JP2004501494A - 高効率ピクセル化有機電子デバイスに使用するための高抵抗導電性ポリマー - Google Patents

高効率ピクセル化有機電子デバイスに使用するための高抵抗導電性ポリマー Download PDF

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Abstract

ポリマー発光ディスプレイ(PED)のようなピクセル化電子デバイスにおいて、アノード層と光活性層との間で導電性有機ポリマーの高抵抗率緩衝層を使用することにより、良好な動作寿命が達成される。改良された高抵抗率導電性層により、長寿命が得られるとともに、隣接するピクセル間のクロストークおよび電流漏洩が低減されるかまたはゼロになる。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、発光ディスプレイのような高効率ピクセル化有機電子デバイスに使用するための導電形の高抵抗率共役ポリマーの配合物に関する。高抵抗率層は、優れた正孔注入を提供し、電気的短絡を予防し、デバイス寿命を延ばし、かつピクセル間電流漏洩を防止する。
【0002】
(発明の背景)
共役有機ポリマー層を用いて製造される発光ダイオード(LED)は、ディスプレイ技術に使用できる可能性があるため、注目を集めてきた[J.H.Burroughs,D.D.C.Bradley,A.R.Brown,R.N.Marks,K.Mackay,R.H.Friend,P.L.Burns,and A.B.Holmes,Nature 347,539(1990);D.Braun and A.J.Heeger,Appl.Phys.Lett.58,1982(1991)]。ポリマーLEDを包含する特許としては、次の特許、すなわち、R.H.Friend、J.H.BurroughsおよびD.D.Bradleyの米国特許第5,247,190号、A.J.HeegrおよびD.Braunの米国特許第5,408,109号および同第5,869,350号が挙げられる。これらの参考文献ならびに本明細書で参照したすべての他の論文、特許および特許出願は、参照により組み入れられるものとする。
【0003】
それらの最も基本的な形態では、これらのダイオードは、一方の側が正孔注入電極(アノード)により他方の側が電子注入電極(カソード)により境界づけられた共役有機ポリマー層を利用し、これらの電極のうちの一方は、それを横切って電位差が印加されたときに共役ポリマー層中で発生した光を透過する。
【0004】
多くの用途において、特にディスプレイにおいて、これらのダイオードのアレイが組み立てられる。これらの用途では、典型的には、活性ポリマーの単位体が存在し、電極は、アレイ中に所望の複数個のピクセルを提供するようにパターン化される。活性ポリマーの単位体とパターン化された電極とをベースとするアレイの場合、隣接するピクセル間の干渉すなわち「クロストーク」を最小限に抑える必要がある。この必要性はまた、活性ポリマー体と電極との接点の性質を変化させることによって対処されてきた。
【0005】
動作寿命および効率の改良に対する要求は、多くの場合、クロストークの最小化に対する要求と相反するように思われる。高効率および長動作寿命は、活性物質層に接触させて高導電率接点を用いることにより促進される。クロストークは、隣接するピクセル間の抵抗が高いときに最小になる。高導電率に有利に働く、したがって高効率および長動作寿命に有利に働く構造は、低クロストークに好ましい条件に反する。
【0006】
米国特許第5,723,873号には、ダイオードの効率を増大させかつダイオードのターンオン電圧を低下させるために、正孔注入電極と活性物質層との間に導電性エメラルジン塩PANI(ES)形のポリアニリン(PANI)の層を配置することが有利であると開示されている。
【0007】
PANI(ES)またはPANI(ES)を含むブレンドの層をITOと発光ポリマー層との間で直接使用して、C.Zhang,G.YuおよびY.Cao(米国特許第5,798,170号)は、長動作寿命を有するポリマーLEDを具体的に示した。
【0008】
ポリマーLED中でPANI(ES)を使用する利点があるにもかかわらず(米国特許第5,798,170号に記載されているように)、PANI(ES)に特有な低電気抵抗率は、ピクセル化ディスプレイ中でPANI(ES)を使用するうえで妨げとなる。ピクセル化ディスプレイ中で使用するために、PANI(ES)層は、高電気シート抵抗を有していなければならない。さもなければ、横方向導電により、隣接するピクセル間でクロストークが起こる。ピクセル間電流漏洩が起こると、電力効率は著しく低下し、ディスプレイの解像度および鮮明度はいずれも制限される。
【0009】
フィルムを薄くすると電気的短絡が形成されて製造歩留りが低下するので、フィルムの厚さを減少させることによりPANIシート抵抗を高くすることは、良好な選択肢ではない。これについては、96×64アレイ中の「漏洩」ピクセルの割合vsPANI(ES)ポリブレンド層の厚さを示す図1により明確に実証される。したがって、短絡を防止するために、約200nmの厚さを有する比較的厚いPANI(ES)層を使用することが必要である。
【0010】
200nm以上のフィルム厚さの場合、クロストークおよびピクセル間電流漏洩を防止するために、PANI(ES)層の電気抵抗率は、10オーム−cmよりも大きいかまたはそれに等しくなければならない。10オーム−cmを超える値が好ましい。10オーム−cmのときでさえも、いくらかの残留電流漏洩が起こるので、デバイス効率は多少低下する。したがって、約10オーム−cmの値のほうがさらに好ましい。10オーム−cmよりも大きい値にすると、注入/緩衝層を横切って顕著な電圧降下を生じるであろう。したがって、そのような値は回避すべきである。所望の範囲の抵抗率を有する高抵抗率PANI(ES)物質を得るには、PANI(ES)の改良が必要である。
【0011】
したがって、高効率ピクセル化ポリマー発光ディスプレイに使用するためのPANI(ES)のような高抵抗率導電性ポリマーの配合物が必要である。10オーム−cmよりも大きい抵抗率を有する導電性ポリマーが好ましく、より好ましくは10オーム−cmを超え、さらに好ましくは10オーム−cmを超える。ポリマー発光ディスプレイで有効に使用するために、高抵抗率導電性ポリマー層は、隣接するピクセル間の有意な電流漏洩を生じることなく長寿命を与えるものでなければならない。
【0012】
(発明の概要)
本発明の1態様は、少なくとも次のコンポーネント、すなわち、一方の側が正孔注入アノードにより他方の側が電子注入カソードにより境界づけられた電気活性共役有機ポリマーの層と、該アノードと該電気活性有機物質の層との間の少なくとも約10オーム−cmの抵抗率を有する導電性有機ポリマーの層と、を有する電子デバイスに関する。
【0013】
本発明の他の態様は、電子デバイスを製造する方法に関する。この工程には、少なくとも次の工程、すなわち、電気活性共役有機ポリマーの層をパターン化された正孔注入アノード上に堆積させる工程と、その後でパターン化された電子注入カソードを該電気活性共役有機ポリマーの層上に堆積させる工程と、該電気活性共役有機ポリマーの層を堆積させる前に導電性有機ポリマーの高抵抗率層を該アノード上に堆積させる工程と、が含まれ、該導電性有機ポリマーの層は、少なくとも約10オーム−cmの抵抗率を有する。
【0014】
本明細書中で使用する場合、「光活性」有機物質という用語は、エレクトロルミネセンスの電気活性および/または感光性を呈する任意の有機物質を意味する。「電荷」という用語は、電荷の注入/輸送を表すために使用する場合、内容に応じて正孔および電子の輸送/注入の一方または両方を意味する。「導電率」および「バルク導電率」という用語は同義的に使用され、その値はジーメンス毎センチメートル(S/cm)の単位で与えられる。さらに、「表面抵抗率」および「シート抵抗」という用語は、所与の物質のシート厚さの関数である抵抗値を表すために使用され、その値はオーム毎平方(オーム/sq)の単位で与えられる。また、「バルク抵抗率」および「電気抵抗率」という用語は、特定の物質の基本的性質である抵抗率を表わすために同義的に使用され(すなわち、物体の寸法によって変化することはない)、その値はオーム−センチメートル(オーム−cm)の単位で与えられる。電気抵抗率の値は、導電率の逆数値である。
【0015】
図面を参照して本発明の特定の実施形態について説明する。図面の内容は以下のとおりである。
【0016】
(好ましい実施形態の説明)
本発明の配合物はピクセル化電子デバイスだけでなく非ピクセル化電子デバイスにも有用であるが、特に利点が得られるのは、たとえばエレクトロルミネセンスディスプレイのようなピクセル化デバイスである。
【0017】
(デバイス構成)
図2に示されているように、有機電子デバイス100のそれぞれの個別ピクセルは、第2の(透明)電子求引性(アノード)電極として働くようにより高い仕事関数(高いイオン化ポテンシャル)を有する透明な導電性物質の層110で部分的に被覆された基板108上に堆積された光活性有機物質102の前面に、比較的低い仕事関数の金属(たとえば、Ca、BaまたはCaもしくはBaを含む合金)で製造された電子注入(カソード)接点106を1つの電極として含む。すなわち、ポリマーLEDの周知の構成を含む(D.Braun and A.J.Heeger,Appl.Phys.Lett.58,1982(1991))。本発明によれば、ルミネセンスポリマー層102と高仕事関数アノード110との間に、少なくともPANI(ES)のような導電性ポリマーの高抵抗率層を含む層112が挟設される。カソード106はコンタクトパッド80に電気接続され、アノード110はコンタクトパッド82に電気接続される。その後、層102,106,108、110、および112は、ハーメチックシール層114により環境から隔離される。ハーメチックシール70の外部にあるコンタクトパッド80、82を介して電気を流すと、矢印90で示される方角にデバイスから光が放出される。
