JP2004501932A - 組織特異的活性を有するペプチド及び該ペプチドをベ−スにした医薬組成物を得る方法 - Google Patents

組織特異的活性を有するペプチド及び該ペプチドをベ−スにした医薬組成物を得る方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、化学の分野であり、標的化学合成により組織特異的な活性を有するペプチドを得る方法に関する。本発明は、薬物中に種々の臓器及び組織の機能を正常化するこれらのペプチドをベ−スにした医薬品を獲得するのに利用可能である。請求項に記載の方法は、組織由来の酢酸抽出物の定量的なアミノ酸分析、その試験組織中で主要な2つのアミノ酸(GluとAsp)をベ−スにした選別、これらのアミノ酸からなる中心結合の合成、及びその試験組織の残りのアミノ酸の間で主要なアミノ酸のN末端及びC末端への結合を包含している。本請求項に記載の方法により得られるペプチドは、組織特異的な活性を有する。組織特異的な活性を有し、本請求項に記載の方法で得られたペプチドの1つ又はその塩、及び薬学的に許容される担体を活性のベ−スとして含有する医薬組成物が提供される。

Description

【0001】
本発明の分野
本発明は、化学の分野であり、標的化学合成により組織特異的な活性を有するペプチドを得る方法に関する。本発明は、薬物中に種々の臓器及び組織の機能を正常化するこれらのペプチドをベ−スにした医薬品を獲得するのに利用可能である。
【0002】
発明の背景
組織特異的な活性を有する複合ペプチド基質を得る方法が既知である:ジマリン(Thymalin)(1)、エピ−タラミン(Epithalamin)(2)、プロスタチレン(Prostatilen)(3)、コ−テクシン(Cortexin)(4)、レチナラミン(Retinalamin)(5)。これらの基質は、3%酢酸中で塩化亜鉛を用いた抽出、及びその析出物のアセトンをによる更なる処置により動物の臓器及び組織から得られる低分子ポリペプチドの複合体である(6)。ペプチド基質を得る特定の方法は、その抽出されたペプチドの物理化学的特性の非常な多様性、及びそれらの中のバラスト(ballast)成分により特徴付けられる。必要とされる有機原材料の蓄えには限りがあること及び製造による高い労力及びエネルギ−の消費が、複合ペプチド基質を得る当該方法の問題点であり、そのことが工業的生産がの妨げとなっている。
【0003】
ジマリン、Glu−Trp(ジモゲン(Thymogen))(8)、ジモポイエチン(Thymopoientin)II、Arg−Lys−Asp−Val−Tyr(ジモペンチン(thymopentin))(9)、スプレニン(Splenin)、Arg−Lys−Glu−Val−Tyr(スプレノペンチン(Sprenopentin))(10)、免疫グロブリンG、Thr−Lys−Pro−Arg(タフシン(Taphcin))(11)、その他から単離された活性フラクションをベ−スにして溶液中で従来のペプチド合成(7)によりペプチドを得る方法が既知である。しかしながら、その特定の方法により得られる基質は、1本で示される生理活性(免疫調整)スペクトルを有し、溶液及び高用量の適用において基質は不安定である。
【0004】
溶液中での従来のペプチド合成(7)による修飾構造からなるペプチド:末端アルギニンにより伸長された鎖を有するアミノ酸置換体の存在によりジモペンチンと構造的に区別される、Arg−α−Asp−Lys−Val−Tyr−Arg(イムノファン)(12)、γ結合によりジモペンチンと構造的に区別される、γ−Glu−Trp(ベスチム(Bestim))(13)を得る方法が知られている。これらの基質は、狭い範囲の免疫生理活性及び複雑な手順の化学合成によっても特徴付けられる。
【0005】
細胞免疫応答を阻害する合成ポリマ−(Cop1)もまた既知であり、それは化学合成により得られ、アミノ酸L−Ala、L−Glu、L−Lys、L−Tyrを次に示すモル比:6.0:1.9:4.7:1.0(14)で含有する。この活性基質を得る方法は、広範に及ぶものではなく、ポリマ−Cop1のデザインのみに関する。
【0006】
発明の開示
本発明は、本分野において許容されている以下に示す特定の用語を用いる。
本明細書の特許請求の範囲における「小さな調節ペプチド」なる用語は、タンパク質分解の工程において形成される内因性の小さなペプチド及び既知のアミノ酸配列(最大10個のアミノ酸)からなるその合成類似物の存在を意味し、このペプチドは生理活性特性を示す(7、15)。
本明細書の特許請求の範囲におけるペプチドの「組織特異的な活性」なる用語は、ペプチドが特定の組織だけに影響を及ぼし、そのペプチドアミノ酸組成が、その獲得のベ−スとして機能する(6、16、17)。
【0007】
本明細書の特許請求の範囲における「医薬組成物」なる用語は、請求項に記載の方法より得られた活性ペプチド、又はそのアミノ基、カルボキシル基の塩、有機及び無機の塩、及び薬学的に許容される担体を意味する。
本明細書の特許請求の範囲における「有効量」なる用語は、活性及び毒性の定量的指標に応じて、そして有用な知見に関しても、特定の薬物形態で有効となるような量の活性塩基の使用を意味する。
