JP2004501164A - 末梢動脈疾患の処置のための方法および組成物 - Google Patents

末梢動脈疾患の処置のための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

患者における末梢動脈疾患を処置するための組成物および方法が、提供される。この組成物は、組換え線維芽細胞増殖因子−2を含む。FGF−2のような線維芽細胞増殖因子は、跛行および重篤な肢虚血を含む末梢動脈疾患を処置または予防するための治療的有効量で投与される。FGF−2の治療的有効量および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物もまた、提供される。末梢動脈疾患および跛行を処置するための本発明の方法は、FGF−2のようなFGFを含む薬学的組成物の少なくとも単一用量を、動脈内注入、静脈内注入、または筋肉内注入を介して、患者に投与する工程を包含する。増加した恩恵は、間欠的な投薬を含む複数回投薬に起因し得ることが認識される。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、末梢性動脈疾患を処置するための、方法および薬学的組成物、特に、組換え線維芽細胞増殖因子−2(rFGF−2)を含む組成物の投与に関する。
(発明の背景)
冠状動脈疾患(CAD)および末梢性動脈疾患(PAD)は、一般的に動脈硬化に続く、不充分な血流によって特徴付けられる状態である。虚血の症状(CADに対する狭心症またはPADに対する間欠性跛行)は、ストレスによって引き起こされ、静止によって軽減される。CADにおいて、症状は、心筋梗塞、不整脈、および進行性心不全に起因して生命を脅かすようになり得る。PADにおいて、症状は、重篤な肢の虚血を発生する場合を除いて生命を脅す可能性はより小さいが、有害な心臓血管事象および死の危険性が増大する。
【0002】
危険因子の同定および管理は、CADおよびPADの両方における医療管理において重要である。危険因子の薬理学的管理としては、抗高血圧剤、脂質低下剤、および低血糖剤が挙げられ;禁煙、食餌療法、運動がしばしば、可変であるコンプライアンスを伴って処方される。虚血症状の低減を目的とする薬理学的管理としては、しばしば、脈管拡張薬、抗狭心症剤、および抗血小板療法が挙げられる。(ステントを用いて、またはそれを用いない)経皮脈管形成および直接的な外科的再構築による機械的な脈管再生は、血流を改善して症状を低減する。しかし、脈管形成後の再狭窄および疾患の進行は、この恩恵の持続時間を制限し得る。
【0003】
PADは、米国において約1100万人の患者を冒す。これらの患者の約3分の1は、間欠性跛行(同量の筋肉活動により相次いで引き起こされ、休息によって低減される、脚の筋肉における不快感、疼痛、疲労、または重苦しさ)を経験する。跛行は、狭心症に類似しており、股関節部、臀部、大腿、またはふくらはぎに局在し得る虚血性筋肉痛を示す。これは、予想可能に同量の身体ストレスによって生じる。アテローム性動脈硬化は、全身性であるが、しばしば、一方の下肢が、他方の下肢より重く罹患される。患者は、休息痛、非回復性の潰瘍および/または壊疽を伴う重篤な肢の虚血を進展し得る。休息痛は、休息において基礎的な栄養の要求を満たすための血液供給が不充分である場合に生じ、代表的には罹患している肢の足指または足に局在する。
【0004】
CADおよびPADの罹患率は、国々で老年人口と共に上昇すると予測される。なぜならば、老齢化はアテローム動脈硬化についての主な危険因子であるからである。より少ない侵襲性のカテーテルに基づく処置方法およびより費用効率が高いプログラムおよび処置方法が、これらの状況を取り扱うために必要とされる。
【0005】
(発明の要旨)
患者における、末梢性動脈疾患(PAD)を処置するための組成物および方法が提供される。治療有効量の線維芽細胞増殖因子(例えば、FGF−2)、および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物が提供される。本発明の方法に関連して投与される場合のこのような組成物は、PAD患者(この疾患に関連する間欠性跛行に罹患している患者を含む)に対して有効な治療を提供する。このような組成物はまた、切断に至る重篤な肢の虚血を阻止するためにPAD患者に投与され得る。
【0006】
本発明の方法は、動脈内注入(IA)として、静脈内注入(IV)として、筋内注射(IM)として、または皮下注射(SC)として、治療有効量の増殖因子(例えば、FGF−2)を含有する薬学的組成物の投与する工程を包含する。FGF−2の単一用量の投与は、PADの処置について有効である。治療的な利益は、安全性において妥協することなく、複数用量で獲得され得る。FGF−2の投与は、FGF−2投与後少なくとも90日間で、PADに罹患する患者のピーク歩行時間(peak walking time)を改善する。FGF−2は、重篤な肢の虚血に罹患する患者(非回復性潰瘍を伴うか、または伴わない、休息痛に罹患する患者を含む)を処置するために使用され得る。さらに、FGF−2は、重篤な肢の虚血に罹患するPAD患者を治療するために使用され得る。本発明のFGF含有組成物は、ステントを用いるか、またはこれを用いない、機械的なバイパスおよびバルーンカテーテルを使用する経皮的経管的介入を含む、脈管外科手術についての添加物として投与され得る。
【0007】
(発明の詳細な説明)
末梢性動脈疾患(PAD)に起因する間欠性跛行の処置のために1つの潜在的な新規代替物は、既存の脈管から新しい脈管の形成(新脈管形成)を促進し、また内皮細胞機能を回復する脈管形成増殖因子の使用である。新脈管形成において、内皮細胞は、静止状態から離れ、そして内在する基底膜の消化を開始し、その後、増殖、移動、およびついには中空の管を形成する(Gerwinsら(2000)Crit.Rev.Oncol.Hematol.34(3):185−194)。線維芽細胞増殖因子は、リガンド刺激可能チロシンキナーゼである細胞表面レセプターに結合する。これらのレセプターに対するこれらの増殖因子の結合は、内在性のチロシンキナーゼの活性化および下流のシグナル伝達カスケードに対するシグナル伝達を生じる(Gerwinsら(2000)Crit.Rev.Oncol.Hematol.34(3):185−194)。虚血組織における新脈管形成は、脈管内注入カテーテルの使用による、脈管形成増殖因子(例えば、VEGF、FGF、およびPDGF)の経壁性送達によって促進され得る。例えば、米国特許第5,941,868号を参照のこと。
【0008】
患者におけるPADを処置するための組成物および方法が提供される。この組成物生物および方法は、PADに起因する跛行および重篤な肢の虚血の処置および予防において有用である。用語「重篤な肢の虚血」とは、客観的に証明された動脈性閉塞疾患に寄与し得る、慢性虚血性休息痛(chronic ischemic rest pain)、潰瘍または壊疽に罹患する全ての患者に対して使用される。用語「重篤な肢の虚血」は、慢性の意味を含み、急性の肢の虚血とは区別されるべきである。「急性の肢の虚血」は、任意の突然の疾患であり、または四肢の存続に対する脅威を生じる肢の灌流における悪化が意図される。J.Vasc.Surg.31:S135,S168(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。本発明の方法は、脈管形成剤(例えば、線維芽細胞増殖因子(FGF)のファミリーの脈管形成メンバー(好ましくは、FGF−1、FGF−2、FGF−4、FGF−5、FGF−18、および最も好ましくはFGF−2を含む)を使用する。本明細書中に記載の全ての脈管形成増殖因子は、組換え分子であり得ることが認識される。また、本発明の組成物は、脈管形成剤のような1つ以上の線維芽細胞増殖因子および生物学的活性であるこれらの改変体を含み得ることが認識される。FGF配列の改変体としては、脈管形成活性の、フラグメント、アナログおよび誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。「フラグメント」によって、インタクトなFGFの配列および構造の一部だけからなるポリペプチドが意図され、そして、これらは、C末端欠失、N末端欠失、および両方の欠失であり得る。「アナログ」によって、1つ以上のアミノ酸の置換、挿入、欠失を有する、ネイティブなFGFの配列および構造を含む脈管形成剤FGFまたはそれらのフラグメントの類似物のいずれかが意図される。1つ以上のペプトイド(ペプチド模倣物)およびムテインを有するペプチドまたは脈管形成剤の変異形態はまた、アナログという用語によって包含される。「誘導体」によって、脈管形成剤、脈管形成剤のフラグメントまたはそれらそれぞれのアナログの任意の適切な改変(例えば、脈管形成活性が保持される限りでの、グリコシル化、リン酸化、または、外来部分の他の付加)が意図される。フラグメント、アナログ、および誘導体を形成するための方法は、当該分野において利用可能である。一般的には、米国特許第4,738,921号、同第5,158,875号および同第5,077,276号;国際公開番号WO 85/00831、同WO 92/04363、同WO 87/01038、および同WO 89/05822;ならびに欧州特許番号EP 135094、同EP 123228、および同EP 128733(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0009】
このような改変体は、脈管形成活性を保持し、従って、「脈管形成的に活性である」べきである。これらの改変体は、標準的なバイオアッセイを使用して、脈管形成活性について測定され得る。代表的なアッセイとしては、胎盤膜を使用する公知のラジオレセプターアッセイが挙げられる(例えば、米国特許第5,324,639号;Hallら(1974)J.Clin.Endocrinol.and Metab.39:973−976;およびMarshallら(1974)J.Clin.Endocrinol.and Metab.39:283−292を参照のこと)。さらなるアッセイとしては、内皮細胞増殖のインビトロアッセイにおいて決定されるようなマイトジェン活性が挙げられる。この活性は、好ましくは、例えば、以下の刊行物のいずれかにおいて記載されるような、ヒト臍静脈内皮(HUVE)細胞に基づくアッセイにおいて決定される:Gospodarowiczら(1989)Proc.Natl.Acad Sci.USA 87:7311−7315;FerraraおよびHenzel(1989)Biochem.Biophys.Res.Commun.161:851−858;Connら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1323−1327;Sokerら(1998)Cell 92:735−745;Waltenbergerら(1994)J.Biol.Chem.269:26988−26995;Siemmeisterら(1996)Biochem.Biophys.Res.Commun.222:249−255;Fiebichら(1993)Eur.J.Biochem.211:19−26;Cohenら(1993)Growth Factors 7:131−138。さらなる生物学的活性が、例えば、以下のアッセイにおいて試験され得るような、新脈管形成および/または脈管再形成に関係する:Connollyら(1989)J.Clin.Invest.84:1470−1478およびLobbら(1985)Biochemistry 24:4969−4973に記載されるような角膜嚢新脈管形成アッセイ;例えば、Pepperら(1992)Biochem.Biophys.Res.Commun.189:824−831;Gotoら(1993)Lab.Invest.69:508−517;またはKoolwijkら(1996)Cell Biol.132:1177−1188に記載されるような内皮細胞管形成アッセイ;例えば、Pluetら(1989)EMBO.J.8:3801−3806に記載されるような、ニワトリ漿尿膜(CAM)新脈管形成アッセイ;Bohlenら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5364−5368に記載されるような内皮細胞有糸分裂誘発アッセイ;Prestaら(1986)Mol.Gen.Biol.6:4060−4066;KlagsbrunおよびShing(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:805−809;Gosodarowiczら(1985)J.Cell.Physiol.122:323−332;またはMoscatelliら(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:2091−2095;ならびにPrestaら(1986)Mol.and Cell.Biol.6:4060−4066に記載されるような内皮細胞移動アッセイ;(これらの全ては、本明細書中で参考として援用される)。これらのアッセイの1つ以上が使用され得ることが認識される。好ましくは、この改変体は、ネイティブ分子と少なくとも同じ活性を有する。
【0010】
線維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)(組換え的に生成された形態(rFGF−2)を含む)は、冠状動脈疾患(狭心症)および末梢性動脈疾患(跛行)の処置に対する有用性を有する強力なマイトジェンおよび脈管形成剤である。FGF−2は、通常、多くの身体組織において産生され、特定の虚血状態に対する身体の応答に関連するが、身体自体のFGF−2の供給は、アテローム性動脈硬化および動脈不全/虚血の合併症を回避するのに不充分であり得る。
【0011】
本発明の組成物および方法が、PAD患者、冠状動脈疾患(CAD)、心筋梗塞、発作、糖尿病、高脂血症(dyslipidemias)、高血圧を含むがこれらに限定されない、広範囲な関連する臨床的な病気に罹患している患者および外科的な脈管再生またはカテーテルに基づく脈管再生を有する患者さえを処置するために使用され得る。線維芽細胞増殖因子、特にFGF−2が、跛行に冒されたPAD患者(重篤な肢の虚血を有する患者を含む)を処置するために使用され得る。重篤な肢の虚血は、処置されないままだと、急性の肢の虚血へと進展し得、そして最終的には、肢の切断を余儀なくされる。従って、本発明の方法を使用して、急性の肢の虚血を予防し得る。
【0012】
本発明のFGF含有組成物は、動脈内(IA)、静脈内(IV)、筋内(IM)、皮下(SC)、経壁などでそれらを必要とする患者に投与される。「経壁」投与は、特に標的部位に隣接する、新内膜、内膜、内側、外膜(advential)、および脈管周囲空間を含む、血管壁または体腔空間壁中への組成物の局所送達を意図する。「標的部位」は、四肢、例えば脚中への血液供給を取り囲むか、または直接取り囲む領域を意図する。
【0013】
動脈内投与(IA)は、少なくとも1つの動脈中へのFGF含有組成物の送達を含む。IA注射では、この注射は、代表的には、脚中のいくつかの動脈、例えば、左および右の共通(common)大腿動脈中に分割されるが、時々、単一の動脈中に投与される。この注射は、約1分、1〜5分、10〜20分、または20〜30分の間、両脚中の各動脈中に投与され得る。この注射は、予測された利点を達成または持続するためにときどき繰り返され得る。繰り返し投与のためのタイミングは、症状および血流力学的尺度により測定されるような患者の応答を基礎にする。注射物として与えられる、FGF−2のようなFGFの治療的に有効な投与量または量は、2つの投与量、そして処置を受ける患者の各脚中に投与される単一の投与量に分割され得る。このようにして、総投与量が、血管新生薬剤を患者の両脚に提示するように送達される。
【0014】
従って、1つの実施形態では、本明細書の他で規定されるようなFGFの治療的に有効な投与量または量が、この手順が単一の穿刺で終了され得るような両側性の送達方法を用いるIA注射を経由して投与される。このように、rFGF−2のような、FGFの治療的に有効な量または総投与量の半分が第1脚の共通大腿動脈中に注射され、次いで、対側性の回腸動脈および共通大腿動脈への大動脈の分岐部を超えてカテーテルを案内し、そして次いで第2脚の大腿動脈中に総投与量の残りを注射する。脚の各々中への1つである各注射の速度は、第1および第2注射の間の短い中断をともなって、約10分の期間に亘り、約1mL/分である。従って、一般に、第2の注射は、第1の注射の約1時間以内に始まるが、第1の注射の後2、3または4時間までに始まり得る。好ましくは、この第2の注射は、第1の注射の終了の、約30分以内に、より好ましくは約20分以内に、さらにより好ましくは約10分以内に、なおより好ましくは約5分以内に始まる。各注射には、FGFがボーラス(bolus)として投与されない限り、3、4または5分のような、約10分より少ない時間を要し得る。当業者によって、rFGF−2のようなFGFの治療的に有効な投与量または量は、患者の両脚間に、総投与量の非等分部分が各脚に送達される(例えば、1つの脚には3分の1、そして他の脚には3分の2)ように分割され得ることが認識される。対側性送達方法の利点は、各脚中への1つである2つの注射が、被験体への単一の穿孔によって達成され得ることである。この実施形態では、この穿孔の照準は、好ましくは腿の付け根のレベルである。担当医により好適であるとみなされる場合、上腕からのアプローチが用いられ得る。この手順では、血流に対する妨害が注射点に対して遠位方向のままである限り、カテーテルが、膝のすぐ上の領域中のようなより遠位方向に案内され得る。
【0015】
