JP2004503971A - ビーム形成方法および装置 - Google Patents
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Abstract
データおよびアンテナ走査情報を狭帯域信号上に加える、超広帯域ビーム形成器が、従来の位相シフト手法を用いて実現される。次に、非線形素子が、狭い正弦波を超広帯域パルスに変換する。位相シフトキー変調は、位相シフトの形態で、データ情報を正弦波上に加える。別のアンテナが位相シフトを走査する。非線形素子は、正弦波の各位相を短パルスに変換し、短パルスは、送信のために放射素子に送信される。ビームの遠視野において、放射素子間の走査遅延が打ち消されて、各放射素子からの電界の和がとられ、パルス位置変調されたデータが復元される。
Description
【0001】
(分野)
本開示は、無線周波数および光ビーム形成のためのフェーズドアレイアンテナに関し、より詳細には、超広帯域フェーズドアレイアンテナに関する。本開示は、具体的には超広帯域パルス一致ビーム形成器に関する。
【0002】
(背景)
超広帯域システムは、システムの瞬時部分帯域幅が25%を超える、広い周波数帯域にわたって電磁エネルギーを送受信するシステムとして当技術分野で知られている。超広帯域(UWB)システムの利点のいくつかは、送信が妨害される確率が低いこと、マルチパスフェーディングおよび無線周波数干渉の問題が少ないこと、および、標的認識性能が高いことである。UWB信号の送信のために、ビーム形成器は、UWB信号の全帯域を保持するビームを形成し、送信することができねばならない。
【0003】
従来のビーム形成器は、ほぼ25%未満の瞬時帯域幅で動作する。従来のビーム形成器は、移相器、遅延線およびアンテナサブ開口形態の組合せを使用して、通常、ひとまとめにして「ビームスクイント(beam squint)」と呼ぶ、パルス形状歪みおよびビーム広がりを最小にする。ビームスクイントがゼロになるためには、各放射素子から発せられるパルスの包絡線が、受信機で一致しなければならず、搬送波(存在すれば)は、全て同位相でなければならない。
【0004】
広帯域および超広帯域システムに対する従来技術は、移相器、調整できない、固定の遅延線およびアンテナサブ開口形態の組合せを使用する。100%に近い瞬時部分帯域幅に対して、ビームスクイントの許容される最大レベルを達成するのに必要とされるサブ開口サイズは、放射素子の間隔に近づく。すなわち、サブ開口当たりただ1つの素子を収容することができ、サブ開口の使用はもはやUWBにとって意味のあるツールではなくなる。位相を単一周波数に設定する移相器を有するシステムは、ブロードバンドでもなく、放射素子のような、システムのUWB部では使用することができない。
【0005】
従来技術は、超広帯域ビーム形成システムのための適した部品として、固定した、バルキー遅延線の使用を開示している。こうしたシステムは、1995年12月12日に発行された、米国特許第5,475,392号「Frequency Translation of True Time Delay Signals」において、Newberg他によって開示されている。Newberg他は、フェーズドアレイの各アンテナ素子に、個別の周波数変換された送信信号を提供することを開示している。周波数変換された送信信号は、一定時間遅延したビーム操向信号を、位相シフトするか又は一定時間遅延した局部発振器信号と混合することによって作られる。遅延線又は他の一定時間遅延回路は、一定時間遅延したビーム操向信号に必要とされる遅延をもたらすために使用される。
【0006】
しかし、遅延線は、UWBシステムに適用される時に実装上の難しい問題を有する。サブ開口が使用できないため、ビーム形成器は、各放射素子に給電する専用遅延線を有しなければならない。このことによって、多数の遅延線が必要となる。移相器、すなわち、本質的に狭ビームデバイスが使用できないため、各ビーム走査角度は、個別の時間遅延状態によって確立しなければならない。走査角度の分離は、2次元の全適用範囲に対して、ビーム幅の程度でなければならないため、制御には、多数の時間遅延状態が必要とされる。したがって、多数の素子および/又は狭ビームを有するアンテナについては、必要とされる遅延線および遅延状態の数は、恐ろしく大きくなる。こうして実装された、適度の分解能を有するシステムでさえも、非常に複雑で費用がかかるであろう。
【0007】
1999年1月19日に発行された、米国特許第5,861,845号「Wide−Band Phased Array Antennas and Methods」において、Lee他が開示しているように、ヘテロダイニング・ロットマン(Rotman)アンテナのような、無線周波数(RF)混合給電システムは、UWBの狭い範囲の帯域幅(すなわち、帯域幅≦25%)で、適度の量のビームスクイントを有するビームを発生するのに有効である可能性がある。しかし、より高次の帯域幅ではヘテロダイニング走査範囲は、ビームスクイントを許容可能レベル内に保つために、極力狭くしなければならない。これによって、次に、多数の一定時間遅延ポート(複数の物理的な遅延線のセット)を使用することが必要となる。したがって、多数の遅延線のセットを有するという複雑さ、および目標を追跡する時に、遅延線を切り換えることの問題は、こうした、より高次の帯域幅UWBビーム形成器に関しては非常にやっかいになる。
【0008】
上記の議論に照らして、当技術分野では、スクイントのない、連続走査する超広帯域フェーズドアレイアンテナビーム形成器が必要である。こうした超広帯域ビームを提供するシステムは、低価格で、規格品の部品で作製できなければならない。
【0009】
(概要)
ビームスクイントのない超広帯域フェーズドアレイアンテナビームを形成する方法および装置を提供することが本発明の目的である。好ましくは、規格品の部品で作製することができる、低価格な、超広帯域ビーム形成システムを提供することが、本発明の別の目的である。
【0010】
本発明は、位相シフトキー変調を使用して、周波fpの正弦波の位相上に位相シフトΔΦDの形態でデータ情報を加える。位相ΔΦD=2πfpΔTは、パルス位置変調形式で必要とされる時間遅延ΔTに対応する。データを保持する正弦波は、次に、N個の送信ラインに分割され、各ラインが、更にアンテナ走査位相シフトδφSn=2πfpnδtを受ける。ここで、δtは、アンテナを角度θ0で走査するのに必要な素子間時間遅延であり、整数nは送信ラインを指定する指数である。各ライン信号は、次に、非線形素子を通過し、非線形素子は、各パルスが正弦波のピークで現れる状態で、正弦波を短パルスに変換する。各ラインのパルスは、次に、対応するアンテナ素子に送信され、そこでパルスが放出される。
【0011】
アンテナ素子「n」によって放出されるパルスは、データおよび走査角度遅延の合計に対応する、全遅延時間TTOT=ΔT+nδtを有する。走査角度θ0でのアンテナ遠視野において、素子間の漸増する走査遅延nδtが、遠視野に対する異なる伝播距離によって打ち消される。結果として、パルス間隔中の全素子からの電界は、パルス位置変調されたデータに対応する共通遅延時間ΔTを有する状態で、受信アンテナにおいて一致し、ベクトル和がとられる。ベクトル和をとられた信号は、次に、受信機によって復調され、パルス位置変調データが復元される。
【0012】
本発明の移相器およびパルス形成器は、市販の規格品の部品又は当技術分野では公知の他のデバイスによって提供される。こうしたデバイスは、およそ10から100ピコ秒のパルスを発生することができる。アンテナ素子は、当技術分野で、やはり公知のアンテナアレイで配置される。
【0013】
本発明の一実施形態は、パルス化したビームによってデータシンボルを送信する超広帯域ビーム形成器を提供し、ビーム形成器は、正弦波発生器と、正弦波をデータシンボルで変調する変調器と、それぞれがパルス化されたビームを提供する、複数のフェーズド出力経路とを備え、各フェーズド出力経路は、移相器、パルス形成器および放射素子を備える。
【0014】
本発明の別の実施形態は、発生した正弦波の1つ又は複数の位相を抑制することによって、データシンボルを変調することができる。正弦波の抑制はまた、システムによって提供されるパルス化された出力を符号化するのに使用することができる。正弦波の抑制は、個別の変調素子によって行うか、又は、本発明で使用されるパルス形成器によって行うことができる。
【0015】