【0008】
本明細書の特許請求の範囲の目的は、最小コストで工業的利用を可能にする標的化学合成により組織特異的な活性を有するペプチドを得る方法を生み出し、そして組織特異的効果を示し請求項に記載の方法により得られたペプチドをベ−スにした医薬組成物を産生することからなる。
本明細書の特許請求の範囲は、動物の組織由来の酢酸抽出物の定量的なアミノ酸分析、その試験組織中で主要な2つのアミノ酸(GluとAsp)をベ−スにした選別、これらのアミノ酸からなる中心結合の合成、及びその試験組織の残りのアミノ酸の間で主要なアミノ酸のN末端及びC末端への結合を包含している。
【0009】
本明細書の請求項に記載の方法により得られたペプチドは、組織特異的な活性を有する。すなわちそれらは、特定の組織だけに影響を及ぼし、そのペプチドアミノ酸組成が、その獲得のベ−スとして機能する
本明細書の特許請求の範囲は、活性ベ−スとして請求項に記載の方法により得られたペプチドの1つ、又はそのアミノ酸基、カルボキシル基からなる塩、有機及び無機のカチオンからなる塩、及び薬学的に許容される担体、例えば等張塩化ナトリウム溶液を有効量含有する組織特異的に活性な医薬組成物を示している。
【0010】
本発明を満たす医薬組成物を得るために、目的のペプチド又は薬学的に許容される担体を、塩の形態で医薬品中に認容される配合方法に従って活性のベ−スとして薬学的に許容される担体と混合する。該担体は、体内への投与に好ましい剤形次第で種々の形態となり得る。
【0011】
工業的適用
本発明は、以下に示す実施例より説明される。
骨端、大脳皮質、脳、及び肝臓の組織由来の酢酸抽出物のアミノ酸分析(実施例1);
Ala−Glu−Asp−Glyテトラペプチドの合成(実施例2);
脳皮質下構造の外植片の成長に対するAla−Glu−Asp−Glyテトラペプチドの明らかな組織特異的特性を明確に示す効果(実施例3);
Ala−Glu−Asp−Proテトラペプチドの合成(実施例4);
大脳皮質の外植片の成長に対するAla−Glu−Asp−Proテトラペプチドの明らかな組織特異的特性を明確に示す効果(実施例5);
Lys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドの合成(実施例6);
様々な齢数のラットの単層培養肝細胞におけるタンパク質合成度に対するLys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドの明らかな組織特異的特性を明確に示す効果(実施例7)
肝臓の外植片の成長に対するLys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドのテトラペプチドの明らかな組織特異的特性を明確に示す効果(実施例8)
【0012】
実施例1.骨端、大脳皮質、及び肝臓組織由来の酢酸抽出物のアミノ酸分析
【表1】
Figure 2004501932
【0013】
動物の組織由来の酢酸抽出物のアミノ酸分析により、各組織に対して4個の主要なアミノ酸を明らかにすることが可能となった。アミノ酸の数がより少なくなると(例えば2個又は3個)、必然的に特定の組織に対して特異性の低いアミノ酸セットとなることから、まさにこの数のアミノ酸を選択することとした。従って選択された4個のアミノ酸は、組成物の多様性を最小とするのに十分であることが分かる。
【0014】
目的の組織特異的なテトラペプチドをモデリングする場合、我々は一般式H−X−Glu−Asp−Y−OHに相当する多くの既知の組織オリゴペプチド(18)中の親水性及び疎水性アミノ酸残基の配置も考慮した。このケ−スでは、部分的な陰性電荷は、分子中心で最大可能濃度に達する。X及びYが脂肪族疎水性アミノ酸(Ala、Gly、Pro)であれば、この部位は親水性が最大となる。これは、細胞内タンパク質分解酵素が疎水性アミノ酸により形成される特定の優先結合により特徴付けられることを示すデ−タと一致する(19)。別の極端なケ−スとしてX−Lys変異体が提供される。この場合、部分的な正電荷は、分子のN末端で最大可能濃度に達する(疎水性の性質が増すことも指摘される)。同時に、これによりGlu又はAspのイオン化γ及びβ−COO(−)基の、それぞれLysのε又はα−NH(+)との電気的相互作用の結果、細胞内擬環構造を形成する潜在性が確保される。C末端のProの存在により、Gly又はAla変異体に比べてこの部位の親水性特性が著しく上昇する。
【0015】
従って、以下に示すアミノ酸配列が選択され、これは骨端、大脳皮質、及び肝臓の組織由来の酢酸抽出物のアミノ酸分析に基づいてデザインされるテトラペプチドの一部となる。
・H−Ala−Glu−Asp−Gly−OH;
・H−Ala−Glu−Asp−Pro−OH;
・H−Lys−Glu−Asp−Ala−OH;
【0016】
実施例2.Ala−Glu−Asp−Glyテトラペプチドの合成
1.製品名:アラニル−グルタミル−アスパルチル−グリシン
【化1】
Figure 2004501932
2.構造式:H−Ala−Glu−Asp−Gly−OH
3.イオン対なしの分子式:C1422
4.イオン対なしの分子量:390.35
5.イオン対:アセテ−ト
