JP5329729B2 - 脈管形成に有効な単位用量のfgf−2および使用方法 - Google Patents

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Description

(発明の背景)
(A.発明の分野)
本発明は、ヒトにおける心臓の脈管形成を誘導するための単位用量組成物に関する。この組成物は、治療的に有効な量の、FGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。本発明はまた、一単位用量組成物をヒトに投与して、その患者に対する全身の危険を最小にしつつ、心臓の脈管形成を誘導する、方法に関する。本発明は有用である。なぜなら、開示された単位用量組成物、およびその投与方法は、冠状動脈疾患(CAD)の処置のための、血管形成術または外科的介入の代替法を提供し、そしてさらに、ヒトにおいて心筋梗塞(MI)後損傷を減少するための補助を提供するからである。
(B.発明の背景)
線維芽細胞増殖因子(FGF)は、少なくとも18個の構造的に関連するポリペプチド(FGF−1〜FGF−18と名付けられる)のファミリーであり、これらのポリペプチドは、プロテオグリカン(例えば、ヘパリン)についての高い程度の親和性により特徴付けられる。種々のFGF分子は、15〜23kDのサイズの範囲であり、そして正常状態および悪性状態において、以下を含む、広範囲の生物学的活性を示す:神経細胞接着および分化[Schubertら、J.Cell Biol.104:635〜643(1987)];創傷治癒[米国特許5,439,818号(Fiddes)];多くの中胚葉細胞型および外胚葉細胞型へのマイトジェンとして、栄養因子として、分化誘導因子または分化阻害因子として[Clementsら、Oncogene 8:1311〜1316(1993)]および脈管形成因子として[Harada、J.Clin.Invest.、94:623〜630(1994)]。従って、FGFファミリーは、種々の程度に、線維芽細胞、平滑筋細胞、上皮細胞および神経細胞を刺激する、多能性増殖因子のファミリーである。
FGFが、正常な組織により、例えば、胎児の発生または創傷治癒において、放出される場合に、FGFは、時間的制御および空間的制御を受ける。しかし、このFGFファミリーのメンバーの多くはまた、オンコジーンである。従って、時間的制御及び空間的制御が存在しない際に、FGFは、脈管形成を提供することによって、腫瘍増殖を刺激する潜在能力を有する。
冠状動脈疾患は、1つ以上の冠状動脈がプラークの形成を介して次第に閉塞される(アテローム性動脈硬化症)ヒトにおいて、進行性の状態である。この疾患を有する患者の冠状動脈は、しばしば、バルーン血管形成術、またはステントの挿入をして、部分的に閉塞した動脈を拡げるのを助けることにより、処置される。最終的には、これらの患者の多くは、大いな支出および危険がある冠状動脈バイパス手術を受ける必要がある。このような患者に、冠状動脈の血流を増強して、バイパス手術を受ける必要性を減少させる医薬を提供することが、望ましい。
患者が心筋梗塞を患っている場合に、ヒトにおいて、より一層重篤な状況が生じ、この状況では、1つ以上の冠状動脈または冠状細動脈が、例えば、凝固によって、完全に閉塞する。閉塞した動脈または細動脈により供給される心筋層の部分への循環を回復する緊急の必要性が存在する。失われた循環が梗塞の開始から数時間以内に回復された場合に、その閉塞より下流である心筋層に対する損傷の多くは、防止され得る。凝固溶解薬物(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、ストレプトキナーゼ、およびウロキナーゼ)が、この場合に有用であることが証明されている。しかし、凝固溶解薬物への補助として、脈管形成によって、損傷した心筋層または閉塞した心筋層への側副循環を得ることもまた、望ましい。
従って、冠状動脈疾患の間および/または急性心筋梗塞の後に、ヒト患者に心臓の脈管形成を提供する、医薬および投与様式を提供することが、本発明の目的である。より詳細には、副作用を最小にしつつ所望の特性の心臓の脈管形成を提供する、治療用量のFGFおよびヒトへの投与の様式を提供することが、本発明のさらなる目的である。
種々のFGF分子の多くが単離され、そして心筋虚血の種々の動物モデルに投与されて、種々の、そして時には反対の、結果を生じた。Battlerらによると、「心筋虚血のイヌモデルは、天然に存在する側副循環の多さが原因で、ブタモデルとは反対に、批判に値した。ブタモデルは、その天然の側副循環の相対的少なさおよびヒト冠状循環へのその類似の点で勝る」(Battlerら「Intracoronary Injection of Basic Fibroblast Growth Factor Enhances Angiogenesis in Infarcted Swine Myocardium」JACC、22(7):2001〜6(1993年12月)、2002ページ、第1段。しかし、Battlerら(心筋梗塞モデルにおいて、ブタにウシbFGF(すなわち、FGF−2)を投与した)は、1つの動物種から別の種に変えると得られる種々の結果を考慮した。そしてBattlerらは、明らかに、異なる結果「従って、異なる動物種から結果を推定する際に気を付けられなければならない注意を強調する」(Battlerら、2005頁、第1段)を開示する。さらに、Battlerは、「bFGF[すなわち、ウシFGF−2]の投薬量および投与の様式は、達成される生物学的効果に対して、深い関係を有し得る」(Battlerら、2005頁,第1段)を指摘する。従って、ヒト患者において、CADおよび/またはMI後損傷の安全かつ効力のある処置を提供する、線維芽細胞増殖因子の投薬量および投与様式を発見することが、本発明のさらなる目的である。より一般的には、ヒト心臓において、脈管形成を誘導するための、薬学的組成物およびその方法を提供することが、本発明の目的である。
(発明の要旨)
本出願人は、約0.2μg/kg〜約48μg/kgの一単位用量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを、冠状動脈脈管形成の必要があるヒト患者の1以上の冠状動脈脈管(IC)または末梢静脈(IV)へ投与することが、予想外に、このヒト患者へ迅速的かつ治療的な冠状動脈脈管形成を提供したことを発見した。この迅速的かつ治療的な冠状動脈脈管形成は、処置された患者の運動許容時間(exercise tolerance time)(ETT)の予想外に大きな増加(すなわち、2および6ヶ月での全ての群についての、ベースラインからの平均変化の96および100秒の増加)を生じ、この運動許容時間は、予想外に長い期間持続した(すなわち、この記載のように6ヶ月)。これらの変化は、標準的な脈管新生手順に対する必要性を減少させるはずである。本明細書中で使用される用語「冠状動脈脈管形成」は、新しい血管(冠状動脈循環における側副枝として機能する毛細血管から細動脈までのサイズの範囲に及ぶ)の形成を意味する。比較によって、血管形成術は、それが偽薬と比較して30秒より大きな患者のETTを増加する場合に、治療的成功として見なされる。
従って、1局面において、本発明は、安全かつ治療的に有効な量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含むrFGF−2の単位用量に関する。典型的に、この安全かつ治療的に有効な量は、理想的体重に基づいて、約0.2μg/kg〜約48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。他の実施態様において、この安全かつ治療的に有効な量の単位用量は、0.2μg/kg〜2.0μg/kg、2.0μg/kgより多い〜24μg/kg未満、または約24μg/kg〜48μg/kg ICのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。別の実施態様において、この安全かつ治療的に有効な量の単位用量は、18μg/kg〜36μg/kg IVのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。絶対的な用語(absolute term)で表現される場合、本発明の単位用量は、0.008mg〜7.2mg、より典型的には0.3mg〜3.5mgの、rFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。適切なFGF−2は、配列番号2のrFGF−2またはその脈管形成的活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインである。
別の局面において、本発明は、CADについてヒト患者を処置するか、または冠状動脈脈管形成を誘発する方法に関する。この方法は、冠状動脈疾患についての処置の必要性がある(または脈管形成の必要性がある)ヒト患者の1以上の冠状動脈または末梢静脈へ、安全かつ治療的に有効な量の組換えFGF−2(rFGF−2)またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを投与する工程を包含する。典型的に、この安全かつ治療的に有効な量の一部が、2つの冠状動脈脈管の各々へ投与される。この安全かつ治療的に有効な量は、薬学的に受容可能なキャリア中に、約0.2μg/kg〜約48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。他の実施態様において、この安全かつ治療的に有効な量は、薬学的に受容可能なキャリア中に、0.2μg/kg〜2.0μg/kg、2.0μg/kgより多い〜24μg/kg未満、または約24μg/kg〜48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。絶対的な用語において、上記の方法において使用されるrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの量は、0.008mg〜7.2mg、より典型的には0.3mg〜3.5mgの、rFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。
FGF−2は、グリコサミノグルカン(例えば、ヘパリン)を構築するタンパク質であり、そしてグリコサミノグルカンの存在は、活性およびAUCを最適化し(図3および4を参照)、本発明のrFGF−2のIC投薬量は、典型的に、グリコサミノグルカン(例えば、ヘパリン)の投与の0〜30分前に投与される。ヘパリンは、ICまたはIV(典型的にはIV)で投与される。必要に応じて、ヘパリンは、この単位用量組成物と組み合わされる。
rFGF−2は強力な血管拡張薬である酸化窒素を放出するので、注入の前(先行的に)および間の積極的な流体管理は、患者の安全性に対して重要である。IV流体(例えば、500〜1000mLの通常の生理食塩水)の投与は、注入と関連する収縮期血圧の減少(例えば、<90mmHg)のために、IV流体のボーラス(例えば、200mLの通常の生理食塩水)の注入および投与の前に12mmHgの楔入圧を確立するために、ヒト患者へのICまたはIV注入によるrFGF−2の投与の安全性を最適化した。
EDTAは、通常の心筋収縮および心臓伝導のために必要とされるカルシウムの強力なキレート剤であるので、EDTAの濃度を最小化することは、患者の完全性に重要である。単位用量組成物中100μg/ml未満のEDTAの濃度は、ヒト患者へのICまたはIV注入によるrFGF−2の投与の安全性を最適化した。
rFGF−2の急激なボーラスは動物における著しい低血圧と関連するので、注入の速度は患者の安全性に対して重要である。1分当たり0.5〜2mL(典型的には1分当たり1mL)での投与は、ヒト患者へのICまたはIV注入によるrFGF−2の投与の安全性を最適化した。
冠状動脈脈管形成の必要があるヒト患者へ提供された治療的利益の予想外な大きさおよび持続は、この一単位用量が投与された2週間後というほどの早さで見られ、そしてこの一単位用量がICまたはIV投与された後6ヶ月間持続し、これらは、当該分野で認識された臨床的指標(clinical endpoint)(例えば、心臓の標的領域の、ETT、「Seattle Angina Questionnaire」(SAQ)およびMRIを測定することによって決定した。特に、58人のヒトCAD患者のETTを、ベースラインで、ならびに一単位用量のrFGF−2のICまたはIV経路による投与後1ヶ月、2ヶ月、および6ヶ月でトレッドミルによって評価した場合、臨床的利点が、全ての用量群における数人において観察された。表1を参照のこと。1ヶ月と2ヶ月との間で運動能力(exercise capacity)の増加が見られる。平均ETTは、2ヶ月および6ヶ月で60秒より多くまで増加し、そして中間用量群(6〜12μg/kg)または低用量群(0.33〜2.0μg/kg)と比較して、高用量群(24〜48μg/kg)においてより大きな利点が見られた。(表1を参照のこと)。IVによって単位用量のrFGF−2を投与された患者についての投薬後2ヶ月および6ヶ月でそれぞれ観察された93.4秒および87.5秒のヒト患者におけるETTの平均増加は、特に、動物モデルによってでは予想外かつ予測外であった。偽薬効果を想定してさえ、これらのETTについてのベースラインからの平均変化秒は、依然として、脈管形成を伴う結果の予想外に好ましい比較を可能にした。