あるいは、rFGF−2のようなFGFの治療的に有効な量は、各共通大腿動脈中への直接IA穿孔により送達され得る。この様式では、FGFの投与量の半分が1つの共通大腿動脈中に投与され、その一方、FGFの投与量の他の半分が他の共通大腿動脈中に投与される。直接IA穿孔は、それが対側性送達で必要なカテーテル法手順を避けられる点で有利であり得るが、それは治療的に有効な投与量が両脚中に分割され、かつ注射されるべきである場合に2つの穿孔を必要とする。対側性送達についていえば、各注射は、第1および第2の注射間の短い中断をともなって、約10分間の期間に亘り、約1mL/分の速度で送達される。従って、第2の注射は、一般に、第1の注射の約1時間以内に始まるが、第1の注射の後、2、3または4時間までに始まり得る。好ましくは、この第2の注射は、第1の注射の終了の、約30分以内に、より好ましくは約20分以内に、さらにより好ましくは約10分以内に、なおより好ましくは約5分以内に始まる。各注射には、FGFがボーラスとして投与されない限り、3、4または5分のような、約10分より少ない時間を要し得る。ここで再び、rFGF−2のようなFGFの治療的に有効な投与量または量は、患者の両脚間に、総投与量の非等分部分が各脚に送達されるように分割され得ることが認識される。
【0016】
本発明の方法に従う、FGF含有組成物の送達は、種々の公知の血管内薬物送達システムにより達成され得る。このような送達システムは、血管内カテーテル送達システムを含む。血管中への血管新生増殖因子の直接経壁注射に有用な種々のカテーテルシステムが当該分野で周知である。本発明を実施する目的には、種々の診断または治療型カテーテルのいずれをも用い得る。血管形成術と組み合わせてFGFが投与される場合、バルーンカテーテルを用い得る。血管の内壁に係合し、そしてその中に血管新生増殖因子を直接注射し得る得る膨張可能な遠位端を有するバルーンカテーテルは、特許文献中に詳細に記載されている。例えば、米国特許第5,318,531号;同第5,304,121号;同第5,295,962号;同第5,286,254号;同第5,254,089号;同第5,213,576号;同第5,197,946号;同第5,087,244号;同第5,049,132号;同第5,021,044号;同第4,994,033号;および同第4,824,436号を参照のこと。血管の管腔内の膨張のために間隔を置いて離れるかまたはらせん状のバルーン有するカテーテル、および得られる隔離された処置部位に対する治療剤の送達は、米国特許第5,279,546号;同第5,226,888号;同第5,181,911号;同第4,824,436号;および同第4,636,195号に記載されている。非バルーン薬物送達カテーテルは、米国特許第5,180,366号;同第5,112,305号;および同第5,021,044号;ならびにPCT公開WO92/11890に記載されている。遠位の血管アクセスのために提供されるカテーテル、およびステントもまた用いられ得る。超音波で支援される薬物送達カテーテル(フォノフォレーシス(phonophoresis)デバイス)は、米国特許第5,362,309号;同第5,318,014号;および同第5,315,998号に記載されている。その他のイオン泳動(iontophoresis)およびフォノフォレーシス薬物送達カテーテルは、米国特許第5,304,120号;同第5,282,785号;および同第5,267,985号に記載されている。従来の血管形成術バルーンカテーテルと組み合わせる使用のために意図される薬物送達管腔を有するスリーブカテーテルは、米国特許第5,364,356号および同第5,336,178号に記載されている。これらの参考文献のすべては、本明細書中に参考として援用される。
【0017】
直接筋内(IM)注射を用いて、本発明の血管形成薬剤を投与し得る。注射のための薬剤は、FGFタンパク質またはこのタンパク質の血管新生活性フラグメント、および血管新生活性FGFタンパク質またはフラグメントをコードする遺伝子またはプラスミドを包含し得る。注射物は、罹患した四肢の、動脈および動脈様管のような側枝流血管または導管脈管近くの、存在する血管の近傍にある、太腿またはふくらはぎ中に投与される。血管新生薬剤の治療的に有効な投与量は、単回注射として投与されるか、または複数注射として分割および投与され得る。好ましくは、この治療的に有効な量または投与量は、1〜約20の注射、1〜約15の注射、より好ましくは1〜約10の注射として送達される。血管新生薬剤の単回投与量は、筋内に投与され、そして症状および/または血流力学尺度に基づき必要に応じて繰り返され得る。IM注射を用いるような局所送達は、血管新生薬剤のより低い投与量を投与する付加された利点を提供し得る。本明細書の実施例4、および1999年8月13日に出願された米国仮出願番号第60/148,746号に基づく、2000年8月11日に出願され、「Dose of an Angiogenic Factor and Method of Administering to Improve Myocardial Blood Flow」と題する同時係属中の出願および割り当てられた米国特許出願第09/637,471号(その両方は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。IM注射にとっての利点は、低血圧を生じる可能性がより少ないこと、虚血領域においてより長い半減期を有する可能性がより高いこと、より侵襲性でないこと、そしてそれ故、IA注射と比べてより頻繁に繰り返され得ることである。IA注射またはIM注射は、臨床症状により保証されるとき、1〜2月毎のIM注射により「ブースト」され得る。
【0018】
組換えFGF−2は、潜在的な血管拡張剤である酸化窒素を放出し、注射前(先んじた)および注射の間の積極的な流体管理が患者の安全性にとって重要である。注射前の12mmHgの推定された楔入圧を確立するためのIV流体の投与(例えば、500〜1000mLの規定生理食塩水)、および最大血圧の低減(例えば、90mmHg未満)のためのIV流体のボーラス投与(例えば、200mLの規定生理食塩水)を、ヒト患者へのICまたはIV注射によるrFGF−2の投与の安全性を最適化した注射と組み合わせた。
【0019】
rFGF−2の突然のボーラスは、動物において、著しい低血圧症をともなうので、注射の速度は患者の安全性にとって重要である。0.5〜2mL/分、代表的には1mL/分の投与は、ヒト患者へのICまたはIV注射によるrFGF−2の投与の安全性を最適化した。
【0020】
本発明の別の実施形態では、FGF−2を含むがこれに限定されない線維芽細胞増殖因子(FGF)を含む組成物は、血管または機械的バイパス手術または血管形成術と関連する、跛行をともなうようなものを含む末梢動脈疾患をもつ患者に投与され得る。FGF−2を含むがこれに限定されないFGFは、ステントとともにまたはなしで手術の間に投与され得る。従って、FGFは、機械的バイパスおよび血管形成術を含む血管手術の付加物として投与され得る。
【0021】
本発明の組成物は、血流を改善するために、安全かつ治療的に有効な量の線維芽細胞増殖因子を提供する。「安全かつ治療的に有効な量」は、本発明に従って投与される場合、医療的に管理され得ない主要な合併症がなく、しかもPADの症状を有する患者における客観的な改善を提供する、FGF−2のような線維芽細胞増殖因子、または血管新生活性のあるその改変体またはフラグメントの量を意図する。この治療的に有効な量は、年齢、体重、症状の重篤度、全身の健康、体調などに依存して、患者により変動し得ることが認識される。その他の因子は、投与の様式、および薬学的組成物中に含まれるFGFの個々の量を含む。代表的には、FGF−2のような本発明の血管新生薬剤の治療的に有効な量は、実際の体重を基に、約0.1μg/kg〜約100μg/kg、好ましくは約0.2μg/kg〜約75μg/kg、より好ましくは約0.4μg/kg〜約50μg/kg、なおより好ましくは約0.50μg/kg〜約35μg/kg、さらにより好ましくは約1.0μg/kg〜約30μg/kgである。従って、血管新生薬剤がFGF−2である場合、FGF−2の治療的に有効な量は、投与の経路および様式に依存して、約0.1μg/kg〜約1μg/kg、0.1μg/kg〜約1μg/kg、約1μg/kg〜3μg/kg、約3μg/kg〜約5μg/kg、約5μg/kg〜約7μg/kg、約7μg/kg〜約8μg/kg、約8μg/kg〜約9μg/kg、約9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、または9.9μg/kgのような約10μg/kgまでの約9μg/kg〜約9.9μg/kg、約10μg/kg〜約15μg/kg、約15μg/kg〜約20μg/kg、約20μg/kg〜約30μg/kg、約30μg/kg〜約40μg/kg、約40μg/kg〜約60μg/kg、約60μg/kg〜約80μg/kgのrFGF−2である。
【0022】
示されるように、本発明の組成物および方法は、跛行および重篤な四肢虚血を含む、PADおよびPADにともなう症状を処置または予防するために有用である。このようにして、所望の治療的応答は、増加した運動能力、くるぶし−上腕指数における改善、体の痛みおよび跛行の減少を含む。重篤な四肢虚血をもつPAD患者の場合には、所望の治療的応答は、無感覚により制御可能でない絶え間ない休息痛の回復、潰瘍の治癒、および壊疽および切断の予防を含む。
【0023】
PADの処置のために、FGF、特にFGF−2の投与の効力をモニターする方法は、当該分野で周知である。例えば、罹患した四肢中への増加した血流をモニターする方法は、制限されないで、ドップラー超音波脳波検査(Macdonald(1994)J.Vas.Tech、18:241−248)、および磁気共鳴スペクトル法、休息時または運動期間後のくるぶし−上腕またはつま先最大血圧指数、および血管造影法を用いる増加した側枝血管密度を含む。効力の臨床的指標は、総踏み車歩き時間(すなわち、ピークウォーキングタイム、PWT)および跛行の発症までの時間;および患者の生活の質の質問を含む。
【0024】
本発明のFGF含有薬学的組成物は、所望の生理学的効果、すなわち、血管新生、および/または内皮細胞機能の回復および側枝血管の促進を達成するに十分な時間送達される。この組成物は、単一のボーラス、または複数の注射として投与され得る。代表的には、この血管新生因子は、所定の時間に亘る注射として送達され得る。投与のために任意の手段が包含され、持続放出処方物、プラスミド、または遺伝子、および投与の他の経路を含む。総時間量は、送達速度および送達される組成物中の薬物濃度に依存して変動し得る。例えば、動脈内投与には、投与の時間は、1秒〜約24時間、より通常には約1分〜約6時間、詳細には約5分〜約30分で変動し得る。単回の動脈内投与量投与は、PADの処置に効力がある。
【0025】
本発明の方法に従って投与される場合、FGF含有組成物は、患者に、少なくとも1ヶ月、2ヶ月、一般に3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、そしていくつかの場合には、さらなる処置が必要とされる前6ヶ月を超えて持続する、PADに対する安全かつ治療的に効力のある処置を提供する。FGF−2のような、血管新生薬剤は、ほぼ週毎、好ましくは月毎またはより好ましくは隔月毎、なおより好ましくは3ヶ月毎、さらにより好ましくは4ヶ月毎、そしてなおさらにより好ましくは6ヶ月毎に、1日あたり1回または2回投与され得る。
【0026】
示されるように、線維芽細胞増殖因子および関連分子は、内皮細胞機能を回復し得、そして内皮および/または平滑筋細胞増殖を促進し得る。線維芽細胞増殖因子(FGF)は、ヘパリンのようなプロテオグリカンに対する高い程度の親和性によって特徴付けられる少なくとも23種の構造的に関連した(FGF−1〜FGF−23と名付けられた)ポリペプチドのファミリーである。種々のFGF分子は、サイズが15〜少なくとも32.5kDaの範囲であり、そして神経細胞接着および分化を含む正常および悪性条件(Schubertら(1987)J.Cell.Biol.104:635−643)、創傷治癒(米国特許第5,439,818号(Fiddes));において、多くの中胚葉および外胚葉細胞型に対するマイトジェンとして、栄養性因子として、分化誘導または阻害因子として(Clementsら(1993)Oncogene 8:1311−1316);および血管新生因子として(Harada(1994)J.Clin.Invest.94:623−630)、広範な範囲の生物学的活性を示す。従って、このFGFファミリーは、変動する程度で線維芽細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、内皮細胞、筋細胞、および神経細胞に刺激を与える多能性増殖因子のファミリーである。FGF様ポリペプチドもまた、本発明の組成物および方法における使用に意図される。「FGF様」は、FGFレセプター1、特に、ヘパリン様分子に結合するレセプター1−Cを結合し、しかも血管新生活性を有するポリペプチドを意図する。ヘパリン様分子は、FGFを結合し、FGFをダイマー化し、しかもレセプター活性化を促進するヘパリン、プロテオグリカン、および他のポリアニオン性化合物を意図する。本発明の実施に特に目的であるものは、FGF−2と称されるFGF、および当該分野で公知であるその改変体およびフラグメントである。例えば、米国特許第5,989,866号;同第5,925.528号;同第5,874,254号;同第5,852,177号;同第5,817,485号;同第5,714,458号;同第5,656,458号;同第5,604,293号;同第5,576,288号;同第5,514,566号;同第5,482,929号;同第5,464,943号;および同第5,439,818号を参照のこと。
【0027】
投与されるFGF、より詳細にはFGF−2は、任意の動物種由来であり得、これには、トリ、イヌ、ウシ、ブタ、ウマ、およびヒトを含むがこれらに限定されるわけではない。一般に、このFGFは、哺乳動物種由来であり、FGF−2の場合、好ましくはウシまたはヒト由来である。このFGFは、以下に概説するように、ネイティブ、組換え生産、または化学的合成形態であり得る。FGFがFGF−2である場合、これは、組換え産生の方法に依存して、146アミノ酸形態、153〜155アミノ酸形態、またはそれらの混合物であり得る。本明細書に参考として援用される米国特許第5,143,829号を参照のこと。さらに、FGF−2分子の血管新生活性のムテインが用いられ得る。例えば、本明細書に参考として援用される、米国特許第5,859,208号および5,852,177号を参照のこと。
【0028】
目的のFGFポリペプチド、より詳細にはFGF−2の生物学的に活性な改変体もまた、本発明の方法により包含される。先に注記したように、このような改変体は、フラグメント、アナログ、および誘導体を含む。このような改変体は、血管新生活性を保持すべきてあり、そしてそれ故、上記のような標準的なバイオアッセイを用いて測定したとき「血管新生活性」である。
【0029】
本発明の組成物および方法で用いられるネイティブFGFの改変体は、参照FGF分子のアミノ酸配列に対して、一般に少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは約90%〜95%またはそれ以上、そして最も好ましくは約98%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有する。「配列同一性」は、改変体のアミノ酸配列の特定された連続セグメントが、比較の基礎として供される参照FGF分子のアミノ酸配列に整列されかつ比較される場合に、改変体および参照FGF分子内に見出される同じアミノ酸残基を意図する。従って、例えば、参照FGF−2分子がヒトFGF−2である場合、血管新生活性なその改変体は、一般に、図3に提示される完全長のアミノ酸配列(配列番号3)に対して、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは約90%〜95%またはそれ以上,最も好ましくは約98%またはそれ以上の配列同一性を有する。さらに、例えば、本明細書に参考として援用される、WO98/21237または1999年9月28日に出願された米国出願第09/407,687に記載のような、その他のFGFレセプター結合性ペプチドが用いられ得る。
【0030】
目的の参照ポリペプチド分子の生物学的に活性な改変体であるポリペプチドは、わずか1〜15アミノ酸、6〜10のようなわずか1〜10、わずか5、わずか4、3、2、または1アミノ酸残基だけ参照分子と異なり得る。2つのアミノ酸配列間の配列同一性%は、両方の配列において同一のアミノ酸残基がある位置の数を決定し、一致した位置の数を得る工程、一致した位置の数を、参照分子に対して比較されるセグメントにある位置の総数で除する工程、およびこの結果に100を掛け配列同一性の%を得る工程によって算出される。
【0031】
2つの配列の最適アラインメントの目的のためには、改変体ポリペプチドのアミノ酸配列の連続セグメントは、参照ポリペプチド分子のアミノ酸配列に関して付加的なアミノ酸残基または欠失したアミノ酸残基を有し得る。参照アミノ酸配列に対する比較のために用いられる連続セグメントは、少なくとも20連続するアミノ酸残基を含み、そして30、40、50、100またはそれ以上の残基であり得る。改変体のアミノ酸配列中のギャップの包含をともなう増加した配列同一性のための矯正は、ギャップペナルティーを割り当てることによりなされ得る。配列アラインメントの方法は、アミノ酸配列について、およびアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列についての両方が当該分野で周知である。
【0032】