6.外観:無臭の白色アモルファス粉末
7.合成法:ペプチドをスキ−ムAにより溶液中で従来の合成法から得る:
【表2】
Figure 2004501932
【0017】
N,N’−ジメチルホルムアミドを溶媒として使用した。アスパラギン酸を添加するとき、α−COOH基の保護には、トリエチルアミンを用いた塩化を適用した。BOC−保護基はトリフルオロ酢酸(TFA)溶液により、Z−保護基は触媒作用的に水素付加により除去した。生成物を抽出して、逆層カラム上での分取用高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)法により精製した。
最終生成物の特性は以下に示す通りである:
・アミノ酸分析
【表3】
Figure 2004501932
・ペプチド含有率:98.45%(HPLC、220nmにより);
・薄層クロマトグラフィ−(TLC)−単一、R=0.73(アセトニトリル−酢酸−水、5:1:3);
・含水率:5%;
・0.001%溶液のpH:4.37;
・特定旋回度:[α] 22:−32°(c=1、HO)
「Polamat A」、Car Zeiβ Jena
【0018】
合成の実施例
1.BOC−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(I)、N−tertブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテ−ト
4.34g(0.0100モル)のN−tertブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミン酸のN−オキシスクシンイミドエステル(BOC−Glu(OBzl)−OSu)を20mlのジメチルホルムアミド中に溶解して、1.72ml(0.0125モル)のトリエチルアミン及び2.80g(0.0125モル)のβ−ベンジルアスパルテ−トを添加する。混合物を室温で24時間攪拌する。その後生成物を0.5N 硫酸溶液(150ml)を用いて沈殿させ、エチルアセテ−ト(3x30ml)により抽出し、0.5N 硫酸溶液(2x20ml)、水、5% 重炭酸ナトリウム溶液(1x20ml)、水、0.5N 硫酸溶液(2x20ml)、水中で洗浄する。生成物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。エチルアセテ−トを濾取し、真空中40℃で除去する。残渣を真空中、P上で乾燥させる。5.68gの油(≒100%)が得られる。R=0.42(ベンゼン−アセトン、2:1;Sorbfilプレ−ト、シリカゲル8−12μm、UV及び塩素/ベンジジン)。
【0019】
2.TFAH−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(II)、(γ−ベンジル)−グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテ−トのトリフルオロ酢酸塩
5.68g(≒0.01モル)のN−tertブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテ−ト(I)を20mlのジクロロメタン−トリフルオロ酢酸混合物(3:1)中に溶解する。2時間後、その溶媒を真空中40℃で除去する。除去は、別々にジクロロメタン(2x20ml)を用いて繰り返される。その残渣を真空中NaOH上で乾燥させる。5.80g(≒100%)の油が得られる。R=0.63(n−ブタノ−ル−ピリジン−酢酸−水、15:10:3:12)。
【0020】
3.Z−Ala−Glu−(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(III)、N−カルボベンゾキシアラニル−(γ−ベンジル)−グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテ−ト
5.65g(0.01モル)の(γ−ベンジル)−グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテ−ト(II)のトリフルオロ酢酸塩を10mlのジメチルホルムアミド中に溶解し、2.80ml(0.02モル)のトリエチルアミン及び4.14g(0.013モル)のN−カルボベンゾキシアラニンのN−オキシスクシンイミドエステルを添加する。混合物を室温で24時間攪拌する。その生成物を0.5N 硫酸溶液(150ml)を用いて沈殿させ、エチルアセテ−ト(3x30ml)により抽出し、0.5N 硫酸溶液(2x20ml)、水、5% 重炭酸ナトリウム溶液(1x20ml)、水、0.5N 硫酸溶液(2x20ml)、水中で洗浄する。生成物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。エチルアセテ−トを濾取し、真空中40℃で除去する。残渣をエチルアセテ−ト/ヘキサン系中で結晶化させる。その生成物を濾過して、真空中、P上で乾燥させる。収量は4.10g(66%)である。融解温度(Tml)は154℃である。R=0.48(ベンゼン−アセトン、1:1)、R=0.72(N−ブタノ−ル−ピリジン−酢酸−水、15:10:3:12)。