【0018】
好ましい実施形態についてのこの説明の残りの部分は、これらの種々のコンポーネントに従って構成されている。具体的には、次の節を含む。
活性層(102)
アノード(110)
高抵抗率層(112)
カソード(106)
基板(108)
製造技術
実施例
【0019】
活性層(102)
電子デバイス100の用途に応じて、光活性層102は、印加電圧により活性化される発光層(たとえば、発光ダイオードまたは発光電気化学セルの場合)、放射エネルギーに応答してバイアス電圧によりまたはバイアス電圧なしでシグナルを生成する物質の層(たとえば、光検出器の場合)とすることができる。光検出器としては、たとえば、光導電セル、フォトレジスター、フォトスイッチ、フォトトランジスター、および光電管、ならびに光起電力セルが挙げられるが、これらの用語は、Markus,John,Electronics and Nucleonics Dictionaty,470 and 476(McGraw−Hill,Inc.1966)に記載されているとおりである。
【0020】
電子デバイス100が発光デバイスである場合、十分なバイアス電圧を電気接点層に印加すると、光活性層102は光を放出するであろう。好適な活性発光物質としては、アントラセン、ブタジエン、クマリン誘導体、アクリジン、およびスチルベン誘導体のような有機分子物質が挙げられる。たとえば、Tangの米国特許第4,356,429号、Van Slykeらの米国特許第4,539,507号を参照されたい。それらの該当部分は参照により本明細書に組み入れられるものとする。このほか、そのような物質は、Friendら(米国特許第5,247,190号)、Heegerら(米国特許第5,408,109号)、Nakanoら(米国特許第5,317,169号)の特許に記載されているような高分子物質であってもよい。それらの該当部分は参照により本明細書に組み入れられるものとする。発光物質は、添加剤を用いておよび用いずに、他の物質のマトリックス中に分散させてもよいが、好ましくは、単独で層を形成する。好ましい実施形態では、エレクトロルミネセンスポリマーは、少なくとも1種の共役ポリマーまたはπ−共役部分のセグメントを含有するコポリマーを含む。共役ポリマーは当技術分野で周知である(たとえば、Conjugated Polymers,J.−L.Bredas and R.Silbey edt.,Kluwer Academic Press,Dordrecht,1991を参照されたい)。代表的なクラスの物質としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(i)ポリ(p−フェニレンビニレン)およびフェニレン部分の種々の位置で置換されたその誘導体;
(ii)ポリ(p−フェニレンビニレン)およびビニレン部分の種々の位置で置換されたその誘導体;
(iii)アリーレンが、ナフタレン、アントラセン、フリレン、チエニレン、オキサジアゾールなどのような部分であってもよいし、種々の位置に官能化置換基を有する該部分のうちの1つであってもよい、ポリ(アリーレンビニレン);
(iv)アリーレンが、上記の(iii)のときと同じのようにアリーレン部分の種々の位置で置換されていてもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(v)アリーレンが、上記の(iii)のときと同じのようにビニレン部分の種々の位置で置換されていてもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(vi)アリーレンビニレンオリゴマーと非共役オリゴマーとのコポリマー、さらにはアリーレン部分の種々の位置で置換されたそのようなポリマーの誘導体、ビニレン部分の種々の位置で置換されたそのようなポリマーの誘導体、ならびにアリーレン部分およびビニレン部分の種々の位置で置換されたそのようなポリマーの誘導体;
(vii)ポリ(p−フェニレン)およびフェニレン部分の種々の位置で置換されたその誘導体、たとえば、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)などのようなラダーポリマー誘導体;
(viii)ポリ(アリーレン)およびアリーレン部分の種々の位置で置換されたそれらの誘導体;
(ix)オリゴアリーレンと非共役オリゴマーとのコポリマー、およびアリーレン部分の種々の位置で置換されたそのようなポリマーの誘導体;
(x)ポリキノリンおよびその誘導体;
(xi)ポリキノリンとp−フェニレンおよび可溶化機能を有する部分とのコポリマー;
(xii)ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスチアゾール)、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾイミダゾール)およびそれらの誘導体のような硬質のロッドポリマー;など。
【0021】
より特定的には、限定されるものではないが、活性物質として、ポリ(フェニレンビニレン)すなわちPPVおよびPPVのアルコキシ誘導体、たとえば、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニレン)すなわち「MEH−PPV」(米国特許第5,189,136号)を挙げることができる。BCHA−PPVも魅力のある活性物質である。(C.Zhang,et al,J.Electron.Mater.,22,413(1993))。PPPVも好適である。(C.Zhang et al,Synth.Met.,62,35(1994)およびそこ記載の参考文献。)通常の有機溶媒に可溶であるルミネセンス共役ポリマーが、比較的単純なデバイス製造を可能にするので好ましい[A.HeegerおよびD.Braunの米国特許第5,408,109号および同第5,869,350号]。
【0022】
さらに好ましい光活性のポリマーおよびコポリマーは、H.Becker et al.,Adv.Mater.12,42(2000)に記載されている可溶性PPV物質である。本明細書ではC−PPVと記す。エレクトロルミネセンスを呈するこれらのおよび他の半導電性のポリマーおよびコポリマーのブレンドを使用することができる。
【0023】
電子デバイス100が光検出器である場合、光活性層102は、放射エネルギーに応答してバイアス電圧によりまたはバイアス電圧なしでシグナルを生成する。放射エネルギーに応答してバイアス電圧によりシグナルを生成することのできる物質としては(たとえば、光導電セル、フォトレジスター、フォトスイッチ、フォトトランジスター、光電管の場合)、たとえば、多くの共役ポリマーおよびエレクトロルミネセンス物質が挙げられる。放射エネルギーに応答してバイアス電圧なしでシグナルを生成することのできる物質としては(たとえば、光導電セルまたは光起電力セルの場合)、光に化学的に応答することによりシグナルを生成する物質が挙げられる。そのような感光性化学反応性物質としては、たとえば、多くの共役ポリマーならびにエレクトロおよびフォトルミネセンス物質が挙げられる。具体例としては、MEH−PPV(”半導電性ポリマーで製造されたオプトカプラー”,G.Yu,K.Pakbaz,and A.J.Heeger,Journal of Electronic Materials,Vol.23,pp925−928(1994));およびCN−PPVを有するMEH−PPV複合体(”相互侵入ポリマー網状構造から得られる効率的フォトダイオード”,J.J.M.Halls et al.(Cambridge group)Nature Vol.376,pp.498−500,1995)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。電気活性有機物質は、種々の波長の発光を提供するように調節することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、高分子光活性物質または有機分子光活性物質は、0%から75%まで(全混合物の重量を基準にして)のキャリヤー有機物質(高分子または有機分子)との混合物として光活性層102中に存在する。キャリヤー有機物質の選択基準は次のとおりである。物質は、低濃度で機械的にコヒーレントなフィルムの形成を可能にし、かつフィルムを形成するために共役ポリマーを分散または溶解することのできる溶媒中で安定に保持されるものでなければならない。プロセス障害、すなわち、過度に高い粘度または均一性の大幅な低下を最小限に抑えるために低濃度のキャリヤー物質が好ましい。しかしながら、キャリヤーの濃度は、コヒーレント構造の形成が可能になるように十分に高いものでなければならない。キャリヤーが高分子物質である場合、好ましいキャリヤーポリマーは、高分子量(M.W.>100,000)の可撓性鎖状ポリマー、たとえば、ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンなどである。当業者により容易に決定することのできる適切な条件下において、これらの高分子物質は、水、酸、ならびに多数の極性および無極性有機溶媒を含めて多種多様な液体からのコヒーレント構造の形成を可能にする。これらのキャリヤーポリマーを用いて製造されるフィルムまたはシートは、所望によりコーティングおよび後続処理を可能にするために、1体積%程度、さらには0.1体積%程度の低いポリマー濃度で、十分な機械的強度を有する。そのようなコヒーレント構造の例は、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ−パラ(フェニレンテレフタレート)、ポリ−パラ−ベンズアミドなど、および他の好適なポリマーから構成されたものである。一方、最終的なポリマーのブレンディングを極性環境で進めることができない場合、無極性キャリヤー構造、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ブタジエン)などを含有するものが選択される。
