JP2004504929A - 逆浸透装置の効率を改良するための方法及び装置 - Google Patents
逆浸透装置の効率を改良するための方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
逆浸透水精製装置は、水の供給源に接続された衝動タービン(103)と、給送ポンプ(101)とを含んでいる。給送ポンプ(101)には第一の精製膜チャンバ(104)が接続されており、この第一の精製膜チャンバは、精製された水を排出するための出口と、高圧の未精製の水を排出するための排出口と、水圧ターボチャージャー(108)のポンプ側端部Pに接続されている高圧の未精製の水を排出するための排出口と、を備えている。ポンプ側端部Pの出口は、高圧の未精製の水を排出し、この高圧の未精製の水は、第二の精製膜チャンバ(112)に供給される。第二の精製膜チャンバ(112)は、精製された水を排出するための出口と、第一の精製膜チャンバ(104)又は第二の精製膜チャンバ(112)に供給される精製されるべき水の圧力を増すために、水圧ターボチャージャー(108)のタービン側端部Tと衝動タービン(103)のタービン側端部Tとに接続されている未精製の水を排出するための排出口とを備えている。
Description
【0001】
発明の背景
本発明は、液体又は気体を高圧で圧送することを含む多くの工業的な処理及び液体精製プロセスのエネルギ必要量を低減するための新規で且つ有用な動力回収装置に関する。本発明は、海水から塩を取り出すために使用される逆浸透プロセスにおいて使用するのに特に好適である。本発明の使用が特に好適である逆浸透装置及びその他の装置においては、液体又は気体がチャンバ内へ高圧で圧送される。チャンバ内においては、液体又は気体の一部分が、精製されるか、さもなければ処理され且つチャンバから抜き取られる。残りの高圧のガス又は液体は、廃棄される廃棄物としてチャンバから排出される。この廃棄物は、通常は極めて高圧であり、この圧力は、絞り弁又はその他の装置を使用することによって散逸させなければならない。通常は、絞り弁は、廃棄物の流れの圧力を本質的に0psiまで低減し、その結果、廃棄物の流れ内の圧力エネルギの全てが散逸され、プロセスに対して更なる利益を提供しない。これらのエネルギの損失は、極めて著しく且つ装置内の基本的な非効率を生じ得る。海水から塩を取り出すために逆浸透方法を使用する場合には、このような効率の悪い装置に伴うこれらの高いエネルギコストが、この技術の商業的用途を著しく制限して来た。
【0002】
工業的プロセス又は液体精製プロセスの運転費を低減するために、廃棄物の流れの中のエネルギを回収するいくつかの方法が試みられて来た。逆浸透装置に関して、蒸気ピストンエンジンと類似した装置内に配置されている機械的に作動せしめられる弁を備えたピストンが使用されて来た。しかしながら、これらの装置は、装置の機械的に複雑な設計のために、高い費用及び高い維持費が必要とされることにより、商業的な用途を見つけ出すことができなかった。更に、これらの装置は、弁が開くか又は閉じる度毎に、水撃作用と呼ばれる強い衝撃波を供給物の流れの中に形成し、逆浸透装置の構成部品に損傷を起こし得る。
【0003】
他の装置は、装置から排出される高圧の廃棄物によって駆動されるタービンを使用して来た。このタービンは、供給ポンプを駆動するモーターに接続されている。良好な効率のためには、タービンは、通常は15,000rpmを超える極めて速い速度で作動しなければならない。この速い速度は、減速ギヤボックスがタービンユニットと給送ポンプモーターとの間に設けられて、動力をタービンから給送ポンプモーターへと効率良く伝えるようにしなければならない。減速ギヤボックスは、装置の極めて高価な部品であり且つ適切に設置し且つ維持するためには多大な技術を必要とする。ギヤボックスはまた、外部の潤滑手段をも必要とし、これは、維持費を更に増大させる。潤滑剤はまた、逆浸透装置に供給される水を汚染し得ることもあり得る。タービンと減速ギヤボックスとの間には、高速シールも設けなければならない。これらの高速シールもまた、高価であり、通常は現場での用途においてはそれ程信頼性が高くない。上記の理由により、逆浸透プロセスにおいて使用するためにこの種の動力回収装置が商業的に採用されることは極めて限られていた。
【0004】
その他の方法は、米国特許第4,983,305号、第4,966,708号及び第5,048,045号に記載されている動力回収ポンプタービン装置を含んでおり、これらの特許は、本発明の発明者によって発明されたものであり、本明細書において特に参考として組み入れる。
【0005】
発明の概要
本発明は、流体が高圧で工業的なプロセス内へと圧送され、流体の少なくとも一部分が高圧でプロセスから排出されるようになされた、工業的プロセスからエネルギを回収するための装置及び方法に関する。高圧で排出された流体は、タービンの入口へと導かれる。高圧で排出された流体は、回転可能なシャフトに取り付けられたタービンのインペラを回転させる。シャフトに取り付けられたポンプのインペラもまた、シャフトの回転によって回転せしめられる。プロセスへ圧送されるべき流体は、ポンプの入口へと導かれる。回転しつつあるポンプのインペラは、高圧でプロセスに供給される流体の圧力を高め且つプロセスから排出された高圧の流体からエネルギを回収する。
【0006】
本発明に従って、精製されるべき高圧の水源を供給するために、給送ポンプが衝動タービンに作動可能に接続される。
【0007】
給送ポンプから高圧の未精製の水源を受け取るために、第一の精製膜チャンバが給送ポンプに作動可能に接続されている。この第一の精製膜チャンバは、第一の精製膜チャンバ内で精製された水を排出するための出口を有している。第一の精製膜チャンバは、同第一の精製膜チャンバから高圧の未精製の水を排出するための排出口を有している。
【0008】
第一の精製膜チャンバの排出口には、水圧ターボチャージャーが作動可能に接続されている。ターボチャージャーは、タービン側端部Tとポンプ側端部Pとを有している。ポンプ側端部Pは、第一の精製膜チャンバから高圧の未精製の水を受け取るための入口と、高圧の未精製の水を排出する出口とを備えている。
【0009】
入口を備えた第二の精製膜チャンバは、ターボチャージャーのポンプ側端部Pから高圧の未精製の水を受け取るために、水圧ターボチャージャーのポンプ側端部Pの出口に作動可能に接続されている。第二の精製膜チャンバは、同第二の精製膜チャンバ内で精製された水を排出するための出口を備えている。第二の精製膜チャンバは、同第二の精製膜チャンバから高圧の未精製の水を排出するための排出口を備えている。この排出口は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部Tと衝動タービンとに作動可能に接続されている。
【0010】
第二の精製膜チャンバからの高圧の未精製の水は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部Tを駆動して精製されるべき水及び衝動タービンの圧力を増すために使用される。
【0011】
本発明のもう一つ別の実施形態は、上記したような衝動タービン、給送ポンプ及び水圧ターボチャージャーを備えている。精製膜チャンバは、高圧の未精製の水の供給を受け取るために水圧ターボチャージャーのポンプ側端部Pに作動可能に接続された入口を備えている。精製膜チャンバは、第一の膜チャンバ内で精製された水を排出するための出口を備えている。精製膜チャンバは、同精製膜チャンバから排出された高圧の未精製の水を排出するための排出口を備えている。この排出口は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部T及び摺動タービンに作動可能に接続されている。精製膜チャンバからの高圧の未精製の水は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部Tを駆動して、精製されるべき水及び衝動タービンの圧力を増すために使用される。
【0012】
本発明は、本発明の発明者によって発明された米国特許第4,983,305号を改良したものである。この‘305特許は、少なくとも2つの精製膜チャンバを有する二段階逆浸透装置の塩水の流れに増圧装置を提供するために水圧ターボチャージャーを使用することを記載している。ターボチャージャーのタービン部分を付勢した流れ及び圧力は、第二段階の廃棄物(塩水)であった。第一の段階と第二の段階との間の圧力を増すことはいくつかの利点を提供した。第一に、増圧装置による圧力は、第二の段階の水の製造を増大させた。しかしながら、第二の段階での供給水の塩度がより高いことにより、増大した浸透圧に適合させるためには高い圧力が必要とされる。第二に、増圧装置による圧力は、第一の段階の膜と第二の段階の膜との間の流量を実質的に均衡させ、それによって、第一の段階の膜の過剰な製造に対して損害を来すのを防止した。第三に、増大した流速は、膜表面の水の層の偏りを減じ、これはまた、精製された生産水の製造量を増した。第四に、段階間で増圧される装置の高い圧力と速度によって、生産水に溶解された固体の全量をも減らした。最後に、水圧ターボチャージャーを使用することにより、増圧装置を提供するのに必要なエネルギは、第二の段階の塩水から回収したエネルギであり、これは、この種の逆浸透装置をキロワット/ガロン基準において最も大きなエネルギ効率とさせた。
【0013】
ターボチャージャーの効率が例えば約55%程度まで充分に高くなると、次いで、ターボチャージャーを駆動するために全ての塩水を使用する必要なく、充分なレベルの増圧が第二の段階で達成される。高圧の塩水の残りの部分は、更にエネルギを回収するために利用することができる。この塩水のエネルギを回収し且つ二段階逆浸透プロセスを制御するための最も効率の良い方法は、本発明の主要な目的である。
【0014】
逆浸透による水脱塩装置は、通常は、透過水又は生産水の一定の流れを形成するように設計される。一定の流れの測定値は、装置を定格し且つ販売するための基準である。しかしながら、この所望の一定の出力は、温度、塩度及び膜のエージングのような変動する入力の影響を受ける。これらの変動要素は、逆浸透装置がある範囲の流れ及び圧力状態によって作動することを必要とする。本発明のもう一つの目的は、変動する供給水入力状態及び膜状態において一定した生産水出力を達成するように逆浸透装置を制御する方法を提供することである。
【0015】
従って、本発明の目的は、最も高いエネルギ効率を達成しつつ、逆浸透脱塩装置の高い生産性を提供することである。
【0016】
本発明のもう一つの目的は、廃棄エネルギ及び工業的プロセスを利用するためのエネルギ回収ポンプタービンを提供することである。
【0017】
本発明のこれらの及びその他の目的は、添付図面と組み合わせた以下の本発明の詳細な説明を読むことにより、更に十分に理解されるであろう。
【0018】
好ましい実施形態の説明
本発明は、液体又はガスを高圧で圧送することを含む多くの工業的な液体精製プロセスのエネルギの必要度を低減するために使用することができる多段階逆浸透装置に関する。より特別には、この多段階逆浸透装置は、精製プロセスから排出される高圧の液体又はガスからエネルギを回収し且つこのエネルギを液体又はガスを高圧で精製プロセス内へ圧送するために使用する。本発明の特徴は、以下の説明と組み合わせた添付図面を参照することによってより容易に理解出来るであろう。