本発明の別の実施形態は、超広帯域フェーズドアレイビームを形成する方法を提供し、方法は、複数のデータシンボルのストリームを提供するステップと、正弦波を発生するステップと、正弦波を複数のデータシンボルのストリームで変調するステップと、変調された正弦波を複数のフェーズド出力経路に提供するステップと、ビーム走査角度に対して必要とされる遅延をもたらすために、フェーズド出力経路の各々において、変調された正弦波を位相シフトするステップであって、位相シフトするステップは、ビーム走査角度を提供するのに必要とされる遅延をもたらす、位相シフトするステップと、遅延され変調された各正弦波の各位相からパルスを形成するステップと、パルスを放射素子に送信するステップとを含む。
【0016】
本発明によって、光ビーム形成もまた実現される。電気ビーム形成に使用される部品が電気光学部品と組み合わされて、超広帯域光ビーム形成システムが得られる。利得スイッチレーザダイオードから作られる光ビーム形成システムは、3ピコ秒の短い光パルスを有する超広帯域システムを提供する。電界吸収型変調器から作られる光ビーム形成システムは、最大20ギガパルス/秒で、10ピコ秒の短パルスを提供する。
【0017】
(このましい実施形態の詳細な説明)
本発明の好ましい実施形態が図1に示される。添付する図および以下の説明において使用されるパラメータは、以下のように定義される。
【0018】
ΔT=パルス位置変調データシンボルの時間シフト
fp=各シンボル内のパルスの周波数
ΔΦD=2πfpΔT=遅延時間ΔTに対応するfpの正弦波のデータ位相シフト
δt=(D/c)sinθ0=走査角度θ0に対するアンテナ素子間遅延時間(D=素子間間隔、c=光速)
δφSn=2πfpnδt=素子nおよび角度θ0で走査されたビームに対するfpの正弦波の走査角度位相シフト
f0=アップコンバートされた搬送波(使用される場合)の周波数
図1に示すように、正弦波発生器110は、特定の周波数fpで電気正弦波を発生する。データ情報125は、位相シフト変調器120に提供され、位相シフト変調器は、位相シフトキー変調を実現して、データ情報125を位相シフトΔΦDの形態で周波数fpの正弦波の位相上に加える。位相ΔΦD=2πfpΔTは、パルス位置変調形式において、パルスを所定時刻に配置するのに必要となる時間シフトΔTに対応する。2相位相シフトキーイング(Binary Phase Shift Keying)(BPSK)としても知られる2位相シフトキーイング変調(Two Phase Shift Keying)変調において、2つの状態、0およびΔTのみが必要とされる。他の次数の位相シフトキーイング(たとえば、4相位相シフトキーイング、8相位相シフトキーイングなど)に対しては、別のΔT状態が定義されるであろう。位相シフト変調された正弦波は、次に、N個のコピーに分割され、送信ライン130、移相器140、パルス形成器150および放射素子160を含むフェーズド出力経路に送られる。
【0019】
各送信ライン130の変調された正弦波は、電子移相器140に提供される。必要となる位相シフトを簡単にするため、および超広帯域信号特性を維持するために、変調器から各移相器までの経路長は同じでなければならない。したがって、送信ライン130は、好ましくは、同じ長さでなければならない。送信ラインが同じ長さでない場合、送信ラインは、好ましくは、広帯域時間遅延素子を含まねばならず、広帯域時間遅延素子によって、各出力経路において位相シフト変調された正弦波が受ける時間遅延が、電子移相器140の直前で同じになる。アンテナ走査を実施するために、それぞれの送信ライン130からの信号は、電子移相器140によって提供される、δφSn=2πfpnδtのアンテナ走査位相シフトを受ける。ここで、δtはアンテナを角度θ0で走査するために必要な素子間時間遅延であり、整数nは送信ラインを指定する指数である。したがって、各電子移相器140は、異なる位相シフトを提供する。信号の帯域幅がやはり比較的狭いために、当技術分野で公知の従来の電子移相器は、ビーム劣化のない状態で使用することができる。
【0020】
上述したように、各電子移相器は、所定のアンテナ走査角度および送信ラインに対して、所定の位相遅延に設定される。位相遅延を事前に計算することで、位相シフト値のマトリクスをメモリに格納することが可能になり、ルックアップテーブルを使用して、指定された走査角度に対して各移相器に要求される位相シフトを求めることができる。要求される角度分解能および角度によって、デジタル又はアナログ移相器を用いて、個別の位相シフトを実現することができる。こうした移相器は、当技術分野では公知であり、市販の規格品の商品として入手可能である。
【0021】
各電子移相器140の出力は、パルス形成器150に接続される。パルス形成器150は、変調された正弦波の各半周期を単一の短パルスに変換する非線形素子を含み、非線形素子において、各パルスは、正弦波の単一の固有の位相に対応しており、固有の時間位置に現れる。特定の非線形素子の例は以下で説明するが、本発明は、これらの例に限定されない。各パルス形成器150によって出力されたパルスは、次に、アンテナアレイの素子のような、対応する放射素子160に送信され、そこで、パルスは、単一ビームとして放射される。放射されたビームの超広帯域特性を保証するために、等しい長さの送信ラインを使用して、パルス形成器の出力を放射素子に接続するのが好ましい。放射素子は、当技術分野では公知のアレイ形態に含まれる。
【0022】
各放射素子160によって放出されたパルスは、データおよび走査角度遅延に対応する、全遅延時間ΔT+nδtを有する。走査角度θ0でのアンテナ遠視野において、伝播形状寸法のために、素子間の漸増する遅延nδtが消え、全素子からの電界は、共通遅延時間ΔTを有した状態で、受信アンテナで一致し、ベクトル和がとられる。完全なパルスの一致があるため、ビームスクイントは存在しない。
【0023】
図2A〜2Dは、本発明によって実行される信号処理の例を示す。図2A〜2Dで示す例において、2相位相シフトキーイング変調は、各データシンボルの多数のパルスとともに使用される。本発明は、1シンボル当たり任意の数のパルスを収容するため、単に例として、データシンボル当たり4個のパルスが示されている。例として、図2A〜2Dに示すアンテナアレイは、4個のアンテナ素子および4本の信号ラインを備えるが、本発明によって提供されるシステムは、任意の数のアンテナ素子および信号ラインを使用してもよい。図2Aは、位相シフト変調され、好ましくは等しい長さの送信ラインへ分配された後の波形を示す。図2Bは、アンテナ走査位相シフト後の波形を示す。図2Cは、パルス形成後の波形を示す。図2Dは、受信信号の波形を示す。
【0024】
図2Aにおいて、BPSK変調された形式の4個のデータ符号化された正弦波210が示される。データシンボル「1」は、データシンボル「0」に対して180度だけ位相シフトしており、4本のライン全てが、同様に時間依存する正弦波セグメントを保持している。180度の位相シフトは、時間遅延ΔTに対応する。
【0025】
図2Bは、アンテナ走査位相シフトの結果を示す。各ライン信号220は、対応する素子間遅延時間がδtである状態で、漸次、より大きな位相へと位相シフトする。漸増する位相と増加する遅延時間は、傾斜線225、226で示されており、傾斜線は、正弦波信号の対応する波高部(crest)を通過する。
【0026】
図2Cは、各正弦波の波高部で、パルス形成器によって作られた短パルスの列230を示す。図2Bに示す正弦波に存在するΔT+nδtの時間遅延は、図2Cのパルス位置タイミングに引き継がれる。これらの遅延は、傾斜線235、236で表され、対応するパルスを通過する。図2Cのパルスは、ナノ秒以下の持続期間、たとえば、100ピコ秒以下を容易に有する。したがって、正弦波をパルスに変換することによって、データおよびアンテナ走査角度情報はそのままで、帯域幅が劇的に増加する。
【0027】
4個のアンテナ素子によって放出され、受信アンテナで和をとられて単一信号にされる、4つのパルスシンボルの一致が図2Dに示される。シンボルは、当技術分野で知られている単純な従来のBPSK復調手法によって、パルス位置変調形式に対応する、「1」と「0」の間の時間遅延ΔTによって復元される。
【0028】
ステップリカバリーダイオードを用いた電気パルス形成器の例が、図3Aに示されている。図3Aに示す略図は、本発明においてはパルス形成器として使用されているが、くし型周波数発生器として設計されている市販デバイスの図である。こうした市販デバイスは、Hewlett Packard 33005同軸ステップリカバリーダイオードモジュールおよびHerotek GC2050Aステップリカバリーダイオードくし型発生器である。図3Aに示すように、ステップリカバリーダイオード301は、入力フィルタ回路302および出力フィルタ回路303とともにパッケージされており、両フィルタは、各連続波周期以外の背景信号を排除し、パルスの鋭さを増し、任意の直流成分を除去するのに役立つ。GHz周波数で、数十ピコ秒の持続期間のパルスを容易に作ることができる。図3Bにおいて、示す波形は、正弦波310によって励起される。ステップリカバリーダイオードは、好ましくは、p側をグラウンドに接続した状態で搭載され、パルス311は、好ましくは、波高部ではなく正弦波310の谷に現れる。これらのステップリカバリーダイオードユニットは、費用がかからず、アンテナ素子への同軸ケーブル給電ラインに挿入されるだけである。ダイオードに印加されるバイアス信号は、データシンボルを符号化するため、又は、データをパルスストリーム上に変調するために、選択されたパルスを抑制するのに使用することができる。
