JP2004505645A

JP2004505645A - ハイオイルコーンから得られるコーン油及びコーンミールを含む製品

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Publication number: JP2004505645A
Application number: JP2002518778A
Authority: JP
Inventors: ウルリッチ，ジェームス，フランシス; ジャッケル，ニール，トーリー; ダイヤー，ダニエル，ジェフレイ; ローマン，トロイ，トーマス
Original assignee: レネッセン　リミテッド　ライアビリティ　カンパニー
Priority date: 2000-08-10
Filing date: 2000-08-11
Publication date: 2004-02-26
Also published as: BR0113214A; MXPA03001236A; EP1307111A1; CN1454056A; AU2000266391A1; PE20020306A1; JP2004508816A; UY26299A1; EP1307111A4; BR0017314A; EP1307110A2; SA00210496B1; MXPA03001240A; WO2002013624A8; AU2000266391A8; CN1468063A; WO2002013624A1; WO2002014459A3; WO2002014459A2; AR054147A2

Abstract

ハイオイルコーンから得られたコーン油およびコーンミールが有用な製品に含有される。該コーン油はハイオイルコーンから抽出されてコーンミールを形成する。単に胚だけでなく、コーン穀粒の大部分又は全てが抽出工程に供されるので、該コーン油は、一般的に、商業的に入手可能なコーン油には見られない栄養物濃度を含む。該コーン穀粒は、一般的に、少なくとも約８％の全油含量を有するコーン穀粒を圧ぺんし、該圧ぺんコーン穀粒からコーン油を抽出する工程を含む。該コーン油は、栄養強化された食用油又はクッキングオイル、潤滑油、バイオディーゼル、燃料、化粧品及びオイルベース若しくはオイル含有化学製品を製造するために有用である。該抽出コーンミールは動物用強化給餌飼料、スナック食品、ブレンド食製品、化粧品及び発酵ブロス添加剤を製造するために有用である。

