JP2004503824A - 択一的に乾式処理または湿式処理可能なパッケージカラー写真フィルム - Google Patents

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Abstract

本発明は、(a)カラーネガフィルムを得るために、現像溶液を用いる伝統的な湿式化学処理、次いで1つまたは複数の連続する溶液中で脱銀すること;または (b)写真要素内に配置された保護された現像主薬熱活性化させるか、脱保護させて、必要に応じてその後脱銀無しに現像されたフィルムを電子走査する、水性溶液を使用しない乾式熱処理;
のいずれかによって、個々の消費者の選択に従って、択一的に処理されることができるパッケージ写真フィルムに関する。本発明は、通常の深タンク処理および乾式熱処理の両方で現像される単一のフィルム原料を可能とする。

Description

【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、像様露光後に、(1)フィルムから除去される銀およびハロゲン化銀とともにカラーネガフィルムを得るために、フェニレンジアミン含有現像液またはその同等物に浸漬し、次いで1種以上のその後の溶液中で脱銀させることによって、60℃以下の温度で湿式化学複式タンク処理にフィルムを連続して浸漬すること、あるいは(2)フィルムの液体飽和無しに、好ましくはいかなる水性溶液も加えない本質的に乾式処理で、フィルムを80℃を超える温度、好ましくは100℃を超える温度、さらに好ましくは120℃を超える温度で加熱することのいずれかによって、フィルムを発色現像することができるようなパッケージフィルムおよびフィルムの処理方法に関する。乾式現像時に、画像形成されたフィルムを銀および/またはハロゲン化銀を除去しないで電子的に走査することができる。
【0002】
(発明の背景)
近年の固体素子画像形成装置および種々のハードコピープリント技法における顕著な進歩に関して、電子画像形成システムとハロゲン化銀写真システムの比較がしばしば検討課題となっている。それにもかかわらず、ハロゲン化銀写真システムの高感度および高画質に関する優位性、特に手ごろなコンシューマー製品に関する優位性は、将来にわたって脅かされることは無いであろう。しかし、電子画像形成システムと比べたハロゲン化銀システムの一つの欠点は、写真要素が、現像、定着および漂白溶液等の実質的な溶液容量を典型的に必要とするいわゆる湿式現像処理を要することである。ハロゲン化銀写真技法の現像に束縛された人々にとって、ハロゲン化銀カラー写真システムの「乾式」現像処理は長年にわたる目標であった。
【0003】
乾式現像処理はリサーチディスクロージャー17029(リサーチディスクロージャーI)に記載されるフォトサーモグラフィ要素を用いて達成される。一般的に、これらの種類のシステムでは、現像は通常の非サーマルシステム同様、感光性ハロゲン化銀の銀イオンの金属銀への還元によって行われるが、現像主薬は要素内に含有されるので、写真要素を現像主薬を含有した水溶液に浸漬する必要がない。種々のタイプのフォトサーモグラフィ要素が提案され特許されている。リサーチディスクロージャーIはタイプAおよびBのフォトサーモグラフィシステムが記載されている。タイプB要素(本発明の主題)は、反応的に組み合わさる、バインダー、感光性ハロゲン化銀(現場または他所で調製される)ならびに(1)酸化剤として有機化合物の金属塩または錯体、および(2)有機還元剤または現像主薬を含んで成る酸化−還元画像形成組合せを含む。平均的なフィルム消費者の目において、伝統的なハロゲン化銀フィルムに匹敵する画質を生成する商業的に実施可能なシステムを実現することが問題点である。
【0004】
コンシューマー用カメラに対して一般的に使用するための実用的なカラーフォトサーモグラフィシステムは大きな利点を有するであろう。このようなフィルムは、特に本質的に乾式装置を使用するキオスクにおける現像に適合し易い。従って消費者は、像様に露光したフォトサーモグラフィフィルムを現像およびプリントのために、多くの多様な場所のいずれか一カ所に配置され、任意に湿式現像ラボから独立したキオスクに持ち込み、そこでフィルムが第三の技術者による操作を必要とせずに現像およびプリントすることが想定されている。さらに、特にこのシステムは乾式でありかつ複雑な試薬の適用および使用に関連していないので、消費者が自宅にこのようなフィルム現像装置を所有しかつ操作することも想定されている。従って、乾式フォトサーモグラフィシステムは、より多くの簡便性、アクセス可能性、および現像スピード、より本質的には様々な消費者の家庭での即時現像に関する新たな機会を開いている。
【0005】
フォトサーモグラフィシステムの乾式形態を維持するために、種々の可能性が存在する。例えば、一つは拡散転写によって効率良く定着/漂白(銀およびハロゲン化銀の除去)することである。例えば、Matsmoto等の欧州特許第0762 201号(富士写真フィルム出願)を参照されたい。この特許は主として複雑な試薬を含有しない比較的少量の水溶液ではあるが、少量の水を必要とする色素拡散プロセスである。乾式システムの例を開示するが、それは容認できる画質を提供せず、乾式システムの商業化が行われていないので、実用的または広範に十分に使用できない。一方、走査技術の進歩の観点から、欧州特許第0762 201号に開示されたように現在、フォトサーモグラフィカラーフィルムが走査されることが自然で実践的になっており、これはネガから銀またはハロゲン化銀を除去ことを必要とせずに実現されるが、このような走査のための特別な手配が、その品質を改善するために必要である。例えばSimmonsの米国特許第5,391,443号を参照されたい。
【0006】
乾式フォトサーモグラフィフィルム要素は、それが熱を加えることによってのみ現像でき、湿式処理液を必要としないので、容易かつ都合よく処理する大きな利点を提供するであろう。しかし、成熟産業標準として広範に利用可能である従来型C−41現像処理ほどには利用可能でない(少なくとも最初は)熱現像機でフィルムを熱現像処理しなければならないので、この利点は一定価格で実現する。熱現像処理装置および関連装置の利用不可能性は、消費者による乾式フォトサーモグラフィフィルムの採択を妨げることがある。例えば、熱現像処理装置または現像処理のアクセス可能性は、消費者の地理的位置により変動することがある。C−41試薬または同等物によっても現像処理され得るフォトサーモグラフィフィルムは、この欠点または問題点を克服する。下位互換性のあるフォトサーモグラフィフィルムは、熱現像処理がアクセス可能な場合は、消費者が熱現像処理に特有の恩恵(キオスク現像処理、低い環境への影響など)を享受することができるが、熱現像処理がアクセス可能でない場合は、消費者は、C−41現像処理の現在での偏在性の利点を生かすこともできる。
【0007】
乾式フォトサーモグラフィシステムを、伝統的な湿式現像プロセスを用いるために下位互換であるように作成できるならばそれが好ましい。出願人は下位互換である乾式フォトサーモグラフィシステム得るための一連の障害に遭遇した。そのようなフォトサーモグラフィシステム(有機銀塩が銀イオン源の役割を果たすが、フォトセンサまたはメモリとして機能しない)は、そのようなフィルムに一般的に含有されており必要と思われているカブリ防止剤のために、容易には下位互換でないことが判らなかった。言い換えると、そのようなフォトサーモグラフィフィルムは保護された現像主薬を含有し、処理溶液が無く、現像のために高温が必要であるので、熱現像時のカブリ防止またはDmin増加を防止する試薬が必要と思われ、その試薬は伝統的な処理、例えば、C−41処理の現像を妨げると思われた。
【0008】
特開平10−78638号(1998年3月24日)には、2種類のイエロー色素カプラーと保護されていないバラスト化スルホンアミドフェノールまたはスルホニルヒドラジドタイプの現像主薬との特定の組合せを用いて、下位互換となるカラー写真要素の使用が記載されている。イエロー色素カプラーの組は分離可能なカチオン性基を有するものと分離可能なアニオン性基を有するものからなり、好ましくは後者のカプラーは色素抑制剤も含有する。一方のカプラーが無いとき、伝統的な湿式現像時の色感受性は相対的に悪く、2種類のカプラーのもう一方が無いと、伝統的な湿式現像時の粒状度が相対的に悪い。上述したように、Matsumoto等の特開平10−78638号のフォトサーモグラフィ現像主薬は保護されておらず、この事実は、通常のカプラーと現像主薬との組合せを用いる湿式現像処理に悪影響を与える場合がある。特開平10−78638号のバラスト化スルホンアミドフェノール現像主薬またはバラスト化スルホニルヒドラジドタイプの現像主薬のもう一つの欠点は、それらが一般的にカプラーと反応して低吸光度の色素を生成するか、またはフェニレンジアミン発色現像主薬を用いて生成されるものとは色相が異なる色素を生成し、好ましくない色変化を生じるということである。この事実もまた目で見て画像を編集でき下見できる、走査後の現像されたカラーネガ像の能力を制限する。
【0009】
市販の用途に容認可能となるためには、フォトサーモグラフィシステムが露光前に安定であり、同時に保存時のハロゲン化銀の減感を避け、現像後にカブリおよび/またはDmaxの増加を避けることが必要である。同時に、このシステムは、露光されたフィルムを熱活性化によって現像する場合、十分に高速可能(現像主薬の脱ブロックを含む)でなければならない。択一的(消費者の選択時)伝統的な湿式現像処理または乾式熱現像処理用に設計された同じフォトサーモグラフィフィルムの場合では、もう一つの要件は、乾式フォトサーモグラフィ現像用にもっぱら設計されたフォトサーモグラフィフィルム内の成分(例えば、保護された現像主薬およびカブリ防止剤)が、伝統的な湿式現像によって得られる結果に悪影響を与えないか、妨害しないことであると思われる。初期乾式フォトサーモグラフィフィルムに通常の湿式現像が続く連続現像の場合、要件は幾分異なる。フォトサーモグラフィで現像されたフィルム像は、伝統的な湿式現像処理の現像工程に影響されてはならないが、その後の定着および漂白等のポスト現像工程に効率よくかけられねばならない。
【0010】
(発明の解決すべき問題点)
像様露光後に、ハロゲン化銀含有カラー写真要素を、いかなる水性溶液も加えないで、好ましくは本質的に乾式処理で、フィルムの液体飽和無しに、フィルムを80℃を超える温度で加熱することによるフィルムの熱処理によって熱を単に外部適用することによって現像できるが、同じフィルムを自動化キオスク、好ましくは、第三者の操作を必要としない現像に従うことができるフォトサーモグラフィカラーフィルムは、大きな利点を有する。このようなキオスクの利用可能性およびアクセス可能性を前提として、このようなフォトサーモグラフィフィルムは、第三の現像処理装置、多−タンク装置などの関与を必要とせずに、どの時間帯でも「要求された時」に数分足らずで現像できる可能性がある。このようなフォトサーモグラフィ現像処理は、商業的状況において高処理量が可能な装置を正当化する高容量現像処理を必要とせずに、例え一時にロール1本であっても「必要な時」を基本に行うことができる可能性がある。従ってキオスクは、ネガカラー画像を現像するためのフィルムの加熱、現像されたカラー画像に相当する表示要素の作成という選択肢のある、引き続きの個々の消費者ベースでのフィルムの走査が可能であることが想定されている。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、それぞれ、反応的に組合わさる、少なくとも1種の色素形成カプラー、保護された発色現像主薬、感光性ハロゲン化銀、ならびに(a)酸化剤としての少なくとも1種の有機化合物の金属塩または錯体、および(b)有機還元剤または現像主薬を含んで成る酸化−還元画像形成組合せをそれぞれ有する少なくとも2種(好ましくは3種)の感光性ハロゲン化銀乳剤単位を有する支持体を含んでなるカラー写真フィルム要素に関する。熱の適用により、潜発色現像主薬が反応形態に変換される。一つの態様では、このフォトサーモグラフィ要素は、それぞれ、シアン色素形成、マゼンタ色素形成およびイエロー色素形成カプラーを有する感光性層から形成される、赤、緑および青記録単位を有する、多層、多色要素である。全ての場合において、潜発色現像主薬は、感光性乳剤と同じ層にあってもよく、あるいは非感光性層にあってもよい。この写真フィルムは、一つのフィルム原料を、(1)通常の湿式化学処理、例えば、C−41深タンクプロセス、または(2)乾式プロセスのいずれにおいても現像可能となるように設計される。例えば、個々の消費者(彼または彼女の裁量)は、熱現像するためにフィルムをキオスクに持っていくか、あるいは湿式現像処理ラボにフィルムを提出することができる。従って、所定の時間で所定の場所における熱現像設備の利用性を含む種々の要因に従って、そのようなフィルムの一部が、実際、伝統的な湿式化学処理で現像され、またそのようなフィルムの一部が乾式熱現像で現像されることが予想される。
【0012】
下位互換とする本発明のフォトサーモグラフィフィルムの特徴はその銀リガンドとしてのカブリ抑制剤の錯化である。この銀錯体は通常のC−41処理で生じる化学現像時には抑制効果を殆ど有しない。
【0013】
本発明の一つの態様では、パッケージ写真フィルム要素は、異なる波長領域にそれらの個別の感度を有する少なくとも2種(好ましくは3種)の感光性層を有し、これらの各層が感光性ハロゲン化銀乳剤、バインダー、色素提供カプラーおよび保護された現像主薬を含有する。このパッケージ(そのパッケージ挿入物を含む)は、消費者がフィルムを択一的に2つのルートのいずれかで処理および現像することを指示できることを示す表示を含む。これらの2種類のルートは、(明示が無い場合は、いずれにせよ消費者の処理選択の手段)それぞれ、(1)伝統的な湿式化学処理、例えば、C−41プロセス、および(2)本質的に水性溶液を用いないか、外部適用される現像主薬を用いない乾式熱処理に対応する。
【0014】
(発明の詳細な説明)
上述したように、本発明は、2種類の異なる方式、内部的に供給される現像主薬を必要とする乾式熱現像または完全な現像のために十分量の外部供給される現像主薬を必要とする伝統的な湿式化学現像のいずれかで択一的に現像することが可能なパッケージハロゲン化銀含有カラー写真要素に向けられている。
【0015】
本願明細書において「伝統的湿式−化学現像処理型」または同義の「湿式−化学現像処理」は、潜像からカラー画像を形成するために、像様に露光されたカラー写真要素が、現像主薬、好ましくはフェニレンジアミンまたはその等価物を含有する溶液中に、攪拌しながら温度60℃以下、好ましくは30〜45℃で完全に浸漬される商業的標準プロセスであり、ここで該現像液が、ハロゲン化銀乳剤内部の色素提供カプラーとの反応により(酸化後)色素を形成する化合物(フェニレンジアミン化合物)である保護されてない現像主薬を含有するプロセスを意味する。
【0016】
本願明細書において「乾式サーマルプロセス」または「熱現像」は、フィルムの液体飽和を伴わずに、好ましくは水溶液を適用しない本質的乾式プロセスにおいて、フォトサーモグラフィ要素またはフィルムの温度を、低くとも約80℃、好ましくは低くとも約100℃、より好ましくは約120〜180℃に上昇するように熱を用いることを意味する。乾式現像時に、像形成されたフィルムを銀および/またはハロゲン化銀を除去しないで電子的に走査してもよい。従って、低容量の液体現像処理を要するフォトサーモグラフィ現像処理とは対照的に、必要な水の量は、裏引き層を除くフィルムの全塗工層の最大膨潤に必要な量の0.1倍未満である。
【0017】
乾式現像時に、フォトサーモグラフィ要素内の保護された現像主薬は、脱保護され、フェニレンジアミンのような現像主薬、好ましくは別法の湿式化学処理に用いられる保護されていない現像主薬と同じ現像主薬を形成し、これにより脱保護された現像主薬は、フィルム内の潜像からカラーネガ像を形成することができ、このカラーネガ像を必要に応じて脱銀しないで(例えば、定着または漂白しないで)走査してカラーネガ像に対応するデジタル電子記録を提供することができる。このデジタル電子記録を必要に応じて(直ぐに、または後で)用いて、ディスプレイ要素、例えば、熱拡散印刷またはインク−ジェット印刷によりカラーポジ画像を提供することができる。一般的には、以下に記載するように、低容量熱現像に用いる水溶液の量は、別法の湿式化学処理に用いられる水溶液の量よりも比較的少ない。
【0018】
上述したように、乾式サーマル処理もしくは伝統的な湿式化学処理にかけることができるカラー写真要素は、それぞれ、反応的に組合わさる、少なくとも1種の色素形成カプラー、保護された発色現像主薬、感光性ハロゲン化銀、ならびに(a)酸化剤としての少なくとも1種の有機化合物の金属塩または錯体(銀供与体ともいう)、および(b)有機還元剤または現像主薬を含んで成る酸化−還元画像形成組合せをそれぞれ有する少なくとも2種(好ましくは3種)の感光性ハロゲン化銀乳剤単位を有する支持体を含んでなる。この写真要素は、さらに、酸化剤でない、または少なくとも主たる酸化剤でない(但し、熱現像時のフィルムのカブリ形成を防止して、熱カブリ防止剤ともいう)有機化合物の第二の金属塩または錯体を含む。
【0019】
本発明の1つの態様では、カラーフォトサーモグラフィ要素は、保護された現像主薬、カプラー、ハロゲン化銀、および少なくとも2種類の有機銀塩の混合物を含んでなり、第一の有機銀塩が0.1〜10の cLogPおよび7〜14のKspを示し、そして第二の有機銀塩が0.1〜10の cLogPおよび14〜21のKspを示す。両方の有機銀塩は、乳剤または画像形成層中に、ハロゲン化銀1モル当たり20gを超える量で存在する。この態様では、第一の有機銀塩(その主たる機能である銀供与体ともいうことができる)が、画像形成銀1モル当たり、20〜3000gの範囲のレベルで存在する。第二の有機銀塩(その主たる機能である熱カブリ抑制剤ともいうことができる)が、画像形成銀1モル当たり、20〜3000gの範囲のレベルで存在する。
【0020】
分配係数の対数cLogPは、問題となる化合物のオクタノール/水分配平衡を特徴づける。分配係数は実験的に測定することができる。予測として、cLogP値をフラグメント添加関係式によって計算することができる。これらの計算は炭化水素鎖における追加のメチレン単位の場合比較的に簡単であるが、さらに複雑な構造的な変形ではより困難である。エキスパートコンピュータプログラム、Medchem Medicinal(Pomona Medchem Software, Pomona College, California, Version 3.54)が、分子構造の入力から、対数値としてばらつきのない分配係数を計算することができ、本発明では第一の予測としてこれらの値を計算する。
【0021】
有機銀塩の活性溶解度またはpKspは、水中におけるその溶解度の尺度である。いくつかの有機銀塩は、緩やかな可溶性であり、その溶解度積は開示されており、例えば、T.H. James編集の「The Theory of the Photographic Process」第4版、Macmillan社ニューヨーク1977年、の第1章、7−10ページに記されている。多くの有機銀塩はリガンドプロトンをAg+で置換することからなっている。メルカプト化合物由来の銀塩は、相対的に溶解度が小さい。化合物PMTは、Z. C.H. Tan等のAnal. Chem., 44, 411(1972);Z. C.H. Tanの、Photogr. Sci. Eng., 19, 17 (1975)に報告されているように、25℃で16.2のpKspを有する。比較として、例えば、ベンゾトリアゾールは、C.J. Battaglia, Photogr. Sci. Eng., 14, 275(1970)に報告されているように25℃の温度で13.5のpKspを有する。
【0022】
本発明の態様では、有機銀供与体は窒素酸(イミン)基を含む銀塩であり、必要に応じて、ヘテロ環式化合物の環構造の一部となることができ、脂肪族および芳香族カルボン酸、例えば、ベヘン酸銀または安息香酸銀(銀はカルボン酸部分と関連している)の場合は、有機銀供与体化合物としては特に除かれる。この態様では、窒素酸部分およびカルボン酸部分の両方を有する化合物を、銀イオンがカルボン酸基よりはむしろ窒素酸に関連している限りは、供与体に含めてもよい。また、供与体はメルカプト残基を有することができるが、但し、イオウは銀に強く結合はせず、好ましくはチオールまたはチオン化合物ではない。
【0023】
好ましくは、イミノ基を含有する化合物の銀塩を用いることができる。好ましくは、この化合物はヘテロ環式核を含有する。典型的に好ましいヘテロ環式核は、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、チアゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、ジアゾール、ピリジンおよびトリアジンを含む。
【0024】
また、第一の有機銀塩は、テトラゾールの誘導体となることができる。具体的な例には、次のものが含まれるが、これらに限定されない:1H−テトラゾール、5−エチル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−4’メトキシフェニル−1H−テトラゾール、および5−4’カルボキシフェニル−1H−テトラゾール。
【0025】
また、第一の有機銀塩は、イミダゾールの誘導体となることができる。具体的な例には、つぎのものが含まれるが、これらに限定されない:ベンズイミダゾール、5−メチル−ベンズイミダゾール、イミダゾール、2−メチル−ベンズイミダゾール、および2−メチル−5−ニトロ−ベンズイミダゾール。
【0026】
また、第一の有機銀塩はピラゾールの誘導体となることができる。具体的な例には、つぎのものが含まれるが、これらに限定されない:ピラゾール、3,4−メチル−ピラゾール、および3−フェニル−ピラゾール。
【0027】
また、有機銀供与体は、トリアゾールの誘導体となることができる。具体的な例には、つぎのものが含まれるが、これらに限定されない:ベンゾトリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4トリアゾール、3−アミノ−5−ベンジルメルカプト−1,2,4−トリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、および4−ニトロ−6−クロロ−ベンゾトリアゾール。
【0028】
窒素酸の他の銀塩も用いることができる。例には、つぎのものが含まれるがこれらに限定されない:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3A,7−テトラアザインデン、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,2,3,3a,7−ペンタアザインデン、ウラゾール、および4−ヒドロキシ−5−ブロモ−6−メチル−1,2,3,3A,7−ペンタアザインデン。
【0029】
有機銀供与体化合物の最も好ましい例には、上記および日本国特許公開30270/69および18146/70に記載されているように、ベンゾトリアゾール、トリアゾールおよびそれらの誘導体の銀塩、例えば、ベンゾトリアゾールまたはメチルベンゾトリアゾール等の銀塩、ハロゲン置換されたベンゾトリアゾールの銀塩、例えば、5−クロロベンゾトリアゾールのゲイン塩、1,2,4−トリアゾールの銀塩、3−アミノ−5−メルカプトベンジル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号明細書に記載されているような1H−テトラゾールの銀塩が含まれる。
【0030】
銀イオン化学種、例えば硝酸銀等の水性溶液および銀と錯化される有機リガンドの溶液とを混合することによって銀塩錯体を調製することができる。混合プロセスは従来の形態をとることができ、ハロゲン化銀析出のプロセスに用いられるものが含まれる。安定化剤を用いて、銀錯体粒子の凝集を避けることもできる。安定化剤は当該写真の技術分野で公知のいずれの材料、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、またはポリマーもしくはモノマー界面活性剤と成ることができるが、これらに限定されない。
【0031】
感光性ハロゲン化銀粒子および有機銀塩は、現像時にこれらが触媒的に近接しているように塗工される。これらは、連続層に塗工することができるが、塗工前に混合されることが好ましい。通常の混合技術は、先に引用した「リサーチディスクロージャー」第17029項、さらには米国特許3,700,458号および日本国特許公報第32928/75号、第13224/74号、第17216/75号および第42729/76号に開示されている。
【0032】
本発明の好ましい態様では、第二の銀塩、即ち、本発明に従う熱カブリ抑制剤には、少なくとも1つが窒素である5個または6個の環原子を有するヘテロ環式核を有する、チオールまたはチオン置換された化合物の銀塩が含まれ、他の環原子に酸素、並びに酸素、イオウおよび窒素から選択される最大2個のヘテロ原子を含むものが具体的に考えられる。典型的に好ましいヘテロ環式核には、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、チアゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、ジアゾール、ピリジンおよびトリアジンが含まれる。これらのヘテロ環式化合物の好ましい例には、2−メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾールの銀塩、5−カルボキシル−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンゾオキサゾールの銀塩が含まれる。
【0033】
第二の有機銀塩は、チオンアミドの誘導体となることができる。具体例には次のものが含まれるがこれらに限定されない:6−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−チアゾール、ナフト(1,2−d)チアゾール−2(1H)−チオン、4−メチル−4−チアゾリン−2−チオン、2−チアゾリジンエチオン、4,5−ジメチル−4−チアゾリン、2−チオン、4−メチル−5−カルボキシ−4−チアゾリン−2−チオン、および3−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩。