【0025】
光活性層の典型的なフィルム厚さは、数百オングストローム(200Å)から数千オングストローム(10,000Å)までの範囲である(1オングストローム=10−8cm)。活性フィルムの厚さは重要ではないが、典型的には、より薄いフィルムを使用することによりデバイス性能を改良することができる。好ましい厚さは、300Åから5,000Åまでである。
【0026】
アノード(110)
本発明のデバイスにおいて、一方の電極は、デバイスからの光放出またはデバイスによる光受容を可能にするために透明である。カソードが透明電極である実施形態で本発明を使用することもできるが、ごく一般的には、アノードが透明電極である。
【0027】
アノード110は、好ましくは、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合金属酸化物を含有する物質で製造される。好適な金属としては、第11族金属、第4、5および6族の金属、ならびに第8〜10族の遷移金属が挙げられる。アノードが光透過性である場合、第12、13および14族金属の混合金属酸化物、たとえば、インジウム−スズ−酸化物が一般に使用される。周期表の族が左から右に1〜18として番号づけされるIUPAC番号づけ方式を全体にわたって使用する(CRC Handbook of Chemistry and Physics,81 Edition,2000)。アノード110はまた、”可溶性導電性ポリマーから製造された可撓性発光ダイオード,”Nature vol.357,pp477−479(11 June 1992)に記載されているようなポリアニリンなどの有機材料を含んでいてもよい。
【0028】
アノードとして役立つ典型的な無機物質としては、アルミニウム、銀、白金、金、パラジウム、タングステン、インジウム、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、鉛などの金属;酸化鉛、酸化スズ、インジウム/スズ−酸化物などのような金属酸化物;黒鉛;ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウムなどのようなドープされた無機半導体が挙げられる。アルミニウム、銀、白金、金、パラジウム、タングステン、インジウム、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、鉛などのような金属を使用する場合、アノード層は、半透明になるように十分に薄くなければならない。インジウム/スズ−酸化物のような金属酸化物は、典型的には、少なくとも半透明である。
【0029】
本明細書中で使用する場合、「透明」という用語は、対象の特定の波長の光の量の少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%を透過できることを意味するものと定義される。したがって、光を透過する能力が波長の関数として変化しても対象の所与の波長で25%または50%の判定基準を満たしていれば、その物質は「透明である」とみなされる。薄膜分野の当業者であればわかるように、層を十分に薄くすれば、金属を用いてかなりの透明度を達成することができる。たとえば、銀および金の場合、約300Å未満、特に約20Åから約250Åまでにすれば、銀は、比較的無色で(均一な)透過性を有し、金は、黄色から赤色の波長の光の透過に有利に働く傾向を示す。
【0030】
同様に、導電性の金属−金属酸化物混合物も、場合により2500Å程度の厚さまで透明な状態をとることができる。好ましくは、金属−金属酸化物(すなわち誘電体)層の厚さは、透明性が望まれる場合、約25から約1200Åまでである。
【0031】
この層は導電性であり、かつ低抵抗、好ましくは300オーム/平方未満、より好ましくは100オーム/平方未満でなければならない。
【0032】
緩衝層112
高抵抗率緩衝層112は、活性物質の層102とアノード110との間に配置される。
【0033】
この層は、高抵抗率層でなければならず、PANI(ES)のような導電性ポリアニリン(PANI)または等価な共役導電性ポリマーを、ごく一般的には1種以上の非導電性ホストポリマーとのブレンドとして含有する必要がある。好適な導電性ポリマーは、通常、ドープされたポリマーであり、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)「PEDT」、ポリピロール、ポリチオフェンおよびPANIのような物質をいずれもそれらの導電形で含んでいてもよい。特にポリアニリンは、エメラルジン塩(ES)形態であるときが特に有用である。有用な導電性ポリアニリンは、ホモポリマーおよび誘導体を、通常、バルクポリマーとのブレンドとして含む。PANIの例は、米国特許第5,232,631号に開示されているものである。この層に用いられる好ましいPANIブレンド物質は、10オーム−cmよりも大きいバルク抵抗率を有する。より好ましいPANIブレンドは、10オーム−cmよりも大きいバルク抵抗率を有する。
【0034】
「ポリアニリン」またはPANIという用語を本明細書で使用する場合、特定の非置換形だけを対象とすることが文脈からあきらかにならない限り、それらは、一般的には、置換および無置換の物質のほかにポリピロールまたはポリチオフェンまたはPEDTのような他の等価な共役導電性ポリマーをも含めて使用される。また、任意の付随するドーパント、特に、ポリアニリンに導電性を付与するために使用される酸性物質を含めた形でも使用される。
【0035】
一般的には、ポリアニリンは、下記の式Iで表される無置換および置換アニリンの重合から誘導される、フィルムおよび繊維を形成する分子量のポリマーおよびコポリマーである。
【0036】
【化1】
Figure 2004501494
【0037】
式中、
nは、0から4までの整数であり、
mは、nとmの合計が5に等しいという条件つきで、1から5までの整数であり;
Rは、独立して、存在するそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、あるいは1個以上のスルホン酸、カルボン酸、ハロ、ニトロ、シアノもしくはエポキシ部分;またはカルボン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、もしくはスルホン酸部分で置換されたアルキルからなる群より選択されるか;あるいは任意の2個のR基が一緒になって、1個以上の2価の窒素、硫黄または酸素原子を任意に含んでいてもよい3、4、5、6または7員の芳香族または脂環式の環を完成するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成してもよい。本発明の範囲を限定しようとするものではないが、種々のR基のサイズは、約1個の炭素(アルキルの場合)から2個以上の炭素を経て約20個の炭素までに及び、n個のRの合計は、約1から約40個までの炭素である。
【0038】
本発明の実施に有用なポリアニリンの代表例は、以下の式IIからVで表されるものである。
【0039】
【化2】
Figure 2004501494
【0040】
式中、
n、mおよびRは、水素が重合時に共有結合と置き換わることによりmが1減少しかつmとnの和が4に等しいこと以外は、先に述べたとおりであり、
yは、0に等しいかまたは0よりも大きい整数であり、
xは、xとyの和が1よりも大きいという条件つきで、1に等しいかまたは1よりも大きい整数であり、
zは、1に等しいかまたは1よりも大きい整数である。
【0041】
置換および無置換アニリンの以下のリストは、本発明の実施に有用なポリアニリンを調製するために使用できる代表例である。
アニリン             2,5−ジメチルアニリン
o−トルイジン          2,3−ジメチルアニリン
m−トルイジン          2,5−ジブチルアニリン
o−エチルアニリン        2,5−ジメトキシアニリン
m−エチルアニリン        テトラヒドロナフチルアミン
o−エトキシアニリン       o−シアノアニリン
m−ブチルアニリン        2−チオメチルアニリン
m−ヘキシルアニリン       2,5−ジクロロアニリン
m−オクチルアニリン       3−(n−ブタンスルホン酸)アニリン
4−ブロモアニリン
2−ブロモアニリン
3−ブロモアニリン        2,4−ジメトキシアニリン
3−アセトアミドアニリン     4−メルカプトアニリン
4−アセトアミドアニリン     4−メチルチオアニリン
5−クロロ−2−メトキシアニリン 3−フェノキシアニリン
5−クロロ−2−エトキシアニリン 4−フェノキシアニリン
【0042】