【0019】
本発明の逆浸透装置は、海水から塩を取り出すプロセスにおいて使用するのに特に適している。しかしながら、本発明の多段階逆浸透装置は、高圧で液体又はガスを圧送することを含む多くの工業的な液体精製プロセスのエネルギの必要度を低減するために使用することができることは理解されるべきである。
【0020】
本発明の多段階逆浸透装置を使用することができる環境をより良く理解するためには、海水から塩を取り出すために典型的な逆浸透装置が作動する方法を説明する必要がある。図1は、海水が入口パイプ3を介して増圧ポンプ5内へと通過する典型的な逆浸透装置1を示している。増圧ポンプは、海水の圧力を約172.4kPa(約25ポンド/インチ2)まで増圧し、同海水を、海水内に懸濁した不純物を除去することができるフィルタ7を介して圧送する。海水は、フィルタ7から給送ポンプ9内へと通過し、海水の圧力は、給送ポンプ内で約6.89MPa(約1000psi)まで増圧される。高圧(約6.89MPa(約1000psi))の海水は、次いで、膜チャンバ11へと導かれ、膜チャンバ11内で、塩水の少なくとも一部分から塩が取り出される。一例として、1分当たり378.5リットル(100ガロン)の海水が膜チャンバ11に供給されると、1分当たり約94.6リットル(約25ガロン)の精製された水が膜チャンバによって生産されるであろう。精製された水は、膜チャンバから低圧で真水排出ライン13を介して排出される。1分当たり約283.9リットル(約75ガロン)の濃縮された海水の塩水が、膜チャンバから塩水排出ライン15を介して排出される。濃縮された塩水は、約6.55MPa(約950psi)の圧力で膜チャンバから排出され、この濃縮された塩水は廃棄物と呼ばれる。高圧の廃棄物は、絞り弁17を通過し、絞り弁17において濃縮された塩水廃棄物の圧力は、同廃棄物が廃棄されるために廃棄物ライン19を介して排出できるように低減される。廃棄物ライン19を介して排出される廃棄物の圧力は、本質的には0Pa(0psi)である。絞り弁17はまた、膜チャンバ内に適切な圧力を維持して塩水の少なくとも一部分が精製されるようにするために、塩水排出ライン15内の圧力を維持するように作用する。
【0021】
逆浸透精製装置のための上記した例においては、絞り弁は、濃縮された塩水廃棄物の流れの圧力を約6.55MPa(約950psi)だけ低下させる。廃棄物のための1分間当たり283.9リットル(75ガロン)の流量においては、絞り弁によって消費される水圧動力は約42馬力である。これは、給送ポンプ9によって装置内に供給されなければならない多大なエネルギであり、このエネルギは、エネルギが絞り弁17によって消費されるときに装置から実際上失われる。
【0022】
図2は、米国特許第4,966,708号、第4,983,305号及び第5,049,045号に記載された逆浸透装置を示しており、これらの装置においては、動力回収ポンプタービンが装置内に装備されている。この装置は、動力回収ポンプタービン25が給送ポンプ9と膜チャンバ11との間に動作可能に接続されている点及び動力回収ポンプタービン25が膜チャンバ11からの塩水排出ライン15へと動作可能に接続されている点以外は、本質的に、既に説明した図1に示された逆浸透装置と同じ構成要素を備えている。動力回収ポンプタービン25は、タービン側端部27とポンプ側端部29とを備えている。給送ポンプ9からのパイプ31は、ポンプ側端部29上のポンプ入口33に接続されている。海水は、ポンプ側端部29を介してポンプ入口33を通過し、ポンプの排出口35から排出される。海水は、ポンプの排出口35からパイプ37を通って膜チャンバ11へと流れる。膜チャンバ11によって精製された海水の一部分は、排出ライン13を介して膜チャンバから出て行く。濃縮された塩水廃棄物は、塩水排出ライン15を通って膜チャンバ11から出て行く。塩水排出ライン15は、動力回収ポンプタービン25のタービン側端部27に設けられたタービン入口ノズル41に作動可能に接続されている。廃棄物は、タービン側端部27を通過し且つタービンの排出通路43から排出される。廃棄物は、タービンの排出通路43から廃棄物ライン45を通過して廃棄される。
【0023】
動力回収ポンプタービンを使用することによって、塩水内における、給送ポンプ9によって形成される必要がある圧力増加が著しく低減され、この著しい低減によって、給送ポンプのための動力条件が著しく減じられる。給送ポンプのための動力条件の低減は、給送ポンプ9を作動させるためのエネルギコストに対して重大な影響を及ぼす。これと同時に、低い給送ポンプ排出圧力によって、ポンプに対する応力が減じられ、給送ポンプの寿命が延びるであろう。更に、タービン排出通路を介して排出される濃縮された海水の塩水は、圧力が極めて低いか又はゼロであり、その結果、濃縮された塩水は容易に廃棄することができる。このことにより、膜チャンバ11から排出される濃縮された海水の塩水の圧力を下げるための絞り弁の必要がなくなる。
【0024】
逆浸透装置おいては、精製された水又は透過水の製造速度を調整することが極めて重要である。このような装置においては、透過水の流れが所与の供給流量に対して大きすぎると、透過水の品質が低下し得る(すなわち、透過水の塩分がより高くなる)。基本的に、所与の供給流量の膜チャンバ内の膜に多すぎる水の量が強制的に流されると、膜チャンバから排出される廃棄物の流れの塩分が著しく高くなる。これは、膜チャンバに供給された海水から、より多くの精製された水が抽出されつつあり、これが廃棄物の塩分を高めるからである。この高い廃棄物内の塩分は、膜を通る塩分の通過量がより高く、それによって透過水の塩分が増加せしめられることを意味する。一方、透過水の流れが低くなり過ぎると、次いで、水の需要量が透過水の流量を超過し、これは許容され得ない。透過水の製造速度は、膜の圧力及び供給量の流速を制御することによって調節される。一般的に、この調節は、透過水の出力及び品質の変化に応答してオペレータ又はコンピュータシステムによって調整されなければならない。
【0025】
透過水の出力は、供給物の流れの水の塩分又は温度の変化のようないくつかの理由によって変化するかも知れない。何年かの使用の後に膜が凝縮することもあり、膜の凝縮は、透過水の出力に影響を及ぼし得る。逆浸透装置においては、海水の温度が低くなると、膜チャンバの効率が低下せしめられ、所与の膜圧力及び供給流量に対して透過水の出力が低下する。逆に、海水の温度が高くなると、膜チャンバは透過性が高くなり、透過水の出力が高くなる。温かい供給水による過剰な透過水出力及び冷たい供給水による不十分な透過水出力を防止するためには、膜圧力を能動的に制御しなければならない。しかしながら、上記したように、過去において使用されていた弁構造は、人的な認識を必要とし、これは高価で必ずしも利用可能ではない。従って、所望量の透過水を製造するためには、変動条件下で膜の圧力が制御される機構を備えることが望ましい。
【0026】
本発明の多段階逆浸透装置は、膜の圧力を制御して所望量の透過水を製造するために使用することができる。この多段階逆浸透装置は、2つの方法によって、すなわち、ポンプによって形成される増圧量及び廃棄物ライン内に形成される流動抵抗の量により、膜の圧力に影響を及ぼす。廃棄物ライン内の抵抗の量に注目すると、多段階逆浸透装置は、逆浸透装置に理想的に適した流れに対する特有の圧力の関係を有している。多段階逆浸透装置の利点を理解するためには、この装置を膜圧力を制御する一般的な方法と比較することが助けになる。一般的な逆浸透装置においては、膜の圧力を制御するために弁又はオリフィスプレートが一般的に使用される。弁又はオリフィスプレートは、廃棄物ラインに対する流動抵抗を形成し、弁又はオリフィスは、膜圧力と流速との間に二乗関係を有している。すなわち、流量が半分の場合には、圧力抵抗は四分の一に低下する。逆浸透装置においては、供給物の温度が上昇すると、より多くの海水が膜チャンバを通過し且つ透過水となるので、次いで、廃棄物の流れが低下する。このことにより、より低い廃棄物の流れがもたらされ、弁の圧力抵抗を低下させる。しかしながら、この圧力抵抗の低下は、膜の圧力を低下させ且つ透過水の生産量を少なくさせるほど充分ではない。従って、透過水の生産量を調節するためには、廃棄物ライン上の弁を手動によって開くか又は所望の膜圧力を得るように調整しなければならない。
【0027】
本発明の多段階逆浸透装置は、逆浸透装置に対して特に好適な種々の圧力対流量特性を有している。特に、廃棄物の流れを半分に減らすことによって、圧力抵抗は、弁又はオリフィスプレートにおける四分の一よりもむしろ前の弁の五分の一まで減る。多くの場合には、幾分低い膜圧力は、過剰な透過水出力を防止するのに充分である。例えば、供給される水の温度が低下すると、より少ない透過水が生産されつつあるので、廃棄物ラインを通る流量は低下する。多段階逆浸透装置は、次いで、弁又はオリフィスプレートによって惹き起こされる圧力の増加よりも大きい廃棄物ライン内の流動抵抗を形成するであろう。その結果、透過水の生産は、弁又はオリフィスプレートほど大きく低下しない。多段階逆浸透装置を使用することによる最終的な効果は、供給水の温度が高くなったときに透過水の過剰生産が低減され、供給水の温度が低下したときに透過水の生産不足が最少化されることである。これは、オペレータ又は何らかの補助的な制御装置の介在無しで行われる。供給水の能力又は膜の圧縮度が変化するときもまた、同じ透過水の調節がもたらされる。
【0028】
図3は、動力回収ポンプタービンと衝動タービンとが装置内に装備されている多段逆浸透装置を示している。海水は、入口パイプ100を通過して、高圧給送ポンプである渦巻ポンプ101内へと流れる。渦巻ポンプ101は、電動機102によって駆動される。電動機102は、衝動タービン103に作動可能に接続されている。渦巻ポンプ101は、給送パイプ105及び制御弁120を介して第一段階の逆浸透膜チャンバ104と連通している。高圧の海水は、膜チャンバ104へと導かれ、同膜チャンバ104において、海水の少なくとも一部分から塩が取り出される。精製された水は、膜チャンバ104から、淡水排出ライン106を介して低圧で排出される。上記した米国特許第’708号、第’305号及び第’045号に記載されているような動力回収水圧ポンプタービン又はターボチャージャー108が、排出管107と連通している。ターボチャージャー108は、タービン側端部Tとポンプ側端部Pとを備えている。第一の膜チャンバ104からの排出管107は、ポンプ側端部Pに接続されている。廃棄物又は塩水は、ポンプ側端部Pを通過し且つターボチャージャー108から第一及び第二の塩水管110へと排出される。管110は、第二の逆浸透膜チャンバ112に作動可能に接続されており、同第二の逆浸透膜チャンバ112において、付加的な塩が水から除去される。精製された水は、淡水排出管114を介して第二の膜チャンバ112から排出される。管114は、第一の膜チャンバ104からの生産水管106と連通している。高圧の濃縮された海水塩水は、第二段階の塩水管116を介して膜チャンバ112から排出される。第二段階の塩水管116は、水圧ターボチャージャー108のタービン側端部Tに作動可能に接続されている。
【0029】
分岐管が、第二段階の塩水管116から延びており且つ衝動タービン入口ニードル弁122と連通している。制御弁124が、第二段階の塩水管116とタービン入口ニードル弁122との間の塩水分岐管121上に配置されている。