【0021】
4.Z−Ala−Glu−(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(III)、N−カルボベンゾキシアラニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルチルグリシンベンジルエステル
1.01g(3ミリモル)のグリシンベンジルエ−テルトシレ−ト(TosOHH−Gly−OBzl)を15mlのテトラヒドロフラン中に懸濁し、攪拌しながら0.4ml(3ミリモル)のトリエチルアミンを添加する。5分内に1.28g(2ミリモル)のN−カルボベンゾキシアラニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテ−ト(III)及び0.27g(2ミリモル)のN−カルボベンゾトリアゾを添加して、その混合物を0℃まで冷却する。0℃まで冷却した0.42g(2ミリモル)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド溶液を5mlのテトラヒドロフラン中に添加する。混合物をこの温度で2時間攪拌して、室温で一晩混合させておく。ジシクロヘキシルウレアの沈殿を濾取して、溶媒を真空中で除去し、残渣を30mlのエチルアセテ−ト中に溶解する。生成物を1N 塩酸溶液、水、5% 重炭酸ナトリウム、水、1N 塩酸溶液、水中で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。その溶媒を真空中で除去して、生成物をエチルアセテ−ト/ヘキサン系で結晶化させる。収量は1.30g(82%)である。Tml=146−148℃。R=0.75(ベンゼン−アセトン、2:1)。
【0022】
5.H−Ala−Glu−Asp−Gly−OH(IV)、アラニル−グルタミル−アスパルチル−グリシンン
1.25gのN−カルボベンゾキシアラニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルチルグリシン(III)のベンジルエステルをメタノ−ル/水/酢酸系(3:1:1)中においてPd/C触媒上で水素付加する。非ブロッキング反応が完全であることは、ベンゼン/アセトン(2:1)及びアセトニトリル/酢酸/水(5:1:3)系においてTLCによりモニタ−される。その反応が終了すると、触媒を濾取し、濾液を真空中で除去して、残渣を水/メタノ−ル系中で結晶化させる。生成物を真空中、KOH上で乾燥させる。収量は520mg(95%)である。R=0.73(アセトニトリル−酢酸−水、5:1:3)。
【0023】
精製に対して、その調製品の390mgを4mlの0.01% トリフルオロ酢酸中に溶解して、50x250mm(Diasorb−130−C16T、7μ)の長さの逆層カラム上でHPLCを実施する。使用したクロマトグラフは、Beckman System Gold、126 Solvent Module、168 Diode Array Detector Moduleである。クロマトグラフィ−条件は、A:0.1% TFA;B:50% MeCN/0.1% TFA、グラジエント、80分でB0→5%である。サンプル容量は5mlであり、190−600nm、流速10ml/分でスキャンしながら、215nmで検出した。フラクションを54.0−66.0分内で選択する。溶媒を真空中、40℃を超えない温度で除去する。10mlの10% 酢酸溶液を用いて複数回(5回)、除去を繰り返す。残渣を最終的に20mlの純水中で溶解し、凍結乾燥する。精製された調製物290mgが無臭の白色アモルファス粉末形態で得られる。
【0024】
アセテ−トの形態で得られたペプチドを、IRAアニオン樹脂(anionite)又は(OH)形態のその類似物で処置することにより遊離形態に変換した。その後、それぞれ等量の酸(塩酸、シュウ酸)を添加して、アミノ酸基の塩を得る。得られた水溶性溶液を凍結乾燥して、最終生成物として分析する。
カルボキシル基に相当する塩を得るために、遊離したテトラペプチドに、相当する金属水酸化物(NaOH、KOH、Zn(OH)、LiOH、Ca(OH)、Mg(OH)、NHOH)の計算された量の水溶液を加える。トリエチルアンモニウム塩を得るために、その工程が同様に実施され、トリエチルアミンがその塩基として使用される。
【0025】
6.最終生成物の分析
・活性ベ−ス(ペプチド)の含有率は、Supelco LC−18−DBカラム、4.6x250nm、グラジエント、LC−18−DB上でのHPLCにより決定される。A:0.1% TFA;B:50% MeCN/0.1% TFA、グラジエント、20分でB0→20%である。流速は1ml/分である。190−600nmでスキャンしながら220nmで検出し、サンプル容量は20μlである。ペプチド含有率は、98.45%である。
・125℃で6N HCl中での加水分解の24時間後、アナライザ−上でアミノ酸含有率を決定する。
【表4】
Figure 2004501932
・TLC:単一、R=0.73(アセトニトリル−酢酸−水、5:1:3)。Sorbfilプレ−ト、8−12μmシリカゲル、塩素/ベンジジン中で展開する。