従って、任意の2つの配列間の同一性%の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成され得る。配列の比較のために利用される、1つの好適な、数学的アルゴリズムの非制限的な例は、MyersおよびMiller(1988)CABIOS 4:11−17のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)中で利用されている。PAM120重量残基テーブル、12のギャップ長ペナルティー、および4のギャップペナルティーが、アミノ酸配列を比較する場合にALIGNプログラムとともに用いられ得る。2つの配列を比較することにおける使用のための別の好適な非制限的な例は、KarlinおよびAltschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877で改変されたような、KarlinおよびAltschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403のNBLASTおよびXBLASTプログラム中に取り込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12を用いて実施され、目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に相同なヌクレオチド配列が得られ得る。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて実施され、目的のポリペプチドに相同なアミノ酸配列が得られ得る。比較目的のためのギャップをもつアラインメントを得るために、ギャップBLASTが、Altschulら(1997)Nucleic Acids Res.25:3389に記載のように利用され得る。あるいは、PSI−Blastを用いて、分子間の遠い関係を検出する累次積分検索を実施し得る。Altschulら(1997)前述を参照のこと。BLAST、ギャップBLAST、およびPSI−Blastプログラムを利用する場合、個々のプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを用い得る。www.ncbi.nlm.nih.gov.を参照のこと。ALIGNプログラム(Altlas of Protein Sequence and Structure 5:補足3(National Biomedical Research Foundation、Washington,D.C.中のDayhoff(1978))およびWisconsin Sequence Analysis Package、バージョン8(Genetics Computer Group、Madison、Wisconsinから入手可能)中のプログラム、例えば、GAPプログラムもまた参照のこと。ここでは、これらプログラムのデフォルトパラメータが利用される。
【0033】
アミノ酸配列同一性%を考慮する場合、いくつかのアミノ酸残基位置は、タンパク質機能の性質に影響しない保存的アミノ酸置換の結果として異なり得る。これらの例では、配列同一性%は、保存的に置換されたアミノ酸における類似性を説明するために上方に調節され得る。このような調節は、当該分野で周知である。例えば、MyersおよびMiller(1988)Computer Applic.Biol.Sci.4:11−17を参照のこと。
【0034】
当該分野は、FGFポリペプチド改変体の調製および使用に関する実質的な指針を提供する。ポリペプチド改変体を調製することにおいて、当業者は、ネイティブなヌクレオチドまたはアミノ酸配列に対するどの改変が、末梢動脈疾患を有する患者の処置に関する本発明の方法における使用に、本発明の薬学的組成物の治療的活性成分としての使用に適切である改変体を生じるかを容易に決定し得る。
【0035】
線維芽細胞増殖因子(例えば、FGF−2)は、本発明の方法における使用のための薬学的組成物に処方される。この様式で、薬学的に受容可能なキャリアは、薬学的組成物中で、FGF−2のような脈管形成因子および他の成分と組み合わせて使用され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」は、治療学的成分の貯蔵、投与、および/または所望の効果を容易にするために当該分野で従来使用されるキャリアまたは希釈剤を意図する。キャリアはまた、脈管形成因子(すなわち、FGFまたはその改変体)の任意の望ましくない副作用を減少し得る。適切なキャリアは、安定であるべきである(すなわち、処方物中で他の成分と反応し得ない)。これは、治療のために使用される投薬量および濃度で、レシピエント中に有意な局所的または全身的な有害な影響を生じるべきではない。このようなキャリアは、当該分野で一般的に公知である。本発明の適切なキャリアとしては、アルブミン、ゼラチン、コラーゲン、多糖類、単糖類、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、不揮発油、オレイン酸エチル、リポソーム、グルコース、スクロース、ラクトース、マンノース、デキストロース、デキストラン、セルロース、マンニトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール(PEG)、アルギン酸ヘパリンなどのような、従来使用された大きな安定した高分子である。緩徐な放出キャリア(例えば、ヒアルロン酸)もまた、適切であり得る。安定化剤(例えば、トレハロース、チオグリセロールおよびジチオスレイトール(DTT))もまた添加され得る。例えば、同時係属中の米国出願番号60/229,238、表題「Stabilized FGF Formulations Containing Reducing Agents」(これは、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。本願において記載されるDTTを含むFGF処方物は、「安定化されたFGF−DTT処方物であり安定化されたFGF−2−DTT形式を含む」として本明細書中に定義される。組成物中の他の受容可能な成分としては、水、生理食塩水、リン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、および他の有機酸もしくはこれらの塩のような等張性を強化する緩衝剤を含むがこれらに限定されない。さらに、本発明の脈管形成因子は、緩徐な放出のための経路を使用して投与され得る。これらの処方物は、DMSOを含み得る。
【0036】
好ましい薬学的組成物は、注射から生じる局所的疼痛および過敏が減少した緩衝液を組み込み得る。このような緩衝液としては、低リン酸緩衝液およびコハク酸緩衝液が挙げられるがこれらに限定されない。薬学的な組成物は、脈管形成因子または改変体の可溶性を強化し得る可溶化化合物をさらに含み得る。
【0037】
本発明の目的のために、脈管形成因子FGFまたはその脈管形成的に活性な改変体を含む薬学的組成物は、溶液、懸濁液、またはエマルジョンのような単位用量でかつ注射可能な形態または注入可能な形態で、処方されるべきである。これはまた、凍結乾燥粉末の形態であり得、これは、投与の前に、溶液、懸濁液、またはエマルジョンに変換され得る。薬学的組成物は、メンブレンろ過によって滅菌され得、これはまた、凝集物を除去し、そして密封されたバイアルまたはアンプルのような単回用量または複数用量の容器中で貯蔵され得る。
【0038】
薬学的組成物を処方するための方法は、一般に当該分野で公知である。薬学的に受容可能なキャリア、安定化剤、およびイソモライト(isomolyte)の処方および選択の徹底的な議論は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版;Mack Pub.Co.:Eaton,Pennsylvania 1990)(これは、参考として本明細書中に援用される)において見出され得る。
【0039】
本発明の薬学的組成物はまた、一般に1日より長い間、処置される患者における薬学的に活性な因子の存在を延長するために、徐放性形態で処方され得る。徐放性処方物の調製の多数の方法は、当該分野で公知であり、そしてRemington’s Pharmaceutical Sciences(第18版;Mack Pub.Co.:Eaton,Pennsylvania 1990)(これは、参考として本明細書中に援用される)において開示されている。一般に、因子は、固体疎水性ポリマーの半透性マトリクス中に包括され得る。このマトリクスは、フィルムまたは微小カプセルに形成され得る。このようなマトリクスの例としては、ポリエステル、L−グルタミン酸およびL−グルタミン酸γエチルのコポリマー(Sidmanら(1983)Biopolymers 22:547−556)、ポリ−アクチド(poly−actide)(米国特許第3,773,919号およびEP58,481)、ポリアクテート(polyactate)ポリグリコール酸(PLGA)、ヒドロゲル(例えば、Langerら(1981)J.Biomed.Mater.Res.15:167−277;Langer(1982)Chem.Tech.12:98−105を参照のこと)、非分解性エチレン−酢酸ビニル、Lupron DepotTmのような分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられるがこれらに限定されない。適切な微小カプセルとしてはまた、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−微小カプセル、およびコアセルベーション技術もしくは界面重合によって調製される、ポリメチルメタクリレート(poly−methylmetacylate)微小カプセルが挙げられる。アルギン酸ヘパリンビーズのような微小粒子もまた使用され得る。さらに、リポソームおよびアルブミン微粒子のような微小エマルジョンまたはコロイド状の薬物送達系もまた使用され得る。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版;Mack Pub.Co.:Eaton,Pennsylvania 1990)を参照のこと。
【0040】
詳細には、ウシ起源の哺乳動物線維芽細胞増殖因子(図2(配列番号2)のFGF−2)はまた塩基性FGF(bFGF)として公知であり、そして図3(配列番号4)のヒトFGF−2(あるいは、脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテイン)は、本発明の実施において使用され得る。ウシFGF−2をコードするヌクレオチド配列は、図1(配列番号1)に示される。ヒトFGF−2をコードするヌクレオチド配列は、図3(配列番号3)に示される。米国特許第5,604,293号(これは、参考として本明細書中に援用される)もまた参照のこと。運動能力がPADに関連する跛行によって限定される患者に対して臨床的利点を生じると推定されるFGF−2の用量は、FGF−2の約0.1μg/kg〜約100μg/kg、好ましくは約0.20μg/kg〜約75μg/kg、より好ましくは約0.4μg/kg〜約50μg/kg、なおより好ましくは約0.50μg/kg〜約35μg/kg、なおより好ましくは約1.0μg/kg〜約30μg/kg、および最もありそうなのは標準的な用量としての0.3〜3.5mgの範囲である。従って、1つの実施形態において、FGF−2(例えば、組換えFGF−2(rFGF−2))の治療的有効用量は、投与の経路および様式に依存して、FGF−2の約0.1μg/kg〜約1μg/kg、約1μg/kg〜3μg/kg、約3μg/kg〜約5μg/kg、約5μg/kg〜約7μg/kg、約7μg/kg〜約8μg/kg、約8μg/kg〜約9μg/kg、約9μg/kg〜約9.9μg/kg(例えば、約9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、または9.9μg/kg)、約10μg/kgまで、約10μg/kg〜約15μg/kg、約15μg/kg〜約20μg/kg、約20μg/kg〜約30μg/kg、約30μg/kg〜約40μg/kg、約40μg/kg〜約60μg/kg、約60μg/kg〜約80μg/kgである。
【0041】
処置される患者の体重に依存しないより絶対的な用語で、脈管形成因子の用量を規定することは、都合が良い。この実施形態において、用量は、「標準的な」用量としていわれる。そのように定義される場合、本発明の方法に従って投与される標準的な用量は、約4.0μg〜約7.2mg(例えば、約4.0μg〜約0.3mg、好ましくは約0.3mg〜約1.0mg、なおより好ましくは約1.0mg〜約2.0mg、なおより好ましくは約2.0mg〜約2.5mg、約2.5mg〜3.5mg、約3.5mg〜約4.5mg、約4.5mg〜約5.5mg、約5.5mg〜約6.5mg、約7.2mgまで)の範囲である。この実施形態において、標準的な用量は、最も低い投薬量(約0.1μg/kg)での最も小さい患者(例えば、40kg)からより高い投薬量(この実施形態について約48μg/kg)でのより大きい患者(例えば、150kg)まで変化する、多数のヒトPAD患者のいずれか1人に投薬することに適用するために十分な量のFGF−2である。例えば、患者が体重70kgの場合、標準的な用量は、投与の形態および様式に依存して、約0.2mg〜約3.0mg、約0.5mg〜約2.5mg、好ましくは約2.1mgで変化する。
【0042】
より低い用量のFGF−2(例えば、0.1μg/kgと約10μg/kgとの間)が意図される場合、本発明の方法に従って投与される標準的な用量は、70kgの患者について、約7.0μg〜約0.7mg、約8μg〜約0.6mg、約9μg〜約0.5mg、約0.1mg〜約0.4mg、好ましくは約0.21mgで変化する。従って、いくつかの実施形態において、70kgの患者についての標準的な用量は、約7.0μg〜約0.7mg(8μg、9μg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.65mg、約0.7mgまでを含む)で変化する。
【0043】
FGF−2は、グリコサミノグリカン−(例えば、ヘパリン)結合タンパク質であり、そしてグリコサミノグリカン(「プロテオグリカン」または「ムコ多糖」として知られている)の存在は、活性および曲線下の面積(AUC)を最適化するので、本発明のFGF−2の投薬量は、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)の静脈内(IV)投与の20〜30分以内に投与され得る。種々の分画されたヘパリンおよび未分画のヘパリン、プロテオグリカン、および硫酸コンドロイチンのような硫酸化ムコ多糖は、本発明の実施において使用され得る。低分子量のハプテン(10,000d未満)および未分画(すなわち、高分子量)ハプテン(10,000dを超える)は、本発明の実施において使用され得る。これらの分子は、rFGF−2と共にか、またはrFGF−2の投与の20〜30分以内に投与され得る。ヘパリンは、適切には20〜80単位/kgで、そして好ましくは40単位/kgで投薬される。
【0044】
1つの実施形態において、単位用量は、約0.1μg/kg〜約80μg/kgで変化する十分な量のFGF−2を含む。より代表的には、全身的単位用量は、0.3mg〜3.5mgの図2(配列番号2)のFGF−2もしくは図3(配列番号4)のFGF−2、または脈管形成的に活性なフラグメントもしくはそのムテインを含む。約0.01μg〜約500μg、約3mgまでを含む、局所的送達のための投薬量が、使用され得る。IM注射を用いる場合のように局所的に投与される場合、用量は、心房内投与される用量と同じ、10分の1、または100分の1であり得る。単位用量は、代表的に、上記参照の量のFGF−2、および本明細書中の他の箇所に記載されるような有効量の1つ以上の薬学的に受容可能な緩衝液、安定化剤、および/または他の賦形剤を含む、溶液形態または再構築された凍結乾燥形態で提供される。
【0045】
図2(配列番号2)のアミノ酸配列を有する組換えFGF−2は、米国特許第5,155,214号、表題「Basic Fibroblast Growth Factor」(1992年10月13日発行、そしてこれは、その全体が参考として本明細書中に援用される)において記載されるように作製される。’214の特許において開示されるように、図1(配列番号1)のDNA(これは、図2(配列番号2)のbFGF(以下「FGF−2」)をコードする)は、pBR322、pMB9、Col E1、pCRI、RP4、またはλファージのようなクローニングベクターに挿入され、そしてこのクローニングベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞のいずれかを形質転換するために使用され、ここで、形質転換された細胞は、FGF−2を発現する。1つの実施形態において、宿主細胞は、Saccharomyces cerevisiaeのような酵母細胞である。発現される得られた全長FGF−2は、図2(配列番号2)に従う146アミノ酸を有する。図2(配列番号2)のFGF−2は、4つのシステイン(すなわち、残基25位、69位、87位、および92位)を有するが、内部ジスルフィド結合は存在しない。[’214の第6欄、59〜61行。]しかし、架橋が酸化条件下で生じる場合、これは、25位の残基と69位の残基との間で生じるようである。
【0046】
図3(配列番号4)の対応する146残基のヒトFGF−2のように、図2(配列番号2)の146残基の哺乳動物FGF−2(これは、ウシ起源である)は、155アミノ酸を有するポリペプチドとしてインビボで最初に合成される(Abrahamら(1986)EMBO J.5(10)2523−2528;ウシ起源の図4(配列番号6);ヒト起源の図5(配列番号8))。全長の155残基のFGF−2分子と比較される場合、146残基のFGF−2分子は、対応する全長のウシおよびヒトの155残基のFGF−2分子(それぞれ、図4(配列番号6)および図5(配列番号8))のN末端において、最初の9個のアミノ酸残基(Met−Ala−Ala−Gly−Ser−Ile−Thr−Thr−Leu(配列番号9))を欠く。ヒトまたはウシ起源の155残基のFGF−2、およびその生物学的に活性な改変体はまた、ウシおよびヒトの146残基のFGF−2分子について記載される様式で、本発明の組成物および方法において使用され得る。さらに、155残基の形態は、組換えタンパク質生成の方法に依存して、153〜155残基またはその混合物として存在し得ることが認識される。図2(配列番号2)の哺乳動物FGF−2は、2つの残基の位置で、図3(配列番号4)のヒトFGF−2と異なる。詳細には、図2(配列番号2)の哺乳動物FGF−2の残基112位および128位のアミノ酸は、それぞれSerおよびProであり、一方で、ヒトFGF−2(図3;配列番号4)において、これらは、それぞれThrおよびSerである。155残基の形態については、これらの差異は、図4(配列番号6;ウシ起源のFGF−2)ならびに図5(配列番号8:ヒト起源のFGF−2)の残基121位および137位に生じる。