有用なR基の代表例は、アルキル、たとえば、メチル、エチル、オクチル、ノニル、tert−ブチル、ネオペンチル、イソプロピル、sec−ブチル、ドデシルなど、アルケニル、たとえば、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニルなど;アルコキシ、たとえば、プロポキシ、ブトキシ、メトキシ、イソプロポキシ、ペントキシ、ノノキシ、エトキシ、オクトキシなど、シクロアルケニル、たとえばシクロヘキセニル、シクロペンテニルなど;アルカノイル、たとえば、ブタノイル、ペンタノイル、オクタノイル、エタノイル、プロパノイルなど;アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アリールスルホニル、アリールスルフィニルなど、たとえば、ブチルチオ、ネオペンチルチオ、メチルスルフィニル、ベンジルスルフィニル、フェニルスルフィニル、プロピルチオ、オクチルチオ、ノニルスルホニル、オクチルスルホニル、メチルチオ、イソプロピルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、ノニルチオ、フェニルチオ、エチルチオ、ベンジルチオ、フェネチルチオ、ナフチルチオなど;アルコキシカルボニル、たとえば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニルなど、シクロアルキル、たとえば、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオクチル、シクロヘプチルなど;アルコキシアルキル、たとえば、メトキシメチル、エトキシメチル、ブトキシメチル、プロポキシエチル、ペントキシブチルなど;アリールオキシアルキルおよびアリールオキシアリール、たとえば、フェノキシフェニル、フェノキシメチレンなど;ならびに種々の置換アルキルおよびアリール基、たとえば、1−ヒドロキシブチル、1−アミノブチル、1−ヒドロキシルプロピル、1−ヒドロキシペンチル、1−ヒドロキシオクチル、1−ヒドロキシエチル、2−ニトロエチル、トリフルオロメチル、3,4−エポキシブチル、シアノメチル、3−クロロプロピル、4−ニトロフェニル、3−シアノフェニルなど;スルホン酸末端アルキルおよびアリール基ならびにカルボン酸末端アルキルおよびアリール基、たとえば、エチルスルホン酸、プロピルスルホン酸、ブチルスルホン酸、フェニルスルホン酸、および対応するカルボン酸。
【0043】
有用なR基の代表例は、このほかに、任意の2個のR基から形成された2価部分、たとえば、下記の式で表される部分である。
−(CH)−n
式中、nは、約3から約7までの整数である。たとえば、−(CH)−、−(CH)−および−(CH)−、あるいは−CHSCH−および−CHO−CH−のように酸素および硫黄のヘテロ原子を任意に含むそのような部分。他の有用なR基の代表例は、1から約3個の共役二重結合不飽和を含む2価アルケニレン鎖、たとえば、2価の1,3−ブタジエンなどの部分である。
【0044】
本発明の実施に使用するのに好ましいのは、上記の式IIからVで表されるポリアニリンのうち、
nは、0から約2まで整数であり、
mは、nとmの合計が4に等しいという条件つきで、2から4までの整数であり、
Rは、1から約12個までの炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ、シアノ、ハロゲン、またはカルボン酸置換基もしくはスルホン酸置換基で置換されたアルキルであり、
xは、1に等しいかまたは1よりも大きい整数であり、
yは、xとyの合計が約4よりも大きいという条件つきで、0に等しいかまたは0よりも大きい整数である、
という要件を満たすものである。
【0045】
本発明のより好ましい実施形態では、ポリアニリンは無置換アニリンから誘導される。すなわち、nは0であり、mは5(モノマー)または4(ポリマー)である。一般的には、モノマー繰り返し単位の数は少なくとも約50である。
【0046】
米国特許第5,232,631号に記載されているように、ポリアニリンは、酸化性または酸性の種の存在により導電性が付与される。酸性種、特に「官能化プロトニック酸」は、この役割の点で好ましい。「官能化プロトニック酸」とは、好ましくはこの層の他の成分と相溶性になるように対イオンが官能化されたものである。本明細書中で使用する場合、「プロトニック酸」とは、ポリアニリンをプロトン化して該ポリアニリンとの錯体を形成する酸である。
【0047】
一般的には、本発明に使用するための官能化プロトニック酸は、下記の式VIおよびVIIで表されるものである。
【0048】
【化3】
Figure 2004501494
【0049】
式中、
Aは、スルホン酸、セレン酸、リン酸、ホウ酸もしくはカルボン酸基;または硫酸水素、セレン酸水素、リン酸水素であり、
nは、1から5までの整数であり、
Rは、1から約20個までの炭素原子を有する、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルチオアルキル;またはアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、カルボン酸、ここで、このアルキルもしくはアルコキシは0から約20個までの炭素原子を有する;または1個以上のスルホン酸、カルボン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ジアゾ、もしくはエポキシ部分で置換された3から約20個までの炭素原子を有するアルキル;または置換もしくは無置換の3、4、5、6もしくは7員の芳香族もしくは脂環式の炭素環、ここで、この環は、チオフェニル、ピロリル、フラニル、ピリジニルのように、窒素、硫黄、スルフィニル、スルホニルもしくは酸素のうちの1個以上の2価ヘテロ原子を含んでいてもよい、である。
【0050】
これらの低分子酸形に加えて、Rは、複数の酸官能基「A」が垂れ下がる高分子主鎖の形をとることもできる。高分子酸としては、たとえば、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリエチレンなどが挙げられる。これらの場合、無極性基材への溶解性を増大させるように、またはポリマーのポリアクリル酸もしくはポリ(ビニルスルホネート)などのような物質が使用できるより高い極性の基材に溶解させるように、ポリマー主鎖を選択することができる。
【0051】
R’は、存在するそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリール、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、または1個以上のスルホン酸、カルボン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ジアゾもしくはエポキシ部分で置換されたアルキルであるか;あるいは任意の2個のR基が一緒になって、窒素、硫黄、スルフィニル、スルホニルもしくは酸素原子のうちの1個以上の2価ヘテロ原子を含んでいてもよい3、4、5、6もしくは7員の芳香族もしくは脂環式の環またはそれらの複合環を完成するアルキレンまたはアルケニレン基である。R’は、典型的には約1から約20個の炭素、特定的には3から20個、より特定的には約8から約20個の炭素を有する。
【0052】
上記の式VIおよびVIIで表される物質のうち、
Aは、スルホン酸、リン酸またはカルボン酸であり、
nは、1から3までの整数であり、
Rは、6から約14個までの炭素原子を有する、アルキル、アルケニル、アルコキシ;あるいはアリールアルキル、ここで、アルキルもしくはアルキル部分またはアルコキシは、4から約14個までの炭素原子を有する;あるいは1個以上のカルボン酸、ハロゲン、ジアゾ、もしくはエポキシ部分で置換された6から約14個までの炭素原子を有するアルキルであり、
R’は、存在するそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、4から14個までの炭素原子を有する、アルキル、アルコキシ、アリールスルホニル、または同様にアルキル中に4から14個までの炭素原子を有する、1個以上のハロゲン部分で置換されたアルキルである、
という要件を満たすものが好ましい。
【0053】
特に好ましい実施形態のうち本発明の実施に使用するのに最も好ましいのは、上記の式VIおよびVIIで表される官能化プロトニック酸のうち、
Aは、スルホン酸であり、
nは、整数1または2であり、
Rは、6から約14個までの炭素原子を有する、アルキルもしくはアルコキシ;または1個以上のハロゲン部分で置換された6から約14個までの炭素原子を有するアルキルであり、
R’は、4から14個まで、特に12個の炭素原子を有する、アルキルもしくはアルコキシ、または1個以上のハロゲン部分で置換されたアルキルである、
という要件を満たすものである。
【0054】
好ましい官能化プロトニック酸は、ドデシルベンゼンスルホン酸のような有機スルホン酸、より好ましくはポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(「PAAMPSA」)である。
【0055】
利用する官能化プロトニック酸の量は、所要の導電率の大きさに応じて変化させることができる。一般的には、導電性物質を形成するために、十分な官能化プロトニック酸をポリアニリン含有混合物に添加する。通常、利用する官能化プロトニック酸の量は、導電性ポリマー(溶液形態または固形形態のいずれかで)を与えるのに少なくとも十分な量である。
【0056】
ポリアニリンは、その物理的形態のいずれにおいても本発明の実施に便利に使用することができる。有用な形態の代表例は、参照により本明細書に組み入れられるものとするGreen,A.G.,and Woodhead,A.E.,J.Chem.Soc.,101,1117(1912)and Kobayashi,et al.,J.Electroanl.Chem.,177,281−91(1984)に記載されているものである。無置換のポリアニリンの場合、有用な形としては、ロイコエメラルジン形、プロトエメラルジン形、エメラルジン形、ニグルアニリン形およびトル−プロトエメラルジン形が挙げられるが、エメラルジン形が好ましい。
【0057】
Cao,Y.およびZhang,C.の同時係属米国特許出願第60/168,856号は、共役ポリマーと非導電性ポリマーとの低導電率ブレンドの形成について開示している。この特許は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0058】
共役ポリマーに添加される特定のバルクポリマーまたはポリマーは変化させることができる。物質の選択は、導電性ポリマーの性質、ポリマーをブレンドするのに使用する方法、およびデバイス中に層を堆積するのに使用する方法に基づいて行うことができる。