【0034】
好ましくは、第二の有機銀塩は、メルカプトトリアゾールの誘導体である。具体例には次のものが含まれるがこれらに限定されない:3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4トリアゾールの銀塩および3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの銀塩。
【0035】
最も好ましい、第二の有機銀塩は、メルカプトテトラゾールの誘導体である。好ましい態様で、本発明に有用なメルカプトテトラゾール化合物は、次式で表される:
【0036】
【化12】
Figure 2004503824
【0037】
上式中、nは0または1であり、そしてRは独立に、置換または未置換のアルキル、アラルキル、またはアリールから成る群より選ばれる。置換基には、C1〜C6アルキル、ニトロ、ハロゲン等が含まれるがこれらに限定されず、置換基はこの銀塩の熱カブリ抑制効果に悪影響を与えない。好ましくは、nは1であり、Rは炭素原子1〜6を有するアルキルか、または置換もしくは未置換のフェニル基である。具体的な例には、次のものが含まれるがこれらに限定されない:1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール、1−(3−アセトアミド)−5−メルカプト−テトラゾールまたは1−[3−(2−スルホ)ベンズアミドフェニル]−5−メルカプト−テトラゾールの塩類。
【0038】
本発明の一つの態様では、有機銀供与体はベンゾトリアゾールまたはそれらの誘導体であり、第二の有機銀塩はメルカプト官能化合物、好ましくはメルカプト−ヘテロ環式化合物である。第二の有機銀塩(画像形成銀1モル当たり30,000〜80,000gの範囲のレベル)が、銀供与体を含む発色フォトサーモグラフィフィルムの熱処理時に有効にカブリを抑制することができる。
【0039】
特に好ましい熱カブリ防止剤は、1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール(PMT)である。反対に、このようなPMTのレベルが、通常現像処理されることが意図されたフィルムシステムに組込まれる場合は、フィルムは、許容できない感度および画像形成の抑制を示す。しかし驚くことにフォトサーモグラフィシステムにおいて、この熱カブリ抑制剤は、像形成スピードまたはDmax形成においてペナルティがほとんどまたは全くないDmin形成の抑制において成功している。多くの場合、Dmaxの増大さえも、この熱カブリ防止剤の使用によって生じる場合があり、通常のシステムと比較して全く予想されない効果である。
【0040】
本発明の熱カブリ防止剤の使用はフォトサーモグラフィ材料の通常の湿式処理を進めることを可能にすることが判った。そのような熱カブリ防止剤はフィルム中に固体粒子分散体として存在する傾向がある。
【0041】
理論に束縛されることは好まないが、熱カブリを抑制する有機銀塩は、通常のカブリ抑制剤として機能するのではなくハロゲン化銀粒子への吸収によって、熱活性時に銀供与体から入手可能となる銀イオンまたはAgの濃度を変えることによると考えられる。従って、この熱カブリ抑制剤は、銀金属の力を無くさせるよりはむしろハロゲン化銀イオンポンプを抑制すると信じられる。熱カブリ抑制剤は銀供与体の有機化合物よりも低い水溶解度(より高いKsp)を有するので、熱カブリ防止剤は、銀供与体の有機化合物よりも強力に銀イオンを抑制する。
【0042】
一般的に、熱カブリ防止剤の有機銀塩形態は、硝酸銀とPMT等の遊離塩基を含む他の塩とを混合することによって形成される。アルカリ塩基を用いてPHを十分に上げることによって、PMTの銀塩を析出させることができ、一般的に直径が20nm以上である。PMTの銀塩を必要に応じて、ボールミルにかけて分散体を形成し、ゼラチンおよびハロゲン化銀含有乳剤にpH5〜7で添加することができる。
【0043】
本発明の一つの形態は、記載したように、(保護された発色現像主薬、銀供与体を含む)像様露光されたカラー写真要素を処理する方法に向けられており、この方法は、像様露光されたカラー写真要素を現像主薬を含有する現像液と、潜像からカラーネガ画像を形成するために、攪拌しながら温度60℃以下、好ましくは30〜45℃で接触させることを含み、ここで現像主薬の酸化形態が、多層パックのような写真要素の色素提供カプラーとの反応することにより色素を形成する。多層パックの3つの感光性単位の色素提供カプラーから形成された色素は色相が異なる。その後、このフィルム要素は脱銀、例えば、漂白および定着され、好ましくない銀およびハロゲン化銀が除去され、それによって、ポジ画像プリントを作成するのに使用できるカラーネガフィルムを形成する。内部に配置された保護された現像主薬および3つの感光性単位内でフィルムをフォトサーモグラフィ現像する場合に用いられる他の成分は、湿式化学処理を妨害しない。
【0044】
本発明はまた、本質的に乾式条件で、写真要素の温度を80℃を超える温度、好ましくは約100℃に上げるように単に加熱することにより外部供給される現像主薬無しに現像され、その結果保護された現像主薬は、脱保護され、現像主薬を形成し、これにより現像主薬は、フィルム内の潜像からカラーネガ像を形成することができ、このカラーネガ像を必要に応じて脱銀しないで走査してカラーネガ像に対応するデジタル電子記録を提供して、後のディスプレイ要素に転送することができる上述したような写真要素を含むパッケージ製品の製造にも向けられている。
【0045】
本発明の別の形態では、本発明の写真要素(II)および比較(通常の)写真要素(I)は、共通の階段濃度試験ターゲットに対して像様露光し、特定の現像プロセス(以下に記載するプロセスI)に従って共通に現像されると、実質的に同じ濃度堆積を生成する。比較写真要素(I)は、層単位がバインダー、および感光性ハロゲン化銀乳剤を含む、電磁スペクトルの範囲に感度を有する層単位を有する支持体を含んでなり、この層単位が、反応的に組み合わさる熱現像時に脱ブロックされる現像主薬前駆体を含まないこと以外は写真要素(II)と似ている。実質的に同じ濃度堆積とは、第一に濃度堆積のλmaxが、0.9対1.1の比、好ましくは、0.95対1.05、より好ましくは0.97対1.03の比であり、第二にλmaxのところのガンマが、0.8対1.2の比、好ましくは、0.9対11、より好ましくは0.95対1.05の比であることを意味する。特定の比較現像プロセス(プロセスI)は、要素を現像液で195秒間接触させ、ここで、現像液は温度37.6℃、pH10であり、4.5g/Lの4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリンスルフェートを含有する。用語「実質的に同じ」とは、比較要素および発明要素が規定された露光後および現像処理後に、お互いに10%内、好ましくは5%内、より好ましくは3%内にλmaxを有することを意味する。さらに、比較要素および発明要素が規定された露光後および現像処理後に、お互いに20%内、好ましくは10%内、より好ましくは5%内にλmaxのところで、λmaxおよびガンマを有することを意味する。
【0046】
一つの好ましい態様では、発明要素の層単位は、反応的に組み合わさる、発色現像主薬の酸化された形態と反応して着色色素濃度堆積を形成する発色カプラーを含有し、前述の試験および基準に従って実質的に同じ濃度堆積を生成する。
【0047】
本発明の別の好ましい態様では、写真要素は、赤感性層単位、緑感性層単位、および青感性層単位を含み、各単位は発色現像主薬の酸化形態と像様に反応して個々に着色された色素濃度堆積を形成できる発色カプラーを関連して含む。ここで、各色素堆積は好ましくは前述の試験および基準に従って実質的に同じである。像様形成された色素堆積は好ましくはシアン、マゼンタおよびイエロー着色された色素堆積となることができる。当該技術分野で公知のように、他の層感度および混合色素堆積を用いることができる。
【0048】
本発明のさらに他の好ましい態様は、Arakawa等の米国特許第5,962,205号に記載されている層順、増感スキームおよび画像処理スキームを用いることができ、この開示は引用により含まれる。
【0049】
本発明の別の態様では、当該技術分野で公知の着色されたフィルターアレイをとおして像様露光されるように、パンクロまたは白色光感受性層単位を用いることができる。
【0050】
赤感受性とは、電磁スペクトルの600〜700nmの領域の光に対する感受性をいう。緑感受性とは、電磁スペクトルの500〜600nmの領域の光に対する感受性をいう。青感受性とは、電磁スペクトルの400〜500nmの領域の光に対する感受性をいう。パンクロまたは白色感受性とは、電磁スペクトルの400〜700nmの領域の光に対する感受性をいう。
【0051】
本発明に従う写真要素は、層単位がバインダー、および反応的に組合わさる、少なくとも1種の色素形成カプラー、熱現像時に脱ブロックされる保護された発色現像主薬、感光性ハロゲン化銀、ならびに(a)酸化剤としての少なくとも1種の有機化合物の金属塩または錯体、および(b)有機還元剤または現像主薬を含んで成る酸化−還元画像形成組合せを有する電磁スペクトルの領域に感度を有する層単位を有する支持体を含んでなる。熱現像(処理II)を行うと、熱現像された製品(現像済みフィルム)は、フィルムの特定の処理パラメータに従って、好ましくは、走査後に各記録において異なる濃度、有用な露光のラチチュード少なくとも2.7logE、Dmin4.0未満を示す。これを多層パックの3種の色記録に適用する。より好ましくは、各色記録は0.3〜0.75のガンマ、3.0未満のDmin、そして3.0logE超の露光のラチチュードを示す。
【0052】
写真要素の像様露光後、現像主薬前駆体は、必要に応じて酸または塩基の存在下で、温度50℃超の水性環境(外部現像主薬は存在しない)で、ハロゲン化銀と反応的に組み合わさる現像主薬を放出し、それによって第一の像様濃度堆積を生成する。この写真要素は、さらに別法で前記要素と現像液とを接触させて第二の像様濃度堆積をすると規定され、前記現像液は現像主薬を含み、pH約9超であり、前記接触は50℃以下の温度で10〜500秒間行われ、ここで前記第二の像様濃度堆積は、前記現像主薬先駆体による現像主薬の放出によって形成される実質的な濃度寄与(λmaxのところで20%を超えない)を有しない。
【0053】
本発明の別の形態は、所定の期間カメラユーザに販売される商業的量のカラー写真フィルムを処理する方法に向けられ、このフィルムはカメラ内で像様露光され、このフィルムは異なる波長領域にそれぞれ感度を有する少なくとも3種の感光性単位を有し、各単位は少なくとも1種の感光性ハロゲン化銀乳剤、バインダーおよび色素提供カプラーを有する。必要な商業的な量は、3ヶ月から1年にわたって1000ロールを超える、より一般的には、好ましくは100,000ロールのフィルムを超えることに関連する。サーマルフィルム現像の場合、地理的領域、複数のキオスクを含む同一領域が、10,000人超、一般的には、100,000人超、好ましくは、1,000,000人超と関連しており、行政上の地理的領域、例えば、国またはそれらの分区(例えば、米国における、群、市、州)または他の国において匹敵する地理的統一部分に関連することができる。地理的領域とは、特に伝統的な湿式化学処理によって現像されるフィルムの場合は、フィルム現像の場所よりはむしろ、フィルムが実際に現像に出される場所か、フィルムを出す消費者の居住地を含むことを意味する。好ましくは、本発明に従って現像されるフィルムの商業的量は、結局は、現像されるフィルムが1年の間の所定の四半期(3ヶ月)に現像されるフィルムが100万ロールを超える州全体または国全体に関連する。「実質的な部分」とは、所定の期間に現像される、本発明に従うロールフィルムの少なくとも5%、好ましくは、少なくとも10%を意味する。所定の領域および所定の期間に、好ましくは少なくとも25%〜99%、より好ましくは、少なくとも50%〜99%が熱現像によって処理される。
【0054】
従って、フィルムの前記量の実質的部分が、それぞれ2つのルート(それぞれルートAおよびB)によって現像される。フィルムの前記量の実質的部分が処理される第一のルート(A)は、外部適用現像主薬無しに、フィルムの液体飽和無しに、好ましくは水溶液を添加しない本質的な乾式処理でフィルムの熱処理により、フィルムを80℃を超える温度、好ましくは100℃を超える温度、さらに好ましくは120℃を超える温度で加熱することによる発色現像工程に関連し、その結果前記3種の感光性単位のそれぞれと反応的に組み合わさる内部配置された保護された現像主薬が脱ブロックされ現像主薬を生成し、それによって、脱ブロックされた現像主薬が現像時に像様酸化され、この酸化形態が色素提供カプラーと反応して色素を提供し、それによってカラーネガ像を生成し、このカラー像を必要に応じて脱銀しないで走査することができ、そしてディスプレイ要素にポジ像を生成することができるカラー画像のデジタル電子記録を提供する。プリントされたカラー画像を、例えば、熱拡散印刷またはインクジェット印刷によって生成してもよい。
【0055】
第二のルート(B)は、保護されていないパラフェニレンジアミン現像主薬と色素提供カプラーとの反応によってフィルムにカラーネガ像を形成するために、像様露光されたカラー写真フィルムを、保護されていないパラフェニレンジアミン現像主薬と、60℃未満、好ましくは30℃〜50℃の温度での撹拌下で、水性アルカリ性条件下で接触させることを含む発色現像工程に関連し、3つの感光性単位の色素提供カプラーから形成された色素は色相が異なり、その後、このフィルムは1種以上の溶液中で脱銀され、好ましくない銀およびハロゲン化銀が除去され、それによって、カラーネガ像を形成し、そしてその後この脱銀されたフィルムからポジ画像プリントを作成する。
【0056】
好ましくは、現像処理ルートBは、(i)60〜220、好ましくは150秒〜200秒、(ii)35℃〜40℃のカラー現像液の温度で、(iii)10〜20ミリモル/Lのフェニレンジアミン現像主薬を含有するカラー現像液を用いて行われる。
【0057】
好ましくは、現像処理ルートAは、(i)60秒未満、(ii)120℃〜180℃の温度で、(iii)いかなる水溶液の適用もなく行われる。
【0058】
本発明に従う方法の一つの態様では、現像のためにフィルムを提出する消費者は上記カラー現像ルートのいずれかの選択を行う。保護された現像主薬は、脱ブロックされた後、ブロックされていない現像主薬と同じ化合物となることができる。
【0059】
消費者に販売されるフィルムパッケージ上の表示は、この写真フィルムを(a)写真フィルムを現像し、必要に応じてプリント前に記録要素走査する自動キオスクで熱現像してもよく、あるいは(b)写真フィルムを複数タンク(写真フィルムを現像する少なくとも一つのタンクおよびそのフィルムを脱銀する少なくとも1つのタンクを含む)に連続的に浸漬することを要する湿式化学処理で現像してもよいと消費者に指示または知らせることができる。キオスクとは、自蔵式であり、ならびに湿式化学ラボのように技術者または他の第三者の介入の必要のない、ロール1本毎を基本にした像様に露光されたフィルムロールの現像(現金またはクレジットとの交換で)を可能にする、自動化された自立型機械を意味する。典型的には、消費者が、コンピュータインタフェースにより、フィルム現像処理および光学プリントの実行を開始および管理するであろう。このようなキオスクは典型的には、寸法が6立方メートル未満、好ましくは寸法が約3立方メートル以下であり、従って多様な場所へ商業上移動可能である。このようなキオスクは任意に、発色現像のためのヒーター、カラー画像のデジタル記録のためのスキャナー、およびカラー画像の表示要素への転送のための装置を備えることができる。
【0060】
本発明に従うと、同じ写真要素を2つの択一的なルート、ルートAまたはBによって現像することができ、所定のロールフィルムのためのルート選択は好ましくは消費者の判断である。
【0061】
ルートA:このルートは乾式熱現像と呼ばれ、ここでフィルム処理は処理液無しに熱に曝すことにより開始して画像を現像する。しかし、処理液を、定着、漂白のためにのポスト現像処理(画像形成後)のために用いてもよく、そうでない場合は、保管目的および/または走査のために画像形成されたフィルムを処理してもよい。
【0062】
ルートB:このルートは化学湿式現像と呼ばれ、典型的に商業的な標準処理であり、フィルム要素を処理溶液と接触させることにより現像し、そのような溶液の容量は、通常、写真層の容量と比較して非常に多い。
【0063】
従って、消費者に届けられる場合、本発明に従う写真要素は、このフィルムを2種類のルート((1)C−41のような湿式化学処理および(2)水溶液および外部適用現像主薬の使用を本質的に必要としない乾式熱現像に対応する)のいずれかで処理および現像することができることを示す表示を含むパッケージに入れられる。
【0064】
好ましくは、フィルムのパッケージは、このフィルムを消費者の選択で、(1)熱現像および必要に応じて紙材料にプリントする前にフィルムを走査する自動キオスクで現像してもよく、あるいは(2)写真フィルムを複数タンク(写真フィルムを現像する少なくとも一つのタンクおよびそのフィルムを脱銀する少なくとも1つのタンクを含む)に連続的に浸漬することを要する湿式化学処理(通常、大規模に標準化されている)で現像してもよいことを暗示または明示的に(フィルムを現像してもらうことを望む消費者に対して)指示する。これらの2つの処理タイプ、ルートAおよびBを、ルートA(乾式フォトサーモグラフィ処理システム)からより詳細に説明する。写真要素(実際は、このルートによるフォトサーモグラフィ要素)の像様露光後、フィルムの液体飽和無しに、好ましくは、水性溶液の添加無しに本質的に乾式処理で、得られた潜像をフィルムを80℃を超える温度、好ましくは100℃を超える温度、さらに好ましくは120℃を超える温度で加熱することによる発色現像をすることができる。この加熱は、約0.5〜約60秒以内のような現像された画像が形成されるまでのフォトサーモグラフィ要素の温度範囲約90〜約180℃への加熱を伴う。熱処理温度を上昇または下降することにより、より短いまたはより長い現像処理時間が有用となる。好ましい熱処理温度は、約100℃〜約160℃の範囲内である。フォトサーモグラフィ技術分野において公知の加熱手段が、露光されたフォトサーモグラフィ要素に望ましい処理温度を提供するのに有用である。加熱手段は、例えば単純なホットプレート、アイロン、ローラー、加熱したドラム、電磁加熱手段、熱風、蒸気などである。
【0065】
第二のルート(B)は、保護されていないパラフェニレンジアミン現像主薬と色素提供カプラーとの反応によってフィルムにカラーネガ像を形成するために、像様露光されたカラー写真フィルムを、保護されていないパラフェニレンジアミン現像主薬と、60℃未満、好ましくは30℃〜50℃の温度での撹拌下で、水性アルカリ性条件下で接触させることを含む発色現像工程に関連し、3つの感光性単位の色素提供カプラーから形成された色素は色相が異なり、その後、このフィルムは1種以上の溶液中で脱銀され、好ましくない銀およびハロゲン化銀が除去され、それによって、カラーネガ像を形成し、そしてその後この脱銀されたフィルムからポジ画像プリントを作成する。熱現像は好ましくは周囲条件の圧力および湿度下で行われる。正常な大気圧および湿度外の条件も有用である。
【0066】
このフォトサーモグラフィ要素の成分は、望ましい画像を提供するような要素内のいずれかの位置にあることができる。望ましいならば、1種または複数の成分が、要素の1個または複数の層内に存在することができる。例えば場合によっては、要素のフォトサーモグラフィ画像記録層の上側の上塗り層中に、還元剤、トナー、安定化剤および/または他の添加剤を一定割合で含有することが望ましい。これは場合によっては、この要素の層内のある種の添加剤の移動を減少する。
【0067】
写真組合せの成分は、望ましい画像を作成するために、互いに「組合さっている」ことが必要である。用語「組合さっている」とは、フォトサーモグラフィ要素において、写真ハロゲン化銀および画像形成組合せが、互いに望ましい現像処理が可能でありかつ有用な画像を形成するような位置にあることを意味する。これは、異なる層内の成分の位置を含む。
【0068】
走査:
フォトサーモグラフィ要素は、上述の発色現像の後、以下の全ての処理のいくつかのための源材料としてはたらくことができる:捕捉画像の電子表現を生成するために画像走査すること、そしてその画像を操作し、保存し、伝送し、出力し、または電子的に表示するためのその後のその表現のデジタル処理。
【0069】
フォトサーモグラフィ要素の現像装置のデザインを、該要素の保管または用途のために使用されるカセットまたはカートリッジのデザインに関連づけることが企図されている。さらに、フィルムまたはカートリッジ上に保存されたデータは、要素の現像処理条件または走査を変更するために使用することができる。画像形成システムにおいてこれらの工程を達成する方法は、1998年12月7日出願の、本発明の譲受人に譲渡された同時係属の米国特許出願第09/206586号、第09/206,612号および第09/206,583号に開示されており、これらは本願明細書に参照として組入れられている。現像装置をこの要素上への情報の書込みのために使用することができ、その情報を現像処理、走査、および画像表示を調節するために使用することができるような装置の使用も想定されている。このシステムは、本願明細書に参照として組入れられている1998年12月7日に出願された米国特許出願第09/206,914号、および1999年6月15日に出願された第09/333,092号に開示されている。
【0070】
一旦イエロー、マゼンタ、およびシアン色素像記録が本発明の現像処理された写真要素内に形成されたならば、常法を用い、各色記録について画像情報を検索し、その後のカラーバランスのとれた可視像の形成のために記録を操作することができる。例えばフォトサーモグラフィ要素を連続してスペクトルの青、緑、および赤領域で走査するか、または分割された単独の走査ビーム内に青、緑、および赤光を組込み、青、緑、および赤色フィルターを通過させ、各色記録について個別の走査ビームを形成することは可能である。簡単な技術は、フォトサーモグラフィ要素を一連の側面に沿ったオフセットパラレル走査経路に沿って逐点的に走査することである。走査点で該要素を通過する光の強度は、受け取った輻射線を電気信号に変換するセンサーにより調べられる。最も一般的にはこの電気信号は、さらに操作され、画像の有用な電子記録を形成する。例えば、電気信号は、アナログ−デジタル変換器を通過することができ、画像内の画素(点)位置に必要な位置情報と共にデジタルコンピュータへ送ることができる。別の態様において、この電子信号は、色彩または色調の情報と共にコード化され、コンピュータモニター表示画像、テレビ画像、印刷された画像などのような、可視形へ画像を再構成するのに適した電子記録を形成する。
【0071】
本発明の像形成要素は、要素からハロゲン化銀を除去する前に走査されることが企図されている。残留ハロゲン化銀は、濁ったコーティングを生じ、かつこれは拡散照明光学素子を使用するスキャナーを用いることにより、このようなシステムについて改善された走査画質を得ることができることがわかっている。拡散照明を形成するためには、当該技術分野において公知の技術を使用することができる。好ましいシステムは、内壁が高度の拡散反射を形成するように特別にデザインされた拡散洞を使用する反射システム、およびスペクトル光ビームの拡散が光散乱のために使用されるビーム中に配置された光学的要素の使用により達成される透過システムである。このような要素は、望ましい散乱を形成する成分を混入するか、もしくは望ましい散乱を促進するために表面処理が施されているような、ガラスまたはプラスチックであることができる。
【0072】
走査により抽出された情報から画像を形成する際に遭遇する難問のひとつは、視認に利用できる情報の画素数は、同等の古典的写真プリントから得られるもののほんのわずかでしかないことである。従って走査画像形成において、利用できる画像情報の品質を最大化することはより重要である。画像の鮮鋭度を増強しかつ異常な画素信号(すなわちノイズ)の影響を最小化することは、画質を高める一般的な手法である。異常な画素信号の影響を最小化する通常の技術は、隣接画素からの読み値を因子化することにより、各画素濃度読み値を重み付き平均値に対して調節することであり、より密に隣接する画素はより重く重みが付けられる。
【0073】
本発明の要素は、Wheelerらの米国特許第5,649,260号、Koengらの米国特許第5,563,717号、およびCosgroveらの米国特許第5,644,647号に開示されたような、参照露光に曝された露光していない写真記録材料部分上の1個または複数のパッチ領域由来の濃度キャリブレーションパッチを有することができる。
【0074】
画像記録の品質を最大化する技術を含む走査信号操作の例証的システムは、Bayerの米国特許第4,553,156号;Urabeらの米国特許第4,591,923号;Sasakiらの米国特許第4,631,578号;Alkoferの米国特許第4,654,722号;Yamadaらの米国特許第4,670,793号;Kleesの米国特許第4,694,342号および第4,962,542号;Powellの米国特許第4,805,031号;Mayneらの米国特許第4,829,370号;Abdulwahabの米国特許第4,839,721号;Matsunawaらの米国特許第4,841,361号および第4,937,662号;Mizukoshiらの米国特許第4,891,713号;Petilliの米国特許第4,912,569号;Sullivanらの米国特許第4,920,501号および第5,070,413号;Kimotoらの米国特許第4,929,979号;Hirosawaらの米国特許第4,972,256号;Kaplanの米国特許第4,977,521号;Sakaiの米国特許第4,979,027号;Ngの米国特許第5,003,494号;Katayamaらの米国特許第5,008,950号;Kimuraらの米国特許第5,065,255号;Osamuらの米国特許第5,051,842号;Leeらの米国特許第5,012,333号;Bowersらの米国特許第5,107,346号;Telleの米国特許第5,105,266号;MacDonaldらの米国特許第5,105,469号;および、Kwonらの米国特許第5,081,692号に開示されている。走査時のカラーバランス調節技術は、Mooreらの米国特許第5,049,984号およびDavisの米国特許第5,541,645号に開示されている。