【0030】
衝動タービン入口ニードル弁122は、衝動タービン103に作動可能に接続されている。
【0031】
付加的な制御装置と弁とを装置内に配置することができる。例えば、生産物の流量計130が第一の生産水の管106に配置されている。第二の生産物の流量計132が、第二段階の生産水の管114に配置されている。塩水の流量計134が、第二段階の塩水の管116に配置されている。水が渦巻ポンプ101から出て膜チャンバ104へ入るときの第一段階の給送圧力を測定するために、圧力ゲージ136が第一段階の膜チャンバ104に隣接して接続されている。第一及び第二の塩水の管110内の圧力を監視するために、膜チャンバ112の水圧ターボチャージャーのポンプ側に圧力ゲージ138が配置されている。水圧ターボチャージャー補助ノズル弁140が、ターボチャージャー108のターボチャージャー側端部Tに作動可能に接続されている。
【0032】
付加的な絞り弁142を、ターボチャージャー108のポンプ側端部Pと第二段階の逆浸透膜チャンバ112との間の第一及び第二の塩水の管110に作動可能に配置することができる。好ましい実施形態においては、制御弁120、衝動タービン入口ニードル弁122,第二段階の塩水バイパス弁124、補助ノズル弁140及び第二段階の流量制御弁142を制御するためにプログラム可能な論理制御装置144が使用されている自動化された装置を備えることが望ましい。生産物の流量計130,生産物の流量計132、圧力ゲージ136,圧力ゲージ138及び塩水の流量計134は、全て、制御装置144への入力信号を提供する。
【0033】
ほぼ全ての大きな逆浸透脱塩装置には、自動のプロセス制御装置が設けられるけれども、上記した膜チャンバ、ターボチャージャー、モーター及び弁の組み合わせもまた、手動によって作動させることができることは理解されるべきである。洗浄サイクル及び装置の充填及び始動のために付加的な弁を含むことができることも、本発明の意図された範囲に含まれる。別の方法として、他の実施形態においては、ほぼ一定の給送条件で作動する、より小さく且つより低廉な逆浸透装置を、本発明を実施するために必要な唯一の弁が第二段階の塩水バイパス弁124であるという点まで、最少の設備及び弁によって適切に制御することができる。本発明は、2つの異なる種類のタービン及び負荷分配制御装置を組み入れ、それによって最少のエネルギで所望の生産物出力を達成することができるようにすることによって、逆浸透多段階プロセスに対する基本的な改良を提供する。
【0034】
些細な変形箇所を備えた三段階逆浸透装置に適用することができ且つ種々の環境下のより低い圧力の逆浸透装置及びその他の工業的逆浸透プロセスに適用しても良いことも、当業者に理解されるべきである。更に、二段階逆浸透装置は、渦巻ポンプ101によって加圧され、この渦巻ポンプ101は、流量制御弁120を排除することによって、容積型ポンプを使用するように修正することができる。
【0035】
多段階逆浸透装置の作動においては、海水又は供給水は、予備処理装置(図示せず)から、管100を通って高圧の渦巻ポンプ101内へ入る。水の圧力は、第一段階の逆浸透膜チャンバ104の作動圧力(この例では約6.20MPa(約900psi)である)まで上昇せしめられる。供給水は、逆浸透チャンバ104内へ入り、同逆浸透チャンバ内で、供給水の一部分が逆浸透膜によって精製され、膜を介して塩が除去される。この例においては、精製された供給水の部分は、前記供給物の流れの約40%である。この精製された水は、“透過水”又は“生産水”と呼ばれる。透過水は、約68.9ないし137.9kPa(約10ないし20psi)の低圧で、第一段階の水の管106を介して逆浸透膜チャンバ104から出て行く。供給水の残りの部分は、高い濃縮された塩水か又は廃棄物であり、約6.07MPa(約880psi)の圧力で、第一の塩水の管107を介して逆浸透膜チャンバ104から出て行く。塩水は、ポンプ側端部Pにおいてターボチャージャー108内へ入り、そこで、圧力が約8.27ないし8.96MPa(約1200ないし1300psi)まで増大せしめられる。塩水又は廃水のより高い浸透圧に打ち勝つためには、より高い圧力が望ましい。ターボチャージャー108のポンプ側端部Pは、圧力が高くなった塩水を、第一及び第二段階の塩水の管110を介して第二段階の逆浸透膜チャンバ112内へと通過させる。塩水供給物の約30%が精製されて生産水とされ、第二段階の生産水の管114を介して第二段階の膜チャンバ112から排出される。塩水供給物の残りの70%は、濃縮されて更に高いレベルの溶解された固体とされる。第二段階の塩水は、約7.93ないし約8.62MPa(約1150ないし約1250psi)の圧力で第二段階の塩水の管116を介して第二段階の逆浸透チャンバ112から排出され、ターボチャージャー108のタービン側端部Tへと入る。高圧の塩水のエネルギは、ターボチャージャーのタービン側端部Tによって機械的なシャフトのエネルギに変換され、このシャフトのエネルギは、次いで、ターボチャージャー108のポンプ側端部Pを駆動し、それによって、供給水の圧力の増圧を生じさせる。
【0036】
ターボチャージャー108の効率が約55%に達すると、通常は、必要とされる増圧を達成するためにターボチャージャー108に必要なエネルギよりも多量の利用可能な塩水エネルギが存在する。本発明以前は、第二段階の逆浸透膜チャンバを過剰に増圧しないようにターボチャージャーの圧力の出力を制御する方法は、ターボチャージャーの近辺で充分な塩水の流れを迂回させ、それによって、第二段階の逆浸透チャンバ内に所望の膜圧力を達成することであった。過去においては、この迂回は、潜在的に回収可能なエネルギを消費する絞り弁(図示せず)によって達成されていた。
【0037】
本発明は、装置内に別の形式のタービンを組み入れることによって、エネルギの損失を避けている。衝動タービン103が、駆動モーター102に機械的に結合されており且つターボチャージャー108の上流に設けられた第二段階の塩水の管116の分岐121と水圧連通している。ターボチャージャー108に必要とされない第二段階の逆浸透膜チャンバ112からのあらゆる余分な塩水の流れが、高圧ポンプ駆動モーター102から動力を取り除くか動力を供給するために、衝動タービン103によって使用される。種々の作動状態においては、衝動タービンへの塩水の流れは、ターボチャージャー108が供給水の状態及び膜の状態の入力の変動に応答するときに、ターボチャージャー108の変動条件によって大きく変化し得る。例えば、供給水の変動が逆浸透装置の性能に如何に影響し得るかをより良く理解するために、北大西洋の海水に対して作動する二段階の逆浸透装置のための実際に作動する計画を検査した。特に、4つの場合の作動条件は同一であった。殆どの変動は、逆浸透装置への海水の供給の季節による温度変化によるものであった。下の表1は、異なる作動状態を示す4つの場合の結果を提供している。
【0038】
【表1】
仮定:
1)管での損失無し
2)55%のターボ効率
3)85%のタービン効率
方程式:
1)PBRQUD=必要とされる増圧
2)PBABL=利用できる増圧
3)Boost=PB×N×R
4)R= 廃棄物の割合=塩水の流れ/供給物の流れ
5)RBRQUD=(PBRQUD/PBABL×QP2)/QBRBRQUD=必要される廃棄物の割合
6)WHP=0.000583×PB2Qex PBRQUDを発生するために必要
WHP=水の馬力
7) N=水圧ターボチャージャーの効率(HTC)
8) NIT=衝動タービンの効率
9)ITHP(衝動タービン馬力)=WHP×NIT
場合1
R=528.4/792.5=0.66675
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1276×0.55×0.66675
PBABL=467.9
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=391.5/1276(.55)=0.557851
QEX=QB2−R(QB)
QEX=528.4−0.557851(792.5)
QEX=528.4−442.0969175
OEX=86.3
P=0.000583×PB2×QEX×E
P=0.000583×1276×86.3×0.85
P=54.6
場合2
R=528.4/792.5=0.66675
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1276×0.55×0.66675
PBABL=467.9
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=319/1276×.55=0.454545
QEX=QB2−R(QB)
QEX=528.4−0.454545(792.5)
QEX=528.4−360.2269
QEX=168.2
P=0.000583×PB2×QEX×E
P=0.000583×1276×168.2×0.85
P=106.4
場合3
R=475.5/634=0.75
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1102(.55)(.75)
PBABL=454.6
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=203/(1102)(.55)=0.334928
QEX=QB2−R(QB)
QEX=475.5−0.334928(634)
QEX=475.5−212.344352
QEX=263.2
P=0.000583×PB2×QEX×E
P=0.000583×1102×263.2×0.85
P=143.7
場合4
R=475.5/634=0.75
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1102(.55)(.75)
PBABL=454.6
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=130.5/1102(.55)=0.215311
QEX=QB2−R(QB)
QEX=475.5−0.215311(634)
QEX=475.5−136.507174
QEX=339.0
P=0.000583×1102×338.0×.85
P=185.1
第一段階の塩水の流れ(第1欄、第二段階の供給物の流れでもある)は、2.40ないし3.00リットル/分(634ないし792gpm)の範囲であること、第二段階の塩水の流れ(第3欄)は1.80ないし2.00リットル/分(475ないし528gpm)の範囲内であること、第二段階の膜作動圧力(第2欄)は7.69ないし9.00MPa(1116ないし1305psi)の範囲内であり、所望のターボ圧力の増圧(第6欄)は、896、1400、2199、2696kPa(130、203、319、391psi)であることに注目すべきである。
【0039】
第8欄は、第6欄の所望の圧力の増圧を達成するためにターボチャージャー108によって必要とされる塩水の流れよりも多量の塩水の流量を示している。
【0040】
第7欄は、全ての塩水の流れがターボチャージャー108によって使用される場合に利用できる圧力の増圧の量を示している。第9欄は、衝動タービン103の機械的な軸の動力の出力を示している。
【0041】
第4及び第5欄は、第二段階の塩水の圧力及びターボチャージャー排出圧力を各々示している。