【0047】
本発明の組成物および方法において使用される組換えFGF−2は、米国特許第4,956,455号、表題「Bovine Fibroblast Growth Factor」(1990年9月11日発行、そしてこれは、その全体が参考として本明細書中に援用される)において詳細に記載される技術を使用して、薬学的な純度(総タンパク質の90重量%以上の純度、好ましくは92重量%以上の純度、より好ましくは95重量%以上の純度、好ましくは実質的に純粋(すなわち、総タンパク質の約98重量%の純度))に精製された。詳細には、本発明の薬学的組成物の単位用量で使用される組換えFGF−2の精製において使用される最初の2つの工程は、「以前に記載されたような従来のイオン交換およびHPLC工程」である。[米国特許第4,956,455号、Bolenら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5364−5368を引用、これらの参考文献については確信していない。]第3の工程(’455特許は、「重要な精製工程」と称する[’455の第7欄、5〜6行])は、ヘパリン−SEPHAROSE(登録商標)親和性クロマトグラフィーであり、ここで、FGF−2の強力なヘパリン結合親和性は、約1.4Mおよび1.95M NaClで溶出される場合、数千回の精製を達成するように利用される[’455の第9欄、20〜25行]。ポリペプチド同質性は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって確認され得る。緩衝液交換は、SEPHADEX(登録商標)G−25(M)ゲルろ過クロマトグラフィーによって達成された。
【0048】
図2(配列番号2)の146残基のFGF−2に加えて、本発明の単位用量の治療的活性剤はまた、図2(配列番号2)のFGF−2の「脈管形成的に活性なフラグメント」を含む。用語「図2(配列番号2)のFGF−2の脈管形成的に活性なフラグメント」は、図2(配列番号2)の146残基の約80%を有し、そして図2(配列番号2)のFGF−2の脈管形成効果を保持するFGF−2のフラグメントを意味する。「脈管形成的に活性なフラグメント」のこの定義はまた、図3(配列番号4)のヒトFGF−2に適用する。図4(配列番号6)または図5(配列番号8)のFGF−2の「脈管形成的に活性なフラグメント」は、それぞれ、図4(配列番号6)または図5(配列番号8)の155残基の約80%を有するFGF−2のフラグメントである。
【0049】
脈管形成的に活性であるために、FGF−2フラグメントは、2つの細胞結合部位、および2つのヘパリン結合部位の少なくとも1つを有するはずである。類似の146残基のヒトFGF−2(hFGF−2;配列番号4)の2つの推定細胞結合部位は、そのおよそ残基36〜39位およびおよそ77〜81に存在する。Yoshidaら(1987)Proc.Natl.Aca.Sci.USA 84:7305−7309の図3を参照のこと。hFGF−2の2つの推定ヘパリン結合部位は、そのおよそ残基18〜22位および107〜111位に存在する。Yoshida(1987)の図3を参照のこと。ヒトFGF−2(hFGF−2)およびウシFGF−2(bFGF−2)についてのアミノ酸配列の間の実質的な類似性を考えると、bFGF−2(図2(配列番号2))についての細胞結合部位がまた、そのおよそ残基36〜39位およびおよそ77〜81位に存在し、そしてヘパリン結合部位が、そのおよそ残基18〜22位および107−111位に存在することが予想される。155残基形態のさらなる9残基が、図2(配列番号2;ウシ起源のFGF−2)または図3(配列番号4;ヒト起源のFGF−2)において示される残基1〜146に関するこれらの結合部位の相対的な位置に影響を与えない。従って、ヒトFGF−2(図5;配列番号8)の155残基形態について、2つの推定細胞結合部位は、そのおよそ残基45〜48位およびおよそ86〜90位に存在し、そして2つの推定ヘパリン結合部位は、そのおよそ残基27〜31位およびおよそ116〜120位に存在する。さらに、155残基のウシタンパク質とヒトタンパク質との間の実質的な類似性を考えると、2つの推定細胞結合部位は、155残基のウシFGF−2(図4;配列番号6)のおよそ残基45〜48位およびおよそ86〜90位に存在し、そして2つの推定ヘパリン結合部位は、およそ残基27〜31位およびおよそ116〜120位に存在することが予想される。上と一貫して、図2(配列番号2)のFGF−2のN末端短縮は、ウシにおいて脈管形成活性を除去しないことが当該分野で周知である。詳細には、この技術は、図2(配列番号2)のFGF−2と比較してN末端短縮を有する、いくつかの天然に存在しかつ生物学的に活性なFGF−2のフラグメントを開示する。図2(配列番号2)の残基12〜146を有する活性なかつ短縮されたbFGF−2が、ウシ肝臓で見出され、そして図2(配列番号2)の残基16〜146を有する別の活性なかつ短縮されたbFGF−2が、ウシ腎臓、副腎、および精巣において見出された。(例えば、米国特許第5,155,214号の第6欄の41〜46行(Uenoら(1986)Biochem.Biophys.Res.Comm.138:580−588を引用)を参照のこと。)同様に、FGF活性を有することが知られている図2(配列番号2)のbFGF−2の他のフラグメントは、FGF−2(24−120)−OHおよびFGF−2(30−110)−N1712−である[米国特許第5,155,214号の第6欄、48〜52行]。これらの後者のフラグメントは、FGF−2(図2(配列番号2))の細胞結合部分およびヘパリン結合セグメント(残基107〜111)の1つの両方を保持する。従って、哺乳動物FGFの脈管形成的に活性なフラグメントは、代表的に、少なくとも図2(配列番号2)のFGF−2の残基30〜110に対応する残基;より詳細には、少なくとも図2(配列番号2)のFGF−2の残基18〜146に対応する残基を有するFGF−2の末端短縮フラグメントを含む。
【0050】
ネイティブなFGF配列に基づく他の合成ペプチドがFGFレセプターに結合する限り、これらのペプチドが使用され得ることが認識される。さらに、異なるネイティブな配列、ならびにネイティブおよび合成の配列の組み合わせ由来のペプチドを含む、ハイブリッドFGF分子が、構築され得る。さらに、このハイブリッド分子は、FGFレセプターと結合する能力を保持する。
【0051】
本発明の単位用量はまた、図2(配列番号2)、図3(配列番号4)、図4(配列番号6)、または図5(配列番号8)のFGF−2の「脈管形成的に活性なムテイン」を含む。用語「脈管形成的に活性なムテイン」は、これらのそれぞれの位置において、それぞれ図2(配列番号2)に示されるFGF−2配列の146残基、図3(配列番号4)に示されるヒトFGF−2配列の146残基、図4(配列番号6)において示されるFGF−2配列の155残基、または図5(配列番号8)において示されるFGF−2配列の155残基の少なくとも80%、好ましくは90%を構造的に保持し、そしてFGF−2のそれぞれの非変異形態の脈管形成活性を機能的に保持する、図2(配列番号2)、図3(配列番号4)、図4(配列番号6)、または図5(配列番号8)のFGF−2の変異形態を意図する。好ましくは、変異は、L−アミノ酸を使用する「保存的置換」であり、ここで、1つのアミノ酸は、別の生物学的に類似のアミノ酸によって置換される。保存的置換の例としては、Ile、Val、Leu、Pro、またはGlyのような1つの疎水性残基の別の残基との置換、またはArgとLysとの間、GluとAspとの間、またはGlnとAsnとの間のような1つの極性残基の別の残基との置換が挙げられる。一般には、荷電アミノ酸は、お互いに交換可能であると考えられている。しかし、置換をより保存的にするには、存在する場合、側鎖上の電荷の大きさおよび類似の両方を考慮する。適切な置換としては、セリンの、残基87位および92位における1つまたは両方のシステイン(これらは、ジスルフィド形成に関与しない)との置換が挙げられる。他の適切な置換としては、ムテインが酸性条件下でより大きい安定性を有するように、少なくとも1つの構成的なシステインが別のアミノ酸と置換される、任意の置換が挙げられる。例えば、米国特許第5,852,177号(これは、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。1つのこのような置換は、例えば、システイン残基の以下のような天然のアミノ酸との置換である:グリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、セリン、トレオニン、およびメチオニン(米国特許第5,852,177号)。好ましくは、置換は、FGF−2 N末端において導入され、これは、脈管形成活性に関連しない。しかし、上に議論されるように、保存的な置換は、分子全体の導入のために適切である。
【0052】
当業者は、本発明の単位用量、組成物および方法での使用について脈管形成活性を有するFGF−2ポリペプチドムテイン(またはムテインのフラグメント)の発現を得るために、周知の技術を使用して、図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図4(配列番号5)、または図5(配列番号7)のDNAにおいて1つ以上の点変異を作製し得る。図2(配列番号2)、図3(配列番号4)、図4(配列番号6)、または図5(配列番号8)のFGF−2の脈管形成的に活性なムテインを調製するために、それぞれ図2(配列番号2)、図3(配列番号4)、図4(配列番号6)、または図5(配列番号8)のFGF−2をコードする図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図4(配列番号5)、または図5(配列番号7)のcDNAに1つ以上の点変異を導入するために、当該分野で公知の、そして/またはGilmanら(1979)Gene 8:81またはRobertsら(1987)Nature 328:73 1に教示されるような、部位特異的変異誘発についての標準的な技術を使用する。
【0053】
本発明の薬学的組成物は、図2(配列番号2)、図3(配列番号4)、図4(配列番号6)、図5(配列番号8)の哺乳類FGF−2またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインの脈管形成的に有効な用量、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。代表的には、本発明の薬学的組成物の安全かつ脈管形成的に有効な用量は、ヒト患者に投与するのに適した形態およびサイズであり、この用量は、(i)図2(配列番号2)のFGF−2、またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインの1.0μg/kg〜30.0μg/kg、および(ii)薬学的に受容可能なキャリア、を含む。他の実施形態において、安全かつ脈管形成的に有効な用量は、図2(配列番号2)、図3(配列番号4)、図4(配列番号6)、図5(配列番号8)のFGF−2、またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインの約0.1μg/kg〜約1μg/kg、約1μg/kg〜約3μg/kg、約3μg/kg〜約5μg/kg、約5μg/kg〜約7μg/kg、約7μg/kg〜約8μg/kg、約8μg/kg〜約9μg/kg、約9μg/kg〜約9.9μg/kg(例えば、約9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8または9.9μg/kg)、約10μg/kgまで、約10μg/kg〜約15μg/kg、約15μg/kg〜約20μg/kg、約20μg/kg〜約30μg/kg、約30μg/kg〜約40μg/kg、約40μg/kg〜約60μg/kg、約60μg/kg〜約80μg/kg、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【0054】
代表的な薬学的組成物は、図2(配列番号2)もしくは図3(配列番号4)に示される配列を有する、0.1mg/ml〜10mg/ml、より代表的には、0.3mg/ml〜0.5mg/mlのFGF−2(より詳細には、組換えFGF−2(rFGF−2))、またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテイン、10mMのチオグリセロール、135mMのNaCl、10mMのクエン酸ナトリウム、および1mMのEDTA(pH5.0)を含有する。上記組成物に適切な希釈液またはフラッシング剤(flushing agent)は、上記キャリアのいずれかである。代表的には、この希釈液は、10mMのチオグリセロール、135mMのNaCl、10mMのクエン酸ナトリウム、および1mMのEDTA(pH5.0)を含むキャリア溶液自体である。図2(配列番号2)のrFGF−2、またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインは、液体形態で長期間は不安定である。安定性および有効期限を最大にするために、薬学的に受容可能な水性キャリア中のrFGF−2またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインの有効量を含有する本発明の薬学的組成物は、−60℃で凍結保存されるべきである。解凍された溶液は、冷蔵状態で1ヶ月間安定である。代表的な単位用量は、1.5〜8mgの図2(配列番号2)または図3(配列番号4)のFGF−2を有する、約5〜10mlの上記組成物を含む。
【0055】
別の実施形態において、薬学的組成物は、凍結乾燥(フリーズドライ)された形態において、図2(配列番号2)、図3(配列番号4)のFGF−2、またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインの単位用量を含有する。この形態において、FGF−2の単位用量は、治療効果を失うことなしに、室温で実質的に6ヶ月よりも長く保存され得る。凍結乾燥は、本明細書におけるFGF−2の単位用量を各々が含む複数のバイアルの減圧下で、急激に凍結乾燥することによって達成される。凍結乾燥器により上記凍結乾燥を行うが、凍結乾燥器は市販されており、当業者によって容易に作動可能である。患者に投与する前に、凍結乾燥された産物は、好ましくは、それ自体のバイアル中で、適切な滅菌水性希釈液(代表的には、0.98%(またはそれ未満)の滅菌生理食塩水または適合性滅菌緩衝液、またはさらに滅菌脱イオン水)を用いて、既知の濃度に再構築される。例えば、同時係属中の米国特許出願60/229,238,表題「Stabilized FGF Formulations containing Reducing Agents」(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。kg単位の患者体重に依存して、図2(配列番号2)のFGF、図3(配列番号4)のFGFまたはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインの0.2μg/kg〜36μg/kgを含む単一用量が、患者に投与するための再構築産物としてバイアルから吸引される。例えば、24μg/kgで投薬された平均70kgの男性は、1680μg(すなわち、1680mg)の注入物(70kg×24μg/kg)を受け取るようにバイアルから吸引された再構築産物の十分な容量を有する。
【0056】
溶液形態の薬学的組成物は、約10〜約30分間にわたって実質的に連続的に単位用量を注入することによって一般的には投与されるが、この組成物が長期間にわたって投与され得ることが認識される。この組成物が1つ以上の血管内に投与される場合、代表的には、単位用量の一部(例えば、2分の1)が第一の血管に投与され、続いて第二の二次血管に投与される。上記再配置手順を用いて、全ての単位用量が投与されるまで、単位用量の一部が複数の血管に投与され得る。投与後、当該分野で公知の簡便なプロトコールを使用して、カテーテルを取り除く。脈管形成の徴候および治療利点(例えば、跛行の減少、足関節上腕血圧比における改善、最大歩行時間における改善、階段を上がる能力の上昇、体の痛みの低下、臨界四肢虚血における改善または臨界四肢虚血(limb ischemia)の予防、および患者の生活の質の改善)は、FGF−2投与後、2週間〜1ヶ月の早さで見られる。
【0057】
以下の実施例は、例示の目的で提供されるものであり、制限を目的として提供されるものではない。
【0058】
(実施例)
(実施例1:第I相の臨床試験において用いられるFGF−2の単位用量)
図2(配列番号2)に示される配列を有する、組換え産生されたFGF−2(rFGF−2)を、単位用量および薬学的組成物として処方した。種々の処方物が以下に記載される。
【0059】
rFGF−2単位用量を、積層グレイブチルラバーストッパーおよびレッドフリップオフオーバーシール(red flip−off overseal)を備える3ccのI型ガラスバイアル中に液体として提供した。このrFGF−2単位用量は、1.2mlの図2(配列番号2)の0.3mg/ml rFGF−2を、10mMのクエン酸ナトリウム、10mMのモノチオグリセロール、1mMのEDTA二ナトリウム二水和物(分子量372.2)、135mMの塩化ナトリウム(pH5)中に含んだ。従って、絶対条件において、各バイアル(および単位用量)は、0.36mgのrFGF−2を含んだ。液体形態の単位用量を含むバイアルを、2℃〜8℃で保存した。