Description

【０００１】
本部分継続出願は、同時係属中の１９９９年２月１１日に出願された米国特許出願番号０９／２４９，２８０号の優先権を主張し、その全開示は本明細書に参照により組み込まれる。
【０００２】
本発明は抽出ハイオイルコーンから得られる油（ｏｉｌ）及びミール（ｍｅａｌ）に由来する生産物に関する。
【０００３】
コーン（Ｃｏｒｎ，ＺｅａｍａｙｓＬ．）は、食品及び工業での使用を含む多くの理由から栽培されている。コーン油及びコーンミールはコーンに由来する多くの有用な生産物のうちの２つである。
【０００４】
慣用のコーンからコーン油を抽出するための慣用の方法を利用する商業的加工処理プラントは、コーン種子をその構成要素部分、例えば、胚乳、胚、チップキャップ（ｔｉｐｃａｐ）及び果皮に分離し、次いで、コーン胚画分からコーン油を抽出する。湿式又は乾式搗精により製造されるコーン胚は、その胚を圧搾して油を除去するか、又はその胚を圧ぺん（ｆｌａｋｉｎｇ）して溶媒で油を抽出することにより加工処理（ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ）される。どちらの加工処理でも、胚は穀粒の残留物から分離されるので、胚乳画分の多くの又は全ての価値のある成分は油にはない。
【０００５】
ひき割りトウモロコシ飼料として知られるコーンに基づく飼料は、乾式搗精工程により得られ、コーン糠、コーン胚及び胚乳の混合物であり、最低約４％の油を有する。破砕（ｃｒａｃｋｉｎｇ）、ひき割り（ｇｒｉｎｄｉｎｇ）、ふるい分け（ｓｉｅｖｉｎｇ）及びブレンド（ｂｌｅｎｄｉｎｇ）を含むいくつかの工程はひき割りトウモロコシ飼料を製造するために必要であり、得られるひき割りトウモロコシ飼料の粒子サイズは本明細書に記載の抽出方法で製造されるミールと比較して小さい。
【０００６】
従来のコーンに由来する製品・生産物はいくつかの所望の栄養成分を欠いているので、産業分野及び健康提唱者はコーンに由来するより栄養のある製品を引き続き探している。このように、コーン油及びコーンミールに由来する改良製品へのニーズがある。
【０００７】
発明の概要
従来のコーンから得られるコーン油及び／又はコーンミールを含有する最終製品としては、例えば、クッキングオイル、動物用飼料、紙及び紙製品、サラダドレッシング等の数多くの食品、押し出し及び／又はパフスナック食品、コーン甘味料、シリアル、チップス、プディング、キャンディ及びパンを含む製品が挙げられる。
【０００８】
本発明の１つの態様は、ハイオイルコーン（ｈｉｇｈｏｉｌｃｏｒｎ）から油を抽出した後に残るコーンミールを含む栄養動物用飼料を提供する。該動物用飼料は、ビタミン、ミネラル、高油分種子由来ミール（ｈｉｇｈｏｉｌｓｅｅｄ−ｄｅｒｉｖｅｄｍｅａｌ）、肉骨粉、塩、アミノ酸、羽毛粉（ｆｅａｔｈｅｒｍｅａｌ）及び飼料サプリメント（ｓｕｐｐｌｅｍｅｎｔ）の技術分野で使用されるその他多くのもの等の他の栄養製品を含んでいてもよい。動物用飼料組成物は、家禽用飼料、豚用飼料、牛用飼料、馬用飼料、水産養殖用飼料、ペットフード等の特定の使用のために適合させてもよく、動物の成長段階に適合させることもできる。動物用飼料の特定の態様としては、成長ブロイラー用飼料（ｇｒｏｗｉｎｇｂｒｏｉｌｅｒｆｅｅｄ）、豚用肥育飼料（ｓｗｉｎｅｆｉｎｉｓｈｉｎｇｆｅｅｄ）及び家禽産卵鶏肥育用飼料（ｐｏｕｌｔｒｙｌａｙｅｒｆｉｎｉｓｈｉｎｇｆｅｅｄ）が挙げられる。飼料製品は、従来のコーンで製造される類似の製品よりも、蛋白質の割合が高く、且つ油の割合が低いであろう抽出されたコーンミール（ｅｘｔｒａｃｔｅｄｃｏｒｎｍｅａｌ）で製造することができる。
【０００９】
本発明のいくつかの実施形態は：
１）コーンミールは、約１０％の水分含量で、約３％の繊維含量、約６５％のデンプン含量、そして約１２％のタンパク質含量を有する；
２）ハイオイルコーン穀粒（ｇｒａｉｎ）は、少なくとも約８重量％；少なくとも約１４重量％、少なくとも約１２重量％、少なくとも約１０重量％、又は約８重量％〜約３０重量％の全油含量を有する；
３）圧ぺんされる（ｆｌａｋｅｄ）コーン穀粒はホールコーン穀粒又は破砕（ｃｒａｃｋｅｄ）コーン穀粒である；
４）コーン穀粒は、溶媒抽出、水圧プレス、又はエキスペラープレス（ｅｘｐｅｌｌｅｒｐｒｅｓｓｉｎｇ）、水性及び酵素抽出等の油抽出工程に供されている；
５）ハイオイルコーン穀粒は、少なくとも約７重量％、少なくとも約９重量％、少なくとも約１１重量％、又は約７重量％〜約２０重量％の全タンパク質含量を有する；
６）ハイオイルコーン穀粒は、少なくとも約０．１５重量％、少なくとも約０．５重量％、又は約０．２５重量％〜約２．０重量％の全リジン含量を有する；
及び／又は、
７）ハイオイルコーン穀粒は、少なくとも約０．０３重量％、少なくとも０．２０重量％、又は約０．０３重量％〜約２．０重量％の全トリプトファン含量を有する；
であるものを含む。
【００１０】
本発明の他の態様では、ハイオイルコーンの少なくとも胚乳及び胚の抽出により得られるコーン油を含むコーン油を基礎とする製品（ｃｏｒｎｏｉｌ−ｂａｓｅｄｐｒｏｄｕｃｔ）が提供される。該コーン油を基礎とする製品は酢、香辛料、ビタミン、塩、水素添加製品を形成するための水素及び水等の他の成分を含んでいてもよい。本発明の製品で使用されるコーン油は、一般に、従来の方法を用いて従来のコーンから抽出されるコーン油で製造される類似の製品よりもβ−カロテン、キサントフィル又はトコトリエノールの比率が高い。本発明の製品で使用されるコーン油は、一般に、全コーン穀粒、破砕コーン穀粒又は圧ぺんコーン穀粒を、胚乳から胚を分離することなく抽出に供することにより製造される。したがって、胚乳に存在する溶媒抽出可能な栄養物は、胚及び胚乳から抽出されたコーン油に抽出される。本明細書に記載のようにして製造される油で製造され得る製品としては、これに限定されないが、サラダドレッシング、クッキングオイル、マーガリン、スプレーコートされた食品（ｓｐｒａｙ−ｃｏａｔｅｄｆｏｏｄ）又は飼料製品、パン、クラッカー、スナック食品、潤滑油及び燃料が挙げられる。
【００１１】
本発明の他の実施形態としては：
１）ハイオイルコーン穀粒を破砕し、調質し、圧ぺんし、そして溶媒で抽出する；
２）ハイオイルコーン穀粒は、少なくとも約８重量％、少なくとも約１４重量％、少なくとも約１２重量％、少なくとも約１０重量％、又は約８重量％〜約３０重量％の全油含量を有する；
３）コーン油は、破砕コーンをプレスすることにより抽出される；
４）コーン油は、圧ぺんコーン穀粒を溶媒を用いる抽出工程（ｓｏｌｖｅｎｔ−ｂａｓｅｄｅｘｔｒａｃｔｉｏｎｐｒｏｃｅｓｓ）に供することにより抽出される；
５）圧ぺんコーン穀粒から相溶性又は溶解性物質を抽出するのに使用される溶媒としては、商業的に入手可能なヘキサン、イソプロピルアルコール、エタノール、超臨界二酸化炭素又はそれらの混合物の全ての形態が挙げられる；
６）抽出コーン油は、混合物（ｍｉｓｃｅｌｌａ）として提供される；
７）コーン油はさらなる加工処理で精製される；そして、
８）コーン油は、圧ぺんコーン穀粒を水圧プレス及び／又はエキスペラープレス、水性及び／又は酵素抽出工程に供することにより抽出される；
であるものを含む。
【００１２】
本発明の第３の態様では：
１）少なくともハイオイルコーンを圧ぺんして圧ぺんコーンを形成させて、圧ぺんコーンを抽出してコーン油成分をそれから除去することにより製造された抽出コーンミールを提供する；そして、
２）該抽出コーンミールを動物用飼料に含ませる；
の工程を含む、抽出コーンミールを動物用飼料に使用する方法が提供される。
【００１３】
本発明の第４の態様では：
１）少なくともハイオイルコーンを圧ぺんして圧ぺんコーンを形成させて、該圧ぺんコーンを抽出してコーン油成分をそれから除去して抽出コーン油を形成させることにより得られる抽出コーン油を提供する；そして、
２）該抽出コーン油を食品に含ませる；
の工程を含む、抽出コーン油を食品に使用する方法が提供される。
【００１４】
本発明の第５の態様では、抽出コーン油を原料（ｆｅｅｄｓｔｏｃｋ）として油精製工程で使用する方法が提供される。該方法は：
１）少なくともハイオイルコーンを圧ぺんして圧ぺんコーンを形成させて、圧ぺんコーンを抽出してコーン油成分をそれから除去して、抽出粗コーン油を形成させることにより得られる抽出粗コーン油を提供する；そして、
２）該抽出粗コーン油を油精製工程の原料流れ（ｒａｗｍａｔｅｒｉａｌｓｔｒｅａｍ）に含ませる；
の工程を含む。
【００１５】
本発明の第６の態様では、抽出ブレンドミール（ｅｘｔｒａｃｔｅｄｂｌｅｎｄｅｄｍｅａｌ）を形成する種々の方法が提供される。本発明のこの態様の第一の実施形態としては、ハイオイルコーンから得られる抽出ミールと１つ以上の他の油料種子ミール（ｏｉｌｓｅｅｄｍｅａｌｓ）とを含む抽出ブレンドミールを形成する方法が提供され、該方法は：
１）ハイオイルコーン穀粒と１つ以上の他の油料種子穀粒とを組み合わせて穀粒混合物を形成させる；そして、
２）該穀粒混合物を圧ぺん及び抽出工程に供して油をそこから除去し、抽出ブレンドミールを形成させる；
の工程を含む。第２の実施形態では：
１）破砕及び調質したハイオイルコーンと破砕及び調質した他の油料種子とを組み合わせて調質混合物を形成させる；
２）該調質混合物を圧ぺんして圧ぺん混合物を形成させる；そして、
３）圧ぺん混合物を抽出工程に供して油をそこから除去して、抽出ブレンドミールを形成させる；
の工程を含む方法が提供される。第３の実施形態では：
１）破砕し、調質し、及び圧ぺんしたハイオイルコーンと破砕し、調質し、及び圧ぺんした他の油料種子とを組み合わせて圧ぺん混合物を形成させる；そして、
２）該圧ぺん混合物を抽出工程に供して油をそれから除去して抽出ブレンドミールを形成させる；
の工程を含む方法が提供される。第４の実施形態では、抽出コーンミールと１つ以上の他の抽出油料種子ミールとを組み合わせてブレンドミールを形成させる（ここで、抽出コーンミールは、少なくともハイオイルコーンを圧ぺん及び抽出して抽出コーンミールを形成させることにより得られる。）工程を含む方法が提供される。第５の実施形態では、上記方法のいずれか１つにより製造されたブレンド抽出ミール（ｂｌｅｎｄｅｄｅｘｔｒａｃｔｅｄｍｅａｌ）が提供される。
【００１６】
本発明の第７の態様では、抽出コーン油を成分として化粧品に使用する方法が提供される。該方法は：
１）少なくともハイオイルコーンを圧ぺんして圧ぺんコーンを形成させて、該圧ぺんコーンを抽出し、コーン油成分をそれから除去して抽出粗コーン油を形成させることにより得られる抽出粗コーン油を提供する；そして、
２）該抽出粗コーン油を化粧品製品に含ませる；
の工程を含む。これらの化粧品のタイプとしては、これに限定されないが、リップスティック及びアイライナーが挙げられる。
【００１７】
本発明の別の態様では、動物用飼料又は人間用食品でのコーンミールの使用（ここで、該コーンミールはハイオイルコーンの全粒（ｗｈｏｌｅｋｅｒｎｅｌｓ）からコーン油を抽出後に得られる。）が提供される。
【００１８】
さらに本発明の別の態様では、動物用飼料又は人間用食品でのコーン油の使用（ここで、該コーン油はハイオイルコーンの全粒（ｗｈｏｌｅｋｅｒｎｅｌｓ）からコーン油を抽出することにより得られる。）が提供される。
【００１９】
本発明の他の態様では、本明細書に記載の方法により製造されるコーン油含有及び／又はコーンミール含有製品が提供される。
【００２０】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語並びに略語は、本発明の属する技術分野の当業者によって、一般的に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書に記載したものと類似又は同等の方法及び材料（ｍａｔｅｒｉａｌｓ）を本発明の実施において使用することは可能であるが、好適な方法及び材料は以下に示される（そのようないかなる方法及び材料も本明細書に記載の発明を限定することを意図するものではない）。本明細書で参照する全ての特許公報及び公式分析方法はその全てが参照により組み込まれる。本発明のさらなる特徴及び有利な点は、以下の本発明の実施形態例の記載から、及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【００２１】
発明の詳細な説明
コーン穀粒を、任意に破砕して、次いで調質して、圧ぺんして、そしてコーン油を抽出することにより、高油含量のコーン穀粒から商業的規模で迅速に且つ効率的にコーン油を抽出できることが見出された。この新規な圧ぺん油加工処理方法（ｆｌａｋｉｎｇｏｉｌｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇｍｅｔｈｏｄ）に有用なコーン穀粒は約８％以上の全油含量を有する。コーン穀粒の油含量の増加は工程中の圧ぺんの効率を増大させることが可能である。好適な圧ぺん装置及び方法としては、大豆及びその他の類似の油料種子タイプの圧ぺんに使用される慣用の圧ぺん装置及び方法が挙げられる。好適な抽出装置及び方法としては、大豆フレーク及びその他の類似の油料種子タイプからの油の抽出に使用される慣用の抽出装置及び方法が挙げられる。
【００２２】
多くの異なるタイプのトウモロコシ植物のいずれかから収穫されるハイオイルコーン種子又は“穀粒（ｇｒａｉｎ）”は本発明に有用である。そのようなトウモロコシ植物は、例えば、ハイブリッド（ｈｙｂｒｉｄｓ）、近交系（ｉｎｂｒｅｄｓ）、遺伝子組み換え植物、遺伝子的に改変した植物又は特異的な個体群である。増強抽出ミール（ｅｎｈａｎｃｅｄｅｘｔｒａｃｔｅｄｍｅａｌｓ）は増強ハイオイルコーンを本明細書に記載の抽出工程に供することにより製造することができる。有用なコーン穀粒のタイプとしては、例えば、フリントコーン、ポップコーン（ｐｏｐｃｏｒｎ）、フラワーコーン（ｆｌｏｕｒｃｏｒｎ）、デントコーン、ホワイトコーン、及びスイートコーンが挙げられる。ハイオイルコーン穀粒は、ホールコーン（ｗｈｏｌｅｃｏｒｎ）、破砕コーン（ｃｒａｃｋｅｄｃｏｒｎ）、又は他の加工処理コーン若しくはそれらの部分であって圧ぺん（しかし、その後の胚からの油の回収のための乾式及び湿式搗精で用いられる胚分離の標準的方法とは異なる）に供することが可能なものを含むいずれかの形態であり得る。
【００２３】
本明細書で用いられる用語“全粒（ｗｈｏｌｅｋｅｒｎｅｌ）”又は“ホールコーン（ｗｈｏｌｅｃｏｒｎ）”は、その構成部分に分離されていない（例えば、はっきりした目的でもって、外皮（ｈｕｌｌ）、胚乳、チップキャップ（ｔｉｐｃａｐ）、果皮、及び胚を互いに分離していない）穀粒を意味する。ホールコーンは、すりつぶし（ｇｒｏｕｎｄ）、押しつぶし（ｃｒｕｓｈｅｄ）、破砕（ｃｒａｃｋｅｄ）、圧ぺん（ｆｌａｋｅｄ）又はすりむき（ａｂｒａｄｅｄ）してもしなくてもよい。１つのコーン構成要素を別のものからはっきりとした目的でもって分離するということは、保存、取り扱い、輸送、押しつぶし、圧ぺん、破砕、すりつぶし又はすりむき中に起こるランダムな分離を含まない。はっきりとした目的を持った構成要素部分の分離とは、１つの構成要素、例えば胚、の少なくとも５０％が残りの構成要素から分離しているものである。
【００２４】
本明細書で用いられる用語“ハイオイルコーン（ｈｉｇｈｏｉｌｃｏｒｎ）”は、少なくとも約８重量％以上の油を含むコーン穀粒をいう。ハイオイルコーンは、油含量が約３重量％〜約５重量％である従来のイエローデントコーンと比較して高濃度の油を有する。さらに、本発明に好適なコーン穀粒の全油含量は、例えば、少なくとも約９％、少なくとも約１１％、少なくとも約１２％、少なくとも約１５％、少なくとも約１８％、少なくとも約２０％、約８％〜約２０％の油、約１０％〜約３０％の油、又は約１４％〜約３０％、及びそれらの範囲内の値である。油含量は任意の水分含量で測定され得るが、油含量を水分含量約１５．５％の基準に合わせることが受け入れられる。
【００２５】
本明細書に記載の油及びミールの製造に有用なハイオイルコーンは、カーギル社（Ｃａｒｇｉｌｌ，Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｅｄ（Ｍｉｎｎｅａｐｏｌｉｓ，ＭＮ））又はフィスターハイブリッドコーン社（ＰｆｉｓｔｅｒＨｙｂｒｉｄＣｏｒｎＣｏ．（ＥｌＰａｓｏ，ＩＬ））から入手可能である。他の好適なハイオイルコーンとしては、イリノイハイオイル（ＩｌｌｉｎｏｉｓＨｉｇｈＯｉｌ（ＩＨＯ））及びアレキサンダーハイオイル（ＡｌｅｘａｎｄｅｒＨｉｇｈＯｉｌ（Ａｌｅｘｏ））として知られるコーン個体群が挙げられ、それらのサンプルはイリノイ大学トウモロコシ遺伝子共同ストックセンター（ＵｎｉｖｅｒｓｉｔｙｏｆＩｌｌｉｎｏｉｓＭａｉｚｅＣｏｏｐｅｒａｔｉｖｅＳｔｏｃｋＣｅｎｔｅｒ（Ｃｈａｍｐａｉｇｎｅ−Ｕｒｂａｎａ，ＩＬ））から入手可能である。
【００２６】
高められた全油含量を有するコーン穀粒は当業者に公知の多く方法のいずれかにより見分けられる。穀粒から抽出されるミールの脂肪含量も含めて、穀粒の全油含量は、ＡＯＣＳ公式法（ＡｍｅｒｉｃａｎＯｉｌａｎｄＣｈｅｍｉｃａｌＳｏｃｉｅｔｙＯｆｆｉｃｉａｌＭｅｔｈｏｄ，第５版，Ｍａｒｃｈ１９９８，（“ＡＯＣＳ法Ｂａ３−３８”））を用いて測定することができる。ＡＯＣＳ法Ｂａ３−３８はその試験条件下での石油エーテルにより抽出される物質を定量する。油含量及び濃度は、種子サンプルの全重量についての油の重量％である。油含量は、任意の所望の水分含量基準で統一化及び報告されている。
【００２７】
ハイオイルコーン穀粒を見分ける他の好適な方法は本明細書に記載されている。ある１つの方法によれば、高められた油濃度を有するコーン穀粒を有するトウモロコシの穂を選別するために近赤外線（ＮＩＲ）油検出器を用いてトウモロコシの穂が選別される。同様に、ＮＩＲ検出器は、高められたコーン油濃度を有する個々のコーン穀粒を選別するためにも使用することができる。しかしながら、高められた油含量を有する個々の穂及び／又は穀粒を選別することは、本明細書に記載の方法を用いるプロセスに好適なハイオイル穀粒を見分けるのには経済効率的ではない。一般に、高められた全油濃度を有する穀粒をもたらすトウモロコシ植物を産するトウモロコシ種子は、公知の農業方法を用いて栽培及び収穫される。高められた油濃度の穀粒を産するトウモロコシ植物をもたらすコーン近交系、ハイブリッド、遺伝子組換え種及び個体群を開発する方法は公知でありランバート（Ｌａｍｂｅｒｔ，１９９４．Ｉｎ：ＳｐｅｃｉａｌｔｙＣｏｒｎｓ．Ａ．Ｒ．Ｈａｌｌａｕｅｒ，ｅｄ．，ＨｉｇｈＯｉｌＣｏｒｎＨｙｂｒｉｄｓ．ｐｐ．１２３１４５．ＣＲＣＰｒｅｓｓ．ＢｏｃａＲａｔｏｎ，Ｆｌｏｒｉｄａ，ＵＳＡ）に記載されている。
【００２８】
本発明で使用されるコーン油及びコーンミールを製造するための原料として使用される好適なハイオイルコーンのひとつは、表１に示されるような栄養プロフィールを有する。量はそのままの又は注入した水分濃度基準で表した。タンパク質、油、及びデンプン濃度は、本発明で使用されるミール及び油のための原料として使用されるハイオイルコーンの数多くの可能な組み合わせにより変化する。水分、油、タンパク質、デンプン、リジン及びトリプトファンの許容量を表１に示す。しかしながら、表で示した量のようには示されていないさらなる組み合わせ（１２％のタンパク質及び１２％の油等）は、本発明で使用される油及びミールを生産するために使用されるコーン穀粒の範囲内である。
【００２９】
【表１】

【００３０】
本発明で使用されるコーン油及びコーンミールを製造するための原料として使用される別の好適なハイオイルコーンは表２に示されるような栄養プロフィールを有する。量はそのままの又は注入した水分濃度基準で表した。表２で示した量は、油が１２％及びタンパク質が９％であるコーン穀粒の例である。
【００３１】
【表２】

【００３２】
表３は、２つのハイオイルコーン穀粒サンプルと慣用のイエローコーン穀粒のアミノ酸濃度を示す。乾燥物（ｄｒｙｍａｔｔｅｒ）ベースで表したハイオイルコーンサンプル１（ＨＯＣ１）の油及びタンパク質濃度は、それぞれ１３．３％及び１０．７％である。乾燥物ベースで表したハイオイルコーンサンプル２（ＨＯＣ２）の油及びタンパク質濃度は、それぞれ１３．０％及び１１．２％である。比較として、慣用のイエローコーン穀粒は、乾燥物ベースで約４．２％の油と約９．２％のタンパク質を有する。
【００３３】
【表３】