48人のヒトCAD患者の生活の質(quality of life)を、有効な疾患特異的質問事項、Seattle Angina Questionnarie(SAQ)によって、ベースラインで(すなわち、投薬前に)、ならびにICまたはIV経路による本発明のrFGF−2の一単位用量の単一受容の2および6ヶ月で評価した場合、SAQによって測定される5個のスケールについてのベースラインからの平均変化は、ICまたはIV投与に関わらず、全ての投薬量について臨床的に有意な様式で増加した。(表2〜6)。特に、SAQによって評価される5個のスケールは、労作能力(exertional capacity)、アンギナ安定性、アンギナ頻度、処置満足、および疾患認知である。ベースラインに対して、労作能力についての平均スコアは、2ヶ月で10.9〜20.2だけ;そして6ヶ月で16.5〜24.1だけ増加した。アンギナ安定性については、その平均スコアは、2ヶ月で32.1〜46.2だけ;そして6ヶ月では16.7〜23.2だけ増加した。アンギナ頻度については、その平均スコアは、2ヶ月で20.0〜32.9だけ;そして6ヶ月で11.4〜36.7だけ増加した。処置満足については、その平均スコアは、2ヶ月で8.5〜19.8だけ;そして6ヶ月で6.3〜19.8だけ増加した。疾患認知については、その平均スコアは2ヶ月で20.2〜27.8だけ;そして6ヶ月で23.8〜34.0だけ増加した。一般的に、いずれのスケールにおいても8ポイントの変化が、臨床的に有意であると考えられる。従って、8.5〜46.2の観察された変化は、評価した5個のスケールの各々について、臨床的に有意である。ベースラインからの14ポイントの平均変化が臨床的に有意である偽薬を想定してさえ、この結果は、依然として、評価されたほとんど全てのスケールでの予想外の優れた効果を提供する。
本研究の一部として、MRIがまた、CADの診断を下された33人のヒト患者において実施され、一単位用量のrFGF−2の、患者らの心臓拍出(cardiac ejection)機能、局所心筋機能および灌流(遅延到達ゾーン)に対する効果を評価した。詳細には、これらの患者に、0.33μg/kg〜48μg/kg ICまたは18μg/kg〜36μg/kg IVの一単位用量の配列番号2のrFGF−2を投与した。33人のヒトCAD患者を、ベースラインで(すなわち、処置前)、ならびにICまたはIV経路による一単位用量の本発明のrFGF−2による処置の1、2および6ヶ月後で、心臓の静止(rest)磁気共鳴画像法(MRI)によって評価した場合、これらの患者は、処置の方法に対して高度に統計的に有意な応答を示し、これらは、増加した標的壁肥厚(target wall thickening)、標的壁移動(target wall motion)、および標的領域側副程度(target area collateral extent)によって、ならびに減少した標的領域遅延到達程度(target area delayed arrival extent)によって、客観的に測定した。(表7)。要約すれば、1、2および6ヶ月で、標的壁肥厚は、ベースラインに対して、それぞれ、4.4%、6.3%および7.7%増加し;標的壁移動は、ベースラインに対して、それぞれ、2.7%、4.4.%および6.4%増加し;標的領域側副程度(target area collateral extent)は、ベースラインに対して、それぞれ、8.3%、10.9%および11.2%増加し;そして標的領域遅延到達程度(target area delayed arrival extent)は、ベースラインに対して、−10.0%、−8.3%および−10.0%減少した。
上記のデータは、本発明に従ってICまたはIV投与した場合に、本発明のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントの単位用量組成物の、ヒトにおける臨床的有効性を実証する。
(発明の詳細な説明)
本願は、単回用量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインが、安全かつ治療的に有効な量で、CADと診断されたヒト患者の1つ以上の冠状脈管内または末梢静脈内に投与された場合に、さらなる処置が必要とされる前に少なくとも4〜6ヶ月間、より代表的には少なくとも6ヶ月間持続する、患者の冠状動脈疾患に安全かつ治療的に有効な処置を患者に提供することを発見した。この効果の持続期間、ならびにETT、SAQ、およびMRIにおける改善の大きさは、単回用量の医薬について予期されていなかった。
句「治療的に有効な量」または「安全かつ治療的に有効な量」とは、rFGF−2に関して本明細書中で使用される場合、本発明に従って投与された場合に医学的に管理し得ない主要な合併症がなく、そして最適な医学的管理にも関わらずCADの症状を有する患者において他覚的な心臓の改善を提供する、rFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの量を意味する。従って、液体の投与によって管理され得る急性低血圧症は、本発明の目的に対して「安全」とみなされる。代表的に、rFGF−2の安全かつ治療的に有効な量は、約0.2μg/kg〜約48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。本発明における使用に適切なFGF−2は、配列番号2のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインである。
従って、本発明は複数の局面を有する。その第1の局面では、本発明は、ヒト患者における脈管形成を誘導するための単位用量組成物に関する。この単位用量は、治療的に有効な(すなわち、脈管形成に有効な)量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含み、この量は、約0.2μg/kg〜約48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。
用語「単位用量組成物」とは、本明細書中で使用される場合、本発明の方法に従ってヒト患者に投与された場合に、少なくとも4〜6ヶ月間、代表的には6ヶ月間再処置を必要としないように、有意な効力の脈管形成作用を脈管形成の必要がある代表的なヒト患者に提供する組成物を意味する。本発明の単位用量組成物は、代表的に、1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアと組み合わせて提供される。単位用量組成物の他の実施態様では、安全かつ治療的に有効な量は、約0.2μg/kg〜約2μg/kg、約2μg/kg〜約24μg/kg、または約24μg/kg〜約48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。
処置される患者の体重に依存しない、より絶対な用語で本発明の単位用量組成物を定義することは都合が良い。このように定義する場合、単位用量組成物は、0.008mg〜7.2mgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。この実施態様では、単位用量組成物は、最小の患者(例えば、40kg)に最低用量(約0.2μg/kg)から、より大きな患者(例えば、150kg)に最高用量(約48μg/kg)まで範囲する、大多数のヒトCAD患者のいずれか一人に投薬することに適用させるために十分な量のFGF−2を含む。より代表的には、単位用量は、0.3mg〜3.5mgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。単位用量組成物を、代表的に、上記で参照した重のrFGF−2、および本明細書中で後に記載されるような有効量の1つ以上の薬学的に受容可能な緩衝液、安定剤および/または他の賦形剤を含む、溶液形態または凍結乾燥形態で提供する。
出願人が上記した単位用量組成物における活性因子は、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインである。組換えFGF−2を作製する方法は、当該分野において周知である。配列番号2の組換えFGF−2を、1992年10月13日に発行された「Basic Fibroblast Growth Factor」と表題付けられた米国特許第5,155,214号(そしてこれは、その全体において、本明細書中で明確に参考として援用される)に記載のように作製する。さらに、この文章の前に出ようと後に出ようと、本明細書中で引用されるすべての他の参考文献を、その全体において、本明細書中で明確に参考として援用する。’214特許に開示されるように、配列番号1のDNA(これは、配列番号2のbFGF(本明細書中以降「FGF−2」)をコードする)を、pBR322、pMB9、Col E1、pCRI、RP4、またはλ−ファージのようなクローニングベクター内に挿入し、そしてこのクローニングベクターを使用して真核生物細胞または原核生物細胞のいずれかを形質転換し、この形質転換細胞がFGF−2を発現する。1つの実施態様では、宿主細胞は、Saccharomyces cerevisiaeのような酵母細胞である。結果として生じた、発現される全長FGF−2は、配列番号2と一致して146個のアミノ酸を有する。配列番号2のFGF−2は4個のシステイン(すなわち、残基の25位、69位、87位、および92位)を有するが、内部ジスルフィド結合は存在しない。[’214、第6欄、第59〜61頁]。しかし、酸化的条件の下で架橋が生じる場合には、25位と69位の残基の間で生じるようである。
146個のアミノ酸残基を有する配列番号2のFGF−2は、天然に存在するヒトFGF−2とは、わずか2個のアミノ酸残基で異なる。詳細には、配列番号2のFGF−2の残基112位および128位のアミノ酸はそれぞれ、SerおよびProであるが、ヒトFGF−2では、それらはそれぞれThrおよびSerである。事実、対応するヒトFGF−2のように、ウシFGF−2は、最初に、155個のアミノ酸残基を有するポリペプチドとしてインビボで合成される。Abrahamら「Human Basic Fibroblast Growth Factor:Nucleotide Sequence and Genomic Organization」、EMBO J.5(10):2523−2528(1986)。配列番号2のFGF−2を、Abrahamの全長155残基のウシFGF−2と比較した場合、配列番号2のFGF−2は、対応する全長の分子のN末端で、最初の9個のアミノ酸残基のMet Ala Ala Gly Ser Ile Thr Thr Leu(配列番号3)を欠失する。本発明の組成物および方法において使用される組換えFGF−2を、09/11/90に発行された「Bovine Fibroblast Growth Factor」と表題付けられた米国特許第4,956,455号(これは、その全体において、本明細書中で参考として援用される)に詳細に記載される技術を用いて、製薬用品質(98%以上の純度)に精製した。詳細には、出願人の単位用量組成物の組換えFGF−2の精製において使用される最初の2つの工程は、「以前に記載されたような、従来のイオン交換精製工程および逆相HPLC精製工程」である。[米国特許第4,956,455号、これは、Bolenら、PNAS USA 81:5364−5368(1984)を引用する]。第3の工程(これを、’455特許では「鍵となる精製工程」という[’455、第7欄、第5〜6頁])は、ヘパリン−SEPHAROSE(登録商標)アフィニティクロマトグラフィーであり、ここではFGF−2の強力なヘパリン結合親和性を利用して、約1.4Mおよび約1.95MのNaClで溶出した場合に、数1000倍の精製を達成する[’455、第9欄、第20〜25頁]。ポリペプチドの均質性を、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって確認した。緩衝液の交換を、SEPHADEX(登録商標)G−25(M)ゲル濾過クロマトグラフィーによって達成した。
配列番号2の146残基のrFGF−2に加えて、本発明の単位用量における活性因子はまた、FGF−2の「脈管形成活性フラグメント」を含む。用語FGF−2の「脈管形成活性フラグメント」とは、配列番号2の146残基の約80%を有し、かつ配列番号2のFGF−2の脈管形成活性の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%を保持するFGF−2のフラグメントを意味する。
脈管形成に活性であるために、FGF−2フラグメントは、2つの細胞結合部位および2つのヘパリン結合部位のうちの少なくとも1つを有するべきである。類似体ヒトFGF−2の2つの推定細胞結合部位は、その残基36位〜39位および77位〜81位に存在する。Yoshidaら「Genomic Sequence of hst,a Transforming Gene Encoding a Protein Homologous to Fibroblast Growth Factors and the int−2−Encoded Protein」PNAS USA 84:7305−7309(1987年10月)の図3を参照のこと。hFGF−2の2つの推定ヘパリン結合部位は、その残基18位〜22位および107位〜111位に存在する。Yoshida(1987)の図3を参照のこと。天然に存在するヒトFGF−2(hFGF−2)およびrFGF−2(配列番号2)についてのアミノ酸配列の間98%より高い類似性を考慮すると、rFGF−2(配列番号2)の2つの細胞結合部位はまた、その残基の36位〜39位および77位〜81位であり、そして2つのヘパリン結合部位は、その残基の18位〜22位および107位〜111位であることが予期される。上記と一致して、配列番号2のFGF−2のN末端短縮化(truncation)は、ウシにおいてその活性を除去しないことが周知である。特に、当該分野では、いくつかの天然に存在しかつ生物学的に活性なFGF−2のフラグメントを開示し、そのフラグメントは、配列番号2のFGF−2と相対的にN末端短縮を有している。配列番号2の残基12〜146を有する活性かつ短縮化されたbFGF−2はウシ肝臓において見出され、そして配列番号2の残基16〜146を有する、別の活性かつ短縮化されたbFGF−2はウシの腎臓、副腎、および精巣において見出された。[米国特許第5,155,214号の第6欄、第41〜46頁(これは、Uenoら、Biochem.and Biophys Res.Comm.138:580−588(1986)を引用する)を参照のこと]。同様に、FGF活性を有することが公知である配列番号2のbFGF−2の他のフラグメントは、FGF−2(24−120)−OHおよびFGF−2(30−110)−NH2である。[米国特許第5,155,214号の第6欄、第48〜52頁]。これらの後者のフラグメントは、FGF−2(配列番号2)の細胞結合部分の両方およびヘパリン結合セグメントのうちの1つ(残基107〜111)を保持する。従って、FGF−2の脈管形成活性フラグメントとは、代表的に、配列番号2のFGF−2の残基30〜110に対応し、より代表的には配列番号2のFGF−2の残基18〜146に対応する残基を少なくとも有する、FGF−2のそれらの末端を短縮化したフラグメントを包含する。