【0060】
希釈液を、積層グレイブチルラバーストッパーおよびレッドフリップオフオーバーシールを備える5ccのI型ガラスバイアル中に供給した。rFGF−2希釈液は、10mMのクエン酸ナトリウム、10mMのモノチオグリセロール、135mMの塩化ナトリウム(pH5)を含む。各バイアルは、2℃〜8℃で保存される5.2mlのrFGF−2希釈溶液を含んだ。このような因子はまた、切断術への臨界四肢虚血の進行を予防するために投与され得る。
【0061】
注入されるrFGF−2の薬学的組成物を、rFGF−2単位用量をrFGF希釈液を用いて希釈することによって調製した。EDTA濃度を100μg/mlの限界より低く保つために、FGF−2の比較的高い絶対量が患者に投与される場合、全注入容量を40mlまで増加させた。
【0062】
(実施例2:第II相のPAD臨床試験)
0.9未満の休止期足関節上腕血圧比(ABI)の状態よって定義されるような、抹消動脈疾患(PAD)は、55歳を越える成人の約15%を冒す一般的な状態である。これら個体の約33%が跛行の微侯であり;約25%が進行する。血流制限がさらに悪くなるにつれて、PADのスペクトルは、穏やかな状態から中程度の跛行に進行し、続いて四肢切迫(limb−threatening)虚血を起こし、休息痛によって初期に特徴付けられ、次いで、乏しい創傷治癒、および切迫した壊疽または顕性の壊疽を起こす。
【0063】
第II相試験を、下鼡径部PADに起因する間欠性跛行を伴う患者の運動能力に対するrFGF−2の動脈内投与の効力を評価するために行った。この第II相PAD試験は、安全な薬物速度論、および重度の間欠性跛行を起こすように中程度のPAD被験体における20分間にわたる動脈内(IA)注入による効力を評価するための、多施設の無作為化した、二重盲検のプラシーボコントロールの、rFGF−2のレジメン確認研究であった。この試験における患者の包括についての主要な選択基準は、40歳を越えており、跛行、安静状態で0.8未満の足関節上腕血圧比(ABI)、患者の大腿流入、4ヶ月を越えた医学的な安定およびインフォームドコンセントによって運動が制限された。この試験由来の患者の包括についての主要な選択基準は、(ACSガイドラインに従う)悪性腫瘍(2.0mg/dLより高いクレアチニン、2+より高いかもしくはそれと等しい、または300mg/日より高い尿タンパク質、増殖性網膜症、および/または安全性またはコンプライアンスして影響を及ぼす他の状態)を示す証拠であった。190人の患者が、第II相PAD試験においに関与した。患者集団のベースライン特性を表1〜3に示す。
【0064】
【表1】
Figure 2004501164
【0065】
【表2】
Figure 2004501164
【0066】
【表3】
Figure 2004501164
患者の約3分の2が、冠状動脈疾患(CAD)の経歴を有し、わずか3分の1未満が、心筋梗塞を経験的に示し、3分の1が糖尿病であり、約4分の3が高血圧および/または異脂肪血症であった(表2)。この標的集団の約20〜30%を、1回より多くの血管新生手順を受けていた(表3)。低いベースラインの生活の質のスコア(WIQおよびSF−36)は、中程度から重度の疾患を有する標的PAD患者集団を示す。これらのスコアは、1または100%が正常であるスケールに基づく。従って、スコアの増加は、改良を示す。スコアを、患者が自己評価を行うアンケートに基づいて作表した。
【0067】
rFGF−2を、2本の脚の間に1日目および30日目に分配された20分間にわたる動脈内(IA)注入によって投与した。投与された用量は、30μg/kgのrFGF−2であった。この試験患者を、3つのグループに分けた;プラシーボ;単一用量(1日目にrFGF−2);および二倍用量(1日目および30日目にrFGF−2)。本研究で使用された一次終点は、Gardner段階的運動プロトコールによる90日目での最大歩行時間(PWT)の変化であった。第二終点を、以下を含んで測定した:180日目のPWT変化、跛行発病時間(COT;患者が跛行を示し、そして/または痛みが始まる時間として記述される)、足関節上腕血圧比(ABI;標準的な超音波デバイスを用いて決定されるような)、ならびに90日目および180日目でのWaiking Impairment Questionnaire(WIQ)およびShort−Form−36(SF−36)による健康に関連する生活の質(QOL)。
【0068】
組換えFGF−2(rFGF−2)を、0.3mg/mlのrFGF−2、10mMのクエン酸ナトリウム、0.3mMのEDTA、10mMのチオグリセロール、135mMの塩化ナトリウム(pH5.0)を含む溶液中に処方した。各々5mlのバイアルは、3.7mlの明瞭な無色溶液を含んだ(1バイアル当たり1.1mgのrFGF−2)。rFGF−2を含むバイアルを、「rFFGF−2」と標識化し、凍結で供給した。薬物製品を、用量を調製する前に室温で解凍し;薬剤師に対する詳細な取扱説明書を、研究マニュアルに提供した。解凍した未希釈の活性薬物製品を、2〜8℃にて30日間冷蔵保存し得る。
【0069】
薬物産物をプラシーボ(希釈液)で希釈し、投与前に濾過した。フィルターは、滅菌した非発熱性であり、かつ低タンパク質結合であった。0.22マイクロシリンジフィルター(例えば、Millipore,Millex−GV,#SLGVR25LSまたは等価物)を介する薬物製品の濾過によって、強力なまたは潜在的な結果的損失を有さない粒子を除去する。解凍した未希釈の薬物製品を、8時間以内で使用した。
【0070】
プラシーボ(希釈液)を、薬物製品から識別不可能な明瞭な無色溶液として供給した。これは、10mMのクエン酸ナトリウム、0.3mMのEDTA、10mMのチオグチセロール、135mMの塩化ナトリウム(pH5.0)を含んだ。希釈液を含むバイアルを、「プラシーボ」と標識表示し、液体状態で供給し、そして2〜8℃で冷蔵保存した。
【0071】
試験の結果により、rFGF−2が単一用量処置グループと二倍用量処置グループとの両方について90日目で受容可能な安全なプロフィールを有することが示された。1日目および30日目での用量は、1日目での単一用量と類似の安全なデータを得た(データ示さず)。
【0072】
研究から180日目での患者の傾向および患者に対する有害な事象を、それぞれ、表4および表5に示す。
【0073】
【表4】
Figure 2004501164
【0074】
【表5】
Figure 2004501164
(データ解析)
データの一次解析を、ANOVAによって行った。PWTのない10人の被験体および血管再生された6人の被験体を、解析から除いた。二次解析を、RankのANOVAによって行った。一次解析から除かれた16人の被験体を、最低ランクに設定した。これは、さらに保存的なアプローチを示す。例えば、表6を参照のこと。
【0075】
【表6】
Figure 2004501164
(一次終点:90日目での最大歩行時間)
組換えFGF−2は、コントロールプラシーボグループ(図6)と比較して、rFGF−2の単一用量を受け取る試験において患者の90日目でのPWT(p=0.026)における統計学的に有意な改良によって測定されるような、PAD処置において効果的であった。また、結果より、rFGF−2の二倍用量(1日および30日)が単一用量(1日)よりも好ましくないことが示された。
【0076】
(二次有効変数)
二次有効変数は、180日目でのPWT、跛行発病時間(COT)、ならびに90日目および180日目での足関節上腕血圧比(ABI)、ならびに90日目および180日目でのWIおよびSF−36の生活の質アンケートを含んだ。180日での結果は、プラシーボ応答における多量の増加を反映する。
【0077】
図7は、プラシーボ、単一用量rFGF−2、または二倍用量rFGF−2を受け取る患者グループについての90日目および180日目でのPWTの絶対的な変化を示す。各患者について、ベースラインのPWTを、90日目でのPWTから差し引き、そしてこの差異を各グループについて合計し、そして平均を決定した。このデータを、分散分析(ANOVA)によって解析する。
【0078】
図8は、90日目および180日目で示される、3つの患者群におけるPWTの絶対的な変化の割合を示す。2つのrFGF−2群全体で平均されたPWTの変更の割合もまた示される(任意のFGFと表される)。
【0079】
図9は、第II期の臨床研究の3つの患者群について測定されたABI(足根関節上腕指数(ankle branchial index))を示す。基準の測定、90日目の測定、および基準の測定と90日目の測定との間の対応する変化が示される。ABIにおける平均変化もまた、3つの患者群について示される。ABIは、An Office Based Approach to the Diagnosis and Treatment of Peripheral Arterial Disease(2000)Society of Vascular Medicine and Biology(Medical Communications Media,Inc.、Wrightstown、PA)に記載される。
【0080】
足根関節上腕指数は、ドップラー超音波デバイスによって測定されるような、脚における収縮期の圧力と、腕における収縮期の圧力の比である。正常なABIは1である。0.9未満のABIは、PADの診断とみなされる。試験において登録された標的集団の平均のABIは、休息時で指標の脚において0.56であった。指標の脚は、より低いABIを有する脚である。図9は、各群について、基準での、90日目の、および180日目の平均ABI(上のパネル)を示す。下のパネルは、各群についての、90日目および180日目のABIにおける平均変化を示す。プラシーボと比較して、処置群において、陽性の指導的な変化が存在する。この差異は、180日目の二倍用量の群において、統計的有意性を達成した(平均ΔABI=0.11;プラシーボに対してp=0.031)。ABIが血流の客観的な測定を示す場合、この変化は、FGFの提案された機構、新規の副行血管の形成に一致する。
【0081】
図10は、プラシーボ群と比較した、単用量群および二倍用量群についての90日目および180日目の跛行のWIQ重症度を示す。バーの値は、各群において改善したか、同じままか、または悪くなった、各群における患者の割合を示す。90日目に、処置群の50%より多い患者が改善され、一方、プラシーボ患者の40%未満が改善された。180日目には、この明らかな処置の恩恵は失われた。WQIのさらなる情報については、Regensteinerら(1990)J.Vasc,Med.Biol.2:142−153(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0082】
図11は、各群についての、距離、速さおよび階段上りに関する、基準、90日目および180日目での重症度スコアを示す。変化は、FGF処置群について、距離および速さについて指導的に陽性であるが、これらの結果は、統計的有意性を達成しなかった。階段上りについて、プラシーボ群に対して、単用量群について改善の傾向が存在した(p=0.11)。この図は、単用量群についての結果が、WIQ距離、速さおよび階段上りに関しての、プラシーボについての結果よりも良好であったことを示す。この図は、より高いスコアがより良好である尺度で示される。
【0083】
図12は、簡易型−36(SF−36)からの身体的要約スコアを示す。SF−36は、36個の質問からなる、生活の一般的に有効な質の道具である。SF−36は、12個の領域を有し、これは2つの要約スコア(身体的および精神的)に分けられ得る。1点の変化は、2年の寿命の増加に関連する。図中の変化スコアは、90日目に、プラシーボ群と比較して、単用量群における2点より大きい改善を示す。
【0084】
この研究の結果を、図13に要約する。
【0085】
(亜群の試験)
この分析計画は、第II期の臨床試験患者群の3つの予め特定化された亜群における処置応答の追跡を提供する:糖尿病(I型またはII型、イエス対ノー)、喫煙(現在 対 非現在(過去に喫煙した個体または喫煙経験のない個体を含む))、および中間の年齢(68歳以下 対 68歳より年上)。一次効力測定、PWTの変化の結果を、各亜群について以下に示す。表7〜12のデータは、(一次効力分析と一致するように)対数形質転換結果を反映する。
【0086】
(糖尿病)
90日目および180日目でのPWTの結果を、表7および8に示す。プラシーボ群とFGF処置群との間に統計的に有意な差異は存在しなかった。90日目に、FGF処置群における糖尿病および非糖尿病の両方において、変化はより大きかった。180日目に、変化は、糖尿病においてより小さく、そしてFGF処置群の非糖尿病に類似した。単用量群における糖尿病の割合は、僅かに低かった(プラシーボ群における37%、そして二倍用量群における36%に対して27%)。
【0087】
【表7】
Figure 2004501164
【0088】
【表8】
Figure 2004501164
(喫煙)
現在の喫煙者および現在の非喫煙者についての90日目および180日目のPWTの変化の結果を、表9および10に示す。現在の喫煙者について、90日目と180日目で統計的に有意な差異は見られなかった。現在の非喫煙者について、90日目に、全体的に(p=0.007)そしてプラシーボ群と単用量群との間に(P値=0.002)、統計的に有意な差異が存在した;180日目には、統計的に有意な差異は見られなかった。回帰分析の結果は、喫煙が結果の混乱子であることを示唆した。
【0089】
【表9】
Figure 2004501164
【0090】
【表10】
Figure 2004501164
(年齢)
68歳より年上の被験体および68歳以下の被験体についての、90日目および180日目のPWTの変化の結果を、表11および12に示す。二倍用量群において、高いWTP(8分以上)を有する被験体の頻度が、より高かった。68歳よりも年上の被験体について、好ましくない統計的に有意な差異が、180日目に二倍用量群において見られた(P値=0.031)。68歳以下の被験体について、PWTの変化は、FGF処置群においてより高かったが、90日目でも180日目でも統計的に有意な差異は見られなかった。これらの結果は、68歳以下の被験体におけるより高い改善を示唆する。
【0091】
【表11】
Figure 2004501164
【0092】
【表12】
Figure 2004501164
(hoc後の応答子分析)
この研究において、90日目にそのPWTが2分以上増加した被験体のうち、単用量群において基準で低いPWT(4分以下)を有する被験体の頻度は、より高かった。180日目の応答の最も強い予測子は、90日目での応答であった。そのPWTが2分以上増加した被験体についてのPWTの変化、およびそのPWTが2分未満増加した被験体についてのPWTの変化を、それぞれ、表13および14に示す。90日目および180日目でのより高い割合の応答子が存在し、そして変化の大きさは、単用量群よりも大きかった。単用量処置を受ける患者の約40%が、90日目および180日目の両方で、2分より多いPWTの増加を有したが、プラシーボまたはFGF−2の二倍用量を受ける患者の約22%および約26%のみが、この大きさの応答を経験した。さらに、この処置効果は、この分析によって、180日目でも持続するようである。
【0093】
【表13】
Figure 2004501164
【0094】
【表14】
Figure 2004501164
(hoc後の足根関節上腕指数の分析)
最初の分析計画は、分析から除外される1.2より高い基準の足根関節上腕指数(ABI)(非圧迫動脈と一致する)を有する被験体を予め特定した(図9を参照のこと)。データのhoc後の分析において、いずれの時点(すなわち、基準、90日目および/または180日目)においても1.2より高いABIを有する被験体を、分析から除外した。図14に見られるように、このhoc後の分析は、単用量群および二倍用量群の両方が、90日目に、プラシーボ群と比較して、統計的に有意なABIの改善を有したことを示す。この有意性は、180日目では明らかでないが、単用量群および二倍用量群の両方について、この傾向は持続した。
【0095】
(効力の要約)
(一次効力分析)
一次効力分析(90日目でのPWTの変化)についての全体のP値は、0.75であった(ANOVA)。RanksのANOVAによる二次効力分析についての全体のP値は、統計的に有意であった(P値=0.034)。単用量群は、90日目に、二倍用量群における20.3%の増加およびプラシーボ群における13.8%の増加に対して、PWTの33.5%の増加を実証した。単用量対プラシーボのペアの比較は、統計的に有意であった(P値=0.026)。この処置効果は、対数形質転換データを使用して、180日目で維持されなかった。
【0096】
(二次効力変数)
二次効力変数は、180日目のPWTの差異のないこと、90日目または180日目のCOTの差異のないこと、180日目の二倍用量群における統計的に有意な変化を有する、FGF処置群におけるABIの有利な傾向、および仔ウシプレチスモグラフィーにおける差異のないことを示した。WIQの変化の解釈は、基準での不均衡によって混乱した。90日目のプラシーボと比較して、単用量群におけるSF−36のPCSSの改善へ向かう傾向が存在した;この傾向は、体痛(body pain)スコアの統計的に有意な差異によって駆動された。
【0097】
予め特定化された亜群において、喫煙の効果は最も興味深かった。90日目のPWTの変化についての全体のP値は、現在の非喫煙者については0.007であったが、一方、現在の喫煙者については0.93であった。プラシーボ群におけるPWTの変化は、現在の非喫煙者については5.5%であり、そして喫煙者については29.3%であった。回帰モデルは、喫煙が混乱する変数であることを示唆する(以下のhoc後の回帰分析を参照のこと)。プラシーボ群における現在の喫煙者の過剰な提示(単用量における24%、および二倍用量群における21%に対して38%)は、全ての評価可能な被験体において差異を検出することを困難にした。