・含水率:5%(重量測定により、乾燥による質量の減少により100℃で−20mgとなる)
・0.001%溶液のpH:4.37(電位差滴定により)
・特定旋回度:[α] 22:−32°(c=1、HO)
「Polamat A」、Car Zeiβ Jena
【0026】
活性ベ−スとして当該テトラペプチドを含有する注射形態の医薬品ペプチド基質は、次に示す方法で得る:上記の方法により得られたテトラペプチドを0.9% 等張塩化ナトリウム溶液中に溶解する。1つのバイアルは、1mlのテトラペプチド溶液を10μg/mlの濃度で含有する。
【0027】
実施例3.脳皮質下構造の外植片の成長に対するAla−Glu−Asp−Glyテトラペプチドの効果
ニワトリの10−11日齢胚の脳皮質下構造からなる69個のフラグメント上で実験を実施した。培養用の栄養培地は、35% イ−グル溶液、25% ウシ胎仔血清、35% ハンクス溶液、5% ニワトリ胚抽出物からなる。該培地には、グルコ−ス(0.6%)、インシュリン(0.5 unit/ml)、ペニシリン(100 unit/ml)、グルタミン(2mM)も添加した。脳皮質下構造フラグメントをこの培地中に置いて、サ−モスタット内のペトリ皿中で48時間、36.7℃で培養した。試験培地にAla−Glu−Asp−Glyテトラペプチド及び2、10、20、50、100、200、400ng/mlの濃度のエピ−タラミンを添加した。面積指標(square index、SI)は生理活性の基準を考慮した。それは成長域を含む外植片の総面積と皮質下構造フラグメントの最初の面積と間の比とみなした。SIの平均値の間の有意差は、Student’s t判定により評価した。SI値は%で表し、コントロ−ルのSI値を100%とみなした。
コントロ−ルの脳皮質下構造の外植片の成長域としては、短い神経突起、遊走性グリア、及び線維芽様細胞が挙げられる。
当該基質の脳皮質構造フラグメントに与える直接的な影響を以下に示す実験系で検定した。
【0028】
ニワトリ胚皮質下構造の外植片の栄養培地に、様々な濃度のエピ−タラミンに添加した。培養3日目に、20及び200ng/mlの濃度において外植片のSIにおいてコントロ−ルのSI値に比べて有意に上昇(それぞれ20%及び26%まで)が示された。図1は、脳皮質下構造の外植片の成長に対するAla−Glu−Asp−Glyテトラペプチドの効果を示している。他のエピ−タラミン濃度においては、皮質下構造の有意なSI値は示されなかった。試験外植片のSIがコントロ−ルフラグメントのSIよりも24%高くなったときに、Ala−Glu−Asp−Glyテトラペプチドを100ng/mlの濃度で適用することにより、脳皮質下構造外植片の成長の顕著な活性化が示された。
【0029】
長期間(最大7日まで)の培養による皮質下構造外植片の検定により、同じ濃度で類似の栄養活性化効果が示された。場合によっては、長期培養による神経繊維の退縮のために、外植片のSIに統計的に有意差のない減少が示された。
【0030】
実施例4.Ala−Glu−Asp−Proテトラペプチドの合成
1.製品名:L−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリン
2.構造式:H−Ala−Glu−Asp−Pro−OH
【化2】
Figure 2004501932
3.イオン対なしの分子式:C1726
4.イオン対なしの分子量:430.41
5.イオン対:アセテ−ト
6.外観:無臭の白色アモルファス粉末
7.合成法:ペプチドをスキ−ムBにより溶液中で従来の合成法から得る:
【表5】
Figure 2004501932
【0031】
N,N’−ジメチルホルムアミドを溶媒として使用した。アスパラギン酸を添加するとき、α−COOH基の保護には、トリエチルアミンを用いた塩化を適用した。BOC−保護基はトリフルオロ酢酸(TFA)溶液により、Z−保護基は触媒作用的な水素付加により除去した。生成物を抽出して、逆層カラム上での分取用高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)法により精製した。
最終生成物の特性は以下に示す通りである:
・アミノ酸分析
【表6】
Figure 2004501932
・ペプチド含有率:98.56%(HPLC、200nmにより);
・薄層クロマトグラフィ−(TLC)−単一、R=0.67(アセトニトリル−酢酸−水、5:1:3);
・含水率:7%;
・0.001%溶液のpH:4.24;
・特定旋回度:[α] 25:−78.9°(c=1.90、HO)、「Polamat A」、Car Zeiβ Jena
【0032】
実施例5.大脳皮質の外植片に対するAla−Glu−Asp−Proテトラペプチドの効果