本発明の単位用量はまた、配列番号2のrFGF−2の「脈管形成活性ムテイン」を含む。用語「脈管形成活性ムテイン」とは、本明細書中で使用される場合、MSPRCHプログラム(Oxford Molecular)で実行されるようなSmith−Waterman相同性検索アルゴリズム(Meth.Mol.Biol.70:173−187(1997)によって決定される場合に、任意の天然に存在するFGF−2に対して65%の配列同一性(相同性)を有し、そして上記の少なくとも65%の配列同一性を有する天然に存在するFGF−2の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%の脈管形成活性を保持する、単離および精製された組換えタンパク質または組換えポリペプチドを意味する。好ましくは、脈管形成活性ムテインは、天然に存在するFGF−2に対して少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、そして最も好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有する。他の周知であり慣用的に使用される相同性/同一性の走査アルゴリズムのプログラムとしては、以下が挙げられる:PearsonおよびLipman、PNAS USA,85:2444−2448(1988);LipmanおよびPearson,Science 222:1435(1985);Devereauxら、Nuc.Acids Res.12:387−395(1984);または、Altschulら、Mol.Biol.215:403−410(1990)のBLASTP、BLASTN、またはBLASTXアルゴリズム。これらのアルゴリズムを使用するコンピュータープログラムもまた利用可能であり、そして以下が挙げられるが、これらに限定されない:GAP、BESTFIT、BLAST、FASTAおよびTFASTA(これらは、Genetics Computing Group(GCG)パッケージ、バージョン8、Madison WI USAから市販されている);ならびに、CLUSTAL(Intellegenetics、Mountain View CAによるPC/Geneプログラム中)。好ましくは、配列同一性のパーセンテージを、プログラムによって決定されたデフォルトのパラメーターを用いることによって決定する。
句「配列同一性」は、本明細書中で使用される場合、ムテインのアミノ酸配列の特定の連続的セグメントを、天然に存在するFGF−2のアミノ酸配列と整列および比較した場合に、ムテイン配列内に類似して位置付けられることが見出される同一のアミノ酸のパーセンテージをいうことが意図される。
ムテインにおけるアミノ酸配列同一性のパーセンテージを考慮する場合、タンパク質またはタンパク質機能の特性に作用しない保存的アミノ酸置換の結果として、いくつかのアミノ酸残基位置が、参照タンパク質とは異なり得る。これらの場合、配列同一性のパーセンテージは、保存的に置換されたアミノ酸における類似性を説明するために、上方に調整され得る。このような調整は、当該分野において周知である。例えば、MeyersおよびMiller、「Computer Applic.Bio.Sci.4:11−17(1988)を参照のこと。
本発明の脈管形成因子の「脈管形成活性ムテイン」を調製するために、部位特異的変異誘発についての標準的な技術を使用し得る。これらの技術は、当該分野において公知であり、および/またはGilmanら、Gene 8:81(1979)またはRobertsら、Nature 328:731(1987)に教示される。部位特異的変異誘発技術のうちの1つを使用して、配列番号1のcDNA配列内に1つ以上の点変異を導入し、1つ以上のアミノ酸置換または内部欠失を導入する。保存的アミノ酸置換とは、置換されるアミノ酸の全体的電荷、疎水性/親水性、および/または立体的バルクを保存した置換である。例示のために、以下のグループの間の置換は保存的である:Gly/Ala、Val/Ile/Leu、Lys/Arg、Asn/Gln、Glu/Asp、Ser/Cys/Thr、およびPhe/Trp/Tyr。結果として生じるタンパク質またはポリペプチドが、上記に特定される制限内で脈管形成活性を保持する限り、天然に存在する脈管形成FGF−2の配列との有意な差異(35%まで)が許容される。
システインを枯渇したムテインは、本発明の範囲内のムテインである。これらのムテインを、上記のような部位特異的変異誘発を使用するか、または「Cysteine−Depleted Muteins of Biologically Active Proteins」と表題付けられた米国特許第4,959,314号(「’314特許」)に記載の方法に従って構築する。’314特許は、生物学的活性および置換の効果を決定するための方法を開示する。システインの置換は、ジスルフィド形成に関与しない2つ以上のシステインを有するタンパク質において特に有用である。適切な置換としては、残基87位および92位のシステイン(これらは、ジスルフィド形成に関与しない)の1つまたは両方についてのセリンの置換が挙げられる。好ましくは、脈管形成活性に関連しないFGF−2のN末端に置換を導入する。しかし、上記で考察されたように、保存的置換は、分子の全体にわたる導入に適切である。
本発明の単位用量組成物は、安全かつ脈管形成に有効な用量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。代表的に、本発明の薬学的組成物の安全かつ脈管形成に有効な用量は、ヒト患者への投与に適切な形態およびサイズにある。そしてこれは、以下を含有する:(i)0.2μg/kg〜48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン、(ii)および薬学的に受容可能なキャリア。他の実施態様では、安全かつ脈管形成に活性な用量は、0.2μg/kg〜2μg/kg、2μg/kgより多い〜24μg/kg未満、または24μg/kg〜48μg/kgのFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。大多数のヒトCAD患者について絶対的な用語で表現すると、本発明の単位用量は、0.008mg〜7.2mg、より代表的には0.3mg〜3.5mgのFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。
本発明の単位用量組成物の2番目に列挙される成分は、「薬学的に受容可能なキャリア」である。用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、本明細書中で使用される場合、それ自体、その組成物を受容する患者に有害な抗体の産生を誘導せず、そして過度の毒性を伴わずに投与され得る、タンパク質様の医薬の安定化および/または投与のための当該分野において周知の任意のキャリアまたは希釈剤を意味する。薬学的に受容可能なキャリアの選択およびその後の加工は、本発明の単位用量組成物が、液状形態または固体形態のいずれかで提供されることを可能にする。
単位用量組成物が液状形態である場合、薬学的に受容可能なキャリアは、静脈内(「IV」)または歯冠内(「IC」)の注射または注入に適切な、安定なキャリアまたは希釈剤を含む。注射可能溶液または注入可能溶液について適切なキャリアまたは希釈剤は、使用される投薬量および濃度でヒトレシピエントに非毒性であり、そしてこれは滅菌水、糖溶液、生理食塩水溶液、タンパク質溶液、またはこれらの組み合わせを含む。
代表的には、薬学的に受容可能なキャリアは、緩衝剤および1以上の安定化剤、還元剤、抗酸化剤および/または抗酸化キレート剤を含む。タンパク質ベースの組成物、特に薬学的組成物の調製における緩衝剤、安定化剤、還元剤、抗酸化剤およびキレート剤の使用は、当該分野において周知である。Wangら、「Review of Excipients and pHs for Parenteral Products Used in the United States」、J.Parent.Drug Assn.、34(6):452〜462(1980);Wangら、「Parenteral Formulations of Proteins and Peptides:Stability and Stabilizers」、J.Parent.Sci.and Tech.、42:S4〜S26(補遺1988);Lachmanら、「Antioxidants and Chelating Agents as Stabilizers in Liquid Dosage Forms−Part I」Drug and Cosmetic Industry、102(1):36〜38、40および146〜148(1968);Akers,M.J.、「Antioxidants in Pharmaceutical Products」、J.Parent.Sci.and Tech.36(5):222〜228(1988);ならびにMethods in Enzymology、第XXV巻、ColowickおよびKaplan編、Konigsbergによる「Reduction of Disulfide Bonds in Proteins with Dithiothreitol」、185〜188頁を参照のこと。適切な緩衝剤には、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、および種々のアミノ酸の塩が挙げられる。Wang(1980)455項を参照のこと。適切な安定化剤には、トレロース(Threlose)またはグリセロールのような糖類が挙げられる。還元されたシステインの還元を維持する適切な還元剤には、0.01重量/重量%〜0.1重量/重量%のジチオスレイトール(クリランド試薬としても公知のDTT)またはジチオエリスリトール;0.1重量/重量%〜0.5重量/重量%のアセチルシステインまたはシステイン(pH2〜3);ならびに0.1重量/重量%〜0.5重量/重量%のチオグリセロール(pH3.5〜7.0)およびグルタチオンが挙げられる。Akers(1988)225〜226頁を参照のこと。適切な抗酸化剤には、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、異性重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(sodium formaldehyde sulfoxylate)、およびアスコルビン酸が挙げられる。Akers(1988)225頁を参照のこと。還元されたシステインの微量金属触媒酸化を防ぐために、微量金属をキレート化する適切なキレート剤には、クエン酸塩、酒石酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の二ナトリウム塩、四ナトリウム塩、およびカルシウム二ナトリウム塩、ならびにジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)が挙げられる。例えば、Wang(1980)457〜458頁および460〜461頁、ならびにAkers(1988)224〜227頁を参照のこと。適切な糖には、グリセロール、トレハロース、グルコース、ガラクトース、およびマンニトール、ソルビトールが挙げられる。適切なタンパク質は、ヒト血清アルブミンである。
液体形態において、本発明の代表的な単位用量組成物は、薬学的に受容可能なキャリアに溶解された、約0.001mg〜8mg、より代表的には0.03mg〜5mgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。適切な薬学的に受容可能なキャリアは、10mM チオグリセロール、135mM NaCl、10mM クエン酸ナトリウム、および1mM EDTA、pH5を含む。上記の単位用量組成物についての適切な希釈剤または流剤(flushing agent)は、上記のキャリアのいずれかである。代表的には、この希釈剤は、キャリア溶液である。rFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインは、長期間については液体形態で不安定である。液体形態の安定性および有効期間を最大化するために、この単位用量組成物は、−60℃で凍結して貯蔵されるべきである。融解された場合、この溶液は、冷蔵条件で6ヶ月間安定である。代表的な単位用量は、単位用量中に溶解された0.008〜7.2mgのrFGF−2または脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを有する、約1〜40ml、より代表的には10〜40mlの上記の組成物を含む。単位用量における使用に適切なrFGF−2は、SEQ ID NO:2のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインである。