【００３４】
ハイオイルコーンは、一般に、本明細書に記載のようにして抽出工程に供されて、本発明の最終製品に含まれるべき強化（ｅｎｈａｎｃｅｄ）コーン油及びコーンミールを提供する。本明細書で使用されるように、用語“最終製品（ｆｉｎｉｓｈｅｄｐｒｏｄｕｃｔ）”又は“製品（ｐｒｏｄｕｃｔ）”は、種々のほかの成分と組み合わせて、本発明のコーン油及び／又はコーンミールに含有させることにより製造される製品をいう。製品に含まれる特定の成分は、その製品の最終的な用途に応じて決定される。典型的な製品としては、動物用飼料、化学的修飾のための原料、生分解性プラスチック、調製（ｂｌｅｎｄｅｄ）食品、食料油、クッキングオイル、潤滑油、バイオディーゼル、スナック食品、化粧品及び発酵プロセス原料が挙げられる。本明細書に記載のミールを含む製品としては、完成した又は部分的に完成した豚、家禽及び牛用飼料、ペットフード、並びに食品のつなぎ剤（ｆｏｏｄｂｉｎｄｉｎｇａｇｅｎｔ）としての人間用食品（押し出しスナック食品、パン等）、水産養殖飼料、発酵性混合物、サプリメント（ｓｕｐｐｌｅｍｅｎｔ）食品、スポーツドリンク、栄養食品バー、マルチビタミンサプリメント食品、ダイエットドリンク及びシリアル食品が挙げられる。
【００３５】
例えば、１種類のトウモロコシ（例えば、油が１２％及びタンパク質が９％）から出発して、１つ以上のタイプのミールを一定の栄養要件を満たすように製造できる。この適応性の重要性は飼料製品中の栄養素密度（ｎｕｔｒｉｅｎｔｄｅｎｓｉｔｙ）及び動物用食餌要件に関係する。このタイプのハイオイルコーン及び抽出工程の使用の１つの有利な点は、抽出コーンミール（ｅｘｔｒａｃｔｅｄｃｏｒｎｍｅａｌ）が、油抽出の程度に応じて特定の油濃度を有するように製造されることができることである。一度圧ぺん（ｆｌａｋｅ）から油を除去すると、残ったコーンミールは、タンパク質アミノ酸及び本方法で除去されない他の栄養物に関して、普通のコーン穀粒よりも優れているか又は異なり、そして初めのトウモロコシ（ｓｔａｒｔｉｎｇｃｏｒｎ）のそれ（例えば油が１２％でタンパク質が９％）よりも優れた栄養素密度を有する。
【００３６】
本明細書に記載のコーン油及びコーンミールの製造で使用されるある抽出工程によると、ホール（ｗｈｏｌｅ）ハイオイルコーンは、任意に破砕され、次いで調質されて圧ぺんされる。圧ぺんの後、圧ぺんコーンを本明細書に記載のようにして抽出する。
【００３７】
ハイオイルコーンは、一定の隙間で隔てられた互いに向き合った回転する波形の歯を有する２つのローラーの間に全粒コーンを通すことにより、及び／又は歯のついた回転ディスクが固定ディスクから調節可能な距離で回転するグラインドミルを通すことにより、及び／又は別のもう１つと隣り合って回転する２つの回転金属“ハンマー”様の装置であるハンマーミルを使用することにより破砕される。コーン又はハイオイル種子を破砕する方法はワトソン等（Ｗａｔｓｏｎ，Ｓ．Ａ．＆Ｐ．Ｅ．Ｒａｍｓｔａｄ，ｅｄ．（１９８７，Ｃｏｒｎ：ＣｈｅｍｉｓｔｒｙａｎｄＴｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｃｈａｐｔｅｒ１１，ＡｍｅｒｉｃａｎＡｓｓｏｃｉａｔｉｏｎｏｆＣｅｒｅａｌＣｈｅｍｉｓｔ，Ｉｎｃ．，Ｓｔ．Ｐａｕｌ，ＭＮＵＳＡ））に記載されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。破砕（ｃｒａｃｋｅｄ）コーンは上記破砕工程をとおしたコーンである。
【００３８】
コーンが破砕されているか否かに関係なく、当業者に公知の方法／又は本明細書に記載の方法を用いて調質してもよい。本明細書で使用される用語“調質（ｃｏｎｄｉｔｉｏｎｉｎｇ）”とは、それによってコーン穀粒が軟化又は可塑化してより柔軟にそして圧ぺん及び抽出処理を可能にするプロセスに関する。調質は水蒸気（飽和及び／又は不飽和水蒸気）及び／又は水の該破砕ハイオイルコーンへの添加から構成されていてもよい。これはロータリー調質器を使用することにより行なわれる。水蒸気添加工程中に温度及び水分濃度の両方が高められる。温度は華氏約１４０度と華氏約２１０度との間の範囲であり、水分は約１％〜約１５％増加する。
【００３９】
次いで、ハイオイルコーン穀粒を圧ぺんして任意の有用なサイズにする。本明細書で用いる用語“圧ぺんする（ｆｌａｋｉｎｇ）”とは、それによってコーン穀粒が１回以上圧ぺんローラーを通過して圧ぺんが生産される工程に関する。圧ぺんコーンは最終的な厚みが約５／１０００〜５０／１０００インチ若しくは約０．１２ｍｍ〜１．０ｍｍ、又は約０．０１インチ（０．２５ｍｍ）であってもよいが、他の厚さも採用できる。有用な圧ぺん厚さは、コーンの油含量、水分含量、コーンの種類（例えば、デント又はフリント）及び油抽出機の種類等の外部の限定要件に依存することもある。ハイオイルコーンを圧ぺんする好適な方法は、本明細書及びエリクソン等（Ｄ．Ｒ．Ｅｒｉｃｋｓｏｎ，ＰｒａｃｔｉｃａｌＨａｎｄｂｏｏｋｏｆＳｏｙｂｅａｎＰｒｏｃｅｓｓｉｎｇＵｔｉｌｉｚａｔｉｏｎ（１９９５，ＡＯＣＳＰｒｅｓｓ））に詳述されており、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる。好適な圧ぺん方法としては、油料種子加工処理の技術分野の当業者に公知のものも挙げられる。
【００４０】
コーンを破砕及び／又は調質並びに圧ぺんした後に、圧ぺんコーンを抽出工程に供して油を抽出し、抽出コーンミール（ｅｘｔｒａｃｔｅｄｃｏｒｎｍｅａｌ：ＥＣＭ）を形成させる。コーン油は、任意の抽出方法を用いる１つ以上の抽出工程により圧ぺん穀粒から抽出される。大体、実質的に、又はほぼ全ての油は１回の抽出工程で抽出される。有用な抽出方法としては、溶媒抽出、水圧プレス（ｈｙｄｒａｕｌｉｃｐｒｅｓｓｉｎｇ）、エキスペラープレス（ｅｘｐｅｌｌｅｒｐｒｅｓｓｉｎｇ）、水性（ａｑｕｅｏｕｓ）及び／又は酵素抽出が挙げられる。溶媒抽出に有用な溶媒としては、例えば、商業的に入手可能なヘキサン、イソプロピルアルコール、エタノール、超臨界二酸化炭素、それらの組み合わせ、及び他の類似の溶媒の全ての形態が挙げられる。例えば、コーン油は、ヘキサンを基礎とする（ｈｅｘａｎｅ−ｂａｓｅｄ）溶媒抽出器を用いて圧ぺん穀粒から抽出できる。溶媒抽出器としては、ろ過・浸透及び浸漬タイプの抽出器の両方が挙げられる。
【００４１】
溶媒を基礎とする（ｓｏｌｖｅｎｔ−ｂａｓｅｄ）抽出器から除去される物質としては、湿潤圧ぺん及びミセラ（ｍｉｓｃｅｌｌａ）が挙げられる。ミセラは抽出油及び溶媒の混合物である。湿潤圧ぺんは、いくつかの又は全ての溶媒可溶物質が抽出された後に残る物質である。湿潤圧ぺんもある量の溶媒を含有する。溶媒は、上昇薄膜蒸発（ｒｉｓｉｎｇｆｉｌｍｅｖａｐｏｒａｔｉｏｎ）又は乾燥等の方法を用いて、そしてフラッシュタンク及び／又は脱溶媒装置／トースター等の装置を用いて温度を上昇させて、ミセラ及び湿潤圧ぺんの両方から回収される。例えば、常圧下、加圧下、又は真空下で溶媒を蒸発させるために、湿潤圧ぺん又はミセラに加熱が適用される。次いで、蒸発した溶媒は別の回収システムで凝縮される。
【００４２】
脱溶媒したミセラは一般に粗油（ｃｒｕｄｅｏｉｌ）と呼ばれ、それは保管及び／又はさらなる加工処理に供することができる。粗油を精製して最終的な油製品を製造することができる。最終的な油を得るために粗油を精製する方法は当業者に公知である。Ｈｕｉ（１９９６）は、油及び油料種子の完全な総説（Ｈｕｉ，Ｙ．Ｈ．編１９９６．Ｉｎ：Ｂａｉｌｅｙ’ｓＩｎｄｕｓｔｒｉａｌＯｉｌａｎｄＦａｔＰｒｏｄｕｃｔｓ．第５版，Ｖｏｌ．２：ＥｄｉｂｌｅＯｉｌａｎｄＦａｔＰｒｏｄｕｃｔｓ：ＯｉｌｓａｎｄＯｉｌｓｅｅｄｓ．ＪｏｈｎＷｉｌｅｙａｎｄＳｏｎｓ，Ｉｎｃ．，ＮｅｗＹｏｒｋ）を提供している。Ｈｕｉの第三章（１９９６，ｐｐ．１２５−１５８））（その開示は参照により本明細書に組み込まれる）は、特にコーン油組成物及び加工処理方法を記載している。本明細書に記載した圧ぺん方法を用いて分離された粗油は高品質であるが、必要に応じて慣用の油精製方法を用いてさらなる精製を行なってもよい。
【００４３】
コーン胚乳は、カロテノイド、ルテイン、及びゼアキサンチン等のいくつかの価値のある成分を含む。穀粒中のカロテノイドは２つの概括的なグループ、カロテン及びキサントフィルに分類される。カロテンはビタミンＡ前駆体であるので重要である。Ｂｌｅｓｓｉｎ等（ＣｅｒｅａｌＣｈｅｍ．１９６３．４０：５８２−５８６）は、９０％以上のカロテノイド（それらのうちベータ−カロテンが主だったものである）はイエローデントコーンの胚乳に存在し、５％未満が胚に存在することを見出している。ビタミンＡは主にベータ−カロテンに由来する。
【００４４】
胚乳に見られる価値ある成分の別のグループとしてはトコトリエノールが挙げられる。グラム等（Ｇｒａｍｓｅｔａｌ．１９７０）はコーン中においてトコトリエノールは胚乳にのみ見らるのに対して、胚はトコフェロールの大部分を含有することを見出した。トコトリエノールは種々の溶媒を用いて植物材料から抽出することができる。植物材料からトコトリエノールを回収する方法はレーン等（Ｌａｎｅｅｔａｌ．，米国特許第５，９０８，９４０号）に記載されており、その前開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【００４５】
本発明の１つの実施形態では、慣用のイエロー＃２デントコーン産物から得られる商業的に入手可能な粗油よりも、ルテイン、ゼアキサンチン及びベータ−カロテン量がより多い抽出コーン油が提供される。慣用の粗油はカーギル社（Ｃａｒｇｉｌｌ，Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｅｄ（Ｍｉｎｎｅａｐｏｌｉｓ，ＭＮ））等の供給業者から得ることができる。例えば、実施例１により製造されるコーン油は、商業的に入手可能な粗油と比較して、以下に示される量の成分を含む。
【００４６】
【表４】