ニワトリの10−11日齢胚の大脳皮質外植片からなる73個のフラグメント上で実験を実施した。培養用の栄養培地は、35% イ−グル溶液、25% ウシ胎仔血清、35% ハンクス溶液、5% ニワトリ胚抽出物からなる。培地には、グルコ−ス(0.6%)、インシュリン(0.5 unit/ml)、ペニシリン(100 unit/ml)、グルタミン(2mM)も添加した。大脳皮質フラグメントをこの培地中に置いて、サ−モスタット内のペトリ皿中で48時間、36.7℃で培養した。試験培地にAla−Glu−Asp−Proテトラペプチド及び2、10、20、50、100、200、400ng/mlの濃度のコ−テクシンを添加した。面積指標(SI)は生理活性の基準を考慮した。それは成長域を含む外植片の総面積と大脳皮質フラグメントの最初の面積と間の比とみなした。SIの平均値の間の有意差は、Student’s t判定により評価した。SI値は%で表し、コントロ−ルのSI値を100%とみなした。
コントロ−ルの大脳皮質の外植片の成長域としては、短い神経突起、遊走性グリア、及び線維芽様細胞が挙げられる。
当該基質の大脳皮質フラグメントに与える直接的な影響を以下に示す実験系で検定した。
【0033】
ニワトリ胚皮質下構造の外植片の栄養培地を様々な濃度のコ−テクシンに添加した。培養3日目に、100ng/mlの濃度において外植片のSIがコントロ−ルのSI値に比べて30±2%まで有意に上昇することが示された。図2は、Ala−Glu−Asp−Proテトラペプチド脳皮質下構造外植片の成長に与える影響を示している。他のコ−テクシン濃度において皮質下構造の有意なSI値は表われなかった。実験的外植片のSIがコントロ−ルのフラグメントよりも40±7%まで高くなったときに20ng/mlの濃度でAla−Glu−Asp−Proテトラペプチド適用することにより、脳皮質下構造外植片の成長の明白な活性化が示された。
【0034】
長期間(最大7日まで)の培養による大脳皮質外植片の検定により、同じ濃度で類似の栄養活性化効果が示された。場合によっては、長期培養による神経繊維の退縮のために、外植片のSIに統計的に有意差のない減少が示された。
【0035】
従って、当該皮質の組織に関しては、コ−テクシンと比較してAla−Glu−Asp−Proテトラペプチドの有効濃度の閾値は低くなることが示された。例えば、コ−テクシンは、100ng/mlの濃度で培養された大脳皮質フラグメントを活性化させる一方、テトラペプチドでは20ng/mlの濃度で活性化させた。このことより、大脳皮質ニュ−ロンに対するAla−Glu−Asp−Proテトラペプチドの作用がより明白で直接的であることが明らかになる。
実施された試験及び実験により、提示された方法により得られるペプチド及びそれをベ−スにした医薬組成物は、組織特異的な活性を有する。すなわち、それらは特定の組織だけに影響を及ぼし、そのアミノ酸成組成はそれらの獲得のベ−スとして機能する。
【0036】
実施例6.Lys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドの合成
1.製品名:リシル−グルタミル−アスパルチル−アラニン
2.構造式:H−Lys−Glu−Asp−Ala−OH
【化3】
Figure 2004501932
3.イオン対なしの分子式:C1831
4.イオン対なしの分子量:461.48
5.イオン対:アセテ−ト
6.外観:無臭の白色アモルファス粉末
7.合成法:ペプチドを次に示すスキ−ムにより溶液中で従来の合成法から得る:
【表7】
Figure 2004501932
【0037】
N,N’−ジメチルホルムアミドを溶媒として使用した。アスパラギン酸を添加するとき、α−COOH基の保護には、トリエチルアミンを用いた塩化を適用した。BOC−保護基はトリフルオロ酢酸(TFA)溶液により、Z−保護基は触媒作用的に水素付加により除去した。生成物を抽出して、逆層カラム上での分取用高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)法により精製した。
最終生成物の特性は以下に示す通りである:
・アミノ酸分析
【表8】
Figure 2004501932
・ペプチド含有率:98.75%(HPLC、220nmにより);
・薄層クロマトグラフィ−(TLC)−単一、R=0.71(アセトニトリル−水、1:1);
・含水率:7%;
・0.001%溶液のpH:5.54;
・特定旋回度:[α] 23:−28.0°(c=1.0;HO)、「Polamat A」、Car Zeiβ Jena
【0038】
合成は、実施例2に従って実施して、分子のC末端にはアラニンのベンジルエ−テルを使用し、分子のN末端にはN−ベンジルオキシカルボニルアラニンのオキシスクシンイミドエステルの代わりにNα,Nβ−ジベンジルオキシカルボニルリジンのオキシスクシンイミドエステルを使用することにより区別される。
医薬組成物は、実施例2に従って得られる。
【0039】
実施例7.様々な齢数のラットの単層培養肝細胞におけるタンパク質合成度に対するLys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドの効果
タンパク質合成度を、4、8、及び18月齢のラットの単層培養肝細胞において検定した。