別の実施態様では、単位用量組成物は、凍結乾燥された(フリーズドライされた)形態で提供される。この形態では、rFGF−2の単位用量は、冷蔵温度にて、実質的に6ヶ月よりも長く、治療効力を損失することなく貯蔵され得る。凍結乾燥は、複数のバイアル(各々は、本発明の単位用量のrFGF−2の上記の液体形態をその中に含む)の減圧下で、迅速にフリーズドライする(すなわち、水分を除去する)ことによって達成される。上記の凍結乾燥を行う凍結乾燥機は、市販されており、そして当業者により容易に作動される。凍結乾燥されたケーキ(cake)形態における、得られた凍結乾燥された単位用量組成物は、得られた凍結乾燥されたケーキ内に、対応する液体処方物について上記の1以上の緩衝剤、安定化剤、抗酸化剤、還元剤、塩および/または糖を含むように処方される。全てのこのような他の成分を含む凍結乾燥された単位用量組成物は、滅菌水性希釈剤(例えば、滅菌水、滅菌糖溶液、または滅菌生理食塩水)で既知の容量または濃度に再構成されることのみを必要とする。あるいは、これは、上記のような滅菌緩衝溶液で再構成され得るが、キレート剤(例えば、EDTA)を欠く。凍結乾燥されたケーキとして、この単位用量組成物は、冷蔵温度で6ヶ月から2年間安定である。従って、凍結乾燥形態におけるこの単位用量組成物の貯蔵は、従来の冷蔵装置を使用して容易に提供される。
本発明の単位用量組成物は、心臓カテーテルまたは他の注入デバイス(これは、死空間(dead space)を有する)を通じて投与されるので、この単位用量組成物を含むバイアルに処方して、その結果、これが、患者に投与されるよりも、約10〜50%多くのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含むことが便利である。例えば、投与されるrFGF−2の単位用量が7.2mgである場合に、このバイアルは、必要に応じて、50%までの余分(例えば、全体で約10.8mg)のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含むように処方される。この余分の溶液は、送達装置における死空間を充填するために適切である。死空間を許容しない代替的な実施態様では、薬学的組成物は、心臓カテーテル内に、薬学的に受容可能な緩衝剤、希釈剤またはキャリアの前にロードされ、次いで、この薬学的に受容可能な緩衝剤、希釈剤またはキャリアは、適切な量の1以上の投薬を、脈管形成を必要としている心筋における1以上の部位に送達するために使用される。
上記で議論したように、上記の単位用量組成物について薬学的に受容可能なキャリアは、緩衝剤、ならびに1以上の安定化剤、還元剤、抗酸化剤および抗酸化キレート剤を含む。単位用量組成物がFGF−2および内皮細胞レセプターに結合して、その結果、FGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの脈管形成効力を増強するに効果的な量のグリコソアミノグリカン(glycosoaminoglycan((「プロテオグリカン」または「ムコ多糖」としても公知)(例えば、ヘパリン)を含むことは、本発明の範囲内である。ヘパリンは、患者の体重1kgあたり約10〜80U(U/kg)、代表的には約40U/kgの量で投与される。絶対的な用語で表されると、任意の1患者に投与されるヘパリンの総量は、5,000Uを超えない。従って、再構成の際に、本発明の単位用量組成物は、脈管形成に効果的な量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含むのみならず、これはまた、約10〜80U/kg、代表的には約40U/kgのヘパリンを含む。希釈剤の代表的な容量は、約1〜40mlである。より多い容量の希釈剤が使用され得るが、このようなより多い容量は、代表的には、より長い投与時間を生じる。患者の体重kgに依存して、0.2μg/kg〜48μg/kgのrFGF−2、またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含有する単回用量が、患者への投与のために再構成された生成物としてバイアルから引き抜かれる。従って、24μg/kgを服用されている平均70kgの男性は、バイアルから引き抜かれた、(70kg×30μg/kg)2100μg(すなわち、2.1mg)のIC注射を受けるに十分な容量の再構成された生成物を有する。その第2の局面では、本発明は、上記の単位用量組成物を使用する、CADまたはMIについてヒト患者を処置するための方法に関する。特に、1つの実施態様では、本発明は、冠状動脈疾患についてヒト患者を処置するための方法に関し、この方法は、安全かつ治療的に有効な量の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを、冠状動脈疾患についての処置を必要とするヒト患者の、1以上の(代表的には2の)冠状血管または末梢静脈に投与する工程を包含する。冠状動脈疾患の処置を必要とするヒト患者は、代表的には、任意の医学管理にもかかわらずアンギナの症候性のままである冠状動脈疾患を患うヒト患者である。好ましい冠状血管は、冠状動脈であるが、冠状血管形成術(coronary angioplasty)により提供されるように、移植された伏在静脈および移植された内胸動脈もまた、適切である。単位用量組成物を投与するために適切な末梢静脈には、流体および医薬品の投与のために、処置する医師および看護婦によって慣用的に使用されるヒト身体の至る部位に見出される末梢静脈を含む。このような静脈の例には、頭部、肘正中皮、および腕の尺側皮が挙げられる。
冠状内(IC)注入として投与される場合、単位用量のrFGF−2またはその脈管形成フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインは、代表的には、1時間以内、より代表的には約20分の時間にわたって、患者の1以上(代表的には、2)の冠状静脈中に投与される。20分の時間にわたって投与される場合、単位用量組成物は、代表的には、0.5〜2.0ml/分、より代表的には約1ml/分の速度で投与される。冠状静脈は、それらが閉塞されていない限り、ネイティブな血管または移植物であり得る。単位用量のrFGF−2またはその脈管形成フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの容量は、代表的には10〜40ml;より代表的には20mlである。この単位用量の注入の時間の長さは、重要ではなく、そして注入の速度および容量に依存して短縮または延長され得る。
静脈(IV)内注射として投与される場合、単位用量のrFGF−2またはその脈管形成フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインは、代表的には1時間以内、より代表的には20分の時間にわたって、従来のIV設定を使用して末梢静脈中に投与される。20分の時間にわたって投与される場合、単位用量組成物は、代表的には、1ml/分の速度で投与される。
CADを処置するための上記の方法の第一相の臨床試験では、単回の単位用量組成物は、任意の医学管理にもかかわらずアンギナの症候性のままであるCADを有するヒト患者にICまたはIVで投与された。本発明の方法は、脈管形成を誘導するので、本発明の方法は、CADまたはMIにおける根本的な状態の処置を提供し、そして硝酸塩により提供されるような症状からの単なる一過性の解放ではない。代表的には、本発明の方法の安全かつ治療的に有効な量は、0.2μg/kg〜48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含む。他の実施態様において、この安全かつ治療的に有効な量は、0.2μg/kg〜2μg/kg、>2μg/kg〜<24μg/kg、または24μg/kg〜48μg/kgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含む。絶対的な用語では、この安全かつ治療的に有効な量は、約0.008mg〜約7.2mgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン;より代表的には、0.3mg〜3.5mgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインである。適切なrFGF−2は、SEQ ID NO:2のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインである。
別の局面では、本発明はまた、ヒト患者の心臓における脈管形成を誘導するための方法に関する。この方法は、組換えrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの単回の単位用量組成物を、冠状脈管形成を必要とするヒト患者の1以上の冠状血管にまたは末梢静脈に投与する工程であって、上記の単位用量組成物が、約0.008mg〜7.2mgの組換えrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含む、工程を包含する。より代表的には、この単位用量組成物は、約0.3〜3.5mgのrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを、薬学的に受容可能なキャリア中に含む。上記のように、治療的に有効な量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む、単回の単位用量組成物は、既に公知でありかつ医薬品(例えば、血栓崩壊剤、ストレプトキナーゼ、または冠状動脈を可視化するために使用される放射性を透過しない(radio−opaque)色素または磁気粒子)の冠状内投与について当該分野において使用される、標準的な心臓カテーテル技術を使用して、脈管形成を必要とするヒト患者の少なくとも1つの冠状血管に投与される。例としては、冠状カテーテルは、処置を必要とする患者の動脈(例えば、大腿または鎖骨下)に挿入され、そしてこのカテーテルが、処置される患者の適切な冠状血管中に配置されるまで、見えるように前方に押し出される。明確な線を維持するために標準的な注意を使用して、溶液形態の薬学的組成物は、10〜30分の時間にわたって実質的に連続的に単位用量を注射することによって投与される。本発明の薬学的組成物は、より長い時間にわたって投与され得るが、出願人らは有益性およびそうすることによる血栓症の危険性の潜在的な増大を全く認知しない。代表的には、単位用量の一部(例えば、半分)は、第1の冠状血管に投与される。次いで、カテーテルは、第2の冠状血管に再び配置され、そしてこの単位用量の残留物は、このカテーテルを流しながら投与される。上記の再配置手順を使用して、単位用量の一部は、その単位用量の全体が投与されるまで、複数の冠状血管に投与され得る。投与の後に、このカテーテルは、従来の当該分野で公知のプロトコルを使用して引き抜かれる。本明細書中に記載される第一相の臨床試験において、治療の有益性が、単回の単用量のIC rFGF−2投与に従う2週間程度の患者により報告された。臨床的に有意な改善が、本発明の単回の単位用量のICまたはIV投与に従って、30日程度で、客観的な診断基準(ETTおよび/またはSAQ)により実証され、そして服用後の6ヶ月間維持された。進行性CAD疾患を患う特定の患者では、rFGF−2のさらなる単位用量を、最初の単位用量後の6または12ヶ月で投与し、しばらくの(interium)期間の間にCADの進行を克服するために必要または適切であり得る。非常に進行性のCADを患う数人の患者では、本発明の単位用量が、4ヶ月の間隔で再投与される。任意の例では、処置する担当医は、必要とされる場合、患者の臨床徴候の慣用的な評価に基づき再投与についての時間を決定し得る。
本発明の方法の有益性の1つは、心臓の脈管形成である。従って、別の局面において、本発明は、ヒト患者の心臓における脈管形成を誘導するための方法に関し、この方法は、脈管形成的に有効量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含む、単回の単位用量を、冠状脈管形成を必要とするヒト患者の1以上の冠状血管(IC)中または末梢静脈(IV)中に投与する工程を包含する。上記の方法において、脈管形成的に有効量は、約0.2μg/kg〜約48μg/kg(または絶対的な用語では、約0.008mg〜約7.2mg)の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。さらに代表的には、脈管形成的に有効量は、約0.3mg〜約3.5mgの組換えFGF−2またはその脈管形成フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。上記で同定された方法における使用に適切なFGF−2は、SEQ ID NO:2のrFGF−2またはその脈管形成的に活性なフラグメントである。上記の方法の1つの実施態様では、単位用量組成物は、患者の冠状血管にICで、または末梢静脈にIVで投与される。別の実施態様では、この単位用量組成物は、本明細書中に記載されるように、ヘパリンとともに投与される。
上記の冠動脈新脈管形成を提供する方法はまた、1つ以上の冠動脈において心筋梗塞(MI)を経験したヒト患者において有益である。従って、別の局面において、本発明はまた、MIについてヒト患者を処置するための方法に関し、この方法は、上記ヒト患者の1つ以上の冠動脈血管または末梢静脈に、治療的に有効な量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む一単位用量組成物を投与する工程を包含する。上記の方法において、代表的には、単位用量組成物は、薬学的に受容可能なキャリア中に約0.2μg/kg〜約48μg/kg(または絶対的には、約0.008mg〜約7.2mg)の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。上記同定された方法における使用に対して適切なrFGF−2は配列番号2のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントである。