【0075】
一旦得られたデジタル色記録は、ビデオモニター上または従来のカラープリントのようにプリントされた場合のいずれかについて、目で見て好ましいカラーバランスのとれた画像を形成し、および様々な変換または出力のレンダリングを通じて像形成信号のカラー忠実性を保存するように、最も速やかに調節される。走査後の像形成信号変換の好ましい技術は、Giorgianniらの米国特許第5,267,030号に開示されており、その内容は本願明細書に参照として組入れられる。さらにカラーデジタル画像情報を管理する当業者の能力の詳細は、GiorgianniおよびMaddenの「Digital Color Management」、Addison−Wesley、1998年に記されている。
【0076】
図1は、ブロック図において、本発明のカラーネガ要素により提供される画像情報の使用が企図されている方法を示している。画像スキャナー2は、本発明に従い像様に露光されおよび写真的に現像処理されたカラーネガ要素1の透過により走査するために使用される。走査ビームは、最も都合の良いことには、これらの層単位通過後にスプリットされ、かつフィルターを通過し、個別の画像記録−赤記録層単位画像記録(R)、緑記録層単位画像記録(G)、および青記録層単位画像記録(B)を作成する白色光ビームである。ビームのスプリットの代わりに、青、緑、および赤フィルターが、順次各画素位置においてビームの交差を生じることができる。さらに別の走査の変形において、発光ダイオードの集成体により作成されるような、青、緑、および赤光ビームの分離を、各画素位置において指示することができる。要素1は、アレイ電荷結合素子(CCD)のようなアレイ検出器を用い画素毎に、または直線状アレイCCDのような直線状アレイ検出器を用いライン毎に走査されるので、スキャナーから提供された空間位置情報と関連づけられたR、G、およびB写真要素信号の配列が作成される。信号強度および位置情報は、ワークステーション4へと供給され、かつ情報は電子型R’、G’、およびB’に変換され、これらはいずれか都合の良い記憶装置5に保存することができる。
【0077】
動画産業において、通常の方法は、映画テレビジョン変換装置を用い、カラーネガフィルム情報を、ビデオ信号へ変換する。映画テレビジョン変換装置の2つの型が最も一般的である:(1)光電子倍増管検出器を使用するフライング・スポットスキャナー、または(2)センサーとしてのCCD。これらの装置は、各画素位置で、カラーネガフィルムを通過した走査ビームを電圧に変換する。その後信号現像処理は、陽画とするために、電気信号を転化する。次にこの信号は、増幅されかつ変調され、画像を表示するためにブラウン管(CRT)モニターへ供給されるか、または記憶のために磁気テープ上に記録される。アナログおよびデジタルの両方の画像信号操作が企図されているが、コンピュータの圧倒的多数が現在デジタルでありかつこれが磁気テープ、磁気ディスクまたは光学ディスクのような一般的コンピュータ周辺装置での使用を促進するので、操作のために信号をデジタル型とすることが好ましい。
【0078】
R”、G”、およびB”により示された、その必要要件が変更されたデジタル画像情報を受け取るビデオモニター6は、ワークステーションにより受け取った画像情報の視認を可能にする。ビデオモニターのブラウン管に頼る代わりに、液晶ディスプレイパネルまたはいずれか他の都合の良い電子式画像視認装置と交換することができる。ビデオモニターは典型的には、キーボードおよびカーソルを備える画像制御装置3に頼り、表示されたビデオ画像およびデジタル画像情報から再生されるべき画像を変更するために、ワークステーション操作者が画像操作コマンドを示すことを可能にする。
【0079】
画像の変更は、ビデオディスプレイ6上に導入されかつ記憶装置5に保存されたように視認することができる。変更された画像情報R”’、G”’、およびB”’は、視認のための再生画像を作成するために出力装置7へ送ることができる。この出力装置は、感熱色素転写プリンター、インクジェットプリンター、静電式電子写真プリンター、静電プリンター、感熱色素昇華型プリンターまたは他の種類のプリンターのような、いずれか都合の良い通常の要素記録装置であることができる。増感された写真紙にプリントするCRTまたはLEDも企図されている。この出力装置を用い、通常のハロゲン化銀カラー紙の露光を制御することができる。この出力装置は、視認のための再生画像を形成する出力媒体8を作成する。これは、最終的に視認され、かつエンドユーザーによりノイズ(粒度)、鮮鋭度、コントラストおよびカラーバランスについて判断される出力媒体内の画像である。インターネットコンピュータネットワークのワールド・ワイド・ウェブ(WWW)上のパーティー間で転送された画像の場合のように、ビデオディスプレイ上の画像も、最終的に視認され、かつエンドユーザーによりノイズ、鮮鋭度、コントラストおよびカラーバランスについて判断される。
【0080】
図1に示した型の配置を用い、本発明のカラーネガ要素内に含まれた画像は、デジタル型に変換され、操作され、かつ可視できる形で再生される。本発明のカラーネガ記録材料を、米国特許第5,257,030号に開示された適当な方法のいずれかと共に使用することができる。ある好ましい態様において、Giorgianniらは、R、G、およびB画像形成信号を透過型スキャナーから、フィルムまたはペーパーライター、感熱プリンター、ビデオディスプレイなどのような参照画像作成装置の三原色信号に対応する、イメージ操作および/または保存計量へと変換する方法および手段を提供している。計量値は、カラー画像をその装置上に適宜作成するために必要なものに対応している。例えば、参照画像作成装置が特定のビデオディスプレイであるように選択される場合、中間画像データ計量は、その参照ビデオディスプレイのためのR’、G’、およびB’強度変調信号(コード値)であるように選択され、次に入力フィルムのために、スキャナーからのR、GおよびB画像形成信号は、入力画像を参照ビデオディスプレイを適宜再生するために必要であるものに対応するR’、G’、およびB’コード値へ変換されるであろう。データセットは、R、GおよびB画像形成信号を前述のコード値に変換するための数学的変換が由来するものから作成される。適当な試料のための選択されかつ較正されるフィルムの有用な露光範囲を網羅している露光パターン、は、パターン発生装置の露光により作成されおよび露光装置へ供給される。露光装置は、フィルム上に三原色露光を作成し、およそ150個のカラーパッチからなる試験画像を形成する。試験画像は、用途に適した様々な方法を用いて作成することができる。これらの方法は以下を含む:センシトメーターなどの露光装置の使用、カラー像形成装置の出力装置の使用、公知の光源により照射された公知の反射率の試験対象の画像の記録、または写真技術分野において公知の方法を使用する三原色露光値の計算。異なる感度の入力フィルムが使用される場合、全体の赤、緑、および青露光は、フィルム間の相対感度差を補償するために、各フィルムについて適宜調節されなければならない。従って各フィルムは、その赤、緑および青感度に適した同等の露光を受け取る。露光されたフィルムは、化学的に現像処理される。フィルムカラーパッチは、各カラーパッチに対応するR、G、およびB画像形成信号を生じる透過型スキャナーにより読まれる。コード値パターン発生装置の信号値パターンは、参照ビデオディスプレイへ供給されるRGB強度−変調信号を生じる。各試験カラーのためのR’、G’およびB’コード値は、機器または人間の観察者に対応する色合わせ装置が、ビデオディスプレイの試験カラーがポジフィルム試験カラーまたはプリントされたネガのカラーに合致することを示すように調節される。変換装置は、対応する試験カラーのR’、G’、およびB’コード値に対する、フィルムの試験カラーに関するR、G、およびB画像形成信号値に関連する変換を作成する。
【0081】
中間データに対するR、G、およびB画像形成信号の変換に必要な数学的操作は、マトリックス操作およびルックアップテーブル(LUT)の配列からなることができる。
【0082】
図2を参照し、本発明の好ましい態様において、入力画像形成信号R、G、およびBは、下記の、参照出力装置上のカラー画像を適宜形成するために必要なR’、G’およびB’出力画像形成信号に相当する中間データ値へと変換される:
(1)R、GおよびB画像形成信号(フィルムの測定された透過率に相当する)は、1−次元ルックアップテーブルLUT1により、フィルムスキャナーからの信号を受信し、保存するために使用されるコンピュータ内で、対応する濃度に変換される。
【0083】
(2)次に工程(1)の濃度が、変換装置由来のマトリックス1を用いて変換され、中間画像形成信号を生じる。
(3)工程(2)の濃度は、任意に、1次元ルックアップテーブルLUT2により変更され、その結果入力フィルムの中間色スケール濃度が、参照の中間色スケール濃度に変換される。
【0084】
(4)工程(3)の濃度は、1次元ルックアップテーブルLUT3を通じて変換され、参照出力装置のための対応するR’、G’、およびB’出力画像形成信号を生じる。
【0085】
個々のルックアップテーブルが、典型的には各入力色について提供されることは理解されるであろう。ある態様において、3種の1−次元ルックアップテーブルを使用することができ、赤、緑、および青の各色記録を使用することができる。別の態様において、多−次元ルックアップテーブルを、D’Erricoの米国特許第4,941,039号に開示されたように使用することができる。前記工程4の参照出力装置についての出力画像形成信号が、装置−依存コード値の形であるか、もしくは出力画像形成信号が、さらに装置特異的コード値となるために更なる調節を必要とすることがあることは理解されるであろう。このような調節は、更なるマトリックス変換またはI次元ルックアップテーブル変換によるか、もしくは特定された装置を用いそれらを透過、保存、印刷または表示する工程のいずれかのための出力画像形成信号を適切に調節するためのこのような変換の組合せにより達成され得る。
【0086】
第二の本発明の好ましい態様において、透過型スキャナーからのR、G、およびB画像形成信号は、画像操作、および/または単独の参照画像−記録装置および/または媒体の測定または説明に対応する保存計量へ変換され、ここにおいて、全ての入力媒体のための計量値は、入力媒体がその情景を捕獲した条件と同じ条件下で当初の情景が捕獲された参照装置または媒体により形成された三原色値に相当している。例えば参照画像記録媒体は、特定のカラーネガフィルムであるように選択され、かつ中間画像データ計量は、その参照フィルムの測定されたRGB濃度であるように選択され、その後本発明の入力カラーネガフィルムについて、スキャナーからのR、GおよびB画像形成信号は、参照カラーネガフィルムにより形成された画像のものに相当するR’、G’、およびB’濃度値に変換され、本発明のカラーネガ記録材料が露光されたのと同じ条件下で露光されるであろう。
【0087】
適当な試料のために選択されかつ較正されるフィルムの有用な露光範囲を網羅している露光パターンが、パターン発生装置の露光により作成され、かつ露光装置へ供給される。露光装置は、フィルム上に三原色露光を生じ、およそ150カラーパッチからなる試験画像を生じる。試験画像は、用途に適した様々な方法を用いて作成することができる。これらの方法は以下を含む:センシトメーターなどの露光装置の使用、カラー像形成装置の出力装置の使用、公知の光源により照射された公知の反射率の試験対象の画像の記録、または写真技術分野において公知の方法を使用する三原色露光値の計算。異なる感度の入力フィルムが使用される場合、全体の赤、緑、および青露光は、フィルム間の相対感度差を補償するために、各フィルムについて適宜調節されなければならない。従って各フィルムは、その赤、緑および青感度に適した同等の露光を受け取る。露光されたフィルムは、化学的に現像処理される。フィルムカラーパッチは、各カラーパッチに対応するR、G、およびB画像形成信号を生じる透過型スキャナーにより、および各パッチに相当するR’、G’およびB’濃度値を再生する透過型デンシトメータにより、読まれる。変換装置は、参照カラーネガフィルムの対応する試験カラーの測定されたR’、G’、およびB’濃度値に対する、フィルムの試験カラーに関するR、G、およびB画像形成信号値に関連する変換を生じる。別の好ましい変形において、参照画像記録媒体が、特定のカラーネガフィルムであるように選択され、および中間画像データ計量がその参照フィルムの、次に本発明の入力カラーネガフィルムについて、工程2のR’、G’およびB’中間濃度を予備決定するように選択されるならば、スキャナーからのR、GおよびB画像形成信号は、本発明のカラーネガ記録材料が露光された条件と同じ条件下で露光された参照カラーネガフィルムにより形成された画像のものに対応するR’、G’およびB’中間濃度値に変換されるであろう。
【0088】
従って、本方法に従い較正される各入力フィルムは、参照出力装置上で参照カラーネガフィルムにより形成されるカラー画像を適宜再生するのに必要なR’、G’およびB’コード値に相当する同じ中間データ値を可能な範囲で生じるであろう。較正されないフィルムも、同様の種類のフィルムからの変換により使用することができ、かつ結果は説明されたものと同様であろう。
【0089】
R、G、およびB画像形成信号のこの好ましい態様の中間データ計量への変換に必要な数学操作は、マトリックス操作および1−次元LUTの配列からなることができる。3種のテーブルが、典型的には3種の入力カラーのために提供される。このような変換も、マトリックス代数、1種または複数の画像形成信号により左右される代数式、およびn−次元LUTを含むが、これらに限定されるものではないホストコンピュータにより作成されたコンピュータ工程における、単独の数学的操作または数学の組合せ操作を使用することにより、他の態様において実現することができることは理解される。ある態様において、工程2のマトリックス1は、3x3マトリックスである。より好ましい態様において、工程2のマトリックス1は、3x10マトリックスである。好ましい態様において、工程4の1−次元LUT 3は、中間画像形成信号をカラー写真紙特性曲線に従い変換し、これにより正常なカラープリント画像色調スケールを再生する。別の好ましい態様において、工程4のLUT3は、より低い画像コントラストの現像処理のような、より好ましい改良された目視色調スケールに従い、中間画像形成信号を変換する。
【0090】
これらの変換の複雑性のために、R、G、およびBからR’、G’およびB’への変換はしばしば3−次元LUTによりより良く実現されることに注意しなければならない。このような3−次元LUTは、J. D’Erricoの米国特許第4,941,039号の開示に従い現像することができる。
【0091】
画像は電子形態であり、画像現像処理は前述の特定の操作に限定されないことは理解されるべきである。画像はこの形であるが、追加の画像操作を用いることができ、これは標準の情景バランスアルゴリズム(ネガ内の1種または複数の領域の濃度を基にした濃度およびカラーバランスの補正を決定する)、露光ガンマ以下でフィルムを増幅するための色調スケール操作、コンボリューションまたは鮮明でないマスキングによる非適合性または適合性の鮮明化、赤目の減少、および非適合性または適合性の粒度抑制を含むが、これらに限定されるものではない。さらに、画像は、人工的に操作され、拡大され、トリミングされ、および追加画像と組み合わされるかまたは当該技術分野において公知の操作することができる。一旦画像が補正されかつ追加画像の現像処理および操作が行われるならば、この画像は、遠隔地に電子的に転送されるか、または、ハロゲン化銀フィルムまたは紙記録、感熱プリンター、電子写真プリンター、インクジェットプリンター、ディスプレイモニター、CDディスク、光学式および磁気式電子信号記憶装置、ならびに他の種類の当該技術分野において公知の記憶装置および表示装置を含むが、これらに限定されるものではない、様々な出力装置に局所的に書き込まれる。
【0092】
ルートB処理(湿式−化学現像処理)を詳細に説明する。本発明の組成物を含有する写真要素は、多くの周知の現像処理組成物のいずれかを利用する、多くの周知の写真プロセスのいずれかにおいて現像処理することができ、例えば、「リサーチディスクロージャーI」またはT.H. James編集の「The Theory of the Photographic Process」第4版、Macmillan社、ニューヨーク1977年に記されている。この現像プロセスは、小さな変更を伴う、特定された時間および温度で行うことができ、このプロセスパラメータは、許容できる画像とするのに適している。
【0093】
ネガ型要素の処理の場合、この要素は、発色現像主薬(カラーカプラーにより着色された画像色素を形成するもの)により処理され、その後酸化剤および溶剤により処理され、銀およびハロゲン化銀を除去する。この現像主薬は、以下に説明するような、フェニレンジアミン型が好ましい。好ましい発色現像主薬は、p−フェニレンジアミン、特に以下のいずれかである:
4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−(メタンスルホンアミド)エチルアニリンセスキ硫酸水和物、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩、4−アミノ−3−β−(メタンスルホンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、および4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジン−ジ−p−トルエンスルホン酸。
【0094】
発色現像主薬組成物は、適当な溶液中に適当な発色現像主薬を混合することにより容易に調製することができる。得られる組成物へ水を添加し、望ましい組成物を提供することができる。さらにpHは、水酸化ナトリウムのような適当な塩基により、望ましい値へ調節することができる。湿式−化学現像のための発色現像主薬溶液は、当業者に理解されるような、酸化防止剤、塩化カリウムのようなハロゲン化アルカリ金属、アミノカルボン酸のような金属封鎖剤、pHを約9〜約13に維持するための緩衝剤、例えば炭酸塩、リン酸塩およびホウ酸塩、保存剤、現像促進剤、蛍光増白剤、湿潤剤、界面活性剤、およびカプラーなどの、このような組成物において通常使用される1種または複数の様々な他の添加剤を含むことができる。このような添加剤の量は、当該技術分野において周知である。
【0095】
色素画像は、Bissonetteの米国特許第3,748,138号、第3,826,652号、第3,862,842号および第3,989,526号、並びにTravisの米国特許第3,765,891号に開示されたように不活性遷移金属−イオン錯体酸化剤との、および/またはMatejecの米国特許第3,674,490号、「リサーチディスクロージャー」第116号1973年12月第11660項、およびBissonetteの「リサーチディスクロージャー」第148号1976年8月第14836、14846および14847項に記されたように過酸化物酸化剤と、色素像−形成還元剤との組合せを使用するプロセスにより形成または増幅することができる。この写真要素は、特にDunnらの米国特許第3,822,129号、Bissonetteの米国特許第3,834,907号および第3,902,905号、Bissonetteらの米国特許第3,847,619号、Mowreyの米国特許第3,904,413号、Hiraiらの米国特許第4,880,725号、Iwanoの米国特許第4,954,425号、Marsdenらの米国特許第4,983,504号、Evansらの米国特許第5,246,822号、Twistの米国特許第5,324,624号、Fysonの欧州特許第EPO 0 487 616号、Tannahillらの国際公開公報第90/13059号、Marsdenらの国際公開公報第90/13061号、Grimseyらの国際公開公報第91/16666号、Fysonの国際公開公報第91/17479号、Marsdenらの国際公開公報第92/01972号、Tannahillの国際公開公報第92/05471号、Hensonの国際公開公報第92/07299号、Twistの国際公開公報第93/01524号および第93/11460号、並びにWingenderらの独国特許第OLS 4,211,460号に開示されたようなプロセスによる色素像形成に適合することができる。
【0096】
現像には、銀またはハロゲン化銀を除去するための典型的にはタンクを含む一工程または多工程の漂白−定着のような脱銀、洗浄および乾燥が続く。湿式−化学プロセスにおける脱銀は、漂白または漂白定着の使用を含むことができる。本発明の漂白剤は、鉄(III)、コバルト(III)、クロム(VI)、および銅(II)のような多価金属の化合物、過硫酸塩、キノン、およびニトロ化合物を含む。典型的漂白剤は、鉄(III)塩、例えば塩化第二鉄、フェリシアン化物、重クロム酸塩、並びに鉄(III)およびコバルト(III)の有機錯体を含む。アミノポリカルボン酸および過硫酸塩の第二鉄錯体のような多価金属錯体は、好ましい漂白剤であり、アミノポリカルボン酸の第二鉄錯体が漂白定着液として好ましい。有用な第二鉄錯体の例は、以下の錯体を含む:
【0097】
ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、3−プロピレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミンコハク酸、オルト−ジアミンシクロヘキサン四酢酸エチレングリコールビス(アミノエチルエーテル)四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン四酢酸、エチルイミノジプロピオン酸、メチルイミノ二酢酸、エチルイミノ二酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸。
【0098】
好ましいアミノポリカルボン酸は、1,3−プロピレンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸およびエチレンジアミン四酢酸がある。これらの漂白剤は、単独でまたは2種以上の混合物で使用することができ;有用な量は、典型的には少なくとも0.02モル/L漂白液、少なくとも0.05モル/L漂白液が好ましい。第二鉄キレート漂白および漂白−定着の例は、独国特許第DE 4,031,757号および米国特許第4,294,914号;第5,250,401号;第5,250,402号;欧州特許第EP 567,126号;第5,250,401号;第5,250,402号、並びに1993年9月28日に出願された米国特許出願第08/128,626号に開示されている。
【0099】
典型的過硫酸塩漂白は、Kenneth Mason Publications社(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire P010 & DQ, 英国)から発行された「リサーチディスクロージャー」1989年12月第308119項に記されており、その説明は本願明細書に参照として組入れられている。この刊行物は、以後「リサーチディスクロージャー BL」と称する。同じく有用な過硫酸塩漂白は、「リサーチディスクロージャー」1977年5月第15704項;「リサーチディスクロージャー」1981年8月第20831項;および独国特許第DE 3,919,551号に開示されている。ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムの過硫酸塩が好ましく、かつ経済性および安定性の理由から、過硫酸ナトリウムが最も一般に使用される。
【0100】
漂白組成物は、pH2.0〜9.0で使用することができる。漂白組成物の好ましいpHは3〜7である。漂白組成物が、漂白であるならば、好ましいpHは3〜6である。漂白組成物が漂白−定着であるならば、好ましいpHは5〜7である。ある態様において、発色現像主薬および漂白活性を持つ第一の溶液は、色素形成を妨害することが可能である少なくとも1個の現像処理浴またはウォッシュ(wash)(介在浴)により分けることができる。この介在浴は、硫酸または酢酸のような、酸性停止浴;亜硫酸のような、酸化された現像剤捕捉剤を含む浴;または、単純な水洗であることができる。一般に、酸性停止浴は、過硫酸塩漂白と共に使用される。
【0101】
これらの漂白液中で様々な塩に組合せしている対イオンの例は、ナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムカチオンである。好ましくは、アンモニウムイオンに関連した水性毒性を避けるために、アルキル金属カチオン(特にナトリウムおよびカリウムカチオン)である。場合によっては、過硫酸塩の溶解度を最大化するために、ナトリウムがカリウムよりも好ましい。加えて、漂白液は、抗−カルシウム剤、例えば1−ヒドロキシエチル−1,1−ジホスホン酸;塩素捕捉剤、例えばG. M. EinhausおよびD. S. Millerの「リサーチディスクロージャー」1978年第175号42ページ17556号に記されたもの;および、腐蝕抑制剤、例えば硝酸イオンを、必要ならば含むことができる。
【0102】
漂白液はさらに、漂白組成物において有用であることが当該技術分野において公知である他の添加剤、例えば封鎖剤、亜硫酸塩、アミノポリカルボン酸の非−キレート塩、漂白促進剤、再ハロゲン化剤、ハロゲン化物、および蛍光増白剤も含むことができる。加えて水溶性脂肪族カルボン酸、例えば酢酸、クエン酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、酪酸、マロン酸、コハク酸などを有効量使用することができる。漂白組成物は、作業用漂白液、溶液濃縮物、または乾燥粉末として配合することができる。本発明の漂白組成物は、広範な写真要素を30〜240秒で適切に漂白することができる。
【0103】