【００４７】
したがって、本明細書に記載の方法は、ルテイン、ゼアキサンチン、及び／又はベータ−カロテン並びに任意に１つ以上のほかの栄養成分で栄養価を高められた栄養強化コーン油を提供する。
【００４８】
本明細書に記載の抽出方法により得られるコーン油で製造された油を基礎とする製品は、従来の方法により製造されたコーン油で製造された類似の製品よりもより高濃度の重要な栄養素を含む。本明細書に記載の抽出方法により得られるコーン油は、胚及び胚乳、並びにその穀粒の残りから抽出される１つ以上の他の成分を含むであろう。その１つ以上の他の成分は胚乳からの油、トコトリエノール、トコフェロール、カロテノイド、カロテン、キサントフィル及びステロールであってもよい。
【００４９】
トコフェロール（ビタミンＥ）及びビタミンＡは抗酸化剤及び脂溶性ビタミンである。食べ物に含有させた場合には、どちらも健康に有益であることが示されている。ベータ−カロテン、ビタミンＥ、及びトコトリエノールの適切な濃度を達成するための、本発明の油と他の油又は物質とのブレンドは本発明の範囲内のことである。いくつかの態様では、本明細書に記載のようにして製造される抽出コーン油は約０．１重量％〜約０．５重量％のトコフェロールを含む。
【００５０】
慣用の方法で製造した粗コーン油に対してほぼ２００％〜３００％増加したトコトリエノールを含む油を記載する。ハイオイルコーンを、破砕し及び／又は調質し及び／又は圧ぺんし、そして抽出する方法の使用により、コーン油が抽出され、そしてトコトリエノール含量が分析された。トコトリエノールの実際の最小及び最大値は使用する特定のハイオイルコーンに依存するであろう。
【００５１】
時間で評価される酸化安定指数（ＯＳＩ）は、酸化に対する油の相対的な安定性の尺度である。一般に、ＯＳＩが大きいほど酸化に対する油の感受性が低く、試験又は使用条件下での油の酸化に長い時間がかかる。さらに、油中に存在する不飽和脂肪酸含量が多くなるほど、ＯＳＩが低くなる。本明細書に記載の抽出方法に従って製造される油の例では、一般に約１０−２２時間の範囲のＯＳＩ値を有する。
【００５２】
カロテン及びキサントフィル並びにその他の色素の抽出はＢｌｅｓｓｉｎ（ＣｅｒｅａｌＣｈｅｍ．，３９，２３６−２４２（１９６２）により詳細に記載されており、その全ての開示が参照により本明細書に組み込まれる。溶媒の組み合わせ、主にエタノールとヘキサンは、コーンからカロテンとキサントフィルとを抽出するのに使用される。エタノール、ヘキサン、他の溶媒の組み合わせ、及びそれらの種々の比率は商業的規模で本発明の油を製造するために使用することができる。
【００５３】
本明細書に記載の抽出方法により得られる粗油の例は、一般に以下に示す部分的な組成プロフィールを有する。
【００５４】
【表５】

【００５５】
コーン油に一般に見られる脂肪酸としては、一般にパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸が挙げられる。
【００５６】
本明細書に記載の方法により製造される粗油は、実質的に、部分的に又は完全に水素添加されていてもよい。部分的又は完全に油を水素添加する好適な方法は、エリクソン等（Ｄ．Ｒ．Ｅｒｉｃｋｓｏｎ，ＰｒａｃｔｉｃａｌＨａｎｄｂｏｏｋｏｆＳｏｙｂｅａｎＰｒｏｃｅｓｓｉｎｇＵｔｉｌｉｚａｔｉｏｎ（１９９５，ＡＯＣＳＰｒｅｓｓ））に記載されており、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【００５７】
本発明にしたがって油を基礎とする製品を製造する場合、これらの製品は、慣用のコーン油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、パーム油、ヒマワリ油、ベニバナ油、抗酸化剤、フレーバリング、水素添加油、部分的水素添加油及び／又は動物脂肪を含んでいてもよい。本発明のコーン油と１つ以上の他の油とを混合することによりブレンドオイル製品が製造される。コーン油を基礎とする製品は、食品添加剤、塩、脂肪、食品着色剤、βカロテン、アナトー抽出物（ａｎｎａｔｔｏｅｘｔｒａｃｔ）、クルクミン又はターメリック、β−アポ−８’−カロテナール並びにそれらのメチル及びエチルエステル、天然又は合成香料、抗酸化剤、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、天然又は合成トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル（ａｓｃｏｒｂｙｌ）、ステアリン酸アスコルビル、チオジプロピオン酸ジラウリル、抗酸化相乗剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル、リン酸、クエン酸モノグリセリド、消泡剤、ジメチルポリシロキサン、結晶化阻害剤、オキシステアリン、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、糖、ハーブ、香辛料、酸性度調整剤、農薬（ｆｉｒｍｉｎｇａｇｅｎｔｓ）、酵素製剤、小麦粉処理剤（ｆｌｏｕｒｔｒｅａｔｍｅｎｔａｇｅｎｔｓ）、粘度調整剤、酵素、脂質、及び／又は野菜若しくは動物タンパク質。さらに、これらの食用に可能な製品は、利用可能なタンパク質を含有するタンパク質サプリメントで栄養価を高める又は強化することができる。朝食シリアル等の食品の例は、本発明のミール、コムギ及びエンバク粉、砂糖、塩、コーンシロップ、トウモロコシ粉、ドライフルーツ、ビタミンＣ、Ｂ等のビタミン類、葉酸、重曹及びフレーバリング等の成分を含んでいてもよい。
【００５８】
本明細書の記載により製造される油を含んでもよい油を基礎とする製品の他の例としては、食料油、クッキングオイル、食用油及びブレンド油が挙げられる。
【００５９】
大豆及びアブラナ等の油料種子から油を抽出するために使用される装置は、本明細書に記載のコーン油及びコーンミールを製造するために使用することができる。有用な商業的規模の油料種子圧ぺん機は、フレンチオイルミルマシナリー社（ＦｒｅｎｃｈＯｉｌＭｉｌｌＭａｃｈｉｎｅｒｙＣｏｍｐａｎｙ，Ｐｉｑｕａ，ＯＨＵＳＡ４５４５６−０９２０）、ロスカンプチャンピオン社（ＲｏｓｋａｍｐＣｈａｍｐｉｏｎ，Ｗａｔｅｒｌｏｏ，Ｉｏｗａ）、ビューラー社（Ｂｕｈｌｅｒ，スイスに本社がありプリマス（Ｐｌｙｍｏｕｔｈ）に事務所がある，ＭＮＵＳＡ）、バウアーマイスター社（Ｂａｕｅｒｍｅｉｓｔｅｒ，Ｉｎｃ．，Ｇｅｒｍａｎｙ）、及びＣＰＭロスカンプ社（ＣｏｎｓｏｌｉｄａｔｅｄＰｒｏｃｅｓｓＭａｃｈｉｎｅｒｙＲｏｓｋａｍｐＣｏｍｐａｎｙ，ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｃｐｍｒｏｓｋａｍｐ．ｃｏｍ）並びにクラウンアイアンワークス社（ＣｒｏｗｎＩｒｏｎＷｏｒｋｓ，Ｍｉｎｎｅａｐｏｌｉｓ，ＭＮ）から入手可能である。
【００６０】
商業的規模の方法及び装置は、１日当り少なくとも約１トンのコーンからコーン油を抽出するのに十分である。いくつかの実施形態では、商業的規模の処理能力は１日当り約１００トンのコーンから１日当り約３０００トンのコーンの範囲であり、又は処理能力は１日当り約７００トンのコーンから１日当り約１７００トンのコーンの範囲である。１日当り約３０００トンのコーンより多くを処理加工する商業的規模の実施も十分である。
【００６１】
コーン油又はコーンミールの品質は、油収量、リン含有量、遊離脂肪酸の割合、中性デンプンの割合、タンパク質含量及び水分含量等の１つ以上の品質パラメーターを評価することにより決定される。いずれの方法も、油又はコーンミールの品質を評価するための１つ以上の品質パラメーターを見積もるのに用いられることができる。
【００６２】
粗油のリン濃度は、ＡＯＣＳ法Ｃａ１２−５５を用いて測定できる。ＡＯＣＳ法Ｃａ１２−５５は、リン又は同等のリン脂質亜鉛酸化物（ｅｑｕｉｖａｌｅｎｔｐｈｏｓｐｈａｔｉｄｅｚｉｎｃｏｘｉｄｅ）を同定し、次いで青色リンモリブデン酸錯体としてリンを分光光度的に測定する。ＡＯＣＳ法Ｃａ１２−５５は、粗油、ガム質除去油及び精製野菜油に適用できる。リン濃度は、リン濃度に３０をかけることによりリン脂質濃度（即ち、ガム濃度）に変換される。いくつかの実施形態では、本発明により製造されるコーン油は、約１００−４００ｐｐｍのリンを含む。
【００６３】
油の遊離脂肪酸割合はＡＯＣＳ法Ｃａ５ａ−４０により測定できる。ＡＯＣＳ法Ｃａ５ａ−４０は試料油中に存在する遊離脂肪酸を同定する。ＡＯＣＳ法Ｃａ５ａ−４０は、全ての粗油、精製野菜油、鉱油及び動物脂肪に適用できる。プロセス中での中性油（ｎｅｕｔｒａｌｏｉｌ）の損失はガム割合と遊離脂肪酸割合とをともに加えることにより決定される。抽出コーン油中に得られる遊離脂肪酸量は、油が抽出されるハイオイルコーン中に見出される脂肪酸量に依存するであろう。いくつかの実施形態では、抽出油の遊離脂肪酸含量は、約０．７０重量％〜３．００重量％の範囲である。
【００６４】
油の色はＡＯＣＳ法Ｃｃ１３ｂ−４５を用いて測定される。ＡＯＣＳ法Ｃｃ１３ｂ−４５は、試料油と既知の色特徴とを比較することにより試料油の色を同定する。ＡＯＣＳ法Ｃｃ１３ｂ−４５は、濁りのない脂肪及び油に適用できる。色値は油の目視検査により定性的に評価される。一般に、目視検査により油は既知の油色と比較して淡色油又は濃色油に分類される。色値はＡＯＣＳ法Ｃｃ１３ｂ４５を用いて赤色値及び黄色値を決定することにより定量される。典型的には、慣用の乾式ミリング法を用いて分離された粗コーン油は約７〜約１０の範囲の赤色値及び約６０〜約７０の範囲の黄色値を有する。本明細書に記載の圧ぺん方法を用いて分離されたコーン油は、定性的には淡色とみなされ、そして一般的には、湿式又は乾式ミリング技術を用いて製造される粗コーン油の色よりも薄い。アメリカ油化学会（ＡＯＣＳ）法Ｃｃ１３ｂ−９３により測定される黄色値は約６０〜約７０であってもよく、赤色値は約７〜約１０であってもよい。
【００６５】
抽出コーン油は、化学修飾（ｃｈｅｍｉｃａｌｍｏｄｉｆｉｃａｔｉｏｎ）、生分解性プラスチックの成分、ブレンド食品製品の成分、食用油又はクッキングオイルの成分、潤滑油若しくはそれらの成分、バイオディーゼル若しくはそれらの成分、スナック食品の成分、発酵加工処理の原材料、及び化粧品の成分のための原材料として使用することができる。本明細書に記載の抽出工程により得られる油はコーン穀粒の胚でない部分から得られる１つ以上の成分を有するので、油は栄養強化されている。いくつかの実施形態では、油は、約２０％〜８０％、又は２５％〜５０％の範囲のオレイン酸を含むだろうが、一方、普通のコーンは油中に約２５％〜４０％のオレイン酸が含まれるであろう。抽出油を用いてブレンド油を製造する場合、ブレンドは抽出工程の前、最中又は後にすることができる。
【００６６】
本明細書に記載の圧ぺん及び油抽出工程から製造されるミールは独特な飼料製品を製造するために使用される。本発明で用いられるコーンミールはハイオイルコーン全粒から油を抽出した後に得られる（ここで、穀粒は粉砕（ｇｒｉｎｄ）、圧ぺん、破砕、細片化又はすりむきをするかもしれないし、しないかもしれないが、穀粒はその構成要素に分離されない）。抽出によるコーンからの油の除去工程は、タンパク質及び必須アミノ酸等の残りの栄養物を濃縮するのに役立つ。抽出により製造されるコーンミールを主に含有する飼料製品は、大豆等の他の供給源からのタンパク質の補充の必要性が、普通のコーン穀粒を主に含有する飼料製品よりも少ない。該ミールは、本加工処理方法から生じる組成物のおかげで、別の方法では製造不可能な飼料を製造するための飼料製造適応性を有する。バルク密度、歯ごたえ、ペレット成形性、及び水分保持能力等の特有の物性及び／又は特有の栄養特性を有する動物用給餌飼料（Ａｎｉｍａｌｆｅｅｄｒａｔｉｏｎ）は、本発明の抽出コーンミールを該給餌飼料の成分として配合することにより製造される。本明細書に記載のような圧ぺん及び抽出方法を用いて分離された抽出コーンミールは、それ自体で、すなわちそのままで、低脂肪コーンミールである。あるいは、他のコーンミール又は栄養物と組み合わせて飼料混合物及び食品を製造することもできる。抽出コーンミールは、大豆、アブラナ、ヒマワリ、セイヨウアブラナ油料種子、ワタ等の作物及びその他の作物から製造されるミールと組み合わせることもできる。抽出コーンミールは、遺伝子改変したコーンから製造することもできるし、及び／又は遺伝子組換え油料種子穀粒から製造したミールと組み合わせることもできる。
【００６７】
抽出コーンミールは、任意に他の成分と組み合わせて未成形（ｌｏｏｓｅ）製品又はペレット製品として提供することができる。例えば、ペレット製品としては、ペレット化され次いでゼイン（ｚｅｉｎ）タンパク質で被覆した抽出コーンミール（それ自身又は他の成分と組み合わせて）が挙げられる。コーンミールは未成形又はペレット体で提供されるブレンドミール製品に含有させてもよい。
【００６８】
抽出コーンミールを用いて製造される給餌飼料は、一般に、国際食品規格（ＣＯＤＥＸＡＬＩＭＥＮＴＡＲＩＵＳ）又は米国学術研究会議（ＮａｔｉｏｎａｌＲｅｓｅａｒｃｈＣｏｕｎｃｉｌ）による食品及び品質基準を満たすであろう。該ミールは、一般に、以下の成分を下記表に示した概算量で含む。
【００６９】
【表６】

