有変異体)および1fmolのプローブ4(CFTR遺伝子用の標的)を、T7 RNAポリメラーゼ緩衝液(Promega)と共に含有するアッセイ混合物で行った。(後で酵素とNTP類を添加できるように)RNaseフリーの蒸留水で反応液量を20μlにした。対照反応液には標的(プローブ4)なしでプローブ1、2および3またはプローブ1、2および5を含めた。その混合物を90℃に3分間加熱して核酸を変性させた後、(0.1℃/秒の降温速度で)37℃に冷却した。T7 RNAポリメラーゼ(25単位)と2μlのrNTPミックス(Amersham Pharmacia Biotech)を加え、その混合物を37℃で3時間インキュベートした。
【0086】
2.3 合成されたRNAの捕捉および検出
20μlのアッセイ試料を、実施例1.3に記述したように処理した。結果を図4に示す。図4は、分割相補体プローブ中にヘキサメチレン残基を含まない複合体(「Hexなし」)およびヘキサメチレン残基を含む複合体について、標的の存在下(+)または不在下(−)で生成したRNAの量を示すグラフである。
【0087】
実施例3
この実施例では、分割相補体プローブの3’末端を1、2または3塩基分伸ばすことによって、観察されるRNAシグナルの量が増加することを実証する。
【0088】
3.1 オリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドプローブは全て、上記実施例に記述したように調製し、精製した。
【0089】
3.2 ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドからの RNA の合成
ハイブリダイゼーションは、10fmolのプローブ1、50fmolのプローブ2、50fmolのプローブ3(14塩基分割相補体)、4(15塩基分割相補体)、5(16塩基分割相補体)または6(17塩基分割相補体)および1fmolのプローブ7(CFTR遺伝子用の標的)を、T7 RNAポリメラーゼ緩衝液(Promega)と共に含むアッセイ混合物で行った。全ての反応液に50ngのサケ精子DNA(Sigma)と5%ポリエチレングリコール300(Sigma)も含めた。(後で酵素とNTP類を添加できるように)RNaseフリーの蒸留水で反応液量を20μlにした。対照反応液には標的(プローブ7)なしでプローブ1および2ならびにプローブ4、5または6の一つを含めた。その混合物を90℃に3分間加熱して核酸を変性させた後、(0.1℃/秒の降温速度で)37℃に冷却した。1時間後に、T7 RNAポリメラーゼ(Promega)(25単位)および2μlのrNTPを混合(Amersham Pharmacia Biotech)。
【0090】
3.3 合成された RNA の捕捉および検出
20μlのアッセイ試料を、実施例1.3に記述したように処理した。結果を図6に示す。図6は、14、15、16または17塩基長の分割相補体プローブを使った反応で生成したRNAの量を示すグラフである。
【0091】
3.4 オリゴヌクレオチドの一覧
プローブ1(鋳型)(配列番号22)
【0092】
【化13】
Figure 2004507203
【0093】
プローブ2(相補体)−実施例1のプローブ2に同じ
プローブ3(14塩基分割相補体)−実施例1のプローブ3に同じ
プローブ4(15塩基分割相補体)−3’末端にGが追加されている点以外は実施例1のプローブ3に同じ
プローブ5(16塩基分割相補体)−3’末端にGGが追加されている点以外は実施例1のプローブ3に同じ
プローブ6(17塩基分割相補体)−3’末端にGGGが追加されている点以外は実施例1のプローブ3に同じ
プローブ7(標的)−実施例1のプローブ4に同じ
転写された RNA の配列(配列番号23)
【0094】
【化14】
Figure 2004507203
【0095】
捕捉プローブ(配列番号24)
【0096】
【化15】
Figure 2004507203
【0097】
検出プローブ (配列番号25)
【0098】
【化16】
Figure 2004507203
【0099】
実施例4
この実施例では標的配列中の3塩基欠失を検出できることを実証する。相補体プローブのフット領域を30塩基とし、鋳型プローブのフット領域を14塩基または30塩基とした。3塩基欠失は、接続点から、接続点の鋳型プローブフット側に向かって7塩基の位置にあった。
【0100】
4.1 オリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドプローブは全て、先に記述したように調製し、精製した。オクタンジオールは、伸長中の鎖を8−ジメトキシトリチルオクタンジオール,1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]ホスホロアミダイトと反応させることによって組み込んだ。
【0101】