漂白は、いずれか相溶性の定着液と共に使用することができる。定着または漂白定着のいずれかにおいて使用することができる定着剤の例は、ハロゲン化銀のための水溶性溶剤、例えばチオ硫酸塩(例えば、チオ硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸アンモニウム);チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸ナトリウムおよびチオシアン酸アンモニウム);チオエーテル化合物(例えば、エチレンビスチオグリコル酸および3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール);または、チオ尿素である。これらの定着剤は、単独でまたは組合せて使用することができる。チオ硫酸塩の使用が好ましい。1L当りの定着剤の濃度は、好ましくは約0.2〜2モルである。定着液のpH範囲は、好ましくは3〜10であり、より好ましくは5〜9である。定着液のpHを調節するために、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、炭酸水素塩、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの、酸または塩基を添加することができる。
【0104】
定着または漂白−定着液はさらに、保存剤、例えば亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、および亜硫酸アンモニウム)、亜硫酸水素塩(例えば、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウムおよび亜硫酸水素カリウム)、並びにメタ亜硫酸水素塩(例えば、メタ亜硫酸水素カリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、およびメタ亜硫酸水素アンモニウム)などのを含むこともできる。これらの化合物の含量は、亜硫酸イオンの量として約0〜0.50モル/L、より好ましくは0.02〜0.40モル/Lである。アスコルビン酸、カルボニル亜硫酸水素塩酸付加物、またはカルボニル化合物も、保存剤として使用することができる。
【0105】
前述の漂白および定着浴は、複数のタンク、対抗流れおよび/または同時流れフロータンクの配置を含む、望ましいタンク配置を有することができる。安定剤浴は、通常漂白され定着された写真要素の乾燥前の最終洗浄および硬膜化に使用することができる。あるいは、最終すすぎを用いることができる。浴は、予備硬膜化浴のように、カラー現像の前に使用することができ、もしくは洗浄工程を、安定化工程に続けることができる。他の追加の洗浄工程を用いることができる。現像処理の従来型技術は、「リサーチディスクロージャーBL」第XIX段に説明されている。
【0106】
湿式化学処理で本発明に従ってフィルムを処理する方法の例は以下のように起きる:
(1)現像→漂白→定着
(2)現像→漂白定着
(3)現像→漂白定着→定着
(4)現像→漂白→漂白定着
(5)現像→漂白→漂白定着→定着
(6)現像→漂白→洗浄→定着
(7)現像→洗浄またはすすぎ→漂白→定着
(8)現像→洗浄またはすすぎ→漂白定着
(9)現像→定着→漂白定着
(10)現像→停止→漂白→定着
(11)現像→停止→漂白定着。
【0107】
本発明に従う写真要素は、必要に応じて熱現像可能となるために、保護された現像主薬を含む。保護された現像主薬は熱現像条件下で好適に現像主薬を放出するが、例えばC−41のような別法の湿式化学処理時に画像に実質的に濃度を提供しない。好ましい保護された現像主薬は以下の基を有し、ここで連結基はアニリン環の1−窒素に結合される:
【0108】
【化13】
Figure 2004503824
【0109】
(式中、RおよびRは、独立して、水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成する。置換基には、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アルキルエーテル、アルキルスルホンアミド、スルホンアミド基、および当該技術分野で公知の他の置換基が含まれる。上記構造には、遊離塩基ならびにそれらの中性および写真適合可能塩形態が含まれる。
【0110】
さらに、R、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRは、RまたはRと結合し、および/またはRはRまたはRと結合し、環を形成し;
ここで、Xは、炭素またはイオウを表し;
Yは、酸素、イオウ、またはN−Rを表し(式中、Rは置換もしくは未置換のアルキル、または置換もしくは未置換のアリールである。);
pは、1または2であり;
Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;
rは、0または1であり;
但し、Xが炭素である場合は、pおよびrの両方は1であり、Xがイオウである場合は、Yは酸素であり、pは2でありおよびrは0である。
【0111】
例えば、具体的な連結基は以下を含む:
【0112】
【化14】
Figure 2004503824
【0113】
好ましくは、保護された現像主薬のt1/2は、以下の例に記載するDMSO熱安定性試験により、約5.0以下、好ましくは、約3.0分より短く、より好ましくは、約2.0分より短く、最も好ましくは、約1.0より短い。XおよびN原子間の結合は、上記式では、使用時に現像主薬の脱ブロックのための開裂可能な結合を提供する。
【0114】
さらに最近開発された保護された現像主薬には、同日出願され、共通に譲渡された米国特許出願第09/475,690号、09/475,703号、09/476,233号、09/475,691号および09/476,234号ものが含まれ、これらの開示を引用することによりその全体を本明細書に組入れる。保護された現像主薬の更なる改良は、米国特許出願第09/710,341号、09/718,014号、09/711,769号、09/711,548号に開示されている。保護された現像主薬およびそれらのフォトサーモグラフィ要素における使用の更なる別の改良は、同日出願され、共通に譲渡された米国特許出願第09/718,027号、09/717,742号、および09/710,348号に見られる。
【0115】
いずれの場合でも、現像主薬は脱ブロックされた後、フェニレンジアミン化合物となるのがよく、これは6員炭素芳香族環上に2つ(パラ)置換されたまたは比置換のアミン基を有する現像主薬タイプを意味し、この化合物は好ましくは次の構造を有する:
【0116】
【化15】
Figure 2004503824
【0117】
(式中、RおよびRは、独立して、水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成する。置換基には、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アルキルエーテル、アルキルスルホンアミド、スルホンアミド基、および当該技術分野で公知の他の置換基が含まれる。上記構造には、遊離塩基ならびにそれらの中性および写真適合可能塩形態が含まれる。
【0118】
、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRは、RまたはRと結合し、および/またはRはRまたはRと結合し、環を形成することができる。
【0119】
種々の保護されたフェニレンジアミン現像主薬を本発明で用いることができる。保護された現像主薬は、内部の保護された現像主薬が、C−41処理条件時等の湿式化学処理時に写真要素内にある色素適用カプラーと反応しないように選択するのがよい。このように、保護された現像主薬は、ハロゲン化銀乳剤から洗い流される前に、C−41処理時にハロゲン化銀乳剤内の色素提供カプラーと競合して反応しないのがよい。好ましくは、C−41処理時に、保護された現像主薬の10モル%未満が写真要素のハロゲン化銀乳剤内の色素提供カプラーと反応し、好ましくは、5モル%未満である。一般的には、保護された現像主薬は、湿式化学処理時に写真要素から洗い流される。
【0120】
本発明の写真要素において使用することができる保護された現像主薬の例は、Reevesの米国特許第3,342,599号;Kenneth Mason Publications社(Dudley Annex,12a North Street, Emsworth, Hampshire P010 7DQ、英国)から出版された「リサーチディスクロージャー」(129(1975)、27−30頁);Hamaokaらの米国特許第4,157,915号;WaxmanおよびMourningの米国特許第4,060,418号;および米国特許第5,019,492号に開示された、保護された現像主薬を含むが、これらに限定されるものではない。特に有用なのは、1999年12月30日に出願された米国特許出願第09/476,234号「IMAGING ELEMENT CONTAINING A BLOCKED PHOTOGRAPICALLY USEFUL COMPOUND」;1999年12月30日に出願された米国特許出願第09/475,691号「IMAGING ELEMENT CONTAINING A BLOCKED PHOTOGRAPICALLY USEFUL COMPOUND」;1999年12月30日に出願された米国特許出願第09/475,703号「IMAGING ELEMENT CONTAINING A BLOCKED PHOTOGRAPHICALLY USEFUL COMPOUND」;1999年12月30日に出願された米国特許出願第09/475,690号「IMAGING ELEMENT CONTAINING A BLOCKED PHOTOGRAPHICALLY USEFUL COMPOUND」;および、1999年12月30日に出願された米国特許出願第09/476,233号「PHOTOGRAPHIC OR PHOTOTHERMOGRAPHIC ELEMENT CONTAINING A BLOCKED PHOTOGRAPHICALLY USEFUL COMPOUND」に開示された保護された現像主薬である。保護された現像主薬の更なる改良は、米国特許出願第09/710,341号、米国特許出願第09/718,号、米国特許出願第09/711,769号、米国特許出願第09/711,548号、および米国特許出願第09/710,348号に開示されている。さらに別の保護された現像主薬の改良およびそれらのフォトサーモグラフィ要素における使用は、本発明の譲受人に譲渡された同時係属出願であり同時出願された米国特許出願第09/718,027号および米国特許出願第09/717,742号に開示されている。
【0121】
本発明のひとつの態様において、本発明において使用するための保護された現像主薬は、下記構造Iで表される:
【0122】
【化16】
Figure 2004503824
【0123】
(式中、DEVは、ハロゲン化銀発色現像主薬であり;LINK1およびLINK2は連結基であり;TIMEは、タイミング基であり;lは0または1であり;mは0、1または2であり;nは0または1であり;l+nは1または2であり;Bは保護基であるか、またはBは下記式である:
【0124】
【化17】
Figure 2004503824
【0125】
(式中、B’は同じく第二現像主薬DEVを保護する))。
【0126】
本発明の好ましい態様において、LINK1またはLINK2は下記構造IIである:
【0127】
【化18】
Figure 2004503824
【0128】
(式中、Xは炭素またはイオウを表し;
Yは、酸素、イオウまたはN−Rを表し(式中、Rは、置換もしくは未置換のアルキルまたは置換または未置換のアリールである);
pは、1または2であり;Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;rは、0または1であるが;
但し、Xが炭素であるならば、pおよびrは両方共1であり、Xがイオウであるならば、Yは酸素であり、pは2であり、そしてrは0である;
#は、PUG(LINK1について)またはTIME(LINK2について)への結合を意味し;
$は、TIME(LINK1について)またはT(t)置換された炭素(LINK2について)への結合を意味する)。
【0129】
例えば、具体的な連結基は以下を含む:
【0130】
【化19】
Figure 2004503824
【0131】
TIMEはタイミング基である。このような基は当該技術分野において周知であり、例えば(1)米国特許第5,262,291号に開示されたような、芳香族求核置換反応を利用する基;(2)ヘミアセタールの開裂反応を利用する基(米国特許第4,146,396号、特開昭60−249148号;特開昭60−249149号);(3)共役系に沿った電子移動反応を利用する基(米国特許第4,409,323号;第4,421,845号;特開昭57−188035号;特開昭58−98728号;特開昭58−209736号;特開昭58−209738号);および、(4)分子内求核置換反応を利用する基(米国特許第4,248,962号)がある。
【0132】
具体的なタイミング基は、式T−1からT−4で図示される:
【0133】
【化20】
Figure 2004503824
【0134】
(式中、Nuは、求核基であり;
Eは、電子欠損の炭素原子を含む、1個または複数の炭素−またはヘテロ−芳香環を含む求電子基であり;
LINK3は、Nuの求核部位とEの電子欠損炭素原子の間を直接つなぐ1〜5個の原子を提供する連結基であり;および
aは、0または1である)。
【0135】
このようなタイミング基は、例えば以下を含む:
【0136】
【化21】
Figure 2004503824
【0137】
これらのタイミング基は、より詳細に米国特許第5,262,291号に開示されており、これは本願明細書に参照として組入れられている:
【0138】
【化22】
Figure 2004503824
【0139】
(式中、Vは、酸素原子、イオウ原子、または
【0140】
【化23】
Figure 2004503824
【0141】
を表し;
13およびR14は、各々、水素原子または置換基を表し;
15は、置換基を表し;および、bは1または2を表す)。
【0142】
13およびR14が置換基を表す場合のこれらの、ならびにR15の典型的例は、以下を含む:
【0143】
【化24】
Figure 2004503824
【0144】
(式中、R16は、脂肪族または芳香族炭化水素残基、またはヘテロ環基を表し;および、R17は、水素原子、脂肪族または芳香族炭化水素残基、またはヘテロ環式基を表し、R13、R14およびR15は、各々、二価の基を表し、これらのうちの2種は互いに結合し環構造を完成する)。式(T−2)によって表される基の具体例を以下に図示する。
【0145】
【化25】
Figure 2004503824
【0146】
【化26】
Figure 2004503824
【0147】
(式中、Nu1は求核基を表し、酸素またはイオウ原子を、親核性化学種の例として示すことができ;E1は、Nu1によって求核攻撃を受ける基である求電子基を表し;LINK4は、Nu1とE1が分子内求核置換反応を生じることができるような立体配置を有することができるような連結基である)。式(T−3)によって表される基の具体例を以下に図示する。
【0148】
【化27】
Figure 2004503824
【0149】
【化28】
Figure 2004503824
【0150】
(式中、V、R13、R14およびbは全て、各々、式(T−2)と同じ意味を持つ)。加えて、R13およびR14は、ベンゼン環またはヘテロ環式環を形成するために一緒に連結されても良く、あるいは、Vはベンゼンまたはヘテロ環式環を形成するためにR13またはR14に連結することができる)。ZおよびZは、各々独立して、炭素原子または窒素原子を表し、ならびにxおよびyは、各々、0または1を表す。
【0151】
タイミング基(T−4)の具体例を、以下に図示する。
【0152】
【化29】
Figure 2004503824
【0153】
【化30】
Figure 2004503824
【0154】
【化31】
Figure 2004503824
【0155】
本発明の好ましい態様において、本発明のカラーフォトサーモグラフィ要素は、20分よりも短いまたは等しい半減期、並びに温度が低くても60℃でピーク識別能(peak discrimination)少なくとも2.0を有する保護された現像主薬を含み、この保護された現像主薬は、下記構造式IIIにより表される:
【化32】
Figure 2004503824
(式中、DEVは、現像主薬であり;LINKは連結基であり;TIMEは、タイミング基であり;nは0、1または2であり;tは0、1または2であり、tが2でないならば、必要な数の水素(2−t)がこの構造内に存在し;
C*は、四面体(sp混成された)炭素であり;
pは0または1であり;qは0または1であり;wは0または1であり;p+q=1であり、およびpが1である場合、qおよびwは両方とも0であり;qが1である場合、wは1であり;
12は、水素であるか、または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基であるか、もしくはR12は、Wと一緒に環を形成し;
Tは、独立して、少なくとも1個のC1からC10の有機基(R13またはR13およびR14基のいずれか)によりキャップされた、好ましくは置換または未置換のアルキルまたはアリール基によりキャップされた、置換または未置換の(以後T基と称す)アルキル基、シクロアルキル基、アリール、またはヘテロ環式基、無機の一価の電子求引基、または無機の二価の電子求引基から選択され;もしくは、TはWまたはR12に連結され、環を形成し;もしくは、2個のT基は一緒に環を形成する。
【0156】
Tは、活性化基であり、Tが(有機または無機の)電子求引基である場合は、1〜7個の電子求引基で置換されたアリール基、または置換もしくは未置換のヘテロ芳香族基である。好ましくは、Tは、無機の基、例えばハロゲン、−NO、−CN;ハロゲン化アルキル基、例えば−CF、またはR13によりもしくはR13およびR14によりキャップされた無機の電子求引基、例えば、−SO13、−OSO13、−NR14(SO13)、−CO13、−COR13、−NR14(COR13)などである。特に好ましいT基は、1〜7個の電子求引基で置換されたアリール基である。
【0157】
Dは、置換または未置換の(以後D基と称す)ヘテロ芳香族基またはアリール基または一価の電子求引基から選択された第一の活性化基であり、ここでヘテロ芳香族基は、任意にTまたはR12と一緒に環を形成することができる;
Xは、第二の活性化基であり、かつ二価の電子求引基である。これらのX基は、少なくとも1個のW基に連結された、酸化された炭素、イオウまたはリン原子を含む。好ましくは、X基は、窒素、酸素、イオウまたはリン原子に結合した側鎖基を除き、四面体炭素原子を含まない。X基は、例えば、−CO−、−SO−、−SOO−、−COO−、−SON(R15)−、−CON(R15)−、−OPO(OR15)−、−PO(OR15)N(R16)−などを含み、ここでX基の主鎖の原子(C*とWの間の実線)は、水素原子には結合していない。
【0158】
Wは、W’または下記構造IIIAにより表された基である:
【0159】
【化33】
Figure 2004503824
【0160】
W’は、独立して、置換または未置換の(以後W’基と称す)アルキル(好ましくは、1〜6個の炭素原子を含む)、シクロアルキル(二環式アルキルを含むが、好ましくは4〜6個の炭素原子を含む)、アリール(例えばフェニルもしくはナフチル)、またはヘテロ環式基から選択され;かつここで、W’は、TまたはR12と一緒に、環を形成することができる(構造IIIAの場合は、W’は少なくとも1個の置換基、すなわち構造IIIAのW’基の右側部分を含み、この置換基は活性化の定義により、XまたはDのいずれかを含む);
【0161】
Wは、Wが構造IIIAを有する、もしくはW’が1種または複数の電子求引基で置換されたアルキルまたはシクロアルキル基である場合は、活性化基であり;1〜7個の電子求引基で置換されたアリール基、置換または未置換のヘテロ芳香族基;または、1種または複数の電子求引基で置換された場合は、非芳香族ヘテロ環式である。より好ましくは、Wが電子求引基で置換された場合は、置換基は、ハロゲン、−NO、または−CNなどの無機基;もしくは、ハロゲン化されたアルキル基、例えば−CF、またはR13により(もしくはR13およびR14により)キャップされた無機基、例えば、−SO13、−OSO13、−NR13(SO14)、−CO13、−COR13、−NR13(COR14)などである。
【0162】
13、R14、R15およびR16は、独立して、置換または未置換のアルキル、アリール、またはヘテロ環式基、好ましくは1〜6個の炭素原子を、より好ましくはフェニルまたはC〜Cアルキル基から選択される。
12、T、およびDまたはWのいずれかの2個の要員(直接連結していない)は、環を形成していないならば、保護基の官能性を妨害しないであろう。
【0163】
本発明のひとつの態様において、保護された現像主薬は、tが0であるという条件で、Dは−CNまたは置換もしくは未置換のアリールではなくおよびWが置換または未置換のアリールまたはアルキルでない場合、Xは−SO−でなく;並びに、tが活性化基でないという条件で、Wは置換または未置換のアリールでない場合にXはSO−ではないように、構造IIIから選択される。
【0164】
前述のように、特定化された半減期を、構造IIIの保護された現像主薬の保護部分におけるある位置での活性化基の使用により得ることができる。より詳細に述べると、DまたはX位に活性化基を使用することにより、特定化された半減期を得ることができることがわかっている。さらに特定化された半減期を実行するための活性化は、構造IIIの1種または複数のTおよび/またはW位の活性化基の使用により得ることができる。前述のように、本明細書において活性化基は、電子求引基、ヘテロ芳香族基、または1個または複数の電子求引基で置換されたアリール基を意味する。本発明のひとつの態様において、DまたはXに加え、特定化された半減期は、少なくとも1個のTまたはW基における活性化基の存在により得られる。
【0165】
本明細書において用語無機は、カルボネート、シアニドおよびシアナートを除く炭素を含まない基を意味する。本明細書において用語ヘテロ環式は、少なくとも1個(好ましくは1〜3個)のヘテロ原子を環に含む芳香族および非芳香族環を含む。構造IIIにおいてTのような記号により命名された基は明らかに重複し、狭義で命名された基は、単にこのような見かけ上の重複を避けるために、広義で命名された基から除かれる。従って例えば、Tの定義のヘテロ芳香族基は、自然の状態で電子求引性であるが、本明細書に定義されたような一価または二価の電子吸引基には含まれない。
【0166】
必要な半減期は、DまたはX位における活性化基の使用により得ることができ、さらに構造IIIのTおよび/またはW位における電子求引基またはヘテロ芳香族基の使用により必要な半減期を達成するのに必要なように活性化されることもわかっている。用語活性化基は、電子求引基、ヘテロ芳香族基、または1種または複数の電子求引基で置換されたアリール基を意味する。好ましくは、DまたはXに加え、TまたはWの少なくとも1個は、活性化基である。
【0167】
電子求引基に言及する場合、これは、L.P. Hammettの「物理有機化学(Physical Organic Chemistry)」(McGraw−Hill Book社、NY、1940年)に記載した、Hammett置換基定数(σ、σ)により、もしくはR.W. Taftの「有機化学立体作用(Steric Effects in Organic Chemistry)」(Wiley and Sons社、NY、1956年)に記されたTaft極性置換基定数(σ)により、および他の標準の有機教科書により示されまたは推定することができる。最初に反応部位の電気的性質に影響を及ぼすベンゼン環置換基(パラまたはメタ位)の能力を特徴付けるために使用されたσおよびσパラメータは、当初安息香酸のpKaに対するそれらの作用について定量された。その後の作業は、当初の概念およびデータを拡張しかつ精密にし、かつ予想および相関関係の目的で、σおよびσの標準セットが化学文献において広範に使用されており、例としてC. Hanschらの、J. Med. Chem.、17:1207(1973)を挙げることができる。アリール基の代わりに四面体炭素に結合した置換基に関して、誘導的置換基定数σを、電子特性を特徴決定するために、ここで使用することができる。好ましくは、アリール環上の電子求引基は、0よりも大きい、好ましくは0.05よりも大きい、最も好ましくは0.1よりも大きいσまたはσを有する。σが、この置換基がパラでもメタでもない場合の、アリール基上の電子求引基を定義するために使用される。同様に、四面体炭素上の電子求引基は、0よりも大きい、好ましくは0.05よりも大きい、最も好ましくは0.1よりも大きいσを有する。−SO−のような二価基の事象において、使用されるσは、メチル置換されたアナログ、例えば−SO−CH(σ=0.59)である。1個よりも多い電子求引基が存在する場合、置換基定数の合計は、これらの置換基の全体の作用を推定しかつ特徴決定するために使用される。
【0168】
現像剤として有用な例証的現像主薬は以下のものである:
【0169】
【化34】
Figure 2004503824
【0170】
(式中、R20は、水素、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシであり;R21は、水素またはアルキルであり;R22は、水素、アルキル、アルコキシまたはアルケンジオキシであり;並びに、R23、R24、R25、R26およびR27は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはスルホアルキルである。)。
【0171】
より好ましくは、本発明において使用された保護された現像主薬は、前記構造Iのものであるが、下記より狭い範囲の構造IIIBにより表される:
【0172】
【化35】
Figure 2004503824
【0173】