【0029】
本発明の別の実施形態は、データシンボル当たり、任意の数のパルス、たとえば、1、8、100、1000などを使用できるようにする。各パルスは、正弦波の周期から得られるため、位相シフト変調器は、シンボルに関連する位相シフトを、正弦波の単一位相に、又は、正弦波の複数の位相に加えることができる。正弦波の複数の位相が、シンボルに対して位相シフト符号化される場合、システムは、そのシンボル対して複数のパルスを出力するであろう。各シンボルにおけるパルス数の増加は、データの冗長性を増すのに使用でき、積分時間の増加は、受信機の同期に役立ち、ビットエラーレートの低減に役立つ。
【0030】
上述したように、本発明は、2相位相シフトキーイングを超える高次の位相シフトキーイングを使用できるようにする。高次の位相シフトキーイングにおいて、複数のデータシンボルの各グループを表すために、複数の位相シフトが位相シフト変調器によって加えられる。たとえば、4相位相シフトキーイング(QPSK)において、データシンボルグループ「00」は0度位相シフトによって、グループ「01」は90度位相シフトによって、グループ「10」は180度位相シフトによって、グループ「11」は270度位相シフトによって表すことができる。これらの位相シフトは、パルス形成器によって発生されたパルスにおいて、対応する時間遅延を作るであろう。高次の位相シフトキーイングの使用によって、送信される信号が要求する帯域幅を狭くできる。もちろん、高次の位相シフトキーイングおよびデータシンボルグループ当たりの複数のパルスの組合せもまた、本発明の代替実施形態によって実施できる。
【0031】
データシンボル自体もまた、シンボル内の選択されたパルスをヌル化して排除することによって、符号化することができる。こうしたヌル化によって、データシンボルを表すための、バーカーコード又は任意の擬似ランダムシーケンスのような、コードの使用が可能になる。ヌル化は、選択された正弦波の波高部の振幅を低減することによって行うことができるため、正弦波は非線形しきい値以下であり、したがって、パルスを発生させない。図1は、変調器120でヌル化を行うか、又は、正弦波の位相を抑制することによって、コード情報127を挿入することができることを示している。図1は、別法として、コード情報127を使用して、パルス形成器150のバイアス信号を制御し、正弦波の位相を抑制できることを示す。図1に示すさらなる別法は、コード情報を使用して、各フェーズド出力経路において、個別の位相抑制器147を制御できることを示す。シンボルの符号化は、レーダの戻りに「タグを付ける」のに役立つ可能性がある。すなわち、その中では各ユーザが固有のコードを割り当てられるようにして、同じ帯域内で複数のユーザの存在を可能にするのに役立つ可能性がある。
【0032】
図5は、本発明の別の実施形態を示しており、パルス位置変調形式で提示される元のデータに依存しない。その代わり、データ155は、パルスが有ることが「1」に等しく、無いのが「0」に等しい状態で、等間隔の2値ストリームとして提供される。この実施形態において、位相シフトキー変調は、位相抑制器157に置き換えられ、位相抑制器は、データパルスの有る、又は無いに基づいて抑制信号を発生し、抑制信号は、正弦波の波高部をパルス形成しきい値以下にまで減ずる(オン/オフキーイング)。アンテナ走査遅延δtは、やはり移相器によって加えられる。図5において、正弦波への2値ストリームの変調は、位相抑制器157による信号発生後に行うことができる。別法として、正弦波は、変調せずに移相器に送ることができる。2値ストリームは、次に、各移相器の後で、個別の正弦波抑制器157によって変調することができる。図5は、さらなる別の実施形態を示し、2値信号が各パルス形成器を制御して、2値ストリーム内に信号が無いことに基づいてパルスを抑制する。上述したように、位相抑制はまた、ビーム形成器によって出力されたパルスを符号化するのに使用することができる。
【0033】
更に本発明の別の実施形態は、当技術分野で公知の混合手法を用いて、搬送波周波数f0を挿入することによって、ベースバンド信号をより高い周波数にアップコンバートすることを可能にする。混合法は、電子又は光子を用いることができる。図6は、RFアップコンバージョンを使用する本発明の実施形態のブロック図を示す。たとえば、本発明による方法のこの実施形態は、5GHz幅の広帯域ベースバンド信号(200ピコ秒パルス)を、上下の側波帯がそれぞれ5GHz幅である、f0=20GHzに中心を持つ信号に変換するであろう。このアップコンバージョン法は、上述した米国特許第5,475,392号においてNewberg他によって述べられたダウンコンバージョン法を改作したもので、一定時間遅延素子を要しない。
【0034】
図6に示すように、正弦波発生器610は、搬送波周波数f0で搬送正弦波を発生する。この搬送正弦波は、次に、移相器640に送られ、所望のアンテナ走査を行う、また移相器640は、データ信号に対してアンテナ走査を適用するのに使用される移相器140に対応する。したがって、各搬送波信号は、Φφn=2πf0nδtだけ位相シフトされる。時間遅延ΔT+nδtを有するベースバンドパルスは、次に、混合器660によってラインごとに、位相シフトされた搬送波信号と混合される。フィルタリング素子670は、混合器60の後で使用されて、スプリアス信号を除去できる。混合された信号は、次に、送信のために放射素子160に送られる。
【0035】
搬送波信号の位相シフトは、混合後、各パルス包絡線は複数の搬送波周期を内部に有し、この搬送波周期が確実に全ての他のライン上のパルス包絡線内の搬送波と同位相となるようにする。このことは、たとえライン全てが異なるnδt遅延を有してもあてはまるであろう。パルス変調された搬送波が放射素子160から放出され、遠視野に伝播する時、nδt遅延は除去される。しかし、搬送波はパルス内で全て同位相であるため、パルス包絡線は完全に一致し、搬送波は、全て同位相で和をとられるであろう。したがって、アップコンバートされた受信ビ−ムはビームスクイントを示さないであろう。
【0036】
上述の議論は、主に無線周波数電磁ビームの形成を述べたが、本発明の代替実施形態は、光ビーム形成に使用される。本発明による光ビーム形成器の好ましい実施形態は図7に示される。光ビーム形成器は、電気ビーム形成器用の上述した電気部品および光信号を発生および操作するのに必要とされる電気光学部品を備える。したがって、本発明の無線周波数ビーム形成の実施形態によって使用される市販部品の多くもまた、本発明の光ビーム形成の実施形態に使用することができる。
【0037】
光ビーム形成器の電気部品は、上述したように、正弦波発生器110、変調器120、アンテナ走査移相器140およびパルス形成器150を含む。光ビーム形成器において、正弦波発生器110は、通常、1GHz以上で動作する。上述したアンテナ走査移相器140は、光ビームを操向するために所望の位相シフトを提供する。
【0038】
光ビーム形成器の電気光学部品は、連続波レーザ源710、光変調器のアレイ720および光ビーム操向アレイ730を含む。各パルス形成器150からの出力は、光振幅変調器720に提供され、光振幅変調器は、連続波レーザビームをゲート制御して時間的に順序付けられた複数のパルスのアレイにする。光振幅変調器720は、モノリシック電界吸収型多重量子井戸デバイス又は電気光学導波変調器の形態である。複数の遅延した光パルスの平行ストリームは、光ビーム操向アレイ730内の光放射素子760に送られる。光放射素子760は、複数の光パルスの平行ストリームを光ビーム操向アレイに放射し、光ビーム操向アレイは、超広帯域光ビーム内のパルス765を反射又は回折させる。光学的微小電子機械システム構造を使用して、光ビーム操向アレイ730を提供することができる。
【0039】