4.2 ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドからの RNA の合成
ハイブリダイゼーションは、10fmolのプローブ1(14塩基鋳型フット)、50fmolのプローブ3、50fmolのプローブ4および1fmolのプローブ5(野生型標的配列)を含有するアッセイ混合物、または10fmolのプローブ2(30塩基鋳型フット)、50fmolのプローブ3、50fmolのプローブ4および1fmolのプローブ5(野生型標的配列)もしくは1fmolのプローブ6(突然変異型標的配列)を含有するアッセイ混合物で行った。全ての反応液に50ngのサケ精子DNA(Sigma)と5%ポリエチレングリコール300(Sigma)も含めた。T7 RNAポリメラーゼ緩衝液(Promega)を加えた。(後で酵素とNTP類を添加できるように)RNaseフリーの蒸留水で反応液量を20μlにした。対照反応液では標的(プローブ5または6)を除いた。その混合物を90℃に3分間加熱して核酸を変性させた後、(0.1℃/秒の降温速度で)37℃に冷却した。1時間後に、T7 RNAポリメラーゼ(Promega)(25単位)と2μlのrNTPミックス(Amersham Pharmacia Biotech)を加え、その混合物を37℃で3時間インキュベートした。
【0102】
4.3 合成された RNA の捕捉および検出
20μlのアッセイ試料を、先に記述したように処理した。結果を図7に示す。図7は、野生型(i)もしくは突然変異型(ii)標的配列、または標的を含まない対照(iii)について、鋳型がそれぞれ14塩基または30塩基のフット領域を含む反応(「A」および「B」)で生成したRNAの量を示している。これらの結果は、野生型遺伝子と突然変異型遺伝子とを容易に識別できることを実証している。
【0103】
4.4 オリゴヌクレオチドの一覧
プローブ1(14塩基のフット領域を持つ鋳型プローブ)(配列番号26)
【0104】
【化17】
Figure 2004507203
【0105】
=オクタンジオール
プローブ2(30塩基のフット領域を持つ鋳型プローブ)(配列番号27)
【0106】
【化18】
Figure 2004507203
【0107】
=オクタンジオール
プローブ3(相補体プローブ)(配列番号28)
【0108】
【化19】
Figure 2004507203
【0109】
プローブ4(分割相補体プローブ)−実施例3のプローブ4に同じ
プローブ5(野生型標的配列)−実施例1に記載の配列番号18に同じ
【0110】
【化20】
Figure 2004507203
【0111】
ボールド体の記号は突然変異体中で欠失している3塩基を表す。
プローブ6(突然変異型標的配列)(配列番号29)
【0112】
【化21】
Figure 2004507203
【0113】
[矢印は3塩基欠失の位置を表す。この3塩基欠失は接続点から7塩基の位置にある。]
転写された RNA の配列(実施例3に記載の配列番号23に同じ)
捕捉プローブ(実施例3に記載の配列番号24に同じ)
検出プローブ(実施例3に記載の配列番号25に同じ)
実施例5
この実施例では大腸菌K12から精製された全RNA中の23S rRNAを検出できることを実証する。
【0114】
5.1 オリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドプローブは全て、先に記述したように調製し、精製した。
【0115】
5.2  RNA の調製
大腸菌を、ルリア−ベルターニ培地(10g/lのバクトトリプトン、5g/lの酵母エキスおよび10g/lの塩化ナトリウム)中、37℃で、培養物のOD600が1.0に達するまで生育させた。Qiagen RNeasy(登録商標)ミニキットを使って全RNAを精製した。製造者の説明書に従って細胞を収集し、溶解した。GeneQuant II(Amersham Pharmacia Biotech)を使って製造者の説明書に従ってRNAを定量し、小分けして使用準備ができるまで−80℃で保存した。
【0116】
5.3 ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドからの RNA の合成
ハイブリダイゼーションは、1fmolのプローブ1、5fmolのプローブ2、5fmolのプローブ3、および10、1または0.1ngの大腸菌K12由来全RNAを含有するアッセイ混合物で行った。全ての反応液に50ngのサケ精子DNA(Sigma)と5%ポリエチレングリコール300(Sigma)も含めた。T7 RNAポリメラーゼ緩衝液(Promega)を加え、(後で酵素とNTP類を添加できるように)RNaseフリーの蒸留水で反応液量を20μlにした。対照反応液には標的RNAなしでプローブ1、2および3を含めた。その混合物を95℃に5分間加熱した後、(0.1℃/秒の降温速度で)37℃に冷却した。1時間後に、T7 RNAポリメラーゼ(Promega)(25単位)と2μlのrNTPミックス(Amersham Pharmacia Biotech)を加え、その混合物を37℃で3時間インキュベートした。反応液を−80℃で保存した。