【0098】
非糖尿病におけるPWTの変化は、90日目および180日目の全ての評価可能な被験体において見られる変化に匹敵する。糖尿病におけるPWTの変化は、90日目の全ての評価可能な被験体において見られる変化に匹敵するが、180日目の変化には匹敵しない。回帰モデルは、糖尿病が共変数であることを示唆しなかった。中間年齢を超えた被験体(68歳より年上)におけるPWTの変化は、90日目および180日目の中間年齢より下の被験体におけるPWTの変化より小さかった。回帰モデルは、年齢が共変数であることを示唆しなかった。
【0099】
hoc後の応答子分析は、単用量群における応答子のより高い割合、および単用量群におけるより強い大きさの効果を示す。さらに、これは、処置効果が180日目に持続することを示唆する。180日目の応答の最も強い予測子は、90日目の応答である。
【0100】
(ピーク歩行時間のhoc後の回帰分析)
回帰モデルは、絶対的変化スコア、相対的変化スコアおよび分析変数としての90日目のPWT(PWT90)の使用の基礎を成す基準を評価するために使用された。このモデルは、以下で考察される。このhoc後の分析は、絶対的スコアおよび相対的スコアの両方が欠点を有し、そして第II期の臨床試験においてFGF処置の効果を評価するための値をほとんど提供しないことを明らかにする。分析変数としてPWT90を使用し、そして基準のPWTに適合させることは、FGFの処置効果を評価するためのより良い基礎および値を提供するようである。
【0101】
(背景−分析における想定)
I.絶対変化スコアが、分析に使用される補正変数であると仮定する。各対象について、PWTにおける90日目の絶対変化スコア=(PWT90日目−PWTベースライン)または=(PWT90−PWTB)。
【0102】
(PWT90−PWTB)=d、次いでPWT90=1.0PWTB+d、(PWTBの全範囲にわたって)と仮定すると、PWT90対PWTBの散乱プロットの想定は、以下である:
1.線形、
2.傾き=1.0、および
3.切片は、dである(制限されない)。
【0103】
絶対変化スコアが、補正変数であると仮定される場合、図15は、PWT90対PWTBの仮想のプロットを示す。
【0104】
II.相対的変化スコアが、分析に使用される補正変数であると仮定する。各対象について、PWTにおける90日目の相対的変化スコア=(PWT90/PWTB)。(PWT90/PWTB)=ld、次いでPWT90=ldPWTB+0.0(PWTBの全範囲にわたって)と仮定すると、PWT90対PWTBの散乱プロットは、以下である:
1.線形、
2.傾きは、ldであり、そして
3.切片は、0.0である。
【0105】
相対的変化スコアが、想定された補正である場合、図16は、PWT90対PWTBの仮想のプロットを示す。
【0106】
本来の分析計画が、分析変数として絶対的変化スコアを使用した。ねぜなr、相対的スコアを使用するPIs/コンサルタントからの強い初期ガイダンスは、存在せず、そして絶対変化スコアを、冠状動脈疾患(CAD)の処置に指向される関連する研究の分析において使用したからである。CADおよびPADのためのFGFの合わせた指標についての可能性に興味があった。これは、同じ分析変数の一貫した使用によって容易になる。しかし、90日目のデータを示した変化スコアの歪度および尖度の盲検化した予備評価は、対称的でないことが明らかであるので、分析計画は、Log10相対的変化スコア(Log10(PWT90/PWTB)=Log10PWT90−Log10PWTB))を使用するために訂正される。180日目のPWT絶対変化スコアは、よち対称性に近いことが明らかであった(hoc分析後において)、すなわち、絶対変化スコアは、よりよい分布特性を有することが明らかであった。
【0107】
(結果)
表15および表16に記載されるモデルを使用するhoc後の抑制分析の結果を、図17〜19に示す。図17は、各処置群についてPWT90対PWTBの散乱プロットおよび限定されないスプライン抑制曲線を示す。図17は、絶対変化スコアの使用のための最初の2つの基準(線形および傾き=1)は、完全に満たされず、そして相対的変化スコアの使用のための基準(線形および傾き=0.0)もまた、満たされない。従って、分析変数としての絶対変化スコアまたは相対的変化スコアの使用は、観察されたデータと完全な一貫性がないことが明らかである。
【0108】
図18は、以下に記載される抑制モデル2を示す同じ散乱プロットおよび曲線を示す。抑制モデルは、90日目のPWTにおける変化を評価するため、およびベースラインPWTを調節するためのさらに柔軟な方法を提供する。散乱プロットの曲った形は、曲線を生じる抑制モデルが、研究データをより良く示すか、または研究データに一致することを示唆する。曲った形を達成するために、抑制モデルは、分析変数のようなPWT90ならびにPETBおよび(PWTB)を含む予測子変数を有する。喫煙状態のような他のベースライン変数が、重要な交絡因子である場合、これらはまた、抑制モデルに含まれ得る。
【0109】
表15は、分析変数としてのPWT90を用い、そしてPWTBについて調整された3つの抑制モデルを示す。全てのモデルはまた、施設(場所)について調調整される。モデル1は、任意の傾きを有し得る(すなわち、モデル1は、1.0を必要としない)ので、PWT90のためのモデル1は、予測子変数PWTBのみを含むが、絶対変化スコアを使用するさらに柔軟である。モデル1は、絶対変化スコアまたは相対変化スコアのいずれよりもよくデータに適合する。
【0110】
PWT90のためのモデル2は、予測子変数としてPWTBと(PWTB)の両方を含み、そして散乱プロットの曲線形状に適合する(図18を参照のこと)。モデル2は、以下に見られるように、モデル1よりも研究データに対してより良い適合を提供することが明らかである。
【0111】
1) モデルにおけるPWTBの組み込みのためのp値=0.027、および
2) モデル1と比較される増大したR=0.52、これは、R(p=0.025における統計的に有意な改善を示す。
【0112】
PWT90のためのモデル3は、喫煙状態(ベースライン)、PWTBおよび(PWTB)を含み、そして現在の喫煙状態に調節する。
【0113】
(表15:PWT90についてに抑制モデル。全ての抑制モデルは、施設(場所)について調節される)
【0114】
【表15】
Figure 2004501164
PWT90に対する3つの抑制モデルは、以下を示唆する:
・単一用量群は、90日目でPWTにおける統計的に有意な改善を有したペアワイズp値は、0.032、0.027および0.015(それぞれ、モデル1、2および3について)。
・単一用量は、69.8、71.7および79.3秒間というプラセボ群に対してPWTにおける平均増加を有した。
・二重用量群は、90日目でのPWTにおいて傾向または統計的に有意な改善を有したペアワイズp値は、0.096、0.0678および0.037のを有する。
・二重用量群は、56.7、61.8および71.5秒間というプラセボ群に対してPWTにおいて平均増加を有した;従って、二重用量群は、プラセボ群よりも増大したPWTにおいて単一用量にさらに類似する。
・抑制モデルは、90日間でPWTにおいて50%以上の改変を説明する。
【0115】
図19は、各処置群についてのPWT180対PWTBの散乱プロットおよび限定されていないスプライン抑制曲線を示す。データの形はまた、1の傾きまたは0.0の切片を支持しない。180日目のPWTデータの形は、ごくわずかに曲線になっている。
【0116】
表16は、分析変数としてのPWT180について、PWTBおよび他のベースラインの対象特徴について調整された3つの抑制モデルを示し、全ての3つのモデルは、類似する結果を示し、単一用量群は、プラセボ群に対して22〜26秒の利益を有し、そして、二重用量群は、明らかに、プラセボ群とは異なっている。
【0117】
(表16:PWT180についてに抑制モデル。全ての抑制モデルは、施設(場所)について調節される)
【0118】
【表16】
Figure 2004501164
要約すれば、結果変数(outcome variable)として90日目のPWTを使用すること、およびベースラインにおいてPWTについて調整するhoc後抑制分析は、単一用量群においてプラセボより約70秒間(1.16分間)の増加および二重用量群において約57秒間(0.95分間)の増加を示した(それぞれ、p=0.032、0.096)。関係を非線形(すなわち、曲線)にすることは、単一用量において約72秒間(1.19分間)および二重用量群において62秒間(1.03分間)に処置の効果を増大した(それぞれ、P=0.027、0.067)。喫煙状態のための調整は、さらに、単一用量において約79秒間(1.32分間)および二重用量群において約72秒間(1.19分間)に処置の効果の増大する(それぞれ、p=0.015、0.035)。
【0119】
(第II相の臨床結果からの結果)
この研究は、rFGF−2でのPADの処置のための有効量、経路およびレジメンを規定した。動脈内に与えられる30μg/kg rFGF−2の単一用量は、PAD患者のPWTを改善した。rFGF−2の二重用量を投与することは、FGF−2の単一用量を投与するより良くなかった。PWTにおける利益の程度は、3ヶ月と6ヶ月の両方に観察された利益の持続時間であり、1分間よりも大きかった。事実、単一用量処置を受けた患者の約40%は、プラセボを受けた患者のわずか約22%およびrFGF−2の二重用量を受けた患者の約26%と比較して、90日目と180日目の両方で2分間より大きいPWTの増大を経験した。データによりこの90日目で応答したこれらの患者は、180日目でさらに応答するようであることが示された。
【0120】
従って、rFGF−2を用いた反復投薬は、患者の安全性に妥協することなく、必要である場合、可能である。複数の投薬の安全性に連関してrFGF−2の単一用量で90日目と180日目の両方で見られるPWTにおける有益な効果は、PAD患者に長期の治療的な利益を提供するための方法を提供する。これを、例えば、1日目に治療的な有効用量、続いて、治療的に必要であれば、(すなわち、症状の再発のような)治療的有効用量を患者に投与することによって達成し得る。
【0121】
(実施例3:第III相のPADの臨床試験)
第III相の、多施設の(50の場所まで)、二重盲検、プラセボ制御用量最適化研究を実施する。この治験の第1の目的は、中程度から重度の跛行を伴う末梢性動脈疾患(PAD)被験体における3.0μg/kgまたは30.0μg/kgのrFGF−2対プラセボの動脈内(IA)注入の安全性および効率を評価することである。治験は、運動を制限された中程度から重度の跛行を伴う450人の被験体(1部門あたり150)を登録する。登録基準および排除基準を、表17に示す。サンプルのサイズは、225人の患者を登録した後、90日間での最大歩行時間の可変性のDSMB評価に基づいて調整され得る。
【0122】
(表17.第III相の臨床試験の概要)
【0123】
【表17】
Figure 2004501164
研究薬剤(図2に示される配列(配列番号2)を有するrFGF−2)は、通常生理食塩水で再構成される、凍結乾燥粉末中に0.35または3.5mg/mLを含む:これは、10mMのクエン酸ナトリウム、1mMのEDTA、10mMのジチオトレイトール(DTT)、4%グリシン、1%グルコース(pH6.0)中に処方される。処置は、総大腿動脈を介して、均等に2本の脚間で分割される、1mL/分のプラセボ、3.0μg/kgまたは30.0μg/kgのrFGF−2での20mLの注入からなる。処置のための割り当てを、1:1:1、プラセボ:3.0μg/kg rFGF−2:30.0μg/kg fFGF−2に無作為化する。血液を、FGF−2の血漿濃度の分析のための注入のベースラインおよび最後に引き出す。各被験体を、研究薬物投与後6時間にわたり、病院で観察し、180日の特定の間隔で外来患者として追跡した。
【0124】
患者を、IA注入に関連する収縮期血圧をならびにアレルギー反応のいずれかの証拠、ならびに有害な現象の頻度および重篤度、実験パラメーターの変化(特に、尿タンパク質)、網膜毒性の証拠、ならびにセロコンバーション(抗体形成)の証拠についてモニタする。DSMBは、登録の間、SAEおよび異常な臨床検査を概説する。
【0125】
第1の効力の変数は、ベースラインPWT、喫煙状況および施設について調整される、Gardner段階運動試験時間によって測定されるよう90日間での最大歩行時間(PWT)におけるベースラインからの変化である。第2の効果を、以下のパラメーターに基づいて確立する:
・ベースラインPWT、喫煙状態および施設について調節された45日間、135日間および180日間でのPWTにおけるベースラインからの変化;
・45日間、90日間、135日間および180日間における跛行の発症時間(COT)におけるベースラインの変化;
・45日間、90日間、135日間および180日間におけるanklebrachial指標圧力(ABI)におけるベースラインからの変化;
・45日間、90日間、135日間および180日間でのWIQの跛行の重篤度、距離、速度および階段上昇スコアにおけるベースラインからの変化;
・45日間、90日間、135日間および180日間でのSF−36の生理学的成分要約スコア(PCSS)におけるベースラインからの変化;ならびに
・90日間および180日間での応答者の割合。
【0126】
潜在的な補助研究は、血量計、筋肉生検およびMR分光法を含む。一般的なプロトコルおよび追加の来診者の情報試験を、表18に示す。
(表18.事象の一般的なスケジュール)
【0127】
【表18】
Figure 2004501164
1.CBC(差異なし)、血小板、電解質、BUN、クレアチニン、コレステロール、肝臓酵素、グルコース、コチニン
2.特定の比重、定性的なタンパク質、タンパク質/クレアチニンについての尿比。
【0128】
(統計的分析)
ベースラインが、ベースライン後PWT評価なしに、被験体について欠損データすなわち、最も低いランクを進展した後、ベースラインPWT、喫煙状態および施設について調節して、データを、最後の値に対してRankのANOVAを使用して分析を処理する意図で分析する。
【0129】
(実施例4:末梢動脈機能不全を有するラットにおける側副血流に対するFGF−2投薬量レジメンの影響)
FGF−2投与の3つの経路(動脈内[陽性コントロール]、筋肉内、およびヒトにおいて使用される経路)が実験的な末梢動脈機能不全を有するラットにおいて側副血流を上昇させる効力を比較する研究を行った。
【0130】
以前の動物モデル研究で、bFGFは、両側の大腿動脈閉塞後、遠位のふくらはぎの筋肉に対する側副血流を改善することに効果的であることが実証された(Yangら(1996)Circ.Res.79:62〜69;YangおよびFeng(2000)Am.J.Physiol.278:H85〜H93)。約50ml/分/100gから70〜80ml/分/100gへの血流改善は、大腿上部の側副血管の血管抵抗における有意な減少に起因して可能であった。ふくらはぎ筋肉に対する側副血流における増加は、大腿動脈樹(arterial tree)のX線画像から得られる血管造影スコアとよく相関する。大腿上部の側副血管は、大腿動脈の閉塞後、回路における抵抗の主要な部位である(Yangら(1996)Circ.Res.79:62〜69)。新規な毛細血管のデノボ合成(血管新生)は、大きい導管血管に発達し得ることも、そしてこれがこの血管応答の原因でもないようである。むしろ、抵抗の変化の程度および血管の発達が生じるための短い時間(16日間)によっては多分、既存の血管の拡大が、より増大した血流に寄与する一次的変化となる。側副血流におけるbFGFを用いたこの増加はまた、年を取ったラットにおいても見出され(YangおよびFeng(2000)Am.J.Physiol.278:H85〜H93)、そして身体活動を伴って増大する(Yangら(1998)Am.J.Physiol.274:H2053〜H2061)。
【0131】
bFGF投与の種々の経路およびレジメンは、動物モデルにおいて側副血流の増加に効果的だと示されている。これらとしては、閉鎖血管の全身的経路、およびボーラスでの皮下経路、浸透圧ポンプを用いる注射または時限式注入によって達成される、短期間および比較的長期間の送達レジメンが挙げられる(YangおよびFeng(2000)Am.J.Physiol.278:H85〜H93)。これらのプロトコールは、bFGFの効力を実証するのに有力である一方、これらのレジメンのいくつかは、治療的な血管新生における患者の管理には適切ではない。さらに、患者において時限的な間隔でbFGFを繰り返し投与する価値が期待されるが、以前の実験的研究において使用される手順の多くを用いては可能ではない。例えば、bFGFの筋肉内注射の効力を確立することは、非常に有用である。しかし、bFGFの直接的な筋肉内注射が、側副血流における標的化または全身化された改良に影響を与えるか否かは、現在、不明確である。従って、本試験実験の目的は、筋肉内注射を介するFGF−2投与の効力、および治療的血管新生において使用される、臨床的に適切なプロトコールを評価することであった。
【0132】
(実験設計)
末梢動脈機能不全を有する動物を、以下の4つの群に分けた:
群1 動脈内、14日間の連続注入、FGF−2(5μg/kg/日) N=6
群2 以下から構成されるビヒクル群:
群2a ビヒクルの14日間の動脈内連続注入 N=2
群2b ビヒクルの動脈内単回注射 N=2
群2c ビヒクルの筋肉内単一ボーラス N=4
群3 動脈内単回注射
群3a 用量1(1.5μg/kg総量) N=6
群3b 用量2(15μg/kg総量) N=6
群3c 用量3(30μg/kg総量) N=6
群4 筋肉内注射
群4a 用量1(0.15μg/kg総量) N=6
群4b 用量2(1.5μg/kg総量) N=6
群4c 用量3(15μg/kg総量) N=6
明確な送達経路に起因して、この研究を、完全な盲検様式(blinded manner)では実行しなかった。しかし、1つの送達経路内の動物は、ランダムに割当てた盲検様式で用量の処置(すなわち、ビヒクル、注入、用量1、用量2、または用量3)を受けた。