多重高速利得スイッチレーザダイオードは、図8に示すように、本発明の光ビーム形成器の代替の実施形態において使用される。この実施形態において、連続波光信号を複数の光変調器のアレイに提供するのに単一レーザは使用されない。その代わりに、各光変調器は、直接変調レーザダイオード810を備える。こうしたデバイスは、当技術分野で知られており、最大15ギガパルス/秒で、3と10ピコ秒の間の持続期間を有する光パルスを提供することが示された。Nakazawa他の著「Transform−Limited Pulse Generation in the Gigahertz Region from a Gain−Switched Distributed −Feedback Laser Diode Using Spectral Windowing」、Optics Letters、Vol.15、No.12、pp.715〜717を参照されたい。直接変調レーザダイオード810の出力は、電気パルス形成器150からの出力によって制御される。しかし、直接変調レーザダイオードデバイスは、更にパルス幅を低減するには、追加のパルス圧縮段および光フィルタリングを必要とする。
【0040】
本発明によって提供される光ビーム形成器の別の実施形態は図9に示される。図9に示す実施形態において、光変調器920は、光信号上への電気信号の変調および電気信号の各位相からの光パルスの発生の両方を行う。したがって、電気パルス形成器は必要とされない。この実施形態の光変調器は、図4Aに示す非線形電界吸収型変調器(EAM)によって提供される。図4Bは、EAMから得られる出力を示し、EAMにおいて、電気信号410は、EAMの電気バイアスを制御して、電気信号410の正弦波の各波高部で光パルス411が発生する。EAMは、任意の光共振器を必要とすることなく、狭帯域正弦波駆動装置によって、低チャープ変換制限(チャープ変調制限)光パルスを発生する公知のデバイスである。連続波レーザおよびBPSK電気信号によって駆動されると、EAMの非線形減衰特性によって、パルス圧縮効果が得られる。10ピコ秒ほどの狭い、低変換制限パルスは、2、5、10および20ギガパルス/秒で発生した。M.Nakazawa他の著、Opt.Lett.Vol.15、pp.715〜717、1990は、こうした短パルスを発生する方法を開示している。
【0041】
電気ビーム形成器の場合にそうであるように、光ビーム形成器によって出力されたデータ信号は符号化することができる。符号化は上述した電気的機構によって実現できる。更に、EAM電気バイアス信号は、時間依存にすることができるため、所定のパルスを、デジタルオン/オフデータ変調に対して抑制することができる。この機能はまた、データシンボルの符号化に使用されるであろう。
【0042】
上述した説明から、本発明は、そのうちのいくつかが上述され、その他が上述した本発明の実施形態に固有のものである、多数の利点を有することが明らかであろう。また、本明細書に記載される主題の教示から逸脱することなく、上述した超広帯域ビーム形成器および超広帯域ビームを形成する方法に対して、変更を行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、併記特許請求の範囲によって要求される以外には、上述した実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による超広帯域フェーズドアレイアンテナシステムの一実施形態の簡略図である。
【図2A】
本発明の実施形態において使用される2相位相シフトキー(BPSK)変調された信号を示す図である。
【図2B】
本発明の実施形態において、アンテナ走査位相シフトが適用された後のBPSK信号を示す図である。
【図2C】
本発明の実施形態において、BPSK信号から形成されたパルス位置タイミングを示す図である。
【図2D】
本発明の実施形態において、フェーズドアレイアンテナからの送信後に受信されたN個の一致したパルスを示す図である。
【図3A】
正弦波からの狭い電気パルスの形成に使用される市販デバイスの簡略図である。
【図3B】
図3Aに示す市販デバイスによる、正弦波のパルス列への変換を示す図である。
【図4A】
光パルスのパルス形成のためのデバイスのブロック図である。
【図4B】
図4Aに示すデバイスによる、連続波光信号の光パルス列への変換を示す図である。
【図5】
位相抑制器が送信前にデータを変調するのに使用される、本発明の実施形態のブロック図である。
【図6】
ベースバンド信号がアップコンバートされる、本発明による超広帯域フェーズドアレイアンテナシステムの実施形態の簡略図である。
【図7】
本発明による光ビーム形成器のブロック図である。
【図8】
直接変調半導体レーザを用いた、本発明による光ビーム形成器のブロック図である。
【図9】
電界吸収型変調器を用いた、本発明による光ビーム形成器のブロック図である。
(分野)
本開示は、無線周波数および光ビーム形成のためのフェーズドアレイアンテナに関し、より詳細には、超広帯域フェーズドアレイアンテナに関する。本開示は、具体的には超広帯域パルス一致ビーム形成器に関する。
【0002】
(背景)
超広帯域システムは、システムの瞬時部分帯域幅が25%を超える、広い周波数帯域にわたって電磁エネルギーを送受信するシステムとして当技術分野で知られている。超広帯域(UWB)システムの利点のいくつかは、送信が妨害される確率が低いこと、マルチパスフェーディングおよび無線周波数干渉の問題が少ないこと、および、標的認識性能が高いことである。UWB信号の送信のために、ビーム形成器は、UWB信号の全帯域を保持するビームを形成し、送信することができねばならない。
【0003】
従来のビーム形成器は、ほぼ25%未満の瞬時帯域幅で動作する。従来のビーム形成器は、移相器、遅延線およびアンテナサブ開口形態の組合せを使用して、通常、ひとまとめにして「ビームスクイント(beam squint)」と呼ぶ、パルス形状歪みおよびビーム広がりを最小にする。ビームスクイントがゼロになるためには、各放射素子から発せられるパルスの包絡線が、受信機で一致しなければならず、搬送波(存在すれば)は、全て同位相でなければならない。
【0004】
広帯域および超広帯域システムに対する従来技術は、移相器、調整できない、固定の遅延線およびアンテナサブ開口形態の組合せを使用する。100%に近い瞬時部分帯域幅に対して、ビームスクイントの許容される最大レベルを達成するのに必要とされるサブ開口サイズは、放射素子の間隔に近づく。すなわち、サブ開口当たりただ1つの素子を収容することができ、サブ開口の使用はもはやUWBにとって意味のあるツールではなくなる。位相を単一周波数に設定する移相器を有するシステムは、ブロードバンドでもなく、放射素子のような、システムのUWB部では使用することができない。
【0005】
従来技術は、超広帯域ビーム形成システムのための適した部品として、固定した、バルキー遅延線の使用を開示している。こうしたシステムは、1995年12月12日に発行された、米国特許第5,475,392号「Frequency Translation of True Time Delay Signals」において、Newberg他によって開示されている。Newberg他は、フェーズドアレイの各アンテナ素子に、個別の周波数変換された送信信号を提供することを開示している。周波数変換された送信信号は、一定時間遅延したビーム操向信号を、位相シフトするか又は一定時間遅延した局部発振器信号と混合することによって作られる。遅延線又は他の一定時間遅延回路は、一定時間遅延したビーム操向信号に必要とされる遅延をもたらすために使用される。
【0006】
しかし、遅延線は、UWBシステムに適用される時に実装上の難しい問題を有する。サブ開口が使用できないため、ビーム形成器は、各放射素子に給電する専用遅延線を有しなければならない。このことによって、多数の遅延線が必要となる。移相器、すなわち、本質的に狭ビームデバイスが使用できないため、各ビーム走査角度は、個別の時間遅延状態によって確立しなければならない。走査角度の分離は、2次元の全適用範囲に対して、ビーム幅の程度でなければならないため、制御には、多数の時間遅延状態が必要とされる。したがって、多数の素子および/又は狭ビームを有するアンテナについては、必要とされる遅延線および遅延状態の数は、恐ろしく大きくなる。こうして実装された、適度の分解能を有するシステムでさえも、非常に複雑で費用がかかるであろう。
【0007】
1999年1月19日に発行された、米国特許第5,861,845号「Wide−Band Phased Array Antennas and Methods」において、Lee他が開示しているように、ヘテロダイニング・ロットマン(Rotman)アンテナのような、無線周波数(RF)混合給電システムは、UWBの狭い範囲の帯域幅(すなわち、帯域幅≦25%)で、適度の量のビームスクイントを有するビームを発生するのに有効である可能性がある。しかし、より高次の帯域幅ではヘテロダイニング走査範囲は、ビームスクイントを許容可能レベル内に保つために、極力狭くしなければならない。これによって、次に、多数の一定時間遅延ポート(複数の物理的な遅延線のセット)を使用することが必要となる。したがって、多数の遅延線のセットを有するという複雑さ、および目標を追跡する時に、遅延線を切り換えることの問題は、こうした、より高次の帯域幅UWBビーム形成器に関しては非常にやっかいになる。