(式中、Zは、OHまたはNRであり、ここでRおよびRは、独立して、水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成し;
、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRは、RまたはRと結合し、および/またはRはRまたはRと結合し、環を形成し;
Wは、W’または下記構造IIICで表された基のいずれかであり:
【0174】
【化36】
Figure 2004503824
【0175】
(式中、T、t、C*、R12、D、p、X、q、W’およびwは先に定義したものであり、好ましい基を含むが、これらに限定されるものではない。))。
【0176】
再度、本発明は、保護された現像主薬が半減期(t1/2)20分以下(下記のように定義)を有する構造IIIまたはIIICの保護された現像主薬を含有するフォトサーモグラフィ要素を含む。
【0177】
ヘテロ芳香族基または置換基について言及する場合、ヘテロ芳香族基は、好ましくはN、O、SまたはSeのような、1個または複数のヘテロ原子を含む5−または6−員の環である。好ましくは、ヘテロ芳香族基は、置換または未置換のベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピコリニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナルジニル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、チアゾリル、チエニル、およびトリアゾリル基を含む。特に好ましいのは以下である:2−イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、2−チアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−オキサゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ピリジル、2−キノリニル、1−イソキノリニル、2−ピロリル、2−インドリル、2−チオフェニル、2−ベンゾチオフェニル、2−フリル、2−ベンゾフリル、2−,4−,または5−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−,4−,または5−ピラゾリル、3−インダゾリル、2−および3−チエニル、2−(1,3,4−トリアゾリル)、4−または5−(1,2,3−トリアゾリル)、5−(1,2,3,4−テトラゾリル)。ヘテロ環式基はさらに、置換することができる。好ましい置換基は、1〜6個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基である。
【0178】
この用途における説明が特定の残基または基について成される場合、「置換または未置換の」とは、残基が、未置換であるか、または1個または複数の置換基(最大可能な数まで)で置換され得ること、例えば、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のベンゼン(5個の置換基まで)、置換または未置換のヘテロ芳香族(5個の置換基まで)、並びに置換または未置換のヘテロ環式(5個の置換基まで)を意味する。一般に特に記さない限りは、ここで分子上で使用可能な置換基は、写真利用性に必要な特性を破壊しない、置換または未置換の基を含む。前述の基に関する置換基の例は、例えば以下のような、公知の置換基を含む:ハロゲン、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素;アルコキシ、特に「低級アルキル」のもの(すなわち、1〜6個の炭素原子)、例えば、メトキシ、エトキシ;置換または未置換のアルキル、特に低級アルキル(例えば、メチル、トリフルオロメチル);チオアルキル(例えば、メチルチオまたはエチルチオ)、特に炭素原子が1〜6個のいずれかのもの;置換および未置換のアリール、特に炭素原子が6〜20個のもの(例えば、フェニル);並びに、置換または未置換のヘテロアリール、特にN、OまたはSから選択された、1〜3個のヘテロ原子を含む5または6−員環を有するもの(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル);酸または酸性塩基、例えば以下に記載したもののいずれか;並びに、当該技術分野において公知のその他。アルキル置換基は、より詳細に述べると、「低級アルキル」(すなわち、1〜6個の炭素原子を有する)、例えばメチル、エチルなどを含む。シクロアルキルが適している場合、これは二環式アルキルを含む。さらに、アルキル基またはアルキレン基に関して、分岐した、分岐していないまたは環状であることができることは理解されるであろう。
【0179】
下記は、本発明における使用のための、写真に有用な保護された現像主薬の例の代表である:
【0180】
【化37】
Figure 2004503824
【0181】
【化38】
Figure 2004503824
【0182】
【化39】
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【0183】
【化40】
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【0184】
【化41】
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【0185】
【化42】
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【0186】
【化43】
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【0187】
【化44】
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【0188】
【化45】
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【0189】
【化46】
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【0190】
【化47】
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【0191】
【化48】
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【0192】
【化49】
Figure 2004503824
【0193】
【化50】
Figure 2004503824
【0194】
保護された現像主薬は、好ましくは画像形成要素の1個または複数の画像形成層中に混入される。使用される保護された現像主薬の量は、それが添加される各層中に好ましくは0.01〜5g/m、より好ましくは0.1〜2g/m、および最も好ましくは0.3〜2g/mである。これらは要素の色形成層または色非形成層であることができる。画像形成要素の像様露光後に、上述したように画像形成要素の処理時に画像形成要素を加熱することにより画像形成要素の処理時に保護された現像主薬を活性化することができる。
【0195】
必要に応じて、フィルムの更なる処理を画像形成されたフィルムを、別個の要素、例えば積層体シートと処理時に接触状態に置くことによって達成することができる。この積層体シートは任意に、「リサーチディスクロージャー」(1996年9月、第389号、第38957項の第XIXおよびXX節に記されたような追加の処理試薬を含有する。このような試薬には、例えば、定着主薬、漂白主薬、金属イオン封鎖剤、例えば有機酸、ならびに他の添加剤、例えば緩衝剤、スルホン化されたポリスチレン、ステイン防止剤、殺生物剤、脱銀剤、安定化剤などを含む。
【0196】
本発明の写真要素では、保護された現像主薬を種々のタイプの1つとなることができるフォトサーモグラフィ要素に導入することができる。リサーチディスクロージャー17029(リサーチディスクロージャーI)を参照すると、フォトサーモグラフィ要素はタイプBとなることができ、引用することによりその全体を組入れる。
【0197】
写真要素は1層以上の感光性(写真)層および1層以上の非写真層を含んでなることができる。一般的に、多色要素は、電磁スペクトルの種々の領域に対して感度を有する画像形成単位を有する。各単位はスペクトルの所定の領域に感度を有する単独の乳剤層または複数の乳剤層を含んでなることができる。画像形成単位の層を含めた要素の層を、当該技術分野で周知の種々の順序で配列することができる。別のフォーマットでは、スペクトルの3つの主領域のそれぞれに感度を有する乳剤を単一のセグメント化層に配置することができる。
【0198】
多色写真要素は、一般的に、少なくとも1種のシアン色素生成カプラーを関連して有する少なくとも1層の赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成る色素画像生成単位、少なくとも1種のマゼンタ色素生成カプラーを関連して有する少なくとも1層の緑感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成る色素画像生成単位、及び少なくとも1つのイエロー色素生成カプラーを関連して有する少なくとも1層の青感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成る色素画像生成単位を坦持する支持体を含んでなっている。要素は追加の層、例えば、フィルター層、中間層、上塗り層、下引き層等を含むことができる。これらは全て透明または反射(例えば、紙支持体)となることができる支持体に塗工することができる。
【0199】
本発明に従って保護される写真要素は、リサーチディスクロージャー、アイテム34390、1992年11月、に記載されているような磁気記録材料、又は米国特許第4,279,945号及び同第4,302,523号明細書に記載されているような透明支持体の下側にある磁性粒子を含む層のような透明磁気記録層も含むことができる。要素は一般的に、5〜30μm(支持体を除く)総厚を有する。色感受性層の順序は変わることができるが、透明支持体上では、通常は赤感性、緑感性そして青感性となり(即ち、青感性層が支持体から最も遠い)、反射支持体上では反対の順序が一般的である。
【0200】
別の態様では、本発明の写真要素を、従来型でない増感方式と共に使用することも企図されている。例えばこの感光性材料は、スペクトルの赤、緑および青領域に対し増感された画像形成層を使用する代わりに、情景の輝度を記録するためのひとつの白色−感受性層、および情景のクロミナンスを記録するためのふたつのカラー−感受性層を有する。米国特許第5,962,205号に開示されたように、現像後、得られる画像を走査し、かつデジタル処理し、当初の情景のフルカラーを再構成することができる。この画像形成要素はさらに、随伴するカラー−分離露光と共にパン増感された乳剤を含んでもよい。この態様において、本発明の現像剤は、分離露光と一緒に、当初の情景の色値の完全な回復を可能にするような着色されたまたは中間色の画像を生じるであろう。このような要素において、画像は、現像された銀濃度、1種以上の通常のカプラーの組合せ、またはレゾルシノールカプラーのような「ブラック」カプラーのいずれかにより形成することができる。分離露光は、順次適当なフィルターを通し、または同時に空間的に個別のフィルター要素システム(通常「カラーフィルターアレイ」と称される)を通して行うことができる。
【0201】
従来の露光されたカラー写真材料の化学現像後に記録された情景の露光を読み取るために通常のイエロー、マゼンタ、シアン画像色素が形成される場合、この要素の赤、緑および青色記録単位の反応は、それらの濃度を調べることにより正確に見分けることができる。デンシトメトリーは、RGB画像色素形成単位の像様の反応を比較的独立したチャンネルに分離するために選択された着色フィルターを用いて試料により透過された光を測定する。光学プリントが意図されたカラーネガフィルム要素の反応を計測するための、ステータスMフィルターの使用、および直接透過しての目視が意図されたカラーリバーサルフィルムのためのステータスAフィルターの使用は、一般的である。積算したデンシトメトリーにおいて、望ましくない不完全な画像色素の側方および尾部の吸収は、少量のチャネル混合につながり、これは例えば中間色特性曲線において、マゼンタチャネルがイエローまたはシアン画像色素記録のいずれか、もしくは両方のオフピーク吸収から生じるような全体の反応の一部である。このような人工産物は、フィルムの分光感度の測定において無視することができる。積算濃度反応の適当な数学的処理により、これらの望ましくないオフピーク濃度の寄与は、完全に補正され、解析濃度を提供することができ、ここで所定の色記録の反応は、他の画像色素のスペクトルの寄与とは無関係である。解析濃度決定については、「SPSE Handbook of Photographic Science and Engineering」、W. Thomas編集、John Wiley and Sons社、ニューヨーク、1973年の第15.3節「Color Densitometly」840−848頁に要約されている。
【0202】
画像が、画像パターンの操作可能な電子記録を得るために露光されかつ現像処理されたカラーネガフィルム要素を走査し、その後調節された電子記録を可視形に再変換することにより得られる場合に、画像ノイズを低下することができる。画像の鮮鋭度および多彩さは、層ガンマ比が狭い範囲にあると同時に他の性能欠損を避けるまたは最小化するようにデザインすることにより増加することができ、ここでは色記録は、カラー可視像を再生する以前は、電子形で置かれている。電子画像記録のプリントまたは操作のいずれかにおいて、画像ノイズを残りの画像情報から分離することは不可能であるが、公知のプリント技術では達成不可能であるような方法で曲線全体の形状および鮮明さの特性を改良するために、低ガンマ比のカラーネガフィルム要素により提供されるように、低ノイズを示す電子画像記録を調節することは可能である。従って光学プリント用途に利用するために構成された従来のカラーネガ要素に由来した同様のものよりも優れているこのようなカラーネガ要素に由来した電子画像記録から、画像を再生することができる。記載した要素の優れた画像形成特性は、赤、緑および青色記録単位の各々についてのガンマ比が1.2未満である場合に得られる。より好ましい態様において、赤、緑、青感光性色形成単位は、各々、1.15未満のガンマ比を示す。更により好ましい態様において、赤および青感光性色形成単位は、各々、1.10未満のガンマ比を示す。更により好ましい態様において、赤、緑、青感光性色形成単位は、各々、1.10未満のガンマ比を示す。最も好ましい態様において、赤、緑、青感光性色形成単位は、各々、1.10未満のガンマ比を示す。全ての場合において、個々の色単位(複数)は、1.15未満のガンマ比を示すことが好ましく、より好ましくはこれらは1.10未満のガンマ比を示し、更により好ましくはこれらは1.05未満のガンマ比を示すことさえある。これらの層単位のガンマ比は、等しい必要はない。これらのガンマ比の低い値は、中間層内部画像効果としても公知の、層単位間の中間層相互作用が低レベルであることの指標であり、走査および電子操作後の改善された画質を説明すると考えられる。層単位間の化学的相互作用に由来する明らかに劣化した画像特性は、画像操作活動時に電子的に抑制する必要はない。この相互作用は困難ではないにしても公知の電子画像操作方式を使用し適切に抑制することが非常に難しい。
【0203】
本発明の実施において、優れた光感度を有する要素が最良に使用される。これらの要素は、少なくとも約ISO 50感度、好ましくは少なくとも約ISO 100感度、およびより好ましくは少なくとも約ISO 200感度を有さなければならない。最高ISO 3200またはそれ以上でさえあるような感度を有する要素が、特に企図されている。カラーネガ写真要素のスピード、即ち感度は、現像処理後にカブリを上回る特定の濃度の達成が可能になるのに必要な露光量に反比例している。各色記録中のガンマ約0.65を伴うカラーネガ要素の写真感度は、特に米国規格協会(ANSI)により、ANSI Standard Number PH2.27−1981(ISO(ASA Speed))として規定されており、これは特にカラーフィルムの緑光感性および最小感性色記録単位の各々において最低濃度を0.15上回る濃度を形成するのに必要な平均露光レベルに関連している。この定義は、国際標準化機構(ISO)フィルム感度等級に適合している。この適用のために、色単位ガンマが0.65と異なる場合は、ASAまたはISO感度は、別に定義された方法で感度を決定する前に、ガンマ対logE(露光量)曲線を0.65の値に直線的に増幅または減幅することにより算出することができる。
【0204】
本発明はさらに、シングルユースカメラ(または「レンズ付きフィルム」ユニット)と称されることが多い、本発明の写真要素の使用も企図している。これらのカメラは、その中に予め装填されたフィルムと共に販売され、そのカメラ全体がカメラ内部に残っている露光されたフィルムと共に現像所に回収される。これらのカメラは、写真要素がそれを通して露光されるガラスレンズまたはプラスチックレンズを有することができる。カメラは組込処理能力、例えば加熱要素を有することができる。
【0205】
本発明の写真材料に用いられるハロゲン化銀乳剤は、表面感受性乳剤もしくは未カブリ内部潜像形成乳剤等のネガ型、又は内部潜像形成タイプ(処理時にカブラせる)のポジ型となることができる。好適な乳剤及びそれらの調製並びに化学増感及び分光増感方法については、リサーチディスクロージャーII、セクションI〜Vに記載されている。カラー材料及び現像改良剤は、リサーチディスクロージャーII、セクションV〜XXに記載されている。この写真要素に使用できるベヒクルは、リサーチディスクロージャーII、セクションIIに記載されており、蛍光増白剤、カブリ防止剤、安定化剤、光吸収剤及び光散乱剤、硬膜剤、塗布助剤、可塑剤、滑剤並びに艶消剤等の種々の添加剤は、リサーチディスクロージャーII、例えば、セクションVI〜XIIIに記載されている。製造方法は全てのセクションに記載されており、層配列はリサーチディスクロージャーII、特にセクションXI、露光の変法はリサーチディスクロージャーII、XVIに、そして処理方法並びに処理剤はリサーチディスクロージャーII、XIX及びXXに記載されている。
【0206】
ネガ型ハロゲン化銀を用いてネガ像を形成することができる。必要に応じてポジ(即ち、リバーサル)像も形成することができるが、ネガ像をまず最初に作成するのが一般的である。
【0207】
本発明の写真材料は、欧州特許第213490号、特開昭58−172647号、米国特許第2,983,608号、ドイツ国特許第2,706,117号C、英国特許第1,530,272号、日本特許出願A−113935号、米国特許第4,070,191号、及びドイツ国出願第2,643,965号各明細書に記載されているような、カラードカプラー(例えば、インターレイヤー補正のレベルを調節するため)及びマスキングカプラーも用いることができる。マスキングカプラーは、シフトもしくはブロックされていてもよい。
【0208】
また、この写真要素は、漂白もしくは定着の処理工程を加速したりもしくは変更して画像の品質を向上させる物質を含有することもできる。欧州特許第193,389号;同301,477号;米国特許第4,163,669号;同4,865,956号;及び同4,923,784号各明細書に記載の漂白促進剤が、特に有用である。また、核生成剤、現像促進剤もしくはそれらの前駆体(英国特許第2,097,140号、同2,131,188号各明細書);現像抑制剤及びそれらの前駆体(米国特許第5,460,932号、同5,478,711号明細書);電子移動剤(米国特許第4,859,578号;同4,912,025号各明細書);ヒドロキノン類、アミノフェノール類、アミン類、没食子酸の誘導体等のカブリ防止剤及び混色防止剤;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド類;スルホンアミドフェノール類;並びに無呈色カプラーも使用できる。
【0209】
また、この要素は、コロイド状銀ゾル、又は水中油滴型分散体、ラテックス分散体もしくは固体粒子分散体として、イエロー及び/もしくはマゼンタフィルター色素及び/もしくはハレーション防止色素(特に、全ての感光性層の下のアンダーコート層中又は全ての感光性層が配置されている支持体の反対側に)を含んでなるフィルター色素層を含むこともできる。さらに、「スミア(smearing)」カプラー(例えば、米国特許第4,366,237号;欧州特許第096,570号;米国特許第4,420,556号;及び米国特許第4,543,323号各明細書に記載されているようなもの)とともに使用できる。また、これらのカプラー類は、例えば、日本国特許出願61−258249号もしくは米国特許第5,019,492号各明細書に記載されているような保護された形態でブロック又は塗布することができる。
【0210】
写真要素は、さらに「現像抑制剤放出型」化合物(DIR)等の他の画像改良化合物を含有することができる。本発明写真要素に有用な追加のDIRは当該技術分野で公知であり、その例は以下の特許文書に記載されている。すなわち米国特許第3,137,578号、同3,148,022号、同3,148,062号、同3,227,554号、同3,384,657号、同3,379,529号、同3,615,506号、同3,617,291号、同3,620,746号、同3,701,783号、同3,733,201号、同4,049,455号、同4,095,984号、同4,126,459号、同4,149,886号、同4,150,228号、同4,211,562号、同4,248,962号、同4,259,437号、同4,362,878号、同4,409,323号、同4,477,563号、同4,782,012号、同4,962,018号、同4,500,634号、同4,579,816号、同4,607,004号、同4,618,571号、同4,678,739号、同4,746,600号、同4,746,601号、同4,791,049号、同4,857,447号、同4,865,959号、同4,880,342号、同4,886,736号、同4,937,179号、同4,946,767号、同4,948,716号、同4,952,485号、同4,956,269号、同4,959,299号、同4,966,835号、及び同4,985,336号;並びに英国特許公告第1,560,240号、同2,007,662号、同2,032,914号、同2,099,167号;ドイツ国特許出願公開第2,842,063号、同2,937,127号、同3,636,824号、同3,644,416号;並びに欧州特許出願公開公報第272,573号、同335,319号、同336,411号、同346,899号、同362,870号、同365,252号、同365,346号、同373,382号、同376,212号、同377,463号、同378,236号、同384,670号、同396,486号、同401,612号及び同401,613号である。
【0211】
また、DIR化合物は、Photographic Science and Engineering, 13巻、174頁、1969年に記載のC.R. Barr, J.R. Thirtle 及びP.W. Vittumの論文 ”Developer−Inhibitor−Releasing (DIR) Couplers for color Photgraphy”にも開示されている。
【0212】
当該写真要素に用いられるハロゲン化銀は、ヨウ臭化銀、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、もしくは塩ヨウ臭化銀、等となることができる。
ハロゲン化銀粒子のタイプには、好ましくは、多形体、立方体及び八面体が含まれる。ハロゲン化銀の粒径は、写真用組成物において有用であることが知られているいずれの分布も有することができ、そして多分散形であっても単分散形であってもよい。
【0213】
平板状粒子ハロゲン化銀乳剤を使用することもできる。平板状粒子は、平行な二つの主面及び少なくとも2のアスペクト比(アスペクト比は粒子等価円直径(ECD)を粒子厚(t)で割った比である)を有するハロゲン化銀粒子である。粒子の等価円直径とは、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径である。平板状粒子乳剤とは、総粒子投影面積の50%超を平板状粒子が占める乳剤である。好ましい平板状粒子乳剤では、平板状粒子が総粒子投影面積の少なくとも70%を占め、最適には総粒子投影面積の少なくとも90%を占める。平板状粒子が全粒子投影面積の実質的に全て(97%超)を占める平板状粒子乳剤を調製することも可能である。前記平板状粒子乳剤は、高アスペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD/t>8である乳剤(ECDは粒子投影面積と等しい面積をもつ円の直径であり、tは平板状粒子の厚さである);中アスペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD/t=5〜8;又は低アスペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD/t=2〜5となることができる。前記乳剤は、典型的に、高平板状度(T)(T=ECD/t である)を示す。即ち、ECD/t>25である(ECD及びtは、両方ともμmで測定する)。この平板状粒子は、平板状粒子乳剤の目的の平均アスペクト比及び/又は平均平板状度を達成するのに適合するいずれの厚さにもなることができる。投影面積要件を満足する平板状粒子は、0.3μmより薄い厚さを有するものであるのが好ましく、特に薄型(<0.2μm)平板状粒子が好ましく、平板状粒子性能増強を最大にするためには、超薄型(<0.07μm)平板状粒子が考えられる。ヨウハロゲン化物平板状粒子の固有の青吸収は、青感度の場合、平板上粒子厚みに頼っており、一般的には、最大0.5μまでの厚みが考えられる。
【0214】
高ヨウ化物平板状粒子乳剤は、Houseの米国特許第4,490,458号明細書、Maskaskyの同4,459,353号明細書及びYagi等の欧州特許第0410410号明細に説明されている。