血管形成を必要とする、不安定なアンギナまたは急性心筋梗塞の事象において、本明細書中に開示されている同じ用量のrFGF−2またはその脈管形成フラグメントまたは脈管形成活性ムテインは、それらの状態を処置する際の補助治療としても有用である。従って、別の局面において、本発明は、血管形成を必要とする、不安定なアンギナまたは急性心筋梗塞について患者を処置するための改善された方法に関し、この方法は、処置の必要にある患者に血管形成を提供することを包含し;この改善は、そのヒト患者の1つ以上の冠動脈血管または末梢静脈に、治療的に有効な量のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む一単位用量組成物を投与することを包含する。上記の方法において、単位用量組成物は、薬学的に受容可能なキャリア中に約0.2μg/kg〜約48μg/kg(または絶対的な用語では、約0.008mg〜約7.2mg)の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む。上記同定された方法における使用に対して適切なrFGF−2は配列番号2のrFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントである。
本発明の任意の上記方法において、rFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインは、一酸化窒素(認知された平滑筋拡張薬)の放出に関連しており、患者に投与すると患者の血圧の急激な低下を引き起こす。従って、本発明の方法において、本発明の単位用量を投与する前に、IV液体を患者に補給をする(hydrate)ことが好ましい。さらに、単位用量の安全性および許容性のために、rFGF−2投与中および投与後の積極的な液体管理もまた好まれる。結局、有効量のグリコサミノグリカン(「プロテオグリカン」または「ムコポリサッカライド」としても公知である)を投与する工程(例えば、本発明の単位用量組成物を投与する前に、ヘパリンを0〜30分投与する工程)を包含することもまた、上記の方法の範囲内である。代表的には、投与されるグリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)の有効量は約10〜80U/kgであり、より代表的には、約40U/kgである。しかし、一般的には、投薬する直前に任意の一人の患者に投与されるヘパリンの総量は、5,000Uを超えない。
EDTAが、通常の心筋収縮および心臓伝導に必要なカルシウムの強力なキレーターであるという理由で、EDTAの濃度を最小化することは、患者の安全に対して重大である。100μg/ml未満濃度のEDTAが、ヒト患者へのICまたはIV注入によりrFGF−2の投与の安全性を最適化した。
rFGF−2の急激な大量瞬時投与は、動物における超低血圧(profound hypotension)と関連するので、注入速度は患者の安全に対して重大である。0.5〜2mL/分での投与(代表的には、1mL/分)がヒト患者へのICまたはIV注入によるrFGF−2の投与の安全性を最適化した。
本発明の一単位用量組成物を投与することにより、CADについてヒト患者を処置することに関するフェーズIの臨床試験が実施され、本明細書中の実施例1〜3に記載される。その試験において、CADと診断された66人のヒト患者(本明細書中の実施例2の基準を満たす)が、本発明の方法に従って、一単位用量のrFGF−2を受けた。具体的には、52人のヒト患者に約20分間にわたって、IC注入により単位用量0.33μg/kg〜48μg/kgのrFGF−2が投与された。14人のヒト患者に、約20分間にわたって、IV注入により単位用量18μg/kgまたは36μg/kgのいずれかのrFGF−2が投与された。次いで、66人の処置された患者は、当該分野で認知された評価基準の3セット:1)患者らの運動許容時間(ETT)の変化:2)Seattle Angina Questionnaire(これは、客観的な基準と主観的な基準の混合された組み合わせに基づく評価を提供する):および3)MRIにより評価されるような心臓における物理的変化の測定を使用して、ベースライン(すなわち、一単位用量での処置の前)と比較して、そして一単位用量での処置の1ヶ月後、2ヶ月後、そして6ヶ月後に再び評価された。
実施例1〜3のフェーズIの臨床試験の66人の患者のETTを、Bruceトレッドミルプロトコールを使用して、ベースライン時、(本発明の一単位用量組成物の)投与後1ヶ月、2ヶ月、および6ヶ月に測定した。トレッドミルプロトコールがベースライン時に使用されたものと同じでない場合、その被験体はこの分析から除外された。従って、被験体の数は、時間がたつと変化した。さらに、緊急の血管再生を有するいずれの患者も、この分析から除外された。用量は、ベースラインからのETTの平均変化が60秒よりも大きな値で増加した場合、有効であると考えられた。ETT評価の結果は、表1に提供される。
Figure 0005329729
表1を参照すると、1ヶ月におけるベースラインからの平均変化は、すべての投与群について60秒未満であった。しかし、アンギナによりトレッドミル試験を中止する患者の割合は、すべての群において時間とともに減少した。投与後2ヶ月および6ヶ月におけるベースラインからの平均変化は、用量の多いIC群およびIV群の患者において、用量が少ないかまたは中程度のIC群よりも大きかった。用量の多いIC群(24〜48μg/kg)およびIV群(18および38μg/kg)における各々の6ヶ月の増加したETTの持続性(133.1秒および87.5秒)は予想外であった。ETTの最も大きな平均の増加はそれぞれ2ヶ月および6ヶ月の107.9秒および133.1秒であり、これらは、用量の多い(24〜48μg/kg)IC群において生じた。IV群は、それぞれ2ヶ月および6ヶ月にて93.4秒および87.5秒というETTの有意な平均増加を示し、このことは、本明細書中のラットおよびブタの動物モデルによっては予想されなかった。全体としては、6ヶ月におけるこの効果(ETTの増加)の持続性およびIC群とIV群の両群のその大きさは、全く予想外であった。
本明細書中の実施例1〜3に記載されるフェーズIの臨床試験の66人のヒト患者はまた、Seattle Angina Questionnaire(SAQ)を使用して、評価された。SAQは、認可され、疾患特異的な、クオリティーオブライフの手段であり、これは以下の5つのスケールを評価する:1)「労作能力」=身体的活動の限界;2)「疾患認知」=MIの懸念;3)「処置の満足」;4)「アンギナの頻度」=エピソード数およびニトログリセリンの舌下使用;および5)「アンギナの安定性」=最も激しい身体的活動でのエピソード数。各々の5つのスケールの得点の可能な範囲は、0〜100であり、より高い得点はより良いクオリティーオブライフを示す。代表的には、平均ベースライン得点(すなわち処置前)と処置後の得点の間が8ポイント以上の平均変化は「臨床的に有意」であると認識される。しかし、本分析において、ベースラインからの得点の平均変化が、14ポイントより大きな値で増加した場合、用量は「有効」と考えられた。14が選択された(8の代わりに)理由は、別の増殖因子(VEGF)の臨床試験の2ヶ月時の偽薬群において見られた改善を考慮したためであった。
SAQ評価を実施する際に、ETTについて評価された同じ投与量の群に従って患者を分類した(すなわち、0.33〜2.0μg/kgIC(低);6.0〜12.0μg/kgIC(中);24〜48μg/kgIC(高);ならびに18および36μg/kgIV)。このアンケート用紙を、ベースライン時(投与前)、ならびに本発明に従ってrFGF−2の一単位用量組成物を投与された後の2ヶ月および6ヶ月に各投与量群毎に被験体に与えた。
第1のSAQスケールは「労作能力」である。労作能力に関するデータを、本明細書中の表2に要約する。表2において反映されるように、
Figure 0005329729
平均得点のベースラインからの変化は、3つのIC投与量群の各々について2ヶ月および6ヶ月に増加し、そして6ヶ月にはすべての投与量群(ICおよびIV)について増加した。すべての投与量レベルにおける全得点は、2ヶ月から6ヶ月の日を追うごとに増加し、投与後6ヶ月においてベースラインと比較して最も良い増加(23.2、24.1、22.9および16.5)が見られた。
評価されるべき第2のSAQスケールは、「アンギナの安定性」であった。アンギナの安定性を要約するデータを、本明細書中の表3に示す。
Figure 0005329729
表3によると、アンギナ安定性についての得点の変化は、各群について2ヶ月と6ヶ月の両方でベースラインと比較して増加した。投与後2ヶ月において見られるアンギナ安定性の改善(46.2、32.1、34.3、および39.6)は、6ヶ月において見られる得点よりも有意に大きかった(21.4、16.7、17.7、および23.2)。しかし、投与後、2ヶ月と6ヶ月の両方で見られる得点は、アンギナ安定性の増加においてすべての投与量が有効(>14)であることが判明したことを示した。さらに、増加の大きさおよび6ヶ月間の持続は予想外であった。
評価されるべき第3のSAQスケールは、「アンギナの頻度」であった。アンギナの頻度を要約するデータを、本明細書中の表4に示す。
Figure 0005329729
表4によると、アンギナ頻度についての患者の平均得点(27.9、32.9、28.9および20.0)は2ヶ月で、すべての投与量群について、そしてすべての投与方法(ICまたはIV)について有効量(>14)で増加した(ベースラインと比較して)。患者の平均得点は、中程度の用量(6.0〜12.0μg/kg)群についてのみ6ヶ月で増加し続け、投与後2ヶ月のピーク効果を示唆する。しかし、中程度の用量(6.0〜12.0μg/kg)群および大量の用量(24.0〜48.0μg/kg)群について、2ヶ月および6ヶ月の変化は類似しており、アンギナ頻度の6ヶ月における持続効果を示唆する。評価されるべき第3のSAQスケールは、「アンギナの頻度」であった。アンギナの頻度を要約するデータを、本明細書中の表4に示す。
評価されるべき第4のSAQスケールは、「アンギナの頻度」であった。アンギナの頻度を要約するデータを、本明細書中の表5に示す。
Figure 0005329729
表5によると、処置の満足についての得点は2ヶ月で、中程度および大量の用量のIC群ならびにIV群について有効量で増加した。投与後6ヶ月において、中程度の用量群ICについてのスコアだけが14よりも大きな得点を有し、2ヶ月の処置の満足についてのピーク効果を示唆する。
評価されるべき第5のSAQスケールは、「疾患認知」であった。疾患認知を要約するデータを、本明細書中の表6に示す。表6によると、疾患認知についての得点は、2ヶ月でベースラインから20.2〜29.2という得点まで増加し、6ヶ月で23.8〜34.0まで増加した。これらの得点は、一単位用量組成物を本発明の方法にしたがって投与することは、2ヶ月おいてと同じくらい6ヶ月において有効である(またはより有効)と考えられた。これらの得点は、一単位用量組成物の投与後、6ヶ月以上までの、疾患認知に対する本発明の方法の効果の持続性を示唆する。
Figure 0005329729
本明細書中の実施例1〜3に記載されるフェーズI臨床試験のヒト患者の60人まではまた、彼らの心臓を安静時(resting)磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを使用して評価された。安静時MRIスキャンが、患者に対して、ベースライン時に、ならびに本発明の一単位用量組成物の投与後1ヶ月、2ヶ月、および6ヶ月に実施された。用量は、統計学的有意性(p<0.05)に基づいて「有効」と考えられた。安静時MRIスキャンにより評価される客観的な基準は以下:(1)駆出率;(2)心筋梗塞の程度(%);(3)通常の壁厚;(4)通常の壁運動(%);(5)標的壁肥厚(%);(6)標的壁の運動(%);(7)標的壁領域側副程度(%);および(8)標的領域の遅着の程度(%)である。
安静時MRIに基づくと、「駆出率」の変化は、すべての群について1ヶ月では観察されなかった。1ヶ月におけるすべての群(n=33)についてのベースラインからの平均値変化は2.0%(p=0.042)の増加であった。2ヶ月においては、少用量のIC群(n=13)についてのベースラインからの平均変化は8.1%(p=0.007)の増加であった;そしてすべての群について(n=54)、ベースラインからの平均変化は3.8%の増加であった(p=0.001)。6ヶ月において、大用量のIC群(n=19)についてのベースラインからの平均変化は5.3%(p=0.023)であった;そしてIV群について(n=3)、11.1%であった(p=0.087);そしてすべての群について(n=33)、5.7%であった(p=0.001)。