【0008】
上記の議論に照らして、当技術分野では、スクイントのない、連続走査する超広帯域フェーズドアレイアンテナビーム形成器が必要である。こうした超広帯域ビームを提供するシステムは、低価格で、規格品の部品で作製できなければならない。
【0009】
(概要)
ビームスクイントのない超広帯域フェーズドアレイアンテナビームを形成する方法および装置を提供することが本発明の目的である。好ましくは、規格品の部品で作製することができる、低価格な、超広帯域ビーム形成システムを提供することが、本発明の別の目的である。
【0010】
本発明は、位相シフトキー変調を使用して、周波fpの正弦波の位相上に位相シフトΔΦDの形態でデータ情報を加える。位相ΔΦD=2πfpΔTは、パルス位置変調形式で必要とされる時間遅延ΔTに対応する。データを保持する正弦波は、次に、N個の送信ラインに分割され、各ラインが、更にアンテナ走査位相シフトδφSn=2πfpnδtを受ける。ここで、δtは、アンテナを角度θ0で走査するのに必要な素子間時間遅延であり、整数nは送信ラインを指定する指数である。各ライン信号は、次に、非線形素子を通過し、非線形素子は、各パルスが正弦波のピークで現れる状態で、正弦波を短パルスに変換する。各ラインのパルスは、次に、対応するアンテナ素子に送信され、そこでパルスが放出される。
【0011】
アンテナ素子「n」によって放出されるパルスは、データおよび走査角度遅延の合計に対応する、全遅延時間TTOT=ΔT+nδtを有する。走査角度θ0でのアンテナ遠視野において、素子間の漸増する走査遅延nδtが、遠視野に対する異なる伝播距離によって打ち消される。結果として、パルス間隔中の全素子からの電界は、パルス位置変調されたデータに対応する共通遅延時間ΔTを有する状態で、受信アンテナにおいて一致し、ベクトル和がとられる。ベクトル和をとられた信号は、次に、受信機によって復調され、パルス位置変調データが復元される。
【0012】
本発明の移相器およびパルス形成器は、市販の規格品の部品又は当技術分野では公知の他のデバイスによって提供される。こうしたデバイスは、およそ10から100ピコ秒のパルスを発生することができる。アンテナ素子は、当技術分野で、やはり公知のアンテナアレイで配置される。
【0013】
本発明の一実施形態は、パルス化したビームによってデータシンボルを送信する超広帯域ビーム形成器を提供し、ビーム形成器は、正弦波発生器と、正弦波をデータシンボルで変調する変調器と、それぞれがパルス化されたビームを提供する、複数のフェーズド出力経路とを備え、各フェーズド出力経路は、移相器、パルス形成器および放射素子を備える。
【0014】
本発明の別の実施形態は、発生した正弦波の1つ又は複数の位相を抑制することによって、データシンボルを変調することができる。正弦波の抑制はまた、システムによって提供されるパルス化された出力を符号化するのに使用することができる。正弦波の抑制は、個別の変調素子によって行うか、又は、本発明で使用されるパルス形成器によって行うことができる。
【0015】
本発明の別の実施形態は、超広帯域フェーズドアレイビームを形成する方法を提供し、方法は、複数のデータシンボルのストリームを提供するステップと、正弦波を発生するステップと、正弦波を複数のデータシンボルのストリームで変調するステップと、変調された正弦波を複数のフェーズド出力経路に提供するステップと、ビーム走査角度に対して必要とされる遅延をもたらすために、フェーズド出力経路の各々において、変調された正弦波を位相シフトするステップであって、位相シフトするステップは、ビーム走査角度を提供するのに必要とされる遅延をもたらす、位相シフトするステップと、遅延され変調された各正弦波の各位相からパルスを形成するステップと、パルスを放射素子に送信するステップとを含む。
【0016】
本発明によって、光ビーム形成もまた実現される。電気ビーム形成に使用される部品が電気光学部品と組み合わされて、超広帯域光ビーム形成システムが得られる。利得スイッチレーザダイオードから作られる光ビーム形成システムは、3ピコ秒の短い光パルスを有する超広帯域システムを提供する。電界吸収型変調器から作られる光ビーム形成システムは、最大20ギガパルス/秒で、10ピコ秒の短パルスを提供する。
【0017】
(このましい実施形態の詳細な説明)
本発明の好ましい実施形態が図1に示される。添付する図および以下の説明において使用されるパラメータは、以下のように定義される。
【0018】
ΔT=パルス位置変調データシンボルの時間シフト
fp=各シンボル内のパルスの周波数
ΔΦD=2πfpΔT=遅延時間ΔTに対応するfpの正弦波のデータ位相シフト
δt=(D/c)sinθ0=走査角度θ0に対するアンテナ素子間遅延時間(D=素子間間隔、c=光速)
δφSn=2πfpnδt=素子nおよび角度θ0で走査されたビームに対するfpの正弦波の走査角度位相シフト
f0=アップコンバートされた搬送波(使用される場合)の周波数
図1に示すように、正弦波発生器110は、特定の周波数fpで電気正弦波を発生する。データ情報125は、位相シフト変調器120に提供され、位相シフト変調器は、位相シフトキー変調を実現して、データ情報125を位相シフトΔΦDの形態で周波数fpの正弦波の位相上に加える。位相ΔΦD=2πfpΔTは、パルス位置変調形式において、パルスを所定時刻に配置するのに必要となる時間シフトΔTに対応する。2相位相シフトキーイング(Binary Phase Shift Keying)(BPSK)としても知られる2位相シフトキーイング変調(Two Phase Shift Keying)変調において、2つの状態、0およびΔTのみが必要とされる。他の次数の位相シフトキーイング(たとえば、4相位相シフトキーイング、8相位相シフトキーイングなど)に対しては、別のΔT状態が定義されるであろう。位相シフト変調された正弦波は、次に、N個のコピーに分割され、送信ライン130、移相器140、パルス形成器150および放射素子160を含むフェーズド出力経路に送られる。
【0019】
各送信ライン130の変調された正弦波は、電子移相器140に提供される。必要となる位相シフトを簡単にするため、および超広帯域信号特性を維持するために、変調器から各移相器までの経路長は同じでなければならない。したがって、送信ライン130は、好ましくは、同じ長さでなければならない。送信ラインが同じ長さでない場合、送信ラインは、好ましくは、広帯域時間遅延素子を含まねばならず、広帯域時間遅延素子によって、各出力経路において位相シフト変調された正弦波が受ける時間遅延が、電子移相器140の直前で同じになる。アンテナ走査を実施するために、それぞれの送信ライン130からの信号は、電子移相器140によって提供される、δφSn=2πfpnδtのアンテナ走査位相シフトを受ける。ここで、δtはアンテナを角度θ0で走査するために必要な素子間時間遅延であり、整数nは送信ラインを指定する指数である。したがって、各電子移相器140は、異なる位相シフトを提供する。信号の帯域幅がやはり比較的狭いために、当技術分野で公知の従来の電子移相器は、ビーム劣化のない状態で使用することができる。
【0020】
上述したように、各電子移相器は、所定のアンテナ走査角度および送信ラインに対して、所定の位相遅延に設定される。位相遅延を事前に計算することで、位相シフト値のマトリクスをメモリに格納することが可能になり、ルックアップテーブルを使用して、指定された走査角度に対して各移相器に要求される位相シフトを求めることができる。要求される角度分解能および角度によって、デジタル又はアナログ移相器を用いて、個別の位相シフトを実現することができる。こうした移相器は、当技術分野では公知であり、市販の規格品の商品として入手可能である。
【0021】
各電子移相器140の出力は、パルス形成器150に接続される。パルス形成器150は、変調された正弦波の各半周期を単一の短パルスに変換する非線形素子を含み、非線形素子において、各パルスは、正弦波の単一の固有の位相に対応しており、固有の時間位置に現れる。特定の非線形素子の例は以下で説明するが、本発明は、これらの例に限定されない。各パルス形成器150によって出力されたパルスは、次に、アンテナアレイの素子のような、対応する放射素子160に送信され、そこで、パルスは、単一ビームとして放射される。放射されたビームの超広帯域特性を保証するために、等しい長さの送信ラインを使用して、パルス形成器の出力を放射素子に接続するのが好ましい。放射素子は、当技術分野では公知のアレイ形態に含まれる。