肝細胞を単離するために、ラット肝を培地199中で0.5mM EDTAを添加したカルシウムフリ−のハンクス溶液、及びその後0.05% コラゲナ−ゼ溶液を用いて貫流した。その細胞懸濁液を濾取して遠心分離した。5x10の濃度の肝細胞懸濁液をペトリ皿に導入し、その底にコラ−ゲン被覆したガラスを表面に付した。使用した培地199はウシ血清を含有していないが、0.2mg/ml アルブミン及び5μg/ml インシュリンを加えた。底をガラスで被覆した当該皿をサ−モスタット中に37℃で配置し、通気してCOを加えた。2時間で細胞が接着したガラスを洗浄してその培地を同じものに交換した。24時間後で培地を洗浄後、その培地におけるタンパク質合成を検定した。24時間以内に、高密度に充填した肝細胞を有する単層培地を、上述の特定濃度で細胞懸濁液にした。
【0040】
タンパク質合成は、同じ培地内にある標識していないロイシンを標準誤差とみなして[H]ロイシンの含量により評価した。適用したロイシンのモル活性は、150Ci/mMである。標識化したロイシンと10分間インキュベ−ションした。インキュベ−ション後、その標識化したロイシン含有培地を培地で洗浄して、冷却した(4℃)硫酸で90分間処置してロイシンを含んでいないものを単離した。同じ培地をエチルアルコ−ルで濯ぎ、その後ハイアミン(Hyamine)を用いてタンパク質を溶解した。シンチレ−タ−に相当するものを添加後、誘導された遊離の細胞内ロイシン及び細胞タンパク質(ハイアミンフラクション中)の放射活性を、放射活性カウンタ−SL−30上で測定した。
【0041】
タンパク質合成度は、次の式により計算した:
corr=IxPav/P(cpm)、で式中、
corr−フリ−のロイシンの誘導を標準誤差とみなしたロイシン含量、I−i−培地に対して測定されたタンパク質の放射活性、Pav−タンパク質及びこの実験において試験された培地に対する誘導の平均放射活性、P−タンパク質及び同じ培地の誘導の総放射活性。
【0042】
肝細胞培地を0.005μg/ml Lys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドと一緒に4時間インキュベ−トした。
図3(a、b、c)は、様々な齢数のラットの単層培養肝細胞におけるタンパク質合成度に対するLys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドの効果を示している。
肝細胞培地のタンパク質合成量は、加齢とともに減少することが見いだされた(図3a、b、c)。Lys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドを該培地へ添加することにより、様々な齢数のラットの肝細胞において、タンパク質合成度は上昇した。それにより、齢数の高い動物において最大の効果が見られた。更に、合成の上昇幅は齢数の高いラットの肝細胞において著しく増大し、これは、細胞集団活性の同調化の上昇度についての結果とすることが可能である(図3a、b、c)。
【0043】
実施例8.肝臓の外植片の成長に対するLys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドの効果
ニワトリの10−11日齢胚の肝臓からなる53個のフラグメント上で実験を実施した。培養用の栄養培地は、35% イ−グル溶液、25% ウシ胎仔血清、35% ハンクス溶液、5% ニワトリ胚抽出物からなる。培地には、グルコ−ス(0.6%)、インシュリン(0.5 unit/ml)、ペニシリン(100 unit/ml)、グルタミン(2mM)も添加される。肝臓のフラグメントをこの培地中に置いて、サ−モスタット内のペトリ皿中で48時間、36.7℃で培養する。試験培地にLys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドを2、10、20、50、100、200、400ng/mlの濃度で添加する。面積指標(SI)は生理活性の基準を考慮し、肝臓フラグメントの最初の面積に対する成長域を含む外植片の総面積の相関関係として計算する。SI値は%で表し、コントロ−ルのSI値を100%とみなす。
図4は、肝臓の外植片の成長に対するLys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドの効果を示している。
【0044】
培養24時間で、コラ−ゲン被覆上の外植片が平面状になった。増殖及び遊走細胞がその外植片の周囲に沿って移動し始めた。培養3日目に20ng/mlの濃度のテトラペプチドにより、外植片のSIにおいてコントロ−ル値に比べて24%の有意な上昇が見られた(図4)。更に長期間の肝臓外植片の培養の場合には(最大7日まで)、同じ濃度で当該テトラペプチドの類似の活性効果が示された。
その結果、Lys−Glu−Asp−Alaテトラペプチドは、外植成長活性に示される肝臓組織に対する組織特異的な効果を示した。
【0045】
実施した試験及び実験系により、以下のように結論付けることが可能である:請求項に記載の方法により得られたペプチド及びこれらのペプチド又はその塩を活性のベ−スとして含有する医薬組成物は、組織特異的な活性を有する。すなわち、それらは特定の組織だけに影響を及ぼし、そのアミノ酸成組成はそれらの獲得のベ−スとして機能する。更に種々の臓器及び組織の機能を正常化して、本発明の請求項に記載の方法により得られる組織特異的な活性を有するペプチドを含有する医薬品を創り出すことが可能となる。
【0046】
参照文献