【0215】
面心立方(岩塩型)結晶格子構造を形成するハロゲン化銀から形成される平板状粒子は、{100}又は{111}主面のいずれかを有することができる。{111}主面平板状粒子をもつ乳剤(コントロールされた粒子分散度、ハロゲン化物分布、双晶面間隔、エッジ構造及び粒子転位並びに吸着される{111}粒子面安定剤を含む)は、リサーチディスクロージャーII、セクションI.B.(3)(503ページ)に具体的に記載されている。
【0216】
本発明で使用されるハロゲン化銀粒子は、リサーチディスクロージャーII及びJames の The theory of the Photographic Process に記載されているような当該技術分野において公知の方法に従って製造できる。これらの方法には、アンモニア性乳剤製造方法、中性もしくは酸性乳剤製造方法及び当該技術分野において公知の他の方法等が含まれる。これらの方法では、保護コロイドの存在下で水溶性銀塩を水溶性ハロゲン化物塩と混合させ、沈澱でハロゲン化銀を生成中に温度、PAg、pH値等を適当な値に制御することを一般的に要する。
【0217】
粒子析出中に、1つ以上のドーパント(銀及びハロゲン化物以外の粒子吸蔵)を導入して粒子特性を改良することができる。例えば、リサーチディスクロージャー、アイテム38957、セクションI.乳剤粒子及びその特性、サブセクションG.粒子改良条件及び調整、パラグラフ(3)、(4)及び(5)に記載されている種々の通常のドーパントを、本発明の乳剤中に存在せしめることができる。さらに、米国特許第5,360,712号(Olm等)明細書に記載されるように(引用することにより、本明細書の内容とする)、1種以上の有機リガンドを有する遷移金属のヘキサ配位錯体で粒子をドープすることが考えられる。
【0218】
リサーチディスクロージャー、アイテム36736、1994年11月発行に記載されているように、粒子の面心立方結晶格子に浅い電子トラップ(以下、「SET」とも記載する)を形成して画像形成スピードを高めることができるドーパントを組み込みことが特に考えられる。
【0219】
本発明の写真要素は、一般的に乳剤の形態でハロゲン化銀を提供する。写真乳剤は、一般的に写真要素の1つの層として乳剤を塗布するためのベヒクルを含む。有用なベヒクルには、タンパク質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類)、ゼラチン(例えば、牛骨もしくは皮ゼラチン等のアルカリ処理ゼラチン、又は豚皮ゼラチン等の酸処理ゼラチン)、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン等)等の天然物質、並びにリサーチディスクロージャー IIに記載されているような他のベヒクルの両方が含まれる。また、ベヒクルもしくはベヒクル増量剤として有用なものは、親水性透水性コロイドである。これらは、リサーチディスクロージャー IIに記載されているような、合成ポリマー解こう剤、キャリヤー、及び/又は、ポリビニルアルコール、ポリビニルラクタム、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセタール、アルキル並びにスルホアルキルアクリレート及びメタクリレートのポリマー、加水分解したポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマー等のバインダーを含む。ベヒクルは、写真乳剤に有用な量で乳剤中に存在することができる。また、この乳剤は、写真乳剤に有用であるとして知られているいずれの添加剤も含有することができる。
【0220】
本発明で用いられるハロゲン化銀を、有利に化学増感することができる。ハロゲン化銀化学増感に有用な化合物及び技法は、当該技術分野で公知であり、リサーチディスクロージャー II及びそこで引用されている文献に記載されている。化学増感に有用な化合物には、例えば、活性ゼラチン、イオウ、セレン、テルル、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、亜リン酸、もしくはそれらの組合せが含まれる。化学増感は、リサーチディスクロージャー II、セクションIV(510−511ページ)及びそこで引用されている文献に記載されているように、一般的に、pAgレベル5〜10、pHレベル4〜8、そして温度30〜80℃で実施される。
【0221】
ハロゲン化銀を、リサーチディスクロージャー IIに記載されるような当該技術分野で公知の技法により、式VI及びVIIの色素で増感することができる。この色素を、乳剤を写真要素に塗布する前のいずれかの時期(例えば、化学増感中もしくは化学増感後)に、又は写真要素への乳剤の塗布と同時に、ハロゲン化銀粒子と親水性コロイドからなる乳剤に添加してもよい。この色素を、例えば、水又はアルコールの溶液として添加することができる。色素/ハロゲン化銀乳剤を、塗布直前もしくは塗布に先立ち(例えば、2時間前)、カラー画像生成カプラーの分散体と混合することができる。
【0222】
フォトサーモグラフィ要素は、アクチベーター調色剤もしくは調色促進剤としても知られている調色剤を含む。フォトサーモグラフィ要素では調色剤の組合せも有用である。有用な調色剤及び調色剤組合せの例は、例えば、リサーチディスクロージャーII、1978年6月、アイテム No. 17029及び米国特許第4,123,282号明細書に記載されている。有用な調色剤の例には、例えば、フタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−カリウム−フタルイミド、スクシンイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド、フタラジン、1−(2H)−フタラジノン及び2−アセチルフタラジノンが含まれる。
【0223】
本発明は、例えば、組み込まれた保護された現像主薬の溶媒として作用する、あるいはそれ自体は化学的に反応しないで現像または銀拡散プロセスを促進する熱溶媒を用いて、色素像の形成を高める。乾式フォトサーモグラフィまたはサーモグラフィシステムに使用する熱溶媒は、公知であり、例えば、Shepard等の米国特許第3,429,706号およびFukawa等の同3、442、682号の各明細書に記載されている。その他のサーモグラフィックシステムは、Sorenson等の米国特許第3,152,904号およびMorganおよびShelyの同3,457,075号の各明細書に記載されている。酸アミド類およびカーバメート類が、HennおよびMiller(米国特許第3,347,675号明細書)並びにYudelson(米国特許第3,438,776号明細書)によって、そのような熱溶媒として提案されている。BojaraおよびMauriac(米国特許第3,667,959号明細書)は、そのような写真要素において、熱溶媒およびキャリヤーとして、チオン、−SO2および−CO−基を含有する非水極性溶媒の使用を開示する。同じように、La Rossa(米国特許第4,168,980号明細書)は、熱現像可能写真材料の処理添加剤として、イミダゾリン−2−チオン類の使用を開示する。高橋(米国特許第5,107,454号明細書)は、マイクロカプセルに含まれ、塩基もしくは塩基先駆体から分離する、ハロゲン化銀、還元剤、重合性化合物を含有する、カプセルに入れられた塩基活性化熱現像可能写真用重合要素を開示する。さらに、この要素は、現像促進剤として、スルホンアミド化合物を含有する。
【0224】
実質的な乾式カラーフォトサーモグラフィックシステムにおいて使用する熱溶媒が、Komamura等(米国特許第4,770,981号明細書)、Komamura(米国特許第4,948,698号明細書)、AomoおよびNakamura(米国特許第4,952,479号明細書)、およびOhbayashi等(米国特許第4,983,502号明細書)によって開示されている。これらの公報の「熱溶媒(heat solvent)」および「熱溶媒(thermal solvent)」の語は、室温で液体もしくは室温で固体であるが、熱処理温度もしくはそれ以下(但し40℃より高い)の温度で、他の成分と一緒に溶解する、非加水分解性有機材料をいう。このような溶媒はまた、熱処理温度を超える温度で固体であっても良い。これらの好ましい例は、銀塩の物理現像を促進する高誘電率を有する現像剤および現像化合物の溶媒として作用することができる化合物を包含する。Komamura等(米国特許第4,770,981号明細書)は、熱溶媒としてアルキルおよびアミド類を開示し、Ohbayashi等(米国特許第4,983,502号明細書)は、熱溶媒として、種々のベンズアミド類を開示する。このようなシステムの熱溶媒として、ポリグリコール類、酸化ポリエチレンの誘導体、みつろう、モノステアリン、アセトアミド、エチルカーバメート、尿素、メチルスルホンアミド、米国特許第3,667,959号明細書に記載される極性物質のような、−SO−もしくは−CO−基を有する高誘電率化合物、4−ヒドロキシブタン酸のラクトン、アニス酸メチル、および関連物質を開示する。これらのシステムにおける熱溶媒の役割は、はっきりしないが、そのような熱溶媒が、熱現像時の反応物の拡散を促進すると信じられる。MasukawaおよびKoshizuka(米国特許第4,584,267号明細書)は、熱的に現像可能な感光材料における「熱定着剤」として同様の化合物(例えば、アニス酸メチル)の使用を開示する。米国特許出願第825,478号(1969年3月17日出願)に対応する防衛公開において、BaxendaleおよびWoodは、銀塩熱現像可能写真要素の予備処理安定剤として、水溶性低級アルキルヒドロキシベンゾエート類を開示する。本発明に好ましい熱溶媒には、サリチルアニリドおよび他のフェノール性化合物または誘導体が含まれる。
【0225】
フォトサーモグラフィ画像形成要素では、後処理画像安定化剤及び潜像保持安定化剤が一般的に有用である。フォトサーモグラフィの技術分野で既知のいずれの安定化剤も本明細書で記載したフォトサーモグラフィ要素に有用である。有用な安定化剤の具体例には、例えば米国特許第4,459,350号明細書に記載されるような、光分解活性安定化剤及び安定化剤前駆体が含まれる。他の有用な安定化剤の例には、米国特許第3,877,940号明細書に記載されるような、アゾールチオエーテル類並びにブロック化アゾリンチオン安定化剤前駆体及びカルバモイル安定化剤前駆体が含まれる。
【0226】
好ましくは、フォトサーモグラフィ要素は種々のコロイド及びポリマーを、種々の層に用いられるベヒクルもしくは結合剤として、単独もしくは組合せて含有する。有用な材料は、疎水性もしくは親水性である。それらは透明もしくは半透明であり、蛋白質(例えば、ゼラチン)、ゼラチン誘導体、セルロース誘導体、多糖類(例えば、デキストラン)、アラビアゴム等の天然物質;並びにポリビニル化合物のようなポリビニルピロリドン及びアクリルアミドポリマー等の合成ポリマー物質が含まれる。有用なその他の合成ポリマー化合物には、ラテックス形態のような分散されたビニル化合物、特に写真材料の寸法安定性を高めるものが含まれる。有効なポリマー類には、アルキルアクリレート及びメタクリレート、アクリル酸、スルホアクリレート類のポリマー並びに固化もしくは硬化を促進する架橋部位を有するものが含まれる。好ましい高分子ポリマー及び樹脂には、ポリビニルブチラール、酢酸セルロースブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ゴム、ポリイソブチレン、ブタジエン−スチレンコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール及びポリカーボネートが含まれる。
【0227】
記載したフォトサーモグラフィ要素は有用な画像の形成を助けるとして公知の添加物を含むことができる。フォトサーモグラフィ材料は、スピード増強化合物としてはたらく現像改良剤、増感色素、硬化剤、帯電防止層、可塑剤及び滑剤、塗布助剤、蛍光増白剤、吸収及びフィルター色素、並びにリサーチディスクロージャー、1978年12月、アイテムNo. 17643及びリサーチディスクロージャー、1978年6月、アイテムNo. 17029に記載されている他の添加剤を含有することができる。
【0228】
フォトサーモグラフィ要素は種々の支持体を有することができる。有用な支持体の例には、ポリビニルアセタールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム及び関連するフィルム及び樹脂材料、並びにペーパー、クロス、ガラス、金属、及び熱処理温度に耐えることができるその他の支持体が含まれる。
【0229】
フォトサーモグラフィ要素の層を、ディップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティングもしくはホッパーを用いる押出コーティングを含む当該写真技術の分野で公知のコーティング方法により支持体上に塗布する。必要ならば、複数の層を同時に塗布する。
【0230】
記載したように、好ましくはフォトサーモグラフィ要素は露光及び処理前にフォトサーモグラフィ要素を安定化するのに役立つ熱安定化剤も含む。そのような熱安定化剤は、保存中のフォトサーモグラフィ要素の安定性の改善を助ける。好ましい熱安定化剤は、2−ブロモ−2−アリールスルホニルアセトアミド類(例えば、2−ブロモ−2−p−トリルスルホニルアセトアミド、2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾール及び6−置換された−2,4−ビス(トリブロモメチル)−S−トリアジン(例えば、6−メチルもしくは6−フェニル−2,4−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンである。
【0231】
本発明の写真要素は好ましくは、リサーチ ディスクロージャー II、セクションXVIに記載された技術を含む任意の公知の技術を使用して像様露光される。これは典型的には、スペクトルの可視領域の光への曝露を含み、曝露はまた、発光装置(例えば発光ダイオード、CRT等)によって、保存された画像(例えばコンピュータに保存された画像)への曝露となることができるが、一般的にはそのような露光はレンズを通した実像である。フォトサーモグラフィ要素はまた、電磁スペクトルの紫外及び赤外領域並びに電子ビーム及びベータ線、ガンマ線、X−線、アルファ粒子、中性子線及びレーザーによって生成される非コヒーレント(ランダム相)又はコヒーレント(同相)形態における、粒子波のような放射エネルギーの他の形態を含む種々の形態のエネルギーによって曝露される。露光は、写真のハロゲン化銀のスペクトル増感に依存して、単色性、整色性又は全色性である。像様露光は、好ましくは、フォトサーモグラフィ要素に現像可能な潜像を生成するのに十分な時間と強度である。
【0232】
(実施例)
例1
本例は、下記の反応式に従い調製される、本発明において保護された現像主薬として有用な、化合物D−1の調製を説明している:
【0233】
【化51】
Figure 2004503824
【0234】
中間体 の調製
KOH (85%) (7.3g, 110ミリモル)、KC0 (6.8g, 50ミリモル)、2−メチルベンズイミダゾール(Aldrich社, 13.2g, 100ミリモル)およびTHF (70mL)の混合液に、約15℃で、THF 10mL中の硫酸ジエチル(11.3mL, 102ミリモル)を添加した。4時間攪拌した後、酢酸エチル50mLを添加し、次にこの反応混合液を濾過し、固形物を取除いた。ろ液を、減圧下で濃縮し、黄色油状物として化合物1を15.5g(97%)得た。
【0235】
中間体 の調製
耐圧瓶に、化合物1(8.Og, 50ミリモル)、38%ホルムアルデヒド溶液(12mL)、ピリジン(6mL)およびプロパノール(20mL)を入れ、かつ反応混合液を130℃で9時間加熱した。過剰な溶剤を減圧下で除去し、かつ残渣を酢酸エチルで再結晶し、固形物として化合物2(14.5g, 73%)を得た;H NMR (300 MHz, CDCl):1.40 (t, 3H,J=7.3 z), 3.04 (t, 2H,J=5.3Hz), 4.10−4.20 (m, 5H), 7.18−7.34 (m, 3H), 7.65−7.72(m, 1H)。
【0236】
D−1 の調製
化合物2(5.7g, 30ミリモル)、ジクロロメタン(30mL)および二酢酸ジブチルスズ2滴の混合液へ、化合物3、すなわち英国特許第1,152,877号に開示されたように調製した4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニルイソシオナート(6.1g, 30ミリモル)を添加した。室温で14時間攪拌した後、反応混合液を減圧下で濃縮し、リグロインにより希釈した。沈殿した固形物を、濾過により単離し、化合物D−1 (9.6g, 81%)を得た;H NMR (300 MHz, CDCl):1.12 (t, 6H, J=7.3Hz), 1.30−1.46 (m, 3H), 2.18 (s, 3H), 3.20−3.35 (m, 6H), 4.10−4.35 (m, 3H), 4.60−4.68 (m,3H), 6.18 (bs, 1H), 6.40−6.55 (m, 2H), 7.20−7−44 (m, 4H), 7.69−7.75 (m, 1H)。
【0237】
例2
この例は、本発明において保護された現像主薬として有用な化合物D−12の調製を説明するが、これは下記反応式に従い調製される:
【0238】
【化52】
Figure 2004503824
【0239】
D−12 の調製
テトラヒドロフラン150mL中のジオール4(15.0g, 64ミリモル)、化合物3(27.0g, 130ミリモル)および二酢酸ジブチルスズ(0.05mL)の溶液を、室温で18時間攪拌した。その後反応混合液を、セライトパッドを通して濾過し、かつ濾液を真空濃縮し、固形物を得、これをメタノールで再結晶した。D−12の収量は、25.0g (40ミリモル,61%)、融点131℃であった。
【0240】
例3
この例は、本発明において保護された現像主薬として有用な化合物D−15の調製を説明するが、これは下記反応式に従い調製される:
【0241】
【化53】
Figure 2004503824
【0242】
中間体 の調製
N,N−ジメチルホルムアミド50mL中のスルホン6(19.07g, 100ミリモル)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド100mL中の60%水素化ナトリウム(6.00g, 150ミリモル)の懸濁液に添加し、この混合液を、40℃で90分間撹拌し、その後5℃に冷却した。純粋なトリフルオロ酢酸エチル(36mL, 300ミリモル)を5℃で添加し、次に反応混合液を、室温で30分間攪拌した。混合液を、ブライン1000mLで希釈し、エーテルで抽出し、油状物を得、これをシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。固形物を得、これをさらにヘキサン−イソプロピルエーテルから再結晶し精製した。化合物7の収量は、18.47g(64ミリモル, 64%)であった。
【0243】
中間体 の調製
固形水素化ホウ素ナトリウム(1.89g, 50ミリモル)を、メタノール100mL中の溶液7(14.33g, 50ミリモル)に徐々に添加し、かつ混合液を30分間攪拌した。その後水(200mL)を添加し、メタノールを蒸留除去した。エーテルで抽出しかつ溶媒を除去し、化合物8を13.75g(48ミリモル, 95%)得た。
【0244】
D−15 の調製
ジクロロメタン50mL中の化合物7(13.75g, 48ミリモル)、4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニルイソシアナート(3, 10.21g, 50ミリモル)および二酢酸ジブチルスズ(0.01mL)の溶液を、室温で4日間攪拌した。溶剤を蒸留除去し、粗生成物をヘキサンで洗浄し、乾燥した。D−15の収量は、21.00g (43ミリモル, 85%)、融点140−143℃であった。
【0245】
例4
この例は、本発明において有用な化合物D−23の調製を説明するが、これは下記反応式に従い調製される:
【0246】
【化54】
Figure 2004503824
【0247】
中間体 の調製
2,5−ジクロロピリジン(Aldrich社, 14.80g, 100ミリモル)、2−メルカプトエタノール(Fluka社, 9.36g, 120ミリモル)、炭酸カリウム(19.34g, 140ミリモル)、およびアセトン(200mL)からなる混合液を、36時間還流し、室温に冷却し、および濾過した。濾液を真空で濃縮し、エーテル(300mL)に溶解し、かつブライン2x100mLで洗浄した。有機溶液を濃縮し、かつ粗生成物を、シリカゲル上、ヘプタン/酢酸エチルを用いる、カラムクロマトグラフィーにより精製した。化合物9の収量は、12.05g (64ミリモル, 64%)であった。
【0248】
中間体 10 の調製
固形t−ブチルジメチルシリルクロリド(Aldrich社, TBDMSCl, 11.34g, 75ミリモル)を、テトラヒドロフラン(160mL)中の化合物9(11.86g, 62.5ミリモル)およびイミダゾール(5.97g, 87.5ミリモル)の溶液に徐々に添加し、5℃で攪拌した。添加後、混合液を室温で20時間撹拌し、その後飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびエーテルで仕上げた(worked up)。生成物を、シリカゲル上、ヘプタン/酢酸エチルを用いる、カラムクロマトグラフィーにより精製した。化合物10の収量は、17.69g(58ミリモル, 93%)であった。
【0249】
中間体 11 の調製
ジクロロメタン(150mL)中のm−クロロ過安息香酸(mCPBA, 77%, 27.01g, 120ミリモル)の溶液を、5℃で攪拌している、ジクロロメタン(200mL)中の化合物10の溶液へ30分かけて滴下した。添加後、混合液を室温で22時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止し、その後ジクロロメタン抽出およびカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/ジクロロメタン)を行い、化合物11の11.67g(35ミリモル, 87%)を得た。
【0250】
中間体 12 の調製
テトラヒドロフラン(90mL)/水(90mL)/酢酸(270mL)中の化合物11(10.08g, 30ミリモル)の溶液を、室温で4日間維持した。溶剤を蒸留除去し、残渣をヘプタン/イソプロピルエーテルで再結晶した。化合物12の収量は、6.41g(29ミリモル, 96%)であった。
【0251】
D−23 の調製
化合物12(4.43g, 20ミリモル)および化合物3、すなわち英国特許第1,152,877号に開示されたように調製した4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニルイソシアナート(4.08g, 20ミリモル)、および二酢酸ジブチルスズ(0.01mL)の溶液を、テトラヒドロフラン35mL中で、室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸留除去し、かつ粗油状生成物を、イソプロピルエーテル50mL中で攪拌し、無色の結晶としてD−23(8.18g, 19.2ミリモル, 96%)、融点84−85℃を得た。
【0252】
例5
この例は、本発明において有用な化合物D−33の調製を説明するが、これは下記反応式に従い調製される:
【0253】
【化55】
Figure 2004503824
【0254】
中間体 14 の調製
アセトニトリル100mL中のブロモ酢酸t−ブチル13(Aldrich社, 19.51g, 100ミリモル)の溶液を、炭酸カリウム(15.20g, 110ミリモル)を含有するアセトニトリル100mL中の 2−メルカプトエタノール(8.19g, 105ミリモル)の冷却した(5℃)溶液に30分間かけて滴下した。添加後、混合液を室温で3時間撹拌し、かつ濾過した。濾液を、エーテル200mLで希釈し、かつブライン(50mL)で洗浄した。エーテル性溶液を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空濃縮し、化合物14の19.24g(100ミリモル, 100%)を得た。
【0255】
中間体 15 の調製
固形t−ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMSCl, 18.09g, 120ミリモル)を、窒素下で攪拌しているテトラヒドロフラン250mL中の化合物14(19.24g, 100ミリモル)およびイミダゾール(9.55g, 140ミリモル)の溶液に徐々に加えた。室温で2時間後、混合液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mLで反応停止し、かつエーテルで抽出した。粗生成物を、シリカゲル(エーテル/ヘプタン)を通して濾過し、化合物15の29.21g(95ミリモル, 95%)を得た。
【0256】
中間体 16 の調製
固形N−クロロスクシンイミド(6.68g, 50ミリモル)を、5℃で攪拌している四塩化炭素100mL中の化合物15(15.33g, 50ミリモル)の溶液へ、30分間かけて徐々に添加した。反応を2時間継続し、濾過した。溶剤を除去し、化合物16の17.44gが油状物として残留した(50ミリモル, 100%)。
【0257】
中間体 17 の調製
ジクロロメタン200mL中のm−クロロ過安息香酸(mCPBA, 77%, 24.75g, 110ミリモル)の溶液を、5℃で攪拌している、ジクロロメタン100mL中の化合物16(17.44g, 50ミリモル)の溶液へ 30分間かけて滴下した。添加後、混合液を5℃で2時間、および室温で1時間攪拌した。反応を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(250mL)で停止し、かつ有機層を乾燥・濃縮し、化合物17の18.66gを油状物として得た(50ミリモル, 100%)。
【0258】
中間体 18 の調製