【0059】
物質は、一方のポリマーを他方のポリマー中に小さな粒子の分散体として分散させることにより、または一方のポリマーを他方のポリマー中に溶解させた溶液として、ブレンドすることができる。ポリマーは、典型的には、流体相中で混合され、層は、典型的には、流体相から配設される。
【0060】
我々は、水溶性または水分散性のバルクポリマーと一緒に水溶性または水分散性の共役ポリマーを用いて最良の結果を得た。この場合、2種のポリマーを水中に溶解または分散させて溶液または分散液から層をキャスティングすることによりブレンドを形成することができる。
【0061】
有機溶媒は、有機溶媒溶解性または有機溶媒分散性の共役ポリマーおよびバルクポリマーと共に使用することができる。さらに、ブレンドは、2種のポリマーの溶融体を用いて、または後続処理で重合もしくは硬化させて所望の最終物質に変換されるバルクポリマーの液状プレポリマー形もしくはモノマー形を用いることにより、形成することができる。
【0062】
PANIが水溶性または水分散性でありかつ水溶液からPANI層をキャスティングすることが望まれるこうした現在のところ好ましい態様では、バルクポリマーは水溶性または水分散性でなければならない。そのような場合、たとえば、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVPd)、アクリルアミドコポリマー、セルロース誘導体、カルボキシビニルポリマー、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリアミン、ポリイミン、ポリビニルピリジン、多糖、およびポリウレタンの分散体から選択される。
【0063】
非水性の溶液または分散液から層をキャスティングすることが望まれる場合、バルクポリマーは、たとえば、液化可能なポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチルビニルアセテート)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンビニレンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、およびナイロン12、ナイロン8、ナイロン6、ナイロン6.6などのようなナイロン、ポリエステル物質、ポリアクリルアミドなどのようなポリアミドから選択することが可能である。
【0064】
一方のポリマーを他方のポリマー中に分散する場合、種々のポリマーの共溶性は必要でない可能性がある。
【0065】
ポリアニリンとバルクポリマーまたはプレポリマーとの相対的割合は、変化させることができる。ポリアニリン1部あたり0から20重量部程度までのバルクポリマーまたはプレポリマーを存在させることができるが、1部のPANIに対して0.5から10部、特に1から4部のバルク物質を存在させる。
【0066】
この層をキャスティングするために使用される物質に対する溶媒は、ポリマーの性質を補完するように選択される。
【0067】
好ましい系では、PANIおよびバルクポリマーはいずれも、水溶性または水分散性であり、溶媒系は、水または水と1種以上の極性有機物質との混合物のような水性溶媒系である。ここで、極性有機物質は、たとえば、低級アルコール、ケトンおよびエステルのような低級オキシ炭化水素である。
【0068】
これらの物質としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトンなどと混合された水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
所望により、極性有機液体の溶媒系を使用することも可能であるが、一般的には好ましいことではない。
【0070】
PANIのような導電性ポリマーおよびバルクポリマーが水溶性でも水分散性でもない場合、ごく一般的には、無極性溶媒が使用される。
【0071】
有用な通常の無極性溶媒の代表例は、次のような物質である。置換もしくは無置換の芳香族炭化水素、たとえば、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、m−キシレン、ナフタレン、エチルベンゼン、スチレン、アニリンなど;高級アルカン、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなど;環状アルカン、たとえば、デカヒドロナフタレンなど;ハロゲン化アルカン、たとえば、クロロホルム、ブロモホルム、ジクロロメタンなど;ハロゲン化芳香族炭化水素、たとえば、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなど;高級アルコール、たとえば、2−ブタノール、1−ブタノール、ヘキサノール、ペンタノール、デカノール、2−メチル−1−プロパノールなど;高級ケトン、たとえば、ヘキサノン、ブタノン、ペンタノンなど;複素環化合物、たとえば、モルホリン;過フッ素化炭化水素、たとえば、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロベンゼン。
【0072】
共役ポリマー層の厚さは、目標とするダイオードの性質により選択されるであろう。複合アノードが透明である場合、一般的には、図1に示される故障問題に留意してPANIの層を実用上可能な限り薄くすることが好ましい。典型的な厚さは、約100Åから約5000Åまでの範囲である。透明性が望まれる場合、約100Åから約3000Åまでの厚さが好ましく、特に約2000Åが好ましい。
【0073】
200nm以上のフィルム厚さでは、クロストークおよびピクセル間電流漏洩を防止するために、PANI(ES)ブレンド層の電気抵抗率は、10オーム−cmよりも大きいかまたはそれに等しくなければならない。10オーム−cmを超える値が好ましい。10オーム−cmのときでさえも、いくらかの残留電流漏洩が起こるので、デバイス効率は多少低下する。したがって、約10から10オーム−cmの値は、さらに好ましい。10オーム−cmよりも大きい値にすると、注入/緩衝層を横切って顕著な電圧降下を生じるであろう。したがって、そのような値は回避すべきである。
【0074】
カソード(106)
カソード材料として使用される好適な物質は、第1の電気接点層(この場合、アノード)よりも低い仕事関数を有する任意の金属もしくは非金属である。カソード層106(この場合、第2の電気接点)の物質は、第1族のアルカリ金属(たとえば、Li、Cs)、第2族(アルカリ土類)金属、一般的には、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、第12族金属、希土類、一般的には、イッテルビウム、ランタニド、およびアクチニドから選択される。アルミニウム、インジウムおよび銅、銀、それらの組み合わせならびにカルシウムおよび/またはバリウム、Li、マグネシウム、LiFとの組み合わせのような物質を使用することができる。
【0075】
低仕事関数金属の合金、たとえば、マグネシウムを含む銀の合金およびリチウムを含むアルミニウムの合金もまた有用である。電子注入カソード層の厚さは、15Å未満から5000Å程度までの範囲である。このカソード層106は、ピクセル化アレイを与えるようにパターン化することができるか、あるいは連続状態にして、銀、銅、または好ましくはアルミニウムのようなバルク導体の層で覆うことができる。この場合、バルク導体の層それ自体はパターン化される
【0076】
カソード層は、機械的強度および耐久性を与えるために追加された第2の金属の第2の層をさらに含んでいてもよい。
【0077】
基板(108)
ほとんどの実施形態では、ダイオードは基板上に調製される。典型的には、基板は非導電性でなければならない。光が基板を透過するそれらの実施形態では、基板は透明である。基板は、硬質材料であってもよく、たとえば、硬質のアクリレート、カーボネートなどの硬質プラスチック、ガラス、石英、サファイアなどのような硬質無機酸化物であってもよい。基板はまた、可撓性の透明有機ポリマーであってもよく、たとえば、ポリ(エチレンテレフタレート)のようなポリエステル、可撓性ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン)などであってもよい。
【0078】
この基材の厚さは重要ではない。
【0079】
コンタクトパッド(80、82)
デバイス100の電極を電源(図示せず)に接続するのに有用な任意のコンタクトパッド80、82を使用することができる。たとえば、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)のような導電性金属などが利用できる。
【0080】
好ましくは、コンタクトパッド80、82は、層の全厚さ未満で高仕事関数電極ライン110の厚さを超えて突出した高さ(図示せず)を有する。
【0081】
好ましくは、層102、110および112の寸法は、層102、112および114により覆われない基板108の領域にコンタクトパッド80が配置されるように設定される。さらに、層106、102、110および112の寸法は、全長全幅の電極ライン106および電極ライン110が電極106、110間に少なくとも1層の層102、112を介在させると同時に電極106とコンタクトパッド80との間で電気的接続が行えるように設定される。
【0082】
他の任意の層(図示せず)