【0022】
各放射素子160によって放出されたパルスは、データおよび走査角度遅延に対応する、全遅延時間ΔT+nδtを有する。走査角度θ0でのアンテナ遠視野において、伝播形状寸法のために、素子間の漸増する遅延nδtが消え、全素子からの電界は、共通遅延時間ΔTを有した状態で、受信アンテナで一致し、ベクトル和がとられる。完全なパルスの一致があるため、ビームスクイントは存在しない。
【0023】
図2A〜2Dは、本発明によって実行される信号処理の例を示す。図2A〜2Dで示す例において、2相位相シフトキーイング変調は、各データシンボルの多数のパルスとともに使用される。本発明は、1シンボル当たり任意の数のパルスを収容するため、単に例として、データシンボル当たり4個のパルスが示されている。例として、図2A〜2Dに示すアンテナアレイは、4個のアンテナ素子および4本の信号ラインを備えるが、本発明によって提供されるシステムは、任意の数のアンテナ素子および信号ラインを使用してもよい。図2Aは、位相シフト変調され、好ましくは等しい長さの送信ラインへ分配された後の波形を示す。図2Bは、アンテナ走査位相シフト後の波形を示す。図2Cは、パルス形成後の波形を示す。図2Dは、受信信号の波形を示す。
【0024】
図2Aにおいて、BPSK変調された形式の4個のデータ符号化された正弦波210が示される。データシンボル「1」は、データシンボル「0」に対して180度だけ位相シフトしており、4本のライン全てが、同様に時間依存する正弦波セグメントを保持している。180度の位相シフトは、時間遅延ΔTに対応する。
【0025】
図2Bは、アンテナ走査位相シフトの結果を示す。各ライン信号220は、対応する素子間遅延時間がδtである状態で、漸次、より大きな位相へと位相シフトする。漸増する位相と増加する遅延時間は、傾斜線225、226で示されており、傾斜線は、正弦波信号の対応する波高部(crest)を通過する。
【0026】
図2Cは、各正弦波の波高部で、パルス形成器によって作られた短パルスの列230を示す。図2Bに示す正弦波に存在するΔT+nδtの時間遅延は、図2Cのパルス位置タイミングに引き継がれる。これらの遅延は、傾斜線235、236で表され、対応するパルスを通過する。図2Cのパルスは、ナノ秒以下の持続期間、たとえば、100ピコ秒以下を容易に有する。したがって、正弦波をパルスに変換することによって、データおよびアンテナ走査角度情報はそのままで、帯域幅が劇的に増加する。
【0027】
4個のアンテナ素子によって放出され、受信アンテナで和をとられて単一信号にされる、4つのパルスシンボルの一致が図2Dに示される。シンボルは、当技術分野で知られている単純な従来のBPSK復調手法によって、パルス位置変調形式に対応する、「1」と「0」の間の時間遅延ΔTによって復元される。
【0028】
ステップリカバリーダイオードを用いた電気パルス形成器の例が、図3Aに示されている。図3Aに示す略図は、本発明においてはパルス形成器として使用されているが、くし型周波数発生器として設計されている市販デバイスの図である。こうした市販デバイスは、Hewlett Packard 33005同軸ステップリカバリーダイオードモジュールおよびHerotek GC2050Aステップリカバリーダイオードくし型発生器である。図3Aに示すように、ステップリカバリーダイオード301は、入力フィルタ回路302および出力フィルタ回路303とともにパッケージされており、両フィルタは、各連続波周期以外の背景信号を排除し、パルスの鋭さを増し、任意の直流成分を除去するのに役立つ。GHz周波数で、数十ピコ秒の持続期間のパルスを容易に作ることができる。図3Bにおいて、示す波形は、正弦波310によって励起される。ステップリカバリーダイオードは、好ましくは、p側をグラウンドに接続した状態で搭載され、パルス311は、好ましくは、波高部ではなく正弦波310の谷に現れる。これらのステップリカバリーダイオードユニットは、費用がかからず、アンテナ素子への同軸ケーブル給電ラインに挿入されるだけである。ダイオードに印加されるバイアス信号は、データシンボルを符号化するため、又は、データをパルスストリーム上に変調するために、選択されたパルスを抑制するのに使用することができる。
【0029】
本発明の別の実施形態は、データシンボル当たり、任意の数のパルス、たとえば、1、8、100、1000などを使用できるようにする。各パルスは、正弦波の周期から得られるため、位相シフト変調器は、シンボルに関連する位相シフトを、正弦波の単一位相に、又は、正弦波の複数の位相に加えることができる。正弦波の複数の位相が、シンボルに対して位相シフト符号化される場合、システムは、そのシンボル対して複数のパルスを出力するであろう。各シンボルにおけるパルス数の増加は、データの冗長性を増すのに使用でき、積分時間の増加は、受信機の同期に役立ち、ビットエラーレートの低減に役立つ。
【0030】
上述したように、本発明は、2相位相シフトキーイングを超える高次の位相シフトキーイングを使用できるようにする。高次の位相シフトキーイングにおいて、複数のデータシンボルの各グループを表すために、複数の位相シフトが位相シフト変調器によって加えられる。たとえば、4相位相シフトキーイング(QPSK)において、データシンボルグループ「00」は0度位相シフトによって、グループ「01」は90度位相シフトによって、グループ「10」は180度位相シフトによって、グループ「11」は270度位相シフトによって表すことができる。これらの位相シフトは、パルス形成器によって発生されたパルスにおいて、対応する時間遅延を作るであろう。高次の位相シフトキーイングの使用によって、送信される信号が要求する帯域幅を狭くできる。もちろん、高次の位相シフトキーイングおよびデータシンボルグループ当たりの複数のパルスの組合せもまた、本発明の代替実施形態によって実施できる。
【0031】
データシンボル自体もまた、シンボル内の選択されたパルスをヌル化して排除することによって、符号化することができる。こうしたヌル化によって、データシンボルを表すための、バーカーコード又は任意の擬似ランダムシーケンスのような、コードの使用が可能になる。ヌル化は、選択された正弦波の波高部の振幅を低減することによって行うことができるため、正弦波は非線形しきい値以下であり、したがって、パルスを発生させない。図1は、変調器120でヌル化を行うか、又は、正弦波の位相を抑制することによって、コード情報127を挿入することができることを示している。図1は、別法として、コード情報127を使用して、パルス形成器150のバイアス信号を制御し、正弦波の位相を抑制できることを示す。図1に示すさらなる別法は、コード情報を使用して、各フェーズド出力経路において、個別の位相抑制器147を制御できることを示す。シンボルの符号化は、レーダの戻りに「タグを付ける」のに役立つ可能性がある。すなわち、その中では各ユーザが固有のコードを割り当てられるようにして、同じ帯域内で複数のユーザの存在を可能にするのに役立つ可能性がある。
【0032】
図5は、本発明の別の実施形態を示しており、パルス位置変調形式で提示される元のデータに依存しない。その代わり、データ155は、パルスが有ることが「1」に等しく、無いのが「0」に等しい状態で、等間隔の2値ストリームとして提供される。この実施形態において、位相シフトキー変調は、位相抑制器157に置き換えられ、位相抑制器は、データパルスの有る、又は無いに基づいて抑制信号を発生し、抑制信号は、正弦波の波高部をパルス形成しきい値以下にまで減ずる(オン/オフキーイング)。アンテナ走査遅延δtは、やはり移相器によって加えられる。図5において、正弦波への2値ストリームの変調は、位相抑制器157による信号発生後に行うことができる。別法として、正弦波は、変調せずに移相器に送ることができる。2値ストリームは、次に、各移相器の後で、個別の正弦波抑制器157によって変調することができる。図5は、さらなる別の実施形態を示し、2値信号が各パルス形成器を制御して、2値ストリーム内に信号が無いことに基づいてパルスを抑制する。上述したように、位相抑制はまた、ビーム形成器によって出力されたパルスを符号化するのに使用することができる。
【0033】