【0117】
5.4 RNAシグナルの増幅
複合体中のT7プロモーターから転写されたRNAをさらに増幅するために、一本鎖T7プロモーター配列を含む直線状DNA鋳型(プローブ4)を使用した。各反応液10μlを、20fmolのプローブ4、8μlのT7 RNAポリメラーゼ緩衝液、50μM dNTP類、2mM rNTP類、51単位のT7 RNAポリメラーゼおよび4単位のBst DNAポリメラーゼを含有する混合物に加えた。RNaseフリーの蒸留水を使って液量を40μlにした。その混合物を37℃で3時間インキュベートした。最初の反応(5.3)で得たRNAをプローブ4にハイブリダイズさせ、Bstポリメラーゼで伸長させることによって、完全に機能的な二本鎖RNAプロモーターを形成させ、そのプロモーターにより、第2のDNAテンプレートであるプローブ4のRNA転写物を多数生成させた。
【0118】
5.5 合成された RNA の捕捉および検出
40μlのアッセイ試料を先に記述したように処理した。結果を図8に示す。図8は、様々な量(10、1または0.1ng)の大腸菌K12由来全RNAを標的として使用した反応で生成したRNAの量を、対照反応(標的なし)と比較して示している。
【0119】
5.6 オリゴヌクレオチドの一覧
プローブ1(鋳型プローブ)(配列番号30)
【0120】
【化22】
Figure 2004507203
【0121】
=オクタンジオール
プローブ2(相補体プローブ)(配列番号31)
【0122】
【化23】
Figure 2004507203
【0123】
プローブ3(分割相補体プローブ)−実施例3のプローブ4に同じ
プローブ4(第2のDNA鋳型プローブ)−(配列番号32)
【0124】
【化24】
Figure 2004507203
【0125】
=オクタンジオール
検出対象である転写された RNA の配列(配列番号33)
【0126】
【化25】
Figure 2004507203
【0127】
捕捉プローブ−実施例1に記載の配列番号20に同じ
検出プローブ−実施例1に記載の配列番号21に同じ
実施例6
この実施例では、T7プロモーターおよびT7 RNAポリメラーゼの代わりにT3プロモーターおよびT3 RNAポリメラーゼを使用できることを実証する。17塩基のT3プロモーターに、14塩基の分割相補体プローブを使用した。
【0128】
6.1 オリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドプローブは全て、先に記述したように調製し、精製した。
【0129】
6.2 ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドからの RNA の合成
T7プロモーターを含むアッセイには、10fmolのプローブ1、50fmolのプローブ2、50fmolのプローブ3、および1fmolのプローブ4を使用した。T3プロモーターを含むアッセイには、10fmolのプローブ5、50fmolのプローブ6、50fmolのプローブ7、および1fmolのプローブ4を使用した。全ての反応液に50ngのサケ精子DNA(Sigma)と5%ポリエチレングリコール300(Sigma)も含めた。T7 RNAポリメラーゼ(Promega)にもT3 RNAポリメラーゼ(Promega)にも、T7 RNAポリメラーゼ緩衝液(Promega)を使用し、(後で酵素とNTP類を添加できるように)反応液量をRNaseフリーの蒸留水で20μlにした。対照反応液にはプローブ1、2および3またはプローブ5、6および7を含めた。その混合物を90℃に3分間加熱した後、(0.1℃/秒の降温速度で)37℃に冷却した。1時間後に、T7 RNAポリメラーゼ(25単位)またはT3 RNAポリメラーゼ(25単位)と2μlのrNTPミックス(Amersham Pharmacia Biotech)を加え、その混合物を37℃で3時間インキュベートした。反応液を−80℃で保存した。
【0130】
6.3 合成された RNA の捕捉および検出
20μlのアッセイ試料を先に記述したように処理した。結果を図9に示す。
【0131】
図9は、T7またはT3 RNAポリメラーゼを用いた反応で生成したRNAの量を示している。予想通り、T7 RNAポリメラーゼはT7プロモーターからしかRNAを生成せず、T3プロモーターからはRNAを生成しない、またT3 RNAポリメラーゼについてはその逆が成り立つという点で、反応は特異的だった。T3ポリメラーゼはRNAをT7ポリメラーゼよりもわずかに多く生成したが、この系の場合、バックグラウンドシグナル(標的不在下)はT3の方がはるかに高かった。
【0132】
オリゴヌクレオチドの一覧