電子注入/輸送物質を含む任意の層を光活性層102とカソード106との間に設けてもよい。この任意の層は、電子注入/輸送を促進する機能を有するとともに、層境界におけるクエンチング反応を防止する緩衝層または閉じ込め層としての役割も有する。好ましくは、この層は、電子移動度を増大させ、クエンチング反応を低減させる。任意の層の電子輸送物質の例としては、金属キレート化オキシノイド化合物、たとえば、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq);フェナントロリン系化合物、たとえば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA)または4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)、ならびにアゾール化合物、たとえば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)および3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、DDPA、DPA、PBD、およびTAZ部分を含有するポリマーおよびそのポリマーブレンド、DDPA、DPA、PBD、およびTAZを含有するポリマーブレンドが挙げられる。
【0083】
有機電子デバイス中に他の層を設けることが公知である。たとえば、正電荷輸送および/または層のバンドギャップ整合を容易にするか、あるいは保護層として機能させるか、あるいは界面の性質を改良するために、緩衝層112と光活性層102との間に層(図示せず)を設けることができる。同様に、負電荷輸送および/または層間のバンドギャップ整合を容易にするかあるいは保護層として機能させるために、光活性層102とカソード層106との間に追加の層(図示せず)を設けることができる。当技術分野で公知の層を使用することができる。さらに、上記の層はいずれも、2層以上の層から製造することもできる。このほか、電荷キャリヤー輸送効率を増大させるために、アノード層110、緩衝層112、光活性層102、およびカソード層106のうちのいくつかまたはすべてを表面処理してもよい。各コンポーネント層の物質の選択は、好ましくは、高デバイス効率のデバイスを提供するための設定目標のバランスをとることにより決定される。
【0084】
(製造技術)
本発明のデバイスの種々の要素は、溶液キャスティング、スクリーンプリンティング、ウェブコーティング、インクジェットプリンティング、スパッタリング、エバポレーション、前駆体ポリマー加工、溶融加工など、またはそれらの任意の組み合わせのような当技術分野で周知の技術のいずれかにより製造することが可能である。最も一般的な方法では、基板上に層を逐次的に堆積させることによりダイオードが製造される。代表的な製造法では、複合電極の無機接点110部分が最初に配置される。この層は、一般的には、真空スパッタリング(RFまたはマグネトロン)、電子ビームエバポレーション、加熱蒸着、化学堆積あるいは無機物層を形成するのに通常使用される類似の方法によって堆積される。
【0085】
次に、緩衝層112を配置する。この層は、通常、スピンキャスティングなどによって溶液から層として堆積させるのが最も便利である。水溶性または水分散性の物質から層を形成するそれらの好ましい態様では、スピンキャスティング媒質として一般的には水が使用される。非水溶媒が必要とされる場合、トルエン、キシレン、スチレン、アニリン、デカヒドロナフタレン、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、モルホリンなどが使用される。
【0086】
次に、共役ポリマーの活性層102を堆積させる。共役ポリマーは、溶液から直接堆積またはキャスティングすることができる。利用される溶媒は、ポリマーを溶解しかつその後続の堆積を妨害しないものである。使用する活性ポリマーに応じて、溶媒を非水性または水性のものとすることができる。
【0087】
典型的には、非水溶媒としては、ハロ炭化水素、たとえば、メチレンクロリド、クロロホルム、および四塩化炭素、芳香族炭化水素、たとえば、キシレン、ベンゼン、トルエン、デカリンのような他の炭化水素などが挙げられる。混合溶媒も同様に使用することができる。水、アセトン、酸などのような極性溶媒が適切な場合もある。これらは単に代表的な具体例にすぎず、溶媒は、先に記載の判定基準を満たす物質から広く選択することができる。
【0088】
基板上に種々のポリマーを堆積させる場合、溶液は比較的希薄にできる。たとえば、0.1から20重量%までの濃度、特に0.2から5重量%とすることができる。500〜4000Å、特に1000〜2000Åのフィルム厚さが典型的には使用される。
【0089】
最後に、低仕事関数の電子注入接点を追加する。この接点は、典型的には、活性ポリマー層の上側表面上に真空下でエバポレートされる。
【0090】
これらの工程は変更可能であり、アノードではなくカソードが透明電極になる「上下逆さまの」ダイオードが望まれる場合には逆順にすることも可能である。
【0091】
直前に記載の構造およびその製造は、物理的強度および保護を目的に他の層を導入したり、放出される光の色またはダイオードの感度を変化させたりするために、変更可能であるもわかるであろう。
【0092】
本発明は、発光ディスプレイのような高効率ピクセル化ポリマー電子デバイスに使用するための高抵抗率フィルムを形成するポリアニリンのエメラルジン塩(ES)のような導電性共役ポリマーの配合物の開発に依拠するものである。また、プレパターン化されたITO基板上に高抵抗率導電性ポリマーの透明な薄いフィルムをキャスティングするための方法を開発した。さらに、ガラス基板上のプレパターン化されたITOまたはプラスチック基板上のプレパターン化されたITOのいずれかにPANI(ES)のような高抵抗率物質の薄い透明フィルムを水性分散液から堆積させるための方法を開発した。本発明で記述される高抵抗率層を使用することにより、高抵抗率層の位置合わせパターン化を必要とすることなく高情報量ディスプレイでより長い動作寿命が得られる。
【0093】
以下の実施例により本発明についてさらに説明する。これらの実施例は、本発明を具体的に示すために提示されたものであって、発明の範囲を限定するものではない。
【0094】
別段の記載がないかぎり、パーセントはすべて重量パーセントである。
【0095】
(実施例)
(実施例1)
より詳細に以下で説明されているように、参考文献Y Cao,et al,Polymer,30(1989)2305に従って、PANI(ES)−PAAMPSAを調製した。この参考文献中のHClは、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(PAAMPSA)(Aldrich,Milwaukee,WI53201から入手可能)と置き換えた。
【0096】
エメラルジン塩(ES)形態は、典型的な緑色によって確認した。最初に、170mlの水を添加することにより30.5g(0.022モル)の15%PAAMPSA水溶液(Aldrich)を2.3%まで希釈した。攪拌しながら、2.2g(0.022M)のアニリンをPAAMPSA溶液に添加した。次に、2.01g(0.0088M)の過硫酸アンモニウムを10mlの水に加えて、激しく攪拌しながら、アニリン/PAAMPSA溶液に徐々に添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌した。生成物PANI(ES)−PAAMPSAを沈澱させるために、1000mlのアセトンを反応混合物に添加した。ほとんどのアセトン/水をデカントし、次いでPANI(ES)−PAAMPSA沈殿を濾過した。得られたガム状生成物をアセトンで数回洗浄し、動的真空下、40℃で24時間乾燥させた。
【0097】
この実施例は、PANI(ES)−PAAMPSAの直接合成を示している。
【0098】
(実施例2)
実施例1で調製した1グラム(1.0g)のPANI−PAAMPSA粉末をプラスチック瓶中で100gの脱イオン水と混合した。混合物を室温で48時間回転させた。次に、溶液/分散液を0.45μmポリプロピレンフィルターに通して濾過した。水中に混合するPANI−PAAMPSAの量を変化させることにより、さまざまな濃度のPANI(ES)−PAAMPSA水溶液を慣例に従って調製した。
【0099】
この実施例は、PANI−PAAMPSAを水中に溶解/分散させてから0.45μmフィルターに通して濾過できることを示している。
【0100】
(実施例3)
PANI−PAAMPSAフィルムを水溶液/水分散液からキャスティングした。表面プロフィルメーター(Alpha−Step500)でフィルム厚さを測定したところ650nmであった。標準的なX線装置を用いて、PANI−PAAMPSAフィルムの広角回折図(WAXD)を作成した。回折パターンは、特徴的な回折ピークを示さなかった。データは、フィルムがアモルファスであることを示唆した。
【0101】
この実施例は、水からキャスティングされたPANI−PAAMPSAフィルムがアモルファス(結晶化度10%未満)であることを示している。
【0102】
(実施例4)
4グラム(4.0g)のポリアクリルアミド(PAM)(M.W.5,000,000〜6,000,000、Polysciences(Warrinton,PA18976)から入手可能)をプラスチック瓶中の400mlの脱イオン水と混合した。混合物を室温で少なくとも48時間回転させた。次に、溶液/分散液を1μmポリプロピレンフィルターに通して濾過した。溶解させるPAMの量を変化させることにより、さまざまな濃度のPAMを慣例に従って調製した。
【0103】
この実施例は、PAMを水中に溶解/分散させてから1μmフィルターに通して濾過できることを示している。
【0104】
(実施例5)
実施例2で調製した10グラム(10g)のPANI−PAAMPSA溶液を、実施例4で調製した20gの1%(w/w)PAM溶液と混合した(室温で24時間混合した)。次に、溶液を0.45μmポリプロピレンフィルターに通して濾過した。PANI−PAAMPSA対PAM比はブレンド溶液中に1:2であった。出発溶液中のPANI−PAAMPSAおよびPAMの濃度を変化させることにより、次の比:すなわち、PANI−PAAMPSA/PAM(w/w)比2/1および1/1を含めて、さまざまなブレンド比のPANI−PAAMPSA/PAM溶液を調製した。