【００７０】
上記ミールは、量が特定されていない成分を不特定量さらに含んでいてもよい。
【００７１】
従来のコーンから製造されるミールと比較すると、本明細書に記載の抽出コーンミールは、ビタミン、葉酸、パントテン酸、リジン、トリプトファン、及び／又はナイアシン等のいくつかの重要な栄養成分（栄養物：ｎｕｔｒｉｅｎｔｓ）をより多く含む。例えば、実施例１により製造された抽出コーンミールのミールサンプル１及び２は、以下の栄養成分を示した量で含む。本明細書に記載の方法をうけていないイエローコーンに見られる範囲内で、同一成分の量を比較に含める。
【００７２】
【表７】

【００７３】
本明細書に記載のようにして製造された抽出コーンミールは、好都合に特定の油濃度、特にタンパク質に対する油の特定の比率、炭水化物に対する油の特定の比率、又は炭水化物とタンパク質に対する油の特定の比率を含有するように製造できる。例えば、８％のタンパク質及び４％の油を有する普通のコーンはタンパク質：油割合が２．０であり、９％のタンパク質及び１２％の油を有するハイオイルコーンはタンパク質：油割合が０．７５である。抽出により製造される１０．５％のタンパク質及び１．５％の油を有するミールは、タンパク質：油割合７．０を有する。このような高い割合により、このタイプのミール及びそれから製造される製品はある用途（一例として豚肥育用給餌飼料）に望ましいものとなる。
【００７４】
種、年齢及び品種に応じてそれぞれの動物によって栄養素の濃度を変化させることが要求される。種々の濃度の栄養素を含む給餌飼料は、ハイオイルコーンを様々な程度の抽出に供することにより製造される（即ち、抽出の度合いを強くすることによりコーンからより多くの油が除去される）。したがって、ハイオイルコーンの抽出の程度を調節することにより種々の量の脂肪、タンパク質、及び炭水化物を含むように、本発明の抽出コーンミールを含む給餌飼料を製造することができる。以下の表は、抽出コーンミールを含む動物用給餌飼料に存在する表示成分、１つ以上の他の成分（例えば、モロコシシロップ（ｓｏｒｇｈｕｍ）、コムギ及び／又は他のシリアル穀物若しくはそれらの副生成物、或いは非シリアル穀物成分等の炭水化物を基礎とするエネルギー源）を含んでいてもよい、抽出コーンミールを主成分とする給餌飼料例の特有の含有物範囲、及び一般的な給餌飼料の含有物範囲の詳細である。
【００７５】
【表８】

【００７６】
肉骨粉はダーリンインターナショナル社（ＤａｒｌｉｎｇＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ，Ｉｎｃ．（Ｉｒｖｉｎｇ，ＴＸ））等の供給業者から入手できる。油料種子ミールはカーギルオイルシーズ社（ＣａｒｇｉｌｌＯｉｌｓｅｅｄｓ（ＣｅｄａｒＲａｐｉｄｓ，ＩＡ））等の供給業者から入手できる。羽毛ミールはアグリトレーディング社（ＡｇｒｉＴｒａｄｉｎｇＣｏｒｐ．，（Ｈｅｔｃｈｉｎｓｏｎ，ＭＮ））等の供給業者から入手できる。アミノ酸はデュコア社（ＤｕＣｏａ，（Ｈｉｇｈｌａｎｄ，ＩＬ））等の供給業者から入手できる。
【００７７】
給餌飼料は穀粒、種子ミール、ビタミン及び／又は精製アミノ酸等の種々の材料を一緒に混合して、タンパク質、エネルギー、脂肪、ビタミン、ミネラル及び他の栄養素についての栄養所要条件を満たす複合物質を形成することにより製造することができる。混合工程としては、比較的均一な栄養混合物を製造するためのグラインディング（ｇｒｉｎｄｉｎｇ）及びブレンディング（ｂｌｅｎｄｉｎｇ）が挙げられる。飼料原材料及び調合飼料の物性は栄養品質、保存性、及び製品の全体的な価値に影響する。給餌飼料を製造するための好適なプロセスは、飼料製造技術ＩＶ（ＦｅｅｄＭａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇＴｅｃｈｎｏｌｏｇｙＩＶ（１９９４，ＡｍｅｒｉｃａｎＦｅｅｄＩｎｄｕｓｔｒｙＡｓｓｏｃｉａｔｉｏｎより出版））に開示されている。
【００７８】
抽出コーンミールは、デンプン画分の消化性という点で水蒸気圧ぺん（ｓｔｅａｍ−ｆｌａｋｅｄ）コーンといくらか類似するかもしれないが、調質処理するために良好な反芻消化性を有する。本明細書で議論されているように、調質工程を変更することにより、特定の油濃度が抽出ミール中で達成される。タンパク質、アミノ酸、及び本発明の抽出ミールの油濃度は、水蒸気圧ぺんした慣用のコーンでは達成できず、水蒸気圧ぺんハイオイルコーンは油が多すぎ、逆に反芻動物の健康に影響を与え得る。
【００７９】
多くのタイプの動物給餌飼料が本発明のタイプの抽出コーンミールを用いて開発でき、例示の目的で食餌の典型例を以下に記載する：
（１）１２％の油含量及び９％のタンパク質含量を有するコーン穀粒から製造したミールであり、このコーンから得られるミールは豚肥育用食餌の用途のため１．５％の油含量を有する；そして、
（２）１２％の油含量及び９％のタンパク質含量を有するコーン穀粒から製造したミールであり、このコーンから得られるミールは家禽ブロイラー用食餌の用途のため４．０％の油含量を有する。
【００８０】
抽出コーンミール及び１つ以上のほかの油料種子ミールを含むブレンド製品は、以下の１つ以上の方法により製造される：１）破砕及び／又は圧ぺんの前にハイオイルコーンと他の油料種子とを一緒にして、その全種子混合物を本明細書に記載の圧ぺん及び抽出工程に供してブレンドミールを形成させる；２）破砕及び調質のあと後、しかし圧ぺん前にハイオイルコーンと他の油料種子とを一緒にして、その全種子混合物を本明細書に記載の抽出工程に供してブレンドミールを形成させる；３）圧ぺんの後にハイオイルコーンと他の油料種子とを一緒にして、その全種子混合物を本明細書に記載の抽出工程に供してブレンドミールを形成させる；４）抽出コーンミールと他の抽出又は非抽出油料種子ミールとを一緒にしてブレンドミールを形成させる；又は、５）それらを組み合わせてブレンドミールを形成させる。ここに記載した工程中の任意の時点で、追加の成分をブレンドミールに添加してブレンド製品を形成させることができる。
【００８１】
抽出コーンミールは、スナック食品、ブレンド食品製品、パン、発酵原材料、朝食シリアル、缶詰フルーツの中身等の濃厚食品（ｔｈｉｃｋｅｎｅｄｆｏｏｄｐｒｏｄｕｃｔｓ）、パフ又は押し出し食品及びポリッジ等の食品原材料に使用することもできる。
【００８２】
人間又は動物に食用可能な製品に使用する場合、抽出コーンミールを、他のミール、他の油料種子ミール、穀物、他のコーン、モロコシシロップ、小麦、小麦製粉の副産物、大麦、タピオカ、コーングルテンミール、コーングルテン飼料、製パン副産物、全脂（ｆｕｌｌｆａｔ）米ぬか及び籾殻等の他の成分と組み合わせることもできる。
【００８３】
抽出コーンミールは、コーンタンパク質分離物の製造のための、発酵のための、さらなる化学処理のための原材料として使用することができ、さらにアミラーゼ及びプロテアーゼ等の酵素をミールに添加してデンプン及びタンパク質の分解を助けることができる。
【００８４】
抽出コーンミールは、デンプンとタンパク質成分との慣用の分離方法に任意に供される。そのような方法としては、例えば、乾式ミリング（ｄｒｙｍｉｌｌｉｎｇ）、湿式ミリング（ｗｅｔｍｉｌｌｉｎｇ）、高圧ポンプ（ｈｉｇｈｐｒｅｓｓｕｒｅｐｕｍｐｉｎｇ）又は低温処理が挙げられる。これらの及び他の好適な方法はワトソン等（Ｗａｔｓｏｎ，Ｓ．Ａ．＆Ｐ．Ｅ．Ｒａｍｓｔａｄ編．（１９８７，Ｃｏｒｎ：ＣｈｅｍｉｓｔｒｙａｎｄＴｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，１１章及び１２章，ＡｍｅｒｉｃａｎＡｓｓｏｃｉａｔｉｏｎｏｆＣｅｒｅａｌＣｈｅｍｉｓｔ，Ｉｎｃ．，Ｓｔ．Ｐａｕｌ，ＭＮＵＳＡ））に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。コーンミールからの油の除去を先にすることにより、コーン油が抽出されていない場合で行なうよりも、抽出コーンミールのデンプン及びタンパク質成分が他の成分から容易に分離することができる。
【００８５】
抽出コーンミールのためのいくつかの重要な品質パラメーターは、脂肪、デンプン、タンパク質及び水分含量である。油料種子の品質パラメーターを評価する方法はＡＯＣＳ法に開示されており、その関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる。これらの方法は本明細書に記載のようにして製造される抽出コーンミールに適用することもできる。
【００８６】
穀粒の水分含量は圧ぺん工程に影響することもある。コーン穀粒中の水分は圧ぺん前に約１％〜約１５％増加されることが必要であることもある。効率的な加工処理を容易にするための穀粒水分含量の最適化は、通常の当業者の知識の範囲内のことである。
【００８７】
異なる方法を使用して得られた又は異なる時点で分離されたコーンミールは、ミールを共通の水分含量に基準を統一することにより比較される。コーンミール等の油料種子タンパク質濃縮物（ｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｅ）又はホールコーンの水分含量は、ＡＯＣＳ法Ｂａ２ｂ−８２を用いて測定される。コーンミールの粗繊維含量はＡＯＣＳ法Ｂａ６−８４を用いて測定される。ＡＯＣＳ法Ｂａ６−８４は、穀粒、ミール、小麦粉、飼料及び全ての繊維産出材料（これらから脂肪が抽出された加工可能な残留物が残る）に有用である。コーンミールの粗タンパク質含量はＡＯＣＳ法Ｂａ４ｅ−９３により測定される。コーンミールのデンプン含量はＡＯＣＳ法Ｂａ４ｅ−９３により測定される。コーンミールのデンプン含量は、標準分析法（ＳｔａｎｄａｒｄＡｎａｌｙｔｉｃａｌＭｅｔｈｏｄｓｏｆｔｈｅＭｅｍｂｅｒＣｏｍｐａｎｉｅｓｏｆｔｈｅＣｏｒｎＲｅｆｉｎｅｒｓＡｓｓｏｃｉａｔｉｏｎＩｎｃｏｒｐｏｒａｔｅｄ，２ｄＥｄｉｔｉｏｎ，Ａｐｒｉｌ１５，１９８６，ｍｅｔｈｏｄＡ−２０（“ＣｏｒｎＲｅｆｉｎｅｒ’ｓｍｅｔｈｏｄＡ２０”））により測定される。
【００８８】
本明細書で提供される分析方法は、本明細書に記載の油及びミールについての種々の品質パラメーターを算出するための有用な方法の例であると理解されるべきである。他の好適な方法が知られており、本明細書及び特許請求の範囲に開示された品質パラメーターを算出するために使用してもよい。
【００８９】
以下の実施例は本発明の特定の態様を示すために含まれている。以下の実施例に開示された技術は、本発明の実施で十分に機能させるために本発明者らが見出した技術を代表し、したがってその実施のための例示形態を構成するものとみなされることが当業者には理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の開示に照らして、開示された特定の態様に多くの変更をすることができ、そしてそれでもなお同様又は類似の結果が得られることを理解すべきである。
【００９０】
実施例１は、ハイオイルコーンから油を抽出して抽出コーンミールを製造するための溶媒抽出に基づく方法の詳細な記述を提供する。表２（Ｔａｂｌｅ２）は、２つの異なる抽出コーンミールの詳細な成分プロフィールを提供する。低油含量のコーンミールは高油含量のコーンミールよりもより高程度の抽出にかけた。
【００９１】
実施例２は、実施例１のようにして製造された抽出コーンミールで製造された豚用肥育給餌飼料についての詳細な成分及び栄養プロフィールを提供する。表３（Ｔａｂｌｅ３）では、該抽出コーンミールで製造された該給餌飼料と慣用のコーンで製造された給餌飼料とを比較している。該抽出コーンミールは特有の栄養プロフィールなので、好適な給餌飼料を提供するために、それから製造された給餌飼料は慣用のコーンを必要とせず、そして種々の他の成分量と同様により少ない量の大豆ミールですむ。
【００９２】
実施例３は、実施例１のようにして製造された抽出コーンミールで製造された家禽用肥育給餌飼料についての詳細な成分及び栄養プロフィールを提供する。表４（Ｔａｂｌｅ４）では、該抽出コーンミールで製造された該給餌飼料と慣用のコーンで製造された給餌飼料とを比較している。該抽出コーンミールは特有の栄養プロフィールなので、好適な給餌飼料を提供するために、それから製造された給餌飼料は慣用のコーンを必要とせず、そしてより少ない量の大豆ミールですむ。
【００９３】
実施例４は、高められたトコトリエノール含量を有するコーン油を得るための方法を記述する。該コーン油は実施例１にしたがって製造された。ハイオイルコーンに由来する油を、慣用のコーンから慣用の方法により得られる油である商業的に入手可能な粗油と比較した。該抽出油は高濃度のトコトリエノール、特にα−及びガンマ−トコトリエノールを含有する。
【００９４】
実施例５は、米国学術研究会議（ＮａｔｉｏｎａｌＲｅｓｅａｒｃｈＣｏｕｎｃｉｌ：（ＮＲＣ））に沿った家禽及び豚用飼料のための栄養要件とともに、大豆ミール及び抽出コーンミールから製造されたブレンド給餌飼料についての詳細な成分及び栄養プロフィールを記述する。コーン穀粒とは違って、本明細書で製造される抽出コーンミールは、大豆ミールと組み合わせた場合、ＮＲＣにより要求されている栄養物濃度を満たすための補助となるより高いタンパク質及びアミノ酸濃度、並びに融通のきく油濃度を与える。
【００９５】
実施例１
破砕、調質及び圧ぺん方法を用いるハイオイルコーンの加工処理
４５ポンドのハイオイルコーンサンプルをロール間隔０．２７インチにセットしたロスカンプ（Ｒｏｓｋａｍｐ）６．５シリーズ（９インチ２セット）を用いて破砕した。分析のためにサンプルを取り、残りのサンプルを４つのサブサンプルに分けた。次いで、その４つのサブサンプルをそれぞれ独立に異なる温度で調質した（華氏１２０度、華氏１５０度、華氏１８０度、華氏２００度）。それらのサンプルをクラウン１８インチ脱溶媒装置／トースター装置（Ｃｒｏｗｎ１８ｉｎｃｈＤｅ−ｓｏｌｖｅｎｔｉｓｅｒ／Ｔｏａｓｔｅｒ）で加熱した。各サンプルがその調質温度に到達した後、サンプルを圧ぺんロールに通した。使用した圧ぺんロールは０．００７インチ間隔にセットしたロス（Ｒｏｓｓ）１０インチである。圧ぺんサンプルを取り、約５００ｇのサンプルを抽出に供した。該圧ぺんサンプルを各回ヘキサン１２００ｍｌで２０分間の洗浄を４回行ない、全部で４８００ｍｌの溶媒で１２０分間行なった。溶媒温度は約華氏１２０度であった。そのミセラ（ｍｉｓｃｅｌｌａ）を回収し、直径１８５ｍｍの＃４定性ろ紙でろ化した。ミールは室温で空気乾燥した。ろ化されたミセラをロータリーエバポレーターにかけ回収油の割合を見積もった。油及びミールのサンプルをとり、脂肪酸プロフィール、デンプン、タンパク質及び繊維について分析した。抽出中に、ふるいによる分析を行ない、圧ぺん厚さを測定した。
【００９６】
本分析に使用したほかの装置としては、メトラー製水分分析器（ＭｅｔｔｌｅｒＴｏｌｅｄｏＨＲ７３ＨａｌｏｇｅｎＭｏｉｓｔｕｒｅＡｎａｌｙｚｅｒ）、オーハウス製天秤（ＯｈａｕｓＥｘｐｌｏｒｅｓｃａｌｅ）、Ｂｃｈｉ製エバポレーター（ＢｃｈｉＲ−１１４Ｒｏｔｏ−ＶａｐＴＭ）、クラウン製抽出器及びポンプ（Ｃｒｏｗｎｅｘｔｒａｃｔｏｒｓｃｒｅｅｎ０．０３２ｓｉｅｖｅ及びｅａｓｙ−ｌｏａｄｍａｓｔｅｒＦｌｅｘＭｏｄｅｌ７５２９−３０ｐｕｍｐ）が挙げられる。
【００９７】
粗油の色は目視で評価し、慣用の湿式ミリング法により分離された濃茶色の粗油と比較して淡黄色と決定された。
【００９８】
脱溶媒したコーンミールは、ＡＯＣＳ法Ｂａ３３８、Ｂａ２ｂ−８２、Ｂａ６−８４、及びＢａ４ｅ−９３、トウモロコシ精製法（ＣｏｒｎＲｅｆｉｎｅｒ’ｓＭｅｔｈｏｄ）Ａ−２０を用いて同定された。１０％水分含量に基準を統一した場合、該コーンミールは繊維含量約３．２％、デンプン含量約６５％及びタンパク質含量約１４％を有していた。ミールの脂肪はＡＯＣＳ法３−３８により約１．０７％と測定された。比較として、慣用の湿式ミリング法を用いて製造され、水分含量１０％に基準を合わせたコーングルテンフィード（ｃｏｒｎｇｌｕｔｅｎｆｅｅｄ）は、油含量約４％、タンパク質含量約２０％、繊維及び他の炭水化物含量約６０％を含むと予想される。これも比較として、慣用の湿式ミリングを用いて製造され、水分含量１０％に基準を合わせたコーングルテンミール（ｃｏｒｎｇｌｕｔｅｎｍｅａｌ）は、油含量約３％、タンパク質含量約６０％、繊維及び他の炭水化物含量約２２％を含むと予想される。
【００９９】
本方法により製造された２つのタイプのミール（油分１．５％及び油分４．０％）の栄養プロフィールを表２（Ｔａｂｌｅ２）に示す。
【０１００】
【表９】