【0042】
場合1及び2は冷たい供給水の状態を示しており、一方、場合3及び4はより温かい供給水の状態を示している。このデータが示しているように、より冷たい供給水は、より高い作動圧力を必要とし且つ第一段階からよりたくさんの塩水を生産する。より温かい供給条件に対してはこの逆である。塩度の変化もまた、同様の影響を及ぼす。すなわち、より高い塩度は、より高い圧力及び高い廃棄物の割合(塩水流量を全流量によって割った比)を生じさせる。制御装置は、入力供給条件がある範囲の値に亘って変化しつつある間、最も少ないエネルギを使用して、許容可能な水の量において望ましい一定の生産物の流れ(全体の溶解した固体のレベルは500ppm以下である)を維持しなければならない。
【0043】
この例においては、装置は、渦巻型の高圧給送ポンプ101と、流量制御弁120とを使用している。初期の条件として第2の場合を使用し、第3の場合に対する処理を使用すると、以下の一連の現象が起こるであろう。供給水の温度が第3の場合まで上昇すると、第一段階の膜チャンバ104の応答が、透過水を過剰生産するであろう。この過剰生産は、膜に対して損傷を与えつつあり且つ水の品質を低下させ、すなわち、全体の溶解した固体が増す。過剰生産を防止するためには、第一段階の膜圧が減じられるべきである。制御装置144への生産物の流量計130からの信号によって、制御装置144に供給物絞り弁120が閉じさせられ、それによって、第一段階の膜チャンバ104への供給物の流れを減らす。これと同時に、第二段階の塩水バイパス弁124は、より大きな流れを許容するように開かれ、それは、次いで装置の圧力抵抗を減じる。
【0044】
第1欄が示しているように、段階間の塩水の流れは、3.00から2.40キロリットル/分(792から634gpm)まで減っている。これと同時に、第二段階の膜圧条件は、9.00から7.69Mpa(1305から1116psi)まで減じられ、第二段階の塩水の流れは、2.00から1.80キロリットル/分(528から475gpm)まで減じられた。新しい圧力及び流れに到達するために、制御装置144は、所望の点が得られるまで、バイパス弁124によって開かなければならない。衝動タービン103へのバイパス流は、636から996リットル/分(168から263gpm)まで増加する。衝動タービンの動力の出力は、同様に、106から144hpまで増加する。同時に、より大きな流れが衝動タービン103に行くように、制御装置144は、衝動タービン103上のノズル122を開かせるための変数の信号を送り、増大した流れを吸収する。
【0045】
図4は、同じく、図3に示されているような、第一段階の膜チャンバ104、第二段階の膜チャンバ112及びターボチャージャー108を使用している本発明のもう一つ別の多段階逆浸透装置を示している。チャンバと種々の膜チャンバのための配管結合とは、図3に対して既に説明したものと本質的に同じであるので、説明は繰り返さない。図3に示された装置と図4に示された装置との違いは、衝動タービン103の代わりに、逆流ポンプタービン153が使用されていることである。逆流ポンプタービン153は、図4に示されているようにターボチャージャー108に対して並列に作動するか又は図5に示されているようにターボチャージャー108に対して直列に作動することができる。図4及び5に示された両方の実施形態において、作動原理は同じである。増圧のためにターボチャージャー108によって必要とされない余分の流れ及び圧力エネルギは、逆流ポンプタービン153によって利用される。図4に示されているように、逆流ポンプタービン153は、逆流ポンプタービン153への塩水の流量を制御するためにバイパスフローバルブ124を利用している。図4に示された実施形態においては、衝動タービン入口ニードル弁122の必要性がない。図4に示された実施形態は、分岐管157によって第二段階の塩水管の分岐管121に作動可能に接続されているバイパス弁155を有している。
【0046】
図5には、一連の構造が示されており、この構造においては、逆流ポンプタービン153の使用は、水圧ターボチャージャーのタービン排出端部と、逆流ポンプタービン153との間に作動可能に接続された流量絞り弁122に依存している。図5に示された一連の構造は更に、バイパス弁124と衝動タービン入口ニードル弁122との間の第二段階の管の分岐121に作動可能に接続されている第二のバイパス弁155を含んでいる。
【0047】
図6は、逆浸透装置のエネルギ効率を最大化するために、2つの異なるエネルギ回収タービンと制御弁とを使用している本発明の更に別の実施形態を示している。図6は、高圧ポンプ201に作動可能に接続されている入口管200を示している。電動モーター202が、高圧ポンプ201に接続され且つ管205を介して給送制御弁203と水圧連通している。給送制御弁203は、水圧ターボチャージャー208と連通している。水圧ターボチャージャー208は、管210を介して、逆浸透膜チャンバ212と連通している。
【0048】
ターボチャージャー208は、ポンプ側端部Pとタービン側端部Tとを有している。精製された水は、管216を介して、逆浸透膜チャンバ212から排出される。塩水又は廃棄物は、管218を介して、逆浸透膜チャンバ212から排出される。塩水管218は、ターボチャージャー208のタービン側端部Tに作動可能に接続されている。管220は、管218から分岐し且つ衝動タービンエンジン224と連通している。この実施形態においては、ターボチャージャー208はターボチャージャー補助弁226を有していることが示されている。
【0049】
可変面積ニードル弁230が、分岐管220によって、逆浸透膜チャンバ212の塩水側に作動可能に接続されている。可変面積ニードル弁230は、塩水装置の圧力エネルギを衝動タービン224で必要とされる高速の噴射に変更し且つ制御する。種々の実施形態においては、付加的な弁232が、可変面積ニードル弁230と逆浸透膜チャンバ212の塩水側との間に配置されて、装置の隔離か又は装置の付加的な制御装置を提供する。
【0050】
装置の作動方法の例を次に示す。逆浸透装置の初期の作動条件は、3.79キロリットル/分(1000gpm)の供給物の流れ、5.52Mpa(800psi)の膜圧、2.27キロリットル/分(600gpm)の塩水の流れ及び5.17Mpa(750psi)の塩水圧力を有している。膜の終端の寿命条件は、3.79キロリットル/分(1000gpm)の供給物の流れ、6.89Mpa(1000psi)の膜圧、2.27キロリットル/分(600gpm)の塩水の流れ及び6.21Mpa(900psi)の塩水の圧力である。ターボチャージャー208を備えたこの装置のための適当な大きなの給送ポンプは、4.41Mpa(640psi)の差圧において3.79キロリットル/分(1000gpm)の能力を有している。ポンプの排出圧力は、必要とされる最も高い予想圧力4.41Mpa(640psi)のための大きさになされている。6.89Mpa(1000psi)の条件でターボチャージャーによって提供される増圧は約2.48Mpa(360psi)である。5.52Mpa(800psi)の条件におけるターボ増圧は1.99Mpa(288psi)であろう。このことは、5.52Mpa(800psi)において必要とされるポンプ排出圧力が3.53Mpa(512psi)であることを意味している。従って、約1.99Mpa(128psi)の圧力は流量制御弁において絞られつつある。本発明においては、5.52Mpa(800psi)の初期の膜条件での作動においては、塩水の流れは、ターボチャージャーに1.10Mpa(160psi)の増圧を形成させるレベルになるまでターボチャージャーから逸らされる。逸らされた流れは、衝動タービン224のノズル弁230へと入れられる。ターボチャージャー208によって必要とされる塩水の量は約1.42キロリットル/分(375gpm)である。残りの852リットル/分(225gpm)は、衝動タービン224に利用することができ且つ0.85のタービン効率で83hpの付加的な回収されたエネルギを示す。膜が劣化し、透過水の生産を維持するためにより高い圧力が必要とされるにつれて、衝動タービン224の可変面積のノズル230は閉じて、適正な圧力を達成するために必要な塩水をターボチャージャー208が利用できるようにするであろう。
【0051】
装置全体のエネルギ比率の比較は以下の通りである。渦巻型給送ポンプの効率が0.75であり、膜の端部での寿命条件が0.6のHTC水圧伝達効率であり、最大分流状態で.55であり、衝動タービン効率が.85であると仮定した場合に以下の通りである。
【0052】
4年の期間に亘って等しい割合で膜圧の変化が起こったと仮定すると、全体の省力(8000時間/年において)は約332,000kw/hrであろう。
【0053】
衝動タービンの代わりに、二次的なエネルギ回収装置として逆流ポンプタービンのような他のタイプのエネルギ回収タービンを使用することができることは理解されるべきである。しかしながら、ある種の実施形態においては、衝動タイプのタービンは、最も良好な変動可能な能力の性能を有し、従って、この装置に最も適している。
【0054】
本発明の上記の説明は説明のためになされたものである。請求の範囲によって規定された本発明の範囲から逸脱することなく、説明されたもの以外の種々の変形及び代用を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体を精製するための従来技術による装置の構成図である。
【図2】液体を精製するための従来技術による装置の構成図である。
【図3】本発明による液体を精製するための多段階逆浸透装置の構成図である。
【図4】本発明のもう一つ別の実施形態の構成図である。
【図5】本発明のもう一つ別の実施形態の構成図である。
【図6】本発明のもう一つ別の実施形態の構成図である。
発明の背景
本発明は、液体又は気体を高圧で圧送することを含む多くの工業的な処理及び液体精製プロセスのエネルギ必要量を低減するための新規で且つ有用な動力回収装置に関する。本発明は、海水から塩を取り出すために使用される逆浸透プロセスにおいて使用するのに特に好適である。本発明の使用が特に好適である逆浸透装置及びその他の装置においては、液体又は気体がチャンバ内へ高圧で圧送される。チャンバ内においては、液体又は気体の一部分が、精製されるか、さもなければ処理され且つチャンバから抜き取られる。残りの高圧のガス又は液体は、廃棄される廃棄物としてチャンバから排出される。この廃棄物は、通常は極めて高圧であり、この圧力は、絞り弁又はその他の装置を使用することによって散逸させなければならない。通常は、絞り弁は、廃棄物の流れの圧力を本質的に0psiまで低減し、その結果、廃棄物の流れ内の圧力エネルギの全てが散逸され、プロセスに対して更なる利益を提供しない。これらのエネルギの損失は、極めて著しく且つ装置内の基本的な非効率を生じ得る。海水から塩を取り出すために逆浸透方法を使用する場合には、このような効率の悪い装置に伴うこれらの高いエネルギコストが、この技術の商業的用途を著しく制限して来た。
【0002】