【0133】
(一般プロトコール)
成体Sprague−Dawleyラット(約325g)を、毎日2回ずつ、5〜10分間、5日間歩かせることによって、トレッドミルに対して馴化させた。実験を開始するために、動物を、両側の大腿動脈閉塞に供した(方法を参照のこと)。同じ日に、動物に、上に記載の処置群に従って2週間の処置を開始した。実験の16日目に、ラットを、電動のトレッドミル上を走らせながら側副依存性の血液を決定した。データセットの完了後、結果を処置群に従ってプールし、そしてこの結果をANOVAによって統計的に分析した。送達経路の各々由来のビヒクル処置動物は、1つの参照コントロール群にグループ分けされ得ることが予測された。しかし、データを評価して、筋肉内注射処置が、例えば、筋肉における炎症応答によって引き起こされる全身応答を導入したか否か、を決定した。
【0134】
(末梢動脈機能不全モデル)
大腿動脈の両側の結紮を設計し、残りの筋肉の血流を損なうことなしに末梢血管機能不全を確立する。筋肉の血流の高貯蔵は、著しく減少するが、残りの筋肉の血流は、残りの必要な血流を支えるのに十分である;例えば、(Yangら(1990)J.Appl.Physiol 69:1353〜1359;YangおよびTerjung(1993)J.Appl,Physiol.75(1):452〜457;MackieおよびTerjung(1983)Am.J.Physiol.245:H265〜H275)を比較のこと。従って、「休息痛」も、病理学的変化を引き起こす合併症も、組織壊死も、より近位の血管閉塞に伴って観察される壊疽も存在しない(ChlebounおよびMartin(1994)Aust.N.Z.J.Surg.64:202〜207)。これらの外科的に処置された動物は、臨床的に見出される広範な範囲の末梢動脈機能不全を示さないことが理解される。むしろ、このモデルは、間欠性跛行の症状をそれ自体がしばしば示す、大きな血管閉塞疾患に特有である。
【0135】
(方法)
(動物の世話) Taconic Farms,Germantown、NYから入手した成体Sprague Dawleyラット(約325g)を、12時間/12時間の明/暗サイクルで、温度を調節した部屋(20±1℃)に収容した。動物に、Purina Rat Chowおよび水道水を自由に与えた。以前の研究は、1群あたり約12匹の動物の完全データセットが、処置効果を決定的に評価するのに必要であることを確立した(Yangら(1990)J.Appl.Physiol 69:1353〜1359)。従って、本研究は、研究の半分の将来の考慮のための一般応答を評価する、パイロット研究であった。供給業者から受け取ったラットの約90%は、自ら走りまわり(処置群に無作為に割当てられる)、そしていくらかの消耗が実験の実施において起こるので、1実験群あたりn=5〜6が得られることが予測された。
【0136】
(FGF−2送達) FGF−2送達を、以下によって大腿動脈結紮の時点で以下のように開始/達成した:a)14日間の連続動脈内注入;b)筋肉内単回注射;またはc)動脈内単回注射。
【0137】
陽性コントロールについて、8匹のラットの群を、留置ポンプ/カテーテルから14日間の注入を受けさせた(速度=0.5μL/時間)。このカテーテルを、注入が、1つの後脚の大腿動脈における結紮点の上流に送達されるように配置した。6匹のラットが、5μg/kg/日で14日間、総量70μg/kgの用量のFGF−2を受けた;他の2匹は、ビヒクル(PBS)単独を受けた。デットスペースを可能にするために、ポンプを詰め込む、チュービングを詰め込む等して、各ラットについて0.435mLのポンプ溶液の最終容積を、約325gの最初のラット重量に基づいて計算した。別々のポンプ溶液アリコートを、各ラットについて調製した。使用の直前、43.5μLのクエン酸ナトリウムおよび7μLのグリセロールを各アリコートに添加し、それにより、各調製チューブにおけるFGF−2溶液またはPBSの容量は、0.435−0.0435−0.007=0.385mLとなった。従って、FGFアリコートについて、FGF−2の濃度は、152.5μg/mLであった。
【0138】
ラットの第2の群は、動脈内単回注射で、ビヒクルまたはFGF−2を受けた。この注射は、結紮点の上流で、1つの後脚の大腿動脈に、10分間にわたって与えられた。注射される容積は、0.35mLであった。6匹のラットが、総用量1.5μg/kgのFGF−2を受けた;6匹が、15μg/kgのFGF−2を受けた;6匹が、30μg/kgのFGF−2を受けた;そして2匹が、ビヒクル単独を受けた。
【0139】
ラットの第3の群は、筋肉内単回注射を受けた。この注射を、2つの部位(1つの後脚の内側の膝屈曲筋において、側副大腿の領域において)に分けて行った。注射される容量は、1部位あたり100μLであり、総容量は0.2mLであった。6匹のラットが、総用量0.15μg/kgのFGF−2を受けた;6匹が、1.5μg/kgのFGF−2を受けた;6匹が、15μg/kgのFGF−2を受けた;そして4匹が、ビヒクル単独を受けた。
【0140】
(結紮手術) エーテル麻酔下で、各大腿動脈を、鼡径靱帯のすぐ遠位で単離した。結紮糸を、血流の全体的閉塞を確実にするように、大腿動脈の周りに密着して配置した。局所的抗生物質粉末(Neo−Predef,Upjohn)を、皮膚クリップで閉鎖する前に、創傷に配置した。この外科的手順は短時間であり、100%の成功率で達成され、そして動物は迅速に回復した。慣習的に行なわれるように(YangおよびTerjung(1993)J.Appl,Physiol.75(1):452〜457;Yangら(1995a)Circ.Res.76.448〜456;Yangら(1995b)Am J.Physiol.268:H1174〜H1180)、剖検時の目視検査で、手術が成功したことを確認した。
【0141】
(トレッドミルを走る間のインビボでの血流の決定) 筋肉の血流を、広範に使用されているように(YangおよびTerjung(1993)J.Appl,Physiol.75(1):452〜457;MackieおよびTerjung(1983)Am J.Physiol.245:H265〜H275;MathienおよびTerjung(1986)Am.J.Physiol.245:H1050〜H1059;MathienおよびTerjung(1990)Am J.Physiol.258:H759〜H765;Yangら(1990)J.Appl.Physiol 69:1353〜1359;Yangら(1995)Circ.Res.76.448〜456;Yangら(1995)Am.J.Physiol.268:H1174〜H1180;Yangら(1996)Circ.Res.79:62〜69)、トレッドミルを走る間、放射標識したマイクロスフェアを利用して、盲検様式で決定した。0.05%のTween80を含有する10%デキストランの懸濁液中の、85Srまたは141Ce(約10mCi/g)で標識されているマイクロスフェア(直径15μm)を、商業的に(NEN,Boston)得た。十分に混合したマイクロスフェアの懸濁液を、大動脈弓に注意深く注入し、次いで、15〜20秒にわたって生理食塩水を流した。注射部位の直接的な比較(左心室 対 大動脈弓)で、腎臓および後脚の筋肉に対する同じ血流をもたらした。約360,000個のスフェアを注入して、適切なマイクロスフェア分布を確立し、そしてデータにおける、統計学的な保証を可能にする(MackieおよびTerjung(1983)Am.J.Physiol.245:H265〜H275;MathienおよびTerjung(1986)Am.J.Physiol.245:H1050〜H1059;MathienおよびTerjung(1990)Am J.Physiol.258:H759〜H765)。代表的に、運動の間、個々の筋肉サンプルあたり400を十分に越えるマイクロスフェアが存在した。500μl/分(Sage Instruments Model 355ポンプ)で、尾部動脈から参照血液サンプルを採血することを、マイクロスフェアの注入10秒前に開始し、そして約100秒続けた。右側頚動脈、大腿動脈、および尾部動脈から採血した参照血液サンプルは、お互いに5〜10%以内で一致することが見出された(MackieおよびTerjung(1983)Am.J.Physiol.245:H265〜H275;未公開観察)。
【0142】
2つの血流の決定を、それぞれの動物において、中間トレッドミル速度およびより速いトレッドミル速度で行い、筋肉のピークの血管コンダクタンスを確立し、その結果、大腿上部における側副抵抗が、ふくらはぎの筋肉に対する下流の血流に関する律速となった。筋肉収縮(運動)が、血管拡張のための最も力強い刺激なので、このことが達成される。運動に続いて、ラットを、ペントバルビタールの過用量によって屠殺し、そして組織サンプルを以下に記載するように得て、そして参照血液サンプルを用いて1%の計数誤差で計数した(LKB Universal Gamma Counter)。腎臓の両側の切片(中央の第3)をとり、マイクロスフェア混合の妥当性を検証した。適切な収集物を、バックグラウンドおよび同位体のスピルオーバーについて作製した。血流(ml/分/100g)を、以下のように計算した:
流動=(CPM×流動RBS×100)/(CPMRBS×Wt
ここで、Tは組織であり、そしてRBSは、参照血液サンプルである。
【0143】
心拍数および動脈血圧を、運動の間、連続してモニタリングした。
【0144】
(血流決定のための外科的手順) インビボでの血流決定のための外科的調製は、Laughlinら(1982)J.Appl.Physiol 52:1629〜1635によって記載される調製の改変版であった。動物を、ケタミン/ACE−プロマジン(1kgあたり100mg/0.5mg)で麻酔し、そしてカテーテルを右側の頚動脈に、後のマイクロスフェアの注入のために大動脈弓まで挿入した。カテーテル(PE 50テーパー状)をまた、血液サンプルを採血するために、尾部動脈中に配置した。両方のカテーテルを、ヘパリン(100IU/ml)を含有する生理食塩水で充填し、皮膚の下に誘導し、そして頚部の後ろで外に出した。各切開部位を縫合し、そして1%キシロカイン軟膏(Astra Pharm.)でカバーした。他者(GleesonおよびBaldwin(1981)J.Appl.Physiol.50:1205〜1211)の実験と一致して、カテーテルの配置の3〜4時間後に、ラットは機敏になり、走り回り、そして通常の運動抵抗を示した。
【0145】
(筋肉切片) 股関節窩(hip socket)から遠位部まで、後脚の全ての組織を、切開し、重量を測定し、そして放射能について計数する。筋肉(Greene(1963)Anatomy of the Rat,New York Hafner Pub.Co.)としては、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、尾部大腿筋(caudofemoralis)、内転筋群、殿筋群、大腿筋膜張筋、四頭筋群、ヒラメ筋、足底筋、腓腹筋、前脛骨筋、足の長指伸筋、深側部(deep lateral)および後部の脛筋が挙げられる。脛骨、腓骨、大腿骨および足もまた、重量を測定し、計数する。さらに、迅速に単収縮する(fast−twitch)赤筋線維(深側部の大腿四頭筋および深側部の腓腹筋)、迅速に単収縮する白筋線維(浅部(superficial)の四頭筋および浅部の内側腓腹筋)、ならびに緩慢に収縮する(slow−twitch)赤筋線維(ヒラメ筋)から主に構成される切片が、得られる。これらの筋線維切片の詳細は生化学的特徴付け、生理学的特徴付けおよび形態学的な特徴付けが公知である(SaltinおよびGollaick(1983)Handbook of Physiology−Skeletal Muscle,Am.Physiol.Soc.555〜631頁を参照のこと)。横隔膜に対する血流をまた決定して、結紮に供していない活性な筋肉の応答を追跡する。
【0146】
(統計学的手順) 分散分析、Tukeyの平均比較、およびT検定という反復観測を使用した統計学的評価を、適切に実行した(SteelおよびTorrie(1960)Principles & Procedures of Statistics,MacGraw−Hill,New York)。
【0147】
(結果)
rFGF−2の筋肉内投与は、用量依存性の様式で、血流を増加させた(図20)。動脈内に投与した場合、15μg/kgのrFGF−2用量は、30μg/kg用量と、ちょうどおなじ効果があった。14日間にわたる連続注入は、単回IA注入形態投与のまたは単一IM注射投与形態と比較して、有意に異なる効力をもたらさなかった。
【0148】
これらのデータは、rFGF−2の単回IM注射および単回IA注入の、PAD動物モデルにおける後脚の4分の1(hindlimb quarter)に対する血流を増加させることにおける効力を実証する。
【0149】
本明細書中において言及される全ての刊行物および特許出願は、本発明が属する分野の当業者の技術水準を示す。全ての刊行物および特許出願は、本明細書中で、個々の刊行物または特許出願が具体的に、そして具体的かつ個々に本明細書中に参考として援用されると示されるのと同じ程度に、その全体が参考として本明細書中に援用される。
【0150】
前述の発明は、理解を明確にする目的で図解および例によっていくらか詳細に記載してきたが、ある種の変更および改変が、添付の実施形態の範囲内でなされ得ることが、容易に明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、図2に示されるアミノ酸配列を有する線維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)をコードするDNA配列(配列番号1)を示し;このFGF−2はウシ起源である。翻訳されたアミノ酸配列(配列番号2)がまた示される。
【図2】
図2は、図1に示されたDNAにコードされる146アミノ酸残基のウシFGF−2についてのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図3】
図3は、ヒト起源の146アミノ酸残基のFGF−2に対する翻訳されたアミノ酸配列(配列番号4)をコードするDNA配列(配列番号3)を示す。
【図4】
図4は、ウシ起源の155アミノ酸残基FGF−2に対する翻訳されたアミノ酸配列(配列番号6)をコードするDNA配列(配列番号5)を示す。
【図5】
図5は、ヒト起源の155アミノ酸残基のFGF−2に対する翻訳されたアミノ酸配列(配列番号8)をコードするDNA配列(配列番号7)を示す。
【図6】
図6は、第II相治験にある患者における、rFGF−2の投与の第90日目でのピーク歩行時間(PWT)の相対的な変化を示す。この研究において、3つの群を評価した:第1日目と第30日目との両方でプラシーボが投与した群;第1日目に単一用量のrFGF−2(30μg/kg)を投与し、第30日目にプラシーボを投与した群;第1日目と第30日目との両方に1用量のrFGF−2(30μg/kg)を投与した群。平均および標準誤差を、これらの各群において測定したPWTに対して示した。ANOVA分析は、欠測値を有する患者および脈管再生された患者を排除した。順位検定(Rank test)のANOVAは、最も低い順位を割り当てることによって、欠側値を有する患者および脈管再生された患者を排除した。ペアワイズ比較は、単一用量群とプラシーボ群との間のp値が0.026であり、そして二倍の用量群とプラシーボ群との間のp値が0.45であることを示した。この図は、臨床試験の主要な有効率分析を提供し、これは、対数変換データの使用を指定した。これは、結果が単調な試験(treadmill test)でしばしば見られるような歪みまたはケルトシス(kertosis)を有する場合の、データの適切な統計的取り扱いと考えられる。
【図7】
図7は、プラシーボを受けた患者群、単一用量のrFGF−2を受けた患者群、または二倍の用量のrFGF−2を受けた患者群について、90日および180日におけるPWTの絶対変化を示す。各患者について、ベースラインにあるPWTを、90日目のPWTから差し引き、この差を各群について足し合わせ、そして平均を決定した;このデータは分散分析(ANOVA)によって分析された。
【図8】
図8は、第90日目および第180日目において示された、3つの患者群でのPWTの絶対変化(%)を示す。2つのrFGF−2群にわたって平均されたPWTの変化(%)もまた示す(任意のFGFと示される)。
【図9】
図9は、第II相治験の3つの患者群について測定されたABI(足関節上腕血圧比)を示す。ベースライン測定、第90日目の測定、およびベースラインと第90日目の測定との間の対応する差が示される。ABIにおける平均変化もまた、3つの患者群について示す。ABIは、本明細書中で参考として援用される、A Office Based Approach to the Diagnosis and Treatment of Peripheral Arterial Disease(2000)Society of Vascular Medicine and Biology(Mediacal Communications Media,Inc.,Wrighstown,PA.)に記載される。ベースラインで1.2を超えるABIを有する被験体は、この分析から排除した。
【図10】
図10は、第II相の治験おける3つの患者群についての90日目および180日目での跛行のWIQ重篤度の結果を示す。値は、この状況の改善、無変化、または悪化を示す、各群における患者のパーセンテージを示す。
【図11】
図11は、各群についての、距離、速度、および階段昇降について、ベースライン、第90日目および第180日目での重篤度のスコアを示す。図は、単一用量群についての結果は、WIQ距離、速度および階段昇降について、プラシーボ群の結果より良好であったことを示した。図は、スケールとともに示し、ここでより高いスコアがより良好である。