【0105】
この実施例は、PANI−PAAMPSA/PAMブレンドを一連のPAM濃度で調製できること、これらのブレンドを水中に溶解/分散できること、および0.45μmに通して濾過できることを示している。
【0106】
(実施例6)
PAMの代わりにPAAMPSAを用いて実施例5を繰り返した。PANI−PAAMPSA/PAAMPSAのブレンド比(w/w)は、それぞれ、1/0.1、1/0.3、1/0.5、1/1および1/2であった。
【0107】
この実施例は、PANI−PAAMPSA/PAAMPSAブレンドを一連のPAAMPSA濃度で調製できること、これらのブレンドを水中に溶解/分散できること、および0.45μmフィルターに通して濾過できることを示している。
【0108】
(実施例7)
PAMの代わりにPEOを用いて実施例5を繰り返した。PANI−PAAMPSA/PEOのブレンド比(w/w)は、1/1であった。
【0109】
(実施例8)
パターン化されたITO電極を有するガラス基板を製造した。実施例5、6および7で調製したブレンド溶液を用いて、ポリアニリンブレンド層をパターン化された基板上にスピンキャスティングし、その後、真空オーブン中、90℃で0.5時間焼成した。Keithley Instruments Inc.(Cleveland,Ohio44139)製の高抵抗Keithley487ピコ電流系を用いて、ITO電極間の抵抗を測定した。表1は、さまざまなブレンド組成を有するPANI(ES)ブレンドフィルムの導電率を示している。表からわかるように、広い範囲にわたって導電率を制御することができる。
【0110】
この実施例は、10−4S/cm未満、さらには10−5S/cm未満のバルク導電率で、すなわち、PANI−PAAMPSAブレンドフィルムのパターン化を必要とすることなくピクセル間電流漏洩を抑えることのできる十分に低いバルク導電率で、PANI−PAAMPSAブレンドを調製できることを示している。
【0111】
【表1】
Figure 2004501494
【0112】
(実施例9)
実施例2で調製した20gのPANI−PAAMPSA溶液を、実施例4で調製した10gの1重量%PAM溶液および2.0gの15%PAAMPSA溶液(Aldrichから入手可能)と混合した(室温で12日間)。次に、溶液を0.45μmポリプロピレンフィルターに通して濾過した。ブレンド溶液中のPANI−PAAMPSA含量は33重量%であった。出発溶液の濃度を変化させることにより、さまざまなブレンド比のPANI−PAAMPSA:PAAMPSA:PAMブレンド溶液を調製した。
【0113】
(実施例10)
PANI−PAAMPSAの含量は33重量%に保持したがホストポリマーPAAMPSA/PAMの比(w/w)はそれぞれ2/0、0.5/1、1/lおよび0/2に変更して、実施例9を繰り返した。
【0114】
(実施例11)
実施例2で調製した30gの溶液を15gの脱イオン水および0.6gのPAM(M.W.5,000,000〜6,000,000、Polysciencesから入手可能)と室温で攪拌しながら4〜5日間混合した。ブレンド溶液中のPANI−PAAMPSA対PAMの比は1/2であった。PANI−PAAMPSAの含量がそれぞれ0、10、25および40%であるブレンド溶液も調製した。
【0115】
(実施例12)
実施例11で調製したブレンド溶液からPANI(ES)層をスピンキャスティングするように変更を加えて、実施例8の抵抗測定を繰り返した。図3は、さまざまなブレンド組成のPANI(ES)ブレンドフィルムの導電率を示している。データからわかるように、ディスプレイ要件を満たすように広い範囲で導電率を制御することができる。の導電率値(10オーム−cmを超える電気抵抗率)を得ることができる。ブレンド中のPAM濃度を高くしたところ、導電率は10−6S/cm未満(10オーム−cmを超える電気抵抗率)に低下した。
【0116】
この実施例は、10−5S/cm未満、さらには10−6S/cm未満の導電率でPANI(ES)フィルムブレンドを調製できることを示している。
【0117】
(実施例13)
実施例9および10で調製したブレンド溶液からPANI(ES)層をスピンキャスティングするように変更を加えて、実施例8の抵抗測定を繰り返した。表2は、さまざまなブレンド組成を有するポリブレンドフィルムの導電率を示している。広い範囲にわたる値に導電率を制御することができる。
【0118】
この実施例は、PAAMPSA/PAMをホストポリマーとして用いたPANI−PAAMPSAブレンドを10−5S/cm未満、さらには10−6S/cm未満、特定の配合物に対しては10−7S/cm未満のバルク導電率で調製できることを示している。PANI(ES)ブレンドの導電率は、ブレンドフィルムのパターン化を必要とすることなくピクセル間電流漏洩を抑えることのできる程度に十分に低い。
【0119】
【表2】
Figure 2004501494
【0120】
(実施例14)
活性半導電性ルミネセンスポリマーとしてポリ(2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)(DMO−PPV)を用いて、発光ダイオードを製造した。DMO−PPVフィルムの厚さは、500〜1000Åであった。2層アノードの第1の層としてインジウム/スズ−酸化物を使用した。100から800Åまでの範囲の厚さでPANI−PAAMPSA(実施例2)を1%水溶液/水分散液からITO上にスピンコーティングし、その後、真空オーブン中、90℃で0.5時間焼成した。デバイスアーキテクチャーは、ITO/PANI(ES)−PAAMPSA/DMO−PPV/金属であった。基板としてITO付きガラス(AppliedのITO/ガラス)を用いるとともに基板としてITO付きプラスチックポリエチレンテレフタレートPET(CourtauldのITO/PET)も用いて、デバイスを製造した。いずれの場合も、ITO/PANI−PAAMPSAの2層は、アノードおよび正孔注入接点であった。Baの層をカソードとして用いて、デバイスを製造した。1×10−6トル未満の圧力で真空蒸着を用いてDMO−PPV層上に金属カソードフィルムを形成して3cmの面積を有する作用層とした。Sycon Instruments,Inc.(East Syracuse,NY13057)から入手可能なSTM−100厚さ/速度メーターで堆積をモニターした。2,000〜5,000Åのアルミニウムをカルシウム層上に堆積させた。各デバイスについて、電流vs電圧曲線、光vs電圧曲線、および量子効率を測定した。図4は、ITO/PANI(ES)−PAAMPSA/DMO−PPV/Baデバイスの光出力(曲線400)および外部量子効率(曲線410)を示している。2層PANI(ES)−PAAMPSA/ITOアノードを有するデバイスの外部効率は、ITOアノードを有するデバイスよりも著しく高かった。
【0121】
この実施例は、2層アノードの第2の層としてPANI−PAAMPSAを用いて高性能ポリマーLEDを製造できることを示している。
【0122】
(実施例15)
Bayer AG(Pittsburgh,PA15205)から入手可能な市販のポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)ポリブレンド溶液を用いて、実施例8の抵抗測定を繰り返した。表3は、本発明(実施例9参照)により調製したPANI(ES)ブレンドがPEDTから得られるよりもかなり低い導電率を有する緩衝層を形成することを示している。この実施例は、PEDTの導電率が高すぎて受動アドレス指定されるピクセル化ディスプレイで使用できないことを示している。ピクセル間漏洩電流はクロストークを起こして効率低下を招くであろう。
【0123】
【表3】
Figure 2004501494
【0124】
(実施例16)
PAMの代わりにそれぞれポリ(アクリル酸)、PAM−カルボキシ、ポリビニルピロリドンおよびポリスチレン(水性エマルジョン)をホストポリマーとして、実施例5を繰り返した。実施例5に示されているようにPANI−PAAMPSA/ホストポリマー溶液/分散液を調製した。
【0125】
(実施例17)
実施例5および16で調製したブレンド溶液からPANI(ES)ブレンド層をスピンキャスティングするように変更を加えて、実施例14にまとめられているデバイス測定を繰り返した。表4は、さまざまなホストポリマーを有するポリブレンドフィルムから製造したLEDのデバイス性能を示している。
【0126】
この実施例は、PANI−PAAMPSAブレンドの使用により著しく高い効率を有するポリマーLEDを製造できることを示している。この効率増加が得られる理由は、高抵抗PANI(ES)ブレンドを正孔注入層として用いることによりピクセル間電流漏洩が著しく低下したことにある。
【0127】
【表4】
Figure 2004501494
【0128】
(実施例18)
さまざまなPANI(ES)PAAMPSA/PAM比を有するブレンド溶液からPANI(ES)層をスピンキャスティングするように変更を加えて、実施例14にまとめられているデバイス測定を繰り返した。表5は、さまざまなPANI(ES)PAAMPSA/PAM比を有するポリブレンドフィルムから製造したLEDのデバイス性能を示している。
【0129】
効率増加は、PANI(ES)(ES)ブレンド層の抵抗増加とよく相関する。ピクセル間電流漏洩に起因する電流消費はないので、効率増加は、PANI(ES)(ES)ブレンド層の抵抗増加により得られる。
【0130】
【表5】
Figure 2004501494
【0131】
(実施例19)