1.ロシア連邦共和国特許第1112606号「Method of obtaining an immunomodulator from the thymus」1982年
2.ロシア連邦共和国特許第944191号「Method of obtaining a substance possessing an antitumour effect」1980年
3.ロシア連邦共和国特許第1417244号「Method of obtaining a substance restoring the prostate function」1986年
4.ロシア連邦共和国特許第2104702号「Method of obtaining from animal raw material of a complex of biologically active polypeptides normalising the brain functions, a pharmacological composition and its application」1996年
5.ロシア連邦共和国特許第2073518号「Substance restoring the retinal function」1993年
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9.Schlesiger D.H., Goldstein G. The amino acid sequence of thymopoietin II // Cell.− 1975.− Vol. 5, No. 4.− pp.361−365.
10.Audhya T., Scheid M. P., Goldstein G. Contrasting biological activities of thymopoietin and splenin, two closely related polypeptide products of thymus and spleen // Proc. Natl. Acad. Sci. USA.− 1984.− Vol. 81, No. 9.− pp.2847−2849.
11.Fridkin M., Najjar V. A. Tuftsin: its chemistry, and clinical potential // Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol.− 1989.− Vol. 24, No. 1.− pp.1−40.
12.Pokrovsky V. I., Suleimanov A. K., Lebedev V. V. et al. Immunorehabilitating effect of thymogexin in the treatment of patients with chronic brucellosis. // Therapeutic archive.− 1992.− Vol. 64, No. 11.− pp.22−26.
13.Pigareva N. V., Kalinin N. M., Simbirtsev A. S. Characteristic of the immunologic action of synthetic peptide <<bestim>> // Medical immunology. −1999.− Vol. 1, No. 3−4.− 127p.
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Claims (8)

  1. 動物組織由来の酢酸抽出物のアミノ酸分析、その試験組織中で主要なアミノ酸の選択、該ペプチドの中心結合の合成、及びその試験組織の残りのアミノ酸の間で主要なアミノ酸の両末端部への結合を包含する、組織特異的な活性を有するペプチドを得る方法。
  2. 該アミノ酸分析が、骨端組織由来の酢酸抽出物に関して実施されることにより特徴付けられる、請求項1に記載のペプチドを得る方法。
  3. 該アミノ酸分析が、大脳皮質組織由来の酢酸抽出物に関して実施されることにより特徴付けられる、請求項1に記載のペプチドを得る方法。
  4. 該アミノ酸分析が、肝組織由来の酢酸抽出物に関して実施されることにより特徴付けられる、請求項1に記載のペプチドを得る方法。
  5. 該中心結合が、グルタミン酸(Glu)及びアスパラギン酸(Asp)により提供されることにより特徴付けられる、請求項1に記載のペプチドを得る方法。
  6. 当該アミノ酸が、N及びC末端で中心結合に繋がっていることにより特徴付けられる、請求項1に記載のペプチドを得る方法。
  7. 組織特異的な活性を有し、活性ベ−ス及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物であって、その活性ベ−スとして請求項1−6により得られるペプチドの1つを含有する、組成物。
  8. アミノ基、カルボキシル基からなる塩、有機及び無機のカチオンからなる塩を含有することにより特徴付けられる、請求項7に記載の組成物。
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