工業的プロセス又は液体精製プロセスの運転費を低減するために、廃棄物の流れの中のエネルギを回収するいくつかの方法が試みられて来た。逆浸透装置に関して、蒸気ピストンエンジンと類似した装置内に配置されている機械的に作動せしめられる弁を備えたピストンが使用されて来た。しかしながら、これらの装置は、装置の機械的に複雑な設計のために、高い費用及び高い維持費が必要とされることにより、商業的な用途を見つけ出すことができなかった。更に、これらの装置は、弁が開くか又は閉じる度毎に、水撃作用と呼ばれる強い衝撃波を供給物の流れの中に形成し、逆浸透装置の構成部品に損傷を起こし得る。
【0003】
他の装置は、装置から排出される高圧の廃棄物によって駆動されるタービンを使用して来た。このタービンは、供給ポンプを駆動するモーターに接続されている。良好な効率のためには、タービンは、通常は15,000rpmを超える極めて速い速度で作動しなければならない。この速い速度は、減速ギヤボックスがタービンユニットと給送ポンプモーターとの間に設けられて、動力をタービンから給送ポンプモーターへと効率良く伝えるようにしなければならない。減速ギヤボックスは、装置の極めて高価な部品であり且つ適切に設置し且つ維持するためには多大な技術を必要とする。ギヤボックスはまた、外部の潤滑手段をも必要とし、これは、維持費を更に増大させる。潤滑剤はまた、逆浸透装置に供給される水を汚染し得ることもあり得る。タービンと減速ギヤボックスとの間には、高速シールも設けなければならない。これらの高速シールもまた、高価であり、通常は現場での用途においてはそれ程信頼性が高くない。上記の理由により、逆浸透プロセスにおいて使用するためにこの種の動力回収装置が商業的に採用されることは極めて限られていた。
【0004】
その他の方法は、米国特許第4,983,305号、第4,966,708号及び第5,048,045号に記載されている動力回収ポンプタービン装置を含んでおり、これらの特許は、本発明の発明者によって発明されたものであり、本明細書において特に参考として組み入れる。
【0005】
発明の概要
本発明は、流体が高圧で工業的なプロセス内へと圧送され、流体の少なくとも一部分が高圧でプロセスから排出されるようになされた、工業的プロセスからエネルギを回収するための装置及び方法に関する。高圧で排出された流体は、タービンの入口へと導かれる。高圧で排出された流体は、回転可能なシャフトに取り付けられたタービンのインペラを回転させる。シャフトに取り付けられたポンプのインペラもまた、シャフトの回転によって回転せしめられる。プロセスへ圧送されるべき流体は、ポンプの入口へと導かれる。回転しつつあるポンプのインペラは、高圧でプロセスに供給される流体の圧力を高め且つプロセスから排出された高圧の流体からエネルギを回収する。
【0006】
本発明に従って、精製されるべき高圧の水源を供給するために、給送ポンプが衝動タービンに作動可能に接続される。
【0007】
給送ポンプから高圧の未精製の水源を受け取るために、第一の精製膜チャンバが給送ポンプに作動可能に接続されている。この第一の精製膜チャンバは、第一の精製膜チャンバ内で精製された水を排出するための出口を有している。第一の精製膜チャンバは、同第一の精製膜チャンバから高圧の未精製の水を排出するための排出口を有している。
【0008】
第一の精製膜チャンバの排出口には、水圧ターボチャージャーが作動可能に接続されている。ターボチャージャーは、タービン側端部Tとポンプ側端部Pとを有している。ポンプ側端部Pは、第一の精製膜チャンバから高圧の未精製の水を受け取るための入口と、高圧の未精製の水を排出する出口とを備えている。
【0009】
入口を備えた第二の精製膜チャンバは、ターボチャージャーのポンプ側端部Pから高圧の未精製の水を受け取るために、水圧ターボチャージャーのポンプ側端部Pの出口に作動可能に接続されている。第二の精製膜チャンバは、同第二の精製膜チャンバ内で精製された水を排出するための出口を備えている。第二の精製膜チャンバは、同第二の精製膜チャンバから高圧の未精製の水を排出するための排出口を備えている。この排出口は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部Tと衝動タービンとに作動可能に接続されている。
【0010】
第二の精製膜チャンバからの高圧の未精製の水は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部Tを駆動して精製されるべき水及び衝動タービンの圧力を増すために使用される。
【0011】
本発明のもう一つ別の実施形態は、上記したような衝動タービン、給送ポンプ及び水圧ターボチャージャーを備えている。精製膜チャンバは、高圧の未精製の水の供給を受け取るために水圧ターボチャージャーのポンプ側端部Pに作動可能に接続された入口を備えている。精製膜チャンバは、第一の膜チャンバ内で精製された水を排出するための出口を備えている。精製膜チャンバは、同精製膜チャンバから排出された高圧の未精製の水を排出するための排出口を備えている。この排出口は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部T及び摺動タービンに作動可能に接続されている。精製膜チャンバからの高圧の未精製の水は、水圧ターボチャージャーのタービン側端部Tを駆動して、精製されるべき水及び衝動タービンの圧力を増すために使用される。
【0012】
本発明は、本発明の発明者によって発明された米国特許第4,983,305号を改良したものである。この‘305特許は、少なくとも2つの精製膜チャンバを有する二段階逆浸透装置の塩水の流れに増圧装置を提供するために水圧ターボチャージャーを使用することを記載している。ターボチャージャーのタービン部分を付勢した流れ及び圧力は、第二段階の廃棄物(塩水)であった。第一の段階と第二の段階との間の圧力を増すことはいくつかの利点を提供した。第一に、増圧装置による圧力は、第二の段階の水の製造を増大させた。しかしながら、第二の段階での供給水の塩度がより高いことにより、増大した浸透圧に適合させるためには高い圧力が必要とされる。第二に、増圧装置による圧力は、第一の段階の膜と第二の段階の膜との間の流量を実質的に均衡させ、それによって、第一の段階の膜の過剰な製造に対して損害を来すのを防止した。第三に、増大した流速は、膜表面の水の層の偏りを減じ、これはまた、精製された生産水の製造量を増した。第四に、段階間で増圧される装置の高い圧力と速度によって、生産水に溶解された固体の全量をも減らした。最後に、水圧ターボチャージャーを使用することにより、増圧装置を提供するのに必要なエネルギは、第二の段階の塩水から回収したエネルギであり、これは、この種の逆浸透装置をキロワット/ガロン基準において最も大きなエネルギ効率とさせた。
【0013】
ターボチャージャーの効率が例えば約55%程度まで充分に高くなると、次いで、ターボチャージャーを駆動するために全ての塩水を使用する必要なく、充分なレベルの増圧が第二の段階で達成される。高圧の塩水の残りの部分は、更にエネルギを回収するために利用することができる。この塩水のエネルギを回収し且つ二段階逆浸透プロセスを制御するための最も効率の良い方法は、本発明の主要な目的である。
【0014】
逆浸透による水脱塩装置は、通常は、透過水又は生産水の一定の流れを形成するように設計される。一定の流れの測定値は、装置を定格し且つ販売するための基準である。しかしながら、この所望の一定の出力は、温度、塩度及び膜のエージングのような変動する入力の影響を受ける。これらの変動要素は、逆浸透装置がある範囲の流れ及び圧力状態によって作動することを必要とする。本発明のもう一つの目的は、変動する供給水入力状態及び膜状態において一定した生産水出力を達成するように逆浸透装置を制御する方法を提供することである。
【0015】
従って、本発明の目的は、最も高いエネルギ効率を達成しつつ、逆浸透脱塩装置の高い生産性を提供することである。
【0016】
本発明のもう一つの目的は、廃棄エネルギ及び工業的プロセスを利用するためのエネルギ回収ポンプタービンを提供することである。
【0017】
本発明のこれらの及びその他の目的は、添付図面と組み合わせた以下の本発明の詳細な説明を読むことにより、更に十分に理解されるであろう。
【0018】
好ましい実施形態の説明
本発明は、液体又はガスを高圧で圧送することを含む多くの工業的な液体精製プロセスのエネルギの必要度を低減するために使用することができる多段階逆浸透装置に関する。より特別には、この多段階逆浸透装置は、精製プロセスから排出される高圧の液体又はガスからエネルギを回収し且つこのエネルギを液体又はガスを高圧で精製プロセス内へ圧送するために使用する。本発明の特徴は、以下の説明と組み合わせた添付図面を参照することによってより容易に理解出来るであろう。
【0019】
本発明の逆浸透装置は、海水から塩を取り出すプロセスにおいて使用するのに特に適している。しかしながら、本発明の多段階逆浸透装置は、高圧で液体又はガスを圧送することを含む多くの工業的な液体精製プロセスのエネルギの必要度を低減するために使用することができることは理解されるべきである。
【0020】
本発明の多段階逆浸透装置を使用することができる環境をより良く理解するためには、海水から塩を取り出すために典型的な逆浸透装置が作動する方法を説明する必要がある。図1は、海水が入口パイプ3を介して増圧ポンプ5内へと通過する典型的な逆浸透装置1を示している。増圧ポンプは、海水の圧力を約172.4kPa(約25ポンド/インチ2)まで増圧し、同海水を、海水内に懸濁した不純物を除去することができるフィルタ7を介して圧送する。海水は、フィルタ7から給送ポンプ9内へと通過し、海水の圧力は、給送ポンプ内で約6.89MPa(約1000psi)まで増圧される。高圧(約6.89MPa(約1000psi))の海水は、次いで、膜チャンバ11へと導かれ、膜チャンバ11内で、塩水の少なくとも一部分から塩が取り出される。一例として、1分当たり378.5リットル(100ガロン)の海水が膜チャンバ11に供給されると、1分当たり約94.6リットル(約25ガロン)の精製された水が膜チャンバによって生産されるであろう。精製された水は、膜チャンバから低圧で真水排出ライン13を介して排出される。1分当たり約283.9リットル(約75ガロン)の濃縮された海水の塩水が、膜チャンバから塩水排出ライン15を介して排出される。濃縮された塩水は、約6.55MPa(約950psi)の圧力で膜チャンバから排出され、この濃縮された塩水は廃棄物と呼ばれる。高圧の廃棄物は、絞り弁17を通過し、絞り弁17において濃縮された塩水廃棄物の圧力は、同廃棄物が廃棄されるために廃棄物ライン19を介して排出できるように低減される。廃棄物ライン19を介して排出される廃棄物の圧力は、本質的には0Pa(0psi)である。絞り弁17はまた、膜チャンバ内に適切な圧力を維持して塩水の少なくとも一部分が精製されるようにするために、塩水排出ライン15内の圧力を維持するように作用する。
【0021】
逆浸透精製装置のための上記した例においては、絞り弁は、濃縮された塩水廃棄物の流れの圧力を約6.55MPa(約950psi)だけ低下させる。廃棄物のための1分間当たり283.9リットル(75ガロン)の流量においては、絞り弁によって消費される水圧動力は約42馬力である。これは、給送ポンプ9によって装置内に供給されなければならない多大なエネルギであり、このエネルギは、エネルギが絞り弁17によって消費されるときに装置から実際上失われる。
【0022】