プローブ1(T7鋳型)(配列番号34)
【0133】
【化26】
Figure 2004507203
【0134】
プローブ2(T7相補体)−実施例1に記載の配列番号16に同じ
プローブ3(T7分割相補体)−実施例1に記載の配列番号17に同じ
プローブ4(標的)(配列番号35)
【0135】
【化27】
Figure 2004507203
【0136】
プローブ5(T3鋳型)(配列番号36)
【0137】
【化28】
Figure 2004507203
【0138】
プローブ6(T3相補体)(配列番号37)
【0139】
【化29】
Figure 2004507203
【0140】
プローブ7(T3分割相補体)(配列番号38)
【0141】
【化30】
Figure 2004507203
【0142】
転写された RNA の配列(配列番号 39
【0143】
【化31】
Figure 2004507203
【0144】
捕捉プローブ−実施例3に記載の配列番号24
検出プローブ−実施例3に記載の配列番号25
実施例7
この実施例では、図10を参照して、本発明の第3の側面の複合体を例示する。
【0145】
図10を参照して説明すると、本複合体は第1プローブ20、第2プローブ22および標的核酸24からなる。第1プローブ20は、転写可能部分20a、RNAポリメラーゼプロモーター(T3、T7またはSP6 RNAプロモーターなど)の鋳型鎖20b、および標的配列24の3’末端にハイブリダイズされる標的相補部分20cを含む。
【0146】
第2プローブ22は、標的配列24に隣接して第1プローブ20にハイブリダイズされる。第2プローブ22は第1プローブ20上のプロモーターの鋳型鎖の一部分(好ましくは大半、例えば13〜15塩基)に相補的な塩基を含む(すなわち第2プローブ22はプロモーターの非鋳型鎖の一部分(好ましくは大半)を含む)。非鋳型鎖の残り(通例4〜2塩基)は標的配列24の3’末端によって与えられる。したがって本複合体は、機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを含み、適切なRNAポリメラーゼおよびリボヌクレオチド三リン酸の存在下では、前記RNAポリメラーゼプロモーターが第1プローブの鋳型部分20aのRNA転写物26の合成を引き起こすようになっている。
【0147】
RNA転写物26を(好ましくは随意の増幅工程後に)検出することにより、標的配列24(これは興味ある配列であってもよいし、興味ある配列が存在することの結果として(例えばPCRによって、またはWO93/06240、WO94/29481もしくはEP0851033などの先行技術に記載されている他の方法の一つを使って)生成させたものであってもよい)の存在を示すことができる。
【0148】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の側面による核酸複合体の概略図。
【図2】様々な核酸複合体から生成されるRNAの量(単位:フェムトモル)を表す棒グラフ。
【図3】本発明の第1の側面による核酸複合体の概略図。
【図4】様々な核酸複合体から生成されるRNAの量(単位:フェムトモル)を表す棒グラフ。
【図5】本発明の一部の態様で使用される好ましい不安定化部分の概略図。
【図6】様々な核酸複合体から生成されるRNAの量(単位:フェムトモル)を表す棒グラフ。
【図7】様々な核酸複合体から生成されるRNAの量(単位:フェムトモル)を表す棒グラフ。
【図8】様々な核酸複合体から生成されるRNAの量(単位:フェムトモル)を表す棒グラフ。
【図9】様々な核酸複合体から生成されるRNAの量(単位:フェムトモル)を表す棒グラフ。
【図10】本発明の第3の側面による核酸複合体の概略図。

Claims (17)

  1. ハイブリダイゼーション反応によって形成される、4つの核酸分子からなる複合体であって、前記複合体は標的核酸分子ならびに第1、第2および第3核酸プローブ分子からなり、前記第1プローブは、標的の第1部分に相補的であってその部分にハイブリダイズされるフット領域と、標的には実質的に非相補的であるアーム領域とを含み、前記第2プローブは標的の第2部分に相補的なフット領域を含み、第2プローブのフット領域は第1プローブのフット領域に隣接してまたは実質的に隣接して標的にハイブリダイズされるようになっており、また上記第2プローブは、標的には実質的に非相補的であるが、第1プローブのアーム領域には相補的であって第1プローブのアーム領域にハイブリダイズされるアーム領域も含み、上記第3プローブは、第1プローブのアーム領域の一部分に少なくとも部分的に相補的であって、第3プローブは第2プローブに隣接してまたは実質的に隣接して第1プローブのアーム領域にハイブリダイズされるようになっており、そして上記複合体の形成により、第1プローブが一方の鎖を提供し第2プローブと第3プローブとが共同して他方の鎖を提供してなる機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターが生成する複合体。