安静時MRIに基づくと、いずれの群、または投与後の1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月での組合せにおけるすべての群について「心筋梗塞の程度」%の統計学的に有意な変化は存在しなかった。通常の壁運動(%)および通常の壁厚が評価された場合、いづれの一つの群についての1ヶ月、2ヶ月、または6ヶ月でのベースラインからの統計学的に有意な変化は存在しなかった。しかし、標的壁運動において、1ヶ月(n=60)、2ヶ月(n=54)、または6ヶ月(n=33)でのすべての群について、ベースラインからの統計学的に有意な変化は存在し、これはそれぞれ、2.7%(p=0.015)、4.4%(p=<0.001)および6.4%(p<0.001)のベースラインからの平均増加として反映された。しかし、標的壁厚においてもまた、1ヶ月(n=60)、2ヶ月(n=54)、または6ヶ月(n=33)でのすべての群について、ベースラインからの統計学的に有意な変化が存在し、これはそれぞれ、4.4%(p=0.015)、6.3%(p=<0.001)および7.7%(p<0.001)のベースラインからの平均増加として反映された。
MRIにより評価された次の基準は「標的領域側副の程度」(%)であった。標的領域側副の程度におけるすべての群についてベースラインからの平均増加は、1ヶ月(n=31)、2ヶ月(n=27)および6ヶ月(n=16)において高度な統計学有意性であり、ここでその増加はそれぞれ8.3%(p=<0.001)、10.9%(p=<0.001)および11.2%(p=<0.001)であった。最も大きな側副の程度の増加は、少量および中程度のIC用量に対して観察され、すなわち、1ヶ月で(それぞれ10.4%および18.3%)、2ヶ月で(それぞれ14.7%および18.0%)および6ヶ月で(それぞれ16.0%および中程度の用量に対する値はなし)であり、これは全く予想外であった。投与後1ヶ月、2ヶ月および6ヶ月において、IC大用量群について観察された標的領域側副の程度における対応する割合の増加は、それぞれ6.3%、8.0%および9.0%であった。
MRIにより評価された最後の基準は「標的領域の遅着の程度」(%)であった。標的領域の遅着の程度におけるすべての群についてベースラインからの平均減少は、1ヶ月(n=60)、2ヶ月(n=54)および6ヶ月(n=34)において高度に統計学的有意性であり、ここでその減少はそれぞ−5.8%(p=<0.001)、−8.3%(p=<0.001)および−10.0%(p=<0.001)であった。最も大きな標的領域の遅延程度の減少は、少用量のIC群に対して観察され、これは高度に予想外であった。
従って、本発明に従ってCAD患者にrFGF−2の単一ICまたはIV注入を提供することは、その患者に、MRIおよび他の従来の基準により客観的に測定されるような統計学的に有意な身体的改善を提供した。
(薬物動態および代謝)
FGF−2の分子構造は、細胞表面および血管の内壁でプロテオグリカン鎖(ヘパリンおよびヘパリン様構造)に結合することが公知である正に荷電したテールを含む。Moscatelliら「Interaction of Basic Fibroblast Growth Factor with Extracellular Matrix and Receptors」Ann.NY Acad.Sci.638:177〜181(1981)。
腎臓および肝臓はrFGF−2の排泄のための主な器官である。特に、腎臓は、約60kDのタンパク質カットオフを有し、従って血清アルブミン(MW60kD)を保持する。しかし、FGF−2(146残基)は、約16.5kDの分子量を有する。従って、腎排泄が予期される。市販のウシFGF−2(bFGF−2)の放射線標識した生体分布研究において、肝臓および腎臓の両方が、IV注射またはIC注射後1時間で放射線標識した高い計数のbFGF−2を含むことが見られている。公表された研究において、bFGF−2の別の組換えヨウ素化形態がラットに与えられる場合、肝臓が排泄の主な器官であると同定された。Whalenら、「The Fate of Intravenously Administered bFGF and the Effect of Heparin」Growth Factors、1:157〜164(1989)。FGF−2が、全身循環においてα2−マクログロブリンに結合すること、そしてこの複合体がクッパー細胞上のレセプターにより内部移行されることもまた公知である。Whalenら(1989)およびLaMarreら「Cytokine Binding and Clearance Properties of Proteinase−Activated Alpha−2−Macroglobulins」Lab.Invest.,65:3〜14(1991)。Labelled FGF−2フラグメントは血漿中で見出されないが、それらは、尿中で見出され、そして細胞内分解産物に対するサイズに対応している。
前臨床試験において、本発明者らは、家畜のヨークシャーブタへの静脈内(IV)投与および冠内(IC)投与後、およびSprague Dawley(「SD」)ラットにおけるIV投与後のrFGF−2(配列番号2)の薬物動態を決定した。このブタモデルは、線形の薬物動態を示した(0.65μg/kg〜20μg/kg)(ICおよびIV)。このブタモデルにおけるFGF−2の終末半減期は3〜4時間であった。ラットモデルは、30〜300μg/kg IVの範囲にわたる線形の薬物動態を示した。ラットモデルにおけるFGF−2の終末半減期は1時間であった。両方の種が2コンパートメントモデルを示唆する血漿濃度を示した。
同様に、ヒトにおいて、IVおよび/またはIC注入後のFGF−2血漿濃度は、最初の急激な曲線および最初の1時間の数対数スケールにわたるかなりの低下(分布相))を有する二次指数関数的な曲線を伴い、続いて、より穏やかな減少を伴った(排泄相)。図1Aは、血漿濃度対時間の曲線を提供する。これは、以下の8つの用量のそれぞれの関数として、配列番号2のrFGF−2のIC投与後のヒトにおけるこれらの相を示す:除脂肪体重(LBM)の0.33μg/kg、0.65μg/kg、2μg/kg、6μg/kg、12μg/kg、24μg/kg、36μg/kgおよび48μg/kg。図1Aは、20分間にわたるIC注入により投与されるrFGF−2の8つの用量についての血漿用量直線性を示す。図1Aはまた、二相性の血漿レベル低下(すなわち、最初の1時間の速い分布相、その後の排泄相(5〜7時間のT1/2と評価))を示す。配列番号2のFGF−2の血漿濃度を、ヒトFGF−2の分析のために販売された市販のELISA(R&D Systems,Minneapolis MN)により決定した。このELISAアッセイは、配列番号2のrFGF−2と100%の交差反応性を示した。FGFファミリーの他のメンバーおよび多くの他のサイトカインは、このアッセイでは検出されなかった。さらに、ヘパリンはこのアッセイを妨害しない。
図1Bは、IC投与した36μg/kgのrFGF−2と比較した、IV投与の18μg/kgおよび36μg/kgのrFGF−2についての時間の関数としての平均FGF−2血漿濃度のプロットである。IV経路およびIC経路による36μg/kg用量について、図1Bにおける血漿濃度対時間のプロフィールは非常に印象的である。しかし、IC経路で初回通過効果は排除されない。図2は、図1Aおよび1Bに対応するpg*分/mlでの平均FGF−2曲線下面積(AUC)のプロットである。図2は、ICまたはIV注入後の全身性rFGF−2曝露(AUC)の用量直線性を示す。詳細には図2は、IC経路およびIV経路での投与後のrFGF−2に対する全身性曝露が、実質的に類似であることを示す。
図3は、「rFGF−2注入の直前」でのヘパリン投与の時間の関数としての個々のヒト患者血漿クリアランス(CL)値(ml/分/kg)のプロットである。図3は、FGF−2血漿クリアランス(CL)へのヘパリン投与のタイミングの影響を示す。図3は、rFGF−2前100分までのヘパリン投与がFGF−2クリアランスを減少することを示すが、ヘパリン投与のための好ましい時間はrFGF−2投与前0〜30分である。ここでFGF−2クリアランス減少へのヘパリンの効果は最大である。
図4は、「rFGF−2注入前の分単位で」のヘパリン投与の時間の関数としての個々のヒト患者のrFGF−2用量の正規化曲線下面積(AUC)であり、そしてrFGF−2 AUCへのヘパリン投与のタイミングの影響を示す。図4は、最大のAUC/用量が、有効量のグリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)がIC rFGF−2注入の30分以内に、より好ましくはICまたはIV rFGF−2注入の20分以内に、前投与された場合に、達成されることを示す。代表的には、有効量のグリコサミノグリカンは10〜80U/kg ヘパリンである。
投与の投与量および様式の関数としてのヒトにおけるrFGF−2についての平均薬物動態パラメーターは、本明細書中の表8に要約される。表8についていえば、ヒトにおけるFGF−2のT1/2は、低用量(0.33〜2μg/kg)ICでの2.2±3.7時間から18〜36μg/kg IVの用量での7.0±3.5時間までの範囲に決定される;アッセイの限界を考慮して、終末半減期は全ての群について5〜7時間と推定される。FGF−2のクリアランス範囲は、70kg男性について13.2〜18.2L/時間にわたる。結局、定常状態容積(Vss)は、70kgの男性あたり11.3±10.4L〜16.8±10.7Lと決定された。
Figure 0005329729
ヘパリン様構造へのFGF−2の結合は強力である(解離定数約2×10-9M)が、特定のチロシンキナーゼレセプターへのFGF−2の結合は、およそ2ケタ大きい(解離定数約2×10-11M)。Moscatelliら(1991)。従って、どのような理論にも束縛されることはないが、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)とのrFGF−2の複合体は、シグナル伝達および有糸分裂誘発を増加し得、そして/または酵素的分解からrFGF−2を防御する。
以下の実施例は、上記のデータを生じる選択基準および第I相臨床試験についてより詳細を提供する。
(実施例1)
「第I相臨床試験において用いられるrFGF−2の単位用量」
配列番号2のrFGF−2は、単位用量でかつ薬学的組成物として処方され、そしてラット、ブタおよび最終的には、本明細書に言及される第I相臨床試験でヒトに投与される。種々の処方物は以下に記載される。
rFGF−2単位用量は、積層した灰色のブチルゴムの栓および赤色のプルトップのフタを備える3ccのI型ガラスバイアル中の液体として提供された。rFGF−2の単位用量は、10mMのクエン酸ナトリウム、10mMモノチオグリセロール、1mM 二ナトリウム二水和物EDTA(分子量372.2)、135mM塩化ナトリウム、pH5.0中に、1.2mlの0.3mg/mlの配列番号2のrFGF−2を含んでいた。従って、絶対的な用語では、それぞれのバイアル(および単位用量)は、0.36mgのrFGF−2を含んでいた。液体形態で単位用量を含有するバイアルを2℃〜8℃で保管した。
rFGF希釈液は、積層した灰色のブチルゴムの栓および赤色のプルトップのフタを備える5ccのI型ガラスバイアル中に供給した。rFGF−2希釈液は、10mMクエン酸ナトリウム、10mMモノチオグリセロール、135mM塩化ナトリウム、pH5.0を含む。それぞれのバイアルは5.2mlのrFGF−2希釈液を含み、それを2℃〜8℃で保存した。
成分を溶出させたrFGF−2の薬学的組成物を、rFGF希釈液で注入容量が1040mlであるようにrFGF−2の単位用量を希釈することにより調製した。100μg/mlの予備設定限界未満のEDTA濃度を保持するため、より高い体重を有する患者に比例してより高い絶対量のFGF−2を投与した場合、総注入容量を最大40mlに増加した。
(実施例2)
「rFGF−2での処置のための冠動脈疾患患者の選択基準」
以下の選択基準をフェーズIの冠動脈疾患患者に適用した。彼らの活動は、最適な医療処置にもかかわらず冠動脈虚血により制限されており、そして彼らは承認された血管再生治療の候補ではなかった:
(包含基準:被験体は、以下の場合は適格である:)
・男性または女性、18歳以上
・冠動脈疾患(CAD)の診断
・承認された血管再生手順(例えば、血管形成術、ステント、冠動脈バイパス移植(CABG))の次善の候補(またはこれらの介入を拒絶する)
・改変Bruceプロトコールを用いて少なくとも3分の運動が可能でかつ冠動脈虚血により制限されている。
・薬理学的に強調したタリウムセスタンイビ(sestamibi)スキャンでの少なくとも20%の心筋の誘導性かつ可逆的な欠損
・必要な心カテーテル法のために臨床的に受容可能な範囲内のCBC、血小板、血清化学
・正常なINRか、またはクーマディンで抗凝血する場合、INR<2.0
・全ての必要な研究手順および追跡の訪問を含む、本研究に参加するための書面のインフォームドコンセントに賛同しかつ受け入れ可能
(除外基準:被験体は、以下の場合は、適格でない)
・悪性腫瘍:治癒的に処置された基底細胞癌を除き、過去10年内のなにかの悪性腫瘍の既往歴
・眼の状態:増殖性網膜症、重篤な非増殖性網膜症、網膜静脈閉塞、イールズ病、もしくは黄斑性浮腫または眼科医による眼底検査:6ヶ月以内の眼内外科の既往歴
・網膜機能:年齢で調節される正常な範囲未満のクレアチニンクリアランス;タンパク質>250mgまたはマイクロアルブミン>30mg/24時間 尿素
・クラスIVの心不全(New York Heart Association)
・駆出率<20%(心エコー、タリウムスキャン、MRIまたはゲート化プール血液スキャン(gated pooled blood scan(MUGA)で測定)
・血行動態関連不整脈(例えば、心室性細動、持続性心室性頻脈)
・重篤な弁狭窄症(大動脈弁領域<1.0cm2、僧坊弁領域<1.2cm2)または重篤な弁機能不全
・3週内の狭心症または不安定狭心症の顕著な増大
・3ヶ月内の心筋梗塞(MI)の既往歴
・6ヶ月内の一過性虚血発作(TIA)または発作の既往歴
・6ヶ月内のCABG、血管形成術またはステントの既往歴
・6ヶ月内の経心筋的レーザー血行再建術、rFGF−2または血管内皮増殖因子(VEGF)での処置の既往歴
・妊娠の可能性のある女性または授乳婦