【図12】
図12は、ショートフォーム36(SF−36)からの身体要約スコア(physical summary score)を示す。1ポイントの変化は、2年の寿命の増加に関連する。この図における変化スコアは、例えば、第90日目において、2ポイントよりも大きい、単一用量群 対 プラシーボ群における改善を示す。
【図13】
図13は、本研究の結果を要約する。
【図14】
図14は、任意の時刻(すなわち、ベースライン、第90日目、および/または第180日目)で1.2を超えるABI(足関節上腕血圧比)を有する患者をこの分析から排除したときの、第II期の治験の3つの患者群について測定されたABIを示す。ベースライン測定、第90日目測定、およびベースライン測定と第90日目の測定との間の対応する変化を示す。ABIにおける平均変化はまた、3つの患者群についても示す。
【図15】
図15は、絶対変化スコアが正しい分析変数であると仮定される場合の、第90日目におけるピーク歩行時間(PWT90)対 ベースラインにおけるピーク歩行時間(PWTB)の仮定のプロットを示す。仮定は:(PWT90−PWTB)=d、次いで、PWT90=1.0PWTB+dPWT90、散布図は、線形であり、傾き=1.0であり、そして切片はdである(非制限)。
【図16】
図16は、相対変化スコアが正しい分析変数であると仮定された場合の、PWT90 対 PWTBの仮のプロットを示す。仮定:(PWT90/PWTB)=ld、次いで、PWT90=ldPWTB+0.0(PWTBの全範囲にわたる)、散布図は、線形であり、傾きは、ld(非制限)であり、そして切片は、0.0である。
【図17】
図17は、プラシーボ群(白三角)、単一用量群(白四角)、および二倍の用量群(白丸)についての、PWR90 対 PWTBの散布図と、非限定のスプライン回帰曲線。
【図18】
図18は、プラシーボ群(白三角)、単一用量群(白四角)、および二倍の用量(白丸)群に適用したときの、表15に記載の回帰モデル2を表現する曲線を加えた、図16と同じ散布図を示す。P=プラシーボ;S=単一用量;D=二倍の用量。
【図19】
図19は、プラシーボ群(白三角)、単一用量群(白四角)、および二倍の用量群(白丸)についての、PWT180 対 PWTBの散布図、と非限定スプライン回帰曲線を示す。
【図20】
図20は、動脈内注入(IA)または筋内注射(IM)による単一の投与および14日間連続動脈内注入の、ラット両側性モデル(rat bilateraal model)の総後肢血流おける効果を示す。リン酸緩衝化溶液(PBS)を、ビヒクルコントロールとして提供した。

Claims (82)

  1. 患者において末梢動脈疾患を処置するための方法であって、該方法は、線維芽細胞増殖因子(FGF)の治療的有効量を該患者に投与する工程を包含し、ここで、該FGFの治療的有効量は、2回の用量に分けられ、そして単一用量は、該患者の各々の脚に1時間以内に投与される、方法。
  2. 前記FGFが、前記患者の各々の脚の少なくとも1つの動脈への動脈内注入(IA)により投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記FGFが、該患者の各々の脚の総大腿動脈へと投与される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記FGFが、カテーテルを使用する両側送達を介して投与される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記FGFが、該患者の各々の脚の総大腿動脈への直接IA注入を介して投与される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記FGFが、1回以上の筋肉内(IM)注入により投与される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記末梢動脈疾患が、跛行により証明される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記患者が、重篤な肢虚血を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記FGFが、FGF−2である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記FGF−2が、組換え分子である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記FGF−2が、図2(配列番号2)に示される配列、図3(配列番号4)に示される配列、図4(配列番号6)に示される配列、図5(配列番号8)に示される配列、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ムテインが、FGF−2分子を含み、ここで、構成システイン残基の少なくとも1つが、中性アミノ酸に置換される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記中性アミノ酸が、セリンまたはトレオニンである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記FGF−2が、ヘパリンまたは他のプロテオグリカンからなる群より選択される別の分子と同時に投与される、請求項11に記載の方法。
  15. 前記ヘパリンが、低分子量の分子である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ヘパリンが、未分画のヘパリンである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記FGF−2が、前記患者へのヘパリン投与またはプロテオグリカンの投与の約5分〜約60分以内に投与される、請求項11に記載の方法。
  18. 前記FGF−2が、前記患者へのヘパリン投与またはプロテオグリカンの投与の約20分〜約30分以内に投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記FGF−2が、ヘパリンおよび他のプロテオグリカンからなる群より選択される分子の投与なしに投与される、請求項11に記載の方法。
  20. 前記FGF−2の治療的有効量が、24時間に1回、前記患者に投与される、請求項11に記載の方法。
  21. 前記FGF−2の治療的有効量が、1週間に1回、前記患者に投与される、請求項11に記載の方法。
  22. 前記FGF−2の治療的有効量が、1ヶ月に1回、2ヶ月ごとに1回、3ヶ月ごとに1回、4ヶ月ごとに1回、5ヶ月ごとに1回、または6ヶ月ごとに1回、前記患者に投与される、請求項11に記載の方法。
  23. 前記FGF−2の治療的有効量が、血管手術、機械的バイパス手術、血管形成術、または血管造影法の補助剤として投与される、請求項11に記載の方法。
  24. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約0.1μg/kg〜約1μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  25. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約1μg/kg〜約3μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  26. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約3μg/kg〜約5μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  27. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約5μg/kg〜約7μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  28. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約7μg/kg〜約9μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  29. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約9μg/kg〜約10μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  30. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約10μg/kg〜約15μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  31. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約15μg/kg〜約20μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  32. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約20μg/kg〜約25μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  33. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約25μg/kg〜約30μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  34. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約30μg/kg〜約40μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  35. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約40μg/kg〜約50μg/kgである、請求項11に記載の方法。
  36. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約4μg〜約0.3mgである、請求項11に記載の方法。
  37. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約0.3mg〜約3.5mgである、請求項11に記載の方法。
  38. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約1.0〜約2.0mgである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記FGF−2、またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約2.0〜約3.5mgである、請求項37に記載の方法。
  40. 前記FGF−2が、動脈内(IA)注入または静脈内(IV)注入により前記患者に投与される、請求項9に記載の方法。
  41. 前記FGF−2が、1回以上の筋肉内(IM)注入により前記患者に投与される、請求項9に記載の方法。
  42. 前記FGF−2が、皮下(SC)注入により前記患者に投与される、請求項9に記載の方法。
  43. 前記FGF−2の投与が、該FGF−2の投与なしでの最大歩行時間(PWT)に対して、前記患者におけるPWTの改善を提供する、請求項9に記載の方法。
  44. 前記FGF−2の投与が、該FGF−2の投与なしでの足関節上腕血圧比(ABI)に対して、前記患者におけるABIの改善を提供する、請求項9に記載の方法。
  45. 前記FGF−2の投与が、身体の痛みの軽減をもたらす、請求項9に記載の方法。
  46. 前記FGF−2の投与が、階段昇降能力を改善する、請求項9に記載の方法。
  47. 前記FGF−2の投与が、跛行の重篤度を低下させる、請求項9に記載の方法。
  48. 患者において末梢動脈疾患を処置するための方法であって、該方法は、線維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)の治療的有効量を該患者に投与する工程を包含し、ここで、該治療的有効量は、約0.1μg/kg〜約9.9μg/kgである、方法。
  49. 前記FGF−2の治療的有効量が、薬学的組成物の一部として投与される、請求項48に記載の方法。
  50. 前記薬学的組成物が、安定化されたFGF−2−DTT処方物である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記FGF−2が、ヘパリンおよび他のプロテオグリカンからなる群より選択される、別の分子と同時に投与される、請求項48に記載の方法。
  52. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約0.1μg/kg〜約1μg/kgである、請求項48に記載の方法。
  53. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約1μg/kg〜約3μg/kgである、請求項48に記載の方法。
  54. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約3μg/kg〜約5μg/kgである、請求項48に記載の方法。
  55. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約5μg/kg〜約7μg/kgである、請求項48に記載の方法。
  56. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約7μg/kg〜約8μg/kgである、請求項48に記載の方法。
  57. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約8μg/kg〜約9μg/kgである、請求項48に記載の方法。
  58. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約9μg/kg〜約9.9μg/kgである、請求項48に記載の方法。
  59. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約7μg〜約0.7mgである、請求項48に記載の方法。
  60. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約9.0μg〜約0.5mgである、請求項59に記載の方法。
  61. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約0.1mg〜約0.4mgである、請求項60に記載の方法。
  62. 前記FGF−2またはその新脈管形成活性フラグメントもしくはムテインの治療的有効量が、約0.1mg〜約0.2mgである、請求項61に記載の方法。
  63. 前記FGF−2が、動脈内(IA)注入または静脈内(IV)注入により前記患者に投与される、請求項48に記載の方法。
  64. 前記FGF−2が、1回以上の筋肉内(IM)注入により前記患者に投与される、請求項48に記載の方法。
  65. 間欠性跛行を伴う患者における最大歩行時間の改善のための方法であって、該方法は、線維芽細胞増殖因子(FGF)の治療的有効量を該患者に投与する工程を包含し、ここで、該FGFの治療的有効量は、2回の用量に分けられ、そして単一用量は、該患者の各々の脚に1時間以内に投与される、方法。
  66. 前記FGFが、FGF−2である、請求項65に記載の方法。
  67. 前記FGF−2の治療的有効量が、約0.1μg/kg〜約1μg/kgである、請求項66に記載の方法。
  68. 前記FGF−2の治療的有効量が、約1μg/kg〜約3μg/kgである、請求項66に記載の方法。
  69. 前記FGF−2の治療的有効量が、約3μg/kg〜約5μg/kgである、請求項66に記載の方法。
  70. 前記FGF−2の治療的有効量が、約5μg/kg〜約9μg/kgである、請求項66に記載の方法。
  71. 前記FGF−2の治療的有効量が、約9μg/kg〜約10μg/kgである、請求項66に記載の方法。
  72. 前記FGF−2の治療的有効量が、約10μg/kg〜約20μg/kgである、請求項66に記載の方法。
  73. 前記FGF−2の治療的有効量が、約20μg/kg〜約30μg/kgである、請求項66に記載の方法。
  74. 間欠性跛行を伴う患者における足関節上腕血圧比の改善のための方法であって、該方法は、線維芽細胞増殖因子(FGF)の治療的有効量を該患者に投与する工程を包含し、ここで、該FGFの治療的有効量は、2回の用量に分けられ、そして単一用量は、該患者の各々の脚に1時間以内に投与される、方法。
  75. 前記FGFが、FGF−2である、請求項74に記載の方法。
  76. 前記FGF−2の治療的有効量が、約0.1μg/kg〜約1μg/kgである、請求項75に記載の方法。
  77. 前記FGF−2の治療的有効量が、約1μg/kg〜約3μg/kgである、請求項75に記載の方法。
  78. 前記FGF−2の治療的有効量が、約3μg/kg〜約5μg/kgである、請求項75に記載の方法。
  79. 前記FGF−2の治療的有効量が、約5μg/kg〜約9μg/kgである、請求項75に記載の方法。
  80. 前記FGF−2の治療的有効量が、約9μg/kg〜約10μg/kgである、請求項75に記載の方法。
  81. 前記FGF−2の治療的有効量が、約10μg/kg〜約20μg/kgである、請求項75に記載の方法。
  82. 前記FGF−2の治療的有効量が、約20μg/kg〜約30μg/kgである、請求項75に記載の方法。
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