図2は、米国特許第4,966,708号、第4,983,305号及び第5,049,045号に記載された逆浸透装置を示しており、これらの装置においては、動力回収ポンプタービンが装置内に装備されている。この装置は、動力回収ポンプタービン25が給送ポンプ9と膜チャンバ11との間に動作可能に接続されている点及び動力回収ポンプタービン25が膜チャンバ11からの塩水排出ライン15へと動作可能に接続されている点以外は、本質的に、既に説明した図1に示された逆浸透装置と同じ構成要素を備えている。動力回収ポンプタービン25は、タービン側端部27とポンプ側端部29とを備えている。給送ポンプ9からのパイプ31は、ポンプ側端部29上のポンプ入口33に接続されている。海水は、ポンプ側端部29を介してポンプ入口33を通過し、ポンプの排出口35から排出される。海水は、ポンプの排出口35からパイプ37を通って膜チャンバ11へと流れる。膜チャンバ11によって精製された海水の一部分は、排出ライン13を介して膜チャンバから出て行く。濃縮された塩水廃棄物は、塩水排出ライン15を通って膜チャンバ11から出て行く。塩水排出ライン15は、動力回収ポンプタービン25のタービン側端部27に設けられたタービン入口ノズル41に作動可能に接続されている。廃棄物は、タービン側端部27を通過し且つタービンの排出通路43から排出される。廃棄物は、タービンの排出通路43から廃棄物ライン45を通過して廃棄される。
【0023】
動力回収ポンプタービンを使用することによって、塩水内における、給送ポンプ9によって形成される必要がある圧力増加が著しく低減され、この著しい低減によって、給送ポンプのための動力条件が著しく減じられる。給送ポンプのための動力条件の低減は、給送ポンプ9を作動させるためのエネルギコストに対して重大な影響を及ぼす。これと同時に、低い給送ポンプ排出圧力によって、ポンプに対する応力が減じられ、給送ポンプの寿命が延びるであろう。更に、タービン排出通路を介して排出される濃縮された海水の塩水は、圧力が極めて低いか又はゼロであり、その結果、濃縮された塩水は容易に廃棄することができる。このことにより、膜チャンバ11から排出される濃縮された海水の塩水の圧力を下げるための絞り弁の必要がなくなる。
【0024】
逆浸透装置おいては、精製された水又は透過水の製造速度を調整することが極めて重要である。このような装置においては、透過水の流れが所与の供給流量に対して大きすぎると、透過水の品質が低下し得る(すなわち、透過水の塩分がより高くなる)。基本的に、所与の供給流量の膜チャンバ内の膜に多すぎる水の量が強制的に流されると、膜チャンバから排出される廃棄物の流れの塩分が著しく高くなる。これは、膜チャンバに供給された海水から、より多くの精製された水が抽出されつつあり、これが廃棄物の塩分を高めるからである。この高い廃棄物内の塩分は、膜を通る塩分の通過量がより高く、それによって透過水の塩分が増加せしめられることを意味する。一方、透過水の流れが低くなり過ぎると、次いで、水の需要量が透過水の流量を超過し、これは許容され得ない。透過水の製造速度は、膜の圧力及び供給量の流速を制御することによって調節される。一般的に、この調節は、透過水の出力及び品質の変化に応答してオペレータ又はコンピュータシステムによって調整されなければならない。
【0025】
透過水の出力は、供給物の流れの水の塩分又は温度の変化のようないくつかの理由によって変化するかも知れない。何年かの使用の後に膜が凝縮することもあり、膜の凝縮は、透過水の出力に影響を及ぼし得る。逆浸透装置においては、海水の温度が低くなると、膜チャンバの効率が低下せしめられ、所与の膜圧力及び供給流量に対して透過水の出力が低下する。逆に、海水の温度が高くなると、膜チャンバは透過性が高くなり、透過水の出力が高くなる。温かい供給水による過剰な透過水出力及び冷たい供給水による不十分な透過水出力を防止するためには、膜圧力を能動的に制御しなければならない。しかしながら、上記したように、過去において使用されていた弁構造は、人的な認識を必要とし、これは高価で必ずしも利用可能ではない。従って、所望量の透過水を製造するためには、変動条件下で膜の圧力が制御される機構を備えることが望ましい。
【0026】
本発明の多段階逆浸透装置は、膜の圧力を制御して所望量の透過水を製造するために使用することができる。この多段階逆浸透装置は、2つの方法によって、すなわち、ポンプによって形成される増圧量及び廃棄物ライン内に形成される流動抵抗の量により、膜の圧力に影響を及ぼす。廃棄物ライン内の抵抗の量に注目すると、多段階逆浸透装置は、逆浸透装置に理想的に適した流れに対する特有の圧力の関係を有している。多段階逆浸透装置の利点を理解するためには、この装置を膜圧力を制御する一般的な方法と比較することが助けになる。一般的な逆浸透装置においては、膜の圧力を制御するために弁又はオリフィスプレートが一般的に使用される。弁又はオリフィスプレートは、廃棄物ラインに対する流動抵抗を形成し、弁又はオリフィスは、膜圧力と流速との間に二乗関係を有している。すなわち、流量が半分の場合には、圧力抵抗は四分の一に低下する。逆浸透装置においては、供給物の温度が上昇すると、より多くの海水が膜チャンバを通過し且つ透過水となるので、次いで、廃棄物の流れが低下する。このことにより、より低い廃棄物の流れがもたらされ、弁の圧力抵抗を低下させる。しかしながら、この圧力抵抗の低下は、膜の圧力を低下させ且つ透過水の生産量を少なくさせるほど充分ではない。従って、透過水の生産量を調節するためには、廃棄物ライン上の弁を手動によって開くか又は所望の膜圧力を得るように調整しなければならない。
【0027】
本発明の多段階逆浸透装置は、逆浸透装置に対して特に好適な種々の圧力対流量特性を有している。特に、廃棄物の流れを半分に減らすことによって、圧力抵抗は、弁又はオリフィスプレートにおける四分の一よりもむしろ前の弁の五分の一まで減る。多くの場合には、幾分低い膜圧力は、過剰な透過水出力を防止するのに充分である。例えば、供給される水の温度が低下すると、より少ない透過水が生産されつつあるので、廃棄物ラインを通る流量は低下する。多段階逆浸透装置は、次いで、弁又はオリフィスプレートによって惹き起こされる圧力の増加よりも大きい廃棄物ライン内の流動抵抗を形成するであろう。その結果、透過水の生産は、弁又はオリフィスプレートほど大きく低下しない。多段階逆浸透装置を使用することによる最終的な効果は、供給水の温度が高くなったときに透過水の過剰生産が低減され、供給水の温度が低下したときに透過水の生産不足が最少化されることである。これは、オペレータ又は何らかの補助的な制御装置の介在無しで行われる。供給水の能力又は膜の圧縮度が変化するときもまた、同じ透過水の調節がもたらされる。
【0028】
図3は、動力回収ポンプタービンと衝動タービンとが装置内に装備されている多段逆浸透装置を示している。海水は、入口パイプ100を通過して、高圧給送ポンプである渦巻ポンプ101内へと流れる。渦巻ポンプ101は、電動機102によって駆動される。電動機102は、衝動タービン103に作動可能に接続されている。渦巻ポンプ101は、給送パイプ105及び制御弁120を介して第一段階の逆浸透膜チャンバ104と連通している。高圧の海水は、膜チャンバ104へと導かれ、同膜チャンバ104において、海水の少なくとも一部分から塩が取り出される。精製された水は、膜チャンバ104から、淡水排出ライン106を介して低圧で排出される。上記した米国特許第’708号、第’305号及び第’045号に記載されているような動力回収水圧ポンプタービン又はターボチャージャー108が、排出管107と連通している。ターボチャージャー108は、タービン側端部Tとポンプ側端部Pとを備えている。第一の膜チャンバ104からの排出管107は、ポンプ側端部Pに接続されている。廃棄物又は塩水は、ポンプ側端部Pを通過し且つターボチャージャー108から第一及び第二の塩水管110へと排出される。管110は、第二の逆浸透膜チャンバ112に作動可能に接続されており、同第二の逆浸透膜チャンバ112において、付加的な塩が水から除去される。精製された水は、淡水排出管114を介して第二の膜チャンバ112から排出される。管114は、第一の膜チャンバ104からの生産水管106と連通している。高圧の濃縮された海水塩水は、第二段階の塩水管116を介して膜チャンバ112から排出される。第二段階の塩水管116は、水圧ターボチャージャー108のタービン側端部Tに作動可能に接続されている。
【0029】
分岐管が、第二段階の塩水管116から延びており且つ衝動タービン入口ニードル弁122と連通している。制御弁124が、第二段階の塩水管116とタービン入口ニードル弁122との間の塩水分岐管121上に配置されている。
【0030】
衝動タービン入口ニードル弁122は、衝動タービン103に作動可能に接続されている。
【0031】
付加的な制御装置と弁とを装置内に配置することができる。例えば、生産物の流量計130が第一の生産水の管106に配置されている。第二の生産物の流量計132が、第二段階の生産水の管114に配置されている。塩水の流量計134が、第二段階の塩水の管116に配置されている。水が渦巻ポンプ101から出て膜チャンバ104へ入るときの第一段階の給送圧力を測定するために、圧力ゲージ136が第一段階の膜チャンバ104に隣接して接続されている。第一及び第二の塩水の管110内の圧力を監視するために、膜チャンバ112の水圧ターボチャージャーのポンプ側に圧力ゲージ138が配置されている。水圧ターボチャージャー補助ノズル弁140が、ターボチャージャー108のターボチャージャー側端部Tに作動可能に接続されている。
【0032】
付加的な絞り弁142を、ターボチャージャー108のポンプ側端部Pと第二段階の逆浸透膜チャンバ112との間の第一及び第二の塩水の管110に作動可能に配置することができる。好ましい実施形態においては、制御弁120、衝動タービン入口ニードル弁122,第二段階の塩水バイパス弁124、補助ノズル弁140及び第二段階の流量制御弁142を制御するためにプログラム可能な論理制御装置144が使用されている自動化された装置を備えることが望ましい。生産物の流量計130,生産物の流量計132、圧力ゲージ136,圧力ゲージ138及び塩水の流量計134は、全て、制御装置144への入力信号を提供する。
【0033】
ほぼ全ての大きな逆浸透脱塩装置には、自動のプロセス制御装置が設けられるけれども、上記した膜チャンバ、ターボチャージャー、モーター及び弁の組み合わせもまた、手動によって作動させることができることは理解されるべきである。洗浄サイクル及び装置の充填及び始動のために付加的な弁を含むことができることも、本発明の意図された範囲に含まれる。別の方法として、他の実施形態においては、ほぼ一定の給送条件で作動する、より小さく且つより低廉な逆浸透装置を、本発明を実施するために必要な唯一の弁が第二段階の塩水バイパス弁124であるという点まで、最少の設備及び弁によって適切に制御することができる。本発明は、2つの異なる種類のタービン及び負荷分配制御装置を組み入れ、それによって最少のエネルギで所望の生産物出力を達成することができるようにすることによって、逆浸透多段階プロセスに対する基本的な改良を提供する。
【0034】
些細な変形箇所を備えた三段階逆浸透装置に適用することができ且つ種々の環境下のより低い圧力の逆浸透装置及びその他の工業的逆浸透プロセスに適用しても良いことも、当業者に理解されるべきである。更に、二段階逆浸透装置は、渦巻ポンプ101によって加圧され、この渦巻ポンプ101は、流量制御弁120を排除することによって、容積型ポンプを使用するように修正することができる。