・あらゆる病理的線維症(例えば、肺線維症、強皮症)
・血管奇形の既知(例えば、AV奇形、血管腫)
・CADの症状のアセスメントを妨害するなんらかの疾患(例えば、心膜炎、肋軟骨炎、食道炎、全身性脈管炎、鎌状赤血球病)の合併
・改変Bruceプロトコール運動ストレス試験の実施を制限するなんらかの疾患(例えば、下肢の切断術もしくは麻痺症、下肢の重篤な関節炎、重篤な慢性閉塞性肺疾患(COPD))の合併
・30日以内の、治験薬、デバイスまたは手順の臨床試験への参加(または治験薬の60日以内の計画)
・rFGF−2または関連する化合物に対する既知の過敏性
・研究者の意見で、被験体を本研究への参加に不適切にする任意の条件(例えば、精神病、重篤な精神遅滞、研究者とのコミュニケーション不能、薬物またはアルコール乱用)。
(実施例3)
(ヒトに投与された組換えFGF−2(配列番号2)に関するフェーズI臨床研究)
本実施例のフェーズI CAD試験は、安全性、耐容性および薬物動態学について、組換え線維芽細胞増殖因子−2(rFGF−2)の開放標識用量増大研究である。この研究は2箇所で実施された:BostonにあるBeth Israel Deaconess Hospital(Harvard)、Atlanta、GAにあるMA and Emory University Hospital。記録は完全である。被験体は、1日目にrFGF−2の単回注入で処置され、そして360日間追跡された;フォローアップは幾人の被験体ではなお終了していない。
被験体集団は、冠状動脈虚血により運動制限されている進行性CADを持つ患者からなり、そして確立された再血管形成手順の1つ(例えば、CABG、血管形成−−ステントとともにまたはステントなし)について(またはこれを受けたくない)準最適候補と考えれる。主要な排除規準は、悪性、非代償性心不全または左心室駆出率<20%、腎不全またはタンパク尿、および種々の眼症状(例えば、進行性糖尿病性網膜症、重篤な非進行性網膜症)の病歴または疑いであった。
66人の被験体は、この試験で、配列番号2のrFGF−2を受け:52人がrFGF−2をIC注入として受け、そして14人がそれをIV注入として受けた。各被験体は病院内で少なくとも24時間観察され、次いで、フォローアップ訪問で360日の間(15、29、57、180および360日)外来患者として追跡された。少なくとも4人の被験体が各用量で研究された;被験体が6日以内にプロトコールにより規定されたような用量制限毒性を経験しなかった場合、用量を増大した。薬物は、冠状動脈血液供給(IC)の2つの主要な供給源間に分割された単回の20分の注入として、(血管形成術で既に採用されているような)患者の冠状動脈中、または末梢静脈(IV)内にカテーテルを配置するための標準的な技法を用いて投与された。IC投与されたrFGF−2の用量μg/kg(および患者の数)は、配列番号2のrFGF−2の0.33(n=4)、0.65(n=4),2.0(n=8)、6.0(n=4)、12.0(n=4)、24(n=8)、36(n=10)および48(n=10)であった。IV投与されたrFGF−2の用量μg/kg(および患者の数)は、配列番号2のrFGF−2の18.0(n=4)および36.0(n=10)であった。
アンギナ頻度および生活の質は、ベースライン(rFGF−2投与前)、およびrFGF−2投与後2ヶ月ならびに6ヶ月にSeattle Angina Questionnaire(SAQ)により評価した。運動許容時間(ETT)は、1、2、および6月目に踏み車試験(treadmill test)により評価した。休止/運動核灌流およびゲート化セスタンイビ−決定安静(gated sestamibi−determined)駆出率(EF)、ならびに休止磁気共鳴造影(MRI)を、ベースライン、ならびにrFGF−2投与の1ヶ月、2ヶ月および6ヶ月後に評価した。心臓機能および灌流における変化を%で客観的に測定すると考えられたMRI測定は;(1)駆出率;(2)心筋梗塞程度(%);(3)正常壁肥厚;(4)正常運動(%);(5)標的壁肥厚(%);(6)標的壁運動(%);(7)標的壁領域側副程度(%);および(8)標的領域遅延到達程度(%)を含めた。
4人の被験体うち1人が、(プロトコールにより規定されるような)用量制限毒性を経験した場合、その用量で4人のさらなる被験体が調査され;誰もが毒性を経験しなかった場合、用量が増大され、そして別の群が研究された。最大許容用量(MTD)は、9/10の被験体が許容したIC用量、すなわち36μg/kg ICとして規定された。
注入前の注意深い流体管理は、SwanGanzカテーテルを用いて処方され、そして生命徴候は、投薬の間に頻繁にモニターされた。ヘパリンを、すべての群においてrFGF−2の注入の前にIV投与した。EDTA濃度は、単位用量組成物中で100μg/mlより少なかった。投与された研究薬物の容量は、用量および被験体の体重で変化させ、そして低用量で10mlから高用量で40mlの範囲であった。
(予備的結果)
本明細書に提示された結果は未監査であり、そしてすべての群(1〜10)について6ヶ月のフォローアップで66人の被験体に対する第3回目の中間分析、およびChiron Drug Safetyからの1999年7月29日の重症の副作用(SAE)レポートに基づく。最後の来院(360日目)のデータ収集および最終解析は進行中である。
0.33μg/kg ICの開始用量は、8つの系列の群にわたって48μg/kg ICまで増大させ、この用量で、10人の被験体の2人が、プロトコールにより規定されたような用量制限毒性(低血圧症)を経験した。低血圧症は、すべての被験体において流体単独で管理可能であった(昇圧または補助デバイスなし)。36μg/kg ICで、10人の被験体の1人のみが、用量制限毒性を有し、このことは、この用量を最大許容用量(MTD)として規定した。2つの追加の群をIV注入により試験した;4人の被験体はMTDの半分(18μg/kg)および10人の被験体はMTD(36μg/kg)。
低血圧症は、Yorkshireブタにおける動物モデルにより予想されたように、ヒトにおける用量制限であった。しかし、36.0μg/kg rFGF−2 ICはヒトでは耐性であった;その一方ブタでは20.0μg/kg rFGF−2 ICは2匹の動物の1匹で難解な低血圧症を引き起こした。ヒトにおけるより良好な耐容性は、積極的な流体管理および一般的な感覚消失の不在に起因した。
1999年7月29日付けで、33の重篤な副作用事象(SAE)が24/66の被験体で生じたが、用量関連ではなかった。15のSAEは、少なくとも潜在的にはrFGF−2に関連したと考えられた;調査者および医療管理者により割り当てられた関連性の間に差異が存在したときは、常に、より保存的な関係が割り当てられた。SAEは5人の被験体で複数であった:01103(0.33μg/kg IC)、01106(0.65μg/kg IC)、01113(2.0μg/kg IC)、01137(36.0μg/kg IV)、02101(0.65μg/kg IC)。
1日目の最も頻繁な処置で緊急の副作用事象(AE)は、一時的な収縮期の低血圧症および一時的な徐脈であった。低血圧症は、用量依存性であり、そして24μg/kg ICより大きいかまたはそれに等しい(>または=)用量でより頻繁に生じた;徐脈は用量依存性ではなかった。少なくとも関連する可能性があると見なされ、そして用量に関連したようであった他の副作用事象(AE)は、感染後最初の数日または1週間以内に生じ、そして胸の痛み、息切れ、不眠、不安、および吐気を含んだ。これらの事象は重篤度で軽度〜中程度であり、そしてほとんどは特定の介人を必要としなかった。
IC投与されたとき、この薬物は、カテーテルを患者の冠状動脈中に配置するための(血管形成ですでに採用されているような)標準的な技法を用い、冠状血液供給(IC)の2つの主要な供給源間に分割した単回注人として、約20分にわたって投与された。IV投与されるとき、この薬物は、末梢静脈中に20分にわたる注入として投与された。
予備的な安全性結果は、重篤な事象は用量に関連しなかったことを示す。これまで、8つのIC用量群のうち低用量群で3人が死亡し(すなわち、0.65μg/kg(23日)、2.0μg/kg(57日)および6.0μg/kg(63日))、そして最も高い用量群で1人が死亡(すなわち、48.0μg/kg(投薬後約4ヶ月))した。死亡のうち3人は心臓;1人の死亡は、群4(6.0μg/kg)の患者で投薬の3週間後に診断された大きなB細胞リンパ腫に起因し、この患者は投薬の2ヶ月後に死亡した。
急性心筋梗塞(MI)が4人の患者で生じた。すなわち、群1(0.33μg/kg)、群3(2.0μg/kg)、群4(6.0μg/kg)および群7(36.0μg/kg)の各々からの1人の患者である。複数のMIが2人の患者で生じた。すなわち、群1(0.33μg/kg)から1人および群3(2.0μg/kg)から1人である。緊急血管再形成手順(ステントとともにまたはステントなしのCABGまたは血管形成術)を4人の患者でフォローアップの間に実施した:群1(0.33μg/kg)、群3(2.0μg/kg)、群4(6.0μg/kg)および群7(36.0μg/kg)の各々から1人である。
注入の間または直後により高い用量で観察された急性低血圧症状は、昇圧薬の必要なしにIV流体の投与により管理された。ヒトにおける最大許容用量(MTD)は、36μg/kg ICと規定された。(対照的に、ブタでは、このMTDは6.5μg/kg ICであった。) 48μg/kg ICまでのrFGF−2の用量が、積極的な流体管理でヒト患者に投与されたが、10人の患者のうち2人の急性および/または起立性低血圧症に起因して、プロトコールにより「許容されない」と規定された。注入されたrFGF−2の末端半減期は5〜7時間と推定された。
本研究における配列番号2のrFGF−2の単回ICまたはIV注入で処置されたヒト患者は、ETTにおいて1.5〜2分の平均増加を示した。表1を参照のこと。これは特に顕著である。なぜなら、ETTにおける30秒より大きい(>)増加は有意であり、そして血管形成術のような代替治療を評価するための基準と考えられているからである。SAQにより測定されるような、アンギナ頻度および生活の質は、試験された66人の患者(n=66)に対する5つのサブスケールの全部において2月で有意な改善を示した。表2〜壁6を参照のこと。表2〜6中、14以上の平均変化は、「臨床的に有意」と考えられた。
33人のヒトCAD患者を、ベースライン、ならびに1、2、および6月で本発明の単回単位用量組成物をICまたはIV経路により受けた後、休止心臓磁気共鳴造影(MRI)により評価したとき、高度に統計的に有意な増加が、標的壁肥厚、標的壁運動および標的領域側副程度において観察され;高度に統計的に有意な減少が標的領域遅延到達程度において観察され;そして正常壁運動、正常壁肥厚または心筋梗塞程度において統計的に有意な変化は観察されなかった。
上記の規準(すなわち、ETT SAQ、MRI)に加えて、脈管形成効果が少なくとも6ヶ月継続する場合に、処置は非常に成功したと考えられる。現在のフェーズI研究では、予期せぬ優れた脈管形成効果が、すべての投薬群の幾人かの患者で6ヶ月まで継続することが観察された。既に得られた結果に基づけば、この脈管形成効果は、患者において、12ヶ月以上続き得、少なくとも6ヶ月は続き、必要であれば、その時点でこの手順が繰り返され得る。
(実施例4)
(冠状動脈疾患を処置するためにヒトに投与されるrFGF−2(配列番号2)に関する提案フェーズII臨床研究)
冠状動脈疾患についてヒト患者を処置するためのrFGF−2のフェーズII臨床試験は、4つのアーム:偽薬、0.3μg/kg、3.0μg/kg、および30μg/kgの1回IC投与、を有するダブルブラインド/偽薬コントロール研究として実施する。この研究は、進行中であり、そして結果はまだ利用可能ではない。
(実施例5)
(フェーズIIヒト臨床試験のためのrFGF−2の単位用量および薬学的組成物)
配列番号2のrGFG−2は、本明細書で参照されるフェーズII臨床試験においてヒトへの投与のための単位用量の薬学的組成物として処方された。種々の処方物を以下に記載する。
rFGF−2単位用量を、積層された灰色のブチルゴム栓および赤色のフリップオフオーバーシールを備えた5ccのタイプIガラスバイアル中の液体として調製した。このrFGF−2処方物は、10mMクエン酸ナトリウム、10mMモノチオグリセロール、0.3mM EDTA2ナトリウム2水和物(分子量372.2)、135mM塩化ナトリウム、pH5.0中に配列番号2のrFGF−2の0.3mg/mlを含む。各バイアルは、3.7mlのrFGF−2薬物産物溶液を含んだ(バイアルあたり1.11mgのrFGF−2)。液体形態中の得られる単位用量を−60℃以下で貯蔵する。上記に記載した単位用量は、「rFGF−2偽薬」で希釈する。患者のサイズに依存して、いくつかのバイアルの内容物を組み合わせ、フェーズII研究のための36μg/kgの単位用量を生成し得る。
rFGF−2偽薬を、積層された灰色のブチルゴム栓および赤色のフリップオフオーバーシールを備えた5ccのタイプIガラスバイアル中の透明無色の液体として供給する。このrFGF−2偽薬は、薬物製品と外見上識別不能であり、そして以下の処方を有する:10mMクエン酸ナトリウム、10mMモノチオグリセロール、0.3mM EDTA2ナトリウム2水和物(分子量372.2)、135mM塩化ナトリウム、pH5.0。各バイアルは、5.2mlのrFGF−2偽薬溶液を含む。単位用量とは異なり、このrFGF−2偽薬は、2℃〜8℃で貯蔵する。
注入されるrFGF−2薬学的組成物は、rFGF−2単位用量を、rFGF希釈剤で、注入用量がフェーズII用に20mlであるように希釈することにより調製される。