  2. 第1、第2または第3プローブの少なくとも一つがPNAおよび/またはLNAを含む、請求項1に記載の複合体。
  3. 第1および/または第2プローブがPNAおよび/またはLNAを含む、請求項2に記載の複合体。
  4. 機能的二本鎖T3、T7またはSP6 RNAポリメラーゼプロモーターを含む、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の複合体。
  5. プロモーターの活性を増大させる一本鎖または二本鎖配列をプロモーターに隣接して含む、上記請求項のいずれか一項に記載の複合体。
  6. 前記プローブの一つが+12配列を含む、請求項5に記載の複合体。
  7. 第1プローブが+12配列を含む、請求項5に記載の複合体。
  8. RNAに転写された時に転写物の単離、同定、検出、定量または増幅を容易にする配列を含む、上記請求項のいずれか一項に記載の複合体。
  9. 前記プローブの一つが不安定化部分を含む、上記請求項のいずれか一項に記載の複合体。
  10. 第2および第3プローブがRNAポリメラーゼプロモーター鋳型鎖の不連続な配列を形成する、上記請求項のいずれか一項に記載の複合体。
  11. 第2および第3プローブがRNAポリメラーゼプロモーターの非鋳型鎖の不連続な配列を形成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合体。
  12. 試料中の標的核酸分子の存在を検出する方法であって、標的を含む試料を、標的のそれぞれ第1および第2部分(この第1部分と第2部分とは隣接しているか、または実質的に隣接している)に相補的なフット領域を含む第1および第2核酸プローブと接触させる工程(ここに、第1および第2プローブはそれぞれ、標的とは実質的に非相補的であるアーム領域をさらに含み、第1プローブのアーム領域の少なくとも一部分は、第2プローブのアーム領域の少なくとも一部分に相補的であって、第1および第2プローブの各フット領域が標的にハイブリダイズすると、第1および第2プローブのアーム領域の相補部分のハイブリダイゼーションが可能になるようになっている)、第1プローブのアーム領域の一部分に相補的な第3核酸プローブ分子を、第3プローブが第2プローブのアーム領域に隣接してまたは実質的に隣接して第1プローブにハイブリダイズするように存在させ、よって、第1プローブが一方の鎖を提供し第2プローブと第3プローブとが共同して他方の鎖を提供してなる機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを生成させる工程、前記RNAプロモーターからRNAを合成させる工程、およびそのように合成されたRNAを直接的または間接的に検出する工程を含む方法。
  13. 当該方法の実施によって請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合体の形成が起こる、請求項12に記載の方法。
  14. 機能的RNAプロモーターから生成したRNAを検出に先立って増幅させる、請求項12または13に記載の方法。
  15. 機能的RNAプロモーターから生成したRNAを、分子ビーコンまたは蛍光体の使用を伴う方法によって直接的または間接的に検出する、請求項12、13または14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 3つの核酸分子、すなわち標的核酸配列、第1プローブおよび第2プローブからなる複合体であって、前記第1プローブは、5’から3’に向かって、RNAポリメラーゼによって転写されうる鋳型部分、RNAポリメラーゼプロモーターの鋳型鎖、および標的配列の少なくとも3’末端領域にハイブリダイズされる標的相補部分を含み、前記第2プローブは標的配列の3’末端に隣接してまたは実質的に隣接して第1プローブにハイブリダイズされ、また第2プローブは第1プローブ中に存在するプロモーターの鋳型鎖に相補的な非鋳型鎖の一部分を含み、プロモーター配列の非鋳型鎖の残りの部分は標的配列の3’末端に存在していて、本複合体の形成によって、非鋳型鎖が第2プローブと標的配列との間に不連続点を持つ機能的二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターが生成するような構成になっている複合体。
  17. 試料中の核酸標的配列の存在を検出する方法であって、請求項16の複合体が形成されるように、上に定義した第1および第2プローブを試料と接触させる工程、および第1プローブの鋳型部分のRNA転写物を直接的または間接的に検出する工程を含む方法。
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