【0035】
多段階逆浸透装置の作動においては、海水又は供給水は、予備処理装置(図示せず)から、管100を通って高圧の渦巻ポンプ101内へ入る。水の圧力は、第一段階の逆浸透膜チャンバ104の作動圧力(この例では約6.20MPa(約900psi)である)まで上昇せしめられる。供給水は、逆浸透チャンバ104内へ入り、同逆浸透チャンバ内で、供給水の一部分が逆浸透膜によって精製され、膜を介して塩が除去される。この例においては、精製された供給水の部分は、前記供給物の流れの約40%である。この精製された水は、“透過水”又は“生産水”と呼ばれる。透過水は、約68.9ないし137.9kPa(約10ないし20psi)の低圧で、第一段階の水の管106を介して逆浸透膜チャンバ104から出て行く。供給水の残りの部分は、高い濃縮された塩水か又は廃棄物であり、約6.07MPa(約880psi)の圧力で、第一の塩水の管107を介して逆浸透膜チャンバ104から出て行く。塩水は、ポンプ側端部Pにおいてターボチャージャー108内へ入り、そこで、圧力が約8.27ないし8.96MPa(約1200ないし1300psi)まで増大せしめられる。塩水又は廃水のより高い浸透圧に打ち勝つためには、より高い圧力が望ましい。ターボチャージャー108のポンプ側端部Pは、圧力が高くなった塩水を、第一及び第二段階の塩水の管110を介して第二段階の逆浸透膜チャンバ112内へと通過させる。塩水供給物の約30%が精製されて生産水とされ、第二段階の生産水の管114を介して第二段階の膜チャンバ112から排出される。塩水供給物の残りの70%は、濃縮されて更に高いレベルの溶解された固体とされる。第二段階の塩水は、約7.93ないし約8.62MPa(約1150ないし約1250psi)の圧力で第二段階の塩水の管116を介して第二段階の逆浸透チャンバ112から排出され、ターボチャージャー108のタービン側端部Tへと入る。高圧の塩水のエネルギは、ターボチャージャーのタービン側端部Tによって機械的なシャフトのエネルギに変換され、このシャフトのエネルギは、次いで、ターボチャージャー108のポンプ側端部Pを駆動し、それによって、供給水の圧力の増圧を生じさせる。
【0036】
ターボチャージャー108の効率が約55%に達すると、通常は、必要とされる増圧を達成するためにターボチャージャー108に必要なエネルギよりも多量の利用可能な塩水エネルギが存在する。本発明以前は、第二段階の逆浸透膜チャンバを過剰に増圧しないようにターボチャージャーの圧力の出力を制御する方法は、ターボチャージャーの近辺で充分な塩水の流れを迂回させ、それによって、第二段階の逆浸透チャンバ内に所望の膜圧力を達成することであった。過去においては、この迂回は、潜在的に回収可能なエネルギを消費する絞り弁(図示せず)によって達成されていた。
【0037】
本発明は、装置内に別の形式のタービンを組み入れることによって、エネルギの損失を避けている。衝動タービン103が、駆動モーター102に機械的に結合されており且つターボチャージャー108の上流に設けられた第二段階の塩水の管116の分岐121と水圧連通している。ターボチャージャー108に必要とされない第二段階の逆浸透膜チャンバ112からのあらゆる余分な塩水の流れが、高圧ポンプ駆動モーター102から動力を取り除くか動力を供給するために、衝動タービン103によって使用される。種々の作動状態においては、衝動タービンへの塩水の流れは、ターボチャージャー108が供給水の状態及び膜の状態の入力の変動に応答するときに、ターボチャージャー108の変動条件によって大きく変化し得る。例えば、供給水の変動が逆浸透装置の性能に如何に影響し得るかをより良く理解するために、北大西洋の海水に対して作動する二段階の逆浸透装置のための実際に作動する計画を検査した。特に、4つの場合の作動条件は同一であった。殆どの変動は、逆浸透装置への海水の供給の季節による温度変化によるものであった。下の表1は、異なる作動状態を示す4つの場合の結果を提供している。
【0038】
【表1】
仮定:
1)管での損失無し
2)55%のターボ効率
3)85%のタービン効率
方程式:
1)PBRQUD=必要とされる増圧
2)PBABL=利用できる増圧
3)Boost=PB×N×R
4)R= 廃棄物の割合=塩水の流れ/供給物の流れ
5)RBRQUD=(PBRQUD/PBABL×QP2)/QBRBRQUD=必要される廃棄物の割合
6)WHP=0.000583×PB2Qex PBRQUDを発生するために必要
WHP=水の馬力
7) N=水圧ターボチャージャーの効率(HTC)
8) NIT=衝動タービンの効率
9)ITHP(衝動タービン馬力)=WHP×NIT
場合1
R=528.4/792.5=0.66675
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1276×0.55×0.66675
PBABL=467.9
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=391.5/1276(.55)=0.557851
QEX=QB2−R(QB)
QEX=528.4−0.557851(792.5)
QEX=528.4−442.0969175
OEX=86.3
P=0.000583×PB2×QEX×E
P=0.000583×1276×86.3×0.85
P=54.6
場合2
R=528.4/792.5=0.66675
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1276×0.55×0.66675
PBABL=467.9
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=319/1276×.55=0.454545
QEX=QB2−R(QB)
QEX=528.4−0.454545(792.5)
QEX=528.4−360.2269
QEX=168.2
P=0.000583×PB2×QEX×E
P=0.000583×1276×168.2×0.85
P=106.4
場合3
R=475.5/634=0.75
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1102(.55)(.75)
PBABL=454.6
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=203/(1102)(.55)=0.334928
QEX=QB2−R(QB)
QEX=475.5−0.334928(634)
QEX=475.5−212.344352
QEX=263.2
P=0.000583×PB2×QEX×E
P=0.000583×1102×263.2×0.85
P=143.7
場合4
R=475.5/634=0.75
PBABL=PB2×N×R
Boost=PBABL=1102(.55)(.75)
PBABL=454.6
RBRQUD=PBRQUD/PB2N
R=130.5/1102(.55)=0.215311
QEX=QB2−R(QB)
QEX=475.5−0.215311(634)
QEX=475.5−136.507174
QEX=339.0
P=0.000583×1102×338.0×.85
P=185.1
第一段階の塩水の流れ(第1欄、第二段階の供給物の流れでもある)は、2.40ないし3.00リットル/分(634ないし792gpm)の範囲であること、第二段階の塩水の流れ(第3欄)は1.80ないし2.00リットル/分(475ないし528gpm)の範囲内であること、第二段階の膜作動圧力(第2欄)は7.69ないし9.00MPa(1116ないし1305psi)の範囲内であり、所望のターボ圧力の増圧(第6欄)は、896、1400、2199、2696kPa(130、203、319、391psi)であることに注目すべきである。
【0039】
第8欄は、第6欄の所望の圧力の増圧を達成するためにターボチャージャー108によって必要とされる塩水の流れよりも多量の塩水の流量を示している。
【0040】
第7欄は、全ての塩水の流れがターボチャージャー108によって使用される場合に利用できる圧力の増圧の量を示している。第9欄は、衝動タービン103の機械的な軸の動力の出力を示している。
【0041】
第4及び第5欄は、第二段階の塩水の圧力及びターボチャージャー排出圧力を各々示している。
【0042】
場合1及び2は冷たい供給水の状態を示しており、一方、場合3及び4はより温かい供給水の状態を示している。このデータが示しているように、より冷たい供給水は、より高い作動圧力を必要とし且つ第一段階からよりたくさんの塩水を生産する。より温かい供給条件に対してはこの逆である。塩度の変化もまた、同様の影響を及ぼす。すなわち、より高い塩度は、より高い圧力及び高い廃棄物の割合(塩水流量を全流量によって割った比)を生じさせる。制御装置は、入力供給条件がある範囲の値に亘って変化しつつある間、最も少ないエネルギを使用して、許容可能な水の量において望ましい一定の生産物の流れ(全体の溶解した固体のレベルは500ppm以下である)を維持しなければならない。
【0043】
この例においては、装置は、渦巻型の高圧給送ポンプ101と、流量制御弁120とを使用している。初期の条件として第2の場合を使用し、第3の場合に対する処理を使用すると、以下の一連の現象が起こるであろう。供給水の温度が第3の場合まで上昇すると、第一段階の膜チャンバ104の応答が、透過水を過剰生産するであろう。この過剰生産は、膜に対して損傷を与えつつあり且つ水の品質を低下させ、すなわち、全体の溶解した固体が増す。過剰生産を防止するためには、第一段階の膜圧が減じられるべきである。制御装置144への生産物の流量計130からの信号によって、制御装置144に供給物絞り弁120が閉じさせられ、それによって、第一段階の膜チャンバ104への供給物の流れを減らす。これと同時に、第二段階の塩水バイパス弁124は、より大きな流れを許容するように開かれ、それは、次いで装置の圧力抵抗を減じる。
【0044】
第1欄が示しているように、段階間の塩水の流れは、3.00から2.40キロリットル/分(792から634gpm)まで減っている。これと同時に、第二段階の膜圧条件は、9.00から7.69Mpa(1305から1116psi)まで減じられ、第二段階の塩水の流れは、2.00から1.80キロリットル/分(528から475gpm)まで減じられた。新しい圧力及び流れに到達するために、制御装置144は、所望の点が得られるまで、バイパス弁124によって開かなければならない。衝動タービン103へのバイパス流は、636から996リットル/分(168から263gpm)まで増加する。衝動タービンの動力の出力は、同様に、106から144hpまで増加する。同時に、より大きな流れが衝動タービン103に行くように、制御装置144は、衝動タービン103上のノズル122を開かせるための変数の信号を送り、増大した流れを吸収する。
【0045】