図1Aは、20分間にわたってヒトにIC注入によって投与された、8つの異なる用量のrFGF−2(配列番号2)についての、時間プロフィールに対する平均rFGF−2血漿濃度のプロットである。図1Aに示されるrFGF−2の8つの用量は、0.33、0.65、2、6、12、24、36、および48μg/除脂肪体重kgである(LBM)。 図1Bは、20分間にわたってヒトにIV注入によって投与された、2つの異なる用量のrFGF−2(配列番号2)についての、時間プロフィールに対する平均rFGF−2血漿濃度のプロットである。図1Bに示されるrFGF−2の2つのIV用量は、18および36μg/kgである。rFGF−2の36μg/kgのIC投与後の平均濃度−時間プロフィールが、比較のために含まれる。 図2は、図1Aおよび1Bに対応する、pg*分/mlでの平均FGF−2曲線下領域(AUC)のプロットである。このプロットは、ICまたはIV注入に続く全身性rFGF−2曝露の用量線形性を示す。IC経路についてのこの全身性曝露は、IV投与に続いて見られるものと類似である。 図3は、「rFGF−2注入前の分」でのヘパリン投与の時間関数としての個々のヒト患者FGF−2血漿クリアランス(CL)のプロットであり、そしてヘパリン投与のタイミングの、rFGF−2血漿クリアランス(CL)に対する影響を示す。 図4は、「rFGF−2注入前の分」でのヘパリン投与の時間関数としての、個々のヒト患者FGF−2用量正規化曲線下領域(AUC)のプロットであり、そしてヘパリン投与のタイミングの、rFGF−2AUCに対する影響を示す。

Claims (36)

  1. その単回投与によりヒトにおいて脈管形成を誘導するための位用量組成物であって、0.008mg〜7.2mgの、FGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含み、該単位用量が該ヒトの1つ以上の冠状血管内または1つの末梢静脈内へと与されることを特徴とし、ここで、該FGF−2のフラグメントは、N末端短縮、C末端短縮またはこれらの組み合わせを含み、かつ、少なくとも、配列番号2のFGF−2の残基30〜110に対応する残基を有し、そして、該FGF−2のムテインは、天然に存在するFGF−2に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、脈管形成活性を有する、組成物であって、該単位用量組成物の単回投与は、該ヒトにおいて少なくとも4〜6ヶ月間該組成物での再処置を必要としないような治療利益を提供する、組成物
  2. 請求項1に記載の単位用量組成物であって、0.3mg〜3.5mgの、FGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含む、組成物。
  3. 請求項1に記載の単位用量組成物であって、前記FGF−2が配列番号2のアミノ酸配列を有する、組成物。
  4. 請求項3に記載の単位用量組成物であって、0.3mg〜3.5mgの、前記配列番号2のFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含む、組成物。
  5. 請求項3に記載の単位用量組成物であって、0.008mg〜7.2mgの、前記配列番号2のFGF−2の前記脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含む、組成物。
  6. 請求項5に記載の単位用量組成物であって、0.3mg〜3.5mgの、前記配列番号2のFGF−2の前記脈管形成活性ムテインを薬学的に受容可能なキャリア中に含む、組成物。
  7. 請求項3に記載の単位用量組成物であって、0.008mg〜7.2mgの、前記配列番号2のFGF−2の前記脈管形成活性フラグメントを薬学的に受容可能なキャリア中に含む、組成物。
  8. 請求項7に記載の単位用量組成物であって、0.3mg〜3.5mgの、前記配列番号2のFGF−2の前記脈管形成活性フラグメントを薬学的に受容可能なキャリア中に含む、組成物。
  9. 請求項3に記載の単位用量組成物であって、0.008mg〜7.2mgの、前記配列番号2のFGF−2を薬学的に受容可能なキャリア中に含む、組成物。
  10. その単回投与により冠状動脈疾患に関してヒト患者を処置するため組成物であって、該組成物は、該冠状動脈疾患に関する処置が必要なヒト患者中の1つ以上の冠状血管内または1つの末梢静脈内への与に適した、安全かつ治療的に有効な量の、一単位用量の、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含み、該治療的に有効な量が患者の体重について0.2μg/kg〜48μg/kgであり、ここで、該FGF−2のフラグメントは、N末端短縮、C末端短縮またはこれらの組み合わせを含み、かつ、少なくとも、配列番号2のFGF−2の残基30〜110に対応する残基を有し、そして、該FGF−2のムテインは、天然に存在するFGF−2に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、脈管形成活性を有する、組成物であって、該一単位用量の単回投与は、該ヒトにおいて少なくとも4〜6ヶ月間該組成物での再処置を必要としないような治療利益を提供する、組成物
  11. 請求項10に記載の組成物であって、前記組換えFGF−2が配列番号2のアミノ酸配列を有する、組成物。
  12. 請求項11に記載の組成物であって、前記配列番号2の組換えFGF−2または前記その脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの前記投与の0〜30分以内前に、前記ヒト患者に投与するのに適した、10U/kg〜80U/kgのヘパリンをさらに含む、組成物。
  13. 請求項12に記載の組成物であって、前記治療的に有効な量の、前記配列番号2の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインが、1つ以上の冠状血管への投与に適している、組成物。
  14. 請求項13に記載の組成物であって、前記配列番号2の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの、治療的に有効な量が、24μg/kg〜48μg/kgである、組成物。
  15. 請求項12に記載の組成物であって、前記治療的に有効な量の、前記配列番号2の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインが、1つの末梢静脈への投与に適している、組成物。
  16. 請求項15に記載の組成物であって、前記配列番号2の組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインの、治療的に有効な量が、18μg/kg〜36μg/kgである、組成物。
  17. その単回投与により冠状動脈疾患に関してヒト患者を処置するための成物であって、該組成物は、冠状動脈疾患に関する処置が必要なヒト患者中の1つ以上の冠状血管内または1つの末梢静脈内への与に適した、一単位用量の、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含み、該単位用量が、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン0.008mg〜7.2mgを含み、ここで、該FGF−2のフラグメントは、N末端短縮、C末端短縮またはこれらの組み合わせを含み、かつ、少なくとも、配列番号2のFGF−2の残基30〜110に対応する残基を有し、そして、該FGF−2のムテインは、天然に存在するFGF−2に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、脈管形成活性を有する、組成物であって、該一単位用量の単回投与は、該ヒトにおいて少なくとも4〜6ヶ月間該組成物での再処置を必要としないような治療利益を提供する、組成物
  18. 請求項17に記載の組成物であって、前記FGF−2が配列番号2のアミノ酸配列を有する、組成物。
  19. 請求項18に記載の組成物であって、前記一単位用量が、前記ヒト患者において少なくとも4ヶ月続く治療利益を生成する、組成物。
  20. 請求項19に記載の組成物であって、前記一単位用量が、前記ヒト患者において6ヶ月続く治療利益を生成する、組成物。
  21. 請求項20に記載の組成物であって、前記一単位用量が、前記ヒト患者において、第2回の単位用量の投与が6ヶ月間必要でないような効果の大きさおよび持続期間の治療利益を生じる、組成物。
  22. 請求項20に記載の組成物であって、前記一単位用量が、1つ以上の冠状動脈への投与に適している、組成物。
  23. 請求項20に記載の組成物であって、前記一単位用量が、1つの末梢静脈への投与に適している、組成物。
  24. 請求項20に記載の組成物であって、前記単位用量が、組換えの配列番号2のFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン0.3mg〜3.5mgを含む、組成物。
  25. 請求項19に記載の組成物であって、前記患者に対して、前記単位用量の前記投与の0〜30分前に、静脈内または冠状動脈内投与するのに適した、10U/kg〜80U/kgのヘパリンをさらに包む、組成物。
  26. その単回投与によりヒト患者の心臓において脈管形成を誘導するための成物であって、該組成物は、冠状動脈疾患についての処置を必要とするヒト患者中の1つ以上の冠状動脈血管内または1つの末梢静脈内への単回投与としての投与に適した、一単位用量の、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含み、該単位用量は、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン0.008mg〜7.2mgを含み、ここで、該FGF−2のフラグメントは、N末端短縮、C末端短縮またはこれらの組み合わせを含み、かつ、少なくとも、配列番号2のFGF−2の残基30〜110に対応する残基を有し、そして、該FGF−2のムテインは、天然に存在するFGF−2に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、脈管形成活性を有する、組成物であって、該一単位用量の単回投与は、該ヒトにおいて少なくとも4〜6ヶ月間該組成物での再処置を必要としないような治療利益を提供する、組成物
  27. 請求項26に記載の組成物であって、前記FGF−2が配列番号2のアミノ酸配列を有する、組成物。
  28. 請求項27に記載の組成物であって、前記一単位用量が、前記ヒト患者において、1つ以上の臨床的終点の少なくとも4ヶ月続く改良を生じる、組成物。
  29. 請求項28に記載の組成物であって、前記一単位用量が、前記ヒト患者において、1つ以上の臨床的終点の6ヶ月続く改良を生じる、組成物。
  30. その単回投与により心筋梗塞についてヒト患者を処置するための成物であって、該組成物は、該ヒト患者中の1つ以上の冠状動脈血管内または1つの末梢静脈内への与に適した、一単位用量の、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含み、該単位用量は、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン0.008mg〜7.2mgを含み、ここで、該FGF−2のフラグメントは、N末端短縮、C末端短縮またはこれらの組み合わせを含み、かつ、少なくとも、配列番号2のFGF−2の残基30〜110に対応する残基を有し、そして、該FGF−2のムテインは、天然に存在するFGF−2に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、脈管形成活性を有する、組成物であって、該一単位用量の単回投与は、該ヒトにおいて少なくとも4〜6ヶ月間該組成物での再処置を必要としないような治療利益を提供する、組成物
  31. 請求項30に記載の組成物であって、前記患者に対して、前記単位用量を投与する0〜30分前に、静脈内または冠状動脈内投与するのに適した、10U/kg〜80U/kgのヘパリンをさらに包む、組成物。
  32. 請求項30に記載の組成物であって、前記FGF−2が配列番号2のアミノ酸配列を有する、組成物。
  33. 請求項30に記載の組成物であって、前記単位用量が1つの末梢静脈への投与に適している、組成物。
  34. 請求項30に記載の組成物であって、前記単位用量が、前記患者の1つ以上の冠状血管への投与に適している、組成物。
  35. その単回投与によりヒト患者にアンギナの症状からの解放を提供するための成物であって、該組成物は、該アンギナの症状からの解放を必要とするヒト患者中の1つ以上の冠状動脈血管内または1つの末梢静脈内への与に適した、一単位用量の、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテインを含み、該単位用量は、組換えFGF−2またはその脈管形成活性フラグメントもしくは脈管形成活性ムテイン0.008mg〜7.2mgを含み、ここで、該FGF−2のフラグメントは、N末端短縮、C末端短縮またはこれらの組み合わせを含み、かつ、少なくとも、配列番号2のFGF−2の残基30〜110に対応する残基を有し、そして、該FGF−2のムテインは、天然に存在するFGF−2に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、脈管形成活性を有する、組成物であって、該一単位用量の単回投与は、該ヒトにおいて少なくとも4〜6ヶ月間該組成物での再処置を必要としないような治療利益を提供する、組成物
  36. 請求項35に記載の組成物であって、前記FGF−2が配列番号2のアミノ酸配列を有する、組成物。
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