ポリ[5−(4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル)−フェニレン−1,4−ビニレン](DMOP−PPV)およびDMO−PPVとのそのランダムコポリマーをDMO−PPVの代わりに用いるように変更を加えて、実施例14にまとめられているデバイス測定を繰り返した。デバイス性能データを表6に列挙する。
【0132】
この実施例は、正孔注入層としてPANI−PAAMPSAを用いてさまざまな色(たとえば、赤色、緑色、オレンジなど)を生成できることを示している。
【0133】
【表6】
Figure 2004501494
【0134】
(実施例20)
UV硬化性エポキシで挟持されたカバーガラスを用いて、実施例14のデバイスを封入した。温度25、50、70および85℃のオーブン中、周囲大気中、8.3mA/cmの定電流で、封入されたデバイスを動作させた。デバイスを流れる全電流は25mAであり、輝度は約100cd/cmであった。図5は、85℃での動作時の光出力(曲線510)および電圧増加(曲線512)を示している。アノードとしてITOを有するデバイスが85℃のストレスで10〜20時間以内に劣化することとは対照的に、ITO/PAAMPSAの2層を有するデバイスの半減期は450時間を超え、そのときの電圧増加は非常に低い(5mV/時間)。50、70および85℃で取得した輝度減衰および電圧増加データのアレニウスプロットから、温度加速係数は約100であると推測された。こうして室温でのストレス寿命を外挿により求めたところ、約40,000時間であることがわかった。
【0135】
図6は、25℃動作時の光出力(曲線600)および電圧増加(曲線610)の室温リアルタイムストレスデータを示している。図6からわかるように、10,000時間ストレスの後、光出力は約10%減少したにすぎなかった。電圧増加は、0.15mV/時間未満である。
【0136】
この実施例は、高抵抗PANI(ES)層を用いて製造されたポリマーLEDにより長寿命が得られることを示している。
【0137】
(実施例21)
正孔注入層としてより高抵抗のPANI(ES)−PAAMPSAブレンド(実施例9)を用いるように変更を加えて、実施例14および20を繰り返した。図7は、70℃でデバイスを動作させて16.5mA/cmにおける輝度(曲線700)および電圧(定電流)(曲線710)vsストレス時間を示している。
【0138】
この実施例は、正孔注入層としてPANI−PAAMPSA/PAMを用いて長寿命の高性能ディスプレイを製造できることを示している。
【0139】
(実施例22)
1.7gのPAM(Polysciences、M.W.4〜6M)をアニリン−PAAMPSA−水混合物に添加するように変更を加えて、実施例1を繰り返した。激しく攪拌して反応混合物中にPAMを完全に溶解させた後、酸化剤を反応混合物に添加した。このほかの工程はすべて、実施例1のものと同一であった。ポリアニリン対PAM比が1:2であるPANI(ES)ブレンドを、重合から直接調製した。得られた粉末をプラスチック容器内の脱イオン水中に加えて室温で24時間攪拌することにより、最終生成物の水溶液/水分散液(たとえば、1または2%w/w)を調製した。溶液を0.45μmのフィルターに通して濾過した。得られた水分散液からスピンキャスティングした薄いフィルムのバルク導電率を測定したところ、(約10−6S/cm)であった。すなわち、実施例1から得られた同一厚さのフィルムよりも3桁小さく、実施例1からの水分散液とPAM水溶液とを混合することにより調製したブレンドから得られたフィルムよりも1小さい(実施例5を参照)。
【0140】
この実施例は、所望の高抵抗PANI(ES)−PAAMPSA/PAMブレンドを単一プロセスで直接合成できることを示している。
【0141】
(実施例23)
それぞれ96行×64列の3つの受動アドレス指定ディスプレイを製造した。ITOカラム間のギャップは50μmであった。それぞれのディスプレイで単一ピクセルをアドレス指定した。得られた発光の写真を図8に示す。3つのディスプレイは、正孔注入層に使用した物質の抵抗率以外はすべて同一であった。図8aのディスプレイは低抵抗PEDT層(抵抗率はほぼ200オーム−cmに等しい)を有しており、結果として列間の抵抗は約20,000オームであった。図8bのディスプレイはPANI(ES)ポリブレンド層(抵抗率はほぼ4,000オーム−cmに等しい)を有しており、結果として列間の抵抗は約400,000オームであった。図8cのディスプレイはより高抵抗のPANI(ES)ポリブレンド層(抵抗率はほぼ50,000オーム−cmに等しい)を有しており、結果として列間の抵抗は約5,000,000オームであった。
【0142】
図8aに示されているように、列間が20,000オームの場合、顕著なクロストークが起こる。このクロストークから以下の2つの点が示唆される。
(i)ディスプレイ(図8a)の解像度および鮮明度はクロストークによって制限された。図8bのディスプレイが図8aと比較して改良され、図8cのディスプレイがクロストーク問題を起こさないことに注目されたい。
(ii)ディスプレイ(図8aおよび8b)の効率は、ピクセル間漏洩電流により減少した。
【0143】
効率が低下するということは、そのディスプレイが、クロストークを無視できる同一のディスプレイ(図8c)で必要となる電力よりも多くの電力を必要とすることを意味する。ピクセル間電流漏洩が原因で、図8aに示されるディスプレイは、図8cに示されるディスプレイの約半分の効率を有していた。ピクセル間漏洩電流に起因する効率の低下は、正確なピクセル間隔およびピクセルサイズに依存して、3〜5倍の大きさで生じる可能性がある。これらのデータを用いて、10オーム−cmから10オーム−cmまでの範囲の抵抗率を有するPANI(ES)ポリブレンド層で製造したディスプレイはピクセル間漏洩電流に起因する効率減少を起こさないと推測された。
【0144】
この実施例は、受動アドレス指定されるポリマーLEDディスプレイで高抵抗正孔注入層を使用する重要性を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】
「漏洩」ピクセルの割合(96×64アレイ中)vsPANI(ES)層の厚さを示すグラフである。
【図2】
受動アドレス指定されるピクセル化ポリマーLEDディスプレイのアーキテクチャーの概略図である。
【図3】
PANI(ES)−PAAMPSA含量へのPANI(ES)ポリブレンドの導電率の依存性を示すグラフである。
【図4】
PANI(ES)−PAAMPSA緩衝層を用いて製造したデバイスの光出力および外部量子効率を示すグラフである。
【図5】
PANI(ES)−PAAMPSA層を備えたデバイスの85℃における応力誘導分解を示すグラフである。
【図6】
PANI(ES)−PAAMPSA緩衝層を備えたデバイスの室温における応力誘導分解を示すグラフである。
【図7】
緩衝層としてPANI(ES)PAAMPSAブレンド(実施例9)を有するデバイスの応力誘導分解を示すグラフである。70℃でデバイスを使用してデータを取得した。
【図8】
図8aのディスプレイは低抵抗PEDT層(抵抗率は約200オーム−cmである)を有し、一方、図8bのディスプレイはPANI(ES)ポリブレンド層(抵抗率は約4,000オーム−cmである)を、図8cのディスプレイはより高抵抗のPANI(ES)ポリブレンド層(抵抗率は約50,000オーム−cmである)を有すること以外はすべて同一である3つの受動アドレス指定ディスプレイ(96×64)の写真を示している。

Claims (10)

  1. 正孔注入アノードと電子注入カソードとの間の光活性有機物質を含む光活性層と、該アノードと該光活性層との間の少なくとも約10オーム−cmの抵抗率を有する導電性有機ポリマーの層とを含むことを特徴とする電子デバイス。
  2. 電子デバイスを製造する方法であって、この工程が、
    少なくとも約10オーム−cmの抵抗率を有する導電性有機ポリマーの高抵抗率層をアノード上に堆積させることと、
    光活性有機物質を含む光活性層を該高抵抗率層上に堆積させることと、
    電子注入カソードを該光活性層上に堆積させることと
    を含むことを特徴とする方法。
  3. 前記高抵抗率層が少なくとも約10オーム−cm、好ましくは少なくとも約10オーム−cmの抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイスおよび/または請求項2に記載の方法。
  4. 前記高抵抗率層がポリアニリンを含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイスおよび/または請求項2に記載の方法。
  5. 前記高抵抗率層がポリアニリンと官能化スルホン酸とを含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイスおよび/または請求項2に記載の方法。
  6. 前記高抵抗率層がホストポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイスおよび/または請求項2に記載の方法。
  7. 前記高抵抗率層がエメラルジン塩形態のポリアニリンを含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイスおよび/または請求項2に記載の方法。
  8. 前記アノードがパターン化されたITO層であることを特徴とする、請求項1に記載のデバイスおよび/または請求項2に記載の方法。
  9. 前記高抵抗率層の堆積が、前記導電性有機ポリマーを含む水溶液を用いて行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  10. 光検出デバイスまたは発光ディスプレイデバイスとしての請求項1に記載のデバイスの使用。
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