【０１０１】
実施例２
圧ぺん及び抽出加工処理したコーンから得られたミールの豚肥育用給餌飼料（ＨｏｇＦｉｎｉｓｈｉｎｇＦｅｅｄＲａｔｉｏｎ）成分としての使用
本実施例では、２つの異なる給餌飼料の比較について詳述する。第１の給餌飼料は、溶媒抽出されていない慣用のコーンを含有し、第２の給餌飼料は抽出コーンミールを含有する。脂肪の少ない食用豚肉が望ましい最終製品の場合には、抽出コーンミールを含有する給餌飼料を使用する。約１．５％又はそれより少ない油を含有する抽出コーンミールを含む豚肥育用給餌飼料が、表３（Ｔａｂｌｅ３）に示した以下の成分量を付与することにより製造される。給餌飼料は、一般に、成分をブレンディング（ｂｌｅｎｄｉｎｇ）、ミキシング（ｍｉｘｉｎｇ）、及びペレット化して飼料製品を製造することにより製造されるが、しかしながら、１つ以上の工程をこの給餌飼料製造プロセスから省略してもよい。
【０１０２】
【表１０】

【０１０３】
表３（Ｔａｂｌｅ３）では、成分の割合を絶対的な値で示したが、しかしながら、実際には、該成分は本明細書に記載の他の表に示される含有割合を使用して含有されていてもよい。
【０１０４】
新規な給餌飼料のいくつかの有利な点は、ミールの使用者がコーンをすり砕く必要がなく、したがってエネルギーが集中する工程が省けること、望ましいタンパク質濃度を満たすために必要とされる大豆又は他の油料種子がより少なくてすむこと、及び該ミールはコーン穀粒よりも良好な消化性を有することである。
【０１０５】
実施例３
圧ぺん及び抽出加工処理したコーンから得られるミールの家禽給餌飼料成分としての使用
この給餌飼料はブロイラー等の肥育鳥に必要な高エネルギーを満たすために使用される。約４％又はそれよりも少ない油（脂肪）を含有する抽出コーンミールを含む家禽ブロイラー肥育飼料は、以下の成分を表４（Ｔａｂｌｅ４）に示す量で付与することにより製造される。給餌飼料は、一般に、成分をブレンド（ｂｌｅｎｄｉｎｇ）、混合（ｍｉｘｉｎｇ）、及びペレット化して飼料製品を製造することにより製造されるが、しかしながら、１つ以上の工程をこの給餌飼料製造プロセスから省略してもよい。
【０１０６】
【表１１】

【０１０７】
表４（Ｔａｂｌｅ４）では、成分割合を絶対的な値で示したが、しかしながら、実際には、該成分は本明細書に記載の他の表に示される含有割合を使用して含有されていてもよい。
【０１０８】
実施例４
圧ぺん及び抽出処理加工したコーンから得られる油の、食品成分又は穀粒（Ｋｅｒｎｅｌ）成分の精製のための出発材料としての使用
本実施例では、従来法により製造されるコーン油よりもトコトリエノール含量がほぼ２００％〜３００％増加した油を記載する。実施例１の圧ぺん及び抽出方法を用いて、油含量約１２％を有するハイオイルコーン穀粒からコーン油を抽出した。次いで、該コーン油をトコトリエノール含量について分析した。下記の表は、慣用のコーンの慣用の加工処理法により製造された慣用のコーン油と、実施例１の方法により製造された抽出コーン油とのアルファ−及びガンマ−トコトリエノールに関するデータを示したものである。慣用の粗油を未精製コーン油サンプルと呼ぶ。該サンプルは、現在最も一般的なタイプのコーン油の代表例である。下記に示されるように、華氏１２０度〜２００度の温度範囲で溶媒抽出した、２つの異なるハイオイルコーンサンプルからの抽出全粒油（ｅｘｔｒａｃｔｅｄｗｈｏｌｅｋｅｒｎｅｌｏｉｌ；ＥＷＫＯ）サンプルのトコトリエノール含量は、慣用の粗油サンプルよりもほぼ２〜３倍高いことが見出された。ＥＷＫＯサンプルのトコトリエノール含量はアルファ−トコトリエノールが約２６ｐｐｍ〜約３３ｐｐｍの範囲にわたり、ガンマ−トコトリエノールが約４８ｐｐｍ〜約８４ｐｐｍの範囲にわたる。一般に、抽出温度を上げると、抽出コーン油のトコトリエノール含量が高くなる。トコトリエノール含量の実際の最小及び最大値は使用する特定のハイオイルコーンに依存するであろう。
【０１０９】
【表１２】

【０１１０】
したがって、実施例１のプロセスは高濃度のトコトリエノールを含む抽出コーン油を製造するために用いられる。
【０１１１】
実施例５
圧ぺん及び抽出加工処理したコーンから得られるミールの、コーンミールと油料種子ミールとを含有するブレンド動物飼料製品の成分としての使用
本実施例は圧ぺん及び油抽出法により製造されたコーンミールと油料種子ミール等の別の植物基礎ミール（ｐｌａｎｔ−ｂａｓｅｄｍｅａｌ）とのブレンドを含む新規な飼料成分を説明する。本ブレンド材料は両方のタイプのミールによる単なる未成形集合混合物（ｌｏｏｓｅａｇｇｒｅｇａｔｅｍｉｘｔｕｒｅ）か、又はペレット化製品の形態であってもよい。コーン及び油料種子ミールを製造する方法は類似しているので（即ち、破砕、調質、圧ぺん及び溶媒抽出）、両方のミールを近くで製造し、消費者への輸送前にそれらをブレンドすることもできる。このアプローチの有利な点は、タンパク質及びエネルギー量を変化させることが１つのミール中でできることである。追加の成分を、ミールのブレンド段階か、又はそれよりも後で任意に添加してもよい。例えば、飼料製造におけるエネルギー集中工程（ｅｎｅｒｇｙ−ｉｎｔｅｎｓｉｖｅｓｔｅｐ）はコーン穀粒をすり砕き、それを飼料ミルで他の成分とブレンドすることに関係する。一般に、本発明のブレンドミールは、従来のブレンドミールよりも、最終飼料製品を製造するために必要とされるエネルギーが少ない。
【０１１２】
表５（Ｔａｂｌｅ５）は、大豆ミール（ＳＢＭ）、抽出コーンミール（ＥＣＭ）、２０％ＳＢＭと８０％ＥＣＭとのブレンド（Ｓ２０−Ｃ８０）、１０％ＳＢＭと９０％ＥＣＭとのブレンド（Ｓ１０−Ｃ９０）の栄養プロフィール、並びに家禽及び豚の食餌に必要な栄養分を示す。記載した家禽及び豚のための栄養要件は米国学術研究会議（ＮａｔｉｏｎａｌＲｅｓｅａｒｃｈＣｏｕｎｃｉｌ；ＮＲＣ）のガイドラインにしたがった。ＥＣＭは実施例１にしたがって製造された。
【０１１３】
【表１３】