酢酸(150mL)中の化合物17(11.26g, 30.2ミリモル)、無水酢酸(5mL)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(100mg)の溶液を、1時間還流した。溶液を室温に冷却し、水100mLで希釈し、かつ2時間攪拌した。固形物を濾過により除去し、濾液を真空濃縮し、化合物18を無色の油状物として生成した。
【0259】
中間体 19 の調製
酢酸(30mL)中の粗化合物18および酢酸ナトリウム(2.46g, 30ミリモル)の溶液を、15分間還流し、室温に冷却し、かつ溶剤を蒸留除去した。残渣を、水および酢酸エチルで仕上げ、化合物19の5.66gを油状物として得た。
【0260】
中間体 20 の調製
メタノール75mL中の粗化合物19および濃塩酸(0.5mL)の溶液を、室温で3日間攪拌した。溶剤を蒸留除去し、化合物20の4.61g(29ミリモル, 化合物17を基に96%)を得た。
【0261】
D−33 の調製
アセトニトリル(10mL)中の化合物20(1.59g, 10ミリモル)、化合物3(2.25g, 11ミリモル)および二酢酸ジブチルスズ(0.02mL)の溶液を、共栓フラスコ中、室温で24時間放置した。溶剤を除去し、油状物を得、これはイソプロピルエーテルで撹拌した場合に晶出した。固形物を収集し、イソプロピルエーテルで洗浄しかつ乾燥した。D−33の収量は3.03g(8.3ミリモル, 83%)であり、融点96−98℃、ESMS:ES+、m/z 363 (M+1, 95%)であった。
【0262】
例6
この例は、本発明において使用される保護された現像剤の半減期(t1/2)または熱活性を決定する方法を説明している。前記構造IIIにヘテロ芳香族基Dが存在する保護された現像剤を除いた(下記参照)、保護された現像剤を、下記の熱活性について試験した:保護された現像主薬を、60℃の脱イオン水中33%(v/v)EtOHからなる溶液中に、濃度〜1.6x10−5Mで、およびpH7.87およびイオン強度0.125で、カプラー−1(224PG,0.0004M)およびKFe(CN)(0.00036M)の存在下で、溶解した。この反応後、分光光度計(例えば、HewlettPackard 8451A分光光度計または同等物)により568nmで、形成されたマゼンタ色素を測定した。反応速度定数(k)は、データに下記式を当てはめて得た:
【0263】
【数1】
Figure 2004503824
【0264】
(式中、Aは時点tでの568nmでの吸光度であり、添え字は時点0および無限(∞)を意味する。)。半減期は、t1/2=0.693/k に従い算出した。
【0265】
【化56】
Figure 2004503824
【0266】
いくつかの保護された発色現像主薬のこのような測定の結果を、下記に示す。
【0267】
【表1】
Figure 2004503824
【0268】
比較の保護された現像主薬は次の構造を有する:
【化57】
Figure 2004503824
【0269】
【化58】
Figure 2004503824
【0270】
【化59】
Figure 2004503824
【0271】
比較例化合物と比べると、半減期30分未満を示す記載した保護された化合物を用いて、より低い開始温度が達成される。好ましくは半減期は25分未満であり、より好ましくは、20分未満である。
【0272】
Dがヘテロ芳香族基である前記構造IIIの保護された現像主薬の半減期を決定するために、保護された現像剤を、130℃のジメチルスルホキシド(DMSO)溶剤からなる溶液中に、濃度〜1.6x10−5Mで、最初にDMSO溶剤に混合したサリチルアニリド存在下で溶解した。反応速度論を、例えばHewlett−Packard LC 1100システムまたは同等物を使用する、反応混合物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析により得た。D−46について測定した半減期は、14.8であり、これはこの条件下での高い反応性を示している。
【0273】
例7
この例は本発明に従うフォトサーモグラフィ要素の利点を示す。この例の写真要素では以下の成分を用いた。
乳剤 E−1
本例において使用したハロゲン化銀乳剤は、95.5% AgBrおよび4.5% AgIで構成されていた。この粒子は、有効円直径1.06μmおよび厚さ0.126μmを有した。この乳剤は、増感色素SM1およびSM2の適用によりマゼンタ光に対し増感し、かつ当該技術分野において公知のような最適像形成性能に化学増感した。
【0274】
【化60】
Figure 2004503824
【0275】
銀塩分散体 SS−1
攪拌した反応容器に、石灰処理したゼラチン431gおよび蒸留水6569gを入れた。ベンゾトリアゾール214g、蒸留水2150gおよび2.5モル水酸化ナトリウム790gを含有する溶液を調製した(溶液B)。反応容器中の混合物を、必要に応じ溶液B、硝酸、および水酸化ナトリウムを添加することにより、pAg 7.25およびpH 8.00に調節した。0.54モル硝酸銀の溶液4Lを、250cc/分でケトルに入れ、溶液Bを同時添加することにより、pAgを7.25に維持した。このプロセスは、硝酸銀溶液が消費されるまで継続し、その時点で、混合物を限外濾過により濃縮した。得られた銀塩分散体は、ベンゾトリアゾール銀の細粒を含んだ。
【0276】
AgPMT 分散体 AF−1
撹拌した反応容器に、石灰処理したゼラチン9.7gおよび蒸留水300gを入れた。フェニルメルカプトテトラゾール14.1g、蒸留水90.2g、アセトン16.0gおよび2.5モル水酸化ナトリウム31.7gを含有する溶液を調製した(溶液C)。反応容器中の混合物を、必要に応じ溶液C、硝酸、および水酸化ナトリウムを添加することにより、pAg 7.25およびpH 5.8に調節した。0.54モル硝酸銀の溶液200ccを、11cc/分でケトルに入れ、溶液Cを同時添加することにより、pAgを7.25に維持した。このプロセスは、硝酸銀溶液が消費されるまで継続し、その時点で、20%ゼラチン溶液27gを添加した。得られた銀塩分散体はフェニルメルカプトテトラゾール銀の微粒子を含有していた。
【0277】
AgPMT PMT 共分散体 AF−2
これらの材料を水性混合物中で、以下の処方のジルコニアビーズを使って4日間ボールミルにかけた。フェニルメルカプトテトラゾール1gの場合、トリ−イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(0.1g)、水(10gにする)、およびビーズ(25ml)を用いた。これらのビーズを濾別した。フェニルメルカプトテトラゾール1モル当たり硝酸銀0.5モルを添加することによって、フェニルメルカプトテトラゾールの50%が銀−フェニルメルカプトテトラゾールに転換された。
【0278】
次の表1−1に示した標準フォーマットに従ってコーティングを調製した。変更はフェニルメルカプトテトラゾール源を変えたことである。溶融物pHを3.5に調節した。全てのコーティングを7ミル厚のポリエチレンテレフタレート支持体上に調製した。
【0279】
【表2】
Figure 2004503824
【0280】
カプラー分散体 CDM−1
カプラーM−1およびリン酸トリクレシルを質量比1:0.5で含む油ベースのカプラー分散体を、従来の手段により調製した。
【0281】
【化61】
Figure 2004503824
【0282】
比較例
比較コーティングを保護された現像主薬DEV−1を用い、カブリ防止剤を用いないで標準コーティングフォーマットを用いて作成した。
発明例:
2つの発明例コーティングを保護された現像主薬DEV−1を用い、それぞれカブリ防止剤AF−1およびAF−2用いて標準コーティングフォーマットを用いて作成した。
【0283】
コーティング評価
得られたコーティングを、Daylight5Aフィルターで濾過した、3000K の3.04 logルクス光源に対して階段光学くさびを通して露光した。露光時間は1/10秒であった。露光後、コーティングを、加熱したプラテンと20秒間接触することにより、熱現像処理した。
【0284】
上掲したコーティング以下の表に示すように実施した。最適ストリップ処理条件を得るために、多くのストリップを様々なプラテン温度で処理した。これらのデータから、画像識別能を計算した。画像識別能は下記値に相当している:
【0285】
【数2】
Figure 2004503824
【0286】
より高いDP値は、増大された信号対ノイズを生じるカブリ防止剤を示し、これが望ましい。
【0287】
上掲したコーティング以下の表1−2に示すように実施した。
【表3】
Figure 2004503824
【0288】
この表は本発明のカブリ防止剤が比較例コーティングと比べて実質的にピーク識別能を改善したことを示す。
【0289】
例8
フォトサーモグラフィフィルムにおいてベンゾトリアゾールの銀塩と5−フェニル−1−メルカプトテトラゾールの組合せを用いる利点を実証するために、表8−1の成分を含有するコーティングを、7ミルポリエチレンテレフタレート支持体上に調製した。
【0290】
銀塩分散体 AF−3 (1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール銀)
攪拌している反応容器に、石灰処理したゼラチン431gおよび蒸留水6569gを投入した。1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール320g、蒸留水2044g、および2.5モル水酸化ナトリウム790gを含有する溶液を調製した(溶液D)。反応容器内の混合物を、溶液D、硝酸および水酸化ナトリウムを必要に応じて添加することにより、pAg 7.25およびpH 8.00に調節した。
【0291】
0.54モル硝酸銀の4L溶液を、250cc/分でケトルに添加し、かつ同時に溶液Dを添加することにより、pAgを7.25に維持した。このプロセスを、硝酸銀溶液が消費されるまで継続し、その時点で混合物を限外濾過により濃縮した。得られた銀塩分散体は、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールの銀塩の微細粒を含んでいた。
カプラー分散体 CDM−2
追加の永久溶剤を用いないで、カプラーM−2を含有するカプラー分散体を従来の手段により調製した。
【0292】
【表4】
Figure 2004503824
【0293】
【化62】
Figure 2004503824
【0294】
これらの通常成分に加えて、銀塩SS−1およびAF−3を、表8−2に示した量(銀基準)で各コーティングに添加した。得られたコーティングを、Daylight5Aフィルターで濾過した、3000K の3.04 logルクス光源に対して階段光学くさびを通して1/10秒間露光した。露光後、コーティングを、加熱したプラテンと20秒間150℃で接触することにより、熱現像処理した。その後コーティングを、Kodak Flexicolor Fix溶液により定着し、ハロゲン化銀を除去した。各コーティングについて、最大露光(赤Dmax)でのステータスM赤濃度を、X−Riteデンシトメータにより測定した。赤Dmax値を、表8−2の最後の欄に示した。
【0295】
【表5】
Figure 2004503824
【0296】
表8−2のデータは、ベンゾトリアゾールに由来する銀塩とメルカプトテトラゾールに由来する銀塩の混合物を使用することが熱現像されたフィルムに高い最大濃度を実現するのに必要であることを明らかに示す。
【0297】
例9
次の実験で、メルカプトテトラゾールの銀塩の使用の利点を、それを含まない、未錯化形態と比較して説明する。表9−1に記載した通常の成分を含有するフォトサーモグラフィコーティングを7ミルのポリエチレンテレフタレート支持体上に調製した。
【0298】
分散体 AD−1(1− フェニル −5− メルカプトテトラゾール (PMT))
PMTを9.6g、ポリビニルピロリドン0.96g、Triton X−200界面活性剤0.96g、および蒸留水84.5gを含有する混合液を作成した。この混合液に、1.8 mm酸化ジルコニウムビーズ240ccを添加し、および分散体をロールミルで3日間微粉砕し、PMTの微細粒分散体を得た。
【0299】
【表6】
Figure 2004503824
【0300】
これらの通常成分に加えて、銀塩SS−1およびAF−3並びに遊離5−フェニル−ンルカプとテトラゾール(AD−1)を、表9−2に示した量(銀基準)で各コーティングに添加した。得られたコーティングを、Daylight5AおよびWratten2Bフィルターで濾過した、3000K の3.04 logルクス光源に対して階段光学くさびを通して1/10秒間露光した。露光後、コーティングを、加熱したプラテンと20秒間150℃で接触することにより、熱現像処理した。その後コーティングを、Kodak Flexicolor Fix溶液により定着し、ハロゲン化銀を除去した。別の露光済みコーティングの組をBritish Journal of Photography Annual, 1988, pp.196−198に記載されているような標準KODAK FLECICOLOR(商標)C−41処理で処理した。各コーティングについて、最大露光(緑Dmax)でのステータスM緑濃度を、X−Riteデンシトメータにより測定した。熱現像した場合と、C−41処理した場合の緑Dmax値を、表9−2に示した。表9−2の最後の欄は、150℃で熱現像した同一コーティング処方と比較した標準C−41処理したコーティングで示される緑Dmaxの低下率を示す。低下率が小さいほど好ましい。なぜなら、それは熱現像されたか、標準C−41処理されたかにかかわらず同じような挙動を写真要素を示すことを意味するからである。
【0301】
【表7】
Figure 2004503824
【0302】
表9−2のデータは、遊離フェニルメルカプトテトラゾールAD−1を含有するコーティングが標準C−41処理した場合により大きなDmax濃度低下を示すことを実証する。
【0303】
例10
処理条件は例に記載したものと同じである。特に断らないかぎり、ハロゲン化銀を現像後にKodak Flexicolor Fix溶液に浸漬して除去した。一般に、測定した濃度のおよそ0.2の増加が、この工程を省くことで得られるであろう。下記の共通の成分をこの例において使用した。さらに関連試薬の構造の全ての一覧を含む。
【0304】
全てのコーティングは、表10−1に示した共通成分を含有した。さらに、銀塩SS−1、AF−3およびPMTの量を、コーティングの機能として表10−1に示した。比較例は純粋化合物として混入されたPMTを含有するが、本発明例は銀塩として混入されたPMTを示す。
【0305】
【表8】
Figure 2004503824
【0306】
【表9】
Figure 2004503824
【0307】
PMT有機酸の混入に対するPMTの銀塩の使用は、2つの主たる利点を示す。次の表10−3に示されるように、最初の場合、銀−PMTを含有するコーティングは銀−PMTを含有しないコーティングよりも感度が増加することを示す。感度を測定するために、表10−2のコーティングをカラー温度5500Kを模倣するために、濾過した光源に対して濃度階段タブレットを通して露光した。光源はさらに、Wratten #9フィルターにより濾過し、可視光スペクトルの赤および緑部分のみをフィルムに露光した。この光源の強度は2.4 log(ルクス)であり、露光時間0.1秒を用いた。露光後、コーティングを、145Cで20秒間現像処理し、可視像を得た。デンシトメトリーを、この画像について行い、H&D曲線を作成し、これによりコントラスト正規化した感度計量を用い、感度を測定した。下記表10−3は、これらのコーティングの測定した感度を示し、全て対照コーティングの感度に対して正規化されている。
【0308】
【表10】
Figure 2004503824
【0309】
表10−3は、PMT有機酸の混入に対して銀塩としてのPMT混入によって、中程度の間銅像かを得ることができることを示す。
【0310】
表10−3に例示されたフレッシュ処理されたコーティングに追加して、同じコーティングを、コーティングのエージングに対する安定性を試験するために、38℃および相対湿度60%の条件に1週間曝した。下記表10−4は、この試験結果を示し、ここでパラメータΔ−感度は、エージング模倣後のコーティングの写真感度のエージング模倣前のコーティングのそれに対する差を意味している。負の数は、エージングによる感度喪失を表している。
【0311】
【表11】
Figure 2004503824
【0312】
本発明のコーティングのいくつかにおいてエージング時の感度の若干の喪失があるが、表10−4から、エージング時の感度喪失は、PMT有機酸を用いて構成された比較コーティングと比べると、PMTの銀塩を用いるコーティングの場合、それほど酷くないことが明らかである。
【0313】
例11
処理条件は次の多層例に記載したとおりである。特に断らないかぎり、ハロゲン化銀を現像後にKodak Flexicolor Fix溶液に浸漬して除去した。下記の成分をこの例において使用した。さらにリストに記載した化学構造の全てを含む。
【0314】
銀塩分散体 SS−2
攪拌している反応容器に、石灰処理したゼラチン431gおよび蒸留水6569gを投入した。ベンゾトリアゾール214g、蒸留水2150g、および2.5モル水酸化ナトリウム790gを含有する溶液を調製した(溶液E)。反応容器内の混合物を、溶液E、硝酸および水酸化ナトリウムを必要に応じて添加することにより、pAg 7.25およびpH 8.00に調節した。
【0315】
0.54モル硝酸銀の4L溶液を、250cc/分でケトルに添加し、かつ同時に溶液Eを添加することにより、pAgを7.25に維持した。このプロセスを、硝酸銀溶液が消費されるまで継続し、その時点で混合物を限外濾過により濃縮した。得られた銀塩分散体は、ベンゾトリアゾール銀の細粒を含んでいた。
【0316】
カブリ防止剤銀塩分散体 AF−4
攪拌している反応容器に、石灰処理したゼラチン431gおよび蒸留水6569gを投入した。1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール320g、蒸留水2044g、および2.5モル水酸化ナトリウム790gを含有する溶液を調製した(溶液F)。反応容器内の混合物を、溶液F、硝酸および水酸化ナトリウムを必要に応じて添加することにより、pAg 7.25およびpH 8.00に調節した。
【0317】
0.54モル硝酸銀の4L溶液を、250cc/分でケトルに添加し、かつ同時に溶液Fを添加することにより、pAgを7.25に維持した。このプロセスを、硝酸銀溶液が消費されるまで継続し、その時点で混合物を限外濾過により濃縮した。得られた銀塩分散体は、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール銀の細粒を含んでいた。
【0318】
ハロゲン化銀乳剤
本例において使用したハロゲン化銀乳剤は全て、当該技術分野で公知の通常の手段によって析出されたヨウ臭化銀平板状粒子である。次の表11−1にヨウ化物含量、寸法、および分光感度を付与するために用いた増感色素とともに種々の乳剤を示す。乳剤は全て当該技術分野で公知のように化学増感して最適な感度を生じた。
【0319】
【表12】
Figure 2004503824
【0320】
カプラー分散体 CDM−2
カプラーM−2およびリン酸トリクレシルを質量比1:0.5で含む油ベースのカプラー分散体を、従来の手段により調製した。
【0321】
カプラー分散体 CDC−1
カプラーC−1およびフタル酸ジブチルを質量比1:2で含む油ベースのカプラー分散体を、従来の手段により調製した。
カプラー分散体 CDY−1
カプラーY−1(381AQF)およびフタル酸ジブチルを質量比1:0.5で含有する油ベースのカプラー分散体は、常法により調製した。
【0322】
【化63】
Figure 2004503824
【0323】
【化64】
Figure 2004503824
【0324】
【化65】
Figure 2004503824
【0325】
生の情景を捕獲することを目的とするフルカラーフォトサーモグラフィー要素において使用を可能にするために、下記表11−2に説明したような多層像形成要素を作成した。この例の多層要素は、湿式−現像処理工程を用いないで画像を形成することができた。
【0326】
【表13】
Figure 2004503824
【表14】
Figure 2004503824
【0327】
得られたコーティングを、5500K の1.8 logルクスの光源に対して、Wratten 2Bフィルターおよび階段光学くさびを通して露光した。露光時間は0.1秒であった。露光後、コーティングを、加熱したプラテンと145Cで20秒間接触することにより、熱現像処理した。シアン、マゼンタ、およびイエロー濃度は、ステータスMカラープロフィールを用いて読み取り、下記表11−3に示した濃度を得た。これらの濃度から、コーティングをマルチカラー情報を捕獲する有用な写真要素として利用することは明らかである。
【0328】
【表15】
Figure 2004503824
【0329】
フィルム要素をさらに、50mm/f 1.7レンズを装着した単レンズ反射カメラに装填した。このカメラの露光制御を、ASA100に設定し、かつフラッシュを使わない室内の生情景を、前述の要素に捕獲した。この要素は、20秒間145℃での加熱により現像し、その後の現像処理はこの要素については行わなかった。
【0330】
得られた画像を、Nikon(登録商標)LS2000フィルムスキャナーで走査した。こうして得たデジタル画像ファイルを、色調スケールおよび色飽和を改良する補正をデジタル的に行うAdobe Photoshop(登録商標)(v5.0.2)に取込み、その結果許容できる画像とした。この画像を、コンピュータモニターにより、ソフトコピーとして目視した。次にこの画像ファイルを、Kodak 8650色素昇華プリンターへ転送し、許容できる品質のハードコピー出力とした。これは完成した画像形成チェーンにおいてフォトサーモグラフィ要素の使用を実証する。
【0331】
例12
例11由来の本発明のフィルムをこの例ではIMF−1と標識する。比較フィルム例CMF−1は、KODAK GOLD100フィルム、乳剤番号5281の製品コーティングであった。これは、British Journal of Photography Annual, 1988, pp.196−198に記載されているようなC−41処理(但し、1,3−プロピレンジアミン四酢酸を有する改良された漂白溶液を含む)に従う処理に好適なフィルム要素である。処理されるフィルム要素は、ISO感度ISO100を示し、全ての色記録において優れた濃度を形成した。
【0332】
次の処理ではC−41プロセスを用いた。このプロセスは37.8℃で以下の工程からなる:
Figure 2004503824
【0333】
上記フィルム例IMF−1およびCMF−1を、5500K の1.8 logルクスの光源に対して、Wratten 2Bフィルターおよび階段光学くさびを通して露光した。露光時間は0.1秒であった。
これらのフィルムサンプルについて、以下の現像処理を行った。処理後、赤、緑および青濃度に応答するセンシトメトリーを、ステータスMカラープロファイルを用いて読み取った。
【0334】
プロセス1−加熱したプラテン上で10秒間160℃による熱現像。
プロセス2−プロセス1と同じ熱現像後、露光し、その後C−41プロセスによる漂白および定着。
プロセス3−C−41現像後に水洗。
プロセス4−C−41現像後に水洗、露光し、その後C−41プロセスによる漂白および定着。
【0335】
これらの実験のために、プロセス2および4の間の露光工程を、フィルムサンプルを照明箱に30分間入れることによって行った。実施系では、この露光は、走査オペレーション時のスキャナー光源から受け取る露光量となることができる。全ての処理の最後のところならびにプロセス2では加熱現像後に、そしてプロセス4では水洗後に、センシトメトリーを読み取った。プロセス2および4では、これらの中間センシトメトリー読み取りをそれそれプロセス2Aおよび4Aとし、最終プロセスセンシトメトリー読み取りをそれぞれ2Bおよび4Bとした。
【0336】
本発明のプロセスはフォトサーモグラフィフィルムを熱現像および商業現像することができる。本発明の第二の処理は、その後、画像を安定にすることができ、C−41プロセスの漂白および定着工程を用いてフィルムを治癒することによってノイズ対信号を改善することができる。以下の例は上記4種類のプロセスによって生成される緑層濃度に焦点を当てることによってこれを実証する。多層カラーフィルム要素の赤層及び青層に対して同じ原理が等しく当てはまることがわかる。
【0337】
表12−1は、熱現像後の最小濃度および最大濃度に関する情報を含んでいる。この表では、識別能を:
【0338】
【数3】
Figure 2004503824
【0339】
として定義する。これらの結果から、フォトサーモグラフィフィルム要素IMF−1だけがこの様式で現像することができ、比較フィルムは現像できないことが明らかである。
【0340】
【表16】
Figure 2004503824
【0341】
本発明の鍵となる形態は、フォトサーモグラフィフィルムをデュアル処理できることである。表12−2は、C−41現像後の画像の最小濃度および最大濃度に関する情報を含んでいる。画像識別能の定義は前例と同じである。デンシトメータは約 5.0より上の濃度測定は困難であるので、いくつかの濃度測定では高ノイズがある。これらの結果から、本発明のフォトサーモグラフィフィルム要素IMF−1が湿式C−41処理を使って治癒に効き目があるように現像できることは明らかである。表12−1の結果を併せると、フィルムIMF−1は乾式処理および湿式処理の両方で現像可能であるが、フィルムCMF−1は湿式処理によってのみ現像可能である。
【0342】
【表17】
Figure 2004503824
【0343】
上記4Aサンプルは、不完全なC−41湿式処理を行った。表表12−3は、これらのサンプルを商業処理を介して漂白および定着したときのデータを含む。
【0344】
【表18】
Figure 2004503824
【0345】
次の表は本発明のフォトサーモグラフィフィルムを、熱現像の後のC−41漂白および定着工程で治癒することができることを示す。熱現像プロセスが有用な画像を生成しなかったので、我々はフィルムサンプルCMF−1(比較)をこの例では完了まで持っていけなかった。