更に本発明の別の実施形態は、当技術分野で公知の混合手法を用いて、搬送波周波数f0を挿入することによって、ベースバンド信号をより高い周波数にアップコンバートすることを可能にする。混合法は、電子又は光子を用いることができる。図6は、RFアップコンバージョンを使用する本発明の実施形態のブロック図を示す。たとえば、本発明による方法のこの実施形態は、5GHz幅の広帯域ベースバンド信号(200ピコ秒パルス)を、上下の側波帯がそれぞれ5GHz幅である、f0=20GHzに中心を持つ信号に変換するであろう。このアップコンバージョン法は、上述した米国特許第5,475,392号においてNewberg他によって述べられたダウンコンバージョン法を改作したもので、一定時間遅延素子を要しない。
【0034】
図6に示すように、正弦波発生器610は、搬送波周波数f0で搬送正弦波を発生する。この搬送正弦波は、次に、移相器640に送られ、所望のアンテナ走査を行う、また移相器640は、データ信号に対してアンテナ走査を適用するのに使用される移相器140に対応する。したがって、各搬送波信号は、Φφn=2πf0nδtだけ位相シフトされる。時間遅延ΔT+nδtを有するベースバンドパルスは、次に、混合器660によってラインごとに、位相シフトされた搬送波信号と混合される。フィルタリング素子670は、混合器60の後で使用されて、スプリアス信号を除去できる。混合された信号は、次に、送信のために放射素子160に送られる。
【0035】
搬送波信号の位相シフトは、混合後、各パルス包絡線は複数の搬送波周期を内部に有し、この搬送波周期が確実に全ての他のライン上のパルス包絡線内の搬送波と同位相となるようにする。このことは、たとえライン全てが異なるnδt遅延を有してもあてはまるであろう。パルス変調された搬送波が放射素子160から放出され、遠視野に伝播する時、nδt遅延は除去される。しかし、搬送波はパルス内で全て同位相であるため、パルス包絡線は完全に一致し、搬送波は、全て同位相で和をとられるであろう。したがって、アップコンバートされた受信ビ−ムはビームスクイントを示さないであろう。
【0036】
上述の議論は、主に無線周波数電磁ビームの形成を述べたが、本発明の代替実施形態は、光ビーム形成に使用される。本発明による光ビーム形成器の好ましい実施形態は図7に示される。光ビーム形成器は、電気ビーム形成器用の上述した電気部品および光信号を発生および操作するのに必要とされる電気光学部品を備える。したがって、本発明の無線周波数ビーム形成の実施形態によって使用される市販部品の多くもまた、本発明の光ビーム形成の実施形態に使用することができる。
【0037】
光ビーム形成器の電気部品は、上述したように、正弦波発生器110、変調器120、アンテナ走査移相器140およびパルス形成器150を含む。光ビーム形成器において、正弦波発生器110は、通常、1GHz以上で動作する。上述したアンテナ走査移相器140は、光ビームを操向するために所望の位相シフトを提供する。
【0038】
光ビーム形成器の電気光学部品は、連続波レーザ源710、光変調器のアレイ720および光ビーム操向アレイ730を含む。各パルス形成器150からの出力は、光振幅変調器720に提供され、光振幅変調器は、連続波レーザビームをゲート制御して時間的に順序付けられた複数のパルスのアレイにする。光振幅変調器720は、モノリシック電界吸収型多重量子井戸デバイス又は電気光学導波変調器の形態である。複数の遅延した光パルスの平行ストリームは、光ビーム操向アレイ730内の光放射素子760に送られる。光放射素子760は、複数の光パルスの平行ストリームを光ビーム操向アレイに放射し、光ビーム操向アレイは、超広帯域光ビーム内のパルス765を反射又は回折させる。光学的微小電子機械システム構造を使用して、光ビーム操向アレイ730を提供することができる。
【0039】
多重高速利得スイッチレーザダイオードは、図8に示すように、本発明の光ビーム形成器の代替の実施形態において使用される。この実施形態において、連続波光信号を複数の光変調器のアレイに提供するのに単一レーザは使用されない。その代わりに、各光変調器は、直接変調レーザダイオード810を備える。こうしたデバイスは、当技術分野で知られており、最大15ギガパルス/秒で、3と10ピコ秒の間の持続期間を有する光パルスを提供することが示された。Nakazawa他の著「Transform−Limited Pulse Generation in the Gigahertz Region from a Gain−Switched Distributed −Feedback Laser Diode Using Spectral Windowing」、Optics Letters、Vol.15、No.12、pp.715〜717を参照されたい。直接変調レーザダイオード810の出力は、電気パルス形成器150からの出力によって制御される。しかし、直接変調レーザダイオードデバイスは、更にパルス幅を低減するには、追加のパルス圧縮段および光フィルタリングを必要とする。
【0040】
本発明によって提供される光ビーム形成器の別の実施形態は図9に示される。図9に示す実施形態において、光変調器920は、光信号上への電気信号の変調および電気信号の各位相からの光パルスの発生の両方を行う。したがって、電気パルス形成器は必要とされない。この実施形態の光変調器は、図4Aに示す非線形電界吸収型変調器(EAM)によって提供される。図4Bは、EAMから得られる出力を示し、EAMにおいて、電気信号410は、EAMの電気バイアスを制御して、電気信号410の正弦波の各波高部で光パルス411が発生する。EAMは、任意の光共振器を必要とすることなく、狭帯域正弦波駆動装置によって、低チャープ変換制限(チャープ変調制限)光パルスを発生する公知のデバイスである。連続波レーザおよびBPSK電気信号によって駆動されると、EAMの非線形減衰特性によって、パルス圧縮効果が得られる。10ピコ秒ほどの狭い、低変換制限パルスは、2、5、10および20ギガパルス/秒で発生した。M.Nakazawa他の著、Opt.Lett.Vol.15、pp.715〜717、1990は、こうした短パルスを発生する方法を開示している。
【0041】
電気ビーム形成器の場合にそうであるように、光ビーム形成器によって出力されたデータ信号は符号化することができる。符号化は上述した電気的機構によって実現できる。更に、EAM電気バイアス信号は、時間依存にすることができるため、所定のパルスを、デジタルオン/オフデータ変調に対して抑制することができる。この機能はまた、データシンボルの符号化に使用されるであろう。
【0042】
上述した説明から、本発明は、そのうちのいくつかが上述され、その他が上述した本発明の実施形態に固有のものである、多数の利点を有することが明らかであろう。また、本明細書に記載される主題の教示から逸脱することなく、上述した超広帯域ビーム形成器および超広帯域ビームを形成する方法に対して、変更を行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、併記特許請求の範囲によって要求される以外には、上述した実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による超広帯域フェーズドアレイアンテナシステムの一実施形態の簡略図である。
【図2A】
本発明の実施形態において使用される2相位相シフトキー(BPSK)変調された信号を示す図である。
【図2B】
本発明の実施形態において、アンテナ走査位相シフトが適用された後のBPSK信号を示す図である。
【図2C】
本発明の実施形態において、BPSK信号から形成されたパルス位置タイミングを示す図である。
【図2D】
本発明の実施形態において、フェーズドアレイアンテナからの送信後に受信されたN個の一致したパルスを示す図である。
【図3A】
正弦波からの狭い電気パルスの形成に使用される市販デバイスの簡略図である。
【図3B】
図3Aに示す市販デバイスによる、正弦波のパルス列への変換を示す図である。
【図4A】
光パルスのパルス形成のためのデバイスのブロック図である。
【図4B】
図4Aに示すデバイスによる、連続波光信号の光パルス列への変換を示す図である。
【図5】
位相抑制器が送信前にデータを変調するのに使用される、本発明の実施形態のブロック図である。
【図6】
ベースバンド信号がアップコンバートされる、本発明による超広帯域フェーズドアレイアンテナシステムの実施形態の簡略図である。
【図7】
本発明による光ビーム形成器のブロック図である。
【図8】
直接変調半導体レーザを用いた、本発明による光ビーム形成器のブロック図である。
【図9】
電界吸収型変調器を用いた、本発明による光ビーム形成器のブロック図である。
Claims (33)
- 第1周波数で正弦波を発生する正弦波発生器と、
前記正弦波を複数のデータシンボルで変調することによって、変調された正弦波を提供する変調器と、
パルス化されたビームを提供する複数のフェーズド出力経路であって、その各々が、
前記変調された正弦波を受信する移相器、
前記移相器に接続されたパルス形成器、及び、