【０１１４】
実施例６
圧ぺん法を用いるハイオイルコーンの加工処理
イエローデントコーンの個々の穂から取り剥がした穀粒を、パーテンインストルメンツ社製近赤外線種子テスター（Ｐｅｒｔｅｎｂｕｌｋｎｅａｒｉｎｆｒａｒｅｄ（ＮＩＲ）ｓｅｅｄｔｅｓｔｅｒ（商標）（ｍｏｄｅｌ９１００−Ｈ．Ｆ）ＰｅｒｔｅｎＩｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ，Ｐ．Ｏ．Ｂｏｘ７３９８，Ｒｅｎｏ，ＮＶ８９５１０）を用いて、約７％よりも多い全油含量のものについて選別した。少なくとも７％の油含量を有する穂からの穀粒を、ブリムローズ社製ＮＩＲテスター（Ｂｒｉｍｒｏｓｅｓｅｅｄｍｅｉｓｔｅｒ（商標）ｓｉｎｇｌｅｋｅｒｎｅｌＮＩＲｔｅｓｔｅｒ（ＢｒｉｍｒｏｓｅＣｏｒｐ．，Ｂａｌｔｉｍｏｒｅ，ＭＤ））により、少なくとも１３％の油含量を有する個々の穀粒についてさらに選別した。その穀粒を水分含量約１３．５％で保管した。加工処理時には種子の水分含量は約１０％であった。
【０１１５】
２インチのステンレス鋼ロッド及びプレートを有するベンチスケールの圧ぺん装置を用いて全コーン穀粒を圧ぺんした。該全コーン穀粒サンプルを４回ローラーに通し、最終圧ぺん厚さ約０．０１インチとした。温ｎ−ヘキサン（６０℃〜６５℃）及びソックスレー抽出器（Ｋｉｍｂｌｅ（商標）ｍｏｄｅｌ５８５０５０Ｓｏｘｈｌｅｔｅｘｔｒａｃｔｏｒ）を用いて、該圧ぺんコーン穀粒からミセラ（ｍｉｓｃｅｌｌａ）を抽出した。生じたミセラ及びコーンミールを脱溶媒した。該ミセラは、２５インチ水銀の減圧下で該ミセラを７０℃に加熱することにより脱溶媒された。該コーンミールはＡＯＣＳ法Ｂａ２ａ−３８により脱溶媒された。
【０１１６】
全回収油は、全コーン穀粒サンプルの１４．７４重量％と測定された。脱溶媒粗油のリン含量は、ＡＯＣＳ法Ｃａ１２−５５を用いて３６５ｐｐｍと測定された。リン脂質濃度は１．０９５％と測定された（０．０３６５％＊３０）。遊離脂肪酸含量は、ＡＯＣＳ法ＣａＳａ−４０を用いて０．２％と測定された。処理加工中の中性油（ｎｅｕｔｒａｌｏｉｌ）の損失は１．３％（１．０９５％＋０．２％）と測定された。慣用の湿式ミリング法を用いて慣用のコーン穀粒（即ち、全油含量３−４％）から抽出した粗油は、同じ方法を用いるとリン含量約６００ｐｐｍ〜約８００ｐｐｍ、遊離脂肪酸濃度約０．５％〜約１．０％、及び加工処理中の中性油損失約３％〜約４％と予想される。
【０１１７】
粗油の色は目視により評価され、慣用の湿式ミリング法を用いて分離される粗油（濃茶色）と比較して、淡黄色と測定された。
【０１１８】
脱溶媒コーンミールは、ＡＯＣＳ法Ｂａ３−３８、Ｂａ２ｂ−８２、Ｂａ６−８４、及びＢａ４ｅ−９３、並びにコーン精製法（ＣｏｒｎＲｅｆｉｎｅｒ’ｓＭｅｔｈｏｄ）Ａ−２０を用いて同定された。水分含量１０％に基準を統一した場合、該コーンミールは繊維含量３．２％、デンプン含量６５％、及びタンパク質含量１４％を有する。ミールの脂肪はＡＯＣＳ法３−３８を用いて１．０７％と測定された。比較として、慣用の湿式ミリング法を用いて製造され水分含量１０％に基準を合わせたコーングルテンフィードは、油含量約４％、タンパク質含量約２０％、繊維及び他の炭水化物含量約６０％と予想される。これも比較として、慣用の湿式ミリング法を用いて製造され水分含量１０％に基準を合わせたコーングルテンミールは、油含量約３％、タンパク質含量約６０％、繊維及び他の炭水化物含量約２２％と予想される。
【０１１９】
まだ述べられていない範囲にまで、本明細書に記載された又は例示された種々の特定の実施形態の任意のものを、その特定の実施形態以外で示される特徴を組み込むためにさらに変更できることも当業者には理解されるであろう。
【０１２０】
明示しない限り、本明細書で示される重量又はパーセントは乾燥重量基準である。本明細書で用いられるように、パーセントはｗ／ｗ比で表される。本明細書において成分の量が組成物内での範囲として表された場合、該成分が、一般に、全ての成分が必ずしもそれらのそれぞれの最大濃度で存在するわけではないというように存在することが当業者には認識されるであろう。逆に、任意の１つ以上の成分はそれらのそれぞれの最大限度で存在してもよいし、そして残りの成分の量は、提供される組成物における全成分の総計が１００重量％を超えないように調整されるであろう。
【０１２１】
前述の詳細な説明は本発明をより良く理解するためにのみ提供されており、いくらかの変更は添付の請求項の精神及び範囲から逸脱することなく当業者には明らかであるように、そこからの不必要な限定は無いことが理解されるべきである。そのようであるから、他の態様、有利なもの、及び変更は上記クレームの範囲内である。