図4は、同じく、図3に示されているような、第一段階の膜チャンバ104、第二段階の膜チャンバ112及びターボチャージャー108を使用している本発明のもう一つ別の多段階逆浸透装置を示している。チャンバと種々の膜チャンバのための配管結合とは、図3に対して既に説明したものと本質的に同じであるので、説明は繰り返さない。図3に示された装置と図4に示された装置との違いは、衝動タービン103の代わりに、逆流ポンプタービン153が使用されていることである。逆流ポンプタービン153は、図4に示されているようにターボチャージャー108に対して並列に作動するか又は図5に示されているようにターボチャージャー108に対して直列に作動することができる。図4及び5に示された両方の実施形態において、作動原理は同じである。増圧のためにターボチャージャー108によって必要とされない余分の流れ及び圧力エネルギは、逆流ポンプタービン153によって利用される。図4に示されているように、逆流ポンプタービン153は、逆流ポンプタービン153への塩水の流量を制御するためにバイパスフローバルブ124を利用している。図4に示された実施形態においては、衝動タービン入口ニードル弁122の必要性がない。図4に示された実施形態は、分岐管157によって第二段階の塩水管の分岐管121に作動可能に接続されているバイパス弁155を有している。
【0046】
図5には、一連の構造が示されており、この構造においては、逆流ポンプタービン153の使用は、水圧ターボチャージャーのタービン排出端部と、逆流ポンプタービン153との間に作動可能に接続された流量絞り弁122に依存している。図5に示された一連の構造は更に、バイパス弁124と衝動タービン入口ニードル弁122との間の第二段階の管の分岐121に作動可能に接続されている第二のバイパス弁155を含んでいる。
【0047】
図6は、逆浸透装置のエネルギ効率を最大化するために、2つの異なるエネルギ回収タービンと制御弁とを使用している本発明の更に別の実施形態を示している。図6は、高圧ポンプ201に作動可能に接続されている入口管200を示している。電動モーター202が、高圧ポンプ201に接続され且つ管205を介して給送制御弁203と水圧連通している。給送制御弁203は、水圧ターボチャージャー208と連通している。水圧ターボチャージャー208は、管210を介して、逆浸透膜チャンバ212と連通している。
【0048】
ターボチャージャー208は、ポンプ側端部Pとタービン側端部Tとを有している。精製された水は、管216を介して、逆浸透膜チャンバ212から排出される。塩水又は廃棄物は、管218を介して、逆浸透膜チャンバ212から排出される。塩水管218は、ターボチャージャー208のタービン側端部Tに作動可能に接続されている。管220は、管218から分岐し且つ衝動タービンエンジン224と連通している。この実施形態においては、ターボチャージャー208はターボチャージャー補助弁226を有していることが示されている。
【0049】
可変面積ニードル弁230が、分岐管220によって、逆浸透膜チャンバ212の塩水側に作動可能に接続されている。可変面積ニードル弁230は、塩水装置の圧力エネルギを衝動タービン224で必要とされる高速の噴射に変更し且つ制御する。種々の実施形態においては、付加的な弁232が、可変面積ニードル弁230と逆浸透膜チャンバ212の塩水側との間に配置されて、装置の隔離か又は装置の付加的な制御装置を提供する。
【0050】
装置の作動方法の例を次に示す。逆浸透装置の初期の作動条件は、3.79キロリットル/分(1000gpm)の供給物の流れ、5.52Mpa(800psi)の膜圧、2.27キロリットル/分(600gpm)の塩水の流れ及び5.17Mpa(750psi)の塩水圧力を有している。膜の終端の寿命条件は、3.79キロリットル/分(1000gpm)の供給物の流れ、6.89Mpa(1000psi)の膜圧、2.27キロリットル/分(600gpm)の塩水の流れ及び6.21Mpa(900psi)の塩水の圧力である。ターボチャージャー208を備えたこの装置のための適当な大きなの給送ポンプは、4.41Mpa(640psi)の差圧において3.79キロリットル/分(1000gpm)の能力を有している。ポンプの排出圧力は、必要とされる最も高い予想圧力4.41Mpa(640psi)のための大きさになされている。6.89Mpa(1000psi)の条件でターボチャージャーによって提供される増圧は約2.48Mpa(360psi)である。5.52Mpa(800psi)の条件におけるターボ増圧は1.99Mpa(288psi)であろう。このことは、5.52Mpa(800psi)において必要とされるポンプ排出圧力が3.53Mpa(512psi)であることを意味している。従って、約1.99Mpa(128psi)の圧力は流量制御弁において絞られつつある。本発明においては、5.52Mpa(800psi)の初期の膜条件での作動においては、塩水の流れは、ターボチャージャーに1.10Mpa(160psi)の増圧を形成させるレベルになるまでターボチャージャーから逸らされる。逸らされた流れは、衝動タービン224のノズル弁230へと入れられる。ターボチャージャー208によって必要とされる塩水の量は約1.42キロリットル/分(375gpm)である。残りの852リットル/分(225gpm)は、衝動タービン224に利用することができ且つ0.85のタービン効率で83hpの付加的な回収されたエネルギを示す。膜が劣化し、透過水の生産を維持するためにより高い圧力が必要とされるにつれて、衝動タービン224の可変面積のノズル230は閉じて、適正な圧力を達成するために必要な塩水をターボチャージャー208が利用できるようにするであろう。
【0051】
装置全体のエネルギ比率の比較は以下の通りである。渦巻型給送ポンプの効率が0.75であり、膜の端部での寿命条件が0.6のHTC水圧伝達効率であり、最大分流状態で.55であり、衝動タービン効率が.85であると仮定した場合に以下の通りである。
【0052】
4年の期間に亘って等しい割合で膜圧の変化が起こったと仮定すると、全体の省力(8000時間/年において)は約332,000kw/hrであろう。
【0053】
衝動タービンの代わりに、二次的なエネルギ回収装置として逆流ポンプタービンのような他のタイプのエネルギ回収タービンを使用することができることは理解されるべきである。しかしながら、ある種の実施形態においては、衝動タイプのタービンは、最も良好な変動可能な能力の性能を有し、従って、この装置に最も適している。
【0054】
本発明の上記の説明は説明のためになされたものである。請求の範囲によって規定された本発明の範囲から逸脱することなく、説明されたもの以外の種々の変形及び代用を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体を精製するための従来技術による装置の構成図である。
【図2】液体を精製するための従来技術による装置の構成図である。
【図3】本発明による液体を精製するための多段階逆浸透装置の構成図である。
【図4】本発明のもう一つ別の実施形態の構成図である。
【図5】本発明のもう一つ別の実施形態の構成図である。
【図6】本発明のもう一つ別の実施形態の構成図である。
Claims (7)
- 逆浸透型の水精製装置であって、
精製されるべき水の供給源と、
エネルギの回収を提供するための衝動タービン(103)と、
精製されるべき高圧の水を供給するために、衝動タービン(103)に作動可能に接続された給送ポンプ(101)と、
第一の精製膜チャンバ(104)であって、給送ポンプ(101)から高圧の未精製の水の供給を受け取るために給送ポンプに作動可能に接続された入口と、同第一の精製膜チャンバ(104)内で精製された水を排出するための出口と、高圧の未精製の水を同第一の精製膜チャンバ(104)から排出するための排出口と、を有する第一の精製膜チャンバ(104)と、
タービン側端部T及びポンプ側端部Pを有する水圧ターボチャージャー(108)であって、前記ポンプ側端部Pが、第一の精製膜チャンバ(104)から高圧の未精製の水を受け取るための入口と、高圧の未精製の水を排出する出口とを有している、水圧ターボチャージャー(108)と、
ターボチャージャー(108)のポンプ側端部Pから高圧の未精製の水を受け取るために水圧ターボチャージャー(108)のポンプ側端部Pの出口に作動可能に接続された入口を有する第二の精製膜チャンバ(112)であって、同第二の精製膜チャンバ(112)内で精製された水を排出するための出口と、同第二の精製膜チャンバ(112)から高圧の未精製の水を排出するための排出口であって、水圧ターボチャージャー(108)のタービン側端部Tと衝動タービン(103)に作動可能に接続された排出口と、を有する第二の精製膜チャンバ(112)と、を含み、
それによって、第二の精製膜チャンバ(112)からの高圧の未精製の水が、水圧ターボチャージャー(108)のタービン側端部T及び/又は衝動タービン(103)を駆動して、第一の精製膜チャンバ(104)又は第二の精製膜チャンバ(112)に供給される精製されるべき水の圧力を増大させるようになされた逆浸透型の水精製装置。 - 請求項1に記載の逆浸透型の水精製装置であって、
第二の精製膜チャンバ(112)と衝動タービン(103)との間に、絞り弁(124)が配置されている、逆浸透型の水精製装置。 - 請求項1に記載の逆浸透型の水精製装置であって、
第二の精製膜チャンバ(112)と水圧衝動タービン(103)との間に、衝動タービン入口ニードル弁(122)が配置されている、逆浸透型の水精製装置。 - 請求項1に記載の逆浸透型の水精製装置であって、
衝動タービン(103)が、バイパス弁(124)と給送ポンプ(101)に対して、並列形態で作動可能に接続されている、逆浸透型の水精製装置。 - 請求項2に記載の逆浸透型の水精製装置であって、
衝動タービン(103)が、衝動タービン入口ニードル弁(122)、バイパス弁(124)及び給送ポンプ(101)に対して、直列形態で作動可能に接続されている、逆浸透型の水精製装置。 - 逆浸透型の水精製装置であって、
精製されるべき水の供給源と、
エネルギの回収を提供するための衝動タービン(224)と、
精製されるべき高圧の水を供給するために、前記衝動タービンに作動可能に接続された給送ポンプ(201)と、
動力回収ポンプタービンT及びポンプ側端部Pを有する水圧ターボチャージャー(208)であって、前記ポンプ側端部Pが、給送ポンプ(201)から高圧の未精製の水の供給を受け取るための入口と、高圧の未精製の水を排出する出口とを有している、水圧ターボチャージャー(208)と、
精製膜チャンバ(212)であって、高圧の未精製の水の供給を受け取るために水圧ターボチャージャー(208)のポンプ側端部Pに作動可能に接続された入口と、精製膜チャンバ(212)内で精製された水を排出するための出口と、精製膜チャンバ(212)から排出された高圧の未精製の水を排出するために、水圧ターボチャージャー(208)のタービン側端部T及び衝動タービン(224)に作動可能に接続された排出口と、を有する精製膜チャンバ(212)と、を含み、
それによって、精製膜チャンバ(212)からの高圧の未精製の水が、水圧ターボチャージャー(208)のタービン側端部Tを駆動して精製膜チャンバ(212)に供給される精製されるべき水の圧力を増大させ及び/又は衝動タービン(224)を駆動して給送ポンプ(201)を駆動するのに必要とされるエネルギの一部分を提供するために使用することができるようになされた、逆浸透型の水精製装置。 - 請求項6に記載の逆浸透型の水精製装置であって、
衝動タービン(208)と精製膜チャンバ(212)との間に、面積可変のニードル弁(230)が配置されている、逆浸透型の水精製装置。
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