前記パルス形成器に接続された放射素子
を有するところのフェーズド出力経路と
を備えるビーム形成装置。 - 複数のデータシンボルのストリームを提供するステップと、
第1周波数で正弦波を発生するステップと、
前記正弦波を前記複数のデータシンボルのストリームで変調して、変調された正弦波を提供するステップと、
前記変調された正弦波を複数のフェーズド出力経路に提供するステップと、
前記フェーズド出力経路の各々において、前記変調された正弦波を位相シフトするステップであって、ビーム走査角度を提供するのに必要とされる遅延をもたらすところのステップと、
各フェーズド出力経路において、前記変調された正弦波の各位相からパルスを形成するステップと、そして、
前記パルスを放射素子に送信するステップと
を含む、超広帯域フェーズドアレイビームを形成するための方法。 - 前記複数のデータシンボルは、パルス位置変調されたデータシンボルである、請求項1に記載の装置又は請求項2に記載の方法。
- 各フェーズド出力経路は、
前記変調器を前記移相器に接続する給電ラインを更に備えており、前記給電ラインは長さを有し、前記複数のフェーズド出力経路の各々における前記給電ラインの長さが実質的に等しい、請求項1に記載の装置。 - 各フェーズド出力経路は、前記パルス形成器を前記放射素子に接続する送信ラインを更に備えており、前記送信ラインは長さを有し、前記複数のフェーズド出力経路の各々における前記送信ラインの長さが実質的に等しい、請求項1に記載の装置。
- 前記放射素子は、アンテナアレイにおけるアンテナ素子である、請求項1、4若しくは5に記載の装置、又は、請求項2に記載の方法。
- 前記パルス形成器は電気パルス形成器であり、前記電気パルス形成器は、
入力フィルタと、
前記入力フィルタに接続されたステップリカバリーダイオードと、
出力フィルタとを備える、請求項1、4又は5に記載の装置。 - 前記移相器は電子移相器である、請求項1、4又は5に記載の装置。
- 前記変調器は、位相シフトキー変調器である、請求項1、4又は5に記載のビーム形成装置。
- 前記位相シフトキー変調器は、前記複数のデータシンボルの各々に対して前記正弦波の単一の位相を変調する、請求項9に記載の装置。
- 前記位相シフトキー変調器は、前記複数のデータシンボルの各々に対して前記正弦波の複数の位相を変調する、請求項9に記載のビーム形成装置。
- 前記パルス化されたビームの各データシンボルを符号化するデータ符号化手段を更に備える、請求項1に記載の装置。
- 前記データ符号化手段は、正弦波抑制器を備え、前記正弦波抑制器は、前記データシンボルの各々を符号化するために、前記正弦波の1つ又は複数の位相の振幅を減じる、請求項12に記載の装置。
- 前記データ符号化手段は、前記パルス形成器に印加されるバイアス信号を有しており、前記バイアス信号は、前記パルス形成器によるパルスの発生を抑制する、請求項12に記載の装置。
- 前記複数のデータシンボルは複数の2値データシンボルであり、そして、前記変調器は単一の正弦波抑制器を備え、前記正弦波抑制器は、前記複数の2値データシンボルの各々の値に基づいて、前記正弦波の1つ又は複数の位相の振幅を減ずる、請求項1、4又は5に記載の装置。
- 前記複数のデータシンボルは複数の2値データシンボルであり、そして、前記変調器は複数の正弦波抑制器を備え、各フェーズド出力経路は、前記2値データシンボルの各々の値に基づいて、前記正弦波の1つ又は複数の位相の振幅を減ずる正弦波抑制器を更に備える、請求項1、4又は5に記載の装置。
- 第2周波数で搬送正弦波を発生する搬送波発生器を更に備え、そして、前記フェーズド出力経路の各々が、
前記搬送正弦波を受信する搬送波移相器と、
前記パルス形成器に接続される第1入力を有し、前記搬送波移相器に接続される第2入力を有し、そして、出力を有するアップコンバータであって、前記出力が、前記第2入力と混合された前記第1入力の結果を含み、前記出力が前記放射素子に接続されているところのアップコンバータと
を更に備える、請求項1、4又は5に記載の装置。 - 前記搬送波移相器は電子移相器である、請求項17に記載の装置。
- 連続波光信号を発生するレーザと、
複数の光変調器と、そして、
光ビーム操向アレイとを更に備え、
前記フェーズド出力経路の各々が、前記複数の光変調器のうちの1つの光変調器を更に備え、各光変調器は、前記パルス形成器からの信号を受信する第1入力を有し、前記連続波光信号を受信する第2入力を有し、そして、前記放射素子に接続するパルス化された光出力を有しており、前記放射素子が、前記パルス化された光出力を前記光ビーム操向アレイに放射する、請求項1、4又は5に記載の装置。 - 複数の利得スイッチレーザダイオードと、そして、
光ビーム操向アレイとを更に備え、
前記フェーズド出力経路の各々が、前記複数の利得スイッチレーザダイオードのうちの1つの利得スイッチレーザダイオードを更に備えており、各利得スイッチレーザダイオードが、前記パルス形成器からの信号を受信する入力を有し、そして、前記放射素子に接続するパルス化された光出力を有しており、前記放射素子が、前記パルス化された光出力を前記光ビーム操向アレイに放射する、請求項1、4又は5に記載の装置。 - 連続波光信号を発生するレーザと、そして、
光ビーム操向アレイとを更に備え、
前記パルス形成器が、前記移相器からの信号を受信する第1入力を有し、前記連続波光信号を受信する第2入力を有し、そして、前記放射素子に接続されたパルス化された光出力を有しており、前記放射素子が、前記パルス化された光出力を前記光ビーム操向アレイに放射する、請求項1、4又は5に記載の装置。 - 前記パルス形成器は、電界吸収型変調器である、請求項21に記載の装置。
- 前記正弦波を変調する前記ステップは、ベースバンド正弦波を前記複数のデータシンボルで位相シフトキー変調することによって実現される、請求項2に記載の方法。
- 前記複数のデータシンボルは、複数の2値データシンボルであり、そして、前記正弦波を変調する前記ステップは、前記複数の2値データシンボルの各々の値に従って前記正弦波の1つ又は複数の位相を抑制することによって実現される、請求項2に記載の方法。
- 前記パルスは、複数のデータシンボルの前記ストリームの1つ又は複数のデータシンボルを表す、請求項2に記載の方法。
- 複数のデータシンボルの前記ストリーム内の各データシンボルは、前記変調された正弦波の複数の位相から形成された複数のパルスによって表される、請求項2に記載の方法。
- 各データシンボルを符号化するために、前記複数のパルスにおいて、1つ又は複数のパルスを抑制するステップを更に含む、請求項26に記載の方法。
- 各データシンボルは、擬似ランダム符号で符号化される、請求項1、4、5若しくは12に記載の装置、又は、請求項2、23、24、25、26若しくは27に記載の方法。
- 各データシンボルは、バーカーコードで符号化される、請求項1、4、5若しくは12に記載の装置、又は、請求項2、23、24、25、26又は27に記載の方法。
- 第2周波数で搬送正弦波を発生するステップと、
前記搬送正弦波を複数の搬送波経路に提供するステップと、
各搬送波経路において、各搬送波経路において前記搬送正弦波を位相シフトして、遅延した搬送正弦波を提供するステップであって、各搬送波経路における位相シフトするステップが、各フェーズド出力経路において実施される位相シフトに対応するところのステップと、
各搬送波経路からの前記遅延した搬送正弦波を、対応するフェーズド出力経路からのパルスと混合して、アップコンバートされたパルスを提供するステップと、そして、
前記アップコンバートされたパルスを前記放射素子に送信するステップと
を更に含む、請求項2、23、24、25、26又は27に記載の方法。 - 連続波光信号を発生するステップと、
前記連続波光信号を複数の光経路に提供するステップと、
各光経路内の前記連続波光信号を、対応するフェーズド出力経路からのパルスで変調して、光パルスを提供するステップと、そして、
前記光パルスを前記放射素子に送信するステップと
を更に含む、請求項2、23、24、25、26又は27に記載の方法。 - パルスを形成する前記ステップは、各フェーズド出力経路において、前記変調された正弦波の各位相から光パルスを形成することを含む、請求項2、23、24、25、26又は27に記載の方法。
- パルスを形成する前記ステップが、
各フェーズド出力経路において、前記変調された正弦波の各位相から電気パルスを形成すること、及び、
直接変調レーザを前記電気パルスで制御することによって、光パルスを発生すること
を含む、請求項2、23、24、25、26又は27に記載の方法。
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