【0346】
【表19】
Figure 2004503824
【0347】
本発明のフォトサーモグラフィフィルムの治癒プロセスは継続する現像、プリントアウト、および汚染に対してフィルムを安定化するのに有用である。さらに、治癒プロセスは、より効率良く走査が起きるように最終フィルム濃度(Dmax)を低下させる。このことは次の表12−5に示されている。
【0348】
【表20】
Figure 2004503824
【0349】
例13
現像処理条件は、下記に説明した。特に記さない限りは、ハロゲン化銀は、現像後に、Kodak Flexicolor Fix溶液中への浸漬により除去した。一般に、測定した濃度のおよそ0.2の増加は、この工程を省略することにより得られるであろう。
【0350】
本発明のコーティング例は、厚さ7ミルのポリ(エチレンテレフタレート)支持体上に下記表13−1に示されたように調製し、かつゼラチン(0.22g/m)および1,1’−(メチレンビス(スルホニル))ビス−エタン硬膜剤(総ゼラチン濃度2%)の上塗り層を伴う乳剤含有層(下記の含量)を備えることができる。両方の層は、コーティングを促進する展開助剤を含んだ。
【0351】
【表21】
Figure 2004503824
【0352】
銀塩分散体 SS−3
攪拌している反応容器に、石灰処理したゼラチン431gおよび蒸留水6569gを投入した。ベンゾトリアゾール214g、蒸留水2150g、および2.5モル水酸化ナトリウム790gを含有する溶液を調製した(溶液G)。反応容器内の混合物を、溶液G、硝酸および水酸化ナトリウムを必要に応じて添加することにより、pAg 7.25およびpH 8.00に調節した。0.54モル硝酸銀の4L溶液を、250cc/分でケトルに添加し、かつ同時に溶液Gを添加することにより、pAgを7.25に維持した。このプロセスを、硝酸銀溶液が消費されるまで継続し、その時点で混合物を限外濾過により濃縮した。得られた銀塩分散体は、ベンゾトリアゾール銀の細粒を含んでいた。
【0353】
銀カブリ防止塩分散体 AF−5
攪拌している反応容器に、石灰処理したゼラチン431gおよび蒸留水6569gを投入した。1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール320g、蒸留水2044g、および2.5モル水酸化ナトリウム790gを含有する溶液を調製した(溶液H)。反応容器内の混合物を、溶液H、硝酸および水酸化ナトリウムを必要に応じて添加することにより、pAg 7.25およびpH 8.00に調節した。0.54モル硝酸銀の4L溶液を、250cc/分でケトルに添加し、かつ同時に溶液Hを添加することにより、pAgを7.25に維持した。このプロセスを、硝酸銀溶液が消費されるまで継続し、その時点で混合物を限外濾過により濃縮した。得られた銀塩分散体は、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール銀の細粒を含んでいた。
【0354】
乳剤
ハロゲン化銀乳剤は、下記形態および組成を有するように、常法により調製した。これらの乳剤は、増感色素の添加により緑光に対して分光増感し、次に最適性能について化学増感した。
EM−1:平板乳剤、96%臭化銀および4%ヨウ化銀の組成、並びに等価円直径1.2μmおよび厚さ0.12μmを有する。
【0355】
EM−2:平板乳剤、98%臭化銀および2%ヨウ化銀の組成、並びに等価円直径0.45μmおよび厚さ0.006μmを有する。
EM−3:平板乳剤、98%臭化銀および2%ヨウ化銀の組成、並びに等価円直径0.79μmおよび厚さ0.009μmを有する。
EM−4:立方乳剤、97%臭化銀および3%ヨウ化銀の組成、並びに寸法0.16μmを有する。
カプラー分散体 CDM−3
カプラーM−1リン酸トリクレシルおよび2−ブトキシ−N,N−ジブチル−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ベンズアミンを質量比1:0.8:0.2含有する油ベースのカプラー分散体を調製した。
【0356】
【化66】
Figure 2004503824
【0357】
混入された現像剤 (DEV−1)
この物質は、下記式のジルコニアビーズを用い、水性混合物中で4日間、ボールミルを行った。混入された現像剤1g、トリ−イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(0.1g)、水(最大10g)、およびビーズ(25ml)を用いた。場合によっては、微粉砕後、スラリーを、温めた(40℃)ゼラチン溶液(12.5%, 10g)により希釈し、その後ビーズを濾過により取除いた。濾液(ゼラチン添加ありまたはなし)を使用前に冷蔵庫内で貯蔵した。
【0358】
【化67】
Figure 2004503824
【0359】
保護された抑制剤
これらの物質は、下記式のジルコニアビーズを用い、水性混合物中で4日間、ボールミルを行った。保護された抑制剤1gについて、トリ−イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(0.1g)、水(最大10g)、およびビーズ(25ml)を用いた。場合によっては、微粉砕後、スラリーを、温めた(40℃)ゼラチン溶液(12.5%, 10g)により希釈し、その後ビーズを濾過により取除いた。濾液(ゼラチン添加ありまたはなし)を使用前まで冷蔵庫内で貯蔵した。
【0360】
【化68】
Figure 2004503824
【0361】
コーティング評価
得られるコーティングは、Daylight5A、0.6 InconelおよびWratten 9フィルターで濾過された3000Kの3.04 logルクス光源に対して階段光学くさびを通して露光した。露光時間は0.1秒であった。露光後、2種の方法でコーティングを現像処理した:(a)加熱したプラテンと20秒間接触することによる、熱現像処理。多くのストリップを、認められた作用の一般性をチェックするために様々なプラテン温度で現像処理した。(b)KODAK C−41プロトコールを用いる現像処理。
【0362】
各段階での濃度読み値から、測定により、介在する濃度段階のひとつにより分割されるいずれか2個の測定した濃度段階間の最大2−ポイントのコントラストを用い、写真ガンマを評価した。ガンマ低下の程度は、保護された抑制剤の有効性の測定である。
【0363】
先に示した保護された現像剤化合物のコーティングを、下記表13−2に示されたように行い、これはストリップについて145℃で現像処理した。これらは、サーマルにおけるガンマ制御において非常に有効であるが、一部該化合物が非常に低い水への溶解度を有する場合(BI−4およびBI−5)には、加水分解に対して十分活性ではなく、もしくは化合物がサーマルプロセスにおいて有効であるが水性プロセスにおいて有効でない抑制剤を放出する場合(BI−2)、水性KODAK C−41型現像処理においてガンマ低下をほとんど示さない。従って、これらの化合物は、顕著に水性プロセスガンマを低下することなく、より高いサーマルガンマの制御を補助するために使用することができ、いずれかの方法により現像処理されたフィルムが走査のための改善された濃度範囲を有することを可能にする。
【0364】
【表22】
Figure 2004503824
【0365】
本発明は、好ましい態様を特に参照し詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲内で、変更および改良を実行することができることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の要素の走査により得られた現像処理および可視像形成のための装置のブロック図である。
【図2】図2は、本発明の現像されたカラー要素の走査から得た信号を形成する画像の電子式信号現像処理を示すブロック図を示す。

Claims (32)

  1. カメラ内で像様に露光されたカラー写真フィルムを現像処理する方法であって、該フィルムが、異なる波長領域にそれらの個別の感度を有する少なくとも3種の感光性単位を有し、これらの各単位が少なくとも1種の感光性ハロゲン化銀乳剤、バインダー、および色素提供カプラーを含有し、この方法が下記の工程を含む方法:
    (a)ハロゲン化銀乳剤内で、保護されていない現像主薬と色素提供カプラーとの反応によってフィルムにカラーネガ像を形成するために、像様露光されたカラー写真フィルムを、像様露光されたカラー写真フィルムを、保護されていない現像主薬と、30℃〜60℃の温度での撹拌下で接触させることを含む発色現像工程、3つの感光性単位の色素提供カプラーから形成された色素は色相が異なる;
    (b)該フィルムを1種または複数の脱銀溶液中で脱銀し、望ましくない銀およびハロゲン化銀を除去し、これによりカラーネガ画像を形成する工程;そして、
    (c)その後、脱銀後のフィルムからポジ像カラープリントを形成する工程;
    ここで、前記フィルムは、さらに内部に配置された保護された現像主薬、酸化剤としての少なくとも1種の有機化合物の金属塩または錯体、およびC1〜C12の炭素原子を有するメルカプト官能有機化合物を含み、前記メルカプト官能有機化合物は、発色フォトサーモグラフィフィルムの熱現像時のカブリを有効に抑制するために、画像形成銀1モル当たり20〜3,000gの範囲で存在し;そして
    前記保護された現像主薬は、上記発色現像工程(a)では、実質的に反応しないが、同じ像様露光されたフィルムの発色現像を、本質的に水性溶液条件無しに、約80℃を超える温度に前記フィルムを加熱することにより外部適用される現像主薬無しに択一的に且つ比較して得ることができ、その結果保護された現像主薬は、脱保護され、現像主薬を形成し、これにより脱保護された現像主薬は、ハロゲン化銀乳剤内の色素提供カプラーと反応することによって色素を形成し、3つの感光性単位の色素提供カプラーから形成された色素は色相が異なる。
  2. 前記メルカプト官能化合物が、10〜21のpKspおよび0.1〜10のclogPを有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記銀供与体がベンゾトリアゾール銀である請求項1に記載の方法。
  4. 前記メルカプト官能化合物が銀PMTであり、画像形成銀1モル当たりPMT20〜3,000gの量で存在する請求項1に記載の方法。
  5. カメラ内で像様に露光された、一定の期間にわたってカメラユーザーに販売された商業的品質のカラー写真フィルムを現像処理する方法であって、該フィルムが、異なる波長領域にそれらの個別の感度を有する少なくとも3種の感光性単位を有し、これらの各単位が少なくとも1種の感光性ハロゲン化銀乳剤、バインダー、および色素提供カプラーを含有し、この方法が下記の工程を含む方法:
    (a)ハロゲン化銀乳剤内で、保護されていないp−フェニレンジアミン現像主薬と色素提供カプラーとの反応によってフィルムにカラーネガ像を形成するために、像様露光されたカラー写真フィルムを、保護されていないp−フェニレンジアミン現像主薬を含む現像主薬と、水性アルカリ条件下で30℃〜50℃の温度での撹拌下で接触させることを含む発色現像工程で前記量のフィルムの実質的部分を処理する工程、3つの感光性単位の色素提供カプラーから形成された色素は色相が異なり、その後、このフィルムを1種以上の溶液中で脱銀し、好ましくない銀およびハロゲン化銀を除去し、それによって、カラーネガ像を形成し、そしてその後この脱銀されたフィルムからポジ画像プリントを作成する;
    (b)本質的に乾式条件で、前記フィルムを80℃を超える温度に加熱することによるフィルムの熱処理を含み、その結果前記3つの感光性単位のそれぞれと反応的に組み合わさる内部に配置された保護された現像主薬が、脱保護され、現像主薬を形成し、これにより脱保護された現像主薬が、匹敵するカラーネガ像を形成するために色素提供カプラーと反応することにより色素を生成し、このカラーネガ像を脱銀しないで走査して、ディスプレイ要素にポジのカラー像を生成することができるカラー像のデジタル電子記録を提供する、外部適用される現像主薬の無い発色現像工程で前記量のフィルムの実質的部分を処理する工程。
  6. 前記カラー画像が熱拡散印刷またはインクジェット印刷によって生成される請求項5に記載の方法。
  7. 現像のためにフィルムを提出する消費者が、フィルム現像機で使用される発色現像(a)または(b)のいずれかの選択をする請求項5に記載の方法。
  8. 熱現像時に前記フィルムの膨潤に必要な溶液の0.1倍未満を用いる請求項5に記載の方法。
  9. 前記内部に配置された保護された現像主薬が、保護されてない現像主薬の存在下で実質的に保護されたままであり、その結果、工程(a)の処理条件下で、前記保護された現像主薬がハロゲン化銀乳剤内の色素提供カプラーと競合して反応しない請求項5に記載の方法。
  10. 前記保護された現像主薬が次の構造を有する基を含む請求項1に記載の方法:
    Figure 2004503824
    (式中、RおよびRは、独立して、水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成し;
    、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRは、RまたはRと結合し、および/またはRはRまたはRと結合して環を形成し;
    Xは、炭素またはイオウを表し;
    Yは、酸素、イオウ、またはN−Rを表し、ここで、Rは置換もしくは未置換のアルキル、または置換もしくは未置換のアリールであり;
    pは、1または2であり;
    Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;
    rは、0または1であり;
    但し、Xが炭素である場合は、pおよびrの両方は1であり、Xがイオウである場合は、Yは酸素であり、pは2でありそしてrは0である)。
  11. 前記保護されていない現像主薬が、次の基から選ばれる化合物または写真に適合可能なそれらの塩である請求項1に記載の方法:
    Figure 2004503824
    (式中、RおよびRは、独立して、水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成し;
    、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRは、RまたはRと結合し、および/またはRはRまたはRと結合して環を形成することができる)。
  12. 前記保護された現像主薬が、脱保護されたあと、前記保護されていない現像主薬と同じ化合物である請求項1に記載の方法。
  13. 像様露光され、現像された写真要素を走査する工程を含む、画像の電子表示を形成することをさらに含む請求項5に記載の方法。
  14. 像様露光された写真要素を現像して、現像された画像を形成する工程;
    前記現像された画像を走査して、前記現像された画像のアナログ電子表示を形成する工程;
    前記アナログ電子表示をデジタル化して、デジタル画像を生成する工程;
    前記デジタル画像をデジタル改変する工程;そして
    前記デジタル改変された画像を保存し、伝送し、プリントし、または表示する工程からなる各工程を含んでなる請求項5に記載の方法。
  15. パッケージに入れられたカラー写真フィルムを含んでなる製品であって、前記フィルムは、異なる波長領域にそれらの個別の感度を有する少なくとも3つの感光性単位を有し、各単位は少なくとも1種の感光性ハロゲン化銀乳剤層、バインダーおよび色素提供カプラーならびに保護された現像主薬を含み、前記フィルムは、該フィルムを2つの択一的のルートのいずれかで処理することを指示する表示を有するパッケージに封入されており、これらのルートの1つは、像様露光されたカラー写真フィルムをフェニレンジアミン現像主薬が溶解された現像剤と接触される湿式化学処理に対応し、そして2つのルートのもう一方は、乾式熱処理に対応し、
    ここで、湿式−化学現像処理とは、潜像からカラー画像を形成するために、像様に露光されたカラー写真要素を、保護されていないフェニレンジアミン現像主薬を含有する溶液中に、攪拌しながら温度50℃より以下で浸漬されることを含む処理を意味し、フェニレンジアミン現像主薬は、ハロゲン化銀乳剤内の色素提供カプラーと反応して色素を生成し、各層の色素提供カプラーから形成された色素は色相が異なり、そして
    乾式熱処理とは、いかなる水性溶液も添加しないで前記フィルムを80℃を超える温度に加熱することによるフィルムの熱処理を含む処理を意味し、その結果、保護された現像主薬が、脱保護され、現像主薬を形成し、これにより脱保護された現像主薬が潜像からカラーネガ像を形成し、このカラーネガ画像をフィルムを脱銀しないで走査して、該カラーネガ画像、または、ディスプレイ要素にポジのカラー像を生成する場合は、そのポジ等価物に対応するデジタル電子記録を提供する。
  16. 前記パッケージの表示が、該写真フィルムを択一的な方法で現像できることを消費者に指示し、これらの方法は暗示的にまたは明示的に次の2つのプロセスに対応する;(a)前記写真フィルムを現像し、そして走査し、その後必要に応じて記録要素上にプリントする自動化キオスクでの熱現像、および(b)前記写真フィルムを、写真フィルムを現像する少なくとも一つのタンクおよびそのフィルムを脱銀する少なくとも1つのタンクを含む複数タンクに連続的に浸漬することを含む湿式化学処現像。
  17. 脱保護されるときに、前記保護された現像主薬が、次の基から選ばれる化合物または写真に適合可能なそれらの塩を放出する請求項15に記載の製品:
    Figure 2004503824
    (式中、RおよびRは、独立して、水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成し;
    、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRは、RまたはRと結合し、および/またはRはRまたはRと結合して環を形成することができる)。
  18. 前記保護された現像主薬が次の基を含む請求項15に記載の製品:
    Figure 2004503824
    (式中、RおよびRは、独立して、水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成し;
    、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRは、RまたはRと結合し、および/またはRはRまたはRと結合して環を形成し;
    Xは、炭素またはイオウを表し;
    Yは、酸素、イオウ、またはN−Rを表し、ここで、Rは置換もしくは未置換のアルキル、または置換もしくは未置換のアリールであり;
    pは、1または2であり;
    Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;
    rは、0または1であり;
    但し、Xが炭素である場合は、pおよびrの両方は1であり、Xがイオウである場合は、Yは酸素であり、pは2でありそしてrは0である)。
  19. 前記保護された現像主薬のt1/2が、DMSO熱安定性試験による測定として、5.0分以下である請求項15に記載の製品。
  20. 保護された現像主薬が、20分以下の半減期(t1/2)、低くとも60℃の温度で少なくとも2.0のピーク識別能を有し、この保護された現像主薬が、下記構造により表される請求項15記載の製品:
    Figure 2004503824
    (式中、DEVは、現像主薬であり;
    LINKは連結基であり;
    TIMEは、タイミング基であり;
    nは0、1または2であり;
    tは、0、1または2であり、ここでtが2でない場合は、必要数(2−t) の水素が、この構造に存在し;
    C*は、四面体(sp混成された)炭素であり;
    pは、0または1であり;
    qは、0または1であり;
    wは、0または1であり;
    p+q=1であり、pが1である場合は、qおよびwは両方とも0であり;qが1である場合は、wは1である;
    12は、水素、または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基であるか、またはR12はWと結合し環を形成することができ;
    Tは、独立して、少なくとも1個のC〜C10の有機基(R13またはR13およびR14基のいずれか)によりキャップされた、好ましくは置換もしくは未置換のアルキルまたはアリール基でキャップされた、置換または未置換の(以下T基と称される)アルキル基、シクロアルキル基、アリール、またはヘテロ環式基、無機一価の電子求引基、または無機二価の電子求引基から選択され;もしくは、Tは、WまたはR12と一緒に環を形成するか;もしくは、2個のT基が結合し環を形成し;
    Dは、置換または未置換の(以後D基と称す)ヘテロ芳香族基もしくはアリール基、または一価の電子求引基から選択された、第一の活性化基であり、ここでヘテロ芳香族は、任意にTまたはR12と一緒に環を形成することができ;
    Xは、第二の活性化基であり、かつ二価の電子求引基であり;
    Wは、W’、または下記構造IAで表される基であり:
    Figure 2004503824
    W’は、独立して、置換または未置換の(以後W’基と称す)アルキル(好ましくは1〜6個の炭素原子を含む)、シクロアルキル(二環式アルキルを含むが、好ましくは4〜6個の炭素原子を含む)、アリール(例えばフェニルもしくはナフチル)またはヘテロ環式基から選択され;および、ここでW’は、TまたはR12と一緒に環を形成することができ;
    13、R14、R15、およびR16は、独立して、置換または未置換のアルキル、アリール、またはヘテロ環式基から選択することができ;
    下記のセットのいずれか2個の要員;R12、T、および直接連結されないDまたはWのいずれかは、一緒に環を形成することができるが、但し環の形成は、保護基の機能を妨害しない)。
  21. Dpが3〜10であり、そしてDpが温度100〜160℃のところである請求項20記載の製品。
  22. LINKが下記構造で表される、請求項20記載の製品:
    Figure 2004503824
    (式中、X’は、炭素またはイオウを表し;
    Y’は、酸素、イオウ、またはN−Rを表し(式中、Rは置換もしくは未置換のアルキル、または置換もしくは未置換のアリールである);
    pは、1または2であり;
    Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;
    rは、0または1であり;
    但し、X’が炭素である場合は、pおよびrの両方は1であり、X’がイオウである場合は、Y’は酸素であり、pは2でありおよびrは0であり;
    #は、DEVへの結合を意味し;
    $は、TIMEまたはT(t)置換された炭素への結合を意味する)。
  23. LINKが、下記構造を有する、請求項22記載の製品:
    Figure 2004503824
  24. LINKが
    Figure 2004503824
    である、請求項23記載の製品。
  25. 構造Iの化合物が、次の構造IIIにより表される請求項20記載の製品:
    Figure 2004503824
    (式中、Zは、OHまたはNRであり(式中、RおよびRは、独立して、水素、または置換もしくは未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合して環を形成する);
    、R、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、またはRはRもしくはRと結合するか、および/またはRはRもしくはRと結合し、環を形成することができ;
    Wは、W’または下記構造IIIAで表された基のいずれかである:
    Figure 2004503824
    (式中、T、t、C*、R12、D、p、X、q、W’およびwは、先に定義したものである))。
  26. Xがスルホニル基であり、およびZがNRである請求項25記載の製品。
  27. 異なる波長領域にそれらの個別の感度を有する少なくとも3つの感光性単位を有するカラー写真要素であって、各単位は少なくとも1種の感光性ハロゲン化銀乳剤層、バインダーおよび色素提供カプラーならびに内部に保護された現像主薬、酸化剤として少なくとも1種の銀塩または有機化合物の錯体、およびC1〜C12炭素原子を有するメルカプト官能有機化合物の銀塩を含んでなり、前記メルカプト官能有機化合物が、画像形成銀1モル当たり20〜3000gの範囲で存在して、色素形成性フォトサーモグラフィフィルムの熱現像処理時のカブリを効果的に抑制し、
    像様露光後、前記現像主薬前駆体は、外部現像主薬の存在なしで、温度80℃超で、前記ハロゲン化銀と反応的に組み合わさる第一の現像主薬を放出し、それによって第一の像様濃度堆積を生成し、そして
    択一的に前記要素と現像液とを接触させることによって第二の像様濃度堆積させ、前記現像液は第二の現像主薬を含み、pH約9超であり、そして前記接触は50℃以下の温度で10〜500秒間行われ、ここで前記第二の像様濃度堆積は、前記現像主薬先駆体による第一の現像主薬の放出によって形成される実質的な濃度寄与を有しない。
  28. 前記第二の像様濃度堆積が、前記現像主薬前駆体による前記第一の現像主薬の放出によってλmaxのところで20%を超えて変化しない請求項27に記載の要素。
  29. 前記第一の像様濃度堆積が、色素堆積であり、そして前記第二の像様濃度体積が色素堆積である請求項27に記載の要素。
  30. 赤感性層単位、緑感性層単位および青感性層単位を有する請求項27に記載の要素。
  31. 白色感性層単位ならびに赤感性層単位、緑感性層単位および青感性層単位からなる群より選ばれる2つの感性層単位を有する請求項27に記載の要素。
  32. 内部組込みカラーフィルターアレイを有する請求項27に記載の要素。
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