Claims

ホールハイオイルコーン（ｗｈｏｌｅｈｉｇｈｏｉｌｃｏｒｎ）からの油抽出後に得られるコーンミールと；少なくとも１つの他の栄養物とを含む給餌飼料。
該コーンミールは溶媒抽出後に得られる請求項１記載の給餌飼料。
該コーンミールは抽出後に脱溶媒されている請求項２記載の給餌飼料。
該ホールハイオイルコーンは抽出前に圧ぺんされて圧ぺんコーンを形成する請求項２記載の給餌飼料。
該圧ぺんコーンは圧ぺん前に調質されている請求項４記載の給餌飼料。
該少なくとも１つの栄養物が、肉骨粉、羽毛粉、ビタミン、ミネラル、脂肪、塩、油料種子ミール、アミノ酸、油料種子ミール、コーン、モロコシシロップ（ｓｏｒｇｈｕｍ）、小麦副産物、小麦ミル副産物、大麦、タピオカ、コーングルテンミール、コーングルテン飼料、製パン副産物、全脂米糠、及び籾殻からなる群より選択される請求項１記載の給餌飼料。
該給餌飼料が、下記に示される量の少なくとも追加の２つの他の栄養物をさらに含む請求項６記載の給餌飼料：
成分　　　　　　　　　含有範囲
抽出コーンミール　　　　２−９５％
油料種子ミール　　　　　３−３５％
肉骨粉　　　　　　　　　０−１２％
羽毛粉　　　　　　　　　０−６％
脂肪　　　　　　　　　　０−１０％
塩　　　　　　　　　　　０．１−０．５％
リジン　　　　　　　　　０−０．４％
メチオニン　　　　　　　０−０．３％
栄養物プレミックス　　　０．０１−１．０％
該給餌飼料が豚用飼料である請求項１記載の給餌飼料。
抽出コーンミールと；肉骨粉、羽毛粉、ビタミン、ミネラル、脂肪、塩、油料種子ミール、アミノ酸、油料種子ミール、コーン、モロコシシロップ（ｓｏｒｇｈｕｍ）、小麦副産物、小麦ミル副産物、大麦、タピオカ、コーングルテンミール、コーングルテン飼料、製パン副産物、全脂米糠、及び籾殻からなる群より選択される１つ以上の成分とを含む請求項８記載の給餌飼料。
該給餌飼料が家禽用飼料である請求項１記載の給餌飼料。
抽出コーンミールと；肉骨粉、羽毛粉、ビタミン、ミネラル、脂肪、塩、油料種子ミール、アミノ酸、油料種子ミール、コーン、モロコシシロップ（ｓｏｒｇｈｕｍ）、小麦副産物、小麦ミル副産物、大麦、タピオカ、コーングルテンミール、コーングルテン飼料、製パン副産物、全脂米糠、及び籾殻からなる群より選択される１つ以上の成分とを含む請求項１０記載の給餌飼料。
該給餌飼料が産卵鶏用飼料である請求項１記載の給餌飼料。
抽出コーンミールと；肉骨粉、羽毛粉、ビタミン、ミネラル、脂肪、塩、油料種子ミール、アミノ酸、油料種子ミール、コーン、モロコシシロップ（ｓｏｒｇｈｕｍ）、小麦副産物、小麦ミル副産物、大麦、タピオカ、コーングルテンミール、コーングルテン飼料、製パン副産物、全脂米糠、及び籾殻からなる群より選択される１つ以上の成分とを含む請求項１２記載の給餌飼料。
該給餌飼料が牛用飼料、馬用飼料、水産養殖用飼料又はペットフードである請求項１記載の給餌飼料。
抽出コーンミールと；肉骨粉、羽毛粉、ビタミン、ミネラル、脂肪、塩、油料種子ミール、アミノ酸、油料種子ミール、コーン、モロコシシロップ（ｓｏｒｇｈｕｍ）、小麦副産物、小麦ミル副産物、大麦、タピオカ、コーングルテンミール、コーングルテン飼料、製パン副産物、全脂米糠、及び籾殻からなる群より選択される１つ以上の成分とを含む請求項１４記載の給餌飼料。
ハイオイルコーンの全穀粒（ｗｈｏｌｅｋｅｒｎｅｌ）からの油抽出後に得られるコーンミールを含む給餌飼料であって、該コーンミールは少なくとも以下の成分を下記に示される量で含む給餌飼料：
成分　　　　　　　　　量（％）
水分　　　　　　　　　５−２５
油　　　　　　　　　　０．７５−６
タンパク質　　　　　　７−２０
デンプン　　　　　　　４０−８０
繊維　　　　　　　　　２−４
灰分　　　　　　　　　０．５−２．０
ハイオイルコーンの全穀粒からの油抽出後に得られるコーンミールを含む給餌飼料であって、該コーンミールは少なくとも以下の成分を下記に示される量で含む給餌飼料：
成分　　　　　　　　　量（％）
水分　　　　　　　　　５−４５
油　　　　　　　　　　０．７５−１２
タンパク質　　　　　　８−２０
デンプン　　　　　　　４０−７０
リジン　　　　　　　　０．２−２．０
トリプトファン　　　　０．０３−２．０
該給餌飼料はペレット化されている請求項１、８、１０、１２、１４、１６又は１７のいずれか１項記載の給餌飼料。
ハイオイルコーンの全穀粒からの油抽出後に得られる抽出コーンミールを含む人間用食品。
該コーンミールは溶媒抽出後に得られる請求項１９記載の人間用食品。
該コーンミールは抽出後に脱溶媒されている請求項２０記載の人間用食品。
該全穀粒は抽出前に圧ぺんされて圧ぺんコーンを形成している請求項２１記載の人間用食品。
該圧ぺんコーンは圧ぺん前に調質されている請求項２２記載の人間用食品。
該コーンミールは少なくとも以下の成分を下記に示される量で含む請求項２３記載の人間用食品：
成分　　　　　　　　　量（％）
水分　　　　　　　　　５−２５
油　　　　　　　　　　０．７５−６
タンパク質　　　　　　７−２０
デンプン　　　　　　　４０−８０
繊維　　　　　　　　　２−４
灰分　　　　　　　　　０．５−２．０
該人間用食品が、パフスナック食品、シリアル、チップス、パン、ブレンド食品、押し出しスナック食品、つなぎ剤（ｆｏｏｄｂｉｎｄｉｎｇａｇｅｎｔ）、サプリメント食品、栄養食品バー、マルチビタミンサプリメント、及びポリッジからなる群より選択される請求項２３記載の人間用食品。
ハイオイルコーンの全穀粒の抽出によって、ハイオイルコーンから得られるコーン油を含むコーン油含有製品。
該コーン油が、少なくともハイオイルコーンの胚及び胚乳から抽出される油と；ハイオイルコーンの胚乳、チップキャップ（ｔｉｐｃａｐ）又は果皮の１つ以上から抽出される少なくとも１つの他の成分とを含む請求項２６記載のコーン油含有製品。
該コーン油が、ハイオイルコーンの胚及び胚乳から抽出される油と；ハイオイルコーンの胚乳、チップキャップ又は果皮の１つ以上から抽出される少なくとも１つの成分とを含み、該成分が、カロテン、キサントフィル、ルテイン、色素、トコトリエノール、トコフェロール、抗酸化剤、脂溶性ビタミン、ステロール及びゼアキサンチンからなる群より選択される請求項２６記載のコーン油含有製品。
慣用のコーン油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、パーム油、ヒマワリ油、ベニバナ油、抗酸化剤、フレーバリング、水素添加油、部分的水素添加油及び動物脂肪からなる群より選択される１つ以上の物質をさらに含む請求項２６記載のコーン油含有製品。
該製品が食料油、クッキングオイル、食用油及びブレンド油からなる群より選択される請求項２９記載のコーン油含有製品。
該製品がクッキングオイルである請求項３０記載のコーン油含有製品。
抽出前のハイオイルコーンがコーン穀粒の重量基準で少なくとも約８．０％含む請求項２６記載のコーン油含有製品。
該抽出が、溶媒に基づく抽出（ｓｏｌｖｅｎｔ−ｂａｓｅｄｅｘｔｒａｃｔｉｏｎ）、水圧プレス（ｈｙｄｒａｕｌｉｃｐｒｅｓｓｉｎｇ）、エキスペラープレス（ｅｘｐｅｌｌｅｒｐｒｅｓｓｉｎｇ）、水性（ａｑｕｅｏｕｓ）抽出及び酵素抽出からなる群より選択される請求項２６記載のコーン油含有製品。
該油に基づく製品（ｏｉｌ−ｂａｓｅｄｐｒｏｄｕｃｔ）が、サプリメント食品、スポーツドリンク、シリアル、マルチビタミンサプリメント、栄養食品バー及びダイエットドリンクからなる群より選択される請求項２６〜３３のいずれか１項記載のコーン油含有製品。
食品添加物、塩、脂肪、食品着色料、β−カロテン、アナトー抽出物（ａｎｎａｔｔｏｅｘｔｒａｃｔ）、クルクミン又はターメリック、β−アポ−８’−カロテナール、β−アポ−８’−カロテナールメチルエステル、β−アポ−８’−カロテナールエチルエステル、天然香料、合成香料、抗酸化剤、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、天然又は合成トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル（ａｓｃｏｒｂｙｌ）、ステアリン酸アスコルビル、チオジプロピオン酸ジラウリル、抗酸化相乗剤（ａｎｔｉｏｘｉｄａｎｔｓｙｎｅｒｇｉｓｔ）、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル、リン酸、クエン酸モノグリセリド、消泡剤、ジメチルポリシロキサン、結晶化阻害剤、オキシステアリン、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、糖、ハーブ、香辛料、酸性度調整剤、農薬（ｆｉｒｍｉｎｇａｇｅｎｔｓ）、酵素製剤、小麦粉処理剤（ｆｌｏｕｒｔｒｅａｔｍｅｎｔａｇｅｎｔｓ）、粘度調整剤、酵素、脂質、野菜タンパク質及び動物タンパク質からなる群から選択される１つ以上の他の成分をさらに含む請求項２６記載のコーン油含有製品。
抽出コーンミールを動物用給餌飼料に使用する方法であって、少なくともハイオイルコーンを圧ぺんして圧ぺんコーンを形成させ、そして該圧ぺんコーンを抽出してそこからコーン油部分を除去することにより製造される抽出コーンミールを得て、該抽出コーンミールを動物用給餌飼料に含有させる工程を含む前記方法。
該ハイオイルコーンは圧ぺん前に調質されて調質ハイオイルコーンを形成している請求項３６記載の方法。
該調質ハイオイルコーンは調質前に破砕されている（ｃｒａｃｋｅｄ）請求項３７記載の方法。
該ハイオイルコーン中に元々存在する該油の大部分が抽出により除去される請求項３６記載の方法。
該ハイオイルコーン中に元々存在する該油の少なくとも１０重量％が抽出により除去される請求項３６記載の方法。
該抽出コーンミールが：
約０．７５−１２．０重量％の脂肪；
約５−４５重量％の水分；
約７−２０重量％のタンパク質；
約２−４重量％の粗繊維；及び
約４０−８０重量％の炭水化物
を含む請求項３６記載の方法。
該動物用給餌飼料の大部分が該抽出コーンミールである請求項４１記載の方法。
該抽出コーンミールに、穀物、香料、防腐剤、油、油料種子ミール、肉骨粉、タンパク質、繊維、羽毛粉、脂肪、塩、アミノ酸、ビタミン及びミネラルからなる群より選択される少なくとも１つの他の成分を添加して該動物用給餌飼料を形成する工程をさらに含む請求項４１記載の方法。
該動物用給餌飼料を、豚、産卵鶏及びブロイラー家禽のうちの少なくとも１つのための肥育給餌飼料（ｆｉｎｉｓｈｉｎｇｆｅｅｄｒａｔｉｏｎ）として得る工程をさらに含む請求項４３記載の方法。
抽出コーン油を食品に使用する方法であって、少なくともハイオイルコーンを圧ぺんして圧ぺんコーンを形成させ、そして該圧ぺんコーンを抽出してそこからコーン油部分を除去して抽出コーン油を形成させることにより得られる抽出コーン油を得て、該抽出コーン油を食品に含有させる工程を含む前記方法。
該ハイオイルコーンが圧ぺん前に調質されて調質ハイオイルコーンを形成している請求項４５記載の方法。
該ハイオイルコーンが調質前に破砕されている請求項４６記載の方法。
該ハイオイルコーン中に元々存在する該油の大部分が抽出により除去される請求項４５記載の方法。
該ハイオイルコーン中に元々存在する該油の少なくとも１０重量％が抽出により除去される請求項４５記載の方法。
該抽出コーン油が、慣用の乾式ミリング（ｄｒｙｍｉｌｌｉｎｇ）又は湿式ミリング（ｗｅｔｍｉｌｌｉｎｇ）法により慣用のコーンから得られる慣用のコーン油に存在する量の少なくとも約２倍のトコトリエノールを含む請求項４６記載の方法。
該抽出コーン油が、慣用の乾式ミリング（ｄｒｙｍｉｌｌｉｎｇ）又は湿式ミリング（ｗｅｔｍｉｌｌｉｎｇ）法により慣用のコーンから得られる慣用のコーン油に存在する量の少なくとも約２倍のベータカロテン、ルテイン、ゼアキサンチン又は他の色素を含む請求項４６記載の方法。
該抽出コーン油に、慣用のコーン油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、パーム油、ヒマワリ油、ベニバナ油、抗酸化剤、フレーバリング、水素添加油、部分的水素添加油、動物脂肪、酢、塩、水、小麦粉、香辛料、ジャガイモ及び糖からなる群より選択される少なくとも１つの他の成分を添加する工程をさらに含む請求項５０又は５１記載の方法。
人間又は動物が消費するのに適した形態で食品を得る工程をさらに含む請求項５２記載の方法。
抽出コーン油を原料として該油の精製工程に使用する方法であって、ハイオイルコーンを圧ぺんして圧ぺんコーンを形成させ、そして該圧ぺんコーンを抽出してそこからコーン油部分を除去して抽出粗コーン油を形成させることにより得られる抽出粗コーン油を得て、該抽出粗コーン油を油精製工程の原料流れ（ｒａｗｍａｔｅｒｉａｌｓｔｒｅａｍ）に含有させる工程を含む前記方法。
抽出粗コーン油を精製して精製コーン油を形成させる工程をさらに含む請求項５４記載の方法。
該油は溶媒抽出により圧ぺんコーンから除去されたものである請求項５５記載の方法。
該精製工程が、該コーン油を漂白又は脱臭して精製コーン油を形成させる工程を含む請求項５６記載の方法。
該精製工程が、該粗油と腐食性（ｃａｕｓｔｉｃ）溶液とを混合物を形成するのに十分な時間混合し、該混合物を遠心分離して遊離脂肪酸から精製油を分離する工程を含む請求項５６記載の方法。
ハイオイルコーンから得られる抽出ミールと１つ以上の他の油料種子ミールとを含む抽出ブレンドミールの形成方法であって、ハイオイルコーン穀粒と１つ以上の他の油料種子穀粒とを組み合わせて穀粒混合物を形成させ、該穀粒混合物を圧ぺん及び抽出工程にかけてそこから油を除去して該抽出ブレンドミールを形成させる工程を含む前記方法。
ハイオイルコーンから得られる抽出ミールと１つ以上の他の油料種子ミールとを含む抽出ブレンドミールの形成方法であって、破砕及び調質したハイオイルコーンと破砕及び調質した他の油料種子とを組み合わせて調質混合物を形成させ、該調質混合物を圧ぺんして圧ぺん混合物を形成させ、該圧ぺん混合物を抽出工程にかけてそこから油を除去して該抽出ブレンドミールを形成させる工程を含む前記方法。
ハイオイルコーンから得られる抽出ミールと１つ以上の他の油料種子ミールとを含む抽出ブレンドミールの形成方法であって、破砕、調質及び圧ぺんしたハイオイルコーンと破砕、調質及び圧ぺんした他の油料種子とを組み合わせて圧ぺん混合物を形成させ、該圧ぺん混合物を抽出工程にかけてそこから油を除去して該抽出ブレンドミールを形成させる工程を含む前記方法。
ハイオイルコーンから得られる抽出ミールと１つ以上の他の抽出油料種子ミールとを含む抽出ブレンドミールの形成方法であって、抽出コーンミールと１つ以上の他の抽出油料種子ミールとを組み合わせてブレンドミールを形成させる工程を含み、該抽出コーンミールはハイオイルコーンを少なくとも圧ぺん及び抽出して該抽出コーンミールを形成させることにより得られたものである前記方法。
該抽出ブレンドミールに追加の成分を添加して抽出ブレンドミール製品を形成させる工程をさらに含む請求項５９、６０、６１又は６２のいずれか１項記載の方法。
請求項６３記載の方法により製造される抽出ブレンドミール製品。
該抽出コーンミールが：
約０．７５−１２．０重量％の脂肪；
約５−４５重量％の水分；
約７−２０重量％のタンパク質；
約２−４重量％の粗繊維；及び
約４０−８０重量％の炭水化物
を含む請求項５９、６０、６１又は６２のいずれか１項記載の方法。
請求項６５記載の方法により製造される抽出ブレンドミール。
該１つ以上の他の油料種子が、大豆、キャノーラ種子、ヒマワリ種子、セイヨウアブラナ油料種子及びワタ種子からなる群より選択される請求項５９、６０、６１又は６２のいずれか１項記載の方法。
請求項５９、６０、６１又は６２のいずれか１項記載の方法により製造されるブレンドミール製品であって：
約０．７５−１２．０重量％の脂肪；
約５−４５重量％の水分；
約５−６０重量％のタンパク質；
約２−４重量％の粗繊維；及び
約４０−８０重量％の炭水化物
を含む該ブレンドミール製品。
コーン胚及びホールハイオイルコーンを含む混合物を形成させ、該混合物を抽出して抽出ブレンドミール形成させる工程を含む抽出ブレンドミールの形成方法。
請求項６９記載の方法により製造される抽出ブレンドミール。
該抽出ブレンドミールがペレット化されている請求項５９、６０、６１、６２又は７０のいずれか１項記載の抽出ブレンドミール。
該ペレット化ミールがゼイン（ｚｅｉｎ）タンパク質により被覆されている請求項７１記載の抽出ブレンドミール。
該ペレット化給餌飼料がゼインタンパク質で被覆されている請求項１８記載の給餌飼料。
コーンミールが、ハイオイルコーンの全穀粒から油を抽出した後に得られるものである、該コーンミールの動物用飼料又は人間用食品における使用。
コーン油が、ハイオイルコーンの全穀粒から抽出することにより得られるものである、該コーン油の動物用飼料又は人間用食品における使用。